[第1実施形態]
以下では、本発明に係る遊技機の一実施形態を示すパチスロ機について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態のパチスロ機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークンなどを適用することもできる。また、本実施形態では、特定の小役の成立をランプなどでナビゲートする機能であるアシストタイム(以下、「AT」という)と、特定プレイ数の間、リプレイ確率が通常時より高くなる機能であるRTとが同時に作動するアシストリプレイタイム(以下、「ART」という)の機能を備えたパチスロについて説明する。
[パチスロ機の機能フロー]
図1に示すように、パチスロ機1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から一つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、スタートスイッチ6S(図30参照)によるスタートレバー6に対する単位遊技の開始操作の検出(所定の開始条件の成立)に基づき、複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する。
内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払出、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動などといった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L、7C、7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のメインCPU31、後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L、49C、49R)は、内部当籤役とストップボタン7L、7C、7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ機1では、基本的に、ストップボタン7L、7C、7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞ライン(以下、「有効ライン」という)に沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、有効ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。
すなわち、入賞判定手段は、リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたことに基づいて、有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する。
入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払出などの特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ機1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタン7L、7C、7Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
また、パチスロ機1では、前述した一連の流れの中で、表示ユニット100により行う光(映像)の出力、スピーカ9L、9Rにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御基板が担う。
演出内容が決定されると、表示ユニット100やスピーカ9L,9Rは、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時などの各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[パチスロ機の構造]
パチスロ機1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
図2は、本実施の形態におけるパチスロ機1の斜視図である。図3は、本実施の形態におけるパチスロ機1の正面図である。
パチスロ機1の全体を形成している筐体60は、前面側に矩形状の開口を有する箱状のキャビネット61と、キャビネット61の前面上部に配置された上ドア62aと、キャビネット61の前面下部に配置された下ドア62bとを有している。キャビネット61は、遊技に用いられる機器(例えば、リールなど)を収容する。上ドア62a及び下ドア62bは、キャビネット61の開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア62aは、キャビネット61における開口の上部を閉塞可能に設けられ、下ドア62bは、キャビネット61における開口の下部を閉塞可能に設けられる。
上ドア62aは、表示ユニット100を中央部に有している。表示ユニット100は、遊技の進行に応じた演出を行う演出装置であり、後述の副制御基板72の制御のもと遊技の進行に応じて様々な映像を表示する。なお、表示ユニット100は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどのような表示装置であってもよいが、本実施形態では、後述するようにいわゆるプロジェクションマッピング装置を用いる。
下ドア62bの上部の略中央部には、矩形状の開口部として形成された表示窓4が設けられている。表示窓4は、後述するリール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段を構成する。表示窓4には、右上り斜めのクロスアップライン、上段のトップライン、中段のセンターライン、下段のボトムライン及び右下がり斜めのクロスダウンラインが表示されている。
図3に示すように、表示窓4は、リール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄のうちの3個の図柄を表示する。そのため、表示窓4は、3×3の図柄が表示される。表示窓4に表示されるクロスアップライン〜クロスダウンラインの5本のラインは、表示窓4が表示する3×3の図柄を直線的に結ぶラインである。
本実施形態では、これら5本のラインのうちのセンターラインが有効ラインであり、センターラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、入賞の判定が行われる。一方、センターライン以外の4本のラインは、入賞の判定に用いられることのない疑似的なラインである。
なお、有効ライン(センターライン)は、後述のMAXベットボタン11を操作すること、又はメダル投入口22にメダルを投入することにより有効化される。ここで、MAXベットボタン11を操作することと、メダルを投入することとは同義である。したがって、例えば「メダルの投入枚数」という場合には、上述のMAXベットボタン11の操作によるBET枚数と実際にメダル投入口22に投入された投入枚数のいずれも含まれる。
キャビネット61には、複数のリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール3L、3C、3Rは、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれたリール帯を有する。すなわち、リール3L、3C、3Rには、複数の図柄が表示されている。
各リール帯に描かれた図柄は表示窓4を通して、パチスロ機1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L、3C、3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
表示窓4の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の水平面内のうち、右側にはメダル投入口22が設けられ、左側にはMAXベットボタン11及び1ベットボタン(図示せず)が設けられる。MAXベットボタン11の内部には、メダルの投入が可能な時に点灯するベットボタンLED103(図30参照)が設けられている。
このMAXベットボタン11を押下操作することで、単位遊技(一のゲーム)の用に供される枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。一方、1ベットボタンを1回、押下操作する度に1枚のメダルが投入される。1ベットボタンが3回操作されると、単位遊技用に供される3枚のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。
MAXベットボタン11の操作、1ベットボタンの操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を「投入操作」という。
台座部10の水平面内の略中央には、情報表示器14が設けられている。情報表示器14には、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)に対応して点灯するLED(図示せず)が設けられている。また、情報表示器14には、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)などの情報を遊技者に対してデジタル表示するデジタル表示器(図示せず)が設けられている。
また、情報表示器14には、内部当籤役として決定された役に応じた図柄の組合せを有効ラインに沿って表示するために必要な停止操作の情報を報知する指示モニタ(図示せず)が設けられている。指示モニタは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯や点滅することで、遊技者に対して必要な停止操作の情報を報知する。後述するように、本実施形態では、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設けている。報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様とは、例えば、押し順「1st(第1停止操作を左のリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合に「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作を中のリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合に「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作を右のリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合に「3」を表示するといったことである。なお、指示モニタにおける停止操作の情報の報知の詳細は、図74で後述する。
後述の図30に示すように、情報表示器14は、ドア中継基板74を介して主制御基板71により制御される。ここで、パチスロ機1では、主制御基板71により制御される指示モニタに加えて、副制御基板72により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知することとしてもよく、例えば、上述の表示ユニット100において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
この場合において、指示モニタにおける報知の態様と、その他の手段における報知の態様とは、異なる態様であってもよい。すなわち、指示モニタでは、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、指示モニタにおいて「1」と表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とは言えない)。これに対して、その他の手段における報知では、停止操作の情報を直接的に報知することとしてもよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合に、指示モニタでは報知する押し順に一義的に対応する「1」を表示する一方で、その他の手段(表示ユニット100)では、第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを直接的に報知することとしてもよい。
このように本実施形態のパチスロ機1では、副制御基板72の制御だけでなく、主制御基板71の制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。もちろん、停止操作の情報の報知は、遊技状態に応じて制御されることとしてもよい。より具体的には、後述の一般遊技状態(非ART)では停止操作の情報を報知することなく、後述のART遊技状態(図33参照)において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
また、台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出を押しボタン操作で切り換える精算ボタン13が設けられている。この精算ボタン13の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
精算ボタン13の右側には、遊技者の傾動操作により上記リール3L、3C、3Rを回転させ、表示窓4内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン7L、7C、7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L、3C、3Rが停止したときに終了する。
下ドア62bの上部の正面には、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202が設けられる。第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、各種情報を表示する。図2及び図3に示すように、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、下ドア62bの前面部のうち、台座部10の水平面から略垂直に立設する面の側方に設けられ、左側(MAXベットボタン11やスタートレバー6側)に第1サブ表示装置201が設けられ、右側(メダル投入口22側)に第2サブ表示装置202が設けられる。
第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202のうちの少なくとも一方、本実施形態では、第1サブ表示装置201の表示面上には、タッチセンサ201aを設けられ、タッチセンサ201aを介して受け付けた遊技者の操作に応じて表示が切り替え可能になっている。タッチセンサ201aは、静電容量方式などの所定の動作原理に従い動作し、遊技者の操作を受け付けると、タッチ入力情報として当該操作に応じた信号を出力する。第1サブ表示装置201は、タッチセンサ201aから出力されるタッチ入力情報に基づいて副制御基板72(図31参照)により制御される。
下ドア62bの下部の正面には、左右に効果音や音声などの音による演出を行うスピーカ9L、9Rが設けられ、このスピーカ9L、9Rの間にメダルが払い出されるメダル払出口15が設けられている。下ドア62bの最下部には、払い出されたメダルを貯留するメダル受け部16が設けられている。
また、下ドア62bの下部の正面のうち、ストップボタン7L、7C、7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル25が取り付けられている。この腰部パネル25は、背後に設けられた腰部パネル照明器(図示せず)により照射される。
[表示ユニットの構造]
続いて、図4〜図28を参照して、パチスロ機1が備える表示ユニット100の構造について説明する。
(表示ユニット100)
図4に示すように、上ドア62aの後側におけるキャビネット61の内部には、表示ユニット100が設けられている。図5に示すように、表示ユニット100は、キャビネット61内の中間支持板301上に着脱可能に設けられている。なお、中間支持板301は、キャビネット61内の上部空間と下部空間との仕切り壁として機能している。表示ユニット100は、映像を含む照射光を出射する照射光装置Bと、照射光装置Bからの照射光が照射されることにより映像を出現させるスクリーン装置Cとを有した所謂プロジェクションマッピング装置である。
ここで、プロジェクションマッピング装置は、建造物や自然物などの立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、後述のスクリーンである役物に対して、その位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
(表示ユニット100:照射光装置B)
図6に示すように、照射光装置Bは、照射光を前方に出射するプロジェクタ機構B2と、プロジェクタ機構B2の前方に配置され、プロジェクタ機構B2からの照射光を斜め下後方に配置されたスクリーン装置C方向に反射するミラー機構B3と、プロジェクタ機構B2及びミラー機構B3を収容したプロジェクタカバーB1とを有している。
(表示ユニット100:照射光装置B:プロジェクタ機構B2)
プロジェクタ機構B2は、キャビネット61内の後部に配置されている。プロジェクタ機構B2は、水平配置された平板状のベース部材B22を有している。ベース部材B22の下面には、レンズ機構B21及び図示しない光源が設けられている。レンズ機構B21は、光源から出射された照射光を前方のミラー機構B3に向けて出射するように配置されている。
また、ベース部材B22の下面には、排熱機構B23,B24が設けられている。排熱機構B23,B24は、レンズ機構B21及び光源の右側及び左側にそれぞれ配置されている。排熱機構B23,B24は、空気を流通させるダクトと空気を送出するファンとを有しており、空気を後方に吹き出すことによって、照射光を生成する際に発生する熱を強制的に後方に流動させるようになっている。図2に示すように、排熱機構B23,B24における空気の流動方向には、キャビネット61の通気穴21aが配置されている。これにより、排熱機構B23,B24は、プロジェクタ機構B2の熱を空気と共に通気穴21aを介して機外に強制的に排出することが可能になっている。
(表示ユニット100:照射光装置B:ミラー機構B3)
図6に示すように、プロジェクタ機構B2の前方(照射光の出射方向)には、ミラー機構B3が配置されている。図7に示すように、ミラー機構B3は、ミラーホルダB31と、ミラーホルダB31に収容された光学ミラーB32と、光学ミラーB32の両端部をミラーホルダB31に固定するミラーストッパB33,B34とを有している。図8にも示すように、ミラーホルダB31は、前面が長方形状の板状に形成されている。ミラーホルダB31の各コーナー部には、角度調整穴B311が形成されていると共に、角度調整穴B311を中心にして凹部B312が前面に形成されている。また、上下方向の角度調整穴B311,B311間には、取付け穴B314,B314が上下対称に形成されている。
また、ミラーホルダB31の後面には、ミラー保持部B313が形成されている。ミラー保持部B313は、中央部に形成されており、角度調整穴B311及び取付け穴B314に重複しないサイズで形成されている。ミラー保持部B313の左側及び右側には、ミラーストッパB33,B34がそれぞれ設けられている。ミラーストッパB33,B34は、角度調整穴B331,B341と、取付け穴B334,B344とをそれぞれ有している。ミラーストッパB33,B34における角度調整穴B331,B341及び取付け穴B334,B344は、ミラーホルダB31における角度調整穴B311,B311及び取付け穴B314,B314に対応するように配置されている。
ミラーストッパB33,B34は、一部がミラー保持部B313と重複するように形成されている。これにより、ミラーストッパB33,B34は、ミラー保持部B313に嵌合された光学ミラーB32の左右方向の両辺部に当接し、取付け穴B314,B334,B344によりミラーホルダB31にネジ締結されることによって、光学ミラーB32をミラーホルダB31に保持させている。
図9に示すように、上記のように構成されたミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1におけるリフレクタ保持部B11の内側面に設けられている。リフレクタ保持部B11は、プロジェクタカバーB1の前面中央部に形成されており、上ドア62aを開いたときに前側に露出するように配置されている。リフレクタ保持部B11は、角度調整穴B111を有している。角度調整穴B111は、ミラー機構B3の角度調整穴B311に対応した位置に形成されている。
リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111には、図示しないネジが前面側から挿通されており、このネジは、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通する。そして、ミラーストッパB33,B34の角度調整穴B331,B341は、ネジが螺合可能なネジ穴として形成されており、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通したネジは、ミラーストッパB33,B34の角度調整穴B331,B341に螺合される。
そして、上記ネジが角度調整穴B331,B341との螺合が緩む方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33,B34との距離が広がることとなる。一方、上記ネジが角度調整穴B331,B341との螺合が締まる方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33,B34との距離が縮まることとなる。
上記のように、取付け穴B314,B334,B344を介してミラーホルダB31とミラーストッパB33,B34とがネジ締結されており、これにより、ミラーホルダB31とミラーストッパB33,B34との間に光学ミラーB32が挟持されている。このように、ミラーホルダB31と光学ミラーB32とミラーストッパB33,B34とは、ミラー機構B3として一体化されており、ネジの回転によりリフレクタ保持部B11とミラーストッパB33,B34との距離を変化させることにより、リフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減することができる。そして、角度調整穴B311,331,B341がミラー機構B3のコーナー部に対応して4方向に配置されているため、各角度調整穴B311,331,B341の配置位置におけるリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減させることによって、プロジェクタ機構B2から出射された照射光の進行方向に対する光学ミラーB32の反射角度を微調整することを可能にしている。
また、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31との間には、図示しないバネが設けられている。バネは、後端面がミラーホルダB31の凹部B312に当接されており、前端面がリフレクタ保持部B11の内壁面(後壁面)に当接されることによって、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31とで挟持されている。そして、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111から挿通されたネジが当該バネを貫通している。これにより、ネジの回転に伴ってリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離が広がっても、バネの付勢力により、ネジ頭部がリフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に当接することとなり、ネジ頭部が角度調整穴B111から飛び出してリフレクタ保持部B11とネジとの位置関係が崩れてしまうことを防止することができる。
(表示ユニット100:照射光装置B:プロジェクタカバーB1)
図10に示すように、上記のように構成されたプロジェクタ機構B2及びミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1に収容されている。プロジェクタカバーB1は、水平配置された上壁部B12と、上壁部B12の前側に配置されたリフレクタ保持部B11と、上壁部B12の左右方向において左右対称に配置された側壁部B13,B13とを有している。上壁部B12は、前部が図5のキャビネット61よりも前方に突出されている。上壁部B12の前辺中央部には、リフレクタ保持部B11が前方に突出した形態に形成されており、突出により形成された空間部に上述のミラー機構B3を角度調整可能に保持している。
また、側壁部B13,B13は、下端部から水平方向に突出された突出部B131を有している。突出部B131は、前部側の第1突出部B131aと、後部側の第2突出部B131bとを有している。第1突出部B131aは、プロジェクタカバーB1がキャビネット61に装着されたときに、キャビネット61の開口部に対応する位置に形成されており、キャビネット61の開口部の幅よりも僅かに小さな幅に設定されている。一方、第2突出部B131bは、プロジェクタカバーB1がキャビネット61に装着されたときに、キャビネット61の開口部から後方の空間部に対応する位置に形成されており、後方の空間部の幅よりも僅かに小さな幅に設定されている。即ち、各側壁部B13,B13は、第1突出部B131aの幅よりも第2突出部B131bの幅が広く形成されている。これにより、プロジェクタカバーB1は、キャビネット61における内部空間の大部分を覆うことが可能になっている。
プロジェクタカバーB1の下面側には、複数の孔B151を有した多孔板B15が設けられている。多孔板B15は、金属(例えば、ステンレス、鉄、鋼、アルミ等)製の板に打ち抜き加工を施すことにより複数の孔を開けたパンチングメタルである。複数の孔B151は、多孔板B15の全面において略均等に分散して形成されている。多孔板B15は、多孔板B15の全面において空気を流通可能にしており、プロジェクタ機構B2の排熱機構B23,B24による吸引により下側から上側への空気の流動を可能にしている。孔B151のサイズ及び個数は、外部からプロジェクタカバーB1内を目視できない程度に設定されている。孔B151は、丸、四角、六角形等の形状に形成されており、孔径は、3〜5mm程度となっている。
多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の第1突出部B131a及び第2突出部B131bを下側位置から覆うように形成されている。図12に示すように、多孔板B15は、前部側の上側部B15aと、中部側の傾斜部B15bと、後部側の下側部B15cとを有している。上側部B15aは、水平配置されている。傾斜部B15bは、上側部B15aの後辺から斜め下後方に曲折されることにより形成されている。下側部B15cは、傾斜部B15bの後辺から水平方向に曲折されることにより形成されている。
多孔板B15の上側部B15aは、プロジェクタカバーB1の側壁部B13,B13に取付けられている。これにより、多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の前部を上側部B15aで下側から覆い、プロジェクタカバーB1の中部から後部にかけて傾斜部B15b及び下側部B15cで下側から覆うように配置されている。図10に示すように、多孔板B15の下方には、スクリーン装置Cにおけるフロントスクリーン機構E1が配置されている。
詳細は後述するが、フロントスクリーン機構E1は、照射光による映像の出現を禁止する待機姿勢となる上側に配置されたフロント待機位置と、照射光による映像の出現を許可する露出姿勢となる下側に配置されたフロント露出位置との間を回動可能にされており、待機姿勢におけるフロントスクリーン機構E1は、多孔板B15の傾斜部B15bに略平行に近接した傾斜姿勢にされている。一方、フロントスクリーン機構E1が露出姿勢となったときには、多孔板B15の下方に大きな空間部が出現し、この空間部に存在する空気が流動抵抗のない状態で多孔板B15に到達し、複数の孔B151を通過することによって、スクリーン装置C内への空気の流入を容易にして冷却効率を高めることを可能にしている。
また、多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の下面を覆うように設けられることによって、例えば図13に示すように、前側に位置した遊技者の目線位置がスクリーン装置Cの上下方向及び左右方向の中心部の水平線上に存在し、この目線位置から照射光装置Bを見上げる状態になったとしても、多孔板B15により照射光装置Bの内部を目視されないようにしている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C)
図14に示すように、上記のように構成された照射光装置Bは、スクリーン装置Cの上面にネジ締結により連結されている。これにより、表示ユニット100は、照射光装置Bとスクリーン装置Cとをユニット化して一体的に取り扱うことが可能になっている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10)
スクリーン装置Cは、箱形形状のスクリーン筐体C10を有している。図15にも示すように、スクリーン筐体C10は、水平配置された底板C1と、底板C1の右端部に立設された右側板C2と、底板C1の左端部に立設された左側板C3と、底板C1の後端部に立設された背板C4とを有している。これにより、底板C1に対して右側板C2と左側板C3と背板C4とがネジ締結により連結されることによって、遊技者が位置する前面側と、照射光装置Bが位置する上面側とが開放された箱形形状のスクリーン筐体C10が形成されている。
スクリーン筐体C10を構成する底板C1と右側板C2と左側板C3と背板C4とは、それぞれが独立して所定形状に形成されており、固定スクリーン機構D等の所定の機能部品が取付け可能にされている。これにより、スクリーン装置Cのユニット全体として共通化を図れない場合でも、底板C1と右側板C2と左側板C3と背板C4との板部材単位で共通化することが可能になっている。また、板部材毎の部分的な変更が可能であるため、遊技機1の機種毎に容易に仕様変更することが可能になっている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:底板C1)
具体的に説明すると、スクリーン筐体C10の底板C1は、上面視が長方形の平板形状に形成されている。底板C1の上面には、中央部に配置された中央載置部C11と、中央載置部C11を中心として左右方向に配置された右載置部C12及び左載置部C13とを有している。これらの載置部C11,C12,C13は、凹状に形成されている。中央載置部C11は、固定スクリーン機構Dの下端部が嵌合されることによって、固定スクリーン機構Dを位置決め可能に載置している。右載置部C12及び左載置部C13は、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6の下端部がそれぞれ嵌合されることによって、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6をそれぞれ位置決め可能に載置している。
また、底板C1の前辺部C14は、下方に曲折されることによって、先端部が底板C1の下面よりも下方に位置されている。前辺部C14には、複数の貫通穴C141が形成されている。図5に示すように、前辺部C14は、表示ユニット100がキャビネット61の中間支持板301に載置されながら組み込まれる際に、中間支持板301の前面に当接することによって、キャビネット61内の後方への位置決めを行うことを可能にしている。そして、表示ユニット100は、前辺部C14の貫通穴C141を介してキャビネット61の前面にネジ締結されることによって、キャビネット61の前面側からの表示ユニット100の組み込み作業及び据え付け作業を行うことが可能になっている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:右側板C2、左側板C3)
図15及び図16に示すように、スクリーン筐体C10の右側板C2及び左側板C3は、操作用開口部C21,C31を有している。操作用開口部C21,C31は、取っ手として形成されており、操作用開口部C21,C31に手を引っかけることによって表示ユニット100を持ち運ぶことができるようになっている。操作用開口部C21,C31は、フロントスクリーン駆動機構E2のクランクギアE21,E21の側方に配置されている。操作用開口部C21,C31は、水平方向に長手方向を一致させた長方形状に形成されている。操作用開口部C21,C31の開口面積は、クランクギアE21,E21を外部から人手により操作することができる程度に設定されている。
これにより、表示ユニット100をキャビネット61に組み込んだ後に、待機位置のフロントスクリーン機構E1を手動で移動させる場合は、先ず、上ドア62aが開放されたキャビネット61の前面側から表示ユニット100を取り出す。具体的には、キャビネット61の前面側に位置した作業者がキャビネット61に対する表示ユニット100のネジ締結を解除してネジを取り外す。そして、キャビネット61内に手を伸ばして表示ユニット100の操作用開口部C21,C31を両手で把持し、表示ユニット100をキャビネット61外に取り出す。この後、例えば図17に示すように、取り外した表示ユニット100の一方の操作用開口部C21からスクリーン装置C内に手を伸ばし、操作用開口部C21から水平方向に見えるクランクギアE21を回転させることによって、ロック状態のフロントスクリーン機構E1を待機位置から容易に移動させることができる。フロントスクリーン機構E1のロック状態については後述する。待機位置からの移動によりロック状態が解除されると、フロントスクリーン機構E1を所望の位置に素早く回動させることができる。
なお、上ドア62aを開けた状態で、キャビネット61の開口の前方から、キャビネット61の側面壁302とスクリーン装置Cの右側板C2との間のスペース内に手を伸ばし、操作用開口部C21からクランクギアE21を操作することによって、クランクギアE21を回転させることができる。この場合には、表示ユニット100をキャビネット61外に取り外さなくても、フロントスクリーン機構E1のロック状態を解除することができる。
また、右側板C2には、モータ収容部C22が形成されている。モータ収容部C22は、リールスクリーン駆動機構F2の駆動モータF21を収容している。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:背板C4)
図18に示すように、スクリーン筐体C10の背板C4は、平板状に形成されており、背面に中継基板CKが設けられている。中継基板CKは、表示ユニット100における複数の信号線を集合して表示ユニット100外との配線を一箇所で行うことを可能にしている。中継基板CKは、背板C4の背面に設けられることによって、キャビネット61の背面壁213の前方に配置された状態にされている。即ち、中継基板CKは、キャビネット61の背面壁213とスクリーン筐体C10の背板C4との隙間に配置されている。中継基板CKの下方には、図5に示すように、表示ユニット100を支持する中間支持板301の貫通穴303が配置されており、中継基板CKの信号線が挿通されている。
これにより、中継基板は、スクリーン装置Cの外部に配置されることによって、配線作業が容易化されていると共に、スクリーン装置C内に中継基板CK用の設置スペースを確保することを不要にし、スクリーン装置C内の設計の自由度を拡大させている。
また、図18に示すように、背板C4には、操作用開口部C41が形成されている。操作用開口部C41は、右側下部に配置されており、フロントスクリーン駆動機構E2の中間ギアE23に対向されている。操作用開口部C41は、中間ギアE23を手動で操作可能なサイズに形成されている。これにより、表示ユニット100をキャビネット61に組み込んだ後に、待機位置のフロントスクリーン機構E1を手動で移動させる場合は、先ず、表示ユニット100をキャビネット61から取り外す。この後、操作用開口部C41からスクリーン装置C内に手を伸ばし、操作用開口部C41から水平方向に見える中間ギアE23を回転させることによって、ロック状態のフロントスクリーン機構E1を待機位置から容易に移動させることができる。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン機構)
スクリーン筐体C10の内部には、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させる複数のスクリーン機構が照射対象を切り替え可能に設けられている。具体的には、複数のスクリーン機構として固定スクリーン機構Dとフロントスクリーン機構E1とリールスクリーン機構F1とが設けられている。各スクリーン機構D,E1,F1の詳細な構造は後述する。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン位置関係)
図19に示すように、固定スクリーン機構Dは、照射光の照射方向に存在する固定露出位置に固定状態で設けられている。図20に示すように、フロントスクリーン機構E1は、フロント露出位置とフロント待機位置との間を回動可能に設けられている。固定露出位置とフロント露出位置との位置関係は、フロント露出位置が照射光の照射方向であって且つ固定露出位置よりも前方に存在するように設定されている。これにより、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に移動した場合は、フロントスクリーン機構E1が固定スクリーン機構Dを前方から覆い隠した状態にすることによって、照射光による映像をフロントスクリーン機構E1だけに出現可能にしている。フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に移動した場合は、固定スクリーン機構Dを露出させることによって、照射光による映像を固定スクリーン機構Dに出現可能にしている。
また、図21に示すように、リールスクリーン機構F1は、リール露出位置とリール待機位置との間を回動可能に設けられている。リール露出位置と固定露出位置との位置関係は、リール露出位置が照射光の照射方向であって且つ固定露出位置よりも前方に存在するように設定されている。これにより、リールスクリーン機構F1がリール露出位置に移動した場合は、リールスクリーン機構F1が固定スクリーン機構Dを前方から覆い隠した状態にすることによって、照射光による映像をリールスクリーン機構F1だけに出現可能にしている。リールスクリーン機構F1がリール待機位置に移動した場合は、固定スクリーン機構Dを露出させることによって、照射光による映像を固定スクリーン機構Dに出現可能にしている。
フロント待機位置とリール待機位置との位置関係は、フロント待機位置に存在するフロントスクリーン機構E1とリール待機位置に存在するリールスクリーン機構F1とが干渉しないように設定されている。即ち、フロント待機位置は、固定スクリーン機構Dの上方に配置されている一方、リール待機位置は、固定スクリーン機構Dの後方に配置されている。これにより、フロントスクリーン機構E1の回動距離がリールスクリーン機構F1の回動距離よりも短くされている。
フロントスクリーン機構E1とリールスクリーン機構F1とは、回動による作動領域の重複が最小限になるように、フロントスクリーン機構E1の回動中心軸とリールスクリーン機構F1の回動中心軸とが相違されている。具体的には、フロントスクリーン機構E1の回動中心軸は、リールスクリーン機構F1の回動中心軸よりもフロント待機位置方向となる上方に設定されている。これにより、フロントスクリーン機構E1の移動が最小限に設定されている。
また、フロントスクリーン機構E1とリールスクリーン機構F1とは、少なくとも一方のスクリーン機構E1,F1が待機位置に存在することを条件として回動可能にされている。これにより、スクリーン機構E1,F1同士の回動時における干渉が防止されている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:固定スクリーン機構D)
図15及び図16に示すように、固定スクリーン機構Dは、スクリーン筐体C10の底板C1上にネジ締結により固定されている。固定スクリーン機構Dは、正面反射部D1と右面反射部D2と左面反射部D3と下面反射部D4とを有している。これらの反射部D1〜D4の反射面は、照射光装置Bからの照射光の光軸に対してそれぞれ異なる角度に設定されている。
尚、固定スクリーン機構Dは、照射光の光軸に対して複数の異なる角度の反射面を有する構成であれば、例えば2面や3面、5面の反射部を有してもよいし、或いは、光軸に対して連続的に異なる角度となる、曲率中心点が前面側に位置する湾曲状や円弧状の反射面の反射部を備えていてもよい。
上記の正面反射部D1は、反射面が前側の遊技者に対して対向配置されており、固定スクリーン機構Dの前方上部に配置された照射光装置Bからの反射光の大部分を前方に反射するように設定されている。右面反射部D2及び左面反射部D3は、正面反射部D1の右辺部及び左辺部に接合されており、正面反射部D1を中心として左右対称に配置されている。右面反射部D2及び左面反射部D3は、正面反射部D1における左右方向の幅よりも前端部間の幅が拡大するように配置されている。これにより、右面反射部D2及び左面反射部D3は、反射面に対する照射光の反射方向が正面反射部D1方向に向い易くなることによって、照射光による映像を出現させながら照射光の一部を正面反射部D1方向に反射するようになっている。また、下面反射部D4についても、反射面に対する照射光の反射方向が正面反射部D1方向に向い易くなることによって、照射光による映像を出現させながら照射光の一部を正面反射部D1方向に反射するようになっている。
上記の固定スクリーン機構Dは、反射面の明度が後述のフロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の各反射面の明度よりも低く設定されている。即ち、固定スクリーン機構Dは、照射光が反射面を反射する光量が、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面を反射する光量よりも少なくされている。これにより、固定スクリーン機構Dは、反射部D1〜D4の乱反射による光の混合による白ぼけが防止されている。尚、固定スクリーン機構Dは、正面反射部D1の明度よりも他の反射部D2,D3,D4の明度が低くされていてもよい。この場合には、他の反射部D2,D3,D4における照射光の正面反射部D1への反射を低減できるため、正面反射部D1において映像を強く出現させながら白ぼけを低減することができる。
なお、明度としては、L*a*b*表色系(L*a*b*色空間)やL*u*v*表色系(L*u*v*色空間)におけるBrightnessを採用することができるが、白を基準として、その他の色を相対値で表すことができるのであれば、どのように定義することも可能である。
固定スクリーン機構Dの反射面の明度と、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度とは、固定スクリーン機構Dの反射面の明度が、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度よりも低ければ特に限定されない。例えば、固定スクリーン機構Dの反射面の明度を、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度よりも、5〜25%(又は10〜20%)程度低い値とすればよい。
固定スクリーン機構Dの反射面の明度を、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度よりも低くするためには、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料の色を、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料の色よりも、黒くすればよい。例えば、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料として白色のものを使用し、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料としては、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料に対して黒色顔料が添加されたものを使用すればよい。
このような塗料において、白色顔料(例えば、酸化チタン)と黒色顔料(例えば、カーボンブラック)との割合を異ならせることによって、スクリーン機構の反射面の明度を変化させることができる。例えば、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料には、白色顔料と黒色顔料とのうち白色顔料のみが含まれ、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料には、白色顔料と黒色顔料の双方が含まれるようにしてもよい。また、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料よりも、固定スクリーン機構Dに塗布する塗料の方が、白色顔料に対する黒色顔料の割合が(例えば、5〜25%(又は10〜20%)程度)高くなるようにしてもよい。なお、これらのスクリーン機構の基材に塗布する塗料としては、従来公知のスクリーン用塗料を適宜採用することができ、スクリーンの型(例えば、拡散型や反射型)に応じて調整することができる。
なお、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料に黒色顔料を含ませるのではなく、固定スクリーン機構Dの基材を成形する前に、当該基材の材料となる樹脂中に黒色顔料を分散させることにより、基材自体に色を付け、基材自体の明度を低くしてもよい。
また、光の乱反射を防止するという観点からは、周囲壁(底板C1、右側板C2、左側板C3、及び、背板C4)等、スクリーン筐体C10を構成する部材やスクリーン筐体C10の内部に配置された他の部材(スクリーン以外の部材)の明度も低くすることが望ましい。それらの部材の明度は、固定スクリーン機構Dの反射面の明度よりも低いことが望ましく、例えば、周囲壁については、スクリーンとして映像が投影されることを考慮する必要がないため、明度は低ければ低いほど望ましい。すなわち、周囲壁の色は、黒に近いほど望ましい。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:フロントスクリーン機構E1)
図22に示すように、フロントスクリーン機構E1は、投影面E11aを全面に有した長方形状のフロントスクリーン部材E11と、第1模様面E12a等の模様を両面に有したフロントスクリーン支持台E12とを有している。フロントスクリーン部材E11は、薄板状の平面パネルにスクリーン塗料を塗布することにより形成されている。これにより、フロントスクリーン部材E11は、投影面E11aが平坦状に形成されることによって、照射光の照射時に歪みの無い映像を出現させるようになっている。
一方、フロントスクリーン支持台E12は、フロントスクリーン部材E11を保持する保持凹部E121を有している。保持凹部E121は、フロントスクリーン部材E11の投影面E11aに対して僅かに拡大した状態で相似する開口形状を有しており、フロントスクリーン部材E11全体を収容している。また、保持凹部E121は、深さが深部と浅部との2段階に設定されている。浅部は、フロントスクリーン支持台E12の周縁部に形成された段部E121aと、中心部を通過する短手方向の両端にかけて直線状に形成された段部E121bとで実現されている。
これにより、保持凹部E121に収容されたフロントスクリーン部材E11は、周縁部の段部E121aと中心部を通過する直線状の段部E121bとに当接及び支持され、残りの深部部分から離隔された状態にされている。この結果、深部部分におけるフロントスクリーン支持台E12の変形が、フロントスクリーン部材E11を変形させて投影面E11aに歪みを引き起こすことが防止されている。
また、フロントスクリーン支持台E12は、投影面E11aの周囲の一部領域に第1模様面E12aを有している。第1模様面E12aは、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。さらに、フロントスクリーン支持台E12は、第1模様面E12aとは反対側の面全体に第2模様面E12bを有している。第2模様面E12bは、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。これらの第1模様面E12a及び第2模様面E12bは、例えば遊技の演出に関連した模様が凹凸により立体的に形成されている。
上記のように構成されたフロントスクリーン部材E11とフロントスクリーン支持台E12とは、別個に形成された後に、接着剤で接着されることにより一体化されている。これにより、フロントスクリーン機構E1は、フロントスクリーン支持台E12に模様等を形成する際の成形収縮等によりひけが発生することがあっても、このひけがフロントスクリーン部材E11から機械的に分離した状態で発生するため、フロントスクリーン部材E11における投影面E11aのひけによる歪みの発生を防止することが可能になっている。
なお、フロントスクリーン部材E11とフロントスクリーン支持台E12との固着方法としては、接着剤での接着に限らず、ネジ締結等の任意の方法を採用することができる。
フロントスクリーン部材E11を構成する平面パネル、及び、フロントスクリーン支持台E12は、それぞれ射出成形により作製される。フロントスクリーン部材E11を構成する平面パネル、及び、フロントスクリーン支持台E12の材料としては、射出成形を行った場合にひけが発生し得る熱可塑性樹脂(例えば、ABS樹脂等)を適宜採用することができる。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:フロントスクリーン駆動機構E2)
上記のフロントスクリーン機構E1は、フロントスクリーン駆動機構E2の駆動力により回動可能にされている。図15及び図16に示すように、フロントスクリーン駆動機構E2は、フロントスクリーン機構E1の左端部下面に連結された左フロントスクリーン駆動機構E2Aと、フロントスクリーン機構E1の右端部下面に連結された右フロントスクリーン駆動機構E2Bとを有している。
図23及び図24に示すように、右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、クランク部材E22とクランクギアE21と中間ギアE23とモータ軸ギアE24と駆動モータE25とを有している。右フロントスクリーン駆動機構E2Bにおけるクランク部材E22は、上端部(一端部)がフロントスクリーン機構E1の右端部下面に連結されている。図25に示すように、クランク部材E22は、中間位置E22aにおいて図15の右可動体ベースC5に回転自在に軸支されている。これにより、クランク部材E22は、中間位置E22aを回転中心として上端部及び下端部(他端部)を回動可能にしている。
クランク部材E22は、中間位置E22aから上端部側の上側領域と、中間位置E22aから下端部側の下側領域とを有している。図25のようにクランク部材E22を側面視したとき、上側領域における中心線(中間位置E22aと、クランク部材E22の上端辺における中点とを通過する直線)は、待機姿勢において上下方向となるように設定されている。一方、下側領域における中心線(中間位置E22aと、クランク部材E22の下端辺における中点とを通過する直線)は、待機姿勢において下側が上側よりも前側に傾斜するように設定されている。
クランク部材E22の下側領域には、スライド溝E22bが形成されている。スライド溝E22bは、溝壁面E22b1が側面視U字形状となるように形成されている。該U字は、2つの直線部と、該2つの直線部の端部同士を結んだ曲線部とから構成されている。2つの直線部は、平行に形成されており、スライド溝E22bは、溝壁面E22b1の上記直線部に相当する面が下側領域の中心線に平行に設定されている。スライド溝E22bには、スライド部材E26が移動自在に係合されている。スライド溝E22bの溝幅(上記2つの直線部間の距離)は、スライド部材E26の部材幅にほぼ一致されており、移動時において摺動するように設定されている。即ち、スライド部材E26は、常時、スライド溝E22bの溝壁面E22b1に当接状態にされている。また、スライド溝E22bの上端部は、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢である場合において、スライド部材E26が上端面(上記曲線部に相当する面)に当接するように設定されている。一方、スライド溝E22bの下端部は、スライド部材E26の一部を露出可能に開放状態にされている。
上記のスライド部材E26は、クランクギアE21の偏心位置E21bに回転自在に軸支されている。クランクギアE21の回転中心位置E21aは、図24の右可動体ベースC5に回転自在に軸支されている。クランクギアE21の回転中心位置E21aは、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ線分が、クランク部材E22における中間位置E22aとスライド部材E26の中心点とを結ぶ線分に対して直交する関係を有するように設定されている。
