JP6620589B2 - 情報処理装置、データ抽出方法、プログラム更新方法、記憶媒体及びコンピュータプログラム - Google Patents

情報処理装置、データ抽出方法、プログラム更新方法、記憶媒体及びコンピュータプログラム Download PDF

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本発明は、情報処理装置、データ抽出方法、プログラム更新方法、記憶媒体及びコンピュータプログラムに関する。
具体的には、本発明は、自動走行の車両がセンシングしたプローブ情報から、自動運転の制御プログラムの改善を促す事例を抽出する技術に関する。
現在、自動車の自動運転技術の開発が盛んに行われている。自動車の自動運転を明確に分類することは難しいが、概ね、車両の制御システムが搭乗者による運転を支援する支援運転と、完全に無人での運転が可能な自律運転とに大別できる。
支援運転には種々のタイプがあり、例えば、道路の道なりに走行する制御を行うもの(特許文献1)、指令車速となるようにアクセルやブレーキの操作量を制御するもの(特許文献2)、先行車との車間距離を維持する制御を行うもの(特許文献3)などがある。
自律運転の従来例としては、例えば、特許文献4に記載の技術がある。この従来の自律運転は、ナビゲーションシステムにより探索した経路に沿って車両を走行させ、走行途中にソナーなどでセンシングした周囲の物体の挙動を予測し、予測した挙動を行う可能性の高い物体を回避する動作を自車両に行わせるものである。
特開2011−162132号公報 特開2013−244838号公報 特開2014−046748号公報 特表2013−544696号公報
上記の自動運転(支援運転及び自律運転の双方を含む。)を車両に実行させるための制御プログラムを改善するには、多くの実車走行テストを繰り返す必要がなるため、多大な時間とコストがかかる。
そこで、自動運転車両の過去の自動走行の実績などから、制御プログラムの不備が原因ではないかと疑われる事例を抽出できれば、その事例を技術担当者に提示することにより、問題のある制御プログラムの早期改善に繋がる。
しかし、現状では、自動運転の制御プログラムの改善を促す事例を抽出可能な情報を生成する技術は、未だ開発されていない。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、自動運転の制御プログラムの改善を促す事例を抽出可能な情報を生成する情報処理装置等を提供することを目的とする。
(1) 本発明の一態様に係る情報処理装置は、所定の情報処理を実行する情報処理部を備える情報処理装置であって、前記情報処理には、自動運転車両のプローブ情報と道路地図データに基づいて、自動走行が行われた走行区間における異常走行の有無と、前記異常走行の要因となり得る特徴量の有無又は値とを含む走行リスクデータを生成するデータ生成処理と、生成された複数の前記走行リスクデータに基づいて、前記特徴量の有無又は値ごとの前記異常走行の発生確率を含むリスク判定モデルを生成するモデル化処理と、が含まれ、前記特徴量には、道路側の事象である外部要因のみが含まれる。
(8) 本発明の一態様に係る記憶媒体は、所定の情報処理を情報処理部に実行させるためのコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記情報処理には、自動運転車両のプローブ情報と道路地図データに基づいて、自動走行が行われた走行区間における異常走行の有無と、前記異常走行の要因となり得る特徴量の有無又は値とを含む走行リスクデータを生成するデータ生成処理と、生成された複数の前記走行リスクデータに基づいて、前記特徴量の有無又は値ごとの前記異常走行の発生確率を含むリスク判定モデルを生成するモデル化処理と、が含まれ、前記特徴量には、道路側の事象である外部要因のみが含まれる。
(9) 本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、所定の情報処理を情報処理部に実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記情報処理には、自動運転車両のプローブ情報と道路地図データに基づいて、自動走行が行われた走行区間における異常走行の有無と、前記異常走行の要因となり得る特徴量の有無又は値とを含む走行リスクデータを生成するデータ生成処理と、生成された複数の前記走行リスクデータに基づいて、前記特徴量の有無又は値ごとの前記異常走行の発生確率を含むリスク判定モデルを生成するモデル化処理と、が含まれ、前記特徴量には、道路側の事象である外部要因のみが含まれる。
本発明によれば、自動運転の制御プログラムの改善を促す事例を抽出可能な情報を生成することができる。
本発明の実施形態に係る情報処理システムの全体構成図である。 情報処理部が実行する情報処理の概要を示す説明図である。 第1情報処理と第2情報処理の具体例を示す説明図である。 走行リスクデータの一例を示す説明図である。 走行リスクデータのモデル化処理の一例を示すフローチャートである。 リスク判定モデルの一例を示す説明図である。 異常走行のノードに関する条件付き確率表の一例を示す図である。(a)は急減速のノードに関する条件付き確率表であり、(b)は急加速のノードに関する条件付き確率表である。 走行リスク判定処理と走行リスク回避処理の概要を示す説明図である。 リスク判定モデルから抽出可能な疑義ケースデータの一例を示す説明図である。 リスク判定モデルから抽出可能な疑義ケースデータの別例を示す説明図である。 走行リスクデータから抽出可能な疑義ケースデータの一例を示す説明図である。
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態の情報処理装置は、所定の情報処理を実行する情報処理部を備える情報処理装置であって、前記情報処理には、自動運転車両のプローブ情報と道路地図データに基づいて、自動走行が行われた走行区間における異常走行の有無と、前記異常走行の要因となり得る特徴量の有無又は値とを含む走行リスクデータを生成するデータ生成処理と、生成された複数の前記走行リスクデータに基づいて、前記特徴量の有無又は値ごとの前記異常走行の発生確率を含むリスク判定モデルを生成するモデル化処理と、が含まれ、前記特徴量には、道路側の事象である外部要因のみが含まれる。
本実施形態の情報処理装置によれば、リスク判定モデルが、道路側の事象である外部要因からなる特徴量の有無又は値ごとの異常走行の発生確率を含むので、例えば特徴量がないのに異常走行の発生確率が高いなど、異常走行の要因が車両側の内部要因であると推定される事例(例えば、後述の疑義ケースデータ)をリスク判定モデルから抽出できる。
このため、かかる事例を技術担当者に提示することにより、自動運転の制御プログラムの改善を早期に促すことができる。
(2) 本実施形態の情報処理装置において、前記情報処理には、前記自動運転車両の内部要因が疑われる疑義ケースデータを抽出するデータ抽出処理が含まれることが好ましい。
この場合、情報処理部が、自動運転車両の内部要因が疑われる疑義ケースデータを抽出するので、リスク判定モデルから疑似ケースデータを抽出する処理を人手で行う必要がなく、疑似ケースデータを迅速かつ簡便に取得することができる。
(3) 本実施形態の情報処理装置において、前記データ抽出処理は、例えば、生成された前記リスク判定モデルのうち、前記異常走行に対応するすべての前記特徴量がなしであり、かつ、当該異常走行の発生確率が所定値以上であるケースを、前記疑義ケースデータとする処理である。
