JP6641034B2 - 無線端末、基地局、無線通信方法、及び無線通信システム - Google Patents

無線端末、基地局、無線通信方法、及び無線通信システム Download PDF

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Description

本発明は、移動通信システムにおいて用いられる無線端末、基地局、及び無線通信方法に関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(Third Generation Partnership Project)において、無線通信におけるレイテンシを低減するレイテンシ低減機能の導入が検討されている。このようなレイテンシ低減機能を実現するための技術として、高速上りリンクアクセス技術及びTTI(Transmission Time Interval)短縮技術等が挙げられる。
一つの実施形態に係る無線端末は、ランダムアクセス手順を制御する制御部を備える。前記ランダムアクセス手順は、ランダムアクセスプリアンブルを基地局に送信する第1の処理と、ランダムアクセス応答を前記基地局から受信する第2の処理と、前記ランダムアクセス応答に基づいて前記基地局に上りリンク送信を行う第3の処理と、を含む。前記制御部は、前記第1の処理又は前記第3の処理において、前記無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を前記基地局に通知する。
一つの実施形態に係る基地局は、ランダムアクセス手順を制御する制御部を備える。前記ランダムアクセス手順は、ランダムアクセスプリアンブルを無線端末から受信する第1の処理と、ランダムアクセス応答を前記無線端末に送信する第2の処理と、前記ランダムアクセス応答に基づく上りリンク送信を前記無線端末から受信する第3の処理と、を含む。前記制御部は、前記第1の処理又は前記第3の処理において、前記無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を前記無線端末から取得する。
一つの実施形態に係るプロセッサは、ランダムアクセス手順を行う無線端末を制御する。前記ランダムアクセス手順は、ランダムアクセスプリアンブルを基地局に送信する第1の処理と、ランダムアクセス応答を前記基地局から受信する第2の処理と、前記ランダムアクセス応答に基づいて前記基地局に上りリンク送信を行う第3の処理と、を含む。前記プロセッサは、前記第1の処理又は前記第3の処理において、前記無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を前記基地局に通知する。
実施形態に係るLTEシステム(移動通信システム)を示す図である。 実施形態に係るUE(無線端末)のブロック図である。 実施形態に係るeNB(基地局)のブロック図である。 LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。 LTEシステムにおいて用いられる無線フレームの構成図である。 BSR MAC制御要素を説明するための図である。 TCPの概要を説明するための図である。 一般的なランダムアクセス手順及び上りリンクの送信手順を示すシーケンス図である。 実施形態に係るランダムアクセス手順のパターン1を示すシーケンス図である。 実施形態に係るランダムアクセス手順のパターン2を示すシーケンス図である。 実施形態に係るランダムアクセス手順のパターン3を示すシーケンス図である。 実施形態の付記に係る図である。 実施形態の付記に係る図である。 実施形態の付記に係る図である。
[実施形態の概要]
一般的な上りリンクの送信手順は、以下の第1のステップ乃至第3のステップを含む。
第1のステップにおいて、無線端末は、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)リソースを要求するためのスケジューリング要求(SR)を、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)リソースを用いて基地局に送信する。基地局は、SRの受信に応じて、無線端末にPUSCHリソースを割り当てる。
第2のステップにおいて、無線端末は、基地局から割り当てられたPUSCHリソースを用いて、無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を示すバッファ情報を含むバッファステータス報告(BSR)を基地局に送信する。基地局は、BSRの受信に応じて、適切な量のPUSCHリソースを無線端末に割り当てる。
第3のステップにおいて、無線端末は、基地局から割り当てられたPUSCHリソースを用いて、無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータを基地局に送信する。
一方で、RRCコネクティッドモードの無線端末は、上りリンク同期状態が非同期(Non−synchronised)である場合、上りリンク送信を行うために、ランダムアクセス手順を行う。また、RRCコネクティッドモードの無線端末は、初期接続(Initial access)を行うために、ランダムアクセス手順を行う。
無線端末は、ランダムアクセス手順の終了後に、上述した上りリンクの送信手順(すなわち、第1のステップ乃至第3のステップ)を行うことにより、上りリンクデータを基地局に送信可能である。しかしながら、ランダムアクセス手順の後に上りリンクの送信手順(第1のステップ乃至第3のステップ)を行う方法には、上りリンクのレイテンシを低減する、すなわち高速上りリンクアクセスを可能とする点において改善の余地がある。
以下の実施形態において、高速上りリンクアクセスを可能とするための技術が開示される。
一つの実施形態に係る無線端末は、ランダムアクセス手順を制御する制御部を備える。前記ランダムアクセス手順は、ランダムアクセスプリアンブルを基地局に送信する第1の処理と、ランダムアクセス応答を前記基地局から受信する第2の処理と、前記ランダムアクセス応答に基づいて前記基地局に上りリンク送信を行う第3の処理と、を含む。前記制御部は、前記第1の処理又は前記第3の処理において、前記無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を前記基地局に通知する。
