以下、本明細書に開示するデバイス及び方法の構造、機能、製造、並びに使用の原理についての全体的な理解が得られるように、特定の例示的実施形態について記載する。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に示されている。当業者であれば、本明細書に具体的に記載され、添付の図面に示されるデバイス及び方法は、非限定的な例示的実施形態であることが理解されるであろう。1つの例示的実施形態と関連して例示又は記載する特性は、他の実施形態の特性と組み合わされてもよい。かかる修正及び変形は、本発明の実施形態の範囲内に含まれるものとする。
本明細書の全体を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、又は「ある実施形態」などへの言及は、その実施形態と関連して記載される特定の特性、構造、又は特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通して各所において、「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、又は「ある実施形態では」などの句が出現するが、これらは必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。更に、特定の特性、構造、又は特徴は、1つ又は2つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよい。したがって、一実施形態と関連して例示若しくは記載される特定の特性、構造、又は特徴は、非限定的に、1つ又は2つ以上の他の実施形態の特性、構造、又は特徴と、全体的に若しくは部分的に組み合わされてもよい。かかる修正及び変形は、本発明の実施形態の範囲内に含まれるものとする。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書において、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から遠くに位置する部分を指す。簡便かつ明瞭にするため、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語は、本明細書において図面に対して使用される場合があることが更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的及び/又は絶対的であることを意図しない。
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科的処置を行うため、様々な例示的なデバイス及び方法が提供されている。しかしながら、本明細書に開示する様々な方法及びデバイスは、例えば、開放的外科処置と関連するものを含む多数の外科的処置及び用途で使用することができることが、当業者には容易に理解されるであろう。この発明を実施するための形態を読み進めるに従って、本明細書に開示する様々な器具を、自然開口部を通して、組織に形成された切り口又は穿刺穴を通してなど、任意の方式で体内に挿入することができることが、当業者には更に理解されるであろう。器具の作業部分又はエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接挿入することができ、あるいは外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを前進させることができる作業チャネルを有するアクセスデバイスを通して挿入することができる。
図1〜6は、再使用されてもされなくてもよい、モータ駆動される外科用切断及び締結器具10を示している。図示される実施形態では、器具10は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドル14を備えるハウジング12を含む。ハウジング12は、1つ又は2つ以上の外科的タスク又は処置を行うように構成された外科用エンドエフェクタ300が動作可能に結合されている、交換式シャフト組立体200に動作可能に取り付けるように構成されている。この発明を実施するための形態を読み進めるに従って、本明細書に開示する様々な形態の交換式シャフト組立体の様々な特有かつ新規な配置は、ロボット制御式の外科システムと関連させて効果的に用いることもできることが理解されるであろう。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書に開示する交換式シャフト組立体及びそれらそれぞれの等価物を作動させるのに使用することができる、少なくとも1つの制御運動を生成し適用するように構成された、少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は別の方法で動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してもよい。「フレーム」という用語は、手持式外科用器具の一部分を指してもよい。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するのに使用されてもよいロボットシステムの一部分を表してもよい。例えば、本明細書に開示する交換式シャフト組立体は、米国特許出願第13/118,241号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許出願公開第US2012/0298719号に開示されている、様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられてもよい。米国特許出願第13/118,241号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許出願公開第US2012/0298719号は、その全体を参照により本明細書に組み込む。
図1〜3に示されるハウジング12は、外科用ステープルカートリッジ304を中で動作可能に支持するように構成された、外科用切断及び締結デバイスを備えるエンドエフェクタ300を含む、交換式シャフト組立体200と接続されて示されている。ハウジング12は、サイズ及びタイプが異なるステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを含み、異なるシャフト長さ、サイズ、及びタイプなどを有する、交換式シャフト組立体と関連して使用するために構成されてもよい。それに加えて、ハウジング12はまた、例えば、高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又は運動など、他の運動及びエネルギー形態を、様々な外科的用途及び処置と関連して使用するために適合されたエンドエフェクタ装置に適用するように構成された組立体を含む、様々な他の交換式シャフト組立体と共に効果的に用いられてもよい。更に、エンドエフェクタ、シャフト組立体、ハンドル、外科用器具、及び/又は外科用器具システムは、任意の好適な締結具(1つ若しくは複数)を利用して組織を締結することができる。例えば、取り外し可能に格納された複数の締結具を備える締結具カートリッジを、シャフト組立体のエンドエフェクタに取り外し可能に挿入及び/又は取り付けることができる。
図1は、交換式シャフト組立体200が動作可能に結合されている外科用器具10を示している。図2及び3は、ハウジング12又はハンドル14に対する交換式シャフト組立体200の取り付けを示している。図4に示されるように、ハンドル14は、ねじ、スナップ特性、接着剤などで相互接続されてもよい、一対の相互接続可能なハンドルハウジングセグメント16及び18を備えてもよい。図示される配置では、ハンドルハウジングセグメント16、18が協働して、臨床医が把持し操作することができるピストルグリップ部分19を形成する。更に詳細に後述するように、ハンドル14は、動作可能に取り付けられた交換式シャフト組立体の対応部分に対して、様々な制御運動を生成し適用するように構成された、複数の駆動システムを中で動作可能に支持する。
次に図4を参照すると、ハンドル14は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム20を更に含んでもよい。例えば、フレーム20は、全体として30で示される「第1の」又は閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、この閉鎖駆動システムは、動作可能に取り付けられるか又は結合された交換式シャフト組立体200に対して閉鎖及び開放運動を適用するために用いられてもよい。少なくとも1つの形態では、閉鎖駆動システム30は、フレーム20によって枢動可能に支持される閉鎖トリガ32の形態のアクチュエータを含んでもよい。より具体的には、図4に示されるように、閉鎖トリガ32は、ピン33によってハウジング14に枢動可能に結合されている。かかる配置によって、閉鎖トリガ32を臨床医が操作することが可能になり、それによって、臨床医がハンドル14のピストルグリップ部分19を把持すると、閉鎖トリガ32が、開始位置又は「非作動」位置から「作動」位置へと、より具体的には完全圧縮位置又は完全作動位置へと容易に枢動することができる。閉鎖トリガ32は、ばね又は他の付勢装置(図示せず)によって、非作動位置へと付勢されてもよい。様々な形態では、閉鎖駆動システム30は、閉鎖トリガ32に枢動可能に結合された閉鎖リンク機構組立体34を更に含む。図4に示されるように、閉鎖リンク機構組立体34は、ピン35によって閉鎖トリガ32に枢動可能に結合された第1の閉鎖リンク36及び第2の閉鎖リンク38を含んでもよい。第2の閉鎖リンク38は、本明細書では「取り付け部材」と呼ばれることもあり、横断取り付けピン37を含む。
図4を引き続き参照すると、第1の閉鎖リンク36はその上に、フレーム20に枢動可能に結合された閉鎖解除組立体60と協働するように構成された、ロック壁又は端部39を有してもよいことを観察することができる。少なくとも1つの形態では、閉鎖解除組立体60は、遠位側に突出するロック爪64がその上に形成された解除ボタン組立体62を備えてもよい。解除ボタン組立体62は、解除ばね(図示せず)によって反時計方向に枢動させられてもよい。臨床医が閉鎖トリガ32をその非作動位置からハンドル14のピストルグリップ部分19に向かって押下すると、ロック爪64が第1の閉鎖リンク36上のロック壁39との保持係合に至る地点に向かって第1の閉鎖リンク36が上向きに枢動し、それによって閉鎖トリガ32が非作動位置に復帰することが防止される。図18を参照のこと。したがって、閉鎖解除組立体60は、閉鎖トリガ32を完全作動位置でロックする役割を果たす。臨床医が、閉鎖トリガ32をロック解除して、それを非作動位置へ付勢することができるようにしたい場合、臨床医は単純に、閉鎖解除ボタン組立体62を枢動し、それによってロック爪64を移動させて、第1の閉鎖リンク36上のロック壁39との係合から外す。ロック爪64が移動させられて第1の閉鎖リンク36との係合から外れていると、閉鎖トリガ32は、枢動して非作動位置に戻ってもよい。他の閉鎖トリガロック及び解除構成も用いられてもよい。
上記に加えて更に、図13〜15は、組織をシャフト組立体200の顎部間に位置付けることができる、シャフト組立体200の開放構成、即ち非掴持構成と関連付けられる非作動位置にある、閉鎖トリガ32を示している。図16〜18は、組織がシャフト組立体200の顎部の間で掴持される、シャフト組立体200の閉鎖構成、即ち掴持構成と関連付けられる作動位置にある、閉鎖トリガ32を示している。図14及び17を比較すると、閉鎖トリガ32をその非作動位置(図14)から作動位置(図17)へと移動させると、閉鎖解除ボタン62が第1の位置(図14)と第2の位置(図17)との間で枢動することが、読者には理解されるであろう。閉鎖解除ボタン62の回転は、上向きの回転であるとして言及され得るが、閉鎖解除ボタン62の少なくとも一部分は、回路基板100に向かって回転させられている。図4を参照すると、閉鎖解除ボタン62は、そこから延在するアーム61と、アーム61に装着される、例えば永久磁石などの磁気素子63とを含むことができる。閉鎖解除ボタン62をその第1の位置から第2の位置へと回転させると、磁気素子63は、回路基板100に向かって移動することができる。回路基板100は、磁気素子63の移動を検出するように構成された、少なくとも1つのセンサを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、例えば、ホール効果センサ65を、回路基板100の底面に装着することができる。ホール効果センサ65は、磁気素子63の移動によって生じる、ホール効果センサ65を取り囲む磁界の変化を検出するように構成することができる。ホール効果センサ65は、例えば、マイクロコントローラ1500(図19)と信号連通することができ、マイクロコントローラ1500は、閉鎖解除ボタン62が、閉鎖トリガ32の非作動位置及びエンドエフェクタの開放構成と関連付けられるその第1の位置、閉鎖トリガ32の作動位置及びエンドエフェクタの閉鎖構成と関連付けられるその第2の位置、及び/又は第1の位置と第2の位置との間の任意の位置のどこにあるかを判断することができる。
少なくとも1つの形態では、ハンドル14及びフレーム20は、取り付けられた交換式シャフト組立体の対応部分に対して発射運動を適用するように構成されている、本明細書では発射駆動システム80と呼ばれる別の駆動システムを動作可能に支持してもよい。発射駆動システム80はまた、本明細書では「第2の駆動システム」と呼ばれることもある。発射駆動システム80は、ハンドル14のピストルグリップ部分19内に配置される電気モータ82を用いてもよい。様々な形態では、モータ82は、例えば、約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。他の構成では、モータは、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は他の任意の好適な電気モータを含んでもよい。モータ82は、1つの形態では取り外し可能なパワーパック92を備えてもよい、電源90によって給電されてもよい。例えば、図4に示されるように、パワーパック92は、遠位側ハウジング部分96に取り付けるために構成された、近位側ハウジング部分94を備えてもよい。近位側ハウジング部分94及び遠位側ハウジング部分96は、複数の電池98を中で動作可能に支持するように構成されている。電池98はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(「LI」)又は他の好適な電池を含んでもよい。遠位側ハウジング部分96は、モータ82にやはり動作可能に結合されている、制御回路基板組立体100に取り外し可能かつ動作可能に取り付けられるために構成されている。直列に接続されてもよい多数の電池98が、外科用器具10の電源として使用されてもよい。それに加えて、電源90は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
他の様々な形態に関連して上に概説したように、電気モータ82は、長手方向に移動可能な駆動部材120上にある駆動歯122の組又はラックと噛合係合して装着される歯車減速機組立体84と動作可能に連係する、回転式シャフト(図示せず)を含むことができる。使用の際、電源90によって提供される電圧極性によって電気モータ82を時計方向に動作させることができるが、電池によって電気モータに印加される電圧極性は、電気モータ82を反時計方向に動作させるために反転させることができる。電気モータ82をある方向で回転させると、駆動部材120は、遠位方向「DD」で軸方向に駆動されることになる。モータ82を反対の回転方向で駆動すると、駆動部材120は、近位方向「PD」で軸方向に駆動されることになる。ハンドル14は、電源90によって電気モータ82に印加される極性を反転させるように構成することができる、スイッチを含むことができる。本明細書に記載される他の形態と同様に、ハンドル14はまた、駆動部材120の位置、及び/又は駆動部材120が移動させられている方向を検出するように構成された、センサを含むことができる。
モータ82の作動は、ハンドル14上で枢動可能に支持される発射トリガ130によって制御することができる。発射トリガ130は、非作動位置と作動位置との間で枢動させられてもよい。発射トリガ130は、ばね132若しくは他の付勢装置によって非作動位置へと付勢させられてもよく、それにより、臨床医が発射トリガ130を解除すると、それがばね132若しくは付勢装置によって非作動位置へと枢動されるか又は別の方法で復帰させられてもよい。少なくとも1つの形態では、発射トリガ130は、上述したように、閉鎖トリガ32の「外側」に位置付けることができる。少なくとも1つの形態では、発射トリガ安全ボタン134が、ピン35によって閉鎖トリガ32に枢動可能に装着されてもよい。安全ボタン134は、発射トリガ130と閉鎖トリガ32との間に位置付けられ、そこから突出する枢動アーム136を有してもよい。図4を参照のこと。閉鎖トリガ32が非作動位置にあるとき、安全ボタン134は、ハンドル14に収容され、臨床医が容易にアクセスすることができず、発射トリガ130の作動を防止する安全位置と、発射トリガ130が発射されてもよい発射位置との間で移動させることができない。臨床医が閉鎖トリガ32を押下すると、安全ボタン134及び発射トリガ130が下に枢動して、次いで、臨床医がそれらを操作することが可能になる。
上述したように、ハンドル14は、閉鎖トリガ32及び発射トリガ130を含むことができる。図14〜18Aを参照すると、発射トリガ130を閉鎖トリガ32に枢動可能に装着することができる。閉鎖トリガ32は、そこから延在するアーム31を含むことができ、発射トリガ130は、枢動ピン33を中心にして枢動可能にアーム31に装着することができる。閉鎖トリガ32をその非作動位置(図14)から作動位置(図17)へと移動させると、上に概説したように、発射トリガ130が下向きに下降することができる。安全ボタン134がその発射位置へと移動した後、主に図18Aを参照すると、発射トリガ130を押下して、外科用器具発射システムのモータを動作させることができる。様々な例では、ハンドル14は、例えば、閉鎖トリガ32の位置及び/又は発射トリガ130の位置を判断するように構成された、システム800などの追跡システムを含むことができる。主に図14、17、及び18Aを参照すると、追跡システム800は、例えば、発射トリガ130から延在するアーム801に装着される、永久磁石802などの磁気素子を含むことができる。追跡システム800は、例えば、磁石802の位置を追跡するように構成することができる、第1のホール効果センサ803及び第2のホール効果センサ804など、1つ又は2つ以上のセンサを備えることができる。図14及び17を比較すると、閉鎖トリガ32をその非作動位置から作動位置へと移動させると、磁石802が、第1のホール効果センサ803に隣接した第1の位置と、第2のホール効果センサ804に隣接した第2の位置との間で移動することができることが、読者には理解されるであろう。図17及び18Aを比較すると、発射トリガ130を未発射位置(図17)から発射後位置(図18A)へと移動させると、磁石802が第2のホール効果センサ804に対して移動することができることが、読者には理解されるであろう。センサ803及び804は、磁石802の移動を追跡することができ、回路基板100のマイクロコントローラと信号連通することができる。第1のセンサ803及び/又は第2のセンサ804からのデータを用いて、マイクロコントローラは、事前定義された経路に沿った磁石802の位置を判断することができ、その位置に基づいて、マイクロコントローラは、閉鎖トリガ32がその非作動位置、その作動位置、又はそれらの間の位置のどこにあるかを判断することができる。同様に、第1のセンサ803及び/又は第2のセンサ804からのデータを用いて、マイクロコントローラは、事前定義された経路に沿った磁石802の位置を判断することができ、その位置に基づいて、マイクロコントローラは、発射トリガ130がその未発射位置、その完全発射後位置、又はそれらの位置の間のどこにあるかを判断することができる。
上述したように、少なくとも1つの形態では、長手方向に移動可能な駆動部材120は、歯車減速機組立体84の対応する駆動歯車86と噛合係合するために、その上に形成された歯122のラックを有する。少なくとも1つの形態はまた、モータ82が使用不能になった場合に、臨床医が長手方向に移動可能な駆動部材120を手動で後退させることができるように構成された、手動作動式の「脱出」組立体140を含む。脱出組立体140は、手動で枢動させて、駆動部材120にやはり設けられた歯124とラチェット係合するように構成された、レバー又は脱出ハンドル組立体142を含んでもよい。したがって、臨床医は、脱出ハンドル組立体142を使用して駆動部材120を近位方向「PD」に徐々に移動させることによって、駆動部材120を手動で後退させることができる。米国特許出願公開第US2010/0089970号は、本明細書に開示する様々な器具と共に用いることもできる、脱出装置、並びに他の構成要素、装置、及びシステムを開示している。米国特許出願第12/249,117号、名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」、現在の米国特許出願公開第US2010/0089970号は、その全体を参照により本明細書に組み込む。
次に図1及び7を参照すると、交換式シャフト組立体200は、ステープルカートリッジ304を中で動作可能に支持するように構成された細長いチャネル302を備える、外科用エンドエフェクタ300を含む。エンドエフェクタ300は、細長いチャネル302に対して枢動可能に支持されるアンビル306を更に含んでもよい。交換式シャフト組立体200は、シャフト軸SA−SAに対して所望の位置でエンドエフェクタ300を解除可能に保持するように構成することができる、関節継手270及び関節ロック350(図8)を更に含んでもよい。エンドエフェクタ300、関節継手270、及び関節ロック350の構造と動作に関する詳細は、2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」に説明されている。2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」の開示全体を、参照により本明細書に組み込む。図7及び8に示されるように、交換式シャフト組立体200は、ノズル部分202及び203で構成される近位側ハウジング又はノズル201を更に含むことができる。交換式シャフト組立体200は、エンドエフェクタ300のアンビル306を閉鎖及び/又は開放するために利用することができる、閉鎖チューブ260を更に含むことができる。次に図8及び9を主に参照すると、シャフト組立体200は、関節ロック350のシャフトフレーム部分212を固定可能に支持するように構成することができる、スパイン210を含むことができる。図8を参照のこと。スパイン210は、(1)発射部材220を中で摺動可能に支持するように、かつ(2)スパイン210の周りに延在する閉鎖チューブ260を摺動可能に支持するように、構成することができる。スパイン210はまた、近位側関節ドライバ230を摺動可能に支持するように構成することができる。関節ドライバ230は、関節ロック350を動作可能に係合するように構成された遠位端231を有する。関節ロック350は、エンドエフェクタフレーム(図示せず)上の駆動ピン(図示せず)に動作可能に係合するように適合された、関節フレーム352と連係する。上述したように、関節ロック350及び関節フレームの動作に関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号に見出すことができる。様々な状況において、スパイン210は、シャーシ240内で回転可能に支持される近位端211を備えることができる。1つの構成では、例えば、スパイン210の近位端211には、シャーシ240内で支持されるように構成されたスパイン軸受216にねじ込みによって取り付けられるように、ねじ山214が形成される。図7を参照のこと。かかる構成により、シャーシ240に対するスパイン210の回転可能な取り付けが容易になって、スパイン210を、シャーシ240に対してシャフト軸SA−SAを中心にして選択可能に回転させることができる。
主に図7を参照すると、交換式シャフト組立体200は、シャーシ240に対して軸方向に移動され得るようにその中で摺動可能に支持される、閉鎖シャトル250を含む。図3及び7に示されるように、閉鎖シャトル250は、更に詳細に後述するように、第2の閉鎖リンク38に取り付けられる取り付けピン37に取り付けるために構成された、一対の近位側に突出するフック252を含む。閉鎖チューブ260の近位端261は、相対回転するように閉鎖シャトル250に結合されている。例えば、U字コネクタ263は、閉鎖チューブ260の近位端261にある環状スロット262に挿入され、閉鎖シャトル250の垂直スロット253内で保定される。図7を参照のこと。かかる構成は、閉鎖チューブ260を閉鎖シャトル250と共に軸方向移動するようにそれに取り付ける役割を果たし、一方で閉鎖チューブ260がシャフト軸SA−SAを中心にして閉鎖シャトル250に対して回転することを可能にする。閉鎖ばね268は、閉鎖チューブ260上で軸止され、閉鎖チューブ260を近位方向「PD」に付勢する役割を果たし、それによって、シャフト組立体がハンドル14に動作可能に結合されると、閉鎖トリガを非作動位置へと枢動する役割を果たすことができる。
少なくとも1つの形態では、交換式シャフト組立体200は、関節継手270を更に含んでもよい。しかしながら、他の交換式シャフト組立体は、関節運動可能でなくてもよい。図7に示されるように、例えば、関節継手270は、二重枢動閉鎖スリーブ組立体271を含む。様々な形態によれば、二重枢動閉鎖スリーブ組立体271は、上側及び下側の遠位側に突出するタング273、274を有する、エンドエフェクタ閉鎖スリーブ組立体272を含む。エンドエフェクタ閉鎖スリーブ組立体272は、参照により本明細書に組み込まれている、2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」に様々な形式で記載されている、アンビル306上の開放タブに係合する馬蹄形アパーチャ275及びタブ276を含む。本明細書で更に詳述するように、馬蹄形アパーチャ275及びタブ276は、アンビル306が開放されているときにアンビル上のタブに係合する。上側二重枢動リンク277は、閉鎖チューブ260上にある上側の近位側に突出するタング273の上部遠位側ピンホール、及び上側の遠位側に突出するタング264の上部近位側ピンホールにそれぞれ係合する、上向きに突出する遠位側及び近位側枢動ピンを含む。下側二重枢動リンク278は、下側の近位側に突出するタング274の下部遠位側ピンホール、及び下側の遠位側に突出するタング265の下部近位側ピンホールにそれぞれ係合する、上向きに突出する遠位側及び近位側枢動ピンを含む。図8も参照のこと。
使用の際、閉鎖チューブ260は、例えば、閉鎖トリガ32の作動に応答して、アンビル306を閉鎖するように遠位側(方向「DD」)に並進させられる。アンビル306は、閉鎖チューブ260を、かつしたがってシャフト閉鎖スリーブ組立体272を遠位側に並進させて、上述した参照文献の米国特許出願第13/803,086号に記載されている方法で、アンビル360の近位面に衝突させることによって閉鎖される。同参照文献にやはり詳細に記載されているように、閉鎖チューブ260及びシャフト閉鎖スリーブ組立体272を近位側に並進させて、タブ276及び馬蹄形アパーチャ275をアンビルタブに接触させ、それを押圧してアンビル306を持ち上げることによって、アンビル306が開放される。アンビル開位置において、シャフト閉鎖チューブ260は、その近位位置へと移動させられる。
上述したように、外科用器具10は、エンドエフェクタ300を定位置で選択的にロックするように構成し動作させることができる、米国特許出願第13/803,086号に更に詳細に記載されているタイプ及び構造の関節ロック350を更に含んでもよい。かかる構成によって、関節ロック350がそのロック解除状態にあるとき、エンドエフェクタ300を、シャフト閉鎖チューブ260に対して回転させること、即ち関節運動させることが可能になる。かかるロック解除状態では、エンドエフェクタ300を閉鎖チューブ260に対して関節運動させるために、エンドエフェクタ300を、例えば、患者の体内の手術部位を取り囲む軟組織及び/又は骨に対して位置付け、押圧することができる。エンドエフェクタ300はまた、関節ドライバ230によって閉鎖チューブ260に対して関節運動させてもよい。
やはり上述したように、交換式シャフト組立体200は、シャフトスパイン210内で軸方向移動するように支持される発射部材220を更に含む。発射部材220は、遠位側切断部分又はナイフバー280に取り付けるために構成された中間発射シャフト部分222を含む。発射部材220はまた、本明細書において「第2のシャフト」及び/又は「第2のシャフト組立体」と呼ばれることもある。図8及び9に示されるように、中間発射シャフト部分222は、その遠位端に、遠位側ナイフバー280の近位端282にあるタブ284を受け入れるように構成することができる、長手方向スロット223を含んでもよい。長手方向スロット223及び近位端282は、それらの間の相対運動を可能にするようにサイズ決めし、構成することができ、スリップ継手286を備えることができる。スリップ継手286は、ナイフバー280を移動させずに、又は少なくとも実質的に移動させずに、発射駆動部220の中間発射シャフト部分222を移動させて、エンドエフェクタ300を関節運動させることを可能にすることができる。エンドエフェクタ300が好適に配向されると、ナイフバー280を前進させ、チャネル302内に位置付けられたステープルカートリッジを発射するために、長手方向スロット223の近位側側壁がタブ284と接触するまで、中間発射シャフト部分222を遠位側に前進させることができる。図8及び9で更に分かるように、シャフトスパイン210は、中間発射シャフト部分222を組み立て、シャフトフレーム210に挿入することを容易にする、細長い開口部又は窓213を有する。中間発射シャフト部分222が挿入されると、頂部フレームセグメント215がシャフトフレーム212と係合されて、中間発射シャフト部分222及びナイフバー280を中に封入してもよい。発射部材220の動作に関する更なる記載は、米国特許出願第13/803,086号に見出すことができる。
上記に加えて更に、シャフト組立体200は、関節ドライバ230を発射部材220に選択的かつ解除可能に結合するように構成することができる、クラッチ組立体400を含むことができる。1つの形態では、クラッチ組立体400は、発射部材220の周りに位置付けられるロックカラー、即ちスリーブ402を含み、ロックスリーブ402は、ロックスリーブ402が関節ドライバ360を発射部材220に結合する係合位置と、関節ドライバ360が発射部材200に動作可能に結合されない係脱位置との間で回転させることができる。ロックスリーブ402がその係合位置にあるとき、発射部材220の遠位方向移動によって、関節ドライバ360を遠位側に移動させることができ、それに対応して、発射部材220の近位方向移動によって、関節ドライバ230を近位側に移動させることができる。ロックスリーブ402がその係脱位置にあるとき、発射部材220の移動は、関節ドライバ230に伝達されず、その結果、発射部材220は、関節ドライバ230とは独立して移動することができる。様々な状況において、関節ドライバ230が発射部材220によって近位又は遠位方向で移動させられていないとき、関節ドライバ230を関節ロック350によって定位置で保持することができる。
主に図9を参照すると、ロックスリーブ402は、発射部材220を受け入れるように構成された長手方向アパーチャ403が中に画定された、円筒状の、又は少なくとも実質的に円筒状の本体を備えることができる。ロックスリーブ402は、対角線方向で対向する、内側に面するロック突起404及び外側に面するロック部材406を備えることができる。ロック突起404は、発射部材220と選択的に係合されるように構成することができる。より具体的には、ロックスリーブ402がその係合位置にあるとき、ロック突起404は、発射部材220に画定された駆動ノッチ224内に位置付けられ、それによって、遠位方向の押し力及び/又は近位方向の引張り力を発射部材220からロックスリーブ402に伝達することができる。ロックスリーブ402がその係合位置にあるとき、第2のロック部材406は、関節ドライバ232に画定された駆動ノッチ230内に受け入れられ、それによって、ロックスリーブ402に加えられる遠位方向の押し力及び/又は近位方向の引張り力を関節ドライバ230に伝達することができる。実質的に、発射部材220、ロックスリーブ402、及び関節ドライバ230は、ロックスリーブ402がその係合位置にあると、共に移動するようになる。他方で、ロックスリーブ402がその係脱位置にあるとき、ロック突起404は発射部材220の駆動ノッチ224内に位置付けられないことがあり、その結果、遠位方向の押し力及び/又は近位方向の引張り力が発射部材220からロックスリーブ402に伝達されないことがある。それに対応して、遠位方向の押し力及び/又は近位方向の引張り力が関節ドライバ230に伝達されないことがある。かかる状況では、発射部材220を、ロックスリーブ402及び近位側関節ドライバ230に対して近位側及び/又は遠位側に摺動させることができる。
図8〜12に示されるように、シャフト組立体200は、閉鎖チューブ260上に回転可能に受け入れられるスイッチドラム500を更に含む。スイッチドラム500は、外向きに突出する作動ピン410を中に受け入れるシャフトボス504が形成された、中空シャフトセグメント502を備える。様々な状況において、作動ピン410は、スロット267を通って、ロックスリーブ402に設けられた長手方向スロット408内へと延在して、ロックスリーブ402が関節ドライバ230と係合されたときにその軸方向運動を容易にする。回転ねじりばね420は、図10に示されるように、スイッチドラム500のボス504及びノズルハウジング203の一部分に係合して、付勢力をスイッチドラム500に加えるように構成されている。スイッチドラム500は、そこに画定された少なくとも部分的に円周方向の開口部506を更に備えることができ、その開口部は、図5及び6を参照すると、ノズル半片202、203から延在する円周方向マウント204、205を受け入れ、スイッチドラム500と近位側ノズル201との間の相対回転は許容するが並進は許容しないように構成することができる。それらの図に示されるように、マウント204及び205はまた、閉鎖チューブ260の開口部266を通って延在して、シャフトスパイン210の陥凹部211に収まる。しかしながら、マウント204、205がスイッチドラム500内のそれぞれのスロット506の端部に達する点までノズル201が回転すると、スイッチドラム500がシャフト軸SA−SAを中心にして回転する。スイッチドラム500の回転によって、最終的に、作動ピン410及びロックスリーブ402がその係合位置と係脱位置との間で回転する。したがって、本質的に、ノズル201は、米国特許出願第13/803,086号に更に詳述されている様々な方法で、関節駆動システムを発射駆動システムと動作可能に係合し、係脱するために用いられてもよい。
やはり図8〜12に示されるように、シャフト組立体200は、例えば、エンドエフェクタ300との間で電力を伝導し、かつ/又はエンドエフェクタ300との間で信号を通信するように構成することができる、スリップリング組立体600を備えることができる。スリップリング組立体600は、シャーシ240から延在するシャーシフランジ242に装着される近位側コネクタフランジ604と、シャフトハウジング202、203に画定されたスロット内に位置付けられる遠位側コネクタフランジ601とを備えることができる。近位側コネクタフランジ604は第1の面を備えることができ、遠位側コネクタフランジ601は、第1の面に隣接して位置付けられ、それに対して移動可能である第2の面を備えることができる。遠位側コネクタフランジ601は、シャフト軸SA−SAを中心にして、近位側コネクタフランジ604に対して回転することができる。近位側コネクタフランジ604は、その第1の面に画定される、複数の同心の、又は少なくとも実質的に同心の導体602を備えることができる。コネクタ607は、コネクタフランジ601の近位面に装着することができ、複数の接点(図示せず)を有してもよく、各接点は、導体602の1つに対応し、それと電気的に接触する。かかる構成により、近位側コネクタフランジ604と遠位側コネクタフランジ601とが、それらの間の電気的接触を維持したまま相対回転することが可能になる。近位側コネクタフランジ604は、例えば、シャフトシャーシ240に装着されたシャフト回路基板610と信号連通して導体602を配置することができる、電気コネクタ606を含むことができる。少なくとも1つの例では、複数の導体を備える配線ハーネスが、電気コネクタ606とシャフト回路基板610との間に延在することができる。電気コネクタ606は、シャーシ装着フランジ242に画定されたコネクタ開口部243を通って近位側に延在してもよい。図7を参照のこと。2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,067号、名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」は、その全体を参照により本明細書に組み込む。2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,025号、名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」は、その全体を参照により本明細書に組み込む。スリップリング組立体600に関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号に見出すことができる。
上述したように、シャフト組立体200は、ハンドル14に固定可能に装着される近位部分と、長手方向軸を中心にして回転可能な遠位部分とを含むことができる。回転可能な遠位側シャフト部分は、上述したように、スリップリング組立体600を中心にして近位部分に対して回転させることができる。スリップリング組立体600の遠位側コネクタフランジ601は、回転可能な遠位側シャフト部分内に位置付けることができる。また、上記に加えて更に、スイッチドラム500も、回転可能な遠位側シャフト部分内に位置付けることができる。回転可能な遠位側シャフト部分を回転させると、遠位側コネクタフランジ601及びスイッチドラム500を互いに同期して回転させることができる。それに加えて、スイッチドラム500を、遠位側コネクタフランジ601に対して第1の位置と第2の位置との間で回転させることができる。スイッチドラム500がその第1の位置にあると、関節駆動システムが発射駆動システムから動作可能に係脱されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によって、シャフト組立体200のエンドエフェクタ300を関節運動させることができない。スイッチドラム500がその第2の位置にあると、関節駆動システムが発射駆動システムと動作可能に係合されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によってシャフト組立体200のエンドエフェクタ300を関節運動させることができる。スイッチドラム500をその第1の位置と第2の位置との間で移動させると、スイッチドラム500は、遠位側コネクタフランジ601に対して移動させられる。様々な例において、シャフト組立体200は、スイッチドラム500の位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを備えることができる。次に図11及び12に移ると、遠位側コネクタフランジ601は、例えば、ホール効果センサ605を備えることができ、スイッチドラム500は、例えば永久磁石505などの磁気素子を備えることができる。ホール効果センサ605は、永久磁石505の位置を検出するように構成することができる。スイッチドラム500をその第1の位置と第2の位置との間で回転させると、永久磁石505がホール効果センサ605に対して移動することができる。様々な例において、ホール効果センサ605は、永久磁石505を移動させると生じる磁界の変化を検出することができる。ホール効果センサ605は、例えば、シャフト回路基板610及び/又はハンドル回路基板100と信号連通することができる。ホール効果センサ605からの信号に基づいて、シャフト回路基板610及び/又はハンドル回路基板100上のマイクロコントローラは、関節駆動システムが発射駆動システムと係合されているか、又はそこから係脱されているかを判断することができる。
再び図3及び7を参照すると、シャーシ240は、フレーム20の遠位側取り付けフランジ部分700内に形成された、対応するダブテールスロット702に受け入れられるように適合された、シャーシ上に形成された少なくとも1つの、好ましくは2つの先細取り付け部分244を含む。各ダブテールスロット702は、取り付け部分244を中に収めて受け入れるように、先細であってもよく、又は言い換えればある程度V字形であってもよい。図3及び7から更に分かるように、シャフト取り付けラグ226が、中間発射シャフト222の近位端に形成される。更に詳細に後述するように、交換式シャフト組立体200がハンドル14に結合されると、シャフト取り付けラグ226は、長手方向駆動部材120の遠位端125に形成された発射シャフト取り付けクレードル126に受け入れられる。図3及び6を参照のこと。
様々なシャフト組立体の実施形態は、シャフト組立体200をハウジング12に、より具体的にはフレーム20に取り外し可能に結合するためのラッチシステム710を用いる。図7に示されるように、例えば、少なくとも1つの形態では、ラッチシステム710は、シャーシ240に移動可能に結合されている、ロック部材又はロックヨーク712を含む。例示される実施形態では、例えば、ロックヨーク712は、2つの離間した下向きに延在する脚部714を備えたU字形を有する。脚部714にはそれぞれ、シャーシ240に形成された対応する穴245に受け入れられるように適合された、枢動ラグ716が形成される。かかる構成により、ロックヨーク712をシャーシ240に枢動可能に取り付けることが容易になる。ロックヨーク712は、フレーム20の遠位側取り付けフランジ700の対応するロック移動止め又は溝704と解除可能に係合するように構成された、2つの近位側に突出するロックラグ714を含んでもよい。図3を参照のこと。様々な形態では、ロックヨーク712は、ばね又は付勢部材(図示せず)によって近位方向に付勢される。ロックヨーク712の作動は、シャーシ240に装着されたラッチアクチュエータ組立体720上に摺動可能に装着される、ラッチボタン722によって遂行されてもよい。ラッチボタン722は、ロックヨーク712に対して近位方向に付勢されてもよい。更に詳細に後述するように、ロックヨーク712は、ラッチボタンを遠位方向で付勢することによってロック解除位置へと移動させられてもよく、それによってまた、ロックヨーク712が枢動して、フレーム20の遠位側取り付けフランジ700との保定係合から外れる。ロックヨーク712がフレーム20の遠位側取り付けフランジ700と「保定係合」しているとき、ロックラグ716は、遠位側取り付けフランジ700の対応するロック移動止め又は溝704内に保定されて収まっている。
組織を切断し締結するように適合された本明細書に記載されるタイプのエンドエフェクタ、並びに他のタイプのエンドエフェクタを含む、交換式シャフト組立体を用いる場合、エンドエフェクタの作動中に交換式シャフト組立体がハウジングから不用意に分離されることを防止することが望ましいことがある。例えば、使用の際、臨床医は、閉鎖トリガ32を作動させて標的組織を把持し、所望の位置へと操作することがある。標的組織がエンドエフェクタ300内に所望の配向で位置付けられると、臨床医は、次に、閉鎖トリガ32を完全に作動させてアンビル306を閉鎖し、標的組織を切断及びステープル留めの位置で掴持してもよい。その場合、第1の駆動システム30は、完全に作動している。標的組織がエンドエフェクタ300に掴持された後、シャフト組立体200がハウジング12から不用意に分離されることを防止することが望ましいことがある。ラッチシステム710の1つの形態は、かかる不用意な分離を防止するように構成されている。
図7で最も具体的に分かるように、ロックヨーク712は、閉鎖シャトル250上に形成された対応するロックラグ部分256に接触するように適合された、少なくとも1つの、好ましくは2つのロックフック718を含む。図13〜15を参照すると、閉鎖シャトル250が非作動位置にある(即ち、第1の駆動システム30が非作動で、アンビル306が開放されている)とき、ロックヨーク712を遠位方向で枢動させて、交換式シャフト組立体200をハウジング12からロック解除してもよい。その位置では、ロックフック718は、閉鎖シャトル250上のロックラグ部分256に接触しない。しかしながら、閉鎖シャトル250を作動位置へと移動させる(即ち、第1の駆動システム30を作動させ、アンビル306が閉位置にある)と、ロックヨーク712がロック解除位置へと枢動することが防止される。図16〜18を参照のこと。言い換えると、臨床医がロックヨーク712をロック解除位置へと枢動させようとした場合、又は例えば、ロックヨーク712が、別の場合では遠位側に枢動することがあるような形で不用意に突き当たるか又は接触した場合、ロックヨーク712上のロックフック718が閉鎖シャトル250上のロックラグ256に接触し、ロックヨーク712がロック解除位置へと移動することを防止する。
以下、ハンドル14に対する交換式シャフト組立体200の取り付けについて、図3を参照して記載する。結合プロセスを開始するために、臨床医は、シャーシ240上に形成された先細取り付け部分244がフレーム20のダブテールスロット702と位置合わせされるようにして、交換式シャフト組立体200のシャーシ240をフレーム20の遠位側取り付けフランジ700の上方に、又はそれに隣接して位置付けてもよい。臨床医は、次に、シャフト組立体200を、シャフト軸SA−SAに垂直な設置軸IAに沿って移動させて、取り付け部分244を対応するダブテール受け入れスロット702と「動作可能に係合」させて収めてもよい。その際、中間発射シャフト222上のシャフト取り付けラグ226も、長手方向に移動可能な駆動部材120のクレードル126に収められ、第2の閉鎖リンク38上にあるピン37の部分が、閉鎖ヨーク250の対応するフック252に収められる。本明細書で使用するとき、2つの構成要素の文脈における「動作可能な係合」という用語は、それら2つの構成要素が互いに十分に係合され、それにより、作動運動をそれらに適用すると、構成要素が意図される行為、機能、及び/又は手順を実施してもよいことを意味する。
上述したように、交換式シャフト組立体200の少なくとも5つのシステムを、ハンドル14の少なくとも5つの対応するシステムと動作可能に結合することができる。第1のシステムは、シャフト組立体200のフレーム又はスパインをハンドル14のフレーム20と結合及び/又は位置合わせする、フレームシステムを備えることができる。別のシステムは、ハンドル14の閉鎖トリガ32と、閉鎖チューブ260と、シャフト組立体200のアンビル306とを動作可能に接続することができる、閉鎖駆動システム30を備えることができる。上で概説したように、シャフト組立体200の閉鎖チューブ取り付けヨーク250を、第2の閉鎖リンク38のピン37と係合させることができる。別のシステムは、ハンドル14の発射トリガ130をシャフト組立体200の中間発射シャフト222と動作可能に接続することができる、発射駆動システム80を備えることができる。
上で概説したように、シャフト取り付けラグ226は、長手方向駆動部材120のクレードル126と動作可能に接続することができる。別のシステムは、例えばシャフト組立体200などのシャフト組立体が、ハンドル14と動作可能に係合されていることを、例えばマイクロコントローラなど、ハンドル14内のコントローラに信号伝達することができ、並びに/又は第2に、電力及び/若しくは通信信号をシャフト組立体200とハンドル14との間で伝導することができる、電気システムを含むことができる。例えば、シャフト組立体200は、シャフト回路基板610に動作可能に装着される電気コネクタ1410を含むことができる。電気コネクタ1410は、ハンドル制御基板100上の対応する電気コネクタ1400と噛合係合するように構成されている。回路類及び制御システムに関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号に見出すことができ、その全開示は、既に参照により本明細書に組み込んでいる。第5のシステムは、シャフト組立体200をハンドル14に解除可能にロックするラッチングシステムで構成されてもよい。
図2及び3を再び参照すると、ハンドル14は、複数の電気接点を備える電気コネクタ1400を含むことができる。次に図19を参照すると、電気コネクタ1400は、例えば、第1の接点1401aと、第2の接点1401bと、第3の接点1401cと、第4の接点1401dと、第5の接点1401eと、第6の接点1401fとを備えることができる。例示される実施形態は6つの接点を利用しているが、6つを超える接点又は6つ未満の接点を利用してもよい他の実施形態が想起される。
図19に示されるように、第1の接点1401aは、トランジスタ1408と電気的に連通することができ、接点1401b〜1401eは、マイクロコントローラ1500と電気的に連通することができ、第6の接点1401fは、アースと電気的に連通することができる。特定の状況では、ハンドル1042が給電状態にあるとき、電気接点1401b〜1401eのうち1つ又は2つ以上が、マイクロコントローラ1500の1つ又は2つ以上の出力チャネルと電気的に連通していてもよく、通電することができ、又は電位を印加することができる。いくつかの状況では、電気接点1401b〜1401eのうち1つ又は2つ以上が、マイクロコントローラ1500の1つ又は2つ以上の入力チャネルと電気的に連通していてもよく、ハンドル14が給電状態にあるとき、マイクロコントローラ1500は、かかる電気接点に電位が印加されたときにそれを検出するように構成することができる。例えば、シャフト組立体200などのシャフト組立体が、ハンドル14に組み付けられたとき、電気接点1401a〜1401fは、互いに連通しなくてもよい。しかしながら、シャフト組立体がハンドル14に組み付けられていないとき、電気コネクタ1400の電気接点1401a〜1401fは、露出していてもよく、またいくつかの状況では、接点1401a〜1401fのうち1つ又は2つ以上が、偶然に互いに電気的に連通されて配置されてもよい。かかる状況は、例えば、接点1401a〜1401fのうち1つ又は2つ以上が導電性材料と接触すると生じる可能性がある。これが生じると、例えば、マイクロコントローラ1500が、誤り入力を受信する場合があり、かつ/又はシャフト組立体200が、誤り出力を受信する場合がある。この問題に対処するために、様々な状況では、例えば、シャフト組立体200などのシャフト組立体がハンドル14に取り付けられていないとき、ハンドル14は、給電されなくてもよい。
他の状況では、例えば、シャフト組立体200などのシャフト組立体が、ハンドル1042に取り付けられていないとき、ハンドル1042に給電することができる。かかる状況では、マイクロコントローラ1500は、シャフト組立体がハンドル14に取り付けられるまで、マイクロコントローラ1500と電気的に連通している接点、即ち、例えば接点1401b〜1401eに印加される、入力又は電位を無視するように構成することができる。マイクロコントローラ1500に、かかる状況下でハンドル14の他の機能性を動作させるように電力が供給されていても、ハンドル14は給電停止状態にあってもよい。ある意味で、電気接点1401b〜1401eに印加される電位はハンドル14の動作に影響しないことがあるので、電気コネクタ1400は給電停止状態にあってもよい。接点1401b〜1401eが給電停止状態にあるときであっても、マイクロコントローラ1500と電気的に連通していない電気接点1401a及び1401fは給電停止状態にあってもなくてもよいことが、読者には理解されるであろう。例えば、第6の接点1401fは、ハンドル14が給電状態にあるか給電停止状態にあるかに関わらず、アースと電気的に連通したままであってもよい。
更に、トランジスタ1408、及び/又は例えばトランジスタ1410などの任意の他の好適なトランジスタの配置、及び/又はスイッチは、ハンドル14が給電状態にあるか給電停止状態にあるかに関わらず、例えばハンドル14内の電池90などの電源1404から第1の電気接点1401aへの電力の供給を制御するように構成されてもよい。様々な状況では、シャフト組立体200は、例えば、シャフト組立体200がハンドル14と係合されたときにトランジスタ1408の状態を変化させるように構成することができる。特定の状況では、下記に加えて更に、ホール効果センサ1402を、トランジスタ1410の状態を切り替えるように構成することができ、トランジスタ1410はその結果として、トランジスタ1408の状態を切り替え、最終的に電源1404から第1の接点1401aに電力を供給することができる。このようにして、コネクタ1400までの電源回路と信号回路の両方に対して、シャフト組立体がハンドル14に設置されていないときは給電停止し、シャフト組立体がハンドル14に設置されているときは給電することができる。
様々な状況では、図19を再び参照すると、ハンドル14は、例えばホール効果センサ1402を含むことができ、ホール効果センサ1402は、シャフト組立体がハンドル14に結合されると、例えばシャフト組立体200などのシャフト組立体上の、例えば磁気素子1407(図3)などの検出可能な素子を検出するように構成することができる。ホール効果センサ1402は、例えば電池などの電源1406によって給電することができ、電源1406は実際に、ホール効果センサ1402の検出信号を増幅し、図19に示される回路を介してマイクロコントローラ1500の入力チャネルと通信することができる。マイクロコントローラ1500が、シャフト組立体がハンドル14に少なくとも部分的に結合されていること、またその結果として、電気接点1401a〜1401fが露出しなくなっていることを示す入力を受信すると、マイクロコントローラ1500は、通常の、つまり給電動作状態に入ることができる。かかる動作状態では、マイクロコントローラ1500は、その通常の使用時に、接点1401b〜1401eのうち1つ又は2つ以上にシャフト組立体から伝達された信号を評価し、かつ/又は、接点1401b〜1401eのうち1つ又は2つ以上を通してシャフト組立体に信号を伝達する。様々な状況では、ホール効果センサ1402が磁気素子1407を検出することができる前に、シャフト組立体200を完全に収めなければならないことがある。シャフト組立体200の存在を検出するためにホール効果センサ1402を利用することができるが、例えば、シャフト組立体がハンドル14に組み付けられているか否かを検出するために、センサ及び/又はスイッチの任意の好適なシステムを利用することができる。このようにして、上記に加えて更に、コネクタ1400までの電源回路と信号回路の両方に対して、シャフト組立体がハンドル14に設置されていないときは給電停止し、シャフト組立体がハンドル14に設置されているときは給電することができる。
