JP6603392B1 - 測量用ターゲット - Google Patents
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Abstract
Description
測量対象物の測定点には測量用ターゲットを取り付けるが、測量用ターゲットがプリズムであれば、トータルステーションを用いた測量の際に、自動視準、自動追尾を行うことができる。このとき、正確な測量のためにはプリズムは測量器に対して正対する必要がある。
プリズムの中心位置を変えることなく取り付けできる治具としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
鉄骨柱を測量する場合においては、オフセットの計算の煩雑さや測量器の急な設置箇所の変更への対応が困難なため、概ね測量用ターゲットとして反射シートが利用される。
しかし、測量用ターゲットとして反射シートを使った場合、トータルステーションの最大の特徴である自動視準、自動追尾ができない。
本願の第2発明は、第1発明の測量用ターゲットにおいて、前記保持部材は、棒状の部材であり、前記円状フレームの前記円弧部がなす円の半径部分に配置することを特徴とする、測量用ターゲットを提供する。
本願の第3発明は、第1又は2発明の測量用ターゲットにおいて、前記保持部材は、前記プリズムを上下方向に貫通、または、前記プリズムの上部と下部に固定する棒状の部材であり、前記円状フレームの前記円弧部は略半円状であることを特徴とする、測量用ターゲットを提供する。
本願の第4発明は、第1乃至第3発明のいずれかの測量用ターゲットにおいて、前記円状フレームの幅方向の略中央に、前記円弧に沿ったスリットを所定範囲形成し、前記スリットに軸部を挿通可能な固定ネジを有し、前記固定土台の頂面に、前記固定ネジを螺合可能なネジ穴を有し、前記固定ネジを、前記円状フレームの内径側から前記スリットに前記軸部を挿通し、前記固定土台の前記ネジ穴に螺合することにより、前記円状フレームを前記固定土台に固定することを特徴とする、測量用ターゲットを提供する。
本願の第5発明は、第1乃至第4発明のいずれかの測量用ターゲットにおいて、前記円状フレームの幅と同じ間隔で前記円状フレームの移動方向に平行に立設するストッパーを有することを特徴とする、測量用ターゲットを提供する。
本願の第6発明は、第1乃至第5発明のいずれかの測量用ターゲットにおいて、前記円状フレームの側面に角度目盛を設けることを特徴とする、測量用ターゲットを提供する。
(1)円状フレームの円弧の中心点と、プリズムの中心位置は同じ位置であるため、円状フレームを円弧方向に動かしても、プリズムの中心位置は変わらず一定である。
(2)円状フレームを動かして仰俯角を調整しても、プリズムの中心位置が変わらないため、オフセットが一定であり、オフセットの計算が容易である。
(3)ターゲットにプリズムを用いるため、トータルステーションによる自動視準、自動追尾ができる。
(4)プリズムが360°プリズムであるため、測量器の設置箇所が現場の都合により変更になったとしても、プリズムに対して所定の仰俯角及び方位角の範囲内であれば、測量を行うことができる。
[1]測量用ターゲットの構成
本発明の測量用ターゲットは、プリズム1と、プリズム1を取り付ける保持部材2と、保持部材2を固定する円状フレーム3と、固定土台4と、固定土台4と円状フレーム3を一体とする固定ネジ5と、円状フレーム3と固定土台4との間に配置するフレーム保持材6と、からなる(図1)。
プリズム1は、測量器が発振したレーザーを反射するための部材である。
プリズム1は360°プリズムであり、任意の方向から入射したレーザー光を入射方向に反射するものである。プリズム1を360°プリズムとすることにより、測量器がプリズム1に正対していなくても、プリズム1の中心から所定の仰俯角(例えば−15°〜15°)及び方位角(例えば−110°〜110°)内に測量器があればよい。
本実施例におけるプリズム1は、中心Cを上下方向に貫通する貫通孔11を有し、貫通孔11に保持部材2を挿通した状態で、プリズム固定ネジ12を締め付けて保持部材2に固定する(図2)。
保持部材2は、プリズム1の中心を上下方向に貫通する棒状の部材である。
保持部材2は、上部2aをプリズム1の貫通孔11に挿通できる太さとし、下部2bを貫通孔11よりも太くする。
貫通孔11の下部から保持部材2の上部2aを挿通すると、下部2bの上端にプリズム1の下部が当接する位置でプリズム1を位置決めすることができる。このとき、プリズム1の中心Cから保持部材2の長さ方向の中央(保持部材2の両端までの距離がL/2)となるように、上部2aと下部2bの長さを予め設定する。
