JP6652482B2 - 基地局装置及び無線通信システム - Google Patents
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Description
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における無線通信システム100のシステム構成を表す構成図である。無線通信システム100は、端末装置10及び基地局装置20を備える。端末装置10と基地局装置20とは、ミリ波等の高い周波数帯を用いて近距離で通信を行う。
端末装置10は、ユーザによって携帯される通信装置である。端末装置10は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートパソコン、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器等の情報処理装置を用いて構成される。端末装置10は、アンテナアレー101を備える。アンテナアレー101は、複数のアンテナ素子で構成される。
第1の実施形態では、端末装置10は、アンテナアレー101が開口部203に向かい合うように配置される。
一方、本発明における無線通信システム100の場合、遷移線32に示すように、端末装置10が中心(端末位置=0を、端末装置10のアンテナアレー101の中心が開口部203の中心にある状態と定義する)の場合には、従来の無線通信システムに比べてやや低い伝送路容量となる。この理由は以下の通りである。見通しMIMOの特徴は、背景技術の説明で述べた通り、図10で示したような、端末装置1のアンテナアレー11と、基地局装置2のアンテナアレー21とが正面で向かい合う理想的な状態では、マルチパスに富んだ環境でのMIMOの平均的容量(i.i.d.伝送路での容量)を超える伝送路容量が得られる点にある。したがって、本発明によるMIMO伝送(マルチパスに富んだ環境でのMIMO伝送)では、従来の無線通信システム(見通しMIMO)よりもやや低い伝送路容量となる。しかし、端末位置がずれても空間相関の大きさは大きくは変わらない(理想的なi.i.d.伝送路が実現できていれば相関は変わらない)ため、端末位置のずれ、つまり基地局装置20のアンテナアレー202と、端末装置10のアンテナアレー101との位置ずれによる伝送路容量の劣化は従来の無線通信システムに比べて小さく抑えられる。
端末装置10は、開口部203を塞ぐように配置されてもよい。
端末装置10にも電波反射箱を設けて、電波反射箱内にアンテナアレー101を備えられるように構成されてもよい。
図3は、第2の実施形態における無線通信システム100aのシステム構成を表す構成図である。第2の実施形態では、電波反射箱の内壁面には凹凸が設けられ、端末装置の表面の一部に電波を反射する反射素材が設けられる。無線通信システム100aは、端末装置10a及び基地局装置20aを備える。
端末装置10aは、アンテナアレー101及び反射素材102を備える。アンテナアレー101は、複数のアンテナ素子で構成される。反射素材102は、できるだけ反射率の高い素材で構成されることが望ましい。反射素材102は、端末装置10aの表面の一部に設けられる。
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に変形例されてもよい。
図4は、第3の実施形態における無線通信システム100bのシステム構成を表す構成図である。第3の実施形態では、基地局装置が備えるアンテナアレーを構成する各アンテナ素子が電波反射箱の中に一部又全てが異なる向きで分散して配置される。無線通信システム100bは、端末装置10及び基地局装置20bを備える。端末装置10は、第1の実施形態における端末装置10と同様の構成であるため説明を省略する。
第3の実施形態は、第1の実施形態と同様に変形例されてもよい。
図5は、第4の実施形態における無線通信システム100cのシステム構成を表す構成図である。第4の実施形態では、基地局装置が、電波反射箱の開口部にスリット板(偏光板)204を備え、アンテナアレー202cが放射又は受信する電波と直交する偏波の電波のみを透過する。無線通信システム100cは、端末装置10c及び基地局装置20cを備える。
第4の実施形態は、第1の実施形態と同様に変形例されてもよい。
