JP6620162B2 - アクセスネットワークとターミナルとの間の、上記アクセスネットワークの半二重タイプの複数の基地局の範囲内での無線通信 - Google Patents

アクセスネットワークとターミナルとの間の、上記アクセスネットワークの半二重タイプの複数の基地局の範囲内での無線通信 Download PDF

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Description

本発明は、デジタル遠距離通信の分野に属し、より詳細には、アクセスネットワークと端末との間の無線通信のための方法及びシステムに関する。
本発明は、特に有利には、いかなる種類の制約も有するものではないが、超狭帯域無線通信システムにおいて使用される。用語「超狭帯域(ultra−narrowband)」(UNB)は、端末によって送信されるラジオ信号の瞬時周波数スペクトルの周波数幅が1キロヘルツ未満であることを意味すると理解される。
このようなUNB無線通信システムは、M2M(マシンツーマシン(machine−to−machine))用途又はモノのインターネット(Internet of things:IoT)に関連する用途に特に好適である。
このようなUNB無線通信システムでは、データ交換は基本的に一方向であり、この場合、端末と上記システムのアクセスネットワークとの間のアップリンクを介したものである。
端末は、アクセスネットワークの基地局によって回収されるアップリンクメッセージを、上記アップリンクメッセージ自体をアクセスネットワークの1つ又は複数の基地局と予め関連付ける必要なしに、送信する。換言すれば、端末によって送信されるアップリンクメッセージはアクセスネットワークの1つの特定の基地局を対象としたものではなく、当該端末は、少なくとも1つの基地局がアップリンクメッセージを受信できるという想定の下で、アップリンクメッセージを送信する。このような構成は、端末が、端末のアップリンクメッセージを受信するのに最も適切な基地局を決定するための、規則的な測定を行う(これは特に電力消費に関して過酷なものである)必要がないという点で、有利である。複雑性は、任意の時間に任意の周波数で送信できるアップリンクメッセージを受信できる必要があるアクセスネットワークにある。アクセスネットワークの各基地局は、その範囲内にある様々な端末からアップリンクメッセージを受信する。
データ交換が基本的に一方向であるこのような動作モードは、例えばガス、水道及び電気メータの遠隔読み取り、建物又は住宅の遠隔監視等といった多数の用途に関して、全く申し分のないものである。
しかしながらいくつかの用途では、例えば端末を再設定する及び/又は上記端末に接続されたアクチュエータを制御するために、他の方向においても、即ちアクセスネットワークから端末へのダウンリンクで、データを交換できるようにすることが有利である場合がある。しかしながら、アクセスネットワークの配備のコストに対する影響を制限しながら、このような性能を提供することが望まれている。
この目的のために、半二重基地局、即ちアップリンクメッセージを受信してダウンリンクメッセージを送信できるものの、これらを同時に行うことはできない基地局の使用が考えられる。
しかしながらこのような場合、ダウンリンクメッセージを端末に送信するために送信モードに切り替わる基地局は、他の端末が送信するアップリンクメッセージを受信するためにはもはや使用できず、これにより多数のアップリンクメッセージが逃され得ることが理解される。
米国特許第6130914号
本発明の目的は、アクセスネットワークが逃すアップリンクメッセージの数を制限しながら、双方向データ交換を行うことを可能とする解決策を提案することにより、特に上で示した、従来技術の解決策の制約のうちの全て又は一部を克服することである。
この目的のために、第1の態様によると、本発明は、アクセスネットワークと複数の端末との間の無線通信のための方法に関し、上記アクセスネットワークは、ダウンリンクメッセージを上記端末に送信するため、及び上記端末が送信したアップリンクメッセージを受信するために好適であり、上記アクセスネットワークは複数の基地局を含み、上記複数の基地局は、上記基地局がアップリンクメッセージを受信できない送信ウィンドウ内においてダウンリンクメッセージを送信するよう構成される。予め決定された時間間隔内で、ダウンリンクメッセージを、複数の基地局が受信するアップリンクメッセージを送信した端末へと送信しなければならない場合、上記方法は、以下のステップを含む:
‐上記端末が送信した上記アップリンクメッセージを受信した各基地局のグループに関連する、「受信負荷(reception load)」と呼ばれる量の、上記アクセスネットワークによる取得ステップであって、各受信負荷は、上記時間間隔内に、考慮対象の上記基地局がアップリンクメッセージを受信する蓋然性を表す、取得ステップ;
‐上記時間間隔に関して上記グループの上記複数の基地局が関連する上記受信負荷に応じた、上記アクセスネットワークによる、上記グループの上記複数の基地局のうちの1つの基地局の選択ステップ;
‐上記グループの上記複数の基地局から選択された上記基地局による、上記ダウンリンクメッセージの送信ステップ。
従って上記通信方法は、上記アクセスネットワークが提供する受信の冗長性を利用することを目的とし、これにより、特定の場合において、1つの同一のアップリンクメッセージを複数の基地局が受信できる。あるダウンリンクメッセージをある端末に送信しなければならない場合、この端末からアップリンクメッセージを受信した各基地局を用いて上記ダウンリンクメッセージを送信してよい。というのは、上記端末はこれらの基地局それぞれの範囲内にあるとみなすことができるためである。