様々な実施形態では、例えば、シャフト組立体がハンドル14に組み付けられているか否かを検出するために、任意の数の磁気感知素子が用いられてもよい。例えば、磁界感知に使用される技術としては、中でも特に、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、光磁気、及び微小電気機械システム系の磁気センサが挙げられる。
図19を参照すると、マイクロコントローラ1500は、一般に、マイクロプロセッサ(「プロセッサ」)と、プロセッサに動作可能に結合された1つ又は2つ以上のメモリユニットとを備えてもよい。メモリに格納された命令コードを実行することによって、プロセッサは、例えば、モータ、様々な駆動システム、及び/又はユーザディスプレイなど、外科用器具の様々な構成要素を制御してもよい。コントローラ1500は、集積型及び/若しくは離散的なハードウェア要素、ソフトウェア要素、並びに/又はそれら両方の組み合わせを使用して実装されてもよい。集積型ハードウェア要素の例は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体素子、チップ、マイクロチップ、チップセット、マイクロコントローラ、システムオンチップ(SoC)、及び/又はシステムインパッケージ(SIP)を含んでもよい。離散的なハードウェア要素の例は、論理ゲート、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、抵抗、コンデンサ、インダクタ、及び/若しくはリレーなど、回路並びに/又は回路素子を含んでもよい。特定の例では、マイクロコントローラ1500は、例えば、1つ又は2つ以上の基板上に離散的及び集積型回路素子又は構成要素を含む、ハイブリッド回路を含んでもよい。
図19を参照すると、マイクロコントローラ1500は、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。特定の例では、Texas InstrumentsのLM 4F230H5QRは、容易に利用可能な他の特性の中でも特に、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読出し専用メモリ(ROM)と、2KBの電気消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)と、1つ又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ又は2つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログと、12のアナログ入力チャネルを備えた1つ又は2つ以上の12ビットアナログ・デジタル変換器(ADC)とを備える、ARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、本開示と共に使用するのに容易に代用されてもよい。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
上述したように、ハンドル14及び/又はシャフト組立体200は、シャフト組立体200がハンドル14に組み付けられていないとき、又は完全に組み付けられていないときに、ハンドルの電気コネクタ1400の接点及び/又はシャフトの電気コネクタ1410の接点が短絡することを防止するか、又は少なくともその可能性を低減するように構成された、システム及び構成を含むことができる。図3を参照すると、ハンドルの電気コネクタ1400は、ハンドルフレーム20に画定されたキャビティ1409内に少なくとも部分的に入り込ませることができる。電気コネクタ1400の6つの接点1401a〜1401fは、キャビティ1409内に完全に入り込ませることができる。かかる配置は、物体が接点1401a〜1401fの1つ又は2つ以上に偶発的に接触する可能性を低減することができる。同様に、シャフトの電気コネクタ1410を、シャフトシャーシ240に画定された陥凹部内に位置付けることができ、それによって、物体がシャフトの電気コネクタ1410の接点1411a〜1411fのうち1つ又は2つ以上に偶発的に接触する可能性を低減することができる。図3に示される特定の実施形態に関して、シャフト接点1411a〜1411fは、雄接点を備えることができる。少なくとも1つの実施形態では、各シャフト接点1411a〜1411fは、例えば、対応するハンドル接点1401a〜1401fを係合するように構成することができる、シャフト接点から延在する可撓性突出部を備えることができる。ハンドル接点1401a〜1401fは、雌接点を備えることができる。少なくとも1つの実施形態では、各ハンドル接点1401a〜1401fは、例えば、平坦面を備えることができ、それに接して雄シャフト接点1401a〜1401fがワイプし、即ち摺動し、接点間の導電性の連係を維持することができる。様々な例では、シャフト組立体200がハンドル14に組み付けられる方向は、ハンドル接点1401a〜1401fに対して平行であるか、又は少なくとも実質的に平行であることができ、それにより、シャフト組立体200がハンドル14に組み付けられると、シャフト接点1411a〜1411fはハンドル接点1401a〜1401fに接して摺動する。様々な代替的な実施形態では、ハンドル接点1401a〜1401fが雄接点を備えることができ、シャフト接点1411a〜1411fが雌接点を備えることができる。特定の代替的な実施形態では、ハンドル接点1401a〜1401f及びシャフト接点1411a〜1411fは、接点の任意の好適な配置を備えることができる。
様々な例では、ハンドル14は、ハンドルの電気コネクタ1400を少なくとも部分的に被覆するように構成されたコネクタガード、及び/又はシャフトの電気コネクタ1410を少なくとも部分的に被覆するように構成されたコネクタガードを備えることができる。コネクタガードは、シャフト組立体がハンドルに組み付けられていないとき、又は部分的にのみ組み付けられているとき、物体が電気コネクタの接点に偶発的に触れることを防止するか、又は少なくともその可能性を低減することができる。コネクタガードは、可動であることができる。例えば、コネクタガードは、コネクタを少なくとも部分的に防護する防護位置と、コネクタを防護しないか、又は少なくともわずかしか防護しない非防護位置との間で移動させることができる。少なくとも1つの実施形態では、シャフト組立体がハンドルに組み付けられるにつれて、コネクタガードを変位させることができる。例えば、ハンドルがハンドルコネクタガードを備える場合、シャフト組立体がハンドルに組み付けられるにつれて、シャフト組立体がハンドルコネクタガードに接触し、それを変位させることができる。同様に、シャフト組立体がシャフトコネクタガードを備える場合、シャフト組立体がハンドルに組み付けられるにつれて、ハンドルがシャフトコネクタガードに接触し、それを変位させることができる。様々な例では、コネクタガードは、例えばドアを備えることができる。少なくとも1つの例では、ドアは、ハンドル又はシャフトが接触すると、ドアを特定の方向に変位させることを容易にすることができる、傾斜面を備えることができる。様々な例では、コネクタガードを、例えば、並進及び/又は回転させることができる。特定の例では、コネクタガードは、電気コネクタの接点を被覆する少なくとも1つのフィルムを備えることができる。シャフト組立体がハンドルに組み付けられると、フィルムを破断することができる。少なくとも1つの例では、コネクタの雄接点は、フィルムを貫通することができ、その後、フィルムの下に位置付けられた対応する接点に係合する。
上述したように、外科用器具は、例えば、電気コネクタ1400などの電気コネクタの接点を、選択的に給電又は活性化することができる。様々な例では、接点を不活性状態と活性化状態との間で遷移させることができる。特定の例では、接点を、監視状態、非活性化状態、及び活性化状態の間で遷移させることができる。例えば、マイクロコントローラ1500は例えば、シャフト組立体がハンドル14に組み付けられていないときの接点1401a〜1401fを監視して、接点1401a〜1401fのうち1つ又は2つ以上が短絡されている可能性があるか否かを判断することができる。マイクロコントローラ1500は、接点1401a〜1401fそれぞれに低電位を印加し、接点それぞれに最小限の抵抗のみが存在するか否かを見積もるように構成することができる。かかる動作状態は、監視状態を含むことができる。接点において検出された抵抗が高い場合、又は閾値抵抗を上回る場合、マイクロコントローラ1500は、その接点を、1つを超える接点を、あるいは全ての接点を非活性化することができる。かかる動作状態は、非活性化状態を含むことができる。シャフト組立体がハンドル14に組み付けられ、上述したように、それがマイクロコントローラ1500によって検出された場合、マイクロコントローラ1500は、接点1401a〜1401fに対する電位を増加することができる。かかる動作状態は、活性化状態を含むことができる。
本明細書に開示される様々なシャフト組立体は、センサ、及びハウジング内のコントローラとの電気的連通を要する他の様々な構成要素を用いてもよい。これらのシャフト組立体は、一般に、ハウジングに対して回転することができるように構成されており、互いに対して回転してもよい2つ以上の構成要素間でのかかる電気的連通を容易にする接続を要する。本明細書に開示されるタイプのエンドエフェクタを用いると、コネクタ装置は、本質的に比較的堅牢でもある一方、シャフト組立体コネクタ部分に嵌合するように、ある程度コンパクトでなければならない。
図20を参照すると、エンドエフェクタ300の非限定的な形態が示されている。上述したように、エンドエフェクタ300は、アンビル306及びステープルカートリッジ304を含んでもよい。この非限定的な実施形態では、アンビル306は、細長いチャネル198に結合されている。例えば、アパーチャ199を、アンビル306から延在するピン152を受け入れることができる細長いチャネル198内に画定することができ、アパーチャ199によって、細長いチャネル198及びステープルカートリッジ304に対してアンビル306を開位置から閉位置まで枢動させることができる。それに加えて、図20は、エンドエフェクタ300内へと長手方向で並進するように構成された発射バー172を示している。発射バー172は、1つの中実部分から構築されてもよく、又は様々な実施形態では、例えば鋼板のスタックを含む、積層材料を含んでもよい。発射バー172の遠位側に突出する端部は、E型梁178に取り付けることができ、E型梁178は、中でも特に、アンビル306が閉位置にあるとき、細長いチャネル198内に位置付けられたステープルカートリッジ304からアンビル306を離間させることを支援することができる。E型梁178はまた、E型梁178を発射バー172によって遠位側に前進させるにつれて組織を断絶するために使用することができる、鋭利な切刃182を含むことができる。動作の際、E型梁178はまた、ステープルカートリッジ304を作動させること、即ち発射することができる。ステープルカートリッジ304は、ステープルドライバ192上に載置された複数のステープル191を、それぞれの上向きに開いたステープルキャビティ195内で保持する、成型カートリッジ本体194を含むことができる。楔形スレッド190は、E型梁178によって遠位側に駆動されて、交換可能なステープルカートリッジ304の様々な構成要素を共に保持するカートリッジトレイ196上を摺動する。楔形スレッド190は、E型梁178の切断面182が掴持された組織を断絶する間、ステープルドライバ192を上向きにカム駆動して、ステープル191を追い出してアンビル306と変形接触させる。
上記に加えて更に、E型梁178は、発射の間、アンビル306に係合する上部ピン180を含むことができる。E型梁178は、カートリッジ本体194、カートリッジトレイ196、及び細長いチャネル198の様々な部分に係合することができる、中央ピン184と下部フット186とを更に含むことができる。ステープルカートリッジ304が細長いチャネル198内に位置付けられると、カートリッジ本体194に画定されたスロット193を、カートリッジトレイ196に画定されたスロット197及び細長いチャネル198に画定されたスロット189と位置合わせすることができる。使用の際、E型梁178は、位置合わせされたスロット193、197、及び189を通って摺動することができ、図20に示されるように、E型梁178の下部フット186は、スロット189の長さに沿ってチャネル198の底面に沿って通っている溝に係合することができ、中央ピン184は、長手方向スロット197の長さに沿ってカートリッジトレイ196の上面に係合することができ、上部ピン180は、アンビル306に係合することができる。かかる状況では、発射バー172が遠位側へと移動させられて、ステープルをステープルカートリッジ304から発射し、かつ/又はアンビル306とステープルカートリッジ304との間に捕捉された組織を切開するにつれて、E型梁178は、アンビル306とステープルカートリッジ304とを離間させるか、又はそれらの相対移動を制限することができる。その後、発射バー172及びE型梁178を近位側へと後退させることができ、それによってアンビル306を開いて、ステープル留めされ断絶された2つの組織部分を解放することができる(図示せず)。
外科用器具10について一般的用語で記載してきたが、次に、外科用器具10の様々な電気/電子構成要素について詳細に記載する。次に、複数の回路セグメント2002a〜2002gを備えるセグメント化回路2000の一実施形態が示されている、図21A〜21Bに移る。複数の回路セグメント2002a〜2002gを備えるセグメント化回路2000は、非限定的に、例えば図1〜18Aに示される外科用器具10など、電動外科用器具を制御するように構成されている。複数の回路セグメント2002a〜2002gは、電動外科用器具10の1つ又は2つ以上の動作を制御するように構成されている。安全プロセッサセグメント2002a(セグメント1)は、安全プロセッサ2004を備える。一次プロセッサセグメント2002b(セグメント2)は、一次プロセッサ2006を備える。安全プロセッサ2004及び/又は一次プロセッサ2006は、1つ又は2つ以上の追加の回路セグメント2002c〜2002gと相互作用して、電動外科用器具10の動作を制御するように構成されている。一次プロセッサ2006は、例えば、1つ又は2つ以上の回路セグメント2002c〜2002g、電池2008、及び/又は複数のスイッチ2058a〜2070に結合された、複数の入力を備える。セグメント化回路2000は、例えば、電動外科用器具10内のプリント回路基板組立体(PCBA)など、任意の好適な回路によって実装されてもよい。プロセッサという用語は、本明細書で使用するとき、任意のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上に組み込んだ、他の基本コンピューティングデバイスを含むことが理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに格納された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブルデバイスである。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。
一実施形態では、主プロセッサ2006は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一実施形態では、安全プロセッサ2004は、やはりTexas Instruments製の、Hercules ARM Cortex R4の商品名で知られている、TMS570及びRM4xなど、2つのマイクロコントローラ系ファミリーを備える安全マイクロコントローラプラットフォームであってもよい。いずれにせよ、非限定的に、マイクロコントローラ及び安全プロセッサに対する他の好適な代用品が用いられてもよい。一実施形態では、安全プロセッサ2004は、拡張性がある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積化された安全特性を提供するため、中でも特に、IEC 61508及びISO 26262の安全限界用途向けに特定的に構成されてもよい。
特定の例では、主プロセッサ2006は、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも1つの例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートに関して容易に利用可能な他の特性の中でも特に、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルSRAMと、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROMと、2KBのEEPROMと、1つ又は2つ以上のPWMモジュールと、1つ又は2つ以上のQEIアナログと、12のアナログ入力チャネルを有する1つ又は2つ以上の12ビットADCとを備える、ARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。他のプロセッサが容易に代用されてもよく、したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
一実施形態では、セグメント化回路2000は、加速度セグメント2002c(セグメント3)を備える。加速度セグメント2002cは、加速度センサ2022を備える。加速度センサ2022は、例えば、加速度計を備えてもよい。加速度センサ2022は、電動外科用器具10の移動又は加速度を検出するように構成されている。いくつかの実施形態では、加速度センサ2022からの入力は、例えば、スリープモードとの間での遷移、電動外科用器具の配向の識別、及び/又は外科用器具が落下したときの識別に使用される。いくつかの実施形態では、加速度セグメント2002cは、安全プロセッサ2004及び/又は一次プロセッサ2006に結合されている。
一実施形態では、セグメント化回路2000は、ディスプレイセグメント2002d(セグメント4)を備える。ディスプレイセグメント2002dは、一次プロセッサ2006に結合されたディスプレイコネクタ2024を備える。ディスプレイコネクタ2024は、1つ又は2つ以上のディスプレイドライバ集積回路2026を通して、一次プロセッサ2006をディスプレイ2028に結合する。ディスプレイドライバ集積回路2026は、ディスプレイ2028と一体化されてもよく、かつ/又はディスプレイ2028とは別個に配置されてもよい。ディスプレイ2028は、例えば、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、及び/又は任意の他の好適なディスプレイなど、任意の好適なディスプレイを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイセグメント2002dは、安全プロセッサ2004に結合されている。
いくつかの実施形態では、セグメント化回路2000は、シャフトセグメント2002e(セグメント5)を備える。シャフトセグメント2002eは、外科用器具10に結合されたシャフト2004に対する1つ又は2つ以上の制御、及び/又はシャフト2004に結合されたエンドエフェクタ2006に対する1つ又は2つ以上の制御を備える。シャフトセグメント2002eは、一次プロセッサ2006をシャフトPCBA 2031に結合するように構成された、シャフトコネクタ2030を備える。シャフトPCBA 2031は、第1の関節スイッチ2036、第2の関節スイッチ2032、及びシャフトPCBA EEPROM 2034を備える。いくつかの実施形態では、シャフトPCBA EEPROM 2034は、シャフト2004及び/又はシャフトPCBA 2031に特異的な、1つ又は2つ以上のパラメータ、ルーチン、及び/又はプログラムを含む。シャフトPCBA 2031は、シャフト2004に結合されてもよく、かつ/又は外科用器具10と一体であってもよい。いくつかの実施形態では、シャフトセグメント2002eは、第2のシャフトEEPROM 2038を備える。第2のシャフトEEPROM 2038は、電動外科用器具10と連係させてもよい1つ又は2つ以上のシャフト2004及び/又はエンドエフェクタ2006に対応する、複数のアルゴリズム、ルーチン、パラメータ、及び/又は他のデータを含む。
いくつかの実施形態では、セグメント化回路2000は、位置エンコーダセグメント2002f(セグメント6)を備える。位置エンコーダセグメント2002fは、1つ又は2つ以上の磁気回転位置エンコーダ2040a〜2040bを備える。1つ又は2つ以上の磁気回転位置エンコーダ2040a〜2040bは、外科用器具10のモータ2048、シャフト2004、及び/又はエンドエフェクタ2006の回転位置を識別するように構成されている。いくつかの実施形態では、磁気回転位置エンコーダ2040a〜2040bは、安全プロセッサ2004及び/又は一次プロセッサ2006に結合されてもよい。
いくつかの実施形態では、セグメント化回路2000は、モータセグメント2002g(セグメント7)を備える。モータセグメント2002gは、電動外科用器具10の1つ又は2つ以上の移動を制御するように構成されるモータ2048を備える。モータ2048は、Hブリッジドライバ2042及び1つ又は2つ以上のHブリッジ電界効果トランジスタ(FET)2044によって、一次プロセッサ2006に結合されている。HブリッジFET 2044は、安全プロセッサ2004に結合されている。モータ電流センサ2046は、モータ2048の電流引き出しを測定するため、モータ2048と直列に結合されている。モータ電流センサ2046は、一次プロセッサ2006及び/又は安全プロセッサ2004と信号連通している。いくつかの実施形態では、モータ2048は、モータ電磁干渉(EMI)フィルタ2050に結合されている。
セグメント化回路2000は、電源セグメント2002h(セグメント8)を備える。電池2008は、安全プロセッサ2004、一次プロセッサ2006、及び追加回路セグメント2002c〜2002gのうちの1つ又は2つ以上に結合されている。電池2008は、電池コネクタ2010及び電流センサ2012によってセグメント化回路2000に結合されている。電流センサ2012は、セグメント化回路2000の合計電流引き出しを測定するように構成されている。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の電圧変換器2014a、2014b、2016が、既定の電圧値を1つ又は2つ以上の回路セグメント2002a〜2002gに提供するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、セグメント化回路2000は、3.3V電圧変換器2014a〜2014b及び/又は5V電圧変換器2016を備えてもよい。ブースト変換器2018は、例えば13V以下など、既定量以下のブースト電圧を提供するように構成されている。ブースト変換器2018は、電力集約的な動作の間、追加の電圧及び/又は電流を提供し、電圧低下又は低電力状態を防止するように構成されている。
いくつかの実施形態では、安全セグメント2002aは、モータ電力遮断2020を備える。モータ電力遮断2020は、電源セグメント2002hとモータセグメント2002gとの間に結合されている。安全セグメント2002aは、本明細書で更に詳細に考察するように、安全プロセッサ2004及び/又は一次プロセッサ2006によって誤り若しくは障害状態が検出されると、モータセグメント2002gに対する電力を遮断するように構成されている。回路セグメント2002a〜2002gは、回路セグメント2002a〜2002hの全ての構成要素が物理的に近接して配置されて示されているが、回路セグメント2002a〜2002hは、同じ回路セグメント2002a〜2002gの他の構成要素とは物理的及び/又は電気的に分離している構成要素を備えてもよいことが、当業者には認識されるであろう。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の構成要素が、2つ又は3つ以上の回路セグメント2002a〜2002gの間で共有されてもよい。
いくつかの実施形態では、複数のスイッチ2056〜2070が、安全プロセッサ2004及び/又は一次プロセッサ2006に結合されている。複数のスイッチ2056〜2070は、外科用器具10の1つ又は2つ以上の動作を制御し、セグメント化回路2000の1つ又は2つ以上の動作を制御し、かつ/又は外科用器具10の状態を示すように構成されてもよい。例えば、脱出ドアスイッチ2056は、脱出ドアの状態を示すように構成されている。例えば、左側関節左スイッチ2058a、左側関節右スイッチ2060a、左側関節中央スイッチ2062a、右側関節左スイッチ2058b、右側関節右スイッチ2060b、及び右側関節中央スイッチ2062bなど、複数の関節スイッチは、シャフト2004及び/又はエンドエフェクタ2006の関節運動を制御するように構成されている。左側反転スイッチ2064a及び右側反転スイッチ2064bは、一次プロセッサ2006に結合されている。いくつかの実施形態では、左側関節左スイッチ2058a、左側関節右スイッチ2060a、左側関節中央スイッチ2062a、及び左側反転スイッチ2064aを備える左側スイッチは、左側可撓コネクタ2072aによって一次プロセッサ2006に結合されている。右側関節左スイッチ2058b、右側関節右スイッチ2060b、右側関節中央スイッチ2062b、及び右側反転スイッチ2064bを備える右側スイッチは、右側可撓コネクタ2072bによって一次プロセッサ2006に結合されている。いくつかの実施形態では、発射スイッチ2066、掴持解除スイッチ2068、及びシャフト係合スイッチ2070は、一次プロセッサ2006に結合されている。
複数のスイッチ2056〜2070は、例えば、外科用器具10のハンドル、複数のインジケータスイッチ、及び/又はそれらの任意の組み合わせに装着される、複数のハンドル制御を備えてもよい。様々な実施形態では、複数のスイッチ2056〜2070により、外科医が外科用器具を操作し、セグメント化回路2000に対して外科用器具の位置及び/若しくは動作に関するフィードバックを提供し、並びに/又は外科用器具10の安全でない動作を示すことが可能になる。いくつかの実施形態では、追加のスイッチ又はより少数のスイッチが、セグメント化回路2000に結合されてもよく、スイッチ2056〜2070の1つ又は2つ以上を組み合わせて単一のスイッチとしてもよく、かつ/又は拡張して複数のスイッチとしてもよい。例えば、一実施形態では、左側及び/又は右側関節スイッチ2058a〜2064bのうちの1つ又は2つ以上を組み合わせて、単一の多重位置スイッチとしてもよい。
一実施形態では、安全プロセッサ2004は、他の安全動作の中でも特に、ウォッチドッグ機能を実現するように構成されている。セグメント化回路2000の安全プロセッサ2004及び一次プロセッサ2006は、信号連通している。マイクロプロセッサのアライブハートビート信号は、出力2096で提供される。加速度セグメント2002cは、外科用器具10の移動を監視するように構成された加速度計2022を備える。様々な実施形態では、加速度計2022は、単軸、二軸、又は三軸加速度計であってもよい。加速度計2022は、必ずしも座標加速度(速度の変化率)ではない適正な加速度を測定するのに用いられてもよい。その代わりに、加速度計は、加速度計2022の基準フレーム内で静止している試験質量が経験する重量の現象と関連付けられる加速度を見る。例えば、地表面で静止している加速度計2022は、その重量により、g=9.8m/s2(重力)の真っ直ぐ上向きの加速度を測定する。加速度計2022が測定することができる別のタイプの加速度は、g力加速度である。他の様々な実施形態では、加速度計2022は、単軸、二軸、又は三軸加速度計を備えてもよい。更に、加速度セグメント2002cは、加速度、傾き、衝撃、振動、回転、及び複数の自由度(DoF)を検出し測定する、1つ又は2つ以上の慣性センサを備えてもよい。好適な慣性センサは、加速度計(単軸、二軸、若しくは三軸)、地球の磁界などの空間中の磁界を測定する磁力計、及び/又は角速度を測定するジャイロスコープを備えてもよい。
一実施形態では、安全プロセッサ2004は、例えばモータセグメント2002gなど、1つ又は2つ以上の回路セグメント2002c〜2002hに関して、ウォッチドッグ機能を実現するように構成されている。これに関して、安全プロセッサ2004は、ウォッチドッグ機能を用いて、一次プロセッサ2006の誤動作を検出しそこから復帰する。正常動作の間、安全プロセッサ2004は、一次プロセッサ2004のハードウェア障害又はプログラム誤りを監視し、修正動作(1つ若しくは複数)を開始する。修正動作は、一次プロセッサ2006を安全状態に置くこと、及び正常なシステム動作を復元することを含んでもよい。一実施形態では、安全プロセッサ2004は、少なくとも第1のセンサに結合されている。第1のセンサは、外科用器具10の第1の特性を測定する。いくつかの実施形態では、安全プロセッサ2004は、外科用器具10の測定された特性を既定値と比較するように構成されている。例えば、一実施形態では、モータセンサ2040aが、安全プロセッサ2004に結合されている。モータセンサ2040aは、モータの速度及び位置情報を安全プロセッサ2004に提供する。安全プロセッサ2004は、モータセンサ2040aを監視し、その値を速度及び/又は位置の最大値と比較し、既定値を上回るモータ2048の動作を防止する。いくつかの実施形態では、既定値は、一次プロセッサ2006と連通している第2のモータセンサ2040bによって供給される値、及び/又は例えば安全プロセッサ2004に結合されたメモリモジュールから、安全プロセッサ2004に提供される値から計算される、モータ2048のリアルタイムの速度及び/又は位置に基づいて計算される。
いくつかの実施形態では、第2のセンサが、一次プロセッサ2006に結合されている。第2のセンサは、第1の物理的特性を測定するように構成されている。安全プロセッサ2004及び一次プロセッサ2006は、第1のセンサ及び第2のセンサそれぞれの値を示す信号を提供するように構成されている。安全プロセッサ2004又は一次プロセッサ2006のどちらかが許容可能な範囲外の値を示しているとき、セグメント化回路2000は、例えばモータセグメント2002gなど、回路セグメント2002c〜2002hのうちの少なくとも1つの動作を防止する。例えば、図21A〜21Bに示される実施形態では、安全プロセッサ2004は、第1のモータ位置センサ2040aに結合され、一次プロセッサ2006は、第2のモータ位置センサ2040bに結合されている。モータ位置センサ2040a、2040bは、例えば、サイン及びコサイン出力を含む磁気角度回転入力など、任意の好適なモータ位置センサを含んでもよい。モータ位置センサ2040a、2040bは、モータ2048の位置を示すそれぞれの信号を、安全プロセッサ2004及び一次プロセッサ2006に提供する。
安全プロセッサ2004及び一次プロセッサ2006は、第1のモータセンサ2040a及び第2のモータセンサ2040bの値が既定範囲内のとき、活性化信号を生成する。一次プロセッサ2006又は安全プロセッサ2004のどちらかが既定範囲外の値を検出すると、活性化信号は終了され、例えばモータセグメント2002gなど、少なくとも1つの回路セグメント2002c〜2002hの動作が遮断及び/又は防止される。例えば、いくつかの実施形態では、一次プロセッサ2006からの活性化信号及び安全プロセッサ2004からの活性化信号は、ANDゲートに結合されている。ANDゲートは、モータ電源スイッチ2020に結合されている。ANDゲートは、安全プロセッサ2004及び一次プロセッサ2006の両方からの活性化信号が高であり、モータセンサ2040a、2040bの値が既定範囲内にあることが示されたとき、モータ電源スイッチ2020を閉位置で、即ちオン位置で維持する。モータセンサ2040a、2040bのどちらかが既定範囲外の値を検出すると、そのモータセンサ2040a、2040bからの活性化信号は低に設定され、ANDゲートの出力は低に設定されて、モータ電源スイッチ2020が開放される。いくつかの実施形態では、第1のセンサ2040a及び第2のセンサ2040bの値は、例えば、安全プロセッサ2004及び/又は一次プロセッサ2006によって比較される。第1のセンサ及び第2のセンサの値が異なる場合、安全プロセッサ2004及び/又は一次プロセッサ2006は、モータセグメント2002gの動作を防止してもよい。
いくつかの実施形態では、安全プロセッサ2004は、第2のセンサ2040bの値を示す信号を受信し、第2のセンサ値を第1のセンサ値と比較する。例えば、一実施形態では、安全プロセッサ2004は、第1のモータセンサ2040aに直接結合されている。第2のモータセンサ2040bは、一次プロセッサ2006に結合され、それによって第2のモータセンサ2040bの値が安全プロセッサ2004に提供され、かつ/又は安全プロセッサ2004に直接結合されている。安全プロセッサ2004は、第1のモータセンサ2040の値を第2のモータセンサ2040bの値と比較する。安全プロセッサ2004が第1のモータセンサ2040aと第2のモータセンサ2040bとの間の不整合を検出すると、安全プロセッサ2004は、例えばモータセグメント2002gへの電力を止めることによって、モータセグメント2002gの動作を遮断してもよい。
いくつかの実施形態では、安全プロセッサ2004及び/又は一次プロセッサ2006は、外科用器具の第1の特性を測定するように構成された第1のセンサ2040a、及び外科用器具の第2の特性を測定するように構成された第2のセンサ2040bに結合されている。第1の特性及び第2の特性は、外科用器具が正常に動作しているときは既定の関係を含む。安全プロセッサ2004は、第1の特性及び第2の特性を監視する。既定の関係と矛盾する第1の特性及び/又は第2の特性の値が検出されると、障害が生じる。障害が生じると、安全プロセッサ2004は、例えば、回路セグメントのうち少なくとも1つの動作を防止する、既定の動作を実行する、かつ/又は一次プロセッサ2006をリセットするなど、少なくとも1つの動作を行う。例えば、障害が検出されると、安全プロセッサ2004は、モータ電源スイッチ2020を開いて、モータ回路セグメント2002gに対する電力を止めてもよい。
一実施形態では、安全プロセッサ2004は、独立制御アルゴリズムを実行するように構成されている。動作の際、安全プロセッサ2004は、セグメント化回路2000を監視し、例えば一次プロセッサ2006など、他の回路構成要素からの信号を独立して制御及び/又はオーバーライドするように構成されている。安全プロセッサ2004は、外科用器具10の1つ又は2つ以上の動作及び/又は位置に基づいて、プログラムされたアルゴリズムを実行してもよく、かつ/又は動作中にオンザフライで更新若しくはプログラムされてもよい。例えば、一実施形態では、安全プロセッサ2004は、新しいシャフト及び/又はエンドエフェクタが外科用器具10に結合される毎に、新しいパラメータ及び/又は安全アルゴリズムを用いて再プログラムされる。いくつかの実施形態では、安全プロセッサ2004によって格納された1つ又は2つ以上の安全値が、一次プロセッサ2006によって複製される。プロセッサ2004、2006のどちらかによって格納された値及び/又はパラメータが適正であることを担保するため、双方向誤り検出が行われる。
いくつかの実施形態では、安全プロセッサ2004及び一次プロセッサ2006は、冗長安全チェックを実現する。安全プロセッサ2004及び一次プロセッサ2006は、正常動作を示す周期信号を提供する。例えば、動作の間、安全プロセッサ2004は、安全プロセッサ2004がコードを実行し、正常に動作していることを、一次プロセッサ2006に対して示してもよい。一次プロセッサ2006は、同様に、一次プロセッサ2006がコードを実行し、正常に動作していることを、安全プロセッサ2004に対して示してもよい。いくつかの実施形態では、安全プロセッサ2004と一次プロセッサ2006との間の通信は、既定の間隔で起こる。既定の間隔は、一定であってもよく、又は外科用器具10の回路状態及び/若しくは動作に基づいて可変であってもよい。
図22は、電源組立体2100の使用サイクル計数を監視するように構成された、使用サイクル回路2102を備える電源組立体2100の一例を示している。電源組立体2100は、外科用器具2110に結合されてもよい。使用サイクル回路2102は、プロセッサ2104及び使用インジケータ2106を備える。使用インジケータ2106は、信号をプロセッサ2104に提供して、電池バック2100、及び/又は電源組立体2100に結合された外科用器具2110の使用を示すように構成されている。「使用」は、例えば、外科用器具2110のモジュール式構成要素の変更、外科用器具2110に結合された使い捨て構成要素の配備又は発射、外科用器具2110からの電気外科的エネルギーの送達、外科用器具2110及び/若しくは電源組立体2100の再調整、電源組立体2100の交換、電源組立体2100の充電、並びに/又は外科用器具2110及び/若しくは電池バック2100の安全限界の超過など、任意の好適な動作、状態、及び/又はパラメータを含んでもよい。
いくつかの例では、使用サイクル、即ち使用は、1つ又は2つ以上の電源組立体2100のパラメータによって定義される。例えば、1つの例では、使用サイクルは、電源組立体2100が完全充電レベルのとき、電源組立体2100から利用可能な合計エネルギーの5%超過を使用することを含む。別の例では、使用サイクルは、既定の時限を超過する電源組立体2100からの連続エネルギー流出を含む。例えば、使用サイクルは、電源組立体2100からの5分間の連続及び/又は合計エネルギー引き出しに相当してもよい。いくつかの例では、電源組立体2100は、例えば、使用インジケータ2106及び/又はカウンタ2108など、使用サイクル回路2102の1つ又は2つ以上の構成要素を活動状態で維持するため、連続エネルギー引き出しを有する使用サイクル回路2102を備える。
プロセッサ2104は、使用サイクル計数を維持する。使用サイクル計数は、電源組立体2100及び/又は外科用器具2110に対して、使用インジケータ2106によって検出される使用回数を示す。プロセッサ2104は、使用インジケータ2106からの入力に基づいて、使用サイクル計数を増分及び/又は減分してもよい。使用サイクル計数は、電源組立体2100及び/又は外科用器具2110の1つ又は2つ以上の動作を制御するために使用される。例えば、いくつかの例では、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過すると、電源組立体2100は使用不能にされる。本明細書で考察する例は、既定の使用限界を上回って使用サイクル計数を増分することに関して考察しているが、使用サイクル計数は既定量で開始してもよく、プロセッサ2104によって減分されてもよいことが、当業者には認識されるであろう。この例では、プロセッサ2104は、使用サイクル計数が既定の使用限界を下回ると、電源組立体2100の1つ又は2つ以上の動作を開始及び/又は防止する。
使用サイクル計数は、カウンタ2108によって維持される。カウンタ2108は、例えば、メモリモジュール、アナログカウンタ、及び/又は使用サイクル計数を維持するように構成された任意の回路など、任意の好適な回路を備える。いくつかの例では、カウンタ2108は、プロセッサ2104と一体的に形成される。他の例では、カウンタ2108は、例えば固体メモリモジュールなど、別個の構成要素を備える。いくつかの例では、使用サイクル計数は、例えば集中データベースなど、遠隔システムに提供される。使用サイクル計数は、通信モジュール2112によって遠隔システムに伝達される。通信モジュール2112は、例えば有線及び/又は無線通信など、任意の好適な通信媒体を使用するように構成されている。いくつかの例では、通信モジュール2112は、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過すると、例えば制御信号など、遠隔システムからの1つ又は2つ以上の命令を受信するように構成されている。
いくつかの例では、使用インジケータ2106は、電源組立体2100に結合された外科用器具2110と共に使用される、モジュール式構成要素の数を監視するように構成されている。モジュール式構成要素は、例えば、モジュール式シャフト、モジュール式エンドエフェクタ、及び/又は他の任意のモジュール式構成要素を備えてもよい。いくつかの例では、使用インジケータ2106は、例えば、外科用器具2110に結合されたエンドエフェクタ内におけるステープルカートリッジの挿入及び/又は配備など、1つ又は2つ以上の使い捨て構成要素の使用を監視する。使用インジケータ2106は、外科用器具2110の1つ又は2つ以上のモジュール式及び/又は使い捨て構成要素の交換を検出する、1つ又は2つ以上のセンサを備える。
いくつかの例では、使用インジケータ2106は、電源組立体2100が設置された状態で行われる単一患者外科的処置を監視するように構成されている。例えば、使用インジケータ2106は、電源組立体2100が外科用器具2110に結合されている状態での外科用器具2110の発射を監視するように構成されてもよい。発射は、ステープルカートリッジの配備、電気外科的エネルギーの適用、及び/又は他の任意の好適な外科的行為に相当してもよい。使用インジケータ2106は、電源組立体2100が設置されている状態での発射回数を測定する1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。使用インジケータ2106は、単一患者処置が行われると、プロセッサ2104に信号を提供し、プロセッサ2104は、使用サイクル計数を増分する。
いくつかの例では、使用インジケータ2106は、例えば、電源2114からの電流引き出しなど、電源2114の1つ又は2つ以上のパラメータを監視するように構成された回路を備える。電源2114の1つ又は2つ以上のパラメータは、例えば切断及び封着動作など、外科用器具2110によって実行可能な1つ又は2つ以上の動作に対応する。使用インジケータ2106は、処置が行われたことを1つ又は2つ以上のパラメータが示す場合、1つ又は2つ以上のパラメータをプロセッサ2104に提供し、それによって使用サイクル計数を増分する。
いくつかの例では、使用インジケータ2106は、既定の期間後に使用サイクル計数を増分するように構成されたタイミング回路を備える。既定の期間は、操作者が、例えば切断及び封着処置などの処置を行うのに要する時間である、単一患者処置時間に相当する。電源組立体2100が外科用器具2110に結合されると、プロセッサ2104は、使用インジケータ2106をポーリングして、単一患者処置時間がいつ期限切れしたかを判断する。既定の期間が経過すると、プロセッサ2104は、使用サイクル計数を増分する。使用サイクル計数を増分した後、プロセッサ2104は、使用インジケータ2106のタイミング回路をリセットする。
いくつかの例では、使用インジケータ2106は、単一患者処置時間に近似する時定数を含む。一実施形態では、使用サイクル回路2102は、抵抗容量結合型(RC)タイミング回路2506を備える。RCタイミング回路は、抵抗・コンデンサ対によって定義される時定数を含む。時定数は、抵抗及びコンデンサの値によって定義される。一実施形態では、使用サイクル回路2552は、充電式電池及びクロックを備える。電源組立体2100が外科用器具に設置されると、充電式電池が電源によって充電される。充電式電池は、少なくとも単一患者処置時間の間、クロックを稼働させるのに十分な電力を含む。クロックは、リアルタイムクロック、時間関数を実現するように構成されたプロセッサ、又は任意の他の好適なタイミング回路を備えてもよい。
図2を再び参照すると、いくつかの例では、使用インジケータ2106は、電源組立体2100が経験する1つ又は2つ以上の環境状態を監視するように構成されたセンサを備える。例えば、使用インジケータ2106は、加速度計を備えてもよい。加速度計は、電源組立体2100の加速度を監視するように構成されている。電源組立体2100は、最大許容加速度を含む。既定の閾値を上回る加速度は、例えば、電源組立体2100が落下していることを示す。使用インジケータ2106が最大許容加速度を上回る加速度を検出すると、プロセッサ2104は、使用サイクル計数を増分する。いくつかの例では、使用インジケータ2106は、水分センサを備える。水分センサは、電源組立体2100が水分に晒されるとそれを示すように構成されている。水分センサは、例えば、電源組立体2100が洗浄流体に完全に浸漬しているとそれを示すように構成された浸漬センサ、使用中に水分が電源組立体2100と接触しているとそれを示すように構成された水分センサ、及び/又は任意の他の好適な水分センサを備えてもよい。
いくつかの例では、使用インジケータ2106は、化学物質曝露センサを備える。化学物質曝露センサは、電源組立体2100が有害及び/又は危険な化学物質と接触しているとそれを示すように構成されている。例えば、滅菌処置の間、不適切な化学物質が使用され、それが電源組立体2100の劣化に結び付くことがある。プロセッサ2104は、使用インジケータ2106が不適切な化学物質を検出すると、使用サイクル計数を増分する。
いくつかの例では、使用サイクル回路2102は、電源組立体2100が経験する再調整サイクルの回数を監視するように構成されている。再調整サイクルは、例えば、洗浄サイクル、滅菌サイクル、充電サイクル、定期及び/若しくは予防整備、並びに/又は任意の他の好適な再調整サイクルを含んでもよい。使用インジケータ2106は、再調整サイクルを検出するように構成されている。例えば、使用インジケータ2106は、洗浄及び/又は滅菌サイクルを検出する水分センサを備えてもよい。いくつかの例では、使用サイクル回路2102は、電源組立体2100が経験する再調整サイクルの回数を監視し、再調整サイクルの回数が既定の閾値を超過した後、電源組立体2100を使用不能にする。
使用サイクル回路2102は、電源組立体2100の交換回数を監視するように構成されてもよい。使用サイクル回路2102は、電源組立体2100が交換される毎に使用サイクル計数を増分する。最大交換回数を超過すると、使用サイクル回路2102は、電源組立体2100及び/又は外科用器具2110をロックアウトする。いくつかの例では、電源組立体2100が外科用器具2110に結合されると、使用サイクル回路2102は、電源組立体2100の通し番号を識別し、電源組立体2100が外科用器具2110のみと共に使用可能であるように、電源組立体2100をロックする。いくつかの例では、使用サイクル回路2102は、電源組立体2100が外科用器具2110から取り外される毎、及び/又は外科用器具2110に結合される毎に、使用サイクルを増分する。
いくつかの例では、使用サイクル計数は、電源組立体2100の滅菌に対応する。使用インジケータ2106は、例えば、温度パラメータ、化学物質パラメータ、水分パラメータ、及び/又は任意の他の好適なパラメータなど、滅菌サイクルの1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されたセンサを備える。プロセッサ2104は、滅菌パラメータが検出されると使用サイクル計数を増分する。使用サイクル回路2102は、既定の滅菌回数後、電源組立体2100を使用不能にする。いくつかの例では、使用サイクル回路2102は、滅菌サイクルの間に、充電サイクルを検出する電圧センサ、及び/又は任意の好適なセンサをリセットする。プロセッサ2104は、再調整サイクルが検出されると、使用サイクル計数を増分する。使用サイクル回路2102は、滅菌サイクルが検出されると、使用不能にされる。使用サイクル回路2102は、電源組立体2100が外科用器具2110に結合されると、再活性化及び/又はリセットされる。いくつかの例では、使用インジケータは、ゼロ電力インジケータを含む。ゼロ電力インジケータは、滅菌サイクル中に状態を変化させ、電源組立体2100が外科用器具2110に結合されると、プロセッサ2104によってチェックされる。ゼロ電力インジケータが、滅菌サイクルが起こっていることを示すと、プロセッサ2104は、使用サイクル計数を増分する。
カウンタ2108は、使用サイクル計数を維持する。いくつかの例では、カウンタ2108は、不揮発性メモリモジュールを備える。プロセッサ2104は、使用サイクルが検出される毎に、不揮発性メモリモジュールに格納された使用サイクル計数を増分する。メモリモジュールは、プロセッサ2104、及び/又は例えば制御回路200などの制御回路によってアクセスされてもよい。使用サイクル計数が既定の閾値を超過すると、プロセッサ2104は、電源組立体2100を使用不能にする。いくつかの例では、使用サイクル計数は、複数の回路構成要素によって維持される。例えば、1つの例では、カウンタ2108は、抵抗(又はヒューズ)パックを備える。電源組立体2100の各使用後に、抵抗(又はヒューズ)が焼けて開位置に至って、抵抗パックの抵抗が変化する。電源組立体2100及び/又は外科用器具2110は、残りの抵抗を読み取る。抵抗パックの最後の抵抗が焼損したとき、抵抗パックは、例えば、電源組立体2100がその使用限界に達していることを示す、開回路に相当する無限抵抗など、既定の抵抗を有する。いくつかの例では、抵抗パックの抵抗は、残りの使用回数を導き出すために使用される。
いくつかの例では、使用サイクル回路2102は、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過したとき、電源組立体2100及び/又は外科用器具2110の更なる使用を防止する。1つの例では、電源組立体2100と関連付けられた使用サイクル計数は、例えば、外科用器具2110と一体的に形成された画面を利用して、操作者に提供される。外科用器具2110は、操作者に対して、使用サイクル計数が電源組立体2100の既定の限界を超過していることの指示を提供し、外科用器具2110の更なる動作を防止する。
いくつかの例では、使用サイクル回路2102は、既定の使用限界に達すると、動作を物理的に防止するように構成されている。例えば、電源組立体2100は、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過すると、電源組立体2100の接点の上に配備するように構成されたシールドを備えてもよい。シールドは、電源組立体2100の電気接続を被覆することによって、電源組立体2100の充電及び使用を防止する。
いくつかの例では、使用サイクル回路2102は、少なくとも部分的に外科用器具2110内に配置され、外科用器具2110の使用サイクル計数を維持するように構成されている。図22は、外科用器具2110内の使用サイクル回路2102の1つ又は2つ以上の構成要素を仮想線で示して、使用サイクル回路2102の代替の位置付けを示している。外科用器具2110の既定の使用限界を超過すると、使用サイクル回路2102は、外科用器具2110を使用不能にし、かつ/又はその動作を防止する。使用サイクル計数は、例えば、外科用器具2110の発射、単一患者処置時間に対応する既定の期間、外科用器具2110の1つ又は2つ以上のモータパラメータに基づくもの、1つ又は2つ以上の既定の閾値が満たされていることを示すシステム診断に対する応答、及び/又は任意の他の好適な要件など、使用インジケータ2106が特定の事象及び/又は要件を検出すると、使用サイクル回路2102によって増分される。上述したように、いくつかの例では、使用インジケータ2106は、単一患者処置時間に対応するタイミング回路を備える。他の例では、使用インジケータ2106は、外科用器具2110の特定の事象及び/又は状態を検出するように構成された1つ又は2つ以上のセンサを備える。
いくつかの例では、使用サイクル回路2102は、既定の使用限界に達した後、外科用器具2110の動作を防止するように構成されている。いくつかの例では、外科用器具2110は、既定の使用限界に達すると、かつ/又はそれを超過するとそれを示す、可視インジケータを備える。例えば、赤いフラグなどのフラグが、ハンドルからなど、外科用器具2110から飛び出して、外科用器具2110が既定の使用限界を超過していることの視覚的指示を操作者に提供してもよい。別の例として、使用サイクル回路2102は、外科用器具2110と一体的に形成されたディスプレイに結合されてもよい。使用サイクル回路2102は、既定の使用限界を超過していることを示すメッセージを表示する。外科用器具2110は、既定の使用限界を超過していることの可聴指示を操作者に提供してもよい。例えば、1つの例では、外科用器具2110は、既定の使用限界を超過すると可聴音を放出し、電源組立体2100が外科用器具2110から取り外される。可聴音は、外科用器具2110の最後の使用を示し、外科用器具2110を廃棄又は再調整すべきであることを示す。
いくつかの例では、使用サイクル回路2102は、外科用器具2110の使用サイクル計数を、例えば集中データベースなどの遠隔位置に伝達するように構成されている。使用サイクル回路2102は、使用サイクル計数を遠隔位置に伝達するように構成された通信モジュール2112を備える。通信モジュール2112は、例えば有線又は無線通信システムなど、任意の好適な通信システムを利用してもよい。遠隔位置は、使用情報を維持するように構成された集中データベースを備えてもよい。いくつかの例では、電源組立体2100が外科用器具2110に結合されると、電源組立体2100は、外科用器具2110の通し番号を記録する。通し番号は、例えば、電源組立体2100が充電器に結合されると、集中データベースに伝達される。いくつかの例では、集中データベースは、外科用器具2110の各使用に対応する計数を維持する。例えば、外科用器具2110が使用される毎に、外科用器具2110と関連付けられたバーコードがスキャンされてもよい。使用計数が既定の使用限界を超過すると、集中データベースは、外科用器具2110を処分すべきであることを示す信号を外科用器具2110に提供する。
外科用器具2110は、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過すると、外科用器具2110の動作をロック及び/又は防止するように構成されてもよい。いくつかの例では、外科用器具2110は、使い捨て器具を含み、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過した後で処分される。他の例では、外科用器具2110は、使用サイクル計数が既定の使用限界を超過した後で再調整されてもよい、再使用可能な外科用器具を含む。外科用器具2110は、既定の使用限界が満たされた後に可逆的なロックアウトを開始する。技術者は、例えば、使用サイクル回路2102をリセットするように構成された専用技術者キーを利用して、外科用器具2110を再調整し、ロックアウトを解除する。
いくつかの実施形態では、セグメント化回路2000は、逐次的起動向けに構成されている。誤りチェックは、次の順番の回路セグメント2002a〜2002gに通電する前に、各回路セグメント2002a〜2002gによって行われる。図23は、例えばセグメント化回路2000などのセグメント化回路2270に逐次的に通電するプロセスの一実施形態を示している。電池2008がセグメント化回路2000に結合されると、安全プロセッサ2004が通電される(2272)。安全プロセッサ2004は、自己誤りチェックを行う(2274)。誤りが検出されると(2276a)、安全プロセッサは、セグメント化回路2000の通電を停止し、誤りコードを生成する(2278a)。誤りが検出されなければ(2276b)、安全プロセッサ2004は、一次プロセッサ2006の給電を開始する(2278b)。一次プロセッサ2006は、自己誤りチェックを行う。誤りが検出されなければ、一次プロセッサ2006は、残りの回路セグメントそれぞれの逐次的給電を始める(2278b)。一次プロセッサ2006によって、各回路セグメントが通電され、誤りチェックされる。誤りが検出されなければ、次の回路セグメントが通電される(2278b)。誤りが検出されると、安全プロセッサ2004及び/又は一次プロセスが、現在のセグメントの通電を停止し、誤りを生成する(2278a)。逐次的起動は、回路セグメント2002a〜2002gが全て通電されるまで継続する。いくつかの実施形態では、セグメント化回路2000は、類似の逐次的給電プロセス11250の後、スリープモードから遷移する。
