JP6645538B2 - 無菌炭酸飲料充填システム及び無菌炭酸飲料充填方法 - Google Patents

無菌炭酸飲料充填システム及び無菌炭酸飲料充填方法 Download PDF

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Description

本発明は、無菌炭酸飲料充填システム及び無菌炭酸飲料充填方法に関する。
従来、果汁や乳成分などの動植物由来の成分を含む炭酸飲料を含む飲料入り容器を作製することが行われている。この場合、まず炭酸飲料を容器(PETボトル)に充填し、その後、炭酸飲料を容器ごと加熱する加熱殺菌処理が行われている。加熱殺菌処理を行うことにより、炭酸飲料中でカビ、酵母その他の微生物が増殖することを抑制することができる。例えば、果汁を含有する炭酸飲料の場合、果汁や乳成分等の窒素源を混合した調合液に低温で炭酸ガスを圧入する。その後、炭酸ガスを溶解した調合液を容器に充填し、容器をキャップで密封する。次いで、この容器内に充填された炭酸飲料は、容器の外側から加熱殺菌処理されて、炭酸飲料と容器とが同時に殺菌される。この加熱殺菌処理は、一般的には、炭酸飲料を液温60℃以上65℃以下で10分間程度で加熱するという条件で行われている。
特開2006−211931号公報
しかしながら、従来の加熱殺菌処理を行った場合、炭酸飲料からなる内容物、例えば果汁や乳成分などの窒素源を含む内容液が変質するおそれがある。また加熱殺菌処理時に容器が膨張するため、容器が変形してしまう等の不都合も生じる。このため、無菌充填設備を用いて炭酸飲料を容器に充填することにより、加熱殺菌処理を行わないようにすることが検討されている。
一方、従来の無菌充填設備においては、ポンプ等の回転体と非回転体との境界面をシールするために、回転体と非回転体とのシール部に高温の蒸気を供給することが行われている。しかしながら、無菌充填設備を用いて炭酸飲料を充填する場合、シール部に高温の蒸気を供給すると、このシール部付近に滞留する炭酸飲料の液温が上昇し、炭酸飲料の充填時に容器内の炭酸飲料から多量の泡が発生したり(フォーミングともいう)、炭酸飲料中の炭酸ガス濃度が不安定になったりするおそれがある。とりわけ、無菌充填設備が一時的に停止した場合、シール部付近に炭酸飲料が滞留しやすくなるため、このような不具合が顕著になる。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、無菌充填設備を用いて炭酸飲料を充填する際、容器内の炭酸飲料から多量の泡が発生したり、炭酸飲料中の炭酸ガス濃度が不安定になったりすることを防止することが可能な、無菌炭酸飲料充填システム及び無菌炭酸飲料充填方法を提供することを目的とする。
本発明は、無菌炭酸飲料充填システムであって、原料液を殺菌することにより、殺菌済み飲料を作製する飲料殺菌部と、前記飲料殺菌部で作製された前記殺菌済み飲料を冷却する飲料冷却部と、前記飲料冷却部で冷却された前記殺菌済み飲料に炭酸ガスを注入することにより、無菌炭酸飲料を作製する炭酸飲料生成部と、前記炭酸飲料生成部で作製された前記無菌炭酸飲料をボトルに充填する炭酸飲料充填部と、前記飲料殺菌部、前記飲料冷却部、前記炭酸飲料生成部及び前記炭酸飲料充填部を連結する飲料供給系配管とを備え、前記炭酸飲料充填部及び前記飲料供給系配管の少なくとも一方に、回転体と非回転体とを有する回転機械が設けられ、前記回転体と前記非回転体との境界面は、無菌水又は無菌エアによってシールされていることを特徴とする無菌炭酸飲料充填システムである。
本発明は、前記回転機械は、前記飲料供給系配管に設けられたポンプであることを特徴とする無菌炭酸飲料充填システムである。
本発明は、前記境界面をシールするシール部の内圧は、前記飲料供給系配管の内圧よりも低いことを特徴とする無菌炭酸飲料充填システムである。
本発明は、前記回転機械は、前記炭酸飲料充填部のロータリージョイントであることを特徴とする無菌炭酸飲料充填システムである。
本発明は、前記境界面をシールするシール部の内圧は、前記ロータリージョイント内部に位置する前記無菌炭酸飲料が流れる配管の内圧よりも低いことを特徴とする無菌炭酸飲料充填システムである。
本発明は、無菌炭酸飲料充填方法であって、飲料殺菌部において、原料液を殺菌することにより、殺菌済み飲料を作製する殺菌工程と、飲料冷却部において、前記飲料殺菌部で作製された前記殺菌済み飲料を冷却する冷却工程と、炭酸飲料生成部において、前記飲料冷却部で冷却された前記殺菌済み飲料に炭酸ガスを注入することにより、無菌炭酸飲料を作製する炭酸飲料生成工程と、炭酸飲料充填部において、前記炭酸飲料生成部で作製された前記無菌炭酸飲料をボトルに充填する充填工程とを備え、前記飲料殺菌部、前記飲料冷却部、前記炭酸飲料生成部及び前記炭酸飲料充填部は、飲料供給系配管によって連結され、前記炭酸飲料充填部及び前記飲料供給系配管の少なくとも一方に、回転体と非回転体とを有する回転機械が設けられ、前記回転体と前記非回転体との境界面は、無菌水又は無菌エアによってシールされていることを特徴とする無菌炭酸飲料充填方法である。
本発明によれば、無菌炭酸飲料充填システムを用いてボトルに炭酸飲料を充填する際、容器内の炭酸飲料から多量の泡が発生したり、炭酸飲料中の炭酸ガス濃度が不安定になったりすることを防止することができる。
