JP6634633B2 - 燃料ガス供給システム及び燃料ガス供給方法 - Google Patents

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Description

本発明は、船舶の推進エンジンに圧縮した燃料ガスを供給する燃料ガス供給システム及び燃料ガス供給方法に関する。
近年、メタンを主成分とした天然ガスを燃料ガスとして船舶の推進エンジンに供給する燃料ガス供給装置が種々提案されている。例えば、LNGを運搬する際、LNGから自然気化するボイルオフガスは再液化されてLNGとして運搬するだけでなく、ボイルオフガスは船舶の推進エンジンの燃料ガスとして有効に用いられる。例えば、LNGを運搬するLNG運搬船において、LNGの運搬中に発生するボイルオフガスは所定の圧力に加圧して、燃料ガスとして推進エンジンに供給される。
ボイルオフガスのような低圧のガスを高圧のガスとするには、多段圧縮機を用いてガスを圧縮することが行われる。多段圧縮機は、例えば直列接続された複数の圧縮機からなる(特許文献1)。
さらに、燃料ガスを多段の圧縮機を用いて約30MPaまで加圧して、エンジン(MC−GIエンジン)のガス噴射弁に供給することも知られている(非特許文献1)。
特開平8−219088号公報
「大型ガスインジェクションディーゼル機関(MC−GI機関)の実績」、福田哲吾他、Journal of the JIME Vol.36, No.9, pp.64-70
上述の多段の圧縮機を用いて燃料ガスを約30MPaまで加圧してガス噴射弁に供給するエンジン(MC−GIエンジン)は、陸上発電用エンジンであり、基本的に略一定負荷の運転を前提とした低速ディーゼルエンジンであり、多段のガスコンプレッサも略一定圧力の燃料ガスを供給すればよい。
一方、このような多段の圧縮機(ガスコンプレッサ)を船舶推進用の低速ディーゼルエンジンに適用した場合、このエンジンの負荷は時間とともに変化するため、多段の圧縮機(ガスコンプレッサ)の運転も変化させる必要がある。例えば、操船による減速、加速、旋回によって、あるいは、気象、海象の風、波高等の自然状況の変化によって、船舶のプロペラの負荷トルクは変動し、エンジンはこの変動を直接受け、エンジンの負荷(運転負荷)は変化する。このエンジンの負荷の変化に対応するように、エンジンの必要とするガス供給量に応じて、安定した燃料ガスを供給することが求められる。
近年、船舶用推進エンジンの燃料として、メタンを主成分とする天然ガスの他に、シェールガス由来のコマーシャルエタン等も注目されている。しかし、メタンと異なるコマーシャルエタン(液体燃料)は、エタンの他にメタン等を含み、その組成比率は、ボイルオフガスと液体の状態で異なる。具体的には、ボイルオフガスでは、メタンの組成比率が液体の場合に比べて高くなる。さらに、ボイルオフガスの中でも、自然気化したガス(NBOG:Natural Boil Off Gas)と強制気化したガス(FBOG:Forced Boil Off Gas)で組成成分の組成比率は異なる他、NBOGのメタンとエタンの組成比率も貯蔵日数とともに変化する。このため、燃料ガスの密度及び発熱量も変化するので、多段の圧縮機(ガスコンプレッサ)を有する燃料供給システムにおいて、一定の条件(温度、圧力)で、燃料ガスを多段の圧縮機(ガスコンプレッサ)を通過させた場合、エンジンの負荷に対して圧縮した燃料ガスの量に過不足が生じる、すなわち燃料ガスの供給が不安定になる場合がある。
そこで、本発明は、燃料ガス中の組成成分の組成比率が変化しても、エンジンの負荷に応じて安定した燃料ガスの供給を行うことができる燃料ガス供給システム及び燃料ガス供給方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、燃料ガス供給システムである。当該燃料ガス供給システムは、燃料ガスの供給を受けて船舶を推進させる推進エンジンに、前記燃料ガスを供給するために、前記燃料ガスを圧縮して前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流す、直列に設けられた複数のガス圧縮機構を備える。
前記ガス圧縮機構のそれぞれは、
前記燃料ガスを前記推進エンジンに供給するために、前記燃料ガスを圧縮して所定の圧力の前記燃料ガスを前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流すガスコンプレッサと、
前記ガスコンプレッサに付随するように、前記ガスコンプレッサの吸引側及び吐出側に設けられた吸引スナッパ及び吐出スナッパと、
前記ガスコンプレッサで圧縮された前記燃料ガスの温度を調整する、前記燃料ガスの前記推進エンジンへ向かう流れ方向において前記吐出スナッパより下流側に設けられた熱交換器と、を備える。
前記複数のガス圧縮機構のうちの第1ガス圧縮機構の熱交換器は、前記燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて、冷却能を調整することにより、前記熱交換器のガス出力端における前記燃料ガスの温度を調整する。
前記第1ガス圧縮機構の熱交換器に流す冷媒の温度を前記組成比率に応じて調整する冷媒温度調整部を備える、ことが好ましい。
その際、前記冷媒温度調整部は、前記組成比率によって前記燃料ガスの密度が高くなるほど、前記冷媒の温度を高くする、ことが好ましい。
その際、前記第1ガス圧縮機構のガスコンプレッサに対して前記流れ方向の下流側に隣り合うガス圧縮機構のガスコンプレッサにより圧縮された前記燃料ガスの温度がガスコンプレッサの耐熱温度以下になるように、前記冷媒温度調整部は、前記冷媒の温度を調整する、ことが好ましい。
前記第1ガス圧縮機構の吐出スナッパと熱交換器との間の前記燃料ガスの流路から前記燃料ガスを回収する回収装置に接続した分岐路を備える、ことが好ましい。
前記第1ガス圧縮機構の吐出スナッパあるいは当該吐出スナッパのガス出力端と、前記第1ガス圧縮機構のガスコンプレッサよりも前記流れ方向の上流側に設けられた別のガス圧縮機構の熱交換器のガス入力端とを、前記第1ガス圧縮機構のガスコンプレッサを経由することなく繋ぐバイパス管を備える、ことが好ましい。
前記バイパス管には、前記バイパス管を前記別のガス圧縮機構の熱交換器のガス入力端に向かって流れる前記燃料ガスの流量を調整するバルブが設けられ、
さらに、前記バルブの開度を、前記第1ガス圧縮機構の吐出スナッパにおける前記燃料ガスの圧力に応じて調整する制御部を備える、ことが好ましい。
さらに、別の一態様も、燃料ガス供給システムである。当該燃料ガス供給システムは、
燃料ガスの供給を受けて船舶を推進させる推進エンジンに、前記燃料ガスを供給するために、前記燃料ガスを圧縮して前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流す、直列に設けられた複数のガス圧縮機構を備える。
前記ガス圧縮機構のそれぞれは、
前記燃料ガスを前記推進エンジンに供給するために、前記燃料ガスを圧縮して所定の圧力の前記燃料ガスを前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流すガスコンプレッサと、
前記ガスコンプレッサに付随するように、前記ガスコンプレッサの吸引側及び吐出側に設けられた吸引スナッパ及び吐出スナッパと、
前記ガスコンプレッサで圧縮された前記燃料ガスの温度を調整する、前記燃料ガスの前記推進エンジンへ向かう流れ方向において前記吐出スナッパより下流側に設けられた熱交換器と、を備える。
