以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよく、また、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。このとき、第1始動口120に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口122に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第2始動口122には、可動片122bが開閉可能に設けられており、この可動片122bの状態に応じて、第2始動口122への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、遊技領域116に設けられたゲート124内の進入領域を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122bが開状態になると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。なお、ここでは、第2始動口122が閉状態にあるときに、当該第2始動口122への遊技球の入球が不可能であることとしたが、第2始動口122が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成してもよい。
さらに、遊技領域116には、遊技球が入球可能な大入賞口128が設けられている。この大入賞口128には、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが大入賞口128を閉鎖して、大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉128bが開放されて、大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、上記の演出図柄210a、210b、210cの変動表示中などに、演出表示部200aの前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ128sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122および大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、遊技球の発射制御を行う発射制御回路320が設けられている。払出制御基板310には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
具体的には、副制御基板330は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、演出表示部200aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、サブCPU330aが、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
また、副制御基板330は、音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御や、演出役物装置202を可動したり演出照明装置204を点灯制御したりする。さらには、演出操作装置208が押下操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ208sから操作検出信号が入力された際に、所定の演出を実行する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口128が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。
また、非時短遊技状態というのは、可動片122bが開状態になりにくく、第2始動口122に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定され、この遊技状態を本実施形態では通常遊技状態と称する。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口128が開放されるとともに当該大入賞口128への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
図4は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図4(a)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10164であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/399.6となる。
また、高確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図4(b)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜11640であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/39.96となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が10倍となる。なお、低確率遊技状態において「大当たり」となる大当たり決定乱数(10001〜10164)は、高確率遊技状態においても「大当たり」となる。
図5は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図5(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図5(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄とよび、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄とよぶ。
図5(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブル、および、図5(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。また、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に参照されることはない。
図6は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチグループ決定乱数判定テーブルは複数設けられており、保留種別や保留数、さらには遊技状態に対応付けて設定される変動状態等に応じて1のテーブルが選択される。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜10006の範囲内から1つのリーチグループ決定乱数が取得される。上記のように、大役抽選結果が導出されると、当該大役抽選結果を報知する変動演出パターンを決定する処理が行われる。本実施形態では、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、変動演出パターンを決定するにあたって、まず、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブルとによってグループ種別が決定される。
例えば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されており、変動状態が通常1変動状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの特1保留数(以下、単に「保留数」という)が0個であれば、図6(a)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択される。同様に、保留数が1、2個であれば、図6(b)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、保留数が3個であれば、図6(c)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。なお、図6において、グループ種別の欄に記載しているグループxは、任意のグループ番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチグループ決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、グループ種別として種々のグループ番号が決定されることとなる。
このように、本実施形態では、変動演出パターンを決定するためのテーブルが、設定されている遊技状態に加えて、変動状態に基づいて決定される。つまり、変動状態とは、いずれのテーブルを参照して変動演出パターンを決定するかが規定されたものであり、遊技状態とは別に設定される概念である。
なお、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、変動演出パターンを決定するにあたってグループ種別を決定することはない。つまり、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に参照されることはない。
図7は、リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に選択されるハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に選択される大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとに大別される。なお、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルは、上記のように決定されたグループ種別ごとに設けられており、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルは、遊技状態や図柄種別ごとに設けられている。また、各リーチモード決定乱数判定テーブルは、保留種別ごとに設けてもよい。ここでは、所定の遊技状態および図柄種別において参照されるグループx用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図7(a)に示し、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図7(b)に示す。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜250の範囲内から1つのリーチモード決定乱数が取得される。そして、上記の大役抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、図7(a)に示すように、上記のグループ種別の抽選により決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択されたハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。また、上記の大役抽選の結果が「大当たり」であった場合には、図7(b)に示すように、読み出された遊技状態や図柄の種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルにおいては、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに、後述する変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられており、変動モード番号が決定されるのと同時に、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。なお、図7において、変動パターン乱数判定テーブルの欄に記載しているテーブルxは、任意のテーブル番号を示している。したがって、取得したリーチモード決定乱数と、参照するリーチモード決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、変動モード番号と、変動パターン乱数判定テーブルのテーブル番号とが決定されることとなる。また、本実施形態において、変動モード番号および後述する変動パターン番号は、16進数で設定されている。以下において、16進数を示す場合には「H」を付するが、図7〜図9に○○Hと記載しているのは、16進数で示される任意の値を示すものである。
以上のように、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、まず、図6に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、図7に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
一方、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり当選時の遊技状態等に応じ、図7に示す大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
図8は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。ここでは、所定のテーブル番号xの変動パターン乱数判定テーブルxを示すが、変動パターン乱数判定テーブルは、この他にも、テーブル番号ごとに多数設けられている。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
このように、大役抽選が行われると、大役抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号、変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられている。なお、以下では、変動モード番号および変動パターン番号を総称して変動情報と呼ぶ場合がある。
図9は、変動時間決定テーブルを説明する図である。上記のように、変動モード番号が決定されると、図9(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応付けられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、図9(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応付けられており、決定された変動パターン番号に応じて、対応する変動時間2が決定される。このようにして決定された変動時間1、2の合計時間が、大役抽選結果を報知する変動演出の時間、すなわち、変動時間となる。
以上のようにして変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板330に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半の態様が決定されることとなる。以下では、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと呼ぶ場合があるが、その詳細については後述する。
図10は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大当たり図柄の種別ごとに複数設けられており、決定された大当たり図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての大当たり図柄の制御データを示す。
大当たり図柄である特別図柄A〜Dが決定されると、図10に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技が実行される。大役遊技は、大入賞口128が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成されている。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の大入賞口128の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口128の開放回数ごとの大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の大入賞口128の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における大入賞口128への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の大入賞口128の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する特別図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、大役遊技の制御データとして、大当たり図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
図11は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。図11に示すとおり、特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技の終了後に低確率遊技状態に設定され、特別図柄B〜Dが決定された場合には、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されるとともに、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は10000回に設定される。これは、大役抽選結果が10000回確定するまでの間、高確率遊技状態が継続することを意味している。ただし、上記した高確回数は1の高確率遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定された場合に、当該高確率遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、ハズレの抽選結果が10000回導出されると、低確率遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
また、特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技の終了後に非時短遊技状態に設定され、特別図柄B〜Dが決定された場合には、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定されるとともに、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は10000回に設定される。これは、大役抽選結果が10000回確定するまでの間、時短遊技状態が継続することを意味している。ただし、上記した時短回数は1の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。
なお、ここでは、大当たり図柄の種別に応じて、遊技状態や高確回数、時短回数を設定することとしたが、大当たり図柄の種別と大当たり当選時の遊技状態との双方に応じて、大役遊技の終了後の遊技状態および高確回数、時短回数を設定してもよい。
図12は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図12(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122の可動片122bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122の可動片122bが閉状態に維持される。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図12(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
図13(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図13(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第2始動口122の可動片122bが、図13(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド122cの通電開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに各遊技状態に対応する制御データを示す。
当たり図柄が決定されると、図13(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
このように、非時短遊技状態および時短遊技状態には、それぞれ、第2始動口122を開閉するための開閉制御条件が、遊技進行条件として対応付けられており、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート124を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口122が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことが可能となる。