図24は、複数のデイジーチェーン接続された電力変換器2314、2316、2318を備える、電源セグメント2302の一実施形態を示している。電源セグメント2302は、電池2308を備える。電池2308は、例えば12Vなどのソース電圧を提供するように構成されている。電流センサ2312は、電池2308に結合されて、セグメント化回路及び/又は1つ又は2つ以上の回路セグメントの電流引き出しを監視する。電流センサ2312は、FETスイッチ2313に結合されている。電池2308は、1つ又は2つ以上の電圧変換器2309、2314、2316に結合されている。常時接続型(always on)変換器2309は、例えば運動センサ2322など、1つ又は2つ以上の回路構成要素に定電圧を提供する。常時接続型変換器2309は、例えば、3.3V変換器である。常時接続型変換器2309は、例えば安全プロセッサ(図示せず)など、追加の回路構成要素に定電圧を提供してもよい。電池2308は、ブースト変換器2318に結合されている。ブースト変換器2318は、電池2308によって提供される電圧を上回るブースト電圧を提供するように構成されている。例えば、例示される実施形態では、電池2308は、12Vの電圧を提供する。ブースト変換器2318は、電圧を13Vまで昇圧するように構成されている。ブースト変換器2318は、外科用器具、例えば図69〜71に示される外科用器具10の動作中、最小電圧を維持するように構成されている。モータの動作によって、一次プロセッサ2306に提供される電力を最小閾値よりも下まで降下させ、一次プロセッサ2306の電圧低減又はリセット状態を作り出すことができる。ブースト変換器2318は、外科用器具10の動作中、一次プロセッサ2306、及び/又はモータコントローラ2343などの他の回路構成要素に対して、十分な電力が利用可能であることを担保する。いくつかの実施形態では、ブースト変換器2318は、例えばOLEDディスプレイ2388など、1つ又は2つ以上の回路構成要素に直接結合されている。
ブースト変換器2318は、ブースト電圧レベルを下回る電圧を提供するように、1つ又は2つ以上の逓降変換器に結合されている。第1の電圧変換器2316は、ブースト変換器2318に結合され、第1の逓降電圧を1つ又は2つ以上の回路構成要素に提供する。例示される実施形態では、第1の電圧変換器2316は、5Vの電圧を提供する。第1の電圧変換器2316は、回転位置エンコーダ2340に結合されている。FETスイッチ2317は、第1の電圧変換器2316と回転位置エンコーダ2340との間に結合されている。FETスイッチ2317は、プロセッサ2306によって制御される。プロセッサ2306は、FETスイッチ2317を開放して、例えば電力集約的な動作の間、位置エンコーダ2340を非活性化する。第1の電圧変換器2316は、第2の逓降電圧を提供するように構成された第2の電圧変換器2314に結合されている。第2の逓降電圧は、例えば3.3Vを含む。第2の電圧変換器2314は、プロセッサ2306に結合されている。いくつかの実施形態では、ブースト変換器2318、第1の電圧変換器2316、及び第2の電圧変換器2314は、デイジーチェーン構成で結合されている。デイジーチェーン構成によって、ブースト電圧レベルを下回る電圧レベルを生成する、より小型でより効率的な変換器を使用することが可能になる。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
図25は、臨界及び/又は電力集約的機能に利用可能な電力を最大限にするように構成されたセグメント化回路2400の一実施形態を示している。セグメント化回路2400は、電池2408を備える。電池2408は、例えば12Vなどのソース電圧を提供するように構成されている。ソース電圧は、複数の電圧変換器2409、2418に提供される。常時接続型電圧変換器2409は、例えば、運動センサ2422及び安全プロセッサ2404など、1つ又は2つ以上の回路構成要素に定電圧を提供する。常時接続型電圧変換器2409は、電池2408に直接結合されている。常時接続型変換器2409は、例えば3.3Vの電圧を提供する。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
セグメント化回路2400は、ブースト変換器2418を備える。ブースト変換器2418は、例えば13Vなど、電池2408によって提供されるソース電圧を上回るブースト電圧を提供する。ブースト変換器2418は、例えば、OLEDディスプレイ2488及びモータコントローラ2443など、1つ又は2つ以上の回路構成要素にブースト電圧を直接提供する。OLEDディスプレイ2488をブースト変換器2418に直接結合することによって、セグメント化回路2400は、OLEDディスプレイ2488専用の電力変換器の必要性を排除する。ブースト変換器2418は、例えば切断動作など、モータ2448の1つ又は2つ以上の電力集約的な動作の間、モータコントローラ2443及びモータ2448にブースト電圧を提供する。ブースト変換器2418は、逓降変換器2416に結合されている。逓降変換器2416は、例えば5Vなど、1つ又は2つ以上の回路構成要素にブースト電圧を下回る電圧を提供するように構成されている。逓降変換器2416は、例えば、FETスイッチ2451及び位置エンコーダ2440に結合されている。FETスイッチ2451は、一次プロセッサ2406に結合されている。一次プロセッサ2406は、セグメント化回路2400をスリープモードへと遷移するとき、及び/又はモータ2448に送達される追加電圧を要する電力集約的な機能の間、FETスイッチ2451を開放する。FETスイッチ2451を開放すると、位置エンコーダ2440が非活性化され、位置エンコーダ2440の電力引き出しが排除される。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
逓降変換器2416は、線形変換器2414に結合されている。線形変換器2414は、例えば3.3Vの電圧を提供するように構成されている。線形変換器2414は、一次プロセッサ2406に結合されている。線形変換器2414は、一次プロセッサ2406に動作電圧を提供する。線形変換器2414は、1つ又は2つ以上の追加の回路構成要素に結合されてもよい。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
セグメント化回路2400は、脱出スイッチ2456を備える。脱出スイッチ2456は、外科用器具10の脱出ドアに結合されている。脱出スイッチ2456及び安全プロセッサ2404は、ANDゲート2419に結合されている。ANDゲート2419は、FETスイッチ2413に入力を提供する。脱出スイッチ2456が脱出状態を検出すると、脱出スイッチ2456は、脱出停止信号をANDゲート2419に提供する。安全プロセッサ2404が、例えばセンサの不整合によるものなど、安全でない状態を検出すると、安全プロセッサ2404は、停止信号をANDゲート2419に提供する。いくつかの実施形態では、脱出停止信号及び停止信号は両方とも、正常動作の間は高であり、脱出状態又は安全でない状態が検出されたときは低である。ANDゲート2419の出力が低のとき、FETスイッチ2413が開放され、モータ2448の動作が防止される。いくつかの実施形態では、安全プロセッサ2404は、停止信号を利用して、モータ2448をスリープモードのオフ状態へと遷移させる。FETスイッチ2413に対する第3の入力は、電池2408に結合された電流センサ2412によって提供される。電流センサ2412は、回路2400によって引き出される電流を監視し、既定の閾値を上回る電流が検出されると、FETスイッチ2413を開放してモータ2448に対する電力を遮断する。FETスイッチ2413及びモータコントローラ2443は、モータ2448の動作を制御するように構成された、FETスイッチ2445のバンクに結合されている。
モータ電流センサ2446は、モータ2448と直列で結合されて、モータ電流センサ読み取り値を電流モニタ2447に提供する。電流モニタ2447は、一次プロセッサ2406に結合されている。電流モニタ2447は、モータ2448の電流引き出しを示す信号を提供する。一次プロセッサ2406は、モータ電流2447からの信号を利用して、例えば、モータの動作を制御し、モータ2448の電流引き出しが許容可能な範囲内であることを担保し、モータ2448の電流引き出しを、例えば位置エンコーダ2440など、回路2400の1つ又は2つ以上の他のパラメータと比較し、かつ/又は治療部位の1つ又は2つ以上のパラメータを判断してもよい。いくつかの実施形態では、電流モニタ2447は、安全プロセッサ2404に結合されてもよい。
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のハンドルの作動は、例えば発射トリガなどを制御し、一次プロセッサ2406によって、ハンドル制御を作動させた状態で1つ又は2つ以上の構成要素に対する電力を減少させる。例えば、一実施形態では、発射トリガは、切断部材の発射行程を制御する。切断部材は、モータ2448によって駆動される。発射トリガの作動によって、モータ2448の順方向動作及び切断部材の前進がもたらされる。発射の間、一次プロセッサ2406は、FETスイッチ2451を閉鎖して、電力を位置エンコーダ2440から除去する。1つ又は2つ以上の回路構成要素を非活性化することによって、より高い電力をモータ2448に送達することが可能になる。発射トリガが解除されると、例えばFETスイッチ2451を閉鎖し、位置エンコーダ2440を再活性化することによって、非活性化された構成要素に対する全電力が回復される。
いくつかの実施形態では、安全プロセッサ2404は、セグメント化回路2400の動作を制御する。例えば、安全プロセッサ2404は、セグメント化回路2400の逐次的給電を開始し、セグメント化回路2400をスリープモードへ、またそこから遷移してもよく、かつ/又は一次プロセッサ2406からの1つ又は2つ以上の制御信号をオーバーライドしてもよい。例えば、例示される実施形態では、安全プロセッサ2404は、逓降変換器2416に結合されている。安全プロセッサ2404は、逓降変換器2416を活性化又は非活性化することによって、セグメント化回路2400の動作を制御して、電力をセグメント化回路2400の残りに提供する。
図26は、逐次的に通電されるように構成された複数のデイジーチェーン接続された電力変換器2514、2516、2518を備える、電源システム2500の一実施形態を示している。複数のデイジーチェーン接続された電力変換器2514、2516、2518は、最初の給電及び/又はスリープモードからの遷移の間、例えば安全プロセッサによって、逐次的に活性化されてもよい。安全プロセッサは、独立した電力変換器(図示せず)によって給電されてもよい。例えば、一実施形態では、電池電圧VBATTが電源システム2500に結合されると、かつ/又は加速度計がスリープモードにおける移動を検出すると、安全プロセッサは、デイジーチェーン接続された電力変換器2514、2516、2518の逐次的始動を開始する。安全プロセッサは、13Vブースト区画2518を活性化する。ブースト区画2518が通電され、自己チェックを行う。いくつかの実施形態では、ブースト区画2518は、ソース電圧を昇圧し、自己チェックを行うように構成された集積回路2520を備える。ダイオードDは、ブースト区画2518が自己チェックを完了し、ブースト区画2518が誤りを何ら識別しなかったことを示す信号をダイオードDに提供するまで、5V電源区画2516の給電を防止する。いくつかの実施形態では、この信号は、安全プロセッサによって提供される。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
5V電源区画2516は、ブースト区画2518の後に逐次的に給電される。5V電源区画2516は、給電の間に自己チェックを行って、5V電源区画2516に何らかの誤りがあればそれを識別する。5V電源区画2516は、ブースト電圧から逓降電圧を提供し、誤りチェックを行うように構成された集積回路2515を備える。誤りが検出されない場合、5V電源区画2516は逐次的給電を完了し、活性化信号を3.3V電源区画2514に提供する。いくつかの実施形態では、安全プロセッサが、活性化信号を3.3V電源区画2514に提供する。3.3V電源区画は、5V電源区画2516から逓降電圧を提供し、給電の間に自己誤りチェックを行うように構成された集積回路2513を備える。自己チェックの間に誤りが検出されない場合、3.3V電源区画2514は、一次プロセッサに電力を提供する。一次プロセッサは、残りの回路セグメントそれぞれに逐次的に通電するように構成されている。電源システム2500及び/又はセグメント化回路の残りに逐次的に通電することによって、電源システム2500は誤りリスクを低減し、負荷が加えられる前の電圧レベルの安定化が可能になり、大きい電流引き出しによって全てのハードウェアが制御されない形で同時にオンになることを防止する。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
一実施形態では、電源システム2500は、過電圧識別及び緩和回路を備える。過電圧識別及び緩和回路は、外科用器具内の単極リターン電流を検出し、単極リターン電流が検出されると電源セグメントからの電力を遮断するように構成されている。過電圧識別及び緩和回路は、電源システムのアース浮き(ground floatation)を識別するように構成されている。過電圧識別及び緩和回路は、金属酸化物バリスタを備える。過電圧識別及び緩和回路は、少なくとも1つの過渡電圧抑制ダイオードを備える。
図27は、隔離制御区画2602を備えるセグメント化回路2600の一実施形態を示している。隔離制御区画2602は、セグメント化回路2600の制御ハードウェアをセグメント化回路2600の電源区画(図示せず)から隔離する。制御区画2602は、例えば、一次プロセッサ2606、安全プロセッサ(図示せず)、及び/又は追加制御ハードウェア、例えばFETスイッチ2617を備える。電源区画は、例えば、モータ、モータドライバ、及び/又は複数のモータMOSFETを備える。隔離制御区画2602は、5V電力変換器2616に結合されている、充電回路2603及び充電式電池2608を備える。充電回路2603及び充電式電池2608は、一次プロセッサ2606を電源区画から隔離する。いくつかの実施形態では、充電式電池2608は、安全プロセッサ及び任意の追加の支援ハードウェアに結合されている。制御区画2602を電源区画から隔離することによって、主電源を取り外した場合であっても、制御区画2602、例えば一次プロセッサ2606が活動状態のままであることができ、充電式電池2608を通してノイズを制御区画2602から遠ざけるフィルタが提供され、制御区画2602が電池電圧の大幅なスイングから隔離されて、重いモータ負荷の間であっても適正な動作が担保され、かつ/又はセグメント化回路2600がリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)を使用することが可能になる。いくつかの実施形態では、充電式電池2608は、例えば3.3Vなどの逓降電圧を一次プロセッサに提供する。しかしながら、実施形態は、本明細書の文脈において記載される特定の電圧範囲に限定されない。
1つのセンサが第2のセンサの出力又は解釈に影響する、複数センサの使用
図28は、第1のセンサ3008a及び第2のセンサ3008bを備えるエンドエフェクタ3000の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3000は、上述したエンドエフェクタ300に類似している。エンドエフェクタ3000は、第2の顎部材3004に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル3002を備える。第2の顎部材3004は、ステープルカートリッジ3006を中に受け入れるように構成されている。ステープルカートリッジ3006は、複数のステープル(図示せず)を備える。複数のステープルは、外科的動作の間、ステープルカートリッジ3006から配備可能である。エンドエフェクタ3000は、第1のセンサ3008aを備える。第1のセンサ3008aは、エンドエフェクタ3000の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されている。例えば、一実施形態では、第1のセンサ3008aは、アンビル3002と第2の顎部材3004との間のギャップ3010を測定するように構成されている。第1のセンサ3008aは、例えば、第2の顎部材3004及び/又はステープルカートリッジ3006に埋め込まれた磁石3012によって生成される磁界を検出するように構成された、ホール効果センサを備えてもよい。別の例として、一実施形態では、第1のセンサ3008aは、第2の顎部材3004によって、かつ/又はアンビル3002と第2の顎部材3004との間に掴持された組織によって、アンビル3002に対して及ぼされる1つ又は2つ以上の力を測定するように構成されている。
エンドエフェクタ3000は、第2のセンサ3008bを備える。第2のセンサ3008bは、エンドエフェクタ3000の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されている。例えば、様々な実施形態では、第2のセンサ3008bは、掴持後状態の間におけるアンビル3002のひずみの振幅を測定するように構成された、ひずみゲージを備えてもよい。ひずみゲージは、ひずみの振幅に伴って大きさが変動する電気信号を提供する。様々な実施形態では、例えば、第1のセンサ3008a及び/又は第2のセンサ3008bは、例えばホール効果センサなどの磁気センサ、ひずみゲージ、圧力センサ、力センサ、例えば渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又はエンドエフェクタ3000の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。第1のセンサ3008a及び第2のセンサ3008bは、直列構成及び/又は並列構成で配置されてもよい。直列構成では、第2のセンサ3008bは、第1のセンサ3008aの出力に直接影響するように構成されてもよい。並列構成では、第2のセンサ3008bは、第1のセンサ3008aの出力に間接的に影響するように構成されてもよい。
一実施形態では、第1のセンサ3008aによって測定される1つ又は2つ以上のパラメータは、第2のセンサ3008bによって測定される1つ又は2つ以上のパラメータと関連する。例えば、一実施形態では、第1のセンサ3008aは、アンビル3002と第2の顎部材3004との間のギャップ3010を測定するように構成されている。ギャップ3010は、アンビル3002とステープルカートリッジ3006との間に掴持された組織部分の厚さ及び/又は圧縮性を表す。第1のセンサ3008aは、例えば、第2の顎部材3004及び/又はステープルカートリッジ3006に結合された磁石3012によって生成される磁界を検出するように構成された、ホール効果センサを含んでもよい。単一箇所での測定により、組織の校正されたフルビットに対して圧縮された組織厚さが正確に説明されるが、組織の部分食込みがアンビル3002と第2の顎部材3004との間に位置する場合、不正確な結果がもたらされることがある。組織の部分食込みは、近位側部分食込み又は遠位側部分食込みのどちらでも、アンビル3002の掴持の幾何学形状を変化させる。
いくつかの実施形態では、第2のセンサ3008bは、組織食込みのタイプ、例えば完全食込み、部分的な近位側食込み、及び/又は部分的な遠位側食込みを示す、1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。第2のセンサ3008bの測定値は、近位側又は遠位側に位置付けられた部分食込みにおける真の圧縮された組織厚さを正確に表すように、第1のセンサ3008aの測定値を調節するのに使用されてもよい。例えば、一実施形態では、第2のセンサ3008bは、掴持後状態の間のアンビルにおけるひずみの振幅を監視するように構成された、例えば微小ひずみゲージなどのひずみゲージを備える。アンビル3002のひずみの振幅は、近位側又は遠位側に位置付けられた部分食込みにおける真の圧縮された組織厚さを正確に表すように、第1のセンサ3008a、例えばホール効果センサの出力を修正するのに使用される。第1のセンサ3008a及び第2のセンサ3008bは、掴持動作の間にリアルタイムで測定されてもよい。リアルタイム測定によって、時間ベースの情報を、例えば一次プロセッサ2006によって分析することが可能になると共に、組織特徴及び掴持の位置付けを認識して組織厚さ測定値を動的に調節するため、1つ又は2つ以上のアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを選択するのに使用することが可能になる。
いくつかの実施形態では、第1のセンサ3008aの厚さ測定値は、エンドエフェクタ3000に結合された外科用器具10の出力デバイスに提供されてもよい。例えば、一実施形態では、エンドエフェクタ3000は、ディスプレイ2028を備える外科用器具10に結合されている。第1のセンサ3008aの測定値は、プロセッサに、例えば一次プロセッサ2006に提供される。一次プロセッサ2006は、第2のセンサ3008bの測定値に基づいて第1のセンサ3008aの測定値を調節して、アンビル3002とステープルカートリッジ3006との間に掴持された組織部分の真の組織厚さを反映させる。一次プロセッサ2006は、調節された組織厚さ測定値、及び完全食込み又は部分食込みの指示を、ディスプレイ2028に対して出力する。操作者は、表示された値に基づいて、ステープルカートリッジ3006内でステープルを配備するか否かを判断してもよい。
いくつかの実施形態では、第1のセンサ3008a及び第2のセンサ3008bは、例えば、第1のセンサ3008aが患者の体内の治療部位に配置され、第2のセンサ3008bが患者の体外に配置されるなど、異なる環境に配置されてもよい。第2のセンサ3008bは、第1のセンサ3008aの出力を校正及び/又は修正するように構成されてもよい。第1のセンサ3008a及び/又は第2のセンサ3008bは、例えば、環境センサを備えてもよい。環境センサは、例えば、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、及び/又は任意の他の好適な環境センサを備えてもよい。
図29は、第2のセンサ3008bからの入力に基づいて第1のセンサ3008aの測定値を調節するプロセス3020の一実施形態を示す論理図である。第1の信号は、第1のセンサ3008aによって捕捉される(3022a)。第1の信号3022aは、例えば、平滑化関数、ルックアップテーブル、及び/又は他の任意の好適な調整パラメータなど、1つ又は2つ以上の既定のパラメータに基づいて調整されてもよい。第2の信号は、第2のセンサ3008bによって捕捉される(3022b)。第2の信号3022bは、1つ又は2つ以上の既定の調整パラメータに基づいて調整されてもよい。第1の信号3022a及び第2の信号3022bは、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。プロセッサ2006は、第2のセンサからの第2の信号3022bに基づいて、第1の信号3022aによって表されるような、第1のセンサ3022aの測定値を調節する。例えば、一実施形態では、第1のセンサ3022aはホール効果センサを備え、第2のセンサ3022bはひずみゲージを備える。第1のセンサ3022aの距離測定値を、第2のセンサ3022bによって測定されるひずみの振幅によって調節して、エンドエフェクタ3000における組織の食込みの完全さが判断される。調節された測定値は、例えば、外科用器具10に埋め込まれたディスプレイ2026によって、操作者に対して表示される(3026)。
図30は、第2のセンサ3008bからの入力に基づいて第1のセンサ3008aのルックアップテーブルを判断するプロセス3030の一実施形態を示す論理図である。第1のセンサ3008aは、エンドエフェクタ3000の1つ又は2つ以上のパラメータを示す信号を捕捉する(3022a)。第1の信号3022aは、例えば、平滑化関数、ルックアップテーブル、及び/又は任意の他の好適な調整パラメータなど、1つ又は2つ以上の既定のパラメータに基づいて調整されてもよい。第2の信号は、第2のセンサ3008bによって捕捉される(3022b)。第2の信号3022bは、1つ又は2つ以上の既定の調整パラメータに基づいて調整されてもよい。第1の信号3022a及び第2の信号3022bは、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。プロセッサ2006は、第2の信号の値に基づいて、1つ又は2つ以上の利用可能なルックアップテーブル3034a、3034bからルックアップテーブルを選択する。選択されたルックアップテーブルは、第1の信号を、アンビル3002とステープルカートリッジ3006との間に位置する組織の厚さ測定値へと変換するのに使用される。調節された測定値は、例えば、外科用器具10に埋め込まれたディスプレイ2026によって、操作者に対して表示される(3026)。
図31は、第2のセンサ3008bからの入力に応答して第1のセンサ3008aを校正するプロセス3040の一実施形態を示す論理図である。第1のセンサ3008aは、エンドエフェクタ3000の1つ又は2つ以上のパラメータを示す信号を捕捉する(3022a)ように構成されている。第1の信号3022aは、例えば、平滑化関数、ルックアップテーブル、及び/又は他の任意の好適な調整パラメータなど、1つ又は2つ以上の既定のパラメータに基づいて調整されてもよい。第2の信号は、第2のセンサ3008bによって捕捉される(3022b)。第2の信号3022bは、1つ又は2つ以上の既定の調整パラメータに基づいて調整されてもよい。第1の信号3022a及び第2の信号3022bは、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。一次プロセッサ2006は、第2の信号3022bに応答して第1の信号3022aを校正する(3042)。第1の信号3022aは、エンドエフェクタ3000における組織の食込みの完全さを反映するように校正される(3042)。校正された信号は、例えば、外科用器具10に埋め込まれたディスプレイ2026によって、操作者に対して表示される(3026)。
図32Aは、エンドエフェクタ3000のアンビル3002とステープルカートリッジ3006との間に掴持された組織部分の厚さを判断し表示するプロセス3050の一実施形態を示す論理図である。プロセス3050は、例えば、アンビル3002の遠位先端に位置するホール効果センサを通して、ホール効果電圧3052を得ることを含む。ホール効果電圧3052は、アナログ・デジタル変換器3054に提供され、デジタル信号に変換される。デジタル信号は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。一次プロセッサ2006は、ホール効果電圧3052信号の曲線入力を校正する(3056)。例えば微小ひずみゲージなどのひずみゲージ3058は、例えば、掴持動作の間にアンビル3002に及ぼされるひずみの振幅など、エンドエフェクタ3000の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されている。測定されたひずみは、デジタル信号に変換され(3060)、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。一次プロセッサ2006は、ひずみゲージ3058によって測定されたひずみに応答して、1つ又は2つ以上のアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを使用してホール効果電圧3052を調節して、アンビル3002及びステープルカートリッジ3006によって掴持された組織の真の厚さ及びその食込みの完全さを反映させる。調節された厚さは、例えば、外科用器具10に埋め込まれたディスプレイ2026によって、操作者に対して表示される(3026)。
いくつかの実施形態では、外科用器具は、ロードセル又はセンサ3082を更に備えることができる。ロードセンサ3082は、例えば、上述したシャフト組立体200内に、又はやはり上述したハウジング12内に配置することができる。図32Bは、エンドエフェクタ3000のアンビル3002とステープルカートリッジ3006との間に掴持された組織部分の厚さを判断し表示するプロセス3070の一実施形態を示す論理図である。プロセスは、例えば、アンビル3002の遠位先端に位置するホール効果センサを通して、ホール効果電圧3072を得ることを含む。ホール効果電圧3072は、アナログ・デジタル変換器3074に提供され、デジタル信号に変換される。デジタル信号は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。一次プロセッサ2006は、ホール効果電圧3072信号の曲線入力を校正する(3076)。例えば微小ひずみゲージなどのひずみゲージ3078は、例えば、掴持動作の間にアンビル3002に及ぼされるひずみの振幅など、エンドエフェクタ3000の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されている。測定されたひずみは、デジタル信号に変換され(3080)、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。ロードセンサ3082は、ステープルカートリッジ3006に対するアンビル3002の掴持力を測定する。測定された掴持力は、デジタル信号に変換され(3084)、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。一次プロセッサ2006は、ひずみゲージ3078によって測定されたひずみ及びロードセンサ3082によって測定された掴持力に応答して、1つ又は2つ以上のアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを使用してホール効果電圧3072を調節して、アンビル3002及びステープルカートリッジ3006によって掴持された組織の真の厚さ及びその食込みの完全さを反映させる。調節された厚さは、例えば、外科用器具10に埋め込まれたディスプレイ2026によって、操作者に対して表示される(3026)。
図33は、調節されたホール効果厚さ測定値3094と無修正のホール効果厚さ測定値3092との比較を示すグラフ3090である。単一のセンサが遠位側/近位側の部分食込みを補償することはできず、その結果として不正確な厚さ測定値がもたらされるので、図33に示されるように、無修正のホール効果厚さ測定値3092は、より厚い組織測定値を示す。調節された厚さ測定値3094は、例えば、図32Aに示されるプロセス3050によって生成される。ホール効果厚さ測定値3092は、例えばひずみゲージなど、1つ又は2つ以上の追加センサからの入力に基づいて校正される。調節されたホール効果厚さ3094は、アンビル3002とステープルカートリッジ3006との間に位置する組織の真の厚さを反映する。
図34は、第1のセンサ3108a及び第2のセンサ3108bを備えるエンドエフェクタ3100の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3100は、図28に示されるエンドエフェクタ3000と類似している。エンドエフェクタ3100は、第2の顎部材3104に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル3102を備える。第2の顎部材3104は、ステープルカートリッジ3106を中に受け入れるように構成されている。エンドエフェクタ3100は、アンビル3102に結合された第1のセンサ3108aを備える。第1のセンサ3108aは、例えば、アンビル3102とステープルカートリッジ3106との間のギャップ3110など、エンドエフェクタ3100の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されている。ギャップ3110は、例えば、アンビル3102とステープルカートリッジ3106との間に掴持された組織の厚さに相当してもよい。第1のセンサ3108aは、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定する任意の好適なセンサを備えてもよい。例えば、様々な実施形態では、第1のセンサ3108aは、ホール効果センサなどの磁気センサ、ひずみゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ3100は、第2のセンサ3108bを備える。第2のセンサ3108bは、第2の顎部材3104及び/又はステープルカートリッジ3106に結合されている。第2のセンサ3108bは、エンドエフェクタ3100の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、第2のセンサ3108bは、例えば、第2の顎部材3104に結合されたステープルカートリッジ3106の色、ステープルカートリッジ3106の長さ、エンドエフェクタ3100の掴持状態、エンドエフェクタ3100及び/若しくはステープルカートリッジ3106の使用回数/残りの使用回数、並びに/又は他の任意の好適な器具状態など、1つ又は2つ以上の器具状態を検出するように構成されている。第2のセンサ3108bは、ホール効果センサなどの磁気センサ、ひずみゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は他の任意の好適なセンサなど、1つ又は2つ以上の器具状態を検出する任意の好適なセンサを備えてもよい。
エンドエフェクタ3100は、図29〜33に示されるプロセスのいずれかと併せて使用されてもよい。例えば、一実施形態では、第2のセンサ3108bからの入力を使用して、第1のセンサ3108aの入力が校正されてもよい。第2のセンサ3108bは、例えば、ステープルカートリッジ3106の色及び/又は長さなど、ステープルカートリッジ3106の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されてもよい。ステープルカートリッジ3106の色及び/又は長さなど、検出されたパラメータは、例えば、カートリッジデッキの高さ、ステープルカートリッジに使用可能/最適な組織の厚さ、及び/又はステープルカートリッジ3106内におけるステープルのパターンなど、カートリッジの1つ又は2つ以上の特性に相当してもよい。ステープルカートリッジ3106の既知のパラメータを使用して、第1のセンサ3108aによって提供される厚さ測定値が調節されてもよい。例えば、ステープルカートリッジ3106がより高いデッキ高さを有する場合、第1のセンサ3108aによって提供される厚さ測定値は、追加のデッキ高さを補償するために低減されてもよい。調節された厚さは、例えば、外科用器具10に結合されたディスプレイ2026を通して、操作者に対して表示されてもよい。
図35は、第1のセンサ3158及び複数の第2のセンサ3160a、3160bを備えるエンドエフェクタ3150の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3150は、第1の顎部材、即ちアンビル3152と、第2の顎部材3154とを備える。第2の顎部材3154は、ステープルカートリッジ3156を受け入れるように構成されている。アンビル3152は、アンビル3152とステープルカートリッジ3156との間に組織を掴持するため、第2の顎部材3154に対して枢動移動可能である。アンビルは、第1のセンサ3158を備える。第1のセンサ3158は、例えば、アンビル3152とステープルカートリッジ3156との間のギャップ3110など、エンドエフェクタ3150の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。ギャップ3110は、例えば、アンビル3152とステープルカートリッジ3156との間に掴持された組織の厚さに相当してもよい。第1のセンサ3158は、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定する任意の好適なセンサを含んでもよい。例えば、様々な実施形態では、第1のセンサ3158は、ホール効果センサなどの磁気センサ、ひずみゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ3150は、複数の二次センサ3160a、3160bを備える。二次センサ3160a、3160bは、エンドエフェクタ3150の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、二次センサ3160a、3160bは、掴持処置の間にアンビル3152に及ぼされるひずみの振幅を測定するように構成されている。様々な実施形態では、二次センサ3160a、3160bは、ホール効果センサなどの磁気センサ、ひずみゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサを備えてもよい。二次センサ3160a、3160bは、アンビル3152の異なる位置における1つ又は2つ以上の同一のパラメータ、アンビル3152の同一の位置における異なるパラメータ、及び/又はアンビル3152の異なる位置における異なるパラメータを測定するように構成されてもよい。
図36は、複数の二次センサ3160a、3160に応答して第1のセンサ3158の測定値を調節するプロセス3170の一実施形態を示す論理図である。一実施形態では、ホール効果電圧は、例えば、ホール効果センサによって得られる(3172)。ホール効果電圧は、アナログ・デジタル変換器によって変換される(3174)。変換されたホール効果電圧信号は、校正される(3176)。校正された曲線は、アンビル3152とステープルカートリッジ3156との間に位置する組織部分の厚さを表す。複数の二次測定値は、例えば複数のひずみゲージなど、複数の二次センサによって得られる(3178a、3178b)。ひずみゲージの入力は、例えば、複数の電子μひずみ変換回路によって、1つ又は2つ以上のデジタル信号に変換される(3180a、3180b)。校正されたホール効果電圧及び複数の二次測定値は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。一次プロセッサは、例えば、アルゴリズムの適用及び/又は1つ又は2つ以上のルックアップテーブルの利用によって、二次測定値を利用してホール効果電圧を調節する(3182)。調節されたホール効果電圧は、アンビル3152とステープルカートリッジ3156との間に掴持された組織の真の厚さ及びその食込みの完全さを表す。調節された厚さは、例えば、外科用器具10に埋め込まれたディスプレイ2026によって、操作者に対して表示される(3026)。
図37は、第1のセンサ3158及び複数の二次センサ3160a、3160bからの信号を、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサが受信可能なデジタル信号に変換するように構成された、回路3190の一実施形態を示している。回路3190は、アナログ・デジタル変換器3194を備える。いくつかの実施形態では、アナログ・デジタル変換器3194は、4チャネル18ビットのアナログ・デジタル変換器を備える。アナログ・デジタル変換器3194は、1つ又は2つ以上の入力をアナログ信号からデジタル信号に変換する、任意の好適な数のチャネル及び/又はビットを備えてもよいことが、当業者には認識されるであろう。回路3190は、例えばホール効果センサなど、第1のセンサ3158からの入力を受け入れるように構成された、1つ又は2つ以上のレベルシフト抵抗3196を備える。レベルシフト抵抗3196は、第1のセンサからの入力を調節して、入力に応じて値を高電圧又は定電圧へとシフトする。レベルシフト抵抗3196は、第1のセンサ3158からのレベルシフトされた入力をアナログ・デジタル変換器に提供する。
いくつかの実施形態では、複数の二次センサ3160a、3160bは、回路3190内の複数のブリッジ3192a、3192bに結合されている。複数のブリッジ3192a、3192bは、複数の二次センサ3160a、3160bからの入力のフィルタ処理を提供してもよい。入力信号をフィルタ処理した後、複数のブリッジ3192a、3192bは、複数の二次センサ3160a、3160bからの入力をアナログ・デジタル変換器3194に提供する。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のレベルシフト抵抗に結合されたスイッチ3198は、アナログ・デジタル変換器3194に結合されてもよい。スイッチ3198は、例えばホール効果センサからの入力など、1つ又は2つ以上の入力信号を校正するように構成されている。スイッチ3198は、例えばホール効果センサの入力を校正するなど、1つ又は2つ以上のレベルシフト信号を提供してセンサの1つ又は2つ以上の入力信号を調節するように係合されてもよい。いくつかの実施形態では、調節は必須ではなく、レベルシフト抵抗を切り離すため、スイッチ3198は開位置のままにされる。スイッチ3198は、アナログ・デジタル変換器3194に結合されている。アナログ・デジタル変換器3194は、例えば一次プロセッサ2006など、1つ又は2つ以上のプロセッサに出力を提供する。一次プロセッサ2006は、アナログ・デジタル変換器3194からの入力に基づいて、エンドエフェクタ3150の1つ又は2つ以上のパラメータを計算する。例えば、一実施形態では、一次プロセッサ2006は、1つ又は2つ以上のセンサ3158、3160a、3160bからの入力に基づいて、アンビル3152とステープルカートリッジ3156との間に位置する組織の厚さを計算する。
図38は、複数のセンサ3208a〜3208dを備えるエンドエフェクタ3200の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3200は、第2の顎部材3204に枢動可能に結合されたアンビル3202を備える。第2の顎部材3204は、ステープルカートリッジ3206を中に受け入れるように構成されている。アンビル3202は、その上に複数のセンサ3208a〜3208dを備える。複数のセンサ3208a〜3208dは、例えばアンビル3202など、エンドエフェクタ3200の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。複数のセンサ3208a〜3208dは、1つ又は2つ以上の同一のセンサ及び/又は異なるセンサを備えてもよい。複数のセンサ3208a〜3208dは、例えば、ホール効果センサなどの磁気センサ、ひずみゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサ、あるいはそれらの組み合わせを備えてもよい。例えば、一実施形態では、複数のセンサ3208a〜3208dは複数のひずみゲージを備えてもよい。
一実施形態では、複数のセンサ3208a〜3208dにより、堅牢な組織厚さ感知プロセスを実現することが可能になる。アンビル3202の長さに沿って様々なパラメータを検出することによって、複数のセンサ3208a〜3208dにより、食込み、例えば部分食込み又は完全食込みに関わらず、例えば外科用器具10などの外科用器具が、顎内における組織厚さを計算することが可能になる。いくつかの実施形態では、複数のセンサ3208a〜3208dは、複数のひずみゲージを備える。複数のひずみゲージは、アンビル3202の様々な地点においてひずみを測定するように構成されている。アンビル3202の様々な地点それぞれにおけるひずみの振幅及び/又は勾配は、アンビル3202とステープルカートリッジ3206との間の組織の厚さを判断するのに使用することができる。複数のひずみゲージは、組織の厚さ、組織配置、及び/又は物質の特性を判断するため、掴持の力学に基づいて、振幅及び/又は勾配の最大差を最適化するように構成されてもよい。掴持の間における複数のセンサ3208a〜3208dの時間ベースの監視によって、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサが、アルゴリズム及びルックアップテーブルを利用して、組織特徴及び掴持位置を認識し、エンドエフェクタ3200、及び/又はアンビル3202とステープルカートリッジ3206との間に掴持された組織を動的に調節することが可能になる。
図39は、複数のセンサ3208a〜3208dに基づいて1つ又は2つ以上の組織の特性を判断するプロセス3220の一実施形態を示す論理図である。一実施形態では、複数のセンサ3208a〜3208dは、エンドエフェクタ3200の1つ又は2つ以上のパラメータを示す複数の信号を生成する(3222a〜3222d)。複数の生成された信号は、デジタル信号に変換され(3224a〜3224d)、プロセッサに提供される。例えば、複数のひずみゲージを含む一実施形態では、複数の電子μひずみ(微小ひずみ)変換回路が、ひずみゲージ信号をデジタル信号に変換する(3224a〜3224d)。デジタル信号は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。一次プロセッサ2006は、複数の信号に基づいて、1つ又は2つ以上の組織特徴を判断する(3226)。プロセッサ2006は、アルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを適用することによって、1つ又は2つ以上の組織特徴を判断してもよい。1つ又は2つ以上の組織特徴は、例えば、外科用器具10に埋め込まれたディスプレイ2026によって、操作者に対して表示される(3026)。
図40は、第2の顎部材3254に結合された複数のセンサ3260a〜3260dを備えるエンドエフェクタ3250の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3250は、第2の顎部材3254に枢動可能に結合されている、アンビル3252を備える。アンビル3252は、例えば組織部分3264などの1つ又は2つ以上の物質を間に掴持するように、第2の顎部材3254に対して移動可能である。第2の顎部材3254は、ステープルカートリッジ3256を受け入れるように構成されている。第1のセンサ3258は、アンビル3252に結合されている。第1のセンサは、例えば、アンビル3252とステープルカートリッジ3256との間のギャップ3110など、エンドエフェクタ3150の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。ギャップ3110は、例えば、アンビル3252とステープルカートリッジ3256との間に掴持された組織の厚さに相当してもよい。第1のセンサ3258は、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定する任意の好適なセンサを備えてもよい。例えば、様々な実施形態では、第1のセンサ3258は、ホール効果センサなどの磁気センサ、ひずみゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサを備えてもよい。
複数の二次センサ3260a〜3260dは、第2の顎部材3254に結合されている。複数の二次センサ3260a〜3260dは、第2の顎部材3254及び/又はステープルカートリッジ3256と一体的に形成されてもよい。例えば、一実施形態では、複数の二次センサ3260a〜3260dは、ステープルカートリッジ3256の外側列上に配設される(図41を参照のこと)。複数の二次センサ3260a〜3260dは、エンドエフェクタ3250、及び/又はアンビル3252とステープルカートリッジ3256との間に掴持される組織部分3264の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。複数の二次センサ3260a〜3260dは、例えば、ホール効果センサなどの磁気センサ、ひずみゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサ、あるいはそれらの組み合わせなど、エンドエフェクタ3250及び/又は組織部分3264の1つ又は2つ以上のパラメータを検出する、任意の好適なセンサを備えてもよい。複数の二次センサ3260a〜3260dは、同一のセンサ及び/又は異なるセンサを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、複数の二次センサ3260a〜3260dは、兼用のセンサ及び組織安定化要素を備える。複数の二次センサ3260a〜3260dは、例えば掴持動作の間など、複数の二次センサ3260a〜3260dが組織部分3264と係合されたとき、安定化された組織状態を作り出すように構成された、電極及び/又は感知形状を備える。いくつかの実施形態では、複数の二次センサ3260a〜3260dのうち1つ又は2つ以上が、非感知型の組織安定化要素と置き換えられてもよい。二次センサ3260a〜3260dは、掴持、ステープル留め、及び/又は他の治療プロセスの間の、組織フロー、ステープル形成、及び/又は他の組織状態を制御することによって、安定化された組織状態を作り出す。
図41は、中に一体的に形成された複数のセンサ3272a〜3272hを備えるステープルカートリッジ3270の一実施形態を示している。ステープルカートリッジ3270は、ステープルを中に格納する複数の穴を包含する複数の列を備える。外側列3278の穴のうち1つ又は2つ以上が、複数のセンサ3272a〜3272hのうち1つと置き換えられる。センサワイヤ3276bに結合されたセンサ3272fを示すため、切欠き部分3274が示されている。センサワイヤ3276a、3276bは、複数のセンサ3272a〜3272hを、例えば外科用器具10など、外科用器具の1つ又は2つ以上の回路に結合する複数のワイヤを備えてもよい。いくつかの実施形態では、複数のセンサ3272a〜3272hのうち1つ又は2つ以上は、組織安定化を提供するように構成された電極及び/又は感知形状を有する、兼用のセンサ及び組織安定化要素を備える。いくつかの実施形態では、複数のセンサ3272a〜3272hは、複数の組織安定化要素と置き換えられ、かつ/又は共同設置されてもよい。組織安定化は、例えば、掴持及び/又はステープル留めプロセスの間の、組織フロー及び/又はステープル形成を制御することによって提供されてもよい。複数のセンサ3272a〜3272hは、外科用器具10の1つ又は2つ以上の回路に信号を提供して、ステープル留め性能及び/又は組織厚さ感知のフィードバックを向上する。
図42は、例えば図40に示されるエンドエフェクタ3250などのエンドエフェクタ内で掴持された、組織部分3264の1つ又は2つ以上のパラメータを判断するプロセス3280の一実施形態を示す論理図である。一実施形態では、第1のセンサ3258は、エンドエフェクタ3250、及び/又はアンビル3252とステープルカートリッジ3256との間に位置する組織部分3264の、1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。第1の信号は、第1のセンサ3258によって生成される(3282)。第1の信号は、第1のセンサ3258によって検出される1つ又は2つ以上のパラメータを示す。1つ又は2つ以上の二次センサ3260は、エンドエフェクタ3250及び/又は組織部分3264の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。二次センサ3260は、第1のセンサ3258と同じパラメータ、追加のパラメータ、又はそれとは異なるパラメータを検出するように構成されてもよい。二次信号3284は、二次センサ3260によって生成される。二次信号3284は、二次センサ3260によって検出される1つ又は2つ以上のパラメータを示す。第1の信号及び二次信号は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサによって提供される。プロセッサ2006は、二次センサ3260によって生成される入力に基づいて、第1のセンサ3258によって生成される第1の信号を調節する(3286)。調節された信号は、例えば、組織部分3264の厚さ及び食込みの完全さを示してもよい。調節された信号は、例えば、外科用器具10に埋め込まれたディスプレイ2026によって、操作者に対して表示される(3026)。
図43は、複数の冗長センサ3308a、3308bを備えるエンドエフェクタ3300の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3300は、第2の顎部材3304に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル3302を備え、第2の顎部材3304は、ステープルカートリッジ3306を中に受け入れるように構成されている。アンビル3302は、アンビル3302とステープルカートリッジ3306との間に、例えば組織部分などの物質を把持するため、ステープルカートリッジ3306に対して移動可能である。複数のセンサ3308a、3308bは、アンビルに結合されている。複数のセンサ3308a、3308bは、エンドエフェクタ3300、及び/又はアンビル3302とステープルカートリッジ3306との間に位置する組織部分の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数のセンサ3308a、3308bは、アンビル3302とステープルカートリッジ3306との間のギャップ3310を検出するように構成されている。ギャップ3310は、例えば、アンビル3302とステープルカートリッジ3306との間に位置する組織の厚さに相当してもよい。複数のセンサ3308a、3308bは、例えば、第2の顎部材3304に結合された磁石3312によって生成される磁界を検出することによって、ギャップ3310を検出してもよい。
いくつかの実施形態では、複数のセンサ3308a、3308bは、冗長センサを備える。冗長センサは、エンドエフェクタ3300、及び/又はアンビル3302とステープルカートリッジ3306との間の組織部分の同じ特性を検出するように構成されている。冗長センサは、例えば、アンビル3302とステープルカートリッジ3306との間のギャップ3310を検出するように構成された、ホール効果センサを備えてもよい。冗長センサは、例えば、一次プロセッサ2006などのプロセッサが、複数の入力を評価し、最も信頼性が高い入力を判断することを可能にする、1つ又は2つ以上のパラメータを表す信号を提供する。いくつかの実施形態では、冗長センサは、ノイズ、疑似信号、及び/又はドリフトを低減するために使用される。冗長センサはそれぞれ、掴持の間にリアルタイムで測定されて、時間ベースの情報を分析し、アルゴリズム及び/又はルックアップテーブルが、組織特徴及び掴持の位置付けを動的に認識することを可能にしてもよい。冗長センサのうち1つ又は2つ以上の入力が、調節及び/又は選択されて、アンビル3302とステープルカートリッジ3306との間に位置する組織部分の真の組織厚さ及び食込みを識別してもよい。
