JP6651200B2 - 農作業管理装置及び農作業管理方法 - Google Patents

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この発明は、圃場に供給された肥料や農薬の過不足、及び農作業の過不足に関する情報を提供するための農作業管理装置及び農作業管理方法に関する。
特開2009−28005に、所定の品目を栽培するための圃場に供給すべき供給物質(農薬・肥料)の使用前に、使用者に対して当該供給物質の使用制限に関する使用制限情報を提示し、使用者が入力した当該供給物質の使用量情報を記憶し、供給物質についての使用実績回数が使用制限回数に達していない場合には、使用者に対して、当該供給物質の使用量の入力を促す装置が開示されている。この装置では、農薬情報ファイル・肥料情報ファイルに、農薬・肥料の含有成分が記録されており、供給物質の使用量が、各成分に換算されて利用される。
また、特許第6084098号には、農作業の作業者が、自身の農作業情報を、インターネットを介してサーバーに入力し、自己の作業情報を見ることができるシステムが開示されている。
また、インターネット上に、アグリノートという名称のシステムが開示されている。このシステムは、特許第6084098号に記載のシステムと同様、農作業の作業者が、自己の農作業情報を、自己のパソコンや携帯電話から、インターネットを介してサーバーに入力し、自己の作業情報を見ることができるシステムである。このシステムでは、作業者は、圃場に用いた農薬・肥料をシステムに記録するが、その際、農薬・肥料のデータベースに関し、独立行政法人農林水産消費者安全センターが管理しているデータベースを利用している。また、独立行政法人農林水産消費者安全センターが管理するデータベースには、個々の農薬・肥料の成分に関する情報が開示されている。
しかし、上記いずれの従来技術にも、農作業の作業者が圃場に与えた農薬又は肥料を、農薬又は肥料を構成する原料・成分・機能の観点で分析し、さらに、それらの原料・成分・機能を、農作物の成長に影響を与える外的要因を生理・生態的性質・生活環境の観点で示した系統図に示された外的要件(外的要件は成分や機能で示されている)と照合し、圃場に与えた農薬又は肥料、ひいては成分や機能に過不足がなかったか否かを判断し、過剰であった場合には圃場に与える農薬又は肥料の使用を停止し、不足であった場合には圃場に与える農薬又は肥料を追加する、といった技術的思想は開示されていない。減肥、減農薬、省コスト化をはかりつつ、農作物の高収量化、高品質化を実現するには、農薬・肥料に含まれる各成分の要否に関する正確な情報が必要なところ、従来の技術では、これをじつげんすることができず、問題であった。
特開2009−28005 特許第6084098号
http://www.agri-note.jp/manual/ (2017年3月27日)ウォーターセル株式会社のホームページに記載された「agri-note」という名称のシステム
農作物を栽培する際、肥料や農薬の使用は必須である。肥料に関し、肥料法では「植物の栄養に供すること又は植物の栽培に資するため土壌に化学的変化をもたらすことを目的として土地に施される物及び植物の栄養に供することを目的として植物に施される物をいう」と定義されている。すなわち、肥料とは、植物の生理活性を高めるなどの効果を狙い補助的に施用される活力剤なども含む概念である。
農薬や肥料は、農作物の生育に必要な成分を含んでおり、農作物の生育のために有効なものが、その都度、目的に応じて選択される。その目的は、高収量化、高品質化、といった最終的なものである場合もあるが、必須要素を補い、生理障害を防ぐ、とか、病原菌など所定の菌を減らしたり消滅させたりする、といった、成育過程での小さな目的の場合もある。そのような場合に、どのような状況下、どのような成分が、どこで機能するか、といったことに関しては、これまでの研究の蓄積により多くのことがわかっており、その結果、そのような目的に対応した農薬や肥料が作られている。また、農林水産省は、農薬や肥料の成分に関するデータを記録している。
