JP6639311B2 - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス絶縁開閉装置に関し、詳しくは、複数の密閉容器間を母線を用いて接続する際の作業性を向上させたガス絶縁開閉装置に関する。
従来のガス絶縁開閉装置としては、受電用断路器、遮断器、母線用断路器の主回路機器などが、SF6(六フッ化硫黄)などの絶縁性ガスを封入した密閉容器内に収容されているものが知られている(例えば特許文献1等参照)。
このようなものでは、この密閉容器に電力ケーブル、母線が接続される。また、密閉容器の前面側には主回路機器の操作機構が設置されている。これらの各機器間は主回路導体により接続されている。
そして、この受電用ガス絶縁開閉装置においては、電力ケーブルにより電力系統から電力が引き込まれ、受電用断路器−遮断器−母線用断路器を経由して母線に電力が給電される。
また、給電用のガス絶縁開閉装置の場合は、母線から受電し、母線用断路器−遮断器−給電用断路器を経由して負荷に接続した電力ケーブルに給電する。
三相分を一回線とした1ベイを有する密閉容器と、隣接する同様に構成された1ベイを有する密閉容器の間は、対応する各相極間同士が母線を介して電気的に接続される。
さらに各密閉容器のベイ間を接続する母線の周囲には、ジャバラ形状の金属製配管(以下、ベローズと記す)が設けられている。金属製配管は、両密閉容器間を接続する際の両密閉容器間の相対位置のずれを吸収して密封接続される。そして、密封接続後、エア抜きされたベローズ内部は、両密閉容器内と同様に絶縁ガスが充填される。
このように構成されたガス絶縁開閉装置においては、主回路機器および主回路導体を絶縁性ガスが封入された密閉容器内に設置することで小形化、かつ高信頼化できる利点がある。
特開昭62−107610
しかしながら、両密閉容器間の相対位置のずれを吸収するベローズの装着作業は、ガス絶縁開閉装置が設置される現地で行われる。
すなわち、施工現地にて両密閉容器間をベローズで接続する作業の際には、開閉装置の内部を大気開放してから母線およびベローズを接続して密封する。そして、再び真空引きを行った状態にて絶縁ガスの充填を実施していた。
このため、大気開放された密閉容器内部に異物が混入するリスクが発生する。
また、密封接続後、真空引きや絶縁ガスの充填を行わなければならず、現地工程が長引いてしまう。さらに、両密閉容器間の位置ずれを吸収するベローズの製造コストが高く、開閉装置のコストが上昇してしまうといった問題もあった。
本発明は、母線を接続する際の装着性が良好なガス絶縁開閉装置を提供することを課題とする。
本発明のガス絶縁開閉装置は、電路を開閉可能とする断路器を設けて、電力を遮断可能な遮断器を介して電源との間で送受電を行なうガス絶縁開閉装置であって、密閉容器は、母線によって接続される少なくとも一対の密閉コネクタ部をそれぞれ設けるとともに、絶縁ガスが個別に封入された第1密閉容器および第2密閉容器とを有し、母線は、可撓性を有する導体を含むことを特徴としている。
第1密閉容器の密閉コネクタ部と、第2密閉容器の密閉コネクタ部とを接続する母線が可撓性を有して変形することができる。
このため、接続される第1密閉容器および第2密閉容器間の位置ずれが母線の変形により吸収される。
また、第1密閉容器および第2密閉容器には、絶縁ガスが個別に封入されている。
したがって、母線の接続を行なう際、密閉容器を大気開放することなく、両密閉コネクタ間を電気的に接続することができる。
本発明では、母線を接続する際の装着性が良好なガス絶縁開閉装置が提供される。
実施形態のガス絶縁開閉装置で、接続部分の構成を説明する分解斜視図である。 実施形態のガス絶縁開閉装置で、全体の構成を示す側面図である。 実施形態のガス絶縁開閉装置で、ベイ間の接続を示し、図2中III−III線に沿った位置での断面図である。 実施形態のガス絶縁開閉装置で、図3中IV−IV線に沿った位置での断面図である。 実施形態のガス絶縁開閉装置に用いられる密閉コネクタ部で、要部の構成を説明する水平断面図である。 実施形態のガス絶縁開閉装置に用いられる接続ハンドル部材で、水平方向に沿った断面図である。 実施形態のガス絶縁開閉装置のベイ間に接続される母線の構成を示し、図4中VII−VII線に沿った位置での断面図である。 実施形態の変形例のガス絶縁開閉装置に用いられる密閉コネクタ部で、要部の構成を説明する水平断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明を説明する。
