以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態の送信方法、送信装置、受信方法、受信装置について詳しく説明する。
本説明を行う前に、従来システムである空間多重MIMO伝送システムにおける、送信方法、復号方法の概要について説明する。
N
txN
r空間多重MIMOシステムの構成を図3に示す。情報ベクトルzは、符号化およびインタリーブが施される。そして、インタリーブの出力として、符号化後ビットのベクトルu=(u
1,…,u
Nt)が得られる。ただし、u
i=(u
i1,…,u
iM)とする(M:シンボル当たりの送信ビット数)。送信ベクトルs=(s
1,…,s
Nt)
Tとすると送信アンテナ#iから送信信号s
i=map(u
i)とあらわし、送信エネルギーを正規化するとE{|s
i|
2}=Es/Ntとあらわされる(E
s:チャネル当たりの総エネルギー)。そして、受信ベクトルをy=(y
1,…,y
Nr)
Tとすると、式(1)のようにあらわされる。
このとき、H
NtNrはチャネル行列、n=(n
1,…,n
Nr)
Tはノイズベクトルであり、n
iは平均値0、分散σ
2のi.i.d.複素ガウス雑音である。受信機で導入する送信シンボルと受信シンボルの関係から、受信ベクトルに関する確率は、式(2)のように多次元ガウス分布で与えることができる。
ここで、outer soft−in/soft−outデコーダとMIMO検波からなる図3のような反復復号を行う受信機を考える。図1における対数尤度比のベクトル(L−value)は式(3)−(5)のようにあらわされる。
<反復検波方法>
ここでは、NtxNr空間多重MIMOシステムにおけるMIMO信号の反復検波について述べる。
ベイズの定理より、式(6)は、式(7)のようにあらわすことができる。
ただし、U
mn,±1={u|u
mn=±1}とする。そして、lnΣa
j〜max ln a
jで近似すると式(7)は式(8)のように近似することができる。なお、上の「〜」の記号は近似を意味する。
式(8)におけるP(u|u
mn)とln P(u|u
mn)は以下の式(9)、(10)、(11)のようにあらわされる。
ところで、式(2)で定義した式の対数確率は式(12)のようにあらわされる。
したがって、式(7),(12)から、MAP、または、APP(a posteriori probability)では、事後のL−valueは、以下の式(13)ようにあらわされる。
以降では、反復APP復号と呼ぶ。また、式(8),(12)から、Max−Log近似に基づく対数尤度比(Max−Log APP)では、事後のL−valueは、以下の式(14)のようにあらわされる。
以降では、反復Max−log APP復号と呼ぶ。そして、反復復号のシステムで必要とする外部情報は、式(13)または(14)から事前入力を減算することで、求めることができる。
<システムモデル>
図1に、以降の説明につながるシステムの基本構成を示す。ここでは、2×2空間多重MIMOシステムとし、ストリームA,Bではそれぞれにouterエンコーダがあり、2つのouterエンコーダは同一のLDPC符号のエンコーダとする(ここではouterエンコーダとしてLDPC符号のエンコーダを用いる構成を例に挙げて説明するが、outerエンコーダが用いる誤り訂正符号はLDPC符号に限ったものではなく、ターボ符号、畳み込み符号、LDPC畳み込み符号等の他の誤り訂正符号を用いても同様に実施することができる。また、outerエンコーダは、送信アンテナごとに有する構成としているがこれに限ったものではなく、送信アンテナが複数であっても、outerエンコーダは一つであってもよく、また、送信アンテナ数より多くのouterエンコーダを有していてもよい。)。そして、ストリームA,Bではそれぞれにインタリーバ(πa,πb)がある。ここでは、変調方式を2h−QAMとする(1シンボルでhビットを送信することになる。)。
受信機では、上述のMIMO信号の反復検波(反復APP(またはMax−log APP)復号)を行うものとする。そして、LDPC符号の復号としては、例えば、sum−product復号を行うものとする。
図4はフレーム構成を示しており、インタリーブ後のシンボルの順番を記載している。このとき、以下の式(16)、(17)のように(i
a,j
a),(i
b,j
b)をあらわすものとする。
このとき、ia,ib:インタリーブ後のシンボルの順番、ja,jb:変調方式におけるビット位置(ja,jb=1,・・・,h)、πa,πb:ストリームA,Bのインタリーバ、Ωa ia,ja,Ωb ib,jb:ストリームA,Bのインタリーブ前のデータの順番、を示している。ただし、図4では、ia=ibのときのフレーム構成を示している。
<反復復号>
ここでは、受信機におけるLDPC符号の復号で用いるsum−product復号およびMIMO信号の反復検波のアルゴリズムについて詳しく述べる。
sum−product復号
2元MxN行列H={H
mn}を復号対象とするLDPC符号の検査行列とする。集合[1,N]={1,2,・・・,N}の部分集合A(m),B(n)を以下の式(18)、(19)のように定義する。
このとき、A(m)は検査行列Hのm行目において、1である列インデックスの集合を意味し、B(n)は検査行列Hのn行目において1である行インデックスの集合である。sum−product復号のアルゴリズムは以下のとおりである。
Step A・1(初期化):Hmn=1を満たす全ての組(m,n)に対して事前値対数比βmn=0とする。ループ変数(反復回数)lsum=1とし、ループ最大回数をlsum,maxと設定する。
Step A・2(行処理):m=1,2,・・・,Mの順にH
mn=1を満たす全ての組(m,n)に対して、以下の更新式(20)、(21)、(22)を用いて外部値対数比α
mnを更新する。
このとき、fはGallagerの関数である。そして、λnの求め方については以降で詳しく説明する。
Step A・3(列処理):n=1,2,・・・,Nの順にH
mn=1を満たす全ての組(m,n)に対して、以下の更新式(23)を用いて外部値対数比β
mnを更新する。
Step A・4(対数尤度比の計算):n∈[1,N]について対数尤度比L
nを以下の式(24)のように求める。
Step A・5(反復回数のカウント):もしlsum<lsum,maxならばlsumをインクリメントして、step A・2に戻る。lsum=lsum,maxの場合、この回のsum−product復号は終了する。
以上が、1回のsum−product復号の動作である。その後、MIMO信号の反復検波が行われる。上述のsum−product復号の動作の説明で用いた変数m,n,αmn,βmn,λn,Lnにおいて、ストリームAにおける変数をma,na,αa mana,βa mana,λna,Lna、ストリームBにおける変数をmb,nb,αb mbnb,βb mbnb,λnb,Lnbであらわすものとする。
<MIMO信号の反復検波>
ここでは、MIMO信号の反復検波におけるλnの求め方について詳しく説明する。
図4のフレーム構成からと、式(16)(17)から、以下の関係式が成立する。
このとき、na,nb∈[1,N]となる。以降では、MIMO信号の反復検波の反復回数kのときのλna,Lna,λnb,Lnbをそれぞれλk,na,Lk,na,λk,nb,Lk,nbとあらわすものとする。
Step B・1(初期検波;k=0):初期検波のとき、λ
0,na,λ
0,nbを以下の式(28)、(29)、(30)のように求める。
反復APP復号のとき:
ただし、X=a,bとする。そして、MIMO信号の反復検波の反復回数をlmimo=0とし、反復回数の最大回数をlmimo,maxと設定する。
Step B・2(反復検波;反復回数k):反復回数kのときのλk,na,λk,nbは、式(11)(13)−(15)(16)(17)から式(31)−(34)のようにあらわされる。ただし、(X,Y)=(a,b)(b,a)となる。
Step B・3(反復回数のカウント、符号語推定):もしl
mimo<l
mimo,maxならばl
mimoをインクリメントして、step B・2に戻る。l
mimo=l
mimo,maxの場合、推定符号語を以下の式(35)のようにもとめる。
ただし、X=a,bとする。
図5は、本実施の形態における送信装置の構成の一例である。符号化器502Aは、情報(データ)501A、フレーム構成信号513を入力とし、フレーム構成信号513(符号化器502Aがデータの誤り訂正符号化に使用する誤り訂正方式、符号化率、ブロック長等の情報が含まれており、フレーム構成信号513が指定した方式を用いることになる。また、誤り訂正方式は、切り替えても良い。)にしたがい、例えば、畳み込み符号、LDPC符号、ターボ符号等の誤り訂正符号化を行い、符号化後のデータ503Aを出力する。
インタリーバ504Aは、符号化後のデータ503A、フレーム構成信号513を入力とし、インタリーブ、つまり、順番の並び替えを行い、インタリーブ後のデータ505Aを出力する。(フレーム構成信号513に基づき、インタリーブの方法は、切り替えても良い。)
マッピング部506Aは、インタリーブ後のデータ505A、フレーム構成信号513を入力とし、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation)等の変調を施し、ベースバンド信号507Aを出力する。(フレーム構成信号513に基づき、変調方式は、切り替えても良い。)なお、変調方式は、QPSK、16QAM、64QAMに限ったものではなく、非均一のマッピングを行ってもよい。つまり、同相I−直交Q平面において、複数の信号点が存在していればよい。
図7は、QPSK変調におけるベースバンド信号を構成する同相成分Iと直交成分QのIQ平面におけるマッピング方法の一例としている。例えば、図7(A)のように、入力データが「00」の場合、I=1.0、Q=1.0が出力され、以下同様に、入力データが「01」の場合、I=―1.0、Q=1.0が出力され、・・・、が出力される。図7(B)は、図7(A)とは異なるQPSK変調のIQ平面におけるマッピング方法の例であり、図7(B)が図7(A)と異なる点は、図7(A)における信号点が、原点を中心に回転させることで図7(B)の信号点を得ることができる。このようなコンスタレーションの回転方法については、非特許文献6、非特許文献7に示されており、また、非特許文献6、非特許文献7に示されているCyclic Q Delayを適用してもよい。
図7とは別の例として、図8に16QAMのときのIQ平面における信号点配置を示しており、図7(A)に相当する例が図8(A)であり、図7(B)に相当する例が図8(B)となる。
符号化器502Bは、情報(データ)501B、フレーム構成信号513を入力とし、フレーム構成信号513(使用する誤り訂正方式、符号化率、ブロック長等の情報が含まれており、フレーム構成信号513が指定した方式を用いることになる。また、誤り訂正方式は、切り替えても良い。)にしたがい、例えば、畳み込み符号、LDPC符号、ターボ符号等の誤り訂正符号化を行い、符号化後のデータ503Bを出力する。
インタリーバ504Bは、符号化後のデータ503B、フレーム構成信号513を入力とし、インタリーブ、つまり、順番の並び替えを行い、インタリーブ後のデータ505Bを出力する。(フレーム構成信号513に基づき、インタリーブの方法は、切り替えても良い。)なお、変調方式は、QPSK、16QAM、64QAMに限ったものではなく、非均一のマッピングを行ってもよい。つまり、同相I−直交Q平面において、複数の信号点が存在していればよい。
マッピング部506Bは、インタリーブ後のデータ505B、フレーム構成信号513を入力とし、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation)等の変調を施し、ベースバンド信号507Bを出力する。(フレーム構成信号513に基づき、変調方式は、切り替えても良い。)
符号化器502Cは、情報(データ)501C、フレーム構成信号513を入力とし、フレーム構成信号513(使用する誤り訂正方式、符号化率、ブロック長等の情報が含まれており、フレーム構成信号513が指定した方式を用いることになる。また、誤り訂正方式は、切り替えても良い。)にしたがい、例えば、畳み込み符号、LDPC符号、ターボ符号等の誤り訂正符号化を行い、符号化後のデータ503Cを出力する。
インタリーバ504Cは、符号化後のデータ503C、フレーム構成信号513を入力とし、インタリーブ、つまり、順番の並び替えを行い、インタリーブ後のデータ505Cを出力する。(フレーム構成信号513に基づき、インタリーブの方法は、切り替えても良い。)なお、変調方式は、QPSK、16QAM、64QAMに限ったものではなく、非均一のマッピングを行ってもよい。つまり、同相I−直交Q平面において、複数の信号点が存在していればよい。
マッピング部506Cは、インタリーブ後のデータ505C、フレーム構成信号513を入力とし、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation)等の変調を施し、ベースバンド信号507Cを出力する。(フレーム構成信号513に基づき、変調方式は、切り替えても良い。)
信号処理方法情報生成部514は、フレーム構成信号513を入力とし、フレーム構成信号513に基づいた信号処理方法に関する情報515を出力する。なお、信号処理方法に関する情報515は、どのプリコーディング行列を固定的に用いるのかを指定する情報と、位相を変更する位相変更パターンの情報を含む。
重み付け合成部508Aは、ベースバンド信号507A、ベースバンド信号507B、ベースバンド信号507C、信号処理方法に関する情報515を入力とし、信号処理方法に関する情報515に基づいて、ベースバンド信号507Aおよびベースバンド信号507Bおよびベースバンド信号507Cに対し重み付け合成を施し、重み付け合成後の信号516Aを出力する。なお、重み付け合成の方法の詳細については、後で詳しく説明する。
位相変更部517Aは、重み付け合成後の信号516A及び信号処理方法に関する情報515を入力とし、当該信号516Aの位相を規則的に変更して出力する。規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎、あるいは予め定められた周波数毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、後で説明する。(なお、位相変更を行わなくてもよい。)
無線部510Aは、位相変更後の信号509Aを入力とし、直交変調、帯域制限、周波数変換、増幅等の処理を施し、送信信号511Aを出力し、送信信号511Aは、アンテナ512Aから電波として出力される。
重み付け合成部508Bは、ベースバンド信号507A、ベースバンド信号507B、ベースバンド信号507C、信号処理方法に関する情報515を入力とし、信号処理方法に関する情報515に基づいて、ベースバンド信号507Aおよびベースバンド信号507Bおよびベースバンド信号507Cに対し重み付け合成を施し、重み付け合成後の信号512Bを出力する。なお、重み付け合成の方法の詳細については、後で詳しく説明する。
位相変更部517Bは、重み付け合成後の信号516B及び信号処理方法に関する情報515を入力とし、当該信号516Bの位相を規則的に変更して出力する。規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、後で説明する。(なお、位相変更を行わなくてもよい。)
無線部510Bは、位相変更後の信号509Bを入力とし、直交変調、帯域制限、周波数変換、増幅等の処理を施し、送信信号511Bを出力し、送信信号511Bは、アンテナ512Bから電波として出力される。
重み付け合成部508Cは、ベースバンド信号507A、ベースバンド信号507B、ベースバンド信号507C、信号処理方法に関する情報515を入力とし、信号処理方法に関する情報515に基づいて、ベースバンド信号507Aおよびベースバンド信号507Bおよびベースバンド信号507Cに対し重み付け合成を施し、重み付け合成後の信号512Cを出力する。なお、重み付け合成の方法の詳細については、後で詳しく説明する。
位相変更部517Cは、重み付け合成後の信号516C及び信号処理方法に関する情報515を入力とし、当該信号516Cの位相を規則的に変更して出力する。規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、後で説明する。(なお、位相変更を行わなくてもよい。)
無線部510Cは、位相変更後の信号509Cを入力とし、直交変調、帯域制限、周波数変換、増幅等の処理を施し、送信信号511Cを出力し、送信信号511Cは、アンテナ512Cから電波として出力される。
図9に重み付け合成部(508A、508B、508C)および位相変更部(517A、517B、517C)の構成を示す。図9において点線で囲まれる領域が重み付け合成部となり、重み付け合成部の後段が位相変更部となる。なお、図9の重み付け合成部は、図5の重み付け合成部508A、重み付け合成部508B、重み付け合成部508Cをあわせて記載している。そして、図9の位相変更部は、図5の位相変更部517A、位相変更部517B、位相変更部517Cをあわせて記載している。
ベースバンド信号507Aはw11と乗算し、w11×s1(t)が生成され、ベースバンド信号507Aはw21と乗算し、w21×s1(t)が生成され、ベースバンド信号507Aはw31と乗算し、w31×s1(t)が生成される。
同様に、ベースバンド信号507Bはw12と乗算し、w12×s2(t)が生成され、ベースバンド信号507Bはw22と乗算し、w22×s2(t)が生成され、ベースバンド信号507Bはw32と乗算し、w32×s2(t)が生成される。
同様に、ベースバンド信号507Cはw13と乗算し、w13×s3(t)が生成され、ベースバンド信号507Cはw23と乗算し、w23×s3(t)が生成され、ベースバンド信号507Cはw33と乗算し、w33×s3(t)が生成される。
このとき、s1(t)およびs2(t)およびs3(t)は、上記の説明からわかるように、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK、8PSK(8 Phase Shift Keying)、16QAM、32QAM(32 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、256QAM、16APSK(16 Amplitude Phase Shift Keying)等の変調方式のベースバンド信号(マッピング後のベースバンド信号)となる。
ここで、重み付け合成部は、例えば、固定のプリコーディング行列を用いて重み付けを実行するものとする。このとき、プリコーディング行列は、以下の式(36)のようにあらわすものとする。
ただし、a11は複素数であり(実数でもよい)、a12は複素数であり(実数でもよい)、a13は複素数であり(実数でもよい)、a21は複素数であり(実数でもよい)、a22は複素数であり(実数でもよい)、a23は複素数であり(実数でもよい)、a31は複素数であり(実数でもよい)、a32は複素数であり(実数でもよい)、a33は複素数である(実数でもよい)。したがって、axy=Axyejδxyとあらわされることになる。(ただし、jは虚数単位であり、Axyは0以上の実数、δxyは偏角 (argument)となる。また、xは1、2、3のいずれの値でもよく、yは1、2、3のいずれの値でもよい。)
そして、a11、a12、a13のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a21、a22、a23のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a31、a32、a33のすべてが0(ゼロ)となることはない。また、a11、a21、a31のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a12、a22、a32のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a13、a23、a33のすべてが0(ゼロ)となることはない。
したがって、図9において、重み付け合成後(プリコーディング後)の信号をz
1’(t)(図5の516Aに相当)、z
2’(t)(図5の516Bに相当)、z
3’(t)(図5の516Cに相当)としたとき、次式(37)が成立する。
なお、プリコーディング行列は、変調方式(または、変調方式のセット(図5の場合、3つの変調方式のセット))、誤り訂正符号化方式(例えば、使用する誤り訂正符号、誤り訂正符号の符号長(ブロック長)、誤り訂正符号の符号化率)などにより、プリコーディング行列を切り替えてもよい。
また、上述の例では、プリコーディング行列を固定のプリコーディング行列を例に説明したが、これに限ったものではなく、プリコーディング行列を例えば時間によって、切り替えてもよい。このとき、プリコーディング行列は、次式(38)であらわされる。
ただし、a11(t)は複素数であり(実数でもよい)、a12(t)は複素数であり(実数でもよい)、a13(t)は複素数であり(実数でもよい)、a21(t)は複素数であり(実数でもよい)、a22(t)は複素数であり(実数でもよい)、a23(t)は複素数であり(実数でもよい)、a31(t)は複素数であり(実数でもよい)、a32(t)は複素数であり(実数でもよい)、a33(t)は複素数である(実数でもよい)。したがって、axy(t)=Axy(t)ejδxy(t)とあらわされることになる。(ただし、jは虚数単位であり、Axy(t)は0以上の実数、δxy(t)は偏角 (argument)となる。また、xは1、2、3のいずれの値でもよく、yは1、2、3のいずれの値でもよい。)
そして、a11(t)、a12(t)、a13(t)のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a21(t)、a22(t)、a23(t)のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a31(t)、a32(t)、a33(t)のすべてが0(ゼロ)となることはない。また、a11(t)、a21(t)、a31(t)のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a12(t)、a22(t)、a32(t)のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a13(t)、a23(t)、a33(t)のすべてが0(ゼロ)となることはない。
なお、式(38)では、時間tの関数としているが、これに限ったものではなく、周波数(キャリア)fの関数であってもよいし、時間tおよび周波数(キャリア)fの両者の関数であってもよい。(これらに限ったものではない。)
図9に示すように、重み付け合成後(プリコーディング後)の信号z
1’(t)(図5の516Aに相当)、は位相変更が行われ、位相変更後の信号(図5の509Aに相当)z
1(t)を得ることになる。このとき、位相変更値をy
1(t)とすると、位相変更後の信号(図5の509Aに相当)z
1(t)は次式(39)であらわされる。
このとき、y1(t)はB1×ejθ1(t)、または、ejθ1(t)とあらわすものとする。B1は0以上の実数であり、θ1(t)は偏角 (argument)となり、時間tの関数であるものとする。ただし、θ1は時間tの関数に限ったものではなく、周波数(キャリア)fの関数であってもよいし、時間tおよび周波数(キャリア)fの関数であってもよい。(これに限ったものではない。)
y1(t)は、規則的に変更することになる。なお、規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、後で説明する。(なお、位相変更を行わなくてもよい。)
図9に示すように、重み付け合成後(プリコーディング後)の信号z
2’(t)(図5の516Bに相当)、は位相変更が行われ、位相変更後の信号(図5の509Bに相当)z
2(t)を得ることになる。このとき、位相変更値をy
2(t)とすると、位相変更後の信号(図5の509Bに相当)z
2(t)は次式(40)であらわされる。
このとき、y2(t)はB2×ejθ2(t)、または、ejθ2(t)とあらわすものとする。、B2は0以上の実数であり、θ2(t)は偏角 (argument)となり、時間tの関数であるものとする。ただし、θ2は時間tの関数に限ったものではなく、周波数(キャリア)fの関数であってもよいし、時間tおよび周波数(キャリア)fの関数であってもよい。(これに限ったものではない。)
y2(t)は、規則的に変更することになる。なお、規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、後で説明する。(なお、位相変更を行わなくてもよい。)
図9に示すように、重み付け合成後(プリコーディング後)の信号z
3’(t)(図5の516Cに相当)、は位相変更が行われ、位相変更後の信号(図5の509Cに相当)z
3(t)を得ることになる。このとき、位相変更値をy
3(t)とすると、位相変更後の信号(図5の509Cに相当)z
3(t)は次式(41)であらわされる。
このとき、y3(t)はB3×ejθ3(t)、または、ejθ3(t)とあらわすものとする。B3は0以上の実数であり、θ3(t)は偏角 (argument)となり、時間tの関数であるものとする。ただし、θ3は時間tの関数に限ったものではなく、周波数(キャリア)fの関数であってもよいし、時間tおよび周波数(キャリア)fの関数であってもよい。(これに限ったものではない。)
y3(t)は、規則的に変更することになる。なお、規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、後で説明する。(なお、位相変更を行わなくてもよい。)
図6は、図5とは異なる送信装置の構成の例を示している。図6において、図5と異なる部分について説明する。
符号化器602は、情報(データ)601、フレーム構成信号513を入力とし、フレーム構成信号513に基づき、誤り訂正符号化を行い、符号化後のデータ603を出力する。
分配部604は符号化後のデータ603を入力とし、分配し、データ605Aおよびデータ605Bおよびデータ605Cを出力する。なお、図6では、符号化器が一つの場合を記載したが、これに限ったものではなく、符号化器をm(mは1以上の整数)とし、各符号化器で作成された符号化データを分配部が、3系統のデータにわけて出力する場合についても、本発明は同様に実施することができる。
図10は、本実施の形態における送信装置の時間軸におけるフレーム構成の一例を示している。シンボル1000_1は、受信装置に、送信方法を通知するためのシンボルであり、例えば、データシンボルを伝送するために用いる誤り訂正方式、その符号化率の情報、データシンボルを伝送するために用いる変調方式の情報等を伝送する。
シンボル1001_1は、送信装置が送信する変調信号z1(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル1002_1は変調信号z1(t)が(時間軸における)シンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル1003_1は変調信号z1(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
シンボル1001_2は、送信装置が送信する変調信号z2(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル1002_2は変調信号z2(t)がシンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル1003_2は変調信号z2(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
シンボル1001_3は、送信装置が送信する変調信号z3(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル1002_3は変調信号z3(t)がシンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル1003_3は変調信号z3(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
このとき、z1(t)におけるシンボルおよびz2(t)におけるシンボルおよびz3(t)におけるシンボルにおいて、同一時刻(同一時間)のシンボルは、同一(共通)の周波数を用いて、送信アンテナから送信されることになる。
送信装置が送信する変調信号z1(t)および変調信号z2(t)および変調信号z3(t)、及び、受信装置における受信信号r1(t)、r2(t)、r3(t)の関係について説明する。
図11において、1101#1、1101#2、1101#3は送信装置における送信アンテナ、1102#1、1102#2、1102#3は受信装置における受信アンテナを示しており、送信装置は、変調信号z1(t)に相当する信号を送信アンテナ1101#1、変調信号z2(t)に相当する信号を送信アンテナ1101#2、変調信号z3(t)に相当する信号を送信アンテナ1101#3から送信する。このとき、変調信号z1(t)および変調信号z2(t)および変調信号z3(t)は、同一(共通の)周波数(帯域)を占有しているものとする。
送信装置の各送信アンテナと受信装置の各アンテナのチャネル変動をそれぞれh
11(t)、h
12(t)、h
13(t)、h
21(t)、h
22(t)、h
23(t)、h
31(t)、h
32(t)、h
33(t)とし、受信装置の受信アンテナ1102#1が受信した受信信号をr
1(t)、受信装置の受信アンテナ1102#2が受信した受信信号をr
2(t)、受信装置の受信アンテナ1102#3が受信した受信信号をr
3(t)とすると、以下の関係式(42)が成立する。
図12は、本実施の形態における重み付け方法(プリコーディング(Precoding)方法)及び位相変更方法に関連する図であり、重み付け合成部1200は、図5の重み付け合成部508A、508B、508Cを統合した重み付け合成部である。
図12に示すように、ストリームs1(t)およびストリームs2(t)およびストリームs3(t)は、図5のベースバンド信号507Aおよび507Bおよび507Cに相当する、つまり、QPSK、16QAM、64QAMなどの変調方式のマッピングにしたがったベースバンド信号の同相I成分、直交Q成分となる。