その理由は、外部要因である特徴量がオールゼロであるのに、異常走行の発生確率が高いということは、車両側の内部要因が異常走行に影響している可能性が高いからである。
(4) 本実施形態の情報処理装置において、前記データ抽出処理は、生成された前記リスク判定モデルのうち、手動運転では前記異常走行の要因にならないと推定される前記特徴量がありであり、かつ、当該異常走行の発生確率が所定値以上であるケースを、前記疑義ケースデータとする処理であってもよい。
その理由は、手動運転では要因にならないと推定される特徴量がありであり、しかも、異常走行の発生確率が所定値以上であるということは、自動運転の制御プログラムが手動運転とは異なる不自然な操作を車両に指示していると推定され、ソフトウェア要因の影響である疑いが高いと考えられるからである。
(5) 本実施形態のデータ抽出方法は、上述の情報処理装置が出力する情報を用いて、自動運転車両の内部要因が疑われる疑義ケースデータを抽出する方法であって、前記情報処理装置が、前記リスク判定モデルを出力するステップと、出力された前記リスク判定モデルから前記疑義ケースデータを抽出するステップと、を含む。
本実施形態のデータ抽出方法において、出力されたリスク判定モデルから疑義ケースデータを抽出するステップは、他のコンピュータ装置で行ってもよいし、技術担当者などが人手で行ってもよい。
(6) 本実施形態のデータ抽出方法は、上述の情報処理装置が出力する情報を用いて、自動運転車両の内部要因が疑われる疑義ケースデータを抽出する方法であって、前記情報処理装置が、前記走行リスクデータを出力するステップと、出力された前記走行リスクデータから前記疑義ケースデータを抽出するステップと、を含む。
本実施形態のデータ抽出方法において、出力された走行リスクデータから疑義ケースデータを抽出するステップは、他のコンピュータ装置で行っても良いし、技術担当者などが人手で行ってもよい。
(7) 本実施形態のプログラム更新方法は、自動運転車両の自動運転のための制御プログラムを更新する方法であって、上述の情報処理装置が出力する前記疑義ケースデータ、又は、上述のデータ抽出方法により抽出された前記疑義ケースデータの提示を受けるステップと、提示された前記疑義ケースデータを参照して、前記制御プログラムのアルゴリズム又はパラメータを修正するステップと、を含む。
このように、本実施形態の疑義ケースデータは、異常走行の要因が自動運転車両の内部要因(例えば、自動運転の制御プログラムの不備などのソフトウェア要因)の疑いがあることを示すので、技術担当者などに提示されることにより、当該技術担当者が、制御プログラムのアルゴリズム又はパラメータを修正するのに役立つ。
(8) 本実施形態の記憶媒体は、所定の情報処理を情報処理部に実行させるためのコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記情報処理には、上述のデータ生成処理及びモデル化処理が含まれ、前記特徴量には、道路側の事象である外部要因のみが含まれる。
従って、本実施形態の記憶媒体は、上述の本実施形態の情報処理装置と同様の作用効果を奏する。
(9) 本実施形態のコンピュータプログラムは、所定の情報処理を情報処理部に実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記情報処理には、上述のデータ生成処理及びモデル化処理が含まれ、前記特徴量には、道路側の事象である外部要因のみが含まれる。
従って、本実施形態のコンピュータプログラムは、上述の本実施形態の情報処理装置と同様の作用効果を奏する。
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔用語の定義〕
本実施形態の詳細を説明するに当たり、まず、本明細書で用いる用語の定義を行う。
「車両」:道路を通行する車両全般のことをいう。自動車、原動機付き自転車、軽車両及びトロリーバスなどの道路交通法上の車両のほか、自動二輪車も本実施形態の車両に該当する。車両の駆動方式は特に限定されない。従って、EV(Electric Vehicle)及びPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)なども、本実施形態の車両に該当する。
「手動運転」:車両の搭乗者が自車両の運転の全部を行うことをいう。すなわち、後述の「自動運転」の対比概念であり、加減速及び操舵などの基本操作の主体がすべて搭乗者である運転のことをいう。
「自動運転」:車両の各種センサによるセンシング結果に基づいて、ECU(Engine Control Unit)などの車両の制御システムが自車両の運転の一部又は全部を自動的に行う運転のことをいう。
自動運転には、車両の制御システムが自車両の運転の全部を自動的に行う「自律運転」が含まれる。自律運転では、加減速及び操舵などの基本操作の主体が、搭乗者(人間)ではなく車両の制御システムである。
自動運転には、車両の制御システムが自車両の運転の一部を自動的に行って、搭乗者による自車両の運転を支援する「支援運転」も含まれる。これには、車両の減速又は方向転換の自動的な介入や、音声又は画面表示による搭乗者への注意喚起などがある。
「自動運転車両」:自動運転が可能な制御システムを有する車両のことをいう。本実施形態では、自動運転車両は、搭乗者による操作入力により、自車両の動作モードを「自動運転モード」と「手動運転モード」のいずれかに切り替え可能であるものとする。また、自動運転車両は、自動運転モードで走行中に自動運転の継続が困難と判断した場合、自車両の動作モードを手動運転モードに切り替える。
「自動走行」:自動運転車両が自車両の動作モードを自動運転モードに設定して道路を走行すること、すなわち、自動運転中である自動運転車両の走行のことをいう。
「プローブ車両」:自車両のプローブ情報を無線送信などによりアップリンク送信する通信機能を有する車両のことをいう。
「プローブ情報」:道路を走行中の車両から得られる当該車両に関する各種情報のことをいう。プローブデータ或いはフローティングカーデータとも称される。プローブ情報には、車両ID、車両位置、車両速度、車両方位及びこれらの発生時刻などの各種の車両データが含まれる。
本実施形態では、プローブ車両は、車載LAN(Local Area Network)であるCAN(Controller Area Network)において送受信されるCAN情報も、プローブ情報に含めてアップリンク送信するものとする。
CAN情報には、例えば、車両のアクセル開度、ブレーキ踏力、ハンドル操舵角及び動作モードの状態情報(自動運転モード又は手動運転モードのいずれかを表す識別情報)などの車両データが含まれる。
「異常走行」:安全とは言えない車両の走行挙動のことをいう。不安全走行ともいう。本実施形態では、異常走行の種別として、少なくとも、急減速、急加速、急操舵及び自動運転モード停止が含まれるものとする。
「急減速」:車両の減速度(走行方向と逆向きのため、負値で定義する。)が所定の閾値(例えば−0.45G〜−0.3G)以下である走行のことをいう。ブレーキ踏力で定義する場合は、走行時におけるブレーキ踏力が所定値以上となることをいう。
「急加速」:車両の加速度(走行方向と同じ向きのため、正値で定義する。)が所定の閾値(例えば0.30G〜0.45G)以上である走行のことをいう。アクセル開度で定義する場合は、走行時におけるアクセル開度が所定値以上となることをいう。
「急操舵」:所定の車両速度(例えば、40km/h)以上での走行時における、単位時間当たりの車両方位の変化量である方位角速度が、所定の閾値(例えば、25deg/s)以上となることをいう。
