JP6639311B2 - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents
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Description
このようなものでは、この密閉容器に電力ケーブル、母線が接続される。また、密閉容器の前面側には主回路機器の操作機構が設置されている。これらの各機器間は主回路導体により接続されている。
また、給電用のガス絶縁開閉装置の場合は、母線から受電し、母線用断路器−遮断器−給電用断路器を経由して負荷に接続した電力ケーブルに給電する。
三相分を一回線とした1ベイを有する密閉容器と、隣接する同様に構成された1ベイを有する密閉容器の間は、対応する各相極間同士が母線を介して電気的に接続される。
このように構成されたガス絶縁開閉装置においては、主回路機器および主回路導体を絶縁性ガスが封入された密閉容器内に設置することで小形化、かつ高信頼化できる利点がある。
すなわち、施工現地にて両密閉容器間をベローズで接続する作業の際には、開閉装置の内部を大気開放してから母線およびベローズを接続して密封する。そして、再び真空引きを行った状態にて絶縁ガスの充填を実施していた。
また、密封接続後、真空引きや絶縁ガスの充填を行わなければならず、現地工程が長引いてしまう。さらに、両密閉容器間の位置ずれを吸収するベローズの製造コストが高く、開閉装置のコストが上昇してしまうといった問題もあった。
このため、接続される第1密閉容器および第2密閉容器間の位置ずれが母線の変形により吸収される。
また、第1密閉容器および第2密閉容器には、絶縁ガスが個別に封入されている。
したがって、母線の接続を行なう際、密閉容器を大気開放することなく、両密閉コネクタ間を電気的に接続することができる。
図1は、実施形態のガス絶縁開閉装置1で、接続部分の構成を説明する分解斜視図である。まず、要部の概略構成を説明すると、ガス絶縁開閉装置1のうち、主に隣設配置される第1密閉容器30と、第2密閉容器40とには、個別に絶縁ガスが封入されている。
これらの第1密閉容器30と、第2密閉容器40とには、隣設配置される他の密閉容器等との間で電力を受放電する拡張ベイ32および拡張ベイ42がそれぞれ設けられている。
まず、図2を用いて全体の構成から説明すると、この実施形態のガス絶縁開閉装置1は、主回路機器を収容する筺体(タンク)20内に絶縁ガスが封入されている。
この筺体20の一部には、外部の電力系統から電力の供給を受け、あるいは、外部に電力を出力するケーブルヘッド10が設けられている。
この筺体20内の電路2c,2d,2eは、母線用断路器としての第1母線用断路器18または第2母線用断路器19を介して、複数の第1密閉容器30あるいは第2密閉容器40等が着脱自在に設けられている。
ここでは、拡張ベイ32,42のうち、主に上下方向中央の一つの密閉コネクタ部22,22およびこれらの密閉コネクタ部22,22に接続される接続ハンドル部材80の構造について説明する。
なお、他の2つの密閉コネクタ部22,22およびこれらに対応する接続ハンドル部材80の構造については、ほぼ同一構造であるため説明を省略する。
まず、拡張ベイ32,42の構造について説明する。
第1密閉容器30、第2密閉容器40の拡張ベイ32,42は、左右対称に設けられていて、正面視円形の接続開口部32a,42aを有している。
そして、接続開口部32a,42aの端縁には、密着リング受け部材32b,42bが設けられている。
この実施形態では、密閉コネクタ部22が端子部24と、ブッシング取付フランジ部材34と、各接続開口部32a,42a内にそれぞれ凹設される絶縁ブッシング部材36とを有して主に構成されている。
絶縁ブッシング部材36は、エポキシ樹脂、あるいはFRP樹脂により形成されていて、電界集中を防止して絶縁を保持することができるように構成されている。
また、絶縁ブッシング部材36の他端側の底部36kには、埋込電極26が埋設されている。埋込電極26は、絶縁ブッシング部材36を注型する際に埋め込まれて一体に成型される。
このため、絶縁ブッシング部材36は、被覆ブッシング部材86の外周面86aとL字型タンク空間32c内にて圧接されて一体化することにより電界集中を緩和することができる。
