[第1実施形態]
[スロットマシンの全体構造]
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。また、以下の実施の形態では、各説明箇所において、スロットマシン1の方を向いて位置している遊技者から見て、スロットマシン1から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、各部材を、スロットマシン1の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されている(図3参照)リール2L、2C、2R(以下、左リール2L、中リール2C、右リール2Rとも称する)が視認可能となる。図2は、リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器等の画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
前面扉1bのうち、透視窓3の下方部分は、前方に突出しており、突出した箇所の上面1cには、右から順にメダルを投入可能なメダル投入部4、演出に用いるための演出用スイッチ56、MAXBETスイッチ6、および遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。ここで、MAXBETスイッチ6は、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるスイッチである。
突出した箇所の一部であって、上面1cに連続して設けられた、スロットマシン1の設置面に対して垂直な垂直面1dには、右から順に右リール2Rの回転を停止する際に操作される右ストップスイッチ8R、中リール2Cの回転を停止する際に操作される中ストップスイッチ8C、左リール2Lの回転を停止する際に操作される左ストップスイッチ8L、およびゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7が設けられている。また、スタートスイッチ7の左側であって、垂直面1dよりも後方に位置する面には精算スイッチ10が設けられている。精算スイッチ10はクレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作されるスイッチである。
これらのスイッチのうち、スタートスイッチ7以外の演出用スイッチ56、MAXBETスイッチ6、ストップスイッチ8L,8C,8Rおよび精算スイッチ10は丸形の押しボタンであって、スイッチが設けられた面に対して垂直方向の力が加わることで操作される。一方、スタートスイッチ7は、レバー式のスイッチであって、スイッチが設けられた面に対して平行方向の力が加わることで操作される。
つまり、スタートスイッチ7とストップスイッチ8L,8C,8Rとは同じ垂直面に設けられているものの、力を加える方向である操作方向が異なる。具体的には、スタートスイッチ7については、遊技者から見て上下方向または左右方向といった、垂直面1dに対して平行方向に力を加えることで操作することができる。一方、ストップスイッチ8L,8C,8Rについては、遊技者の手前側から奥側に向かう後ろ方向といった、垂直面1dに対して垂直方向に力を加えることで操作することができる。
また、MAXBETスイッチ6は、スロットマシン1の設置面に対して水平な上面1cに設けられており、MAXBETスイッチ6が設けられている上面1cに対して垂直方向に力が加わることで操作される。そのため、MAXBETスイッチ6については、遊技者から見て上下方向に力を加えることで操作することができる。スタートスイッチ7についても、遊技者から見て上下方向の力を加えることで操作することができ、MAXBETスイッチ6についても遊技者から見て上下方向の力を加えることで操作することができるものの、2つのスイッチは互いに異なる面に設けられている。
遊技用表示部13には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウエイト中LED19、リプレイ中LED20、並びに、1BETLED14、2BETLED15および3BETLED16が設けられている。クレジット表示器11には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示される。遊技補助表示器12には、メダルの払出枚数やエラー時のエラーコード、リールの停止順を識別可能な情報等が表示される。投入要求LED17が点灯することで、メダル投入が可能であることが報知される。スタート有効LED18が点灯することで、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることが報知される。ウエイト中LED19が点灯することで、スタートスイッチ7の操作後において前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機しているウエイト中であることが報知される。リプレイ中LED20が点灯することで、再遊技役に入賞した後のリプレイゲーム中であることが報知される。また、1BETLED14、2BETLED15および3BETLED16のうちのいずれのLEDが点灯しているかによって、設定されている賭数が報知される。
ここで、再遊技役(リプレイ)は、再遊技を付与する役である。再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値(たとえば、クレジット)を用いることなく次の遊技を行うことが可能な遊技のことをいう。換言すると、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値を用いることなくリール2L〜2R(可変表示部)が変動表示可能となる遊技である。また、「操作が可能」とは、その操作手段への操作を有効に受付け、操作を受付けたことに基づいて処理が開始されることを意味する。具体的には、スタートスイッチ7への操作が可能とは、スタートスイッチ7への操作が検出されたときに、メイン制御部41が、検出された信号を有効に受付け、信号を受付けたことに基づいて、内部抽選処理を実行したり、リール2L,2C,2Rを回転させたりすることができることをいう。
[スロットマシンにおけるゲームの概要]
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6を操作することで規定数の賭数(例えば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLN(図1参照)のみ設けられている例を説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4(図1参照)が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。このとき、導出表示される図柄(表示結果)として選択可能な図柄は、左ストップスイッチ8L、中ストップスイッチ8C、右ストップスイッチ8Rが操作されたときに入賞ラインLN上に表示されている図柄および、そこから4コマ先までにある図柄の合計5コマ分の図柄である。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
ここで、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
[スロットマシンの内部構造]
図3は、スロットマシンの内部構造図を示す筐体の正面図である。図3に示すように、筐体1aの内部には、リールユニット2、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留または払い出すホッパーユニット34、オーバーフロータンク35、電源ボックス100、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000等が設けられている。
リールユニット2は、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなる。
ホッパーユニット34は、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなる。オーバーフロータンク35は、ホッパーユニット34の側部に設けられており、ホッパータンク34aから溢れたメダルを貯留する。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35aが設けられている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成である。そのため、電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
[スロットマシンの構成]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示されたMAXBETスイッチ6等)等のスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)等の表示機器類を駆動制御する。
また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。これら遊技制御基板40に接続された電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うメイン制御部41、制御用クロックを生成する制御用クロック生成回路42、乱数用クロックを生成する乱数用クロック生成回路43、および、遊技制御基板40に直接的または間接的に接続されたスイッチ類から入力された検出信号をメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44、メイン制御部41から出力された各種信号を各電気部品に伝送するモータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46およびLED駆動回路47、並びに、所定状態においてメイン制御部41に各種信号を出力する電断検出回路48、およびリセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路47は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56等と接続されており、液晶表示器51等の演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91等の回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載された回路あるいは演出制御基板90に接続された制御部品を直接的または間接的に制御する。
[メイン制御部の構成]
図5は、メイン制御部41について説明するための図である。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)41a、ROM(Read Only Memory)41b、RAM(Random Access Memory)41c、およびパラレル入力ポート511等を備えて構成される。
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。CPU41aは、ROM41bに記憶されている固定データと、RAM41cに書き込まれた変動データとに基づいてユーザプログラムを実行する。また、CPU41aはパラレル入力ポート511を介して外部からの各種信号を受付け、受付けた各種信号をRAM41cに設けられた所定領域に記憶する。
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリア等を提供し、たとえば、クレジット数、各種スイッチ類の操作状態等を記憶するエリアを提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
パラレル入力ポート511には、第1入力ポート511a、第2入力ポート511b、および第3入力ポート511cを含む複数の入力ポートが含まれる。入力ポートごとに対応する操作手段が接続されており、各入力ポートは接続された操作手段からの操作を検出するために用いられる。
具体的には、第1入力ポートは、MAXBETスイッチ6への操作を検出するために用いられる。第2入力ポートは、スタートスイッチ7、左ストップスイッチ8L、中ストップスイッチ8Cおよび右ストップスイッチ8Rへの操作を検出するために用いられる。第3入力ポートは、精算スイッチ10への操作を検出するために用いられる。
図1に示すように、スタートスイッチ7とストップスイッチ8L,8C,8Rとは同じ垂直面1dに設けられている。一方、MAXBETスイッチ6と精算スイッチ10とはそれぞれスタートスイッチ7およびストップスイッチ8L,8C,8Rが設けられている垂直面1dとは異なる面に設けられている。つまり、本実施形態のスロットマシン1においては、同じ面に設けられた操作手段については、同じポートに接続されている。
