JP2015027296A - 施肥設計方法および施肥設計システム - Google Patents

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Kunihiko Murayama
邦彦 村山
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Abstract

【課題】培地、および培地に肥料として施用する資材の少なくとも一方が有機物を含む場合において、可給態窒素量を用いて精度の高い施肥設計を行うための方法を提供する。【解決手段】培地の可給態窒素の適正量である目標可給態窒素量を取得するために用いる栽培条件パラメータの値を設定し(S101)、栽培条件パラメータの値と培地の可給態窒素の適正量との対応を示すデータベースを参照して、設定された栽培条件パラメータの値に対応する可給態窒素の適正量を目標可給態窒素量として取得し(S102)、培地の可給態窒素の推定量を取得し(S103)、目標可給態窒素量から培地の可給態窒素の推定量を差し引いて可給態窒素の不足量を算出(S104)し、資材の可給態窒素の推定量を取得し(S105)、資材の可給態窒素の推定量に基づいて、可給態窒素の不足量を補うために培地に施用する資材の量を決定する(S106)。【選択図】図3

Description

本発明は、施肥設計方法および施肥設計システムに関する。
農業においては、作物の生育を促すことを目的とする圃場の土壌整備の一環として施肥が行われる。より詳細には、生育に必要な養分を作物である植物が土壌から吸収できるよう、現状の土壌に不足している養分を補うために施肥がなされる。
これらの養分が土壌に不足している場合、作物の生育不良を招く。一方で、これらの養分は土壌中に含まれる量が多ければ多いほど良いというものでもない。土壌中のこれらの養分が過多である場合には、作物が生育障害を起こしたり、収穫した作物が食味や食感に劣ったりする原因になり、さらには周囲環境や下流域の水質悪化や土壌汚染にもつながる。また、各種養分の量的バランスが悪ければ病害虫による被害を招く恐れがある。つまり、土壌中のこれらの養分には適正量がある。また、これらの適正量は作物、作物の作型(栽培時期)、あるいは地域などによって異なる。
なお、養分とは具体的には窒素、リン、カリウムなどの元素であり、これらの植物に吸収されやすい状態は可給態と呼ばれる。可給態にある元素や化合物は、例えば可給態窒素や可給態リン酸のように呼ばれ、これらを総称して可給態成分という。培地中の養分の適正量は一般に、可給態成分の適正量として表わされる。
圃場の土壌に含まれる各成分の量の適正化を目的として、都道府県ごとに作物・作型別の施肥基準が従来から整備されている。ただし、この施肥基準は化成肥料のように、含有する成分の構成および状態が既知の肥料を用いる施肥を前提とするものである。しかし例えば窒素は肥料にどのような状態で含まれているかによって肥効が大きく左右される。ところがこの従来の施肥基準では、有機態窒素を含む肥料の肥効がその種類によって異なることには充分な配慮がなされていない。そのため、有機態窒素を含む肥料を用いる場合、正確な施肥設計は困難であるという問題があった。
なお、土壌中の可給態成分を測定し、その測定結果を用いて施肥設計を行うための方法は従来から研究開発されている。
一例を挙げると、特許文献1に開示されている土壌の分析・診断システムは、土壌に含まれる可給態成分や微量元素などの分析成分を各分析成分に応じた分析方法を用いて分析するものである。分析結果データは、診断基準データに作物や栽培立地ごとに登録されている分析成分の目標値と照合される。分析値が目標値に達していない成分については、土質改良資材データを参照して土壌改良資材の必要量が算出される。ただし後述の根拠により、このシステムにおいて必要量を算出することができるのは有機態窒素を含まない資材に限定される。
一方、土中および堆肥中の有機物由来の窒素量を現場で短時間で測定する方法には、一般的に普及したものはまだない。なお、そのような方法の例としては、特許文献2に開示される、塩酸等の酸を用いて家畜ふん堆肥の酸抽出液を得て、この酸抽出液の分析値と所定の回帰式とを用いて当該堆肥に含まれる可給態窒素の含有量を評価する方法を挙げることができる。
特開平9−178735号公報 特開2010−197340号公報
「畑土壌可給態窒素の簡易・迅速評価法」[online]、平成21年5月17日、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター、資源循環・溶脱低減研究チーム、[平成25年10月22日検索]、インターネット<URL:http://www.naro.affrc.go.jp/narc/result_digest/files/snmanu.pdf>