ハンドル操舵角で定義する場合は、所定の車両速度(例えば、40km/h)以上での走行時における、単位時間当たりのハンドル操舵角の変化量である操舵角速度が、所定の閾値以上となることをいう。
「自動運転モード停止」:動作モードの切り替えが可能な自動運転車両において、自動運転車両の判断あるいは搭乗者による操作入力により、自動運転車両の動作モードが自動運転モードから手動運転モードに切り替えられ、自動運転モードが強制的に停止されることをいう。
「特徴量」:異常走行が発生する要因となり得る事象のことをいう。特徴量には、道路側の事象である「外部要因」と、車両側の事象である「内部要因」とに分類される。
外部要因には、例えば、プローブ車両が走行中の道路における、「カーブ」の曲率半径、「料金所」の有無、「合流」の有無、「降水量」の多寡、「交通量」の多寡及び「渋滞末尾」の有無などが含まれる。
手動運転の場合には、内部要因として、例えば、運転者の居眠り、脇見判断ミスなどの人的要因が考えられる。
これに対して、自動走行中の自動運転車両の場合には、内部要因として、自動運転の制御プログラムのアルゴリズム又はパラメータの不備などのソフトウェア要因が考えられる。つまり、そのようなソフトウェア要因が存在する制御プログラムにより自動運転が継続されると、異常走行が発生する可能性が高まると考えられる。
「走行区間」:プローブ車両が走行した所定単位長の道路区間のことをいう。所定単位長は、距離又は時間のいずれで定義してもよいが、上述の特徴量が異常走行と相関し得る程度に十分に大きい値に設定することが好ましい。
所定単位長を距離で定義する場合には、例えば、500m〜10kmの範囲に含まれる所定距離、或いは、道路地図データの各リンクとすればよい。所定単位長を時間で定義する場合には、例えば、2分〜5分の範囲に含まれる所定時間とすればよい。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態の情報処理システム1は、データセンターなどに設置された情報処理装置の一種であるサーバ装置2と、自動走行が可能な複数のプローブ車両3とを備える。
本実施形態のサーバ装置2は、複数のプローブ車両3が各地でセンシングしたプローブ情報S1などに基づいて、自動走行において発生し得る異常走行の有無と、異常走行に影響する特徴量(要因)の有無などを判定する自動走行分析装置としての機能を有する。
このため、情報処理システム1の構成要素となるプローブ車両3には、少なくとも複数の自動運転車両3Aが含まれる。もっとも、情報処理システム1を構成するプローブ車両3には、自動走行を行わない手動運転車両3Bが含まれていてもよい。
サーバ装置2は、例えば自動車メーカーにより運用され、自社製品である車両の購入者などの登録会員に対して、所定の情報提供サービスを行うコンピュータ装置である。
サーバ装置2の情報提供サービスには、複数のプローブ車両3から取得したプローブ情報S1から生成された、VICS(「VICS」は登録商標である。)情報が得られない道路区間のリンク旅行時間などを提供するサービスや、登録会員の通信端末からの探索要求に応じて、直近のプローブ情報S1を用いた経路探索処理を行い、探索結果を通信端末に通知するサービスなどが含まれる。
プローブ車両3は、各地の無線基地局4(例えば、携帯電話基地局)との無線通信が可能である。無線基地局4は、インターネットなどの公衆通信網5を介してサーバ装置2と通信可能である。
従って、各地に存在するプローブ車両3は、自車両のプローブ情報S1をサーバ装置2宛てに送信することができる。サーバ装置2は、プローブ情報S1及び道路地図データなどを用いて情報提供サービスを実行する。プローブ車両3は、サーバ装置2から提供されるリンク旅行時間などの提供情報S2を、無線基地局4から受信することができる。
〔サーバ装置の構成〕
図1に示すように、サーバ装置2は、ワークステーション等よりなるサーバコンピュータ10と、サーバコンピュータ10に接続された各種のデータベース21〜27とを備える。サーバコンピュータ10は、情報処理部11、記憶部12及び通信部13を備える。
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)のうちの少なくとも1つの不揮発性メモリ(記憶媒体)と、ランダムアクセスメモリ等よりなる揮発性メモリ(記憶媒体)とを含む記憶装置である。
情報処理部11は、記憶部12の不揮発性メモリに格納されたコンピュータプログラム14を読み出し、当該プログラム14に従って情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)を含む演算処理装置よりなる。
記憶部12が記憶するコンピュータプログラム14には、通信部13の制御プログラムのほか、後述の「第1情報処理P1」及び「第2情報処理P2」(図2参照)などの処理を情報処理部11に実行させるプログラムなどが含まれる。
通信部13は、公衆通信網5を介して交通情報サーバ6及び気象情報サーバ7などの他の情報提供サーバと通信可能に接続されている。
交通情報サーバ6は、VICSセンターから取得した日本全国のVICS情報を提供する、所定の情報サービス事業者が運営するサーバである。気象情報サーバ7は、各地の気象台などから取得した日本全国の気象情報を提供する、所定の情報サービス事業者が運営するサーバである。
通信部13は、公衆通信網5を介して無線基地局4と通信可能に接続されている。通信部13は、無線基地局4が自装置にアップリンク送信したプローブ情報S1を受信することができ、自装置で生成されたリンク旅行時間及び探索結果などの提供情報S2を、無線基地局4にダウンリンク送信することができる。
データベース21〜27は、サーバコンピュータ10にそれぞれデータ転送可能に接続された、HDD又はSSDなどを含む大容量ストレージよりなる。
地図データベース21には、日本全国を網羅する道路地図データ28が記録されている。道路地図データ28には、「交差点データ」と「リンクデータ」が含まれる。
「交差点データ」は、日本全国の交差点に付与された交差点IDと、その交差点位置とを対応付けたデータである。「リンクデータ」は、日本全国の道路に対応して付与された特定リンクのリンクIDに対して、次の情報1)〜4)を対応付けたデータよりなる。
1) 特定リンクの始点・終点・補間点の位置
2) 特定リンクの始点に接続するリンクID
3) 特定リンクの終点に接続するリンクID
4) 特定リンクのリンクコスト
道路地図データ28は、実際の道路線形と走行方向に対応したネットワークを構成するため、例えば図示のように、交差点間の道路区間を向きが異なる有向リンクl(小文字のエル)で表したネットワークになっている。
具体的には、道路地図データ28は、交差点ごとにノードnが設定され、各ノードn間が逆向きの一対のリンクlで繋がった有向グラフよりなる。従って、一方通行の道路の場合は、一方向のリンクlのみで表現される。
道路地図データ28には、地図上の各道路に対応する特定のリンクlが、一般道路であるか有料道路であるかを表す道路種別情報や、リンクlに含まれる料金所やパーキングエリアなど施設の種別を表す施設情報なども含まれる。
プローブデータベース22には、日本全国に存在する登録会員のプローブ車両3から通信部13が受信した、多数のプローブ情報S1が蓄積される。交通情報データベース23には、交通情報サーバ6から通信部13が受信した、日本全国のVICS情報よりなる多数の交通情報が蓄積される。
気象情報データベース24には、気象情報サーバ7から通信部13が受信した、日本全国の多数の気象情報が蓄積される。
