JP6632054B2 - 推定装置、推定方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、推定技術に関する。
従来、様々なシミュレーション技術が知られている。例えば、特許文献1には、低次元シミュレーションについての技術が開示されている。特許文献1には、低次元シミュレーションを高精度で行うための熱流体シミュレーション装置について開示されている。
特開2014−26440号公報
しかしながら、上記の従来技術では、シミュレーションの精度には限界があり、より高い精度で行うことが可能な技術が望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、より高い精度でシミュレーションを行うことが可能な技術を提供することにある。
本発明における推定装置は、少なくともエージェントの初期位置の情報に基づいて、対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を含むシミュレーション結果を出力するシミュレーション手段と、前記シミュレーション結果におけるエージェントの分布を観測結果に基づくエージェントの分布に近づけるように再配置することであって、前記再配置による移動距離の合計値を最小化するという制約下で再配置することによってデータ同化を行う再配置手段と、前記再配置後のエージェントの分布に基づいて推定された前記対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を出力する出力手段とを備える。
本発明における推定方法は、制御部を備える情報処理装置により実施される方法であって、前記制御部が、少なくともエージェントの初期位置の情報に基づいて、対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を含むシミュレーション結果を出力すること、前記制御部が、前記シミュレーション結果におけるエージェントの分布を観測結果に基づくエージェントの分布に近づけるように再配置することであって、前記再配置による移動距離の合計値を最小化するという制約下で再配置することによってデータ同化を行うこと、前記制御部が、前記再配置後のエージェントの分布に基づいて推定された前記対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を出力することとを備える。
本発明におけるプログラムは、コンピュータを、少なくともエージェントの初期位置の情報に基づいて、対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を含むシミュレーション結果を出力するシミュレーション手段、前記シミュレーション結果におけるエージェントの分布を観測結果に基づくエージェントの分布に近づけるように再配置することであって、前記再配置による移動距離の合計値を最小化するという制約下で再配置することによってデータ同化を行う再配置手段、前記再配置後のエージェントの分布に基づいて推定された前記対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を出力する出力手段、として機能させる。
また、本発明のプログラムは、CD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
本発明によれば、より高い精度でシミュレーションを行うことが可能な技術を提供することができる。
一実施形態における推定装置の構成を示す概念図である。 一実施形態における推定装置の処理構成の一部を示す概念図である。 一実施形態における推定装置による処理の例を示すフローチャートである。 一実施形態における推定装置による処理に用いられる係数の設定の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、発明の範囲をこれらに限定するものではない。
また、本明細書等において、「部」とは、単に物理的構成を意味するものではなく、その構成が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、2つ以上の構成の機能が1つの物理的構成により実現されてもよい。
[前提]
本実施形態では、推定装置による人、自動車、電車などを含む移動体(移動可能なオブジェクト)の分布の推定方法の例について説明する。まず、本実施形態における移動体の分布の推定方法の前提について説明する。なお、本実施形態において、「エージェント」という用語を使用しているが、説明の便宜上、「エージェント」は、コンピュータ上でシミュレートされる対象としてのエージェントや、実世界における人、自動車、電車などの移動体を含む概念であることとして使用されている。