一つの実施形態に係る基地局は、ランダムアクセス手順を制御する制御部を備える。前記ランダムアクセス手順は、ランダムアクセスプリアンブルを無線端末から受信する第1の処理と、ランダムアクセス応答を前記無線端末に送信する第2の処理と、前記ランダムアクセス応答に基づく上りリンク送信を前記無線端末から受信する第3の処理と、を含む。前記制御部は、前記第1の処理又は前記第3の処理において、前記無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を前記無線端末から取得する。
一つの実施形態に係るプロセッサは、ランダムアクセス手順を行う無線端末を制御する。前記ランダムアクセス手順は、ランダムアクセスプリアンブルを基地局に送信する第1の処理と、ランダムアクセス応答を前記基地局から受信する第2の処理と、前記ランダムアクセス応答に基づいて前記基地局に上りリンク送信を行う第3の処理と、を含む。前記プロセッサは、前記第1の処理又は前記第3の処理において、前記無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を前記基地局に通知する。
[実施形態]
(1)移動通信システムの構成
図1は、実施形態に係る移動通信システムであるLTEシステムの構成を示す図である。図1に示すように、LTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、無線端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、セル(サービングセル)との無線通信を行う。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても用いられる。
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。S−GWは、データの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。E−UTRAN10及びEPC20は、ネットワークを構成する。
(2)無線端末の構成
図2は、UE100(無線端末)のブロック図である。図2に示すように、UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサは、上述した処理及び後述する処理を実行する。
(3)基地局の構成
図3は、eNB200(基地局)のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
制御部230は、eNB200における各種の制御を行う。制御部230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、上述した処理及び後述する処理を実行する。
バックホール通信部240は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。バックホール通信部240は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信等に用いられる。
(4)無線インターフェイス
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御情報を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッドモードであり、そうでない場合、UE100はRRCアイドルモードである。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。
UE100は、無線インターフェイスプロトコルの上位のプロトコルとしてOSI参照モデルの第4層乃至第7層を有する。第4層であるトランスポート層は、TCP(Transmission Control Protocol)を含む。TCPについては後述する。
(5)LTE下位層の概要
図5は、LTEシステムにおいて用いられる無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのシンボル及び1つのサブキャリアにより1つのリソースエレメント(RE)が構成される。また、UE100に割り当てられる無線リソース(時間・周波数リソース)のうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に下りリンク制御情報を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)、及び、HARQ ACK/NACKを伝送するための物理HARQインジケータチャネル(PHICH)として用いられる領域である。 また、各サブフレームの残りの部分は、主に下りリンクデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として用いることができる領域である。
eNB200は、基本的には、PDCCHを用いて下りリンク制御情報(DCI)をUE100に送信し、PDSCHを用いて下りリンクデータをUE100に送信する。PDCCHが搬送する下りリンク制御情報は、上りリンクスケジューリング情報、下りリンクスケジューリング情報、TPCコマンドを含む。上りリンクスケジューリング情報は上りリンク無線リソースの割当てに関するスケジューリング情報(UL grant)であり、下りリンクスケジューリング情報は、下りリンク無線リソースの割当てに関するスケジューリング情報である。TPCコマンドは、上りリンクの送信電力の増減を指示する情報である。eNB200は、下りリンク制御情報の送信先のUE100を識別するために、送信先のUE100の識別子(RNTI:Radio Network Temporary ID)でスクランブリングしたCRCビットを下りリンク制御情報に含める。各UE100は、自UE宛ての可能性がある下りリンク制御情報について、自UEのRNTIでデスクランブリング後、CRCチェックをすることにより、PDCCHをブラインド復号(Blind decoding)し、自UE宛の下りリンク制御情報を検出する。PDSCHは、下りリンクスケジューリング情報が示す下りリンク無線リソース(リソースブロック)により下りリンクデータを搬送する。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に上りリンク制御情報を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として用いられる領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、主に上りリンクデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として用いることができる領域である。