これにより、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合においては、クランク部材E22の下側領域を回動させる方向に力が働いても、この力の全成分の付与方向に回転中心位置E21aが存在し、固定端として作用するため、スライド部材E26が移動することはない。この結果、クランク部材E22の中間位置E22aとクランクギアE21の回転中心位置E21aとを固定端とし、スライド部材E26を自由端とする0自由度の三節リンクによるトラス構造が形成されるため、フロントスクリーン機構E1を手で押した場合でも、クランク部材E22及びクランクギアE21が強固なブレーキとして作用することによって、フロントスクリーン機構E1が動くことはない。
上記のクランクギアE21には、中間ギアE23が噛合されている。中間ギアE23には、モータ軸ギアE24が噛合されている。モータ軸ギアE24は、駆動モータE25の駆動軸が接続されている。これにより、右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、駆動モータE25の回転駆動力をモータ軸ギアE24及び中間ギアE23を介してクランクギアE21に伝達可能にされている。
ここで、クランクギアE21に付与された回転駆動力の全成分は、スライド部材E26の旋回軌跡の接線方向に一致する。また、図26及び図28に示すように、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ線分が、クランク部材E22における中間位置E22aとスライド部材E26の中心点とを結ぶ線分に対して直交する関係を有するように設定されているため、旋回軌跡の接線方向がクランク部材E22のスライド溝E22bの溝壁面に平行となっている。これにより、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、クランクギアE21に回転駆動力が付与されると、スライド部材E26の移動方向(接線方向)に反力となる溝壁面が存在しないため、クランクギアE21が容易に回転を開始する。
クランクギアE21に回転駆動力が付与された場合は、偏心位置E21bに設けられたスライド部材E26がスライド溝E22bとの摺動によりスライド溝E22bに沿って移動自在にされているため、クランク部材E22の中間位置E22aとクランクギアE21の回転中心位置E21aとを固定端とし、スライド部材E26を溝壁面に沿って移動自在の自由端にした1自由度の二節リンクが形成される。そして、スライド部材E26が回動すると、スライド部材E26が係合されたスライド溝E22bを備えたクランク部材E22が中間位置E22aを支点として回動し、クランク部材E22の上側領域を回動させることになる。この結果、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置及びフロント露出位置間を移動することになる。
また、フロントスクリーン機構E1の移動速度は、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において停止状態0であり、徐々に増速し、待機姿勢及び露出姿勢間の中間姿勢(図27)において最大速度となった後、徐々に減速し、露出姿勢及び待機姿勢になったときに停止状態0になる。これにより、クランクギアE21の角加速度が小さな状態(慣性モーメント)で回動を開始及び停止させることができるため、クランクギアE21に必要なトルクを小さくすることが可能になり、結果として駆動機構(中間ギアE23、モータ軸ギアE24、駆動モータE25)の過負荷による故障や消耗を低減することが可能になっている。
図15に示すように、上記のように構成された右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、モータ軸ギアE24と駆動モータE25とを除いて、左フロントスクリーン駆動機構E2Aと同一構成とされている。そして、左フロントスクリーン駆動機構E2Aと右フロントスクリーン駆動機構E2Bとは、左右対称に配置されている。左フロントスクリーン駆動機構E2AのクランクギアE21と右フロントスクリーン駆動機構E2BのクランクギアE21とは、シャフト部材E3を介して連結され、駆動モータE25の回転駆動力が均等に付与されるようになっている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:リールスクリーン機構F1)
図15及び図16に示すように、リールスクリーン機構F1は、湾曲形状の平板からなるリールスクリーン部F11と、リールスクリーン部F11の左端に接続された左リールスクリーン支持部F12と、リールスクリーン部F11の右端に接続された右リールスクリーン支持部F13とを有している。
リールスクリーン部F11は、回動方向に近似した形状に湾曲されており、回動中心側である裏面に模様が形成されている。この裏面の模様は、リールスクリーン機構F1がリール待機位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。また、リールスクリーン部F11の表面は、周縁部に模様が形成されていると共に、周縁部の内周領域が投影面とされている。投影面は、リールスクリーン機構F1がリール露出位置に位置されたときに、照射光の照射により映像を出現可能になっている。
左右のリールスクリーン支持部F12,F13の一端部は、リールスクリーン部F11に接続されている。一方、リールスクリーン支持部F12,F13の他端部は、図示しない突出部をそれぞれ有している。突出部は、各リールスクリーン支持部F12,F13の外側に水平方向に突出されており、リールスクリーン駆動機構F2に連結されることによって、リールスクリーン機構F1の回動中心軸とされている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン装置による演出)
本実施形態のパチスロ機1では、以上説明した表示ユニット100を用いて様々な演出を実行する。具体的には、パチスロ機1では、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させる複数のスクリーン機構を切り替えることで、平面状の映像表示を用いた演出、奥行き感(立体感)のある映像表示を用いた演出、及び、湾曲した映像表示を用いた演出を実行することができる。
例えば、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させるスクリーン機構を、フロントスクリーン機構E1に切り替えた場合、平坦状の投影面E11aに映像を出現させることで、照射光の照射時に歪みの無い映像を出現させることができ、この平面的な映像を用いた演出を実行することができる。
また、例えば、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させるスクリーン機構を、固定スクリーン機構Dに切り替えた場合、固定スクリーン機構Dが有する複数の反射部により、奥行き感(立体感)のある映像を出現させることができ、この奥行き感のある映像を用いた演出を実行することができる。
また、例えば、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させるスクリーン機構を、リールスクリーン機構F1に切り替えた場合、湾曲形状の平板からなるリールスクリーン部F11に映像を出現させることで、湾曲した映像を出現させることができ、この湾曲した映像を用いた演出を実行することができる。
[第1サブ表示装置の表示例]
続いて、第1サブ表示装置201に表示される表示画面について説明する。図29は、第1サブ表示装置201に表示される表示画面の一部を示す図である。図29に示すように、第1サブ表示装置201には、トップ画面211、メニュー画面212及び遊技情報画面213,214,215を含む複数の表示画面が表示される。これら複数の表示画面は、タッチセンサ201aを介して受け付けた遊技者の操作に応じて切り替えられる。
トップ画面211は、第1サブ表示装置201に表示される表示画面のうちの初期画面であり、メニューボタン211aと概要遊技履歴211bとを表示する。メニューボタン211aは、遊技者により操作(タップ)されることで、メニュー画面212を呼び出す操作ボタンである。概要遊技履歴211bは、パチスロ機1における遊技履歴のうちの一部の遊技履歴(概要遊技履歴)を表示する。本実施形態では、概要遊技履歴として、例えば、パチスロ機1におけるボーナス回数、ART回数、及びゲーム数(遊技回数)を表示する。
メニュー画面212は、第1サブ表示装置201に表示される表示画面のメニューであり、戻るボタン212aと、登録ボタン212bと、説明ボタン212cと、配列配当ボタン212dと、リーチ目ボタン212eと、WEBサイトボタン212fと、音量ボタン212gとを表示する。戻るボタン212aは、遊技者により操作されることで、トップ画面211を呼び出す操作ボタンである。また、登録ボタン212b〜音量ボタン212gは、遊技者により操作されることで対応する表示画面を呼び出す操作ボタンである。
例えば、登録ボタン212bが遊技者により操作された場合、遊技中の遊技者を登録する登録画面(図示せず)が呼び出される。近年のパチスロ機では、機種ごとに遊技者を登録しておき、当該遊技者のこれまでの遊技履歴から、定められたミッションの達成状況などの様々な情報を管理するサービスが広く行われている。登録ボタン212bにより呼び出される登録画面は、このサービスの提供を受ける際に遊技者を登録するための表示画面である。
また、説明ボタン212cが遊技者により操作された場合、パチスロ機1の説明画面(図示せず)が呼び出される。説明画面で説明する内容としては、例えば、設定値ごとのボーナス当籤確率やART当籤確率などのパチスロ機1の仕様に関する説明の他、パチスロ機1の演出に登場するキャラクタの紹介などが含まれる。
また、配列配当ボタン212dが遊技者により操作された場合、パチスロ機1の配列配当画面(図示せず)が呼び出される。配列配当画面には、例えば、パチスロ機1において入賞と判定される図柄の組合せと入賞と判定された際の特典との対応関係(配当表)や、リール3L,3C,3Rに描かれた図柄列(リール配列)などが表示される。
また、リーチ目ボタン212eが遊技者により操作された場合、パチスロ機1のリーチ目画面(図示せず)が呼び出される。リーチ目画面には、パチスロ機1におけるリーチ目が表示される。なお、リーチ目は、有効ラインに沿って表示されることで、特別な特典が付与される図柄の組合せであり、本実施形態のパチスロ機1では、図35及び図36に示すリーチ目リプの図柄の組合せが該当する。本実施形態のパチスロ機1では、リーチ目リプの図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合には、その後、遊技者にとって有利な状態(例えば、ボーナス状態、通常ART又はCT(図33参照))に移行することが確定していることになっている。
また、WEBサイトボタン212fが遊技者により操作された場合、パチスロ機1のWEB紹介画面(図示せず)が呼び出される。WEB紹介画面には、パチスロ機1の機種ごとに設けられた特設WEBサイトやパチスロ機1のメーカーのWEBサイトなど任意のWEBサイトのURLを示す二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))が表示される。遊技者は、携帯電話などでWEB紹介画面に表示される二次元コードを読み込むことで、対応するWEBサイトにアクセスすることができる。
また、音量ボタン212gが遊技者により操作された場合、スピーカ9L,9Rから出力する音の音量を調整する音量調整画面(図示せず)が呼び出される。遊技者は、音量調整画面を介してパチスロ機1の演出音の音量を調整することができる。
ここで、第1サブ表示装置201は、演出を行う表示ユニット100とは別体に設けられるため、表示ユニット100とは別に制御することができ、遊技中(すなわち、表示ユニット100で演出を実行中)であっても、第1サブ表示装置201の表示を切り替えることができる。遊技者にとってみると、例えば、表示ユニット100における演出に登場するキャラクタを知りたいことがあり、このような場合に、説明ボタン212cを操作し説明画面を呼び出すことで、キャラクタ間の関係性などを遊技中に把握することができる。また、遊技者にとってみると、いわゆるレア役が当籤した場合のリール回転中にレア役を入賞させるために目安とすべき図柄の把握を望むことがあり、このような場合に、配列配当ボタン212dを操作し配列配当画面を呼び出すことで、リール配列を把握することができる。
遊技情報画面213,214,215は、パチスロ機1の遊技履歴のうちのトップ画面に表示する概要遊技履歴を含む詳細遊技履歴を表示する表示画面である。遊技情報画面213は、戻るボタン213aと、メニューボタン213bと、前へボタン213cと、次へボタン213dと、遊技履歴213eとを表示する。戻るボタン213a及びメニューボタン213bは、遊技者により操作されることで、それぞれトップ画面211及びメニュー画面212を呼び出す操作ボタンである。また、前へボタン213c及び次へボタン213dは、遊技者により操作されることで、遊技情報画面を切り替える操作ボタンであり、前へボタン213cが操作されると、遊技情報画面213から遊技情報画面215に表示画面が切り替わり、また、次へボタン213dが操作されると、遊技情報画面213から遊技情報画面214に表示画面が切り替わる。また、遊技履歴213eは、パチスロ機1におけるボーナス回数、ART回数、及びゲーム数(遊技回数)を表示する。
遊技情報画面214は、戻るボタン214aと、メニューボタン214bと、前へボタン214cと、次へボタン214dと、遊技履歴214eとを表示する。戻るボタン214a及びメニューボタン214bは、遊技者により操作されることで、それぞれトップ画面211及びメニュー画面212を呼び出す操作ボタンである。また、前へボタン214c及び次へボタン214dは、遊技者により操作されることで、所定の順序で遊技情報画面を切り替える操作ボタンである。また、遊技履歴214eは、パチスロ機1におけるCZ(チャンスゾーン)の突入回数及び成功回数を表示する。なお、後述するように本実施形態では、CZとしてCZ1,CZ2,CZ3を有するため、遊技履歴214eには、CZ1〜3のそれぞれの突入回数及び成功回数が表示される。
遊技情報画面215は、戻るボタン215aと、メニューボタン215bと、前へボタン215cと、次へボタン215dと、遊技履歴215eとを表示する。戻るボタン215a及びメニューボタン215bは、遊技者により操作されることで、それぞれトップ画面211及びメニュー画面212を呼び出す操作ボタンである。また、前へボタン215c及び次へボタン215dは、遊技者により操作されることで、所定の順序で遊技情報画面を切り替える操作ボタンである。また、遊技履歴215eは、パチスロ機1におけるいわゆる小役の当籤回数及び当籤確率(分子が1の分数)を表示する。
なお、第1サブ表示装置201に表示される表示画面は、それぞれの表示画面に表示される操作ボタンに対するタップ操作に基づいて切り替えることとしてもよく、また、表示画面に対するスワイプ操作に基づいて切り替えることとしてもよい。
[パチスロ機が備える回路の構成]
パチスロ機1の構造についての説明は以上である。次に、図30及び図31を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ機1は、主制御基板71、副制御基板72及びこれらと電気的に接続する外部集中端子板73や周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御基板>
図30は、本実施の形態におけるパチスロ機1の主制御基板71を主とする電気的な構成を示す。
(マイクロコンピュータ)
主制御基板71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブルなどのデータテーブル、副制御基板72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータなどが記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役などの各種データを格納する格納領域が設けられる。
(乱数発生器など)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。
メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から用途に応じて少なくとも一つの値を抽出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L、49C、49R及びメダル払出装置(以下、ホッパーという)40がある。また、マイクロコンピュータ30の入出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するためのモータ駆動回路39やホッパー駆動回路41、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51、外部集中端子板73及びドア中継基板74などの各種回路や各種基板が接続されている。
モータ駆動回路39は、図柄変動手段を構成し、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御する。すなわち、モータ駆動回路39は、所定の開始条件の成立に基づき、各リール3L、3C、3Rを回転させることにより各リール3L、3C、3Rに表示された図柄を変動させる。
リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L、3C、3Rに応じて検出する。ここで、リールインデックスとは、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示す情報である。
ステッピングモータ49L、49C、49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L、3C、3Rに伝達される。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L、3C、3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してから各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU31は、各リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
次いで、各リール3L、3C、3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して出力されたパルスの数は、メインRAM33に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM33に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L、3C、3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出回路50によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態において、メインCPU31は、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L、3C、3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に払い出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
(外部集中端子板)
外部集中端子板73は、主制御基板71からのメダルの投入/払出枚数、遊技回数、ボーナスの作動有無情報などの信号が入力されるとともに、それらの信号を遊技回数やボーナス作動回数などを表示する外部表示器や、遊技場のホストコンピュータに出力する。外部表示器は、例えばパチスロ機1の上方に設置され、遊技回数の進行やボーナス作動と連動して表示を更新したり、ランプなどによりボーナス作動を報知したりするものである。
ここで、メダル投入信号は、メダル投入を認識可能とする信号であって、スタートレバー6の操作時に出力される。メダル払出信号は、メダル払出又は再遊技を認識可能とする信号であって、メダル払出(クレジット貯留含む)時、又は再遊技作動時に出力される。
(ドア中継基板)
ドア中継基板74は、主制御基板71と、各種のボタンやスイッチ及び情報表示器14との配線を中継する基板である。また、ドア中継基板74は、副中継基板75を介して副制御基板72と接続されている。なお、ドア中継基板74は、副中継基板75に対してのみ情報を送信可能に接続されており、副中継基板75から情報が送信されないようになっている。これにより、主制御基板71と副制御基板72との間は、主制御基板71から副制御基板72に対してのみ情報を送信可能な一方向通信とされる。
このドア中継基板74には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、メダルセンサ42S、MAXベットスイッチ11S、1ベットスイッチ(図示せず)及び精算スイッチ13Sが接続されている。
スタートスイッチ6Sは、開始操作検出手段を構成し、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。また、ストップスイッチ7Sは、停止操作検出手段を構成し、3つのストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、MAXベットスイッチ11Sは、MAXベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、1ベットスイッチは、1ベットボタンが遊技者により押されたことを検出する。メインCPU31は、メダルセンサ42S、あるいはMAXベットスイッチ11S及び1ベットスイッチの検出結果に基づき有効ラインを有効化する。また、精算スイッチ13Sは、精算ボタン13が遊技者により押されたことを検出する。
また、ドア中継基板74には、ストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれ内部に設けられ、これらの受付け状態を表示するストップボタン内部LED107L、107C、107Rと、メダル枚数や有利な停止操作を一義的に報知する情報表示器14(指示モニタ)とが接続されている。
<副制御基板>
図31は、本実施の形態におけるパチスロ機1の副制御基板72を主とする電気的な構成を示す。副制御基板72は、主制御基板71と電気的に接続されており、主制御基板71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行などの処理を行う。
副制御基板72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ロムカートリッジ基板82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85及びドライバ86を含む。
サブCPU81は、主制御基板71から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、ロムカートリッジ基板82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御基板71との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて表示ユニット100による映像の表示を制御するための描画制御タスク、各種LED101による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御するための音声制御タスクなどのプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域などの各種記憶領域が含まれる。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される内部当籤役などの各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御基板72には、図30及び図31に示すように、表示ユニット100、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202が所定の中継基板を介して接続される。例えば、副制御基板72は、役物中継基板(図示せず)を表示ユニット100と接続され、また、液晶中継回路(図示せず)を介して第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202と接続される。表示ユニット100、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、副制御基板72の制御のもとそれぞれ個別に制御される。
また、図30に示すように、主制御基板71と副制御基板72との間には、副中継基板75が設けられ、主制御基板71と副制御基板72とを接続する配線を中継する。また、副中継基板75は、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された複数の基板とを接続する配線を中継することで、副制御基板72と各種周辺装置とを接続する。例えば、副中継基板75は、LED基板(図示せず)を介して副制御基板72と各種LED101、リール照明器102及びベットボタンLED103とを接続する。また、副中継基板75は、サウンドI/O基板(図示せず)を介して副制御基板72とスピーカ9L、9Rとを接続し、タッチセンサ中継基板(図示せず)を介して副制御基板72とタッチセンサ201aとを接続する。
[パチスロ機の遊技状態の遷移フロー]
次に、図32及び図33を参照しながら、本実施形態のパチスロ機1の主制御基板71(メインCPU31)により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
<基本的な遊技状態の遷移フロー>
本実施形態では、主制御基板71は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する。図32に示すように、主制御基板71は、ボーナス(F_BB1,2)の当籤/作動の有無に基づいて、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態及びボーナス状態を区別する。具体的には、ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、フラグ間状態は、ボーナス当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。
なお、ボーナスの当籤の有無は、メインRAM33に設けられる内部当籤役格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理され、ボーナスの作動の有無は、メインRAM33に設けられる遊技状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理される。ここで、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、ボーナスが作動するまで複数回の遊技にわたりボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越される。フラグ間状態は、ボーナス役が内部当籤役として持ち越されている状態である。
また、主制御基板71は、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態〜RT5遊技状態の6種類の状態を設ける。なお、RT0遊技状態、RT2遊技状態及びRT5遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、RT1遊技状態はリプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が中程度の中確率となる遊技状態である。また、RT3遊技状態及びRT4遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態である。
これらRT0遊技状態〜RT5遊技状態は、メインRAM33に設けられる遊技状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理される。具体的には、パチスロ機1では、RT1遊技状態フラグ〜RT5遊技状態フラグの5つのフラグを有し、これらフラグのオン/オフをメインRAM33で管理することでRT遊技状態を管理する。より具体的には、主制御基板71は、オンであるRT遊技状態フラグに応じたRT遊技状態を現在のRT遊技状態として特定する。なお、全てのRT遊技状態フラグがオフである場合には、主制御基板71は、現在のRT遊技状態がRT1遊技状態であると特定する。
図32に示すように、主制御基板71は、(1)ボーナス非当籤状態においてボーナスに係る役(F_BB1,2)が内部当籤役として決定されると、ボーナス非当籤状態からフラグ間状態に遊技状態を移行させる。そして、主制御基板71は、(2)フラグ間状態においてボーナスに係る役が入賞すると、フラグ間状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。
また、主制御基板71は、(3)ボーナス状態において規定枚数(216枚)を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了し、ボーナス状態からRT1遊技状態に遊技状態を移行させる。このRT1遊技状態では、主制御基板71は、(4)20ゲームが経過すると、RT1遊技状態からRT0遊技状態に遊技状態を移行させ、20ゲームが経過する前に(5)ベルこぼし目が表示されると、RT1遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。また、RT0遊技状態では、主制御基板71は、(5)ベルこぼし目が表示されると、RT0遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。
また、主制御基板71は、(6)RT2遊技状態においてRT3移行リプが表示されると、RT2遊技状態からRT3遊技状態に遊技状態を移行させ、(7)RT3遊技状態においてRT4移行リプが表示されると、RT3遊技状態からRT4遊技状態に遊技状態を移行させる。また、主制御基板71は、(8)RT3遊技状態においてベルこぼし目又はRT2移行リプが表示されると、RT3遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させ、同様に、RT4遊技状態においてベルこぼし目又はRT2移行リプが表示されると、RT4遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。
ここで、ベルこぼし目は、後述する押し順ベル(F_3択ベル_1st、F_3択ベル_2nd、F_3択ベル_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、押し順ベルの種別ごとに定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT2移行リプは、後述する維持リプ(F_維持リプ_1st、F_維持リプ_2nd、F_維持リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、維持リプの種別ごとに定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT3移行リプは、後述するRT3リプ(F_RT3リプ_1st、F_RT3リプ_213、F_RT3リプ_231、F_RT3リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、RT3リプの種別ごとに定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT4移行リプは、後述するRT4リプ(F_RT4リプ_123、F_RT4リプ_132、F_RT4リプ_2nd、F_RT4リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、RT4リプの種別ごとに定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。
<報知の有無に関する遊技状態の遷移フロー>
以上のようにパチスロ機1は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する一方で、遊技者にとって有利な停止操作を報知するか否かなどに基づいて遊技状態を管理する。図33は報知の有無に関する遊技状態の遷移フローを示す図である。
図33に示すように、パチスロ機1の主制御基板71は、報知の有無に基づいて一般遊技状態とART遊技状態とを区別する。一般遊技状態は、基本的には、遊技者にとって有利な停止操作の内容を報知しない遊技状態(非ART)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。反対に、ART遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作を報知する遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。本実施形態のパチスロ機1では、遊技者は、一般遊技状態から(状況に応じてボーナス状態を挟みながら)、遊技者にとって有利なART遊技状態に移行するように遊技を行っていくことになる。
一般遊技状態は、RT0〜RT4遊技状態のうちARTに非当籤の遊技状態である。図33に示すように、一般遊技状態は、通常遊技状態及びCZ(チャンスゾーン)により構成される。通常遊技状態及びCZは、移行先の遊技状態がそれぞれ異なる遊技状態であり、本実施形態のパチスロ機1では、通常遊技状態からCZに移行し、CZからART遊技状態に移行することで、遊技が行われる。
通常遊技状態は、パチスロ機1において最も不利な遊技状態であり、図33に示すように、通常遊技状態からはCZに移行する可能性がある。具体的には、通常遊技状態ではCZへの移行抽籤を行っており、(A)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常遊技状態からCZに遊技状態を移行させる。
CZは、ART遊技状態に移行することについての期待度が高い遊技状態(チャンスゾーン)であり、図33に示すように、CZからは通常遊技状態又はART遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、CZではARTへの移行抽籤を行っており、(B)この移行抽籤に非当籤すると、主制御基板71は、CZから通常遊技状態に遊技状態を移行させ、(C)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、CZからART準備中を経由してART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行させる。
ここで、パチスロ機1において、ART遊技状態は、基本的にはRT4遊技状態のうちARTに当籤中の遊技状態であり、ART当籤後にRT遊技状態がRT4遊技状態まで移行すると開始する。図32に示すように、RT4遊技状態は、RT0〜RT2遊技状態からRT3遊技状態を経由して移行することになるため、ART当籤後であってもすぐにART遊技状態が開始されるわけではない。そこで、パチスロ機1では、ART当籤後のRT4遊技状態に移行するまでの間をART準備中とし、このART準備中においてRT4遊技状態に移行するために必要な停止操作を報知する。
続いて、ART遊技状態は、基本的にはRT4遊技状態のうちARTに当籤中の遊技状態である。図33に示すように、ART遊技状態は、通常ART及びCTにより構成される。通常ART及びCTは、それぞれ遊技性が異なる遊技状態であり、通常ARTは、所定ゲーム数の間、遊技者にとって有利な停止操作(例えば、払い出されるメダルの枚数が多い図柄の組合せを表示させるための停止操作や、RT4遊技状態を維持するために必要な停止操作)を報知する遊技状態であり、CTは、遊技者にとって有利な停止操作を報知するとともに、通常ARTの継続期間を上乗せする上乗せチャンスゾーンとして機能する遊技状態である。なお、CT中は、通常ARTの継続期間を消化せずに遊技が行われる。
図33に示すように、通常ARTからはCT又は一般遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、通常ARTではCTへの移行抽籤を行っており、(D)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常ARTからCTに遊技状態を移行させる。また、通常ARTは、継続期間が管理されており、(E)この継続期間が終了すると、主制御基板71は、通常ARTから一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)に遊技状態を移行させる。なお、通常ARTの継続期間の管理方法は任意であるが、本実施形態のパチスロ機1では、ゲーム数により継続期間を管理する。もちろん、ゲーム数ではなく、通常ART中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により継続期間を管理することとしてもよく、また、通常ART中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により継続期間を管理することとしてもよい。
図33に示すように、CTからは通常ARTに移行する可能性がある。具体的には、CTは、継続期間が管理されており、(F)この継続期間が終了すると、主制御基板71は、CTから通常ARTに遊技状態を移行させる。本実施形態のパチスロ機1では、CTは、1セット8ゲームの継続期間により管理されるが、詳しくは後述する(図63参照)。
また、図33に示すように、一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)及びART遊技状態(通常ART又はCT)からは、ボーナス状態に移行する可能性がある。具体的には、図32に示すように、(2)一般遊技状態及びART遊技状態においてボーナスに係る役が入賞すると、主制御基板71は、一般遊技状態又はART遊技状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。
ボーナス状態では、ARTへの移行抽籤を行っており、(G)この移行抽籤に非当籤すると、主制御基板71は、ボーナス状態から一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)に遊技状態を移行する(ただし、ART遊技状態(通常ART又はCT)からボーナス状態に移行していた場合には、移行抽籤に非当籤しても、主制御基板71は、ボーナス状態からART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行する)。また、(H)ボーナス状態中の移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、ボーナス状態からART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行する。なお、上述のように、ボーナス状態が終了した場合には、RT1遊技状態に移行するため、ボーナス状態からART遊技状態に遊技状態を移行する場合には、主制御基板71は、ART準備中を経由してART遊技状態に遊技状態を移行する。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、図34〜図74を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図34に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「白7」、「青7」、「チリ上1」、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」を含んでいる。
図34に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4の中段に位置する図柄(表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、20個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「19」を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4の中段を基準にすることで、表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3Rごとに特定することができる。
<図柄コード表>
また、図34に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図34に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「白7」、「青7」、「チリ上1」、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」の10種類である。
図柄コード表では、「白7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「青7」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「チリ上1」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。
同様に、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」の各図柄(図柄コード4〜10)に対しても、データとして「00000100」から「00001010」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図35〜図38を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM33に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスゲーム(役物連続差動装置)の作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報が規定される。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。本実施形態では、1バイトの格納領域を22個用いることで、それぞれの図柄の組合せを判別する。例えば、図35に示す「C_BB1」は、格納領域0のビット1に1が格納されることで判別される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、有効ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。例えば、図37を参照すると、コンビネーション名「C_9枚A_01」が表示された場合には、9枚のメダルが払い出されることになる。
また、図柄組合せテーブル中の内容欄は、それぞれの図柄の組合せの役割や、それぞれの図柄の組合せの特徴を示す。図35を参照して、例えば、コンビネーション名「C_BB1」「C_BB2」は、BBに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、遊技状態がボーナス状態に移行する(図32参照)。
また、コンビネーション名「R_RT移行目A_01」〜「R_RT移行目B_02」は、ベルこぼし目である。有効ラインに沿ってベルこぼし目が表示されると、RT遊技状態がRT2遊技状態に移行する(図32参照)。
また、コンビネーション名「C_維持リプA_01」〜「C_維持リプG_01」は、リプレイである。リプレイは、表示窓4に表示されるボトムライン、トップライン又はクロスダウンラインの3つのラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってリプレイが表示されると、再遊技の作動が行われる。
また、コンビネーション名「C_RT2リプA_01」、「C_RT2リプA_02」は、RT2移行リプである。RT2移行リプは、表示窓4に表示されるクロスアップラインに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってRT2移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT2遊技状態に移行する(図32参照)。
また、コンビネーション名「C_RT3リプ_01」は、RT3移行リプである。RT3移行リプは、表示窓4に表示されるセンターライン(有効ライン)に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってRT3移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT3遊技状態に移行する(図32参照)。
また、コンビネーション名「C_RT4リプA_01」〜「C_RT4リプD_02」は、RT4移行リプである。有効ラインに沿ってRT4移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT4遊技状態に移行する(図32参照)。
また、コンビネーション名「C_チリリプA_01」〜「C_1確チリリプD_01」は、チリリプである。チリリプは、表示窓4にチリ図柄が表示される図柄の組合せである。ここで、図34に示すように、本実施形態では、各リール上に図柄「チリ上1」と図柄「チリ下」とを連続して配置している。チリ図柄とは、図柄「チリ上1」と図柄「チリ下」とを一つの図柄として捉えた場合の名称である。有効ラインに沿ってチリリプが表示されると、再遊技の作動が行われる。
なお、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプA_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの一つのリールにのみチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、以下では「単チリリプ」と呼ぶことがある。また、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプB_01」「C_チリリプC_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの二つのリールにチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、以下では「2連チリリプ」と呼ぶことがある。また、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプD_01」〜「C_1確チリリプD_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rの全てにチリ図柄が表示される図柄の組合せ(又は当該図柄の組合せを表示させるための停止操作に失敗した際に(いわゆる、目押ミス時)に表示される図柄の組合せ)であり、以下では「3連チリリプ」と呼ぶことがある。
また、コンビネーション名「C_リーチ目リプA_01」〜「C_リーチ目リプP_02」は、リーチ目リプである。リーチ目リプは、いわゆるリーチ目であり、表示窓4Lに特別な図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。例えば、コンビネーション名「C_リーチ目リプA_01」は、トップラインに沿って「白7−白7−白7」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってリーチ目リプが表示されると、再遊技の作動が行われる。
また、コンビネーション名「C_RB役A_01」〜「C_RB役G_02」は、BB中9枚出目である。有効ラインに沿ってBB中9枚出目が表示されると、9枚のメダルが払い出される。なお、BB中9枚出目のうち、コンビネーション名「C_RB役C_01」、「C_RB役C_02」を除く図柄の組合せは、表示窓4に表示される5本のラインのいずれかに7図柄(図柄「白7」又は図柄「青7」)が3つ並んで表示される図柄の組合せ(又は当該図柄の組合せを表示させるための停止操作に失敗した際に表示される図柄の組合せ)であり、以下では「BB中7揃い」と呼ぶことがある。一方、コンビネーション名「C_RB役C_01」、「C_RB役C_02」は、5本のラインのいずれかに7図柄が2つ並んで表示される図柄の組合せであり、以下では「BB中7煽り」と呼ぶことがある。
また、コンビネーション名「C_9枚A_01」〜「C_9枚H_04」は、ベルである。ベルは、表示窓4に表示される5本のラインのいずれかに「帽子−帽子−帽子」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってベルが表示されると、9枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_1st_A_01」〜「C_2nd_B_04」は、1枚出目である。有効ラインに沿って1枚出目が表示されると、1枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_SP1_01」「C_SP2_01」は、確定出目である。有効ラインに沿って確定出目が表示されると、1枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_3枚A_01」〜「C_3枚F_01」は、サボテンである。有効ラインに沿ってサボテンが表示されると、3枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_弱2枚A_01」〜「C_弱2枚B_03」は、弱チェリーであり、コンビネーション名「C_強2枚A_01」〜「C_強2枚C_09」は、強チェリーである。有効ラインに沿って弱チェリー又は強チェリーが表示されると、2枚のメダルが払い出される。
<内部抽籤テーブル>
続いて、図39及び図40を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態ごとに設けられ、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。図39は、RT0遊技状態〜RT4遊技状態のそれぞれにおいて参照される内部抽籤テーブルであり、図40は、RT5遊技状態又はボーナス状態において参照される内部抽籤テーブルである。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられた役が内部当籤役として決定される確率が高い。すなわち、各番号の当籤確率は、「各番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
内部抽籤テーブルは、基本的には、RT遊技状態の種別に応じて内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が変化する。図39に示すRT0遊技状態〜RT4遊技状態の内部抽籤テーブルを比較すると、それぞれの遊技状態において内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が異なることが分かる。最も特徴的な点として、本実施形態のパチスロ機1では、「F_チリリプ(No.25)」〜「F_リーチ目リプD(No.31)」は、RT0遊技状態〜RT3遊技状態では内部当籤役として決定されることなく、RT4遊技状態でのみ内部当籤役として決定される。パチスロ機1では、RT4遊技状態中に、「F_チリリプ(No.25)」〜「F_リーチ目リプD(No.31)」が内部当籤役として決定された場合には、特有の制御(後述のフラグ変換)を行うが、この特有の制御については後述する。
なお、RT0遊技状態〜RT3遊技状態であっても、「F_リーチ目リプA〜D」については「F_BB1,2」とともに内部当籤役として決定されることはあるものの(No.3〜6、No.15〜18参照)、「F_リーチ目リプA〜D」が単独で内部当籤役として決定されることはない。そのため、RT0遊技状態〜RT3遊技状態中に「F_リーチ目リプA〜D」が内部当籤役として決定された場合(遊技者からすると「F_リーチ目リプA〜D」に応じた図柄の組合せが表示された場合)、ボーナスに係る役(F_BB1,2)が同時に内部当籤役として決定されていることになる。
また、フラグ間状態であるRT5遊技状態は、上述のようにボーナスに係る役を内部当籤役として持ち越す。そのため、図40に示すRT5遊技状態の内部抽籤テーブルでは、持ち越しているボーナスに係る役が必ず内部当籤役として決定されるようになっている。
<内部当籤役と図柄組合せの比較表>
図41〜図46は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す比較表である。各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。
パチスロ機1では、主制御基板71は、内部当籤役及び遊技状態に応じて停止制御を異ならせ、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、図42〜図48に示す対応関係の図柄の組合せ(コンビネーション)を表示可能にリール3L,3C,3Rの回転を停止する。なお、図42〜図48に示す対応表では、役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、表示されないことがある。