図1は、本発明の一実施の形態による無菌炭酸飲料充填システムを示す概略平面図。 図2は、本発明の一実施の形態による無菌炭酸飲料充填システムのうち、炭酸飲料調合部と炭酸飲料充填部とを示す概略構成図。 図3は、ポンプからなる回転機械の回転体と非回転体との境界面を示す概略断面図。 図4は、ロータリージョイントからなる回転機械の回転体と非回転体との境界面を示す概略断面図。
以下、本発明の一実施の形態について、図1乃至図4を参照して説明する。図1乃至図4は本発明の一実施の形態を示す図である。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
(無菌炭酸飲料充填システム)
まず図1により本実施の形態による無菌炭酸飲料充填システムについて説明する。
図1に示す無菌炭酸飲料充填システム10は、ボトル(容器)30に対して無菌炭酸飲料からなる内容物を充填するシステムである。ボトル30は、合成樹脂材料を射出成形して製作したプリフォームを二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。ボトル30の材料としては、熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、又はPEN(ポリエチレンナフタレート)を使用することが好ましい。このほか、容器としては、ガラス、缶等であっても良い。本実施の形態においては、容器としてプラスチックボトルを用いる場合を例にとって説明する。
図1に示すように、無菌炭酸飲料充填システム10は、ボトル供給部21と、ボトル殺菌部11と、エアリンス部14と、無菌水リンス部15と、炭酸飲料充填部(フィラー)20と、キャップ装着部(キャッパー、巻締及び打栓機)16と、製品ボトル搬出部22とを備えている。これらボトル供給部21、ボトル殺菌部11、エアリンス部14と、無菌水リンス部15、炭酸飲料充填部20、キャップ装着部16、および製品ボトル搬出部22は、ボトル30の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。また、ボトル殺菌部11、エアリンス部14と、無菌水リンス部15、炭酸飲料充填部20、およびキャップ装着部16の間には、これらの装置間でボトル30を搬送する複数の搬送ホイール12が設けられている。
ボトル供給部21は、外部から無菌炭酸飲料充填システム10へ空のボトル30を順次受け入れ、受け入れたボトル30をボトル殺菌部11へ向けて搬送するものである。
なお、ボトル供給部21の上流側に、プリフォームを二軸延伸ブロー成形することによりボトル30の成形を行うボトル成形部(図示せず)が設けられていても良い。このように、プリフォームの供給からボトル30の成形を経て、ボトル30への無菌炭酸飲料の充填および閉栓に至る工程を連続して行っても良い。この場合、外部から無菌炭酸飲料充填システム10まで、容積の大きいボトル30の形態ではなく容積の小さいプリフォームの形態で運搬することができるので、無菌炭酸飲料充填システム10を構成する設備をコンパクトにすることができる。
ボトル殺菌部11は、殺菌剤をボトル30に噴射することにより、ボトル30内を殺菌するものである。殺菌剤としては、例えば過酸化水素水溶液が用いられる。ボトル殺菌部11においては、1重量%以上、好ましくは35重量%の濃度の過酸化水素水溶液を一旦気化させた後に凝縮したミスト又はガスが生成され、このミスト又はガスがボトル30の内外面に噴霧される。このようにボトル30内が過酸化水素水溶液のミスト又はガスで殺菌されるので、ボトル30の内面がムラなく殺菌される。
エアリンス部14は、ボトル30に無菌の加熱エア又は常温エアを供給することにより、過酸化水素の活性化を行いつつ、ボトル30内から異物、過酸化水素等を除去するものである。
無菌水リンス部15は、殺菌剤である過酸化水素により殺菌されたボトル30に対して、無菌の15℃以上85℃以下の水による洗浄を行うものである。これによりボトル30に付着した過酸化水素を洗い流し、且つ異物が除去される。なお、無菌水リンス部15は必ずしも設ける必要はない。
炭酸飲料充填部20は、ボトル30の口部からボトル30内へ、予め殺菌処理された無菌炭酸飲料を充填するものである。この炭酸飲料充填部20において、空の状態のボトル30に対して無菌炭酸飲料が充填される。この炭酸飲料充填部20において、複数のボトル30が回転(公転)されながら、ボトル30の内部へ無菌炭酸飲料が充填される。この無菌炭酸飲料は1℃以上40℃以下、好ましくは5℃以上10℃以下の充填温度でボトル30内に充填される。このように無菌炭酸飲料の充填温度を例えば1℃以上10℃以下とする理由は、無菌炭酸飲料の液温が10℃を上回ると炭酸ガスが無菌炭酸飲料から抜けやすくなってしまうためである。なお、炭酸飲料充填部20で充填される無菌炭酸飲料としては、例えば果汁や乳成分などの動植物由来の成分を含む炭酸飲料が挙げられる。
炭酸飲料充填部20へ供給される炭酸飲料は、予め炭酸飲料調合部40によって作製される。炭酸飲料充填部20は、炭酸飲料調合部40から送られた炭酸飲料をボトル30の内部に充填する。なお、炭酸飲料調合部40の構成は後述する。
