JP6589779B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。
特開2004−81853号公報
ところで、このよう遊技機では、遊技の幅を広げることで遊技者の遊技への関心を向上させることが望まれている。
本発明は上記点に鑑み、遊技者の遊技への関心を良好に高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の遊技機は、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する前記遊技球が入球可能な第1始動入球部と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する前記遊技球が入球可能な第2始動入球部と、前記第1始動入球部に前記遊技球が入球したことに基づいて第1特別情報を取得可能であり、前記第2始動入球部に前記遊技球が入球したことに基づいて第2特別情報を取得することが可能な情報取得手段と、その情報取得手段が取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報を、規定数を上限として記憶可能な取得情報記憶手段と、その取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行可能な付与判定手段と、その付与判定手段による前記付与判定の結果が、判定対象の前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記当否情報群に対応しているとする付与対応結果である場合に遊技者に特典遊技を付与可能な特典付与手段と、を備え、前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に前記第1特別情報および前記第2特別情報が共に記憶されている場合には、前記第2特別情報の前記付与判定を前記第1特別情報の前記付与判定よりも優先して実行可能であり、前記第2特別情報が前記付与対応結果である場合のほうが、前記第1特別情報が前記付与対応結果である場合よりも、遊技者にとって有利な前記特典遊技が付与され易いものであり、前記発射手段から発射された遊技球が入球可能な第1特典遊技始動入球部および第2特典遊技始動入球部を有し、前記特典付与手段は、前記付与判定の結果が前記付与対応結果となった後に、第1特典遊技始動入球部、または前記第2特典遊技始動入球部に前記遊技球が入球することで前記特典遊技を付与可能であり、前記第1特典遊技始動入球部および前記第2特典遊技始動入球部は、遊技者が前記第2特典遊技始動入球部に入球するように前記遊技球を発射した場合の方が、遊技者が前記第1特典遊技始動入球部に入球するように前記遊技球を発射した場合より、発射した前記遊技球の総数に対する入球率が高くなるように備えられ、前記第1特典遊技始動入球部は、前記第2始動入球部の上部に直列して配置され、前記第1特典遊技始動入球部を入球した遊技球が、前記第2始動入球部に入球するように配置されており、前記遊技機は、前記取得情報記憶手段に前記規定数の前記第2特別情報が記憶されている状態で、前記付与対応結果となった場合に、前記第2特典遊技始動入球部へ遊技球を入球させることを示唆するための示唆演出が実行されるものである
本発明の遊技機によれば、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する前記遊技球が入球可能な第1始動入球部と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する前記遊技球が入球可能な第2始動入球部と、前記第1始動入球部に前記遊技球が入球したことに基づいて第1特別情報を取得可能であり、前記第2始動入球部に前記遊技球が入球したことに基づいて第2特別情報を取得することが可能な情報取得手段と、その情報取得手段が取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報を、規定数を上限として記憶可能な取得情報記憶手段と、その取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行可能な付与判定手段と、その付与判定手段による前記付与判定の結果が、判定対象の前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記当否情報群に対応しているとする付与対応結果である場合に遊技者に特典遊技を付与可能な特典付与手段と、を備え、前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に前記第1特別情報および前記第2特別情報が共に記憶されている場合には、前記第2特別情報の前記付与判定を前記第1特別情報の前記付与判定よりも優先して実行可能であり、前記第2特別情報が前記付与対応結果である場合のほうが、前記第1特別情報が前記付与対応結果である場合よりも、遊技者にとって有利な前記特典遊技が付与され易いものであり、前記発射手段から発射された遊技球が入球可能な第1特典遊技始動入球部および第2特典遊技始動入球部を有し、前記特典付与手段は、前記付与判定の結果が前記付与対応結果となった後に、第1特典遊技始動入球部、または前記第2特典遊技始動入球部に前記遊技球が入球することで前記特典遊技を付与可能であり、前記第1特典遊技始動入球部および前記第2特典遊技始動入球部は、遊技者が前記第2特典遊技始動入球部に入球するように前記遊技球を発射した場合の方が、遊技者が前記第1特典遊技始動入球部に入球するように前記遊技球を発射した場合より、発射した前記遊技球の総数に対する入球率が高くなるように備えられ、前記第1特典遊技始動入球部は、前記第2始動入球部の上部に直列して配置され、前記第1特典遊技始動入球部を入球した遊技球が、前記第2始動入球部に入球するように配置されており、前記遊技機は、前記取得情報記憶手段に前記規定数の前記第2特別情報が記憶されている状態で、前記付与対応結果となった場合に、前記第2特典遊技始動入球部へ遊技球を入球させることを示唆するための示唆演出が実行されるものであるよって、遊技者の遊技への関心を良好に高めることができるという効果がある。
本発明の第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の主要な構成部分を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成部分を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成部分を示す斜視図である。 パチンコ機における遊技盤の正面図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。 図柄表示装置の表示画面における図柄を説明するための図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機における全体の電気的構成を示す図である。 主に主制御装置の電気的構成を示す図である。 主に音声ランプ制御装置および表示制御装置の電気的構成を示す図である。 当否抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 第1保留エリアの構成を示す図である。 特別図柄当否テーブル記憶エリアを説明するための図であり、(a)は低確率モード用の特別図柄当否テーブルを示し、(b)は高確率モード用の特別図柄当否テーブルを示している。 振分テーブル記憶エリアを説明するための図であり、(a)は第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)を示し、(b)は第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)を示している。 主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される保留情報の取得処理を示すフローチャートである。 特図特電アドレステーブルを説明するための図である。 主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるデータ設定処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図変動中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図確定中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるラウンド用の設定処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電開放中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電閉鎖中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電終了処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される普図普電制御処理を示すフローチャートである。 普図普電アドレステーブルを説明するための図である。 主側MPUにて実行されるデモ表示用処理を示すフローチャートである。 音声側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 音声側MPUにて実行される主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。 