図1は、実施形態のガス絶縁開閉装置1で、接続部分の構成を説明する分解斜視図である。まず、要部の概略構成を説明すると、ガス絶縁開閉装置1のうち、主に隣設配置される第1密閉容器30と、第2密閉容器40とには、個別に絶縁ガスが封入されている。
これらの第1密閉容器30と、第2密閉容器40とには、隣設配置される他の密閉容器等との間で電力を受放電する拡張ベイ32および拡張ベイ42がそれぞれ設けられている。
これらの拡張ベイ32と拡張ベイ42には、容器内の複数の電路2c等とそれぞれ接続される端子部24が設けられている。各端子部24は、3組の対となる密閉コネクタ部22,22にそれぞれ配設されている。図1では、そのうち1組の対となる密閉コネクタ部22,22が示されている。
また、密閉コネクタ部22,22間の接続には、対応する3本の接続ハンドル部材80が用いられる。接続ハンドル部材80のコネクタ接触部材84,84は、密閉コネクタ部22,22の内部に挿入されて、各端子部24,24に接触することにより電気的に接続される。
図2は、実施形態のガス絶縁開閉装置1で、全体の構成を示す側面図である。また、図3は、ベイ間の接続が行われる箇所を示し、図2中III−III線に沿った位置での断面図である。
まず、図2を用いて全体の構成から説明すると、この実施形態のガス絶縁開閉装置1は、主回路機器を収容する筺体(タンク)20内に絶縁ガスが封入されている。
この筺体20の一部には、外部の電力系統から電力の供給を受け、あるいは、外部に電力を出力するケーブルヘッド10が設けられている。
筺体20には、電力を調整するボルテージトランスファ12と、筺体20内部に設けられて、電路2a,2b間の接続を開閉する充電用断路器としての第1断路器14と、モータ等の負荷機器70との間に設けられる遮断器としてのサーキットブレーカ16とが設けられている。
この筺体20内の電路2c,2d,2eは、母線用断路器としての第1母線用断路器18または第2母線用断路器19を介して、複数の第1密閉容器30あるいは第2密閉容器40等が着脱自在に設けられている。
これらの筺体20および第1密閉容器30あるいは第2密閉容器40等の内部には、SF6などの絶縁性ガスが封入されていて、電力ケーブル60を経由して接続された負荷機器70等との間で必要とされる電力を送受電可能としている。
第1密閉容器30、第2密閉容器40には、それぞれ三相分を一回線とした拡張ベイ32,42が形成されている。ここでは、拡張ベイ32,42に左,右一対の密閉コネクタ部22,22が上下方向に3個、合計6個配列されている(図3参照)。
ここでは、拡張ベイ32,42のうち、主に上下方向中央の一つの密閉コネクタ部22,22およびこれらの密閉コネクタ部22,22に接続される接続ハンドル部材80の構造について説明する。
なお、他の2つの密閉コネクタ部22,22およびこれらに対応する接続ハンドル部材80の構造については、ほぼ同一構造であるため説明を省略する。
図4は、実施形態のガス絶縁開閉装置1で、図3中IV−IV線に沿った位置での拡張ベイ32,42および接続ハンドル部材80の断面図である。
まず、拡張ベイ32,42の構造について説明する。
第1密閉容器30、第2密閉容器40の拡張ベイ32,42は、左右対称に設けられていて、正面視円形の接続開口部32a,42aを有している。
これらの拡張ベイ32,42は、内部にL字型タンク空間32cを有する上面視略L字状を呈するとともに、ガス絶縁開閉装置1の第1密閉容器30、第2密閉容器40の内部空間と連通されて、一側面部方向にから一体に突設されている。