UE100は、基本的には、PUCCHを用いて上りリンク制御情報(UCI)をeNB200に送信し、PUSCHを用いて上りリンクデータをeNB200に送信する。PUCCHが運搬する上りリンク制御情報は、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)、スケジューリング要求(SR)、HARQ ACK/NACKを含む。CQIは、下りリンクのチャネル品質を示すインデックスであり、下りリンク伝送に用いるべきMCSの決定等に用いられる。PMIは、下りリンクの伝送のために用いることが望ましいプレコーダマトリックスを示すインデックスである。RIは、下りリンクの伝送に用いることが可能なレイヤ数(ストリーム数)を示すインデックスである。SRは、PUSCHリソースの割り当てを要求する情報である。HARQ ACK/NACKは、下りリンクデータを正しく受信したか否かを示す送達確認情報である。
(6)SRの概要
UE100は、PUSCHリソースを要求するためのSRを、PUCCHリソースを用いてeNB200に送信する。eNB200は、SRの受信に応じて、UE100にPUSCHリソースを割り当てる(すなわち、UE100に「UL grant」を送信する)。
UE100は、eNB200からRRCシグナリングにより設定されるPUCCHパラメータであるN(1) PUCCH,SRIに従って、SRの送信用のPUCCHリソースを決定する。当該パラメータは、UE固有のパラメータである。
また、SRの送信周期(SR periodicity)及びサブフレームオフセット(SR subframe offset)を含むSR設定(SR configuration)は、eNB200からUE100にRRCシグナリングにより設定されるパラメータである「SR configuration index」により定められる。当該パラメータは、UE固有のパラメータである。「SR configuration」の一例を表1に示す。
Figure 0006641034
表1の例において、SRの送信用のPUCCHリソースの周期(SR periodicity)は、1[ms]乃至80[ms]の範囲内である。
UE100は、例えば下記の式(1)を満たす各サブフレームにおいてSRを送信可能である。
Figure 0006641034
但し、「nf」はシステムフレーム番号(無線フレーム番号)であり、「nS」はフレーム内のスロット番号(0番乃至19番)であり、「NOFFSET,SR」はサブフレームオフセット(SR subframe offset)であり、「SRPERIODICITY」はSR周期(SR periodicity)である。
(7)BSRの概要
UE100は、eNB200から割り当てられたPUSCHリソースを用いて、BSRをeNB200に送信する。BSRは、UE100の送信バッファ(ULバッファ)内の上りリンクデータの量を示すバッファ情報(Buffer Size)を含む。BSRは、UE100のMAC層からeNB200のMAC層に送信されるMAC制御要素の一種である。BSR MAC制御要素は、第1のフォーマット及び第2のフォーマットをサポートする。第1のフォーマットは、「Short BSR」及び「Truncated BSR」の送信に用いられる。第2のフォーマットは、「Long BSR」の送信に用いられる。
図6は、BSR MAC制御要素を説明するための図である。
図6(A)に示すように、BSR MAC制御要素の第1のフォーマットは、1つの「LCG ID」フィールド及び1つの「Buffer Size」フィールドからなる。「LCG ID」は、論理チャネルのグループを識別するIDであり、2ビットのビット長を有する。「Buffer Size」は、「LCG ID」に対応するグループ内の全ての論理チャネルのデータ量を示すインデックスであり、6ビットのビット長を有する。インデックスとデータ量(バッファサイズ値)との対応関係の一例を表2に示す。
Figure 0006641034
図6(B)に示すように、BSR MAC制御要素の第2のフォーマットは、4つの「Buffer Size」フィールドからなる。「Buffer Size」フィールドは、「LCG ID #0」乃至「LCG ID #3」に対応して設けられる。BSR MAC制御要素の第2のフォーマットによれば、1つのBSRで4つの「LCG ID」の各データ量を示すことができる。
(8)TCPの概要
図7は、TCPの概要を説明するための図である。実施形態において、UE100は、LTEシステムのネットワークを介して、インターネット上のサーバとのTCP通信を行う。
図7に示すように、サーバは、UE100からの「TCP ACK」に基づいてネットワークの混雑状況を判断する。サーバは、「TCP ACK」の受信に応じて、ウィンドウサイズを徐々に増加させる。ウィンドウサイズとは、「TCP ACK」を待たずに連続的に送信する「TCP Segment」の量である。一方、サーバは、「TCP ACK」の受信に失敗(タイムアウト)した場合、ウィンドウサイズを半減させる。このような制御は「スロースタート」と称される。
よって、LTEシステムの下りリンクが混雑していない場合でも、UE100が上りリンクにおいて「TCP ACK」を速やかに送信しなければ、下りリンクのTCPスループットを高めることができない。すなわち、UE100において「TCP ACK」を生成してから「TCP ACK」をeNB200に送信完了するまでの遅延時間(上りリンクのレイテンシ)を短縮できれば、下りリンクのTCPスループットを高めることができる。ここで、「TCP ACK」をUE100からeNB200に送信するためには、eNB200からUE100に適切な量の上りリンクリソース(具体的には、PUSCHリソース)を割り当てることが必要である。
(9)一般的なランダムアクセス手順及び上りリンクの送信手順
