JP6623984B2 - 光学式生体センサ - Google Patents

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Description

本発明は、生体に所定の波長の光を照射し、その反射光に基づいて生体情報を検知する生体センサに関する。
従来から、波長の異なる2つの光を生体に照射し、その反射光に基づいて生体情報を検知する技術が知られている。例えば、特許文献1は、外乱光の影響を低減できるとともに、構成を簡易化できる生体状態検出装置を開示する。この生体状態検出装置では、緑色LEDの光量を大きくして発光させ、G1データを取得し、緑色LEDの光量を小さくして発光させ、G2データを取得する。次に、赤外LEDの光量を大きくして発光させ、IR1データを取得し、赤外LEDの光量を小さくして発光させ、IR2データを取得する。そして、(G1−G2)の差分の演算を行って差分データΔG1・G2を抽出し、(IR1−IR2)の差分の演算を行って差分データΔIR1・IR2を抽出し、各差分データΔG1・G2、ΔIR1・IR2を用いて、脈波数算出処理を行う。
また、特許文献2は、測定部位の動作等によって生じるノイズの影響を減らすことのできる脈波測定装置を開示する。この脈波測定装置は、発光素子によって照射された第1の波長の光が測定部位を反射した光の受光量に基づく測定信号を出力する複数の第1の受光素子と、第2の波長の光が測定部位を反射した光の受光量に基づく測定信号を出力する複数の第2の受光素子とを備える。脈波測定装置の制御部は、複数の第1の受光素子から出力される測定信号に対して独立成分分析を行って、各測定信号を複数の成分に分離した場合の各成分の重み付け係数を算出する。当制御部は、算出した重み付け係数のばらつきを成分毎に算出し、算出されたばらつきが最も小さい成分を特定する。当制御部は、複数の第2の受光素子から出力される測定信号に対しても同様の処理を行ってばらつきが最も小さい成分を特定し、特定した成分に基づいて脈波を表す情報を生成する。
また、特許文献3は、体動が生じているときにも脈波を測定できる脈波センサを開示する。この脳波センサは、第1の波長の光を発光する第1の発光素子及び第2の発光素子と、第1の波長とは異なる第2の波長の光を発光する第3の発光素子及び第4の発光素子と、受光素子とを備え、第1の発光素子と第3の発光素子との間の距離は、第1の発光素子と第4の発光素子との間の距離よりも短くなるように配置される。
また、特許文献4は、精度良く脈波を測定することができる生体情報取得装置を開示する。この生体情報取得装置は、生体に第1の波長の光を照射して生体での反射光又は透過光を検出する第1の検出部と、生体に第2の波長の光を照射して生体での反射光又は透過光を検出する第2の検出部と、生体に第1の波長の光を照射して得た検出信号から生体に第2の波長の光を照射して得た検出信号を減じた減算値に基づいて生体の脈波を導き出す処理部とを備える。
また、特許文献5は、患者から測定される脈波(離散的時系列脈波データ)にアートファクトが含まれていない期間の発生時期が不規則であっても、回転によるノイズ除去処理が有効に作用するノイズ除去方法等を開示する。このノイズ除去方法は、異なる2つの波長の光を生体組織に照射するステップと、生体組織を透過または反射した各波長の光を電気信号に変換して受光するステップと、各波長の電気信号より得られた離散的時系列脈波データに追加アーチファクトを附加するステップと、追加アーチファクトを附加された離散的時系列脈波データを回転行列を用いてあらかじめ決められた角度又は所定条件に基づいて決められた角度に各脈波データの平均値を中心として回転させるステップとを含む。
また、特許文献6は、運動負荷時における血圧変動を一心拍毎に無拘束的に計測する無拘束運動負荷時血圧変動測定装置を開示する。この血圧変動測定装置では、波長の異なる2つの光源から所定のサイクルで照射された光は、生体の表在血管で吸収・反射され、各々の反射光が共通の受光素子により受光され、その受光量に対応する電気信号をマルチプレクサに送る。マルチプレクサは、各々の波長毎に電気信号を分離し、可変利得増幅器へ送り、電気信号PR・PIRを得る。これをバンドパスフィルタに入力し、脈動による反射光の変動成分・外乱成分を有する脈波信号ΔPR、ΔPIRを得る。これらを差動増幅器に入力し、外乱を除去した脈波信号ΔPSを得て、微分器に入力し、微分脈波信号δPSを得る。また、電極、心電計より微分心電波形δCGを得る。両者より脈波伝播速度が得られる。これが送信機より受信機に送られ、この脈波伝播速度より、一心拍毎の血圧値が推定される。