キャップ装着部16は、ボトル30の口部にキャップ33を装着することにより、ボトル30を閉栓するものである。キャップ装着部16において、ボトル30の口部はキャップ33により閉じられ、ボトル30内に外部の空気や微生物が侵入しないように密封される。キャップ装着部16において、無菌炭酸飲料が充填された複数のボトル30が回転(公転)しながらその口部にキャップ33が装着される。このようにして、ボトル30の口部にキャップ33を装着することにより、製品ボトル35が得られる。
キャップ33は、予めキャップ殺菌部25において殺菌される。キャップ殺菌部25は、例えば無菌チャンバー13(後述)の外側であってキャップ装着部16の近傍に配置されている。キャップ殺菌部25において、外部から搬入されたキャップ33は、予め多数集められ、キャップ装着部16に向かって列になって搬送される。キャップ33がキャップ装着部16に向かう途中で、過酸化水素のミスト又はガスがキャップ33の内外面に向かって吹き付けられた後、ホットエアで乾燥し、殺菌処理される。
製品ボトル搬出部22は、キャップ装着部16でキャップ33を装着された製品ボトル35を、無菌炭酸飲料充填システム10の外部へ向けて連続的に搬出するものである。
なお、無菌炭酸飲料充填システム10は、無菌チャンバー13を有している。無菌チャンバー13の内部に、上述したボトル殺菌部11、エアリンス部14、無菌水リンス部15、炭酸飲料充填部20、およびキャップ装着部16が収容されている。この無菌チャンバー13の内部は、無菌状態に保持されている。
さらに無菌チャンバー13は、ボトル殺菌チャンバー13aと、充填・巻締チャンバー13bとに区画されている。ボトル殺菌チャンバー13aと充填・巻締チャンバー13bとの間にはチャンバー壁13cが設けられ、チャンバー壁13cを介してボトル殺菌チャンバー13aと充填・巻締チャンバー13bとが互いに分離されている。ボトル殺菌チャンバー13aの内部には、ボトル殺菌部11とエアリンス部14と無菌水リンス部15とが配置されている。充填・巻締チャンバー13bの内部には、炭酸飲料充填部20とキャップ装着部16とが配置されている。
(無菌炭酸飲料充填システム)
次に、図2を用いて、無菌炭酸飲料充填システム10の炭酸飲料調合部40及び炭酸飲料充填部20の構成について説明する。なお図2において、実線矢印は飲料(原料液、殺菌済み飲料、無菌炭酸飲料)の流れを示し、点線矢印はガス(蒸気、無菌炭酸ガス)の流れを示し、一点鎖線矢印は水(無菌水)の流れを示している。
図2に示すように、炭酸飲料調合部40は、飲料殺菌部41と、第1アセプティックタンク42と、飲料冷却部43と、炭酸飲料生成部44と、第2アセプティックタンク45とを備えている。
このうち飲料殺菌部41は、例えば果汁や乳成分などの動植物由来の成分を含む原料液を殺菌することにより、殺菌済み飲料を作製するものである。飲料殺菌部41は、例えば超高温瞬間殺菌装置(UHT:Ultra High-temperature)からなっていても良い。この場合、UHTからなる飲料殺菌部41には、外部から原料液が供給され、この原料液を瞬間的に加熱殺菌することにより殺菌済み飲料が作製される。
第1アセプティックタンク42は、飲料殺菌部41で殺菌された殺菌済み飲料を一時的に貯留するものである。第1アセプティックタンク42には、無菌エア供給部57から無菌エアが供給され、無菌エアが第1アセプティックタンク42内に充填されている。なお、必ずしも第1アセプティックタンク42を設けなくても良く、飲料殺菌部41からの殺菌済み飲料が飲料冷却部43に直接供給されても良い。
第1アセプティックタンク42と飲料冷却部43との間には、第1ポンプ51が設けられている。第1ポンプ51は、第1アセプティックタンク42からの殺菌済み飲料を飲料冷却部43に送液するためのものである。第1ポンプ51には、蒸気供給部52から蒸気が供給される。蒸気供給部52からの蒸気は、例えば90℃以上140℃以下程度であり、第1ポンプ51のメカニカルシールのために使用される。このように、蒸気をメカニカルシールの境界面を取り囲む空間に供給することにより、外界からの菌や微生物が境界面を介して殺菌済み飲料に混入することを防止している。
飲料冷却部43は、飲料殺菌部41で作製された殺菌済み飲料を冷却するものである。
飲料冷却部43は、冷却プレート、又は、冷却シェル及びチューブを有している。この飲料冷却部43において、殺菌済み飲料は例えば1℃以上5℃以下に冷却される。これにより、炭酸飲料生成部44で殺菌済み飲料に炭酸ガスを溶解しやすくしている。
飲料冷却部43と炭酸飲料生成部44との間には、第2ポンプ(回転機械)53が設けられている。第2ポンプ53は、飲料冷却部43からの殺菌済み飲料を炭酸飲料生成部44に送液するためのものである。第2ポンプ53には、無菌水殺菌供給部55から無菌水が供給される。無菌水殺菌供給部55は、例えば超高温瞬間殺菌装置(UHT)であっても良い。無菌水殺菌供給部55からの無菌水の温度は、例えば1℃以上40℃以下程度である。この無菌水は、飲料冷却部43からの殺菌済み飲料と同等以上の殺菌価で殺菌されており、後述するように、第2ポンプ53のメカニカルシールのために使用される。このように、無菌水をメカニカルシールの境界面を取り囲む空間に供給することにより、外界からの菌や微生物が境界面を介して殺菌済み飲料に混入することを防止している。なお、メカニカルシールのために1℃以上40℃以下程度の無菌水を使用することにより、第2ポンプ53を通過する殺菌済み飲料の温度が上昇することが防止される。なお、無菌水殺菌供給部55から無菌水を送液する配管は、無菌炭酸飲料をボトル30に充填する前に、予め蒸気又は熱水で殺菌(SIP(Sterilizing in Place))処理しておくことが好ましい。