そして、図12のフレーム構成のようにストリームs1(t)は、シンボル番号uの信号をs1(u)、シンボル番号u+1の信号をs1(u+1)、・・・とあらわす。同様に、ストリームs2(t)は、シンボル番号uの信号をs2(u)、シンボル番号u+1の信号をs2(u+1)、・・・とあらわす。また、ストリームs3(t)は、シンボル番号uの信号をs3(u)、シンボル番号u+1の信号をs3(u+1)、・・・とあらわす。
そして、重み付け合成部1200は、図5におけるベースバンド信号507A(s1(t))および507B(s2(t))および507C(s3(t))、信号処理方法に関する情報515を入力とし、信号処理方法に関する情報515にしたがった重み付けを施し、図5の重み付け合成後の信号516A(z1’(t))、516B(z2’(t))、516C(z3’(t))を出力する。
位相変更部517Aは、重み付けされた信号516A(z1’(t))の位相を変更し、位相変更後の信号509A(z1(t))を出力する。
位相変更部517Bは、重み付けされた信号516B(z2’(t))の位相を変更し、位相変更後の信号509B(z2(t))を出力する。
位相変更部517Cは、重み付けされた信号516C(z3’(t))の位相を変更し、位相変更後の信号509C(z3(t))を出力する。
このとき、z
1(t)は、固定のプリコーディング行列Fにおける第1行のベクトルをW
1=(w
11,w
12,w
13)とし、S(t)=(s
1(t),s
2(t),s
3(t))
T、位相変更部による位相変更式をy
1(t)とすると、次式(43)が成立する。
ただし、行列(またはベクトル)Aの転置行列をATとあらわすものとする。
z
2(t)は、固定のプリコーディング行列Fにおける第2行のベクトルをW
2=(w
21,w
22,w
23)とし、位相変更部による位相変更式をy
2(t)とすると、次式(44)が成立する。
z
3(t)は、固定のプリコーディング行列Fにおける第3行のベクトルをW
3=(w
31,w
32,w
33)とし、位相変更部による位相変更式をy
3(t)とすると、次式(45)が成立する。
なお、位相変更方法については、後で説明する。
図13は、本実施の形態における受信装置の構成の一例を示している。無線部1303_Xは、アンテナ1301_Xで受信された受信信号1302_Xを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号1304_Xを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3におけるチャネル変動推定部1305は、ベースバンド信号1304_Xを入力とし、図12におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_1を抽出し、式(42)のh11に相当する値を推定し、チャネル推定信号1306_1を出力する。
また、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3におけるチャネル変動推定部1305は、ベースバンド信号1304_Xを入力とし、図12におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_2を抽出し、式(42)のh12に相当する値を推定し、チャネル推定信号1306_2を出力する。
そして、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3におけるチャネル変動推定部1305は、ベースバンド信号1304_Xを入力とし、図12におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_3を抽出し、式(42)のh13に相当する値を推定し、チャネル推定信号1306_3を出力する。
無線部1303_Yは、アンテナ1301_Yで受信された受信信号1302_Yを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号1304_Yを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3におけるチャネル変動推定部1307は、ベースバンド信号1304_Yを入力とし、図12におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_1を抽出し、式(42)のh21に相当する値を推定し、チャネル推定信号1308_1を出力する。
また、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3におけるチャネル変動推定部1307は、ベースバンド信号1304_Yを入力とし、図12におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_2を抽出し、式(42)のh22に相当する値を推定し、チャネル推定信号1308_2を出力する。
そして、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3におけるチャネル変動推定部1307は、ベースバンド信号1304_Yを入力とし、図12におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_3を抽出し、式(42)のh23に相当する値を推定し、チャネル推定信号1308_3を出力する。
無線部1303_Zは、アンテナ1301_Zで受信された受信信号1302_Zを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号1304_Zを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3におけるチャネル変動推定部1309は、ベースバンド信号1304_Zを入力とし、図12におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_1を抽出し、式(42)のh31に相当する値を推定し、チャネル推定信号1310_1を出力する。
また、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3におけるチャネル変動推定部1309は、ベースバンド信号1304_Zを入力とし、図12におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_2を抽出し、式(42)のh32に相当する値を推定し、チャネル推定信号1310_2を出力する。
そして、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3におけるチャネル変動推定部1309は、ベースバンド信号1304_Zを入力とし、図12におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_3を抽出し、式(42)のh33に相当する値を推定し、チャネル推定信号1310_3を出力する。
制御情報復号部1311は、ベースバンド信号1304_Xおよび1304_Yおよび1304_Zを入力とし、図10の送信方法を通知するためのシンボル1000_1を検出し、送信装置が通知した送信方法の情報に関する信号1312を出力する。
信号処理部1313は、ベースバンド信号1304_X、1304_Y、1304_Z、チャネル推定信号1306_1、1306_2、1306_3、1308_1、1308_2、1308_3、1310_1、1310_2、1310_3及び、送信装置が通知した送信方法の情報に関する信号1312を入力とし、例えば、ML(Maximum Likelihood)検波、(誤り訂正)復号を行い、受信データ1314_1および/または1314_2および/または1314_3を出力する。
図13の信号処理部1313の動作について補足する。信号処理部1313は、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10に記載されている、例えば、MLD(Maximum Likelihood Detection)の処理を施すものとする。
本実施の形態における伝送方式は、時間とともに信号の位相を規則的に変更し、かつ、プリコーディング行列が使用されているMIMO伝送方式である。
式(42)における(チャネル)行列をH(t)、プリコーディングウェイト行列をF、図12の位相変更部による位相変更式の行列をY(t)(ここでY(t)はtによって変化する)、受信ベクトルをR(t)=(r
1(t),r
2(t),r
3(t))
T、ストリームベクトルS(t)=(s
1(t),s
2(t),s
3(t))
Tとすると以下の関係式(46)が成立する。
このとき、受信装置は、H(t)×Y(t)×Fを得ることで、受信ベクトルR(t)に対して、例えば、MLDの検波を施すことができる。
以下では、MLDの動作について説明する。なお、以下では、変調信号(ストリーム)s1の変調方式、変調信号(ストリーム)s2の変調方式、変調信号(ストリーム)s3の変調方式がQPSKとして説明する。
まず、チャネル推定信号1306_1、1306_2、1306_3から、ベースバンド信号1304_Xに対応する(26=64個の)候補信号点を求める。そのときの様子の例を図14に示す。図14において、●(黒丸)は、同相I―直交Q平面における候補信号点であり、QPSK3系統のため、候補信号点は64個存在する。ここで、変調信号s1で伝送する2ビットをb0、b1、変調信号s2で伝送する2ビットをb2、b3、変調信号s3で伝送する2ビットをb4、b5、とすると、図14において(b0,b1,b2,b3,b4,b5)に対応する候補信号点が存在することになる。
そして、受信信号点1401(ベースバンド信号1304_Xに相当する。)と候補信号点それぞれとの2乗ユークリッド距離を求める。そして、それぞれの2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,b2,b3,b4,b5)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEX(b0,b1,b2,b3,b4,b5)が求まることになる、つまり、EX(0,0,0,0,0,0)からEX(1,1,1,1,1,1)が求まることになる。なお、各ベースバンド信号、変調信号s1、s2、s3は、複素信号である。
同様に、チャネル推定信号1308_1、1308_2、1308_3から、ベースバンド信号1304_Yに対応する(26=64個の)候補信号点を求める。そのときの様子の例を図14に示す。図14において、●(黒丸)は、同相I―直交Q平面における候補信号点であり、QPSK3系統のため、候補信号点は64個存在する。ここで、変調信号s1で伝送する2ビットをb0、b1、変調信号s2で伝送する2ビットをb2、b3、変調信号s3で伝送する2ビットをb4、b5、とすると、図14において(b0,b1,b2,b3,b4,b5)に対応する候補信号点が存在することになる。(ただし、図14はあくまでも説明するための例である。)
そして、受信信号点1401(ベースバンド信号1304_Yに相当する。)と候補信号点それぞれとの2乗ユークリッド距離を求める。そして、それぞれの2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,b2,b3,b4,b5)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEY(b0,b1,b2,b3,b4,b5)が求まることになる、つまり、EY(0,0,0,0,0,0)からEY(1,1,1,1,1,1)が求まることになる。なお、各ベースバンド信号、変調信号s1、s2、s3は、複素信号である。
さらに、チャネル推定信号1310_1、1310_2、1310_3から、ベースバンド信号1304_Zに対応する(26=64個の)候補信号点を求める。そのときの様子の例を図14に示す。図14において、●(黒丸)は、同相I―直交Q平面における候補信号点であり、QPSK3系統のため、候補信号点は64個存在する。ここで、変調信号s1で伝送する2ビットをb0、b1、変調信号s2で伝送する2ビットをb2、b3、変調信号s3で伝送する2ビットをb4、b5、とすると、図14において(b0,b1,b2,b3,b4,b5)に対応する候補信号点が存在することになる。(ただし、図14はあくまでも説明するための例である。)
そして、受信信号点1401(ベースバンド信号1304_Zに相当する。)と候補信号点それぞれとの2乗ユークリッド距離を求める。そして、それぞれの2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,b2,b3,b4,b5)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEZ(b0,b1,b2,b3,b4,b5)が求まることになる、つまり、EZ(0,0,0,0,0,0)からEZ(1,1,1,1,1,1)が求まることになる。なお、各ベースバンド信号、変調信号s1、s2、s3は、複素信号である。
そして、EX(b0,b1,b2,b3,b4,b5)+EY(b0,b1,b2,b3,b4,b5)+EZ(b0,b1,b2,b3,b4,b5)=E(b0,b1,b2,b3,b4,b5)を求める。
((b0,b1,b2,b3,b4,b5)=(0,0,0,0,0,0)のときの値がEX(0,0,0,0,0,0)+EY(0,0,0,0,0,0)+EZ(0,0,0,0,0,0)=E(0,0,0,0,0,0)となり、
(b0,b1,b2,b3,b4,b5)=(0,0,0,0,0,1)のときの値がEX(0,0,0,0,0,1)+EY(0,0,0,0,0,1)+EZ(0,0,0,0,0,1)=E(0,0,0,0,0,1)となり、
・・・
(b0,b1,b2,b3,b4,b5)=(1,1,1,1,1,1)のときの値がEX(1,1,1,1,1,1)+EY(1,1,1,1,1,1)+EZ(1,1,1,1,1,1)=E(1,1,1,1,1,1)となる。)
そして、E(b0,b1,b2,b3,b4,b5)から、例えば、各ビットの対数尤度比を求め、対数尤度比の並び替え(インタリーブ)を行い、並び替え後の対数尤度比を用いて、誤り訂正復号を行い、受信データ1314_1および/または1314_2および/または1314_3を出力する。
次に、本発明の課題について説明する。
説明を簡単にするために、ベースバンド信号(マッピング後の信号)s3(t)がないものとして考える。このとき、ベースバンド信号(マッピング後の信号)s1(t)とベースバンド信号(マッピング後の信号)s2(t)が存在することになる。
この状態で、図13の受信装置が受信した場合を考える。なお、前に説明したように、s1(t)の変調方式をQPSK方式とし、ビットb0、b1を伝送しているものとする。そして、s2(t)の変調方式をQPSK方式とし、ビットb2、b3を伝送しているものとする。
図15に、図13の信号処理部1313における、同相I−直交Q平面の受信状態の一例(候補信号点の状態)を示している。図15において、●(黒丸)は、IQ平面における候補信号点であり、s1(t)でb0、b1、s2(t)でb2、b3を伝送しているため、理想的には、図15のように、16個の候補信号点((b0,b1,b2,b3)が(0,0,0,0)から(1,1,1,1)に対応する候補信号点が存在する。)が存在する。
図16に、図13の信号処理部1313における、同相I−直交平面の受信状態の一例(候補信号点の状態)を示している。図16において、●(黒丸)は、IQ平面における候補信号点である。
候補信号点1602は、(b0,b1,b2,b3)が(0,0,0,0)に対応する候補信号点である。
候補信号点1603は、(b0,b1,b2,b3)が(0,0,0,1)(0,1,0,0)に対応する候補信号点である。
候補信号点1604は、(b0,b1,b2,b3)が(0,1,0,1)に対応する候補信号点である。
候補信号点1605は、(b0,b1,b2,b3)が(1,1,0,1)(0,1,1,1)に対応する候補信号点である。
候補信号点1606は、(b0,b1,b2,b3)が(1,1,1,1)に対応する候補信号点である。
候補信号点1607は、(b0,b1,b2,b3)が(1,1,1,0)(1,0,1,1)に対応する候補信号点である。
候補信号点1608は、(b0,b1,b2,b3)が(1,0,1,0)に対応する候補信号点である。
候補信号点1609は、(b0,b1,b2,b3)が(1,0,0,0)(0,0,1,0)に対応する候補信号点である。
候補信号点1610は、(b0,b1,b2,b3)が(0,0,1,1)(0,1,1,0)(1,1,0,0)(1,0,0,1)に対応する候補信号点である。
このように、図16では、図15のような理想的な状態と比較すると、候補信号点の数が少なっている。受信装置は図16のような状態で受信した場合、受信データ品質の低下を招くことになる。特に、直接波の支配的な環境では、直接波の影響が強いため、伝播環境が定常的であり、これにより、低いデータの受信品質の状態が長時間続く現象に陥る可能性がある。なお、図16では、候補信号点が重なっているときを例に説明しているが、例えば、16個の候補信号点の最小ユークリッド距離が小さくなっているときについても同様に、データの受信品質の低下を招くことになる(特に、直接波の支配的な環境で、データの受信品質の低下が発生する可能性が高い。)
このような候補信号点が重なる現象は、3つのベースバンド信号、つまり、s1(t)、s2(t)、s3(t)が存在するときについても同様に発生する。そして、「特に、直接波の支配的な環境では、直接波の影響が強いため、伝播環境が定常的であり、これにより、低いデータの受信品質の状態が長時間続く現象に陥る可能性がある」という課題に対し、データの受信品質を改善する方法について、以下で説明する。
図17は、図5、図6の送信装置の位相変更部517A、位相変更部517B、位相変更部517Cにおける位相変更値の具体的な例を示している。なお、上述で説明したように、位相変更部517Aの位相変更値をy1(t)、位相変更部517Bの位相変更値をy2(t)、位相変更部517Cの位相変更値をy3(t)とする。図17において、tは時間であり(ただし、ここでは、y1(t)、y2(t)、y3(t)のように時間の関数としているが、前述のように、周波数、周波数および時間の関数であってもよい。)、「0」と記載しているが、0ラジアンであることを意味し、「a」と記載しているが、aラジアンであることを意味し、「b」と記載しているが、bラジアンであることを意味している。なお、aは0≦a<2πとし、bは0≦b<2πとし、a≠0、b≠0、a≠bであるものとする。
図17に示したように、
・時刻t=0において、y1(0)=0(ラジアン)、y2(0)=0(ラジアン)、y3(0)=0(ラジアン)
・時刻t=1において、y1(1)=0(ラジアン)、y2(1)=a(ラジアン)、y3(1)=0(ラジアン)
・時刻t=2において、y1(2)=0(ラジアン)、y2(2)=b(ラジアン)、y3(2)=0(ラジアン)
・時刻t=3において、y1(3)=0(ラジアン)、y2(3)=0(ラジアン)、y3(3)=0(ラジアン)
・時刻t=4において、y1(4)=0(ラジアン)、y2(4)=a(ラジアン)、y3(4)=0(ラジアン)
・時刻t=5において、y1(5)=0(ラジアン)、y2(5)=b(ラジアン)、y3(5)=0(ラジアン)
・・・
であるものとする。
図17では、位相変更に関する周期は3であるものとする。したがって、
・時刻t=3kにおいて、y1(3k)=0(ラジアン)、y2(3k)=0(ラジアン)、y3(3k)=0(ラジアン)
・時刻t=3k+1において、y1(3k+1)=0(ラジアン)、y2(3k+1)=a(ラジアン)、y3(3k+1)=0(ラジアン)
・時刻t=3k+2において、y1(3k+2)=0(ラジアン)、y2(3k+2)=b(ラジアン)、y3(3k+2)=0(ラジアン)
となる。なお、例えば、kは0以上の整数とする。
図17のような位相変更を行ったときの課題について説明する。
図13の受信装置が、図5、図6の送信装置が送信した変調信号を受信する際、例えば、アンテナ512Bから送信される変調信号の受信電界強度が、図13の受信装置で低い場合を考える。なお、以下では、上述と同様、、変調信号(ストリーム)s1の変調方式、変調信号(ストリーム)s2の変調方式、変調信号(ストリーム)s3の変調方式がQPSKとする。したがって、MLDを施す際、候補信号点の重なりが発生しなければ、同相I−直交Q平面において、64個の候補信号点が出現することになる。
ここで、上述に記載したように、「アンテナ512Bから送信される変調信号の受信電界強度が、図13の受信装置で低い」場合を考える。そして、直接波が支配的な環境下で、かつ、MLDを施した際、64個の候補信号点において、最小ユークリッド距離が短く、データの受信品質が劣悪な環境に陥っている場合を考える。このような環境下で、図17のような位相変更を行っている場合を考える。
このとき、図13の受信装置にとって、受信状態に影響を与える信号は、図5、図6の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号およびアンテナ512Cから送信された変調信号となる。
図17に示した位相変更を行った場合、図5、図6の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号に対して位相変更を行っておらず、また、図5、図6の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号に対しても位相変更を行っていない。したがって、図13における、同相I−直交Q平面における候補信号点の状態は、時間tに対して、大きな変化を起こさない可能性が高い。(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きく変化しない可能性が高い。)よって、図13の受信装置において、データの受信品質が低下している場合、その状態が保持される可能性が高い。
この課題を克服するための位相変更の方法の一例が図18である。
図18は、図5、図6の送信装置の位相変更部517A、位相変更部517B、位相変更部517Cにおける位相変更値の具体的な例を示している。なお、上述で説明したように、位相変更部517Aの位相変更値をy1(t)、位相変更部517Bの位相変更値をy2(t)、位相変更部517Cの位相変更値をy3(t)とする。図17において、tは時間であり(ただし、ここでは、y1(t)、y2(t)、y3(t)のように時間の関数としているが、前述のように、周波数、周波数および時間の関数であってもよい。)、「0」と記載しているが、0ラジアンであることを意味し、「a」と記載しているが、aラジアンであることを意味し、「b」と記載しているが、bラジアンであることを意味している。なお、aは0≦a<2πとし、bは0≦b<2πとし、a≠0、b≠0、a≠bであるものとする。
図18に示したように、
・時刻t=0において、y1(0)=0(ラジアン)、y2(0)=0(ラジアン)、y3(0)=0(ラジアン)
・時刻t=1において、y1(1)=0(ラジアン)、y2(1)=a(ラジアン)、y3(1)=0(ラジアン)
・時刻t=2において、y1(2)=0(ラジアン)、y2(2)=b(ラジアン)、y3(2)=0(ラジアン)
・時刻t=3において、y1(3)=0(ラジアン)、y2(3)=0(ラジアン)、y3(3)=a(ラジアン)
・時刻t=4において、y1(4)=0(ラジアン)、y2(4)=0(ラジアン)、y3(4)=b(ラジアン)
・時刻t=5において、y1(5)=0(ラジアン)、y2(5)=a(ラジアン)、y3(5)=a(ラジアン)
・時刻t=6において、y1(6)=0(ラジアン)、y2(6)=a(ラジアン)、y3(6)=b(ラジアン)
・時刻t=7において、y1(7)=0(ラジアン)、y2(7)=b(ラジアン)、y3(7)=a(ラジアン)
・時刻t=8において、y1(8)=0(ラジアン)、y2(8)=b(ラジアン)、y3(8)=b(ラジアン)
・・・
であるものとする。
図18では、位相変更に関する周期は9であるものとする。したがって、
・時刻t=9kにおいて、y1(9k)=0(ラジアン)、y2(9k)=0(ラジアン)、y3(9k)=0(ラジアン)
・時刻t=9k+1において、y1(9k+1)=0(ラジアン)、y2(9k+1)=a(ラジアン)、y3(9k+1)=0(ラジアン)
・時刻t=9k+2において、y1(9k+2)=0(ラジアン)、y2(9k+2)=b(ラジアン)、y3(9k+2)=0(ラジアン)
・時刻t=9k+3において、y1(9k+3)=0(ラジアン)、y2(9k+3)=0(ラジアン)、y3(9k+3)=a(ラジアン)
・時刻t=9k+4において、y1(9k+4)=0(ラジアン)、y2(9k+4)=0(ラジアン)、y3(9k+4)=b(ラジアン)
・時刻t=9k+5において、y1(9k+5)=0(ラジアン)、y2(9k+5)=a(ラジアン)、y3(9k+5)=a(ラジアン)
・時刻t=9k+6において、y1(9k+6)=0(ラジアン)、y2(9k+6)=a(ラジアン)、y3(9k+6)=b(ラジアン)
・時刻t=9k+7において、y1(9k+7)=0(ラジアン)、y2(9k+7)=b(ラジアン)、y3(9k+7)=a(ラジアン)
・時刻t=9k+8において、y1(9k+8)=0(ラジアン)、y2(9k+8)=b(ラジアン)、y3(9k+8)=b(ラジアン)
となる。なお、例えば、kは0以上の整数とする。
図18のような位相変更を行ったときの利点について説明する。
図17について説明したときと同様に、図13の受信装置が、図5、図6の送信装置が送信した変調信号を受信する際、例えば、アンテナ512Bから送信される変調信号の受信電界強度が、図13の受信装置で低い場合を考える。なお、以下では、上述と同様、変調信号(ストリーム)s1の変調方式、変調信号(ストリーム)s2の変調方式、変調信号(ストリーム)s3の変調方式がQPSKとする。したがって、MLDを施す際、候補信号点の重なりが発生しなければ、同相I−直交Q平面において、64個の候補信号点が出現することになる。
ここで、上述に記載したように、「アンテナ512Bから送信される変調信号の受信電界強度が、図13の受信装置で低い」場合を考える。そして、直接波が支配的な環境下で、かつ、MLDを施した際、64個の候補信号点において、最小ユークリッド距離が短く、データの受信品質が劣悪な環境に陥っている場合を考える。このような環境下で、図18のような位相変更を行っている場合を考える。
このとき、図13の受信装置にとって、受信状態に影響を与える信号は、図5、図6の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号およびアンテナ512Cから送信された変調信号となる。
図18に示した位相変更を行った場合、t=0、t=1、t=2において、図5、図6の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号に対して位相変更を行っておらず、また、図5、図6の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号に対しても位相変更を行っていない。したがって、図13における、同相I−直交Q平面における候補信号点の状態は、時間t=0、t=1、t=2では、大きな変化を起こさない可能性が高い。(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きく変化しない可能性が高い。)
しかし、t=3からt=8において、図5、図6の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号において、0(ゼロ)ラジアン以外の位相を与えているため、この区間で、同相I−直交Q平面におる候補信号点の状態が改善(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きくなる)している可能性がある。
よって、図17のときと比較し、候補信号点の状態が良好(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きい)な時間が増加し、誤り訂正符号の適用により、受信品質が改善される可能性が高くなるという効果を得ることができる。
次に、「アンテナ512Cから送信される変調信号の受信電界強度が、図13の受信装置で低い」場合を考える。そして、直接波が支配的な環境下で、かつ、MLDを施した際、64個の候補信号点において、最小ユークリッド距離が短く、データの受信品質が劣悪な環境に陥っている場合を考える。このような環境下で、図18のような位相変更を行っている場合を考える。
このとき、図13の受信装置にとって、受信状態に影響を与える信号は、図5、図6の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号およびアンテナ512Bから送信された変調信号となる。
図18に示した位相変更を行った場合、t=0、t=3、t=4において、図5、図6の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号に対して位相変更を行っておらず、また、図5、図6の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号に対しても位相変更を行っていない。したがって、図13における、同相I−直交Q平面における候補信号点の状態は、時間t=0、t=3、t=4では、大きな変化を起こさない可能性が高い。(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きく変化しない可能性が高い。)
しかし、t=1,t=2,t=5,t=6,t=7,t=8おいて、図5、図6の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号において、0(ゼロ)ラジアン以外の位相を与えているため、これらの時間で、同相I−直交Q平面におる候補信号点の状態が改善(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きくなる)している可能性がある。
よって、図17のときと比較し、候補信号点の状態が良好(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きい)な時間が増加し、誤り訂正符号の適用により、受信品質が改善される可能性が高くなるという効果を得ることができる。