なお、第2始動口122の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。そして、本実施形態では、この3つの要素のうち2つの要素において、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方を有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口122に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素のうち、1つまたは3つの要素について、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定してもよい。いずれにしても、時短遊技状態の方が非時短遊技状態に比べて、少なくとも1つの要素について有利となることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が容易に入球するようにすればよい。つまり、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件にしたがって可動片122bが開閉制御され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件よりも開状態になりやすい第2の条件にしたがって可動片122bが開閉制御されればよい。
次に、遊技機100における遊技の進行に伴う主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図14は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、RAMクリアフラグがオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入されると、RAMクリア信号が入力され、RAMクリアフラグがオンされる。そして、RAMクリアフラグがオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリアフラグはオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンド等、電源投入時の初期状態の演出に必要なコマンドを副制御基板330に送信するための電源投入時サブコマンドセット処理(コマンドを送信バッファに格納)を実行する。
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS100−35)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す。なお、以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して変動演出用乱数と呼ぶ。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図15は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理の割込み許可期間中(ステップS100−41とステップS100−33の処理の間)に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300−25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300−17〜ステップS300−25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図16は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS400−3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS400−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400−9)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400−11)
メインCPU300aは、上記ステップS100−35と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400−13)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400−15)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
(ステップS400−17)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
(ステップS400−19)
メインCPU300aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400−21)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
(ステップS400−23)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
(ステップS400−25)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cおよび大入賞口ソレノイド128cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400−27)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS400−29)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
図17は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、大入賞口128に遊技球が入球して大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500−9に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS500−9)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中であるか否かを判定し、大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、大役遊技中ではないと判定した場合には、所定の不正検出処理を実行し、大役遊技中であり、大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、大入賞口入賞球数カウンタを1加算して、当該スイッチ管理処理(ステップS500)を終了する。
図18は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
図19は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図20は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
(ステップS530−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS530−7)
メインCPU300aは、上記ステップS530−5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて第2始動口122の可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移す。
(ステップS530−9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
図21は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535−23に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100−43で更新されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する特別図柄保留球入賞順序設定処理を行う。
(ステップS536)
メインCPU300aは、上記ステップS535−13で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、取得時演出判定処理を実行する。この取得時演出判定処理の詳細は後述する。
(ステップS535−17)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535−19)
メインCPU300aは、上記ステップS535−17でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS535−21)
メインCPU300aは、上記ステップS535−15で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS535−23)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS535−25)
メインCPU300aは、上記ステップS535−23でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満(普通遊技管理フェーズ<04H)であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535−27に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
(ステップS535−27)
メインCPU300aは、異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
図22は、主制御基板300における取得時演出判定処理(ステップS536)を説明するフローチャートである。
(ステップS536−1)
メインCPU300aは、低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを識別する確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)をリセット(0に)する。なお、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)=0は低確率遊技状態を示し、カウンタ値(j)=1は高確率遊技状態を示す。
(ステップS536−3)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)に基づいて、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択する。具体的には、カウンタ値(j)が「0」であれば、低確時大当たり決定乱数判定テーブル(図4(a)参照)を選択し、カウンタ値(j)が「1」であれば、高確時大当たり決定乱数判定テーブル(図4(b)参照)を選択する。そして、選択したテーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりまたはハズレのいずれかを仮判定する特別図柄当たり仮判定処理を行う。
(ステップS536−5)
メインCPU300aは、特別図柄を仮決定するための特別図柄図柄仮判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS536−3の仮大役抽選の結果(特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果)が大当たりであった場合には、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブル(図5参照)を選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS536−3の仮大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。
(ステップS536−7)
メインCPU300aは、ステップS536−5でセーブした特別図柄判定データに対応する先読み図柄種別指定コマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップS536−9)
メインCPU300aは、上記ステップS536−3の特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果が、大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS536−11に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS536−13に処理を移す。
(ステップS536−11)
メインCPU300aは、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(図7(b)参照)をセットし、ステップS536−21に処理を移す。
(ステップS536−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチグループ決定乱数をロードする。
(ステップS536−15)
メインCPU300aは、上記ステップS536−13でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)であるかを判定する。ここで、グループ種別は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを参照して決定されるが、このリーチグループ決定乱数判定テーブルは、記憶されている保留数に応じて選択される。このとき、リーチグループ決定乱数は、0〜10006の範囲から取得され、リーチグループ決定乱数の値が8500以上であれば、保留数に拘わらず、同一のリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択され、リーチグループ決定乱数の値が8500未満であれば、保留数に応じて異なるリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される。以下では、リーチグループ決定乱数のうち、保留数に応じて異なるリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される0〜8499の範囲の値を不定値とし、保留数に拘わらず同一のリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される8500〜10006の範囲の値を固定値と呼ぶ。上記ステップS536−13でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)であると判定した場合にはステップS536−17に処理を移し、上記ステップS536−13でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)ではないと判定した場合にはステップS536−29に処理を移す。
(ステップS536−17)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値および保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル(図6参照)をセットする。なお、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、保留数に応じて複数種類設けられているが、ここでは、保留数が0のときに用いられるテーブルが選択される。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を仮決定する。
(ステップS536−19)
メインCPU300aは、上記ステップS536−17で仮決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブル(図7(a)参照)をセットし、ステップS536−21に処理を移す。
(ステップS536−21)
メインCPU300aは、上記ステップS536−11または上記ステップS536−19でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を仮決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが仮決定される。
(ステップS536−23)
メインCPU300aは、上記ステップS536−21で仮決定した変動モード番号に対応する先読み指定変動モードコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップS536−25)
メインCPU300aは、上記ステップS536−21で仮決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を仮決定する。
(ステップS536−27)
メインCPU300aは、上記ステップS536−25で仮決定した変動パターン番号に対応する先読み指定変動パターンコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットし、ステップS536−31に処理を移す。
(ステップS536−29)
メインCPU300aは、対象記憶部に新たに記憶された保留について、当該保留が読み出されたときの保留数に応じて、グループ種別、すなわち、変動演出パターンが変化することを示す不定値コマンド(先読み指定変動モードコマンドおよび先読み指定変動パターンコマンド=7FH)を送信バッファにセットする。
(ステップS536−31)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)が最大(1)であるかを判定し、最大であると判定した場合には当該取得時演出判定処理を終了し、最大ではないと判定した場合には、ステップS536−33に処理を移す。
(ステップS536−33)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)を、現在のカウンタ値(j)に「1」を加算した値に更新し、上記ステップS536−3から処理を繰り返す。これにより、新たに記憶された保留が、低確率遊技状態であるときに読み出された場合に決定される変動モード番号および変動パターン番号と、高確率遊技状態であるときに読み出された場合に決定される変動モード番号および変動パターン番号とが、当該保留の記憶時に導出されることとなる。
以上のように、上記の取得時演出判定処理によれば、記憶された保留が大当たりに当選する保留であった場合、および、記憶された保留がハズレとなる保留であり、かつ、リーチグループ決定乱数が固定値であった場合には、先読み指定コマンドとして、先読み指定変動モードコマンドおよび先読み指定変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。一方、記憶された保留がハズレとなる保留であり、かつ、リーチグループ決定乱数が不定値であった場合には、先読み指定コマンドとして不定値コマンドが副制御基板330に送信されることとなる。なお、上記の各先読み指定コマンドは、低確率遊技状態用のコマンドと、高確率遊技状態用のコマンドとを互いに識別可能に構成されている。
図23は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図23に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図24は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
図25は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数(X2)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特2保留数(X2)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特2保留数(X2)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−3に処理を移す。
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数(X1)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特1保留数(X1)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特1保留数(X1)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、客待ちコマンドを送信バッファにセットするとともに、客待ち状態に設定するための客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留、または、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、上記ステップS610−1において、特別図柄2保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第2特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。また、上記ステップS610−3において、特別図柄1保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第1特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送するとともに、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、第0記憶部に転送された保留種別に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−9の大役抽選の結果が大当たりであった場合には、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−9の大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、上記ステップS610−11で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS612)