以下において、一般的なランダムアクセス手順及び上りリンクの送信手順について説明する。図8は、一般的なランダムアクセス手順及び上りリンクの送信手順を示すシーケンス図である。図8の初期状態において、UE100は、RRCコネクティッドモード又はRRCアイドルモードである。
図8に示すように、RRCコネクティッドモードのUE100は、上りリンク同期状態が非同期(Non−synchronised)である場合、上りリンク送信を行うために、ランダムアクセス手順(ステップS1)を行う。また、RRCアイドルモードのUE100は、初期接続(Initial access)を行うために、ランダムアクセス手順(ステップS1)を行う。UE100は、ランダムアクセス手順(ステップS1)の終了後に、上りリンクの送信手順(ステップS2)を行うことにより、上りリンクデータ(ULデータ)をeNB200に送信する。
具体的には、ステップS1−1において、UE100は、ランダムアクセス手順の第1の処理として、ランダムアクセスプリアンブル(RA Preamble)をPRACH上でeNB200に送信する。「RA Preamble」は、Msg1と称されることがある。「RA Preamble」は、MAC層においてUE100からeNB200へのランダムアクセスを行うための信号である。eNB200は、「RA Preamble」を受信する。
ステップS1−2において、eNB200は、ランダムアクセス手順の第2の処理として、DL−SCH上でランダムアクセス応答(RA Response)をUE100に送信する。「RA Response」は、MAC制御要素(MAC CE)の一種であり、Msg2と称されることがある。具体的には、eNB200は、UE100から受信した「RA Preamble」に基づいて、UE100との間の上りリンク遅延を推定する。また、eNB200は、UE100に割り当てる上りリンク無線リソースを決定する。そして、eNB200は、遅延推定の結果に基づくタイミング補正値(TA:Timing Advance)、無線リソースの割り当て情報(UL grant)、プリアンブル識別子(Preamble ID)、及び「Temporary C−RNTI」を含む「RA Response」をUE100に送信する。なお、「Preamble ID」は、UE100から受信した「RA Preamble」の信号系列を示すIDである。また、物理層(PDCCH)において、「RA Response」の送信には専用のRNTI(RA−RNTI)が用いられる。UE100は、「RA Response」を受信する。
ステップS1−3において、UE100は、ランダムアクセス手順の第3の処理として、「RA Response」に基づいてUL−SCH上でeNB200に上りリンク送信(Scheduled Transmission)を行う。「Scheduled Transmission」は、Msg3と称されることがある。初期接続(Initial access)の場合、「Scheduled Transmission」は、「RRC Connection Request」メッセージである。それ以外の場合(すなわち、UE100にC−RNTIが割り当てられている場合)、「Scheduled Transmission」は、UE100のC−RNTIを含むメッセージである。eNB200は、「Scheduled Transmission」を受信する。
ステップS1−4において、eNB200は、ランダムアクセス手順の第3の処理として、競合解決(Contention Resolution)メッセージをUE100に送信する。「Contention Resolution」メッセージは、Msg4と称されることがある。「Contention Resolution」メッセージは、ステップS1−3でUE100から受信したメッセージの内容を含む。初期接続(Initial access)の場合、物理層(PDCCH)において、「Contention Resolution」メッセージの送信には「Temporary C−RNTI」が用いられる。UE100にC−RNTIが割り当てられている場合、物理層(PDCCH)において、「Contention Resolution」メッセージの送信には「C−RNTI」が用いられる。UE100は、「Contention Resolution」メッセージを受信する。
このように、ランダムアクセス手順(ステップS1)は、ステップS1−1乃至S1−4からなる。次に、上りリンクの送信手順(ステップS2)について説明する。
ステップS2−1において、UE100は、PUSCHリソースの割り当てを要求するためのSRを、PUCCH上でeNB200に送信する。
ステップS2−2において、eNB200は、SRの受信に応じて、UE100にPUSCHリソースを割り当てる。具体的には、eNB200は、上りリンクのスケジューリング情報(UL grant)を含むDCIをPDCCH上でUE100に送信する。
ステップS2−3において、UE100は、eNB200から割り当てられたPUSCHリソースを用いて、UE100の送信バッファ内の上りリンクデータの量を示すバッファ情報を含むBSRをeNB200に送信する。
ステップS2−4において、eNB200は、BSRの受信に応じて、適切な量のPUSCHリソースをUE100に割り当てる。具体的には、eNB200は、上りリンクのスケジューリング情報(UL grant)を含むDCIをPDCCH上でUE100に送信する。
ステップS2−5において、UE100は、eNB200から割り当てられたPUSCHリソースを用いて、UE100の送信バッファ内の上りリンクデータ(例えば、TCP ACKパケット)をeNB200に送信する。
このように、上りリンクの送信手順(ステップS2)は、ステップS2−1乃至S2−5からなる。
しかしながら、ランダムアクセス手順(ステップS1)の後に上りリンクの送信手順(ステップS2)を行う方法には、上りリンクのレイテンシを低減する、すなわち高速上りリンクアクセスを可能とする点において改善の余地がある。
(10)実施形態に係るランダムアクセス手順
以下において、実施形態に係るランダムアクセス手順について説明する。
(10.1)パターン1
図9は、実施形態に係るランダムアクセス手順のパターン1を示すシーケンス図である。ここでは、図8との相違点を主として説明する。