そして、接続開口部32a,42aの端縁には、密着リング受け部材32b,42bが設けられている。
これらの接続開口部32a,42aには、密閉コネクタ部22,22が開口を塞ぐように固定されている。そして、これらの密閉コネクタ部22,22によって大気中とL字型タンク空間32cの内部との間は隔離されて気密が維持される。
この実施形態では、密閉コネクタ部22が端子部24と、ブッシング取付フランジ部材34と、各接続開口部32a,42a内にそれぞれ凹設される絶縁ブッシング部材36とを有して主に構成されている。
このうち、ブッシング取付フランジ部材34は、短寸の円筒部34aと、この円筒部34aの一側端の外周面から径方向外側に向けて一体に延設される環状の平板フランジ部34bとを有している。
円筒部34aは、絶縁ブッシング部材36の接続口36aの開放一端側に埋設されて、絶縁ブッシング部材36と一体化されている。
絶縁ブッシング部材36は、エポキシ樹脂、あるいはFRP樹脂により形成されていて、電界集中を防止して絶縁を保持することができるように構成されている。
この絶縁ブッシング部材36には、接続口36aからL字型タンク空間32c内方向へ向けて延設されるテーパ状の内周面36bが形成されている。内周面には、後述する被覆ブッシング部材86が挿入状態で外周面86aを圧着させるように構成されている。
また、絶縁ブッシング部材36の他端側の底部36kには、埋込電極26が埋設されている。埋込電極26は、絶縁ブッシング部材36を注型する際に埋め込まれて一体に成型される。
そして、密閉コネクタ部22は、埋込電極26側からL字型タンク空間32c内に内挿されて、平板フランジ部34bを密着リング受け部材32b,42bに当接させることにより面同士を密着させる。
これにより、大気方向に開口された接続口36aの端縁が平板フランジ部34bと略面一となる。そして、密閉コネクタ部22の絶縁ブッシング部材36は、略全体がL字型タンク空間32c内に配置されて、後述するコネクタ接触部材84の被覆ブッシング部材86を受ける内周面36bがL字型タンク空間32c内に凹設された没入位置に装着される。
このため、絶縁ブッシング部材36は、被覆ブッシング部材86の外周面86aとL字型タンク空間32c内にて圧接されて一体化することにより電界集中を緩和することができる。
さらに、埋込電極26の係止突起部26b(図5参照)は、L字型タンク空間32c内に位置する埋込電極26の凹部内に位置して、内側に挿入される先端の係止鍔部85と、チューリップコンタクト28との間の電界集中を緩和して絶縁破壊を防止することができるように構成されている。
図5は、実施形態のガス絶縁開閉装置に用いられる密閉コネクタ部22で、要部の構成を説明する水平断面図である。
この密閉コネクタ部22のうち、絶縁ブッシング部材36は、外形形状がコーン状(略円錐状)に形成されている。絶縁ブッシング部材36には、接続口36aが凹設形成されている。そして、絶縁ブッシング部材36の接続口36aは、コネクタ接触部材84が挿入しやすいように広口形状を呈して構成されている。
また、接続口36aから底部36kの埋込電極26に至るまで、テーパ状の内周面36bが凹設形成されている。この内周面36aは、内側に向けてコネクタ接触部材84を挿入できるように所定の傾斜角度が設定されている。この実施形態では、接続口36aの傾斜角度が深く、底部36kの埋込電極26側の傾斜角度は比較的浅く、2段の傾斜角度が設定されている。
このため、コネクタ接触部材84は、接続口36aから挿入されると、コネクタ接触部材84の先端の係止鍔部85が端子部24の埋込電極26内に挿入される位置まで、円滑にガイドされる。
この実施形態の端子部24は、絶縁ブッシング部材36の底部36kに埋設される埋込電極26と、この埋込電極26に装着されるチューリップコンタクト28とを有して主に構成されている。
このうち、埋込電極26には、電路2の先端部2hを螺着させる電線結合部26aと、係止突起部26bとが設けられている。
これらの電線結合部26aと係止突起部26bとの間には、隔壁部27がL字型タンク空間32cと大気中とを隔てるように形成されている。
