JP6600721B1 - 生体音データの送信装置及び伝送システム - Google Patents

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【課題】遠隔医療において,患者と医師の間の通話品質を維持しつつ,患者の生体音情報を適切に医師に伝達できる送信装置を提供する。【解決手段】送信装置10は,生体音を集音する集音部11,12と,集音部11,12が集音した生体音を通話回線を通じて受信装置20に伝送する通話部13と,集音部11,12が集音した生体音の全部又は一部から可視データを生成する可視データ生成部15と,可視データをデータ回線を通じて受信装置20に送信するデータ通信部16を備える。【選択図】図1

Description

本発明は,音声や心音などの生体音を回線網を通じて伝送するための送信装置や伝送システムに関する。具体的に説明すると,本発明は,遠隔医療に適した音信号処理を行なうことのできる送信装置などに関する。
従来から,電話回線やデータ回線などの通話回線を通じたオーディオ電話やビデオ電話を利用して,医師又はその他の医療従事者(以下まとめて「医師」という)が遠隔地に所在する患者に対して医療サービスをリアルタイムに提供する遠隔医療が知られている。遠隔医療では,患者が所持する端末と医師が所持する端末との間で音声や映像が相互に送受信され,患者との対話による問診や,患者の映像を利用した視診が行われることが一般的である。
また,遠隔医療システムにおいて聴診を実現するために,患者にデジタル聴診器(マイクロフォン)を予め渡しておき,その聴診器で収集した心音信号を患者用端末から医師用端末に対してデータ回線を介して送信し,医師用端末側においてその心音信号を周波数分析するシステムが知られている(特許文献1)。このシステムによれば,例えば人工弁の閉鎖音に対応する周波数帯域の心音信号の伝送が可能となるため,遠隔地にいる医師が人工弁の動作状態を診断することができようになるとされている。
特開平4−42653号公報(特開1992−42653号公報)
ところで,一般的な通話回線(音声回線及びデータ回線を含む)はヒトの音声の伝送(すなわち会話)に主眼をおいたものであるため,伝送可能な周波数帯域は300〜3400Hzに設定すれば十分あり,その帯域以下及び帯域以上の周波数成分はヒトの音声を聴き易くするために音声信号処理によって除去されることが多い。通話であれば上記周波数帯域で問題がないが,遠隔医療(特に聴診)においては,音声に限らず心音や呼吸音などの患者の様々な生体音を医師に正確に伝送する必要がある。しかしながら,これらの生体音は,通話回線において伝送可能な周波数帯域を下回ったりあるいは上回ったりする場合があり,このような通話回線を介して生体音を送信すると,医師が正確な聴診を行なうことができなくなるという問題がある。一般的な聴診器で聴取することのできる生体音のうち,心音及び心雑音の周波数は10Hz〜500Hz,呼吸音の周波数は50〜1000Hzであるとされ,このような生体音には100Hz以下の低い周波数成分が含まれているが,通話回線を経由するとこのような100Hz以下の周波数成分が除去されることとなる。
具体的に説明すると,図3は,心音のスペクトログラムを示している。図3(a)は,原音から作成したものであり,図3(b)は,Skype(登録商標)(データ回線)を経由した音から作成したものであり,図3(c)は,携帯電話回線を経由した音から作成したものである。図3(a)に示されるように,原音には100Hz以下の信号成分が含まれているが,データ回線や携帯電話回線を経由すると100Hz以下の信号成分が除去されている。特に携帯電話回線では200Hz付近の信号成分も劣化していることがわかる。このような実験結果からも明らかなように,一般的な通話回線を経由すると心音の信号成分の一部が劣化してしまい,受信側の医師においては心音を正確に聴診することができなくなる。この点,特許文献1のシステムでは,医師用端末側において心音信号を周波数分析して2次元グラフを作成しているが,一般的な通話回線を利用した場合には,本願図3(b)や図3(c)に示されるように原音の一部が劣化した状態のグラフしか作成することができないと推測される。
また,例えば低周波伝専用の通話回線を利用して心音等の生体音を伝送できるようにした場合でも,このような低周波はパーソナルコンピュータの周辺機器やスピーカの影響を受けるため音質が大きく劣化することとなる。このため,患者の生体音信号を劣化させずに医師用端末に伝送できたとしても,医師用端末のスピーカの再生音質によっては,医師に生体音が正確に伝わらない可能性がある。患者と医師の間の会話であれば聞き返えせばよいが,生体音の場合は回線網の問題なのかスピーカ等の周辺機器の問題なのか,あるいはそもそも生体音が生じていないのかを,医師が判断することは困難である。また,遠隔医療の場合,一人の患者から伝送された生体音を複数の医師が診察する場合も考えられるが,生体音の品質が回線網の周波数帯域や受信側のスピーカに依存すると,複数の医師の診断結果に食い違いが生じて誤診に繋がる可能性がある。