次に、「アンテナ512Aから送信される変調信号の受信電界強度が、図13の受信装置で低い」場合を考える。そして、直接波が支配的な環境下で、かつ、MLDを施した際、64個の候補信号点において、最小ユークリッド距離が短く、データの受信品質が劣悪な環境に陥っている場合を考える。このような環境下で、図18のような位相変更を行っている場合を考える。
このとき、図13の受信装置にとって、受信状態に影響を与える信号は、図5、図6の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号およびアンテナ512Cから送信された変調信号となる。
図18に示した位相変更を行った場合、t=0、t=5、t=8において、図5、図6の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号と図5、図6の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号の相対的な位相関係は変わらない。(図5、図6の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号の位相と図5、図6の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号の位相差は、t=0、t=5、t=8と同一の値となる。)したがって、図13における、同相I−直交Q平面における候補信号点の状態は、時間t=0、t=5、t=8では、大きな変化を起こさない可能性が高い。(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きく変化しない可能性が高い。)(相対的な位相関係が変わらない場合、候補信号点の状態は変化しない。)
しかし、t=1,t=2,t=3,t=4,t=6,t=7おいて、図5、図6の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号と図5、図6の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号の相対的な位相関係が変化しており、図5、図6の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号において、複数の位相を与えており、また、図5、図6の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号において、複数の位相を与えているため、これらの時間で、同相I−直交Q平面におる候補信号点の状態が改善(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きくなる)している可能性がある。
よって、図17のときと比較し、候補信号点の状態が良好(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きい)な時間が増加し、誤り訂正符号の適用により、受信品質が改善される可能性が高くなるという効果を得ることができる。
以上より、図5、図6の送信アンテナ512A、512B、512Cのいずれの状態が劣悪になっても、データの受信品質が劣悪な状態に陥る可能性が低くなるという効果を得ることができる。
上述では、位相変更の例、および、図18のように位相変更を行ったときの効果を説明した。以下では、同様の効果を得るための位相変更方法の別の例について説明する。
図5、図6の位相変更部517Aの位相変更値y1(t)がとりうる値をa1のみであるものとする。
そして、図5、図6の位相変更部517Bの位相変更値y2(t)がとりうる値はm種類であり(mは2以上の整数とする。)、その値をbi(ラジアン)とあらわすものとする(なお、iは1以上m以下の整数とする。また、0≦bi<2πとする)。ただし、iおよびjは1以上m以下の整数であり、かつ、i≠jであり、これを満たす、すべてのi、jにおいて、bi≠bjを満たすものとする。
また、図5、図6の位相変更部517Cの位相変更値y3(t)がとりうる値はn種類であり(nは2以上の整数とする。)、その値をci(ラジアン)とあらわすものとする(なお、iは1以上n以下の整数とする。また、0≦ci<2πとする)。ただし、iおよびjは1以上n以下の整数であり、かつ、i≠jであり、これを満たす、すべてのi、jにおいて、ci≠cjを満たすものとする。
このとき、シンボル番号u(ただし、uは0以上の整数とする。)における(y1(u)、y2(u)、y3(u))のセットがとる値を(a1、bi、cj)とすると、以下の条件を満たすことになる。
(条件1)
i=β(βは1以上m以下の整数とする。)とする。このとき、(y1(u)、y2(u)、y3(u))=(a1、bβ、cj)とあらわす((y1(u)、y2(u)、y3(u))=(a1、bβ、cj)とは、y1(u)=a1、y2(u)=bβ、y3(u)=cjであることを意味する。)。そして、uが0以上の整数において、i=βを満たしたとき、cjにおいて、jは1以上n以下の整数すべての値をとる。
(条件2)
そして、1以上m以下の整数すべてのβにおいて、「uが0以上の整数において、i=βを満たしたとき、cjにおいて、jは0以上n以下の整数すべての値をとる」の条件を満たす。
(条件1)および(条件2)を満たすことにより、図18のように位相変更を行ったときの効果を得ることができる。なお、(条件1)および(条件2)を満たすための位相変更の周期の最低の値はm×nとなるが、位相変更の周期はm×n以上であってもよい。(この場合、同一の位相変更のセットが2度以上用いられ、その条件下で、位相変更の周期が設定されることになる。)
図18、および、上述の例では、図5、図6の位相変更部517Aの位相変更値y1(t)を一定値とした場合の位相変更方法について説明した。以下では、図5、図6の位相変更部517Aの位相変更値y1(t)を時間(周波数)(周波数および時間)により変更する場合の位相変更方法の例を説明する。
図5、図6の位相変更部517Aの位相変更値y1(t)がとりうる値はp種類であり(pは2以上の整数とする。)、その値をai(ラジアン)とあらわすものとする(なお、iは1以上p以下の整数とする。また、0≦ai<2πとする)。ただし、iおよびjは1以上p以下の整数であり、かつ、i≠jであり、これを満たす、すべてのi、jにおいて、ai≠ajを満たすものとする。
そして、図5、図6の位相変更部517Bの位相変更値y2(t)がとりうる値はm種類であり(mは2以上の整数とする。)、その値をbi(ラジアン)とあらわすものとする(なお、iは1以上m以下の整数とする。また、0≦bi<2πとする)。ただし、iおよびjは1以上m以下の整数であり、かつ、i≠jであり、これを満たす、すべてのi、jにおいて、bi≠bjを満たすものとする。
また、図5、図6の位相変更部517Cの位相変更値y3(t)がとりうる値はn種類であり(nは2以上の整数とする。)、その値をci(ラジアン)とあらわすものとする(なお、iは1以上n以下の整数とする。また、0≦ci<2πとする)。ただし、iおよびjは1以上n以下の整数であり、かつ、i≠jであり、これを満たす、すべてのi、jにおいて、ci≠cjを満たすものとする。
このとき、シンボル番号u(ただし、uは0以上の整数とする。)における(y1(u)、y2(u)、y3(u))のセットがとる値を(ai、bj、ck)とすると、以下の条件を満たすことになる。
(条件3)
i=β(βは1以上p以下の整数とする。)とする。このとき、(y1(u)、y2(u)、y3(u))=(aβ、bj、ck)とあらわす((y1(u)、y2(u)、y3(u))=(aβ、bj、ck)とは、y1(u)=aβ、y2(u)=bj、y3(u)=ckであることを意味する。)。そして、uが0以上の整数において、i=βを満たしたとき、(aβ、bj、ck)において、jは0以上m以下の整数、kは0以上n以下の整数とし、(j,k)のとりえるすべての(j,k)セットが存在する。
(条件4)
そして、1以上p以下の整数すべてのβにおいて、「uが0以上の整数において、i=βを満たしたとき、(aβ、bj、ck)において、jは0以上m以下の整数、kは0以上n以下の整数とし、(j,k)のとりえるすべての(j,k)セットが存在する。」の条件を満たす。
(条件3)および(条件4)を満たすことにより、図18のように位相変更を行ったときの効果を得ることができる。なお、(条件3)および(条件4)を満たすための位相変更の周期の最低の値はp×m×nとなるが、位相変更の周期はp×m×n以上であってもよい。(この場合、同一の位相変更のセットが2度以上用いられ、その条件下で、位相変更の周期が設定されることになる。)
なお、受信装置において、H(t)×Y(t)×Fを得、MLDを行う場合を例に説明したが、非特許文献9に示されているようにQR分解を用いて、検波を実行してもよい。
また、非特許文献11に示されているように、H(t)×Y(t)×Fに基づき、MMSE(Minimum Mean Square Error)、ZF(Zero Forcing)の線形演算を行い、検波を行ってもよい。
本実施の形態では、シングルキャリア方式を例に説明したが、これに限ったものではなく、マルチキャリア伝送を行った場合でも同様に実施することができる。したがって、例えば、スペクトル拡散通信方式、OFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)、SC−OFDM(Single Carrier Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、非特許文献12等で示されているウェーブレットOFDM方式等を用いた場合についても同様に実施することができる。また、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード等)、制御情報の伝送用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。
以下では、マルチキャリア方式の一例として、OFDM方式を用いたときの例を説明する。
図19、図20は、OFDM方式を用いたときの送信装置の構成を示している。図19において、図5、図6と同様に動作するものについては、同一符号を付した。
OFDM方式関連処理部1901Aは、位相変更後の信号509Aを入力とし、OFDM方式関連の処理を施し、送信信号1902Aを出力する。同様に、OFDM方式関連処理部1901Bは、位相変更後の信号509Bを入力とし、送信信号1902Bを出力し、OFDM方式関連処理部1901Cは、位相変更後の信号509Cを入力とし、送信信号1902Cを出力する。
図21は、図19、図20のOFDM方式関連処理部1901A、1901B、1901C以降の構成の一例を示しており、図19、図20の1901Aから512Aに関連する部分が、2101Aから2110Aであり、1901Bから512Bに関連する部分が、2101Bから2110Bであり、1901Cから512Cに関連する部分が、2101Cから2110Cである。
シリアルパラレル変換部2102Aは、重み付け後の信号2101A(図19、図20の重み付け後の信号509Aに相当する)シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号2103Aを出力する。
並び換え部2104Aは、パラレル信号2103Aを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号2105Aを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部2106Aは、並び換え後の信号2105Aを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号2107Aを出力する。
無線部2108Aは、逆フーリエ変換後の信号2107Aを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号2109Aを出力し、変調信号2109Aはアンテナ2110Aから電波として出力される。
シリアルパラレル変換部2102Bは、重み付け後の信号2101B(図19、図20の重み付け後の信号509Bに相当する)シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号2103Bを出力する。
並び換え部2104Bは、パラレル信号2103Bを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号2105Bを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部2106Bは、並び換え後の信号2105Bを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号2107Bを出力する。
無線部2108Bは、逆フーリエ変換後の信号2107Bを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号2109Bを出力し、変調信号2109Bはアンテナ2110Bから電波として出力される。
シリアルパラレル変換部2102Cは、重み付け後の信号2101C(図19、図20の重み付け後の信号509Cに相当する)シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号2103Cを出力する。
並び換え部2104Cは、パラレル信号2103Cを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号2105Cを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部2106Cは、並び換え後の信号2105Cを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号2107Cを出力する。
無線部2108Cは、逆フーリエ変換後の信号2107Cを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号2109Cを出力し、変調信号2109Cはアンテナ2110Cから電波として出力される。
図5、図6の送信装置では、マルチキャリアを用いた伝送方式でないため、位相変更後のシンボルを時間軸方向に配置している。図19、図20に示すようなOFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、当然、図5、図6のようにプリコーディングし、位相を変更した後のシンボルを時間軸方向に配置し、それを各(サブ)キャリアごとに行う方式が考えられるが、マルチキャリア伝送方式の場合、周波数軸方向、または、周波数軸・時間軸両者を用いて配置する方法が考えられる。以降では、この点について説明する。
図22は、横軸周波数、縦軸時間における、図21の並び替え部2101A、21301B、2103Cにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、周波数軸は、(サブ)キャリア0から(サブ)キャリア9で構成されており、変調信号z1とz2とz3は、同一時刻(時間)に同一の周波数帯域を使用しており、図22Aは変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図22Bは変調信号z2のシンボルの並び替え方法、図22Cは変調信号z3のシンボルの並び替え方法を示している。シリアルパラレル変換部2102Aが入力とする重み付けされ位相が変更された後の信号2101Aのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。
このとき、図22Aのように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。なお、変調信号z1とz2とz3は、複素信号である。
同様に、シリアルパラレル変換部2102Bが入力とする重み付けされ位相が変更された後の信号2101Bのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。
このとき、図22Bのように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。
同様に、シリアルパラレル変換部2102Cが入力とする重み付けされ位相が変更された後の信号2101Cのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。
このとき、図22Cのように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。
このように、OFDM方式などのマルチキャリア伝送方式を用いた場合、シングルキャリア伝送のときとは異なり、シンボルを周波数軸方向に並べることができるという特徴を持つことになる。そして、シンボルの並べ方については、図22のような並べ方に限ったものではない。他の例について、図23、図24を用いて説明する。
図23は、図22とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図21の並び替え部2101A、2101B、2101Cにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図23Aは変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図23Bは変調信号z2のシンボルの並び替え方法、図23Cは変調信号z3のシンボルの並び替え方法を示している。図23が図22と異なる点は、変調信号z1のシンボルの並び替え方法と変調信号z2のシンボルの並び替え方法と変調信号z3のシンボルの並び替え方法が異なることがある点であり、図23Bでは、シンボル#0から#5をキャリア4からキャリア9に配置し、シンボル#6から#9をキャリア0から3に配置し、その後、同様の規則で、シンボル#10から#19を各キャリアに配置する。図23Cでは、シンボル#0から#5をキャリア4からキャリア9に配置し、シンボル#6から#9をキャリア0から3に配置し、その後、同様の規則で、シンボル#10から#19を各キャリアに配置する。
図24は、図22と異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図21の並び替え部2101A、2101B、2101Cにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図24Aは変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図24Bは変調信号z2のシンボルの並び替え方法、図24Cは変調信号z3のシンボルの並び替え方法を示している。図24が図22と異なる点は、図22では、シンボルをキャリアに順々に配置しているのに対し、図24では、シンボルをキャリアに順々に配置していない点である。当然であるが、図24において、図23と同様に、変調信号z1のシンボルの並び替え方法と変調信号z2の並び替え方法と変調信号z3の並び替え方法を異なることがあるとしてもよい。
図25は、図22〜24とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図21の並び替え部2101A、2101B、2101Cにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図25Aは変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図25Bは変調信号z2のシンボルの並び替え方法、図25Cは変調信号z3のシンボルの並び替え方法を示している。図22〜24では、シンボルを周波数軸方向に並べているが、図25ではシンボルを周波数、時間軸の両者を利用して配置している。
図26は、図25とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図21の並び替え部2101A、2101B、2101Cにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図26Aは変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図26Bは変調信号z2のシンボルの並び替え方法、図26Cは変調信号z3のシンボルの並び替え方法を示している。図26は、図25と同様、シンボルを周波数、時間軸の両者を利用して配置しているが、図25と異なる点は、図25では、周波数方向を優先し、その後、時間軸方向にシンボルを配置しているのに対し、図26では、時間軸方向を優先し、その後、時間軸方向にシンボルを配置している点である。
以上のようにいくつかの図で、シンボルの配置方法に説明したが、上述の例に限ったものではなく、シンボルを時間―周波数軸において、ランダムに配置してもよいし、ある規則にしたがって配置してもよい。
以上のように本実施の形態を実施することで、データの受信品質が改善する可能性が高く、また、特に、直接波が支配的なLOS環境において、データの受信品質が大きく改善する可能性が高い、という効果を得ることができる。
なお、例えば、3つのストリームの変調方式のセットが切り替わると、プリコーディング行列を切り替えてもよい。また、3つのストリームの変調方式のセットが切り替わると、位相変更の方法を切り替えてもよい。そして、3つのストリームの変調方式のセットが切り替わると、プリコーディング行列および位相変更の方法を切り替えてもよい(3つのストリームの変調方式のセットが切り替わっても、プリコーディング行列および位相変更を切り替えないとしてもよい。)。
また、インタリーバについては、データの並び替えを行わないとしてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、3つのストリームを3つのアンテナを用いて送信する場合の送信方法、受信方法、送信装置、受信装置について説明した。
本実施の形態では、実施の形態1と同様の効果を得ることができる4つのストリームを4つのアンテナを用いて送信する場合の送信方法、受信方法、送信装置、受信装置について説明する。
図27は、本実施の形態における送信装置の構成の一例である。図27において、図5と同様に動作するものについては、同一番号を付した。図27が図5と異なる点は、第4の符号化後のデータが存在する点であり、これに伴う、部分についての動作のみ説明する。(その他の部分についての動作は、実施の形態1の図5での説明と同様である。)
符号化器502Dは、情報(データ)501D、フレーム構成信号513を入力とし、フレーム構成信号513(符号化器502Dがデータの誤り訂正符号化に使用する誤り訂正方式、符号化率、ブロック長等の情報が含まれており、フレーム構成信号513が指定した方式を用いることになる。また、誤り訂正方式は、切り替えても良い。)にしたがい、例えば、畳み込み符号、LDPC符号、ターボ符号等の誤り訂正符号化を行い、符号化後のデータ503Dを出力する。
インタリーバ504Dは、符号化後のデータ503D、フレーム構成信号513を入力とし、インタリーブ、つまり、順番の並び替えを行い、インタリーブ後のデータ505Dを出力する。(フレーム構成信号513に基づき、インタリーブの方法は、切り替えても良い。)
マッピング部506Dは、インタリーブ後のデータ505D、フレーム構成信号513を入力とし、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation)等の変調を施し、ベースバンド信号507Dを出力する。(フレーム構成信号513に基づき、変調方式は、切り替えても良い。)なお、変調方式は、QPSK、16QAM、64QAMに限ったものではなく、非均一のマッピングを行ってもよい。つまり、同相I−直交Q平面において、複数の信号点が存在していればよい。
重み付け合成部508Aは、ベースバンド信号507A、ベースバンド信号507B、ベースバンド信号507C、ベースバンド信号507D、信号処理方法に関する情報515を入力とし、信号処理方法に関する情報515に基づいて、ベースバンド信号507Aおよびベースバンド信号507Bおよびベースバンド信号507Cおよびベースバンド信号507Dに対し重み付け合成を施し、重み付け合成後の信号516Aを出力する。なお、重み付け合成の方法の詳細については、後で詳しく説明する。
重み付け合成部508Bは、ベースバンド信号507A、ベースバンド信号507B、ベースバンド信号507C、ベースバンド信号507D、信号処理方法に関する情報515を入力とし、信号処理方法に関する情報515に基づいて、ベースバンド信号307Aおよびベースバンド信号307Bおよびベースバンド信号507Cおよびベースバンド信号507Dに対し重み付け合成を施し、重み付け合成後の信号512Bを出力する。なお、重み付け合成の方法の詳細については、後で詳しく説明する。
重み付け合成部508Cは、ベースバンド信号507A、ベースバンド信号507B、ベースバンド信号507C、ベースバンド信号507D、信号処理方法に関する情報515を入力とし、信号処理方法に関する情報515に基づいて、ベースバンド信号507Aおよびベースバンド信号507Bおよびベースバンド信号507Cおよびベースバンド信号507Dに対し重み付け合成を施し、重み付け合成後の信号512Cを出力する。なお、重み付け合成の方法の詳細については、後で詳しく説明する。
重み付け合成部508Dは、ベースバンド信号507A、ベースバンド信号507B、ベースバンド信号507C、ベースバンド信号507D、信号処理方法に関する情報515を入力とし、信号処理方法に関する情報515に基づいて、ベースバンド信号307Aおよびベースバンド信号307Bおよびベースバンド信号507Cおよびベースバンド信号507Dに対し重み付け合成を施し、重み付け合成後の信号512Dを出力する。なお、重み付け合成の方法の詳細については、後で詳しく説明する。
位相変更部517Dは、重み付け合成後の信号516D及び信号処理方法に関する情報515を入力とし、当該信号516Dの位相を規則的に変更して出力する。規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、後で説明する。(なお、位相変更を行わなくてもよい。)
図29に重み付け合成部(508A、508B、508C、508D)および位相変更部(517A、517B、517C、517D)の構成を示す。図29において点線で囲まれる領域が重み付け合成部となり、重み付け合成部の後段が位相変更部となる。なお、図29の重み付け合成部は、図27の重み付け合成部508A、重み付け合成部508B、重み付け合成部508C、重み付け合成部508Dをあわせて記載している。そして、図29の位相変更部は、図27の位相変更部517A、位相変更部517B、位相変更部517C、位相変更部517Dをあわせて記載している。
ベースバンド信号507Aはw11と乗算し、w11×s1(t)が生成され、ベースバンド信号507Aはw21と乗算し、w21×s1(t)が生成され、ベースバンド信号507Aはw31と乗算し、w31×s1(t)が生成され、ベースバンド信号507Aはw41と乗算し、w41×s1(t)が生成される。
同様に、ベースバンド信号507Bはw12と乗算し、w12×s2(t)が生成され、ベースバンド信号507Bはw22と乗算し、w22×s2(t)が生成され、ベースバンド信号507Bはw32と乗算し、w32×s2(t)が生成され、ベースバンド信号507Bはw42と乗算し、w42×s2(t)が生成される。
同様に、ベースバンド信号507Cはw13と乗算し、w13×s3(t)が生成され、ベースバンド信号507Cはw23と乗算し、w23×s3(t)が生成され、ベースバンド信号507Cはw33と乗算し、w33×s3(t)が生成され、ベースバンド信号507Cはw43と乗算し、w43×s3(t)が生成される。
同様に、ベースバンド信号507Dはw14と乗算し、w14×s4(t)が生成され、ベースバンド信号507Dはw24と乗算し、w24×s4(t)が生成され、ベースバンド信号507Dはw34と乗算し、w34×s4(t)が生成され、ベースバンド信号507Dはw44と乗算し、w44×s4(t)が生成される。
このとき、s1(t)およびs2(t)およびs3(t)およびs4(t)は、上記の説明からわかるように、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK、8PSK(8 Phase Shift Keying)、16QAM、32QAM(32 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、256QAM、16APSK(16 Amplitude Phase Shift Keying)等の変調方式のベースバンド信号(マッピング後のベースバンド信号)となる。
ここで、重み付け合成部は、例えば、固定のプリコーディング行列を用いて重み付けを実行するものとする。このとき、プリコーディング行列は、以下の式(47)のようにあらわすものとする。
ただし、a11は複素数であり(実数でもよい)、a12は複素数であり(実数でもよい)、a13は複素数であり(実数でもよい)、a14は複素数であり(実数でもよい)、a21は複素数であり(実数でもよい)、a22は複素数であり(実数でもよい)、a23は複素数であり(実数でもよい)、a24は複素数であり(実数でもよい)、a31は複素数であり(実数でもよい)、a32は複素数であり(実数でもよい)、a33は複素数であり(実数でもよい)、a34は複素数であり(実数でもよい)、a41は複素数であり(実数でもよい)、a42は複素数であり(実数でもよい)、a43は複素数であり(実数でもよい)、a44は複素数である(実数でもよい)。したがって、axy=Axyejδxyとあらわされることになる。(ただし、jは虚数単位であり、Axyは0以上の実数、δxyは偏角 (argument)となる。また、xは1、2、3、4のいずれの値でもよく、yは1、2、3、4のいずれの値でもよい。)