本実施例においては、プリズム1の貫通孔11に保持部材2を挿通しているが、プリズム1の上部と下部に保持部材2を別々に取り付けてもよい。このとき、上部と下部の保持部材2は同軸に配置し、プリズム1の中心Cからそれぞれの保持部材2の端部までの距離は同一(L/2)とする。
保持部材2の両端には、保持部材固定ネジ21を螺合できるネジ穴22を形成する。
円状フレーム3は、略半円状の円弧部31と、円弧部31の両端から平行に対向するように対称に突設する取付部32と、を有する部材である。
円状フレーム3は、例えばアルミ削り出し等により形成する。
対向する取付部32間の距離は、保持部材2の長さLと同一とする。
取付部32には、保持部材固定ネジ21の軸部を挿通する挿通孔321を形成する(図1)。そして、プリズム1を固定した保持部材2を取付部32間に配置し、挿通孔321に軸部を挿通した保持部材固定ネジ21をネジ穴22に螺合して固定する。
円状フレーム3の幅方向略中央には、円弧部31の円弧に沿ったスリット33を所定範囲形成する。
円状フレーム3に対する保持部材2の固定位置は、円状フレーム3の円弧部31が一部をなす円の半径部分とする(図3)。
特に、本実施例は、プリズム1の貫通孔11に保持部材2を挿通するため、保持部材2の固定位置は、円状フレーム3の円弧部31が一部をなす円の直径部分となる。
プリズム1の中心Cが保持部材2の長さ方向の中央であるため、円状フレーム3の円弧部31の円弧の中心点と、プリズム1の中心Cが同じ位置となる。
また、保持部材2を直径部分に固定することにより、円状フレーム3の円弧部31の略半円形状を保持できる。
保持部材固定ネジ21を外すことで、保持部材2を円状フレーム3から取り外すことができ、プリズム1が破損した場合等にプリズム1を交換することができる。
固定土台4は、プリズム1を取り付けた円状フレーム3を測量対象物に固定する部材である。
固定土台4は、測量対象物が金属製の場合に、底面に励磁して固定できるとともに、消磁して取り外すことができる、励磁、消磁の切り替えが容易なマグネットベースが好適である。ただし、測量対象物がコンクリート製や木製等、強磁性体でない場合には、固定土台4はマグネットベースに限らず、接着剤や釘、ボルト等の固定具を介して適宜固定できる形態とする。
固定土台4の頂面には、固定ネジ5を螺合可能なネジ穴41を設ける。
固定ネジ5は、頭部51と軸部52からなる。
頭部51は、円状フレーム3のスリット33の幅よりも大きく、軸部52はスリット33の幅よりも小径とする。
固定ネジ5は、円状フレーム3の内径側からスリット33に軸部52を挿通し、固定土台4のネジ穴41に螺合することにより、円状フレーム3を固定土台4に固定する。
固定ネジ5と円状フレーム3との間には座金53を設ける。
座金53は、円状フレーム3に接する面を、円状フレーム3と同じ曲率とする。
円状フレーム3と固定土台4の頂面との間には、フレーム保持材6を設ける。
フレーム保持材6は、円状フレーム3の幅と同じ間隔で平行に立設するストッパー61と、ストッパー61間を繋ぐ底板62と、からなる。
ストッパー61間で円状フレーム3を保持することにより、円状フレーム3の幅方向への動きを抑止する。
底板62には、ネジ穴41に対応する貫通孔63を設ける。
底板62は、円状フレーム3に接する面を、円状フレーム3と同じ曲率とする。
フレーム保持材6は、接着等により固定土台4と一体とする。また、固定土台4にストッパー61を突設する構成としてもよい。
円状フレーム3は、固定ネジ5を介して固定土台4に固定する。
固定ネジ5を緩めることにより、固定ネジ5の頭部51とフレーム保持材6(固定土台4)との間の円状フレーム3を動かすことができる(図4)。
固定ネジ5の軸部52は、円状フレーム3のスリット33内に位置する。そして、円状フレーム3は、幅方向への動きをストッパー61により抑止される。また、座金53とフレーム保持材6の底板62は、円状フレーム3に接する面を円状フレーム3と同じ曲率とすることにより、固定ネジ5を締めた際に、座金53と底板62が円状フレーム3を面で保持する状態となる。
よって、円状フレーム3はスリット33を形成した範囲で固定土台4に対して円弧方向に動く。これにより、円状フレーム3に設けたプリズム1の仰俯角を調整することができる。
このとき、円状フレーム3の円弧部31の円弧の中心点と、プリズム1の中心Cは同じ位置であるため、円状フレーム3を円弧方向に動かしても、プリズム1の中央Cの位置は変わらず一定である。
(1)測量用ターゲットの固定
現場において寝かせた状態の鉄骨柱等の測量対象物7の測量対象位置に、測量用ターゲットを固定する(図5)。このとき、測量用ターゲットは、測量対象物7を建て込んだときに測量器と正対するように、予め、プリズム1の仰俯角を調整しておく。
本発明の測量用ターゲットは、仰俯角を調整しても、プリズム1の中心Cの位置が変わらないためオフセットが一定であり、オフセットの計算は容易である。
