JP6624001B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技球の進入を許容する進入許容状態と遊技球の進入を禁止する進入禁止状態とを切り替え可能な可変入賞装置を備えており、始動条件が成立したことに基づいて行われる抽選において大当りに当選した場合に、可変入球部を進入許容状態に切り替えることで特別遊技状態を発生する構成が知られている。
特開2014−004177号公報
しかしながら、上記遊技機のように、特別遊技状態において進入許容状態に切り替えられた可変入賞装置を狙って遊技球を発射することで多数の賞球を獲得可能な遊技機においては、未だ改良の余地があった。
そこで、本発明に係る遊技機では、特別遊技状態において進入許容状態に切り替えられた可変入賞装置を狙って遊技球を発射することで好適に遊技価値を獲得させることが可能な遊技機を提供することを目的としている。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
遊技球の進入が許容される進入許容状態と該進入許容状態より遊技球が進入し難い進入規制状態とを切り替え可能な可変入球部を有し、始動条件が成立したことに基づいて行われる所定の抽選により所定の抽選結果が得られた場合に前記可変入球部を前記進入許容状態に切り替えて通常遊技状態より有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、
前記可変入球部を少なくとも含み、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値が付与される価値付与入球部と、
前記可変入球部より上流側に配設されて左右方向に並ぶ複数の流下経路を含む球通路であって、前記可変入球部が前記進入許容状態にある場合には当該球通路に進入した遊技球の全てを前記価値付与入球部に案内可能な第1球通路と、
該第1球通路に進入し得ない領域に遊技球を案内する案内通路と、
前記第1球通路の上流側に連設されて、前記案内通路への分岐口が形成された球通路であって、当該球通路に進入した遊技球を前記第1球通路または前記案内通路に案内する第2球通路と、
該第2球通路の上流側に連設されて左右方向に並ぶ複数の流下経路を含む球通路であって、当該球通路に進入した遊技球を前記第2球通路に案内する第3球通路と、
を備え、
前記第1球通路および前記第3球通路は、前記第2球通路より太い通路部が上下方向に連続する区間を少なくとも有して構成され、
前記可変入球部は、前記第1球通路に対して下流側に設けられ、前記第球通路において複数の流下経路が左右方向に並んで配置される出口部分における横幅より横長の入球口を有して構成され、前記可変入球部が前記進入許容状態にある場合に当該出口部分より下方に流下する遊技球の全てが進入可能に構成されていることを特徴としている。
本発明に係る遊技機であれば、特別遊技状態において進入許容状態に切り替えられた可変入賞装置を狙って遊技球を発射することで好適に遊技価値を獲得させることが可能な遊技機を提供することができる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 遊技盤の部分拡大正面図 遊技盤の部分拡大正面図 遊技盤の変形例の部分拡大正面図 第2実施形態のパチンコ機における遊技盤の右側を部分的に拡大した正面図 第2実施形態のパチンコ機における遊技状態の進行を表すフローチャート 有利変動状態における下大入賞装置の動作を表すタイミングチャート 離席可能情報が表示された装飾図柄表示装置の一例を示す正面図 第3実施形態に係るパチンコ機における遊技盤の正面図 第3実施形態のパチンコ機における遊技盤の右側を部分的に拡大した正面図
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側又は、中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に遊技盤400に発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触することとなる入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図7には図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図7には図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出されることとなる。なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
なお、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。なお、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と実質的に同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類ごとに大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の回数(例えば、1回)だけ所定の最大進入許容時間(例えば、0.2秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合よりも多い所定の回数(例えば、2回)だけ非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、4.8秒)に亘って間欠的に進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、約0.1秒×1回)が時短状態における滞在時間(例えば、約4.8秒×3回)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技することとなる。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技することとなる。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行うこととなる。なお、下大入賞装置433及び上大入賞装置434についても中央構造体420に対して右側に配置され、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行うこととなる。
本実施形態においては、戻り球防止機構404を超えるが分岐位置P1は超えないように飛翔する強度で遊技球を打ち出すことによって、左流下領域407を通して遊技球を流下させることができ、また、分岐位置P2を超えるように飛翔する強度で遊技球を打ち出すことによって、右流下領域408を通して遊技球を流下させることができ、更に、分岐位置P1は越えるが分岐位置P2は越えないように飛翔する強度で遊技球を打ち出すことによって、中流下領域409を通して遊技球を流下させることができる。なお、飛翔してきた遊技球は、通常遊技状態における左打ち遊技手法での遊技において、一般的な場合と同様に、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bに遊技球が進入し易くなるような打ち出し強度となるように、発射ハンドル252(図1及び図5参照)の回転操作量を調整し、また、時短遊技状態や確変遊技状態における右打ち遊技手法での遊技において、一般的な場合と同様に、遊技球の打ち出し強度が最大となるように、発射ハンドル252の回転操作量を最大の回転操作量に固定して、遊技球を打ち出す。但し、特別遊技状態における右打ち遊技手法での遊技においては、一般的な場合とは異なり、最大強度での遊技球の打ち出しと、分岐位置P1は越えるが分岐位置P2は越えないように飛翔する強度での遊技球の打ち出しとを選択的に行うために、発射ハンドル252の回転操作量を適宜に切り替えて、遊技球を打ち出す。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、主制御基板920からの設定表示信号や初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。なお、主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報が初期化されることとなる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。なお、主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させることとなる。逆に、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力することとなり、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させることとなる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識することとなる。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。
主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの実質的に全領域の情報を消去するか否かが判定される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの実質的に全領域の情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰することとなる。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行されることとなる。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止されることとなる。その後に、パチンコ機100の実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は実質的になんらの処理も行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行されることとなる。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としてはカウンタごとに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、カウンタごとの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、実質的な処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させることとなる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出されるごとに1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定されるごとに1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行するごとに(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。なお、合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力されることとなる。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<遊技球の流下態様>
次に、図13及び図14を参照して、遊技領域における遊技球の流下態様について説明する。図13は、遊技盤400の上側を部分的に拡大した正面図であり、図14は、遊技盤400の右側を部分的に拡大した正面図である。なお、必要に応じて、図7も参照する。
遊技盤400において、図7に示すように、概ね外レール402及び内レール403によって区画される遊技領域が形成されており、遊技領域には、中央構造体420等の各種の構造物や、下大入賞装置433及び上大入賞装置434等の各種の装置が設けられている。遊技領域内における遊技球の飛翔は、発射装置330から打ち出される際の打ち出し強度と外レール402の形状とよって決まる。ここで、「遊技球の飛翔」とは、戻り球防止機構404を超えた遊技球が外レール402以外の部材と接触するまでの移動を意味することとする。発射装置330から打ち出される遊技球の打ち出し強度は、発射操作装置250の発射ハンドル252(図1及び図5参照)の回転操作量に比例し、発射ハンドル252の最大の回転操作量は略120°である。発射ハンドル252が遊技者によって回転操作されている場合に、遊技球は、発射装置330から略0.6秒間隔で打ち出される。なお、発射ハンドル252が遊技者によって回転操作されている場合であっても、発射停止スイッチ255(図5参照)が押下されると、遊技球の打ち出しは停止される。
外レール402において遊技領域の上側の境界を決める円弧状の部分の傾斜(パチンコ機100の左右方向に対する外レール402の接線の傾斜)は、図7に示されたように、戻り球防止機構404の配置された近傍において略50度の右上がりの傾斜であり、反跳防止部材405の配置された近傍において略45度の右下がりの傾斜である。発射装置330から最大強度で打ち出された遊技球は、外レール402の円弧状の部分に沿うように飛翔する。なお、以下において、最大強度で打ち出された遊技球の飛翔軌道を「最大飛翔軌道」と称する。
中央構造体420の上部には、図13に示すように、中央構造体420の最大高さ位置であって、外レール402の傾斜が右上がりの略5度である部位に対向する分岐位置P1から、左下がりの左壁部421が形成されている。なお、分岐位置P1は、遊技領域の左端T1(図7参照)と右端T2(図7参照)との間の最大幅W(図7参照)を基準とすると、遊技領域の左端T1から最大幅Wの略45%の幅だけ中央側の位置である。
戻り球防止機構404を超えるが分岐位置P1は超えないような強度(最大強度の略20%以上45%未満)で打ち出された遊技球は、外レール402において分岐位置P1に対向する部位よりも手前で最大飛翔軌道から離脱して釘411や左壁部421に衝突し、中央構造体420の左外縁側に形成された左流下領域407を流下する。
また、中央構造体420の上部には、外レール402の傾斜が右下がりの40度である部位に対向する分岐位置P2から略40度の右下がりの右壁部422が形成されている。なお、分岐位置P2は、遊技領域の最大幅Wを基準とすると、遊技領域の左端T1から最大幅Wの概ね80%の幅だけ右側の位置である。分岐位置P2を超える強度(最大強度の75%以上)で打ち出された遊技球は、右流下領域408を流下する。なお、右流下領域408は、図14に示すように、右壁部422によって分岐通路408Aに遊技球を案内する領域と、分岐通路408Aと、湾曲通路408Bとで形成されている。
具体的には、最大強度で打ち出された遊技球は、最大飛翔軌道に沿って飛翔して反跳防止部材405に衝突し、右流下領域408の流下を開始する。また、最大強度よりも弱い所定の強度範囲(最大強度の80%以上で最大強度未満の範囲)で打ち出された遊技球は、最大強度で打ち出された場合よりも遅い速度で、最大飛翔軌道に沿って反跳防止部材405まで飛翔し、右流下領域408における流下を開始する。反跳防止部材405に衝突した遊技球は、その後、中央構造体420の右外縁側に形成され、中間部分が2つに分岐する分岐通路408A及び分岐通路408Aに連通する湾曲通路408Bを通して、下大入賞装置433や上大入賞装置434の上方に案内される。また、更に弱い所定の強度範囲(最大強度の75%以上で最大強度の80%未満の範囲)で打ち出された遊技球は、途中で最大飛翔軌道から外れて右壁部422に衝突し、右流下領域408における流下を開始する。右壁部422に衝突した遊技球は、その後、反跳防止部材405に向けて反跳して反跳防止部材405に衝突し、分岐通路408Aに進入する。
更に、中央構造体420の上部には、左壁部421と右壁部422との間において、左壁部421の右端(分岐位置P1)から右下がりに湾曲し、右壁部422の左端(分岐位置P2)の下方まで至る中壁部423が形成されている。また、中央構造体420の右端部には、遊技球を滑らかに案内する案内通路424が形成されている。中壁部423の右端と右壁部422の左端との段差部分が案内通路424への進入口424Aとなっており、進入口424Aに進入した遊技球は、上大入賞装置434の左上方に形成された放出口424Bから放出される。なお、中壁部423によって案内通路424へ遊技球を案内する領域と案内通路424とによって、中流下領域409が形成されている。
所定の強度範囲(最大強度の45%以上で最大強度の75%未満の範囲)で打ち出された遊技球は、途中で最大飛翔軌道から外れて中壁部423に衝突し、中流下領域409における流下を開始する。中壁部423に衝突した遊技球は、その後、僅かに反跳するものの、概ね中壁部423に沿って円滑に案内通路424の進入口424Aに案内される。なお、中壁部423は、分岐位置P1から右側に離れるにつれて傾斜が急峻となる形状であり、遊技球が中壁部423のいずれの位置で衝突したとしても、中壁部423と薄い角度でしか反跳せず、進入口424Aに向かうように反跳させることができる。また、案内通路424は、遊技盤400の基体401面に沿って平面的に多段階に曲折する形状であり、遊技球は案内通路424においても進入口424Aから放出口424Bまで滑らかに案内される。
案内通路424の形状は、遊技球が分岐位置P1を超えるが分岐位置P2を越えない所定の強度で打ち出されてから中流下領域409を通して上大入賞装置434に到達する場合の時間が、遊技球が最大強度で打ち出されてから右流下領域408を通して上大入賞装置434に到達する場合の時間よりも、発射装置330による最短の発射間隔に対応する時間(例えば、0.6秒)だけ長くなるように調整されている。上大入賞装置434と下大入賞装置433は近接して上下に配置されており、また、それらの間に遊技球の流下に変化を与える部材が設けられていないために、中流下領域409を通して下大入賞装置433に進入する場合と右流下領域408を通して下大入賞装置433に進入する場合の時間差は、上大入賞装置434に対する場合と略同一となる。なお、中流下領域409を通して上大入賞装置434又は下大入賞装置433に到達する場合の時間や、右流下領域408を通して上大入賞装置434又は下大入賞装置433に到達する場合の時間としては、多数の試行に基づく頻度分布における最頻値に対応する時間、その頻度分布に基づく平均時間、その頻度分布に基づく加重平均時間等を採用することができる。
ここで、上大入賞装置434及び下大入賞装置433の動作及びそれらにおける遊技球の挙動について説明する。
第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選によって大当りに当選した場合には、特別遊技状態の態様が決定され、決定された態様の特別遊技状態へと移行する。具体的には、継続ラウンド数の少ない短期(本形態では6ラウンド)の特別遊技状態、又は、継続ラウンド数の多い長期(本形態では16ラウンド)の特別遊技状態となる。特別遊技状態の各ラウンドにおいて、最大進入許容時間(本形態では29.5秒)が経過した場合、又は、規定数(本形態では8球)の遊技球が上大入賞スイッチ444(図10参照)や下大入賞スイッチ443(図10及び図14参照)によって検出された場合に、上大入賞装置434及び下大入賞装置433が進入許容状態から進入禁止状態へと変化する。なお、通常は、規定数の遊技球が上大入賞スイッチ444や下大入賞スイッチ443によって検出されることによって、進入許容状態から進入禁止状態へと変化する。
ここで、上大入賞装置434に進入した遊技球の挙動及びその検出について説明する。上大入賞装置434の進入許容状態において、上進入規制機構454(図7参照;図14においては省略)は上端部が前方側に突出するように傾斜しており、遊技球の直径の略5倍の横幅の進入口434Aを通して遊技球が進入可能となっている。上大入賞装置434に到達した遊技球は、上進入規制機構454によって奥方に誘導されて、進入口434Aに進入する。上大入賞装置434の内部には、右端から僅かに中央側に形成され、奥方に遊技球を案内する奥方案内通路部434Bと、奥方案内通路部434Bの左方において右下がりに傾斜する左側傾斜通路部434Cと、奥方案内通路部434Bの右方において左下がりに傾斜する右側傾斜通路部434Dとが形成されている。上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444は、奥方案内通路部434Bに設けられており、上大入賞装置434に進入した遊技球は、奥方案内通路部434Bを通して、左側傾斜通路部434Cや右側傾斜通路部434Dよりも奥方に案内された後に検出される。
右流下領域408を通して上大入賞装置434に進入する遊技球の主要な進入経路は、右始動入賞装置432の左側を通過して、進入口434Aの略中央に進入する経路E1である。この経路E1を通して上大入賞装置434に進入した遊技球は、進入位置から奥方案内通路部434Bまでの左側傾斜通路部434Cに沿った移動距離が短いために左側傾斜通路部434Cにおいて大きく加速されることはない。したがって、経路E1を通して上大入賞装置434に進入した遊技球は、奥方案内通路部434Bを一旦超えて右側傾斜通路部434Dへ移動した後に奥方案内通路部434Bに戻るような奥方案内通路部434Bの前方での左右方向の往復運動を行うことは殆どなく、概ね滑らかに奥方案内通路部434Bに進入する。右流下領域408を通して上大入賞装置434に進入した場合、遊技球が上進入規制機構454に到達してから上大入賞スイッチ444によって検出されるまでの時間は、概ね0.2秒程度である。したがって、右流下領域408を流下するように遊技球を打ち出し続けたとしても、発射装置330から遊技球を打ち出す最短の発射間隔が略0.6秒であるために、先行の遊技球が釘等との干渉によって偶発的に大幅に遅く流下したり、後続の遊技球が偶発的に大幅に速く流下したりしなければ、先行の遊技球が上進入規制機構454に到達してから上大入賞スイッチ444によって検出されるまでの間に、後続の遊技球が上進入規制機構454に到達することはない。
一方、中流下領域409を通して上大入賞装置434に進入する遊技球の主要な進入経路は、右流下領域408を通した場合よりも左側であって、進入口434Aの左端近傍に進入する経路E2である。この経路E2を通して上大入賞装置434に進入した遊技球は、稀に滑らかに奥方案内通路部434Bに進入することはあるものの、奥方案内通路部434Bの前方で左右に往復運動してから奥方案内通路部434Bに進入する。これによって、遊技球が上進入規制機構454に到達してから上大入賞スイッチ444によって検出されるまでの時間は、右流下領域408を通して上大入賞装置434に到達した場合よりも、上大入賞装置434の内部で案内される距離が長いために、また、奥方案内通路部434Bの前方で左右に往復運動してから奥方案内通路部434Bに進入するために長くなり、概ね0.4秒である。したがって、中流下領域409を流下するように遊技球を打ち出し続けたとしても、発射装置330から遊技球を打ち出す最短の発射間隔は0.6秒であるために、先行の遊技球が上進入規制機構454に到達してから上大入賞スイッチ444によって検出されるまでの間に、後続の遊技球が上進入規制機構454に到達することはない。なお、遊技球が上進入規制機構454に進入してから上大入賞スイッチ444によって検出されるまでの時間は、中央構造体420の右側を流下するように遊技球を打ち出し続けた場合よりも長くなるが、案内通路424が滑らかに遊技球を案内するために、中央構造体420の右側を流下するように遊技球を打ち出し続けた場合よりも偶発的に先行の遊技球が大幅に遅く流下したり、後続の遊技球が大幅に速く流下したりする可能性は低くなる。
下大入賞装置433に進入した遊技球の挙動及びその検出について説明する。下大入賞装置433の進入許容状態において、下進入規制機構453は後方側に没入しており、遊技球の直径の略5倍の横幅の進入口433Aを通して遊技球が進入可能となっている。下大入賞装置433の内部には、下大入賞スイッチ443に遊技球を案内する左下がりに傾斜する中央傾斜通路部433Bと、中央傾斜通路部433Bの左上方に形成され、右下がりに傾斜する左側傾斜通路部434Cと、中央傾斜通路部433Bの右側に形成され、左下がりに傾斜する右側傾斜通路部434Dとが形成されている。
右流下領域408を通して下大入賞装置433に進入する遊技球の主要な進入経路は、経路E3である。この経路E3を通して下大入賞装置433に進入した遊技球は、中央傾斜通路部433Bに直接に進入し、中央傾斜通路部433Bに沿って左方に案内されて下大入賞スイッチ443によって検出される。遊技球が下進入規制機構453を通過してから下大入賞スイッチ443によって検出されるまでの時間は、概ね0.2秒程度である。
一方、中流下領域409を通して下大入賞装置433に進入する遊技球の主要な進入経路は、経路E4である。経路E4を通して下大入賞装置433に進入した遊技球は、左側傾斜通路部433Cによって一旦中央傾斜通路部433Bの右端側に案内された後に、中央傾斜通路部433Bに沿って左方に案内されて下大入賞スイッチ443によって検出される。この場合、下大入賞装置433に進入してから下大入賞スイッチ443に到達するまでに移動する距離が右流下領域408を通して下大入賞装置433に到達した場合よりも長くなるために、遊技球が下進入規制機構453を通過してから下大入賞スイッチ443によって検出されるまでの時間は長くなり、概ね0.4秒である。なお、右流下領域408を流下するように遊技球を打ち出し続けたとしても、また、中流下領域409を流下するように遊技球を打ち出し続けたとしても、発射装置330から遊技球を打ち出す最短の発射間隔が略0.6秒であるために、先行の遊技球が下進入規制機構453を通過してから下大入賞スイッチ443によって検出されるまでの間に、後続の遊技球が下進入規制機構453を通過することはない。
<特別遊技状態における遊技手順>
次に、特別遊技状態における遊技手順について説明する。上大入賞装置434や下大入賞装置433の各ラウンドの進入許容状態において、右流下領域408を通して上大入賞装置434や下大入賞装置433に遊技球を進入させるために、最大強度で遊技球を打ち出す。なお、右流下領域408に遊技球を流下させるためには、上述のように、最大強度の75%以上の強度で打ち出せばよいが、それらの強度範囲から所定の強度を選択したとしても、遊技球の流下態様は殆ど変化しないために、最大強度以外の強度で打ち出す必要性がない。
また、上大入賞装置434や下大入賞装置433の各ラウンドの進入許容状態において、中央構造体420の略中央に配置された装飾図柄表示装置479には、特別遊技状態中の演出に加えて、規定数までの残りの遊技球の個数(進入待残数)や進入許容状態となっている残り時間(進入許容残時間)が報知される。また、最適な遊技進行を補助する情報が適宜に報知される。
遊技者は、進入待残数と進入許容時間とを監視しながら、右流下領域408を通して遊技球を流下させる最大強度での打ち出しを、それより弱い強度であって中流下領域409を通して遊技球を流下させように打ち出しに変更するタイミングを計ることとなる。
