JP6619233B2 - 温度・濃度測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、中赤外波長の光を用いて気体の温度と濃度を測定する技術に係り、特に燃焼中のエンジンなどの内部の気体の温度と濃度をリアルタイムかつ高速に測定することができる温度・濃度測定装置に関するものである。
近年、エンジン燃焼サイクルをリアルタイムかつ瞬間的に測定することが期待されている(非特許文献1参照)。エンジン燃焼サイクルの測定法の1つとして光学的手法があり、様々な測定法が提案、実証されてきている。例えば広い波長域で分光測定を使い、光の吸収スペクトルを分子種ごとに特徴のあるスペクトルと比較することで、気体中に含まれる分子種を同定したり、分子種の存在量を測定したり、温度を測定したりすることができる。
このような分光測定を行うため、広帯域な波長領域の高速掃引が可能でかつ波長再現性に優れた光源が求められている。分子の基本振動モードによる強い吸収が波長2μmから20μmの中赤外領域に存在する。この中赤外領域で上記の特徴を有した光源は、自動車用や航空用などのエンジンの内部の現象を調べるのに適している。特に波長3μm帯にはCH伸縮振動の基本モードが存在するので、分光測定を実施すれば、ガソリン蒸気に多く含まれる炭化水素系の分子の強い吸収スペクトルを得ることができる。
中赤外コヒーレント光源として、量子カスケードレーザと光パラメトリック発振器とが知られている。量子カスケードレーザは、4μm以上の波長域で分光用光源として入手可能である(非特許文献2参照)。一方、光パラメトリック発振器は、2μmから5μmの波長領域で発振し、入手することも可能である(非特許文献3参照)。
また、2つの近赤外レーザを使用した差周波発生光源もある。ここで、2つの近赤外光の波長をそれぞれλ1,λ2(λ1<λ2)とすると、差周波光の波長λ3は次式のように表すことができる。
Figure 0006619233
しかし、量子カスケードレーザ、光パラメトリック発振器、差周波発生光源のようなコヒーレント光源では、広帯域かつ高速に波長掃引可能な光源を実現することは難しい。
一方、可視・近赤外領域では、光コヒーレンストモグラフィ用の光源として広帯域かつ高速に波長掃引可能な光源が開発、応用されてきている。
差周波光発生の手法では、励起光と信号光の組み合わせ、および掃引する光源の選択により、使われる非線形結晶の温度を一定に保ったまま広い同調範囲を持つことが知られている。特に周期的に分極反転したニオブ酸リチウム結晶を非線形結晶として用い、信号光と励起光とを非線形結晶に入射させて波長3μm帯の差周波光を発生させる手法では、波長1.5μmの信号光の波長を一定にして、1μm程度の励起光の波長を掃引することで、結晶温度一定で広い位相整合波長域が得られることが知られている(特許文献1参照)。
特開2011−203376号公報
Laura A. Kranendonk,et al.,"High speed engine gas thermometry by Fourier-domain mode-locked laser absorption spectroscopy",OPTICS EXPRESS,Vol.15,No.23,pp.15115-15128,2007 "量子カスケードレーザ(QCL)",浜松ホトニクス株式会社,<http://www.hamamatsu.com/jp/ja/index.html> "optical parametric oscillator",米国ロッキードマーチン社,<http://www.lockheedmartin.com/us.html>
従来の波長3μm帯の差周波光発生手法では、信号光源である波長1.5μm帯の光源が広い同調波長域を有しており、非線形結晶の温度を変えることで広い範囲の波長掃引が可能であった。しかし、波長の掃引速度は100nm/s程度である。このため、エンジン内の燃焼サイクル時の瞬間瞬間の吸収スペクトル変化を観測することは困難であった。また、励起光の波長1μmと非線形結晶の温度とを一定にし、信号光の波長を掃引した場合、位相整合条件のため同調域は数nm程度である。
