JP6631880B2 - 蓄電デバイスの検査装置およびその校正システム - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池やキャパシタなどの蓄電デバイスを検査する充放電検査装置に関し、特にその温度校正に関する。
リチウムイオン電池、ニッケル水素電池をはじめとする繰り返し充電可能な二次電池、あるいは電気二重層コンデンサ(以下、蓄電デバイスと総称する)がモバイル機器、電気自動車、ハイブリッド自動車、家庭用蓄電システム、などの幅広い分野で利用されており、その重要性は近年ますます高まっている。
蓄電デバイスはその出荷前に、充放電検査装置を用いて正常に機能するかが検査される。図1は、本発明者が検討した充放電検査装置を示す図である。充放電検査装置100rは、電源ユニット102および検査ラック(検査台)200を備える。
蓄電デバイス10は、トレー2に収容された状態で、搬送され、検査される。ひとつのトレー2には、最大でN個(Nは2以上の整数)の蓄電デバイス10が収容可能となっている。
検査ラック200には、K個(Kは2以上の整数)のスロット202が設けられる。蓄電デバイス10を載せたトレー2は、スロット202に挿入される。検査ラック200の内部には、各スロット202ごとに設けられたプローブが設けられ、このプローブが蓄電デバイス10の電極と電気的に接触する。
電源ユニット102は、検査ラック200に収容される蓄電デバイス10それぞれを、充放電することにより、複数の蓄電デバイス10を並列に検査可能に構成される。たとえば電源ユニット102は、スロット202ごとに設けられたコンバータ104を備える。コンバータ104は、対応するスロット202に収容されるN個の蓄電デバイス10に対応するNチャンネルの出力を有する。
スタッカクレーン4は、トレー2を搬入し、それを検査ラック200の空きスロットにトレー2を挿入する。また検査が終了したトレー2を、スロット204から引き抜き、搬出する。
特開平8−189955号公報 特開平8−007933号公報 特開2011−138981号公報 特開2012−216424号公報
蓄電デバイス10の検査工程において、その温度管理はきわめて重要であり、高精度な検査のためには、蓄電デバイス10のデバイス温度、あるいは環境温度が所望の値に安定に保たれている必要がある。
図1の充放電検査装置100rにおいて、検査ラック200には、最大でK×N個の蓄電デバイス10が収容される。複数の蓄電デバイス10の温度を個別に測定、管理するために、充放電検査装置100rには温度センサユニットが設けられる。図2(a)、(b)は、温度センサユニット400を示す図である。温度センサユニット400は、蓄電デバイス10ごとに設けられた温度計測器402と、温度計測器402を支持するブラケット404を有する。温度計測器402は、熱電対や測温抵抗体などが利用される。温度センサユニット400には、トレー2に収容される蓄電デバイス10と同数の温度計測器402が設けられる。
複数の温度計測器402は、それぞれが対応する蓄電デバイス10の底面と接触するように配列されている。温度センサユニット400とトレー2は、高さ方向に相対的に可動である。トレー2の底面には温度計測器402が挿通可能な開口が設けられる。図2(b)に示すように、充放電検査中には、温度計測器402の先端部406が蓄電デバイス10の底面14の所定位置(たとえば中央)と接触し、蓄電デバイス10の温度が測定される。先端部406は、温度計測器402の本体に対して、上下にストロークする。蓄電デバイス10の上面の電極12には、プローブユニット500に設けられたプローブ502が接触し、図1のコンバータ104によって充電、放電が行われる。
このような温度センサユニット400は、定期的に校正する必要がある。図3は、従来の温度センサユニット400の校正を説明する図である。校正に際して、作業者が、温度計測器402をブラケット404から取り外す。そして、温度計測器402を、その内部が所定の基準温度TREFに安定化された恒温槽410に入れて、温度計測器402の測定値TMEASを取得し、基準温度TREFと測定値TMEASの関係にもとづいて、温度計測器402を校正していた。