また,通話回線の周波数帯域を広げることも技術的には可能であるが,その場合,データ通信量が増加したり,あるいは会話に不要な環境音が混じることによって通話音質が劣化したりするなど,通話回線の本来の目的である患者医師間の会話に悪影響を与えることが懸念される。つまり,通話回線の周波数帯域を広げると,患者の生体音は医師に伝達されるようになるものの,患者医師間の会話が成り立たず適切な医療サービスが提供できなくなる恐れがある。
そこで,本発明は,遠隔医療において,患者と医師の間の通話品質を維持しつつ,患者の生体音情報を適切に医師に伝達することのできるシステムを提供することを目的とする。
本発明の発明者は,上記従来技術の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,患者用の端末と医師用の端末とを通話回線で接続しつつ,患者用の端末において生体音から可視データを生成して,この可視データをデータ回線で医師用の端末に別途送信することで,患者医師間の通話品質を維持しつつ,患者の生体音情報を可視データとして医師に正確に伝達することができるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば従来技術の問題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
本発明の第1の側面は,生体音データの送信装置(患者用端末)に関する。本発明に係る送信装置は,集音部11,12,通話部13,可視データ生成部15,及びデータ通信部16を備える。集音部は,生体音を集音するためのマイクロフォンである。「生体音」には,ヒトの音声や,心音,呼吸音などの生体から発せられる音が含まれる。通話部13は,集音部が集音した生体音を通話回線を通じて受信装置(医師用端末)に伝送する。「通話回線」には,回線交換方式などの電話回線とパケット交換方式などのデータ回線が含まれる。電話回線としては,アナログ回線,デジタル回線,光ファイバーなどを利用できる。「データ回線」の例は,インターネットなどの通信網である。例えば電話回線を利用した通話は音声電話と称され,データ回線を利用した電話はIP電話と称される。なお,この通話回線は,通常の会話に主眼をおいたものであるため,例えば音声電話であれば300〜3400Hzの一般的周波数帯域を伝送可能なものであればよく,IP電話であれば100〜8000Hzの一般的な周波数帯域を伝送可能なものであればよい。可視データ生成部は,集音部が集音した生体音の全部又は一部から可視データを生成する。「可視データ」の例は,生体音を解析することにより得られる2次元又は3次元のグラフである。データ通信部は,前記の可視データをデータ回線を通じて受信装置に送信する。上記の通話回線が電話回線である場合,可視データは,通話用の電話回線とは別のデータ回線によって伝送されることとなるが,上記の通話回線がデータ回線である場合,可視データは,通話用の回線と同じ回線で受信装置に伝送することができる。
上記構成のように,送信装置に通話部を設けておくことで,遠隔医療において患者と医師の間で通常通りに会話することができる。また,送信装置において生体音を可視データに変換して受信装置へと伝送することで,医師が患者の生体音情報を正確に把握することができる。すなわち,前述したように,患者の生体音を音声データとして遠隔伝送しようとした場合,生体音は,少なくとも,[1]回線網を経由するとき,及び[2]受信装置において再生するときに劣化する恐れがある。[1]に関し,回線網は特定の周波数(例えば300〜3400Hz)を伝送するシステムであるため,それ以外の周波数成分が除去されることとなる。また,[2]に関し,受信装置側のスピーカなどの出力装置次第では,生体音の周波数成分が正確に再現されなくなる。少なくともこれらの2箇所で生じる音質劣化を防止するために,本発明では,生体音を回線網に乗せる前に,送信装置において生体音から可視データを生成し,この可視データをデータ回線を通じて送信することとしている。これにより,生体音の情報自体は回線網やスピーカ等の影響を受けることなく,受信装置側に正確に伝達されることとなる。
本発明に係る送信装置において,データ通信部16は,可視データをリアルタイムで送信することが好ましい。例えば,生体音(音声)が通話回線を介して受信装置に到達するタイミングと,可視データがデータ回線を介して受信装置に到達するタイミングの誤差が,0〜5秒位内であることが好ましく,0〜2秒以内であることが特に好ましい。これらの誤差をなるべく小さくするために,送信装置は,可能な限り早く生体音から可視データを生成して,その可視データをデータ回線を介して受信装置に送信すればよい。あるいは,可視データの生成にある程度の時間を要する場合には,あえて通話部において生体音の伝送に遅延を生じさせて,生体音と可視データの到達タイミングの誤差を小さくしてもよい。