前記複数のガス圧縮機構のうちの第2ガス圧縮機構は、前記ガスコンプレッサと、前記吸引スナッパ及び吐出スナッパと、を含む、複数系列のガス圧縮機構ラインを並列して備え、
前記第2ガス圧縮機構は、前記燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて、前記複数系列のガス圧縮機構ラインの少なくとも1つの駆動を停止する駆動調整部を備える。
その際、前記第2ガス圧縮機構は、前記流れ方向の最下流に位置する最下流ガス圧縮機構であり、
前記最下流ガス圧縮機構の吐出スナッパあるいは当該吐出スナッパのガス出力端と、前記最下流ガス圧縮機構のガスコンプレッサよりも前記流れ方向の上流側に設けられた別のガス圧縮機構の熱交換器のガス入力端とを、前記最下流ガス圧縮機構のガスコンプレッサを経由することなく繋ぐバイパス管を備える、ことが好ましい。
さらにその際、前記バイパス管には、前記バイパス管を前記別のガス圧縮機構の熱交換器のガス入力端に向かって流れる前記燃料ガスの流量を調整するバルブが設けられ、
さらに、前記バルブの開度を、前記最下流ガス圧縮機構の吐出スナッパあるいは当該吐出スナッパのガス出力端における前記燃料ガスの圧力に応じて調整する制御部を備える、ことが好ましい。
また、前記第2ガス圧縮機構は、前記流れ方向の最下流に位置する最下流ガス圧縮機構であり、
前記複数のガス圧縮機構のうち、前記最下流ガス圧縮機構に対して前記流れ方向の上流側に隣り合うガス圧縮機構を第1ガス圧縮機構というとき、前記第1ガス圧縮機構の熱交換器は、前記組成比率に応じて、前記熱交換器の冷却能を調整することにより、前記熱交換器のガス出力端における前記燃料ガスの温度を調整する、ことが好ましい。
その際、前記第1ガス圧縮機構の熱交換器に流す冷媒の温度を前記燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて調整する冷媒温度調整部を備える、ことが好ましい。
さらにその際、前記冷媒温度調整部は、前記燃料ガスの密度が高くなるほど、前記冷媒の温度を高くする、ことが好ましい。
また、前記最下流ガス圧縮機構のガスコンプレッサにより圧縮された前記燃料ガスの温度が前記ガスコンプレッサの耐熱温度以下になるように、前記冷媒温度調整部は、前記冷媒の温度を調整する、ことが好ましい。
また、前記第1ガス圧縮機構の吐出スナッパと熱交換器との間の前記燃料ガスの供給ラインから燃料ガスを回収する回収装置に接続される分岐路を備える、ことが好ましい。
その際、前記燃料ガスの供給ライン上の、前記分岐路の接続位置と、前記第1ガス圧縮機構の熱交換器との間に、前記流れ方向の下流側から上流側に前記燃料ガスが流れることを阻止する逆止弁が設けられている、ことが好ましい。
さらに、液体燃料から自然気化した自然気化ボイルオフガスを、前記複数のガス圧縮機構のうち前記流れ方向の最上流に位置する最上流ガス圧縮機構に、前記燃料ガスとして供給する第1ガス供給源と、前記自然気化ボイルオフガスの供給量を超える前記推進エンジンの燃料ガス要求量に応じて、前記液体燃料から強制気化させた、前記自然気化ボイルオフガスと組成比率が異なる強制気化ボイルオフガスを前記燃料ガスとして前記最上流ガス圧縮機構に供給する第2ガス供給源と、を備える、ことが好ましい。
また、本発明のさらに他の一態様は、燃料ガス供給方法である。当該燃料ガス供給方法は、燃料ガス供給システムにおいて行われる。前記燃料ガス供給システムは、
燃料ガスの供給を受けて船舶を推進させる推進エンジンに、前記燃料ガスを供給するために、前記燃料ガスを圧縮して前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流す、直列に設けられた複数のガス圧縮機構、を備え、
前記ガス圧縮機構のそれぞれは、
前記燃料ガスを前記推進エンジンに供給するために、前記燃料ガスを圧縮して所定の圧力の前記燃料ガスを前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流すガスコンプレッサと、
前記ガスコンプレッサに付随するように、前記ガスコンプレッサの吸引側及び吐出側に設けられた吸引スナッパ及び吐出スナッパと、
前記ガスコンプレッサで圧縮された前記燃料ガスの温度を調整する、前記吐出スナッパよりも前記推進エンジンの側に設けられた熱交換器と、を備える。当該燃料ガス供給方法は、
燃料ガスを、各ガス圧縮機構で段階的に圧縮して推進エンジンに供給するステップと、
前記複数のガス圧縮機構のうちの第1ガス圧縮機構の熱交換器は、前記燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて、冷却能を調整することにより、前記熱交換器のガス出力端における前記燃料ガスの温度を調整するステップと、を含む。
また、本発明のさらに他の一態様も、燃料ガス供給方法である。当該燃料ガス供給方法は、燃料ガス供給システムにおいて行われる。前記燃料ガス供給システムは、
燃料ガスの供給を受けて船舶を推進させる推進エンジンに、前記燃料ガスを供給するために、前記燃料ガスを圧縮して前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流す、直列に設けられた複数のガス圧縮機構、を備え、
前記ガス圧縮機構のそれぞれは、
前記燃料ガスを前記推進エンジンに供給するために、前記燃料ガスを圧縮して所定の圧力の前記燃料ガスを前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流すガスコンプレッサと、
前記ガスコンプレッサに付随するように、前記ガスコンプレッサの吸引側及び吐出側に設けられた吸引スナッパ及び吐出スナッパと、
前記ガスコンプレッサで圧縮された前記燃料ガスの温度を調整する、前記吐出スナッパよりも前記推進エンジンの側に設けられた熱交換器と、を備える、燃料ガス供給システムにおいて、前記複数のガス圧縮機構のうちの第2ガス圧縮機構は、前記ガスコンプレッサ、吸引スナッパ及び吐出スナッパ、及び熱交換器を含む複数系列のガス圧縮機構ラインを並列して備える。前記燃料ガス供給方法は、
燃料ガスを、各ガス圧縮機構で段階的に圧縮して推進エンジンに供給するステップと、
前記第2ガス圧縮機構は、前記燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて、前記複数系列のガス圧縮機構ラインの少なくとも1つの駆動を停止するステップと、を含む。
上記態様の燃料ガス供給システム及び燃料ガス供給方法によれば、燃料ガスの組成成分の組成比率が変化しても、エンジンの負荷に応じて安定した燃料ガスの供給を行うことができる。
本実施形態の船舶の推進エンジンに高圧の燃料ガスを供給する燃料ガス供給システムの構成の一例を示す図である。 図1に示す燃料ガス供給システムの要部の構成の一例を示す図である。 本実施形態のガスコンプレッサが下流方向に吐出する燃料ガスの流量と、バイパス管を上流方向に向かって逆流する燃料ガスの流量を説明する図である。 本実施形態の燃料ガス供給システムに、エタンを主成分とする燃料ガスを用いたときの一例のph線図である。 本実施形態の燃料ガス供給システムに、エタンを主成分とする別の燃料ガスを用いたときの一例のph線図である。 本実施形態の燃料ガス供給システムに、エタンを主成分とするさらに別の燃料ガスを用いたときの一例のph線図である。 本実施形態の燃料ガス供給システムに、メタンを燃料ガスとして用いたときの一例のph線図である。
以下、本発明の燃料ガス供給システム及び燃料ガス供給方法を詳細に説明する。