特開2008−264302号公報 特開2013−162821号公報 特開2016−036728号公報 特開2016−083007号公報 特開2012−019968号公報 特開平05−207978号公報
本発明は、脈拍や血圧などの生体情報を正確に検知する光学式の生体センサを提供する。
上記課題を解決するために、第1波長と第2波長の光を生体に投光する投光部と、投光部が投光した光が生体で反射した反射光を含む光を受光する受光部と、受光部が受光した受光信号の微分信号を演算する微分演算部と、受光部が受光した、第1波長の光に対応する第1受光信号と、第2波長の光に対応する第2受光信号を微分演算部が演算した第2微分信号との積を演算する第1演算部と、受光部が受光した、第2波長の光に対応する第2受光信号と、第1波長の光に対応する第1受光信号を微分演算部が演算した第1微分信号との積を演算する第2演算部と、第1演算部で演算された積と第2演算部で演算された積の差を演算する第3演算部と、を備える光学式生体センサが提供される。
これによれば、脈拍や血圧などの生体情報を正確に検知する光学式の生体センサを提供することができる。
さらに、第1演算部は、第1受光信号と投光部が投光しない時に受光部が受光したオフセット光信号との差を演算した後第2微分信号との積を演算し、第2演算部は、第2受光信号とオフセット光信号との差を演算した後第1微分信号との積を演算することを特徴としてもよい。
これによれば、外乱光の影響を低減することで、より正確な生体情報を検知することができる。
さらに、第1受光信号とオフセット光信号の差を二乗し、第2受光信号とオフセット光信号の差を二乗し、両者の和を演算する第4演算部をさらに備え、第4演算部は、後述する(1)式に示される角速度ωを演算することを特徴としてもよい。
これによれば、色相の変化により生体情報を検知することで、より正確な生体情報を検知することができる。
本発明によれば、脈拍や血圧などの生体情報を正確に検知する光学式の生体センサを提供することができる。
本発明に係る第一実施例の光学式生体センサを車両の車室内に設置した場合の側方からみた場合の説明図。 本発明に係る第一実施例の光学式生体センサの概略ブロック図。 本発明に係る第一実施例の光学式生体センサのブロック図。 本発明に係る第一実施例の光学式生体センサにおける信号処理部と演算部のブロック図。 本発明に係る第一実施例の光学式生体センサにおけるフォトダイオード、ローパスフィルタおよびバンドパスフィルタ、マイクロコンピュータの関係を示す概略図。 R2−R1座標平面において色相変化角速度等を説明するための説明図。 本発明に係る第一実施例の光学式生体センサにおいて生体情報を取得した際の、(A)ローパスフィルタが出力した第1波長に対する受光信号R1と第2波長に対する受光信号R2のグラフ、(B)バンドパスフィルタが出力した、受光信号R1の微分信号ΔR1と受光信号R2の微分信号ΔR2のグラフ、(C)色相変化角速度のグラフ。 本発明に係る第一実施例の光学式生体センサにおける制御を示すフローチャート。 本発明に係る第一実施例の光学式生体センサにおけるサンプリングのタイムチャート。
<第一実施例>
図1を参照し、本実施例における光学式生体センサ100を概説する。光学式生体センサ100は、血液中のヘモグロビンに対して吸光率が異なる波長の2つの光を生体に照射し、その反射光から脈拍や血圧、血流などの生体情報を検知するものである。光学式生体センサ100は、座席STに座る運転者DRの方へ後述する投受光ユニット90を向けて、ハンドルWLの奥のたとえばハンドル軸部や、インパネ部分やバックミラーなどに設置され、運転者DRが運転中の顔等の生体に光LTを照射し、その反射光を受光する。
図2を参照し、光学式生体センサ100を説明する。光学式生体センサ100は、光を投光かつ受光する投受光ユニット90とそれを制御する制御ユニット80を備える。投受光ユニット90は、2つの異なる波長(第1波長と第2波長)の光を顔等の生体に投光する投光部10と、投光部10が投光した光が生体に反射した反射光等を受光する受光部とを備える。