本発明に係る送信装置において,可視データは,生体音の周波数ごとの音量を表した2次元グラフであってもよい。例えば異常心音の診断においては特定の周波数の音が生じているか否かを把握することが必要となるため,上記のような2次元グラフを送信装置において生成して受信装置に提供することで,異常心音の診断をより正確に行なうことができる。
本発明に係る送信装置において,可視データは,周波数ごとの音量の経時的変化を表したスペクトログラムであってもよい。このようなスペクトログラムは,遠隔医療に有益な情報量を十分に有しているため,このスペクトログラムを送信装置で作成して受信装置に提供することで,患者の状態を的確に診断することができる。
本発明に係る送信装置において,集音部は,音声を取得する音声用マイク11と,直接生体に接触させることで当該生体から生体音を取得する生体音用マイク12とを含むことが好ましい。なお,この場合,可視データ生成部は,生体音用マイク12が集音した生体音から可視データを作成することが好ましい。このように音声用マイク11と生体音用マイク12とを別々に設けることで,通話品質を維持しつつ,患者の生体音を正確に表した可視データを作成することができる。
本発明の第2の側面は,生体音データ伝送システムに関する。本発明に係る生体音データ伝送システムは,遠隔医療システムに適用することができる。本発明に係るシステムは,送信装置と受信装置を含む。送信装置は,前述した第1の実施形態に関するものである。受信装置は,送信装置から通話回線を通じて生体音を受信するとともに,送信装置からデータ回線を通じて可視データを受信する。一つの送信装置に対して受信装置は複数台設けられていてもよい。すなわち,一つの送信装置から送信された音声や可視データを複数の受信装置で受信するようにしてもよい。これにより,1人の患者の生体音を遠隔地の複数の医師がそれぞれの受信装置でリアルタイムに情報を共有することができる。
本発明によれば,遠隔医療において,患者と医師の間の通話品質を維持しつつ,患者の生体音情報を適切に医師に伝達することができる。
図1は,遠隔医療システムの構成の一例を示したブロック図である。 図2は,可視データの例を示している。 図3は,従来技術を示しており,通話回線を経由すると原音が劣化する問題を指摘するものである。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
図1は,本発明に係る生体音データ伝送システムを遠隔医療システム100に適用した例を示している。図1に示した実施形態において,送信装置は患者用端末10として機能し,受信装置は医師用端末20として機能する。患者用端末10は患者によって所持され,医師用端末20は医師によって所持される。患者用端末10と医師用端末20は回線網を通じて相互に接続されており,患者と医師はこれらの端末10,20を利用してビデオ通話や画像データのやり取りをすることができる。これらの端末10,20は,専用の端末装置であってもよいし,スマートフォンや,タブレット型コンピュータ,ラップトップコンピュータなどの携帯情報端末を利用することもできるし,デスクトップ型コンピュータなどの据置型端末を利用することもできる。「生体音」には,ヒトの音声や,心音,呼吸音などの生体から発せられる音が含まれる。
患者用端末10と医師用端末20は,それぞれ通話回線を介して通話するための機能を有する。通話回線は,例えば回線交換方式などの電話回線であってもよいし,パケット交換方式などのデータ回線であってもよい。電話回線の例は,アナログ回線,デジタル回線,光ファイバー回線である。データ回線の例は,インターネットなどの通信網である。この通話回線は,通常の会話に主眼をおいたものであるため,例えば音声電話であれば300〜3400Hzの一般的な周波数帯域を伝送可能なものであればよく,IP電話であれば100〜8000Hzの一般的な周波数帯域を伝送可能なものであればよい。
具体的に説明すると,患者用端末10は,音声用マイク11,生体音用マイク12,通話部13,及びスピーカ14を有する。また,医師用端末20は,マイク21,通話部22,及びスピーカ23を有する。患者用端末10の通話部13は,少なくとも音声用マイク11で集音した音声を,通話回線を介して医師用端末20に送信する。また,通話部13は,生体音用マイク12で集音した心音や呼吸音などの生体音を,音声とともに通話回線を介して医師用端末20に送信することとしてもよい。また,通話部13は,医師用端末20から通話回線を経由して受信した音声をスピーカ14から出力する。これらと同様に,医師用端末20の通話部22は,マイク21で集音した音声を通話回線を介して患者用端末10に送信するとともに,通話回線を経由して受信した音声をスピーカ23から出力する。