図1は、本実施形態の船舶の推進エンジンに高圧の燃料ガスを供給する燃料ガス供給システム10の構成の一例を示す図である。図2は、図1に示す燃料ガス供給システムの要部、具体的には第5段目ガス圧縮機構を含む周辺の構成の一例を示す図である。燃料ガス供給システム10は燃料ガスとして液体燃料、例えばコマーシャルエタンのガスを用いるが、これに限定されない。メタンガスや天然ガス等を用いることができる。燃料ガスは、液体燃料が自然気化したガス(NBOG)の他に、液体燃料を意図的に加熱して強制的に気化したガス(FBOG)も含まれる。
燃料ガス供給システム10は、船舶において、燃料ガスを加圧して推進エンジン14に供給するのに用いられる。本実施形態では、燃料ガスが燃料ガス供給源12から推進エンジン14に供給される方向を下流方向、その反対方向を上流方向といい、ある基準とする位置から下流方向の側を下流側といい、ある基準とする位置から上流方向の側を上流側という。
本実施形態の燃料ガス供給システム10は、燃料ガスの供給を受けて船舶を推進させる推進エンジン14に、燃料ガスを供給するために、燃料ガスを加圧して燃料ガス供給源12の側から推進エンジン14の側に流す第1〜5段目ガス圧縮機構13a〜13eを備える。第1〜5段目ガス圧縮機構13a〜13eは直列に設けられている。
第1〜5段目ガス圧縮機構13a〜13eは、ガスコンプレッサ16a〜16eと、吸引スナッパ18a〜18eと、吐出スナッパ20a〜20eと、熱交換器22a〜22eと、バイパス管24a〜24eと、制御バルブ26a〜26eと、バルブ制御部28a〜28eと、冷媒温度調整部30と、温度制御装置32と、を主に備える。
燃料ガス供給源12は、第1ガス供給源12aと第2ガス供給源12bとを含む。第1ガス供給源12aは、貯蔵タンクに貯蔵された液体燃料から自然気化したNBOGを、最上流ガス圧縮機構である第1段目ガス圧縮機構13aに燃料ガスとして供給する。第2ガス供給源12bは、液体燃料から強制気化させたFBOGを燃料ガスとして第1段目ガス圧縮機構13aに供給する。このとき、ガス源調整部12cは、第1ガス供給源12aが推進エンジン14の燃料ガス要求量を満足するNBOGの供給量を有する場合、NBOGのみを第1段目ガス圧縮機構13aに優先的に供給するように調整する。一方、推進エンジン14の燃料ガス要求量が第1ガス供給源12aのNBOGの供給量を超える場合、ガス源調整部12cは、NBOGの供給量を超える推進エンジン14の燃料ガス要求量に応じて、NBOGに加えて、FBOGを燃料ガスとして第1段目ガス圧縮機構13aに供給するように調整する。したがって、第2ガス供給源12bは、NBOGの供給量を超える推進エンジン14の燃料ガス要求量に応じて、FBOGを燃料ガスとして第1段目ガス圧縮機構13aに供給する。なお、FBOGのガス組成は、NBOGのガス組成と異なる。例えば、液体燃料であるコマーシャルエタンの場合、NBOGでは、エタンに比べて自然気化しやすいメタンの組成比率が、FBOGに比べて高い。したがって、エンジンの負荷によって燃料ガスのガス組成は変化する。また、メタンが自然気化することにより液体燃料の組成も液体燃料の貯蔵日数に従がって変化するため、NBOGの組成も液体燃料の貯蔵日数に応じて変化する。コマーシャルエタンの場合、メタンの組成比率は、0モル%から30モル%の間で変化する。また、燃料として、コマーシャルエタンの代わりにメタンを主成分(例えばメタン組成100モル%)とする液化天然ガスを用いる場合もある。このため、第1〜5段目ガス圧縮機構13a〜13eに供給される燃料ガス中の組成成分の組成比率は変化する。そこで、本実施形態では、後述するように、燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて、第4段目ガス圧縮機構13dあるいは第5段目ガス圧縮機構13eの駆動を調整することができる構成になっている。
本実施形態を適用する船舶は液体燃料を荷物として運搬する運搬船であってもよいし、上記運搬船以外の船舶に適用することもできる。
推進エンジン14は供給される燃料ガスを燃焼室で燃焼させて動力を取り出し、主軸15aおよびプロペラ15bを回転させる。推進エンジン14には、例えば2ストロークサイクルの低速ディーゼルエンジンを用いることができる。
推進エンジン14は、ガバナ15cと接続されて、ガバナ15cにより推進エンジン14の駆動が制御されている。ガバナ15cは、主軸15aの回転を計測するように設けられた回転計15dにより計測された主軸回転数が目標回転数になるように、推進エンジン14に燃料ガスを供給する供給ラインに設けられた図示しない流量制御弁の開度を制御することで、推進エンジン14の駆動を制御する。すなわち、ガバナ15cは、推進エンジン14と推進用のプロペラ15bを接続した主軸15aの主軸回転数が目標回転数になるように、推進エンジン14の負荷を定め、これに基づいて燃料ガス要求量を定め、この燃料ガス要求量に基づいて燃料供給量を制御する装置である。ガバナ15cは、気象、海象の風、波高等の自然状況の変化によって変化する主軸回転数が目標回転数に維持されるように、推進エンジン14の負荷を定める他、オペレータの減速、加速、旋回等の指示によって提供されるプロペラ回転数の操作指令値に応じて、推進エンジン14の負荷を定めることもできる。ガバナ15cは、定めた負荷に基づいて、最下流に位置するガスコンプレッサ16eの吐出側の目標圧力を設定し、この目標圧力をバルブ制御部28eに送るように構成されている。この目標圧力は、推進エンジン14が要求する燃料供給圧力である。バルブ制御部28eは、送られた目標圧力に基づいて、吐出スナッパ20e内の燃料ガスの圧力の目標値を設定する。
ガスコンプレッサ16a〜16eは、燃料ガスを推進エンジン14に供給するために、燃料ガスを圧縮して燃料ガス源12の側から推進エンジン14の側に流す、直列に接続された多段のコンプレッサである。ガスコンプレッサ16a〜16eは、吸引スナッパ18a〜18e内の燃料ガスを吸引して所定の圧力に加圧する部分である。ガスコンプレッサ16a〜16eは、例えば、ガスコンプレッサ16a〜16e内の可動部(プランジャ又はピストン)が直線往復運動をすることによって気体をシリンダー内に吸い込み、その後圧縮する、往復圧縮機を用いることができる。ガスコンプレッサ16a〜16eのうち、ガスコンプレッサ16a〜16dは、無給油式圧縮機が用いられ、30MPa以上の高圧に燃料ガスを加圧するガスコンプレッサ16eには給油式圧縮機が用いられる。ガスコンプレッサ16a〜16eの可動部は、図示されない上述の駆動源(例えば電動モータ)の動力で回転するクランク軸を介して連動して駆動される。ガスコンプレッサ16a〜16eにおいて、燃料ガスはそれぞれ同程度の圧縮率で段階的に圧縮されることで、燃料ガスは圧縮率の5乗まで圧縮される。例えば、ガスコンプレッサ16a〜16eのそれぞれにおいて3〜4倍に圧縮することで、燃料ガスは3〜4倍に圧縮される。例えば、ガスコンプレッサ16aの吸引側における燃料ガスの圧力が0.1MPaであれば、ガスコンプレッサ16aの吐出側の圧力は約0.4MPa、ガスコンプレッサ16bの吐出側の圧力は約1.2MPa、ガスコンプレッサ16cの吐出側の圧力は約3.9MPa、ガスコンプレッサ16dの吐出側の圧力は約12〜13MPaとなる。そして、ガスコンプレッサ16eの吐出側の圧力は設定された目標圧力まで上昇される。
吸引スナッパ18a〜18eは、ガスコンプレッサ16a〜16eそれぞれに付随して燃料ガスの脈動防止のために設けられ、ガスコンプレッサ16a〜16eそれぞれの上流側に設けられる、圧縮前の燃料ガスを一時貯留する容器である。したがって、吸引スナッパ18a〜18e内の圧力は、ガスコンプレッサ16a〜16eそれぞれで加圧する直前の燃料ガスの圧力に相当する。