以下に、具体的な遊技進行について説明する。特別遊技状態が開始されると、装飾図柄表示装置479において、発射ハンドル252を最大の回転操作量で回転して、右流下領域408を通して遊技球を流下させるように指示する情報が報知される。更に、規定数の最後の遊技球を上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入させるための打ち出しに際して発射ハンドル252を適切に操作して遊技球の発射強度を調節すれば、特典を受けられる可能性があることが報知される。具体的には、特典を受けるためには、規定数まで残り1球となるまで上大入賞装置434や下大入賞装置433に遊技球を進入させた後に、中流下領域409を通して流下させるように発射ハンドル252の回転操作量を減らして遊技球を打ち出し、その後、発射ハンドル252の回転操作量を最大の回転操作量に戻して、右流下領域408を通して流下させるように遊技球を打ち出す必要があることが報知される。
遊技者は、発射ハンドル252を最大回転量で回転させて、遊技球の打ち出しを開始する。まず、規定数よりも1球だけ少ない遊技球を打ち出し、一旦、遊技球の打ち出しを停止する。打ち出された遊技球の少なくとも1球が上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入しなかった場合には、その進入しなかった個数分だけ追加で遊技球を打ち出す。必要に応じてこのような打ち出しを繰り返し、規定数よりも1球だけ少ない遊技球を上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入するまで、つまり、進入待残数が「1」となるまで、この打ち出しを繰り返す。
進入待残数が「1」となると、次の遊技球が中流下領域409を通して流下するように、最大の回転操作量の50%以上であって75%未満となるように発射ハンドル252の回転操作量を調節して遊技球を打ち出し、その遊技球に連続してその次の遊技球が右流下領域408を通して流下するように遊技球を打ち出す。なお、装飾図柄表示装置479においては、進入待残数が「1」となったときに、進入許容残時間が所定の時間(例えば、5秒)未満である場合には、上記のような変則的な打ち出しを行わず、通常の打ち出しを行うように報知する。これは、変則的に打ち出しを行った場合に、2球の遊技球の双方が、上大入賞装置434や下大入賞装置433の進入許容状態である間に到達できない事態の発生を防止するためである。
このようにして打ち出され、中流下領域409を通して流下する遊技球及び右流下領域408を通して流下する遊技球の双方は、上大入賞装置434や下大入賞装置433に高確率で進入することとなる。
次に、以上説明したパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
パチンコ機100においては、中流下領域409を通して流下するように遊技球が打ち出され、その遊技球に引き続き最短の発射間隔で打ち出される遊技球が右流下領域408を通して流下するように打ち出された場合に、それらの遊技球が高確率で概ね同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433に到達する。したがって、上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入した遊技球の個数が規定数まであと1球である場合に、上記のような打ち出し調整を行えば、打ち出された遊技球の双方を高確率で上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入させることができる。これによって、特別遊技状態において獲得できる賞球数を増加させることが可能となる。このように、パチンコ機100であれば、遊技者による所定の発射ハンドルの回転操作量の調節(遊技球の発射強度の調節)によって、賞球数の増加等の特典を享受できることともなる。
更に、上記のような打ち出し調整において、遊技者による発射ハンドル252の回転操作量の切り替えが必要となり、特別遊技状態において上大入賞装置434や下大入賞装置433に所定の個数の遊技球を進入させる際の遊技の単調さが軽減され、特別遊技状態の遊技性が向上する。また、上記のような打ち出し調整の前において、上大入賞装置434や下大入賞装置433へ進入する遊技球の個数を調整するために、遊技球の打ち出しを一旦停止したりする操作が必要となり、また、上大入賞装置434や下大入賞装置433の残り開放時間を監視したりする必要となり、特別遊技状態において上大入賞装置434や下大入賞装置433に所定の個数の遊技球を進入させる際の遊技の単調さが軽減される。これによって、特別遊技状態の遊技性が更に向上する。
また、パチンコ機100においては、中流下領域409を通して流下するように打ち出された先行の遊技球が、右流下領域408を通して流下するように打ち出された後続の遊技球よりも長い行路を経て上大入賞装置434や下大入賞装置433に到達するように案内通路の形状が設計されているために、中流下領域409を通して流下する遊技球と、右流下領域408を通して流下する遊技球とを概ね同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入させることが可能となる。
また、パチンコ機100においては、中流下領域409を通して流下するように打ち出された遊技球は、右流下領域408を通して流下するように打ち出された遊技球に比べて、略最短の発射間隔時間と同一の時間だけ遅く、上大入賞装置434や下大入賞装置433に到達するように案内通路の形状が設計されているために、遊技球の打ち出しを停止することなく、発射ハンドルの回転操作量を変更すれば、それらの遊技球を概ね同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433に到達させることができる。これによって、中流下領域409を通して流下するように遊技球を打ち出した後に、一旦、遊技球の打ち出しを停止し、その遊技球の流下状況を判断して、次の遊技球が右流下領域408を通して流下するように打ち出しを再開する場合に比べて、簡便に、中流下領域409を通して流下するように打ち出された遊技球と、中流下領域409を通して流下するように打ち出された遊技球とを上大入賞装置434や下大入賞装置433の近傍に到達させることができる。
また、パチンコ機100においては、中流下領域409を通して流下するように打ち出された遊技球は、中壁部423のいずれの位置に飛来してきたとしても概ね円滑に案内通路424の進入口424Aに案内され、その後、案内通路424を通して滑らかに放出口424Bまで案内される。更に、放出口424Bから放出された遊技球は、放出口424Bが上大入賞装置434や下大入賞装置433の近傍に形成されているために、それらの装置へ円滑に所定の確率で案内される。これによって、中流下領域409を通して流下するように打ち出された遊技球は、右流下領域408を通して流下するように打ち出された遊技球に比べて、長い行路を経て上大入賞装置434や下大入賞装置433に到達するが、発射装置330から打ち出されてから上大入賞装置434や下大入賞装置433に到達するまでの時間のずれは小さくでき、中流下領域409を通して流下する遊技球と、右流下領域408を通して流下する遊技球とを概ね同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入させることが可能となる。
また、中流下領域409を通して流下するように打ち出した後に、右流下領域408を通して流下するように打ち出しを変更するために、その逆の構成、つまり、中流下領域409を通して流下するように打ち出された遊技球が右流下領域408を通して流下するように打ち出された遊技球に比べて略最短の発射間隔時間と同一の時間だけ早く上大入賞装置434や下大入賞装置433に到達するように案内通路の形状が設計されている場合であって、右流下領域408を通して流下するように打ち出した後に中流下領域409を通して流下するように打ち出しを変更する構成に比べて、確実に、先行して打ち出される遊技球を、中流下領域409を通して流下させると共に、後続して打ち出される遊技球を、右流下領域408を通して流下させることができる。これは、右流下領域408を通して遊技球を流下させる場合には、発射ハンドル252を最大限に回転させればよいが、中流下領域409を通して遊技球を流下させる場合には、発射ハンドル252の回転操作量を中間的な回転操作量に適切に調節する必要があり、その調節を誤れば、中流下領域409を通して遊技球を流下させようとしたにも関わらず、左流下領域407を通して遊技球を流下させることとなったり、右流下領域408を通して遊技球を流下させることとなったりするからである。
また、パチンコ機100においては、特典を享受するために必要な操作及びその操作のタイミングが報知されるために、すべての遊技者に対して特典を得るための機会を与えることができ、特定の遊技者のみに特典が付与されることを抑制できる。
また、パチンコ機100においては、中流下領域409を通して流下するように打ち出された遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入する主たる経路及び部位を、右流下領域408を通して流下するように打ち出された遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入する主たる経路及び部位と異ならせたために、それらの遊技球が概ね同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433の近傍に到達したとしても、それらの遊技球同士が干渉して概ね同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入しないような状況の発生を抑制することができる。
また、パチンコ機100においては、中流下領域409を通して流下して上大入賞装置434や下大入賞装置433に到達するまでの遊技球ごとの時間差、特に、平均的な時間よりも遅れる時間が、右流下領域408を通して流下して上大入賞装置434や下大入賞装置433に到達するまでの遊技球ごとの時間差、特に平均的な時間よりも遅れる時間よりも小さくなるように構成されると共に、中流下領域409を通して流下して上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入してから上大入賞スイッチ444や下大入賞スイッチ443によって検出されるまでの時間が長くなるように構成されている。これによって、右流下領域408を通して流下する遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433に到達するまでの時間が少し長くなったとしても、その遊技球を、中流下領域409を通して流下した遊技球が上大入賞スイッチ444や下大入賞スイッチ443によって検出されて上大入賞装置434や下大入賞装置433が進入禁止状態へと変化する前に、上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入させることができる。
<第2実施形態>
次に、図16から図19を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態に係るパチンコ機100においては、遊技者による発射ハンドル252の回転操作量の調節、すなわち、遊技球の発射強度(打ち出し強度)の調節によって、特別遊技状態において規定数を超える遊技球を上大入賞装置434または下大入賞装置433に進入させることが可能な構成であった。
これに代えて、第2実施形態に係るパチンコ機100においては、一定の発射速度で発射させた遊技球が進入できない位置に設けられた上側右始動入賞装置731に、遊技者による発射ハンドル252の回転操作量の調節によって遊技球を進入させることが可能に構成される。そして、所定の条件下で遊技球を上側右始動入賞装置731に進入させることで、特別遊技状態の後の遊技状態である有利変動状態において、予め決められている変動時間で単位遊技の変動表示が実行される。なお、以下の説明において、第1実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
まず、図16を参照して、第2実施形態に係るパチンコ機100における構造的な構成について説明する。図16は、第2実施形態のパチンコ機100における遊技盤400の右側を部分的に拡大した正面図である。
なお、図16では、遊技領域に設けられる主な構造物について、その概略的な外形を図示している。また、図16の図面においては、理解を容易にするために、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路QAの位置に「V」の文字を付して示すとともに、非特定通路QBの位置に「N」の文字を付して示す。また、図16では、下大入賞装置433に進入した遊技球を特定通路QAまたは非特定通路QBに振り分ける振分機構を図示するとともに、当該振分機構に対し「601」との番号を付し、流下する遊技球の一部を参考のために図示している。
図16に示すように、第2実施形態のパチンコ機100には、役連作動装置435に代えて、上側右始動入賞装置731が遊技盤400の右側に設けられている。上側右始動入賞装置731は、上側中始動入賞装置431Aおよび下側中始動入賞装置431Bと同様の、第1特別図柄に係る始動装置である。上側右始動入賞装置731における遊技球の入口部分は入賞口を構成し、当該入賞口に進入した遊技球は、右始動入賞装置432などの各入賞装置と同様、基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。
遊技盤400には、上側右始動入賞装置731に進入した遊技球を検出する上側右始動入賞スイッチが設けられている。当該上側右始動入賞スイッチは、中始動入賞スイッチ441A,441Bなどのスイッチと同様、主制御基板920に接続される。以下、上側右始動入賞装置731に進入した遊技球を検出する上側右始動入賞スイッチを、便宜上、「上側右始動入賞スイッチ741」として説明する。上側右始動入賞装置731に進入した遊技球を上側右始動入賞スイッチ741が検出した場合、中始動入賞装置431A,431Bに進入した遊技球を中始動入賞スイッチ441A,441Bが検出した場合と同様に第1特別図柄の始動入賞となる。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利を最大1回まで保留可能に構成される。一方、第2特別図柄に係る単位遊技の権利は、第1実施形態と同様、最大4回まで保留可能に構成される。
次に、同じく図16を参照して、本実施形態のパチンコ機100における遊技球の流下態様について説明する。図16に示すように、第2実施形態のパチンコ機100には、中央構造体420の上縁側と外レール402との間には、案内通路711が形成されている。発射装置330から発射された遊技球は、案内通路711に進入して案内通路711を通過することで、上側右始動入賞装置731などが設けられた右側の遊技領域に遊技球が案内される。
よって、案内通路711に進入可能な発射強度(すなわち、左流下領域407に遊技球を進入させるための発射強度の強度範囲より強い発射強度)で発射装置330から発射された(打ち出された)遊技球は、案内通路711に進入する。案内通路711に進入可能な発射強度の強度範囲は、例えば、最大の発射強度の45%以上である。
案内通路711には、右流下領域708および中流下領域709が連設されている。案内通路711を通過した遊技球は、右流下領域708の入口708Aまたは中流下領域709の入口709Aに進入する。入口708Aに進入した遊技球は経路E5を通って右流下領域708を流下し、入口709Aに進入した遊技球は経路E6を通って中流下領域709を流下する。
入口708Aおよび入口709Aのうち、入口708Aの方が、入口709Aより中央から離れる側(すなわち、戻り球防止機構404から遠い側)に位置するので、案内通路711に進入可能な発射強度の強度範囲のうち、最大の発射強度を含む所定の第1強度範囲(例えば、最大の発射強度の75%以上の強度範囲)で発射装置330から遊技球を発射することで、当該遊技球を、入口708Aから右流下領域708へと進入させることができる。
一方、案内通路711に進入可能な発射強度の強度範囲のうち、第1強度範囲より弱い所定の第2強度範囲(例えば、最大強度の45%以上で最大強度の75%未満の範囲)で発射装置330から遊技球を発射することで、当該遊技球を、入口709Aから中流下領域709に進入させることができる。
よって、遊技者は、遊技球の発射強度が第1強度範囲となるような所定の第1操作量(第1の回転操作量)で発射ハンドル252を回転操作することで、遊技球を右流下領域708に進入させることができ、遊技球の発射強度が第2強度範囲となるような所定の第2操作量(第2の回転操作量)で発射ハンドル252を回転操作することで、遊技球を中流下領域709に進入させることができる。つまり、遊技者は、発射ハンドル252の回転操作量を調節することで、右流下領域708または中流下領域709のうち自身が意図する流下領域にて遊技球を流下させることができる。
右流下領域708または中流下領域709を流下する遊技球は、各流下領域708,709を流下する遊技球がいずれも進入可能な合流領域710において他の遊技球による干渉を受けない場合に、経路E7を通って下流側へと流下し得る。経路E7を通って流下する遊技球は、始動装置436、右始動入賞装置432、上大入賞装置434、または下大入賞装置433に進入可能となる。
一方、右流下領域708を流下する遊技球(例えば、遊技球P1)が合流領域710にて中流下領域708を流下する遊技球(例えば、遊技球P2)に接触した場合、後者の遊技球により弾かれた前者の遊技球が経路E8を通って下流側へと流下し得る。遊技球が経路E8を通る場合、当該遊技球は上側右始動入賞装置731に進入する。
右流下領域708および中流下領域709は、それぞれ、遊技球が入口709Aから中流下領域709に進入した後、当該遊技球に連続して発射装置330から発射された遊技球が入口708Aから右流下領域708に進入した場合に、右流下領域708を流下する遊技球が合流領域710にて中流下領域708を流下する遊技球に接触し得る長さに構成されている。
よって、遊技者は、第2強度範囲の発射強度で遊技球を発射装置330から打ち出した後、当該遊技球に連続して後続の遊技球を第1強度範囲の発射強度で発射装置330から打ち出すことで、上側右始動入賞装置731に遊技球を進入(入賞)させることができる。つまり、上側右始動入賞装置731への遊技球の進入は、遊技者が上述のように発射ハンドル252の回転操作量を意図的に調節することによって可能となる。
次に、図17を参照して、本実施形態のパチンコ機100における遊技状態について説明する。図17は、本実施形態のパチンコ機100における遊技状態の進行を表すフローチャートである。
パチンコ機100の電源が投入されて遊技が開始される場合、図17に示すように、まずは、通常遊技状態からスタートする。遊技者は、通常遊技状態において、始動入賞によって単位遊技の権利を発生させて大当りの獲得を期待して遊技を実行することとなる。始動入賞によって単位遊技の権利が発生すると特別図柄(具体的には、第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示と確定停止とが行われ、特別図柄に係る単位遊技の大当り抽選に当選すると特別遊技状態へ遊技状態が移行する。大当り抽選に当選したか否かの判定は、特別図柄に係る単位遊技を制御する特別図柄関連処理S1217(図12参照)の一部の処理として実行される。
特別遊技状態においては、例えば、略30秒の大入賞装置(具体的には、下大入賞装置433および上大入賞装置434)が所定回数(具体的には、5回)だけ作動する。特別遊技状態においては、大入賞装置433,434の作動が所定回数だけ行われると、残り単位遊技数として、有利変動状態において実行可能な単位遊技の上限回数(具体的には、3回)が設定され、有利変動状態へ遊技状態が移行する。ここで、有利変動状態は、非時短状態から時短状態へ移行した遊技状態であり、右始動入賞装置432へ遊技球が進入し易く構成され、また、特定通路QAに遊技球が進入し易い下大入賞装置433の作動パターン(パターンA)が高確率で選定され易い遊技状態であり、作動パターンの選定については後述する。
有利変動状態においては、始動入賞に基づき下大入賞装置433が作動し、下大入賞装置433に進入した遊技球が特定通路QAに進入した場合に大当りが発生する。よって、遊技者は、有利変動状態において、始動入賞(主に、下大入賞装置433と同じ遊技盤400の右側に設けられた右始動入賞装置432への進入に基づき生じる第2特別図柄に係る始動入賞)によって単位遊技の権利を発生させて遊技を実行することとなる。
有利変動状態においては、始動入賞に基づき作動する下大入賞装置433の作動パターンとして、パターンAまたはパターンBのいずれかが抽選によって選択される。詳細は後述するが、パターンAは、下大入賞装置433に進入した遊技球が実質的に必ず特定通路QAに案内されるパターンであり、パターンBは、下大入賞装置433に進入した遊技球が実質的に特定通路QAに案内されることのないパターンである。なお、下大入賞装置433の作動パターンの抽選(選択)は、特別図柄関連処理S1217(図12参照)の一部の処理として実行され、本実施形態では、パターンAおよびパターンBの選択確率は、それぞれ、40%および60%に設定されている。なお、パターンAおよびパターンBの選択確率は、遊技状態に対応した異なる選択確率としてもよく、この場合には、有利変動状態より通常遊技状態の方がパターンAが選択され難い設定とすることが好ましく、有利変動状態でない通常遊技状態においてはパターンBのみが選択されて通常遊技状態においては特定通路QAに遊技球が進入し得ない設定としてもよい。
有利変動状態においては、始動入賞によって発生した単位遊技は、特別図柄の変動表示が下大入賞装置433の作動パターンに係る抽選結果(すなわち、パターンAまたはパターンB)に応じた確定停止することで終了し、その後、抽選によって選択された作動パターン(すなわち、パターンAまたはパターンBのうち、確定停止に応じた作動パターン)で下大入賞装置433が作動する。
遊技者は、下大入賞装置433がパターンAで作動した場合(主に、下大入賞装置433がパターンAで作動した場合)に、下大入賞装置433に遊技球を進入させるべく、発射ハンドル252を操作して遊技球を発射させる。有利変動状態においては、上述したように、下大入賞装置433に進入した遊技球が特定通路QAに進入した場合に大当りが発生する設定とされている。したがって、有利変動状態においては、1の始動入賞に対し、実質的に、パターンAが選択される確率(すなわち、40%の確率)で大当りが発生することとなる。
有利変動状態において大当りが発生した場合、すなわち、下大入賞装置433に進入した遊技球が特定通路QAに進入した場合、有利変動状態は終了して特別遊技状態へ移行する。なお、遊技球が特定通路QAに進入したか否かの判定は、特別図柄関連処理S1217(図12参照)の一部の処理として、スイッチ読込処理S1209(図12参照)において検知された特定通路スイッチ448の検出状態に基づき実行される。
有利変動状態においては、始動入賞によって発生した単位遊技が終了する毎(すなわち、特別図柄が確定停止する毎)に、残り単位遊技数が1ずつ減算され、残り単位遊技数が「0」となるまで大当りが発生しなかった場合には、遊技状態が通常遊技状態へ移行する。
上述したように、本実施形態のパチンコ機100によれば、有利変動状態においては、1の始動入賞に対し実質的に40%の確率で大当りが発生するので、有利変動状態において実行可能な単位遊技の上限回数が3回である場合、有利変動状態において略80%の確率で大当りが発生することになる。このように、本実施形態のパチンコ機100は、通常遊技状態において一旦大当りが発生すると、有利変動状態が継続し易い構成であるので、通常遊技状態において大当りを発生させる遊技の興趣が向上する。
次に、図18を参照して、有利変動状態において実行される下大入賞装置433の作動パターンについて説明する。図18は、有利変動状態における下大入賞装置433の動作を表すタイミングチャートである。より詳細には、図18(a)は、パターンBで作動する下大入賞装置433の動作を表すタイミングチャートであり、図18(b)は、パターンAで作動する下大入賞装置433の動作を表すタイミングチャートである。
図18(a)に示すように、パターンBによる下大入賞装置433の作動が開始されると、上進入規制ソレノイド464がオフ状態からオン状態へと移行する(時刻ta0)が、微少期間(本実施形態では0.06秒)後にオフ状態に復帰する(時刻ta1)。これにより、上進入規制機構454は、進入禁止姿勢から進入許容姿勢に移行するが、進入許容姿勢に移行した後、即座に進入禁止姿勢に戻ることとなる。
同様に、パターンBによる下大入賞装置433の作動が開始されると、切換ソレノイド465がオフ状態からオン状態へと移行する(時刻ta0)が、微少期間(本実施形態では0.06秒)後にオフ状態に復帰する(時刻ta1)。これにより、振分機構601(図16参照)が、前方に突出することで遊技球を特定通路QAに誘導することなく非特定通路QBに誘導する非誘導姿勢から、後方に没入することで遊技球を特定通路QAに誘導する誘導姿勢に移行するが、誘導姿勢に移行した後、即座に非誘導姿勢に戻ることとなる。
切換ソレノイド465は、時刻ta1においてオフ状態に復帰してから所定の期間TA(本実施形態では0.5秒)の後に、再度、オフ状態からオン状態へと移行する(時刻ta2)。切換ソレノイド465は、時刻ta2から所定の期間TB(本実施形態では2.56秒)に亘ってオン状態が維持された後、オフ状態に復帰する(時刻ta4)。
一方、上進入規制ソレノイド464は、時刻ta1においてオフ状態に復帰してから所定の期間TC(本実施形態では3秒)の後に、再度、オフ状態からオン状態へと移行し(時刻ta3)、微少期間(本実施形態では0.06秒)後にオフ状態に復帰する(時刻ta4)。これにより、上進入規制機構454は、下大入賞装置433の作動を開始した直後と同様、進入禁止姿勢から進入許容姿勢に移行した後、即座に進入禁止姿勢に戻る。
上進入規制ソレノイド464がオフ状態から一旦オン状態となってオフ状態へ戻るまでの微少期間(すなわち、時刻ta0から時刻ta1までの期間と、時刻ta3から時刻ta4までの期間)は、遊技球が上進入規制機構454を通して下大入賞装置433に極めて低確率でしか進入できない期間に設定されている。
切換ソレノイド465がオフ状態から一旦オン状態となってオフ状態へ戻るまでの微少期間(すなわち、時刻ta0から時刻ta1までの期間)は、上進入規制ソレノイド464がオン状態である微少期間中に遊技球が下大入賞装置433に進入できたとしても、その遊技球が振分機構601に到達する前にオフ状態に戻って終了する期間に設定されている。
切換ソレノイド465が時刻ta1においてオフ状態に復帰してから、時刻ta2において再度オン状態になるまでの期間(すなわち、期間TA)は、上進入規制ソレノイド464がオン状態となる1回目の微少期間(すなわち、時刻ta0から時刻ta1までの期間)に遊技球が上進入規制機構454を通して下大入賞装置433に進入できたとしても、その遊技球を非誘導姿勢の振分機構601によって非特定通路QBに誘導できる期間に設定されている。