すなわち、パチスロ機1では、停止表示可能な図柄の組合せや現在の遊技状態に応じて停止制御(例えば、優先して引き込む図柄)を異ならせることとしており、優先して引き込む図柄の関係上、丸印が付された図柄の組合せであっても表示されないことがある。そこで、役の種別と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を、図47及び図48に示す。
<非フラグ間中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係>
図47は、フラグ間状態を除く遊技状態中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)とを示す図である。パチスロ機1では、複数の役として、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設ける。図47における「押し順正解」に対応付けられた図柄の組合せは、押し順に応じて表示される図柄の組合せのうち、遊技者にとって有利な図柄の組合せであり、「押し順不正解」に対応付けられた図柄の組合せは、押し順に応じて表示される図柄の組合せのうち、遊技者にとって不利な図柄の組合せである。遊技者にとって有利な停止操作を報知する場合、正解となる押し順を報知し、結果、「押し順正解」に対応付けられた図柄の組合せが表示されることになる。なお、ART遊技状態であっても、不正解となる押し順を報知することもあるが、詳しくは後述する。
ここで、本実施形態では、押し順役の名称の末尾は、正解となる押し順を表している。具体的には、役の名称の末尾「1st」は、正解となる押し順が、第1停止操作が左のリール3Lに対するものであることを意味し、役の名称の末尾「2nd」は、正解となる押し順が、第1停止操作が中のリール3Cに対するものであることを意味し、役の名称の末尾「3rd」は、正解となる押し順が、第1停止操作が右のリール3Rに対するものであることを意味している。また、役の名称の末尾「123」は、正解となる押し順が「左、中、右」であることを意味し、役の名称の末尾「132」は、正解となる押し順が「左、右、中」であることを意味し、役の名称の末尾「213」は、正解となる押し順が「中、左、右」であることを意味し、役の名称の末尾「231」は、正解となる押し順が「左、右、中」であることを意味している。
図47に示すように役「F_チリリプ」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、チリリプ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。なお、図41〜図46を参照すると、役「F_チリリプ」は、3連チリリプ(「C_チリリプD_01」〜「C_1確チリリプD_01」)を表示できず、単チリリプ又は2連チリリプ(「C_チリリプA_01」「C_チリリプB_01」「C_チリリプC_01」)しか表示できないことが分かる。すなわち、役「F_チリリプ」は、3連チリリプを表示できない役である。
また、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、チリリプ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。なお、図41〜図46を参照すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、3連チリリプを表示できることが分かる。すなわち、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、3連チリリプを表示できる役である。
また、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、リーチ目リプ(図35、図36参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
なお、役「F_チリリプ」「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」及び役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」における正解の押し順は、任意であってよいが、本実施形態では、第1停止操作が左のリール3Lに対するものである押し順を正解の押し順としている。そのため、例えば、役「F_リーチ目リプA」が内部当籤役として決定されている遊技において、遊技者が左のリール3Lに対して第1停止操作を行った場合には、リーチ目リプが表示されることになる。
また、役「F_維持リプA」「F_維持リプB」は、押し順に関わらずリプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_維持リプ_1st」〜「F_維持リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、リプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、RT2移行リプ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_RT3リプ_1st」〜「F_RT3リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、RT3移行リプ(図35参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_RT4リプ_123」〜「F_RT4リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、RT4移行リプ(図35参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、ベル(図37参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、ベルこぼし目(図35参照)又は1枚出目(図37、図38参照)が表示される。
また、役「F_共通ベル」は、押し順に関わらずベル(図37参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_サボ1」「F_サボ2」は、押し順に関わらずサボテン(図38参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「弱チリ」は、押し順に関わらず弱チェリー(図38参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_強チリ1」「F_強チリ2」は、押し順に関わらず強チェリー(図38参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
<フラグ間中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係>
図48は、フラグ間状態中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)とを示す図であり、特に、フラグ間状態中にBB(「C_BB1」「C_BB2」)を表示可能であるか否を示す。図48の「BBの成立可否」において「○」とは、BBを表示可能であることを示し、「×」は、BBを表示不可能であることを示す。
なお、BBを表示不可能な場合には、内部当籤役として決定されているボーナスに係る役以外の役に応じた図柄の組合せが表示されることになる。このボーナスに係る役以外の役に応じて表示される図柄の組合せは、図47において示した通りである。例えば、役「F_BB1+F_チリリプ」では、BBを表示することはできずに、図47の役「F_チリリプ」に示した対応関係の図柄の組合せが表示される。この場合において、フラグ間状態中は、図47に示す押し順正解時に表示される図柄の組合せのみを表示可能にしてもよく、また、押し順不正解時に表示される図柄の組合せのみを表示可能にしてもよい。
例えば、役「F_BB1+F_3択ベル_1st」では、BBを表示することはできないため、図47の役「F_3択ベル_1st」に示した対応関係の図柄の組合せが表示されることになるが、この場合には、押し順正解時に表示されるベルのみを表示可能にし、押し順不正解時に表示されるベルこぼし目や1枚出目を表示不可能にしてもよい。また、役「F_BB1+F_RT3リプ_1st」の場合に、押し順不正解時に表示されるリプレイのみを表示可能にし、押し順正解時に表示されるRT3移行リプを表示不可能にしてもよい。
図48に示すように、フラグ間状態では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊1」「F_特殊2」「F_特殊3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に、BBを表示することができる。
<当籤役の略称>
以上、当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係について説明した。続いて、一般遊技状態やART遊技状態などで各種抽籤を行う際に用いられるデータテーブルについて説明するが、以下では、当該データテーブルを参照する際に用いる当籤役を略称で表すため、当該データテーブルの説明の前に当籤役の略称について説明する。図49は、当籤役の略称を示す図である。
図49(A)に示すように、以下において、役「F_BB1」「F_BB2」は役「BB」呼び、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」は役「押し順ベル」呼び、役「F_共通ベル」は役「共通ベル」呼び、役「F_サボ1」「F_サボ2」は役「サボテン」呼び、役「F_弱チリ」は役「弱チェリー」呼び、役「F_強チリ1」「F_強チリ2」は役「強チェリー」と呼ぶ。
また、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、フラグ変換抽籤に当籤すると役「3連チリリプ」と呼び、フラグ変換抽籤に非当籤すると「リプレイ」と呼ぶ。同様に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」は、フラグ変換抽籤に当籤すると役「リーチ目リプ」と呼び、フラグ変換抽籤に非当籤すると「リプレイ」と呼ぶ。
(フラグ変換抽籤)
ここで、図49(B)を参照して、フラグ変換抽籤について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、RT4遊技状態中に役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」のいずれかが単独で内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行う。そして、パチスロ機1では、このフラグ変換抽籤に当籤した場合に特別な特典(例えば、ARTゲーム数の上乗せやCT当籤)を付与する。
図47に示したように、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、押し順正解時に「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、押し順不正解時に「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を役「3連チリリプ」として扱い、「3連チリリプ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する(例えば、順押しでチリ図柄を狙わせる)。一方で、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を役「リプレイ」として扱い、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する(例えば、順押し以外の押し順を報知する)。
同様に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」は、押し順正解時に「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、押し順不正解時に「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を役「リーチ目リプ」として扱い、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示させるための情報を報知する(例えば、順押しで図柄「白7」を狙わせる)。一方で、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を役「リプレイ」として扱い、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する。
この報知に従い停止操作を行うことで、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、「3連チリリプ」又は「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、特別な特典が付与されることになる。パチスロ機1からすると、フラグ変換抽籤に当籤したことに応じて特別な特典を付与しているものの、遊技者からすると、「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示されたことで特別な特典が付与されたと感じることになる。
パチスロ機の遊技性を高めるためには、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度が一定であるよりも、状態に応じて異なる方が好ましいことがある。停止制御(表示される図柄の組合せ)は、内部当籤役の種類によって異なるため、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を状態に応じて異ならせる手法としては、役の当籤確率を異ならせる手法も考えられる(パチスロ機1では、役の当籤確率は、ボーナスの作動の有無やRT遊技状態に応じて異ならせることができるため、例えば、ART遊技状態に対応する遊技状態としてRT4遊技状態だけでなく、RT6遊技状態やRT7遊技状態などの他の遊技状態を設けるという手法も考えられる)。しかしながら、役の当籤確率を異ならせる契機(RT遊技状態の移行契機)は限定されているため、この手法では柔軟性に欠けてしまう。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、役の当籤確率は変えることなく、内部当籤役を決定するための内部抽籤に加え、フラグ変換抽籤及びその抽籤結果に基づく報知を行うことで、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を状態に応じて柔軟に異ならせることができる。すなわち、フラグ変換抽籤に当籤し易い状態では、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を上げることができ、反対に、フラグ変換抽籤に当籤し難い状態では、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を下げることができる。
なお、以下では、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合のフラグ変換抽籤に当籤することを、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換する(又は単に「3連チリリプ」に変換する)と称することがあり、また、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定された場合のフラグ変換抽籤に当籤することを、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を「リーチ目リプ」に変換する(又は単に「リーチ目リプ」に変換する)と称することがある。
[一般遊技状態中の遊技の流れ]
続いて、図50を参照して、一般遊技状態中の遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、一般遊技状態の通常遊技状態から一般遊技状態のCZに移行し、その後、一般遊技状態のCZからART遊技状態に移行することで、一般遊技状態(非ART)からART遊技状態への移行が行われる(図33参照)。図50(A)は、一般遊技状態の通常遊技状態から一般遊技状態のCZに移行する際の遊技の流れを示す図である。
図50(A)に示すように、通常遊技状態は、CZの抽籤状態として低確率状態と高確率状態とを有する。この低確率状態及び高確率状態は、通常遊技状態中に行われるCZ抽籤に当籤する期待度がそれぞれ異なる状態であり、低確率状態はCZ抽籤に当籤し難く、高確率状態はCZ抽籤に当籤し易い状態である。なお、通常遊技状態中に行われるCZ抽籤に当籤した場合には、通常遊技状態からCZに遊技状態が移行することになる(図33参照)。
本実施形態のパチスロ機1では、CZ(チャンスゾーン)として、CZ1,CZ2及びCZ3の複数のチャンスゾーンを有する。これらCZ1〜CZ3は、CZ中に行われるART抽籤に当籤する期待度が異なるチャンスゾーンであり、CZ3は、ART抽籤に必ず当籤するチャンスゾーンであり、CZ1,CZ2は、所定の確率でART抽籤に当籤するチャンスゾーンである。通常遊技状態中に行われるCZ抽籤では、これらCZ1〜CZ3の中から通常遊技状態から移行するCZを抽籤する。
続いて、図50(B)は、一般遊技状態のCZ1,CZ2からART遊技状態に移行する際の遊技の流れを示す図である。CZ1,CZ2は、前半部と後半部とから構成される。前半部は、CZ中に行われるART抽籤に当籤する期待度が異なるランクを昇格させる期間であり、後半部は、ランクに基づくART抽籤の抽籤結果をバトル演出により報知する期間である。
CZ1中は、ランクとして6段階のモードを用い、モードが上がるほど、ART抽籤に当籤する期待度が高くなる。CZ1の前半部は、第1ゲーム数(例えば、最大で12ゲーム)継続し、内部当籤役に基づいてモードの昇格抽籤を行う。そして、CZ1の後半部の1ゲーム目に前半部で昇格させたモードに基づいてART抽籤を行う。
また、CZ2中は、ランクとして10段階のポイントを用い、ポイントが上がるほど、ART抽籤に当籤する期待度が高くなる。CZ2の前半部は、第2ゲーム数(例えば、最大で15ゲーム)継続し、内部当籤役に基づいてポイントの昇格抽籤を行う。そして、CZ2の後半部の1ゲーム目に前半部で昇格させたポイントに基づいてART抽籤を行う。
CZ1の後半部では、味方キャラクタと敵キャラクタAとが対戦するバトル演出が行われ、CZ2の後半部では、味方キャラクタと敵キャラクタBとが対戦するバトル演出が行われる。このバトル演出は、第3ゲーム数(例えば、最大で4ゲーム)継続し、ART抽籤の結果に基づき勝敗が管理され、ART抽籤に当籤している場合には味方キャラクタが勝利し、非当籤している場合には敵キャラクタが勝利する。また、CZ1,CZ2の後半部では、毎ゲーム、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い、このART抽籤に当籤した場合には、バトル演出の結果を書き換える。すなわち、バトル演出中にいわゆるレア役が内部当籤役として決定されると、ART抽籤を行い、その結果に基づいてバトル演出の結果を書き換える。
CZ1,CZ2において、ARTに非当籤の場合には、後半部のバトル演出で敗北し、基本的には、その後、遊技状態が通常遊技状態に移行する。一方、CZ1,CZ2において、ARTに当籤している場合には、後半部のバトル演出で勝利し、その後、遊技状態がART準備中を経由して通常ARTに移行する。なお、CZ1,CZ2の前半部では、フリーズが発生することもあり、この場合には、遊技状態が(ART準備中を経由して)通常ARTではなくCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。
続いて、図50(C)は、一般遊技状態のCZ3からART遊技状態に移行する際の遊技の流れを示す図である。CZ3は、第4ゲーム数(例えば、最大で17ゲーム)継続し、毎ゲーム、内部当籤役に基づいてART抽籤を行う。CZ3は、ART抽籤に当籤した時点で終了し、次ゲームから遊技状態がART準備中を経由してCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。また、CZ3では、フリーズが発生することもあり、この場合にも、次ゲームから遊技状態がART準備中を経由してCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。一方で、CZ3中のART抽籤に非当籤のまま第4ゲーム数が経過した場合、遊技状態がART準備中を経由して通常ARTに移行する。すなわち、CZ3は、移行した時点でART遊技状態への移行が確定しているチャンスゾーンである。
[一般遊技状態中に用いるデータテーブル]
続いて、図51〜図56を参照して、一般遊技状態中に用いるデータテーブルについて説明する。
<通常中高確率抽籤テーブル>
図51は、CZの抽籤状態(低確率及び高確率)の移行抽籤に用いられる通常中高確率抽籤テーブルである。本実施形態のパチスロ機1では、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態を移行させるとともに、ボーナス終了時やCZ,ART終了時にもCZの抽籤状態を移行させる。図51(A)は、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態を移行させる際に用いられる通常中高確率抽籤テーブルであり、通常遊技状態中に毎ゲーム参照される。また、図51(B)は、ボーナス終了時などにCZの抽籤状態を移行させる際に用いられる通常中高確率抽籤テーブルであり、設定変更時、ボーナス終了時又はCZ,ART終了時に参照される。
図51(A)に示す通常中高確率抽籤テーブルは、現在のCZの抽籤状態及び当籤役に対応付けて、移行後のCZの抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。
なお、以下に示す各種データテーブルでは、抽籤値の情報を概念的に示している。図中「0」は、抽籤確率「0%」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極々低」は、抽籤確率「0%〜1%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極低」は、抽籤確率「1%〜10%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「低」は、抽籤確率「10%〜30%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「中」は、抽籤確率「30%〜60%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「高」は、抽籤確率「60%〜80%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極高」は、抽籤確率「80%〜99%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極々高」は、抽籤確率「99%〜100%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「確定」は、抽籤確率「100%」に相当する抽籤値が規定されていることを意味する。
そして、以下に示す各種データテーブルでは、予め定められた数値の範囲(確率分母が256の場合には「0〜255」、確率分母が65536の場合には「0〜65535」)から抽出される抽籤用乱数値を、規定された抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
図51(A)に示す通常中高確率抽籤テーブルを参照すると、現在のCZの抽籤状態が低確率である場合には、弱チェリーが内部当籤役である場合に高確率に移行し易いことが分かる。また、現在のCZの抽籤状態が高確率である場合には、共通ベル、サボテン、弱チェリー、強チェリーのいずれかが内部当籤役として決定されることで、高確率が維持されることが分かる。
図51(B)に示す通常中高確率抽籤テーブルは、参照する際の状況に応じて移行後のCZの抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。図51(B)に示す通常中高確率抽籤テーブルを参照すると、ボーナス終了時にはCZの抽籤状態が必ず高確率に移行することが分かる。
<CZ抽籤テーブル>
図52は、CZ抽籤に用いられるCZ抽籤テーブルであり、図52(A)は、通常遊技状態中に内部当籤役に基づいてCZ抽籤を行う際に用いられるCZ抽籤テーブルであり、図52(B)は、CZ失敗時やART終了時にCZの引き戻しを行うか否かのCZ抽籤を行う際に用いられるCZ抽籤テーブルである。
図52(A)に示すCZ抽籤テーブルは、現在のCZの抽籤状態及び内部当籤役に対応付けて、CZ1、CZ2,CZ3の当籤/非当籤に関する抽籤値の情報を規定する。図52(A)に示すCZ抽籤テーブルを参照すると、現在のCZの抽籤状態が高確率中である場合は、低確率中である場合よりもCZ抽籤に当籤する確率が高いことが分かる。
図52(B)に示すCZ抽籤テーブルは、CZ1、CZ2,CZ3の当籤/非当籤に関する抽籤値の情報を規定する。CZ失敗時(CZ1、CZ2中のART抽籤に非当籤時)やART遊技状態の終了時には、図52(B)に示すCZ抽籤テーブルを用いてCZの引き戻し抽籤が行われる。
<CZ1中モードアップ抽籤テーブル>
図53は、CZ1の前半部においてCZ1のモードアップ抽籤に用いられるCZ1中モードアップ抽籤テーブルである。CZ1中モードアップ抽籤テーブルは、現在のモード及び内部当籤役に対応付けて、モードアップ抽籤の結果についての抽籤値の情報を規定する。後述の図55(A)に示すように、CZ1では、モードが上がるほどART抽籤に当籤する確率が上がり、モード6まで上がると、ART抽籤に必ず当籤する。なお、抽籤結果の「モード1UP」とは、CZ1のモードが1上がることを意味し、抽籤結果の「モード2UP」とは、CZ1のモードが2上がることを意味する。すなわち、現在のモードが「2」である状況で、「モード2UP」に当籤すると、CZ1のモードは「2」から「4」に上がることになる。また、抽籤結果の「モード6UP_フリーズ発生」に当籤すると、フリーズが発生し、ART抽籤に当籤するとともにCTが付与される。
<CZ2中ポイント抽籤テーブル>
図54は、CZ2の前半部においてCZ2のポイントアップ抽籤に用いられるCZ2中ポイント抽籤テーブルである。CZ2中ポイント抽籤テーブルは、現在のポイント及び内部当籤役に対応付けて、ポイントアップ抽籤の結果についての抽籤値の情報を規定する。後述の図55(B)に示すように、CZ2では、ポイントが上がるほどART抽籤に当籤する確率が上がり、ポイント10まで上がると、ART抽籤に必ず当籤する。なお、抽籤結果の「ポイント2UP」とは、CZ2のポイントが2上がることを意味し、例えば、現在のポイントが「2」である状況で、「ポイント2UP」に当籤すると、CZ2のポイントは「2」から「4」に上がることになる。また、抽籤結果の「ポイント10UP_フリーズ発生」に当籤すると、フリーズが発生し、ART抽籤に当籤するとともにCTが付与される。
<CZ中ART抽籤テーブル>
図55及び図56は、CZ中のART抽籤に用いられるCZ中ART抽籤テーブルであり、図55(A)は、CZ1の後半部の1ゲーム目に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)であり、図55(B)は、CZ2の後半部の1ゲーム目に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)であり、図55(C)は、CZ1,CZ2の後半部に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)であり、図55(D)は、CZ3中のART抽籤に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)である。
図55(A)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)は、現在のモードに対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。また、図55(B)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)は、現在のポイントに対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)及びCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)を参照すると、CZ1,CZ2では前半部のランク(モード又はポイント)が上がるほど、ART抽籤に当籤し易いことが分かる。
図55(C)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)は、内部当籤役に対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)を参照すると、CZ1,CZ2の後半部において、レア役(弱チェリー、サボテン又は強チェリー)が内部当籤役として決定されると、所定の確率でART抽籤に当籤することが分かる。
図56(D)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)は、CZ3の継続ゲーム数及び内部当籤役に対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)を参照すると、CZ3中はART抽籤に当籤すると必ずCTにも当籤することが分かる。
[通常ART中の遊技の流れ]
続いて、図57を参照して、通常ART中の遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、ART遊技状態として、通常ARTとCTとを有し(図33参照)、CT中を上乗せチャンスゾーンとしている。そのため、パチスロ機1では、通常ART中は、CTへの移行を目指して遊技を行うことになる。図57(A)は、通常ART中のCTへの移行抽籤の流れを示す図である。
図57(A)に示すように、パチスロ機1は、通常ART中に行われる様々な抽籤に影響を与える状態として、ARTレベル及びCT抽籤状態を有する。ARTレベルは、レベル1〜レベル4の4段階設けられ、主に通常ART中の継続ゲーム数に基づいて制御される。そして、ARTレベルは、CT抽籤状態の決定や後述する通常ART中のフラグ変換抽籤に対して影響を与える。また、CT抽籤状態は、低確率、通常、高確率及び超高確率の4段階設けられ、主としてARTレベルや通常ART中の内部当籤役に基づいて制御される。そして、CT抽籤状態は、通常ART中に行うCT抽籤や後述する通常ART中のフラグ変換抽籤に対して影響を与える。
(通常ART中のフラグ変換)
上述のように、本実施形態のパチスロ機1では、RT4遊技状態中(すなわち、ART遊技状態中)に役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」のいずれかが単独で内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、その抽籤結果に応じて特別な特典(例えば、ARTゲーム数の上乗せやCT当籤)を付与する。図57(B)は、通常ART中のフラグ抽籤方法を示す図である。
図57(B)に示すように、パチスロ機1は、通常ART中は、ARTレベル及びCT抽籤状態を参照して、フラグ変換抽籤を行う。その結果、フラグ変換抽籤に当籤した場合には、特別な特典を付与するとともに、「3連チリリプ」の図柄の組合せや「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示させるための報知(例えば、順押しで所定の図柄を狙わせる報知)を行う。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には、「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための報知(例えば、順押し以外の押し順の報知)を行う。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、報知内容に応じた図柄の組合せ、すなわち、フラグ変換抽籤に当籤した場合には「3連チリリプ」の図柄の組合せや「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。
[通常ART中に用いるデータテーブル]
続いて、図58〜図62を参照して、通常ART中に用いるデータテーブルについて説明する。
<ART中フラグ変換抽籤テーブル>
図58は、通常ART中のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルである。本実施形態に係るパチスロ機1では、通常ART中のフラグ変換抽籤を2段階で行う。具体的には、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、まず、1段階目のフラグ変換抽籤を行い、この1段階目のフラグ変換抽籤に当籤すると、その後、2段階目のフラグ変換抽籤を行う。そして、この2段階目のフラグ変換抽籤に当籤すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換し、1段階目のフラグ変換抽籤又は2段階目のフラグ変換抽籤に非当籤すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換することなく、「リプレイ」として扱う。
図58(A)は、1段階目のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルであり、図58(B)は、2段階目のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルである。図58(A)に示すART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて1段階目のフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、パチスロ機1では、1段階目のフラグ変換抽籤を役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」に対してのみ行い、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」については2段階目のフラグ変換抽籤のみを行う。
図58(B)に示すART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役、ARTレベル及びCT抽籤状態に対応付けて2段階目のフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、通常ARTにおいて一度CTに当籤するまでは、項目「ARTレベル」の「初回(一度CTに当籤するまで)」欄が参照される。
ここで、図58(A)(B)に示すように、ART中フラグ変換抽籤テーブルのそれぞれでは、確率分母256の範囲の乱数値(0〜255)を用いて1段階目及び2段階目のフラグ変換抽籤を行うため、2段階のフラグ変換抽籤は、確率分母65536の範囲の乱数値を用いて行う抽籤と擬制することができる。近年のパチスロ機では、従来サブ側で行っていた出玉に関する抽籤(ART抽籤など)をメイン側で行うことが求められているが、メイン側の記憶手段(ROM)の容量が限られているため、容量を抑えつつ遊技性を損なうことのない抽籤を可能にする仕組みが求められている。
この点、本発明に係るパチスロ機1では、確率分母256を2段階で行うことで、確率分母65536の抽籤を行うことができるため、容量を抑えることができる。また、2段階目の抽籤に対して、ARTレベルやCT抽籤状態を参照することで、内部当籤役だけでなく現在の状態に応じてフラグ変換抽籤を行うことができるため、多様な遊技性を持ったフラグ変換抽籤を行うことができる。
<ARTレベル決定テーブル>
図59は、ARTレベルを決定するために用いるARTレベル決定テーブルである。ARTレベルの決定は、ART遊技状態への移行が決まったART当籤時、及び通常ART中に行われる。図59(A)は、ART当籤時にARTレベルを決定するためのARTレベル決定テーブルであり、図59(B)は、通常ART中にARTレベルを決定するためのARTレベル決定テーブルである。
図59(A)に示すARTレベル決定テーブルは、ARTレベルごとに抽籤値の情報を規定する。なお、ART当籤時にフリーズが発生していた場合(図53など参照)には、ARTレベルとしてARTレベル2が決定される。図59(B)に示すARTレベル決定テーブルは、現在のARTレベル及び通常ART中の継続ゲーム数に対応付けて、移行先のARTレベルについての抽籤値の情報を規定する。また、図59(B)に示すARTレベル決定テーブルは、現在のARTレベル及びCT突入時の通常ART中の継続ゲーム数に対応付けて、移行先のARTレベルについての抽籤値の情報を規定する。すなわち、通常ART中では、継続ゲーム数に応じてARTレベルが移行するとともに、通常ARTからCTに突入したタイミングでもARTレベルが移行する。
<通常ART中高確率抽籤テーブル>
図60は、通常ART中のCT抽籤状態を抽籤するための通常ART中高確率抽籤テーブルである。通常ART中高確率抽籤テーブルは、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に対応づけて、移行先のCT抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。通常ART中高確率抽籤テーブルを参照すると、役「3連チリリプ(役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤)」や役「リーチ目リプ(役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤)」では、CT抽籤状態が「低確率」に移行(転落)し易いことが分かる。上述の説明では、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、特別な特典が付与されるとしていたため、CT抽籤状態が転落し易いことは上述の説明に反するようにも思えるが、図61で後述するように、役「3連チリリプ」「リーチ目リプ」は、CT抽籤に必ず当籤する。そのため、CT抽籤状態が転落してしまったとしても、CT当籤という特別な特典が付与されることに変わりはない。
<ART中CT抽籤テーブル>
図61は、通常ART中のCT抽籤に用いるART中CT抽籤テーブルである。ART中CT抽籤テーブルは、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に対応付けて、CT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。ART中CT抽籤テーブルでは、内部当籤役として「サボテン」「弱チェリー」「強チェリー」「3連チリリプ」「リーチ目リプ」「BB」が決定されている場合には、確率分母256の範囲の乱数値を用いてCT抽籤が行われる。一方で、内部当籤役としてそれ以外の役(例えば、リプレイ、共通ベル、押し順ベルなど)が決定されている場合には、確率分母65536の範囲の乱数値を用いてCT抽籤が行われる。
なお、パチスロ機1では、CTとして「通常CT」及び「高確CT」を有している。「通常CT」と「高確CT」とでは、CT(上乗せチャンスゾーン)中に上乗せするARTゲーム数の期待度が異なり、「高確CT」は「通常CT」に比べて多くのARTゲーム数が上乗せされ易い(図66参照)。
<通常ART中上乗せ抽籤テーブル>
図62は、通常ART中にARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いる通常ART中上乗せ抽籤テーブルである。通常ART中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
[CT中の遊技の流れ]
続いて、図63を参照して、CT中の遊技の流れについて説明する。図63(A)に示すように、パチスロ機1では、1セット8回の遊技によりCTが行われる。CT中は、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行っており、上乗せ抽籤に当籤した場合には遊技回数の減算は行われず、上乗せ抽籤に非当籤した場合に限り遊技回数が減算される。そのため、CT中はARTゲーム数が上乗せされた遊技では終了することがなく、同一のセット内でARTゲーム数が上乗せされない遊技が8回行われると終了する。
また、図63(A)(B)に示すように、CT中に役「3連チリリプ」に当籤すると(すなわち、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤すると)、1セット8回の遊技が再セットされる。例えば、同一のセット内でARTゲーム数が上乗せされない遊技が7回行われた場合、あと1回ARTゲーム数が上乗せされない遊技が行われるとCTが終了してしまうものの、役「3連チリリプ」に当籤するとCTの再セットが行われ、結果、その後、8回ARTゲーム数が上乗せされない遊技が行われるまでCTが終了しないことになる。そのため、CTは、役「3連チリリプ」が当籤するほど継続し易くなる。
(CT中のフラグ変換)
図63(C)は、CT中のフラグ抽籤方法を示す図である。CT中は、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」については必ず役「3連チリリプ」に変換する。上述したように、CT中に役「3連チリリプ」に当籤すると、CTが再セットされるため、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、CTが再セットされることになる。
一方で、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」については、3段階のテーブル(テーブル0〜2)に基づいて、フラグ変換抽籤の当籤確率を制御する。具体的には、図63(C)に示すように、テーブル0は「リーチ目リプ」に変換する確率が最も低く、テーブル1は「リーチ目リプ」に変換する確率が次に低く、テーブル2は「リーチ目リプ」に変換する確率が最も高い。なお、CT中に役「リーチ目リプ」に当籤すると、後述の図67に示すように、CTが新たに付与される。
図63(C)に示すように、通常CTでは、ARTレベルに基づいてテーブルが決定される。また、高確率CTでは、ARTレベルに関係なく、テーブル0が必ず決定される。
[CT中に用いるデータテーブル]
続いて、図64〜図67を参照して、CT中に用いるデータテーブルについて説明する。
<CT中テーブル抽籤テーブル>
図64は、3段階のテーブルの中からフラグ変換抽籤に用いるテーブルを決定するためのCT中テーブル抽籤テーブルである。CT中テーブル抽籤テーブルは、ARTレベルやこれから実行するCTの種別などの状態に対応付けて、フラグ変換抽籤に用いるテーブルについての抽籤値の情報を規定する。CT中テーブル抽籤テーブルは、CT抽籤に当籤しCTに移行することが決まると、又はCTの開始時に参照され、CT中のフラグ変換抽籤に用いるテーブルを決定する。
<CT中フラグ変換抽籤テーブル>
図65は、CT中のフラグ変換抽籤に用いられるCT中フラグ変換抽籤テーブルである。CT中フラグ変換抽籤テーブルは、フラグ変換抽籤に用いるテーブル及び内部当籤役に対応付けて、フラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。CT中フラグ変換抽籤テーブルを参照すると、CT中は、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は必ず役「3連チリリプ」に変換されることが分かる。
<CT中上乗せ抽籤テーブル>
図66は、CT中にARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いるCT中上乗せ抽籤テーブルである。CT中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図66に示す当籤役以外の役については、CT中の上乗せ抽籤に当籤することがない。
また、通常CT中の上乗せ抽籤では、役「3連チリリプ」に当籤した回数に応じて上乗せゲーム数が異なる。具体的には、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「1〜8回」の場合には、上乗せゲーム数として「10ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「9〜16回」の場合には、上乗せゲーム数として「20ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「17〜24回」の場合には、上乗せゲーム数として「30ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「25回以上」の場合には、上乗せゲーム数として「50ゲーム」が決定され易い。
より具体的には、CT中上乗せ抽籤テーブルでは、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「1〜8回」の場合には、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」に対応する上乗せゲーム数は「10ゲーム」であり、抽籤値「極低」に対応する上乗せゲーム数は「20ゲーム」である。そして、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「9回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」に対応する上乗せゲーム数が「20ゲーム」に昇格する。更に、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「17回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」及び「極低」に対応する上乗せゲーム数が「30ゲーム」に昇格する。同様に、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「25回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」及び「極低」に対応する上乗せゲーム数が「50ゲーム」に昇格する。
このように本実施形態のパチスロ機1では、CT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数に応じて1回あたりに上乗せするゲーム数を増やす。上述のように、ARTゲーム数の上乗せが行われている限り、CTは終了することなく、また、役「3連チリリプ」に当籤するとCTの再セットが行われるため、遊技者からすると、CTが継続するほど1回あたりの上乗せ量が増えることについての期待を持つことができ、CT中の興趣が向上する。また、1回あたりの上乗せ量を増やす契機となる回数は、CTの1セット分の遊技回数(8回)よりも多い回数(9回以上)であるため、遊技者に対して過大な利益を与えてしまうことを防止でき、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。
<CT中セット数上乗せ抽籤テーブル>
図67は、CT中に新たなCTを付与するセット数上乗せ抽籤に用いられるCT中セット数上乗せ抽籤テーブルである。CT中セット数上乗せ抽籤テーブルは、実行しているCTの種別及び内部当籤役に対応付けて、セット数上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。図67に示すように、CT中に役「リーチ目リプ」に当籤すると、新たなCTが付与される。セット数上乗せ抽籤に伴い新たなCTが付与された場合には、実行しているCTが終了したタイミングで再度新たなCTが開始される。
なお、上述の役「3連チリリプ」に当籤した回数は、同一のCT中に限り計数することとしているが、この「同一のCT中」は、CT中に行うセット数上乗せ抽籤に当籤した場合に付与される新たなCTも含むこととしてもよく、含まないこととしてもよい。
[ボーナス状態中の遊技の流れ]
続いて、図68を参照して、ボーナス状態中の遊技の流れについて説明する。図68(A)は、一般遊技状態(ART非当籤)中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図であり、図68(B)は、通常ART中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図であり、図68(C)は、CT中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図である。図68(A)〜(C)に示すように、パチスロ機1では、ボーナスの種別として、通常BBと特殊BBとを有し、ボーナス状態の移行時にボーナスの種別を決定する。このとき、特殊BBが決定された場合には、ボーナス状態の終了後、ART準備中を経由してCTに移行することになる。一方で、通常BBが決定された場合は、ボーナス状態に移行する前の状態に応じて異なる流れになる。
図68(A)を参照して、一般遊技状態から通常BBに移行した場合には、通常BB中に内部当籤役に基づいてART抽籤が行われる。このART抽籤に当籤すると、ボーナス状態の終了後、ART準備中を経由して通常ARTに移行することになる。なお、ART抽籤に当籤した後は、ボーナス状態中にARTゲーム数の上乗せ抽籤が行われる。
図68(B)を参照して、通常ARTから通常BBに移行した場合には、通常BBの終了時にCT抽籤が行われる。このCT抽籤は50%の確率で当籤し、当籤するとボーナス状態の終了後にART準備中を経由してCTに移行し、非当籤するとボーナス状態の終了後にART準備中を経由して通常ARTに移行する。また、通常ARTから移行したボーナス状態中は、ARTゲーム数の上乗せ抽籤も行われる。
図68(C)を参照して、CTから通常BB又は特殊BBに移行した場合には、ボーナス状態の終了後にART準備中を経由してCTに移行する。また、通常ARTから移行したボーナス状態中は、ARTゲーム数の上乗せ抽籤も行われる。
[ボーナス状態中に用いるデータテーブル]
続いて、図69〜図71を参照して、ボーナス状態中に用いるデータテーブルについて説明する。
<ボーナス種別抽籤テーブル>
図69は、ボーナス種別(通常BB、特殊BB)を決定するためのボーナス種別抽籤テーブルである。ボーナス種別抽籤テーブルは、ボーナス状態の開始時に参照され、ボーナス状態に移行する前の状態に対応付けてボーナス種別についての抽籤値の情報を規定する。
<ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル>
図70は、ボーナス状態中に行うART抽籤及びARTゲーム数の上乗せ抽籤に用いられるボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルである。ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ボーナス種別及び内部当籤役に対応付けて、ART抽籤の抽籤結果及び上乗せゲーム数についての抽籤値の情報を規定する。
ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ART非当籤の状態(一般遊技状態から移行した通常BBにおいて、ART抽籤に当籤するまで)では、ART抽籤に用いられることになる。すなわち、ART非当籤の状態で上乗せゲーム数として1以上(実際には最低50ゲーム)が決定されると、ART抽籤に当籤するとともに、対応するゲーム数が付与されることになる。一方、ART当籤後の状態では、ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ARTゲーム数の上乗せ抽籤に用いられる。
<ボーナス終了時CT抽籤テーブル>
図71は、ボーナス状態の終了時に行うCT抽籤に用いられるボーナス終了時CT抽籤テーブルである。ボーナス終了時CT抽籤テーブルは、ボーナス種別及びボーナス状態に移行する前の遊技状態に対応付けて、CT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。図71に示すボーナス終了時CT抽籤テーブルを参照すると、例えば、通常ART中に通常BBが行われると、ボーナス状態の終了時に50%の確率でCTに当籤することが分かる。
[一般遊技状態中の例外的な遊技の流れ]
続いて、図72を参照して、一般遊技状態中の例外的な遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、基本的には、一般遊技状態中に通常遊技状態からCZに移行し、CZにおいてART抽籤に当籤することでART遊技状態を目指すことになる。ここで、パチスロ機1では、RT4遊技状態中に報知を行うことでART遊技状態を実現しており、また、図72に示すように、表示される図柄の組合せに応じてRT遊技状態を制御している。図47に示したように、RT遊技状態を移行させるための図柄の組合せは、遊技者の停止操作の順序(押し順)に応じて表示されるため、報知が行われない場合であっても、偶然にRT4遊技状態に移行することがある。