図9に示すように、ステップS11において、UE100は、ランダムアクセス手順の第1の処理として、ランダムアクセスプリアンブル(RA Preamble)をPRACH上でeNB200に送信する。UE100は、第1の処理において、報告(BSR)をeNB200に送信するための無線リソースの割り当てをeNB200に要求する。例えば、UE100は、特定の信号系列又はリソース(Specific sequence/resource)により特別な「RA Preamble」を送信する。ここで、特定の信号系列とは、例えば特定のプリアンブルグループに属する信号系列である。特定のリソースとは、例えば特定の「PRACH Mask Index」である。このような特別な「RA Preamble」は、高速上りリンクアクセス用の「RA Preamble」とみなすこともできる。具体的には、特別な「RA Preamble」は、SRの機能が追加された「RA Preamble」である。eNB200は、特別な「RA Preamble」を受信する。
ステップS12において、eNB200は、ランダムアクセス手順の第2の処理として、DL−SCH上でランダムアクセス応答(RA Response)をUE100に送信する。「RA Response」に含まれる情報は、一般的なランダムアクセス手順において「RA Response」に含まれる情報と同様である。但し、実施形態において、eNB200は、特別な「RA Preamble」の受信に応じて、通常の「Scheduled Transmission」用の無線リソースだけではなく、BSR送信用の無線リソースもUE100に割り当て、これらの無線リソースを示す割り当て情報(UL grant)を「RA Response」に含める。UE100は、「RA Response」を受信する。
ステップS13において、UE100は、ランダムアクセス手順の第3の処理として、「RA Response」に基づいてUL−SCH上でeNB200に上りリンク送信(Scheduled Transmission)を行う。UE100は、第3の処理において、BSRをeNB200に送信することにより、UE100の送信バッファ内の上りリンクデータの量をeNB200に通知する。eNB200は、「Scheduled Transmission」と共にBSRをUE100から受信する。
ステップS14において、eNB200は、ランダムアクセス手順の第3の処理として、競合解決(Contention Resolution)メッセージをUE100に送信する。ここで、eNB200は、BSRの受信に応じて、上りリンクデータ(UL data)を送信するための無線リソース(PUSCHリソース)をUE100に割り当て、当該無線リソースを示す割り当て情報(UL grant)をPDCCH上でUE100に送信する。UE100は、「Contention Resolution」メッセージと共に「UL grant」をeNB200から受信する。
ステップS15において、UE100は、上りリンクデータ(UL data)を送信するための「UL grant」をeNB200から受信したことに応じて、ランダムアクセス手順が終了するとともに上りリンクデータをeNB200に送信する。eNB200は、ランダムアクセス手順が終了するとともに上りリンクデータをUE100から受信する。
このように、実施形態に係るランダムアクセス手順によれば、UE100がランダムアクセス手順の過程でSRと同様な情報及びBSRをeNB200に送信することができる。このため、UE100がランダムアクセス手順の後にSR及びBSRをeNB200に送信することなく、直ちに上りリンクデータをeNB200に送信することができる。具体的には、図9に示すシーケンスによれば、図8のステップS2−1乃至S2−4を省略することができる。従って、実施形態に係るランダムアクセス手順によれば、高速上りリンクアクセスを可能とすることができる。
(10.2)パターン2
図10は、実施形態に係るランダムアクセス手順のパターン2を示すシーケンス図である。ここでは、図8との相違点を主として説明する。パターン2は、パターン1のシーケンスの一部を簡略化したパターンである。
図10に示すように、本パターンのステップS21及びS22は、図8に示す一般的なランダムアクセス手順と同様である。
ステップS23において、UE100は、ランダムアクセス手順の第3の処理として、「RA Response」に基づいてUL−SCH上でeNB200に上りリンク送信(Scheduled Transmission)を行う。UE100は、第3の処理において、BSRをeNB200に送信することにより、UE100の送信バッファ内の上りリンクデータの量をeNB200に通知する。ここで送信されるBSRは、一般的なBSRに比べてラフなBSR(Rough BSR)であり、一般的なBSRに比べてビット長が短い。例えば、上りリンクデータ量(バッファサイズ)を2ビットのインデックスで表現する場合、インデックス「00」は「100バイト未満」を表し、インデックス「01」は「100バイト以上500バイト未満」を表し、インデックス「10」は「500バイト以上500kバイト未満」を表し、インデックス「11」は「500kバイト以上1Mバイト未満」を表す。或いは、インデックスは、表2に示したようなBSRテーブルを指定するものでもよい。例えば、インデックス「00」はBSRテーブル中の「Index 0〜15」を表し、インデックス「01」はBSRテーブル中の「Index 16〜31」を表し、インデックス「10」はBSRテーブル中の「Index 32〜47」を表し、インデックス「11」はBSRテーブル中の「Index 48〜63」を表す。なお、ここではBSRテーブルを4等分する一例を示したが、4等分に限定されない。eNB200は、「Scheduled Transmission」と共に「Rough BSR」をUE100から受信する。
ステップS24において、eNB200は、ランダムアクセス手順の第3の処理として、競合解決(Contention Resolution)メッセージをUE100に送信する。ここで、eNB200は、「Rough BSR」の受信に応じて、上りリンクデータ(UL data)を送信するための無線リソース(PUSCHリソース)をUE100に割り当て、当該無線リソースを示す割り当て情報(UL grant)をPDCCH上でUE100に送信する。UE100は、「Contention Resolution」メッセージと共に「UL grant」をeNB200から受信する。