切換ソレノイド465は、時刻ta4においてオフ状態に復帰するので、上進入規制ソレノイド464がオン状態となる2回目の微少期間(すなわち、時刻ta3から時刻ta4までの期間)に遊技球が上進入規制機構454を通して下大入賞装置433に進入できたとしても、その遊技球は、非誘導姿勢の振分機構601によって非特定通路QBに誘導される。
したがって、上進入規制ソレノイド464がオン状態となる2回の微少期間(すなわち、時刻ta0から時刻ta1までの期間と、時刻ta3から時刻ta4までの期間)に、遊技球が下大入賞装置433に進入したとしても、その遊技球は、実質的に、特定通路QAでなく、非特定通路QBに案内される。
このように、下大入賞装置433がパターンBで作動する場合、上進入規制ソレノイド464が微少期間でしかオン状態にならないために、遊技球が下大入賞装置433に進入する確率が低確率である上に、遊技球が下大入賞装置433に進入したとしても、その遊技球は、実質的に、特定通路QAに案内されることがない。
一方、図18(b)に示すように、パターンAによる下大入賞装置433の作動が開始されると、上進入規制ソレノイド464がオフ状態からオン状態へと移行し、それにより、上進入規制機構454は、進入禁止姿勢から進入許容姿勢に移行する(時刻td0)。上進入規制ソレノイド464は、オン状態に移行した後、所定の期間(本実施形態では3.64秒)に亘ってオン状態を維持し、時刻td4においてオフ状態に復帰する(時刻td4)。
つまり、下大入賞装置433がパターンAで作動する場合、上進入規制機構454は、時刻td0において上進入規制ソレノイド464がオン状態へと移行したことで進入禁止姿勢から進入許容姿勢に移行した後、時刻td4において上進入規制ソレノイド464がオフ状態に復帰するまで、進入許容姿勢のままとされる。
一方、切換ソレノイド465は、上述したパターンBと同様に、下大入賞装置433の作動が開始されるとオフ状態からオン状態へと移行する(時刻td0)が、微少期間(本実施形態では0.06秒)後にオフ状態に復帰する(時刻td1)。切換ソレノイド465は、時刻td1においてオフ状態に復帰してから所定の期間TAの後に、再度、切換ソレノイド465がオフ状態からオン状態へと移行する(時刻td2)。切換ソレノイド465は、時刻td2から所定の期間TBに亘ってオン状態が維持された後、オフ状態に復帰する(時刻td3)。
これにより、上進入規制ソレノイド464(上進入規制機構454)および切換ソレノイド465(振分機構601)の時刻td0〜時刻td3における連携動作に基づいて、下大入賞装置433に進入した遊技球は、特定通路QAへ案内されるか、または、非特定通路QBへ案内される。
ここで、期間TBは、遊技球の発射間隔(本実施形態では0.6秒)よりも十分に長い時間長となるように設定されている。したがって、下大入賞装置433がパターンAで作動する場合、下大入賞装置433に進入した遊技球は、遊技球が発射装置330から適切に発射され続ける(打ち出され続ける)限りにおいて、その少なくとも1つが、期間TBにおいて実質的に必ず特定通路QAに案内される。
本実施形態のパチンコ機100においては、上述したように、特別遊技状態の終了後に移行する有利変動状態において、遊技球が下大入賞装置433の特定通路QAに進入して大当りが発生すると、遊技状態が再び特別遊技状態に移行するよう構成される。特に、有利変動状態における大当りの発生確率が略80%と高く設定されているので、通常遊技状態において一旦大当りが発生すると、有利変動状態が継続し易い。
その一方で、有利変動状態において遊技球を下大入賞装置433の特定通路QAに進入させることが継続の条件であるため、遊技者は、有利変動状態において、下大入賞装置433がパターンAで作動するか否かを特別図柄の確定停止から見極め、下大入賞装置433がパターンAで作動する場合には、下大入賞装置433に遊技球が進入するよう発射ハンドル252を操作し続ける(遊技球を発射し続ける)必要がある。
特別遊技状態や特別図柄に係る単位遊技が時間経過に応じて自動的に終了することを鑑みると、通常遊技状態において大当りが発生した場合、遊技者は、有利変動状態における特典(すなわち、比較的高い大当りの発生確率)を自ら放棄しない限り、有利変動状態が終了するまで、自身が遊技するパチンコ機100から離れて休憩することができない状況となる。
かかる問題に対し、本実施形態のパチンコ機100においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数と第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数とが所定の条件(以下、この条件を「長変動発生条件」と称す)を満たした場合に、次回に実行される単位遊技の変動表示が、当該変動表示に対して予め決められている変動時間より長い期間であって、遊技者がパチンコ機100から離れて休憩することを可能にする特定期間(例えば、5分間)の変動時間で実行するよう構成されている。
これにより、遊技者は、長変動発生条件を必要に応じて成立させることで、次回に実行される単位遊技の変動表示における確定停止タイミング(すなわち、停止図柄の表示タイミング)を当初のタイミングより遅らせることができるので、当該単位遊技の期間中にパチンコ機100から離れることが可能となる。したがって、本実施形態のパチンコ機100においては、通常遊技状態において大当りが発生した後であっても、有利変動状態における特典(すなわち、比較的高い大当りの発生確率)を放棄せずともパチンコ機100から離れることが可能となる。
また、長変動発生条件が成立していない状態においては、各単位遊技の変動表示における変動時間は、その単位遊技に対する大当り抽選の当否に応じて異なる長さに設定され、当選した場合の方が当選しなかった場合より長く設定されるが、上述したように、本実施形態のパチンコ機100においては、長変動発生条件が成立した場合には、次回の単位遊技に対する大当り抽選の当否にかかわらず、当該単位遊技の変動表示が特定期間で実行される。つまり、長変動発生条件が成立した場合には、次回の単位遊技に対する大当り抽選の当否にかかわらず、遊技者は、有利変動状態における特典を放棄せずともパチンコ機100から離れることが可能となる。
また、長変動発生条件が成立した場合には、長変動発生条件が成立していない状態における各単位遊技の変動表示の期間(例えば、15〜60秒の期間)のうち最大の期間(例えば、60秒の期間)より十分に長い特定期間が設定され、この長さは、各単位遊技の変動表示の最大の長さに対して略2倍以上とすることが好ましく、略5倍以上とすることが好適である。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が1回であり、かつ、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が4回である場合に、長変動発生条件が成立するよう構成されている。
遊技者は、特別遊技状態において、遊技球が下大入賞装置433または上大入賞装置434に進入するよう、遊技盤400における右側の遊技領域を狙って遊技球を発射する。よって、特別遊技状態及び有利変動状態においては、遊技球が右始動入賞装置432に進入したことに基づいて生じる第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留され易い。
よって、本実施形態のパチンコ機100を遊技する遊技者は、特別遊技状態中、遊技球を上側右始動入賞装置731に進入させることで、長変動発生条件を成立させることが可能となる。あるいは、有利変動状態中に遊技球を上側右始動入賞装置731に進入させることで、長変動発生条件を成立させることも可能である。
なお、主制御基板920は、長変動発生条件が成立した場合、表示制御処理S1219において、次回に実行される単位遊技が特定期間(例えば、5分間)の変動表示となるよう、第1特別図柄または第2特別図柄に係る特別図柄表示装置471,472の動作制御を行う。一方、副制御基板940は、主制御基板920により制御される特定期間の変動表示に同期した表示が装飾図柄表示装置479にて行われるよう、動作制御を実行する。
長変動発生条件の成立に基づき特定期間に亘って装飾図柄表示装置479にて行われる表示としては、特定期間の開始前及び終了後に実行される通常の装飾図柄の変動表示、すなわち、装飾図柄表示装置479の画面中央にて行う複数の数字列のスクロール表示であってもよいし、通常の装飾図柄の変動表示以外の表示を装飾図柄表示装置479の画面中央にて表示してもよい。
長変動発生条件の成立に基づいて装飾図柄の変動表示以外の表示を装飾図柄表示装置479の画面中央にて表示する場合には、装飾図柄の変動表示を表示しないようにしてもよいし、装飾図柄の変動表示を装飾図柄表示装置479の画面の隅(例えば、右下隅)に小さく表示するようにしてもよい。
長変動発生条件の成立に基づいて通常の装飾図柄の変動表示以外の表示(以下、所定の画面表示ともいう)を装飾図柄表示装置479の画面中央にて表示する場合、当該所定の画面表示を特定期間中に表示し、特定期間の終了時に大当り抽選の結果に応じた通常サイズの装飾図柄(例えば、通常の装飾図柄の変動表示において表示されるサイズの装飾図柄)を確定停止させる構成であってもよいし、特定期間の途中で、所定の画面表示から、通常の装飾図柄の変動表示に戻る(復帰する)構成としてもよい。
特定期間の途中で、所定の画面表示から、通常の装飾図柄の変動表示に復帰する構成とすることにより、大当り抽選の抽選結果(下大入賞装置433の作動パターンに係る抽選結果)の確定停止が表示される過程を遊技者に十分に視認させることが可能となる。
なお、特定期間の途中で通常の装飾図柄の変動表示に復帰する構成においては、実行中の単位遊技における当初の装飾図柄の変動表示(すなわち、長変動発生条件が成立しなかった場合の通常の装飾図柄の変動表示)を、当該変動表示の最初から実行する構成としてもよいし、あるいは、特定期間の終了から所定時間(例えば、30秒前)から、実行中の単位遊技における当初の装飾図柄の変動表示における確定停止部分を含む終盤部分を実行する構成としてもよい。変動表示の最初から実行する構成とする場合には、前回の単位遊技において確定停止された装飾図柄から変動表示が開始されるものとしてもよいし、予め定めた装飾図柄(例えば、「1,2,3」の数字の組合せ)から変動表示が開始されるものとしてもよい。
特定期間の途中で、所定の画面表示から、通常の装飾図柄の変動表示に復帰する構成においては、通常の装飾図柄の変動表示に復帰させる前に、その復帰させるタイミングを報知するために、装飾図柄表示装置479に所定のカウントダウン表示(例えば、残り時間に対応した数字を順次表示)を行う構成としてもよい。これにより、通常の装飾図柄の変動表示が開始されるタイミングを遊技者に報せて、今後表示される大当り抽選の抽選結果の確定停止を遊技者に期待させることができる。カウントダウン表示としては、特定期間中に定期的に、例えば、30秒ごとに、表示するものとしてもよく、復帰の直前において細かく、例えば、10秒前から1秒ごとに、表示するものとしてもよい。
当該カウントダウン表示に合わせて、または、当該カウントダウン表示に代えて、特別図柄の確定停止後に作動する下大入賞装置433に遊技球を進入させるよう遊技者に遊技球の発射準備を促す表示(以下、この表示を「発射準備表示」と称す)を装飾図柄表示装置479に表示させる構成としてもよい。かかる発射準備表示は、下大入賞装置433の作動パターンに係る抽選結果が、パターンAまたはパターンBのいずれであっても表示する構成としてもよいが、かかる発射準備表示す、実質的に有利変動状態における大当りが発生する(すなわち、下大入賞装置433に進入した遊技球が実質的に必ず特定通路QAに案内される)パターンAにおいては少なくとも実行することが好ましく、発射準備表示としては、右打ち遊技手法に対応した操作を促す表示(例えば、「右打ち準備」)とすることが好ましい。
また、特別図柄の変動表示の実行中は、遊技者を含め、誰も遊技を進行させることができないので、長変動発生条件が成立した場合に特別図柄の変動表示の変動時間が予め決められている変動時間(すなわち、長変動発生条件が成立しない場合における、特別図柄の変動表示が開始された後に停止表示が表示されるまでの変動時間)より長い特定期間(例えば、5分間)となる本実施形態のパチンコ機100によれば、かかる特定期間の変動表示中に遊技者が離席したとしても、離席中に第三者である他の客によって遊技が勝手に進行されることを抑制できる。これにより、遊技者は、長変動発生条件が成立した場合に、特定期間の変動表示の期間中に、他の客による遊技の勝手な進行を気にせず安心して離席することが可能となる。
ここで、長変動発生条件の成立に基づき所定の画面表示(すなわち、通常の装飾図柄の変動表示以外の表示)を装飾図柄表示装置479に表示する場合、当該所定の画面表示に、遊技者が離席可能な離席可能状態に対応した離席可能情報を含める構成としてもよい。
例えば、特定期間の変動表示の開始に伴い、図19に示すように、小さな装飾図柄Zを装飾図柄表示装置479の画面の右隅において変動表示させ、装飾図柄表示装置479の画面の略中央に離席可能情報Jとして「離席可能」の文字列を表示することで、離席しても安全性が高いことを遊技者に報せることができる。このように、離席可能情報Jを装飾図柄表示装置479に表示することで、遊技者は当該離席可能情報に基づいて自身が安全に離席可能な時期を知ることができる。
なお、離席可能情報Jとしては、「離席可能」の文字列に限らず、「離席可能」以外の、遊技者が離席可能な離席可能状態に対応する内容を示す文字列であってもよいし、当該内容を示す絵柄などの静止画や、アニメーションなどの動画であってもよい。また、離席可能情報Jは、装飾図柄Zを小さく表示することでスペースの開いた画面の略中央である必要は必ずしもなく、通常の装飾図柄が変動表示される画面における開いたスペースに表示される構成であってもよい。
また、特別図柄の変動表示は特別図柄表示装置471,472においても行われているので、装飾図柄表示装置479の画面に離席可能情報Jを表示する場合に、同画面に装飾図柄Zを表示しない構成としてもよい。つまり、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う表示装置と、離席可能情報Jを表示する表示装置とが異なる構成であってもよい。また、離席可能情報Jの表示を表示する専用の表示装置を、装飾図柄表示装置479とは別に設ける構成としてもよい。
また、長変動発生条件の成立に基づき長時間の変動時間による変動表示が行われている場合には、装飾図柄表示装置479などの演出装置に対して入力操作装置260に対しての入力を促す演出を表示し、当該表示に対して入力操作が実行されるか否かによって遊技者の有無をパチンコ機100が認識可能にしてもよく、変動表示の後半や、終了に近い一定期間中に遊技者の存在が確認できなければ、遊技者に対して「席に戻ってください」などの所定の音声による着席情報を出力したり、データ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に遊技者の不在に対応した不在情報を出力するようにしてもよい。これにより、遊技者が離席した状態で変動表示が終了し、その後に遊技者が離席したままで遊技が進行してしまうことを防止し易くすることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機100によれば、上述したように、長変動発生条件が成立した場合に、特別図柄の変動表示が比較的長い特定期間(例えば、5分間)で行うよう構成したことで、遊技者が、有利変動状態により得られる利益を放棄せずともパチンコ機100から離れることが可能となったが、当該特定期間を利用することで、遊技者の気分をリセットさせる(切り替えさせる)ことも可能となる。
例えば、長変動発生条件の成立に基づき特定期間に亘って装飾図柄表示装置479にて行われる表示を装飾図柄の変動表示以外の表示とする場合に、当該表示(装飾図柄の変動表示以外の表示)を、パチンコ機100が初期化(リセット)されたかのように遊技者に感じさせる所定の画面表示とすることで、かかる画面表示を見た遊技者の気分をリセットすることが可能となる。
パチンコ機100が初期化されたかのように遊技者に感じさせる所定の画面表示の一例としては、電源スイッチ909または初期化スイッチ907が操作されたことでパチンコ機100が初期化(リセット)されたことに伴って装飾図柄表示装置479に実際に表示される初期画面の画面表示(動画像または静止画像)を例示でき、又は、電源スイッチ909がオフされて画面が真っ暗になったブラックアウトの表示と同一又は略同一の表示を含む画面表示を例示できる。
あるいは、パチンコ機100が初期化されたかのように遊技者に感じさせる所定の画面表示の別例としては、パチンコ機100の初期化を想起させるかのような文字列(例えば、「リセット中」との文字列)や記号や絵柄などを消灯された背景に表示することで形成された擬似的な初期画面の画面表示を例示できる。
このように、長変動発生条件の成立に基づき特定期間に亘って装飾図柄表示装置479にて行われる表示として、実際の初期化時に表示される初期画面や擬似的な初期画面の画面表示のような、パチンコ機100が初期化(リセット)されたかのように遊技者に感じさせる画面表示を用いることで、遊技者に対し特定期間中にパチンコ機100が初期化されたかのように感じさせることができ、それにより、当該パチンコ機100で遊技を行っていた遊技者の気分をリセットさせることができる。そして、特定期間中に遊技者の気分がリセットされることで、特定期間の終了後、遊技者は、気分を一新して遊技に臨むことができる。
あるいは、長変動発生条件の成立に基づき特定期間に亘って装飾図柄表示装置479にて行われる表示を装飾図柄の変動表示以外の表示とする場合に、当該表示(装飾図柄の変動表示以外の表示)を、パチンコ機100が待機状態に入ったかのように遊技者に感じさせる所定の画面表示とすることで、かかる画面表示を見た遊技者の気分をリセットすることが可能となる。
パチンコ機100が待機状態に入ったかのように遊技者に感じさせる所定の画面表示の一例としては、所謂「客待ち演出」(すなわち、パチンコ機100が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に装飾図柄表示装置479に表示される、タイトル表示やデモ表示など遊技状態とは無関係の演出表示)を例示できる。
このように、長変動発生条件の成立に基づき特定期間に亘って装飾図柄表示装置479にて行われる表示として、客待ち演出のような、パチンコ機100が待機状態に入ったかのように遊技者に感じさせる画面表示を用いることで、遊技者に対し特定期間中にパチンコ機100が遊技中でない待機状態に切り替わったかのように感じさせることができ、それにより、当該パチンコ機100で遊技を行っていた遊技者の気分をリセットさせることができる。そして、特定期間中に遊技者の気分がリセットされることで、特定期間の終了後、遊技者は、気分を一新して遊技に臨むことができる。
本実施形態のパチンコ機100においては、上述したように、有利変動状態における大当りの発生確率が略80%と高く設定されており、有利変動状態が継続し易い構成であるが、その一方で、略20%の確率ながら、有利変動状態の後に通常遊技状態に戻ることがあり得る構成でもある。よって、時には、通常遊技状態において大当りが発生したとしても、有利変動状態後に通常遊技状態に戻ることが続くことがあり、そのような場合、遊技者が遊技をつまらなく感じて遊技意欲を減退させてしまう虞があった。
かかる問題に対し、本実施形態のパチンコ機100においては、上述のように、長変動発生条件の成立に基づき特定期間に亘って装飾図柄表示装置479にて行われる表示を用いて、遊技者の気分をリセットさせることが可能である。よって、有利変動状態に移行したとしても通常遊技状態に戻ることが続く場合、遊技者は、発射ハンドル252の回転操作量を意図的に調節して長変動発生条件を成立させることで、特定期間の終了後には自身の気分を一新させて遊技に臨むことができ、それにより、有利変動状態における特典を受けられないことによる遊技意欲の減退を抑制することができる。この場合、発射ハンドル252は、遊技者の気持ちをリセット可能な画像を装飾図柄表示装置479に表示させるための擬似的なリセット操作を行うための操作部として機能する。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、遊技者は、特別遊技状態中、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が4回である状況で、遊技球を上側右始動入賞装置731に進入させることで、次回に実行される単位遊技の変動表示の変動時間を予め決められている変動時間より長い期間(特定期間)にすることができる。これにより、遊技者は、特定期間で実行される単位遊技の期間中にパチンコ機100から離れることが可能であるので、有利変動状態における特典(すなわち、比較的高い大当りの発生確率)を放棄せずともパチンコ機100から離れて休憩などを取ることが可能となる。
遊技球を上側右始動入賞装置731に進入させるためには、第2強度範囲の発射強度で遊技球を発射装置330から打ち出した後、当該遊技球に連続して後続の遊技球を第1強度範囲の発射強度で発射装置330から打ち出す必要がある。よって、パチンコ機100から離れて休憩することを可能にする長変動発生条件を成立させるためには、遊技者は、発射ハンドル252の回転操作量を意図的に調節する必要があるため、発射装置330から遊技球を発射させて行う遊技の単調さを軽減することができる。また、長変動発生条件を成立させるためには、遊技者の技量もある程度必要となるため、その点においても、発射装置330から遊技球を発射させて行う遊技の単調さを軽減することができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、長変動発生条件の成立に基づき特定期間に亘って装飾図柄表示装置479にて行われる表示として、パチンコ機100が初期化(リセット)されたかのように遊技者に感じさせる画面表示や、パチンコ機100が待機状態に入ったかのように遊技者に感じさせる画面表示を用いることで、遊技者の気分をリセットさせる(切り替えさせる)ことが可能となる。よって、遊技者は、有利変動状態に移行したとしても通常遊技状態に戻ることが続くなど、通常遊技状態より有利な遊技状態における遊技の流れが好ましくない状況において、発射ハンドル252の回転操作量を意図的に調節し(すなわち、発射ハンドル252に対し擬似的なリセット操作を行い)、長変動発生条件を成立させることで、特定期間の終了後には自身の気分を一新させて遊技に臨むことができ、それにより、有利変動状態における特典を受けられないことによる遊技意欲の減退を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、長変動発生条件の成立に基づき特定期間(長変動発生条件が成立しない場合の変動時間より長い期間)の変動表示が行われる際に、遊技者が離席可能な離席可能状態に対応した離席可能情報Jが表示することで、安全に離席可能な時期を遊技者に報せ、それにより、遊技者に安心して離席させることができる。
<第3実施形態>
次に、図20および図21を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係るパチンコ機においては、遊技者が特別遊技状態中に右打ち遊技手法で遊技を行った場合に、感覚的に多くの遊技球が上大入賞装置434に進入しているかのような印象を当該遊技者に与えることが可能となるよう、右流下領域708または中流下領域709を通って進入可能な右側の遊技領域に形成する球通路に工夫を加えた。なお、以下の説明において、第1および第2実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図20は、第3実施形態に係るパチンコ機100における遊技盤400の正面図である。なお、図20では、遊技盤400に設けられる主な構造物について、その概略的な外形を図示するともに、中始動入賞装置831および一般入賞装置439Bについて、いずれも前面の板部分が切除された断面図として図示し、当該断面図において断面のハッチングは省略している。また、図20においては、流下する遊技球Pの一部を参考のために図示している。
以下、図20を参照して、本実施形態の遊技盤400における主な構造的構成について説明する。図20に示すように、本実施形態の遊技盤400においては、中始動入賞装置831が中央構造体420の下方に配設されている。中始動入賞装置831は、2つの入賞装置(具体的には、左側中始動入賞装置831A及び右側中始動入賞装置831B)が一体化された入賞装置である。左側中始動入賞装置831Aは、第1特別図柄に係る始動装置であり、右側中始動入賞装置831Bは、第2特別図柄に係る始動装置である。つまり、中始動入賞装置831は、第1特別図柄に係る始動装置、及び、第2特別図柄に係る始動装置としての2つの機能を有する入賞装置である。
中始動入賞装置831は、入口831Cから進入した遊技球を、遊技球の重さを利用してシーソー状に動作することで機械的に遊技球を左右に振り分ける振分機構831Dを備える。振分機構831Dは、遊技球が入口831Cから進入する毎に、当該遊技球を左側の球通路または右側の球通路に交互に振り分ける。振分機構831Dの振り分け先である左側の球通路は、上から下方に延びてから奥側(後方側)に延びる通路として構成される。振分機構831Dの振り分け先である右側の球通路もまた、上から下方に延びてから奥側に延びる通路として構成される。
振分機構831Dの振り分け先である左側の球通路には、当該左側の球通路を流下する遊技球が低確率で中始動入賞装置831の外へと排出される排出口が奥側へと曲がる部分に設けられ、当該排出口より下流側に左側中始動入賞装置831Aの入口部分が設けられる。一方、振分機構831Dの振り分け先である右側の球通路には、当該右側の球通路を流下する遊技球が低確率で中始動入賞装置831の外へと排出される排出口が奥側へと曲がる部分に設けられ、当該排出口より下流側に右側中始動入賞装置831Bの入口部分が設けられる。
よって、中始動入賞装置831に進入した遊技球は、左側中始動入賞装置831Aまたは右側中始動入賞装置831Bに進入する前に低確率で遊技領域に排出されることがあるものの、基本的に、左側中始動入賞装置831Aまたは右側中始動入賞装置831Bに交互に進入する。なお、左側中始動入賞装置831Aの遊技球の入口部分は、左側中始動入賞装置831Aの入賞口を構成し、右側中始動入賞装置831Bの遊技球の入口部分は、右側中始動入賞装置831Bの入賞口を構成する。
遊技盤400には、左側中始動入賞装置831Aに進入した遊技球を検出する左側中始動入賞スイッチが設けられ、右側中始動入賞装置831Bに進入した遊技球を検出する右側中始動入賞スイッチが設けられている。左側中始動入賞スイッチおよび右側中始動入賞スイッチは、始動入賞スイッチ441A,441B,442(図10参照)と同様のスイッチであり、主制御基板920に接続されている。