メイン制御部41は、メイン処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施形態では、約0.56ms)ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、メイン処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
タイマ割込処理(メイン)においては、第1入力ポート511a等の入力ポートを介して各種スイッチ類から送られる信号を検出して、そのデータに基づいてON状態であるかOFF状態であるかを判断するスイッチ検出処理を行う。スイッチが押されると信号が出力され、その信号をスイッチ検出処理において検出した場合は、そのスイッチはON状態であると判断される。一方、スイッチが押されていないと、信号は出力されないため、スイッチ検出処理において信号が検出されなかった場合は、そのスイッチはOFF状態であると判断される。メイン制御部41はRAM41cにスイッチごとの状態を記憶しており、タイマ割込処理(メイン)において、RAM41cに記憶されている状態とは異なる状態の信号が検出された場合に、スイッチが押されたか、またはスイッチが離されたかを判断する。たとえば、RAM41cにスタートスイッチ7はOFFであることが記憶されている状態で、タイマ割込処理(メイン)によってスタートスイッチからの信号が検出された場合、スタートスイッチ7がOFFからONになり、スタートスイッチ7が押されたとメイン制御部41は判断できる。
[入賞役について]
図6および図7を用いて入賞役について説明する。入賞役には、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別役、メダル等の遊技用価値の付与を伴う小役、遊技用価値を用いずにゲームを行うことが可能な再遊技の付与を伴う再遊技役等がある。これら入賞役は、スタート操作と同時に行われる内部抽選に当選したことを条件に入賞可能となる。つまり、内部抽選とは、入賞の発生を許容するか否かを決定する抽選である。図6は、小役および特別役について説明するための図である。図7は、再遊技役について説明するための図である。
図6および図7中の、名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。「/」は、「または」を示している。無効ラインに揃う図柄の組合せ欄に示された図柄の組合せは、対応する入賞役に当選しているときにのみ無効ライン上に停止可能であって、対応する入賞役に当選していないときには入賞ラインLNおよび無効ラインLM1〜4を含むいずれのライン上にも停止されない図柄の組合せである。たとえば、図6の右下がりベルに当選したときにのみ無効ライン上に「ベル−ベル−ベル」が停止可能であって、右下がりベルに当選していないときには、いずれのライン上にも「ベル−ベル−ベル」停止されない。
図6中のBB1およびBB2は、ボーナスという有利な状態への移行を伴う特別役である。BB1、BB2の払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。図6中のBB1およびBB2以外の中段ベルのような入賞役は、入賞時にメダルの払出が生じる小役である。また、図7中のすべての入賞役は再遊技役である。
[抽選対象役について]
次に、図8を用いて抽選対象役について説明する。抽選対象役は、スロットマシン1が実行する内部抽選の対象となる役である。スロットマシン1は内部抽選を行うことで、発生を許容する入賞役を決定する。図中の抽選対象役欄には、抽選対象役の名称を示し、組合せ欄には、抽選対象役に当選したときに発生が許容される入賞役の組合せを示す。たとえば、弱チェリーに当選した場合は、下段チェリーの入賞が許容される。弱スイカに当選した場合は、右下がりスイカ、上段スイカおよび中段スイカの入賞が許容される。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカ、上段スイカおよび中段スイカに同時当選したことになる。
[複数の入賞役が同時当選したときのリール制御について]
図9および図10を用いて、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御について説明する。当選役欄には、当選した抽選対象役を示す。押し順欄には、ストップスイッチ8L〜8Rを操作する順番を示す。たとえば、「左中右」とは、左ストップスイッチ8L、中ストップスイッチ8C、右ストップスイッチ8Rの順で操作して、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの順でリールを停止させることを示す。また、「左第1停止」とは、左ストップスイッチ8Lを最初に操作し、それ以降の操作手順は問わないことを意味する。停止する図柄組合せ欄には、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに発生する入賞役を示す。
図9は押し順リプ当選時のリール制御を説明するための図である。押し順リプとは、再遊技役のうち、ストップスイッチ8L〜8Rを操作する順番によって、発生する入賞役が異なるようにリール制御がされる抽選対象役の総称である。たとえば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が入賞するように昇格リプレイ1を構成する図柄組合せが導出され、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが入賞するように通常リプレイを構成する図柄組合せが導出される。
図10は押し順ベル当選時のリール制御を説明するための図である。押し順ベルとは、小役のうち、ストップスイッチ8L〜8Rを操作する順番によって、発生する入賞役が異なるようにリール制御がされる抽選対象役の総称である。たとえば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが入賞するように右下がりベルを構成する図柄組合せが導出され、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルが入賞するように上段ベルを構成する図柄組合せが導出されるか、あるいは図11に示す移行出目が導出される。移行出目は、いわゆるハズレ出目であって、いずれの入賞も発生しない図柄組合せである。移行出目は、ハズレ出目ではあるものの、押し順ベルに当選した場合にのみ導出が許容され、スロットマシン1が内部抽選においていずれの抽選対象役にも当選しなかった場合には移行出目とは異なるハズレ出目が導出される。ここで、スロットマシン1が内部抽選において抽選対象役にも当選しなかったことを、内部抽選にハズレたともいう。
また、抽選対象役のうち、複数の入賞役に同時当選する同時当選役に当選しているときには、当該同時当選役に当選していないときと異なるリール制御が行われ得る。たとえば、弱スイカに当選しているときには、中段スイカよりも右下がりスイカあるいは上段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われるのに対し、強スイカに当選しているときには、右下がりスイカおよび上段スイカのいずれよりも中段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。また、弱チェリーあるいは強チェリーが当選しているときには、下段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われ、中段チェリーが当選しているときには、中段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。これにより、リール2L〜2Rが停止したときの図柄の組合せから、チェリーかスイカか、弱か強か、あるいは、中段チェリーか否か等を推定できる。
[遊技状態について]
図12および図13を用いて、スロットマシン1が制御する遊技状態について説明する。図12は、遊技状態の遷移を説明するための図である。図13は、遊技状態の概要を示す図である。スロットマシン1は、図12に示すとおり、リプレイが所定の当選確率(図13(A)の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、いずれかの遊技状態に制御される(図12の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図13(A)の開始条件・終了条件欄の参照)。
RT1〜RT4のうち、RT1およびRT3は共にメダルの払出率が低い遊技者にとって不利な遊技状態である。これに対して、RT0およびRT2は共にメダルの払出率が高い遊技者にとって有利な遊技状態である。特に、RT2はRT0よりもメダルの払出率が高い、遊技者にとってより有利な遊技状態である。RT4はボーナス当選したときに移行する遊技状態である。RT0〜RT4においては、再遊技役以外の抽選対象役である小役に当選する確率は変わらないように設定されている。
BB1、BB2のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1、BB2のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においては、RT0およびRT2中よりも低く、RT1およびRT3中と同じ確率(図13(A)の再遊技役欄の数値参照)でリプレイに当選する。なお、RT4におけるリプレイ確率は、当選した小役を取りこぼすことなく入賞させることができたとしても、払出率が1を超えない確率に設定されている。つまり、RT4におけるリプレイ確率は、RT4中に当選した小役を取りこぼすことなく入賞させた場合に払出されるメダルの合計枚数が、RT4中においてメダルあるいはクレジットを賭数の設定に用いたメダルの合計枚数を超えず、メダルが増加しない確率に設定されている。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図6を用いて説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT3へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図13(B)の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
なお、BBが他の抽選対象役と同時当選している場合は、BB以外の抽選対象役が優先的に入賞するようにリール制御される。そのため、RT4において小役または再遊技役に当選する確率が高い場合は、BB入賞が発生しにくく、ボーナスに移行しにくくなる。そこで、RT4においては、再遊技役に当選する確率がRT0またはRT2に比べて低くなるように設定されている(図13(A)参照)。これにより、RT4においては、BBに単独で当選しやすく、いつまでもボーナスに移行できないということが起こりにくくなっている。
図12に示すとおり、RT0〜RT3へは、出目によって移行する。入賞役の当選確率を設定するための設定変更を終えた直後の遊技状態はRT3である。RT3からRT1へは移行出目の導出により移行する。移行出目は、図10に示す押し順ベルが当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼしたときに入賞ラインLNに揃う出目である。
RT1からRT0へは昇格リプレイの入賞により移行する。RT0からRT2へは特殊リプレイの入賞により移行する。RT2において移行出目が出るとRT1に戻る。また、RT0において移行出目が出るか、または転落リプレイが入賞すると、RT1に戻る。昇格リプレイおよび特殊リプレイは、図9に示すリプレイGR1〜6またはリプレイGR21〜23が当選し、図9に示す押し順で操作したときに入賞する。また、転落リプレイは、図9に示すリプレイGR11〜13が当選し、通常リプレイの入賞条件となるリール以外を第1停止とした場合に入賞する。
したがって、遊技者は、現状の有利な遊技状態に留まるか、あるいはより有利な状態へ移行するために、出目に注意を払う必要がある。ところが、昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイのいずれが導出されるかが、内部当選状況のみならず、リール2L,2C,2Rの停止順によって変化する。つまり、現状の有利な遊技状態に留まることができるか、より有利な状態へ移行できるか、あるいは不利な遊技状態へ転落するかが、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順によって決まる。本実施形態に係るスロットマシンは、遊技者にとって有利となる押し順を報知する機能を備えている。そのような報知のための演出をナビ演出という。また、ナビ演出が行われる期間をアシストタイム(AT)という。ATは、遊技者にとって有利な状態の一例である。