患者用端末10の音声用マイク11や医師用端末20のマイク21は,ヒトの音声(200〜4000Hz)を主に集音するためのものであり,一般的なムービングコイル型やリボン型などのダイナミックマイク(動電型マイク)や,コンデンサマイク(静電型マイク)を利用することができる。他方で,患者用端末10の生体音用マイク12は,直接生体に接触させて生体音を主に取得するためのものである。生体音用マイク12としては,いわゆるデジタル聴診器を利用することができる。生体音用マイク12は,音声用マイク11と同様にダイナミックマイクやコンデンサマイクを利用することもできるが,音声用マイク11よりもさらに低い低周波帯域の生体音を精密に集音する必要があるため,圧電マイクを利用することが特に好ましい。圧電マイクは,圧電素子に加えられた音の振動を電圧に変換するものであり,基本的に圧電素子とこれを挟み込む複数の電極とによって構成される。生体音用マイク12で収音する生体音は特に限定されないが,音声以外の生体音であることが好ましく,その代表例は,心音と呼吸音である。このため,生体音用マイク12は,心音の周波数(10Hz〜500Hz)や呼吸音の周波数(50〜1000Hz)を集音可能な性能を有していればよい。また,患者用端末10と医師用端末20のスピーカ14,21としては,ヒトの音声の周波数帯域の再生に適した一般的なものを用いればよい。
患者用端末10と医師用端末20の通話部13,22は,有線又は無線の通話回線で音声信号を送受信する。例えば通話回線がアナログ回線である場合,通話部13,22は,各種のマイクで集音した音声を所定のアナログ信号として通話回線にのせる処理を行なう。また,通話回線がデジタル回線や光ファイバー回線である場合,通話部13,22は,各種マイクで集音した音声を所定のデジタル信号に変換して通話回線にのせる信号処理を行なう。また,通話回線がインターネットなどのデータ回線である場合(いわゆるIP電話)の場合,通話部13,22は,各種マイクで集音した音声をデジタル化したパケット信号に変換した上で通話回線を通じて送信する処理を行なう。
また,患者用端末10は,生体音用マイク12で集音した生体音から可視データを生成して,この可視データをデータ回線を介して医師用端末20に送信する機能を有する。ここにいうデータ回線の例は,インターネットなどの通信網である。
具体的に説明すると,患者用端末10は,可視データ生成部15,データ通信部16,表示部17,及びフィルタ部18を有する。可視データ生成部15とフィルタ部18としては,スペクトラムアナライザや,CPU又はGPUといった画像処理用のプロセッサを利用することができる。データ通信部16は,CDMA方式,無線LAN方式,あるいは有線LAN方式の公知の通信装置を利用することができる。表示部17は,例えば液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OELD)のような表示装置である。表示部17には,例えば可視データ生成部15で生成した可視データが表示される。
可視データ生成部15は,生体音をリアルタイムに解析して医師による診断に有益な可視データ(可視画像)を生成する。例えば,図3には,可視データの例が示されている。図3(a)は,生体音の音量の経時的変化を示した2次元グラフであり,例えば縦軸が音量を示し横軸が時間を示している(縦軸と横軸を入れ替えることも可能)。このグラフからは心拍数や脈拍のリズムを把握することができるため,例えば不整脈の診断を行なうことができる。図3(b)は,生体音の周波数ごとの音量を示した2次元グラフであり,例えば縦軸が音量を示し横軸が周波数を示している(縦軸と横軸を入れ替えることも可能)。このグラフからは周波数帯域ごとの音量を把握することができるため,例えば異常心音の有無を診断することができる。図3(c)は,生体音の周波数ごとの音量の経時的変化を表したスペクトログラム(3次元グラフ)であり,例えば縦軸が周波数を示し,横軸が時間を示し,グラフ内の色調又は明度で音量を表している(縦軸と横軸を入れ替えることも可能)。なお,図3(c)は白黒で表されているが,実際には音量の高い周波数帯域が赤色で表され,音量の低い周波数帯域が青色で表される。図3(c)に示したスペクトログラムによれば,脈拍のリズムや周波数成分ごとの音量を把握することができるため,例えば不整脈や異常心音の有無を同時に診断できる。図3に示した例の中では,図3(c)のスペクトログラムが最も情報量の多いものであるため,可視データ生成部15は,生体音を周波数解析してこのスペクトログラムを作成することが特に好ましい。
また,患者用端末10は,生体音用マイク12で収集した生体音をフィルタ部18でフィルタリング,そのフィルタリング後の生体音から可視データを作成することとしてもよい。フィルタ部18は,例えば,生体音のうち一定の閾値以上又は閾値以下の周波数成分を除去することとしてもよいし,一定の閾値以上又は閾値以下の音量成分を除去することとしてもよい。例えば,患者と医師の間で通話をしながら患者が生体音用マイク12を利用して自身の心音を集音するような場合,生体音用マイク12には,心音由来の音成分だけでなく,患者や医師の声由来の音成分が入力される場合がある。このような場合,心音と声が入り混じることとなり,可視データ生成部15において心音のグラフを正確に作成できなくなる恐れがある。そこで,生体音用マイク12で集音した音のうち,ターゲットとなる周波数帯域や音量の音成分のみが可視データ生成部15に入力されるように,フィルタ部18では,ターゲット以外の周波数帯域や音量の音成分を除去することが好ましい。なお,フィルタ部18で除去する音成分は,診察の内容に応じて任意に設定することができ,また適宜変更することもできる。