ところが、量産検査に用いられる充放電検査装置100rは、数千チャンネルもの温度計測器402を備えている。また恒温槽410は、一旦、蓋を開けると、その温度を再び基準温度TREFまで戻すのに数十分〜1時間を要する。したがって従来の校正方法では、作業者がすべての温度計測器402を校正するには膨大な時間が必要であった。
また従来の校正方法では、作業者が検査ラック200のそばまで赴き、校正作業を行う必要がある。したがって校正作業が行われている検査ラック200の近傍でスタッカクレーン4を稼動させると危険であることから、校正中の温度センサユニット400が設けられるスロット202のみでなく、その近傍のスロット202も使用不能となり、充放電検査のスループットが低下するという問題もある。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、温度センサユニットの校正時間を短縮し、および/または、充放電検査のスループットの低下を抑制可能な温度校正装置の提供にある。
本発明のある態様は、蓄電デバイスの検査装置に使用される温度センサの校正装置に関する。検査装置は、蓄電デバイスをスロット内に収容する検査台と、検査台に設けられて蓄電デバイスの温度を測定する温度センサと、を備える。校正装置は、温度センサが計測した基準温度体の温度に関する値と、基準温度体の基準温度に関する値とを比較して、温度センサを校正する。
この態様によると、校正装置が温度センサを自動で校正することができ、校正時間を短縮できる。
校正装置は、基準温度体と温度センサとを近づける搬送手段を有してもよい。
校正装置を自動搬送できるため、校正時間を短縮できる。
搬送手段は、蓄電デバイスを搬送する搬送手段であってもよい。
すなわち蓄電デバイスの搬送手段が、校正装置の搬送手段を兼ねることとなり、校正装置専用の搬送手段が不要となる。
基準温度体は、搬送手段によりスロット内に搬入可能に構成されていてもよい。
基準温度体は、スロット内に設けられたガイド部にガイドされる被ガイド部を有する校正用筐体を備えてもよい。
スロットには、蓄電デバイスを収容するトレーをガイドするためのガイド部を有する。校正用筐体に、スロット内のガイド部に適合した被ガイド部を設けることで、トレーに代えて、校正用筐体を挿入することが可能となる。
基準温度体は、校正用筐体の内部に温度センサを複数同時に収容する収納部を備えてもよい。
収納部は、複数の温度センサを区画して収容する複数の収納部を有してもよい。
区画された収納部ごとに、基準温度体が設けられていてもよい。
搬送手段は、温度センサを基準温度体に向けて搬送してもよい。
基準温度体の基準温度に関する値は、収納部に設けられた基準温度センサが検出した収納部の温度に関する値に基づいて決定されてもよい。
本発明の別の態様は、蓄電デバイスの検査装置に使用される温度校正装置に関する。検査装置は、蓄電デバイスを収容し、搬送手段により搬送されるトレーと、蓄電デバイスの温度を測定する温度計測器と、を備える。温度校正装置は、搬送手段により搬送可能であり、トレーに代えてスロットに挿入可能であり、校正時に温度計測器が挿入されるトレー型筐体(校正用筐体)を備える。
温度校正装置が、蓄電デバイスを収容するトレーと互換なトレー型筐体を有することで、共通の搬送手段によって温度校正装置をスロット内に自動でセットすることができる。また温度校正装置が挿入されたスロット以外では検査が可能となるため、スループットの低下を抑制できる。また手作業での校正が不要となるため校正時間を短縮できる。
蓄電デバイスを収容可能な充放電検査装置のトレーは、温度計測器を挿入して蓄電デバイスに近接させるための開口(穴)を備えてもよい。温度計測器は開口が配置されるべき位置に対向配置されており、温度校正装置のトレー型筐体は、温度計測器に対向する位置に温度計測器を挿入可能な開口を備えてもよい。
充放電検査装置は、トレーを収容するスロットを備えてもよい。温度計測器はスロットの下側におけるトレーの底面側に対向する位置に配置され、トレーにおける開口は、トレーの底面を構成する板に形成され、トレー型筐体における開口は、トレー型筐体の底面を構成する底板に形成されていてもよい。
