<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は板状のフレーム材等を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられた状態では、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤24の構成を図4(a)に基づいて説明する。図4(a)は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33a及び下作動口33bを有する作動口ユニット33,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33a,33bへの入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側等に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の遊技釘38が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、作動口33a,33b又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33a及び下作動口33bは、上下に並設されてなり、ともに上向きに開放されている。また、作動口ユニット33には、左右一対の可動片34a及びそれら可動片34aを動作させる駆動部を有する電動役物34が設けられている。
電動役物34(詳しくは駆動部)は後述する主制御装置に接続されており、主制御装置からの信号に基づいて、下作動口33bへの入球を許容する開放状態(サポート状態又はガイド状態)と、当該下作動口33bへの入球を不可とする閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)とに切り替る構成となっている。なお、電動役物34については、第1状態と当該第1状態よりも入賞が発生しやすい第2状態とに切替可能であれば足り、必ずしも開放状態/閉鎖状態に切替可能である必要はない。
本パチンコ機10では、電動役物34によるサポートの態様が異なる複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、電動役物34が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも作動口への入賞が発生する確率が高くなる。そして、作動口への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行される。このため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球の消費(投資)を抑えながら遊技を行うことができる。
ここで、図4(b)を参照して作動口33a,33bが設けられた作動口ユニット33について補足説明する。図4(b)は作動口ユニット33の内部構造を示す概略図である。
作動口ユニット33には、上作動口33aに流入した遊技球を遊技盤24の背面側に設けられた回収通路へ案内する案内通路33cが形成されている。案内通路33cはその途中位置にて第1分岐通路33d及び第2分岐通路33eに分岐している。
案内通路33cにおける分岐位置には当該分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路33d及び第2分岐通路33eへ交互に振り分ける振分手段33gが設けられている。振分手段33gは、分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路33dへ案内する第1案内状態と第2分岐通路33eへ案内する第2案内状態とに切替可能なっている。この振分手段33gは、遊技球を案内したことに基づいて一方の案内状態から他方の案内状態に切り替る構成となっている。故に、上作動口33aに流入した遊技球は、順次第1分岐通路33d/第2分岐通路33eに振り分けられることとなる。
下作動口33bは連絡通路33fを介して第2分岐通路に繋がっており、当該下作動口33bに流入した遊技球は、第2分岐通路へ直接流入する。つまり、上作動口33aに流入した遊技球については両分岐通路に流入する一方、下作動口33bに流入した遊技球は第2分岐通路にのみ流入する構成となっている。
第1分岐通路33d(以下、第1入球部33dともいう)には遊技球を検知する検知センサ211cが配設され、第2分岐通路33e(以下、第2入球部33eともいう)において連絡通路33fの連通部分よりも下流側となる位置には遊技球を検知する検知センサ211dが配設されている。これら検知センサ211c,211dは主制御装置に接続されており、主制御装置では検知センサ211c,211dからの検知情報(検知信号)に基づいて分岐通路33d,33eへの入球、すなわち作動口33a,33bへの入賞の有無を把握する。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aと、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bとを備えている。開閉扉32bは、通常は大入賞口32aへの遊技球の入賞が不可となる閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に大入賞口32aへの遊技球の入賞が許容される開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。なお、可変入賞装置32については、第1状態とそれよりも入賞が発生しやすい第2状態とに切替可能であれば足り、必ずしも開放状態/閉鎖状態に切替可能である必要はない。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に突出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくことが抑制されている。なお、装飾部材39の上面には、上述した複数の一般入賞口31の一部が上方に開放された状態で設置されている。
図示による詳細な説明は省略するが、メイン表示部43はセグメント表示器を有しており、当該セグメント表示器には作動口用の結果表示部が設けられている。作動口用の結果表示部は、上記各入球部33d,33eに1対1で対応させて第1入球部33d用の表示領域と第2入球部33e用の表示領域と有しており、これら表示領域において、作動口33a,33bへの入賞(詳しくは入球部33d,33eへの入球)に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。この場合、同表示領域では、作動口33a,33bへの入賞をトリガとして、各表示用セグメントにおける点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示(可変表示)が行われ、その変動表示の停止結果として、同入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。つまり、第1入球部33dへの入球に基づく抽選結果は第1入球部用の表示領域にて明示され、第2入球部33eへの入球に基づく抽選結果は第2入球部用の表示領域にて明示される。
役物用表示部44についても上記メイン表示部43と同様にセグメント表示器を有しており、当該セグメント表示器には役物用結果表示部が設けられている。役物用結果表示部は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用結果表示部では、スルーゲート35への入賞をトリガとして、各表示用セグメントにおける点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用結果表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口33bに併設された電動役物34が所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、表示画面41aを有し同表示画面41aにて図柄を変動表示(可変表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41(詳しくは表示画面41a)を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、表示画面41aの前方を遊技球が落下していくことを抑制しており、遊技球の落下により表示画面41a(例えば上記図柄や後述する保留用画像)の視認性が低下するといった不都合が生じにくい構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中、下に並べて図柄列が表示され、これらの図柄列が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、作動口33a,33bへの入賞に基づいて開始される。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が16回行われることとなる16ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44の役物用結果表示部に対応した保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、スルーゲート35に対応する保留情報については図柄表示装置41に表示される構成とすることも可能である。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
前扉枠14は内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられており、当該前扉枠14には遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている(図1又は図2参照)。図1に示すように、窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73(図2参照)を通じて排出される。
また、上側膨出部65においてパチンコ機10前方を向く領域には、遊技者により手動操作される演出用操作部75(詳しくは操作ボタン)が設けられている。例えば、図柄表示装置41の表示画面41aに表示された示唆等に従って同演出用操作部75が手動操作されることにより、図柄表示装置41の表示画面41a等における演出内容が同操作に対応した所定の演出内容となる。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び報知・演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する停電監視基板とを具備しており、これら主制御基板及び停電監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
報知・演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置(図示略)の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や報知・演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源・発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97及び電源・発射制御装置98は、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源・発射制御装置98は、電源・発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202は、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源・発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33a,33b(詳しくは第1入球部33d及び第2入球部33e)及びスルーゲート35などの各種入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた検知センサがそれぞれ接続されており、これら検知センサからの検知情報(検知信号)に基づいて主制御装置81のMPU202により各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、作動口33a,33bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び報知・演出制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上述した作動口33a,33b等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア224が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第1入球部33dへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され第2入球部33eへの入賞を特定した場合には1個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置82には、主制御装置81から変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド、保留コマンド、シフト時コマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア224が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、電動役物34の可動片34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34のサポート抽選に当選した場合には、電動役物34が開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、MPU202によってメイン表示部43の表示制御が実行される。
さらには、MPU202の出力側に外部出力端子板99が接続されており、この外部出力端子板99を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板205は主制御基板201と電源・発射制御装置98とを中継しており、同停電監視基板205には電源・発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた保留ランプ部47、前扉枠14に設けられた表示ランプ部63及びスピーカ部64等を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、報知・演出制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示態様(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)、図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類)、停止表示された図柄の組み合わせによる確定表示態様の概要を特定する。
ここで、各遊技回の図柄の変動表示に係る構成及び同変動表示の内容について説明する。なお、以下の説明においては適宜図6及び図7を参照する。図6及び図7は図柄表示装置41の表示画面41aにおける表示内容を説明するための概略図である。
表示制御装置212には、キャラクタROMが設けられている。当該キャラクタROMには、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータ(図6(a)〜(i)参照)と、数字が付されていない副図柄のデータ(図6(j)参照)とが予め記憶されている。
図7(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面41aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面41aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。
上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、図7(b)に示すように、表示画面41aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面41aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、大当たり結果発生として大当たり用の動画(例えばオープニングムービー)が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列Z1を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列Z3を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列Z2を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、第1種大当たり結果(16R対応大当たり結果)が発生する場合には、例えば同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、第2種大当たり結果(4R対応大当たり結果)が発生する場合には、例えば同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
表示画面41aにおいて、上図柄列の変動表示領域、中図柄の変動表示領域、下図柄の変動表示領域を有してなる変動表示領域MEの下方となる部分には、保留表示領域NEが設定されている。当該保留表示領域NEには、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合(入球部33d,33eに入球した場合)の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Da1〜Da8が左右方向に並ぶようにして区画された保留数表示領域Daが設けられている。
具体的には、遊技球が第1入球部33dに入球した場合の最大保留個数は4個であり、第2入球部33eに入球した場合の最大保留個数は4個である。詳細については後述するが、本実施の形態では第1入球部33d及び第2入球部33eへの入賞順に合計で8個の保留情報が記憶される構成となっている。これに対応させて保留数表示領域Daには、第1単位保留表示領域Da1、第2単位保留表示領域Da2、第3単位保留表示領域Da3、第4単位保留表示領域Da4、第5単位保留表示領域Da5、第6単位保留表示領域Da6、第7単位保留表示領域Da7、第8単位保留表示領域Da8が設定されている。
例えば、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合の保留個数(総保留数)が1個の場合には、第1単位保留表示領域Da1のみにて所定の保留表示用画像MPが表示され、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Da1〜第4単位保留表示領域Da4にて所定の保留表示用画像MPが表示される構成となっている。なお、図6(b)では保留個数が3個である場合について例示している。
また、保留表示領域NEには、保留数表示領域Da(詳しくは第1単位保留表示領域Da1)と横並びとなるようにして、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留表示用画像MPが表示される実行対象表示領域Dbが設けられている。
遊技回が終了して次の遊技回に移行する場合には、保留数表示領域Da(第1単位保留表示領域Da1)に表示されている保留表示用画像MPが実行対象表示領域Dbに移り、保留数表示領域Daに表示されている保留表示用画像MPを下位側にシフトすることとなる。
(各種カウンタについて)
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の概要設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8の概略図に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1種大当たり結果や第2種大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の作動口用の結果表示部及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口33bの電動役物34を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、作動口33a,33bへの入賞(詳しくは第1入球部33d又は第2入球部33eへの入球)が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、作動口用の保留エリアREと実行エリアAEとを備えている。保留エリアREは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3、第4エリアRa4、第5エリアRa5、第6エリアRa6、第7エリアRa7、第8エリアRa8を備えており、作動口33a,33bへの入賞履歴(詳しくは第1入球部33d及び第2入球部33eへの入球履歴)に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1〜Ra8に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
第1エリアRa1〜第8エリアRa8には、作動口33a,33bへの入賞(詳しくは第1入球部33d及び第2入球部33eへの入球)が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4→第5エリアRa5→第6エリアRa6→第7エリアRa7→第8エリアRa8の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように8つのエリアRa1〜Ra8が設けられていることにより、第1入球部33d及び第2入球部33eへの遊技球の入球履歴がそれぞれ4個、すなわち作動口33a,33bへの入賞履歴が計8個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア232には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1入球部33d又は第2入球部33eへの入球に基づいて取得及び記憶された保留情報の記憶数を特定するための情報が格納される。
例えば、第1入球部33d及び第2入球部33eの何れか一方にのみ入球が発生し、その数が4以上となる場合には作動口33a,33bへの入賞に係る最大記憶数は4つに制限されるが、既に説明した振分手段33gによって遊技球が第1入球部33d及び第2入球部33eへ交互に入球する限りは、作動口33a,33bへの入賞に係る最大記憶数が8つに引き上げられることとなる。つまり、本実施の形態においては、下作動口33bへの入賞が発生しにくい状況下においても、記憶される保留情報の数が4つで頭打ちになることを抑制することが可能となっている。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアRa1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合に、詳しくは入球部33d,33eへ流入した遊技球が上記検知センサ211c,211dにより検知されたタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合に、詳しくは入球部33d,33eへ流入した遊技球が上記検知センサ211c,211dにより検知されたタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、第1種大当たり結果(15R対応特別遊技結果)と、第2種大当たり結果(4R対応特別遊技結果)とが設定されている。
第1種大当たり結果及び第2種大当たり結果に当選した場合には開閉実行モードへ移行し、当該開閉実行モードが終了した後は、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数(規定回数)が経過した後に、低確率モード且つ低頻度サポートモードに対応した通常遊技状態に移行する。以下の説明では高確率モード且つ高頻度サポートモードに対応した遊技状態を高確遊技状態と称する。
第1種大当たり結果となった場合には可変入賞装置32が16回開放され、第2種大当たり結果となった場合には可変入賞装置32が4回開放される構成となっている。つまり、第1種大当たり結果の方が第2種大当たり結果よりも開閉実行モードで獲得できる遊技球の数が多くなるように設定され、有利度合いに差か設定されている。
なお、第1入球部33d対応の振分テーブルにおいては、「0〜9」が第1種大当たり結果に対応し、「10〜29」が第2種大当たり結果に対応しており、第2入球部33e対応の振分テーブルにおいては「0〜19」が第1種大当たり結果に対応し、「20〜29」が第2種大当たり結果に対応している。これにより、第2入球部33eへの入球に基づく振り分けが第1入球部33dへの入球に基づく振り分けよりも遊技者にとって有利となるように差違が設けられている。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合に、詳しくは入球部33d,33eへ流入した遊技球が上記検知センサ211c,211dにより検知されたタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面41a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図7を参照して上記リーチ表示となる場合の表示態様について例示する。リーチ表示となる場合には、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され(停止表示され)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された(停止表示された)状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードへ移行する発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた前兆表示等を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
図柄表示装置41やメイン表示部43(詳しくは作動口用の結果表示部)における変動表示時間を決定する場合にはリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSのバッファ値、ROM203の表示時間テーブル記憶エリア223が参照される。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上記作動口用の結果表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203に記憶された停止結果決定用テーブルが用いられる。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34を開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34を開放状態に制御しない。
(主制御装置81にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの各種処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、図9のフローチャートを参照し、タイマ割込み処理について説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種入賞検知センサの状態を読み込み、当該入賞検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、報知・演出制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の保留ランプ部47を点灯させるための処理を実行する。そして、各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動口33a,33bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ここで、図10及び図11のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
ステップS201では、遊技球が第1入球部33dに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が第1入球部33dに入球したと判定した場合には、ステップS202に進み、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
続くステップS203では、第1入球部33dに遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、第1入球部33dへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS204では、大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2等の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201にて遊技球が第1入球部33dに入賞していないと判定した場合にはステップS205に進む。ステップS205では、遊技球が第2入球部33eに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が第2入球部33eに入球したと判定した場合には、ステップS205に進み、払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。なお、ステップS202,S205にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置97に対して送信される。
続くステップS207では、第2入球部33eに遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、第2入球部33eへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS204にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
なお、ステップS201,S205の両処理にてそれぞれ否定判定をした場合、すなわち第1入球部33d及び第2入球部33eのいずれにも入球がなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
ここで、図11を参照して、ステップS204の情報取得処理について説明する。
(情報取得処理)
情報取得処理においては先ずステップS301にて、保留球格納エリア232の保留数記憶領域FEに格納された始動保留球数N、詳しくは第1入球部33d及び第2入球部33eのうち当該情報取得処理の契機となった入球部に係る始動保留球数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する入球部の始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて保留数記憶領域FEに格納された総保留数(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、作動口用保留エリアREの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした共通保留数CRNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS305及びステップS306では、作動口33a,33bへの入賞(入球部33d,33eへの入球)が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行し、本情報取得処理を終了する。なお、保留コマンドには第1入球部33d及び第2入球部33eのうちいずれの入球部への入賞に基づくものであるかの情報が含まれる。
ステップS306の保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS401)にて報知・演出制御装置82及び表示制御装置212に送信されることとなる。表示制御装置212においては当該保留コマンドを受信することにより上述した保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
具体的には、表示制御装置212は、報知・演出制御装置82を経由して表示制御装置212にて同コマンドを受信した場合には、保留数表示領域Daに上記保留表示用画像MPを表示(例えば追加)させるための処理を実行する。保留数表示領域Daにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば共通保留数CRNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Da1に保留画像が表示され、共通保留数CRNが8であれば左から8個目の第8単位保留表示領域Da8に保留画像が表示されるようになっている。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図12のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S409のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部信号出力処理を実行する。ステップS401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドや保留コマンドや後述するシフト時コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、メイン表示部43の表示制御などを行う。
ステップS403の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS404に進み、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード且つ高頻度サポートモード(高確遊技状態)などに移行する。なお、ステップS403の遊技回制御処理及びステップS404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS405では、作動口ユニット33に設けられた電動役物34を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリア233に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物34を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物34の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
既に説明したとおり、電動役物34によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物34が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物34の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置98から発射許可信号を入力していること(すなわち発射操作が行われていること)を条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS408では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS409では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
(遊技回制御処理)
次に、ステップS403の遊技回制御処理を図13〜図16のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理においては先ず、図13のフローチャートに示すように、ステップS501にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS506の遊技回開始用処理及びステップS507〜ステップS510の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43の作動口用の結果表示部が変動表示中であるか否かを判定する。作動口用の結果表示部が変動表示中でない場合には、ステップS503に進む。ステップS503では、メイン表示部43の作動口用の結果表示部が確定表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記変動表示が終了した後は、所定の期間に亘って結果表示が継続されることとなる。この確定表示が行われている場合には、当該ステップS503にて肯定判定をして本遊技回制御処理を終了する。つまり、確定表示中は次遊技回の開始が規制される。
ステップS502及びステップS503の両方にて否定判定をした場合には、ステップS504〜ステップS506の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS504にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS505にて保留球格納エリア232の保留エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS506にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS505のデータ設定処理及びステップS506の変動開始処理について詳細に説明する。先ず、ステップS505のデータ設定処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
(データ設定処理)
データ設定処理では、先ずステップS601にて、保留数記憶領域FEに記憶されている始動保留球数Nのうち今回の設定処理の対象となっているもの及び共通保留数CRNを1ディクリメントする。続くステップS602にて、保留エリアREの第1エリアRa1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS603にて、保留エリアREの各エリアRa1〜Ra8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリアRa1〜第8エリアRa8に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRa1のデータをクリアするとともに、第2エリアRa2→第1エリアRa1、第3エリアRa3→第2エリアRa2、第4エリアRa4→第3エリアRa3、第5エリアRa5→第4エリアRa4、第6エリアRa6→第5エリアRa5、第7エリアRa7→第6エリアRa6、第8エリアRa8→第7エリアRa7といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS604では、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップS604にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82を経由し、表示制御装置212に送信される。表示制御装置212では、シフト時コマンドを受信することで、作動口用の保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
(変動開始処理)
次に、ステップS506の変動開始処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。そして、当否抽選モードが低確率モードである場合には、ROM203の当否テーブル記憶エリア221に記憶された低確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定し、当否抽選モードが高確率モードである場合には、ROM203の当否テーブル記憶エリア221に記憶された高確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定する。
続くステップS702では、ステップS701における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS703にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM203の振分テーブル記憶エリア222に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が第1種大当たり結果に対応した情報に含まれているかを特定する。詳しくは、当該保留情報が第1入球部33dへの入球に対応している場合には第1入球部33d用の振分テーブルを参照し、当該保留情報が第2入球部33eへの入球に対応している場合には第2入球部33e用の振分テーブルを参照して種別判定を行う。
続くステップS704では、ステップS703における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が第1種大当たり結果であるか否かを判定する。第1種大当たり結果である場合には、ステップS705にて第1種大当たり用の停止結果設定処理を実行し、第1種大当たり結果でない場合には、ステップS706にて第2種大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS702にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS707にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS705〜ステップS707の各停止結果設定処理では、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS705及びステップS706では、今回の遊技回の当否判定結果が、大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報(第1種大当たりフラグ又は第2種大当たりフラグ)をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
ステップS705〜ステップS707のいずれかの処理を実行した後は、ステップS708にて、変動表示を行う変動表示時間の設定処理を実行する。続くステップS709では、設定された変動表示時間等の各種情報に基づいて確定表示を行う確定表示時間の設定処理を実行する。