吐出スナッパ20a〜20eは、ガスコンプレッサ16a〜16eそれぞれに付随して燃料ガスの脈動防止のために設けられ、ガスコンプレッサ16a〜16eそれぞれの下流側に設けられる、圧縮後の燃料ガスを一時貯留する容器である。吐出スナッパ20a〜20eあるいはその近傍には、内部に貯留する燃料ガスの圧力あるいはガス出力端における燃料ガスの圧力を計測する圧力計19a〜19eが設けられている。圧力計19a〜19eの計測結果は、後述するバルブ制御部28a〜28eに送られる。吐出スナッパ20a〜20eには、予め定めた圧力で弁が開放する図示されない安全弁が設けられている。
熱交換器22a〜22eは、ガスコンプレッサ16a〜16eそれぞれに付随するように、ガスコンプレッサ16a〜16eそれぞれで燃料ガスが圧縮されることにより高温になった燃料ガスの温度を、燃料ガスと冷媒との熱交換により温度を調整する装置である。熱交換器22a〜22eは、燃料ガスの推進エンジン14へ向かう流れ方向において吐出スナッパ20a〜20eより下流側に設けられている。熱交換器22a〜22eにおける冷媒は、特に制限されないが、水を用いることができる。熱交換器22a〜22dは、それぞれの下流側に位置する吸引スナッパ18b〜18eと供給ラインを介して接続される。
バイパス管24a,24bは、ガスコンプレッサ16a,16bのそれぞれに付随した熱交換器22a,22bの燃料ガスのガス出力端と、ガスコンプレッサ16a,16bそれぞれに付随した吸引スナッパ18a,18bとの間を、ガスコンプレッサ16a,16b,を経由することなく繋いでいる。
バイパス管24c,24d,24eは、ガスコンプレッサ16c,16d,16eのそれぞれに付随した吐出スナッパ20c,20d,20eあるいは吐出スナッパ20c,20d,20eの燃料ガスのガス出力端と、ガスコンプレッサ16c,16d,16eそれぞれよりも燃料ガスの流れ方向の上流側に設けられたガスコンプレッサ16b,16c,16dに付随した熱交換器22b,22c,22dのガス入力端との間を、ガスコンプレッサ16c,16d,16eを経由することなく繋いでいる。
バイパス管24a〜24eには、燃料ガスが流れる量を制御する制御バルブ26a〜26eが設けられている。
制御バルブ26a〜26eそれぞれの開度は、対応するガスコンプレッサ16a〜16eに付随する吐出スナッパ20a〜20eにおける燃料ガスの圧力あるいは、吐出スナッパ20a〜20eあるいは吐出スナッパ20a〜20eの燃料ガスのガス出力端における燃料ガスの圧力が予め設定された圧力の目標値になるように、制御される。すなわち、バイパス管24a〜24eを流れる燃料ガスの流量は、対応する吐出スナッパ20a〜20eにおける燃料ガスの圧力あるいは、吐出スナッパ20a〜20eあるいは吐出スナッパ20a〜20eのガス出力端における燃料ガスの圧力に基づいて制御される。なお、バイパス管24a,24bは、熱交換器22a,22bのガス出力端と吸引スナッパ18a,18bとを接続しているが、熱交換器22a,22bのガス出力端における燃料ガスの圧力は、吐出スナッパ20a,20bのガス出力端における燃料ガスの圧力と同じである。
図3は、ガスコンプレッサ16bが下流方向に吐出する燃料ガスの流量と、第2バイパス管24bを上流方向に向かって逆流する燃料ガスの流量を説明する図である。図3では、2段目のガスコンプレッサ16bと第2バイパス管24bの流れを説明しているが、これ以外のガスコンプレッサ16a,16c〜16e、バイパス管24a,24c〜24eにおいても同様の挙動をするので、ガスコンプレッサ16b及びバイパス管24bを代表して説明する。図3に示されるように、例えば、上流側から1時間当たり1500kgの燃料ガスが供給され、ガスコンプレッサ16bが1時間当たり2000kgの燃料ガスを圧縮して下流側に吐出する時、バイパス管24bを介して1時間当たり500kgの燃料ガスを逆流させて吸引スナッパ18bに戻す。このように、吐出スナッパ20bから1時間当たり500kgの燃料ガスが逆流するように、制御バルブ26bの開度は制御されている。これにより、熱交換器22bのガス出力端から下流側に1時間当たり1500kgの燃料ガスを定常的に流すことができる。したがって、吐出スナッパ20bにおける燃料ガスの圧力は一定に保つことができる。
本実施形態では、第2段目ガス圧縮機構13bと第3段目ガス圧縮機構13cの間のガス供給ラインから、燃料ガスの一部を用いるボイラ34に向かって分岐する分岐路35が設けられている。ボイラ34に分岐する燃料ガスの流量は、分岐路35に設けられたバルブ36で調整される。
さらに、本実施形態では、第4段目ガス圧縮機構13dの吐出スナッパ20dと熱交換器22dとの間の燃料ガスの供給ラインから回収装置38に向かう分岐路39が設けられている。回収装置38は、燃料ガスを回収する装置であり、回収した燃料ガスを第1ガス供給源12a等に戻してもよく、また、回収した燃料ガスの再液化を行ってもよい。分岐路39には、熱交換器40及びバルブ42が設けられ、熱交換器40で燃料ガスの温度を調整し、バルブ42で回収する燃料ガスの流量を調整する。
また、本実施形態では、燃料ガスの供給ライン上のバイパス管24aの分岐位置と吸引スナッパ18bとの間に、逆止弁44が設けられ、燃料ガスの供給ライン上の分岐路39の分岐位置と、燃料ガスの供給ライン上のバイパス管24eの接続位置との間に、逆止弁46が設けられ、燃料ガスの供給ライン上のバイパス管24eの分岐位置と熱交換器22eのガス入力端との間に、逆止弁48が設けられている。
逆止弁44は、第1段目ガス圧縮機構13aと第2段目ガス圧縮機構13bとの間に設けられ、燃料ガスが燃料ガス供給源12の側に逆流することを防止すために設けられる。逆止弁44を吸引スナッパ18aに対して燃料ガス供給源12の側に設けると、逆止弁44が閉じた後、再度開くための圧力差が小さいため、逆止弁44は開き難い。このため、逆止弁44を吸引スナッパ18aに対して燃料ガス供給源12の側に設けることはできない。
逆止弁46は、給油式圧縮機のガスコンプレッサ16eに起因して燃料ガス中に含まれる油成分が、無給油式圧縮機のガスコンプレッサ16a〜16dを用いる第1〜4段目ガス圧縮機構13a〜13dに逆流することで、第1〜4段目ガス圧縮機構13a〜13dが油汚染を受けることを防止する。
逆止弁48は、熱交換器22eと推進エンジン14との間の供給ライン上の燃料ガスが吐出スナッパ20eの側に逆流することを防止する。
本実施形態では、第4段目ガス圧縮機構13dの熱交換器22dで用いる冷媒は、冷媒温度調整部30で温度調整されている。冷媒温度調整部30は、温度制御装置32の制御指示にしたがって冷媒の温度を調整する。冷媒温度調整部30は、冷媒を加熱するヒータや冷媒を冷却する熱交換器等を含む。温度制御装置32は、燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて冷媒の温度を設定する。例えば、液化天然ガスあるいは液化したコマーシャルエタン等の種類に応じて冷媒の温度を設定する。さらに、液化したコマーシャルエタンの場合、貯蔵日数によって燃料ガスのメタン及びエタンの組成比率が異なることから、現在の燃料ガス中の組成成分の組成比率を実際に分析した結果に基づいて冷媒の温度を設定してもよく、燃料の貯蔵日数に基づいて現在の燃料ガス中の組成成分の組成比率を推定し、この推定結果に応じて冷媒の温度を設定してもよい。さらに、上述したように、NBOGとFBOGの組成成分の組成比率も異なるため、NBOGとFNOGの供給量に応じて組成成分の組成比率を推定し、この推定結果に応じて冷媒の温度を設定してもよい。さらに、NBOGとFBOGの組成成分の組成比率は、貯蔵日数に応じて変化するので、貯蔵日数とNBOGとFNOGの供給量に応じて組成成分の組成比率を推定し、この推定結果に応じて冷媒の温度を設定してもよい。