本発明のある態様は、蓄電デバイスの充放電検査装置に使用される温度校正装置に関する。充放電検査装置は、トレーおよび温度センサユニットを備える。トレーは、複数の蓄電デバイスを収容し、スタッカクレーンにより搬送される。温度センサユニットは、トレーが挿入されるスロット内に設けられ、スロット内のトレーに対して高さ方向に相対的に可動である。温度センサユニットは、複数の蓄電デバイスに対応する複数の温度計測器を備え、各温度計測器は、対応する蓄電デバイスを検査中に、蓄電デバイスと接触可能な位置に配置されている。温度校正装置は、スタッカクレーンにより搬送可能であり、トレーに代えてスロットに挿入可能であり、校正時にその底面から複数の温度計測器が挿入されるトレー型筐体と、トレー型筐体に設けられ、複数の温度計測器に対応する複数の校正器と、を備える。各校正器は、校正時において対応する温度計測器と近接する箇所に配置されている。
校正器は、校正時に温度計測器を覆う恒温ブロックと、恒温ブロックと密着して設けられた校正用温度センサと、を備えてもよい。
恒温ブロックによって温度計測器を覆うことで、恒温ブロックと温度計測器の温度を実質的に同一とみなすことができる。そして校正用温度センサと温度計測器それぞれの測定値を読み出すことで、温度計測器を校正できる。
恒温ブロックは温調されなくてもよい。この場合、恒温ブロックの温度を所定温度に設定するための時間が不要となり、さらに校正時間を短縮できる。
恒温ブロックは、金属であってもよい。金属のように熱容量の大きい部材で温度計測器を覆うことで、温度計測器を外部と熱的に遮断することができ、校正の精度を高めることができる。
複数の校正器に含まれるいくつかの恒温ブロックは一体に構成されてもよい。
これにより、恒温ブロックを校正器ごとに独立させた場合よりも熱容量を増やして温度変化を抑制できるため、校正の精度をより高めることができる。
また恒温ブロックはトレー型筐体と一体に構成されてもよい。トレー型筐体と一体とすることで熱容量をさらに大きくできるため、校正の精度をより高めることができる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様の温度校正装置によれば、温度センサユニットの校正時間を短縮し、および/または、充放電検査のスループットの低下を抑制できる。
本発明者が検討した充放電検査装置を示す図である。 図2(a)、(b)は、温度センサユニットを示す図である。 従来の温度センサユニットの校正を説明する図である。 実施の形態に係る温度校正装置の斜視図である。 校正器の断面図である。 校正時の温度校正装置を示す断面図である。 第1変形例に係る温度校正装置の斜視図である。 第6変形例に係る温度校正装置の斜視図である。 温度計測器が非接触で基準温度を測定する様子を示す図である。 第7変形例に係る温度校正装置の斜視図である。 第8変形例に係る温度校正装置の斜視図である。 温度校正装置を備える温度校正システムのブロック図である。 自動校正処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
実施の形態に係る温度校正装置600について説明する前に、温度校正装置600が検査対象とする充放電検査装置100の温度センサユニット400について改めて説明する。
図2(a)に示したように、トレー2には、複数の蓄電デバイス10が収容され、トレー2は図1のスタッカクレーン4により搬送される。また温度校正装置600が校正の対象とする温度センサユニット400は、トレー2が挿入されるスロット内に設けられる。温度センサユニット400は、スロット内のトレー2に対して高さ方向に相対的に可動である。温度センサユニット400は、複数の蓄電デバイス10に対応する複数の温度計測器402を備え、各温度計測器402は、対応する蓄電デバイス10を検査中に、蓄電デバイス10と接触可能な位置に配置されている。
続いて、温度校正装置600の構成を説明する。図4は、実施の形態に係る温度校正装置600の斜視図である。温度校正装置600は、トレー型筐体(校正用筐体ともいう)602および複数の校正器610を備える。トレー型筐体602は、(i)図1に示すトレー2を搬送するスタッカクレーン4によって搬送可能であり、また(ii)トレー2に代えてスロットに挿入可能であり、(iii)校正時にその底面604から複数の温度計測器402が挿入可能な形状、構造を有している。トレー型筐体602はたとえば樹脂成型により作製される。
トレー型筐体602は、スロット202内に設けられたガイド部にガイドされる被ガイド部を有する。スロット202に挿入されるトレー2にも、トレー型筐体602と同様の被ガイド部が設けられる。
