JP6629670B2 - 藻類防除剤 - Google Patents

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Description

本発明は、湛水下水田用の藻類防除剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、(a)硫酸鉄(II)およびその水和物からなる群から選択される1つ以上の化合物;(b)光合成細菌;および(c)バチルス属細菌を有効成分として含有する湛水下水田用の藻類防除剤に関する。
現在、水田用の除草剤は研究開発が幅広く行われており、主として有機化合物を有効成分とする除草剤が単剤あるいは併用剤で広く一般に使用されている。ここで、水田に発生する雑草は多種類に及ぶが、その中でも、表層剥離の原因になるなど、藻類の発生がイネの生育に与える影響は大きい。
水田に発生する藻類に効果がある薬剤としては、例えば、2−アミノ−3−クロロ−1,4−ナフトキノン(一般名:キノクラミン)を有効成分とする除草剤が「モゲトン」として市販されており、塩基性塩化銅も水田用の殺藻、防藻剤として効果があることが報告されている(特許文献1)。
特開2002−012511号公報
しかし、藻類に対して十分な防除効果を発揮するさらなる薬剤の開発が求められている。特に、藻類の防除効果が高いことに加え、速効性・持続性に優れ、より安全で、かつ安価な薬剤の開発が望まれている。
すなわち、本発明の目的は、湛水下水田に発生する藻類を防除する技術を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、硫酸鉄(II)、光合成細菌、およびバチルス属細菌を組み合わせて用いることで、湛水下水田に発生する藻類を効果的に防除できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、これらに限定される訳ではないが、以下の態様の発明を包含する。
[1](a)硫酸鉄(II)およびその水和物からなる群から選択される1つ以上の化合物;
(b)光合成細菌;および
(c)バチルス属細菌;
を有効成分として含有する湛水下水田用の藻類防除剤であって、
(a)を含むコアと(b)および(c)を含むコーティング層とを備える粒剤の形態を有する、上記藻類防除剤。
[2]前記(a)が、硫酸鉄(II)・7水和物である、[1]に記載の藻類防除剤。
[3]前記(c)が、バチルス サブチリス(Bacillus subtilis)とバチルス ラテロスポールス(Bacillus laterosporus)との組み合わせである、[1]または[2]に記載の藻類防除剤。
[4]前記コーティング層が、米ぬか、ふすま、大豆ミールおよびナタネ油粕からなる群から選択される1つ以上の植物性担体と、植物性担体に均一に分散されている(b)および(c)とを含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の藻類防除剤。
[5]前記藻類防除剤は、
(d)フィッシュソルブル、廃蜜糖、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、およびデンプンからなる群から選択される1つ以上の結合剤;
をさらに含み、
(a)を含むコアと、(d)を含むバインダー層と、(b)および(c)を含むコーティング層とが積層されてなる、[1]〜[4]のいずれかに記載の藻類防除剤。
[6]藻類が、藍藻類、緑藻類、黄緑藻類、および珪藻類からなる群から選択される1つ以上の藻類である、[1]〜[5]のいずれかに記載の藻類防除剤。
[7]平均粒径が、300〜10000μmである、[1]〜[6]のいずれかに記載の藻類防除剤。
[8](a)硫酸鉄(II)およびその水和物からなる群から選択される1つ以上の化合物;
(b)光合成細菌;および
(c)バチルス属細菌;
を有効成分として含有する湛水下水田用の藻類防除剤の製造方法であって、
(1)(a)を含むコアを調製し、
(2)(b)および(c)を含むコーティングを調製し、
(3)工程(1)で調製した(a)を含むコアの表面に、工程(2)で調製した(b)および(c)を含むコーティングを施してコア上にコーティング層を備える粒剤の形態とする、
上記藻類防除剤の製造方法。
[9]前記藻類防除剤は、