また、RT4遊技状態では、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定される可能性があるため、一般遊技状態(非ART)中であっても、特別な特典が付与されるリーチ目(リーチ目リプ)を表示することができる。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、図72に示すように、一般遊技状態(非ART)中に偶然にRT4遊技状態に移行した場合に、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示可能な状態になると、CZを経由することなくART遊技状態(通常ART)に移行可能にする。
より具体的には、一般遊技状態、かつ、RT4遊技状態中に役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、このフラグ変換抽籤に当籤すると、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示するための報知を行うとともに、ARTの権利を付与する。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤すると、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための報知を行い、「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示されないように制御する。
<非ART中フラグ変換抽籤テーブル>
図73は、一般遊技状態、かつ、RT4遊技状態中に行うフラグ変換抽籤に用いられる非ART中フラグ変換抽籤テーブルである。非ART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けてフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
[メイン側の制御による報知]
パチスロ機では、従来、ART機中にサブ(副制御基板72)側の制御のもとに停止操作の情報(押し順など)の報知を行っていたが、報知の有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御基板71)側で報知を行うことが求められている。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71が制御する情報表示器14に停止操作の情報を報知する指示モニタを設け、メイン側の制御のもとに停止操作の情報を報知することとしている。
図74は、メイン側で行う報知(ナビ)とサブ側で行う報知(ナビ)との対応関係を示す図である。図74に示すように、主制御基板71は、指示モニタに「1」〜「11」の数値を表示することで、停止操作の情報を報知する。この「1」〜「11」の数値は、それぞれが報知する停止操作の内容に一義的に対応しており、「1」〜「3」は、それぞれ第1停止操作を行うリールの種別を示しており、「1」は第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを意味し、「2」は第1停止操作を中のリール3Cに対して行うことを意味し、「3」は第1停止操作を右のリール3Rに対して行うことを意味している。
また、「4」〜「9」は、それぞれ報知する押し順を示しており、「4」は押し順が「左、中、右」であることを意味し、「5」は押し順が「左、右、中」であることを意味し、「6」は押し順が「中、左、右」であることを意味し、「7」は押し順が「中、右、左」であることを意味し、「8」は押し順が「右、左、中」であることを意味し、「9」は押し順が「右、中、左」であることを意味している。
また、「10」「11」は、ボーナスに係る役を報知するものであり、「10」は「白7−白7−白7」からなる図柄の組合せ「C_BB1」を意味し、「11」は「青7−青7−青7」からなる図柄の組合せ「C_BB2」を意味している。
ここで、メイン側で報知する「1」〜「11」の数値は、報知する停止操作の内容に一義的に対応しているものの、全ての遊技者が明確に報知内容を把握できるとは限らない。すなわち、メイン側で指示モニタに対して「6」と表示しただけでは、遊技者によっては報知内容を把握できない可能性もある。
そこで、パチスロ機1では、メイン側の報知と併せてサブ側でも停止操作の内容を報知する。具体的には、パチスロ機1は、副制御基板72が制御する表示ユニット100を設け、サブ側の制御のもとに停止操作の情報を報知する。例えば、第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを報知する場合、メイン側で指示モニタに対して「1」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100の左のリール3Lの上方に「1」と表示し、左のリール3Lが第1停止操作の対象であることを報知する。同様に、押し順「中、左、右」を報知する場合、メイン側で指示モニタに対して「6」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100の中のリール3Cの上方に「1」、左のリール3Lの上方に「2」、右のリール3Rの上方に「3」と表示し、押し順が「中、左、右」であることを報知する。また、「F_BB1」が内部当籤役として決定されている場合、メイン側で指示モニタに対して「10」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100に「白7−白7−白7」を表示し、遊技者に対して狙うべき図柄を報知する。
図74(A)に示すように、ART準備中は、メイン側の制御のもと「ベルナビ」「維持リプナビ」「RT3移行リプナビ」及び「RT4移行リプナビ」が行われる。「ベルナビ」は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」に対して「ベル」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「維持リプナビ」は、役「F_維持リプ_1st」〜「F_維持リプ_3rd」に対して「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「RT3移行リプナビ」は、役「F_RT3移行リプ_1st」〜「F_RT3移行リプ_3rd」に対して「RT3移行リプ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「RT4移行リプナビ」は、役「F_RT4移行リプ_123」〜「F_RT4移行リプ_3rd」に対して「RT4移行リプ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。
なお、メイン側で報知を行うタイミングは、少なくとも報知を行う一遊技の間であればよく、任意である。例えば、開始操作を受け付けたタイミングでメイン側の報知を行うこととしてもよく、リール3L,3C,3Rの回転開始時にメイン側の報知を行うこととしてもよく、第1停止操作〜第3停止操作のいずれかを受け付けたタイミングでメイン側の報知を行うこととしてもよい。一方で、サブ側で報知を行うタイミングは、少なくとも第1停止操作よりも前のタイミングであることが好ましい。この点、本実施形態のパチスロ機1では、開始操作を受け付けたタイミング、又はリール3L,3C,3Rの回転開始時にメイン側及びサブ側の双方において報知を行う。これにより、遊技者が停止操作を行う前に、メイン側の指示モニタ及びサブ側の表示ユニット100の双方において停止操作の情報が報知される。
また、図74(B)に示すように、ART遊技状態中は、メイン側の制御のもと「ベルナビ」「維持リプナビ」「RT3移行リプナビ」及び「RT4移行リプナビ」が行われる。なお、ART遊技状態(RT4遊技状態)中は、フラグ変換抽籤が行われ、この抽籤結果に基づいて「3連チリリプ」「リーチ目リプ」又は「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知するが、この報知に関しては、メイン側では行うことなく、サブ側でのみ行う。
上述したように、「3連チリリプ」「リーチ目リプ」の図柄の組合せは、特別な特典の付与に関係しているため、報知の有無が遊技者の利益(出玉)に影響を与えるようにも考えられる。しかしながら、パチスロ機1では、実際には、特別な特典をフラグ変換抽籤の抽籤結果に基づいて付与することとしており、表示される図柄の組合せは付与する特典に対して影響を与えない。すなわち、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、仮に、「リプレイ」の図柄の組合せを表示してしまったとしても、特別な特典が付与され、反対に、フラグ変換抽籤に当籤していない場合には、仮に、「3連チリリプ」「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示できたとしても、特別な特典は付与しない。
本実施形態のパチスロ機1では、このように表示される図柄の組合せが遊技者の利益(出玉)に影響を与えない場合には、メイン側の指示モニタでの報知を行わずに、サブ側でのみ表示ユニット100での報知を行う。
また、図74(C)(D)に示すように、RT5遊技状態(フラグ間状態)中は、内部当籤役として持ち越しているボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを狙わせる報知を行う。具体的には、図74(C)に示すように、役「F_BB1」を持ち越している場合には「白7ナビ」を行い、図74(D)に示すように、役「F_BB2」を持ち越している場合には「青7ナビ」を行う。「白7ナビ」は、役「F_BB1」に対して、「C_BB1」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報を報知し、「青7ナビ」は、役「F_BB2」に対して、「C_BB2」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報を報知する。
ここで、図48において上述したように、フラグ間状態では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊1」「F_特殊2」「F_特殊3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に、BBの図柄の組合せを表示することができ、それ以外の役がボーナスに係る役とともに内部当籤役として決定されている場合には、BBの図柄の組合せを表示することができない。そのため、図74(C)(D)に示すように、主制御基板71は、メイン側で制御を行う場合、持ち越しているボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。これにより、メイン側のナビを、ボーナスに係る役を入賞させることのできる適切なタイミングで行うことができる。
なお、主制御基板71は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されていることを告知(ボーナス告知)した後に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行うこととしてもよい。ここで、ボーナス告知は、例えば、ボーナス確定画面を表示することや、ボーナス確定ランプを点灯させることなどにより行われる。
一例として、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定された場合に、数回の遊技にわたり行われる演出(いわゆる連続演出)を行い、この連続演出の結果に応じてボーナス確定画面を表示することが一般的に行われている。この連続演出の最中にメイン側で「白7ナビ」などを行ってしまったのでは、連続演出の結果が途中で分かってしまい、興趣を損ねてしまう可能性がある。そこで、パチスロ機1の主制御基板71は、ボーナス告知が行われた後に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。なお、ボーナス告知が行われたタイミングをメイン側で把握可能にする方法は任意である。
一手法としては、ボーナスに係る役を内部当籤役として決定すると、主制御基板71がボーナス告知までに要するゲーム数を決定し、このゲーム数を消化した後に、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う方法が考えられる。より具体的には、主制御基板71は、ボーナス告知までに要するゲーム数を決定すると、このゲーム数を副制御基板72に通知する。副制御基板72は、このゲーム数に従い演出を制御し、ゲーム数が消化したタイミングでボーナス確定画面を表示することで、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。すなわち、主制御基板71は、ボーナスに係る役を持ち越していない状態でボーナスに係る役を内部当籤役として決定してからの単位遊技の回数を計数し、その計数結果が所定回数に達した後にボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定された場合に「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。
また、他の手法としては、ボーナス告知をサブ側ではなくメイン側において制御する方法が考えられる。より具体的には、主制御基板71は、ボーナスに係る役を持ち越していない状態でボーナスに係る役を内部当籤役として決定すると、表示ユニット100で実行する演出(少なくとも演出に要するゲーム数)を決定し、副制御基板72に通知する。副制御基板72が通知された演出を実行し、ボーナス確定画面を表示することで、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。
もちろん、その他の手法によりボーナス告知が行われたタイミングをメイン側で把握可能にすることとしてもよい。この場合において、主制御基板71は、副制御基板72などからの信号を受け付けることができないため、主制御基板71が受け付け可能な信号に基づいてボーナス告知が行われたタイミングを把握する必要がある。例えば、停止操作に伴う信号は、主制御基板71が受け付け可能であるため、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されている状態で、所定の停止操作(例えば、順押し以外)が行われた場合に、ボーナス告知を行うことも考えられる。具体的には、副制御基板72は、主制御基板71から内部当籤役に関する情報と停止操作に関する情報とを取得し、これらの情報の組合せが所定の組合せ(内部当籤役「ボーナスに係る役」、停止操作「順押し以外」)である場合にボーナス告知を行う。このようなボーナス告知は、その契機を主制御基板71でも把握することができるため、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。
[主制御基板の動作説明]
次に、図75〜図91を参照して、主制御基板71のメインCPU31が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理>
まず、メインCPU31の制御で行うパチスロ機1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図75に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU31は、電源投入時の初期化処理を行う(S1)。この処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたかなどが判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
続いて、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM33における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU31は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ42Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェックなどが行われる。
続いて、メインCPU31は、内部抽籤処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU31は、現在の遊技状態に応じた内部抽籤テーブル(図39、図40)を参照して、複数の役の中から内部当籤役として決定する役を抽籤する。続いて、メインCPU31は、S4の内部抽籤処理において、役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定したか否かを判定する(S5)。役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT5遊技状態フラグをオンにし、遊技状態をフラグ間遊技状態にセットする(S6)。
S6の処理に続いて、又はS5において役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定していないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図76で後述する状態別遊技制御処理を行う(S7)。
続いて、メインCPU31は、メイン側ナビ制御処理を行う(S8)。この処理では、メインCPU31は、図74に示す対応関係に基づいて、現在の遊技状態及び内部当籤役に応じたナビデータをセットする。なお、セットしたナビデータは、スタートコマンドに格納され副制御基板72に通知される。また、セットしたナビデータに応じた報知は、任意のタイミングで行われる。
続いて、メインCPU31は、図86で後述するリール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、S5で決定した内部当籤役や現在の遊技状態に応じて停止制御に用いるリール停止制御情報を決定する。決定したリール停止制御情報は、メインRAM33に格納され、S12のリール停止制御処理において用いられる。
続いて、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(S10)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、スタートコマンドデータには、内部当籤役などの演出に必要な各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、ウェイト処理を行った後にリール回転開始処理を行う(S11)。この処理において、メインCPU31は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理により、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
続いて、メインCPU31は、図87で後述するリール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、S9で決定したリール停止制御情報を用いて、左のストップボタン7L、中のストップボタン7C及び右のストップボタン7Rがそれぞれ押されたタイミングに基づいて該当するリールの回転が停止される。
続いて、メインCPU31は、入賞判別メダル払出処理を行う(S13)。この入賞判別メダル払出処理では、リール3L,3C,3Rが停止した結果、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、メダルの払い出しや再遊技の作動などの当該図柄の組合せに応じた利益を付与する。続いて、メインCPU31は、入賞作動コマンド送信処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU31は、入賞作動コマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、入賞作動コマンドデータには、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せなどの各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、図88で後述するBBチェック処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU31は、ボーナス状態の作動及び終了を制御する。続いて、メインCPU31は、図89及び図90で後述するRTチェック処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU31は、表示された図柄の組合せに基づいてRT遊技状態を移行させる制御を行う。
続いて、メインCPU31は、図91で後述するCZ・ART終了時処理を行う(S17)。この処理では、メインCPU31は、CZの引き戻し抽籤を行う。CZ・ART終了時処理を行うと、メインCPU31は、一遊技(単位遊技)が終了したとして処理をS2に戻す。
<状態別制御処理>
次に、図76を参照して、状態別制御処理について説明する。状態別制御処理では、初めに、メインCPU31は、現在の遊技状態がRT4遊技状態中であるか否かを判定する(S31)。RT4遊技状態である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図77で後述するフラグ変換処理を行う(S32)。
S32の処理に続いて、又は、S31においてRT4遊技状態中ではないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態が通常遊技状態中であるか否かを判定する(S33)。通常遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図78で後述する通常中スタート時処理を行い(S34)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態が通常遊技状態ではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がCZ中であるか否かを判定する(S35)。CZ中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図79で後述するCZ中スタート時処理を行い(S36)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がCZではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態が通常ART中であるか否かを判定する(S37)。通常ART中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図83で後述する通常ART中スタート時処理を行い(S38)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態が通常ARTではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がCT中であるか否かを判定する(S39)。CT中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図84で後述するCT中スタート時処理を行い(S40)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がCTではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がボーナス状態中であるか否かを判定する(S41)。ボーナス状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図85で後述するBB中スタート時処理を行い(S42)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がボーナス状態ではない場合には(NO)、メインCPU31は、その他処理を行い(S43)、状態別制御処理を終了する。例えば、メインCPU31は、ART準備中である場合に、準備中に応じた処理を行う。
<フラグ変換処理>
次に、図77を参照して、フラグ変換処理について説明する。フラグ変換処理では、初めに、メインCPU31は、CT開始時であるか否かを判定する(S50)。CT開始時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CT中フラグ変換テーブル抽籤テーブル(図64)を参照して、CT中のフラグ変換抽籤に用いるテーブル番号を抽籤し、セットする(S51)。
S51の処理に続いて、又は、S50においてCT開始時ではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の状態に応じたフラグ変換抽籤テーブルをセットする(S52)。例えば、現在の状態が非ART中のRT4遊技状態である場合には、非ART中フラグ変換抽籤テーブル(図73)をセットし、現在の状態が通常ART中のRT4遊技状態である場合には、ART中フラグ変換抽籤テーブル(図58)をセットし、現在の状態がCT中のRT4遊技状態である場合には、CT中フラグ変換抽籤テーブル(図65)をセットする。
続いて、メインCPU31は、内部当籤役に基づいてフラグ変換抽籤を行い(S53)、続いて、当籤したか否かを判定する(S54)。フラグ変換抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、フラグ変換処理を行う(S55)。この処理では、例えば、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合に、役「F_1確チリリプ」を役「3連チリリプ」として扱うように処理する。
続いて、メインCPU31は、現在の遊技状態が非ART中であるか否かを判定する(S56)。すなわち、メインCPU31は、RT4遊技状態への移行が、一般遊技状態(非ART)という報知が行われない状態において、遊技者の停止操作に応じて偶然に行われたものであるか否かを判定する。現在の遊技状態が非ART中である場合には(YES)、メインCPU31は、ARTセット数に1を加算し(S57)、続いて、次遊技にART準備中をセットし(S58)、フラグ変換処理を終了する。他方、現在の遊技状態が非ART中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、フラグ変換処理を終了する。
また、S54において、フラグ変換抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、フラグ維持処理を行い(S59)、フラグ変換処理を終了する。このフラグ維持処理では、例えば、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合に、役「F_1確チリリプ」を役「リプレイ」として扱うように処理する。
<通常中スタート時処理>
次に、図78を参照して、通常中スタート時処理について説明する。通常中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、図52(A)に示すCZ抽籤テーブルを参照して、現在のCZの抽籤状態及び内部当籤役に基づいてCZ抽籤を行う(S61)。
続いて、メインCPU31は、このCZ抽籤に当籤したか否かを判定する(S62)。CZ抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、次遊技に当籤した種別のCZをセットし(S63)、続いて、当籤した種別のCZに応じた値をCZゲーム数カウンタにセットする(S64)。なお、CZゲーム数カウンタは、CZの継続期間を計数するカウンタであり、CZ1に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタ(前半)に第1ゲーム数(例えば、12)をセットし、CZ2に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタ(前半)に第2ゲーム数(例えば、15)をセットし、CZ3に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタに第4ゲーム数(例えば、17)をセットする。
S64の処理に続いて、又は、S62においてCZ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図51(A)の通常中高確率抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態の移行抽籤を行い(S65)、移行抽籤の結果に基づきCZの抽籤状態を更新し(S66)、通常中スタート時処理を終了する。
<CZ中スタート時処理>
次に、図79を参照して、CZ中スタート時処理について説明する。CZ中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、現在の遊技状態がCZ1中であるか否かを判定する(S71)。CZ1中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図80及び図81で後述するCZ1(CZ2)中処理を行い(S72)、CZ中スタート時処理を終了する。
他方、CZ1中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、現在の遊技状態がCZ2中であるか否かを判定する(S73)。CZ2中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図80及び図81で後述するCZ1(CZ2)中処理を行い(S74)、CZ中スタート時処理を終了する。なお、本実施形態において、CZ1とCZ2とではART抽籤に当籤する期待度が異なるランク(モード又はポイント)が異なるだけであり、基本的な処理は同じである。そこで、本実施形態では、CZ1及びCZ2中の処理をCZ1(CZ2)中処理として一つの処理で説明する。
他方、CZ2中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図82で
後述するCZ3中処理を行い(S75)、CZ中スタート時処理を終了する。
<CZ1(CZ2)中処理>
次に、図80及び図81を参照して、CZ1(CZ2)中処理について説明する。CZ1(CZ2)中処理では、初めに、メインCPU31は、CZ1又はCZ2の前半部であるか否かを判定する(S81)。メインCPU31は、前半部である場合には(YES)、処理をS82に移し、前半部ではない(後半部である)場合には(NO)、処理を図81のS91に移す。
CZ1の前半部である場合には、メインCPU31は、CZ1中モードアップ抽籤テーブル(図53)を参照して、内部当籤役に基づいてモードアップ抽籤を行う(S82)。同様に、CZ2の前半部である場合には、メインCPU31は、CZ2中ポイント抽籤テーブル(図54)を参照して、内部当籤役に基づいてポイントアップ抽籤を行う(S82)。続いて、メインCPU31は、S82の抽籤結果に基づいて、モード(又はポイント)を更新する(S83)。
続いて、メインCPU31は、S82の抽籤においてフリーズに当籤したか否かを判定する(S84)。フリーズに当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、遊技の進行を一時的に停止するフリーズ処理を行うとともに、ARTセット数及びCTセット数に1加算する(S85)。この処理では、メインCPU31は、更に、ARTレベル決定テーブル(図59(A))を参照してARTレベルを決定し、セットする。なお、フリーズ発生時には、ARTレベルとして「ARTレベル2」が決定される。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S86)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、S84においてフリーズに当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(前半)を1減算する(S87)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(前半)が0か否かを判定する(S88)。CZゲーム数カウンタ(前半)が0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタ(前半)が0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、次遊技にCZ1又はCZ2の後半をセットし(S89)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
続いて、図81を参照して、CZ1又はCZ2の後半部である場合には、メインCPU31は、後半部の1ゲーム目であるか否かを判定する(S91)。後半部の1ゲーム目である場合には、CZ中ART抽籤テーブル(図55(A)(B))を参照して、前半部のモード又はポイントに基づいてART抽籤を行う(S92)。続いて、メインCPU31は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S93)。
ART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図59(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S94)。S94の処理に続いて、又は、ART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)に所定値をセットする(S95)。メインCPU31は、例えば、ART抽籤に当籤している場合にCZゲーム数カウンタ(後半)に「4」をセットし、ART抽籤に非当籤している場合にCZゲーム数カウンタ(後半)に「3」をセットする。
S95の処理に続いて、又は、S91において後半部の1ゲームではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ中ART抽籤テーブル(図55(C))を参照して、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い(S96)、ART抽籤に当籤したか否かを判定する(S97)。このART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図59(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S98)。
S98の処理に続いて、又は、S97においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)を1減算する(S99)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)が0であるか否かを判定する(S100)。CZゲーム数カウンタ(後半)が0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタ(後半)が0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数が1以上であるか否かを判定する(S101)。ARTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S102)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。他方、ARTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CZ失敗時をセットし(S103)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
<CZ3中処理>
次に、図82を参照して、CZ3中処理について説明する。CZ3中処理では、初めに、メインCPU31は、CZ中ART抽籤テーブル(図56(D))を参照して、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い(S121)、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S122)。
ART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数及びCTセット数に1加算する(S123)。続いて、メインCPU31は、S121のART抽籤においてフリーズに当籤したか否かを判定する(S124)。フリーズに当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、遊技の進行を一時的に停止するフリーズ処理を行う(S125)。
S125の処理に続いて、又は、S124においてフリーズに当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ARTレベル決定テーブル(図59(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S126)。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S127)、CZ3中処理を終了する。
他方、S122においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CZゲーム数カウンタを1減算する(S128)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタが0であるか否かを判定する(S129)。CZゲーム数カウンタが0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ3中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタが0である場合には、メインCPU31は、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図59(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S130)。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S131)、CZ3中処理を終了する。
<通常ART中スタート時処理>
次に、図83を参照して、通常ART中スタート時処理について説明する。通常ART中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、ART継続ゲーム数カウンタを1加算する(S141)。なお、ART継続ゲーム数カウンタは、通常ARTが継続したゲーム数を計数するカウンタである。本実施形態では、ART継続ゲーム数カウンタの他に、通常ARTが継続可能なゲーム数を計数するART終了ゲーム数カウンタを設ける。そして、パチスロ機1は、ART継続ゲーム数カウンタの値とART終了ゲーム数カウンタの値とを比較し、ART継続ゲーム数カウンタの値がART終了ゲーム数カウンタの値に到達すると、ART遊技状態を終了する。
続いて、メインCPU31は、ART中CT抽籤テーブル(図61)を参照して、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に基づいてCT抽籤を行い(S142)、このCT抽籤に当籤したか否かを判定する(S143)。CT抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、CTセット数に1加算するとともに、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S144)、続いて、次遊技に当籤した種別のCTをセットする(S145)。
S145の処理に続いて、又は、S143においてCT抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、ARTレベル決定テーブル(図59(B))を参照して、ART継続ゲーム数カウンタの値に基づいてARTレベルを抽籤し、セットする(S146)。続いて、メインCPU31は、通常ART中高確率抽籤テーブル(図60)を参照して、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に基づいて、移行先のCT抽籤状態を抽籤し、セットする(S147)。
続いて、メインCPU31は、通常ART中上乗せ抽籤テーブル(図62)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S148)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S149)。上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S150)。
S150の処理に続いて、又は、S149において上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達したか否かを判定する(S151)。ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達していない場合には(NO)、メインCPU31は、通常ART中スタート時処理を終了する。
他方、ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達した場合には(YES)、メインCPU31は、ARTセット数を1減算し(S152)、続いて、ART終了時をセットし(S153)、通常ART中スタート時処理を終了する。
<CT中スタート時処理>
次に、図84を参照して、CT中スタート時処理について説明する。CT中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、CT中上乗せ抽籤テーブル(図66)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S161)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S162)。
上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S163)。なお、上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が増えるほど、1回あたりの上乗せ量が増えることになる。
続いて、メインCPU31は、内部当籤役が役「3連チリリプ」であるか否か(すなわち、図77のフラグ変換処理において役「3連チリリプ」に変換されたか否か)を判定する(S164)。内部当籤役が役「3連チリリプ」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタに8を再セットし(S165)、CT中スタート時処理を終了する。また、内部当籤役が役「3連チリリプ」ではない場合には(NO)メインCPU31は、CT中スタート時処理を終了する。
S162において、上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CT中セット数上乗せ抽籤テーブル(図67)を参照して、内部当籤役に基づいてCTセット数の上乗せ抽籤を行い(S166)、このCTセット数の上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S167)。CTセット数の上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTセット数に1加算し(S168)、CT中スタート時処理を終了する。
他方、CTセット数の上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタを1減算し(S169)、続いて、減算の結果、CTゲーム数カウンタが0になったか否かを判定する(S170)。CTゲーム数カウンタが0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CT中スタート時処理を終了する。
CTゲーム数カウンタが0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTセット数を1減算する(S171)。続いて、メインCPU31は、CTセット数が1以上であるか否かを判定する(S172)。CTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S173)、CT中スタート時処理を終了する。他方、CTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CTを終了し、次遊技に通常ARTをセットし(S174)、CT中スタート時処理を終了する。
<BB中スタート時処理>
次に、図85を参照して、BB中スタート時処理について説明する。BB中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル(図70)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S181)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S182)。上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、BB中スタート時処理を終了する。
他方、上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S183)。続いて、メインCPU31は、ARTセット数が0であるか否かを判定する(S184)。ARTセット数が0ではない場合には、メインCPU31は、BB中スタート時処理を終了する。他方、ARTセット数が0である場合には、メインCPU31は、ARTセット数に1加算し(S185)、BB中スタート時処理を終了する。
<リール停止初期設定処理>
次に、図86を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。リール停止初期設定処理では、初めに、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役などに基づいて回胴停止用番号を取得する(S191)。続いて、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(S192)。この処理では、メインCPU31は、例えば、押下順序別判定データなどの回胴停止用番号に対応付けられた各種情報を取得する。
続いて、メインCPU31は、図柄コード格納領域(図示せず)に回転中の識別子を格納する(S193)。すなわち、メインCPU31は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットを「1」にセットする。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(S194)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン7L、7C、7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM33の所定の領域に格納されている。
<リール停止制御処理>
続いて、図87を参照して、リール停止制御処理について説明する。リール停止制御処理では、初めに、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判定する(S201)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されたか否かを判定する処理である。メインCPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判定した場合には(NO)、ステップS201の処理を繰り返し実行する。
一方、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたと判定した場合には(YES)、押されたストップボタンに応じて、押下順序格納領域(図示せず)と、作動ストップボタン格納領域(図示せず)とを更新する(S202)。すなわち、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域を更新することで、押されたストップボタンの種別を管理するとともに、押されたストップボタンの種別及びその順序に基づいて押下順序格納領域を更新することで、停止操作の順序(押し順)を管理する。
続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタから1を減算し(S203)、作動ストップボタンから検索対象リールを決定し(S204)、図柄カウンタに基づいて停止開始位置をメインRAM33に格納する(S205)。停止開始位置は、ストップスイッチ7Sによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定処理を実行する(S206)。この滑り駒数決定処理は、回胴停止初期設定テーブルから内部当籤役に基づいて選択されるリール停止制御情報(停止テーブル群)に基づいて、停止開始位置に規定された滑り駒数を決定する処理である。
次に、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信するリール停止コマンドデータを生成し、生成したリール停止コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納するリール停止コマンド生成処理を実行する(S167)。このリール停止コマンドデータは、停止されるリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)などを表す。
次に、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて停止予定位置を決定し、メインRAM33に格納する(S208)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットする(S209)。次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理を実行する(S210)。この図柄コード格納処理は、回転中のリールの図柄位置をチェックするためのチェック用図柄位置データの図柄コードを取得する。
次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理で取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(S211)。次に、メインCPU31は、制御変更処理を行う(S212)。この制御変更処理では、特定の停止位置にあった場合に、リールの停止に用いる停止情報群が更新される。
次に、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたか否かを判定する(S213)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されなくなったか否かを判定する処理である。
メインCPU31は、押されたストップボタンが放されていないと判定した場合には(NO)、ステップS213の処理を繰り返し実行する。一方、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたと判定した場合には(YES)、リール停止コマンドを送信する(S214)。
次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判定する(S215)。ここで、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を実行し(S216)、ステップS201の処理を実行する。この引込優先順位格納処理では、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。一方、ストップボタン未作動カウンタが0であると判定した場合には(YES)、メインCPU31は、リール停止制御処理を終了する。
<BBチェック処理>
続いて、図88を参照して、BBチェック処理について説明する。BBチェック処理では、初めに、メインCPU31は、ボーナス状態中であるか否かを判定する(S221)。ボーナス状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態中に払い出し可能なメダルの枚数を計数するBB中払出枚数カウンタから、入賞判別メダル払出処理(図75のS13)において払い出されたメダルの払出枚数を減算する(S222)。
続いて、メインCPU31は、BB中払出枚数カウンタが0未満になったか否かを判定する(S223)。BB中払出枚数カウンタが0未満ではない場合には(NO)、BBチェック処理を終了する一方で、BB中払出枚数カウンタが0未満である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス終了時処理を行う(S224)。この処理では、メインCPU31は、ボーナス状態中の各種情報をクリアするとともに、RT1遊技状態フラグをオンにセットする。
続いて、メインCPU31は、ボーナス終了時CT抽籤テーブル(図71)を参照して、ボーナス終了時のCT抽籤を行い(S225)、このCT抽籤に当籤したか否かを判定する(S226)。CT抽籤に当籤している場合には、メインCPU31は、続いて、CTセット数に1加算する(S227)。なお、ARTセット数が0のときにCT抽籤に当籤した場合には、S227においてCTセット数に1加算するとともに、ARTセット数にも1加算する。
