JP6608560B1 - 価値交換媒体の単位交換価値を制御するためのシステム、プログラム、情報処理装置、及び方法 - Google Patents

価値交換媒体の単位交換価値を制御するためのシステム、プログラム、情報処理装置、及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】価値尺度機能の基礎となる価値交換媒体の単位あたりに含まれる価値(例えば、経済価値、交換価値、購買力等)の大きさ(単位交換価値)を制御することの可能な価値交換媒体を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係るシステムは、ユーザ識別情報に紐付けられ得る第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体が流通する、互いに通信可能に接続された複数の情報処理装置を含むシステムであって、第1価値交換媒体と第2価値交換媒体とは、複数のユーザ識別情報の間で交換可能であって、第1価値交換媒体は、複数のユーザ識別情報の間の移転の対価として第1価値交換媒体を受けない設定がされた第1経済価値を取得する情報処理装置の動作情報に基づいて発行され、第2価値交換媒体は、第1価値交換媒体と第2価値交換媒体との間の交換率の相場に応じて増加又は減少する。【選択図】図1

Description

本発明は、価値交換媒体の単位交換価値を制御するためのシステム、プログラム、情報処理装置、及び方法に関する。
人々が生産活動、消費活動、及びコミュニティー活動を行いながら生活する社会では、ICT(Information Communication Technology)の進歩により、有償、無償を問わず、多種多様な「価値」が時間(時代)や場所(国家)を超えて容易に流通するようになった。人類の歴史において、経済はもとより我々の社会は、「価値」が人々の間で効果的に移転することによって形作られてきた。このような「価値」を人々の間で効果的に流通させるための手段として、我々は「通貨」を進化させてきた。例えば、これまで長い間、主要な「通貨」として、国家や、国家によって信認された機関が発行する法定通貨が広く用いられてきた。また最近では、ブロックチェーン技術を活用した仮想通貨が利用され始めている。
このような「通貨」は、基本機能の一つとして、モノやサービスの交換価値の客観的な尺度となる機能、すなわち価値尺度機能を有すると言われている。この点、例えば、特許文献1には、仮想通貨と法定通貨との間の交換率を固定する技術が記載されている。
特許第6352463号明細書
しかしながら、仮想通貨システムを含め現在人々に用いられている様々な通貨システムにおいては、価値尺度機能の基礎となる通貨の単位あたりに含まれる価値(例えば、経済価値、交換価値、購買力等)の大きさ(単位交換価値)の変動(例えば、時間的変動、地理的変動等)を制御する仕組みが内在されていない。そのため、通貨価値の急激な変動等の様々な弊害が生じている。
そこで、本発明は、価値尺度機能の基礎となる価値交換媒体の単位あたりに含まれる価値(例えば、経済価値、交換価値、購買力等)の大きさ(単位交換価値)を制御することの可能な価値交換媒体を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るシステムは、ユーザ識別情報に紐付けられ得る第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体が流通する、互いに通信可能に接続された複数の情報処理装置を含むシステムであって、第1価値交換媒体と第2価値交換媒体とは、複数のユーザ識別情報の間で交換可能であって、第1価値交換媒体は、複数のユーザ識別情報の間の移転の対価として第1価値交換媒体を受けない設定がされた第1経済価値を取得する情報処理装置の動作情報に基づいて発行され、第2価値交換媒体は、第1価値交換媒体と第2価値交換媒体との間の交換率の相場に応じて増加又は減少する。
この態様によれば、無償で提供及び取得される価値の評価度量に基づいて発行される第1価値交換媒体の単位交換価値に均衡させて第2価値交換媒体の単位交換価値の変動を制御することが可能となる。これにより、第2価値交換媒体の単位交換価値の変動を抑制し、当該単位交換価値を安定化させることが可能となる。
本発明の一態様に係る方法は、ユーザ識別情報に紐付けて第1台帳に記録される第1価値交換媒体及びユーザ識別情報に紐付けて第2台帳に記録される第2価値交換媒体の交換を管理するためのコンピュータに実行させる方法であって、第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体は複数のユーザ識別情報の間で任意に交換可能であって、第1価値交換媒体は、複数のユーザ識別情報の間を移転した無償交換価値に対する評価に基づいて発行され、第2価値交換媒体は、ユーザが希望する第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の間の交換率である希望交換率の相場である相場交換率が、目標となる第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の間の交換率である目標交換率から所定割合だけ変動した場合に、変動した分の少なくとも一部を相殺するように所定数量だけ変動し、プログラムは、コンピュータに、第1価値交換媒体を第1希望交換率で第2価値交換媒体に交換するための第1交換要求を受け付けるステップと、第2価値交換媒体を第2希望交換率で第1価値交換媒体に交換するための第2交換要求を受け付けるステップと、第1価値交換媒体を相場交換率で第2価値交換媒体に交換するための第1相場交換要求を生成するステップと、第2価値交換媒体を相場交換率で第1価値交換媒体に交換するための第2相場交換要求を生成するステップと、第1相場交換要求と、所定の第1約定条件を満たす第2交換要求との間の第1約定処理を実行するステップと、第2相場交換要求と、所定の第2約定条件を満たす第1交換要求との間の第2約定処理を実行するステップと、を実行させる。
この態様によれば、無償で提供及び取得される価値の評価度量に基づいて発行される第1価値交換媒体の単位交換価値に均衡させて第2価値交換媒体の単位交換価値の変動を制御することが可能となる。これにより、第2価値交換媒体の単位交換価値の変動を抑制し、当該単位交換価値を安定化させることが可能となる。
本発明の一態様に係る方法は、ユーザ識別情報に紐付けて第1台帳に記録される第1価値交換媒体及びユーザ識別情報に紐付けて第2台帳に記録される第2価値交換媒体が流通するネットワークのノードであるコンピュータに、ユーザが希望する第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の間の交換率である希望交換率の相場である相場交換率を取得するステップと、相場交換率に係る所定の増加条件が満たされるか否かを判定するステップと、所定の増加条件が満たされると判定された場合、第2台帳を更新するための第2更新情報であって、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた第2価値交換媒体を所定の増加数量だけ増加させる第2更新情報を生成する増加実行ステップと、を実行させる。
この態様によれば、第1価値交換媒体の単位交換価値に均衡させて第2価値交換媒体の単位交換価値の変動を制御することが可能となる。これにより、第2価値交換媒体の単位交換価値の変動を抑制し、当該単位交換価値を安定化させることが可能となる。
本発明の一態様に係る方法は、ユーザ識別情報に紐付けて第1台帳に記録される第1価値交換媒体及びユーザ識別情報に紐付けて第2台帳に記録される第2価値交換媒体が流通するネットワークのノードであるコンピュータに、ユーザが希望する第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の間の交換率である希望交換率の相場である相場交換率を取得するステップと、相場交換率に係る所定の減少条件が満たされるか否かを判定するステップと、所定の減少条件が満たされると判定された場合、第2台帳を更新するための第2更新情報であって、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた第2価値交換媒体を所定の減少数量だけ減少させる第2更新情報を生成する減少実行ステップと、を実行させる。
この態様によれば、第1価値交換媒体の単位交換価値に均衡させて第2価値交換媒体の単位交換価値の変動を制御することが可能となる。これにより、第2価値交換媒体の単位交換価値の変動を抑制し、当該単位交換価値を安定化させることが可能となる。
本発明の一態様に係る方法は、ユーザ識別情報に紐付けて第1台帳に記録される第1価値交換媒体が流通するネットワークのノードであるコンピュータに、複数のユーザ識別情報の間の移転の対価として第1価値交換媒体を受けない設定がされた第1経済価値を取得するノードの動作情報に基づいた第1所定数量の第1価値交換媒体を発行するステップと、ネットワークから生成される第2経済価値を取り出す行為に基づいた第2所定数量の第1価値交換媒体を消却するステップと、を実行させる方法であって、第1所定数量は、第2所定数量に基づいて決定される。
この態様によれば、無償で提供及び取得される価値の評価度量と、有償で取得される価値の消費度量とに基づいて発行及び消却される第1価値交換媒体の単位交換価値の変動を制御することが可能となる。これにより、第1価値交換媒体の単位交換価値を任意に変動させることが可能となる。
本発明の一態様に係る方法は、ユーザ識別情報に紐付けて第1台帳に記録される第1価値交換媒体が流通するネットワークのノードであるコンピュータに、複数のユーザ識別情報の間の移転の対価として第1価値交換媒体を受けない設定がされた第1経済価値を取得するステップと、第1経済価値を取得するステップにおける動作情報を、第1台帳を管理する情報処理装置に送信するステップと、第1経済価値を取得するステップに関連付けて、ネットワークから生成される第2経済価値を第1価値交換媒体の消費を伴い取り出す行為を他の情報処理装置から受け付けるステップと、を実行させる。
この態様によれば、無償で提供及び取得される価値の評価の大きさを定量化することが可能となり、また当該定量化された評価に有償で取得される価値の消費度量を本位させることが可能となる。これにより制御可能な経済価値としての評価に本位させた第1価値交換媒体を発行することが可能となる。
本発明によれば、価値尺度機能の基礎となる価値交換媒体の単位あたりに含まれる価値(例えば、経済価値、交換価値、購買力等)の大きさ(単位交換価値)を制御することの可能な価値交換媒体を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る価値交換媒体流通システム1の概要を説明するための図である。 各経済活動、価値、及び価値交換媒体等の相互の関係の一例を説明するための概念図である。 第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の機能の一例を説明するための図である。 価値交換媒体流通システム1の構成の一例を示す図である。 サーバ10及びユーザ端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。 サーバ10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 アカウント情報テーブルの一例を示す図である。 検索履歴テーブルの一例を示す図である。 価値テーブルの一例を示す図である。 第2経済活動実行要求テーブルの一例を示す図である。 ブロックテーブルの一例を示す図である。 第1経済活動基礎点数テーブルの一例を示す図である。 第2経済活動基礎価格テーブルの一例を示す図である。 第2経済活動テーブルの一例を示す図である。 第1評価テーブルの一例を示す図である。 評価購買力倍率テーブルの一例を示す図である。 交換要求テーブルの一例を示す図である。 債務発行テーブルの一例を示す図である。 第3経済活動テーブルの一例を示す図である。 第1台帳の一例を示す図である。 第2評価テーブルの一例を示す図である。 第2台帳の一例を示す図である。 第2台帳の他の一例を示す図である。 信用発行テーブルの一例を示す図である。 ユーザ端末20の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 有償交換価値の登録処理の動作シーケンスの一例を示す図である。 有償交換価値登録情報入力画面300A−1の一例を示す図である。 無償交換価値の登録処理の動作シーケンスの一例を示す図である。 無償交換価値登録情報入力画面300A−2の一例を示す図である。 無償交換価値の提供及び取得処理の動作シーケンスの一例を示す図である。 評価購買力倍率の算出処理の動作フローの一例を示す図である。 評価発行処理の動作シーケンスの一例を示す図である。 発行情報を表示するための発行情報表示画面300Bの一例を示す図である。 第1価値交換媒体の送金処理の動作シーケンスの一例を示す図である。 送金指示入力画面300Cの一例を示す図である。 送金通知画面300Dの一例を示す図である。 有償交換価値の利用に伴う決済(第3経済活動)の処理の動作シーケンスの一例を示す図である。 利用情報表示画面300Eの一例を示す図である。 価値交換媒体流通システム1において、第2経済活動が行われる場合の処理の一例について説明するための図である。 第3経済活動購買力参照表の一例を示す図である。 信用発行の処理に係る動作シーケンスの一例を示す概略図である。 交換要求の送信及び登録の処理に係る動作シーケンスの一例を示す図である。 ウォレット管理アプリX1において表示される第1交換要求の入力画面500Aの一例を示す図である。 ウォレット管理アプリX2において表示される第2交換要求の入力画面500Bの一例を示す図である。 交換要求について説明するための図である。 第2価値交換媒体の増加処理の動作フローの一例を示す図である。 増加処理時の希望交換率の修正処理の動作フローの一例を示す図である。 第2希望交換率の修正の制限処理の動作フローの一例を示す図である。 第2価値交換媒体の減少処理の動作フローの一例を示す図である。 減少処理時の希望交換率の修正処理の動作フローの一例を示す図である。 第1希望交換率の修正の制限処理の動作フローの一例を示す図である。
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。(なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
本実施形態では、「価値交換媒体の単位あたりに含まれる価値(例えば、経済価値、交換価値、購買力等)の大きさ」を、「単位交換価値」と称する場合がある。なお、「価値交換媒体の単位あたりに含まれる価値(例えば、経済価値、交換価値、購買力等)の大きさ」、すなわち「単位交換価値」は、「価値尺度基準」、「単位経済価値」、「単位購買力」、「通貨価値」、「価格の度量標準」、「信用の計算単位」、又は「価値の度量衡」等と称され得る。
(1)概要
(1−1)構成
図1は、本発明の一実施形態に係る価値交換媒体流通システム1の概要を説明するための図である。
価値交換媒体流通システム1は、例えば、インターネット等の通信ネットワークNを介して互いに情報を送受信可能に接続されたサーバ10と、ユーザ端末20とを含んで構成される。サーバ10は例えばシステム管理者が、ユーザ端末20は例えばユーザが、それぞれ利用する情報処理装置である。価値交換媒体流通システム1は、例えば、サーバ10及びユーザ端末20等をノードとするネットワークを構成し得るところ、当該ネットワークは、サーバ・クライアントモデルとしての側面と、ブロックチェーン・ネットワークとしての側面とを有し得る。本実施形態では、価値交換媒体流通システム1は、例えば、第1価値交換媒体が流通するネットワークとしての側面からは、「第1ネットワーク」と称され得る。本実施形態では、価値交換媒体流通システム1は、例えば、第2価値交換媒体が流通するネットワークとしての側面からは、「第2ネットワーク」と称され得る。
価値交換媒体流通システム1は、人間の社会的活動欲求(共同体の一部を構成するための機能に含まれる力)を源泉として他者に提供される「価値」を経済価値の観点から相対評価として定量化し、時代や国家に翻弄されない「時間的・場所的変動が抑制された価値尺度機能」及び「価値保蔵機能」を有する流通速度の速い「価値交換媒体」を単位交換価値が制御可能な状態で生成し、これをノード間で流通させる。価値交換媒体流通システム1においては、第1価値交換媒体と、第2価値交換媒体との、2種類の価値交換媒体が、サーバ10及びユーザ端末20の間を流通し得る。
ユーザは、例えば、ユーザ端末20にインストールされたアプリケーションソフトウェアである後述するウォレット管理アプリXを介して、自身のユーザIDに紐付けられた第1価値交換媒体、及び第2価値交換媒体それぞれを管理することができる。
本実施形態では、第1価値交換媒体の名称乃至単位を「ACT」と、第2価値交換媒体の名称乃至単位を「EST」と称する場合がある。本実施形態では、第1価値交換媒体を第2価値交換媒体に交換することを「第1交換」と称し、第2価値交換媒体を第1価値交換媒体に交換することを「第2交換」と称する場合がある。本実施形態では、ユーザ端末20がサーバ10に送信する第1交換の要求を「第1交換要求」と称し、ユーザ端末20がサーバ10に送信する第2交換の要求を「第2交換要求」と称する場合がある。
本実施形態では、特に断りの無い限り、「交換率」、「希望交換率」、「第1希望交換率」、「第2希望交換率」、「相場交換率」、「第1相場交換率」、「第2相場交換率」、「目標交換率」、「第1目標交換率」、及び「第2目標交換率」等を、第2価値交換媒体の交換数量に対する第1価値交換媒体の交換数量の比「第1価値交換媒体の交換数量/第2価値交換媒体の交換数量」(すなわち、第1価値交換媒体の単位交換価値に対する第2価値交換媒体の単位交換価値の比「第2価値交換媒体の単位交換価値/第1価値交換媒体の単位交換価値」)として表すものとする。しかしながら、これは、「交換率」、「希望交換率」、「第1希望交換率」、「第2希望交換率」、「相場交換率」、「第1相場交換率」、「第2相場交換率」、「目標交換率」、「第1目標交換率」、及び「第2目標交換率」等を、第1価値交換媒体の交換数量に対する第2価値交換媒体の交換数量の比「第2価値交換媒体の交換数量/第1価値交換媒体の交換数量」(すなわち、第2価値交換媒体の単位交換価値に対する第1価値交換媒体の単位交換価値の比「第1価値交換媒体の単位交換価値/第2価値交換媒体の単位交換価値」)として表すことが、本実施形態から排除されることを意味するものではない。
(1−2)第1価値交換媒体
価値交換媒体流通システム1では、第1価値交換媒体が流通し得る。第1価値交換媒体は、例えば、サーバ10が有する、後述する所定の評価発行アルゴリズムにより、複数のユーザ端末20間において無償で移転された価値の評価に基づいて新規に発行(以下、「評価発行」と称する場合がある。)され得る。第1価値交換媒体は、例えば、ユーザ端末20とサーバ10との間で行われる後述する第2経済活動における価値の取得による第1価値交換媒体の消費に基づきサーバ10により消却(消費消却)され得る。第1価値交換媒体は、例えば、ユーザ端末20とサーバ10との間で行われる第2交換に基づいて新規に発行(以下、「債務発行」と称する場合がある)され得る。換言すると、債務発行は、サーバ10がユーザ端末20から第2価値交換媒体を預かり、実質的な預かり証として第1価値交換媒体を新規に発行する行為とも言える。また、換言すると、債務発行は、発行元(サーバ10)としては、発行先(ユーザ端末20)に対して第1価値交換媒体の数量によって経済価値の大きさが表される「債務」(後述するように、交換によりユーザに対して第2価値交換媒体を提供する義務)が生じ、発行先としては、発行元に対して第1価値交換媒体の数量によって経済価値の大きさが表される「債権」(後述するように、交換によりサーバから第2価値交換媒体を取得する権利)が生じると言える。第1価値交換媒体は、例えば、ユーザ端末20とサーバ10との間で行われる第1交換による、債務発行分のサーバ10による相殺購入に基づいて消却(相殺消却)され得る。第1価値交換媒体は、例えば、取得されてから所定の期間が経過した場合に消却(時限消却)され得る。第1価値交換媒体は、例えば、サーバ10が記憶する第1台帳に発行数量がユーザIDに紐付けて記録され得る。本実施形態において、第1台帳が構成される態様は特に限定されない。第1台帳は、例えば、サーバ10、又は任意のユーザ端末20等によって管理される集中型台帳であってもよい。第1台帳は、例えば、サーバ10、及びユーザ端末20それぞれが記憶するブロックチェーン等によって構成される分散型台帳であってよい。本実施形態において、「第1台帳の更新」とは、第1台帳の構成の態様に応じて規定され得る更新のための任意の処理を含んでもよく、第1台帳を直接的に更新する処理の他、第1台帳の更新権限のある情報処理装置に対して更新の要求を送信する処理を含んでもよい。
(1−2−1)価値及び経済活動
(1−2−1−1)価値
本実施形態における「価値」は、人間が社会生活を営む中で行う任意の行動(社会的活動)に関連して、複数の情報処理装置間で送受信可能な形式で表現される任意の情報を含んでもよい。換言すれば、「価値」は、例えば、人間の社会的活動においてユーザ(個人や法人等)間でやり取りされる便益を含んでもよいといえる。また、「価値」は、例えば、ユーザ(個人や法人等)間でやり取りされる物品(モノ)、役務(サービス)、又は契約行為等の何らかの相互作用を及ぼすもの(一方に(心理的)債権、及び他方に(心理的)債務を生じさせる行為を含む)に関する情報であって、従来の社会において必ずしも評価や定量化がなされてこなかったものを含んでもよい。また、価値は、例えば、言語(文字)データ、動画データ、画像データ、音声データ、設計図面データ、作品データ、有益情報データ等のコンテンツを含んでもよい。
本実施形態において、価値は、「有償交換価値」と「無償交換価値」とを含んでもよく、「有償交換価値」は、「有償消費価値」を含んでもよい。本実施形態において、「有償」とは、ユーザ端末20によって行われる経済活動において第1価値交換媒体、又は第2価値交換媒体を対価として必要とすることを言う。本実施形態において、「無償」とは、ユーザ端末20によって行われる経済活動において第1価値交換媒体、又は第2価値交換媒体を対価として必要としないことを言う。本実施形態に係る価値交換媒体流通システム1においては、ユーザ端末20は、後述する「第1経済活動」、「第2経済活動」、「第3経済活動」、及び「第4経済活動」を実行する事ができる。以下では、「有償交換価値」(「有償消費価値」を含む)、及び「無償交換価値」について、「第1経済活動」、「第2経済活動」、「第3経済活動」、及び「第4経済活動」と併せて説明する。
本実施形態において、「類型I」は、第1経済活動において第1価値交換媒体を交換対価としない、サーバ10によって管理することができる、又は管理される「無償交換価値」が属する類型であり得る。本実施形態において、「類型II」は、第2経済活動において第1価値交換媒体を消費対価とする、サーバ10によって管理することができる、又は管理される「有償消費価値」が属する類型であり得る。本実施形態において、「類型III」は、第3経済活動において第1価値交換媒体を交換対価とする、サーバ10によって管理することができる、又は管理される「有償交換価値」が属する類型であり得る。本実施形態において、「類型IV」は、第4経済活動において第1価値交換媒体、又は第2価値交換媒体を交換対価とする、サーバ10によって管理することができない、又は管理されない「任意の有償交換価値」が属する類型であり得る。
(1−2−1−2)有償交換価値
本実施形態において、「有償交換価値」(「有償消費価値」を含む)は、例えば、価値の提供の対価として所定数量(0(ゼロ)を含んでもよい)の第1価値交換媒体の提供を受け付けるように設定された価値であって、第2経済活動及び第3経済活動において第1価値交換媒体を対価として提供及び取得される価値を含んでもよい。
<第2経済活動>
本実施形態においては、異なる経済活動を行うユーザ端末20間において、サーバ10を介してネットワークに生じ得る価値から取り出すことの可能な経済価値(有償消費価値)を、第1価値交換媒体を消費対価に取得(利用)する行為を、「第2経済活動」と称する。より具体的には、「第2経済活動」とは、第1経済活動によってネットワーク(第1ネットワーク)内に生じ得る「価値」を、所定数量の第1価値交換媒体を対価として消費して取得する行為を言う。なお、ユーザ端末20が第2経済活動を実行する場合、当該第2経済活動を実行するユーザ端末20と、第1経済活動において後述する無償交換価値を取得するユーザ端末20との間で、価値の交換が行われていると捉えることができる。なお、第2経済活動においてユーザ端末20を用いてユーザの取得する、消費対価を伴う有償消費価値が属する類型IIは、例えば、類型IIA、IIB、IIC、IIAA、IIAAA・・・などと、更に細分化されてもよい。
(プッシュ型)
第2経済活動は、例えば、プッシュ型の第2経済活動としての有償消費価値の取得行為を含んでもよい。ここで、「プッシュ型の第2経済活動」とは、第1経済活動において無償交換価値を取得等する第2経済活動の対象ユーザ(群)に対して、第1価値交換媒体を対価として消費し、経済価値を生じさせ得る有償消費価値を取得しようとする(第1ネットワークから経済価値を取り出そうとする)ユーザが、「任意に(意図して)影響力を及ぼそうとするアクション」としての第2経済活動と言える。プッシュ型の第2経済活動の目的となる有償消費価値は、例えば、「小分類:再生頻度指定・回数課金型動画コマーシャル/中分類:端末ディスプレイ割り込み挿入型広告宣伝/大分類:ターゲッティング広告宣伝」や、「小分類:表示時間・地域・ユーザ属性(特性)指定の挿入枠買取型広告宣伝/中分類:端末ディスプレイ割り込み挿入型広告宣伝/大分類:ターゲッティング広告宣伝」や、「小分類:対象ユーザ範囲限定の本編表示・再生前差し込み型広告宣伝/中分類:無償交換価値合成型広告宣伝/大分類:ターゲッティング広告宣伝」等により生じうる価値(経済価値)を含んでもよい。より具体的には、プッシュ型の第2経済活動は、例えば、購買意欲を増加させる情報の発信、印象操作のための情報の発信、又は行動に影響を与えるための情報の発信等を含み、これらユーザ端末20によって発信される情報(後述する、記憶部11に記憶された第2経済活動実行要求テーブルに登録される、類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る実行要求の内容)を、第1経済活動において無償交換価値を取得等する対象ユーザの操作するユーザ端末20に対してサーバ10を介して表示させる(強制的に表示させることを含む)等の行為であると言える。これにより、プッシュ型の第2経済活動に係る類型IIに属する有償消費価値を取得しようとする消費ユーザに、第1経済活動において類型Iに属する無償交換価値を取得するユーザに対するアクションから得られる経済価値を取得させることが可能となり得る。換言すれば、無償交換価値を取得することに伴って上述したように、その他の消費ユーザからの「任意に影響力を及ぼそうとするアクション」を受けるユーザは、無償交換価値を取得することで無償交換価値を提供したユーザに対して生じる(観念上の)債務を、その他の消費ユーザからの「任意に影響力を及ぼそうとするアクション」を受け入れる(受容する)ことによって弁済(債務を帳消しすること、又は有償消費価値を取得する消費ユーザに債務を付け替えること)していると解することもできる。このようにして、無償交換価値を提供したユーザに生じた(観念上の)債権は、第2経済活動によって有償消費価値を取得する消費ユーザに生じる債務と相殺され、消費される第1価値交換媒体は、(観念上の)債権者たる無償交換価値提供ユーザに評価発行される根拠を有し得る。すなわち、価値交換媒体流通システム1においては、後述するように、第1経済活動、及び第2経済活動を行う複数のユーザ間において生じる(観念上の)債権と債務の帳消し行為たる決済が、評価発行アルゴリズムを用いて自律的に処理され得るものである。
(プル型)
第2経済活動は、例えば、プル型の第2経済活動としての有償消費価値の取得行為を含んでもよい。ここで、「プル型の第2経済活動」とは、第1経済活動において無償交換価値を取得等する第2経済活動の対象ユーザ(群)に対して、第1価値交換媒体を対価として消費し、経済価値を生じさせ得る有償消費価値を取得しようとする(第1ネットワークから経済価値を取り出そうとする)ユーザが、「任意に(意図して)情報を引き出そうとするアクション」としての第2経済活動と言える。プル型の第2経済活動の目的となる有償消費価値は、例えば、「小分類:興味変動予測/中分類:興味傾向相関分析/大分類:興味統計」や、「小分類:政党支持変動予測/中分類:意識傾向相関分析/大分類:意識統計」や、「小分類:消費変動予測/中分類:消費傾向相関分析/大分類:消費統計」や、「小分類:為替変動予測/中分類:通貨・経済相関分析/大分類:経済統計(例示として、価値交換媒体流通システム1外に、第2価値交換媒体と、外貨である各国法定通貨との、ユーザ端末20による交換取引機能を構成に含めることによって、為替データがサーバ10の記憶部11に記憶され、サーバ10の記憶部11に記録されている種々のデータとの相関性を検証することにより実行)」等により取得され得る価値(経済価値)を含んでもよい。より具体的には、プル型の第2経済活動は、例えば、購買意欲を増加させる情報の発信、印象操作のための情報の発信、又は行動に影響を与えるための情報の発信等を行うための基礎データ(ビッグデータ)の取得を含み、これら取得する基礎データ(第1経済活動において無償交換価値を取得等するユーザ端末20の動作情報を含む、サーバ10の記憶部11に記憶されるビッグデータとしての基礎データ)から経済価値を取り出そうとする行為であると言える。これにより、プル型の第2経済活動に係る類型IIに属する有償消費価値を取得しようとする消費ユーザに、第1経済活動において類型Iに属する無償交換価値を取得するユーザに対するアクションとしての経済価値を取得させることが可能となり得る。換言すれば、無償交換価値を取得することに伴って上述したように、その他の消費ユーザからの「任意に情報を引き出そうとするアクション」を受けるユーザは、無償交換価値を取得することで無償交換価値を提供したユーザに対して生じる(観念上の)債務を、その他の消費ユーザからの「任意に情報を引き出そうとするアクション」を受け入れる(受容する)ことによって弁済(債務を帳消しすること、又は有償消費価値を取得する消費ユーザに債務を付け替えること)していると解することもできる。このようにして、無償交換価値を提供したユーザに生じた(観念上の)債権は、第2経済活動によって有償消費価値を取得する消費ユーザに生じる債務と相殺され、消費される第1価値交換媒体は、(観念上の)債権者たる無償交換価値提供ユーザに評価発行される根拠を有し得る。すなわち、価値交換媒体流通システム1においては、後述するように、第1経済活動、及び第2経済活動を行う複数のユーザ間において生じる(観念上の)債権と債務の帳消し行為たる決済が、評価発行アルゴリズムを用いて自律的に処理され得るものである。
(他者第2経済活動ブロック型)
第2経済活動は、例えば、他者第2経済活動ブロック型の第2経済活動を含んでもよい。ここで、「他者第2経済活動ブロック型の第2経済活動」とは、自身が類型Iに属する無償交換価値を取得する第1経済活動を行う場合に、当該第1経済活動に関連して他者が実行しようとする第2経済活動(広告宣伝、又はビッグデータの回収等)をブロックするアクションとしての第2経済活動と言える。ここで、他者第2経済活動ブロック型の第2経済活動の目的となる有償消費価値が属する類型IIのカテゴリは、他の第2経済活動(プッシュ型、及びプル型等)の目的となる有償消費価値が属する類型IIのカテゴリとは異なっていてもよい。具体的には、例えば、サーバ10は、他者第2経済活動ブロック型以外の型(プッシュ型、及びプル型等)の第2経済活動の実行要求に含まれる実行対象から、指定するユーザID(基本的には自身が想定される)を除外させる実行要求(他者第2経済活動ブロック要求)を受け付けてもよい。このとき更に、サーバ10は、例えば、ユーザ端末20から受け付けたプッシュ型又はプル型等の第2経済活動の実行要求に基づいて当該実行要求を実行する際に、他者第2経済活動ブロック要求に基づいて、当該他者第2経済活動ブロック要求に含まれるユーザIDを当該実行要求の対象から除外するとよい。また、サーバ10は、ユーザ端末20から取得する動作情報等を後述する第1評価テーブルや検索履歴テーブル等へ記録する際に、他者第2経済活動ブロック要求に基づいて、当該他者第2経済活動ブロック要求に含まれるユーザIDを記録対象から除外してもよい(例えば、後述する第1評価テーブルにおける「無償交換価値取得者のユーザID」を空欄として第1経済活動に係る情報を記録するとよい)。これにより、他者第2経済活動ブロック型の第2経済活動を行うユーザは、類型Iに属する無償交換価値を取得する行為に含まれる経済価値(有償消費価値)を、第1価値交換媒体を消費して直接的に(つまり、例えば、他のユーザのプッシュ型の第2経済活動によって他のユーザから任意に(意図して)影響力を及ぼそうとするアクションを受けたり、他のユーザによるプル型の第2経済活動によって他のユーザから任意に(意図して)情報を引き出そうとするアクションを受けたりすることなく)取り出すことが可能になる。換言すれば、無償交換価値を取得することに伴って、上述したように、その他の消費ユーザからの「任意に影響力を及ぼそうとするアクション」(プッシュ型)、又は「任意に情報を引き出そうとするアクション」(プル型)を受けないユーザは、無償交換価値を取得することで無償交換価値を提供したユーザに対して生じる(観念上の)債務を、その他の消費ユーザからのアクションを受け入れる(受容する)ことによって弁済(債務を帳消しすること、又は有償消費価値を取得する消費ユーザに債務を付け替えること)するのではなく、自らの他者第2経済活動ブロック型の第2経済活動によって弁済していると解することもできる。このようにして、無償交換価値を提供したユーザに生じた(観念上の)債権は、他者第2経済活動ブロック型の第2経済活動に係る第1価値交換媒体の消費と相殺され、消費される第1価値交換媒体は、(観念上の)債権者たる無償交換価値提供ユーザに評価発行される根拠を有し得る。すなわち、価値交換媒体流通システム1においては、後述するように、第1経済活動、及び第2経済活動を行う複数のユーザ間において生じる(観念上の)債権と債務の帳消し行為たる決済が、評価発行アルゴリズムを用いて自律的に処理され得るものである。
そして、サーバ10に登録(設定)された類型IIに属する有償消費価値は、以降、ユーザ端末20のサーバ10に対する実行要求によって消費対価を伴い任意に取得(利用)され得る。また、類型IIの各カテゴリに属する有償消費価値に係る消費対価は、サーバ10の記憶部11に記憶された第2経済活動基礎価格テーブルに記録される類型IIに属する各有償消費価値、及び各主体群に紐づく基礎価格として設定されるとよい。当該設定行為は、システム管理者(システム管理者の管理下にある人工知能を含んでもよい)の専用行為であってもよい。サーバ10は、ユーザ端末20から第2経済活動の実行要求を受け付けた場合、第2経済活動基礎価格テーブルの中からユーザ端末20による当該実行要求に係る基礎価格を特定し、当該有償消費価値取得行為としてのユーザ端末20による第2経済活動の実行に伴い、第1台帳を更新するとよい。
<第3経済活動>
本実施形態においては、ユーザ端末20間においてサーバ10を介して第1価値交換媒体を交換対価に有償交換価値を提供、又は取得する行為を、「第3経済活動」と称する。第3経済活動において交換対価を伴ってユーザ端末20が提供、及び取得する有償交換価値は、後述する価値テーブルに登録され得る。第3経済活動の対象となる有償交換価値が属する類型IIIは、任意に細分化することができる。類型IIIは例えば、第3経済活動の対象となる有償交換価値のデータ形式(例えば、文字データ、動画データ、音声データ、及び画像データ等の一般的なデータ形式の他、CADデータ等の特定のソフトウェアによって作成されたデータ形式を含んでもよい)によって細分化されてもよい。また、類型IIIに属する有償交換価値は、ユーザ間で取引される商品及び役務に関連する任意の情報を含んでもよいが、類型IIIはこのような商品・役務の種類によって細分化されてもよい。