ステップS708及びステップS709にて変動表示時間及び確定表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS710にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報,変動表示時間の情報,確定表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、第1種大当たり結果の情報、第2種大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS710にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。また、報知・演出制御装置82は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置41での変動表示パターンを把握し、その把握した変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS711にてメイン表示部43の作動口用表示部において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図13)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS507〜ステップS510の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS507にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図16)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図9)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、メイン表示部43における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS509にて確定表示処理を実行する。確定表示処理では、上記ステップS705〜ステップS707のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄がメイン表示部43にて停止表示されるように当該メイン表示部43を制御し、当該表示状態を上述した期間に亘って維持する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に格納された確定表示用カウンタ(画定表示時間情報)に所定の値をセットする。このセットされた確定表示用カウンタの値は、タイマ割込み処理(図9)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。この確定表示用カウンタの値が「0」になることにより、次遊技回への移行が許容されることとなる。
続くステップS510では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS510にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS404の遊技状態移行処理を図16のフローチャートを参照して説明する。
遊技状態移行処理においては、先ずステップS801にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS802に進み、1の遊技回のメイン表示部43(詳しくは作動口用の結果表示部)における変動表示→確定表示が終了したタイミングか否かを判定する。確定表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、確定表示が終了したタイミングである場合には、ステップS803にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に第1種大当たりフラグ又は第2種大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS804にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられたラウンドカウンタエリアRCに、大当たり種別に応じて決められた値、具体的には第1種大当たりの場合には「16」、第2種大当たりの場合には「4」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS801にて肯定判定をし、ステップS805に進む。ステップS805では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタエリアRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から所定時間(本実施の形態においては30sec)が経過していること又は所定個数(本実施の形態では10個)の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。
続くステップS806では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合には、ステップS807にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは遊技回が規定回数(100回)継続した場合又は規定回数中に大当たりに当選した場合に終了され、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
その後、ステップS808にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、各種フラグ格納エリア235に格納されている大当たりフラグを消去し、開閉実行モードが終了したことを示すコマンドとしてのエンディングコマンドを報知・演出制御装置82に出力するための処理を行う。
報知・演出制御装置82は、このエンディングコマンドに基づいて開閉実行モードが終了する旨を示す動画(エンディングムービー)を表示する。この動画には、開閉実行モードが終了して高確遊技状態へ移行する旨の情報が含まれる。
本実施の形態においては、遊技状況に応じて遊技の進行速度を変化させることにより、遊技進行の単調化を抑える工夫がなされている。ここで、図17のフローチャートを参照して、ステップS708(図15参照)に示した変動表示時間の設定処理について説明する。
(変動表示時間の設定処理)
変動表示時間の設定処理では、先ずステップS901にて、上記当否抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に第1特殊大当たりフラグ又は第2特殊大当たりフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。
ステップS901にて否定判定をした場合、すなわち上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、ステップS902に進む。ステップS902では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリア225に記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS901及びステップS902の何れか一方にて肯定判定をした場合にはステップS903に進み、ROM203の表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、続くステップS904にてその変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施の形態においては、当否抽選の結果が大当たり当選結果である場合又は同当否抽選の結果が外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行する構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチ表示とスーパーリーチ表示とが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ表示及びスーパーリーチ表示それぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
なお、より詳細には、リーチ発生用変動表示時間テーブルは、大当たりの種別に対応している。具体的には、第1種大当たり結果の場合に、特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されているとともに、第2種大当たり結果の場合に、非特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されている。因みに、参照されるリーチ発生用変動表示時間テーブルについては、通常遊技状態及び高確遊技状態の両状態にて共通となっている。
ステップS902の説明に戻り、当該ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS905に進む。ステップS905では遊技状態が高確遊技状態となっているか否かを判定する。ステップS905にて肯定判定をした場合にはステップS906に進み、表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されている高確遊技状態対応のリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906にてその変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS905にて否定判定をした場合にはステップS907に進み、表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されている通常遊技状態対応のリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906にてその変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。特に、高確遊技状態(サポートモードが高頻度サポートモード)となっている場合には、通常遊技状態(サポートモードが低頻度サポートモード)となっている場合よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されている。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、記憶されている保留情報の数(後続の保留情報の数)及び変動種別カウンタCSの値等をパラメータとして決定される(所謂、時短機能)。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
近年のパチンコ機には、電動役物が付属した入球部に係る賞球数が「3」以上となるように設定されているものがある。この種の遊技機においては、電動役物がたくさんの遊技球を拾ってしまうことにより、想定以上の特典が遊技者に付与され得る。そこで、このような事象を回避すべく、高頻度入賞モードにおける開放時間等が電動役物への入球が過剰にならないように抑えられており、これに合わせて1遊技回あたりの変動表示時間の短縮度合いが決定されている。つまり、入球の発生を抑えることが変動表示時間の短縮を妨げる要因になtっている。また、係る構成では、所謂止め打ち等の技術介入によって電動役物の開放に合わせた遊技球の発射を行うことにより、高確遊技状態にて持ち球を増やすことが可能である。仮に、このような行為が容易となれば、消化速度を向上させる機能が上手く活用されず、スピーディーな遊技進行が実現されぬままになると懸念される。
ここで、本実施の形態においては、既に説明したように、第2入球部33eへの入球に基づく賞球数を「1」としている。「1」の入球に対する賞球数を「1」とすることにより、電動役物34の開放時間を従来の遊技機の倍以上の時間(本実施の形態において凡そ「6sec」)としてほぼ開きっぱなしとなるように構成しても、それにより上述した想定を超える特典が遊技者に付与されることを回避できる。つまり、発射された遊技球のほとんどが電動役物34→第2入球部33eに入球する構成としても、それに起因した上記不都合が発生しない。故に、上記時短機能を好適に発揮させることができ、高確遊技状態における保留の消化速度の向上が実現される。
但し、変動表示時間が短縮されることにより、1遊技回に係る時間のうち確定表示時間の占める割合が大きくなる。そもそも、確定表示時間は遊技結果を遊技者に明示し、且つ後続の遊技回との境目を明らかにすべく設けられたものであり、この確定表示時間の存在が際立つことは遊技への注目度を向上させる上で好ましくない。また、高確遊技状態にて上記消化速度の向上を図る上では、確定表示時間の存在が足かせになり得る。そこで、本実施の形態では確定表示時間の存在意義を担保しつつ、それに起因した不都合の発生を抑える工夫が施されている。以下、図18のフローチャートを参照して、ステップS709(図15参照)に示した確定表示時間の設定処理について説明する。
(確定表示時間の設定処理)
確定表示時間の設定処理においては、先ずステップS1001にて遊技状態が高確遊技状態となっているか否かを判定する。ステップS1001にて否定判定をした場合、すなわち通常遊技状態であると判定した場合には、ステップS1002に進む。
ステップS1002では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた確定表示時間カウンタエリア(確定表示時間計測手段)に第1カウント値(「1.0sec」に相当)をセットする。これにより、確定表示時間が第1確定表示時間「1.0sec」となる。
一方、ステップS1001にて肯定判定をした場合、すなわち高確遊技状態であると判定した場合には、ステップS1003に進む。ステップS1003では実行される遊技回が高確遊技状態における最終遊技回、すなわち通常遊技状態への移行する契機になる遊技回(本実施の形態では100回目の遊技回)であるか否かを判定する。
ステップS1003にて否定判定をした場合にはステップS1004に進む。ステップS1004では、上記ステップS708による変動表示時間の設定処理の結果に基づいてスーパーリーチ対応の遊技回であるか否かを判定する。ステップS1004にて否定判定をした場合には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた確定表示時間カウンタエリア(確定表示時間計測手段)に第1カウント値よりも小さい第2カウント値(「0.8sec」に相当)をセットする。これにより、確定表示時間が「0.8sec」となる。
一方、ステップS1004にて肯定判定をした場合にはステップS1002に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた確定表示時間カウンタエリア(確定表示時間計測手段)に第1カウント値(「1.0sec」に相当)をセットする。これにより、確定表示時間が第1確定表示時間「1.0sec」となる。
つまり、高確遊技状態においては、スーパーリーチが行われない場合には基本的に確定表示時間が第1確定表示時間「1.0sec」→第2確定表示時間「0.8sec」に短縮されるものの、スーパーリーチが行われる場合には、通常遊技状態と同様に第1確定表示時間「1.0sec」のままとなる。このようにして設定された確定表示時間に関する情報は上記変動用コマンドを通じて報知・演出制御装置82に送信される。
(演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について)
次に、図5のブロック図を参照して、報知・演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について補足説明する。
報知・演出制御装置82に設けられた報知・演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等の各種回路等が内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されており、当該主制御装置81から既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、シフト時コマンドや保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、更には、オープニングコマンドやエンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた保留ランプ部47、前扉枠14に設けられた表示ランプ部63及びスピーカ部64、表示制御装置212が接続されている。主制御装置81から報知・演出制御装置82に入力された各種コマンドの一部は、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置212に送信される。
表示制御装置212は、プログラムROM及びワークRAMが複合的にチップ化された素子であるMPU、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、キャラクタROM、ビデオRAMが搭載された表示制御基板を備えている。表示制御装置212のMPUは、報知・演出制御装置82を経由して主制御装置81から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDPの制御(具体的にはVDPに対する内部コマンドの生成)を実施する。より具体的には、MPUでは、報知・演出制御装置82を経由して主制御装置81から送信されたコマンドに基づいて図柄表示装置41における各遊技回の変動表示パターンを把握する処理を実行するとともに、その処理結果に対応してVDP255に対する描画処理を実行する。これにより、図柄表示装置41の表示画面41aにて各種画像が表示されることとなる。
プログラムROMは、MPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。ワークRAMは、MPUによる各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAMの各エリアに記憶される。VDPは、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDPはICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDPは、MPU、ビデオRAM等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAMに記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROMは、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
ビデオRAMは、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAMの内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
既に説明したように本実施の形態では、表示画面41aにおける図柄の変動表示態様の概要が主制御装置81からのコマンドを参照して報知・演出制御装置82により特定され、その特定結果に基づいて変動表示態様の詳細が表示制御装置212によって把握される構成となっている。具体的には、報知・演出制御装置82のMPU242では、所定の周期(例えば2msec)で起動される定期処理の一環として変動表示制御処理が実行され、この変動表示制御処理にて図柄の変動表示態様の概要等が特定される。ここで、図19のフローチャートを参照して変動表示制御処理について説明する。
(変動表示制御処理)
変動表示制御処理においては、先ずステップS1101にて遊技回中であるか否か、すなわち図柄表示装置41にて1遊技回分の図柄の変動表示〜確定表示が実行されているか否かを判定する。遊技回中でないと判定した場合にはステップS1102に進み、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS1102にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1103にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
ステップS1101の説明に戻り、当該ステップS1101にて肯定判定をした場合、すなわち遊技回中であると判定した場合には、ステップS1104に進む。ステップS1104では主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1104にて否定判定をした場合には、ステップS1105にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動中用処理は、変動開始用処理によって開始された遊技回において各種演出の実行や決定された演出の変更を行う処理である。
ステップS1104にて肯定判定をした場合にはステップS1106に進み、当該ステップS1106にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理は、図柄の変動表示や実行されている演出を当該遊技回に係る保留情報に対応するようにして終了させる(確定表示させる)処理である。かかる処理では、スピーカ部64やランプ部63を駆動制御することで確定表示に対応する煽り等の演出を行う。そして、確定コマンドを表示制御装置212に出力してから、本変動終了用処理を終了する。表示制御装置212のMPU252では、受信した確定コマンドに基づき図柄表示装置41にて図柄が停止表示(確定表示)されるように当該図柄表示装置41の表示制御を行う。
(変動開始用処理)
ここで、図20のフローチャートを参照して、ステップS1103の変動開始用処理について補足説明する。変動開始用処理は、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信したことに基づき、遊技回用の演出を開始させるための処理である。変動開始用処理では、遊技回用の演出としてリーチ表示等の設定を行う。
変動開始処理においては、先ずステップS1201にて今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報、変動表示時間の情報、確定表示時間の情報を特定する。既に説明したように主制御装置81から変動用コマンドが送信される場合には種別コマンドも併せて送信される。ステップS1201では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、第1種大当たり結果の情報、第2種大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS1201では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、変動表示時間の情報、確定表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU242のレジスタに記憶する。
続くステップS1202では、ステップS1201にて把握した情報に基づいて、今回開始する遊技回の遊技結果が大当たり結果に対応する遊技結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合、すなわち第1種大当たり結果又は第2種大当たり結果である場合には、続くステップS1203にて、大当たり用の演出設定処理を実行する。
大当たり用の演出設定処理では大当たり用の停止結果(図柄組み合わせ)を決定する(停止結果決定処理を行う)。停止結果決定処理においては、第1種大当たり結果である場合に、一の有効ラインL1〜L5上に同一の特定図柄(奇数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。また、第2種大当たり結果である場合には、一の有効ラインL1〜L5上に同一の非特定図柄(偶数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。
大当たり結果となった場合に停止表示される主図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選等によってランダムに決定される。ROM243の各種テーブルエリアに記憶された最終停止ラインテーブルには、各有効ラインL1〜L5とアドレス情報とが記憶されており、上記処理にて決定された最終停止ラインはRAM244に設けられた最終停止ラインアドレス記憶エリアにアドレス情報として記憶される。またこの際、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下の説明でも各種停止結果決定処理にて決定した停止結果のアドレス情報がRAM244の停止結果アドレス記憶エリアに記憶される。
また、大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の変動表示態様を決定する(変動表示態様決定処理(演出パターン決定処理)を行う)。既に説明したとおり、大当たり結果となった場合、その結果はリーチ表示を経て報知される構成となっている。リーチ表示用の変動表示態様決定処理では、ROM243の各種テーブルエリアに記憶されているリーチ表示用の変動表示パターンテーブルを取得し、今回受信している変動用コマンドの変動表示時間及び種別コマンドにおける遊技結果に対応したノーマルリーチ表示又はスーパーリーチ表示の演出パターンを決定する。また、決定した変動表示態様のアドレス情報をRAM244のパターンアドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下に示す変動表示態様決定処理においてもROM243の変動表示パターンテーブル記憶エリアから対応する変動表示パターンテーブルを取得して変動表示時間及び遊技結果に対応した演出パターンを決定する。そして、演出パターン決定処理にて決定した演出パターンのアドレス情報をRAM244のパターンアドレス記憶エリアに記憶する。
ステップS1202にて大当たり結果ではないと判定した場合にはステップS1204に進む。ステップS1204では、今回の遊技回にてリーチが発生するか否かを把握する。リーチが発生する場合にはステップS1205に進み、リーチ発生用の演出設定処理を実行する。リーチ発生用の演出設定処理では演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。前者については、上記ステップS1203の処理と同様であるため説明を援用する。本処理は外れリーチに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せとならないように停止結果(図柄組み合わせ)を決定する。すなわち、一の有効ラインL1〜L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、この決定に際しては、いずれの有効ラインL1〜L5上にも同一の図柄の組合せが成立することなく、且つ、リーチラインを形成する図柄と同じ中図柄列Z2の図柄をリーチラインに対して前又は後にずれた停止位置で最終停止させるように有効ライン上の停止結果を決定する。その後、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。
ステップS1204にてリーチ発生ではないと判定した場合は、ステップS1206に進む。ステップS1206では、通常外れ用の演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。本処理は完全外れに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せが形成されないようにして停止図柄を決定する。
ステップS1203、ステップS1205、ステップS1206のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1207に進み、確定表示用設定処理を行う。確定表示用設定処理では、ステップS1101にて把握された情報に基づいて確定表示時間の設定を行い、少なくとも当該確定表示時間が経過するまで停止中の各図柄列の変動表示を規制する。
続くステップS1208では、ステップS1203、ステップS1205、ステップS1206にて決定した停止結果及び演出パターンの情報(変動表示〜確定表示)を含むコマンドを、それぞれ停止結果コマンド、パターンコマンドとして表示制御装置212へ出力する処理を実行する。表示制御装置212のMPUでは、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づき、今回の遊技回における演出を実行するべく図柄表示装置41の表示制御を行う。
ステップS1208の処理を実行した後は、続くステップS1209にて、遊技回用の演出を開始する処理を実行した後、本変動開始用処理を終了する。具体的には、上記ステップS1203、ステップS1205、ステップS1206にて決定した演出パターンに基づいてスピーカ部64やランプ部63の駆動制御を開始して、遊技回用の演出を開始する。
ここで、図21に基づき図柄表示装置41(表示画面41a)にて表示される図柄の変動表示態様について補足説明する。図21(a)は変動表示態様の種類を示す概略図、図21(b)群は各変動表示態様の概要を示す概略図である。
(変動表示態様)
図21(a)に示すように、表示画面41aにて実行される図柄の変動表示態様は、完全外れ,ノーマルリーチA,ノーマルリーチB,スーパーリーチA,スーパーリーチBの5つに大別される。これら各変動表示態様については、変動表示時間が異なるように設定されており、主制御装置81からのコマンドに付与され変動表示時間に係る情報に基づいて遊技回毎の変動表示態様の概要を把握可能となっている。
具体的には、完全外れの変動表示時間については「0.8sec〜8sec」(遊技状態及び保留数に応じて差が設定されている)、ノーマルリーチAの変動表示時間については「10sec」、ノーマルリーチBの変動表示時間についてはノーマルリーチAの変動表示時間よりも長い「15sec」、スーパーリーチAの変動表示時間についてはノーマルリーチA,Bの変動表示時間よりも長い「16sec」、スーパーリーチBの変動表示時間についてはスーパーリーチAの変動表示時間よりも長い「17sec」となっている。例えば、主制御装置81からのコマンドに付与された変動表示時間に関する情報が「15sec」である場合には、報知・演出制御装置82にてノーマルリーチBを実行すべき旨が把握されることとなる。
リーチ表示が実行される場合には通常遊技状態にて設定される変動表示時間と高確遊技状態にて設定される変動表示時間が共通となっている。つまり、例えば「16sec」が設定されている場合には、遊技状態に関係なくスーパーリーチAが実行されることとなる。一方、完全外れとなる場合には変動表示時間が遊技状態に応じて変化する。既に説明したように、高確遊技状態においては電動役物34によるサポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替わる。このため、高確遊技状態では作動口33bへの入球確率が上昇し、保留情報の取得頻度が高くなる。このような事情に配慮して、高確遊技状態では完全はずれ時の時間短縮機能(所謂時短機能)が顕著に発揮されるように工夫されている。
具体的には、通常遊技状態においては、保留数が「8」〜「4」の場合には変動表示時間として「3sec」が設定され、保留数が「3」又は「2」の場合には変動表示時間として「4sec〜6sec」が設定され、保留数が「1」又は「0」の場合には変動表示時間として「7sec〜8sec」が設定される。これに対して高確遊技状態においては、保留数が「8」〜「1」の場合には「0.8sec」が設定され、「0」の場合には「7sec〜8sec」が設定される。
大当たり結果に対応する遊技回では、スーパーリーチB > スーパーリーチA > ノーマルリーチB > ノーマルリーチA の順に選択されやすくなるようになっており、外れ結果に対応する遊技回では、完全外れ > ノーマルリーチA > ノーマルリーチB > スーパーリーチA > スーパーリーチB の順に選択されやすい構成となっている。つまり、変動表示時間が長くなるにつれて大当たりの当選期待度が高くなる設定となっている。
ここで、図21(b1)を参照してノーマルリーチA,Bの変動表示態様について説明する。ノーマルリーチA,Bが選択された場合には、先ず停止表示されている全ての図柄列の変動表示(スクロール表示)を開始し、その後、上段の図柄列Z1において図柄の変動表示を終了し(停止表示させ)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示を終了する(停止表示させる)。このようにして上下の図柄列Z1,Z3を停止表示した状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5(図6参照)に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2の変動表示が行われることでリーチ表示(リーチ変動表示)となる。リーチ表示となった後、中段の図柄列Z2を停止表示することにより、変動表示が終了する。そして、リーチライン上に当該リーチ表示を構成している図柄と同一の図柄が停止することで大当たりに当選した旨が報知され、同リーチライン上にそれ以外の図柄が停止することで大当たりに当選していない旨が報知されることとなる。このようにして、最終停止表示された図柄の組み合わせについては所定期間に亘ってそのまま維持される。つまり、停止表示期間が経過するまでは今回の遊技回が続いており、当該停止表示期間が経過することにより次の遊技回への移行が許容されることとなる。
本実施の形態においてはリーチラインが形成された後の中図柄列Z2の変動表示時間に差を設定することにより、ノーマルリーチAとノーマルリーチBとの変動表示時間の差が確保されているが、両者の差の設定の仕方については任意である。例えば、変動表示が開始されてからリーチラインが形成されるまでの時間に差を設定することにより、上記変動表示時間の差を確保することも可能である。
次に、上述したノーマルリーチA,Bの変動表示態様を踏まえてスーパーリーチA,Bの変動表示態様について説明する。図21(b2),(b3)に示すように、スーパーリーチA,Bについては、ノーマルリーチA,Bと同様の過程を経て上述したリーチラインを形成する。そして、リーチラインを形成した後、中図柄列Z2の変動表示に併せて、所定のキャラクタを動画として表示することによりリーチ演出を行う構成となっている。具体的には、スーパーリーチAにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に妖精を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチBにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に女の子を模したキャラクタが表示されることとなる。
ここで、図22のタイミングチャートを参照して、高確遊技状態にて実行される遊技回での表示演出の流れについて例示する。
図22に示す例では、ta1のタイミングで遊技回が開始されている。遊技回の開始によって、図柄表示装置41の表示画面41aではそれまで停止表示されていた図柄列の変動表示が開始されることとなる。ta1のタイミングで遊技回が開始される際の保留数は「8」となっており、当該遊技回の開始に伴って保留数が「8」→「7」に減算される。図22の例では、当該遊技回は、高確遊技状態、保留数が「8」(1以上)であり、且つ完全外れに対応しているため、変動表示時間として「0.8sec」が設定される。ta1のタイミングから0.8secが経過したta2のタイミングでは図柄の変動表示が終了し、全ての図柄列が停止表示された確定表示に移行する。
高確遊技状態では、リーチ表示等の特殊表示が行われない場合には確定表示時間として第2確定表示時間「0.8sec」が設定される。このため、上記確定表示はta2のタイミングから0.8secが経過したta3のタイミングまで継続されることとなる。ta3のタイミングでは確定表示が終了し、次遊技回の開始規制が解除される。
ta3のタイミングで開始される遊技回については、リーチ表示(詳しくはスーパーリーチB)に対応している。この遊技回では、ta3のタイミングで図柄の変動表示が開始して、ta4のタイミングで通常変動表示からリーチ表示に切り替る。その後、ta5のタイミングにて表示画面41aの下端から女の子を模したキャラクタ(画像)が登場し、概観上ノーマルリーチからスーパーリーチBへ移行したかのようにステップアップする。
キャラクタについては、表示画面41aの下方から出現して、表示画面41aの中央に設定された所定の演出位置へ変位する。そして、所定の演出位置に到達したキャラクタの動き(キャラクのアクション)に合わせて図柄の変動表示が行われることとなる。つまり、キャラクタによる演出を行う場合、当該キャラクタを所定の演出位置に配置するための開始表示を経由することになるが、この開始表示に一定の期間(本実施の形態では1.0sec程度)を要する構成となっている。
ここで、上記ノーマルリーチBには、あたかもスーパーリーチBに移行するかのように見せかけて、スーパーリーチBへ移行しない煽り演出が組み込まれた煽り演出対応のものが存在する。具体的には、リーチ表示へ移行した後のタイミングにて表示画面41aの下端から女の子を模したキャラクタの頭部が表示されるものの、当該キャラクタが所定の演出位置に到達することなく表示画面41aの下端に消え去る(引っ込む)演出が行われる場合がある。
上述の如く、キャラクタを時間を掛けて所定の演出位置に変位させる構成とすることにより、ノーマルリーチBよりも上位のスーパーリーチBへステップアップするよう遊技者に期待させることができる。このような分岐を設け、ステップアップの可否を目視で確認する時間を担保することは、表示演出への注目度を高める上で有利であり、表示演出の単調化を抑える上でも好ましい構成である。
また、キャラクタ画像の一部(具体的には衣装:水着)については、色が複数種設定さており、「青」 < 「緑」 < 「赤」の順に大当たりの期待度が高くなるように設定されている。ここで、この衣装の色についてはキャラクタが上記所定の演出位置と退避位置との中間位置まで上昇することによって視認可能となる。なお、上述した煽り演出の場合にはこの中間位置に到達する前に(分岐位置に到達した時点で)キャラクタが引っ込み、当該煽り演出が終了することとなる。
キャラクタが分岐位置を越え、スーパーリーチBへのステップアップが確定した後は、遊技者は、本スーパーリーチBがより期待度の高いものであることを期待して、衣装の色の確認を行うと想定される。このような開始表示によれば、段階的変化によって遊技者の期待度を徐々に上昇させる効果が発揮され、表示演出への注目度向上に貢献できる。
開始表示からアクション表示へ移行したta6のタイミング以降は、キャラクタ画像の動きに合わせてスクロール表示が継続され、変動表示が終了するta7のタイミングにて図柄が停止表示される。これにより、当該遊技回での当否情報(図22においては外れ結果)が明示される。
ta7のタイミングで確定表示に移行すると、所定の演出位置に表示されていたキャラクタを退避させる終了表示が行われることとなる。具体的には、確定表示時間を利用して、キャラクタを表示画面41aの下端へ降下させて、表示画面41aから離脱(非表示)させる。このように、確定表示時間を利用して終了表示を行うことにより、当該遊技回における変動表示時間が圧迫されることを抑制できる。
本実施の形態においては、通常遊技状態と比較して高確遊技状態での確定表示時間が短くなるように設定されているが、リーチ表示が行われる場合については例外となっており、通常遊技状態と同じ確定表示時間が適用される。これにより、確定表示はta7のタイミングから1.0secが経過したta9のタイミングまで継続される。
上記終了表示に要する時間は、確定表示に要する時間と同等(1.0sec)となるように設定されている。これにより、通常遊技状態及び高確遊技状態の両遊技状態にて表示演出(特に終了表示)に係る情報(詳しくはROM243等に記憶されたプログラム)を共用することが可能なっている。
高確遊技状態については既に説明したように当該高確遊技状態にて大当たりに当選することなく規定回数の遊技回(100回)が実行されることにより通常遊技状態へ移行することとなる。通常遊技状態へ移行する場合には、高確遊技状態にて最後の実行される遊技回の確定表示時間を利用して、高確遊技状態から通常遊技状態への移行を示す演出が実行される構成となっている。
より具体的には、高確遊技状態と通常遊技状態とでは表示画面41aに表示される背景画像やスピーカ部64から出力されるBGMが異なっている。詳しくは通常遊技状態では表示画面41aに表示される背景画像が「青」を基調としたものとなっており、BGMについてはローテンポなものが採用されている。一方、高確遊技状態では表示画面41aに表示される背景画像が「赤」を基調としたものとなり、BGMについても通常遊技状態に対応したものよりもハイテンポなものが採用されている。
このように、視覚的/聴覚的な差違を付与することにより、すなわち滞在ステージを差別化することにより、通常遊技状態と高確遊技状態との違いを強調している。遊技状態の変化は遊技者の利益に大きく関係する。そこで、本実施の形態においては滞在ステージの変化に応じてステージ切替用の演出を行うことにより、ステージが切り替る旨を分かりやすくまた見逃されにくくしている。以下、当該演出を実行するための工夫について説明する。
再び図18のフローチャートを参照して説明すると、ステップS1001にて高確遊技状態であると判定(肯定判定)し、ステップS1003にて高確遊技状態が終了する契機となる最終遊技回、具体的には高確遊技状態にて実行された遊技回が規定回数に到達した又は高確遊技状態中に大当たりに当選したことにより終了条件が成立した遊技回であると判定(肯定判定)した場合には、ステップS1006に進む。ステップS1006では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた確定表示時間カウンタエリア(確定表示時間計測手段)に第1カウント値(「1.0sec」に相当)及び第2カウント値(「0.8sec」に相当)よりも大きい第3カウント値をセットする。これにより、確定表示時間が第3確定表示時間「1.2sec」に拡大される。
図柄表示装置41の表示画面41aやスピーカ部64では、高確遊技状態における最終遊技回であること、すなわち上記確定表示時間として第3確定表示時間「1.2sec」が設定されていることを条件として、上述した滞在ステージの変更に係る表示演出が行われることとなる。ここで、図23のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置82のMPU242により定期処理の一環として実行されるステージ表示用処理について説明する。
(ステージ表示用処理)
ステージ表示用処理においては先ず、ステップS1301にて開閉実行モードの終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置81から入力されたエンディングコマンドが入力されているか否かを判定する。ステップS1301にて肯定判定をした場合にはステップS1302の処理を実行した後、本ステージ表示用処理を終了する。
ステップS1302では高確遊技状態対応のステージ表示用処理を行う。つまり、本実施の形態においては、開閉実行モードの終了を示すエンディング表示の一環として高確遊技状態対応のステージへの移行を示す表示演出が実行される構成となっている。
一方、ステップS1301にて否定判定をした場合には、ステップS1303に進む。ステップS1303では高確遊技状態となっているか否かを判定する。ステップS1303にて否定判定をした場合には、そのまま本ステージ表示用処理を終了する。
ステップS1303にて肯定判定をした場合にはステップS1304に進む。ステップS1304では主制御装置81から変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1304にて否定判定をした場合には、そのまま本ステージ表示用処理を終了する。