各データベース22〜24に蓄積される情報は、当該情報の発生時刻tp(タイムスタンプ)が現時点から遡って所定期間Tp(例えば、所定期間Tpは3か月以上2年以下)に含まれる情報である。従って、各データベース22〜24に含まれる情報は、発生時刻が最新の情報を通信部13が受信するごとに更新され、発生時刻が最も古い情報から順に消去される。
走行リスクデータベース25には、データベース21〜24に含まれる道路地図データ28、プローブ情報S1、交通情報及び気象情報などから生成された、多数の「走行リスクデータ」が蓄積される。
「走行リスクデータ」とは、プローブ車両3が自動走行により通行した走行区間ごとに、異常走行の有無と当該異常走行に関連し得る特徴量(要因)の値が記録されたデータのことをいう(図3及び図4参照)。
リスク判定データベース26には、走行リスクデータベース25に蓄積された走行リスクデータから統計的手法により生成された、「リスク判定モデル」が格納される。
「リスク判定モデル」とは、想定される要因が自動走行の異常走行に及ぼす度合いを数値化した情報(リスク判定情報)の一種であり、本実施形態では、外部要因である特徴量(カーブ、料金所、合流など)の値に応じて、自動走行時における異常走行の発生確率を算出可能となるように構造化されたモデルが採用されている。
より具体的には、本実施形態のリスク判定モデルは、異常走行ノードに関連する特徴量ノードがどれであるかを示す有向グラフと、特徴量ノードの値の組み合わせごとの異常走行ノードの発生確率を含む条件付き確率表U1〜U4とから構成されている(図6及び図7参照)。
疑義ケースデータベース27には、リスク判定データベース26に格納されたリスク判定モデル、或いは、走行リスクデータベース25に蓄積された多数の走行リスクデータから抽出された、「疑義ケースデータ」が格納される。
「疑義ケースデータ」とは、ある種の異常走行が発生した要因が、道路側の外部要因ではなく、自動運転車両3Aの内部要因(例えば、自動運転の制御プログラムの不備などのソフトウェア要因)の疑いがあることを表すデータのことをいう(図9〜図11参照)。
〔車載コンピュータの構成〕
図1に示すように、プローブ車両3は、車載装置の一種である車載コンピュータ30を備えている。
車載コンピュータ30は、プローブ車両3の加速、制動及び操舵などに関する運転制御機能と、搭乗者の操作入力に応じて経路探索を行うナビゲーション機能を併有しており、処理部31、記憶部32及び通信部33を有する。
記憶部32は、HDD及びSSDのうちの少なくとも1つの不揮発性メモリ(記憶媒体)と、ランダムアクセスメモリ等よりなる揮発性メモリ(記憶媒体)とを含む記憶装置である。
処理部31は、記憶部32の不揮発性メモリに格納されたコンピュータプログラム34を読み出し、当該プログラム34に従って情報処理を行うCPU及びECUを含む演算処理装置よりなる。
記憶部32が記憶するコンピュータプログラム34には、通信部33の制御プログラムのほか、処理部31のECUに実行させる運転制御プログラム、自動運転車両3Aが自動走行を行う場合にECUに実行させる自動運転プログラムなどが含まれる。
また、記憶部32が記憶するコンピュータプログラムには、後述の「走行リスク判定処理30」及び「走行リスク回避処理P31」(図8参照)などの処理を処理部31に実行させるプログラムなどが含まれる。
通信部33は、プローブ車両3に恒常的に搭載された無線通信機、或いは、プローブ車両3に一時的に搭載されたモバイル端末(例えば、携帯電話機、スマートフォン又はタブレット型コンピュータなど)よりなる。
通信部33は、GPS(Global Positioning System )受信機を有しており、処理部31は、通信部33が受信するGPSの位置情報に基づいて自車両の車両位置をほぼリアルタイムにモニタリングしている。
処理部31は、自車両の車両位置、車両速度及びCAN情報などの車両データを単位時間(例えば0.1s)ごとに収集し、発生時刻とともに記憶部12に記録する。処理部31は、自車両が自動運転車両3Aである場合には、現時点の動作モードの状態情報も記憶部12に記録する車両データに含める。
記憶部12に所定時間(例えば5分)分の車両データが蓄積されると、通信部33は、蓄積された車両データをプローブ情報S1としてサーバ装置2宛てに送信する。
〔情報処理の概要〕
図2は、サーバコンピュータ10の情報処理部11が実行する情報処理P0の概要を示す説明図である。
図2に示すように、情報処理部11が実行する情報処理P0には、第1情報処理P1と第2情報処理P2が含まれる。
第1情報処理P1は、蓄積されたプローブ情報S1と道路地図データなどから前述の「リスク判定モデル」(図6参照)を生成する処理である。
情報処理部11は、プローブ情報S1、道路地図データ28、交通情報及び気象情報を入力データとして第1情報処理P1を実行し、リスク判定モデルを生成する。情報処理部11は、生成したリスク判定モデルをリスク判定データベース26に格納する。
リスク判定データベース26に含まれるリスク判定モデルは、自動運転車両3Aの車載コンピュータ30に送信される。
車載コンピュータ30の処理部31に含まれるナビゲーションCPUは、受信したリスク判定モデルを参照して、例えば、異常走行の発生確率が所定値以上に高まる特徴量が含まれる経路を探索対象から除外して経路探索処理を実行する。これにより、自動走行時における異常走行を回避した走行計画が算出される。
第2情報処理P2は、蓄積されたプローブ情報S1と道路地図データ28などから前述の「疑義ケースデータ」(図9〜図11参照)を抽出する処理である。
情報処理部11は、プローブ情報S1、道路地図データ28、交通情報及び気象情報を入力データとして第2分析処理P2を実行し、疑義ケースデータを生成する。情報処理部11は、生成した疑義ケースデータを疑義ケースデータベース27に格納する。
疑義ケースデータベース27に含まれる疑義ケースデータは、例えば、自動車メーカーの技術担当者に提示される。技術担当者は、提示された疑義ケースデータに基づいて自動運転の制御プログラムの見直しを行う。
制御プログラムの見直しの結果、必要な場合には、技術担当者は、制御プログラムのアルゴリズム又はパラメータの変更を行い、変更後の更新プログラムをパーソナルコンピュータなどの通信端末を用いてサーバコンピュータ10に送信する。
サーバコンピュータ10の情報処理部11は、ファームウェアを無線伝送によって更新させるFOTA(Firmware On-The-Air)処理P3を実行することができる。
情報処理部11は、自動運転の更新プログラムを受信すると、受信した更新プログラムを自動運転車両3Aの車載コンピュータ30に送信する。車載コンピュータ20の処理部31に含まれる自動運転ECUは、運用中の制御プログラムを、受信した更新プログラムに置き換える。これにより、自動運転の制御プログラムのアルゴリズム又はパラメータが改善される。
〔走行リスクデータの生成処理〕
図3は、サーバコンピュータ10の情報処理部11が実行する第1情報処理P1と第2分析処理P2の具体例を示す説明図である。
図3に示すように、第1情報処理P1には、データ生成処理P10とモデル化処理P21が含まれる。第2分析処理P2には、データ生成処理P10とデータ抽出処理P22が含まれる。従って、データ生成処理P10は、第1及び第2情報処理P1,P2の両者に共通する情報処理である。
データ生成処理P10は、蓄積されたプローブ情報S1と道路地図データ28などから前述の「走行リスクデータ」(図4参照)を生成する処理である。この処理には、「異常走行判定処理P11」と「特徴量判定処理P12」が含まれる。
情報処理部11は、蓄積されたプローブ情報S1の中から、動作モードの状態情報がオン(=自動運転)である自動運転車両3Aのプローブ情報S1を抽出し、抽出したプローブ情報S1について各処理P11,P12を実行する。