特許文献1に開示されている方法では、目標値に達しない成分を補うために用いられる土壌改良資材については予め用意されたデータのみを用いていることから、この土壌改良資材として用いられているのは可給態成分が既知の肥料に限られる。しかし、そのような肥料と異なり、堆肥その他の有機物を含む肥料(以下、本出願では総称して有機肥料ともいう)の場合は、その投入量のみからはこれらに由来する可給態成分の量が分からない。可給態成分の量は投入される有機肥料が含む有機物の種類等に左右され、また、その有機物の種類は多様であるためである。したがって、この方法を持続可能性などの観点から近年さらに注目が高まる循環型の資材である有機肥料を用いる場合の施肥設計にそのまま適用しても十分な精度が得られないという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、有機肥料を利用する植物栽培に関わる農業全般において可給態窒素量を用いて精度の高い施肥設計を行うための方法およびその方法を実施するためのプログラムまたはシステムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために提供される、本発明にかかる施肥設計方法は対象培地に肥料として施用される資材の量である施用量を決定する施肥設計方法である。前記対象培地および前記資材の少なくとも一方は有機物を含む。そして前記施肥設計方法は、前記対象培地の可給態窒素の適正量である目標可給態窒素量を取得するために用いられるパラメータである栽培条件パラメータの値を設定する栽培条件パラメータ値設定ステップと、栽培条件パラメータの値と対象培地に含まれるべき可給態窒素の適正量との対応を示すデータベースを参照して、前記設定された栽培条件パラメータの値に対応する可給態窒素の適正量を前記目標可給態窒素量として取得する目標可給態窒素量取得ステップと、前記対象培地に含まれている可給態窒素の推定量を取得する対象培地可給態窒素推定量取得ステップと、前記目標可給態窒素量から前記対象培地に含まれている可給態窒素の推定量を差し引いて前記対象培地の可給態窒素の不足量を算出する不足量算出ステップと、前記資材に含まれている可給態窒素の推定量を取得する資材可給態窒素推定量取得ステップと、前記資材に含まれている可給態窒素の推定量に基づいて、前記対象培地の可給態窒素の不足量を補うために前記対象培地に施用される前記資材の量である適正化資材施用量を決定する適正化資材施用量決定ステップとを含む施肥設計方法である。
この方法によれば、培地および資材の少なくとも一方に有機物が含まれる場合であっても、その種類に関わらず当該有機物由来の可給態成分の推定量に基づいて精度の高い施肥設計を行うことができる。
また、前記栽培条件パラメータは、前記対象培地における栽培の対象である作物を示すパラメータおよび前記対象培地がある場所の気温に関する情報を直接または間接に示すパラメータを含んでもよい。
この方法によれば、培地中での有機体窒素を分解する微生物の活動に影響する要因、あるいは作物による可給態窒素の吸収量に影響する要因を直接または間接に示す各種のパラメータを用いて施肥設計を行うことができる。
また、前記施肥設計方法は、前記適正化資材施用量の資材の前記対象培地への施用後に、前記対象培地可給態窒素推定量取得ステップから前記適正化資材施用量決定ステップまでを再度実行して前記資材の前記対象培地への追加施用量を決定する追肥量決定ステップをさらに含んでもよい。
この方法によれば、上記の施肥設計方法を用いて施肥を行った後に実施される追肥についても、有機物由来の可給態成分の推定量に基づいて施肥設計を行うことができる。
また、前記対象培地可給態窒素推定量取得ステップおよび前記資材可給態窒素推定量取得ステップにおいて取得される前記各可給態窒素の推定量は、所定の温度の水または溶液に培地の土壌または資材を所定量攪拌して得られる試料溶液を所定の時間、所定の温度で保温し、前記試料溶液に抽出されたアンモニア態窒素の量および硝酸態窒素の量、または前記試料溶液の化学的酸素要求量に基づいて求められてでもよい。
この方法によれば、比較的簡便かつ精度の高い方法で得た可給態窒素の推定量に基づいて施肥設計を行うことができる。したがって、さらに高い精度で施肥設計を行うことができる。
また、本発明にかかる施肥設計プログラムは、上記の施肥設計方法のいずれかをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
このプログラムによれば、上記の各方法と同様の効果が得られる。
また、本発明にかかる施肥設計システムは、対象培地に肥料として施用される資材の量である施用量を決定する施肥設計システムである。前記対象培地および前記資材の少なくとも一方は有機物を含む。そして前記施肥設計システムは、前記対象培地の可給態窒素の適正量である目標可給態窒素量を取得するために用いられるパラメータである栽培条件パラメータの値をユーザに設定させる栽培条件パラメータ値設定部と、栽培条件パラメータの値と対象培地に含まれるべき可給態窒素の適正量との対応を示すデータベースを参照して、前記設定された栽培条件パラメータの値に対応する可給態窒素の適正量を前記目標可給態窒素量として取得する目標可給態窒素量取得部と、前記対象培地に含まれている可給態窒素の推定量を取得する対象培地可給態窒素量取得部と、前記目標可給態窒素量から前記対象培地に含まれている可給態窒素の推定量を差し引いて前記対象培地の可給態窒素の不足量を算出する不足量算出部と、前記資材に含まれている可給態窒素の推定量を取得する資材可給態窒素推定量取得部と、前記資材に含まれている可給態窒素の推定量に基づいて、前記対象培地の可給態窒素の不足量を補うために前記対象培地に施用される前記資材の量である適正化資材施用量を決定する適正化資材施用量決定部とを含む施肥設計システムである。