係止突起部26bには、チューリップコンタクト38が係合するように先端部の外周縁に凹溝部26gが環状に形成されている。
また、チューリップコンタクト38には、円周上に配置される副数枚の接触片28aと、これらの接触片28aの周囲に嵌着される副数本の環状スプリング部材28bとが設けられている。
このチューリップコンタクト38は、各接触片28aが配列されることによって囲まれた開口部内に接続ハンドル部材80のコネクタ接触部材84を係止させることにより、接続ハンドル部材80と、各拡張ベイ32,42の各電路2c〜2eとを電気的に接続する。
すなわち、この接触片28aの軸方向両端部には、かぎ状のフック部28c,28dが設けられている。接触片28aの一端のフック部28cは、係止突起部26bの凹溝部26gに係止されるとともに、他端のフック部28dは、接続ハンドル部材80のコネクタ接触部材84に係止されるように構成されている。
そして、このチューリップコンタクト38の他端側に接続ハンドル部材80のコネクタ接触部材84が挿入されると、各接触片28aは、環状スプリング部材28bの弾発力に抗して径方向外側に拡開する。
このため、コネクタ接触部材84の先端に形成された環状の係止溝部84cに他端に形成されたかぎ状のフック部28cが弾接されて埋込電極26に係止される。これにより、チューリップコンタクト38を埋込電極26に電気的に接続が維持された状態で装着することができる(図4参照)。
図6は、接続ハンドル部材80で、水平方向に沿った断面図である。
接続ハンドル部材80は、主に、一対のコネクタ接触部材84,84と、コネクタ接触部材84,84の周囲を絶縁ゴムにて被覆する被覆ブッシング部材86と、導体としての複数のワイヤ部材83を含む母線82と、これらの周囲を覆う被覆部88と、母線取付用フランジ部材89,89とを有している。この実施形態では、絶縁ゴムとしては、エチレンプロピレン(EP)ゴム、ブチルゴム、シリコーンゴムなどが用いられる。
ワイヤ部材83は、可撓性を有する金属製(固体)の線状体によって構成されていて、長尺状の幹部84fに略平行に束ねられて設けられている。そして、各ワイヤ部材83はコネクタ接触部材84,84の対向接続面84a,84aにそれぞれの端部が接続されることにより、コネクタ接触部材84,84間を電気的に接続して連結している。
また、このコネクタ接触部材84,84の幹部84fの両端部近傍からは、棒状の枝部84b,84bが一体に突設されている。枝部84b,84bは、先端を外側面の同方向(接続開口部32a,42aの内部空間方向)に向けて突設されることにより、接続ハンドル部材80の形状を平面視門型状としている。
さらに、コネクタ接触部材84には、先端に丸鍔状の係止鍔部85が一体に形成されている。この係止鍔部85は、チューリップコンタクト38の開口部の内側に挿入されると、各接触片28aの他端側を径方向外側に押し広げながら介挿される。
このため、他端側のかぎ状のフック部28dがこの係止鍔部85の根元部に形成された係止溝部84cに弾接する状態で係合される。
これにより、チューリップコンタクト38は、コネクタ接触部材84を電気的に接続した状態を維持して係合する。したがって、コネクタ接触部材84は、各拡張ベイ32,42の間を連結して装着される(図4参照)。
この実施形態のコネクタ接触部材84には、一対の半球状の導体部92が形成されている。導体部92は、母線82とコネクタ接触部材84との接続部分近傍に位置する角部90に設けられている。そして、電界を集中させないように電界緩和を行う半球状の導体部92が形成されている。
また、絶縁ブッシング部材36の外周面は、円錐形状を呈している。これにより、傾斜角度が設定されている内周面36bのテーパ面に沿ってコネクタ接触部材84を、端子部24に接触する位置まで、さらに円滑にコネクタ接触部材84(図6参照)が端子部24に接触して係合する位置までガイドされるように形成されている。
図7は、実施形態のガス絶縁開閉装置1のベイ間に接続される母線82の構成を示し、図4中VII−VII線に沿った位置での断面図である。