図34に続く主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。 表示側MPUにて実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。 表示側MPUにて実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。 図柄表示装置に表示されるオープニング画像を示す図である。 表示側MPUにて実行される別対応処理を示すフローチャートである。 表示側MPUにて実行されるタスク処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態の変形例における遊技盤の正面図である。 本発明の第2実施形態における遊技盤の正面図である。 本発明の第2実施形態における受動振分ユニット近傍の拡大図である。 本発明の第2実施形態における受動振分ユニットの遊技球の振分動作を示す図である。 本発明の第3実施形態における遊技盤の正面図である。 本発明の第3実施形態における主に主制御装置の電気的構成を示す図である。 本発明の第3実施形態における図柄表示装置に表示されるオープニング画像を示す図である。 本発明の第4実施形態における遊技盤の正面図である。 本発明の第4実施形態における第2始動口、排出通路、および第2可変入賞装置始動ゲートの配置関係を示す模式図である。 本発明の第4実施形態における特別図柄の表示態様、電動役物の開放抽選モード、可変入賞装置始動ゲートの有効期間、および遊技球の関係を示すタイミングチャートである。 本発明の第5実施形態における主に主制御装置の電気的構成を示す図である。 本発明の第5実施形態における主側MPUが実行する保留情報の取得処理を示すフローチャートである。 本発明の第5実施形態における主側MPUが実行する変動表示時間の把握処理を示すフローチャートである。 本発明の第5実施形態における主側MPUが実行する特図確定中処理を示すフローチャートである。 本発明の第5実施形態における図柄表示装置に表示される特殊オープニング画像を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下では、単にパチンコ機という)10に適用した例について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図、図2、図3はパチンコ機10の主要な構成部分を展開した斜視図、図4はパチンコ機10の主要な構成部分を示す斜視図、図5はパチンコ機10における遊技盤43の正面図である。
図1に示されるように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わされた木枠によって外殻が形成された外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され、外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを備えている。外枠11は、木製の板材を四辺に連結して構成されるものであって矩形枠状をなしている。そして、パチンコ機10は、外枠11を遊技ホールにおける島設備に取り付け固定されることによって遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2および図3に示されるように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。そして、遊技機本体12のうちの内枠13が外枠11に対して回動(開閉)可能に支持されている。
前扉枠14は、図2に示されるように、正面視で左側(回動中心に対して一端側の固定端側)を回動基端側とすると共に右側(回動中心に対して他端側の開放端側)を回動先端側として前方へ回動可能となるように内枠13に支持されている。裏パックユニット15は、図3に示されるように、正面視で左側を回動基端側とすると共に右側を回動先端側として後方へ回動可能となるように内枠13に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2および図3に示されるように、その回動先端側に、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能な施錠状態とすると共に、前扉枠14を内枠13に対して開放不能な施錠状態とする機能を有する施錠装置16が備えられている。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面に露出させて設けられたシリンダ錠17(図1参照)に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
前扉枠14は、図1および図2に示されるように、装飾用の樹脂部品や電気部品等が組みつけられて構成され、略中央部に略矩形状に開口された窓部21が設けられている。そして、前扉枠14の裏面側には無色透明な2枚の板ガラスを有する窓パネル22が配設され、当該窓パネル22を介して後述する遊技盤43の前面(遊技領域)がパチンコ機10の正面側から視認可能となっている。なお、窓パネル22は、板ガラスではなく、合成樹脂によって無色透明に形成されたものを用いてもよい。
また、前扉枠14には、図1および図4に示されるように、窓部21の下方に、当該前扉枠14の前方に張り出した上側膨出部23と下側膨出部24とが上下に並設されている。そして、図4に示されるように、上側膨出部23の内側には、上方に開口した上皿25が設けられており、当該上皿25に遊技球を貯留できるようになっている。また、この上皿25は、開口部における底面が正面視(図1、図4参照)右側に向かって下降傾斜して形成されており、傾斜によって上皿25に投入された(貯留されている)球を後述する遊技球発射機構(発射手段)44へと導く機能を有している。
さらに、上側膨出部23には、上面(上面のうちの開口されていない部分)の略中央部に第1枠ボタン26(操作手段)が備えられており、当該第1枠ボタン26より正面視右側に第2枠ボタン27(操作手段)が備えられている。第1枠ボタン26は、後述する図柄表示装置80において、表示されるステージ(背景)を変更したり、表示されるリーチ演出のチャンスアップ演出や予告キャラクタの演出を表示させたりする場合に操作される。第2枠ボタン27は、後述する音声ランプ制御装置92で制御される音量や光量等を変更する際に遊技者によって操作される。本パチンコ機10では、第1枠ボタン26は上面視略円状とされ、第2枠ボタン27は上面視略十字状とされているが、第1枠ボタン26および第2枠ボタン27の形状は適宜変更可能である。
なお、ステージとは、図柄表示装置80に表示される演出に統一性を持たせる演出(背景)モードのことであり、本パチンコ機10では、「海中ステージ」、「浜辺ステージ」、「街中ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述するリーチ演出等の各種演出は、各ステージに対応したテーマに合わせた演出となるように設定されている。また、ステージの変更は、後述する図柄表示装置80(メイン表示部71)にて変動表示が行われていない期間および変動表示が行われている所定期間に遊技者によって第1枠ボタン26が操作された場合に行われ、第1枠ボタン26が操作される度に、「海中ステージ」→「浜辺ステージ」→「街中ステージ」→「海中ステージ」の順に繰り返し変更される。
また、上側膨出部23には、図4に示されるように、第2枠ボタン27よりも正面視右側に、球貸ボタン28および返却ボタン29が設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸ユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸ボタン28が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン29は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸装置等から上皿25に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸ボタン28および返却ボタン29は不要である。この場合には、球貸ボタン28および返却ボタン29の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしてもよい。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機(CR機)と現金機との共通化を図ることができる。
下側膨出部24の内側には、上皿25と同様に上方に開口し、上皿25に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿30が設けられている。なお、上皿25および下皿30には、裏パックユニット15に設けられている後述する払出装置99から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた排出通路を通じて排出される。