類型IIIの細分化の一例を以下に示す。なお、類型IIIは、例えば、類型IIIA、IIIB、IIIC、IIICA、IIICAB・・・などと、更に細分化されてもよい。
(文字データ系)
文字データ系であれば、例えば、「小分類:自己啓発著書/中分類:長編著書/大分類:著書」や、「小分類:IT論文/中分類:短編論文/大分類:論文」等が含まれてもよい。
(動画データ系)
動画データ系であれば、例えば、「小分類:サスペンスドラマ/中分類:連続ドラマ/大分類:ドラマ」や、「小分類:SFシネマ/中分類:長編シネマ/大分類:シネマ」等が含まれてもよい。
(音声データ系)
音声データ系であれば、例えば、「小分類:オーケストラミュージック/中分類:クラシックミュージック/大分類:ミュージック」や、「小分類:ポップスミュージック/中分類:メジャーミュージック/大分類:ミュージック」等が含まれてもよい。
(画像データ系)
画像データ系であれば、例えば、「小分類キャラクターイラスト/中分類:デジタルイラスト/大分類:イラスト」や、「小分類:グラビア写真/中分類:アイドル写真/大分類:写真」等が含まれてもよい。
(作品データ系)
作品データ系であれば、例えば、「小分類:住宅建築CADデータ/中分類:建築CADデータ/大分類:CADデータ」や、「小分類:グループスケジュール管理アプリケーション/中分類:ビジネスアプリケーション/大分類:アプリケーション」等が含まれてもよい。
(物流を伴う物品系)
物流を伴う物品系であれば、例えば、「小分類:焦点距離/中分類:単焦点レンズ/大分類:カメラレンズ」や、「小分類:スタンドスピーカー/中分類:AV機器(オーディオヴィジュアル)/大分類:オークション」等が含まれてもよい。
(役務の提供を伴う契約系)
役務の提供を伴う契約系であれば、例えば、「小分類:キャラクター/中分類:デザイン/大分類:イラストレーター」や、「小分類:ウェブデータベース/中分類:Javaプログラミング/大分類:プログラミング」等が含まれてもよい。
ユーザ端末20による、類型IIIの中から対象となるカテゴリを選択(類型IIIのカテゴリは、あらかじめシステム管理者によって設定等しておけばよい)しての後述する価値登録行為によって価値テーブルに価値登録される各有償交換価値に紐づく交換対価としての第1価値交換媒体の数量は、価値テーブルに登録されるとよい。
<第4経済活動>
本実施形態においては、第1価値交換媒体又は第2価値交換媒体を交換対価として類型IVに属する(サーバ10によって管理することができない、又は管理されない任意の)有償交換価値(任意の有償交換価値)を交換する行為を「第4経済活動」と称する。換言すれば、第4経済活動は、直接送金(価値交換媒体流通システム1の外(換言すると実体経済)における任意の直接取引に起因する直接送金)といえる。
(1−2−1−3)無償交換価値
本実施形態において、「無償交換価値」は、例えば、価値の提供の対価として所定数量の第1価値交換媒体の提供を受け付けないように設定された価値であって、後述する評価発行アルゴリズムによる評価の対象としての価値を含んでもよい。ここで、所定数量の第1価値交換媒体の提供を受け付けるか否かの設定は、例えば、価値提供者がユーザ端末20を用いて行うことができるようにするとよい。
<第1経済活動>
ユーザ端末20間においてサーバ10を介して無償交換価値を提供、又は取得する行為を「第1経済活動」と称する。第1経済活動において第3経済活動のような交換対価及び第2経済活動のような消費対価を伴わずユーザ端末20が提供、及び取得する、無償交換価値は、後述する価値テーブルに登録される。第1経済活動の対象となる無償交換価値が属する類型Iは、任意に細分化することができる。類型Iは例えば、第1経済活動の対象となる無償交換価値のデータ形式(例えば、文字データ、動画データ、音声データ、及び画像データ等の一般的なデータ形式の他、CADデータ等の特定のソフトウェアによって作成されたデータ形式を含んでもよい)によって細分化されてもよい。
類型Iの細分化の一例を以下に示す。なお、類型Iは、例えば、類型IA、IAB、IABC・・・などと、更に細分化されてもよい。
(文字データ系)
文字データ系であれば、例えば、「小分類:IT記事/中分類:テクノロジー記事/大分類:記事」や、「小分類:ファイナンスコラム/中分類:経済コラム/大分類:コラム」等が含まれてもよい。
(動画データ系)
動画データ系であれば、例えば、「小分類:試乗レビュー/中分類:自動車レビュー/大分類:レビュー」や、「小分類:事業インタビュー/中分類:経済活動インタビュー/大分類:インタビュー」等が含まれてもよい。
(音声データ系)
音声データ系であれば、例えば、「小分類:ピアノソナタミュージック/中分類:クラシックミュージック/大分類:ミュージック」や、「小分類:ロックミュージック/中分類:インディーズミュージック/大分類:ミュージック」等が含まれてもよい。
(画像データ系)
画像データ系であれば、例えば、「小分類キャラクターイラスト/中分類:デジタルイラスト/大分類:イラスト」や、「小分類:山岳写真/中分類:風景写真/大分類:写真」等が含まれてもよい。
(作品データ系)
作品データ系であれば、例えば、「小分類:文具3Dプリンタデータ/中分類:単純素材3Dプリンタデータ/大分類:3Dプリンタデータ」や、「小分類:スケジュール管理アプリケーション/中分類:ビジネスアプリケーション/大分類:アプリケーション」等が含まれてもよい。
サーバ10は、ユーザ端末20によって無償交換価値が取得されるたびに、価値テーブルにおいて当該無償交換価値の属する類型Iの各カテゴリに紐づき、第1経済活動基礎点数テーブルに記録される基礎点数に基づいてユーザ端末20の動作情報から当該無償交換価値に対して評価点数を付けてもよい。また、ここで行われるサーバ10による評価点数付けは、第1経済活動基礎点数テーブルにおいて、無償交換価値を取得するユーザの属する主体群に関連付けられている基礎点数が用いられるようにするとよい。
なお、例えば、無償交換価値には、第1経済活動において無償交換価値提供ユーザによって提供された無償交換価値、又は第3経済活動において有償交換価値提供ユーザによって提供された有償交換価値に対する、無償交換価値、又は有償交換価値を取得するユーザによる、「コメント」(ニュース記事等に対するコメント等)、又は「レビュー」(ECサイトにおける商品レビュー等)等の、「価値取得ユーザによる意見」を含めてもよい。この場合に、「価値取得ユーザによる意見」は、それそのものが提供される無償交換価値として、類型Iのカテゴリを特定したうえで、価値テーブルに登録され、以降、無償交換価値として取り扱われるようにしてもよい。
(1−2−2)発行
<評価発行>
本実施形態において、サーバ10は、後述する所定の評価発行アルゴリズムにより、ユーザ端末20間において移転(提供及び取得)された無償交換価値及び無償交換価値提供ユーザを相対的に評価する。そして、サーバ10は、第1経済活動、及び第2経済活動に基づき、所定の評価発行アルゴリズムにより、無償交換価値提供ユーザのユーザIDに紐付けて所定数量の第1価値交換媒体を評価発行する。また、サーバ10によって評価発行される第1価値交換媒体の数量は、後述するように、無償交換価値を取得したユーザの属する主体群の購買力が反映されるように算出されるとよい。ここで、「主体群」は、後述するアカウント情報テーブルに記録される地域属性(生活拠点、又は事業拠点)の集合体であってよい。「主体群」は、例えば、「法定通貨」、「適用される法律」、「統治機構」、「購買力」、及び「使用言語」等の少なくともいずれかを(ほぼ)共有するユーザの集合体であってよい。「主体群」は、例えば、市区町村、都道府県、州、地域、国家、経済圏、及び大陸等の少なくともいずれかによって規定できる。本実施形態では、「国家」を想定して説明するが、これに限られない。なお、地域属性や主体群の規定は、システム管理者によって定めるとよい。このように、第1価値交換媒体は、上述した「無償交換価値」という、人間の社会的・経済的活動欲求やコミュニティーへの貢献欲求等に基づく時間(時代等)や場所(国等)を跨いだ普遍的なエネルギーに交換価値を本位させている。なお、サーバ10は、アカウント情報テーブルに記録される地域属性のほかに、ユーザ端末20から取得するGPSデータ等による位置情報、ユーザ端末20の使用言語、又は後述するウォレット管理アプリXの表示言語等に基づき各ユーザIDの属する主体群を特定してもよい。
<債務発行>
本実施形態において、サーバ10は、後述する所定の債務発行アルゴリズムにより、ユーザ端末20から受信した第2交換要求に応じて、所定数量の第1価値交換媒体を当該ユーザ端末20に係るユーザIDに紐付けて債務発行する。例えば、本実施形態においてユーザは、第1経済活動において無償交換価値をその他のユーザに提供すること、又は第3経済活動において有償交換価値をその他のユーザに提供することによって、所定数量の第1価値交換媒体を取得し得る。しかしながら、ユーザは、そのようにして取得された第1価値交換媒体の数量よりも多くの数量の第1価値交換媒体を用いて、第2経済活動、第3経済活動、又は第4経済活動を行いたい場合がある。このとき、当該ユーザは、第2交換要求によって所定数量の第2価値交換媒体を所定数量の第1価値交換媒体に交換(サーバ10による債務発行)することで、不足する数量の第1価値交換媒体を取得することができる。このように、債務発行は、第1ネットワークにおける第1価値交換媒体の供給不足という課題を減じる効果を有すると言える。
(1−2−3)消却
(1−2−3−1)第2経済活動
本実施形態において、第1価値交換媒体は、第2経済活動の消費対価となる。サーバ10は、ユーザがユーザ端末20を介して第1ネットワーク内で第2経済活動を行うと、第1台帳において当該ユーザのユーザIDに紐付けられた第1価値交換媒体のうち所定数量を消却することにより、当該所定数量の第1価値交換媒体を第1ネットワークから消却(消費消却)する。なお、第2経済活動によって消費され第1ネットワークから消却された第1価値交換媒体の数量は、後述する所定の評価発行アルゴリズムによって第1経済活動に基づき評価発行される第1価値交換媒体の数量の根拠となる。すなわち、当該第2経済活動におけるユーザ端末20による、第1経済活動に基づきネットワークに生じた「価値」から取り出すことの可能な経済価値(有償消費価値)の取得行為によって消費され、ネットワーク内から消却される経済価値としての第1価値交換媒体の数量(又は第1価値交換媒体に内在する経済価値としての評価値)は、第1経済活動において無償交換価値に対して与えられた評価(評価配点による評価点数)に含まれる経済価値を算出する根拠としての役割を有すると言える。
なお、第2経済活動において消費された第1価値交換媒体は、第1台帳から消却(消費消却)せずに、一時的に第1台帳において、例えばシステム管理者等が管理する一時保存用のID(消費消却分の一時保存用のID)に一時的に紐づけておき、第1経済活動における類型Iに属する無償交換価値の評価に係り算出される評価値に基づき評価発行される第1価値交換媒体に充当するようにしてもよい。
<第2経済活動と基礎価格>
第2経済活動に係る類型IIに含まれる各カテゴリに属する有償消費価値の基礎価格は、異なる各主体群の間で同一としてもよい。一方で、第2経済活動に係る類型IIに含まれる各カテゴリに属する有償消費価値の取得行為に係る基礎価格は、主体群毎に個別に決定、及び更新されるようにするとよい。つまり、類型IIに含まれる各カテゴリに属する有償消費価値の細分化の態様を複数の主体群の間において共通としながらも、各カテゴリに属する有償消費価値の取得行為に係る基礎価格は、例えば第2経済活動の対象とする各主体群に属するユーザの第1経済活動によってネットワークに生じる価値の大きさ(購買力)に合わせるように最適化することが望ましい。
<基礎価格の決定、及び更新処理の指針>
第2経済活動に係る類型IIに含まれる各カテゴリに属する有償消費価値の取得行為に係る基礎価格は、各主体群の各カテゴリに属する有償消費価値ごとに、所定期間における同一のカテゴリに属する有償消費価値の取得行為に係る消費数量(基礎価格の積算等)の合計が、常に最大化するよう基礎価格を変動させるように、AI(機械学習アルゴリズム)、又はAIを構成に含めなければ人力によって最適解が(継続的に)出力されてもよい。より具体的には、例えば、サーバ10は、各主体群の類型IIの各カテゴリについて消費される第1価値交換媒体の数量が最大化するように、記憶部11に記憶された第2経済活動基礎価格テーブルに記録される基礎価格と、第2経済活動テーブルに記録される活動内容とを入力データとして、機械学習アルゴリズムによるスコア方式を用いて、当該類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る基礎価格に積算する係数を出力するとよい。そして、当該出力された係数を、元の積算された基準値としての基礎価格に積算し、当該類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る基礎価格を変動させるとよい。
ここで、サーバ10は、例えば以下に示すような機械学習装置を有していてもよい。すなわち、機械学習装置は、ユーザ端末20を用いて提供される対価を受け付けない設定がなされた経済価値(例えば類型Iに属する無償交換価値)に対する評価点数に基づき発行される価値交換媒体(例えば第1価値交換媒体)の流通するネットワークにおいて、前記ネットワークに生じた経済価値を前記価値交換媒体を消費して取り出すための少なくとも一つの類型(例えば類型II)に属する有償消費価値の取得行為に係る基礎価格を決定することを学習し得る。当該機械学習装置は、所定期間における前記少なくとも一つの類型に係る価値交換媒体の消費数量と、前記類型に係る基礎価格とから構成される消費動向を観測する観測部と、前記観測部により観測された前記少なくとも一つの類型に係る価値交換媒体の消費数量の変化と、前記類型に係る基礎価格とを関連付けて学習する学習部と、を有するとよい。
前記評価点数に基づき発行される価値交換媒体の数量は、前記ネットワークに生じた経済価値を取り出す行為により消費される価値交換媒体の数量に基づき決定されてもよい。
前記観測部が観測する前記少なくとも一つの類型に係る消費動向は、時期、対象ユーザ属性、対象ユーザ特性、及び対象主体群、のうち少なくとも一つを含んでいてもよい。
前記観測部が観測する前記類型に係る基礎価格は、時間あたり価格、回数あたり価格、及び面積あたり価格のうち少なくとも一つを含んでいてもよい。
前記学習部は、前記少なくとも一つの類型に係る消費動向に基づいて、前記類型に係る基礎価格を決定する関数を更新することによって、前記類型に係る基礎価格を決定することを学習してもよい。
前記学習部は、前記少なくとも一つの類型に係る消費動向に基づいて、前記類型に係る基礎価格を決定した結果に対する報酬を計算する報酬計算部と、前記報酬計算部により計算された報酬に基づいて、前記関数を更新する関数更新部と、を含んでもよい。
前記関数更新部は、前記関数の更新を繰り返すことによって、前記報酬が最も多く得られる前記類型に係る基礎価格を学習してもよい。
前記観測部は、前記ネットワークに生じた経済価値を取り出す各行為に係る類型毎(及び主体群毎)に独立して、前記所定期間における価値交換媒体の消費数量と、前記類型に係る基礎価格とから構成される消費動向を観測してもよい。
前期観測部が観測する対象データは、前記評価点数の加点原因となる前記対価を受け付けない設定がなされた経済価値を取得するユーザ端末の動作情報と、前記評価点数に係る基礎点数と、を含んでもよい。
前期学習部が関連付けて学習する対象データは、前記評価点数の加点原因となる前記対価を受け付けない設定がなされた経済価値を取得するユーザ端末の動作情報と、前記評価点数に係る基礎点数と、を含んでもよい。
また、サーバ10が有する他の機械学習装置は、例えば、ユーザ端末20を用いて提供される対価を受け付けない設定がなされた経済価値(例えば類型Iに属する無償交換価値の取得行為)に対する評価に基づき発行される価値交換媒体(例えば第1価値交換媒体)の流通するネットワークにおいて、前記ネットワークに生じた経済価値を前記価値交換媒体を消費して取り出す行為のうち少なくとも一つの類型(例えば類型IIに属する有償消費価値の取得行為)に係る消費価格の基礎価格を学習してもよい。当該機械学習装置は、所定期間における前記類型に係る消費価格の合計、及び前記基礎価格を状態変数として観測する観測部と、前記状態変数に基づいて作成されるデータセットに従って、前記所定期間における前記消費価格の合計が、より大きくなるような基礎価格を学習する学習部と、を有するとよい。
前記学習部は、前記消費価格の合計に基づいて報酬を計算する報酬計算部と、前記報酬に基づいて、前記基礎価格を決定するための関数を更新する関数更新部と、をさらに有してもよい。
<単位交換価値の制御>
本実施形態において、サーバ10は、各主体群における類型IIの各カテゴリに属する有償消費価値の取得行為に係るすべての基礎価格をシステム管理者による(ユーザに対するコミットメント内容)の入力に基づき、一律に変動させ(主に第1価値交換媒体の単位交換価値を減少させ、且つ物価を増加させ)てもよい。このとき、サーバ10は、当該更新処理の内容(コミットメント内容)を、事前に、又は当該処理の実行時に、ユーザ端末20に対して送信する(告知する)とよい。これにより、ユーザの第2経済活動における有償消費価値の取得に際する有償消費価値と第1価値交換媒体との価値感覚のバランス(単位交換価値の認識・価格の価値感覚)と、ユーザの第1経済活動における無償交換価値の提供に際して評価発行される第1価値交換媒体の価値感覚のバランス(単位交換価値の認識・価格の価値感覚)との、価値感覚の二重のアンカリング効果によって、第1価値交換媒体の単位交換価値の制御が可能となり得る。また、当該価値感覚の二重のアンカリング効果は、ユーザ端末20を操作するユーザの第3経済活動における有償交換価値の販売価格(他方で購入価格)の価値感覚のバランス(単位交換価値の認識・価格の価値感覚)と、さらには第4経済活動における任意の有償交換価値に係る直接取引の価値感覚のバランス(単位交換価値の認識・価格の価値感覚)との、いわばユーザによる直接の自由取引における価値感覚のバランスにも波及し得る。サーバ10は、個々の第1価値交換媒体の単位あたりに含まれる価値(単位交換価値)、第1ネットワーク内の第1価値交換媒体の流通総量、後述する第2ネットワーク内の第2価値交換媒体の流通総量、及び物価(ユーザによって任意に根付けられる有償交換価値の価格)を任意に変動させる措置(価値交換媒体の単位あたりに含まれる価値(例えば、経済価値、交換価値、購買力等)の大きさ(単位交換価値)を制御する措置)としてこれを実行するとよい。システム管理者は、価値交換媒体流通システム1のマクロ経済政策として、コミットメント(単位交換価値を変動させる率、すなわち物価の変動量)の内容を決定するとよい。
<基礎価格表>
なお、第2経済活動における各主体群の類型IIの各カテゴリに属する有償消費価値の取得行為に係る基礎価格は、例えば、後述する「第2経済活動基礎価格テーブル」において規定されてもよい。なお、第2経済活動基礎価格テーブルに記録される「基礎価格」は、「当該主体群(に属するユーザ)を対象とした第2経済活動を行う場合の基礎価格」であり、「当該主体群に属するユーザが他の主体群を対象に第2経済活動を行うときの基礎価格」ではない。第2経済活動基礎価格テーブルには、類型IIのカテゴリ、主体群、基礎価格、及び積算される大きさの基準を含めてもよい。また、基礎価格の決定、及び更新処理に際しては、当該第2経済活動基礎価格テーブルと、第2経済活動の活動記録としての「第2経済活動テーブル」とを参照して行うようにするとよい。第2経済活動テーブルには、日時、ユーザID、属する主体群、類型IIのカテゴリ、消費数量、及び活動対象主体群を含めてもよい。
上述の第2経済活動においてネットワークから取り出すことのできる第1経済活動における「価値」とは、例えば、第1経済活動として、ユーザ端末20Aから提供される文字データや動画データ等の無償交換価値Bがあるとき、他方で、第1経済活動として、無償交換価値Bを取得しようとするユーザ端末20Cによる検索行為や、閲覧行為や、取得行為が行われることにより第1ネットワークに生じる「価値」がある。ここで、ユーザ端末20Cによる第1経済活動としての種々の行為に対して、その他のユーザ端末20Dが第2経済活動としての経済価値を見出しやすいように、システム管理者は、あらかじめ類型IIに属する有償消費価値の取得行為の態様を規定し、取得される有償消費価値の基礎価格を、第2経済活動を行う対象としての主体群毎に定めてユーザ端末20Dが有償消費価値(第2経済活動の対象(目的)としての経済価値)を取得できる環境を提供することができる。なお、第2経済活動を行うことによって得られる(生じる)ことになる経済価値が有償消費価値であって、第2経済活動の行為そのもの、又は第2経済活動の対象そのもの(第1経済活動によって第1ネットワークに生じた価値そのもの)が有償消費価値ではないと言える。例えば、類型IIのカテゴリには、ユーザ端末20Dが広告宣伝をユーザ端末20Cに対して行う環境を提供するカテゴリのような、上述した「プッシュ型」の第2経済活動を行う環境の提供としての有償消費価値の取得環境の利用カテゴリや、ユーザ端末20Dが、第1経済活動におけるユーザ端末20Cによる種々の行為としてサーバ10が記録しているビッグデータを利用できる環境を提供するカテゴリのような、上述した「プル型」の第2経済活動を行う環境の提供としての有償消費価値の取得環境の利用カテゴリが含まれてもよい。また例えば、有償消費価値の取得環境には、上述の「プッシュ型」と「プル型」の混成された第2経済活動をユーザ端末20Dが行える環境の提供としての類型IIのカテゴリなどが含まれてもよい。このようにして、有償消費価値を取得しようとするユーザ端末20Dは、第1価値交換媒体を消費して有償消費価値を取得することができるようになる。すなわち、類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係り消費された第1価値交換媒体の数量だけ、第1経済活動におけるユーザ端末20Cの行為、及び第1経済活動においてユーザ端末20Aが提供した無償交換価値Bには経済価値が見出されたと解することができる。このようにして、第1経済活動によって第1ネットワーク内に生じた「価値」に、第2経済活動を通して定量化され得る経済価値が生じ、当該生じた経済価値としての後述する評価値に応じた所定数量の第1価値交換媒体が、ユーザ端末20Aに評価発行され得る。なお、類型IIに属する有償消費価値の取得行為には、例えば、ユーザ端末20Cの第1経済活動における種々の行為に割り込ませる態様での広告宣伝(例えば、従来のテレビコマーシャルのように視聴ラインに挿入する態様、新聞・雑誌等の広告欄を用いた購読ラインに挿入する態様、ウェブ検索一覧フィールドラインに挿入する態様、又は看板のように視聴ラインに挿入する態様の広告宣伝)があってもよく、又はユーザ端末20Cの第1経済活動における無償交換価値Bの取得時に無償交換価値Bに直接的に含める態様の広告宣伝があってもよく、さらには、有償消費価値の属する類型IIのカテゴリ毎に大分類、中分類、又は小分類として、それぞれ細かく細分化して、ユーザ端末20Dの利便性を向上させるようにしてもよい。システム管理者は、第1経済活動によって生じた「価値」に対する第2経済活動によって見出される経済価値が増加する類型IIに属する有償消費価値の取得環境であれば、どのような有償消費価値が取得され得る環境であってもユーザ端末20Dに提供してもよく、ユーザ端末20Dの消費する第1価値交換媒体の数量が増加して、第1経済活動において評価発行される第1価値交換媒体の数量が増加するように類型IIに属する有償消費価値の取得環境(のカテゴリ)を追加、修正、又は削除することが好ましい。
(1−2−3−2)その他
なお、サーバ10は、例えば第1台帳の更新時において、ユーザIDに新たに紐付けられる第1価値交換媒体に消却期限を設定し、予め設定された期限が到来すると、第1台帳から消却(時限消却)するようにしてもよい。また、消却期限は、第1価値交換媒体の取得経緯毎に異なっていてもよい。そして、サーバ10は、消却した第1価値交換媒体の数量だけ、後述するように、債務発行テーブルに記録された債務発行残高を減少するとよい。この点で、第1価値交換媒体は、通貨の基本機能のうち「価値保蔵機能」を有するようにも、又は有さないようにも、若しくは任意の程度有するようにも構成することが可能である。また、第1価値交換媒体は、後述するサーバ10による債務発行分の相殺購入(ユーザ端末20による第1交換要求の約定)によっても消却される。
(1−2−4)移転(第4経済活動)
本実施形態において、ユーザは、ユーザ端末20を用いて第1価値交換媒体を、他のユーザ(ユーザID)に対して送金(譲渡)することができる。また、ユーザは、第1価値交換媒体を、ユーザ端末20を用いるユーザ間において、任意に取得する有償交換価値の対価として送金(決済・譲渡・弁済)することもできる(第4経済活動)。
(1−2−5)価値の循環
上述のとおり、第1経済活動、及び第2経済活動に基づいて評価発行され、並びに第2交換に基づいて債務発行される第1価値交換媒体は、第1ネットワークにおける第2経済活動や第3経済活動の支払い対価に用いられ得、またユーザ間における第4経済活動の送金手段に用いられ得る。そして、発行される第1価値交換媒体は、第2経済活動において消費されることによって消却(消費消却)等され、また、消却期限が設定されている場合に期限の到来によっても消却(時限消却)され得る。なお、例えば、類型Iに属する無償交換価値の評価に基づく評価発行、又は類型IIIに属する有償交換価値の販売によって第1価値交換媒体を獲得するユーザは、自身による類型IIに属する有償消費価値の取得、又は類型IIIに属する有償交換価値の取得による第1価値交換媒体の消費数量よりも、当該獲得する第1価値交換媒体の数量が上回っている場合に、後述するサーバ10との第1交換(サーバ10による第1価値交換媒体の相殺購入)によって、当該上回っている数量の第1価値交換媒体を、同等の経済価値が含まれる数量の第2価値交換媒体に交換することができるようになっている。これらのことから、第1価値交換媒体は、有償交換価値(有償消費価値を含む)、及び無償交換価値の交換媒体として機能し、一つどころに留まらず、法定通貨等の従来の価値交換媒体に比して流通速度が速くなり得る。すなわち、第1価値交換媒体は、発行、移転、及び消却のサイクルが連続的且つ高速に行われ得る、価値尺度を制御可能な価値交換媒体であると言える。
(1−3)第2価値交換媒体
(1−3−1)第2価値交換媒体の概要
価値交換媒体流通システム1では、第2価値交換媒体が流通し得る。第2価値交換媒体は、例えば、システム管理者が行ったICOによって予め所定数量が発行され得る。第2価値交換媒体は、例えば、後述する信用発行によっても発行され得る。なお、本実施形態において、第2台帳が構成される態様は特に限定されない。第2台帳は、例えば、サーバ10、又は任意のユーザ端末20等によって管理される集中型台帳であってもよい。第2台帳は、例えば、サーバ10、及びユーザ端末20それぞれが記憶するブロックチェーン等によって構成される分散型台帳であってよい。また、本実施形態において、「第2台帳の更新」とは、第2台帳の構成の態様に応じて規定され得る更新のための任意の処理を含んでもよく、第2台帳を直接的に更新する処理の他、第2台帳の更新権限のある情報処理装置に対して更新の要求を送信する処理を含んでもよい。
上述のとおり、第1価値交換媒体は価値保蔵機能を有していない場合があるが、第1価値交換媒体は、以下に説明するサーバ10による交換所機能によって、第2価値交換媒体に基本的に常時交換が可能である。そのため、後述するようにあらかじめ価値保蔵機能が備わっている第2価値交換媒体は、第1価値交換媒体が有していない価値保蔵機能を補完的に担う役割を持ち得る。
サーバ10は、ユーザ端末20との間で、第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の交換を行う交換所機能を有していてもよい。より具体的には、例えば、第2価値交換媒体を欲するユーザは、ユーザ端末20を介して、サーバ10に、第1価値交換媒体を第2価値交換媒体に希望する交換率(第1希望交換率)で交換することを要求する交換要求(第1交換要求)を送信することができる。また、例えば、第1価値交換媒体を欲するユーザは、ユーザ端末20を介して、サーバ10に、第2価値交換媒体を第1価値交換媒体に希望する交換率(第2希望交換率)で交換することを要求する交換要求(第2交換要求)を送信することができる。
サーバ10は、ユーザ端末20から受信した第2交換要求に対しては、所定条件下で、第1希望交換率及び第2希望交換率の相場(相場交換率)による第1相場交換要求をもって約定処理(第1約定処理)を行ってもよい。すなわち、サーバ10は、第1価値交換媒体を当該ユーザに発行(債務発行)すると共に、第2価値交換媒体を当該ユーザから取得してもよい。
また、サーバ10は、ユーザ端末20から受信した第1交換要求に対しては、所定条件下で、上述した相場交換率による第2相場交換要求をもって約定処理(第2約定処理)を行ってもよい。すなわち、サーバ10は、第2価値交換媒体を当該ユーザに譲渡すると共に、第1価値交換媒体を当該ユーザから取得し、上述した債務発行分を相殺購入し消却(相殺消却)してもよい。
なお、上述した第1相場交換要求に係る相場交換率と、第2相場交換要求に係る相場交換率とは、同一であっても、異なっていてもよい。両者を区別する場合、第1相場交換要求に係る相場交換率を「第1相場交換率」と、第2相場交換要求に係る相場交換率を「第2相場交換率」と、それぞれ称する場合がある。
(1−3−2)第2価値交換媒体の増加/減少
上述した相場交換率(第1相場交換率及び第2相場交換率)は、交換所としてのサーバ10が各ユーザ端末20から受信する交換要求に係る希望交換率(第1希望交換率及び第2希望交換率)に基づいて決定されるとよい。後述するとおり、第2価値交換媒体の数量は所定条件下において変動(増減)する。換言すれば、相場交換率は、各ユーザの第2価値交換媒体に対する、将来において第2価値交換媒体が増加する(自身に新規に発行される)と期待する数量(比率)を表す指標値(期待増加率)であると言える。例えば、本実施形態においては、後述するスマートコントラクト部131及び231は、所定の増加条件が満たされるとき(又は減少条件が満たされるとき)に、所定の増加条件、又は減少条件が満たされた時点における割増率(目標交換率に対する相場交換率の割合)である到達割増率を基準として、第2価値交換媒体の保有量や、後述する流通貢献率、又は移動評価値に基づき、各ユーザに第2価値交換媒体を新規に発行する(又は消却する)。そして続けて、スマートコントラクト部131及び231が各ユーザに対する第2価値交換媒体の新規発行(又は消却)処理を実行すると、交換所管理部15によって、相場交換率が、「目標となる交換率」又は「目標となる交換率の付近」に収束するように、若しくは、ユーザ毎に、新規発行(又は消却)されて増加(又は減少)した第2価値交換媒体の増加(又は減少)率分を相殺するように、各ユーザの希望交換率を修正するとよい。以上のようにして、相場交換率は、ユーザのファンダメンタルズ等を反映して、閾値に達し、又は所定期間が経過すると、「目標となる交換率」付近に収束する。このため、各ユーザの希望交換率に基づく相場交換率によって増加(又は減少)する第2価値交換媒体であるから、相場交換率は期待増加率と言い換えることができる。
例えば、サーバ10及び各ユーザ端末20はそれぞれ、サーバ10が導出する相場交換率を取得し、所定の増加条件又は所定の減少条件が満たされるか否かを断続的にモニタリングするとよい。そして、サーバ10及び各ユーザ端末20はそれぞれ、所定の増加条件が満たされると判定した場合、自身が保有する第2価値交換媒体の保有量、第2価値交換媒体の流通貢献率、及び第2価値交換媒体の移動評価値等の少なくともいずれかに応じて、第2価値交換媒体の数量を増加させるような第2台帳の更新情報を生成するとよい。また、同様に、サーバ10及び各ユーザ端末20はそれぞれ、所定の減少条件が満たされると判定した場合、自身が保有する第2価値交換媒体の保有量、及び第2価値交換媒体の流通貢献率等の少なくともいずれかに応じて、第2価値交換媒体の数量を減少させるような第2台帳の更新情報を生成するとよい。
以上のとおり、本実施形態において、第2価値交換媒体の単位交換価値は、到達割増率を根拠に、第1価値交換媒体の単位交換価値に目標交換率を乗じた値付近に収束する。特に、目標交換率が「1.00」の場合には、第2価値交換媒体は、到達割増率を根拠に、単位交換価値が第1価値交換媒体の単位交換価値付近に収束するように増加又は減少する。そして、第2価値交換媒体を保有する、又は保有しようとするユーザは、割増率(期待増加率)を意識した希望交換率での交換要求を行う。このことから、第2価値交換媒体の増加又は減少処理が実行された直後の、当該ユーザにおける割増率(期待増加率)に対する意識は「1」付近に収束する。つまり、到達割増率分だけ増加又は減少した第2価値交換媒体の比率を反映するように当該ユーザの意識に基づく希望交換率は目標交換率の付近に収束する。このようにして、第2価値交換媒体が増加又は減少するとき、各ユーザが第1価値交換媒体又は第2価値交換媒体を欲する数量が増加又は減少前と変わらないとすれば、各ユーザが希望交換率を、第2価値交換媒体の増加数量又は減少数量を相殺するように修正することが期待できる。これにより、相場交換率を目標交換率と同一又はこれに近い値に保つことができるため、第2価値交換媒体の単位交換価値を、第1価値交換媒体の単位交換価値に目標交換率を乗じた値と同一又はこれに近い値に保つことができる。換言すると、第2価値交換媒体の数量は、単位交換価値が、目標交換率に基づく第1価値交換媒体の単位交換価値から乖離することが抑制されるように増加又は減少する。すなわち、より一般的に表現すると、第2価値交換媒体の数量は、第1価値交換媒体との交換比率に基づき増加又は減少する(第2価値交換媒体が発行又は消却される)ものである。
なお、サーバ10は、第2価値交換媒体が増加又は減少した場合、既に受け付け、後述するように、交換要求テーブルに記録している交換要求に係る希望交換率を、第2価値交換媒体の増加数量又は減少数量を相殺(乃至、低減)するように強制的に修正してもよい。また、更にサーバ10は、第2価値交換媒体が増加又は減少した時点からの所定の期間(後述する変動抑制期間)において、ユーザ端末20から受信する希望交換率の所定の修正(第2価値交換媒体の増加数量又は減少数量を相殺する方向とは逆の方向への修正)を制限してもよい。また、更にサーバ10は、所定の期間(後述する固定交換期間)においては、ユーザ端末20から受信した交換要求との約定処理を、目標交換率(第1目標交換率、又は第2目標交換率)に固定させてもよい。すなわち、サーバ10は、当該固定交換期間においては、目標交換率による固定交換要求(第1固定交換要求又は第2固定交換要求)を生成した上で、相場交換要求より固定交換要求を優先させて、ユーザ端末20から受信した交換要求と約定させてもよい。これにより、第2価値交換媒体の単位交換価値を、第1価値交換媒体の単位交換価値と目標交換率とに基づいた値に制御することが可能となる。特に、目標交換率が「1.00」の場合には、第2価値交換媒体の単位交換価値を、第1価値交換媒体の単位交換価値と同一又はこれに近い値に保つ効果が増加する。
なお、ユーザは、ユーザ端末20を用いて第2価値交換媒体を、他のユーザ(ユーザID)に対して送金(譲渡)することができる。また、ユーザは、第2価値交換媒体を、ユーザ端末20を用いるユーザ間において、任意に取得する有償交換価値の対価として送金(決済・譲渡・弁済)することもできる(第4経済活動)。