近年、GPS(Global Positioning System)などによりユーザの位置データをリアルタイムで取得可能である。具体的な分析方法として、例えば、1辺が250mの矩形領域に滞在するエージェントの数のデータを1時間ごとに記録して分析する方法が知られており、このように記録されたデータを集中分布(aggregated-distribution)データと呼ぶ。
リアルタイム観察によって取得されるデータが集中分布データである場合、膨大なエージェントの数及び広範囲なエリアについて時系列にシミュレーションを行うことが必要となるエージェントの分布の推定は、高次元な多変数時系列予測問題として定式化することができる。
一般に、状態空間モデルのパラメータを推定するための非線形的な方法は小次元の問題に対して特に有効である。例えば、高次元の問題であるエージェントの分布の推定するために、非線形という観点で、シミュレーションに基づく推定法であるパーティクルフィルタが用いられることが多くあるが、単純にパーティクルフィルタのみを用いて推定を行った場合、高い推定精度が得られない場合がある。
上記のような課題を解決するために、本願の発明者らは、パーティクルフィルタにおいて、シミュレーション結果のエージェントの位置と、再配置後のエージェントの位置との間の距離を最小化するという制約下で、尤度の高い位置にエージェントを再配置する処理を行い、当該処理結果を用いてエージェントの分布の推定を行うことにより、高い精度の推定結果が得られることを見出した。以下に説明する実施形態は、このような考えに基づくものである。
次に、本実施形態において用いられる各種の条件、変数及び数式等について定義する。
ユニバーサルエリアU1は、エージェントが移動可能な地理的空間全体である。対象エリアUは、ユニバーサルエリアU1のサブセットであり、エージェントの行動が推定される地理的空間である。ユニットエリアuiは、対象エリアUのパーティションP1の要素である。つまり、次式が成り立つ。
ユニットエリアは任意の方法で区分されたエリアであるが、ユニットエリアの基本的な例は、地理的グリッドシステムにおけるセルである。以下に地理的グリッドシステム及びセルについて説明する。
地理的グリッドシステムは、おおよそ直交するグリット線により地理的空間をおおよそ矩形形状の複数のセルに区切る。対象セルCは、対象エリアUとの間で空ではない共通集合を有する。すなわち、次式が成り立つ。
本実施形態における状態空間モデルにおいて、時間tにおける状態変数xtは、エージェントの位置と、後述する行動モデルのパラメータとからなる。状態変数xtは、状態変数の時間発展(時間の経過に伴って変化した状態変数)を提供するシステムモデルftにより求めることができ、次式で示される。
t=ft(xt-1,vt
ここで、vtはシステムノイズである。システムノイズvtを例えば、ガウスノイズとすることができる。
また、時間tにおける観測データytは、観測データを提供するプロセスを表す観測モデルhtにより求めることができ、次式で示される。
t=ht(xt,wt
ここで、wtは観測ノイズである。観測ノイズwtは例えば、GPS等による測位に基づく観測誤差を考慮して設定される。
マルチエージェントシミュレーションによりエージェントの分布を推定するために、状態変数xtは、要素としてエージェントlの位置at含む。atは、次式により示される。
また、行動モデルのパラメータのリストθtは、次式により示される。
上記を考慮して、状態空間モデルは、次のように記述することができる(ここではシステムノイズを無視している。)。
式(1)を用いたエージェントの分布推定問題は、モデリング段階と、推定段階とで次のように定式化される。
[構成]
本実施形態における推定装置の構成について説明する。
図1を参照して、本実施形態に係る推定装置のハードウェアの概略構成の例を説明する。同図に示すように、推定装置10は、制御部11、通信部14、記憶部15及び入出力部16を主に備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)12及びメモリ13を主に備えて構成される。推定装置10は、専用若しくは汎用のサーバ・コンピュータ又はパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、推定装置10は、例えば、CPU12がメモリ13等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能実現手段として機能する。なお、推定装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。
制御部11では、CPU12は、記憶部15等に記憶されたプログラムをメモリ13に展開して実行することにより、推定装置10が備える各種構成の動作を制御し、また、各種処理の実行を制御する。制御部11において実行される処理の詳細は後述する。
通信部14は、ネットワークを介して外部の各種情報処理装置との間で通信をするための通信インタフェースである。通信部14は、例えば、推定装置10における処理に必要な情報を外部装置から受信し、また、推定装置10における処理結果の情報を外部装置に送信することができる。
