JP6608649B2 - 多孔性シートの製造方法、および多孔性シートの製造装置 - Google Patents

多孔性シートの製造方法、および多孔性シートの製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、多孔性シートの製造方法、および多孔性シートの製造装置に関する。より詳しくは、製造の簡素化を図りうる多孔性シートの製造方法、および多孔性シートの製造装置に関する。
フィルタや、燃料電池のガス拡散層を形成する基材として、たとえば、複数の線材から形成した多孔性シートが用いられている。特許文献1には、ガス拡散層の基材に用いる多孔性シートとして、横糸と縦糸とを編んで作製したカーボンクロスが記載されている。
特開2003−173789号公報
しかしながら、多孔性シートを作成する場合に複数の線材を平面上に並べようとすると、分子間力や静電気等が作用することによって、線材間の間隔を適切な寸法に規制ないし維持することが難しい。線材の分布にムラが生じた多孔性シートをたとえばガス拡散層の基材に用いると、電力密度の集中を招き、燃料電池の耐久性や出力の安定性が阻害されてしまう。
一方の線材群と他方の線材群とを編んで多孔性シートを作成する場合には、編む作業が必要なために連続生産が難しく、製造時間も長いという問題がある。
そこで、本発明の目的は、線材を均一に配置することを通して均一な形状の開口を備えることができ、さらに、連続生産の実現が容易で、製造時間の短縮化を図りうる多孔性シートの製造方法、および多孔性シートの製造装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明に係る多孔性シートの製造方法にあっては、まず、並べて配置した一組の第1の線材からなる第1の線材群を準備し、並べて配置した一組の第2の線材からなる第2の線材群を準備する。前記第2の線材は、芯鞘構造を有する樹脂繊維から形成され、かつ、鞘層が芯層よりも低い融点を有する。
前記第1の線材群を少なくとも1つの第1の図を通して引き出して固定する。前記第1の筬によって前記第1の線材群を少なくとも1回走査する。
前記第2の線材群を少なくとも1つの第2の筬を通して引き出し、前記第1の線材群と接触させることなく固定する。前記第2の筬によって前記第2の線材群を少なくとも1回走査する。
前記第1の線材群のうち前記第1の筬によって走査した領域と、前記第2の線材群のうち前記第2の筬によって走査した領域とを、前記第1の線材と前記第2の線材とが平面視において交差するように重ね合わせて接触させる。
前記第2の線材の前記鞘層を加熱融解した後に冷却固化することによって前記第1の線材群と前記第2の線材群とを接合する。
そして、前記第1の線材群と前記第2の線材群とが接合していない非接合部分において前記第1の線材群および前記第2の線材群の少なくとも一方を切断する。
この手順によって、前記第1の線材と前記第2の線材とが平面視において交差するが、前記第1の線材群におけるすべての前記第1の線材が前記第2の線材群の両面のうち一方の面側にのみ存在して前記第2の線材に接合されてなる多孔性シートを得る。
本発明に係る多孔性シートの製造装置にあっては、第1の線材群に関して、第1の線材群を供給する第1の供給部と、第1の固定部と、少なくとも1つの第1の筬とを有している。第2の線材群に関して、第2の線材群を供給する第2の供給部と、第2の固定部と、少なくとも1つの第2の筬とを有している。第1の線材群は、並べて配置した一組の第1の線材からなる。第1の固定部は、前記第1の線材群を引き出して固定自在に構成されている。少なくとも1つの第1の筬は、前記第1の固定部に固定された前記第1の線材群に走査自在に通されている。第2の線材群は、並べて配置した一組の第2の線材からなる。前記第2の線材は、芯鞘構造を有し、かつ、鞘層が芯層よりも低い融点を有する。第2の固定部は、前記第2の線材群を引き出して前記第1の線材群と接触させることなく固定自在に構成されている。少なくとも1つの第2の筬は、前記第2の固定部に固定された前記第2の線材群に走査自在に通されている。製造装置はさらに、接合部と、切断部とを有している。接合部は、前記第1の線材群のうち前記第1の筬によって走査した領域と、前記第2の線材群のうち前記第2の筬によって走査した領域とを、前記第1の線材と前記第2の線材とが平面視において交差するように重ね合わせて接触させ、前記第2の線材の前記鞘層を加熱融解して前記第1の線材群と前記第2の線材群とを接合する。切断部は、前記第1の線材群と前記第2の線材群とが接合していない非接合部分において前記第1の線材群および前記第2の線材群の少なくとも一方を切断する。そして、多孔性シートの製造装置は、前記第1の線材と前記第2の線材とが平面視において交差するが、前記第1の線材群におけるすべての前記第1の線材が前記第2の線材群の両面のうち一方の面側にのみ存在して前記第2の線材に接合されてなる多孔性シートを得る。
本発明に係る多孔性シートの製造方法、および多孔性シートの製造装置によれば、第1の筬によって第1の線材群を走査することによって分子間力や静電気等の作用を低減させて第1の線材を整糸し、第2の筬によって第2の線材群を走査することによって分子間力や静電気等の作用を低減させて第2の線材を整糸できる。その後、整糸した第1の線材群と整糸した第2の線材群とを熱融着によって接合して多孔性シートを得ている。多孔性シートは、第1の線材と第2の線材とが平面視において交差するが、第1の線材群におけるすべての第1の線材が第2の線材群の両面のうち一方の面側にのみ存在して第2の線材に接合されている。分子間力や静電気等の作用を低減させて第1の線材および第2の線材を均一に配置できる結果、均一な形状の開口を備える多孔性シートを得ることができる。さらに、第1の線材と第2の線材とを編み込んでいないことから、編む作業が不要で連続生産の実現が容易となり、製造時間の短縮化を図ることができる。
図1(A)は、第1の線材および第2の線材から形成した多孔性シートを示す斜視図、図1(B)は、芯鞘構造を有する樹脂繊維から形成される第2の線材を示す断面図、図1(C)は、第1の線材と第2の線材との接合状態を拡大して示す断面図である。 図2は、多孔性シートの製造装置の概略構成を示す斜視図である。 図3は、多孔性シートの製造装置のうち、第1の線材群に対する加工を施す第1加工ラインを示す構成図である。 図4は、多孔性シートの製造装置のうち、第2の線材群に対する加工を施す第2加工ラインを示す構成図である。 図5(A)(B)は、筬によって線材群を走査することによって、線材を均一に配置できる様子を模式的に示す斜視図である。 図6は、多孔性シートの製造手順の概略を示すフローチャートである。 図7は、多孔性シートの製造手順のうち、第1の線材群に対する加工手順を示す図である。 図8は、図7に引き続いて第1の線材群に対する加工手順を示す図である。 図9は、図8に引き続いて第1の線材群に対する加工手順を示す図である。 図10は、図9に引き続いて第1の線材群に対する加工手順を示す図である。 図11は、図10に引き続いて第1の線材群に対する加工手順を示す図である。 図12は、図11に引き続いて第1の線材群に対する加工手順を示す図である。 図13は、多孔性シートの製造手順のうち、第2の線材群に対する加工手順を示す図である。 図14は、図13に引き続いて第2の線材群に対する加工手順を示す図である。 図15は、図14に引き続いて第2の線材群に対する加工手順を示す図である。 図16は、図15に引き続いて第2の線材群に対する加工手順を示す図である。 図17(A)(B)は、燃料電池の基本構成を示す概略断面図、および分解斜視図である。 図18(A)(B)は、燃料電池を搭載した車両の例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[多孔性シート30]