(1−4)第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の機能
図2は、上述した各経済活動、価値、及び価値交換媒体等の相互の関係の一例を説明するための概念図である。上述した各経済活動、価値、及び価値交換媒体等の相互の関係は、例えば以下のように表せる。なお、以下の説明は一例であって、各経済活動、価値、及び価値交換媒体等の発生・実行の順序、因果関係、数量等を限定するものではない。
まず、第2経済活動基礎価格(類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る消費対価の基準)を(コミットメント内容に基づき)一律に増加させると、第2経済活動に係る第1価値交換媒体の消費数量が増加し、第1価値交換媒体の評価発行数量が増加する。その結果、評価点数当たりの第1価値交換媒体の評価発行数量が増加する。換言すれば、類型IIに属する有償消費価値の取得行為に伴う消費対価、及び類型Iに属する無償交換価値の評価に基づく評価発行に係る第1価値交換媒体の単位交換価値が切り下がる。
そして、第1経済活動における第1価値交換媒体の評価発行数量による経済価値(購買力)の大きさに対してユーザが持つ感覚と、第2経済活動における第1価値交換媒体の消費数量による経済価値(購買力)の大きさに対してユーザが持つ感覚とに合わせるように、第3経済活動における有償交換価値の価格に対する増加圧力が加わり、第3経済活動に係る第1価値交換媒体の消費数量が増加する。換言すれば、類型IIIに属する有償交換価値に係る第1価値交換媒体の単位交換価値が切り下がる。そしてまた、第3経済活動における有償交換価値の価格に対してユーザが持つ経済価値(購買力)の大きさの感覚に合わせるように、第4経済活動における任意の有償交換価値の価格に対する増加圧力が加わり第4経済活動に係る第1価値交換媒体の送金数量が増加する。換言すれば、類型IVに属する任意の有償交換価値に係る第1価値交換媒体の単位交換価値が切り下がる。そうして、第1価値交換媒体の必要数量の増加によって第2交換における第1価値交換媒体の数量が増加し、第1価値交換媒体の債務発行残高が増加して、第1価値交換媒体の流通数量(流通総量)が増加し、第1価値交換媒体の単位交換価値がコミットメント内容に近づくように減少する。換言すれば、第1価値交換媒体の単位交換価値の切り下げがユーザ間に浸透する。
以上から、第1価値交換媒体の需要増加に伴い、相対的に第2価値交換媒体が不足するようになり、第1価値交換媒体の単位交換価値の減少(単位交換価値の切り下げ)から、交換所機能において第2価値交換媒体の単位交換価値は相対的に増加するようになり、期待増加率は上昇する。そうして、後述するスマートコントラクト部131、及び231による増加処理の実行により、第2価値交換媒体の流通総量が増加し、第2価値交換媒体の単位交換価値は、第1価値交換媒体の減少した単位交換価値に目標交換率を乗じた値に収束するように減少する。そして、第2価値交換媒体の増加に伴い第2交換要求による第1価値交換媒体の債務発行数量が需要を満たすように増加して第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の流通総量が増加することでコミットメントは達成され得る。換言すれば、第1価値交換媒体、及び第2価値交換媒体の単位交換価値が、第2経済活動基礎価格(類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る消費対価基準)の一律の増加に合わせるように切り下がる。
本実施形態においては、第1価値交換媒体は、第1経済活動においてユーザ端末20間をサーバ10を介して無償で移転した価値(無償交換価値)の相対評価、及び当該相対評価に含まれる経済価値の大きさ(類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る消費度量)に基づき評価発行(評価発行アルゴリズムによる評価値算出による経済価値を含む評価配分発行)される。このように、第1価値交換媒体には当該相対評価、及び制御可能な経済価値が本位するため、第1価値交換媒体は安定して自律的に発揮される価値尺度機能を有する。換言すると、第1価値交換媒体の単位交換価値は、類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る価格(消費度量)を制御することによって制御され得る。すなわち、より一般的に表現すると、第1価値交換媒体は、無償交換価値の相対評価及び有償消費価値の取得行為に係る消費度量に基づき評価発行数量が決定される。
そして、第1価値交換媒体は、サーバ10の有する交換所機能によって、需要に対する過不足のない供給、及び供給に対する過不足のない需要が生成されることによる第2価値交換媒体との交換処理に基づき債務発行、及び相殺購入される。ここで、第2価値交換媒体は、単位交換価値を第1価値交換媒体の単位交換価値に目標交換率を乗じた値に収束させ続けるように、所定条件下で数量が増減する、価値保蔵機能を有した価値交換媒体である。
したがって、第1価値交換媒体は、サーバ10の有する交換所機能によって第2価値交換媒体と接続されており、「ユーザ間を無償で移転する価値の相対評価(評価値算出による経済価値を含む評価配分)に基づき発行(評価発行)される価値尺度機能が自律的に発揮される価値交換媒体」であると言える。また、第2価値交換媒体は、「ユーザ間を移転する価値の相対評価(保有数量、流通貢献率、又は移動評価値算出等に基づいた評価配分及び需給バランスを均衡状態に収束させ続けることによる総量としての流通数量調整)に基づき発行又は消却(自律的に流通数量が増減)される価値保蔵機能を有した価値交換媒体」であると言える。
また、第2価値交換媒体は、例えば、後述するように信用発行機能を有していてもよい。この場合には、信用発行先ユーザの信用の大きさに基づき、信用発行元ユーザ(システム管理者を含んでもよい)は、信用発行先ユーザから取得する債権や株式等の資産(換言すると、第2価値交換媒体の数量で表され得る信用発行する経済価値の回収根拠)を対価に第2価値交換媒体を新規に発行してもよい。これにより、第2価値交換媒体、及び第1価値交換媒体の流通数量の増大、及び流通速度の上昇が期待され得る。
このように、サーバ10の交換所機能によって互いに接続された第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体は、一体として評価本位貨幣としての価値交換媒体として機能を発揮し得る。そして、無償交換価値に内在する経済価値としての評価値(換言すると、類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係り消費された第1価値交換媒体に係る経済価値)に価値を本位させている第1価値交換媒体は、第2価値交換媒体に対して単位交換価値の基準としての機能(アンカリング機能)を提供し、一方で第2価値交換媒体への第1交換(第1交換における対象の第1価値交換媒体はサーバ10の相殺購入によって消却される)によって価値保蔵機能を取得し得る。すなわち、本実施形態において、第1価値交換媒体、及び第2価値交換媒体は、サーバ10による交換所機能を用いた債務発行アルゴリズム、及びスマートコントラクト部131、及び231による第2価値交換媒体の増減アルゴリズム、並びにサーバ10による評価発行アルゴリズムの各処理の連続的な協働処理によって、一体として、価値交換媒体としての機能の根幹たる「価値尺度機能」(換言すると、価値交換媒体1つあたりに内在する経済価値の大きさの統一基準機能や、物差しの目盛りの統一基準機能とも言える)を、場所や時間を超えて強固に安定、及び制御可能な状態でユーザに提供され得るものである。
(1−5)法定通貨、及び仮想通貨との比較
図3は、本実施形態における第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の機能の一例を説明するための図である。図3を用いて、これら価値交換媒体(通貨)の機能について、法定通貨、及び仮想通貨と比較しながら説明する。なお、以下の説明は一例であって、各通貨の機能を限定するものではない。
図3で示すように、法定通貨のインフレ耐性は脆弱であり、発行主体のマクロ経済政策等の政策の影響を受けることはもとより、信認性が発行主体の経済力(国力や国債償還能力等)や法による強制通用力に大きく依存している。そして、法定通貨は発行主体毎に発行され、主に発行主体の統治する経済圏において流通する中で、「価値」が世界中に流通する今日では、国際決済を行う必要性から為替が生じている。そして、流通範囲が発行主体の統治する経済圏に限られている法定通貨であるにもかかわらず、発行主体外によって発行されるその他の法定通貨の影響も多大に受け、及び他の法定通貨に対しても影響を多大に与えるようになっている。また、法定通貨は、債務減少による預金の減少を除くと、消却されないことを前提にユーザ間を流通していること、及び新規に発行される手段を債務増加に依存していることから、インフレ懸念の生じていない平時においての流通速度は遅く、一つどころに留まりやすい性質(持つ者はより多く持ち、持たざる者はより少なく持つ性質)がある。なお、法定通貨の流通制御は、商業銀行等による信用創造システムによって、個人や法人等の経済主体間において負債が連鎖する状態(ユーザ間において債務及び債権が連鎖的に循環する状態)に対して外部から間接的に影響力を行使する態様にとどまっており、たいていは中央銀行による政策金利(コールレート)及び公開市場操作(買いオペレーション・売りオペレーション)による流通制御を図っている。このような法定通貨であるところ、平時においては、価値交換媒体の機能である「価値尺度機能」及び「価値保蔵機能」は、発行主体の統治する経済圏において、多少の変動はありつつも、おおむね機能を発揮してはいるようである。しかしながら、この場合においても、為替の影響を免れることはできず、政策を誤った場合の金融不安の可能性は排除できず、さらには、利害関係の交差する国際関係の整備も怠ることはできないという課題がある。
そうしたところ、図3で示すように、いわゆるビットコイン等の仮想通貨(暗号資産ともいう)は、発行主体及び責任の所在が不安定なこと、及び単なる電子的データに過ぎないこと、並びにそれそのものの価値、又は本位させている対象の価値が確立されておらず、いわば「中身がない」価値交換媒体として存在している。このことから、仮想通貨は、信認性の根拠が極めて不明瞭であり、価値交換媒体として世界中を(ユーザ間を)流通しているとは言っても、単位交換価値は不安定であり、いつ価値(単位交換価値)が暴落、又は暴騰するか誰も予測できないでいる。また、仮想通貨の価値交換媒体としての流通速度は法定通貨にも及んでおらず、ユーザにとって単なる投機対象にしか過ぎないなどと言われている。このように、流通制御もなされず、いわゆる「中身のない」仮想通貨であるところ、価値交換媒体としての重要な機能である「価値尺度機能」は有しておらず、他方で、単位交換価値が変動すると言っても、「価値保蔵機能」の基礎的要素だけは有している。
なお、従来の電子マネーやポイント等の価値交換媒体については、法定通貨に価値の根源を置いており、単独で経済圏を構築、及び流通する価値交換媒体ではないため、これらは法定通貨の従属媒体として、ここでは説明を省く。以上のように、価値交換媒体には、法定通貨と仮想通貨があるが、図3で示すように、第1価値交換媒体と第2価値交換媒体について、その他の価値交換媒体との違いを次に説明する。
通貨は流通する経済圏があって機能を発揮する価値交換媒体であるが、第1価値交換媒体の流通する経済圏は、第1ネットワークである。第1価値交換媒体は、第1ネットワークにおける唯一の決済手段であり、第1ネットワークにおいて所定のアルゴリズムを用いて発行(評価発行、及び債務発行)され流通する。ユーザは、第1ネットワークにアカウントを用いてログインすることで経済活動(その他のユーザとの「価値」の交換)を行えるようになる。また、第1ネットワークにおいては、ユーザの経済活動に対して徴税機能を付加することも可能である。つまり、第1価値交換媒体の信認性の根拠は、第1ネットワークの経済力であると言える。第1価値交換媒体は、第1ネットワークが国を跨いで世界中(通信ネットワークNに接続されたユーザ端末20があるところすべて)、及び時代を超えてユーザに価値交換媒体としての機能を提供するため、所定のアルゴリズムによって安定した「価値尺度機能」を発揮する。そして、第1価値交換媒体は、法定通貨に比して強度な「価値尺度機能」を発揮すること(ユーザ端末20による第2経済活動における消費によって消却等すること、サーバ10による債務発行分の相殺購入によって消却されること、及び期限により消却され得るように構成できること、並びに常に消却される価値交換媒体であってアルゴリズムによって随時、評価発行、及び債務発行され続けることによるもの)から、インフレ懸念は生じず、さらに、第1ネットワークの物価制御(コミットメント及び第2経済活動に係る消費数量の制御)による単位交換価値の制御を可能としており、法定通貨に比して流通制御がしやすい特徴を有している。
次に第2価値交換媒体について説明する。第2価値交換媒体は、第1価値交換媒体の単位交換価値を基準とした期待増加率に基づいて数量が自律的に増加又は減少する、いつでも第1価値交換媒体に交換することができる(「中身」が第1価値交換媒体であると言える)特徴を有した仮想通貨(暗号資産)である。このことから、第2価値交換媒体は、第1価値交換媒体と切り離されると、期待増加率は算出できず、いわゆる「中身がない」ただの仮想通貨になり得る。このように、第2価値交換媒体は、第1価値交換媒体と一体として機能させることを前提にしていることから、第1価値交換媒体と接続された状態の第2価値交換媒体について説明する。
図3で示すように、第2価値交換媒体は、言わば第1価値交換媒体本位価値交換媒体である。このことから、第2価値交換媒体の経済圏(第2ネットワーク)は第1価値交換媒体の経済圏(第1ネットワーク)と重なり合い、通信ネットワークNに接続されたユーザ端末20があるところすべてになる。第2価値交換媒体の信認性の根拠は第1価値交換媒体に依存(連動)する。また、第2価値交換媒体が信用発行機能を備える場合には、第2価値交換媒体の信認性の根拠に、信用発行元が信用発行先から取得する債権等の資産の健全性が影響し得る。第2価値交換媒体は、スマートコントラクト部131及び231と交換所管理部15の協働処理により自身の数量を増加又は減少させること、及びその他の一連のアルゴリズムによって第1価値交換媒体の「価値尺度機能」が生じるようになっている。また、第1価値交換媒体の「価値の尺度」(単位交換価値)が変動した場合には、第2価値交換媒体は、第1価値交換媒体の「価値の尺度」の変動を追いかけるように変動し、及び期待増加率に基づき増加又は減少することから、例えば、物価変動等の単位交換価値の変動による第2価値交換媒体の資産的価値(交換価値)の変動を打ち消すように数量が変動する。そして、第2価値交換媒体は、仮想通貨であることによる基本的な「価値保蔵機能」は有している。また、ユーザの通貨流通に対する貢献度を評価して発行数量を変動させる措置を構成に含めることも可能としている。これらのことから、第2価値交換媒体は、法定通貨及び仮想通貨に比して、「価値尺度機能」及び「価値保蔵機能」が大きく又は強く発揮される、インフレ耐性のある流通制御可能な通貨流通速度の速いグローバル通貨としての機能を発揮し得るものである。
(2)構成
(2−1)システム構成
図4は、価値交換媒体流通システム1の構成の一例を示す図である。価値交換媒体流通システム1は、インターネット等の通信ネットワークNを介して通信可能に接続されたサーバ10と、複数のユーザ端末20とを含む。サーバ10は、システム管理者が利用する情報処理装置の一例であって、ユーザに対して例えば第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体を管理するためのサービス(以下、「価値交換媒体サービス」と称する場合がある。)を提供する。ユーザ端末20は、ユーザが利用する情報処理装置の一例であって、サーバ10が提供する価値交換媒体サービスを利用する際のインタフェースとなる。以下では、サーバ10と、複数のユーザ端末20とによって構成されるネットワークを、価値交換媒体流通ネットワークと称する場合がある。
(2−2)ハードウェア構成
図5は、サーバ10及びユーザ端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。以下では、サーバ10及びユーザ端末20を区別する必要が無い場合、両者をまとめて情報処理装置100と称する。情報処理装置100は、例えば、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、サーバ装置、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダなど)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(例えば、メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、コミュニケーションプラットホーム、及びこれらデバイスを複数組み合わせたものを含んでもよい。
情報処理装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力インタフェース(入出力I/F)104と、通信インタフェース(通信I/F)105とを含む。情報処理装置100のハードウェアの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。
情報処理装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力I/F104と、通信I/F105との協働により、本実施形態に記載される機能、および/または、方法を実現する。
プロセッサ101は、ストレージ103に記憶されるプログラムに含まれるコードまたは命令によって実現する機能、および/または、方法を実行する。プロセッサ101は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
メモリ102は、プロセッサ101がストレージ103からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ101に対して作業領域を提供する。メモリ102には、プロセッサ101がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ102は、限定でなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含む。
ストレージ103は、プログラムを記憶する。ストレージ103は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどを含む。
通信I/F105は、通信ネットワークNを介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F105は、通信ネットワークNを介して、他の情報処理装置との通信を実行する機能を有する。通信I/F105は、各種データをプロセッサ101からの指示にしたがって、他の情報処理装置に送信する。また、通信I/F105は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ101に伝達する。
入出力I/F104は、情報処理装置100に対する各種操作を入力する入力装置、および、情報処理装置100で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力I/F104は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
入力装置は、ユーザからの入力を取得して、当該入力に係る情報をプロセッサ101に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含んでもよい。また、入力装置は、GPSセンサ、加速度センサ、傾きセンサ、振動センサ、温度センサ、気圧センサ、湿度センサ、照度センサ、圧力センサ、血圧センサ、心拍センサ、体温センサ、及び発汗センサ等の、ユーザの動作や状態等に基づく種々の物理量を取得可能な各種センサを含んでもよい。
出力装置は、プロセッサ101で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。当該処理結果を映像、および/または、動画像として出力する場合、出力装置は、フレームバッファに書き込まれた表示データにしたがって、当該表示データを表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置、スピーカ(音声出力)、プリンタなどを含む。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
本実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、限定でなく例として、ソフトウェアプログラムやコンピュータプログラムを含む。
記憶媒体は適切な場合、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。
また、本実施形態のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波など)を介して、情報処理装置100に提供されてもよい。また、本実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
なお、本実施形態のプログラムは、限定でなく例として、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective−C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装される。
情報処理装置100における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
情報処理装置100における処理の少なくとも一部を、他の情報処理装置により行う構成としてもよい。この場合、プロセッサ101により実現される各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、他の情報処理装置で行う構成としてもよい。
(2−3)サーバ10の機能構成
図6は、サーバ10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。サーバ10は、例えば、記憶部11と、第1価値交換媒体管理部12と、第2価値交換媒体管理部13と、アカウント管理部14と、交換所管理部15と、を有する。これらは、上述した情報処理装置100が有するプロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力I/F104と、通信I/F105との協働により実現される。
(2−3−1)記憶部11
記憶部11は、例えば、アカウント情報テーブルと、検索履歴テーブルと、価値テーブルと、第2経済活動実行要求テーブルと、ブロックテーブルと、第1経済活動基礎点数テーブルと、第2経済活動基礎価格テーブルと、第2経済活動テーブルと、第1評価テーブルと、評価購買力倍率テーブルと、交換要求テーブルと、債務発行テーブルと、第3経済活動テーブルと、第1台帳と、第2評価テーブルと、第2台帳と、信用発行テーブルとを記憶する。
<アカウント情報テーブル>
図7Aは、アカウント情報テーブルの一例を示す図である。アカウント情報テーブルは、ユーザを管理するためのテーブルである。アカウント情報テーブルには、例えば、「ユーザを識別するための識別情報(ユーザID)」、「個人と事業者の別」、「性別・生年月日(個人の場合)/業種・創業時期(事業者の場合)」、「ユーザ情報」、及び「地域属性」等が含まれてもよい。ここで、「個人と事業者の別」には、当該ユーザのアカウントの種類としての個人と事業者の別が記録される。また、「性別・生年月日(個人の場合)/業種・創業時期(事業者の場合)」には、ユーザが個人の場合における当該ユーザの性別・生年月日、又ユーザが事業者の場合における当該事業者の業種・創業時期が記録される。また、「ユーザ情報」には、当該ユーザの任意の属性情報が記録される。また、「地域属性」には、当該ユーザの拠点地域が記録される。なお、「地域属性」は主体群が含まれてもよい。
<検索履歴テーブル>
図7Bは、検索履歴テーブルの一例を示す図である。検索履歴テーブルは、例えば、ユーザがユーザ端末20を用いて行った無償交換価値(類型Iに属する価値)、及び有償交換価値(類型IIIに属する価値)の検索の履歴を管理するテーブルである。検索履歴テーブルには、例えば、「検索日時」、「主体群(地域属性含む)」、「ユーザID」、「第1経済活動と第3経済活動の別」、「検索の対象となる主体群(地域属性含む)」、「類型」、及び「検索ワード」等が含まれてもよい。サーバ10は、例えば、ユーザ端末20から当該検索の履歴を取得し、当該検索履歴テーブルに記録することができる。より具体的には、例えば、サーバ10は、ユーザ端末20から受信した類型Iに属する無償交換価値、又は類型IIIに属する有償交換価値に係る検索要求や一覧要求等の結果をユーザ端末20に送信するとき等に、併せてユーザ端末20から受信した検索内容を検索履歴テーブルに記録するとよい。
<価値テーブル>
図7Cは、価値テーブルの一例を示す図である。価値テーブルは、類型I及びIIIに属する価値を管理するためのテーブルである。当該価値は、有償交換価値であってもよいし、無償交換価値であってもよい。また、価値テーブルは、無償交換価値テーブルと、有償交換価値テーブルとに分けて、類型Iに属する価値と、類型IIIに属する価値とを別々に管理してもよい。価値テーブルには、例えば、価値を識別するためのID(価値ID)、価値種別、価値が属する類型、価値の価格、価値の内容、価値提供者であるユーザに係るユーザID(価値提供者ID)、及び価値提供者の属する主体群が含まれてもよい。
<第2経済活動実行要求テーブル>
図7Dは、第2経済活動実行要求テーブルの一例を示す図である。第2経済活動実行要求テーブルは、ユーザ端末20からサーバ10が受信した第2経済活動の実行要求を管理するためのテーブルである。第2経済活動実行要求テーブルには、例えばユーザ端末20からサーバ10に対して送信された、第2経済活動に係る広告宣伝(プッシュ情報)の内容となるデータが登録されている。第2経済活動実行要求テーブルには、例えば、「実行要求承認日時」、「実行要求ユーザの属する主体群」、「実行要求ユーザのユーザID」、「プッシュ内容の属する類型」、「プッシュ内容データ」、「プッシュ対象主体群)」、「プッシュ対象ユーザ」、「プッシュのタイミング」、及び「プッシュ対象となるユーザ端末20の動作状態の条件」等が含まれてもよい。
<ブロックテーブル>
図7Eは、ブロックテーブルの一例を示す図である。ブロックテーブルは、他者第2経済活動ブロック型の第2経済活動の各種情報を管理するためのテーブルである。ブロックテーブルには、例えば、「ユーザID」と、「始期」と、「終期」と、「ブロック対象」とが含まれてもよい。始期及び終期はそれぞれ、例えば、ブロックを実行する期間の開始時点及び終了時点をそれぞれ意味する。ブロック対象は、例えば、ブロックの対象となる他者によるプッシュ型やプル型等の第2経済活動に係る類型IIのカテゴリを示す。サーバ10は、ユーザ端末20から「ブロック要求」(他者第2経済活動ブロック型の第2経済活動の実行要求)を受信すると、第2台帳の更新処理を行うとともに、サーバ10の記憶部11に記憶されたブロックテーブルに「ブロック内容」(他者第2経済活動ブロック型の第2経済活動の実行要求の内容)を記録するとよい。なお、ブロックテーブルは、上述した第2経済活動実行要求テーブルに統合されてもよい。
<第1経済活動基礎点数テーブル>
図7Fは、第1経済活動基礎点数テーブルの一例を示す図である。第1経済活動基礎点数テーブルは、第1経済活動に係る評価点数を算出する基礎となる基礎点数を管理するためのテーブルである。第1経済活動基礎点数テーブルには、例えば、第1経済活動において類型Iに属する無償交換価値を取得するユーザ端末20の動作情報によって規定される、無償交換価値に対する評価を行うための基礎点数が含まれてもよい。第1経済活動基礎点数テーブルには、例えば、第1経済活動の対象となる無償交換価値が属する類型Iのカテゴリ毎、及び主体群毎に、基礎点数が規定されてもよい。第1経済活動基礎点数テーブルに含まれる類型Iのカテゴリの構成、及び基礎点数の値等は、例えば、システム管理者によって設定されてもよいし、少なくとも一のユーザ端末20から受け付けた基礎点数補正要求に基づいて決定されてもよい。基礎点数は、主体群毎に差を設けなくてもよいし、例えば主体群毎の特性を反映させるように主体群毎に差を設けてもよい。基礎点数は、類型Iに含まれる特定のカテゴリ毎に主体群を跨いで一括で設定(変更)されてもよい。
類型Iに属する無償交換価値に対する評価が有する実質的な重みは、類型Iのカテゴリ毎、主体群毎、時期毎に異なる場合があり得る。そこで、サーバ10は、例えば、ユーザ端末20から基礎点数を補正することの要求(基礎点数補正要求)を受け付け、当該要求に応じて第1経済活動基礎点数テーブルに含まれる基礎点数を補正してもよい。基礎点数補正要求は、例えば、ユーザID、類型Iのカテゴリ、及び希望する基礎点数を示す情報等を含んでもよい。サーバ10は、少なくとも1のユーザ端末20から基礎点数補正要求を受け付けておき、所定のタイミング(例えば、所定期間毎、システム管理者により指定したタイミング、又は随時)において、基礎点数補正要求に基づいて第1経済活動基礎点数テーブルに含まれる基礎点数を補正してもよい。基礎点数の補正値の算出方法は、特に限定されないが、例えば、各基礎点数補正要求に係る希望する補正後の基礎点数の加重平均(単純な平均値を含む)、及び中央値等であってよい。また、サーバ10は、記憶部11に記憶された検索履歴テーブルを参照して、類型Iのカテゴリ毎の検索の回数や頻度等を分析した上で、分析結果に基づいて第1経済活動基礎点数テーブルに含まれる基礎点数を補正してもよい。ユーザ端末20は、ユーザによる基礎点数補正要求に係る各種情報を入力するための画面を表示してもよい。当該画面は、任意の態様によって構成されてもよい。
<第2経済活動基礎価格テーブル>
図7Gは、第2経済活動基礎価格テーブルの一例を示す図である。第2経済活動基礎価格テーブルは、第2経済活動に係る第1価値交換媒体の消費数量を算出する基礎となる基礎価格を管理するためのテーブルである。第2経済活動基礎価格テーブルには、第2経済活動において類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る実行要求内容を受信する第2経済活動の対象となるユーザ端末20の動作状態(例えば、「プッシュ型」であれば、サーバ10は、第2経済活動実行要求テーブルに登録された類型IIに属する有償消費価値の取得に係る実行要求内容を、当該実行要求対象となる類型Iに属する無償交換価値を取得しようとするユーザ端末20の動作状態に基づきユーザ端末20の表示装置に送信してもよいし、「プル型」であれば、サーバ10は、実行要求を承認した類型IIに属する有償消費価値の取得に係る実行要求内容を、第2経済活動実行要求テーブルに登録することなく、当該実行要求元となる類型IIに属する有償消費価値を取得しようとするユーザ端末20の動作状態に基づき送信「ビッグデータの提供等」してもよい)によって規定される、第2経済活動に係る類型IIに属する有償消費価値の取得行為毎の基礎価格が含まれてもよい。第2経済活動基礎価格テーブルには、例えば、第2経済活動において取得しようとする有償消費価値の属する類型IIのカテゴリ毎、及び主体群毎の基礎価格が含まれてもよい。第2経済活動基礎価格テーブルに含まれる「類型IIのカテゴリ」、及び「基礎価格」等は、例えば、システム管理者によって設定されてもよいし、機械学習装置を用いた人工知能によって決定(更新)されてもよい。「基礎価格」は、主体群毎に差を設けなくてもよいし、主体群毎に差を設けてもよいが、購買力の大きさが異なる複数の主体群を跨いで本実施形態に係る価値交換媒体流通システム1を実施する場合には、主体群毎に差を設けるとよい。システム管理者は、あらかじめ第2経済活動において取り扱われる有償消費価値を分類するように各有償消費価値のカテゴリを規定し、各主体群の類型IIのカテゴリ毎に、例えば、主体群Aの類型IIAは「300ACT/分」、類型IIBは「800ACT/回」、又は類型IICは「5ACT/ピクセル×分」等のように、あらかじめ分類された有償消費価値の取得行為の態様に応じて基礎価格を設定するとよい。
類型IIに属する有償消費価値の取得行為に対する基礎価格で表す各有償消費価値が有する実質的な重みは、類型IIのカテゴリ毎、主体群毎、時期毎に異なる場合があり得る。そこで、サーバ10は、例えば、サーバ10に接続されたシステム管理者の操作する情報処理装置、サーバ10の入出力I/F104(装置)、又は上述するサーバ10に接続された機械学習装置から基礎価格を補正することの要求(基礎価格補正要求)を受け付け、基礎価格補正要求に応じて第2経済活動基礎価格テーブルに含まれる基礎価格を補正してもよい。基礎価格補正要求は、例えば、類型IIのカテゴリ、主体群、及び修正後の基礎価格を示す情報等を含んでもよい。サーバ10は、少なくとも当該1の装置から基礎価格補正要求を受け付けておき、所定のタイミング(例えば、所定期間毎、システム管理者により指定したタイミング、又は随時)において、基礎価格補正要求に基づいて第2経済活動基礎価格テーブルに含まれる基礎価格を補正してもよい。基礎価格の補正値の算出方法は、特に限定されないが、例えば、各基礎価格補正要求に係る任意の基礎価格等であってよい。
<第2経済活動テーブル>
図7Hは、第2経済活動テーブルの一例を示す図である。第2経済活動テーブルは、第2経済活動に関する各種の情報を管理するためのテーブルである。第2経済活動テーブルには、例えば、「日付時間」、「第2経済活動を行うユーザのユーザID」、「第2経済活動を行うユーザの属する主体群」、「第2経済活動数量」、「類型」、及び「第2経済活動の対象となるユーザの属する主体群」等が含まれてもよい。「日付時間」には、第2経済活動が行われた時間が記録される。なお日付時間は、世界標準時間としてもよい。「第2経済活動数量」には、「第2経済活動を行うユーザ」が行った第2経済活動における第1価値交換媒体の消費数量が記録される。「類型」には、当該ユーザが行った第2経済活動において取得しようとする有償消費価値が属する類型IIのカテゴリが記録される。
<第1評価テーブル>