記憶部15は、ハードディスク等の記憶装置によって構成される。記憶部15は、制御部11における処理の実行に必要な各種プログラムや、制御部11による処理結果の情報など、各種の情報を記憶する。
入出力部16は、各種の情報の入出力を行うための処理部である。入出力部16には、例えば、操作部及び表示部などのユーザインタフェースとしての構成や、外付けの記憶装置を接続するためのインタフェースなどが含まれる。
[機能]
本実施形態における推定装置10の機能について説明する。推定装置10は、対象エリアにおけるエージェントの分布を推定する機能を有する。
1.処理の概要
まず、推定装置10において、パーティクルフィルタによるエージェントの分布の推定のために実行される処理のアルゴリズムを擬似的なプログラム言語で以下に示す。なお、このアルゴリズムは本実施形態における推定処理の概念を示すための例に過ぎず、当該推定処理の概念に矛盾しない範囲でこのアルゴリズムにおける各ステップの処理順序や処理方法を変更することができる。
アルゴリズムの行5から始まるwhile制御文内では、推定する期間内における各時間における推定処理が行われる。行7から始まるfor制御文内では、各パーティクルに対応するシミュレータに存在するエージェントついて、推定処理を行う。for制御文内における推定処理において、まず、後述する行動モデルに基づいて、時間tにおける当該シミュレータに存在する全てのエージェントの行動を決定し、当該行動及び時間t−1におけるエージェントの位置に基づいて時間tにおける複数のエージェントの位置をシミュレーションする。なお、各パーティクルにおいて、行動モデルに基づいて決定される行動は変更されうる。さらに、時間tにおける観測データを取得し、時間t−1における行動パラメータに基づいて時間tにおける行動パラメータを決定する。その後、後述するEMD部により、シミュレーションの結果得られた複数のエージェントの位置を再配置するときの移動先の座標を計算し、当該座標に基づいて、再配置後のエージェントの位置を決定する。当該パーティクルの重みが観測データに基づいて決定され、その後、次のパーティクルの処理のために、パーティクルがリサンプリングされる。for制御文内における各処理の詳細は後述する。
パーティクルの状態は、モデリング段階において、行動モデル、マルチエージェントシミュレーション、観測モデルが決定されているという条件下で推定される。パーティクルの状態ベクトル(エージェントの位置及び行動パラメータを含む。)の時間発展は、マルチエージェントシミュレーションと、行動パラメータに関する差分方程式により与えられる。各エージェントの目的地は、行動モデルにより決定される。観測時に、パーティクルの状態ベクトルは、観測データを用いて更新され(更新方法の詳細は後述する。)、観測データを用いてパーティクルの重み付けがなされ、これらの結果に基づいて、推定結果が算出される。なお、上記のアルゴリズムに示されたeq.(3)及びeq.(4)は、後述する式(3)及び式(4)にそれぞれ対応する。
2.処理の詳細
図2は、上記のアルゴリズムにおけるfor制御文内の処理を実行するために主に必要な処理構成の例を示している。これらの処理構成は、例えば、制御部11において、CPU12が、記憶部15等に記憶されたプログラムをメモリ13に展開して実行することにより実現される。図3を参照しながら、推定処理の詳細を説明する。
2.1.BM
BMは、予め選択された行動モデルと行動パラメータに基づいて、パーティクルiについて、時間tにおけるエージェントの行動を決定する。例えばBMは、エージェントの行動として、エージェントの時間tにおける目的地を決定する。BMは、行動を決めるために、任意の行動モデルを適用することができる。また、BMは、シミュレータにエージェントの初期位置及び目的地の情報を与える。
図3を参照して、BMが、予め選択された行動モデルに基づいてエージェントの目的地を決定する方法の例を説明する。この例における行動モデルでは、行動パラメータに基づいて、家、駅、店及び現在地のいずれかが目的地としてある確率で選択される。図3においては、行動パラメータに含まれる要素が、p1からp4で示されている。p1からp4にはそれぞれ、0から1の間の数値が予め設定されている。また、図3に示す処理は、制御部11が記憶部15に記憶されたプログラムをメモリ13に展開して実行することによって制御される。
まず、ステップS31でエージェントの現在地が駅であるか否かが判断され、駅である場合、処理はステップS32へ進み、駅でない場合、処理はステップS33へ進む。
ステップS32において、0から1の間の乱数を出力する乱数生成器r(1)の出力がp4未満であるか否かが判断される。p4未満である場合、現在地が目的地であると判断される、他の場合、目的地は家であると判断される。