ステップS25において、UE100は、上りリンクデータ(UL data)を送信するための「UL grant」をeNB200から受信したことに応じて、ランダムアクセス手順が終了するとともに上りリンクデータをeNB200に送信する。eNB200は、ランダムアクセス手順が終了するとともに上りリンクデータをUE100から受信する。
(10.3)パターン3
図11は、実施形態に係るランダムアクセス手順のパターン3を示すシーケンス図である。ここでは、図8との相違点を主として説明する。パターン3は、主として初期接続(Initial access)を対象としたパターンである。図11の初期状態において、UE100は、RRCコネクティッドモードである。
図11に示すように、ステップS30において、UE100は、eNB200とのRRC接続を解放するための「RRC Connection Release」メッセージをeNB200から受信し、RRCアイドルモードに遷移する。「RRC Connection Release」メッセージは、高速上りリンクアクセス(Fast Uplink Access)の設定情報(Configuration)を含む。UE100は、当該Configurationを記憶する。当該Configurationは、当該Configurationの適用有無を示すフラグや当該Configurationの有効時間を示すタイマ値を含む。若しくは、当該Configurationにより特別なランダムアクセスプリアンブルを指定してもよい。
ステップS31において、UE100は、記憶しているConfigurationに基づいて、ランダムアクセス手順の第1の処理として、ランダムアクセスプリアンブル(RA Preamble)をPRACH上でeNB200に送信する。UE100は、第1の処理において、特別な「RA Preamble」を送信する。以降の動作(ステップS32乃至S35)は、パターン1と同様であるが、初期接続(Initial access)用の動作に従う。
(11)実施形態のまとめ
実施形態に係るランダムアクセス手順によれば、UE100がランダムアクセス手順の過程で上りリンクのデータ量(バッファサイズ)をeNB200に通知することができる。このため、UE100がランダムアクセス手順の後にBSRをeNB200に送信することなく、直ちに上りリンクデータをeNB200に送信することができる。従って、高速上りリンクアクセスを可能とすることができる。
[その他の実施形態]
上述した実施形態において、UEがバッファしているデータ量を示す情報としてBSRを例示したが、これに限定されない。UE内でバッファしている上りリンクデータを示す量が適用されてもよい。例えば、アプリケーション層も含めたUEの各レイヤがバッファしているデータ量を通知してもよい。
上述した実施形態において、UE100は、ランダムアクセス手順の第3の処理(Scheduled Transmission)において上りリンクのデータ量(バッファサイズ)をeNB200に通知していた。しかしながら、UE100は、ランダムアクセス手順の第1の処理(RA Preamble)において上りリンクのデータ量(バッファサイズ)をeNB200に通知してもよい。例えば、「RA Preamble」の信号系列(sequence)及びリソース(PRACH Mask Index)の組み合わせに対してバッファサイズを対応付ける。このような対応付けは、例えば仕様により予め規定される。UE100は、バッファサイズに応じて信号系列(sequence)及びリソース(PRACH Mask Index)の組み合わせを選択し、選択した組み合わせを用いて「RA Preamble」をeNB200に送信する。eNB200は、UE100から受信した「RA Preamble」に適用されている信号系列(sequence)及びリソース(PRACH Mask Index)の組み合わせに基づいてバッファサイズを特定することができる。
上述した実施形態において、移動通信システムとしてLTEシステムを例示した。しかしながら、本発明はLTEシステムに限定されない。LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
[付記]
(1.はじめに)
LTEのためのレイテンシ低減技術に関する新たな研究項目が承認された。この研究の目的は、以下のように、パケットデータレイテンシを低減するために2つの技術分野を識別する。
・高速アップリンクアクセス解決策[RAN2]:
・TTIショートニングおよび低減された処理時間[RAN1]:
高速上りリンクアクセス解決策は、現在のTTI長さおよび処理時間、すなわちTTIショートニングを維持することを備えたいくつかの実施技術、および、備えていないいくつかの実施技術と比較して、リソース効率を改善することが期待されている。
本付記では、高速上りリンクアクセス解決策に関する研究に対する初期検討が提供される。
(2.議論)
(2.1.作業仮説)
本研究のモチベーション文書は、上りリンクリソース割当のための現在の標準化されたメカニズムが、TCPスループットの観点から、LTEの潜在的なスループットパフォーマンスを圧迫することを示している。TCPスループットの低下は、往復時間レイテンシ、すなわちULにおけるTCP−ACK送信によるTCPスロースタートアルゴリズムによって引き起こされる。したがって、高速上りリンクアクセス解決策は、TCPレイヤにおいて構築された上部レイヤによって提供されるユーザ体験を改善することが期待されている。作業仮説のために、SIDは、高速上りリンクアクセス解決策に言及する。
研究分野は、エアインターフェース容量、バッテリ寿命、制御チャネルリソース、仕様インパクト、および技術的可能性を含むリソース効率を含んでいる。FDDデュプレクスモードとTDDデュプレクスモードとの両方が考慮される。
第1の態様として、典型的なアプリケーションおよび使用の場合に関するレイテンシ改善による、低減された応答時間、および、改善されたTCPスループットのような潜在的な利得が識別され、文書化される。この評価では、RAN2は、短縮化されたTTIと同様に、プロトコル強化によるレイテンシ低減を仮定し得る。結論として、この研究の本態様は、どのレイテンシ低減が、望ましいであるのかを示すことになっている[RAN2]。