図7Iは、第1評価テーブルの一例を示す図である。第1評価テーブルは、第1経済活動毎に当該第1経済活動に関する各種の情報を管理するためのテーブルである。第1評価テーブルには、例えば、第1経済活動毎の「日付時間」、「無償交換価値ID」、「類型」、「無償交換価値提供者のユーザID」、「無償交換価値提供者の属する主体群」、「無償交換価値取得者のユーザID」、「無償交換価値取得者の属する主体群」、「評価点数」、「評価値」、及び「評価発行」等が含まれてもよい。「日付時間」には、第1経済活動が行われた時間が記録される。「無償交換価値ID」には、第1経済活動によって評価の発生した無償交換価値のIDが記録される。「類型」には、評価対象となる無償交換価値が属する類型Iのカテゴリが記録される。「評価点数」には、第1経済活動基礎点数テーブル、及び無償交換価値取得者が利用するユーザ端末20の無償交換価値の取得に係る動作情報に基づいて算出される、評価値や評価購買力倍率の算出基礎となる評価点数が定量的に算出及び記録される。ここで、動作情報は、ユーザ端末20が無償交換価値を利用(取得)する際の当該ユーザ端末20の動作を任意に(定性的、又は定量的に)示す情報である。動作情報は、情報処理装置が備える上述した各種の入力装置(タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ、マイク、GPSセンサ、加速度センサ、傾きセンサ、振動センサ、温度センサ、気圧センサ、湿度センサ、照度センサ、圧力センサ、血圧センサ、心拍センサ、体温センサ、及び発汗センサ等)によって取得可能な任意の情報を含んでもよい。より具体的には、動作情報は、例えば、動画データである無償交換価値については再生時間等であってよく、記事等の文字データである無償交換価値については表示データ量(表示文字数を含む)等であってよく、画像データである無償交換価値については表示画素数等であってよい。動作情報は、類型Iのカテゴリ毎、及び主体群毎に定められた基礎点数から評価点数を算出するための基礎となるデータである。すなわち、動作情報は、ユーザ端末20に取得された類型Iに属する無償交換価値に係る基礎点数から評価点数を算出するための根拠となり得る情報である。動作情報をいずれの入力装置で取得されるどのような種類のデータとするかは、システム管理者等が任意に設定してもよい。特に、システム管理者等は、類型Iのカテゴリ毎の無償交換価値の態様に応じて、上述した評価点数が合理的に算出されるように動作情報を設定してもよい。「評価値」には、後述する無償交換価値評価部122が算出した評価値が記録される。「評価発行」には、後述する評価発行部123による評価値に基づく第1価値交換媒体の評価発行が実行処理済みであるか未了であるかを示す情報が記録される。なお、これにより、サーバ10は、類型Iに属する無償交換価値を取得等するユーザの行動の履歴情報を、記憶部11に記憶されているその他のテーブル、及び台帳と一体化させたビッグデータとして取得することが可能となり、当該履歴情報(ビッグデータ)を第1ネットワークに生じた「価値」として取り扱うことで、第2経済活動を通して第1経済活動によって第1ネットワークに生じた「価値」を取り出す行為から得られる結果としての経済価値を、有償消費価値としてユーザ端末20に提供することが可能となる。
第1評価テーブルに記録される評価点数は、例えばサーバ10の評価補正部127等により、所定のタイミング(例えば、サーバ10の無償交換価値評価部122による評価購買力倍率の算出処理が開始される前の任意の時点)において、所定の評価補正アルゴリズムによって補正されてもよい。当該評価補正アルゴリズムは、第1経済活動に関連する任意のパラメータ、及び/又はユーザやシステム管理者等により設定された設定情報に基づいて、評価点数を補正する処理であってよい。
各ユーザが取得する無償交換価値については、例えば、類型Iのいずれのカテゴリに含まれるか、当該無償交換価値の提供者であるユーザは誰か、などの属性を観念することができる。評価補正アルゴリズムは、例えば、補正対象の評価点数に係る特定の無償交換価値(無償交換価値取得者が第1経済活動において取得する無償交換価値)の当該属性が、当該ユーザが所定期間内に取得した全ての無償交換価値の属性に占める割合に基づいて、当該評価点数を補正する処理であってもよい。
例えば、無償交換価値が含まれる類型Iのカテゴリを上述した属性とした場合、サーバ10の評価補正部127等は、所定期間内に当該ユーザが取得した全ての無償交換価値のうち当該カテゴリに含まれる無償交換価値が占める割合を算出し、当該割合に基づいて補正対象となる評価点数を補正してもよい。このとき、当該割合が大きいほど評価点数が小さくなるように補正するとよい。また、当該割合が小さいほど評価点数が大きくなるように補正してもよい。
また、例えば、無償交換価値の提供者を上述した属性とした場合、サーバ10の評価補正部127等は、所定期間内に当該ユーザが取得した全ての無償交換価値のうち補正対象となる無償交換価値の提供者によって提供された無償交換価値の割合を算出し、当該割合に基づいて補正対象となる評価点数を補正してもよい。このとき、当該割合が大きいほど評価点数が小さくなるように補正するとよい。また、当該割合が小さいほど評価点数が大きくなるように補正してもよい。
評価点数の補正処理は、例えば、評価点数に所定の補正倍率を乗算することにより実行されてもよい。ここで、当該補正倍率は、例えば、以下のとおり算出されてもよい。
「補正倍率」=1+y+y’
ここで、y=a+(1−各カテゴリの閲覧割合)×bであり、aは、全て同一のカテゴリの無償交換価値を取得した場合の加算値、bは、一度も取得したことがないカテゴリの無償交換価値を取得した場合の加算値である。また、y’=a’+(1−各ユーザの閲覧割合)×b’であり、a’は、全て同一の無償交換価値提供者が提供する無償交換価値を取得していた場合の加算値、b’は、一度も取得したことがない無償交換価値提供者が提供する無償交換価値を取得した場合の加算値を表している。
また、評価補正アルゴリズムは、例えば、一単位の無償交換価値の全体に占める無償交換価値取得者によって利用された(ユーザ端末20によって出力された)部分の割合に基づいて、評価点数を補正する処理であってよい。上述したとおり、評価点数の補正処理は、例えば、評価点数に所定の補正倍率を乗算することにより実行されてもよい。ここで、当該補正倍率は、例えば、一単位の無償交換価値の全体に占める無償交換価値取得者によって利用された(ユーザ端末20によって出力された)部分の割合そのものとしてもよい。
<評価購買力倍率テーブル>
図7Jは、評価購買力倍率テーブルの一例を示す図である。評価購買力倍率テーブルは、各評価購買力倍率算出期間における後述する評価購買力倍率を管理するためのテーブルである。ここで、評価購買力倍率算出期間は、システム管理者等によって任意に設定された、評価購買力倍率を算出するための所定期間であってよい。評価購買力倍率テーブルは、例えば、図7Jに示すとおり、主体群毎に各評価購買力倍率が記録されてもよい。
<交換要求テーブル>
図7Kは、交換要求テーブルの一例を示す図である。交換要求テーブルは、ユーザ端末20から受信した交換要求、及び当該交換要求についての約定処理(第1交換、又は第2交換)を管理するためのテーブルである。交換要求テーブルには、例えば、「交換要求の日付時間」、「ユーザID」、「主体群」、「交換要求種別」、「数量」、「希望交換率」、及び「約定処理の日付時間」が含まれてもよい。「交換要求の日付時間」には、サーバ10がユーザ端末20から交換要求を取得した時間が記録される。「ユーザID」は、交換要求を送信したユーザ端末20に係るユーザIDが記録される。「主体群」には、交換要求を送信したユーザ端末20に係るユーザが属する主体群が記録される。「交換要求種別」には、交換要求の種別、すなわち、当該交換要求が第1交換要求であるか第2交換要求であるかが記録される。「数量」には、交換を希望する交換媒体(第1交換要求であれば第1価値交換媒体、第2交換要求であれば第2価値交換媒体)の数量が記録される。希望交換率には、ユーザが希望する第1価値交換媒体と第2価値交換媒体との単位交換価値の比率が記録される。「約定処理の日付時間」には、サーバ10が当該交換要求について約定処理を実行した時間が記録される。
<債務発行テーブル>
図7Lは、債務発行テーブルの一例を示す図である。ここで、債務発行テーブルは、第1価値交換媒体の債務発行に関する各種の数量を管理するためのテーブルである。債務発行テーブルには、例えば、「債務発行数量」、「相殺購入数量」、「時限消却数量」、「債務発行の残高」、「第1価値交換媒体の流通総量」、及び「債務発行の残高の流通総量に占める割合」(第1価値交換媒体の流通総量に占める債務発行の残高の割合)等が含まれてもよい。ここで、債務発行数量をA、相殺購入数量をB、時限消却数量をB’とすると、債務発行の残高はA−(B+B’)として表せる。また、債務発行数量Aは、新規に発行された債務発行数量の累積として、相殺購入数量Bは、新規に相殺購入された数量の累積として、時限消却数量B’は、新規に時限消却した数量の累積として、それぞれ算出されてもよい。
<第3経済活動テーブル>
図7Mは、第3経済活動テーブルの一例を示す図である。第3経済活動テーブルは、実際に行われた第3経済活動に関する各種の情報を管理するためのテーブである。第3経済活動テーブルには、例えば、「日付時間」、「提供者主体群」、「提供者ユーザID」、「取得者主体群」、「取得者ユーザID」、「類型」、「第1価値交換媒体数量」等を含んでもよい。「日付時間」には、第3経済活動が行われた時間が記録される。なお日付時間は、世界標準時間としてもよい。「提供者主体群」には、第3経済活動において提供者となったユーザの属する主体群が記録される。「提供者ユーザID」には、第3経済活動において提供者となったユーザのIDが記録される。「取得者主体群」には、第3経済活動において取得者となったユーザの属する主体群が記録される。「取得者ユーザID」には、第3経済活動において取得者となったユーザのユーザIDが記録される。「類型」には、当該ユーザが行った第3経済活動に係る有償交換価値が属する類型IIIのカテゴリが記録される。「第1価値交換媒体数量」には、当該第3経済活動において売買される有償交換価値の交換対価としての第1価値交換媒体の数量が記録される。
<第1台帳>
図7Nは、第1台帳の一例を示す図である。第1台帳は、第1価値交換媒体に関する各種の情報を管理するための台帳である。第1台帳には、第1価値交換媒体の発行、移転(譲渡)、消却等に関する情報が含まれる。図7Nに示すとおり、例えば第1台帳は、「媒体ID」、「取得ユーザID」、「取得日」、「取得原因」、「送金元ユーザID」、及び「消却予定日」等を含んでもよい。媒体IDは、個々の第1価値交換媒体を識別するための情報である。取得ユーザIDは、第1価値交換媒体を取得したユーザのユーザIDである。取得日は、ユーザが第1価値交換媒体を取得した日付である。取得原因は、ユーザが第1価値交換媒体を取得した原因であって、例えば、評価発行、債務発行、第3経済活動、及び(単なる)送金等を含んでもよい。「送金元ユーザID」は、取得原因が第3経済活動や(単なる)送金等の場合の、取得された第1価値交換媒体を送金したユーザのユーザIDである。消却予定日は、サーバ10が設定した第1価値交換媒体の消却期限の日付である。なお、上述した第1台帳は、第1価値交換媒体の各々に媒体IDを付してこれらを区別する態様とした。しかしながら、第1台帳としては、第1価値交換媒体の各々を区別せずに、各ユーザIDに紐付けられた第1価値交換媒体の数量を記録する態様としてもよい。また、「媒体ID」が用いられる態様の場合においては、第2経済活動におけるユーザによる消費、ユーザ端末20の第1交換要求に基づくサーバ10の第2約定処理による相殺購入、又は「消却予定日」が到来等することによって当該消却(消費消却、相殺消却、又は時限消却)する第1価値交換媒体を第1台帳から消却してもよいし、消却させず、「ユーザID」を空欄にして「媒体ID」そのものを累積的に管理するようにしてもよい。なお、累積的に「媒体ID」を管理する場合には、「ユーザID」が空欄となった「媒体ID」を累積的に積み上げ続けてもよいし、所定の期間が経過した後に累積的に積み上げられた「ユーザID」が空欄となった「媒体ID」を評価発行分又は債務発行分に割り当てるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、第1価値交換媒体の発行、移転(譲渡)又は消却に応じて、第1台帳のレコードを書き換える構成としたが、それぞれの第1価値交換媒体について、発行から移転及び消却に至る履歴をレコードとして残すようにしてもよい。
<第2評価テーブル>
図7Oは、第2評価テーブルの一例を示す図である。第2評価テーブルは、サーバ10やユーザ端末20の間での第2価値交換媒体の送金状態から各ユーザを評価するためのテーブルである。すなわち、第2評価テーブルを構成に含める場合には、後述する第2価値交換媒体の「増加パターン(iii)移動評価値のみに基づく増加」、又は「増加パターン(iv)保有数量及び移動評価値に基づく場合」にあたって、単に送金数量の大小のみで新規発行数量を決定することに替えて、第2評価テーブルを用いて送金内容を評価することで、増加時の第2価値交換媒体の新規発行数量を「移動評価値、及び到達割増率に基づき決定する」ことが可能となる。第2評価テーブルを用いた移動評価値の算出、及び増加パターン(iii)を構成に含める場合には、ユーザに新規発行される第2価値交換媒体数量は、「第2評価テーブルに記録される移動評価値の総和に占めるユーザの移動評価値の割合×(到達割増率−1)×第2価値交換媒体流通総量」であり、換言すると、第2評価テーブルにおける移動評価値は、第1評価テーブルにおける評価点数と、ほぼ同じ役割を担うと言える。これにより、第1価値交換媒体、及び第2価値交換媒体の流通速度が向上し得る。第2評価テーブルには、例えば、「日付時間」、「第2価値交換媒体の数量」、「送金ユーザID」、「着金ユーザID」、「送金区分」、「送金区分倍率」、「相殺判定」、及び「移動評価値」が含まれてもよい。「日付時間」には、第2価値交換媒体の移動が実行された日時が記録される。時間は世界標準時間としてもよい。「第2価値交換媒体の数量」には、移動が実行された第2価値交換媒体の数量が記録される。「送金ユーザID」には、媒体IDとの紐付けを解かれたユーザの識別番号が記録される。「着金ユーザID」には、媒体IDに新たに紐づけられたユーザの識別番号が記録される。なお図7Oにおいて「U000」はサーバIDとして記載している。「送金区分」には、送金状況に応じた区分が記録される。例えば、Aならユーザ端末20による第2交換要求と、サーバ10による第1相場交換要求が約定した時に発生するサーバ10への第2価値交換媒体の送金、Bなら第1ネットワークにおける課金、又は手数料等の決済時に発生するサーバ10への第2価値交換媒体の送金、及びCなら譲渡や決済といったユーザ端末20間での第2価値交換媒体の送金、といった具合に、あらかじめ送金区分を設定しておく。「送金区分倍率」には、送金区分に応じて設定された倍率を記録しておく。これはサーバ10による専用行為として決定、及び更新してもよいし、少なくとも一以上のユーザ端末20を含む手段によって決定、及び更新してもよい。「相殺判定」には、実行された送金が移動評価値の算出に加えるか否かを判定し、例えば移動評価値の算出に加える(相殺判定なし)と判定された場合は0、移動評価値の算出に加えない(相殺判定あり)と判定された場合は1が記録される。さらに、先に相殺判定なしと判定されていた送金が、後に発生した取引によって相殺判定ありと判定された場合は、当該送金の相殺判定を書き換えて記録してもよいし、移動評価値をマイナスさせる為だけの行が作成されてもよい。判定の方法は、例えば送金ユーザU002が着金ユーザU001に通常譲渡Cにて送金を行ったとき、所定の期間以内に着金ユーザU001が送金ユーザU002への通常譲渡Cによる送金を行っていた場合(送金された第2交換媒体を送金者へ戻す行為とみなせる)、これと同数の第2価値交換媒体の移動に関しては移動評価値に加えないとしてもよい。図7Oの第2評価テーブルにおいては、行5の移動を実行した際に、先に行1の取引が存在する為、行1と、同数量となる120,000ESTを行5の186,000から減算した66,000ESTのみを用いて移動評価値を算出する。同時に、行1の移動評価値は0に書き換えられる。(若しくはU001の移動評価値をマイナス120,000する為だけの行が作成されてもよい。)「移動評価値」には、(第2価値交換媒体の数量)×(送金区分倍率)により、算出された値が記録される。
<第2台帳>
図7Pは、第2台帳の一例を示す図である。第2台帳は、例えばブロックチェーンにより構成され、第2価値交換媒体の取引情報(トランザクション)が含まれる。ブロックは、ユーザ間における任意の取引に関する情報を含む。具体的には、各ブロックは、ダイジェストデータ及び取引に関する情報であるトランザクションのリストを含む。ダイジェストデータは、1つ前のブロックから算出された新たなハッシュ値を含む。すなわち、図7Pに示すように、ブロックが1つ前のブロックに含まれる情報から算出されたハッシュ値を含むことによって、各ブロックがチェーンのように繋がった状態で取引データベース(ブロックチェーン)として記憶される。トランザクションは、ユーザ間において第2価値交換媒体の取引を記録するデータである。トランザクションは、移転元に関する情報を示すインプット情報と、移転先に関する情報を示すアウトプット情報とを含む。インプット情報は、移転元のユーザが取引対象となる第2価値交換媒体の移転を受けたときのトランザクションのアウトプット情報(トランザクションを特定する識別情報(トランザクションのハッシュ値や配列番号等))と、当該ユーザがその第2価値交換媒体を所有することを証明するための情報(当該アウトプットを使用する条件を満たすスクリプト等)を含む。
図7Qは、第2台帳の他の一例を示す図である。第2台帳には、第2価値交換媒体の発行、移転(譲渡)、消却に関する情報が含まれる。図7Qに示すとおり、第2台帳は、例えば、「媒体ID」、「ユーザID」、「取得原因」、及び「取得日」等を含む。媒体IDは、個々の第2価値交換媒体を識別するための情報である。ユーザIDは、第2価値交換媒体の保有者を識別するための情報である。取得原因は、第2価値交換媒体の取得の原因を示す情報であって、例えば、サーバ10又はユーザ端末20による後述する第2価値交換媒体の増加処理による新規発行、サーバ10の交換所機能による第1交換による第1価値交換媒体の対価としての取得、他のユーザ端末20からの送金等を含んでもよい。また、取得原因は、例えば、サーバ10による債務発行を含んでもよい。また、取得原因は、例えば、サーバ10、又はユーザ端末20による信用発行を含んでもよい。取得日は、ユーザが第2価値交換媒体を取得した日付である。なお、上述した第2台帳は、第2価値交換媒体の各々に媒体IDを付してこれらを区別する態様とした。しかしながら、第2台帳としては、第2価値交換媒体の各々を区別せずに、各ユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量を記録する態様としてもよい。また、「媒体ID」が用いられる態様の場合においては、スマートコントラクト部131、又は231の減少実行部131e又は231eによって消却する第2価値交換媒体を第2台帳から消却してもよいし、消却させず、「ユーザID」を空欄にして「媒体ID」そのものを累積的に管理するようにしてもよい。なお、累積的に「媒体ID」を管理する場合には、「ユーザID」が空欄となった「媒体ID」を累積的に積み上げ続けてもよいし、所定の期間が経過した後に累積的に積み上げられた「ユーザID」が空欄となった「媒体ID」を増加実行部131c又は231cによる発行等に割り当てるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、第2価値交換媒体の発行、移転(譲渡)又は消却に応じて、第2台帳のレコードを書き換える構成としたが、それぞれの第2価値交換媒体について、発行から移転及び消却に至る履歴をレコードとして残すようにしてもよい。
<信用発行テーブル>
図7Rは、信用発行テーブルの一例を示す図である。信用発行テーブルには、第2価値交換媒体の信用発行に関する情報が含まれる。図7Rに示すとおり、信用発行テーブルは、例えば、「信用発行先ID」、「信用発行元ID」、「信用発行数量」、「信用消却数量」、「信用発行残高」、及び「信用発行限度数量」等を含む。「信用発行先ID」は、信用発行先としてのユーザIDである。「信用発行元ID」は、信用発行元としてのシステム管理者ID、又はユーザIDである。「信用発行数量」は、当該信用発行先のユーザに対して信用発行された第2価値交換媒体の(累積的)数量である。「信用消却数量」は、当該信用発行先のユーザに対して信用消却された第2価値交換媒体の(累積的)数量である。「信用発行残高」は、当該信用発行先のユーザに対して現時点で発行されている信用発行数量の残高(すなわち、「(累積的)信用発行数量−(累積的)信用消却数量」)である。信用発行限度数量は、当該信用発行先のユーザに係る所定の信用発行限度数量である。
(2−3−2)第1価値交換媒体管理部12
第1価値交換媒体管理部12は、例えば、価値処理部121と、無償交換価値評価部122と、評価発行部123と、送金処理部124と、決済処理部125と、消却処理部126と、評価補正部127と、第2経済活動処理部128とを有する。価値処理部121は、ユーザ端末20から受信した価値に関する処理を実行する。無償交換価値評価部122は、評価発行アルゴリズムの一例であって、ユーザ間を無償で移転した価値や、無償交換価値提供者についての評価処理を実行する。評価発行部123は、無償交換価値評価部122が算出した評価値に基づいて、第1価値交換媒体を無償交換価値提供者に評価発行する。送金処理部124は、第1価値交換媒体のユーザ間の送金処理を実行する。決済処理部125は、第1価値交換媒体のユーザ間の第3経済活動に係る決済に関する処理を実行する。消却処理部126は、各第1価値交換媒体の消却期限を管理し、消却期限が到来した第1価値交換媒体を消却する処理を実行する。評価補正部127は、第1経済活動基礎点数テーブルを補正する処理を実行する。第2経済活動処理部128は、第2経済活動に関する処理を実行する。
(2−3−3)第2価値交換媒体管理部13
第2価値交換媒体管理部13は、例えば、スマートコントラクト部131と、信用発行部132とを有する。
スマートコントラクト部131は、所定の増加条件、又は所定の減少条件が満たされる場合に所定の処理を自動的に実行する、所謂スマートコントラクトとして構成され、具体的には、相場交換率のモニタリングに基づく第2価値交換媒体の増減処理(増加処理、又は減少処理)を実行する。スマートコントラクト部131は、例えば、相場交換率取得部131aと、増加条件判定部131bと、増加実行部131cと、減少条件判定部131dと、減少実行部131eとを有する。相場交換率取得部131aは、例えば、サーバ10が有する交換所管理部15(例えば、相場交換率算出部151)から相場交換率を取得する。増加条件判定部131bは、例えば、所定の増加条件が満たされるか否かを判定する。増加実行部131cは、例えば、増加条件判定部131bの判定結果に応じて、第2価値交換媒体を所定数量だけ増加させる処理を実行する。減少条件判定部131dは、例えば、所定の減少条件が満たされるか否かを判定する。減少実行部131eは、例えば、減少条件判定部131dの判定結果に応じて、第2価値交換媒体を所定数量だけ減少させる処理を実行する。
信用発行部132は、例えば、第2価値交換媒体の信用発行に係る処理を実行する。信用発行部132は、例えば、受付部132aと、更新情報生成部132bと、判定部132cとを有する。受付部132aは、例えば、ユーザ端末20から信用発行要求を受け付ける。更新情報生成部132bは、例えば、信用発行のための第2台帳の更新情報を生成する。より具体的には、更新情報生成部132bは、例えば、信用発行要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量で表される、当該信用発行要求元であるユーザIDから提供される資産の価値の大きさに基づいた数量の第2価値交換媒体を当該ユーザIDに対して新規に発行(信用発行)するための更新情報を生成する。判定部132cは、例えば、信用発行要求に係るユーザIDに対して信用発行される第2価値交換媒体の残高が、所定の信用発行限度数量を超えるか否かを判定する。
(2−3−4)アカウント管理部14
アカウント管理部14は、ユーザ登録やログイン処理等の、ユーザが価値交換媒体サービスを利用するための基本的な処理を実行する。アカウント管理部14の処理には、生体認証、又は2段階認証等の認証処理を含めてもよい。
(2−3−5)交換所管理部15
交換所管理部15は、サーバ10が提供する第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体等の交換所としての処理を実行する。交換所管理部15は、例えば、相場交換率算出部151と、第1交換要求受付部152aと、第2交換要求受付部152bと、第1相場交換要求生成部153aと、第2相場交換要求生成部153bと、第1約定処理部154aと、第2約定処理部154bと、増加時希望交換率修正部155aと、減少時希望交換率修正部155bと、第1固定交換要求生成部156aと、第2固定交換要求生成部156bと、を有する。
相場交換率算出部151は、例えば、ユーザが希望する第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の間の交換率である希望交換率(第1希望交換率、及び第2希望交換率を含む)に基づいて、希望交換率の相場である相場交換率(第1相場交換率、及び第2相場交換率を含む)を算出してもよい。
第1交換要求受付部152aは、例えば、ユーザ端末20から受信した第1交換要求を受け付け、記憶部11に記憶された交換要求テーブルに記録してもよい。ここで、第1交換要求は、例えば、所定数量の第1価値交換媒体をユーザが希望する第1希望交換率で第2価値交換媒体に交換するための要求であってよい。
第2交換要求受付部152bは、例えば、ユーザ端末20から受信した第2交換要求を受け付け、記憶部11に記憶された交換要求テーブルに記録してもよい。ここで、第2交換要求は、例えば、所定数量の第2価値交換媒体をユーザが希望する第2希望交換率で第1価値交換媒体に交換するための要求であってよい。
第1相場交換要求生成部153aは、例えば、所定の第1相場交換要求を生成してもよい。ここで、所定の第1相場交換要求は、例えば、希望交換率(第1希望交換率及び第2希望交換率)の相場である相場交換率(第1相場交換率)で、所定数量の第1価値交換媒体を第2価値交換媒体に交換するための要求であってよい。
第2相場交換要求生成部153bは、例えば、所定の第2相場交換要求を生成してもよい。ここで、所定の第2相場交換要求は、例えば、希望交換率(第1希望交換率及び第2希望交換率)の相場である相場交換率(第2相場交換率)で、所定数量の第2価値交換媒体を第1価値交換媒体に交換するための要求であってよい。
第1約定処理部154aは、例えば、第1相場交換要求や第1固定交換要求等と、所定の第1約定条件を満たす第2交換要求との約定処理を実行してもよい。所定の第1約定条件は、例えば、第2希望交換率が第1相場交換率と同一又はこれより低いこと、及び第2希望交換率が第1目標交換率と同一又はこれより低いこと等を含んでもよい。また、所定の第1約定条件は、第2交換要求が成行であることを含んでもよい。
第2約定処理部154bは、例えば、第2相場交換要求や第2固定交換要求等と、所定の第2約定条件を満たす第1交換要求との約定処理を実行してもよい。所定の第2約定条件は、例えば、第1希望交換率が第2相場交換率と同一又はこれより高いこと、及び第1希望交換率が第2目標交換率と同一又はこれより高いこと等を含んでもよい。また、所定の第2約定条件は、第1交換要求が成行であることを含んでもよい。
増加時希望交換率修正部155aは、例えば、所定の増加条件が満たされることに応じて各ユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が増加した場合、第1交換要求に係る第1希望交換率を当該第1交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量の増加割合を相殺するように修正してもよい。また、増加時希望交換率修正部155aは、例えば、所定の増加条件が満たされることに応じて各ユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が増加した場合、第2交換要求に係る第2希望交換率を当該第2交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量の増加割合を相殺するように修正してもよい。
減少時希望交換率修正部155bは、例えば、所定の減少条件が満たされることに応じて各ユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が減少した場合、第1交換要求に係る第1希望交換率を当該第1交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量の減少割合を相殺するように修正してもよい。また、減少時希望交換率修正部155bは、例えば、所定の減少条件が満たされることに応じて各ユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が減少した場合、第2交換要求に係る第2希望交換率を当該第2交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量の減少割合を相殺するように修正してもよい。
第1固定交換要求生成部156aは、例えば、所定の第1固定交換要求を生成してもよい。ここで、所定の第1固定交換要求は、例えば、第1価値交換媒体を所定の目標交換率(第1目標交換率)で第2価値交換媒体に交換するための要求であってよい。
第2固定交換要求生成部156bは、例えば、所定の第2固定交換要求を生成してもよい。ここで、所定の第2固定交換要求は、例えば、第2価値交換媒体を所定の目標交換率(第2目標交換率)で第1価値交換媒体に交換するための要求であってよい。
(2−4)ユーザ端末20の機能構成
図8は、ユーザ端末20の機能的な構成の一例を示すブロック図である。ユーザ端末20は、例えば、記憶部21と、第1価値交換媒体処理部22と、第2価値交換媒体処理部23と、アカウント処理部24と、交換要求処理部25と、表示処理部26とを有する。これらは、上述した情報処理装置100が有するプロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力I/F104と、通信I/F105との協働により実現される。
(2−4−1)記憶部21
記憶部21は、例えば、第2評価テーブルと、第2台帳と、ウォレット管理アプリXとを記憶する。第2台帳は、例えばブロックチェーン等の分散型台帳として構成されてもよく、第2価値交換媒体の取引情報(トランザクション)が含まれてもよい。なお、第2評価テーブルは、第2台帳と同様にブロックチェーン等の分散型台帳として構成されてもよく、第2台帳に付随させてもよい。
ウォレット管理アプリXは、ウォレット管理アプリX1と、ウォレット管理アプリX2との総称である。ウォレット管理アプリX1は、第1台帳に記録されたユーザが保有する(ユーザIDに紐付けられた)第1価値交換媒体を管理するためのアプリである。ユーザは、ユーザ端末20を用いてウォレット管理アプリX1により、その他のユーザ(ユーザID、及びサーバID)からの第1価値交換媒体の発行(サーバ10からの評価発行、及び債務発行)、及び譲渡(任意の取引の対価としての譲渡を含む)を受け付け、且つその他のユーザ(ユーザID、及びサーバID)に対する第1価値交換媒体の譲渡(一方的な送金、及び任意の取引の対価としての譲渡を含み得る)を行うことができるようにするとよい。また、ウォレット管理アプリX2は、第2台帳に記録されたユーザが保有する第2価値交換媒体を管理するためのアプリとして機能する。ユーザは、ユーザ端末20を用いてウォレット管理アプリX2により、その他のユーザ(ユーザID、及びサーバID)からの第2価値交換媒体の信用発行、譲渡(一方的な送金、及び任意の取引の対価としての譲渡を含み得る)を受け付け、増加実行部131c、及び231cによる第2価値交換媒体の発行を受け付け、減少実行部131e、及び231eによる第2価値交換媒体の消却を受け付け、且つその他のユーザ(ユーザID、及びサーバID)に対して第2価値交換媒体の譲渡を行うことができるようにするとよい。
(2−4−2)第1価値交換媒体処理部22
第1価値交換媒体処理部22は、例えば、価値登録処理部221と、送金部222と、第2経済活動処理部223と、価値利用部224と、基礎点数補正要求部225とを有する。価値登録処理部221は、類型IIIに属する有償交換価値又は類型Iに属する無償交換価値に関する登録処理を実行する。送金部222は、第1価値交換媒体の送金に関する処理を実行する。第2経済活動処理部223は、第2経済活動に関する処理を実行する。価値利用部224は、有償交換価値又は無償交換価値の利用に関する処理を実行する。基礎点数補正要求部225は、類型Iに属する無償交換価値の評価に係る基礎点数を補正する要求に関する処理を実行する。
(2−4−3)第2価値交換媒体処理部23
第2価値交換媒体処理部23は、例えば、スマートコントラクト部231と、信用発行部232とを有する。
スマートコントラクト部231は、所定の増加条件、又は所定の減少条件が満たされる場合に所定の処理を自動的に実行する、所謂スマートコントラクトとして構成され、具体的には、相場交換率のモニタリングに基づく第2価値交換媒体の増減処理(増加処理、又は減少処理)を実行する。スマートコントラクト部231は、例えば、相場交換率取得部231aと、増加条件判定部231bと、増加実行部231cと、減少条件判定部231dと、減少実行部231eとを有する。相場交換率取得部231aは、例えば、サーバ10が有する交換所管理部15(例えば、相場交換率算出部151)から相場交換率を取得する。増加条件判定部231bは、例えば、所定の増加条件が満たされるか否かを判定する。増加実行部231cは、例えば、増加条件判定部231bの判定結果に応じて、第2価値交換媒体を所定数量だけ増加させる処理を実行する。減少条件判定部231dは、例えば、所定の減少条件が満たされるか否かを判定する。減少実行部231eは、例えば、減少条件判定部231dの判定結果に応じて、第2価値交換媒体を所定数量だけ減少させる処理を実行する。
信用発行部232は、例えば、第2価値交換媒体の信用発行に係る処理を実行する。信用発行部232は、例えば、受付部232aと、更新情報生成部232bと、判定部232cとを有する。受付部232aは、例えば、ユーザ端末20から信用発行要求を受け付ける。更新情報生成部232bは、例えば、信用発行のための第2台帳の更新情報を生成する。より具体的には、更新情報生成部232bは、例えば、信用発行要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量で表される、当該信用発行要求元であるユーザIDから提供される資産の価値の大きさに基づいた数量の第2価値交換媒体を当該ユーザIDに対して新規に発行(信用発行)するための更新情報を生成する。判定部232cは、例えば、信用発行要求に係るユーザIDに対して信用発行される第2価値交換媒体の残高が、所定の信用発行限度数量を超えるか否かを判定する。
(2−4−4)アカウント処理部24
アカウント処理部24は、ユーザ登録やログイン処理等の、ユーザが価値交換媒体サービスを利用するための基本的な処理を実行する。アカウント処理部24の処理には、生体認証、又は2段階認証等の認証処理を含めてもよい。
(2−4−5)交換要求処理部25
交換要求処理部25は、ユーザの操作に応じた内容の交換要求を、サーバ10に送信する。交換要求処理部25は、例えば、第1交換要求処理部251と、第2交換要求処理部252とを有する。第1交換要求処理部251は、ユーザの操作に応じて、第1交換要求をサーバ10に送信する。第2交換要求処理部252は、ユーザの操作に応じて、第2交換要求をサーバ10に送信する。
(2−4−6)表示処理部26
表示処理部26は、所定の表示データに基づいて、ユーザ端末20の表示装置(入出力I/F104)に各種の画面を表示させる処理を実行する。
(3)第1価値交換媒体
(3−1)価値の登録
本実施形態における第1価値交換媒体の評価発行の基礎となる無償交換価値の登録処理、及び第3経済活動に係る第1価値交換媒体の決済(対価の支払い)の基礎となる有償交換価値の登録処理について説明する。当該処理では、例えば、ユーザが、第1価値交換媒体の発行の基礎となる無償交換価値、又は第3経済活動に係る第1価値交換媒体の決済(対価の支払い)の基礎となる有償交換価値をサーバ10に登録する。ユーザは、価値の登録を行う際に、提供する価値を有償交換価値とするか無償交換価値とするか、すなわち、当該価値を利用(取得)するその他のユーザから第1価値交換媒体の移転を受けるか否かを選択することができるようにするとよい。
(3−1−1)有償交換価値の登録処理
図9は、有償交換価値の登録処理の動作シーケンスの一例を示す図である。
(S3100)
まず、ユーザ端末20Aの価値登録処理部221は、例えば、ユーザAによる入力装置(入出力I/F)の操作に応じて、有償交換価値登録情報の入力を受け付ける。ここで、有償交換価値登録情報は、有償交換価値の登録に係る情報であって、有償交換価値及び価格を示す情報を含む。