(異常走行判定処理)
本実施形態では、異常走行の種類の例として、「急減速」、「急加速」、「急操舵」及び「自動運転モード停止」の4種類を想定する。
情報処理部11は、上記4種類の事象の有無を例えば以下のように判定し、その判定結果(異常走行なしの場合を含む。)と、異常走行ありの場合の異常走行の開始位置と、異常走行なしの場合の走行区間とを、特徴量判定処理P12の入力情報とする。
急減速の判定:
情報処理部11は、最新時刻Tの車両速度Vと1期前の時刻Ti−1の車両速度Vi−1とから、加速度A=(V−Viー1 )/( T−Ti−1 )を算出し、Aが所定の閾値(負値)以下の場合には、急減速ありと判定し、Aが所定の閾値(負値)を超える場合には、急減速なしと判定する。
情報処理部11は、急減速ありの場合の急減速の開始位置を、時刻Ti−1の車両位置に設定する。
プローブ情報S1にブレーキ踏力が含まれる場合には、最新時刻Tiのブレーキ踏力が所定の閾値より大きい場合に急減速ありと判定してもよい。この場合の急減速の開始位置は、時刻Tの車両位置である。
急加速の判定:
情報処理部11は、最新時刻Tiの車両速度Vと1期前の時刻Ti−1の車両速度Vi−1とから、加速度A=(V−Vi−1 )/( T−Ti−1 )を算出し、Aが所定の閾値(正値)以上の場合には、急加速ありと判定し、Aが所定の閾値(正値)未満の場合には、急加速なしと判定する。
情報処理部11は、急加速ありの場合の急加速の開始位置を、時刻Ti−1の車両位置に設定する。
プローブ情報S1にアクセル開度が含まれる場合には、最新時刻Tiのアクセル開度が所定の閾値より大きい場合に急加速ありと判定してもよい。この場合の急加速の開始位置は、時刻Tの車両位置である。
急操舵の判定:
情報処理部11は、最新時刻Tの車両方位Dと1期前の時刻Ti−1の車両方位Di−1から、角速度W=(D−Di−1 ) /( T−Ti−1 )を算出し、Wの絶対値が所定の閾値以上の場合には、急操舵ありと判定し、Wの絶対値が所定の閾値未満の場合には、急操舵なしと判定する。
情報処理部11は、急操舵ありの場合の急操舵の開始位置を、時刻Ti−1の車両位置に設定する。
プローブ情報S1にハンドル操舵角が含まれる場合には、最新時刻Tと1期前の時刻Ti−1のハンドル操舵角とから角速度Wを算出してもよい。
自動運転モード停止の判定:
情報処理部11は、1期前の時刻Ti−1における自動運転車両3Aの動作モードの状態情報がオン(=自動運転)である場合に、最新時刻Tの動作モードの状態情報がオフ(=手動運転)となった場合に、自動運転モード停止ありと判定する。
情報処理部11は、自動運転モード停止ありの場合の自動運転モード停止の開始位置を、時刻Tの車両位置に設定する。
異常走行なし(正常走行)の判定:
情報処理部11は、自動走行中のすべての自動運転車両3Aの全行程のうち、上記の4種類の異常走行を検出しなかった残りの道路区間を複数の走行区間に分割し、分割後の各走行区間についての判定結果を異常走行なしとする。
(特徴量判定処理)
本実施形態では、特徴量の種類の例として、「カーブ」、「料金所」、「合流」、「降水量」、「交通量」及び「渋滞末尾」の6種類を想定する。
情報処理部11は、異常走行判定処理P11が完了したすべての走行区間について、当該走行区間における上記6種類の特徴量の値を決定する。なお、ここでは、特徴量の値を「1」(=あり)及び「0」(=なし)の二値で定義する。
カーブの判定:
情報処理部11は、走行区間に含まれる道路リンクの始点、中間点、終点の座標を用いて、当該点とその前後の点の座標から当該点における曲率半径を算出する。
情報処理部11は、算出した曲率半径が所定値(例えば、高速道路で350m、一般道路で200m)以下である場合には、カーブあり(特徴量の値=1)と判定し、所定値を超える場合には、カーブなし(特徴量の値=0)と判定する。
料金所の判定:
情報処理部11は、道路地図データ28を用いて、走行区間に含まれる道路リンクに料金所を表す施設情報が存在するか否かを判定する。
情報処理部11は、料金所の施設情報が存在する場合には、料金所あり(特徴量の値=1)と判定し、存在しない場合には、料金所なし(特徴量の値=0)と判定する。
合流の判定:
情報処理部11は、道路地図データ28を用いて、走行区間に含まれる道路リンクに合流が存在するか否かを判定する。例えば、走行区間に含まれる道路リンクが複数の進入リンクを有する場合には合流が存在する。
情報処理部11は、合流が存在する場合には、合流あり(特徴量の値=1)と判定し、存在しない場合には、合流なし(特徴量の値=0)と判定する。
降水量の判定:
情報処理部11は、気象情報から、異常走行の開始位置を内部に含む走行区間を包含する所定の大きさのエリア(例えば、1km四方のメッシュ)の降水量を抽出する。
情報処理部11は、抽出した降水量が所定値(例えば、15mm/h)以上である場合には、降水量あり(特徴量の値=1)と判定し、所定値未満である場合には、降水量なし(特徴量の値=0)と判定する。
交通量の判定:
情報処理部11は、蓄積されたすべてのプローブ情報S1のうち、異常走行の発生時刻を含む所定時間(例えば15分)内に、異常走行の開始位置を通過したプローブ車両3の台数を算出する。
情報処理部11は、算出した車両台数が所定値以上である場合には、交通量あり(特徴量の値=1)と判定し、所定値未満である場合には、交通量なし(特徴量の値=0)と判定する。
渋滞末尾の判定:
情報処理部11は、異常走行の開始位置から下流側を通行していたプローブ車両3の車両位置と車両速度を用いて、異常走行の車両の下流側に渋滞末尾が存在していたか否かを判定する。
情報処理部11は、渋滞末尾が存在する場合には、渋滞末尾あり(特徴量の値=1)と判定し、存在しない場合には、渋滞末尾なし(特徴量の値=0)と判定する。
なお、異常走行の開始位置を含む道路区間の渋滞情報が、データベース23の交通情報(VICS情報)に含まれる場合には、当該渋滞情報から渋滞末尾の位置を求めることにしてもよい。
上記の特徴量判定処理P12が完了すると、情報処理部11は、処理済みの走行区間ごとに、当該走行区間における異常走行の有無と特徴量の値を記した走行リスクデータを生成し、生成した走行リスクデータを走行リスクデータベース25に蓄積する。
図4は、走行リスクデータの一例を示す説明図である。
図4に示すように、走行リスクデータベース25は、走行区間m(m=1〜n)が行に割り当てられ、走行区間mごとの特徴量の値と異常走行の有無が列に割り当てられたテーブルを備える。
1つの走行リスクデータは、1つの行の走行区間mに含まれる複数のセルに記される数値又は記号よりなり、各セルには特徴量の値と異常走行の有無が記される。
図4において、「天候」及び「交通情報」(VICS情報)に例示する通り、前述の6種類以外の特徴量(要因)を定義することもできる。
また、「カーブ」、「降水量」及び「交通量」など、有無ではなく数値で表現されることが通常である特徴量の場合は、3つ以上の値で1つの特徴量の多寡を定義してもよいし、R0≦R<R1の第1カーブ、R1≦R<R2の第2カーブのように、カーブの種類を曲率半径の範囲で定義し、それらのカーブの有無を二値で表現することにしてもよい。
〔走行リスクデータのモデル化処理〕
図5は、サーバコンピュータ10の情報処理部11が実行する走行リスクデータのモデル化処理P21の一例を示すフローチャートである。図6は、モデル化処理P21により生成されるリスク判定モデルの一例を示す説明図である。
本実施形態では、多数の走行リスクデータに含まれる特徴量と異常走行との因果関係をモデル化する手法として、ベイジアンネットワークを採用している。