(d)フィッシュソルブル、廃蜜糖、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、およびデンプンからなる群から選択される1つ以上の結合剤;
をさらに含み、
(a)を含むコアと、(d)を含むバインダー層と、(b)および(c)を含むコーティング層とが積層されてなる、[8]に記載の藻類防除剤の製造方法。
[10][1]〜[7]のいずれかに記載の藻類防除剤を、藻類の発生前または発生後に、湛水下水田に直接散粒することにより、藻類の発生を防除する方法。
本発明によれば、湛水下水田に発生した藻類がすばやく分解・除去され、水質が浄化される。
また、水田に残留する硫酸鉄、光合成細菌およびバチルス属細菌の作用により、藻類の栄養源となるリン酸や有機分解物が継続的に除去されることから、持続的に藻類の防除効果を発揮し、水質をクリーンに保つことができる点でも有利である。
さらに、硫酸鉄、光合成細菌およびバチルス属細菌は自然界に多く存在する物質・微生物であり、イネに対する安全性も高く、環境にも優しいという利点もある。
図1は、粒剤1の処理直前、処理1日後、および処理6日後の水田A区の状態を示す写真である。 図2は、粒剤1の処理直前と処理1日後の水田B区の状態を示す写真である。 図3は、水田B区と水田C区(対照)の処理1日後の状態を比較した写真である。 図4は、水田B区と水田C区(対照)の処理2日後の状態を比較した写真である。
以下、本発明の実施形態を例示する。
本発明の一態様である藻類防除剤は、湛水下水田に発生する藻類を防除するために用いられる。
「藻類防除」とは、水田において発生するおそれのある藻類の予防、さらには水田においてすでに発生している藻類を駆除することを意味する。また「藻類」としては、例えば、藍藻類、緑藻類、黄緑藻類、珪藻類などが挙げられ、特にアオミドロ、アミミドロ、およびカナなどに対する防除効果を発揮する。
「湛水下水田」とは、移植栽培および直播栽培において通常行われる方法により水入れした湛水状態にある水田をいい、藻類が発生可能な程度に水を含んでいる水田も含む。
藻類防除剤は、(a)硫酸鉄(II)およびその水和物からなる群から選択される1つ以上の化合物;(b)光合成細菌;および(c)バチルス属細菌;を藻類防除の有効成分として含有する。硫酸鉄(II)に由来する鉄イオンの作用により藻類は枯死し、光合成細菌およびバチルス属細菌が枯死した藻類の残骸をすばやく分解することにより水を浄化し、藻の発生しないクリーンな状態を保つことが可能になる。すなわち、(a)、(b)および(c)を併用することで、速効性と持続性の高い藻類防除剤を提供することができる。
「硫酸鉄(II)(別名:硫酸第一鉄、化学式:FeSO)およびその水和物(FeSO・nHO)」には、硫酸鉄(II)無水物、硫酸鉄(II)一水和物、硫酸鉄(II)四水和物、硫酸鉄(II)五水和物、および硫酸鉄(II)七水和物が含まれる。硫酸鉄(II)は、通常青緑色結晶の七水和物として存在し、天然には緑礬として産出されることから、(a)として硫酸鉄(II)七水和物を用いることが特に好ましい。藻類防除剤に含まれる(a)の量は、特に限定されないが、藻類防除剤全体量に対して80〜99.99重量%、好ましくは85〜99.5重量%、より好ましくは90〜99重量%である。(a)に由来する鉄イオンは、水中に存在するリン酸イオンと結合して水に不溶性のリン酸鉄として沈殿し、藻類の生育のために必要な栄養素であるリンの濃度を低下させ、藻類を枯死させるため、藻類の発生を防除するとともに、表層剥離の発生しにくい水質への改善にも寄与する。加えて、(a)に由来する鉄イオンは、メタンガス、硫化水素ガスなどの有毒ガスの削減にも効果的であることから、本発明の一態様である藻類防除剤は、秋落ちの原因となる硫化水素を除くための鉄分の補給としても有効である。
「光合成細菌」とは、光合成を行う細菌をいい、例えば、紅色硫黄細菌、紅色非硫黄細菌、緑色硫黄細菌、緑色非硫黄細菌などが挙げられ、紅色非硫黄細菌を用いることが特に好ましい。紅色非硫黄細菌としては、ロードシユードモナス属(Rhodopseudomonas)であることがより好ましく、ロードシユードモナス パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)、ロードシユードモナス キャブシュラァタス(Rhodopseudomonas capsulatus)であることが特に好ましい。(b)は、1種または2種以上の光合成細菌の組み合わせであってもよい。