JP6595294B2 - イコライザ機構付き懸架装置 - Google Patents
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Description
このイコライザ機構付き懸架装置において、イコライザ機構を、車体に固定されたイコライザブラケットと、イコライザブラケットの中央部位置に設けられた第1ピンを中心軸として揺動可能に支持されたイコライザリンクと、イコライザリンクの両端部の位置に設けられた第2ピンを中心軸として回動可能に支持されたシャックルと、により構成する。
第2ピンの位置に、リーフスプリングの端部領域の上面に接触可能な第1スプリング接触部材を設ける。
シャックルのうち、第1スプリング接触部材と対向する位置に、リーフスプリングの端部領域の下面に接触可能な第2スプリング接触部材を設ける。
リーフスプリングの端部を、第1スプリング接触部材と第2スプリング接触部材との間に挟持状態によりスライド支持すると共に、リーフスプリングのシャックルに対するスライド量を、リーフスプリングがシャックルから外れない位置までに規制するスプリング外れ止め機構を設ける。
第1スプリング接触部材を、リーフスプリングの端部領域の上面を転動しながら接触支持するスプリング接触支持ローラとする。
第2スプリング接触部材を、リーフスプリングの端部領域の下面に接触すると共に、スプリング接触支持ローラと対向する位置に車両前後方向に離れて配置した一対のスプリング接触ロッドとする。
リーフスプリングの端部領域を、スプリング接触支持ローラと一対のスプリング接触ロッドとの間に3点支持状態としてスライド支持する。
また、シャックルとリーフスプリングの端部とは相対動きを拘束した挟持状態でスライド支持される。このため、リーフスプリングの端部がシャックルから外れる方向にスライド移動したとき、スプリング外れ止め機構によってリーフスプリングがシャックルから外れない位置までに規制される。
この結果、サスペンションストロークのロングストローク化と、リーフスプリングのイコライザ機構からの外れ防止と、の両立を図ることができる。
加えて、リーフスプリングの端部領域が、スプリング接触支持ローラと一対のスプリング接触ロッドとの間に3点支持状態としてスライド支持される。このため、リーフスプリングの端部領域が、2点支持状態にした場合に比べ、傾動を抑えた安定したスライド支持姿勢となり、リーフスプリングのスムーズなスライド性とシャックルの回動性を共に確保することができる。
実施例1におけるイコライザ機構付き懸架装置は、土砂等の重量物を運搬するトラクタ&トレーラ車のトレーラ懸架装置として適用したものである。以下、実施例1のイコライザ機構付き懸架装置の構成を、「全体構成」、「イコライザ機構の詳細構成」に分けて説明する。なお、以下の説明において、常用荷重時のタイヤ接地状態をノーマル状態という。また、タイヤがノーマル状態からフルバウンド状態に向かって動くストロークを「バウンドストローク」といい、タイヤがノーマル状態からフルリバウンド状態に向かって動くストロークを「リバウンドストローク」という。
図1は、トラクタ&トレーラ車のトレーラ懸架装置として適用された実施例1のイコライザ機構付き懸架装置のノーマル状態を示す。以下、図1に基づき、全体構成を説明する。
図2は、実施例1のイコライザ機構付き懸架装置を示し、図3及び図4は、イコライザ機構4の詳細構成を示す側面図及び正面図である。以下、図2〜図4に基づき、イコライザ機構4の詳細構成を説明する。
即ち、リーフスプリング32の端部領域32’,32’のそれぞれは、スプリング接触支持ローラ8と一対のスプリング接触ロッド9,9との間に3点支持状態としてスライド支持される。なお、スプリング接触支持ローラ8にて荷重を支持しているノーマル状態では、リーフスプリング32の端部領域32’と一対のスプリング接触ロッド9,9との間に、リーフスプリング32の円滑なスライド移動を確保する僅かな隙間を介在させる。
実施例1のイコライザ機構付き懸架装置における作用を、[凹凸路走行時におけるタイヤ接地作用]、[登坂路走行時におけるタイヤ接地作用]、[イコライザ機構付き懸架装置の特徴作用]に分けて説明する。
以下、凹凸路走行時におけるタイヤ接地作用を、図5〜図8に基づき説明する。
凹凸路走行中、第2タイヤ12が凸部に乗り上げると、図5に示すように、第2タイヤ12がバウンドストロークし、第1タイヤ11と第3タイヤ13がリバンドストロークし、3つのタイヤ11,12,13の接地性が確保される。
これに対し、第2タイヤ12が凸部に乗り上げたフルバウンド状態であっても、凹部に落ち込んだフルリバウンド状態であっても、第2タイヤ12の接地性を確保しながら水平状態に保たれた第2リーフスプリング32に弾性支持される。よって、実施例1のイコライザ機構付き懸架装置によるサスペンションストロークのロングストローク化により、凹凸路走行中、3つのタイヤ11,12,13の接地性が確保される。