ナビ演出には、メイン制御部41が遊技補助表示器12を用いてリールの停止順を識別可能な情報としてナビ番号を表示させるナビ報知が含まれる。ストップスイッチの押し順ごとに異なるナビ番号が設定されている。たとえば、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの順で停止することを意味するナビ番号としては「1」が設定されている。そのため、遊技者にとって有利となる押し順が、左、中、右である場合は遊技補助表示器12に「1」が表示される。また、ナビ演出には、液晶表示器51を用いた演出も含まれる。たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する順番を示すため、各ストップスイッチ8L,8C,8Rの押し順を特定可能な数字を表示させて、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する順番を報知してもよい。具体的には、液晶表示器51に左から順番に「123」と表示させることで、左ストップスイッチ8L、中ストップスイッチ8C、右ストップスイッチ8Rの順番で操作することが報知される。
ATにおいては、RT1では、リプレイGR1〜6の何れかに当選したときに(図9参照)、昇格リプレイを入賞させるためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプレイを入賞させてRT0に移行させることができる。RT0では、リプレイGR11〜13の何れかに当選したときに(図10参照)、通常リプレイを入賞させるためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT0を維持することができる。また、RT0では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT0を維持させることができる。さらに、RT0では、リプレイGR21〜23(図9参照)の何れかに当選したときに、特殊リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、特殊リプレイ入賞によりRT2に移行させることができる。
RT2では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。
このように、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。本実施形態では、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。ATのゲーム数は、ARTに制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT0でリプレイGR21〜23のいずれかに当選し、特殊リプレイが入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT2への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT2中は、非AT中であるため、所定のリール(図10に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止される。その結果、ARTが終了した後のRT2中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
[ゲーム処理]
メイン制御部41のCPU41aは、ゲーム処理を行って1回のゲームを制御する。図14はゲーム処理のフローチャートである。
ゲーム処理では、メイン制御部41は、BET処理(S1)、内部抽選処理(S2)、リール回転処理(S3)、入賞判定処理(S4)、払出処理(S5)、ゲーム終了時処理(S6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
S1のBET処理では、メイン制御部41は、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数を設定し、1BETLED14、2BETLED15、および3BETLED16のうちのいずれかのLEDを点灯させる処理を実行する。その後、メイン制御部41は、スタートスイッチ7への操作が有効となったときに、スタート有効LED18を点灯させ、スタートスイッチ7が操作された時点で賭数を確定する処理を実行する。また、このとき、メイン制御部41は、精算スイッチ10への操作の受付けも無効にする処理を実行する。ここで、賭数の設定には、遊技者がMAXBETスイッチ6を操作することで賭数が設定されること、遊技者がメダルをメダル投入部4に投入することで賭数が設定されること、および、リプレイに入賞して自動で賭数が設定されることが含まれる。また、メイン制御部41は、リプレイに入賞して自動で賭数を設定する場合は、賭数を設定したときにリプレイ中LED20と投入要求LED17とを点灯させる処理も実行する。また、メイン制御部41は、リプレイに入賞していない場合は、賭数を設定可能な状態にしたときに投入要求LED17を点灯させる処理を実行する。
S2の内部抽選処理では、メイン制御部41は、S1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。ここで、内部抽選処理における抽選対象は、図8に示した抽選対象役である。図8に示した抽選対象役に当選する確率は、遊技状態ごとに設定されている。ただし、小役に係る抽選対象役に当選する確率は、RT1〜4中で変わらないように設定されている。一方、ボーナス中には極めて高い確率で小役に当選するように設定されている。また、特別役に係る抽選対象役に当選する確率はRT1〜RT3中で変わらないように設定されている。
また、メイン制御部41は、内部抽選処理における抽選結果に基づいて、非AT中においてはAT抽選を行うことでATに制御するか否かを決定する。メイン制御部41は、AT中であればATゲーム数を延長するか否かを決定する。また、メイン制御部41は、AT中においては、内部抽選処理における抽選結果に基づいて、ナビ演出を実行するための処理を実行する。具体的には、遊技補助表示器12にナビ番号が表示されるとともに、液晶表示器51に操作の順番が表示される。
S3のリール回転処理では、各リール2L,2C,2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止させる処理を実行する。
S4の入賞判定処理では、全てのリール2L,2C,2Rが停止していると判定した時点で、各リール2L,2C,2Rに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
S5の払出処理では、発生した入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。払出処理では、クレジット表示器11の表示の更新を行うクレジット表示器更新処理(図17のS56)および遊技補助表示器12の表示の更新を行う遊技補助表示器更新処理(図17のS57)についても行われる。
S6のゲーム終了時処理では、メイン制御部41は、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、ゲーム終了時処理では、RTに関連する制御を行うRT処理や、無効となっていた精算スイッチ10への操作を有効にする処理も行われる。
[リール回転処理]
図15はリール回転処理のフローチャートである。まず、メイン制御部41は、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施形態では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(S30)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。メイン制御部41は、ウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定する(S31)。次いで、メイン制御部41は、リールモータの回転開始時の設定を行い、リールの回転を開始させる(S32)。
メイン制御部41は、リールを回転させた後、内部抽選処理における抽選結果に基づいてリール別に滑りコマテーブルの滑りコマ数を設定する滑りコマ数設定処理を行う(S33)。メイン制御部41は、滑りコマ数設定処理(S33)においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたタイミングごとにリールを何コマ先で停止させるか(リールを何コマ分滑らせるか)を設定する。
メイン制御部41は、滑りコマ数設定処理(S33)を行った後、リールの定速回転が検出された時点で、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作を有効化する(S34)。その後、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)におけるスイッチ検出処理によって入力された検出データとRAM41cに記憶されている情報に基づいて、いずれかのストップスイッチがOFFからONに切替わったことが検出されるまで待機し、いずれかのストップスイッチがOFFからONに切替わったことを検出した後、続けてONであることを検出したときに(S35A〜S35D)、その停止操作に応じた停止制御を行う(S36)。より具体的には、たとえば、RAM41cに左ストップスイッチ8LはOFFであることが記憶されている場合に、タイマ割込処理(メイン)によって左ストップスイッチ8Lからの信号が検出されて、ONであると判定した後に再度ONであることを判定した場合、左ストップスイッチ8LがOFFからONになったとメイン制御部41は判断する。
たとえば、S35Aにおいて、メイン制御部41は、第1入力ポート511aを介して受付けられた信号と、RAM41cの各ストップスイッチ8L,8C,8Rごとに記憶された各ストップスイッチ8L,8C,8Rの状態とを比較して、OFF状態であると記憶されているストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、信号が検出されたストップスイッチ8L,8C,8Rがいずれのストップスイッチ8L,8C,8Rであるかを判定する。その後、メイン制御部41は、スイッチごとに設けられている検出回数カウンタの値に1加算して(S35B)、検出回数カウンタの値が2であるか否かを判定する(S35C)。メイン制御部41は、検出回数カウントの値が2ではないと判定したら、OFFからONに切替わったスイッチについて再度信号が検出されてONであると判定されたときは(S35AでYES)、S35BとS35Cの処理を実行する。S35Aにおいて、信号が検出されなかった場合は検出回数カウンタをリセットする。また、S35Bにおいて、検出回数カウンタの値に1加算するときに、他の検出カウンタの値はリセットするようにする。
検出回数カウンタの値が2となったということは、OFFからONに切替わったことを検出した後、続けてONであることを検出したことを意味する。これにより、意図しない操作が検出されてしまうことを防止することができる。メイン制御部41は、検出回数カウンタの値が2となったときは、RAM41cに記憶されているスイッチの状態をOFF状態からON状態に書き換え、検出回数カウンタの値をリセットする(S35D)。
その後、メイン制御部41は、停止タイミングを決定する(S36)。停止タイミングを決定するとは、滑りコマ数設定処理によって設定された滑りコマテーブルの滑りコマ数と、ストップスイッチ8L,8C,8Rのスイッチの状態がOFF状態からON状態に切り替わったと判定されたタイミングとに基づいて、リール2L,2R,2Cを何コマ先で停止させるかを決定することである。また、停止タイミングを決定したら、リールを停止させるための停止制御が実行される。
その後、メイン制御部41は、全てのリールについて停止タイミングが決定したか否かを判定し(S37)、停止タイミングが決定していないリールがある場合は、全てのリールについて停止タイミングが決定したと判定するまでS33からS37の処理を繰り返す。このとき、メイン制御部41は、再度滑りコマ数を設定するS33においては、内部抽選結果と、停止制御の結果とに基づいて滑りコマテーブルの滑りコマ数を設定する。メイン制御部41は、全てのリールについて停止制御が行われたと判定したときにリール回転処理を終了する。
メイン制御部41は、リール回転処理を終了した後は、入賞判定処理を行う。入賞判定処理において、メイン制御部41は、リールの停止タイミングに基づいて、各リールに導出される表示結果を決定し、表示結果の組合せに基づいて、いずれの入賞役に当選したか否かを判定して処理を終了する。
[入賞判定処理]