図10は、ユーザ端末20Aに表示される有償交換価値登録情報入力画面300A−1の一例を示す図である。図10に示すとおり、有償交換価値登録情報入力画面300A−1は、例えば、登録する有償交換価値の入力部301と、価格設定部302と、類型選択部303と、有償交換価値の登録要求を送信するための選択部304とを含む。
入力部301では、ユーザは、登録する有償交換価値を入力することができる。入力部301には、例えば、ユーザ端末20Aの記憶領域に保存されている有償交換価値の保存場所及びファイル名等の、有償交換価値を特定するための情報等が表示される。なお、有償交換価値のデータ形式やその入力の態様は上述したものに限られない。例えば、入力部301は、電子商取引サイトにおける出品フォームやSNSにおける入力フォーム等のテキスト等を直接入力することのできるフォームであってもよい。或いは、有償交換価値は、ウェアラブル端末等を含むユーザ端末20Aが取得するユーザの動作及び環境情報であってもよい。これにより、例えば、熟練工やダンサーその他のアナログな動作を「経済価値(有償交換価値)」として取り扱うことが可能となり得る。また、例えば、有償交換価値は、3Dスキャン端末を含むユーザ端末20Aが取得する対象物の3D情報であってもよい。これにより、例えば、アーティストによる造形物たる著作物の造形を「経済価値(有償交換価値)」として取り扱うことが可能となり得る。また、例えば、有償交換価値は、所謂ライブ配信によって提供される動画(テレビの生放送等)や音声(ラジオの生放送等)等のデータであってもよい。この場合、映像又は音声等の入力装置(入出力I/F104)が接続されたユーザ端末20Aが取得する情報をリアルタイムにサーバ10に送信し、その他のユーザ端末20に接続された視聴装置(入出力I/F104)に出力することによって当該情報をリアルタイムにユーザ間を流通させることが可能となり得る。
価格設定部302では、ユーザは、価値の利用(取得)の対価となる第1価値交換媒体の数量(価格)を設定することができる。ここで、当該数量を「0」とした場合、当該有償交換価値は「無償の有償交換価値」として登録することができるようにしてもよい。有償交換価値が登録された場合は、後述するように、ユーザは、他の価値利用者であるユーザが当該有償交換価値を利用する(第3経済活動を行う)と、当該価値利用者であるユーザが保有する第1価値交換媒体のうちから、価格設定部302において設定された数量分の移転を受ける。類型選択部303では、ユーザは、有償交換価値のカテゴリを、類型IIIに含まれるカテゴリ(類型IIIA、IIIB、IIIC・・・等の類型IIIを細分化したカテゴリを含む)から選択することができるようにするとよい。
(S3101)
次に、ユーザ端末20Aの価値登録処理部221は、ユーザが有償交換価値登録情報を入力した上で、選択部304を選択すると、有償交換価値登録要求をサーバ10に送信する。有償交換価値登録要求には、上述した有償交換価値登録情報が含まれる。
(S3102)
次に、サーバ10の価値処理部121は、ユーザ端末20Aから有償交換価値登録要求を受信すると、有償交換価値登録要求に含まれる有償交換価値登録情報を、記憶部11に記憶された価値テーブルに登録する。これにより、有償交換価値は、例えばサーバ10が提供する第1ネットワークにおいて、閲覧や視聴等によって他の価値利用者であるユーザがユーザ端末20を介して利用することが可能となり得る。
(3−1−2)無償交換価値の登録処理
図11は、無償交換価値の登録処理の動作シーケンスの一例を示す図である。
(S3103)
まず、ユーザ端末20Aの価値登録処理部221は、例えば、ユーザAによる入力装置(入出力I/F)の操作に応じて、無償交換価値登録情報の入力を受け付ける。ここで、無償交換価値登録情報は、無償交換価値の登録に係る情報であって、後述する無償交換価値を含む。
図12は、ユーザ端末20Aに表示される無償交換価値登録情報入力画面300A−2の一例を示す図である。図12に示すとおり、無償交換価値登録情報入力画面300A−2は、例えば、登録する無償交換価値の入力部305と、類型選択部306と、無償交換価値の登録要求を送信するための選択部307とを含む。
入力部305では、ユーザは、登録する無償交換価値に係るデータを入力することができる。入力部305には、例えば、ユーザ端末20Aの記憶領域に保存されている無償交換価値の保存場所及びファイル名等の、無償交換価値を特定するための情報等が表示される。なお、無償交換価値の形式やその入力の態様は上述したものに限られない。例えば、入力部305は、電子商取引サイトにおける出品フォームやSNSにおける入力フォーム等のテキスト等を直接入力することのできるフォームであってもよい。或いは、無償交換価値は、ウェアラブル端末等を含むユーザ端末20Aが取得するユーザの動作及び環境情報であってもよい。これにより、例えば、熟練工やダンサーその他のアナログな動作を「価値(無償交換価値)」として取り扱うことが可能となり得る。また、例えば、無償交換価値は、3Dスキャン端末を含むユーザ端末20Aが取得する対象物の3D情報であってもよい。これにより、例えば、アーティストによる造形物たる著作物の造形を「価値(無償交換価値)」として取り扱うことが可能となり得る。また、例えば、無償交換価値は、所謂ライブ配信によって提供される動画(テレビの生放送等)や音声(ラジオの生放送等)等のデータであってもよい。この場合、映像又は音声等の入力装置(入出力I/F104)が接続されたユーザ端末20Aが取得する情報をリアルタイムにサーバ10に送信し、その他のユーザ端末20に接続された視聴装置(入出力I/F104)に出力することによって当該情報をリアルタイムにユーザ間を流通させることが可能となり得る。類型選択部306では、ユーザは、無償交換価値のカテゴリを、類型Iに含まれるカテゴリ(類型IA、IB、IC・・・等の類型Iを細分化したカテゴリを含む)から選択することができるようにするとよい。
(S3104)
次に、ユーザ端末20Aの価値登録処理部221は、ユーザが無償交換価値登録情報を入力した上で、選択部307を選択すると、無償交換価値登録要求をサーバ10に送信する。無償交換価値登録要求には、上述した無償交換価値登録情報が含まれる。
(S3105)
次に、サーバ10の価値処理部121は、ユーザ端末20Aから無償交換価値登録要求を受信すると、無償交換価値登録要求に含まれる価値登録情報を、記憶部11に記憶された価値テーブルに登録する。これにより、無償交換価値は、例えばサーバ10が提供する第1ネットワークにおいて、閲覧や視聴等によって他の価値利用者であるユーザが利用(取得)することが可能となる。
(3−2)発行
(3−2−1)評価発行
第1価値交換媒体の評価発行の処理について説明する。第1価値交換媒体の評価発行処理は、サーバ10による、記憶部11に記憶された第1評価テーブル、及び第2経済活動テーブルにそれぞれ記録されている、評価点数、及び第1価値交換媒体の消費数量等に基づいて第1価値交換媒体を評価発行する処理である。当該評価発行処理は、以下に説明するとおり、無償交換価値の提供及び取得(第1経済活動)、評価購買力倍率の算出、及び評価発行の各処理を含んでもよい。
(3−2−1−1)無償交換価値の提供及び取得(第1経済活動)
図13は、無償交換価値の提供及び取得処理の動作シーケンスの一例を示す図である。以下では、無償交換価値利用者であるユーザBがユーザ端末20Bを利用して、無償交換価値提供者であるユーザAから提供された無償交換価値を利用(取得)するものとする。
(S3200)
まず、例えばサーバ10が提供する第1ネットワークの画面がユーザ端末20Bの表示装置(入出力I/F104)に表示された上で、ユーザBがユーザ端末20Bの入力装置(入出力I/F104)を介して記憶部11に記憶された価値テーブルに登録されている、ユーザAが提供した無償交換価値の利用を選択したものとする。これにより、ユーザ端末20Bの価値利用部224は、無償交換価値の利用を要求することを示す無償交換価値利用要求をサーバ10に送信するとよい。無償交換価値利用要求には、ユーザBのユーザIDが含まれてもよい。
(S3201)
次に、サーバ10の価値処理部121は、ユーザ端末20Bから無償交換価値利用要求を受信すると、ユーザAが提供し、価値テーブルに登録された無償交換価値をユーザ端末20Bに送信するとよい。これにより、ユーザBは、ユーザ端末20Bを介して無償交換価値を利用(取得)することが可能となる。すなわち、ユーザA及びユーザBの間で、第1経済活動が行われる。
(S3202)
次に、ユーザ端末20Bの価値利用部224は、類型Iに属する無償交換価値の利用に係るユーザ端末20Bの動作情報をサーバ10に送信するとよい。ここで、当該動作情報は、第1経済活動に応じた、ユーザ端末20Bによる類型Iに属する無償交換価値の利用時のユーザ端末20Bの動作を任意に(定性的、又は定量的に)示す情報である。動作情報は、類型Iのカテゴリ毎、及び主体群毎に定められた基礎点数から評価点数を算出するための基礎となるデータである。動作情報は、例えば、動画データである無償交換価値については再生時間等であってよく、記事等の文字データである無償交換価値については表示データ量(表示文字数を含む)等であってよく、画像データである無償交換価値については表示画素数等であってよい。すなわち、動作情報は、ユーザ端末20に取得された類型Iに属する無償交換価値に係る基礎点数から評価点数を算出(例えば、基礎点数の積算回数等を算出)するための根拠となり得る情報である。
(S3203)
次に、サーバ10の価値処理部121は、ユーザ端末20Bから動作情報を受信すると、当該動作情報に基づいて、第1評価テーブルを更新するとよい。より具体的には、サーバ10の価値処理部121は、第1評価テーブルに、日時、取得された無償交換価値に係る無償交換価値ID、取得された無償交換価値の属する類型Iのカテゴリ、無償交換価値提供者ID、及び無償交換価値提供者の属する主体群を記録するとよい。更に、サーバ10の価値処理部121は、無償交換価値利用要求に係る無償交換価値取得者ID、無償交換価値取得者の属する主体群を記録するとよい。更に、サーバ10の価値処理部121は、第1経済活動基礎点数テーブルを参照して、ユーザ端末20Bを操作する無償交換価値取得者の属する主体群、及び無償交換価値の価値登録された類型Iのカテゴリに応じた基礎点数を特定し、動作情報に当該基礎点数を積算等して評価点数を算出した上で、当該評価点数を評価テーブルに記録するとよい。以上で、無償交換価値の提供及び取得処理が終了する。
(3−2−1−2)評価購買力倍率の算出処理
図14は、評価購買力倍率の算出処理の動作フローの一例を示す図である。
(S3204)
まず、例えば、サーバ10の無償交換価値評価部122は、評価購買力倍率を算出するための所定期間(評価購買力倍率算出期間)が終了したか否かを判定する。ここで、評価購買力倍率算出期間は、予めシステム管理者によって定められた固定期間であってもよく、その長さは特に限定されないが、週、又は月等によって規定されてもよい。
(S3205)
次に、サーバ10の無償交換価値評価部122は、評価購買力倍率算出期間が終了したと判定された場合、後述する(3−4−1)における第2経済活動テーブルへの消費数量の記録データを用いて、主体群毎に、当該評価購買力倍率算出期間において当該主体群を対象とする第2経済活動における第1価値交換媒体の消費数量(第2経済活動数量)を合算し、各主体群の当該主体群を対象とする第2経済活動数量を算出するとよい。換言すれば、あるユーザによる第2経済活動の実施対象とされた、無償交換価値を取得等するユーザが属する主体群毎に、評価購買力倍率算出期間において、あるユーザによる有償消費価値の取得行為に係り消費された第1価値交換媒体の合計を算出するものであると言える。更に換言すれば、主体群毎に、当該主体群を対象とした第2経済活動によって、当該主体群に対して費やされた第1価値交換媒体の評価購買力倍率算出期間の合計値を算出するものであると言える。
ここで、図7Hに示す第2経済活動テーブルを例として、当該評価購買力倍率算出期間における各主体群の第2経済活動数量を示す。当該評価購買力倍率算出期間を、2019年1月1日0時00分〜2019年1月31日24時00分とする。このとき、当該評価購買力倍率算出期間における主体群USAが対象とされた第2経済活動数量は、100(行1)+40(行3)+100(行5)+30(行7)=270となる。また、当該評価購買力倍率算出期間における主体群JPNが対象とされた第2経済活動数量は、30(行2)+10(行4)+50(行6)=90となる。
(S3206)
次に、サーバ10の無償交換価値評価部122は、第1評価テーブルを参照して、主体群毎に、当該主体群に属する無償交換価値取得者による当該評価購買力倍率算出期間における評価点数の総計を算出するとよい。換言すれば、無償交換価値を取得することとなったユーザが属する主体群毎に、無償交換価値の取得行為に係り第1評価テーブルに記録される評価点数の所定期間の合計値を算出するものであると言える。更に換言すれば、主体群毎に、当該主体群に属するユーザによる無償交換価値の取得行為によって、当該無償交換価値に対して付与することなった評価点数の評価購買力倍率算出期間の合計値を算出するものであると言える。
図7Iに示す第1評価テーブルの場合、当該評価購買力倍率算出期間における無償交換価値を取得したユーザの属する主体群USAの評価点数の総計は、8(行2)+9(行6)+10(行8)+9(行9)=36となる。また、当該評価購買力倍率算出期間における無償交換価値を取得したユーザの属する主体群JPNの評価点数の総計は、10(行1)+2(行3)+10(行4)+6(行5)+10(行7)=38となる。
(S3207)
次に、サーバ10の無償交換価値評価部122は、当該評価購買力倍率算出期間における主体群毎の評価購買力倍率を算出し、算出した評価購買力倍率を評価購買力倍率テーブル等に記録するとよい。ここで、評価購買力倍率は、「当該所定期間において当該主体群に属するユーザを対象として行われた第2経済活動に係る第2経済活動数量(第1価値交換媒体の消費数量)の総和/当該所定期間において当該主体群に属するユーザが取得した無償交換価値に係る評価点数の総和」として規定するとよい。購買力の異なる主体群を複数内在することができる第1ネットワークにあっては、上述の「評価」に含まれる経済価値の大きさ(ユーザによる第1経済活動によって第1ネットワークに生じる「価値」の大きさ)が主体群毎に異なるということがあり得る。また、第1経済活動基礎点数テーブルにおいて、類型Iに含まれる同一のカテゴリであっても、各主体群の基礎点数の大きさに差を設けることができる(主体群の特性や状況を反映させて、類型Iのカテゴリ毎の基礎点数の積算度合いを主体群毎に変動させる措置によるもの)ということがある。そこで、サーバ10は、類型Iに属する無償交換価値を取得する側としての評価購買力倍率を算出して、評価(評価が発生する無償交換価値の取得行為)毎の評価点数にこれを乗算することにより、類型Iに属する無償交換価値を取得する側としての主体群毎の異なる購買力を評価点数に反映させながら、同時に、類型Iの同一カテゴリであって主体群毎に基礎点数の積算度合い(評価点数の加点度合い)に差が設けられた場合であっても、各主体群に属するユーザにとっての「評価」に含まれる経済価値の大きさを、提供ユーザにとっても、取得ユーザにとっても適切に算出することが可能となり得る。
図7Hに示す第2経済活動テーブル、及び図7Iに示す第1評価テーブルの場合、当該評価購買力倍率算出期間における主体群USAの評価購買力倍率は、270/36=7.5000となり、当該評価購買力倍率算出期間における主体群JPNの評価購買力倍率は、90/38=2.3684となる。以上で、評価購買力倍率の算出処理が終了する。
(3−2−1−3)評価発行処理
図15は、評価発行処理の動作シーケンスの一例を示す図である。当該評価発行処理は、例えば図7Iで説明した第1評価テーブルに含まれる任意の1つのレコード(行)が表す第1経済活動(無償交換価値の提供及び取得)に対して適用され得る。
(S3208)
まず、例えば、サーバ10の評価発行部123は、対象となる第1経済活動に係る評価発行処理を実行するための時期(評価発行処理実行時期)が到来したか否かを判定する。ここで、評価発行処理実行時期は、予めシステム管理者によって定められた任意の時期であってもよく、その時期は特に限定されないが、毎日24:00、毎週日曜日の24:00、又は毎月末日24:00等の周期によって規定されてもよい。この場合に、評価発行処理実行時期は、主体群毎に異なる時刻であってもよいし、同一の時刻であってもよい。評価発行処理実行時期は、上述の評価購買力倍率の算出処理における所定期間の終了時期として、評価購買力倍率の算出処理の終了に続けて処理を行ってもよい。或いは、当該時期は、対象となる第1経済活動が実行された時点であってもよい。
(S3209)
次に、サーバ10の評価発行部123は、対象となる第1経済活動に係る評価値を算出し、算出した評価値を第1評価テーブルに記録するとよい。ここで、評価値は、例えば、「評価点数×対象となる第1経済活動が実行された時点が含まれる評価購買力倍率算出期間の評価購買力倍率」として算出されてもよい。或いは、評価値は、例えば、「評価点数×対象となる第1経済活動が実行された時点が含まれる評価購買力倍率算出期間よりも前の評価購買力倍率算出期間の評価購買力倍率」として算出されてもよい。このとき、サーバ10の評価発行部123は、例えば、予め、又は当該S3209の時点において、評価購買力倍率テーブルを参照して、所望の評価購買力倍率を第1評価テーブルに記録してもよい。
ここで、上述のとおり評価値を「評価点数×対象となる第1経済活動が実行された時点が含まれる評価購買力倍率算出期間の評価購買力倍率」として算出する場合、当該評価購買力倍率算出期間に含まれる全ての第1経済活動について、同時に評価値を算出することが可能となる。そのため、この場合、当該評価購買力倍率算出期間に含まれる評価発行数量と第2経済活動数量(第2経済活動による第1価値交換媒体の消費数量)とを一致(完全一致、及び実質的な一致等を含む)させることが可能となる。換言すれば、所定期間における第2経済活動において有償消費価値の取得行為に係り消費された第1価値交換媒体の数量として表される経済価値の大きさと、所定期間における第1経済活動において無償交換価値の提供行為に係り付与された評価値として表される経済価値の大きさとを、均衡させる措置であると言える。
また、上述のとおり評価値を「評価点数×対象となる第1経済活動が実行された時点が含まれる評価購買力倍率算出期間よりも前の評価購買力倍率算出期間の評価購買力倍率」として算出する場合、任意の評価購買力倍率算出期間に含まれる評価発行数量と第2経済活動数量(第2経済活動による第1価値交換媒体の消費数量)との間に差が生じることとなり得る。サーバ10の評価発行部123は、例えば、評価値の算出処理において、当該差を減じる補正処理を実行してもよい。当該補正処理は、例えば、評価発行数量と第2経済活動数量との差に基づいて算出(算出の方法は特に限定されない)される係数を、補正前の評価値に乗算する処理であってもよい。当該係数は、評価発行数量と第2経済活動数量との差に基づいて、所定時期(例えば、周期的であってよい)に更新されてもよい。なお、本実施形態においては、サーバ10の記憶部11に記憶された債務発行テーブルに記録される債務発行残高割合としての指標値がある。サーバ10の評価発行部123は、上述した差を減じる補正処理を行うにあたり、当該指標値を用いてもよい。サーバ10の評価発行部123は、例えば、当該指標値が「1.0」(第1価値交換媒体の流通総量に占める債務発行残高の割合として)であるときに評価発行数量(第1所定数量)と、消費消却数量(第2所定数量)とが「1:1」の関係で推移していることが把握できる。ここで、当該指標値が、例えば「1.1」(「第1所定数量<第2所定数量」を示している)や「0.9」(「第1所定数量>第2所定数量」を示している)等の値を示している場合に、サーバ10の評価発行部123は、上述した差を減じる補正処理を行うことで、当該指標値を「1.0」に近づけることが可能である。システム管理者は、任意の方法を用いて、サーバ10の評価発行部123に上述した差を減じる補正処理を実行させるとよい。
(S3210)
次に、サーバ10の評価発行部123は、記憶部11に記憶された第1評価テーブルを参照して、対象となる第1経済活動について、ユーザID(無償交換価値提供者ID)に紐付けて第1価値交換媒体を評価発行するとよい。具体的には、例えば、サーバ10の評価発行部123は、記憶部11に記憶された第1台帳に、当該ユーザIDに紐付けて、対象となる第1経済活動に係る評価値が示す数量の第1価値交換媒体を追加する。ここで、サーバ10の評価発行部123は、第1評価テーブルにおいて、評価発行処理が終了した第1経済活動について、評価発行処理済みである旨を記録するとよい。
(S3211)
次に、サーバ10の評価発行部123は、第1価値交換媒体を評価発行した旨を示す発行通知をユーザ端末20Aに送信するとよい。発行通知には、評価発行の対象となった無償交換価値を特定するための情報、及び評価発行された第1価値交換媒体の数量等の発行に関する情報(発行情報)を含むとよい。なお、サーバ10の評価発行部123は、当該S3211のように発行通知の処理を評価発行毎に実行せずに、所定期間において当該ユーザに関して実行された全ての評価発行処理に係る第1価値交換媒体の評価発行数量の総数量を、当該所定期間が終了した後の任意の時点において通知してもよい。
(S3212)
次に、ユーザ端末20Aの表示処理部26は、サーバ10から発行通知を受信すると、発行情報を表示装置に表示するとよい。
図16は、発行情報を表示するための発行情報表示画面300Bの一例を示す図である。図16に示すとおり、発行情報表示画面300Bは、例えば、評価発行された第1価値交換媒体の数量を表示する表示部308を含む。以上で、第1価値交換媒体の評価発行処理が終了する。
(3−2−2)債務発行
サーバ10は、交換所管理部15によって、第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の間の交換を管理する交換所として機能する。当該交換所機能において、サーバ10は、ユーザ端末20から受信した第2交換要求に応じて、第1価値交換媒体を新規に発行することが可能となり得る。当該発行を、無償提供された価値乃至その無償交換価値提供者に対する評価に基づく第1価値交換媒体の発行(評価発行)に対して、債務発行と称する。債務発行の詳細については、後述する。
(3−3)移転
第1価値交換媒体は、例えば、ユーザ間における送金や、有償交換価値の利用に伴う決済(第3経済活動又は第4経済活動)によって、ユーザ間を移転する。以下では、第4経済活動に係る送金及び第3経済活動に係る決済それぞれについて説明する。
(3−3−1)送金
図17は、第1価値交換媒体の送金処理の動作シーケンスの一例を示す図である。以下では、送金元であるユーザAがユーザ端末20Aを利用し、送金先であるユーザBがユーザ端末20Bを利用するものとする。
(S3300)
まず、ユーザ端末20Aの送金部222は、ユーザAによる入力装置の操作に応じて、第1価値交換媒体の送金指示の入力を受け付ける。送金指示の内容は、例えば、送金する第1価値交換媒体の数量及び送金先を含む。
図18は、ユーザ端末20に表示される第1価値交換媒体の送金指示を入力するための送金指示入力画面300Cの一例を示す図である。図18に示すとおり、送金指示入力画面300Cは、例えば、現在の第1価値交換媒体の保有量を表示する表示部309と、送金する第1価値交換媒体の数量及び送金先を入力するための入力部310と、送金指示を送信するための選択部311とを含む。本例では、表示部309に、現在の第1価値交換媒体の保有量として「1000ACT」が表示される。また、ユーザAは、入力部310に、送金する第1価値交換媒体の数量及び送金先を入力することができる。本例では、送金する第1価値交換媒体の数量として「500」ACTが、送金先として「ユーザB」が、それぞれ入力されている。
(S3301)
次に、ユーザ端末20Aの送金部222は、ユーザAが送金指示入力画面300Cにおいて送金指示の内容を入力した上で選択部311において送金指示を選択すると、送金指示をサーバ10に送信する。
(S3302)
サーバ10の送金処理部124は、ユーザ端末20Aから送金指示を受信すると、第1台帳において、送金元のユーザに係るユーザIDに紐付けられた第1価値交換媒体のうち、送金数量分のユーザIDを、送金元のユーザから送金先のユーザに更新する処理を実行するとよい。このとき、サーバ10の送金処理部124は、送金先のユーザに応じて第1価値交換媒体の消却予定日を書き換える処理を併せて実行するとよい。なお、このときサーバ10の送金処理部124は、送金元であるユーザAの保有する第1価値交換媒体のうち消却予定日の到来日が近いものから優先的に、ユーザBにユーザIDを更新してもよい。本例では、サーバ10の送金処理部124は、記憶部11に記憶された第1台帳において、送金元のユーザAのユーザIDに紐付けられた第1価値交換媒体である1000ACTのうちの500ACTに係るユーザIDを、ユーザAからユーザBに更新する処理を実行する。
(S3303)
次に、サーバ10の送金処理部124は、送金手数料として、送金元のユーザAから所定数量の第2価値交換媒体を徴収してもよい。例えば、サーバ10の送金処理部124は、ユーザ端末20Aに所定のトランザクション生成指示を送信する。ユーザ端末20Aの第2価値交換媒体処理部23は当該トランザクション生成指示に応じて、ユーザAのユーザIDに紐付いた所定数量の第2価値交換媒体をサーバ10(システム管理者に係る管理者ID)に移転する内容のトランザクションを生成し、ブロックチェーン・ネットワークに送信(ブロードキャスト)してもよい。或いは、ユーザ端末20Aの第2価値交換媒体処理部23は、上述した送金指示の送信時(S3301)に、併せて当該トランザクションの生成・送信処理を行ってもよい。手数料の額は、例えば、予めシステム管理者が設定しておく設定情報によって規定されてもよいし、ユーザのアカウントの種類(例えば、「事業者」、及び「個人」等)、ユーザの第1価値交換媒体及び/又は第2価値交換媒体の送金の状況等の流通貢献率や移動評価値に応じて変化させてもよい。このように、ユーザ間の第1価値交換媒体の送金処理に対して第2価値交換媒体の徴収プロセスを設けることにより、価値交換媒体流通ネットワークに供給した第2価値交換媒体を適度に回収することが可能となり、サーバ10の管理者等は送金手数料を得ることが可能となる。
(S3304)
次に、サーバ10の送金処理部124は、送金が実行されたことを示す送金通知を、送金先のユーザが利用するユーザ端末20Bに送信するとよい。
(S3305)
次に、送金先のユーザが利用するユーザ端末20Bの表示処理部26は、サーバ10から送金通知を受信すると、当該送金通知に基づいて、送金の内容を示す送金通知画面を表示装置に表示するとよい。
図19は、送金通知画面300Dの一例を示す図である。図19に示すとおり、送金通知画面300Dは、例えば、送金元及び送金された第1価値交換媒体の数量を表示する表示部312を含む。本例では、表示部312に、送金元として「ユーザA」が、送金された第1価値交換媒体の数量として「500」ACTが表示されている。
(3−3−2)決済(第3経済活動)
図20は、サーバ10の記憶部11に記憶された価値テーブルに登録される有償交換価値の利用に伴う決済(第3経済活動)の処理の動作シーケンスの一例を示す図である。当該処理では、例えば、有償交換価値を有償交換価値利用者であるユーザBが利用すると、当該有償交換価値の価格に応じた数量の第1価値交換媒体が、有償交換価値利用者であるユーザBから有償交換価値提供者であるユーザAに移転する。以下では、有償交換価値利用者であるユーザBがユーザ端末20Bを利用して、有償交換価値提供者であるユーザAから提供された有償交換価値を利用(取得)するものとする。
(S3306)
まず、例えばサーバ10が提供する第1ネットワークの画面がユーザ端末20Bの表示装置に表示された上で、ユーザBがユーザ端末20Bの入力装置を介して記憶部11に記憶された価値テーブルに登録されている、ユーザAが提供した有償交換価値の利用を選択したものとする。これにより、ユーザ端末20Bの価値利用部224は、有償交換価値の利用を要求することを示す有償交換価値利用要求をサーバ10に送信する。
(S3307)
次に、サーバ10の価値処理部121は、ユーザ端末20Bから有償交換価値利用要求を受信すると、第1台帳を参照して、ユーザBが当該有償交換価値の対価以上の第1価値交換媒体を保有しているか否かを判定する。
(S3308)
次に、サーバ10の価値処理部121は、ユーザBが当該有償交換価値の対価以上の第1価値交換媒体を保有していると判定した場合は、ユーザAが提供した有償交換価値をユーザ端末20Bに送信する。これにより、ユーザBは、ユーザ端末20Bを介して有償交換価値を利用することが可能となる。
(S3309)
また、併せて、サーバ10の価値処理部121は、記憶部11に記憶された第3経済活動テーブルに取引履歴(提供者主体群、提供者ユーザID、取得者主体群、取得者ユーザID、有償交換価値の属する類型IIIのカテゴリ、及び対価となった第1価値交換媒体の数量)を記録する。なお、サーバ10の価値処理部121は、ユーザBが当該有償交換価値の対価以上の第1価値交換媒体を保有していないと判定した場合は、例えば、有償交換価値を利用することができないこと等の通知をユーザ端末20Bに送信し、当該処理は終了する。
(S3310)
次に、サーバ10の決済処理部125は、有償交換価値に係る価格に応じた数量の第1価値交換媒体を、有償交換価値利用(取得)者であるユーザBから有償交換価値提供者であるユーザAに移転する処理を実行する。具体的には、サーバ10の決済処理部125は、第1台帳において、有償交換価値利用者であるユーザBに係るユーザIDに紐付けられた第1価値交換媒体のうち、価格に応じた数量分のユーザIDを、有償交換価値利用者であるユーザBから有償交換価値提供者であるユーザAに更新する処理を実行する。なお、このとき、サーバ10の決済処理部125は、消却期限の到来する日が近いものから優先してユーザBからユーザAへの紐付けを実行してもよい。
(S3311)
次に、サーバ10の決済処理部125は、有償交換価値が他のユーザによって利用された旨を通知するための利用通知をユーザ端末20Aに送信する。利用通知には、当該利用の価格に応じた第1価値交換媒体の数量等に関する情報(利用情報)を含むとよい。
(S3312)
次に、ユーザ端末20Aの表示処理部26は、サーバ10から利用通知を受信すると、利用情報を表示装置に表示する。
図21は、利用情報を表示するための利用情報表示画面300Eの一例を示す図である。図21に示すとおり、利用情報表示画面300Eは、例えば、有償交換価値利用者及び有償交換価値(誰が何を利用したか)を示す表示部313を含む。また、利用情報表示画面300Eは、有償交換価値の利用により有償交換価値提供者が獲得した第1価値交換媒体の数量を示す表示部314を含むとよい。以上で、有償交換価値の利用に伴う決済(第3経済活動)の処理が終了する。
(3−4)消却
(3−4−1)第2経済活動
(3−4−1−1)プル型及びプッシュ型等
以下では、価値交換媒体流通システム1において第2経済活動が行われる場合の、各情報処理装置の動作処理について説明する。まず、第2経済活動の概要について説明する。サーバ10の第2経済活動処理部128は、例えばユーザ端末20の第2経済活動処理部223から第2経済活動を実行することの要求(実行要求)を受信すると、第2経済活動基礎価格テーブルに基づき、ユーザ端末20から受信した要求に係る特定の第2経済活動を実行するために必要な第1価値交換媒体の消費数量を特定し、当該消費数量を示す情報をユーザ端末20に送信する。サーバ10の第2経済活動処理部128は、ユーザ端末20から第2経済活動を実行することの承認(実行承認)を受信すると、当該実行承認を送信したユーザ端末20に係るユーザIDに紐付けられた当該実行承認された実行要求に係る消費数量の第1価値交換媒体を消却し(消却予定日の到来による消却処理と同様であるが、債務発行残高の減少措置は行わないようにするとよい。なお、消費された第1価値交換媒体は第1台帳から媒体IDを消却(消費消却)してもよいし、後の評価発行分に充当するために媒体IDを消却せず一時的に隔離して保存しておいてもよい)、当該実行要求に基づく第2経済活動を実行する。また、併せて第2経済活動テーブルに実行履歴(第2経済活動内容)を記録するとよい。
次に、図22を参照して、第2経済活動の詳細について説明する。なお、図22は、価値交換媒体流通システム1の動作処理の一例であって、価値交換媒体流通システム1が必ず図22に示した順序や内容で処理を実行する訳ではない。
以下では、ユーザ端末20Aは、第1経済活動における無償交換価値提供者であるユーザAが利用するユーザ端末20であり、ユーザ端末20Bは、第1経済活動における無償交換価値取得者であるユーザBが利用するユーザ端末20であり、ユーザ端末20Cは、第2経済活動(例えば広告宣伝活動)における有償消費価値取得者であるユーザC(広告宣伝活動を行おうとするユーザC)が利用するユーザ端末20であるものとする。
以下では、ユーザ端末20Bは、予め例えば上述したS3103〜S3105のようにサーバ10の記憶部11に記憶された価値テーブルにユーザ端末20Aによって登録されている無償交換価値を、サーバ10を介して利用(閲覧・取得等)するものとする。そして、ユーザ端末20Cは、ユーザ端末20Bが第1経済活動としてサーバ10を介して無償交換価値を取得、及び表示装置に表示する際に、類型IIに属する1つの有償消費価値に係る広告宣伝を当該無償交換価値と共に表示装置に表示しようとしているものとする。
(S3400)
ユーザ端末20Cの第2経済活動処理部223は、例えば、ユーザCの操作に応じて、プッシュ型の第2経済活動を行うに際して消費される第1価値交換媒体のカテゴリ毎、及び主体群毎の基礎価格を参照するための要求(換言すると、第2経済活動に係るコストを確認するための要求)をサーバ10に送信する。
(S3401)
サーバ10の第2経済活動処理部128は、例えば、ユーザ端末20Cから上述した要求を受信すると、第2経済活動基礎価格テーブルに基づき、プッシュ型の第2経済活動を行うに際して消費される第1価値交換媒体のカテゴリ毎、及び主体群毎の基礎価格を示す情報をユーザ端末20Cに送信する。
(S3402)
ユーザ端末20Cの表示処理部26は、例えば、要求された類型IIのカテゴリに属する有償消費価値の取得行為としての広告宣伝に係る各カテゴリ、及び対象とする主体群毎に消費する第1価値交換媒体の数量を示す情報をサーバ10から受信すると、当該情報をユーザ端末20Cの表示装置に表示する。そして、ユーザ端末20Cの第2経済活動処理部223は、例えば、ユーザCの操作に応じて、第2経済活動の実行要求(第2経済活動実行要求)をサーバ10に送信する。ここで、第2経済活動実行要求は、当該表示装置に表示された情報から選択された類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る広告宣伝内容データ、対象主体群、及び対象ユーザ属性等を含んでもよい。また、第2経済活動実行要求は、サーバ10の記憶部11に記憶された第2経済活動実行要求テーブルへの実行要求登録(広告宣伝内容データのアップロード)の要求を含んでもよい。
(S3403)