このように、熱交換器22dにおいて、燃料ガスの組成成分の組成比率(例えば、メタン、エタンの組成比率)に応じて冷媒の温度を調整するのは、燃料ガスの密度が、燃料ガスの組成によって大きく異なるからである。上述したように、第1〜5段目ガス圧縮機構13a〜13eは、所定の圧力に燃料ガスを加圧し、しかも、バイパス管24a〜24eを流れる燃料ガスの流量は吐出スナッパ20a〜20eあるいは吐出スナッパ20a〜20eのガス出力端における燃料ガスの圧力に基づいて制御されるので、各ガス圧縮機構で加圧して下流側のガス圧縮機構や推進エンジン14に流す燃料ガスの量は、燃料ガスの圧力で調整されている。このため、燃料ガスの密度が変化すると、燃料ガスの圧力が同じでも、燃料ガスの量(質量)は変化する。一方、燃料ガス中の組成成分の組成比率に係らず、単位質量当たりの低位発熱量(LCV)の変化は小さい。例えば、メタンのLCVは50000kcal/kgであり、エタンのLCVは47500kcal/kg)である。本来、燃料ガス中の組成成分の組成比率が変化しても、同じ負荷を出力する推進エンジン14に供給する燃料ガスの量(質量)は一定でなければならないが、燃料ガスの圧力で燃料ガスの量を調整する第1〜5段目ガス圧縮機構13a〜13eでは、燃料ガスの密度が変化すると推進エンジン14に供給する燃料ガスの量(質量)は変化する。本実施形態では、燃料ガスの量(質量)を直接制御することを行う代わりに、燃料ガスの組成成分の組成比率が変化しても燃料ガスの密度の変化を抑制するように、燃料ガスの温度を熱交換器22dで調整する。
本実施形態の第4段目ガス圧縮機構13dの熱交換器22dのガス出力端における燃料ガスの密度は、例えば、メタンを主成分(組成比率が50%超)とする燃料ガスの場合約80kg/mであり、エタンを主成分(組成比率が50%超)とする燃料ガスの場合180〜300kg/mである。熱交換器22dのガス出力端では、燃料ガスの温度は所定の温度になるように、熱交換器22dで制御されている。このため、エタンを主成分とする燃料ガスを用いる場合、メタンを主成分とする燃料ガスを用いる場合と同じ条件で第1〜5段目ガス圧縮機構13a〜13eを駆動して同じ負荷の状態の推進エンジン14に燃料ガスを供給すると燃料ガスは過剰気味となり、省エネルギの点から好ましくない。また、メタンを主成分とする燃料ガスを用いる場合、エタンを主成分とする燃料ガスを用いる場合と同じ条件で第1〜5段目ガス圧縮機構13a〜13eを駆動して同じ負荷の状態の推進エンジン14に燃料ガスを供給すると、燃料ガスは不足気味となる。
この問題は、組成成分の組成比率が変化する、コマーシャルエタンを起源とするエタンを主成分とする燃料ガスにおいても生じる。
このため、本実施形態では、燃料ガス中の組成成分の組成比率に起因して生じる燃料ガスの密度の変化が小さくなるように、熱交換器22dに用いる冷媒の温度を調整している。すなわち、本実施形態では、熱交換器22dにおける冷却能を、燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて調整することにより、熱交換器22dのガス出力端における燃料ガスの温度を調整している。このため、燃料ガス中の組成成分の組成比率が変化しても、推進エンジン14の負荷に応じて安定した燃料ガスの供給を行うことができる。例えば、メタンを主成分とする燃料ガスの場合、冷媒の温度は例えば38℃とし、熱交換器22dのガス出力端における燃料ガスの温度を45℃とする。エタンを主成分とする燃料ガスの場合、冷媒の温度は例えば62℃とし、熱交換器22dのガス出力端における燃料ガスの温度を70℃とする。これにより、エタンを主成分とする燃料ガスの密度は、冷媒の温度を調整しない(例えば38℃に維持する)場合に比べて低下する。例えば、密度230kg/mが密度180kg/mに低下する。上記説明では、エタンを主成分とする燃料ガスとメタンガスを主成分とする燃料ガスを例にして説明したが、同じコマーシャルエタンを起源とする燃料ガスでも、上述したように組成成分の組成比率は変化することから、熱交換器22dにおける冷却能を、燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて調整することにより、上述の問題を解決することができる。
また、本実施形態では、図2に示すように、第5段目ガス圧縮機構13e(第2ガス圧縮機構)は、ガスコンプレッサ16eと吸引スナッパ18e及び吐出スナッパ20eを含む、2系列のガス圧縮機構ラインを並列に備える。すなわち、第5段目ガス圧縮機構13eは、ガスコンプレッサ16e1と吸引スナッパ18e1及び吐出スナッパ20e1とを含むガス圧縮機構ラインと、ガスコンプレッサ16e2と吸引スナッパ18e2及び吐出スナッパ20e2とを含む別のガス圧縮機構ラインとを並列で備える。本実施形態では、第5段目ガス圧縮機構13eは、2系列のガス圧縮機構ラインを備えるが、3つ、4つ、あるいはそれ以上の数のガス圧縮供給ラインを備えてもよい。
第5段目ガス圧縮機構13eは、ガスコンプレッサ16e1,16e2と機械的に接続された駆動調整部50と、駆動制御装置52と、を備える。駆動調整部50は、駆動制御装置52の制御指示にしたがって系列のガス圧縮機構ラインの少なくとも1つの系列の駆動を停止する。駆動制御装置52は、燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じてガス圧縮機構ラインの駆動させる数を設定し、駆動させないガス圧縮機構ラインを設定する。したがって、駆動調整部50は、燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて、2系列のガス圧縮機構ラインの1つの駆動を停止する。駆動制御装置52は、例えば、メタンを主成分とする燃料ガスか、エタンを主成分とする燃料ガスかによって、1つのガス圧縮機構ラインの1つの駆動を停止する。このように、ガス圧縮機構ラインの1つの駆動を停止するのは、上述したように、エタンを主成分とする燃料ガスを用いる場合、エタンに比べて密度の小さいメタンを主成分とする燃料ガスを用いる場合と同じ条件で第1〜5段目ガス圧縮機構13a〜13eを駆動して同じ負荷の状態の推進エンジン14に燃料ガスを供給しようとすると、第1〜5段目ガス圧縮機構13a〜13eは推進エンジン14への燃料ガスの量を圧力で制御しているので、燃料ガスの量(質量)は過剰気味となるからである。すなわち、駆動調整部60は、メタンを主成分とする燃料ガスを用いる場合、2系列のガス圧縮機構ラインを駆動し、エタンを主成分とする燃料ガスを用いる場合、1系列のガス圧縮機構ラインのみを駆動する。上述したように、熱交換器22dのガス出力端における燃料ガスの温度を、燃料ガスの組成成分の組成比率に応じて調整しても、燃料ガスの密度の変化を一定にすることは難しく、燃料ガスが過剰となる場合、1系列のガス圧縮機構ラインのみ駆動させ、残りの1系列のガス圧縮機構ラインを停止させることができる。この場合、余分な燃料ガスを回収装置38に回収させることが好ましい。上述したように、エタンを主成分とする燃料ガスの密度は、メタンを主成分とする燃料ガスの密度に比べて2〜4倍大きい。本実施形態では、組成比率に応じて、2系列のガス圧縮機構ラインのうち1系列のガス圧縮機構ラインのみを駆動させるので、第5段目ガス圧縮機構で過剰な燃料ガスを圧縮させる必要はなくなる。このため、燃料ガス中の組成成分の組成比率が変化しても安定した燃料ガスの供給を行うことができる。