図44は、例えば、図43に示される複数のセンサ3308a、3308bなど、複数の冗長センサからの最も信頼性が高い出力を選択するプロセス3320の一実施形態を示す論理図である。一実施形態では、第1の信号は、第1のセンサ3308aによって生成される。第1の信号は、アナログ・デジタル変換器によって変換される(3322a)。1つ又は2つ以上の追加信号が、1つ又は2つ以上の冗長センサ3308bによって生成される。1つ又は2つ以上の追加信号は、アナログ・デジタル変換器によって変換される(3322b)。変換された信号は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。一次プロセッサは、冗長入力を評価して、最も信頼性が高い出力を判断する(3324)。最も信頼性が高い出力は、例えば、アルゴリズム、ルックアップテーブル、追加センサからの入力、及び/又は器具状態など、1つ又は2つ以上のパラメータに基づいて選択されてもよい。最も信頼性が高い出力を選択した後、プロセッサは、例えば、アンビル3302とステープルカートリッジ3306との間に位置する組織部分の真の厚さ及び食込みを反映するように、1つ又は2つ以上の追加センサに基づいて出力を調節してもよい。調節された最も信頼性が高い出力は、例えば、外科用器具10に埋め込まれたディスプレイ2026によって、操作者に対して表示される(3026)。
図45は、疑似信号を制限又は排除する固有のサンプリング速度を備えるセンサ3358を備えるエンドエフェクタ3350の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3350は、第2の顎部材3354に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル3352を備える。第2の顎部材3354は、ステープルカートリッジ3356を中に受け入れるように構成されている。ステープルカートリッジ3356は、アンビル3352とステープルカートリッジ3356との間に位置する組織部分に送達されてもよい、複数のステープルを収容している。センサ3358は、アンビル3352に結合されている。センサ3358は、例えば、アンビル3352とステープルカートリッジ3356との間のギャップ3364など、エンドエフェクタ3350の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。ギャップ3364は、例えば組織部分などの物質の厚さ、及び/又はアンビル3352とステープルカートリッジ3356との間に位置する物質の食込みの完全さに相当してもよい。センサ3358は、例えば、ホール効果センサなどの磁気センサ、ひずみゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は他の任意の好適なセンサなど、エンドエフェクタ3350の1つ又は2つ以上のパラメータを検出する、任意の好適なセンサを含んでもよい。
一実施形態では、センサ3358は、第2の顎部材3354及び/又はステープルカートリッジ3356に結合された電磁波源3360によって生成される、磁界を検出するように構成された磁気センサを含む。電磁波源3360は、センサ3358によって検出される磁界を生成する。検出された磁界の強度は、例えば、アンビル3352とステープルカートリッジ3356との間に位置する組織の厚さ及び/又は食込みの完全さに相当してもよい。いくつかの実施形態では、電磁波源3360は、例えば1MHzなど、既知の周波数で信号を生成する。他の実施形態では、電磁波源3360によって生成される信号は、例えば、第2の顎部材3354に設置されたステープルカートリッジ3356のタイプ、1つ若しくは2つ以上の追加センサ、アルゴリズム、及び/又は1つ若しくは2つ以上のパラメータに基づいて、調節可能であってもよい。
一実施形態では、信号プロセッサ3362は、例えばアンビル3352など、エンドエフェクタ3350に結合されている。信号プロセッサ3362は、センサ3358によって生成される信号を処理して、疑似信号を排除し、センサ3358からの入力を昇圧するように構成されている。いくつかの実施形態では、信号プロセッサ3362は、例えば、外科用器具10のハンドル14内など、エンドエフェクタ3350とば別個に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、信号プロセッサ3362は、例えば一次プロセッサ2006など、一般プロセッサと一体的に形成され、かつ/又はそれによって実行されるアルゴリズムを含む。信号プロセッサ3362は、電磁波源3360によって生成される信号の周波数と実質的に等しい周波数で、センサ3358の信号を処理するように構成されている。例えば、一実施形態では、電磁波源3360は1MHzの周波数で信号を生成する。信号は、センサ3358によって検出される。センサ3358は、信号プロセッサ3362に提供される検出された磁界を示す信号を生成する。信号は、1MHzの周波数で信号プロセッサ3362によって処理されて、疑似信号が排除される。処理された信号は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。一次プロセッサ2006は、受信した信号を、例えば、アンビル3352とステープルカートリッジ3356との間のギャップ3364など、エンドエフェクタ3350の1つ又は2つ以上のパラメータに相関させる。
図46は、例えば図45に示されるエンドエフェクタ3350など、エンドエフェクタのアンビルとステープルカートリッジとの間に配置された組織部分の厚さ測定値を生成する、プロセス3370の一実施形態を示す論理図である。プロセス3370の一実施形態では、信号は、変調された電磁波源3360によって生成される(3372)。生成された信号は、例えば1MHzの信号を含んでもよい。磁気センサ3358は、電磁波源3360によって生成される信号を検出する(3374)ように構成されている。磁気センサ3358は、検出された磁界を示す信号を生成し、その信号を信号プロセッサ3362に提供する。信号プロセッサ3362は、信号を処理して(3376)、ノイズの除去、疑似信号の除去、及び/又は信号の昇圧を行う。処理された信号は、デジタル信号に変換する(3378)ため、アナログ・デジタル変換器に提供される。デジタル信号は、例えば、校正曲線入力アルゴリズム及び/又はルックアップテーブルの適用によって、校正されてもよい(3380)。信号の処理3376、変換3378、及び校正3380は、1つ又は2つ以上の回路によって行われてもよい。校正された信号は、例えば、外科用器具10と一体的に形成されたディスプレイ2026によって、ユーザに対して表示される(3026)。
ここまで記載してきた様々な実施形態は、第1及び第2の顎部材を有するエンドエフェクタを備えるが、記載される実施形態はそれに限定されない。例えば、一実施形態では、エンドエフェクタは、円形ステープラエンドエフェクタを備えてもよい。図47は、図28〜46に記載されるプロセスの1つ又は2つ以上を実現するように構成された、円形ステープラ3400の一実施形態を示している。円形ステープラ3400は、本体3402を備える。本体3402は、例えば、外科用器具10のシャフト組立体200などのシャフトに結合されてもよい。本体3402は、ステープルカートリッジ及び/又は1つ又は2つ以上のステープルを中に受け入れるように構成されている(図示せず)。アンビル3404は、本体3402に移動可能に結合されている。アンビル3404は、例えばシャフト3406によって、本体3402に結合されてもよい。シャフト3406は、本体内のキャビティ内に受け入れ可能である(図示せず)。いくつかの実施形態では、脱離ワッシャ3408が、アンビル3404に結合されている。脱離ワッシャ3408は、ステープル留めの間のバットレス(buttress)又は補強材料を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、円形ステープラ3400は、複数のセンサ3410a、3410bを備える。複数のセンサ3410a、3410bは、円形ステープラ3400、及び/又は本体3402とアンビル3404との間に位置する組織部分の、1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。複数のセンサ3410a、3410bは、例えば、脱離ワッシャ3408の下に位置付けられるなど、アンビル3404の任意の好適な部分に結合されてもよい。複数のセンサ3410a、3410bは、例えば、アンビル3404の周囲の周りで均等に離間されるなど、任意の好適な配置で配置されてもよい。複数のセンサ3410a、3410bは、エンドエフェクタ3400、及び/又は本体3402とアンビル3404との間に位置する組織部分の、1つ又は2つ以上のパラメータを検出する任意の好適なセンサを備えてもよい。例えば、複数のセンサ3410a、3410bは、ホール効果センサなどの磁気センサ、ひずみゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、それらの任意の組み合わせ、及び/又は任意の他の好適なセンサを備えてもよい。
一実施形態では、複数のセンサ3410a、3410bは、脱離ワッシャ3408の下に位置付けられる複数の圧力センサを備えている。センサ3410a、3410bはそれぞれ、本体3402とアンビル3404との間に圧縮された組織が存在することによって生成される、圧力を検出するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数のセンサ3410a、3410bは、アンビル3404と本体3402との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されている。検出されたインピーダンスは、アンビル3404と本体3402との間に位置する組織の厚さ及び/又は完全さを示してもよい。複数のセンサ3410a、3410bは、検出された圧力を示す複数の信号を生成する。複数の生成された信号は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。一次プロセッサ2006は、複数のセンサ3410a、3410bからの入力に基づいて、1つ又は2つ以上のアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを適用して、エンドエフェクタ3400、及び/又は本体3402とアンビル3404との間に位置する組織部分の1つ又は2つ以上のパラメータを判断する。例えば、複数の圧力センサを含む一実施形態では、プロセッサ2006は、複数のセンサ3410a、3410bの出力を互いに対して、かつ既定の閾値に対して、定量的に比較するアルゴリズムを適用するように構成されている。一実施形態では、複数のセンサ3410a、3410bの出力の間のΔ、又は差が、既定の閾値よりも大きい場合、不均等な装填状態の可能性を示すフィードバックが操作者に提供される。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ3400は、例えば、図50に関連して後述される駆動シャフト3504など、1つ又は2つ以上の追加センサを備えるシャフトに結合されてもよい。
図48A〜48Dは、図47に示される円形ステープラ3400の掴持プロセスを示している。図48Aは、アンビル3404及び本体3402が閉鎖構成である初期位置の円形ステープラ3400を示している。円形ステープラ3400は、閉鎖構成で治療部位に位置付けられる。円形ステープラ3400が位置付けられると、アンビル3404を遠位側に移動させて本体3402と係脱し、図48Bに示されるように、組織部分3412を中に受け入れるように構成されたギャップが作り出される。組織部分3412は、図48Cに示されるように、アンビル3404と本体3402との間で既定の圧縮3414まで圧縮される。組織部分3412は、アンビル3404と本体3402との間で更に圧縮される。追加の圧縮によって、1つ又は2つ以上のステープルが、本体3402から組織部分3412内へと配備される。ステープルは、アンビル3404によって形作られる。図48Dは、ステープル配備に対応する位置にある円形ステープラ3400を示している。適正なステープル配備は、本体3402とアンビル3404との間の組織の適正な食込みを得ることに依存する。アンビル3404上に配設された複数のセンサ3410a、3410bによって、プロセッサが、ステープルの配備前に組織の適正な食込みがアンビル3404と本体3402との間に位置すると判断することが可能になる。
図49は、円形ステープルアンビル3452及びそれと連係するように構成された電気コネクタ3466の一実施形態を示している。アンビル3452は、アンビルヘッド3454とそれが結合されたアンビルシャフト3456とを備える。脱離ワッシャ3458は、アンビルヘッド3452に結合されている。複数の圧力センサ3460a、3460bは、アンビルヘッド3452と脱離ワッシャ3458との間でアンビルヘッド3452に結合されている。可撓性回路3462は、シャフト3456上に形成される。可撓性回路3462は、複数の圧力センサ3460a、3460bに結合されている。1つ又は2つ以上の接点3464がシャフト3456上に形成されて、可撓性回路3462を、例えば外科用器具10の制御回路2000などの1つ又は2つ以上の回路に結合する。可撓性回路3462は、電気コネクタ3466によって1つ又は2つ以上の回路に結合されてもよい。電気コネクタ3466は、アンビル3454に結合されている。例えば、一実施形態では、シャフト3456は中空であり、電気コネクタ3466を中に受け入れるように構成されている。電気コネクタ3466は、アンビルシャフト3456上に形成された接点3464と連係するように構成された、複数の接点3468を備える。電気コネクタ3466上の複数の接点3468は、例えば制御回路2000などの1つ又は2つ以上の回路に結合された、可撓性回路3470に結合されている。
図50は、外科用器具3500の駆動シャフト3504に結合されたセンサ3506を備える外科用器具3500の一実施形態を示している。外科用器具3500は、上述の外科用器具10と同様であってもよい。外科用器具3500は、ハンドル3502と、ハンドルの遠位端に結合された駆動シャフト3504とを備える。駆動シャフト3504は、エンドエフェクタ(図示せず)を遠位端で受け入れるように構成されている。センサ3506は、駆動シャフト3504内に固定的に装着される。センサ3506は、駆動シャフト3504の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。センサ3506は、例えば、ホール効果センサなどの磁気センサ、ひずみゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は他の任意の好適なセンサなど、任意の好適なセンサを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、センサ3506は、磁気ホール効果センサを備える。磁石3508は、駆動シャフト3504内に配置される。センサ3506は、磁石3508によって生成される磁界を検出するように構成されている。磁石3508は、はね返り(spring-backed)ブラケット3510に結合されている。はね返りブラケット3510は、エンドエフェクタに結合されている。はね返りブラケット3510は、エンドエフェクタの作用、例えば本体及び/又は第2の顎部材に向かうアンビルの圧縮に応答して、移動可能である。はね返りブラケット3510は、エンドエフェクタの移動に応答して磁石3508を移動させる。センサ3506は、磁石3508によって生成される磁界の変化を検出し、磁石3508の移動を示す信号を生成する。磁石3508の移動は、例えば、エンドエフェクタによって掴持される組織の厚さに対応してもよい。組織の厚さは、例えば、外科用器具3500のハンドル3502に埋め込まれたディスプレイ3512によって、操作者に対して表示されてもよい。いくつかの実施形態では、ホール効果センサ3508は、例えば、図47に示される圧力センサなど、1つ又は2つ以上の追加センサと組み合わされてもよい。
図51は、エンドエフェクタ内、例えば図50に示される外科用器具3500に結合された図47に示されるエンドエフェクタ3400内における、不均等な組織装填を判断するプロセス3550の一実施形態を示すフローチャートである。一実施形態では、プロセス3550は、例えば複数の圧力センサなど、1つ又は2つ以上の第1のセンサ3552を利用して、エンドエフェクタ内の組織の存在を検出する(3554)ことを含む。エンドエフェクタ3400の掴持動作の間、圧力センサからの入力Pを分析して、Pの値が判断される。Pが既定の閾値未満の場合(3556)、エンドエフェクタ3400は、掴持動作を継続する(3558)。Pが既定の閾値以上の場合(3560)、掴持は、停止される。複数のセンサ3552間のΔ(差)が比較される(3562)。Δが既定のΔよりも大きい場合、外科用器具3500は、警告をユーザに対して表示する(3564)。警告は、例えば、エンドエフェクタ内に不均等な掴持が存在することを示すメッセージを含んでもよい。Δが既定のΔ以下である場合、1つ又は2つ以上のセンサ3552の入力が、追加センサ3566からの入力と比較される。
いくつかの実施形態では、第2のセンサ3566は、外科用器具3500の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、例えばホール効果センサなどの磁気センサが、外科用器具3500のシャフト3504内に配置される。第2のセンサ3566は、外科用器具3500の1つ又は2つ以上のパラメータを示す信号を生成する。プリセット校正曲線が、第2のセンサ3566からの入力に対して適用される(3568)。プリセット校正曲線は、例えばホール効果センサによって生成されるホール電圧など、第2のセンサ3566によって生成される信号を調節してもよい(3568)。例えば、一実施形態では、ホール効果電圧は、アンビル3404と本体3402との間のギャップX1がゼロに等しいとき、生成されたホール効果電圧が既定の値に設定されるように調節される。調節されたセンサ3566の入力は、圧力閾値Pが満たされたときの、アンビル3404と本体3402との間の距離X3を計算する(3570)ために使用される。掴持プロセスが継続されて(3572)、複数のステープルを、エンドエフェクタ3400に掴持された組織部分内へ配備する。第2のセンサ3566からの入力は、掴持処置の間に動的に変化し、アンビル3404と本体3402との間の距離X2をリアルタイムで計算するために使用される。リアルタイムのパーセント圧縮が計算され(3574)、操作者に対して表示される。一実施形態では、パーセント圧縮は、[((X3−X2)/X3)×100]として計算される。
いくつかの実施形態では、図28〜50に示されるセンサのうち1つ又は2つ以上を使用して、アンビルが外科用デバイスの本体に取り付けられているか否か、圧縮された組織のギャップ、及び/又はアンビルがデバイスを取り外すための適正な位置にあるか否か、あるいはこれらのインジケータの任意の組み合わせが示される。
いくつかの実施形態では、図28〜50に示されるセンサのうち1つ又は2つ以上が、デバイス性能に影響を及ぼすのに使用される。外科用デバイス10の1つ又は2つ以上の制御パラメータは、少なくとも1つのセンサ出力によって調節されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、発射動作の速度制御は、例えばホール効果センサなど、1つ又は2つ以上のセンサの出力によって調節されてもよい。いくつかの実施形態では、センサのうち1つ又は2つ以上は、負荷及び/又は組織のタイプに基づいて、閉鎖及び/又は掴持動作を調節してもよい。いくつかの実施形態では、複数段の圧縮センサによって、外科用器具10が既定の負荷及び/又は既定の変位で閉鎖を停止することが可能になる。制御回路2000は、例えば組織の反応に基づいて組織のタイプを判断するため、1つ又は2つ以上の既定のアルゴリズムを適用して、組織部分に対して変動する圧縮を適用してもよい。アルゴリズムは、閉鎖速度及び/又は既定の組織パラメータに基づいて変動してもよい。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のセンサは、組織の特性を検出するように構成されており、1つ又は2つ以上のセンサは、デバイスの特性及び/又は構成パラメータを検出するように構成されている。例えば、一実施形態では、容量ブロックがステープルカートリッジと一体的に形成されて、スキューを測定してもよい。
電動医療用デバイスの回路類及びセンサ
図52は、掴持動作中の組織部分の1つ又は2つ以上のパラメータを判断するように構成されたエンドエフェクタ3600の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3600は、第2の顎部材3604に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル3602を備える。第2の顎部材3604は、ステープルカートリッジ3606を中に受け入れるように構成されている。ステープルカートリッジ3606は、掴持及びステープル留め動作の間に組織部分内に配備されるように構成された、複数のステープル(図示せず)を収容している。ステープルカートリッジ3606は、既定の高さを有するステープルカートリッジデッキ3622を備える。ステープルカートリッジ3606は、上述のスロット193に類似した、ステープルカートリッジの本体内に画定されたスロット3624を更に備える。ホール効果センサ3608は、ホール効果センサ3608と第2の顎部材3604に結合された磁石3610との間の距離3616を検出するように構成されている。ホール効果センサ3608と磁石3610との間の距離3616は、アンビル3602とステープルカートリッジデッキ3622との間に配置された組織の厚さを示す。
第2の顎部材3604は、複数のステープルカートリッジ3606のタイプを受け入れるように構成されている。ステープルカートリッジ3606のタイプは、例えば、異なる長さのステープルを収容すること、バットレス材料を含むこと、及び/又は異なるタイプのステープルを収容することによって変動することがある。いくつかの実施形態では、ステープルカートリッジデッキ3622の高さ3618は、第2の顎部材3604に結合されたステープルカートリッジ3606のタイプに基づいて変動することがある。変動するカートリッジ高さ3618によって、ホール効果センサ3608による厚さ測定が不正確になることがある。例えば、一実施形態では、第1のカートリッジは第1のカートリッジデッキ高さXを含み、第2のカートリッジは第2のカートリッジデッキ高さYを含み、Y>Xである。固定されたホール効果センサ3608及び固定された磁石によって、2つのカートリッジデッキ高さのうちの一方のみに対して正確な厚さ測定値が発生する。いくつかの実施形態では、様々なデッキ高さを補償するため、調節可能な磁石が使用される。
いくつかの実施形態では、第2の顎部材3604及びステープルカートリッジ3606は、磁石キャビティ3614を備える。磁石キャビティ3614は、磁石3610を中に受け入れるように構成されている。磁石は、ばねアーム3612に結合されている。ばねアーム3612は、磁石キャビティ3614の上面に向かって磁石を付勢するように構成されている。磁石キャビティ3614の深さ3620は、ステープルカートリッジ3606のデッキ高さ3618に応じて変動する。例えば、各ステープルカートリッジ3606は、キャビティ3614の上面がデッキ3622の面から設定距離にあるようにして、キャビティ深さ3620を定義してもよい。磁石3610は、キャビティ3614の上面に対して付勢される。磁石3610の磁気基準(magnetic reference)は、ホール効果センサ3608によって見たとき、全てのカートリッジデッキに対して一貫しているが、スロット3624に対しては可変である。例えば、いくつかの実施形態では、上側に付勢された磁石3610及びキャビティ3614は、第2の顎部材3604に挿入されたステープルカートリッジ3606に関わらず、ホール効果センサ3608から磁石3610までの設定距離3616を提供する。設定距離3616により、ステープルカートリッジ3606のタイプとは無関係に、ホール効果センサ3608が正確な厚さ測定値を生成することが可能になる。いくつかの実施形態では、キャビティ3614の深さ3620は、1つ又は2つ以上の外科的処置に対してホール効果センサ3608を校正するように調節されてもよい。
図53A及び53Bは、ステープルカートリッジ3656のデッキ高さとは無関係にホール効果電圧を正規化するように構成されたエンドエフェクタ3650の一実施形態を示している。図53Aは、中に挿入された第1のカートリッジ3656aを備えるエンドエフェクタ3650の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3650は、第2の顎部材3654に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル3652を備えて、それらの間で組織を把持する。第2の顎部材3654は、ステープルカートリッジ3656aを受け入れるように構成されている。ステープルカートリッジ3656aは、様々なステープル長さ、バットレス材料、及び/又はデッキ高さを含んでもよい。例えばホール効果センサなどの磁気センサ3658が、アンビル3652に結合されている。磁気センサ3658は、磁石3660によって生成される磁界を検出するように構成されている。検出された磁界強度は、磁気センサ3658と磁石3660との間の距離3664を示し、それは例えば、アンビル3652とステープルカートリッジ3656との間に把持された組織部分の厚さを示してもよい。上述したように、様々なステープルカートリッジ3656aは変動するデッキ高さを含んでもよく、それによって、校正された圧縮ギャップ3664の差が作り出される。
いくつかの実施形態では、磁気減衰器3662が、ステープルカートリッジ3656aに結合されている。磁気減衰器3662は、磁石3660によって生成される磁束を減衰するように構成されている。磁気減衰器3662は、ステープルカートリッジ3656aの高さに基づいて、磁束を発生させるように校正される。ステープルカートリッジ3656のタイプに基づいて磁石3660を減衰することによって、磁気減衰器3662は、磁気センサ3658の信号を様々なデッキ高さに対して同じ校正レベルに正規化する。磁気減衰器3662は、例えば鉄金属製のキャップなど、任意の好適な磁石減衰器を備えてもよい。磁気減衰器3662は、ステープルカートリッジ3656を第2の顎部材3654に挿入したときに磁気減衰器3662が磁石3660の上方に位置付けられるようにして、ステープルカートリッジ3656a内に成型される。
いくつかの実施形態では、磁石3660の減衰は、ステープルカートリッジのデッキ高さに関して必須ではない。図53Bは、第2の顎部材3654に結合された第2のステープルカートリッジ3656bを備えるエンドエフェクタ3650の一実施形態を示している。第2のステープルカートリッジ3656bは、磁石3660及びホール効果センサ3658の校正に合致するデッキ高さを含み、したがって減衰を要しない。図53Bに示されるように、第2のステープルカートリッジ3656bは、第1のステープルカートリッジ3656aの磁気減衰器3662の代わりにキャビティ3666を備える。いくつかの実施形態では、カートリッジデッキの高さに応じて、より大きい、かつ/又はより小さい減衰部材が提供される。減衰部材3662の形状の設計は、ホール効果センサ3658によって生成される応答信号における特性を作り出すように最適化され、それによって1つ又は2つ以上の追加のカートリッジ属性を区別することを可能にしてもよい。
図54は、例えば図53A〜53Bに示されているエンドエフェクタ3650など、エンドエフェクタ内における組織の圧縮が定常状態に達しているときにそれを判断するプロセス3670の一実施形態を示す論理図である。いくつかの実施形態では、臨床医は、エンドエフェクタ内、例えばアンビル3652とステープルカートリッジ3656との間に組織を掴持する、掴持処置を開始する(3672)。エンドエフェクタは、掴持処置の間に組織と係合する(3674)。組織が係合されると(3674)、エンドエフェクタは、リアルタイムのギャップ監視を始める(3676)。リアルタイムのギャップ監視は、例えば、エンドエフェクタ3650のアンビル3652とステープルカートリッジ3656との間のギャップを監視する。ギャップは、例えば、エンドエフェクタ3650に結合された、ホール効果センサなどのセンサ3658によって監視されてもよい。センサ3658は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに結合されてもよい。プロセッサは、エンドエフェクタ3650及び/又はステープルカートリッジ3656の組織掴持要件が満たされているときにそれを判断する(3678)。組織が安定化しているとプロセッサが判断すると、プロセスは、組織が安定化していることをユーザに対して示す(3680)。この指示は、例えば、外科用器具10内に埋め込まれたディスプレイによって提供されてもよい。
いくつかの実施形態では、ギャップ測定値は、ホール効果センサによって提供される。ホール効果センサは、例えば、アンビル3652の遠位先端に配置されてもよい。ホール効果センサは、遠位先端におけるアンビル3652とステープルカートリッジ3656デッキとの間のギャップを測定するように構成されている。測定されたギャップは、顎閉鎖ギャップを計算するために、かつ/又はエンドエフェクタ3650に掴持された組織部分の組織圧縮の変化を監視するために使用されてもよい。一実施形態では、ホール効果センサは、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに結合されている。プロセッサは、リアルタイムの測定値をホール効果センサから受信し、受信した信号を既定の基準セットと比較するように構成されている。例えば、一実施形態では、1秒などの均等間隔で論理方程式を使用して、例えば3.0秒などの既定の間隔の間ギャップ読み取り値が変化しないままのとき、組織部分の安定化がユーザに対して示される。組織安定化はまた、例えば15.0秒などの既定の期間後に示されてもよい。別の例として、組織安定化は、yn=yn+1=yn+2のときに示されてもよく、式中、yはホール効果センサのギャップ測定値に等しく、nは既定の測定間隔である。外科用器具10は、安定化が生じたとき、例えば図式及び/又は数字表現などの指示をユーザに対して表示してもよい。
図55は、様々なホール効果センサ読み取り値3692a〜3692dを示すグラフ3690である。グラフ3690に示されるように、組織部分の厚さ、即ち圧縮は、既定の期間後に安定化する。例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサは、ホール効果センサなどのセンサから計算された厚さが、既定の期間にわたって比較的一貫しているか又は一定であるとき、それを示すように構成されてもよい。プロセッサ2006は、例えば数字の表示を通して、組織が安定化していることをユーザに対して示してもよい。
図56は、例えば図53A〜53Bに示されているエンドエフェクタ3650など、エンドエフェクタ内における組織の圧縮が定常状態に達しているときにそれを判断するプロセス3700の一実施形態を示す論理図である。いくつかの実施形態では、臨床医は、エンドエフェクタ内、例えばアンビル3652とステープルカートリッジ3656との間に組織を掴持する、掴持処置を開始する(3702)。エンドエフェクタは、掴持処置の間に組織と係合する(3704)。組織が係合されると(3704)、エンドエフェクタは、リアルタイムのギャップ監視を始める(3706)。リアルタイムのギャップ監視技術は、例えば、エンドエフェクタ3650のアンビル3652とステープルカートリッジ3656との間のギャップを監視する(3706)。ギャップは、例えば、エンドエフェクタ3650に結合された、ホール効果センサなどのセンサ3658によって監視(3706)されてもよい。センサ3658は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに結合されてもよい。プロセッサは、1つ又は2つ以上のアルゴリズムを実行して、いつエンドエフェクタ3650によって圧縮された組織部分が安定化したかを判断する。
例えば、図56に示される実施形態では、プロセス3700は、勾配計算を利用して組織の安定化を判断するように構成されている。プロセッサは、ホール効果センサなどのセンサからの入力の勾配Sを計算する(3708)。勾配は、例えば、式S=((V_1−V_2))/((T_1−T_2))によって計算されてもよい(3708)。プロセッサは、計算された勾配を、0.005ボルト/秒などの既定値と比較する(3710)。計算された勾配の値が既定値よりも大きい場合、プロセッサは、計数Cをゼロにリセットする(3712)。計算された勾配が既定値以下の場合、プロセッサは、計数Cの値を増分する(3714)。計数Cは、例えば3など、既定の閾値と比較される(3716)。計数Cの値が既定の閾値以上の場合、プロセッサは、組織部分が安定化していることをユーザに対して示す(3718)。計数Cの値が既定の閾値未満の場合、プロセッサは、センサ3658の監視を継続する。様々な実施形態では、センサ入力の勾配、勾配の変化、及び/又は入力信号における任意の他の変化が監視されてもよい。
いくつかの実施形態では、例えば、図52、53A、及び53Bに示されるエンドエフェクタ3600、3650などのエンドエフェクタは、中に配備可能な切断部材を備えてもよい。切断部材は、例えば、アンビル3602とステープルカートリッジ3608との間に位置する組織部分を切断し、かつステープルをステープルカートリッジ3608から配備するように構成された、I型梁を備えてもよい。いくつかの実施形態では、I型梁は、切断部材のみを備えてもよく、かつ/又は1つ又は2つ以上のステープルを配備するのみであってもよい。発射中の組織フローは、ステープルの適正な形成に影響することがある。例えば、I型梁の配備の間、組織中の流体によって組織の厚さが一時的に増加して、ステープルの不適正な配備を引き起こすことがある。
図57は、配備中における適正なステープル形成を改善するようにエンドエフェクタを制御するためのプロセス3730の一実施形態を示す論理図である。制御プロセス3730は、例えば、ホール効果センサによって生成されるホール効果電圧など、エンドエフェクタ3650内における組織部分の厚さを示すセンサ測定値を生成すること(3732)を含む。センサ測定値は、アナログ・デジタル変換器によってデジタル信号に変換される(3734)。デジタル信号は、校正される(3736)。校正(3736)は、例えば、プロセッサ及び/又は専用校正回路によって行われてもよい。デジタル信号は、1つ又は2つ以上の校正曲線入力に基づいて校正される(3736)。校正されたデジタル信号は、例えば、外科用器具10に埋め込まれたディスプレイ2026によって、操作者に対して表示される(3738)。校正された信号は、アンビル3652とステープルカートリッジ3656との間に把持された組織部分の厚さ測定値として、かつ/又は単位なしの範囲として表示されてもよい(3738)。
いくつかの実施形態では、生成(3732)されたホール効果電圧は、I型梁を制御するために使用される。例えば、例示される実施形態では、ホール効果電圧は、例えば一次プロセッサ2006など、エンドエフェクタ内におけるI型梁の配備を制御するように構成されたプロセッサに提供される。プロセッサは、ホール効果電圧を受信し、既定の期間にわたる電圧の変化率を計算する。プロセッサは、計算された変化率を既定値x1と比較する(3740)。計算された変化率が既定値x1よりも大きい場合、プロセッサは、I型梁の速度を減速する(3742)。速度は、例えば、既定の単位分、速度変数を減分することによって低減されてもよい。計算された電圧の変化率が既定値x1以下の場合、プロセッサは、I型梁の現在の速度を維持する(3744)。
いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、より厚い組織、不均等な装填、及び/又は他の任意の組織特徴を補償するため、I型梁の速度を一時的に低減してもよい。例えば、一実施形態では、プロセッサは、ホール効果センサの電圧変化率を監視する(3740)ように構成されている。プロセッサによって監視(3740)された変化率が第1の既定値X1を超過する場合、プロセッサは、変化率が第2の既定値x2未満になるまで、I型梁の配備を減速又は停止する。変化率が第2の既定値x2未満のとき、プロセッサは、I型梁を通常速度に戻してもよい。いくつかの実施形態では、センサ入力は、例えば、圧力センサ、ひずみゲージ、ホール効果センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサによって生成されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、I型梁の配備の間における1つ又は2つ以上の休止点を実現してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサは、プロセッサが既定の期間の間I型梁の配備を休止する、3つの既定の休止点を実現してもよい。休止点は、最適化された組織フロー制御を提供するように構成されている。
図58は、流体の排出を可能にし、ステープル形成を改善するようにエンドエフェクタを制御するプロセス3750の一実施形態を示す論理図である。プロセス3750は、ホール効果電圧などのセンサ測定値を生成すること(3752)を含む。センサ測定値は、例えば、エンドエフェクタ3650のアンビル3652とステープルカートリッジ3656との間に把持された組織部分の厚さを示してもよい。生成された信号は、デジタル信号への変換(3754)のためのアナログ・デジタル変換器に提供される。変換された信号は、例えば、第2のセンサ入力及び/又は既定の校正曲線など、1つ又は2つ以上の入力に基づいて校正される(3756)。校正された信号は、例えば把持された組織部分の厚さなど、エンドエフェクタ3650の1つ又は2つ以上のパラメータを表す。校正された厚さ測定値は、厚さとして、かつ/又は単位なしの範囲として、ユーザに対して表示されてもよい。校正された厚さは、例えば、エンドエフェクタ3650に結合された外科用器具10に埋め込まれたディスプレイ2026によって表示されてもよい。
いくつかの実施形態では、校正された厚さ測定値は、エンドエフェクタ3650内におけるI型梁及び/又は他の発射部材の配備を制御するために使用される。校正された厚さ測定値は、プロセッサに提供される。プロセッサは、校正された厚さ測定値の変化を、既定の閾値パーセンテージxと比較する(3760)。厚さ測定値の変化率がxよりも大きい場合、プロセッサは、エンドエフェクタ内におけるI型梁の速度、即ち配備速度を減速する(3762)。プロセッサは、例えば、既定の単位分速度変数を減分することによって、I型梁の速度を減速(3762)してもよい。厚さ測定値の変化率がx以下の場合、プロセッサは、エンドエフェクタ3650内におけるI型梁の速度を維持する(3764)。組織厚さ及び/又は圧縮のリアルタイムのフィードバックによって、外科用器具10が発射速度に影響を及ぼして、流体の排出を可能にし、かつ/又はステープル形態を改善することが可能になる。
いくつかの実施形態では、センサによって生成(3752)されたセンサ読み取り値、例えばホール効果電圧は、1つ又は2つ以上の追加のセンサ入力によって調節されてもよい。例えば、一実施形態では、生成(3752)されたホール効果電圧は、アンビル3652の微小ひずみゲージセンサからの入力によって調節されてもよい。微小ひずみゲージは、アンビル3652のひずみの振幅を監視するように構成されてもよい。生成(3752)されたホール効果電圧は、例えば、部分的な近位側又は遠位側の組織食込みを示すため、監視されたひずみの振幅によって調節されてもよい。掴持中に微小ひずみ及びホール効果センサ出力を時間ベースで監視することにより、1つ又は2つ以上のアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルが、組織特徴及び掴持の位置付けを認識し、組織厚さ測定値を動的に調節して、例えばI型梁の発射速度を制御することが可能になる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、I型梁の配備の間における1つ又は2つ以上の休止点を実現してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサは、プロセッサが既定の期間の間I型梁の配備を休止する、3つの既定の休止点を実現してもよい。休止点は、最適化された組織フロー制御を提供するように構成されている。
図59A〜59Bは、圧力センサを備えるエンドエフェクタ3800の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3800は、第2の顎部材3804に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル3802を備える。第2の顎部材3804は、ステープルカートリッジ3806を中に受け入れるように構成されている。ステープルカートリッジ3806は、複数のステープルを備える。第1のセンサ3808は、遠位先端でアンビル3802に結合されている。第1のセンサ3808は、例えば、アンビル3802とステープルカートリッジ3806との間の距離、即ちギャップ3814など、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。第1のセンサ3808は、例えば磁気センサなど、任意の好適なセンサを備えてもよい。磁石3810は、第2の顎部材3804及び/又はステープルカートリッジ3806に結合されて、磁気信号を磁気センサに提供してもよい。
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ3800は、第2のセンサ3812を備える。第2のセンサ3812は、エンドエフェクタ3800、及び/又は間に位置する組織部分の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。第2のセンサ3812は、例えば1つ又は2つ以上の圧力センサなど、任意の好適なセンサを備えてもよい。第2のセンサ3812は、アンビル3802、第2の顎部材3804、及び/又はステープルカートリッジ3806に結合されてもよい。第2のセンサ3812からの信号は、第1のセンサ3808の測定値を調節して、近位側及び/又は遠位側に位置付けられた部分食込みの真の圧縮された組織厚さを正確に表すように、第1のセンサの読み取り値を調節するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、第2のセンサ3812は、第1のセンサ3808に対する代理であってもよい。
いくつかの実施形態では、第2のセンサ3812は、例えば、単一の連続圧力感知フィルム、及び/又は圧力感知フィルムのアレイを備えてもよい。第2のセンサ3812は、例えば、切断及び/又はステープル配備部材を受け入れるように構成されたスロット3816を被覆する、中心軸に沿って、ステープルカートリッジ3806のデッキに結合されている。第2のセンサ3812は、掴持処置の間、組織によって印加される圧力の振幅を示す信号を提供する。切断及び/又は配備部材を発射する間、第2のセンサ3812からの信号は、例えば、第2のセンサ3812と1つ又は2つ以上の回路との間の電気接続を切断することによって断絶されてもよい。いくつかの実施形態では、第2のセンサ3812の断絶された回路は、使用済みステープルカートリッジ3806を示してもよい。他の実施形態では、第2のセンサ3812は、切断及び/又は配備部材が第2のセンサ3812に対する接続を断絶しないように位置付けられてもよい。
図60は、ステープルカートリッジ3806と第2の顎部材3804との間に位置する第2のセンサ3862を備えるエンドエフェクタ3850の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3850は、第2の顎部材3854に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル3852を備える。第2の顎部材3854は、ステープルカートリッジ3856を中に受け入れるように構成されている。第1のセンサ3858は、遠位先端でアンビル3852に結合されている。第1のセンサ3858は、例えば、アンビル3852とステープルカートリッジ3856との間の距離、即ちギャップ3864など、エンドエフェクタ3850の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。第1のセンサ3858は、例えば磁気センサなど、任意の好適なセンサを備えてもよい。磁石3860は、第2の顎部材3854及び/又はステープルカートリッジ3856に結合されて、磁気信号を磁気センサに提供してもよい。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ3850は、ステープルカートリッジ3856と第2の顎部材3864との間に位置する点を除いて、図59A〜59Bの第2のセンサ3812に全ての点で類似している、第2のセンサ3862を備える。
図61は、図59A〜59B又は図60による、エンドエフェクタ3800又は3850内で掴持された組織部分の厚さを判断し表示するプロセス3870の一実施形態を示す論理図である。プロセスは、例えば、アンビル3802の遠位先端に位置するホール効果センサを通して、ホール効果電圧3872を得ることを含む。ホール効果電圧3872は、アナログ・デジタル変換器3874に提供され、デジタル信号に変換される。デジタル信号は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセスに提供される。一次プロセッサ2006は、ホール効果電圧3872信号の曲線入力を校正する(3874)。例えば第2のセンサ3812などの圧力センサは、例えば、エンドエフェクタ3800内に掴持された組織に対してアンビル3802が及ぼしている圧力の量など、例えばエンドエフェクタ3800の1つ又は2つ以上のパラメータを測定する(3880)ように構成されている。いくつかの実施形態では、圧力センサは、単一の連続圧力感知フィルム、及び/又は圧力感知フィルムのアレイを備えてもよい。したがって、圧力センサは、エンドエフェクタ3800の近位端と遠位端との間の異なる位置における測定圧力のばらつきを判断するように動作可能であってもよい。測定された圧力は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに提供される。一次プロセッサ2006は、圧力センサ3880によって測定された圧力に応答して、1つ又は2つ以上のアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを使用して、例えばアンビル3802とステープルカートリッジ3806との間に掴持された組織の厚さをより正確に反映するように、ホール効果電圧3872を調節する(3882)。調節された厚さは、例えば、外科用器具10に埋め込まれたディスプレイ2026によって、操作者に対して表示される(3878)。
図62は、ステープルカートリッジ3906と細長いチャネル3916との間に位置する複数の第2のセンサ3192a〜3192bを備えるエンドエフェクタ3900の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3900は、第2の顎部材又は細長いチャネル3904に枢動可能に結合された、第1の顎部材又はアンビル3902を備える。細長いチャネル3904は、ステープルカートリッジ3906を中に受け入れるように構成されている。アンビル3902は、遠位先端に配置される第1のセンサ3908を更に備える。第1のセンサ3908は、例えば、アンビル3902とステープルカートリッジ3906との間の距離、即ちギャップなど、エンドエフェクタ3900の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。第1のセンサ3908は、例えば磁気センサなど、任意の好適なセンサを備えてもよい。磁石3910は、細長いチャネル3904及び/又はステープルカートリッジ3906に結合されて、磁気信号を第1のセンサ3908に提供してもよい。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ3900は、ステープルカートリッジ3906と細長いチャネル3904との間に位置する、複数の第2のセンサ3912a〜3912cを備える。第2のセンサ3912a〜3912cは、例えば圧電抵抗圧力フィルムストリップなど、任意の好適なセンサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、第2のセンサ3912a〜3912cは、エンドエフェクタ3900の遠位端と近位端との間で均一に分配されてもよい。
いくつかの実施形態では、第2のセンサ3912a〜3912cからの信号は、第1のセンサ3908の測定値を調節するために使用されてもよい。例えば、第2のセンサ3912a〜3912cからの信号は、アンビル3902とステープルカートリッジ3906との間の組織3920の位置及び/又は密度に応じて、エンドエフェクタ3900の遠位端と近位端との間で変動することがある、アンビル3908とステープルカートリッジ3906との間のギャップを正確に表すように、第1のセンサ3908の読み取り値を調節するために使用されてもよい。図11は、組織3920の部分食込みの一例を示している。この例の目的に対して示されるように、組織は、エンドエフェクタ3900の近位側領域にのみ配置されて、エンドエフェクタ3900の近位側領域付近に高圧3918領域を、またそれに対応してエンドエフェクタの遠位端付近に低圧3916領域を作り出している。
図63A及び63Bは、組織3920の完全食込み対部分食込みの影響を更に示している。図63Aは、組織3920が均一な密度である、組織3920の完全食込みを含むエンドエフェクタ3900を示している。組織3920の完全食込みが均一な密度であることで、エンドエフェクタ3900の遠位先端における測定された第1のギャップ3914aは、エンドエフェクタ3900の中央又は近位端における測定された第2のギャップ3922aとほぼ同じであってもよい。例えば、第1のギャップ3914aは2.4mmであってもよく、第2のギャップは2.3mmであってもよい。図63Bは、組織3920の部分食込み、又は代替的に、不均一な密度の組織3920の完全食込みを含む、エンドエフェクタ3900を示している。この場合、第1のギャップ3914bは、組織3920の最も厚い又は最も高密度の部分で測定した第2のギャップ3922b未満であってもよい。例えば、第1のギャップは1.0mmであってもよく、第2のギャップは1.9mmであってもよい。図63A及び63Bに示される状態では、例えば、エンドエフェクタ3900の長さに沿った異なる点で測定された圧力など、第2のセンサ3912a〜3912cからの信号は、組織3920の配置及び/又は組織3920の物質の特性を判断するため、器具によって用いられてもよい。器具は、経時的に測定された圧力を使用して組織特徴及び組織の位置を認識し、組織厚さの測定値を動的に調節するように、更に動作可能であってもよい。
図64は、アンビルとステープルカートリッジ3956との間のギャップを測定するコイル3958及び発振器回路3962を備えるエンドエフェクタ3950の一実施形態を示している。エンドエフェクタ3950は、第2の顎部材又は細長いチャネル3954に枢動可能に結合された、第1の顎部材又はアンビル3952を備える。細長いチャネル3954は、ステープルカートリッジ3956を中に受け入れるように構成されている。いくつかの実施形態では、ステープルカートリッジ3954は、遠位端に位置するコイル3958及び発振器回路3962を更に備える。コイル3958及び発振器回路3962は、渦電流センサ及び/又は誘導センサとして動作可能である。コイル3958及び発振器回路3962は、例えば、アンビル3952の遠位先端などの標的3960がコイル3958に接近する際に、渦電流及び/又は誘導を検出することができる。コイル3958及び発振器回路3962によって検出される渦電流及び/又は誘導を使用して、アンビル3952とステープルカートリッジ3956との間の距離又はギャップを検出することができる。
図65は、エンドエフェクタ3950の代替図を示している。例示されるように、いくつかの実施形態では、外部配線3964が発振器回路3962に電力を供給してもよい。外部配線3964は、細長いチャネル3954の外側に沿って配置されてもよい。
図66は、標的3960中の渦電流3972を検出するコイル3958の動作の例を示している。選択周波数でコイル3958を流れる交流電流が、コイル3958の周りに磁界3970を生成する。コイル3958が、標的3960から特定の距離離れた位置3976aにあるとき、コイル3958は渦電流3972を誘導しない。コイル3958が、導電性の標的3960に近い位置3976bにあるとき、渦電流3972が標的3960内に発生する。コイル3958が標的3960内のきず付近の位置3976cにあるとき、きずが渦電流の循環を妨害することがあり、この場合、コイル3958との磁気結合が変化し、コイルインピーダンスのばらつきを測定することによって欠陥信号3974を読み取ることができる。
図67は、測定した品質係数3984、測定したインダクタンス3986、及び標的3960に対するコイル3958のスタンドオフ3978の関数としてのコイル3958の半径の測定抵抗3988のグラフ3980を示している。品質係数3984は、スタンドオフ3978に依存し、インダクタンス3986及び抵抗3988は両方とも、変位の関数である。品質係数3984が大きいほど、より純粋な反応性のセンサがもたらされる。インダクタンス3986の特定の値は、製造可能なコイル3958の必要性、及び妥当な周波数のエネルギーの妥当な量を燃焼する実用的な回路設計によってのみ拘束される。抵抗3988は、寄生効果である。
グラフ3980は、インダクタンス3986、抵抗3988、及び品質係数3984が標的のスタンドオフ3978にどのように依存するかを示している。スタンドオフ3978が増加するにつれて、インダクタンス3986は4倍に増加し、抵抗3988はわずかに減少し、その結果、品質係数3984が増加する。3つのパラメータ全ての変化は、大幅に非線形的であり、各曲線は、スタンドオフ3978が増加するに従って、ほぼ指数関数的に減退する傾向がある。距離と共に感度が急速に失われることで、渦電流センサの範囲がコイル直径の約1/2まで厳密に制限される。
図68は、ステープルカートリッジ4006と細長いチャネル4004との間に位置するエミッタ/センサ4008を備えるエンドエフェクタ4000の一実施形態を示している。エンドエフェクタ4000は、第2の顎部材又は細長いチャネル4004に枢動可能に結合された、第1の顎部材又はアンビル4002を備える。細長いチャネル3904は、ステープルカートリッジ4006を中に受け入れるように構成されている。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ4000は、ステープルカートリッジ4006と細長いチャネル4004との間に位置するエミッタ/センサ4008を更に備える。エミッタ/センサ4008は、例えばMEMS超音波変換器など、任意の好適なデバイスであることができる。いくつかの実施形態では、エミッタ/センサはエンドエフェクタ4000の長さに沿って配置されてもよい。