サーバ10の第2経済活動処理部128は、例えば、ユーザ端末20Cから実行要求登録の要求を含む第2経済活動実行要求を受信すると、当該第2経済活動実行要求に基づいて、第2経済活動実行要求テーブルを更新する。具体的には、サーバ10の第2経済活動処理部128は、例えば、第2経済活動実行要求に含まれる広告宣伝内容データ、対象主体群、及び対象ユーザ属性等を第2経済活動実行要求テーブルに登録することにより、第2経済活動実行要求テーブルを更新する。また、サーバ10の第2経済活動処理部128は、例えば、第2経済活動実行要求に基づき1台帳を更新(第1価値交換媒体を消却)するための第1更新情報を生成する。当該第1更新情報は、例えば、第1台帳において当該ユーザIDに紐付けられた当該数量の第1価値交換媒体のレコード自体を消却する内容であってもよい。若しくは、当該第1更新情報は、第1台帳において当該ユーザIDに紐付けられた当該数量の第1価値交換媒体の保有者情報(紐付けるユーザID情報)を空欄とする内容であってもよい。そして、サーバ10の第2経済活動処理部128は、当該第1更新情報によって第1台帳を更新する。なお、この時、ユーザの保有する第1価値交換媒体のうち消却予定日の到来日が近いものから優先的に消却してもよい。また、サーバ10は、例えば、第1台帳を更新した旨の通知をユーザ端末20Cに送信してもよい。ユーザ端末20Cは、例えば、サーバ10から受信した当該通知を表示してもよい。なお、例示として、実行要求登録タイミングでの課金としたが、実行要求登録内容に基づくサーバ10の実行要求の実行処理毎の課金処理(第1台帳の更新処理)としてもよい。
(S3404)
サーバ10の第2経済活動処理部128は、例えば、ユーザ端末20Cの登録した第2経済活動実行要求テーブルにおける類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る実行要求内容の実行処理に基づき、第2経済活動テーブルに実行処理内容(消費した第1価値交換媒体の数量等)を記録することにより、第2経済活動テーブルを更新する。
(S3405)
ユーザ端末20Bの価値利用部224は、例えば、サーバ10に対して類型Iに属する無償交換価値を利用(閲覧等)するための検索要求を送信する。
(S3406)
サーバ10の第2経済活動処理部128は、例えば、ユーザ端末20Bから受信した当該検索要求に応じて、ユーザ端末20Bに当該ユーザ端末20Bの検索行為等に関連づけられている類型IIに属する有償消費価値の取得行為としての広告宣伝データ(ユーザ端末20Cの登録した類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る実行要求内容)を送信する。このとき、サーバ10の第2経済活動処理部128は、当該検索要求が当該実行要求内容の実行処理対象である場合に、類型Iに属する無償交換価値一覧表示に当該実行要求内容(広告宣伝)を挿入してもよい。
(S3407)
ユーザ端末20Bの表示処理部26は、例えば、サーバ10から当該広告宣伝、及び類型Iに属する無償交換価値の一覧情報を受信(無償交換価値一覧表示)すると、当該広告宣伝を当該一覧情報に挿入して表示装置に表示する。また、ユーザ端末20Bの表示処理部26は、当該一覧情報が表示される表示装置の一部の領域(例えば、ディスプレイの一部の表示領域)に当該広告宣伝を表示装置に表示してもよい。また、ユーザ端末20Bの表示処理部26は、当該一覧情報を表示装置に表示する処理に先立って、当該広告宣伝を表示装置に表示する処理を行ってもよい。このとき、サーバ10の第2経済活動処理部128は、第2経済活動実行要求の実行処理に続けて、上述した(S3404)の処理を実行するとよい。
(S3408)
ユーザ端末20Bの価値利用部224は、例えば、ユーザBによる類型Iに属する無償交換価値の選択操作を含む無償交換価値を利用(閲覧等)しようとする要求を受け付けると、選択された類型Iに属する無償交換価値を利用(閲覧等)する要求(無償交換価値利用要求)をサーバ10に送信する。なお、S3408は、上述したS3200に対応している。
(S3409)
サーバ10の価値処理部121及び/又は第2経済活動処理部128は、例えば、ユーザ端末20Bから受信した無償交換価値利用要求に応じて、類型Iに属する無償交換価値と、当該無償交換価値利用要求に関連付けられている類型IIに属する有償消費価値の取得行為としての広告宣伝とをユーザ端末20Bに送信する。このとき、サーバ10の価値処理部121及び/又は第2経済活動処理部128は、例えば、当該無償交換価値に当該広告宣伝を挿入して送信してもよいし、当該無償交換価値と当該広告宣伝とをそれぞれ送信してもよい。なお、S3409は、上述したS3201に対応している。
(S3410)
サーバ10の無償交換価値評価部122は、例えば、ユーザ端末20Bの類型Iに属する無償交換価値の取得(閲覧等の無償交換価値利用)行為、及び第1経済活動基礎点数テーブルに基づき、第1評価テーブルに評価点数を記録することにより、第1評価テーブルを更新する。サーバ10は、また、例えば、当該広告宣伝をユーザ端末20Bに送信した旨の通知を当該広告宣伝(第2経済活動実行要求)の登録元であるユーザ端末20Cに対して送信してもよい。なお、S3410は、上述したS3202、及びS3203に対応している。
(S3411)
ユーザ端末20Bの表示処理部26は、例えば、サーバ10から上述した無償交換価値及び広告宣伝を受信すると、当該無償交換価値及び広告宣伝を表示装置(入出力I/F104)に表示する。また、ユーザ端末20Bの表示処理部26は、当該無償交換価値を表示する表示装置の一部の領域(例えば、ディスプレイの一部の表示領域)に当該広告宣伝を表示してもよい。また、ユーザ端末20Bの表示処理部26は、当該無償交換価値を表示装置に表示する処理に先立って、当該広告宣伝を表示装置に表示する処理を行ってもよい。
なお、決済(第1台帳の更新処理)は、ユーザ端末20Cによる(類型IIに属する有償消費価値の取得行為としての)第2経済活動に係る実行要求をサーバ10が承認した時点での一括前払いであってもよい。或いは、決済(第1台帳の更新処理)は、ユーザ端末20Cによる(類型IIに属する有償消費価値の取得行為としての)第2経済活動に係る実行要求をサーバ10が承認した以降の、第2経済活動実行要求テーブルに登録された類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る実行要求内容に基づくサーバ10による第2経済活動の実行処理ごとに実行されてもよく、この場合には、サーバ10は、当該ユーザCの第1価値交換媒体の保有残高が無くなった場合、サーバ10による実行処理を停止してもよい。若しくは、サーバ10は、ユーザCに対する月締め等の信用取引を行ってもよい。
また、第2経済活動テーブルへの活動内容(実行要求の実行処理)の記録については、第2経済活動に係る第1台帳の更新処理が行われるたびに実行履歴を記録してもよい。また、第2経済活動テーブルは、ユーザ端末20Cを用いてユーザCが自身の実行履歴を参照できるようにしてもよい。ユーザCは、任意に、すでにサーバ10によって承認され、第2経済活動実行要求テーブルに登録されている実行要求を、修正、又は削除(停止を含む)することができるようにしてもよい。
(3−4−2)時限消却
第1価値交換媒体は、例えば、消却期限の到来によって消却されてもよい。具体的には、サーバ10の消却処理部126は、所定の条件が満たされる場合(前回消却処理から所定期間が経過した場合でもよいし、システム管理者等による消却処理の実行要求を受信した場合等、その他任意の場合であってよい)に、第1台帳に含まれる各第1価値交換媒体について消却期限を特定し、当該消却期限が本消却処理の時点よりも過去の時点である場合に、当該第1価値交換媒体のレコードを第1台帳から消却してもよい。このことから、第1価値交換媒体は、通貨の基本機能のうち、価値保蔵機能を制御可能であると言える。消却期限は、システム管理者が任意に設定可能であり、サーバ10は当該消却期限の設定情報を記憶部11に記憶している。第1価値交換媒体の消却期限は、ユーザID、ユーザのアカウントの種類、ユーザの取得経緯等に応じて異なる値を設定してもよい。なお、続けてサーバ10の消却処理部126は、消却期限の到来によって消却処理を実行した第1価値交換媒体の消却数量を債務発行テーブルに記録(時限消却数量を増加)するとよい。第1価値交換媒体は、消却期限を有することができることから、流通速度を向上させることが可能である。
(3−4−3)第3経済活動における関税的価格調整
ここで、図23を用いて、第3経済活動における関税的価格調整の一例について説明する。図23に示す表には、現在までの所定の期間にわたって、類型IIIのカテゴリ毎、及び主体群毎に、同一の主体群に属する複数のユーザ端末20の間でサーバ10を介して売買された有償交換価値の売買価格の平均値(平均売買価格)が示されている。図23に示す表は、「第3経済活動購買力参照表」と称され得る。なお、図23に示す第3経済活動購買力参照表は、図7Mに示した第3経済活動テーブルに基づいている。図23に示す第3経済活動購買力参照表に含まれる平均売買価格は、異なる主体群に属する複数のユーザ端末20の間における売買は除かれ、同一の主体群に属する複数のユーザ端末20の間における売買のみに基づいて算出されていることから、当該平均売買価格は類型IIIのカテゴリ毎の各主体群の購買力を表していると言える。
ここで、例えば、図23において、主体群Fの類型IIIC(ロック/大分類音声)(類型IIIのカテゴリの1つ)の平均売買価格は18.00ACTであり、主体群Eの類型IIICの平均売買価格は1.80ACTであるため、主体群Fと主体群Eとの間において類型IIICの平均売買価格に10倍の開きが生じていると言える。ここで、ユーザが第1ネットワーク内で多大なコストを支払うこと(によってストレスを感じること)なく異なる主体群間で第1、第2、及び第3経済活動を行えるようにすることが望ましい。しかしながら、異なる主体群間で平均売買価格に大きな差があると、平均売買価格が大きな主体群に属するユーザが平均売買価格の小さな主体群に属するユーザに対して販売する類型IIICに属する有償交換価値の販売価格が押し下げられる虞(延いては、ユーザが有償交換価値を販売しようとする意欲が減少する虞)がある。これを緩和させる措置として、サーバ10は、例えば、次に説明する関税的価格調整処理を行うようにしてもよい。
サーバ10は、第3経済活動購買力参照表に基づき、例えば、ある主体群Fに属するユーザが、第3経済活動において、自身の属する主体群Fと異なる主体群Eに属するユーザの提供する有償交換価値の価格(例えば、設定価格が2ACT)を参照しようとするとき、当該有償交換価値の属する類型IIIのカテゴリ(例えば類型IIIC)に関連付けられた主体群Eにおける平均値(1.80)、及び自身の属する主体群Fにおける同類型IIICの平均値(18.00)から、当該有償交換価値に関連付けられた類型IIICに係る主体群Eの平均値(1.80)が、自身の属する主体群Fの平均値(18.00)よりも低い場合に、当該有償交換価値に設定された価格(例示として、2ACT)に、平均値の比率(「10.00=18.00/1.80」)を乗算した価格(例示として、「20ACT=2ACT×10.00)を表示させてもよい。なお、価値テーブルに登録された有償交換価値に設定された価格に乗算する平均値の比率は、元の比率(10.00、つまり例示として20ACT)から「1.00」(つまり、例示として2ACT)の範囲に限定して変動させる措置を講じてさせてもよい。この場合に、比率変動の方法は、例えば、システム管理者による任意の設定情報としてもよいし、又は、各ユーザによる任意の設定情報としてもよいし、若しくは、システム管理者とユーザとの合成された任意の設定情報としてもよい。このとき、当該有償交換価値の売買成立により、表示された補正後の数量である20ACTが交換対価として決済されてもよい。
(4)第2価値交換媒体
本実施形態における価値交換媒体流通ネットワークは、サーバ10及びユーザ端末20をノードとして構成されるブロックチェーン・ネットワークの側面も有し得る。各ノードは、第2価値交換媒体の発行、移転、消却等を記録乃至管理するための第2台帳を分散的に共有(記憶)してもよい。具体的には例えば、サーバ10は記憶部11に、ユーザ端末20は記憶部21に、それぞれ図7P、及び図7Qに示した第2台帳としてのブロックチェーンを記憶してもよい。
サーバ10及びユーザ端末20はそれぞれ、所定の条件下においてトランザクションを生成し、他のノードに送信してもよい。サーバ10及びユーザ端末20はそれぞれ、他のノードからトランザクションを受信すると、所定の検証を実行した上で、他のノードに送信してもよい。このようにして、価値交換媒体流通ネットワーク上の任意のノードで生成されたトランザクションは、価値交換媒体流通ネットワーク上の他の任意のノードに送信され得る(ブロードキャストされ得る)。
ブロックチェーン・ネットワーク上にブロードキャストされたトランザクションは、マイナーの機能を担うノードによるマイニング処理によって生成されるブロックに取り込まれ得る。マイナーによって生成されたブロックは、ブロックチェーン・ネットワーク上にブロードキャストされ、各ノードは受信したブロックを、所定の検証を行った上で、自身が記憶するブロックチェーンに追加してもよい。なお、第2価値交換媒体が流通するブロックチェーン・ネットワークは、純粋な非中央集権的ネットワークでなくてもよく、サーバ10等の管理者的ノードが存在するネットワークであってもよい。例えば、ビットコイン型、リップル型、イーサリアム型、又は先行技術文献としての特許文献1に開示されている態様等の任意の態様でネットワークが構成されていてもよい。
(4−1)信用発行
<概要>
以下では、第2価値交換媒体の信用発行について説明する。本実施形態においては、上述したとおり、第2価値交換媒体は、信用発行によっても発行され得る。ここで、第2価値交換媒体の信用発行とは、例えば、信用発行の対象となるユーザの信用に基づいた数量の第2価値交換媒体を、当該ユーザに係るユーザIDに紐づけて新規に発行することと言える。ユーザの信用は、例えば、信用発行元としてのサーバ10、又はユーザ端末20と、信用発行先としてのユーザ端末20との間における次の取引に基づいて算出されてもよい。
・投資(例えば、株式の引受、株式の購入、社債や国債等の債券の引受、及び債券の購入等)
・融資(例えば、証書貸付、手形貸付、担保融資、及び無担保融資等)
・代金の支払い、徴税(システムによる課金)、第2交換、及び送金等
<信用発行元>
信用発行を実行する主体(信用発行元)は、システム管理者が利用するサーバ10であってもよいし、任意のユーザが利用する任意のユーザ端末20であってもよい。特に、信用発行元がユーザ端末20である場合は、予め、信用発行を実行することのできる権限(信用発行権)がシステム管理者等によって当該信用発行元となるユーザ端末20を利用するユーザIDに付与されてもよい。当該ユーザIDに対する信用発行権の付与に関する情報は、適宜、サーバ10の記憶部11等に記録されてもよい。信用発行元は、一の主体群につき一のユーザ端末20に制限されてもよい。ここで、一の主体群における単一の信用発行元となるユーザ端末20を、「中央銀行的ユーザ端末20」と称する場合がある。また、「中央銀行的ユーザ端末20」を利用するユーザを、「中央銀行的ユーザ」と称する場合がある。
<信用発行先>
信用発行の対象(信用発行先)は、任意のユーザが利用する任意のユーザ端末20であってよい。なお、例えば、信用発行元のアカウント(システム管理者ID又はユーザID)等によって、当該信用発行元によって実行される信用発行の対象となる信用発行先のユーザ端末20が任意に設定されてもよい。例えば、一の信用発行元としてのユーザ端末20の信用発行先は、当該信用発行元としてのユーザ端末20が属する主体群に属するユーザ端末20のみに制限されてもよい。信用発行元と信用発行先との対応関係は、例えば、サーバ10の記憶部11等に記録されてもよい。ここで、信用発行先となるユーザ端末20を、「市中銀行的ユーザ端末20」と称する場合がある。また、「市中銀行的ユーザ端末20」を利用するユーザを、「市中銀行的ユーザ」と称する場合がある。
<サービス構成の例>
なお、上述した「中央銀行的ユーザ」と「市中銀行的ユーザ」を構成に含める場合の、一実施形態に係るそれぞれの対応関係は、限定ではなく例として、例えば、信用発行元は、各主体群に単独のユーザとしての「中央銀行的ユーザ」が存在し得る。そして、信用発行先は、各中央銀行的ユーザに紐付いて各主体群毎に複数のユーザとしての「市中銀行的ユーザ」が存在し得る。そして、個人や法人や団体や行政等のユーザ端末20を操作する「一般ユーザ」が各主体群(国家)に紐付いて多数存在し得る。ここで、信用発行は、例えば、信用発行元である中央銀行的ユーザから信用発行先である市中銀行的ユーザにのみ行われるものとし、一般ユーザに対しての信用発行は行わないものとしてもよい。この場合に、中央銀行的ユーザと、一般ユーザとの間で信用発行に係る取引関係は生じないため、一般ユーザへの第2価値交換媒体の供給を目的とした信用発行は、市中銀行ユーザを介して行われる。換言すると、この場合の信用発行とは、市中銀行的ユーザから一般ユーザに対して第2価値交換媒体を供給するために行われる、中央銀行的ユーザから市中銀行的ユーザに対する供給原資としての第2価値交換媒体の新規発行であると言える。そして、第2ネットワークに信用発行によって供給される第2価値交換媒体は、市中銀行的ユーザから中央銀行的ユーザに返済されることで消却される。なお、上述した構成の場合に、中央銀行的ユーザが市中銀行的ユーザに対して信用発行するために信用発行先である市中銀行的ユーザから提供を受ける「信用」(信用発行する第2価値交換媒体の回収根拠としての資産の価値の大きさ)は、市中銀行的ユーザの資産の健全性となる。すなわち、市中銀行的ユーザの保有する債権(他方で一般ユーザに生じる債務)の第2価値交換媒体の数量で表される経済価値の大きさに基づき、市中銀行ユーザに対して信用発行することのできる上限値を定めるとよい。ここで、当該上限値は、信用発行限度数量ということができる。市中銀行的ユーザは、自らの財務の健全性に基づき、中央銀行的ユーザから信用発行を受け、保有することとなった第2価値交換媒体を用いて一般ユーザに対する融資や投資(債権の売買も含む)等の事業を行うとよい。
<信用発行の具体的処理>
図24は、信用発行の処理に係る動作シーケンスの一例を示す概略図である。以下では、信用発行先がユーザ端末20、信用発行元がサーバ10となる場合を例に説明する。まず、信用発行先としてのユーザ端末20は、例えば、ユーザの操作に応じて、信用発行要求をサーバ10に送信してもよい(S4100)。信用発行要求は、例えば、ユーザが信用発行を希望する第2価値交換媒体の数量を示す情報を含んでもよい。また、信用発行要求は、例えば、信用発行先を特定する情報(ユーザID)、及び信用発行元を特定する情報(システム管理者ID、及びユーザID等)等を含んでもよい。
サーバ10の信用発行部132の受付部132aは、ユーザ端末20から送信された信用発行要求を受け付け、受け付けた信用発行要求に含まれる情報を、サーバ10の記憶部11に記憶された信用発行テーブルに記録してもよい。そして、サーバ10の信用発行部132の更新情報生成部132bは、受付部132aが受け付けた信用発行要求に基づいて、第2台帳を更新してもよい(S4101)。具体的には、サーバ10の信用発行部132の更新情報生成部132bは、信用発行要求に係る数量の第2価値交換媒体を、信用発行先としてのユーザ端末20に係るユーザIDに紐付けて、第2台帳に追加してもよい。そして、サーバ10の信用発行部132は、信用発行テーブルにおいて、信用発行先(信用発行要求に含まれる信用発行先を特定するための情報、又は予め記憶部11等に記憶された情報を参照して特定され得る)に係る信用発行残高を、信用発行要求に係る数量分だけ増加させる処理を実行してもよい。
例えば、信用発行元のユーザ等によって、信用発行先のユーザ毎に信用発行限度数量が設定されてもよい。当該信用発行限度数量は、信用発行先のユーザの信用に基づいて設定されてもよい。信用発行先毎の信用発行限度数量は、例えば、信用発行元となるサーバ10、又はユーザ端末20の要求に応じて、サーバ10の信用発行部132が、信用発行テーブルに記録してもよい。サーバ10は、信用発行元としてのユーザ端末20、及び信用発行先としてのユーザ端末20等からの参照要求に応じて、信用発行テーブルを参照して、当該信用発行限度数量等の情報を送信してもよい。サーバ10の信用発行部132の判定部132cは、信用発行先としてのユーザ端末20から信用発行要求を受信すると、信用発行テーブルを参照して、当該信用発行要求に含まれる希望された信用発行数量が当該信用発行限度数量を超えていないかを判定してもよい。サーバ10の信用発行部の更新情報生成部132bは、当該信用発行要求に含まれる希望された信用発行数量が当該信用発行限度数量を超えていると判定された場合、信用発行処理を実行せず、信用発行要求を送信したユーザ端末20に信用発行が実行されない旨を通知してもよい。
<返済による信用回収>
信用発行先としてのユーザ端末20は、信用発行元としてのサーバ10、又はユーザ端末20に対して、信用発行された第2価値交換媒体を返済することができる。具体的には、信用発行先としてのユーザ端末20は、例えば、ユーザの操作に応じて、返済要求をサーバ10に送信してもよい。返済要求は、例えば、ユーザが返済を希望する第2価値交換媒体の数量を示す情報を含んでもよい。また、返済要求は、例えば、返済の対象となる信用発行元を特定する情報(システム管理者ID、及びユーザID等)を含んでもよい。
サーバ10の信用発行部132の更新情報生成部132bは、信用発行先としてのユーザ端末20から返済要求を受信すると、当該返済要求に基づいて、第2台帳を更新してもよい。具体的には、サーバ10の信用発行部132の更新情報生成部132bは、返済要求に係る数量の第2価値交換媒体を、第2台帳から消却してもよい。そして、サーバ10の信用発行部132の更新情報生成部132bは、信用発行テーブルにおいて、信用発行元(返済要求に含まれる信用発行元を特定するための情報、又は予め記憶部11等に記憶された情報を参照して特定され得る)に係る信用発行残高を、信用発行要求に係る数量分だけ減少させる処理を実行してもよい。
(5)交換
本実施形態において、サーバ10は、ユーザ端末20との間で、第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の交換を行う交換所機能を有している。
(5−1)ユーザ端末20による交換要求
図25は、交換要求の送信及び登録の処理に係る動作シーケンスの一例を示す図である。以下では、ユーザ端末20による交換要求について説明する。
(S5100)
まず、ユーザ端末20の第1交換要求処理部251又は第2交換要求処理部252は、例えばユーザによる入力装置の操作に応じて、交換要求(第1交換要求又は第2交換要求)の入力を受け付ける。
図26は、ユーザ端末20が有するウォレット管理アプリX1において表示される第1交換要求の入力画面500Aの一例を示す図である。第1交換要求の入力画面500Aは、例えば、第1価値交換媒体の現在の保有量を表示するための領域501と、交換を希望する第1価値交換媒体の数量を入力するための領域502と、希望交換率を指定しない成行の第1交換要求か、希望交換率を指定する指値の第1交換要求かを選択するための領域503と、指値の第1交換要求を選択した場合に希望交換率を指定するための領域504と、を含む。
領域501には、ユーザが現在保有している第1価値交換媒体の数量が表示される。領域502には、ユーザが入力した、交換を希望する第1価値交換媒体の数量が表示される。領域503は、例えば、成行の第1交換要求を選択するための選択部503aと、指値の第1交換要求を選択するための選択部503bと、を含む。
領域504は、例えば、現在の相場の表示領域504aと、希望交換率を修正するための修正部504bと、を含む。現在の相場の表示領域504aには、現在の相場として、後述する相場交換率(第2相場交換率)の値が表示される。ユーザは、当該表示領域504aによって、現在の相場(相場交換率)を確認した上で、第1価値交換媒体を第2価値交換媒体に交換する際の希望交換率(第1希望交換率)を設定することが可能となる。ユーザは、希望交換率を修正するための修正部504bを操作することにより、希望交換率を修正することができる。
修正部504bの表示態様は特に限定されないが、例えば本例においては、希望交換率を変更する変更部504cが表示される。変更部504cは、フリーテキストで数値を入力可能としてもよいし、或いは、変更部504cに表示された矢印のアイコンを押下する毎に、希望交換率が所定の幅(例えば、0.05)で矢印の向きに応じて増減(上向き矢印であれば増加、下向き矢印であれば減少等)するようにしてもよい。
図27は、ユーザ端末20が有するウォレット管理アプリX2において表示される第2交換要求の入力画面500Bの一例を示す図である。第2交換要求の入力画面500Bは、例えば、第2価値交換媒体の現在の保有量を表示するための領域505と、交換を希望する第2価値交換媒体の数量を入力するための領域506と、希望交換率を指定しない成行の第2交換要求か、希望交換率を指定する指値の第2交換要求かを選択するための領域507と、指値の第2交換要求を選択した場合に希望交換率を指定するための領域508と、を含む。
領域505には、ユーザが現在保有している第2価値交換媒体の数量が表示される。領域506には、ユーザが入力した、交換を希望する第2価値交換媒体の数量が表示される。領域507は、例えば、成行の第2交換要求を選択するための選択部507aと、指値の第2交換要求を選択するための選択部507bと、を含む。
領域508は、例えば、現在の相場の表示領域508aと、希望交換率を修正するための修正部508bと、を含む。現在の相場の表示領域508aには、現在の相場として、後述する相場交換率(第1相場交換率)の値が表示される。ユーザは、当該表示領域508aによって、現在の相場(相場交換率)を確認した上で、第2価値交換媒体を第1価値交換媒体に交換する際の希望交換率(第2希望交換率)を設定することが可能となる。ユーザは、希望交換率を修正するための修正部508bを操作することにより、希望交換率を修正することができる。
修正部508bの表示態様は特に限定されないが、例えば本例においては、希望交換率を変更する変更部508cが表示される。変更部508cは、フリーテキストで数値を入力可能としてもよいし、或いは、変更部508cに表示された矢印のアイコンを押下する毎に、希望交換率が所定の幅(例えば、0.05)で矢印の向きに応じて増減(上向き矢印であれば増加、下向き矢印であれば減少等)するようにしてもよい。
(S5101)
次に、ユーザ端末20の第1交換要求処理部251又は第2交換要求処理部252は、ユーザによる交換要求(第1交換要求又は第2交換要求)の入力を受け付けると、受け付けた交換要求(第1交換要求又は第2交換要求)をサーバ10に送信する。
(S5102)
次に、サーバ10の第1交換要求受付部152aは、ユーザ端末20から第1交換要求を受信すると、記憶部11に記憶された交換要求テーブルに受信した第1交換要求の内容を追加し、当該交換要求テーブルを更新する。また、サーバ10の第2交換要求受付部152bは、ユーザ端末20から第2交換要求を受信すると、記憶部11に記憶された交換要求テーブルに受信した第2交換要求の内容を追加し、当該交換要求テーブルを更新する。以上で、交換要求の送信及び登録の処理が終了する。
(5−2)サーバ10の交換所機能
サーバ10は、ユーザ端末20との間で、第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の交換を行う交換所機能を有している。以下では、サーバ10の交換所機能について説明する。
(5−2−1)相場交換率の算出
本実施形態において、サーバ10の相場交換率算出部151は、各ユーザ端末20から受信する交換要求に係る希望交換率の相場(期待増加率)である相場交換率を算出する。相場交換率は、後述する第1価値交換媒体の債務発行及び債務発行分の相殺購入を実行する際の交換率となる。相場交換率の算出方法は、希望交換率の相場を表すことができる任意の方法を採用することができる。例えば、相場交換率は、少なくとも一の第1希望交換率と、少なくとも一の第2希望交換率とに基づいて算出されてもよい。このとき、例えば、所定の有効期間内にサーバ10が受け付けた交換要求(第1交換要求、及び第2交換要求)に係る希望交換率(第1希望交換率、及び第2希望交換率)のみに基づいて、相場交換率を算出してもよい。また、相場交換率は、全ての第1希望交換率と、全ての第2希望交換率とに基づいて算出されてもよい。
<加重平均>
例えば相場交換率は、交換要求テーブルに含まれる第1希望交換率と第2希望交換率との加重平均(各値に重みづけとしての係数(0を含んでもよい)を乗算した上での平均)であってもよい。例えば、相場交換率は、少なくとも一の第1希望交換率と、少なくとも一の第2希望交換率との加重平均であってもよい。また、相場交換率は、全ての第1希望交換率と、全ての第2希望交換率との加重平均であってもよい。また、例えば、交換要求テーブルに含まれる第1希望交換率のうち最も高い第1希望交換率を、最高第1希望交換率とし、交換要求テーブルに含まれる第2希望交換率のうち最も低い第2希望交換率を、最低第2希望交換率とした場合、相場交換率は、最高第1希望交換率と最低第2希望交換率とに基づいて算出してもよい。特に、例えば相場交換率は、最高第1希望交換率と最低第2希望交換率との平均値であってもよい。また、例えば相場交換率は、第1交換要求に近い希望交換率の順に所定の個数(例えば、1個でもよいし、1000個でもよい)の第2交換要求を特定し、第2交換要求に近い希望交換率の順に所定の個数(例えば、1個でもよいし、1000個でもよい)の第1交換要求を特定し、特定された交換要求に係る希望交換率の平均値であってもよい。
例えば、図28に示す例では、ユーザ端末20A及び20Bそれぞれの第1交換要求処理部251が第1交換要求をサーバ10に送信し、ユーザ端末20C及び20Dそれぞれの第2交換要求処理部252が第2交換要求をサーバ10に送信する。具体的には、ユーザ端末20Aの第1交換要求処理部251が送信する第1交換要求では、交換を希望する第1価値交換媒体の数量は1000ACTであり、第1希望交換率は0.86である。また、ユーザ端末20Bの第1交換要求処理部251が送信する第1交換要求では、交換を希望する第1価値交換媒体の数量は500ACTであり、第1希望交換率は0.92である。また、ユーザ端末20Cの第2交換要求処理部252が送信する第2交換要求では、交換を希望する第2価値交換媒体の数量は700ESTであり、第2希望交換率は1.1である。また、ユーザ端末20Dの第2交換要求処理部252が送信する第2交換要求では、交換を希望する第2価値交換媒体の数量は2000ESTであり、第2希望交換率は1.17である。
このとき、最高第1希望交換率は、ユーザ端末20Bの第1交換要求処理部251が送信する第1交換要求に係る0.92であり、最低第2希望交換率は、ユーザ端末20Cの第2交換要求処理部252が送信する第2交換要求に係る1.1である。以上より、最高第1希望交換率と最低第2希望交換率との平均値を相場交換率とする場合は、当該相場交換率は、(0.92+1.1)÷2=1.01となる。
(5−2−2)第1相場交換要求による第1価値交換媒体の債務発行
サーバ10の第1相場交換要求生成部153aは、例えば、上述した相場交換率(第1相場交換率)で、債務発行される第1価値交換媒体を第2価値交換媒体に交換するための第1相場交換要求を無限に生成する。そして、サーバ10の第1約定処理部154aは、交換要求テーブルに含まれる第2交換要求のうち、所定の第1約定条件を満たす第2交換要求を特定し、約定処理を実行する。具体的には、第2希望交換率が、相場交換率(第1相場交換率)と同一又は相場交換率(第1相場交換率)より低い第2交換要求がある場合は、当該第2交換要求を所定の第1約定条件を満たす約定対象として、第1相場交換率で第1相場交換要求との間の約定処理を実行する。また、成行の第2交換要求についても所定の第1約定条件を満たす約定対象として、第1相場交換率で第1相場交換要求との約定処理を即時に実行する。
約定処理においては、サーバ10の第1約定処理部154aは、例えば、第1台帳及び債務発行テーブルをそれぞれ更新する。まず、サーバ10の第1約定処理部154aは、第1台帳を更新するための第1更新情報であって、当該第2交換要求に係るユーザIDに紐付けて、当該第2交換要求に係る第2価値交換媒体の数量に相場交換率(第1相場交換率)を乗じた数量の第1価値交換媒体を発行するための第1更新情報としてのレコードを生成する。そして、サーバ10の第1約定処理部154aは、当該レコードを第1台帳に追加することによって、第1台帳を更新する。
更にサーバ10の第1約定処理部154aは、発行した第1価値交換媒体の数量を、債務発行分として、債務発行テーブルの債務発行数量に追加することにより、債務発行テーブルを更新する。これにより、第1価値交換媒体が債務発行される。
(5−2−3)債務発行に伴う第2価値交換媒体の移転処理
更に、サーバ10の第1約定処理部154aは、第1価値交換媒体の債務発行に併せて、約定処理された第2交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体を、サーバ10に係るサーバID(管理者ID)に移転させる処理を実行する。具体的には、サーバ10の第1約定処理部154aは、第2台帳を更新するための第2更新情報であって、当該第2交換要求に係る数量の第2価値交換媒体を、当該第2交換要求に係るユーザIDからサーバ10に係るサーバID(管理者ID)に移転させるための第2更新情報としてのトランザクションを生成する。そして、サーバ10の第1約定処理部154aは、当該トランザクションを価値交換媒体流通ネットワーク内にブロードキャストする。そして、当該トランザクションが各ノードのブロックチェーンに取り込まれることにより、第2台帳が更新される。
なお、システム管理者は、あらかじめ設定する任意の設定情報に基づき、ユーザに対する無償の債務発行(以下、「無償債務発行」と称する場合がある)を行ってもよい。より具体的には、例えば、サーバ10の第1相場交換要求生成部153aは、システム管理者による任意の設定情報に基づく措置として、ユーザ端末20を操作するユーザに紐付けられているユーザIDからサーバ10のシステム管理者に紐付けられているサーバIDが受け取る対価としての第2価値交換媒体の譲受を必要としない第1相場交換要求(以下、「第1無償給付要求」と称する場合がある)を所定数量だけ生成してもよい。
この場合に、サーバ10の第1約定処理部154aは、所定の条件下でユーザ端末20から受信する第1無償給付要求への応答としての第2交換要求(以下、「第2無償取得要求」と称する場合がある)との約定処理(以下、「第1無償約定処理」と称する場合がある)を行うとよい。
また、このとき、サーバ10のシステム管理者に紐付けられているサーバIDには、後の第1交換要求に係りサーバ10の第2約定処理部154bが第1価値交換媒体を相殺購入する対価として、第1交換要求を行うユーザ端末20を操作するユーザに紐付けられているユーザIDに対して譲渡することになる第2価値交換媒体の数量を、第1無償給付要求、又は第1無償約定処理分だけ用意(支払い原資として準備)しておくとよい。
なお、サーバ10は、第1無償約定処理によりユーザIDに対して無償債務発行する第1価値交換媒体の使途を、類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る消費対価(又は類型IIIに属する有償交換価値の取得に係る交換対価を含めてもよい)に限定する措置を講じておき、サーバ10は、第1無償給付要求に係る無償債務発行の目的(限定された使途)を示す情報を、無償債務発行の実行タイミングで、ユーザ端末20に送信するとよい。そして、ユーザ端末20の表示処理部26は、サーバ10から受信した第1無償給付要求に係る無償債務発行の目的(限定された使途)を示す情報を、ユーザ端末20の表示装置に表示するとよい。
また、システム管理者は、第1無償約定処理によりユーザIDに対して無償債務発行する第1価値交換媒体の時限消却期限を、あらかじめ任意の設定情報として、1日、3日、1週間、半月、又は1ヶ月等の比較的に短い期間に設定しておき、サーバ10は、第1無償約定処理に係り無償債務発行される第1価値交換媒体の使用期限を示す情報を、無償債務発行の実行タイミングで、ユーザ端末20に送信するとよい。そして、ユーザ端末20の表示処理部26は、サーバ10から受信した第1価値交換媒体の使用期限を示す情報を、ユーザ端末20の表示装置に表示するとよい。これにより、システム管理者は、景気刺激策を含む第1価値交換媒体の流通速度の向上を任意に図ることが可能となり得る。
(5−2−4)第2相場交換要求による第1価値交換媒体の相殺購入