メインCPU300aは、変動モード番号および変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、上記ステップS612で決定された変動モード番号および変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して、変動時間1および変動時間2を決定する。そして、決定した変動時間1、2の合計時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−11でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルを参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタにセーブする。また、ここでは、大当たり当選時に設定されている遊技状態が記憶される。
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。また、ここでは、上記ステップS610−7で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。これにより、特1保留または特2保留が消化されるたびに、特1保留数および特2保留数、ならびに、これら各保留の入賞順序が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS610−23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図26は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理を説明するフローチャートである。
(ステップS612−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS612−3に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS612−5に処理を移す。
(ステップS612−3)
メインCPU300aは、現在の変動状態、大当たり図柄の種別、保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS612−5)
メインCPU300aは、読み出した保留の保留種別が特2保留である場合には、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値を確認し、読み出した保留の保留種別が特1保留である場合には、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値を確認する。
(ステップS612−7)
メインCPU300aは、現在の変動状態、上記ステップS612−5で確認した保留数、保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を決定する。
(ステップS612−9)
メインCPU300aは、上記ステップS612−7で決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS612−11)
メインCPU300aは、上記ステップS612−3または上記ステップS612−9でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
(ステップS612−13)
メインCPU300aは、上記ステップS612−11で決定した変動モード番号に対応する変動モードコマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS612−15)
メインCPU300aは、上記ステップS612−11で決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS612−17)
メインCPU300aは、上記ステップS612−15で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットして、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図27は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動中処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、上記ステップS620−1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、上記ステップS610−15で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−13で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
図28は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止図柄表示処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、上記ステップS620−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−3に処理を移す。
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS630−17に処理を移し、大当たりではないと判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
(ステップS630−7)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
また、ここでは、遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを識別するための普通図柄時短状態フラグをロードして、現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が時短遊技状態であった場合には、時短回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、時短回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、非時短遊技状態に対応する普通図柄時短状態フラグをセットする。これにより、時短遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が非時短遊技状態に移行することとなる。
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、変動状態更新処理を実行する。ここでは、現在、変動状態が特殊変動状態であるかを判定する。そして、特殊変動状態であると判定した場合には、特殊変動回数カウンタのカウンタ値を確認し、特殊変動状態から通常変動状態に切り替えるか否かを判定する。その結果、通常変動状態に切り替えると判定した場合、すなわち、特殊変動状態における最後の特別図柄の変動表示が終了したと判定した場合には、変動状態識別フラグを通常変動状態用のフラグに更新する。
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−13)
メインCPU300aは、上記ステップS630−7で更新した高確回数および時短回数を副制御基板330に伝達するための回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特別遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−17でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、上記ステップS630−17でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−25)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技が開始されることとなる。
図29は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、上記ステップS630−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、大入賞口128の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図30は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における大入賞口128の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、および、大入賞口ソレノイド128cの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、大入賞口ソレノイド128cの通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、大入賞口128の1回の最大開放時間となる。
(ステップS641−9)
メインCPU300aは、大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS641−11)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図31は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップS641−7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口128に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して大入賞口128を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、大入賞口128が閉鎖状態となる。
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「05H」に更新する。
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、大入賞口128が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図32は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新する。
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「06H」に更新する。
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図33は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−17でセーブした特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタをロードして、状態データをセーブする。また、ここでは、特別図柄(大当たり図柄)の種別に応じて、普通図柄時短状態フラグおよび時短回数切りカウンタに所定の状態データをセーブする。さらに、ここでは、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄と、大役遊技の実行前の遊技状態(大当たり当選時の遊技状態)とに基づいて、大役遊技の終了後の変動状態を設定する。また、変動状態が特殊変動状態に設定された場合には、以後、特殊変動状態がどのように切り替わるのかにかかる情報が同時に記憶され、以後、ここで記憶された情報に基づいて、変動状態の切り替え処理がなされることとなる。
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、上記ステップS670−3でセーブした高確回数および時短回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
図34は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
図34に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図35は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
(ステップS700−1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS700−3)
メインCPU300aは、上記ステップS700−1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS700−5)
メインCPU300aは、上記ステップS700−3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS700−7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
図36は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS710−1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710−3に処理を移す。
(ステップS710−3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS710−7)
メインCPU300aは、上記ステップS710−5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
(ステップS710−9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
(ステップS710−11)
メインCPU300aは、上記ステップS710−3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710−9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
(ステップS710−13)
メインCPU300aは、上記ステップS710−11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS710−15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS710−17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−19)
メインCPU300aは、上記ステップS710−7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
図37は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS720−1)
メインCPU300aは、上記ステップS710−13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720−9に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS720−3に処理を移す。
(ステップS720−3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS720−5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720−7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
(ステップS720−7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
(ステップS720−9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710−7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
(ステップS720−11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
(ステップS720−13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS720−15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
図38は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS730−1)
メインCPU300aは、上記ステップS720−11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730−3に処理を移す。
(ステップS730−3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
(ステップS730−5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730−9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730−7に処理を移す。
(ステップS730−7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS730−9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
(ステップS730−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
図39は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS740−1)
メインCPU300aは、上記ステップS730−9でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS740−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
図40は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS741−1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第2始動口122の可動片122bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741−3に処理を移す。
(ステップS741−3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド122cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド122cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
(ステップS741−5)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS741−7)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第2始動口122の1回の最大開放時間となる。
(ステップS741−9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741−5において、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS741−11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
図41は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS750−1)
メインCPU300aは、上記ステップS741−7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750−5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750−3に処理を移す。
(ステップS750−3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
上記ステップS750−3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
(ステップS750−5)
メインCPU300aは、上記ステップS530−9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第2始動口122に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750−7に処理を移す。
