JP6615017B2 - 配管溶接部のバックシールド方法及び装置並びに配管用シール部材 - Google Patents

配管溶接部のバックシールド方法及び装置並びに配管用シール部材 Download PDF

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Description

本発明は、鋼管などの配管を突合せ溶接するときに、この溶接部の管内面を保護しながら溶接を実施する配管溶接部のバックシールド方法及び装置、並びに、配管の溶接部における内部空間をシールする配管用シール部材に関するものである。
一般的に、例えば、ステンレス配管の突合せ溶接を行うとき、溶接部の管内面、つまり、裏波溶接金属の表面が大気に触れて酸化しないように、不活性ガスによるシールドを行うことで裏面に滑らかな溶融金属が得られるように工夫する必要がある。この場合、配管の内部にて、溶接部の前後をシール部材によりシールして密閉空間を形成し、この密閉空間にシールドガスを供給して充満させた後、配管の外側から突合せ溶接を行っている。
この配管溶接部のバックシールド方法では、溶接部の前後の配管内にシール部材を装着し、シールドガスを充満させた密閉空間を形成することが重要である。従来、このシール部材として、ゴム栓やバルーンなどを用いているが、溶接熱に対する耐熱性が不十分である。このような問題を解決するものとして、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された配管の突合せ溶接開先継手の溶接方法では、帯状、線状、紐状の耐熱クロスを巻回してバックシールド材を構成し、巻回数を増減することにより巻回の巻き径を変更して配管の内径に合わせるものである。
特開2011−152565号公報
ところで、配管の内側にシール部材を装着するとき、配管の内面とシール部材の外面との密着性を高めるため、シール部材を配管の内側に押し込んで密着させることとなる。上述した従来(特許文献1)のバックシールド材は、帯状、線状、紐状の耐熱クロスを複数巻回して構成されている。そのため、バックシールド材(シール部材)を配管の内側に押し込んで密着させるとき、バックシールド材が軸方向にずれてしまい、十分なシール機能を得ることができないおそれがある。また、バックシールド材が軸方向にずれないように配管内に装着するには、慎重な作業が必要となり、作業時間が長くなり、作業性が良くないという問題がある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、シール性能の向上を図ると共に作業性の向上を図る配管溶接部のバックシールド方法及び装置並びに配管用シール部材を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するための本発明の配管溶接部のバックシールド方法は、帯状体を中心から外側に向けて巻き付けた後にその外側を径方向に沿って巻き付けて既設配管の内径に適合するシール部材を形成する工程と、前記既設配管の内周面に前記シール部材を装着する工程と、前記既設配管の端部に新設配管を仮接合する工程と、前記新設配管の端部から前記シール部材における前記帯状体の端部を引き出すと共に前記新設配管の内部にシールドガス管を配置する工程と、前記新設配管の端部を閉止して前記シール部材との間に密閉空間を形成する工程と、前記シールドガス管から前記密閉空間にシールドガスを供給して空気と置換する工程と、を有することを特徴とするものである。
従って、帯状体を中心から外側に向けて巻き付けてその外側を径方向に巻き付けてシール部材を形成し、このシール部材を既設配管の内周面に装着して密閉空間を形成する。このとき、シール部材は、帯状体を周方向に巻き付けるだけでなく、径方向にも巻き付けて構成されることから、シール部材を既設配管の内周面に押し込んで装着するとき、形崩れすることがなく、適正に既設配管の内周面に密着してシール性能を向上することができる。また、シール部材が形崩れしないことから、既設配管の内周面への密着作業を容易に短時間で実施することができ、作業性を向上することができる。
本発明の配管溶接部のバックシールド方法では、前記既設配管は、内部が負圧領域であることを特徴としている。