サーバ10の第2相場交換要求生成部153bは、例えば、上述した相場交換率(第2相場交換率)で、債務発行によって自身が保有することになった第2価値交換媒体を第1価値交換媒体に交換するための第2相場交換要求を無限に生成する。なお、サーバ10の第2相場交換要求生成部153bは、第2相場交換要求を無限に生成することに替えて、債務発行テーブルに記録されている債務発行残高分だけ第2相場交換要求を生成してもよい。そして、サーバ10の第2約定処理部154bは、交換要求テーブルに含まれる第1交換要求のうち、所定の第2約定条件を満たす第1交換要求を特定し、約定処理を実行する。具体的には、第1希望交換率が、相場交換率(第2相場交換率)と同一又は相場交換率(第2相場交換率)より高い第1交換要求がある場合は、当該第1交換要求を所定の第2約定条件を満たす約定対象として、第2相場交換率で第2相場交換要求との間の約定処理を実行する。また、成行の第1交換要求についても所定の第2約定条件を満たす約定対象として、第2相場交換率で第2相場交換要求との約定処理を即時に実行する。
約定処理においては、サーバ10の第2約定処理部154bは、例えば、第1台帳及び債務発行テーブルをそれぞれ更新する。まず、サーバ10の第2約定処理部154bは、第1台帳を更新するための第1更新情報であって、当該第1交換要求に係るユーザIDに紐付けられた当該第1交換要求に係る数量の第1価値交換媒体について、当該ユーザIDとの紐付けを解消する内容の第1更新情報を生成する。当該第1更新情報は、例えば、第1台帳において当該ユーザIDに紐付けられた当該数量の第1価値交換媒体のレコード自体を消却する内容であってもよい。若しくは、当該第1更新情報は、第1台帳において当該ユーザIDに紐付けられた当該数量の第1価値交換媒体の保有者情報(紐付けるユーザID情報)を空欄とする内容であってもよい。そして、サーバ10の第2約定処理部154bは、当該第1更新情報によって第1台帳を更新する。なお、この時、ユーザの保有する第1価値交換媒体のうち消却予定日の到来日が近いものから優先的に消却してもよい。
更に、サーバ10の第2約定処理部154bは、ユーザIDとの紐付けを解消した第1価値交換媒体の数量を、債務発行に対する相殺購入分として、債務発行テーブルの相殺購入数量に追加することにより、債務発行テーブルを更新する。これにより、第1価値交換媒体が相殺購入される。
(5−2−5)相殺購入に伴う第2価値交換媒体の移転処理
更に、サーバ10の第2約定処理部154bは、第1価値交換媒体の相殺購入に併せて、自身が保有する第2価値交換媒体を、当該第1交換要求に係るユーザIDに移転させる処理を実行する。具体的には、サーバ10の第2約定処理部154bは、第2台帳を更新するための第2更新情報であって、当該第1交換要求に係る第1価値交換媒体の数量を第2相場交換率で除した数量の第2価値交換媒体を、サーバ10に係るサーバID(管理者ID)から当該第1交換要求に係るユーザIDに移転させるための第2更新情報としてのトランザクションを生成する。そして、サーバ10の第2約定処理部154bは、当該トランザクションを価値交換媒体流通ネットワーク内にブロードキャストする。そして、当該トランザクションが各ノードのブロックチェーンに取り込まれることにより、第2台帳が更新される。
(5−2−6)販売(交換)手数料
更に、サーバ10の送金処理部124は、第1価値交換媒体の販売(交換)手数料として、第2約定処理の対象となった第1価値交換媒体の販売(第1交換)元のユーザから所定数量の第2価値交換媒体を徴収してもよい。例えば、サーバ10の送金処理部124は、ユーザ端末20に所定のトランザクション生成指示を送信する。ユーザ端末20の第2価値交換媒体処理部23は当該トランザクション生成指示に応じて、ユーザのユーザIDに紐付いた所定数量の第2価値交換媒体をサーバ10(システム管理者に係る管理者ID)に移転する内容のトランザクションを生成し、ブロックチェーン・ネットワークに送信(ブロードキャスト)してもよい。或いは、サーバ10の第2約定処理部154bは、第1価値交換媒体の相殺購入に併せて自身が保有する第2価値交換媒体を、当該第1交換要求に係るユーザID(第1価値交換媒体の販売(第1交換)元のユーザ)に移転させる処理の実行に続けて、当該第1交換要求に係るユーザIDが保有する第2価値交換媒体を、サーバ10に係るサーバIDに移転させる当該トランザクションの生成・送信処理を行ってもよい。販売(交換)手数料の額は、例えば、予めシステム管理者が設定しておく設定情報によって規定されてもよいし、ユーザのアカウントの種類(例えば、「事業者」、及び「個人」等)、ユーザの第1価値交換媒体及び/又は第2価値交換媒体の送金の状況等の評価値に応じて変化させてもよい。
(5−3)スプレッド
なお、サーバ10の交換所管理部15は、第1相場交換要求に係る相場交換率(「第1相場交換率」と称する場合がある)と、第2相場交換要求に係る相場交換率(「第2相場交換率」と称する場合がある)とに、差(スプレッド)を設けてもよい。また、サーバ10の交換所管理部15は、後述する「(6−1−3−3)及び(6−2−3−3)交換率の固定」に記載の処理を実行する場合に、第1固定交換要求に係る目標交換率(第1目標交換率と称する場合がある)と、第2固定交換要求に係る目標交換率(第2目標交換率と称する場合がある)とに、差を設けてもよい。スプレッドを設けることにより、価値交換媒体流通ネットワークに供給した第2価値交換媒体を適度に回収することが可能となり、サーバ10の管理者等はスプレッド利益を得ることが可能となる。
(6)第2価値交換媒体の価値尺度の安定化
(6−1)第2価値交換媒体の数量の増加
(6−1−1)増加の基本フロー
図29は、サーバ10のスマートコントラクト部131及びユーザ端末20のスマートコントラクト部231それぞれが実行する第2価値交換媒体の増加処理の動作フローの一例を示す図である。以下では、本実施形態における、第2価値交換媒体の数量の増加について説明する。
(S6100)
サーバ10の相場交換率取得部131a又はユーザ端末20の相場交換率取得部231aは、上述した「(5−2−1)相場交換率の算出」で説明した相場交換率を、サーバ10の相場交換率算出部151から取得する。
(S6101)
次に、サーバ10の増加条件判定部131b又はユーザ端末20の増加条件判定部231bは、所定の増加条件が満たされるか否かを判定する。
ここで、上述した所定の増加条件は、例えば、第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の間の目標交換率に対する、相場交換率取得部231a又は相場交換率取得部131aにより取得される相場交換率の割合である割増率が所定の上限値である割増上限値に到達したことであってよい。ここで、目標交換率は、システム管理者によって設定可能な第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の間の交換率の目標値である。目標交換率は、例えば、「第2価値交換媒体の単位交換価値/第1価値交換媒体の単位交換価値」として「1.00」と表される、第1価値交換媒体の単位交換価値(通貨価値)と第2価値交換媒体の単位交換価値(通貨価値)が等しい場合の目標交換率であってもよい。
割増上限値は、例えば、任意に或いは所定の区間内(例えば、1.05から1.10の間)において、ランダムに或いはユーザ端末20による投票等によって決定してもよい。なお、ランダムに決定する場合でも、所定の刻み幅により規定される離散的な固定値(例えば、(1.05+0.001×N)等の、0.001刻み等の値)であってもよい。なお、割増上限値は、ユーザ、又はユーザ及びシステム管理者が認識できないようにブラックボックス化させてもよい。これにより、スマートコントラクト部131、又は231による第2価値交換媒体の増加処理の実行タイミングをユーザに意識させない運用が可能となる。
また、上述した所定の増加条件は、例えば、前回の第2価値交換媒体の増加処理(又は減少処理)から所定期間が経過した時点における割増率が「1」より大きいことであってよい。これにより、第2価値交換媒体の増減処理のサイクルを所定の期間以内に収めることができるようになる。そのため、割増率の変動が割増上限値に達しない範囲において緩やかに変動し続けている場合においても、割増率を「1」に近づけることができるようになり、割増率を「1」から乖離させにくくする効果(割増率の変動を「1」付近に抑え込めるようにする効果)を更に高めることが可能となる。
(S6102)
次に、サーバ10の増加実行部131c又はユーザ端末20の増加実行部231cは、所定の増加条件が満たされるとサーバ10の増加条件判定部131b又はユーザ端末20の増加条件判定部231bが判定した場合、ユーザ端末20及びサーバ10に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体を所定数量だけ増加させる。具体的には、サーバ10の増加実行部131c又はユーザ端末20の増加実行部231cは、第2台帳を更新するための第2更新情報であって、サーバ10に係るサーバID又はユーザ端末20に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体を所定数量だけ増加させる第2更新情報を生成する。本例では、第2台帳はブロックチェーンによって構成され得る。そのため、第2更新情報は、当該ブロックチェーンに取り込まれるためのトランザクションであって、当該ユーザIDを保有者とする第2価値交換媒体を所定数量だけ新たに生成する内容のトランザクションであってよい。上述した所定数量(第2価値交換媒体の増加数量)については後述する。
(S6103)
次に、サーバ10の増加実行部131c又はユーザ端末20の増加実行部231cは、生成した第2更新情報(トランザクション)を、価値交換媒体流通ネットワーク内の任意のノード(サーバ10又はユーザ端末20等)に送信する。そして、第2更新情報(トランザクション)は、価値交換媒体流通ネットワーク上にブロードキャストされた後、所定の処理を経た後、各ノードに記憶されるブロックチェーンに取り込まれる。これにより、第2台帳が更新される。
以上のとおり、サーバ10のスマートコントラクト部131又はユーザ端末20のスマートコントラクト部231は、所定の増加条件が満たされる場合、システム管理者又はユーザが保有する第2価値交換媒体の数量を所定数量だけ増加させる。
(6−1−2)増加数量
(i)保有数量のみに基づく場合
増加数量は、所定の増加条件が満たされた時点における割増率(以下、「到達割増率」と称する。)と、ユーザ及びシステム管理者の第2価値交換媒体の保有数量とに基づいて算出されてもよい。ここで、上述した所定の増加条件が、目標交換率に対する相場交換率の割合である割増率が割増上限値に到達したことである場合は、到達割増率は上述した割増上限値に等しい。また、上述した所定の増加条件が、前回の第2価値交換媒体の増加処理(又は減少処理)から所定期間が経過した時点における割増率が「1」より大きい場合は、到達割増率は当該所定期間が経過した時点における割増率(ただし「1」より大きい場合に限る)そのものである。そして、例えば、『増加数量=(到達割増率−1)×増加処理を実行する直前の保有EST数量』であってもよい。
(ii)保有数量及び流通貢献率に基づく場合
増加数量は、到達割増率と、ユーザ及びシステム管理者の第2価値交換媒体の保有数量と、ユーザ及びシステム管理者の第2価値交換媒体の移動(送金等)に係る、全体の通貨流通速度に対する各ユーザの貢献度の割合である流通貢献率とに基づいて算出されてもよい。例えば、『増加数量=(到達割増率−1)×増加処理を実行する直前の保有EST数量×流通貢献率』であってもよい。ここで、流通貢献率は、例えば、以下のとおりに算出される。
流通貢献率=個別通貨移動率÷基準通貨移動率、
個別通貨移動率=所定期間におけるEST移転(送金)数量/最終のEST保有数量、
基準通貨移動率=所定期間における総EST移転(送金)数量/総EST数量
なお、所定期間は、サーバ10のスマートコントラクト部131及びユーザ端末20のスマートコントラクト部231による第2価値交換媒体の増加処理(又は減少処理)の前回実行時から今回実行時までの期間であってよい。また、システム管理者の流通貢献率は全体の平均値である「1」として任意の値として固定してもよい。
(iii)移動評価値のみに基づく場合
増加数量は、第2価値交換媒体の移動(送金等)に係る評価値である移動評価値に基づいて算出されてもよい。具体的には、例えば、増加数量は、次の式(1)に式(2)を乗じた値であってもよい。
(1)第2台帳に記録された第2価値交換媒体の流通総量に(到達割増率−1)を乗じた値
(2)第2台帳に基づき、第2価値交換媒体の増加処理(又は減少処理)の前回実行時から今回増加時までの間に、送金等の処理(支払い、決済、送金、又は弁済手段、若しくは第2交換等)が実行された第2価値交換媒体の数量の、ユーザ毎の、全体送金数量に占める送金数量割合(移動評価値)
ここで、上記式(1)は、第2台帳において今回増加する第2価値交換媒体の総量を示しているといえる。また、上記式(2)は、第2価値交換媒体の総移動量(総送金量)に対するユーザ毎の貢献度(送金側としての使用貢献度)を示しているといえる。したがって、上記の算出方式は、先に全体としての増加数量を到達割増率に基づいて確定させてから、各ユーザの移動評価値に応じた第2価値交換媒体を発行するものといえる。このような増加数量の算出方式により、第2価値交換媒体の保有数量によらずに、ユーザ毎の送金状況(第2価値交換媒体の使用状況)による第2価値交換媒体の新規発行が可能となり、第2価値交換媒体の通貨流通速度が向上する効果が発揮され得る。
なお、移動評価値は、上述した第2台帳に基づく移動評価値に替えて、サーバ10の記憶部11、及びユーザ端末20の記憶部21に記憶された第2評価テーブルに記録される移動評価値を用いてもよい。また、第2評価テーブルに記録される「送金区分」、「送金区分倍率」、「相殺判定」、及び「移動評価値」は、第2台帳に含めるようにして、第2台帳と、第2評価テーブルとを、一体として構成してもよい。
(iv)保有数量及び移動評価値に基づく場合
増加数量は、上述した「(i)保有数量のみに基づく場合」と、「(iii)移動評価値のみに基づく場合」とで、所定の按分率に基づき、按分して算出されてもよい。より具体的には、サーバ10のスマートコントラクト部131、又はユーザ端末20のスマートコントラクト部231は、例えば、システム管理者、又はユーザからの希望する按分率(保有数量に基づく場合の比重と、移動評価値に基づく場合の比重との按分割合)の入力を受け付け、受け付けた按分率を集計等することにより、増加時の保有数量のみに基づく場合の比重、及び移動評価値のみに基づく場合の比重を算出する。そして、サーバ10のスマートコントラクト部131、又はユーザ端末20のスマートコントラクト部231は、ここで算出された比重の割合(増加按分率)を用いて、第2価値交換媒体の増加数量を、上述した「(i)保有数量のみに基づく場合」と、「(iii)移動評価値のみに基づく場合」とで按分して合算した数量とするとよい。このとき、増加数量は、それぞれの場合による算出結果に対して、増加按分率を乗算して算出するとよい。例えば、増加按分率が、「保有数量のみに基づく場合30%」に対して「移動評価値のみに基づく場合70%」であるとき、サーバ10のスマートコントラクト部131、又はユーザ端末20のスマートコントラクト部231は、保有数量のみに基づく場合により算出された増加数量に0.3を乗じた数量と、移動評価値のみに基づく場合により算出された増加数量に0.7を乗じた数量とを合算するとよい。
このように、保有数量のみならず、流通貢献率や移動評価値に基づいて第2価値交換媒体の増加数量を算出することで、第2価値交換媒体を保有するユーザに対して、第2価値交換媒体を使用(支払い、決済、送金、又は弁済手段、若しくは第2交換等)するインセンティブを働かせることができる(一般論として、法定通貨の使用インセンティブはマイナスである(※使用欲求よりも保蔵欲求の方が高い)ことがある)ようになり、第2価値交換媒体の「価値交換媒体」としての流通機能が発揮されやすくなる。更に、第2価値交換媒体は、停滞させることなく適度に使用すれば「量が増えやすい」、いわば使用することで「プラス金利」(マイナスが小さいと同義)の生じ得るプラス(マイナスが小さいと同義)の資産的効果を発揮する通貨として機能し得るようになる。逆に、停滞させ使用せず貯め込むのみであれば「量が増えにくい」、いわば使用しないことで「マイナス金利」(プラスが小さいと同義)の生じ得るマイナス(プラスが小さいと同義)の資産的効果を発揮する通貨として機能し得るようになることから、第2価値交換媒体は、財布から財布へ移動しやすい、つまり「価値」が交換されやすく、流通速度の速い「価値交換媒体」となり得る。本実施形態において、第2価値交換媒体は、第1価値交換媒体と同様に、「ユーザ間で移転する価値の相対評価及び需要に基づき新規に発行される、単位交換価値が制御される(価値尺度の変動が抑制された)流通速度の速い価値交換媒体」として機能を発揮し得るものである。
(6−1−3)第2価値交換媒体の価値尺度機能の安定化
上述したとおり、各ユーザが保有する第2価値交換媒体の数量は、所定の増加条件が満たされる場合、各ユーザの保有数量や流通貢献率や移動評価値に基づいて増加する。これに伴って、サーバ10は、以下に説明するとおり、第2価値交換媒体の価値尺度機能(単位交換価値)を第1価値交換媒体の価値尺度機能(単位交換価値)に目標交換率で更に均衡させる(目標交換率から乖離させない)ための所定の処理を実行してもよい。これにより、第2価値交換媒体の単位交換価値が、第1価値交換媒体の単位交換価値に目標交換率(又はその付近)で更に均衡されるため、上述したとおり第1価値交換媒体が有している強度な価値尺度機能(単位交換価値を制御できる機能)を、第2価値交換媒体に対して更に生じさせることができるようになる。
(6−1−3−1)希望交換率の修正
サーバ10は、既に受け付けた交換要求に係る希望交換率を、各ユーザの第2価値交換媒体の数量の増加割合を相殺するように修正してもよい。また、本修正処理によって結果的に変動する相場交換率に基づく第1相場交換率及び第2相場交換率の変動量は、目標交換率(第1目標交換率及び第2目標交換率)まで(目標交換率を超える変動量を制限)としてもよい。図30は、増加処理時の希望交換率の修正処理の動作フローの一例を示す図である。この処理により、上述した相場交換率が目標交換率に更に近づく。
(S6104)
まず、サーバ10の増加時希望交換率修正部155aは、上述したS6100と同様に、相場交換率を、サーバ10の相場交換率算出部151から取得する。
(S6105)
次に、サーバ10の増加時希望交換率修正部155aは、上述したS6101と同様に、所定の増加条件が満たされる否かを判定する。所定の増加条件が満たされないと判定された場合(S6105;No)、処理はステップS6104に戻る。一方、所定の増加条件が満たされると判定された場合(S6105;Yes)、処理はステップS6106に進む。
(S6106)
次に、サーバ10の増加時希望交換率修正部155aは、記憶部11に記憶された交換要求テーブルに記録された既に受け付けている交換要求(第1交換要求及び第2交換要求を含む)のうち、希望交換率の修正が未了の一の交換要求を特定する。
(S6107)
次に、サーバ10の増加時希望交換率修正部155aは、第2台帳を参照して、S6106で特定された交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量の増加割合を取得する。
(S6108)
次に、サーバ10の増加時希望交換率修正部155aは、交換要求テーブルにおいて、S6107で取得した第2価値交換媒体の増加割合を相殺するように、S6106で特定した交換要求の希望交換率を修正する。例えば、ある第1交換要求に係る第1希望交換率が0.86であって、当該第1交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が3%増加した場合、0.86×(100−3)%=0.8342であるから、当該第1希望交換率は0.8342に修正される。また、例えば、ある第2交換要求に係る第2希望交換率が1.17であって、当該第2交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が3%増加した場合、1.17×(100−3)%=1.1349であるから、当該第2希望交換率は1.1349に修正される。なお、例えば、ある第2交換要求に係る第2希望交換率が1.04であって、当該第2交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が5%増加した場合、1.04×(100−5)%=0.988であるから、第2希望交換率は0.988に修正される。このとき、第1相場交換率が、例えば、1.00である場合には、第2希望交換率が0.988に修正された当該第2交換要求は、第1相場交換率(この場合であれば、1.00)で第1相場交換要求と約定され得る。
(S6109)
次に、サーバ10の増加時希望交換率修正部155aは、交換要求テーブルにおいて、既に受け付けている交換要求の全てについて、希望交換率を修正したか否かを判定する。既に受け付けている交換要求の全てについて、希望交換率を修正していないと判定した場合は(S6109;No)、処理はS6106に戻る。既に受け付けた交換要求の全てについて、希望交換率を修正したと判定した場合は(S6109;Yes)、処理を終了する。
(6−1−3−2)第2希望交換率を増加させる修正の制限
サーバ10は、上述した「(6−1−1)増加の基本フロー」で説明した処理によって各ユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が増加した場合、所定の期間(変動抑制期間)において、第2希望交換率の修正を制限してもよい。図31は、第2希望交換率を増加させる修正の制限処理の動作フローの一例を示す図である。この処理により、変動抑制期間中は、一旦目標交換率に近づいた相場交換率がユーザの意図をもって変動して目標交換率から短期間で急激に乖離することが抑制される。なお、当該制限処理は、上述した第2価値交換媒体の増加処理が行われた時点おいて交換要求テーブルに記録されていた未約定の第2交換要求に限ってもよい。
(S6110)
まず、サーバ10の増加時希望交換率修正部155aは、ユーザ端末20から第2希望交換率の修正要求を受信する。当該修正要求は、例えば、希望する修正後の第2希望交換率(修正第2希望交換率)を示す情報を含んでもよい。
(S6111)
次に、サーバ10の増加時希望交換率修正部155aは、所定の切替条件が満たされるか否かを判定する。所定の切替条件は、上述した変動抑制期間の終了を規定する条件である。例えば、所定の切替条件は、所定の固定長の期間が経過したことであってよい。当該固定長の期間の長さは特に限定されず、任意の長さであってもよく、ユーザ端末20の投票等によって決定されてもよい。また、例えば、所定の切替条件は、上述した割増率(目標交換率に対する相場交換率の割合)が、所定の閾値に達したことであってよい。ここで、当該所定の閾値の値は、特に限定されず任意の値であってよい。なお、当該所定の閾値の値は、上述した割増上限値以上であってもよい。
(S6112)
ステップS6111において所定の切替条件が満たされると判定された場合(S6111;Yes)、サーバ10の増加時希望交換率修正部155aは、交換要求テーブルにおいて、第2希望交換率を修正し、処理が終了する。
(S6113)
ステップS6111において所定の切替条件が満たされないと判定された場合(S6111;No)、サーバ10の増加時希望交換率修正部155aは、修正要求に係る修正内容が、第2希望交換率が増加する方向(「(6−1−1)増加の基本フロー」で説明した処理によって各ユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量の増加に伴う、「(6−1−3−1)希望交換率の修正」で説明した処理によって修正された第2希望交換率が修正される前の状態の第2希望交換率に戻る方向)であるか否かを判定する。第2希望交換率が増加する方向でないと判定された場合(S6111;No)、処理はステップS6112に進み、サーバ10の増加時希望交換率修正部155aは、交換要求テーブルにおいて、第2希望交換率を修正し、処理が終了する。
(S6114)
ステップS6113において第2希望交換率が増加する方向であると判定された場合(S6113;Yes)、サーバ10の増加時希望交換率修正部155aは、第2希望交換率の修正を制限するための所定の制限処理を実行する。ここで、所定の制限処理は、例えば、第2希望交換率の修正処理を全く実行しないこと、及びS6110で受信した修正要求通りではない第2希望交換率の修正処理を実行すること(例えば、交換要求テーブルに記録された第2希望交換率を、S6110で受信した修正第2希望交換率よりも小さい値に修正する処理)等であってよい。また、所定の制限処理は、例えば、ユーザ端末20に第2希望交換率の修正が制限されている旨を通知する処理であってもよい。以上で、処理が終了する。
(6−1−3−3)交換率の固定
サーバ10は、上述した「(6−1)第2価値交換媒体の数量の増加」で説明した一連の処理によって各ユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が増加した場合、所定の期間において、ユーザ端末20から受信した交換要求を、目標交換率によって約定させる処理を実行してもよい。なお、当該所定期間を、固定交換期間と称する。固定交換期間は、上述した変動抑制期間と重複し得る。
サーバ10の第1固定交換要求生成部156aは、例えば、上述した目標交換率(第1目標交換率)で、第1価値交換媒体を第2価値交換媒体に交換(債務発行)するための第1固定交換要求を無限に生成する。そして、サーバ10の第1約定処理部154aは、交換要求テーブルに含まれる第2交換要求のうち、所定の第1約定条件を満たす第2交換要求を特定し、約定処理を実行する。具体的には、第2希望交換率が、目標交換率(第1目標交換率)と同一又は目標交換率(第1目標交換率)より低い第2交換要求がある場合は、当該第2交換要求を所定の第1約定条件を満たす約定対象として、目標交換率(第1目標交換率)で第1固定交換要求との間の約定処理を実行する。また、成行の第2交換要求についても所定の第1約定条件を満たす約定対象として、目標交換率(第1目標交換率)で第1固定交換要求との約定処理を即時に実行する。
約定処理においては、サーバ10の第1約定処理部154aは、例えば、第1台帳及び債務発行テーブルをそれぞれ更新する。まず、サーバ10の第1約定処理部154aは、第1台帳を更新するための第1更新情報であって、当該第2交換要求に係るユーザIDに紐付けて、当該第2交換要求に係る第2価値交換媒体の数量に目標交換率(第1目標交換率)を乗じた数量の第1価値交換媒体を発行するための第1更新情報としてのレコードを生成する。そして、サーバ10の第1約定処理部154aは、当該レコードを第1台帳に追加することによって、第1台帳を更新する。
更にサーバ10の第1約定処理部154aは、発行した第1価値交換媒体の数量を、債務発行分として、債務発行テーブルの債務発行数量に追加することにより、債務発行テーブルを更新する。これにより、第1価値交換媒体が債務発行される。
更に、サーバ10の第1約定処理部154aは、第1価値交換媒体の債務発行に併せて、約定処理された第2交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体を、サーバ10に係るサーバID(管理者ID)に移転させる処理を実行する。具体的には、サーバ10の第1約定処理部154aは、第2台帳を更新するための第2更新情報であって、当該第2交換要求に係る数量の第2価値交換媒体を、当該第2交換要求に係るユーザIDからサーバ10に係るサーバID(管理者ID)に移転させるための第2更新情報としてのトランザクションを生成する。そして、サーバ10の第1約定処理部154aは、当該トランザクションを価値交換媒体流通ネットワーク内にブロードキャストする。そして、当該トランザクションが各ノードのブロックチェーンに取り込まれることにより、第2台帳が更新される。
サーバ10の第2固定交換要求生成部156bは、例えば、上述した目標交換率(第2目標交換率)で、自身が保有する第2価値交換媒体を第1価値交換媒体に交換(相殺購入)するための第2固定交換要求を無限に生成する。なお、サーバ10の第2固定交換要求生成部156bは、第2固定交換要求を無限に生成することに替えて、債務発行テーブルに記録されている債務発行残高分だけ第2固定交換要求を生成してもよい。そして、サーバ10の第2約定処理部154bは、交換要求テーブルに含まれる第1交換要求のうち、所定の第2約定条件を満たす第1交換要求を特定し、約定処理を実行する。具体的には、第1希望交換率が、目標交換率(第2目標交換率)と同一又は目標交換率(第2目標交換率)より高い第1交換要求がある場合は、当該第1交換要求を所定の第2約定条件を満たす約定対象として、目標交換率(第2目標交換率)で第2固定交換要求との間の約定処理を実行する。また、成行の第1交換要求についても所定の第2約定条件を満たす約定対象として、目標交換率(第2目標交換率)で第2固定交換要求との約定処理を即時に実行する。
約定処理においては、サーバ10の第2約定処理部154bは、例えば、第1台帳及び債務発行テーブルをそれぞれ更新する。まず、サーバ10の第2約定処理部154bは、第1台帳を更新するための第1更新情報であって、当該第1交換要求に係るユーザIDに紐付けられた当該第1交換要求に係る数量の第1価値交換媒体について、当該ユーザIDとの紐付けを解消する内容の第1更新情報を生成する。当該第1更新情報は、例えば、第1台帳において当該ユーザIDに紐付けられた当該数量の第1価値交換媒体のレコード自体を消却する内容であってもよい。若しくは、当該第1更新情報は、第1台帳において当該ユーザIDに紐付けられた当該数量の第1価値交換媒体の保有者情報(紐付けるユーザID情報)を空欄とする内容であってもよい。そして、サーバ10の第2約定処理部154bは、当該第1更新情報によって第1台帳を更新する。なお、この時、ユーザの保有する第1価値交換媒体のうち消却予定日の到来日が近いものから優先的に消却してもよい。
更に、サーバ10の第2約定処理部154bは、ユーザIDとの紐付けを解消した第1価値交換媒体の数量を、債務発行に対する相殺購入分として、債務発行テーブルの相殺購入数量に追加することにより、債務発行テーブルを更新する。これにより、第1価値交換媒体が相殺購入される。
更に、サーバ10の第2約定処理部154bは、第1価値交換媒体の相殺購入に併せて、自身が保有する第2価値交換媒体を、当該第1交換要求に係るユーザIDに移転させる処理を実行する。具体的には、サーバ10の第2約定処理部154bは、第2台帳を更新するための第2更新情報であって、当該第1交換要求に係る第1価値交換媒体の数量を第2相場交換率で除した数量の第2価値交換媒体を、サーバ10に係るサーバID(管理者ID)から当該第1交換要求に係るユーザIDに移転させるための第2更新情報としてのトランザクションを生成する。そして、サーバ10の第2約定処理部154bは、当該トランザクションを価値交換媒体流通ネットワーク内にブロードキャストする。そして、当該トランザクションが各ノードのブロックチェーンに取り込まれることにより、第2台帳が更新される。
(6−2)第2価値交換媒体の数量の減少
(6−2−1)減少の基本フロー
図32は、サーバ10のスマートコントラクト部131及びユーザ端末20のスマートコントラクト部231それぞれが実行する第2価値交換媒体の減少処理の動作フローの一例を示す図である。以下では、本実施形態における第2価値交換媒体の数量の減少について説明する。
(S6200)
サーバ10の相場交換率取得部131a又はユーザ端末20の相場交換率取得部231aは、上述した「(5−2−1)相場交換率の算出」で説明した相場交換率を、サーバ10の相場交換率算出部151から取得する。
(S6201)
次に、サーバ10の減少条件判定部131d又はユーザ端末20の減少条件判定部231dは、所定の減少条件が満たされるか否かを判定する。
ここで、上述した所定の減少条件は、例えば、第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の間の目標交換率に対する、相場交換率取得部231a又は相場交換率取得部131aにより取得される相場交換率の割合である割増率が所定の下限値である割増下限値に到達したことであってよい。ここで、目標交換率は、システム管理者によって設定可能な第1価値交換媒体及び第2価値交換媒体の間の交換率の目標値である。目標交換率は、例えば、「第2価値交換媒体の単位交換価値/第1価値交換媒体の単位交換価値」として「1.00」と表される、第1価値交換媒体の単位交換価値(通貨価値)と第2価値交換媒体の単位交換価値(通貨価値)とが等しい場合の目標交換率であってもよい。
割増下限値は、例えば、任意に或いは所定の区間内(例えば、0.95から0.90の間)において、ランダムに或いはユーザ端末20による投票等によって決定してもよい。なお、ランダムに決定する場合でも、所定の刻み幅により規定される離散的な固定値(例えば、(0.95−0.001×N)等の、0.001刻み等の値)であってもよい。なお、割増下限値は、ユーザ、又はユーザ及びシステム管理者が認識できないようにブラックボックス化させてもよい。これにより、スマートコントラクト部131、又は231による第2価値交換媒体の減少処理の実行タイミングをユーザに意識させない運用が可能となる。
また、上述した所定の減少条件は、例えば、前回の第2価値交換媒体の減少処理(又は増加処理)から所定期間が経過した時点における割増率が「1」より小さいことであってよい。これにより、第2価値交換媒体の増減処理のサイクルを所定の期間以内に収めることができるようになる。そのため、割増率の変動が割増下限値に達しない範囲において緩やかに変動し続けている場合においても、割増率を「1」に近づけることができるようになり、割増率を「1」から乖離させにくくする効果(割増率の変動を「1」付近に抑え込めるようにする効果)を更に高めることが可能となる。
(S6202)
次に、サーバ10の減少実行部131e又はユーザ端末20の減少実行部231eは、所定の減少条件が満たされるとサーバ10の減少条件判定部131d又はユーザ端末20の減少条件判定部231dが判定した場合、ユーザ端末20及びサーバ10に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体を所定数量だけ減少させる。具体的には、サーバ10の減少実行部131e又はユーザ端末20の減少実行部231eは、第2台帳を更新するための第2更新情報であって、サーバ10に係るサーバID又はユーザ端末20に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体を所定数量だけ減少させる第2更新情報を生成する。本例では、第2台帳はブロックチェーンによって構成され得る。そのため、第2更新情報は、当該ブロックチェーンに取り込まれるためのトランザクションであって、当該ユーザIDを保有者とする第2価値交換媒体を所定数量だけ減少させる内容のトランザクションであってよい。上述した所定数量(第2価値交換媒体の減少数量)については後述する。
(S6203)
次に、サーバ10の減少実行部131e又はユーザ端末20の減少実行部231eは、生成した第2更新情報(トランザクション)を、価値交換媒体流通ネットワーク内の任意のノード(サーバ10又はユーザ端末20等)に送信する。そして、第2更新情報(トランザクション)は、価値交換媒体流通ネットワーク上にブロードキャストされた後、所定の処理を経た後、各ノードに記憶されるブロックチェーンに取り込まれる。これにより、第2台帳が更新される。
以上のとおり、サーバ10のスマートコントラクト部131又はユーザ端末20のスマートコントラクト部231は、所定の減少条件が満たされる場合、システム管理者又はユーザが保有する第2価値交換媒体の数量を所定数量だけ減少させる。
(6−2−2)減少数量