下皿30の正面視右側には、図1および図4に示されるように、遊技球を後述する遊技盤43の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル31が配設されている。この操作ハンドル31の内部には、当該操作ハンドル31が遊技者により触られていることを検知するタッチセンサ31aと、遊技者が操作ハンドル31を回転操作している状況であっても遊技球の発射を停止させるための押しボタン式の打ち止めスイッチ31bと(図1参照)、操作ハンドル31の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示略)とが内蔵されている。そして、操作ハンドル31が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ31aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル31の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で後述する遊技盤43の前面へ遊技球が打ち込まれる。また、操作ハンドル31が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ31aおよび打ち止めスイッチ31bはオフとなっている。
さらに、下皿30の正面下方部には、図1に示されるように、下皿30に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー32が設けられている。この球抜きレバー32は、通常は右方向に配置されており、左方向へスライドさせることによって下皿30の底面に形成された底面口が開口し、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。この球抜きレバー32の操作は、通常、下皿30の下方に当該下皿30から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。
また、前扉枠14には、窓部21の周囲にLED等の発光手段を内蔵した電飾部33が設けられていると共に、窓部21の上方における左右両端部に一対のスピーカ部34が備えられている。本パチンコ機10においては、当たり時やリーチ演出時等には、各電飾部33が点灯または点滅して、当たり中である旨、或いはリーチ中である旨が報知されると共に、スピーカ部34からの音声によって当たり中である旨、或いはリーチ中である旨が報知されることにより、遊技中の演出効果を高める構成となっている。また、電飾部33は、エラー発生時等において点滅するエラーランプとしての機能も発揮するようになっている。さらに、本パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材35が取り付けられている。
内枠13は、図2に示されるように、外形が外枠11とほぼ同一形状とされた樹脂ベース41を主体に構成されており、樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔42が形成されている。そして、樹脂ベース41には、図5に示される遊技盤43が着脱可能に取り付けられていると共に、遊技球を遊技盤43の前面領域に発射する遊技球発射機構44が配設されている。遊技球発射機構44は、樹脂ベース41における窓孔42の下方に取り付けられており、後述する誘導レールに向けて延びる発射レール45と、上皿25に貯留されている遊技球を発射レール45上に供給する球送り装置46と、発射レール45上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータである発射ソレノイド47とを備えている。そして、前扉枠14に設けられた操作ハンドル31が操作されることにより発射ソレノイド47が駆動制御され、遊技球が発射される。
ここで、遊技盤43の構成について図5を参照しつつ具体的に説明する。遊技盤43は、正面視略矩形状に切削加工した樹脂材料で形成されたベース板50の前面に、球案内用の多数の釘51や風車52、内レール53、外レール54、一般入賞口55、第1始動口(第1始動入球部)56、2つの第2始動口(第2始動入球部)57、58、可変入賞装置(可変入賞手段)59、普通図柄始動ゲート60、可変入賞装置始動ゲート(特典遊技始動入球部)61、可変表示装置ユニット62等が組みつけられて構成されている。なお、一般入賞口55、第1始動口56、第2始動口57、58、可変入賞装置59、普通図柄始動ゲート60、可変入賞装置始動ゲート61、可変表示装置ユニット62等は、ルータ加工によってベース板50に形成された貫通穴に配設され、遊技盤43の前面側から木ネジ等により固定されている。本実施形態では、遊技盤43に2つの第2始動口57、58が組みつけられており、第2始動口57と第2始動口58とを明確に区別する場合、第2始動口57を通常第2始動口57とし、第2始動口58を特別第2始動口58として説明する。そして、このような遊技盤43は、前面の中央部分が前扉枠14の窓部21を介して視認することができるように、周辺部が内枠13の裏面側に取り付けられて固定されている。
また、遊技盤43には、一般入賞口55、第1始動口56、通常第2始動口57、特別第2始動口58、可変入賞装置59、普通図柄始動ゲート60、可変入賞装置始動ゲート61のそれぞれに対応させて検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61a(図9参照)が設けられている。そして、一般入賞口55、第1始動口56、通常第2始動口57、特別第2始動口58、可変入賞装置59、普通図柄始動ゲート60、可変入賞装置始動ゲート61への入球が発生すると、対応する検知センサによって入球が検知され、検知結果が後述する主制御装置91に対して出力される。なお、検知センサとしては、例えば、電磁誘導型の近接センサが用いられるが、遊技球の入球を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。
また、一般入賞口55、第1始動口56、通常第2始動口57、特別第2始動口58、および可変入賞装置59への入球の発生が検知されると、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。本実施形態では、一般入賞口55への入球が発生した場合には10個の遊技球の払い出しが実行され、可変入賞装置59への入球が発生した場合には15個の遊技球の払い出しが実行され、第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58への入球が発生した場合には3個の遊技球の払い出しが実行されるようになっている。なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入球に対する賞球個数よりも第1始動口56への入球に対する賞球個数が多くなるようにしてもよい。また、可変入賞装置59への入球に対する賞球個数が他の賞球個数より多い構成に限定されることはなく、例えば、可変入賞装置59への入球に対する賞球個数が一般入賞口55への入球に対する賞球個数よりも少ない構成としてもよい。
内レール53および外レール54は、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して構成されたものであり、当該内レール53および外レール54によって誘導レールが構成されると共に、遊技球発射機構44から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるように、ベース板50に取り付けられている。また、遊技盤43の前面には、正面視において、内レール53の右下側の先端部と外レール54の右上側の先端部との間を繋ぐ樹脂製の繋ぎ部材63が配設されている。なお、遊技領域とは、内レール53、外レール54、および繋ぎ部材63によって囲まれる遊技盤43の前面の領域のことであり、遊技球の挙動によって遊技が行われる領域(発射された遊技球が流下する領域)のことである。
また、内レール53の先端側(図5の左上部)には戻り球防止部材64が取り付けられ、一旦、遊技盤43の上部(遊技領域)へ発射された遊技球が誘導レール(内レール53と外レール54との間の領域)内に戻ってしまうことを抑制することができるようになっている。そして、外レール54の先端部(図5の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム65が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム65に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返されるようになっている。
第1始動口56、通常第2始動口57および特別第2始動口58は、遊技球が入球し得るものであり、第1始動口56は、遊技盤43の正面視下方中央に配設され、通常第2始動口57は遊技盤43の正面視下方右側(第1始動口56の右側)に配設され、特別第2始動口58は、遊技盤43の正面視中央右側に配設されている。そして、第1始動口56に遊技球が入球すると、対応する検知センサ56a(図9参照)によって遊技球の入球が検知される。同様に、通常第2始動口57に遊技球が入球すると、対応する検知センサ57a(図9参照)によって遊技球の入球が検知され、特別第2始動口58に遊技球が入球すると、対応する検知センサ58a(図9参照)によって遊技球の入球が検知される。そして、各検知結果が後述する主制御装置91に対して出力され、当該主制御装置91で特別図柄の当たりか否かの判定(開閉実行モードに移行するか否かの判定)が行われ、抽選結果に応じた表示が後述する図柄表示装置80に示される。
また、通常第2始動口57には、電動役物66が設けられている。この電動役物66は、開閉可能に構成されており、電動役物66が閉鎖状態である場合には、遊技球が通常第2始動口57に入球しない、または入球し難い状態となり、電動役物66が開放状態である場合には、遊技球が通常第2始動口57へ入球し易い状態となっている。