母線82は、複数本のワイヤ部材83が束ねられて形成されて、周囲に複数の絶縁層および接地層が積層されて形成されている。
この実施形態1の接続ハンドル部材80の幹部84fでは、母線82が複数本のワイヤ部材83にて構成されている。このため、導電性を有する金属で構成されていても、変形しやすい。したがって、同じ総断面積の導体を単数で構成する場合に比して大きな寸法の位置ずれを吸収可能である。
また、幹部84fでは、母線82が位置する内側から外側に向けて内部半導電層93、絶縁体94、外部半導電層95、クッション層96、アルミ被覆層97、防食層98が設けられて、順次積層されている。
このうち、幹部84fの最外層に位置する防食層98は、主にプラスチック材料またはゴム材料により構成されていて、水分や塵挨から母線82を保護する。そして、図4に示すようにコネクタ接触部材84の長手方向に防食層98は延設されて被覆ブッシング部材86に一部重複する位置まで覆うように構成されている。
また、絶縁体94の層は、複数のワイヤ部材83が束ねられた母線82と母線外部とを電気的に絶縁する。さらに外部半導電層95は、電界集中を緩和する。
さらに、クッション層96は、母線82が曲がった際の応力を吸収することができるように柔軟性を有する弾性部材によって構成されている。なお、その外層部には、アルミ薄膜を有するアルミ被覆層97が設けられている。アルミ被覆層97は、金属編み込み線による被覆層により接地層として設けられていてもよく、母線82の外側を接地電位とするように構成されている。
そして、これらの幹部84fを構成する母線82の周囲の内部半導電層93、絶縁体94、外部半導電層95、クッション層96、アルミ被覆層97、防食層98は、所定の柔軟性を有して、母線82の変形に追従可能となるように構成されている。
この実施形態の接続ハンドル部材80には、母線取付用フランジ部材89,89が左,右のコネクタ接触部材84,84にそれぞれ設けられている。
この母線取付用フランジ部材89は、接続ハンドル部材80の長手方向に面内外方向を沿わせた円盤状を呈して、中央に幹部84fを送通させる挿通孔が開口形成されている。
そして、母線取付用フランジ部材89,89は、防食層98が被覆ブッシング部材86に重複する位置の近傍に固定されている。
接続ハンドル部材80は、拡張ベイ32,42間に装着される際、接続開口部32a,42aのブッシング取付フランジ部材34,34に、これらの母線取付用フランジ部材89,89が面同士を当接させて密着させるように構成されている。
次にこの実施形態のガス絶縁開閉装置1の作用効果について説明する。
この実施形態のガス絶縁開閉装置1では、図1に示すように、第1密閉容器30側の拡張ベイ32と、第2密閉容器40側の拡張ベイ42とが隣接配置された状態で接続ハンドル部材80のコネクタ接触部材84,84が挿入される。
図4に示すように、コネクタ接触部材84は、広口の接続口36aから円滑に挿入されて、先端を端子部24に当接させる。これにより、チューリップコンタクト28のフック部28cを係止溝部84cに係合させることができる。
接続ハンドル部材80のコネクタ接触部材84,84は、密閉コネクタ部22,22に内嵌されて、それぞれ接触することにより、第1密閉容器30と、第2密閉容器40間の各電路2c〜2e間が電気的に接続される(図3参照)。
このとき、接続ハンドル部材80の母線82は、複数本のワイヤ部材83が束ねられて可撓性を有している。このため、拡張ベイ32と拡張ベイ42との位置がずれていても、追従して変形することにより吸収する。したがって、電気的な接続を維持することができる。
また、これらの幹部84fを構成する母線82の周囲の内部半導電層93、絶縁体94、外部半導電層95、クッション層96、アルミ被覆層97、防食層98が母線82の変形に追従して変形する。このため、電気的な絶縁性が損なわれることがない。
さらに、第1密閉容器30および第2密閉容器40には、絶縁ガスが個別に封入されている。特に、図4に示すように接続ハンドル部材80を接続する拡張ベイ32,42の接続開口部32a,42aは、密閉コネクタ部22によって密閉されている。