本実施形態では、アンテナアレー101cが特定の偏波の電波として水平偏波の電波のみを放射又は受信する構成を示し、アンテナアレー202cが、少なくとも開口部203を見通す方向に対しては、垂直偏波の電波のみを放射又は受信する構成を示したが、これに限定される必要はない。例えば、アンテナアレー101cが、特定の偏波の電波として垂直偏波の電波のみを放射又は受信する構成で、アンテナアレー202cが、少なくとも開口部203を見通す方向に対しては、水平偏波の電波のみを放射又は受信する構成であってもよい。このように構成される場合、スリット板204は、垂直偏波の電波のみを通過するように構成される。
図6は、第5の実施形態における無線通信システム100dのシステム構成を表す構成図である。第5の実施形態では、基地局装置が、開口部の内側に、誘電体で作られたレンズを備え、電波反射箱内から開口部に向かう電波を端末装置のアンテナアレーに集束する。無線通信システム100dは、端末装置10c及び基地局装置20dを備える。端末装置10cは、第4の実施形態における端末装置10cと同様の構成であるため説明を省略する。
また、電波反射箱201の多重反射で生じるスリットへの入射角が大きい信号をレンズ205により曲げ、信号の進行方向を端末側に限定することで、受信信号のSN比向上が見込まれる。
第5の実施形態は、第4の実施形態と同様に変形例されてもよい。
レンズ205は、開口部203の外側に配置されてもよい。
図7は、第6の実施形態における無線通信システム100eのシステム構成を表す構成図である。第6の実施形態では、基地局装置が、電波を反射するとともに、位置や向き、形状等の状態を変化させることが可能な導体の構造物(チューナー)を電波反射箱内に備え、自装置内で送信された試験信号に基づいて空間相関がより低くなるように導体の構造物の位置や向き、形状等のチューナーの状態を変化させる。無線通信システム100eは、端末装置10及び基地局装置20eを備える。端末装置10は、第1の実施形態における端末装置10と同様の構成であるため説明を省略する。
第6の実施形態は、第1の実施形態と同様に変形例されてもよい。
本実施形態では、伝搬観測回路208が、チューナー206の位置を変更する構成を示したが、伝搬観測回路208は、チューナー206の向き、又は、形状を変更するように構成されてもよい。チューナー206の形状を変更するとは、例えばチューナー206が蝶番のような可動部で複数の金属板を連結した構造物、又は、ばねのような構造物である場合に、該構造物を曲げ伸ばし、伸縮等を行うことによって形状を変更することを意味する。
電波反射箱201内の内壁面には凹凸が設けられてもよい。このように構成される場合、伝搬観測回路208は、凹凸の状態を変化させるように構成されてもよい。
図8は、第7の実施形態における無線通信システム100fのシステム構成を表す構成図である。第7の実施形態では、基地局装置が、電波を反射するとともに、位置や向き、形状等の状態を変化させることが可能な導体の構造物(チューナー)を電波反射箱内に備え、端末装置から送信された試験信号に基づいて空間相関がより低くなるように導体の構造物の位置や向き、形状等のチューナーの状態を変化させる。無線通信システム100fは、端末装置10f及び基地局装置20fを備える。
基地局装置20fは、電波反射箱201、アンテナアレー202及びチューナー206を備える。電波反射箱201は、電波を反射する材質で構成され、一部に開口部203が設けられている。アンテナアレー202fは、複数のアンテナ素子で構成される。アンテナアレー202fは、試験信号を受信する。チューナー206は、電波を反射する導体で構成される。チューナー206は、基地局装置20fの外部に設けられた伝搬観測回路208からのチューナー位置制御信号に含まれる位置情報に応じた位置に移動される。
第7の実施形態は、第1の実施形態と同様に変形例されてもよい。
本実施形態では、伝搬観測回路208が、チューナー206の位置を変更する構成を示したが、伝搬観測回路208は、チューナー206の向き、又は、形状を変更するように構成されてもよい。チューナー206の形状を変更するとは、例えばチューナー206が蝶番のような可動部で複数の金属板を連結した構造物、又は、ばねのような構造物である場合に、該構造物を曲げ伸ばし、伸縮等を行うことによって形状を変更することを意味する。