ステップS1304にて肯定判定をした場合には、ステップS1305に進む。ステップS1305では高確遊技状態の終了条件(遊技回数→100回又は大当たり当選)が成立したか否かを判定する。ステップS1305にて否定判定をした場合には、ステップS1306にて表示内容の更新処理を実行した後、本ステージ表示用処理を終了する。本実施の形態における高確遊技状態においては、当該ステージに滞在できる残り回数が明示される構成となっている。ステップS1306の更新処理を実行することにより、図柄表示装置41の表示画面41aに表示された残り回数が更新されることとなる。
ステップS1305にて肯定判定をした場合には、ステップS1307に進み、高確遊技状態の終了条件の成立が規定回数の到達を契機とするものか否かを判定する。ステップS1307にて否定判定をした場合には、ステップS1309に進み、開閉実行モードオープニング連動演出を実行するための処理を行う。具体的には、確定表示が実行されている最中に、開閉実行モードへ移行することを明示する演出として、オープニング表示に繋がる表示演出が実行されるように、当該表示演出の設定を行う。なお、高確遊技状態の終了条件として、上記2つの条件が同時に成立する場合には、大当たり当選が優先され、ステップS1309の処理が実行されることとなる。
ステップS1307にて肯定判定をした場合、すなわち規定回数の到達によって高確遊技状態が終了すると判定した場合には、ステップS1308の処理を実行した後、本ステージ表示用処理を終了する。ステップS1308においては、通常遊技状態に対応したステージを表示するステージ表示処理を実行する。これにより、確定表示が行われている最中にステージ切替用の表示演出がなされる。
ここで、図24のタイミングチャートを参照して、ステージ切り替えの流れについて説示する。tb1のタイミング〜tb2のタイミングにて完全は外れに対応する遊技回の確定表示が実行され、tb2のタイミングで次遊技回に移行する。ここで、表示画面41aの右上に表示されていた高確遊技状態の残り回数が更新される。詳しくは、カウンタ表示が「99/100」→「100/100」に更新される。これにより、高確遊技状態における最終遊技回であることが明示される。
図24の例では最終遊技回についても完全外れに対応しており、且つこの時点で後続の保留情報が記憶されているため、変動表示時間として第2確定表示時間「0.8」secが設定される。tb2のタイミングから0.8secが経過したtb3のタイミングでは、完全外れに対応する図柄組み合わせが停止表示され、通常の変動表示から確定表示に移行する。tb3のタイミングから0.6secが経過したtb4のタイミングでは、表示画面41aの左右にシャッタを模した画像(以下、単にシャッタという)が表示され、これらシャッタについては、停止中の図柄に遊技機前方から重なるように表示されるものの、同シャッタを通じて停止中の図柄を視認可能となるように構成されている。
tb3のタイミングから通常での確定表示時間と同じ長さとなる時間(0.8sec)が経過したtb5のタイミングにてシャッタが閉じた状態となり、その状態が一定時間に亘って継続される。この継続中(詳しくはtb5のタイミング〜tb6のタイミング)にて上述した背景画像が「赤」→「青」に変更されるとともにカウンタ表示が非表示となる。また、tb5のタイミング〜tb6のタイミングにてBGMの出力が一時的に停止された無音状態となる。
tb6のタイミングでは、シャッタが閉位置から開位置(非表示位置)へ向けて変位する。これにより、「青」に変更された背景画像が視認可能となり、シャッタが完全に開ききったtb7のタイミング、詳しくはtb3のタイミングから第3確定表示時間「1.2sec」が経過したtb7のタイミングにて通常遊技状態での次の遊技回が開始することとなる。これに合わせて通常遊技状態に対応したBGMの出力が開始される。
このように、本実施の形態では、シャッタによって図柄や背景の識別力が低下した低識別状態を挟んで高確遊技状態(高確ステージ)から通常遊技状態(通常ステージ)へ移行することにより、唐突にステージが変化したかのような印象を遊技者に与えることを抑制している。
また、敢えて最終遊技回の確定表示時間を高確遊技状態での基準時間となる第2確定表示時間「0.8sec」更には通常遊技状態での基準時間となる第1確定表示時間「1.0sec」よりも長く設定することにより、遊技進行のリズムを変化させている。このようなリズムの変化を、相対的に長く設定された確定表示時間を利用して発生させることには、上述したステージ変化に係る表示演出の実行時間を担保する上で好ましい。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
遊技進行に伴い表示画面41aにて図柄が可変表示され、大当たりの抽選結果に応じた図柄の組み合わせが当該表示画面41aに停止表示される。このような遊技機の基本構成に鑑みれば、遊技者の注目は専ら、最終的に明示される図柄の組み合わせやその過程で実行されるリーチ表示等の変動表示に向けられると想定される。ここで、本実施の形態に示す遊技機においては変動表示が実行される時間を短縮する所謂時短機能や各種リーチ表示等の採用により、遊技進行にメリハリを与え、遊技への注目度の向上が図られている。
ここで、従来の遊技機においては、本実施の形態に示す遊技機と同様に変動表示の態様について各種工夫が施されているものの、遊技結果を表示する確定表示については、付与判定の結果の把握を促したり、次遊技回への区切りとして機能したりするに過ぎず、この確定表示時間が画一的になっていた。
このように確定表示時間が画一的になることは、遊技の単調化を回避する機能を発揮する上で妨げとなり得る。この点、本実施の形態によれば、確定表示時間を変化させることにより、遊技状況(例えば通常遊技状態/高確遊技状態)等に応じて遊技進行に緩急等の変化を与えて遊技のリズムを変化させることができる。これにより、遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
特に、変動表示時間が比較的長く設定されている通常遊技状態では確定表示時間も比較的長く、変動表示時間が比較的短く設定されている高確遊技状態では確定表示時間も比較的短くなる。このように変動表示時間にリンクして(調和させて)確定表示時間を変化させることにより、例えば変動表示時間及び確定表示時間によって構成される遊技回の全体を利用して上述した緩急差を発生させることができ、上記効果を好適に発揮させることが可能となる。
確定表示時間を極端に短くしたり極端に長くしたりすることにより、上記緩急をより強調することが可能である。しかしながら、確定表示時間のそもそもの存在意義(遊技結果の明示)に配慮した場合、当該確定表示時間の極端な差が同確定表示時間を設けたことによる効果を上手く発揮させる上で妨げになる。
この点、確定表示時間単独で差を担保するのではなく変動表示時間と一体となって差を担保することにより、上記効果を好適に発揮させることができる。特に、そのような差を生じさせる上で確定表示時間の寄与率を抑えて過度な変化を回避することにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。つまり、変動表示時間及び確定表示時間により1遊技回に係る遊技時間が構成されている場合に、確定表示時間が過度に短くなって遊技結果の確認が困難になったり確定表示時間が間延びして遊技者の注目を低下させたりすることを抑制しつつ、通常遊技状態における保留情報の消化速度と、高確遊技状態における保留情報の消化速度との差違を明確にすることができる。
1の遊技回を構成する変動表示時間を確定表示時間よりも長く設定することにより、当たり外れの結果が明示されるまでの過程を見せて遊技者の興趣の向上を図るという遊技機本来の機能を担保しつつ、通常遊技状態における確定表示時間 > 高確遊技状態における変動表示時間 > 高確遊技状態における確定表示時間とすることにより、遊技回全体で通常遊技状態における保留情報の消化速度と、高確遊技状態における保留情報の消化速度とを好適に差別化できる。
遊技状態の変化によって有利度合いが変わるだけでなく、遊技状態に応じた確定表示時間の変化が生じることとなる。このようにして、遊技の流れに差違を生じさせることにより、遊技の単調化を一層好適に抑制できる。
また、高確遊技状態にて所謂時短機能を発揮させることで遊技進行を加速させたい場合に、確定表示時間の存在がその妨げになり得る。この点、高確遊技状態にて確定表示時間を短縮させることにより、当該時短機能の強化に貢献できる。
特に、遊技者にとって有利な高確遊技状態では、通常遊技状態と比較して大当たり当選への期待が高まることとなる。この際、有利な状況が間延びすることは、大当たり当選が無駄に遅延されているかのような印象を遊技者に与える要因になり得る。これは、遊技者の高確遊技状態(大当たり当選)への期待を維持する上で妨げになる。そこで、大当たりへの期待が高まった状況下にて、上述の如く確定表示時間を短縮して遊技進行を加速させることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
記憶可能な保留情報の数に上限が設けられている場合には、当該上限の存在によって保留情報の取得に非対応となる入球が発生し得る。このような入球では当否抽選の権利が得られないため通常の入球と比較して無駄が大きくなる。このような事情から、遊技者が所謂止め打ちにより遊技球の投資(発射)を抑えながら遊技を行う可能性が高くなる。これでは、高確遊技状態(高頻度サポートモード)により遊技進行を加速させる効果が上手く発揮されなくなる。そこで、本実施の形態に示すように、入球が多く発生しやすい高頻度サポートモード中にて確定表示時間を短くすることにより、上述した無駄の発生を抑制して、遊技者による遊技進行の遅延の抑制に貢献できる。故に、モードを切り替えて遊技進行の緩急を強調する効果を好適に発揮させることが可能となる。
作動口33bへの入球が発生しやすい高頻度サポートモードにおいては、低頻度サポートモードよりも変動表示時間を短くして保留情報の消化を促進することにより、持ち球の減りを抑えつつ遊技を迅速に進めることができる。ここで、作動口33bへの入球に基づく賞球数を「1」に設定することにより、入球率を高めたことに起因して高頻度サポートモード中に持ち球が増えることを抑制できる。これにより、高頻度サポートモード中に記憶されている保留情報の数が「0」になることを抑制することができ、ある程度の入球が期待できるため入球率に配慮して変動表示時間や確定表示時間の短縮に制約が生じることを回避できる。故に、上記時短機能の更なる強化に貢献できる。
本実施の形態においては特に、高頻度入賞モード中であっても特定の表示演出(スーパーリーチA又はスーパーリーチB)が行われる場合には、通常遊技状態と同じ確定表示時間が適用され、当該確定表示時間の短縮が規制されることとなる。これにより、特定の表示演出を終了する際に必要となる終了表示用の時間が不足して当該終了表示が円滑に行われなくなるといった不都合の発生を抑制できる。
具体的には、終了表示の完結を無視して演出用キャラクタの退避中に次遊技回に無理矢理に移行した場合には、演出用キャラクタの退避中に当該演出が強制終了されることとなり視覚的な違和感が発生し得る。例えば早送り等によって終了表示に要する時間を短縮することにより上記強制終了は回避できるものの、このような対応では停止表示期間の短縮の影響を受けて退避速度の変化が著しくなる。故に、視覚的な違和感の発生を抑えることは困難になると想定される。また、そのような特殊な表示態様を実現するための情報が必須となり演出に係る記憶領域が圧迫され得る。この点、本実施の形態によれば、特定の表示演出の共通化を図ったことに起因して特定の表示演出が終了する際(終了表示)の表示態様に違和感が発生することを抑制できる。また、特定の表示演出が行われる場合に限っては確定表示時間の短縮を行わない構成としたとしても、そもそも特定の表示演出が毎遊技回実行されるわけではない。故に、上述した遊技進行の加速効果が著しく低下することはない。更に、特定の表示演出の共通化を図る上で終了表示の態様をモード別に記憶しておく必要がなくなり、報知・演出制御装置82や表示制御装置212の記憶容量が無駄に増加することが回避される。
高確遊技状態(高頻度入賞モード)にて高確遊技状態専用の表示演出が実行される場合に、確定表示時間を短縮するのではなく、寧ろ通常遊技状態における確定表示時間よりも長くなるように延長することにより、停止表示期間の振れ幅を大きくできる。これにより、それまで急速に進んでいた遊技にブレーキがかかったかのような印象を遊技者に与えることができ、遊技進行に伴う緩急の発生に貢献できる。
例えば、変動表示時間を長くすることで緩急を付けることも可能であるが、そもそも変化に乏しい確定表示時間を延ばすことにより、緩急の発生の印象が弱くなることを回避できる。これにより、上記効果が好適発揮される。
抽選回数が規定数(100回)に達することで遊技状態切替用の表示演出が実行される構成においては、当該表示演出を経て高確遊技状態に対応するステージから通常遊技状態に対応するステージに転落する。ここで、高確遊技状態 → 通常遊技状態への切り替えが発生する際に、確定表示時間を長くして当該確定表示時間にてステージ転落用の表示演出を行うことにより、唐突にステージ(遊技状態)が切り替ったかのような印象を遊技者に与えることを抑制できる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、通常遊技状態/高確遊技状態に応じて確定表示時間を変更する構成としたが、本実施の形態においては、記憶されている後続の保留情報に基づいて確定表示時間を変更する点で第1の実施の形態と相違している。具体的には、RAM204の保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告に係る演出に確定表示時間の変化を利用することで、確定表示に対する遊技者の注目が低下することを抑制している。以下、先ず保留予告の概要について説明した後、本実施の形態における特徴的な構成を上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
(保留予告について)
本実施の形態では、RAM204の保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告に係る演出が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前に所定の確率で実行される構成となっている。未だ抽選対象となっていない保留情報に対応した演出が、当該保留情報に係る遊技回となるよりも前のタイミングにて実行される。係る構成によれば、現在進行中の遊技回に対応した保留情報の抽選結果を確認する遊技だけでなく、後に抽選対象となる保留情報が抽選対象となった場合の結果を上記演出の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技への注目度を高めることができる。
保留予告としては、(1)表示画面41aの変動表示領域MEにて上述した図柄の変動表示に併せて(変動表示時間中に)実行される第1種保留予告、(2)停止表示された図柄組み合わせの確定表示時間に関連付けて実行される第2種保留予告、(3)表示画面41aの保留表示領域NEにて保留表示の態様の変化に併せて実行される第3種保留予告とが設定されている。以下、先ず保留予告の前提となる構成、主制御装置81のMPU202にて実行される保留予告にかかる処理について説明する。
保留予告に係る処理としては、保留予告用の確認処理(ステップS305)と保留コマンドの設定処理(ステップS306)とが設定されており、これら各処理はタイマ割込み処理(図9)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図10)、詳しくはステップS204の情報取得処理の一環として実行される構成となっている。つまり、保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理については、作動口33a,33bへの入賞に基づいて実行される構成となっている。以下、図25のフローチャートを参照し保留予告用の確認処理について説明する。
(保留予告用の確認処理)
保留予告用の確認処理では、ステップS1301にて、保留球格納エリア232の保留数記憶領域FEに記憶された始動保留記憶数Nと共通保留数CRNとを読み出し、かかる保留個数の情報をMPU202のレジスタに記憶する。その後、ステップS1302〜S1306にて今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS1302にて、作動口33a,33bへの今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。
続くステップS1303では、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS1304に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照してステップS1302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する情報群に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合にはステップS1305に進み、図10(a)に示す高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1304又はステップS1305の後はステップS1306に進み、ステップS1302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS1307にてMPU202のレジスタに大当たり情報を記憶し、そのまま本保留予告用の確認処理を終了する。
なお、ステップS1307の処理においては、今回の入賞に基づき上記ステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり種別判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり種別カウンタC2の値を把握し、振分テーブルを参照して大当たりの種別を判定する。ステップS1307にてMPU202のレジスタに記憶される情報には大当たりの種別に係る情報が含まれることとなる。
一方、ステップS1306にて否定判定をした場合には、ステップS1308に進む。ステップS1308では、作動口33a,33bへの今回の入賞に基づき上記ステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわち取得済みのリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。
続くステップS1309では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリア(リーチ判定用情報群記憶手段)225に記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS1308にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1309の処理を実行した後はステップS1310に進み、ステップS1308にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1311にて、MPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。一方、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
ここで、上記第2種保留予告については、主制御装置81にてその可否が決定されるため、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置82や表示制御装置212においては保留予告に係る可否判定等の処理は実行されない。一方、第1種/第3種保留予告については、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置82や表示制御装置212に保留予告の可否の決定が委ねられている。このように、複数種の保留予告を実行するにあたり、その決定権を各制御装置に振り分けることにより、保留予告の多様化に起因した制御負荷の集中を回避している。
ここで、確定表示時間の設定態様としては、上記第1の実施の形態に示した確定表示時間設定処理と同様の態様にて確定表示時間を定める設定態様と、第2種保留予告に応じて確定表示時間を定める設定態様とが設けられている。以下、図26のフローチャートを参照して、本実施の形態における確定表示時間の設定処理について説明する。
(確定表示時間の設定処理)
確定表示時間の設定処理においては先ず、ステップS1401にて確定表示時間の特殊設定に対応する遊技回であるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に特殊設定フラグが格納されているか否かに基づいて当該ステップS1401の判定を行う。
ステップS1401にて否定判定をした場合にはステップS1402に進む。ステップS1402では、遊技状態が高確遊技状態となっているか否かを判定する。ステップS1402にて否定判定をした場合には、ステップS1403に進む。ステップS1403では、記憶されている後続の保留情報に大当たり又は外れリーチに対応するものが存在しているか否かを判定する。
ステップS1403にて否定判定をした場合又はステップS1402にて肯定判定をした場合には、ステップS1404にて確定表示時間の通常設定処理を実行して本設定処理を終了する。なお、ステップS1404に示す通常設定処理については、上記第1の実施の形態に示した確定表示時間の設定処理(図18参照)と同様であるため、説明を援用する。
一方、ステップS1403にて肯定判定をした場合にはステップS1405に進む。ステップS1405では確定表示時間の特殊設定可否抽選処理を実行する。つまり、本実施の形態における第2種保留予告については、通常遊技状態であり且つ大当たり又は外れリーチ対応の遊技回が控えていることを条件として、抽選により実行の可否が決定される。具体的には、ROM203に記憶されている抽選テーブルを参照して保留予告の可否抽選を行う。抽選テーブルについては、契機となった保留情報が大当たりに対応している場合に参照される大当たり対応の抽選テーブルと、契機となった保留情報が外れノーマルリーチに対応している場合に参照される外れノーマルリーチ対応の抽選テーブルと、契機となった保留情報が外れスーパーリーチに対応している場合に参照される外れスーパーリーチ対応の抽選テーブルとに大別される。
なお、記憶されている保留情報の中に大当たり又は外れスーパーリーチに対応するものが複数存在している場合には、新しい保留情報を契機とする第2種保留予告を規制する構成とすることも可能である。このような構成とすることにより、保留予告が行われている最中にリーチ表示が介在することにより、遊技者の注意が変動表示に向いて、確定表示に対する注目が薄れることを抑制することができる。また、例えばスーパーリーチが行われる場合には、上記第1の実施の形態に示したように、リーチ表示で使用したキャラクタを退避させる必要がある。故に、上記規制を行うことにより、キャラクタの退避に要する時間(終了表示に係る時間)の担保ができなくなるといった不都合の発生を回避できる。
ステップS1405の抽選処理に非当選となった場合には、第3種保留予告が行われることがなく、上記ステップS1404の通常設定処理により確定表示時間が選定される。一方、ステップS1405の抽選処理に当選した場合には、ステップS1407に進み特殊設定パターン決定処理を行う。特殊設定パターン決定処理では、変動表示時間をどの様に変化させるかを決定する。本実施の形態では、基準となる第1確定表示時間「1.0sec」よりも短い第2確定表示時間「0.8sec」に対応するものと、第1確定表示時間「1.0sec」よりも長い第3確定表示時間「1.2sec」に対応するものとが記憶されており、特殊設定パターンにて前者を選択した場合にはRAM204の各種フラグ格納エリア235に第1特殊設定フラグを格納し、後者を選択した場合には第2特殊設定フラグを格納する。
上述した第2/第3確定表示時間については、契機となった保留情報が大当たりに対応している場合には基準となる第1確定表示時間よりも短い第2確定表示時間「0.8sec」が第1確定表示時間よりも長い第3確定表示時間「1.2sec」よりも選択されやすくなっており、契機となった保留情報が外れリーチに対応している場合には基準となる第1確定表示時間よりも長い第3確定表示時間「1.2sec」が第1確定表示時間よりも短い第2確定表示時間「0.8sec」よりも選択されやすくなっている。これにより、確定表示時間が短縮された場合の大当たり期待度が、確定表示時間が延長された場合の大当たり期待度よりも高くなっている。
第1特殊設定フラグが格納されることによりその後は保留予告の契機となった遊技回が実行されるまで確定表示時間として第2確定表示時間「0.8sec」が設定され(以下、この態様での保留予告を第2種予告演出Aと称する)、第2特殊設定フラグが格納されることによりその後は保留予告の契機となった遊技回が実行されるまで確定表示時間として第3確定表示時間「1.2sec」が設定されることとなる(以下、この態様での保留予告を第2種予告演出Bと称する)。なお、これらの特殊設定フラグについては、保留予告の契機となった保留情報に係る遊技回が実行される場合に消去される構成となっており、同遊技回にて確定表示時間が第2確定表示時間「0.8sec」又は第3確定表示時間「1.2sec」となることを回避している。
ステップS1407の処理を実行した後、又はステップS1401にて肯定判定を行った場合には、ステップS1408に進む。ステップS1408では、確定表示時間の特殊設定処理を行う。具体的には、ステップS1407にて決定されたか確定表示時間の設定を行う。
ここで、図27を参照して第2種予告演出の流れについて例示する。図27(a)は記憶されている保留情報を示す概略図、図27(b1)は第2種予告演出Aが実行される場合のタイミングチャート、図27(b2)は第2種予告演出Bが実行される場合のタイミングチャートである。
図27(a1)に示す例では、保留エリアREの第1エリアRa1〜第3エリアRa3に格納されている保留情報が全て完全外れに対応している。この状態では、保留エリアREに第2種予告演出A,Bの実行契機となる保留情報が存在していない。
図27(a2)に示すように、第4保留エリアRa4に新たな保留情報が格納され、この保留情報が大当たりに対応している場合、遊技状態が通常遊技状態となっていることを条件としてこの保留情報を契機とした第2種保留予告を行うか否かの抽選が行われる。この抽選により、第2種保留予告を行う旨が決定されると、次の遊技回から変動表示時間が短縮されることとなる。
図27(a3)に示すように、遊技が進み、第4保留エリアRa4に格納されていた保留情報が第3保留エリアRa3に移った場合に、第2種保留予告が開始される。この場合、当該第2種保留予告の契機となった保留情報よりも前に、3つの保留情報が存在しているため、3遊技回に亘って確定表示時間が変更されることとなる。
例えば、第2種予告演出Aが実行される場合には、図27(b1)に示すように第2種予告演出Aの開始に伴い各遊技回における確定表示時間が「1.0sec」から「0.8sec」に短縮されることとなる。これにより、該当遊技回に向けて遊技進行が一時的に加速されることとなる。このような加速によって、遊技者の期待を好適に煽ることができる。
これに対して、第2種予告演出Bが実行される場合には、図27(b2)に示すように第2種予告演出Bの開始に伴い各遊技回における確定表示時間が「1.0sec」から「1.2sec」に延長される。これにより、該当遊技回に向けて遊技進行が一時的に遅延されることとなる。遊技が無駄に遅延されることは遊技意欲を減退させる要因になり得るが、このように意味のある遅延によればそのような不都合の発生を好適に抑制できる。また、通常遊技状態における遊技進行を遅らせることにより、射幸性が無闇に高まることを抑制できる。
特に、加速を目的とする第2種予告演出Aと、遅延を目的とする第2種予告演出Bとを併用すれば、遊技の流れに緩急差を発生させつつ、長期スパンで見た場合に遊技進行が無闇に速くなったり遅くなったりすることが抑制される。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、確定表示時間が単なるインターバルとしての機能を超えて、後の遊技進行を示唆する機能を発揮することとなる。変動表示が行われている場合と確定表示が行われている場合とを比較した場合には、遊技者の注目は専ら前者に向きやすく後者が実行されている場合には、遊技者の注目は以降の遊技回へ向けられると想定される。この点、上記構成によれば、確定表示によってそれ以降に実行される遊技回に係る情報が示唆されることとなり、確定表示に対する遊技者の注目度を好適に向上させることができる。
特に、確定表示時間の相違により上記示唆が行われることになるため、確定表示が開始してから当該確定表示が終了するまで、遊技者の注目を促すことができる。本実施の形態においては、第2種保留予告が行われる場合の確定表示時間と行われない場合の確定表示時間との差を20%程度に抑えている。つまり、ある程度の違和感は生じ得るものの、明らかな差を1の遊技回を参照して確信するのは困難になっている。ここで、保留予告については、複数の遊技回に亘って継続され得る構成となっているため、上述したような違和感を覚えた遊技者は以降の遊技回に対してより注意を払うと想定される。つまり、敢えて明らかに体感できる程の大きな差(例えば50%以上の差)を設けないことにより、遊技者の注目を確定表示に向けやすくしている。
また、このような単なる表示時間の差を演出として組み込むことにより、保留予告演出の多様化を図りつつ、それに起因した制御負荷等の増大を好適に抑制できる。特に、時間の長短によって第2種予告演出A及び第2種予告演出Bの差を生じさせてはいるため、第2種予告演出自体を多様化したことによる制御負荷等の増大についても好適に抑制できる。
<第3の実施の形態>
上記第2の実施の形態では、確定表示時間の変化により第2種予告演出A及び第2種予告演出Bを行う構成とした。本実施の形態では、第2種予告演出(詳しくは第2種予告演出B)が行われる場合に表示画面41a等にて第2種予告演出対応の表示演出が確定表示時間を利用してを行うことを特徴の1つとしている。第2種予告演出Bについては特に、確定表示時間が延長される構成となっているため、この延長された部分を利用することにより、表示演出を実行するための時間を好適に確保することができる。以下、図28を参照して、本実施の形態における第2種予告演出Bについて説明する。図28(a)は第2種予告演出の流れを示すタイミングチャート、図28(b)は第2種予告演出が行われる場合に表示画面41aにて実行される表示演出を示す概略図である。
第2種予告演出Bが実行される遊技回においては、先の遊技回が終了したtc1のタイミングにて図柄の変動表示が開始される(図28(b1)参照)。tc1のタイミングから所定の変動表示時間(例えば3sec)が経過したtc2のタイミングにて変動表示が終了し、外れ結果に対応する図柄の組み合わせが停止表示される(図28(b2)参照)。
これより、変動表示から確定表示に移行する。第2種予告演出Bが選択されている場合には、確定表示時間として第3確定表示時間「1.2sec」が設定される。これにより、tc2のタイミング以降は、当該第3確定表示時間が経過するまで確定表示が継続され、次遊技回の開始が規制されることとなる。
tc2のタイミングから所定の時間、本実施の形態においては第2確定表示時間「0.8sec」と同じ長さの時間(最短確定表示時間)が経過したtc3のタイミングで表示画面41aの下端から泡を模した演出用画像(泡画像)が上昇を開始する。この演出用画像については、図柄よりも手前側に表示され、図柄が泡画像の背後に隠れることとなる。
より詳しくは、tc3のタイミングで上昇を開始した泡画像の量は、tc2のタイミングから所定の時間、本実施の形態においては第1確定表示時間「1.0sec」と同じ長さの時間(基準確定表示時間)が経過したtc4のタイミングで最大となり、このタイミングで、既に停止表示されている図柄の組み合わせの目視による確認が不可となる(図28(b3)参照)。
このように図柄の組み合わせの視認が不可となった状態は、表示画面41aの上端へ消えていく泡画像の量よりも下端から新たに出現する泡画像の量が少なくなって表示画面41aに表示された泡画像が減少し始めるtc5のタイミングまで継続される。tc5のタイミング以降は、新たな泡画像が出現しなくなることにより、表示されている泡画像が表示画面41aの上端へ消え去る。tc2のタイミングから第3確定表示時間「1.2sec」が経過したtc6タイミングにて、泡画像が完全に消失し、当該表示演出が開始される前の状態に復帰する(図28(b4)参照)。これに合わせて、次遊技回に係る図柄の変動表示が開始される(図28(b5)参照)。
このように、確定表示時間において延長された部分(確定表示時間における後半部分)を利用して表示演出を行うことにより、確定表示が終了するまで表示演出が行われるか否かに遊技者の注意が向くように促すことができる。
延長された部分にて表示演出を行う場合には、既に確定表示による当該遊技回の結果の告知機能は十分に発揮されることとなる。故に、本実施の形態に示すように表示画面41a(変動表示領域ME)全域を利用した表示演出を行うことが可能となって当該表示演出のインパクトを高めることができ、それに起因して確定表示時間に付与された告知機能が上手く発揮されなくなることを回避できる。
仮に変動表示(例えばリーチ表示)中に図柄が視認不可となった場合には遊技者を困惑させる要因になり得るが、既に遊技結果が告知された後に行われる表示演出により図柄が視認不可となっても、そのような不都合が生じない。故に、変動表示中と比較して演出に係る制約を軽減し、インパクトの強い演出が可能となる。
なお、確定表示時間の延長の度合いを抑えた場合であっても、このような視覚的な変化を生じさせることにより、第2種予告演出の把握を容易なものとすることができる。
<第4の実施の形態>
上記第1の実施の形態では遊技状態に応じて確定表示時間を設定(変更)する構成としたが、本実施の形態においては、開閉実行モード(「特別遊技状態」に相当)へ移行する場合に当該開閉実行モードの種別(大当たり抽選や振分抽選の結果)に応じて確定表示時間を設定(変更)する点で第1の実施の形態と構成が相違している。そして、そもそもの前提となる開閉実行モードの種類についても第1の実施の形態と相違している。そこで先ず、本実施の形態における開閉実行モードの種類及びその概要について説明し、その後、本実施の形態における特徴的な構成を上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を参照して開閉実行モードへ移行するか否かの判定が行われる。大当たり当選となる乱数カウンタC1の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、本実施の形態における当否テーブルの内容について図30を用いて説明する。図30に示すように、当否テーブルとしては、図30(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図30(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態(低確率モード対応の遊技状態)下では、図30(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「307」,「507」の3個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「307」,「507」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/200となっている。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図30(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「5」,「7」,「36」・・・「572」、「598」の30個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「5」,「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/20となっている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
何れの抽選モードであっても大当たり当選となる乱数の値以外は外れ結果となるが、本実施の形態に示すパチンコ機10においては、外れ結果として特別外れ結果及び通常外れ結果の2種類が設定されている。上記第1の実施の形態においては大当たり結果となった場合にのみ開閉実行モードへ移行するように規定されていたが、本実施の形態では外れ結果の一部(特別外れ結果)においても開閉実行モードへ移行する構成となっている。特別外れ結果及び通常外れ結果の違いについての詳細は後述する。
大当たり種別カウンタC2についても、上記第1の実施の形態と同様に、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の電動役物34におけるサポートモード、という3つの条件に差違が設定されている。これにより、大別して5つの大当たりが設定されている。以下、上記各条件について説明する。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。
具体的には、高頻度入賞モードでは、可変入賞装置32の大入賞口32aの開閉が複数回行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、可変入賞装置32の大入賞口32aの開閉が複数回行われるとともに、1回の開放は0.1sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個となるまで継続される。
本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.1ecとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口の開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しにくくなっている。
故に、低頻度入賞モードにおいては時間に係る条件の成立に基づいて可変入賞装置32の開放が終了し、開放時間の実質的なばらつきが抑えられている。つまり、低頻度入賞モードでは開閉実行モードが一定の周期で進行し、その所要時間についても画一的になる。これに対して、高頻度入賞モードにおいては、時間に係る条件の成立又は入球数に係る条件の成立に基づいて可変入賞装置32の開放が終了する。入球発生の有無やタイミングについては様々な要因によって左右される。このため、実質的に開放時間のばらつきが生じる(大きくなる)。本実施の形態においては、低頻度入賞モード中の開放時間が時間に係る条件に依存しており、その時間のばらつきが実質的に発生しないことを利用して、後述する図柄組み合わせの停止表示時間を担保する構成としているが、この構成についての詳細については後述する。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口の1回の開放に対する開放制限時間(又は開放制限期間)は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、大入賞口32aへの入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モード中には実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とすることが好ましい。因みに、各入賞モードでの開放回数については任意に変更してよい。例えば、低頻度入賞モードにおける大入賞口の開放回数を1回としたり、3回以上としたりすることも可能である。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)についても、上記第1の実施の形態と同様に、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図31を用いて説明する。図31に示すように、振分テーブルとしては、図31(a)の第1入球部33d用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図31(b)の第2入球部33e用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
第1入球部用の振分テーブルでは、図31(a)に示すように、遊技結果の振分先として、明示2R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、16R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)、16R確変大当たり結果A(高確率対応遊技結果)、16R確変大当たり結果B(高確率対応遊技結果)が設定されている。
明示2R確変大当たり結果は、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果であり、これら高確率モード及び高頻度サポートモードについては次回大当たり結果となるまで継続される。明示2R確変大当たり結果は、所謂突然確変(突確)に対応する大当たり結果である。電動役物34の動作態様を見れば当該明示2R確変大当たり結果となったことが明らかとなる。そこで、明示2R確変大当たり結果となった場合には、高確率モード及び高頻度サポートモードに対応する通常遊技状態へ移行する前に、その旨が明示されることとなる。
非明示2R確変大当たり結果は、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果であり、この高確率モードについては次回大当たり結果となるまで継続される。この際、電動役物34の動作態様については変化しない(低頻度サポートモードのままとなる)ため、電動役物34の動作態様から非明示2R確変大当たり結果となったことを事後的に把握することは不可能となっている。非明示2R確変大当たり結果は、所謂潜伏確変(潜確)に対応する大当たり結果である。
上述した明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果については、実質的に遊技球の払い出しが期待できない大当たり結果である。これに対して、以下に示す各種16R大当たり結果については遊技球の払い出しが期待できる大当たり結果となっている。
16R通常大当たり結果は、高頻度入賞モード対応の開閉実行モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。この高頻度サポートモードについては、当該モード中に実行された遊技回が100回に到達するまで継続される。
16R確変大当たり結果Aは、低頻度入賞モード→高頻度入賞モード対応の開閉実行モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードについては次回大当たり結果となるまで継続される。なお、16R確変大当たり結果Aにおいては、第1ラウンド→第2ラウンドまでが低頻度入賞モード対応となっており、第3ラウンド→第16ラウンドまでが高頻度入賞モード対応となっている。つまり、第1ラウンド〜第2ラウンドまでは遊技球の払い出しが期待できない一方、第3ラウンド以降は実質的な遊技球の払い出しが期待できる構成となっており、実質的に14R確変大当たり結果に相当し、所謂ジャンプアップボーナスとなっている。
16R確変大当たり結果Bは、高頻度入賞モード対応の開閉実行モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードについては次回大当たり結果となるまで継続される。