炭酸飲料生成部44は、飲料冷却部43で冷却された殺菌済み飲料に炭酸ガスを注入することにより、殺菌済み飲料に炭酸ガスを溶解し、無菌炭酸飲料を作製するものである。
炭酸飲料生成部44は、例えばカーボネータ等の公知の機構を用いることができる。炭酸飲料生成部44は、無菌炭酸供給部54に連結されており、無菌炭酸供給部54から炭酸飲料生成部44にフィルターで濾過された無菌状態の炭酸ガスが供給される。炭酸飲料生成部44において、無菌炭酸供給部54からの炭酸ガスが高圧で殺菌済み飲料に導入され、炭酸ガスが溶解された無菌炭酸飲料が作製される。
炭酸飲料生成部44と第2アセプティックタンク45との間には、第3ポンプ(回転機械)56が設けられている。第3ポンプ56は、炭酸飲料生成部44からの無菌炭酸飲料を第2アセプティックタンク45に送液するためのものである。第3ポンプ56には、第2ポンプ53と同様に、無菌水殺菌供給部55から無菌水が供給される。この無菌水は、第3ポンプ56のメカニカルシールのために使用される。
第2アセプティックタンク45は、炭酸飲料生成部44で炭酸ガスが溶解された無菌炭酸飲料を一時的に貯留するものである。第2アセプティックタンク45には、無菌炭酸ガス供給部58から無菌炭酸ガスが供給され、無菌炭酸ガスが第2アセプティックタンク45内に充填されている。無菌炭酸ガスによって無菌炭酸飲料を加圧することにより、無菌炭酸飲料に溶解した炭酸ガスが気相中に放出されるのを防ぐ。好ましくは製造基準の炭酸ガス圧より高い圧力で加圧すると良い。これにより無菌炭酸飲料中の炭酸ガスの濃度が一定に保持される。なお、必ずしも第2アセプティックタンク45を設けなくても良く、炭酸飲料生成部44からの無菌炭酸飲料が、炭酸飲料充填部20の充填ヘッドタンク75へ直接供給されても良い。
第2アセプティックタンク45と炭酸飲料充填部20の充填ヘッドタンク75との間には、第4ポンプ(回転機械)59と、フィルタ62とが介設されている。このうち第4ポンプ59は、第2アセプティックタンク45からの無菌炭酸飲料を充填ヘッドタンク75に送液するためのものである。第4ポンプ59には、第2ポンプ53及び第3ポンプ56と同様に、無菌水殺菌供給部55から無菌水が供給される。この無菌水は、第4ポンプ59のメカニカルシールのために使用される。フィルタ62は、第4ポンプ59から充填ヘッドタンク75へ送られる無菌炭酸飲料に含まれる不純物、異物等を濾過するものである。フィルタ62は充填バルブ先端までの位置であればどこに設けても構わない。
充填ヘッドタンク(バッファータンク)75は、炭酸飲料充填部20の上側部分に配置されている。充填ヘッドタンク75の内部には無菌炭酸飲料が充填されている。充填ヘッドタンク75の上部は、無菌炭酸供給部63に連結されており、無菌炭酸供給部63から充填ヘッドタンク75に無菌状態の炭酸ガスが供給される。この無菌炭酸ガスによって無菌炭酸飲料を加圧することにより、無菌炭酸飲料に溶解した炭酸ガスが気相中に放出されるのを防ぐ。好ましくは製造基準の炭酸ガス圧より高い圧力で加圧すると良い。これにより、充填ヘッドタンク75内の炭酸飲料中の炭酸ガスの濃度が一定に保たれる。
炭酸飲料充填部20においては、炭酸飲料生成部44で作製された無菌炭酸飲料が、空の状態のボトル30に対して充填される。炭酸飲料充填部20は、回転する搬送ホイール71を有している。この搬送ホイール71によって複数のボトル30が回転(公転)されながら、ボトル30内部へ無菌炭酸飲料が充填される。また搬送ホイール71の外周に沿って、複数の充填ノズル72が配置されている。各充填ノズル72には、それぞれ1本のボトル30が装着され、充填ノズル72からボトル30の内部に無菌炭酸飲料が注入される。充填ノズル72としては公知のものを用いることができる(例えば、特許第4674743号)。充填ノズル72には、炭酸飲料供給ライン73およびガス供給ライン74が接続されている。このうち炭酸飲料供給ライン73は、その一端が無菌炭酸飲料を充填した充填ヘッドタンク75に接続されるとともに、他端においてボトル30の内部に連通している。そして充填ヘッドタンク75から供給された無菌炭酸飲料は、炭酸飲料供給ライン73を通過して、ボトル30の内部に注入される。また、ガス供給ライン74は、その一端が充填ヘッドタンク75に接続されるとともに、他端においてボトル30の内部に連通している。充填ヘッドタンク75から供給される無菌炭酸ガスからなるカウンタープレッシャー用のガスは、ガス供給ライン74を通過して、ボトル30の内部に充填される。さらに、ガス供給ライン74とは別に、図示しないスニフトラインが各々の充填バルブ(図示せず)に接続されており、スニフトラインを介してボトル30の内部のガスを排出可能となっている。各充填バルブのスニフトラインはマニホールドによって連結されており、さらにその先が無菌チャンバー13内のフィラー内に開放されている。これによりボトル30内のガスを無菌空間であるフィラー内に、菌のコンタミなく、排出することができる。