S227の処理に続いて、又はS226においてCT抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数又はCTセット数が1以上であるか否かを判定する(S228)。ARTセット数又はCTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態を終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S229)、BBチェック処理を終了する。
他方、ARTセット数及びCTセット数のいずれも1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態を終了するとともに、次遊技に通常遊技状態をセットする(S230)。続いて、メインCPU31は、通常中高確率抽籤テーブル(図51(B))を参照して、CZの抽籤状態を抽籤し、セットし(S231)、BBチェック処理を終了する。
また、S221においてボーナス状態中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、BBの図柄の組合せ(C_BB1,2)が表示されたか否かを判定する(S232)。BBの図柄の組合せが表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、BBチェック処理を終了する。
他方、BBの図柄の組合せが表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス種別抽籤テーブル(図69)を参照して、ボーナス種別を抽籤し、セットする(S233)。続いて、メインCPU31は、BB中払出枚数カウンタに所定値(例えば、216)をセットし(S234)、ボーナス開始時処理を行い(S235)、BBチェック処理を終了する。なお、ボーナス開始時処理では、メインCPU31は、ボーナスの作動を開始し、次遊技にボーナス状態をセットするなどの各種の処理を行う。
<RTチェック処理>
続いて、図89及び図90を参照して、RTチェック処理について説明する。RTチェック処理では、初めに、メインCPU31は、RT5遊技状態中であるか否かを判定する(S241)。RT5遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、RT5遊技状態中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT0遊技状態中であるか否かを判定する(S242)。
S242においてRT0遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S243)。「ベルこぼし目」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「ベルこぼし目」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態フラグをオンにセットし、RT0遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S244)、RTチェック処理を終了する。
他方、S242においてRT0遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT1遊技状態中であるか否かを判定する(S245)。RT1遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S246)。「ベルこぼし目」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT1遊技状態フラグをオフにし、RT1遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S247)、RTチェック処理を終了する。
他方、S246において「ベルこぼし目」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT1遊技状態が20ゲーム経過したか否かを判定する(S248)。20ゲーム経過していない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、20ゲーム経過した場合には(YES)、メインCPU31は、RT1遊技状態フラグをオフにし、RT1遊技状態からRT0遊技状態に移行させ(S249)、RTチェック処理を終了する。
他方、S245においてRT1遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態中であるか否かを判定する(S250)。RT2遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「RT3移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S251)。「RT3移行リプ」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「RT3移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT3遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT2遊技状態フラグをオフにし、RT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させ(S252)、RTチェック処理を終了する。
他方、S250においてRT2遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT3遊技状態中であるか否かを判定する(S261)。RT3遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S262)。「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT3遊技状態フラグをオフにし、RT3遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S263)、RTチェック処理を終了する。
他方、S262において「ベルこぼし目」及び「RT2移行リプ」のいずれも表示されていない場合には、メインCPU31は、続いて、「RT4移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S264)。「RT4移行リプ」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「RT4移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT4遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT3遊技状態フラグをオフにし、RT3遊技状態からRT4遊技状態に移行させる(S265)。
続いて、メインCPU31は、ART準備中がセットされているか否かを判定する(S266)。ART準備中がセットされていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、ART準備中がセットされている場合には(YES)、メインCPU31は、CTセット数が1以上であるか否かを判定する(S267)。
CTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、次遊技にCTをセットするとともに、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S268)、RTチェック処理を終了する。他方、CTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、次遊技に通常ARTをセットし、ART終了ゲーム数カウンタに所定値をセットし(S269)、RTチェック処理を終了する。
他方、S261においてRT3遊技状態中ではない場合には(NO)、RT4遊技状態中であるため、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S270)。「ベルこぼし目」及び「RT2移行リプ」のいずれも表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT4遊技状態フラグをオフにし、RT4遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S271)、RTチェック処理を終了する。
<CZ・ART終了時処理>
続いて、図91を参照して、CZ・ART終了時処理について説明する。CZ・ART終了時処理では、初めに、メインCPU31は、CZ失敗時又はART終了時であるか否かを判定する(S281)。CZ失敗時及びART終了時のいずれでもない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ・ART終了時処理を終了する一方で、CZ失敗時又はART終了時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CZ抽籤テーブル(図52(B))を参照して、CZの引き戻し抽籤を行い(S282)、この引き戻し抽籤に当籤したか否かを判定する(S283)。
引き戻し抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、次遊技に当籤した種別のCZをセットし(S284)、当籤した種別のCZに応じた値をCZゲーム数カウンタにセットし(S285)、CZ・ART終了時処理を終了する。
他方、引き戻し抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、次遊技に通常遊技状態をセットする(S286)。続いて、メインCPU31は、通常中高確率抽籤テーブル(図51(B))を参照して、CZの抽籤状態を抽籤し、セットし(S287)、CZ・ART終了時処理を終了する。
[副制御基板の動作説明]
次に、図92〜図94を参照して、副制御基板72のサブCPU81が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<サブ側ナビ制御処理>
まず、図92を参照して、サブ側ナビ制御処理について説明する。サブ側ナビ制御処理では、初めに、サブCPU81は、ナビデータを取得したか否かを判定する(S301)。サブCPU81は、主制御基板71から受信したスタートコマンドデータの中から主制御基板71が決定したナビデータを取得する。S301の処理では、サブCPU81は、受信したスタートコマンドデータの中にナビデータが含まれていたか否かを判定する。
ナビデータを取得した場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、ナビデータに応じたサブ側ナビデータをセットする(S302)。図74を参照して、サブCPU81は、例えば、ナビデータ「4」を取得した場合には、サブ側ナビデータといして押し順「左、中、右」を報知するためのナビデータをセットする。これにより、メイン側及びサブ側の双方において停止操作の内容を報知することができる。
他方、ナビデータを取得していない場合には(NO)、サブCPU81は、続いて、ナビ(停止操作の報知)の必要があるか否かを判定する(S303)。本実施形態では、サブCPU81は、例えば、主制御基板71においてフラグ変換抽籤が行われた場合や、主制御基板71において所定の役が内部当籤役として決定された場合に、ナビの必要があると判定する。フラグ変換抽籤の結果や、内部当籤役の種別は、スタートコマンドデータに含まれており、サブCPU81は、スタートコマンドデータに含まれる各種情報からナビの必要があるか否かを判定することができる。
ナビの必要がないと判定した場合には(NO)、サブCPU81は、サブ側ナビ制御処理を終了する。他方、ナビの必要があると判定した場合には(YES)、サブCPU81は、各種抽籤結果に応じたサブ側ナビデータをセットし(S304)、サブ側ナビ制御処理を終了する。例えば、サブCPU81は、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されており、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、「3連チリリプ」の図柄の組合せを表示するためのナビデータ(例えば、順押しでチリ図柄を狙わせるナビデータ)をセットし、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されており、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するためのナビデータ(例えば、順押し以外の押し順を示すナビデータ)をセットする。これにより、メイン側で停止操作の内容を報知しない場合であっても、サブ側単独で停止操作の内容を報知することができる。
<遊技者登録処理>
次に、図93を参照して、遊技者登録処理について説明する。遊技者登録処理では、初めに、サブCPU81は、登録操作を受け付けたか否かを判定する(S311)。例えば、第1サブ表示装置201のメニュー画面212(図29参照)において登録ボタン212bの操作を受け付けた場合に表示する登録画面において所定の操作を受け付けると、サブCPU81は、登録操作を受け付けたと判定する。
登録操作を受け付けた場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、遊技者登録状態をセットする(S312)。後述するように、遊技者登録状態がセットされている状況では、サブCPU81は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215(図29参照)を表示可能に第1サブ表示装置201の表示画面を制御する。
他方、登録操作を受け付けていない場合には(NO)、サブCPU81は、登録削除操作を受け付けたか否かを判定する(S313)。例えば、第1サブ表示装置201の登録画面において特定の操作を受け付けると、サブCPU81は、登録削除操作を受け付けたと判定する。登録削除操作を受け付けていない場合には(NO)、サブCPU81は、遊技者登録処理を終了する。
他方、登録削除操作を受け付けた場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、遊技者登録状態をクリアする。後述するように、遊技者登録状態がクリアされている状況では、サブCPU81は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215(図29参照)を表示不可能に第1サブ表示装置201の表示画面を制御する。
<履歴管理処理>
次に、図94を参照して、履歴管理処理について説明する。履歴管理処理では、初めに、サブCPU81は、主制御基板71から受信した各種コマンドデータから遊技結果を取得する(S321)。続いて、サブCPU81は、遊技履歴を更新し(S322)、履歴管理処理を終了する。サブCPU81は、例えば、スタートコマンドデータから内部当籤役として決定された役の種類を把握することができ、また、入賞作動コマンドデータから表示された図柄の組合せ(すなわち、内部当籤役として決定された役の入賞の有無)を把握することができる。また、サブCPU81は、例えば、スタートコマンドデータなどから現在の遊技状態や遊技状態の移行状況を把握することができる。サブCPU81は、各種コマンドデータから取得したこれらの遊技結果から、例えば、ボーナス回数、ART回数、ゲーム数(遊技回数)、CZ回数、CZ成功回数、それぞれの役の当籤回数及び当籤確率などの様々な遊技履歴を管理することができる。
[第1サブ表示装置の表示画面の切り替え]
次に、図95を参照して、本実施形態のパチスロ機1における第1サブ表示装置201の表示画面の切り替え方法について説明する。図95(A)は、遊技者登録状態がセットされていない状況での第1サブ表示装置201の表示画面の遷移例であり、図95(B)は、遊技者登録状態がセットされている状況での第1サブ表示装置201の表示画面の遷移例である。
図95(A)に示すように、遊技者登録状態がセットされていない状況では、副制御基板72(サブCPU81)は、第1サブ表示装置201に表示する表示画面を、トップ画面211、メニュー画面212及びメニュー画面212から遷移可能な各種表示画面の間でのみ遷移可能に制御する。具体的には、副制御基板72は、タッチセンサ201aを介して取得したタッチ操作(例えば、所定のボタンに対するタップ操作や、表示画面上におけるスワイプ操作)に基づいて、トップ画面211及びメニュー画面212の間で表示画面を切り替える。一方で、遊技者登録状態がセットされていない状況では、副制御基板72は、遊技情報画面213,214,215の表示を不可能に制御する。すなわち、遊技者登録状態がセットされていない状況では、遊技者は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215を表示することができない。
また、図95(B)に示すように、遊技者登録状態がセットされている状況では、副制御基板72は、第1サブ表示装置201に表示する表示画面を、トップ画面211、メニュー画面212及びメニュー画面212から遷移可能な各種表示画面に加え、遊技情報画面213,214,215での間でも遷移可能に制御する。すなわち、副制御基板72は、タッチセンサ201aを介して取得したタッチ操作に基づいて、トップ画面211及びメニュー画面212だけでなく遊技情報画面213,214,215も表示可能に制御する。これにより、遊技者登録状態がセットされている状況では、遊技者は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215を表示することができる。
なお、図95(B)に示すように、トップ画面211、メニュー画面212及び遊技情報画面213,214,215の間での表示画面の遷移順序は任意である。例えば、トップ画面211から遊技情報画面213,214,215に直接遷移可能にしてもよく、また、トップ画面211からメニュー画面212を介してのみ遊技情報画面213,214,215に遷移可能にしてもよい。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、トップ画面211からは、遊技情報画面213,214,215に直接遷移することはできず、メニュー画面212を介してのみ遊技情報画面213,214,215に遷移可能にしている。より具体的には、本実施形態のパチスロ機1では、メニュー画面212において、スワイプ操作を行うことで、遊技情報画面213,214,215に遷移可能にしている。
ここで、遊技情報画面213,214,215は、メニュー画面212に対応するボタンが設けられた表示画面ではなく、メニュー画面212から完全に独立して設けられた表示画面である。すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、遊技履歴という遊技者が遊技中に強い関心を抱く遊技の結果を示す情報を、配当配列や音量調節などの遊技の結果とは関係のない関連情報から独立して表示する。そして、パチスロ機1では、遊技者登録状態がセットされている状況において、メニュー画面212におけるメニュー選択操作を必要とすることなく、遊技情報画面213,214,215に遷移可能にしている。これにより、パチスロ機1では、遊技者登録状態がセットされている状況において、遊技者が確認することを望む情報(遊技履歴)へのアクセスをし易くすることができる。
一方で、メニュー画面212におけるメニュー選択操作では遊技情報画面213,214,215に遷移できず、メニュー表示にはないスワイプ操作を行わなければ遊技情報画面213,214,215に遷移することができないようにしているため、本実施形態のパチスロ機1では、遊技情報画面213,214,215への遷移のための操作を、遊技者登録状態がセットされている状況における隠しコマンドとして扱うことができる。遊技者にとってみれば、パチスロ機1に対する自身の知識により、知識の少ない他の遊技者では見ることのできないより詳細な遊技履歴を見ることができるため、当該他の遊技者よりも有利に遊技を行うことができ、結果、積極的に遊技を行うことが期待できる。
(遊技情報画面からトップ画面の表示)
パチスロ機1では、遊技情報画面213,214,215から、遊技者の手動により、又は自動的にトップ画面211に遷移する。具体的には、遊技情報画面213,214,215において戻るボタンが操作されると、遊技情報画面213,214,215からトップ画面211に表示画面を遷移する(手動遷移)。また、遊技情報画面213,214,215を表示している状態において所定の条件を満たした場合には、遊技者の操作とは関係なく自動的にトップ画面211に遷移する(自動遷移)。
より具体的には、パチスロ機1では、遊技情報画面213,214,215を表示している状態において、投入操作(MAXベットボタン11の操作、1ベットボタンの操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作)が行われると、自動的にトップ画面211に遷移する。なお、ART遊技状態のように再遊技の作動を行うリプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高い状態(高リプ状態)では、リプレイ入賞に伴う再遊技の作動によりメダルが自動的に投入されてしまう結果、高リプ状態では、遊技情報画面213,214,215を表示する機会が限られてしまう可能性がある。そこで、パチスロ機1では、再遊技の作動によりメダルが自動的に投入された場合には、メダルの投入ではなく開始操作が行われると、自動的に遊技情報画面213,214,215からトップ画面211に遷移する。
すなわち、パチスロ機1では、再遊技の作動が行われている場合には、開始操作が行われると、自動的に遊技情報画面213,214,215からトップ画面211に遷移し、再遊技の作動が行われていない場合には、投入操作が行われると、自動的に遊技情報画面213,214,215からトップ画面211に遷移する。
(メニューに応じた表示画面からトップ画面(又はメニュー画面)の表示)
また、パチスロ機1では、メニュー画面212におけるメニュー選択操作により遷移可能な各種表示画面(登録画面、説明画面、配列配当画面、リーチ目画面、WEB紹介画面、及び音量調整画面)から、遊技者の手動により、又は自動的にトップ画面211(又はメニュー画面212)に遷移する。具体的には、各種表示画面において所定のボタン(例えば、トップボタン)が操作されると、当該各種表示画面からトップ画面211に表示画面を遷移し、また、各種表示画面において特定のボタン(例えば、戻るボタン)が操作されると、当該各種表示画面からメニュー画面212に表示画面を遷移する(手動遷移)。また、各種表示画面を表示している状態において所定の時間が経過すると、遊技者の操作とは関係なく自動的にトップ画面211(又はメニュー画面212)に遷移する。
ここで、パチスロ機1では、トップ画面211(又はメニュー画面212)に遷移することになる時間を、現在表示している表示画面の種類に応じて異ならせている。例えば、パチスロ機1から出力する音量の調整を行う音量調整画面は、長く表示していると誤操作により意図しない音量に調整してしまう虞があり、また、誤操作により他の遊技者を不快にしてしまう虞があるため、他の表示画面よりも短い時間で、トップ画面211(又はメニュー画面212)に遷移する。一方、登録画面は、遊技者の登録を行い易くするために、他の表示画面よりも長い時間で、トップ画面211(又はメニュー画面212)に遷移する。
すなわち、各種表示画面には、トップ画面211(又はメニュー画面212)に遷移することになる時間が設定されており、音量調整画面には、他の表示画面よりも短い時間が設定され、また、登録画面には、他の表示画面よりも長い時間が設定されている。
(メニューの操作可否の選択機能)
パチスロ機1では、遊技者は、メニュー画面212から、登録画面、説明画面、配列配当画面、リーチ目画面、WEB紹介画面、及び音量調整画面に遷移することで、これら各種表示画面に応じた各種操作を行うことや、各種情報を確認することができる。ここで、遊技者が選択できる機能を遊技店側の設定に応じて制限可能にしてもよい。
例えば、遊技店は、メニュー画面212から音量調節画面に遷移不可能(例えば、メニュー画面212に音量ボタン212gを表示しない)に制限することで、遊技者による音量調節を不可能にすることができる。
[第1実施形態の変形例]
以上、第1実施形態のパチスロ機1について説明した。続いて、第1実施形態のパチスロ機1の変形例について説明する。
<通常ART中のCT前兆遊技と報知抽籤>
上述した第1実施形態のパチスロ機1では、理解を容易にするために、有利な状態(例えば、CT)に当籤した場合に、次遊技からすぐに有利な状態に移行させることとしているが、パチスロ機では、遊技者に対して有利な制御を行う場合に、すぐに当該有利な制御を行うのではなく、所定回数の遊技を行った後に当該有利な制御を行うことがある。この所定回数の遊技は、いわゆる前兆遊技などと呼ばれている。本変形例では、例えば、通常ART中にCT抽籤に当籤した場合に、すぐにCTを行うのではなく、所定回数の前兆遊技を挟むパチスロ機1について説明する。
図96(A)に示すように、通常ART中は、ART中CT抽籤テーブル(図61)を用いて内部当籤役に基づいてCT抽籤を行う。このCT抽籤に当籤するとCT(上乗せチャンスゾーン)という遊技者にとって有利な状態に移行することから、CTに当籤するまではCT抽籤のための各種抽籤を、メイン側(主制御基板71)で行う。具体的には、主制御基板71は、内部当籤役を決める内部抽籤を行うとともに、内部当籤役として役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」のいずれかが決定された場合に、ART中フラグ変換抽籤テーブル(図58)を用いてフラグ変換抽籤を行う。
一方で、本変形例のパチスロ機1では、CT抽籤に当籤した後のCT前兆中は、フラグ変換抽籤後の役(すなわち、役「3連チリリプ」や役「リーチ目リプ」)に基づくCT抽籤などの遊技者にとって特典を付与する抽籤を行わないこととする。そして、このCT前兆中は、フラグ変換抽籤をサブ側(副制御基板72)で行い、このサブ側で行ったフラグ変換抽籤の結果に基づいて、サブ側で行う報知内容を制御する。例えば、サブ側で行ったフラグ変換抽籤に当籤した場合には、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示するための情報を表示ユニット100に表示し、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための情報を表示ユニット100に表示する。
上述のように近年のパチスロ機では、遊技者の利益(出玉)に影響を与える抽籤をメイン側で行うことが求められているが、本変形例のパチスロ機1では、フラグ変換抽籤の抽籤結果が遊技者の利益に何らの影響を与えない期間(CT前兆中)を設け、この期間に限り、サブ側でフラグ変換抽籤を行う。これにより、例えば、CT前兆中という特典の付与が決まっている状況において、「リーチ目リプ」という特別な図柄の組合せを表示する機会を増やすことができ、図柄の組合せの見せ方のバリエーションが増すため、遊技性の向上が期待できる。
なお、図96(B)は、サブ側で行うフラグ変換抽籤に用いるCT前兆中のフラグ変換抽籤テーブルであり、ロムカートリッジ基板82に記憶されている。CT前兆中のフラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けてサブ側で行うフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。CT前兆中のフラグ変換抽籤テーブルを参照すると、CT前兆中は、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が非常に高い確率で役「リーチ目リプ」に変換されることが分かる。その結果、CT前兆中に役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定された場合には、高い確率で「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示されることになり、遊技者に対して、前兆中であることを示唆することができる。なお、繰り返しになるが、サブ側で行うフラグ変換抽籤に当籤した場合には、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示するための報知は行われるものの、特典を付与することはない。
もちろん、CT前兆中のフラグ変換抽籤をメイン側で行ってもよいが、本変形例のように遊技者の利益に何らの影響を与えない期間における抽籤をサブ側で行うことで、メイン側のデータ容量や処理負荷を軽減することができ、好適である。
<3連チリリプ表示用の押し順の別例>
上述した第1実施形態のパチスロ機1では、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合、押し順に正解すると「3連チリリプ」の図柄の組合せを表示し、押し順に不正解すると「リプレイ」の図柄の組合せを表示することとしている(図47)。また、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」に対して正解の押し順が「順押し」であるものとしている。
この点、本変形例のパチスロ機1では、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合の、押し順に不正解時に表示される図柄の組合せの種類を増やすとともに、正解の押し順を役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」のそれぞれで異ならせる。
具体的には、図97(A)に示すように、本変形例のパチスロ機1では、役「F_確チリリプ」は、正解となる押し順が「順押し(第1停止操作が左のリール3L)」であり、不正解となる押し順が「中押し(第1停止操作が中のリール3C)」及び「逆押し(第1停止操作が右のリール3R)」であるものとする。そして、役「F_確チリリプ」は、順押しされた場合に「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、「中押し」された場合に「リプレイ」の図柄の組合せが表示され、「逆押し」された場合に「2連チリリプ」の図柄の組合せが表示される。
また、本変形例のパチスロ機1では、役「F_1確チリリプ」は、正解となる押し順が「逆押し」であり、不正解となる押し順が「順押し」及び「中押し」であるものとする。そして、役「F_1確チリリプ」は、逆押しされた場合に「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、「中押し」された場合に「リプレイ」の図柄の組合せが表示され、「順押し」された場合に「2連チリリプ」の図柄の組合せが表示される。
すなわち、本変形例のパチスロ機1では、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に、「順押し」すると当籤している役の種類に応じて「3連チリリプ」又は「2連チリリプ」が表示され、同様に、「逆押し」すると当籤している役の種類に応じて「3連チリリプ」又は「2連チリリプ」が表示される。一方で、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に、「中押し」すると当籤している役の種類に関係なく「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。
このようにすることで、例えば、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合に、チリ図柄を狙わせる様々なナビ(報知)が可能になる。具体的には、「順押しでチリ図柄を狙わせるナビ」と「逆押しでチリ図柄を狙わせるナビ」との双方を行うことができる。なお、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合には、「順押しでチリ図柄を狙わせるナビ」は「3連チリリプ」を表示させるためのナビであり、「逆押しでチリ図柄を狙わせるナビ」は「3連チリリプ」を表示させないためのナビ(2連チリリプが表示)である。反対に、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合には、「順押しでチリ図柄を狙わせるナビ」は「3連チリリプ」を表示させないためのナビであり、「逆押しでチリ図柄を狙わせるナビ」は「3連チリリプ」を表示させるためのナビ(2連チリリプが表示)である。
本変形例のパチスロ機1では、これらのナビを行うか否かをメイン側で行うフラグ変換抽籤により管理し、このメイン側のフラグ変換抽籤の結果に基づいてサブ側の制御のもとにナビが実行される。
図97(B)は、通常ART中のメイン側のフラグ変換抽籤と、サブ側のナビとの関係性を示す図である。通常ART中は、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、主制御基板71は、2段階のフラグ変換抽籤を行う(図58参照)。サブ側では、この2段階のフラグ変換抽籤の結果を、スタートコマンドデータから取得し、2段階のフラグ変換抽籤の結果に基づいて表示ユニット100で行うナビを決定する。
具体的には、2段階のフラグ変換抽籤のうち1段階目のフラグ変換抽籤の時点で非当籤した場合には、副制御基板72は、「リプレイナビ」を行う。この「リプレイナビ」では、副制御基板72は、遊技者に対して中押しするように報知する。図97(A)に示すように、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」のいずれであっても、中押し時には「リプレイ」の図柄の組合せが表示されることになる。
また、2段階のフラグ変換抽籤のうち1段階目のフラグ変換抽籤に当籤し、2段階目のフラグ変換抽籤に非当籤した場合には、副制御基板72は、「チリリプ煽りナビ」を行う。この「チリリプ煽りナビ」では、副制御基板72は、役「F_確チリリプ」が内部当籤役である場合は、逆押しでチリ図柄を狙わせるように報知し、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役である場合は、順押しでチリ図柄を狙わせるように報知する。図97(A)に示すように、役「F_確チリリプ」の逆押し時、及び役「F_1確チリリプ」は順押し時には、いずれであっても「2連チリリプ」の図柄の組合せが表示されることになる。
また、2段階のフラグ変換抽籤のうち1段階目及び2段階目の双方のフラグ変換抽籤に当籤した場合には、副制御基板72は、「チリリプ揃いナビ」を行う。この「チリリプ揃いナビ」では、副制御基板72は、役「F_確チリリプ」が内部当籤役である場合は、順押しでチリ図柄を狙わせるように報知し、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役である場合は、逆押しでチリ図柄を狙わせるように報知する。図97(A)に示すように、役「F_確チリリプ」の順押し時、及び役「F_1確チリリプ」は逆押し時には、いずれであっても「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示されることになる。
上述のように、フラグ変換抽籤の抽籤結果に基づく報知は、利益に影響を与えるものではないため(フラグ変換抽籤自体は利益に影響を与えるものの、結果として表示される図柄の組合せは利益に影響を与えない)、フラグ変換抽籤の抽籤結果に基づく報知は、メイン側(指示モニタ)では行わず、サブ側(表示ユニット100)でのみ行う。この点、本変形例のように、「チリリプ揃いナビ」だけでなく、「チリリプ煽りナビ」も併せて行うことで、利益に影響しないナビをサブ側で多様な態様で行うことができ、興趣が向上する。
[パチスロ機の効果]
以上、本発明に係るパチスロ機1について説明した。このようなパチスロ機1によれば以下の効果が期待できる。
(CT中の継続期間の管理)
パチスロ機1では、通常ARTの継続期間を延長する上乗せチャンスゾーンとしてCTを設け、このCT中の内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せを行う。CTは、1セット8回の遊技により行われるが、CT中にARTゲーム数の上乗せを行うことができた場合には遊技回数の減算を行わずに、上乗せできない場合に限り遊技回数を減算する。遊技者にとってみれば、CTがいつまで続くか分からず、また、上乗せが行われている限りCTが終了することがないため、CT中の遊技の興趣を高めることができる。
このとき、パチスロ機1では、CT中に役「3連チリリプ」に応じて上乗せが行われた場合には、1セット8回の遊技を再セットする。これにより、CTが終了直前になったとしても役「3連チリリプ」に応じて上乗せが行われることで、CTが初めから再開されることになるため、CT中の遊技に対して強い関心を抱くことになり退屈することなく遊技を継続できるとともに、CT中の遊技の興趣を高めることができる。
また、役「3連チリリプ」に応じた上乗せは、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合のフラグ変換抽籤に当籤した場合に限り行われるため、遊技者に対して過大な利益を与えてしまうことを防止でき、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。なお、上述したパチスロ機1では、CT中に、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」に対するフラグ変換抽籤に必ず当籤することとしているが(図65参照)、当籤確率は一例に過ぎず、遊技者及び遊技店の利益のバランスに応じて適宜することを妨げるものではない。
(CT中の役「3連チリリプ」に基づく上乗せゲーム数)
また、パチスロ機1では、CT中に役「3連チリリプ」に基づく上乗せが行われた回数が一定の回数を超えると、1回あたりに上乗せするゲーム数を増やす。上述のように、ARTゲーム数の上乗せが行われている限り、CTは終了することなく、また、役「3連チリリプ」に当籤するとCTの再セットが行われるため、遊技者からすると、CTが継続するほど1回あたりの上乗せ量が増えることについての期待を持つことができ、CT中の興趣が向上する。また、1回あたりの上乗せ量を増やす契機となる回数は、CTの1セット分の遊技回数(8回)よりも多い回数(9回以上)であるため、遊技者に対して過大な利益を与えてしまうことを防止でき、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。
(メイン側で行うボーナス報知)
また、パチスロ機1では、情報表示器14の指示モニタに「10」(又は「11」)というボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報に一義的に対応する表示を行うことで、メイン側でボーナス報知を行う。ここで、パチスロ機には通常、引き込む図柄の優先順位が定められており、ボーナスに係る役とその他の役とが重複して内部当籤役として決定されている場合、優先順位によってボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを引き込めることもあれば、引き込めないこともある。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合には、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを引き込むことができるが、その他の役が内部当籤役として決定されている場合には、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを引き込むことができない。そこで、パチスロ機1では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に限り、指示モニタに「10」(又は「11」)という表示を行う。これにより、メイン側のナビを、ボーナスに係る役を入賞させることのできる適切なタイミングで行うことができる。
また、パチスロ機1では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定されたとしても、ボーナスに係る役が最初に当籤してから所定回数の遊技が経過するまでは、指示モニタに「10」(又は「11」)という表示を行わず、所定回数の遊技が経過することを条件に、指示モニタに「10」(又は「11」)という表示を行う。
例えば、ボーナスに係る役に当籤したことを契機として複数回の遊技にわたり行われる演出(いわゆる連続演出)を行うことがあるが、この連続演出の最中に、指示モニタに「10」(又は「11」)と表示してしまったのでは、連続演出の意味が薄れてしまい、興趣を損ねてしまう可能性がある。この点、本実施形態のパチスロ機1では、所定回数の遊技が経過するまでは、指示モニタにおける表示を行わず、所定回数の遊技が経過した後に、指示モニタにおける表示を行うため、演出効果を損ねることなく、メイン側でのボーナス報知を行うことができる。
(メイン・サブ側で行う報知とサブ側単独での報知)
また、パチスロ機1では、停止操作の態様(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役を複数種類設けるとともに(図47参照)、これら複数種類の役には、表示される図柄の組合せによって異なる特典を付与する役と、表示される図柄の組合せが異なったとしても同一の特典を付与する役とが含まれる。
例えば、「ベル」の図柄の組合せが表示された場合と「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示された場合とでは払い出されるメダルの枚数が異なり、また、「リプレイ」の図柄の組合せが表示された場合と「RT2移行リプ」の図柄の組合せが表示された場合とでは再遊技の作動に加えてRT遊技状態の移行が行われるか否かが異なるため、役「F_3択ベル_1st」や役「F_維持リプ_1st」は、表示される図柄の組合せによって異なる特典を付与する役である。一方で、「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示された場合と「リプレイ」の図柄の組合せが表示された場合とでは、両者ともに再遊技の作動が行われるだけであるため、役「F_確チリリプ」は、表示される図柄の組合せが異なったとしても同一の特典を付与する役である(なお、役「F_確チリリプ」は、フラグ変換抽籤の結果に応じて付与する特典が異なるものの、表示される図柄の組合せは付与する特典に影響を与えない)。
本実施形態のパチスロ機1では、表示される図柄の組合せによって異なる特典を付与する役については、メイン及びサブ側の双方で報知を行う一方で、表示される図柄の組合せが異なったとしても同一の特典を付与する役については、メイン側の指示モニタでは報知せずに、サブ側の表示ユニット100でのみ報知する。これにより、特典に影響する報知は、特典を管理するメイン側の指示モニタで適切に行いつつ、特典に影響しない報知については、サブ側の表示ユニット100で多様性のあるナビを行うことができる。
(サブ側での報知抽籤)
なお、役「F_確チリリプ」当籤時のサブ側での報知は、メイン側で行うフラグ変換抽籤の結果に基づいて行われるため、報知を行うか否かの抽籤(報知抽籤)は、メイン側で管理している。すなわち、役「F_確チリリプ」当籤時は、フラグ変換抽籤の結果に応じて付与する特典が異なるため、フラグ変換抽籤は、特典に影響を与える抽籤でありメイン側で厳密に管理する。
一方で、パチスロ機1では、付与する特典に対して何ら影響を与えることなく、完全に演出としての報知を行うこともあり、このような場合には、報知を行うか否かの報知抽籤自体をサブ側で行う。例えば、CT前兆中は既にCTという特典の付与が決まっている状態であり、「リーチ目リプ」という特別な図柄の組合せを表示する機会を増やすことができる(反対に、特典を付与しないのに表示してしまったのでは、遊技者に対して不満感を与えてしまうため、表示することはできない)。
そこで、パチスロ機1では、CT前兆中に役「F_リーチ目リプA〜D」に当籤すると、サブ側でフラグ変換抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示させるための報知を行う。これにより、CT前兆中という特典の付与が決まっている状況において、図柄の組合せの見せ方のバリエーションが増すため、遊技性の向上が期待できる。また、特典に何らの影響を与えない期間における報知抽籤(フラグ変換抽籤)をサブ側で行うことで、メイン側のデータ容量や処理負荷を軽減することができ、好適である。
(遊技履歴の表示方法)
また、パチスロ機1では、表示ユニット100とは別に第1サブ表示装置201を設け、この第1サブ表示装置201に遊技者に役立つ様々な情報を表示する。例えば、パチスロ機1は、第1サブ表示装置201に概要遊技履歴を表すトップ画面211や、パチスロ機1に対する様々な操作が可能なメニュー画面212や、詳細遊技履歴を表す遊技情報画面213,214,215を表示する。また、パチスロ機1は、遊技を行う遊技者を登録して遊技者に固有のサービスを提供する。例えば、遊技者の登録を受け付けていない場合には、詳細遊技履歴を表す遊技情報画面213,214,215を第1サブ表示装置201に表示不可能にするものの、遊技者の登録を受け付けている場合には、詳細遊技履歴を表す遊技情報画面213,214,215を第1サブ表示装置201に表示可能に制御する。より詳細な遊技履歴が確認できることは遊技者の利便性の向上につながるため、パチスロ機1では、遊技者の登録を受け付けている場合に、利便性を向上させることができる。
ここで、第1サブ表示装置201は、演出を行う表示ユニット100とは別体に設けられ、副制御基板72は、液晶中継回路(図示せず)を介して第1サブ表示装置201(及び第2サブ表示装置202)を制御し、役物中継基板(図示せず)を介して表示ユニット100を制御するため、第1サブ表示装置201は、表示ユニット100とは別に制御することができる。具体的には、遊技中(すなわち、表示ユニット100で演出を実行中)であっても、第1サブ表示装置201の表示を切り替えることができる。遊技者にとってみると、遊技中に第1サブ表示装置201の表示を切り替えることで、表示ユニット100で実行中の演出を邪魔することなく様々な情報を取得することができ、好適である。
特に、本実施形態のパチスロ機1における表示ユニット100のように、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させる複数のスクリーン機構を切り替えることで、平面状の映像表示を用いた演出、奥行き感(立体感)のある映像表示を用いた演出、及び、湾曲した映像表示を用いた演出を実行する場合、演出効果を著しく高めることができるものの、演出中に遊技履歴などの演出とは関係ない情報を表示することには適さない。この点、本実施形態のパチスロ機1では、表示ユニット100とは別体に設けられた第1サブ表示装置201にこれらの演出とは関係ない情報を表示するため、演出効果を損なうことなく、かつ、遊技履歴などの各種情報を適切に表示することができる。
ところで、一般的に、パチスロ機では台座部の遊技者から見て右側にメダルの投入口が設けられ、遊技者から見て左側にベットボタンやスタートレバーが設けられるため、遊技の進行を行う場合には、遊技者は台座部の右側又は左側(側方)を操作することになる。
この点、パチスロ機1では、台座部10から略垂直に立設する面の側方(右側又は左側)に第1サブ表示装置201を設け、この第1サブ表示装置201の画面上に第1サブ表示装置201の表示を切り替えるためのタッチセンサ201aを設ける。そのため、パチスロ機1では、遊技中に遊技者の手が位置する場所に第1サブ表示装置201やその表示を制御する入力装置(タッチセンサ201a)が設けられることになり、遊技者の操作性が向上する。特に、タッチセンサ201a付きの第1サブ表示装置201を、台座部10の水平面から立設する面に設けているため、遊技者は、台座部10に自身の手を置きながら、第1サブ表示装置201を操作することができ、これにより、操作性が向上するだけでなく、操作に伴う疲労も軽減することができるため、稼働率の向上も期待できる。
[第2実施形態]
続いて、図98〜図109を参照して、第2実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、第1実施形態のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。
[第2実施形態のパチスロ機の遊技フロー]
初めに、図98を参照して、第2実施形態のパチスロ機1の遊技フローについて説明する。図98は、第2実施形態のパチスロ機1の報知の有無に関する遊技状態の遷移フローである。図98に示す第2実施形態の遊技状態の遷移フローと、図33に示す第1実施形態の遊技状態の遷移フローとを比較すると、第1実施形態と第2実施形態とでは基本的には同じ流れで遊技が行われるが、ART遊技状態中に関しては、異なる流れで遊技が行われる。すなわち、第1実施形態のパチスロ機1と第2実施形態のパチスロ機1では、ART遊技状態中のCTの制御が大きく異なる。
具体的には、第1実施形態のパチスロ機1では、通常ART中に内部当籤役に基づいてCT抽籤を行い、このCT抽籤に当籤すると遊技状態をCTに移行することとしていた。これに対して、第2実施形態のパチスロ機1では、ART遊技状態中のMBフラグ間をCTとする点で、第1実施形態のパチスロ機1と異なる。なお、MB(役「F_MB」)とは、いわゆる第二種特別役物に係る連続差動装置であり、第2実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、MBが内部当籤役として決定されると、対応する図柄の組合せ(コンビネーション「C_MB」)が有効ラインに沿って表示されるまで複数回の遊技にわたり内部当籤役として持ち越す。
第2実施形態のパチスロ機1では、図98に示すように、ART遊技状態中のMB非フラグ間を通常ARTとし、ART遊技状態中のMBフラグ間においてCTを行う。すなわち、第2実施形態では、主制御基板71は、(H)通常ART中にMBが内部当籤役として決定されると、遊技状態をMBフラグ間に移行する。ART遊技状態中のMBフラグ間は、MBに係る図柄の組合せが表示されないように遊技が行われ、主制御基板71は、この期間中にCTを行う。なお、MBフラグ間中にMBに応じた図柄の組合せが表示されないように遊技を行う方法は、既に周知であり、例えば、MBに応じた図柄の組合せが表示されることのない図柄を狙わせる報知や、MBに応じた図柄の組合せが表示されることのない押し順の報知などを行うことで実現することができる。
一方で、CTが終了すると、MBの入賞が促され(報知され)、(I)MBに応じた図柄の組合せが表示されると、遊技状態がMBフラグ間からMB遊技状態に移る。その後、(J)MB遊技状態の終了条件を満たすと、遊技状態がMB遊技状態からMB非フラグ間に移行し、通常ARTが行われることになる。
<MBフラグ間中に行うCTの特徴>
MBフラグ間中は、MBが内部当籤役として持ち越されていることから、MB非フラグ間中とは異なる停止制御を行うことができる。例えば、MBフラグ間中とMB非フラグ間中とで、所定小役が内部当籤役として決定された場合、MBフラグ間中は、MBが持ち越されているため、内部当籤役は「MB+所定小役」となるものの、MB非フラグ間中は、MBが持ち越されていないため、内部当籤役は「所定小役」のみである。パチスロ機では、内部当籤役に基づいて停止制御が行われるため、MBフラグ間とMB非フラグ間とでは、同じ所定小役が内部当籤役として決定されている場合であっても、異なる停止制御情報に基づいて停止制御を行うことができ、結果、MBフラグ間とMB非フラグ間とでは、所定小役に対して表示可能な図柄の組合せを異ならせることができる。
第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中とMB非フラグ間中とで停止制御を異ならせることで、通常ART中(MB非フラグ間中)に表示困難(又は表示不可能)な図柄の組合せを、CT中(MBフラグ間中)に表示することで、多様な遊技性を実現する。以下、第1実施形態との相違部分に着目しつつ、第2実施形態のパチスロ機1について具体的に説明する。
[当籤役と停止図柄との対応関係]
次に、図99及び図100を参照して、第2実施形態のパチスロ機1における内部当籤役と表示される図柄の組合せとの関係性について説明する。なお、第1実施形態のパチスロ機1と第2実施形態のパチスロ機1とでは、用いる役の種類及び図柄の組合せの種類が異なるため、初めにこの点について説明する。
(第2実施形態で用いる役の種類)
第1実施形態のパチスロ機1では役「F_チリリプ」「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を用いていた。これに対して、第2実施形態のパチスロ機1では、これらの役に代えて役「R_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」を用いる。
また、第1実施形態のパチスロ機1では役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」を用いていた。これに対して、第2実施形態のパチスロ機1では、これらの役に代えて役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」を用いる。なお、以下において、役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」を単に「押し順ベル」と呼ぶことがある。また、第2実施形態のパチスロ機1では、第1実施形態のパチスロ機1が有することのないMBに係る役(役「F_MB」)を用いる。なお、その他の役については、第1実施形態と第2実施形態とで共通であってもよく、また、異なっていてもよいため、説明を省略する。