以上、本実施形態の燃料ガス供給システム10では、第4段目ガス圧縮機構13dの熱交換器22dの冷却能を調整するために冷媒の温度を調整するが、冷媒の種類や、冷媒の供給量を調整してもよい。しかし、冷媒温度調整部30が、第4段目ガス圧縮機構13d(第1ガス圧縮機構)の熱交換器22dに流す冷媒の温度を燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて調整することが、組成比率の変化による燃料ガスの密度の変化を確実に小さくすることができ、安定した燃料ガスの供給を行うことができる点から好ましい。より具体的には、冷媒温度調整部30は、燃料ガス中の組成成分の組成比率によって燃料ガスの密度が高くなるほど、冷媒の温度を高くすることが好ましい。
第4段目ガス圧縮機構13d(第1ガス圧縮機構)のガスコンプレッサ16dに対して燃料ガスの流れ方向の下流側に隣り合う第5段目ガス圧縮機構13eのガスコンプレッサ16eにより圧縮された燃料ガスの温度がガスコンプレッサ16eの耐熱温度以下、例えばシリンダシール耐熱温度(例えば140℃)以下になるように、冷媒温度調整部30は、冷媒の温度を調整することが好ましい。冷媒温度調整部30は、例えばエタンを主成分とする燃料ガスを用いる場合、ガスコンプレッサ16eにより圧縮された燃料ガスの密度を小さくするために温度を高くすることが好ましいが、高くしすぎるとシリンダシール耐熱温度を超えガスコンプレッサ16eの耐久性を維持できなくなる場合がある。このため、冷媒温度調整部30は、冷媒の温度の範囲は制限される。
本実施形態で説明したように、第4段目ガス圧縮機構13d(第1ガス圧縮機構)の吐出スナッパ20dと熱交換器22dとの間の燃料ガスの供給ラインから燃料ガスを回収する回収装置38に接続した分岐路39を設けることが好ましい。これにより、バイパス管24dに流す燃料ガスの流量の調整とともに、第5段目ガス圧縮機構13eで加圧する燃料ガスの量を調整することができるので、余分な燃料ガスを第5段目ガス圧縮機構13eで加圧することを抑制し、エネルギの有効活用に寄与することができる。
また、本実施形態では、第4ガス圧縮機構13dにバイパス管24dが設けられているので、燃料ガスの第5段目ガス圧縮機構13eへ供給しない不要な燃料ガスは熱交換器22dで冷却させることなく、上流側の第3段目ガス圧縮機構13cの熱交換器22cのガス入力端に戻る。この燃料ガスは、熱交換器22cを通過して冷却され熱交換器22cのガス出力端において、当初設定された所定の温度にされる。このため、ガスコンプレッサ16dで加圧されても一定の温度に制御された燃料ガスを、熱交換器22dに流すことができ、熱交換器22dのガス出力端における燃料ガスの温度を精度良く制御することができる。
本実施形態では、バイパス管24dに、燃料ガスの流量を調整するバルブ26dが設けられ、バルブ26dの開度が、吐出スナッパ20dにおける燃料ガスの圧力に応じて調整されるので、推進エンジン14の負荷が変化しても、燃料ガスの供給を安定して制御することができる。
また、最下流ガス圧縮機構である第5段目ガス圧縮機構13eには、吐出スナッパ20eのガス出力端と熱交換器22dのガス入力端とを、ガスコンプレッサ16eを経由することなく繋ぐバイパス管24eを備えるので、推進エンジン14の供給に不要な燃料ガスを熱交換器22dのガス入力端に戻すことができ、ガスコンプレッサ16eによる加圧の前後において、燃料ガスの温度を所定の温度に維持することができる。バイパス管24eに、燃料ガスの流量を調整するバルブ26eが設けられ、バルブ26eの開度が、吐出スナッパ20eのガス出力端における燃料ガスの圧力に応じて調整されるので、推進エンジン14の負荷が変化しても、燃料ガスの供給を安定して制御することができる。
さらに、複数系列のガス圧縮機構ラインを備え、燃料ガスの組成成分の組成比率に応じて少なくとも1系列のガス圧縮機構ラインの駆動を停止することができる第5段目ガス圧縮機構13eと、第4段目ガス圧縮機構13dにおいて、冷媒の温度を、燃料ガスの組成成分の組成比率に応じて調整する熱交換器22dとを組み合わせることにより、燃料ガスの組成成分の組成比率が変化しても、エンジン負荷に応じて安定した燃料ガスの供給を行う効果は大きくなる。
図1に示すように、燃料ガスの供給ライン上の、分岐路39の接続位置と、熱交換器22dとの間に、燃料ガスの流れ方向の下流側から上流側に燃料ガスが流れることを阻止する逆止弁46が設けられているので、油式圧縮機のガスコンプレッサ16eに起因して燃料ガス中に含まれる油成分が、回収装置38に流れ込むことで、回収装置38が油汚染を受けることを防止する。
本実施形態では、第3段目ガス圧縮機構13cのバイパス管24cは、吐出スナッパ20cと熱交換器22bのガス入力端を繋いでいるが、バイパス管24cは、熱交換器22cの燃料ガスのガス出力端と熱交換器22bのガス入力端を繋ぐことも好ましい。これにより、第2段目ガス圧縮機構13bの吐出スナッバ20bの燃料ガスのガス出力端における圧力の上昇を抑制することができる。特に、燃料ガスの推進エンジン14への供給を停止した場合、第3,4段目ガス圧縮機構13c,13dにある燃料ガスは、バイパス管24cを通して第2段目ガス圧縮機構13bの吐出スナッバ20bのガス出力端に戻るので、吐出スナッバ20bの燃料ガスのガス出力端における圧力は上昇し易い。しかし、バイパス管24cを熱交換器22cの燃料ガスのガス出力端と熱交換器22bのガス入力端を繋ぐことにより、熱交換器22cを通過して温度の低下した燃料ガスが吐出スナッバ20bのガス出力端に戻るので、吐出スナッバ20bの燃料ガスのガス出力端における燃料ガスの温度は下がり、燃料ガスの密度は上昇する。この結果、吐出スナッバ20bのガス出力端と繋がっている吐出スナッパ20bの空間に蓄積可能な燃料ガスの量が増加し、圧力上昇速度は緩和し、圧力の上昇を抑制することができる。
本実施形態では、冷媒の温度を調整する熱交換器は、第4段目ガス圧縮機構13dの熱交換器22dであるが、燃料ガスの種類によっては、第4段目ガス圧縮機構13dに限定されない。第1段目ガス圧縮機構13aから各段のガス圧縮機構を順番にみたとき、燃料ガスの圧縮によって燃料ガスの密度が所定値以上に急激に変化するガス圧縮機構の部分の熱交換器であるとよい。また、複数系統のガス圧縮機構ラインを備え、そのうちの少なくとも1系統のガス圧縮供給ラインを停止することができる構成の場所も、第5段目ガス圧縮機構13eに限定されない。
このような燃料ガス供給システム10では、以下の燃料ガス供給方法が行われる。
(1)燃料ガスを、第1〜5段目ガス圧縮機構13a〜13eのそれぞれで段階的に圧縮して推進エンジンに供給するステップと、
(2)第1〜5段目ガス圧縮機構13a〜13eのうちの第4段目ガス圧縮機構13dの熱交換器22dは、燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて、冷却能を調整することにより、熱交換器22dのガス出力端における燃料ガスの温度を調整するステップと、を行う。
また、燃料ガス供給システム10では、以下の燃料ガス供給方法が行われる。
(3)燃料ガスを、各ガス圧縮機構で段階的に圧縮して推進エンジンに供給するステップと、
(4)第5段目ガス圧縮機構13eは、燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて、複数系列のガス圧縮機構ラインの少なくとも1つの駆動を停止するステップと、を行う。