従って、既設配管の内部が負圧領域であったとしても、シール部材は、帯状体を周方向に巻き付けてその外側を径方向に巻き付けて構成されていることから、シール部材が負圧の影響により形崩れすることがなく、適正に既設配管の内周面に密着してシール性能を向上することができる。
本発明の配管溶接部のバックシールド方法では、前記密閉空間にシールドガスを供給した後、前記密閉空間の酸素濃度が予め設定された所定濃度以下になったら、溶接を開始可能とすることを特徴としている。
従って、密閉空間の酸素濃度が所定濃度以下になったら、溶接を開始可能とすることから、配管の内面の酸化が防止され、裏面に滑らかな溶融金属を得ることができる。
本発明の配管溶接部のバックシールド方法では、配管溶接作業の終了後、前記シールドガス管からのシールドガスの供給を停止し、前記新設配管の端部を開放して前記帯状体の端部を牽引することで、前記シール部材を前記帯状体として前記新設配管の外部に取出すことを特徴としている。
従って、帯状体の端部を牽引すると、既設配管に装着されたシール部材がほぐれて帯状体として新設配管の外部に取出すことができ、作業性を向上することができる。
また、本発明の配管溶接部のバックシールド装置は、帯状体を中心から外側に向けて巻き付けた後にその外側を径方向に沿って巻き付けて構成されると共に既設配管の内周面に装着されるシール部材と、前記シール部材により形成された密閉空間にシールドガスを供給するシールドガス管と、を備えることを特徴とするものである。
従って、シール部材は、帯状体を周方向に巻き付けるだけでなく、径方向にも巻き付けて構成されることから、シール部材を既設配管の内周面に押し込んで装着するとき、形崩れすることがなく、適正に既設配管の内周面に密着してシール性能を向上することができる。また、シール部材が形崩れしないことから、既設配管の内周面への密着作業を容易に短時間で実施することができ、作業性を向上することができる。
また、本発明の配管用シール部材は、配管の内面に密着してシールする配管用シール部材において、帯状体を中心から外側に向けて巻き付けて形成される円板部と、前記円板部の外側を径方向に沿って巻き付ける補強部と、を備えることを特徴とするものである。
従って、円板部の外側に補強部が設けられていることから、シール部材を既設配管の内周面に押し込んで装着するとき、形崩れすることがなく、適正に既設配管の内周面に密着してシール性能を向上することができる。また、シール部材が形崩れしないことから、既設配管の内周面への密着作業を容易に短時間で実施することができ、作業性を向上することができる。
本発明の配管用シール部材では、前記補強部は、巻付方向が交差する複数の巻付部から構成されることを特徴としている。
従って、円板部が複数の補強部により保持されていることから、シール部材を既設配管の内周面に押し込んで装着するとき、形崩れすることがなく、作業性を向上することができる。
本発明の配管用シール部材では、前記円板部と前記補強部は、連続する前記帯状体により形成されることを特徴としている。
従って、構造を簡素化することができる。
本発明の配管用シール部材では、前記帯状体は、ハロゲン元素の含有量が予め設定された所定値以下のシリカ系繊維材料により形成されることを特徴としている。
従って、帯状体に含有するハロゲン元素の量が所定値以下であることから、シール部材を回収不能となっても、既設配管に連結されている各種機器へ与える悪影響を抑制することができる。
本発明の配管用シール部材では、前記帯状体は、予め設定された温度以上での耐熱性を有することを特徴としている。
従って、溶接熱によりシール部材が変形することはなく、高いシール性能を確保することができる。
本発明の配管溶接部のバックシールド方法及び装置並びに配管用シール部材によれば、帯状体を中心から外側に向けて巻き付けた後にその外側を径方向に沿って巻き付けてシール部材を形成し、このシール部材を既設配管の内周面に装着してシールするので、シール部材が形崩れすることがなく、シール性能を向上することができると共に、作業性を向上することができる。