このため、接続ハンドル部材80を用いて母線82を拡張ベイ32,42に接続する際、第1密閉容器30および第2密閉容器40を大気開放することなく、両方の密閉コネクタ部22,22の端子部24,24間を電気的に接続することができる。
よって、施工現地にて第1密閉容器30または第2密閉容器40を大気開放することによる内部に異物が混入する可能性を無くすことができる。
しかも、大気開放させずに、平面視門型状とする接続ハンドル部材80を装着するだけで、拡張ベイ32,42同士の電気的接続が完了する。
このため、現地での真空引きやガス充填作業が不要となる。よって施工時間を短縮可能である。
また、一対のコネクタ接触部材84,84が設けられた3本の接続ハンドル部材80を用いることにより、一回線分の各相に対応する電路2c〜2eへの接続が完了する。
この実施形態では、平面視門型状となるように母線82の両端部に位置する角部90,90に一対の半球状の導体部92が形成されて、一対のコネクタ接触部材84,84が母線82と直交して延設されても電界が緩和されるように構成されている。
このため、ガス絶縁開閉装置1の一側面側から、接続ハンドル部材80を装着、および脱着することが可能となる。しかも、コネクタ接触部材84,84の接続口への挿入は、同一方向に水平に行われるため、施工作業性が良好である。
さらに、絶縁ブッシング部材36は、外形形状がコーン状に形成されて、接続開口部32a,42aが比較的広口形状を呈している。このため、コネクタ接触部材84の先端を挿入しやすい。
また、絶縁ブッシング部材36は、所定の傾斜角度が設定されたテーパ状の内周面36bに沿って、挿入されたコネクタ接触部材84を、端子部24のチューリップコンタクト28に接触させて接続される位置までガイドすることができる。
このため、コネクタ接触部材84,84の挿入の際、施工を容易に行なうことができる。
さらに、従来のように高価なベローズが不要となるため、製造コストを削減することができる。
また、図4に示すように、母線82とコネクタ接触部材84との接続部分近傍の角部90には、電界を集中させない電界緩和を行う半球状の導体部92が形成されている。
このため、電界集中を生じさせることなく絶縁破壊を防止することができる。
また、接続ハンドル部材80のコネクタ接触部材84,84が第1密閉容器30側の拡張ベイ32と、第2密閉容器40側の拡張ベイ42とに挿入されると、絶縁ブッシング部材36の底部36kに設けられた端子部24がコネクタ接触部材84とチューリップコンタクト28を介して電気的接続される。
この状態では、挿入状態の被覆ブッシング部材86の外周面86aが所定の角度のテーパ面を構成しているため、絶縁ブッシング部材36の内周面36bが外周面86aに圧着される面積を広く確実に密着させることができる。
このため、内周面36bと外周面86aとの間に空気層がなくなり電界集中が防止される。したがって、接続ハンドル部材80は大気中にて拡張ベイ32,42に装着することが可能となる。
さらに、この実施形態のガス絶縁開閉装置1では、端子部24は、絶縁ブッシング部材36の底部36kに埋設される埋込電極26と、埋込電極26に装着されるチューリップコンタクト28とを有している。
チューリップコンタクト28の接触片28aの一端のフック部28cは、係止突起部26bの凹溝部26gを係止する。
この際、コネクタ接触部材84の先端に形成された環状の係止溝部84cに対して、複数のかぎ状のフック部28cが環状スプリング部材28bの張力によって径方向内側に向けて弾接されて係止される。
これにより、接続ハンドル部材80が拡張ベイ32,42に装着されている状態では、係止鍔部85の先端面と、係止突起部26bの先端面との間が離間していても、チューリップコンタクト28を介して、埋込電極26とコネクタ接触部材84との間を電気的に導通させることができる。