ベイジアンネットワークは、因果関係を確率により表現するグラフィカルモデルの1つであり、ノード間の因果関係を有向非巡回グラフ構造により表すとともに、個々の変数の関係を条件付き確率で表す確率推論のモデルである。
以下、図5及び図6を参照しつつ、本実施形態の走行リスクデータのモデル化処理P21と、この処理P21によって得られるリスク判定モデルの具体例を説明する。
図5に示すように、サーバコンピュータ10の情報処理部11は、まず、有向グラフのノードを生成する(ステップST1)。
具体的には、情報処理部11は、特徴量に対応する有向リンクの起点ノードである6つのノードXj(j=1〜6)と、異常走行に対応する有向リンクの終点ノードである4つのノードYk(k=1〜4)を生成する(図6参照)。
次に、情報処理部11は、起点側のノードXjの条件付き確率表Tj(j=1〜6)をそれぞれ生成する(ステップST2)。
例えば、図6の例では、カーブのノードX1の条件付き確率表T1において、カーブありの確率が0.05であり、カーブなしの確率が0.95となっている。この確率は、データベース25に蓄積されたカーブありの走行リスクデータ数(件数)と、カーブなしの走行リスクデータ数(件数)とから算出される。
次に、情報処理部11は、各ノードYkについて、起点側の親ノードの候補となるノードXjの集合を指定する(ステップST3)。
本実施形態では、ノードXjに対応する特徴量として、ノードYkの要因となり得るものが予め採用されているので、ノードYkに関連する親ノードの候補となるノードXjの集合は、すべてのノードX1〜X6となる。
次に、情報処理部11は、各ノードYkについて、親ノードの候補の中から正規の親ノードを決定する(ステップST4)。
この親ノードの決定処理は、条件付き確率表T1〜T6に記された確率から算出されるAIC(赤池情報量基準)が最小となるノードXjの組み合わせを、ノードYkの正規の親ノードとすることによって行うことができる。
例えば、任意の1つの候補ノードを親ノードとしたあと、他の候補ノードを1つずつ親ノードに追加して適合度を判定する手法を採用する場合には、追加前後の条件付き確率からそれぞれAICを算出すればよい。
そして、候補ノードの追加によりAICが減少する場合には、当該候補ノードを正規の親ノードとして採用し、増加する場合には、当該候補ノードを正規の親ノードに採用しないようにすればよい。
或いは、正規の親ノードを総当たり的に決定することにしてもよい。すなわち、候補ノードのすべての組み合わせごとにAICを算出し、AICが最小となる組み合わせに含まれる候補ノードを、正規の親ノードに採用すればよい。
親ノードの決定処理(ステップST4)が完了すると、図6に示すように、終点側の各ノードYkが、親ノードと判定された起点側のノードXjと有向リンクにより結ばれる。
例えば、図6の例では、急減速のノードY1は、6つの親ノードX1〜X6と結ばれ、急加速のノードY2は、3つの親ノードX2,X3,X5と結ばれている。同様に、急操舵のノードY3は、5つの親ノードX1〜X5と結ばれ、自動運転モード停止のノードY4は、6つの親ノードX1〜X6と結ばれている。
上記のようにして、ノードXjとノードYkを結ぶ有向グラフの構造が定まると、情報処理部11は、終点側の各ノードYkに関する条件付き確率表Uk(k=1〜4)を作成する(ステップST5)。
終点側の各ノードYkに関する条件付き確率表Ukは、ノードYkに対応する異常走行のあり/なしに加えて、ノードYkに対応する親ノードXjの値が条件として付加された確率表となっている。
図7は、異常走行のノードYkに関する条件付き確率表Ukの一例を示す図である。
図7(a)は、急減速のノードY1に関する条件付き確率表U1を示し、図7(b)は、急加速のノードY2に関する条件付き確率表U2を示している。
図7において、Xj=0の場合は、親ノードXjの特徴量が「なし」であることを意味し、Xj=1の場合は、親ノードXjの特徴量が「あり」であることを意味する。また、Xj=N(nul)の場合は、当該ノードXjが親ノードではないことを意味する。
図7(a)に示す条件付き確率表U1では、例えば、X1〜X6=0である場合(すべての特徴量がなしの場合)には、急減速が生じる確率が0.002であり、急減速が生じない確率が0,998となっている。
この確率は、データベース25に蓄積された走行リスクデータのうち、X1〜X6=0の場合に急減速が発生した走行リスクデータ数(件数)と、X1〜X6=0の場合に急減速が発生しなかった走行リスクデータ数(件数)とから算出される。
同様に、X1〜X5=0でかつX6=1である場合(自動運転モード停止のみがありの場合)には、急減速が生じる確率が0.005であり、急減速が生じない確率が0,995となっている。
この確率は、データベース25に蓄積された走行リスクデータのうち、X1〜X5=0でかつX6=1の場合に急減速が発生した走行リスクデータ数(件数)と、X1〜X5=0でかつX6=1の場合に急減速が発生しなかった走行リスクデータ数(件数)とから算出される。
図7(b)に示す条件付き確率表U2では、例えば、X2,X3,X5=0である場合には、急加速が生じる確率が0.003であり、急加速が生じない確率が0,997となっている。
この確率は、データベース25に蓄積された走行リスクデータのうち、X2,X3,X5=0の場合に急加速が発生した走行リスクデータ数(件数)と、X2,X3,X5=0の場合に急加速が発生しなかった走行リスクデータ数(件数)とから算出される。
同様に、X2,X3=0でかつX5=1である場合(交通量のみがありの場合)には、急減速が生じる確率が0.015であり、急減速が生じない確率が0,985となっている。
この確率は、データベース25に蓄積された走行リスクデータのうち、X2,X3=0でかつX5=1の場合に急加速が発生した走行リスクデータ数(件数)と、X2,X3=0でかつX5=1の場合に急加速が発生しなかった走行リスクデータ数(件数)とから算出される。
〔リスク判定モデルの利用例〕
図8は、車載コンピュータ30の処理部31が実行する、走行リスク判定処理P30と走行リスク回避処理P31の概要を示す説明図である。
図8に示すように、サーバ装置2は、リスク判定モデル(図6参照)を車載コンピュータ30に送信可能である。車載コンピュータ30の処理部31は、受信したリスク判定モデルを用いて走行リスク判定処理P30を実行する。
走行リスク判定処理P30は、リスク判定モデルに基づいて「リスク情報」を生成する処理である。リスク情報とは、自動走行における異常走行の種別と、当該異常走行を発生させる要因であると推定される特徴量の種別が含まれる情報である。
具体的には、処理部31は、リスク判定モデルの条件付き確率表U1〜U6に含まれる異常走行の発生確率(Yk=ありの場合の確率)が、所定の閾値(例えば0.40)以上となる異常走行のノードYkを抽出する。
次に、処理部31は、抽出した異常走行のノードYkに繋がる親ノードXjの中から、Xj=1である親ノードXjを選択することにより、異常走行のノードYkの要因であると推定される特徴量の種別を特定し、特定した種別をリスク情報に含める。
例えば、ノードY1(急減速)の発生確率が0.45であり、ノードY1に対応する親ノードX1〜X6の値が「1,0,1,0,0,0」である場合には、処理部31は、ノードY1の「急減速」、ノードX1の「カーブ」及びノードX3の「合流」をリスク情報に含める。
同様に、ノードY6(自動運転モード停止)の発生確率が0.50であり、ノードY6に対応する親ノードX1〜X6の値が「0,1,0,1,0,0」である場合には、処理部31は、ノードY6の「自動運転モード停止」、ノードX2の「料金所」及びノードX4の「降水量」をリスク情報に含める。