この密閉コネクタ部22のうち、絶縁ブッシング部材36は、外形形状がコーン状(略円錐状)に形成されている。絶縁ブッシング部材36には、接続口36aが凹設形成されている。そして、絶縁ブッシング部材36の接続口36aは、コネクタ接触部材84が挿入しやすいように広口形状を呈して構成されている。
このため、コネクタ接触部材84は、接続口36aから挿入されると、コネクタ接触部材84の先端の係止鍔部85が端子部24の埋込電極26内に挿入される位置まで、円滑にガイドされる。
このうち、埋込電極26には、電路2の先端部2hを螺着させる電線結合部26aと、係止突起部26bとが設けられている。
これらの電線結合部26aと係止突起部26bとの間には、隔壁部27がL字型タンク空間32cと大気中とを隔てるように形成されている。
係止突起部26bには、チューリップコンタクト38が係合するように先端部の外周縁に凹溝部26gが環状に形成されている。
このチューリップコンタクト38は、各接触片28aが配列されることによって囲まれた開口部内に接続ハンドル部材80のコネクタ接触部材84を係止させることにより、接続ハンドル部材80と、各拡張ベイ32,42の各電路2c〜2eとを電気的に接続する。
すなわち、この接触片28aの軸方向両端部には、かぎ状のフック部28c,28dが設けられている。接触片28aの一端のフック部28cは、係止突起部26bの凹溝部26gに係止されるとともに、他端のフック部28dは、接続ハンドル部材80のコネクタ接触部材84に係止されるように構成されている。
このため、コネクタ接触部材84の先端に形成された環状の係止溝部84cに他端に形成されたかぎ状のフック部28cが弾接されて埋込電極26に係止される。これにより、チューリップコンタクト38を埋込電極26に電気的に接続が維持された状態で装着することができる(図4参照)。
接続ハンドル部材80は、主に、一対のコネクタ接触部材84,84と、コネクタ接触部材84,84の周囲を絶縁ゴムにて被覆する被覆ブッシング部材86と、導体としての複数のワイヤ部材83を含む母線82と、これらの周囲を覆う被覆部88と、母線取付用フランジ部材89,89とを有している。この実施形態では、絶縁ゴムとしては、エチレンプロピレン(EP)ゴム、ブチルゴム、シリコーンゴムなどが用いられる。
このため、他端側のかぎ状のフック部28dがこの係止鍔部85の根元部に形成された係止溝部84cに弾接する状態で係合される。
これにより、チューリップコンタクト38は、コネクタ接触部材84を電気的に接続した状態を維持して係合する。したがって、コネクタ接触部材84は、各拡張ベイ32,42の間を連結して装着される(図4参照)。
母線82は、複数本のワイヤ部材83が束ねられて形成されて、周囲に複数の絶縁層および接地層が積層されて形成されている。
また、幹部84fでは、母線82が位置する内側から外側に向けて内部半導電層93、絶縁体94、外部半導電層95、クッション層96、アルミ被覆層97、防食層98が設けられて、順次積層されている。
さらに、クッション層96は、母線82が曲がった際の応力を吸収することができるように柔軟性を有する弾性部材によって構成されている。なお、その外層部には、アルミ薄膜を有するアルミ被覆層97が設けられている。アルミ被覆層97は、金属編み込み線による被覆層により接地層として設けられていてもよく、母線82の外側を接地電位とするように構成されている。
そして、これらの幹部84fを構成する母線82の周囲の内部半導電層93、絶縁体94、外部半導電層95、クッション層96、アルミ被覆層97、防食層98は、所定の柔軟性を有して、母線82の変形に追従可能となるように構成されている。
この母線取付用フランジ部材89は、接続ハンドル部材80の長手方向に面内外方向を沿わせた円盤状を呈して、中央に幹部84fを送通させる挿通孔が開口形成されている。
そして、母線取付用フランジ部材89,89は、防食層98が被覆ブッシング部材86に重複する位置の近傍に固定されている。
接続ハンドル部材80は、拡張ベイ32,42間に装着される際、接続開口部32a,42aのブッシング取付フランジ部材34,34に、これらの母線取付用フランジ部材89,89が面同士を当接させて密着させるように構成されている。
この実施形態のガス絶縁開閉装置1では、図1に示すように、第1密閉容器30側の拡張ベイ32と、第2密閉容器40側の拡張ベイ42とが隣接配置された状態で接続ハンドル部材80のコネクタ接触部材84,84が挿入される。