本実施形態の多孔性シート30について説明する。
図1(A)(C)を参照して、多孔性シート30は、第1の線材11からなる第1の線材群10と、第2の線材21からなる第2の線材群20とから形成されている。第1の線材11および第2の線材21は、ともに樹脂繊維から形成されている。図示する実施形態にあっては、第1の線材11は、第2の線材21に比べて太い。隣接する第1の線材11のピッチは、隣接する第2の線材21のピッチよりも広い。
図1(B)(C)を参照して、第2の線材21は、芯鞘構造を有する樹脂繊維から形成されている。鞘層22は、芯層23よりも低い融点を有する。第1の線材11の融点は、鞘層22よりも高い融点を有する。第2の線材21を形成する樹脂繊維は、たとえば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンのいずれかから形成することができる。これらの材料は、安価でかつ機械特性に優れるために種々の材料として幅広い分野で使用されており、多孔性シート30を安価に製造でき、所望の機械特性を多孔性シート30に付与することができる。ただし、第2の線材21は、上述した材料に限定されるものではない。第2の線材21における鞘層22と芯層23とを異なる樹脂材料から形成してもよいが、融点が異なる同種の樹脂材料から形成することが好ましい。層の剥離が少なく、安定した第2の線材21を得ることができるからである。第1の線材11と第2の線材21とを異なる樹脂材料から形成してもよいが、同種の樹脂材料から形成することが好ましい。第1の線材11と第2の線材21とを接合する界面における剥離が少なく、安定した接合状態を維持することができるからである。
第1の線材11の直径、第2の線材21の直径、および融点は特に限定されず、所望のサイズおよび融点を選択することができる。一例を挙げると、第1の線材11の直径は約100〜150μm、第2の線材21における鞘層22の直径は約50μm、芯層23の直径は約10μmである。また、第1の線材11の融点、第2の線材21における芯層23の融点は約190℃、鞘層22の融点は約160℃である。ただし、線材の直径や融点は、上述した寸法や温度に限定されるものではない。
図1(C)を参照して、第2の線材21の鞘層22を加熱融解した後に冷却固化することによって、第1の線材11と第2の線材21とが接合されている。第1の線材11は、第2の線材21に対して当接する部位が若干寸法潰されている。融解した鞘層22の樹脂が第1の線材11と第2の線材21との界面や、符号24によって示すように第1の線材11の側方において毛管現象によって盛り上がって固化する。これにより、第1の線材11と第2の線材21とが接合される。
多孔性シート30は、図1(A)(C)に示されるように、第1の線材11と第2の線材21とが平面視において交差している。すなわち、図1(A)のZ軸から視たXY平面上において、第1の線材11と第2の線材21とは直交(90度)している。多孔性シート30は、第1の線材群10におけるすべての第1の線材11が第2の線材群20の両面のうち一方の面側にのみ存在して第2の線材21に接合されている。すなわち、図1(A)(C)のX軸から視たYZ平面上において、すべての第1の線材11が第2の線材群20の上下両面のうち上面側にのみ存在して第2の線材21に接合されている。
本明細書において、「交差」の文言は、第1の線材11と第2の線材21とが平行に配置されておらず、平面視において交わった状態となることを表すために用いている。交わる角度は直交(90度)の場合に限られない。したがって、第1の線材11と第2の線材21とによって区画される開口は、矩形形状に限られず、菱形形状であってもよい。また、「第1の線材群10におけるすべての第1の線材11が第2の線材群20の両面のうち一方の面側にのみ存在する」とは、第1の線材11と第2の線材21とが編み込まれていないことを意味している。
なお、以下の説明においては、「第1の線材11」を「太糸11」、「第1の線材群10」を「太糸群10」、「第2の線材21」を「細糸21」、「第2の線材群20」を「細糸群20」と称することがある。
[多孔性シート30の製造装置100]
多孔性シート30の製造方法を具現化した本実施形態の多孔性シート30の製造装置100について説明する。
図2、図3、図4を参照して、多孔性シート30の製造装置100は、概説すると、太糸群10(第1の線材群)に関して、太糸群10を供給する第1のリール41(第1の供給部)と、ピンチ61、62、63、64、65(第1の固定部)と、少なくとも1つの第1の筬51とを有している。細糸群20(第2の線材群)に関して、細糸群20を供給する第2のリール71(第2の供給部)と、ピンチ91、92、93、94(第2の固定部)と、少なくとも1つの第2の筬81とを有している。太糸群10は、並べて配置した一組の太糸11(第1の線材)からなる。第1の固定部は、太糸群10を引き出して固定自在に構成されている。第1の筬51は、第1の固定部に固定された太糸群10に走査自在に通されている。細糸群20は、並べて配置した一組の細糸21(第2の線材)からなる。細糸21は、芯鞘構造を有し、かつ、鞘層22が芯層23よりも低い融点を有する。第2の固定部は、細糸群20を引き出して太糸群10と接触させることなく固定自在に構成されている。第2の筬81は、第2の固定部に固定された細糸群20に走査自在に通されている。製造装置100はさらに、接合部と、切断部とを有している。接合部は、第1のヒーター67、加圧機構68、第2のヒーター96、加圧機構97などから構成される。切断部は、カッター66から構成される。接合部は、太糸群10のうち第1の筬51によって走査した領域と、細糸群20のうち第2の筬81によって走査した領域とを、太糸11と細糸21とが平面視において交差するように重ね合わせて接触させる。接合部は、細糸21の鞘層22を加熱融解して太糸群10と細糸群20とを接合する。切断部は、太糸群10と細糸群20とが接合していない非接合部分において太糸群10および細糸群20の少なくとも一方を切断する。そして、多孔性シートの製造装置は、太糸11と細糸21とが平面視において交差するが、太糸群10におけるすべての太糸11が細糸群20の両面のうち一方の面側にのみ存在して細糸21に接合されてなる多孔性シート30を得る。以下、多孔性シート30の製造装置100について詳述する。
多孔性シート30の製造装置100は、太糸群10に対する加工を施す第1加工ライン101と、細糸群20に対する加工を施す第2加工ライン102とを有している。第1加工ライン101および第2加工ライン102は、相対的に接近離反移動自在である。たとえば、第2加工ライン102が第1加工ライン101に向けて昇降自在に構成されている。太糸群10と細糸群20とを接合するときに、第2加工ライン102が第1加工ライン101に向けて上昇し、太糸群10の一部と細糸群20の一部とが重なり合う。図示する実施形態では、太糸群10と細糸群20とを接合した後、第1加工ライン101において太糸群10を切断している。そして、多孔性シート30を第2加工ライン102において巻き取っている。
第1加工ライン101は、太糸群10を巻回した第1のリール41と、第1のリール41から引き出した太糸群10をガイドする複数のガイドローラー42と、対をなす回転ローラー43、45と、対をなす回転ローラー43、45の間に配置されテンションを調整するダンサーローラー44と、太糸群10が通される少なくとも1つの第1の筬51と、太糸群10の押えおよび押え解除が自在な複数のピンチ61、62、63、64、65と、太糸群10を切断するカッター66とを有している。
第1のリール41は、図示しない取り付け台に回転自在に保持されている。第1のリール41は、巻回した太糸群10を使い切ると、新たなリール41に交換される。