したがって、拡張ベイ32,42の位置ずれに関して、接続ハンドル部材80の母線82の変形による高さ方向、および横方向の位置ずれの吸収に加えて、さらに、チューリップコンタクト28がコネクタ接触部材84の長手方向で前後の位置ずれを吸収することが可能となる。
図8は、実施形態の変形例のガス絶縁開閉装置に用いられる密閉コネクタ部122で、要部の構成を説明する水平断面図である。
この変形例の密閉コネクタ部122の絶縁ブッシング部材136は、接続口136aの開放端側を大気中方向へ延長した延長筒部138が形成されている。
そして、この延長筒部138の外周面139には、複数のフィン状の鍔を一定間隔で設けることにより表面積を拡大させる凹凸部140が形成されている。
次にこの実施形態の変形例のガス絶縁開閉装置の作用効果について説明する。
この変形例のガス絶縁開閉装置では、実施形態のガス絶縁開閉装置1の作用効果に加えてさらに、延長筒部138の外周面139に形成された凹凸部140が複数のフィン状の鍔を有している。
このため、フィン状の鍔のひだによって、延長筒部138の外周面139の樹脂総表面積を拡大させることができる。
また、延長筒部138は、接続口136aの開放端側を大気中方向へ延長して形成されている。
よって、被覆ブッシング部材86の外周面と接触する絶縁ブッシング部材136の内周面36bの接触面積を大きく設定できる。
これにより高電圧となる母線82と絶縁ブッシング部材136までの絶縁ゴム内の電界を低減することができる。よってより高電圧の電圧階級にて使用することができる。
他の構成、および作用効果については実施形態と同一乃至均等であるので説明を省略する。
上述してきたように、送電所や変電所などのガス絶縁開閉装置1を設置、運用する現地において、据え付け時に第1密閉容器30と、第2密閉容器40の大気開放無しに母線82の接続が可能となり、またガス絶縁開閉装置1の故障時には母線82の脱着が第1密閉容器30と、第2密閉容器40の大気開放無しに可能となる。
これにより、現地における作業時間の短縮化、さらに大気開放による異物混入のリスクが低減し、信頼性を向上させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、若しくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
本実施形態では、第1密閉容器30、第2密閉容器40間の接続に3組の対となる密閉コネクタ部22,22にそれぞれ配設されている各端子部24,24および3本の接続ハンドル部材80を用いるものを示して説明してきた。しかしながら、特にこれに限らず、対となるコネクタ部22の数量は、一対、二対若しくは四対以上の複数であってもよい。すなわち、密閉容器間を母線82によって接続するものであれば、端子部24の対の数量が限定されるものではない。
また、本実施形態では、チューリップコンタクト28を用いたものを示して説明してきたが特にこれに限らない。すなわち、接続ハンドル部材80のコネクタ接触部材84を拡張ベイ32,42の端子部24,24に電気的に接続するものであれば、接触する部材は、どのようなものであってもよい。例えば、ばね押し付け接触子、コイルスプリング、または羽状の接触端子を有するコンタクトバンドなどで形成されていてもよく、形状、数量および材質が特に限定されるものではない。
1 ガス絶縁開閉装置
2,2a〜2c 電路
2h 先端部
14 第1断路器(断路器)
16 サーキットブレーカ(遮断器)
18 第1母線用断路器(断路器)
19 第2母線用断路器(断路器)
20 筺体
22,122 密閉コネクタ部
24 端子部
26 埋込電極
26b 係止突起部
28 チューリップコンタクト
30,40 第1,第2密閉容器(密閉容器)
32,42 拡張ベイ
32a 接続開口部
32c L字型タンク空間
36,136 絶縁ブッシング部材
36a,136a 接続口
36b 内周面
36k 底部
38 チューリップコンタクト
80 接続ハンドル部材
82 母線
83 ワイヤ部材
84 コネクタ接触部材
84a 対向接続面
84b 枝部
84c 係止溝部
84f 幹部
85 係止鍔部
86 被覆ブッシング部材