このシステムによれば、上記の方法と同様の効果が得られる。
本発明にかかる施肥設計方法を用いることで、培地または有機肥料それぞれに由来する可給態窒素量を用いて精度の高い施肥設計を行うことができる。ひいては適正量による施肥を可能にすることによって、農作物の健全な生育を促しつつ、環境に配慮した持続可能な農業を科学的かつ計画的に行うことを容易にする。
図1は、本発明にかかる施肥設計方法のフローチャートである。 図2は、本発明にかかる施肥設計システムの概観図である。 図3は、本発明にかかる施肥設計システムの機能構成図である。 図4は、本発明にかかる施肥設計システムにおけるユーザインターフェース表示の一例である。 図5は、本発明にかかる施肥設計システムが有するデータベースをグラフ化したものである。 図6は、本発明にかかる施肥設計システムにおけるユーザインターフェース表示の一例である。 図7は、本発明にかかる施肥設計システムにおけるユーザインターフェース表示の一例である。 図8は、本発明の変形例にかかる施肥設計方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、材料、構成要素、構成要素の配置または接続、方法におけるステップ、ステップの順序などは一例であり、本発明をこれに限定する趣旨で記載されるものではない。本発明は特許請求の範囲によってのみ限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に含まれていないものは、本発明によって上記課題を達成するために必須の構成要素ではなく、より好ましい実施の形態の構成要素として記載される。
(実施の形態)
本発明にかかる施肥設計方法の実施の形態を、フローチャートを用いて以下に説明する。
図1は当該施肥設計方法全体の流れを示すフローチャートである。
最初に、施肥を行う対象となる培地(以下、対象培地ともいう)にて栽培する「作物」と、対象培地がある場所の「気温」と、「対象培地の性状」とを、栽培条件を示すパラメータとしてその値を設定する(栽培条件パラメータ値設定ステップ、図1のS101)。これらのパラメータは施肥によって対象培地の可給態窒素量を適正化するにあたり、対象培地の可給態窒素の適正量を取得するために用いられる。
なお、これらのパラメータのうち「作物」および「気温」は必須である。また、「作物」以外のパラメータは上記のパラメータに限られない。培地中での有機体窒素を分解する微生物の活動に影響する要因、あるいは作物による可給態窒素の吸収量に影響する要因を直接または間接に示すものであれば他のパラメータを用いてもよい。つまり、これらのパラメータは、背景技術の項でも述べた土壌中の養分の適正量を変動させる要因である。対象培地の可給態窒素の適正量はこれらのパラメータの値に依存する。これらの要因を直接に示す一次的なパラメータとしては、上記の「気温」および「対象培地の性状」に加え、「光量」、「二酸化炭素濃度」、「水分量」、「土質(陽イオン交換能CEC、比重)」、「腐植率」、「微生物量」などが例として挙げられる。これらの要因を間接に示す二次的なパラメータとしては、「作型(栽培時期)」、「栽培地域」などを用いることができ、そこから平均気温およびその変化、日照時間、降雨量などの各種気象データを推計することができる。また、土質情報データと照合することにより、「栽培地域」からは対象培地のおおよその土質が得られる。一次的なパラメータまたは二次的なパラメータのいずれを使用するかについては、利用可能なものから任意に決定することができる。例えば環境要因を常時モニターすることが可能な諸々のセンサーを備える高度環境制御が可能な施設においては、測定される数値あるいは制御目標となる数値を一次的なパラメータとして利用可能である。管理強度が低い露地栽培などでは、圃場の所在地である地域名等が土質や気候を表す二次的なパラメータとして利用可能なケースが考えられる。
なお、下記で取得される各種の可給態窒素の量は培地または資材の単位重量あたりの重量であるが、最終的に決定される資材の施用量は単位面積あたりの重量であるのが実際の施肥において簡便である。したがって、これらのパラメータに加えて、単位重量あたりの重量を単位面積あたりの重量に換算するためのパラメータも設定する。詳細は後述の実施例の項で述べる。
次に、作物の栽培条件と培地中の可給態窒素の適正量との対応を示すデータベースを参照して、上記のとおり設定されたパラメータの値に対応する可給態窒素の適正量を取得する(目標可給態成分量取得ステップ、図1のS102)。この可給態窒素の適正量は、これ以降のステップにおいて、施肥の結果対象培地が含む可給態窒素の量の目標値である目標可給態窒素量として用いられる。このデータベースの詳細については後述する。