ダンサーローラー44は、テンションコントロールしながら第1のリール41から太糸群10を繰り出す。ダンサーローラー44は、上下方向に移動自在である。
第1の筬51は、太糸群10が延びている方向に配置された図示しないガイドレールに沿って、スライド移動自在である。第1の筬51は、モーターあるいはエアシリンダーなどのアクチュエータによってスライド駆動される。第1の筬51は、筬歯を櫛の歯のように一定間隔に並べて構成されている。隣り合う筬歯同士の間に、微小なスリット51aが形成される。第1の筬51には、スリット51aが形成され、スリット51aのそれぞれに、太糸11が1本だけ挿通されている。スリット51aは、挿通する太糸11の本数分、あるいは太糸11の本数分よりも多く形成されている。第1の筬51をスライド移動することによって、太糸群10が走査される。太糸群10を引き出して固定した段階では、分子間力や静電気等が作用しているため、隣り合う太糸11が近づいたり遠ざかったりしてしまい、太糸11間の間隔を適切な寸法に規制ないし維持することが難しい(図5(A)を参照)。この状態から、第1の筬51によって太糸群10を少なくとも1回走査すると、分子間力や静電気等の作用を低減させ、太糸11を整糸することができる(図5(B)を参照)。
図示する実施形態では、第1の筬51よりも上流側の位置にも、太糸群10が通される筬52を配置している。筬52は、筬歯を櫛の歯のように一定間隔に並べて構成されている。隣り合う筬歯同士の間に、微小なスリット52aが形成される。この筬52は、配置位置が固定されており、スライド移動することはない。説明の便宜上、以下の説明においては、第1の筬51を「第1の移動筬51」、位置固定の筬52を「第1の固定筬52」ともいう。第1の移動筬51は、スライド移動自在なケーシング53内に収納されている。
第1の移動筬51によって走査するときに、線材群(太糸群10)の上面または下面を同じ平面に揃えるために、筬51と共に移動する平面化部材55(図3、図5を参照)を、前記筬51の前もしくは後、かつ、前記線材群の上部もしくは下部に備えることができる。
このような平面化部材55として、線材群に接触して線材群を押す接触部材、線材群に接触することなく線材群を押す非接触部材の少なくとも一方を用いることができる。接触部材および非接触部材の両方を用いることができる。接触部材としては、ローラー、丸棒、スライダー等を挙げることができる。非接触部材として、圧縮空気、静電気等を利用する部材を挙げることができる。接触部材や非接触部材を用いることによって、過度の摩擦力の発生や線材の切断等の不具合を防ぎつつ線材群を押し込んで、当該線材群の上面または下面を同じ平面に揃えることができる。
前記微小なスリット52aの上面もしくは下面をこのような目的に用いることも可能である。ただし、平面化部材55を別途用いることによって、微小なスリット52aの上面もしくは下面を使用することに伴う過度の摩擦力の発生や線材の切断等の不具合を防ぐことができる。
図5に示すように、平面化部材55として接触部材の一例であるローラーを用いる場合、第1の移動筬51の直前かつ太糸群10の上面に、太糸群10の幅より長く、かつ、第1の移動筬51と同時に移動できるローラー56を備える。第1の移動筬51による走査に続いてローラー56の下面をすべての線材(太糸11)の上面に接触させることによって、良好な平面からなる太糸群10を構成することができる。ローラー56の下面をすべての太糸11上面に接触させるには、基準面(第1の移動筬51の前後にあるガイドローラーや回転ローラー、ピンチ等によって規定される基準高さを言う)に対して、一定寸法押し込むことによってオフセットをかける必要がある。装置の規模や線材のたるみ易さに応じてオフセット量を適宜決定することは当業者にとっては可能であるが、概ね0.1mm以上、50mm以下が好ましい。オフセット量が0.1mm未満の場合は、たるみ易い線材のときに平面化部材55がすべての線材と接触しないときがある。オフセット量が50mm以上の場合は、線材群に必要以上の張力が働く恐れがあるため好ましくない。
ローラーや丸棒の直径は特に制約されないが、0.1mm以上、100mm以下が好ましい。ローラーや丸棒の直径が0.1mm未満の場合はこれらや線材群が破損しやすいため好ましくない。ローラーや丸棒の直径が100mm以上の場合は平面化部材55が大きくなりすぎるとともに、線材群に必要以上の摩擦力が働く恐れがあるため好ましくない。スライダーを用いる際の接触長も0.1mm以上、100mm以下が好ましい。
ピンチ61は、太糸群10の上側に配置される上ピンチ61aと、太糸群10の下側に上ピンチ61aに対向して配置される下ピンチ61bとを有している。上ピンチ61aおよび下ピンチ61bは、エアシリンダーなどのアクチュエータによって互いに接近離反駆動される。上下のピンチ61a、61bを接近駆動することによって、太糸群10が押えられる。上下のピンチ61a、61bを離反駆動することによって、太糸群10の押えが解除される。
他のピンチ62、63、64、65も同様に、上ピンチ62a、63a、64a、65aと、下ピンチ62b、63b、64b、65bとを有し、それぞれの位置で太糸群10の押えおよび押え解除が自在である。
上流側から2番目のピンチ62は、ケーシング53内に、第1の移動筬51の下流側直近に位置して設けられている。ピンチ62は、第1の移動筬51と一緒に移動する。ピンチ62によって太糸群10の端部を押え、ケーシング53を下流側にスライド移動することによって、太糸群10が第1のリール41から繰り出される。
カッター66は、図示例にあっては、太糸群10の上側に配置されている。カッター66は、エアシリンダーなどのアクチュエータによって太糸群10に対して接近離反駆動される。カッター66は、太糸群10と細糸群20とが接合していない非接合部分に臨むように配置される。カッター66を接近駆動することによって、非接合部分において太糸群10が切断される。カッター66を離反駆動することによって、太糸群10の搬送路が開放される。
カッター66を、太糸群10の下側に配置してもよい。また、カッターを、太糸群10の上側に配置される上カッターと、太糸群10の下側に上カッターに対向して配置される下カッターとから構成してもよい。この場合、上カッターおよび下カッターは、エアシリンダーなどのアクチュエータによって互いに接近離反駆動される。上下のカッターを接近駆動することによって、非接合部分において太糸群10が切断される。上下のカッターを離反駆動することによって、太糸群10の搬送路が開放される。
カッター66の形式は特に限定されない。カッター66は、たとえば、切断刃、熱刃などから構成される。カッターを、レーザー切断器から構成することもできる。
第1加工ライン101には、細糸21の鞘層22を加熱融解するための熱を発生する第1のヒーター67が設けられている。太糸群10の一部と細糸群20の一部とを重ね合わせた後、第1のヒーター67は、下降駆動され、鞘層22を融解する温度に加熱される。太糸群10と細糸群20とを重ね合わせる前から、第1のヒーター67を加熱してもよい。第1のヒーター67の種類は特に限定されないが、電気ヒーター、ハロゲンヒーター、誘導加熱ヒーターなどを用いうる。接合時における第1のヒーター67の加熱温度や加熱時間は、細糸21の鞘層22や太糸11の融点、糸径などに応じて適宜選択される。
第1のヒーター67には、この第1のヒーター67を太糸群10に対して押し付ける加圧機構68が接続されている。加圧機構68は、加圧プレスや加圧ローラーなどから構成される。