以下、登坂路走行時におけるタイヤ接地作用を、図9及び図10に基づき説明する。
登坂路走行中は、図9に示すように、第1タイヤ11がバウンドストロークし、第2タイヤ12がほぼノーマル状態のままで、第3タイヤ13がリバンドストロークし、3つのタイヤ11,12,13の接地性が確保される。
実施例1では、リーフスプリング3の端部を、スプリング接触支持ローラ8とスプリング接触ロッド9との間に挟持状態によりスライド支持すると共に、リーフスプリング3のシャックル43に対するスライド量を、リーフスプリング3がシャックル43から外れない位置までに規制するスプリング外れ止め機構Sを設ける構成とした。
即ち、イコライザ機構4として、イコライザリンク42の両端部の位置に連結されるシャックル43が加えられ、リーフスプリング3の端部をスライド支持する機能を受け持つリンク部材が、イコライザリンク42ではなくてシャックル43になる。このため、イコライザリンク42が揺動すると、イコライザリンク42に対してリーフスプリング3の端部がスライド支持されたシャックル43が回動する。よって、イコライザリンク42とリーフスプリング3の間で許容される折れ角度が、シャックル43の追加により拡大され、許容されるイコライザリンク42の揺動角度範囲により決まるサスペンションストロークのロングストローク化が達成される。
また、シャックル43とリーフスプリング3の端部とは相対動きを拘束した挟持状態でスライド支持される。このため、リーフスプリング3の端部がシャックル43から外れる方向にスライド移動したとき、スプリング外れ止め機構Sによってリーフスプリング3がシャックル43から外れない位置までに規制される。
この結果、サスペンションストロークのロングストローク化と、リーフスプリング3のイコライザ機構4からの外れ防止と、の両立が図られる。
即ち、リーフスプリング3の端部領域3’を、上下の2点支持状態とすると、リーフスプリング3の傾きが拘束されず、リーフスプリング3に加わる力の方向に応じて傾動する。このため、リーフスプリング3のスライド性が低下すると共に、リーフスプリング3の傾きに追従するシャックル43の回動性が確保されない。
これに対し、リーフスプリング3の端部領域3’を3点支持状態にしたことで、2点支持状態にした場合に比べ、傾動を抑えた安定したスライド支持姿勢となり、リーフスプリング3のスムーズなスライド性とシャックル43の回動性が共に確保される。
従って、スプリング側外れ止め部材やシャックル側外れ止め部材として、新たな部品追加を要さず、低コストにてリーフスプリング3とシャックル43との間にスプリング外れ止め機構Sが設定される。
即ち、第2リーフスプリング32の両端部が、サスペンションストロークのロングストローク化を図ったイコライザ機構4を介して車体に支持されることになる。
従って、中間位置の第2タイヤ12について、サスペンションストロークのロングストローク化が最大限に発揮され、凹凸路や傾斜路等の様々な路面に対してタイヤ接地性が確保される。
実施例1のイコライザ機構付き懸架装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
イコライザ機構4を、車体に固定されたイコライザブラケット41と、イコライザブラケット41の中央部位置に設けられた第1ピン44を中心軸として揺動可能に支持されたイコライザリンク42と、イコライザリンク42の両端部の位置に設けられた第2ピン45を中心軸として回動可能に支持されたシャックル43と、により構成し、
第2ピン45の位置に、リーフスプリング3の端部領域3’の上面3aに接触可能な第1スプリング接触部材(スプリング接触支持ローラ8)を設け、
シャックル43のうち、第1スプリング接触部材と対向する位置に、リーフスプリング3の端部領域3’の下面3bに接触可能な第2スプリング接触部材(スプリング接触ロッド9)を設け、
リーフスプリング3の端部を、第1スプリング接触部材と第2スプリング接触部材との間に挟持状態によりスライド支持すると共に、リーフスプリング3のシャックル43に対するスライド量を、リーフスプリング3がシャックル43から外れない位置までに規制するスプリング外れ止め機構Sを設ける。
このため、サスペンションストロークのロングストローク化と、リーフスプリング3のイコライザ機構4からの外れ防止と、の両立を図ることができる。
第2スプリング接触部材を、リーフスプリング3の端部領域3’の下面3bに接触すると共に、スプリング接触支持ローラ8と対向する位置に車両前後方向に離れて配置した一対のスプリング接触ロッド9,9とし、
リーフスプリング3の端部領域3’を、スプリング接触支持ローラ8と一対のスプリング接触ロッド9,9との間に3点支持状態としてスライド支持する。