農作物の栽培にあたり、農業同組合の指導員等、専門家によって、農作物の品目・品種・作型、圃場の気候、作業者の経験の度合いや圃場の状況に応じて、栽培の計画が作成される場合がある。計画の内容は、使用する農薬や肥料の種類や量、農薬や肥料を施す方法や時期、等、多岐にわたる。また、そのような指導を受けることなく、農家が独自の方法で農作業を行う場合もある。いずれの場合も、農薬や肥料を選択する必要があるところ、農薬や肥料の製造メーカーが謳う機能の表示をそのまま信じて選択したり、単に人気があるために選択したりする場合が見られ、実際の効果が不明瞭なまま漫然と使用が継続される場合があった。これを放置することは、使用中の農薬・肥料に、実際に必要な成分が含まれていなかったり、成分を重複して使用したりする状況をもたらす。
本願の実施例に係る発明では、農薬や肥料の成分・機能を分析し、圃場に施したそれらの成分・機能を把握することを課題とする。さらに、農作物の高収量化、高品質化をはかり、減肥、減農薬、省コスト化に向けた改善を行うために、それらの成分、機能の情報を有効に利用することを課題とする。
これらの情報は、作業者自身が利用することにとどまらず、作業者を指導する、例えば農協の指導員の専門家等、全ての関連する者が、当該圃場の農作業を効率よく行うために用いられる。
圃場に供給された農薬又は肥料の供給物についての情報である供給物情報を取得する供給物情報取得手段と、前記供給物情報取得手段により得られた供給物情報にて表される供給物を構成する成分を表す成分情報を取得する成分情報取得手段と、農作物の成長に影響を与える外的要因を生理的性質、生態的性質及び生活環境のそれぞれの観点の少なくともいずれかにて表す系統図に示された前記外的要因としての提供物の成分についての基準情報を取得する基準情報取得手段と、前記成分情報取得手段にて取得された成分情報と前記基準情報取得手段にて得られた前記基準情報とに基づいて前記圃場に供給された前記供給物の成分の過不足を判断する成分過不足判定手段とを有する農作業管理装置によって課題を解決する。
図1を参照して、本実施の形態に係る全体システムの概要について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る農作業管理システムの概要構成例を示しており、携帯型端末またはパーソナルコンピュータ20と圃場に設置したセンサー15とサーバー装置10はインターネット等(有線回路、無線回路を含む全ての伝送路、以下同じ)を介して情報の送受信が可能となっている。携帯型端末又はパーソナルコンピュータ20は、各農家の作業者等が使用する。作業者等は、携帯型端末又はパーソナルコンピュータ20より、システム開始時の基本情報を入力したり、システム利用中の作業情報を入力したりする。また、携帯型端末又はパーソナルコンピュータ20には、サーバー装置10で処理された情報が表示される。
図2を参照して、サーバー装置10は、携帯型端末またはパーソナルコンピュータ20又は圃場に設置したセンサー15との間で情報を送受信するための通信ユニット12を備える。また、農作業システムとして機能するための処理ユニット11及び系統図情報と成分・機能分析情報等の情報を記憶する記憶ユニット13を備える。
図3を参照して、処理ユニットは、通信端末装置にアクセスして基本情報と作業情報と圃場情報を取得し、格納する。得られた各情報から、農薬情報と肥料情報を抽出する(供給物情報取得手段)。抽出して得られた農薬情報から農薬の成分と機能を分析し農薬成分情報と農薬機能情報を得、抽出して得られた肥料情報から肥料の成分と機能を分析し肥料成分情報と肥料機能情報を得る(成分情報取得手段)。農作物の成長に影響を与える外的要因を生理的性質、生態的性質及び生活環境のそれぞれの観点の少なくともいずれかにて表す系統図を読み出して、農作物の成長に影響を与える外的要因に関する基準情報を生成し(基準情報取得手段、基準情報生成手段)、農薬成分情報、農薬機能情報、肥料成分情報、肥料機能情報、及び基準情報を照合して、農薬過不足判定処理、及び肥料過不足判定処理を行う(過不足判定手段)。また、判定結果を送信する(判定結果送信手段)。