(ステップS750−7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第2始動口122が閉鎖状態となる。
(ステップS750−9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS750−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
図42は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS760−1)
メインCPU300aは、上記ステップS750−9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760−3に処理を移す。
(ステップS760−3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS760−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図43は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS770−1)
メインCPU300aは、上記ステップS760−3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770−3に処理を移す。
(ステップS770−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、所定の遊技状態で実行される演出について、一例を用いて説明する。
(演出図柄の説明)
図44は、演出図柄210a、210b、210cを説明する図である。上記したように、主制御基板300では、大役抽選が行われると、変動モード番号および変動パターン番号が決定され、変動コマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330では、受信した変動コマンドに基づいて変動演出の実行パターンを決定するとともに、決定した実行パターンで変動演出を実行制御する。
変動演出の実行パターンは多数設けられているが、いずれも、演出表示部200aに、3つの図柄構成群210A、210B、210Cが変動表示された後に、いずれかの演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aに停止表示され、演出表示部200aにおける演出図柄210a、210b、210cの最終的な停止表示態様によって、大役抽選の結果が報知される点で共通している。
図44(a)に示すように、図柄構成群210Aは、1〜9の数字が記された9種類の演出図柄210aで構成されている。ここでは図示を省略しているが、各演出図柄210aには、数字とともにキャラクタ等が記されており、図柄構成群210Aを構成する各演出図柄210aを遊技者が容易に識別できるようになっている。また、図柄構成群210B、210Cも、図柄構成群210Aと同様、それぞれ9種類の演出図柄210b、210cで構成されている。なお、ここでは説明の都合上、図柄構成群210Aが9種類の演出図柄210aで構成され、図柄構成群210Bが9種類の演出図柄210bで構成され、図柄構成群210Cが9種類の演出図柄210cで構成されていることとするが、図柄構成群210A、210B、210Cは、いずれも同一表示態様の9種類の演出図柄で構成されている。
変動演出では、演出表示部200aにおいて、図柄構成群210A、210B、210Cが同時に上方から下方に向けてスクロール表示された後に、最終的にいずれか1つの演出図柄210a、210b、210cが、演出表示部200aに停止表示されたり、あるいは、スクロール表示されることなく、いずれか1つの演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aに停止表示されたりする。
そして、大役抽選によって大当たりに当選した場合には、図44(b)に示すように、大当たり図柄として、特別図柄A〜Cが決定される。大当たりに当選した場合、つまり、大当たりの当選を報知する変動演出では、最終的に、演出表示部200aにおいて、一直線上に同一の演出図柄210a、210b、210cが停止表示される。
ただし、特別図柄A、B、Cが決定された場合には、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数の数字が記された演出図柄210a、210b、210c(以下、単に「偶数図柄」と呼ぶ)が停止表示される。一方、特別図柄Dが決定された場合には、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数の数字が記された演出図柄210a、210b、210c(以下、単に「奇数図柄」と呼ぶ)が停止表示される。
また、大役抽選の結果がハズレであった場合、つまり、ハズレ図柄が決定された場合には、演出表示部200aにおいて、最終的に、全て同一の演出図柄210a、210b、210cが停止表示されることはない。以下に、演出図柄210a、210b、210cが変動表示される変動演出の一例について説明する。
(演出の一例)
図45は、リーチなし変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。上記のように、主制御基板300において大役抽選が行われると、特別図柄の変動表示中、すなわち、特別図柄の変動時間に亘って、大役抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出においては、演出表示部200aにおいて種々の背景画像が表示されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cが表示される。なお、変動演出中は、演出表示部200aに表示される画像に伴って、音声出力装置206から音声が出力されるとともに、演出照明装置204が点灯制御され、また、演出役物装置202が可動制御されるが、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施形態の変動演出は、リーチなし変動パターン、リーチ変動パターンに大別される。リーチなし変動パターンの変動演出では、演出表示部200aに背景画像(図示を省略)が表示されるとともに、この背景画像に演出図柄210a、210b、210cが重畳して変動表示される。例えば、図45(a)に示すように、大役抽選結果がハズレであったことを示す組み合わせで演出図柄210a、210b、210cが停止表示されているとする。この状態で、新たに特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示の開始に伴って、図45(b)に示すように、3つの演出図柄210a、210b、210cが変動表示(スクロール表示)を開始する。なお、図中下向きの白抜き矢印は、演出図柄210a、210b、210cが高さ方向にスクロール表示されていることを示している。
そして、図45(c)に示すように、まず、演出図柄210aが停止表示され、その後、図45(d)に示すように、演出図柄210aと異なる演出図柄210cが停止表示される。そして、特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示するのとほぼ同じタイミングで、図45(e)に示すように、演出図柄210bが停止表示され、このときの3つの演出図柄210a、210b、210cの最終的な停止表示態様によって、大役抽選結果が遊技者に報知される。
図46は、ノーマルリーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。本実施形態では、リーチ変動パターンが、ノーマルリーチ変動パターン、発展リーチ変動パターン、擬似連続リーチ変動パターンに大別される。ノーマルリーチ変動パターンの変動演出は、リーチなし変動パターンの変動演出と同様に、特別図柄の変動表示の開始に伴って、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始され、図46(a)に示すように、演出図柄210aがまず停止表示される。その後、図46(b)に示すように、演出図柄210aと同一の演出図柄210cが停止表示される。
このように、演出表示部200aにおいて、同一の演出図柄210a、210cが停止表示されるリーチ態様で表示されると、図46(c)に示すように、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cに重畳して「リーチ」と表示される。なお、リーチ態様は複数種類設けられており、「1」〜「9」のいずれかの数字が記された同一の演出図柄210a、210cが停止表示される。その後、図46(d)に示すように、演出図柄210a、210cの形状を、リーチ態様になる前と異にして変動表示が継続される。そして、図46(e)に示すように、最終的に、演出図柄210a、210cと異なる演出図柄210bが停止表示され、大役抽選の結果がハズレであったことが遊技者に報知される。
図47は、発展リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。発展リーチ変動パターンの変動演出は、図47(a)〜(d)に示すように、ノーマルリーチ変動パターンの変動演出と同様に、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cがリーチ態様で表示される。その後、図47(e)に示すように、演出表示部200aにおいて、所定の発展画像(動画)が再生表示されるリーチ発展演出が実行される。なお、このリーチ発展演出は、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦する内容や、味方キャラクタが所定のミッションに挑むといった内容となっている。
こうしたリーチ発展演出の内容は、主制御基板300で決定された変動パターン番号に基づいて決定される。このとき、味方キャラクタと敵キャラクタとの対戦内容や、味方キャラクタが挑むミッションの内容は複数パターン設けられており、そのいずれのパターンについても、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したり、味方キャラクタがミッションを達成したりする大当たりパターンと、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北したり、味方キャラクタがミッションに失敗したりするハズレパターンとがそれぞれ設けられている。
大当たりパターンは、大役抽選の結果が大当たりであった場合にのみ選択され、ハズレパターンは、大役抽選の結果がハズレであった場合にのみ選択される。これら両パターンは、演出の終盤までは同一内容で構成されており、最終的に味方キャラクタが勝利するか敗北するか、あるいは、味方キャラクタがミッションを達成するか失敗するかといった点を異にしている。したがって、リーチ発展演出中は、変動演出の終盤まで、大役抽選の結果を遊技者が識別することができず、遊技者に大当たりの期待感が付与されることとなる。
なお、図47(e)に示すように、リーチ発展演出中は、演出図柄210a、210b、210cが、演出表示部200aの右上において小さく変動表示を継続している。そして、発展画像の表示中もしくは発展画像の表示後に、演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aの中央に最終的に停止表示され、演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によっても、大役抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
図48は、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。擬似連続リーチ変動パターンの変動演出は、図48(a)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始されると、図48(b)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが、予め設けられた複数種類の態様(以下「擬似態様」という)のうちのいずれかで仮停止表示される。この擬似態様は、例えば、同一の演出図柄210a、210bと、これら演出図柄210a、210bよりも、「2」大きな数字が記された演出図柄210cとが仮停止表示されるものである。
演出図柄210a、210b、210cが擬似態様で仮停止表示されると、図48(c)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開される。つまり、擬似態様は、演出図柄210a、210b、210cの再変動表示を示すものと言える。その後、図48(d)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが、再び擬似態様で仮停止表示される。
そして、図48(e)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開されると、図48(f)に示すように、演出図柄210a、210cがリーチ態様で表示され、以後、図48(g)〜(i)に示すように、発展リーチ変動パターンと同様にリーチ発展演出が実行され、大役抽選の結果が遊技者に報知される。
このように、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出は、演出図柄210a、210cがリーチ態様となるまでの内容が、発展リーチ変動パターンの変動演出と異なっており、リーチ態様となった後は、発展リーチ変動パターンと同様に変動演出が進行されることとなる。
なお、擬似連続リーチ変動パターンにおいて、リーチ態様となるまでの演出図柄210a、210b、210cの変動表示パターンは複数パターン設けられており、変動表示パターンごとに、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示の回数、換言すれば、演出図柄210a、210b、210cの変動表示回数が異なっている。この変動表示パターンは、変動モードコマンドによって決定され、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示(変動表示)の回数が多くなるほど、最終的に大当たりの当選が報知される可能性(以下「信頼度」という)が高くなるように、大当たり当選時およびハズレ時における変動モードコマンドの選択比率が設定されている。
具体的には、大役抽選の結果が大当たりであった場合には、変動表示回数の多い変動モードコマンドの選択比率が、変動表示回数の少ない変動モードコマンドの選択比率よりも高く設定されており、大役抽選の結果がハズレであった場合には、変動表示回数の少ない変動モードコマンドの選択比率が、変動表示回数の多い変動モードコマンドの選択比率よりも高く設定されている。
また、主制御基板300においては、擬似連続リーチ変動パターンの信頼度が、発展リーチ変動パターンの信頼度よりも高くなるように設定されている。したがって、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示(変動表示)の回数によって信頼度が示唆されることとなり、遊技者は、演出図柄210a、210b、210cがより多く仮停止表示(変動表示)されることを期待しながら、演出の行方を見守ることとなる。
上記した変動演出の実行パターンは、主制御基板300で決定された変動コマンドに基づいて、副制御基板330において決定、実行制御される。つまり、変動演出の実行パターンは、主制御基板300と副制御基板330とで協働して決定されると言える。
図49は、変動演出決定テーブルを説明する図であり、図49(a)には前半変動演出決定テーブルを示し、図49(b)には後半変動演出決定テーブルを示す。上記したように、主制御基板300において大役抽選が行われると、大役抽選の結果に基づいて、変動コマンドが決定され、決定された各コマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、変動モードコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、前半変動演出決定テーブルを参照して、取得した演出乱数と、受信した変動モードコマンドとに基づいて、前半の変動演出の実行パターンを決定する。また、変動パターンコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、後半変動演出決定テーブルを参照して、取得した演出乱数と、受信した変動パターンコマンドとに基づいて、後半の変動演出の実行パターンを決定する。なお、図49においては、前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルの一部のみを抽出して示している。
図49に示すように、前半変動演出決定テーブルによれば、変動モード番号(変動モードコマンド)ごとに、前半の変動演出の実行パターンについての選択比率がそれぞれ設定され、後半変動演出決定テーブルによれば、変動パターン番号(変動パターンコマンド)ごとに、後半の変動演出の実行パターンについての選択比率がそれぞれ設定されている。そして、決定された前半および後半の変動演出の実行パターンを組み合わせて実行することで、1回の変動演出が実行されることとなる。
リーチなし変動パターンの変動演出は、前半の実行パターンとして、前半の変動演出を実行しないことを示す「なし」が決定され、後半の実行パターンとして、リーチなし変動パターンに対応する「ノーマルハズレ1」、「ノーマルハズレ2」、「特殊ハズレ1」、「特殊ハズレ2」が決定された場合に実行される。例えば、前半の変動演出が実行されないことを示す「01H」の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信すると、副制御基板330では、必ず、前半の実行パターンとして「なし」が決定される。また、このとき、同時に受信し得る変動パターンコマンドには、「ノーマルハズレ1」、「ノーマルハズレ2」、「特殊ハズレ1」、「特殊ハズレ2」のいずれかのみが決定されるように、後半変動演出決定テーブルにおいて選択比率の設定がなされている。したがって、前半の実行パターンとして「なし」が決定され、後半の実行パターンとして「ノーマルハズレ1」、「ノーマルハズレ2」、「特殊ハズレ1」、「特殊ハズレ2」が決定されることで、変動演出の実行パターンは、上記のリーチなし変動パターンに決定されることとなる。
一方、リーチ変動パターンの変動演出は、前半の実行パターンとして「なし」以外が決定され、後半の実行パターンとして、いずれかのリーチ発展演出(図中、発展1〜5で示す)が決定された場合に実行される。換言すれば、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=01H以外の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信しており、発展1〜5のいずれかが決定される変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを受信していることとなる。
ここで、図49(a)において、前半の実行パターンにおける「ノーマルリーチ1」や「ノーマルリーチ2」等は、それぞれ、ノーマルリーチ変動パターンの変動演出のうち、演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様になるまで、より詳細には、リーチ発展演出が開始されるまでの、演出表示部200aに表示される背景画像や演出図柄210a、210b、210cの変動表示パターンを示している。これらの画像パターンは、変動モード番号に対応付けられた特別図柄の変動表示の時間と一致するように予め設計されており、例えば、「ノーマルリーチ1」が決定されると、図46(a)〜(d)に示す画像が演出表示部200aに表示されることとなる。
また、図49(a)において、前半の実行パターンにおける「擬似2a」等は、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出のうち、リーチ発展演出が開始されるまでの、演出表示部200aに表示される主変動演出画像の表示パターン、すなわち、演出図柄210a、210b、210cが変動表示される図柄表示演出の実行パターンを示している。例えば、「擬似2a」は、演出図柄210a、210b、210cの変動表示回数が2回である「擬似2」の擬似連続リーチ変動パターンであって、主変動演出画像が表示パターンaであることを示している。また、「擬似3b」は、演出図柄210a、210b、210cの変動表示回数が3回である「擬似3」の擬似連続リーチ変動パターンであって、主変動演出画像が表示パターンbであることを示している。
なお、図49に示す前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルにおいては、リーチなし変動パターンおよびノーマルリーチ変動パターンの変動演出は、大役抽選の結果がハズレであった場合にのみ実行されるように、選択比率の設定がなされている。また、発展リーチ変動パターンおよび擬似連続リーチ変動パターンは、ハズレ時および大当たり時の双方で決定されるが、発展リーチ変動パターンは、擬似連続リーチ変動パターンよりも、ハズレ時の選択比率が高く、大当たり時の選択比率が低く設定されている。このように、ハズレ時と大当たり時とで選択比率を設定することにより、擬似連続リーチ変動パターンは、発展リーチ変動パターンよりも、信頼度が高く設定されることとなる。