次に、実際に当該対象培地に含まれている可給態窒素の推定量を取得する(対象培地可給態窒素推定量取得ステップ、図1のS103)。この可給態窒素量の推定には任意の有用な方法を用いることができる。例としては、非特許文献1に記載されている、生産者向けの方法が挙げられる。これは、化学的酸素要求量(chemical oxygen demand、以下CODとする)の測定値に基づいて可給態窒素を次の手順で推定する方法である。まず、所定の温度の水に対象培地の土壌または肥料として施用される資材を所定量攪拌して試料溶液を得る。次に、所定の時間、所定の温度でこの試料溶液を保温する。次に、試料溶液のCODを測定する。最後に、測定したCODを所定の数式に入れて、可給態窒素含有量の推定値を得る。この方法では土壌の採取の翌日には測定結果が得られる。この点はコストおよび実施の容易さの観点からは好ましい。
なお、本願の発明者は上記の方法を一部変更して使用することでより信頼性の高い可給態窒素の推定量を得た。具体的には、水の代わりに酢酸緩衝液などの酸性溶液に土壌または資材を攪拌して試料溶液を得て、この試料溶液に抽出(酸抽出)された無機態窒素(アンモニア態窒素および硝酸体窒素)の量を測定している。他の変更点も含めて、詳細は後述の実施例の項で述べる。
次に、目標可給態窒素量から対象培地に含まれている可給態窒素の推定量を差し引いて、対象培地の可給態窒素の不足量を算出する(不足量算出ステップ、図1のS104)。
次に、対象培地に肥料として施用される資材に含まれている可給態窒素の推定量を取得する(資材可給態窒素推定量取得ステップ、図1のS105)。この可給態窒素量の推定には、上記の対象培地可給態窒素推定量取得ステップで使用可能な各種の方法を用いることができる。
最後に、当該資材に含まれている可給態窒素の推定量に基づいて、対象培地における可給態窒素の不足量を補うために対象培地に施用される当該資材の量である適正化資材施用量を決定する(適正化資材施用量決定ステップ、図1のS106)。
生産者は、これらのステップを経て決定された適正化資材施用量の資材を対象培地に施用する。
なお、その施用後さらに、上述の方法のうち対象培地可給態窒素推定量取得ステップから適正化資材施用量決定ステップまでを再度実行して資材の追加施用量(追肥量)を決定してもよい(追肥量決定方法、図1の破線矢印で示す流れ)。
本発明は上述の方法としてのみならず、この方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実施してもよい。
また本発明は、上述の方法の各ステップの全部または一部を実行する構成要素を有する施肥設計システムとしても実施してもよい。詳細は下記の実施例の項にて述べる。
(実施例)
本発明にかかる施肥設計システムの実施例を、図面を参照しながら以下に説明する。
図2は、本発明にかかる施肥設計システムの概観図である。
本発明の実施例にかかる施肥設計システム1000は、サーバ装置1001と、端末装置1002から1007と、サーバ装置1001と端末装置1002から1007とを接続するネットワーク1100とで構成される。ネットワーク1100は各端末装置と有線又は無線により接続する。各端末装置とネットワーク1100との接続が無線による接続は、アンテナ装置1110を介している。図2の例では、ネットワーク1100と端末装置1006との接続がアンテナ装置1110を介している。
サーバ装置1001は例えばアプリケーションサービスプロバイダ(Application Service Provider(ASP))が有する、上述の施肥設計をコンピュータに実施させるようなプログラムを含むサーバ装置である。
端末装置1002から1007はそれぞれ施肥設計システム1000においてユーザとのインターフェイスとして機能するものであり、例えばいわゆるデスクトップ型のパーソナルコンピュータ(図2の1002および1005)、ノートブック型のパーソナルコンピュータ(図2の1004および1007)、又は移動情報端末(図2の1006)である。
ネットワーク1100はインターネットに代表される情報通信を可能とするネットワークである。
施肥設計システム1000のユーザは、ASPが上記のプログラムを用いて提供するサービスをネットワーク1100経由で利用する。
図3は、施肥設計システム1000の機能構成図である。
施肥設計システム1000は機能的な構成要素として、表示部1200、入力部1201、栽培条件パラメータ値設定部1202、目標可給態窒素量取得部1203、対象培地可給態窒素量取得部1204、不足量算出部1205、資材可給態窒素推定量取得部1206、適正化資材施用量決定部1207、および記憶部1208を含む。
記憶部1208はデータベース1300および上記のプログラム(図示なし)を記憶している。
表示部1200および入力部1201は、図2の端末装置1002から1007のそれぞれの機能に相当する。
栽培条件パラメータ値設定部1202、目標可給態窒素量取得部1203、対象培地可給態窒素量取得部1204、不足量算出部1205、資材可給態窒素推定量取得部1206、適正化資材施用量決定部1207、および記憶部1208は、図2のサーバ装置1001の機能に相当する。特に、栽培条件パラメータ値設定部1202から適正化資材施用量決定部1207は、サーバ装置1001が備えるプロセッサが、補助記憶装置から上記のプログラムおよびデータベース1300をRAM(Random Access Memory)上に読み出し、このプログラム実行することで実現される機能である。