左側中始動入賞装置831Aに進入した遊技球を左側中始動入賞スイッチが検出した場合、中始動入賞装置431A,431B(図7参照)に進入した遊技球を中始動入賞スイッチ441A,441Bが検出した場合と同様に第1特別図柄の始動入賞となる。一方、右側中始動入賞装置831Bに進入した遊技球を右側中始動入賞スイッチが検出した場合、右始動入賞装置432(図7参照)へ進入した遊技球を右始動入賞スイッチ442が検出した場合と同様に第2特別図柄の始動入賞となる。
また、本実施形態のパチンコ機100には、第2実施形態と同様の案内通路711が中央構造体420の上縁側と外レール402との間に形成されており、遊技者は、遊技球が案内通路711を経て右流下領域708または中流下領域709に進入するよう発射ハンドル252の回転操作を行うことで、中央構造体420に対する右側の遊技領域に遊技球を進入させる(すなわち、右打ち遊技手法による遊技を行う)ことができる。
右流下領域708および中流下領域709の下流側には、上大入賞装置434の直上まで延びる右球通路810が連設されている。右球通路810は、右流下領域708および中流下領域709の下流側に連設される右上通路部810Aと、右上通路部810Aの下流側に連設される右中通路部810Bと、右中通路部810Bの下流側に連設されて上大入賞装置434まで延びる右下通路部810Cとから構成される。
図20に示すように、右球通路810は、当該右球通路810を構成する各通路部のうち、右上通路部810Aおよび右下通路部810Cが、右中通路部810Bより太い通路部分が上下方向に連続する区間を少なくとも有するように構成されている。つまり、右中通路部810Bは、右上通路部810Aおよび右下通路部810Cより細い通路部分を有するよう構成されている。これにより、右球通路810は、右中通路部810Bにおいてくびれた形状の通路に構成されている。また、右上通路部810Aおよび右下通路部810Cは、左右方向の幅より上下方向に長く構成され、太い通路部分が上下方向に長く連続している。
右中通路部810Bの右端側には、右下通路部810Cに対する分岐通路となる分岐通路820が連設されている。よって、右流下領域708および中流下領域709を通って右球通路810に進入した遊技球は、右上通路部810Aを経て右中通路部870Bに進入し、右中通路部810Bにおいて右下通路部810Cまたは分岐通路820のいずれかに分岐して流下する。
遊技盤400に立設された釘411のうち、右中通路部810B内に配設される2本の釘411A,411Bは、分岐通路820への分岐口(すなわち、分岐通路820の入口)として機能する。かかる分岐口は、遊技盤400に形成された略円形状の遊技領域における左右方向の長さが最大となる線分(例えば、遊技領域の中心を左右方向に横切る線分)を中心として上下方向に所定幅の領域における右端側(すなわち、遊技盤400において右球通路810が形成されている方の端側)に設けられている。
なお、略円形状の遊技領域における左右方向の長さが最大となる線分を中心として上下方向に所定幅の領域としては、例えば、遊技領域の中心を左右方向に横切る線分を中心とする上下方向に略8cm以下に設定された上下幅の領域であることが良く、略4cm以下であることが好ましく、略2cm以下であることが好適である。
あるいは、略円形状の遊技領域における左右方向の長さが最大となる線分を中心として上下方向に所定幅の領域としては、例えば、遊技領域の中心を左右方向に横切る線分を中心とし、遊技領域の中心を通り上下方向に延びる線分(以下、「遊技領域の高さ」と称する)の略25%の長さ以下に設定された上下幅の領域であることが良く、遊技領域の中心を左右方向に横切る線分を中心とし、遊技領域の高さの略15%程度の長さ以下に設定された上下幅の領域であることが好ましく、遊技領域の中心を左右方向に横切る線分を中心とし、遊技領域の高さの略5%の長さ以下に設定された上下幅の領域であることが好適である。
右上通路部810A内には、役連作動装置435と始動装置436とが一体的に構成されて遊技球の通過を検出する装置(通過検出装置)が設けられ、通過検出装置435,436が、該右上通路部810Aにおける左右方向の略中央に配設されている。通過検出装置435,436には、上記した役連作動スイッチ445および始動スイッチ446(図10参照)が1つのスイッチによって構成された遊技球の通過を検出するスイッチが設けられている。なお、役連作動装置435と始動装置436とは、別々に設けてもよく、役連作動スイッチ445と始動スイッチ446とについても別々に設けてもよい。
右下通路部810C内には、一般入賞装置439Cが、当該右上通路部810Aの高さの半分より上大入賞装置434側であって、当該右上通路部810Aにおける左側に寄った位置に設けられている。なお、右上通路部810Aの高さは、例えば、単純に最も高い位置と最も低い位置との間の距離を利用してもよいし、右上通路部810Aに進入可能な入口と右上通路部810Aから遊技球が排出される出口との間の距離を利用してもよい。右上通路部810Aに進入可能な入口または右上通路部810Aから遊技球が排出される出口が複数ある場合には、それら複数の入口または出口のうち所定の入口または出口(例えば、最も高い位置にある入口)を利用してもよいし、複数の入口または出口の真ん中となる位置を利用してもよい。
一般入賞装置439Cは、上述した一般入賞装置439A,439Bと同様、遊技球が入賞した場合に当否抽選を受けることなく一定数の遊技球が賞球として払い出される入賞装置である。一般入賞装置439Cの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、当該入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。
遊技盤400には、一般入賞装置439Cに進入した遊技球を検出する一般入賞スイッチが設けられている。当該一般入賞スイッチは、一般入賞スイッチ449A,449Bなどと同様の一般入賞スイッチであり、主制御基板920に接続されている。一般入賞装置439Cに進入した遊技球を一般入賞スイッチが検出した場合、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を一般入賞スイッチ449A,449Bが検出した場合と同様、入賞となって一般入賞装置439Cに対して設定されている数の遊技球が賞球として払い出される。
また、図20に示すように、中始動入賞装置831の右側であって下大入賞装置433の左側の遊技領域(以下、この遊技領域を単に「下大入賞装置433の左側の遊技領域」と称す)には、一般入賞装置439Bと、右下始動入賞装置832とが設けられている。
右下始動入賞装置832は、右始動入賞装置432(図7参照)と同様、第2特別図柄に係る始動装置である。右下始動入賞装置832の遊技球の入口部分は入賞口を構成し、当該入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通って回収排出通路に案内される。
右下始動入賞装置832は、遊技盤400に形成された入賞口となる開口と、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間を移行することで、当該開口(入賞口)への遊技球の進入確率を変化させる進入規制機構852とを備えている。進入規制機構852は、ソレノイドによって駆動される薄板状の可動片を備え、当該可動片は、遊技球の下側を支持して後方側の入賞口へ誘導する支持面(板面)が上方向を向くようにして右下始動入賞装置832の開口内に挿入されている。
なお、進入規制機構852の可動片を駆動するソレノイドは、右進入規制ソレノイド462と同様に主制御基板920に接続されるソレノイドで構成されるが、ソレノイド以外の電気的な駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
進入規制機構852が進入禁止姿勢である場合には、可動片が右下始動入賞装置832の開口内に没入した配置を取ることによって、当該可動片が右下始動入賞装置832の開口(入賞口)への遊技球の進入を阻害する。これにより、進入規制機構852が進入禁止姿勢である場合、遊技球は右下始動入賞装置832に進入することができない。よって、進入規制機構852が進入禁止姿勢である場合、右下始動入賞装置832に向かう遊技球があったとしても、その遊技球は、右下始動入賞装置832に進入することなく、右下始動入賞装置832の前方を通って下流側へと流下する。
一方、進入規制機構852が進入許容姿勢である場合には、可動片が右下始動入賞装置832の開口から突出した配置を取ることによって、当該可動片が上方から流下する遊技球を受けて開口(入賞口)へと誘導する。これにより、進入規制機構852が進入許容姿勢である場合、遊技球は右下始動入賞装置832に進入することができる。
遊技盤400には、右下始動入賞装置832に進入した遊技球を検出する右下始動入賞スイッチが設けられている。右下始動入賞スイッチは、上記した右始動入賞スイッチ442(図10参照)と同様のスイッチであり、主制御基板920に接続されている。
次に、図21を参照して、第3実施形態のパチンコ機100における中央構造体420に対する右側の遊技領域について説明する。図21は、第3実施形態のパチンコ機100における遊技盤400の右側を部分的に拡大した正面図である。
なお、図21では、遊技領域に設けられる主な構造物について、その概略的な外形を図示する。また、遊技盤400の前方を覆う前ブロック102の前面装飾体210の開口210A(図1参照)は、その外縁が単純な直線ではないが、図21においては、理解を容易にするために、開口210Aの外縁を二点鎖線の直線によって概略的に図示している。また、図21においては、右側の遊技領域における遊技球の主な流下経路を矢印により図示している。
上述した通り、中央構造体420に対する右側の遊技領域には、右球通路810が、右流下領域708および中流下領域709の下流側であって、上大入賞装置434より上流側の位置に設けられている。
右流下領域708または中流下領域709から右上通路部810Aに進入した遊技球は、右上通路部810A内に配置された釘411の配置に応じた複数の流下経路で下流側へと流下する。具体的に、図21に示すように、右上通路部810Aにおける遊技球の流下経路は、大別して、通過検出装置435,436に向かい通過検出装置435,436を通過する経路、通過検出装置435,436の右側を通過する経路、および、通過検出装置435,436の左側を通過する経路の3系統である。なお、通過検出装置435,436の右および左側を通過する各経路は、釘411の配置によってさらに細分化されている。
このように、右上通路部810Aは、大別して3系統の流下経路を含む太い通路部として構成されるので、右上通路部810Aに進入した遊技球は、3系統の流下経路のうちいずれかを流下するように左右方向に散りつつ下流側へと流下する。
右上通路部810Aを通過した遊技球は全て、右中通路部810Bに進入する。右中通路部810Bは、上述したように、右上通路部810Aおよび右下通路部810Cより細い通路部分を有し、それにより、右球通路810におけるくびれ部分を含む球通路として機能する。よって、右上通路部810Aにおいて左右方向に散らされた遊技球は、右中通路部810Bにおいて左右方向に集められるように流下する。
右中通路部810Bを流下する遊技球は、右下通路部810Cまたは分岐通路820に進入する。より詳細には、右中通路部810Bを流下する遊技球が、球通路810内に配置された釘411のうち、釘411Bと釘411Cとの間、または、釘411Cと釘411Dとの間を通過した場合、当該遊技球は右下通路部810Cに進入する。一方、右中通路部810Bを流下する遊技球が、右中通路部810B内に配置された釘411のうち、釘411Aと釘411Bとの間を通過した場合、当該遊技球は分岐通路820に進入する。
つまり、右中通路部810Bを流下する遊技球は、釘411Bと釘411Cとの間、または、釘411Cと釘411Dとの間を通過することで、分岐通路820に進入することなく必ず右下通路部810Cに進入する。よって、釘411Bと釘411Cとの間、および、釘411Cと釘411Dとの間は、右下通路部810Cへの入口として機能する開口である。
また、上述したように、釘411Aと釘411Bとの間は、分岐通路820への入口(すなわち、分岐通路820への分岐口)として機能する開口であり、右中通路部810Bを流下する遊技球は、釘411Aと釘411Bとの間を通過することで、右下通路部810Cに進入することなく必ず分岐通路820に進入する。
図21に示すように、釘411B,411C,411Dは、分岐通路820への入口(分岐通路820への分岐口)に向けて右に下降傾斜して配列される釘列の一部を構成する。よって、釘411B,411C,411Dを含む右に下降傾斜する釘列は、右中通路部810Bと右下通路部810Cとの境界を形成するともに、遊技球を右下方向の分岐通路820へ誘導する誘導釘として機能する。
これにより、右中通路部810Bを流下する遊技球は、右中通路部810Bと右下通路部810Cとの境界において、釘411B,411C,411Dを含む釘列の並びに沿って分岐通路820に向かう右下方向に流れるか、釘411Bと釘411Cとの間、または、釘411Cと釘411Dとの間を通って当該釘列の並びとは交差する向きに流れることで右下通路部810Cに進入する。
右中通路部810Bから右下通路部810Cに進入した遊技球は、右下通路部810C内に配置された釘411の配置に応じた複数の流下経路で下流側へと流下する。具体的に、図21に示すように、右下通路部810Cにおける遊技球の流下経路は、大別して、一般入賞装置439Cに向かい一般入賞装置439Cに進入する経路、一般入賞装置439Cの右側を通過する経路、および、一般入賞装置439Cの左側を通過する経路の3系統である。なお、一般入賞装置439Cの右側を通過する各経路は、釘411の配置によってさらに細分化されている。
このように、右下通路部810Cもまた、右上通路部810Aと同様、大別して3系統の流下経路を含む太い通路部として構成されるので、右中通路部810Bにおいて左右方向に集められた遊技球は、右下通路部810Cにおいて再度左右方向に散りつつ下流側へと流下する。
図21に示すように、右下通路部810Cを流下する遊技球は、右下通路部810Cにおける最も下流側であって上大入賞装置434の進入口の直上の位置に左右方向に並べて配置された釘411(411E)の間が出口となって、当該出口から排出される。釘411Eにより形成される右下通路部810Cの出口は、上大入賞装置434の進入口の直上に当該進入口の幅(左右方向の長さ)より狭い範囲で配置される。
よって、右下通路部810Cを流下する遊技球は、上大入賞装置434の進入口の幅より狭い範囲で当該進入口の直上から排出されるので、上大入賞装置434が進入許容状態にある場合には、右下通路部810Cから排出された遊技球は全て上大入賞装置434に進入する。つまり、上大入賞装置434が進入許容状態にある場合に右下通路部810Cに進入した遊技球は、上大入賞装置434より上流側に配置された一般入賞装置439Cに進入した場合を除き、その全てが上大入賞装置434に進入することができる。
なお、上大入賞装置434が進入禁止状態にある場合、右下通路部810Cを上大入賞装置433まで流下した遊技球は、上大入賞装置434に進入することなく、下大入賞装置433まで流下する。このとき、下大入賞装置433が進入許容姿勢であれば、当該遊技球は下大入賞装置433に進入し得る。一方、下大入賞装置433が進入禁止姿勢であれば、下大入賞装置433の上方を通って下大入賞装置433の左側の遊技領域に進入する。
分岐通路820は、上大入賞装置434の右側を通り、上大入賞装置434より下となる位置まで上下方向に略直線的に延びる球通路として構成される。これにより、分岐通路820に進入した遊技球は、上大入賞装置434より上流側に形成された開口820Aから稀に右下通路部810Cと上大入賞装置434との間に進入する場合を除き、基本的には、上大入賞装置434の右側を通り、上大入賞装置434への進入の機会を与えることなく流下する。つまり、右中通路部810Bを流下する遊技球が分岐通路820に進入した時点で、当該遊技球が上大入賞装置434に進入する機会は基本的に失われる。
分岐通路820にして上大入賞装置434の右側を流下した遊技球は、下大入賞装置433が進入許容状態にある場合に当該下大入賞装置433に進入し得る。一方、下大入賞装置433が進入禁止姿勢であれば、下大入賞装置433の上方を通って下大入賞装置433の左側の遊技領域に進入する。
下大入賞装置433の上方を通って下大入賞装置433の左側の遊技領域に進入した遊技球は、当該遊技領域に配設された一般入賞装置439Bまたは右下始動入賞装置832に進入可能である。下大入賞装置433の左側の遊技領域に進入した遊技球が、これらの入賞装置439B,832のいずれにも進入できなかった場合、当該遊技球は、排出口401Aに進入し、当該排出口401Aから回収排出通路へと案内される。
分岐通路820は、当該分岐通路820への分岐口を構成する釘411Aおよび釘411Bの近傍を除き、その大部分が前ブロック102における前面装飾体210の開口210Aより外方側に位置する。つまり、分岐通路820は、その大部分が前面装飾体210に対し前後方向に重なる位置に設けられている。
なお、分岐通路820は、遊技球が分岐通路820に完全に進入した時点において、当該遊技球の少なくとも一部が前面装飾体210に対し前後方向に重なってしまう(すなわち、残りの一部は前面装飾体210に対し前後方向に重ならない)程度に、分岐通路820の大部分が前面装飾体210に対し前後方向に重なるよう設けることが好ましい。
このとき、「遊技球が分岐通路820に完全に進入した時点」としては、図21に示すように、遊技球Pが、分岐通路820への分岐口(分岐通路820の入口)を構成する面、すなわち、釘411Aおよび釘411Bに共通する遊技盤400中央側の接平面に対して完全に進入した時点(つまり、分岐通路820に進入した遊技球Pが当該面に接した時点)であってもよいし、右中通路部810Bに戻り得ない位置まで遊技球が分岐通路820に進入した時点であってもよい。
また、右中通路部810Bに進入した遊技球は、多くが右下通路部810Cに進入し、ほんの少しが分岐通路820へ進入する構成とすることが好ましく、右中通路部810Bに進入した遊技球の略70%以上が右下通路部810Cに進入する設定とすることがよく、略80%以上とすることが好ましく、略90%以上とすることが好適である。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、右球通路810を構成する右上通路部810A、右中通路部810B、および右下通路部810Cのうち、最も下流側に位置する右下通路部810Cは、釘411Eの間により形成される出口が、上大入賞装置434の進入口の直上に当該進入口の幅(左右方向の長さ)より狭い範囲で配置されている。よって、上大入賞装置434が進入許容状態にある場合に右下通路部810Cに進入した遊技球は、当該右下通路部810C内における上大入賞装置434より上流側に配置された一般入賞装置439Cに進入した場合を除き、その全てが上大入賞装置434に進入することができる。
その一方で、右下通路部810Cの上流側に連設される右中通路部810Bには、分岐通路820への分岐口が設けられているので、右上通路部810Aに進入した遊技球の全てが右下通路部810Cに進入するわけではなく、その一部は分岐通路820を経て右下通路部810Cに進入し、それにより、上大入賞装置434に進入する機会が基本的に失われる。
ここで、右球通路810は、右上通路部810Aおよび右下通路部810Bが、大別して3系統の流下経路を含む太い通路部に構成される一方で、右中通路部810Bが、右上通路部810Aおよび右下通路部810Cより細い通路部分を有するよう構成される。つまり、右球通路810は、右中通路部810Bにおいてくびれた形状の通路に構成されている。
右球通路810を上記の形状に構成したことで、右上通路部810Aに進入した遊技球は、3系統の流下経路のうちいずれかを流下するように左右方向に散りつつ下流した後、右中通路部810Bにおいて左右方向に集められるように流下する。このように、右中通路部810Bにおいて遊技球の流れが変化するため、当該右中通路部810Bにおいて遊技球が分岐口から分岐通路820に進入したとしても、そのことが遊技者に認識され難い。
また、右中通路部810Bを経て右下通路部810Cに進入した遊技球は、当該右下通路部810Cにおいて、再度、左右方向に散りながら流下する。よって、右中通路部810Bから右下通路部810Cに進入することで遊技球の流れが再度変化するので、この点においても、右中通路部810Bにおいて遊技球が分岐口から分岐通路820に進入したとしても、その変化を遊技者に認識させ難くできる。
また、右中通路部810Bを挟む右上通路部810Aおよび右下通路部810Cは、いずれも、大別して3系統の流下経路を含む太い通路部であり、また、右上通路部810Aおよび右下通路部810Cは、左右方向の幅より上下方向に長く構成されている。このため、遊技者は、これらの通路部810A,810Cにおける遊技球の流下経路を特定し難く、遊技者の視線を分散させる。この点においても、右中通路部810Bにおいて遊技球が分岐口から分岐通路820に進入したとしても、そのことが遊技者に認識され難い。
これにより、右上通路部810Aに進入した遊技球のうち、その一部が分岐通路820に進入して上大入賞装置434に進入する機会が基本的に失われるにもかかわらず、その旨が遊技者に認識され難いので、右下通路部810Cに進入した遊技球の全てが上大入賞装置434または一般入賞装置439Cに進入し得るかのような錯覚を遊技者に与えることができる。よって、特別遊技状態において感覚的に多くの遊技球が上大入賞装置434に進入しているかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。これにより、特別遊技状態において上大入賞装置434を狙って遊技球を発射する遊技の興趣を向上させることができる。
また、上大入賞装置434は、進入許容状態において遊技球の直径の略5倍の横幅の進入口を通して遊技球が進入可能に構成されるので、右下通路部810Cを流下する遊技球は、左右に散りながら、幅広の上大入賞装置434における幅方向の種々の位置から上大入賞装置434に進入し得る。この点においても、感覚的に多くの遊技球が上大入賞装置434に進入しているかのような印象を遊技者に与えることができる。
このように、本実施形態のパチンコ機100によれば、特別遊技状態において上大入賞装置434を狙って遊技球を発射する遊技の興趣の向上と、遊技者が獲得する賞球(遊技価値)が過剰となって遊技場(ホール)側が受ける不利益の抑制とを両立させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、右下通路部810C内には一般入賞装置439Cが設けられているので、遊技者は、上大入賞装置434を狙って発射した遊技球が上大入賞装置434または一般入賞装置439Cのいずれに進入するかを気にするため、これらの入賞装置434,439Cに注目しやすい。特に、一般入賞装置439Cは、上大入賞装置434より価値の低い入賞装置であるので、遊技者は、上大入賞装置434を狙って発射した遊技球の行く先としてこれらの入賞装置434,439Cに対する注目度は高い。遊技者が入賞装置434,439Cに注目にすることで、遊技者の視線が分岐通路820への分岐口から逸れやすくなるため、この点においても、右中通路部810Bにおいて遊技球が分岐通路820に進入したか否かを遊技者に認識させ難くすることができる。
ここで、分岐通路820への分岐口は、遊技盤400に形成された略円形状の遊技領域における左右方向の長さが最大となる線分を中心として上下方向に所定幅の領域における右端側に設けられている。つまり、分岐通路820への分岐口は、遊技領域における左右方向に最も広い範囲またはこれに準じる広さの範囲の端側に配置されるので、遊技者の視線が分岐通路820への分岐口に届き難く、それにより、遊技球が当該分岐口から分岐通路820に進入したか否かを遊技者に好適に認識させ難くすることができる。
また、分岐通路820への分岐口が右中通路部810Bの右端側に設けられているのに対し、一般入賞装置439Cは、右下通路部810Cにおける左側に寄った位置に設けられている。よって、遊技者は、一般入賞装置439Cに注目したことで、視線が分岐通路820への分岐口から離れやすくなって監視することが難しくなる。よって、かかる点においても、遊技球が右中通路部810Bにおいて分岐通路820に進入したか否かの認識を好適に遊技者にさせ難くすることができる。
さらに、分岐通路820への分岐口は、右側の遊技領域に設けられた右球通路810の右中通路部810Bにおける右端側、すなわち、右中通路部810Bにおける装飾図柄表示装置479から離れる側に設けられているので、特別遊技状態においては遊技者が装飾図柄表示装置479に表示される演出に注目した場合、視線が分岐通路820への分岐口から離れやすくなって監視することが難しくなる。よって、かかる点においても、遊技球が右中通路部810Bにおいて分岐通路820に進入したか否かの認識を好適に遊技者にさせ難くすることができる。
また、分岐通路820への分岐口へ向って下降傾斜する釘列(釘411B,411C,411Dを含む釘列)が形成されているので、右中通路部810Bを流下する遊技球は、当該釘列の並び(右に下降傾斜する配列)に沿って、比較的速く自然な流れで分岐口されて当該分岐口から分岐通路820に進入する。また、図21に示すように、釘411B,411C,411Dを含む釘列の左上側には、当該釘列とともに右への下降傾斜を構成する通路壁811(右球通路810の通路壁の一部)が設けられており、当該通路壁811もまた、右中通路部810Bを流下する遊技球を比較的速く自然な流れで分岐通路820の分岐口へと誘導する機能を担っている。
その一方で、分岐通路820への分岐口へ向って下降傾斜する釘列には、右下通路部810Cへの入口を構成する釘411B,411C,411Dが含まれているので、右中通路部810Bを流下する遊技球は、当該入口から右下通路部810Cに進入することもできる。このとき、右下通路部810Cの入口に進入する遊技球の流下方向は、分岐通路820への分岐口へ向う遊技球の流下方向とは交差する向きであるため、右下通路部810Cの入口に進入する遊技球の流れは、分岐通路820への分岐口へ向う遊技球の流れに比べて不自然でゆったりしたものである。よって、右下通路部810Cの入口に進入する遊技球の流れは、分岐通路820への分岐口へ向う遊技球の流れに比べて遊技者の印象に残り易い。よって、かかる点においても、遊技球が右中通路部810Bにおいて分岐通路820に進入したか否かの認識を好適に遊技者にさせ難くすることができる。
また、前ブロック102における前面装飾体210は、開口210Aの内側に配設される光透過性の板(前方板222,後方板223)とは異なり、前面側から裏面側を視認することができない部分である。よって、遊技球Pが分岐通路820への分岐口を構成する面に完全に進入した時点において、当該遊技球Pの一部が前面装飾体210に対し前後方向に重なってしまう程度に、分岐通路820の大部分が前面装飾体210に対し前後方向に重なっているので、右中通路部810Bから分岐通路820に進入した遊技球は、分岐通路820への進入と同時に、または、分岐通路820に進入すると直ぐに前面装飾体210の裏側に入り、それにより、遊技者の視界から外れる。よって、かかる点においても、遊技球が右中通路部810Bにおいて分岐通路820に進入したか否かの認識を遊技者にさせ難くすることができる。