さらに、擬似連続リーチ変動パターンの中でも、擬似回数が多くなるほど、大当たり時の選択比率が高く、ハズレ時の選択比率が低く設定されており、擬似回数が多くなるほど、信頼度が高くなるように設定がなされている。
以上のように、副制御基板330においては、変動コマンドを受信すると、変動演出決定テーブルを参照して変動演出の実行パターンが決定される。ただし、変動演出決定テーブルによって決定される変動演出の実行パターンというのは、大まかな演出の流れ、すなわち、1回の変動演出のタイムテーブルを決定するものである。そして、変動モードコマンドまたは変動パターンコマンドに基づいて、変動演出を構成するさまざまな要素演出の実行可否および実行パターンがさらに決定される。
ここで、要素演出というのは、例えば、上記のように、演出表示部200aにおける演出図柄210a、210b、210cの変動表示や、リーチ発展演出で演出表示部200aに表示される画像、さらには、演出役物装置202を可動させる演出等をいう。本実施形態では、変動演出を構成する要素演出として、変動演出中のさまざまなタイミングで予告演出が実行される。
この予告演出というのは、変動演出の開始時や、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出における演出図柄210a、210b、210cの再変動表示時、さらには、リーチ発展演出中等に、演出表示部200aに所定の画像を表示したり、所定のタイミングで演出役物装置202を可動したりする演出であり、予告演出ごとに、その実行可否や実行パターンが決定される。各予告演出には、それぞれ実行パターンが複数種類設けられ、複数種類の実行パターンそれぞれについて、変動パターン番号や変動モード番号ごとに、換言すれば、大当たりの当選可否ごとに選択比率が設定され、この選択比率によって、実行パターンごとに信頼度が設定されている。以下に、変動演出の開始時に行われる予告演出について詳述する。
図50は、予告演出の一例を説明する図である。この予告演出は、変動演出の開始時に実行されるものであり、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出においては、演出図柄210a、210b、210cの再変動表示時にも実行される。具体的には、この予告演出が実行される場合には、図50に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示の開始後、演出表示部200aに所定の画像が表示される。この予告演出の実行パターンは複数種類設けられており、これら各実行パターンが、演出の内容に応じて複数の系統に大別される。
すなわち、変動演出の開始時に実行される予告演出は、例えば、図50(a)、(b)に示すように、演出表示部200aの下部に、キャラクタおよびメッセージが表示されるものと、図50(c)に示すように、演出表示部200aの中央にカットイン画像が表示されるものとがある。図50(a)、(b)に示すように、キャラクタとメッセージとが表示される実行パターンは複数種類設けられており、実行パターンごとに、演出表示部200aに表示されるキャラクタとメッセージとの組み合わせを異にしている。また、カットイン画像が表示される実行パターンも複数種類設けられており、実行パターンごとに、演出表示部200aに表示される画像を異にしている。
図51は、予告演出決定テーブルを説明する図である。この図に示すように、予告演出決定テーブルには、変動モード番号(変動モードコマンド)ごとに、予告演出の実行パターン(図51において横軸に示す)それぞれについての選択比率が設定されている。ここで、図中「なし」と記された予告演出の実行パターンは、当該予告演出を不実行とするものであり、この「なし」が決定された場合、変動演出の開始時に予告演出が実行されることはない。
また、図中「会話予告」と記された予告演出の実行パターンは、図50(a)、(b)に示すように、演出表示部200aに、キャラクタおよびメッセージが表示される演出である。なお、「会話予告」の下に記された数字はキャラクタの種別を示しており、ローマ字はメッセージの種別を示している。つまり、ここでは、「会話予告」の実行パターンが6種類設けられていることとなる。
また、図中「カットイン」と記された予告演出の実行パターンは、図50(c)に示すように、演出表示部200aにカットイン画像が表示される演出であり、表示画像を異にする複数の実行パターンが設けられている。
このように、予告演出決定テーブルには、変動モード番号(変動モードコマンド)ごとに、予告演出の実行パターンの選択比率が設定されており、変動モードコマンドの受信時に、いずれかの実行パターンが決定されることとなる。なお、ここでは、変動演出の開始時に実行される予告演出について説明したが、こうした予告演出決定テーブルは、予告演出ごとに設けられており、各テーブルを用いて、全ての予告演出について、その実行パターンを決定する処理が行われることとなる。
また、本実施形態では、上記の変動演出と同時並行して先読み演出が実行される。先読み演出というのは、メインRAM300cに記憶されたいずれかの保留を対象保留として実行され、この対象保留が読み出されて実行される大役抽選の結果の示唆、または、当該結果を報知する変動演出の内容の示唆を行う演出であり、対象保留の信頼度を示唆する演出と言える。この先読み演出は、対象保留が記憶されてから、当該対象保留が読み出されるよりも前の段階から開始され得るものであり、よって、上記の変動演出以上に長時間に亘って期待感を遊技者に与えることができる。
図52は、保留表示の一例を説明する図である。本実施形態では、演出表示部200aの下部の一部領域が、上記の先読み演出を実行するための保留演出領域215として機能する。この保留演出領域215には、当該保留表示領域220、第1保留表示領域221、第2保留表示領域222、第3保留表示領域223、第4保留表示領域224の5つの領域が設けられる。当該保留表示領域220は、保留演出領域215において最も左側であって、演出表示部200aの幅方向略中央に位置し、当該保留表示領域220の右側に、第1保留表示領域221、第2保留表示領域222、第3保留表示領域223、第4保留表示領域224が図示のように順に整列している。なお、以下では、当該保留表示領域220、および、第1保留表示領域221〜第4保留表示領域224を総称して、単に保留表示領域と呼ぶ。
上記の各保留表示領域には、メインRAM300cにおける第1特図保留記憶領域から特1保留が読み出されて変動演出が行われていること、および、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に特1保留が記憶されていることを示す保留表示が表示される。具体的には、第1保留表示領域221は第1特図保留記憶領域の第1記憶部に対応しており、この第1記憶部に特1保留が記憶されている場合には、第1保留表示領域221に保留表示がなされる。同様に、第2保留表示領域222〜第4保留表示領域224は、それぞれ第1特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に対応しており、これら第2記憶部〜第4記憶部に特1保留が記憶されている場合には、それぞれ第2保留表示領域222〜第4保留表示領域224に保留表示がなされる。このように、第1保留表示領域221〜第4保留表示領域224に保留表示がなされることにより、いくつの特1保留が記憶されているかを遊技者に報知している。
また、当該保留表示領域220には、第1保留表示領域221〜第4保留表示領域224と同様の保留表示が表示される。この当該保留表示領域220に表示される保留表示は、第1特図保留記憶領域の第1記憶部から読み出された特1保留を示しており、当該特1保留が読み出されて実行される変動演出が終了するまでの間、当該保留表示領域220に保留表示が表示されたままとなる。
例えば、特1保留が読み出されて大役抽選が行われ、この大役抽選の結果を報知する変動演出の実行中において、メインRAM300cに2つの特1保留が記憶されているとする。この場合には、図52(a)に示すように、当該保留表示領域220、第1保留表示領域221、第2保留表示領域222に、それぞれ保留表示が表示された状態となる。なお、本実施形態では、保留表示の表示形態、具体的には、保留表示の表示色や表示模様が複数種類設けられており、表示形態によって信頼度の示唆がなされている。
この状態で、第1始動口120に遊技球が入球すると、新たに特1保留が記憶されるとともに、この特1保留が、メインRAM300cの第3記憶部に記憶される。したがって、この場合には、図52(b)に示すように、第3保留表示領域223に保留表示が追加的に表示されることとなる。その後、主制御基板300において特別図柄の変動表示が終了すると、第1特図保留記憶領域のシフト処理が行われるとともに、第1記憶部に記憶されている特1保留が読み出されて大役抽選が行われる。このようにして特1保留が読み出されると、図52(c)に示すように、第1保留表示領域221から当該保留表示領域220に保留表示がシフト表示されるとともに、第2保留表示領域222および第3保留表示領域223から、第1保留表示領域221および第2保留表示領域222にそれぞれ保留表示がシフト表示されることとなる。
以上のように、遊技の進行中には、変動演出を構成するさまざまな要素演出と、先読み演出とが同時並行して行われたり、また、先読み演出が実行されていない場合であっても、1の変動演出を構成する複数の要素演出が同時並行して行われたりする。このように、さまざまな演出が同時並行して実行されたり、短時間のうちに矢継ぎ早に演出が実行されたりすると、演出の示唆、報知の対象が不明となり、遊技者に混乱を生じさせてしまう。また、さまざまな演出が行われると遊技者の意識が散漫となり、注視すべき演出が実行されているのに気付くのが遅れ、演出の意味が不明となってしまう。そこで、本実施形態では、比較的信頼度の高い特定変動演出を設けることにより、演出を多様化して倦怠感を低減しつつも、演出をわかりやすくすることで演出効果を向上する。以下に、特定変動演出について詳述する。
図53は、基本パターンの特定変動演出の一例を説明する図であり、図54は、基本パターンの特定変動演出の流れを説明する図である。本実施形態では、理解を容易にするために、特定変動演出を基本パターンと応用パターンとに区別して説明する。なお、基本パターンの特定変動演出は、大役抽選によって大当たりに当選した場合、および、ハズレの場合の双方で実行され、応用パターンの特定変動演出は、大役抽選によって大当たりに当選した場合にのみ実行される。
基本パターンの特定変動演出では、図53(a)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが変動表示を開始した後、まず、導入演出が実行される。この導入演出では、図53(b)に示すように、演出表示部200aに「獲得タイム突入」と表示され、導入演出の開始が報知されるとともに、所定の演出説明がなされる。なお、導入演出の開始とともに、当該保留表示領域220をはじめとする、保留表示領域に表示されている全ての保留表示が演出表示部200aから消去される。
その後、図53(c)に示すように、演出表示部200aにボタン個数が報知される回数報知演出が行われる。このボタン個数は演出の発生回数を示しており、この回数報知演出で報知される発生回数と同数だけ、以後に所定の演出が実行される。より具体的には、回数報知演出で報知されるボタン個数は、後述する獲得演出で演出操作装置208を押下操作可能な回数を示しており、本実施形態では、ボタン個数の最小は1個、最大は16個に設定され、ボタン個数が多いほど遊技者にとって好ましいものとなっている。なお、ボタン個数は、主制御基板300で決定される変動情報(変動モード番号、変動パターン番号)に対して一意に決定される。また、図示は省略するが、回数報知演出では、演出表示部200aにおいて、ボタン個数を示す数値をランダム表示した後に停止表示する等、遊技者に期待感と緊張感とが付与されるようになっている。
そして、回数報知演出(導入演出)でボタン個数が報知されると、所定時間に亘って演出操作装置208の操作が有効となる操作有効期間に設定されるとともに、操作有効期間中の演出操作装置208の操作検出に基づいて、複数の要素演出のいずれかの実行権利の獲得が報知される獲得演出が実行される。この獲得演出では、まず、図53(d)に示すように、演出操作装置208の押下操作を要求する等、演出の説明が行われるとともに、演出表示部200aの左下に、残回数表示部230が表示される。この残回数表示部230には、演出操作装置208の押下操作が可能な残り回数が表示され、獲得演出の開始時には、回数報知演出で報知されたボタン回数と同数の残回数が表示される。また、獲得演出の開始に伴い、演出表示部200aの下部には、第1表示部231、第2表示部232、第3表示部233、第4表示部234が図示のように配される。
そして、図53(e)に示すように、演出操作装置208を示す画像が演出表示部200aの中央に表示されるのと同時に、残回数表示部230の残回数が1減算して表示され、演出操作装置208を押下する権利を1つ使用することが遊技者に示される。また、演出表示部200aには、演出操作装置208を示す画像が表示されるのと同時に、期待値示唆画像240が表示される。この期待値示唆画像240は、複数の表示パターンが設けられており、演出操作装置208の押下操作によって、いずれの要素演出の実行権利が獲得されるのかについての期待値を示唆している。さらに、演出表示部200aには、演出操作装置208の押下操作を有効なものとして扱う操作有効期間(の残り時間)を示す操作有効期間表示バー242が表示される。
そして、操作有効期間内に、演出操作装置208の押下操作が演出操作装置検出スイッチ208sによって検出されると、図53(f)に示すように、獲得カード250が演出表示部200aに表示される。詳しくは後述するが、この獲得カード250は、基本カード250A、示唆カード250B、応用カード250Cの3種類に大別される。基本カード250Aは、実行権利を獲得した要素演出の種類、および、当該要素演出の実行パターンを示唆するものであり、要素演出の種類に応じて、グループ1〜グループ4の4つのグループに区分けされている。
そして、獲得カード250が、グループ1に属する基本カード250Aであった場合には、図53(g)に示すように、演出表示部200aの中央に表示された基本カード250Aが、第1表示部231に移動表示される。このように、操作有効期間の開始から獲得カード250の表示が終了するまでの一連の演出(以下「単位演出」と呼ぶ)が終了すると、図53(h)に示すように、2回目の単位演出が続けて開始される。この2回目の単位演出においても、その開始に伴って残回数表示部230の残回数が1減算して表示されるとともに、期待値示唆画像240および操作有効期間表示バー242が表示される。
そして、操作有効期間内に演出操作装置208の押下操作が検出されると、図53(i)に示すように、獲得カード250が演出表示部200aに表示される。ここでは、獲得カード250が、グループ2に属する基本カード250Aであり、図53(j)に示すように、演出表示部200aの中央に表示された基本カード250Aが、第2表示部232に移動表示される。この例では、回数報知演出で報知されたボタン個数が10個であることから、上記の単位演出が10回繰り返して行われ、各単位演出で獲得カード250を獲得した場合には、獲得した獲得カード250が、第1表示部231〜第4表示部234のいずれかに表示されることとなる。
ここで、図54に示すように、単位演出は1回目〜n回目まで繰り返し実行されるが、各単位演出は、全て実行時間が等しく設定されている。単位演出においては、操作有効期間の最大時間と、獲得した獲得カード250を表示する獲得カード報知演出の最小時間とが予め設定されており、操作有効期間の最大時間と、獲得カード報知演出の最小時間との合計時間が単位演出の実行時間となる。そして、図54からも明らかなように、操作有効期間内に演出操作装置208の操作が検出されると、その時点から獲得カード報知演出が開始されることから、操作の検出タイミングの差が、獲得カード報知演出によって吸収されることとなる。なお、操作有効期間内に演出操作装置208の操作が検出されなかった場合には、獲得カード報知演出の最小時間に亘り、演出表示部200aが暗転表示され、獲得カード250が表示されることはない。
図55は、獲得カード250のうち基本カード250Aを説明する図である。上記したように、基本カード250Aは、グループ1〜グループ4の4つのグループに区分けされており、図55(a)に示すように、グループ1に属する基本カード250Aは第1表示部231に表示され、グループ2に属する基本カード250Aは第2表示部232に表示され、グループ3に属する基本カード250Aは第3表示部233に表示され、グループ4に属する基本カード250Aは第4表示部234に表示される。このように、獲得された基本カード250Aは、グループごとに識別表示される。
図55(b)に示すように、グループ1に属する基本カード250Aは、リーチ態様となったときの演出図柄210a、210cの種類である聴牌図柄を示唆する。換言すれば、グループ1には、聴牌図柄を示唆する基本カード250Aが属している。グループ1に属する基本カード250Aは、カード上に記されるダイヤの色が異なっており、ダイヤの色は、パターン1が青色、パターン2が緑色、パターン3が赤色、パターン4が金色となっている。基本パターンの特定変動演出では、獲得演出中にグループ1に属する基本カード250Aを獲得した場合、獲得演出の終了後、当該特定変動演出中に演出図柄210a、210cが必ずリーチ態様となる。このとき、最終的にパターン1の基本カード250Aを獲得していると、聴牌図柄が「2」、「4」、「6」、「8」のいずれかとなり、最終的にパターン2の基本カード250Aを獲得していると、聴牌図柄が「1」、「5」、「9」のいずれかとなり、最終的にパターン3の基本カード250Aを獲得していると、聴牌図柄が「3」となり、最終的にパターン4の基本カード250Aを獲得していると、聴牌図柄が「7」となる。
特定変動演出においては、聴牌図柄が「7」であった場合、必ず、2000発の賞球を獲得可能な大当たりの当選が確定する。したがって、聴牌図柄が「7」となる場合、すなわち、表示パターン4の基本カード250Aが獲得される場合というのは、大当たりに当選して特別図柄Dが決定された場合の特定変動演出に限られる。また、特定変動演出において、聴牌図柄が「3」であった場合、当該特定変動演出において、リーチ発展演出が実行され、しかも、信頼度が所定値以上に設定されたリーチ発展演出(以下、「SP」と呼ぶ)が最低でも実行される。また、特定変動演出において、聴牌図柄が「1」、「5」、「9」であった場合、当該特定変動演出において最低でもリーチ発展演出が実行され、聴牌図柄が「2」、「4」、「6」、「8」であった場合、当該特定変動演出において最低でも演出図柄210a、210cがリーチ態様となる。
このことからも明らかなように、グループ1に属する基本カード250Aは、要素演出として、演出図柄210a、210cをリーチ態様とする権利の獲得を報知するとともに、その実行パターン(聴牌図柄)を示唆することとなる。
グループ2に属する基本カード250Aは、図55(c)に示すように、当該保留表示領域220に最終的に表示される保留表示を示唆する。換言すれば、グループ2には、当該保留表示領域220に最終的に表示される保留表示の種別を示唆する基本カード250Aが属している。グループ2に属する基本カード250Aは、カード上に記される保留表示の色が異なっており、図示のように、パターン11〜16の6種類のパターンが設けられている。
当該保留表示領域220に表示される保留表示は、大当たりの信頼度を示唆するものであり、保留表示の表示態様には、図示のとおりに信頼度が設定されている。特定変動演出の開始時には、当該保留表示領域220に表示される保留表示が必ずデフォルト(白色)となっている。そして、グループ2に属する基本カード250Aを獲得した場合には、当該特定変動演出中に、当該保留表示領域220に表示された保留表示の表示態様が変化する保留表示変化演出が実行される。つまり、基本パターンの特定変動演出において、グループ2に属する基本カード250Aを獲得した場合には、必ず、獲得演出の終了後に保留表示変化演出が実行され、このとき、保留表示が、獲得した基本カード250Aに対応する表示態様に変化することとなる。
このように、グループ2に属する基本カード250Aは、要素演出として、保留表示変化演出の実行権利の獲得を報知するとともに、その実行パターン(保留表示の表示態様)を示唆することとなる。
グループ3に属する基本カード250Aは、図55(d)に示すように、演出表示部200aに表示される表示文字を示唆する。換言すれば、グループ3には、演出表示部200aに表示される表示文字を示唆する基本カード250Aが属している。グループ3に属する基本カード250Aは、カード上に記される文字が異なっており、図示のように、パターン21〜24の4種類のパターンが設けられている。
リーチ発展演出中には、演出表示部200aに所定の文字が一定時間表示される文字系予告演出が実行される場合がある。この文字系予告演出では、表示される文字によって図示のとおりに信頼度が設定されている。また、例えば、この文字系予告演出で「限界突破」と表示された場合、現在の変動演出が大当たりとなり、さらに、保留の中に大当たりが記憶されている状態である所謂保留連が確定する。そして、グループ3に属する基本カード250Aを獲得した場合には、当該特定変動演出中に、文字系予告演出が実行される。つまり、基本パターンの特定変動演出において、グループ3に属する基本カード250Aを獲得した場合には、必ず、以後に文字系予告演出が実行され、このとき、獲得した基本カード250Aに対応する表示文字が表示されることとなる。