以下、施肥設計システム1000にかかる本発明の実施例について具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施例では、三重県名張市の一地域にある露地圃場でコマツナの一品種を9月上旬播種、10月中旬収穫の計画で栽培するにあたり施肥設計を行うものと仮定する(栽培条件パラメータ値設定部)。
栽培条件パラメータ値設定部1202は、栽培条件パラメータの値を表示部1200に表示されるユーザインターフェース表示を介して施肥設計システム1000のユーザに設定させる。図4はそのユーザインターフェース表示の一例である。栽培条件パラメータとは、対象培地の可給態窒素の適正量である目標可給態窒素量を取得するために本発明にかかる施肥設計システムで用いられるパラメータである。
本実施例の場合、ユーザは「作物」の値としてコマツナの品種名である「なかまち」(サカタのタネ交配)、「作型」の値として「9月上旬播種」および「10月中旬収穫」、ならびに「地域」の値として「三重県名張市」以下を設定する。これらの値を栽培条件パラメータ値設定部1202は目標可給態窒素量取得部1203に渡す。さらに上述のとおり、ユーザは単位面積あたりの施用量を得るためのパラメータの値として、作土深を10cm、比重を1と設定する。これらの値を栽培条件パラメータ値設定部1202は対象培地可給態窒素量取得部1204および資材可給態窒素推定量取得部1206に渡す。
(目標可給態窒素量取得部)
図5のグラフは、本発明にかかる施肥設計システム1000が有するデータベース1300をグラフ化したものである。本実施例の場合、このデータベース1300は記憶部1208に記憶されている。このデータベース1300は三重県名張市の上記露地圃場におけるコマツナの対象培地の可給態窒素量の適正量データベースである。グラフの横軸は時期、縦軸は培地中100gあたりの可給態窒素の適正量を示す。実線の折れ線はその適正量の上限値を示し、破線の折れ線はその適正量の下限値を示す。すなわち、データベース1300は、本発明の実施の形態にかかるデータベースの具体例であって、栽培条件である「作物」および「作型」と、培地中の可給態窒素の適正量との対応を示す。なおデータベースのこのようなグラフ化は説明の便宜上したものであり、本発明の実施のためにグラフ化は不要である。また、データベースにおける適正量の示し方はこれに限られない。例えば、この実施例のような上限値と下限値とで適正量の範囲を示す代わりに1つの適正値のみで適正量を示してもよい。また、1つの適正値とその上下の許容幅とで適正量を示してもよい。
目標可給態窒素量取得部1203はこのデータベース1300を参照し、栽培条件パラメータ値設定部1202から受け取ったパラメータの値に対応する可給態窒素の適正量を取得する。本実施例では、収穫予定時期の10月中旬での可給態窒素量の適正量の上限値である12.0kg/10aおよび下限値である9.0kg/10aを取得する。目標可給態窒素量取得部1203はこれらの値を目標可給態窒素量として不足量算出部1205に渡す。
(対象培地可給態窒素量取得部)
本実施例において、対象培地の土壌に含まれている可給態窒素の推定量は以下の手順の処理によって取得される。
(1)ユーザは、所定量(本実施例では2g)の培地の土壌の試料を所定の温度の酢酸緩衝液(本実施例では20cc)に加えて攪拌し、試料溶液を得る。
(2)ユーザは、当該試料溶液を98℃で16時間保温して土壌中の成分を溶液に抽出する。
(3)ユーザは、当該試料溶液に抽出された硝酸態窒素およびアンモニア態窒素の量を、土壌成分分析用ツールを用いて測定する。
(4)ユーザは、(3)で得たアンモニア態窒素および硝酸態窒素の測定量を、表示部1200に表示されるユーザインターフェース表示を介して施肥設計システム1000に入力する。図6はそのユーザインターフェース表示の一例である。対象培地可給態窒素量取得部1204はこれらの測定量に基づいて、対象培地の土壌が含んでいる可給態窒素の推定量を取得する。
上記の手順の(4)において、対象培地が含んでいる可給態窒素の推定量を取得するために対象培地可給態窒素量取得部1204が行う計算の例は以下のとおりである。
入力されたアンモニア態窒素の測定値が6.4mg/100g、硝酸態窒素の測定値が1.6mg/100gであったとする。この場合、対象培地可給態窒素量取得部1204は(式1)のとおり計算して100g中の可給態窒素量を得る。
6.4+1.6=8.0mg (式1)
ここで対象培地可給態窒素量取得部1204は、栽培条件パラメータ値設定部1202から受け取った作土深および比重のパラメータの値に基づいて(式2)のとおり換算する。
mg/100g=kg/10a (式2)
これにより、対象培地可給態窒素量取得部1204は10aあたりの可給態窒素量の推定値として8.0kgを取得し、この推定値を不足量算出部1205に渡す。