一方、高速な波長掃引速度をもつ光コヒーレンストモグラフィ用の光源を使用して分光測定を行うようにすれば、エンジンの1サイクル中の吸収スペクトル変化を取得することができる。このような技術は、波長1.0μm,1.3μm,1.5μm帯の近赤外領域で実用化されている。しかし、エンジン内の気体分子による近赤外領域の吸収強度は中赤外領域に比べ二桁程度小さいので、十分な測定感度を得ることが難しいという問題があった。正確な分子の存在量や温度の条件を知るためには、分子による光の吸収強度が強い中赤外領域で分子の吸収バンド全体を高速に掃引可能な光源を必要とする。以上のような理由により、従来の方法では、燃焼中のエンジンのように内部の状態が時々刻々と変化する試料中の気体の温度と濃度をリアルタイムかつ高い精度で測定することができないという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、試料セル中の気体の温度と濃度をリアルタイムかつ高い精度で測定することができる温度・濃度測定装置を提供することを目的とする。
本発明の温度・濃度測定装置は、波長1μm帯を中心波長とした同調波長域10nm以上でかつ1kHz以上の波長掃引速度を持つ励起光光源と、波長1.5μm帯の一定波長の信号光を出力する信号光光源と、前記励起光光源からの励起光と前記信号光光源からの信号光とを合波する合波手段と、前記合波手段で合波された光を入力とし、前記励起光と前記信号光との差周波光を出力する非線形光学結晶と、この非線形光学結晶から出力され試料セルを透過した光を検出する検出器と、この検出器によって得られた測定スペクトルを基に前記試料セルの内部の気体の温度および濃度を導出する解析手段とを備え、前記解析手段は、測定対象の前記気体のスペクトルを様々な温度条件ごとに予め記憶するデータベースと、前記検出器によって得られた測定スペクトルと前記データベースに記憶されている参照スペクトルとを照合し、前記測定スペクトルと最も一致する前記参照スペクトルに対応する温度を、前記気体の温度として導出する温度導出手段と、この温度導出手段が導出した気体の温度と前記測定スペクトルから求めた吸収強度とを基に前記気体の圧力を計算して、この気体の圧力から前記気体の濃度を計算する濃度導出手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の温度・濃度測定装置の1構成例において、前記非線形光学結晶は、コア層の分極が周期的に反転する光導波路の構造を有することを特徴とするものである。
また、本発明の温度・濃度測定装置の1構成例において、前記試料セルは、光の入出力用の光学窓が設けられたエンジンである。
本発明によれば、広帯域にわたって高速な波長掃引が可能な近赤外光源を差周波光発生の励起光光源として使うことで、簡易に広い範囲の同調域を有し、高速掃引可能な中赤外光源を実現することができる。これにより、本発明では、試料セルの内部の気体の温度および濃度を様々な条件下で測定することが可能であり、燃焼中のエンジンのように内部の状態が時々刻々と変化する試料セル中の気体の温度と濃度をリアルタイムかつ高い精度で測定することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る温度・濃度測定装置の構成を示すブロック図である。 励起光と信号光に求められる波長の条件を説明する図である。 励起光と信号光と差周波光の位相整合のトレランスを示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る温度・濃度測定装置で得られたスペクトルの例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る温度・濃度測定装置で得られたスペクトルの他の例を示す図である。 吸収線が複数の場合の試料の圧力の算出方法を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態に係る温度・濃度測定装置の解析装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る温度・濃度測定装置の構成を示すブロック図である。 温度300Kのときのメタンν3バンド、Rブランチのスペクトルの吸収強度のシミュレーション結果を示す図である。 温度700Kのときのメタンν3バンド、Rブランチのスペクトルの吸収強度のシミュレーション結果を示す図である。 温度1100Kのときのメタンν3バンド、Rブランチのスペクトルの吸収強度のシミュレーション結果を示す図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る温度・濃度測定装置の構成を示すブロック図である。温度・濃度測定装置は、励起光光源1と、信号光光源2と、励起光光源1からの励起光と信号光光源2からの信号光とを合波する合波手段である波長分割多重ファイバカプラ3と、波長分割多重ファイバカプラ3で合波された光を入力とし、励起光と信号光との差周波光を出力する非線形光学結晶4と、非線形光学結晶4から出力され試料セル10を透過した光を検出して電気信号に変換する検出器5と、検出器5によって得られたスペクトルを表示するオシロスコープ6と、検出器5によって得られたスペクトルを基に試料セル10の内部の気体の温度および濃度を導出する解析装置7とから構成される。