基準情報とは、農作物の成長に影響を与える外的要因を生理的性質、生態的性質及び生活環境のそれぞれの観点の少なくともいずれかにて表す系統図の中から選択される(図6に例示)。すなわち、所定の目的達成のためは、それに対応した手段があり、目的達成の過程で、必要な成分が存する。そのような目的達成のためのスタートからゴールに至る過程で必要な成分の種類とその成分が機能する条件が基準情報に該当する。
前記供給物情報取得手段は、所定のネットワークを介して通信端末装置から送信される前記供給物情報を受信する受信手段を有する農作業管理装置によって課題を解決する。
供給物質情報とは、圃場に施した農薬・肥料当に関する情報である。これらの情報は通信端末装置から入力され、所定のネットワークを介して農作業管理装置に送信され、農作業管理装置の受信装置がこれを受信する。ネットワークを利用することにより、地理的要因や時間的要因に基づく不便さがすべて解消される。
前記成分過不足判定手段により得られた前記供給物の成分の過不足についての判定結果を前記通信端末に前記ネットワークを介して送信する判定結果送信手段を有する農作業管理装置によって課題を解決する。
成分過不足の判断結果は、作業者の操作画面に現れると同時に、指導者等の専門家にも届くようにできる。そうすることにより、肥料や農薬の追加や使用停止の判断を素早く行うことができる。農家の作業者と指導者との間で実際のデータを巡って素早い相談ができる。農薬や肥料またはそれに準ずる資材の施用予定日時と実施日時は、作業者の操作画面に現れると同時に指導者等の専門家にも届くようにされる。そうすることにより、農家の作業者の作業忘れ防止につながるとともに、農家の作業者の生活の都合や経済的な都合に合わせた肥料や農薬、またはそれに準ずる資材の選択や使用方法の変更の判断を素早く行うことができる。また、農家の作業者と指導者との間で実際のデータを巡って素早い相談ができる。
所定のネットワークを介して通信端末装置から送信される少なくとも気温の情報を含んだ圃場情報を、前記成分過不足判定手段における判断に用いる農作業管理装置によって課題を解決する。
圃場の、気温、土の温度、ph、EC(電気伝達度)といったデータは、農作物の成長に影響を与えるところ、本実施例では、農作物の成長のどのような生理的特性、生活環境の特性に、どのような時期に影響を与えるのかといった事項を把握した上で、農作物の成長を伸ばすことができるように、その情報を利用することができる。
例えば、ある成分が施された日時の土の温度が、圃場情報により判明した場合であって、その成分はそのような土の温度では機能しないという特性を持っている場合がある。そのような場合、その時に施された成分は充分に機能しなかった、という判断がされ、成分過不足判定手段に用いられる。
所定のネットワークを介して通信端末装置から送信される作業情報を、前記成分過不足判定手段における判断に用いる農作業管理装置によって課題を解決する。
ここで用いられる作業情報とは例えば次のような情報である。例えば、ある成分が施された日時が、本来施されるべきであった日時よりも数週間遅れて施された場合であって、その成分は、そのような遅い時期に施したのでは機能しない、という特定を持っている場合がある。そのような場合、その時に施された成分は充分に機能しなかったという判断がされ、成分過不足判定手段に用いられる。
また、例えば、ある菌による病害を早期に発見し、菌に感染した枝を早期に切り落とした、といった作業が行われた場合に、その後に残存した菌を排除するための農薬や肥料を判断するためにその作業の行われたことが、判断に用いられる。
圃場に供給された農薬又は肥料の供給物についての情報である供給物情報を取得する供給物情報取得ステップと、前記供給物情報取得ステップにより得られた供給物情報にて表される供給物を構成する成分を表す成分情報を取得する成分情報取得ステップと、農作物の成長に影響を与える外的要因を生理的性質、生態的性質及び生活環境のそれぞれの観点の少なくともいずれかにて表す系統図に示された前記外的要因としての提供物の成分についての基準情報を取得する基準情報取得ステップと、前記成分情報取得ステップにて取得された成分情報と前記基準情報取得ステップにて得られた前記基準情報とに基づいて前記圃場に供給された前記供給物の成分の過不足を判断する成分過不足判定ステップとを有する農作業管理方法によって課題を解決する。