また、一般的なパチンコ機においては、上大入賞装置434に規定数の遊技球が進入すると特別遊技状態が終了する構成であるので、特別遊技状態中に狙って発射した遊技球が全て上大入賞装置434に進入した場合には、当該規定数の遊技球が上大入賞装置434に進入するまでに要する時間が短くなって、特別遊技状態が短時間で終了することになる。特別遊技状態が短時間で終了した場合、盛り上がるべき特別遊技状態が淡白になって遊技の興趣が低下する虞がある。
これに対し、本実施形態のパチンコ機100においては、右中通路部810Bを流下する遊技球が分岐通路820に進入した場合、当該遊技球が上大入賞装置434に進入する機会は基本的に失われるので、特別遊技状態が短時間で終了し難くなり、それにより、特別遊技状態が淡白となって遊技の興趣が低下することを抑制できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
(1)上記第1実施形態においては、上大入賞装置434や下大入賞装置433への到達を、中流下領域409を通した場合に、右流下領域408を通した場合よりも、発射装置330における最短の発射間隔と同一の時間だけ遅らせる構成としたが、必ずしも最短の発射間隔と同一の時間だけ遅らせる必要はない。例えば、最短の発射間隔の3/4〜5/4の範囲で遅らせる構成や、最短の発射間隔の1/2〜3/2の範囲で遅らせる構成としてもよい。これらの構成であっても、先行する遊技球と後続の遊技球との双方を右流下領域408又は中流下領域409を通して上大入賞装置434や下大入賞装置433へ到達させる場合に比べて、中流下領域409を通して流下した遊技球と右流下領域408を通して流下した遊技球のいずれかが上大入賞スイッチ444や下大入賞スイッチ443によって検出されることによって上大入賞装置434や下大入賞装置433が進入禁止状態に変化する前に、それらの双方の遊技球を上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入させることができる可能性が高くなる。なお、その遅延時間が最短の発射間隔に近づくにつれて中流下領域409を通して流下した遊技球と右流下領域408を通して流下した遊技球の双方を上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入させることができる確率は高くなる。更に、最短の発射間隔の3/2よりも長い所定の時間だけ遅らせる構成としても良い。なお、この場合には、右流下領域408を流下するように次の遊技球を打ち出すタイミングを遊技者が知り得る構成、例えば、案内通路424の所定の部位に目印をつけて、その目印のつけられた部位に遊技球が差し掛かった場合に、右流下領域408を流下するように次の遊技球を打ち出す構成や、次の遊技球を打ち出すタイミングを装飾図柄表示装置479によって報知する構成とすることが好ましい。
(2)上記第1実施形態においては、特典を享受するために必要な操作の操作タイミングが、装飾図柄表示装置479における進入待残数によって間接的に報知され、具体的なタイミングは遊技者が判断する構成としたが、このような構成である必要はない。例えば、所定数(例えば5球)の遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入した場合に、中流下領域409を通して遊技球を流下させるように打ち出し強度を変更するように報知すると共にその直後に右流下領域408を通して遊技球を流下させるように打ち出し強度を最大強度に戻すように報知したりして、具体的な操作タイミングを報知する構成としても良い。なお、具体的なタイミングを報知する場合において、所定数の遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入した際に既に打ち出されている遊技球(例えば、2球)が全て上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入することが前提とされるために、中流下領域を右流下領域408又は中流下領域409を通して流下する遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433に確実に又は極めて高確率(95%以上)で進入する構成に対して適用することが特に好ましいこととなる。
(3)上記第1実施形態においては、上大入賞装置434や下大入賞装置433への到達を、中流下領域409を通した場合に、右流下領域408を通した場合よりも遅らせる構成としたが、必ずしも中流下領域409を通した場合を遅らせる構成である必要はない。例えば、中流下領域409を通した場合に、右流下領域408を通した場合よりも早める構成としても良い。但し、この構成の場合には、右流下領域408を通して流下させるように遊技球を打ち出した後に、その次の遊技球を、中流下領域409を通して流下するように打ち出す必要がある。なお、早める時間については、上記の遅らせる場合と同様に、最短の発射間隔の1/2〜3/2の範囲で早めることが好ましく、また、最短の発射間隔の3/4〜5/4の範囲で早めることが更に好ましく、また、最短の発射間隔と同一の時間だけ早めることが最も好ましい。
(4)上記第1実施形態においては、規定数よりも「1」だけ少ない個数の遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433へ進入するまでは右流下領域408を通して流下させるように遊技球を打ち出し、その後、一旦、中流下領域409を通して流下させるように遊技球を打ち出した後に、再度、右流下領域408を通して流下させるように遊技球を打ち出す構成としたが、必ずしも特典を受けるためにそのような3段階での打ち出しの調節を行う構成である必要はない。例えば、中流下領域409を通した場合に上大入賞装置434や下大入賞装置433への到達を遅らせる場合にあっては、規定数よりも「1」だけ少ない個数の遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433へ進入するまでは中流下領域409を通して流下させるように遊技球を打ち出し、更に、中流下領域409を通して流下させるようにその次の遊技球を打ち出した後に、右流下領域408を通して流下させるように遊技球を打ち出す構成としても良い。また、例えば、中流下領域409を通した場合に上大入賞装置434や下大入賞装置433への到達を早める場合にあっては、規定数よりも「1」だけ少ない個数の遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433へ進入するまでは中流下領域409を通して流下させるように遊技球を打ち出した後に、一旦、右流下領域408を通して流下させるように遊技球を打ち出し、再度、中流下領域409を通して流下させるようにその次の遊技球を打ち出す構成としても良い。また、規定数よりも「1」だけ少ない個数の遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433へ進入するまでは右流下領域408を通して流下させるように遊技球を打ち出し、更に、右流下領域408を通して流下させるように遊技球を打ち出した後に、中流下領域409を通して流下させるように遊技球を打ち出す構成としても良い。
(5)上記第1実施形態においては、略同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入する遊技球が2球である構成としたが、必ずしも2球である構成である必要はない。例えば、右流下領域408及び中流下領域409に加えて、左流下領域407とは異なる少なくとも1つの新たな流下領域を形成し、右流下領域408、中流下領域409及び新たな流下領域の各々を通して流下させた3球以上の遊技球が略同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入することを促進する構成としてもよい。
(6)上記第1実施形態においては、中流下領域409を通して流下するように打ち出された遊技球と、右流下領域408を通して流下するように遊技球を打ち出された遊技球とが略同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入する可能性を増加させる構成としたが、必ずしも異なる流下領域を通して流下した遊技球が略同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入する可能性を増加させる構成とする必要はない。例えば、中流下領域409を通して流下するように打ち出された2球の遊技球が略同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入する可能性を増加させる構成としても良い。
ここで、この構成について、図15を参照して具体的に説明する。図15は、遊技盤の変形例の部分拡大正面図である。図15に示す遊技盤400には、案内通路424において上下に並ぶように配置される上並設通路部424Cと下並設通路部424Dとの間に、経路切換機構425が設けられている。経路切換機構425は、上並設通路部424Cの底面を形成する遅延案内通路板425Aと、上並設通路部424Cと下並設通路部424Dとを短絡する経路を形成するように、遅延案内通路板425Aを略90度回転させる回転制御機構部(図示せず)とが設けられている。遅延案内通路板425Aの上面には、案内通路424を流下してきた遊技球が略1秒の時間をかけて通過するように流下させる前後方向に曲折する案内溝(図示せず)が形成されている。また、回転制御機構部は、遅延案内通路板425A上を2つの遊技球が流下する場合に、それらの2つの遊技球の自重によって遅延案内通路板425Aを回転させ、この回転によってそれらの2つの遊技球は下並設通路部424Dに放出される。このような経路切換機構425を設けた場合、中流下領域409を通して流下するように2球の遊技球を最短の発射間隔で打ち出だすと、遊技球が遅延案内通路板425A上を通過する時間が最短の発射間隔よりも長いために、先行の遊技球が遅延案内通路板425A上を通過し終える前に、後続の遊技球が遅延案内通路板425A上に進入する。これによって、先行の遊技球と後続の遊技球とが下並設通路部424Dに放出され、少なくとも遅延案内通路板425Aの長さ以下の間隔で、案内通路424の流下を継続する。したがって、それらの2つの遊技球が略同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入する可能性を増加させることができる。
(7)上記第1実施形態においては、特別遊技状態において、遊技者による所定の発射ハンドルの回転操作量の調節(遊技球の発射強度の調節)によって、特典として、獲得できる賞球数を増加させることが可能な構成としたが、必ずしも特典が賞球数の増加である構成でなくても良い。例えば、規定数を超える遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入したとしても規定数の遊技球がそれらに進入した場合の賞球数しか与えず、特典として、規定数を超える遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入した回数に応じてエンディング演出において特殊な演出を鑑賞できる機会を増加させる構成としても良い。更に、賞球数の増加の特典や特殊な演出の鑑賞機会の増加等の特典を複合させて享受できる構成としても良い。
(8)上記第1実施形態においては、案内通路424の放出口424Bを上大入賞装置434や下大入賞装置433の左上方に形成する構成としたが、必ずしも上大入賞装置434や下大入賞装置433の近傍に形成する構成でなくても良い。例えば、普通図柄に係る始動装置436の左上方に放出する案内通路を形成し、2つの遊技球が略同時に上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入することを促進できる構成としても良い。更に、中流下領域409を通して流下してきた遊技球が右流下領域408を通して流下してきた遊技球と干渉(衝突)できるように放出し、それらの干渉によって、右流下領域408を通して流下してきた遊技球が始動装置436に進入することを促進できる構成としても良い。
右流下領域408において遊技球の流路の分岐を少なく構成したり、障害となる部材に接触した場合の反発の態様を一定となるように設定した場合には、連続して発射された遊技球が一定間隔を保つように流下して上大入賞装置434等へ到達する流下時間は一定となるものの、遊技球同士の干渉が少なくなるので、単独の遊技球の流下では始動装置436の始動口や入賞口に遊技球がほとんど又は全く入らない設定の場合に遊技者が対処不能となって遊技機に不満を抱く可能性がある。これに対して、上記したように、始動装置436の始動口や入賞口より上流側に中流下領域409を通して流下してきた遊技球が放出される構成とすると、遊技球の干渉を遊技者の操作によって発生させることができる。よって、始動口や入賞口への進入確率を変動させて単位遊技の回数を増大させたり賞球数を増加させたりする等の特典を遊技者に提供することができる。
(9)上記第2実施形態においては、第1特別図柄に係る単位遊技、または、第2特別図柄に係る単位遊技のいずれについても、大当り抽選の当選による特別遊技状態が終了すると有利変動状態に遊技状態が移行する構成としたが、第1特別図柄に係る単位遊技に限り、大当り抽選の当選による特別遊技状態の終了後に有利変動状態に移行する構成としてもよい。
かかる構成においては、特別遊技状態中、遊技球が上側右始動入賞装置731に進入したことで長変動発生条件が発生した場合に、上側右始動入賞装置731への遊技球の進入に基づき発生した第1特別図柄に係る単位遊技(すなわち、長変動発生条件が発生したタイミングで最後に保留記憶された単位遊技)の変動表示が、当該変動表示に対して予め決められている変動時間より長い期間であって、遊技者がパチンコ機100から離れて休憩することを可能にする特定期間(例えば、5分間)の変動時間で実行される構成としてもよい。
これにより、第1特別図柄に係る単位遊技の変動表示における確定停止タイミング(すなわち、停止図柄の表示タイミング)を当初のタイミングより遅らせることができ、結果的に、当該単位遊技の大当り抽選が当選していた場合には、特別遊技状態の発生タイミングを遅らせることができる。よって、有利遊技状態の発生も遅延させることができるので、かかる構成においても、有利変動状態における特典(すなわち、比較的高い大当りの発生確率)を放棄せずともパチンコ機100から離れることが可能となる。
また、有利変動状態において、下大入賞装置433を作動させる始動入賞を、第2特別図柄に係る始動入賞に限定する構成としてもよい。このように、有利変動状態において実行可能な第2特別図柄の単位遊技の回数に上限が設けられている場合においても、第2実施形態のパチンコ機100によれば、有利変動状態における特典を放棄せずともパチンコ機100から離れることが可能となる。
(10)上記第2実施形態においては、役連作動装置435に代えて遊技盤400の右側に上側右始動入賞装置731を設ける構成としたが、上側右始動入賞装置731に代えて、役連作動装置435を設ける構成としてもよく、遊技球が役連作動装置435を通過した場合に下大入賞装置433が作動を開始するものとしてもよいし、遊技球が役連作動装置435を一定時間通過しない場合に下大入賞装置433が作動を開始するものとし、遊技球が役連作動装置435を通過した場合には、その通過後に一定時間(例えば、1分)が経過したタイミングで下大入賞装置433が作動を開始するものとしてもよく、複数の遊技球を通過させた場合には通過させた数分の時間(例えば、5つの遊技球を通過させた場合には5分)の経過後に下大入賞装置433が作動を開始するものとしてもよい。または、上側右始動入賞装置731に代えて、役連作動装置435とは別の作動装置であって、役連作動装置435のように上流側から進入した遊技球が遊技盤400の背面側に案内されることなく遊技盤400上を流下するゲート状の作動装置を設ける構成とし、遊技球が当該作動装置を通過した場合に、長変動発生条件が成立するように構成してもよい。この場合、当該作動装置は、単位遊技の変動表示における確定停止タイミングを当初のタイミングより遅らせる、または、役連作動装置435とは異なり、特別遊技状態の発生タイミングを遅らせる装置として機能することになる。
(11)上記第2実施形態においては、長変動発生条件が成立した場合に、次回に実行される単位遊技の変動表示を、当該変動表示に対して予め決められている変動時間より長い期間であって、遊技者がパチンコ機100から離れて休憩することを可能にする特定期間(例えば、5分間)の変動時間で実行するよう構成したが、長変動発生条件が成立したことで特定期間の変動表示を行う単位遊技は、長変動発生条件が発生したタイミングで保留記憶されている全ての単位遊技のうち、少なくとも1の単位遊技を対象とするのであれば、次回に実行される単位遊技である必要は必ずしもない。例えば、長変動発生条件が発生したタイミングで保留記憶されている全ての単位遊技のうち、最後に保留記憶された単位遊技の変動表示の変動時間を特定期間とする構成としてもよい。また、長変動発生条件が成立した場合に、長変動発生条件が発生したタイミングで保留記憶されている単位遊技のうち複数の単位遊技について変動表示の変動時間を特定期間とする構成としてもよい。
(12)上記第2実施形態においては、特別遊技状態中、遊技球を上側右始動入賞装置731に進入させることで、長変動発生条件が成立し、それにより、長変動発生条件が発生したタイミングで保留記憶されている単位遊技のうち1の単位遊技について変動表示の変動時間を特定期間とする構成としたが、長変動発生条件が成立後、上側右始動入賞装置731に進入した遊技球の回数に応じて、変動時間を特定期間とする遊技単位の数が増える構成としてもよい。
(13)上記第2実施形態においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が1回であり、かつ、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が4回である場合に、長変動発生条件が成立する構成としたが、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が4回に達した場合に、所定の報知を行う構成としてもよい。遊技者は、かかる報知によって、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が4回に達した状況にあることを認識することができる。
有利変動状態が終了して遊技状態が通常遊技状態に戻った場合、遊技者は、遊技盤400における右側の遊技領域を狙う右打ち遊技手法から、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bを狙う左打ち遊技手法に切り替えて遊技を行う。右打ち遊技手法によって遊技球を発射する場合、遊技球が右始動入賞装置432に進入したことに基づいて生じる第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留され易い。
そのため、遊技状態が通常遊技状態に戻ったタイミングで第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が4回に達している場合があり、かかる場合に、左打ち遊技手法に切り替えたことで遊技球が上側中始動入賞装置431Aまたは下側中始動入賞装置431Bに進入すると、単位遊技の変動表示を長くする理由がないにもかかわらず、長変動発生条件が成立して、単位遊技の変動表示が特定期間に亘って実行されることになる。
これに対し、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が4回に達した場合に、所定の報知を行うことで、遊技者は、その旨を把握することができ、それにより、長変動発生条件が成立しないよう、保留記憶されている第2特別図柄に係る単位遊技が消化(処理)されるのを待って、左打ち遊技手法に切り替えることができる。よって、遊技者が、必要のない遅延によって時間を浪費することを好適に回避することができる。
なお、主制御基板920は、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が4回に達した場合、対応する信号を副制御基板940に出力し、副制御基板940は、受信した信号に基づき、装飾図柄表示装置479や音響装置281,282などを用いて所定の報知を実行する。所定の報知としては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が4回に達したことを示す内容や遊技球の発射停止を促す内容などを、装飾図柄表示装置479に表示する構成であってもよく、音声などによって報せる構成であってもよい。
(14)上記第2実施形態においては、長変動発生条件が特別遊技状態中に成立する場合を例示したが、長変動発生条件が、通常遊技状態においても成立可能な構成であってもよい。
(15)上記第2実施形態においては、長変動発生条件が成立した場合には、パチンコ機100が初期化(リセット)されたかのように遊技者に感じさせる所定の画面表示や、パチンコ機100が待機状態に入ったかのように遊技者に感じさせる所定の画面表示など、遊技者の気持ちをリセット可能な画像を装飾図柄表示装置479に表示する構成としたが、これらの画面表示(すなわち、画像の表示)に代えて、または、これらの画面表示に加えて、音声を制御することで、遊技者の気持ちをリセットさせる構成としてもよい。
例えば、長変動発生条件が成立した場合、まず音を消音した(無音にした)後、単位遊技における変動表示を内部的に開始しつつ、消灯された背景に「リセット中」などの文字を表示させ、所定時間(例えば、残りの変動時間が略30秒となる程度の時間)の経過後、音声を含めて本来の変動表示に復帰して、当該変動表示を遊技者がパチンコ機100から離れて休憩することを可能にする特定期間(例えば、5分間)に亘って実行する構成としてもよい。「リセット中」との表示期間中を無音とすることで、遊技者はパチンコ機100が初期化されているかの錯覚を受け易くなる。なお、音量の変更に代えて、または、音量の変更に加えて、音声の内容を変更する構成であってもよい。
また、長変動発生条件が成立した場合に、上記のような、「リセット中」との表示を含む単位遊技の変動表示を、当初の変動時間で行って該単位遊技における確定停止を行った後、所定の図柄(例えば、1,2,3)から始まる擬似的な変動表示を、遊技者がパチンコ機100から離れて休憩することを可能にする特定期間(例えば、5分間)に亘り実行する構成としてもよい。このように、所定の図柄(例えば、1,2,3)から擬似的な変動表示を新たに行うことで、パチンコ機100が初期化されて、内部的に何らかの変化が起こっているかのような錯覚を遊技者に感じさせ易くすることができる。
(16)上記第2実施形態においては、長変動発生条件が成立した場合、遊技者の気持ちをリセット可能な画像として、電源スイッチ909または初期化スイッチ907が操作されたことでパチンコ機100が初期化(リセット)されたことに伴って装飾図柄表示装置479に実際に表示される初期画面を例示したが、パチンコ機100が初期化(リセット)された場合に初期化を図る役物の動作を、初期画面の表示に加えて行う構成としてもよい。これにより、遊技者はパチンコ機100が初期化されているかの錯覚をより受け易くなる。
(17)上記第2実施形態においては、遊技者は、発射ハンドル252の回転操作量を意図的に調節し、遊技球を上側右始動入賞装置731に進入させることで、長変動発生条件を成立させて、遊技者の気持ちをリセット可能な画像を装飾図柄表示装置479に表示させる構成としたが、パチンコ機100で遊技する遊技者が操作可能な位置(例えば、パチンコ機100の前面側)に、遊技者の気持ちをリセット可能な画像を表示させるための専用の操作部(例えば、ボタンやレバーなど)を設ける構成としてもよい。
なお、かかる構成においては、長変動発生条件の成立は、当該専用の操作部に対する操作とは無関係に成立する構成としてもよい。また、専用の操作部を設けることで、特別遊技状態に限らず、通常遊技状態など、いかなる遊技状態であるかにかかわらず、遊技者の必要に応じて、遊技者の気持ちをリセット可能な画像を装飾図柄表示装置479に表示させることができる。
(18)上記第2実施形態においては、長変動発生条件が成立した場合、特定期間の変動表示を含む次回の単位遊技において、遊技者の気持ちをリセット可能な画像を表示する構成としたが、次回の単位遊技の終了後に遊技者の気持ちをリセット可能な画像を表示する構成としてもよい。
(19)上記第2実施形態においては、右流下領域708および中流下領域709に遊技球を流下させて2つの遊技球が接触する発射操作を行うことで、上側右始動入賞装置731に遊技球を進入(入賞)させることができる構成について説明したが、2つの遊技球が接触する発射操作を実行可能な構成としては右流下領域708および中流下領域709の構成に限るものでなく、例えば、上記第1実施形態における右流下領域408および中流下領域409の構成を有するものとしてもよい。また、上記第1実施形態における右流下領域408および中流下領域409の構成に代えて、上記第2実施形態における右流下領域708および中流下領域709の構成を有するものとしてもよい。
(20)上記第2実施形態においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が1回であり、かつ、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数が4回である場合を、長変動発生条件とすることで、遊技者が、有利変動状態における特典(すなわち、比較的高い大当りの発生確率)を放棄せずともパチンコ機100から離れて休憩などを取ることが可能となる場合について説明したが、単に、遊技者が安全に離席し易いという観点においては、第1特別図柄または第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数とは無関係に、遊技者が遊技球を上側右始動入賞装置731などの特定の入球口または入賞口に進入させた場合を長変動発生条件とする構成としてもよい。かかる構成によれば、遊技者を安全に離席させる状況を発生し易くすることができる。
また、パチンコ機100で遊技する遊技者が操作可能な位置(例えば、パチンコ機100の前面側)に、長変動発生条件を発生させるための専用の操作部(例えば、ボタンやレバーなど)を設ける構成としてもよい。なお、かかる構成においては、長変動発生条件の成立は、当該専用の操作部に対する操作とは無関係に成立する構成としてもよい。また、専用の操作部を設けることで、遊技者が必要に応じて当該専用の操作部を操作することで、随時、遊技者を安全に離席させる状況を発生させることができる。
また、短期間に払出装置540から所定数以上の賞球(遊技価値)が払い出され得る状況が生じた場合を長変動発生条件としてもよい。遊技者は、短期間に所定数以上の賞球が払い出され得る状況が生じたことで射幸心を抱き易くなるが、かかる状況が生じた場合を長変動発生条件とすることで、特定期間の変動表示中に一時的に離席させる機会を与えることで、射幸心を抱き熱くなった遊技者を冷静にさせることが可能となる。