太糸群10や細糸群20を加熱すると、樹脂繊維からなる太糸11および細糸21は個々ばらばらな挙動を示し、一本一本の糸の熱収縮にばらつきが生じる。熱収縮にばらつきがあると、太糸群10と細糸群20とを接合した後の多孔性シート30に応力が作用し、タルミや冷延伸などの不具合を招く結果となる。そこで、接合時における熱収縮の衝撃を緩和するために、好ましくは、固定した太糸群10を第1の移動筬51によって走査する前に、太糸群10に予備加熱処理を施してもよい。この予備加熱処理のときにも、第1のヒーター67が用いられる。予備加熱処理時におけるヒーターの加熱温度や加熱時間は、太糸11の融点、糸径などに応じて適宜選択される。
第2加工ライン102は、細糸群20を巻回した第2のリール71と、第2のリール71から引き出した細糸群20をガイドする複数のガイドローラー72と、細糸群20が通される少なくとも1つの第2の筬81と、細糸群20の押えおよび押え解除が自在な複数のピンチ91、92、93、94と、巻取り基準ローラー99と、太糸群10が接合された細糸群20を巻き取る巻取りリール95とを有している。
第2のリール71は、図示しない取り付け台に回転自在に保持されている。第2のリール71は、巻回した細糸群20を使い切ると、新たなリール71に交換される。
第2の筬81は、第1の移動筬51と同様に、細糸群20が延びている方向に配置された図示しないガイドレールに沿って、スライド移動自在である。第2の筬81は、モーターあるいはエアシリンダーなどのアクチュエータによってスライド駆動される。第2の筬81には、スリット81aが形成され、スリット81aのそれぞれに、細糸21が1本だけ挿通されている。スリット81aは、挿通する細糸21の本数分、あるいは細糸21の本数分よりも多く形成されている。第2の筬81をスライド移動することによって、細糸群20が走査される。第2の筬81によって細糸群20を少なくとも1回走査することによって、分子間力や静電気等の作用を低減させ、細糸21を整糸することができる。
図示する実施形態では、第2の筬81よりも上流側の位置にも、細糸群20が通される筬82を配置している。筬82は、隣り合う筬歯同士の間に、微小なスリット82aが形成される。この筬82は、配置位置が固定されており、スライド移動することはない。説明の便宜上、以下の説明においては、第2の筬81を「第2の移動筬81」、位置固定の筬82を「第2の固定筬82」ともいう。
第1の移動筬51に平面化部材55を備えたのと同様に、第2の移動筬81に平面化部材85を備えることができる(図4を参照)。すなわち、第2の移動筬81によって走査するときに、線材群(細糸群20)の上面または下面を同じ平面に揃えるために、筬81と共に移動する平面化部材85を、前記筬81の前もしくは後、かつ、前記線材群の上部もしくは下部に備えることができる。
平面化部材85としてたとえばローラーを用いる場合、第2の移動筬81の直前かつ細糸群20の上面に、細糸群20の幅より長く、かつ、第2の移動筬81と同時に移動できるローラー86を備える。第2の移動筬81による走査に続いてローラー86の下面をすべての線材(細糸21)の上面に接触させることによって、良好な平面からなる細糸群20を構成することができる。
ピンチ91、92、93、94は、第1の加工ラインにおけるピンチ61、62、63、64、65と同様に、上ピンチ91a、92a、93a、94aと、下ピンチ91b、92b、93b、94bとを有し、それぞれの位置で細糸群20の押えおよび押え解除が自在である。
細糸群20は、切断されることなく巻取りリール95に巻き取られる。このため、第2加工ライン102には、第2の移動筬81と一緒に移動するピンチや、細糸群20を切断するカッターは設けられていない。
第2加工ライン102においても、接合時における熱収縮の衝撃を緩和するために、好ましくは、固定した細糸群20を第2の移動筬81によって走査する前に、細糸群20に予備加熱処理を施してもよい。この予備加熱処理のため、第2のヒーター96が設けられている。ヒーターの種類は特に限定されないが、第1のヒーター67と同様に、電気ヒーター、ハロゲンヒーター、誘導加熱ヒーターなどを用いうる。予備加熱処理時における第2のヒーター96の加熱温度や加熱時間は、細糸21の融点、糸径などに応じて適宜選択される。細糸21の鞘層22は融点が太糸11に比べて低いことから、予備加熱処理の温度を、太糸11に対する予備加熱処理の温度よりも低い温度に設定する。
第2のヒーター96には、この第2のヒーター96を細糸群20に対して押し付ける加圧機構97が接続されている。加圧機構97は、加圧プレスや加圧ローラーなどから構成される。
細糸21の鞘層22を加熱融解するために、第1のヒーター67と一緒に第2のヒーター96を用いて加熱したり、第1のヒーター67と第2のヒーター96とを交互に切り替えて加熱したり、第1のヒーター67に代えて第2のヒーター96のみによって加熱したりすることができる。
なお、図示例では第2加工ライン102にダンサーローラー44を設けていないが、ダンサーローラー44を設けて、テンションを調整するようにしてもよい。
[多孔性シート30の製造手順]
図6を参照して、多孔性シート30の製造手順を概説する。
まず、並べて配置した一組の太糸11からなる太糸群10を準備し、並べて配置した一組の細糸21からなる細糸群20を準備する(ステップS11)。
太糸群10を第1の移動筬51を通して引き出して固定し、細糸群20を第2の移動筬81を通して引き出し、太糸群10と接触させることなく固定する(ステップS12)。太糸群10を第1のリール41から引き出すときには、ダンサーローラー44によって強すぎるテンションが作用しないようにして引き出す。引き出して固定した太糸群10に応力が作用しないため、太糸群10にタルミや冷延伸などの不具合が生じることを防止できる。
太糸群10に予備加熱処理を施し、細糸群20に予備加熱処理を施す(ステップS13)。接合時における熱収縮の衝撃を緩和して、一本一本の太糸11および細糸21の熱収縮にばらつきが生じることを抑える。
第1の移動筬51によって太糸群10を少なくとも1回走査し、第2の移動筬81によって細糸群20を少なくとも1回走査する(ステップS14)。分子間力や静電気等の作用を低減して、太糸11および細糸21を整糸する。
太糸群10のうち第1の移動筬51によって走査した領域と、細糸群20のうち第2の移動筬81によって走査した領域とを、太糸11と細糸21とが平面視において交差するように重ね合わせて接触させる(ステップS15)。
細糸21の鞘層22を加熱融解した後に冷却固化することによって太糸群10と細糸群20とを接合する(ステップS16)。太糸群10と細糸群20とを接合するときには、太糸11と細糸21とを加熱する。加熱しつつ圧縮してもよい。太糸11と細糸21との接合がより確実なものとなる。
そして、太糸群10と細糸群20とが接合していない非接合部分において太糸群10を切断する(ステップS17)。多孔性シート30は細糸群20の一部に形成され、細糸群20を巻き取ることによって、製造した多孔性シート30をロール状に巻回する。
ステップS12に戻って処理を継続し、多孔性シート30を得る。多孔性シート30は、太糸11と細糸21とが平面視において交差するが、太糸群10におけるすべての太糸11が細糸群20の両面のうち一方の面側にのみ存在して細糸21に接合されている。
ステップS16において多孔性シート30を加熱圧縮しているが、ステップS17の切断のあとに多孔性シート30を加熱圧縮してもよい。多孔性シート30の加熱圧縮は、加熱プレス、加熱ロールもしくは他の加熱加圧部材を用いて行われる。
ステップS17において太糸群10を切断したのち、製造した多孔性シート30をロール状に巻回しているが、細糸群20も切断し、製造した多孔性シート30をシート状に積層していく形態でもよい。
[多孔性シート30の製造装置100の動作]
図7〜図12を参照して、多孔性シート30の製造装置100における第1加工ライン101の動作を概説する。