図4〜7は、本実施形態の燃料ガス供給システム10に、メタンガスを燃料ガスとして用いたとき、あるいはエタンガスを主成分とする燃料ガスを用いたときの一例のph線図である。図4は、燃料ガスの組成がエタン100モル%である例を示し、図5は、燃料ガスの組成がエタン85モル%、メタン15モル%である例を示し、図6は、燃料ガスの組成がエタン70モル%、メタン30モル%である例を示し、図7は、燃料ガスの組成がメタン100モル%である例を示す。燃料ガスは、吸引スナッパ18aに供給される直前の燃料ガスの状態1s(図1参照)を出発状態とする。図4〜7に示す燃料ガスの状態1s〜5s,1d〜5d,Xは、図1,2に示す位置における燃料ガスの状態である。下記表1に、本実施形態の燃料ガス供給方法を実施したときの燃料ガスの状態1s〜5s,1d〜5d,Xの圧力及び温度の例を示す。バイパス管24a〜24eを通過して減圧するときの燃料ガスの変化は、等エンタルピー変化であり、図4〜7では、図中下方向に移動する部分に相当する。
Figure 0006634633
図1に示すように、第2段目ガス圧縮機構13bのバイパス管24bは、所定の圧力に加圧するガスコンプレッサ16bの吸引スナッパ18bと熱交換器22bのガス出力端を繋ぐため、バイパス管24bを流れて吸引スナッパ18bに戻る時、等エンタルピー変化(状態2sから図4〜7において下方向に向かう矢印に沿った変化)をして燃料ガスの温度は低下する。しかし、この温度の低下は、図4〜7に示すように5℃以下であるので、燃料ガスの密度は略一定であり、加圧されて吐出する燃料ガスの量(質量)は一定に維持される。
一方、第3,4段目ガス圧縮機構13c,13dのバイパス管24c、24dは、燃料ガスが熱交換器22b,22cのガス入力端に戻るように配管されているので、熱交換器22b,22cのガス入力端に戻った燃料ガスは、等エンタルピー変化により温度が低下しても、熱交換器22b,22cにより温度調整され、表1の状態3s,4sに示すように45℃にする。したがって、第3,4段目ガス圧縮機構13c,13dのガスコンプレッサ16c,16dを吸引する燃料ガスの密度は一定であり、加圧された燃料ガスの量(質量)は一定に維持される。
表1からわかるように、状態5sは、熱交換器22dを通過後の燃料ガスの状態であり、エタンを主成分とする燃料ガス(エタン100モル%;エタン85モル%、メタン15モル%;エタン70モル%、メタン30モル%)では、燃料ガスの温度をメタン100%の燃料ガスに比べて高く設定している。これにより、燃料ガスの密度の上昇を抑えることができる。さらに、推進エンジン14に供給されない不要な燃料ガスをバイパス管24eで熱交換器22dのガス入力端に戻している。
一方、状態5sの温度を制限なく高くすると、状態5dの温度が140℃を超え、ガスコンプレッサ16eのシリンダシール耐熱温度を超える。このため、燃料ガスの密度を低くするために状態5sの温度を制限無く高くすることはできない。例えば、エタン70モル%、メタン30モル%の燃料ガスでは、状態5sの温度を70℃にすると、状態5dの温度は140℃あるいは140℃を超え、ガスコンプレッサ16eの耐熱の点で問題がある。このため、本実施形態では、熱交換器22dの冷媒の温度の範囲(上限温度)を設定することが好ましい。
以上、本発明の燃料ガス供給システム及び燃料ガス供給方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 燃料ガス供給システム
12 燃料ガス供給源
12a 第1ガス供給源
12b 第2ガス供給源
12c ガス源調整部
13a〜13e 第1〜5段目ガス圧縮機構
14 推進エンジン
15a 主軸
15b プロペラ
15c ガバナ
15d 回転計
16a〜16e,16e1,16e2 ガスコンプレッサ
18a〜18e,18e1,18e2 吸引スナッパ
19a〜19e 圧力計
20a〜20e,20e1,20e2 吐出スナッパ
22a〜22e,40 熱交換器
24a〜24e バイパス管
26a〜26e 制御バルブ
28a〜28e バルブ制御部
30 冷媒温度調整部
32 温度制御装置
34 ボイラ
35,39 分岐路
36,42 バルブ
38 回収装置
44,46,48 逆止弁
50 駆動調整部
52 駆動制御装置

Claims (19)

  1. 燃料ガスの供給を受けて船舶を推進させる推進エンジンに、前記燃料ガスを供給するために、前記燃料ガスを圧縮して前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流す、直列に設けられた複数のガス圧縮機構を備え、
    前記ガス圧縮機構のそれぞれは、
    前記燃料ガスを前記推進エンジンに供給するために、前記燃料ガスを圧縮して所定の圧力の前記燃料ガスを前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流すガスコンプレッサと、
    前記ガスコンプレッサに付随するように、前記ガスコンプレッサの吸引側及び吐出側に設けられた吸引スナッパ及び吐出スナッパと、
    前記ガスコンプレッサで圧縮された前記燃料ガスの温度を調整する、前記燃料ガスの前記推進エンジンへ向かう流れ方向において前記吐出スナッパより下流側に設けられた熱交換器と、を備え、
    前記複数のガス圧縮機構のうちの第1ガス圧縮機構の熱交換器は、前記燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて、冷却能を調整することにより、前記熱交換器のガス出力端における前記燃料ガスの温度を調整する、ことを特徴とする燃料ガス供給システム。
  2. 前記第1ガス圧縮機構の熱交換器に流す冷媒の温度を前記組成比率に応じて調整する冷媒温度調整部を備える、請求項1に記載の燃料ガス供給システム。
  3. 前記冷媒温度調整部は、前記組成比率によって前記燃料ガスの密度が高くなるほど、前記冷媒の温度を高くする、請求項2に記載の燃料ガス供給システム。
  4. 前記第1ガス圧縮機構のガスコンプレッサに対して前記流れ方向の下流側に隣り合うガス圧縮機構のガスコンプレッサにより圧縮された前記燃料ガスの温度がガスコンプレッサの耐熱温度以下になるように、前記冷媒温度調整部は、前記冷媒の温度を調整する、請求項3に記載の燃料ガス供給システム。
  5. 前記第1ガス圧縮機構の吐出スナッパと熱交換器との間の前記燃料ガスの流路から前記燃料ガスを回収する回収装置に接続した分岐路を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料ガス供給システム。
  6. 前記第1ガス圧縮機構の吐出スナッパあるいは当該吐出スナッパのガス出力端と、前記第1ガス圧縮機構のガスコンプレッサよりも前記流れ方向の上流側に設けられた別のガス圧縮機構の熱交換器のガス入力端とを、前記第1ガス圧縮機構のガスコンプレッサを経由することなく繋ぐバイパス管を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料ガス供給システム。
  7. 前記バイパス管には、前記バイパス管を前記別のガス圧縮機構の熱交換器のガス入力端に向かって流れる前記燃料ガスの流量を調整するバルブが設けられ、
    さらに、前記バルブの開度を、前記第1ガス圧縮機構の吐出スナッパにおける前記燃料ガスの圧力に応じて調整する制御部を備える、請求項6に記載の燃料ガス供給システム。
  8. 燃料ガスの供給を受けて船舶を推進させる推進エンジンに、前記燃料ガスを供給するために、前記燃料ガスを圧縮して前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流す、直列に設けられた複数のガス圧縮機構を備え、