このように、グループ3に属する基本カード250Aは、要素演出として、文字系予告演出の実行権利の獲得を報知するとともに、その実行パターン(表示文字の表示態様)を示唆することとなる。
グループ4に属する基本カード250Aは、図55(e)に示すように、リーチ発展演出の実行パターンを示唆する。換言すれば、グループ4には、リーチ発展演出の実行パターンを示唆する基本カード250Aが属している。グループ4に属する基本カード250Aは、カードの表示内容が異なっており、図示のように、パターン31〜34の4種類のパターンが設けられている。
上記したように、リーチ発展演出では、演出表示部200aに種々の動画が表示されるが、その内容によって信頼度が異なっている。基本パターンの特定変動演出中にグループ4に属する基本カード250Aを獲得した場合には、以後に必ずリーチ発展演出が実行され、このときの実行パターンは、獲得した基本カード250Aに対応する実行パターンとなる。このように、グループ4に属する基本カード250Aは、要素演出として、リーチ発展演出の実行権利の獲得を報知するとともに、その実行パターンを示唆することとなる。
なお、上記の獲得演出で獲得可能な要素演出は、基本カード250Aが獲得された場合にのみ実行されるわけではない。例えば、グループ2に属する基本カード250Aが1つも獲得されない場合であっても、保留表示変化演出が実行されることもあり、また、グループ4に属する基本カード250Aが1つも獲得されない場合であっても、図示の実行パターンでリーチ発展演出が実行されることもある。
そして、基本パターンの特定変動演出では、図54に示すように、獲得演出の終了後、演出図柄210a、210cがリーチ態様となり、その後、リーチ発展演出が実行される。このとき、獲得演出で実行権利を獲得した要素演出が、獲得演出の終了後、さまざまなタイミングで行われる。以下に、獲得演出の終了後の演出の一例について、図56および図57を用いて詳述する。
図56は、基本パターンの特定変動演出のうち、獲得演出の終了後の演出の一例を説明する第1の図であり、図57は、基本パターンの特定変動演出のうち、獲得演出の終了後の演出の一例を説明する第2の図である。図56(a)に示すように、グループ1〜4の4つのグループ全てについて、基本カード250Aを獲得して獲得演出が終了したとする。獲得演出が終了すると、図56(b)に示すように、通常の変動演出と同様に、演出表示部200aに背景画像が表示されるとともに、この背景画像に重畳して演出図柄210a、210b、210cが変動表示される。このとき、当該保留表示領域220には、獲得演出の実行前と同じ表示態様で保留表示が表示されるとともに、獲得演出で獲得した基本カード250A(獲得カード250)、すなわち、獲得演出で実行権利を獲得した要素演出が、その種別ごとに演出表示部200aの右下に識別表示される。
その後、保留表示変化演出の開始タイミングが近づくと、図56(c)に示すように、グループ2に属する基本カード250Aが、演出表示部200aの右下から中央に移動して拡大表示される。そして、図56(d)に示すように、演出表示部200aの中央に移動した基本カード250Aの使用を印象付ける権利使用演出が実行されるとともに、保留表示変化演出が実行され、当該保留表示領域220に表示される保留表示の表示態様が、獲得した基本カード250Aに示されるとおりに変化する。このように、獲得演出で実行権利を獲得した要素演出の実行に伴って、実行権利の使用を報知する権利使用演出を実行することにより、遊技者が獲得した権利がいつ、どのように使用されたのかが明確となる。
その後、図56(e)に示すように、グループ1に属する基本カード250Aが、演出表示部200aの右下から中央に移動して拡大表示される。そして、図56(f)に示すように、上記と同様に権利使用演出が実行されると、図56(g)に示すように、演出図柄210a、210cが同一の図柄で停止表示されてリーチ態様となる。このとき、聴牌図柄は、獲得した基本カード250Aで示唆されたとおりとなる。このように、演出図柄210a、210cがリーチ態様となった後は、図56(h)、(i)に示すように、通常の発展リーチ変動パターンの変動演出と同様に演出が進行するが、グループ3、4に属する基本カード250Aは、演出表示部200aの右下に表示されたままとなっている。そして、図56(j)に示すように、演出表示部200aが一瞬ブラックアウトして、リーチ発展演出に演出が切り替わる。
その後、図57(a)に示すように、グループ4に属する基本カード250Aが、演出表示部200aの右下から中央に移動して拡大表示される。そして、図57(b)に示すように、上記と同様に権利使用演出が実行されると、図57(c)に示すように、演出表示部200aに、リーチ発展演出の種別、すなわち、タイトル名が表示される。このとき、タイトル名は、獲得した基本カード250Aに示されるとおりとなる。その後、図57(d)に示すように、リーチ発展演出用の画像が表示されるとともに、そのリーチ発展演出中に、図57(e)に示すように、グループ3に属する基本カード250Aが、演出表示部200aの右下から中央に移動して拡大表示される。そして、図57(f)に示すように、上記と同様に権利使用演出が実行されると、上記した文字系予告演出が実行される。ここでは、図57(g)に示すように、演出表示部200aに、演出操作装置208の押下操作を促す画像が表示され、所定時間内に演出操作装置208の押下操作が検出されると、図57(h)に示すように、演出表示部200aに、信頼度を示唆する文字が表示される。このとき、演出表示部200aに表示される文字は、獲得した基本カード250Aに示されるとおりとなる。
以上のように、基本パターンの特定変動演出においては、獲得演出中に演出操作装置208の操作検出に基づいて実行権利を獲得した要素演出が、当該獲得演出の終了後に実行される。そして、実行権利を獲得した全ての要素演出が終了すると、その後は、通常のリーチ変動パターンの変動演出と同様に演出が進行し、最終的に停止表示される演出図柄210a、210b、210cによって大役抽選の結果が報知されることとなる。
次に、上記の獲得演出についてさらに詳述する。
図58は、基本パターンの獲得演出の一例を説明する図である。上記したように、獲得演出が実行される特定変動演出は、その実行パターンが基本パターンと応用パターンとに大別されるが、ここでは、基本パターンの特定変動演出で実行される獲得演出を基本パターンとし、応用パターンの特定変動演出で実行される獲得演出を応用パターンとする。
例えば、図58(a)に示す基本パターンAの獲得演出では、演出操作装置208の操作回数が9回実行可能であり、獲得カード250を獲得する単位演出が9回繰り返して行われる。副制御基板330においては、変動コマンドを受信すると、変動演出の実行パターンと、予告演出等の各種の要素演出の実行可否または実行パターンを決定する。そして、特定変動演出の実行が決定された場合には、先に決定された予告演出の実行情報等に基づいて、獲得する獲得カード250を、各単位演出それぞれについて決定する。
なお、獲得カード250の決定方法は特に限定されないが、ここでは、獲得する獲得カード250を単位演出ごとに予め規定したシナリオが多数設けられており、受信した変動コマンドに基づいて、いずれかのシナリオを抽選で決定することとする。このシナリオは、単位演出の実行回数が1回である場合から16回である場合まで、単位演出の実行回数ごとに設けられている。また、単位演出の実行回数は、変動情報に応じて一意に決定されることから、変動情報ごとに選択可能なシナリオが設定されている。ただし、各シナリオは、獲得演出において実行権利が獲得される要素演出を、特定変動演出中に実行することが予定されている要素演出の中から決定されるように予め設定されている。
図58(a)に示すシナリオでは、1回目の単位演出で、グループ1におけるパターン1の獲得カード250が表示され、2回目の単位演出で、グループ1におけるパターン1の獲得カード250が表示され、3回目の単位演出で、グループ2におけるパターン11の獲得カード250が表示される。同様に、4回目の単位演出で、グループ1におけるパターン1の獲得カード250が表示され、5回目の単位演出で、グループ2におけるパターン12の獲得カード250が表示され、6回目の単位演出で、グループ1におけるパターン2の獲得カード250が表示される。さらに、7回目の単位演出で、グループ3におけるパターン22の獲得カード250が表示され、8回目の単位演出で、グループ2におけるパターン12の獲得カード250が表示され、9回目の単位演出で、グループ3におけるパターン22の獲得カード250が表示される。このように、各シナリオには、各単位演出で表示される獲得カード250の表示パターンが規定されており、演出操作装置208の操作検出によって、決定されたシナリオに規定されるとおりに獲得カード250が表示されることとなる。
ここで、獲得演出では、基本カード250Aすなわち要素演出の実行権利が1つのみ獲得されることもあるが、多くの場合は、要素演出の実行権利が複数獲得される。そして、要素演出の実行権利が複数獲得される場合には、上記したように、種別(グループ)の異なる要素演出の実行権利が複数獲得される場合があり、獲得演出の終了後に、実行権利を獲得した要素演出が順次実行される。
また、獲得演出では、実行権利を獲得した要素演出の種別および実行パターンが示唆、報知されるが、同一種別(同一グループ)の要素演出について異なる実行パターンでの実行権利が、時期を異ならせて複数回獲得される場合がある。例えば、図58(a)の例では、1回目の単位演出で、グループ1に属するパターン1の獲得カード250が獲得され、その後、6回目の単位演出で、グループ1に属するパターン2の獲得カード250が獲得される。このように、同一種別の要素演出について異なる実行パターンでの実行権利を複数獲得した場合には、複数の実行パターンの中で最後に実行権利を獲得した実行パターンで要素演出が実行される。したがって、図58(a)の例では、表示パターン2に対応する「1」、「5」、「9」のいずれかが聴牌図柄となる(図55(b)参照)。
なお、各シナリオにおいては、同一種別の要素演出について異なる実行パターンでの実行権利を複数獲得する場合、所謂演出の格下げが生じないように、既に実行権利を獲得している実行パターンの信頼度よりも高信頼度の実行パターンのみが獲得されるように予め設定がなされている。また、同一種別の要素演出について異なる実行パターンでの実行権利を複数獲得する場合、第1表示部231〜第4表示部234において、後に獲得した実行パターン(獲得カード250)が、先に獲得した実行パターン(獲得カード250)に代えて識別表示される。
図58(a)の例を用いて説明すると、1回目の単位演出で演出操作装置208の操作が検出されると、青色のダイヤが記された獲得カード250が獲得され、この獲得カード250が第1表示部231に表示される。そして、2回目の単位演出で演出操作装置208の操作が検出されると、再度、青色のダイヤが記された獲得カード250が獲得されるが、この獲得カード250は既に獲得済みであるため、第1表示部231の表示は何ら変更されることがない。3回目の単位演出で演出操作装置208の操作が検出されると、青色の保留表示が記された獲得カード250が獲得され、この獲得カード250が第2表示部232に表示される。4回目の単位演出で演出操作装置208の操作が検出されると、再度、青色のダイヤが記された獲得カード250が獲得されるが、この獲得カード250は既に獲得済みであるため、第1表示部231および第2表示部232の表示は何ら変更されることがない。
5回目の単位演出で演出操作装置208の操作が検出されると、緑色の保留表示が記された獲得カード250が獲得される。このとき獲得した獲得カード250は、第2表示部232まで移動表示されるとともに、先に第2表示部232に表示されていた、青色の保留表示が記された獲得カード250に重畳表示される。つまり、第2表示部232に表示される獲得カード250が、信頼度の高い獲得カード250に変更されることとなる。6回目の単位演出で演出操作装置208の操作が検出されると、緑色のダイヤが記された獲得カード250が獲得される。このとき獲得した獲得カード250は、第1表示部231まで移動表示されるとともに、先に第1表示部231に表示されていた、青色のダイヤが記された獲得カード250に重畳表示される。つまり、第1表示部231に表示される獲得カード250が、信頼度の高い獲得カード250に変更されることとなる。
7回目の単位演出で演出操作装置208の操作が検出されると、「CHANCE!」の文字が記された獲得カード250が獲得され、この獲得カード250が第3表示部233に表示される。そして、8回目の単位演出で演出操作装置208の操作が検出されると、再度、緑色の保留表示が記された獲得カード250が獲得されるが、この獲得カード250は既に獲得済みであるため、第1表示部231〜第3表示部233の表示は何ら変更されることがない。9回目の単位演出で演出操作装置208の操作が検出されると、再度、「CHANCE!」の文字が記された獲得カード250が獲得されるが、この獲得カード250は既に獲得済みであるため、第1表示部231〜第3表示部233の表示は何ら変更されることがない。
なお、ここでは、同一種別(グループ)の要素演出を示す獲得カード250が、演出表示部200aの中央に複数回表示される場合、先に表示された獲得カード250の信頼度と同じか、もしくは、より信頼度の高い獲得カード250のみが表示されることとした。しかしながら、先に表示された獲得カード250よりも低信頼度の獲得カード250を後から演出表示部200aに表示してもよい。ただし、第1表示部231〜第4表示部234に表示された獲得済みの獲得カード250よりも低信頼度の獲得カード250を表示する場合には、演出操作装置208の操作検出に伴って演出表示部200aに表示するのみとし、第1表示部231〜第4表示部234への移動表示を行わないこととする。このようにすることで、低信頼度の獲得カード250は獲得したことにならず、高信頼度の獲得カード250から低信頼度の獲得カード250へと格下げされるといった事態は生じないことになる。
また、図58(a)に示す基本パターンAでは、グループおよび表示パターンが完全に同じ獲得カード250が複数回繰り返して表示されている。具体的には、1回目、2回目、4回目の単位演出では、いずれもグループ1のパターン1(青色のダイヤ)が表示されている。このように、同じ獲得カード250が何度も繰り返し表示されると、遊技者が興醒めしてしまい、演出操作装置208の操作を途中でやめてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、獲得カード250として、要素演出の実行権利の獲得を報知する基本カード250Aとは別に、示唆カード250Bが設けられている。
この示唆カード250Bは、獲得演出の実行中において、当該獲得演出で実行権利を獲得可能であって、未だ獲得していない要素演出を示唆または報知するものである。具体的には、図58(c)に示すように、示唆カード250Bは5種類設けられており、いずれの示唆カード250Bにおいても、「NEXT」と記されている。この示唆カード250Bが獲得カード250として演出表示部200aに表示された場合には、必ず、次の単位演出において、新たな獲得カード250が獲得される。なお、以下では、獲得カード250として示唆カード250Bが表示される演出を前兆演出として説明する。
図59は、前兆演出の一例を説明する図である。例えば、図59(a)に示すように、操作有効期間中に演出操作装置208の操作が検出されると、図59(b)に示すように、獲得カード250として「NEXT」と記された示唆カード250Bが演出表示部200aの中央に表示される前兆演出が行われる。この示唆カード250Bは、基本カード250Aと異なり、第1表示部231〜第4表示部234に移動表示されることはなく、単位演出が終了するまでの間、演出表示部200aの中央に表示され、単位演出の終了に伴って演出表示部200aから消去される。
そして、前兆演出が終了すると、図59(c)に示すように、次の単位演出が開始されるとともに、操作有効期間中に演出操作装置208の操作が検出されると、図59(d)、(e)に示すように、獲得カード250として、グループ2に属する基本カード250Aが獲得されることとなる。
より詳細に説明すると、例えば、図58(b)に示す基本パターンBの獲得演出では、図58(a)に示す基本パターンAの獲得演出と同様に、3回目の単位演出で、青色の保留表示が記された基本カード250Aが獲得される。そして、基本パターンBの獲得演出では、2回目の単位演出において、「NEXT」と記された示唆カード250Bが、獲得カード250として演出表示部200aに表示される。また、図58(b)に示す基本パターンBの獲得演出では、図58(a)に示す基本パターンAの獲得演出と同様に、5回目の単位演出で、緑色の保留表示が記された獲得カード250が獲得される。そして、基本パターンBの獲得演出では、4回目の単位演出において、「NEXT保留」と記された示唆カード250Bが、獲得カード250として演出表示部200aに表示される。
このことからも明らかなように、示唆カード250Bは、次の操作有効期間中に演出操作装置208を押下操作することで、新たな獲得カード250が獲得可能であることを報知するものと言える。また、図58(c)に示すように、示唆カード250Bは複数の表示パターンが設けられており、その表示パターンによって、いずれの要素演出の実行権利が獲得されるのかを示唆している。
いずれにしても、本実施形態では、獲得演出において、操作有効期間が2回以上設定され、複数回の操作有効期間において要素演出の実行権利が獲得される場合がある。また、第1の操作有効期間の次に、第2の操作有効期間が設定されるとすると、第1の操作有効期間中の演出操作装置208の操作検出に基づいて前兆演出が実行され得る。そして、この前兆演出では、第1の操作有効期間の次に設定される第2の操作有効期間中の演出操作装置208の操作検出に基づいて実行権利が獲得される要素演出を示唆または報知することとなる。
実行が予定されている要素演出の種類が少ない場合や、要素演出の実行パターンが低信頼度である場合には、獲得演出において獲得される獲得カード250の種類が限られてしまい、同一の基本カード250Aばかりを表示せざるを得ない状況もあり得る。本実施形態のように、前兆演出を実行することにより、同一の基本カード250Aばかりが連続して出てしまう事態を解消するとともに、演出操作装置208の操作意欲を高めることが可能となり、獲得演出の演出効果を向上することが可能となる。
なお、獲得カード250を示唆カード250Bとするか否かについても、予めシナリオで規定しておいてもよいし、シナリオで獲得カード250を決定した後に、適宜、基本カード250Aを示唆カード250Bに変更するといった処理を行ってもよい。
次に、応用パターンの特定変動演出について説明する。既に説明したとおり、基本パターンの特定変動演出は、大役抽選によって大当たりに当選した場合、および、ハズレの場合の双方で実行されるのに対して、応用パターンの特定変動演出は、大役抽選によって大当たりに当選した場合にのみ実行される。この応用パターンの特定変動演出においても、基本パターンの特定変動演出と同様に、獲得演出が実行される。
図60は、応用パターンの特定変動演出の流れを説明する図である。図60(a)に示すように、応用パターンの特定変動演出においても、まず、導入演出が実行され、この導入演出のうちの回数報知演出により、ボタン個数が報知される。そして、応用パターンの特定変動演出は、獲得演出の途中までは、基本パターンの特定変動演出と区別することができないが、獲得演出の途中で、大当たりの当選が突如として報知され、獲得演出の終了後、即座に演出図柄210a、210b、210cが大当たりを報知する組み合わせで停止表示される。
上記のように、基本パターンの特定変動演出では、獲得演出の実行後も、演出図柄210a、210b、210cの変動表示や、リーチ発展演出等が継続して行われ、これらの演出の実行中に、獲得演出で実行権利を獲得した要素演出が行われる。これに対して、応用パターンの特定変動演出においては、獲得演出の終了後、即座に大役遊技が開始されることから、獲得演出で実行権利を獲得した要素演出は不実行となる。
例えば、図60(b)に示す応用パターンAの獲得演出では、図58(a)に示す基本パターンAの獲得演出と同様に、演出操作装置208の操作回数が9回であり、しかも、1〜4回目の単位演出で獲得される獲得カード250も完全に一致している。したがって、4回目の単位演出までは、基本パターンAおよび応用パターンAのいずれの獲得演出かを遊技者は識別することができない。ところが、図60(b)に示すように、5回目の単位演出が開始され、その操作有効期間中に演出操作装置208の操作が検出されると、獲得カード250として、上記の基本カード250Aおよび示唆カード250Bと異なる応用カード250Cが表示される。
具体的には、図60(d)に示すように、応用カード250Cは、「当」、「+135」、「+270」、「+540」「限界突破」の計5種類が設けられている。なお、ここでは、理解を容易にするために応用カード250Cと呼んでいるが、「当」、「+135」、「+270」、「+540」、「限界突破」は、それぞれカード状に演出表示部200aに表示されるわけではない。ここで、「当」は、大当たりの当選を直接示すものであり、「+135」、「+270」、「+540」は、大役遊技によって獲得可能な最低賞球数を示すものである。また、「限界突破」は、現在の変動演出が大当たりとなり、さらに、保留の中に大当たりが記憶されている状態である保留連を示している。つまり、応用カード250Cは、大役遊技中もしくは大役遊技後に遊技者が獲得可能な遊技利益の示唆または報知を行う内容となっている。