ステップS33において、乱数生成器r(1)は乱数を出力し、当該出力がp1未満であるか否かが判断される。p1未満である場合、目的地は家であると判断され、他の場合、処理はステップS34へ進む。
ステップS34において、乱数生成器r(1)は乱数を出力し、当該出力がp2未満であるか否かが判断される。p2未満である場合、目的地は駅であると判断され、他の場合、処理はステップS35へ進む。
ステップS35において、乱数生成器r(1)は乱数を出力し、当該出力がp3未満であるか否かが判断される。p3未満である場合、目的地は店であると判断され、他の場合、現在地が目的地であると判断される。
なお、目的地を判断するための閾値として上記では行動パラメータをそのまま用いたが、エリア別、時間帯別、曜日別、通常時/災害時別、及び年齢別など、の各種条件と行動パラメータの関数として閾値を設定することもできる。また、上記の条件を組み合わせて、確率を設定することができる。例えば、家を目的地とするかの判断時に用いられる値として、年齢と現在地から自宅までの距離とに応じて設定される属性別帰宅確率係数eを定義することができる。このとき、例えば、図3のステップS33において、p1に属性別帰宅確率係数eを乗じた値ep1が乱数生成器r(1)の出力未満であるかを判断し、ep1未満である場合、目的地は家であると判断され、他の場合、処理はステップS34に進むようにすることができる。
図4には、年齢と現在地から自宅までの距離とに応じて設定される属性別帰宅確率係数eの設定方法の例がグラフで示されている。この例では、「20才未満」、「20才代及び40才代」、及び「30才代及び50才以上」という年齢の範囲別に、現在地から自宅までの距離に応じて設定される属性別帰宅確率係数eが示されている。
2.2.SIM
図2におけるSIMは、エージェントの初期位置及び目的地等の情報を入力として、複数のエージェントの動きをシミュレーションすることにより、時間tにおける複数のエージェントの位置atから、時間t+1におけるエージェントの位置at+1を特定し、設定する。推定装置10上でSIMによりエージェントの動きをシミュレーションすることにより、実世界における人、車、電車などを含む移動体としてのエージェントの動き及び分布をシミュレーションすることができる。なお、SIMには、任意のシミュレータを適用することができる。
本実施形態では、広域道路網交通流シミュレーションシステム「SOUND」(http://www.i-transportlab.jp/products/sound/)にルート検索機能を追加したシミュレータを用いる。エージェントが動くルートは、混雑を加味した通過時間を重みとして用いてダイクストラで決定される。ルートの通過時間は、混雑による待ち時間と走行時間の和とする。シミュレーションの実行には、これらのパラメータに加えて、道路ネットワーク、エージェントの初期位置(例えば、シミュレーション開始時の位置。または、時間t+1のときの位置を推定する場合における時間tのときの位置)、出発地(トリップの開始位置)及び目的地等の情報のセットが与えられている必要がる。あるエージェントの初期位置、出発地及び目的地等の情報は、例えば、人の流れデータからサンプリングされたデータに基づいて作成される。目的地の作成方法については、前述のBMの説明において説明したとおりである。
ここで、人の流れデータとは、何らかのデータソースをもとに粒度を揃えた時空間位置で、人々の流動をデータ化したものである。データソースとして、例えば、パーソントリップ調査の結果(パーソントリップデータ)が用いられる。パーソントリップ調査とは、対象の地域における人の動きを調べ、交通機関の実態を把握する調査である。
2.3.EMD部
図2におけるEMD(以下、「EMD部」という。)は、SIMにより特定されたエージェントの位置at+1を、時間t+1におけるエージェントの位置の観測データyt+1に近づけるように再配置し、再配置後の位置at+1を出力する。すなわち、EMD部は、SIMによるシミュレーション結果におけるエージェントの分布を観測結果に基づくエージェントの分布に近づけるように再配置することによってデータ同化を行う再配置手段として機能する。また、当該再配置は、再配置による移動距離の合計値を最小化するという制約下で行われる。以下に、このような再配置の処理の意義と、処理の詳細を説明する。
通常のパーティクルフィルタの処理においては、シミュレーションの結果、尤度の低いパーティクルは破棄されてしまうため、尤度の低いパーティクルが多い場合、推定結果の精度が下がる可能性がある。特に、エージェントの分布の推定のような高次元の問題の場合、全てのパーティクルの状態の尤度が低くなる可能性が高い。従って、本実施形態においては、EMD部が、観測データを用いて尤度が高くなるようにパーティクルに対応するエージェントの位置を再配置することにより、破棄されてしまうパーティクルの数を減らすことができ、さらに破棄されないパーティクルの尤度が高くなり、その結果、推定結果の精度を高くすることができる。なお、観測データに近づける再配置の方法は無限に存在する。従って、本実施形態では、後述するように、シミュレーション結果を観測値にどれだけ近づけるかを決めるパラメータKを用いて、再配置後の各ユニットエリアのエージェントの数を決める。さらに、その決められたエージェント数になるような無数の再配置の方法から、移動距離が最小となる再配置の方法を選び、当該選ばれた方法によりエージェントの再配置を行う。