そして、a11、a12、a13、a14のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a21、a22、a23、a24のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a31、a32、a33、a34のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a41、a42、a43、a44のすべてが0(ゼロ)となることはない。また、a11、a21、a31、a41のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a12、a22、a32、a42のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a13、a23、a33、a43のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a14、a24、a34、a44のすべてが0(ゼロ)となることはない。
したがって、図27において、重み付け合成後(プリコーディング後)の信号をz
1’(t)(図27の516Aに相当)、z
2’(t)(図27の516Bに相当)、z
3’(t)(図27の516Cに相当)、z
4’(t)(図27の516Dに相当)としたとき、次式(48)が成立する。
なお、プリコーディング行列は、変調方式(または、変調方式のセット(図27の場合、4つの変調方式のセット))、誤り訂正符号化方式(例えば、使用する誤り訂正符号、誤り訂正符号の符号長(ブロック長)、誤り訂正符号の符号化率)などにより、プリコーディング行列を切り替えてもよい。
また、上述の例では、プリコーディング行列を固定のプリコーディング行列を例に説明したが、これに限ったものではなく、プリコーディング行列を例えば時間によって、切り替えてもよい。このとき、プリコーディング行列は、次式(49)であらわされる。
ただし、a11(t)は複素数であり(実数でもよい)、a12(t)は複素数であり(実数でもよい)、a13(t)は複素数であり(実数でもよい)、a14(t)は複素数であり(実数でもよい)、a21(t)は複素数であり(実数でもよい)、a22(t)は複素数であり(実数でもよい)、a23(t)は複素数であり(実数でもよい)、a24(t)は複素数であり(実数でもよい)、a31(t)は複素数であり(実数でもよい)、a32(t)は複素数であり(実数でもよい)、a33(t)は複素数であり(実数でもよい)、a34(t)は複素数であり(実数でもよい)、a41(t)は複素数であり(実数でもよい)、a42(t)は複素数であり(実数でもよい)、a43(t)は複素数であり(実数でもよい)、a44(t)は複素数である(実数でもよい)。したがって、axy(t)=Axy(t)ejδxy(t)とあらわされることになる。(ただし、jは虚数単位であり、Axy(t)は0以上の実数、δxy(t)は偏角 (argument)となる。また、xは1、2、3、4のいずれの値でもよく、yは1、2、3、4のいずれの値でもよい。)
そして、a11(t)、a12(t)、a13(t)、a14(t)のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a21(t)、a22(t)、a23(t)、a24(t)のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a31(t)、a32(t)、a33(t)、a34(t)のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a41(t)、a42(t)、a43(t)、a44(t)のすべてが0(ゼロ)となることはない。また、a11(t)、a21(t)、a31(t)、a41(t)のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a12(t)、a22(t)、a32(t)、a42(t)のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a13(t)、a23(t)、a33(t)、a43(t)のすべてが0(ゼロ)となることはなく、a14(t)、a24(t)、a34(t)、a44(t)のすべてが0(ゼロ)となることはない。
なお、式(49)では、時間tの関数としているが、これに限ったものではなく、周波数(キャリア)fの関数であってもよいし、時間tおよび周波数(キャリア)fの両者の関数であってもよい。(これらに限ったものではない。)
図29に示すように、重み付け合成後(プリコーディング後)の信号z
1’(t)(図27の516Aに相当)、は位相変更が行われ、位相変更後の信号(図27の509Aに相当)z
1(t)を得ることになる。このとき、位相変更値をy
1(t)とすると、位相変更後の信号(図27の509Aに相当)z
1(t)は次式(50)であらわされる。
このとき、y1(t)はB1×ejθ1(t)、または、ejθ1(t)とあらわすものとする。、B1は0以上の実数であり、θ1(t)は偏角 (argument)となり、時間tの関数であるものとする。ただし、θ1は時間tの関数に限ったものではなく、周波数(キャリア)fの関数であってもよいし、時間tおよび周波数(キャリア)fの関数であってもよい。(これに限ったものではない。)
y1(t)は、規則的に変更することになる。なお、規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、後で説明する。(なお、位相変更を行わなくてもよい。)
図29に示すように、重み付け合成後(プリコーディング後)の信号z
2’(t)(図27の516Bに相当)、は位相変更が行われ、位相変更後の信号(図27の509Bに相当)z
2(t)を得ることになる。このとき、位相変更値をy
2(t)とすると、位相変更後の信号(図27の509Bに相当)z
2(t)は次式(51)であらわされる。
このとき、y2(t)はB2×ejθ2(t)、または、ejθ2(t)とあらわすものとする。B2は0以上の実数であり、θ2(t)は偏角 (argument)となり、時間tの関数であるものとする。ただし、θ2は時間tの関数に限ったものではなく、周波数(キャリア)fの関数であってもよいし、時間tおよび周波数(キャリア)fの関数であってもよい。(これに限ったものではない。)
y2(t)は、規則的に変更することになる。なお、規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、後で説明する。(なお、位相変更を行わなくてもよい。)
図29に示すように、重み付け合成後(プリコーディング後)の信号z
3’(t)(図27の516Cに相当)、は位相変更が行われ、位相変更後の信号(図27の509Cに相当)z
3(t)を得ることになる。このとき、位相変更値をy
3(t)とすると、位相変更後の信号(図27の509Cに相当)z
3(t)は次式(52)であらわされる。
このとき、y3(t)はB3×ejθ3(t)、または、ejθ3(t)とあらわすものとする。、B3は0以上の実数であり、θ3(t)は偏角 (argument)となり、時間tの関数であるものとする。ただし、θ3は時間tの関数に限ったものではなく、周波数(キャリア)fの関数であってもよいし、時間tおよび周波数(キャリア)fの関数であってもよい。(これに限ったものではない。)
y3(t)は、規則的に変更することになる。なお、規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、後で説明する。(なお、位相変更を行わなくてもよい。)
図29に示すように、重み付け合成後(プリコーディング後)の信号z
4’(t)(図27の516Dに相当)、は位相変更が行われ、位相変更後の信号(図27の509Dに相当)z
4(t)を得ることになる。このとき、位相変更値をy
4(t)とすると、位相変更後の信号(図27の509Dに相当)z
4(t)は次式(53)であらわされる。
このとき、y4(t)はB4×ejθ4(t)、または、ejθ4(t)とあらわすものとする。、B4は0以上の実数であり、θ4(t)は偏角 (argument)となり、時間tの関数であるものとする。ただし、θ4は時間tの関数に限ったものではなく、周波数(キャリア)fの関数であってもよいし、時間tおよび周波数(キャリア)fの関数であってもよい。(これに限ったものではない。)
y4(t)は、規則的に変更することになる。なお、規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、後で説明する。(なお、位相変更を行わなくてもよい。)
図28は、図27とは異なる送信装置の構成の例を示している。図28において、図27と異なる部分について説明する。
符号化器602は、情報(データ)601、フレーム構成信号513を入力とし、フレーム構成信号513に基づき、誤り訂正符号化を行い、符号化後のデータ603を出力する。
分配部604は符号化後のデータ603を入力とし、分配し、データ605Aおよびデータ605Bおよびデータ605Cおよびデータ605Dを出力する。
例えば、64800ビットの符号化後のデータであった場合、64800ビットを4分割し、グループAの16200ビット、グループBの16200ビット、グループCの16200ビット、グループDの16200ビットを得るものとする。そして、データ605AとしてグループAの16200ビット、データ605BとしてグループBの16200ビット、データ605CとしてグループCの16200ビット、データ605DとしてグループDの16200ビットと割り当てる方法が考えられる。(なお、64800ビットをどのように分割してもよい。よって、グループAのビット数、グループBのビット数、グループCのビット数、グループDのビット数が異なる値であってもよい。)(これについては、実施の形態1の図6についても同様に実施することができる。)
なお、図28では、符号化器が一つの場合を記載したが、これに限ったものではなく、符号化器をm(mは1以上の整数)とし、各符号化器で作成された符号化データを分配部が、4系統のデータにわけて出力する場合についても、本発明は同様に実施することができる。
図30は、本実施の形態における送信装置の時間軸におけるフレーム構成の一例を示している。シンボル1000_1は、受信装置に、送信方法を通知するためのシンボルであり、例えば、データシンボルを伝送するために用いる誤り訂正方式、その符号化率の情報、データシンボルを伝送するために用いる変調方式の情報等を伝送する。
シンボル1001_1は、送信装置が送信する変調信号z1(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル1002_1は変調信号z1(t)が(時間軸における)シンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル1003_1は変調信号z1(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
シンボル1001_2は、送信装置が送信する変調信号z2(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル1002_2は変調信号z2(t)がシンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル1003_2は変調信号z2(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
シンボル1001_3は、送信装置が送信する変調信号z3(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル1002_3は変調信号z3(t)がシンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル1003_3は変調信号z3(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
シンボル1001_4は、送信装置が送信する変調信号z4(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル1002_4は変調信号z4(t)がシンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル1003_4は変調信号z4(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
このとき、z1(t)におけるシンボルおよびz2(t)におけるシンボルおよびz3(t)におけるシンボルおよびz4(t)におけるシンボルにおいて、同一時刻(同一時間)のシンボルは、同一(共通)の周波数を用いて、送信アンテナから送信されることになる。
送信装置が送信する変調信号z1(t)および変調信号z2(t)および変調信号z3(t)および変調信号z4(t)、及び、受信装置における受信信号r1(t)、r2(t)、r3(t)、r4(t)の関係について説明する。
図31において、1101#1、1101#2、1101#3、1101#4は送信装置における送信アンテナ、1102#1、1102#2、1102#3、1102#4は受信装置における受信アンテナを示しており、送信装置は、変調信号z1(t)に相当する信号を送信アンテナ1101#1、変調信号z2(t)に相当する信号を送信アンテナ1101#2、変調信号z3(t)に相当する信号を送信アンテナ1101#3、変調信号z4(t)に相当する信号を送信アンテナ1101#4から送信する。このとき、変調信号z1(t)および変調信号z2(t)および変調信号z3(t)および変調信号z4(t)は、同一(共通の)周波数(帯域)を占有しているものとする。
送信装置の各送信アンテナと受信装置の各アンテナのチャネル変動をそれぞれh11(t)、h12(t)、h13(t)、h14(t)、h21(t)、h22(t)、h23(t)、h24(t)、h31(t)、h32(t)、h33(t)、h34(t)、h41(t)、h42(t)、h43(t)、h44(t)とし、
受信装置の受信アンテナ1102#1が受信した受信信号をr
1(t)、受信装置の受信アンテナ1102#2が受信した受信信号をr
2(t)、受信装置の受信アンテナ1102#3が受信した受信信号をr
3(t)、受信装置の受信アンテナ1102#4が受信した受信信号をr
4(t)とすると、以下の関係式(54)が成立する。
図32は、本実施の形態における重み付け方法(プリコーディング(Precoding)方法)及び位相変更方法に関連する図であり、重み付け合成部1200は、図27の重み付け合成部508A、508B、508C、508Dを統合した重み付け合成部である。
図32に示すように、ストリームs1(t)およびストリームs2(t)およびストリームs3(t)およびストリームs4(t)は、図27のベースバンド信号507Aおよび507Bおよび507Cおよび507Dに相当する、つまり、QPSK、16QAM、64QAMなどの変調方式のマッピングにしたがったベースバンド信号の同相I成分、直交Q成分となる。
そして、図32のフレーム構成のようにストリームs1(t)は、シンボル番号uの信号をs1(u)、シンボル番号u+1の信号をs1(u+1)、・・・とあらわす。同様に、ストリームs2(t)は、シンボル番号uの信号をs2(u)、シンボル番号u+1の信号をs2(u+1)、・・・とあらわす。また、ストリームs3(t)は、シンボル番号uの信号をs3(u)、シンボル番号u+1の信号をs3(u+1)、・・・とあらわす。また、ストリームs4(t)は、シンボル番号uの信号をs4(u)、シンボル番号u+1の信号をs4(u+1)、・・・とあらわす。
そして、重み付け合成部1200は、図27におけるベースバンド信号507A(s1(t))および507B(s2(t))および507C(s3(t))および507D(s4(t))、信号処理方法に関する情報515を入力とし、信号処理方法に関する情報515にしたがった重み付けを施し、図27の重み付け合成後の信号516A(z1’(t))、516B(z2’(t))、516C(z3’(t))、516D(z4’(t))を出力する。
位相変更部517Aは、重み付けされた信号516A(z1’(t))の位相を変更し、位相変更後の信号509A(z1(t))を出力する。
位相変更部517Bは、重み付けされた信号516B(z2’(t))の位相を変更し、位相変更後の信号509B(z2(t))を出力する。
位相変更部517Cは、重み付けされた信号516C(z3’(t))の位相を変更し、位相変更後の信号509C(z3(t))を出力する。
位相変更部517Dは、重み付けされた信号516D(z4’(t))の位相を変更し、位相変更後の信号509D(z4(t))を出力する。
このとき、z
1(t)は、固定のプリコーディング行列Fにおける第1行のベクトルをW
1=(w
11,w
12,w
13,w
14)とし、S(t)=(s
1(t),s
2(t),s
3(t),s
4(t))
T、位相変更部による位相変更式をy
1(t)とすると、次式(55)が成立する。
ただし、行列(またはベクトル)Aの転置行列をATとあらわすものとする。
z
2(t)は、固定のプリコーディング行列Fにおける第2行のベクトルをW
2=(w
21,w
22,w
23,w
24)とし、位相変更部による位相変更式をy
2(t)とすると、次式(56)が成立する。
z
3(t)は、固定のプリコーディング行列Fにおける第3行のベクトルをW
3=(w
31,w
32,w
33,w
34)とし、位相変更部による位相変更式をy
3(t)とすると、次式(57)が成立する。
z
4(t)は、固定のプリコーディング行列Fにおける第4行のベクトルをW
3=(w
41,w
42,w
43,w
44)とし、位相変更部による位相変更式をy
4(t)とすると、次式(58)が成立する。
なお、位相変更方法については、後で説明する。
図33は、本実施の形態における受信装置の構成の一例を示している。無線部1303_Xは、アンテナ1301_Xで受信された受信信号1302_Xを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号1304_Xを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部1305は、ベースバンド信号1304_Xを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_1を抽出し、式(53)のh11に相当する値を推定し、チャネル推定信号1306_1を出力する。
また、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部1305は、ベースバンド信号1304_Xを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_2を抽出し、式(53)のh12に相当する値を推定し、チャネル推定信号1306_2を出力する。
そして、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部1305は、ベースバンド信号1304_Xを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_3を抽出し、(53)のh13に相当する値を推定し、チャネル推定信号1306_3を出力する。
そして、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部1305は、ベースバンド信号1304_Xを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_4を抽出し、(53)のh14に相当する値を推定し、チャネル推定信号1306_4を出力する。
無線部1303_Yは、アンテナ1301_Yで受信された受信信号1302_Yを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号1304_Yを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部1307は、ベースバンド信号1304_Yを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_1を抽出し、式(53)のh21に相当する値を推定し、チャネル推定信号1308_1を出力する。
また、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部1307は、ベースバンド信号1304_Yを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_2を抽出し、式(53)のh22に相当する値を推定し、チャネル推定信号1308_2を出力する。
そして、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部1307は、ベースバンド信号1304_Yを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_3を抽出し、式(53)のh23に相当する値を推定し、チャネル推定信号1308_3を出力する。
そして、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部1307は、ベースバンド信号1304_Yを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_4を抽出し、式(53)のh24に相当する値を推定し、チャネル推定信号1308_4を出力する。
無線部1303_Zは、アンテナ1301_Zで受信された受信信号1302_Zを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号1304_Zを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部1309は、ベースバンド信号1304_Zを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_1を抽出し、式(53)のh31に相当する値を推定し、チャネル推定信号1310_1を出力する。
また、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部1309は、ベースバンド信号1304_Zを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_2を抽出し、式(53)のh32に相当する値を推定し、チャネル推定信号1310_2を出力する。
そして、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部1309は、ベースバンド信号1304_Zを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_3を抽出し、式(53)のh33に相当する値を推定し、チャネル推定信号1310_3を出力する。
そして、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部1309は、ベースバンド信号1304_Zを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_4を抽出し、式(53)のh34に相当する値を推定し、チャネル推定信号1310_4を出力する。
無線部1303_Hは、アンテナ1301_Hで受信された受信信号1302_Hを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号1304_Hを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部3301は、ベースバンド信号1304_Hを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_1を抽出し、式(53)のh41に相当する値を推定し、チャネル推定信号3302_1を出力する。
また、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部3301は、ベースバンド信号1304_Hを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_2を抽出し、式(53)のh42に相当する値を推定し、チャネル推定信号3302_2を出力する。
そして、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部3301は、ベースバンド信号1304_Hを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_3を抽出し、式(53)のh43に相当する値を推定し、チャネル推定信号3302_3を出力する。
そして、送信装置で送信された変調信号z1、変調信号z2、変調信号z3、変調信号z4におけるチャネル変動推定部3301は、ベースバンド信号1304_Hを入力とし、図32におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル1201_4を抽出し、式(53)のh44に相当する値を推定し、チャネル推定信号3302_4を出力する。
制御情報復号部1311は、ベースバンド信号1304_Xおよび1304_Yおよび1304_Zおよび1304_Hを入力とし、図30の送信方法を通知するためのシンボル1000_1を検出し、送信装置が通知した送信方法の情報に関する信号1312を出力する。
信号処理部1313は、ベースバンド信号1304_X、1304_Y、1304_Z、1304_H、チャネル推定信号1306_1、1306_2、1306_3、1306_4、1308_1、1308_2、1308_3、1308_4、1310_1、1310_2、1310_3、1310_4、3302_1、3302_2、3302_3、1310_4及び、送信装置が通知した送信方法の情報に関する信号1312を入力とし、例えば、ML(Maximum Likelihood)検波、(誤り訂正)復号を行い、受信データ1314_1および/または1314_2および/または1314_3および/または1314_4を出力する。
図33の信号処理部1313の動作について補足する。信号処理部1313は、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10に記載されている、例えば、MLD(Maximum Likelihood Detection)の処理を施すものとする。
本実施の形態における伝送方式は、時間とともに信号の位相を規則的に変更し、かつ、プリコーディング行列が使用されているMIMO伝送方式である。
式(53)における(チャネル)行列をH(t)、プリコーディングウェイト行列をF、図32の位相変更部による位相変更式の行列をY(t)(ここでY(t)はtによって変化する)、受信ベクトルをR(t)=(r1(t),r2(t),r3(t),r4(t))
T、ストリームベクトルS(t)=(s1(t),s2(t),s3(t),s4(t))
Tとすると以下の関係式(59)が成立する。
このとき、受信装置は、H(t)×Y(t)×Fを得ることで、受信ベクトルR(t)に対して、例えば、MLDの検波を施すことができる。
以下では、MLDの動作について説明する。なお、以下では、変調信号(ストリーム)s1の変調方式、変調信号(ストリーム)s2の変調方式、変調信号(ストリーム)s3の変調方式、変調信号(ストリーム)s4の変調方式がBPSKとして説明する。
まず、チャネル推定信号1306_1、1306_2、1306_3、1306_4から、ベースバンド信号1304_Xに対応する(24=16個の)候補信号点を求める。そのときの様子の例を図34に示す。図34において、●(黒丸)は、同相I―直交Q平面における候補信号点であり、BPSK4系統のため、候補信号点は16個存在する。ここで、変調信号s1で伝送する1ビットをb0、変調信号s2で伝送する1ビットをb1、変調信号s3で伝送する1ビットをb2、変調信号s4で伝送する1ビットをb3、とすると、図34において(b0,b1,b2,b3)に対応する候補信号点が存在することになる。
そして、受信信号点3401(ベースバンド信号1304_Xに相当する。)と候補信号点それぞれとの2乗ユークリッド距離を求める。そして、それぞれの2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,b2,b3)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEX(b0,b1,b2,b3)が求まることになる、つまり、EX(0,0,0,0)からEX(1,1,1,1)が求まることになる。なお、各ベースバンド信号、変調信号s1、s2、s3、s4は、複素信号である。
同様に、チャネル推定信号1308_1、1308_2、1308_3、1308_4から、ベースバンド信号1304_Yに対応する(24=16個の)候補信号点を求める。そのときの様子の例を図34に示す。図34において、●(黒丸)は、同相I―直交Q平面における候補信号点であり、BPSK4系統のため、候補信号点は16個存在する。ここで、変調信号s1で伝送する1ビットをb0、変調信号s2で伝送する1ビットをb1、変調信号s3で伝送する1ビットをb2、変調信号s4で伝送する1ビットをb3、とすると、図34において(b0,b1,b2,b3)に対応する候補信号点が存在することになる。(ただし、図34はあくまでも説明するための例である。)
そして、受信信号点3401(ベースバンド信号1304_Yに相当する。)と候補信号点それぞれとの2乗ユークリッド距離を求める。そして、それぞれの2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,b2,b3)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEY(b0,b1,b2,b3)が求まることになる、つまり、EY(0,0,0,0)からEY(1,1,1,1)が求まることになる。なお、各ベースバンド信号、変調信号s1、s2、s3、s4は、複素信号である。
さらに、チャネル推定信号1310_1、1310_2、1310_3、1310_4から、ベースバンド信号1304_Zに対応する(24=16個の)候補信号点を求める。そのときの様子の例を図34に示す。図34において、●(黒丸)は、同相I―直交Q平面における候補信号点であり、BPSK4系統のため、候補信号点は16個存在する。ここで、変調信号s1で伝送する1ビットをb0、変調信号s2で伝送する1ビットをb1、変調信号s3で伝送する1ビットをb2、変調信号s4で伝送する1ビットをb3、とすると、図34において(b0,b1,b2,b3)に対応する候補信号点が存在することになる。(ただし、図34はあくまでも説明するための例である。)