測量対象物7が強磁性体の場合、固定土台4をマグネットベースとすることにより、測量用ターゲットを測量対象位置に容易に取り付けることができる。
測量用ターゲットを固定した測量対象物7を建て込む(図6)。
測量対象物7の測定対象位置には、予めプリズム1の仰俯角を設定した測量用ターゲットが固定されており、所定の位置に測量器を配置することで、容易に測量ができる。
また、測量用ターゲットがプリズム1であるため、トータルステーションによる自動視準、自動追尾ができる。
そして、プリズム1が360°プリズムであるため、測量器の設置箇所が現場の都合により変更になったとしても、プリズム1に対して所定の仰俯角及び方位角の範囲内であれば、測量を行うことができる。
建て込み作業が完了した後、測量用ターゲットを測量対象物7から取り外す。
固定土台4がマグネットベースの場合、固定土台4を消磁して容易に測量用ターゲットを取り外すことができる。
(1)プリズムの調整角度の確認
円状フレーム3の側面に角度を表示した角度目盛34を設けることにより、プリズム1の調整角度を目視できる(図7)。
このとき、フレーム保持材6のストッパー61に切り欠き64を設けることにより、切り欠き64内に表示される角度目盛34をプリズム1の調整角度として容易に確認できる。なお、ストッパー61を透明・半透明の部材とし、内側の角度目盛34が透過して視認できる状態としてもよい。
上記した実施例においてはプリズム1の上下に保持部材2を配置し、保持部材2を円状フレーム3の略半円の半径部分に固定したが、これに限らず、円状フレーム3の円弧部31の円弧の中心点と、プリズム1の中心Cの位置が同一であれば、保持部材2を片持ちで円状フレーム3に固定し、保持部材2にプリズム1を固定してもよい(図8)。このとき、保持部材2は、円状フレーム3の円弧部31が一部をなす円の半径部分に位置する。
この場合、円状フレーム3の円弧部31は略半円状である必要はなく、円弧部分があればよい。
また、プリズム1が破損した場合等に、保持部材2を円状フレーム3から取り外すことなく、プリズム1を交換することができる。
2…保持部材、21…保持部材固定ネジ、22…ネジ穴
3…円状フレーム、31…円弧部、32…取付部、33…スリット、34…角度目盛
4…固定土台
5…固定ネジ、51…頭部、52…軸部、53…座金
6…フレーム保持材、61…ストッパー、62…底板、63…貫通孔、64…切り欠き
7…測量対象物
Claims (6)
- プリズムと、
円弧部を有する円状フレームと、
前記円状フレームに固定し、前記プリズムを保持する保持部材と、
前記円状フレームを固定する固定土台と、からなり、
前記プリズムは360°プリズムであり、
前記プリズムは、中心位置が前記円状フレームの円弧部の円弧の中心点と同一となるように、前記保持部材を介して前記円状フレームに固定し、
前記円状フレームは、前記固定土台に対して、前記プリズムの中心位置を保持しながら、前記円弧部の円弧に沿って移動可能であることを特徴とする、
測量用ターゲット。 - 請求項1に記載の測量用ターゲットにおいて、
前記保持部材は、棒状の部材であり、前記円状フレームの前記円弧部がなす円の半径部分に配置することを特徴とする、
測量用ターゲット。 - 請求項1又は2に記載の測量用ターゲットにおいて、
前記保持部材は、前記プリズムを上下方向に貫通、または、前記プリズムの上部と下部に固定する棒状の部材であり、
前記円状フレームの前記円弧部は略半円状であることを特徴とする、
測量用ターゲット。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の測量用ターゲットにおいて、
前記円状フレームの幅方向の略中央に、前記円弧に沿ったスリットを所定範囲形成し、
前記スリットに軸部を挿通可能な固定ネジを有し、
前記固定土台の頂面に、前記固定ネジを螺合可能なネジ穴を有し、
前記固定ネジを、前記円状フレームの内径側から前記スリットに前記軸部を挿通し、前記固定土台の前記ネジ穴に螺合することにより、前記円状フレームを前記固定土台に固定することを特徴とする、
測量用ターゲット。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の測量用ターゲットにおいて、
前記円状フレームの幅と同じ間隔で前記円状フレームの移動方向に平行に立設するストッパーを有することを特徴とする、
測量用ターゲット。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の測量用ターゲットにおいて、
前記円状フレームの側面に角度目盛を設けることを特徴とする、
測量用ターゲット。
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