図69は、動作中のエミッタ/センサ4008の一実施形態を示している。エミッタ/センサ4008は、パルス4014を放出し、パルス4014の反射信号4016を感知するように動作可能であってもよい。エミッタ/センサ4008は、パルス4014の出現と反射信号4016の受信との間の飛行時間4018を測定するように、更に動作可能であってもよい。測定された飛行時間4018を使用して、エンドエフェクタ4000の全長に沿ってエンドエフェクタ4000に圧縮された組織の厚さを判断することができる。いくつかの実施形態では、エミッタ/センサ4008は、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに結合されてもよい。プロセッサ2006は、飛行時間4018を使用して、例えば組織が病変、塊化(bunched)、又は損傷したか否か、組織に関する追加情報を判断するように動作可能であってもよい。外科用器具は、この情報を器具の操作者に対して伝達するように更に動作可能であることができる。
図70は、MEMS変換器を備えるエミッタ/センサ4008の一実施形態の表面を示している。
図71は、図69のエミッタ/センサ4008によって測定されてもよい反射信号4016の一例のグラフ4020を示している。図71は、反射信号4016の振幅4022を時間の関数4024として示している。例示されるように、伝達されたパルス4026の振幅は、反射パルス4028a〜4028cの振幅よりも大きい。伝達されたパルス4026の振幅は、既知の又は予期される値のものであってもよい。第1の反射パルス4028aは、例えば、エンドエフェクタ4000によって囲まれた組織からのものであってもよい。第2の反射パルス4028bは、例えば、アンビル4002の下面からのものであってもよい。第3の反射パルス4028cは、例えば、アンビル4002の上面からのものであってもよい。
図72は、切断部材又はナイフ4058の位置を判断するように構成されたエンドエフェクタ4050の一実施形態を示している。エンドエフェクタ4050は、第2の顎部材又は細長いチャネル4054に枢動可能に結合された、第1の顎部材又はアンビル4052を備える。細長いチャネル4054は、ステープルカートリッジ4056を中に受け入れるように構成されている。ステープルカートリッジ4056は、スロット4058(図示せず)と、その中に配置される切断部材又はナイフ4062とを更に備える。ナイフ4062は、ナイフバー4064に動作可能に結合されている。ナイフバー4064は、ナイフ4062をスロット4058の近位端から遠位端まで移動させるように動作可能である。エンドエフェクタ4050は、スロット4058の近位端付近に位置する光センサ4060を更に備えてもよい。光センサは、例えば一次プロセッサ2006などのプロセッサに結合されてもよい。光センサ4060は、ナイフバー4064に向かって光信号を放出するように動作可能であってもよい。ナイフバー4064は、その長さに沿ってコードストリップ4066を更に備えてもよい。コードストリップ4066は、カットアウト、切欠き、反射片、又は光学読み取り可能な他の任意の構成を含んでもよい。コードストリップ4066は、光センサ4060からの光信号がコードストリップ4066に反射するか、又はそれを通るように配置される。ナイフ4062及びナイフバー4064がスロット4058に沿って移動する(4068)につれて、光センサ4060は、コードストリップ4066に結合された放出光信号の反射を検出する。光センサ4060は、検出された信号をプロセッサ2006に通信するように動作可能であってもよい。プロセッサ2006は、検出された信号を使用して、ナイフ4062の位置を判断するように構成されてもよい。ナイフ4062の位置は、検出された光信号が漸進的な上昇及び下降を有するようにコードストリップ4066を設計することによって、より精密に感知されてもよい。
図73は、赤色LED 4070及び赤外線LED 4072を備えた動作中のコードストリップ4066の一例を示している。この例のみの目的のため、コードストリップ4066は、カットアウトを備える。コードストリップ4066が移動する(4068)につれて、赤色LED 4070によって放出される光は、カットアウトがその前を通るので遮断される。したがって、赤外線LED 4072は、コードストリップ4066の運動4068を検出し、したがって転じて、ナイフ4062の運動を検出する。
構成要素の評価に基づいたデバイス劣化の監視
図74は、外科用器具10のエンドエフェクタ300の部分図を示している。図74に示される例示の形態では、エンドエフェクタ300は、多くの点でステープルカートリッジ304(図20)に類似しているステープルカートリッジ1100を備える。エンドエフェクタ300のいくつかの部品は、本開示をより明瞭に理解できるように省略されている。特定の例では、エンドエフェクタ300は、例えばアンビル306(図20)などの第1の顎と、例えばチャネル198(図20)などの第2の顎とを含んでもよい。特定の例では、上述したように、チャネル198は、例えばステープルカートリッジ304又はステープルカートリッジ1100など、ステープルカートリッジを収容してもよい。ステープルカートリッジ1100とアンビル306との間で組織を捕捉するため、チャネル198及びアンビル306の少なくとも一方は、チャネル198及びアンビル306の他方に対して移動可能であってもよい。チャネル198及び/又はアンビル306の、例えば開放構成(図1)と閉鎖構成(図75)との間での運動を容易にする、様々な作動組立体が本明細書に記載されている。
特定の例では、上述したように、E型梁178を遠位側に前進させて、ステープル191を捕捉された組織内に配備し、かつ/又は切刃182を複数の位置の間で前進させて、捕捉された組織に係合し切断することができる。図74に示されるように、切刃182を、例えばスロット193によって画定される経路に沿って、遠位側に前進させることができる。特定の例では、切刃182を、図74に例示されるように、ステープルカートリッジ1100の近位部分1102から、ステープルカートリッジ1100の遠位部分1104まで前進させて、捕捉された組織を切断することができる。特定の例では、例えば、E型梁178を近位側に後退させることによって、切刃182を、遠位部分1104から近位部分1102まで近位側に後退させることができる。
特定の例では、切刃182を用いて、複数の処置においてエンドエフェクタ300によって捕捉された組織を切断することができる。切刃182を繰り返し使用することが切刃182の先鋭度に影響し得ることが、読者には理解されるであろう。また、切刃182の先鋭度が減少するにつれて、切刃182を用いて捕捉された組織を切断するのに要する力が増加し得ることが、読者には理解されるであろう。図74〜76を参照すると、特定の例では、外科用器具10は、例えば、外科的処置における外科用器具10の動作の間、動作の前、及び/又は動作の後に、切刃182の先鋭度を監視するモジュール1106(図76)を備えてもよい。特定の例では、捕捉された組織を切断するために切刃182を利用する前に、モジュール1106を用いて、切刃182の先鋭度を試験することができる。特定の例では、捕捉された組織を切断するためnに切刃182が使用された後、モジュール1106を用いて、切刃182の先鋭度を試験することができる。特定の例では、捕捉された組織を切断するために切刃182が使用される前、及び使用された後、モジュール1106を用いて、切刃182の先鋭度を試験することができる。特定の例では、モジュール1106を用いて、近位部分1102及び/又は遠位部分1104における切刃1106の先鋭度を試験することができる。
図74〜76を参照すると、モジュール1106は、例えば光センサ1108など、1つ又は2つ以上のセンサを含んでもよく、モジュール1106の光センサ1108を用いて、例えば切刃182の反射能力を試験することができる。特定の例では、切刃182が光を反射する能力は、切刃182の先鋭度と相関してもよい。換言すれば、切刃182の先鋭度の減少により、切刃182が光を反射する能力が減少することがある。したがって、特定の例では、例えば切刃182から反射される光の強度を監視することによって、切刃182の鈍りを評価することができる。特定の例では、光センサ1108は、光感知領域を画定してもよい。光センサ1108は、例えば、光感知領域が切刃182の経路内に配設されるように配向することができる。光センサ1108を用いて、例えば切刃182が光感知領域内にある状態で、切刃182から反射される光を感知してもよい。閾値を超えた反射光の強度の減少は、切刃182の先鋭度が許容可能なレベルを超えて減少していることを示す場合がある。
図74〜76を再び参照すると、モジュール1106は、例えば光源1110など、1つ又は2つ以上の光源を含んでもよい。特定の例では、モジュール1106は、図76に示されるように、光センサ1108に動作可能に結合されてもよい、マイクロコントローラ1112(「コントローラ」)を含んでもよい。特定の例では、コントローラ1112は、マイクロプロセッサ1114(「プロセッサ」)と、1つ又は2つ以上のコンピュータ可読媒体又はメモリユニット1116(「メモリ」)とを含んでもよい。特定の例では、メモリ1116は様々なプログラム命令を格納してもよく、それが実行されると、プロセッサ1114によって、本明細書に記載する複数の機能及び/又は計算が行われてもよい。特定の例では、メモリ1116は、例えばプロセッサ1114に結合されてもよい。電源1118は、例えば、コントローラ1112、光センサ1108、及び/又は光源1110に電力を供給するように構成することができる。特定の例では、電源1118は、例えばLiイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「パワーパック」)を含んでもよい。特定の例では、電池パックは、外科用器具10に電力を供給するため、ハンドル14に解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルが、電源4428として使用されてもよい。特定の例では、電源1118は、例えば交換可能及び/又は充電可能であってもよい。
コントローラ1112、及び/又は本開示の他のコントローラは、集積型及び/若しくは離散的なハードウェア要素、ソフトウェア要素、並びに/又は両方の組み合わせを使用して実現されてもよい。集積型ハードウェア要素の例としては、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、ASIC、PLD、DSP、FPGA、論理ゲート、レジスタ、半導体素子、チップ、マイクロチップ、チップセット、マイクロコントローラ、SoC、及び/又はSIPが挙げられ得る。離散的なハードウェア要素の例としては、論理ゲート、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、抵抗、コンデンサ、インダクタ、及び/若しくはリレーなど、回路並びに/又は回路素子が挙げられ得る。特定の例では、コントローラ1112は、例えば、1つ又は2つ以上の基板上に離散的及び集積型の回路素子又は構成要素を含むハイブリッド回路を含んでもよい。
特定の例では、コントローラ1112、及び/又は本開示の他のコントローラは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。特定の例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、容易に利用可能な他の特性の中でも特に、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルSRAMと、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROMと、2KBのEEPROMと、1つ又は2つ以上のPWMモジュールと、1つ又は2つ以上のQEIアナログと、12のアナログ入力チャネルを備えた1つ又は2つ以上の12ビットADCとを備える、ARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、本開示と共に使用するために容易に代用されてもよい。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
特定の例では、光源1110を用いて、例えば、光感知領域内の切刃182に方向付けることができる光を放出することができる。光センサ1108は、光源1110によって放出される光に対する曝露に応答して、光感知領域内にある状態で切刃182から反射される光の強度を測定するのに用いられてもよい。特定の例では、プロセッサ1114は、反射光の測定された強度の1つ又は2つ以上の値を受信してもよく、反射光の測定された強度の1つ又は2つ以上の値を、例えばメモリ1116に格納してもよい。格納された値は、例えば、外科用器具10によって行われる複数の外科的処置の前、後、及び/又はその間に、検出及び/又は記録することができる。
特定の例では、プロセッサ1114は、反射光の測定された強度を、例えばメモリ1116に格納されてもよい、事前定義された閾値と比較してもよい。特定の例では、コントローラ1112は、測定された光強度が、例えば1%、5%、10%、25%、50%、100%、及び/又は100%超、事前定義された閾値を超過した場合に、切刃182の先鋭度が許容可能なレベルを下回っていると結論付けてもよい。特定の例では、プロセッサ1114を用いて、光感知領域内にある状態の切刃182から反射した光の測定された強度の格納値における、減少傾向を検出することができる。
特定の例では、外科用器具10は、例えばフィードバックシステム1120など、1つ又は2つ以上のフィードバックシステムを含んでもよい。特定の例では、プロセッサ1114は、フィードバックシステム1120を用いて、光感知領域内にある状態で切刃182から反射した光の測定された光強度が、例えば格納された閾値を超えた場合、ユーザに警告することができる。特定の例では、フィードバックシステム1120は、例えば表示画面、バックライト、及び/又はLEDなど、1つ又は2つ以上の視覚フィードバックシステムを備えてもよい。特定の例では、フィードバックシステム1120は、例えばスピーカ及び/又はブザーなど、1つ又は2つ以上の音声フィードバックシステムを備えてもよい。特定の例では、フィードバックシステム1120は、例えば、1つ又は2つ以上の触覚フィードバックシステムを備えてもよい。特定の例では、フィードバックシステム1120は、例えば、視覚、音声、及び/又は触覚フィードバックシステムの組み合わせを備えてもよい。
特定の例では、外科用器具10は、切刃182の前進を防止するために用いることができる、発射ロックアウトメカニズム1122を備えてもよい。様々な好適な発射ロックアウトメカニズムが、2012年6月28日出願の米国特許出願公開第US2014/0001231号、名称「FIRING SYSTEM LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」に更に詳細に記載されており、その全体を参照により本明細書に組み込む。特定の例では、図76に示されるように、プロセッサ1114をロックアウトメカニズム1122に動作可能に結合することができ、プロセッサ1114は、切刃182から反射した光の測定された強度が、例えば格納された閾値を超えた場合に、ロックアウトメカニズム1122を用いて切刃182の前進を防止してもよい。換言すれば、プロセッサ1114は、切刃がエンドエフェクタ300によって捕捉された組織を切断するのに十分に先鋭でない場合に、ロックアウトメカニズム1122を起動してもよい。
特定の例では、光センサ1108及び光源1110を、シャフト組立体200の遠位部分に収容することができる。特定の例では、切刃182の先鋭度は、切刃182をエンドエフェクタ300内へと遷移させる前に、上述したように、光センサ1108によって評価することができる。発射バー172(図20)は、切刃182がシャフト組立体182内にあり、例えばエンドエフェクタ300に入る前に、光センサ1108によって画定される光感知領域を通して、切刃182を前進させてもよい。特定の例では、切刃182の先鋭度は、切刃182をエンドエフェクタ300から近位側に後退させた後に、光センサ1108によって評価することができる。発射バー172(図20)は、例えば、切刃182をエンドエフェクタ300からシャフト組立体200内へと後退させた後、光センサ1108によって画定される光感知領域を通して、切刃182を後退させてもよい。
特定の例では、光センサ1108及び光源1110は、例えば、ステープルカートリッジ1100の近位側であることができる、エンドエフェクタ300の近位部分に収容することができる。切刃182の先鋭度は、例えば、切刃182をエンドエフェクタ300内へと遷移させた後、ただしステープルカートリッジ1100を係合する前に、光センサ1108によって評価することができる。特定の例では、発射バー172(図20)は、例えば、切刃182がエンドエフェクタ300内にある状態で、ただしステープルカートリッジ1100を係合する前に、光センサ1108によって画定される光感知領域を通して切刃182を前進させてもよい。
様々な例では、切刃182の先鋭度は、切刃182を発射バー172によってスロット193を通して前進させるにつれて、光センサ1108によって評価することができる。図74に示されるように、光センサ1108及び光源1110は、例えば、ステープルカートリッジ1100の近位部分1102に収容することができ、切刃182の先鋭度は、例えば、近位部分1102において光センサ1108によって評価することができる。発射バー172(図20)は、例えば、切刃182がステープルカートリッジ1100とアンビル306との間に捕捉された組織を係合する前に、近位部分1102で光センサ1108によって画定される光感知領域を通して、切刃182を前進させてもよい。特定の例では、図74に示されるように、光センサ1108及び光源1110は、例えば、ステープルカートリッジ1100の遠位部分1104に収容することができる。切刃182の先鋭度は、遠位部分1104で光センサ1108によって評価することができる。特定の例では、発射バー172(図20)は、例えば、切刃182がステープルカートリッジ1100とアンビル306との間に捕捉された組織を貫通した後に、遠位部分1104で光センサ1108によって画定される光感知領域を通して、切刃182を前進させてもよい。
図74を再び参照すると、ステープルカートリッジ1100は、例えば、複数の光センサ1108及び複数の対応する光源1110を備えてもよい。特定の例では、光センサ1108及び光源1110の対を、例えば、ステープルカートリッジ1100の近位部分1102に収容することができ、光センサ1108及び光源1110の対を、例えば、ステープルカートリッジ1100の遠位部分1104に収容することができる。かかる例では、切刃182の先鋭度は、例えば、1回目は組織を係合する前に近位部分1102で、また例えば、2回目は捕捉された組織を貫通した後に遠位部分1104で評価することができる。
光センサ1108が、外科的処置の間に複数回、切刃182の先鋭度を評価してもよいことが、読者には理解されるであろう。例えば、切刃の先鋭度は、1回目は発射行程において切刃182がスロット193を通って前進する間に、また例えば、2回目は復帰行程において切刃182がスロット193を通って後退する間に評価することができる。換言すれば、例えば、光感知領域を通して切刃を前進させるときに一度、また光感知領域を通して切刃182を後退させるときに一度、切刃182から反射する光を同じ光センサ1108によって測定することができる。
プロセッサ1114が、切刃182から反射した光の強度の複数の読み取り値を、光センサ1108の1つ又は2つ以上から受信してもよいことが、読者には理解されるであろう。特定の例では、プロセッサ1114は、例えば、アウトライアーを破棄し、複数の読み取り値から平均読み取り値を計算するように構成されてもよい。特定の例では、例えば、平均読み取り値をメモリ1116に格納された閾値と比較することができる。特定の例では、プロセッサ1114は、例えば、計算された平均読み取り値がメモリ1116に格納された閾値を超えた場合、フィードバックシステム1120を通してユーザに警告し、かつ/又はロックアウトメカニズム1122を起動させるように構成されてもよい。
特定の例では、図75、77、及び78に示されるように、光センサ1108及び光源1110の対を、ステープルカートリッジ1100の両側に位置付けることができる。換言すれば、光センサ1108を、例えばスロット193の第1の側1124に位置付けることができ、光源1110を、例えばスロット193の第1の側1124とは反対の第2の側1126に位置付けることができる。特定の例では、光センサ1108及び光源1110の対を、図75に示されるように、ステープルカートリッジ1100を横断する面内に実質的に配設することができる。光センサ1108及び光源1110の対は、例えば、ステープルカートリッジ1100を横断する面上に位置付けられる、又は少なくとも実質的に位置付けられる、光感知領域を画定するように配向することができる。代替的に、光センサ1108及び光源1110の対は、図78に示されるように、例えば、ステープルカートリッジ1100を横断する面に近接して位置付けられる、光感知領域を画定するように配向することができる。
特定の例では、光センサ1108及び光源1110の対は、ステープルカートリッジ1100の同じ側に位置付けることができる。換言すれば、図79に示されるように、光センサ1108及び光源1110の対は、スロット193を通して切刃182を前進させる際に、切刃182の第1の側、例えば面1128上に位置付けることができる。かかる例では、光源1110は、切刃182の面1128に光を方向付けるように配向することができ、光センサ1108によって測定される、面1128から反射する光の強度は、面1128の先鋭度を表してもよい。
特定の例では、図80に示されるように、光センサ1108及び光源1110の第2の対を、切刃182の第2の側、例えば面1130上に位置付けることができる。第2の対は、面1130の先鋭度を評価するために用いることができる。例えば、第2の対の光源1110は、切刃182の面1130に光を方向付けるように配向することができ、第2の対の光センサ1108によって測定される、面1130から反射する光の強度は、面1130の先鋭度を表してもよい。特定の例では、プロセッサは、例えば、切刃182の面1128及び1130から反射する光の測定された強度に基づいて、切刃182の先鋭度を見積もるように構成することができる。
特定の例では、図75に示されるように、光センサ1108及び光源1110の対は、ステープルカートリッジ1100の遠位部分1104に収容することができる。図81に示されるように、光源1108は、例えば、スロット193を通る切刃182の経路に沿って長手方向に延在する軸LLに位置付けるか、又は少なくとも実質的に位置付けることができる。それに加えて、光源1110は、例えば、切刃を光源1110に向かって前進させる際に、切刃182の遠位側に位置付け、光を切刃182に方向付けるように配向することができる。更に、光センサ1108は、図81に示されるように、軸LLと交差する軸AAに沿って位置付けるか、又は少なくとも実質的に位置付けることができる。特定の例では、例えば、軸AAは軸LLに対して垂直であってもよい。いずれの場合も、光センサ1108は、例えば、軸LL及び軸AAの交点に光感知領域を画定するように配向することができる。
外科用器具10と関連して本明細書に記載する光センサ及びそれに対応する光源の位置、配向、及び/又は数は、例示を目的とした例示的実施形態であることが、読者には理解されるであろう。光センサ及び光源の他の様々な配置を、本開示によって用いて、切刃182の先鋭度を評価することができる。
エンドエフェクタ300によって捕捉された組織を通して切刃182を前進させることで、外科用器具10の各発射の間に、組織残屑及び/又は体液を、切刃に回収させ得ることが、読者には理解されるであろう。かかる残屑は、モジュール1106が切刃182の先鋭度を正確に評価する能力に干渉することがある。特定の例では、外科用器具10は、例えば、切刃182の先鋭度を評価する前に切刃182を洗浄するために用いることができる、1つ又は2つ以上の洗浄メカニズムを装備することができる。特定の例では、図82に示されるように、洗浄メカニズム1131は、例えば1つ又は2つ以上の洗浄部材1132を備えてもよい。特定の例では、洗浄部材1132は、スロット193の両側に配設して、例えば、スロット193を通して切刃182を前進させる際に、切刃182を間に受け入れることができる(図82を参照のこと)。特定の例では、図82に示されるように、洗浄部材1132は、例えばワイパーブレードを備えてもよい。特定の例では、図830に示されるように、洗浄部材1132は、例えばスポンジを備えてもよい。例えば切刃182を洗浄するために、他の様々な洗浄部材を用いることができることが、読者には理解されるであろう。
図74を参照すると、特定の例では、ステープルカートリッジ1100は、例えば、ステープルカートリッジ1100の近位部分1102に収容することができる、光センサ1108及び光源1110の第1の対を含んでもよい。更に、図74に示されるように、ステープルカートリッジ1100は、スロット193の両側で近位部分1102に収容することができる、洗浄部材1132の第1の対を含んでもよい。洗浄部材1132の第1の対は、例えば、光センサ1108及び光源1110の第1の対の遠位側に位置付けることができる。図74に示されるように、ステープルカートリッジ1100は、例えば、ステープルカートリッジ1100の遠位部分1104に収容することができる、光センサ1108及び光源1110の第2の対を含んでもよい。図74に示されるように、ステープルカートリッジ1100は、スロット193の両側で遠位部分1104に収容することができる、洗浄部材1132の第2の対を含んでもよい。洗浄部材1132の第2の対は、例えば、光センサ1108及び光源1110の第2の対の近位側に位置付けることができる。
上記に加えて更に、図74に示されるように、切刃182を発射行程で遠位側に前進させて、エンドエフェクタ300によって捕捉された組織を切断してもよい。切刃を前進させる際、例えば、切刃182による組織係合の前に、切刃182の先鋭度の第1の評価を、光センサ1108及び光源1110の第1の対によって行うことができる。切刃182の先鋭度の第2の評価は、例えば、切刃182が捕捉された組織を切除した後、光センサ1108及び光源1110の第2の対によって行うことができる。切刃182は、切刃182の先鋭度の第2の評価の前に、洗浄部材1132の第2の対を通して前進させて、捕捉された組織を切除する間に切刃182によって回収された残屑があればそれを除去してもよい。
上記に加えて更に、図74に示されるように、切刃182は、復帰行程で近位側に後退させてもよい。切刃を後退させる際、切刃182の先鋭度の第3の評価を、復帰行程の間に光センサ1108及び光源1110の第1の対によって行うことができる。切刃182は、切刃182の先鋭度の第3の評価の前に、洗浄部材1132の第1の対を通して後退させて、例えば、捕捉された組織を切除する間に、切刃182によって回収されたいかなる残屑も除去してもよい。
特定の例では、1つ又は2つ以上の光源1110は、1つ又は2つ以上の光ファイバケーブルを備えてもよい。特定の例では、1つ又は2つ以上の可撓性回路1134を用いて、エネルギーを電源1118から光センサ1108及び/又は光源1110に伝達することができる。特定の例では、可撓性回路1134は、例えば、光センサ1108の読み取り値の1つ又は2つ以上をコントローラ1112に伝達するように構成されてもよい。
次に図84を参照すると、ステープルカートリッジ4300が示されているが、ステープルカートリッジ4300は、多くの点でステープルカートリッジ304(図20)に類似している。例えば、ステープルカートリッジ4300は、エンドエフェクタ300と共に用いることができる。特定の例では、図84に示されるように、ステープルカートリッジ4300は、切刃182の先鋭度を試験するために用いることができる、先鋭度試験部材4302を備えてもよい。特定の例では、先鋭度試験部材4302は、例えば、ステープルカートリッジ4300のカートリッジ本体194に取り付け、かつ/又はそれと一体化することができる。特定の例では、先鋭度試験部材4302は、例えば、ステープルカートリッジ4300の近位部分1102に配設することができる。特定の例では、図84に示されるように、先鋭度試験部材4302は、例えば、ステープルカートリッジ4300のカートリッジデッキ4304上に配設することができる。
特定の例では、図84に示されるように、先鋭度試験部材4302は、ステープルカートリッジ4300のスロット193を横切って延在して、例えば、スロット193によって画定されるギャップを橋渡しするか、又は少なくとも部分的に橋渡しすることができる。特定の例では、先鋭度試験部材4302は、切刃182の経路を遮断するか、又は少なくとも部分的に遮断してもよい。切刃182は、例えば、発射行程の間に切刃182を前進させるにつれて、先鋭度試験部材4302を係合、切断、及び/又は通過してもよい。特定の例では、切刃182は、例えば、発射行程においてエンドエフェクタ300に捕捉された組織を係合する前に、先鋭度試験部材4302を係合、切断、及び/又は通過するように構成されてもよい。特定の例では、切刃182は、先鋭度試験部材4302の近位端4306で先鋭度試験部材4302を係合し、例えば、先鋭度試験部材4302の遠位端4308で、先鋭度試験部材4302を出て、かつ/又はそれを係脱するように構成されてもよい。特定の例では、切刃182は、例えば、発射行程の間に切刃182を前進させるにつれて、近位端4306と遠位端4308との間の距離(D)で、先鋭度試験部材4302を通って移動及び/又は切断することができる。
主に図84及び85を参照すると、外科用器具10は、例えば、切刃182の先鋭度を試験するための先鋭度試験モジュール4310を備えてもよい。特定の例では、モジュール4310は、先鋭度試験部材4302を通して切刃182を前進させる能力を試験することによって、切刃182の先鋭度を評価することができる。例えば、モジュール4310は、切刃182が先鋭度試験部材4302の少なくとも既定部分を完全に横断する、かつ/又は完全に通過するのにかかる期間を観察するように構成することができる。観察された期間が既定の閾値を超過する場合、モジュール4310は、例えば、切刃182の先鋭度が許容可能なレベルを下回っていると結論付けてもよい。
特定の例では、モジュール4310は、マイクロプロセッサ4314(「プロセッサ」)と、1つ又は2つ以上のコンピュータ可読媒体若しくはメモリユニット4316(「メモリ」)とを含んでもよい、マイクロコントローラ4312(「コントローラ」)を含んでもよい。特定の例では、メモリ4316は様々なプログラム命令を格納してもよく、それが実行されると、プロセッサ4314によって、本明細書に記載する複数の機能及び/又は計算が行われてもよい。特定の例では、メモリ4316は、例えばプロセッサ4314に結合されてもよい。電源4318は、例えば、電力をコントローラ4312に供給するように構成することができる。特定の例では、電源4138は、例えばLiイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「パワーパック」)を含んでもよい。特定の例では、電池パックは、ハンドル14に解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルが、電源4318として使用されてもよい。特定の例では、電源4318は、例えば交換可能及び/又は充電可能であってもよい。
特定の例では、プロセッサ4313は、例えば、フィードバックシステム1120及び/又はロックアウトメカニズム1122に動作可能に結合することができる。
図84及び85を参照すると、モジュール4310は1つ又は2つ以上の位置センサを備えてもよい。本開示と共に使用するのに適した例示の位置センサ及び位置付けシステムが、2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,210号、名称「SENSOR ARRANGEMENTS FOR ABSOLUTE POSITIONING SYSTEM FOR SURGICAL INSTRUMENTS」に記載されており、その開示の全体を参照により本明細書に組み込む。特定の例では、モジュール4310は、第1の位置センサ4320及び第2の位置センサ4322を含んでもよい。特定の例では、第1の位置センサ4320は、例えば、先鋭度試験部材4302の近位端4306における切刃182の第1の位置を検出するのに用いることができ、第2の位置センサ4322は、例えば、先鋭度試験部材4302の遠位端4308における切刃182の第2の位置を検出するのに用いることができる。
特定の例では、位置センサ4320及び4322はそれぞれ、マイクロコントローラ4312に対して第1及び第2の位置信号を提供するために用いることができる。位置信号は、マイクロコントローラ4312と位置センサ4320及び4322との間のインターフェースに基づいて、アナログ信号又はデジタル値であってもよいことが理解されるであろう。一実施形態では、マイクロコントローラ4312と位置センサ4320及び4322との間のインターフェースは、標準的なシリアル周辺インターフェース(SPI)であることができ、位置信号は、上述したように、切刃182の第1及び第2の位置を表すデジタル値であることができる。
上記に加えて更に、プロセッサ4314は、第1の位置信号の受信と第2の位置信号の受信との間の期間を判断してもよい。判断された期間は、例えば先鋭度試験部材4302の近位端4306における第1の位置から、例えば先鋭度試験部材4302の遠位端4308における第2の位置まで、先鋭度試験部材4302を通して切刃182を前進させるのにかかる時間に相当してもよい。少なくとも1つの例では、コントローラ4312は、第1の位置信号を受信するとプロセッサ4314によって活性化し、第2の位置信号を受信すると非活性化することができる、時間要素を含んでもよい。時間要素の活性化と非活性化との間の期間は、例えば、切刃182を第1の位置から第2の位置まで前進させるのにかかる時間に相当してもよい。時間要素は、リアルタイムクロック、時間関数を実現するように構成されたプロセッサ、又は他の任意の好適なタイミング回路を備えてもよい。
様々な例では、コントローラ4312は、切刃182を第1の位置から第2の位置まで前進させるのにかかる期間を、事前定義された閾値と比較して、例えば、切刃182の先鋭度が許容可能なレベルを下回っているか否かを見積もることができる。特定の例では、コントローラ4312は、測定された期間が、例えば1%、5%、10%、25%、50%、100%、及び/又は100%超、事前定義された閾値を超過した場合に、切刃182の先鋭度が許容可能なレベルを下回っていると結論付けてもよい。
図86を参照すると、様々な例では、電気モータ4330は、発射バー172(図20)を駆動して、例えば、発射行程の間は切刃182を前進させ、かつ/又は復帰行程の間は切刃182を後退させることができる。モータドライバ4332は、電気モータ4330を制御することができ、例えばマイクロコントローラ4312などのマイクロコントローラは、モータドライバ4332と信号連通することができる。電気モータ4330が切刃182を前進させるにつれて、マイクロコントローラ4312は、例えば、電気モータ4330によって引き出される電流を判断することができる。かかる例では、切刃182を前進させるのに要する力は、例えば、電気モータ4330によって引き出される電流に対応することができる。やはり図86を参照すると、外科用器具10のマイクロコントローラ4312は、切刃182の前進の間に電気モータ4330によって引き出される電流が増加したかを判断することができ、増加した場合、電流の増加割合を計算することができる。
特定の例では、電気モータ4330によって引き出される電流は、切刃182が先鋭度試験部材4302と接触している間、先鋭度試験部材4302の切刃182に対する抵抗により、大幅に増加し得る。例えば、電気モータ4330によって引き出される電流は、切刃182が先鋭度試験部材4302を係合、通過、及び/又は切断するにつれて大幅に増加し得る。切刃182に対する先鋭度試験部材4302の抵抗は、切刃182の先鋭度に部分的に依存し、繰り返し使用によって切刃182の先鋭度が減少するにつれて、切刃182に対する先鋭度試験部材4302の抵抗が増加することが、読者には理解されるであろう。したがって、切刃が先鋭度試験部材4302と接触している間、モータ4330によって引き出される電流の増加割合の値は、例えば、繰り返し使用によって切刃182の先鋭度が減少するにつれて増加し得る。
特定の例では、モータ4330によって引き出される電流の増加割合の判断された値は、モータ4330によって引き出される電流の最大検出増加割合であることができる。様々な例では、マイクロコントローラ4312は、モータ4330によって引き出される電流の増加割合の判断された値を、モータ4330によって引き出される電流の増加割合の事前定義された閾値と比較することができる。判断された値が事前定義された閾値を超過した場合、マイクロコントローラ4312は、例えば、切刃182の先鋭度が許容可能なレベルを下回っていると結論付けてもよい。
特定の例では、図86に示されるように、プロセッサ4314は、例えば、フィードバックシステム1120及び/又はロックアウトメカニズム1122と連通することができる。特定の例では、フィードバックシステム1120を用いて、モータ4330によって引き出される電流の増加割合の判断された値が事前定義された閾値を超過した場合、プロセッサ4314は、ユーザに警告することができる。特定の例では、ロックアウトメカニズム1122を用いて、例えば、モータ4330によって引き出される電流の増加割合の判断された値が事前定義された閾値を超過した場合、プロセッサ4314は、切刃182の前進を防止してもよい。
様々な例では、マイクロコントローラ43312は、アルゴリズムを利用して、電気モータ4330によって引き出される電流の変化を判断することができる。例えば、電流センサは、発射行程の間、電気モータ4330によって引き出される電流を検出することができる。電流センサは、電気モータによって引き出される電流を継続的に検出することができ、かつ/又は電気モータによる電流引き出しを間欠的に検出することができる。様々な例では、アルゴリズムは、例えば、最近の電流読み取り値を直前の電流読み取り値と比較することができる。それに加えて、又は代替的に、アルゴリズムは、期間X内のサンプル読み取り値を、以前の電流読み取り値と比較することができる。例えば、アルゴリズムは、サンプル読み取り値を、例えば、直前の期間Xなど、以前の期間X内の以前のサンプル読み取り値と比較することができる。他の例では、アルゴリズムは、モータによって引き出される電流の傾向的な平均を計算することができる。アルゴリズムは、例えば、最近の電流読み取り値を含む、期間Xの間の平均電流引き出しを計算することができ、また、平均電流引き出しを、例えば直前の期間Xの間の平均電流引き出しと比較することができる。
図87を参照すると、外科用器具10の切刃182の先鋭度を評価するための方法が示され、切刃182の先鋭度が、例えば、警告閾値及び/又は高厳格度の閾値まで、かつ/若しくはそれを下回って低下した場合の、様々な応答が概説されている。様々な例では、例えばマイクロコントローラ4312などのマイクロコントローラを、図87に示される方法を実現するように構成することができる。特定の例では、外科用器具10は、ロードセル4334(図86)を含んでもよく、図86に示されるように、マイクロコントローラ4312は、ロードセル4334と連通していてもよい。特定の例では、ロードセル4334は、例えば発射バー172に動作可能に結合することができる、例えばひずみゲージなどの力センサを含んでもよい。特定の例では、マイクロコントローラ4312は、ロードセル4334を用いて、発射行程の間に切刃182を前進させる際に切刃182に加えられる力(Fx)を監視してもよい。
特定の例では、図88に示されるように、ロードセル4334は、例えば、切刃182が先鋭度試験部材4302と係合され、かつ/又は接触している状態で、切刃182に加えられる力(Fx)を監視するように構成することができる。切刃182が先鋭度試験部材4302と係合され、かつ/又は接触している間、先鋭度試験部材4302によって切刃182に加えられる力(Fx)は、少なくとも部分的に、切刃182の先鋭度に依存し得ることが、読者には理解されるであろう。特定の例では、切刃182の先鋭度の減少は、切刃182が先鋭度試験部材4302を切断又は通過するのに要する力(FX)の増加をもたらし得る。例えば、図88に示されるように、グラフ4336、4338、及び4340は、3つの同一の、又は少なくとも実質的に同一の先鋭度試験部材4302を通して、切刃182が事前定義された距離(D)移動する間、切刃182に加えられる力(Fx)を表す。グラフ4336は、切刃182の第1の先鋭度に相当し、グラフ4338は、切刃182の第2の先鋭度に相当し、グラフ4340は、切刃182の第3の先鋭度に相当する。第1の先鋭度は、第2の先鋭度よりも高く、第2の先鋭度は、第3の先鋭度よりも高い。
特定の例では、マイクロコントローラ4312は、切刃182に加えられる監視された力(Fx)の最大値を、1つ又は2つ以上の事前定義された閾値と比較してもよい。特定の例では、図88に示されるように、事前定義された閾値は、警告閾値(F1)及び/又は高厳格度の閾値(F2)を含んでもよい。特定の例では、図88のグラフ4336に示されるように、監視された力(Fx)は、例えば警告閾値(F1)未満であることができる。かかる例では、図87に示されるように、切刃182の先鋭度は良好なレベルにあり、マイクロコントローラ4312は、切刃182の状態に関してユーザに警告する動作を行わなくてもよく、又は切刃182の先鋭度が許容可能な範囲内にあることをユーザに通知してもよい。
特定の例では、図88のグラフ4338に示されるように、監視された力(Fx)は、例えば、警告閾値(F1)よりも大きいが、高厳格度の閾値(F2)未満であることができる。かかる例では、図87に示されるように、切刃182の先鋭度は鈍っているが、依然として許容可能なレベル内であり得る。マイクロコントローラ4312は、切刃182の状態に関してユーザに警告する動作を行わなくてもよい。代替的に、マイクロコントローラ4312は、切刃182の先鋭度が許容可能な範囲内にあることをユーザに通知してもよい。代替的に、又はそれに加えて、マイクロコントローラ4312は、切刃182のライフサイクル内で残っている切断サイクル数を判断又は推定してもよく、ユーザに適宜警告してもよい。
特定の例では、メモリ4316は、切刃182のライフサイクル内で残っている切断サイクル数を、監視された力(Fx)の既定値と相関させる、データベース又はテーブルを含んでもよい。プロセッサ4314は、メモリ4316にアクセスして、監視された力(Fx)の特定の測定値に対応する、切刃182のライフサイクル内で残っている切断サイクル数を判断してもよく、例えば、切刃182のライフサイクル内で残っている切断サイクル数をユーザに警告してもよい。
特定の例では、図88のグラフ4340に示されるように、監視された力(Fx)は、例えば高厳格度の閾値(F2)超であり得る。かかる例では、図87に示されるように、切刃182の先鋭度は、許容可能なレベル未満であり得る。それに応答して、マイクロコントローラ4312は、フィードバックシステム1120を用いて、例えば、切刃182が鈍りすぎて安全に使用できないことをユーザに注意してもよい。特定の例では、例えば、監視された力(Fx)が高厳格度の閾値(F2)を超過していることを検出すると、マイクロコントローラ4312は、ロックアウトメカニズム1122を用いて、切刃182の前進を防止してもよい。特定の例では、マイクロコントローラ4312は、フィードバックシステム1122を用いて、例えば、ロックアウトメカニズム1122をオーバーライドする命令をユーザに提供してもよい。
図89を参照すると、例えば切刃182などの切刃が、例えばエンドエフェクタ300によって捕捉されている特定の組織厚さの組織を切除するのに用いるのに、十分に先鋭であるか否かを判断するための方法が示されている。特定の例では、マイクロコントローラ4312は、例えば図16に示される方法を行うように実装することができる。上述したように、切刃182の繰り返し使用によって切刃182が鈍るか又はその先鋭度が低減されることがあり、それによって、切刃182が捕捉された組織を切除するのに要する力が増加することがある。換言すれば、切刃182の先鋭度レベルは、例えば、切刃182が捕捉された組織を切除するのに要する力によって定義することができる。切刃182が捕捉された組織を切除するのに要する力は、捕捉された組織の厚さにも依存し得ることが、読者には理解されるであろう。特定の例では、捕捉された組織の厚さが厚いほど、例えば同じ先鋭度レベルで、切刃182が捕捉された組織を切除するのに要する力が大きくなる。
特定の例では、切刃182は、第1の厚さを含む捕捉された組織を切除するのには十分に先鋭であり得るが、例えば、第1の厚さよりも厚い第2の厚さを含む捕捉された組織を切除するには先鋭度が十分でないことがある。特定の例では、切刃182が捕捉された組織を切除するのに要する力によって定義されるような、切刃182の先鋭度レベルは、例えば、捕捉された組織が特定の組織厚さ範囲内にある組織厚さを含む場合に、捕捉された組織を切除するのに適正であり得る。特定の例では、図90に示されるように、メモリ4316は、エンドエフェクタ300によって捕捉された組織の1つ又は2つ以上の事前定義された組織厚さ範囲、及び事前定義された組織厚さ範囲と関連付けられた事前定義された閾値力を格納することができる。特定の例では、事前定義された閾値力はそれぞれ、事前定義された閾値力と関連付けられた組織厚さ範囲に包含される組織厚さ(Tx)を含む、捕捉された組織を切除するために好適である、切刃182の最小先鋭度レベルを表してもよい。特定の例では、組織厚さ(Tx)を含む捕捉された組織を切刃182が切除するのに要する力(Fx)が、組織厚さ(Tx)を包含する事前定義された組織厚さ範囲と関連付けられた事前定義された閾値力を超過した場合、切刃182は、例えば、捕捉された組織を切除するには先鋭度が十分でないことがある。
特定の例では、事前定義された閾値力及びそれらに対応する事前定義された組織厚さ範囲は、例えば、図90に示されるようなテーブル4342など、データベース及び/又はメモリ4316上のテーブルに格納することができる。特定の例では、プロセッサ4314は、切刃182が捕捉された組織を切除するのに要する力(Fx)の測定値、及び捕捉された組織の組織厚さ(Tx)の測定値を受信するように構成することができる。プロセッサ4314は、テーブル4342にアクセスして、測定された組織厚さ(Tx)を包含する事前定義された組織厚さ範囲を判断してもよい。それに加えて、プロセッサ4314は、測定された力(Fx)を、組織厚さ(Tx)を包含する事前定義された組織厚さ範囲と関連付けられた事前定義された閾値力と比較してもよい。特定の例では、測定された力(Fx)が事前定義された閾値力を超過した場合、プロセッサ4314は、例えば、切刃182が捕捉された組織を切除するには先鋭度が十分でない可能性があると結論付けてもよい。
上記に加えて更に、プロセッサ4314は、例えば組織厚さ感知モジュール4336など、1つ又は2つ以上の組織厚さ感知モジュールを用いて、捕捉された組織の厚さを判断してもよい。様々な好適な組織厚さ感知モジュールが、本開示に記載されている。それに加えて、本開示と共に使用するのに適した、様々な組織厚さ感知デバイス及び方法が、2009年12月24日出願の米国特許出願公開第US2011/0155781号、名称「SURGICAL CUTTING INSTRUMENT THAT ANALYZES TISSUE THICKNESS」に記載されており、その開示全体を参照により本明細書に組み込む。
特定の例では、プロセッサ4314は、ロードセル4334を用いて、切刃182が組織厚さ(Tx)を備える捕捉された組織を切除するのに要する力(Fx)を測定してもよい。切刃182が捕捉された組織と係合され、かつ/又は接触している間、捕捉された組織によって切刃182に加えられる力は、切刃182を捕捉された組織に対して前進させるにつれて、切刃182が捕捉された組織を切除することができる力(Fx)まで増加してもよいことが、読者には理解されるであろう。特定の例では、プロセッサ4314は、ロードセル4334を用いて、切刃182を捕捉された組織に対して前進させるにつれて、捕捉された組織によって切刃182に対して加えられる力を継続的に監視してもよい。プロセッサ4314は、監視された力を、捕捉された組織の組織厚さ(Tx)を包含する事前定義された組織厚さ範囲と関連付けられた、事前定義された閾値力と継続的に比較してもよい。特定の例では、監視された力が事前定義された閾値力を超過した場合、プロセッサ4314は、例えば、切刃が捕捉された組織を安全に切除するのに十分に先鋭でないと結論付けてもよい。
図89に記載される方法は、例えば、切刃182が捕捉された組織を安全に切除するのに十分に先鋭でないと判断された場合に、プロセッサ4313が取り得る様々な例示の動作を概説している。特定の例では、マイクロコントローラ4312は、例えば、フィードバックシステム1120を通して、切刃182が鈍りすぎて安全に使用できないことをユーザに注意してもよい。特定の例では、マイクロコントローラ4312は、例えば、切刃182が捕捉された組織を安全に切除するには十分に先鋭でないと結論付けると、ロックアウトメカニズム1122を用いて切刃182の前進を防止してもよい。特定の例では、マイクロコントローラ4312は、フィードバックシステム1122を用いて、例えば、ロックアウトメカニズム1122をオーバーライドする命令をユーザに提供してもよい。
電動医療用デバイスのための複数のモータ制御
図91〜93は、例えば外科用器具4400などの外科用器具と接続された、複数のモータを備える共通制御モジュールを用いる装置、システム、及び方法の様々な実施形態を示している。外科用器具4400は、例えば、より詳細に上述した図1の外科用器具10など、本開示によって記載される他の外科用器具に、多くの点で類似している。例えば、図91に示されるように、外科用器具4400は、ハウジング12と、ハンドル14と、閉鎖トリガ32と、シャフト組立体200と、外科用エンドエフェクタ300とを含む。したがって、開示を簡潔かつ明瞭にするため、外科用器具10と共通している、外科用器具4400の特定の特性についての詳細な説明は、ここでは繰り返さない。
主に図92を参照すると、外科用器具4400は、外科用器具4400の動作と関連する様々な機能を行うように起動させることができる、複数のモータを含んでもよい。特定の例では、第1のモータは、第1の機能を行わせるために起動させることができ、第2のモータは、第2の機能を行わせるために起動させることができ、第3のモータは、第3の機能を行わせるために起動させることができる。特定の例では、外科用器具4400の複数のモータは、個々に起動して、エンドエフェクタ300において関節運動、閉鎖運動、及び/又は発射運動を生じさせることができる。関節運動、閉鎖運動、及び/又は発射運動は、例えばシャフト組立体200を通して、エンドエフェクタ300に伝達することができる。
特定の例では、図92に示されるように、外科用器具4400は、発射モータ4402を含んでもよい。発射モータ4402は、モータ4402によって生成された発射運動をエンドエフェクタ300に伝達するように構成することができる、発射駆動組立体4404に動作可能に結合されてもよい。特定の例では、モータ4402によって生成される発射運動によって、例えば、ステープル191をステープルカートリッジ304から、エンドエフェクタ300によって捕捉された組織内へと配備し、かつ/又は切刃182を前進させて、捕捉された組織を切断してもよい。
特定の例では、図92に示されるように、外科用器具4400は、例えば関節モータ4406を含んでもよい。モータ4406は、モータ4406によって生成された関節運動をエンドエフェクタ300に伝達するように構成することができる、関節駆動組立体4408に動作可能に結合されてもよい。特定の例では、関節運動により、例えば、エンドエフェクタ300がシャフト組立体200に対して関節運動してもよい。特定の例では、外科用器具4400は、例えば閉鎖モータを含んでもよい。閉鎖モータは、閉鎖運動をエンドエフェクタ300に伝達するように構成することができる、閉鎖駆動組立体に動作可能に結合されてもよい。特定の例では、閉鎖運動により、例えば、エンドエフェクタ300が開放構成から近接構成へと遷移して組織を捕捉してもよい。本明細書に記載するモータ及びそれらに対応する駆動組立体は、本開示と関連して用いることができる、モータ及び/又は駆動組立体のタイプの例として意図されることが、読者には理解されるであろう。外科用器具4400は、外科用器具4400の動作と関連する他の様々な機能を行うために利用することができる、他の様々なモータを含んでもよい。
上述したように、外科用器具4400は、様々な独立機能を行うように構成されてもよい、複数のモータを含んでもよい。特定の例では、外科用器具4400の複数のモータは、他のモータが停止したままで、個々に又は別個に起動して、1つ又は2つ以上の機能を行わせることができる。例えば、関節モータ4406を起動して、発射モータ4402が停止したままで、エンドエフェクタ300を関節運動させることができる。代替的に、発射モータ4402を起動して、関節モータ4406が停止したままで、複数のステープル191を発射させ、かつ/又は切刃182を前進させることができる。
特定の例では、外科用器具4400は、外科用器具4400の複数のモータと共に用いることができる、共通制御モジュール4410を含んでもよい。特定の例では、共通制御モジュール4410は、一度に複数のモータのうち1つを収容してもよい。例えば、共通制御モジュール4410は、個々に外科用器具4400の複数のモータに、別個に結合可能であることができる。特定の例では、外科用器具4400の複数のモータは、モジュール4410など、1つ又は2つ以上の共通制御モジュールを共有してもよい。特定の例では、外科用器具4400の複数のモータは、共通制御モジュール4410に個々にかつ選択的に係合することができる。特定の例では、モジュール4410は、外科用器具4400の複数のモータのうち1つとの連係から、外科用器具4400の複数のモータのうち別の1つとの連係へと選択的に切り替えることができる。
少なくとも1つの例では、モジュール4410は、関節モータ4406との動作可能な係合と、発射モータ4402との動作可能な係合との間で選択的に切り替えることができる。少なくとも1つの例では、図92に示されるように、スイッチ4414は、例えば、第1の位置4416及び第2の位置4418など、複数の位置及び/又は状態の間で移動若しくは遷移させることができる。例えば、第1の位置4416では、スイッチ4414はモジュール4410を関節モータ4406に電気的に結合してもよく、第2の位置4418では、スイッチ4414はモジュール4410を発射モータ4402に電気的に結合してもよい。特定の例では、スイッチ4414が第1の位置4416にある間、モジュール4410は、関節モータ4406に電気的に結合されて、エンドエフェクタ300を所望の位置へと関節運動させるようにモータ4406の動作を制御することができる。特定の例では、スイッチ4414が第2の位置4418にある間、モジュール4410は、発射モータ4402に電気的に結合されて、例えば、複数のステープル191を発射させ、かつ/又は切刃182を前進させるように、モータ4402の動作を制御することができる。特定の例では、スイッチ4414は、機械スイッチ、電磁スイッチ、固体スイッチ、又は任意の好適な切り替えメカニズムであってもよい。