投光部10は、2つの異なる波長を発光するために2つの発光器である第1波長用の第1発光器11と第2波長用の第2発光器12と、これらの発光器が発光する光を投受光ユニット90から外部へ投光するための投光窓13と、発光器の発光を駆動制御するための投光回路部品14とを備える。発光器は、電気信号を光信号に変換する発光素子であり、所定の波長の光を発光できるものであれば特に限定されることはないが、通常コスト面で有利な発光ダイオード(LED、Light Emitting Diode)や大きな出力が可能な半導体レーザが使用される。
受光部20は、投光部10が投光した光が生体に反射した反射光と他の背景光などの外乱光を受光する受光器21と、外部の光を受け入れ受光器21に導く受光窓22と、受光器21が復調した電気信号を受け、制御ユニット80に渡す受光回路部品23とを備える。受光器21は、受信した光信号を電気信号に復調する受光素子であり、たとえば、フォトダイオードである。
第1発光器11および第2発光器12は、制御ユニット80と信号線で接続された投光回路部品14により実際に駆動されて、所定の波長で発光する。第1発光器11と第2発光器12が発光した光は、投光窓13を通って生体に照射される。受光器21は、照射された光が生体に反射して受光窓22を通って戻ってきた反射光を受光し、受光した反射光を復調した電気信号を受光回路部品23に渡す。受光回路部品23は信号線により制御ユニット80と接続されており、受光器21が復調した電気信号は、制御ユニット80に渡される。
第1発光器11が発光する第1波長と第2発光器12が発光する第2波長は、以下のように定められる。本発明に係る光学式生体センサ100は、血液中のヘモグロビンに対して吸光率が異なる波長の2つの光を生体に照射し、その反射光から脈拍や血圧、血流などの生体情報を検知するものである。波長200nmから10μmでの光に対して、生体内に存在する主な光吸収物質は、水と血液中のヘモグロビンであり、それらの吸収スペクトルは波長に強く依存することが知られている。ヘモグロビンは、波長が700nm以下の光に対して強い吸収を持ち、水は、2μmよりも波長が長い中赤外光および遠赤外光に対して強い吸収を持つ。一方、波長がおよそ700nmから2μmまでの近赤外光に対してはヘモグロビンと水の吸収が弱いため、近赤外光は、生体組織に深く浸透する。
心拍の脈波を光学的に検出するためには、光が動脈に届くことが必要である。そのためには、水による吸光率がより低い光である900nm以下の光を使うことが必要である。また、静脈の中のヘモグロビンによる吸光率が大きすぎても深い位置にある動脈に届く前に減衰してしまうので、光の波長が700nm以下であると水による吸光率はより小さいが、ヘモグロビンによる吸光率が高くなり適切ではない。したがって、波長が700nm〜900nm程度の光であれば、水およびヘモグロビン両方による吸光率が小さい。よって、動脈内に存するヘモグロビンの変動を検出するためには、700nm〜900nmの波長の近赤外光を使用することが好ましく、また800nm〜870nmの波長の近赤外光を使用するとさらに好ましい。そして、第1波長と第2波長とは、体組織の内ヘモグロビンのみで顕著に吸光率が異なる波長が好ましく、なるべく差がある方が検知し易いから、たとえば、波長の範囲が700nm〜900nmである場合、第1波長は700nmであり、第2波長は900nmであると定めることができる。
図3乃至図4を参照し、光学式生体センサ100の制御ユニット80について説明する。制御ユニット80は、第1発光器11および第2発光器12の発光タイミングや受光した光信号の処理のタイミングを制御する制御部30と、受光器21が受光し復調した電気信号をAD変換などの処理する信号処理部40と、信号処理部40が処理した電気信号を積算し、色相変化速度等を求める演算を行う演算部50と、演算部50が行った演算結果に基づいて生体信号を抽出する生体信号抽出部60と、生体信号抽出部60が抽出した生体情報を外部へ出力する外部出力部70とを備える。
制御部30は、第1発光器11および第2発光器12のそれぞれをオンオフさせて、間欠発光させるためにそのタイミングを制御する。また、制御部30は、信号処理部40に対して、受光部20が出力した電気信号を信号処理部40が処理するタイミング(サンプリング)を制御する。詳細は後述する。信号処理部40は、受光器21が受光し復調したアナログの電気信号を入力され、信号を平滑化するローパスフィルタ42と、当該電気信号を入力され、平滑化すると共に微分処理を行うバンドパスフィルタ41(微分演算部)と、ローパスフィルタ42とバンドパスフィルタ41のアナログ電気信号をデジタル化するAD変換回路43とを備える。