図4に示すように、コネクタ接触部材84は、広口の接続口36aから円滑に挿入されて、先端を端子部24に当接させる。これにより、チューリップコンタクト28のフック部28cを係止溝部84cに係合させることができる。
このため、接続ハンドル部材80を用いて母線82を拡張ベイ32,42に接続する際、第1密閉容器30および第2密閉容器40を大気開放することなく、両方の密閉コネクタ部22,22の端子部24,24間を電気的に接続することができる。
このため、現地での真空引きやガス充填作業が不要となる。よって施工時間を短縮可能である。
また、一対のコネクタ接触部材84,84が設けられた3本の接続ハンドル部材80を用いることにより、一回線分の各相に対応する電路2c〜2eへの接続が完了する。
このため、ガス絶縁開閉装置1の一側面側から、接続ハンドル部材80を装着、および脱着することが可能となる。しかも、コネクタ接触部材84,84の接続口への挿入は、同一方向に水平に行われるため、施工作業性が良好である。
また、絶縁ブッシング部材36は、所定の傾斜角度が設定されたテーパ状の内周面36bに沿って、挿入されたコネクタ接触部材84を、端子部24のチューリップコンタクト28に接触させて接続される位置までガイドすることができる。
このため、コネクタ接触部材84,84の挿入の際、施工を容易に行なうことができる。
さらに、従来のように高価なベローズが不要となるため、製造コストを削減することができる。
このため、電界集中を生じさせることなく絶縁破壊を防止することができる。
この状態では、挿入状態の被覆ブッシング部材86の外周面86aが所定の角度のテーパ面を構成しているため、絶縁ブッシング部材36の内周面36bが外周面86aに圧着される面積を広く確実に密着させることができる。
このため、内周面36bと外周面86aとの間に空気層がなくなり電界集中が防止される。したがって、接続ハンドル部材80は大気中にて拡張ベイ32,42に装着することが可能となる。
チューリップコンタクト28の接触片28aの一端のフック部28cは、係止突起部26bの凹溝部26gを係止する。
この際、コネクタ接触部材84の先端に形成された環状の係止溝部84cに対して、複数のかぎ状のフック部28cが環状スプリング部材28bの張力によって径方向内側に向けて弾接されて係止される。
したがって、拡張ベイ32,42の位置ずれに関して、接続ハンドル部材80の母線82の変形による高さ方向、および横方向の位置ずれの吸収に加えて、さらに、チューリップコンタクト28がコネクタ接触部材84の長手方向で前後の位置ずれを吸収することが可能となる。
この変形例の密閉コネクタ部122の絶縁ブッシング部材136は、接続口136aの開放端側を大気中方向へ延長した延長筒部138が形成されている。
そして、この延長筒部138の外周面139には、複数のフィン状の鍔を一定間隔で設けることにより表面積を拡大させる凹凸部140が形成されている。
この変形例のガス絶縁開閉装置では、実施形態のガス絶縁開閉装置1の作用効果に加えてさらに、延長筒部138の外周面139に形成された凹凸部140が複数のフィン状の鍔を有している。
このため、フィン状の鍔のひだによって、延長筒部138の外周面139の樹脂総表面積を拡大させることができる。
よって、被覆ブッシング部材86の外周面と接触する絶縁ブッシング部材136の内周面36bの接触面積を大きく設定できる。
これにより高電圧となる母線82と絶縁ブッシング部材136までの絶縁ゴム内の電界を低減することができる。よってより高電圧の電圧階級にて使用することができる。
他の構成、および作用効果については実施形態と同一乃至均等であるので説明を省略する。
上述してきたように、送電所や変電所などのガス絶縁開閉装置1を設置、運用する現地において、据え付け時に第1密閉容器30と、第2密閉容器40の大気開放無しに母線82の接続が可能となり、またガス絶縁開閉装置1の故障時には母線82の脱着が第1密閉容器30と、第2密閉容器40の大気開放無しに可能となる。
これにより、現地における作業時間の短縮化、さらに大気開放による異物混入のリスクが低減し、信頼性を向上させることができる。
2,2a〜2c 電路
2h 先端部
14 第1断路器(断路器)
16 サーキットブレーカ(遮断器)
18 第1母線用断路器(断路器)
19 第2母線用断路器(断路器)
20 筺体
22,122 密閉コネクタ部
24 端子部
26 埋込電極
26b 係止突起部
28 チューリップコンタクト
30,40 第1,第2密閉容器(密閉容器)
32,42 拡張ベイ