第1入球部用振分テーブルでは、「0〜49」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「10〜19」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が16R通常大当たり結果に対応しており、「30〜39」が16R確変大当たり結果Aに対応しており、「40〜49」が16R確変大当たり結果Bに対応している。
一方、第2入球部用の振分テーブルでは、図31(b)に示すように、遊技結果の振分先として、16R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)、16R確変大当たり結果A(高確率対応遊技結果)、16R確変大当たり結果B(高確率対応遊技結果)が設定されている。本実施の形態においては第2入球部33eへの入賞に基づいて大当たり当選となった場合に高頻度入賞モードとなる確率が、第1入球部33dへの入賞に基づいて大当たり当選となった場合に高頻度入賞モードとなる確率が高く設定されている。より具体的には、第2入球部33eへの入球に基づく振分抽選においては、その対象から明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果が除外されており、振分結果の全てが実質的に遊技球の払い出しが発生するものとなるように限定されている。これにより、第1入球部33dに対する第2入球部33eの優位性が担保されている。
また、本パチンコ機10では、上記のとおり、当否抽選において外れ結果となった場合に、通常外れ結果又は特別外れ結果となる。外れ結果となった場合に比較的高確率で発生する通常外れ結果では開閉実行モードに移行することはない。一方、外れ結果となった場合に比較的低確率で発生する特別外れ結果では特別外れ状態となる。特別外れ状態では、当否抽選において外れ結果となった状況において開閉実行モードに移行することとなる。但し、移行先の開閉実行モードは、低頻度入賞モードに対応している。従って、特別外れ結果となったとしても、可変入賞装置32(大入賞口32a)への遊技球の入賞は期待できない。また、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モード及びサポートモードの移行も発生しない。
詳細については後述するが、特別外れ結果を契機として移行した開閉実行モードにおける可変入賞装置32の動作態様と、2R確変大当たり結果を契機として移行した開閉実行モードにおける可変入賞装置32の動作態様とが共通となっている。このような特別外れ結果の存在によって、可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を演出として用いることが可能となっている。
ここで、特別外れ結果となった場合、低頻度入賞モードに対応する開閉実行モードに移行するのみであり、その後には開閉実行モードへ移行する前の遊技状態に復帰する。これに対して、上記非明示2R確変大当たり結果が発生した場合には、低頻度入賞モードである開閉実行モードに移行し、その後にはサポートモードは低頻度サポートモードであるものの当否抽選モードについては高確率モードとなる。そうすると、特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、同一の低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行すること及びその後にサポートモードが低頻度サポートとなることで共通し、両者の差異は前者においては当否抽選モードが先のモードを引き継ぐ(例えば低確率モードのままとなり、高確率モードの場合には高確率モードが維持される)のに対して後者においては高確率モードとなる(例えば低確率モードの場合には高確率モードに格上げとなり、高確率モードの場合には高確率モードが維持される)点で相違する。つまり、特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、可変入賞装置32の挙動及び電動役物34の挙動といった各可動物の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。これにより、通常遊技状態下において低頻度入賞モードである開閉実行モードが発生し例えばそれが遊技者の目に留まった場合には、その後に当否抽選モードが高確率モードに移行しているか否かを想像させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
また、上記明示2R確変大当たり結果が発生した場合には、低頻度入賞モードである開閉実行モードに移行し、その後にはサポートモードが高頻度サポートモード且つ当否抽選モードが高確率モードとなる。そうすると、特別外れ結果の発生及び明示2R確変大当たり結果の発生は、同一の低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行することで共通し、両者の差異は前者においては当否抽選モードが先のモードを引き継ぐ(例えば低確率モードのままとなる)のに対して後者においては高確率モードとなり(例えば低確率モードの場合には高確率モードに格上げとなり、高確率モードの場合には高確率モードが維持される)且つサポートモードが高頻度サポートモードとなる点で相違する。つまり、特別外れ結果の発生及び明示2R確変大当たり結果の発生した場合には、可変入賞装置32の挙動については共通であるものの、開閉実行モード終了により通常遊技状態に復帰した後は、電動役物34の挙動と、内部的な抽選状態とが相違することとなる。
このように、明示2R確変大当たり結果,非明示2R確変大当たり結果,特別外れ結果に係る低頻度入賞モード対応の開閉実行モードが岐路(分岐点)となって遊技状態が様々に変化し得ることとなる。
なお、通常遊技状態に影響を与えない特別外れ結果(所謂小当たり)に変えて又は特別外れ結果に加えて通常遊技状態に影響を与える所定の大当たり結果(例えば2R通常大当たり結果)を設けることも可能である。所定の大当たり結果を低頻度入賞モード対応の大当たり結果とし、且つ所定の大当たり結果となった後は低確率モードに移行する構成とすることにより、遊技状態の変化に更なるアクセントを付与できる。因みに、所定の大当たり結果となった後は、低頻度サポートモードとなる構成としてもよいし、回数制限付きの高頻度サポートモードとなる構成としてもよい。
「特別遊技状態」として有利度の異なる複数種の開閉実行モード(低頻度入賞モード及び高頻度入賞モード)を設定し、低頻度入賞モードを経て遊技状態を開閉実行モード前の状態から変化させるタイプの遊技機においては、上述したように低頻度入賞モードにおける可変入賞装置32への入球の期待度が高頻度入賞モードと比べて低くなる。故に、例えば低頻度入賞モードにおける可変入賞装置32の動きが遊技者の目に留まる等した場合には、遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。この点、本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑えて遊技状態の移行契機を好適に多様化する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、当該工夫の前提となる構成について説明する。
先ず、図32のフローチャートを参照して、本実施の形態における変動開始処理について説明する。なお、本実施の形態における変動開始処理の主要な流れについては、上記第1の実施の形態に示した変動開始処理(図15参照)と共通であるため、これら共通部分については説明を簡略化し、相違点を中心に説明する。
(変動開始処理)
変動開始処理では、先ずステップS1601にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報に基づいて当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1から取得した情報と、ROM203の当否テーブル記憶エリア221に記憶された低確率モード用/高確率モード用の当否テーブルとを参照して、上記情報が大当たり当選に対応した情報群又は特別外れに対応した情報群に含まれているかを特定する。
続くステップS1602では、ステップS1601における当否判定処理の結果が大当たりに対応した結果(当選結果:大当たり結果)であるか否かを判定する。大当たり結果である場合には、ステップS1603にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した情報と、ROM203の振分テーブル記憶エリア222に記憶された振分テーブルとを参照して種別判定を行う。
続くステップS1604では、ステップS1603における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS1605にて確変大当たり結果用の停止結果設定処理を行う。
ここで、図33のフローチャートを参照して、確変大当たり結果用の停止結果設定処理について説明する。確変大当たり結果用の停止結果設定処理においては先ずステップS1701にて上記ステップS1603の種別判定処理の結果が16R確変大当たり結果であるか否かを判定する。ステップS1701にて否定判定をした場合には、ステップS1702に進む。
ステップS1702では、種別判定処理の結果が明示2R確変大当たり結果であるか否かを判定する。ステップS1702にて肯定判定をした場合にはステップS1703に進む。ステップS1703では明示2R確変大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様(明示2R確変大当たり結果に対応する絵柄の態様)の情報を、ROM203の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。ステップS1703の処理を実行した後は、今回の遊技結果が、明示2R確変大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報として明示2R確変フラグをRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納して、本確変大当たり結果用の停止結果設定処理を終了する。
一方、ステップS1702にて否定判定をした場合、すなわち種別判定処理の結果が非明示2R確変大当たり結果である場合には、ステップS1705に進む。ステップS1705では、非明示2R確変大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様(非明示2R確変大当たり結果に対応する絵柄の態様)の情報を、ROM203の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。ステップS1705の処理を実行した後は、今回の遊技結果が、非明示2R確変大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報として非明示2R確変フラグをRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納して、本確変大当たり結果用の停止結果設定処理を終了する。
ステップS1701の説明に戻り、当該ステップS1701にて肯定判定をした場合、すなわちステップS1603の種別判定処理の結果が16R確変大当たり結果である場合には、ステップS1707に進む。ステップS1707では、種別判定処理の結果が16R確変大当たり結果Aであるか否かを判定する。ステップS1707にて肯定判定をした場合には、ステップS1708に進む。
ステップS1708では16R確変大当たり結果A用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様(16R確変大当たり結果Aに対応する絵柄の態様)の情報を、ROM203の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。ステップS1708の処理を実行した後は、今回の遊技結果が、16R確変大当たり結果AであることをMPU202にて特定するための情報として16R確変フラグAをRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納して、本確変大当たり結果用の停止結果設定処理を終了する。
一方、ステップS1707にて否定判定をした場合、すなわち種別判定処理の結果が16R確変大当たり結果Bである場合には、ステップS1710に進む。ステップS1710では、16R確変大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様(16R確変大当たり結果Bに対応する絵柄の態様)の情報を、ROM203の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。ステップS1710の処理を実行した後は、今回の遊技結果が、16R確変大当たり結果BであることをMPU202にて特定するための情報として16R確変フラグBをRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納して、本確変大当たり結果用の停止結果設定処理を終了する。
再び変動開始処理(図32)の説明に戻り、ステップS1604にて否定判定をした場合、すなわちステップS1603の種別判定処理の結果が確変大当たり結果ではない場合には、ステップS1606に進む。ステップS1606では、16R通常大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様(16R通常大当たり結果に対応する絵柄の態様)の情報を、ROM203の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。ステップS1710の処理を実行した後は、今回の遊技結果が、16R通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報として16R通常フラグをRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
ステップS1602の説明に戻り、当該ステップS1602にて否定判定をした場合、すなわち当否判定処理にて大当たりに当選していない場合には、ステップS1608に進む。既に説明したように、本実施の形態においては外れ結果には、通常外れ結果と特別外れ結果とが設けられており、各外れ結果に応じた処理を実行する。
先ず、ステップS1608にてステップS1601の当否判定処理の結果が特別外れ結果であるか否かを判定する。ステップS1608にて肯定判定をした場合には、ステップS1609に進む。ステップS1609では、特別外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様(特別外れ結果に対応する絵柄の態様)の情報を、ROM203の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。ステップS1710の処理を実行した後は、今回の遊技結果が、特別外れ結果であることをMPU202にて特定するための情報として特別外れフラグをRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
一方、ステップS1608にて否定判定をした場合、すなわちステップS1601の当否判定処理の結果が通常外れ結果である場合には、ステップS1610に進む。ステップS1610では通常外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様(通常外れ結果に対応する絵柄の態様)の情報を、ROM203の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。
ステップS1605,S1607,S1601,S1611のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1612にて絵柄の変動表示を行う変動表示時間の設定処理を実行する。続くステップS1613では、変動表示後に確定表示を行う確定表示時間の設定処理を変動表示時間等の各種情報(例えばリーチ表示の有無や大当たり等の有無)に基づいて実行する。
ステップS1612及びステップS1613にて変動表示時間及び確定表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS1614にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報,変動表示時間の情報,確定表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、明示2R確変大当たり結果に対応する情報,非明示2R確変大当たり結果に対応する情報,16通常大当たり結果に対応する情報,16確変大当たり結果Aに対応する情報,16R確変大当たり結果Bに対応する情報,特別外れ結果に対応する情報,通常外れ結果に対応する情報の何れかが含まれる。
ステップS1614にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における、その遊技回における図柄表示装置41での変動表示パターン(表示演出)の概要、表示ランプ部63の発光パターン、スピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。また、報知・演出制御装置82は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま当該報知・演出制御装置82にて決定した変動表示パターンの概要を付加して表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置41での変動表示パターンを把握し、その把握した変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS1615にてメイン表示部43の作動口用表示部において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
ここで、上記当否抽選及び振分抽選により各種大当たり結果となった場合に、図柄表示装置41の表示画面41aにて停止表示される図柄の組み合わせについて補足説明する。
既に説明したように、表示画面41aにおいては、上・中・下の3つの図柄列Z1〜Z3が設定されており、上図柄列Z1及び下図柄列Z3は「1」〜「9」の9種類の主図柄とそれら各主柄の間に配された副図柄とを有してなり、中図柄列Z2は「0」〜「9」の10種類の主図柄とそれら各主図柄の間に配された副図柄とを有してなる。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、同一の特定図柄の組み合わせが上記有効ライン(図7参照)のうち1のライン上に停止表示されることにより、16R確変大当たり結果Bとなった旨が教示される構成となっている。
また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、同一の非特定図柄の組み合わせが上記有効ライン(図11参照)のうち1のライン上に停止表示されることにより、16R確変大当たり結果B又は16R通常大当たり結果の何れかとなった旨が教示される構成となっている。
つまり、表示画面41aの有効ライン上に特定図柄の組み合わせが停止表示された場合には確変大当たり結果である旨が明示される一方、非特定図柄の組み合わせが停止表示された場合には、確変大当たり結果及び通常大当たり結果の何れであるかが非明示となる。
16確変大当たり結果A、2R確変大当たり結果及び特別外れ結果となる場合には、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によって同一図柄の組み合わせが停止された状態にて、それら両図柄が待機している有効ラインと同一のライン上(後述するリーチライン上)に中図柄列Z2の主図柄と置換可能された「CHANCE」図柄(特殊図柄:オールマイティー図柄)が停止表示される。つまり、「CHANCE」図柄を含む図柄組み合わせが停止表示された場合には、16R確変大当たり結果A,明示2R確変大当たり結果,非明示2R大当たり結果,特別外れ結果の何れになったことは明示される一方、少なくとも当該図柄組み合わせが停止表示された時点では何れの結果であるかは非明示となる。
なお、上述したメイン表示部43の作動口用表示部においては、当否抽選の結果及び振分抽選の結果が明示される。但し、当該作動口用表示部においては上述した各結果に関しても区別して表示されるが、各作動口用表示部においては同作動口用表示部を構成している複数のLEDを個々に点灯/消灯させることにより、また発色パターンを様々に変化させることにより各結果に対応する絵柄が多様になっている。そして、16R確変大当たり結果Aに対応する絵柄,明示2R確変大当たり結果に対応する絵柄,非明示2R大当たり結果に対応する絵柄,特別外れ結果に対応する絵柄については類似のものが設定されており、当該作動口用表示部を目視で確認したとしても、その種別を確定表示が行われている期間中に識別することは困難となるように構成されている。
開閉実行モードへの移行契機となる該当遊技回においては、図柄表示装置41及びメイン表示部43の何れを参照しても、該当遊技回における遊技結果を識別することが困難となっており、該当遊技回後の遊技の流れを想像するように促すことができ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
因みに、遊技者の趣向等によっては、遊技結果を早期に把握したいといったニーズも発生し得る。このようなニーズに配慮する場合には、少なくともメイン表示部43の作動口用表示部にて停止表示される絵柄については、16R確変大当たり結果A,明示2R確変大当たり結果,非明示2R大当たり結果,特別外れ結果の何れであるかを容易に識別可能となるように、絵柄の差違を明確化してもよい。つまり、メイン表示部43においては、遊技結果を遊技者が容易に把握できるように識別性を高めた状態で表示させる構成としてもよい。
次に、図34〜図37のフローチャートを参照して、本実施の形態における遊技状態移行処理について説明する。
(遊技状態移行処理)
図34に示すように、遊技状態移行処理においては先ず、ステップS1801にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1802に進み、メイン表示部43(作動口用表示部)にて絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示期間(インターバル期間:確定表示期間)が経過している場合には、ステップS1803に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に、16確変フラグA,16R確変フラグB,16R通常フラグ,明示2R確変フラグ,非明示2R確変フラグ,特別外れフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1804にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、ロック装置による可変入賞装置32の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入賞装置32の開閉動作が許容されることとなる。
ステップS1805では格納されている大当たり結果対応フラグが16R対応のものであるか否かを判定する。ステップS1805にて肯定判定した場合には、ステップS1806にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた開放数カウンタOCに「16」をセットする。ステップS1805にて否定判定をした場合には、ステップS1807にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた開放数カウンタOCに「2」をセットする。
ステップS1806,S1807の処理を実行した後は、ステップS1808にて今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。すなわち、上述した16R確変大当たり結果B又は16R通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS1808にて肯定判定をした場合にはステップS1809に進む。ステップS1809ではRAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度入賞モードフラグをセットする。
なお、16R確変大当たり結果Aの場合には、開閉実行モードの途中で低頻度入賞モードから高頻度入賞モードへ格上げされる。但し、低頻度入賞モードを経由して高頻度入賞モードへ移行するため、この時点では高頻度入賞モードフラグはセットされない。
ステップS1809の処理を実行した後、又はステップS1808にて否定判定をした場合にはステップS1810に進み、オープニングコマンド設定処理を実行する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82及び表示制御装置212に送信される。
報知・演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。オープニングコマンドには、開閉実行モードに対応してどの種の演出を行うかを示す情報が付加される。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置82から表示制御装置212に伝達される。表示制御装置212では、主制御装置81から報知・演出制御装置82経由で受信したオープニングコマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置41の表示制御を実行する。ステップS1810の処理を実行した後はステップS1812にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ここで、図35のフローチャートを参照して、オープニングコマンド設定処理について説明する。
(オープニングコマンド設定処理)
オープニングコマンド設定処理においては先ず、ステップS1901にて今回の開閉実行モードが16R確変大当たり結果B及び16R通常大当たり結果の何れかに対応しているか否かを判定する。ステップS1901にて肯定判定をした場合にはステップS1902に進み、第1種オープニングコマンドを設定する。図柄表示装置41においては、この第1種オープニングコマンドを受信したことに基づいて第1種表示演出が実行される。第1種表示演出では、表示画面41aにて可変入賞装置32へ向けた遊技球の発射を促すメッセージや開閉実行モードが開始される旨を示す動画等が表示される。
ステップS1901にて否定判定をした場合にはステップS1903に進み、今回の開閉実行モードが16R確変大当たり結果Aに対応しているか否かを判定する。ステップS1903にて肯定判定をした場合にはステップS1904に進み、第2種オープニングコマンドを設定する。図柄表示装置41においては、この第2種オープニングコマンドを受信したことに基づいて第2種表示演出が実行される。
ステップS1903にて否定判定をした場合にはステップS1905に進む。ステップS1905では、今回の開閉実行モードが明示2R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS1905にて肯定判定をした場合にはステップS1906に進み、第3種オープニングコマンドを設定する。図柄表示装置41においては、この第3種オープニングコマンドを受信したことに基づいて第3種表示演出が実行される。
ステップS1905にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードが非明示2R確変大当たり結果及び特別外れ結果の何れかに対応している場合には、ステップS1907にて第4種オープニングコマンドを設定する。図柄表示装置41においては、この第4種オープニングコマンドを受信したことに基づいて第4種表示演出が実行される。
第2種表示演出〜第4種表示演出については、オープニング表示〜エンディング表示の途中までの演出態様が共通化されているが、その詳細については後述する。
ステップS1801の説明に戻り、当該ステップS1801にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS1812に進む。ステップS1812では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1813にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。
(大入賞口開閉処理)
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS2001にて可変入賞装置32(大入賞口32a)が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置32の可変入賞駆動部32cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口32aが開放中でない場合には、ステップS2002にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS2002にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS2002にて否定判定をした場合にはステップS2003に進む。ステップS2003では開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口32aの開放期間又はインターバル期間を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図9参照)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS2003にて否定判定をした場合には、本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」ではなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS2004に進み、可変入賞装置32(大入賞口32a)の開放処理を実行する。具体的には、大入賞口32aを開放すべく可変入賞駆動部32cを駆動状態とする。その後、可変入賞装置32(大入賞口32a)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS2005〜S2007及びステップS2008の処理を実行する。
ステップS2005では、高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度入賞フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2005にて肯定判定をした場合にはステップS2006に進み、開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットし、続くステップS2008にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。ステップS2005にて否定判定をした場合には、開放タイマカウンタTCに「50」(0.1secに相当)をセットし、続くステップS2008にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。
ステップS2008の処理を実行した後は、ステップS2009にて可変入賞装置32(大入賞口32a)が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図12参照)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、高頻度入賞モードとなっていることを前提として、上記受信した開放コマンドに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。なお、低頻度入賞モードとなっている場合には、当該開放コマンドによって演出の内容が変化することはない。つまり、開放コマンドに基づいた表示演出の態様の変化が規制されている。
ステップS2001の説明に戻り、当該ステップS2001にて可変入賞装置32(大入賞口32a)が開放中であると判定した場合にはステップS2010に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS2011に進み、大入賞口32aに遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置32に配設された検知センサからの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、入賞が発生している場合には、ステップS2012にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置82に出力され、高頻度入賞モードとなっていることを前提として当該入賞コマンドにより例えば図柄表示装置41の表示画面41aにて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。なお、低頻度入賞モードとなっている場合には、当該入賞コマンドによって演出の内容が変化することはない。つまり、入賞コマンドに基づいた表示演出の態様の変化が規制されている。
ステップS2012にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS2013に進む。ステップS2013では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS2014にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS2014にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS2010にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS2015にて可変入賞装置32(大入賞口32a)を閉鎖すべく可変入賞駆動部32cを非駆動状態とする。
続くステップS2016では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
その後、ステップS2017では更新された開放数カウンタOCの値と当該開閉実行モードの契機となった大当たり等の種別とを参照して、高頻度入賞モードへ移行するタイミングであるか否かを判定する。本実施の形態においては、16確変大当たり結果Aとなった場合には、開閉実行モードの途中で(規定ラウンドとなった場合に)低頻度入賞モードから高頻度入賞モードへ移行する。具体的には、第2ラウンドの終了を契機として、低頻度入賞モードから高頻度入賞モードへ移行する。そこで、ステップS2017の処理では、開放数カウンタOCの値が「14」となっているか否かを判定する。そして、ステップS2017にて肯定判定をした場合には、ステップS2018にてRAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度入賞モードフラグを格納する。なお、当該開閉実行モードの契機が16R確変大当たり結果A以外である場合には、ステップS2017にて否定判定をする。
ステップS2018の処理を実行した後、又はステップS2017にて肯定判定をした場合には、ステップS2019に進む。ステップS2019では、開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS2019にて否定判定をした場合にはステップS2020に進み、高頻度入賞モード中であるか否かを判定する。
ステップS2020にて肯定判定をした場合、すなわち高頻度入賞モードである場合には開放タイマカウンタTCに「1000」(2.0secに相当)をセットする。一方、ステップS2020にて否定判定をした場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には開放タイマカウンタTCに「300」(0.6secに相当)をセットする。
ステップS2021又はステップS2022の処理を実行した後は、ステップS2023にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS2019の説明に戻り、当該ステップS2019にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS2024に進む。ステップS2024では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS2025にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82に送信される。
遊技状態移行処理(図34)の説明に戻り、ステップS1813にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS1814にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定し、ステップS1815にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1816にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
既に説明したように本実施の形態においては、開閉実行モードを経て移行する遊技状態の有利度に差が生じることが特徴の1つとなっており、当該特徴にかかる構成によって遊技態様の多様化が図られている。以下、図37のフローチャートを参照して、当該態様化にかかる構成、具体的には開閉実行モード終了時の移行処理(ステップS1816)について説明する。
(開閉実行モード終了時の移行処理)
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、ステップS2101にて今回の開閉実行モードの契機となった遊技回が16R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に16R確変フラグA,16R確変フラグB,明示2R確変フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。
ステップS2101にて肯定判定をした場合にはステップS2102に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に格納された大当たり結果対応フラグ(16R確変フラグA,16R確変フラグB,明示2R確変フラグ)を消去するとともに、高確率モードフラグ,高頻度入賞モードフラグ,高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS2102の消去処理を実行した後はステップS2103,S2104に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずステップS2103にてRAM204の各種フラグ格納エリア235に高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。
その後、ステップS2304に進み、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
ステップS2103及びステップS2104にて遊技状態の設定処理を行った後は、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
一方、ステップS2101にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードの契機となった遊技回が16R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果の何れでもない場合には、ステップS2105に進む。ステップS2105においては、今回の開閉実行モードの契機となった遊技回が16R通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に16R通常フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS2105にて肯定判定をした場合にはステップS2106に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に格納された大当たり結果対応フラグ(16R通常フラグ)を消去するとともに、高確率モードフラグ,高頻度入賞モードフラグ,高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS806の消去処理を実行した後はステップS2107,S2108に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずステップS2107にてRAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
上述した確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。続くステップS2108ではRAM204の各種カウンタエリア234に格納されている遊技回数カウンタGCに「100」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が100回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「100」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
ステップS2107及びステップS2108にて遊技状態の設定処理を行った後は、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ステップS2105の説明に戻り、当該ステップS2105にて否定判定を行った場合にはステップS2109に進む。ステップS2109においては、今回の開閉実行モードの契機となった遊技回が非明示2R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS2109にて肯定判定をした場合にはステップS2110に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に格納された大当たり結果対応フラグ(非明示2R確変フラグ)を消去するとともに、高確率モードフラグ,高頻度入賞モードフラグ,高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS2110の消去処理を実行した後はステップS2111に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。なお、非明示2R確変大当たり結果である場合には、明示2R確変大当たり結果や16R確変大当たり結果とは異なり高頻度サポートモードフラグが格納されない。つまり、電動役物34のサポート態様については低頻度サポートモードが継続されることとなる。
ステップS2109にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードの契機となった遊技回が特別外れ結果に対応している場合には、ステップS2112に進む。ステップS2112では、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に格納された特別外れフラグを消去する。但し、既に説明したように特別外れ結果の場合には開閉実行モードの前後で遊技状態が変化しない。つまり、例えば特別外れ結果となる前の遊技状態が低頻度サポートモード且つ低確率モードに対応していた場合には、特別外れ結果に係る開閉実行モード後の遊技状態についても頻度サポートモード且つ低確率モードに対応することとなる。一方、特別外れ結果となる前の状態が高頻度サポートモードや高確率モードに対応していた場合には、特別外れ結果に係る開閉実行モード後もそれら各種フラグが保持されることとなる。