第1加工ライン101に関して、第1の移動筬51およびピンチ62の位置を次のように定義する。最も上流側に移動した位置を「第1の位置P11」といい、最も下流側に移動した位置を「第3の位置P13」といい、第1と第2のヒーター67、96と第3の位置P13との間に移動した位置を「第2の位置P12」という。
図7(A−S1)
ダンサーローラー44は下がっており、第1の移動筬51およびピンチ62は第1の位置P11に位置している。ピンチ62は太糸群10を押えている。他のピンチ61、63、64、65は押えを解除している。
図7(A−S2)
第1の移動筬51およびピンチ62は第1の位置P11から第3の位置P13まで移動し、太糸群10を第1の移動筬51および第1の固定筬52を通して引き出す。太糸群10を引っ張ると、下流側の回転ローラー45が従動回転し、ダンサーローラー44が上昇移動する。これによって、強すぎるテンションが作用することなく、太糸群10を引き出す。引き出して固定した太糸群10に応力が作用しないため、太糸群10にタルミや冷延伸などの不具合が生じることを防止できる。
図7(A−S3)
ピンチ65は太糸群10を押える。
図8(A−S4)
第3の位置P13のピンチ62は太糸群10の押えを解除する。
図8(A−S5)
第3の位置P13の第1の移動筬51およびピンチ62は第2の位置P12まで移動する。
図8(A−S6)
ピンチ64は太糸群10を押える。
図9(A−S7)
ダンサーローラー44を下降移動し、上流側の回転ローラー43を従動回転させる。これによって、第1のリール41から太糸群10を引き出す。ダンサーローラー44の下降に伴って、ダンサーローラー44からピンチ64までの間に存する太糸群10にテンションを作用し、太糸群10のたわみ等を除去する。
図9(A−S8)
ピンチ61は太糸群10を押える。
図9(A−S9)
第2の位置P12の第1の移動筬51およびピンチ62は第1の位置P11まで移動する。第1のヒーター67を下降して太糸群10を加熱し、太糸群10に予備加熱処理を施す。予備加熱処理によって、太糸群10は接合時における熱収縮の衝撃が緩和され、一本一本の太糸11の熱収縮にばらつきが生じることが抑えられる。
図10(A−S10)
第1のヒーター67を上昇し、第1の移動筬51は第1の位置P11と第2の位置P12との間を往復動する。第1の移動筬51によって太糸群を少なくとも1回走査することによって、太糸11は、分子間力や静電気等の作用が低減され、整糸される。
図10(A−S11)
第1の移動筬51およびピンチ62は第1の位置P11まで移動し、走査を終了する。
図10(A−S12)
ピンチ63は太糸群10を押える。
図11(A−S13)
第1の位置P11のピンチ62は太糸群10を押える。
図11(A−S14)
第2加工ライン102を第1加工ライン101に向けて上昇させ、太糸11と細糸21とが平面視において交差するように重ね合わせて接触させる。第2のヒーター96を上昇し、細糸21の鞘層22を加熱融解する。太糸群10と細糸群20とが融着する。
図11(A−S15)
第2のヒーター96を下降し、カッター66を太糸群10に向けて接近駆動し、非接合部分において太糸群10を切断する。
図12(A−S16)
カッター66を太糸群10から離反駆動し、太糸群10の搬送路を開放する。ダンサーローラー44によって付与していたテンションを低くする。
図12(A−S17)
ピンチ61、63、64、65は太糸群10の押えを解除する。第1の位置P11のピンチ62は、太糸群10の次の引き出しのために太糸群10を押えたままである。多孔性シート30は第2加工ライン102において巻き取る。
図13〜図16を参照して、多孔性シート30の製造装置100における第2加工ライン102の動作を概説する。
第2加工ライン102に関して、第2の移動筬81の位置を次のように定義する。最も上流側に移動した位置を「第1の位置P21」といい、最も下流側に移動した位置を「第3の位置P23」といい、第1と第2のヒーター67、96と第3の位置P23との間に移動した位置を「第2の位置P22」という。
図13(B−S1)
第2の移動筬81は第1の位置P21に位置する。ピンチ91、92、93、94は押えを解除する。
図13(B−S2)
巻取りリール95を回転駆動し、多孔性シート30が形成された細糸群20を巻取りリール95に巻き取り、第2のリール71から細糸群20を引き出す。
図13(B−S3)
ピンチ91は細糸群20を押える。
図14(B−S4)
第2の移動筬81は第1の位置P21から第3の位置P23まで移動する。
図14(B−S5)
ピンチ94は細糸群20を押える。
図14(B−S6)
第3の位置P23の第2の移動筬81は第2の位置P22まで移動する。
図15(B−S7)
ピンチ93は細糸群20を押える。
図15(B−S8)
第2の位置P22の第2の移動筬81は第1の位置P21まで移動する。第2の移動筬81によって細糸群20を少なくとも1回走査することによって、細糸21は、分子間力や静電気等の作用が低減され、整糸される。
図15(B−S9)
ピンチ92は細糸群20を押える。
図16(B−S10)
第2加工ライン102を第1加工ライン101に向けて上昇させ、太糸11と細糸21とが平面視において交差するように重ね合わせて接触させる。第1のヒーター67を下降し、第2のヒーター96を上昇し、細糸21の鞘層22を加熱融解する。太糸群10と細糸群20とが融着する。第1と第2のヒーター67、96によって太糸11と細糸21とを圧縮する。加熱しつつ圧縮することによって、太糸11と細糸21との接合がより確実なものとなる。
図16(B−S11)
ピンチ91、92、93、94は細糸群20の押えを解除する。
上述した多孔性シート30の製造方法、およびこの製造方法を具現化した多孔性シート30の製造装置100によれば、第1の移動筬51によって太糸群10を走査することによって分子間力や静電気等の作用を低減させて太糸11を整糸し、第2の移動筬81によって細糸群20を走査することによって分子間力や静電気等の作用を低減させて細糸21を整糸できる。その後、整糸した太糸群10と整糸した細糸群20とを熱融着によって接合して多孔性シート30を得ている。多孔性シート30は、太糸11と細糸21とが平面視において交差するが、太糸群10におけるすべての太糸11が細糸群20の両面のうち一方の面側にのみ存在して細糸21に接合されている。分子間力や静電気等の作用を低減させて太糸11および細糸21を均一に配置できる結果、均一な形状の開口を備える多孔性シート30を得ることができる。編み込んでいる通常の網にあっては、緯糸(たとえば、太糸)を1本ずつしか入れられない。これに対して、本実施形態にあっては、大量の太糸11および大量の細糸21を一度に供給することが可能となるので、編み込んでいる通常の網に比べて、生産性が大幅にアップする。このように、太糸11と細糸21とを編み込んでいないことから、編む作業が不要で連続生産の実現が容易となり、製造時間の短縮化を図ることができる。
[多孔性シート30を含む燃料電池]
本実施形態によれば、太糸11および細糸21を均一に配置することを通して均一な形状の開口を備えることができ、さらに、連続生産の実現が容易で、製造時間の短縮化を図りうる多孔性シート30の製造方法を提供することができる。したがって、均一な開口形状を備える多孔性シート30を、コスト的に有利に得ることができる。このような多孔性シート30を燃料電池に用いることによって、燃料電池において多孔性シート30を適用した部品の性能の向上を図ることができ、部品コストの低減を通して燃料電池全体のコストの低減を図ることができる。燃料電池において多孔性シート30を適用する部品として、燃料ガスや酸化剤ガスの供給ラインの途上に配置されるフィルタや、ガス拡散層の基材などを例示することができる。
[多孔性シート30をガス拡散層の基材として用いてなる燃料電池]