32a 接続開口部
32c L字型タンク空間
36,136 絶縁ブッシング部材
36a,136a 接続口
36b 内周面
36k 底部
38 チューリップコンタクト
80 接続ハンドル部材
82 母線
83 ワイヤ部材
84 コネクタ接触部材
84a 対向接続面
84b 枝部
84c 係止溝部
84f 幹部
85 係止鍔部
86 被覆ブッシング部材
86a 外周面
88 被覆部
89 母線取付用フランジ部材
90 角部
92 導体部
93 内部半導電層
94 絶縁体
95 外部半導電層
96 クッション層
97 アルミ被覆層
98 防食層
138 延長筒部
139 外周面
140 凹凸部
Claims (7)
- 密閉容器内に電路を開閉可能とする断路器を設けて、電力を遮断可能な遮断器を介して電源との間で送受電を行なうガス絶縁開閉装置であって、
前記密閉容器は、母線によって接続される少なくとも一対の密閉コネクタ部をそれぞれ設けるとともに、絶縁ガスが個別に封入された第1密閉容器および第2密閉容器とを有し、前記母線は、可撓性を有する導体を含み、
前記母線は、長尺状の幹部に設けられ、該幹部の両端部から外側面の同方向に突設されるコネクタ接触部を一体に接続して、平面視門型状とする接続ハンドル部材を有して、
前記母線と前記コネクタ接触部との接続部分近傍の角部には、電界を集中させない電界緩和を行う半球状の導体部を形成していることを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 前記母線は、複数本のワイヤ部材を束ねて形成されて、周囲に絶縁層および接地層を形成していることを特徴とする請求項1記載のガス絶縁開閉装置。
- 前記コネクタ接触部の周囲には、絶縁ゴムにて被覆する被覆ブッシング部を設けて、さらに、前記密閉コネクタ部は、第1密閉容器および第2密閉容器にそれぞれ凹設される絶縁ブッシング部を有し、該絶縁ブッシング部の底部に設けられた端子部が前記コネクタ接触部と電気的接続されている状態では、挿入状態の前記被覆ブッシング部の外周面を前記絶縁ブッシング部の内周面に圧着させるテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のガス絶縁開閉装置。
- 前記絶縁ブッシング部は、外形形状がコーン状に形成されるとともに、テーパ状の内周面に沿って、挿入された前記コネクタ接触部が前記端子部に接触する位置までガイドされるように傾斜角度が設定されていることを特徴とする請求項3に記載のガス絶縁開閉装置。
- 前記端子部は、前記絶縁ブッシング部の底部に埋設される埋込電極と、該埋込電極に装着されるチューリップコンタクトとを有することを特徴とする請求項3または4に記載のガス絶縁開閉装置。
- 前記絶縁ブッシング部は、開放端側を大気中方向へ延長した延長筒部を有するとともに、該延長筒部の外周面には、表面積を拡大させる凹凸部を形成したことを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載のガス絶縁開閉装置。
- 密閉容器内に電路を開閉可能とする断路器を設けて、電力を遮断可能な遮断器を介して電源との間で送受電を行なうガス絶縁開閉装置であって、
前記密閉容器は、母線によって接続される少なくとも一対の密閉コネクタ部をそれぞれ設けるとともに、絶縁ガスが個別に封入された第1密閉容器および第2密閉容器とを有し、前記母線は、可撓性を有する導体を含み、前記母線は、長尺状の幹部に設けられ、該幹部の両端部から外側面の同方向に突設されるコネクタ接触部を一体に接続して、平面視門型状とする接続ハンドル部材を有して、
前記コネクタ接触部の周囲には、絶縁ゴムにて被覆する被覆ブッシング部を設けて、さらに、前記密閉コネクタ部は、第1密閉容器および第2密閉容器にそれぞれ凹設される絶縁ブッシング部を有し、該絶縁ブッシング部の底部に設けられた端子部が前記コネクタ接触部と電気的接続されている状態では、挿入状態の前記被覆ブッシング部の外周面を前記絶縁ブッシング部の内周面に圧着させるテーパ面が形成されていて、
前記絶縁ブッシング部は、開放端側を大気中方向へ延長した延長筒部を有するとともに、該延長筒部の外周面には、表面積を拡大させる凹凸部を形成したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
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