光合成細菌は、水田、沼、池などに生息するものを採取して公知の方法を用いて培養したものでもよく、商業的に入手したものでよく、例えば、光合成細菌の培養液として一般的に市販されている「PSB」(株式会社シマテック社製)を用いることもできる。培養液中の菌体濃度は、通常、生菌数1×10〜1×1011億個/gである。また、光合成細菌として、公知の担体(例えば、植物性担体)に担持させたものを用いることができる。藻類防除剤に含まれる(b)の量は、細菌の種類やその組み合わせによって異なるが、藻類防除作用を発揮するうえで十分な量を含んでいることが好ましく、当該技術分野における技術常識に従って、藻類防除剤の施用後に所定の体積当たりの水田中に所望の存在量となるように各条件を勘案し、決定すればよい。例えば、藻類防除剤中の(b)の含有量は、細菌の濃度として、通常、生菌数100〜1000000個/g、好ましくは、生菌数1000〜100000個/gの範囲にあればよい。
「バチルス属(Bacillus)細菌」とは、芽胞を形成する偏性好気性または通性好気性のグラム陽性桿菌をいう。例えば、バチルス サブチリス(Bacillus subtilis)およびバチルス ラテロスポールス(Bacillus laterosporus)などが含まれる。(c)は、1種または2種以上のバチルス属細菌の組み合わせであってもよい。バチルス サブチリスは、有機物分解機能があることに加えて、植物に病害をもたらす病原菌と拮抗し、バチルス ラテロスポールスは、バチルス サブチリスにはない優れた有機物分解機能があり、またイネのイモチ病に効果があるため、バチルス属細菌は、バチルス サブチリスとバチルス ラテロスポールスとの組み合わせであることが好ましい。バチルス サブチリスとバチルス ラテロスポールスとの混合比は特に限定されないが、例えば、1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1である。本発明において用いるバチルス属細菌は、土壌、枯草、塵埃、下水中などに生息するものを採取して培養したものでもよく、商業的に入手したものでもよい。培養液中の菌体濃度は、通常、生菌数1×10〜1×1011億個/gである。また、バチルス属細菌として、公知の担体(例えば、植物性担体)に担持させたものを用いることができる。藻類防除剤に含まれる(c)の量は、細菌の種類やその組み合わせによって異なるが、藻類防除作用を発揮するうえで十分な量を含んでいることが好ましく、当該技術分野における技術常識に従って、藻類防除剤の施用後に所定の体積当たりの水田中に所望の存在量となるように各条件を勘案し、決定すればよい。例えば、藻類防除剤中の(c)の含有量は、細菌の濃度として、通常、生菌数200〜2000000個/g、好ましくは、生菌数2000〜200000個/gの範囲にあればよい。
(b)光合成細菌および(c)バチルス属細菌は、(a)に含まれる鉄イオンの作用により枯死した藻類の残骸を分解することにより、水の浄化に寄与する。また、光合成細菌は、硫化水素発生の原因となる硫黄を栄養源とするため、硫化水素などの有毒ガスの削減にも効果的であることから、秋落ちなどの硫化水素による被害を防止することが可能となる。加えて、光合成細菌およびバチルス属細菌により腐熱が促進され、メタンガスなどのイネの生育を阻害する有害物質を削減することで、イネの根に対する被害を軽減する。(b)と(c)との混合比は特に限定されないが、(b):(c)が、例えば、1:200〜100:1、好ましくは1:20〜10:1である。
藻類防除剤は、(a)を含むコアと(b)および(c)を含むコーティング層とを備える粒剤の形態を有する。(a)を含むコアにコーティングを施すことで、硫酸鉄(II)の酸化による劣化を防止するとともに、藻類防除剤が十分に広がったあとに水溶性の硫酸鉄(II)を溶出させることができる。
藻類防除剤の大きさは特に限定されないが、平均粒径が、300〜10000μm、好ましくは1000〜8000μm、より好ましくは2000〜6000μmである。粒径が小さい場合、散布の際に風に乗って製剤が飛ばされてムラができ、一方粒径が大きい場合、有効成分である(a)が溶出しづらくなり、迅速に藻類防除効果を発揮させることができないため、上記範囲とすることが好ましい。「平均粒径」とは、特に断りのない限り、メジアン径(メジアン径:累積分布50%相当粒子径)を示し、例えばレーザ回折式粒度分布測定装置により測定することができる。