図1は、第1実施形態の配管溶接部のバックシールド装置を表す概略図である。 図2は、シール部材を表す正面図である。 図3は、配管溶接部のバックシールド方法を表す概略図である。 図4は、配管溶接部のバックシールド方法を表す概略図である。 図5は、第2実施形態の配管溶接部のバックシールド装置を表す概略図である。 図6は、配管溶接部のバックシールド方法を表す概略図である。 図7は、配管溶接部のバックシールド方法を表す概略図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る配管溶接部のバックシールド方法及び装置並びに配管用シール部材の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の配管溶接部のバックシールド装置を表す概略図、図2は、シール部材を表す正面図である。
第1実施形態の配管溶接部のバックシールド装置は、図1に示すように、既設配管101に対して新設配管102を接合するとき、既設配管101の端部と新設配管102とを突合せ溶接するが、このとき、接合部103の管内面が大気に触れて酸化しないように、各配管101,102内にシールドガスを供給して空気と置換し、各配管101,102の接合部の内周面に滑らかな溶融金属が得られるようにするものである。
第1実施形態の配管溶接部のバックシールド装置は、シール部材11と、シールドガス管12と、酸素濃度センサ13とを備えている。
既設配管101は、例えば、原子力施設で使用される配管であり、内部空間101aが負圧状態に維持されている。既設配管101は、中途部に分岐部104が設けられており、この分岐部104に新設配管102を接合する必要がある。この場合、既設配管101の分岐部104と新設配管102との対向する各端部に開先部105を形成する。そして、分岐部104の端部と新設配管102の端部を当接して仮結合した後、開先部105を溶接により本接合することで接合部103を設け、既設配管101の分岐部104に新設配管102を接合する。
シール部材11は、既設配管101の内面に密着してシールするものである。このシール部材11は、図2に示すように、1本の帯状体21により構成され、円板部22と補強部23,24と牽引部25を有している。
即ち、シール部材11は、帯状体21の一端部を中心とし、外側に向けて何重にも巻き付けていくことで円板部22が形成される。また、シール部材11は、帯状体21をこの円板部22の外側を径方向に沿って巻き付けることで第1補強部23を形成し、帯状体21をこの円板部22の外側を第1補強部23に交差(直交)する径方向に沿って巻き付けることで第2補強部24を形成する。そして、シール部材11は、円板部22と補強部23,24を形成した後の他端部を所定長さ確保して牽引部25を形成する。
この場合、円板部22と補強部23,24と牽引部25は、1本の連続する帯状体21により形成される。なお、円板部22と補強部23,24と牽引部25を別の帯状体により形成し、互いに連結してもよい。また、各補強部23,24は、巻付方向が交差する複数(本実施形態では、2個)の巻付部から構成される。なお、各補強部23,24は、2個に限らず3個以上としてもよい。そして、牽引部25は、補強部23,24を形成した後、そのままの状態で所定長さ確保している。なお、補強部23,24を形成した後、巻付がほぐれないように仮止めしたり、再度円板部22の外側に巻付けたりしてもよいが、牽引部25を牽引することでほぐれるように結束しないものとする。
また、帯状体21は、予め設定された温度(例えば、200℃)以上で溶けだして質量減少のない耐熱性を有する材料で形成することが好ましい。また、帯状体21は、原子力施設で使用される配管に対して適用する場合、ハロゲン元素の含有量が予め設定された所定値以下の材料(ハロゲンフリー)で形成することが好ましい。ハロゲン元素としては、周期表の第17族の元素であり、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、アスタチン(At)の5元素である。帯状体21の材料としては、シリカ系繊維材料であって、このシリカ系繊維材料をファイバとし、このファイバを帯状に編んで帯状体21を形成する。シリカ系繊維材料としては、例えば、ニチアス株式会社製のルビロン(商標)TOMBO No.8350(商品名)があるが、これに限定されるものではない。
また、帯状体21により構成されたシール部材11の条件としては、その他、帯状体21を既設配管101の内周面に装着したとき、負圧(例えば、50cm/Aq)が作用しても形崩れしたり、傾いたりしたりして外れないことが必要である。