(第2実施形態で用いる図柄の組合せの種類)
第1実施形態のパチスロ機1では、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」に対応する図柄の組合せとして「ベル」「ベルこぼし目」「1枚出目」の図柄の組合せを用いていた。これに対して、第2実施形態のパチスロ機1では、役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」に対応する図柄の組合せとして、これらの図柄の組合せに加えて、「MB」「サボテン」の図柄の組合せを用いる。なお、「MB」の図柄の組合せは、任意であってよい。また、「サボテン」の図柄の組合せは、第1実施形態のパチスロ機1と同一であってもよいが、表示されたときに払い出されるメダルの枚数が「ベル」の図柄の組合せと同一(9枚)であるものとする。
<MB非フラグ間中の当籤役と停止図柄との対応関係>
図99は、MB非フラグ間中の内部当籤役と表示される図柄の組合せとの関係性を示す図である。図99に示すように、MB非フラグ間中において、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が「順押し」である場合には、「リプレイ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。他方、押し順が「順押し」以外の場合には、正解の押し順で「チリリプ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、不正解の押し順で「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。
より具体的には、役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」では、それぞれの役ごとに正解の押し順の場合には、「単チリリプ」の図柄の組合せが表示され、それぞれの役ごとに不正解の押し順の場合には、「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。また、役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」では、それぞれの役ごとに正解の押し順の場合には、「2連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、それぞれの役ごとに不正解の押し順の場合には、「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。また、役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」では、それぞれの役ごとに正解の押し順の場合には、「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、それぞれの役ごとに不正解の押し順の場合には、「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。
また、MB非フラグ間中において、役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、それぞれの役ごとに正解の押し順の場合には、「ベル」の図柄の組合せが表示され、それぞれの役ごとに不正解の押し順の場合には、「ベルこぼし目」又は「1枚出目」の図柄の組合せが表示される。
<MBフラグ間中の当籤役と停止図柄との対応関係>
図100は、MBフラグ間中の内部当籤役と表示される図柄の組合せとの関係性を示す図である。図100に示すように、MBフラグ間中において、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」は、押し順に関わらず「チリリプ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。すなわち、第2実施形態のパチスロ機1では、役「F_MB」と役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合、必ず、「チリリプ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
より具体的には、役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」では、押し順に関わらず「単チリリプ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」では、押し順に関わらず「2連チリリプ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」では、押し順に関わらず「3連チリリプ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
図99及び図100を比較すると、第2実施形態のパチスロ機1では、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」は、MB非フラグ間中は押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なるのに対して、MBフラグ間中は押し順が表示される図柄の組合せに対して影響を与えない。
また、MBフラグ間中において、役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、それぞれの役ごとに定められた押し順に従い「ベル」「ベルこぼし目又は1枚出目」「サボテン」「MB」の図柄の組合せが表示される。図99及び図100を比較すると、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中は、役「押し順ベル」当籤時にMB非フラグ間中よりも多くの種類の図柄の組合せを表示することができる。具体的には、MB非フラグ間中では、押し順に応じて「ベル」「ベルこぼし目又は1枚出目」の図柄の組合せが表示される一方で、MBフラグ間中は、押し順に応じて「ベル」「サボテン」「MB」「ベルこぼし目又は1枚出目」の図柄の組合せが表示される。
以上のように、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中の役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」及び役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」に対する停止制御と、MB非フラグ間中の役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」及び役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」に対する停止制御が異なる。
[通常ART中の遊技の流れ]
続いて、第2実施形態のパチスロ機1の通常ART中の遊技の流れについて説明する。上述のように、第2実施形態のパチスロ機1において、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる。パチスロ機1では、通常ART中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、このフラグ変換抽籤に当籤すると、「チリリプ」の図柄の組合せを表示するための報知を行うとともに、ARTゲーム数の上乗せを行う。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤すると、ARTゲーム数の上乗せを行うことなく、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための報知を行う。
また、パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合のARTゲーム数の上乗せ量を、内部当籤役として決定された役の種類に基づいて決定する。具体的には、パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤したときの内部当籤役が、役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」である場合に最も少ない上乗せ量を決定し、役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」である場合に次に少ない上乗せ量を決定し、役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」である場合に最も多い上乗せ量を決定する。上述のように、フラグ変換抽籤に当籤した場合には、「チリリプ」の図柄の組合せを表示するための報知を行うため、遊技者にとってみると、チリ図柄が多く表示されるほど上乗せ量が多くなる。
[通常ART中のデータテーブル]
続いて、図101及び図102を参照して、通常ART中に用いるデータテーブルについて説明する。なお、図101及び図102に示すデータテーブルは、主制御基板71のメインROM32に記憶される。
<ART中フラグ変換抽籤テーブル>
図101は、第2実施形態の通常ART中に行うフラグ変換抽籤に用いるART中フラグ変換抽籤テーブルである。ART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役、ARTレベル及び抽籤状態に対応付けてフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、ARTレベルは、第1実施形態と同様に制御される情報であり、抽籤状態は、第1実施形態のCT抽籤状態と同様に制御される情報である。
第2実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、このART中フラグ変換抽籤テーブルを用いて、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」を役「チリリプ」に変換するか否かを抽籤(フラグ変換抽籤)する。そして、このフラグ変換抽籤に当籤した場合には、副制御基板72は、表示ユニット100を介して当籤した役ごとに正解の押し順を報知し、このフラグ変換抽籤に非当籤した場合には、副制御基板72は、表示ユニット100を介して当籤した役ごとに不正解の押し順を報知する。
<通常ART中上乗せ抽籤テーブル>
続いて、図102は、第2実施形態の通常ART中に行うARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いる通常ART中上乗せ抽籤テーブルである。通常ART中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
第2実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、フラグ変換抽籤に当籤すると、この通常ART中上乗せ抽籤テーブルを用いて上乗せ抽籤を行い、この上乗せ抽籤に当籤した場合には、対応する上乗せゲーム数を上乗せする(ART終了ゲーム数カウンタに加算する)。なお、図中の当籤役「単チリリプ」に対応付けられた抽籤値の情報は、フラグ変換抽籤に当籤した際の内部当籤役が役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」である場合に参照され、当籤役「2連チリリプ」に対応付けられた抽籤値の情報は、フラグ変換抽籤に当籤した際の内部当籤役が役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」である場合に参照され、当籤役「3連チリリプ」に対応付けられた抽籤値の情報は、フラグ変換抽籤に当籤した際の内部当籤役が役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」である場合に参照される。
[CT中の遊技の流れ]
続いて、図103を参照して、第2実施形態のパチスロ機1のCT中の遊技の流れについて説明する。第2実施形態のパチスロ機1は、第1実施形態のパチスロ機1とはCTの継続期間の管理方法が大きく異なる。上述したように、第1実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、1セット8回の遊技によりCTの継続期間を管理していたが、第2実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、CT中に払い出されるメダルの枚数(より詳細には、「払い出されるメダルの枚数」から「遊技に用いるメダルの枚数」を減算したいわゆる「差枚数」)に基づきCTの継続期間を管理する。
具体的には、主制御基板71は、CT中の差枚数が終了枚数(50枚)に達するとCTを終了する(例えば、役「押し順ベル」当籤時にMBを入賞させるための報知を行う)。ここで、「ベル」「サボテン」の図柄の組合せが表示されると、9枚のメダルが払い出されるため、CT中に「ベル」の図柄の組合せが表示されると(より詳細には、CT中にフラグ変換抽籤に非当籤すると)、CTの継続期間が増加した差枚数(6枚)分消化する。一方で、CT中に「サボテン」の図柄の組合せが表示された場合には(より詳細には、CT中にフラグ変換抽籤に当籤した場合には)、第2実施形態のパチスロ機1では、CTの継続期間を維持する。
より具体的には、図103(A)に示すように、主制御基板71は、CT中に役「押し順ベル」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行う。このフラグ変換抽籤に当籤した場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して当籤した役ごとに「サボテン」の図柄の組合せが表示される押し順を報知し、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して当籤した役ごとに「ベル」の図柄の組合せが表示される押し順を報知する。
そして、主制御基板71は、「ベル」又は「サボテン」の図柄の組合せが表示されると差枚数を6枚増加させ、CTの継続期間を消化することになるが、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、主制御基板71は、差枚数だけでなくCTの終了枚数にも6枚を加算する。これにより、「サボテン」の図柄の組合せの表示に伴いCT中の差枚数が6枚増加したものの、CTの終了枚数も6枚増加しているため、フラグ変換抽籤に当籤している場合、CTの継続期間が維持されることになる。
なお、このフラグ変換抽籤は、CTメーターの値に基づいて行われる。すなわち、図103(A)に示すように、第2実施形態のパチスロ機1では「1」〜「MAX」までの複数段階のCTメーターを設け、CTメーターが低いほどフラグ変換抽籤に当籤にする確率を低くし、CTメーターが高いほどフラグ変換抽籤に当籤する確率を高くする。
このCTメーターは、CT中の遊技の結果に基づいて昇格又は降格する。すなわち、主制御基板71は、CT中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、所定の確率でCTメーターを昇格する。具体的には、図103(B)に示すように、主制御基板71は、CT中に役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、最も低い確率でCTメーターを昇格し、CT中に役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、次に低い確率でCTメーターを昇格し、CT中に役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、最も高い確率でCTメーターを昇格する。
また、主制御基板71は、CT中の役「押し順ベル」当籤時のフラグ変換抽籤に非当籤すると、CTメーターを降格する。なお、主制御基板71は、フラグ変換抽籤に非当籤の場合に、CTメーターを所定の確率で降格することとしてもよく、必ず降格することとしてもよい。
また、第2実施形態のパチスロ機1では、CT中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、ARTゲーム数の上乗せを行う。ARTゲーム数の上乗せ量は、表示されるチリ図柄の数に応じて異なり、具体的には、図103(C)に示すように、主制御基板71は、CT中に役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」が内部当籤役として決定されると最も少ない上乗せ量を決定し、CT中に役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると次に少ない上乗せ量を決定し、CT中に役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると最も多い上乗せ量を決定する。
[CT中のデータテーブル]
続いて、図104〜図106を参照して、CT中に用いるデータテーブルについて説明する。なお、図104〜図106に示すデータテーブルは、主制御基板71のメインROM32に記憶される。
<CT中フラグ変換抽籤テーブル>
図104は、第2実施形態のCT中に行うフラグ変換抽籤に用いるCT中フラグ変換抽籤テーブルである。CT中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役及びCTメーターに対応付けてフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
第2実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、このART中フラグ変換抽籤テーブルを用いて、役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」を「サボテン」に変換するか否かを抽籤(フラグ変換抽籤)する。そして、このフラグ変換抽籤に当籤した場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して当籤した役ごとに「サボテン」の図柄の組合せを表示するための押し順を報知し、このフラグ変換抽籤に非当籤した場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して当籤した役ごとに「ベル」の図柄の組合せを表示するための押し順を報知する。
ここで、図104を参照すると、CT中のフラグ変換抽籤は、CTメーターの値が高いほど当籤し易いことが分かり、CTメーターが「MAX」である場合には、フラグ変換抽籤に必ず当籤することが分かる。フラグ変換抽籤に当籤した場合には、CTの継続期間が維持されるため、CTメーターが「MAX」である場合は、CTは終了することなく継続する。なお、CTが終了しないと遊技者に付与する利益が過大になってしまうことから、CTメーターが「MAX」になると所定のタイミングでCTメーターを降格させることとしてもよく、また、終了枚数の上限を設けることとしてもよく、また、CTメーターの降格と終了枚数の上限との双方を適用することとしてもよい。
CTメーターを降格させる場合、「MAX」まで昇格した後にすぐ降格させてしまったのでは、遊技者の興趣を損ねてしまう。そこで、CTメーターが「MAX」になった後の所定のタイミングでCTメーターを降格させることとしてもよい。ここで、CTメーターは「1」〜「MAX」の8段階設けられているため、例えば、CTメーターが「MAX」になってから8回の遊技が行われた後にCTメーターを降格させることとしてもよく、また、CTメーターが「MAX」になってからフラグ変換抽籤が8回行われた後にCTメーターを降格させることとしてもよい。また、降格後のCTメーターの値は任意であり、例えば、CTメーター「1」まで降格させることとしてもよく、また、CTメーター「7」に降格させることとしてもよく、また、CTメーター「1」〜「7」の中から降格先の値を抽籤により決定することとしてもよい。
<CT中CTメーター昇格抽籤テーブル>
図105は、第2実施形態のCT中に行うCTメーターの昇格抽籤に用いるCT中CTメーター昇格抽籤テーブルである。CT中CTメーター昇格抽籤テーブルは、現在のCTメーターの値及び内部当籤役に対応付けてCTメーターの昇格抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
図105を参照すると、CTメーターの昇格抽籤に当籤する確率は、役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」が最も低く、役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」が次に低く、役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が最も高いことが分かる。なお、第2実施形態のパチスロ機1では、CTメーターを1段階ずつ昇格させることとしているが、これに限られるものではなく、一度に複数段階を昇格可能にしてもよい。
<CT中上乗せ抽籤テーブル>
続いて、図106は、第2実施形態のCT中に行うARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いるCT中上乗せ抽籤テーブルである。CT中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。第2実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、CT中上乗せ抽籤テーブルを用いて上乗せ抽籤を行い、この上乗せ抽籤に当籤した場合には、対応する上乗せゲーム数を上乗せする(ART終了ゲーム数カウンタに加算する)。
図106を参照すると、CT中のARTゲーム数の上乗せ量は、役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」が最も少なく、役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」が次に少なく、役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が最も多いことが分かる。より具体的には、チリ図柄が一つ表示される役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」では、10ゲーム以上のARTゲーム数が上乗せされ、チリ図柄が二つ表示される役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」では、20ゲーム以上のARTゲーム数が上乗せされ、チリ図柄が三つ表示される役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」では、30ゲーム以上のARTゲーム数が上乗せされる。すなわち、第2実施形態のパチスロ機1では、CT中に表示されるチリ図柄の個数に応じてARTゲーム数が上乗せされることになる。
[CZ中の遊技の流れ]
続いて、図107を参照して、第2実施形態のパチスロ機1のCZ中の遊技の流れについて説明する。第2実施形態のパチスロ機1では、第1実施形態のパチスロ機1と同様にCZとしてCZ1,2,3を有する。第2実施形態のパチスロ機1において、CZ3の遊技の流れは、第1実施形態のパチスロ機1と同様であるが、CZ1,2の遊技の流れは、第1実施形態のパチスロ機1とは異なる。
具体的には、第1実施形態のパチスロ機1では、CZ1,2を前半部と後半部とに分け、前半部においてART抽籤に当籤する期待度が異なるランク(モードやポイント)を昇格させ、後半部でランクに基づくART抽籤の抽籤結果をバトル演出により報知している(図50参照)。図107に示すように、このようなCZ1,2中の基本的な流れは、第2実施形態のパチスロ機1でも同様である。
一方で、第2実施形態のパチスロ機1は、第1実施形態のパチスロ機1と比べて、前半部の終了条件が大きく異なる。すなわち、第1実施形態のパチスロ機1では、継続ゲーム数に基づきCZ1,2の前半部を終了させることとしていたが、第2実施形態のパチスロ機1では、CZ1は、継続ゲーム数に基づき前半部を終了させるが、CZ2は、終了抽籤の結果に基づき前半部を終了させる。また、CZ1,2ともに、前半部においてロック抽籤を行っており、このロック抽籤に当籤した場合にもCZ1,2の前半部を終了させる。
具体的には、図107(A)に示すように、CZ1の前半部では、主制御基板71は、毎ゲーム、ランクアップ抽籤を行う。このランクアップ抽籤は、第1実施形態と同様(図53参照)であるため詳細な説明を省略する。
また、CZ1の前半部では、主制御基板71は、毎ゲーム、ロック抽籤を行う。このロック抽籤は、内部当籤役に基づいて遊技ロックを行うか否かを抽籤する処理である。そして、主制御基板71は、ロック抽籤に当籤すると、CZ1の前半部を終了させるとともに、遊技ロック(例えば、リール回転開始時に回転開始を遅らせる)を行う。一方で、主制御基板71は、ロック抽籤に非当籤の場合には、CZ1の前半部を終了させることなく、CZ1の前半部が15ゲーム数経過するまでCZ1の前半部を継続させる。
そして、主制御基板71は、CZ1の前半部が15ゲーム数経過、又はロック抽籤に当籤すると、CZ1の前半部を終了し、後半部に移行させる。CZ1の後半部では、主制御基板71は、前半部のランクアップ抽籤の結果得られたランクなどに基づいて、ART抽籤を行う。このART抽籤も、第1実施形態と同様(図55(A)(C)参照)であるため詳細な説明を省略するが、主制御基板71は、ロック抽籤に当籤している場合には、ART抽籤に必ず当籤させる。主制御基板71は、このART抽籤に非当籤の場合は、通常遊技状態に遊技状態を移行し、ART抽籤に当籤の場合は、ART準備中を経由してART遊技状態に遊技状態を移行する。
一方、CZ2の前半部では、図107(B)に示すように、主制御基板71は、毎ゲーム、ランクアップ抽籤を行う。このランクアップ抽籤は、第1実施形態と同様(図54参照)であるため詳細な説明を省略する。また、主制御基板71は、CZ1の前半部において、毎ゲーム、終了抽籤を行っており、この終了抽籤に当籤するとCZ1の前半部を終了し、後半部に移行させる一方で、終了抽籤に非当籤の場合には、CZ1の前半部を継続させる。
また、CZ2の前半部では、主制御基板71は、毎ゲーム、ロック抽籤を行う。そして、主制御基板71は、ロック抽籤に当籤すると、CZ2の前半部を終了させるとともに、遊技ロックを行う。一方で、主制御基板71は、ロック抽籤に非当籤の場合には、CZ2の前半部を終了させることなく、終了抽籤に当籤するまでCZ2の前半部を継続させる。
そして、主制御基板71は、終了抽籤又はロック抽籤に当籤すると、CZ2の前半部を終了し、後半部に移行させる。CZ2の後半部では、主制御基板71は、前半部のランクアップ抽籤の結果得られたランクなどに基づいて、ART抽籤を行う。このART抽籤も、第1実施形態と同様(図55(B)(C)参照)であるため詳細な説明を省略するが、主制御基板71は、ロック抽籤に当籤している場合には、ART抽籤に必ず当籤させる。主制御基板71は、このART抽籤に非当籤の場合は、通常遊技状態に遊技状態を移行し、ART抽籤に当籤の場合は、ART準備中を経由してART遊技状態に遊技状態を移行する。
このように第2実施形態のパチスロ機1では、CZ1,2の前半部において、毎ゲーム、ロック抽籤を行う点で、第1実施形態のパチスロ機1と異なる。また、第2実施形態のパチスロ機1では、CZ2の前半部の終了条件を継続ゲーム数ではなく、終了抽籤に当籤することとしている点で、第1実施形態のパチスロ機1と異なる。
[CZ中のデータテーブル]
続いて、図108及び図109を参照して、CZ中に用いるデータテーブルについて説明する。なお、図108及び図109に示すデータテーブルは、主制御基板71のメインROM32に記憶される。
<CZ2終了抽籤テーブル>
図108は、第2実施形態のCZ2の前半部で行う終了抽籤に用いるCZ2終了抽籤テーブルである。CZ2終了抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて終了抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
図108を参照すると、第2実施形態のCZ2の前半部は、役「リプレイ」が内部当籤役として決定された場合に、終了抽籤が行われ、この終了抽籤には高い確率で当籤することが分かる。なお、CZ2は、基本的には、RT0〜RT3遊技状態中に行われるため、役「リプレイ」とは役「F_維持リプA」〜「F_RT4リプ_3rd」のいずれかである。パチスロ機においてリプレイは、少なくとも所定(約1/7.3)以上の確率で内部当籤役として決定されるため、第2実施形態のパチスロ機1では、CZ2の前半部が終了してしまう状況が比較的頻繁に生じてしまうことが分かる。
<ロック抽籤テーブル>
続いて、図109は、第2実施形態のCZ1,2の前半部で行うロック抽籤に用いるロック抽籤テーブルであり、図109(A)は、CZ1の前半部で行うロック抽籤に用いるロック抽籤テーブルであり、図109(B)は、CZ2の前半部で行うロック抽籤に用いるロック抽籤テーブルである。ロック抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けてロック抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
図109(A)(B)を比較すると、CZ2の前半部で行うロック抽籤は、CZ1の前半部で行うロック抽籤よりも高い確率で当籤することが分かる。
上述のように、第2実施形態では、CZ1の前半部は、所定ゲーム数(15ゲーム)が経過すると終了する一方で、CZ2の前半部は、終了抽籤に当籤すると終了する。また、CZ1,2の前半部では、ランクアップ抽籤を行っており、CZ1,2の前半部が終了すると、このランクアップ抽籤の結果に基づいてART抽籤が行われる。そのため、CZ1は、ART抽籤のタイミングが固定的なチャンスゾーンであるといえ、CZ2は、ART抽籤のタイミングが不定なチャンスゾーンであるといえる。
また、CZ2の前半部で行う終了抽籤は、比較的高い確率で当籤する役「リプレイ」が内部当籤役として決定された場合に行われるため、CZ2中は、CZ1中に比べてランクアップ抽籤を受ける機会が少なくなってしまいやすい。そこで、第2実施形態のパチスロ機1では、CZ1,2の前半部においてロック抽籤を行い、このロック抽籤に当籤する確率を、CZ2の方がCZ1よりも高くなっている。これにより、ランクアップ抽籤を受ける機会が少なくなってしまいやすいCZ2であっても、ARTへの移行に期待を持つことができる。
[第2実施形態の変形例]
以上、第2実施形態のパチスロ機1について説明した。続いて、第2実施形態のパチスロ機1の変形例について説明する。
<CT前兆遊技と報知抽籤>
上述した第2実施形態のパチスロ機1では、理解を容易にするために、通常ART中にMBフラグ間に移行すると、次遊技からすぐにCTに移行させることとしているが、MBフラグ間に移行した後に所定回数の前兆遊技を挟むこととしてもよい。
図110(A)に示すように、通常ART中にMBが内部当籤役として決定されると、主制御基板71は、遊技状態をMB非フラグ間からMBフラグ間に移行する。通常ART中(MB非フラグ間中)は、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤するとARTゲーム数の上乗せを行うことから(図102参照)、MBフラグ間に移行するまでのフラグ変換抽籤は、遊技者に付与する特典に影響を与えるため、メイン側(主制御基板71)で行う。
ここで、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間になると押し順に関わらず必ず「チリリプ」の図柄の組合せが表示されるため、MBフラグ間中に前兆遊技を行うこととした場合、停止制御(表示される図柄の組合せ)から、前兆遊技中であることが遊技者に分かってしまうことがある。例えば、図99に示すように、MB非フラグ間中は、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」当籤時に順押しでは「チリリプ」の図柄の組合せが表示されることがないため、順押しで「チリリプ」の図柄の組合せが表示された場合には、MBフラグ間中(前兆遊技中)であることが遊技者に分かってしまう。
そこで、本変形例のパチスロ機1では、MBフラグ間中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、敢えて押し順を報知する。上述のように、MBフラグ間中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定された場合には、押し順に関係なく「チリリプ」の図柄の組合せが表示されるものの、押し順を報知した場合には、遊技者は、報知された押し順によって「チリリプ」の図柄の組合せが表示されたと認識することになり、遊技者がMBフラグ間中であることを把握し難くすることができる。
なお、このような押し順の報知は、遊技者の利益に何らの影響も与えないため、本変形例のパチスロ機1では、MBフラグ間中に押し順を報知するか否かの抽籤(報知抽籤)をサブ(副制御基板72)側で行う。もちろん、MBフラグ間中の報知抽籤をメイン側で行ってもよいが、本変形例のように遊技者の利益に何らの影響を与えない抽籤をサブ側で行うことで、メイン側のデータ容量や処理負荷を軽減することができ、好適である。
図110(B)は、サブ側で行う報知抽籤に用いるCT前兆中の報知抽籤テーブルであり、ロムカートリッジ基板82に記憶されている。CT前兆中の報知抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けてサブ側で行う報知抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
このCT前兆中の報知抽籤テーブルを用いた報知抽籤に当籤すると、副制御基板72は、表示ユニット100を介して順押し以外の任意の押し順を報知する。
<MBフラグ間の押し順ベル当籤時のナビ>
また、上述した第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中に役「押し順ベル」が当籤するとMB非フラグ間中よりも多くの種類の図柄の組合せを表示する。具体的には、MB非フラグ間中は、押し順に応じて「ベル」「ベルこぼし目又は1枚出目」の図柄の組合せを表示する一方で、MBフラグ間中は、押し順に応じて「ベル」「サボテン」「MB」「ベルこぼし目又は1枚出目」の図柄の組合せを表示する。第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中にのみ表示可能な「サボテン」の図柄の組合せを表示させるために必要な押し順を、MBフラグ間中のCT中に報知することとしている。
この点、本変形例のパチスロ機1では、MBフラグ間中に役「押し順ベル」に当籤した場合に、MB開始までの状態に応じて、報知内容を異ならせることとしている。
具体的には、第2実施形態のパチスロ機1では、通常ART中にMBが内部当籤役として決定されると遊技状態がMBフラグ間に移行し、その後、CTが行われる。この場合において、MBフラグ間に移行した後に所定回数の前兆遊技を挟むパチスロ機1では、MBフラグ間中の状態を、「前兆遊技」状態、「CT」状態、「MB待機中」状態に分けることができる。
より具体的には、図111に示すように、通常ART中にMBに当籤すると、MBフラグ間中の「前兆遊技」状態になり、その後、所定回数の前兆遊技が行われCTが開始すると、MBフラグ間中の「CT」状態になり、その後、CTが終了するとMBが入賞するまでの間「MB待機中」状態になる。
本変形例のパチスロ機1では、これらMBフラグ間中の状態に応じて役「押し順ベル」当籤時の報知内容を異ならせる。具体的には、図111に示すように、「前兆遊技」状態では、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して「ベル」の図柄の組合せが表示される押し順を報知する。また、「CT」状態では、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して「ベル」又は「サボテン」の図柄の組合せが表示される押し順を報知する。すなわち、「CT」状態では、上述のようにCTメーターに基づくフラグ変換抽籤の結果に基づいて、「ベル」又は「サボテン」のいずれかに応じた押し順を報知する。
なお、CTが終了した後の「MB待機中」状態では、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して任意の図柄の組合せを報知することとしてよい。例えば、主制御基板71及び副制御基板72は、「ベル」の図柄の組合せが表示される押し順を報知することとしてもよく、また、「サボテン」の図柄の組合せが表示される押し順を報知することとしてもよく、また、「MB」の図柄の組合せが表示される押し順を報知することとしてもよい。
一方、通常ART中は、「サボテン」の図柄の組合せを表示できないため、主制御基板71及び副制御基板72は、「ベル」の図柄の組合せが表示される押し順を報知する。
[第2実施形態のパチスロ機の効果]
以上、本発明に係るパチスロ機1の第2実施形態について説明した。このようなパチスロ機1によれば以下の効果が期待できる。
(MBフラグ間中に表示可能な図柄の組合せ)
第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中は、役「押し順ベル」当籤時にMB非フラグ間中よりも多くの種類の図柄の組合せを表示することができる。具体的には、MB非フラグ間中では、押し順に応じて「ベル」「ベルこぼし目又は1枚出目」の図柄の組合せが表示される一方で、MBフラグ間中は、押し順に応じて「ベル」「サボテン」「MB」「ベルこぼし目又は1枚出目」の図柄の組合せが表示される。
これにより、当籤役の種類を増やすことなく、MBフラグ間中に表示される図柄の組合せの種類を増やすことができ、MBフラグ間中の遊技に多様性を持たせることができる。具体的には、MBフラグ間中にいわゆるレア役に対応する「サボテン」の図柄の組合せを表示することができるようになり、当籤役の種類、当籤確率を変えることなく、レア役の出現頻度を高めることができる。特に、第2実施形態のパチスロ機1では、役「押し順ベル」当籤時に表示される図柄の組合せを変えていることから、メダルの払出のあるレア役の出現頻度を高めることができる。
なお、MBフラグ間中に「サボテン」の図柄の組合せが連続して表示された場合には、MBフラグ間中であることが分かってしまう。そのため、第2実施形態のパチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合に限り、「サボテン」の図柄の組合せを報知し、非当籤の場合には「ベル」の図柄の組合せを報知する。これにより、遊技者に対して現在の状態を分かり難くすることができ、好適である。また、フラグ変換抽籤により報知内容を制御することで、MBフラグ間中の「サボテン」の図柄組合せ(レア役)の頻度を調整することができ、MBフラグ間中の遊技性を多様化することができる。
(CT中の遊技性)
また、第2実施形態のパチスロ機1では、このMBフラグ間中にARTゲーム数を上乗せする上乗せチャンスゾーンであるCTを行う。具体的には、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中に差枚数が終了枚数(50枚)に達するまで継続するCTを行う。このCT中は、役「押し順ベル」当籤時にフラグ変換抽籤に非当籤すると、差枚数が増加しCTの継続期間が消化する一方で、フラグ変換抽籤に当籤すると、差枚数の増加とともに終了枚数が増加しCTの継続期間が維持される。これにより、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中に停止制御を変えつつ、表示される図柄の組合せに応じて(詳細には、フラグ変換抽籤の結果に応じて)CTの継続期間を制御することができるため、MBフラグ間中の遊技性を多様化することができる。
このとき、第2実施形態のパチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤する確率を、CTメーターの値に基づいて制御しているため、CTの継続期間をCTメーターの値に基づいて調整することができる。また、このCTメーターは、CT中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると昇格し、CT中にフラグ間抽籤に非当籤すると降格するため、遊技者は、CT中の遊技の結果に対して強い関心を抱くことになり、MBフラグ間中の遊技性を多様化することができる。
特に、CTメーターを「MAX」まで昇格できた場合には、所定の期間の間、フラグ変換抽籤に必ず当籤することになるため、その後の遊技に対して期待を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
(MBフラグ間中とMB非フラグ間中に表示可能な図柄の組合せ)
また、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中とMB非フラグ間中とでは、役「押し順ベル」当籤時に表示される図柄の組合せが異なるだけでなく、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ」当籤時に表示される図柄の組合せも異なる。すなわち、MB非フラグ間中は、押し順に応じて「リプレイ」又は「チリリプ」の図柄の組合せが表示されるのに対して、MBフラグ間中は、「リプレイ」の図柄の組合せが表示されることなく「チリリプ」の図柄の組合せのみが表示される。
第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中とMB非フラグ間中との双方においてフラグ変換抽籤を行う。MBフラグ間中のフラグ変換抽籤は、役「押し順ベル」当籤時に報知する対象を「ベル」又は「サボテン」の図柄の組合せの中から抽籤するものであり、また、MB非フラグ間中のフラグ変換抽籤は、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ」当籤時に報知する対象を「リプレイ」又は「チリリプ」の図柄の組合せの中から抽籤するものである。このようにMBフラグ間中とMB非フラグ間中との双方においてフラグ変換抽籤を行うことで、MBフラグ間及びMB非フラグ間の双方において、表示される図柄の組合せを制御することができ、フラグ間及び非フラグ間の双方の遊技性を高めることができる。
このとき、MBフラグ間中のフラグ変換抽籤は、CTメーターの値に基づいて当籤確率が調整され、MB非フラグ間中のフラグ変換抽籤は、ARTレベルや抽籤状態に基づいて当籤確率が調整される。これにより、それぞれの抽籤をそれぞれ独自のモードで管理することができ、フラグ変換抽籤に基づく遊技性が向上する。
(サブ側での報知抽籤)
MBフラグ間中とMB非フラグ間中とでは停止制御が異なることから、表示される図柄の組合せから、MBフラグ間中であることが分かってしまうことがある。そこで、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中に本来不要な押し順の報知を敢えて行い、MBフラグ間中であることを把握し難くする。そして、この押し順の報知をサブ側で管理することで、メイン側のデータ容量や処理負荷を軽減することができる。
[変形例]
以上、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
(フラグ間中のベルナビと非フラグ間中のベルナビ)
例えば、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1では、指示モニタに停止操作の情報に一義的に対応する数値を表示することで、メイン側での報知を行う。なお、メイン側の報知の態様は、第1実施形態及び第2実施形態において基本的に同じであるため、第1実施形態の図74にその一例を示している。ここで、図74では、フラグ間状態中に「白7ナビ」や「青7ナビ」を行う一方で、「ベルナビ」などを行わないこととしているが、これに限られるものではなく、フラグ間状態中に「ベルナビ」などを行うこととしてもよい。
この場合において指示モニタに表示する数値は、フラグ間状態中と非フラグ間状態中とで異ならせることとしてもよい。具体的には、図74(A)(B)に示すように、非フラグ間状態において「ベルナビ」を行う場合、指示モニタに「1」〜「3」の数値(押し順役第2指示情報)を表示する一方で、図112に示すように、フラグ間状態において「ベルナビ」を行う場合、指示モニタに「12」〜「14」の数値(押し順役第1指示情報)を表示することとしてもよい。なお、表示ユニット100を介して行うサブ側のナビは、フラグ間状態及び非フラグ間状態の双方において共通であってもよい。また、第2実施形態のパチスロ機1においても同様であり、MB非フラグ間中に「ベルナビ」を行う場合の数値と、MBフラグ間中に「ベルナビ」を行う場合の数値とを異ならせることとしてもよい。
第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1では、フラグ変換抽籤の結果に基づいて特典を付与するか否かを制御することとしているが、これに限られるものではない。すなわち、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1では、フラグ変換抽籤の結果に基づいて報知内容が制御され、結果、報知従い停止操作を行った場合に表示される図柄の組合せが異なることになる。そこで、主制御基板71は、実際に表示された図柄の組合せに基づいて特典を付与することとしてもよい。
この場合において、主制御基板71は、フラグ変換抽籤の結果に応じて行われる報知に基づいて表示された図柄の組合せに基づいて特典を付与し、報知に従うことなく表示された図柄の組合せに基づいては特典を付与しないこととしてもよい。すなわち、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1では、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なるため、遊技者が報知を無視して停止操作を行ってしまった場合に、「3連チリリプ」などの特別な図柄の組合せが表示されてしまう可能性がある。しかしながら、報知を無視した結果として特別な図柄の組合せが表示されたとしても、特典を付与することなく、報知に従った結果として特別な図柄の組合せが表示された場合に限り、特典を付与することとしてもよい。
(利益(特典)に影響を与えない報知の制御)
また、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1では、利益に影響を与える報知は、メイン側で報知抽籤(フラグ変換抽籤)を行い、メイン側で報知を行うか否かを制御することとし、利益に影響を与えない報知は、サブ側で報知抽籤を行い、サブ側で報知を行うか否かを制御することとしている。そして、この利益に影響を与えない報知の一例として、第1実施形態に係るパチスロ機1では、前兆遊技中の「リーチ目リプ」の報知を示し、第2実施形態に係るパチスロ機1では、MBフラグ間中の「チリリプ」の報知を示している。この点、利益に影響を与えない報知は、これらに限られるものではない。
近年のパチスロ機では、停止操作の順序に応じて遊技ロックを行い易い(難い)状態に遷移させることがある。例えば、「左、中、右」の押し順である場合に遊技ロックを行い易い状態に遷移し、「右、中、左」の押し順である場合に遊技ロックを行い難い状態に遷移することがある。このようなパチスロ機では、押し順を報知することで、遊技ロックを行い易い(難い)状態に遷移させることになるが、遊技ロックを行うか否かが利益に対して影響を与える場合には、この報知をメイン側で制御する必要がある一方で、遊技ロックを行うか否かが利益に対して影響を与えない場合には、この報知をサブ側で制御することとしてもよい。
なお、遊技ロックを行うか否かが利益に対して影響を与える場合とは、例えば、第2実施形態のパチスロ機1のように遊技ロックが行われることで、ART抽籤に当籤するといった場合である(図107参照)。一方、遊技ロックを行うか否かが利益に対して影響を与えない場合とは、遊技ロックを演出として行う場合であり、例えば、利益(特典)を付与することが決まっている前兆遊技中に遊技ロックを頻繁に行うようにすることで、この後の遊技において利益が付与されることになることを演出的に示すことである。
図113(A)は、押し順とロック状態との対応関係の一例を示す図である。図113(A)に示す例では、役「F_維持リプA」当籤時に「左、中、右」の押し順で停止操作が行われると、ロック状態が「0」から「1」に遷移し、「左、右、中」「中、左、右」「中、右、左」の押し順で停止操作が行われると、現在のロック状態が維持され、「右、左、中」「右、中、左」の押し順で停止操作が行われると、ロック状態が「1」から「0」に遷移する。同様に、役「F_維持リプB」当籤時も同様であり、第1の押し順で停止操作が行われると、ロック状態が「0」から「1」に遷移し、第2の押し順で停止操作が行われると、ロック状態が維持され、第3の押し順で停止操作が行われると、ロック状態が「1」から「0」に遷移する。
なお、図113(A)に示す例では、説明を単純にするために、ロック状態「0」を遊技ロックし難い状態とし、ロック状態「1」を遊技ロックし易い状態としている。もちろん、ロック状態は2段階に限られず、3段階以上の段階数としてもよく、また、3段階以上の場合に1段階ずつ遷移するのではなく、多段階を一度に遷移することとしてもよい。
そして、図113(B)に示すように、遊技ロックが利益に影響を与える場合には、報知を行うか否かの報知抽籤をメイン(主制御基板71)側で行うとともに、その抽籤結果に基づいてメイン側及びサブ側の双方で所定の押し順を報知する。他方、遊技ロックが利益に影響を与えない場合には、報知を行うか否かの報知抽籤をサブ(副制御基板72)側で行うとともに、その抽籤結果に基づいてサブ側で所定の押し順を報知する。
なお、パチスロ機によっては、遊技の全期間にわたり遊技ロックが利益に影響を与えるパチスロ機もあれば、遊技の全期間にわたり遊技ロックが利益に影響を与えないパチスロ機もあれば、また、遊技の所定期間では遊技ロックが利益に影響を与える一方で、遊技の特定期間では遊技ロックが利益に影響を与えないパチスロ機もある。そのため、パチスロ機1では、遊技ロックが利益に影響を与える期間は、報知を行うか否かの報知抽籤をメイン側で行い、その抽籤結果に基づいてメイン側及びサブ側の双方で所定の押し順を報知する一方で、遊技ロックが利益に影響を与える期間は、報知を行うか否かの報知抽籤をサブ側で行い、その抽籤結果に基づいてサブ側で所定の押し順を報知することとしてもよい。
なお、遊技ロックは、通常、主制御基板71が行うため、図113(A)に示す押し順位応じてロック状態を遷移する機能は、主制御基板71が有することになる。すなわち、主制御基板71は、検出した停止操作の順序に基づいてロック状態を設定するロック状態設定手段、ロック状態設定手段が設定したロック状態に応じた確率で遊技ロックを行うか否かを抽籤により決定する遊技ロック判定手段、及び遊技ロック判定手段が遊技ロックを行うと判定すると、遊技の進行を一時的に停止するロック実行手段、として機能する。そして、主制御基板71又は副制御基板72は、遊技ロックを行い易い(難い)ロック状態をロック状態設定手段が設定することになる押し順を報知するか否かの報知抽籤を行う報知抽籤手段、及び報知抽籤手段の抽籤結果に基づいて所定の押し順を報知する報知手段として機能する。
(通常ARTやCTの終了条件)
通常ARTやCTの終了条件は、上述したものに限らず任意の終了条件を採用することができる。例えば、通常ARTやCT中に付与されたメダルの枚数、通常ARTやCT中の単位遊技の回数、通常ARTやCT中に遊技者にとって有利な情報を報知する回数、所定ゲーム数(例えば50ゲーム)を1セットとする場合のセット数、1セット終了時の継続率などの任意の終了条件を採用することができる。
また、通常ARTやCT中に付与されたメダルの枚数としては、例えば、同一の遊技において払い出されたメダルの枚数から遊技に用いたメダルの枚数を減算した差枚数(純増枚数)を用いることとしてもよい。また、通常ARTやCT中に付与されたメダルの枚数は、実際に増加したメダルに基づき算出することとしてもよく(実値による算出)、また、実際に増加したか否かに関わらず、報知に従った場合に増加する予定のメダルの枚数に基づき算出することとしてもよい(理想値による算出)。また、内部当籤役の種別によって、付与されたメダルの枚数を増加しないこととしてもよい。例えば、内部当籤役として決定される確率が低い一部の役、あるいは、停止操作のタイミングに応じて図柄の組合せの表示/非表示が切り替わる役に関しては、当該役が内部当籤役として決定されたとしても、付与されたメダルの枚数の増減を行わないこととしてもよい。
(報知の種別(押し順、タイミング))
また、通常ARTやCT中に行われる報知の内容も任意であり、遊技者にとって有利な図柄の組合せが表示される停止操作の順序(押し順)を報知することとしてもよく、当該図柄の組合せが表示されるために必要な停止操作のタイミング(狙うべき図柄)を報知することとしてもよい。
(その他)
また、有利状態としては、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率は変化させることなく(又は遊技性に影響を与えない程度の範囲で変化させ)、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する、いわゆる「AT」を用いることとしてもよく、また、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる再遊技高確率状態(リプレイタイム)を作動するとともに、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する、いわゆる「ART」を用いることとしてもよい。