かかる場合も、長変動発生条件の成立に基づく特定期間の変動表示が行われる際に離席可能情報Jを表示する構成とすることで、離席に対する安心感を遊技者に与えて離席を促すことができるので、遊技者を冷静にさせる機会を与えるという点において好適である。
「短期間に払出装置540から所定数以上の賞球(遊技価値)が払い出され得る状況」の一例としては、例えば、「短期間(例えば、10分間)に複数である所定回(例えば、3回)の特別遊技状態が発生した場合」が例示される。
「短期間に複数である所定回の特別遊技状態が発生した場合」に長変動発生条件が成立する場合、それら連続して発生した特別遊技状態に続き、さらに特別遊技状態が連続して発生する場合の変動表示(大当り変動)の変動時間を、通常の(すなわち、長変動発生条件が成立しない場合における)大当り変動の変動時間に基づき決定される特定期間とし、当該特定期間の変動表示(大当り変動)を行う構成としてもよい。
あるいは、「短期間に複数である所定回の特別遊技状態が発生した場合」に長変動発生条件が成立する場合、それら連続して発生した特別遊技状態の後に実行される所定回数(1回または複数回)分の変動表示の変動時間を、長変動発生条件が成立しない場合における変動表示の変動時間に基づき決定される特定期間とし、当該特定期間の変動表示を行う構成としてもよい。なお、かかる場合に特定期間とされる変動表示は、ハズレ変動に限らず、大当り変動が含まれていてもよい。
また、「短期間に払出装置540から所定数以上の賞球(遊技価値)が払い出され得る状況」としては、例えば、「1回あたりに所定数以上(例えば、略2000個以上)の遊技価値が払い出され得る(所謂、出球の多い)特別遊技状態が発生した後、短期間内に、特別図柄に係る単位遊技の大当り抽選に当選した場合」が例示され、この条件についても、上記した所定回の特別遊技状態が発生した場合の条件に代えて、又は、当該条件に加えて、長変動発生条件としてもよい。ここで、「1回あたりに所定数以上の遊技価値が払い出され得る特別遊技状態」とは、例えば、継続ラウンド数の多く出球が多くなり得る長期(例えば、10ラウンド)の特別遊技状態である。
また、「1回あたりに所定数以上の遊技価値が払い出され得る(所謂、出球の多い)特別遊技状態」が発生した後の「短期間」としては、例えば、変動表示が所定回数(例えば、10回)行われるまでの期間や、ハズレリーチが所定回数(例えば、2回)行われるまでの期間などの期間が例示される。
そして、「1回あたりに所定数以上の遊技価値が払い出され得る特別遊技状態が発生した後、短期間内に、特別図柄に係る単位遊技の大当り抽選に当選した場合」に長変動発生条件が成立する場合、当選した大当り抽選に対応する変動表示(大当り変動)の変動時間を、長変動発生条件が成立しない場合における大当り変動の変動時間に基づき決定される特定期間とし、当該特定期間の変動表示(大当り変動)を行う構成としてもよい。
なお、短期間(例えば、10分間)に所定数以上(例えば、略5000個以上)の賞球が払い出され得る状況であれば、特別遊技状態の発生とは無関係に長変動発生条件が成立する構成としてもよい。
(21)上記第2実施形態においては、長変動発生条件の成立に基づく特定期間の変動表示が行われる際に離席可能情報Jを表示する構成としたが、離席可能情報Jは、装飾図柄表示装置479に表示される文字列など、視覚的に認識可能な情報であることに限らず、音響装置281,282などを用いて音声などで報せる構成としてもよい。
(22)上記第3実施形態においては、右球通路810が右中通路部810Bにおいてくびれた形状の通路として構成したが、右中通路部810Bが、右上通路部810Aおよび右下通路部810Cと同様の、左右方向に並ぶ複数の流下経路(例えば、3以上の流下経路)を含む太い通路部である構成であってもよい。かかる変形例においては、上記第3実施形態のように、各通路部810A,810B,810Cを流下する遊技球の流れが変化することによる効果は薄いものの、遊技者は、右中通路部810Bを挟む右上通路部810Aおよび右下通路部810Cにおける遊技球の流下経路を特定し難いので、遊技者の視線が分散され、それによって、右中通路部810Bにおいて遊技球が分岐通路820に進入したか否かを遊技者に認識させ難くすることができる。
(23)上記第3実施形態においては、大別して3系統の流下経路を含む通路部として構成したが、左右方向に並ぶ複数の流下経路を含む通路であれば、左右方向に並ぶ流下経路の数は、2つであっても、4以上であってもよい。
(24)上記第3実施形態においては、右側の遊技領域に右球通路810を設ける構成としたが、右球通路810と同形状の球通路を左側の遊技領域に設ける構成としてもよい。かかる場合、当該球通路の左端側に分岐通路820と同様の分岐通路を設ける構成としてもよい。
(25)上記第3実施形態においては、右下通路部810C内に一般入賞装置439Cを設ける構成としたが、右下通路部810C内に一般入賞装置439Cを設けない構成としてもよい。つまり、上大入賞装置434が進入許容状態にある場合に右下通路部810Cに進入した遊技球は、その全てが上大入賞装置434に進入することができる構成としてもよい。
(26)上記第3実施形態においては、上大入賞装置434は、進入許容状態において遊技球の直径の略5倍の横幅の進入口を通して遊技球が進入可能な構成としたが、上大入賞装置434の進入口の横幅は、上記例示に限定されるものではなく、少なくとも遊技球の略2倍以上、好ましくは略3倍以上であれば、上記第3実施形態のパチンコ機100と同様の効果を奏することが可能である。
(27)上記第3実施形態においては、右中通路部810Bと右下通路部810Cとの境界が、分岐通路820への分岐口へ向って下降傾斜する釘列(釘411B,411C,411Dを含む釘列)により形成される構成としたが、右下通路部810Cへの入口が、分岐通路820への分岐口へ向って下降傾斜する釘列より下流側に設けられる構成であってもよい。つまり、当該釘列と右中通路部810Bと右下通路部810Cとの境界とが異なる構成であってもよい。
(28)上記第3実施形態においては、右中通路部810Bに形成された分岐口から分岐通路820に進入した遊技球は、分岐通路820を通って遊技領域内に排出される構成としたが、右中通路部810Bに形成された分岐口に進入した遊技球が、所定の通路を通って回収排出通路へと案内される構成としてもよい。
(29)上記第3実施形態においては、分岐通路820への分岐口の近傍を除き、分岐通路820の大部分が前面装飾体210に対し前後方向に重なる場合について例示したが、分岐通路820への分岐口を含め、分岐通路820の全てが前面装飾体210に対し前後方向に重なる構成であってもよい。
(30)上記第3実施形態においては、分岐通路820の大部分が前面装飾体210に対し前後方向に重なる構成としたが、分岐通路820に対して前後方向に重なる部分としては、前面装飾体210のように、前面側から裏面側を視認することができない部分に限らず、濃色(例えば、黒色)の透明板などのように、前面側から裏面側を視認困難ではあるものの薄っすらと視認できる部分であってもよい。
(31)上記第3実施形態においては、分岐通路820への分岐口の近傍に対して前後方向に重なる前面装飾体210の一部が発光部としての右側縁部211E(図5参照)によって構成される場合について説明したが、分岐通路820への分岐口の近傍に重なる部分については発光しない非発光部を前面装飾体210が有する構成としてもよく、これにより、遊技者が分岐通路820への分岐口を注目しないようにし易くすることができて好ましい。
(32)上記第3実施形態においては、分岐通路820への分岐口の近傍に対して前後方向に重なる前面装飾体210の開口210Aの外縁が直線的に構成され、分岐通路820への分岐口の近傍に対して前後方向に重なる前面装飾体210の一部としての右側縁部211E(図5参照)が略同一の左右幅によって構成される場合について説明したが、分岐通路820への分岐口の近傍に重なる部分については、当該部分に対して上側または下側の少なくとも一方側より細い左右幅に形成された部分とすることが好ましい。前面装飾体210の右側縁部211Eの中でも細い左右幅の部位については、後側に通路が配置されにくく、また、遊技機の中でも中央から左右方向に大きくずれた位置に相当する部位であるので、遊技者が当該部位に設けられる分岐通路820の分岐口に対して注意を向けにくく、これにより、遊技者が分岐通路820への分岐口を注目しないようにし易くすることができて好ましい。
(33)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
<特徴10>
可変強度で遊技媒体を発射する発射手段と、所定の条件の成立に基づいて遊技媒体の進入が許容され、所定の個数の遊技媒体の進入に基づいて進入が禁止される可変入賞口と、前記発射手段から所定の第1の強度範囲で発射された遊技媒体が流下する第1流下領域と、前記発射手段から前記第1の強度範囲の強度よりも強く、最大強度を含む所定の第2の強度範囲で発射された遊技媒体が前記可変入賞口に流下可能である第2流下領域とを含む遊技機であって、
前記発射手段から前記第1の強度範囲と前記第2の強度範囲との間の強度範囲で発射された遊技媒体が前記第2流下領域とは異なる経路で前記可変入賞口に流下可能である第3流下領域を含み、
前記可変入賞口の進入許容状態において、前記発射手段から発射される遊技媒体の強度を切り替えて、前記第2流下領域を通して少なくとも1つの遊技媒体を流下させると共に前記第3流下領域を通して少なくとも1つの遊技媒体を流下させることにより、前記可変入賞口への遊技媒体の進入に関して特典を付与可能な特典付与手段を含むことを特徴する遊技機。
従来の遊技機において、所定の条件を満たした場合に進入許容状態となり、所定の規定数の遊技球の進入が検知されると進入禁止状態に戻る可変入賞装置を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2014−004177号公報)。このような遊技機において、可変入賞装置が進入許容状態である場合に、発射ハンドルを最大限に回転させて最大強度で遊技球を打ち出せば、高確率で可変入賞装置に進入させることができる構成が主流となっている。
主流となっている遊技機において、可変入賞装置が進入許容状態である場合に、所定の一定の強度(最大強度)で遊技球を打ち出して、つまり、発射ハンドルを最大限に回転させた状態で固定して遊技を進行させるために、遊技進行が単調になり易く、可変入賞装置に遊技球を進入させる場合の遊技性に関して改良の余地があった。
そこで、本発明に係る遊技機では、例えば、可変入賞口(可変入賞装置への進入口)に遊技球を進入させる場合の遊技性を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的としている。
これに対し、特徴10に記載の遊技機によれば、遊技者は、可変入賞口への遊技媒体の進入に関する特典を得るためには、可変入賞口が進入許容状態である期間の途中で遊技媒体の発射を調節しなければならない。これによって、遊技媒体の発射を調節してもしなくても特典が付与されない場合に比べて、遊技媒体を可変入賞口に進入させる場合の遊技における遊技進行の単調さを改善できる。また、遊技媒体の発射を調節すれば、特典が付与される可能性があるために、遊技媒体を可変入賞口に進入させる場合の遊技において、特典の付与への期待感を増大させることができる。したがって、遊技媒体を可変入賞口に進入させる場合の遊技における遊技性が向上する。
<特徴11>
前記特典付与手段は、前記第3流下領域を流下する遊技媒体に作用して、前記第2流下領域を通して前記可変入賞口に進入する遊技媒体の流下時間と前記第3流下領域を通して前記可変入賞口に進入する遊技媒体の流下時間とに所定の時間のずれを生じさせることにより、前記第2流下領域を通して流下する遊技媒体と前記第3流下領域を通して流下する遊技媒体とが前記発射手段による遊技媒体の最短の発射間隔よりも短い間隔で前記可変入賞口に到達することを促進する特徴10に記載の遊技機。
特徴11に記載の遊技機によれば、発射手段から発射される遊技媒体の強度を切り替えることによって、遊技媒体の最短の発射間隔、つまり、第2流下領域及び第3流下領域の一方のみを通して全ての遊技媒体を流下させた場合における可変入賞口に進入する遊技媒体の間隔よりも、短い間隔で可変入賞口に到達する可能性が高くなる。これによって、可変入賞口への遊技球の進入が禁止される間際において、所定の個数よりも多くの遊技球が進入し易くなり、予定よりも多くの遊技媒体の払い出しを受けられることともなる。
<特徴12>
前記特典付与手段は、遊技媒体の流下を抑制すると共に、当該流下が抑制された先行の遊技媒体に後続して流下してきた後続の遊技媒体が前記先行の遊技媒体に対して所定の範囲に近づいた場合に、前記先行の遊技媒体に対する流下の抑制を解除して、前記先行の遊技媒体と前記後続の遊技媒体とを前記所定の範囲で近接した状態で流下させる特徴10に記載の遊技機。
特徴12に記載の遊技機によれば、発射手段から発射される遊技媒体の強度を切り替えることによって、可変入賞口に向かう流下過程において、先行の遊技媒体と後続の遊技媒体と間隔が縮まるために、それらの遊技媒体は近接して可変入賞口に到達し易くなる。これによって、可変入賞口への遊技球の進入が禁止される間際において、所定の個数よりも多くの遊技球が進入し易くなり、予定よりも多くの遊技媒体の払い出しを受けられることともなる。
なお、先行の遊技媒体と後続の遊技媒体とが第3流下領域を通して流下する場合であっても、先行の遊技媒体と後続の遊技媒体との一方が第2流下領域を通して流下し、他方が第3流下領域を通して流下する場合であってもよい。
<特徴13>
前記特別遊技状態において、前記特典を享受するための遊技媒体の強度の切り替えに関する情報を報知する報知手段を含む特徴10〜12に記載の遊技機。
特徴13に記載の遊技機によれば、特典が付与される可能性のある機会を全ての遊技者に確実に提供でき、遊技者間の公平性を担保することができる。
<特徴20>
遊技者が操作可能な位置に設けられて、所定の擬似リセット操作が可能な操作部(発射ハンドル252)と、
表示部(装飾図柄表示装置479)と、
通常遊技状態より有利な所定の遊技状態(特別遊技状態、有利変動状態)において前記操作部に対して所定の擬似リセット操作が行われた場合、前記表示部の表示内容が所定のリセット操作態様に移行する状態移行手段(主制御基板920,副制御基板940)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選を行い、当該抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって多数の遊技球(遊技媒体)が入賞口へ入球可能となる構成が知られている。また、かかるパチンコ機は表示装置を備えており、当該表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて図柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示として上記抽選結果に応じた停止結果が表示される。
近年では、通常遊技状態において大当りに当選すると、大当り遊技(特別遊技状態)の終了後に所謂「確変状態」と呼ばれる確変遊技状態に移行し、確変遊技状態において、図柄の変動表示の回数が予め決められた回数(例えば、150回転)の期間中に所定の条件(例えば、大当りの当選)が成立すれば確変遊技状態が継続されるが、当該期間中に所定の条件が成立しなければ通常遊技状態に移行する遊技機が知られている(例えば、特開2016−147203号公報)。
しかしながら、上記遊技機のように、特別遊技状態の終了後、確変遊技状態のような、通常遊技状態に比べて有利な遊技状態に移行し、確変遊技状態において所定の期間中に所定の条件を成立させることで、確変遊技状態(すなわち、通常遊技状態に比べて有利な遊技状態)を継続させることができる構成の遊技機においては、未だ改良の余地があった。例えば、何度も大当りに当選したにもかかわらず、所定の期間中に所定の条件を成立させることができないことが続いた場合、遊技者が遊技をつまらなく感じて遊技意欲を減退させてしまう虞があった。
これに対し、特徴20に記載の遊技機によれば、遊技者が操作可能な位置には所定の擬似リセット操作が可能な操作部が設けられており、遊技者が、通常遊技状態より有利な所定の遊技状態において当該操作部に対して所定の擬似リセット操作を行った場合には、状態移行手段により、表示部の表示内容が所定のリセット操作態様に移行する。これにより、擬似リセット操作を行った遊技者は、遊技中に表示部に本来表示されるべき表示内容とは異なる、所定のリセット操作態様の表示を見たことで、自身の気分をリセットする(切り替えする)ことができる。
よって、遊技者は、確変遊技状態に移行してから所定の期間中に所定の条件を成立させることができないことが続くなど、通常遊技状態より有利な所定の遊技状態における遊技の流れが好ましくない状況である場合に、操作部に対して所定の擬似リセット操作を行うことで、自身の気分をリセットすることで一新させて遊技に臨むことができるので、遊技意欲の減退を抑制することができる。
なお、特徴20に記載の「所定のリセット操作態様」としては、画像(動画像または静止画像)の表示によって実現することに限らず、画像の表示に代えてまたは加えて、音(所定のリセット操作音)を出すことで実現する構成であってもよく、「所定の態様」としてもよく、「所定の表示または所定の音の少なくともいずれかを出力する態様」としてもよい。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機であって、
前記操作部の操作量に応じた強度で遊技媒体(遊技球)を発射可能な発射手段(発射装置330)と、
前記操作部の操作量が所定量である場合に前記発射手段から発射された遊技媒体が進入可能な位置に形成された、遊技媒体が進入可能な進入口(上側右始動入賞装置731の入賞口)と、
該進入口に進入した遊技媒体を検出可能な検出部(上側右始動入賞スイッチ741)と、
を備え、
前記状態移行手段は、遊技媒体が前記検出部により検出された場合に、前記表示部の表示内容が前記所定のリセット操作態様に移行することを特徴とする遊技機。
特徴21に記載の遊技機によれば、発射手段から発射された遊技媒体が進入口に進入して検出部により検出されると、状態移行手段により、表示部の表示内容が所定のリセット操作態様に移行する。当該進入口は、操作部の操作量が所定量である場合に発射手段から発射された遊技媒体が進入可能な位置に形成されている。
よって、発射手段から遊技媒体を発射させるための操作部を、擬似リセット操作を行うための操作部として流用できるので、専用の操作部を設ける必要がなく製造コストを抑制できる上に、発射手段から遊技媒体を発射させて行う遊技中に専用の操作部を操作する必要もなく遊技者に擬似リセット操作を行わせるための煩わしさも回避できる。また、表示部の表示内容をリセット操作態様に移行させる場合、遊技者は、遊技媒体が進入口に進入するよう、発射手段による発射強度を調節するべく操作部の操作量を意図的に調節する必要があるので、操作部の操作によって発射手段から遊技媒体を発射させる遊技の単調さが軽減される。
<特徴22>
特徴21に記載の遊技機であって、
前記発射手段により発射された遊技媒体が流下する流下領域であって、前記操作部が前記所定量の一部である第1操作量で操作された場合に遊技媒体が進入可能な第1入口(入口708A)を有し、該第1入口から進入した遊技媒体が流下する第1流下領域(右流下領域708)と、前記操作部が前記所定量の一部である第2操作量で操作された場合に遊技媒体が進入可能な入口であって、前記第1入口とは異なる位置に設けられた第2入口(入口709A)を有し、該第2入口から進入した遊技媒体が前記第1流下領域を流下する遊技媒体とは異なる経路で流下する第2流下領域(中流下領域709)と、を少なくとも含む流下領域を備え、
前記第1流下領域を流下する遊技媒体は、前記進入口より上流側において前記第2流下領域を流下する遊技媒体に接触可能であり、前記第2流下領域を流下する遊技媒体に接触しない場合には前記進入口に進入し得ない経路で流下し、前記第2流下領域を流下する遊技媒体に接触した場合に該接触による経路変更によって前記進入口に進入可能となることを特徴とする遊技機。
特徴22に記載の遊技機によれば、操作部を前記所定量の一部である第1操作量で操作することで、発射手段から発射された遊技媒体を第1入口に進入させることができ、第1入口に進入した遊技媒体は第1流下領域を流下する。一方、操作部を前記所定量の一部である第2操作量で操作することで、発射手段から発射された遊技媒体を第2入口に進入させることができ、第2入口に進入した遊技媒体は第2流下領域を流下する。よって、遊技者は操作部に対する操作量を調節することで、遊技媒体を、当該操作量に応じた流下領域にて流下させることができる。
ここで、第1流下領域を流下する遊技媒体は、進入口より上流側において第2流下領域を流下する遊技媒体に接触可能である。ここで、第1流下領域を流下する遊技媒体が第2流下領域を流下する遊技媒体に接触しない場合、第1流下領域を流下する遊技媒体は進入口に進入し得ない経路で流下する。一方、第1流下領域を流下する遊技媒体が第2流下領域を流下する遊技媒体に接触した場合、第1流下領域を流下する遊技媒体は、第2流下領域を流下する遊技媒体との接触による経路変更によって進入口に進入可能となる。
よって、表示部の表示内容をリセット操作態様に移行させるためには、遊技者は、第1流下領域を流下する遊技媒体と第2流下領域を流下する遊技媒体とが接触するよう、操作部に対する操作量を意図的に調節する必要がある。これにより、操作部の操作によって発射手段から遊技媒体を発射させる遊技の単調さを好適に軽減できる。
<特徴30>
表示部(装飾図柄表示装置479)と、
遊技媒体(遊技球)が進入可能な第1進入口(右始動入賞装置432の入賞口)と、
該第1進入口に進入した遊技媒体を検出した場合に始動条件が成立する第1検出部(右始動入賞スイッチ442)と、
所定の始動条件が成立したことに基づき所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
該抽選手段による抽選結果を保留する保留手段(主制御基板920)と、
該保留手段に保留された抽選結果に基づき、所定の変動表示と該変動表示の後に当該抽選結果を示す停止表示とを前記表示部に順次表示する表示制御手段(副制御基板940)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合、前記表示制御手段により当該抽選結果を示す停止表示が表示された後、通常遊技状態より有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
遊技者が操作可能な位置に設けられた操作部(発射ハンドル252)と、
該操作部が操作された場合に遊技媒体を発射する発射手段(発射装置330)と、
前記操作部の操作量が所定量である場合に前記発射手段から発射された遊技媒体が進入可能な位置に形成された、遊技媒体が進入可能な第2進入口(上側右始動入賞装置731の入賞口)と、
該第2進入口に進入した遊技媒体を検出可能な第2検出部(上側右始動入賞スイッチ741)と、
前記保留手段に少なくとも1の抽選結果が保留されている状態で遊技媒体が前記第2検出部により検出された場合、前記保留手段に保留されている抽選結果のうち、少なくとも1の抽選結果に対する前記表示制御手段による前記停止表示の表示タイミング、または、当該抽選結果に基づく前記遊技制御手段による前記特別遊技状態の発生タイミングを遅延させる遅延手段(主制御基板920,副制御基板940)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選を行い、当該抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって多数の遊技球(遊技媒体)が入賞口へ入球可能となる構成が知られている。また、かかるパチンコ機は表示装置を備えており、当該表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて図柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示として上記抽選結果に応じた停止結果が表示される。
また、従来のパチンコ機には、遊技球が、表示装置にて図柄の変動表示が行われている最中に始動口に入球した場合、大当りの抽選に用いる当り情報が予め定められた所定数(例えば、4個)を上限として保留記憶されるよう構成されたものがある。このとき、保留記憶された当り情報は、図柄の変動表示が終了した後に、大当りか否かの抽選に供され、それに伴って次回の図柄の変動表示が開始される。
近年では、通常遊技状態において大当りに当選すると、大当り遊技(特別遊技状態)の終了後に所謂「確変状態」と呼ばれる確変遊技状態に移行し、確変遊技状態において、図柄の変動表示の回数が予め決められた回数(例えば、150回転)の期間中に所定の条件(例えば、大当りの当選)が成立すれば確変遊技状態が継続されるが、当該期間中に所定の条件が成立しなければ通常遊技状態に移行する遊技機が知られている(例えば、特開2016−147203号公報)。
しかしながら、上記遊技機のように、特別遊技状態の終了後の所定の期間中に所定の条件を成立させることで、確変遊技状態のような、通常遊技状態に比べて有利な遊技状態を継続させることができる構成の遊技機においては、未だ改良の余地があった。
例えば、上記「所定の条件」として、特別遊技状態の終了後の所定の期間中に、各回の図柄の変動表示に対応する抽選の結果に応じて作動する特定の装置に対して、遊技者が発射させた遊技球に基づき生じる結果(例えば、所謂「V入賞」)が含まれる場合、当り情報が保留記憶された状態で特別遊技状態に移行した場合に、遊技者が遊技機から離れるなどして遊技球を発射できない状況にあると、確変遊技状態における特典(すなわち、確変遊技状態の継続)を受けるチャンスをみすみす無駄にすることになる。
特に、特別遊技状態の終了後において所定の条件を成立させる期限である「所定の期間」が、当り情報を保留記憶可能な上限値より少ない変動表示の回数である場合、遊技者が遊技機から離れることは、確変遊技状態における特典を完全に放棄することに相当する。よって、遊技者は、確変遊技状態における特典を自ら放棄しない限り、確変遊技状態が継続されずに終了するまで(すなわち、通常遊技状態に移行するまで)、自身が遊技する遊技機から離れることができず、休憩なども取れない状況となる。
これに対し、特徴30に記載に遊技機によれば、所定の始動条件が成立した場合、抽選手段により、当該始動条件の成立に基づいて所定の抽選が行われ、当該抽選結果は保留手段により保留される。保留手段に保留された抽選結果に基づき、所定の変動表示と該変動表示の後に当該抽選結果を示す停止表示とが表示制御手段により表示部に順次表示され、抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合には、遊技制御手段により、表示制御手段により当該抽選結果を示す停止表示が表示された後、通常遊技状態より有利な特別遊技状態が発生される。