多孔性シート30を含む燃料電池の具体例として、多孔性シート30をガス拡散層の基材として用いてなる燃料電池について説明する。
図17(A)(B)は、燃料電池の基本構成を示す概略断面図、および分解斜視図である。
燃料電池200は、高分子電解質膜210を有し、高分子電解質膜210の一方の面には、カソード触媒層220cと、カソードガス拡散層230cと、導電性を備えガスを遮断するカソードセパレータ240cとが設けられている。高分子電解質膜210の他方の面には、アノード触媒層220aと、アノードガス拡散層230aと、導電性を備えガスを遮断するアノードセパレータ240aとが設けられている。ここで、高分子電解質膜210、アノード触媒層220a、アノードガス拡散層230a、カソード触媒層220c、カソードガス拡散層230cは、積層された状態で膜電極接合体(MEA)250を構成する。複数のMEA250をアノードセパレータ240aおよびカソードセパレータ240cを介して順次積層することによって、燃料電池スタックを構成する。なお、高分子電解質膜210、アノード触媒層220aおよびカソード触媒層220cが積層された状態を「CCM」とも称する。
セパレータ240a、240cの対向する二辺(長辺)の外周部には、流路開口部として、複数の燃料ガス流路開口部261、冷却水流路開口部262、および酸化ガス流路開口部263が設けられている(図17(B)を参照)。図示するMEA250の電極層において、ガスの流れる方向を短辺、ガスの流れる方向に対して直交する方向を長辺としたとき、アスペクト比RをR=短辺/長辺で定義すると、アスペクト比Rは1未満となる。低アスペクト比(Rが0.01以上1未満)のセパレータの場合、流路長が短くなるため、圧力損失が減少する。そのため、アスペクト比Rを小さくし、かつ、流路の高さを低くした場合でも、高アスペクト比(Rが1以上)のセパレータと同等の圧力損失を維持することができるとともに、セパレータ240a、240c自体の高さを低くすることができる。
カソードガス拡散層230cおよびアノードガス拡散層230aの基材として、上述したように製造される多孔性シート30を適用している。ガス拡散層230a、230cは導電性を備えることが必要であることから、樹脂繊維からなる多孔性シート30を被覆する導電性の表層材をコーティングしている。表層材としては、導電性を有する材料であれば特に制限されない。具体的には、金、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、銀、銅、鉄、チタン及びアルミニウム、ならびにこれらの合金等の金属;導電性の高分子材料、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の導電性炭素材料などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カソードガス拡散層230cの基材としての多孔性シート30は、細糸群20をカソード触媒層220cの側に位置させ、太糸群10をカソードセパレータ240c側に位置させて配置されている。細糸21の上に、複数の太糸11が平行に配置されている。太糸11と細糸21とは平面視において直交(90度)している。隣接する太糸11間の空間が、酸化剤ガスをカソード触媒層220cに供給するガス流路空間270cとなる。
アノードガス拡散層230aの基材として多孔性シート30は、細糸群20をアノード触媒層220aの側に位置させ、太糸群10をアノードセパレータ240a側に位置させて配置されている。細糸21の上に、複数の太糸11が平行に配置されている。太糸11と細糸21とは平面視において直交(90度)している。隣接する太糸11間の空間が、燃料ガスをアノード触媒層220aに供給するガス流路空間270aとなる。
このような構造によって、十分なガス流路空間を確保しつつガス流路の高さを低くでき、その結果、燃料電池単セルを薄くすることができ、燃料電池200を小型化できる。一般的にセパレータは金属板のプレス加工によって製造されるが、この方法では、加工に伴うセパレータのたわみ、微細加工に伴うセパレータの割れやひずみ硬化の問題がある。これに対して、ガス拡散層の基材として多孔性シート30を適用すると、平滑なセパレータを用いることができるため、上記の問題が生じない。さらに、ガス拡散層の基材として多孔性シート30を適用すると、触媒層220c、220aと太糸11との間に細糸21が配置されている。このため、厚み方向にも触媒層220c、220a全体にガスを供給でき、発電性能に優れる。燃料電池単セルを積層する際に作用する圧縮力に対しても、細糸21によって、太糸11が触媒層220c、220aの側にめり込むことを抑制ないし防止する。このため、良好なガス拡散性および圧損の低減が達成できる。さらに、触媒層220c、220aとセパレータ240c、240aとの間の導電性は、導電性の表層材をコーティングした太糸11および細糸21を介して十分に確保できる。
よって、ガス拡散層230c、230aの基材として多孔性シート30を適用することによって、十分なガス拡散性および導電性を確保しつつ、燃料電池200の薄層化を図ることができる。さらに、多孔性シート30を安価に製造できることから、部品としてのガス拡散層基材のコストを低減でき、これを通して燃料電池200全体のコストの低減を図ることができる。
太糸11の直径(D1)は、十分量のガス(燃料ガスや酸化剤ガス)を触媒層220c、220aに供給でき、かつ、燃料電池200の小型化を達成できる観点などから適宜選択される。たとえば、太糸11の直径(D1)は、10〜300μmが好ましく、50〜200μmがより好ましく、100〜150μmが特に好ましい。隣接する太糸11のピッチ(P1)は、太糸11の直径、十分量のガスを触媒層220c、220aに供給できる観点などから適宜選択される。たとえば、太糸11のピッチ(P1)は、20〜600μmが好ましく、100〜400μmがより好ましく、200〜300μmが特に好ましい。
細糸21の直径は、特に制限されないが、太糸11が触媒層220c、220aの側にめり込むことを抑制ないし防止する機能を発揮しうる観点から適宜選択される。たとえば、細糸21の直径は、300μm以下であることが好ましく、5〜200μmであることがより好ましく、10〜100μmであることが特に好ましい。隣接する細糸21のピッチ(P2)は、太糸11のピッチ(P1)より小さい(P2<P1)ことが好ましい。この場合には、細糸21は、小さなピッチで(密に)平行に配置されるため、触媒層で発生した電気を効率よくセパレータ側に伝えることができる。一方、太糸11は、ある程度のピッチで平行に配置されるため、セパレータ側からのガスの良好な流れを確保できる。具体的には、太糸11のピッチ(P1)に対する細糸21のピッチ(P2)の割合(P2/P1)は、好ましくは0.1〜0.8であり、より好ましくは0.2〜0.6である。
なお、太糸11や細糸21の断面形状は円形に限られず、楕円形、円形、不定形、矩形、三角形などであってもよい。
太糸11の材質として、ステンレスやチタンなどの金属とすることもできる。電気抵抗のさらなる低減を図ることができるからである。
[燃料電池200を搭載した車両]
図18(A)(B)には、燃料電池200を搭載した車両の一例を示す。図18(A)に示す車両18は、燃料電池200をエンジンルームに搭載している。図18(B)に示す車両18は、燃料電池200をフロア下に搭載している。車両300は、多孔性シート30を含む燃料電池200を備えるため、車載性、生産性、およびコストに優れた車両となる。
[本実施形態の効果]