以上詳述したように、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードを経て遊技状態を当該開閉実行モードの前後で変化させるタイプの遊技機においては、例えば遊技者へ払い出される遊技球の極端な増加を抑えながら遊技状態の移行を実現することにより、遊技状態の移行契機を多様化することが可能となる。しかしながら、低頻度入賞モードに対応する開閉実行モードにおいては、可変入賞装置32への入球の期待度が高頻度入賞モードと比べて低くなるため、例えば低頻度入賞モードにおける可変入賞装置32の動きが遊技者の目に留まる等した場合には、遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。つまり、遊技状態の移行契機を多様化して、遊技機の興趣の向上を実現する上では低頻度入賞モードにて可変入賞装置32に遊技者の注目が向くことは好ましくない。ここで、本実施の形態においては、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードを経由して遊技が進行する場合に、遊技者の注目が可変入賞装置32に向くことを抑制する工夫がなされている。この工夫の一環として、遊技回毎の確定表示時間の設定態様が上記第1の実施の形態と相違している。そこで、以下、図38のフローチャートを参照して、本実施の形態における確定表示時間の設定処理について説明する。
(確定表示時間の設定処理)
確定表示時間の設定処理においては、先ずステップS2201にて今回実行される遊技回が2R大当たり結果,16R確変大当たり結果A,特別外れ結果の何れかに対応しているか否かを判定する。ステップS2201にて肯定判定をした場合にはステップS2202に進む。ステップS2202では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた確定表示時間カウンタエリア(確定表示時間計測手段)に第4カウント値(「0.2sec」に相当)をセットする。これにより、確定表示時間が第4確定表示時間「0.2sec」となる。
ステップS2201にて否定判定をした場合にはステップS2203に進む。ステップS2203では今回実行される遊技回が16R確変大当たり結果B又は16R通常大当たり結果であるか否かを判定する。ステップS2203にて肯定判定をした場合には、ステップS2204に進む。ステップS2204では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた確定表示時間カウンタエリア(確定表示時間計測手段)に第5カウント値(「1.2sec」に相当)をセットする。これにより、確定表示時間が第5確定表示時間「1.2sec」となる。
ステップS2203にて否定判定をした場合にはステップS2205に進む。ステップS2205では今回実行される遊技回がリーチ表示対応の通常外れ結果であるか否かを判定する。ステップS2205にて肯定判定をした場合には、ステップS2204に進む。ステップS2204では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた確定表示時間カウンタエリア(確定表示時間計測手段)に第5カウント値(「1.2sec」に相当)をセットする。これにより、確定表示時間が第5確定表示時間「1.2sec」となる。
ステップS2205にて否定判定をした場合、すなわちリーチ表示非対応の通常外れ結果(完全外れ結果)である場合には、ステップS2206に進む。ステップS2206では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた確定表示時間カウンタエリア(確定表示時間計測手段)に第6カウント値(「1.0sec」に相当)をセットする。これにより、確定表示時間が第6確定表示時間「1.0sec」となる。
本実施の形態においては、上記大当たり結果又は特別外れ結果となった場合には、リーチ表示を経てその結果に対応する図柄組み合わせが表示されることとなる。ここで、リーチ表示が行われない場合、すなわち完全外れ結果に対応する遊技回においては基本的に確定表示時間として第6確定表示時間「1.0sec」が設定される。一方、リーチ表示を経て通常外れ結果に対応する図柄組み合わせが表示される場合及び高頻度入賞モードに対応の大当たり結果に対応する図柄組み合わせが表示される場合には、第6確定表示時間よりも長い第5確定表示時間「1.2sec」が設定される。つまり、例えば出球の期待できる大当たり結果となった場合には、確定表示時間が拡張されて若干の余裕代が付加される。
これに対して、低頻度入賞モードに対応の大当たり結果に対応する図柄組み合わせが表示される場合及び特別外れ結果に対応する図柄組み合わせが表示される場合には、第6確定表示時間(第5確定表示時間)→第4確定表示時間「0.2sec」に短縮される。
ステップS2202,S2204,S2206にて設定された確定表示時間に関する情報は、上記変動用コマンドに付加されて報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では受信した変動用コマンドに基づいて、確定表示時間を把握する。
ここで、出球の期待できない開閉実行モードへ移行する場合には、上記図柄組み合わせが長期に亘って表示されることが遊技者に対して無駄に開閉実行モードへの注目を促す契機となり、開閉実行モードへの移行→入球の期待できない可変入賞装置32の動き→出球なしにより遊技者の意欲を損ないかねない。この点、確定表示時間を短縮することにより、低頻度入賞モードに対応の大当たり結果に対応する図柄組み合わせが表示される場合及び特別外れ結果に対応する図柄組み合わせが表示される場合に、それが目立つことを抑制することができる。
但し、確定表示時間は遊技結果を遊技者に報知し、且つ後続の遊技回との境目を明らかにすべく設けられたものであり、この確定表示時間が極端に短くなっては上記報知機能が上手く発揮されなくなる。これでは、上記効果と引き換えに確定表示時間の存在が意義が低下し得る。そこで、本実施の形態では確定表示時間の存在意義(報知機能)を担保しつつ、それに起因した不都合の発生を抑える工夫が施されている。以下、報知・演出制御装置82のMPU242にて実行される開閉実行モード用の表示態様設定処理について図39のフローチャートを参照して説明する。
(開閉実行モード用の表示態様設定処理)
開閉実行モード用の表示態様設定処理においては、先ずステップS2301にて主制御装置81から上記何れかのオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。オープニングコマンドを受信していない場合には、そのまま本表示態様設定処理を終了する。オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS2302〜S2308に示すように、その種類(第1種オープニングコマンド〜第4種オープニングコマンド)に応じて表示態様の設定を行う。
具体的には、ステップS2302にて今回の開閉実行モードが16R確変大当たり結果B及び16R通常大当たり結果の何れかに対応しているか否かを判定する。具体的には、第1種オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2302にて肯定判定をした場合にはステップS2303に進み、第1種表示態様設定処理を実行する。第1種表示態様が設定された場合には、開閉実行モードの開始〜終了(エンディング表示)まで一連の大当たり用動画が表示される。この大当たり動画の表示によって開閉実行モードへの移行が遊技者に明示されることとなる。また、表示画面41a(詳しくは隅部)においては、開閉実行モードの開始を明示するオープニング表示が終了した後に上記動画と併せて現在進行中のラウンド数や入球数(カウント数)等が明示され、複数ラウンドに亘って実行される開閉実行モードの進行状況の把握の容易化等、遊技者の利便性の向上が図られている。
ステップS2302にて否定判定をした場合にはステップS2304に進む。ステップS2304では今回の開閉実行モードが16R確変大当たり結果Aに対応しているか否かを判定する。具体的には、第2種オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2304にて肯定判定をした場合にはステップS2305に進み、第2種表示態様設定処理を実行する。第2種表示態様は、オープニング表示〜低頻度入賞モード(第1ラウンド及び第2ラウンド)用の第1パートと、高頻度入賞モード(第3ラウンド〜第16ラウンド)用の第2パートとに大別される。なお、第2パートについては、上記第1種表示態様と同様であるため説明を援用する。
第1パートにおいては、開閉実行モードへの移行契機となった該当遊技回にて停止表示された図柄組み合わせをその形態を維持したまま(大きさや位置等の変更をすることなく)表示を継続する。つまり、第1パートを構成するオープニング表示においては開閉実行モードの開始が明示されない構成となっている。オープニング表示→可変入賞装置32の開閉に移っても上記図柄組み合わせの表示が継続され、第1種表示態様とは異なり、現在進行中のラウンド数や入球数(カウント数)等が明示されない。
ステップS2304にて否定判定をした場合にはステップS2306に進む。ステップS2306では今回の開閉実行モードが明示2R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、第3種オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2306にて肯定判定をした場合にはステップS2307に進み、第3種表示態様設定処理を実行する。第3種表示態様においては、上記第2種表示態様における第1パートと同様に、開閉実行モードへの移行契機となった該当遊技回にて停止表示された図柄組み合わせをその形態を維持したまま(大きさや位置等の変更をすることなく)表示を継続する。
ステップS2306にて否定判定をした場合、すなわち第4種オープニングコマンドを受信している場合(特別外れ結果である場合)にはステップS2308に進み、第4種表示態様設定処理を実行する。第4種表示態様においては、上記第2種表示態様における第1パートと同様に、開閉実行モードへの移行契機となった該当遊技回にて停止表示された図柄組み合わせをその形態を維持したまま(大きさや位置等の変更をすることなく)表示を継続する。
以上詳述した第1種表示態様〜第4種表示態様は、エンディングコマンドを受信してエンディング表示が開始されるまで継続されることとなる。特に、第2種表示態様における第1パートと、第3種表示態様と、第4種表示態様とは、内容が共通化されており、その後のエンディング表示を行う場合に、差違が発生するように構成されている。本実施の形態においては、通常遊技状態におけるモードに応じて図柄表示装置41(表示画面41a)の背景色の異なる複数のステージが設定されている。エンディング表示においては、ステージの切り替えを行うことにより、その後の遊技状態が示唆されることとなる。
これらステージとしては、高確率モードに対応する第1特殊ステージ(赤色)と、低確率モード且つ高頻度サポートモードに対応する第2特殊ステージ(黄色)と、高確率モード及び低確率モードに対応する第3特殊ステージ(緑色)と、低確率モードに対応する(青色)とが設定されている。
ここで、図40のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置82のMPU242にて実行されるステージ切替処理について説明する。
(ステージ切替処理)
ステージ切替処理においては、先ずステップS2401にて主制御装置81からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2401にて肯定判定をした場合には、ステップS2402に進む。ステップS2402では今回の開閉実行モードが16R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS2402にて肯定判定をした場合にはステップS2403に進み、第1特殊ステージへの移行処理を実行する。これにより、16R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果に対応する開閉実行モードにおける表示演出がエンディング表示に移行した後は、このエンディング表示中に図柄表示装置41(表示画面41a)の背景が赤色に変更されることとなる。この結果、遊技者に対して以降は高確率モード対応の遊技状態となることが明示される。
ステップS2402にて否定判定をした場合にはステップS2404に進む。ステップS2404では今回の開閉実行モードが16R通常大当たり結果に対応している否かを判定する。ステップS2404にて肯定判定をした場合にはステップS2405に進み、第2特殊ステージへの移行処理を実行する。これにより、16通常大当たり結果に対応する開閉実行モードにおける表示演出がエンディング表示に移行した後は、このエンディング表示中に図柄表示装置41(表示画面41a)の背景が黄色に変更されることとなる。この結果、遊技者に対して以降は高頻度サポートモード対応の遊技状態となることが明示される。
ステップS2405の処理を実行した後は、ステップS2406にて当該第2特殊ステージの終了条件を設定した後、本ステージ切替処理を終了する。本実施の形態においては、16R通常大当たり結果となった場合には、遊技回が「100」回となるまで高頻度サポートモードが継続する。そこで、ステップS2406では、上記終了条件として、規定回数(「100」回)を設定する。具体的には、RAM244の各種カウンタエリアに設けられた規定回数用カウンタに「100」をセットする。この規定回数カウンタの値は遊技回が進む毎に1ずつ減算され、「0」になることで第2特殊ステージが終了する。これにより、第2特殊ステージが開閉実行モード終了後に100遊技回を消化するまで、すなわち高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに転落するまで継続されることとなる。
なお、本実施の形態においては、16R確変大当たり結果B及び16R通常大当たり結果となった際には、何れの種類であるが開閉実行モードへの移行前に告知される場合と、開閉実行モード中(詳しくはエンディング表示中)に告知される場合とが存在する。このような昇格演出の採用により、遊技者にとって有利な16R確変大当たり結果Bに当選していることへの期待を開閉実行モード終了時まで維持させることが可能となっている。
ステップS2404にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードが非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果に対応している場合にはステップS2407に進む。ステップS2407では第3種特殊ステージへの移行処理を実行する。これにより、非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果に対応する開閉実行モードでの表示演出がエンディング表示に移行した後は、このエンディング表示中に図柄表示装置41(表示画面41a)の背景が緑色に変更されることとなる。この結果、遊技者に対して以降は高確率モードとなっている可能性があることが示唆される。
ステップS2407の処理を実行した後は、ステップS2408にて当該第3特殊ステージの終了条件を設定した後、本ステージ切替処理を終了する。本実施の形態においては、上記終了条件として、規定回数(「100」回)を設定する。具体的には、RAM244の各種カウンタエリアに設けられた規定回数用カウンタに「100」をセットする。この規定回数カウンタの値は遊技回が進む毎に1ずつ減算され「0」になることで第2特殊ステージが終了する。これにより、第3特殊ステージが開閉実行モード終了後に100遊技回を消化するまで継続されることとなる。
ステップS2401の説明に戻り、当該ステップS2401にて否定判定をした場合、すなわちエンディングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS2409に進む。ステップS2409では、第2特殊ステージ又は第3特殊ステージに滞在しているか否かを判定する。ステップS2409にて否定判定をした場合にはそのまま本ステージ切替処理を終了する。
ステップS2409にて肯定判定をした場合にはステップS2410に進む。ステップS2410では、規定回数用カウンタの値が0になったか否かを判定する。つまり、回数制限付きの第2特殊ステージ及び第3特殊ステージの終了条件が成立したか否かを判定する。ステップS2410にて否定判定をした場合にはそのまま本ステージ切替処理を終了する。
ステップS2410にて肯定判定をした場合にはステップS2411に進む。ステップS2411では現在の遊技状態が高確率モードであるか否かを判定する。ステップS2411にて肯定判定をした場合にはステップS2412にて第1特殊ステージへの移行処理を行う。これにより、図柄表示装置41(表示画面41a)の背景が赤色に変更されることとなる。この結果、遊技者に対して現在の遊技状態が高確率モードに対応している旨が明示される。
一方、ステップS2411にて否定判定をした場合にはステップS2413にて通常ステージへの移行処理を行う。これにより、図柄表示装置41(表示画面41a)の背景が青色に変更されることとなる。この結果、遊技者に対して現在の遊技状態が低確率モード且つ低頻度サポートモードに対応している旨が明示される。
ここで、図41〜図43を参照して、遊技進行に基づく表示演出の流れについて説明する。図41は16R確変大当たり結果Bとなった場合の表示演出の流れを例示した概略図、図42は16R確変大当たり結果Aとなった場合の表示演出の流れを例示した概略図、図43は2R大当たり結果又は特別外れ結果となった場合の演出の流れを例示した概略図である。
(16R確変大当たり結果Bとなった場合の表示演出の流れ)
図41に示すように16R確変大当たり結果Bとなった場合には、図柄表示装置41(表示画面41a)にて各図柄列Z1〜Z3の変動表示(スクロール表示)が開始され、上図柄列Z1→下図柄列Z3の順に停止し、リーチ表示へと移行する。その後、中図柄列Z2が停止して、16R確変大当たり結果Bに対応する図柄組み合わせ(特定図柄の組み合わせ)が停止表示される。これにより、16R確変大当たり結果Bとなった旨が明示される。
該当遊技回にて16R確変大当たり結果Bに対応する図柄組み合わせが停止表示されると、この表示が1.2secに亘って継続される(確定表示)。その後、開閉実行モードへ移行し、表示画面41aにおいては上記図柄組み合わせに代えてオープニング表示が実行される。具体的には、開閉実行モードの開始を告げるメッセージとして「SUPPER LUCKY」が表示される。その後、可変入賞装置32の開閉が実行されるに合わせて、表示画面41aには所定のキャラクタ動画やラウンド数を示す表示がなされる。
ここで、本実施の形態に示す遊技盤24には、図柄表示装置41の表示画面41aを覆う閉位置と、当該表示画面41aを覆わない開位置とに変位可能な左右一対のシャッタ49aを有する可動演出装置49が配設されている。シャッタ49aが閉位置に配置されることにより、その背後に位置する表示画面41aが遮蔽され、図柄等の視認が規制される。可動演出装置49は報知・演出制御装置82に電気的に接続されており、当該報知・演出制御装置82からの信号に基づいてシャッタ49aが開位置〜閉位置に変位するように構成されている。
ラウンド遊技が終了してエンディング表示に移行すると、可動演出装置49が動作してシャッタ49aが開位置から閉位置へと変位する。これに併せて表示画面41aにおける表示態様が上記動画表示が行われる前の状態(該当遊技回にて図柄組み合わせが停止表示された状態)に切り替わる。図41の例では、16R確変大当たり結果Bに対応しているため、開閉実行モード終了後に高確率モードへと移行する。そこで、これに応じて表示画面41aの背景が青色から赤色に変更される。
その後、可動演出装置49が動作して、シャッタ49aが閉位置から開位置へと復帰する。これにより、表示画面41aが再度視認可能となり、背景色の変化によって例えば通常ステージ→第1特殊ステージに移行した旨(高確率モードとなる旨)が明示される。なお、既に第1特殊ステージに滞在している場合(連荘中)には、第1特殊ステージが維持されることとなる。
(16R確変大当たり結果Aとなった場合の表示演出の流れ)
図42に示すように16R確変大当たり結果Aとなった場合には、図柄表示装置41(表示画面41a)にて各図柄列Z1〜Z3の変動表示(スクロール表示)が開始され、上図柄列Z1→下図柄列Z3の順に停止し、リーチ表示へと移行する。その後、中図柄列Z2が停止して、16R確変大当たり結果Aに対応する図柄組み合わせが停止表示される。この図柄組み合わせについては、中図柄列Z2に表示される「CHANCE」図柄を含んで構成される。本実施の形態においては、同様の図柄組み合わせが2R確変大当たり結果及び特別外れ結果の場合にも停止表示されるため、この時点で開閉実行モードの契機が何れの結果であるかを特定することは困難となっている。
該当遊技回にて16R確変大当たり結果Aに対応する図柄組み合わせが停止表示されると、この表示が0.2secに亘って継続される(確定表示)。この確定表示時間については、16R確変大当たり結果Bの場合と比較して短くなっている。その後、開閉実行モードへ移行するが、開閉実行モードへ移行した旨の告知は行われることはなく、オープニング表示が開始されても表示画面41aにおける表示がその形態を維持したまま継続される。
オープニング表示が開始されてから所定の期間が経過したタイミング(オープニング表示中)に可動演出装置49が動作する。具体的には、左右のシャッタ49aが表示画面41aと対峙する位置に僅かに張り出した状態で左右に振動する(往復動する)。この動きは、低頻度入賞モードに対応した可変入賞装置32の開閉動作が終了するまで(詳しくは高頻度入賞モードに切り替わるまで)継続される。
その後、可動演出装置49のシャッタ49aが閉位置に配置されて、一旦表示画面41aが覆われる。このタイミングで、表示画面41aにおいては上記図柄組み合わせに代えて、開閉実行モードの開始を告げるメッセージとして「LUCKY」が表示される。そして、シャッタ49aが開位置(待機位置)に復帰することにより、当該メッセージが視認可能となる。高頻度入賞モードへ切り替わった後は、可変入賞装置32の開閉に合わせて、表示画面41aに所定のキャラクタ動画やラウンド数を示す表示がなされる。
ラウンド遊技が終了してエンディング表示に移行すると、可動演出装置49が動作してシャッタ49aが開位置から閉位置へと変位する。これに併せて表示画面41aにおける表示態様が上記動画表示が行われる前の状態(該当遊技回にて図柄組み合わせが停止表示された状態)に切り替わる。図42の例では、16R確変大当たり結果Aに対応しているため、開閉実行モード終了後に高確率モードへと移行する。そこで、これに応じて表示画面41aの背景が青色から赤色に変更される。
その後、可動演出装置49が動作して、シャッタ49aが閉位置から開位置へと復帰する。これにより、表示画面41aが再度視認可能となり、背景色の変化によって通常ステージ→第1特殊ステージに移行した旨(高確率モードとなる旨)が明示される。
(2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となった場合の表示演出の流れ)
図43に示すように2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となった場合には、図柄表示装置41(表示画面41a)にて各図柄列Z1〜Z3の変動表示(スクロール表示)が開始され、上図柄列Z1→下図柄列Z3の順に停止し、リーチ表示へと移行する。その後、中図柄列Z2が停止して、2R確変大当たり結果及び特別外れ結果に対応する所定の図柄組み合わせが停止表示される。この図柄組み合わせについては、中図柄列Z2に表示される「CHANCE」図柄を含んで構成される。本実施の形態においては、同様の図柄組み合わせが16R確変大当たり結果Aの場合にも停止表示されるため、この時点で開閉実行モードの契機が2R確変大当たり結果,特別外れ結果,16R確変大当たり結果Aの何れであるかを特定することは困難となっている。
該当遊技回にて所定の図柄組み合わせが停止表示されると、この表示が0.2secに亘って継続される(確定表示)。この確定表示時間については、16R確変大当たり結果Bの場合と比較して短くなっている。その後、開閉実行モードへ移行するが、開閉実行モードへ移行した旨の告知は行われることはなく、オープニング表示が開始されても表示画面41aにおける表示がその形態を維持したまま継続される。
オープニング表示が開始されてから所定の期間が経過したタイミング(オープニング表示中)に可動演出装置49が動作する。具体的には、左右のシャッタ49aが表示画面41aと対峙する位置に僅かに張り出した状態で左右に振動する(往復動する)。この動きは、低頻度入賞モードに対応した可変入賞装置32の開閉動作が終了するまで(詳しくはエンディング表示に切り替わるまで)継続される。その後、可動演出装置49のシャッタ49aが閉位置に配置されて、一旦表示画面41aが覆われる。この一連の流れは上記16R確変大当たり結果Aの場合と同様である。
このタイミングで、表示画面41aの背景が変更される。具体的には、明示2R確変大当たり結果を契機としている場合には背景が青色から赤色に変更され、非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果を契機としている場合には背景が青色から緑色に変更される。その後、可動演出装置49が動作して、シャッタ49aが閉位置から開位置へと復帰する。これにより、表示画面41aが再度視認可能となり、背景色の変化によって通常ステージから特殊ステージ(第1特殊ステージ又は第3特殊ステージ)に移行した旨が明示される。
つまり、この時点で2R確変大当たり結果及び特別外れ結果、又は16R確変大当たり結果Aの何れであるが教示されることとなる。また、第1特殊ステージへの移行によって明示2R確変大当たり結果であることが教示され、第3特殊ステージへの移行によって非明示2R確変大当たり結果及び特別外れ結果の何れかであることが教示されることとなる。
ここで、図44のタイミングチャートを参照して、2R大当たり結果又は特別外れ結果となった場合の遊技の流れを説明する。なお、以下の説明では便宜上、2R大当たり結果又は特別外れ結果を「特別結果」と総称する。
td0のタイミングにて先の遊技回に係る図柄の変動表示及び絵柄の変動表示が終了した後は、所定の確定表示時間(図44においては外れリーチ表示:1.2sec)が経過したtd1のタイミングにて次の遊技回に移る。そして、td1のタイミングにて、図柄表示装置41における図柄の変動表示及びメイン表示部43の作動口用表示部における絵柄の変動表示が開始される。この遊技回は特別結果に対応しているため、td2のタイミングにて通常の変動表示からリーチ表示に移行する。その後、td3のタイミングにて図柄表示装置41の表示画面41aに特別結果に対応する所定の図柄組み合わせが停止表示されるとともに、メイン表示部43の作動口用表示部に特別結果に対応する所定の絵柄が停止表示される。
td3のタイミングから特別結果に対応する確定表示時間(0.2sec)が経過したtd4のタイミングでは遊技状態が通常遊技状態(通常モード)から特別遊技状態(開閉実行モード)へ切り替わる。開閉実行モードになった後も、メイン表示部43の作動口用表示部に停止表示された上記所定の絵柄はそのまま表示が継続され、図柄表示装置41の表示画面41aに停止表示された上記所定の図柄組み合わせについてもその形態を維持したまま表示が継続される。td5のタイミングでは、可動演出装置49のシャッタ49aが上記振動(以下、煽り動作という)を開始する。
その後、td6及びtd7の各タイミングにて可変入賞装置32が開放される。この間も煽り動作が継続していた可動演出装置49のシャッタ49aは可変入賞装置32の開閉動作が終了してエンディング表示に移行したtd8のタイミングで閉位置へ移動する。シャッタ49aによって表示画面41aが覆われている状況下にて、背景色の変更(ステージの変更)がなされ、td9のタイミングにて可動演出装置49のシャッタ49aが開位置(待機位置)へ復帰する。これにより、再び表示画面41aが視認可能となり、ステージが変更された旨が教示される。
エンディング表示が終了したtd10のタイミングにて遊技状態が特別遊技状態(開閉実行モード)から通常遊技状態(通常モード)に切り替わり、図柄表示装置41の表示画面41aに停止表示されていた図柄の変動表示と、メイン表示部43の作動口用表示部に停止表示されていた絵柄の変動表示が開始される。
なお、本実施の形態においては、非明示2R確変大当たり結果に対応する開閉実行モードの演出態様と、特別外れ結果に対応する開閉実行モードの演出態様とを全体を通して共通としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、可動演出装置49による煽り動作を経てシャッタ49aが閉じる場合と、シャッタ49aが閉じない場合とを設け、前者は後者よりも高確率モードとなっている可能性が高くなるように差を設けてもよい。仮に、同じ第3特殊ステージに移行するにしても、どういう経緯を経たかによって高確率モードとなる期待度に差を設けることにより、可動演出装置49の動きへの注目度を好適に向上させることができる。
(16R確変大当たり結果Aとなった場合の表示演出の流れ)
16R確変大当たり結果Aとなった場合の表示演出のながれについても、その前半部分(第1パート)については上記特別結果となった場合と同様である。具体的には、図45のタイミングチャートに示すように、te0のタイミングにて先の遊技回に係る図柄の変動表示及び絵柄の変動表示が終了した後は、所定の確定表示時間(図45においては外れリーチ表示:1.2sec)が経過したte1のタイミングにて次の遊技回に移る。そして、te1のタイミングにて、図柄表示装置41における図柄の変動表示及びメイン表示部43の作動口用表示部における絵柄の変動表示が開始される。この遊技回は16R確変大当たり結果Aに対応しているため、te2のタイミングにて通常の変動表示からリーチ表示に移行する。その後、te3のタイミングにて図柄表示装置41の表示画面41aに16R確変大当たり結果Aに対応する所定の図柄組み合わせが停止表示されるとともに、メイン表示部43の作動口用表示部に特別結果に対応する所定の絵柄が停止表示される。
te3のタイミングから16R確変大当たり結果Aに対応する確定表示時間(0.2sec)が経過したte4のタイミングでは遊技状態が通常遊技状態(通常モード)から特別遊技状態(開閉実行モード)へ切り替わる。開閉実行モードになった後も、メイン表示部43の作動口用表示部に停止表示された上記所定の絵柄はそのまま表示が継続され、図柄表示装置41の表示画面41aに停止表示された上記所定の図柄組み合わせについてもその形態を維持したまま表示が継続される。te5のタイミングでは、可動演出装置49のシャッタ49aが上記振動(以下、煽り動作という)を開始する。
その後、te6及びte7の各タイミングにて可変入賞装置32が開放される。この間も煽り動作が継続していた可動演出装置49のシャッタ49aは低頻度入賞モードに係る可変入賞装置32の開閉動作が終了して高頻度入賞モードに移行したte8のタイミングで閉位置へ移動する。シャッタ49aによって表示画面41aが覆われている状況下にて、高頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなったことを示すメッセージ(「LUCKY」)を表示し、te9のタイミングにて可動演出装置49のシャッタ49aが開位置(待機位置)へ復帰する。これにより、再び表示画面41aが視認可能となり、高頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなった旨が教示される。
te10のタイミング当該表示が終了し、ta11のタイミングにて可変入賞装置32が開放されることとなる。
このように、特別結果である場合には上記td9のタイミング、16R確変大当たり結果Aである場合にはte9のタイミングとなるまでどの大当たり結果となったかを図柄表示装置41や可動演出装置49を見て識別することは困難となっている。
以上詳述した第4の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
入球部33d,33eへの入球を契機として「特別遊技状態」としての開閉実行モードに移行させるか否かの抽選が行われ、同抽選に当選した場合には可変入賞装置32への入球が容易化される。開閉実行モードとしては入球発生機会に差が生じるように設定された高頻度入賞モード対応のもの(16R大当たり結果対応の開閉実行モード)と低頻度入賞モード対応のもの(特別結果対応の開閉実行モード)とが設けられており、係る構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。
しかしながら、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードが設定された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、低頻度入賞モードにおける可変入賞装置32への入球の期待度が高頻度入賞モードと比べて低くなることで、例えば低頻度入賞モードにおける可変入賞装置32の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。
ここで、本実施の形態においては、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードへの移行契機となった該当遊技回においては、確定表示時間として通常(1.0sec又は1.2sec)よりも短い0.2secが設定される。確定表示時間を短くして早急に開閉実行モードへ移行することにより、通常であれば遊技回(確定表示)が続いている最中に可変入賞装置32の動作を開始させることができる。つまり、遊技者が未だ図柄表示装置41の表示画面41aを注視しているであろう最中に、可変入賞装置32の開閉動作を開始させることにより、当該開閉動作が遊技者の目に留まることを抑制することが可能となっている。
相対的に有利な高頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなる場合には、遊技への注目度を高めるよい機会となる。そこで、高頻度入賞モード対応の開閉実行モードへの移行契機となる該当遊技回では停止表示期間を長くすることで、遊技の魅力を好適にアピールすることができる。一方、相対的に不利な低頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなる場合には、折角開閉実行モードに移行しても遊技者の期待にそぐわない等の理由から遊技意欲が低下する可能性がある。このため、該当遊技回ではなく以降の遊技進行へ遊技者の注目を向けさせた方がよい場合もある。そこで、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードへの移行契機となった遊技回においては、該当遊技回を無駄に引き延ばすのではなく早々に開閉実行モードへ移行する構成とすることにより、停止表示された絵柄遊技者の不快感を無駄に煽る要因になることを好適に抑制できる。
そもそも、遊技回の終了時に図柄組み合わせを停止表示させることには、遊技者に対して遊技結果を視覚的に教示するという技術的意義が存在する。このため、上述したように遊技者にとって最良の結果でない等の理由から確定表示時間を極端に短くしてしまっては、上記前提となる機能が上手く作用しなくなり、遊技者を困惑させてしまう可能性が生じる。
そこで、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードへ移行する場合には、停止された図柄組み合わせを該当遊技回〜開閉実行モードに跨るようにして継続的に表示させることにより、ある程度の表示期間を担保して見逃し等の発生を好適に抑制できる。また、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおいては、遊技者の注目が可変入賞装置32に向くことは好ましくない場合もある。遊技者の注目が図柄表示装置41(図柄)に向きやすい点に鑑みれば、敢えて図柄組み合わせの表示を開閉実行モードに跨るようにして継続させることにより、開閉実行モードとなっている状況下にて遊技者の注目が可変入賞装置32に向くことを好適に抑制できる。特に、開閉実行モードにおける図柄組み合わせの継続表示については、可変入賞装置32の動作が終了するまで続くため、可変入賞装置32の動きが目に留まりやすくなることを一層好適に抑制できる。
低頻度入賞モードにて図柄組み合わせが継続表示されている場合には、可動演出装置49(シャッタ49a)が動作して煽り演出が実行される。これにより、遊技者の注目は可動演出装置49へ向きやすくなり、その後、表示画面41aに停止表示されている図柄組み合わせが変化することを期待すると想定される。このようにして、遊技者の注目を可動演出装置49や図柄表示装置41に向くように促すことで、可変入賞装置32が遊技者の目に留まりにくくすることができる。
遊技結果を示す過程にてリーチ表示が行われるタイプの遊技機においては、多くの場合リーチ表示を経て通常外れ結果が教示される。つまり、リーチ表示が行われたからといって必ずしも大当たり等に当選するわけではなく、寧ろ通常外れ結果となることの方が多い。このような事情に配慮すれば、該当遊技回〜開閉実行モードにて絵柄を停止表示させる期間をリーチ表示→通常外れ結果ととなる場合の停止表示期間と同等とすることにより、特別結果となってそれを遊技者に教示した場合であっても、通常外れ結果の際の遊技の流れに近づけることができ、該当遊技回→開閉実行モード→次遊技回となって開閉実行モードを経由していることを目立ちにくくすることが可能となる。また、特別結果に係る遊技回の確定表示時間とそれ以外の結果に係る遊技回の確定表示時間との差を利用して開閉実行モードを行うことにより、開閉実行モードが行われていることを目立ちにくくすることができる。
このように、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードに移行する場合には、開閉実行モードそのものではなく、内部抽選にて特別結果となったことを強調することにより、遊技者の意識を開閉実行モードではなく、その後に移行する遊技状態へ向けさせることができる。これにより、可変入賞装置32が実質的に入球が発生しないように動作したとしても、それが遊技者に不快感等を与える要因となることを抑制できる。
<第5の実施の形態>
本実施の形態においては、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードへ移行する契機となった該当遊技回にて確定表示時間を短縮する構成を備えている点では上記第4の実施の形態と構成が一致しているものの、開閉実行モードを経由した遊技状態の切り替えの更なる円滑化を実現すべく特徴的な構成が採用されている。以下、先ず図46及び47を参照して、構造面での相違点について説明する。図46は可変入賞ユニット32X及びその周辺構造を拡大して示す遊技盤24Xの部分拡大図、図47は図46のA−A線部分断面図である。
(可変入賞ユニット32X)
遊技盤24Xにおける中央開口(図柄表示装置41)の上側〜右側となる部分には、主として高頻度サポートモード又は開閉実行モードとなっている場合に利用される右ルートが形成されており、遊技盤24Xにおいて当該右ルートの途中位置(詳しくは図柄表示装置41の上側)となる位置には開口部が設けられている。
当該開口部は遊技盤24Xの厚さ方向に貫通しており(図6参照)、図5に示すようにこの開口部に対して遊技機前方から可変入賞ユニット32Xが嵌まっている。このようにして可変入賞ユニット32Xが配置された状態では、当該可変入賞ユニット32Xの主要部分を構成するとともに遊技盤24Xに対する取付部としての機能が付与されたベース体300Xにより同開口部が覆われている。
ベース体300Xは、開口部の縁部に沿って形成されたハウジング301Xを備えている。ハウジング301Xは遊技盤24Xの前面と平行となるように形成された平板部と当該平板部から遊技機後方に膨出する膨出部とを有している。平板部が遊技盤24Xの前面に対して当接した状態で同遊技盤24Xにネジ止めされることにより、可変入賞ユニット32Xが遊技盤24Xに対して一体化されている。
図47に示すように、ハウジング301Xには、略平板状のカバー302Xが遊技機前方から固定されている。カバー302Xは透明な合成樹脂材料からなり、当該カバー302Xを通じてその後方を視認可能となるように構成されている。なお、図46においては説明の便宜上、カバー302Xを通じて視認可能となる部分については実際に目視した状態に近くなるように実線を用いて表示している。
カバー302Xは、その外形がハウジング301Xの外形とほぼ同一となるように形成されており、ハウジングの前面(平板部)と隙間を隔てて対向している。平板部とカバー302Xとの隙間寸法は、遊技球の直径寸法よりも大きくなるように形成されており、これら平板部及びカバー302Xによって挟まれた領域が、右ルートの一部を構成する球通路310Xとなっている。球通路310Xの通路幅(上記隙間寸法)等は同一箇所を複数の遊技球が同時に通過しないように規定されている。
球通路310Xは、縦方向に延びる上流側通路311Xと、当該上流側通路311Xと交差する方向(具体的に横方向)に延びる下流側通路312Xとを有してなる。上流側通路311Xは上方に開放されており、右ルートへ発射された遊技球は、可変入賞ユニット32Xの上方に設けられた返し部材(詳しくはゴムクッション)に当たって勢いが弱められることで向きを変え、自重によって落下することにより上流側通路311Xの上記開放部分を通じて球通路310Xへ流入する。以下、球通路310Xを区画形成している各壁部のうち、ハウジング301Xの前面によって形成されている壁部を「奥壁部315X」、カバー302Xの後面によって形成されている壁部を「前壁部316X」と称する。
上流側通路311Xには、縦に並べて複数(詳しくは2つ)の可変入賞装置が配設されている。これら可変入賞装置330X,380Xの基本構成については共通となっている。そこで、以下の説明では両可変入賞装置330X,380Xの共通点について説明し、その後、両可変入賞装置330X,380Xの相違点について説明する。
可変入賞装置330X,380Xは奥壁部315Xに形成された大入賞口331X,381Xを有している。大入賞口331X,381Xは奥壁部315Xの厚さ方向(前後方向)に貫通しており、上流側通路311Xの通路方向と交差する方向(横方向)に延びる略矩形状(横長状)をなしている。ハウジング301Xには、大入賞口331X,381Xへの遊技球の流入が許容される状態(以下、許容状態という)と、流入が不可となる状態(以下、阻止状態という)とに切替可能な開閉扉332X,382Xが取り付けられている。
開閉扉332X,382Xは、大入賞口331X,381Xと同様に横長状をなしており、下端部が回動可能に軸支されていることで前後に回動可能となっている。ハウジング301Xには、開閉扉332X,382Xを駆動させる駆動部333X,383X(詳しくはソレノイド)が配設されている。駆動部333X,383Xは主制御装置81に電気的に接続されており、主制御装置81からの駆動信号に基づいて動作する。駆動部333X,383Xが動作することにより、開閉扉332X,382Xが上記軸支部分を中心に(下端部を基端として)回動して開位置/閉位置に配置されることにより、可変入賞装置330X,380Xが上記許容状態/阻止状態に切り替わることとなる。つまり、主制御装置81は、可変入賞装置330X,380X用の駆動制御手段として機能している。