    前記ガス圧縮機構のそれぞれは、
    前記燃料ガスを前記推進エンジンに供給するために、前記燃料ガスを圧縮して所定の圧力の前記燃料ガスを前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流すガスコンプレッサと、
    前記ガスコンプレッサに付随するように、前記ガスコンプレッサの吸引側及び吐出側に設けられた吸引スナッパ及び吐出スナッパと、
    前記ガスコンプレッサで圧縮された前記燃料ガスの温度を調整する、前記燃料ガスの前記推進エンジンへ向かう流れ方向において前記吐出スナッパより下流側に設けられた熱交換器と、を備え、
    前記複数のガス圧縮機構のうちの第2ガス圧縮機構は、前記ガスコンプレッサと、前記吸引スナッパ及び吐出スナッパと、を含む、複数系列のガス圧縮機構ラインを並列して備え、
    前記第2ガス圧縮機構は、前記燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて、前記複数系列のガス圧縮機構ラインの少なくとも1つの駆動を停止する駆動調整部を備える、ことを特徴とする燃料ガス供給システム。
  9. 前記第2ガス圧縮機構は、前記流れ方向の最下流に位置する最下流ガス圧縮機構であり、
    前記最下流ガス圧縮機構の吐出スナッパあるいは当該吐出スナッパのガス出力端と、前記最下流ガス圧縮機構のガスコンプレッサよりも前記流れ方向の上流側に設けられた別のガス圧縮機構の熱交換器のガス入力端とを、前記最下流ガス圧縮機構のガスコンプレッサを経由することなく繋ぐバイパス管を備える、請求項8に記載の燃料ガス供給システム。
  10. 前記バイパス管には、前記バイパス管を前記別のガス圧縮機構の熱交換器のガス入力端に向かって流れる前記燃料ガスの流量を調整するバルブが設けられ、
    さらに、前記バルブの開度を、前記最下流ガス圧縮機構の吐出スナッパあるいは当該吐出スナッパのガス出力端における前記燃料ガスの圧力に応じて調整する制御部を備える、請求項9に記載の燃料ガス供給システム。
  11. 前記第2ガス圧縮機構は、前記流れ方向の最下流に位置する最下流ガス圧縮機構であり、
    前記複数のガス圧縮機構のうち、前記最下流ガス圧縮機構に対して前記流れ方向の上流側に隣り合うガス圧縮機構を第1ガス圧縮機構というとき、前記第1ガス圧縮機構の熱交換器は、前記組成比率に応じて、前記熱交換器の冷却能を調整することにより、前記熱交換器のガス出力端における前記燃料ガスの温度を調整する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の燃料ガス供給システム。
  12. 前記第1ガス圧縮機構の熱交換器に流す冷媒の温度を前記燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて調整する冷媒温度調整部を備える、請求項11に記載の燃料ガス供給システム。
  13. 前記冷媒温度調整部は、前記燃料ガスの密度が高くなるほど、前記冷媒の温度を高くする、請求項12に記載の燃料ガス供給システム。
  14. 前記最下流ガス圧縮機構のガスコンプレッサにより圧縮された前記燃料ガスの温度が前記ガスコンプレッサの耐熱温度以下になるように、前記冷媒温度調整部は、前記冷媒の温度を調整する、請求項13に記載の燃料ガス供給システム。
  15. 前記第1ガス圧縮機構の吐出スナッパと熱交換器との間の前記燃料ガスの供給ラインから燃料ガスを回収する回収装置に接続される分岐路を備える、請求項11〜14のいずれか1項に記載の燃料ガス供給システム。
  16. 前記燃料ガスの供給ライン上の、前記分岐路の接続位置と、前記第1ガス圧縮機構の熱交換器との間に、前記流れ方向の下流側から上流側に前記燃料ガスが流れることを阻止する逆止弁が設けられている、請求項15に記載の燃料ガス供給システム。
  17. さらに、液体燃料から自然気化した自然気化ボイルオフガスを、前記複数のガス圧縮機構のうち前記流れ方向の最上流に位置する最上流ガス圧縮機構に、前記燃料ガスとして供給する第1ガス供給源と、前記自然気化ボイルオフガスの供給量を超える前記推進エンジンの燃料ガス要求量に応じて、前記液体燃料から強制気化させた、前記自然気化ボイルオフガスと組成比率が異なる強制気化ボイルオフガスを前記燃料ガスとして前記最上流ガス圧縮機構に供給する第2ガス供給源と、を備える、請求項1〜16のいずれか1項に記載の燃料ガス供給システム。
  18. 燃料ガスの供給を受けて船舶を推進させる推進エンジンに、前記燃料ガスを供給するために、前記燃料ガスを圧縮して前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流す、直列に設けられた複数のガス圧縮機構、を備え、
    前記ガス圧縮機構のそれぞれは、
    前記燃料ガスを前記推進エンジンに供給するために、前記燃料ガスを圧縮して所定の圧力の前記燃料ガスを前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流すガスコンプレッサと、
    前記ガスコンプレッサに付随するように、前記ガスコンプレッサの吸引側及び吐出側に設けられた吸引スナッパ及び吐出スナッパと、
    前記ガスコンプレッサで圧縮された前記燃料ガスの温度を調整する、前記吐出スナッパよりも前記推進エンジンの側に設けられた熱交換器と、を備える、燃料ガス供給システムにおいて、
    燃料ガスを、各ガス圧縮機構で段階的に圧縮して推進エンジンに供給するステップと、
    前記複数のガス圧縮機構のうちの第1ガス圧縮機構の熱交換器は、前記燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて、冷却能を調整することにより、前記熱交換器のガス出力端における前記燃料ガスの温度を調整するステップと、を含むことを特徴とする燃料ガス供給方法。
  19. 燃料ガスの供給を受けて船舶を推進させる推進エンジンに、前記燃料ガスを供給するために、前記燃料ガスを圧縮して前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流す、直列に設けられた複数のガス圧縮機構、を備え、
    前記ガス圧縮機構のそれぞれは、
    前記燃料ガスを前記推進エンジンに供給するために、前記燃料ガスを圧縮して所定の圧力の前記燃料ガスを前記燃料ガスの供給源の側から前記推進エンジンの側に流すガスコンプレッサと、
    前記ガスコンプレッサに付随するように、前記ガスコンプレッサの吸引側及び吐出側に設けられた吸引スナッパ及び吐出スナッパと、
    前記ガスコンプレッサで圧縮された前記燃料ガスの温度を調整する、前記吐出スナッパよりも前記推進エンジンの側に設けられた熱交換器と、を備える、燃料ガス供給システムにおいて、前記複数のガス圧縮機構のうちの第2ガス圧縮機構は、前記ガスコンプレッサ、吸引スナッパ及び吐出スナッパ、及び熱交換器を含む複数系列のガス圧縮機構ラインを並列して備え、
    燃料ガスを、各ガス圧縮機構で段階的に圧縮して推進エンジンに供給するステップと、
    前記第2ガス圧縮機構は、前記燃料ガス中の組成成分の組成比率に応じて、前記複数系列のガス圧縮機構ラインの少なくとも1つの駆動を停止するステップと、を含むことを特徴とする燃料ガス供給方法。
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