以上説明したように、上述した多孔性シート30の製造方法、および製造装置100によれば、第1の移動筬51によって太糸群10を走査することによって分子間力や静電気等の作用を低減させて太糸11を整糸し、第2の移動筬81によって細糸群20を走査することによって分子間力や静電気等の作用を低減させて細糸21を整糸できる。その後、整糸した太糸群10と整糸した細糸群20とを熱融着によって接合して多孔性シート30を得ている。多孔性シート30は、太糸11と細糸21とが平面視において交差するが、太糸群10におけるすべての太糸11が細糸群20の両面のうち一方の面側にのみ存在して細糸21に接合されている。分子間力や静電気等の作用を低減させて太糸11および細糸21を均一に配置できる結果、均一な形状の開口を備える多孔性シート30を得ることができる。さらに、太糸11と細糸21とを編み込んでいないことから、編む作業が不要で連続生産の実現が容易となり、製造時間の短縮化を図ることができる。
好ましくは、固定した太糸群10を第1の移動筬51によって走査するときに、太糸群10の上面または下面を同じ平面に揃えるために第1の移動筬51と共に移動する平面化部材55を、第1の移動筬51の前もしくは後、かつ、太糸群10の上部もしくは下部に備える。そして、固定した太糸群10を第1の移動筬51によって走査するときに、第1の移動筬51と共に移動する平面化部材55によって太糸群10の上面または下面を同じ平面に揃える。太糸群10の上面または下面が同じ平面に揃い、良好な平面からなる太糸群10を構成することができる。
好ましくは、好ましくは、固定した細糸群20を第2の移動筬81によって走査するときに、細糸群20の上面または下面を同じ平面に揃えるために第2の移動筬81と共に移動する平面化部材85を、第2の移動筬81の前もしくは後、かつ、細糸群20の上部もしくは下部に備える。そして、固定した細糸群20を第2の移動筬81によって走査するときに、第2の移動筬81と共に移動する平面化部材85によって細糸群20の上面または下面を同じ平面に揃える。細糸群20の上面または下面が同じ平面に揃い、良好な平面からなる細糸群20を構成することができる。
好ましくは、平面化部材55、85が、線材群に接触して線材群を押す接触部材(ローらー56、86)、線材群に接触することなく線材群を押す非接触部材の少なくとも一方を備える。そして、平面化部材55、85が線材群に接触して線材群を押すこと、および平面化部材55、85が線材群に接触することなく線材群を押すことの少なくとも一方を行う。過度の摩擦力の発生や線材の切断等の不具合を防ぎつつ線材群を押し込んで、当該線材群の上面または下面を同じ平面に揃えることができる。
好ましくは、固定した太糸群10を第1の移動筬51によって走査する前に、太糸群10に予備加熱処理を施してもよい。予備加熱処理によって、太糸群10は接合時における熱収縮の衝撃が緩和され、一本一本の太糸11の熱収縮にばらつきが生じることが抑えられる。
好ましくは、固定した細糸群20を第2の移動筬81によって走査する前に、細糸群20に予備加熱処理を施してもよい。予備加熱処理によって、細糸群20は接合時における熱収縮の衝撃が緩和され、一本一本の細糸21の熱収縮にばらつきが生じることが抑えられる。
太糸群10を第1のリール41に巻回して準備し、太糸群10を第1のリール41から引き出すときに、太糸群10に作用するテンションを調整して、すなわち強すぎるテンションが作用することなく引き出して固定している。引き出して固定した太糸群10に応力が作用しないため、太糸群10にタルミや冷延伸などの不具合が生じることを防止できる。
太糸群10と細糸群20とを接合するとき、太糸11と細糸21とを加熱しつつ圧縮している。加熱圧縮することによって、太糸11と細糸21との接合がより確実なものとなる。
細糸21を形成する樹脂繊維がポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンのいずれかからなる。これらの材料は、安価でかつ機械特性に優れるために種々の材料として幅広い分野で使用されており、多孔性シート30を安価に製造でき、所望の機械特性を多孔性シート30に付与することができる。
本実施形態に係る燃料電池200は、上述のように製造した多孔性シート30を含んでいるため、多孔性シート30を適用した部品の性能の向上を図ることができ、部品コストの低減を通して燃料電池200全体のコストの低減を図ることができる。
ガス拡散層230c、230aの基材として多孔性シート30を適用することによって、十分なガス拡散性を確保しつつ、燃料電池200の薄層化を図ることができる。さらに、多孔性シート30を安価に製造できることから、部品としてのガス拡散層基材のコストを低減でき、これを通して燃料電池200全体のコストの低減を図ることができる。
本実施形態に係る車両300は、上述のように製造した多孔性シート30を含む燃料電池200を備えるため、車載性、生産性、およびコストに優れた車両となる。
(変形例)
第1の線材11の材質と、芯鞘構造を有する第2の線材21の材質との組み合わせは、ともに樹脂繊維から形成する場合に限定されるものではない。第1の線材11を樹脂繊維から形成し、第2の線材21を金属から形成する組み合わせ、第1の線材11を金属から形成し、第2の線材21を樹脂繊維から形成する組み合わせ、あるいは第1と第2の線材11、21をともに金属から形成する組み合わせとすることができる。
第1の線材11が第2の線材21に比べて太く、第1の線材11のピッチが第2の線材21のピッチよりも広い例に限定されるものではない。第1の線材11が第2の線材21に比べて細くてもよいし、同じ太さでもよい。ピッチについても同様に、第1の線材11のピッチが第2の線材21のピッチよりも狭くてもよいし、同じピッチでもよい。
第1の線材群10を切断する側(横出し側)とし、第2の線材群20を巻き取る側とする搬送形態に限定されるものではない。これとは逆に、第1の線材群10を巻き取る側とし、第2の線材群20を切断する側(横出し側)としてもよい。
さらに、上述した材質−径・ピッチ−搬送形態を相互に組み合わせた改変例とすることができる。
第2加工ライン102にもダンサーローラーを組み込み、強すぎるテンションが作用することなく、細糸群20を引き出すようにしてもよい。引き出して固定した細糸群20に応力が作用しないため、細糸群20にタルミや冷延伸などの不具合が生じることを防止できる。
多孔性シート30をガス拡散層230c、230aの基材に適用した例を示したが、本発明はこの場合に限定されるものではない。編み込んで製造していた従来の多孔性シートに広く適用することができる。たとえば、フィルタの基材として用いる多孔性シートに適用することができる。
太糸群10を切断した後に、太糸11と細糸21とを加熱しつつ圧縮してもよい。切断後においてさらに加熱圧縮することによって、太糸11と細糸21との接合がより確実なものとなる。
2本の線材11、21から多孔性シート30を形成する例を示したが、本発明は、3本以上の線材から多孔性シート30を形成する場合にも適用可能である。隣り合って重なる2本の線材に着目し、一方の線材と他方の線材とが平面視において交差するが、一方の線材群におけるすべての一方の線材が他方の線材群の両面のうち一方の面側にのみ存在して他方の線材に接合されている限りにおいて適用可能である。
10 太糸群(第1の線材群)、
11 太糸(第1の線材)、
20 細糸群(第2の線材群)、
21 細糸(第2の線材)、
22 鞘層、
23 芯層、
30 多孔性シート、
41 第1のリール(第1の供給部)、
42 ガイドローラー、
43、45 駆動ローラー、
44 ダンサーローラー、
51 第1の移動筬(第1の筬)、
51a スリット、
52 第1の固定筬、
52a スリット、
55 平面化部材、
56 平面化部材としてのローラー(接触部材)、
61、62、63、64、65 ピンチ(第1の固定部)、
66 カッター(切断部)、
67 第1のヒーター(接合部)、