ローパスフィルタ42は、図5に示すように、受光器21のフォトダイオードがPDポートから出力する受光信号から高周波成分のノイズを除去しベースバンド成分のみを通過させ、各波長に対応する受光信号を平滑化した信号(これらを受光信号R1と受光信号R2という。)を出力する。なお、光学式生体センサ100は、脈拍や血圧などの生体情報を取得することを目的としているので、ローパスフィルタ42は、約1Hzの心拍を通過するフィルタであり、たとえば10Hz以上は除去するフィルタである。なお、図中において、ローパスフィルタ42は、第1発光器11(図中LED1)が発光時の受光信号に対応するローパスフィルタをLPF1と、第2発光器12(図中LED2)が発光時の受光信号に対応するローパスフィルタをLPF2と表す。
バンドパスフィルタ41は、図5に示すように、ローパスフィルタ42と同様に受光信号を平滑化すると共に、PDポートが出力した受光信号からDC成分を除去し、各波長に対応する信号の微分値(ΔR1とΔR2)を取得するための微分算出部の実施形態である。バンドパスフィルタ41である微分演算部は、受光部20が受光した光信号を電気信号に変換した受光信号を微分した微分信号(ΔR1とΔR2)を演算する。なお、バンドパスフィルタ41により得られる微分値(ΔR1とΔR2)は、線形近似値であり、微分算出部は、バンドパスフィルタ41に限定されることはなく、各波長に対応した受光信号を微分し、その微分値を算出するものであればよい。なお、図中において、バンドパスフィルタ41は、第1発光器11が発光時の受光信号に対応するバンドフィルタをBPF1と、第2発光器12が発光時の受光信号に対応するバンドフィルタをBPF2と表す。
なお、物理構成的には、図5における受光器21のPDポートとローパスフィルタ42/バンドパスフィルタ41の間にあるホールド回路(Hold1〜Hold4)は、第1発光器11(図中LED1)と第2発光器12(図中LED2)の発光タイミングと受光信号を受け入れるタイミングを同期するためのスイッチング素子と共に、発光器を高周波で間欠発光させる際におけるフィルタの時定数を考慮してキャパシタを有する。また、本図に示されるマイクロコンピュータMCは、ローパスフィルタ42が出力する受光信号R1/R2およびバンドパスフィルタ41が出力する微分信号ΔR1/ΔR2が入力され、AD変換を行うADポート(AD変換回路43)を備え、制御部30や演算部50などの実装形態の例である。
また、マイクロコンピュータMCは、DIOポートTr1/Tr2を備え、第1発光器11と第2発光器12の発光タイミングを出力する。そして、第1発光器11に関連するホールド回路Hold1とHold2はDIOポートTr1からの入力を受け、第2発光器12に関連するホールド回路Hold3とHold4はDIOポートTr2からの入力を受ける。このような構成をとることにより、第1発光器11の発光と第2発光器12の発光を交互に間欠的に発光すなわちパルス発光し続けるように、第1発光器11と第2発光器12の発光タイミングを制御し、また、それぞれの発光器に関連した受光信号をサンプリング抽出することができる。なお、マイクロコンピュータMCは、前述した制御部30や、演算部50、生体信号抽出部60、外部出力部70などを含んでいてもよい。また、各ADポートは、ADコンバータに接続され、アナログ信号をデジタル信号に変換するポートである。
演算部50は、AD変換回路43によりアナログ値からデジタル値に変換された受光信号R1/R2とその微分値である微分信号ΔR1/ΔR2を入力され、それぞれ積算する積算部55を備える。積算部55は、第1発光器11が発光し、そのタイミングで受光した受光信号R1とその微分信号ΔR1をAD変換する毎にそれぞれ積算し、第2発光器12が発光し、そのタイミングで受光した受光信号R2とその微分信号ΔR2をAD変換する毎にそれぞれ積算する。演算部50は、積算部55の積算により取得する各受光信号とその微分信号が平均化されるので、積算部55を備えることが好ましい。