そして、受信信号点3401(ベースバンド信号1304_Zに相当する。)と候補信号点それぞれとの2乗ユークリッド距離を求める。そして、それぞれの2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,b2,b3)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEZ(b0,b1,b2,b3)が求まることになる、つまり、EZ(0,0,0,0)からEZ(1,1,1,1)が求まることになる。なお、各ベースバンド信号、変調信号s1、s2、s3、s4は、複素信号である。
さらに、チャネル推定信号3302_1、3302_2、3302_3、3302_4から、ベースバンド信号1304_Hに対応する(24=16個の)候補信号点を求める。そのときの様子の例を図34に示す。図34において、●(黒丸)は、同相I―直交Q平面における候補信号点であり、BPSK4系統のため、候補信号点は16個存在する。ここで、変調信号s1で伝送する1ビットをb0、変調信号s2で伝送する1ビットをb1、変調信号s3で伝送する1ビットをb2、変調信号s4で伝送する1ビットをb3、とすると、図34において(b0,b1,b2,b3)に対応する候補信号点が存在することになる。(ただし、図34はあくまでも説明するための例である。)
そして、受信信号点3401(ベースバンド信号1304_Hに相当する。)と候補信号点それぞれとの2乗ユークリッド距離を求める。そして、それぞれの2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,b2,b3)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEH(b0,b1,b2,b3)が求まることになる、つまり、EH(0,0,0,0)からEH(1,1,1,1)が求まることになる。なお、各ベースバンド信号、変調信号s1、s2、s3、s4は、複素信号である。
そして、EX(b0,b1,b2,b3)+EY(b0,b1,b2,b3)+EZ(b0,b1,b2,b3)+EH(b0,b1,b2,b3)=E(b0,b1,b2,b3)を求める。
((b0,b1,b2,b3)=(0,0,0,0)のときの値がEX(0,0,0,0)+EY(0,0,0,0)+EZ(0,0,0,0)+EH(0,0,0,0)=E(0,0,0,0)となり、
(b0,b1,b2,b3)=(0,0,0,1)のときの値がEX(0,0,0,1)+EY(0,0,0,1)+EZ(0,0,0,1)+EH(0,0,0,1)=E(0,0,0,1)となり、
・・・
(b0,b1,b2,b3)=(1,1,1,1)のときの値がEX(1,1,1,1)+EY(1,1,1,1)+EZ(1,1,1,1)+EH(1,1,1,1)=E(1,1,1,1)となる。)
そして、E(b0,b1,b2,b3)から、例えば、各ビットの対数尤度比を求め、対数尤度比の並び替え(インタリーブ)を行い、並び替え後の対数尤度比を用いて、誤り訂正復号を行い、受信データ1314_1および/または1314_2および/または1314_3および/または1314_4を出力する。
次に、本発明の課題について説明する。図33の受信装置が受信した場合を考える。図35に、図33の信号処理部1313における、同相I−直交Q平面の受信状態の一例(候補信号点の状態)を示している。図35において、●(黒丸)は、IQ平面における候補信号点であり、s1(t)でb0、s2(t)でb1、s3(t)でb2、s4(t)でb3を伝送しているため、理想的には、図35のように、16個の候補信号点((b0,b1,b2,b3)が(0,0,0,0)から(1,1,1,1)に対応する候補信号点が存在する。)が存在する。
図36に、図33の信号処理部1313における、同相I−直交平面の受信状態の一例(候補信号点の状態)を示している。図36において、●(黒丸)は、IQ平面における候補信号点である。
候補信号点3602は、(b0,b1,b2,b3)が(0,0,0,0)に対応する候補信号点である。
候補信号点3603は、(b0,b1,b2,b3)が(0,0,0,1)(0,1,0,0)に対応する候補信号点である。
候補信号点3604は、(b0,b1,b2,b3)が(0,1,0,1)に対応する候補信号点である。
候補信号点3605は、(b0,b1,b2,b3)が(1,1,0,1)(0,1,1,1)に対応する候補信号点である。
候補信号点3606は、(b0,b1,b2,b3)が(1,1,1,1)に対応する候補信号点である。
候補信号点3607は、(b0,b1,b2,b3)が(1,1,1,0)(1,0,1,1)に対応する候補信号点である。
候補信号点3608は、(b0,b1,b2,b3)が(1,0,1,0)に対応する候補信号点である。
候補信号点3609は、(b0,b1,b2,b3)が(1,0,0,0)(0,0,1,0)に対応する候補信号点である。
候補信号点3610は、(b0,b1,b2,b3)が(0,0,1,1)(0,1,1,0)(1,1,0,0)(1,0,0,1)に対応する候補信号点である。
このように、図36では、図35のような理想的な状態と比較すると、候補信号点の数が少なっている。受信装置は図36のような状態で受信した場合、受信データ品質の低下を招くことになる。特に、直接波の支配的な環境では、直接波の影響が強いため、伝播環境が定常的であり、これにより、低いデータの受信品質の状態が長時間続く現象に陥る可能性がある。なお、図36では、候補信号点が重なっているときを例に説明しているが、例えば、16個の候補信号点の最小ユークリッド距離が小さくなっているときについても同様に、データの受信品質の低下を招くことになる。(特に、直接波の支配的な環境で、データの受信品質の低下が発生する可能性が高い。)
このような候補信号点が重なる現象は、4つのベースバンド信号、つまり、s1(t)、s2(t)、s3(t)が存在するときについても同様に発生する。そして、「特に、直接波の支配的な環境では、直接波の影響が強いため、伝播環境が定常的であり、これにより、低いデータの受信品質の状態が長時間続く現象に陥る可能性がある」という課題に対し、データの受信品質を改善する方法について、以下で説明する。
図37は、図27、図28の送信装置の位相変更部517A、位相変更部517B、位相変更部517C、位相変更部517Dにおける位相変更値の具体的な例を示している。なお、上述で説明したように、位相変更部517Aの位相変更値をy1(t)、位相変更部517Bの位相変更値をy2(t)、位相変更部517Cの位相変更値をy3(t)、位相変更部517Dの位相変更値をy4(t)とする。図37において、tは時間であり(ただし、ここでは、y1(t)、y2(t)、y3(t)、y4(t)のように時間の関数としているが、前述のように、周波数、周波数および時間の関数であってもよい。)、「0」と記載しているが、0ラジアンであることを意味し、「a」と記載しているが、aラジアンであることを意味し、「b」と記載しているが、bラジアンであることを意味している。なお、aは0≦a<2πとし、bは0≦b<2πとし、a≠0、b≠0、a≠bであるものとする。
図37に示したように、
・時刻t=0において、y1(0)=0(ラジアン)、y2(0)=0(ラジアン)、y3(0)=0(ラジアン)、y4(0)=0(ラジアン)
・時刻t=1において、y1(1)=0(ラジアン)、y2(1)=a(ラジアン)、y3(1)=0(ラジアン)、y4(0)=0(ラジアン)
・時刻t=2において、y1(2)=0(ラジアン)、y2(2)=b(ラジアン)、y3(2)=0(ラジアン)、y4(0)=0(ラジアン)
・時刻t=3において、y1(3)=0(ラジアン)、y2(3)=0(ラジアン)、y3(3)=0(ラジアン)、y4(0)=0(ラジアン)
・時刻t=4において、y1(4)=0(ラジアン)、y2(4)=a(ラジアン)、y3(4)=0(ラジアン)、y4(0)=0(ラジアン)
・時刻t=5において、y1(5)=0(ラジアン)、y2(5)=b(ラジアン)、y3(5)=0(ラジアン)、y4(0)=0(ラジアン)
・・・
であるものとする。
図37では、位相変更に関する周期は3であるものとする。したがって、
・時刻t=3kにおいて、y1(3k)=0(ラジアン)、y2(3k)=0(ラジアン)、y3(3k)=0(ラジアン)、y4(3k)=0(ラジアン)
・時刻t=3k+1において、y1(3k+1)=0(ラジアン)、y2(3k+1)=a(ラジアン)、y3(3k+1)=0(ラジアン)、y4(3k+1)=0(ラジアン)
・時刻t=3k+2において、y1(3k+2)=0(ラジアン)、y2(3k+2)=b(ラジアン)、y3(3k+2)=0(ラジアン)、y4(3k+2)=0(ラジアン)
となる。なお、例えば、kは0以上の整数とする。
図37のような位相変更を行ったときの課題について説明する。
図33の受信装置が、図27、図28の送信装置が送信した変調信号を受信する際、例えば、アンテナ512Bから送信される変調信号の受信電界強度が、図33の受信装置で低い場合を考える。なお、以下では、上述と同様、、変調信号(ストリーム)s1の変調方式、変調信号(ストリーム)s2の変調方式、変調信号(ストリーム)s3の変調方式、変調信号(ストリーム)s4の変調方式がBPSKとする。したがって、MLDを施す際、候補信号点の重なりが発生しなければ、同相I−直交Q平面において、16個の候補信号点が出現することになる。
ここで、上述に記載したように、「アンテナ512Bから送信される変調信号の受信電界強度が、図33の受信装置で低い」場合を考える。そして、直接波が支配的な環境下で、かつ、MLDを施した際、16個の候補信号点において、最小ユークリッド距離が短く、データの受信品質が劣悪な環境に陥っている場合を考える。このような環境下で、図37のような位相変更を行っている場合を考える。
このとき、図33の受信装置にとって、受信状態に影響を与える信号は、図27、図28の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号およびアンテナ512Cから送信された変調信号およびアンテナ512Dから送信された変調信号となる。
図37に示した位相変更を行った場合、図27、図28の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号に対して位相変更を行っておらず、また、図27、図28の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号に対しても位相変更を行っていない。そして、図27、図28の送信装置のアンテナ512Dから送信された変調信号に対しても位相変更を行っていない。したがって、図33における、同相I−直交Q平面における候補信号点の状態は、時間tに対して、大きな変化を起こさない可能性が高い。(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きく変化しない可能性が高い。)よって、図33の受信装置において、データの受信品質が低下している場合、その状態が保持される可能性が高い。
この課題を克服するための位相変更の方法の一例が図38である。図38は、図27、図28の送信装置の位相変更部517A、位相変更部517B、位相変更部517C、位相変更部517Dにおける位相変更値の具体的な例を示している。なお、上述で説明したように、位相変更部517Aの位相変更値をy1(t)、位相変更部517Bの位相変更値をy2(t)、位相変更部517Cの位相変更値をy3(t)、位相変更部517Dの位相変更値をy4(t)とする。図37において、tは時間であり(ただし、ここでは、y1(t)、y2(t)、y3(t)、y4(t)のように時間の関数としているが、前述のように、周波数、周波数および時間の関数であってもよい。)、「0」と記載しているが、0ラジアンであることを意味し、「a」と記載しているが、aラジアンであることを意味し、「b」と記載しているが、bラジアンであることを意味している。なお、aは0≦a<2πとし、bは0≦b<2πとし、a≠0、b≠0、a≠bであるものとする。
図18に示したように、
・時刻t=0において、y1(0)=0(ラジアン)、y2(0)=0(ラジアン)、y3(0)=0(ラジアン)、y4(0)=0(ラジアン)
・時刻t=1において、y1(1)=0(ラジアン)、y2(1)=a(ラジアン)、y3(1)=0(ラジアン)、y4(1)=0(ラジアン)
・時刻t=2において、y1(2)=0(ラジアン)、y2(2)=b(ラジアン)、y3(2)=0(ラジアン)、y4(2)=0(ラジアン)
・時刻t=3において、y1(3)=0(ラジアン)、y2(3)=0(ラジアン)、y3(3)=a(ラジアン)、y4(3)=0(ラジアン)
・時刻t=4において、y1(4)=0(ラジアン)、y2(4)=0(ラジアン)、y3(4)=b(ラジアン)、y4(4)=0(ラジアン)
・時刻t=5において、y1(5)=0(ラジアン)、y2(5)=0(ラジアン)、y3(5)=0(ラジアン)、y4(5)=a(ラジアン)
・時刻t=6において、y1(6)=0(ラジアン)、y2(6)=0(ラジアン)、y3(6)=0(ラジアン)、y4(6)=b(ラジアン)
・時刻t=7において、y1(7)=0(ラジアン)、y2(7)=a(ラジアン)、y3(7)=0(ラジアン)、y4(7)=a(ラジアン)
・時刻t=8において、y1(8)=0(ラジアン)、y2(8)=a(ラジアン)、y3(8)=0(ラジアン)、y4(8)=b(ラジアン)
・時刻t=9において、y1(9)=0(ラジアン)、y2(9)=b(ラジアン)、y3(9)=0(ラジアン)、y4(9)=a(ラジアン)
・時刻t=10において、y1(10)=0(ラジアン)、y2(10)=b(ラジアン)、y3(10)=0(ラジアン)、y4(10)=b(ラジアン)
・時刻t=11において、y1(11)=0(ラジアン)、y2(11)=0(ラジアン)、y3(11)=a(ラジアン)、y4(11)=a(ラジアン)
・時刻t=12において、y1(12)=0(ラジアン)、y2(12)=0(ラジアン)、y3(12)=a(ラジアン)、y4(12)=b(ラジアン)
・時刻t=13において、y1(13)=0(ラジアン)、y2(13)=0(ラジアン)、y3(13)=b(ラジアン)、y4(13)=a(ラジアン)
・時刻t=14において、y1(14)=0(ラジアン)、y2(14)=0(ラジアン)、y3(14)=b(ラジアン)、y4(14)=b(ラジアン)
・時刻t=15において、y1(15)=0(ラジアン)、y2(15)=a(ラジアン)、y3(15)=a(ラジアン)、y4(15)=0(ラジアン)
・時刻t=16において、y1(16)=0(ラジアン)、y2(16)=a(ラジアン)、y3(16)=b(ラジアン)、y4(16)=0(ラジアン)
・時刻t=17において、y1(17)=0(ラジアン)、y2(17)=a(ラジアン)、y3(17)=a(ラジアン)、y4(17)=a(ラジアン)
・時刻t=18において、y1(18)=0(ラジアン)、y2(18)=a(ラジアン)、y3(18)=a(ラジアン)、y4(18)=b(ラジアン)
・時刻t=19において、y1(19)=0(ラジアン)、y2(19)=a(ラジアン)、y3(19)=b(ラジアン)、y4(19)=a(ラジアン)
・時刻t=20において、y1(20)=0(ラジアン)、y2(20)=a(ラジアン)、y3(20)=b(ラジアン)、y4(20)=b(ラジアン)
・時刻t=21において、y1(21)=0(ラジアン)、y2(21)=b(ラジアン)、y3(21)=a(ラジアン)、y4(21)=0(ラジアン)
・時刻t=22において、y1(22)=0(ラジアン)、y2(22)=b(ラジアン)、y3(22)=b(ラジアン)、y4(22)=0(ラジアン)
・時刻t=23において、y1(23)=0(ラジアン)、y2(23)=b(ラジアン)、y3(23)=a(ラジアン)、y4(23)=a(ラジアン)
・時刻t=24において、y1(24)=0(ラジアン)、y2(24)=b(ラジアン)、y3(24)=a(ラジアン)、y4(24)=b(ラジアン)
・時刻t=25において、y1(25)=0(ラジアン)、y2(25)=b(ラジアン)、y3(25)=b(ラジアン)、y4(25)=a(ラジアン)
・時刻t=26において、y1(26)=0(ラジアン)、y2(26)=b(ラジアン)、y3(26)=b(ラジアン)、y4(26)=b(ラジアン)
・時刻t=27において、y1(27)=0(ラジアン)、y2(27)=0(ラジアン)、y3(27)=0(ラジアン)、y4(27)=0(ラジアン)
・・・
であるものとする。
図38では、位相変更に関する周期は27であるものとする。したがって、
・時刻t=27×kにおいて、y1(27×k)=0(ラジアン)、y2(27×k)=0(ラジアン)、y3(27×k)=0(ラジアン)、y4(27×k)=0(ラジアン)
・時刻t=27×k+1において、y1(27×k+1)=0(ラジアン)、y2(27×k+1)=a(ラジアン)、y3(27×k+1)=0(ラジアン)、y4(27×k+1)=0(ラジアン)
・時刻t=27×k+2において、y1(27×k+2)=0(ラジアン)、y2(27×k+2)=b(ラジアン)、y3(27×k+2)=0(ラジアン)、y4(27×k+2)=0(ラジアン)
・時刻t=27×k+3において、y1(27×k+3)=0(ラジアン)、y2(27×k+3)=0(ラジアン)、y3(27×k+3)=a(ラジアン)、y4(27×k+3)=0(ラジアン)
・時刻t=27×k+4において、y1(27×k+4)=0(ラジアン)、y2(27×k+4)=0(ラジアン)、y3(27×k+4)=b(ラジアン)、y4(27×k+4)=0(ラジアン)
・時刻t=27×k+5において、y1(27×k+5)=0(ラジアン)、y2(27×k+5)=0(ラジアン)、y3(27×k+5)=0(ラジアン)、y4(27×k+5)=a(ラジアン)
・時刻t=27×k+6において、y1(27×k+6)=0(ラジアン)、y2(27×k+6)=0(ラジアン)、y3(27×k+6)=0(ラジアン)、y4(27×k+6)=b(ラジアン)
・時刻t=27×k+7において、y1(27×k+7)=0(ラジアン)、y2(27×k+7)=a(ラジアン)、y3(27×k+7)=0(ラジアン)、y4(27×k+7)=a(ラジアン)
・時刻t=27×k+8において、y1(27×k+8)=0(ラジアン)、y2(27×k+8)=a(ラジアン)、y3(27×k+8)=0(ラジアン)、y4(27×k+8)=b(ラジアン)
・時刻t=27×k+9において、y1(27×k+9)=0(ラジアン)、y2(27×k+9)=b(ラジアン)、y3(27×k+9)=0(ラジアン)、y4(27×k+9)=a(ラジアン)
・時刻t=27×k+10において、y1(27×k+10)=0(ラジアン)、y2(27×k+10)=b(ラジアン)、y3(27×k+10)=0(ラジアン)、y4(27×k+10)=b(ラジアン)
・時刻t=27×k+11において、y1(27×k+11)=0(ラジアン)、y2(27×k+11)=0(ラジアン)、y3(27×k+11)=a(ラジアン)、y4(27×k+11)=a(ラジアン)
・時刻t=27×k+12において、y1(27×k+12)=0(ラジアン)、y2(27×k+12)=0(ラジアン)、y3(27×k+12)=a(ラジアン)、y4(27×k+12)=b(ラジアン)
・時刻t=27×k+13において、y1(27×k+13)=0(ラジアン)、y2(27×k+13)=0(ラジアン)、y3(27×k+13)=b(ラジアン)、y4(27×k+13)=a(ラジアン)
・時刻t=27×k+14において、y1(27×k+14)=0(ラジアン)、y2(27×k+14)=0(ラジアン)、y3(27×k+14)=b(ラジアン)、y4(27×k+14)=b(ラジアン)
・時刻t=27×k+15において、y1(27×k+15)=0(ラジアン)、y2(27×k+15)=a(ラジアン)、y3(27×k+15)=a(ラジアン)、y4(27×k+15)=0(ラジアン)
・時刻t=27×k+16において、y1(27×k+16)=0(ラジアン)、y2(27×k+16)=a(ラジアン)、y3(27×k+16)=b(ラジアン)、y4(27×k+16)=0(ラジアン)
・時刻t=27×k+17において、y1(27×k+17)=0(ラジアン)、y2(27×k+17)=a(ラジアン)、y3(27×k+17)=a(ラジアン)、y4(27×k+17)=a(ラジアン)
・時刻t=27×k+18において、y1(27×k+18)=0(ラジアン)、y2(27×k+18)=a(ラジアン)、y3(27×k+18)=a(ラジアン)、y4(27×k+18)=b(ラジアン)
・時刻t=27×k+19において、y1(27×k+19)=0(ラジアン)、y2(27×k+19)=a(ラジアン)、y3(27×k+19)=b(ラジアン)、y4(27×k+19)=a(ラジアン)
・時刻t=27×k+20において、y1(27×k+20)=0(ラジアン)、y2(27×k+20)=a(ラジアン)、y3(27×k+20)=b(ラジアン)、y4(27×k+20)=b(ラジアン)
・時刻t=27×k+21において、y1(27×k+21)=0(ラジアン)、y2(27×k+21)=b(ラジアン)、y3(27×k+21)=a(ラジアン)、y4(27×k+21)=0(ラジアン)
・時刻t=27×k+22において、y1(27×k+22)=0(ラジアン)、y2(27×k+22)=b(ラジアン)、y3(27×k+22)=b(ラジアン)、y4(27×k+22)=0(ラジアン)
・時刻t=27×k+23において、y1(27×k+23)=0(ラジアン)、y2(27×k+23)=b(ラジアン)、y3(27×k+23)=a(ラジアン)、y4(27×k+23)=a(ラジアン)
・時刻t=27×k+24において、y1(27×k+24)=0(ラジアン)、y2(27×k+24)=b(ラジアン)、y3(27×k+24)=a(ラジアン)、y4(27×k+24)=b(ラジアン)
・時刻t=27×k+25において、y1(27×k+25)=0(ラジアン)、y2(27×k+25)=b(ラジアン)、y3(27×k+25)=b(ラジアン)、y4(27×k+25)=a(ラジアン)
・時刻t=27×k+26において、y1(27×k+26)=0(ラジアン)、y2(27×k+26)=b(ラジアン)、y3(27×k+26)=b(ラジアン)、y4(27×k+26)=b(ラジアン)
となる。なお、例えば、kは0以上の整数とする。
図38のような位相変更を行ったときの利点について説明する。
図37について説明したときと同様に、図33の受信装置が、図27、図28の送信装置が送信した変調信号を受信する際、例えば、アンテナ512Bから送信される変調信号の受信電界強度が、図33の受信装置で低い場合を考える。なお、以下では、上述と同様、、変調信号(ストリーム)s1の変調方式、変調信号(ストリーム)s2の変調方式、変調信号(ストリーム)s3の変調方式、変調信号(ストリーム)s4の変調方式がBPSKとする。したがって、MLDを施す際、候補信号点の重なりが発生しなければ、同相I−直交Q平面において、16個の候補信号点が出現することになる。
ここで、上述に記載したように、「アンテナ512Bから送信される変調信号の受信電界強度が、図33の受信装置で低い」場合を考える。そして、直接波が支配的な環境下で、かつ、MLDを施した際、16個の候補信号点において、最小ユークリッド距離が短く、データの受信品質が劣悪な環境に陥っている場合を考える。このような環境下で、図38のような位相変更を行っている場合を考える。
このとき、図33の受信装置にとって、受信状態に影響を与える信号は、図27、図28の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号およびアンテナ512Cから送信された変調信号およびアンテナ512Dから送信された変調信号となる。
図38に示した位相変更を行った場合、t=0、t=1、t=2において、図27、図28の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号に対して位相変更を行っておらず、また、図27、図28の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号に対しても位相変更を行っていない。そして、図27、図28の送信装置のアンテナ512Dから送信された変調信号に対しても位相変更を行っていない。
したがって、図33における、同相I−直交Q平面における候補信号点の状態は、時間t=0、t=1、t=2では、大きな変化を起こさない可能性が高い。(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きく変化しない可能性が高い。)
しかし、t=3からt=26において、図27、図28の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号において、0(ゼロ)ラジアン以外の位相を与え、アンテナ512Dから送信された変調信号において、0(ゼロ)ラジアン以外の位相を与えているため、この区間で、同相I−直交Q平面におる候補信号点の状態が改善(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きくなる)している可能性がある。
よって、図37のときと比較し、候補信号点の状態が良好(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きい)な時間が増加し、誤り訂正符号の適用により、受信品質が改善される可能性が高くなるという効果を得ることができる。
次に、「アンテナ512Cから送信される変調信号の受信電界強度が、図33の受信装置で低い」場合を考える。そして、直接波が支配的な環境下で、かつ、MLDを施した際、16個の候補信号点において、最小ユークリッド距離が短く、データの受信品質が劣悪な環境に陥っている場合を考える。このような環境下で、図38のような位相変更を行っている場合を考える。
このとき、図33の受信装置にとって、受信状態に影響を与える信号は、図27、図28の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号およびアンテナ512Bから送信された変調信号およびアンテナ512Dから送信された変調信号となる。
図38に示した位相変更を行った場合、t=0、t=3、t=4において、図27、図28の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号に対して位相変更を行っておらず、また、図27、図28の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号に対しても位相変更を行っていない。そして、図27、図28の送信装置のアンテナ512Dから送信された変調信号に対しても位相変更を行っていない。
したがって、図33における、同相I−直交Q平面における候補信号点の状態は、時間t=0、t=3、t=4では、大きな変化を起こさない可能性が高い。(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きく変化しない可能性が高い。)
しかし、t=1,t=2,t=5からt=26おいて、図27、図28の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号において、0(ゼロ)ラジアン以外の位相を与え、アンテナ512Dから送信された変調信号において、0(ゼロ)ラジアン以外の位相を与えているため、これらの時間で、同相I−直交Q平面におる候補信号点の状態が改善(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きくなる)している可能性がある。
よって、図37のときと比較し、候補信号点の状態が良好(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きい)な時間が増加し、誤り訂正符号の適用により、受信品質が改善される可能性が高くなるという効果を得ることができる。
次に、「アンテナ512Dから送信される変調信号の受信電界強度が、図33の受信装置で低い」場合を考える。そして、直接波が支配的な環境下で、かつ、MLDを施した際、16個の候補信号点において、最小ユークリッド距離が短く、データの受信品質が劣悪な環境に陥っている場合を考える。このような環境下で、図38のような位相変更を行っている場合を考える。
このとき、図33の受信装置にとって、受信状態に影響を与える信号は、図27、図28の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号およびアンテナ512Bから送信された変調信号およびアンテナ512Cから送信された変調信号となる。
図38に示した位相変更を行った場合、t=0、t=5、t=6において、図27、図28の送信装置のアンテナ512Aから送信された変調信号に対して位相変更を行っておらず、また、図27、図28の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号に対しても位相変更を行っていない。そして、図27、図28の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号に対しても位相変更を行っていない。
したがって、図33における、同相I−直交Q平面における候補信号点の状態は、時間t=0、t=5、t=6では、大きな変化を起こさない可能性が高い。(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きく変化しない可能性が高い。)
しかし、t=1からt=4,t=7からt=26おいて、図27、図28の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号において、0(ゼロ)ラジアン以外の位相を与え、アンテナ512Cから送信された変調信号において、0(ゼロ)ラジアン以外の位相を与えているため、これらの時間で、同相I−直交Q平面におる候補信号点の状態が改善(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きくなる)している可能性がある。
よって、図37のときと比較し、候補信号点の状態が良好(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きい)な時間が増加し、誤り訂正符号の適用により、受信品質が改善される可能性が高くなるという効果を得ることができる。