走行リスク回避処理P31は、走行リスク判定処理P33によって得られたリスク情報を用いて、自動走行における異常走行の発生を回避する処理である。
走行リスク回避処理P31には、出発地と目的地を含むナビ入力情報、道路地図データ、交通情報及び気象情報などを入力データとして経路探索処理を実行する場合に、更にリスク情報を考慮して当該経路探索処理を行うことにより、自動走行における異常走行の発生を回避した走行計画を生成する処理が含まれる。
例えば、「急減速」、「カーブ」及び「合流」がリスク情報に含まれる場合には、処理部31は、カーブと合流が含まれる1つの走行区間(以下、「第1リスク区間」という。)を探索対象から除外する、或いは、第1リスク区間のリンクコストを通常よりも高くして経路探索処理を実行する。
これにより、急減速の発生確率が高い第1リスク区間を含む走行計画(探索結果)の出力が防止又は抑制され、急減速の発生を回避した走行計画を生成することができる。
走行リスク回避処理P31には、リスク情報に含まれる特徴量を含む走行区間を自動走行により通行する場合に、異常走行の発生を回避する運転制御も含まれる。
例えば、「急減速」、「カーブ」及び「合流」がリスク情報に含まれる場合には、処理部31は、第1リスク区間を自動走行する場合の車両速度を、事前に通常よりも低速に設定する自動運転を実行する。
これにより、急減速の発生確率が高い第1リスク区間を自動運転車両が比較的低速で自動走行することになり、急減速の発生を回避した自動走行を行うことができる。
走行リスク回避処理P31には、リスク情報に含まれる特徴量に該当する走行区間を自動走行により通行する場合に、リスク情報に含まれる異常走行の発生を搭乗者に予め通知する処理が含まれる。
例えば、「自動運転モード停止」、「料金所」及び「降水量」がリスク情報に含まれる場合には、処理部31は、料金所を含みかつ降水量が15mm/h以上である1つの走行区間(以下、「第2リスク区間」という。)を自動走行で通行する前に、予め自動運転モードから手動運転モードに切り替わることを搭乗者に通知する。
これにより、第2リスク区間での自動走行において自動運転モードがいきなり停止することに伴う搭乗者の動揺を防止でき、スムーズに手動運転に切り替えることができる。
図8では、走行リスク判定処理P30と走行リスク回避処理P31を車載コンピュータ30の処理部31が実行する場合を例示したが、走行リスク判定処理P30と、走行リスク回避処理P31のうちの、自動走行における異常走行の発生を回避した走行計画を生成する処理については、サーバコンピュータ10の情報処理部11が実行することにしてもよい。
また、走行リスク判定処理P30をサーバコンピュータ10の情報処理部11が実行し、走行リスク回避処理P31を車載コンピュータ30の処理部31が実行することにしてもよい。
この場合、サーバコンピュータ10がリスク情報を生成して車載コンピュータ30に送信し、車載コンピュータ30は、受信したリスク情報を用いて走行リスク回避処理P31を実行することになる。
〔リスク判定モデルからの疑義ケースデータの抽出処理〕
図3に示すように、サーバコンピュータ10の情報処理部11が実行するデータ抽出処理P22には、リスク判定データベース26に格納されたリスク判定モデルから、疑義ケースデータを抽出する処理が含まれる。
図9は、情報処理部11がリスク判定モデルから抽出可能な疑義ケースデータの一例を示す説明図である。
図9に示す疑義ケースデータは、急減速のノードY1がすべてのノードX1〜X6と有向リンクで繋がる場合において、ノードX1〜X6の値がすべて0(=特徴量なし)であり、かつ、ノードY1の発生確率が所定値(例えば、0.30)以上であるケースを示している。
本実施形態では、異常走行に関連する特徴量(要因)のうち、道路側の事象である外部要因のみがノードX1〜X6に採用されている。従って、ノードX1〜X6の値がオールゼロであるのに、ノードY1(急減速)の発生確率が高いということは、車両側の内部要因が急減速に影響していると推定される。
ここで、急減速に影響する内部要因としては、ブレーキシステムや前方用の画像センサの故障などのハードウェア要因が考えられる。
しかし、同種の機械的な故障が多数のプローブ車両3に同時期に発生することは、通常は殆どないと考えるのが自然である。
従って、多数のプローブ情報S1を用いて統計的手法で作成されたリスク判定モデルにおいて、外部要因の特徴量が発生していないのに所定値以上の確率で急減速が発生するということは、自動運転の制御プログラムのアルゴリズム又はパラメータの不備などの、ソフトウェア要因の影響である疑いが高いと考えられる。
図9では、急減速のノードY1に関する疑義ケースデータを例示しているが、他の種別の異常走行(ノードY2〜Y4)の場合も同様である。
すなわち、ノードX1〜X6の値がオールゼロであるのにノードY2(急加速)の発生確率が所定値以上であるケース、ノードX1〜X6の値がオールゼロであるのにノードY3(急操舵)の発生確率が所定値以上であるケース、及び、ノードX1〜X6の値がオールゼロであるのにノードY4(自動運転モード停止)の発生確率が所定値以上であるケースも、それぞれ疑義ケースデータに該当する。
そこで、サーバコンピュータ10の情報処理部11は、図6のリスク判定モデルにおいて、ノードX1〜X6の値がすべて0であり、かつ、発生確率が所定値以上であるノードYkが存在するか否かを探索する。
探索の結果、上記のようなノードYkが存在する場合には、当該ノードYkとこれに繋がるノードX1〜X6とからなる有向グラフを生成し、生成した有向グラフを疑義ケースデータとしてデータベース27に格納する。
図10は、情報処理部11がリスク判定モデルから抽出可能な疑義ケースデータの別例を示す説明図である。
図10に示す疑義ケースデータは、急加速のノードY2がノードX1のみと有向リンクで繋がっており、ノードX1の値が1(=特徴量あり)であり、かつ、ノードY2の発生確率が所定値(例えば、0.30)以上であるケースを示している。
このケースは、自動走行における急加速(ノードY2)の外部要因がカーブ(ノードX1)のみであり、しかも、当該急加速が高い確率で発生することを意味する。
しかし、手動運転ではカーブで減速するのが通常であるから、多数のプローブ情報S1を用いて統計的手法で作成されたリスク判定モデルにおいて、上記のケースが所定値以上の確率で発生するということは、自動運転の制御プログラムのアルゴリズム又はパラメータの不備などの、ソフトウェア要因の影響である疑いが高いと考えられる。
そこで、サーバコンピュータ10の情報処理部11は、例えば図10のように、手動運転では関連性がない所定のノードXj,Yk同士が有向リンクで結ばれ、発生確率が所定値以上であるノードYkが存在するか否かを探索する。
探索の結果、上記のようなノードYkが存在する場合には、当該ノードYkとこれに繋がるノードXjとからなる有向グラフを生成し、生成した有向グラフを疑義ケースデータとしてデータベース27に格納する。
本実施形態では、サーバコンピュータ10の情報処理部11が、リスク判定モデルに基づくデータ抽出処理P22を実行するが、リスク判定モデルを取得した他のコンピュータ装置が当該抽出処理P22を実行することにしてもよい。
また、リスク判定モデルのディスプレイ表示又は印刷出力(紙媒体)に基づいて、自動車メーカーの技術担当者などが人手で疑義ケースデータを抽出することにしてもよい。
〔走行リスクデータからの疑義ケースデータの抽出処理〕
図3に示すように、サーバコンピュータ10の情報処理部11が実行するデータ抽出処理P22には、走行リスクデータベース25に蓄積された走行リスクデータから、疑義ケースデータを抽出する処理であってもよい。