農薬や肥料には、機能の表示がされているが、必ずしも明確に、かつ正確に表示されているとはいいがたい。「何の成分が」「農作物のどこに働きかけるか」「効果はどうか」「所定の成分が原料に含まれているとしても、農薬や肥料になった際にそれらが残るような製法で作られたか」といったことを知ることができない場合が多く、そのような農薬や肥料を農作物に用いるべきかどうかを判断することが困難となっている。
本実施例によれば、農薬は肥料に含まれる成分と、備わる機能が、正確に把握できるため、その農薬や肥料を用いることの意義を正確に知ることができる。
また、複数の農薬や肥料を用いる場合、機能の重複がある場合があり、コスト面での無駄がある。肥料成分(窒素、リン、カリウムなど)に関しては、すでに、土壌分析結果に基づいた施肥設計技術が確立されているが、これは農作物の生活環境のうち、土壌中の化学的な性質の一部からの観点に過ぎず、土壌中の物理性・生物学的性質や、より広義的な農作物の生活環境、あるいは農作物そのものの生理・生態的性質に関する観点から確立した技術はない。これらの観点を総合的に勘案して、機能が重複することを容易に知ることができれば、重複している農薬・肥料の使用を中止することができる。
本実施の形態に係る全体システムを示す説明図である。 本実施の形態に係るサーバー装置を示す説明図である。 本実施の形態に係る処理ユニットでの処理の流れを示す説明図である。 実施例1に係る肥料、原料、成分、機能の関係を示す説明図である。 実施例1に係る肥料と機能と点数の関係を示す説明図である。 実施例1に係る系統図を示す説明図である。 実施例2及び実施例3に係る圃場情報又は作業情報と機能の関係を示す説明図である。 系統図の実例を示す。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照し説明する。
作業者は、システムの利用開始時に、携帯電話又はパソコンの画面(以下「画面」と称す)に現れる基本情報入力画面より、基本情報を入力する(図示なし)。基本情報は、インターネット等を介して、サーバーに送られる。
基本情報の内容は次の通りである。いずれも、自由記入ではなく、列挙された事項から選択する形式の選択記入である。
[基本情報]
(1)作業者の住所、
(2)作業者の氏名・名称、
(3)農作物の品目・品種・作型、
(4)農作物の出荷先、
(5)出荷先が定める制限
(6)それまでに施した肥料(主に元肥)、農薬
(7)今後予定される作業
基本情報の(5)出荷先が定める制限とは、出荷先が定める品質の制限、農薬・肥料の制限、納期の制限、等である。
基本情報の(7)今後予定される作業とは、例えば、今後施すべき農薬・肥料の情報であって施す時期に関する情報を伴ったものが含まれる。そのような作業予定は、農作物の収穫量を上げるべく、通常、例えば農業協同組合の指導員等、専門家の指導のもと作成される。
作業者は、システムの利用を始めた後、PC又は携帯電話等の画面に現れる作業情報入力画面より、作業情報を入力する。作業情報は、インターネット等を介して、サーバーに送られる。
作業情報の内容は次の通りである。いずれも自由記入ではなく、基本情報と同様に選択記入である。
[作業情報]
(1)日時、
(2)施した作業内容
(3)施した農薬・肥料((2)が施肥・農薬散布の場合に限る)
(4)散布方法((2)が施肥・農薬散布の場合に限る)
(5)天気
(6)状況
(6)の状況とは、例えば、害虫による食害が見受けられた場合に、目視確認した日付、分布状況(一部に集中、ところどころ、均一的など)、発生率(全株中の5パーセント未満、10〜20パーセントなど)、推移(変わらない、無作為に増えている、隣に移っているなど)、発生状況(今年初めて、例年発生、数年に一度発生など)である。
作業情報は、基本情報の(7)の今後予定される作業と常に照合される。照合結果は作業者の画面に表され、作業者はそれを見ることができる。
圃場には、温度計、土中塩分濃度計測器、ph計測器が備えてあり、定期的に次のデータが測定され、圃場情報としてサーバーに送られる。