阻止状態においては大入賞口331X,381Xを覆うとともに球通路310X(上流側通路311X)への突出が抑えられ、許容状態においては大入賞口331X,381Xを開放するとともに、球通路310X(上流側通路311X)へ突出する。開閉扉332X,382Xが球通路310Xに突出することにより、当該球通路310Xが寸断され、球通路310Xに沿った遊技球の流れ(落下)が妨げられることとなる。開閉扉332X,382Xが球通路310Xに突出している許容状態では、球通路310Xを落下する遊技球が開閉扉332X,382Xに当たることで、遊技機後方に移動し、大入賞口331X,381Xへ流入することとなる。
なお、上流側通路311Xについては、その途中位置(詳しくは上側の可変入賞装置330Xの前方となる位置)にて後方にオフセットするオフセット部が設けられており、可変入賞装置330X,380Xに到達する遊技球が球通路310Xにおいて奥壁部315Xに沿って移動するように工夫されている。
ハウジング301Xにおいて大入賞口331X,381Xの奥側には、同大入賞口331X,381Xに連通するようにして流入通路334X,384Xが形成されている。流入通路334X,384Xは下流部分にて一条となるように合流している。大入賞口331X,381Xに流入した遊技球は流入通路334X,384Xの合流部分を通じて上記回収通路へと案内されることとなる。
流入通路334X,384Xの途中位置(合流部分よりも上流側となる位置)には、遊技球を検知する検知センサ335X,385Xが配設されている(図5参照)。検知センサ335X,385Xは主制御装置81に電気的に接続されており、主制御装置81においてはこれら検知センサ335X,385Xからの検知情報(検知信号)に基づいて、各可変入賞装置330X,380Xへの入球(入賞)を個別に把握する構成となっている。
再び図46を参照して、上側の可変入賞装置330X(以下、上側可変入賞装置330Xと称する)と、下側の可変入賞装置380X(以下、下側可変入賞装置380Xという)との相違点について説明する。
上側可変入賞装置330Xは、上記返し部材の直下に位置しており、右ルートの入口部分よりも横幅が大きくなるように構成されている。当該入口部分と上側可変入賞装置330Xとの間には複数の遊技釘38が配設され、遊技球の流下経路に上側可変入賞装置330Xの幅方向(左右方向)にてばらつきを生じさせることで、流下経路が画一的になることを抑制している。但し、上側可変入賞装置330Xの横幅は、多様化された遊技球のほぼ全てが当該上側可変入賞装置330Xに到達するように規定されている。上側可変入賞装置330Xを狙って発射された遊技球については、当該上側可変入賞装置330Xが許容状態となっている場合には、ほぼ全てが上側可変入賞装置330Xに入球することとなる。つまり、実質的な遊技球の零れがほぼ「0」となるように回避される構成となっている。
上側可変入賞装置330Xの直下となる位置に上記下側可変入賞装置380Xが配設されている。下側可変入賞装置380Xは、上側可変入賞装置330Xとの離間距離が遊技球の直径寸法よりも小さくなるようにして上側可変入賞装置330Xと併設されている。下側可変入賞装置380Xの下側大入賞口381X及び下側開閉扉382Xは、上側可変入賞装置330Xの上側大入賞口331X及び上側開閉扉332Xと同じ方向に延びている。但し、その長手寸法(横幅)については、上側大入賞口331Xよりも小さくなるように構成されている。
具体的には、下側可変入賞装置380Xの右端部は、上側可変入賞装置330Xの右端部よりも左側に位置している。これら両端部のギャップは遊技球の直径寸法よりも僅かに大きくなっている。既に説明したように、上流側通路311Xにおける遊技球の実質的な流下範囲については、上側可変入賞装置330Xと同じ幅となるように規定されている。このため、当該流下範囲の右側限界位置を流下する遊技球(上側可変入賞装置330Xの右端部を素通りした遊技球)については、下側可変入賞装置380Xの右方を通過することで、当該下側可変入賞装置380Xを迂回するようにして移動することとなる。
また、下側可変入賞装置380Xの左端部は、上側可変入賞装置330Xの左端部よりも右側に位置している。これら両端部のギャップは遊技球の直径寸法よりも僅かに大きくなっている。既に説明したように、上流側通路311Xにおける遊技球の実質的な流下範囲については、上側可変入賞装置330Xと同じ幅となるように規定されている。このため、当該流下範囲の左側限界位置を流下する遊技球(上側可変入賞装置330Xの左端部を素通りした遊技球)については、下側可変入賞装置380Xの左方を通過することで、当該下側可変入賞装置380Xを迂回するようにして移動することとなる。
このように、上側可変入賞装置330X及び下側可変入賞装置380Xについては、横幅の相違によって、右ルートへ発射された遊技球の入球確率に差が設定されている。つまり、許容状態となる対象が下側可変入賞装置380Xである場合には許容状態となる対象が上側可変入賞装置330Xである場合と比較して入球確率が低下し、必然的に所定数(本実施の形態においては10個)の入球に要する期間についても後者よりも前者の方が長くなる。大当たりに当選して開閉実行モード(詳しくは高頻度入賞モード対応の開閉実行モード)に移行した場合には、右ルートを狙って遊技球を発射することにより、遊技を進めることができる。この場合、許容状態となる対象をラウンド毎に変更することで(許容状態となる対象を混在させることで)、遊技進行のリズムに緩急差を生じさせ遊技進行の単調化を抑制することが可能となっている。
球通路310Xの上流側通路311Xを通過した遊技球、すなわち何れの可変入賞装置330X,380Xにも入球しなかった遊技球については、下側可変入賞装置380Xの下方に設けられた上記下流側通路312Xへ移る。ここで、下流側通路312Xについて補足説明する。
下流側通路312Xは、遊技盤24Xの中央から右側へと下り傾斜しており、その底部317Xがセンターフレーム42Xの上面部分によって構成されている。上流側通路311X→下流側通路312Xへ移った遊技球は、底部317Xに当たることにより減勢され、当該底部317に沿って図柄表示装置41(表示画面41a)の側方へと移動することとなる。
本実施の形態における可変入賞ユニット32X(可変入賞装置330X,380X)は、開閉実行モード外では阻止状態に維持され、開閉実行モード中に所定の条件が成立することで阻止状態から許容状態に切り替わる。ここで、図47を参照して、開閉実行モード中の可変入賞ユニット32Xの動作態様について説明する。
2つの可変入賞装置330X,380Xの両方が阻止状態に維持されている場合には、可変入賞ユニット32Xへの入球が不可となる。ここで、上側可変入賞装置330Xが阻止状態から許容状態に切り替わると(2点鎖線参照)、上流側通路311Xが上側開閉扉332Xによって寸断され、右ルートを流下する遊技球のほぼ全てが上側大入賞口331Xに入球することとなる。このように上側可変入賞装置330Xが許容状態となっている期間中は、下側可変入賞装置380Xは阻止状態に維持されることとなる。
この状態にて予め設定された許容期間(開放期間)の経過又は予め設定された数(所定数)の入球の発生の何れかの条件が成立したことに基づいて、上側可変入賞装置330Xが許容状態から阻止状態に切り替わる。その後、所定のインターバル期間に亘って両可変入賞装置330X,380Xが阻止状態に維持される。
このインターバル期間を経過した後は、下側可変入賞装置380Xが阻止状態から許容状態に切り替わる(2点鎖線参照)。下側可変入賞装置380Xが許容状態に切り替わると、上流側通路311Xが下側開閉扉382Xによって寸断され、右ルートを流下する遊技球が下側大入賞口381Xに入球することとなる。このように、下側可変入賞装置380Xが許容状態となっている期間中は、上側可変入賞装置330Xは許容状態に維持されることとなる。
この状態にて予め設定された許容期間(開放期間)の経過又は予め設定された数(所定数)の入球の発生の何れかの条件が成立したことに基づいて、下側可変入賞装置380Xが許容状態から阻止状態に切り替わる。その後、所定のインターバル期間に亘って両可変入賞装置330X,380Xが阻止状態に維持される。
なお、可変入賞装置330X,380Xに入球しなかった遊技球については、上流側通路311X→下流側通路312Xに移り、球通路310Xを通じて図柄表示装置41の側方となる領域へと案内されることとなる。
因みに、開閉実行モード中は、可変入賞装置330X,380Xが所定の順序で許容状態となるように設定されており、2つの可変入賞装置330X,380Xがともに許容状態となることが回避されている。
センターフレーム42Xには、これら2つの可変入賞装置330X,380Xのうち、下側可変入賞装置380Xの前方に位置するようにして、装飾体48Xが配設されている。下側可変入賞装置380Xにおいて装飾体48Xと重なっている部分については、遊技機前方から視認不可となるように制限されている。また、上述した球通路310Xにおいて下側可変入賞装置380Xよりも下流側となる部分についても、当該装飾体48Xによって視認不可となるように制限されている。
既に説明したように、遊技中は遊技者の注目が専ら図柄表示装置41の表示画面41aに向きやい。そこで、上側可変入賞装置330Xよりも下側可変入賞装置380Xを小型化することにより、当該下側可変入賞装置380Xが目に留まりにくくしている。そして、上記装飾体48Xによって下側可変入賞装置380Xの一部を覆うことにより、
なお、表示画面41aを有する図柄表示装置41については、遊技者の注目が向きやすい構成であるため、遊技者の顔の正面に位置するように配設することでその視認性が好適に担保されている。そこで、この種の遊技機においては、可変入賞ユニット32Xを図柄表示装置41の上方に配置することにより、装飾体48Xの背後に位置する可変入賞ユニット32X(下側可変入賞装置380X)を遊技者からは見えづらくしつつホール管理者(例えばホールを巡回しているはホール管理者や天井等に配設されたカメラを用いて監視を行っているホール管理者)による視認性を担保することができる。低頻度入賞モードに対応する開閉実行モードを経由した遊技状態の変更時に可変入賞ユニット32Xを動作させる構成との組み合わせによれば、上述した効果を享受しつつ例えば遊技状態の変化が正規のものであるかの確認をホール管理者が目視にて行うことが可能となる。
そもそも可変入賞ユニット32Xが入球を許容する構成である以上、可変入賞ユニット32X付近に到達した遊技球が遊技領域PEから消えると、遊技球の消失の結果から遡って許容状態に切り替わった旨(開閉実行モードに移行した旨)が遊技者によって把握されやすくなると懸念される。特に、発射操作によって周期的に発射される遊技球については、その流れに何らかのリズムが生じる。故に、上記事象を根拠として開閉実行モードへの移行を分かりづらくする機能が上手く作用しなくなると想定される。
この点、本実施の形態に示す構成によれば、可変入賞ユニット32Xを構成する下側可変入賞装置380Xだけでなく球通路310Xにおいてその下流側部分についても装飾体48Xによる遮蔽対象とすることにより、仮に可変入賞ユニット32Xへの入球が発生したとしても当該入球を目立ちにくくさせることができる。以上の理由から、入球の発生によって開閉実行モードへの切り替えが把握されやすくなることを好適に抑制できる。
球通路310Xにおいて装飾体48Xによって覆われる部分(詳しくは底部317)は、当該球通路310Xに沿った遊技球の移動方向を変化させることにより、遊技球を減速させる「減速部」として機能する。
このように、下側可変入賞装置380Xの直下にて、所定の周期で発射された遊技球の間隔が詰まり、下側可変入賞装置380X付近にて遊技球群が疎→密になる。これにより、一部の遊技球が低頻度入賞モード対応の開閉実行モード中に下側可変入賞装置380Xに入球したとしても当該入球を目立ちにくくすることができる。
上記減速機能については、例えば遊技釘38等を複数配設して遊技球の流れを多様に変化させる(乱す)ことにより実現できる。しかしながら、下側可変入賞装置380X付近にて遊技球の流れが乱れることは、下側可変入賞装置380Xの動きを妨げる要因になったり、下側可変入賞装置380Xへの入球が過度に発生する要因になったりする。特に低頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおいては下側可変入賞装置380Xへの入球の発生や下側可変入賞装置380Xの動作の乱れが当該開閉実行モードとなった旨を遊技者に示唆する契機となり得る。
この点、上述したように下側可変入賞装置380Xの下流側にて流下経路を縦向きから横向きに変える構成とすれば、遊技球の挙動の乱れが過剰になることを抑制しつつ、上述した疎→密の変化を好適に発生させることができる。
特に、下側可変入賞装置380Xを素通りした遊技球は、センターフレーム42Xによって形成された通路底部317Xに沿って移動することとなり、その流下方向が縦向きから横向きに変化することとなる。このようにセンターフレーム42Xによって流下経路を規定することにより、上述した減速機能を発揮させるための構成が複雑になることを好適に抑制できる。
上述したように、本実施の形態に示す可変入賞ユニット32Xは2つの可変入賞装置330X,380Xを組わせてなり、その動作態様については上記第4の実施の形態と異なっている。そこで以下、図48のフローチャートを参照して本実施の形態における大入賞口開閉処理について説明する。
(大入賞口開閉処理)
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS2501にて上側大入賞口331X及び下側大入賞口381Xの何れかが開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞ユニット32Xにおける可変入賞駆動部333X,383Xの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口331X,381Xが開放中でない場合には、ステップS2502にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS2502にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS2502にて否定判定をした場合にはステップS2503に進む。ステップS2503では開放数カウンタOCの値が偶数であるか否かを判定する。ステップS2503にて肯定判定をした場合には、ステップS2504に進み第1開放タイマカウンタTC1の値が「0」か否かを判定する。第1開放タイマカウンタTC1は、下側大入賞口381Xの開放期間又はインターバル期間を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図9)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS2504にて否定判定をした場合には、本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が偶数(奇数ラウンド)であり且つ第1開放タイマカウンタTC1の値が「0」である場合には、ステップS2505に進み、可変入賞ユニット32Xにおける上側大入賞口331Xの開放処理を実行する。具体的には、上側大入賞口331Xを開放すべく上側可変入賞駆動部333Xを駆動状態とする。その後、可変入賞ユニット32X(上側大入賞口331X)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS2506〜S2508及びステップS2514の処理を実行する。
ステップS2506では、高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度入賞フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2506にて肯定判定をした場合にはステップS2507に進み、第1開放タイマカウンタTC1に「15000」(30secに相当)をセットし、続くステップS2514にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。ステップS2506にて否定判定をした場合には、第1開放タイマカウンタTC1に「50」(0.1secに相当)をセットし、続くステップS2514にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。
ステップS2503の説明に戻り、当該ステップS2503にて否定判定をした場合、すなわち開放数カウンタOCの値が奇数であると判定した場合には、ステップS2509に進む。ステップS2509では第2開放タイマカウンタTC2の値が「0」か否かを判定する。第2開放タイマカウンタTC2は、下側大入賞口381の開放期間又はインターバル期間を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図9)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS2509にて否定判定をした場合には、本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が奇数(偶数ラウンド)であり且つ第2開放タイマカウンタTC2の値が「0」である場合には、ステップS2510に進み、可変入賞ユニット32Xにおける下側大入賞口381Xの開放処理を実行する。具体的には、下側大入賞口381Xを開放すべく下側可変入賞駆動部383Xを駆動状態とする。その後、可変入賞ユニット32X(下側大入賞口381X)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS2511〜S2513及びステップS2514の処理を実行する。
ステップS2511では、高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度入賞フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2511にて肯定判定をした場合にはステップS2512に進み、第2開放タイマカウンタTC2に「15000」(30secに相当)をセットし、続くステップS2514にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。ステップS2511にて否定判定をした場合には、第2開放タイマカウンタTC2に「50」(0.1secに相当)をセットし、続くステップS2514にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。
つまり、本実施の形態における可変入賞ユニット32Xにおいては、奇数ラウンド(第1ラウンド,第3ラウンド,第5ラウンド,・・・,第13ラウンド,第15ラウンド)においては上側可変入賞装置330Xが開放され、偶数ラウンド(第2ラウンド,第4ラウンド,第6ラウンド,・・・,第14ラウンド,第16ラウンド)においては下側可変入賞装置380Xが開放されるように構成されており、開閉実行モードが終了するまで、上側可変入賞装置330X及び下側可変入賞装置380Xが交互に開放される。
より具体的には、図49(a)の概略図に示すように、2R確変大当たり結果又は特別外れ結果である場合には、絵柄表示手段としての図柄表示装置41(表示画面41a)から相対的に遠い上側可変入賞装置330X→図柄表示装置41から相対的に近い下側可変入賞装置380Xの順に許容状態に切り替わる。また、図49(b)の概略図に示すように、16R通常大当たり結果,16R確変大当たり結果A,16R確変大当たり結果Bである場合については、上側可変入賞装置330X→下側可変入賞装置380X→上側可変入賞装置330X→ ・・・ →上側可変入賞装置330X→下側可変入賞装置380Xの順に許容状態に切り替わる。
ここで、図50(b)の概略図を参照して各可変入賞装置330X,380Xの開放時間について補足説明する。
2R確変大当たり結果及び特別外れ結果に対応する開閉実行モードにおいては、先ず第1ラウンドにて上側可変入賞装置330Xが阻止状態から許容状態に切り替わり、上側大入賞口331Xが開放されることとなる。その後、第2ラウンドにて下側可変入賞装置380Xが阻止状態から許容状態に切り替わり、下側大入賞口381が開放されることとなる。但し、これら各大入賞口331X,381Xの開放時間については「0.1sec」となっており、発射操作に基づいて遊技球が繰り返し発射される場合の発射周期(0.6sec)よりも十分に短くなるように設定されている。つまり、2R確変大当たり結果及び特別外れ結果に対応する開閉実行モードにおいては実質的に入球が発生しないように開放期間が制限されている。
次に、16R通常大当たり結果及び16R確変大当たり結果Bに対応する開閉実行モードにおいては、先ず第1ラウンドにて上側可変入賞装置330Xが阻止状態から許容状態に切り替わり、上側大入賞口331Xが開放されることとなる。その後、第2ラウンドにて下側可変入賞装置380Xが阻止状態から許容状態に切り替わり、下側大入賞口381Xが開放されることとなる。第3ラウンドにおいては上側可変入賞装置330Xが再び阻止状態から許容状態に切り替わり、上側大入賞口331Xが開放されることとなる。その後、第4ラウンドにて下側可変入賞装置380Xが再び阻止状態から許容状態に切り替わり、下側大入賞口381Xが開放されることとなる。以降も同様の態様にて第16ラウンドとなるまで開放が繰り返されることとなる。
これら各大入賞口331X,381Xの開放時間については「30sec」となっており、発射操作に基づいて遊技球が繰り返し発射される場合の発射周期(0.6sec)よりも十分に長くなるように設定されている。つまり、16R確変大当たり結果B及び16R通常大当たり結果に対応する開閉実行モードにおいては第1ラウンド〜第16ラウンドにおける入球が担保されるように開放期間が規定されている。
次に、16R確変大当たり結果Aに対応する開閉実行モードにおいては、先ず第1ラウンドにて上側可変入賞装置330Xが阻止状態から許容状態に切り替わり、上側大入賞口331Xが開放されることとなる。その後、第2ラウンドにて下側可変入賞装置380Xが阻止状態から許容状態に切り替わり、下側大入賞口381Xが開放されることとなる。これら各大入賞口331X,381Xの開放時間については「0.1sec」となっており、発射操作に基づいて遊技球が繰り返し発射される場合の発射周期(0.6sec)よりも十分に短くなるように設定されている。つまり、第1ラウンド〜第2ラウンドにおいては実質的に入球が発生しないように開放期間が制限されている。
一方、第3ラウンド以降は、上述した開放順序を踏襲しつつ上側可変入賞装置330X及び下側可変入賞装置380Xが交互に許容状態に切り替わる。但し、これら各大入賞口331X,381Xの開放時間については「30sec」となっており、発射操作に基づいて遊技球が繰り返し発射される場合の発射周期(0.6sec)よりも十分に長くなるように設定されている。つまり、16R確変大当たり結果Bに対応する開閉実行モードにおいては第1ラウンド〜第16ラウンドの全てのラウンドにおける入球が担保されるように開放期間が規定されている。
ステップS2514の処理を実行した後は、ステップS2515にて可変入賞ユニット32Xが開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS2501の説明に戻り、当該ステップS2501にて下側大入賞口381X及び上側大入賞口331Xの何れかが開放中であると判定した場合にはステップS2516に進み、第1開放タイマカウンタTC1及び第2開放タイマカウンタTC2のうち開放中の大入賞口に対応するもの(以下、説明の便宜上「開放タイマカウンタTC」と称する)の値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS2517に進み、下側大入賞口381X及び上側大入賞口331Xのうち開放対象となっているものに遊技球が入賞したか否かを可変入賞ユニット32Xに対応した検知センサ335X,385Xからの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、入賞が発生している場合には、ステップS2518にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置82に出力され、当該入賞コマンドによって例えば図柄表示装置41の表示画面41aにて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。
ステップS2518にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS2519に進む。ステップS2519では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS2520にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS2520にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS2516にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS2521にて下側大入賞口381X及び上側大入賞口331Xのうち開放対象となっているものを閉鎖すべく上側可変入賞駆動部333X及び下側可変入賞駆動部383Xのうち対応するもの(駆動状態となっているもの)を非駆動状態とする。
続くステップS2522では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
その後、ステップS2523では更新された開放数カウンタOCの値と当該開閉実行モードの契機となった大当たりの種別とを参照して、高頻度入賞モードへ移行するタイミングであるか否かを判定する。本実施の形態においては、16確変大当たり結果Aとなった場合には、開閉実行モードの途中で(所定ラウンドとなった場合に)低頻度入賞モードから高頻度入賞モードへ移行する。具体的には、第2ラウンドの終了を契機として、低頻度入賞モードから高頻度入賞モードへ移行する。そこで、ステップS2523の処理では、開放数カウンタOCの値が「14」となっているか否かを判定する。そして、ステップS2523にて肯定判定をした場合には、ステップS2524にてRAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度入賞モードフラグをセットする。
ステップS2524の処理を実行した後、又はステップS2523にて肯定判定をした場合には、ステップS2525に進む。ステップS2525では、開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS2525にて否定判定をした場合にはステップS2526に進み、高頻度入賞モードとなっているか否かを判定する。
ステップS2565にて肯定判定をした場合には、ステップS2527に進む。ステップS2527では、更新された開放数カウンタOCの値が偶数であるか否かを判定する。ステップS2527にて開放数カウンタOCの値が偶数であると判定した場合、すなわち次に実行されるラウンドが奇数ラウンドであると判定した場合には、第1開放タイマカウンタTC1に「1000」(2.0secに相当)をセットする。
一方、ステップS2527にて開放数カウンタOCの値が奇数であると判定した場合、すなわち次に実行されるラウンドが偶数ラウンドであると判定した場合には、第2開放タイマカウンタTC2に「1000」(2.0secに相当)をセットする。
ステップS2526の説明に戻り、当該ステップS2526にて否定判定をした場合には、ステップS2530へ進む。ステップS2530では、更新された開放数カウンタOCの値が偶数であるか否かを判定する。ステップS2530にて開放数カウンタOCの値が偶数であると判定した場合、すなわち次に実行されるラウンドが偶数ラウンドであると判定した場合には、第1開放タイマカウンタTC1に「150」(0.3secに相当)をセットする。
一方、ステップS2530にて開放数カウンタOCの値が奇数であると判定した場合、すなわち次に実行されるラウンドが偶数ラウンドであると判定した場合には、第2開放タイマカウンタTC2に「150」(0.3secに相当)をセットする。
ステップS2528,S2529,S2531,S2532の処理を実行した後は、ステップS2533にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS2525の説明に戻り、当該ステップS2525にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS2534に進む。ステップS2534では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリアに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS2535にてエンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82に送信される。
本実施の形態においては、上記第4の実施の形態と同様に、2R確変大当たり結果,特別外れ結果,16R確変大当たり結果A(前段部分)における開閉実行モード用の演出として、該当遊技回にて停止表示された図柄組み合わせをその形態を維持したまま継続する構成となっている。ここで、確定表示時間,開閉実行モードの実行時間,開閉実行モードにて図柄組み合わせの表示が継続される時間には、ある種の関係性が付与されており、これらの関係を利用して、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードを目立ちにくくしている。ここで、図50(a)の概略図を参照して本実施の形態における確定表示時間について説明し、その後、図50(b)の概略図を参照して、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおける遊技(開閉実行モード)の流れについて説明する。
(確定表示時間)
図50(a)に示すように、完全外れ結果に対応する遊技回においては確定表示時間として「1.0sec」が設定される。これに対して、外れリーチ表示対応の遊技回,16R確変大当たり結果B対応の遊技回,16R通常大当たり結果対応の遊技回では確定表示時間として「1.2sec」が設定される。一方、16R確変大当たり結果A対応の遊技回,2R大当たり結果対応の遊技回,特別外れ結果対応の遊技回では確定表示時間として「0.2sec」が設定される。
確定表示自体に遊技者を注目させたい場合、すなわち遊技者の利益取得が確定する高頻度入賞モード確定の大当たり結果の場合には、確定表示時間を通常の確定表示時間よりも長くすることにより、確定表示結果への注目度の向上を図ることが可能となっている。一方、確定表示自体に遊技者を注目させたくない場合、すなわち開閉実行モードをなるべく目立たせたくない低頻度入賞モード確定の大当たり結果又は特別外れ結果の場合には、確定表示時間を通常の確定表示時間等よりも短くすることにより、確定表示結果が無駄に際立つことを抑制している。
しかしながら、確定表示を行うことの技術的意義については遊技者に遊技結果を明示することにある。このため、確定表示時間を上述したように極端に短くした場合には、当該機能を上手く作用させることが難しくなる。そこで、このような不都合の発生を抑制すべく、確定表示時間=「0.2sec」となっている場合には、該当遊技回にて停止表示されている図柄組み合わせの表示を開閉実行モード中においてもその形態を維持したまま継続させる構成となっている。ここで、図50(b)を参照して、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおける各種時間の設定態様について説明する。
(開閉実行モードの流れ)
2R大当たり結果及び特別外れ結果の何れかに対応する開閉実行モードにおいては、開閉実行モード開始のオープニング表示が「0.2sec」に亘って実行され、オープニング表示終了後に可変入賞ユニット32Xの開閉動作が開始する。既に説明したように、遊技球の発射操作に基づく遊技球の発射周期は「0.6sec」であり、ラウンド終了条件は、所定時間(30sec)の経過又は所定数(10個)の入賞となっているが、可変入賞装置330X,380Xの開放時間は、「0.1sec」である。故に、実質的に上記2つの条件のうち後者が成立することは回避される。このような事情から、可変入賞装置330X,380Xの開放時間は「0.1sec」となる。そして、両可変入賞装置330X,380Xがともに閉鎖された状態となるインターバル期間は「0.3sec」となっており、開放(「0.1sec」)→インターバル(「0.3sec」)→開放(「0.1sec」)→インターバル(「0.3sec」)を経てエンディング表示に移行する。エンディング表示が「0.2sec」に亘って実行された後に、開閉実行モードが終了することとなる。
ここで、本実施の形態における上側可変入賞装置330Xにおいては、上側大入賞口331Xに流入した遊技球が流入通路334Xを経て検知センサ335Xに到達するのに要する時間は「0.6sec」である。つまり、第1ラウンドにて上側可変入賞装置330Xに入賞した遊技球は、インターバル期間の存在によってエンディング表示への移行前に検知センサ335Xを通過する(上側可変入賞装置330Xから排出される)構成となっている。一方、下側可変入賞装置380Xにおいては、上側大入賞口331Xよりも小型化されており下側大入賞口381Xに流入した遊技球が流入通路384Xを経て検知センサ385Xに到達するのに要する時間は上側可変入賞装置330Xよりも短い時間「0.3sec」となっている。つまり、第2ラウンドにて下側可変入賞装置380Xに入賞した遊技球は、インターバル期間の存在によってエンディング表示への移行前に検知センサ385Xを通過する(下側可変入賞装置380Xから排出される)構成となっている。
このように、2つの可変入賞装置330X,380Xを併用し、且つ両者が1度ずつ開放される構成とすることにより、仮に入賞が発生した場合の遊技球の排出時間を担保しつつ、開閉実行モードに要する時間を減縮することが可能となっている。
なお、16R確変大当たり結果A対応の開閉実行モードについて説明すると、当該開閉実行モードの前半部分(低頻度入賞モードに対応する部分:第1パート)の流れについては2R確変大当たり結果及び特別外れ結果となった場合と同様である。具体的には、開閉実行モード開始のオープニング表示が「0.2sec」に亘って実行され、オープニング表示終了後に可変入賞ユニット32Xの開閉動作が開始する。当該開閉動作においては、開放(「0.1sec」)→インターバル(「0.3sec」)→開放(「0.1sec」)の終了後は、インターバルが「2.0sec」に延長され、開放時間についても「30sec」に延長されることとなる。16ラウンド経過後は、エンディング表示が「5.0sec」に亘って実行された後に、開閉実行モードが終了することとなる。
ここで、図51及び図52を参照して、2R大当たり結果又は特別外れ結果(特別結果)となった場合の遊技の流れについて説明する。図51は特別結果となった場合の遊技の流れを示すタイミングチャート、図52は特別結果となった場合の確定表示時間と図柄の停止表示時間との関係を示す概略図である。
(特別結果となった場合の遊技の流れ)
図51に示すように、特別結果となるまでの基本的な遊技の流れ(te1〜te3等)については上記第4の実施の形態と同様である。te4のタイミングにて該当遊技回が開始すると、te5のタイミングで図柄表示装置41(表示画面41a)における図柄の変動表示態様が通常変動表示からリーチ表示に発展する。その後、te6のタイミングにて図柄の変動表示が停止し、特別結果に対応する図柄組み合わせが停止表示されると、この表示が0.2secを経過したte7のタイミングまで続く。
te7のタイミングでは、遊技状態が通常遊技状態(通常モード)から特別遊技状態(開閉実行モード)に切り替わる。開閉実行モードに切り替わった直後のタイミング(オープニング表示のタイミング)にて上記可動演出装置49(シャッタ49a)による煽り動作が開始される。
その後、te8のタイミングにて上側可変入賞装置330X(上側大入賞口331X)が開放され、te9のタイミングにて下側可変入賞装置380X(下側大入賞口381X)が開放される。可変入賞装置330X,380Xの開閉動作が終了したte10のタイミングにてシャッタ49aが閉まり、表示画面41aが一時的に視認不可となる。そして、直後のte11のタイミングにてシャッタ49aが開放されると、図柄表示装置41(表示画面41a)に表示されているステージ表示が変更されることとなる。続くte12のタイミングにて開閉実行モードが終了し、通常遊技状態へと復帰する。これに伴い、図柄表示装置41では再び図柄の変動表示が開始される。
図52を参照して、通常遊技状態における遊技進行と、間に低頻度入賞モード対応の開閉実行モードを挟んだ場合の遊技進行(該当遊技回〜開閉実行モード〜次遊技回)と違いについて補足説明する。
図52(a)に示すように、リーチ外れとなった遊技回では、変動表示が終了して遊技結果に対応した図柄組み合わせが停止表示されると、図柄表示装置41(表示画面41a)においては確定表示が「1.2sec」に亘って継続される。そして、確定表示時間を経過した後、次の遊技回に係る図柄の変動表示が開始されることとなる。つまり、表示画面41aにて図柄が停止表示されている時間と確定表示時間とが一致している。
一方、特別結果となった場合の遊技の流れについては、内部的には遊技状態の変化が生じるものの、外観は図52(a)に示した例とほぼ同じとなる。具体的には、該当遊技回にて変動表示が終了し、特別結果に対応した図柄組み合わせが停止表示されると、図柄表示装置41(表示画面41a)においては確定表示が「0.2sec」に亘って継続される。そして、確定表示時間を経過したタイミングにて開閉実行モードへ移行する。
特別結果を契機とする開閉実行モードにおいては、図柄組み合わせの停止表示がその形態を維持したオープニング表示 〜 可変入賞ユニット32Xの開閉動作中に亘って継続されることとなる。オープニング表示時間=「0.2sec」,開閉動作時間=「0.1sec」×2+「0.3sec」×2であるため、開閉実行モード中においては、「1.0sec」に亘って停止表示が継続され、確定表示時間「0.2sec」と合わせた総停止表示時間は図52(a)に示した確定表示時間と同じ「1.2sec」となる。これにより、確定表示時間の短縮に伴って、遊技者が結果を把握しづらくなることを回避している。
エンディング表示に移行すると、上述したようにシャッタ49aが閉じて一時的に表示画面41aが遮蔽され、停止表示されている図柄組み合わせについても視認不可となる。そして、シャッタ49aが開位置(待機位置)に復帰することにより、再び表示画面41aが視認可能となる。この時点では表示画面41aの背景画像の切り替えが完了しており、遊技者に遊技状態が変化した可能性がある旨が教示されることとなる。
以上詳述した第5の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
折角開閉実行モードに移行する場合であっても、それが低頻度入賞モード対応の開閉実行モードであった場合には、可変入賞ユニット32Xが開閉動作しても実質的な出球が得られる可能性が極めて低い。このため、高頻度入賞モード対応の開閉実行モードを期待していた遊技者にとっては開閉実行モードを移行しても所望とする特典を享受できず遊技意欲が低下する要因になり得る。ここで、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードへの移行契機となる遊技回においては、停止表示期間を短縮して当該開閉実行モードへの移行を目立ちにくくすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
そもそも遊技者の注目が可変入球部へ向くことを抑制する上では、3つの対策が存在する。すなわち、(1)開閉実行モードへの移行が確定したことを分かりにくくすること、(2)開閉実行モードへ移行していることを分かりにくくすること、(3)可変入賞ユニット32Xの動きを分かりにくくすることである。対策(1)では、遊技結果を遊技者が把握できなくなることで遊技者が不足の不利益を被る可能性があり、対策(3)では可変入賞装置32の視認性が低下することで高頻度入賞モード対応の開閉実行モードとなって可変入賞ユニット32Xの動きをアピールする際の妨げになる。つまり、遊技者の利益担保等に配慮した場合には、対策(1),(3)には限界がある。この点、本特徴に示すように、所要時間が短めに設定された低頻度入賞モードにおいては、該当遊技回にて停止表示された絵柄の表示が継続される。これにより、遊技結果は明示しつつも、あたかも未だ開閉実行モードへ移行していないかのように見せて、開閉実行モードとなったこと自体が把握しづらくすることができる。
上述したように開閉実行モードそのものが遊技者の期待にそぐわないものである場合には、特別結果となったことを示しつつも、当該開閉実行モード(特に可変入賞ユニット32Xの動き)をできるだけ目立たないようにして進行させることが好ましい。既に説明したように図柄組み合わせの停止表示時間が無駄に長くなることは遊技者の不快感を煽る要因になるため好ましくないが、特別結果以外の遊技回における確定表示時間を超えない範囲であれば、停止表示されている図柄組み合わせが過度のアピールにはならない。そこで、特別結果に係る遊技回の確定表示時間 + 開閉実行モード中の図柄組み合わせの継続表示の時間 = 特別結果以外の遊技回における確定表示時間 とすれば、上述した不都合の発生を抑えつつ、特別遊技状態下における可変入球部への注目を逸らす機能を好適に発揮させることができる。
特に、抽選結果が大当たり結果又は特別外れ結果となった場合には、必ずリーチ表示が実行される構成では、リーチ表示への注目度がリーチ表示が行われない場合と比較して高くなる。そこで、特別結果に係る遊技回の確定表示時間 + 開閉実行モード中の図柄組み合わせの継続表示の時間 = 特別結果以外の遊技回であってリーチ表示が実行される遊技回における確定表示時間 とすることにより、一連の遊技の流れから停止表示されている図柄組み合わせへの注目度を好適に向上させることができる。
低頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおける図柄組み合わせの継続表示は、開閉実行モードが終了するまで継続される。つまり、開閉実行モードが終了して通常遊技状態に移行して次の遊技回が開始まで継続される。係る構成によれば、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードがあたかも遊技回間のインターバルと同様であるかのように見せることができる。開閉実行モードでは可変入賞ユニット32X(その動き)へ注目が向きやすいところ、あえて開閉実行モードを通常遊技状態の一部であるかのように擬態させることで、当該低頻度入賞モード対応の開閉実行モードの存在が遊技者に不快感を与える要因となることを好適に抑制できる。
開閉実行モード中の図柄組み合わせの継続表示を行う場合には、移行契機となった該当遊技回にて停止表示された図柄組み合わせの表示形態を維持したまま当該継続表示が行われる。これにより、上述した擬態効果を一層好適に発揮させることができる。