普通図柄始動ゲート(スルーゲート)60は、遊技盤43の正面視中央右側であって、特別第2始動口58の下方に設けられている。そして、普通図柄始動ゲート60を遊技球が通過すると、対応する検知センサ60a(図9参照)によって遊技球の通過(入球)が検知され、検知結果が後述する主制御装置91に対して出力される。また、普通図柄始動ゲート60を遊技球が通過すると、普通図柄の当たりか否かの判定(電動役物66を開放状態にするか否かの判定)が後述する主制御装置91で行われる。そして、判定結果が当たり(電動役物開放状態への移行に対応した当選結果)であった場合には、電動役物駆動部66a(図9参照)が駆動されて電動役物66が開放状態となり、遊技球が通常第2始動口57へ入球し易い状態となる。
なお、具体的には後述するが、本実施形態では、普通図柄の当たり確率がアップして電動役物66が開放状態となり易くなる高頻度サポートモード、および高頻度サポートモードよりも電動役物66が開放状態となり難い低頻度サポートモードが搭載されている。このため、遊技者は、高頻度サポートモード中においては、普通図柄始動ゲート60を通過させて電動役物66を開放状態にする方が有利となるため、遊技球が図柄表示装置80の正面視右側を通過するように当該遊技球を発射する(いわゆる右打ち)。
可変入賞装置59は、遊技盤43の正面視下方右側に配設され、遊技盤43の背面側へと通じる大入賞口59aと、当該大入賞口59aを覆う横長矩形状の開閉板59bと、当該開閉板59bの下辺を軸として開閉板59bを前方側に開閉駆動するためのソレノイド等の可変入賞駆動部59d(図9参照)とを有する構成とされている。大入賞口59aは、通常時は、遊技球が入球できないか、または入球し難い閉状態となっている。そして、後述する主制御装置91で開閉実行モードへの移行に当選した(当たり抽選に当選した)と判定された場合であって、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したと判定されると、可変入賞駆動部59dが駆動されて開閉板59bが前面下側に傾倒し、遊技球が大入賞口59aに入球し易い開放状態を一時的に形成し、その開放状態と通常時の閉鎖状態との状態を交互に繰り返すように作動する。例えば、通常時には閉鎖されている大入賞口59aが、所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、遊技球が10個入球するまで)開放される。この可変入賞装置59の開閉動作は、決定された当たりの種別によって決定され、例えば、後述する16R当たり結果であれば、16回(16ラウンド)繰り返し行われる。そして、この開閉動作が行われている状態が遊技者にとって有利な特典遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。このため、開閉実行モード中には、遊技者は、遊技球が図柄表示装置80の正面視右側を通過して大入賞口59aに入球されるように当該遊技球を発射する(いわゆる右打ち)。なお、開閉実行モードとは、後述する主制御装置91での第1始動口56への入賞を契機とする抽選遊技(第1抽選遊技)、または通常第2始動口57への入賞を契機とする抽選遊技および特別第2始動口58への入賞を契機とする抽選遊技(第2抽選遊技)の開閉実行モードに移行するか否かの抽選に当選した場合に移行するモードのことであり、この開閉実行モードについては後に説明する。
可変入賞装置始動ゲート61は、遊技盤43の正面視中央右側であって、特別第2始動口58の直上に配設されている。具体的には、本実施形態では、可変入賞装置始動ゲート61は、当該可変入賞装置始動ゲート61を通過した遊技球が必ず特別第2始動口58に入球するように、配設されている。そして、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過すると、対応する検知センサ61a(図9参照)によって遊技球の通過(入球)が検知され、検知結果が後述する主制御装置91に対して出力される。主制御装置91は、開閉実行モードへの移行に当選した(当たり抽選に当選した)と判定した場合であって、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したと判定すると、上記のように可変入賞駆動部59dを駆動する。なお、主制御装置91は、開閉実行モードへの移行に当選したと判定した場合、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したか否かを判定するが、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したか否かの判定は、後述する確定時間が経過した後に実行される。言い換えると、可変入賞装置始動ゲート61は、主制御装置91が開閉実行モードへの移行に当選したと判定した後であって、確定時間が経過した後から有効になるともいえる。
つまり、本実施形態は、主制御装置91が開閉実行モードへの移行に当選した(当たり抽選に当選した)と判定しても確定時間が経過した後に即座(自動的)に開閉実行モードが開始される構成とはなっておらず、主制御装置91が開閉実行モードへの移行に当選したと判定した後、確定時間が経過した後に当該主制御装置91が可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したと判定することで開閉実行モードが開始されるようになっている。
また、可変入賞装置始動ゲート61は、上記のように、当該可変入賞装置始動ゲート61を通過した遊技球が必ず特別第2始動口58に入球するように配設されている。このため、開閉実行モードが終了した後(開閉実行モードが開始される際)は、必ず特別第2始動口58に遊技球が入球したことを契機とする抽選遊技(第2抽選遊技)が保留されている状態となる。
なお、特別第2始動口58は、可変入賞装置始動ゲート61を通過した遊技球のみが入球するように配設されている。すなわち、特別第2始動口58は、可変入賞装置始動ゲート61を通過しなかった遊技球が入球しないように配設されている。
また、上記のように、遊技盤43には、釘51や風車52等が配設されているが、釘51や風車52等は、遊技者が第1始動口56に向かけて発射した遊技球が当該第1始動口56に入球する確率より、遊技者が特別第2始動口58に向けて発射した遊技球が当該特別第2始動口58に入球する確率の方が低くなるように、第1始動口56への遊技球の流下する経路および特別第2始動口58への遊技球の流下する経路に適宜備えられている。
特に限定されるものではないが、釘51や風車52等は、遊技者が第1始動口56に向かけて発射した遊技球が1/15程度で入球し、遊技者が特別第2始動口58に向けて発射した遊技球が1/30程度で入球するように、遊技盤43に配設されている。つまり、遊技者は、高頻度サポートモード中でない場合には、第1始動口56に向けて遊技球を発射した方が特別第2始動口58に向けて遊技球を発射した場合より、開閉実行モードへ移行するか否かの抽選を受ける機会を多く得ることができるようになっている。
一般入賞口55は、遊技盤43の正面視下方に複数設けられている。また、遊技盤43の正面視最下部にはアウト口67が設けられており、各種入賞口に入球しなかった遊技球がアウト口67を通って遊技領域から排出されるようになっている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。なお、本明細書においては、一般入賞口55、第1始動口56、通常第2始動口57、特別第2始動口58、および可変入賞装置59(大入賞口59a)への遊技球の入球(検知センサ55a、56a、57a、58a、59cで遊技球が検知されること)を入賞とも表現する。
遊技盤43の正面視右下側隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペース70が設けられており、貼着スペース70に貼られた証紙等は、前扉枠14の窓部21を介してパチンコ機10の前方から視認することができるようになっている。
また、遊技盤43の正面視左下側隅部(外レール54の外側)には、発光手段である複数のLEDで構成されるメイン表示部71が備えられている。このメイン表示部71は、前扉枠14の窓部21を介してパチンコ機10の前方から視認可能となっている。
メイン表示部71は、第1始動口56への入賞に基づいて主制御装置91で行われた第1抽選遊技の結果を示す第1結果表示部71a、通常第2始動口57および特別第2始動口58への入賞に基づいて主制御装置91で行われた第2抽選遊技の結果を示す第2結果表示部71b、開閉実行モードへ移行するか否かの抽選(当たり抽選)に当選することで可変入賞装置59が開閉実行モードとなった場合(または開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置59が開放される回数を示すラウンド表示部71cとを有している。
具体的には、第1結果表示部71aでは、第1抽選遊技に関する変動表示が行われ、第1抽選遊技に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(点滅表示)した後、その変動表示の停止結果として、第1抽選遊技の結果を示す点灯状態で停止表示される。そして、第1抽選遊技の抽選結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部71aにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