よって本発明は、受信負荷の使用に基づくものであり、上記受信負荷は、上記アップリンクメッセージを受信した各基地局に関する、上記ダウンリンクメッセージを送信しなければならない時間間隔内にアップリンクメッセージを受信する蓋然性を表す。このような受信負荷の使用によって、上記ダウンリンクメッセージの送信に関して、受信の蓋然性が最低である基地局を選択でき、これによって、1つ又は複数のアップリンクメッセージを逃すリスクが低減されることが理解される。
特定の実装モードでは、上記通信方法は更に、単独で又は技術的に可能な組み合わせのいずれに従って選択される、以下の特徴のうちの1つ又は複数を更に含んでよい。
特定の実装モードでは、上記基地局を選択するために使用される上記受信負荷は、上記基地局が過去に受信したアップリンクメッセージに従って決定される。
このような構成により、過去に受信した様々なアップリンクメッセージ及びその時間的分布を考慮すること、並びにアップリンクメッセージの受信の特定のパターンの可能な経時的再現によって、各基地局の環境に対して自己適応できる。特にUNB無線通信システムでは、上記端末は、アップリンクメッセージを繰り返し、略周期的に送信するよう構成されることが多い。従って特定の受信パターンが経時的に再現され、これを、上記ダウンリンクメッセージの送信に使用するための上記基地局の選択のために考慮してよい。
特定の実装モードでは、ある基地局の受信負荷は、上記時間間隔内に上記基地局が受信する見込みのある各アップリンクメッセージに関する受信の、このアップリンクメッセージを上記アクセスネットワークの別の基地局も受信しなければならないことの蓋然性によって重み付けされた、蓋然性を表す。
受信の重み付けされた蓋然性を表すこのような受信負荷は、所与の基地局が逃したアップリンクメッセージを、他の基地局を含む上記アクセスネットワークが必ずしも逃すわけではないという事実を考慮する限りにおいて、特に有利である。従って、考慮対象の上記基地局が、問題となっている上記時間間隔内に多数のアップリンクメッセージを受信する見込みがある場合であっても、受信される見込みがある各アップリンクメッセージを他の基地局も受信する見込みがあれば、上記基地局を上記ダウンリンクメッセージの送信に使用してよい。
特定の実装モードでは、上記通信方法は、上記アクセスネットワークの異なる複数の基地局それぞれに関連する受信スケジュールを設定する事前ステップを含み、各受信スケジュールは、所定のタイムウィンドウ内の異なる複数の時間間隔それぞれに関連する受信負荷を含む。
よって受信スケジュールは前もって設定され、好ましくは経時的に更新され、これにより、ダウンリンクメッセージを送信しなければならない場合に、使用するべき上記受信負荷を即座に利用でき、新規のダウンリンクメッセージを受信しなければならなくなる度に算出しなくてよい。受信スケジュールが既に設定されている基地局に関して、上記選択ステップで使用される上記受信負荷は、上記基地局の上記受信スケジュールに従って、上記ダウンリンクメッセージを受信しなければならない時間間隔に関連付けられた、受信負荷に相当する。
特定の実装モードでは、NIT個の時間間隔δTiからなるタイムウィンドウ(ここで1≦i≦NIT)内のある受信スケジュールの受信負荷は、受信の重み付けされた蓋然性を表し、NS個の基地局を含むグループのランクn(ここで1≦n≦NS)の基地局に関する時間間隔δTiに関連する受信負荷は、以下の式:
Figure 0006620162
に従って計算された量Wn δTiに基づいて設定され、上記式において:
‐Mは、1つ前のタイムウィンドウにおいて受信されたアップリンクメッセージの数に対応し;
‐Niは、上記1つ前のタイムウィンドウの時間間隔δTi内に受信されたアップリンクメッセージの数に対応し;
‐BSmは、上記1つ前のタイムウィンドウの時間間隔δTi内に、ランクm(ここで1≦m≦Ni)のアップリンクメッセージを受信した基地局の数に対応する。
特定の実装モードでは、上記選択ステップは、上記グループの各基地局に関して、上記受信負荷に依存する所定の選択関数の値の算出を含み、上記選択された基地局は、複数の基地局の上記グループのうち、上記選択関数の上記値が最適化されたものであり、上記選択関数は上記受信負荷と共に変動し、これにより、上記選択関数の上記値は、上記時間間隔内のアップリンクメッセージの受信の上記蓋然性が低下した場合に最適化される傾向を有する。
特定の実装モードでは、上記選択関数は更に、考慮対象の上記基地局の送受信可能範囲の面積を表すパラメータに依存し、また上記パラメータと共に変動し、これにより、上記選択関数の上記値は、上記送受信可能範囲の上記面積が減少した場合に最適化される傾向を有する。
特定の実装モードでは、上記選択関数は更に、考慮対象の上記基地局が単独でカバーする端末の数を表すパラメータに依存し、また上記パラメータと共に変動し、これにより、上記選択関数の上記値は、上記端末の数が減少した場合に最適化される傾向を有する。
特定の実装モードでは、上記選択関数は更に、上記端末と考慮対象の上記基地局との間のチャネルの品質を表すパラメータに依存し、また上記パラメータと共に変動し、これにより、上記選択関数の上記値は、上記チャネル品質が上昇した場合に最適化される傾向を有する。
特定の実装モードでは、上記選択関数は更に、考慮対象の上記基地局と、上記アクセスネットワークのサーバとの間のリンクの品質を表すパラメータに依存し、また上記パラメータと共に変動し、これにより、上記選択関数の上記値は、上記リンク品質が上昇した場合に最適化される傾向を有する。
特定の実装モードでは、上記選択関数は更に、所定の分析時間以降に考慮対象の上記基地局が送信するダウンリンクメッセージの数を表すパラメータに依存し、また上記パラメータと共に変動し、これにより、上記選択関数の上記値は、上記ダウンリンクメッセージの数が減少した場合に最適化される傾向を有する。
第2の態様によると、本発明は、ダウンリンクメッセージを端末に送信するのに好適な複数の基地局を含むアクセスネットワーク、及び本発明の上記実装モードのいずれの1つによる通信方法を実装するよう構成された手段に関する。