図16は入賞判定処理のフローチャートである。まず、メイン制御部41は、最後に押されたストップスイッチが離されたか否かを判定する(S40)。最後に押されたストップスイッチが離されたか否かは、リール回転処理において最後に操作されたストップスイッチの状態がON状態からOFF状態に切り替わったか否かに基づいて判断される。このとき、ONからOFFに切替わったか否かは、OFFからONに切替わったことを検出した後、続けてONであることを検出したか否かに基づいて判断される。なお、一度ONからOFFに切替わった後、再度OFFからONに切替わった場合については、最後に押されたストップスイッチは離されたと判断されるものとする。
メイン制御部41は、最後に押されたストップスイッチがまだ離されていないと判断した場合は、OFFからONに切替わったことを検出した後、続けてONであることを検出するまで待機する(S41A〜S41C)。具体的には、メイン制御部41は、S41AからS41Cの処理を繰り返す。メイン制御部41は、OFFからONに切替わったことを検出した後、続けてONであることを検出したときは、カウンタをリセットする(S41D)。このとき、メイン制御部41は、RAM41cに記憶されているスイッチの状態をON状態からOFF状態に書き換える。
メイン制御部41は、最後に押されたストップスイッチが離されたと判断したときは、全てのリールが停止しているか否かを判定し、全てのリールが停止するまで待機する(S42)。メイン制御部41は、全てのリールが停止したと判定されたときは、各リール2L,2C,2Rに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞役を特定する(S43)。S43において、メイン制御部41は、特定した入賞結果をRAM41cの所定領域に記憶する処理も実行して、入賞判定処理を終了する。
[払出処理]
図17は払出処理のフローチャートである。メイン制御部41は、小役に入賞したか否かを入賞判定処理の結果に基づいて判定する(S53)。小役に入賞しているとメイン制御部41が判断したときは、払出枚数と記憶されているクレジット数と足した数が50を超えるか否かを判定する(S54)。メイン制御部41は、払出後のクレジット数が50を超えると判定した場合は、メダル払出処理によって、50を超えるメダルをメダル払出口9から払出す(S55)。その後、メイン制御部41は、クレジット表示器更新処理(S56)において、メイン制御部41はS57において払出後のクレジット数が50を超えると判断した場合は50の数字をクレジット表示器11に表示し、払出後のクレジット数が50を超えないと判断した場合は払出後のクレジット数をクレジット表示器11に表示させる。
なお、クレジット表示器11に表示されているクレジット数が1ずつ加算されるように更新してもよいし、表示されているクレジット数を途中の数字を表示することなく更新結果を表示させるようにしてもよい。
小役に入賞していないとき、または、小役に入賞してかつクレジット表示器更新処理(S56)が実行されたときは、遊技補助表示器更新処理(S57)が実行される。遊技補助表示器更新処理を実行した後、払出処理を終了する。
[遊技補助表示器更新処理]
払出処理において実行される遊技補助表示器更新処理について、図18を用いて詳細に説明する。図18は遊技補助表示器更新処理のフローチャートである。メイン制御部41は、遊技補助表示器更新処理において、遊技補助表示器12の表示を消灯させて、遊技補助表示器12の状態を初期状態に移行させる(S570)。次に、メイン制御部41は、小役に入賞しているか否かを入賞判定処理の結果に基づいて判定し(S571)、小役に入賞しているときは払出枚数を報知するため、遊技補助表示器12に払出枚数を表示する(S572)。一方、メイン制御部41は、小役に入賞していない場合は、遊技補助表示器12の表示を初期態様にする(S573)。初期態様の表示とは、具体的には、図21に示す「−」の表示である。
メイン制御部41は、遊技補助表示器12の表示を払出枚数または初期態様にした後、遊技補助表示器更新処理を終了する。
[各種コマンドについて]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、押し順コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンド、AT抽選時コマンド、AT中コマンド、上乗せ抽選時コマンド等を含む複数種類のコマンドを送信する。
内部当選コマンドは、内部抽選の結果に応じて当選した抽選対象役が属するグループを特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することにより、スタートスイッチ7の操作、および当選した抽選対象役が属するグループを特定可能である。また、内部抽選にハズレた場合は、内部当選コマンドとして、ハズレたことを特定可能なコマンドを送信する。
押し順コマンドは、内部抽選において当選した抽選対象役に応じて、遊技者にとって有利となる図柄組合せを停止させるための操作手順(正解手順ともいう)を特定可能なコマンドである。押し順コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドが送信されるのに対して、非AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドは送信されず、正解手順を特定不可能な押し順コマンド(たとえば、当選役に関わらず共通手順を特定可能な押し順コマンド)が送信されるか、あるいは何らの押し順コマンドも送信されない。このため、サブ制御部91は、AT中においては押し順コマンドを受信することにより、正解手順を特定可能となる一方で、非AT中においては正解手順を特定できないようになっている。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやボーナスに制御されたときに送信される。
AT抽選時コマンドは、AT抽選が行われたときに送信され、AT抽選に当選したか否か、当選したATゲーム数が何ゲームであるか、および、AT開始タイミングが何ゲーム目(AT当選から何ゲーム目)であるか等を特定可能なコマンドである。
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否か、残りのATゲーム数、残りのナビストック数、現在が高確状態であるか低確状態であるかを特定可能なコマンドである。上乗せ抽選時コマンドは、上乗せ抽選が行われたときに送信され、上乗せ抽選に当選したか否かおよび上乗せされるATゲーム数を特定可能なコマンドである。
[1ゲーム中に実行される処理の実行タイミング]
図19および図20を用いて、1ゲーム中に実行される処理の実行タイミングについて説明する。図19は、スイッチをすぐに離した場合の、1ゲーム中の処理の一例を示すタイミングチャートである。図20は、スイッチを継続して押し続けた場合の、1ゲーム中の処理の一例を示すタイミングチャートである。ここで、スイッチから手を離すことなく継続して押し続けることを、スイッチへの操作を維持するともいう。つまり、スイッチへの操作を維持するとは、スイッチへの操作を解除することなく操作し続けることをいう。また、ここで、メイン制御部41は、操作手段がON状態である場合に、その操作手段がOFF状態であると2回連続して判定したときに、その操作手段への操作が解除されたと判定する。
図19および図20においては、前のゲームでメダルの払出しがあり、当該ゲームでリプレイに当選したものとする。また、図19および図20においては、AT中であって、遊技補助表示器12にリールの停止順を識別可能な情報としてナビ番号が表示されるナビ報知が実行されるものとする。図19および図20中には、各スイッチ(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R)の操作状況、各リール2L,2C,2Rの回転状況および遊技補助表示器12の表示態様、および、精算スイッチ10への操作を有効に受付けることができるか否かが示されている。
まず、遊技進行に係る操作手段である、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作して(押して)、すぐに離した場合の各種処理の実行タイミングについて、図19を用いて説明する。図19に示すように、当該ゲームの前のゲームでメダルの払出しがあったため、遊技補助表示器12には払出枚数が表示されている(図19中の払出枚数報知)。MAXBETスイッチ6が操作されて、信号を検出してOFF状態からON状態に切り替わったタイミングt1で賭数が設定される処理が実行されるとともに、遊技補助表示器の表示が初期態様に切替わる。なお、このとき、3BETLED16が点灯するとともに、スタートスイッチ7への操作が有効化されスタート有効LED18が点灯する。
その後、スタートスイッチ7が操作されて、信号を検出してOFF状態からON状態に切り替わったタイミングt2で、各リール2L,2C,2Rが回転し始める。また、スタートスイッチ7への操作がされたタイミングで精算スイッチ10への操作が無効となる。また、賭数が設定可能な状態から、スタートスイッチ7が操作されて各リール2L,2C,2Rが回転し始めるまで、投入要求LED17が点灯している。また、遊技補助表示器12にナビ番号が表示される(図19中のナビ報知)。また、スタート有効LED18が消灯する。ここで、MAXBETスイッチ6が操作された後であってスタートスイッチ7が操作される前のt1からt2の間で精算スイッチ10が操作された場合は、設定された賭け数はリセットされる。
その後タイミングt3で左ストップスイッチ8Lが操作されると、停止タイミングが決定して、停止制御が行われる。停止制御が完了したタイミングt4で左リール2Lは完全に停止する。同様に中リール2Cについてもタイミングt5で中ストップスイッチ8Cが操作されて、停止制御が完了したタイミングt6で中リール2Cは完全に停止する。
その後、タイミングt7で右ストップスイッチ8Rが操作されて、停止制御が完了したタイミングt8で右リール2Rは完全に停止する。このとき、リプレイ役を構成する出目が導出されたものとする。
最後に操作された右ストップスイッチ8Rへの操作が離され、かつ、停止制御が完了したタイミングt8で、入賞判定処理が行なわれ、リプレイに入賞したことが特定された後、払出処理において遊技補助表示器更新処理が行なわれ、遊技補助表示器12の表示が消え(消灯され)、初期状態になる。その後、初期状態になってから所定期間が経過したタイミングt10で初期態様に切替わる。初期態様に切替わるタイミングでは、ゲーム終了時処理も行われるため、精算スイッチ10への操作が有効になる。
また、t10においては、ゲーム終了時処理が行なわれ、移行出目が導出された場合、あるいは転落リプレイ、昇格リプレイ、または特殊リプレイ等に入賞した場合には遊技状態やRTに関連する処理が行なわれる。また、リプレイに入賞しているため、ゲーム終了時処理が行われた後にBET処理が行われ、リプレイ中LED20、スタート有効LED18並びに1BETLED14、2BETLED15および3BETLED16のうちのいずれかのLEDが点灯する。その後、賭数が設定されると投入要求LED17が点灯する。
次に、複数の遊技進行に係る操作手段が操作されている場合の各種処理の実行タイミングについて、図20を用いて説明する。図20において、タイミングt2までの状況は図19と同様である。ただし、本実施形態において、MAXBETスイッチ6への操作が維持されたままスタートスイッチ7への操作が可能である。そのため、MAXBETスイッチ6への操作が解除されたか否かに関わらず、スタートスイッチ7への操作が有効となったタイミングでスタート有効LED18が点灯する。
タイミングt2において、MAXBETスイッチ6への操作が維持されたまま(ON状態のまま)、スタートスイッチ7を操作することができる。つまり、スタートスイッチ7への操作を有効に受付けて、全てのリール2L,2C,2Rを回転させることができる。このとき、スタート有効LED18が消灯する。
その後、左ストップスイッチ8Lを操作したタイミングt3において、MAXBETスイッチ6およびスタートスイッチ7への操作が維持されたまま、左ストップスイッチ8Lを操作することができる。つまり、左ストップスイッチ8Lへの操作は有効に受付けられ停止制御が実行される。本実施形態においては、操作した操作手段以外の遊技進行に係る操作手段が操作されていたとしても、その操作に基づく処理が完了していれば、その操作手段を操作することができ、その操作手段に対する操作が有効に受付けられる。ここで、操作手段に対する操作を有効に受付けられるとは、操作手段が操作されたことに基づいて実行される処理を可能にするということである。