また、上述したパチスロ機1では、台座部10の左側(MAXベットボタン11やスタートレバー6側)に設けられた第1サブ表示装置201に対して、各種の表示画面を表示することとしているが、これに限られるものではなく、台座部10の右側(メダル投入口22側)に設けられた第2サブ表示装置202に対して、各種の表示画面を表示することとしてもよい。同様に、第2サブ表示装置202の表示面上にタッチセンサを設け、このタッチセンサから出力されるタッチ入力情報に基づいて、第2サブ表示装置202の表示画面を切り替えることとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上、本発明に係るパチスロ機1について説明した。続いて、パチスロ機1の主制御基板71及び副制御基板72が有する各種機能について説明する。
主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、開始操作検出手段、図柄変動手段、内部当籤役決定手段、停止操作検出手段、リール停止制御手段及び入賞判定手段として機能する。
また、主制御基板71は、通常ART中に役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、このフラグ変換抽籤の結果やその他の内部当籤役に基づくCT抽籤に当籤すると、通常ARTの継続期間を延長するCTを開始するため、変換抽籤手段及び上乗せ遊技開始手段として機能する。
また、主制御基板71は、CT中に内部当籤役に応じて通常ARTの継続期間を示すARTゲーム数を上乗せ(延長)する。具体的には、役「サボテン」「弱チェリー」「強チェリー」に応じて通常ARTのARTゲーム数を所定量上乗せし、役「3連チリリプ」に応じて通常ARTのARTゲーム数を特定量上乗せする。
このとき、主制御基板71は、役「3連チリリプ」に基づくARTゲーム数の上乗せが行われた回数が、CTの1セットに相当する8回を超える9回以上になると、1回あたりの上乗せ量を増加するため、上乗せ制御手段として機能する
また、主制御基板71は、CT中にARTゲーム数が上乗せされない遊技の回数をCTゲーム数カウンタを用いて計数し、CTゲーム数カウンタが8を計数すると、CTを終了する。このとき、主制御基板71は、役「3連チリリプ」が当籤(すなわち、フラグ変換抽籤に当籤)すると、1セット8回の遊技が再セットするため(CTゲーム数カウンタの値を初期値に戻す)、計数手段及び上乗せ遊技終了手段として機能する。
また、主制御基板71は、ボーナスに係る役(F_BB1,2)が内部当籤役として決定されると、遊技状態をフラグ間状態に移行させるとともに、フラグ間状態ではボーナスが作動するまで(ボーナスに係る役が入賞するまで)ボーナスに係る役を内部当籤役として持ち越すため、ボーナス持越手段として機能する。また、主制御基板71は、フラグ間状態においてボーナスに係る役が入賞するとボーナスを作動し、遊技状態をボーナス状態に移行させるため、ボーナス開始手段として機能する。
なお、主制御基板71は、図48に示すように、フラグ間状態では、ボーナスに係る役と所定役(はずれ、F_特殊1〜3)が内部当籤役として決定されている場合に、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せ(C_BB1,2)を表示可能に停止制御を行い、ボーナスに係る役と所定役以外の役が内部当籤役として決定されている場合に、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを表示不可能に停止制御を行う。
そして、主制御基板71は、情報表示器14の指示モニタを制御して、フラグ間状態中にボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを表示可能な場合にボーナスに係る役を入賞させるための停止操作の態様を一義的に示す「10」「11」の表示(ボーナス指示情報)を報知し、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを表示不可能な場合に「10」「11」を報知しないため、主制御基板71及び情報表示器14の指示モニタは、指示情報報知手段として機能する。
このとき、主制御基板71は、ボーナス告知をした後に限り指示モニタを介して「10」「11」を報知する。具体的には、主制御基板71は、ボーナスに係る役を持ち越していない状態でボーナスに係る役を内部当籤役として決定すると、その後の遊技の回数を計数して、当該計数結果が所定回数になった後にボーナスに係る役と所定役(はずれ、F_特殊1〜3)が内部当籤役として決定されると、指示モニタを介して「10」「11」を報知するため、主制御基板71は、ボーナス役を内部当籤役として決定してからの単位遊技の回数を計数する計数手段として機能する。
また、副制御基板72は、主制御基板71から受信した各種コマンドデータに基づいて遊技履歴を管理するとともに、遊技者から登録操作を受け付けると、遊技を行う遊技者の登録を受け付けるため、履歴管理手段及び登録受付手段として機能する。
ここで、本発明に係るパチスロ機1では、遊技の進行に応じた演出を行う表示ユニット100と、表示ユニット100とは別に設けられ、トップ画面211や遊技情報画面213,214,215を含む複数の表示画面を表示する第1サブ表示装置201と、第1サブ表示装置201の表示部上に設けられたタッチセンサ201aとを有し、副制御基板72が表示ユニット100及び第1サブ表示装置201を制御する。具体的には、副制御基板72は、遊技者の登録を受け付けている場合には、遊技情報画面213,214,215を表示可能に第1サブ表示装置201を制御し、遊技者の登録を受け付けていない場合には、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215を表示不可能とするため、副制御基板72は、制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、遊技の結果に応じて様々な特典を付与するため、特典付与手段として機能する。具体的には、主制御基板71は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて特典を付与し、役「F_3択ベル_1st」が内部当籤役として決定された遊技において、「ベル」の図柄の組合せが表示されると9枚のメダルを付与し、「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示されると0枚のメダルを付与する。また、主制御基板71は、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定された遊技において、「3連チリリプ」又は「リプレイ」の図柄の組合せが表示されると、再遊技の作動という同一の特典を付与する。
また、主制御基板71は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せではなく、フラグ変換抽籤の結果に基づいても特典を付与する。例えば、主制御基板71は、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されるとフラグ変換抽籤を行い、フラグ変換抽籤に当籤すると、CT抽籤に当籤するなどの特典を付与する。
また、副制御基板72は、表示ユニット100を介して停止操作の態様に応じた演出を実行するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、演出実行手段として機能する。
ここで、主制御基板71は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せによって付与する特典が異なる場合には、指示モニタを介して遊技者にとって有利な停止操作の態様を一義的に示す情報を報知し、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せによって付与する特典が同一である場合には、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知しない。これに対して、副制御基板72は、表示された図柄の組合せによって付与する特典が同一/異なるかに関係なく、停止操作の順序を示す演出を実行する。
また、主制御基板71は、CTを開始するか否かのCT抽籤を行うため、有利状態抽籤手段として機能するとともに、CT抽籤に当籤した場合に、当籤してから所定回数の前兆遊技が行われた後にCTを開始するため、有利状態開始手段としても機能する。
そして、副制御基板72は、このCT前兆中に役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、サブ側でのフラグ変換抽籤を行うため、報知抽籤手段として機能する。
また、主制御基板71は、MBが内部当籤役として決定されると、MBが入賞したと判定されるまで、MBを内部当籤役として持ち越すため、所定役持越手段として機能する。
また、主制御基板71は、MBが内部当籤役として持ち越されているMBフラグ間において、役「押し順ベル」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行うため、変換抽籤手段としても機能する。
そして、主制御基板71及び副制御基板72は、このフラグ変換抽籤に当籤した場合に、指示モニタ及び表示ユニット100を介して当籤した役ごとに「サボテン」の図柄の組合せが表示される押し順を報知し、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には、指示モニタ及び表示ユニット100を介して当籤した役ごとに「ベル」の図柄の組合せが表示される押し順を報知する。そのため、主制御基板71、副制御基板72、指示モニタ及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
また、主制御基板71は、ART抽籤に当籤すると通常ARTを開始し、通常ARTの継続期間が終了すると通常ARTを終了するとともに、通常ART中にMBが内部当籤役として持ち越されると、CTを開始するため、第1有利状態制御手段及び第2制御手段として機能する。なお、CT中は、通常ARTの継続期間を消化しないことから、主制御基板71は、通常ART中にMBが内部当籤役として持ち越されると、通常ARTを中断してCTを開始することになる。
また、主制御基板71は、CT中に差枚数を計数するとともに、差枚数が終了枚数に達するとCTを終了する。ここで、主制御基板71は、CT中に役「F_押し順ベル」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、このフラグ変換抽籤に当籤した場合に、計数する差枚数に対して「6」を加算するとともに、終了枚数に対して「6」を加算し、CTの継続期間を維持する。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、計数する差枚数に対して「6」を加算し、CTの継続期間を消化する。そのため、主制御基板71は、計数手段、第2有利状態終了手段及び変換抽籤手段として機能する。
また、主制御基板71は、CT中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤に当籤する確率を規定するCTメーターの値を、現在設定されているCTメーターの値よりもフラグ変換抽籤に当籤し易い値に更新する一方で、CT中にフラグ変換抽籤に非当籤すると、現在設定されているCTメーターの値よりもフラグ変換抽籤に当籤し難い値に更新するため、抽籤段階設定手段(第1抽籤段階設定手段)として機能する。
また、主制御基板71は、ART遊技状態中のMBフラグ間(CT)では、役「F_押し順ベル」当籤時にCTメーターの値に基づいてフラグ変換抽籤を行い、ART遊技状態中のMB非フラグ間(通常ART)では、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」当籤時にARTレベルや抽籤状態に基づいてフラグ変換抽籤を行うため、第1変換抽籤手段及び第2変換抽籤手段として機能する。
そして、これらフラグ変換抽籤の結果に基づいて、主制御基板71は特典を付与するとともに、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して押し順を報知するため、主制御基板71は、特典付与手段として機能するとともに、主制御基板71、副制御基板72、指示モニタ及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
なお、主制御基板71は、CT中のフラグ変換抽籤に当籤(「サボテン」)した場合には、CTの継続期間を消化することなく維持(すなわち、継続期間を延長)するという特典を付与し、通常ART中のフラグ変換抽籤に当籤(「チリリプ」)した場合には、ARTゲーム数の上乗せという特典を付与する。
また、主制御基板71は、MB非フラグ間中の通常ART中にMBが内部当籤役として決定され、その後、MBが入賞しないまま所定回数の前兆遊技が行われると、通常ARTの上乗せチャンスゾーンであるCTを開始するため、上乗せ遊技状態開始手段として機能する。
また、主制御基板71は、CT中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、通常ARTの継続期間を延長するとともに、CT中に役「押し順ベル」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤すると、CTの継続期間を延長するため、第1上乗せ制御手段及び第2上乗せ制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、MB非フラグ間中の通常ART中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、このフラグ変換抽籤の結果に基づいて「チリリプ」の図柄の組合せを表示させるための報知を行うか否かを決定するため、第1報知抽籤手段として機能する。
一方で、CT前兆中は、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、副制御基板72が押し順を報知するか否かを決定するため、副制御基板72は、第2報知抽籤手段として機能する。
また、主制御基板71は、MBフラグ間中に所定回数の前兆遊技が行われると(所定の条件を満たすと)、CTを開始し、このCT中の期間にわたり役「押し順ベル」当籤時にフラグ変換抽籤を行うため、抽籤状態開始手段として機能する。
そして、主制御基板71及び副制御基板72は、MBフラグ間の前兆遊技中(所定の条件を満たすまで)は、役「押し順ベル」当籤時に「ベル」の図柄の組合せを表示させるために必要な押し順を、指示モニタ及び表示ユニット100を介して報知し、MBフラグ間のCT(抽籤状態)中は、役「押し順ベル」当籤時にフラグ変換抽籤の結果に基づいて「ベル」又は「サボテン」の図柄の組合せを表示させるために必要な押し順を、指示モニタ及び表示ユニット100を介して報知するため、主制御基板71、副制御基板72、指示モニタ及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
なお、表示ユニット100は、照射光を照射する照射光装置Bと、照射光装置Bからの照射光の照射により演出に応じた映像を出現させるスクリーン装置Cと、照射光装置Bからの照射光の照射により演出に応じた映像を出現させるスクリーン装置を、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1との間で切り替えるフロントスクリーン駆動機構E2及びリールスクリーン駆動機構F2と、を有する。そのため、照射光装置Bは、照射光を照射する照射光装置として機能し、また、スクリーン装置Cは、照射光装置からの照射光の照射により前記演出に応じた映像を出現させる可動スクリーンとして機能し、また、フロントスクリーン駆動機構E2及びリールスクリーン駆動機構F2は、可動スクリーンが配置される位置を調整可能に可動スクリーンを駆動する駆動装置として機能する。
[付記1]
付記1のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、リプレイの当籤確率を高くすることで、遊技に使用するメダル量を減らしつつ遊技を可能にするリプレイタイム(RT)を有する遊技機も広く知られている。例えば、特許文献(特開2012−223289号公報)には、ボーナスが内部当籤役として決定された場合に、リプレイタイムを作動させる遊技機が提案されている。このようなリプレイタイムは、フラグ間RTと呼ばれることもあり、内部当籤役として決定(持ち越し)されているボーナスが入賞するまで、リプレイの当籤確率が高い状態で遊技を行うことができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、特許文献1のようにフラグ間RTを有するパチスロ機は、これまでいくつか知られているが、単にボーナスが入賞するまでリプレイの当籤確率を上げるだけでは、遊技性が乏しく、更なる遊技性を有する遊技機が求められている。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、フラグ間中の遊技性に富んだ遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、ベル)又は第2の図柄組合せ(例えば、サボテン)を含む複数の図柄の組合せが停止表示可能な押し順役(例えば、F_押し順ベル1〜6)を含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により所定役(例えば、MB)が内部当籤役として決定されると、前記入賞判定手段により当該所定役が入賞したと判定されるまで、当該所定役を内部当籤役として持ち越す所定役持越手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記リール停止制御手段は、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されていない遊技(例えば、MB非フラグ間)において前記押し順役が内部当籤役として決定されると、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させる一方で、前記第2の図柄組合せを表示不可能に図柄の変動を停止させ、また、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技(例えば、MBフラグ間)において前記押し順役が内部当籤役として決定されると、停止操作の順序に応じて前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せ又は前記第2の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定役持越手段は、所定役が内部当籤役として決定されると入賞されるまで当該所定役を持ち越すため、いわゆるフラグ間の遊技状態を持つことになる。ここで、パチスロ機は、リールの停止制御を内部当籤役に応じて行うところ、フラグ間では、所定役が内部当籤役として持ち越されている状態であるため、他の役と所定役とが重複して当籤していることになり、同一の役が内部当籤役として決定されている場合であっても、非フラグ間とは異なる停止制御を行うことができる。
この点、本発明に係る遊技機では、押し順役が内部当籤役として決定されると、非フラグ間(所定役が内部当籤役として持ち越されていない遊技)では第1の図柄組合せが表示されるように停止制御を行い、フラグ間(所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技)では停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ又は第2の図柄組合せが表示されるように停止制御を行う。これにより、本発明に係る遊技機では、同じ当籤役を使いながらフラグ間と非フラグ間とで異なる停止制御、すなわち、フラグ間と非フラグ間とで異なる図柄の組合せを表示させることができる。その結果、当籤役の種類を増やすことなく、フラグ間中に表示される図柄の組合せの種類を増やすことができ、フラグ間中の遊技に多様性を持たせることができる。具体的には、第2の図柄組合せをチェリーなどのいわゆるレア役に対応する図柄の組合せとすることで、フラグ間中には押し順役の当籤でレア役を入賞させることができるようになり、当籤役の種類、当籤確率を変えることなく、レア役の出現頻度を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機において、停止操作の順序を報知する報知手段(例えば、情報表示器14、表示ユニット100、主制御基板71、副制御基板72)と、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技において所定の条件(例えば、所定回数の前兆遊技が終了)を満たすと、所定の期間にわたり所定の抽籤(例えば、F_押し順ベル当籤時にサボテンを表示させるか否かのフラグ変換抽籤)を行う抽籤状態(例えば、CT)を開始する抽籤状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記抽籤状態において前記押し順役が内部当籤役として決定されると、前記所定の抽籤を行う変換抽籤手段と、を更に備え、前記報知手段は、前記所定の条件を満たすまでの前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技(例えば、CTの前兆遊技)において、前記押し順役が内部当籤役として決定されると、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せを表示させるために必要な停止操作の順序を報知し、前記抽籤状態において、前記変換抽籤手段の前記所定の抽籤に当籤した場合に、前記図柄表示手段に前記第2の図柄組合せを表示させるために必要な停止操作の順序を報知する一方で、前記変換抽籤手段の前記所定の抽籤に非当籤の場合に、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せを表示させるために必要な停止操作の順序を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、フラグ間中に所定の抽籤を行う抽籤状態を設け、フラグ間中の抽籤状態が開始する前の状態と、フラグ間中の抽籤状態とで報知する停止操作の内容を異ならせる。具体的には、抽籤状態が開始する前は、常に第1の図柄組合せを表示させるための報知を行い、抽籤状態中は、抽籤に当籤した場合に、非フラグ間では表示されない第2の図柄組合せを表示させるための報知を行い、反対に、抽籤に非当籤した場合には、第1の図柄組合せを表示させるための報知を行う。第2の図柄組合せ(レア役)が連続した場合には、遊技者からするとフラグ間であることが分かってしまうため、フラグ間であってもわざと第1の図柄組合せを報知することで、遊技者に対して現在の状態を分かり難くすることができ、好適である。また、所定の抽籤により報知内容を制御することで、フラグ間中の第2の図柄組合せ(レア役)の頻度を所定の抽籤の抽籤確率に応じて調整することができるため、フラグ間中に所定の遊技性を持った期間を設けることができ、フラグ間中の遊技性を多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記変換抽籤手段の前記所定の抽籤に当籤すると、又は、前記報知手段の報知に基づき前記図柄表示手段に前記第2の図柄組合せが表示されると、特典(例えば、CTの継続期間を維持するという特典)を付与する特典付与手段(例えば、主制御基板71)を更に備えることを特徴とする。
所定の抽籤に当籤すると第2の図柄組合せを表示させるための報知が行われるため、このような遊技機によれば、第2の図柄組合せ(レア役)が表示されることで、特典が付与されることになる。これにより、フラグ間中は、所定の抽籤の抽籤確率に応じて第2の図柄組合せ(レア役)の頻度だけでなく、付与する特典も調整することができるため、フラグ間中の遊技性を多様化することができる。
[付記2]
付記2のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、リプレイの当籤確率を高くすることで、遊技に使用するメダル量を減らしつつ遊技を可能にするリプレイタイム(RT)を有する遊技機も広く知られている。例えば、特許文献(特開2012−223289号公報)には、ボーナスが内部当籤役として決定された場合に、リプレイタイムを作動させる遊技機が提案されている。このようなリプレイタイムは、フラグ間RTと呼ばれることもあり、内部当籤役として決定(持ち越し)されているボーナスが入賞するまで、リプレイの当籤確率が高い状態で遊技を行うことができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、特許文献1のようにフラグ間RTを有するパチスロ機は、これまでいくつか知られているが、単にボーナスが入賞するまでリプレイの当籤確率を上げるだけでは、遊技性が乏しく、更なる遊技性を有する遊技機が求められている。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、フラグ間中の遊技性に富んだ遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、ベル)又は第2の図柄組合せ(例えば、サボテン)を含む複数の図柄の組合せが停止表示可能な第1役(例えば、F_押し順役1〜6)を含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により所定役(例えば、MB)が内部当籤役として決定されると、前記入賞判定手段により当該所定役が入賞したと判定されるまで、当該所定役を内部当籤役として持ち越す所定役持越手段(例えば、主制御基板71)と、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されると、特定状態(例えば、CT)を開始する特定状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定状態において、当該特定状態の継続期間を示す数値情報(例えば、CT中の差枚数)を計数する計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記計数手段の計数結果が所定の閾値に達すると前記特定状態を終了する特定状態終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定状態中に前記第1役が内部当籤役として決定されると、所定の抽籤(例えば、F_押し順ベル当籤時にサボテンを表示させるか否かのフラグ変換抽籤)を行う変換抽籤手段(例えば、主制御基板71)と、前記変換抽籤手段が行う前記所定の抽籤に当籤する確率が異なる複数の抽籤段階の中から一の抽籤段階(例えば、CTメーター)を設定する抽籤段階設定手段(例えば、主制御基板71)と、停止操作の情報を報知する報知手段(例えば、情報表示器14、表示ユニット100、主制御基板71、副制御基板72)と、を備え、前記リール停止制御手段は、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されていない遊技(例えば、MB非フラグ間)において前記第1役が内部当籤役として決定されると、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させる一方で、前記第2の図柄組合せを表示不可能に図柄の変動を停止させ、また、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技(例えば、MBフラグ間)において前記第1役が内部当籤役として決定されると、停止操作の順序に応じて前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せ又は前記第2の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させ、前記計数手段は、前記変換抽籤手段の前記所定の抽籤に当籤した場合に、自身が計数する前記数値情報に対して所定値を加算するとともに前記所定の閾値に対して所定値を加算し、前記変換抽籤手段の前記所定の非当籤の場合に、自身が計数する前記数値情報に対して所定値を加算し、前記抽籤段階設定手段は、前記特定状態において前記内部当籤役決定手段により第2役(例えば、F_単チリリプ1〜F_3連チリリプ4)が内部当籤役として決定されることに応じて、現在設定されている抽籤段階を当該抽籤段階よりも前記所定の抽籤に当籤し易い抽籤段階に更新し、前記報知手段は、前記変換抽籤手段の前記所定の抽籤に当籤した場合に、前記図柄表示手段に前記第2の図柄組合せを表示させるために必要な停止操作の順序を報知する一方で、前記変換抽籤手段の前記所定の抽籤に非当籤の場合に、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せを表示させるために必要な停止操作の順序を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定役持越手段は、所定役が内部当籤役として決定されると入賞されるまで当該所定役を持ち越すため、いわゆるフラグ間の遊技状態を持つことになる。ここで、パチスロ機は、リールの停止制御を内部当籤役に応じて行うところ、フラグ間では、所定役が内部当籤役として持ち越されている状態であるため、他の役と所定役とが重複して当籤していることになり、同一の役が内部当籤役として決定されている場合であっても、非フラグ間とは異なる停止制御を行うことができる。
この点、本発明に係る遊技機では、第1役が内部当籤役として決定されると、非フラグ間(所定役が内部当籤役として持ち越されていない遊技)では第1の図柄組合せが表示されるように停止制御を行い、フラグ間(所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技)では停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ又は第2の図柄組合せが表示されるように停止制御を行う。これにより、本発明に係る遊技機では、同じ当籤役を使いながらフラグ間と非フラグ間とで異なる停止制御、すなわち、フラグ間と非フラグ間とで異なる図柄の組合せを表示させることができる。その結果、当籤役の種類を増やすことなく、フラグ間中に表示される図柄の組合せの種類を増やすことができ、フラグ間中の遊技に多様性を持たせることができる。具体的には、第2の図柄組合せをチェリーなどのいわゆるレア役に対応する図柄の組合せとすることで、フラグ間中には第1役の当籤でレア役を入賞させることができるようになり、当籤役の種類、当籤確率を変えることなく、レア役の出現頻度を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、フラグ間中の所定の期間にわたり遊技状態を特定状態として扱い、この特定状態中に第1役が内部当籤役として決定されると所定の抽籤を行い、この抽籤の結果に基づいて報知する停止操作の内容を異ならせる。具体的には、抽籤に当籤した場合には、非フラグ間では表示されない第2の図柄組合せを表示させるための報知を行い、反対に、抽籤に非当籤した場合には、第1の図柄組合せを表示させるための報知を行う。遊技者からすると、報知に従い停止操作を行うことで、フラグ間(特定状態)中に第2の図柄組合せを表示させることができる。
また、特定状態は、計数手段が計数する数値情報が閾値に達すると終了するところ、第1役の当籤時に行う所定の抽籤結果に当籤すると閾値増加し、非当籤すると数値情報が増加する。所定の抽籤は、上述の報知にも関係するため、第2の図柄組合せが表示された場合には(所定の抽籤に当籤)、特定状態の継続期間が延長されることになり、第1の図柄組合せが表示された場合には(所定の抽籤に非当籤)、特定状態の継続期間が消化されることになる。
このように本発明に係る遊技機では、フラグ間中に停止制御を変えつつ、表示される図柄の組合せに応じて(詳細には、所定の抽籤結果に応じて)特定状態の継続期間を制御することができるため、フラグ間(特定状態)中の遊技性を多様化することができる。
このとき、本発明に係る遊技機では、所定の抽籤に当籤する確率を抽籤段階設定手段が設定する抽籤段階に基づいて制御しているため、特定状態中の第2の図柄組合せ(レア役)の頻度を所定の抽籤の抽籤確率(抽籤段階)に応じて調整することができる。また、この抽籤段階は、特定状態中に第2役が当籤すると所定の抽籤に当籤し易い抽籤段階に更新(昇格)される。これにより、遊技者は、特定状態中の当籤役に対して強い関心を抱くことになり(すなわち、第2役が多く当籤することで、所定の抽籤に当籤し易くなり、結果、特定状態が長く継続することになる)、フラグ間中の遊技性を多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)及び前記特定状態(例えば、CT)に加え、停止操作の情報を報知することで前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、通常ART)を更に有し、前記特定状態において前記内部当籤役決定手段により前記第2役が内部当籤役として決定されると、前記有利状態の継続期間を延長する上乗せ制御手段(例えば、主制御基板71)、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定状態中の第2役の当籤は、抽籤段階の昇格だけでなく、有利状態の継続期間の延長にもつながる。遊技者にとってみれば、特定状態中の当籤役に対して更に強い関心を抱くことになるため、フラグ間中の遊技性を多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第2役は、前記リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたときに前記図柄表示手段に表示される特定図柄(例えば、チリ図柄)の数が異なる複数種類の第2役(例えば、F_単チリリプ1〜4とF_2連チリリプ1〜4と3連チリリプ1〜4)を含み、前記上乗せ制御手段は、図柄の変動が停止されたときに前記図柄表示手段に表示される特定図柄の数が多い第2役ほど前記有利状態の継続期間を長く延長することを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2役の当籤時に表示される特定図柄の数に応じて有利状態の継続期間の上乗せ量が異なるため、フラグ間中の遊技性を多様化することができる。
[付記3]
付記3のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、リプレイの当籤確率を高くすることで、遊技に使用するメダル量を減らしつつ遊技を可能にするリプレイタイム(RT)を有する遊技機も広く知られている。例えば、特許文献(特開2012−223289号公報)には、ボーナスが内部当籤役として決定された場合に、リプレイタイムを作動させる遊技機が提案されている。このようなリプレイタイムは、フラグ間RTと呼ばれることもあり、内部当籤役として決定(持ち越し)されているボーナスが入賞するまで、リプレイの当籤確率が高い状態で遊技を行うことができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、特許文献1のようにフラグ間RTを有するパチスロ機は、これまでいくつか知られているが、単にボーナスが入賞するまでリプレイの当籤確率を上げるだけでは、遊技性が乏しく、更なる遊技性を有する遊技機が求められている。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、フラグ間中の遊技性に富んだ遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、ベル)又は第2の図柄組合せ(例えば、サボテン)を含む複数の図柄の組合せが停止表示可能な第1役(例えば、F_押し順役1〜6)を含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により所定役(例えば、MB)が内部当籤役として決定されると、前記入賞判定手段により当該所定役が入賞したと判定されるまで、当該所定役を内部当籤役として持ち越す所定役持越手段(例えば、主制御基板71)と、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されると、前記特定状態を開始する特定状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定状態において、当該特定状態の継続期間を示す数値情報(例えば、CT中の差枚数)を計数する計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記計数手段の計数結果が所定の閾値に達すると前記特定状態を終了する特定状態終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定状態中に前記第1役が内部当籤役として決定されると、所定の抽籤(例えば、F_押し順ベル当籤時にサボテンを表示させるか否かのフラグ変換抽籤)を行う変換抽籤手段(例えば、主制御基板71)と、前記変換抽籤手段が行う前記所定の抽籤に当籤する確率が異なる複数の抽籤段階の中から一の抽籤段階(例えば、CTメーター)を設定する抽籤段階設定手段(例えば、主制御基板71)と、停止操作の情報を報知する報知手段(例えば、情報表示器14、表示ユニット100、主制御基板71、副制御基板72)と、を備え、前記リール停止制御手段は、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されていない遊技(例えば、MB非フラグ間)において前記第1役が内部当籤役として決定されると、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させる一方で、前記第2の図柄組合せを表示不可能に図柄の変動を停止させ、また、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技(例えば、MBフラグ間)において前記第1役が内部当籤役として決定されると、停止操作の順序に応じて前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せ又は前記第2の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させ、前記計数手段は、前記変換抽籤手段の前記所定の抽籤に当籤した場合に、自身が計数する前記数値情報に対して所定値を加算するとともに、前記所定の閾値に対して所定値を加算し、前記変換抽籤手段の前記所定の非当籤の場合に、自身が計数する前記数値情報に対して所定値を加算し、前記報知手段は、前記変換抽籤手段の前記所定の抽籤に当籤した場合に、前記図柄表示手段に前記第2の図柄組合せを表示させるために必要な停止操作の順序を報知する一方で、前記変換抽籤手段の前記所定の抽籤に非当籤の場合に、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せを表示させるために必要な停止操作の順序を報知し、前記変換抽籤手段は、前記抽籤段階設定手段が特定の抽籤段階(例えば、CTメーター「MAX」)を設定した場合、所定回数の単位遊技の間、前記所定の抽籤を必ず当籤させ、前記抽籤段階設定手段が所定の抽籤段階を設定した場合、前記所定の抽籤を所定の確率で当籤させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定役持越手段は、所定役が内部当籤役として決定されると入賞されるまで当該所定役を持ち越すため、いわゆるフラグ間の遊技状態を持つことになる。ここで、パチスロ機は、リールの停止制御を内部当籤役に応じて行うところ、フラグ間では、所定役が内部当籤役として持ち越されている状態であるため、他の役と所定役とが重複して当籤していることになり、同一の役が内部当籤役として決定されている場合であっても、非フラグ間とは異なる停止制御を行うことができる。
この点、本発明に係る遊技機では、第1役が内部当籤役として決定されると、非フラグ間(所定役が内部当籤役として持ち越されていない遊技)では第1の図柄組合せが表示されるように停止制御を行い、フラグ間(所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技)では停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ又は第2の図柄組合せが表示されるように停止制御を行う。これにより、本発明に係る遊技機では、同じ当籤役を使いながらフラグ間と非フラグ間とで異なる停止制御、すなわち、フラグ間と非フラグ間とで異なる図柄の組合せを表示させることができる。その結果、当籤役の種類を増やすことなく、フラグ間中に表示される図柄の組合せの種類を増やすことができ、フラグ間中の遊技に多様性を持たせることができる。具体的には、第2の図柄組合せをチェリーなどのいわゆるレア役に対応する図柄の組合せとすることで、フラグ間中には第1役の当籤でレア役を入賞させることができるようになり、当籤役の種類、当籤確率を変えることなく、レア役の出現頻度を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、フラグ間中の所定の期間にわたり遊技状態を特定状態として扱い、この特定状態中に第1役が内部当籤役として決定されると所定の抽籤を行い、この抽籤の結果に基づいて報知する停止操作の内容を異ならせる。具体的には、抽籤に当籤した場合には、非フラグ間では表示されない第2の図柄組合せを表示させるための報知を行い、反対に、抽籤に非当籤した場合には、第1の図柄組合せを表示させるための報知を行う。遊技者からすると、報知に従い停止操作を行うことで、フラグ間(特定状態)中に第2の図柄組合せを表示させることができる。
また、特定状態は、計数手段が計数する数値情報が閾値に達すると終了するところ、第1役の当籤時に行う所定の抽籤結果に当籤すると閾値増加し、非当籤すると数値情報が増加する。所定の抽籤は、上述の報知にも関係するため、第2の図柄組合せが表示された場合には(所定の抽籤に当籤)、特定状態の継続期間が延長されることになり、第1の図柄組合せが表示された場合には(所定の抽籤に非当籤)、特定状態の継続期間が消化されることになる。
このように本発明に係る遊技機では、フラグ間中に停止制御を変えつつ、表示される図柄の組合せに応じて(詳細には、所定の抽籤結果に応じて)特定状態の継続期間を制御することができるため、フラグ間(特定状態)中の遊技性を多様化することができる。
このとき、本発明に係る遊技機では、所定の抽籤に当籤する確率を抽籤段階設定手段が設定する抽籤段階に基づいて制御しているため、フラグ間中の第2の図柄組合せ(レア役)の頻度を所定の抽籤の抽籤確率(抽籤段階)に応じて調整することができる。特に、抽籤段階として特定の抽籤段階が設定された場合には、所定回数の単位遊技の間、所定の抽籤に必ず当籤することになるため、その後の遊技に対して期待を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記抽籤段階設定手段は、前記特定状態において前記第2役が内部当籤役として決定されると、現在設定されている抽籤段階に応じた確率で、当該抽籤段階を当該抽籤段階よりも前記所定の抽籤に当籤し易い抽籤段階に更新することを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2役に基づく抽籤段階の昇格は、現在設定されている抽籤段階に応じた確率で行われることになるため、抽籤段階の昇格について新たな遊技性を持たせることができ、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記第2役は、前記リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたときに前記図柄表示手段に表示される特定図柄(例えば、チリ図柄)の数が異なる複数種類の第2役(例えば、F_単チリリプ1〜4とF_2連チリリプ1〜4と3連チリリプ1〜4)を含み、前記抽籤段階設定手段は、図柄の変動が停止されたときに前記図柄表示手段に表示される特定図柄の数が多い第2役ほど高い確率で現在設定されている抽籤段階を、当該抽籤段階よりも前記所定の抽籤に当籤し易い抽籤段階に更新することを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2役の当籤時に表示される特定図柄の数に応じて抽籤段階を昇格する確率が異なるため、フラグ間中の遊技性を多様化することができる。
[付記4]
付記4のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特許文献(特開2010−057732号公報)に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
従来、AT機やART機では、サブ(副制御)側の制御のもとにナビを行っていたが、ナビの有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御)側でナビを行うことが求められている。ここで、メイン側でナビを行う場合には、ナビには利益が厳格に管理されていることを保証するという意味合いが強く、現在の遊技状況を厳格に表すことが求められる。
しかしながら、このようなナビでは、ナビの態様が単調になってしまい、遊技の多様性を損ねてしまうという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、利益に影響するナビをメイン側で適切に行いつつも、多様性のあるナビが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、CT)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御基板71)と、遊技に関する演出を制御する副制御部(例えば、副制御基板72)と、を備え、前記主制御部は、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、リプレイ)又は第2の図柄組合せ(例えば、リーチ目リプ)を含む複数の図柄の組合せが停止表示可能な押し順役(例えば、F_リーチ目リプA〜D)を含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記有利状態を開始するか否かの第1抽籤(例えば、CT抽籤)を行う有利状態抽籤手段(例えば、主制御基板71)と、前記有利状態抽籤手段が行う前記第1抽籤に当籤すると、当籤してから所定回数の単位遊技が行われた後に前記有利状態を開始する有利状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記押し順役が内部当籤役として決定されると、第2抽籤(例えば、フラグ変換抽籤)を行う変換抽籤手段(例えば、主制御基板71)と、前記変換抽籤手段が行う前記第2抽籤に当籤すると、特別な特典(例えば、CT当籤)を付与する特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、を有し、前記リール停止制御手段は、前記押し順役が内部当籤役として決定されると、停止操作の順序に応じて前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せ又は前記第2の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させ、前記副制御部は、停止操作の態様に応じた演出を実行する演出実行手段(例えば、表示ユニット100、副制御基板72)と、前記有利状態抽籤手段が行う前記第1抽籤に当籤してから前記有利状態が開始するまでの所定回数の単位遊技において、前記押し順役が内部当籤役として決定されると、第3抽籤(例えば、CT前兆中のナビ抽籤)を行う報知抽籤手段(例えば、副制御基板72)と、を有し、前記副制御部の前記演出実行手段は、前記主制御部の前記変換抽籤手段が行う前記第2抽籤、又は前記副制御部の前記報知抽籤手段が行う前記第3抽籤に当籤すると、前記図柄表示手段に前記第2の図柄組合せを表示させるための停止操作の順序に応じた演出を実行することを特徴とする。
このような遊技機では、メイン(主制御部)側で行う第2抽籤に当籤した場合、特別な特典が付与されるとともに、サブ(副制御部)側の演出実行手段により、第2の図柄組合せを表示するための報知が行われる。この報知に従い停止操作を行うことで第2の図柄組合せが表示されるため、遊技者からすると、第2の図柄組合せは特別な特典が付与される図柄の組合せ(例えば、リーチ目)を意味することになる。そのため、第2の図柄組合せが表示されたにも関わらず、何らの特典も付与されない場合には、遊技者は、強い不満を感じてしまい、興趣を損ねてしまうことになる。この点、本発明に係る遊技機では、メイン側において、特典の付与の有無を決定し、この決定に応じて第2の図柄組合せの報知が行われるため、特典(利益)に影響する報知をメイン側で適切に管理することができる。
ところで、パチスロ機では、遊技者に対して有利な制御を行う場合に、すぐに当該有利な制御を行うのではなく、所定回数の遊技を行った後に当該有利な制御を行うこと、例えば、ARTなどが当籤している場合に数回の前兆遊技を経てから実際にARTを開始することがある。このような前兆遊技中は、既に遊技者に対して特典(利益)を付与することが決まっているため、仮に第2の図柄組合せを表示し、この表示に伴う特典を付与しなかったとしても、遊技者が不満を感じることはない。すなわち、数回の前兆遊技が終了すると有利な制御が行われることになるため、遊技者からすると、前兆遊技中に表示された第2の図柄組合せが特典をもたらしたと感じることになり、興趣を損ねてしまうことがない。一方で、特別な特典が付与される際に表示される第2の図柄組合せ(例えば、リーチ目)を表示する機会を増やすことは、図柄の組合せの見せ方のバリエーションが増し、遊技性が向上する。
そこで、本発明に係る遊技機では、サブ(副制御部)側の報知抽籤手段が前兆遊技中(第1抽籤に当籤してから前記有利状態が開始するまでの所定回数の単位遊技)に第3抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて演出実行手段が第2の図柄組合せを報知する。この報知は、上述のように特典の付与に関係しないものの、報知に従い停止操作を行うことで、特別な特典が付与される際に表示される第2の図柄組合せを表示することができ、遊技性が向上する。このように本発明に係る遊技機によれば、利益(特典)に影響する報知は、メイン側で管理する一方で、利益に影響しない報知は、サブ側で演出上の見せ方として多様性のある報知を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特典付与手段は、前記第2抽籤に当籤すると、前記有利状態抽籤手段が行う前記第1抽籤に当籤するという特典を付与することを特徴とする。
第1抽籤に当籤すると有利状態が開始するため、このような遊技機によると、第2抽籤に当籤(結果、第2の図柄組合せが表示)すると、有利状態が開始することになる。この場合においても、有利状態が開始するまでの前兆遊技中に、第3抽籤に伴い第2の図柄組合せが報知される。遊技者からすると、第2の図柄組合せの表示が、前兆遊技中であるために表示されたのか(すなわち、第3抽籤の結果表示されたのか)、又は、今回の表示に伴い前兆遊技に移行したのか(すなわち、第2抽籤の結果表示されたのか)分からなくなるため、これまでの遊技の流れに対して強い関心を抱くことになり、興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記特典付与手段は、前記副制御部の前記報知抽籤手段が行う前記第3抽籤に当籤した場合に前記特別な特典を付与することなく、前記主制御部の前記変換抽籤手段が行う前記第2抽籤に当籤した場合に前記特別な特典を付与することを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2の図柄組合せを報知する条件である第2抽籤及び第3抽籤のうち、メイン側で行う第2抽籤に当籤した場合に限り特別な特典を付与し、サブ側で行う第3抽籤に当籤した場合には特別な特典を付与しない。これにより、利益(特典)に影響する報知は、メイン側で管理する一方で、利益に影響しない報知は、サブ側で演出上の見せ方として多様性のある報知を行うことができる。
[付記5]