本実施の形態においては特に、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードに要する時間を遊技回間のインターバル期間とほぼ同等となるように短縮した。これにより、上述した各種効果を好適に発揮させることができる。開閉実行モードに要する時間を短縮する場合には、可変入賞ユニット32Xが可変入賞装置330X,380Xを併有し、これら可変入賞装置330X,380Xが交互に開閉する構成とすることにより、閉→開→閉のインターバル期間を好適に減縮できる。可変入賞装置については動作期間や入賞した遊技球の排出期間等を確保する必要があり、これら期間の担保によって開閉実行モードとなる時間が間延びする。上記構成には、当該時間を好適に短縮することができるという技術的意義があり、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードへの移行契機となった遊技回での停止表示期間を短くする構成と相まって、当該開閉実行モードへの移行が過度に目立つことを好適に抑制できる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)キャラクタ画像や可動役物等を用いてリーチ演出を行う遊技機においては、リーチ演出が行われていない状態への復帰に要する時間がリーチ演出の態様等に応じて相違し得る。特に、上記第1の実施の形態に示したように複数のリーチ演出が設けられている遊技機では、復帰に要する時間が相対的に長い方に合わせて確定表示時間を固定した場合には、復帰に要する時間が相対的に短い方では確定表示時間が無駄に長くなる。これに対して、復帰に要する時間が相対的に短い方に合わせて確定表示時間を固定した場合には、復帰に要する時間が相対的に長い方では当該確定表示時間では十分でなく復帰が円滑に行われなくなる。このような事情に鑑みれば、上記復帰に要する時間として確定表示時間を利用する場合、実行されるリーチ表示の種類に応じて確定表示時間を個別に設定する構成とすることにより実用上好ましい構成を実現できる。
(2)上記第1の実施の形態では、高頻度サポートモード且つ高確率モードとなる高確遊技状態にて確定表示時間が通常遊技状態における確定表示時間よりも短くなるように短縮される構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも、通常と比較して保留消化の速度が速くなるように設定された状態にて確定表示時間が短縮される構成となっているのであればよい。例えば、作動口33bへの入球確率が高くなる高頻度サポートモード且つ低確率モードとなる遊技状態にて確定表示時間が短縮される構成とすることも可能である。
(3)上記第2又は第3の実施の形態では、所定の予告演出(第2種予告演出)が実行される場合に、確定表示時間を変更する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、図29の概略図に示すように、変動表示時間が短くなるにつれて確定表示時間も短くなる構成とすることも可能である。これにより、所謂時短機能を一層強化できる。
なお、このような機能を各種遊技状態の全てに付与する必要はない。高確遊技状態においては保留数が担保されやすい点に鑑みれば、例えば通常遊技状態では上記可変機能が発揮される一方、高確遊技状態においては確定表示時間が特定の時間(最小/下限)に固定する構成とすればよい。
(4)上記第3の実施の形態では、保留予告用の画像の表示開始タイミングを確定表示時間の下限である0.8secの経過時としたが、基準となる変動表示時間である1.0secが経過を契機として保留予告用画像の表示が開始される構成とすることも可能である。
(5)上記実施の形態においては、リーチ演出としてノーマルリーチA,ノーマルリーチB,スーパーリーチA,スーパーリーチBを設け、これら各種リーチ演出を通常遊技状態及び高確遊技状態の両状態にて併用する構成としたが、高確遊技状態専用のリーチ演出として、スーパーリーチCを設けてもよい。スーパーリーチC(例えば発生した時点で大当たりが確定するリーチ演出)についても、スーパーリーチA,スーパーリーチBと同様にキャラク画像を表示することでリーチ演出が行われる構成とする場合には、スーパーリーチA,Bと比較してキャラクタ画像の大きさやキャラクタ画像の占有領域を拡大する等することにより、スーパーリーチC発生時のインパクトを強化できる。このような演出が行われる場合には、リーチ演出の終了表示に要する時間も長く確保することにより、上述したキャラクタ画像の退避等に要する時間を好適に担保することができるとともに大当たりに当選した余韻を残しやすい構成が実現される。これにより、遊技への注目度を好適に向上させることができる。
(6)上記第1の実施の形態では、確定表示時間を利用してリーチ演出用のキャラク画像を退避させる構成としたが、このような技術的思想を、以下の構成に適用することも可能である。例えば待機位置と演出位置とに変位可能な演出部(例えば装飾)を有する演出機構(可動役物)を用いてリーチ演出を行う場合、確定表示時間を利用して、演出部を演出位置から待機位置に復帰させる構成とすることも可能である。
(7)上記第3の実施の形態では、予告用画像が表示されることにより、確定表示中の図柄が視認不可となる時間が発生する構成としたが、少なくとも確定表示時間に図柄を視認可能な時間が含まれているのであれば、どれ位の時間に亘って上記予告用画像が表示されるかについては任意に変更してもよい。
(8)上記第3の実施の形態では、予告用画像が表示されることにより、その背後に位置する図柄が視認不可となるように制限される構成としたが、予告用画像が表示されている状況下であっても図柄の視認性を確保する構成とすることも可能である。例えば、予告用画像に透明性を付与して同予告用画像を通じてその背後に位置する図柄が視認可能となるように構成してもよいし、予告用画像を図柄の背後に表示する構成としてもよいし、図柄の表示領域から外れた領域に予行用画像を表示する構成としてもよい。
(9)上記各実施の形態では、上述した変動表示時間に係る時間短縮機能(時間可変機能)と確定表示時間に係る時間短縮機能(時間可変機能)との両機能が発揮される場合に、変動表示時間の短縮率(変化率)が確定表示時間の短縮率(変化率)よりも大きくなるように構成した。更には、1遊技回に係る遊技時間(変動表示時間+確定表示時間)の短縮率(変化率)が確定表示時間の短縮率(変化率)よりも大きくなるように構成した。短縮率(変化率)をどの様に設定するかは任意であるが、変動表示時間があくまで遊技結果を告知するまでの過程に過ぎず、確定表示時間本来の告知機能を担保しようとした場合、遊技回全体にて確定表示時間の極端な変化を抑え、告知機能を担保することが好ましい。
(10)上記各実施の形態では、変化量が過度に大きくなることを抑えるように確定表示時間の下限を「0.8sec」、上限を「1.2」secとしたが、これら下限及び上限については任意に変更してもよい。
(11)上記実施の形態では、1遊技回に係る遊技時間を変動表示時間及び確定表示時間により構成したが、これに限定されるものではない。確定表示時間を遊技回間のインターバルとするのであれば、1遊技回に係る遊技時間=変動表示時間とすることも可能である。
(12)上記各実施の形態では、第2入球部33eへの入球に基づく賞球数(「1」)が第1入球部33dへの入球に基づく賞球数(「3」)よりも少なくなるように設定したが、これに限定されるものではない。第2入球部33eへの入球に基づく賞球数を第1入球部33dへの入球に基づく賞球数と同じ又はそれよりも多くなるように設定することも可能である。
但し、既に説明したように、上記実施の形態に示した第2入球部33eへの入球に基づく賞球数を「1」とすることには、遊技進行を加速させて、通常遊技状態と高確遊技状態との差違を強調する上で、変動表示時間等の短縮等と密接な関係を有する。仮に、第2入球部33eへの入球に基づく賞球数を「2」、「3」・・・とした場合には、多くの賞球が遊技者に付与され得る。このため、過剰な特典の付与を抑えようとした場合には、入球率(保留情報の取得率)が低下するように工夫したり、変動表示時間や確定表示時間の短縮幅を小さくしたりするといった対応が必要になると想定される。これは、遊技回の進行の迅速化を妨げる要因になる。故に、望ましくは高確遊技状態における遊技球の増加を抑制可能となるように第2入球部33eへの入球に基づく賞球数については「1」とするとよい。
(13)上記各実施の形態では、作動口ユニット33の構造を工夫することにより、上作動口33aに入球した遊技球は、第1入球部33d及び第2入球部33eの何れにも入球し得る一方、下作動口33bに入球した遊技球は第2入球部33eにのみ入球する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。具体的には、下作動口33b及びそれに付随する電動役物34を上作動口33aとは別に設け、更に上記第2入球部33eに相当する構成を当該下作動口33bに追加してもよい。つまり、上作動口33aに入球した遊技球は、第1入球部33d及び第2入球部33eの何れにも入球し得る一方、下作動口33bに入球した遊技球は別途設けられた第2入球部に入球する構成としてもよい。このような構成では、上作動口33aを通じて第1入球部33d又は第2入球部33eへの入球が発生した場合の賞球数を「3」とし、追加された第2入球部へ下作動口33bを通じた入球が発生した場合の賞球数を「1」とすることも可能である。
(14)上記実施の形態では、報知・演出制御装置82及び表示制御装置212においては、主制御装置81から変動用コマンドを受信したことに基づいて図柄の変動表示等の遊技回に係る演出を開始し、主制御装置81から変動終了コマンド(確定コマンド)を受信したことに基づいて遊技回に係る演出を終了する構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。変動終了コマンドを省略することも可能である。例えば、変動用コマンドに含まれる時間等の情報に基づいて、報知・演出制御装置82及び表示制御装置212が独自に演出の終了タイミングを決める構成とすることも可能である。
但し、このような構成では制御装置82,212等の誤作動によって図柄表示装置41における図柄の変動表示等が終了するタイミングがメイン表示部43における変動表示の終了タイミングからずれる可能性がある。特に、図柄表示装置41における図柄の変動表示の終了タイミングが遅れた場合には、本来次の遊技回等へ対応する表示に移行すべき状況であるにも関わらず、当該移行が上手く行われずに遊技の円滑な進行が妨げられ得る。そこで、変動終了コマンドを省略する場合には、変動パターンコマンドやオープニングコマンド、シフト時コマンド等の遊技進行に係るコマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示等を強制的に終了させる構成(確定表示を行う構成)としてもよい。このような、強制終了が発生する場合には、上述した確定表示時間が通常の確定表示時間よりも短くなるように構成することにより、遊技進行からの遅れを迅速に回復させることができる。例えば、確定表示時間として、第1確定表示時間と当該第1確定表示時間よりも短い第2確定表示時間とが設定されている場合には、上記状況下では第2確定表示時間が選択される構成とすればよい。
(15)開閉実行モード(「特別遊技状態」に相当)への移行に対応する抽選結果(例えば当り結果)に係る遊技回においては確定表示時間として相対的に短い確定表示時間(例えば0.2sec)が設定され、開閉実行モードへの移行に対応しない抽選結果(例えば外れ結果)に係る遊技回においては確定表示時間として相対的に長い確定表示時間(例えば1.0sec)が設定される構成としてもよい。なお、上記当り結果については、例えば上述した大当たり結果(高頻度入賞モード対応の当り結果)、開閉実行モードには移行するものの可変入賞装置32の開放期間が実質的な入賞が発生しない又は発生しにくくなるように設定された所謂小当り結果(低頻度入賞モード対応の当り結果)の少なくとも何れかであればよい。
(16)上記第4及び第5の実施の形態では、図柄表示装置41(「絵柄表示手段」に相当)の前側に配設された可動式の演出装置49(シャッタ49a)によってステージ移行の前兆演出(煽り演出)を行う構成としたが、必ずしも図柄表示装置41以外の構成によって当該演出を行う必要はない。上記第1の実施の形態に示したように、例えば図柄表示装置41にて可動演出装置49に相当する構成を模した画像を表示する等して前兆演出を行う構成とすることも可能である。なお、可動演出装置49に相当する構成を第1の実施の形態等に適用することも可能である。
(17)上記第4及び第5の実施の形態では、特別結果(16R確変大当たり結果A,2R確変大当たり結果,特別外れ結果)の場合に、図柄表示装置41の表示画面41aに特殊図柄としての「CHANCE」図柄を含んだ図柄組み合わせを停止表示させる構成としたが、特別結果に対応する図柄組み合わせに上記特殊図柄を含める必要はない。既存の主図柄を組み合わせて特別結果に対応する図柄組み合わせを形成することも可能である。
例えば、有効ライン上に「3」図柄、「5」図柄、「7」図柄が停止した場合の図柄の組み合わせを特別当たり結果及び特別外れ結果に対応させることも可能である。このような構成においては、必ずしも上記リーチ表示を経て当該図柄組み合わせを停止表示させる必要はない。この場合、完全外れ結果に対応する確定表示時間と、該当遊技回における確定表示時間+開閉実行モード中の図柄組み合わせの停止表示時間との和を一致させることにより、第5の実施の形態に示した技術的思想を好適に具現化できる。
また、該当遊技回にて特別結果に対応する図柄組み合わせを表示する場合にリーチ表示を経由させる際には、最終停止図柄がリーチラインを形成している他の図柄に対して所定コマ数だけずれて停止した場合の図柄組み合わせを特別当たり結果及び特別外れ結果に対応させる構成とすることも可能である。
(18)上記第4及び第5の実施の形態では、当否抽選の結果(大当たり結果及び特別外れ結果)に応じて該当遊技回における確定表示時間に差違を設定した。具体的には、2R大当たり結果,16R確変大当たり結果A,特別外れ結果となった場合の確定表示時間が16R確変大当たり結果B及び16R通常大当たり結果となった場合の確定表示時間よりも短くなるように設定した。「特別遊技状態」としての開閉実行モードへ移行する遊技回にて、開閉実行モードの種類に応じて確定表示時間に差違を設定する上では、上記構成に限定されるものではなく、以下のように変更してもよい。すなわち、2R大当たり結果,16R確変大当たり結果A,特別外れ結果となった場合の確定表示時間が16R確変大当たり結果B及び16R通常大当たり結果となった場合の確定表示時間よりも長くなるように設定してもよい。但し、遊技者に開閉実行モードとなったことをアピールすべき状況下において確定表示時間が短くなることで、当該アピール機能が上手く作用しなくなり得る。また、開閉実行モードになったことをあまりアピールしたくない状況下においては確定表示時間が長くなることでアピール機能が無駄に強化されてしまう。このような事情に配慮すれば、上記第4及び第5の実施の形態に示したように、高頻度入賞モードに係る遊技結果である場合の確定表示時間を相対的に長く設定し、低頻度入賞モードに係る遊技結果である場合の確定表示時間を相対的に短く設定することが好ましい。
また、開閉実行モードの種類(例えば有利度)に応じて、確定表示時間に差を設定することも可能である。特別遊技状態が複数種設定されている場合には、停止表示される図柄組み合わせに差違を設定する等して、どの種の特別遊技状態に移行したかの示唆が行われるものがある。しかしながら、遊技者によって図柄組み合わせ関する視覚情報が確認された後は、それ以上に図柄の停止表示(確定表示)を継続しても、遊技者の注目度を向上する助けにはなりにくい。そこで、開閉実行モード大当たりの種別に応じて停止表示期間を変化させる構成とすれば、それにより表示されている図柄そのものではなく、その停止表示期間へ遊技者の注目を向けさせることができる。これにより、停止表示されている図柄への注目度を好適に向上させることができる。
例えば、開閉実行モード(特別遊技状態)として第1開閉実行モード(第1特別遊技状態)と、当該第1開閉実行モードよりも遊技者に有利な第2開閉実行モード(第2特別遊技状態)とが設定され、確定表示時間(停止表示期間)として第1時間及び当該第1よりも長い第2時間とが設定されている場合には、第1開閉実行モードへの移行契機となる遊技回では第1時間よりも第2時間が選択されやすく、第2開閉実行モードへの移行契機となる遊技回では第2時間よりも第1時間が選択されやすい構成とすればよい。このような構成においては、遊技者は停止表示された図柄が少しでも長くその状態に維持されることを期待することとなり、停止表示されている図柄への注目度を好適に向上することができる。これは、上述した低頻度入賞モードにて可変入球部へ注目が向かないようにする上でも好ましい構成である。
因みに、開閉実行モード中に停止表示を継続させて、停止表示時間が必ずしも確定表示時間と一致しない構成とする場合ことにより、上記第5の実施の形態に示した効果を一層強化できる。
(19)上記第4及び第5の実施の形態では、完全外れ結果となる遊技回での確定表示時間よりもリーチ表示が行われる遊技回での確定表示時間が長くなるように設定したが、両確定表示時間を共通とし、リーチ表示の有無が確定表示時間に差違を生じさせる要因とならない構成とすることも可能である。
また、高頻度入賞モード対応の遊技結果となる遊技回での確定表示時間を、通常外れ結果となる遊技回での確定表示時間よりも長くなるように設定したが、両確定表示時間を共通とすることも可能である。
(20)大当たり結果及び特別外れ結果となる場合には、リーチ表示を経て特別遊技状態へ移行する構成にて、高頻度入賞モード対応の遊技結果となる遊技回の確定表示時間を基準として、特別結果となる遊技回の確定表示時間を当該基準よりも短くなるように設定したが、この基準を以下のように変更してもよい。リーチ表示が行われる場合には、必ずしも大当たり結果等になるとは限らず、寧ろ多くの場合には外れ結果(通常外れ結果)になる。このような事情に配慮すれば、リーチ表示を経て通常外れ結果となる場合の確定表示時間を基準として当該確定表示時間よりも特別結果となる場合の確定表示時間のほうが短くなるように設定することも可能である。
(21)上記第4及び第5の実施の形態では、確定表示後も該当遊技回にて停止表示された図柄組み合わせをその形態を維持したまま表示を継続する構成としたが、この継続時間については任意である。また、開閉実行モード中に上記継続表示を行う構成とする必要は必ずしもない。但し、通常遊技状態→開閉実行モード→通常遊技状態となる場合に、開閉実行モードを経由しない場合との差異をできるだけ目立ちにくくする上では、上述した継続表示を行うことには技術的意義があり、更には該当遊技回における確定表示時間と継続時間の和がリーチ表示を経由して通常外れ結果となる遊技回の確定表示時間を超えないように抑えることにより継続表示が冗長になることを抑制できる。
なお、確定表示後に図柄組み合わせの表示を継続させる場合には、必ずしも表示形態を維持する必要はなく、当該表示形態を変化させる(例えば縮小表示を行う)構成としてもよい。
(22)上記第5の実施の形態では、特別当たり結果及び特別外れ結果となった場合の確定表示時間と開閉実行モードの所要時間との和がリーチ表示→通常外れとなった場合の確定表示時間よりも長くなるように構成したが、必ずしもこれに限定されるものではない。
例えば、特別当たり結果及び特別外れ結果となった場合の確定表示時間と開閉実行モードの所要時間との和がリーチ表示→通常外れとなった場合の確定表示時間と同じ長さ(同等)となるように構成してもよい。但し、開閉実行モードにおいては可変入賞ユニット32Xの動作を含むため、動作時間等を担保する必要があり、その所要時間を短縮するには限度がある。そこで、特別結果となった場合の確定表示時間と開閉実行モードの所要時間との和に合わせて引き延ばす構成とすればよい。つまり、結果として、特別結果となった場合の確定表示時間と開閉実行モードの所要時間との和がリーチ表示→通常外れとなった場合の確定表示時間と同じ長さ(同等)となるのであれば、その具体的構成については任意であり、開閉実行モードの所要時間の短縮ではなく、リーチ表示を経て通常外れとなる場合の確定表示時間の延長により実現してもよい。但し、リーチ表示→通常外れとなる場合の確定表示時間が間延びすれば、遊技進行が無駄に遅延され、円滑な遊技進行を妨げる要因になり得る。故に、望ましくは開閉実行モードの所要時間の短縮により対応すればよい。
なお、特別結果となった場合の確定表示時間と開閉実行モードの所要時間との和が高頻度入賞モードへ移行する場合の該当遊技回に係る確定表示時間よりも短くなるように構成することも可能である。つまり、確定表示時間の差よりも、開閉実行モードの所要時間を短くしてもよい。
また、第5の実施の形態においては、エンディング表示を図柄組み合わせの停止表示を継続するための時間から除外したが、当該エンディング表示用の時間を当該停止表示を継続するための時間に含める構成としてもよい。高頻度入賞モードへ移行する場合の該当遊技回に係る確定表示時間 = オープニング表示用の時間+開閉動作用の時間+エンディング表示用の時間 とすることも可能である。
因みに、特別結果となった場合に図柄が停止表示される時間と、通常外れ結果となった場合に図柄が停止表示される時間とは、同じ長さの期間としてもよいし、遊技者が同じ長さであると認識できる程度の長さであってもよい。つまり、上述したような違和感の発生を抑えて、特別結果に係る開閉実行モードが目立つことを抑制する上では、上記各期間を完全に一致させるのではなく、若干の差(識別が不可能又は困難となる程度の差)を許容する構成としてもよい。
更には、特別結果となった場合に図柄が停止表示される時間が、通常外れ結果となった場合に図柄が停止表示される時間以下となるように構成することも可能である。
特別結果となる遊技回では確定表示期間を短縮して、それを開閉実行モードにおける継続表示によって補う構成とすることにより、確定表示本来の機能(報知機能)を担保することができる。そして、確定表示後は開閉実行モードに移行するものの、遊技者が開閉実行モードへの移行を待っている状態(フェイク確定表示が終了することを待っている間)に可変入球装置32等を動作させることができる。これにより、遊技者の注目が可変入球装置32に向くことを抑制できる。
特に、通常外れ結果となる遊技回では、図柄の停止表示期間=確定表示期間、特別結果となる場合には、図柄の停止表示期間が確定表示期間及び継続表示期間(開閉実行モード中)の和以下となることにより、通常遊技状態(該当遊技回) → 開閉実行モード →通常遊技状態となる一連の流れにおいて可変入球装置32等へ遊技者の注意が向く間を減縮することにより、低頻度入賞モードでの可変入球装置32等の動きが目につくことを好適に抑制できる。
(23)上記第5の実施の形態では、特別結果に対応する開閉実行モードにて、その契機となった遊技回(該当遊技回)にて停止表示された図柄組み合わせの表示をその表示形態を維持したまま継続する構成としたが、開閉実行モードにおける表示態様については任意に変更してもよい。例えば、開閉実行モードに対応するキャラクタ等を表示する構成としてもよい。
特に、該当遊技回にて停止表示された図柄組み合わせの表示をその表示形態を維持したまま継続させて、少なくともリーチ表示→通常外れとなった場合の確定表示時間と同じ時間に亘って上記図柄組み合わせを表示することにより、停止結果の視認性の担保や、遊技の流れを途切れないようにしつつ開閉実行モードを間に組み込むことを可能とした。但し、これら2つの機能のうち前者に着目するのであれば、一致を前提に継続する必要はない。後者を重視するのであれば、エンディング中も図柄表示を視認可能な状態で継続すればよく、リーチ表示→通常外れとなった場合の確定表示時間=特別当たり結果及び特別外れ結果となった場合の確定表示時間+開閉実行モードの所要時間とすることで当該効果の更なる向上に貢献できる。
(24)図53の概略図に示すように、開閉実行モード(エンディング表示)を経由したステージの移行と同様の演出を通常外れ結果に対応する遊技回の冒頭(例えば開始時)に行う構成を採用すれば、エンディング表示による時間差(ミスマッチ)を好適に回避できる。つまり、内部的に高確率モードへの移行が確定していない場合であっても、所謂フェイク演出として、ステージ移行を行う構成とすることにより実用上好ましい構成が実現される。
(25)上記第5の実施の形態では、複数の大入賞口を交互に開閉させることにより、可変入賞装置330X,380Xを閉じたまま維持する時間を短縮する構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、第4の実施の形態と同様に1の大入賞口の開放を繰り返す構成とすることも可能である。但し、流入した遊技球の可変入賞装置からの排出や当該遊技球の検知等に要する時間を短縮して、開閉実行モードに係る所要時間を短縮する上では、大入賞口の横幅を小さくする等の工夫を施すとよい。
但し、高頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおいては、大入賞口の開放自体が遊技者の遊技意欲を高める要因になり得る。故に、上述したように可変入賞装置(大入賞口)の小型化を図ることは遊技への注目度を向上する上で妨げになり得る。このような、事情に配慮して1の可変入賞装置における上記時間の短縮を実現するには、流入した遊技球の検知個所を複数併設すること(例えば流入通路の底面を中央から左右に傾斜させて左右両側検知センサを左右に設けること)が好ましい。
(26)可動演出装置49による煽り演出(前兆演出)については、少なくとも可変入賞装置32が動作する動作期間に重なるようにして実行される構成とすればよい。これにより、遊技者の注目が可変入球部に向くことを好適に抑制できる。
(27)上記第5の実施の形態では、上側大入賞口331の横幅を下側大入賞口381の横幅よりも大きくしたが、上側大入賞口331の横幅と下側大入賞口381の横幅とを同等としてもよいし、上側大入賞口331の横幅を下側大入賞口381の横幅よりも小さくしてもよい。
但し、装飾体48Xによる遮蔽対象となっている大入賞口381Xが大型化することは、遮蔽機能を担保する上で装飾体48Xの大きさや形状等に係る制約を強くする要因となり得る。故に、望ましくは上記実施の形態に示したように、遮蔽対象となる大入賞口381X(可変入賞装置380X)については遮蔽対象となっていない大入賞口331X(可変入賞装置330X)よりも小さくすることが好ましい。
(28)上記第5の実施の形態では、上側可変入賞装置330Xの上側開閉扉332X(「第1可動体」に相当)及び下側可変入賞装置380Xの下側開閉扉382X(「第2可動体」に相当)については阻止状態では遊技領域PEへの突出が抑えられ、許容状態では遊技領域PEに突出する構成としたが、これに限定されるものではなく、許容状態では遊技領域PEへの突出が抑えられ、阻止状態では遊技領域PEに突出する構成とすることも可能である。
また、開閉扉332X,382Xを回動式としたが、スライド式とすることも可能である。この場合、スライド式のシャッタについては、その動きを目で捕捉することは困難になる。そこで、スライド式のシャッタと回動式のシャッタとを併用する場合には、装飾体48Xよる遮蔽対象を回動式のシャッタとすることが好ましい。
(29)上記第5の実施の形態においては、何れの開閉実行モードにおいても2つの可変入賞装置330X,380Xを併用する構成としたが、開閉実行モードの種類に応じて対象を限定する構成とすることも可能である。例えば、高頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおいては可変入賞装置330X,380Xを併用する一方で、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおいては下側可変入賞装置380Xのみを使用する構成としてもよい。
なお、2つの可変入賞装置330X,380Xの開閉順序については任意に変更してもよい。
(30)上記第4及び第5の実施の形態では、「特別遊技状態」としての開閉実行モード中(低頻度入賞モードに係る開閉実行モード中)に該当遊技回にて停止表示された図柄組み合わせの表示を継続する構成としたが、これに限定されるものではない。開閉実行モード中における表示の継続を行わない構成とすることも可能である。
相対的に不利な低頻度入賞モード対応の開閉実行モードへ移行する場合には、折角開閉実行モードに移行してもそれが遊技者の期待にそぐわない等して遊技意欲が低下する可能性がある。このため、該当遊技回ではなく以降の遊技進行へ遊技者の注目を向けさせた方がよい場合もある。そこで、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおいては、図柄組み合わせの停止表示を早めに切り上げる構成とすることにより、停止表示された図柄組み合わせが遊技者に不快感を与える要因になることを好適に抑制できる。
(31)上記実施の形態では、表示画面41aの変動表示領域MEにて、上図柄列,中図柄列,下図柄列が横方向に変動表示する構成としたが、これを変更し、上図柄,中図柄,下図柄が個別に設定された表示領域にて切替表示される構成としてもよい。つまり、表示領域に表示されている図柄が昇順又は降順に順次入れ替わる構成としてもよい。
(32)上記実施の形態では、報知・演出制御装置82と表示制御装置212とを別々に設けたが、これら各制御装置82,212の機能を統合した1の制御装置を設けてもよい。
(33)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更には、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が停止表示され、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1)。」という背景技術について、「ここで、上述したタイプの遊技機においては、絵柄の表示態様等について未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202に設けられた保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202において大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
表示部(表示画面41a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を停止表示するように前記絵柄表示手段の表示制御を行う表示制御手段(主制御装置81,報知・演出制御装置82,表示制御装置212)と
を備え、
前記表示制御手段は、前記停止表示を行う停止表示期間を変化させる停止表示期間可変手段(主制御装置81のMPU202にて確定表示時間を決定する機能)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、遊技進行に伴い表示部にて絵柄が可変表示され、付与判定の結果に応じた絵柄の組み合わせが停止表示される。このような遊技機の基本構成に鑑みれば、遊技者の注目は専ら、最終的に明示される絵柄の組み合わせやその過程で実行されるリーチ表示等の絵柄の可変表示に向けられると想定される。近年では可変表示が実行される期間を短縮する所謂時短機能や多彩なリーチ表示等の採用により、遊技進行にメリハリを与え、遊技への注目度の向上が図られている。
ここで、可変表示(期間)については上述の如く各種工夫が施されているものの、停止表示期間(具体的には遊技結果を表示する期間、確定期間)については、付与判定の結果の把握を促したり、次遊技回への区切りとして機能したりするに過ぎず、この停止表示期間が画一的になっていた。
このように停止表示期間が画一的になることは、遊技の単調化を回避する機能を発揮する上で妨げとなり得る。この点、本特徴によれば、停止表示期間を変化させることにより、例えば遊技状況等に応じて遊技進行に緩急等の変化を与えて遊技のリズムを変化させることができる。これにより、遊技の単調化を一層好適に抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
なお、例えば「後続の特別情報が存在している場合に、前記停止表示中は当該後続の特別情報に基づいた可変表示の開始が制限され、前記停止表示期間を経て当該停止表示が終了したことに基づいて同後続の特別情報に基づいた可変表示が開始されるように構成されている」構成に上記技術的思想を適用すれば、停止表示期間がインターバルとして機能する構成にて当該インターバルを多様化することが可能となり、遊技進行のリズム変化に好適に貢献できる。
因みに、前記停止表示を行う停止表示期間を変化させる停止表示期間可変手段については、結果として停止表示期間が変化することができるのであればよく、停止表示期間を確定させるタイミングについては予め決まっている構成としてもよく、可変表示や停止表示中に停止表示期間が確定する構成としてもよい。
特徴2.前記表示制御手段は、前記可変表示を行う可変表示期間を変化させる手段を有してなり、
前記停止表示期間可変手段は、
前記可変表示期間が相対的に長い第1可変表示期間となる場合に、前記停止表示期間として第1停止表示期間を設定する手段と、
前記可変表示期間が相対的に短い第2可変表示期間となる場合に、前記可変表示期間として前記第1停止表示期間よりも短い第2停止表示期間を設定する手段と
を有していることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
特徴2によれば、可変表示期間が比較的長い場合には停止表示期間も比較的長く、可変表示期間が比較的短い場合には停止表示期間も比較的短くなる。このように可変表示期間にリンクして(調和させて)停止表示期間を変化させることにより、例えば可変表示期間及び停止表示期間からなる遊技回の全体を利用して上述した緩急差を発生させることができ、特徴1に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
なお、本特徴に示す構成によれば、例えば所謂時短機能を発揮させて遊技進行を加速させたい場合に、停止表示期間の存在がその妨げになることを抑制する上で有利である。
特徴3.遊技状態として、遊技者にとっての有利度合いの異なる複数の遊技状態が設けられており、
遊技進行に伴い遊技状態を前記複数の遊技状態の何れかに移行させる遊技状態移行手段を備え、
前記停止表示期間可変手段は、遊技状態に基づいて前記停止表示期間を設定する手段を有していることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
特徴3によれば、遊技状態の変化によって有利度合いが変わるだけでなく、遊技状態に応じた停止表示期間の変化が生じることとなる。このようにして、遊技の流れに差違を生じさせることにより、遊技の単調化を一層好適に抑制できる。
特徴4.遊技状態として、第1遊技状態と当該第1遊技状態よりも前記付与判定にて前記付与対応結果となりやすい第2遊技状態とが設けられており、
前記停止表示期間可変手段は、前記第2遊技状態となっている場合の前記停止表示期間が前記第1遊技状態となっている場合の前記停止表示期間よりも短くなるようにして停止表示期間を設定する手段を有していることを特徴とする特徴3に記載の遊技機。
遊技者にとって有利な状態、すなわち付与対応結果になりやすい第2遊技状態においては、第1遊技状態と比較して特典付与への期待が高まることとなる。この際、有利な状況が間延びすることは、特典付与が無駄に遅延されているかのような印象を遊技者に与える要因になり得る。これは、遊技者の第2遊技状態(特典付与)への期待を維持する上で妨げになる。そこで、特典付与への期待が高まった状況下においては、停止表示期間を短縮して遊技進行を加速させることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴5.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
前記遊技盤に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が流入可能な第1状態及び同受入状態よりも遊技球の流入が困難な第2状態に切替可能な入球部(下作動口33b)と、
予め設定された切替条件が成立した場合に、前記入球部を前記第1状態及び前記第2状態のそれぞれに切り替える切替制御手段(主制御装置81のMPU202における電役サポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記情報取得手段は、前記入球部への入球に基づいて、前記特別情報を取得するように構成されており、
前記切替制御手段による前記入球部の切替制御モードとして第1切替モード(例えば低頻度サポートモード)と、同第1切替モードよりも前記第1状態及び前記第2状態の切替態様が遊技者に有利となる第2切替モード(例えば高頻度サポートモード)とが設定されており、
前記停止表示期間可変手段は、前記第1切替モードとなっている場合の前記停止表示期間が前記第2切替モードとなっている場合の前記停止表示期間よりも短くなるようにして停止表示期間を設定する手段を有していることを特徴とする特徴1乃至特徴4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴1に示したように取得情報記憶手段に記憶される特別情報の数に上限(規定数)が設けられている場合には、当該上限の存在によって特別情報の取得に非対応となる入球が発生し得る。このような入球では付与判定の権利が得られないため通常の入球と比較して無駄が大きくなる。このような事情から、遊技者が所謂止め打ちにより遊技球の投資(発射)を抑えながら遊技を行う可能性が高くなる。これでは、第2切替モードにより遊技進行を加速させる効果が上手く発揮されなくなる。そこで、本特徴に示すように、入球が多く発生しやすい第2切替モード中にて停止表示期間を短くすることにより、上述した無駄の発生を抑制して、遊技者による遊技進行の遅延の抑制に貢献できる。故に、モードを切り替えて遊技進行の緩急を強調する効果を好適に発揮させることが可能となる。
なお、「前記表示制御手段」が「前記第1切替モードとなっている場合に前記可変表示を行う可変表示期間を第1可変表示期間となるように設定し、前記第2切替モードとなっている場合に前記可変表示を行う可変表示期間を前記第1可変表示期間よりも短い第2可変表示期間となるように設定する手段を有して」いる構成とすることにより、第2切替モードとなって遊技進行が加速される状況下にて当該加速機能の向上に貢献できる。
因みに、特徴2との組み合わせにおいては、「〜、前記停止表示期間可変手段は、前記第1切替モードとなっている場合の前記停止表示期間を前記第1停止表示期間とする手段と、前記第2切替モードとなっている場合の前記停止表示期間を前記第2停止表示期間とする手段とを有していることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。」とすることも可能である。
また、特徴4等との組み合わせにおいては、例えば「第1遊技状態」への移行に伴って「第1切替モード」となり、「第2遊技状態」への移行に伴って「第2切替モード」となる構成とすることも可能である。
特徴6.前記表示制御手段は、前記第1切替モードとなっている場合に前記可変表示を行う可変表示期間を第1可変表示期間となるように設定し、前記第2切替モードとなっている場合に前記可変表示を行う可変表示期間を前記第1可変表示期間よりも短い第2可変表示期間となるように設定する手段を有してなり、
前記第1切替モード及び前記第2切替モードの何れのモードとなっている場合であっても、所定の演出条件が成立したことに基づき前記可変表示に伴って特定の表示演出(例えばスーパーリーチB)を行う特定演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、前記停止表示期間を利用して前記特定の表示演出の終了表示を行う構成となっており、
前記停止表示期間可変手段は、
前記第1切替モードとなっている場合に、前記停止表示期間として第1停止表示期間を設定する手段と、
前記第2切替モードとなっている場合であって且つ前記特定の表示演出が実行されない場合に、前記可変表示期間として前記第1停止表示期間よりも短い第2停止表示期間を設定する手段と、
前記第2切替モードとなっている場合であって且つ前記特定の表示演出が実行される場合に、前記停止表示期間として前記第2停止表示期間よりも長い第3停止表示期間を設定する手段と
を有していることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
特徴6に示すように入球が発生しやすい第2切替モードにおいては、第1切替モードよりも可変表示期間を短くして特別情報の消化を促進することにより、持ち球の減りを抑えつつ遊技を迅速に進めることができる。ここで、特定の表示演出の終了表示を停止表示期間を利用して行うことにより、特定の表示演出に係る期間的な制約を軽減できる。
本特徴においては特に、第2切替モード中であっても特定の表示演出が行われる場合には、第2停止表示期間ではなく第3停止表示期間が設定され、停止表示期間の短縮が抑えられることとなる。これにより、特定の表示演出の終了表示に要する期間が不足して当該終了表示が円滑に行われなくなるといった不都合の発生を抑制できる。故に、特定の表示演出の共通化を図ったことに起因して特定の表示演出が終了する際(終了表示)の表示態様に違和感が発生することを抑制できる。
なお、本特徴に示す「第3停止表示期間」の長さと「第1停止表示期間」の長さとを同じにすることも可能である。
特徴7.前記表示制御手段は、前記第1切替モードとなっている場合に前記可変表示を行う可変表示期間を第1可変表示期間となるように設定し、前記第2切替モードとなっている場合に前記可変表示を行う可変表示期間を前記第1可変表示期間よりも短い第2可変表示期間となるように設定する手段を有してなり、
前記第1切替モード及び前記第2切替モードの何れのモードとなっている場合であっても、所定の演出条件が成立したことに基づき前記可変表示に伴って特定の表示演出(例えばスーパーリーチB)を行う特定演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、前記停止表示期間を利用して前記特定の表示演出の終了表示を行う構成となっており、
前記停止表示期間可変手段は、
前記第1切替モードとなっている場合に、前記停止表示期間として第1停止表示期間を設定する手段と、
前記第2切替モードとなっている場合であって且つ前記特定の表示演出が実行されない場合に、前記可変表示期間として前記第1停止表示期間よりも短い第2停止表示期間を設定する手段と、
前記第2切替モードとなっている場合であって且つ前記特定の表示演出が実行される場合に、前記停止表示期間として前記第1停止表示期間を設定する手段と
を有していることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
特徴7に示すように入球が発生しやすい第2切替モードにおいては、第1切替モードよりも可変表示期間を短くして特別情報の消化を促進することにより、持ち球の減りを抑えつつ遊技を迅速に進めることができる。ここで、停止表示期間を利用して特定の表示演出の終了表示を行うことにより、特定の表示演出に係る期間的な制約を軽減できる。
本特徴においては特に、第2切替モードであっても特定の表示演出が行われる場合には、第2停止表示期間ではなく第1停止表示期間が設定され停止表示期間の短縮が回避(規制)されることとなる。これにより、両モードにて共通の表示演出を行う構成であっても、特定の表示演出の終了表示に要する期間が不足して当該終了表示が円滑に行われなくなるといった不都合の発生を抑制できる。故に、特定の表示演出の共通化を図ったことに起因して特定の表示演出が終了する際(終了表示)の表示態様に違和感が発生することを抑制できる。
また、特定の表示演出が行われる場合に限っては停止表示期間の短縮を行わない構成としたとしても、そもそも特定の表示演出が毎遊技回実行されるわけではない。故に、特徴5等に示した遊技進行の加速効果が著しく低下することはない。更に、特定の表示演出の共通化を図る上で終了表示の態様をモード別に記憶しておく必要がなくなり、制御装置の記憶容量が無駄に増加することが回避される。
特徴8.前記特定の演出表示は、前記可変表示を行う場合に演出用キャラクタを所定の演出位置へ変位させる開始表示と、同演出用キャラクタを当該所定の演出位置から退避させる前記終了表示とを有してなり、
前記終了表示に要する期間は、前記第1停止表示期間と同じ又は当該第1停止表示期間よりも短くなるように設定されており、
前記第2停止表示期間は、前記終了表示に要する期間よりも短くなるように設定されていることを特徴とする特徴6又は特徴7に記載の遊技機。
本特徴に示すように第2停止表示期間を終了表示に要する期間よりも短くなるように設定することにより、停止表示期間の短縮による遊技進行の加速機能を好適に発揮させることができる。但し、このような構成では、特定の演出表示を両モードにて共有することを前提とした場合、終了表示に要する期間の確保が困難になり得る。