そのため、中ストップスイッチ8Cおよび右ストップスイッチ8Rについても他の遊技進行に係る操作手段(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、左ストップスイッチ8L等)への操作が維持されていても、中ストップスイッチ8Cまたは右ストップスイッチ8Rへの操作が可能であり、その操作が有効に受付けられて停止制御が実行され、中リール2Cおよび右リール2Rは停止する。
全てのリールが停止したタイミングt8において、最後に操作された右ストップスイッチ8Rへの操作が維持されているため、遊技補助表示器12の表示は更新されずに、ナビ番号が表示されたままである。タイミングt9において、右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されてOFF状態となったときに、遊技補助表示器12の表示が消えて、初期状態になる。
ここで、図19においては、全てのリール2L,2C,2Rが停止したタイミングt8よりも前に、右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されてOFF状態となっているため、全てのリール2L,2C,2Rが停止したタイミングで遊技補助表示器12の表示が消えて、初期状態になる。一方、図20においては、全てのリール2L,2C,2Rが停止したタイミングt8において、右ストップスイッチ8Rへの操作が維持されているため、右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されたタイミングt9において、遊技補助表示器12の表示が消えて初期状態になる。
t9においては、最後に操作された右ストップスイッチ8R以外の遊技進行に係る操作手段であるMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、左ストップスイッチ8L、中ストップスイッチ8Cへの操作は維持されているものの、最後に操作された右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されたため、遊技補助表示器12の表示が初期状態になる。つまり、遊技補助表示器12の表示をナビ報知態様から初期状態の態様に切り換える条件は、図19のタイミングt9および図20のタイミングt9より、全てのリール2L,2R,2Cが停止していること、および、最後に操作されたストップスイッチへの操作が解除されていることである。
その後、初期状態になってから所定期間が経過したタイミングt11で初期態様に切替わるとともに、精算スイッチ10への操作が有効になる。本実施形態においては、リプレイに入賞しているため、初期態様に切替わって、ゲーム処理が終了した後にBET処理が行われる。つまり、BET処理が完了してスタートスイッチ7が操作され、かつ、ウェイトタイムを経過していればリール2L,2C,2Rは回転し始める。
しかし、タイミングt11からt13に示すように、スタートスイッチ7はON状態であるものの、リール2L,2C,2Rの回転は始まらない。これは、スタートスイッチ7がON状態のままだからである。そのため、t11においてBET処理が実行されたことに基づいてリプレイ中LED20は点灯するものの、スタート有効LED18は消灯されたままとなる。
タイミングt14に示すように、スタートスイッチ7がOFF状態からON状態に切り替わったときに、スタートスイッチ7への操作が有効に受付けられ、内部抽選処理が行われて、リール回転処理が行われ、リール2L,2C,2Rの回転が始まるとともに、精算スイッチ10への操作が無効になる。つまり、スタートスイッチ7がON状態からOFF状態に切り替わったタイミングt13で、スタートスイッチ7への操作が有効に受付けられるようになり、スタート有効LED18は点灯する。
なお、本実施形態においては、リプレイに入賞したため、スタートスイッチ7への操作を一度解除しなければならないとしたが、小役入賞時やハズレ時等、賭数の設定が必要な場合にあっても同様に、MAXBETスイッチ6への操作を一度解除した後でなければMAXBETスイッチ6への操作は有効に受付けられない。また、ストップスイッチ8L,8C,8Rについても同様に、右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されていても、左ストップスイッチ8Lや中ストップスイッチ8Cへの操作が維持されている場合には、一度その操作が解除されてからでないと、左ストップスイッチ8Lや中ストップスイッチ8Cへの操作を有効に受付けることができないようになっている。
[遊技補助表示器の更新態様]
図21を用いて、遊技補助表示器の更新態様について説明する。図21(A)にはリプレイに入賞した場合を示している。図21(B)には小役に入賞した場合を示している。図21に示すように、遊技補助表示器12は、図21に示すように、遊技補助表示器12は8つのセグメントをそれぞれ点灯/消灯可能な2つの表示器からなる。8つのセグメントのうち棒状の7つのセグメントのうち任意のセグメントを点灯させることで、所定の数字を表すことができる。また、表示器の右下の領域には、棒状の7つのセグメントとは異なる丸型のセグメントが1つ設けられている。
図21に示すように、ナビ報知を行う場合は、棒状のセグメントに加えて、丸形のセグメントを点灯させる。一方、ナビ報知を行わない場合は、丸形のセグメントは点灯させずに、棒状のセグメントだけを点灯させる。このように、丸形のセグメントを点灯させることで、ナビ報知であることを明確にすることができる。
図21(A)に示すように、リプレイに入賞した場合は、ナビ報知がされている状態で、最後に操作された右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されると、すべてのセグメントが消灯して、遊技補助表示器12が初期状態になる。その後、所定期間経過すると、初期態様として「−」が表示され、スタートスイッチ7が操作されると、再度ナビ番号が表示されてナビ報知が行われる。
図21(B)に示すように、8枚の払出しが生じるベルに入賞した場合は、最後に操作された右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されると、すべてのセグメントが消灯して、8枚の払出が生じたことを示す「8」が表示される払出枚数報知が行われる。その後、MAXBETスイッチ6が操作されると、初期態様として「−」が表示され、スタートスイッチ7が操作されると、再度ナビ番号が表示されてナビ報知が行われる。
図21(A)および(B)に示すように、ナビ報知がされた後すぐに、初期態様または払出枚数の表示に切り替えるのではなく、一度消灯させて初期状態にすることで、表示が更新されたことを遊技者に分かりやすく報知することができる。また、一度消灯させることで、ナビ報知とは異なる報知がされることを遊技者に分かりやすく報知することができる。
なお、図21(B)においては、払出枚数報知が行われた後、MAXBETスイッチ6が操作されたことに基づいて初期態様が表示されるものとしたが、払出枚数報知が行われた後、遊技の進行にかかる操作が行われないまま、所定期間(たとえば、30秒)経過して、遊技待機状態に移行したことに基づいて、遊技補助表示器12の表示態様を初期態様に切り換えてもよい。
また、遊技補助表示器12の表示態様について、初期状態における表示態様と、初期態様とを異なる態様としたが、同じ態様としてもよい。具体的には、初期態様を消灯態様としてもよい。
[第1実施形態の主な効果]
次に、第1実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図16、図17および図20に示すように、t7からt9において、最後に操作された右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されるまで、入賞役を特定する処理(S43)、メダル払出処理、クレジット表示器更新処理、遊技補助表示器更新処理といった、表示結果組合せに応じた処理は行われず、各リールに導出された表示結果を確認させることができる。そのため、最後に操作されたストップスイッチへの操作が解除される前(図20に示す例の場合、t9の前)に表示結果組合せに応じた処理が行われてしまうようなスロットマシンに比べて、表示結果を十分に確認させることができる。また、これにより、遊技の区切りをつけながら遊技者に遊技させることができる。
(2) 図16および図17に示すように、全てのリールが停止していない場合は、入賞役を特定する処理(S43)、メダル払出処理、クレジット表示器更新処理、遊技補助表示器更新処理といった、表示結果組合せに応じた処理は行われない。そのため、表示結果の組合せが導出されていないときに、表示結果組合せに応じた処理が行われることを防止することができる。特に、クレジット表示器更新処理やメダル払出処理、遊技補助表示器更新処理といった、表示結果の組合せに基づく結果を報知するような処理が、表示結果の組合せが表示される前に実行されてしまうと、遊技者は、表示結果の組合せを確認することなく、報知された結果だけを見てしまう虞がある。そのため、表示結果の組合せが表示された後に報知がされるようにすることで、遊技者に対して表示結果の組合せを十分に確認させることができる。
(3) 精算スイッチ10への操作は、図20に示すように、スタートスイッチ7が操作されてから、ゲーム終了時処理が実行されるまで、無効となる。そのため、入賞役を特定する処理(S43)、メダル払出処理、クレジット表示器更新処理、遊技補助表示器更新処理といった、表示結果組合せに応じた処理は行われず、このような表示結果組合せに応じた処理と、精算スイッチ10が操作されたことに基づく精算処理とが重複して行われてしまうことを防止することができる。
特に、クレジット表示器更新処理が実行される前に精算スイッチ10への操作を有効にしてしまうと、遊技者は、最終的に何枚のメダルがクレジット数として記憶されているかを確認することができないまま、精算処理が行われてしまう。このように、クレジット表示器の更新が完了した後の精算スイッチ10への操作を受付けることで、何枚のメダルがクレジットされているかを十分に確認させた上で精算操作を遊技者に行わせることができる。
また、遊技補助表示器更新処理が実行されているときに精算スイッチ10への操作を有効にしてしまうと、精算をしているにも関わらず遊技補助表示器12の表示が更新されて払出枚数が表示されてしまう虞がある。そのため、遊技補助表示器12に表示されている払出枚数も精算時に加算されているのかどうか、遊技者を困惑させてしまう虞がある。遊技補助表示器更新処理が行われた後に、精算処理が有効となるため、このように遊技者を困惑させてしまうことを防止することができる。
(4) 図16および図17に示すように、入賞役を特定する処理(S43)、メダル払出処理、クレジット表示器更新処理、および遊技補助表示器更新処理といった、表示結果組合せに応じた処理を開始するか否かは、スタートスイッチ7や、最後に押されたストップスイッチ以外のストップスイッチへの操作が解除されたか否かによっては判断されない。そのため、表示結果の組合せに基づく処理が行われるか否かの判定処理の負担を軽減することができる。
(5) 図20に示すように、t2〜t13において、スタートスイッチ7への操作が維持されたまま、t9で右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されて、遊技補助表示器12の表示が更新されたときは、t13で一度スタートスイッチ7への操作が解除された後、t14で再度操作されたことによりリール2L,2C,2Rの回転が始まる。つまり、最後に操作されたストップスイッチへの操作が解除されたときに、そのストップスイッチ以外の遊技進行に係る操作手段のうち操作が維持されていた所定操作手段を操作したことに基づいて実行される所定処理については、一度、所定操作手段への操作を解除したことを条件に実行される。そのため、遊技者の意思によって所定操作手段への操作を解除したことを条件に、所定操作手段への操作に基づいて実行される所定処理を行うことができる。
(6) 図20に示すように、t2において、MAXBETスイッチ6への操作が維持された状態のまま、スタートスイッチ7への操作が可能である。そのため、MAXBETスイッチ6のような、賭数を設定するための操作が維持されているときに、リール2L,2C,2Rを回転させるためのスタートスイッチ7への操作をした場合であっても、リール2L,2C,2Rを回転させることができるため、スタートスイッチ7に対する遊技者の操作の利便性を向上させることができる。
(7) 図1に示すように、MAXBETスイッチ6は前面扉1bの上面1cに設けられており、スタートスイッチ7は垂直面1dに設けられており、同時に操作することのできる2つの操作手段は異なる面に配置されている。そのため、互いに異なる面上に配置されている2つの操作手段を同時に操作することができるため、遊技者の操作の利便性を向上させることができる。