次に、「アンテナ512Aから送信される変調信号の受信電界強度が、図33の受信装置で低い」場合を考える。そして、直接波が支配的な環境下で、かつ、MLDを施した際、16個の候補信号点において、最小ユークリッド距離が短く、データの受信品質が劣悪な環境に陥っている場合を考える。このような環境下で、図38のような位相変更を行っている場合を考える。
このとき、図33の受信装置にとって、受信状態に影響を与える信号は、図27、図28の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号およびアンテナ512Cから送信された変調信号およびアンテナ512Dから送信された変調信号となる。
図38に示した位相変更を行った場合、t=0、t=17、t=26において、図27、図28の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号と図27、図28の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号と図27、図28の送信装置のアンテナ512Dから送信された変調信号の相対的な位相関係は変わらない。(図27、図28の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号の位相と図27、図28の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号の位相差は、t=0、t=17、t=26と同一の値となる。そして、図27、図28の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号の位相と図27、図28の送信装置のアンテナ512Dから送信された変調信号の位相差は、t=0、t=17、t=26と同一の値となる。図27、図28の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号の位相と図27、図28の送信装置のアンテナ512Dから送信された変調信号の位相差は、t=0、t=17、t=26と同一の値となる。)したがって、図33における、同相I−直交Q平面における候補信号点の状態は、時間t=0、t=17、t=26では、大きな変化を起こさない可能性が高い。(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きく変化しない可能性が高い。)(相対的な位相関係が変わらない場合、候補信号点の状態は変化しない。)
しかし、t=1からt=16,t=18からt=25おいて、図27、図28の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号と図27、図28の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号と図27、図28の送信装置のアンテナ512Dから送信された変調信号の相対的な位相関係が変化しており、図27、図28の送信装置のアンテナ512Bから送信された変調信号において、複数の位相を与えおり、また、図27、図28の送信装置のアンテナ512Cから送信された変調信号において、複数の位相を与えおり、また、図27、図28の送信装置のアンテナ512Dから送信された変調信号において、複数の位相を与えているため、これらの時間で、同相I−直交Q平面におる候補信号点の状態が改善(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きくなる)している可能性がある。
よって、図37のときと比較し、候補信号点の状態が良好(候補信号点の最小ユークリッド距離が大きい)な時間が増加し、誤り訂正符号の適用により、受信品質が改善される可能性が高くなるという効果を得ることができる。
以上より、図27、図28の送信アンテナ512A、512B、512C、512Dのいずれの状態が劣悪になっても、データの受信品質が劣悪な状態に陥る可能性が低くなるという効果を得ることができる。
上述では、位相変更の例、および、図38のように位相変更を行ったときの効果を説明した。以下では、同様の効果を得るための位相変更方法の別の例について説明する。
図27、図28の位相変更部517Aの位相変更値y1(t)がとりうる値をa1のみであるものとする。
そして、図27、図28の位相変更部517Bの位相変更値y2(t)がとりうる値はm種類であり(mは2以上の整数とする。)、その値をbi(ラジアン)とあらわすものとする(なお、iは1以上m以下の整数とする。また、0≦bi<2πとする)。ただし、iおよびjは1以上m以下の整数であり、かつ、i≠jであり、これを満たす、すべてのi、jにおいて、bi≠bjを満たすものとする。
また、図27、図28の位相変更部517Cの位相変更値y3(t)がとりうる値はn種類であり(nは2以上の整数とする。)、その値をci(ラジアン)とあらわすものとする(なお、iは1以上n以下の整数とする。また、0≦ci<2πとする)。ただし、iおよびjは1以上n以下の整数であり、かつ、i≠jであり、これを満たす、すべてのi、jにおいて、ci≠cjを満たすものとする。
また、図27、図28の位相変更部517Dの位相変更値y4(t)がとりうる値はq種類であり(qは2以上の整数とする。)、その値をdi(ラジアン)とあらわすものとする(なお、iは1以上q以下の整数とする。また、0≦di<2πとする)。ただし、iおよびjは1以上q以下の整数であり、かつ、i≠jであり、これを満たす、すべてのi、jにおいて、di≠djを満たすものとする。
このとき、シンボル番号u(ただし、uは0以上の整数とする。)における(y1(u)、y2(u)、y3(u)、y4(u))のセットがとる値を(a1、bi、cj、dk)とすると、以下の条件を満たすことになる。
(条件5)
i=β(βは1以上m以下の整数とする。)、j=γ(γは1以上n以下の整数とする。)とする。このとき、(y1(u)、y2(u)、y3(u)、y4(u))=(a1、bβ、cγ、dk)とあらわす((y1(u)、y2(u)、y3(u)、y4(u))=(a1、bβ、cγ、dk)とは、y1(u)=a1、y2(u)=bβ、y3(u)=cγ、y4(u)=dkであることを意味する。)。そして、uが0以上の整数において、i=β、j=γを満たしたとき、dkにおいて、kは0以上q以下の整数すべての値をとる。
(条件6)
そして、1以上m以下の整数すべてのβ、1以上n以下の整数すべてのγにおいて、「uが0以上の整数において、i=β、j=γを満たしたとき、dkにおいて、kは0以上q以下の整数すべての値をとる」の条件を満たす。
(条件7)
i=β(βは1以上m以下の整数とする。)、k=δ(δは1以上q以下の整数とする。)とする。このとき、(y1(u)、y2(u)、y3(u)、y4(u))=(a1、bβ、cj、dδ)とあらわす((y1(u)、y2(u)、y3(u)、y4(u))=(a1、bβ、cj、dδ)とは、y1(u)=a1、y2(u)=bβ、y3(u)=cj、y4(u)=dδであることを意味する。)。そして、uが0以上の整数において、i=β、k=δを満たしたとき、cjにおいて、jは0以上n以下の整数すべての値をとる。
(条件8)
そして、1以上m以下の整数すべてのβ、1以上q以下の整数すべてのδにおいて、「uが0以上の整数において、i=β、k=δを満たしたとき、cjにおいて、jは0以上n以下の整数すべての値をとる」の条件を満たす。
(条件9)
j=γ(γは1以上n以下の整数とする。)、k=δ(δは1以上q以下の整数とする。)とする。このとき、(y1(u)、y2(u)、y3(u)、y4(u))=(a1、bi、cγ、dδ)とあらわす((y1(u)、y2(u)、y3(u)、y4(u))=(a1、bi、cγ、dδ)とは、y1(u)=a1、y2(u)=bi、y3(u)=cγ、y4(u)=dδであることを意味する。)。そして、uが0以上の整数において、j=γ、k=δを満たしたとき、biにおいて、iは0以上m以下の整数すべての値をとる。
(条件10)
そして、1以上n以下の整数すべてのγ、1以上q以下の整数すべてのδにおいて、「uが0以上の整数において、j=γ、k=δを満たしたとき、biにおいて、iは0以上m以下の整数すべての値をとる」の条件を満たす。
(条件1)から(条件10)を満たすことにより、図38のように位相変更を行ったときの効果を得ることができる。なお、(条件1)から(条件10)を満たすための位相変更の周期の最低の値はm×n×qとなるが、位相変更の周期はm×n×q以上であってもよい。(この場合、同一の位相変更のセットが2度以上用いられ、その条件下で、位相変更の周期が設定されることになる。)
図38、および、上述の例では、図27、図28の位相変更部517Aの位相変更値y1(t)を一定値とした場合の位相変更方法について説明した。以下では、図27、図28の位相変更部517Aの位相変更値y1(t)を時間(周波数)(周波数および時間)により変更する場合の位相変更方法の例を説明する。
図27、図28の位相変更部517Aの位相変更値y1(t)がとりうる値はp種類であり(pは2以上の整数とする。)、その値をai(ラジアン)とあらわすものとする(なお、iは1以上p以下の整数とする。また、0≦ai<2πとする)。ただし、iおよびjは1以上p以下の整数であり、かつ、i≠jであり、これを満たす、すべてのi、jにおいて、ai≠ajを満たすものとする。
そして、図27、図28の位相変更部517Bの位相変更値y2(t)がとりうる値はm種類であり(mは2以上の整数とする。)、その値をbi(ラジアン)とあらわすものとする(なお、iは1以上m以下の整数とする。また、0≦bi<2πとする)。ただし、iおよびjは1以上m以下の整数であり、かつ、i≠jであり、これを満たす、すべてのi、jにおいて、bi≠bjを満たすものとする。
また、図27、図28の位相変更部517Cの位相変更値y3(t)がとりうる値はn種類であり(nは2以上の整数とする。)、その値をci(ラジアン)とあらわすものとする(なお、iは1以上n以下の整数とする。また、0≦ci<2πとする)。ただし、iおよびjは1以上n以下の整数であり、かつ、i≠jであり、これを満たす、すべてのi、jにおいて、ci≠cjを満たすものとする。
また、図27、図28の位相変更部517Dの位相変更値y4(t)がとりうる値はq種類であり(qは2以上の整数とする。)、その値をdi(ラジアン)とあらわすものとする(なお、iは1以上q以下の整数とする。また、0≦di<2πとする)。ただし、iおよびjは1以上q以下の整数であり、かつ、i≠jであり、これを満たす、すべてのi、jにおいて、di≠djを満たすものとする。
このとき、シンボル番号u(ただし、uは0以上の整数とする。)における(y1(u)、y2(u)、y3(u)、y4(u))のセットがとる値を(ai、bj、ck、dh)とすると、以下の条件を満たすことになる。
(条件11)
i=β(βは1以上p以下の整数とする。)とする。このとき、(y1(u)、y2(u)、y3(u)、y4(u)=(aβ、bj、ck、dh)とあらわす((y1(u)、y2(u)、y3(u)、y4(u)=(aβ、bj、ck、dh)とは、y1(u)=aβ、y2(u)=bj、y3(u)=ck、y4(u)=dhであることを意味する。)。そして、uが0以上の整数において、i=βを満たしたとき、(aβ、bj、ck、dh)において、jは0以上m以下の整数、kは0以上n以下の整数、hは0以上q以下の整数とし、(j,k,h)のとりえるすべての(j,k,h)セットが存在する。
(条件12)
そして、1以上p以下の整数すべてのβにおいて、「uが0以上の整数において、i=βを満たしたとき、(aβ、bj、ck、dh)において、jは0以上m以下の整数、kは0以上n以下の整数、hは0以上q以下の整数とし、(j,k,h)のとりえるすべての(j,k,h)セットが存在する。」の条件を満たす。
(条件11)および(条件12)を満たすことにより、図38のように位相変更を行ったときの効果を得ることができる。なお、(条件11)および(条件12)を満たすための位相変更の周期の最低の値はp×q×m×nとなるが、位相変更の周期はp×q×m×n以上であってもよい。(この場合、同一の位相変更のセットが2度以上用いられ、その条件下で、位相変更の周期が設定されることになる。)
なお、受信装置において、H(t)×Y(t)×Fを得、MLDを行う場合を例に説明したが、非特許文献9に示されているようにQR分解を用いて、検波を実行してもよい。
また、非特許文献11に示されているように、H(t)×Y(t)×Fに基づき、MMSE(Minimum Mean Square Error)、ZF(Zero Forcing)の線形演算を行い、検波を行ってもよい。
本実施の形態では、シングルキャリア方式を例に説明したが、これに限ったものではなく、マルチキャリア伝送を行った場合でも同様に実施することができる。したがって、例えば、スペクトル拡散通信方式、OFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)、SC−OFDM(Single Carrier Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、非特許文献12等で示されているウェーブレットOFDM方式等を用いた場合についても同様に実施することができる。また、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード等)、制御情報の伝送用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。
以下では、マルチキャリア方式の一例として、OFDM方式を用いたときの例を説明する。
図39、図40は、OFDM方式を用いたときの送信装置の構成を示している。図39において、図27、図28と同様に動作するものについては、同一符号を付した。
OFDM方式関連処理部3901Aは、位相変更後の信号509Aを入力とし、OFDM方式関連の処理を施し、送信信号3902Aを出力する。同様に、OFDM方式関連処理部3901Bは、位相変更後の信号509Bを入力とし、送信信号3902Bを出力し、OFDM方式関連処理部3901Cは、位相変更後の信号509Cを入力とし、送信信号3902Cを出力し、OFDM方式関連処理部3901Dは、位相変更後の信号509Dを入力とし、送信信号3902Dを出力する。
図41は、図39、図40のOFDM方式関連処理部3901A、3901B、3901C、3901D以降の構成の一例を示しており、図39、図40の3901Aから512Aに関連する部分が、2101Aから2110Aであり、3901Bから512Bに関連する部分が、2101Bから2110Bであり、1901Cから512Cに関連する部分が、2101Cから2110Cであり、1901Dから512Dに関連する部分が、2101Dから2110Dである。
シリアルパラレル変換部2102Aは、重み付け後の信号2101A(図39、図40の重み付け後の信号509Aに相当する)シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号2103Aを出力する。
並び換え部2104Aは、パラレル信号2103Aを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号2105Aを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部2106Aは、並び換え後の信号2105Aを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号2107Aを出力する。
無線部2108Aは、逆フーリエ変換後の信号2107Aを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号2109Aを出力し、変調信号2109Aはアンテナ2110Aから電波として出力される。
シリアルパラレル変換部2102Bは、重み付け後の信号2101B(図39、図40の重み付け後の信号509Bに相当する)シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号2103Bを出力する。
並び換え部2104Bは、パラレル信号2103Bを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号2105Bを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部2106Bは、並び換え後の信号2105Bを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号2107Bを出力する。
無線部2108Bは、逆フーリエ変換後の信号2107Bを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号2109Bを出力し、変調信号2109Bはアンテナ2110Bから電波として出力される。
シリアルパラレル変換部2102Cは、重み付け後の信号2101C(図39、図40の重み付け後の信号509Cに相当する)シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号2103Cを出力する。
並び換え部2104Cは、パラレル信号2103Cを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号2105Cを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部2106Cは、並び換え後の信号2105Cを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号2107Cを出力する。
無線部2108Cは、逆フーリエ変換後の信号2107Cを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号2109Cを出力し、変調信号2109Cはアンテナ2110Cから電波として出力される。
シリアルパラレル変換部2102Dは、重み付け後の信号2101D(図39、図40の重み付け後の信号509Dに相当する)シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号2103Dを出力する。
並び換え部2104Dは、パラレル信号2103Dを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号2105Dを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部2106Dは、並び換え後の信号2105Dを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号2107Dを出力する。
無線部2108Dは、逆フーリエ変換後の信号2107Dを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号2109Dを出力し、変調信号2109Dはアンテナ2110Dから電波として出力される。
図27、図28の送信装置では、マルチキャリアを用いた伝送方式でないため、位相変更後のシンボルを時間軸方向に配置している。図39、図40に示すようなOFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、当然、図27、図28のようにプリコーディングし、位相を変更した後のシンボルを時間軸方向に配置し、それを各(サブ)キャリアごとに行う方式が考えられるが、マルチキャリア伝送方式の場合、周波数軸方向、または、周波数軸・時間軸両者を用いて配置する方法が考えられる。以降では、この点について説明する。
図42は、横軸周波数、縦軸時間における、図41の並び替え部2101A、21301B、2103C、2103Dにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、周波数軸は、(サブ)キャリア0から(サブ)キャリア9で構成されており、変調信号z1とz2とz3とz4は、同一時刻(時間)に同一の周波数帯域を使用しており、図42Aは変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図42Bは変調信号z2のシンボルの並び替え方法、図42Cは変調信号z3のシンボルの並び替え方法、図42Dは変調信号z4のシンボルの並び替え方法を示している。
シリアルパラレル変換部2102Aが入力とする重み付けされ位相が変更された後の信号2101Aのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。
このとき、図42Aのように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。なお、変調信号z1とz2とz3とz4は、複素信号である。
同様に、シリアルパラレル変換部2102Bが入力とする重み付けされ位相が変更された後の信号2101Bのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。
このとき、図42Bのように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。
同様に、シリアルパラレル変換部2102Cが入力とする重み付けされ位相が変更された後の信号2101Cのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。
このとき、図42Cのように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。
同様に、シリアルパラレル変換部2102Dが入力とする重み付けされ位相が変更された後の信号2101Dのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。
このとき、図42Dのように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。
このように、OFDM方式などのマルチキャリア伝送方式を用いた場合、シングルキャリア伝送のときとは異なり、シンボルを周波数軸方向に並べることができるという特徴を持つことになる。そして、シンボルの並べ方については、図42のような並べ方に限ったものではない。他の例について、図43、図44を用いて説明する。
図43は、図42とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図41の並び替え部2101A、2101B、2101C、2101Dにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図43Aは変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図43Bは変調信号z2のシンボルの並び替え方法、図43Cは変調信号z3のシンボルの並び替え方法、図43Dは変調信号z4のシンボルの並び替え方法を示している。図43が図42と異なる点は、変調信号z1のシンボルの並び替え方法と変調信号z2のシンボルの並び替え方法と変調信号z3のシンボルの並び替え方法と変調信号z4のシンボルの並び替え方法が異なるときがある点であり、図43Bでは、シンボル#0から#5をキャリア4からキャリア9に配置し、シンボル#6から#9をキャリア0から3に配置し、その後、同様の規則で、シンボル#10から#19を各キャリアに配置する。図43Dでは、シンボル#0から#5をキャリア4からキャリア9に配置し、シンボル#6から#9をキャリア0から3に配置し、その後、同様の規則で、シンボル#10から#19を各キャリアに配置する。
図44は、図42と異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図41の並び替え部2101A、2101B、2101C、2101Dにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図44Aは変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図44Bは変調信号z2のシンボルの並び替え方法、図44Cは変調信号z3のシンボルの並び替え方法、図44Dは変調信号z4のシンボルの並び替え方法を示している。図44が図42と異なる点は、図42では、シンボルをキャリアに順々に配置しているのに対し、図44では、シンボルをキャリアに順々に配置していない点である。当然であるが、図44において、図43と同様に、変調信号z1のシンボルの並び替え方法と変調信号z2の並び替え方法と変調信号z3の並び替え方法と変調信号z4の並び替え方法を異なるようにすることがあるとしてもよい。
図45は、図42〜44とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図41の並び替え部2101A、2101B、2101C、2101Dにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図45Aは変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図45Bは変調信号z2のシンボルの並び替え方法、図45Cは変調信号z3のシンボルの並び替え方法、図45Dは変調信号z4のシンボルの並び替え方法を示している。図42〜44では、シンボルを周波数軸方向に並べているが、図45ではシンボルを周波数、時間軸の両者を利用して配置している。
図46は、図45とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図41の並び替え部2101A、2101B、2101C、2101Dにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図46Aは変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図46Bは変調信号z2のシンボルの並び替え方法、図46Cは変調信号z3のシンボルの並び替え方法、図46Dは変調信号z4のシンボルの並び替え方法を示している。図46は、図45と同様、シンボルを周波数、時間軸の両者を利用して配置しているが、図45と異なる点は、図45では、周波数方向を優先し、その後、時間軸方向にシンボルを配置しているのに対し、図46では、時間軸方向を優先し、その後、時間軸方向にシンボルを配置している点である。
以上のようにいくつかの図で、シンボルの配置方法に説明したが、上述の例に限ったものではなく、シンボルを時間―周波数軸において、ランダムに配置してもよいし、ある規則にしたがって配置してもよい。
以上のように本実施の形態を実施することで、データの受信品質が改善する可能性が高く、また、特に、直接波が支配的なLOS環境において、データの受信品質が大きく改善する可能性が高い、という効果を得ることができる。
なお、例えば、4つのストリームの変調方式のセットが切り替わると、プリコーディング行列を切り替えてもよい。また、4つのストリームの変調方式のセットが切り替わると、位相変更の方法を切り替えてもよい。そして、4つのストリームの変調方式のセットが切り替わると、プリコーディング行列および位相変更の方法を切り替えてもよい(4つのストリームの変調方式のセットが切り替わっても、プリコーディング行列および位相変更を切り替えないとしてもよい。)。
また、インタリーバについては、データの並び替えを行わないとしてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態1、実施の形態2において、図5、図6、図19、図20、図27、図28、図39、図40に示したように、マッピング、重み付け合成、位相変更の順に処理を行う場合について説明した。本実施の形態は、これらの処理に加え、さらに位相変更を行う部分を追加したり、パワー変更を行う部分を追加したりする変形例について説明する。なお、重み付け合成の後段で行う位相変更に関する方法については、実施の形態1、実施の形態2の説明と同様に動作すればよい。
本実施の形態では、4つのストリームを4つのアンテナを用いて送信する場合について説明する。図27、図28、図39、図40において、マッピング部506Aから位相変更部517A、マッピング部506Bから位相変更部517B、マッピング部506Cから位相変更部517C、マッピング部506Dから位相変更部517Dの部分を図47、図48、図49、図50、図51、図52に置き換えてもよい。以下では、各図の動作について説明する。
図47、図48は、4つの送信信号の送信平均電力が異なるときのプリコーディング方法を実現するための構成に関する例の図である。
図47において、マッピング部4704は、データ4703、制御信号4714を入力とする。そして、制御信号4714が、伝送方式として、4つのストリームを送信することを指定したものとする。加えて、制御信号4714が4つのストリームの各変調方式として、変調方式αと変調方式βと変調方式γと変調方式δを指定したものとする。なお、変調方式αはpビットのデータを変調する変調方式、変調方式βはqビットのデータを変調する変調方式、変調方式γはrビットのデータを変調する変調方式、変調方式δはsビットのデータを変調する変調方式とする。(例えば16QAMの場合、4ビットのデータを変調する変調方式であり、64QAMの場合、6ビットのデータを変調する変調方式である。)
すると、マッピング部4704は、p+q+r+sビットのデータのうちのpビットのデータに対し、変調方式αで変調し、ベースバンド信号s1(t)(4705A)を生成、出力する。また、qビットのデータに対し、変調方式βで変調し、ベースバンド信号s2(t)(4705B)を出力する。また、rビットのデータに対し、変調方式γで変調し、ベースバンド信号s3(t)(4705C)を出力する。また、sビットのデータに対し、変調方式δで変調し、ベースバンド信号s4(t)(4705D)を出力する。
(なお、図47では、マッピング部を一つとしているが、これとは別の構成として、s1(t)を生成するためのマッピング部とs2(t)を生成するためのマッピング部が別々に存在していてもよい。このとき、符号化後のデータ4703は、s1(t)を生成するためのマッピング部とs2(t)を生成するためのマッピング部とs3(t)を生成するためのマッピング部とs4(t)を生成するためのマッピング部に振り分けられることになる。例えば、図47に示すように、マッピング部4704は、データ4703、4703B、4703C、4703Dを入力とし、データ4703に対しマッピングを行いベースバンド信号s1(t)(4705A)を生成、出力する。そして、データ4703Bに対しマッピングを行いベースバンド信号s2(t)(4705B)を生成、出力する。データ4703Cに対しマッピングを行いベースバンド信号s3(t)(4705C)を生成、出力する。データ4703Dに対しマッピングを行いベースバンド信号s4(t)(4705D)を生成、出力する。)