次に図93を参照すると、開示を明瞭にするため、外科用器具4400のハンドル14の外側ケーシングが取り外され、外科用器具4400のいくつかの特性及び要素も取り外されている。特定の例では、図93に示されるように、外科用器具4400は、複数の位置及び/又は状態の間で選択的に遷移させることができる、インターフェース4412を含んでもよい。第1の位置及び/又は状態では、インターフェース4412は、モジュール4410を、例えば関節モータ4406などの第1のモータに結合してもよく、第2の位置及び/又は状態では、インターフェース4412は、モジュール4410を、例えば発射モータ4402などの第2のモータに結合してもよい。インターフェース4412の追加の位置及び/又は状態が、本開示によって想起される。
特定の例では、インターフェース4412は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、モジュール4410は、第1の位置では第1のモータに、第2の位置では第2のモータに結合されている。特定の例では、インターフェース4412が第1の位置から移動されると、モジュール4410は、第1のモータから切り離され、インターフェース4412が第2の位置から移動されると、モジュール4410は、第2のモータから切り離される。特定の例では、スイッチ又はトリガは、インターフェース4412を複数の位置及び/又は状態の間で遷移させるように構成することができる。特定の例では、トリガは、エンドエフェクタを有効にするのと同時に、制御モジュール4410を、外科用器具4400のモータのうち1つとの動作可能な係合から、外科用器具4400のモータのうち別の一つとの動作可能な係合へと遷移させるように、移動可能であることができる。
少なくとも1つの例では、図93に示されるように、閉鎖トリガ32は、インターフェース4412に動作可能に結合することができ、複数の位置及び/又は状態の間でインターフェース4412を遷移させるように構成することができる。図93に示されるように、閉鎖トリガ32は、例えば閉鎖行程の間、インターフェース4412を第1の位置及び/又は状態から第2の位置及び/又は状態へと遷移させる一方で、エンドエフェクタ300を近接構成へと遷移させて、例えばエンドエフェクタによって組織を捕捉するように、移動可能であることができる。
特定の例では、第1の位置及び/又は状態では、モジュール4410を、例えば関節モータ4406などの第1のモータに電気的に結合することができ、第2の位置及び/又は状態では、モジュール4410を、例えば発射モータ4402などの第2のモータに電気的に結合することができる。第1の位置及び/又は状態では、モジュール4410を関節モータ4406と係合させて、ユーザがエンドエフェクタ300を所望の位置へと関節運動させることを可能にしてもよく、モジュール4410は、トリガ32を作動させるまで、関節モータ4406と係合されたままであってもよい。ユーザが閉鎖トリガ32を作動させて、所望の位置でエンドエフェクタ300によって組織を捕捉すると、インターフェース4412を遷移又はシフトして、モジュール4410を、例えば関節モータ4406と動作可能に係合した状態から、例えば発射モータ4402と動作可能に係合した状態へと遷移させることができる。発射モータ4402との動作可能な係合が確立されると、モジュール4410は、発射モータ4402を制御してもよく、モジュール4410は、ユーザ入力に応答してモータ4402を起動して、例えば、複数のステープル191を発射し、かつ/又は切刃182を前進させてもよい。
特定の例では、図93に示されるように、モジュール4410は、インターフェース4412と結合係合するように適合された、複数の電気的及び/又は機械的接点4411を含んでもよい。モジュール4410を共有する外科用器具4400の複数のモータはそれぞれ、例えば、インターフェース4412と結合係合するように適合された、1つ又は2つ以上の対応する電気的及び/又は機械的接点4413を備えてもよい。
様々な例では、外科用器具4400のモータは、電気モータであることができる。特定の例では、外科用器具4400のモータのうち1つ又は2つ以上は、例えば約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モータであることができる。他の構成では、外科用器具4400のモータは、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は他の任意の好適な電気モータを含むモータ群から選択された、1つ又は2つ以上のモータを含んでもよい。
様々な例では、図92に示されるように、共通制御モジュール4410は、1つ又は2つ以上のHブリッジ電界効果トランジスタ(FET)を含んでもよい、モータドライバ4426を備えてもよい。モータドライバ4426は、例えば、マイクロコントローラ4420(「コントローラ」)からの入力に基づいて、電源4428からモジュール4410に結合されたモータへと伝達された電力を変調してもよい。特定の例では、コントローラ4420を用いて、上述したように、モータがモジュール4410に結合された状態で、例えばモータによって引き出される電流を判断することができる。
特定の例では、コントローラ4420は、マイクロプロセッサ4422(「プロセッサ」)と、1つ又は2つ以上のコンピュータ可読媒体又はメモリユニット4424(「メモリ」)とを含んでもよい。特定の例では、メモリ4424は、様々なプログラム命令を格納してもよく、それが実行されると、プロセッサ4422によって、本明細書に記載する複数の機能及び/又は計算が行われてもよい。特定の例では、メモリユニット4424の1つ又は2つ以上が、例えばプロセッサ4422に結合されてもよい。
特定の例では、電源4428を用いて、例えばコントローラ4420に電力を供給することができる。特定の例では、電源4428は、例えばLiイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「パワーパック」)を含んでもよい。特定の例では、電池パックは、外科用器具4400に電力を供給するため、ハンドル14に解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルが、電源4428として使用されてもよい。特定の例では、電源4428は、例えば交換可能及び/又は充電可能であってもよい。
様々な例では、プロセッサ4422は、モータドライバ4426を制御して、モジュール4410に結合されたモータの位置、回転方向、及び/又は速度を制御してもよい。特定の例では、プロセッサ4422は、モジュール4410に結合されたモータを停止及び/又は使用不能にするように、モータドライバ4426に信号伝達することができる。プロセッサという用語は、本明細書で使用するとき、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上に組み込んだ、他の基本コンピューティングデバイスを含むことが理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに格納された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブルデバイスである。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。
一例では、プロセッサ4422は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。特定の例では、マイクロコントローラ4420は、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも1つの例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートに関して容易に利用可能な他の特性の中でも特に、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルSRAMと、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROMと、2KBのEEPROMと、1つ又は2つ以上のPWMモジュールと、1つ又は2つ以上のQEIアナログと、12のアナログ入力チャネルを備えた1つ又は2つ以上の12ビットADCとを備える、ARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、モジュール4410と共に使用するのに容易に代用されてもよい。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
特定の例では、メモリ4424は、モジュール4410に結合可能な外科用器具4400のモータそれぞれを制御する、プログラム命令を含んでもよい。例えば、メモリ4424は、関節モータ4406を制御するプログラム命令を含んでもよい。かかるプログラム命令により、プロセッサ4422が関節モータ4406を制御して、関節モータ4406がモジュール4410に結合された状態で、ユーザ入力にしたがってエンドエフェクタ300を関節運動させてもよい。別の例では、メモリ4424は、発射モータ4402を制御するプログラム命令を含んでもよい。かかるプログラム命令により、プロセッサ4422が発射モータ4402を制御して、発射モータ4402がモジュール4410に結合された状態で、ユーザ入力にしたがって複数のステープル191を発射させ、かつ/又は切刃182を前進させてもよい。
特定の例では、例えばセンサ4430など、1つ又は2つ以上のメカニズム及び/又はセンサを用いて、プログラム命令を特定の設定で使用すべきであることをプロセッサ4422に警告することができる。例えば、センサ4430は、モジュール4410が関節モータ4406に結合された状態で、エンドエフェクタ300の関節運動と関連付けられたプログラム命令を使用するように、プロセッサ4422に警告してもよく、またセンサ4430は、モジュール4410が発射モータ4402に結合された状態で、外科用器具4400の発射と関連付けられたプログラム命令を使用するように、プロセッサ4422に警告してもよい。特定の例では、センサ4430は、例えば、スイッチ4414の位置を感知するために用いることができる、位置センサを備えてもよい。したがって、プロセッサ4422は、例えばセンサ4430を通して、スイッチ4414が第1の位置4416にあることを検出すると、エンドエフェクタ300の関節運動と関連付けられたプログラム命令を使用してもよく、またプロセッサ4422は、例えばセンサ4430を通して、スイッチ4414が第2の位置4418にあることを検出すると、外科用器具4400の発射と関連付けられたプログラム命令を使用してもよい。
次に図94を参照すると、開示を明瞭にするため、外科用器具4400の外側ケーシングが取り外され、外科用器具4400のいくつかの特性及び要素も取り外されている。図94に示されるように、外科用器具4400は、外科用器具4400の動作と関連する様々な機能を行うのに用いることができる、複数のセンサを含んでもよい。例えば、図94に示されるように、外科用器具4400は、センサA、B、及び/又はCを含んでもよい。特定の例では、センサAを用いて、例えば第1の機能を行うことができ、センサBを用いて、例えば第2の機能を行うことができ、センサCを用いて、例えば第3の機能を行うことができる。特定の例では、例えば、センサAを用いて、閉鎖行程の第1のセグメントの間に、エンドエフェクタ300によって捕捉される組織の厚さを感知することができ、センサBを用いて、第1のセグメントに続く閉鎖行程の第2のセグメントの間における組織厚さを感知することができ、センサCを用いて、第2のセグメントに続く閉鎖行程の第3のセグメントの間における組織厚さを感知することができる。特定の例では、センサA、B、及びCは、例えばエンドエフェクタ300に沿って配設することができる。
特定の例では、センサA、B、及びCは、図94に示されるように、例えば、センサAがセンサBに近接して配設され、センサCがセンサBに近接して配設されるように配置することができる。特定の例では、図94に示されるように、例えば、センサAは、第1の位置でエンドエフェクタ300によって捕捉される組織の組織厚さを感知することができ、センサBは、第1の位置よりも遠位側にある第2の位置でエンドエフェクタ300によって捕捉される組織の組織厚さを感知することができ、センサCは、第2の位置よりも遠位側にある第3の位置でエンドエフェクタ300によって捕捉される組織の組織厚さを感知することができる。本明細書に記載するセンサは、本開示と関連して用いることができるセンサのタイプの例として意図されることが、読者には理解されるであろう。他の好適なセンサ及び感知装置を、本開示によって用いることができる。
特定の例では、外科用器具4400は、多くの点でモジュール4410に類似し得る、共通制御モジュール4450を含んでもよい。例えば、モジュール4450は、モジュール4410のように、コントローラ4420、プロセッサ4422、及び/又はメモリ4424を備えてもよい。特定の例では、電源4428は、例えばモジュール4450に電力を供給することができる。特定の例では、外科用器具4400は、外科用器具4400の動作と関連する様々な機能を行うように起動することができる、例えば、センサA、B、及びCなどの複数のセンサを含んでもよい。特定の例では、例えば、センサA、B、及びCのうち1つを、他のセンサが停止したままの状態で、個々に又は別個に起動して1つ又は2つ以上の機能を行わせることができる。特定の例では、例えばセンサA、B、及びCなど、外科用器具4400の複数のセンサはモジュール4450を共有してもよい。特定の例では、一度にセンサA、B、及びCの1つのみをモジュール4450に結合することができる。特定の例では、外科用器具4400の複数のセンサを、例えば、モジュール4450に個々にかつ別個に結合可能であることができる。少なくとも1つの例では、モジュール4450は、センサA、センサB、及び/又はセンサCとの動作可能な係合の間で選択的に切り替えることができる。
特定の例では、図94に示されるように、例えば、モジュール4450をハンドル14内に配設することができ、例えば、モジュール4450を共有するセンサをエンドエフェクタ300内に配設することができる。モジュール4450、及び/又はモジュール4450を共有するセンサは、上記に特定した位置に限定されないことが、読者には理解されるであろう。特定の例では、モジュール4450、及びモジュール4450を共有するセンサは、例えば、エンドエフェクタ300内に配設することができる。モジュール4450、及び/又はモジュール4450を共有するセンサの位置に関する他の配置が、本開示によって想起される。
特定の例では、図94に示されるように、インターフェース4452を用いて、モジュール4450に対する外科用器具4400のセンサの結合及び/又は切り離しを管理することができる。特定の例では、インターフェース4452を、複数の位置及び/又は状態の間で選択的に遷移させることができる。第1の位置及び/又は状態では、インターフェース4452は、例えばモジュール4450をセンサAに結合してもよく、第2の位置及び/又は状態では、インターフェース4452は、例えばモジュール4450をセンサBに結合してもよく、第3の位置及び/又は状態では、インターフェース4452は、例えばモジュール4450をセンサCに結合してもよい。インターフェース4452の追加の位置及び/又は状態が、本開示によって想起される。
特定の例では、インターフェース4452は、例えば、第1の位置、第2の位置、及び/又は第3の位置の間で移動可能であり、モジュール4450は、第1の位置では第1のセンサに、第2の位置では第2のセンサに、また第3の位置では第3のセンサに結合されている。特定の例では、インターフェース4452が第1の位置から移動されると、モジュール4450は第1のセンサから切り離され、インターフェース4452が第2の位置から移動されると、モジュール4450は第2のセンサから切り離され、インターフェース4452が第3の位置から移動されると、モジュール4450は第3のセンサから切り離される。特定の例では、スイッチ又はトリガは、インターフェース4452を複数の位置及び/又は状態の間で遷移させるように構成することができる。特定の例では、トリガは、エンドエフェクタを有効にするのと同時に、制御モジュール4450を、例えば、モジュール4450を共有するセンサのうち1つとの動作可能な係合から、モジュール4450を共有するセンサのうち別の一つとの動作可能な係合へと遷移させるように、移動可能であることができる。
少なくとも1つの例では、図94に示されるように、閉鎖トリガ32は、インターフェース4450に動作可能に結合することができ、複数の位置及び/又は状態の間でインターフェース4450を遷移させるように構成することができる。図94に示されるように、閉鎖トリガ32は、例えば閉鎖行程の間、インターフェース4450を、例えばモジュール4450がセンサAに電気的に結合された第1の位置及び/又は状態、例えばモジュール4450がセンサBに電気的に結合された第2の位置及び/又は状態、並びに/あるいは例えばモジュール4450がセンサCに電気的に結合された第3の位置及び/又は状態の間で遷移させるように、複数の位置の間で移動可能であることができる。
特定の例では、ユーザが閉鎖トリガ32を作動させてエンドエフェクタ300によって組織を捕捉してもよい。閉鎖トリガの作動によって、インターフェース4452を遷移又はシフトさせて、モジュール4450を、例えばセンサAとの動作可能な係合から、例えばセンサBとの動作可能な係合へ、かつ/又は例えばセンサBとの動作可能な係合から、例えばセンサCとの動作可能な係合へと遷移させてもよい。
特定の例では、モジュール4450は、トリガ32が第1の作動位置にある状態で、センサAに結合されてもよい。トリガ32を、第1の作動位置を越えて第2の作動位置に向かって作動させると、モジュール4450はセンサAから切り離されてもよい。代替的に、モジュール4450は、トリガ32が非作動位置にある状態で、センサAに結合されてもよい。トリガ32を、非作動位置を越えて第2の作動位置に向かって作動させると、モジュール4450はセンサAから切り離されてもよい。特定の例では、モジュール4450は、トリガ32が第2の作動位置にある状態で、センサBに結合されてもよい。トリガ32を、第2の作動位置を越えて第3の作動位置に向かって作動させると、モジュール4450はセンサBから切り離されてもよい。特定の例では、モジュール4450は、トリガ32が第3の作動位置にある状態で、センサCに結合されてもよい。
特定の例では、図94に示されるように、モジュール4450は、インターフェース4452と結合係合するように適合された、複数の電気的及び/又は機械的接点4451を含んでもよい。モジュール4450を共有する外科用器具4400の複数のセンサはそれぞれ、例えば、インターフェース4452と結合係合するように適合された、1つ又は2つ以上の対応する電気的及び/又は機械的接点4453を備えてもよい。
特定の例では、プロセッサ4422は、センサがモジュール4452に結合されている間、モジュール4450を共有する複数のセンサからの入力を受信してもよい。例えば、プロセッサ4422は、センサAがモジュール4450に結合されている間、センサAからの入力を受信してもよく、プロセッサ4422は、センサBがモジュール4450に結合されている間、センサBからの入力を受信してもよく、プロセッサ4422は、センサCがモジュール4450に結合されている間、センサCからの入力を受信してもよい。特定の例では、入力は、例えば、エンドエフェクタ300によって捕捉された組織の組織厚さの測定値など、測定値であることができる。特定の例では、プロセッサ4422は、センサA、B、及びCの1つ又は2つ以上からの入力をメモリ4426に格納してもよい。特定の例では、プロセッサ4422は、例えば、センサA、B、及びCによって提供される入力に基づいて、様々な計算を行ってもよい。
組織パラメータ安定化の局所的表示
図95A及び1Bは、2つの発光ダイオード(LED)5310を更に備えるステープルカートリッジ5306を備える、エンドエフェクタ5300の一実施形態を示している。エンドエフェクタ5300は、上述したエンドエフェクタ300に類似している。エンドエフェクタは、第2の顎部材又は細長いチャネル5304に枢動可能に結合された、第1の顎部材又はアンビル5302を備える。細長いチャネル5304は、ステープルカートリッジ5306を中に受け入れるように構成されている。ステープルカートリッジ5306は、複数のステープル(図示せず)を備える。外科的動作の間、複数のステープルがステープルカートリッジ5306から配備可能である。ステープルカートリッジ5306は、ステープルカートリッジ5306の上面、又はカートリッジデッキ5308上に装着される、2つのLED 5310を更に備える。LED 5310は、アンビル5304が閉位置にあるときに目に見えるように装着される。更に、LED 5310は、LED 5310の直視を妨げることがある組織を通して見えるように、十分に明るいものであることができる。それに加えて、少なくとも1つのLED 5310がエンドエフェクタ5300のどちらかの側から見えるように、1つのLED 5310をステープルカートリッジ5306どちらかの側に装着することができる。LED 5310は、例示されるように、ステープルカートリッジ530の近位端付近に装着することができ、又はステープルカートリッジ5306の遠位端に装着されてもよい。
LED 5310は、例えば図19のマイクロコントローラ1500など、プロセッサ又はマイクロコントローラと連通していてもよい。マイクロコントローラ1500は、カートリッジデッキ5308に対してアンビル5304によって圧縮された組織の特性を検出するように構成することができる。エンドエフェクタ5300によって囲まれた組織は、組織内の流体が組織の層から浸出するにつれて高さを変化させることがある。組織が十分に安定化される前にステープル留めすることは、ステープルの有効性に影響を及ぼすことがある。組織安定化は、一般的に変化率として伝わり、その変化率は、エンドエフェクタによって囲まれた組織がどの程度急速に高さを変化させているかを示す。
器具の操作者の視野内でステープルカートリッジ5306に装着されるLED 5310は、囲まれた組織が安定化する速度、及び/又は組織が安定状態に達しているか否かを示すために使用することができる。LED 5310は、例えば、組織の安定化速度に直接相関する速度で点滅するように構成することができ、つまり、最初は高速で点滅し、組織が安定化するにしたがって点滅が低速になり、組織が安定していると定常のままであることができる。代替的に、LED 5310は、最初は低速で点滅し、組織が安定化するにしたがって点滅がより高速になり、組織が安定していると消灯することができる。
ステープルカートリッジ5306上に装着されたLED 5310は、それに加えて又は任意に、他の情報を示すために使用することができる。他の情報の例としては、エンドエフェクタ5300が十分な量の組織を囲んでいるか否か、ステープルカートリッジ5306が囲まれた組織に対して適正であるか否か、ステープルカートリッジ5306に対して適正であるよりも多量の組織が囲まれているか否か、ステープルカートリッジ5306が外科用器具と適合していないか否か、又は器具の操作者にとって有用であろう他の任意のインジケータが挙げられるが、それらに限定されない。LED 5310は、特定の速度で点滅するか、特定の瞬間に点灯又は消灯するか、あるいは異なる情報に対して異なる色で光ることによって、情報を示すことができる。代替的に、又はそれに加えて、LED 5310は動作領域を照明するために使用することができる。いくつかの実施形態では、LED 5310は、紫外光又は赤外光を放出して、通常光の下では見えない情報を照明するように選択することができ、その情報は、ステープルカートリッジ5300上又は組織コンペンセータ(図示せず)上に印刷される。代替的に、又はそれに加えて、ステープルを蛍光染料で覆うことができ、LED5310の波長は、LED5310によって蛍光染料が光るように選択される。ステープルをLED5310で照明することによって、器具の操作者がステープルを駆動させた後にそれらを見ることが可能になる。
図95A及び95Bに戻ると、図95Aは、アンビル5304が閉位置にあるエンドエフェクタ5300の横角度図を示している。例示される実施形態は、例として、カートリッジデッキ5308のどちらかの側に位置する1つのLED 5310を備える。図95Bは、1つのLED 5310がカートリッジデッキ5308のどちらかの側に位置する、アンビル5304が開位置にあるエンドエフェクタ5300の3/4角度図を示している。
図96A及び96Bは、複数のLED 5360を更に備えるステープルカートリッジ5356を備える、エンドエフェクタ5300の一実施形態を示している。ステープルカートリッジ5356は、ステープルカートリッジ5356のカートリッジデッキ5358上に装着された複数のLED 5360を備える。LED 5360は、アンビル5304が閉位置にあるときに目に見えるように装着される。更に、LED 5360は、LED 5360の直視を妨げることがある組織を通して見えるように、十分に明るいものであることができる。それに加えて、エンドエフェクタ5300のどちらの側からも同じ数のLED 5360が見えるように、同じ数のLED 5360をステープルカートリッジ5356のどちらの側にも装着することができる。LED 5360は、例示されるように、ステープルカートリッジ5356の近位端付近に装着することができ、又はステープルカートリッジ5356の遠位端に装着されてもよい。
LED 5360は、例えば図15のマイクロコントローラ1500など、プロセッサ又はマイクロコントローラと連通していてもよい。マイクロコントローラ1500は、上述したような組織の安定化速度など、カートリッジデッキ5358に対してアンビル5304によって圧縮された組織の特性を検出するように構成することができる。LED 5360は、囲まれた組織が安定化する速度、及び/又は組織が安定状態に達しているか否かを示すために使用することができる。LED 5360は、例えば、囲まれた組織が安定化する速度で後続のLED 5360がそれぞれ光ることにより、ステープルカートリッジ5356の近位端で始まって順番に光るように構成することができ、組織が安定していると、全てのLED 5360を光らせることができる。代替的に、LED 5360は、ステープルカートリッジ5356の遠位端で始まって順番に光ることができる。更に別の代替例では、LED 5360は、LED 5360の近位端又は遠位端のどちらかから始まる順番で、連続して繰り返し光る。LED 5360が光る速度及び/又は繰り返しの速度は、囲まれた組織が安定化する速度を示すことができる。これらは、LED 5360が組織に関する情報をどのように示すことができるかの単なる例であり、LED 5360が光る順番、それらが光る速度、及び/又はそれらのオン若しくはオフ状態の他の組み合わせが可能であることが理解される。また、LED 5360を使用して、他の何らかの情報を外科用器具の操作者に通信するか、又は上述したように、作業領域を照らすことができることが理解される。
図96A及び96Bに戻ると、図96Aは、アンビル5304が閉位置にあるエンドエフェクタ5300の横角度図を示している。例示される実施形態は、例として、カートリッジデッキ5358のどちらかの側に位置する複数のLED 5360を備える。図96Bは、複数のLED 5360がカートリッジデッキ5358のどちらかの側に位置する、アンビル5304が開位置にあるエンドエフェクタ5300の3/4角度図を示している。
図97A及び97Bは、複数のLED 5410を更に備えるステープルカートリッジ5406を備える、エンドエフェクタ5300の一実施形態を示している。ステープルカートリッジ5406は、ステープルカートリッジ5406のカートリッジデッキ5408上に装着された複数のLED 5410を備え、LED 5410は、ステープルカートリッジ5406の近位端から遠位端まで連続して配置されている。LED 5410は、アンビル5302が閉位置にあるときに目に見えるように装着される。エンドエフェクタ5300のどちらの側からも同じ数のLED5410が見えるように、同じ数のLED 5410をステープルカートリッジ5406のどちらの側にも装着することができる。
LED 5410は、例えば図15のマイクロコントローラ1500など、プロセッサ又はマイクロコントローラと連通することができる。マイクロコントローラ1500は、上述したような組織の安定化速度など、カートリッジデッキ5408に対してアンビル5304によって圧縮された組織の特性を検出するように構成することができる。LED 5410は、組織の安定化速度及び/又は組織が安定していることを示すように、所望に応じて順番に又はまとめてオン若しくはオフされるように構成することができる。LED 5410は更に、他の何らかの情報を外科用器具の操作者に通信するか、又は上述したように、作業領域を照らすように構成することができる。それに加えて、又は代替的に、LED 5410は、エンドエフェクタ5300のどの領域が安定した組織を含むか、及び/又はエンドエフェクタ5300のどの領域が組織を囲んでいるか、及び/又はそれらの領域が十分な組織を囲んでいるかを示すように構成することができる。LED 5410は更に、囲まれた組織の任意の部分がステープルカートリッジ5406に対して好適でないかを示すように構成することができる。
図97A及び97Bに戻ると、図97Aは、アンビル5304が閉位置にあるエンドエフェクタ5300の横角度図を示している。例示される実施形態は、例として、ステープルカートリッジ5406の近位端から遠位端まで、カートリッジデッキ5408のどちらかの側にある複数のLED 5410を備える。図97Bは、アンビル5304が開位置にあり、複数のLED 5410がステープルカートリッジ5406の近位端から遠位端までカートリッジデッキ5408のどちらかの側に位置していることを示す、エンドエフェクタ5300の3/4角度図を示している。
組織圧縮を定量化するための一体化センサを有する付加物
図98Aは、導電性素子5512の層を更に備える組織コンペンセータ5510を備える、エンドエフェクタ5500の一実施形態を示している。エンドエフェクタ5500は、上述したエンドエフェクタ300に類似している。エンドエフェクタ5500は、第2の顎部材5504(図示せず)に動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル5502を備える。第2の顎部材5504は、ステープルカートリッジ5506を中に受け入れるように構成されている(図示せず)。ステープルカートリッジ5506は、複数のステープル(図示せず)を備える。外科的動作の間、複数のステープル191がステープルカートリッジ3006から配備可能である。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ5500は、アンビル5502上又はステープルカートリッジ5506上に取り外し可能に位置付けられる、組織コンペンセータ5510を更に備える。図98Bは、図98Aに示される組織コンペンセータ5510の一部分の詳細図を示している。
上述したように、複数のステープル191を未発射位置と発射後位置との間で配備することができ、それによってステープル脚部5530は、アンビル5502とステープルカートリッジ5506との間で圧縮された組織5518を通って移動しそれを貫通し、アンビル5502のステープル形成面に接触する。組織コンペンセータ5510を含む実施形態では、ステープル脚部5530はまた、組織コンペンセータ5510を貫通し穿孔する。ステープル脚部5530がアンビルのステープル形成面に接して変形されると、各ステープル191が組織5518の一部分及び組織コンペンセータ5510を捕捉し、圧縮力を組織5518に加えることができる。したがって、組織コンペンセータ5510は、外科用器具10が患者の体内から引き抜かれた後、ステープル191と共に適所に留まる。組織コンペンセータ5510は、患者の身体によって保定されるので、生体耐久性及び/又は生分解性材料で構成されている。組織コンペンセータ5510は、米国特許第8,657,176号、名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR FOR SURGICAL STAPLER」に更に詳細に記載されており、その全体を参照により本明細書に組み込む。
図98Aに戻ると、いくつかの実施形態では、組織コンペンセータ5510は、導電性素子5512の層を備える。導電性素子5512は、例えば、ワイヤコイル、ワイヤのメッシュ若しくはグリッド、導電性ストリップ、導電性プレート、電気回路、マイクロプロセッサ、又はそれらの任意の組み合わせなど、任意の数の構成の導電性材料の任意の組み合わせを含むことができる。導電性素子5512を含む層は、組織コンペンセータ5510のアンビルに面する面5514上に配置することができる。代替的に、又はそれに加えて、導電性素子5512の層は、組織コンペンセータ5510のステープルカートリッジに面する面5516上に配置することができる。代替的に、又はそれに加えて、導電性素子5512の層は、組織コンペンセータ5510に埋め込むことができる。代替的に、導電性素子5512の層は、導電性材料が組織コンペンセータ5510を含む材料内で均一又は不均一に分配されているときなど、組織コンペンセータ5510の全てを含むことができる。
図98Aは、組織コンペンセータ5510がエンドエフェクタ5500のアンビル5502部分に取り外し可能に取り付けられている一実施形態を示している。組織コンペンセータ5510は、エンドエフェクタ5500が患者の体内に挿入される前にそのように取り付けられる。それに加えて、又は代替的に、ステープルカートリッジ5506がエンドエフェクタ6600に適用された後又は適用される前、かつデバイスが患者の体内に挿入される前に、組織コンペンセータ5610をステープルカートリッジ5506(図示せず)に取り付けることができる。
図99は、ステープルカートリッジ5506内の導電性素子5512の層並びに導電性素子5524、5526、及び5528を使用して、アンビル5502とステープルカートリッジ5506の上面との間の距離を検出する様々な例示的実施形態を示している。アンビル5502とステープルカートリッジ5506との間の距離は、それらの間に圧縮された組織5518の量及び/又は密度を示す。この距離は、それに加えて、又は代替的に、エンドエフェクタ5500のどの領域が組織を含むかを示す。組織5518の厚さ、密度、及び/又は位置を、外科用器具10の操作者に通信することができる。
例示される例示的実施形態では、導電性素子5512の層は、組織コンペンセータ5510のアンビルに面する面5514上に位置し、マイクロプロセッサ5520と連通している1つ又は2つ以上のワイヤコイル5522を備える。マイクロプロセッサ5500は、エンドエフェクタ5500若しくはその任意の構成要素内に配置することができ、又は器具のハウジング12内に配置することができ、又は上述の任意のマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラを含むことができる。例示される例示的実施形態では、ステープルカートリッジ5506はまた、導電性素子を含み、それらは、1つ又は2つ以上のワイヤコイル5524、1つ又は2つ以上の導電性プレート5526、ワイヤメッシュ5528、若しくは他の任意の便利な構成、又はそれらの任意の組み合わせのいずれか1つであることができる。ステープルカートリッジ5506の導電性素子は、器具内の同じマイクロプロセッサ5520又は何らかの他のマイクロプロセッサと通信することができる。
アンビル5502が閉位置にあり、したがって組織5518をステープルカートリッジ5506に対して圧縮しているとき、組織コンペンセータ5510の導電性素子5512の層は、ステープルカートリッジ5506内の導体と容量結合することができる。導電性素子5512の層とステープルカートリッジ5506の導電性素子との間の容量場の強度を使用して、圧縮されている組織5518の量を判断することができる。代替的に、ステープルカートリッジ5506は、マイクロプロセッサ5520と連通している渦電流センサを備えることができ、渦電流センサは、アンビル5502とステープルカートリッジ5506の上面との間の距離を、渦電流を使用して感知するように動作可能である。
導電性素子の他の構成が可能であり、図99の実施形態は単なる例であって、限定ではないことが理解される。例えば、いくつかの実施形態では、導電性素子5512の層を、組織コンペンセータ5510のステープルカートリッジに面する面5516上に配置することができる。また、いくつかの実施形態では、導電性素子5524、5526、及び/又は5528を、アンビル5502の上又は中に配置することができる。したがって、いくつかの実施形態では、導電性素子5512の層を、アンビル5502内の導電性素子と容量結合し、それによってエンドエフェクタ内に囲まれた組織5518の特性を感知することができる。
また、組織コンペンセータ5512は、アンビルに面する面5514及びカートリッジに面する面5516の両方に導電性素子5512の層を備え得ることを、認識することができる。アンビル5502によってステープルカートリッジ5506に対して圧縮された組織5518の量、密度、及び/又は位置を検出するシステムは、アンビル5502、ステープルカートリッジ5506、又は両方に導体若しくはセンサを備えることができる。アンビル5502及びステープルカートリッジ5506の両方に導体又はセンサを含む実施形態は、任意に、この構成によって達成することができる信号の微分解析を可能にすることにより、向上された結果を達成することができる。
図100A及び100Bは、動作中の導電性素子5512の層を備える組織コンペンセータ5510の一実施形態を示している。図100Aは、配備された後の複数のステープル191のうち1つを示している。例示されるように、ステープル191は、組織5518及び組織コンペンセータ5510の両方を貫通している。導電性素子5512の層は、例えばメッシュワイヤを備えてもよい。導電性素子5512の層を貫通する際、ステープル脚部5530は、ワイヤのメッシュを穿孔することがあり、それによって導電性素子5512の層の導電性が変更される。この導電性の変化を使用して、複数のステープル191それぞれの位置を示すことができる。ステープル191の位置は、ステープルの予期される位置と比較することができ、この比較を使用して、任意のステープルを発射しなかったか、又は任意のステープルが予期された場所にないかを判断することができる。
図100Aはまた、完全に変形するのに失敗したステープル脚部5530を示している。図100Bは、適切かつ完全に変形しているステープル脚部5530を示している。図100Bに示されるように、導電性素子5512の層をステープル脚部5530によって二度目に穿孔することができ、ステープル脚部5530がアンビル5502のステープル形成面に接して変形し、組織5518に向かって戻る。導電性素子5512の層における二次的な破断を使用して、図100Bに示されるような完全なステープル191形成、又は図100Aに示されるような不完全なステープル191形成を示すことができる。
図101A及び101Bは、中に埋め込まれた導体5620を更に備える組織コンペンセータ5610を備えるエンドエフェクタ5600の一実施形態を示している。エンドエフェクタ5600は、第2の顎部材5604に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル5602を備える。第2の顎部材5604は、ステープルカートリッジ5606を中に受け入れるように構成されている。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ5600は、アンビル5602又はステープルカートリッジ5606上に取り外し可能に位置付けられる組織コンペンセータ5610を更に備える。
最初に図4Bに移ると、図4Bは、ステープルカートリッジ5606上に取り外し可能に位置付けられた組織コンペンセータ5610の切欠図を示している。切欠図は、組織コンペンセータ5610を備える、物質内に埋め込まれた導体アレイ5620を示している。導体アレイ5620は、対向する構成で配置することができ、対向する要素は、絶縁材料によって分離することができる。導体アレイ5620はそれぞれ、1つ又は2つ以上の導電ワイヤ5622に結合されている。導電ワイヤ5622により、導体アレイ5620が、例えばマイクロプロセッサ1500などのマイクロプロセッサと連通することができる。導体アレイ5620は、切断部材又はナイフバー280の経路内にあるように、組織コンペンセータ5610の幅に及んでもよい。ナイフバー280が前進するにつれて、導体5620を切断、破壊、又は別様に使用不能にし、それによってエンドエフェクタ5600内におけるその位置を示す。導体アレイ5610は、導電性素子、電気回路、マイクロプロセッサ、又はそれらの任意の組み合わせを備えることができる。
次に図101Aに移ると、図101Aは、アンビル5602が閉位置にあるエンドエフェクタ5600の拡大切欠図を示している。閉位置では、アンビル5602は、組織5618及び組織コンペンセータ5610をステープルカートリッジ5606に対して圧縮することができる。いくつかの例では、エンドエフェクタ5600の一部のみが組織5618を囲んでいてもよい。組織5618を囲んでいるエンドエフェクタ5600の領域では、組織コンペンセータ5610は、組織コンペンセータ5618が圧縮されないまま(5626)であるか、又は圧縮がより弱い、組織5618を囲んでいない領域よりも多い量が圧縮(5624)されてもよい。より多い圧縮の領域5624では、導体アレイ5620も圧縮され、圧縮されない領域5626では、導体アレイ5620は更に離間する。したがって、導体アレイ5620間の導電性、抵抗、容量、及び/又は他の何らかの電気的特性は、エンドエフェクタ5600のどの領域が組織を含んでいるかを示すことができる。
図102A及び102Bは、中に埋め込まれた導体5662を更に備える組織コンペンセータ5660を備えるエンドエフェクタ5650の一実施形態を示している。エンドエフェクタ5650は、第2の顎部材5654に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル5652を備える。第2の顎部材5654は、ステープルカートリッジ5656を中に受け入れるように構成されている。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ5650は、アンビル5652又はステープルカートリッジ5656上に取り外し可能に位置付けられる組織コンペンセータ5660を更に備える。
図102Aは、ステープルカートリッジ5656上に取り外し可能に位置付けられた組織コンペンセータ5660の切欠図を示している。切欠図は、組織コンペンセータ5660を備える、物質内に埋め込まれた導体5670を示している。導体5672は、それぞれ導電ワイヤ5672に結合されている。導電ワイヤ5672により、導体アレイ5672が、例えばマイクロプロセッサ1500などのマイクロプロセッサと連通することができる。導体5672は、導電性素子、電気回路、マイクロプロセッサ、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
図102Aは、アンビル5652が閉位置にあるエンドエフェクタ5650の拡大側面図を示している。閉位置では、アンビル5652は、組織5658及び組織コンペンセータ5660をステープルカートリッジ5656に対して圧縮することができる。組織コンペンセータ5660内に埋め込まれた導体5672は、電流のパルス5674を既定の周波数で組織5658に印加するように動作可能であることができる。同じ又は追加の導体5672は、組織5658の反応を検出し、この反応を、器具内に配置されたマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラに伝達することができる。電気パルス5674に対する組織5658の反応を使用して、組織5658の特性を判断することができる。例えば、組織5658のガルバニック反応は、組織5658の含水量を示す。別の例として、組織5658を通る電気インピーダンスの測定値を使用して、組織タイプの指標である、組織5648の導電性を判断することができる。判断することができる他の特性としては、例として、非限定的に、酸素含量、塩分、密度、及び/又は特定の化学物質の存在が挙げられる。いくつかのセンサからのデータを組み合わせることによって、血流、血液型、抗体の存在など、他の特性を判断することができる。
図103は、ステープルカートリッジ5706が組織コンペンセータ5710を備える導電性素子5720に電力を提供する、ステープルカートリッジ5706及び組織コンペンセータ5710の一実施形態を示している。例示されるように、ステープルカートリッジ5706は、パッチ、スポーク、バンプ、又は何らかの他の隆起構成の形態の、電気接点5724を備える。組織コンペンセータ5710は、ステープルカートリッジ5706上の接点5724に電気的に結合することができる、メッシュ又は固体の接触点5722を備える。
図104A及び104Bは、ステープルカートリッジが組織コンペンセータ5710を備える導電性素子5770に電力を提供する、ステープルカートリッジ5756及び組織コンペンセータ5760の一実施形態を示している。図104Aに示されるように、組織コンペンセータ5760は、ステープルカートリッジ5756と接触するように構成された延長部又はタブ5772を備える。タブ5772は、ステープルカートリッジ5756上の電気接点(図示せず)に接触し付着してもよい。タブ5772は、組織コンペンセータ5760の導電性素子5770を備える、ワイヤ内に位置する破断点5774を更に備える。アンビルがステープルカートリッジ5756に向かって閉位置にあるときなど、組織コンペンセータ5760が圧縮されると、破断点5774が破断して、組織コンペンセータ5756をステープルカートリッジ5756から自由にすることが可能になる。図104Bは、タブ5772に位置付けられた破断点5774を用いる別の実施形態を示している。
図105A及びF8Bは、位置感知素子5824及び組織コンペンセータ5810を備えるエンドエフェクタ5800の一実施形態を示している。エンドエフェクタ5800は、第2の顎部材5804(図示せず)に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル5802を備える。第2の顎部材5804は、ステープルカートリッジ5806(図示せず)を中に受け入れるように構成されている。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ5800は、アンビル5802又はステープルカートリッジ5806上に取り外し可能に位置付けられる組織コンペンセータ5810を更に備える。
図105Aは、エンドエフェクタ5800のアンビル5804部分を示している。いくつかの実施形態では、アンビル5804は、位置感知素子5824を備える。位置感知素子5824は、例えば、電気接点、磁石、RFセンサなどを含むことができる。位置感知素子5824は、例えば、組織コンペンセータ5810が取り付けられる角地点、又はアンビル5802の組織に面する面の外縁部に沿ってなど、重要位置に配置することができる。いくつかの実施形態では、組織コンペンセータ5810は、位置指示素子5820を備えることができる。位置指示素子5820は、アンビル5802上の位置感知素子5824に対応する位置、又は近位位置、又は重なり合う位置に配置することができる。組織コンペンセータ5810は、任意に、導電性素子5812の層を更に備える。導電性素子5812及び/又は位置指示素子5820の層は、導電ワイヤ5822に電気的に結合することができる。導電ワイヤ5822は、例えばマイクロプロセッサ1500などのマイクロプロセッサとの連通を提供することができる。
図F8Bは、動作中の位置感知素子5824及び位置指示素子5820の一実施形態を示している。組織コンペンセータ5810が位置付けられると、アンビル5802は、組織コンペンセータ5810が適切な位置であることを感知する(5826)ことができる。組織コンペンセータ5810が位置ずれしているか又は完全に欠落していると、アンビル5802(若しくは何らかの他の構成要素)は、組織コンペンセータ5810が位置ずれしていることを感知する(5826)ことができる。位置ずれが閾値の大きさを上回る場合、器具の操作者に対して警告を信号伝達することができ、かつ/又は器具の機能を使用不能にして、ステープルが発射されることを防止することができる。
図105A及び105Bでは、単なる例として、位置感知素子5824は、アンビル5804の一部として示されている。位置感知素子5824を代わりに、又は追加して、ステープルカートリッジ5806上に配置できることが理解される。また、組織コンペンセータ5810が適切に位置合わせされているか否かを示すように動作可能であるように、位置感知素子5824及び位置指示素子5820の位置を逆にすることができることが理解される。
図106A及びF9Bは、位置感知素子5874及び組織コンペンセータ5860を備えるエンドエフェクタ5850の一実施形態を示している。エンドエフェクタ5850は、第2の顎部材5854(図示せず)に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル5852を備える。第2の顎部材5854は、ステープルカートリッジ5856(図示せず)を中に受け入れるように構成されている。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ5850は、アンビル5852又はステープルカートリッジ5856上に取り外し可能に位置付けられる組織コンペンセータ5860を更に備える。
図106Aは、エンドエフェクタ5850のアンビル5852部分を示している。いくつかの実施形態では、アンビル5854は、導電性素子5474のアレイを備える。導電性素子5474のアレイは、例えば、電気接点、磁石、RFセンサなどを備えることができる。導電性素子5474のアレイは、アンビル5852の組織に面する面の長さに沿って配列される。いくつかの実施形態では、組織コンペンセータ5860は、導電性素子5862の層を備えることができ、導電性素子は、ワイヤのグリッド又はメッシュを備える。導電性素子5862の層は、導電ワイヤ5876に結合されてもよい。導電ワイヤ5862は、例えばマイクロプロセッサ1500などのマイクロプロセッサとの連通を提供することができる。
図106Aは、アンビル5852の導電性素子5474及び導電性素子5862の層が、組織コンペンセータ5860が位置ずれ又は欠落しているか否かを示すように動作可能である、一実施形態を示している。例示されるように、導電性素子5874のアレイは、導電性素子5862の層と電気的に結合するように動作可能である。組織コンペンセータ5860が位置ずれ又は欠落しているとき、電気的結合は不完全になる。位置ずれが閾値の大きさを上回る場合、器具の操作者に対して警告を信号伝達することができ、かつ/又は器具の機能を使用不能にして、ステープルが発射されることを防止することができる。
導電性素子5874のアレイを追加して、又は代わりに、ステープルカートリッジ5856上に配置してもよいことが理解される。また、アンビル5852、ステープルカートリッジ5856、及び/又は組織コンペンセータ5860のいずれかが、組織コンペンセータ5860の位置ずれを示すように動作可能であってもよいことが理解される。
図107A及び107Bは、ステープルカートリッジ5906、及び切断部材又はナイフバー280の位置を示すように動作可能な組織コンペンセータ5910の一実施形態を示している。図107Aは、組織コンペンセータ5920が上面5916上に配置されたステープルカートリッジ5906の上面図である。ステープルカートリッジ5906は、切断部材又はナイフバー280を受容するように動作可能なカートリッジチャネル5918を更に備える。図107Aは、明瞭にするため、組織コンペンセータ5910の導電性素子5922の層のみを示している。例示されるように、導電性素子5922の層は、偏心して配置される長さ方向セグメント5930を備える。長さ方向セグメント5930は、導電ワイヤ5926に結合されている。導電ワイヤ5926により、導電性素子5922の層が、例えばマイクロプロセッサ1500などのマイクロプロセッサと連通することが可能になる。導電性素子5922の層は、長さ方向セグメント5930に結合され、組織コンペンセータ5910の幅に及び、したがってナイフバー280の経路を横断する、水平方向要素5932を更に備える。ナイフバー280が前進するにつれて、水平方向要素5932を切断し、それによって導電性素子5922の層の電気的特性を変更する。例えば、ナイフバー280の前進により、導電性素子5922の層の抵抗、容量、導電性、又は何らかの他の電気的特性が変更されてもよい。各水平方向要素5932がナイフバー280によって切断されるにつれて、導電性素子5922の層の電気的特性における変化が、ナイフバー280の位置を示す。
図107Bは、導電性素子5922の層の代替構成を示している。例示されるように、導電性素子5922の層は、カートリッジチャネル5918のどちらかの側にある長手方向セグメント5934を備える。導電性素子5922の層は、長手方向セグメント5934の両方に結合され、したがってナイフバー280の経路に及ぶ、水平方向要素5936を更に備える。ナイフバー280として、例えばナイフバーと水平方向要素5396との間の抵抗を測定し、ナイフバー280の位置を判断するのに使用することができる。導電性素子5922の層の他の構成を使用して、例えば、図98A〜102Bに示される配置のいずれかなど、同じ結果を達成することができる。例えば、導電性素子5922の層は、ワイヤメッシュ又はグリッドを備えることができるので、ナイフバー280が前進するにつれて、ワイヤメッシュを切断し、それによってワイヤメッシュの導電性を変更することができる。この導電性の変化を使用して、ナイフバー280の位置を示すことができる。
導電性素子5922の層の他の用途を想像することができる。例えば、特定の抵抗を導電性素子592の層内に作り出すことができ、又は抵抗若しくは導体の二進ラダーを実現して、単純なデータを組織コンペンセータ5910に格納できるようにすることができる。このデータは、アンビル及び/又はステープルカートリッジの導電性素子によって、導電性素子5922の層とどちらかが電気的に結合すると、組織コンペンセータ5910から抽出することができる。データは、例えば、通し番号、「使用期限」日などを表すことができる。
誤装填されたカートリッジを検出するホール磁石の極性
図108は、ステープルカートリッジ6006を識別するのに検出磁界6016を使用することができる、磁石6008及びホール効果センサ6010を備えるエンドエフェクタ6000の一実施形態を示している。エンドエフェクタ6000は、上述したエンドエフェクタ300に類似している。エンドエフェクタ6000は、第2の顎部材又は細長いチャネル6004に枢動可能に結合された、第1の顎部材又はアンビル6002を備える。細長いチャネル6004は、ステープルカートリッジ6006を中で動作可能に支持するように構成されている。ステープルカートリッジ6006は、上述したステープルカートリッジ304に類似している。アンビル6002は、磁石6008を更に備える。ステープルカートリッジ6006は、ホール効果センサ6010及びプロセッサ6012を更に備える。ホール効果センサ6010は、導電結合6014を通してプロセッサ6012と連通するように動作可能である。ホール効果センサ6010は、アンビル6002が閉位置にあるとき、磁石6008と動作可能に結合するように、ステープルカートリッジ6006内で位置付けられる。ホール効果センサ6010は、磁石6008によって作り出される磁界6016を検出するように動作可能であることができる。磁界6016の極性は、アンビル6002内における磁石6008の配向に応じて、北又は南の一方であることができる。図108の例示される実施形態では、磁石6008は、その南極がステープルカートリッジ6006に向かって方向付けられるように配向される。ホール効果センサ6010は、南極によって作り出される磁界6016を検出するように動作可能であることができる。ホール効果センサ6010が南磁極を検出した場合、ステープルカートリッジ6006を第1のタイプのものと識別することができる。