(8) 図20に示すように、t3において、スタートスイッチ7への操作が維持された状態のまま、左ストップスイッチ8Lへの操作が可能である。そのため、スタートスイッチ7への操作が維持されているときに、リール2L,2C,2Rの回転を停止させるためのストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作をした場合であっても、リール2L,2C,2Rの回転を停止させることができるため、ストップスイッチ8L,8C,8Rに対する遊技者の操作の利便性を向上させることができる。
(9) スタートスイッチ7の操作方向は垂直面1dに対して水平な方向であり、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作方向は、垂直面1dに対して垂直な方向であり、同時に操作することのできる2つの操作手段への操作方向は異なる。そのため、操作方向が互いに異なる2つの操作手段を同時に操作することができるため、遊技者の操作の利便性を向上させることができる。
(10) 図17および図20に示すように、t7からt9において、最後に操作された右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されるまで、遊技補助表示器更新処理といった、遊技補助表示器12に表示されているナビ番号を更新するための処理が行われず、各リールに導出された表示結果を確認させることができる。そのため、最後に操作されたストップスイッチへの操作が解除される前にナビ番号を更新するための処理が行われてしまうようなスロットマシンに比べて、表示結果を十分に確認させることができる。また、これにより、遊技の区切りをつけながら遊技者に遊技させることができる。
(11) 図18および図21に示すように、ナビ番号を更新する処理には、ナビ番号を一旦消して、遊技補助表示器12の表示を初期状態にする処理が含まれる。遊技補助表示器12の表示が一旦消えるため、ナビ番号が更新されたことを遊技者に分かり易くさせることができる。
(12) 図20に示すように、タイミングt7において、左ストップスイッチ8Lおよび中ストップスイッチ8Cへの操作が維持されている状態で、右ストップスイッチ8Rが操作されても、その操作を有効に受付ける。つまり、右ストップスイッチ8Rが操作されたことを契機に右リール2Rの停止制御が行われる。ここで、遊技を早く進めたいような遊技者は各スイッチ類を操作する間隔が短くなる。そのため、前に操作したスイッチへの操作が維持されているにも関わらず、次の操作を行ってしまうことがある。そのような遊技者に対して、本実施の形態のように、他の操作を行っている状態で、異なる操作を行っても、その操作を有効に受付けることができるため、遊技を途中で止めることなく進めることができ、遊技の興趣が向上する。
[第2実施形態]
第1実施形態において、図17に示すように、入賞判定処理のS43以降の入賞役を特定する処理(S43)、払出処理のメダル払出処理(S55)、クレジット表示器更新処理(S56)、遊技補助表示器更新処理(S57)といった全てのリール2L,2C,2Rが停止して導出される表示結果組合せに応じた処理は、最後に操作されたストップスイッチへの操作が解除されたことを一の条件としており、他の遊技進行に係る操作手段が操作されているか否かは条件に含まれなかった。第2実施形態においては、最後に操作されたストップスイッチ以外の他の遊技進行に係る操作手段が操作されている場合に、S43以降の表示結果組合せに応じた処理が行われない例について図22および図23を用いて説明する。なお、第1実施形態と第2実施形態とは、S43以降の表示結果組合せに応じた処理を実行する条件が異なる点で相違するものの、その他の点は同じである。
図22は第2実施形態の入賞判定処理のフローチャートである。なお、第2実施形態においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rおよびスタートスイッチ7のすべてのスイッチが離されたと判定した以降の処理は第1実施形態における処理と同様であるため説明を省略する。
第2実施形態において、メイン制御部41は、全てのストップスイッチ8L,8C,8Rとスタートスイッチ7とが離されたか否かを判定する(S40−1)。つまり、第2入力ポートに接続されている全ての操作手段について操作が解除されたか否かを判定し、第2入力ポート以外に接続されているMAXBETスイッチ6や精算スイッチ10への操作が解除されたか否かは判定しない(図5参照)。解除されていないと判定した場合は、全ての操作が解除されたと判定されるまでS41A−1〜S41D−1の操作を繰り返す。
具体的には、ストップスイッチ8L,8C,8R、およびスタートスイッチ7の各スイッチについて、OFFからONに切替わったことを検出した後、続けてONであることを検出するまで、S41A−1〜S41D−1の操作を繰り返す。第2実施形態においては、第2入力ポート以外に接続されている操作手段が押されているか否かについては判断しないため、第2入力ポートを介して受付けられる信号だけを見ればよい。そのため、全てのポートから受付けられる信号を見なくてはならないようなスロットマシンに比べて、スロットマシンに対する処理負担が少ない。
図22に示した入賞判定処理を実行した後に払出処理を実行した場合に、具体的にどのように遊技補助表示器12の表示が更新されるかを図23を用いて説明する。図23は第2実施形態の一例を示すタイミングチャートである。なお、図23においては、最後に操作される右ストップスイッチ8Rが押されるまでの各スイッチに対する操作は第1実施形態と同様であるため、省略している。つまり、図23のタイミングt1においては、左リール2Lおよび中リール2Cはいずれも停止しているものとする。
t1において、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、左ストップスイッチ8Lおよび中ストップスイッチ8Cへの操作が維持されたまま、右ストップスイッチ8Rが操作される。このとき、停止制御がされて右リール2Rの回転は停止する。第2実施形態においては、このとき小役を構成する出目が導出されたものとする。
タイミングt2において、右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されたものの、スタートスイッチ7、左ストップスイッチ8Lおよび中ストップスイッチ8Cへの操作が維持されている。そのため、入賞判定処理はt2では行われず、もちろん、遊技補助表示器更新処理もt2では行われず、遊技補助表示器12の表示は更新されない。
タイミングt3において、左ストップスイッチ8Lおよび中ストップスイッチ8Cへの操作が解除されたものの、スタートスイッチ7への操作が維持されている。そのため、入賞判定処理はt2では行われず、もちろん、遊技補助表示器更新処理もt2では行われず、遊技補助表示器12の表示は更新されない。
タイミングt4において、MAXBETスイッチ6への操作が維持されているものの、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作が解除されている。そのため、入賞判定処理が行なわれた後、遊技補助表示器更新処理が行われ、遊技補助表示器12の表示が消えて、初期状態になる。その後所定期間経過したタイミングt5で遊技補助表示器12の表示が初期状態から払出枚数に切替わる。
本実施形態においては、小役に入賞しているため、払出枚数に切替わって、ゲーム処理が終了した後に、賭数を設定可能な状態で待機し、MAXBETスイッチ6が操作された場合に、賭数が設定され、遊技補助表示器12の表示が初期態様に切替わる。このとき、ゲーム処理が終了した後に、賭数を設定可能な状態に移行したときに、投入要求LED17が点灯し、MAXBETスイッチ6が操作されたタイミングで1BETLED14、2BETLED15、および3BETLED16のうちのいずれかのLEDが点灯するとともに、スタート有効LED18が点灯する。
しかし、タイミングt5からt6に示すように、MAXBETスイッチ6はON状態であるものの、遊技補助表示器12の表示は初期態様に切替わらない。これは、MAXBETスイッチ6がOFF状態に切り替わることなく、ON状態だからである。タイミングt7に示すように、MAXBETスイッチ6がOFF状態からON状態に切り替わったときに、MAXBETスイッチ6への操作が有効に受付けられ、遊技補助表示器12の表示も初期態様に更新される。
[第2実施形態の主な効果]
次に、第2実施形態により得られる主な効果を説明する。
第2実施形態においては、図22に示すように、ストップスイッチに含まれる最後に操作されたストップスイッチへの操作が維持されているときは、入賞判定処理におけるS43以降の入賞役を特定する処理(S43)、遊技補助表示器更新処理等の表示結果組合せに応じた処理は行われないが、ストップスイッチに含まれる最後に操作されたストップスイッチへの操作が解除されたときには表示結果組合せに応じた処理が実行され得る。そのため、最後に操作されたストップスイッチへの操作が解除される前に表示結果組合せに応じた処理が行われてしまうようなスロットマシンに比べて、表示結果を十分に確認させることができる。また、これにより、遊技の区切りをつけながら遊技者に遊技させることができる。
さらに、図23に示すように、t2からt3において、最後に操作されたストップスイッチへの操作が解除されたとしても、他のストップスイッチやスタートスイッチへの操作が維持されているときは遊技補助表示器12の表示は更新されない。そのため、最後に操作されたストップスイッチへの操作が解除されたときに、遊技補助表示器12の表示が更新されるような、表示結果組合せに応じた処理が実行されたか否かを手掛かりに、他の操作手段への操作が維持されているかを遊技者に判別させることができる。
たとえば、ストップスイッチから手を離しているにも関わらず、表示結果組合せに応じた処理が実行されないような場合に、ストップスイッチとスロットマシンとの間に異物が混入して、誤って操作されてしまっているようなことを遊技者が気づきやすくなる。
また、第2実施形態においては、第1実施形態と同様の構成を備えることによって、第1実施形態で説明した効果と同様の効果を奏することができる。
第2実施形態においては、S43以降の処理を開始するか否かの判断について、第2入力ポート以外に接続されている操作手段が押されているか否かについては判断しない。そのため、第2入力ポートを介して受付けられる信号だけを見ればよいため、全てのポートから受付けられる信号を見なくてはならないようなスロットマシンに比べて、スロットマシンに対する処理負担が少ない。
また、スタートスイッチ7とストップスイッチ8L,8C,8Rとは、いずれも同じポートを介して信号が受け付けられるため、スタートスイッチ7からの信号を検出する処理と、ストップスイッチ8L,8C,8Rからの信号を検出する処理とを共通化することができる。
なお、第2実施形態において、図22のS43以降の入賞役を特定する処理(S43)、メダル払出処理、クレジット表示器更新処理および遊技補助表示器更新処理を、MAXBETスイッチ6が操作されている場合は実行可能であるとしたが、MAXBETスイッチ6が操作されているときには操作できないようにしてもよい。
また、遊技進行に係る操作手段への操作が全て解除されていなければ、表示結果組合せに応じた処理を実行することができないようにしてもよい。このような場合は、ポートを複数設けず、一つのポートに遊技進行に係る操作手段を全て接続させるようにしてもよい。つまり、遊技進行に係る全ての操作手段に関する操作状況を一つのポートで管理することとなる。各種処理において、操作手段の操作状況を確認する場合に、ポートごとに確認するような場合は、一度の確認で遊技進行に係る全ての操作手段に関する操作状況を確認することができ、表示結果組合せに応じた処理を実行するか否かを決定するときに複数のポートを確認する必要がなくなる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施形態の変形例について説明する。
[表示結果組合せに応じた処理]
第1実施形態においては、最後に押されたストップスイッチへの操作が解除されていることと、全てのリール2L,2C,2Rが停止したことを条件に入賞役を特定する処理(S43)、メダル払出処理、クレジット表示器更新処理、遊技補助表示器更新処理といった表示結果組合せに応じた処理を実行するものとした。また、第2実施形態においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rおよびスタートスイッチ7のすべてのスイッチへの操作が解除されていることと、全てのリール2L,2C,2Rが停止したことを条件に入賞役を特定する処理(S43)、メダル払出処理、クレジット表示器更新処理、遊技補助表示器更新処理といった表示結果組合せに応じた処理を実行するものとした。ここで、第1実施形態の「最後に押されたストップスイッチへの操作が解除されていること」および第2実施形態の「ストップスイッチ8L,8C,8Rおよびスタートスイッチ7のすべてのスイッチへの操作が解除されていること」を、総じて特定制御開始条件ともいう。