電波反射箱201内の内壁面には凹凸が設けられてもよい。このように構成される場合、伝搬観測回路208は、凹凸の状態を変化させるように構成されてもよい。
チューナー206の位置の設定には、試験信号の送信と、チューナーの位置の変更を交互に実施し、最も良いチューナーの状態を採用する、又は、試験信号を送信しながらチューナーの位置を変更し、アンテナアレー202で受信された信号を伝搬観測回路208で観測する。あるいは、アンテナアレー202から試験信号を送信し、アンテナアレー101fにおける受信信号を用いて遅延広がりや空間相関を測定する方法でもよい。この場合、測定結果を端末装置10fから基地局装置20fに向けて、アンテナアレーを利用した無線通信や別の通信手段を用いて通知する。
Claims (4)
- 電波を反射する材質で構成され、一部に開口部が設けられた電波反射箱と、
前記電波反射箱の内部に備えられる、複数のアンテナ素子で構成され、ビーム方向が前記開口部と異なる方向に向くように設置されたアンテナアレーと、
前記電波反射箱の内部に設置され、電波を反射するとともに、状態を変化させることが可能な構造物と、
前記電波反射箱の内部に設置され、前記アンテナアレーから送信された試験信号を受信する観測用アンテナと、
前記観測用アンテナで受信された前記試験信号に基づいて遅延広がりを測定し、該測定された前記遅延広がりが閾値以上となるように、前記構造物の位置、向き、及び形状のいずれかを変化させる制御を行う伝搬観測回路と、
を備える基地局装置。 - 電波を反射する材質で構成され、一部に開口部が設けられた電波反射箱と、
前記電波反射箱の内部に備えられる、複数のアンテナ素子で構成され、ビーム方向が前記開口部と異なる方向に向くように設置されたアンテナアレーと、
前記電波反射箱の内部に設置され、電波を反射するとともに、状態を変化させることが可能な構造物と、
前記アンテナアレーで受信された試験信号に基づいて遅延広がり又は空間相関を測定し、該測定された前記遅延広がりが最も大きくなるように、又は前記空間相関が最も小さくなるように、前記構造物の位置、向き、及び形状のいずれかを変化させる制御を行う伝搬観測回路と、
を備え、
前記アンテナアレーは、自装置と通信を行う端末装置に備えられる複数のアンテナ素子で構成されるアンテナアレーから送信された前記試験信号を受信する、基地局装置。 - 電波を反射する材質で構成され、一部に開口部が設けられた電波反射箱と、
前記電波反射箱の内部に備えられる、複数のアンテナ素子で構成され、ビーム方向が前記開口部と異なる方向に向くように設置された第1のアンテナアレーと、
前記電波反射箱の内部に設置され、電波を反射するとともに、状態を変化させることが可能な構造物と、
前記電波反射箱の内部に設置され、前記第1のアンテナアレーから送信された試験信号を受信する観測用アンテナと、
前記観測用アンテナで受信された前記試験信号に基づいて遅延広がりを測定し、該測定された前記遅延広がりが閾値以上となるように、前記構造物の位置、向き、及び形状のいずれかを変化させる制御を行う伝搬観測回路と、
を備える基地局装置と、
前記開口部に向かい合うように配置されている、複数のアンテナ素子で構成される第2のアンテナアレーを備える端末装置と、
を備える無線通信システム。 - 電波を反射する材質で構成され、一部に開口部が設けられた電波反射箱と、
前記電波反射箱の内部に備えられる、複数のアンテナ素子で構成され、ビーム方向が前記開口部と異なる方向に向くように設置された第1のアンテナアレーと、
前記電波反射箱の内部に設置され、電波を反射するとともに、状態を変化させることが可能な構造物と、
前記第1のアンテナアレーで受信された試験信号に基づいて遅延広がり又は空間相関を測定し、該測定された前記遅延広がりが最も大きくなるように、又は前記空間相関が最も小さくなるように、前記構造物の位置、向き、及び形状のいずれかを変化させる制御を行う伝搬観測回路と、
を備える基地局装置と、
前記開口部に向かい合うように配置されている、複数のアンテナ素子で構成される第2のアンテナアレーを備える端末装置と、
を備え、
前記第1のアンテナアレーは、前記第2のアンテナアレーから送信された前記試験信号を受信する、無線通信システム。
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