シールドガス管12は、フレキシブルチューブにより構成され、所定の長さを有し、基端部にシールドガス供給源31が連結されると共に、開閉弁32が装着されている。この場合、シールドガスは、アルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガスが好ましい。また、シールドガス管12は、先端部に噴射ノズル33が装着されている。
ここで、第1実施形態の配管溶接部のバックシールド方法について説明する。図3及び図4は、配管溶接部のバックシールド方法を表す概略図である。
第1実施形態の配管溶接部のバックシールド方法は、図1に示すように、帯状体21を中心から外側に向けて巻き付けた後にその外側を径方向に沿って巻き付けて既設配管101の内径に適合するシール部材11を形成する工程と、既設配管101の内周面にシール部材11を装着する工程と、既設配管101の端部に新設配管102を仮接合する工程と、新設配管102の端部からシール部材11における牽引部(帯状体21の端部)25を引き出すと共に新設配管102の内部にシールドガス管12を配置する工程と、新設配管101の端部を閉止してシール部材11との間に密閉空間Aを形成する工程と、シールドガス管12から密閉空間Aにシールドガスを供給して空気と置換する工程とを有する。
また、第1実施形態の配管溶接部のバックシールド方法は、密閉空間Aにシールドガスを供給した後、密閉空間Aの酸素濃度が予め設定された所定濃度(例えば、0.5%)以下になったら、溶接を開始可能とする。
更に、第1実施形態の配管溶接部のバックシールド方法は、配管溶接作業の終了後、シールドガス管12からのシールドガスの供給を停止し、新設配管102の端部を開放して牽引部25を牽引することで、シール部材11を帯状体21として新設配管102の外部に取出す。
以下詳細に説明する。まず、図2に示すように、帯状体21の一端部を中心として外側に向けて巻き付けて円板部22を形成し、円板部22の外側を径方向に沿って巻き付けることで第1補強部23及び第2補強部24を形成し、他端部を所定長さ確保して牽引部25を形成することで、シール部材11を形成しておく。この場合、シール部材11の外径は、既設配管101の内径の適合するように、つまり、シール部材11の外周部が緩みなく既設配管101の内周面に密着できるような寸法にしておく。
次に、図3に示すように、このシール部材11を既設配管101にて、端部から所定距離だけ奥に入った位置に装着する。このとき、シール部材11は、多層に巻き付けられた円板部22の側面が十字に巻き付けられた各補強部23,24により保持されていることから、軸方向にずれにくくなり、既設配管101における所定の位置に容易に、短時間で装着できる。そして、シール部材11の牽引部25を既設配管101の外側に引き出しておく。続いて、図4に示すように、新設配管102を用意し、既設配管101の端部に点溶接などにより仮接合する。このとき、新設配管102は、端部に細孔(ガス抜き孔)102aが形成されており、シール部材11の牽引部25を新設配管102の細孔102aから外側に引き出しておく。また、既設配管101における分岐部104の端部と新設配管102の端部との間に、事前に開先部105を形成しておく。
そして、図1に示すように、一端部にシールドガス供給源31及び開閉弁32が連結されたシールドガス管12を用意し、このシールドガス管12の先端部側に噴射ノズル33を装着する。噴射ノズル33が装着されたシールドガス管12を新設配管102の細孔102aから内部に挿入する。また、酸素濃度センサ13は、計測配管41を介して検出子42が連結されており、この検出子42を細孔102aから新設配管102内に挿入する。そして、細孔102aにシール部材43を装着することで、密閉空間Aを形成する。
ここで、作業者は、開閉弁32を開放し、シールドガス供給源31のシールドガスをシールドガス管12から密閉空間Aに供給する。すると、密閉空間A内にシールドガスが充填され、この密閉空間Aにある空気がシールドガスに置換される。即ち、シール部材11は、前述したように、シリカ系繊維材料のファイバが帯状に編まれた帯状体21により形成されていることから、若干の通気性を有している。そのため、密閉空間A内にシールドガスが充填されると、密閉空間Aが加圧状態となり、残存していた空気がシール部材11を通して既設配管101の内部空間101a側に流れる。そのため、密閉空間Aは、シールドガス領域となる。