複数の校正器610は、温度センサユニット400の複数の温度計測器402に対応しており、トレー型筐体602に設けられる。各校正器610は、校正時において対応する温度計測器402を校正可能な箇所に配置されている。つまり校正器610は、トレー2上の蓄電デバイス10に対応する位置に設けられる。
温度校正装置600はそのほか、図示しない電池や、マイコンやCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、メモリ、通信手段など(図12の校正コントローラ702)を備えてもよい。
図5は、校正器610の断面図である。校正器610は、校正時に温度計測器402を覆う恒温ブロック612と、恒温ブロック612と密着して設けられ、その温度を測定する校正用温度センサ614と、を備える。恒温ブロック612は、基準温度TREFを提供する基準温度体と把握することができる。
たとえば恒温ブロック612は、円筒型の凹部(内部空間、収納部ともいう)616を有する。凹部616には校正対象の温度計測器402が挿入される。凹部616の径は、温度計測器402と実質的に同一かそれよりわずかに大きいことが望ましい。校正用温度センサ614は、凹部616の底面から露出している。校正用温度センサ614の先端は丸みを帯びている。
本実施の形態において恒温ブロック612には、ヒータなどは設けられず、温調されない。温調手段を設けない場合には、恒温ブロック612およびその内部空間616の温度変化を抑制するために、恒温ブロック612の熱容量を大きくすることが好ましい。この観点から、恒温ブロック612は、金属、より具体的には銅やアルミニウム、鉄などで校正することが望ましい。
以上が温度校正装置600の構成である。続いてそれを用いた校正を説明する。この校正は、充放電検査装置100の出荷前に行われる。また出荷後にユーザの工場においても定期的に行われる。
校正装置600は、温度計測器402が計測した基準温度体の温度に関する値と、基準温度体の基準温度に関する値とを比較して、温度計測器402を校正する。
図6は、校正時の温度校正装置600を示す断面図である。校正時に、トレー型筐体602の底面604から、温度センサユニット400の温度計測器402が挿入される。この校正状態において、温度計測器402の先端部406、恒温ブロック612および校正用温度センサ614は1カ所に集中している。また温度計測器402が挿入されたことにより凹部616内のエアボリウムは非常に小さくなる。この状態では、温度計測器402の先端部406、恒温ブロック612および校正用温度センサ614の温度は、実質的に同じ温度とみなすことができる。また、恒温ブロック612を熱容量の大きな材料、形状とすることで、恒温ブロック612を温調せずとも、それらの温度の経時変化も小さくなる。
ここで温度計測器402の測定値TMEASは、真の温度TTRUEに対してオフセット誤差TOFSのみを有し、ゲイン誤差は有しないものと仮定する。多くの温度センサにおいてこの仮定は正しい。
MEAS=TTRUE+TOFS
図6の状態で、校正用温度センサ614の測定値TREFは、恒温ブロック612の真の温度TTRUEを示すものと考えられる。したがって温度計測器402の測定値TMEASと校正用温度センサ614の測定値TMEASの差分を計算することで、オフセット誤差TOFSを取得できる。このオフセット誤差TOFSは、メモリに格納される。通常の充放電検査時においては、温度計測器402の測定値TMEASから、オフセット誤差TOFSを減算することで、真の温度TTRUEを求めることができる。
以上が温度校正装置600による校正処理である。続いてその利点を説明する。
本実施の形態では、温度校正装置600をトレー2と互換性を有するトレー型で校正することとした。これにより温度校正装置600をスロット内に挿入し、温度センサユニット400と温度校正装置600を所定位置にセットすることで、校正器610によって対応する温度計測器402を校正可能となる。その結果、温度校正装置600の搬送や、手作業での校正が不要となるため校正時間を短縮できる。
また温度校正装置600が挿入されたスロット以外では、並行して充放電検査が可能となるため、スループットの低下を抑制できる。