保留手段に少なくとも1の抽選結果が保留されている状態で、発射手段から発射された遊技媒体が第2進入口に進入して第2検出部により検出された場合、保留手段に保留されている抽選結果のうち、少なくとも1の抽選結果に対する表示制御手段による停止表示の表示タイミング、または、当該抽選結果に基づく遊技制御手段による特別遊技状態の発生タイミングが、遅延手段により遅延される。
よって、遊技者は、保留手段に少なくとも1の抽選結果が保留されている状態で第2進入口を狙って遊技媒体を進入させることで、保留手段に保留されている抽選結果に対する少なくとも1回分の変動表示に対し、停止表示までの期間、または、当該変動表示の後に特別遊技状態が発生するまでの期間を、同じ状況下で遊技媒体が第2進入口に進入されない場合における各タイミングより遅らせることができる。
これにより、遊技者は、保留手段に少なくとも1の抽選結果が保留された状態で、遊技球を第2検出部により検出させることで、保留手段に保留されている抽選結果が全て処理されるまでの期間内において、遅延手段による遅延を利用することによって遊技機から離れることが可能となる。よって、例えば、特別遊技状態の終了後の所定の期間中に所定の条件を成立させることで所定の特典を付与可能な構成の遊技機においては、遊技者が当該特典を放棄することなく、必要に応じて遊技機から離れることができる。
ここで、第2進入口は、操作部の操作量が所定量である場合に発射手段から発射された遊技媒体が進入可能な位置に形成されているので、遅延手段による遅延を行う場合、遊技者は、遊技媒体が第2進入口に進入するよう、発射手段による発射強度を調節するべく操作部の操作量を意図的に調節する必要があるので、操作部の操作によって発射手段から遊技媒体を発射させる遊技の単調さが軽減される。
なお、特徴30に記載の遊技機における「第2検出部」は、遊技媒体を検出した場合に始動条件が成立する検出部であってもよいし、遊技媒体を検出した場合に始動条件が成立しない検出部であってもよい。つまり、特徴30に記載の遊技機における「第2進入口」は、遊技媒体が進入したことで始動条件が成立する進入口であってもよいし、遊技媒体が進入しても始動条件が成立しない進入口であってもよい。
また、特徴30に記載の遊技機における遅延手段において、「前記保留手段に保留されている抽選結果のうち、少なくとも1の抽選結果」とは、第2検出部が遊技媒体を検出した場合に始動条件が成立しない検出部である場合には、「第2検出部により遊技媒体が検出される前に保留手段に保留されていた少なくとも1の抽選結果のうち、少なくとも1の抽選結果」ということであってもよい。あるいは、第2検出部が遊技媒体を検出した場合に始動条件が成立する検出部である場合には、「第2検出部により遊技媒体が検出される前に保留手段に保留されていた少なくとも1の抽選結果と、第2検出部により遊技媒体が検出されたことによる始動条件の成立に基づき抽選手段により抽選された抽選結果とからなる抽選結果のうち、少なくとも1の抽選結果」ということであってもよい。
<特徴31>
特徴30に記載の遊技機であって、
前記発射手段により発射された遊技媒体が流下する流下領域であって、前記操作部が前記所定量の一部である第1操作量で操作された場合に遊技媒体が進入可能な第1入口(入口708A)を有し、該第1入口から進入した遊技媒体が流下する第1流下領域(右流下領域708)と、前記操作部が前記所定量の一部である第2操作量で操作された場合に遊技媒体が進入可能な入口であって、前記第1入口とは異なる位置に設けられた第2入口(入口709A)を有し、該第2入口から進入した遊技媒体が前記第1流下領域を流下する遊技媒体とは異なる経路で流下する第2流下領域(中流下領域709)と、を少なくとも含む流下領域を備え、
前記第1流下領域を流下する遊技媒体は、前記進入口より上流側において前記第2流下領域を流下する遊技媒体に接触可能であり、前記第2流下領域を流下する遊技媒体に接触しない場合には前記進入口に進入し得ない経路で流下し、前記第2流下領域を流下する遊技媒体に接触した場合に該接触による経路変更によって前記進入口に進入可能となることを特徴とする遊技機。
特徴31に記載の遊技機によれば、操作部を前記所定量の一部である第1操作量で操作することで、発射手段から発射された遊技媒体を第1入口に進入させることができ、第1入口に進入した遊技媒体は第1流下領域を流下する。一方、操作部を前記所定量の一部である第2操作量で操作することで、発射手段から発射された遊技媒体を第2入口に進入させることができ、第2入口に進入した遊技媒体は第2流下領域を流下する。よって、遊技者は操作部に対する操作量を調節することで、遊技媒体を、当該操作量に応じた流下領域にて流下させることができる。
ここで、第1流下領域を流下する遊技媒体は、進入口より上流側において第2流下領域を流下する遊技媒体に接触可能である。ここで、第1流下領域を流下する遊技媒体が第2流下領域を流下する遊技媒体に接触しない場合、第1流下領域を流下する遊技媒体は進入口に進入し得ない経路で流下する。一方、第1流下領域を流下する遊技媒体が第2流下領域を流下する遊技媒体に接触した場合、第1流下領域を流下する遊技媒体は、第2流下領域を流下する遊技媒体との接触による経路変更によって進入口に進入可能となる。
よって、遅延手段による遅延を行う場合には、遊技者は、第1流下領域を流下する遊技媒体と第2流下領域を流下する遊技媒体とが接触するよう、操作部に対する操作量を意図的に調節する必要がある。これにより、操作部の操作によって発射手段から遊技媒体を発射させる遊技の単調さを好適に軽減できる。
なお、特徴31に記載の「第2操作量」は、「第1操作量」と全く異なる量であってもよいし、「第2操作量」の一部範囲が、「第1操作量」の一部範囲と重なる量であってもよい。
<特徴32>
特徴30または31に記載の遊技機であって、
遊技媒体が進入可能な第3進入口(上側右始動入賞装置731の入賞口)と、
該第3進入口に進入した遊技媒体を検出可能な第3検出部(上側右始動入賞スイッチ741)と、
を備え、
該第3検出部または前記第2検出部のうち予め設定された一方の検出部は、遊技媒体が通過した場合に始動条件が成立する検出部として構成され、
前記保留手段は、前記第1検出部により遊技媒体が検出されたことによる始動条件の成立に基づき前記抽選手段により行われた第1抽選結果(第2特別図柄抽選の抽選結果)と、前記第2検出部または前記第3検出部により遊技媒体が検出されたことによる始動条件の成立に基づき前記抽選手段により行われた第2抽選結果(第1特別図柄抽選の抽選結果)とを各々独立して保留し、
前記遅延手段は、予め決められた所定数の前記第1抽選結果が前記保留手段に保留されている状態で前記第2抽選結果が前記保留手段に保留された場合に、前記保留手段に保留された抽選結果のうち、少なくともいずれか1つの抽選結果に対する前記表示制御手段による前記停止表示の表示タイミング、または、当該抽選結果に基づく前記遊技制御手段による前記特別遊技状態の発生タイミングを遅延させ、
前記遊技機は、
前記所定数の前記第1抽選結果が前記保留手段に保留された場合に、所定の報知を実行する報知手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴32に記載の遊技機によれば、予め決められた所定数の第1抽選結果が保留手段に保留されている状態で第2抽選結果が保留手段に保留された場合に、遅延手段による遅延が実行される。しかしながら、遅延手段による遅延が不要であるにもかかわらず、遅延手段による遅延を行う条件が成立してしまった場合、遊技者は、遅延手段による遅延分だけ時間を浪費することになる。これに対し、所定数の第1抽選結果が保留手段に保留された場合には、報知手段によって所定の報知が実行されるので、遊技者は、遅延手段による遅延を行う条件が成立する可能性があることを把握し、当該条件が成立しないよう、保留手段に保留されている第1抽選結果が処理されるのを待つことができる。これにより、遊技者が遅延手段による遅延によって時間を浪費することを好適に回避できる。
<特徴40>
表示部(装飾図柄表示装置479)と、
所定の始動条件が成立したことに基づき所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記所定の始動条件が成立した場合に、識別情報の変動表示と、前記抽選手段による抽選結果に対応した識別情報の停止表示とを前記表示部に表示する表示制御手段(副制御基板940)と、を備え、
前記表示制御手段は、所定の長変動発生条件が成立した場合には、該長変動発生条件が成立しない場合に比べて前記識別情報の変動表示が開始された後に前記停止表示が表示されるまでの変動時間が長い特定の変動表示(特定期間の変動表示)を前記表示部に表示するとともに、遊技者が離席可能な離席可能状態に対応した離席可能情報(離席可能情報J)を前記表示部に表示することを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技者が発射した遊技球(遊技媒体)が始動口に入球することで始動条件が成立した場合には、当該始動条件の成立に基づき抽選を行い、その抽選結果に対応した図柄(識別情報)を変動表示に続く停止表示として表示し、このとき、当該停止表示が大当りを示す抽選結果に対応する図柄であった場合には、当該停止表示後に遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生し、多数の賞球(遊技価値)が払出可能な状態となる構成が知られている(例えば、特開2014−004177号公報)。
しかしながら、かかる従来のパチンコ機においては、離席したことで実施中の遊技が第三者である他の客によって勝手に進行される可能性があるため、遊技者は遊技途中で離席し難いという問題があった。
これに対し、特徴40に記載の遊技機によれば、所定の始動条件が成立した場合に、識別情報の変動表示と、当該始動条件の成立に基づいて行われた抽選手段による抽選結果に対応した識別情報の停止表示とが、表示制御手段により表示部に表示される。ここで、所定の長変動発生条件が成立した場合には、表示制御手段により、該長変動発生条件が成立しない場合に比べて識別情報の変動表示が開始された後に停止表示が表示されるまでの変動時間が長い特定の変動表示が表示部に表示されるとともに、遊技者が離席可能な離席可能状態に対応した離席可能情報が表示部に表示される。
変動表示が表示される間、すなわち、当該変動表示の後に停止表示が表示されるまでは、誰も遊技を進行させることができない。よって、長変動発生条件が成立したことで該長変動発生条件が成立しない場合に比べて変動時間が長い特定の変動表示が表示部に表示された場合には、かかる特定の変動表示の期間中に遊技者が離席したとしても、離席中に他の客によって遊技が勝手に進行されることを抑制できる。
よって、遊技者は、長変動発生条件が成立した場合に、他の客による遊技の勝手な進行を気にせず安心して離席することが可能となる。また、長変動発生条件が成立した場合には、表示制御手段により、遊技者が離席可能な離席可能状態に対応した離席可能情報が表示部に表示されるので、遊技者は離席可能情報に基づいて自身が安全に離席可能な時期を知ることができる。
なお、特徴40に記載の遊技機において、特定の変動表示を表示する表示部と、離席可能情報を表示する表示部とは、同じ表示部であっても、異なる表示部であってもよい。つまり、特定の変動表示を表示する表示部に離席可能情報が表示される構成であってもよいし、特定の変動表示を表示する表示部とは異なる表示部に離席可能情報が表示される構成であってもよい。
<特徴41>
特徴40に記載の遊技機であって、
遊技者が操作可能な位置に設けられた操作部(発射ハンドル252)を備え、
前記長変動発生条件は、前記操作部に対し遊技中に所定の操作が行われたことに基づき成立することを特徴とする遊技機。
特徴41に記載の遊技機によれば、遊技者が遊技中に当該遊技者が操作可能な位置に設けられている操作部に対し所定の操作を行ったことに基づき、長変動発生条件が成立する構成であるので、遊技者が必要に応じて操作部を操作することで、長変動発生条件を成立させて、自身が安全に離席可能な状況を作り出すことができる。
<特徴42>
特徴40に記載の遊技機であって、
所定の払い出し条件が成立したことに基づき所定の遊技価値を払い出す払出手段(払出装置540)を備え、
前記長変動発生条件は、所定期間内に前記払出手段によって所定数以上の遊技価値が払い出され得る状況が生じたことに基づき成立することを特徴とする遊技機。
特徴42に記載の遊技機によれば、所定期間内に払出手段によって所定数以上の遊技価値が払い出され得る状況が生じたことに基づき、長変動発生条件が成立する構成であるので、所定期間内に多数の遊技価値が払い出され得る状況が生じたことによって遊技者が抱き得る射幸心に対し、一時的に離席させる機会を与えることで、射幸心を抱き熱くなった遊技者を冷静にさせることが可能となる。
<特徴43>
特徴42に記載の遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合、前記表示制御手段により当該抽選結果を示す停止表示が表示された後、前記払出手段により払い出され得る遊技価値が通常遊技状態より多い特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)を備え、
前記長変動発生条件は、前記遊技制御手段により複数である所定回の前記特別遊技状態が前記所定期間内に連続して発生したことに基づき成立することを特徴とする遊技機。
特徴43に記載の遊技機によれば、抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合には、当該抽選結果を示す停止表示が表示部に表示された後、遊技制御手段により特別遊技状態が発生し、それにより、通常遊技状態に比べて多い遊技価値が払い出され得ることになる。複数である所定回の特別遊技状態が所定期間内に連続して発生したことに基づき、長変動発生条件が成立する構成であるので、特別遊技状態が所定期間内に連続して発生したことで遊技者が抱き得る射幸心に対し、一時的に離席させる機会を与えることで、射幸心を抱き熱くなった遊技者を冷静にさせることが可能となる。
<特徴44>
特徴42に記載の遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合、前記表示制御手段により当該抽選結果を示す停止表示が表示された後、前記払出手段により払い出され得る遊技価値が通常遊技状態より多い特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)を備え、
前記長変動発生条件は、前記払出手段により所定数以上の遊技価値が払い出され得る前記特別遊技状態が前記遊技制御手段により発生した後、前記所定期間以内に前記抽選手段により前記所定の結果が選ばれたことに基づき成立することを特徴とする遊技機。
特徴44に記載の遊技機によれば、抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合には、当該抽選結果を示す停止表示が表示部に表示された後、遊技制御手段により特別遊技状態が発生し、それにより、通常遊技状態に比べて多い遊技価値が払い出され得ることになる。所定数以上の遊技価値が払い出され得る特別遊技状態が発生した後、所定期間以内に、特別遊技状態を発生させる所定の結果が抽選手段により選ばれたことに基づき、長変動発生条件が成立する構成であるので、かかる状況において遊技者が抱き得る射幸心に対し、一時的に離席させる機会を与えることで、射幸心を抱き熱くなった遊技者を冷静にさせることが可能となる。
<特徴50>
遊技球の進入が許容される進入許容状態と該進入許容状態より遊技球が進入し難い進入規制状態とを切り替え可能な可変入球部を有し、始動条件が成立したことに基づいて行われる所定の抽選により所定の抽選結果が得られた場合に前記可変入球部を前記進入許容状態に切り替えて通常遊技状態より有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、
前記可変入球部を少なくとも含み、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値が付与される価値付与入球部(上大入賞装置434、一般入賞装置439C)と、
前記可変入球部より上流側に配設されて左右方向に並ぶ複数の流下経路を含む球通路であって、前記可変入球部が前記進入許容状態にある場合には当該球通路に進入した遊技球の全てを前記価値付与入球部に案内可能な第1球通路(右下通路部810C)と、
該第1球通路に進入し得ない領域に遊技球を案内する案内通路(分岐通路820)と、
前記第1球通路の上流側に連設されて、前記案内通路への分岐口(釘411Aと釘411Bとの間)が形成された球通路であって、当該球通路に進入した遊技球を前記第1球通路または前記案内通路に案内する第2球通路(右中通路部810B)と、
該第2球通路の上流側に連設されて左右方向に並ぶ複数の流下経路を含む球通路であって、当該球通路に進入した遊技球を前記第2球通路に案内する第3球通路(右上通路部810B)と、
を備え、
前記第1球通路および前記第3球通路は、前記第2球通路より太い通路部が上下方向に連続する区間を少なくとも有して構成されることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技球の進入を許容する進入許容状態と遊技球の進入を禁止する進入禁止状態とを切り替え可能な可変入賞装置を備えており、始動条件が成立したことに基づいて行われる抽選において大当りに当選した場合に、可変入球部を進入許容状態に切り替えることで特別遊技状態を発生する構成が知られている(例えば、特開2014−004177号公報)。よって、かかるパチンコ機で遊技する遊技者は、特別遊技状態において進入許容状態に切り替えられた可変入賞装置を狙って遊技球を発射することで、当該可変入賞装置に遊技球(遊技媒体)を進入させて多数の賞球(遊技価値)を獲得することが可能となる。
しかしながら、上記遊技機のように、特別遊技状態において進入許容状態に切り替えられた可変入賞装置を狙って遊技球を発射することで多数の賞球を獲得可能な遊技機においては、未だ改良の余地があった。例えば、遊技者にとっては、特別遊技状態において自身が狙って発射した遊技球が全て可変入賞装置に進入することが好ましいため、特別遊技状態において進入許容状態に切り替えられた可変入賞装置を狙って発射された遊技球が全て可変入賞装置に進入するよう構成することが考えられる。しかし、かかる構成は、出球が過剰となって遊技場(ホール)側における経営上の負担になる可能性がある。
これに対し、特徴50に記載の遊技機によれば、遊技球の進入が許容される進入許容状態と該進入許容状態より遊技球が進入し難い進入規制状態とを切り替え可能な可変入球部より上流側には第1球通路が配設される。第1球通路の上流側には第2球通路が連設され、当該第2球通路の上流側には第3球通路が連設される。第2球通路には、案内通路への分岐口が設けられている。案内通路は、第1球通路に進入し得ない領域に遊技球を案内する球通路である。よって、第3球通路に進入した遊技球は、当該第3球通路を経て第2球通路に進入し、第1球通路または案内通路に進入する。
第1球通路は、可変入球部が進入許容状態にある場合には当該第1球通路に進入した遊技球の全てが価値付与入球部に案内可能に構成されるので、第3球通路から第2球通路を経て第1球通路に進入した遊技球は、その全てが、可変入球部、または、その他の価値付与入球部に進入し得る。なお、価値付与入球部は、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値が付与される入球部であり、可変入球部が含まれる。
その一方で、第2球通路には案内通路への分岐口が設けられているので、第3球通路に進入した遊技球の全てが第1球通路に進入するわけではなく、その一部は案内通路を経て第1球通路に進入し得ない領域へと案内される。
ここで、第1球通路および第3球通路は、第2球通路より太い通路部が上下方向に連続する区間を少なくとも有して構成される。つまり、第2球通路は、第3球通路および第1球通路より細い通路部分を有し、それにより、上流側から第3球通路、第2球通路、および第1球通路の順で並ぶ球通路におけるくびれ部分を含む球通路として機能する。
第3球通路に進入した遊技球は、当該第3球通路が左右方向に並ぶ複数の流下経路を含む球通路として構成されるので、当該第3球通路において左右方向に散りながら流下するが、くびれ部分を含む第2球通路を通過する際には、左右方向に散らされた遊技球が左右方向に集められるように流下する。よって、第2球通路において遊技球の流れが変化するため、当該第2球通路において分岐口から案内通路に進入したとしても、遊技者はそのことを認識し難い。
第1球通路もまた、左右方向に並ぶ複数の流下経路を含む球通路として構成されるので、第2球通路を経て第1球通路に進入した遊技球は、再度、左右方向に散りながら流下する。よって、第2球通路から第1球通路に進入することで遊技球の流れが再度変化するので、この点においても、第3球通路に進入した遊技球が第2球通路において案内通路に進入したとしても、その変化を遊技者に認識させ難くできる。
また、遊技者は、特別遊技状態中、特別遊技状態において特徴的な場所(例えば、第1球通路より下流側にある可変入球部や、特別遊技状態における演出を表示する表示部など)を注目する傾向にあるので、その点においても、第3球通路を流下した遊技球が、第2球通路において第1球通路に進入することなく案内通路に進入したとしても、それが遊技者に認識され難い。
よって、第3球通路に進入した遊技球の一部は案内通路を経て第1球通路に進入し得ない領域へと案内されるにもかかわらず、第3球通路に進入した遊技球の全てが第1球通路を経て可変入球部などの価値付与入球部に案内されるかのような錯覚を遊技者に与えることができ、それにより、特別遊技状態において感覚的に多くの遊技球が可変入球部に進入しているかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。これにより、特別遊技状態において可変入球部を狙って遊技球を発射する遊技の興趣を向上させることができる。
従って、特徴50に記載の遊技機によれば、特別遊技状態において可変入球部を狙って遊技球を発射する遊技の興趣の向上と、遊技者が獲得する遊技価値が過剰となって遊技場(ホール)側が受ける不利益の抑制とを両立させることができる。
なお、第1球通路より下流側に配置された可変入球部は、進入許容状態において遊技球の直径寸法の2倍以上の所定幅に開口する入口を有する構成とすることが好ましい。これにより、第1球通路を流下する遊技球は、左右に散りながら、幅広の可変入球部における幅方向の種々の位置から可変入球部に進入し得るので、感覚的に多くの遊技球が可変入球部に進入しているかのような印象を遊技者に与えることができる。
また、可変入球部は、遊技球の直径寸法の2倍以上の所定幅に構成された遊技球の入口(入賞口)を有するものとしてもよく、当該入口部分を開閉する可動部材によって進入許容状態と進入規制状態とを切り替えてもよいし、当該入口部分に対して下流側に離間して設けられた遊技球の直径寸法以上の所定幅に構成された遊技球の通路部分を開閉する可動部材によって進入許容状態と進入規制状態とを切り替えてもよい。また、可変入球部は、進入許容状態にて遊技球が進入可能に入口が開口され、進入規制状態にて遊技球が進入しないように入口が閉鎖される構成としてもよいし、進入許容状態にて入口に遊技球が誘導され、進入規制状態にて入口に遊技球が誘導されない構成としてもよい。
<特徴51>
特徴50に記載の遊技機であって、
前記価値付与入球部は、前記可変入球部と、前記特別遊技状態以外の遊技状態においても遊技球が進入可能な非可変入球部(一般入賞装置439C)とを含んで構成され、
前記非可変入球部は、前記可変入球部より上流側の、前記第1球通路に進入した遊技球が進入可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機。
特徴51に記載の遊技機によれば、特別遊技状態以外の遊技状態においても遊技球が進入可能な非可変入球部が、価値付与入球部の1つとして、可変入球部より上流側の、第1球通路に進入した遊技球が進入可能な位置に配置されているので、遊技者は、可変入球部を狙って遊技球を発射した場合に、当該遊技球が可変入球部または非可変入球部のいずれに進入するかを気にして、可変入球部および非可変入球部に注目しやすい。よって、遊技球が第2球通路において案内通路に進入したことを遊技者に認識させ難くすることができる。
<特徴52>
特徴51に記載の遊技機であって、
前記非可変入球部は、遊技球が進入した場合に、前記可変入球部に遊技球が進入した場合より低い遊技価値が付与される入球部として構成されることを特徴とする遊技機。
特徴52に記載の遊技機によれば、非可変入球部は、遊技球が進入した場合に、可変入球部に遊技球が進入した場合より低い遊技価値が付与される入球部として構成されるので、遊技者は、可変入球部を狙って遊技球を発射した場合に、当該遊技球が可変入球部に進入することを期待しながら、可変入球部および非可変入球部に注目しやすい。よって、遊技球が第2球通路において案内通路に進入したか否かを遊技者に認識させ難くすることができる。
<特徴53>
特徴51から52のいずれかに記載の遊技機であって、
前記非可変入球部は、前記第1球通路の高さの半分の位置より、前記可変入球部に近い側に配設されることを特徴とする遊技機。
特徴53に記載の遊技機によれば、非可変入球部は、第1球通路の高さの半分の位置より可変入球部に近い側に配設されるので、遊技者は、可変入球部と非可変入球部とがある第1球通路における下半分側を注目しやすい。よって、第2球通路に形成された案内通路への分岐口から視線が外れる可能性が好適に高まるので、遊技球が第2球通路において案内通路に進入したか否かの認識を好適に遊技者にさせ難くすることができる。
<特徴54>
特徴51または53に記載の遊技機であって、
前記案内通路への分岐口は、前記第2球通路における左右方向の一側に形成され、
前記非可変入球部は、前記第1球通路における左右方向のうち前記一側に対する他側に配設されることを特徴とする遊技機。
特徴54に記載の遊技機によれば、案内通路への分岐口は、第2球通路における左右方向の一側に形成される一方で、非可変入球部は、第1球通路における左右方向のうち前記一側に対する他側に配設されるので、遊技者は、非可変入球部を注目したことで案内通路への分岐口を監視することが難しくなるため、遊技球が第2球通路において案内通路に進入したか否かの認識を好適に遊技者にさせ難くすることができる。
<特徴55>
特徴50から54のいずれかに記載の遊技機であって、
所定の演出画像を表示可能な画面を有する表示部(装飾図柄表示装置479)を備え、
前記案内通路への分岐口は、前記第2球通路における左右方向のうち前記表示部の画面から離れる側に形成されることを特徴とする遊技機。
特徴55に記載の遊技機によれば、案内通路への分岐口は、第2球通路における左右方向のうち、所定の演出画像を表示可能な表示部の画面から離れる側に形成されるので、特別遊技状態においては遊技者が表示部に表示される演出に注目した場合、当該遊技者は案内通路への分岐口を監視することが難しくなる。これにより、遊技球が第2球通路において案内通路に進入したか否かの認識を好適に遊技者にさせ難くすることができる。
<特徴56>
特徴50から55のいずれかに記載の遊技機であって、