搬送ホイール71及び充填ノズル72は、カバー76によって覆われている。カバー76の上部にはロータリージョイント(回転機械)77が取り付けられている。このロータリージョイント77によって回転体(搬送ホイール71、充填ノズル72、及び回転配管92(後述)等)と非回転体(カバー76及び固定配管91(後述)等)とが、無菌状態でシールされている。ロータリージョイント77には、配管殺菌用の殺菌ガス供給部64と無菌エア供給部65とが接続されている。殺菌ガス供給部64からの供給管と、無菌エア供給部65からの供給管とには、それぞれバルブ66、67が設けられている。殺菌ガス供給部64から供給される殺菌ガスとしては、例えば過酸化水素ガスや蒸気が挙げられる。無菌エア供給部65は、供給管が殺菌ガス供給部64からの殺菌ガスによって殺菌された後、ロータリージョイント77に向けて無菌エアを供給するものである。無菌エア供給部65からの無菌エアは、後述するように、ロータリージョイント77のメカニカルシールのために使用される。このように、無菌エアをメカニカルシールの境界面を取り囲む空間に供給することにより、外界からの菌や微生物が境界面を介して殺菌済み飲料に混入することを防止している。
また、飲料殺菌部41、第1アセプティックタンク42、飲料冷却部43、炭酸飲料生成部44、第2アセプティックタンク45及び炭酸飲料充填部20は、飲料供給系配管60によって連結されている。飲料供給系配管60の内部には、飲料(原料液、殺菌済み飲料又は無菌炭酸飲料)が順次通過する。この場合、飲料冷却部43、炭酸飲料生成部44、炭酸飲料充填部20及び飲料供給系配管60の内部の殺菌度は、いずれも飲料殺菌部41における殺菌後の原料液の殺菌度よりも高くなっている。これにより、飲料殺菌部41よりも後の工程において、飲料(原料液、殺菌済み飲料又は無菌炭酸飲料)の殺菌度を飲料殺菌部41における殺菌後の原料液の殺菌度よりも高い状態に維持することができる。
この結果、果汁や乳成分などの動植物由来の成分を含む炭酸飲料をボトル30に充填した場合であっても、充填後の炭酸飲料中でカビ、酵母その他の微生物が増殖することを確実に防止することができる。
なお、炭酸飲料充填部20及び炭酸飲料調合部40のうち、飲料(原料液、殺菌済み飲料又は無菌炭酸飲料)が通過する流路については、定期的にあるいは飲料の種類を切り替える際に、CIP(Cleaning in Place)処理をし、さらに、SIP(Sterilizing in Place)処理をすることが好ましい。CIP処理は、原料液を飲料殺菌部41に供給する経路の管路内から炭酸飲料充填部20の充填ノズル72に至るまでの流路に、例えば水に苛性ソーダ等のアルカリ性薬剤を添加した洗浄液を流した後に、水に酸性薬剤を添加した洗浄液を流すことにより行われる。これにより、飲料が通過する流路内に付着した前回の飲料の残留物等が除去される。またSIP処理は、飲料の充填作業に入る前に、予め飲料が通過する流路内を殺菌するための処理であり、例えば、上記CIPで洗浄した流路内に加熱蒸気又は熱水を流すことによって行われる。これにより、飲料が通過する流路内が殺菌処理され無菌状態とされる。
炭酸飲料充填部20及び炭酸飲料調合部40の飲料が通過する流路の殺菌の程度については、F値によって管理されても良い。例えば、炭酸飲料充填部20及び炭酸飲料調合部40の流路に、加熱蒸気又は熱水を流しつつ、流路のうち温度が上昇しにくい各所に配置された温度センサで温度を測定しても良い。そして各温度センサからの温度が所定温度に達した時間が所定時間以上となったときに、加熱蒸気等による流路の加熱を終了させても良い。ここでF値とは、細菌を一定時間で加熱したとき、全ての細菌を死滅させるのに要する加熱時間であり、121.1℃における細菌の致死時間で示され、下記の式によって算出される。
Figure 0006645538
(ただし、Tは任意の殺菌温度(℃)、10^{(T−Tr)/Z}は任意の殺菌温度Tでの致死率、Trは基準温度(℃)、ZはZ値(℃)を表す。)
次に、上述した回転機械(第2ポンプ53、第3ポンプ56、第4ポンプ59及びロータリージョイント77)の回転体と非回転体との境界面の構成について、図3及び図4を用いて説明する。
まず図3により、ポンプからなる回転機械について説明する。図3は、ポンプからなる回転機械の回転体と非回転体との境界面を示す拡大断面図である。以下において、ポンプからなる回転機械として、第2ポンプ53を例にとって説明するが、第3ポンプ56及び第4ポンプ59についても、その構成は略同様である。
図3に示すように、第2ポンプ(回転機械)53は、ケーシング81と、ケーシング81内に配置されたインペラ82と、回転軸83を介してインペラ82に連結され、インペラ82を回転させるモータ84とを有している。
このうちケーシング81は、飲料冷却部43からの殺菌済み飲料が流入する飲料流入口81aと、インペラ82によって送り出された殺菌済み飲料が炭酸飲料生成部44へ向けて流出する飲料流出口81bとを有している。これら飲料流入口81a及び飲料流出口81bは、飲料供給系配管60に接続されている。またインペラ82は、ケーシング81内部に配置され、モータ84によって回転されることで殺菌済み飲料を飲料流入口81aから飲料流出口81bへ送る。