また、第2結果表示部71bでは、第2抽選遊技に関する変動表示が行われ、第2抽選遊技に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(点滅表示)した後、その変動表示の停止結果として、第2抽選遊技の結果を示す点灯状態で停止表示される。そして、第2抽選遊技の抽選結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部71bにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、第1、第2抽選遊技(第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58のいずれかへの入賞)に基づいて、対応する第1、第2結果表示部71a、71bにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示して上記変動表示が停止するまでが遊技回(変動表示回)の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、第1、第2抽選遊技のいずれにおいてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
さらに、メイン表示部71は、第1、第2結果表示部71a、71b、ラウンド表示部71cに加えてその他表示部71dを有している。その他表示部71dでは、例えば、普通図柄始動ゲート60への入賞を契機として変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、普通図柄始動ゲート60への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が示される。そして、普通図柄始動ゲート60への入賞を契機とする内部抽選の結果が電動役物開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、その他表示部71dにて所定の停止結果が点灯表示された後に、電動役物開放状態へ移行する。電動役物開放状態では、電動役物66が開放状態となり、遊技球が通常第2始動口57へ入賞し易い状態となる。
また、その他表示部71dにおいて普通図柄始動ゲート60への入賞を契機とする変動表示が行われている間に遊技球が普通図柄始動ゲート60を通過すると、その通過回数は本実施形態では最大4回まで保留され、その保留回数も表示されるようになっている。さらに、第1結果表示部71aまたは第2結果表示部71bにおいて変動表示が行われている間に第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58に遊技球が入賞すると、その入賞回数は本実施形態では第1始動口56に対して最大4回、第2始動口57、58に対して最大4回まで保留され、その保留回数も表示される。
なお、メイン表示部71を構成する複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成することにより、その発光色の組み合わせによって少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。また、メイン表示部71は、液晶表示装置等の他の表示装置を用いて構成されていてもよい。
可変表示装置ユニット62は、遊技盤43の中央に配設されている。この可変表示装置ユニット62は、第1結果表示部71aにおける変動表示と同期させながら第1特別図柄を変動表示させて第1抽選遊技の抽選結果を表示すると共に、第2結果表示部71bにおける変動表示と同期させながら第2特別図柄を変動表示させて第2抽選遊技の抽選結果を表示する表示画面80aを有する図柄表示装置80と、図柄表示装置80を囲むようにして配設されたセンターフレーム81とを有している。
なお、センターフレーム81は、上部がパチンコ機10の前方に延出した状態で設置されている。これにより、図柄表示装置80の表示画面80aの前方を遊技球が落下していくのが防止され、遊技球の落下により表示画面80aの視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。また、図柄表示装置80が遊技盤43の中央に配設されていると共にセンターフレーム81が前方に延出した状態で設置されているため、遊技者が発射した遊技球は、図柄表示装置80の正面視左側、または図柄表示装置80の正面視右側を通過して流下する。以下では、遊技球が流下する領域のうち、図柄表示装置80の正面視左側の領域を第1域RSとし、図柄表示装置80の正面視右側の領域を第2領域RTとして説明する。なお、上記特別第2始動口58、可変入賞装置始動ゲート61は、第2領域RTに配設されているといえる。また、以下では、第1領域RSを流下するように遊技球を発射することを左打ちともいい、第2領域RTを流下するように遊技球を発射することを右打ちともいう。
図柄表示装置80は、略矩形状とされた17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されている。そして、図6に示されるように、第1始動口56への入賞を契機とする第1遊技抽選の判定結果を示す第1特別図柄、および通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機とする第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄を表示する上側の上側表示領域Dmと、保留図柄(第1抽選遊技および第2抽選遊技の保留)を表示する下側の下側表示領域Dnとを有している。
なお、この図柄表示装置80は、後述する表示制御装置93によって表示画面80aの表示内容が制御される。また、図柄表示装置80は、液晶ディスプレイであることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置、またはCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよい。
上側表示領域Dmは、本パチンコ機10では、上、中および下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、図柄表示装置80(表示画面80a)における変動表示は、第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58への入賞を契機として開始される。すなわち、第1結果表示部71aまたは第2結果表示部71bにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置80において変動表示が行われる。そして、開閉実行モードに移行する遊技回では、図柄表示装置80では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
上側表示領域Dmに表示される第1特別図柄、第2特別図柄は、図7(a)〜(i)に示される「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、図7(j)に示される貝形状の絵図柄からなる副図柄により構成されている。より詳しくは、主図柄は、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付された図柄によって構成されている。
また、図柄表示装置80の上側表示領域Dmには、図6に示されるように、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が設定され、各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄とが所定の順序で巡回的に配列されて構成されている。具体的には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順(図柄の変動方向に対して降順)に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順(図柄の変動方向に対して昇順)に配列されると共に各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は、それぞれ18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順(図柄の変動方向に対して昇順)に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、上側表示領域Dmは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。なお、本パチンコ機10では、上側表示領域Dmに、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