また、演算部50は、第1演算部51と、第2演算部52と、第3演算部53とを備える。第1演算部51は、第1波長の照射光に対応する受光信号がローパスフィルタ42を通り平滑化され、積算部55により平均化された第1受光信号R1と、第2波長の照射光に対応する受光信号である第2受光信号R2を微分演算部41が演算した第2微分信号ΔR2との積を演算する。第2演算部52は、第2波長の照射光に対応する受光信号がローパスフィルタ42を通り平滑化され、積算部55により平均化された第2受光信号R2と、第1波長の照射光に対応する受光信号である第1受光信号R1を微分演算部41が演算した第1微分信号ΔR1との積を演算する。第3演算部53は、第1演算部51で演算された積と第2演算部52で演算された積の差を演算する。これにより、脈拍や血圧などの生体情報を正確に検知する光学式の生体センサ100を提供することができる。
また、第1演算部51は、第1受光信号R1と第1発光器11が発光しない時に受光部20が受光したオフセット光信号R1offsetとの差を演算した後第2微分信号R1との積を演算し、第2受光信号R2と第2発光器12が発光しない時に受光部20が受光したオフセット光信号R2offsetとの差を演算した後第1微分信号ΔR1との積を演算することが好ましい。投光部10が投光していない時の反射光以外の背景光などの外乱光との差分を得ることで、外乱光の影響を低減することができ、より正確な生体情報を得ることができる。
また、演算部50は、さらに第4演算部54を備えることが好ましい。第4演算部54は、第1受光信号R1とそのオフセット光信号R1offsetの差を二乗し、第2受光信号R2とそのオフセット光信号R2offsetの差を二乗し、両者の和を演算し、(1)式に示される角速度ωを算出する。
・・・(1)
図6を参照し、色相変化角速度ωについて説明する。
本図に示すようなR2−R1座標平面における色相変化角速度ωは、
ω=Δθ/Δt
なお、θ=arctan(R2−R2offset)/(R1−R1offset
R2offset:電波式生体センサの非発光時の受光信号値
R1offset:電波式生体センサの非発光時の受光信号値
と表すことができる。なお、本発明の場合、R2offsetとR1offsetの値は一致する。
なお、本図における原点(R2offset、R1offset)との距離は、受光信号R1とR2の受光強度の大きさを示し、測定対象の生体の状態(生体センサ100との距離、反射面の傾き、反射率など)によって変動する。吸光率が一定ならば、距離変動などによる受光強度の変化で、原点からの距離が変化する。
たとえば、第2波長の方が第1波長よりヘモグロビンに対して吸光率が高い波長である場合であって、測定対象の生体により多くのヘモグロビンが充填されている場合、第2受光信号R2は、第1受光信号R1より小さくなる。生体内の脈拍に応じて動脈に流れるヘモグロビンの量が変動するので、第1受光信号R1と第2受光信号R2の2軸のR2−R1座標平面にプロットされる点は、脈動に応じて変動する。この時の変動量を位相Δθで表すことができ、その角速度ωは、Δθ/Δtとなる。この角速度ωは、2波長の変化速度を示すものであるから色合い(色相)の変化速度であると、すなわち色相変化角速度ωと言える。この色相変化角速度ωを評価することで、ヘモグロビン密度の変化による吸光率の変化を評価でき、距離変動などによる受光強度の影響を低減することが可能となる。また、非発光時のオフセット光信号を観測して差し引くことで、太陽光等の外乱光があっても評価が可能となる。このように、色相の変化により生体情報を検知することで、より正確な生体情報を出力することができる。
図7を参照して、色相変化角速度ωについて説明する。本図(A)は、ローパスフィルタ42が出力した、第1波長に対する受光信号R1と第2波長に対する受光信号R2を示すグラフである。受光信号R1と受光信号R2は、直流成分が除かれていないので不定期に大きく上下し(R2−R1座標平面においては原点からの距離が大きく変動し)、また細かな周期も見て取れるが明確ではない。本図(B)は、バンドパスフィルタ41が出力した、受光信号R1の微分信号ΔR1と受光信号R2の微分信号ΔR2を示すグラフである。微分信号ΔR1と微分信号ΔR2は、直流成分が除かれているので不定期で大きな上下動無くなり、ピークも受光信号R1/R2よりは際立ってきているが、周期の規則性を認めることは難しい。本図(C)は、(1)式により演算した色相変化角速度ωを示すグラフである。これを見れば明らかなように、明確に周期性を検知している。本図(C)に示すピーク間の間隔Pは、ほぼ1秒間隔であり、心拍の脈波(脈拍)示している。このように、色相変化角速度ωが表す色相の変化により生体情報を検知することで、より正確な生体情報を出力することができる。