励起光光源1は、波長1μm帯を中心波長とした同調波長域10nm以上でかつ1kHz以上の波長掃引速度を持つ波長可変レーザである。同調波長域10nmは3μm帯にすると100nm以上に対応し、エンジンの振動回転スペクトルを網羅できる。また、エンジンのサイクルは数千rpm(〜100Hz、1rpmは1/60Hz)で、燃焼中のエンジン内の解析をするにはその10倍以上の波長掃引速度を持つことが必要となる。このような励起光光源1としては、波長掃引型のコヒーレンストモグラフィ(Swept-source Optical Coherence Tomography:SS−OCT)用の光源があり、例えば「“EXALOS Swept Sources”,EXALOS社,<http://www.exalos.com/swept-sources/>」や、「“MEMS-VCSEL波長掃引OCT”,Thorlabs社,<http://www.thorlabs.co.jp/newgrouppage9.cfm?objectgroup_id=7109>」などがある。
信号光光源2は、半導体レーザ(Laser Diode:LD)であり、波長1.5μm帯の連続発振の固定波長レーザである。なお、信号光光源2から出力される信号光をエルビウム添加ファイバアンプにより増幅してもよい。
ここで、励起光と信号光に求められる波長の条件について説明する。本実施の形態では、非線形光学結晶4から出力される差周波光が、CH伸縮が励起される3μm帯であることが必要になる。図2では、この必要な差周波光の範囲を点線12,13で囲まれた領域で表している(3.2〜3.5μm)。次に、信号光の波長としては通信帯(C,Lバンド)の波長を選択することで、特性が良好な信号光光源2を入手可能となる。図2では、この信号光の波長範囲を実線14,15で囲まれた領域で表している(1.525〜1.625μm)。また、通信帯であれば、エルビウム添加ファイバアンプを使用することが可能となるので、高強度の差周波光の発生が可能となる。差周波光の波長範囲と信号光の波長範囲を満足する図2の平行四辺形16の範囲が、本実施の形態の励起光に最適な波長範囲となる(1.03〜1.1μm)。以上のような条件に合う非線形光学結晶4の周期分極反転の周期Λは30.3μm付近である。ただし、ファイバアンプを使う場合、ファイバアンプの帯域は一般的に1540〜1600nmなので、信号光の領域はさらに狭くなる。
励起光光源1からの励起光と信号光光源2からの信号光は、波長分割多重ファイバカプラ3により合波され、非線形光学結晶4に入射する。
非線形光学結晶4は、コア層の分極が周期的に反転する光導波路の構造を有し、具体的には、非線形光学材料であるLiNbO3(ニオブ酸リチウム結晶)の分極を周期的に反転した構造を有する。本実施の形態では、非線形光学結晶4を直接接合法により作製した。直接接合法は、Znを例えば7mоl%添加したLiNbO3の基板をコア層として、このLiNbO3基板に先に分極反転を施し、このLiNbO3基板と、クラッド層となるLiTaO3基板を直接接合し、その後LiNbO3基板を薄膜化して、ダイシングにより横方向の閉じ込めを行いリッジ型の光導波路構造とするものである。分極反転の周期は波長3μm帯の差周波光が効率よく発生するように設定されている。本実施の形態の例では、分極反転の周期の方向が波長分割多重ファイバカプラ3からの光の伝搬方向と平行になるように非線形光学結晶4が配置されているが、平行でなくても構わない。
非線形光学結晶4から出力される差周波光は、励起光の特徴である、広帯域にわたって波長が高速に変化するという特徴を有する。この差周波光は、メタンの封入された試料セル10に入射して試料セル10を透過し、検出器5で検出される。本実施の形態の試料セル10は、例えば石英あるいはガラス製の容器である。
検出器5は、検出した光を電気信号に変換する。オシロスコープ6は、検出器5から出力された信号の強度分布を表示する。こうして、試料セル10を透過した波長ごとの光の強度分布であるスペクトルを表示することができる。本実施の形態の場合には、メタンのスペクトルを得ることができる。
図3は励起光と信号光と差周波光の位相整合のトレランスを示す図である。一般的にスペクトル線幅や帯域(フィルタなども含む)はピーク値の半分(0.5)で表す。図3では、トレランス閾値をこの0.5としたとき、式(2)を満たす励起光波長と信号光波長と差周波光波長をプロットしている。