そして、第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58への入賞を契機として上側表示領域Dmにおいて遊技回(変動表示回)用の演出が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。その後、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄が静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、開閉実行モードへの移行に対応する遊技回であれば、有効ラインのいずれかに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、開閉実行モードへの移行(当たり結果の発生)として当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記で説明したように、第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58へのいずれかの入賞を契機として図柄表示装置80(第1結果表示部71aまたは第2結果表示部71b)にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示して上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置80における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数等は適宜変更可能である。また、図柄表示装置80にて変動表示される絵柄は図7に示すものに限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
下側表示領域Dnは、上側表示領域Dmよりも横長に設けられている。この下側表示領域Dnは、正面視左側に第1保留図柄表示エリアDsを有し、正面視右側に第2保留図柄表示エリアDtを有し、第1保留図柄表示エリアDsと第2保留図柄表示エリアDtとの間に実行保留図柄表示エリアDuを有している。第1保留図柄表示エリアDsは、第1始動口56への入賞を契機とする保留数を表示するエリアであり、本パチンコ機10では第1始動口56への入賞が最大4回まで保留されるように構成されているため、4つの小領域の第1〜第4表示エリアDs1〜Ds4に等区分されている。第2保留図柄表示エリアDtは、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機とする保留数を表示するエリアであり、本パチンコ機10では、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞が最大4回(通常第2始動口57および特別第2始動口58への入賞が合計で最大4回)まで保留されるように構成されているため、4つの小領域の第1〜第4表示エリアDt1〜Dt4に等区分されている。実行保留図柄表示エリアDuは、図柄表示装置80に変動表示されている遊技回に対応する保留図柄を表示するエリアである。
そして、上側表示領域Dmにおいて、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中に第1始動口56に遊技球が入賞すると、その入賞を契機とする第1抽選遊技の開始は保留され、下側表示領域Dnの第1保留図柄表示エリアDsにおいて、保留図柄が表示されていない第1〜第4表示エリアDs1〜Ds4のうちの最も小さい番号の表示エリア(中央側の表示エリア)に、第1抽選遊技の保留図柄が表示される。同様に、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中に通常第2始動口57、または特別第2始動口58に遊技球が入賞すると、その入賞を契機とする第2抽選遊技の開始は保留され、下側表示領域Dnの第2保留図柄表示エリアDtにおいて、保留図柄が表示されていない第1〜第4表示エリアDt1〜Dt4のうちの最も小さい番号の表示エリア(中央側の表示エリア)に、第2抽選遊技の保留図柄が表示される。
次に遊技機本体12の背面側の構成について図3および図8を参照しつつ説明する。図8は、パチンコ機10の背面図である。
図3に示されるように、内枠13(具体的には遊技盤43)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置91と、音声やランプ表示等の制御を司る音声ランプ制御装置92と、図柄表示装置80の制御を司る表示制御装置93とが搭載されている。
これら各制御装置91〜93は、各制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、それぞれ略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備え、これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(または、結合手段)としてのボックス結合部によって分離不能に連結されることにより封印されている。そして、基板ボックスは、これらボックス結合部によって分離不能に連結されていることにより、基板ボックスの内部空間の開放に際しては当該基板ボックスの破壊または一部の切除を要する構成となっている。なお、ボックス結合部は、例えば、基板ボックスの長辺部に複数設けられ、そのうちの少なくとも1つが用いられて結合処理が行われる構成となっている。
ボックス結合部は、ボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に、かつ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部のうち、少なくとも1つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した制御基板の不具合発生の際や制御基板の検査の際等に基板ボックスを開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部と他のボックス結合部との連結部分や、ボックス結合部とボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックスのボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の制御基板を取り出すことができる。なお、その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部の長孔に係止爪を挿入すればよい。基板ボックスの開放を行った旨の履歴を当該基板ボックスに残しておけば、基板ボックスを見ることで不正な開放が行われたか否かを容易に発見できる。
また、基板ボックスの一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、各制御装置91〜93の取付台に形成された複数の被結合片と1対1で対応するように設けられており、結合片と被結合片とにより基板ボックスと取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックスの不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
そして、図3および図8に示されるように、主制御装置91、表示制御装置93、音声ランプ制御装置92を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する裏パック94を備えており、当該裏パック94に対して払出機構部95および制御装置集合ユニット96が取り付けられている。
払出機構部95は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク97と、タンク97の下方に連結されて下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール98と、タンクレール98の最下流部に設けられ、払出モータ99a(図9参照)の所定の電気的構成により球の払い出しを行う払出装置99とを備えている。そして、払出装置99より払い出された遊技球は、当該払出装置99の下流側に設けられている図示しない払出通路を通じて、上皿25または下皿30に排出される。なお、タンクレール98には当該タンクレール98に振動を付加するための図示しないバイブレータが取り付けられている。
また、払出機構部95には、例えば、交流24ボルトの主電源が供給されると共に、電源のON操作およびOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット96は、図3に示されるように、払出装置99を制御する機能を有する払出制御装置100と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されると共に、遊技者による操作ハンドル31の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源および発射制御装置101とを備えている。これら払出制御装置100と電源および発射制御装置101とは、払出制御装置100がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置100には、図8に示されるように、状態復帰スイッチ102が設けられ、電源および発射制御装置101には可変抵抗器の操作つまみ(図示略)およびRAM消去スイッチ103が設けられている。状態復帰スイッチ102は、例えば、払出モータ99a(図9参照)の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみは、発射ソレノイド47の発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ103は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
なお、払出制御装置100、電源および発射制御装置101は、上記各制御装置と同様に、制御基板等が基板ボックスに収容されて構成されており、上記と同様の不正抑止手段が設けられている。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