その解決策は、ネットワーク容量、UE電力消費、制御チャネルリソースを改善することが期待されている。特に、改善されたTCPスループットは、主要なパフォーマンスインジケータとして考慮され得る。
考察1:DL TCPスループットが、ULレイテンシ低減解決策によって改善されることが期待される。
高速上りリンクアクセス解決策特有の態様の場合;
アクティブなUEと、長期間、非アクティブであったが、RRC接続コネクティッドに維持されているUEとのために、スケジュールされたUL送信のためのユーザプレーンレイテンシを低減することと、現在のTTI長さおよび処理時間を維持する維持しない両方について今日の規格によって許容されている事前スケジューリング解決策と比較して、プロトコル強化およびシグナリング強化によって、より高いリソース効率の解決策を得ることと、に注目されるべきである。
アクティブなUEは、データを連続的に送信/受信していると仮定される。したがって、UEは、アクティブ時間にあると考えられる。すなわち、非アクティビティタイマが動作していることにより、DRXは適用されない。
考察2:アクティブ時間にあるUEが考慮される。
長い時間、非アクティブであるが、RRCコネクティッドに維持されているUEは、UEが長いDRXサイクルを適用し、上りリンク送信を実行するために少なくともSRとBSRとを送信する必要があると解釈され得る。さらに、タイムアライメントタイマTATが終了した場合、UEは、SR送信前に、ランダムアクセスプロシージャを開始する。これは、ユーザ経験、すなわち、実際の応答時間を低下させる。
考察3:長いDRXサイクルの適用を備え、UL許可のないUEが考慮される。
考察4:UEが長い間非アクティブであれば、タイムアライメントタイマが終了し得る。
事前スケジューリング解決策と比較して、高速上りリンクアクセス解決策は、たとえ現在のTTI長さおよび処理長さが仮定されていても、より高いリソース効率であるべきである。TTIショートニングは、より一般的な解決策であり、増加されたHARQインタラクションのおかげで、下りリンク配信のみならず、上りリンクアクセスレイテンシのレイテンシも低減することが期待されている。
考察5:高速上りリンク解決策は、TTIショートニングアプローチと独立した利得を有する。
モチベーション文書では、高速上りリンクアクセスのための可能なアプローチが、実施技術である事前スケジューリングに基づいており、事前スケジューリングによって、eNBが、SR受信前に上りリンクリソースを割り当てることが述べられている。しかしながら、UEが送るべき上りリンクデータを有していなくても、事前スケジューリング技術は、上りリンク制御チャネル(すなわち、PUSCH)および下りリンク制御チャネル(すなわち、PDCCH)において無線リソースを消費する。既存のSPSが事前スケジューリングのために使用されている場合において、UEは、設定されたSPSリソースの暗黙的な解放を回避するために、パディングデータを送信する必要があることも議論されている。したがって、モチベーション文書は、標準化されたアプローチが事前スケジューリング技術を強化することを期待されることを提案した。これは、事前許可、SPS同様のメカニズム、データが利用可能ではない場合における無パディング、および/または、動的なスケジューリングへの円滑な移行を含み得る。
考察6:標準化されたアプローチは、実施技術と比較して、リソース効率を強化することが期待されている。
(2.2.典型的な使用の場合)
今日のモバイルトラフィックの増加は、モバイルビデオトラフィックの成長によって引き起こされ、この傾向は、パブリックレポートによれば、将来のトラフィックを支配することが予想されている。ビデオストリーミングは、(UDPによる)ライブストリーミング向けでなければ、典型的にTCP(TCPによるHTTP)を用いることが良く知られている。したがって、ビデオストリーミングの使用の場合は、この研究の範囲に沿っている。
レポートはまた、ソーシャルネットワーキングおよびウェブブラウジングは、モバイルトラフィックの2番目に支配的なアプリケーションであるとしており、これによって、これらアプリケーションは、典型的にHTTPに構築され、したがって、TCPを使用することを指摘している。多くの3GPP代表者は既に通じているように、3GPP FTPサービスは、TCPも用いるTdocsをダウンロードするために、各代表者によって連続的にアクセスされ得る。したがって、HTTPまたはFTPに構築されたアプリケーションにおける振る舞いは、典型的な使用の場合であると考えられるべきである。
提案1:HTTPおよびFTPに構築されたアプリケーションにおけるユーザ振る舞いは、この研究における典型的な使用の場合であると考えられるべきである。
図12は、モバイルトラフィックボリュームによる上位5つのアプリケーション及びモバイルアプリケーション分析を示す図である。
そのようなアプリケーションにおける最も典型的な振る舞いは、要求/応答ダイアログとしてモデル化され得る。たとえば、ユーザがFTPでファイルをダウンロードしたい場合、クライアントは、RETRコマンド(別名、GET)をサーバに先ず送り、その後、ファイルダウンロードが開始する。同じ振る舞いは、HTTPに対しても適用可能である。これによって、図13に例示されるように、ウェブブラウザは、先ずGETを送り、その後、ユーザがウェブページを開いた時にウェブページがダウンロードされる。典型的な振る舞いを考慮すると、RAN2は、対応するDL TCPパケット(たとえば、GETのような要求)に先行する最初の上りリンクデータ送信が、単に仮定されるだけか、または、高速上りリンクアクセス解決策においても強化されるべきであるかを議論すべきである。
提案2:RAN2は、対応するDL TCPパケットに先行する最初の上りリンクデータ送信が、単に仮定されるだけか、または、高速上りリンクアクセス解決策においても強化されるべきであるかを議論すべきである。
図13は、HTTP/FTPを用いた典型的な使用の場合のモデル化を示す図である。
(2.3.本質的な問題)
2.1で言及したように、上りリンクアクセスレイテンシに至る重大な問題は、事前スケジューリング技術、または、強化されたSPSを用いた事前許可技術の何れによっても解決されることはできない。図14は、(図14を参照する)高速上りリンクアクセス解決策によって対処されるべき3つの重大な問題を例示する。