68 加圧機構(接合部)、
71 第2のリール(第2の供給部)、
72 ガイドローラー、
81 第2の移動筬(第2の筬)、
81a スリット、
82 第2の固定筬、
82a スリット、
85 平面化部材、
86 平面化部材としてのローラー(接触部材)、
91、92、93、94 ピンチ(第2の固定部)、
95 巻取りリール、
96 第2のヒーター(接合部)、
97 加圧機構(接合部)、
99 巻取り基準ローラー、
100 多孔性シートの製造装置、
101 第1加工ライン、
102 第2加工ライン、
200 燃料電池、
210 高分子電解質膜、
220c、220a 触媒層、
230c、230a ガス拡散層、
240c、240a セパレータ、
250 膜電極接合体(MEA)、
300 車両。

Claims (15)

  1. 並べて配置した一組の第1の線材からなる第1の線材群を準備し、
    並べて配置した一組の第2の線材からなる第2の線材群であって、前記第2の線材が芯鞘構造を有し、かつ、鞘層が芯層よりも低い融点を有する前記第2の線材群を準備し、
    前記第1の線材群を少なくとも1つの第1の筬を通して引き出して固定し、
    前記第1の筬によって前記第1の線材群を少なくとも1回走査し、
    前記第2の線材群を少なくとも1つの第2の筬を通して引き出し、前記第1の線材群と接触させることなく固定し、
    前記第2の筬によって前記第2の線材群を少なくとも1回走査し、
    前記第1の線材群のうち前記第1の筬によって走査した領域と、前記第2の線材群のうち前記第2の筬によって走査した領域とを、前記第1の線材と前記第2の線材とが平面視において交差するように重ね合わせて接触させ、
    前記第2の線材の前記鞘層を加熱融解した後に冷却固化することによって前記第1の線材群と前記第2の線材群とを接合し、
    前記第1の線材群と前記第2の線材群とが接合していない非接合部分において前記第1の線材群および前記第2の線材群の少なくとも一方を切断し、前記第1の線材と前記第2の線材とが平面視において交差するが、前記第1の線材群におけるすべての前記第1の線材が前記第2の線材群の両面のうち一方の面側にのみ存在して前記第2の線材に接合されてなる多孔性シートを得る、多孔性シートの製造方法。
  2. 固定した前記第1の線材群を前記第1の筬によって走査するときに、前記第1の筬と共に移動する平面化部材によって前記第1の線材群の上面または下面を同じ平面に揃える、請求項1に記載の多孔性シートの製造方法。
  3. 固定した前記第2の線材群を前記第2の筬によって走査するときに、前記第2の筬と共に移動する平面化部材によって前記第2の線材群の上面または下面を同じ平面に揃える、請求項1または請求項2に記載の多孔性シートの製造方法。
  4. 前記平面化部材が線材群に接触して線材群を押すこと、および前記平面化部材が線材群に接触することなく線材群を押すことの少なくとも一方を行う、請求項2または請求項3に記載の多孔性シートの製造方法。
  5. 固定した前記第1の線材群を前記第1の筬によって走査する前に、前記第1の線材群に予備加熱処理を施す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔性シートの製造方法。
  6. 固定した前記第2の線材群を前記第2の筬によって走査する前に、前記第2の線材群に予備加熱処理を施す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多孔性シートの製造方法。
  7. 前記第1の線材群を第1のリールに巻回して準備し、
    前記第1の線材群を前記第1のリールから引き出すときに、前記第1の線材群に作用するテンションを調整して引き出して固定する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多孔性シートの製造方法。
  8. 前記第2の線材群を第2のリールに巻回して準備し、
    前記第2の線材群を前記第2のリールから引き出すときに、前記第2の線材群に作用するテンションを除去しながら引き出して固定する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の多孔性シートの製造方法。
  9. 前記第1の線材群と前記第2の線材群とを接合するとき、前記第1の線材と前記第2の線材とを加熱しつつ圧縮する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多孔性シートの製造方法。
  10. 前記第1の線材群および前記第2の線材群の少なくとも一方を切断した後に、前記第1の線材と前記第2の線材とを加熱しつつ圧縮する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の多孔性シートの製造方法。
  11. 前記第2の線材を形成する材料がポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンのいずれかの樹脂繊維からなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の多孔性シートの製造方法。
  12. 並べて配置した一組の第1の線材からなる第1の線材群を供給する第1の供給部と、
    並べて配置した一組の第2の線材からなる第2の線材群であって、前記第2の線材が芯鞘構造を有し、かつ、鞘層が芯層よりも低い融点を有する前記第2の線材群を供給する第2の供給部と、
    前記第1の線材群を引き出して固定自在な第1の固定部と、
    前記第2の線材群を引き出して前記第1の線材群と接触させることなく固定自在な第2の固定部と、
    前記第1の固定部に固定された前記第1の線材群に走査自在に通された少なくとも1つの第1の筬と、
    前記第2の固定部に固定された前記第2の線材群に走査自在に通された少なくとも1つの第2の筬と、
    前記第1の線材群のうち前記第1の筬によって走査した領域と、前記第2の線材群のうち前記第2の筬によって走査した領域とを、前記第1の線材と前記第2の線材とが平面視において交差するように重ね合わせて接触させ、前記第2の線材の前記鞘層を加熱融解して前記第1の線材群と前記第2の線材群とを接合する接合部と、
    前記第1の線材群と前記第2の線材群とが接合していない非接合部分において前記第1の線材群および前記第2の線材群の少なくとも一方を切断する設段部と、を有し、
    前記第1の線材と前記第2の線材とが平面視において交差するが、前記第1の線材群におけるすべての前記第1の線材が前記第2の線材群の両面のうち一方の面側にのみ存在して前記第2の線材に接合されてなる多孔性シートを得る、多孔性シートの製造装置。
  13. 固定した前記第1の線材群を前記第1の筬によって走査するときに、前記第1の線材群の上面または下面を同じ平面に揃えるために前記第1の筬と共に移動する平面化部材を、前記第1の筬の前もしくは後、かつ、前記第1の線材群の上部もしくは下部に備える、請求項12に記載の多孔性シートの製造装置。
  14. 固定した前記第2の線材群を前記第2の筬によって走査するときに、前記第2の線材群の上面または下面を同じ平面に揃えるために前記第2の筬と共に移動する平面化部材を、前記第2の筬の前もしくは後、かつ、前記第2の線材群の上部もしくは下部に備える、請求項12または請求項13に記載の多孔性シートの製造装置。
  15. 前記平面化部材が、線材群に接触して線材群を押す接触部材、線材群に接触することなく線材群を押す非接触部材の少なくとも一方を備える、請求項13または請求項14に記載の多孔性シートの製造装置。
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