第1実施形態および第2実施形態において、表示結果組合せに応じた処理として、入賞役を特定する処理(S43)、メダル払出処理、クレジット表示器更新処理、遊技補助表示器更新処理のような、遊技者にメダルの払出しが生じたか否か等の遊技者の有利度合いに関する情報を報知する処理を一例として示したが、これに限られない。たとえば、精算処理、ゲーム終了時処理、ゲーム終了時処理時の遊技状態を設定する処理、リプレイ入賞時に行われる自動で賭数を設定する処理等が含まれる。つまり、表示結果組合せに応じた処理には、全てのリール2L,2C,2Rが停止して導出される表示結果の組合せによって発生する処理や、表示結果の組合せに影響を受ける処理が含まれる。
たとえば、特定制御開始条件を満たすことによって開始される処理をBET処理とし、特定制御開始条件を満たす前にゲーム終了時処理まで実行できるようなスロットマシンにおいては、次のようなタイミングで各種報知手段の態様が切替わる。リプレイ入賞時においては、リール2L,2C,2Rが全て停止したタイミングで遊技補助表示器12の表示が初期状態となった後初期態様になる。このとき、特定制御開始条件が満たされていない場合は、BET処理が行われないため、リプレイ中LEDは点灯しない。つまり、遊技者は、ハズレなのかリプレイに入賞したのかを導出された表示結果の組合せを確認することで認識できる。一方、小役入賞時においては、リール2L,2C,2Rが全て停止したタイミングでメダルの払出処理、クレジット表示器の更新処理、および、遊技補助表示器12の表示を初期状態にした後、払出枚数の表示に更新する処理が行われるため、リール2L,2C,2Rが全てタイミングで小役に入賞したことを認識できる。
また、上記の例では、表示結果組合せに応じた処理として、メイン制御部41が実行する処理を例に挙げたが、サブ制御部91が実行する、液晶表示器51や演出用スイッチ56を用いた演出に関する処理であってもよい。
また、リールLED55を用いて導出された表示結果の組合せに注目させる演出については、特定制御開始条件を満たすか否かに関わらずリール2L,2C,2Rが全て停止したときに実行するようにしてもよい。このようにすることで、効果的に表示結果の組合せに注目させることができる。
[操作手段への操作が解除されたか否かの判定]
第1実施形態および第2実施形態において、操作手段への操作が解除されたか否かの判定は、ゲーム処理における各処理において行われるものとしたが、タイマ割込処理(メイン)で行ってもよい。具体的には、タイマ割込処理(メイン)において、スイッチ検出処理が実行された以降に各スイッチ(操作手段)が押されているか否かを判定するスイッチ検出処理を行うようにしてもよい。スイッチ検出処理においては、RAM41cに記憶されている操作手段の操作状態と異なる内容の信号を、所定回数(たとえば2回)、連続して受け取ったときに、その操作手段について、その信号が示す状態であると判断して、RAM41cに記憶されている操作手段の操作状態に関する記憶を書き換える処理を行う。たとえば、2回連続してタイマ割込処理(メイン)でスタートスイッチ7からの信号を検出した場合はスタートスイッチ7への操作がされているものとして記憶し、2回連続してタイマ割込処理(メイン)でスタートスイッチ7からの信号を検出されなかった場合はスタートスイッチ7への操作がされていないものとして記憶する。
また、各操作手段の操作状態(操作されているか否かの状態)は、入力ポートごとに記憶するようにしてもよい。このようにすることで、ゲーム処理において、各操作手段の操作状況を確認する処理を実行する場合に、確認しなければならない操作手段が接続されているポートに関する領域の情報だけを確認すればよく、メイン制御部41が確認すべき範囲を狭くすることができ、処理負担を軽減することができる。
また、第1実施形態および第2実施形態において、操作の解除とは、操作手段から信号が来ていた場合に、その操作手段からの信号が来ていないと2回連続して判定したこととしたが、1回判定したことで操作が解除されていないとしてもよい。これは、遊技者の意図に反して操作がされていないという検出結果となったとしても、遊技者に対して不利な結果が生じる可能性が低いことに対して、遊技者の意図に反して操作がされたという検出結果となった場合は遊技者に対して不利な結果が生じる可能性があるからである。具体的には、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作のように、操作されたタイミングに応じて入賞するか否かが決定するため、遊技者の意図しないタイミングで操作されたと検出されると、遊技者が意図しない遊技結果となり、遊技者に不満を与えてしまうおそれがある。そこで、操作されたと判定する場合は、2回連続して信号を検出する必要があるようにし、一方、操作されていないと判定する場合は、1回の検出で判定するようにしてもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態において、操作手段への操作を維持するとは、操作手段への操作を解除することなく操作し続けることとしたが、操作が解除されたものの、解除したことに基づく処理が実行される前に再度その操作が行われた場合は、未だに操作が維持されていると判定するようにしてもよい。たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6について、ゲームが終了した後もそれらに対する操作が維持されていることにより、MAXBETスイッチ6またはスタートスイッチ7への操作が有効に受付けられない場合を考える。この場合に、MAXBETスイッチ6またはスタートスイッチ7への操作を解除したことに基づいて、スタートスイッチ7またはMAXBETスイッチ6への操作が有効になる前に再度操作がされた場合は、操作が維持されていると判断するようにしてもよい。このように判断された場合は、継続してMAXBETスイッチ6またはスタートスイッチ7への操作が有効に受付けられないものとする。
[遊技進行に係る操作手段]
第1実施形態および第2実施形態において、遊技進行に係る操作手段として、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8Rを例に挙げたが、これに限られたものではない。遊技進行に係る操作手段とは、遊技の進行に関する処理を行うメイン制御部41に接続されている操作手段であればよく、たとえば、メダル投入口から投入されたメダルを検出するセンサ、精算スイッチ10を含む。また、賭数として所定枚数ずつ設定することのできるBETスイッチを備えるスロットマシンにおいては、BETスイッチも含む。
[次のゲームの開始について]
第1実施形態および第2実施形態において、最後に操作されたストップスイッチへの操作が解除されたときに、操作が維持されている所定操作手段への操作を解除したことを条件に、所定操作手段を操作したことに基づく所定処理を実行可能とした。しかし、所定操作手段への操作が維持されている場合には、次ゲームに関する処理が開始されないようにしてもよい。具体的には、BET処理を開始しないようにしてもよい。このようにすることで、一つ一つの遊技に区切りをつけることができる。
また、最後に操作されたストップスイッチへの操作が解除されたときに、操作が継続されている所定操作手段が複数あるときは、それら全ての操作が解除されなければ、各操作手段を操作したことに基づく処理の実行を禁止するようにしてもよい。具体的には、第1実施形態において、MAXBETスイッチ6およびスタートスイッチ7の操作が維持されている場合に、MAXBETスイッチ6およびスタートスイッチ7への操作を解除したことを条件にBET処理を実行可能としてもよい。なお、MAXBETスイッチ6への操作が解除されたことだけを要件にBET処理を実行可能としてもよい。
[スロットマシンの変形例について]
第1実施形態および第2実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
[リールについて]
第1実施形態および第2実施形態では、可変表示部を変動表示させるための賭数を設定するために操作される賭数操作手段への操作が維持されているときに、賭数が設定された状態で可変表示部を変動表示させるために操作される開始操作手段への操作が可能なスロットマシンの一例として、複数のリール2L,2C,2Rを備えるスロットマシンについて説明した。
また、第1実施形態および第2実施形態では、可変表示部を変動表示させるための賭数が設定された状態で可変表示部を変動表示させるために操作される開始操作手段への操作が維持されているときに、可変表示部が変動表示している状態で当該変動表示を停止させて表示結果を導出させるために操作される導出操作手段への操作が可能であるスロットマシンの一例として、複数のリール2L,2C,2Rを備えるスロットマシンについて説明した。
しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施の形態および変形例のまとめ]
上記実施の形態および変形例に記載した遊技機は、以下のような構成を備えるものである。
[第1の構成]
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
前記複数の可変表示部のそれぞれに表示結果を導出させるために操作される複数の導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8R)と、
前記複数の導出操作手段の操作に応じて表示結果組合せを導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、停止制御を行うメイン制御部41)と、
前記導出制御手段が導出させた表示結果組合せに応じて特定制御を行う特定制御手段(たとえば、入賞判定処理におけるS43以降の処理を行うメイン制御部41)とを備え、
前記導出制御手段は、前記複数の可変表示部の表示結果組合せを導出させるための前記導出操作手段への最後の操作が行われたときに、当該導出操作手段以外の導出操作手段への操作が維持された状態であるか否かに関わらず、前記導出操作手段への最後の操作に応じて表示結果組合せを導出させる制御を行い(たとえば、図20に示すように、t7からt8において、右ストップスイッチ8Rが操作されたときに、左ストップスイッチ8Lおよび中ストップスイッチ8Cへの操作が維持されていても、右ストップスイッチ8Rを操作したことに基づく停止制御を行う)、
前記特定制御手段は、前記導出操作手段への最後の操作が維持されているときには前記特定制御を行わない一方で、当該導出操作手段への最後の操作が解除されたときには前記特定制御を行うことが可能である(たとえば、図20に示すように、t7からt9において、右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されるまで遊技補助表示器12の更新が行われず、右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されたときに遊技補助表示器12の更新が行われる)。
このような構成によれば、導出操作手段への最後の操作が維持されている間では、導出された表示結果組合せを遊技者に確認させることができるため、特定制御が行われることで遊技者が表示結果組合せを十分に確認できないといった不都合を生じさせることがない。これにより、遊技の区切りをつけながら遊技者に遊技させることができる。
(2) 上記(1)に記載のスロットマシンにおいて、
前記導出操作手段の操作態様を特定可能な特定情報(たとえば、ナビ番号)を含む情報を表示する情報表示手段(たとえば、遊技補助表示器12)をさらに備え、
前記特定制御とは、前記導出制御手段が導出させた表示結果組合せに応じて前記情報表示手段によって表示された前記特定情報を更新するための制御である。
このような構成によれば、導出操作手段への最後の操作が維持されている間では、導出された表示結果組合せを遊技者に確認させることができるため、特定制御が行われることで遊技者が表示結果組合せを十分に確認できないといった不都合を生じさせることがない。これにより、遊技の区切りをつけながら遊技者に遊技させることができる。
(3) 上記(2)に記載のスロットマシンにおいて、
前記特定制御は、前記情報表示手段に前記特定情報の表示を消去させることで当該情報表示手段による表示を初期状態とする制御である(たとえば、図18に示す、遊技補助表示器更新処理のS570)。
このような構成によれば、情報表示手段によって表示された特定情報が更新されたことを遊技者に分かり易くさせることができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のスロットマシンにおいて、