第3の態様によると、本発明は、本発明の上記実装モードのいずれの1つによるアクセスネットワークと、複数の端末とを含む、無線通信システムに関する。
図面を参照しながら、完全に非限定的な例として提供される以下の説明を読むことにより、本発明がより良好に理解されるであろう。
図1は、無線通信システムの概略図である。 図2は、無線通信方法の主要なステップを示す図である。 図3は、無線通信方法のある好ましい実装モードを示す図である。
これらの図面において、ある図面から別の図面まで同一の参照番号は、同一又は類似の要素を示す。明瞭さのために、特段の記載がない限り、要素は正確な縮尺ではない。
図1は、複数の端末20と、複数の基地局31を含むアクセスネットワーク30とを含む、例えばUNBタイプの無線通信システム10の概略図である。
端末20及びアクセスネットワーク30の基地局31は、ラジオ信号の形態のデータを交換する。用語「ラジオ信号(radio signal)」は、その周波数がラジオ波の従来のスペクトル(数ヘルツ〜数100ギガヘルツ)内に含まれる、無線手段を介して伝播される電磁波を意味することが理解される。
端末20は、アップリンクメッセージをアップリンクでアクセスネットワーク30に送信するのに好適である。上記アップリンクメッセージは、例えば非同期的に送信される。用語「非同期的に送信される(transmitted asynchronously)」は、上記端末20の互いとの及びアクセスネットワーク30の基地局31との協調なし、端末20が、送信をいつ行うかを自律的に決定することを意味することが理解される。
各基地局31は、その範囲内にある端末20から、アップリンクメッセージを受信するのに好適である。このようにして受信される各アップリンクメッセージは例えば、アップリンクメッセージを受信する基地局31の識別子、上記受信されたアップリンクメッセージの測定された電力、上記アップリンクメッセージの受信のデータ等といった他の情報を潜在的に伴って、アクセスネットワーク30のサーバ32に送信される。サーバ32は例えば、様々な基地局31から受信した全てのアップリンクメッセージを処理する。
更に、アクセスネットワーク30はまた、ダウンリンクメッセージをダウンリンクで、上記ダウンリンクメッセージを受信するのに好適な端末20に、基地局31を介して送信するのに好適である。上記ダウンリンクメッセージは例えば、アクセスネットワーク30が主導して送信される。このような場合、端末20は、可能性のあるダウンリンクメッセージを予期して、ダウンリンクを継続的にリッスンしなければならない。アクセスネットワーク30はまた、受信した各アップリンクメッセージに応答してダウンリンクメッセージを送信してよく、又は特定のアップリンクメッセージのみに応答してダウンリンクメッセージを送信してよい。例えば、アクセスネットワーク30は、1つの同一の端末20から所定の数のアップリンクメッセージを受信した後でのみ応答してよく、又はその旨の要求を含むアップリンクメッセージのみに対して応答してよい。
本記載の残りの部分を通して、限定するものではないが、アクセスネットワーク30は、端末20が送信したアップリンクメッセージのうちの全て又は一部に応答してダウンリンクメッセージを送信すると想定する。
アクセスネットワーク30の配備のコストを低下させるために、基地局31は半二重タイプのものである。換言すれば、これらの基地局31は、アップリンクメッセージを受信してダウンリンクメッセージを送信できるものの、同時にこれを行うことはできない。よって各基地局31を交互に:
‐上記基地局31が受信ウィンドウ内でアップリンクメッセージを受信できるものの、ダウンリンクメッセージを送信できない、受信モード;
‐上記基地局31が送信ウィンドウ内でダウンリンクメッセージを送信できるものの、アップリンクメッセージを受信できない、送信モード
に設定してよい。
本記載の残りの部分では、限定するものではないが、各端末20が同期受信タイプのものであることを想定する。換言すれば、各端末20は、上記端末20によって送信される最後のアップリンクメッセージに対して予め決定されたリスニングウィンドウ内でのみ、ダウンリンクメッセージを受信してよい。
端末20は送信と受信とを同時に行う必要はないため、好ましい実施形態では、このような端末20は、製造コストを低減するために、半二重タイプのものである。
端末20のリスニングウィンドウは、特にアクセスネットワーク30の応答時間が短い場合、アップリンクメッセージを送信した直後に開始してよい。しかしながら好ましい実施形態では、アップリンクメッセージを送信した後の各端末20は、これもまたアクセスネットワーク30に知られている予め決定された期間のスタンバイウィンドウのためのスタンバイモードに切り替わるよう、構成される。従来、スタンバイモードは、電力消費を低下させるよう最適化された動作モードであり、この動作モードでは、上記端末20は特に、ダウンリンクメッセージの受信も、アップリンクメッセージの送信も行わない。例えば、スタンバイウィンドウの期間は、アクセスネットワーク30の最小応答時間と同等となるよう又はこれより長くなるよう、選択される。
本記載の残りの部分では、限定するものではないが、各端末20が、アップリンクメッセージを送信した後にスタンバイモードに切り替わるよう構成されることを想定する。
スタンバイウィンドウ後、端末20は、スタンバイモードを離れて、上記アクセスネットワークから受信しなければならないダウンリンクメッセージの期間以上の、予め決定された期間のリスニングウィンドウの間、ダウンリンクメッセージを予期してダウンリンクをリッスンする。
なお、例えば送信されたアップリンクメッセージがその旨の要求を含んでいなかったために、アクセスネットワーク30がダウンリンクメッセージを送信しないことを、端末20が演繹的に把握している場合、上記端末20は、ダウンリンクをリッスンせず、好ましくは、例えば次のアップリンクメッセージの送信までスタンバイモードのままである。