ここで、酸素濃度センサ13は、検出子42を介して密閉空間Aの酸素濃度を検出しており、密閉空間Aの酸素濃度が予め設定された所定濃度以下になったら、溶接を開始可能とする。そのため、密閉空間Aの酸素濃度が所定濃度以下になると、作業者は溶接装置111により既設配管101の分岐部104と新設配管102の開先部105を溶接することで、接合部103を形成することができる。このとき、分岐部104と新設配管102とは、内部にシールドガスが充満していることから、内面の酸化が防止され、裏面に滑らかな溶融金属が得られる。
既設配管101の分岐部104と新設配管102との溶接作業が完了したら、開閉弁32を閉止し、シールドガス供給源31からシールドガス管12を通した密閉空間Aへのシールドガスの供給を停止する。そして、細孔102aに装着されたシール部材43を除去することで、密閉空間Aを解除する。ここで、作業者は、シールドガス管12と酸素濃度センサ13の検出子42を回収する。
また、作業者は、牽引部25を牽引することで、シール部材11を帯状体21として細孔102aから新設配管102の外部に取出す。即ち、牽引部25を牽引すると、既設配管101の内周面に装着しているシール部材11は、分岐部104の軸方向に対して傾き、まず、第2補強部24、第1補強部23の順にほぐされ、細孔102aから外部に引き出され、続いて円板部22がほぐされ、細孔102aから外部に引き出される。そして、このシール部材11が回収されると、配管溶接作業が完了する。
このように第1実施形態の配管溶接部のバックシールド方法にあっては、帯状体21を中心から外側に向けて巻き付けた後にその外側を径方向に沿って巻き付けて既設配管101の内径に適合するシール部材11を形成する工程と、既設配管101の内周面にシール部材11を装着する工程と、既設配管101の端部に新設配管102を仮接合する工程と、新設配管102の端部からシール部材11における帯状体21の端部を引き出すと共に新設配管102の内部にシールドガス管12を配置する工程と、新設配管102の端部を閉止してシール部材11との間に密閉空間Aを形成する工程と、シールドガス管12から密閉空間Aにシールドガスを供給して空気と置換する工程とを有する。
従って、シール部材11は、帯状体21を周方向に巻き付けるだけでなく、径方向にも巻き付けて構成されることから、シール部材11を既設配管101の内周面に押し込んで装着するとき、形崩れすることがなく、適正に既設配管101の内周面に密着してシール性能を向上することができる。また、シール部材11が形崩れしないことから、既設配管101の内周面への密着作業を容易に短時間で実施することができ、作業性を向上することができる。
第1実施形態の配管溶接部のバックシールド方法では、既設配管101の内部が負圧領域である。従って、シール部材11は、帯状体21を周方向に巻き付けてその外側を径方向に巻き付けて構成されていることから、既設配管101の内部が負圧領域であっても、シール部材11が負圧の影響により形崩れすることがなく、適正に既設配管101の内周面に密着してシール性能を向上することができる。
第1実施形態の配管溶接部のバックシールド方法では、密閉空間Aにシールドガスを供給した後、密閉空間Aの酸素濃度が予め設定された所定濃度以下になったら、溶接を開始可能とする。従って、密閉空間Aの酸素濃度を低濃度の状態で溶接を開始することから、各配管101,102の内面の酸化が防止され、裏面に滑らかな溶融金属を得ることができる。
第1実施形態の配管溶接部のバックシールド方法では、配管溶接作業の終了後、シールドガス管12からのシールドガスの供給を停止し、新設配管102の端部を開放して帯状体21の端部を牽引することで、シール部材11を帯状体21として新設配管102の外部に取出す。従って、帯状体21の端部としての牽引部25を牽引すると、既設配管101に装着されたシール部材11がほぐれて帯状体21として新設配管102の外部に取出すことができ、作業性を向上することができる。