患者用端末10のデータ通信部16は,可視データ生成部15が生成した可視データをデータ回線を通じて医師用端末20に送信する。データ通信部16では,可視データ生成部15においてリアルタイムに作成された可視データを遅滞なく送信するとよい。
医師用端末20は,データ通信部24及び表示部25を備える。データ通信部24は,CDMA方式,無線LAN方式,あるいは有線LAN方式の公知の通信装置を利用することができる。表示部25は,例えば液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OELD)のような表示装置である。データ通信部24は,データ回線を経由して患者用端末10から可視データを受信し,表示部25は,この可視データを表示することができる。これにより,医師は,表示部25に表示される生体音の可視データを視ながら患者と通話をし,この可視データに基づく診察結果を口頭で伝えることができる。
また,通話回線とデータ回線を利用すれば,患者用端末10と医師用端末20の間でテレビ電話を行なうこともできる。すなわち,患者用端末10と医師用端末20は,それぞれカメラ19,26を備えることとしてもよい。カメラ19,26で撮影された映像データは,データ通信部16,24によってデータ回線を通じて,患者用端末10と医師用端末20の間で送受信される。また,データ回線を介してやり取りされた映像データは,表示部17,25に表示される。このように音声と映像データを同時に送受信することで,患者と医師の間でのテレビ電話を利用した遠隔医療が可能となる。
なお,図1に示した例では,通話回線とデータ回線が別々に描かれているが,例えばIP電話の場合には,データ回線を通話回線としても利用することもできる。この場合,通話部13,22とデータ通信部16,24は,それぞれ同じハードウェアで構成することも可能である。
また,患者用端末10において,通話部13を介して送信する音声信号と,データ通信部16を介して送信する可視データは,互いに同期されていることが好ましい。このため,音声信号と可視データの送信タイミングにずれが生じる場合には,通話部13又はデータ通信部16において同期処理を行なうとよい。例えば,生体音の可視データの生成処理に時間がかかり,可視データの送信に遅延が生じる場合には,通話部13においてあえて音声信号を遅延させることで,可視データと音声信号の送信タイミングを合わせるとよい。反対に,音声信号の送信に遅延が生じる場合には,データ通信部16において可視データを遅延させることで,可視データと音声信号の送信タイミングを合わせることもできる。このように,通話部13又はデータ通信部16において遅延処理を行なうことも可能である。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は,生体音データの伝送システムなどに関する。従って,本発明は,医療産業において好適に利用できる。
10…患者用端末(送信装置) 11…音声用マイク(集音部)
12…生体音用マイク(集音部) 13…通話部
14…スピーカ 15…可視データ生成部
16…データ通信部 17…表示部
18…フィルタ部 19…カメラ
20…医師用端末(受信装置) 21…マイク
22…通話部 23…スピーカ
24…データ通信部 25…表示部
26…カメラ
100…遠隔医療システム(生体音データ伝送システム)

Claims (5)

  1. 直接生体に接触させることで当該生体から生体音を取得する生体音用マイク(12)と,
    前記生体音用マイクが取得した生体音を電話回線を通じて受信装置に伝送する通話部(13)と,
    前記生体音用マイクが取得した生体音の全部又は一部から可視データを生成する可視データ生成部(15)と,
    前記可視データをデータ回線を通じて受信装置に送信するデータ通信部(16)と,を備える
    送信装置。
  2. 前記データ通信部(16)は,前記可視データをリアルタイムで送信する
    請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記可視データは,生体音の周波数ごとの音量を表した2次元グラフである
    請求項1又は請求項2に記載の送信装置。
  4. 前記可視データは,周波数ごとの音量の経時的変化を表したスペクトログラムである
    請求項1又は請求項2に記載の送信装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の送信装置と,
    前記送信装置から前記電話回線を通じて前記生体音を受信するとともに,前記送信装置から前記データ回線を通じて前記可視データを受信可能な一又は複数の受信装置と,を含む
    生体音データ伝送システム。
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