コアの大きさは、(a)の含有量やその他の成分の量によって異なるが、コアが硫酸鉄(II)七水和物のみで構成される場合、平均粒径が、250〜9500μm、好ましくは800〜7000μm、より好ましくは1800〜5500μmである。
コーティング層は、植物性担体に(b)および(c)を分散させて調製することが好ましい。植物質担体は、特に限定されないが、例えば、米ぬか、ふすま、大豆ミール、およびナタネ油粕からなる群から選択される1つまたは2つ以上の組み合わせであり、好ましくは米ぬかである。植物質担体は、光合成細菌の培地として作用することから、光合成細菌を安定に保持することが可能になる。また、植物質担体は比較的軽く非水溶性であることから、浮遊性を付与して粒剤を水面に均一に拡散できるという利点がある。さらに、植物質担体は、比較的安価なものが多く、環境にも悪影響を与えにくい点で有利である。植物性担体の配合量は特に限定されないが、光合成細菌を安定に保持可能な程度に多く、粒剤の分散性を妨げない程度に少ない量である。したがって、コーティング層の配合量は、構成成分によって異なるが、例えば、藻類防除剤全体量に対して、0.01〜15.0重量%であり、好ましくは.0.1〜10.0重量%であり、より好ましくは0.5〜7.0重量%である。
藻類防除剤は、(d)フィッシュソルブル、廃蜜糖、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、およびデンプンからなる群から選択される1つ以上の結合剤をさらに含んでもよく、結合剤としては、フィッシュソルブルまたは廃蜜糖が好ましい。(d)を含むバインダー層をコアの表面に形成させ、バインダー層を介してコーティング層を固着させることができる。
「フィッシュソルブル」とは、魚類の加工場から出る頭、内臓の煮液から骨、鱗、油脂を取り除き、液状または乾燥させたものをいう。フィッシュソルブルの原料となる魚の種類や部位は特に限定されないが、例えば、カツオの頭、骨、内臓、皮などを原料とすることができる。フィッシュソルブルは、バインダー層としてそのまま用いてもよく、水などの液体、およびその他の成分と混合して用いてもよい。フィッシュソルブルは、可溶性タンパク質などを豊富に含むことから、イネの発育にもよい影響を与え、環境にも優しい。「廃蜜糖」とは、サトウキビやテンサイの糖蜜から、繰り返し砂糖を結晶させた後に残る粘度の高い液をいう。
バインダー層の配合量は特に限定されないが、粒剤が分散した後で崩壊するよう、粒剤の分散性や崩壊性を妨げない量であることが好ましい。したがって、バインダー層の配合量は、構成成分によって異なるが、例えば、藻類防除剤全体量に対して、0.01〜10.0重量%であり、好ましくは0.1〜5.0重量%であり、より好ましくは0.5〜2.0重量%である。
藻類防除剤は、上記成分に加え、イネに使用されている任意の殺藻成分、除藻成分、殺菌成分、殺虫成分、除草成分や、粒剤に通常配合される増量剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、安定化剤、添加剤を、目的に応じてそれぞれ単独であるいは組み合わせて使用することができる。
コアと各層の配合比は特に限定されないが、例えば、コア、コーティング層、任意のバインダー層の重量比(コアの重量:コーティング層の重量:バインダー層の重量)は、80〜99.99:0.01〜15:0.01〜10であり、好ましくは85〜99.5:0.1〜10:0.1〜5であり、より好ましくは90〜99:0.5〜7:0.5〜2である。
藻類防除剤の使用量や散布方法は、藻類の発生状況、発生時期、使用目的により適宜調整することができる。例えば、移植直後の富栄養化で藻類が発生した場合や、直播栽培の入水後に藻類が発生した場合に、水質の浄化を目的に使用する場合、スポット処理で1.0〜6.0kg/100m、好ましくは2.0〜5.0kg/100m、より好ましくは2.0〜3.0kg/100mを散布し、全面処理で2.0〜8.0kg/100m、好ましくは3.0〜7.0kg/100m、より好ましくは2.5〜6.0g/100m散布する。散布方法は、処理方法や散布範囲により適宜選択することができるが、手または動力散布機で全面またはスポット散布してもよく、容器中で藻類防除剤を水に浸漬させ、必要に応じて撹拌後に水田に流し込んでもよい。