前記案内通路への分岐口に向かって下降傾斜する方向へ遊技球を誘導するよう配設された球誘導部(釘411B,411C,411Dを含む釘列、通路壁811)と、
該球誘導部の配設区間において、前記下降傾斜する方向とは交差する向きに遊技球を流下可能に形成された流下通路部(釘411Bと釘411Cとの間,釘411Cと釘411Dとの間)と、
を備え、
前記流下通路部を通過した遊技球は、前記案内通路に進入することなく前記第1球通路に進入することを特徴とする遊技機。
特徴56に記載の遊技機によれば、案内通路への分岐口に向かって下降傾斜する方向へ遊技球を誘導するよう球誘導部が配設されているので、流下する遊技球を比較的速く自然な流れで分岐口へ案内し当該分岐口から案内通路へと進入させることができる。その一方で、球誘導部の配設区間には、下降傾斜する方向とは交差する向きに遊技球を流下可能な流下通路部が形成されており、遊技球は流下通路部を通過することで案内通路に進入することなく第1球通路に進入できる。
第1球通路に進入するために流下通路部を通過する遊技球の流れは、球誘導部に沿って自然に流れる場合に比べて不自然でゆったりしたものであり、それゆえに、遊技者はその流れの方が印象に残りやすい。よって、遊技球が分岐口から案内通路に進入したか否かを遊技者に認識させ難くすることができる。
<特徴57>
特徴50から56のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技球が流下可能な遊技領域の前面側に配置されることで当該遊技領域の少なくとも一部を前面側から視認可能にする光透過性部材から構成される視認可能部(前方板222、後方板223)と、該視認可能部の周りに形成された、前面側から裏面側を視認不可能または視認困難に構成された視認不可能部(前面装飾体210)とを含む前面側部材(前ブロック102)と、
前記第1球通路、前記第2球通路、および前記第3球通路は、前記前面側部材の前記視認可能部に対し前後方向に重なる位置に設けられ、
前記案内通路は、当該案内通路に遊技球が完全に進入した時点において、当該遊技球の少なくとも一部が前記前面側部材の前記視認不可能部に対し前後方向に重なる位置に設けられることを特徴とする遊技機。
特徴57に記載の遊技機によれば、第1球通路、第2球通路、および第3球通路は、光透過性部材から構成される、前面側部材の視認可能部に対し前後方向に重なる位置に設けられるので、これらの球通路は、視認可能部を介して前面側から視認することが可能である。これに対し、案内通路は、当該案内通路に遊技球が完全に進入した時点において、当該遊技球の少なくとも一部が、前面側から裏面側を視認不可能または視認困難に構成された視認不可能部に対し前後方向に重なる位置に設けられるので、第2球通路から案内通路に進入した遊技球は、案内通路への進入と同時に、または、案内通路に進入すると直ぐに視認不可能部の後方側に入り、それにより、遊技者の視界から外れる。これにより、遊技球が第2球通路において案内通路に進入したか否かを遊技者に認識させ難くすることができる。
なお、特徴57に記載の遊技機において、「当該案内通路に遊技球が完全に進入した時点」としては、例えば、遊技球が、案内通路への分岐口(案内通路の入口)を構成する面に対して完全に進入した時点(つまり、案内通路に進入した遊技球が当該面に接した時点であってもよく、第2球通路に戻り得ない位置まで遊技球が案内通路に進入した時点であってもよい。
<特徴60>
遊技球が流下可能な遊技領域の前面側に配置されることで当該遊技領域の少なくとも一部を前面側から視認可能にする光透過性部材から構成される視認可能部(前方板222、後方板223)と、該視認可能部の周りに形成された、前面側から裏面側を視認不可能または視認困難に構成された視認不可能部(前面装飾体210)とを含む前面側部材(前ブロック102)と、
前記遊技領域における右側または左側の領域に形成されて、進入した遊技球を下流側へと流下させる主球通路(右球通路810)と、
該主球通路から分岐し、該分岐部分より上流側に連続する前記主球通路の上流側部分を流下してきた遊技球のうち少量の遊技球を、前記遊技領域の外縁側であって右側または左側へと分岐して流下させる分岐通路(分岐通路820)と、
を備え、
前記主球通路は、前記前面側部材の前記視認可能部に対し前後方向に重なる位置に設けられ、
前記分岐通路は、当該分岐通路に遊技球が完全に進入した時点において、当該遊技球の少なくとも一部が前記前面側部材の前記視認不可能部に対し前後方向に重なる位置に設けられることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技球の進入を許容する進入許容状態と遊技球の進入を禁止する進入禁止状態とを切り替え可能な可変入賞装置を備えており、始動条件が成立したことに基づいて行われる抽選において大当りに当選した場合に、可変入球部を進入許容状態に切り替えることで特別遊技状態を発生する構成が知られている(例えば、特開2014−004177号公報)。よって、かかるパチンコ機で遊技する遊技者は、特別遊技状態において進入許容状態に切り替えられた可変入賞装置を狙って遊技球を発射することで、当該可変入賞装置に遊技球(遊技媒体)を進入させて多数の賞球(遊技価値)を獲得することが可能となる。
しかしながら、上記遊技機を含む従来の遊技機においては、未だ改良の余地があった。例えば、遊技者にとっては、特別遊技状態において自身が狙って発射した遊技球が全て可変入賞装置に進入することが好ましいため、特別遊技状態において進入許容状態に切り替えられた可変入賞装置を狙って発射された遊技球が全て可変入賞装置に進入するよう構成することが考えられる。しかし、かかる構成は、出球が過剰となって遊技場(ホール)側における経営上の負担になる可能性がある。
そのため、可変入賞装置を狙って発射された遊技球であっても、その一部が可変入賞装置から外れるような遊技球の流下経路が設計されている。しかし、遊技者は、自身が可変入賞装置を狙って発射したにもかかわらず、発射した遊技球の多くが可変入賞装置から外れて流下している印象を受けた場合に不満を抱く虞がある。同様に、遊技の興趣を高める目的で遊技領域外に遊技球を導く分岐通路が設けられている場合、遊技者が、当該分岐通路に多くの遊技球が進入する印象を受けた場合に不満を抱く虞がある。
これに対し、特徴60に記載の遊技機によれば、遊技球が流下可能な遊技領域における右側または左側の領域には、進入した遊技球を下流側へと流下させる主球通路が形成されるとともに、当該主球通路から分岐する分岐通路が形成されている。当該分岐通路は、主球通路からの分岐部分より上流側に連続する主球通路の上流側部分を流下してきた遊技球のうち少量の遊技球が進入し、当該分岐部分から分岐して進入した遊技球を遊技領域の外縁側であって右側または左側へと流下させる。つまり、主球通路に進入した遊技球のうち、少量の遊技球は、主球通路をそのまま流下するのでなく、分岐通路から遊技領域の外縁側へと流下する。
ここで、主球通路は、光透過性部材から構成される、前面側部材の視認可能部に対し前後方向に重なる位置に設けられるので、主球通路は、視認可能部を介して前面側から視認することが可能である。これに対し、分岐通路は、当該分岐通路に遊技球が完全に進入した時点において、当該遊技球の少なくとも一部が、前面側から裏面側を視認不可能または視認困難に構成された視認不可能部に対し前後方向に重なる位置に設けられるので、主球通路から分岐通路に進入した遊技球は、分岐通路への進入と同時に、または、分岐通路に進入すると直ぐに視認不可能部の後方側に入り、それにより、遊技者の視界から外れる。
これにより、遊技者は、主球通路を流下する遊技球が分岐通路に進入したことを認識し難いので、主球通路に進入した遊技球のうち少量の遊技球が分岐通路を経て遊技領域の外縁側へと送り出されたことを把握し難い。よって、遊技者が主球通路の通過を狙って発射した場合に、発射した遊技球の全てが主球通路を通過しなかったとしても、それに対して遊技者が遊技に対する不満を覚え難い。
なお、特徴60における「少量」としては、例えば、主球通路の上流側部分を流下してきた遊技球の50%未満であることがよく、30%未満であることが好ましく、10%未満であることが好適である。
また、特徴60に記載の遊技機において、「当該分岐通路に遊技球が完全に進入した時点」としては、例えば、遊技球が、分岐通路への分岐口(分岐通路の入口)を構成する面に対して完全に進入した時点(つまり、分岐通路に進入した遊技球が当該面に接した時点であってもよく、主球通路に戻り得ない位置まで遊技球が分岐通路に進入した時点であってもよい。
<特徴61>
特徴60に記載の遊技機であって、
前記主球通路から前記分岐通路への分岐口(釘411Aと釘411Bとの間)は、前記遊技領域における左右方向の長さが最大となる線分を中心として上下方向に所定幅の領域内であって、当該遊技領域における前記主球通路が形成された側の端側に形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴61に記載の遊技機によれば、主球通路から分岐通路への分岐口は、遊技領域における左右方向の長さが最大となる線分を中心として上下方向に所定幅の領域内であって、当該遊技領域における主球通路が形成された側の端側に形成されている。つまり、分岐通路への分岐口は、遊技領域における左右方向に最も広い範囲またはこれに準じる広さの範囲の端側に配置されるので、遊技者の視線が分岐通路への分岐口に届き難く、それにより、遊技球が分岐口から分岐通路に進入したか否かを遊技者に認識させ難くすることができる。
なお、特徴61に記載の遊技機において「遊技領域における左右方向の長さが最大となる線分を中心として上下方向に所定幅の領域」としては、例えば、遊技領域の中心を左右方向に横切る線分を中心とし、遊技領域の高さの略25%程度の長さを上下方向の幅とする領域であることが良く、遊技領域の中心を左右方向に横切る線分を中心とし、遊技領域の高さの略15%程度の長さを上下方向の幅とする領域であることが好ましく、遊技領域の中心を左右方向に横切る線分を中心とし、遊技領域の高さの略5%程度の長さを上下方向の幅とする領域であることが好適である。
<特徴62>
特徴60または61に記載の遊技機であって、
遊技球の進入が許容される進入許容状態と該進入許容状態より遊技球が進入し難い進入規制状態とを切り替え可能であって、前記進入許容状態において所定幅に開口可能な可変入球部(上大入賞装置434)と、
始動条件が成立したことに基づいて行われる所定の抽選により所定の抽選結果が得られた場合に前記可変入球部を前記進入許容状態に切り替えて通常遊技状態より有利な特別遊技状態を発生する遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記主球通路は、前記可変入球部より上流側に配設され、前記可変入球部が前記進入許容状態にある場合には、前記分岐通路に進入することなく前記主球通路を下流側へと流下する遊技球の全てを、前記可変入球部を少なくとも含む、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値が付与される価値付与入球部(上大入賞装置434、一般入賞装置439C)に入球可能な球通路として構成されることを特徴とする遊技機。
特徴62に記載の遊技機によれば、主球通路は、特別遊技状態において可変入球部が進入許容状態にある場合には当該主球通路に進入した遊技球の全てが可変入球部に案内可能に構成されるので、分岐通路に進入することなく主球通路に進入した遊技球は、その全てが、可変入球部、または、その他の価値付与入球部に進入し得る。なお、価値付与入球部は、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値が付与される入球部であり、可変入球部が含まれる。
よって、主球通路に進入した遊技球の一部は分岐通路を経て遊技領域の外縁側へと送り出されるにもかかわらず、遊技者は、その旨を把握し難い上に、主球通路に進入した遊技球の全てが可変入球部などの価値付与入球部に案内されるかのような錯覚を遊技者に与えることができ、それにより、感覚的に多くの遊技球が可変入球部に進入しているかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。これにより、特別遊技状態において可変入球部を狙って遊技球を発射する遊技の興趣を向上させることができる。
<特徴70>
遊技球の進入が許容される進入許容状態と該進入許容状態より遊技球が進入し難い進入規制状態とを切り替え可能な可変入球部を有し、始動条件が成立したことに基づいて行われる所定の抽選により所定の抽選結果が得られた場合に前記可変入球部を前記進入許容状態に切り替えて通常遊技状態より有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、
前記可変入球部を少なくとも含み、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値が付与される価値付与入球部(上大入賞装置434、一般入賞装置439C)と、
前記可変入球部より上流側に配設されて左右方向に並ぶ3以上の流下経路を含む球通路であって、前記可変入球部が前記進入許容状態にある場合には当該球通路に進入した遊技球の全てを前記価値付与入球部に案内可能な第1球通路(右下通路部810C)と、
該第1球通路に進入し得ない領域に遊技球を案内する案内通路(分岐通路820)と、
前記第1球通路の上流側に連設されて、前記案内通路への分岐口(釘411Aと釘411Bとの間)が形成された球通路であって、当該球通路に進入した遊技球を前記第1球通路または前記案内通路に案内する第2球通路(右中通路部810B)と、
該第2球通路の上流側に連設されて左右方向に並ぶ3以上の流下経路を含む球通路であって、当該球通路に進入した遊技球を前記第2球通路に案内する第3球通路(右上通路部810B)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技球の進入を許容する進入許容状態と遊技球の進入を禁止する進入禁止状態とを切り替え可能な可変入賞装置を備えており、始動条件が成立したことに基づいて行われる抽選において大当りに当選した場合に、可変入球部を進入許容状態に切り替えることで特別遊技状態を発生する構成が知られている(例えば、特開2014−004177号公報)。よって、かかるパチンコ機で遊技する遊技者は、特別遊技状態において進入許容状態に切り替えられた可変入賞装置を狙って遊技球を発射することで、当該可変入賞装置に遊技球(遊技媒体)を進入させて多数の賞球(遊技価値)を獲得することが可能となる。
しかしながら、上記遊技機のように、特別遊技状態において進入許容状態に切り替えられた可変入賞装置を狙って遊技球を発射することで多数の賞球を獲得可能な遊技機においては、未だ改良の余地があった。例えば、遊技者にとっては、特別遊技状態において自身が狙って発射した遊技球が全て可変入賞装置に進入することが好ましいため、特別遊技状態において進入許容状態に切り替えられた可変入賞装置を狙って発射された遊技球が全て可変入賞装置に進入するよう構成することが考えられる。しかし、かかる構成は、出球が過剰となって遊技場(ホール)側における経営上の負担になる可能性がある。
これに対し、特徴70に記載の遊技機によれば、遊技球の進入が許容される進入許容状態と該進入許容状態より遊技球が進入し難い進入規制状態とを切り替え可能な可変入球部より上流側には第1球通路が配設される。第1球通路の上流側には第2球通路が連設され、当該第2球通路の上流側には第3球通路が連設される。第2球通路には、案内通路への分岐口が設けられている。案内通路は、第1球通路に進入し得ない領域に遊技球を案内する球通路である。よって、第3球通路に進入した遊技球は、当該第3球通路を経て第2球通路に進入し、第1球通路または案内通路に進入する。
第1球通路は、可変入球部が進入許容状態にある場合には当該第1球通路に進入した遊技球の全てが価値付与入球部に案内可能に構成されるので、第3球通路から第2球通路を経て第1球通路に進入した遊技球は、その全てが、可変入球部、または、その他の価値付与入球部に進入し得る。なお、価値付与入球部は、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値が付与される入球部であり、可変入球部が含まれる。
その一方で、第2球通路には案内通路への分岐口が設けられているので、第3球通路に進入した遊技球の全てが第1球通路に進入するわけではなく、その一部は案内通路を経て第1球通路に進入し得ない領域へと案内される。
ここで、第2球通路を挟む第1球通路および第3球通路は、いずれも、左右方向に並ぶ3以上の流下経路を含む球通路として構成されるので、遊技者は、これらの球通路における遊技球の流下経路を特定し難く、遊技者の視線を分散させる。加えて、遊技者は、特別遊技状態中、特別遊技状態において特徴的な場所(例えば、第1球通路より下流側にある可変入球部や、特別遊技状態における演出を表示する表示部など)を注目する傾向にあるので、第3球通路を流下した遊技球が、第2球通路において第1球通路に進入することなく案内通路に進入したとしても、それが遊技者に認識され難い。
よって、第3球通路に進入した遊技球の一部は案内通路を経て第1球通路に進入し得ない領域へと案内されるにもかかわらず、第3球通路に進入した遊技球の全てが第1球通路を経て可変入球部などの価値付与入球部に案内されるかのような錯覚を遊技者に与えることができ、それにより、特別遊技状態において感覚的に多くの遊技球が可変入球部に進入しているかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。これにより、特別遊技状態において可変入球部を狙って遊技球を発射する遊技の興趣を向上させることができる。
従って、特徴70に記載の遊技機によれば、特別遊技状態において可変入球部を狙って遊技球を発射する遊技の興趣の向上と、遊技者が獲得する遊技価値が過剰となって遊技場(ホール)側が受ける不利益の抑制とを両立させることができる。
なお、第1球通路より下流側に配置された可変入球部は、進入許容状態において遊技球の直径寸法の2倍以上の所定幅に開口する入口を有する構成とすることが好ましい。これにより、第1球通路を流下する遊技球は、左右に散りながら、幅広の可変入球部における幅方向の種々の位置から可変入球部に進入し得るので、感覚的に多くの遊技球が可変入球部に進入しているかのような印象を遊技者に与えることができる。
また、可変入球部は、遊技球の直径寸法の2倍以上の所定幅に構成された遊技球の入口(入賞口)を有するものとしてもよく、当該入口部分を開閉する可動部材によって進入許容状態と進入規制状態とを切り替えてもよいし、当該入口部分に対して下流側に離間して設けられた遊技球の直径寸法以上の所定幅に構成された遊技球の通路部分を開閉する可動部材によって進入許容状態と進入規制状態とを切り替えてもよい。また、可変入球部は、進入許容状態にて遊技球が進入可能に入口が開口され、進入規制状態にて遊技球が進入しないように入口が閉鎖される構成としてもよいし、進入許容状態にて入口に遊技球が誘導され、進入規制状態にて入口に遊技球が誘導されない構成としてもよい。
<特徴71>
特徴70に記載の遊技機であって、
遊技球が流下可能な遊技領域の前面側に配置されることで当該遊技領域の少なくとも一部を前面側から視認可能にする光透過性部材から構成される視認可能部(前方板222、後方板223)と、該視認可能部の周りに形成された、前面側から裏面側を視認不可能または視認困難に構成された視認不可能部(前面装飾体210)とを含む前面側部材(前ブロック102)と、
前記第1球通路、前記第2球通路、および前記第3球通路は、前記前面側部材の前記視認可能部に対し前後方向に重なる位置に設けられ、
前記案内通路は、当該案内通路に遊技球が完全に進入した時点において、当該遊技球の少なくとも一部が前記前面側部材の前記視認不可能部に対し前後方向に重なる位置に設けられることを特徴とする遊技機。
特徴71に記載の遊技機によれば、第1球通路、第2球通路、および第3球通路は、光透過性部材から構成される、前面側部材の視認可能部に対し前後方向に重なる位置に設けられるので、これらの球通路は、視認可能部を介して前面側から視認することが可能である。これに対し、案内通路は、当該案内通路に遊技球が完全に進入した時点において、当該遊技球の少なくとも一部が、前面側から裏面側を視認不可能または視認困難に構成された視認不可能部に対し前後方向に重なる位置に設けられるので、第2球通路から案内通路に進入した遊技球は、案内通路への進入と同時に、または、案内通路に進入すると直ぐに視認不可能部の後方側に入り、それにより、遊技者の視界から外れる。これにより、遊技球が第2球通路において案内通路に進入したか否かを遊技者に認識させ難くすることができる。
なお、特徴71に記載の遊技機において、「当該案内通路に遊技球が完全に進入した時点」としては、例えば、遊技球が、案内通路への分岐口(案内通路の入口)を構成する面に対して完全に進入した時点(つまり、案内通路に進入した遊技球が当該面に接した時点であってもよく、第2球通路に戻り得ない位置まで遊技球が案内通路に進入した時点であってもよい。
<特徴72>
特徴70または71に記載の遊技機であって、
前記第1球通路、前記第2球通路、および前記第3球通路は、遊技球が流下可能な遊技領域における右側または左側の領域に形成され、
前記案内通路への分岐口(釘411Aと釘411Bとの間)は、前記遊技領域における左右方向の長さが最大となる線分を中心として上下方向に所定幅の領域内であって、当該遊技領域における前記第2球通路が形成された側の端側に形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴72に記載の遊技機によれば、案内通路への分岐口は、遊技領域における左右方向の長さが最大となる線分を中心として上下方向に所定幅の領域内であって、当該遊技領域における第2球通路が形成された側の端側に形成されている。つまり、案内通路への分岐口は、遊技領域における左右方向に最も広い範囲またはこれに準じる広さの範囲の端側に配置されるので、遊技者の視線が案内通路への分岐口に届き難く、それにより、遊技球が分岐口から案内通路に進入したか否かを遊技者に認識させ難くすることができる。
なお、特徴71に記載の遊技機において「遊技領域における左右方向の長さが最大となる線分を中心として上下方向に所定幅の領域」としては、例えば、遊技領域の中心を左右方向に横切る線分を中心とし、遊技領域の高さの略25%程度の長さを上下方向の幅とする領域であることが良く、遊技領域の中心を左右方向に横切る線分を中心とし、遊技領域の高さの略15%程度の長さを上下方向の幅とする領域であることが好ましく、遊技領域の中心を左右方向に横切る線分を中心とし、遊技領域の高さの略5%程度の長さを上下方向の幅とする領域であることが好適である。
<特徴73>
特徴70から72のいずれかに記載の遊技機であって、
前記案内通路への分岐口に向かって下降傾斜する方向へ遊技球を誘導するよう配設された球誘導部(釘411B,411C,411Dを含む釘列、通路壁811)と、
該球誘導部の配設区間において、前記下降傾斜する方向とは交差する向きに遊技球を流下可能に形成された流下通路部(釘411Bと釘411Cとの間,釘411Cと釘411Dとの間)と、
を備え、
前記流下通路部を通過した遊技球は、前記案内通路に進入することなく前記第1球通路に進入することを特徴とする遊技機。
特徴73に記載の遊技機によれば、案内通路への分岐口に向かって下降傾斜する方向へ遊技球を誘導するよう球誘導部が配設されているので、流下する遊技球を比較的速く自然な流れで分岐口へ案内し当該分岐口から案内通路へと進入させることができる。その一方で、球誘導部の配設区間には、下降傾斜する方向とは交差する向きに遊技球を流下可能な流下通路部が形成されており、遊技球は流下通路部を通過することで案内通路に進入することなく第1球通路に進入できる。
第1球通路に進入するために流下通路部を通過する遊技球の流れは、球誘導部に沿って自然に流れる場合に比べて不自然でゆったりしたものであり、それゆえに、遊技者はその流れの方が印象に残りやすい。よって、遊技球が分岐口から案内通路に進入したか否かを遊技者に認識させ難くすることができる。
なお、特徴10〜73に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100…パチンコ機、250…発射操作装置、252…発射ハンドル、330…発射装置、400…遊技盤、402…外レール、403…内レール、404…戻り球防止機構、405…反跳防止部材、407…左流下領域、408…右流下領域、409…中流下領域、420…中央構造体、421…左壁部、422…右壁部、423…中壁部、424…案内通路、424A…進入口、424B…放出口、425…経路切換機構、425A…遅延案内通路板、433…下大入賞装置、434…上大入賞装置、443…下大入賞スイッチ、444…上大入賞スイッチ、479…装飾図柄表示装置、432…右始動入賞装置、442…右始動入賞スイッチ、708…右流下領域、708A…右流下領域の入口、709…中流下領域、709A…中流下領域の入口、731…上側右始動入賞装置、741…上側右始動入賞スイッチ、920…主制御基板、940…副制御基板、J…離席可能情報、810…右球通路、810A…右上通路部、810B…右中通路部、810C…右下通路部、820…分岐通路

Claims (2)

  1. 遊技球の進入が許容される進入許容状態と該進入許容状態より遊技球が進入し難い進入規制状態とを切り替え可能な可変入球部を有し、始動条件が成立したことに基づいて行われる所定の抽選により所定の抽選結果が得られた場合に前記可変入球部を前記進入許容状態に切り替えて通常遊技状態より有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、
    前記可変入球部を少なくとも含み、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値が付与される価値付与入球部と、
    前記可変入球部より上流側に配設されて左右方向に並ぶ複数の流下経路を含む球通路であって、前記可変入球部が前記進入許容状態にある場合には当該球通路に進入した遊技球の全てを前記価値付与入球部に案内可能な第1球通路と、
    該第1球通路に進入し得ない領域に遊技球を案内する案内通路と、
    前記第1球通路の上流側に連設されて、前記案内通路への分岐口が形成された球通路であって、当該球通路に進入した遊技球を前記第1球通路または前記案内通路に案内する第2球通路と、
    該第2球通路の上流側に連設されて左右方向に並ぶ複数の流下経路を含む球通路であって、当該球通路に進入した遊技球を前記第2球通路に案内する第3球通路と、
    を備え、
    前記第1球通路および前記第3球通路は、前記第2球通路より太い通路部が上下方向に連続する区間を少なくとも有して構成され、
    前記可変入球部は、前記第1球通路に対して下流側に設けられ、前記第球通路において複数の流下経路が左右方向に並んで配置される出口部分における横幅より横長の入球口を有して構成され、前記可変入球部が前記進入許容状態にある場合に当該出口部分より下方に流下する遊技球の全てが進入可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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