Figure 0006619233
ここでΔkは位相不整合、Lは非線形光学結晶4の結晶長を表している。図3における曲線20は励起光波長と信号光波長を示し、曲線21は信号光波長と差周波光波長を示している。位相不整合Δkは、式(3)で定義される。
Figure 0006619233
ここでλ1,λ2,λ3はそれぞれ励起光、信号光、差周波光の波長を表し、n1,n2,n3はそれぞれ波長λ1,λ2,λ3での屈折率を表し、Λは非線形光学結晶4の周期分極反転の周期を表している。図3の例では、周期分極反転の周期Λを30.3μm、結晶長Lを50mmとしている。図3の直線22は信号光の波長λ2=1.5705μmの一定値の時を示しており、図3の位相整合曲線はピークが分裂しない条件を示している。Δλpは励起光波長の幅、Δλiは差周波光波長の幅を表している。
図4は、本実施の形態により得られたスペクトルの例を示す図である。この例では、波長掃引速度は20kHzである。図4の横軸は得られたメタンの特徴的なCH伸縮振動スペクトルを使って校正している。図4によると、約130nmの範囲を波長掃引できていることが分かる。
図5は、上記の試料セル10を液体窒素で冷却した時のスペクトルの例を示す図である。図5によると、図4とは異なる波長で吸収強度が強くなっていることが分かる。このように、振動バンド全体でスペクトルを取得できると、試料セル10中の気体の温度が分かることになる。また、吸収長が既知であれば、スペクトル全体から、試料セル10中の気体の濃度の算出も可能である。吸収長とは、光が試料セル10を通過する長さのことであり、試料セル10の長さに相当する。
試料セル10中に入射する光が試料(本実施の形態の例ではメタン)の吸収によって透過光強度を変化させる。大気圧でのこの透過光強度(吸収強度)I(ω)は式(4)で表される。
Figure 0006619233
ここでI0は入射光強度、Siはi番目の吸収線の吸収係数、pは試料圧力、lは吸収長、cは光速、kBはボルツマン定数、Tは温度、Δωはスペクトル線幅、ωiはi番目の吸収の遷移角周波数である。ω=ωiのとき、pについて式(4)を解くことで試料の大気に対する分圧が分かる。ここでは簡単のため、吸収線が1本の場合を例示する。
スペクトルを解析することによりメタンの温度Tが300Kと判明し、角周波数ω=ωiでの透過光相対強度(I(ω=ωi)/I0)が0.7、吸収長lが30cmのときを考える。大気圧ではメタンのスペクトル線幅Δω=2π×2GHzで、波長3μm帯のメタンの吸収係数Siは1×10-20cm/moleculeであるから、式(4)より、メタンの圧力pは6.5kPaと分かる。この圧力p=6.5kPaを大気圧(1013hPa)で割ることで、メタンの濃度が6.5%であることが分かる。
吸収線が複数の場合は、取得したスペクトルから非線形最小自乗フィットにより圧力pを算出する方法がある。これにより、圧力pとその不確かさを算出することが可能である。また、図6のように吸収線が分離している場合は、上記の吸収線が1本の場合をそれぞれについて適用することができ、式(4)により、測定不確かさを有した圧力pを吸収線ごとに算出することができる。この吸収線ごとに算出したp(図6では、p1,p2)の算術平均とその平均実験標準偏差により、最終的な圧力pを決定することができる。
図7は解析装置7の構成例を示すブロック図である。解析装置7は、データベース70と、温度導出部71と、濃度導出部72と、解析結果出力部73とを備えている。このような解析装置7は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明する解析装置7の処理を実行する。
データベース70は、測定対象の試料のスペクトルを試料の温度ごとに予め記憶している。以下、データベース70に予め記憶されているスペクトルを参照スペクトルと呼ぶ。
温度導出部71は、検出器5によって得られた測定スペクトルとデータベース70に記憶されている参照スペクトルとを照合し、測定スペクトルと最もよく一致する参照スペクトルに対応する温度を、試料セル10中の試料の温度Tとして導出する。
濃度導出部72は、温度導出部71が導出した試料の温度Tと、測定スペクトルから求めた吸収強度I(ω)とを基に、式(4)により試料の圧力pを計算し、この圧力pを大気圧で割ることで、試料の濃度を計算する。