(i)保有数量のみに基づく場合
減少数量は、所定の減少条件が満たされた時点における割増率(以下、「到達割増率」と称する。)と、ユーザ及びシステム管理者の第2価値交換媒体の保有数量とに基づいて算出されてもよい。ここで、上述した所定の減少条件が、目標交換率に対する相場交換率の割合である割増率が割増下限値に到達したことである場合は、到達割増率は上述した割増下限値に等しい。また、上述した所定の減少条件が、前回の第2価値交換媒体の減少処理(又は増加処理)から所定期間が経過した時点における割増率が「1」より小さい場合は、到達割増率は当該所定期間が経過した時点における割増率(ただし「1」より小さい場合に限る)そのものである。そして、例えば、『減少数量=(1−到達割増率)×減少処理を実行する直前の保有EST数量』であってもよい。
(ii)保有数量及び流通貢献率に基づく場合
減少数量は、到達割増率と、ユーザ及びシステム管理者の第2価値交換媒体の保有数量と、ユーザ及びシステム管理者の第2価値交換媒体の移動(送金等)に係る、全体の通貨流通速度に対する各ユーザの貢献度の割合である流通貢献率とに基づいて算出されてもよい。例えば、『減少数量=(1−到達割増率)×減少処理を実行する直前の保有EST数量×(1÷流通貢献率)』であってもよい。ここで、流通貢献率は、例えば、以下のとおりに算出される。なお、例示の減少数量の算出に係る「(1÷流通貢献率)」で得られる値には上限値を設けてもよく、「1」より大きい場合に、当該上限値を超えないように、当該得られる値が「1」より大きいユーザ(換言すると、流通貢献率が「1」より小さい流通貢献率の相対的に低いユーザ)間で流通貢献率に均衡させて補正してもよい。
流通貢献率=個別通貨移動率÷基準通貨移動率、
個別通貨移動率=所定期間におけるEST移転(送金)数量/最終のEST保有数量、
基準通貨移動率=所定期間における総EST移転(送金)数量/総EST数量
なお、所定期間は、サーバ10のスマートコントラクト部131及びユーザ端末20のスマートコントラクト部231による第2価値交換媒体の減少処理(又は増加処理)の前回実行時から今回実行時までの期間であってよい。また、システム管理者の流通貢献率は全体の平均値である「1」として任意の値として固定してもよい。
このように、保有数量のみならず、流通貢献率に基づいて第2価値交換媒体の減少数量を算出することで、第2価値交換媒体を保有するユーザに対して、第2価値交換媒体を使用(支払い、決済、送金、又は弁済手段、若しくは第2交換等)するインセンティブを働かせることができる(一般論として、法定通貨の使用インセンティブはマイナスである(※使用欲求よりも保蔵欲求の方が高い)ことがある)ようになり、第2価値交換媒体の「価値交換媒体」としての機能が発揮されやすくなる。更に、第2価値交換媒体は、停滞させることなく適度に使用すれば「量が減りにくい」、いわば使用することで「プラス金利」(相対的にマイナスが小さいと同義)の生じ得るプラス(相対的にマイナスが小さいと同義)の資産的効果を発揮する通貨として機能し得るようになる。逆に、停滞させ使用せず貯め込むのみであれば「量が減りやすい」、いわば使用しないことで「マイナス金利」(相対的にマイナスが大きいと同義)の生じ得るマイナス(相対的にマイナスが大きいと同義)の資産的効果を発揮する通貨として機能し得るようになることから、第2価値交換媒体は、財布から財布へ移動しやすい、つまり「価値」が交換されやすく、流通速度の速い「価値交換媒体」となり得る。本実施形態において、第2価値交換媒体は、第1価値交換媒体と同様に、「ユーザ間で移転する価値の相対評価及び需要に基づき新規に発行される、価値尺度の変動が抑制(単位交換価値が制御)された流通速度の速い価値交換媒体」として機能を発揮し得るものである。
(6−2−3)第2価値交換媒体の価値尺度機能の安定化
上述したとおり、各ユーザが保有する第2価値交換媒体の数量は、所定の減少条件が満たされる場合、各ユーザの保有数量や流通貢献率に基づいて減少する。これに伴って、サーバ10は、以下に説明するとおり、第2価値交換媒体の価値尺度機能(単位交換価値)を第1価値交換媒体の価値尺度機能(単位交換価値)に目標交換率で更に均衡させる(目標交換率から乖離させない)ための所定の処理を実行してもよい。これにより、第2価値交換媒体の単位交換価値が、第1価値交換媒体の単位交換価値に目標交換率(又はその付近)で更に均衡されるため、上述したとおり第1価値交換媒体が有している強度な価値尺度機能(単位交換価値を制御する機能)を、第2価値交換媒体に対して更に生じさせることができるようになる。
(6−2−3−1)希望交換率の修正
サーバ10は、既に受け付けた交換要求に係る希望交換率を、各ユーザの第2価値交換媒体の数量の減少割合を相殺するように修正してもよい。また、本修正処理によって結果的に変動する相場交換率に基づく第1相場交換率及び第2相場交換率の変動量は、目標交換率(第1目標交換率及び第2目標交換率)まで(目標交換率を超える変動量を制限)としてもよい。図33は、減少処理時の希望交換率の修正処理の動作フローの一例を示す図である。この処理により、上述した相場交換率が目標交換率に更に近づく。
(S6204)
まず、サーバ10の減少時希望交換率修正部155bは、上述したS6200と同様に、相場交換率を、サーバ10の相場交換率算出部151から取得する。
(S6205)
次に、サーバ10の希減少時希望交換率修正部155bは、上述したS6201と同様に、所定の減少条件が満たされるか否かを判定する。所定の減少条件が満たされないと判定された場合(S6205;No)、処理はステップS6204に戻る。一方、所定の減少条件が満たされると判定された場合(S6205;Yes)、処理はステップS6206に進む。
(S6206)
次に、サーバ10の減少時希望交換率修正部155bは、記憶部11に記憶された交換要求テーブルに記録された既に受け付けている交換要求(第1交換要求及び第2交換要求を含む)のうち、希望交換率の修正が未了の一の交換要求を特定する。
(S6207)
次に、サーバ10の減少時希望交換率修正部155bは、第2台帳を参照して、S6206で特定された交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量の減少割合を取得する。
(S6208)
次に、サーバ10の減少時希望交換率修正部155bは、交換要求テーブルにおいて、S6207で取得した第2価値交換媒体の減少割合を相殺するように、S6206で特定した交換要求の希望交換率を修正する。例えば、ある第1交換要求に係る第1希望交換率が0.86であって、当該第1交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が3%減少した場合、0.86×(100+3)%=0.8858であるから、希望交換率は0.8858に修正される。また、例えば、ある第2交換要求に係る第2希望交換率が1.17であって、当該第2交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が3%減少した場合、1.17×(100+3)%=1.2051であるから、当該第2希望交換率は1.2051に修正される。なお、例えば、ある第1交換要求に係る第1希望交換率が0.96であって、当該第1交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が5%減少した場合、0.96×(100+5)%=1.008であるから、第1希望交換率は1.008に修正される。このとき、第2相場交換率が、例えば、1.00である場合には、第1希望交換率が1.008に修正された当該第1交換要求は、第2相場交換率(この場合であれば、1.00)で第2相場交換要求と約定され得る。
(S6209)
次に、サーバ10の減少時希望交換率修正部155bは、交換要求テーブルにおいて、既に受け付けた交換要求の全てについて、希望交換率を修正したか否かを判定する。既に受け付けた交換要求の全てについて、希望交換率を修正していないと判定した場合は(S6209;No)、処理はS6206に戻る。既に受け付けた交換要求の全てについて、希望交換率を修正したと判定した場合は(S6209;Yes)、処理を終了する。
(6−2−3−2)第1希望交換率を減少させる修正の制限
サーバ10は、上述した「(6−2−1)減少の基本フロー」で説明した処理によって各ユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が減少した場合、所定の期間(変動抑制期間)において、第1希望交換率を減少させる修正を制限してもよい。図34は、第1希望交換率を減少させる修正の制限処理の動作フローの一例を示す図である。この処理により、変動抑制期間中は、一旦目標交換率に近づいた相場交換率がユーザの意図をもって変動して目標交換率から短期間で急激に乖離することが抑制される。なお、当該制限処理は、上述した第2価値交換媒体の減少処理が行われた時点おいて交換要求テーブルに記録されていた未約定の第1交換要求に限ってもよい。
(S6210)
まず、サーバ10の減少時希望交換率修正部155bは、ユーザ端末20から第1希望交換率の修正要求を受信する。当該修正要求は、例えば、希望する修正後の第1希望交換率(修正第1希望交換率)を示す情報を含んでもよい。
(S6211)
次に、サーバ10の減少時希望交換率修正部155bは、所定の切替条件が満たされるか否かを判定する。所定の切替条件は、上述した変動抑制期間の終了を規定する条件である。例えば、所定の切替条件は、所定の固定長の期間が経過したことであってよい。当該固定長の期間の長さは特に限定されず、任意の長さであってもよく、ユーザ端末20の投票等によって決定されてもよい。また、例えば、所定の切替条件は、上述した割増率(目標交換率に対する相場交換率の割合)が、所定の閾値に達したことであってよい。ここで、当該所定の閾値の値は、特に限定されず任意の値であってよい。なお、当該所定の閾値の値は、上述した割増下限値以下であってもよい。
(S6212)
ステップS6211において所定の切替条件が満たされると判定された場合(S6211;Yes)、サーバ10の減少時希望交換率修正部155bは、交換要求テーブルにおいて、第1希望交換率を修正し、処理が終了する。
(S6213)
ステップS6211において所定の切替条件が満たされないと判定された場合(S6211;No)、サーバ10の減少時希望交換率修正部155bは、修正要求に係る修正内容が、第1希望交換率が減少する方向(「(6−2−1)減少の基本フロー」で説明した処理によって各ユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量の減少に伴う、「(6−2−3−1)希望交換率の修正」で説明した処理によって修正された第1希望交換率が修正される前の状態の第1希望交換率に戻る方向)であるか否かを判定する。第1希望交換率が減少する方向でないと判定された場合(S6213;No)、処理はステップS6212に進み、サーバ10の減少時希望交換率修正部155bは、交換要求テーブルにおいて、第1希望交換率を修正し、処理が終了する。
(S6214)
ステップS6213において第1希望交換率が減少する方向であると判定された場合(S6213;Yes)、サーバ10の減少時希望交換率修正部155bは、第1希望交換率の修正を制限するための所定の制限処理を実行する。ここで、所定の制限処理は、例えば、第1希望交換率の修正処理を全く実行しないこと、及びS6210で受信した修正要求通りではない第1希望交換率の修正処理を実行すること(例えば、交換要求テーブルに記録された第1希望交換率を、S6210で受信した修正第1希望交換率よりも大きい値に修正する処理)等であってよい。また、所定の制限処理は、例えば、ユーザ端末20に第1希望交換率の修正が制限されている旨を通知する処理であってもよい。以上で、処理が終了する。
(6−2−3−3)交換率の固定
サーバ10は、上述した「(6−2)第2価値交換媒体の数量の減少」で説明した一連の処理によって各ユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体の数量が減少した場合、所定の期間(固定交換期間)において、ユーザ端末20から受信した交換要求を、目標交換率によって約定させる処理を実行してもよい。
サーバ10の第1固定交換要求生成部156aは、例えば、上述した目標交換率(第1目標交換率)で、第1価値交換媒体を第2価値交換媒体に交換(債務発行)するための第1固定交換要求を無限に生成する。そして、サーバ10の第1約定処理部154aは、交換要求テーブルに含まれる第2交換要求のうち、所定の約定条件を満たす第2交換要求を特定し、約定処理を実行する。具体的には、第2希望交換率が、目標交換率(第1目標交換率)と同一又は目標交換率(第1目標交換率)より低い第2交換要求がある場合は、当該第2交換要求を所定の第1約定条件を満たす約定対象として、目標交換率(第1目標交換率)で第1固定交換要求との間の約定処理を実行する。また、成行の第2交換要求についても所定の第1約定条件を満たす約定対象として、目標交換率(第1目標交換率)で第1固定交換要求との約定処理を即時に実行する。
約定処理においては、サーバ10の第1約定処理部154aは、例えば、第1台帳及び債務発行テーブルをそれぞれ更新する。まず、サーバ10の第1約定処理部154aは、第1台帳を更新するための第1更新情報であって、当該第2交換要求に係るユーザIDに紐付けて、当該第2交換要求に係る第2価値交換媒体の数量に目標交換率(第1目標交換率)を乗じた数量の第1価値交換媒体を発行するための第1更新情報としてのレコードを生成する。そして、サーバ10の第1約定処理部154aは、当該レコードを第1台帳に追加することによって、第1台帳を更新する。
更にサーバ10の第1約定処理部154aは、発行した第1価値交換媒体の数量を、債務発行分として、債務発行テーブルの債務発行数量に追加することにより、債務発行テーブルを更新する。これにより、第1価値交換媒体が債務発行される。
更に、サーバ10の第1約定処理部154aは、第1価値交換媒体の債務発行に併せて、約定処理された第2交換要求に係るユーザIDに紐付けられた第2価値交換媒体を、サーバ10に係るサーバID(管理者ID)に移転させる処理を実行する。具体的には、サーバ10の第1約定処理部154aは、第2台帳を更新するための第2更新情報であって、当該第2交換要求に係る数量の第2価値交換媒体を、当該第2交換要求に係るユーザIDからサーバ10に係るサーバID(管理者ID)に移転させるための第2更新情報としてのトランザクションを生成する。そして、サーバ10の第1約定処理部154aは、当該トランザクションを価値交換媒体流通ネットワーク内にブロードキャストする。そして、当該トランザクションが各ノードのブロックチェーンに取り込まれることにより、第2台帳が更新される。
サーバ10の第2固定交換要求生成部156bは、例えば、上述した目標交換率(第2目標交換率)で、自身が保有する第2価値交換媒体を第1価値交換媒体に交換(相殺購入)するための第2固定交換要求を無限に生成する。なお、サーバ10の第2固定交換要求生成部156bは、第2固定交換要求を無限に生成することに替えて、債務発行テーブルに記録されている債務発行残高分だけ第2固定交換要求を生成してもよい。そして、サーバ10の第2約定処理部154bは、交換要求テーブルに含まれる第1交換要求のうち、所定の第2約定条件を満たす第1交換要求を特定し、約定処理を実行する。具体的には、第1希望交換率が、目標交換率(第2目標交換率)と同一又は目標交換率(第2目標交換率)より高い第1交換要求がある場合は、当該第1交換要求を所定の第2約定条件を満たす約定対象として、目標交換率(第2目標交換率)で第2固定交換要求との間の約定処理を実行する。また、成行の第1交換要求についても所定の第2約定条件を満たす約定対象として、目標交換率(第2目標交換率)で第2固定交換要求との約定処理を即時に実行する。
約定処理においては、サーバ10の第2約定処理部154bは、例えば、第1台帳及び債務発行テーブルをそれぞれ更新する。まず、サーバ10の第2約定処理部154bは、第1台帳を更新するための第1更新情報であって、当該第1交換要求に係るユーザIDに紐付けられた当該第1交換要求に係る数量の第1価値交換媒体について、当該ユーザIDとの紐付けを解消する内容の第1更新情報を生成する。当該第1更新情報は、例えば、第1台帳において当該ユーザIDに紐付けられた当該数量の第1価値交換媒体のレコード自体を消却する内容であってもよい。若しくは、当該第1更新情報は、第1台帳において当該ユーザIDに紐付けられた当該数量の第1価値交換媒体の保有者情報(紐付けるユーザID情報)を空欄とする内容であってもよい。そして、サーバ10の第2約定処理部154bは、当該第1更新情報によって第1台帳を更新する。なお、この時、ユーザの保有する第1価値交換媒体のうち消却予定日の到来日が近いものから優先的に消却してもよい。
更に、サーバ10の第2約定処理部154bは、ユーザIDとの紐付けを解消した第1価値交換媒体の数量を、債務発行に対する相殺購入分として、債務発行テーブルの相殺購入数量に追加することにより、債務発行テーブルを更新する。これにより、第1価値交換媒体が相殺購入される。
更に、サーバ10の第2約定処理部154bは、第1価値交換媒体の相殺購入に併せて、自身が保有する第2価値交換媒体を、当該第1交換要求に係るユーザIDに移転させる処理を実行する。具体的には、サーバ10の第2約定処理部154bは、第2台帳を更新するための第2更新情報であって、当該第1交換要求に係る第1価値交換媒体の数量を第2相場交換率で除した数量の第2価値交換媒体を、サーバ10に係るサーバID(管理者ID)から当該第1交換要求に係るユーザIDに移転させるための第2更新情報としてのトランザクションを生成する。そして、サーバ10の第2約定処理部154bは、当該トランザクションを価値交換媒体流通ネットワーク内にブロードキャストする。そして、当該トランザクションが各ノードのブロックチェーンに取り込まれることにより、第2台帳が更新される。
(7)異種通貨間同時決済
本実施形態において、サーバ10は、ユーザ端末20の類型IIに属する有償消費価値の参照要求、又は類型IIIに属する有償交換価値の参照要求に応じて、ユーザ端末20の表示装置に当該有償消費価値の取得、又は当該有償交換価値の取得に係る対価としての第1価値交換媒体の数量を表示するとき、当該第1価値交換媒体の数量に加えて、又は替えて、対価としての第2価値交換媒体の数量を表示してもよい。具体的には、例えば、サーバ10は、第1相場交換要求生成部153aが生成する第1相場交換率から、当該第1価値交換媒体の数量を第2交換によって取得するために必要となる第2価値交換媒体の数量を特定し、当該特定した数量の第2価値交換媒体を対価として支払うことのできる旨の通知(EST決済要求を含んでもよい)を当該ユーザ端末20に送信するとよい。当該通知は、例えば、第2価値交換媒体数量、決済要求、及び第1相場交換率での第2交換要求、並びに類型IIに属する有償消費価値の取得行為に係る実行要求、又は類型IIIに属する有償交換価値の取得に係る有償交換価値利用要求を含んでもよい。続けて、サーバ10は、ユーザ端末20からのEST決済要求を受信(ユーザによる実行の選択により送受信)すると、第1約定処理部154aによって当該EST実行要求に含まれる第1相場交換率での第2交換要求の約定処理を完了させる。以降、サーバ10は、債務発行した第1価値交換媒体を類型IIに属する有償消費価値、又は類型IIIに属する有償交換価値の取得に係る所定の処理によって決済させるとよい。
こうすることで、ユーザの決済に係る手間を減少することができるようになり、併せて通貨(価値)流通速度が上昇する効果を奏する。また、こうすることで、ブロックチェーン・ネットワーク(第2ネットワーク)においてのみ流通する第2価値交換媒体を、第1ネットワークにおける事実上の支払い手段として流通させることが可能となり得る。
なお、本措置により、債務発行残高の増加が見込まれ、同時に、サーバの(預かり資産としての)第2価値交換媒体も増加し得る。さらには、無償交換価値提供ユーザ、又は有償交換価値提供ユーザの獲得する第1価値交換媒体数量も増加し得る。そうしてサーバの相殺購入数量の増加に伴い、サーバの(預かり資産としての)第2価値交換媒体は、結果的に無償交換価値提供ユーザ、又は有償交換価値提供ユーザに移転する。このことから、第1価値交換媒体の流通速度の加速と併せて、第2価値交換媒体の流通速度の加速効果が発揮されるようになり得る。
本実施形態による「単位交換価値が制御可能な価値交換媒体を提供する」という効果に付随して、例えば以下の効果も期待できる。
・提供する価値交換媒体の単位交換価値が安定化され得る。
・提供する価値交換媒体の流通速度が向上し得る。
・無償交換価値に含まれる経済価値が定量化され得る。
・価値(交換価値)の流通速度が向上し得る。
・提供する価値交換媒体の単位交換価値を切り下げた場合に通貨流通総量が増加する(価値交換媒体が新規に発行される)ため、
資産としての保有される価値交換媒体全体の価値が減少しない。また、
実質的な債務の大きさが減少し得る。また、
増加対象(新規発行対象)を購買力側に偏重させると実質的な資産課税のような退蔵貨幣課税(のようなもの)を生じさせ得る。
また、増加対象(新規発行対象)を購買力側に偏重させると通貨流通速度がさらに向上し得る。
また、富と負債の再配分が任意に実施され得る。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。また、本発明の各種の機能部の処理ステップは、上述した実施形態の態様に限られるものではなく、様々な組み合わせによって本発明の効果を発揮することが可能である。また、例えば、当業者によって従来から知られた技術を機能部の一部に含めることによって、上述した実施形態で例示した各処理ステップに修正を加えて本発明の効果を発揮してもよい。また、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、各処理ステップから任意のステップを除外して実行してもよい。また、1ステップとして記載されているステップを、複数ステップに分けて実行してもよいし、複数ステップに分けて記載されているものを、1ステップとして把握することもできる。
1…交換媒体流通システム、10…サーバ、11…記憶部、12…第1価値交換媒体管理部、121…価値処理部、122…無償交換価値評価部、123…評価発行部、124…送金処理部、125…決済処理部、126…消却処理部、127…評価補正部、128…第2経済活動処理部、13…第2価値交換媒体管理部、131…スマートコントラクト部、131a…相場交換率取得部、131b…増加条件判定部、131c…増加実行部、131d…減少条件判定部、131e…減少実行部、132…信用発行部、132a…受付部、132b…更新情報生成部、132c…判定部、14…アカウント管理部、15…交換所管理部、151…相場交換率算出部、152a…第1交換要求受付部、152b…第2交換要求受付部、153a…第1相場交換要求生成部、153b…第2相場交換要求誠西部、154a…第1約定条件部、154b…第2約定条件部、155a…増加時希望交換率修正部、155b…減少時希望交換率修正部、156a…第1固定交換要求生成部、156b…第2固定交換要求生成部、20、20A、20B、20C、20D…ユーザ端末、21…記憶部、22…第1価値交換媒体処理部、221…価値登録処理部、222…送金部、223…第2経済活動処理部、224…価値利用部、225…基礎点数補正要求部、23…第2価値交換媒体処理部、231…スマートコントラクト部、231a…相場交換率取得部、231b…増加条件判定部、231c…増加実行部、231d…減少条件判定部、231 e…減少実行部、232…信用発行部、232a…受付部、232b…更新情報生成部、232c…判定部、24…アカウント処理部、25…交換要求処理部、251…第1交換要求処理部、252…第2交換要求処理部、26…表示処理部、100…情報処理装置、101…プロセッサ、102…メモリ、103…ストレージ、104…入出力インタフェース(入出力I/F)、105…通信インタフェース(通信I/F)、300A…価値登録情報入力画面、300B…発行情報表示画面、300C…送金指示入力画面、300D…送金通知画面、300E…利用情報表示画面、X、X1、X2…ウォレット管理アプリ

Claims (18)

  1. ユーザ識別情報に紐付けて第1台帳に記録される第1価値交換媒体及びユーザ識別情報に紐付けて第2台帳に記録される第2価値交換媒体が流通するネットワークのノードであるコンピュータに、
    ユーザが希望する前記第1価値交換媒体及び前記第2価値交換媒体の間の交換率である希望交換率の相場である相場交換率を取得するステップと、
    前記相場交換率に係る所定の増加条件が満たされるか否かを判定するステップと、
    前記所定の増加条件が満たされると判定された場合、前記第2台帳を更新するための第2更新情報であって、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた前記第2価値交換媒体を所定の増加数量だけ増加させる前記第2更新情報を生成する増加実行ステップと、
    を実行させる方法であって、
    前記所定の増加条件は、目標となる前記第1価値交換媒体及び前記第2価値交換媒体の間の交換率である目標交換率に対する前記相場交換率の割合である割増率が所定の上限値に到達したことと、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた前記第2価値交換媒体が増加又は減少してから所定期間が経過した時点の前記割増率が1より大きいこととの少なくともいずれかを含む、方法。
  2. 前記所定の増加数量は、少なくとも、前記少なくとも一のユーザ識別情報に係る前記第2価値交換媒体の保有数量に基づいて決定される、
    請求項に記載の方法。
  3. 前記所定の増加数量は、前記保有数量に(前記所定の増加条件が満たされた時点における前記割増率である到達割増率−1)を乗じた値である、
    請求項に記載の方法。
  4. 前記所定の増加数量は、少なくとも、前記保有数量と、前記第2価値交換媒体の前記ネットワーク内の通貨流通速度に対する前記少なくとも一のユーザ識別情報の貢献度の割合である流通貢献率と、に基づいて決定される、
    請求項に記載の方法。
  5. 前記所定の増加数量は、前記保有数量に、(前記所定の増加条件が満たされた時点における前記割増率である到達割増率−1)と、前記流通貢献率とを乗じた値である、
    請求項に記載の方法。
  6. 前記流通貢献率は、以下の式(1)により規定される、
    請求項又はに記載の方法。
    (1)前記流通貢献率=個別通貨移動率/基準通貨移動率
    ここで、
    個別通貨移動率=所定期間における前記第2価値交換媒体の移転数量/所定期間終了時の前記第2価値交換媒体の保有数量、であり、
    基準通貨移動率=所定期間における全ての前記第2価値交換媒体の移転数量/全ての前記第2価値交換媒体の数量
  7. 前記所定の増加数量は、少なくとも、前記少なくとも一のユーザ識別情報に係る前記第2価値交換媒体の移動に係る評価値である移動評価値に基づいて決定される、
    請求項に記載の方法。
  8. 前記所定の増加数量は、以下の式(1)に式(2)を乗じた値である、
    請求項に記載の方法。
    (1)前記ネットワークに含まれる前記第2価値交換媒体の総量に(前記所定の増加条件が満たされた時点における前記割増率である到達割増率−1)を乗じた値
    (2)前記ネットワークに含まれる全てのユーザ識別情報に係る前記移動評価値の合計に対する、前記少なくとも一のユーザ識別情報に係る前記移動評価値の割合
  9. ユーザ識別情報に紐付けて第1台帳に記録される第1価値交換媒体及びユーザ識別情報に紐付けて第2台帳に記録される第2価値交換媒体が流通するネットワークのノードである情報処理装置であって、
    ユーザが希望する前記第1価値交換媒体及び前記第2価値交換媒体の間の交換率である希望交換率の相場である相場交換率を取得する相場交換率取得部と、
    前記相場交換率に係る所定の増加条件が満たされるか否かを判定する増加条件判定部と、
    前記所定の増加条件が満たされると判定された場合、前記第2台帳を更新するための第2更新情報であって、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた前記第2価値交換媒体を所定の増加数量だけ増加させる前記第2更新情報を生成する増加実行部と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置であって、
    前記所定の増加条件は、目標となる前記第1価値交換媒体及び前記第2価値交換媒体の間の交換率である目標交換率に対する前記相場交換率の割合である割増率が所定の上限値に到達したことと、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた前記第2価値交換媒体が増加又は減少してから所定期間が経過した時点の前記割増率が1より大きいこととの少なくともいずれかを含む、情報処理装置。
  10. ユーザ識別情報に紐付けて第1台帳に記録される第1価値交換媒体及びユーザ識別情報に紐付けて第2台帳に記録される第2価値交換媒体が流通するネットワークのノードであるコンピュータを、
    ユーザが希望する前記第1価値交換媒体及び前記第2価値交換媒体の間の交換率である希望交換率の相場である相場交換率を取得する相場交換率取得部と、
    前記相場交換率に係る所定の増加条件が満たされるか否かを判定する増加条件判定部と、
    前記所定の増加条件が満たされると判定された場合、前記第2台帳を更新するための第2更新情報であって、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた前記第2価値交換媒体を所定の増加数量だけ増加させる前記第2更新情報を生成する増加実行部と、
    として機能させるためのプログラムであって、
    前記所定の増加条件は、目標となる前記第1価値交換媒体及び前記第2価値交換媒体の間の交換率である目標交換率に対する前記相場交換率の割合である割増率が所定の上限値に到達したことと、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた前記第2価値交換媒体が増加又は減少してから所定期間が経過した時点の前記割増率が1より大きいこととの少なくともいずれかを含む、プログラム。
  11. ユーザ識別情報に紐付けて第1台帳に記録される第1価値交換媒体及びユーザ識別情報に紐付けて第2台帳に記録される第2価値交換媒体が流通するネットワークのノードであるコンピュータに、
    ユーザが希望する前記第1価値交換媒体及び前記第2価値交換媒体の間の交換率である希望交換率の相場である相場交換率を取得するステップと、
    前記相場交換率に係る所定の減少条件が満たされるか否かを判定するステップと、
    前記所定の減少条件が満たされると判定された場合、前記第2台帳を更新するための第2更新情報であって、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた前記第2価値交換媒体を所定の減少数量だけ減少させる前記第2更新情報を生成する減少実行ステップと、
    を実行させる方法であって、
    前記所定の減少条件は、目標となる前記第1価値交換媒体及び前記第2価値交換媒体の間の交換率である目標交換率に対する前記相場交換率の割合である割増率が所定の下限値に到達したことと、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた前記第2価値交換媒体が増加又は減少してから所定期間が経過した時点の前記割増率が1より小さいこととの少なくともいずれかを含む、方法。
  12. 前記所定の減少数量は、少なくとも、前記少なくとも一のユーザ識別情報に係る前記第2価値交換媒体の保有数量に基づいて決定される、
    請求項11に記載の方法。
  13. 前記所定の減少数量は、前記保有数量に(1−前記所定の減少条件が満たされた時点における前記割増率である到達割増率)を乗じた値である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記所定の減少数量は、少なくとも、前記保有数量と、前記第2価値交換媒体の前記ネットワーク内の通貨流通速度に対する前記少なくとも一のユーザ識別情報の貢献度の割合である流通貢献率とに、基づいて決定される、
    請求項12に記載の方法。
  15. 前記所定の減少数量は、前記保有数量に、(1−前記所定の減少条件が満たされた時点における前記割増率である到達割増率)と、(1÷前記流通貢献率)とを乗じた値である、
    請求項14に記載の方法。
  16. 前記流通貢献率は、以下の式(1)により規定される、
    請求項14又は15に記載の方法。
    (1)前記流通貢献率=個別通貨移動率/基準通貨移動率
    ここで、
    個別通貨移動率=所定期間における前記第2価値交換媒体の移転数量/所定期間終了時の前記第2価値交換媒体の保有数量、であり、
    基準通貨移動率=所定期間における全ての前記第2価値交換媒体の移転数量/全ての前記第2価値交換媒体の数量
  17. ユーザ識別情報に紐付けて第1台帳に記録される第1価値交換媒体及びユーザ識別情報に紐付けて第2台帳に記録される第2価値交換媒体が流通するネットワークのノードである情報処理装置であって、
    ユーザが希望する前記第1価値交換媒体及び前記第2価値交換媒体の間の交換率である希望交換率の相場である相場交換率を取得する相場交換率取得部と、
    前記相場交換率に係る所定の減少条件が満たされるか否かを判定する減少条件判定部と、
    前記所定の減少条件が満たされると判定された場合、前記第2台帳を更新するための第2更新情報であって、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた前記第2価値交換媒体を所定の減少数量だけ減少させる前記第2更新情報を生成する減少実行部と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置であって、
    前記所定の減少条件は、目標となる前記第1価値交換媒体及び前記第2価値交換媒体の間の交換率である目標交換率に対する前記相場交換率の割合である割増率が所定の下限値に到達したことと、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた前記第2価値交換媒体が増加又は減少してから所定期間が経過した時点の前記割増率が1より小さいこととの少なくともいずれかを含む、情報処理装置。
  18. ユーザ識別情報に紐付けて第1台帳に記録される第1価値交換媒体及びユーザ識別情報に紐付けて第2台帳に記録される第2価値交換媒体が流通するネットワークのノードであるコンピュータを、
    ユーザが希望する前記第1価値交換媒体及び前記第2価値交換媒体の間の交換率である希望交換率の相場である相場交換率を取得する相場交換率取得部と、
    前記相場交換率に係る所定の減少条件が満たされるか否かを判定する減少条件判定部と、
    前記所定の減少条件が満たされると判定された場合、前記第2台帳を更新するための第2更新情報であって、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた前記第2価値交換媒体を所定の減少数量だけ減少させる前記第2更新情報を生成する減少実行部と、
    として機能させるためのプログラムであって、
    前記所定の減少条件は、目標となる前記第1価値交換媒体及び前記第2価値交換媒体の間の交換率である目標交換率に対する前記相場交換率の割合である割増率が所定の下限値に到達したことと、少なくとも一のユーザ識別情報に紐付けられた前記第2価値交換媒体が増加又は減少してから所定期間が経過した時点の前記割増率が1より小さいこととの少なくともいずれかを含む、プログラム。
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