圃場情報の内容は次の通りである。
[圃場情報]
(1)日時
(2)気温(葉温に換算)
(3)土の温度
(4)土中塩分濃度(EC)
(5)土の酸度(ph)
サーバーに送られた基本情報及び作業情報は、サーバーの処理ユニットにより処理されて成分と機能に分析され、さらに、系統図から得られた基準情報と照合されて過不足が判断される。図4〜図6により上記を説明する。
図4により、圃場に施した肥料が肥料A 肥料B及び肥料Cである場合の成分と機能の関係を説明する。肥料Aは原料d−1、d−2、d−3及びd−4を含む。原料d−1は成分e−1、e−2及びe−3を含む。成分e−1は機能f−1及びf−3を備える。また、肥料Aは固有の機能により機能f−2を備える。肥料Bについても同様に原料、成分及び機能に分けることができる。
この結果、肥料Aを施したことにより機能f1が得られるルートとして、A→d1→e1→f1がある。同様に、肥料A、肥料B及び肥料Cを施したことにより、機能が得られるルートを、図5に示した。
各肥料により得られる機能に関し、ルートを明らかにすることにより、各肥料による機能の度合いを、次の通り、点数化することができる。例えば、肥料Aを施したことにより機能f1が得られるルートとして、A→d1→e1→f1を経由した場合の機能の度合いは、肥料Aに含まれる原料d1や成分e1の濃度により決まるため、このルートを経由した場合の機能の効果の度合いを、これらの原料や成分の濃度に応じた係数で表すことができる。この係数をこの明細書では貢献度係数Nと称す。ここで、貢献度係数Nは、0<Na≦2であり、例えば、0.5、1.0,1.5,2.0といった、0.5から2までの0.5刻みの数値とする。
肥料Aを施したことにより機能f1が得られるルートとして、A→d1→e1→f1を経由した場合の貢献度係数NをAとすると、このルートを経由した場合の効果の度合いは、「1×A」点とすることができる。
機能f2については、A→d1→e3→f2のルートと、A→f2のルートと2通りのルートがある。二通りのルートがある場合には、これらの数値を掛け合わせたものを得点とする。よって、肥料Aの、機能f2に関する点数は、A→d1→e3→f2のルートの場合の点数(1×A21)と、A→f2のルートの場合の点数(1×A22)を掛け合わせて、(1×A21)×(1×A22)点である。
同様の計算により得られた、各肥料の、各機能に関する得点を図5に示した。作業者は、農作物の生育のために得るべき機能に関連して肥料を選択する際に、この点数を目安にできる。
図8により、系統図と機能の関係を説明する。
まず、系統図について説明する。系統図とは、例えば図8に示すような、農作物の成長に影響を与える外的要因を生理的性質、生態的性質及び生活環境のそれぞれの観点の少なくともいずれかにて表す図である。農作物の最終目的は質の良い農作物をより多く収穫することであるので、図8の中央の横方向の太い矢印は、質の良い農作物を多く収穫する方向に向いている。質の良い農作物を多く収穫するためには、例えば「養分補給(図8では「B」と表示した)」が必要であるところ、「養分補給」のためには、「炭素供給」や「バランスのとれたNPKの供給(適正NPK)」が必要であり、「バランスのとれたNPKの供給」のためには例えば「リン(P)供給」が必要であり、供給された「リンを可溶体化」することが必要であり、リンを農作物が十分に吸収するためには「根からの吸収適温」が求められる。さらに、質の良い農作物を多く収穫するためには、「土壌菌環境(図8では「A」と示した。)」を整えることも必須であり、「土壌菌環境」を整えるために例えば「完熟たい肥」が必要である。上記のうち、例えば「リン供給」や「炭素供給」といった外的要因は、生理的性質の観点からの要因であり、「葉かき」「摘果」「根の活性化」は生態的性質の観点からの要因であり、「リンの可溶化」「菌密度」は生活環境の観点からの要因である。