すなわち、本実施形態におけるEMD部による再配置の方法の基本的なコンセプトとして、シミュレーション結果を観測値にどれだけ近づけるかを予め設定し、さらに、再配置によるエージェントの移動量の合計距離ができるだけ小さくなるように、エージェントの分布を観測データに近づける。
ここで、パラメータKは0から1の間の任意の実数である。
式(3)において、再配置におけるエージェントの移動距離が最小になるという制約下で、各パーティクルにおける複数のエージェントの位置が観測データに近づけられる。本実施形態では、式(3)をの時間発展として採用する。に関する分布は、ガウス分
2.4.EMD(Earth Mover's Distance)による状態ベクトルの計算
上記のように、EMD部は、パーティクルの時間発展を求めるために式(3)を用いるが、式(3)を用いるためには、式(2)最適化問題を解く方法を決める必要がある。ここで、以下に説明するように、本願の発明者らは、EMD(Earth Mover's Distance)を求める最適化問題と、式(2)の最適化問題が同等であることを見出した。従って、式(
定し、aからa’に移動するエージェントを荷物量(EMDの文脈におけるフロー)として設定し、ユニットエリア間の距離を分布間の距離として設定することにより、EMDの最適化問題を解くことができる。このようにして解かれたEMDを与えるフローについて
般に、EMDの最適化問題を解くための解法は、多くのものが知られているが、本実施形態において、任意の解法を採用することができる。
EMDを求める最適化問題と、式(2)の最適化問題が同等であることについて説明する。EMDは、2つの分布の差異を測る尺度と解釈することができる。EMDの文脈では、分布をシグネチャと呼ばれる形式で表現し、次元数がNのシグネチャは、
と定義される。ここで、mjはj番目の要素の位置、wjはその位置の重みである。シグネチャPとQの間のEMDは、次に示すような制約された最適化問題の解を用いて定義される。
フローは、位置j1から位置j2へ移動する荷物量の合計を表す。コストは、位置j1から位置j2の距離を表す。ここで、式(5)のEMDを求める式の分母が定数であることに留意し、EMDを与えるフローを求める式に書き換えると次のとおりとなる。
なお、観測データytは、様々な方法で取得することができ、例えば、携帯端末の測位データを用いて取得することができる。このとき、観測データytは、測位データ、測位誤差、携帯電話の普及率、測位データ利用許可率などの値を用いて算出される。
ここで、Aは正規化係数である。EMD部により出力された再配置後の複数のエージェントの位置(すなわち、エージェントの分布)は、WEIにより算出された重みに基づいて、後の処理でフィルタリングされ、当該フィルタリングの結果に基づいてエージェントの分布の推定結果の情報が出力される。
、新たなパーティクルにおいてエージェントのシミュレーション等の処理が行われる。全てのパーティクルの処理が終わった後、時刻tが観測値が得られる時刻である場合はリサンプリングの処理を行い、各ユニットエリア毎の各時間におけるエージェントの分布の推定値が算出される。入出力部16は、当該算出されたエージェントの分布の情報を推定結果として出力する出力手段として機能する。また、入出力部16は、推定結果として出力される分布に含まれるエージェントのそれぞれに対して、bにより設定された行動パラメータを対応付けて出力することができる。
以上のように、本実施形態によれば、パーティクルフィルタにおいて、シミュレーション結果におけるエージェントの位置と、再配置後のエージェントの位置との間の距離を最小化するという制約下で、エージェントの位置を観測データに近づけることにより、尤度の高い位置にエージェントを再配置する処理を行う。その後、当該処理結果を用いてエージェントの分布の推定を行う。その結果、高い精度でエージェントの分布の推定を行うことができる。
[変形例]
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
例えば、上記の実施形態において、式(2)最適化問題を解くために、EMDを用いたが、これに限定されない。以下に説明するEMD−L1又はEMD−L1+が用いられてもよい。
A.EMD−L1