したがって、図60(b)に示すように、5回目の単位演出において、操作有効期間中に演出操作装置208の操作が検出され、獲得カード250として、応用カード250Cが表示された時点で、遊技者に大当たりの当選が報知されることとなる。以下に、応用パターンAの獲得演出について、図61を用いて詳述する。
図61は、応用パターンの獲得演出の一例を説明する図である。応用パターンAの獲得演出では、5回目の要素演出において、演出操作装置208の操作が検出されるまでの間は、図61(a)に示すように、基本パターンAと同様の演出が行われている。そして、この操作有効期間中に演出操作装置208の操作が検出されると、図61(b)に示すように、演出表示部200aがブラックアウトするとともに、「大当たり」と表示される。その後、5回目の単位演出が終了すると6回目の単位演出が開始されるが、この6回目の単位演出においても、それまでの単位演出と変わりなく、操作有効期間が設定され、演出操作装置208の押下操作が促される。ただし、6回目の単位演出の開始時には、演出表示部200aの下部に表示されていた獲得カード250が全て消去されている。
これは、獲得演出においては、基本的には、以後に実行される要素演出の実行権利の獲得が報知されるところ、既に大当たりの当選が報知されている以上、要素演出を獲得したことの意味がなくなったためである。また、応用パターンAの獲得演出では、大当たりの当選が報知されるまでに実行権利を獲得した要素演出が実行されることはなく、獲得カード250を消去することで、遊技者に混乱を生じさせないようにする目的もある。
そして、6回目の単位演出において演出操作装置208の操作が検出されると、図61(d)に示すように、演出表示部200aに「+135」と表示されるとともに、獲得した獲得カード250が表示されていた演出表示部200aの下部に、「total:135」と表示される。そして、図示は省略するが、7回目の単位演出において演出操作装置208の操作が検出されると、演出表示部200aに「+135」と表示されるとともに、演出表示部200aの下部に、「total:270」と表示される。つまり、演出表示部200aの下部には、獲得した最低賞球数の合計が更新表示されることとなる。
そして、図61(e)に示すように、8回目の単位演出が開始され、その操作有効期間中に演出操作装置208の操作が検出されると、図61(f)に示すように、演出表示部200aに「+135」と表示されるとともに、演出表示部200aの下部に、「total:405」と表示される。さらに、図61(g)に示すように、9回目の単位演出が開始され、その操作有効期間中に演出操作装置208の操作が検出されると、図61(h)に示すように、演出表示部200aに「+540」と表示されるとともに、演出表示部200aの下部に、「total:945」と表示される。
このようにして、9回の単位演出が全て終了すると、図61(i)に示すように、全て同一の演出図柄210a、210b、210cが停止表示され、その後、図61(j)に示すように、大役遊技用の演出である大役演出、より詳細には、1回目のラウンド遊技に対応するラウンド演出が開始される。
以上のように、特定変動演出には、大役抽選によって大当たりに当選した場合、および、ハズレの場合の双方で実行が決定される基本パターンと、大役抽選によって大当たりに当選した場合にのみ実行が決定される応用パターンと、が含まれている。基本パターンの特定変動演出においては、複数の要素演出のいずれか1または複数の実行権利の獲得を報知する獲得演出を実行した後に、獲得演出で実行権利を獲得した要素演出が実行される。これに対して、応用パターンの特定変動演出においては、獲得演出を開始するものの、当該獲得演出中に、大役遊技中もしくは大役遊技後に遊技者が獲得可能な遊技利益の示唆または報知が行われ、遊技利益の示唆または報知を開始するまでの間に限り、要素演出の実行権利の獲得が報知される。
このように、突如として大当たりの当選が報知される応用パターンを設けることにより、演出操作装置208を押下操作しようとする遊技者の意欲を高めることができ、特定変動演出による演出効果をより一層向上することができる。
また、本実施形態では、特定変動演出においてさらなる意外性をもたらすべく、図60(c)に示す応用パターンBのような獲得演出も実行され得る。この応用パターンBの獲得演出は、図60(b)に示す応用パターンAの獲得演出と、8回目の単位演出まで同じ内容で演出が進行する。ただし、応用パターンAの獲得演出では、9回目の単位演出が行われるのに対して、応用パターンBの獲得演出では、9回目の単位演出が行われず、8回目の単位演出をもって獲得演出が終了となる。この応用パターンBの獲得演出について、図62を用いて詳述する。
図62は、応用パターンの獲得演出の他の例を説明する図である。応用パターンBの獲得演出においても、図62(a)、(b)に示すように、図61に示す応用パターンAの獲得演出と同様に、単位演出が繰り返し実行され、5回目の単位演出で大当たりの当選が報知される。ここで、図60(b)、(c)を比較してわかるように、応用パターンBは、8回目の単位演出で「+135」と表示され、200aの下部に「total:405」と表示されて獲得演出が終了する。したがって、本来であれば、8回目の単位演出の開始時には、残回数表示部230に表示される残回数が0回になっているはずである。
しかしながら、応用パターンBの獲得演出では、図62(c)、(d)に示すように、最終回の単位演出の実行中も、残回数表示部230に残回数が1回と表示されている。そして、図62(e)に示すように、同一の演出図柄210a、210b、210cが停止表示されて大当たりの当選が報知されても、なお残回数表示部230が表示され続け、さらには、図62(f)に示すように、大役演出中も表示され続けている。その後、図62(g)に示すように、8回目のラウンド遊技中に、獲得演出と同様に、演出操作装置208の押下操作を促す画像が表示されるのと同時に、残回数表示部230の残回数が減算表示されて0となる。このように、8回目のラウンド遊技中には、演出操作装置208の操作が有効となる操作有効期間が設定され、この間に演出操作装置208の操作が検出されると、図62(h)に示すように、演出表示部200aに「限界突破」と表示される特殊演出が行われる。上記したように、「限界突破」は、保留連を意味していることから、当該大役遊技が終了すると、即座に次の大当たりに当選することとなる。
つまり、応用パターンBの獲得演出は、本来、単位演出が8回のみ実行されるところ、実際の単位演出の実行回数よりも1大きい値を、予め残回数表示部230に表示している。これにより、獲得演出の終了後も、残回数表示部230に残回数が1表示されることとなり、恰も、演出操作装置208の操作機会が、大役遊技まで持ち越されたかのような印象を遊技者に付与する。
以上のように、基本パターンの特定変動演出においては、演出の発生回数を報知する回数報知演出が実行されるとともに、回数報知演出で報知された発生回数と同数、獲得カード250を獲得する演出が獲得演出中に実行される。これに対して、応用パターンの特定変動演出においては、回数報知演出が実行されるとともに、回数報知演出で報知された発生回数よりも少ない回数のみ、獲得カード250を獲得する演出が獲得演出中に実行されることがある。そして、この場合には、特定変動演出に続いて実行される大役演出中に、回数報知演出で報知された発生回数と、特定変動演出中における獲得カード250を獲得する演出の実行回数(演出操作装置208の操作可能回数)との差分である残回数の範囲内で、予め設定された特殊演出が実行されることとなる。
なお、ここでは、特殊演出により、保留連であること、すなわち、大役遊技後に即座に次の大当たりに当選するといった、大役遊技後に遊技者に付与される遊技利益を報知する場合について説明した。しかしながら、特殊演出において、大役遊技中に遊技者に付与される遊技利益を示唆または報知してもよい。いずれにしても、特殊演出は、大役遊技中もしくは大役遊技後に遊技者に付与される遊技利益を示唆または報知する演出であればよく、他の例としては、例えば、大役遊技中に獲得可能な残りの賞球数や、大役遊技後に設定される遊技状態が考えられる。
また、上記実施形態では、残回数表示部230の残回数を1回のみ持ち越すとともに、持ち越した残回数を全て使用する場合について説明したが、残回数は2回以上持ち越してもよく、また、特殊演出は、残回数分行ってもよいし、残回数の範囲内で行い、所定数の残回数分は破棄するとしてもよい。
なお、ここまでは、獲得演出において、全ての単位演出で演出操作装置208の操作が検出されることを前提として、各演出の流れを説明した。しかしながら、獲得演出においては、全ての単位演出中に演出操作装置208の操作が検出されるとは限らない。この点、演出操作装置208の操作検出有無に拘わらず、操作有効期間の経過時に、獲得カード250を強制的に表示することも考えられる。ところが、獲得カード250を強制的に表示することとすると、演出操作装置208の操作意義が低下してしまい、獲得演出特有の演出効果が得られなくなるおそれがある。そこで、本実施形態では、演出操作装置208の操作が検出されなかった場合には、次のように演出を行うこととする。
図63は、獲得演出において演出操作装置208の操作検出がなされなかった場合の要素演出の実行パターンを説明する図である。例えば、図63(a)に示すように、特定変動演出において、グループ1〜4の各要素演出について、図示のような実行パターンで演出を行うことが決定(仮決定)されたとする。具体的には、特定変動演出中、演出図柄210a、210cが「3」と記された図柄でリーチ態様となる(聴牌図柄=3)こと、保留表示変化演出において、当該保留表示領域220の保留表示が金色に変化すること、文字系予告演出において「激熱」と表示すること、「SP3」のリーチ発展演出を実行することが、受信した変動コマンドに基づいて決定されたとする。
また、この特定変動演出においては、グループ1のパターン3(赤ダイヤ)、グループ2のパターン14(金保留)、グループ3のパターン23(激熱)、グループ4のパターン33(SP3)の基本カード250Aを、各グループの最終的な獲得カード250に決定したとする。そして、このときのシナリオによれば、例えば、図63(b)に示すように、演出操作装置208の操作機会、つまり、単位演出の回数が8回であり、1回目の単位演出でグループ1におけるパターン1の獲得カード250が獲得され、2回目の単位演出でグループ1におけるパターン3の獲得カード250が獲得される。同様に、3回目の単位演出でグループ2におけるパターン12、4回目の単位演出でグループ2におけるパターン14、5回目の単位演出でグループ3におけるパターン22、6回目の単位演出でグループ3におけるパターン23、7回目の単位演出でグループ4におけるパターン31、8回目の単位演出でグループ4におけるパターン33の獲得カード250がそれぞれ獲得される。
つまり、このシナリオでは、8回の単位演出全てにおいて演出操作装置208の押下操作が検出されると、グループ1〜4のそれぞれについて、低信頼度の表示パターンが表示された後、相対的に高信頼度の表示パターンが表示されることになる。
図63(b)には、上記のシナリオに対する演出操作装置208の押下パターンを示しているが、ここでは、各単位演出で演出操作装置208の押下操作が検出された場合を「○」、検出されなかった場合を「×」で示す。例えば、図63(b)に示す押下パターンaのように、1〜8回目の全ての単位演出で演出操作装置208の押下操作が検出されると、獲得演出の終了後、聴牌図柄が「3」となり、保留表示変化演出で保留表示が金色となり、文字系予告演出で「激熱」と表示され、リーチ発展演出は「SP3」となる。
これに対して、押下パターンbのように、1〜8回目の全ての単位演出で演出操作装置208の押下操作が検出されなかった場合には、獲得演出の終了後、聴牌図柄が「3」となり、保留表示変化演出が不実行(保留表示がデフォルト(白色))となり、文字系予告演出で「激熱」と表示され、リーチ発展演出は「SP3」となる。
また、押下パターンcは、同一種別(グループ)の要素演出に対して、低信頼度の表示パターンで獲得カード250が表示される場合にのみ、演出操作装置208の押下操作が検出され、高信頼度の表示パターンで獲得カード250が表示される場合には、演出操作装置208の押下操作が検出されなかった場合を示している。この押下パターンcでは、獲得演出の終了後、聴牌図柄が「2」、「4」、「6」、「8」のいずれかとなり、保留表示変化演出で保留表示が緑色となり、文字系予告演出で「CHANCE!」と表示され、リーチ発展演出は「SP1」となる。
また、押下パターンdは、同一種別(グループ)の要素演出に対して、高信頼度の表示パターンで獲得カード250が表示される場合にのみ、演出操作装置208の押下操作が検出され、低信頼度の表示パターンで獲得カード250が表示される場合には、演出操作装置208の押下操作が検出されなかった場合を示している。この押下パターンdでは、全ての単位演出で演出操作装置208の押下操作が検出される押下パターンaと同様の実行パターンで、各要素演出が実行される。
このように、獲得が予定されていた要素演出(獲得カード250)を、獲得演出中に獲得しなかった場合、要素演出は次のようにして実行されたり、もしくは不実行が決定されたりする。すなわち、グループ1、3、4に対応する要素演出について、獲得演出中に1回もしくは複数回、獲得が予定されていたにも拘わらず、いずれの実行パターンも獲得されなかった場合(押下パターンb)、換言すれば、当該要素演出について一度も実行権利が獲得されなかった場合には、最終的に獲得予定であった実行パターンで要素演出が実行される。これに対して、グループ2に対応する要素演出(保留表示変化演出)について、獲得演出中に1回もしくは複数回、獲得が予定されていたにも拘わらず、いずれの実行パターンも獲得されなかった場合、換言すれば、当該要素演出について一度も実行権利が獲得されなかった場合には、当該要素演出自体が不実行となる。
また、同一種別の要素演出について異なる実行パターン(信頼度の異なる実行パターン)での実行権利を、時期を異ならせて複数獲得することが予定されていた場合に、1回のみ実行権利を獲得した場合には、その獲得した実行パターンで要素演出が実行される。なお、例えば、同一種別の要素演出について、異なる実行パターンでの実行権利を3回以上獲得することが予定される場合もある。この場合において、例えば、2回のみ実行権利を獲得した場合には、獲得した実行パターンのうち最も信頼度の高い実行パターン、すなわち、2回目(最後)に獲得した実行パターンで当該要素演出が実行されることとなる。
以上をまとめると、所定の要素演出について、その実行権利が獲得演出中に一度も獲得されなければ、獲得演出の終了後、予定されていた実行パターンで当該要素演出が実行されるか、もしくは、当該要素演出の実行がキャンセルとなる。また、同一種別の要素演出について、異なる実行パターンでの実行権利を複数獲得することが予定されていた場合に、1回以上、実行権利を獲得した場合には、その中で、最後に実行権利を獲得した実行パターンで、あるいは、最も信頼度の高い実行パターンで当該要素演出が実行されることとなる。
なお、応用パターンの特定変動演出では、獲得演出中に応用カード250Cが表示されて大当たりの当選が報知される。ただし、遊技者が演出操作装置208を1度も操作しないと、獲得演出の終了後に、演出図柄210a、210b、210cが大当たりを報知する組み合わせで停止表示される。このとき、応用カード250Cの獲得が予定されている場合に限り、演出操作装置208の操作有無に拘わらず、応用カード250Cの獲得を報知するとしてもよい。
以下に、上記の変動演出を実行するための副制御基板330の処理について説明する。なお、ここでは、理解を容易にするために、副制御基板330で実行される各処理について、その順番を適宜入れ替えて説明する。
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図64は、副制御基板330のサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
(ステップS1000−1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップS1000−3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000−3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図65は、副制御基板330のサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
(ステップS1100−1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
(ステップS1100−3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS1100−5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS1200)
サブCPU330aは、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
サブCPU330aは、変動演出の経過時間を計時するとともに、変動演出ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。このタイムスケジュール管理処理の詳細は後述する。
(ステップS1100−9)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
図66は、上記コマンド解析処理のうち、先読み指定コマンドを受信した際に実行される先読み指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、先読み指定コマンドは、主制御基板300において、図22のステップS536−7(先読み図柄種別指定コマンド)、ステップS536−23(先読み指定変動モードコマンド)、ステップS536−27(先読み指定変動パターンコマンド)、ステップS536−29(不定値コマンド)でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図14参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1210−1)
先読み指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、受信した各先読み指定コマンドを解析し、その解析結果を先読み情報としてサブRAM330cに記憶する。
(ステップS1210−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1210−1でサブRAM330cに記憶した先読み情報に基づいて、保留表示領域に表示する保留表示の表示形態を決定、記憶するとともに、決定した表示形態で保留表示を表示する保留表示処理を実行し、当該先読み指定コマンド受信処理を終了する。
図67は、上記コマンド解析処理のうち、変動コマンドを受信した際に実行される変動コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、変動コマンドは、主制御基板300において、図26のステップS612−13、ステップS612−17でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図14参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1220−1)
変動コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、受信した変動パターンコマンドを解析して、記憶する。
(ステップS1220−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得し、当該取得した演出乱数および上記ステップS1220−1における解析結果に基づいて、後半の変動演出の実行パターンを決定、記憶する。
(ステップS1220−5)
サブCPU330aは、受信した変動モードコマンドを解析して、記憶する。
(ステップS1220−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得し、当該取得した演出乱数および上記ステップS1220−5における解析結果に基づいて、前半の変動演出の実行パターンを決定、記憶する。
(ステップS1220−9)
サブCPU330aは、要素演出のうち、演出図柄210a、210b、210cの表示パターンを決定、記憶する。ここでは、演出表示部200aに最終的に停止表示する演出図柄210a、210b、210cの組み合わせを決定するとともに、変動演出の実行パターンがリーチ変動パターンである場合には、リーチ態様となる演出図柄210a、210cすなわち聴牌図柄を決定、記憶する。さらに、変動演出の実行パターンが擬似連続リーチ変動パターンである場合には、特定態様すなわち仮停止表示時の演出図柄210a、210b、210cの表示態様を、擬似回数(仮停止表示の回数)ごとに決定、記憶する。
(ステップS1220−11)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を予告演出ごとに取得し、当該取得した演出乱数および上記ステップS1220−1、ステップS1220−5における解析結果に基づいて、各予告演出決定テーブルを参照して、各種予告演出の実行パターンを決定、記憶する。
(ステップS1220−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−1またはステップS1220−5の解析結果から、実行する変動演出が特定変動演出であるかを判定する。その結果、特定変動演出であると判定した場合にはステップS1221に処理を移し、特定変動演出ではないと判定した場合にはステップS1220−15に処理を移す。