図2は、通信方法50の主要なステップの概略図であり、この通信方法50は、端末20が送信する各アップリンクメッセージがほとんどの場合、アクセスネットワーク30の複数の基地局31によって受信されるという事実に基づくものである。このような場合、このアップリンクメッセージを送信した上記端末20は、これらの基地局31の範囲内にあるとみなされ、これらの基地局はそれぞれ、上記端末20にダウンリンクメッセージを送信するために使用できる。
図2に示すように、予め決定された時間間隔内で、ダウンリンクメッセージを、複数の基地局31が受信するアップリンクメッセージを送信した端末20へと送信しなければならない場合、上記方法50は、以下のステップを含む:
‐上記端末20が送信した上記アップリンクメッセージを受信した各基地局31のグループに関連する、「受信負荷」と呼ばれる量を取得するステップ52であって、各受信負荷は、上記時間間隔内に、考慮対象となっている上記基地局がアップリンクメッセージを受信する蓋然性を表す、取得ステップ52;
‐上記時間間隔に関して上記グループの上記複数の基地局が関連する上記受信負荷に応じた、上記アクセスネットワークによる、上記グループの上記複数の基地局から1つの基地局31を選択するステップ53;
‐上記グループの上記複数の基地局から選択された基地局31によって、上記ダウンリンクメッセージを送信するステップ54。
通信方法50は、上記方法50の様々なステップを実装するよう構成された手段を含むアクセスネットワーク30によって実装される。
特に、基地局31及びサーバ32は、それぞれの処理モジュール(図示せず)を含む。各処理モジュールは、例えば1つ又は複数のプロセッサ及び記憶手段(磁気ハードディスク、電子メモリ、光学ディスク等)を含み、上記記憶手段は、コンピュータプログラム製品を、通信方法50の様々なステップの実装のために実行される一連のプログラムコード命令の形式で記憶する。ある変形例では、各処理モジュールは、FPGA、PLD等のタイプの1つ若しくは複数のプログラマブル論理回路、及び/又は通信方法50の上記ステップの全て又は一部を実装するのに好適な特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。
各基地局31は更に、当業者に公知であると考えられる無線通信手段を含み、これにより、上記基地局は、アップリンクメッセージの受信及びダウンリンクメッセージの送信を行うことができる。基地局31及びサーバ32はまた、当業者に公知であると考えられる、それぞれのネットワーク通信手段を含み、これによりサーバ32は各基地局31とデータを交換できる。
換言すれば、アクセスネットワーク30は、通信方法50の様々なステップを実装するために、ソフトウェア(特定のコンピュータプログラム製品)及び/又はハードウェア(FPGA、PLD、ASIC等)によって構成された一連の手段を含む。
本記載の残りの部分では、限定するものではないが、取得ステップ52及び選択ステップ53が、アクセスネットワーク30のサーバ32によって実行され、送信ステップ54が、選択された基地局31によって実行されるものと想定する。しかしながら、実行するべき様々な動作の他の分散も考えられる。
これより、通信方法50の取得ステップ52及び選択ステップ53の実装の非限定的な例を、詳細に説明する。
A)受信負荷の取得
上述のように、通信方法50はまず、上記端末20が送信したアップリンクメッセージを受信した各基地局31のグループに関連する受信負荷を取得するステップ52を含む。
上記グループは好ましくは、上記アップリンクメッセージを受信した全ての基地局31を含むが、特定の場合においてはそのサブセットのみを含んでよい。例えば、これらの基地局のうちの少なくとも1つが、特定の端末20のみに応答するよう構成される場合、又はダウンリンクメッセージの受信に一時的に使用できない場合等に、上記アップリンクメッセージを受信した基地局31のサブセットのみを考慮できる。
考慮対象のグループの各基地局31に関して、取得される受信負荷は、考慮対象の基地局31による、ダウンリンクメッセージを送信しなければならない時間間隔内のアップリンクメッセージの受信の蓋然性を表す。ダウンリンクメッセージを端末20のリスニングウィンドウ内に送信しなければならない、非限定的な例としてここで考察されているケースにおいては、考慮対象の上記時間間隔は、上記端末20の上記リスニングウィンドウに略対応する。
このような受信負荷を考察することにより、ダウンリンクメッセージの送信に関して、考慮対象の時間間隔に亘る受信の蓋然性が低い1つの基地局31を選択でき、これによって、1つ又は複数のアップリンクメッセージを逃してしまうリスクを大幅に低減できることが理解される。
上記受信負荷は例えば、様々な端末20からのアップリンクメッセージの送信の時点の、及びこれらのアップリンクメッセージを受信する見込みがある様々な基地局31の、先験的な知識に従って、サーバ32によって決定される。
好ましくは、上記受信負荷は、様々な基地局31が過去に受信したアップリンクメッセージに従って決定される。具体的には、端末20が繰り返し、略周期的にアップリンクメッセージを送信するよう構成されている場合、特定の受信パターンが経時的に再現されることになる。様々な基地局31が過去に受信した上記アップリンクメッセージにより、様々な端末20からのアップリンクメッセージの送信の時点の、及びこれらのアップリンクメッセージを受信する見込みがある様々な基地局31の、先験的な知識を得ることができる。
使用される上記受信負荷は、ダウンリンクメッセージを送信しなければならなくなる度に決定してよく、又はダウンリンクメッセージを送信しなければならないことに気付く前に決定してよい。
図3は、ある好ましい実装モードの概略図であり、この実装モードでは、通信方法50は、様々な基地局31が過去に受信したアップリンクメッセージに従って、アクセスネットワーク30の各基地局31に関する上記受信負荷を設定する、事前のステップ51を更に含む。