ケーシング81にはメカニカルシール部(シール部)85が連結されている。メカニカルシール部85内には内部空間85aが形成されている。この内部空間85aには、無菌水入口85bと無菌水出口85cとが連通されている。無菌水殺菌供給部55からの無菌水は、無菌水入口85bから内部空間85aへ供給され、無菌水出口85cから排出される。
図3において、ケーシング81とメカニカルシール部85との間には、連結部86が設けられている。連結部86は、略円筒形状であり、その内部には回転軸83が挿通されている。この場合、連結部86は非回転体であり、回転軸83は回転体である。そして非回転体からなる連結部86と、回転体からなる回転軸83との間に、境界面87が形成されている。この境界面87において、ケーシング81内の殺菌済み飲料は、メカニカルシール部85内の無菌水によってシールされる。これにより、外界からの菌や微生物が境界面87を介して殺菌済み飲料に混入することが防止される。
メカニカルシール部85内の無菌水の温度は、例えば1℃以上40℃以下であり、より好ましくは10℃以上25℃以下である。このため、ケーシング81内に滞留する殺菌済み飲料の温度がメカニカルシール部85内の無菌水の影響で上昇するおそれがない。これにより、炭酸飲料を充填する際、ボトル30内の炭酸飲料から多量の泡が発生したり(フォーミング)、炭酸飲料中の炭酸ガス濃度が不安定になったりする不具合が防止される。
なお、境界面87をシールするメカニカルシール部85の内圧(内部空間85aの圧力)は、飲料供給系配管60及びケーシング81の内圧よりも低くなっている。これにより、外界からの菌や微生物が境界面87を介して殺菌済み飲料に混入することをより確実に防止することができる。
なお、上述したように、炭酸充填前の殺菌済み飲料を第1アセプティックタンク42から飲料冷却部43に送液する第1ポンプ51については、メカニカルシール部に対して蒸気を供給するようになっている。しかしながら、これに限らず、第1ポンプ51についても、第2ポンプ53と同様に、メカニカルシール部に無菌水を供給しても良い。
次に図4により、ロータリージョイントからなる回転機械について説明する。図4は、ロータリージョイントからなる回転機械の回転体と非回転体との境界面を示す拡大断面図であり、具体的には、炭酸飲料充填部20のロータリージョイント77の拡大断面図である。
図4に示すように、ロータリージョイント(回転機械)77は、充填ヘッドタンク75側に接続される固定配管91と、充填ノズル72側に接続される回転配管92とを有している。
このうち固定配管91は、充填ヘッドタンク75からの無菌炭酸飲料が流入する配管である。また、回転配管92は、固定配管91からの無菌炭酸飲料を充填ノズル72に向けて送り込む配管であり、搬送ホイール71や充填ノズル72とともに回転される。なお、固定配管91及び回転配管92は、上述した炭酸飲料供給ライン73の一部を構成する。
固定配管91及び回転配管92には、メカニカルシール部(シール部)93が連結されている。メカニカルシール部93内には内部空間93aが形成されている。この内部空間93aには、無菌エア入口93bと無菌エア出口93cとが連通されている。無菌エア供給部65からの無菌エアは、無菌エア入口93bから内部空間93aへ供給され、その後無菌エア出口93cから排出される。
図4において、固定配管91は非回転体であり、回転配管92は回転体である。そして非回転体からなる固定配管91と、回転体からなる回転配管92との間に、境界面94が形成されている。この境界面94において、固定配管91及び回転配管92の内部を流れる無菌炭酸飲料は、メカニカルシール部93内の無菌エアによってシールされる。これにより、外界からの菌や微生物が境界面94を介して無菌炭酸飲料に混入することが防止される。
メカニカルシール部93内の無菌エアの温度は、例えば1℃以上40℃以下であり、より好ましくは10℃以上25℃以下である。このため、固定配管91及び回転配管92内に滞留する無菌炭酸飲料の温度が、メカニカルシール部93内の無菌エアの影響で上昇するおそれがない。これにより、炭酸飲料を充填する際、ボトル30内の炭酸飲料から多量の泡が発生したり(フォーミング)、炭酸飲料中の炭酸ガス濃度が不安定になったりする不具合が防止される。
なお、境界面94をシールするメカニカルシール部93の内圧(内部空間93aの圧力)は、ロータリージョイント77の内部に位置する固定配管91及び回転配管92の内圧よりも低くなっている。これにより、外界からの菌や微生物が境界面94を介して無菌炭酸飲料に混入することをより確実に防止することができる。
(無菌炭酸飲料充填方法)
次に、上述した無菌炭酸飲料充填システム10(図1)を用いた無菌炭酸飲料充填方法について説明する。なお、以下において、通常時における充填方法、すなわち無菌炭酸飲料をボトル30に充填して製品ボトル35を製造する無菌炭酸飲料充填方法について説明する。
まず複数の空のボトル30が、無菌炭酸飲料充填システム10の外部からボトル供給部21へ順次供給される。このボトル30は、搬送ホイール12によってボトル供給部21からボトル殺菌部11へ送られる(容器供給工程)。
次に、ボトル殺菌部11において、ボトル30に対して殺菌剤である過酸化水素水溶液を用いて殺菌処理が行われる(殺菌工程)。このとき、過酸化水素水溶液は、1重量%以上、好ましくは35重量%の濃度の過酸化水素水溶液を一旦気化させた後に凝縮したガス又はミストであり、このガス又はミストがボトル30に向かって供給される。