また恒温ブロック612によって温度計測器402を覆うことで、恒温ブロック612と温度計測器402および校正用温度センサ614の温度を実質的に同一とみなすことができる。この状態で、校正用温度センサ614と温度計測器402それぞれの測定値を読み出すことで、温度計測器402を校正できる。
また恒温ブロック612を温調する必要がないため、恒温ブロック612の温度を所定温度に設定するための安定化時間が不要となり、もしくは短縮され、さらに校正時間を短縮できる。
また、校正用温度センサ614の先端を丸くして、凹部616の底部から露出させた。これにより、温度計測器402が垂直に挿入されない状態でも、校正用温度センサ614の丸い先端と、温度計測器402の先端部406とを確実に接触させることができる。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
(第1変形例)
図7は、第1変形例に係る温度校正装置600aの斜視図である。この変形例において、複数の校正器610に含まれるいくつかの恒温ブロック612は一体に構成される。図7では、同じ列の複数の恒温ブロック612が一体の大きな恒温ブロック620となっており、この大きな恒温ブロック620には、温度計測器402ごとの凹部616が形成される。言い換えれば、図7の恒温ブロック612は、温度センサを区画して収納する複数の収納部を備える。これにより、恒温ブロックを校正器ごとに独立させた場合よりも熱容量を増やして温度変化を抑制できるため、校正の精度をより高めることができる。さらなる変形例では、2列の恒温ブロック620を一体に構成してもよい。
(第2変形例)
図7の恒温ブロック620は、トレー型筐体602と一体に校正してもよい。この場合、恒温ブロック620の熱容量をさらに大きくすることができ、校正の精度を高めることができる。
(第3変形例)
校正用温度センサ614の取り付け位置は、実施の形態のそれには限定されない。校正用温度センサ614は、恒温ブロック612の内部に埋め込まれてもよいし、恒温ブロック612の外側に設けてもよい。
(第4変形例)
実施の形態では、恒温ブロック612を温調しない場合を説明したが本発明はそれには限定されない。恒温ブロック612にヒータや冷却素子を取り付けて、温度を管理することで、より正確な温度校正が可能となる。
(第5変形例)
また充放電検査装置100自体が、スロット内を所定温度に安定化する温調設備を備える場合、恒温ブロック612を省略してもよい。
(第6変形例)
図8は、第6変形例に係る温度校正装置の斜視図である。この変形例では、図7の恒温ブロック612に設けられる複数の凹部616が一体に形成され、一つの収納部を形成している。収納部は、複数の温度センサを同時に収納する。図9に示すように、温度計測器402は、凹部612の底面と接触して基準温度TREFを測定しても良い。
(第7変形例)
図10は、第7変形例に係る温度校正装置の斜視図である。この変形例では、恒温ブロック612の恒温ブロック(収納部)612が省略されており、恒温ブロック612の底部に、温度計測器402が接触する。
(第8変形例)
図11は、第8変形例に係る温度校正装置の斜視図である。ここに示すように、温度計測器402は、恒温ブロック612と非接触で基準温度TREFを測定しても良い。図7や図10の恒温ブロック612との組み合わせにおいても、温度計測器402は恒温ブロック612と非接触で基準温度TREFを測定しても良い。
図12は、温度校正装置600を備える温度校正システム700のブロック図である。温度校正装置600は、トレー2を搬送するためのスタッカクレーン4によって搬送され、トレー2に代えてスロット202に挿入可能である。温度校正装置600は、校正コントローラ702を備える。校正コントローラ702は、有線あるいは無線でコンピュータ704と接続される。コンピュータ704は、温度校正システム700を統括的に制御する。コンピュータ704は、充放電検査装置100を制御し、検査データを生成するコンピュータであってもよいし、別のコンピュータであってもよい。
たとえば校正コントローラ702は、温度計測器402の校正に必要なデータ、たとえば校正器610において使用された基準温度TREFに関する情報などを、有線あるいは無線で、外部のコンピュータ704に送信する。あるいは、コンピュータ704からの指示に応じて、校正器610の温度を、コンピュータ704によって指示された基準温度TREFに安定化させる。