(ステップS1221)
サブCPU330aは、特定変動演出を開始するための処理として特定変動演出開始処理を実行する。この特定変動演出開始処理の詳細は後述する。
(ステップS1220−15)
サブCPU330aは、上記各ステップの決定に基づいてタイムテーブルのタイムデータをセットして、当該変動コマンド受信処理を終了する。なお、ここでセットされたタイムテーブルに基づいて、上記ステップS1300において、変動演出画像を演出表示部200aに表示したり、変動演出画像に対応する音声を出力したり、演出照明装置204を点灯したりする処理がなされることとなる。
図68は、上記特定変動演出開始処理(ステップS1221)を説明するフローチャートである。
(ステップS1221−1)
サブCPU330aは、まず、回数報知演出で報知する演出の発生回数、すなわち、演出操作装置208の操作回数であるボタン個数(C)を決定、記憶するボタン個数決定処理を実行する。上記のとおり、ボタン個数(C)は、変動情報に対して所定の値が設定されており、ここでは、上記ステップS1220−1、ステップS1220−5の解析結果に基づいて、ボタン個数(C)を特定、記憶することとなる。
(ステップS1221−3)
サブCPU330aは、特定変動演出の実行パターンが応用パターンであるか、すなわち、変動情報が応用パターンに対応するものであるかを、上記ステップS1220−1、ステップS1220−5の解析結果に基づいて判定する。その結果、特定変動演出の実行パターンは応用パターンであると判定した場合にはステップS1221−7に処理を移し、応用パターンではない(基本パターンである)と判定した場合にはステップS1221−5に処理を移す。
(ステップS1221−5)
サブCPU330aは、各単位演出において獲得する獲得カード250が規定されたシナリオのうち、基本パターン用のシナリオ(基本シナリオ)を決定、記憶し、当該特定変動演出開始処理を終了する。ここでは、変動情報に対して1のシナリオが決定されることとするが、上記ステップS1220−9およびステップS1220−11で決定された要素演出の実行パターンに基づいてシナリオを決定してもよい。
(ステップS1221−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1210−1において保留情報ごとにサブRAM330cに記憶した先読み情報をロードする。
(ステップS1221−9)
サブCPU330aは、上記ステップS1221−7でロードした先読み情報に基づき、大当たりに当選する大当たり保留が記憶されているかを判定する。その結果、大当たり保留が記憶されていると判定した場合にはステップS1221−11に処理を移し、大当たり保留は記憶されていないと判定した場合にはステップS1221−19に処理を移す。
(ステップS1221−11)
サブCPU330aは、獲得演出を応用パターンBで実行するか否かを決定する抽選処理を行う。ここでは、例えば50%の確率で応用パターンBでの獲得演出の実行が決定される。
(ステップS1221−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1221−11において、応用パターンBでの獲得演出の実行が決定されたかを判定する。その結果、応用パターンBでの獲得演出の実行が決定されたと判定した場合にはステップS1221−15に処理を移し、応用パターンBでの獲得演出の実行は決定されなかったと判定した場合にはステップS1221−19に処理を移す。
(ステップS1221−15)
サブCPU330aは、上記ステップS1221−1で記憶したボタン個数(C)に「1」を加算する。これにより、実際の単位演出の実行回数よりも「1」多い回数がボタン個数(C)として設定されることとなる。
(ステップS1221−17)
サブCPU330aは、特殊演出実行待機フラグをオンする。
(ステップS1221−19)
サブCPU330aは、各単位演出において獲得する獲得カード250が規定されたシナリオのうち、応用パターン用のシナリオ(応用シナリオ)を決定、記憶し、当該特定変動演出開始処理を終了する。なお、応用パターンBでの獲得演出の実行が決定された場合には、応用パターンB専用の応用シナリオが決定される。また、応用パターンBでの獲得演出の不実行が決定された場合には、応用パターンA専用の応用シナリオが決定される。この応用パターンA専用の応用シナリオは、大当たり保留がある場合の応用シナリオと、大当たり保留がない場合の応用シナリオとが個別に設けられており、大当たり保留の有無に応じて、適宜応用シナリオが決定されることとなる。
図69は、上記タイムスケジュール管理処理(ステップS1300)を説明するフローチャートである。
(ステップS1300−1)
サブCPU330aは、まず、変動演出中または大役演出中であるかを判定する。その結果、変動演出中または大役演出中であると判定した場合にはステップS1300−3に処理を移し、変動演出中および大役演出中のいずれでもないと判定した場合には当該タイムスケジュール管理処理を終了する。
(ステップS1300−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−15でセットされたタイムテーブルを参照し、現在の変動時間に対応するタイムデータに基づいて、フラグをオンまたはオフしたり、必要な演出実行コマンドを各演出デバイスに送信したりする。これにより、変動演出の開始時に決定されたとおりのタイミングで種々の演出が実行、制御されることとなる。
(ステップS1300−5)
サブCPU330aは、タイムテーブルを参照し、獲得演出の開始タイミングであるかを判定する。その結果、獲得演出の開始タイミングであると判定した場合にはステップS1300−7に処理を移し、獲得演出の開始タイミングではないと判定した場合にはステップS1300−11に処理を移す。
(ステップS1300−7)
サブCPU330aは、獲得演出の実行中であることを示す獲得演出実行中フラグをオンする。
(ステップS1300−9)
サブCPU330aは、上記ステップS1221−1で記憶されたボタン個数(C)をボタン残数カウンタにセットする。
(ステップS1310)
サブCPU330aは、獲得演出を実行制御する獲得演出実行処理を行う。この獲得演出実行処理の詳細は後述する。
(ステップS1300−11)
サブCPU330aは、獲得演出実行中フラグがオンしているかを判定する。その結果、獲得演出実行中フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1310に処理を移し、獲得演出実行中フラグはオンしていないと判定した場合には当該タイムスケジュール管理処理を終了する。
図70は、上記獲得演出実行処理(ステップS1310)を説明するフローチャートである。
(ステップS1310−1)
サブCPU330aは、まず、単位演出の実行時間、より厳密には、単位演出の残り時間を計時する単位演出タイマのタイマ値が0であるかを判定する。その結果、タイマ値が0であると判定した場合にはステップS1310−3に処理を移し、タイマ値は0ではないと判定した場合にはステップS1310−11に処理を移す。
(ステップS1310−3)
サブCPU330aは、ボタン残数カウンタの現在のカウンタ値を1デクリメントする。
(ステップS1310−5)
サブCPU330aは、単位演出開始処理を実行する。ここでは、単位演出の開始にあたり、演出表示部200aに所定の画像を表示するためのコマンド等を各種デバイスに送信する。
(ステップS1310−7)
サブCPU330aは、1回の単位演出の実行時間に相当する所定のタイマ値を単位演出タイマにセットする。
(ステップS1310−9)
サブCPU330aは、演出操作装置208の操作を有効に扱う操作有効期間であることを示す有効期間フラグをオンして、当該獲得演出実行処理を終了する。
(ステップS1310−11)
サブCPU330aは、単位演出タイマを更新する。より詳細には、単位演出タイマのタイマ値を「1」減算する。
(ステップS1310−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1310−11でタイマ値を更新した結果、操作有効期間の最大時間になったかを判定する。その結果、操作有効期間の最大時間になったと判定した場合にはステップS1310−15に処理を移し、操作有効期間の最大時間ではないと判定した場合にはステップS1310−23に処理を移す。
(ステップS1310−15)
サブCPU330aは、有効期間フラグがオンしているかを判定する。その結果、有効期間フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1310−17に処理を移し、有効期間フラグはオンしていないと判定した場合には当該獲得演出実行処理を終了する。なお、操作有効期間の最大時間に達したときに有効期間フラグがオンしている場合(ステップS1310−15のYES)というのは、現在実行中の単位演出において、操作有効期間中に演出操作装置208が1度も操作されなかった場合である。
(ステップS1310−17)
サブCPU330aは、権利消滅演出実行処理を行う。ここでは、操作有効期間が終了した際に、演出表示部200aを暗転する等、演出操作装置208の押下操作がなされずに、獲得カード250の獲得機会が1回失われたことを示す画像を表示するためのコマンド等を各種デバイスに送信する。
(ステップS1310−19)
サブCPU330aは、有効期間フラグをオフする。
(ステップS1310−21)
サブCPU330aは、権利獲得情報をサブRAM330cに記憶し、当該獲得演出実行処理を終了する。なお、ここでは、現在実行中の単位演出において実行権利を獲得する予定であった要素演出について、その実行権利が獲得されなかったことを示す情報を記憶する。
(ステップS1310−23)
サブCPU330aは、上記ステップS1310−11で単位演出タイマのタイマ値を更新した結果、タイマ値が0になったか、すなわち、単位演出の終了タイミングであるかを判定する。その結果、タイマ値=0であると判定した場合にはステップS1310−25に処理を移し、タイマ値=0ではないと判定した場合にはステップS1310−39に処理を移す。
(ステップS1310−25)
サブCPU330aは、シナリオ情報と単位演出の実行回数とから、実行予定の全ての単位演出を終了したかを判定する。その結果、全ての単位演出を終了したと判定した場合にはステップS1310−27に処理を移し、全ての単位演出は終了していないと判定した場合には当該獲得演出実行処理を終了する。
(ステップS1310−27)
サブCPU330aは、上記ステップS1310−21および後述するステップS1310−47で記憶される権利獲得情報をロードする。
(ステップS1310−29)
サブCPU330aは、上記ステップS1310−27でロードした権利獲得情報に基づき、要素演出のタイムデータを差し替える差替処理を実行する。具体的には、変動演出の開始時には、変動コマンド受信処理(ステップS1220)において、各要素演出の実行パターンが決定され、決定された実行パターンで要素演出を行うためのタイムデータがタイムテーブルにセットされる。したがって、獲得演出の終了時には、当該獲得演出の終了後に実行される要素演出について、変動演出の開始時に決定された実行パターンにかかるタイムデータがセットされている。ここでは、各要素演出の実行権利の獲得有無を確認し、要素演出の差し替えが必要な場合には、差し替え後の実行パターンにかかるタイムデータをセットすることとなる。これにより、獲得演出における各要素演出の実行権利の獲得有無に応じて、以後の要素演出が実行、制御されることとなる。
(ステップS1310−31)
サブCPU330aは、実行権利を獲得した要素演出の開始時に、獲得カード250の使用を示す権利使用演出を実行するためのタイムデータを、権利獲得情報に基づいてセットする。
(ステップS1310−33)
サブCPU330aは、ボタン残数カウンタのカウンタ値が0よりも大きいかを判定する。その結果、カウンタ値が0よりも大きいと判定した場合にはステップS1310−35に処理を移し、カウンタ値は0よりも大きくないと判定した場合には当該獲得演出実行処理を終了する。なお、この処理において、ボタン残数カウンタのカウンタ値が0よりも大きいと判定する場合というのは、応用パターンBの獲得演出が実行されている場合である。
(ステップS1310−35)
サブCPU330aは、獲得演出の終了後も残回数表示部230の表示を継続するための残回数継続表示処理を実行する。これにより、以後も、残回数として1以上の値が残回数表示部230に表示されたままとなる。
(ステップS1310−37)
サブCPU330aは、獲得演出実行中フラグをオフして、当該獲得演出実行処理を終了する。
(ステップS1310−39)
サブCPU330aは、有効期間フラグがオンしているかを判定する。その結果、有効期間フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1310−41に処理を移し、有効期間フラグはオンしていないと判定した場合には当該獲得演出実行処理を終了する。なお、この処理において有効期間フラグがオンしている場合というのは、現在、操作有効期間中であり、演出操作装置208の押下操作が1度も検出されていない場合である。
(ステップS1310−41)
サブCPU330aは、演出操作装置208が押下操作されたことを示す押下信号が演出操作装置検出スイッチ208sから入力されているかを判定する。その結果、押下信号が入力されていると判定した場合にはステップS1310−43に処理を移し、押下信号は入力されていないと判定した場合には当該獲得演出実行処理を終了する。
(ステップS1310−43)
サブCPU330aは、シナリオ情報を確認し、現在実行中の単位演出において獲得予定の獲得カード250を特定する。
(ステップS1310−45)
サブCPU330aは、上記ステップS1310−43で特定した獲得カード250の獲得を報知する獲得カード報知演出用のコマンドを送信する等、獲得カード報知演出実行処理を行う。
(ステップS1310−47)
サブCPU330aは、権利獲得情報をサブRAM330cに記憶する。なお、ここでは、現在実行中の単位演出において実行権利を獲得する予定であった要素演出について、その実行権利を獲得したことを示す情報を記憶する。
(ステップS1310−49)
サブCPU330aは、有効期間フラグをオフして、当該獲得演出実行処理を終了する。
図71は、上記コマンド解析処理のうち、大入賞口開放指定コマンドを受信した際に実行される大入賞口開放指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、大入賞口開放指定コマンドは、主制御基板300において、図29のステップS640−5でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図14参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1230−1)
大入賞口開放指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、ラウンド演出実行処理を行う。ここでは、サブCPU330aは、受信コマンドを解析し、その解析結果に応じて、ラウンド遊技回数に対応するラウンド演出を実行するためのタイムデータをセットする。これにより、ラウンド遊技回数に応じたラウンド演出が、上記タイムスケジュール管理処理で実行制御されることとなる。
(ステップS1230−3)
サブCPU330aは、特殊演出実行待機フラグがオンしているかを判定する。その結果、特殊演出実行待機フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1230−5に処理を移し、特殊演出実行待機フラグはオンしていないと判定した場合には当該大入賞口開放指定コマンド受信処理を終了する。なお、特殊演出実行待機フラグは、応用パターンBの獲得演出の実行が決定されたときに、変動演出の開始時にサブRAM330cにセットされる(図68のステップS1221−17)。
(ステップS1230−5)
サブCPU330aは、現在のラウンド遊技が、特殊演出を実行する特殊演出実行ラウンド遊技であるかを判定する。その結果、特殊演出実行ラウンド遊技であると判定した場合にはステップS1230−7に処理を移し、特殊演出実行ラウンド遊技ではないと判定した場合には当該大入賞口開放指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1230−7)
サブCPU330aは、特殊演出を実行するための特殊演出実行処理を行う。ここでは、図62(g)、(h)に示すように、演出操作装置208の押下操作を促す画像を表示したり、演出操作装置208の操作有効期間の設定を行ったりするとともに、残回数表示部230に表示されている残回数を減算表示する。そして、操作有効期間中に演出操作装置208の押下操作が検出された場合に、大役遊技中もしくは大役遊技後に付与される遊技利益を報知する演出を実行するために必要な処理を行う。
(ステップS1230−9)
サブCPU330aは、特殊演出実行待機フラグをオフして、当該大入賞口開放指定コマンド受信処理を終了する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態における遊技性は一例にすぎず、遊技性は適宜設定可能であることは言うまでもない。したがって上記実施形態では、大役遊技の実行可否と、大役遊技が実行された場合における当該大役遊技の終了後の遊技状態とを、遊技者に付与する遊技利益として決定することとしたが、遊技利益はこれに限らず適宜設定可能である。また、上記実施形態では、大当たりの当選確率を異にする2つの遊技状態と、第2始動口122への遊技球の入球容易性を異にする2つの遊技状態とを組み合わせた4つの遊技状態が設けられているが、遊技状態の内容や種類はこれに限定されるものではない。さらには、上記実施形態では、始動口として第1始動口120および第2始動口122を設けることとしたが、始動口は1つでもよいし、3以上であってもよい。
また、上記実施形態で説明した演出の内容は一例に過ぎず、本発明の目的を実現可能な範囲で適宜設計可能である。いずれにしても、予め設定された始動条件の成立により遊技者に所定の遊技利益を付与するか否かを決定する大役抽選が実行されると、複数の要素演出を含んで構成される変動演出が実行され、変動演出中の各要素演出の実行可否もしくは実行パターンによって、大役抽選の結果の示唆または報知がなされる遊技機であればよい。
また、上記実施形態では、特定変動演出において、操作有効期間中に演出操作装置208の押下操作が1回検出されると、獲得カード250の獲得、すなわち、要素演出の実行権利の獲得が報知されることとした。しかしながら、獲得カード250の獲得は、例えば、演出操作装置208が所定時間以上、継続して押下状態に維持される、所謂長押し状態が検出された場合や、所定回数の操作が検出された場合、さらには、押下操作に限らず、所定の操作が検出された場合に報知してもよい。また、演出操作装置208は必須の構成ではなく、演出操作装置208の操作を要求することなく、単に時間の経過に伴って、回数報知演出で報知された発生回数の範囲内で所定の演出を実行してもよい。
また、上記実施形態では、獲得演出において、操作有効期間中に演出操作装置208の押下操作が検出されなかった場合に、権利を獲得できなかったことを報知することとした。しかしながら、押下操作が検出されなかった場合においても、操作有効期間の経過時に、押下操作が検出された場合と同様の演出を実行しても構わない。
また、上記実施形態では、獲得演出において実行権利が獲得される要素演出を、特定変動演出中に実行することが予定されている要素演出の中から決定することとした。しかしながら、例えば、獲得演出において実行権利が獲得される要素演出を先に決定し、要素演出の獲得状況に応じて、獲得演出の終了後の要素演出の実行可否または実行パターンを決定してもよい。
また、上記実施形態では、獲得演出において、実行権利を獲得した要素演出の種別および実行パターンの双方を示唆することとしたが、要素演出の種別のみを示唆、報知してもよいし、獲得可能な要素演出が1種類のみの場合等には、実行パターンのみを示唆、報知してもよい。
また、上記実施形態では、獲得演出で要素演出の実行権利が複数獲得される場合があることとしたが、要素演出の実行権利は1つのみ獲得することとしてもよい。また、所定の1種類の要素演出の実行権利のみを獲得することとしてもよいし、あるいは、複数の要素演出について、1の実行パターンのみを獲得することとしてもよい。
また、上記実施形態では、特定変動演出の実行パターン、および、獲得演出の実行パターンとして、基本パターンおよび応用パターンを設けることとしたが、これら双方が必須ではなく、いずれか一方の実行パターンのみを設けてもよい。
なお、上記実施形態において、図25のステップS610−9およびステップS610−11の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の抽選手段に相当する。
また、上記実施形態において、図26の処理を実行するメインCPU300a、および、図67の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の演出決定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図69の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の演出実行手段に相当する。
また、上記実施形態における演出操作装置208が、本発明の演出操作部に相当し、演出操作装置検出スイッチ208sが、本発明の操作検出手段に相当する。