なお、s1(t)およびs2(t)およびs3(t)およびs4(t)は複素数で表現され(ただし、複素数、実数、いずれであってもよい)、また、tは時間である。なお、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等のマルチキャリアを用いた伝送方式を用いている場合、s1およびs2およびs3およびs4は、s1(f)およびs2(f)およびs3(f)およびs4(f)のように周波数fの関数、または、s1(t,f)およびs2(t,f)およびs3(t,f)およびs4(t,f)のように時間t、周波数fの関数と考えることもできる。
以降、および、本明細書全体において、ベースバンド信号、プリコーディング行列、位相変更等を時間tの関数として説明しているが、周波数fの関数、時間tおよび周波数fの関数と考えてもよい。
したがって、ベースバンド信号、プリコーディング行列、位相変更等をシンボル番号iの関数として説明を進めている場合もあるが、この場合、時間tの関数、周波数fの関数、時間tおよび周波数fの関数と考えればよい。つまり、シンボル、ベースバンド信号を、時間軸方向で生成し、配置してもよいし、周波数軸方向で生成し、配置してもよい。また、シンボル、ベースバンド信号を、時間軸方向および周波数軸方向で生成し、配置してもよい。
パワー変更部4706A(パワー調整部4706A)は、ベースバンド信号s1(t)(4705A)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、実数P1を設定し、P1×s1(t)をパワー変更後の信号4707Aとして出力する。(なお、P1を実数としているが、複素数であってもよい。)
同様に、パワー変更部4706B(パワー調整部4706B)は、ベースバンド信号s2(t)(4705B)、および、制御信号4714を入力とし、実数P2を設定し、P2×s2(t)をパワー変更後の信号4707Bとして出力する。(なお、P2を実数としているが、複素数であってもよい。)
同様に、パワー変更部4706C(パワー調整部4706C)は、ベースバンド信号s3(t)(4705C)、および、制御信号4714を入力とし、実数P3を設定し、P3×s3(t)をパワー変更後の信号4707Cとして出力する。(なお、P3を実数としているが、複素数であってもよい。)
同様に、パワー変更部4706D(パワー調整部4706D)は、ベースバンド信号s4(t)(4705D)、および、制御信号4714を入力とし、実数P4を設定し、P4×s4(t)をパワー変更後の信号4707Dとして出力する。(なお、P4を実数としているが、複素数であってもよい。)
重み付け合成部4708は、パワー変更後の信号4707A、パワー変更後の信号4707B、パワー変更後の信号4707C、パワー変更後の信号4707D、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、プリコーディング行列F(またはF(i))を設定する。スロット番号(シンボル番号)をiとすると、重み付け合成部4708は、以下の式(60)の演算を行う。
なお、プリコーディング行列Fについては、実施の形態2の式(48)、式(49)を用いて説明しているとおりである。なお、プリコーディング行列はiの関数であってもよいし、iの関数でなくてもよい。そして、プリコーディング行列がiの関数のとき、プリコーディング行列がスロット番号(シンボル番号)により切り替わることになる。
そして、重み付け合成部4708は、式(60)におけるu1(i)を重み付け合成後の信号4709Aとして出力し、式(60)におけるu2(i)を重み付け合成後の信号4709Bとして出力し、式(60)におけるu3(i)を重み付け合成後の信号4709Cとして出力し、式(60)におけるu4(i)を重み付け合成後の信号4709Dとして出力する。
パワー変更部4710Aは、重み付け合成後の信号4709A(u1(i))、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、実数Q1を設定し、Q1×u1(i)をパワー変更後の信号4711Aとして出力する。(なお、Q1を実数としているが、複素数であってもよい。)
同様に、パワー変更部4710Bは、重み付け合成後の信号4709B(u2(i))、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、実数Q2を設定し、Q2×u2(i)をパワー変更後の信号4711Bとして出力する。(なお、Q2を実数としているが、複素数であってもよい。)
同様に、パワー変更部4710Cは、重み付け合成後の信号4709C(u3(i))、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、実数Q3を設定し、Q3×u3(i)をパワー変更後の信号4711Cとして出力する。(なお、Q3を実数としているが、複素数であってもよい。)
同様に、パワー変更部4710Dは、重み付け合成後の信号4709D(u4(i))、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、実数Q4を設定し、Q4×u4(i)をパワー変更後の信号4711Dとして出力する。(なお、Q4を実数としているが、複素数であってもよい。)
位相変更部4712Aは、Q1×u1(i)のパワー変更後の信号4711Aおよび制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、Q1×u1(i)のパワー変更後の信号4711Aの位相を変更する。したがって、Q1×u1(i)のパワー変更後の信号4711Aの位相を変更後の信号は、B1×ejθ1(i)×Q1×u1(i)とあらわされ、B1×ejθ1(i)×Q1×u1(i)を位相変更後の信号4713Aとして、位相変更部4712Aは、出力する(jは虚数単位。B1は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、θ1(i)のようにiの関数であることが特徴的な部分となる。そして、θ1(i)の与え方については、実施の形態2で説明したとおりである。
位相変更部4712Bは、Q2×u2(i)のパワー変更後の信号4711Bおよび制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、Q2×u2(i)のパワー変更後の信号4711Bの位相を変更する。したがって、Q2×u2(i)のパワー変更後の信号4711Bの位相を変更後の信号は、B2×ejθ2(i)×Q2×u2(i)とあらわされ、B2×ejθ2(i)×Q2×u2(i)を位相変更後の信号4713Bとして、位相変更部4712Bは、出力する(jは虚数単位。B2は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、θ2(i)のようにiの関数であることが特徴的な部分となる。そして、θ2(i)の与え方については、実施の形態2で説明したとおりである。
位相変更部4712Cは、Q3×u3(i)のパワー変更後の信号4711Cおよび制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、Q3×u3(i)のパワー変更後の信号4711Cの位相を変更する。したがって、Q3×u3(i)のパワー変更後の信号4711Cの位相を変更後の信号は、B3×ejθ3(i)×Q3×u3(i)とあらわされ、B3×ejθ3(i)×Q3×u3(i)を位相変更後の信号4713Cとして、位相変更部4712Cは、出力する(jは虚数単位。B3は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、θ3(i)のようにiの関数であることが特徴的な部分となる。そして、θ3(i)の与え方については、実施の形態2で説明したとおりである。
位相変更部4712Dは、Q4×u4(i)のパワー変更後の信号4711Dおよび制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、Q4×u4(i)のパワー変更後の信号4711Dの位相を変更する。したがって、Q4×u4(i)のパワー変更後の信号4711Dの位相を変更後の信号は、B4×ejθ4(i)×Q4×u4(i)とあらわされ、B4×ejθ4(i)×Q4×u4(i)を位相変更後の信号4713Dとして、位相変更部4712Dは、出力する(jは虚数単位。B4は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、θ4(i)のようにiの関数であることが特徴的な部分となる。そして、θ4(i)の与え方については、実施の形態2で説明したとおりである。
図48は式(61)を実現するための、図47とは異なる構成図であり、図48において、図47と同様に動作するものについては、同一符号を付している。
図48が図47と異なる点は、重み付け合成部4708より後段にある位相変更部とパワー変更部の位置関係が異なる点である。したがって、図48では、位相変更部4712Aの後段にパワー変更部4710Aが存在し、同様に、位相変更部4712Bの後段にパワー変更部4710Bが存在し、位相変更部4712Cの後段にパワー変更部4710Cが存在し、位相変更部4712Dの後段にパワー変更部4710Dが存在する。
図48の各部分は、図47の各部分と機能的には同様に動作するため、以下の式(62)が成立する。
なお、式(61)のz1(i)と式(62)のz1(i)は等しく、また、式(61)のz2(i)と式(62)のz2(i)も等しく、式(61)のz3(i)と式(62)のz3(i)も等しく、式(61)のz4(i)と式(62)のz4(i)も等しい。
なお、図47、図48において、パワー変更の値P1、P2、P3、P4、および、Q1、Q2、Q3、Q4の値については、s1(i)の変調方式、s2(i)の変調方式、s3(i)の変調方式、s4(i)の変調方式のセットにより、P1、P2、P3、P4の値、および/または、Q1、Q2、Q3、Q4の値を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。また、誤り訂正符号化方法(例えば、符号長(ブロック長)、符号化率など)によって、P1、P2、P3、P4の値、および/または、Q1、Q2、Q3、Q4の値を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。
同様に、図47、図48において、位相変更方法については、s1(i)の変調方式、s2(i)の変調方式、s3(i)の変調方式、s4(i)の変調方式のセットにより、位相変更方法を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。また、誤り訂正符号化方法(例えば、符号長(ブロック長)、符号化率など)によって、位相変更方法を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。
次に、図49、図50、図51、図52について説明する。図49、図50、図51、図52は、4つの送信信号の平均電力が異なり、かつ、新たに位相変更部を追加したときのプリコーディング方法を実現するための構成に関する例の図である。
図49において、図47と同様に動作するものについては、同一符号を付している。図49が図47と異なる点は、位相変更部4901A、4901B、4901C、4901Dを追加している点である。
位相変更部4901Aは、ベースバンド信号s1(i)(4705A)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s1(i)(4705A)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s1(i)(4705A)の位相変更後の信号は、C1×ejω1(i)×s1(i)とあらわされ、C1×ejω1(i)×s1(t)を位相変更後の信号4902Aとして、位相変更部4901Aは、出力する(jは虚数単位。C1は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω1(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
同様に、位相変更部4901Bは、ベースバンド信号s2(i)(4705B)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s2(i)(4705B)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s2(i)(4705B)の位相変更後の信号は、C2×ejω2(i)×s2(i)とあらわされ、C2×ejω2(i)×s2(i)を位相変更後の信号4902Bとして、位相変更部4901Bは、出力する(jは虚数単位。C2は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω2(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
同様に、位相変更部4901Cは、ベースバンド信号s3(i)(4705C)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s3(i)(4705C)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s3(i)(4705C)の位相変更後の信号は、C3×ejω3(i)×s3(i)とあらわされ、C3×ejω3(i)×s3(i)を位相変更後の信号4902Cとして、位相変更部4901Cは、出力する(jは虚数単位。C3は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω3(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
同様に、位相変更部4901Dは、ベースバンド信号s4(i)(4705D)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s4(i)(4705D)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s4(i)(4705D)の位相変更後の信号は、C4×ejω4(i)×s4(i)とあらわされ、C4×ejω4(i)×s4(i)を位相変更後の信号4902Dとして、位相変更部4901Dは、出力する(jは虚数単位。C4は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω4(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
位相変更部4901A、4901B、4901C、4901D以降の部分については、図47の各部と機能的に同様の動作を行うことになる。したがって、図49における位相変更部4712A、位相変更部4712B、位相変更部4712C、位相変更部4712Dのそれぞれの出力となるz
1(i)、z
2(i)、z
3(i)、z
4(i)は、以下の式(63)ようにあらわされる。
図50は式(63)を実現するための、図49とは異なる構成図であり、図50において、図49と同様に動作するものについては、同一符号を付している。
図50が図49と異なる点は、重み付け合成4708より前段にある位相変更部とパワー変更部の位置関係が異なる点である。したがって、図50では、パワー変更部4705Aの後段に位相変更部4901Aが存在し、パワー変更部4705Bの後段に位相変更部4901Bが存在し、パワー変更部4705Cの後段に位相変更部4901Cが存在し、パワー変更部4705Dの後段に位相変更部4901Dが存在する。
図50の各部分は、図49の各部分と機能的には同様に動作するため、以下の式(64)が成立する。
なお、式(63)のz1(i)と式(64)のz1(i)は等しく、また、式(63)のz2(i)と式(64)のz2(i)も等しく、式(63)のz3(i)と式(64)のz3(i)も等しく、式(63)のz4(i)と式(64)のz4(i)も等しい。
なお、図49、図50において、パワー変更の値P1、P2、P3、P4、および、Q1、Q2、Q3、Q4の値については、s1(i)の変調方式、s2(i)の変調方式、s3(i)の変調方式、s4(i)の変調方式のセットにより、P1、P2、P3、P4の値、および/または、Q1、Q2、Q3、Q4の値を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。また、誤り訂正符号化方法(例えば、符号長(ブロック長)、符号化率など)によって、P1、P2、P3、P4の値、および/または、Q1、Q2、Q3、Q4の値を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。
同様に、図49、図50において、重み付け合成部4708の前段および後段の両者の位相変更方法については、s1(i)の変調方式、s2(i)の変調方式、s3(i)の変調方式、s4(i)の変調方式のセットにより、位相変更方法を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。また、誤り訂正符号化方法(例えば、符号長(ブロック長)、符号化率など)によって、位相変更方法を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。
図51において、図48と同様に動作するものについては、同一符号を付している。図51が図48と異なる点は、位相変更部4901A、4901B、4901C、4901Dを追加している点である。
位相変更部4901Aは、ベースバンド信号s1(i)(4705A)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s1(i)(4705A)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s1(i)(4705A)の位相変更後の信号は、C1×ejω1(i)×s1(i)とあらわされ、C1×ejω1(i)×s1(t)を位相変更後の信号4902Aとして、位相変更部4901Aは、出力する(jは虚数単位。C1は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω1(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
同様に、位相変更部4901Bは、ベースバンド信号s2(i)(4705B)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s2(i)(4705B)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s2(i)(4705B)の位相変更後の信号は、C2×ejω2(i)×s2(i)とあらわされ、C2×ejω2(i)×s2(i)を位相変更後の信号4902Bとして、位相変更部4901Bは、出力する(jは虚数単位。C2は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω2(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
同様に、位相変更部4901Cは、ベースバンド信号s3(i)(4705C)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s3(i)(4705C)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s3(i)(4705C)の位相変更後の信号は、C3×ejω3(i)×s3(i)とあらわされ、C3×ejω3(i)×s3(i)を位相変更後の信号4902Cとして、位相変更部4901Cは、出力する(jは虚数単位。C3は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω3(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
同様に、位相変更部4901Dは、ベースバンド信号s4(i)(4705D)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s4(i)(4705D)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s4(i)(4705D)の位相変更後の信号は、C4×ejω4(i)×s4(i)とあらわされ、C4×ejω4(i)×s4(i)を位相変更後の信号4902Dとして、位相変更部4901Dは、出力する(jは虚数単位。C4は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω4(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
位相変更部4901A、4901B、4901C、4901D以降の部分については、図48の各部と機能的に同様の動作を行うことになる。したがって、図51における位相変更部4712A、位相変更部4712B、位相変更部4712C、位相変更部4712Dのそれぞれの出力となるz
1(i)、z
2(i)、z
3(i)、z
4(i)は、以下の式(65)のようにあらわされる。
図52は式(65)を実現するための、図51とは異なる構成図であり、図52において、図51と同様に動作するものについては、同一符号を付している。
図52が図51と異なる点は、重み付け合成部4708より前段にある位相変更部とパワー変更部の位置関係が異なる点である。したがって、図52では、パワー変更部4705Aの後段に位相変更部4901Aが存在し、パワー変更部4705Bの後段に位相変更部4901Bが存在し、パワー変更部4705Cの後段に位相変更部4901Cが存在し、パワー変更部4705Dの後段に位相変更部4901Dが存在する。
図52の各部分は、図51の各部分と機能的には同様に動作するため、以下の式(66)が成立する。
なお、式(63)のz1(i)と式(64)のz1(i)と式(65)のz1(i)と式(66)のz1(i)は等しく、また、式(63)のz2(i)と式(64)のz2(i)と式(65)のz2(i)と式(66)のz2(i)も等しく、式(63)のz3(i)と式(64)のz3(i)と式(65)のz3(i)と式(66)のz3(i)も等しく、式(63)のz4(i)と式(64)のz4(i)と式(65)のz4(i)と式(66)のz4(i)も等しい。
なお、図51、図52において、パワー変更の値P1、P2、P3、P4、および、Q1、Q2、Q3、Q4の値については、s1(i)の変調方式、s2(i)の変調方式、s3(i)の変調方式、s4(i)の変調方式のセットにより、P1、P2、P3、P4の値、および/または、Q1、Q2、Q3、Q4の値を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。また、誤り訂正符号化方法(例えば、符号長(ブロック長)、符号化率など)によって、P1、P2、P3、P4の値、および/または、Q1、Q2、Q3、Q4の値を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。
同様に、図51、図52において、位相変更方法については、s1(i)の変調方式、s2(i)の変調方式、s3(i)の変調方式、s4(i)の変調方式のセットにより、位相変更方法を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。また、誤り訂正符号化方法(例えば、符号長(ブロック長)、符号化率など)によって、位相変更方法を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。
以上のように本実施の形態を実施することで、データの受信品質が改善する可能性が高く、また、特に、直接波が支配的なLOS環境において、データの受信品質が大きく改善する可能性が高い、という効果を得ることができる。
なお、例えば、4つのストリームの変調方式のセットが切り替わると、プリコーディング行列を切り替えてもよい。また、4つのストリームの変調方式のセットが切り替わると、位相変更の方法を切り替えてもよい。そして、4つのストリームの変調方式のセットが切り替わると、プリコーディング行列および位相変更の方法を切り替えてもよい(4つのストリームの変調方式のセットが切り替わっても、プリコーディング行列および位相変更を切り替えないとしてもよい。)。
(実施の形態4)
実施の形態1、実施の形態2において、図5、図6、図19、図20、図27、図28、図39、図40に示したように、マッピング、重み付け合成、位相変更の順に処理を行う場合について説明した。本実施の形態は、これらの処理に加え、さらに位相変更を行う部分を追加したり、パワー変更を行う部分を追加したりする変形例について説明する。なお、重み付け合成の後段で行う位相変更に関する方法については、実施の形態1、実施の形態2の説明と同様に動作すればよい。
本実施の形態では、3つのストリームを3つのアンテナを用いて送信する場合について説明する。図5、図6、図19、図20において、マッピング部506Aから位相変更部517A、マッピング部506Bから位相変更部517B、マッピング部506Cから位相変更部517Cの部分を図53、図54、図55、図56、図57、図58に置き換えてもよい。以下では、各図の動作について説明する。
図53、図54は、3つの送信信号の送信平均電力が異なるときのプリコーディング方法を実現するための構成に関する例の図である。
図53において、マッピング部4704は、データ4703、制御信号4714を入力とする。そして、制御信号4714が、伝送方式として、3つのストリームを送信することを指定したものとする。加えて、制御信号20412が3つのストリームの各変調方式として、変調方式αと変調方式βと変調方式γを指定したものとする。なお、変調方式αはpビットのデータを変調する変調方式、変調方式βはqビットのデータを変調する変調方式、変調方式γはrビットのデータを変調する変調方式とする。(例えば16QAMの場合、4ビットのデータを変調する変調方式であり、64QAMの場合、6ビットのデータを変調する変調方式である。)
すると、マッピング部4704は、p+q+rビットのデータのうちのpビットのデータに対し、変調方式αで変調し、ベースバンド信号s1(t)(4705A)を生成、出力する。また、qビットのデータに対し、変調方式βで変調し、ベースバンド信号s2(t)(4705B)を出力する。また、rビットのデータに対し、変調方式γで変調し、ベースバンド信号s3(t)(4705C)を出力する。
なお、図53では、マッピング部を一つとしているが、これとは別の構成として、s1(t)を生成するためのマッピング部とs2(t)を生成するためのマッピング部が別々に存在していてもよい。このとき、符号化後のデータ4703は、s1(t)を生成するためのマッピング部とs2(t)を生成するためのマッピング部とs3(t)を生成するためのマッピング部に振り分けられることになる。例えば、図53に示すように、マッピング部4704は、データ4703、4703B、4703Cを入力とし、データ4703に対しマッピングを行いベースバンド信号s1(t)(4705A)を生成、出力する。そして、データ4703Bに対しマッピングを行いベースバンド信号s2(t)(4705B)を生成、出力する。データ4703Cに対しマッピングを行いベースバンド信号s3(t)(4705C)を生成、出力する。
なお、s1(t)およびs2(t)およびs3(t)は複素数で表現され(ただし、複素数、実数、いずれであってもよい)、また、tは時間である。なお、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等のマルチキャリアを用いた伝送方式を用いている場合、s1およびs2およびs3は、s1(f)およびs2(f)およびs3(f)のように周波数fの関数、または、s1(t,f)およびs2(t,f)およびs3(t,f)のように時間t、周波数fの関数と考えることもできる。
以降、および、本明細書全体において、ベースバンド信号、プリコーディング行列、位相変更等を時間tの関数として説明しているが、周波数fの関数、時間tおよび周波数fの関数と考えてもよい。
したがって、ベースバンド信号、プリコーディング行列、位相変更等をシンボル番号iの関数として説明を進めている場合もあるが、この場合、時間tの関数、周波数fの関数、時間tおよび周波数fの関数と考えればよい。つまり、シンボル、ベースバンド信号を、時間軸方向で生成し、配置してもよいし、周波数軸方向で生成し、配置してもよい。また、シンボル、ベースバンド信号を、時間軸方向および周波数軸方向で生成し、配置してもよい。
パワー変更部4706A(パワー調整部4706A)は、ベースバンド信号s1(t)(4705A)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、実数P1を設定し、P1×s1(t)をパワー変更後の信号4707Aとして出力する。(なお、P1を実数としているが、複素数であってもよい。)
同様に、パワー変更部4706B(パワー調整部4706B)は、ベースバンド信号s2(t)(4705B)、および、制御信号4714を入力とし、実数P2を設定し、P2×s2(t)をパワー変更後の信号4707Bとして出力する。(なお、P2を実数としているが、複素数であってもよい。)
同様に、パワー変更部4706C(パワー調整部4706C)は、ベースバンド信号s3(t)(4705C)、および、制御信号4714を入力とし、実数P3を設定し、P3×s3(t)をパワー変更後の信号4707Cとして出力する。(なお、P3を実数としているが、複素数であってもよい。)
重み付け合成部4708は、パワー変更後の信号4707A、パワー変更後の信号4707B、パワー変更後の信号4707C、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、プリコーディング行列F(またはF(i))を設定する。スロット番号(シンボル番号)をiとすると、重み付け合成部4708は、以下の式(67)の演算を行う。