終了表示の完結を無視して演出用キャラクタ(例えばキャラクタ画像や可動装飾部(役物))の退避中に次遊技回に無理矢理に移行した場合には、演出用キャラクタの退避中に当該演出が強制終了されることとなり視覚的な違和感が発生し得る。例えば早送り等によって終了表示に要する期間を短縮することにより上記強制終了は回避できるものの、このような対応では停止表示期間の短縮の影響を受けて退避速度の変化が著しくなる。故に、視覚的な違和感の発生を抑えることは困難になると想定される。また、そのような特殊な表示態様を実現するための情報が必須となり演出に係る記憶領域が圧迫され得る。そこで、本特徴に示す構成に対して、特徴6又は特徴7に示した技術的思想を適用すれば、遊技進行の緩急の強調に起因した各種不都合の発生を好適に回避できる。
特徴9.前記第1切替モード及び前記第2切替モードのうち前記第2切替モードとなっている場合に、特別条件の成立に基づいて第2切替モード用演出を行う手段を備え、
前記停止表示期間可変手段は、前記第2切替モードである場合に、前記特別条件の成立に基づき前記停止表示期間として前記第1停止表示期間よりも長い第4停止表示期間を設定する手段を有していることを特徴とする特徴6乃至特徴8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴9によれば、第2切替モード(遊技進行が加速されている状況下)にて第2切替モード用演出が実行される場合に、停止表示期間を第2停止表示期間から第1停止表示期間に設定するのではなく、第1停止表示期間よりも長い第4停止表示期間に設定することにより、停止表示期間の振れ幅を大きくできる。これにより、それまで急速に進んでいた遊技にブレーキがかかったかのような印象を遊技者に与えることができ、遊技進行に伴う緩急の発生に貢献できる。
例えば、可変表示期間を長くすることで緩急を付けることも可能であるが、そもそも変化に乏しい停止表示期間を延ばすことにより、緩急の発生の印象が弱くなることを回避できる。これにより、上記効果が好適発揮される。
特徴10.前記第2切替モードにて実行された付与判定の回数が所定数となったことを前記所定条件の成立として前記第2切替モードから前記第1切替モードへ切り替わる構成となっており、
前記第2切替モード用演出は、前記第2切替モードが前記所定条件の成立契機となった特別情報に係る遊技回にて実行されることを特徴とする特徴9に記載の遊技機。
特徴10に示すように、付与判定回数が所定数に達することで第2切替モード用演出が実行される構成においては、当該第2切替モード用演出を経て第1切替モードへ切り替る(転落する)。ここで、第2切替モード→第1切替モードへの切り替えが発生する際に、停止表示期間を長くして当該停止表示期間にて第2切替モード用演出(例えば第2切替モード終了示唆演出)を行うことにより、唐突にモードが切り替ったかのような印象を遊技者に与えることを抑制できる。
特徴11.前記表示制御手段は、前記可変表示を行う可変表示期間を変化させる手段を有してなり、
前記停止表示期間可変手段は、
前記可変表示期間が相対的に長い第1可変表示期間となる場合に、前記停止表示期間として第1停止表示期間を設定する手段と、
前記可変表示期間が相対的に短い第2可変表示期間となる場合に、前記可変表示期間として前記第1停止表示期間よりも短い第2停止表示期間を設定する手段と
を有していることを特徴とする特徴1乃至特徴10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴2によれば、可変表示期間が比較的長い場合には停止表示期間も比較的長く、可変表示期間が比較的短い場合には停止表示期間も比較的短くなる。このように可変表示期間にリンクして(調和させて)停止表示期間を変化させることにより、例えば可変表示期間及び停止表示期間からなる遊技回の全体を利用して上述した緩急差を発生させることができ、特徴1に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
なお、本特徴に示す構成によれば、例えば所謂時短機能を発揮させて遊技進行を加速させたい場合に、停止表示期間の存在がその妨げになることを抑制する上で有利である。
特徴12.前記第1可変表示期間及び前記第1停止表示期間の和と前記第2可変表示期間及び前記第2停止表示期間の和との比よりも、前記第1停止表示期間と前記第2停止表示期間との比が小さくなるように構成されていることを特徴とする特徴11に記載の遊技機。
特徴11に示す構成においては、第2停止表示期間を極端に短くしたり、第1停止表示期間を極端に長くしたりすることにより、上記緩急をより強調することが可能である。しかしながら、停止表示期間のそもそもの存在意義(遊技結果の明示)に配慮した場合、当該停止表示期間の極端な差が停止表示期間を設けたことによる効果を上手く発揮させる上で妨げになる。
この点、停止表示期間単独で差を担保するのではなく可変表示期間と一体となって差を担保することにより、特徴11に示した効果を好適に発揮させることができる。特に、そのような差を生じさせる上で停止表示期間の寄与率を抑えて過度な変化を回避することにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。つまり、可変表示期間及び停止表示期間により1遊技回が構成されている場合に、停止表示期間が過度に短くなって結果の確認が困難になったり停止表示期間が間延びして遊技者の注目を低下させたりすることを抑制しつつ、第1可変表示期間及び第1停止表示期間からなる遊技回と、第2可変表示期間及び第2停止表示期間からなる遊技回との差違を明確にすることができる。
特徴13.前記第1可変表示期間を前記第1停止表示期間よりも長い期間となるように設定する手段と、前記第2可変表示期間を、前記第1停止表示期間と同じ又は当該第1停止表示期間よりも短い期間となるように設定する手段と、当該手段によって第2可変表示期間の設定が行われた場合に、前記第2停止表示期間を、当該第2可変表示期間よりも短い期間となるように設定する手段とを有していることを特徴とする特徴11又は特徴12に記載の遊技機。
特徴13によれば、1の遊技回を構成する変表示期間を停止表示期間よりも長く設定することにより、当たり外れの結果が明示されるまでの過程を見せて遊技者の興趣の向上を図るという遊技機本来の機能を担保しつつ、第1停止表示期間 > 第2可変表示期間 > 第2停止表示期間とすることにより、第1可変表示期間及び第1停止表示期間からなる遊技回と、第2可変表示期間及び第2停止表示期間からなる遊技回を、遊技回全体で差別化できる。
特徴14.前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段を備え、
前記期間可変手段は、前記先特定手段による特定結果の結果が所定の特定結果であった場合に、当該先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に行われている遊技回にて前記先特定手段の特定結果に対応した特別報知を前記停止表示期間を変化させることにより実行する特別報知手段を有していることを特徴とする特徴1乃至特徴13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴14によれば、停止表示期間が単なるインターバル期間としての機能を超えて、後の遊技進行を示唆する機能が発揮されることとなる。これにより、停止表示期間における遊技者の注目度を好適に向上させることができる。
例えば、停止表示期間として第1停止表示期間とそれよりも短い第2停止表示期間とが設けられている場合には、所定の特定結果である場合には第1停止表示期間及び第2停止表示期間のうち前者が選択されやすく、所定の特定結果でない場合には第1停止表示期間及び第2停止表示期間のうち後者が選択されやすい構成とすればよい。
特徴15.表示部(表示画面41a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記表示部にて絵柄の可変表示を行った後、遊技結果に応じて絵柄を停止表示させるように前記絵柄表示手段の表示制御を行う表示制御手段(主制御装置81,報知・演出制御装置82,表示制御装置212)と
を備え、
前記表示制御手段には、前記停止表示を行う停止表示期間を変化させる期間可変手段((主制御装置81のMPU202にて確定表示時間を決定する機能)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴15によれば、遊技進行に伴い表示部にて絵柄が可変表示→停止表示される。このような遊技機の基本構成に鑑みれば、遊技者の注目は専ら、最終的に明示される絵柄やその過程で実行されるリーチ表示等の絵柄の可変表示に向けられると想定される。近年では可変表示が実行される期間を短縮する所謂時短機能や多彩なリーチ表示等の採用により、遊技進行にメリハリを与え、遊技への注目度の向上が図られている。
ここで、可変表示(期間)については上述の如く各種工夫が施されているものの、停止表示期間(具体的には遊技結果を表示する期間、確定期間)については、付与判定の結果の把握を促したり、次遊技回への区切りとして機能したりするに過ぎず、この停止表示期間が画一的になっていた。
このように停止表示期間が画一的になることは、遊技の単調化を回避する機能を発揮する上で妨げとなり得る。この点、本特徴によれば、停止表示期間を変化させることにより、例えば遊技状況等に応じて遊技進行に緩急等の変化を与えて遊技のリズムを変化させることができる。これにより、遊技の単調化を一層好適に抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
なお、本特徴に示した技術的思想に配慮した場合、「表示部(表示画面41a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、前記表示部にて絵柄の可変表示を行った後、絵柄を停留表示させるように前記絵柄表示手段の表示制御を行う表示制御手段(主制御装置81,報知・演出制御装置82,表示制御装置212)とを備え、前記表示制御手段には、前記停留表示を行う停留表示期間を変化させる期間可変手段(主制御装置81のMPU202にて確定表示時間を決定する機能)が設けられていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
また、特徴2乃至特徴14に示した各技術的思想を本特徴に適用することも可能である。
因みに、特徴1乃至特徴15に示す「期間可変手段」については「停止表示期間」及び「停留表示期間」を遊技状況等に応じて変化させる構成であれば足り、例えば長さの異なる複数の停止表示期間から1の停止表示期間を選択/設定する手段とすることも可能である。
特徴16.前記特典付与手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技状態を通常遊技状態から特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)を有し、
前記特別遊技状態として、有利度合いが異なる複数種の特別遊技状態が設定されており、
前記停止表示期間可変手段は、前記特別遊技状態の種別に応じて同特別遊技状態への移行契機となる遊技回の停止表示期間を変化させる手段を有していることを特徴とする特徴1乃至特徴15のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技進行に伴い表示部にて絵柄が可変表示され、付与判定の結果に応じた絵柄が停止表示される。本特徴によれば、停止表示期間を変化させることにより、例えば遊技状況等に応じて遊技進行に緩急等の変化を与えて遊技のリズムを変化させることができる。これにより、遊技の単調化を一層好適に抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記特典付与手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技状態を特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)を有し、前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とが設けられており、前記停止表示期間として、第1停止表示期間と第2停止表示期間とが設けられており、前記停止表示期間可変手段は、前記第1特別遊技状態への移行契機となる遊技回にて、当該遊技回に係る停止表示期間として前記第1停止表示期間を設定する手段と、前記第2特別遊技状態への移行契機となる遊技回にて、当該遊技回に係る停止表示期間として前記第2停止表示期間を設定する手段とを有していることを特徴とする特徴1乃至特徴15のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴17.前記特典付与手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技状態を通常遊技状態から特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)を有し、
遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
前記遊技領域に設けられ、第1状態及び当該第1状態よりも入球が困難又は入球が不可となる第2状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置32)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記第1状態及び前記第2状態に切り替える切替制御手段(主制御装置81のMPU202にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記切替制御手段による前記切替制御の態様として、第1切替モードと第2切替モードとが設定されており、
前記停止表示期間可変手段は、
前記第1切替モードに対応の第1特別遊技状態への移行契機となる遊技回での停止表示期間として第1停止表示期間を設定する手段と、
前記第2切替モードに対応の第2特別遊技状態への移行契機となる遊技回での停止表示期間として前記第1停止表示期間とは異なる長さの第2停止表示期間を設定する手段と
を有していることを特徴とする特徴1乃至特徴15のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技進行に伴い表示部にて絵柄が可変表示され、付与判定の結果に応じた絵柄が停止表示される。本特徴によれば、停止表示期間を変化させることにより、例えば遊技状況等に応じて遊技進行に緩急等の変化を与えて遊技のリズムを変化させることができる。これにより、遊技の単調化を一層好適に抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
なお、特徴16及び特徴17に示す技術的思想は以下のように適用することも可能である。切替制御手段による切替制御モード(特別遊技状態)が複数種設定されている場合には、停止表示される絵柄組み合わせに差違を設定する等して、どの種の特別遊技状態に移行したかの示唆が行われるものがある。しかしながら、遊技者によって絵柄組み合わせ関する視覚情報が確認された後は、それ以上に絵柄の停止表示(確定表示)を継続しても、遊技者の注目度を向上する助けにはなりにくい。そこで、特別遊技状態の種別に応じて停止表示期間を変化させる構成とすれば、それにより表示されている絵柄そのものではなく、例えばその停止表示期間へ遊技者の注目を向けさせることができる。これにより、遊技への注目度を好適に向上させることができる。
因みに、特徴16又は特徴17においては「前記表示制御手段は、表示部において絵柄の可変表示が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記表示制御を行う」構成としてもよい。
特徴18.前記第1切替モードは、前記可変入球部が前記第2状態から前記第1状態を経て同第2状態に復帰するまでの期間が相対的に短くなるように設定されており、
前記第2切替モードは、前記可変入球部が前記第2状態から前記第1状態を経て同第2状態に復帰するまでの期間が相対的に長くなるように設定されており、
前記第1停止表示期間は前記第2停止表示期間よりも短くなるように設定されていることを特徴とする特徴17に記載の遊技機。
相対的に有利な特別遊技状態(第2特別遊技状態)となる場合には、遊技への注目度を高めるよい機会となる。そこで、第2特別遊技状態への移行契機となる該当遊技回では停止表示期間を長くすることで、遊技の魅力を好適にアピールすることができる。一方、相対的に不利な特別遊技状態(第1特別遊技状態)となる場合には、折角特別遊技状態に移行しても遊技者の期待にそぐわないことから遊技意欲が低下する可能性がある。このため、該当遊技回ではなく以降の遊技進行へ遊技者の注目を向けさせた方がよい場合もある。そこで、第1特別遊技状態への移行契機となった遊技回においては、該当遊技回を無駄に引き延ばすのではなく早々に第1特別遊技状態へ移行する構成とすることにより、停止表示された絵柄遊技者の不快感を無駄に煽る要因になることを好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す技術的思想を特徴15に適用する場合には、「前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態と当該第1特別遊技状態よりも遊技者に有利な第2特別遊技状態とが設定されており、前記停止表示期間可変手段は、前記第1特別遊技状態への移行契機となる遊技回での停止表示期間として第1停止表示期間を設定する手段と、前記第2特別遊技状態への移行契機となる遊技回での停止表示期間として前記第1停止表示期間よりも長い第2停止表示期間を設定する手段とを有していることを特徴とする特徴15に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴19.前記第1特別遊技状態への移行契機となる遊技回にて停止表示された絵柄の表示を当該遊技回及び当該第1特別遊技状態に跨るようにして継続させる表示継続手段(報知・演出制御装置82のMPU242における表示継続機能)を備えていることを特徴とする特徴18に記載の遊技機。
そもそも、遊技回の終了時に絵柄を停止表示させることには、遊技者に対して遊技結果(上記付与判定の結果)を視覚的に教示するという技術的意義が存在する。このため、特徴18に示したように遊技者にとって最良の結果でない等の理由から停止表示期間を極端に短くしてしまっては、上記前提となる機能が上手く作用しなくなり、遊技者を困惑させてしまう可能性が生じる。そこで、第1特別遊技状態となった場合には、停止された絵柄を特別遊技状態に跨るようにして継続的に表示させることにより、見逃し等の発生を好適に抑制できる。また、第1特別遊技状態においては、遊技者の注目が可変入球部に向くことは好ましくない場合もある。遊技者の注目が絵柄に向きやすい点に鑑みれば、敢えて絵柄の表示を特別遊技状態に跨るようにして継続させることにより、特別遊技状態となっている状況下にて遊技者の注目が可変入球部に向くことを好適に抑制できる。
特徴20.前記表示継続手段は、前記第1特別遊技状態への移行契機となった遊技回にて絵柄が停止表示されてから少なくとも前記第2停止期間と同じ長さとなる期間が経過するまで当該表示を継続する手段を有していることを特徴とする特徴19に記載の遊技機。
第1特別遊技状態そのものが遊技者の期待にそぐわないものである場合には、第1特別遊技状態になったことを示しつつも、当該第1特別遊技状態(特に可変入球部の動き)をできるだけ目立たないようにして進行させることが好ましい。既に説明したように停止表示期間が無駄に長くなることは遊技者の不快感を煽る要因になるため好ましくないが、第2停止表示期間を超えない範囲であれば、停止表示されている絵柄が過度のアピールにはならない。そこで、停止表示期間 + 継続表示の期間 = 第2停止表示期間 とすれば、上述した不都合の発生を抑えつつ、特別遊技状態下における可変入球部への注目を逸らす機能を好適に発揮させることができる。
なお、第2特別遊技状態においては可変入球部への入球が発生し得る一方で、第1特別遊技状態においては可変入球部への入球が実質的に回避される構成に対して、本特徴に示す技術的思想を適用することにより、実情上好ましい構成が実現される。
特徴21.前記停止表示期間可変手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与対応結果となっていない遊技回にてリーチ表示を経て当該結果に対応する絵柄を停止表示する場合の停止表示期間として第3停止表示期間を設定する手段を有し、
前記第1停止表示期間は、前記第3停止表示期間よりも短い期間となるように設定されており、
前記表示継続手段は、前記第1特別遊技状態への移行契機となった遊技回にて絵柄が停止表示されてから前記第3停止期間と同じ長さとなる期間が経過するまで当該表示を継続するように構成されていることを特徴とする特徴19に記載の遊技機。
付与判定結果を示す過程にてリーチ表示が行われるタイプの遊技機においては、多くの場合リーチ表示を経て外れ結果が教示される。つまり、リーチ表示が行われたからといって必ずしも付与判定結果となるわけではなく、寧ろ外れ結果となることの方が多い。このような事情に配慮すれば、該当遊技回〜特別遊技状態にて絵柄を停止表示させる期間をリーチ表示→外れ結果ととなる場合の停止表示期間(第3停止表示期間)に合わせる構成とすることにより、実際に付与判定結果となってそれを遊技者に教示したとしても、外れの際の遊技の流れに近づけることができ、特別遊技状態の発生を目立ちにくくすることが可能となる。
特徴22.前記表示継続手段は、前記第1特別遊技状態への移行契機となった遊技回にて絵柄が停止表示されてから次の遊技回へ移行するまで当該表示を継続するように構成されていることを特徴とする特徴19乃至特徴21のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴22に示す構成によれば、第1特別遊技状態があたかも遊技回間のインターバルと同様であるかのように見せることができる。特別遊技状態では可変入球部(その動き)へ注目が向きやすいところ、あえて特別遊技状態を通常遊技状態の一部であるかのように擬態させることで、第1特別遊技状態の存在が遊技者に不快感を与える要因となることを好適に抑制できる。
特徴23.前記表示継続手段は、前記移行契機となる遊技回にて停止表示された絵柄組み合わせの表示形態を維持したまま当該絵柄組み合わせの表示を継続させるように構成されていることを特徴とする特徴19乃至特徴22のいずれか1つに記載の遊技機。
特別遊技状態へ移行時に同特別遊技状態に注目させた方が好ましい場合とそうでない場合とが存在する構成においては、後者の場合に敢えて停止表示された絵柄組み合わせの表示をその表示形態を維持したまま継続することで、通常遊技状態→特別遊技状態→通常遊技状態への移行に伴って特別遊技状態であることが過度に目立つことを抑制することができる。
特徴24.前記停止表示を経て前記第1特別遊技状態に移行した場合には、前記表示継続手段によって前記絵柄の表示が継続されている間に、前記切替制御手段による前記可変入球部の切り替えが完了するように構成されていることを特徴とする特徴19乃至特徴23のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴24によれば、絵柄の表示が継続されている最中(未だ特別遊技状態に移行していないとも見える状況下)に可変入球部を動作させることにより、すなわち遊技者の注目が絵柄(絵柄表示手段)に向きやすい状況下にて可変入球部を動作させることにより、可変入球部の動きを目立ちにくくし、可変入球部へ遊技者の注目が向くことを抑制できる。
特徴25.前記停止表示を経て前記第1特別遊技状態に移行した場合には、当該停止表示が開始されてから前記第2停止表示期間と同じ長さの期間が経過するまでに前記可変入球部の切り替えが完了するように構成されていることを特徴とする特徴17乃至特徴24のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴25によれば、第1停止表示期間と第2停止表示期間とのギャップを利用して動作を行うので、通常遊技状態→特別遊技状態→通常遊技状態に移行する場合であっても、特別遊技状態の存在が遊技進行を無駄に遅延させる要因になることを抑制できる。
特徴26.前記通常遊技状態として、第1通常遊技状態と当該第1通常遊技状態よりも遊技者に有利な第2通常遊技状態とが設定されており、
前記第1特別遊技状態を経て遊技状態を前記第1通常遊技状態とする手段と、
前記第1特別遊技状態を経て遊技状態を前記第2通常遊技状態とする手段と、
前記遊技状態が前記第1通常遊技状態及び前記第2通常遊技状態の何れであるかを示唆する示唆手段を有し、
前記示唆手段は、
前記第1特別遊技状態にて、前記表示継続手段による絵柄の継続表示が終了し、当該第1特別遊技状態が終了するまでの間に前記示唆を行う第1示唆手段と、
遊技回が開始された場合に、前記示唆を行う第2示唆手段と
を有していることを特徴とする特徴19乃至特徴25のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴26によれば、第1特別遊技状態を経由して通常遊技状態が変化し得る。ここで、第1特別遊技状態中にその後の通常遊技状態を示唆することにより、遊技者の注目が当該示唆に向くように促すことができ、可変入球部へ遊技者の注目が向くことを抑制できる。
特に、第1特別遊技状態への移行を目立ちにくくしようとした場合には、第1特別遊技状態となっている期間が如何に通常遊技状態における遊技回間のインターバルであるかのように似せることが焦点になるが、通常の遊技回の冒頭においても上記示唆が行われる構成とすれば、第1特別遊技状態終了→通常遊技状態での遊技回開始の切れ目が目立つことを抑制できる。
特徴27.前記第1切替モードは、前記可変入球部が前記第2状態から前記第1状態を経て同第2状態に復帰するまでの期間が相対的に短くなるように設定されており、
前記第2切替モードは、前記可変入球部が前記第2状態から前記第1状態を経て同第2状態に復帰するまでの期間が相対的に長くなるように設定されており、
前記第1停止表示期間は前記第2停止表示期間よりも長くなるように設定されていることを特徴とする特徴17に記載の遊技機。
特別遊技状態に有利不利の差が設定されている場合に、相対的に不利な第1切替モード対応の特別遊技状態(第1特別遊技状態)への移行契機となる該当遊技回においては、相対的に有利な第2切替モード対応の特別遊技状態(第2特別遊技状態)への移行契機となる該当遊技回よりも停止表示期間が長くなる。近年では、絵柄表示手段の表示部にて所謂疑似連や再変動等の演出が行われる遊技機が普及しており、このような演出が実行される場合には絵柄の可変表示が遊技回中に一旦停止されることとなる。そこで、不利側の停止表示期間を長く設定することにより、このような演出が行われる前の一旦停止かもしれない(発展するかもしれない)という期待感を好適に煽ることができる。つまり、実際には遊技者の望む結果になっていない場合であっても、これで終わりではないかも知れないという期待感を残すことにより、遊技への興味が急速に低下することを抑制できる。
特徴28.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202に設けられた保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202において大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
表示部(表示画面41a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と
を備え、
前記特典付与手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技状態を特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)を有し、
遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
前記遊技領域に設けられ、第1状態及び当該第1状態よりも入球が困難又は入球が不可となる第2状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置32)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記第1状態及び前記第2状態に切り替える切替制御手段(主制御装置81のMPU202にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記切替制御手段による前記切替制御の態様として、第1切替モードと第2切替モードとが設定されており、
前記遊技回制御手段は、前記停止表示を行う停止表示期間を変化させる停止表示期間可変手段(主制御装置81のMPU202にて確定表示時間を決定する機能)を有し、
前記停止表示期間可変手段は、
前記第1切替モードに対応の第1特別遊技状態への移行契機となる遊技回での停止表示期間として第1停止表示期間を設定する手段と、
前記第2切替モードに対応の第2特別遊技状態への移行契機となる遊技回での停止表示期間として第2停止表示期間を設定する手段と
を有し、
前記第1特別遊技状態においては、当該第1特別遊技状態への移行契機となった遊技回にて停止表示された絵柄の表示を継続する表示継続手段を備え、
前記第2特別遊技状態への移行契機となった遊技回における遊技結果の確定表示期間が前記第2停止期間となり、
前記第1特別遊技状態への移行契機となった遊技回における遊技結果の確定表示期間である前記第1停止表示期間と前記表示継続手段による継続期間との和が、前記第2停止表示期間と同じ期間又は遊技者によって前記第2停止表示期間と同一であると認識される期間となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴28によれば、第1特別遊技状態への移行契機となる遊技回では確定表示期間を短縮して、それを第1特別遊技状態における継続表示によって補う構成とすることにより、確定表示本来の機能(報知機能)を担保することができる。そして、確定表示後は第1特別遊技状態に移行するものの、遊技者が第1特別遊技状態への移行を待っている状態(フェイク確定表示が終了することを待っている間)に可変入球部を動作させることができる。これにより、遊技者の注目が可変入球部に向くことを抑制できる。
特に、第2特別遊技状態への移行契機となる遊技回では、絵柄の停止表示期間=確定表示期間、第1特別遊技状態となる場合には、絵柄の停止表示期間=確定表示期間+継続表示期間(第1特別遊技状態中)となり、両停止表示期間を同等とすること(例えば一致させること)により、あたかも通常遊技状態での遊技の流れに沿っているかのように見せることができる。これにより、第1特別遊技状態へ移行したことを目立ちにくくすることができる。
なお、本特徴に示す「表示継続手段」については「停止表示された絵をその表示形態を維持したまま表示する」構成とすることにより、絵柄が停止表示されたままになることから遊技者の注目が表示画面から逸れることを抑制し、当該注目が可変入球部へ向けられることを好適に抑制できる。
特徴29.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202に設けられた保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202において大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
表示部(表示画面41a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と
を備え、
前記特典付与手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技状態を特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)を有し、
遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
前記遊技領域に設けられ、第1状態及び当該第1状態よりも入球が困難又は入球が不可となる第2状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置32)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記第1状態及び前記第2状態に切り替える切替制御手段(主制御装置81のMPU202にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記切替制御手段による前記切替制御の態様として、第1切替モードと第2切替モードとが設定されており、
前記遊技回制御手段は、前記停止表示を行う停止表示期間を変化させる停止表示期間可変手段(主制御装置81のMPU202にて確定表示時間を決定する機能)を有し、
前記停止表示期間可変手段は、
前記第1切替モードに対応の第1特別遊技状態への移行契機となる遊技回での停止表示期間として第1停止表示期間を設定する手段と、
前記第2切替モードに対応の第2特別遊技状態への移行契機となる遊技回での停止表示期間として第2停止表示期間を設定する手段と
を有し、
前記第1特別遊技状態においては、当該第1特別遊技状態への移行契機となった遊技回にて停止表示された絵柄の表示を継続する表示継続手段を備え、
前記第2特別遊技状態への移行契機となった遊技回における遊技結果の確定表示期間が前記第2停止期間となり、
前記第1特別遊技状態への移行契機となった遊技回における遊技結果の確定表示期間である前記第1停止表示期間と前記表示継続手段による継続期間との和が前記第2停止表示期間以下となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴29によれば、第1特別遊技状態への移行契機となる遊技回では確定表示期間を短縮して、それを第1特別遊技状態における継続表示によって補う構成とすることにより、確定表示本来の機能(報知機能)を担保することができる。そして、確定表示後は第1特別遊技状態に移行するものの、遊技者が第1特別遊技状態への移行を待っている状態(フェイク確定表示が終了することを待っている間)に可変入球部を動作させることができる。これにより、遊技者の注目が可変入球部に向くことを抑制できる。
特に、第2特別遊技状態への移行契機となる遊技回では、絵柄の停止表示期間=確定表示期間、第1特別遊技状態となる場合には、絵柄の停止表示期間が確定表示期間及び継続表示期間(第1特別遊技状態中)の和以下となることにより、通常遊技状態(該当遊技回) → 特別遊技状態 →通常遊技状態となる一連の流れにおいて可変入球部へ遊技者の注意が向くことを抑制できる。
なお、本特徴に示す「表示継続手段」については「停止表示された絵をその表示形態を維持したまま表示する」構成とすることにより、絵柄が停止表示されたままになることから遊技者の注目が表示画面から逸れることを抑制し、当該注目が可変入球部へ向けられることを好適に抑制できる。
特徴30.前記第1特別遊技状態の実行期間は、前記継続期間と同じ長さ又は遊技者によって同一であると認識される長さとなるように構成されていることを特徴とする特徴29に記載の遊技機。
特徴30によれば、特徴29に示した擬態効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴31.前記第1特別遊技状態及び前記第2特別遊技状態にて、前記可変入球部の前記第1状態への切り替えが複数回実行される遊技機であって、
前記可変入球部は、前記第1状態及び前記第2状態に個別に切替可能な第1可変入球部及び第2可変入球部を有し、
前記切替制御手段は、少なくとも前記第1特別遊技状態となっている場合に、前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部を所定の順序で前記第1状態及び前記第2状態に切り替える手段を有していることを特徴とする特徴17乃至特徴30のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴17等に示す各種構成においては、第1特別遊技状態に移行する場合に、当該第1特別遊技状態に要する期間(実行期間)をできるだけ短くすることが好ましい。ここで、可変入球部については動作期間や入賞した遊技球の排出期間等を確保する必要があり、これら期間の担保によって第1特別遊技状態が間延びする。そこで、本特徴に示す構成と併用すれば、上記期間を好適に短縮することができる。故に、第1特別遊技状態への移行契機となった遊技回での停止表示期間を短くする構成と相まって、第1特別遊技状態への移行が過度に目立つことを抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記可変入球部は、遊技球が流入可能な第1開口と当該第1開口へ遊技球が入球可能な前記第1状態及び当該第1状態よりも入球が困難又は入球が不可となる前記第2状態に切替可能な第1可動体とを有する第1可変入球部と、遊技球が流入可能な第2開口と当該第2開口へ遊技球が入球可能な前記第1状態及び当該第1状態よりも遊技球の入球が困難又は入球が不可となる前記第2状態に切替可能な第2可動体とを有する第2可変入球部とを有し、前記切替制御手段は、前記特別遊技状態となっている場合に、前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部を所定の順序で前記第1状態及び前記第2状態に切り替える手段を有していることを特徴とする特徴17乃至特徴30のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴32.前記特典付与手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技状態を通常遊技状態から特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)を有し、
遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
前記遊技領域に設けられ、第1状態及び当該第1状態よりも入球が困難又は入球が不可となる第2状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置32)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記第1状態及び前記第2状態に切り替える切替制御手段(主制御装置81のMPU202にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記切替制御手段による前記切替制御の態様として、第1切替モードと前記可変入球部が前記第2状態から前記第1状態を経て同第2状態に復帰するまでの期間が前記第1切替モードよりも長い第2切替モードとが設定されており、
前記停止表示期間として、第1停止表示期間と、当該第1停止表示期間よりも短い第2停止表示期間とが設けられており、
前記停止表示期間可変手段は、
前記第1切替モードに対応の第1特別遊技状態への移行契機となる遊技回での停止表示期間として第2停止表示期間を設定する手段と、
前記第1特別遊技状態への移行契機となる遊技回以外の遊技回での停止表示期間として前記第2停止表示期間を設定する手段と
を有していることを特徴とする特徴1乃至特徴31のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技進行に伴い表示部にて絵柄が可変表示され、付与判定の結果に応じた絵柄が停止表示される。本特徴によれば、停止表示期間を変化させることにより、例えば遊技状況等に応じて遊技進行に緩急等の変化を与えて遊技のリズムを変化させることができる。これにより、遊技の単調化を一層好適に抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
折角特別遊技状態に移行する場合であっても、それが第1特別遊技状態であった場合には、遊技者の遊技意欲を低下させる要因となる。ここで、第1特別遊技状態への移行契機となる遊技回においては、停止表示期間を短縮して第1特別遊技状態への移行を目立ちにくくすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。特に、第1特別遊技状態への移行に係る付与結果となる場合とその他の結果となる場合とを比較した場合には、前者よりも後者の占める割合が大きくなる。そこで、このような実情に配慮して、第1特別遊技状態への移行時に敢えて停止表示期間を短くすることには他の遊技回との関係から該当遊技回〜第1特別遊技状態への移行を目立ちにくくするという技術的意義が存在する。
特徴33.前記第1特別遊技状態に要する実行期間は、前記第2切替モードに対応の第2特別遊技状態に要する実行期間よりも短くなるように構成されており、
前記第1特別遊技状態においては、当該第1特別遊技状態への移行契機となった遊技回にて停止表示された絵柄の表示を継続する表示継続手段を備えていることを特徴とする特徴32に記載の遊技機。
そもそも遊技者の注目が可変入球部へ向くことを抑制する上では、3つの対策が存在し得る。すなわち、(1)第1特別遊技状態への移行が確定したことを分かりにくくすること、(2)第1特別遊技状態へ移行していることを分かりにくくすること、(3)可変入球部の動きを分かりにくくすることである。対策(1)では、第1特別遊技状態への移行を把握しづらくなることで遊技者が不足の不利益を被る可能性があり、対策(3)では可変入球部の視認性等の低下によって他の特別遊技状態等にて可変入球部の動きをアピールしたい場合の妨げになる。つまり、遊技者の利益担保や遊技機の興趣向上等に配慮した場合には、対策(1),(3)には限界がある。この点、本特徴に示すように、実行期間が比較的短く設定された第1特別遊技状態において、該当遊技回にて停止表示された絵柄の表示が継続される構成と組わせれば、第1特別遊技状態への移行は明示しつつも、あたかも未だ第1特別遊技状態へ移行していないかのように見せて、第1特別遊技状態となったこと自体が把握しづらくなる。これにより、上記各種不都合の発生を回避しつつ、遊技者の注目が可変入球部に向くことを好適に抑制できる。
なお、第1特別遊技状態の実行期間については、第1特別遊技状態への移行契機となった遊技回以外の遊技回における停止表示期間(第2停止表示期間)よりも短く設定するとよい。
特徴34.前記表示制御手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果に基づいて絵柄の可変表示態様を決定する表示態様決定手段を有し、
前記停止表示期間可変手段は、前記表示態様決定手段により決定された可変表示態様に基づいて停止表示期間を設定する手段を有していることを特徴とする特徴1乃至特徴33のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴34に示すように可変表示態様に応じて停止表示期間を設定することにより、遊技進行が単調になることを抑制できる。例えば、所謂リーチ表示が行われない単なる外れの遊技回においては、停止表示期間を短くすることにより、遊技が無駄に間延びすることを抑え、遊技者の注目を外れ結果となった遊技回から後続の遊技回に向けさせることができる。
上述した各特徴に示す技術的思想のいずれか1つを他の特徴に適用してもよいし、複数の特徴に示した技術的思想を組み合わせて他の特徴に適用してもよい。また、各特徴に示す構成の一部を抽出して他の特徴に適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル54)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(レール部51,52)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口31等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。