前記特定制御手段は、前記導出操作手段への最後の操作が解除されたとしても、当該最後の操作に対応する前記導出操作手段以外の遊技進行に係る操作手段への操作が維持されているときには前記特定制御を行わない(たとえば、図23に示すように、t2からt3において、右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されたとしても、スタートスイッチ7、左ストップスイッチ8Lおよび右ストップスイッチ8Rへの操作が維持されているときは遊技補助表示器12の表示は更新されない)。
このような構成によれば、導出操作手段への最後の操作が解除されたときに特定制御が行われるか否かを手掛かりに、最後の操作に対応する導出操作手段以外の遊技進行に係る操作手段への操作が維持されているか否かを遊技者に判別させることができる。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のスロットマシンにおいて、
前記特定制御手段は、前記導出操作手段への最後の操作が解除されたとしても、当該最後の操作に対応する前記導出操作手段以外の遊技進行に係る操作手段のうち、一の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7、最後に操作されたストップスイッチ以外のストップスイッチ)への操作が維持されているときには前記特定制御を行わない一方で、他の操作手段(たとえば、MAXBETスイッチ6)への操作が維持されているときには当該特定制御を行う(たとえば、図23に示すように、t2からt4において、右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されたとしても、スタートスイッチ7、左ストップスイッチ8Lおよび右ストップスイッチ8Rへの操作が維持されているときは遊技補助表示器12の表示は更新されないものの、MAXBETスイッチ6への操作が維持されていても遊技補助表示器12の表示は更新される)。
このような構成によれば、導出操作手段への最後の操作が解除されたときに特定制御が行われるか否かを手掛かりに、最後の操作に対応する導出操作手段以外の遊技進行に係る操作手段のうち、一の操作手段への操作が維持されているか否かを遊技者に判別させることができる。
(6)上記(5)に記載のスロットマシンにおいて、
前記一の操作手段は、前記導出操作手段、および当該導出操作手段が配置された面と同じ面上に配置された操作手段のうちの少なくともいずれか一方であり(たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8Rと同じ垂直面1d上に配置されたスタートスイッチ7)、
前記他の操作手段は、前記導出操作手段が配置された面と異なる面上に配置された操作手段である(たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8Rが配置された垂直面1dとは異なる上面1cに配置されたMAXBETスイッチ6)。
このような構成によれば、最後の操作に対応する導出操作手段と重複して操作が維持される虞のある一の操作手段が、遊技者の意思に反して操作されていた場合であっても、導出操作手段への最後の操作が解除されたときに特定制御が行われるか否かを手掛かりに、一の操作手段への操作が維持されているか否かを遊技者に判別させることができる。
(7) 上記(5)または(6)に記載のスロットマシンにおいて、
前記一の操作手段への操作を検出するためのポートは、前記最後の操作に対応する前記導出操作手段への操作を検出するためのポートと同じであり(ストップスイッチ8L,8C,8Rとスタートスイッチ7とは同じ第2入力ポートに接続されている)、
前記他の操作手段への操作を検出するためのポートは、前記最後の操作に対応する前記導出操作手段への操作を検出するためのポートと異なる(MAXBETスイッチ6はストップスイッチ8L,8C,8Rとは異なる第1入力ポートに接続されている)。
このような構成によれば、一の操作手段への操作を検出するためのポートは、他の操作手段への操作を検出するためのポートと異なり、最後の操作に対応する導出操作手段への操作を検出するためのポートと同じであるため、一の操作手段への操作と最後の操作に対応する導出操作手段への操作とで、検出処理を共通化することができる。
(8) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載のスロットマシンにおいて、
前記特定制御手段は、最後の操作に対応する前記導出操作手段以外の遊技進行に係る操作手段への所定操作(たとえば、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7への操作)が維持されていても、当該導出操作手段への最後の操作が解除されたときに前記特定制御を行う(たとえば、図16および図17に示すように、入賞役を特定する処理(S43)、メダル払出処理、クレジット表示器更新処理、および遊技補助表示器更新処理を開始するか否かは、スタートスイッチ7や最後に押されたストップスイッチ以外のストップスイッチへの操作が解除されたか否かによっては判断されない)。
このような構成によれば、特定制御が行われるか否かについて、所定操作が維持されているかを判断することなく判定することができるため、特定制御を行うか否かの判定処理の負担を軽減することができる。
(9) 上記(8)に記載のスロットマシンにおいて、
前記所定操作に対応する所定制御を行う所定制御手段(たとえば、スタートスイッチ7への操作を契機としてリール回転処理を行うメイン制御部41)をさらに備え、
前記所定制御手段は、前記所定操作が維持されかつ当該導出操作手段への最後の操作が解除されたときに前記特定制御が行われた場合において、当該特定制御が終了したときには、当該所定操作が解除されたことを条件に、前記所定制御を行う(図20に示すように、t2〜t13において、スタートスイッチ7への操作が維持されたまま、t9で右ストップスイッチ8Rへの操作が解除されて、遊技補助表示器12の表示が更新されたときは、t13で一度スタートスイッチ7への操作が解除された後、t14で再度操作されたことによりリール2L,2C,2Rの回転が始まる)。
このような構成によれば、遊技者の意思によって所定操作が解除されたことを条件に所定制御を行うことができる。
(10) 上記(1)から(9)のいずれかに記載のスロットマシンにおいて、
変動表示を停止させるための前記導出操作手段への操作を検出する検出手段(たとえば、スイッチ検出処理を実行するメイン制御部41)をさらに備え、
前記特定制御手段は、
前記検出手段によって前記導出操作手段への最後の操作が検出されている状態であれば、当該導出操作手段への最後の操作が維持されていると判断し(図16のS40、S41A〜41Cにおいて、スイッチ検出処理によって第1入力ポート511aを介して最後に操作されたストップスイッチからの信号が検出されてON状態であると判断されたた場合は、そのストップスイッチへの操作は維持されているものと判断する)、
前記検出手段によって前記導出操作手段への最後の操作が検出されている状態から当該導出操作手段への最後の操作が検出されていない状態へと変化すれば、当該導出操作手段への最後の操作が解除されたと判断する(図16のS41A〜41Cにおいて、スイッチ検出処理によって第1入力ポート511aを介して最後に操作されたストップスイッチからの信号が検出されずにOFF状態であると2回連続して判断された場合は、そのストップスイッチへの操作は解除されたものと判断する)。
このような構成によれば、導出操作手段への最後の操作が維持されている間では、導出された表示結果組合せを遊技者に確認させることができるため、特定制御が行われることで遊技者が表示結果組合せを十分に確認できないといった不都合を生じさせることがない。これにより、遊技の区切りをつけながら遊技者に遊技させることができる。
(11) 上記(1)から(10)のいずれかに記載のスロットマシンにおいて、
前記特定制御手段は、前記導出操作手段への最後の操作が解除されたとしても、未だ前記複数の可変表示部の表示結果組合せが導出されていないときには前記特定制御を行わない(図16のS42においてNOの場合は、入賞役を特定する処理(S43)、メダル払出処理、クレジット表示器更新処理、遊技補助表示器更新処理は実行されない)。
このような構成によれば、複数の可変表示部の表示結果組合せが導出されていないときに特定制御が行われてしまうことを防止することができる。
(12) 上記(1)〜(11)のいずれかに記載のスロットマシンにおいて、
遊技者所有の遊技用価値を記憶する遊技用価値記憶手段(たとえば、メイン制御部41のRAM41c)と、
前記遊技用価値記憶手段に記憶された遊技用価値を精算するための精算操作を受付可能な精算受付手段(たとえば、精算スイッチ10)とをさらに備え、
前記精算受付手段は、前記導出操作手段への最後の操作が解除されたとしても、前記特定制御が行われている間では前記精算操作を有効に受け付けず、当該特定制御が終了した後に当該精算操作を有効に受け付ける(たとえば、払出処理が終わったあとのゲーム終了時処理において、精算スイッチ10への操作を有効にする処理を行う)。
このような構成によれば、遊技用価値を精算するための制御と、特定制御とが重複して行われてしまうことを防止することができる。
なお、[第1の構成]欄に記載された各スロットマシンは、[第2の構成]および[第3の構成]欄に記載された各スロットマシンが備える構成を備えていてもよい。
[第2の構成]
また、上記実施の形態および変形例に記載した遊技機は、以下のような構成を備えるものでもある。
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
前記可変表示部を変動表示させるための賭数を設定するために操作される賭数操作手段(たとえば、MAXBETスイッチ6)と、
賭数が設定された状態で前記可変表示部を変動表示させるために操作される開始操作手段(たとえば、スタートスイッチ7)とを備え、
前記賭数操作手段への操作が維持されているときに、前記開始操作手段への操作が可能である(たとえば、図20に示すように、t2において、MAXBETスイッチ6への操作が維持された状態のまま、スタートスイッチ7への操作が可能である)。
このような構成によれば、賭数操作手段への操作が維持されているときに開始操作手段を操作した場合であっても可変表示部を変動表示させることができるため、開始操作手段に対する遊技者の操作の利便性を向上させることができる。
(2) 上記(1)に記載のスロットマシンにおいて、
前記賭数操作手段と、前記開始操作手段とは、互いに異なる面上に配置されている(たとえば、図1に示すようにMAXBETスイッチ6は前面扉1bの上面1cに設けられており、スタートスイッチ7は垂直面1dに設けられている)。
このような構成によれば、互いに異なる面上に配置されている2つの操作手段を同時に操作することができるため、遊技者の操作の利便性を向上させることができる。
なお、[第2の構成]欄に記載された各スロットマシンは、[第1の構成]および[第3の構成]欄に記載された各スロットマシンが備える構成を備えていてもよい。
[第3の構成]
また、上記実施の形態および変形例に記載した遊技機は、以下のような構成を備えるものでもある。
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
前記可変表示部を変動表示させるための賭数が設定された状態で当該可変表示部を変動表示させるために操作される開始操作手段(たとえば、スタートスイッチ7)と、
前記可変表示部が変動表示している状態で当該変動表示を停止させて表示結果を導出させるために操作される導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8R)とを備え、
前記開始操作手段への操作が維持されているときに前記導出操作手段への操作が可能である(たとえば、図20に示すように、t3において、スタートスイッチ7への操作が維持された状態のまま、左ストップスイッチ8Lへの操作が可能である)。
このような構成によれば、開始操作手段への操作が維持されているときに導出操作手段を操作した場合であっても変動表示を停止させることができるため、導出操作手段に対する遊技者の操作の利便性を向上させることができる。
(2) 上記(1)に記載のスロットマシンにおいて、
前記開始操作手段の操作方向と、前記導出操作手段の操作方向とは、互いに異なる(たとえば、スタートスイッチ7の操作方向は、垂直面1dに対して平行となる方向である。一方、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作方向は、垂直面1dに対して垂直となる方向である)。
このような構成によれば、操作方向が互いに異なる2つの操作手段を同時に操作することができるため、遊技者の操作の利便性を向上させることができる。
なお、[第3の構成]欄に記載された各スロットマシンは、[第1の構成]および[第2の構成]欄に記載された各スロットマシンが備える構成を備えていてもよい。