また、第1実施形態の配管溶接部のバックシールド装置にあっては、帯状体21を中心から外側に向けて巻き付けた後にその外側を径方向に沿って巻き付けて構成されると共に既設配管101の内周面に装着されるシール部材11と、シール部材11により形成された密閉空間Aにシールドガスを供給するシールドガス管12とを設けている。
従って、シール部材11は、帯状体21を周方向に巻き付けるだけでなく、径方向にも巻き付けて構成されることから、シール部材11を既設配管101の内周面に押し込んで装着するとき、形崩れすることがなく、適正に既設配管101の内周面に密着してシール性能を向上することができる。また、シール部材11が形崩れしないことから、既設配管101の内周面への密着作業を容易に短時間で実施することができ、作業性を向上することができる。
また、第1実施形態の配管用シール部材にあっては、既設配管101の内面に密着してシールする配管用シール部材11であって、帯状体21を中心から外側に向けて巻き付けて形成される円板部22と、円板部22の外側を径方向に沿って巻き付ける補強部23,24とを備えている。
従って、円板部22の外側に補強部23,24が設けられていることから、シール部材11を既設配管101の内周面に押し込んで装着するとき、形崩れすることがなく、適正に既設配管101の内周面に密着してシール性能を向上することができる。また、シール部材11が形崩れしないことから、既設配管101の内周面への密着作業を容易に短時間で実施することができ、作業性を向上することができる。
第1実施形態の配管用シール部材では、巻付方向が交差する複数の補強部23,24を設けている。従って、円板部22が複数の補強部23,24により保持されていることから、シール部材11を既設配管101の内周面に押し込んで装着するとき、形崩れすることがなく、作業性を向上することができる。
第1実施形態の配管用シール部材では、円板部22と補強部23,24を連続する帯状体21により形成している。従って、構造を簡素化することができる。
第1実施形態の配管用シール部材では、帯状体21をハロゲン元素の含有量が予め設定された所定値以下のシリカ系繊維材料により形成している。従って、シール部材11を既設配管101内から回収不能となっても、既設配管101に連結されている各種機器へ与える悪影響を抑制することができる。
第1実施形態の配管用シール部材では、帯状体21は、予め設定された温度以上で質量減少のない耐熱性を有している。従って、溶接熱によりシール部材11が変形することはなく、高いシール性能を確保することができる。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態の配管溶接部のバックシールド装置を表す概略図、図6及び図7は、配管溶接部のバックシールド方法を表す概略図である。
第2実施形態の配管溶接部のバックシールド装置は、図5に示すように、既設配管201に対して新設配管202を接合するとき、既設配管201の端部と新設配管202とを突合せ溶接するが、このとき、接合部203の管内面が大気に触れて酸化しないように、各配管201,202内にシールドガスを供給して空気と置換し、各配管201,202の接合部の内周面に滑らかな溶融金属が得られるようにするものである。
第2実施形態の配管溶接部のバックシールド装置は、第1実施形態と同様に、シール部材11と、シールドガス管12と、酸素濃度センサ13とを備えている。
既設配管201は、例えば、原子力施設で使用される配管であり、内部空間201aが負圧状態に維持されている。既設配管201は、端部に新設配管202を接合する必要があり、既設配管201の端部と新設配管202の端部を当接して仮結合した後、本接合することで接合部203を設け、既設配管201に新設配管202を接合する。
シール部材11は、既設配管201の内面に密着してシールするものである。このシール部材11は、図2に示すように、1本の帯状体21により構成され、円板部22と補強部23,24と牽引部25を有している。シールドガス管12は、フレキシブルチューブにより構成され、所定の長さを有し、基端部にシールドガス供給源31が連結されると共に、開閉弁32が装着され、先端部に噴射ノズル33が装着されている。
ここで、第2実施形態の配管溶接部のバックシールド方法について説明する。