さらに、裏パック94には、図3に示されるように、裏パックユニット15の回動軸側であって上側の隅角部分に外部出力端子板104が設けられている。外部出力端子板104には、タンク97等で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、および開閉実行モード等の状態移行に際して(または、状態に移行している間)信号出力するための出力端子等が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対してパチンコ機10の状態に関する信号が出力される。
なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。また、各制御装置(各制御基板)には、具体的には後述するが、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合等に使用されるクロックパルス発生回路等が必要に応じて搭載されている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9〜図11は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図であり、図9では主に全体構成を示し、図10では主に主制御装置91の構成を示し、図11では主に音声ランプ制御装置92および表示制御装置93の構成を示している。なお、図11では、電源および発射制御装置101から主制御装置91と払出制御装置100への動作電力の供給ラインを二重線矢印で示し、それ以外の供給ラインや信号ラインを実線矢印で示している。
図9および図10に示されるように、主制御装置91は、遊技の主たる制御を司る主制御基板111を備えている。主制御基板111には、MPU112が搭載され、MPU112にはROM113およびRAM114が内蔵されている。なお、以下では、主制御装置91のMPU112、ROM113、RAM114を主側MPU112、主側ROM113、主側RAM114として説明する。
主側ROM113は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。そして、この主側ROM113は、主側MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶しており、例えば、図10に示されるように、特別図柄当否テーブル記憶エリア113a、振分テーブル記憶エリア113b、リーチ用テーブル記憶エリア113c、変動表示時間テーブル記憶エリア113d、停止結果テーブル記憶エリア113e、普通図柄当否テーブル記憶エリア113f、特図特電アドレステーブル記憶エリア113g、普図普電アドレステーブル記憶エリア113h、更新用データテーブル記憶エリア113i、コマンド情報記憶エリア113jを有している。
主側RAM114は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であると共に、同一のデータ容量で比較した場合に主側ROM113よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。そして、この主側RAM114は、主側ROM113内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。主側RAM114は、例えば、抽選カウンタ用バッファ114a、特別図柄保留球格納エリア114b、普通図柄保留球格納エリア114c、特図特電カウンタエリア114d、特図特電タイマカウンタエリア114e、高確率モードフラグ格納エリア114f、時短フラグ格納エリア114g、時短回数カウンタエリア114h、普図普電カウンタエリア114i、普図普電タイマカウンタエリア114j、各種当たり結果フラグ格納エリア114k、その他各種カウンタエリア114m、その他各種フラグ格納エリア114nを有している。
また、主制御基板111、または主側MPU112には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等が設けられている。なお、主側MPU112は、主側ROM113および主側RAM114を内蔵した1チップ化構成とされていることは必須の構成ではなく、主側MPU112、主側ROM113、主側RAM114がそれぞれ個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置91以外の後述する各制御装置についても同様である。
主側MPU112には、図示しない入力ポートおよび出力ポートがそれぞれ設けられている。なお、入力ポートおよび出力ポートの代わりに入出力ポートを備え、入力用と出力用とで必要に応じて切り換えられる構成としてもよい。これは主制御装置91以外の後述する各制御装置のMPUについても同様である。そして、主側MPU112の入力側および出力側には、各種制御装置92、100が接続されていると共に、各種検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61a、115、各種駆動部59d、66a、メイン表示部71が接続されている。まず、各種検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61a、115、各種駆動部59d、66a、およびメイン表示部71との接続構成について説明する。なお、検知センサ115は、磁石検知センサ、電波検知センサ、振動検知センサ等である。
主側MPU112の入力側には、遊技領域の一般入賞口55、第1始動口56、通常第2始動口57、特別第2始動口58、可変入賞装置59、および普通図柄始動ゲート60、可変入賞装置始動ゲート61に対して設けられた入賞用の検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61a、(以下、これらをまとめて入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61aともいう)が電気配線を介して電気的に接続されている。この場合、主制御基板111と各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61aとがそれぞれ1の電気配線を介して接続されている構成としてもよく、各信号経路の途中に中継基板が介在している構成としてもよい。これは他の機器との接続に係る構成についても同様である。主側MPU112では、主制御基板111に搭載された入賞用IC116を通じて、各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61aから信号を受信し、その受信結果に基づいて各入賞部への入賞判定(入球判定)を行う。また、主側MPU112では、第1始動口56への入賞を契機とする第1抽選遊技、および通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機とする第2抽選遊技を実行すると共に、普通図柄始動ゲート60への入賞に基づいて電動役物開放抽選(サポート抽選)を実行する。
入賞用IC116は、経路異常の確認手段、または経路異常の確認回路であり、当該入賞用IC116により各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61aと主側MPU112との間で正常な信号の伝送が行われているか否かを確認する。
また、主側MPU112の入力側には、上記各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61a以外にも磁石検知センサ、電波検知センサ、振動検知センサ等のその他検知センサ115が電気配線を介して電気的に接続されている。主側MPU112では、磁石検知センサ、電波検知センサ、振動検知センサ等のその他検知センサ115からの信号を受信し、その受信結果に基づいて、それぞれの検知対象となっている異常の発生の有無を判定する。
主側MPU112の出力側には、可変入賞装置59の開閉板59bを開閉動作させる可変入賞駆動部59d、電動役物66を開閉動作させる電動役物駆動部66aが電気配線を介して電気的に接続されている。また、主側MPU112の出力側には、メイン表示部71が電気配線を介して電気的に接続されている。そして、主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じて主側MPU112は可変入賞駆動部59dおよび電動役物駆動部66aの駆動制御を実行すると共にメイン表示部71の表示制御を実行する。
例えば、開閉実行モードにおいては大入賞口59aが開閉されるように、主側MPU112において可変入賞駆動部59dの駆動制御が実行される。また、電動役物66の開放状態当選となった場合には、電動役物66が開閉されるように主側MPU112において電動役物駆動部66aの駆動制御が実行される。さらに、各遊技回に際しては、主側MPU112においてメイン表示部71(第1、第2結果表示部71a、71b)の表示制御が実行される。そして、電動役物66を開放状態とするか否かの抽選結果を示す場合には、主側MPU112においてメイン表示部71(その他表示部71d)の表示制御が実行される。