コンピュータ704は、基準温度TREFに関する情報と、校正器610が装着された状態で得られた複数の温度計測器402の測定値を格納する。そして校正プログラムを実行し、複数の温度計測器402を自動校正する。
図13は、自動校正処理の一例を示すフローチャートである。校正プロセスが開始すると、複数の温度計測器402の周囲を基準温度TREFに安定化させる(S100)。そして複数の温度計測器402の測定値を取得する(S102)。そして各温度計測器402について、基準温度TREFおよび測定値にもとづいて、基準温度TREFが真値であるとして、温度計測器402の温度−測定値特性を演算により自動校正する(S104)。
従来の手作業による校正では、1点での校正が精一杯であった。本実施の形態によれば、自動化されているために基準温度TREFを、2点以上に変化させて校正を行うことも可能となる。この場合、さらに精度を高めることができる。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
2…トレー、4…スタッカクレーン、10…蓄電デバイス、12…電極、14…底面、100…充放電検査装置、102…電源ユニット、104…コンバータ、200…検査ラック、202…スロット、400…温度センサユニット、402…温度計測器、404…ブラケット、406…先端部、500…プローブユニット、502…プローブ、600…温度校正装置、602…トレー型筐体、610…校正器、612…恒温ブロック、614…校正用温度センサ、616…凹部、620…恒温ブロック。

Claims (10)

  1. 蓄電デバイスの検査装置に使用される温度センサの校正システムであって、
    前記検査装置は、
    前記蓄電デバイスをスロット内に収容する検査台と、
    前記検査台に設けられて前記蓄電デバイスの温度を測定する温度センサと、
    を備え、
    前記校正システムは、
    前記温度センサに近づくように前記スロット内に搬入可能に構成される基準温度体と、
    前記温度センサが計測した前記基準温度体の温度に関する値と、前記基準温度体の基準温度に関する値とを比較して、前記温度センサを校正する校正部と、を備えることを特徴とする、校正システム
  2. 前記校正システムは、
    前記基準温度体と前記温度センサとを近づける搬送手段を有することを特徴とする請求項1に記載の校正システム
  3. 前記搬送手段は、前記蓄電デバイスを搬送する搬送手段であることを特徴とする請求項2に記載の校正システム
  4. 前記基準温度体は、前記スロット内に設けられたガイド部にガイドされる被ガイド部を有する校正用筐体を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の校正システム
  5. 前記校正用筐体は、前記被ガイド部と重複しない位置に前記基準温度体を有し、前記基準温度体の位置は、前記校正用筐体が前記スロット内で位置決めされたときに、前記温度センサと対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の校正システム。
  6. 前記校正用筐体に穴が開いており、
    前記基準温度体は、前記穴と対応する位置に設けられ、前記温度センサを収容する収容部を有することを特徴とする請求項5に記載の校正システム。
  7. 前記基準温度体は、前記校正用筐体の内部に前記温度センサを複数同時に収容する収納部を備えることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の校正システム
  8. 前記収納部は、複数の温度センサを区画して収容する複数の収納部を有することを特徴とする請求項に記載の校正システム
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の校正システムを備えることを特徴とする蓄電デバイスの検査装置。
  10. 前記蓄電デバイスの検査中に検査を行っていないスロットにおいて前記温度センサの校正が実施されることを特徴とする請求項9に記載の検査装置。
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