まず、図2に示すように、帯状体21の一端部を中心として外側に向けて巻き付けて円板部22を形成し、円板部22の外側を径方向に沿って巻き付けることで第1補強部23及び第2補強部24を形成し、他端部を所定長さ確保して牽引部25を形成することで、シール部材11を形成しておく。この場合、シール部材11の外径は、既設配管201の内径の適合するように、つまり、シール部材11の外周部が緩みなく既設配管201の内周面に密着できるような寸法にしておく。
次に、図6に示すように、このシール部材11を既設配管201にて、端部から所定距離だけ奥に入った位置に装着する。このとき、シール部材11は、多層に巻き付けられた円板部22の側面が十字に巻き付けられた各補強部23,24により保持されていることから、軸方向にずれにくくなり、既設配管201における所定の位置に容易に、短時間で装着できる。そして、シール部材11の牽引部25を既設配管201の外側に引き出しておく。続いて、図7に示すように、新設配管202を用意し、既設配管201の端部に点溶接などにより仮接合する。このとき、新設配管202は、内部に細孔(ガス抜き孔)51aが形成されたシール栓51を装着しておき、シール部材11の牽引部25をシール栓51の細孔51aから外側に引き出しておく。
そして、図5に示すように、一端部にシールドガス供給源31及び開閉弁32が連結されたシールドガス管12を用意し、このシールドガス管12の先端部側に噴射ノズル33を装着する。噴射ノズル33が装着されたシールドガス管12を新設配管202に装着されたシール栓51の細孔51aから内部に挿入する。また、酸素濃度センサ13は、計測配管41を介して検出子42が連結されており、この検出子42を細孔51aから新設配管202内に挿入する。そして、細孔51aにシール部材52を装着することで、密閉空間Aを形成する。
ここで、作業者は、開閉弁32を開放し、シールドガス供給源31のシールドガスをシールドガス管12から密閉空間Aに供給する。すると、密閉空間A内にシールドガスが充填され、この密閉空間Aにある空気がシールドガスに置換される。即ち、シール部材11は、前述したように、シリカ系繊維材料のファイバが帯状に編まれた帯状体21により形成されていることから、若干の通気性を有している。そのため、密閉空間A内にシールドガスが充填されると、密閉空間Aが加圧状態となり、残存していた空気がシール部材11を通して既設配管201の内部空間201a側に流れる。そのため、密閉空間Aは、シールドガス領域となる。
ここで、酸素濃度センサ13は、検出子42を介して密閉空間Aの酸素濃度を検出しており、密閉空間Aの酸素濃度が予め設定された所定濃度以下になったら、溶接を開始可能とする。そのため、密閉空間Aの酸素濃度が所定濃度以下になると、作業者は溶接装置111により既設配管201と新設配管202を溶接することで、接合部203を形成することができる。このとき、既設配管201と新設配管202とは、内部にシールドガスが充満していることから、内面の酸化が防止され、裏面に滑らかな溶融金属が得られる。
既設配管201と新設配管202との溶接作業が完了したら、開閉弁32を閉止し、シールドガス供給源31からシールドガス管12を通した密閉空間Aへのシールドガスの供給を停止する。そして、細孔51aに装着されたシール部材52を除去することで、密閉空間Aを解除する。ここで、作業者は、シールドガス管12と酸素濃度センサ13の検出子42を回収する。
また、作業者は、牽引部25を牽引することで、シール部材11を帯状体21として細孔51aから新設配管202の外部に取出す。即ち、牽引部25を牽引すると、既設配管201の内周面に装着しているシール部材11は、軸方向に対して傾き、まず、第2補強部24、第1補強部23の順にほぐされ、細孔51aから外部に引き出され、続いて円板部22がほぐされ、細孔51aから外部に引き出される。そして、このシール部材11が回収されると、配管溶接作業が完了する。
このように第2実施形態の配管溶接部のバックシールド方法にあっては、帯状体21を中心から外側に向けて巻き付けた後にその外側を径方向に沿って巻き付けて既設配管201の内径に適合するシール部材11を形成する工程と、既設配管201の内周面にシール部材11を装着する工程と、既設配管201の端部に新設配管202を仮接合する工程と、新設配管202の端部からシール部材11における帯状体21の端部を引き出すと共に新設配管202の内部にシールドガス管12を配置する工程と、新設配管202の端部を閉止してシール部材11との間に密閉空間Aを形成する工程と、シールドガス管12から密閉空間Aにシールドガスを供給して空気と置換する工程とを有する。