このため、(1)の効果に加え、リーフスプリング3の端部領域3’が、2点支持状態にした場合に比べ、傾動を抑えた安定したスライド支持姿勢となり、リーフスプリング3のスムーズなスライド性とシャックル43の回動性を共に確保することができる。
スプリング側外れ止め部材を、リーフスプリング3を構成する複数の板バネ要素のうち、端部領域の最下部に配置される板バネ要素の端部を半円弧状に屈曲させた円弧状ストッパ部3cとし、
シャックル側外れ止め部材を、スプリング接触ロッド9とする。
このため、(2)の効果に加え、新たな部品追加を要さず、低コストにてリーフスプリング3とシャックル43との間にスプリング外れ止め機構Sを設定することができる。
タイヤ1のうち、車両前後位置のタイヤ11,13を除いた中間位置のタイヤ(第2タイヤ12)を弾性支持するリーフスプリング3のスプリング両端部を、シャックル43及びイコライザリンク42を介してイコライザブラケット41に支持する。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、中間位置のタイヤ(第2タイヤ12)について、サスペンションストロークのロングストローク化が最大限に発揮され、凹凸路や傾斜路等の様々な路面に対してタイヤ接地性を確保することができる。
11 第1タイヤ
12 第2タイヤ
13 第3タイヤ
2 車軸
3 リーフスプリング
3’ 端部領域
3a 上面
3b 下面
3c 円弧状ストッパ部(スプリング側外れ止め部材)
4 イコライザ機構
41 イコライザブラケット
42 イコライザリンク
43 シャックル
44 第1ピン
45 第2ピン
5 シャシフレーム(車体)
61F,61R シャックル
62F 前側ブラケット(車体側ブラケット)
62R 後側ブラケット(車体側ブラケット)
8 スプリング接触支持ローラ(第1スプリング接触部材)
9 スプリング接触ロッド(第2スプリング接触部材、シャックル側外れ止め部材)
S スプリング外れ止め機構
Claims (3)
- 左右にタイヤを装着した車軸を弾性支持するリーフスプリングが、イコライザ機構を介して車体に支持されるイコライザ機構付き懸架装置において、
前記イコライザ機構を、前記車体に固定されたイコライザブラケットと、前記イコライザブラケットの中央部位置に設けられた第1ピンを中心軸として揺動可能に支持されたイコライザリンクと、前記イコライザリンクの両端部の位置に設けられた第2ピンを中心軸として回動可能に支持されたシャックルと、により構成し、
前記第2ピンの位置に、前記リーフスプリングの端部領域の上面に接触可能な第1スプリング接触部材を設け、
前記シャックルのうち、前記第1スプリング接触部材と対向する位置に、前記リーフスプリングの端部領域の下面に接触可能な第2スプリング接触部材を設け、
前記リーフスプリングの端部を、前記第1スプリング接触部材と前記第2スプリング接触部材との間に挟持状態によりスライド支持すると共に、前記リーフスプリングの前記シャックルに対するスライド量を、前記リーフスプリングが前記シャックルから外れない位置までに規制するスプリング外れ止め機構を設け、
前記第1スプリング接触部材を、前記リーフスプリングの端部領域の上面を転動しながら接触支持するスプリング接触支持ローラとし、
前記第2スプリング接触部材を、前記リーフスプリングの端部領域の下面に接触すると共に、前記スプリング接触支持ローラと対向する位置に車両前後方向に離れて配置した一対のスプリング接触ロッドとし、
前記リーフスプリングの端部領域を、前記スプリング接触支持ローラと前記一対のスプリング接触ロッドとの間に3点支持状態としてスライド支持する
ことを特徴とするイコライザ機構付き懸架装置。 - 請求項1に記載されたイコライザ機構付き懸架装置において、
前記スプリング外れ止め機構は、スプリング側外れ止め部材とシャックル側外れ止め部材を有し、
前記スプリング側外れ止め部材を、前記リーフスプリングを構成する複数の板バネ要素のうち、端部領域の最下部に配置される板バネ要素の端部を半円弧状に屈曲させた円弧状ストッパ部とし、
前記シャックル側外れ止め部材を、前記スプリング接触ロッドとする
ことを特徴とするイコライザ機構付き懸架装置。 - 請求項1又は2に記載されたイコライザ機構付き懸架装置において、
前記タイヤは、前記リーフスプリングの中央部に固定された車軸に装着され、側面視で車両前後方向に3個以上連なって設けられ、
前記タイヤのうち、車両前後位置のタイヤを除いた中間位置のタイヤを弾性支持する前記リーフスプリングのスプリング両端部を、シャックル及びイコライザリンクを介して前記イコライザブラケットに支持する
ことを特徴とするイコライザ機構付き懸架装置。
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