重大な問題1:DL伝送遅れ
DL伝送遅れは、長いDRXサイクルによって引き起こされる。最悪の場合では、サービス提供セルは、DL TCPパケット受信後、10〜2560サブフレームの間、送信機会を待つ必要がある。
重大な問題2:早過ぎる/遅過ぎる割当
早過ぎる割当は、事前スケジューリング技術、または、SR受信前の事前許可アプローチによって引き起こされ得る。一方、遅過ぎる割当は、SR周期、すなわち、SR周期*sr−ProhibitTimerによって、または、単純過ぎるスケジューラ実施、すなわち、対応するBSR受信に基づいて、TCP ACKパケットのための上りリンクリソース(したがって、UEのSR送信後の7サブフレーム)を割り当てるものによって可能となる。
重大な問題3:多過ぎる/少な過ぎる割当
多過ぎる/少な過ぎる割当は、事前スケジューリング技術、または、BSR前の事前許可アプローチによって引き起こされ得る。UEのバッファステータスを知ることなく、スケジューラは、上りリンクリソースを盲目的に割り当てる必要がある。
重大な問題4:初期上りリンク遅れ
考察4で述べられたように、TATが終了した場合、UEは、あらゆる上りリンク送信の前に、ランダムアクセスプロシージャを開始すべきである。
もちろん、賢い実装技術が、3つの重大な問題によるネガティブなインパクト、たとえば、DL IPパケットの内部を理解すること、および、以前の上りリンク許可の使用に基づいて上りリンクリソースを割り当てること、のうちのいくつかを低減し得る。しかしながら、標準化されたアプローチは、上記リストされたすべての問題ではないが、ほとんどを解決することが期待されるであろう。
提案3:DL伝送遅れ、早過ぎる/遅過ぎる割当、多過ぎる/少な過ぎる割当、TAT終了は、高速上りリンクアクセス解決策によって最適化されるべきである。
(2.4.潜在的な解決策アプローチ)
2.3で議論されたように、DRX、SR、BSR、および/または、プロシージャが再考されなければ、重大な問題は解決されないであろう。これらの問題は、たとえ強化されたSPSを用いた事前許可アプローチが適用されても、対処されることはないであろう。なぜなら、実際の許可と理想的な割当との間のミスマッチ(図14)が、エアインターフェース容量、バッテリ寿命、制御チャネルリソースを含むリソース効率の低下を引き起こすからである。
考察7:事前許可アプローチは、既存の実施技術と比べて良好なパフォーマンスを有し得るが、これら重大な問題を未だに解決することはないであろう。
これら重大な問題を解決するために、以下の解決策アプローチが考慮され得る。
たとえば、最初のUL送信(すなわち、GET)によってトリガされた、高速なDL割当のための、DRXにおける拡張されたOnDurationハンドリング。
たとえば、SRとBSRとの統合による、最初のULパケット送信のためのシグナリング往復の低減。
スペクトル効率へのインパクトの少ない、より短いSR周期[RAN1]。
たとえば、ULデータ許可のための追加の機能を用いた、RACHプロシージャ強化。
したがって、RAN2は、UL許可メカニズム自体だけでなく、UL許可に関連するプロシージャも研究すべきである。
提案4:RAN2はまた、DRX、SR、BSR、およびRACHの強化を研究すべきである。
(3.結論)
この付記では、承認された作業項目説明に基づいて作業仮説が議論された。典型的な使用の場合およびそのモデリングが提供される。4つの重大な問題および潜在的な解決策アプローチが、この研究のために特定される。
[相互参照]
米国仮出願第62/162184号(2015年5月15日出願)の全内容が参照により本願明細書に組み込まれている。
本発明は、通信分野において有用である。

Claims (4)

  1. 無線端末であって、
    基地局との通信を開始するためのランダムアクセス手順におけるMsg3送信において、前記無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を示す第1の報告を前記基地局に送信することにより、前記上りリンクデータの量を前記基地局に通知する制御部を備え
    前記制御部は、前記基地局との通信時に、前記無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を示す第2の報告を前記基地局に送信することにより、前記上りリンクデータの量を前記基地局に通知し、
    前記第1の報告のビット長は、前記第2の報告のビット長よりも短い、
    無線端末。
  2. 基地局であって、
    無線端末との通信を開始するためのランダムアクセス手順におけるMsg3受信において、前記無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を示す第1の報告を前記無線端末から受信することにより、前記上りリンクデータの量を把握する制御部を備え
    前記制御部は、前記無線端末との通信時に、前記無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を示す第2の報告を前記無線端末から受信することにより、前記上りリンクデータの量を把握し、
    前記第1の報告のビット長は、前記第2の報告のビット長よりも短い、
    基地局。
  3. 無線端末が、基地局との通信を開始するためのランダムアクセス手順におけるMsg3送信において、前記無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を示す第1の報告を前記基地局に送信することにより、前記上りリンクデータの量を前記基地局に通知するステップと、
    前記無線端末が、前記基地局との通信時に、前記無線端末の送信バッファ内の上りリンクデータの量を示す第2の報告を前記基地局に送信することにより、前記上りリンクデータの量を前記基地局に通知するステップと、を備え、
    前記第1の報告のビット長は、前記第2の報告のビット長よりも短い、
    無線通信方法。
  4. 請求項1に記載の無線端末と、
    請求項2に記載の基地局と、を備える、
    無線通信システム。
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