付記5のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、リプレイの当籤確率を高くすることで、遊技に使用するメダル量を減らしつつ遊技を可能にするリプレイタイム(RT)を有する遊技機も広く知られている。例えば、特許文献(特開2012−223289号公報)には、ボーナスが内部当籤役として決定された場合に、リプレイタイムを作動させる遊技機が提案されている。このようなリプレイタイムは、フラグ間RTと呼ばれることもあり、内部当籤役として決定(持ち越し)されているボーナスが入賞するまで、リプレイの当籤確率が高い状態で遊技を行うことができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、特許文献1のようにフラグ間RTを有するパチスロ機は、これまでいくつか知られているが、単にボーナスが入賞するまでリプレイの当籤確率を上げるだけでは、遊技性が乏しく、更なる遊技性を有する遊技機が求められている。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、フラグ間中の遊技性に富んだ遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態と停止操作の情報を報知することで前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、ベル)又は第2の図柄組合せ(例えば、サボテン)を含む複数の図柄の組合せが停止表示可能な第1役(例えば、F_押し順ベル1〜6)、及び停止操作の順序に応じて第3の図柄組合せ(例えば、リプレイ)又は第4の図柄組合せ(例えば、チリリプ)を含む複数の図柄の組合せが停止表示可能な第2役(例えば、F_単チリリプ1〜4、F_2連チリリプ1〜4、F_3連チリリプ1〜4)を含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により所定役(例えば、MB)が内部当籤役として決定されると、前記入賞判定手段により当該所定役が入賞したと判定されるまで、当該所定役を内部当籤役として持ち越す所定役持越手段(例えば、主制御基板71)と、停止操作の情報を報知する報知手段(例えば、情報表示器14、表示ユニット100、主制御基板71、副制御基板72)と、前記有利状態、かつ、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されている場合に、前記第1役が内部当籤役として決定されると、第1抽籤(例えば、F_押し順ベル当籤時にサボテンを表示させるか否かのフラグ変換抽籤)を行う第1変換抽籤手段(例えば、主制御基板71)と、前記有利状態、かつ、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されていない場合に、前記第2役が内部当籤役として決定されると、第2抽籤(例えば、F_単チリリプ、F_2連チリリプ、F_3連チリリプ当籤時にチリリプを表示させるか否かのフラグ変換抽籤)を行う第2変換抽籤手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記リール停止制御手段は、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されていない遊技(例えば、MB非フラグ間)において前記第1役が内部当籤役として決定されると、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させる一方で、前記第2の図柄組合せを表示不可能に図柄の変動を停止させ、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技(例えば、MBフラグ間)において前記第1役が内部当籤役として決定されると、停止操作の順序に応じて前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せ又は前記第2の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させ、また、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されていない遊技において前記第2役が内部当籤役として決定されると、停止操作の順序に応じて前記図柄表示手段に前記第3の図柄組合せ又は前記第4の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させる一方で、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技において前記第2役が内部当籤役として決定されると、前記図柄表示手段に前記第4の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させる一方で、前記第3の図柄組合せを表示不可能に図柄の変動を停止させ、前記報知手段は、前記第1変換抽籤手段の前記第1抽籤に当籤した場合に、前記図柄表示手段に前記第2の図柄組合せを表示させるために必要な停止操作の順序を報知する一方で、前記第1変換抽籤手段の前記第1抽籤に非当籤の場合に、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せを表示させるために必要な停止操作の順序を報知し、また、前記第2変換抽籤手段の前記第2抽籤に当籤した場合に、前記図柄表示手段に前記第4の図柄組合せを表示させるために必要な停止操作の順序を報知する一方で、前記第2変換抽籤手段の前記第2抽籤に非当籤の場合に、前記図柄表示手段に前記第3の図柄組合せを表示させるために必要な停止操作の順序を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定役持越手段は、所定役が内部当籤役として決定されると入賞されるまで当該所定役を持ち越すため、いわゆるフラグ間の遊技状態を持つことになる。ここで、パチスロ機は、リールの停止制御を内部当籤役に応じて行うところ、フラグ間では、所定役が内部当籤役として持ち越されている状態であるため、他の役と所定役とが重複して当籤していることになり、同一の役が内部当籤役として決定されている場合であっても、非フラグ間とは異なる停止制御を行うことができる。
この点、本発明に係る遊技機では、第1役が内部当籤役として決定されると、非フラグ間(所定役が内部当籤役として持ち越されていない遊技)では第1の図柄組合せが表示されるように停止制御を行い、フラグ間(所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技)では停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ又は第2の図柄組合せが表示されるように停止制御を行う。また、第2役が内部当籤役として決定されると、非フラグ間では停止操作の順序に応じて第3の図柄組合せ又は第4の図柄組合せが表示されるように停止制御を行い、フラグ間では、第4の図柄組合せが表示されるように停止制御を行う。これにより、本発明に係る遊技機では、同じ当籤役を使いながらフラグ間と非フラグ間とで異なる停止制御、すなわち、フラグ間と非フラグ間とで異なる図柄の組合せを表示させることができる。その結果、当籤役の種類を増やすことなく、フラグ間中に表示される図柄の組合せの種類を増やすことができ、フラグ間中の遊技に多様性を持たせることができる。具体的には、第2の図柄組合せ及び第4の図柄組合せをチェリーなどのいわゆるレア役に対応する図柄の組合せとすることで、フラグ間中には第1役の当籤でレア役を入賞させることができるようになるとともに、第2役の当籤でレア役が必ず入賞することになり、当籤役の種類、当籤確率を変えることなく、レア役の出現頻度を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、フラグ間中に第1役が内部当籤役として決定されると第1抽籤を行うとともに、非フラグ間中に第2役が内部当籤役として決定されると第2抽籤を行い、これら抽籤の結果に基づいて報知する停止操作の内容を異ならせる。具体的には、第1抽籤に当籤した場合には、非フラグ間では表示されない第2の図柄組合せを表示させるための報知を行い、反対に、第1抽籤に非当籤した場合には、第1の図柄組合せを表示させるための報知を行う。また、第2抽籤に当籤した場合には、第4の図柄組合せを表示させるための報知を行い、反対に、第2抽籤に非当籤した場合には、第3の図柄組合せを表示させるための報知を行う。
このようにフラグ間では、第1抽籤に基づいて報知する図柄の組合せを決定し、非フラグ間では、第2抽籤に基づいて報知する図柄の組合せを決定することで、フラグ間及び非フラグ間の双方において、表示される図柄の組合せを制御することができ、フラグ間及び非フラグ間の双方の遊技性を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1変換抽籤手段の前記第1抽籤に当籤した場合、又は前記第2変換抽籤手段の前記第2抽籤に当籤した場合に特典(例えば、第1抽籤に当籤した場合にCTの終了差枚数を維持する特典付与、また、第2抽籤に当籤した場合にARTゲーム数を上乗せする特典付与)を付与する特典付与手段(例えば、主制御基板71)を更に備えることを特徴とする。
第1抽籤に当籤した場合には、報知に従うことで第2の図柄組合せが表示され、第2抽籤に当籤した場合には、報知に従うことで第4の図柄組合せが表示されるため、このような遊技機によれば、フラグ間及び非フラグ間において、特典が付与される図柄の組合せ(レア役)の出現頻度を制御することができ、フラグ間及び非フラグ間の双方の遊技性を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1変換抽籤手段は、設定されている第1抽籤段階(例えば、CTメーター)に応じた確率で当籤するように、前記第1抽籤を行い、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技において前記第2役が内部当籤役として決定されると、現在設定されている第1抽籤段階を、当該第1抽籤段階よりも前記第1抽籤に当籤する確率の高い第1抽籤段階に更新する第1抽籤段階設定手段(例えば、主制御基板71)を更に備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、フラグ間中に第2役が内部当籤役として決定されると、第1抽籤段階がより第1抽籤に当籤する確率の高い第1抽籤段階に更新(昇格)される。これにより、遊技者は、フラグ間中の当籤役に対して強い関心を抱くことになり、フラグ間中の遊技性を多様化することができる。また、フラグ間中に第2役が内部当籤役として決定された場合には、必ず第4の図柄組合せが表示されるため、遊技者からすると、第3の図柄組合せが表示されることで、第1抽籤段階が昇格したことを把握でき、好適である。
[付記6]
付記6のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、リプレイの当籤確率を高くすることで、遊技に使用するメダル量を減らしつつ遊技を可能にするリプレイタイム(RT)を有する遊技機も広く知られている。例えば、特許文献(特開2012−223289号公報)には、ボーナスが内部当籤役として決定された場合に、リプレイタイムを作動させる遊技機が提案されている。このようなリプレイタイムは、フラグ間RTと呼ばれることもあり、内部当籤役として決定(持ち越し)されているボーナスが入賞するまで、リプレイの当籤確率が高い状態で遊技を行うことができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、特許文献1のようにフラグ間RTを有するパチスロ機は、これまでいくつか知られているが、単にボーナスが入賞するまでリプレイの当籤確率を上げるだけでは、遊技性が乏しく、更なる遊技性を有する遊技機が求められている。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、フラグ間中の遊技性に富んだ遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態と停止操作の情報を報知することで前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、ベル)又は第2の図柄組合せ(例えば、サボテン)を含む複数の図柄の組合せが停止表示可能な第1役(例えば、F_押し順ベル1〜6)、及び停止操作の順序に応じて第3の図柄組合せ(例えば、リプレイ)又は第4の図柄組合せ(例えば、チリリプ)を含む複数の図柄の組合せが停止表示可能な第2役(例えば、F_単チリリプ1〜4、F_2連チリリプ1〜4、F_3連チリリプ1〜4)を含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により所定役(例えば、MB)が内部当籤役として決定されると、前記入賞判定手段により当該所定役が入賞したと判定されるまで、当該所定役を内部当籤役として持ち越す所定役持越手段(例えば、主制御基板71)と、前記有利状態中の前記所定役持越手段が前記所定役を持ち越していない状態(例えば、通常ARTの非フラグ間)で前記内部当籤役決定手段が前記所定役を内部当籤役として決定してから、当該所定役が入賞せずに所定回数の単位遊技が行われると(例えば、前兆を消化すると)、前記有利状態の継続期間を延長する上乗せ遊技状態(例えば、CT)を開始する上乗せ遊技開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ遊技状態中に前記内部当籤役決定手段により前記第2役が内部当籤役として決定されると、前記有利状態の継続期間を延長する第1上乗せ制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ遊技状態中に前記内部当籤役決定手段により前記第1役が内部当籤役として決定されると、所定の抽籤(例えば、F_押し順ベル当籤時にサボテンを表示させるか否かのフラグ変換抽籤)を行う変換抽籤手段(例えば、主制御基板71)と、前記変換抽籤手段が行う前記所定の抽籤に当籤すると、前記上乗せ遊技状態の継続期間を延長する第2上乗せ制御手段(例えば、主制御基板71)と、停止操作の情報を報知する報知手段(例えば、情報表示器14、表示ユニット100、主制御基板71、副制御基板72)と、を備え、前記リール停止制御手段は、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されていない遊技(例えば、MB非フラグ間)において前記第1役が内部当籤役として決定されると、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させる一方で、前記第2の図柄組合せを表示不可能に図柄の変動を停止させ、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技(例えば、MBフラグ間)において前記第1役が内部当籤役として決定されると、停止操作の順序に応じて前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せ又は前記第2の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させ、また、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されていない遊技において前記第2役が内部当籤役として決定されると、停止操作の順序に応じて前記図柄表示手段に前記第3の図柄組合せ又は前記第4の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させる一方で、前記所定役持越手段により前記所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技において前記第2役が内部当籤役として決定されると、前記図柄表示手段に前記第4の図柄組合せを表示可能に図柄の変動を停止させる一方で、前記第3の図柄組合せを表示不可能に図柄の変動を停止させ、前記有利状態中の前記所定役持越手段が前記所定役を持ち越していない状態で前記内部当籤役決定手段により前記第2役が内部当籤役として決定されると、前記報知手段により前記図柄表示手段に前記第4の図柄組合せを表示させるための停止操作の順序を報知するか否かを決定する第1報知抽籤(例えば、F_単チリリプ、F_2連チリリプ、F_3連チリリプ当籤時にチリリプを表示させるか否かのフラグ変換抽籤)を行う第1報知抽籤手段(例えば、主制御基板71)と、前記有利状態中の前記所定役持越手段が前記所定役を持ち越していない状態で前記内部当籤役決定手段が前記所定役を内部当籤役として決定してから、前記上乗せ遊技開始手段が前記上乗せ遊技状態を開始するまでの前記所定回数の単位遊技の間(例えば、CTの前兆遊技中)に、前記内部当籤役決定手段により前記第2役が内部当籤役として決定されると、前記報知手段により停止操作の順序を報知するか否かを決定する第2報知抽籤を行う第2報知抽籤手段(例えば、副制御基板72)と、を更に備え、前記報知手段は、前記第1報知抽籤手段の前記第1報知抽籤、及び前記第2報知抽籤手段の第2報知抽籤の抽籤結果に基づいて、停止操作の情報を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定役持越手段は、所定役が内部当籤役として決定されると入賞されるまで当該所定役を持ち越すため、いわゆるフラグ間の遊技状態を持つことになる。ここで、パチスロ機は、リールの停止制御を内部当籤役に応じて行うところ、フラグ間では、所定役が内部当籤役として持ち越されている状態であるため、他の役と所定役とが重複して当籤していることになり、同一の役が内部当籤役として決定されている場合であっても、非フラグ間とは異なる停止制御を行うことができる。
この点、本発明に係る遊技機では、第1役が内部当籤役として決定されると、非フラグ間(所定役が内部当籤役として持ち越されていない遊技)では第1の図柄組合せが表示されるように停止制御を行い、フラグ間(所定役が内部当籤役として持ち越されている遊技)では停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ又は第2の図柄組合せが表示されるように停止制御を行う。また、第2役が内部当籤役として決定されると、非フラグ間では停止操作の順序に応じて第3の図柄組合せ又は第4の図柄組合せが表示されるように停止制御を行い、フラグ間では、第4の図柄組合せが表示されるように停止制御を行う。これにより、本発明に係る遊技機では、同じ当籤役を使いながらフラグ間と非フラグ間とで異なる停止制御、すなわち、フラグ間と非フラグ間とで異なる図柄の組合せを表示させることができる。その結果、当籤役の種類を増やすことなく、フラグ間中に表示される図柄の組合せの種類を増やすことができ、フラグ間中の遊技に多様性を持たせることができる。具体的には、第2の図柄組合せ及び第4の図柄組合せをチェリーなどのいわゆるレア役に対応する図柄の組合せとすることで、フラグ間中には第1役の当籤でレア役を入賞させることができるようになるとともに、第2役の当籤でレア役が必ず入賞することになり、当籤役の種類、当籤確率を変えることなく、レア役の出現頻度を高めることができる。
ところで、パチスロ機では、遊技者に対して有利な制御を行う場合に、すぐに当該有利な制御を行うのではなく、所定回数の遊技(前兆遊技)を行った後に当該有利な制御を行うことがある。本発明に係る遊技機では、有利状態であり、かつ、所定役を内部当籤役として持ち越している状態、すなわち、有利状態中にフラグ間になると、上乗せ遊技状態を開始するところ、この上乗せ遊技状態の開始前に所定回数の前兆遊技を行う。
上述のようにフラグ間は非フラグ間と停止制御が異なることから、本発明の遊技機のように、フラグ間中に前兆遊技を行うこととした場合、停止制御(表示される図柄の組合せ)から、前兆遊技中であることが遊技者に分かってしまうことがある。例えば、フラグ間中は、第2役の当籤で第4の図柄組合せが必ず表示され、第3の図柄組合せは表示されない一方で、非フラグ間中は、第2役の当籤時の押し順に応じて第3の図柄組合せ又は第4の図柄組合せが表示されるため、押し順に関係なく第4の図柄組合せが頻繁に表示されてしまうと、フラグ間中(前兆遊技中)であることが遊技者に分かってしまうことになる。
そこで、本発明に係る遊技機では、フラグ間中(前兆遊技中)に第2役が内部当籤役として決定されると、敢えて押し順(停止操作の順序)を報知する。フラグ間中の第2役の当籤時は、押し順に関係なく第4の図柄組合せが表示されるため、本来であれば押し順を報知する必要はないものの、押し順を報知した場合には、遊技者は、報知された押し順によって第4の図柄組合せが表示されたと認識(なお、非フラグ間では、押し順によって第4の図柄組合せが表示されるため、報知された遊技において第4の図柄組合せが表示された場合、遊技者は非フラグ間と認識し易くなる)することになり、遊技者がフラグ間中(前兆遊技中)であることを把握し難くすることができる。これにより、フラグ間中(前兆遊技中)の遊技が単調になってしまうことを防止でき、フラグ間中の遊技性を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御基板71)と、遊技に関する演出を制御する副制御部(例えば、副制御基板72)とを備え、前記第2報知抽籤手段は、前記副制御部が有することを特徴とする。
近年、遊技者の利益をメイン(主制御部)側で適切に管理することが求められており、停止操作の報知は利益に影響を与えるため、利益に影響を与える停止操作の報知は、メイン側で制御する必要がある。この点、フラグ間中に第2役が当籤した場合の押し順の報知は、利益に影響を与えるものではない(すなわち、フラグ間中は必ず第4の図柄組合せが表示)ため、本発明に係る遊技機では、当該報知をサブ(副制御部)側で制御する。主制御部は副制御部に比べて容量の制限が大きいため、利益に影響を与えない場合の報知をサブ側で制御することで、主制御部の容量及び処理負荷を軽減することができ、好適である。
[付記7]
付記7のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT機能やART機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATやARTが行われる期間が長く継続することを望むことになる。
そこで、近年では、ATやARTの期間を増加させる工夫が様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2010−057732号公報)には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる遊技機が開示されている。この遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、単に内部当籤役に基づいてATゲーム数を増加させるだけであるため、遊技性が単調になりやすく、ATゲーム数の増加に関する新たな仕組みが求められていた。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、有利状態の上乗せに関して興趣性を高め、遊技者が退屈することなく遊技を継続できる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、所定の条件が満たされると、前記有利状態の継続期間を延長する上乗せ遊技状態(例えば、CT)を開始する上乗せ遊技開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ遊技状態において、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役に応じて、前記有利状態の継続期間を延長(例えば、ARTゲーム数を加算)する上乗せ制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ遊技状態において、前記上乗せ制御手段により前記継続期間が延長されない単位遊技の回数を計数する計数手段(例えば、CTゲーム数カウンタ、主制御基板71)と、前記計数手段の計数結果が所定回数(例えば、8回)に達すると前記上乗せ遊技状態を終了する上乗せ遊技終了手段(例えば、主制御基板71)と、を備えることを特徴とする。
このような遊技機では、上乗せ遊技状態に移行すると、計数手段が所定回数を計数するまで、有利状態の継続期間が延長される(上乗せが行われる)。ここで、計数手段は、上乗せ遊技状態中に継続期間が延長されない(上乗せが行われない)単位遊技の回数を計数、すなわち、上乗せ遊技状態中に上乗せが行われた場合には、単位遊技の回数を計数しないため、上乗せが行われるほど上乗せ遊技状態が長く継続することになる。遊技者にとってみれば、上乗せ遊技状態がいつまで続くか分からず、また、上乗せ遊技状態中に上乗せが行われている限り上乗せ遊技状態が終了することがないため、上乗せ遊技状態中の遊技に対して強い関心を抱くことになり退屈することなく遊技を継続できるとともに、上乗せ遊技状態中の遊技の興趣を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機おいて、前記内部当籤役決定手段により第1役(例えば、F_確チリリプ、F_1確チリリプ)が内部当籤役として決定されると、所定の抽籤を行う変換抽籤手段(例えば、主制御基板71)を更に備え、前記上乗せ制御手段は、前記内部当籤役決定手段により第1役が内部当籤役として決定された場合に、前記所定の抽籤に当籤すると前記継続期間を第1上乗せ量分延長するとともに、前記内部当籤役決定手段により第2役(例えば、サボテン、弱チェリー、強チェリー)が内部当籤役として決定されると前記継続期間を第2上乗せ量分延長し、前記計数手段は、前記第1役が内部当籤役として決定されたことに応じて前記継続期間が延長されると、前記計数結果を初期値に戻すことを特徴とする。
このような遊技機では、上乗せ遊技状態中に第1役又は第2役が内部当籤役として決定されたことを契機に、上乗せが行われるところ、第1役が内部当籤役として決定されたことに応じて上乗せが行われた場合には、計数手段の計数結果が初期値に戻る。これにより、例えば、上乗せ遊技状態が終了直前(計数結果が所定回数に近い)になったとしても、第1役に応じて上乗せが行われることで、上乗せ遊技状態が初めから再開されることになるため、上乗せ遊技状態中の遊技の興趣を高めることができる。
また、第1役に基づく上乗せ(計数結果を初期値に戻す上乗せ)は、第1役が内部当籤役として決定された場合の所定の抽籤に当籤した場合に限り行われるため、遊技者に対して過大な利益を与えてしまうことを防止でき、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。
[付記8]
付記8のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。また、ATをリプレイ(再遊技)が内部当籤役として決定される確率を高確率にした高確率再遊技状態(RT:replay time)において行う遊技機をART機などと呼ぶこともある。
こうしたAT機能やART機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATやARTが行われる期間が長く継続することを望むことになる。
そこで、近年では、ATやARTの期間を増加させる工夫が様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2010−057732号公報)には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる遊技機が開示されている。この遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献の遊技機では、単に内部当籤役に基づいてATゲーム数を増加させるだけであるため、遊技性が単調になりやすく、ATゲーム数の増加に関する新たな仕組みが求められていた。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、有利状態の上乗せに関して興趣性を高め、遊技者が退屈することなく遊技を継続できる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、所定の条件が満たされると、前記有利状態の継続期間を延長する上乗せ遊技状態(例えば、CT)を開始する上乗せ遊技開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ遊技状態において、前記内部当籤役決定手段により所定役(例えば、3連チリリプ)が内部当籤役として決定されたことに応じて、前記有利状態の継続期間を延長する上乗せ制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ遊技状態において、前記上乗せ制御手段により前記継続期間が延長されない単位遊技の回数を計数する計数手段(例えば、CTゲーム数カウンタ、主制御基板71)と、前記計数手段により所定回数(例えば、8回)の単位遊技が計数されると、前記上乗せ遊技状態を終了する上乗せ遊技終了手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記上乗せ制御手段は、前記上乗せ遊技状態中の前記継続期間の延長回数が、特定回数以下の回数である場合、前記所定役が内部当籤役として決定されたことに応じて前記継続期間を第1上乗せ量分(例えば、10ゲーム)延長し、前記延長回数が前記特定回数を超えると、前記所定役が内部当籤役として決定されたことに応じて前記継続期間を前記第1上乗せ量よりも多い第2上乗せ量分(例えば、20ゲーム)延長することを特徴とする
このような遊技機では、上乗せ遊技状態に移行すると、計数手段が所定回数を計数するまで、有利状態の継続期間が延長される(上乗せが行われる)。ここで、計数手段は、上乗せ遊技状態中に継続期間が延長されない(上乗せが行われない)単位遊技の回数を計数、すなわち、上乗せ遊技状態中に上乗せが行われた場合には、単位遊技の回数を計数しないため、上乗せが行われるほど上乗せ遊技状態が長く継続することになる。遊技者にとってみれば、上乗せ遊技状態がいつまで続くか分からず、また、上乗せ遊技状態中に上乗せが行われている限り上乗せ遊技状態が終了することがないため、上乗せ遊技状態中の遊技に対して強い関心を抱くことになり退屈することなく遊技を継続できるとともに、上乗せ遊技状態中の遊技の興趣を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、所定役を契機とする上乗せが行われた回数(継続期間の延長回数)が特定回数を超えると、1回あたりに上乗せする量を、第1上乗せ量から第2上乗せ量に増やす。上述のように、上乗せが行われることで計数手段による計数が行われず、上乗せ遊技状態が継続するため、遊技者からすると、上乗せ遊技状態が継続するほど、1回あたりの上乗せ量が増加することについて期待を持つことができ、上乗せ遊技状態中の遊技の興趣を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機おいて、前記計数手段は、前記所定役が内部当籤役として決定されたことに応じて前記継続期間が延長されると、計数結果を初期値に戻すことを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定役を契機とする上乗せが行われた場合には、計数手段の計数結果が初期値に戻る。これにより、例えば、上乗せ遊技状態が終了直前(計数結果が所定回数に近い)になったとしても、所定役を契機に上乗せが行われることで、上乗せ遊技状態が初めから再開されることになるため、1回あたりの上乗せ量の増加の期待を持つことができる。ここで、上乗せ遊技状態を再開しない場合、1回あたりの上乗せ量の増加という遊技性を持たせるためには、所定役の当籤確率を一定以上の確率にしなければならず、遊技のバランスを崩してしまう可能性があるものの、上乗せ遊技状態を再開することで、所定役の当籤確率を抑えたとしても、1回あたりの上乗せ量の増加という遊技性を持たせることができ、遊技のバランスを図りつつ、高い遊技性を持たせることができる。
[付記9]
付記9のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特許文献(特開2010−057732号公報)に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
従来、AT機やART機では、サブ(副制御)側の制御のもとにナビを行っていたが、ナビの有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御)側でナビを行うことが求められている。このようなナビの一例としては、ボーナス役の当籤時にボーナス役を入賞させるためのナビが考えられる。
ところで、従来のようにサブ側の制御のもとでナビを行う場合には、ナビは演出としての意味合いがあり、多様な遊技性を実現するために遊技状況を示唆する演出のようなナビが可能であるため、例えば、ボーナス役が入賞できないタイミングであっても、ボーナス図柄を狙わせるといったナビが可能であった。これに対して、利益を管理するメイン側でナビを行う場合には、ナビには利益が厳格に管理されていることを保証するという意味合いが強く、現在の遊技状況を厳格に表すことが求められ、例えば、ボーナス役が入賞できないタイミングにボーナス役を入賞させるためのナビを行うことはできない。
ここで、パチスロ機では、ボーナス役と他の役とが重複して当籤している場合に、ボーナス役よりも当該他の役を優先して引き込むことがあるため、ボーナス役が当籤しているからといって必ずしもボーナス役が入賞するとは限らず、適切なタイミングでナビを行うことが求められる。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、メイン側において適切なタイミングでボーナス役を入賞させるためのナビを行うことを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利なボーナス状態(例えば、ボーナス状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御基板71)と、遊技に関する演出を制御する副制御部(例えば、副制御基板72)と、を備え、前記主制御部は、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段によりボーナス役が内部当籤役として決定されると、前記入賞判定手段により当該ボーナス役が入賞したと判定されるまで、当該ボーナス役を内部当籤役として持ち越すボーナス持越手段(例えば、主制御基板71)と、前記入賞判定手段により前記ボーナス役が入賞したと判定されると、前記ボーナス状態を開始するボーナス開始手段(例えば、主制御基板71)と、停止操作の態様を一義的に示す指示情報を報知する指示情報報知手段(例えば、情報表示器14、主制御基板71)と、を有し、前記指示情報報知手段は、前記ボーナス役が内部当籤役として決定されている遊技において、当該ボーナス役に加えて第1役(例えば、F_特殊役1〜3)が内部当籤役として決定されている場合に、当該ボーナス役を入賞させるための停止操作の態様を示すボーナス指示情報を報知する一方で、当該ボーナス役に加えて第2役(例えば、F_維持リプA)が内部当籤役として決定されている場合に、前記ボーナス指示情報を報知せず、前記リール停止制御手段は、前記ボーナス役及び前記第1役が内部当籤役として決定されている場合に、当該ボーナス役に応じた図柄の組合せを前記図柄表示手段に表示可能に図柄の変動を停止させる一方で、前記ボーナス役及び前記第2役が内部当籤役として決定されている場合に、当該ボーナス役に応じた図柄の組合せを前記図柄表示手段に表示不可能に図柄の変動を停止させることを特徴とする。
このような遊技機では、主制御部が有する指示情報報知手段により、ボーナス役を入賞させるための停止操作の態様を一義的に示すボーナス指示情報を報知するため、メイン側の制御のもとにボーナス役を入賞させるためのナビを行うことができる。ここで、ボーナス指示情報は、ボーナス役に応じた図柄の組合せを図柄表示手段に表示できる第1役がボーナス役とともに当籤している場合に報知され、ボーナス役に応じた図柄の組合せを図柄表示手段に表示できない第2役がボーナス役とともに当籤している場合には報知されない。そのため、本発明に係る遊技機の主制御部によるナビによれば、適切なタイミングでボーナス役を入賞させるためのナビを行うことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記主制御部は、前記ボーナス持越手段が前記ボーナス役を持ち越していない状態で前記内部当籤役決定手段が前記ボーナス役を内部当籤役として決定してからの単位遊技の回数を計数する計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記ボーナス持越手段が前記ボーナス役を持ち越していない状態で前記内部当籤役決定手段が前記ボーナス役を内部当籤役として決定すると、前記ボーナス役を持ち越している状態であることを告知するボーナス告知を行うまでの単位遊技の回数を示す前兆遊技回数を決定する前兆遊技回数決定手段(例えば、主制御基板71)と、を更に有し、前記指示情報報知手段は、前記計数手段が前記前兆遊技回数分の単位遊技を計数するまでは、前記ボーナス指示情報を報知せずに、前記計数手段が前記前兆遊技回数分の単位遊技を計数した後に前記ボーナス役に加えて前記第1役が内部当籤役として決定されると、前記ボーナス指示情報を報知することを特徴とする。
ボーナス役が内部当籤役として決定された場合、ボーナス役が当籤してから所定回数遊技を行った後に、ボーナス役の報知を行うことがある。例えば、複数回の遊技にわたり行われる演出(いわゆる連続演出)を行い、この連続演出の結果に応じてボーナス役の当籤の有無を報知することで、演出効果を高めることが一般的に行われている。この場合において、連続演出中にメイン側でボーナス指示情報を報知してしまったのでは、連続演出の意味が薄れてしまい、興趣を損ねてしまう可能性がある。ここで、主制御部は、容量が限られているため、演出効果の高い多様な演出を行うためには、サブ(副制御部)側で演出を制御することが好ましい一方で、利益を管理する主制御部は、外部からの信号を受け付けることができず、サブ側で制御される連続演出が終了するタイミングを適切に把握可能にする工夫が求められる。
この点、本発明に係る遊技機では、ボーナス役を内部当籤役として決定すると、メイン側で、ボーナス告知までの前兆遊技回数を決定するとともに、ボーナス役を内部当籤役として決定して単位遊技の回数を計数する。そして、この計数結果が前兆遊技回数に達すると、ボーナス指示情報を報知する。メイン側からサブ側には信号を通知することができるため、サブ側においてボーナス指示情報を報知することになる遊技回数に応じて演出を制御することで、例えば、連続演出中にメイン側でボーナス指示情報を報知してしまうことがない。そのため、本発明に係る遊技機によれば、演出の多様性を確保しつつ、メイン側において適切なタイミングでボーナス役を入賞させるためのナビを行うことができる。
また、本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利なボーナス状態(例えば、ボーナス状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御基板71)と、遊技に関する演出を制御する副制御部(例えば、副制御基板72)と、を備え、前記主制御部は、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、ベル)又は第2の図柄組合せ(例えば、ベルこぼし目)を含む複数の図柄の組合せが停止表示可能な押し順役(例えば、F_3択ベル_1st)を含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段によりボーナス役が内部当籤役として決定されると、前記入賞判定手段により当該ボーナス役が入賞したと判定されるまで、当該ボーナス役を内部当籤役として持ち越すボーナス持越手段(例えば、主制御基板71)と、前記入賞判定手段により前記ボーナス役が入賞したと判定されると、前記ボーナス状態を開始するボーナス開始手段(例えば、主制御基板71)と、停止操作の態様を一義的に示す指示情報を報知する指示情報報知手段(例えば、情報表示器14、主制御基板71)と、を有し、前記指示情報報知手段は、前記ボーナス役が内部当籤役として決定されている遊技において、当該ボーナス役に加えて所定役(例えば、F_特殊役1〜3)が内部当籤役として決定されている場合に、当該ボーナス役を入賞させるための停止操作の態様を示すボーナス指示情報を報知する一方で、当該ボーナス役に加えて前記押し順役が内部当籤役として決定されている場合に、前記ボーナス指示情報を報知することなく、前記図柄表示手段に第1の図柄組合せを表示するための停止操作の態様を示す押し順役第1指示情報を報知し、前記ボーナス役が内部当籤役として決定されていない遊技において、前記押し順役が内部当籤役として決定されている場合に、前記図柄表示手段に第1の図柄組合せを表示するための停止操作の態様を示す、前記押し順役第1指示情報とは異なる押し順役第2指示情報を報知し、前記リール停止制御手段は、前記ボーナス役及び前記所定役が内部当籤役として決定されている場合に、当該ボーナス役に応じた図柄の組合せを前記図柄表示手段に表示可能に図柄の変動を停止させる一方で、前記ボーナス役及び前記押し順役が内部当籤役として決定されている場合に、当該ボーナス役に応じた図柄の組合せを前記図柄表示手段に表示不可能に図柄の変動を停止させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、押し順役が内部当籤役として決定された際に、指示情報報知手段が報知する指示情報は、押し順役とともにボーナス役が内部当籤役として決定されている場合は押し順役第1指示情報となる一方で、押し順役とともにボーナス役が内部当籤役として決定されていない場合は押し順役第2指示情報となる。これら押し順役第1指示情報及び押し順役第2指示情報は共に、第1の図柄組合せを表示するための停止操作の態様を示すため、本発明に係る遊技機によれば、指示情報報知手段による押し順役の報知の種別から、押し順役に加えてボーナス役が内部当籤役として決定されているか否かを把握することができる。
[付記10]
付記10のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年では、特許文献(特開2010−075305号公報)に示すように、遊技者が所有する携帯電話やスマートフォンと連携する遊技機も知られている。このような遊技機では、携帯電話などと連携し遊技者を登録することで、遊技者固有の遊技履歴などを管理し、従来にはない個別のサービスを提供することができるようになっている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、遊技者登録型の従来の遊技機は、遊技者の利便性が必ずしも高いとは言い切れず、遊技者の利便性を更に高める工夫が求められていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者登録型の遊技機における利便性を向上させることを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、内部抽籤の結果に応じて、複数の図柄を複数列に変動表示することで遊技を進行する遊技機であって、照射光を照射する照射光装置(例えば、照射光装置B)と、前記照射光装置からの照射光の照射により前記演出に応じた映像を出現させる可動スクリーン(例えば、スクリーン装置C)と、前記可動スクリーンが配置される位置を調整可能に前記可動スクリーンを駆動する駆動装置(例えば、フロントスクリーン駆動機構E2及びリールスクリーン駆動機構F2)と、遊技の結果を示す遊技履歴を管理する履歴管理手段(例えば、副制御基板72)と、前記履歴管理手段が管理する前記遊技履歴の一部である概要遊技履歴を表示するトップ画面(例えば、トップ画面211)、及び前記履歴管理手段が管理する前記遊技履歴のうちの前記概要遊技履歴を含む詳細遊技履歴を表示する遊技情報画面(例えば、遊技情報画面213,214,215)を含む複数の表示画面を表示する、前記可動スクリーンとは別体の表示装置(例えば、第1サブ表示装置201)と、前記表示装置の表示を制御するための入力情報を受け付ける入力受付手段(例えば、タッチセンサ201a)と、前記入力受付手段が受け付けた前記入力情報に基づいて、前記表示装置を制御する制御手段(例えば、副制御基板72)と、遊技を行う遊技者の登録を受け付ける登録受付手段(例えば、副制御基板72)と、を備え、前記制御手段は、前記登録受付手段が前記登録を受け付けていない場合には、前記入力情報に基づく前記遊技情報画面の表示を不可能とし、前記登録受付手段が登録を受け付けている場合には、前記入力情報に基づいて前記遊技情報画面を表示可能に表示装置の表示を切り替えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者の登録を受け付けていない場合には、詳細遊技履歴を表示する遊技情報画面を表示装置に表示できないものの、遊技者の登録を受け付けている場合には、遊技情報画面を表示装置に表示することができる。より詳細な遊技履歴が確認できることは遊技者の利便性の向上につながるため、本発明に係る遊技機によれば、遊技者登録型の遊技機において利便性を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機では、遊技情報画面などを表示する表示装置を、演出に応じた映像を表示する可動スクリーンとは別体に設ける。例えば、可動スクリーンに遊技情報画面などを表示する遊技機も考えられるが、このような遊技機では、演出の最中に遊技履歴を表示させることが困難であり、実際に従来の遊技機では、遊技を行っていない場合に限り、可動スクリーンに各種表示画面を表示可能にしていた。しかしながら、遊技者にとってみれば、遊技中に演出以外の情報の確認を望むことがあり、遊技を行っていない場合だけ表示画面を表示できる従来の遊技機は、利便性が悪かった。この点、本発明に係る遊技機では、可動スクリーンとは別体に表示装置を設けるため、可動スクリーンで演出を実行中であっても、各種表示画面を表示することができ、利便性が向上する。
また、本発明に係る遊技機のように、演出に応じた映像を、配置される位置が稼動する可動スクリーンに表示する場合、可動スクリーンの稼動中などは、演出以外の各種情報を正しく表示できない虞がある。この点、可動スクリーンとは別体に設けられた表示装置に各種表示画面を表示することで、可動スクリーンが稼動し、演出効果の高い演出を実行中であっても、演出以外の各種情報を適切に表示することができ、利便性が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記入力受付手段は、前記表示装置の表示部上に設けられたタッチセンサであることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者は、タッチセンサを介して入力することができるため、直感的な操作で表示装置の表示を制御することができる。
また、本発明に係る遊技機は、略水平面の台座部(例えば、台座部10)と、当該台座部の前記略水平面の側方に設けられ、遊技を行うための遊技媒体を投入する投入口(例えば、台座部10の右側に設けられるメダル投入口22)及びベットボタン(例えば、台座部10の左側に設けられるMAXベットボタン11)と、を更に備え、前記表示装置は、前記台座部から略垂直に立設する面の前記投入口及び/又は前記ベットボタンの近傍部に設けられることを特徴とする。
一般的に、遊技機では台座部の遊技者から見て右側にメダルの投入口が設けられ、遊技者から見て左側にベットボタンやスタートレバーが設けられるため、遊技の進行を行う場合には、遊技者は台座部の右側又は左側を操作することになる。本発明に係る遊技機では、台座部から略垂直に立設する面の側方(右側又は左側)に表示装置を設け、タッチセンサが検出したタッチ入力に基づいて表示装置の表示を制御する。そのため、本発明に係る遊技機では、遊技中に遊技者の手が位置する場所に表示装置や表示を制御する入力装置(タッチセンサ)が設けられることになり、遊技者の操作性が向上する。特に、タッチセンサ付きの表示装置を、台座部(水平面)から立設する面に設けているため、遊技者は、台座部に自身の手を置きながら、表示装置を操作することができる。これにより、操作性が向上するだけでなく、操作に伴う疲労も軽減することができるため、稼働率の向上も期待できる。
[付記11]
付記11のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特許文献(特開2010−057732号公報)に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
従来、AT機やART機では、サブ(副制御)側の制御のもとにナビを行っていたが、ナビの有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御)側でナビを行うことが求められている。ここで、メイン側でナビを行う場合には、ナビには利益が厳格に管理されていることを保証するという意味合いが強く、現在の遊技状況を厳格に表すことが求められる。
しかしながら、このようなナビでは、ナビの態様が単調になってしまい、遊技の多様性を損ねてしまうという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、利益に影響するナビをメイン側で適切に行いつつも、多様性のあるナビが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御基板71)と、遊技に関する演出を制御する副制御部(例えば、副制御基板72)と、を備え、前記主制御部は、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ(例えば、ベル)又は第2の図柄組合せ(例えば、ベルこぼし目)が停止表示可能な第1役(例えば、F_3択ベル1st)と、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第3の図柄組合せ(例えば、3連チリリプ)又は第4の図柄組合せ(例えば、リプレイ)が停止表示可能な第2役(例えば、F_確チリリプ)とを含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技の結果に応じて特典を付与する(例えば、表示された図柄の組合せに応じてメダルの払い出しやRT遊技状態を移行するという特典を付与する、また、内部当籤役に基づく抽籤に応じてCZ,ART,CTへの権利付与という特典を付与する)特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、停止操作の態様を一義的に示す指示情報を報知する指示情報報知手段(例えば、情報表示器14、主制御基板71)と、を有し、前記副制御部は、停止操作の態様に応じた演出を実行する演出実行手段(例えば、表示ユニット100、副制御基板72)を有し、前記特典付与手段は、前記第1役が内部当籤役として決定された遊技において前記図柄表示手段に、前記第1の図柄組合せが表示された場合と前記第2の図柄組合せが表示された場合とで、異なる特典を付与し、また、前記第2役が内部当籤役として決定された遊技において前記図柄表示手段に、前記第3の図柄組合せが表示された場合と前記第4の図柄組合せが表示された場合とで、同一の特典を付与し、前記第1役が内部当籤役として決定されると、前記指示情報報知手段は、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せを表示させるための停止操作の順序を一義的に示す指示情報を報知するとともに、前記演出実行手段は、前記図柄表示手段に前記第1の図柄組合せを表示させるための停止操作の順序を示す演出を実行し、前記第2役が内部当籤役として決定されると、前記指示情報報知手段は、指示情報を報知することなく、前記演出実行手段は、前記図柄表示手段に前記第3の図柄組合せ又は前記第4の図柄組合せを表示させるための停止操作の順序を示す演出を実行することを特徴とする。
このような遊技機では、利益(特典)に影響するナビは、メイン(主制御部)側で管理する一方で、利益に影響しないナビは、サブ(副制御部)側で管理する。具体的には、表示された図柄の組合せが異なる場合に異なる特典を付与する第1役(すなわち、第1役は、第1の図柄組合せが表示された場合と第2の図柄組合せが表示された場合とで特典が異なる)のナビは、メイン側で制御する指示情報報知手段とサブ側で制御する演出実行手段の双方で行い、表示された図柄の組合せが異なったとしても同一の特典を付与する第2役(すなわち、第2役は、第3の図柄組合せが表示された場合と第4の図柄組合せが表示された場合とで同一の特典が付与される)のナビは、メイン側の指示情報報知手段では行うことなく、サブ側の演出実行手段でのみ行う。ここで、サブ側で制御するナビは、演出としての意味合いがあり、バリエーションに富んだ態様でナビすることが可能であり、多様な遊技性を実現することができる。そのため、本発明に係る遊技機によれば、利益に影響するナビは、利益を管理するメイン側で適切に行いつつ、利益に影響しないナビについては、サブ側で多様性のあるナビを行うことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第4の図柄組合せは、前記図柄表示手段において各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される所定ライン上の全ての単位図柄表示領域に特定図柄が表示される図柄の組合せであり、前記特典付与手段は、前記第2役が内部当籤役として決定されると、所定の確率で特典を付与し、前記演出実行手段は、前記第2役が内部当籤役として決定された遊技において前記特典付与手段が特典を付与する場合に、前記図柄表示手段に前記第4の図柄組合せを表示させるための停止操作の順序を示す演出を実行する一方で、前記第2役が内部当籤役として決定された遊技において前記特典付与手段が特典を付与しない場合に、当該演出を実行しないことを特徴とする。
本発明に係る遊技機では、第2役が内部当籤役として決定され、かつ、特典を付与することが決まっている場合に、特定図柄がライン上に揃う第4の図柄組合せを狙わせるナビ(演出)を行う一方で、第2役が内部当籤役として決定されていても、特典を付与しないことが決まっている場合には、当該ナビを行わない。ここで、特典を付与するか否かは図柄の組合せが表示される前に決まっているため、表示される図柄の組合せによって遊技者が得る利益が変わることはない。このようなナビをサブ側で制御することで、例えば、付与する特典の種別に応じて「特定図柄を狙え」といった演出を実行することができ、遊技の多様性を確保することができる。その結果、利益に影響するナビは、利益を管理するメイン側で適切に行いつつ、利益に影響しないナビについては、サブ側で多様性のあるナビを行うことができる。