図109は、ステープルカートリッジ6056を識別するのに検出磁界6066を使用することができる、磁石6058及びホール効果センサ6060を備えるエンドエフェクタ6050の一実施形態を示している。エンドエフェクタ6050は、第2の顎部材又は細長いチャネル6054に枢動可能に結合された、第1の顎部材又はアンビル6052を備える。細長いチャネル6054は、ステープルカートリッジ6056を中で動作可能に支持するように構成されている。アンビル6052は、磁石6058を更に備える。ステープルカートリッジ6056は、導電結合6064を通じてプロセッサ6062と連通している、ホール効果センサ6060を更に備える。ホール効果センサ6060は、アンビル6052が閉位置にあるとき、磁石6058と動作可能に結合するように位置付けられる。ホール効果センサ6060は、磁石6058によって作り出される磁界6066を検出するように動作可能であることができる。例示される実施形態では、磁石6058は、その北磁極がステープルカートリッジ6056に向かって方向付けられるように配向される。ホール効果センサ6060は、北極によって作り出される磁界6066を検出するように動作可能であることができる。ホール効果センサ6060が北磁極を検出した場合、ステープルカートリッジ6056を第2のタイプのものと識別することができる。
図109の第2のタイプのステープルカートリッジ6056を、図108の第1のタイプのステープルカートリッジ6006に代用することができ、その逆も同様であることを認識することができる。図108では、第2のタイプのステープルカートリッジ6056は、北磁極を検出するように動作可能であるが、代わりに南磁極を検出する。この場合、エンドエフェクタ6000は、ステープルカートリッジ6056が第2のタイプのものであると識別する。エンドエフェクタ6000が第2のタイプのステープルカートリッジ6056を予期しなかった場合、器具の操作者に警告することができ、かつ/又は器具の機能を使用不能にすることができる。それに加えて、又は代替的に、ステープルカートリッジ6056のタイプは、例えば、カートリッジの長さ及び/又はステープルの高さと長さなど、ステープルカートリッジ6056の何らかのパラメータを識別するのに使用することができる。
同様に、図109に示されるように、第1のタイプのステープルカートリッジ6006を、第2のステープルカートリッジ6056に代用することができる。第1のタイプのステープルカートリッジ6006は、南磁極を検出するように動作可能であるが、代わりに北磁極を検出する。この場合、エンドエフェクタ6050は、ステープルカートリッジ6006が第1のタイプのものであると識別する。
図110は、アンビル内に位置する磁石と図108及び109に示されるようなステープルカートリッジ内のホール効果センサとの間の距離又はギャップ6024に応答して、図108及び109に示されるようなステープルカートリッジ内の遠位先端に位置するホール効果センサによって検出される電圧6022のグラフ6020を示している。図110に示されるように、アンビル内の磁石が、その北極がステープルカートリッジに向かうようにして配向されると、磁石がホール効果センサに近接するにつれて電圧が第1の値に向かう傾向になり、磁石が、その南極がステープルカートリッジに向かうようにして配向されると、電圧が第2の異なる値に向かう傾向になる。測定された電圧を器具が使用して、ステープルカートリッジを識別することができる。
図111は、ディスプレイ6102を備える外科用器具のハウジング6100の一実施形態を示している。ハウジング6100は、上述したハウジング12に類似している。ディスプレイ6102は、例えば、エンドエフェクタに結合されたステープルカートリッジが本出願には不適切であるなど、情報を器具の操作者に対して伝達するように動作可能であることができる。それに加えて、又は代替的に、ディスプレイ6102は、カートリッジの長さ及び/又はステープルの高さと長さなど、ステープルカートリッジのパラメータを表示することができる。
図112は、磁石6162を備えるステープル保定具6160の一実施形態を示している。ステープル保定具6160は、ステープルカートリッジ6156に動作可能に結合することができ、ステープルがステープルカートリッジ6156を出ることを防止するように機能する。ステープルカートリッジ6156がエンドエフェクタに適用されたとき、ステープル保定具6160を適所に残すことができる。いくつかの実施形態では、ステープル保定具6160は、ステープル保定具6160の遠位側領域に位置する磁石6162を備える。エンドエフェクタのアンビルは、ステープル保定具6160内の磁石6162と結合するように動作可能なホール効果センサを備えることができる。ホール効果センサは、例えば、磁界強度及び磁気極性など、磁石6162の特性を検出するように動作可能であることができる。磁界強度は、例えば、磁石6162をステープル保定具6160の上若しくは中の異なる位置及び/又は深さに配置することによって、あるいは異なる組成の磁石6162を選択することによって、変動させることができる。磁石6162の異なる特性を使用して、異なるタイプのステープルカートリッジを識別することができる。
図113A及び113Bは、異なるタイプのステープルカートリッジ6206を識別するセンサ6208を備えるエンドエフェクタ6200の一実施形態を示している。エンドエフェクタ6200は、第2の顎部材又は細長いチャネル6204に枢動可能に結合された、第1の顎部材又はアンビル6202を備える。細長いチャネル6204は、ステープルカートリッジ6206を中で動作可能に支持するように構成されている。エンドエフェクタ6200は、近位側領域に位置するセンサ6208を更に備える。センサ6208は、光センサ、磁気センサ、電気センサ、又は任意の他の好適なセンサのいずれかであることができる。
センサ6208は、ステープルカートリッジ6206の特性を検出し、それによってステープルカートリッジ6206のタイプを識別するように動作可能であることができる。図113Bは、センサ6208が光エミッタ/検出器6210である一例を示している。色がステープルカートリッジ6206のタイプを識別するように、ステープルカートリッジ6206の本体は、異なる色であってもよい。光エミッタ/検出器6210は、ステープルカートリッジ6206本体の色を問い合わせるように動作可能であることができる。例示される例では、光エミッタ/検出器6210は、等しい強度の赤色、緑色、及び青色スペクトルの反射光を受け取ることによって、白色6212を検出することができる。光エミッタ/検出器6210は、緑色及び青色スペクトルの非常にわずかな反射光を受け取ると共に、より高強度の赤色スペクトルの光を受け取ることによって、赤色6214を検出することができる。
代替的に、又はそれに加えて、光エミッタ/検出器6210、又は別の好適なセンサ6208は、ステープルカートリッジ6206上の他の何らかの記号若しくは印を問い合わせ、識別することができる。記号又は印は、バーコード、形若しくは文字、色別の模様、又は任意の他の好適な印のいずれか1つであることができる。センサ6208によって読み取られた情報は、例えばマイクロコントローラ1500など、外科用デバイス10のマイクロコントローラに通信することができる。マイクロコントローラ1500は、ステープルカートリッジ6206に関する情報を器具の操作者に通信するように構成することができる。例えば、識別されたステープルカートリッジ6206は、所与の用途に対して適切でないことがあり、そのような場合、器具の操作者に通知することができ、かつ/又は器具の機能が不適切である。かかる例では、マイクロコントローラ1500は、任意に、外科用器具の機能を使用不能にするように構成することができる。代替的に、又はそれに加えて、マイクロコントローラ1500は、外科用器具10の操作者に、例えば、ステープルカートリッジ6206の長さなど、識別されたステープルカートリッジ6206のタイプのパラメータ、又は高さ及び長さなど、ステープルに関する情報を、通知するように構成することができる。
スマートカートリッジ起動動作及びデータ保持
一実施形態では、本明細書に記載する外科用器具は、センサ及び/又は電子構成要素に対する短絡保護技術を備える。かかるセンサ及び他の電子技術を使用可能にするため、電力及びデータ信号の両方が、外科用器具のモジュール式構成要素間で転送される。モジュール式センサ構成要素の組立の間、接続されると、接続された構成要素間で電力及びデータ信号を転送するのに使用される電気導体は、一般的に露出している。
図114は、一実施形態による外科用器具の接続された構成要素間で電力及びデータ信号を転送するセンサ電気導体7002、7004を備えたエンドエフェクタ7000の部分図である。これらの電気導体7002、7004が短絡し、結果として重要なシステム電子構成要素を損傷する可能性がある。図115は、エンドエフェクタ内に位置するセンサ及び/又は電子構成要素7005を示す、図114に示されるエンドエフェクタ7000の部分図である。ここで図114及び115の両方を参照すると、様々な実施形態では、本開示全体を通して開示される外科用器具は、電子センサを使用して、組織の圧縮性及び厚さに関するリアルタイムのフィードバックを提供する。モジュール式アーキテクチャにより、カスタムモジュール式シャフトの構成が作業に特有の技術を用いることが可能になる。外科用器具のセンサ及び他の電子回路構成要素を使用可能にするため、電力及びデータ信号の両方を、モジュール式センサ及び/又は電子回路構成要素7005を備える二次回路の間で転送することが必要である。モジュール式センサ及び/又は電子構成要素7005の組立の間、電気導体7002、7004は露出しているので、接続されたとき、接続されたセンサ及び/又は電子構成要素7005の間で電力及びデータ信号を転送するために使用される。これらの電気導体7002、7004が組立プロセスの間に短絡し、結果として他のシステム電子回路を損傷する可能性があるので、本明細書に記載する外科用器具の様々な実施形態は、センサ及び/又は電子構成要素7005のための短絡保護技術を含む。
一実施形態では、本開示は、外科用器具の二次回路のセンサ及び/又は電子構成要素7005に対する短絡保護回路7012を提供する。図116は、一実施形態によるセンサ及び/又は電子構成要素7005の短絡保護回路7012を備える外科用器具電子サブシステム7006のブロック図である。主電源回路7010は、主電源端子7018、7020を通して、マイクロプロセッサ及び他の電子構成要素7008(以下、プロセッサ7008)を備える一次回路に接続される。主電源回路7010はまた、短絡保護回路7012に接続される。短絡保護回路7012は、電気導体7002、7004を介してセンサ及び/又は電子構成要素7005に電力を供給する、補助電源回路7014に結合されている。
センサ及び/又は電子構成要素7005に供給する電源端子の電気導体7002、7004間の短絡の間、主電源端子7018、7020に接続されたプロセッサ7008に対する損傷を低減するため、自己隔離/復帰型の短絡保護回路7012が提供される。一実施形態では、短絡保護回路7012は、補助電源回路7014を主電源回路7010に結合することによって実現されてもよい。補助電源回路7014の電気導体7002、7004が短絡される状況では、補助電源回路7014はそれ自体を主電源回路7010から隔離して、外科用器具のプロセッサ7008に対する損傷を防止する。したがって、補助電源回路7014の電気導体7002、7004に短絡が生じたとき、主電源端子7018、7020に結合されたプロセッサ7008及び他の電子回路構成要素にはほとんど影響がない。したがって、補助電源回路7014の電気導体7002、7004の間で短絡が生じた場合、主電源回路7010は影響されず、活性のままであって、保護されたプロセッサ7008に電力を供給するので、プロセッサ7008は短絡状態を監視することができる。補助電源回路7014の電気導体7002、7004の間の短絡が修復されると、補助電源回路7014は主電源回路7010を再接合し、センサ構成要素7005に電力を供給するために再び利用可能になる。短絡保護回路7012はまた、1つ又は2つ以上の短絡状態を外科用器具のエンドユーザに対して示すように監視されてもよい。短絡保護回路7012はまた、短絡事象が示されたときに外科用器具の発射をロックアウトするように監視されてもよい。多くの補助保護回路が互いにネットワーク化されて、他の回路機能を隔離、検出、又は保護してもよい。
したがって、一態様では、本開示は、外科用器具のエンドエフェクタ7000(図114及び115)又は他の要素における、電気導体7002、7004に対する短絡保護回路7012を提供する。一実施形態では、短絡保護回路7012は、主電源回路7010に結合された自己隔離/復帰型の補助電源回路7014を用いる。短絡保護回路7012は、1つ又は2つ以上の短絡状態を外科用器具のエンドユーザに対して示すように監視されてもよい。短絡が起こった場合、短絡保護回路7012は、外科用器具を発射又は他のデバイス動作からロックアウトするために用いられてもよい。他の多くの補助保護回路が互いにネットワーク化されて、他の回路機能を隔離、検出、又は保護してもよい。
図117は、一実施形態による、主電源回路7010に結合された補助電源回路7014を備える短絡保護回路7012である。主電源回路7010は、ダイオード91〜94を用いて実現される全波整流器7025に結合された、変圧器7023(X1)を備える。全波整流器7025は、電圧調整器7027に結合されている。電圧調整器7027の出力(OUT)は、主電源回路7010(OP1)及び補助電源回路7014の出力端子7018、7020両方に結合されている。入力コンデンサC1は、電圧調整器7027の入力電圧をフィルタ処理し、1つ又は2つ以上のコンデンサC2は電圧調整器7027の出力をフィルタ処理する。
図117に示される実施形態では、補助電源回路7014は、電気導体7002、7004間の電源出力OP2を制御するように構成された、トランジスタT1、T2の対を備える。正常動作の間、電気導体7002、7004が短絡していないとき、出力OP2は、センサ構成要素7005に電力を供給する。トランジスタT1及びT2がオンにされ(活性化され)、電流を伝導し始めると、電圧調整器7027の出力からの電流が第1のトランジスタT1によって分流されるので、電流はR1を流れず、iR1=0である。調整器の出力電圧+Vは、Vn〜+Vなどのノードで印加され、それが次に補助電源回路7014の出力電圧OP2であり、第1のトランジスタT1は、センサ構成要素7005に対して電流を駆動して出力端子7002を通し、その場合、出力端子7004は、電流戻り経路である。出力電流iR5の一部は、R5を通して分路されて、出力インジケータLED2を駆動する。LED2を通る電流は、iR5である。ノード電圧Vnが第2のトランジスタT2をオンにする(活性化する)ために必要な閾値を上回っている限り、補助電源回路7014は、電源回路として動作して、センサ及び/又は電子構成要素7005に供給する。
二次回路の電気導体7002、7004が短絡されると、ノード電圧Vnはアース又はゼロまで低下し、第2のトランジスタT2はオフになり、伝導を停止し、それによって第1のトランジスタT1がオフになる。第1のトランジスタT1が遮断されると、電圧調整器7027の出力電圧+Vによって電流iR1が短絡インジケータLED1を通って流れ、また電気導体7002、7004の間の短絡を介してアースまで流れる。したがって、電流はR5を通って流れず、iR5=0A及びVOP2=0Vである。補助電源回路7014は、短絡が除去されるまで、それ自体を主電源回路7010から隔離する。短絡の間、短絡インジケータLED1のみが通電され、出力インジケータLED2は通電されない。電気導体7002、7004の間の短絡が除去されると、T2がオンになり、続いてT1をオンにするまで、ノード電圧Vnが上昇する。T1及びT2がオンになると(飽和などの導電状態で付勢されると)、ノード電圧Vnが+VOP2に達し、補助電源回路7014がセンサ構成要素7005に対するその電源機能を再開する。補助電源回路7014がその電源機能を回復すると、短絡インジケータLED1がオフになり、出力インジケータLED2がオンになる。補助電源回路7014の電気導体7002、7004間に別の短絡がある場合、サイクルが繰り返される。
一実施形態では、外科用器具が非感知状態のとき、センサ構成要素のサンプル速度及び/又はデューティサイクルを制限することによって、電力低減を可能にするサンプル速度モニタが提供される。図118は、一実施形態による、外科用器具が非感知状態にあるときに二次回路のセンサ及び/又は電子構成要素7005のサンプル速度及び/又はデューティサイクルを制限することによって電力を低減する、サンプル速度モニタ7024を備える外科用器具電子サブシステム7022を示すブロック図である。図118に示されるように、外科用器具電子サブシステム7022は、主電源回路7010に結合されたプロセッサ7008を備える。主電源回路7010は、サンプル速度モニタ回路7024に結合されている。補助電源回路7014は、電気導体7002、7004を介して、センサ及び/又は電子構成要素7005に電力供給する際のサンプル速度7024に結合されている。プロセッサ7008を備える一次回路は、デバイス状態モニタ7026に結合されている。様々な実施形態では、外科用器具電子サブシステム7022は、本明細書において上述したように、センサ及び/又は電子構成要素7005を使用して、組織の圧縮性及び厚さに関するリアルタイムフィードバックを提供する。外科用器具のモジュール式アーキテクチャにより、カスタムモジュール式シャフトの構成が機能作業に特有の技術を用いることが可能になる。かかる追加の機能性を可能にするため、電子接続点及び構成要素を用いて、電力及び信号の両方が外科用器具のモジュール式構成要素間で転送される。センサ及び/又は電子構成要素7005の数が増加することによって、外科用器具システム7022の電力消費が増加し、外科用器具システム7022の電力消費を低減する様々な技術が必要になる。
一実施形態では、電力消費を低減するため、センサ及び/又は電子構成要素7005(二次回路)を用いて構成された外科用器具は、センサ及び/又は電子構成要素7005に対するサンプル速度及び/又はデューティサイクルを低減するハードウェア回路又はソフトウェア技術として実装することができる、サンプル速度モニタ7024を備える。サンプル速度モニタ7024は、デバイス状態モニタ7026と併せて動作する。デバイス状態モニタ7026は、外科用器具の様々な電気的/機械的サブシステムの状態を感知する。図118に示される実施形態では、デバイス状態モニタ7026は、エンドエフェクタの状態が、非掴持(状態1)、掴持中(状態2)、又は掴持後(状態3)動作状態のいずれであるかを判断する。
サンプル速度モニタ7024は、デバイス状態モニタ7026によって判断されたエンドエフェクタの状態に基づいて、センサ構成要素7005のサンプル速度及び/又はデューティサイクルを設定する。一態様では、サンプル速度モニタ7024はデューティサイクルを、エンドエフェクタが状態1のときは約10%に、エンドエフェクタが状態2のときは約50%に、又はエンドエフェクタが状態3のときは約20%に設定してもよい。他の様々な実施形態では、サンプル速度モニタ7024によって設定されるデューティサイクル及び/又はサンプル速度は、値の範囲を用いてもよい。例えば、別の態様では、サンプル速度モニタ7024はデューティサイクルを、エンドエフェクタが状態1のときは約5%〜約15%の値に、エンドエフェクタが状態2のときは約45%〜約55%の値に、又はエンドエフェクタが状態3のときは約15%〜約25%の値に設定してもよい。他の様々な実施形態では、サンプル速度モニタ7024によって設定されるデューティサイクル及び/又はサンプル速度は、追加の値の範囲を用いてもよい。例えば、別の態様では、サンプル速度モニタ7024はデューティサイクルを、エンドエフェクタが状態1のときは約1%〜約20%の値に、エンドエフェクタが状態2のときは約20%〜約80%の値に、又はエンドエフェクタが状態3のときは約1%〜約50%の値に設定してもよい。他の様々な実施形態では、サンプル速度モニタ7024によって設定されるデューティサイクル及び/又はサンプル速度は、追加の値の範囲を用いてもよい。
一態様では、サンプル速度モニタ7024は、主回路/ソフトウェアに結合された補助回路/ソフトウェアを作成することによって実現されてもよい。補助/ソフトウェアが、外科用器具システム7022が非感知状態にあると判断すると、サンプル速度モニタ7024は、センサ及び/又は電子構成要素7005を、低減されたサンプリング又はデューティサイクルモードに入れて、主回路に対する電力負荷を低減する。主電源回路7010は電力を供給する活性状態のままになるので、主回路の保護されたプロセッサ7008は状態を監視することができる。外科用器具システム7022が、より厳密な感知活性を要する状態に入ると、サンプル速度モニタ7024は、補助回路のサンプル速度又はデューティサイクルを増加させる。回路は、集積回路、固体構成要素、マイクロプロセッサ、及びファームウェアの混合を利用することができる。低減されたサンプル速度又はデューティサイクルはまた、外科用器具システム7022のエンドユーザに対して状態を示すために監視されてもよい。回路/ソフトウェアはまた、デバイスが電力節約モードの場合に、デバイスの発射又は機能をロックアウトするように監視されてもよい。
一実施形態では、サンプル速度モニタ7024のハードウェア回路又はソフトウェア技術は、センサ及び/又は電子構成要素7005に対するサンプル速度及び/又はデューティサイクルを低減させて、外科用器具の電力消費を低減する。低減されたサンプル速度及び/又はデューティサイクルは、外科用器具のエンドユーザに対して1つ又は2つ以上の状態を示すために監視されてもよい。外科用器具における低減されたサンプル速度及び/又はデューティサイクル状態の場合、保護回路/ソフトウェアは、外科用器具が発射又は別の形で動作しないようにロックアウトするように構成されてもよい。
一実施形態では、本開示は、外科用器具のセンサ及び/又は電子構成要素に対する過電流及び/又は電圧保護回路を提供する。図119は、一実施形態による、外科用器具の二次回路のセンサ及び/又は電子構成要素7005に対する過電流/過電圧保護回路7030を備える外科用器具電子サブシステム7028のブロック図である。様々な実施形態では、外科用器具電子サブシステム7028は、本明細書において上述したように、センサ及び/又は電子構成要素7005を使用して、組織の圧縮性及び厚さに関するリアルタイムフィードバックを提供する。外科用器具のモジュール式アーキテクチャにより、カスタムモジュール式シャフトの構成が機能作業に特有の技術を用いることが可能になる。センサ及び/又は電子構成要素7005を使用可能にするため、電力及び信号の両方をモジュール式構成要素間で転送する、追加の電子接続点及び構成要素が追加される。モジュール片からのセンサ及び/又は電子構成要素7005に対するこれら追加の導体が短絡され、かつ/又は損傷して、大きい電流引き出しをもたらし、それが脆弱なプロセッサ7008回路、及び/又は主回路の他の電子構成要素を損傷する可能性がある。一実施形態では、過電流/電圧保護回路7030は、主電源回路7010に結合された自己隔離/復帰型の補助回路7014を使用して、外科用器具上のセンサ及び/又は電子構成要素7005に対する導体を保護する。自己隔離/復帰型の補助回路7014の一実施形態の動作は、図117に関連して記載されており、開示を簡潔かつ明瞭にするため、ここでは繰り返さない。
一実施形態では、感知型の外科用器具内に大きい電流引き出しがある間の電子的損傷を低減するため、外科用器具の電子サブシステム7028は、センサ及び/又は電子構成要素7005の導体に対する過電流/電圧保護回路7030を備える。過電流/電圧保護回路7030は、主電源回路7010に結合された補助回路を作成することによって実現されてもよい。補助回路の電気導体7002、7004が予期されるよりも高いレベルの電流を経験する場合、過電流/電圧保護回路7030は、電流を主電源回路7010から隔離して損傷を防止する。主電源回路7010は電力を供給する活性状態のままになるので、保護された主プロセッサ7008は、状態を監視することができる。補助電源回路7014における大きい電流引き出しが修復されると、補助電源回路7014は主電源回路7010を再接合し、センサ及び/又は電子構成要素7005(例えば、二次回路)に電力を供給するのに利用可能である。過電流/電圧保護回路7030は、集積回路、固体構成要素、マイクロプロセッサ、ファームウェア、遮断器、ヒューズ、又はPTC(正の温度係数)タイプの技術の混合を利用してもよい。
様々な実施形態では、過電流/電圧保護回路7030はまた、過電流/電圧状態をデバイスのエンドユーザに対して示すために監視されてもよい。過電流/電圧保護回路7030はまた、過電流/電圧状態事象が示されたときに、外科用器具の発射をロックアウトするために監視されてもよい。過電流/電圧保護回路7030はまた、1つ又は2つ以上の過電流/電圧状態をデバイスのエンドユーザに対して示すために監視されてもよい。デバイスの過電流/電圧状態の場合、過電流/電圧保護回路7030は、外科用器具をロックアウトして発射されないようにするか、又は外科用器具の他の動作をロックアウトしてもよい。
図120は、一実施形態による、外科用器具の二次回路のセンサ及び電子構成要素7005(図119)に対する過電流/電圧保護回路7030である。過電流/電圧保護回路7030は、過電流/電圧保護回路7030の出力に、ハード短絡(SHORT)の間の電流経路を提供し、また、漂遊インダクタンスLSTRAYによって駆動されるバイパスコンデンサCBYPASSを通して流れる電流の経路を提供する。
一実施形態では、過電流/電圧保護回路7030は、自動リセットを伴う電流制限スイッチ7032を備える。電流制限スイッチ7032は、増幅器Aに結合された電流感知抵抗RCSを備える。増幅器Aが既定の閾値を上回るサージ電流を感知すると、増幅器は、遮断器CBを活性化して電流経路を開いて、サージ電流を遮断する。一実施形態では、自動リセットを備えた電流制限スイッチ7032は、MaximによるMAX1558集積回路を用いて実装されてもよい。自動リセットを伴う電流制限スイッチ7032。自動リセットは、スイッチ7032が20msを超えて短絡された場合にラッチオフして、システム電力を節約する。次に、短絡出力(SHORT)を試験して、いつ短絡が除去されて、チャネルを自動的に再開するかが判断される。低い静止電源電流(45μA)及びスタンバイ電流(3μA)が、外科用器具における電池電流を保存する。自動リセット安全特性を有する電流制限スイッチ7032によって、外科用器具が保護されていることが担保される。内蔵型の熱的過負荷保護によって、電力損及び接合温度が制限される。正確でプログラム可能な電流制限回路は、過負荷及び短絡状態の両方に対して、入力供給を保護する。持続時間20msのフォルトブランキングにより、回路は、容量負荷のホットスワッピング、ホストシステムに対する誤り警告の妨害などによって引き起こされるような、過渡故障を無視することができる。一実施形態では、自動リセットを電流制限スイッチ7032はまた、スイッチ7032がオフのときの出力から入力への電流フローを阻害する、逆電流保護回路類を特徴とする。
一実施形態では、本開示は、外科用器具のセンサ及び/又は電子構成要素に対する逆極性保護を提供する。図121は、一実施形態による二次回路のセンサ及び/又は電子構成要素7005に対する逆極性保護回路7042を有する外科用器具電子サブシステム7040のブロック図である。逆極性保護は、本明細書では、主電源回路7010に結合された補助電源回路7014と呼ばれる、自己隔離/復帰型の補助回路を使用して、外科用器具の露出したリード線(電気導体7002、7004)に対して提供される。逆極性保護回路7042は、1つ又は2つ以上の逆極性状態を、デバイスのエンドユーザに対して示すために監視されてもよい。デバイスに逆極性が印加された場合、保護回路7042は、発射又は他のデバイスの重要な動作からデバイスをロックアウトすることがある。
様々な実施形態では、本明細書に記載する外科用器具は、センサ及び/又は電子構成要素7005を使用して、組織の圧縮性及び厚さに関するリアルタイムフィードバックを提供する。外科用器具のモジュール式アーキテクチャにより、カスタムモジュール式シャフトの構成が機能作業に特有の技術を用いることが可能になる。センサ及び/又は電子構成要素7005を使用可能にするため、電力及びデータ信号の両方がモジュール式構成要素間で転送される。モジュール式構成要素の組立の間、接続されると、接続された構成要素間で電力及びデータ信号を転送するのに使用される電気導体は、一般的に露出している。これらの導体は、逆極性で給電される可能性がある。
したがって、一実施形態では、外科用器具電子サブシステム7040は、感知型の外科用器具において逆極性接続7044が適用されている間の電子部品の損傷を低減するように構成されている。外科用器具電子サブシステム7040は、露出した電気導体7002、7004と直列の極性保護回路7042を用いる。一実施形態では、極性保護回路7042は、主電源回路7010に結合された補助電源回路7014を作成することによって実装されてもよい。補助電源回路7014の電気導体7002、7004が逆極性で給電された場合、主電源回路7010空の電力を隔離して損傷を防止する。主電源回路7010は電力を供給する活性状態のままになるので、主回路の保護されたプロセッサ7008は状態を監視することができる。補助電源回路7014の逆極性が修復されると、補助電源回路7014は、主電源回路7010を再接合し、二次回路に電力を供給するのに利用可能である。逆極性保護回路7042はまた、逆極性状態をデバイスのエンドユーザに示すために監視されてもよい。逆極性保護回路7042はまた、逆極性事象が示された場合にデバイスの発射をロックアウトするために監視されてもよい。
図122は、一実施形態による外科用器具の二次回路のセンサ及び/又は電子構成要素7005に対する逆極性保護回路7042である。正常動作の間、リレースイッチS1は、常時閉(NC)位置にある出力接点を備え、主電源回路7010(図121)の電池電圧B1は二次回路に結合されたVOUTに印加される。ダイオードD1は、電流がリレースイッチS1のコイル7046(インジケータ)を通って流れることを阻害する。電池B1の極性が反転されると、ダイオードD1は導通し、電流がリレースイッチS1のコイル7046を通って流れてリレースイッチS1に通電し、出力接点が常時開(NO)位置に配置され、その結果、二次回路に結合されたVOUTからの逆電圧が切断される。スイッチS1がNO位置になると、電池B1の正端子からの電流はLED D3及び抵抗R1を通って流れて、電池B1が短絡することが防止される。ダイオードD2は、切り替えの間にコイル7046によって生じるスパイクから保護するクランピングダイオードである。
一実施形態では、本明細書に記載する外科用器具は、モジュール式デバイス上のセンサに対してスリープモードを利用する、電力低減技術を提供する。図123は、一実施形態によるセンサ及び/又は電子構成要素7005に対してスリープモードモニタ7052を利用して電力を低減する外科用器具電子サブシステム7050のブロック図である。一実施形態では、二次回路のセンサ及び/又は電子構成要素7005に対するスリープモードモニタ7052は、外科用器具の電力消費を低減する回路として、かつ/又はソフトウェアルーチンとして実現されてもよい。スリープモードモニタ7052の保護回路は、1つ又は2つ以上のスリープモード状態をデバイスのエンドユーザに対して示すために監視されてもよい。デバイスにおけるスリープモード状態の場合、スリープモードモニタ7052の保護回路/ソフトウェアは、デバイスがユーザによって発射又は操作されることをロックアウトするように構成されてもよい。
様々な実施形態では、本明細書に記載する外科用器具は、電子センサ7005を使用して、組織の圧縮性及び厚さに関するリアルタイムフィードバックを提供する。外科用器具のモジュール式アーキテクチャにより、カスタムモジュール式シャフトの構成が作業に特有の技術を用いることが可能になる。センサ及び/又は電子構成要素7005を使用可能にするため、電力及びデータ信号の両方をモジュール式構成要素間で転送する、追加の電子接続点及び構成要素が用いられてもよい。センサ及び/又は電子構成要素7005の数が増加するにつれて、外科用器具の電力消費が増加し、それにより、外科用器具の電力消費を低減する技術が必要になる。
一実施形態では、電子サブシステム7050は、感知型の外科用器具の電力消費を低減する、センサ7005用のスリープモードモニタ7052回路及び/又はソフトウェアを備える。スリープモードモニタ7052は、主電源回路7010に結合された補助電源回路7014を作成することによって実装されてもよい。デバイス状態モニタ7054は、外科用器具が、1=非掴持状態、2=掴持中状態、又は3=掴持後状態のいずれであるかを監視する。スリープモードモニタ7052ソフトウェアが、外科用器具が非感知(1=非掴持状態)状態にあると判断すると、スリープモードモニタ7052は、二次回路のセンサ及び/又は電子構成要素7005をスリープモードに入れて、主電源回路7010に対する電力負荷を低減する。主電源回路7010は電力を供給する活性状態のままになるので、主回路の保護されたプロセッサ7008は状態を監視することができる。外科用器具がセンサ活性を要する状態に入ると、補助電源回路7014が覚醒され、主電源回路7010を再接合する。スリープモードモニタ7051回路は、集積回路、固体構成要素、マイクロプロセッサ、及び/又はファームウェアの混合を利用することができる。スリープモードモニタ7051回路はまた、デバイスのエンドユーザに対して状態を示すために監視されてもよい。スリープモードモニタ7051回路はまた、デバイスがスリープモードの場合にデバイスの発射又は機能をロックアウトするために監視されてもよい。
一実施形態では、本開示は、モジュール式外科用器具のセンサ及び/又は電子構成要素の間欠的な電力損失に対する保護を提供する。図124は、モジュール式外科用器具の二次回路のセンサ及び/又は電子構成要素7005の間欠的な電力損失に対する保護を提供する一時的電力損失回路7062を備える外科用器具電子サブシステム7060のブロック図である。
様々な実施形態では、本明細書に記載する外科用器具は、センサ及び/又は電子構成要素7005を使用して、組織の圧縮性及び厚さに関するリアルタイムフィードバックを提供する。モジュール式アーキテクチャは、作業に特有の技術を用いるために、外科用器具が、カスタムモジュール式シャフトと共に構成されることを可能にする。センサ及び/又は電子構成要素7005を使用可能にするため、電力及び信号の両方をモジュール式構成要素間で転送する、追加の電子接続点及び構成要素が用いられてもよい。電気接続点の数が増加するにつれて、センサ及び/又は電子構成要素7005が短期間の間欠的な電力損失を経験する可能性が増加する。
一実施形態によれば、一時的電力損失回路7062は、感知型の外科用器具における短期間の間欠的な電力損失によるデバイス動作誤りを低減するように構成されている。一時的電力損失回路7062は、主電源回路7010からの電力が遮断された場合に、短期間の間連続的に電力を送達する能力を有する。一時的電力損失回路7062は、容量素子、電池、及び/又は電力を一様化、検出、若しくは格納することができる他の電子素子を備えてもよい。
図124に示されるように、一時的電力損失回路7062は、主回路/ソフトウェアに結合された補助回路/ソフトウェアを作成することによって実装されてもよい。補助回路/ソフトウェアが主電源からの急な電力損失を経験した場合、補助電源回路7014によって給電されるセンサ及び/又は電子構成要素7005は、短期間の間は影響を受けない。電力損失の間、補助電源回路7014は、容量素子、電池、及び/又は電力を一様化若しくは格納することができる他の電子素子によって給電されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアどちらかの形で実装された一時的電力損失回路7062はまた、デバイスが電力節約モードの場合に、外科用器具の発射又は機能をロックアウトするために監視されてもよい。外科用器具における間欠的な電力損失状態の場合、ハードウェア又はソフトウェアどちらかの形で実装された一時的電力損失回路7062は、外科用器具の発射又は動作をロックアウトしてもよい。
図125は、ハードウェア回路として実装される一時的電力損失回路7062の一実施形態を示している。一時的電力損失回路7062のハードウェア回路は、短期間の間欠的な電力損失による外科用器具の動作誤りを低減するように構成されている。一時的電力損失回路7062は、主電源回路7010(図124)からの電力が遮断された場合に、短期間の間連続的に電力を送達する能力を有する。一時的電力損失回路7062は、容量素子、電池、及び/又は電力を一様化、検出、若しくは格納することができる他の電子素子を用いる。一時的電力損失回路7062は、1つ又は2つ以上の状態を外科用器具のエンドユーザに示すために監視されてもよい。外科用器具における間欠的な電力損失状態の場合、一時的電力損失回路7062の保護回路/ソフトウェアは、デバイスの発射又は動作をロックアウトしてもよい。
例示される実施形態では、一時的電力損失回路7062はアナログスイッチ集積回路U1を備える。一実施形態では、アナログスイッチ集積回路U1は、Maximによって提供されるMAX4501など、単極/単投(SPST)低電圧単電源のCMOSアナログスイッチである。一実施形態では、アナログスイッチ集積回路U1は、常時開(NO)である。他の実施形態では、アナログスイッチ集積回路U1は、常時閉(NC)であってもよい。入力INによって、NOアナログスイッチ7064が活性化して、待機中の「予備コンデンサ」を介して、逓昇DC−DC変換器U3の出力を線形調整器U2の入力に接続する。線形調整器U2の出力は、DC−DC変換器U3の入力に結合されている。線形調整器U2は、超低供給電流及び低ドロップアウト電圧を組み合わせることによって、電池寿命を最大にする。一実施形態では、線形調整器U2は、Maximによって提供されるMAX882集積回路である。
電池はまた、逓昇DC−DC変換器U3の入力に結合されている。逓昇DC−DC変換器U3は、外部ショットキーダイオードの必要性を排除することによって、効率を改善すると共にサイズ及びコストを低減する、内蔵型の同期整流器を備えた小型で高効率の逓昇DC−DC変換器であってもよい。一実施形態では、逓昇DC−DC変換器U3は、MaximによるMAX1674集積回路である。
スマートカートリッジ技術
図126A及び126Bは、プロセッサ10012と連通している磁石10008及びホール効果センサ10010を備えるエンドエフェクタ10000の一実施形態を示している。エンドエフェクタ10000は、上述したエンドエフェクタ300に類似している。エンドエフェクタは、第2の顎部材、又は細長いチャネル10004に枢動可能に結合された、第1の顎部材、即ちアンビル10002を備える。細長いチャネル10004は、ステープルカートリッジ10006を中で動作可能に支持するように構成されている。ステープルカートリッジ10006は、上述したステープルカートリッジ304に類似している。アンビル10008は、磁石10008を備える。ステープルカートリッジは、ホール効果センサ10010及びプロセッサ10012を備える。ホール効果センサ10010は、導電結合10014を通してプロセッサ10012と連通するように動作可能である。ホール効果センサ10010は、アンビル10002が閉位置にあるとき、磁石10008と動作可能に結合するように、ステープルカートリッジ10006内で位置付けられる。ホール効果センサ10010は、磁石10008の移動又は位置による、ホール効果センサ10010を取り囲む磁界の変化を検出するように構成することができる。
図127は、ホール効果センサ10010の動作に関連する動作可能寸法の一実施形態を示している。第1の寸法10020は、磁石10008の中心の底部とステープルカートリッジ10006の頂部との間である。第1の寸法10020は、例えば、0.118cm、0.0826cm、0.0391cm、若しくは0.0391cm(0.0466インチ、0.0325インチ、0.0154インチ、若しくは0.0154インチ)、又は任意の妥当な値の間など、ステープルカートリッジ10006のサイズ及び形状に伴って変動し得る。第2の寸法10022は、磁石10008の中心の底部とホール効果センサ10010の頂部との間である。第2の寸法もまた、例えば、0.169cm、0.133cm、0.0899cm、0.0881cm(0.0666インチ、0.0525インチ、0.0354インチ、0.0347インチ)、又は任意の妥当な値など、ステープルカートリッジ10006のサイズ及び形状に伴って変動し得る。第3の寸法10024は、プロセッサ10012の頂部とステープルカートリッジ10006の引込み面10028との間である。第3の寸法もまた、例えば、0.113cm、0.112cm、0.101cm、0.0904cm(0.0444インチ、0.0440インチ、0.0398インチ、0.0356インチ)、又は任意の妥当な値など、ステープルカートリッジのサイズ及び形状に伴って変動し得る。角度10026は、アンビル10002とステープルカートリッジ10006の頂部との間の角度である。角度10026もまた、例えば、0.91度、0.68度、0.62度、0.15度、又は任意の妥当な値など、ステープルカートリッジ10006のサイズ及び形状に伴って変動し得る。
図128A〜128Dは、ステープルカートリッジ10006のサイズ及び形状に伴って変動する可能性があり、またホール効果センサ10010の動作に影響する可能性がある、寸法を更に示している。図128Aは、ステープルカートリッジ10006の一実施形態の外部側面図を示している。ステープルカートリッジ10006は、押し出しラグ10036を備える。図126Aに示されるように、ステープルカートリッジ10006がエンドエフェクタ10000と動作可能に結合されているとき、押し出しラグ10036は、細長いチャネル10004の側に収まっている。
図128Bは、押し出しラグ10036の下面10038とホール効果センサ10010(図示せず)の頂部との間の可能な様々な寸法を示している。第1の寸法10030aは、黒色、青色、緑色、又は金色のステープルカートリッジ10006の場合に可能であり、ステープルカートリッジ10006の本体の色は、ステープルカートリッジ10006の様々な態様を識別するために使用されてもよい。第1の寸法10030aは、例えば、押し出しラグ10036の下面10038の下方0.013cm(0.005インチ)であることができる。第2の寸法10030bは、灰色のステープルカートリッジ10006の場合に可能であり、押し出しラグ10036の下面10038の上方0.15cm(0.060インチ)であることができる。第3の寸法10030cは、白色のステープルカートリッジ10006の場合に可能であり、押し出しラグ10036の下面10038の上方0.076cm(0.030インチ)であることができる。
図128Cは、ステープルカートリッジ10006の一実施形態の外部側面図を示している。ステープルカートリッジ10006は、下面10038を有する押し出しラグ10036を備える。ステープルカートリッジ10006は、ホール効果センサ10010(図示せず)の直上にある上面10046を更に備える。図128Dは、押し出しラグ10038の下面10038とホール効果センサ10010の上方にあるステープルカートリッジ10006の上面10046との間の可能な様々な寸法を示している。第1の寸法10040は、黒色、青色、緑色、又は金色のステープルカートリッジ10006の場合に可能であり、例えば、押し出しラグ10036の下面10038の上方0.038cm(0.015インチ)であることができる。第2の寸法10042は、灰色のステープルカートリッジ10006の場合に可能であり、例えば、0.20cm(0.080インチ)であることができる。第3の寸法10044は、白色のステープルカートリッジ10006の場合に可能であり、例えば0.050であることができる。
ステープルカートリッジ10006の本体の色に対する言及は、便宜のためであり、単なる例であることが理解される。ステープルカートリッジ10006本体の他の色が可能であることが理解される。また、図128A〜128Dに対して与えられている寸法も、例であって非限定的であることが理解される。
図129Aは、各磁石10058a〜10058dが、図126A〜126Bに示されるアンビル10002など、アンビルの遠位端にどのように嵌合することができるかによる、様々なサイズの磁石10058a〜10058dの様々な実施形態を示している。磁石10058a〜10058dは、アンビルのピン又は枢動点10052から所与の距離10050で、アンビル10002の遠位先端に位置付けることができる。この距離10050は、エンドエフェクタ及びステープルカートリッジの構造、並びに/又は磁石の所望の位置に伴って変動してもよい。図129Bは、アンビル10002及びアンビル10002の中心軸点の前端断面図10054を更に示している。図129Aはまた、磁石10058a〜10058dの様々な実施形態が同じアンビル10002にどのように 嵌合することができるかの一例10056を示している。
図130A〜130Eは、例として、図129A〜129Bに示されるような磁石10058aを備える、エンドエフェクタ10100の一実施形態を示している。図130Aは、エンドエフェクタ10100の前端断面図を示している。エンドエフェクタ10100は、上述したエンドエフェクタ300に類似している。エンドエフェクタ10100は、第1の顎部材又はアンビル10102と、第2の顎部材又は細長いチャネル10104と、細長いチャネル10104に動作可能に結合されたステープルカートリッジ10106とを備える。アンビル10102は、磁石10058aを更に備える。ステープルカートリッジ10106は、ホール効果センサ10110を更に備える。アンビル10102は、ここでは閉位置で示されている。図130Bは、原位置のアンビル10102及び磁石10058aの前端切欠図を示している。図130Cは、原位置のアンビル10102及び磁石10058aの切欠斜視図を示している。図130Dは、動作位置にあるアンビル10102及び磁石10058aの側面切欠図を示している。図130Eは、動作位置にあるアンビル10102及び磁石10058aの上面切欠図を示している。
図131A〜131Eは、例として、図129A〜129Bに示されるような磁石10058dを備える、エンドエフェクタ10150の一実施形態を示している。図131Aは、エンドエフェクタ10150の前端断面図を示している。エンドエフェクタ10150は、アンビル10152と、細長いチャネル10154と、ステープルカートリッジ10156とを備える。アンビル10152は、磁石10058dを更に備える。ステープルカートリッジ10156は、ホール効果センサ10160を更に備える。図131Bは、原位置のアンビル10150及び磁石10058dの前端切欠図を示している。図131Cは、動作位置にあるアンビル10152及び磁石10058dの切欠斜視図を示している。図131Dは、動作位置にあるアンビル10152及び磁石10058dの側面切欠図を示している。図131Eは、動作位置にあるアンビル10152及び磁石10058dの上面切欠図を示している。
図132は、上述したようなエンドエフェクタ300を示し、また、アンビル306とステープルカートリッジ304及び/又は細長いチャネル302のどちらかとの間の接触点を示している。アンビル306とステープルカートリッジ304及び/又は細長いチャネル302との間の接触点は、アンビル306の位置を判断し、並びに/あるいはアンビル306とステープルカートリッジ304との間、及び/又はアンビル306と細長いチャネル302との間の地点を提供するために使用することができる。遠位側接触点10170は、アンビル306とステープルカートリッジ304との間の接触点を提供することができる。近位側接触点10172は、アンビル306と細長いチャネル302との間の接触点を提供することができる。
図133A及び133Bは、遠位側接触点における導電性表面を使用して電気接続を作り出すように動作可能なエンドエフェクタ10200の一実施形態を示している。エンドエフェクタ10200は、上述したエンドエフェクタ300に類似している。エンドエフェクタは、アンビル10202と、細長いチャネル10204と、ステープルカートリッジ10206とを備える。アンビル10202は、磁石10208と内表面10210とを更に備え、内表面は、多数のステープル形成インデント10212を更に備える。いくつかの実施形態では、アンビル10202の内表面10210は、ステープル形成インデント10212を取り囲む第1の導電性表面10214を更に備える。第1の導電性表面10214は、図107Bに示されるように、ステープルカートリッジ10206上の第2の導電性表面10222と接触することができる。図107Bは、ステープルカートリッジ10206のカートリッジ本体10216の拡大図を示している。カートリッジ本体10216は、ステープル(図示せず)を保持するように設計された多数のステープルキャビティ10218を備える。いくつかの実施形態では、ステープルキャビティ10218は、カートリッジ本体10216の表面の上方に突出するステープルキャビティ延長部10220を更に備える。ステープルキャビティ延長部10220は、第2の導電性表面10222で覆うことができる。ステープルキャビティ延長部10222は、カートリッジ本体10216の表面の上方に突出しているので、アンビル10202が閉位置にあると、第2の導電性表面10222が第1の導電性表面10214と接触するようになる。このようにして、アンビル10202は、ステープルカートリッジ10206との電気的接触を形成することができる。
図134A〜134Cは、導電性表面を使用して電気接続を形成するように動作可能なエンドエフェクタ10250の一実施形態を示している。図134Aは、アンビル10252と、細長いチャネル10254と、ステープルカートリッジ10256とを備えるエンドエフェクタ10250を示している。アンビルは、磁石10258と内表面10260とを更に備え、内表面はステープル形成インデント10262を更に備える。いくつかの実施形態では、アンビル10250の内表面10260は、例として、図134Bに示されるように、ステープル形成面10262から遠位側に位置する、第1の導電性表面10264を更に備えることができる。第1の導電性表面10264は、図134Cに示されるように、ステープルカートリッジ10256上に位置する第2の導電性表面10272と接触することができるようにして配置される。図134Cは、カートリッジ本体10266を備えるステープルカートリッジ10256を示している。カートリッジ本体10266は、いくつかの実施形態では、第2の導電性表面10272で覆うことができる、上面10270を更に備える。第1の導電性表面10264は、アンビル10252が閉位置にあるときに第2の導電性表面10272と接触するようにして、アンビル10252の内表面10260上に配置される。このようにして、アンビル10250は、ステープルカートリッジ10256との電気的接触を形成することができる。
図135A及び135Bは、導電性表面を使用して電気接続を形成するように動作可能なエンドエフェクタ10300の一実施形態を示している。エンドエフェクタ10300は、アンビル10302と、細長いチャネル10304と、ステープルカートリッジ10306とを備える。アンビル10302は、磁石10308と内表面10310とを更に備え、内表面は、多数のステープル形成インデント10312を更に備える。いくつかの実施形態では、内表面10310は、ステープル形成インデント10312のいくつかを取り囲む第1の導電性表面10314を更に備える。第1の導電性表面は、図109Bに示されるように、第2の導電性表面10322と接触することができるようにして配置される。図109Bは、ステープルカートリッジ10306の拡大図を示している。ステープルカートリッジ10306は、カートリッジ本体10316を備え、カートリッジ本体は、上面10320を更に備える。いくつかの実施形態では、上面10320の前縁を、第2の導電性表面10322で覆うことができる。第1の導電性表面10312は、アンビル10302が閉位置にあるときに、第2の導電性表面10322と接触するようにして位置付けられる。このようにして、アンビル10302は、ステープルカートリッジ10306との電気接続を形成することができる。
図136A及び136Bは、導電性表面を使用して電気接続を形成するように動作可能なエンドエフェクタ10350の一実施形態を示している。図136Aは、アンビル10352と、細長いチャネル10354と、ステープルカートリッジ10356とを備えるエンドエフェクタ10350を示している。アンビル10352は、磁石10358と内表面10360とを更に備え、内表面は、多数のステープル形成インデント10362を更に備える。いくつかの実施形態では、内表面10360は、ステープル形成インデント10362のいくつかを取り囲む第1の導電性表面10364を更に備える。第1の導電性表面は、図136Bに示されるように、第2の導電性表面10372と接触することができるように配置される。図136Bは、ステープルカートリッジ10356の拡大図を示している。ステープルカートリッジ10356は、カートリッジ本体10366を備え、カートリッジ本体は、上面10370を更に備える。いくつかの実施形態では、上面10327の前縁を、第2の導電性表面10372で覆うことができる。第1の導電性表面10362は、アンビル10352が閉位置にあるときに、第2の導電性表面10372と接触するようにして位置付けられる。このようにして、アンビル10352は、ステープルカートリッジ10356との電気接続を形成することができる。
図137A〜137Cは、近位側接触点10408を使用して電気接続を形成するように動作可能なエンドエフェクタ10400の一実施形態を示している。図137Aは、アンビル10402と、細長いチャネル10404と、ステープルカートリッジ10406とを備えるエンドエフェクタ10400を示している。アンビル10402は、アンビル10402から延在し、細長いチャネル10404及びステープルカートリッジ10406に対して開位置と閉位置との間でアンビルを枢動可能にする、ピン10410を更に備える。図137Bは、ピンを収める目的で細長いチャネル10404に画定されたアパーチャ10418内に収まっているピン10410の拡大図である。いくつかの実施形態では、ピン10410は、ピン10410の外側に位置する第1の導電性表面10412を更に備える。いくつかの実施形態では、アパーチャ10418は、その外表面上に第2の導電性表面10141を更に備える。アンビル10402が閉位置と開位置との間で移動するにつれて、ピン10410上の第1の導電性表面10412が回転し、アパーチャ10418の表面上の第2の導電性表面10414と接触するようになり、それによって電気的接触が形成される。図137Cは、第2の導電性表面10416の代替位置がアパーチャ10418の表面上にある代替実施形態を示している。