例えば、設定ステップ51では、異なる複数の基地局31それぞれに関連する受信スケジュールが決定され、各受信スケジュールは、所定のタイムウィンドウ内の異なる複数の時間間隔それぞれに関連する受信負荷を含む。上記受信スケジュールは好ましくは、様々な基地局31が受信して上記サーバ32に送信したアップリンクメッセージに従って、例えばサーバ32によって、アクセスネットワーク30の各基地局31に関して設定される。しかしながら特定のケースにおいては、上記受信スケジュールは、基地局31によって設定して、サーバ32に送信してよい。
上記タイムウィンドウは例えば、NIT個の時間間隔δTiからなる(ここで1≦i≦NIT)。上記受信スケジュールの設定に必要な計算を制限するために、端末20のリスニングウィンドウの期間よりも長い期間である時間間隔δTiについて考慮することが好ましく、これにより、受信負荷を算出しなければならない場合の時間的分解能を制限できる。例えば、上記受信スケジュールが決定されるタイムウィンドウは、24時間の期間に対応し、各時間間隔δTiは、上記タイムウィンドウ内の1時間の期間に対応する。時間間隔δTiの個数NITは、時間間隔が時間的オーバラップを有しない場合は24個であるが、時間間隔にゼロでない時間的オーバラップを呈させることによって、端末20のリスニングウィンドウが2つの連続する時間間隔にまたがるケースを回避するために、25個以上とすることもできる。
本記載の残りの部分では、限定するものではないが、24時間のタイムウィンドウが、1時間の時間間隔δTiを24個含む(NIT=24)ことを想定する。例えば時間間隔δTiは、(i‐1)時間〜i時間(ここで1≦i≦NIT)である。
よって、アクセスネットワーク30は、各基地局31に関する受信スケジュールを設定でき、これを、直近の24時間に受信したアップリンクメッセージに従って24時間毎に更新できる。例えば、タイムウィンドウΔTjの受信負荷は、1つ前のタイムウィンドウΔTj-1内に受信したアップリンクメッセージに従って決定される。
次に、取得ステップ52は、受信スケジュールが既に設定されたグループの基地局31に関して、タイムウィンドウΔTjの上記受信スケジュールから、それに対してダウンリンクメッセージを送信しなければならない端末20のリスニングウィンドウに対応する時間間隔δTiに関連する受信負荷を引き出すステップからなる。
上述のように、各受信負荷は、考慮対象の各基地局31に関する、考慮対象の時間間隔内のアップリンクメッセージの受信の蓋然性を表す。上記受信負荷が考慮対象の時間間隔内のアップリンクメッセージの受信の蓋然性を実際に示しさえすれば、上記受信負荷を様々な方法で表現することも想定できる。
第1の非限定的な例によると、アクセスネットワーク30の基地局のうちランクnの基地局31に関する、タイムウィンドウΔTjの時間間隔δTiに関連する受信負荷は、以下の式:
Figure 0006620162
に従って算出される量Wn δTiに基づいて設定され、この式において:
‐Mは、上記1つ前のタイムウィンドウΔTj-1内においてランクnの基地局31が受信したアップリンクメッセージの数に対応し;
‐Niは、上記1つ前のタイムウィンドウΔTj-1の時間間隔δTi内においてランクnの基地局31が受信したアップリンクメッセージの数に対応する(従ってNiの合計(ここで1≦i≦NIT)はMに等しい)。
このような量Wn δTiは実際に、直近の24時間に受信されたアップリンクメッセージに従って、ランクnの基地局31による、時間間隔δTi内におけるアップリンクメッセージの受信の蓋然性に対応する。更に、このような量Wn δTiは、各基地局31によって直接設定してよい。
別の非限定的な例によると、量Wn δTiは好ましくは、以下の式:
Figure 0006620162
に従って算出され、この式において、BSmは、上記1つ前のタイムウィンドウΔTj-1の時間間隔δTi内に、ランクnの基地局31が受信したNi個のアップリンクメッセージのうちランクm(ここで1≦m≦Ni)のアップリンクメッセージを受信した基地局31の数に対応する。
このような量Wn δTiは、時間間隔δTi内に考慮対象の基地局31が受信する見込みがある各アップリンクメッセージに関して、このアップリンクメッセージがアクセスネットワーク30の別の基地局31によっても受信された蓋然性を考慮に入れた、受信の重み付けされた蓋然性を表すという点で特に有利である。換言すれば、このような受信の重み付けされた蓋然性は、タイムウィンドウΔTjの時間間隔δTi内における考慮対象の基地局31による送信の際の、アップリンクメッセージの損失の蓋然性を表す。
しかしながら、受信の重み付けされた蓋然性を表すこのような量Wn δTiは、タイムウィンドウΔTjにおいて、発生し得る全ての結果の合計が1となる数学的な意味での蓋然性をもたらさないことに留意するべきである。一般に、用語「受信の蓋然性」は、受信される見込みがあるアップリンクメッセージの数と共に値が増加する関数を意味するものと理解される。
タイムウィンドウΔTjにおける受信スケジュールの受信負荷は例えば、1つ前のタイムウィンドウΔTj-1内に受信されるアップリンクメッセージに基づいて算出された量Wn δTiに等しい。好ましくは、このような量Wn δTiは、複数の先行するタイムウィンドウΔTj-1、ΔTj-2、ΔTj-3等に関して算出され、例えば重み付け平均によって組み合わされ、これによって、取得ステップ52において使用されるタイムウィンドウΔTjにおける受信スケジュールの受信負荷が得られる。
B)基地局の選択
ステップ53では、サーバ32は、グループの様々な基地局31に関して、及び考慮対象の時間間隔に関して得られた受信負荷に従って、端末20にダウンリンクメッセージを送信するために使用されることになる基地局31を選択する。
例えばサーバ32は、その受信負荷が最低の受信の蓋然性に対応する基地局31を選択でき、これによって、逃してしまうかもしれないアップリンクメッセージの数が大幅に減少する。