図11は、情報処理部11が走行リスクデータから抽出可能な疑義ケースデータの一例を示す説明図である。
図11に示す疑義ケースデータは、所定の異常走行(例えば、急減速)の発生回数を車種(例えば、普通自動車C1と大型車両C2)ごとにカウントすることにより生成された数値データよりなる。
図11では、走行区間1〜mまでの普通自動車C1については、急減速の発生回数が500回であり、走行区間m+1〜nまでの大型車両C2については、急減速の発生回数が5回である場合を示している。なお、走行区間のデータ数はほぼ同じとする。
ここで、普通自動車C1で採用されている自動運転の制御プログラムと、大型車両C2で採用されている自動運転の制御プログラムが異なると仮定すれば、急減速の発生回数に上記のような大差が存在する場合には、普通自動車C1の制御プログラム又は制御パラメータ(定数)に何らかの修正が必要であると推測される。
そこで、サーバコンピュータ10の情報処理部11は、走行リスクデータベース25に含まれる異常走行の発生回数を車種ごとにカウントし、車種ごとの発生回数(発生確率でもよい。)に有意な差があるか否かを判定する。
判定の結果、発生回数などに有意な差が認められる場合には、カウントした車種ごとの発生回数(または発生確率)を、疑義ケースデータとしてデータベース27に格納する。
本実施形態では、サーバコンピュータ10の情報処理部11が、走行リスクデータに基づくデータ抽出処理P22を実行するが、走行リスクデータを取得した他のコンピュータ装置が当該抽出処理P22を実行することにしてもよい。
また、走行リスクデータのディスプレイ表示又は印刷出力(紙媒体)に基づいて、自動車メーカーの技術担当者などが人手で疑義ケースデータを抽出することにしてもよい。
〔その他の変形例〕
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上述の実施形態では、特徴量と異常走行をノードとするベイジアンネットワークに基づくリスク判定モデルを構成しているが、その他の確率推論モデルによりリスク判定モデルを構成することにしてもよい。
1 情報処理システム
2 サーバ装置(情報処理装置)
3 プローブ車両
3A 自動運転車両
3B 手動運転車両
4 無線基地局
5 公衆通信網
6 交通情報サーバ
7 気象情報サーバ
10 サーバコンピュータ
11 情報処理部
12 記憶部
13 通信部
14 コンピュータプログラム
20 車載コンピュータ(車載装置)
21 地図データベース
22 プローブデータベース
23 交通情報データベース
24 気象情報データベース
25 走行リスクデータベース
26 リスク判定データベース
27 疑義ケースデータベース
28 道路地図データ
30 車載コンピュータ
31 処理部
32 記憶部
33 通信部
34 コンピュータプログラム
P0 情報処理
P1 第1情報処理
P2 第2情報処理
P10 データ生成処理
P11 異常走行判定処理
P12 特徴量判定処理
P21 モデル化処理
P22 データ抽出処理
P30 走行リスク判定処理
P31 走行リスク回避処理

Claims (8)

  1. 所定の情報処理を実行する情報処理部を備える情報処理装置であって、
    前記情報処理には、
    自動運転車両のプローブ情報と道路地図データに基づいて、自動走行が行われた走行区間における異常走行の有無と、前記異常走行の要因となり得る特徴量の有無又は値とを含む走行リスクデータを生成するデータ生成処理と、
    生成された複数の前記走行リスクデータに基づいて、前記特徴量の有無又は値ごとの前記異常走行の発生確率を含むリスク判定モデルを生成するモデル化処理と、が含まれ、
    前記特徴量には、
    道路側の事象である外部要因のみが含まれ
    前記情報処理には、
    前記自動運転車両の内部要因が疑われる疑義ケースデータを抽出するデータ抽出処理が含まれる情報処理装置。
  2. 前記データ抽出処理は、
    生成された前記リスク判定モデルのうち、前記異常走行に対応するすべての前記特徴量がなしであり、かつ、当該異常走行の発生確率が所定値以上であるケースを、前記疑義ケースデータとする処理である請求項に記載の情報処理装置。
  3. 前記データ抽出処理は、
    生成された前記リスク判定モデルのうち、手動運転では前記異常走行の要因にならないと推定される前記特徴量であり、かつ、当該異常走行の発生確率が所定値以上であるケースを、前記疑義ケースデータとする処理である請求項に記載の情報処理装置。
  4. 報処理装置が出力する情報を用いて、自動運転車両の内部要因が疑われる疑義ケースデータを抽出する方法であって、
    前記情報処理装置が、請求項1に記載のリスク判定モデルを出力するステップと、
    出力された前記リスク判定モデルから前記疑義ケースデータを抽出するステップと、を含むデータ抽出方法。
  5. 報処理装置が出力する情報を用いて、自動運転車両の内部要因が疑われる疑義ケースデータを抽出する方法であって、
    前記情報処理装置が、請求項1に記載の走行リスクデータを出力するステップと、
    出力された前記走行リスクデータから前記疑義ケースデータを抽出するステップと、を含むデータ抽出方法。
  6. 自動運転車両の自動運転のための制御プログラムを更新する方法であって、
    請求項1〜3のいずか1項に記載の情報処理装置が出力する前記疑義ケースデータ、又は、請求項又は請求項のデータ抽出方法により抽出された前記疑義ケースデータの提示を受けるステップと、
    提示された前記疑義ケースデータを参照して、前記制御プログラムのアルゴリズム又はパラメータを修正するステップと、を含むプログラム更新方法。
  7. 所定の情報処理を情報処理部に実行させるためのコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
    前記情報処理には、
    自動運転車両のプローブ情報と道路地図データに基づいて、自動走行が行われた走行区間における異常走行の有無と、前記異常走行の要因となり得る特徴量の有無又は値とを含
    む走行リスクデータを生成するデータ生成処理と、
    生成された複数の前記走行リスクデータに基づいて、前記特徴量の有無又は値ごとの前記異常走行の発生確率を含むリスク判定モデルを生成するモデル化処理と、が含まれ、
    前記特徴量には、
    道路側の事象である外部要因のみが含まれ
    前記情報処理には、
    前記自動運転車両の内部要因が疑われる疑義ケースデータを抽出するデータ抽出処理が含まれる記憶媒体。
  8. 所定の情報処理を情報処理部に実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記情報処理には、
    自動運転車両のプローブ情報と道路地図データに基づいて、自動走行が行われた走行区間における異常走行の有無と、前記異常走行の要因となり得る特徴量の有無又は値とを含む走行リスクデータを生成するデータ生成処理と、
    生成された複数の前記走行リスクデータに基づいて、前記特徴量の有無又は値ごとの前記異常走行の発生確率を含むリスク判定モデルを生成するモデル化処理と、が含まれ、
    前記特徴量には、
    道路側の事象である外部要因のみが含まれ
    前記情報処理には、
    前記自動運転車両の内部要因が疑われる疑義ケースデータを抽出するデータ抽出処理が含まれるコンピュータプログラム。
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