図138は、遠位側センサプラグ10466を備えたエンドエフェクタ10450の一実施形態を示す図である。エンドエフェクタ10450は、第1の顎部材又はアンビル10452と、第2の顎部材又は細長いチャネル10454と、ステープルカートリッジ10466とを備える。ステープルカートリッジ10466は、ステープルカートリッジ10466の遠位端に位置する遠位側センサプラグ10466を更に備える。
図139Aは、アンビル10452が開位置にあるエンドエフェクタ10450を示している。図139Bは、アンビル10452が開位置にあるエンドエフェクタ10450の断面図を示している。例示されるように、アンビル10452は、磁石10458を更に備えてもよく、ステープルカートリッジ10456は、遠位側センサプラグ10466と、上述した楔形スレッド190に類似している楔形スレッド10468とを更に備えてもよい。図139Cは、アンビル10452が閉位置にあるエンドエフェクタ10450を示している。図139Dは、アンビル10452が閉位置にあるエンドエフェクタ10450の断面図を示している。例示されるように、アンビル10452は、磁石10458を更に備えてもよく、ステープルカートリッジ10456は、遠位側センサプラグ10466と楔形スレッド10468とを更に備えてもよい。例示されるように、アンビル10452がステープルカートリッジ10456に対して閉位置にあるとき、磁石10458は、遠位側センサプラグ10466に近接している。
図140は、エンドエフェクタ10450の遠位端の断面の拡大図を提供している。例示されるように、遠位側センサプラグ10466は、プロセッサ10462と連通しているホール効果センサ10460を更に備えてもよい。ホール効果センサ10460は、可撓性基板10464に動作可能に接続することができる。プロセッサ10462はまた、可撓性基板10464がホール効果センサ10460とプロセッサ10462との間に通信経路を提供するようにして、可撓性基板10464に動作可能に接続することができる。アンビル10452は閉位置で示されており、例示されるように、アンビル10452が閉位置にあるとき、磁石10458は、ホール効果センサ10460に近接している。
図141は、遠位側センサプラグ10466を備えるステープルカートリッジ10456の拡大上面図を示している。ステープルカートリッジ10456は、カートリッジ本体10470を更に備える。カートリッジ本体10470は、電気トレース10472を更に備える。電気トレース10472は、遠位側センサプラグ10466に電力を提供し、更に詳細に後述するように、ステープルカートリッジ10456の近位端で電源に接続される。電気トレース10472は、例えばレーザーエッチングなど、様々な方法によってカートリッジ本体10470内に配置することができる。
図142A及び142Bは、遠位側センサプラグ10516を備えたステープルカートリッジ10506の一実施形態を示している。図142Aは、ステープルカートリッジ10506の下面の斜視図である。ステープルカートリッジ10506は、カートリッジ本体10520とカートリッジトレイ10522とを備える。ステープルカートリッジ10506は、ステープルカートリッジ10506の遠位端の下側領域を囲む、遠位側センサカバー10524を更に備える。カートリッジトレイ10522は、電気接点10526を更に備える。図142Bは、ステープルカートリッジ10506の遠位端の断面図を示している。例示されるように、ステープルカートリッジ10506は、カートリッジ本体10520内に位置する遠位側センサプラグ10516を更に備えることができる。遠位側センサプラグ10516は、どちらも可撓性基板10514に動作可能に接続される、ホール効果センサ10510及びプロセッサ10512を更に備える。遠位側センサプラグ10516は、電気接点10526に接続することができ、したがってカートリッジトレイ10522の導電性を電力源として使用することができる。図142Bは、カートリッジ本体10520内の遠位側センサプラグ10516を囲む、遠位側センサカバー10524を更に示している。
図143A〜143Cは、ホール効果センサ10610及びプロセッサ10612に接続された可撓ケーブル10630を備えるステープルカートリッジ10606の一実施形態を示している。ステープルカートリッジ10606は、上述したステープルカートリッジ306に類似している。図143Aは、ステープルカートリッジ10606の分解図である。ステープルカートリッジ10606は、カートリッジ本体10620と、楔形スレッド10618と、カートリッジトレイ10622と、可撓ケーブル10630とを備える。可撓ケーブル10630は、ステープルカートリッジ10606が、上述したエンドエフェクタ10800などのエンドエフェクタと動作可能に結合されると電気接続を作るように配置された、ステープルカートリッジ10606の近位端にある電気接点10632を更に備える。電気接点10632は、ステープルカートリッジ10606の長さの一部に沿って延在する、ケーブルトレース10634と一体化される。ケーブルトレース10634は、ステープルカートリッジ10606の遠位端付近で接続10636し、この接続10636によって導電結合10614と接合される。ホール効果センサ10610及びプロセッサ10612は、ホール効果センサ10610とプロセッサ10612とが連通することができるようにして、導電結合10614に動作可能に結合されている。
図143Bは、ステープルカートリッジ10606及び可撓ケーブル10630の組立を更に詳細に示している。例示されるように、カートリッジトレイ10622はカートリッジ本体10620の下面を囲み、それによって楔形スレッジ10618を囲む。可撓ケーブル10630はカートリッジトレイ10622の外側に配置することができ、導電結合10614はカートリッジ本体10620の遠位端内に位置付けられ、電気接点10632は近位端付近で外側に配置される。可撓ケーブル10630は、例えば結合又はレーザーエッチングなどの任意の適切な手段によって、カートリッジトレイ10622の外側に配置することができる。
図143Cは、本実施形態による、ホール効果センサ10610、プロセッサ10612、及びステープルカートリッジの遠位端内の導電結合10614の配置を示すステープルカートリッジ10606の断面図を示している。
図144A〜144Fは、ホール効果センサ10660及びプロセッサ10662に接続された可撓ケーブル10680を備えるステープルカートリッジ10656の一実施形態を示している。図144Aは、ステープルカートリッジ10656の分解図である。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体10670と、楔形スレッド10668と、カートリッジトレイ10672と、可撓ケーブル10680とを備える。可撓ケーブル10680は、ステープルカートリッジ10656の長さの一部に沿って延在するケーブルトレース10684を更に備える。ケーブルトレース10684はそれぞれ、それらの遠位端付近の角度10686を有し、そこから導電結合10664に接続している。ホール効果センサ10660及びプロセッサ10662は、ホール効果センサ10660とプロセッサ10662とが連通することができるようにして、導電結合10664に動作可能に結合されている。
図144Bは、ステープルカートリッジ10656の組立を示している。カートリッジトレイ10672は、カートリッジ本体10670の下面を囲み、それによって楔形スレッド10668を囲む。可撓ケーブル10680は、カートリッジ本体10670とカートリッジトレイ10672との間に配置される。そのため、図面では、角度10686及び導電結合10664のみが見えている。
図144Cは、組み立てられたステープルカートリッジ10656の下面を示すと共に可撓ケーブル10680を更に詳細に示している。組み立てられたステープルカートリッジ10656では、導電結合10664は、ステープルカートリッジ10656の遠位端に位置している。可撓ケーブル10680をカートリッジ本体10670とカートリッジトレイ10672との間に配置することができるので、ケーブルトレース10684の角度10686端部のみが、ステープルカートリッジ10656の下面、並びに導電結合10664から見える。
図144Dは、ホール効果センサ10660、プロセッサ10662、及び導電結合10664の配置を示すステープルカートリッジ10656の断面図を示している。また、角度10686がどこに配置され得るかを例示するため、ケーブルトレース10684の角度10686が示されている。ケーブルトレース10684は、図示されていない。
図144Eは、カートリッジトレイ10672を有さず、最遠位位置にある楔形スレッド10668を含む、ステープルカートリッジ10656の下面を示している。カートリッジトレイ10672があるとそれに隠れてしまうケーブルトレース10684の可能な配置を例示するために、スカートリッジトレイ10672を除いてテープルカートリッジ10656が示されている。例示されるように、ケーブルトレース10684は、カートリッジ本体10670の内部に配置することができる。角度10686によって、任意に、ケーブルトレース10684がカートリッジ本体10670の遠位端のより狭い空間を占めることが可能になる。
図144Fはまた、ケーブルトレース10684の可能な配置を示すためにカートリッジトレイ10672を有しないステープルカートリッジ10656を示している。例示されるように、ケーブルトレース10684は、カートリッジ本体10670の外側の長さに沿って配置することができる。更に、ケーブルトレース10684は、カートリッジ本体10670の遠位端の内部に入る角度10686を形成することができる。
図145A及び145Bは、可撓ケーブル10730、ホール効果センサ10710、及びプロセッサ10712を備えるステープルカートリッジ10706の一実施形態を示している。図145Aは、ステープルカートリッジ10706の分解図である。ステープルカートリッジ10706は、カートリッジ本体10720と、楔形スレッド10718と、カートリッジトレイ10722と、可撓ケーブル10730とを備える。可撓ケーブル10730は、ステープルカートリッジ10706がエンドエフェクタと動作可能に結合されると、電気接続を作るように配置された、電気接点10732を更に備える。電気接点10732は、ケーブルトレース10734と一体化される。ケーブルトレースは、ステープルカートリッジ10706の遠位端付近で接続10736し、この接続10736によって導電結合10714と接合される。ホール効果センサ10710及びプロセッサ10712は、連通することができるようにして、導電結合10714に動作可能に結合されている。
図145Bは、ステープルカートリッジ10706及び可撓ケーブル10730の組立を更に詳細に示している。例示されるように、カートリッジトレイ10722は、カートリッジ本体10720の下面を囲み、それによって楔形スレッド10718を囲む。可撓ケーブル10730は、導電結合10714がカートリッジ本体10720の遠位端内に位置付けられた状態で、カートリッジトレイ10722の外側に配置することができる。可撓ケーブル10730は、例えば結合又はレーザーエッチングなどの任意の適切な手段によって、カートリッジトレイ10722の外側に配置することができる。
図146A〜146Fは、遠位側センサプラグ10816を備えるステープルカートリッジ10806に電力を提供するように動作可能な可撓ケーブル10840を備えたエンドエフェクタ10800の一実施形態を示している。エンドエフェクタ10800は、上述したエンドエフェクタ300に類似している。エンドエフェクタ10800は、第1の顎部材又はアンビル10802と、第2の顎部材又は細長いチャネル10804と、細長いチャネル10804に動作可能に結合されたステープルカートリッジ10806とを備える。エンドエフェクタ10800は、シャフト組立体10900に動作可能に結合されている。シャフト組立体10900は、上述のシャフト組立体200と類似している。シャフト組立体10900は、シャフト組立体10900の外側を囲む閉鎖チューブ10902を更に備える。いくつかの実施形態では、シャフト組立体10900は、二重枢動閉鎖スリーブ組立体10906を含む関節継手10904を更に備える。二重枢動閉鎖スリーブ組立体10906は、エンドエフェクタ10800と結合するように動作可能なエンドエフェクタ閉鎖スリーブ組立体10908を含む。
図146Aは、シャフト組立体10900に結合されたエンドエフェクタ10800の斜視図を示している。様々な実施形態では、シャフト組立体10900は、更に詳細に後述するように、関節継手10904の機能に干渉しないように構成された、可撓ケーブル10830を更に備える。図146Bは、エンドエフェクタ10800及びシャフト組立体10900の下面の斜視図を示している。いくつかの実施形態では、シャフト組立体10900の閉鎖チューブ10902は、可撓ケーブル10908が中を通って延在することができる第1のアパーチャ10908を更に備える。閉鎖スリーブ組立体10908は、やはり可撓ケーブル10908が中を通ることができる第2のアパーチャ10910を更に備える。
図146Cは、可撓ケーブル10830を有し、シャフト組立体10900を有しないエンドエフェクタ10800を示している。例示されるように、いくつかの実施形態では、可撓ケーブル10830は、関節継手10904の周りに巻きつくように動作可能であり、それによって関節継手10904の運動に伴って屈曲するように動作可能である、単コイル10832を含むことができる。
図146D及び146Eは、可撓ケーブル10830を細長いチャネル10804内にどのように収めることができるかを示す、アンビル10802又はステープルカートリッジ10806を有さないエンドエフェクタ10800の細長いチャネル10804部分を示している。いくつかの実施形態では、細長いチャネル10804は、可撓ケーブル10830を受け入れるための第3のアパーチャ10824を更に備える。細長いチャネル10804の本体内で、可撓ケーブルは分岐10834して、細長いチャネル10804のどちらかの側に延長部10836を形成する。図146Eは、可撓ケーブル延長部10836に動作可能に結合することができるコネクタ10838を更に示している。
図146Fは、可撓ケーブル10830のみを示している。例示されるように、可撓ケーブル10830は、関節継手10904の周りに巻きつくように動作可能な単コイル10832と、延長部10836に付着する分岐10834とを備える。延長部は、コネクタ10838に結合することができ、コネクタは、後述するように、それらの遠位側に面する面上に、ステープルカートリッジ10806に結合するためのプロング10840を有する。
図147は、ステープルカートリッジ10806が結合された細長いチャネル10804の拡大図を示している。ステープルカートリッジ10804は、カートリッジ本体10822と、カートリッジトレイ10820とを備える。いくつかの実施形態では、ステープルカートリッジ10806は、ステープルカートリッジ10806の近位端で近位側接点10856に結合された電気トレース10828を更に備える。近位側接点10856は、可撓ケーブル延長部10836に結合されたコネクタ10838のプロング10840と導電接続を形成するように位置付けることができる。したがって、ステープルカートリッジ10806が細長いチャネル10804と動作可能に結合されると、可撓ケーブル10830は、コネクタ10838及びコネクタプロング10840を通して、ステープルカートリッジ10806に電力を提供することができる。
図148A〜148Dは、エンドエフェクタ10800の本実施形態と共に動作するステープルカートリッジ10806の一実施形態を更に示している。図148Aは、ステープルカートリッジ10806の近位端の拡大図を示す。上述したように、ステープルカートリッジ10806は、上述したような可撓ケーブル10830と結合するように動作可能な近位側接点10856を、ステープルカートリッジ10806の近位端に形成する、電気トレース10828を備える。図148Bは、後述するような、遠位側センサプラグ10816のための空間を有するステープルカートリッジ10806の遠位端の拡大図を示している。例示されるように、電気トレース10828は、ステープルカートリッジ本体10822の長さに沿って延在し、遠位端に遠位側接点10856を形成することができる。図148Cは、いくつかの実施形態では、ステープルカートリッジ10806の遠位端にそのために形成された空間に受け入れられるように形作られる、遠位側センサプラグ10816を更に示している。図148Dは、遠位側センサプラグ10816の近位側に面する面を示している。例示されるように、遠位側センサプラグ10816は、ステープルカートリッジ10806の遠位側接点10858と結合するように位置付けられた、センサプラグ接点10854を有する。したがって、いくつかの実施形態では、電気トレース10828は遠位側センサプラグ10816に電力を提供するように動作可能であることができる。
図149A及び図149Bは、遠位側センサプラグ10816の一実施形態を示している。図149Aは、遠位側センサプラグ10816の切欠図を示している。例示されるように、遠位側センサプラグ10816は、ホール効果センサ10810と、プロセッサ10812とを備える。遠位側センサプラグ10816は、可撓性基板10814を更に備える。図149Bに更に示されるように、ホール効果センサ10810及びプロセッサ10812は、連通することができるようにして、可撓性基板10814に動作可能に結合されている。
図150は、アンビル19052部分の遠位先端にあるセンサ及び電子部品10972に電力を提供するように動作可能な可撓ケーブル10980を有するエンドエフェクタ10960の一実施形態を示している。エンドエフェクタ10950は、第1の顎部材又はアンビル10962と、第2の顎部材又は細長いチャネル10964と、細長いチャネル10952に動作可能に結合されたステープルカートリッジ10956とを備える。エンドエフェクタ10960は、シャフト組立体10960に動作可能に結合されている。シャフト組立体10960は、シャフト組立体10960を囲む閉鎖チューブ10962を更に備える。いくつかの実施形態では、シャフト組立体10960は、二重枢動閉鎖スリーブ組立体10966を含む関節継手10964を更に備える。
様々な実施形態では、エンドエフェクタ10950は、関節継手10964の機能に干渉しないように構成された、可撓ケーブル19080を更に備える。いくつかの実施形態では、閉鎖チューブ10962は、可撓ケーブル10980が中を通って延在することができる、第1のアパーチャ10968を備える。いくつかの実施形態では、可撓ケーブル10980は関節継手10964の周りに巻きつくループ又はコイル10982を更に備え、それによって、更に詳細に後述するように、可撓ケーブル10980は関節継手10964の機能に干渉しない。いくつかの実施形態では、可撓ケーブル10980は、アンビル10951の長さに沿って、アンビル10951の遠位先端にある第2のアパーチャ10970まで延在する。
図151A〜151Cは、エンドエフェクタ10950の関節継手10964及び可撓ケーブル19080の動作を示している。図151Aは、エンドエフェクタ109650がシャフト組立体10960に対して−45°枢動しているエンドエフェクタ10952の上面図を示している。例示されるように、可撓ケーブル10980のコイル10982は、関節継手10964と共に屈曲し、それによって可撓ケーブル10980は関節継手10964の動作に干渉しない。図151Bは、エンドエフェクタ10950の上面図を示している。例示されるように、コイル10982は、関節継手10964の周りに一回巻きついている。図151Cは、エンドエフェクタ10950がシャフト組立体10960に対して+45°枢動しているエンドエフェクタ10950の上面図を示している。例示されるように、可撓ケーブル10980のコイル10982は、関節継手10964と共に屈曲し、それによって可撓ケーブル10980は関節継手10964の動作に干渉しない。
図152は、センサ及び電子部品10972を備えたアンビル10952の一実施形態の遠位先端の断面図を示している。アンビル10952は、図150及び151A〜151Cに関して記載したような可撓ケーブル10980を備える。図152に示されるように、アンビル10952は、可撓ケーブル10980が貫通することができる第2のアパーチャ10970を更に備え、それによって、可撓ケーブル10980は、アンビル10952内のハウジング10974に入ることができる。ハウジング10974内で、可撓ケーブル10980は、ハウジング10974内に位置するセンサ及び電子部品10972に動作可能に結合し、それによって、センサ及び電子部品10972に電力を提供することができる。
図153は、アンビル10952の遠位先端の切欠図を示している。図153は、図152によって示されるような、センサ及び電子部品10972を収容することができるハウジング10974の一実施形態を示している。
様々な実施形態によれば、本明細書に記載する外科用器具は、様々なセンサに結合された1つ又は2つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を備えてもよい。それに加えて、プロセッサに対して、記憶装置(動作論理を有する)及び通信インターフェースが互いに結合されている。
上述したように、センサは、外科用デバイスと関連付けられたデータを検出し収集するように構成されてもよい。プロセッサは、センサから受信したセンサデータを処理する。
プロセッサは、動作論理を実行するように構成されてもよい。プロセッサは、当該技術分野で知られている多数のシングル又はマルチコアプロセッサのうち任意の1つであってもよい。記憶装置は、動作論理の永久及び一時(ワーキング)コピーを格納するように構成された、揮発性及び不揮発性記憶媒体を備えてもよい。
様々な実施形態では、動作論理は、初期の処理を行い、アプリケーションをホストするコンピュータにデータを送信して、命令を判断し生成するように構成されてもよい。これらの実施形態の場合、動作論理は、ホストコンピュータから情報を受信し、ホストコンピュータにフィードバックを提供するように更に構成されてもよい。代替実施形態では、動作論理は、情報を受信し、フィードバックを判断する際のより大きな役割を負うように構成されてもよい。いずれの場合も、それ自体で判断するか、ホストコンピュータからの命令に応答するかに関わらず、動作論理は、ユーザに対するフィードバックを制御し提供するように更に構成されてもよい。
様々な実施形態では、動作論理は、プロセッサの命令セットアーキテクチャ(ISA)によってサポートされた命令の形で、又は高水準言語の形で実装され、サポートされたISAにコンパイルされてもよい。動作論理は、1つ又は2つ以上の論理ユニット又はモジュールを含んでもよい。動作論理は、オブジェクト指向の方式で実装されてもよい。動作論理は、マルチタスキング及び/又はマルチスレッド方式で実行されるように構成されてもよい。他の実施形態では、動作論理は、ゲートアレイなどのハードウェアの形で実装されてもよい。
様々な実施形態では、通信インターフェースは、周辺装置とコンピューティングシステムとの間の通信を容易にするように構成されてもよい。通信は、ユーザの身体部位の位置、姿勢、及び/又は運動データと関連付けられる、収集された生体データをホストコンピュータに送信すること、並びに触覚フィードバックと関連付けられるデータをホストコンピュータから周辺装置に送信することを含んでもよい。様々な実施形態では、通信インターフェースは、有線又は無線通信インターフェースであってもよい。有線通信インターフェースの一例としては、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースが挙げられ得るが、それに限定されない。無線通信インターフェースの一例としては、Bluetoothインターフェースが挙げられ得るが、それに限定されない。
様々な実施形態の場合、プロセッサは、動作論理と共にパッケージ化されてもよい。様々な実施形態では、プロセッサは、動作論理と共にパッケージ化されてSiPを形成してもよい。様々な実施形態では、プロセッサは、同じダイ上で動作論理と一体化されてもよい。様々な実施形態では、プロセッサは、動作論理と共にパッケージ化されてシステムオンチップ(SoC)を形成してもよい。
様々な実施形態が、本明細書において、プロセッサによって実行されているソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンなど、コンピュータ実行可能命令の一般的文脈で記載されていることがある。一般に、ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンは、特定の動作を行うか、又は特定の抽象データタイプを実装するように構成された任意のソフトウェア要素を含む。ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンは、特定のタスクを行うか、又は特定の抽象データタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むことができる。ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンコンポーネント並びに技術の実装例は、コンピュータ可読媒体のいくつかの形態にわたって格納及び/又は送信されてもよい。これに関して、コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイスが情報を格納しアクセスできるように使用可能な、任意の入手可能な媒体であることができる。いくつかの実施形態はまた、通信ネットワークを通して結合された1つ又は2つ以上の遠隔処理デバイスによって動作が行われる、分散コンピューティング環境で実施されてもよい。分散コンピューティング環境では、ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンは、メモリ記憶デバイスを含むローカル及び遠隔両方のコンピュータ記憶媒体に配置されてもよい。情報とプロセッサによって実行される命令とを格納するため、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶デバイスなどのメモリが用いられてもよい。メモリはまた、プロセッサによって命令が実行される間、一時変数又は他の中間情報を格納するために使用されてもよい。
いくつかの実施形態は、様々な動作を行う機能コンポーネント、ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールを備えるものとして例示され記載されることがあるが、かかるコンポーネント又はモジュールは、1つ又は2つ以上のハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント、及び/又はそれの組み合わせによって実現されてもよいことを認識することができる。機能コンポーネント、ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールは、例えば、論理デバイス(例えば、プロセッサ)によって実行される論理(例えば、命令、データ、及び/又はコード)によって実装されてもよい。かかる論理は、1つ又は2つ以上のタイプのコンピュータ可読記憶媒体上の論理デバイスに内部又は外部で格納されてもよい。他の実施形態では、ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールなどの機能コンポーネントは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、回路素子(例えば、トランジスタ、抵抗、コンデンサ、インダクタなど)、集積回路、ASIC、PLD、DSP、FPGA、論理ゲート、レジスタ、半導体素子、チップ、マイクロチップ、チップセットなどを含んでもよい、ハードウェア要素によって実装されてもよい。
ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールの例としては、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、機械プログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、機能、方法、手順、ソフトウェアインターフェース、アプリケーションプログラムインターフェース(API)、命令セット、コンピューティングコード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、語、値、記号、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。一実施形態がハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を使用して実装されているか否かの判断は、所望の計算率、電力レベル、耐熱性、処理サイクル予算、入力データレート、出力データレート、メモリリソース、データバス速度、及び他の設計又は性能上の制約など、任意の数の要因にしたがって変動することがある。
本明細書に記載するモジュールのうちの1つ又は2つ以上は、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組合わせとして実装される1つ又は2つ以上の組込みアプリケーションを含んでもよい。本明細書に記載するモジュールのうちの1つ又は2つ以上は、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、アプリケーションAPIなど、様々な実行可能モジュールを含んでもよい。ファームウェアは、コントローラのメモリ、及び/又はビットマスクされたROM又はフラッシュメモリ内など、不揮発性メモリ(NVM)を含んでもよいコントローラに格納されてもよい。様々な実現形態では、ファームウェアをROMに格納することで、フラッシュメモリが保存されてもよい。NVMは、例えば、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、EEPROM、又はダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、及び/若しくは同期DRAM(SDRAM)などの電池バックアップ式RAMを含む、他のタイプのメモリを含んでもよい。
いくつかの例では、様々な実施形態は、製品として実現されてもよい。製品は、1つ又は2つ以上の実施形態の様々な動作を行うための論理、命令、及び/又はデータを格納するように構成されたコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。様々な実施形態では、例えば、製品は、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサによって実行されるのに好適な、コンピュータプログラム命令を含む磁気ディスク、光学ディスク、フラッシュメモリ、又はファームウェアを含んでもよい。しかしながら、実施形態は、この文脈に限定されない。
本明細書に開示する実施形態に関連して記載される様々な機能的要素、論理ブロック、モジュール、及び回路素子の機能は、処理装置によって実行されるソフトウェア、制御モジュール、論理、及び/又は論理モジュールなど、コンピュータ実行可能命令の一般的文脈で実装されてもよい。一般に、ソフトウェア、制御モジュール、論理、及び/又は論理モジュールは、特定の動作を行うように構成された任意のソフトウェア要素を含む。ソフトウェア、制御モジュール、論理、及び/又は論理モジュールは、特定のタスクを行うか又は特定の抽象データ型を実現する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含んでもよい。ソフトウェア、制御モジュール、論理、並びに/又は論理モジュール及び技術の実装例は、何らかの形態のコンピュータ可読媒体に格納され、かつ/又はそれを介して伝達されてもよい。これに関して、コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイスが情報を格納しアクセスできるように使用可能な、任意の入手可能な媒体であることができる。いくつかの実施形態はまた、通信ネットワークを通して結合された1つ又は2つ以上の遠隔処理デバイスによって動作が行われる、分散コンピューティング環境で実施されてもよい。分散コンピューティング環境では、ソフトウェア、制御モジュール、論理、及び/又は論理モジュールは、メモリ記憶デバイスを含むローカル及び遠隔両方のコンピュータ記憶媒体に配置されてもよい。
それに加えて、本明細書に記載される実施形態は例示的な実現形態を示すものであり、機能要素、論理ブロック、モジュール、及び回路素子は、記載される実施形態と矛盾しない他の様々な方式で実装されてもよいことが理解されるべきである。更に、かかる機能要素、論理ブロック、モジュール、及び回路素子によって実施される動作は、所与の実装例に対して結合及び/又は分離されてもよく、より多数若しくはより少数の構成要素又はモジュールによって行われてもよい。本開示を読むことによって当業者には明白となるように、本明細書に記載し例示される個々の実施形態はそれぞれ、本開示の範囲から逸脱することなく、他のいくつかの態様のいずれかの特性から容易に分離されるか、又はそれらの特性と組み合わされてもよい、別個の構成要素及び特徴を有する。説明したいずれの方法も、説明した事象の順序で、又は論理的に可能な他の任意の順序で実施することができる。
特筆すべきこととして、「一実施形態」又は「ある実施形態」に対するあらゆる言及は、その実施形態に関連して記載する特定の特性、構造、又は特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。「一実施形態では」、又は「一態様では」という句が本明細書に出現するが、これは必ずしも同じ実施形態を指すものではない。
特段の具体的な規定がない限り、「処理する(processing)」、「算定する(computing)」、「計算する(calculating)」、「判断する(determining)」などの用語は、レジスタ及び/又はメモリ内の物理量(例えば、電子)として表されるデータを、メモリ、レジスタ、又は他のかかる情報記憶装置、送信、若しくは表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータへと操作及び/又は変換する、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA又は他のプログラマブル論理デバイス、離散的なゲート若しくはトランジスタ論理、離散的なハードウェア構成要素、又は本明細書に記載した機能を実施するように設計されたそれらの任意の組み合わせなど、コンピュータ若しくはコンピューティングシステム、又は類似の電子コンピューティングデバイスの動作及び/又はプロセスを指すものであると理解されてもよい。
特筆すべきこととして、いくつかの実施形態は、「結合された」及び「接続された」という表現を、それらの派生語と共に使用して記載されることがある。これらの用語は、互いに同義語であることは意図されない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「接続された」及び/又は「結合された」という用語を使用して記載されることがある。しかしながら、「結合された」という用語はまた、2つ以上の要素が互いに直接接触はしないが、依然として互いに協働又は相互作用することを意味することがある。例えば、ソフトウェア要素に関して、「結合された」という用語は、インターフェース、メッセージインターフェース、API、交換メッセージなどを指すことがある。
本明細書に参照により組み込まれるものと言及したあらゆる特許、刊行物、又は他の開示文献は、全体的に又は部分的に、組み込まれる文献が、本開示で説明する既存の定義、見解、又は他の開示文献と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込むことが理解されるべきである。そのため、また必要な範囲において、本明細書で明示的に説明する開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものと言及されるが、本明細書で説明する既存の定義、記載、又は他の開示文献と矛盾する、任意の文献又はそれらの部分は、その組み込まれる文献と既存の開示文献との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
開示される実施形態は、従来の内視鏡及び開放的外科手術器具における応用性、並びにロボット支援手術における応用性を有する。
本明細書に開示されるデバイスの実施形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又はそれらは複数回使用されるように設計することができる。実施形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整されてもよい。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部片の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含んでもよい。特に、デバイスの実施形態は、分解されてもよく、またデバイスの任意の数の特定の部片若しくは部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか又は取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、デバイスの実施形態は、再調整用の設備で、又は外科的処置の直前に外科チームによって、後の使用のために再組立されてもよい。デバイスの再調整は、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用してもよいことが、当業者には理解されるであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
単なる例として、本明細書に記載される実施形態は、手術前に処理されてもよい。最初、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次に、器具は、滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され封止された容器に入れられる。次に、容器及び器具は、γ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線野に置かれてもよい。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌済みの器具は、滅菌容器内で保管されてもよい。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがそれらに限定されない、当該技術分野で知られている他の任意の技術を使用して滅菌されてもよい。
本明細書に記載される構成要素(例えば、動作)、デバイス、目的、及びそれらに伴う考察は、構想を明らかにするための例として使用され、様々な構成の修正が想到されることが、当業者には認識されるであろう。結果として、本明細書で使用するとき、説明した特定の例及びそれらに伴う考察は、より一般的な種類を代表することを意図したものである。一般に、特定の代表例を用いることは、その種類を代表することを意図したものであり、また、特定の構成要素(例えば、動作)、デバイス、及び目的を含めないことは、限定と見なされるべきではない。
本明細書におけるほぼ全ての複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈及び/又は用法に則して複数形から単数形に、かつ/又は単数形から複数形に読み替えることができる。様々な単数形/複数形の置換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的には記述されない。
本明細書に記載する主題はときに、種々の他の構成要素の中に含められた、又はそれらと結合された種々の構成要素を示している。そのように表現したアーキテクチャは単なる例であり、実際に、同じ機能性を達成する多数の他のアーキテクチャが実現され得ることを理解されたい。構想の意味で、同じ機能性を達成する構成要素の任意の配置は、所望の機能性が達成されるように効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能性を達成するように組み合わされた任意の2つの構成要素は、アーキテクチャ又は中間構成要素に関わらず、所望の機能性が達成されるように互いと「関連付け」られていると見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に接続」又は「動作可能に結合」されているものと見なすことができ、そのように関連付けることが可能な任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に結合可能」であると見なすことができる。動作可能に結合可能であることの特定の例としては、物理的に噛合可能な、及び/若しくは物理的に相互作用する構成要素、並びに/又は無線で相互作用可能な、及び/若しくは無線式で相互作用する構成要素、並びに/又は論理的に相互作用する、及び/若しくは論理的に相互作用可能な構成要素が挙げられるが、それらに限定されない。
いくつかの態様は、「結合された」及び「接続された」という表現を、それらの派生語と共に使用して記載されることがある。これらの用語は、互いに同義語とすることを意図したものではないことを理解されたい。例えば、いくつかの態様は、2つ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「接続された」という用語を使用して記載されることがある。別の例では、いくつかの態様は、2つ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「結合された」という用語を使用して記載されることがある。しかしながら、「結合された」という用語はまた、2つ以上の要素が互いに直接接触はしないが、依然として互いに協働又は相互作用することを意味することがある。
場合によっては、1つ又は2つ以上の構成要素は、本明細書において、「〜するように構成される」、「〜ように構成可能である」、「〜するように動作可能である/動作する」、「適合される/適合可能である」、「〜することが可能である」、「〜するように適合可能である/適合される」などと言及されることがある。「〜するように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、活性状態の構成要素及び/又は非活性状態の構成要素及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含し得ることが、当業者には認識されるであろう。
本明細書に記載される主題の特定の態様が図示され記載されてきたが、本明細書の教示に基づいて、本明細書に記載される主題及びそのより広範な態様から逸脱することなく、変更及び修正が行われてもよく、したがって添付の特許請求の範囲は、全てのかかる変更及び修正を、本明細書に記載される主題の真の範囲内にあるものとして、その範囲内に包含するものであることが、当業者には明白となるであろう。一般に、本明細書において、また特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)において使用される用語は、概して「開放的」用語として意図されるものである(例えば、「含んで(including)」という用語は、「〜を含んでいるがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有して(having)」という用語は「〜を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「〜を含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことが、当業者には理解されるであろう。更に、導入されたクレーム記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該クレーム中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句を、クレーム記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によってクレーム記載を導入した場合に、たとえ同一のクレーム内に「1つ又は2つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句と「a」又は「an」という不定冠詞との両方が含まれる場合であっても、かかる導入されたクレーム記載を含むいかなる特定のクレームも、かかる記載事項を1つのみ含むクレームに限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、一般的に、「少なくとも1つの」又は「1つ又は2つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用してクレーム記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
それに加えて、導入されたクレーム記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、一般的に、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうち少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうち少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうち少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうち少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、一般的に、2つ又は3つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、説明文内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されるであろう。例えば、「A又はB」という句は、一般的に、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されるであろう。
添付の「特許請求の範囲」に関して言えば、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施されてよいことを理解するであろう。また、様々な動作上の流れがシーケンスの形で提示されているが、様々な動作は、例示した以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「〜に応答する」、「〜に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多数の利益が記載されてきた。1つ又は2つ以上の実施形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の実施形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な実施形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープリングシステムであって、
作動運動をアクチュエータから伝達するように構成された細長いシャフト組立体と、
組織を圧縮しステープル留めするエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタは前記細長いシャフトに動作可能に結合され、前記エンドエフェクタは、
細長いチャネルと、
ステープル形成面を上側に有し、前記細長いチャネルに対して開位置と閉位置との間で移動可能であるアンビルであって、遠位端に位置する磁石を有する、アンビルと、
前記細長いチャネル内に取外し可能に位置付けられたステープルカートリッジと、を備え、前記ステープルカートリッジは、
前記アンビルが前記閉位置にあるとき、前記アンビルと対面する関係になるように支持されたカートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体内に位置する複数のステープルドライバであって、前記複数のステープルドライバのそれぞれ1つがステープルを支持する、複数のステープルドライバと、
前記カートリッジ本体の前記遠位端に位置するホール効果センサと、
前記ホール効果センサと通信するマイクロプロセッサと、を備え、
前記ホール効果センサ及びマイクロプロセッサは、前記ステープルカートリッジが前記細長いチャネル内に位置付けられたとき、電力を受け取り、前記システムは、前記ステープルカートリッジを識別するように動作可能である、外科用ステープリングシステム。
(2) 前記ホールセンサによって検出される磁気極性が前記ステープルカートリッジのサイズを識別する、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記アクチュエータは、前記ステープルカートリッジが誤装填されたことを示すように動作可能である、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記ホールセンサによって検出される磁界の強度が、前記ステープルカートリッジを識別する、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記アクチュエータは、前記ステープルカートリッジが誤装填されたことを示すように動作可能である、実施態様4に記載のシステム。
(6) 前記システムは、前記ホール効果センサが検出されなかったことを示すように動作可能である、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記マイクロプロセッサが、前記ステープルカートリッジの前記識別を暗号化するように更に構成され、前記システムが、前記ステープルカートリッジの前記暗号化された識別を復号化するように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) 外科用ステープリングシステムであって、
作動運動をアクチュエータから伝達するように構成された細長いシャフト組立体と、
組織を圧縮しステープル留めするエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタは前記細長いシャフトに動作可能に結合され、前記エンドエフェクタは、
細長いチャネルと、
ステープル形成面を上側に有し、前記細長いチャネルに対して開位置と閉位置との間で移動可能であるアンビルと、
前記細長いチャネル内に取外し可能に位置付けられたステープルカートリッジと、を備え、前記ステープルカートリッジは、
前記アンビルが前記閉位置にあるとき、前記アンビルと対面する関係になるように支持されたカートリッジ本体と、
ステープルをそれぞれ支持する前記カートリッジ本体内の複数のステープルドライバと、
前記カートリッジ本体の前記遠位端に位置するホール効果センサと、
前記ホール効果センサと通信するマイクロプロセッサと、
前記カートリッジ本体上に取外し可能に位置付けられたステープル保定具であって、前記ホール効果センサに近接して位置付けられた磁石を更に備え、前記磁石が前記ステープルカートリッジを識別する磁気特性を有する、ステープル保定具と、を備え、
前記ホール効果センサ及びマイクロプロセッサは、前記ステープルカートリッジが前記細長いチャネル内に位置付けられたとき、電力を受け取り、前記システムは、前記ステープルカートリッジを識別するように動作可能である、外科用ステープリングシステム。
(9) 前記磁気特性が磁界強度を含む、実施態様8に記載のシステム。
(10) 前記アクチュエータは、前記ステープルカートリッジが誤装填されたことを示すように動作可能である、実施態様8に記載のシステム。
(11) 前記ホール効果センサに対する前記磁石の位置が前記ステープルカートリッジを識別する、実施態様8に記載のシステム。
(12) 前記アクチュエータは、前記ステープルカートリッジが誤装填されたことを示すように動作可能である、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記マイクロプロセッサが、前記ステープルカートリッジの前記識別を暗号化するように更に構成され、前記システムが、前記ステープルカートリッジの前記暗号化された識別を復号化するように更に構成されている、実施態様8に記載のシステム。
(14) 外科用ステープリングシステムであって、
作動運動をアクチュエータから伝達するように構成された細長いシャフト組立体と、
組織を圧縮しステープル留めするエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタは前記細長いシャフトに動作可能に結合され、前記エンドエフェクタは、
細長いチャネルと、
ステープル形成面を上側に有し、前記細長いチャネルに対して開位置と閉位置との間で移動可能であるアンビルと、
前記細長いチャネル内に取外し可能に位置付けられたステープルカートリッジと、を備え、前記ステープルカートリッジは、
前記アンビルが前記閉位置にあるとき、前記アンビルと対面する関係になるように支持されたカートリッジ本体と、
ステープルをそれぞれ支持する前記カートリッジ本体内の複数のステープルドライバと、
前記カートリッジに問い合わせるための1つ又は2つ以上のセンサと、を備える、外科用ステープリングシステム。
(15) 前記センサのうちの1つ又は2つ以上が、光エミッタ及び検出器を含む、実施態様14に記載のシステム。
(16) 前記1つ又は2つ以上の光エミッタ及び検出器が、前記ステープルカートリッジの表面色、前記ステープルカートリッジ上のバーコード、又は前記ステープルカートリッジ上の模様を問い合わせることにより前記ステープルカートリッジについての情報を検出するように動作可能である、実施態様15に記載のシステム。
(17) 前記ステープルカートリッジが磁石を更に備え、前記センサのうちの1つ又は2つ以上が前記磁石に近接するように配向される磁気センサを含み、前記1つ又は2つ以上の磁気センサが、前記磁石の前記磁界を問い合わせることにより、前記ステープルカートリッジについての情報を検出するように動作可能である、実施態様14に記載のシステム。
(18) 前記ステープルカートリッジが回路を更に備え、前記センサのうちの1つ又は2つ以上が電気センサを含み、前記1つ又は2つ以上の電気センサが、前記回路の電気署名を問い合わせることにより、前記ステープルカートリッジについての情報を検出するように動作可能である、実施態様14に記載のシステム。
(19) 前記ステープルカートリッジが回路を更に備え、前記センサのうちの1つ又は2つ以上が電磁センサを含み、前記1つ又は2つ以上の電磁センサが前記回路内の電流を誘導して結合した界調和(coupled field harmonic)を作り出し、前記センサが、前記界調和を問い合わせることにより、前記ステープルカートリッジについての情報を検出するように動作可能である、実施態様14に記載のシステム。