なお、プリコーディング行列Fについては、実施の形態1の式(37)、式(38)を用いて説明しているとおりである。なお、プリコーディング行列はiの関数であってもよいし、iの関数でなくてもよい。そして、プリコーディング行列がiの関数のとき、プリコーディング行列がスロット番号(シンボル番号)により切り替わることになる。
そして、重み付け合成部4708は、式(67)におけるu1(i)を重み付け合成後の信号4709Aとして出力し、式(67)におけるu2(i)を重み付け合成後の信号4709Bとして出力し、式(67)におけるu3(i)を重み付け合成後の信号4709Cとして出力する。
パワー変更部4710Aは、重み付け合成後の信号4709A(u1(i))、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、実数Q1を設定し、Q1×u1(i)をパワー変更後の信号4711Aとして出力する。(なお、Q1を実数としているが、複素数であってもよい。)
同様に、パワー変更部4710Bは、重み付け合成後の信号4709B(u2(i))、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、実数Q2を設定し、Q2×u2(i)をパワー変更後の信号4711Bとして出力する。(なお、Q2を実数としているが、複素数であってもよい。)
同様に、パワー変更部4710Cは、重み付け合成後の信号4709C(u3(i))、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、実数Q3を設定し、Q3×u3(i)をパワー変更後の信号4711Cとして出力する。(なお、Q3を実数としているが、複素数であってもよい。)
位相変更部4712Aは、Q1×u1(i)のパワー変更後の信号4711Aおよび制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、Q1×u1(i)のパワー変更後の信号4711Aの位相を変更する。したがって、Q1×u1(i)のパワー変更後の信号4711Aの位相を変更後の信号は、B1×ejθ1(i)×Q1×u1(i)とあらわされ、B1×ejθ1(i)×Q1×u1(i)を位相変更後の信号4713Aとして、位相変更部4712Aは、出力する(jは虚数単位。B1は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、θ1(i)のようにiの関数であることが特徴的な部分となる。そして、θ1(i)の与え方については、実施の形態1で説明したとおりである。
位相変更部4712Bは、Q2×u2(i)のパワー変更後の信号4711Bおよび制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、Q2×u2(i)のパワー変更後の信号4711Bの位相を変更する。したがって、Q2×u2(i)のパワー変更後の信号4711Bの位相を変更後の信号は、B2×ejθ2(i)×Q2×u2(i)とあらわされ、B2×ejθ2(i)×Q2×u2(i)を位相変更後の信号4713Bとして、位相変更部4712Bは、出力する(jは虚数単位。B2は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、θ2(i)のようにiの関数であることが特徴的な部分となる。そして、θ2(i)の与え方については、実施の形態1で説明したとおりである。
位相変更部4712Cは、Q3×u3(i)のパワー変更後の信号4711Cおよび制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、Q3×u3(i)のパワー変更後の信号4711Cの位相を変更する。したがって、Q3×u3(i)のパワー変更後の信号4711Cの位相を変更後の信号は、B3×ejθ3(i)×Q3×u3(i)とあらわされ、B3×ejθ3(i)×Q3×u3(i)を位相変更後の信号4713Cとして、位相変更部4712Cは、出力する(jは虚数単位。B3は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、θ3(i)のようにiの関数であることが特徴的な部分となる。そして、θ3(i)の与え方については、実施の形態1で説明したとおりである。
図54は式(68)を実現するための、図53とは異なる構成図であり、図54において、図53と同様に動作するものについては、同一符号を付している。
図54が図53と異なる点は、重み付け合成部4708より後段にある位相変更部とパワー変更部の位置関係が異なる点である。したがって、図54では、位相変更部4712Aの後段にパワー変更部4710Aが存在し、同様に、位相変更部4712Bの後段にパワー変更部4710Bが存在し、位相変更部4712Cの後段にパワー変更部4710Cが存在する。
図54の各部分は、図53の各部分と機能的には同様に動作するため、以下の式(69)が成立する。
なお、式(68)のz1(i)と式(69)のz1(i)は等しく、また、式(68)のz2(i)と式(69)のz2(i)も等しく、式(68)のz3(i)と式(69)のz3(i)も等しい。
なお、図53、図54において、パワー変更の値P1、P2、P3、および、Q1、Q2、Q3の値については、s1(i)の変調方式、s2(i)の変調方式、s3(i)の変調方式のセットにより、P1、P2、P3の値、および/または、Q1、Q2、Q3の値を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。また、誤り訂正符号化方法(例えば、符号長(ブロック長)、符号化率など)によって、P1、P2、P3の値、および/または、Q1、Q2、Q3の値を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。
同様に、図53、図54において、位相変更方法については、s1(i)の変調方式、s2(i)の変調方式、s3(i)の変調方式のセットにより、位相変更方法を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。また、誤り訂正符号化方法(例えば、符号長(ブロック長)、符号化率など)によって、位相変更方法を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。
次に、図55、図56、図57、図58について説明する。図55、図56、図57、図58は、3つの送信信号の平均電力が異なり、かつ、新たに位相変更部を追加したときのプリコーディング方法を実現するための構成に関する例の図である。
図55において、図53と同様に動作するものについては、同一符号を付している。図55が図53と異なる点は、位相変更部4901A、4901B、4901Cを追加している点である。
位相変更部4901Aは、ベースバンド信号s1(i)(4705A)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s1(i)(4705A)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s1(i)(4705A)の位相変更後の信号は、C1×ejω1(i)×s1(i)とあらわされ、C1×ejω1(i)×s1(t)を位相変更後の信号4902Aとして、位相変更部4901Aは、出力する(jは虚数単位。C1は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω1(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
同様に、位相変更部4901Bは、ベースバンド信号s2(i)(4705B)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s2(i)(4705B)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s2(i)(4705B)の位相変更後の信号は、C2×ejω2(i)×s2(i)とあらわされ、C2×ejω2(i)×s2(i)を位相変更後の信号4902Bとして、位相変更部4901Bは、出力する(jは虚数単位。C2は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω2(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
同様に、位相変更部4901Cは、ベースバンド信号s3(i)(4705C)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s3(i)(4705C)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s3(i)(4705C)の位相変更後の信号は、C3×ejω3(i)×s3(i)とあらわされ、C3×ejω3(i)×s3(i)を位相変更後の信号4902Cとして、位相変更部4901Cは、出力する(jは虚数単位。C3は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω3(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
位相変更部4901A、4901B、4901C以降の部分については、図53の各部と機能的に同様の動作を行うことになる。したがって、図55における位相変更部4712A、位相変更部4712B、位相変更部4712Cのそれぞれの出力となるz
1(i)、z
2(i)、z
3(i)は、以下の式(70)のようにあらわされる。
図56は式(70)を実現するための、図55とは異なる構成図であり、図56において、図55と同様に動作するものについては、同一符号を付している。
図56が図55と異なる点は、重み付け合成4708より前段にある位相変更部とパワー変更部の位置関係が異なる点である。したがって、図56では、パワー変更部4705Aの後段に位相変更部4901Aが存在し、パワー変更部4705Bの後段に位相変更部4901Bが存在し、パワー変更部4705Cの後段に位相変更部4901Cが存在する。
図56の各部分は、図50の各部分と機能的には同様に動作するため、以下の式(71)が成立する。
なお、式(70)のz1(i)と式(71)のz1(i)は等しく、また、式(70)のz2(i)と式(71)のz2(i)も等しく、式(70)のz3(i)と式(71)のz3(i)も等しい。
なお、図55、図56において、パワー変更の値P1、P2、P3、および、Q1、Q2、Q3の値については、s1(i)の変調方式、s2(i)の変調方式、s3(i)の変調方式のセットにより、P1、P2、P3の値、および/または、Q1、Q2、Q3の値を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。また、誤り訂正符号化方法(例えば、符号長(ブロック長)、符号化率など)によって、P1、P2、P3の値、および/または、Q1、Q2、Q3の値を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。
同様に、図55、図56において、重み付け合成部4708の前段および後段の両者の位相変更方法については、s1(i)の変調方式、s2(i)の変調方式、s3(i)の変調方式のセットにより、位相変更方法を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。また、誤り訂正符号化方法(例えば、符号長(ブロック長)、符号化率など)によって、位相変更方法を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。
図57において、図54と同様に動作するものについては、同一符号を付している。図57が図54と異なる点は、位相変更部4901A、4901B、4901Cを追加している点である。
位相変更部4901Aは、ベースバンド信号s1(i)(4705A)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s1(i)(4705A)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s1(i)(4705A)の位相変更後の信号は、C1×ejω1(i)×s1(i)とあらわされ、C1×ejω1(i)×s1(t)を位相変更後の信号4902Aとして、位相変更部4901Aは、出力する(jは虚数単位。C1は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω1(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
同様に、位相変更部4901Bは、ベースバンド信号s2(i)(4705B)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s2(i)(4705B)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s2(i)(4705B)の位相変更後の信号は、C2×ejω2(i)×s2(i)とあらわされ、C2×ejω2(i)×s2(i)を位相変更後の信号4902Bとして、位相変更部4901Bは、出力する(jは虚数単位。C2は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω2(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
同様に、位相変更部4901Cは、ベースバンド信号s3(i)(4705C)、および、制御信号4714を入力とし、制御信号4714に基づき、ベースバンド信号s3(i)(4705C)の位相を変更する。したがって、ベースバンド信号s3(i)(4705C)の位相変更後の信号は、C3×ejω3(i)×s3(i)とあらわされ、C3×ejω3(i)×s3(i)を位相変更後の信号4902Cとして、位相変更部4901Cは、出力する(jは虚数単位。C3は1.00であってもよいし、0以上の実数であってもよい。)。なお、変更する位相の値は、ω3(i)のようにiの関数であってもよいし、iの関数ではなく、固定値であってもよい。
位相変更部4901A、4901B、4901C以降の部分については、図54の各部と機能的に同様の動作を行うことになる。したがって、図57における位相変更部4712A、位相変更部4712B、位相変更部4712Cのそれぞれの出力となるz
1(i)、z
2(i)、z
3(i)は、以下の式(72)のようにあらわされる。
図58は式(72)を実現するための、図57とは異なる構成図であり、図58において、図57と同様に動作するものについては、同一符号を付している。
図58が図57と異なる点は、重み付け合成4708より前段にある位相変更部とパワー変更部の位置関係が異なる点である。したがって、図58では、パワー変更部4705Aの後段に位相変更部4901Aが存在し、パワー変更部4705Bの後段に位相変更部4901Bが存在し、パワー変更部4705Cの後段に位相変更部4901Cが存在する。
図58の各部分は、図57の各部分と機能的には同様に動作するため、以下の式(73)が成立する。
なお、式(70)のz1(i)と式(71)のz1(i)と式(72)のz1(i)と式(73)のz1(i)は等しく、また、式(70)のz2(i)と式(71)のz2(i)と式(72)のz2(i)と式(73)のz2(i)も等しく、式(70)のz3(i)と式(71)のz3(i)と式(72)のz3(i)と式(73)のz3(i)も等しい。
なお、図57、図58において、パワー変更の値P1、P2、P3、および、Q1、Q2、Q3の値については、s1(i)の変調方式、s2(i)の変調方式、s3(i)の変調方式のセットにより、P1、P2、P3の値、および/または、Q1、Q2、Q3の値を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。また、誤り訂正符号化方法(例えば、符号長(ブロック長)、符号化率など)によって、P1、P2、P3の値、および/または、Q1、Q2、Q3の値を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。
同様に、図57、図58において、位相変更方法については、s1(i)の変調方式、s2(i)の変調方式、s3(i)の変調方式のセットにより、位相変更方法を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。また、誤り訂正符号化方法(例えば、符号長(ブロック長)、符号化率など)によって、位相変更方法を切り替えてもよい(当然、切り替えなくてもよい)。
以上のように本実施の形態を実施することで、データの受信品質が改善する可能性が高く、また、特に、直接波が支配的なLOS環境において、データの受信品質が大きく改善する可能性が高い、という効果を得ることができる。
なお、例えば、3つのストリームの変調方式のセットが切り替わると、プリコーディング行列を切り替えてもよい。また、3つのストリームの変調方式のセットが切り替わると、位相変更の方法を切り替えてもよい。そして、3つのストリームの変調方式のセットが切り替わると、プリコーディング行列および位相変更の方法を切り替えてもよい(3つのストリームの変調方式のセットが切り替わっても、プリコーディング行列および位相変更を切り替えないとしてもよい。)。
(補足1)
当然であるが、本明細書において説明した実施の形態、その他の内容を複数組み合わせて、実施してもよい。
また、各実施の形態、その他の内容については、あくまでも例であり、例えば、「変調方式、誤り訂正符号化方式(使用する誤り訂正符号、符号長、符号化率等)、制御情報など」を例示していても、別の「変調方式、誤り訂正符号化方式(使用する誤り訂正符号、符号長、符号化率等)、制御情報など」を適用した場合でも同様の構成で実施することが可能である。
変調方式については、本明細書で記載している変調方式以外の変調方式を使用しても、本明細書において説明した実施の形態、その他の内容を実施することが可能である。例えば、APSK(Amplitude Phase Shift Keying)(例えば、16APSK, 64APSK, 128APSK, 256APSK, 1024APSK, 4096APSKなど)、PAM(Pulse Amplitude Modulation)(例えば、4PAM, 8PAM, 16PAM, 64PAM, 128PAM, 256PAM, 1024PAM, 4096PAMなど)、PSK(Phase Shift Keying)(例えば、BPSK, QPSK, 8PSK, 16PSK, 64PSK, 128PSK, 256PSK, 1024PSK, 4096PSKなど)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)(例えば、4QAM, 8QAM, 16QAM, 64QAM, 128QAM, 256QAM, 1024QAM, 4096QAMなど)などを適用してもよいし、各変調方式において、均一マッピング、非均一マッピングとしてもよい。
また、I−Q平面における2個、4個、8個、16個、64個、128個、256個、1024個等の信号点の配置方法(2個、4個、8個、16個、64個、128個、256個、1024個等の信号点をもつ変調方式)は、本明細書で示した変調方式の信号点配置方法に限ったものではない。したがって、複数のビットに基づき同相成分と直交成分を出力するという機能がマッピング部での機能となり、その後、プリコーディングおよび位相変更を施すことが本発明の一つの有効な機能となる。
そして、本明細書において、「∀」「∃」が存在する場合、「∀」は全称記号(universal quantifier)をあらわしており、「∃」は存在記号(existential quantifier)をあらわしている。
また、本明細書において、複素平面がある場合、例えば、偏角のような、位相の単位は、「ラジアン(radian)」としている。
複素平面を利用すると、複素数の極座標による表示として極形式で表示できる。複素数z = a + jb (a、bはともに実数であり、jは虚数単位である)に、複素平面上の点(a, b) を対応させたとき、この点が極座標で[r, θ] とあらわされるなら、a=r×cosθ、b=r×sinθ
が成り立ち、r は z の絶対値 (r = |z|) であり、θ が偏角 (argument)となる。そして、z = a + jbは、r×e
jθとあらわされる。
本実施の形態では、送信装置が、規則的にプリコーディング行列を切り替える方法に関する直接の情報を送信せずに、受信装置が、送信装置が用いた「規則的にプリコーディング行列を切り替える方法」のプリコーディングに関する情報を推定する方法について、説明した。これにより、送信装置は、規則的にプリコーディング行列を切り替える方法に関する直接の情報を送信しないので、その分、データの伝送効率が向上するという効果を得ることができる。
なお、本実施の形態において、時間軸におけるプリコーディングウェイト変更するときの実施の形態を説明したが、実施の形態1で説明したように、OFDM伝送等のマルチキャリア伝送方式を用いたときでも本実施の形態は同様に実施することができる。
また、特に、プリコーディング切り替え方法が、送信信号数のみによって変更されているとき、受信装置は、送信装置が送信する送信信号数の情報を得ることで、プリコーディング切り替え方法をしることができる。
本明細書において、端末の受信装置とアンテナが別々となっている構成であってもよい。例えば、アンテナで受信した信号、または、アンテナで受信した信号に対し、周波数変換を施した信号を、ケーブルを通して、入力するインターフェースを受信装置が具備し、受信装置はその後の処理を行うことになる。また、受信装置が得たデータ・情報は、その後、映像や音に変換され、ディスプレイ(モニタ)に表示されたり、スピーカから音が出力されたりする。さらに、受信装置が得たデータ・情報は、映像や音に関する信号処理が施され(信号処理を施さなくてもよい)、受信装置が具備するRCA端子(映像端子、音用端子)、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、デジタル用端子等から出力されてもよい。
本明細書において、送信装置を具備しているのは、例えば、放送局、基地局、アクセスポイント、端末、携帯電話(mobile phone)等の通信・放送機器であることが考えられ、このとき、受信装置を具備しているのは、テレビ、ラジオ、端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話、アクセスポイント、基地局等の通信機器であることが考えられる。また、本発明における送信装置、受信装置は、通信機能を有している機器であって、その機器が、テレビ、ラジオ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等のアプリケーションを実行するための装置に何らかのインターフェースを解して接続できるような形態であることも考えられる。
また、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード、ポストアンブル、リファレンスシンボル等)、制御情報用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。そして、ここでは、パイロットシンボル、制御情報用のシンボルと名付けているが、どのような名付け方を行ってもよく、機能自身が重要となっている。
パイロットシンボルは、例えば、送受信機において、PSK変調を用いて変調した既知のシンボル(または、受信機が同期をとることによって、受信機は、送信機が送信したシンボルを知ることができてもよい。)であればよく、受信機は、このシンボルを用いて、周波数同期、時間同期、(各変調信号の)チャネル推定(CSI(Channel State Information)の推定)、信号の検出等を行うことになる。
また、制御情報用のシンボルは、(アプリケーション等の)データ以外の通信を実現するための、通信相手に伝送する必要がある情報(例えば、通信に用いている変調方式・誤り訂正符号化方式・誤り訂正符号化方式の符号化率、上位レイヤーでの設定情報等)を伝送するためのシンボルである。
なお、本発明は各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、各実施の形態では、通信装置として行う場合について説明しているが、これに限られるものではなく、この通信方法をソフトウェアとして行うことも可能である。
また、上記では、2つの変調信号を2つのアンテナから送信する方法におけるプリコーディング切り替え方法について説明したが、これに限ったものではなく、4つのマッピング後の信号に対し、プリコーディングを行い、4つの変調信号を生成し、4つのアンテナから送信する方法、つまり、N個のマッピング後の信号に対し、プリコーディングを行い、N個の変調信号を生成し、N個のアンテナから送信する方法においても同様にプリコーディングウェイト(行列)を変更する、プリコーディング切り替え方法としても同様に実施することができる。
本明細書では、「プリコーディング」「プリコーディングウェイト」等の用語を用いているが、呼び方自身は、どのようなものでもよく、本発明では、その信号処理自身が重要となる。
ストリームs1(t)、s2(t)により、異なるデータを伝送してもよいし、同一のデータを伝送してもよい。
送信装置の送信アンテナ、受信装置の受信アンテナ、共に、図面で記載されている1つのアンテナは、複数のアンテナにより構成されていても良い。
送信装置は、受信装置に対し、送信方法(MIMO、SISO、時空間ブロック符号、インタリーブ方式)、変調方式、誤り訂正符号化方式を通知する必要があるが、実施の形態によってはこの点について省略されている。送信装置が送信するフレームに通知信号が存在する。受信装置はこの通知信号を得ることで、動作を変更することになる。
なお、例えば、上記通信方法を実行するプログラムを予めROM(Read Only Memory)に格納しておき、そのプログラムをCPU(Central Processor Unit)によって動作させるようにしても良い。
また、上記通信方法を実行するプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、記憶媒体に格納されたプログラムをコンピュータのRAM(Random Access Memory)に記録して、コンピュータをそのプログラムにしたがって動作させるようにしても良い。
そして、上記の各実施の形態などの各構成は、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、各実施の形態の全ての構成または一部の構成を含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
さらに、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
(補足2)
実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4において、主に、プリコーディング後に、位相変更を行う場合について説明した。ここでは、その変形例について説明する。
実施の形態3の式(60)において、パワー変更値P1、P2、P3、P4を、「時間」、または、「周波数」、または、「時間および周波数」の関数する、つまり、P1、P2、P3、P4を、「時間」、または、「周波数」、または、「時間および周波数」により値を切り替えてもよい。
そして、実施の形態3における式(61)におけるパワー変更値P1、P2、P3、P4、式(62)におけるパワー変更値P1、P2、P3、P4、式(63)におけるパワー変更値P1、P2、P3、P4、式(64)におけるパワー変更値P1、P2、P3、P4、式(65)におけるパワー変更値P1、P2、P3、P4、式(66)におけるパワー変更値P1、P2、P3、P4を、「時間」、または、「周波数」、または、「時間および周波数」の関数する、つまり、「時間」、または、「周波数」、または、「時間および周波数」により値を切り替えてもよい。
また、実施の形態3における式(61)におけるパワー変更値Q1、Q2、Q3、Q4、式(62)におけるパワー変更値Q1、Q2、Q3、Q4、式(63)におけるパワー変更値Q1、Q2、Q3、Q4、式(64)におけるパワー変更値Q1、Q2、Q3、Q4、式(65)におけるパワー変更値Q1、Q2、Q3、Q4、式(66)におけるパワー変更値Q1、Q2、Q3、Q4を、「時間」、または、「周波数」、または、「時間および周波数」の関数する、つまり、「時間」、または、「周波数」、または、「時間および周波数」により値を切り替えてもよい。
実施の形態4の式(67)において、パワー変更値P1、P2、P3を、「時間」、または、「周波数」、または、「時間および周波数」の関数する、つまり、P1、P2、P3を、「時間」、または、「周波数」、または、「時間および周波数」により値を切り替えてもよい。
そして、実施の形態4における式(68)におけるパワー変更値P1、P2、P3、式(69)におけるパワー変更値P1、P2、P3、式(70)におけるパワー変更値P1、P2、P3、式(71)におけるパワー変更値P1、P2、P3、式(72)におけるパワー変更値P1、P2、P3、式(73)におけるパワー変更値P1、P2、P3を、「時間」、または、「周波数」、または、「時間および周波数」の関数する、つまり、「時間」、または、「周波数」、または、「時間および周波数」により値を切り替えてもよい。
また、実施の形態4における式(68)におけるパワー変更値Q1、Q2、Q3、式(69)におけるパワー変更値Q1、Q2、Q3、式(70)におけるパワー変更値Q1、Q2、Q3、式(71)におけるパワー変更値Q1、Q2、Q3、式(72)におけるパワー変更値Q1、Q2、Q3、式(73)におけるパワー変更値Q1、Q2、Q3を、「時間」、または、「周波数」、または、「時間および周波数」の関数する、つまり、「時間」、または、「周波数」、または、「時間および周波数」により値を切り替えてもよい。
本発明は、複数のアンテナからそれぞれ異なる変調信号を送信する無線システムに広く適用できる。また、複数の送信箇所を持つ有線通信システム(例えば、PLC(Power Line Communication)システム、光通信システム、DSL(Digital Subscriber Line:デジタル加入者線)システム)において、MIMO伝送を行う場合についても適用することができる。