図6は、系統図を概念化して示している。「目的」を達成するために、中概念の「手段」があり、その手段に沿って目的を達成するための、具体的な成分や行為があり、具体的な成分や行為が機能することにより目的が達成される。このため、そのような具体的な成分や行為を「機能(f−1、f−2、f−3、・・・)」と称している。図4に示す通り、圃場に与えた肥料は、具体的な成分にまで分析され、そのような成分を、図6に示す目的を達成するための機能にあてはめることができる。
この事例では、肥料A、肥料B及びCを施したところ、それぞれの機能の合計点は、図5に示す通りであり、設定された目的を達成するためには、f−5とf−6に機能する成分が欠如している一方、f−2、f−3、f−4は過剰である、と判定される。
図7により、実施例2を説明する。実施例2は、農作業のうち、農薬や肥料を施す行為以外の行為が行われた場合に、そのような行為が、系統図の機能に当てはまる場合に、そのような行為を判定の対象とする実施例である。
農薬や肥料を施す行為以外の行為とは、例えば、葉かき(日照りや風通しを良くするために一部の葉を取り除くこと)、切り返し(たい肥を発酵させるために、たい肥に空気が混じるように底から混ぜ合わせること)、といった行為である。そのような作業が行われた際は、作業情報の(2)施した作業内容として作業者が記録し、前述の通り、インターネット等を介してサーバーに送られる。
例えば葉かきは図8に示した系統図に、光環境最適化のため、または需要供給バランス調整のために、影響を与える外的要因(機能)として挙げられている。また、切り返しは未発酵有機物から完熟たい肥を作る際の機能に挙げられている。
このような行為が判断の対象となるのは、例えば次のような場合である。図8の系統図を参照して、例えば、完熟たい肥を作るためには、未発酵有機物(a1)を施し、嫌気性細菌を追加し(a2)、その後に初期の嫌気状態切り替えし(a3)が影響を与える外的要因(機能)であるところ、たい肥を自作せず、既製の完熟たい肥を購入し施用する場合には、完熟たい肥を作る、という観点からは、未発酵有機物を施すことや嫌気性細菌の追加は意味のない行為ということになり、例えば嫌気性菌の培養液など嫌気性細菌を含んだ資材を与えることに対する判断に影響を与える、といったことである。
図7により。実施例3を説明する。実施例3は、圃場情報が、系統図の機能に当てはまる場合に、そのような情報を判定の対象とする実施例である。
前述の通り、圃場情報とは、気温、土の温度、等に関する情報であり、定期的に測定され、サーバーに送られる。
圃場情報が判断の対象となるのは、例えば次のような場合である。図8の系統図を参照して、リン供給(b1)のためには、リン可溶体化(b2)と、リンを吸収するための吸収適温(b4)が影響を与える外的要因(機能)であるところ、リン供給やリン可溶体化、といった外的要因(機能)が、肥料や農薬により与えられても、それらが機能する際の温度が適温でなかったことが圃場情報により判明した場合には、リン供給やリン可溶体化、といった外的要因(機能)のために与えた肥料に対する判断に影響を与える、といったことである。

Claims (2)

  1. 圃場に供給された農薬又は肥料の供給物についての情報である供給物情報を取得する供給物情報取得手段と、
    前記供給物情報取得手段により得られた供給物情報にて表される供給物を構成する成分を表す成分情報を取得する成分情報取得手段と、
    記憶ユニットから、農作物の成長の過程における目的達成のために必要な成分とその成分が機能する条件で成る基準情報を取得する基準情報取得手段と、
    前記成分情報取得手段にて取得された前記成分情報と前記基準情報取得手段にて得られた前記基準情報とに基づいて前記圃場に供給された前記供給物の成分の過不足を判断する成分過不足判定手段とを有し、
    前記成分過不足判定手段において、前記所定のネットワークを介して通信端末装置から送信される作業情報を、前記成分過不足判定手段における判断に用いることを特徴とする農作業管理装置。
  2. 所定のネットワークを介して通信端末装置から送信される少なくとも気温の情報を含んだ圃場情報を、前記成分過不足判定手段における判断に用いる請求項1乃至3のいずれかに記載の農作業管理装置。
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