藻類防除剤の製造方法は特に限定されず、農業用粒剤を調製するために使用される一般的な方法により調製することができる。例えば、(1)(a)を含むコアを調製する工程;(2)(b)および(c)を含むコーティング組成物を調製する工程;(3)工程(1)で調製した(a)を含むコアの表面に、工程(2)で調製した(b)および(c)を含むコーティング組成物を施してコア上にコーティング層を備える粒剤の形態とする工程;により藻類防除剤を製造することができる。場合によっては、工程(3)の前に、(4)(d)を含むバインダー組成物を調製し、工程(1)で調製した(a)を含むコアの表面に、調製したバインダー組成物と、工程(2)で調製した(b)および(c)を含むコーティング組成物とを施して、コア上にバインダー層とコーティング層を備える粒剤の形態とする工程;をさらに含むことで、バインダー層を介してコーティング層をコアに固着させてもよい。
より具体的には、工程(1)において、(a)と任意の添加剤とを混合し、任意の造粒・乾燥・整粒工程を経てコアを調製する。つぎに、工程(2)において、植物性担体(例えば、米ぬか)に(b)および(c)を添加してコーティング層を調製する。さらに、工程(3)において、調製したコアを、撹拌混合機に仕込み、必要に応じて調製したバインダーを加えてコアの表面にバインダー層を施した後に、上記で調製したコーティングを加えてさらに攪拌し、粒の表面にコーティング層を施すことができる。必要に応じて、任意の増量剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、安定化剤、添加剤を加えることもできる。任意の殺藻成分、除藻成分、殺菌成分、殺虫成分、除草成分と組み合わせて使用する場合、一緒に製剤化して粒剤としてもよく、任意の追加の有効成分と本剤とを順番に散布することもできる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
実施例1:藻類防除効果の評価
[粒剤の調製]
結晶形態の硫酸鉄(II)七水和物(ZUNZI CHEMICAL INTERNATIONAL CO., LTD.製、平均粒径:3000〜6000μm)を粒剤のコアとして使用した。光合成細菌(商品名:Photosynthetic bacteria、CANGZHOU TIANYU FEED ADDITIVE CO.,LTD.製、菌体濃度:生菌数10〜12億個/g)(1g)とバチルス属細菌(商品名:UNIGROW、Dongguan Baode Biological Engineering Co.,Ltd. (WINNERWAY)製、バチルス サブチリスの菌体濃度:生菌数10〜12億個/g、バチルス ラテロスポールスの菌体濃度:生菌数10〜12億個/g)(2g)を米ぬか(5kg)に均一に分散させ、コーティング組成物を調製した。つぎに、撹拌混合機にコア(100kg)を仕込み、フィッシュソルブル((株)焼津マリーンセンター製)(1kg)を加えて、コアの表面にフィッシュソルブルが均一に固着するよう混合したあと、撹拌混合機に調製したコーティング組成物をさらに添加し、コーティングがコアにバインダーを介して均一に固着するようにさらに混合した。得られた粒状固形物を、45℃で2時間乾燥させ粒剤1を得た。
[評価方法]
藻が繁殖した湛水下水田(A〜C区:各100m)について、A区およびB区には調製した粒剤1(2kg)を手で均一になるようにそれぞれ直接散布した。C区はB区の隣接水田であり、対照水田として、粒剤1を散布せずに藻の繁殖状態の観察を行った。散布前後の藻類の繁殖状態を表1に示し、藻類の防除効果を視覚的に確認し、専門家5名が次の評価基準に従って判定した:評価1(田面全体に藻類が発生)、評価2(田面の約80%に藻類が発生)、評価3(田面の約50%に藻類が発生)、評価4(田面の20%に藻類が発生)、評価5(田面に藻類の繁殖がほぼ見られない)。
[評価結果]