86a 外周面
88 被覆部
89 母線取付用フランジ部材
90 角部
92 導体部
93 内部半導電層
94 絶縁体
95 外部半導電層
96 クッション層
97 アルミ被覆層
98 防食層
138 延長筒部
139 外周面
140 凹凸部

Claims (7)

  1. 密閉容器内に電路を開閉可能とする断路器を設けて、電力を遮断可能な遮断器を介して電源との間で送受電を行なうガス絶縁開閉装置であって、
    前記密閉容器は、母線によって接続される少なくとも一対の密閉コネクタ部をそれぞれ設けるとともに、絶縁ガスが個別に封入された第1密閉容器および第2密閉容器とを有し、前記母線は、可撓性を有する導体を含み、
    前記母線は、長尺状の幹部に設けられ、該幹部の両端部から外側面の同方向に突設されるコネクタ接触部を一体に接続して、平面視門型状とする接続ハンドル部材を有して、
    前記母線と前記コネクタ接触部との接続部分近傍の角部には、電界を集中させない電界緩和を行う半球状の導体部を形成していることを特徴とするガス絶縁開閉装置。
  2. 前記母線は、複数本のワイヤ部材を束ねて形成されて、周囲に絶縁層および接地層を形成していることを特徴とする請求項1記載のガス絶縁開閉装置。
  3. 前記コネクタ接触部の周囲には、絶縁ゴムにて被覆する被覆ブッシング部を設けて、さらに、前記密閉コネクタ部は、第1密閉容器および第2密閉容器にそれぞれ凹設される絶縁ブッシング部を有し、該絶縁ブッシング部の底部に設けられた端子部が前記コネクタ接触部と電気的接続されている状態では、挿入状態の前記被覆ブッシング部の外周面を前記絶縁ブッシング部の内周面に圧着させるテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のガス絶縁開閉装置。
  4. 前記絶縁ブッシング部は、外形形状がコーン状に形成されるとともに、テーパ状の内周面に沿って、挿入された前記コネクタ接触部が前記端子部に接触する位置までガイドされるように傾斜角度が設定されていることを特徴とする請求項に記載のガス絶縁開閉装置。
  5. 前記端子部は、前記絶縁ブッシング部の底部に埋設される埋込電極と、該埋込電極に装着されるチューリップコンタクトとを有することを特徴とする請求項3または4に記載のガス絶縁開閉装置。
  6. 前記絶縁ブッシング部は、開放端側を大気中方向へ延長した延長筒部を有するとともに、該延長筒部の外周面には、表面積を拡大させる凹凸部を形成したことを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載のガス絶縁開閉装置。
  7. 密閉容器内に電路を開閉可能とする断路器を設けて、電力を遮断可能な遮断器を介して電源との間で送受電を行なうガス絶縁開閉装置であって、
    前記密閉容器は、母線によって接続される少なくとも一対の密閉コネクタ部をそれぞれ設けるとともに、絶縁ガスが個別に封入された第1密閉容器および第2密閉容器とを有し、前記母線は、可撓性を有する導体を含み、前記母線は、長尺状の幹部に設けられ、該幹部の両端部から外側面の同方向に突設されるコネクタ接触部を一体に接続して、平面視門型状とする接続ハンドル部材を有して、
    前記コネクタ接触部の周囲には、絶縁ゴムにて被覆する被覆ブッシング部を設けて、さらに、前記密閉コネクタ部は、第1密閉容器および第2密閉容器にそれぞれ凹設される絶縁ブッシング部を有し、該絶縁ブッシング部の底部に設けられた端子部が前記コネクタ接触部と電気的接続されている状態では、挿入状態の前記被覆ブッシング部の外周面を前記絶縁ブッシング部の内周面に圧着させるテーパ面が形成されていて、
    前記絶縁ブッシング部は、開放端側を大気中方向へ延長した延長筒部を有するとともに、該延長筒部の外周面には、表面積を拡大させる凹凸部を形成したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
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