従って、シール部材11は、帯状体21を周方向に巻き付けるだけでなく、径方向にも巻き付けて構成されることから、シール部材11を既設配管201の内周面に押し込んで装着するとき、形崩れすることがなく、適正に既設配管201の内周面に密着してシール性能を向上することができる。また、シール部材11が形崩れしないことから、既設配管201の内周面への密着作業を容易に短時間で実施することができ、作業性を向上することができる。
11 シール部材
12 シールドガス管
21 帯状体
22 円板部
23 第1補強部
24 第2補強部
43,52 シール部材
51 シール栓
101,201 既設配管
101a,201a 内部空間
102,202 新設配管
51a,102a 細孔
103,203 接合部
104 分岐部
105 開先部
A 密閉空間

Claims (10)

  1. 帯状体を中心から外側に向けて巻き付けた後にその外側を径方向に沿って巻き付けて既設配管の内径に適合するシール部材を形成する工程と、
    前記既設配管の内周面に前記シール部材を装着する工程と、
    前記既設配管の端部に新設配管を仮接合する工程と、
    前記新設配管の端部から前記シール部材における前記帯状体の端部を引き出すと共に前記新設配管の内部にシールドガス管を配置する工程と、
    前記新設配管の端部を閉止して前記シール部材との間に密閉空間を形成する工程と、
    前記シールドガス管から前記密閉空間にシールドガスを供給して空気と置換する工程と、
    を有することを特徴とする配管溶接部のバックシールド方法。
  2. 前記既設配管は、内部が負圧領域であることを特徴とする請求項1に記載の配管溶接部のバックシールド方法。
  3. 前記密閉空間にシールドガスを供給した後、前記密閉空間の酸素濃度が予め設定された所定濃度以下になったら、溶接を開始可能とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配管溶接部のバックシールド方法。
  4. 配管溶接作業の終了後、前記シールドガス管からのシールドガスの供給を停止し、前記新設配管の端部を開放して前記帯状体の端部を牽引することで、前記シール部材を前記帯状体として前記新設配管の外部に取出すことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配管溶接部のバックシールド方法。
  5. 帯状体を中心から外側に向けて巻き付けた後にその外側を径方向に沿って巻き付けて構成されると共に既設配管の内周面に装着されるシール部材と、
    前記シール部材により形成された密閉空間にシールドガスを供給するシールドガス管と、
    を備えることを特徴とする配管溶接部のバックシールド装置。
  6. 配管の内面に密着してシールする配管用シール部材において、
    帯状体を中心から外側に向けて巻き付けて形成される円板部と、
    前記円板部の外側を径方向に沿って巻き付ける補強部と、
    を備えることを特徴とする配管用シール部材。
  7. 前記補強部は、巻付方向が交差する複数の巻付部から構成されることを特徴とする請求項6に記載の配管用シール部材。
  8. 前記円板部と前記補強部は、連続する前記帯状体により形成されることを特徴とする請求項7に記載の配管用シール部材。
  9. 前記帯状体は、ハロゲン元素の含有量が予め設定された所定値以下のシリカ系繊維材料により形成されることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の配管用シール部材。
  10. 前記帯状体は、予め設定された温度以上での耐熱性を有することを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の配管用シール部材。
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