生体信号抽出部60は、演算部50が行った色相変化角速度ω等の演算結果に基づいて、抽出する生体情報の特徴量に基づき生体情報を抽出する。たとえば、ピーク間の間隔Pにより脈拍の間隔すなわちたとえば1分当たりの脈拍数を抽出することができるし、ピーク高さにより血圧を抽出することができる。なお、生体センサ100は、生体信号抽出部60が抽出した生体情報を使用する外部機構に出力するための外部出力部70を備える。
図8乃至図9を参照して、光学式生体センサ100の発光器を発光させて受光信号をサンプリングし、脈拍を抽出する方法を説明する。なお、フローチャートにおけるSはステップを意味する。光学式生体センサ100の演算部50は、S100において、受光信号R1/R2、その微分信号ΔR1/ΔR2およびオフセット光信号の積算値をゼロにリセットとする。制御部30は、S102において、第1発光器11(図中LED1)を発光させる共に第2発光器12(図中LED2)は発光させない。
演算部50は、S104において、第1発光器11に関連するホールド回路Hold1とHold2を接続し、第2発光器12に関連するホールド回路Hold3とHold4を切断することにより、受光信号R1およびその微分信号ΔR1をサンプリングする。すなわち、演算部50は、第1発光器11が発光している時の受光器21(図中PD)の受光信号として、ローパスフィルタ42(図5と同じLPF1)を通過した後にAD変換回路43によりデジタル化した受光信号R1の1回分をAD1[1]として前回の積算値(初回はゼロ)に積算する。また、演算部50は、S106において、第1発光器11が発光している時の受光器21の受光信号の微分信号として、バンドパスフィルタ41(図5と同じBPF1)を通過した後にAD変換回路43によりデジタル化した微分信号ΔR1の1回分をAD2[1]として前回の積算値に積算する。
次に、制御部30は、S108において、第1発光器11を発光させるのを止める共に第2発光器12も発光させない。この時、ホールド回路Hold1〜Hold4をすべて切断し、サンプリングは行わない。そして、S110において、第2発光器12を発光させる共に第1発光器11は発光させない。
演算部50は、S112において、第1発光器11に関連するホールド回路Hold1とHold2を切断し、第2発光器12に関連するホールド回路Hold3とHold4を接続することにより、受光信号R2およびその微分信号ΔR2をサンプリングする。すなわち、演算部50は、第2発光器12が発光している時の受光器21の受光信号として、ローパスフィルタ42(図5と同じLPF2)を通過した後にAD変換回路43によりデジタル化した受光信号R2の1回分をAD3[1]として前回の積算値に積算する。また、演算部50は、S114において、第2発光器12が発光している時の受光器21の受光信号の微分信号として、バンドパスフィルタ41(図5と同じBPF2)を通過した後にAD変換回路43によりデジタル化した微分信号ΔR2の1回分をAD4[1]として前回の積算値に積算する。
そして、制御部30は、S116において、第2発光器12を発光させるのを止めると共に第1発光器11も発光させず、すなわち両方の発光器の発光を停止する。この時、ホールド回路Hold1〜Hold4をすべて切断し、サンプリングは行わない。制御部30は、S118において、S102〜S116のステップを所定回数のN回を積算したか否かを検査し、N回積算していなければ上記ステップを繰り返す。所定回数のN回を繰り返して積算するのは、図9の下段に示すように、1回のサンプリング値(たとえば、AD1[1])は1回毎の変動が大きいが、それを何回か積算することで徐々に平均化し、それぞれの信号の特徴が表れるからである。
受光信号R1/R2およびその微分信号ΔR1/ΔR2をN回積算したら、すなわち、AD1[1]〜AD1[N]、AD2[1]〜AD2[N]、AD3[1]〜AD3[N]、およびAD4[1]〜AD4[N]を取得したら、制御部30は、S120において、両方の発光器の発光を停止する。この時、ホールド回路Hold1〜Hold4をすべて切断する。そして、演算部50は、S122において、第1発光器11および第2発光器12の両方が発光していない時の受光器21の受光信号として、ローパスフィルタ42(図5と同じLPF1)を通過した後にAD変換回路43によりデジタル化したオフセット光信号R1offsetを同様に前回の積算値に積算する。また、演算部50は、S124において、両方の発光器が発光していない時の受光器21の受光信号として、ローパスフィルタ42(図5と同じLPF2)を通過した後にAD変換回路43によりデジタル化したオフセット光信号R2offsetを同様に前回の積算値に積算する。