続いて、ボトル30は、搬送ホイール12によってエアリンス部14に送られ、エアリンス部14において、無菌の加熱エア又は常温エアを供給することにより、過酸化水素の活性化を行いつつ、ボトル30から異物、過酸化水素等が除去される。次いで、ボトル30は、搬送ホイール12によって無菌水リンス部15に搬送される。この無菌水リンス部15において、無菌の15℃以上85℃以下の水による洗浄が施される(リンス工程)。
具体的には、無菌の15℃以上85℃以下の水が、5L/min以上15L/min以下の流量でボトル30内に供給される。その際、好ましくはボトル30は倒立状態とされ、下向きになった口部からボトル30内へ無菌水が供給され、この無菌水は口部からボトル30の外方に流出する。この無菌水によって、ボトル30に付着した過酸化水素を洗い流し、且つ異物が除去される。なお、ボトル30内へ無菌水が供給される工程は必ずしも設けられていなくても良い。
続いて、ボトル30は、搬送ホイール12によって炭酸飲料充填部20に搬送される。
この炭酸飲料充填部20において、ボトル30は回転(公転)されながら、その口部からボトル30内へ無菌炭酸飲料が充填される(充填工程)。炭酸飲料充填部20においては、殺菌されたボトル30に、予め炭酸飲料調合部40で作製された無菌炭酸飲料が1℃以上40℃以下、好ましくは5℃以上10℃以下の充填温度で充填される。
次に、炭酸飲料調合部40で無菌炭酸飲料を作製し、炭酸飲料充填部20へ供給する各工程について、図2を参照して説明する。
まず、例えば超高温瞬間殺菌装置(UHT)からなる飲料殺菌部41において、例えば果汁や乳成分などの動植物由来の成分を含む原料液を殺菌することにより、殺菌済み飲料を作製する(殺菌工程)。この間、飲料殺菌部41には、外部から原料液が供給され、この原料液を瞬間的に加熱して殺菌することにより殺菌済み飲料が得られる。
飲料殺菌部41で殺菌された殺菌済み飲料は、第1アセプティックタンク42に送られ、第1アセプティックタンク42で一時的に貯留される(第1貯留工程)。続いて、第1アセプティックタンク42からの殺菌済み飲料は、第1ポンプ51によって飲料冷却部43に送られる。この飲料冷却部43において、飲料殺菌部41で作製された殺菌済み飲料が、例えば1℃以上5℃以下に冷却される(冷却工程)。
飲料冷却部43で冷却された殺菌済み飲料は、第2ポンプ53によって、カーボネータ等の炭酸飲料生成部44に送られる。この炭酸飲料生成部44において、飲料冷却部43で冷却された殺菌済み飲料に炭酸ガスが注入され、無菌炭酸飲料が作製される(炭酸飲料生成工程)。
次いで、炭酸飲料生成部44からの無菌炭酸飲料は、第3ポンプ56によって第2アセプティックタンク45に送られる。第2アセプティックタンク45に送られた無菌炭酸飲料は、第2アセプティックタンク45で一時的に貯留される(第2貯留工程)。続いて、第2アセプティックタンク45からの無菌炭酸飲料は、第4ポンプ59によって炭酸飲料充填部20の充填ヘッドタンク75に送られる。充填ヘッドタンク75に送られた無菌炭酸飲料は、充填ヘッドタンク75で一時的に貯留される(第3貯留工程)。
なお、飲料(原料液、殺菌済み飲料又は無菌炭酸飲料)は、飲料殺菌部41から第1アセプティックタンク42、飲料冷却部43、炭酸飲料生成部44、第2アセプティックタンク45を順次介して炭酸飲料充填部20に順次送られる際、飲料供給系配管60を順次通過する。この場合、飲料冷却部43、炭酸飲料生成部44、炭酸飲料充填部20及び飲料供給系配管60の内部の殺菌度は、いずれも飲料殺菌部41における原料液の殺菌度よりも高くなっている。
その後、炭酸飲料充填部20において、炭酸飲料生成部44で作製され、充填ヘッドタンク75で貯留された無菌炭酸飲料が、空の状態のボトル30に対して充填される。
この間、まず炭酸飲料充填部20において、充填ノズル72がボトル30の口部に密着し、ガス供給ライン74とボトル30とが互いに連通する。次に、充填ヘッドタンク75からガス供給ライン74を介して、ボトル30の内部にカウンタープレッシャー用の無菌炭酸ガスが供給される。これにより、ボトル30の内圧が大気圧よりも高められ、ボトル30の内圧が充填ヘッドタンク75の内圧と同一の圧力となる。
次に、炭酸飲料供給ライン73からボトル30の内部に無菌炭酸飲料が充填される。この場合、無菌炭酸飲料は充填ヘッドタンク75から炭酸飲料供給ライン73を通過して、ボトル30の内部に注入される。
続いて、炭酸飲料供給ライン73からの無菌炭酸飲料の供給を停止する。次いで、図示しないスニフトラインを開放し、スニフトラインからボトル30内部のガスを排出する。
これにより、ボトル30内部の圧力が大気圧と等しくなり、ボトル30への無菌炭酸飲料の充填が完了する。
再度図1を参照すると、炭酸飲料充填部20で無菌炭酸飲料が充填されたボトル30は、搬送ホイール12によってキャップ装着部16に搬送される。
一方、キャップ33は、予めキャップ殺菌部25によって殺菌処理される(キャップ殺菌工程)。キャップ殺菌部25で殺菌されたキャップ33は、キャップ装着部16において、炭酸飲料充填部20から搬送されてきたボトル30の口部に装着される。これにより、ボトル30とキャップ33とを有する製品ボトル35が得られる(キャップ装着工程)。