なお、上記の手順の(3)に記載されている土壌成分分析用ツールとしては、例えば「Dr.ソイル」(登録商標)などの市販品を用いることができる。なお、土壌成分分析の手段はこれに限定されるものではない。これに代えて、可給態窒素量を測定することができる各種の方法を用いることができる。また例えば、本発明にかかる施肥設計システムは、上記の可給態窒素の推定量を取得するための手順の一部または全部を自動的に行う装置、例えば(1)から(3)を実行する可給態窒素量測定装置を備えてもよい。
(不足量算出部)
不足量算出部1205は、目標可給態窒素量取得部1203から受け取った目標可給態窒素量に対する、現状の対象培地に含まれている可給態窒素の不足量を算出する。
本実施例では、不足量算出部1205は、目標可給態窒素量の上限値および下限値を受け取っている。不足量算出部1205は、これらの値のそれぞれから、対象培地可給態窒素量取得部1204から受け取った対象培地に含まれている可給態窒素の推定量を差し引いて不足量を算出する。計算は下記の(式3)および(式4)のとおりである。
12.0kg/10a―8.0kg/10a=4.0kg/10a (式3)
9.0kg/10a―8.0kg/10a=1.0kg/10a (式4)
つまり、当該不足量は10aあたり1〜4kgの範囲である。不足量算出部1205はこれらの値を適正化資材施用量決定部1207に渡す。
(資材可給態窒素推定量取得部)
本実施例において、対象培地に施用する資材に含まれる可給態窒素の推定量は、上述の、対象培地の土壌に含まれている可給態窒素の推定量の取得のために対象培地の土壌に対して実行された処理と同様の処理が当該資材に対して実行されて取得される。
例えばこの資材が堆肥であるとする。本実施例では、上記(1)から(3)の手順が所定量(本実施例では2g)の当該堆肥に対して実行され、下記の測定量が得られたとする(なお堆肥の測定に際しては土に比して可給態窒素の濃度が500〜2000倍程度になるため、測定に際して検定試薬の測定可能範囲に見合う希釈が適宜必要である。)。
アンモニア態窒素の測定量:142.0mg/100g
硝酸態窒素の測定量:8.0mg/100g
ユーザはこれらの測定量を、表示部1200に表示されるユーザインターフェース表示を介して本発明にかかる施肥設計システムに入力する。このユーザインターフェース表示の例は図示しないが、図6のユーザインターフェース表示とほぼ同様である。資材可給態窒素推定量取得部1206はこれらの測定量に基づいて当該資材が含んでいる可給態窒素の推定量を取得する。具体的には、資材可給態窒素推定量取得部1206は(式5)のとおり計算して当該資材100g中の可給態窒素量を得る。
142.0+8.0=150.0mg (式5)
なお、本実施例では実際の施肥はトン(ton)単位で行われるものとする。この場合、資材可給態窒素推定量取得部1206は実際の施肥の便利を図り、以下のとおりこれを資材1tあたりが含んでいる可給態窒素量に換算する。
150.0mg×1ton÷100g=1.5kg (式6)
資材可給態窒素推定量取得部1206はこの値を適正化資材施用量決定部1207に渡す。
(適正化資材施用量決定部)
本実施例では、上記で算出した、対象培地10aあたりの可給態窒素の不足量範囲において、その上限値と下限値の平均値である10aあたり2.5kgの可給態窒素を補うよう上記の堆肥を施用するとする。
この場合、適正化資材施用量決定部1207は、この値と資材可給態窒素推定量取得部1206から受け取った値を用いて下記の(式7)のとおり計算して、当該不足量を補うための10aあたりの施用量を決定する。
(対象培地10aあたりの可給態窒素量の不足量)÷(施用資材1tonあたりに含まれる可給態窒素の推定量)=2.5kg÷1.5kg/ton ≒1.67ton (式7)
この値は表示部1200に表示されるユーザインターフェース表示を介してユーザに提示される(図7)。
なお、上記で用いた不足量範囲の平均値は、不足量算出部1205から受け取った値に基づいて適正化資材施用量決定部1207が計算し決定してもよい。または、ユーザインターフェース表示(図示なし)を介して提示された当該不足量範囲を見てユーザが決定し入力した値であってもよい。また、平均値の代わりに上限値、下限値、中央値などの統計上の他の値、または不足量範囲の全体または一部を用いてもよい。また、決定される適正化資材施用量も範囲のある値であってもよい。
以上で本発明にかかる施肥設計システムを用いた施肥設計の1サイクルは終了する。なお、一定期間にわたって栽培が行われた後、上述の培地可給態成分推定量取得から適正化資材施用量決定までのステップを当該システムを用いて再度実行して追肥量を決定することもできる。追肥量の決定は例えば以下のように計算して行われる。
(追肥量の決定)
上記で求めた施用量の資材の施用後に対象培地の土壌に含まれている可給態窒素の推定量を取得する。ここで、以下のとおりの各測定値が得られたとする。
アンモニア態窒素の測定値:8.9mg/100g=8.9kg/10a
硝酸態窒素の測定値:1.8mg/100g=1.8kg/10a