EMD−L1は、例えば「H. Ling and K. Okada. An efficient earth mover's distance algorithm for robust histogram comparison. Pattern Analysis and Machine Intelligence, IEEE Transactions on, 29(5):840-853, 2007.」により提案されているより効果的なEMDである。EMD−L1における未知変数の数は、ヒストグラムにおいてN個のビンがあるときに、通常のEMDにおけるO(N2)からO(N)に減る。従って、計算速度の向上が期待できる。
B.EMD−L1
EMD−L1+は、上記の文献において提案されているTree−EMDを本願の発明者らが拡張したものである。当該拡張は、EMD−L1における不必要なセル(ユニットエリア)を無視し、出力を単純化するという2点である。
1点目の拡張に関し、不必要なセルとは、海、山、森林などのエージェントが移動しない(もしくは、移動していたとしても少数である)エリアにおけるセルである。EMD−L1+では、このようなセルを処理の対象エリアから除く。その結果、処理速度が向上する。
2点目の拡張では、生成されるツリーの数を2つに限定することである。Tree−EMDの変数は、隣り合う2つのビンの間のフローの量を示すので、フローの表現は冗長である。このように冗長性を削減することにより、処理速度を向上させることができる。
10 推定装置、11 制御部、12 CPU、13 メモリ、14 通信部、15 記憶部、16 入出力部

Claims (6)

  1. 少なくともエージェントの初期位置の情報に基づいて、対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を含むシミュレーション結果を出力するシミュレーション手段と、
    前記シミュレーション結果におけるエージェントの分布を観測結果に基づくエージェントの分布に近づけるように再配置することであって、前記再配置による移動距離の合計値を最小化するという制約下で再配置することによってデータ同化を行う再配置手段と、
    前記再配置後のエージェントの分布に基づいて推定された前記対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を出力する出力手段と
    を備える推定装置。
  2. 前記出力手段は、パーティクルフィルタによりフィルタリングされた前記再配置後のエージェントの分布に基づいて推定された、前記対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を出力する、請求項1に記載の推定装置。
  3. 前記移動距離は、前記シミュレーション結果におけるエージェントの分布と、前記再配置後のエージェントの分布との間のEMD(Earth Mover's Distance)に基づく距離である、請求項1に記載の推定装置。
  4. 予め設定された確率分布に基づいて、エージェントの行動の種別を示す行動パラメータをエージェントの行動の推定値として出力する行動推定手段をさらに備え、
    前記出力手段は、前記行動推定手段により出力された行動パラメータをそれぞれのエージェントに対応付けて、前記推定されたエージェントの分布の情報を出力する、請求項1から3のいずれか一項に記載の推定装置。
  5. 制御部を備える情報処理装置により実施される方法であって、
    前記制御部が、少なくともエージェントの初期位置の情報に基づいて、対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を含むシミュレーション結果を出力すること、
    前記制御部が、前記シミュレーション結果におけるエージェントの分布を観測結果に基づくエージェントの分布に近づけるように再配置することであって、前記再配置による移動距離の合計値を最小化するという制約下で再配置することによってデータ同化を行うこと、
    前記制御部が、前記再配置後のエージェントの分布に基づいて推定された前記対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を出力することと
    を備える推定方法。
  6. コンピュータを、
    少なくともエージェントの初期位置の情報に基づいて、対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を含むシミュレーション結果を出力するシミュレーション手段、
    前記シミュレーション結果におけるエージェントの分布を観測結果に基づくエージェントの分布に近づけるように再配置することであって、前記再配置による移動距離の合計値を最小化するという制約下で再配置することによってデータ同化を行う再配置手段、
    前記再配置後のエージェントの分布に基づいて推定された前記対象エリアにおけるエージェントの分布の情報を出力する出力手段、
    として機能させるためのプログラム。
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