解析結果出力部73は、温度導出部71と濃度導出部72の結果を出力する。このときの出力方法としては、例えば解析結果出力部73による表示などがあり、また温度や濃度の情報を外部に送信するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態の温度・濃度測定装置は、既存の広帯域高速な近赤外光源を差周波光発生の励起光光源1として使うことで、簡易に広い範囲の同調域を有し、高速掃引可能な中赤外光源を実現することができる。これにより、本実施の形態では、分光計として試料の温度と濃度を様々な条件下で測定することが可能である。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図8は本発明の第2の実施の形態に係る温度・濃度測定装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、第1の実施の形態の具体例を説明するものであり、第1の実施の形態の試料セルとして、メタンを燃料とするエンジン11を配置したものである。このエンジン11には、非線形光学結晶4からの差周波光が入射する光学窓110と差周波光が出射する光学窓111とが付けられており、差周波光が通るエンジン11内の光路には光を機械的に遮るものはない。
検出器5と解析装置7の動作は第1の実施の形態で説明したとおりである。解析装置7のデータベース70には、メタンの様々な温度条件でのスペクトルが予め登録されており、検出器5によって得られた測定スペクトルから燃焼中の瞬間瞬間でのエンジン11内のメタンの温度と濃度を導出することが可能である。
図9、図10、図11はデータベースHITRAN2012から計算した温度300K、700K、1100Kのときのメタンν3バンド、Rブランチのスペクトルの吸収強度のシミュレーション結果を示す図である。計算はAbsorption spectroscopy simulator(http://www.spectraplot.com/absorption#)で行った。条件は圧力1atm、吸収長10cm、存在比0.3%による。図9〜図11によると、温度によりピーク強度のシフトが見られる。
同様に、ガソリンを燃料とするエンジン内の気体に多く含まれるトルエンなども温度によりピーク波長が変わる。したがって、トルエンの様々な温度条件でのスペクトルをデータベース70に予め登録しておけば、燃焼中のガソリンエンジン内のトルエンの温度と濃度を導出することが可能であり、ガソリンエンジンのバルブの開閉による燃焼具合の解析が可能となる。
本発明は、光を用いて気体の温度と濃度を測定する技術に適用することができる。
1…励起光光源、2…信号光光源、3…波長分割多重ファイバカプラ、4…非線形光学結晶、5…検出器、6…オシロスコープ、7…解析装置、10…試料セル、11…エンジン、70…データベース、71…温度導出部、72…濃度導出部、73…解析結果出力部。

Claims (3)

  1. 波長1μm帯を中心波長とした同調波長域10nm以上でかつ1kHz以上の波長掃引速度を持つ励起光光源と、
    波長1.5μm帯の一定波長の信号光を出力する信号光光源と、
    前記励起光光源からの励起光と前記信号光光源からの信号光とを合波する合波手段と、
    前記合波手段で合波された光を入力とし、前記励起光と前記信号光との差周波光を出力する非線形光学結晶と、
    この非線形光学結晶から出力され試料セルを透過した光を検出する検出器と、
    この検出器によって得られた測定スペクトルを基に前記試料セルの内部の気体の温度および濃度を導出する解析手段とを備え、
    前記解析手段は、
    測定対象の前記気体のスペクトルを様々な温度条件ごとに予め記憶するデータベースと、
    前記検出器によって得られた測定スペクトルと前記データベースに記憶されている参照スペクトルとを照合し、前記測定スペクトルと最も一致する前記参照スペクトルに対応する温度を、前記気体の温度として導出する温度導出手段と、
    この温度導出手段が導出した気体の温度と前記測定スペクトルから求めた吸収強度とを基に前記気体の圧力を計算して、この気体の圧力から前記気体の濃度を計算する濃度導出手段とを備えることを特徴とする温度・濃度測定装置。
  2. 請求項1記載の温度・濃度測定装置において、
    前記非線形光学結晶は、コア層の分極が周期的に反転する光導波路の構造を有することを特徴とする温度・濃度測定装置。
  3. 請求項1または2記載の温度・濃度測定装置において、
    前記試料セルは、光の入出力用の光学窓が設けられたエンジンであることを特徴とする温度・濃度測定装置。
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