そして、制御部30は、S126において、S122〜S124のステップを所定回数のN回を積算したか否かを検査し、N回積算していなければ上記ステップを繰り返す。オフセット光信号R1offsetおよびオフセット光信号R2offsetをN回積算したら、演算部50は、S128において、積算した受光信号R1/R2、積算したその微分信号ΔR1/ΔR2および積算したオフセット光信号R1offset/R2offsetを用いて、(1)式により演算し、色相変化角速度ωを算出する。そして、生体信号抽出部60は、算出した色相変化角速度ωに基づいて脈拍の特徴量により信号処理を行い、脈拍信号を抽出し、外部出力部70が脈拍信号を出力する。
上述したように、光学式生体センサ100は、受光部20が受光した、第1波長の光に対応する受光信号である第1受光信号R1と、第2波長の光に対応する第2受光信号R2を微分演算部41が演算した第2微分信号ΔR2との積を演算する第1演算部51と、受光部20が受光した、第2波長の光に対応する第2受光信号R2と、第1波長の光に対応する第1受光信号R1を微分演算部41が演算した第1微分信号ΔR1との積を演算する第2演算部と、第1演算部51で演算された積と第2演算部52で演算された積の差を演算する第3演算部53と、第1受光信号R1とオフセット光信号R1offsetの差を二乗し、第2受光信号R2とオフセット光信号R2offsetの差を二乗し、両者の和を演算する第4演算部とを備え、(1)式に示される色相変化角速度ωを演算する。これにより、光学式生体センサ100は、脈拍や血圧などの生体情報を正確に検知することができる。
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
100 光学式生体センサ
90 投受光ユニット
80 制御ユニット
10 投光部
11 第1発光器
12 第2発光器
13 投光窓
14 投光回路部品
20 受光部
21 受光器
22 受光窓
23 受光回路部品
30 制御部
40 信号処理部
41 バンドパスフィルタ(微分演算部)
42 ローパスフィルタ(平滑化フィルタ)
43 AD変換回路
50 演算部
51 第1演算部
52 第2演算部
53 第3演算部
54 第4演算部
55 積算部
60 生体信号抽出部
70 外部出力部
WL ハンドル
ST 座席
LT 光
MC マイクロコンピュータ

Claims (3)

  1. 第1波長と第2波長の光を生体に投光する投光部と、
    前記投光部が投光した光が前記生体で反射した反射光を含む光を受光する受光部と、
    前記受光部が受光した受光信号の微分信号を演算する微分演算部と、
    前記受光部が受光した、前記第1波長の光に対応する第1受光信号と、前記第2波長の光に対応する第2受光信号を前記微分演算部が演算した第2微分信号との積を演算する第1演算部と、
    前記受光部が受光した、前記第2波長の光に対応する第2受光信号と、前記第1波長の光に対応する第1受光信号を前記微分演算部が演算した第1微分信号との積を演算する第2演算部と、
    前記第1演算部で演算された積と前記第2演算部で演算された積の差を演算する第3演算部と、
    を備える光学式生体センサ。
  2. 前記第1演算部は、前記第1受光信号と前記投光部が投光しない時に前記受光部が受光したオフセット光信号との差を演算した後前記第2微分信号との積を演算し、前記第2演算部は、前記第2受光信号と前記オフセット光信号との差を演算した後前記第1微分信号との積を演算することを特徴とする請求項1に記載の光学式生体センサ。
  3. 前記第1受光信号と前記オフセット光信号の差を二乗し、前記第2受光信号と前記オフセット光信号の差を二乗し、両者の和を演算する第4演算部をさらに備え、
    前記第4演算部は、(1)式に示される角速度ωを演算することを特徴とする請求項2に記載の光学式生体センサ。
    ・・・(1)

    但し、R1は第1受光信号、ΔR1は第1微分信号、R1offsetは第1波長に関するオフセット光信号、R2は第2受光信号、ΔR2は第2微分信号、R2offsetは第2波長に関するオフセット光信号である。
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