したがって、10aあたりの可給態窒素量の推定値は、8.9+1.8=10.7kgである。この値を対象培地可給態窒素量取得部1204から受け取った不足量算出部1205は、この値を用いた上記(式4)の計算の結果(−1.7kg/10a)を適正化資材施用量決定部に渡す。適正化資材施用量決定部は、対象培地の土壌に現在含まれている可給態窒素の推定量が目標可給態成分量の下限値より大きいと判断する。この場合、適正化資材施用量決定部は追肥量を0と決定する。
(変形例1)
上記の実施の形態および実施例では、有機肥料の適正化資材施用量を決定している。しかし本発明は無機肥料を用いる施肥設計への適用を排除するものではない。以下、無機肥料を用いる施肥設計への適用例について説明する。
有機肥料には窒素以外の成分も含まれているため、有機肥料を施用すれば窒素以外の成分も培地に投入される。しかし無機肥料と比較して、有機肥料が含む窒素と窒素以外の成分の比率は肥料間の差が大きい。したがって、窒素の量のみを指標として決定した施用量の有機肥料を投入した場合、培地中の窒素以外の成分が過多または過少となることが起こりえる。
例えば、産卵鶏の鶏糞は有機肥料として用いることが可能な資材である。しかし産卵鶏は飼料として牡蠣殻などを与えられるため、その鶏糞は石灰(カルシウム)を比較的多く含む。したがって、産卵鶏の鶏糞を肥料として用いて培地の窒素不足を解消しようとすると、培地の石灰が過多となる場合がある。
このような成分間の量のアンバランスは、上記の本発明にかかる方法を変形したものを用いて抑制することができる。図8はこの方法の一変形例を示すフローチャートである。なお、上記の実施の形態に記載のステップと共通のステップは共通の参照番号で示している。以下、図8に記載のフローチャートに沿ってこの変形例にかかる方法を説明する。
(1)栽培条件パラメータ値設定ステップ(S101)を実行する。
(2)目標可給態成分量取得ステップ(S102)を実行する。
(3)窒素以外の所定の成分(例:カルシウム)について、作物の栽培条件と培地中の当該成分の適正量との対応を示すデータベースを参照して、S101で設定されたパラメータの値に対応する当該所定の成分の適正量を取得する(S202)。
(4)対象培地が含んでいる可給態窒素の推定量および当該所定の成分の推定量を取得する(対象培地可給態成分推定量取得ステップ、S203)。
(5)不足量算出ステップ(S104)を実行する。
(6)資材が含んでいる可給態窒素の推定量および当該所定の成分の推定量を取得する(資材可給態成分推定量取得ステップ、S205)。
(7)当該資材に含まれている可給態窒素の推定量に基づいて、対象培地における可給態窒素の不足量を補うために対象培地に施用される当該資材の量である適正化資材施用量を算出する(適正化資材施用量算出ステップ、S106)。
(8)適正化資材施用量の前記資材を対象培地に施用した場合に、投与後の対象培地に含まれる当該所定の成分の量を算出する(対象培地他成分量算出ステップ、S207)。
(9)算出された当該所定の成分の量が、S202で取得された適正量に基づく所定の範囲内にあるか否かを判断する(他成分量適否判断ステップ、S208)。
(10)当該所定の成分の量が所定の範囲内にある場合は前記適正化資材施用量を適正化資材施用量として決定する。当該所定の成分の量が所定の範囲内にない場合は、対象培地における可給態窒素の不足量を補い、かつ、当該所定の成分の量が所定の範囲を超えないような資材の選択とその施用量を算出し適正化資材施用量として決定する(適正化資材施用量決定ステップ、S209)。この選択される資材は、無機肥料のみでもよいし、または無機肥料と有機肥料との組み合わせでもよい。
上記の他成分量適否判断ステップは、当該所定の成分についてのデータベース1300のようなデータベースを参照して実施される。
(変形例2)
上記の実施の形態および実施例には、培地および資材の両方が有機物を含む場合が記載されている。しかし本発明はこれに限られない。培地および資材のいずか一方のみが有機物を含む場合であっても、培地に含まれる可給態窒素量の適正化を簡便かつ高い精度で行うための施肥設計をすることができるという、本発明の効果を得ることができる。この場合は、培地および資材のうち、有機物を含むいずか一方のみについて可給態窒素の推定量を取得すればよい。例えば、培地には何も入っていない場合には、資材のほうの可給態窒素の推定量のみを取得すればよい。また例えば、培地には堆肥がすでに施用されており、今後施用する資材は無機肥料に限定されている場合は、培地のほうの可給態窒素の推定量のみを取得すればよい。
(その他)
ここまでで栽培条件を示すパラメータとして記載したものはその例であり、これらに限られない。上記に述べたとおり、培地中での有機体窒素を分解する微生物の活動に影響する要因、あるいは作物による可給態窒素の吸収量に影響する要因であれば、他のパラメータであってもよい。例えば微生物の量や微生物の種類であってもよい。ただし、使用するパラメータと培地中の可給態窒素の適正量との対応を示すデータベースが利用可能である必要がある。
また、本発明をプログラムとして実施する場合は、当該プログラムは各情報端末にインストールされてこの情報端末上で当該方法を実行するものであってもよい。この場合は、上述のデータベースはプログラムと共に各情報端末にインストールされてもよい。例えば、図2に記載の移動情報端末1006に当該プログラムおよびデータベースをインストールする実施形態が考えられる。この実施形態では、当該方法の実行時に移動情報端末1006とサーバ装置1001との間の通信は不要である。