その後、製品ボトル35は、キャップ装着部16から製品ボトル搬出部22へ搬送され、無菌炭酸飲料充填システム10の外部へ向けて搬出される。
なお、上記殺菌工程からキャップ装着工程に至る各工程は、無菌チャンバー13で囲まれた無菌の雰囲気内すなわち無菌の環境下で行われる。殺菌処理後は無菌エアが常時無菌チャンバー13外に向かって吹き出るように、無菌チャンバー13内に陽圧の無菌エアが供給される。
なお、無菌炭酸飲料充填システム10におけるボトル30の生産(搬送)速度は、100bpm以上かつ1500bpm以下とすることが好ましい。ここでbpm(bottle per minute)とは、1分間当たりのボトル30の搬送速度をいう。
以上のように本実施の形態によれば、炭酸飲料充填部20で無菌炭酸飲料をボトル30に充填した後、ボトル30内に充填された炭酸飲料を加熱殺菌処理(例えば、液温60℃以上65℃以下で10分間程度の加熱処理)する工程が設けられていない。これにより、例えば果汁や乳成分などの窒素源を含む炭酸飲料をボトル30に充填した場合であっても、炭酸飲料が変質するおそれがない。また加熱殺菌処理時にボトル30が膨張することがないので、ボトル30が変形してしまう不都合を防止することができる。
また、本実施の形態によれば、ポンプ(回転機械)53、56、59の回転軸(回転体)83と連結部(非回転体)86との境界面87は、無菌水によってシールされている。
また、ロータリージョイント(回転機械)77の回転配管(回転体)92と固定配管(非回転体)91との境界面94は、無菌エアによってシールされている。これにより、回転機械のシール部に蒸気を供給する場合と異なり、メカニカルシール部85、93付近に滞留する炭酸飲料の液温が上昇することが防止される。この結果、炭酸飲料の充填時にボトル30内の炭酸飲料から多量の泡が発生したり(フォーミング)、炭酸飲料中の炭酸ガス濃度が不安定になったりする不具合が防止される。とりわけ、無菌炭酸飲料充填システム10が一時的に停止し、メカニカルシール部85、93付近に炭酸飲料が滞留した場合であっても、充填を再開した後、ボトル30内の炭酸飲料から多量の泡が発生したり、炭酸飲料中の炭酸ガス濃度が不安定になったりする不具合が生じない。
また、本実施の形態によれば、飲料冷却部43、炭酸飲料生成部44、炭酸飲料充填部20及び飲料供給系配管60の内部の殺菌度は、飲料殺菌部41の殺菌度よりも高い。これにより、飲料殺菌部41よりも後の工程において、飲料(原料液、殺菌済み飲料又は無菌炭酸飲料)の殺菌度を飲料殺菌部41における原料液の殺菌度よりも高い状態に維持することができる。この結果、果汁や乳成分などの動植物由来の成分を含む炭酸飲料をボトル30に充填した場合であっても、充填後の炭酸飲料中でカビ、酵母その他の微生物が増殖することを確実に防止することができる。
なお、上記において、ボトル30、プリフォーム、キャップ33等の容器殺菌は、過酸化水素からなる殺菌剤を用いて行う場合を例にとって説明したが、これに限らず、過酢酸等の殺菌剤や電子線を用いて殺菌しても良い。
10 無菌炭酸飲料充填システム
11 ボトル殺菌部
12 搬送ホイール
13 無菌チャンバー
14 エアリンス部
15 無菌水リンス部
16 キャップ装着部
20 炭酸飲料充填部
21 ボトル供給部
22 製品ボトル搬出部
25 キャップ殺菌部
30 ボトル
33 キャップ
35 製品ボトル
40 炭酸飲料調合部
41 飲料殺菌部
42 第1アセプティックタンク
43 飲料冷却部
44 炭酸飲料生成部
45 第2アセプティックタンク
60 飲料供給系配管

Claims (2)

  1. 無菌チャンバーの内部に配置された炭酸飲料充填装置であって、
    複数のボトルを回転しながら搬送する搬送ホイールと、
    前記搬送ホイールに配置され、それぞれ前記ボトルの内部に炭酸飲料を注入する複数の充填ノズルと、
    前記充填ノズルに接続され、前記ボトルに前記炭酸飲料を供給する炭酸飲料供給ラインと、
    前記充填ノズルに接続され、前記ボトルにカウンタープレッシャー用のガスを供給するガス供給ラインと、
    前記充填ノズルに接続され、前記ボトルの内部のガスを排出するスニフトラインと、を備え、
    前記スニフトラインは、前記無菌チャンバー内の前記炭酸飲料充填装置内に開放され
    前記搬送ホイール及び前記充填ノズルは、カバーによって覆われ、前記カバーの上部にはロータリージョイントが取り付けられ、前記炭酸飲料供給ラインと前記ガス供給ラインとは、前記ロータリージョイントを通過し、
    前記ロータリージョイントは、回転体である回転配管と、非回転体である固定配管とを有し、
    前記炭酸飲料は、前記固定配管から前記回転配管へ向けて流され、
    前記回転配管及び前記固定配管内に滞留する前記炭酸飲料の温度上昇を抑えるよう、前記ロータリージョイントの前記回転配管と前記固定配管との境界面は、1℃以上40℃以下の無菌エアによってシールされている、炭酸飲料充填装置。
  2. 各充填バルブのスニフトラインは、マニホールドによって連結されている、請求項1記載の炭酸飲料充填装置。
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