図1の写真から確認できるように、水田A区では、散布前には稲株が見えないほど藻の発生が見られたが、処理翌日には膜が崩れ、処理6日後には稲株がはっきり見えるようになった。図2の写真から確認できるように、水田B区では、散布前には田面は藻で覆われ、土壌が見えない状態だったが、処理翌日には水質が改善され、土壌が見えるようになった。また、水田B区とC区での藻の発生状況を比較した図2および3の写真から確認できるように、水田B区では処理1日後から水質が改善され、処理2日後には稲株がはっきり見えるようになったのに対し、粒剤1を用いなかった水田C区では、処理1日後の田面は藻で覆われたままであり、処理2日後にはさらに藻が繁殖した。一方で、水田A〜C区のイネの生育状況に変化はなく、粒剤1がイネに対する薬害がないことも確認された。粒剤1は、水田への散布が非常に簡単であるとともに、迅速に効果を発揮することが明らかとなった。また、湛水下水田における藻類の発生を抑制し水質を大幅に改善することから、表層剥離などのその他の水質汚染に起因する水稲栽培における悪影響の発生も防止することが可能である。さらには、有効成分の硫酸鉄(II)、光合成細菌およびバチルス属細菌は自然界に存在する成分であることからも、環境に対する影響が小さい点でも有利である。
硫酸鉄(II)、光合成細菌およびバチルス属細菌を組み合わせて用いることで、湛水下水田に発生する藻類を効果的に防除できる技術を提供することができる。

Claims (10)

  1. (a)硫酸鉄(II)およびその水和物からなる群から選択される1つ以上の化合物;
    (b)光合成細菌;および
    (c)バチルス属細菌;
    を有効成分として含有する湛水下水田用の藻類防除剤であって、
    (a)を含むコアと(b)および(c)を含むコーティング層とを備える粒剤の形態を有する、上記藻類防除剤。
  2. 前記(a)が、硫酸鉄(II)・7水和物である、請求項1に記載の藻類防除剤。
  3. 前記(c)が、バチルス サブチリス(Bacillus subtilis)とバチルス ラテロスポールス(Bacillus laterosporus)との組み合わせである、請求項1または2に記載の藻類防除剤。
  4. 前記コーティング層が、米ぬか、ふすま、大豆ミールおよびナタネ油粕からなる群から選択される1つ以上の植物性担体と、植物性担体に均一に分散されている(b)および(c)とを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の藻類防除剤。
  5. 前記藻類防除剤は、
    (d)フィッシュソルブル、廃蜜糖、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、およびデンプンからなる群から選択される1つ以上の結合剤;
    をさらに含み、
    (a)を含むコアと、(d)を含むバインダー層と、(b)および(c)を含むコーティング層とが積層されてなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の藻類防除剤。
  6. 藻類が、藍藻類、緑藻類、黄緑藻類、および珪藻類からなる群から選択される1つ以上の藻類である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の藻類防除剤。
  7. 平均粒径が、300〜10000μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の藻類防除剤。
  8. (a)硫酸鉄(II)およびその水和物からなる群から選択される1つ以上の化合物;
    (b)光合成細菌;および
    (c)バチルス属細菌;
    を有効成分として含有する湛水下水田用の藻類防除剤の製造方法であって、
    (1)(a)を含むコアを調製し、
    (2)(b)および(c)を含むコーティングを調製し、
    (3)工程(1)で調製した(a)を含むコアの表面に、工程(2)で調製した(b)および(c)を含むコーティングを施してコア上にコーティング層を備える粒剤の形態とする、
    上記藻類防除剤の製造方法。
  9. 前記藻類防除剤は、
    (d)フィッシュソルブル、廃蜜糖、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、およびデンプンからなる群から選択される1つ以上の結合剤;
    をさらに含み、
    (a)を含むコアと、(d)を含むバインダー層と、(b)および(c)を含むコーティング層とが積層されてなる、請求項8に記載の藻類防除剤の製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の藻類防除剤を、藻類の発生前または発生後に、湛水下水田に直接散粒することにより、藻類の発生を防除する方法。
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