また特定の実装モードでは、グループの各基地局31に関して、受信負荷に基づく所定の選択関数Fの値を算出することもできる。選択関数Fは、上記受信負荷と共に変動し、これにより、選択関数Fの値は、アップリンクメッセージの受信の蓋然性が低下した場合に最適化される傾向を有し、また選択された基地局31は好ましくは、複数の基地局のグループのうち、選択関数Fの値が最適化されたものである。
本記載の残りの部分では、限定するものではないが、選択関数Fの値の最適化が、考慮対象の時間間隔に関するグループの基地局31に関する上記値を最大化することからなるものと想定する。しかしながら他の例によると、上記選択関数の値の最適化が、上記値を最小化することからなるように、選択関数Fを考慮することも、除外されない。
例えば選択関数Fの値は、以下の式:
Figure 0006620162
に従って算出され、この式において、pR[n]は、ダウンリンクメッセージを送信しなければならない時間間隔に関する、考慮対象のランクnの基地局31の受信負荷に対応する。例えば受信負荷pR[n]は、上述の式のうちのいずれかに従って算出される量Wn δTiに対応する。
選択関数Fの使用は、ダウンリンクメッセージを送信するための基地局31を選択するために、単一の受信負荷以外のパラメータを考慮しなければならない場合に特に有利である。必要な場合には、選択関数Fは例えば少なくとも2つの成分を含み、そのうちの、「受信負荷成分」fCRと呼ばれる1つの成分は、例えば以下の式に従って上記受信負荷に応じて算出される:
Figure 0006620162
特定の実装モードでは、選択関数Fは、受信負荷成分fCRに加えて、以下に記載する成分のうちの少なくとも1つの成分を含む。
第1の例によると、上記選択関数Fは、「送受信可能範囲成分」fCOVと呼ばれる成分を含み、これは、考慮対象の基地局31の送受信可能範囲の面積を表すパラメータに依存し、また上記パラメータと共に変動し、これにより、上記選択関数Fの値は、上記送受信可能範囲の上記面積が減少すると増加する。
このような送受信可能範囲成分fCOVにより、ダウンリンクメッセージの送信に関して、送受信可能範囲の面積が小さい基地局31を優先できる。具体的には、受信可能範囲の面積が小さい基地局31は原理的に、受信可能範囲の面積が大きい基地局31よりも少ない数の端末20に対して作用する。更に、移動体端末20が所与の送受信可能範囲内に存在する蓋然性は、その面積と共に低下する。
例えば、ランクnの基地局31に関する送受信可能範囲成分fCOVの値は、以下の式:
Figure 0006620162
に従って算出され、この式において:
‐NSは、グループの基地局31の数に対応し、1≦n≦NSであり;
‐COV[i]は、ランクiの基地局31の送受信可能範囲の面積に対応し、1≦i≦NSである。
別の例によると、選択関数Fは、「孤立成分(isolation component)」fISOと呼ばれる成分を含み、これは、考慮対象の基地局31のみによってカバーされる端末20の数を表すパラメータに依存し、また上記パラメータと共に変動し、これにより、選択関数Fの値は、上記端末の数が減少した場合に増加する。
このような孤立成分fISOにより、ダウンリンクメッセージの送信に関して、他の基地局もそのアップリンクメッセージを受信するような端末に対して作用する基地局31を優先できる。
例えば、ランクnの基地局31に関する孤立成分fISOの値は、以下の式:
Figure 0006620162
に従って算出され、この式において、dSINGLE[i]は、ランクi(ここでi≦i≦NS)の基地局のみによってカバーされる端末20の数に対応する。
別の例によると、選択関数Fは、「チャネル品質成分」fQCと呼ばれる成分を含み、これは、端末20と考慮対象の基地局31との間のチャネルの品質を表すパラメータに対応し、また上記パラメータと共に変動し、これにより、選択関数Fの値は、上記チャネル品質が上昇した場合に増加する。
このようなチャネル品質成分fQCによって、ダウンリンクメッセージの送信に関して、端末20とのチャネルの品質が、上記端末20が上記ダウンリンクメッセージを実際に受信してデコードできることを保証できる程度に十分に良好である基地局31を優先できる。
例えば、ランクnの基地局に関するチャネル品質成分fQCの値は、以下の式:
Figure 0006620162
に従って算出され、ここで式QC[i]は、端末20とランクi(ここでi≦i≦NS)の基地局31との間のチャネルの品質の値に対応する。例えば、端末20と基地局31との間のチャネルの品質の値は、上記端末20が送信して考慮対象の基地局31が受信するアップリンクメッセージの測定された電力に基づいて推定できる。
別の例では、選択関数Fは、「ネットワーク品質成分」fQRと呼ばれる成分を含み、これは、考慮対象の基地局31とアクセスネットワーク30のサーバ32との間のリンクの品質を表すパラメータに依存し、また上記パラメータと共に変動し、これにより、選択関数Fの値は、上記リンク品質が上昇した場合に増加する。
このようなネットワーク品質成分fQRにより、ダウンリンクメッセージの送信に関して、サーバ32とのリンクの品質が、サーバ32から選択された基地局31に以前に送信されたダウンリンクメッセージを実際に上記基地局31が受信でき、その後端末20に送信できることを保証できる程度に十分に良好である基地局31を優先できる。
例えば、ランクnの基地局31に関するネットワーク品質成分fQRの値は、以下の式:
Figure 0006620162
に従って算出され、この式において、QL[i]は、サーバ32とランクi(ここでi≦i≦NS)の基地局31との間のリンクの品質の値に対応する。例えばサーバ32と基地局31との間のリンクの品質の値は、上記サーバ32と上記基地局31との間のラウンドトリップ時間の測定に基づいて推定できる。