本発明は施肥設計方法または施肥システムとして、例えば培地または当該培地に肥料として施用される資材、もしくはその両方に有機物を含むものを用いる農法において施肥設計を行う方法またはシステムとして利用することができる。
1000 施肥設計システム
1001 サーバ装置
1002、1003、1004、1005、1006、1007 端末装置
1200 表示部
1201 入力部
1202 栽培条件パラメータ値設定部
1203 目標可給態窒素量取得部
1204 対象培地可給態窒素量取得部
1205 不足量算出部
1206 資材可給態窒素推定量取得部
1207 適正化資材施用量決定部
1208 記憶部
1300 データベース

Claims (6)

  1. 対象培地に肥料として施用される資材の量である施用量を決定する施肥設計方法であって、前記対象培地および前記資材の少なくとも一方は有機物を含み、前記施肥設計方法は、
    前記対象培地の可給態窒素の適正量である目標可給態窒素量を取得するために用いられるパラメータである栽培条件パラメータの値を設定する栽培条件パラメータ値設定ステップと、
    栽培条件パラメータの値と対象培地に含まれるべき可給態窒素の適正量との対応を示すデータベースを参照して、前記設定された栽培条件パラメータの値に対応する可給態窒素の適正量を前記目標可給態窒素量として取得する目標可給態窒素量取得ステップと、
    前記対象培地に含まれている可給態窒素の推定量を取得する対象培地可給態窒素推定量取得ステップと、
    前記目標可給態窒素量から前記対象培地に含まれている可給態窒素の推定量を差し引いて前記対象培地の可給態窒素の不足量を算出する不足量算出ステップと、
    前記資材に含まれている可給態窒素の推定量を取得する資材可給態窒素推定量取得ステップと、
    前記資材に含まれている可給態窒素の推定量に基づいて、前記対象培地の可給態窒素の不足量を補うために前記対象培地に施用される前記資材の量である適正化資材施用量を決定する適正化資材施用量決定ステップと
    を含む施肥設計方法。
  2. 前記栽培条件パラメータは、前記対象培地における栽培の対象である作物を示すパラメータおよび前記対象培地がある場所の気温に関する情報を直接または間接に示すパラメータを含む
    請求項1に記載の施肥設計方法。
  3. 前記適正化資材施用量の資材の前記対象培地への施用後に、前記対象培地可給態窒素推定量取得ステップから前記適正化資材施用量決定ステップまでを再度実行して前記資材の前記対象培地への追加施用量を決定する追肥量決定ステップをさらに含む
    請求項1または請求項2に記載の施肥設計方法。
  4. 前記対象培地可給態窒素推定量取得ステップおよび前記資材可給態窒素推定量取得ステップにおいて取得される前記各可給態窒素の推定量は、所定の温度の水または溶液に培地の土壌または資材を所定量攪拌して得られる試料溶液を所定の時間、所定の温度で保温し、前記試料溶液に抽出されたアンモニア態窒素の量および硝酸態窒素の量、または前記試料溶液の化学的酸素要求量に基づいて求められる
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の施肥設計方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の施肥設計方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  6. 対象培地に肥料として施用される資材の量である施用量を決定する施肥設計システムであって、前記対象培地および前記資材の少なくとも一方は有機物を含み、前記施肥設計システムは、
    前記対象培地の可給態窒素の適正量である目標可給態窒素量を取得するために用いられるパラメータである栽培条件パラメータの値をユーザに設定させる栽培条件パラメータ値設定部と、
    栽培条件パラメータの値と対象培地に含まれるべき可給態窒素の適正量との対応を示すデータベースを参照して、前記設定された栽培条件パラメータの値に対応する可給態窒素の適正量を前記目標可給態窒素量として取得する目標可給態窒素量取得部と、
    前記対象培地に含まれている可給態窒素の推定量を取得する対象培地可給態窒素量取得部と、
    前記目標可給態窒素量から前記対象培地に含まれている可給態窒素の推定量を差し引いて前記対象培地の可給態窒素の不足量を算出する不足量算出部と、
    前記資材に含まれている可給態窒素の推定量を取得する資材可給態窒素推定量取得部と、
    前記資材に含まれている可給態窒素の推定量に基づいて、前記対象培地の可給態窒素の不足量を補うために前記対象培地に施用される前記資材の量である適正化資材施用量を決定する適正化資材施用量決定部と
    を含む施肥設計システム。
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