別の例によると、選択関数Fは、「送信アクティビティ成分」fAEと呼ばれる成分を含み、これは、所定の分析時間以降に考慮対象の基地局31が送信するダウンリンクメッセージの数を表すパラメータに依存し、また上記パラメータと共に変動し、これにより、選択関数Fの値は、上記ダウンリンクメッセージの数が減少した場合に増加する。
このような構成により、同一の基地局31がダウンリンクメッセージを送信する目的であまりに頻繁に選択されるのを回避できる。
例えば、ランクnの基地局31に関する送信アクティビティ成分fAEは、式:
Figure 0006620162
に従って算出され、この式において、
‐log(x)は、数xの対数関数に対応し;
‐k[i]は、ランクi(ここでi≦i≦NS)の基地局31が分析期間以降に送信するダウンリンクメッセージの数に対応する。
例えば上記分析期間は、ここでは24時間に等しいと考えられている上記タイムウィンドウの期間に等しく、これにより、数k[i]は、ランクi(ここでi≦i≦NS)の基地局31がタイムウィンドウΔTj-1内に送信するダウンリンクメッセージの数に対応する。
上述のように、選択関数Fは、少なくとも1つの受信負荷成分fCRを含み、また特定の実装モードでは、以下の成分:
‐送受信可能範囲成分fCOV
‐孤立成分fISO
‐チャネル品質成分fQC
‐ネットワーク品質成分fQR
‐送信アクティビティ成分fAE
のうちの少なくとも1つの更なる成分を含んでよい。
選択関数Fが複数の成分を含む場合、これらは互いに組み合わせられ、例えば加算及び/又は乗算され、場合によっては重み付け係数によって重み付けされる。
好ましい実装モードでは、選択関数Fは、上述の成分を全て含み、これらは例えば以下の式:
F=a・fCR・fCOV・fISO+b・fQL・fQR+c・fAE
に従って組み合わせられ、この式において、a、b及びcは重み付け係数に対応し、上記重み付け係数により、調整される基地局31の選択において様々な成分の重要度を考慮対象とすることが可能となる。
選択関数Fの値をグループの各基地局31に関して算出すると、ダウンリンクメッセージの送信に関して、最大値の選択関数Fを得ることができる基地局31を選択できる。基地局31をサーバ32によって選択すると、上記サーバ32はダウンリンクメッセージを選択された基地局31に送信し、次に上記基地局31は、ステップ54において、上記ダウンリンクメッセージをダウンリンクで端末20に送信する。
より一般には、上で考察した実施形態及び実装モードは非限定的な例として説明されたものであり、従って他の変形例も考えられることに留意されたい。
特に本発明は、ダウンリンクメッセージを端末20に送信するために単一の基地局31を選択して使用するものと想定して説明されている。しかしながら他の例によると、例えば送信における特定の空間的ダイバーシティを利用することによって、上記端末20が受信するダウンリンクメッセージの信号対雑音比を改善するために、2つ以上の基地局31を選択して上記ダウンリンクメッセージを送信することも、除外されない。
更に本発明は、ダウンリンクメッセージがアップリンクメッセージに応答して送信されるものと想定して説明されている。しかしながら他の例によると、端末20のリスニングウィンドウによって決定されない任意の時間間隔内でダウンリンクメッセージを送信することも、除外されない。必要な場合には、端末20は、いずれの時点においてもダウンリンクメッセージを受信できなければならない。
更に本発明は、上記時間間隔の期間が、端末20のリスニングウィンドウの期間よりも長いものと想定して説明されている。しかしながら他の例によると、端末20のリスニングウィンドウの期間より短い期間の時間間隔を考慮することも、除外されない。必要な場合には、
端末20の1つの同一のリスニングウィンドウに関して複数の受信負荷を取得してよく、これらの受信負荷は、上記リスニングウィンドウ内の様々な時間間隔それぞれに関連する。そして、基地局/時間間隔のペアを選択でき、これにより、例えばグループの様々な基地局31のうち、及び端末20のリスニングウィンドウ内の様々な時間間隔のうち、選択関数Fの値を最適化できる基地局/時間間隔のペアを選択することによって、アップリンクメッセージを逃すリスクを最小化できる。
更に、本発明は、複数の基地局31を用いてダウンリンクメッセージを端末20に送信できればすぐに、通信方法50が実行されるものと想定して説明されていることに留意するべきである。しかしながら他の例では、通信方法50の実行が、特定の条件が満たされるかどうかに依存することも、除外されない。例えば、あるダウンリンクメッセージを、送信ウィンドウが過去に別のダウンリンクメッセージのために構成されている基地局31の範囲内の端末20に送信しなければならず、またこの送信ウィンドウが考慮対象の上記端末20のリスニングウィンドウ内に位置する場合、考慮対象の上記端末20を目標とする上記ダウンリンクメッセージは、好ましくは、上記別のダウンリンクメッセージとグループ化され、通信方法50の様々なステップを実行することなく、この基地局31によって同一の送信ウィンドウ内で送信される。

Claims (13)

  1. アクセスネットワーク(30)と複数の端末(20)との間の無線通信のための方法(50)であって、
    前記アクセスネットワークは、ダウンリンクメッセージを前記端末(20)に送信するため、及び前記端末が送信したアップリンクメッセージを受信するために好適であり、
    前記アクセスネットワークは、複数の半二重の基地局(31)を含む、方法(50)において、
    予め決定された時間間隔内で、前記ダウンリンクメッセージを、複数の前記基地局(31)が受信する前記アップリンクメッセージを送信した前記端末(20)へと送信しなければならない場合、前記方法は、以下のステップ:
    ‐あるグループの各前記基地局に関連する、「受信負荷(reception load)」と呼ばれる量の、前記アクセスネットワーク(30)による取得ステップ(52)であって、前記グループの前記基地局(31)は、前記端末(20)が送信した前記アップリンクメッセージを受信し、各前記受信負荷は、前記時間間隔内に、考慮対象の前記基地局が前記アップリンクメッセージを受信する蓋然性を表す、取得ステップ(52);
    ‐前記グループの各前記基地局が関連する前記受信負荷に応じた、前記アクセスネットワーク(30)による、前記グループの前記基地局のうちの1つの前記基地局の選択ステップ(53);
    ‐前記グループの前記複数の基地局から選択された前記基地局による、前記ダウンリンクメッセージの送信ステップ(54)
    を含むことを特徴とする、方法(50)。
  2. 前記基地局を選択するために使用される前記受信負荷は、前記基地局(31)が過去に受信したアップリンクメッセージに従って決定される、請求項1に記載の方法(50)。
  3. ある前記基地局(31)の前記受信負荷は、前記時間間隔内に前記基地局が受信する見込みのある各前記アップリンクメッセージに関する受信の、前記アップリンクメッセージを前記アクセスネットワーク(30)の別の前記基地局(31)も受信しなければならないことの蓋然性によって重み付けされた、蓋然性を表す、請求項1又は2に記載の方法(50)。
  4. 前記アクセスネットワーク(30)の異なる複数の前記基地局(31)それぞれに関連する受信スケジュールを設定する事前ステップ(51)を含み、
    各前記受信スケジュールは、所定のタイムウィンドウ内の異なる複数の前記時間間隔それぞれに関連する前記受信負荷を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法(50)。
  5. IT個の前記時間間隔δTiからなるタイムウィンドウ(1≦i≦NIT)内のある前記受信スケジュールの前記受信負荷は、受信の重み付けされた蓋然性を表し、
    S個の前記基地局を含むグループのランクn(1≦n≦NS)の前記基地局に関する前記時間間隔δTiに関連する前記受信負荷は、以下の式:
    Figure 0006620162
    に従って計算された量Wn δTiに基づいて設定され、前記式において:
    ‐Mは、1つ前の前記タイムウィンドウにおいて受信された前記アップリンクメッセージの数に対応し;
    ‐Niは、前記1つ前のタイムウィンドウの前記時間間隔δTi内に受信された前記アップリンクメッセージの数に対応し;
    ‐BSmは、前記1つ前のタイムウィンドウの前記時間間隔δTi内に、ランクm(1≦m≦Ni)の前記アップリンクメッセージを受信した前記基地局の数に対応する、請求項4に記載の方法(50)。
  6. 前記選択ステップ(53)は、前記グループの各前記基地局(31)に関して、前記受信負荷に依存する所定の選択関数の値の算出を含み、
    前記選択された基地局は、複数の前記基地局の前記グループのうち、前記選択関数の前記値が最適化されたものであり、
    前記選択関数は前記受信負荷と共に変動し、これにより、前記選択関数の前記値は、前記時間間隔内の前記アップリンクメッセージの受信の前記蓋然性が低下した場合に最適化される傾向を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法(50)。
  7. 前記選択関数は更に、考慮対象の前記基地局(31)の送受信可能範囲の面積を表すパラメータに依存し、また前記パラメータと共に変動し、これにより、前記選択関数の前記値は、前記送受信可能範囲の前記面積が減少した場合に最適化される傾向を有する、請求項6に記載の方法(50)。
  8. 前記選択関数は更に、考慮対象の前記基地局(31)が単独でカバーする前記端末(20)の数を表すパラメータに依存し、また前記パラメータと共に変動し、これにより、前記選択関数の前記値は、前記端末(20)の数が減少した場合に最適化される傾向を有する、請求項6又は7に記載の方法(50)。
  9. 前記選択関数は更に、前記端末(20)と考慮対象の前記基地局(31)との間のチャネル品質を表すパラメータに依存し、また前記パラメータと共に変動し、これにより、前記選択関数の前記値は、前記チャネル品質が上昇した場合に最適化される傾向を有する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法(50)。
  10. 前記選択関数は更に、考慮対象の前記基地局(31)と、前記アクセスネットワーク(30)のサーバ(32)との間のリンク品質を表すパラメータに依存し、また前記パラメータと共に変動し、これにより、前記選択関数の前記値は、前記リンク品質が上昇した場合に最適化される傾向を有する、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法(50)。
  11. 前記選択関数は更に、所定の分析時間以降に考慮対象の前記基地局(31)が送信する前記ダウンリンクメッセージの数を表すパラメータに依存し、また前記パラメータと共に変動し、これにより、前記選択関数の前記値は、前記ダウンリンクメッセージの数が減少した場合に最適化される傾向を有する、請求項6〜10のいずれか1項に記載の方法(50)。
  12. ダウンリンクメッセージを端末(20)に送信するのに好適な複数の半二重基地局(31)を含むアクセスネットワーク(30)であって、
    前記アクセスネットワーク(30)は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法(50)のステップを実装するよう構成された手段を含むことを特徴とする、アクセスネットワーク(30)。
  13. 請求項12に記載のアクセスネットワーク(30)と、複数の端末(20)とを含むことを特徴とする、無線通信システム(10)。
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