なお、主側MPU112は、主側RAM114に対して遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、図9では省略しているが、主側MPU112の出力側には外部出力端子板104(図3参照)が接続されており、主側MPU112は主側RAM114に設定した情報に応じて信号出力用の設定を外部出力端子板104に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールのホールコンピュータに認識させる。
次に、主制御装置91と払出制御装置100との接続(通信)における構成について説明する。まず、これらの接続(通信)における構成を説明する前に、払出制御装置100の電気的な構成を説明する。
払出制御装置100は、払出装置99を通じた遊技球の払出の制御を司る払出制御基板121を備え、払出制御基板121にはMPU122が搭載されており、MPU122にはROM123およびRAM124が内蔵されている。なお、以下では、払出制御装置100に設けられたMPU122、ROM123およびRAM124を払出側MPU122、払出側ROM123および払出側RAM124とする。
払出側ROM123は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。そして、この払出側ROM123は、払出側MPU122により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
払出側RAM124は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であると共に、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM123よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。そして、この払出側RAM124は、払出側ROM123内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、払出制御基板121または払出側MPU122には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等が設けられている。
払出側MPU122は払出装置99と電気的に接続されている。当該払出装置99には、タンク97から払出装置99に供給されている遊技球をそれよりも下流側へ流下しないように通過を阻止する状態と、当該遊技球を下流側へ送り出す状態とに切り換える回転体等の球止め部材を駆動する払出モータ99aが設けられていると共に、下流側へと送り出される遊技球を個別に検知する払出検知センサ99bが設けられている。そして、払出側MPU122の出力側には払出モータ99aが電気配線を介して電気的に接続されていると共に、払出側MPU122の入力側には払出検知センサ99bが電気配線を介して電気的に接続されている。払出側MPU122では、払出制御基板121に設けられたドライバ回路を介して払出モータ99aに駆動信号を供給することで遊技球の払い出しを実行させると共に、払出検知センサ99bの検知結果に基づいて払いし出が完了した遊技球の個数を把握する。
また、払出側MPU122は、裏パックユニット15に設けられた球貸用接続端子板131と電気配線を介して電気的に接続されていると共に、当該球貸用接続端子板131が電気配線を介してカードユニットと電気的に接続されている。これにより、遊技者がパチンコ機10に設けられた球貸ボタン28を適宜手動操作することによって遊技球の貸し出しを受けることができる。払出側MPU122は、カードユニットとの間で電気信号の送受信を行うことで貸球の制御を実行する。
さらに、払出側MPU122には上記払出装置99やカードユニット以外にも、球受け皿としての下皿30において遊技球が満杯状態となっているかを検知する満杯検知センサ(図示略)が電気的に接続されていると共に、タンク97が球無状態となっているかを検知する球無し検知センサ(図示略)等が電気的に接続されている。
そして、払出側MPU122は、主側MPU112との間での通信に基づいて遊技球の払い出しを制御する。当該通信を行うための構成として、主制御基板111と払出制御装置100との間には複数の信号経路が存在している。
信号経路について詳細には、主側MPU112では入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、59cの検知結果に基づいて賞球の発生に対応した入賞部への入賞を確認した場合に払出側MPU122に向けて賞球コマンド(払出指令情報)を送信するが、当該賞球コマンドを伝送するために第1信号経路SL1が設けられている。この場合、賞球コマンドには自身が賞球コマンドであることを示す情報および賞球を実行すべき個数の情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。
なお、賞球コマンドは複数種類存在しており、主側ROM113のコマンド情報記憶エリア113jが参照される。そして、一般入賞口55への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置59への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第1、第2始動口56、57、58への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
ここで、本実施形態では、当該賞球コマンドの通信を行う上で、第1信号経路SL1はパラレル通信ではなくシリアル通信を行うように設定されている。つまり、賞球コマンドに含まれる複数ビットの情報が単一の信号経路を通じて順次送信される構成となっている。なお、第1信号経路SL1は、主制御基板111および払出制御基板121に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板等を信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
また、払出側MPU122から主側MPU112に向けて情報を送信するための信号経路として、第2信号経路SL2と、第3信号経路SL3とが設けられている。第2信号経路SL2は、払出側MPU122から主側MPU112に向けて払出状況コマンド(払出状況情報)を送信するために利用される。払出状況コマンドには、賞球が完了したことおよびその完了した賞球の個数を示す賞球完了コマンドと、遊技球の払出に関して所定の異常が発生したことを示す異常開始コマンドと、当該所定の異常が解除されたことを示す異常終了コマンドとが含まれている。つまり、払出状況コマンドには、自身のコマンドの種類を示す情報および払出状況の内容を示す情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。なお、上記遊技球の払出に関する所定の異常には、例えば下皿30の満杯状態やタンク97の球無し状態が含まれる。
当該払出状況コマンドの通信を行う上で、第2信号経路SL2は第1信号経路SL1と同様に、パラレル通信ではなくシリアル通信を行うように設定されている。つまり、払出状況コマンドに含まれる複数ビットの情報が単一の信号経路を通じて順次送信される構成となっている。なお、第2信号経路SL2は、主制御基板111および払出制御基板121に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板等を信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
第3信号経路SL3は、払出側MPU122から主側MPU112に向けて払出許可信号を送信するために利用される。払出許可信号は、主側MPU112において賞球コマンドの出力タイミングを把握させるために、払出側MPU122から主側MPU112に送信される情報である。
払出許可信号は1ビットの情報からなり、賞球コマンドの出力を禁止している状態ではLOWレベルの信号が送信され、賞球コマンドの出力を許可している状態ではHIレベルの信号が送信される。但し、当該構成に限定されることはなく、賞球コマンドの出力を禁止している状態ではHIレベルの信号が送信され、賞球コマンドの出力を許可している状態ではLOWレベルの信号が出力される構成としてもよい。
なお、第3信号経路SL3は、主制御基板111および払出制御基板121に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板等を信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
このように、主側MPU112と払出側MPU122との間のコマンドの通信をパラレル通信ではなくシリアル通信としたことにより、仮に主制御基板111と払出制御基板121とを電気的に接続する電気配線に対して不正な基板を接続させる、いわゆるぶら下げ基板を利用した不正行為が行われたとしても、当該不正な基板が電気配線等に隠れてしまう可能性が低減される。上記行為は不正に多量の遊技球の払い出しを受けようとして行われるものであり、主制御基板111と払出制御基板121との間の信号経路は上記行為の対象として狙われやすい。この場合に、主側MPU112と払出側MPU122との間で双方向のコマンド通信が行われる構成において、コマンドの通信としてパラレル通信を採用すると、それだけ電気配線の数が多くなり上記不正な基板がこれら電気配線によって隠れ易くなってしまう。これに対して、コマンド通信がシリアル通信で行われることにより、上記不正な基板が電気配線に隠れ難くなり、当該基板が仮に設置された場合にそれを発見し易くなる。
次に、主制御装置91および払出制御装置100と、電源および発射制御装置101との電気的な接続における構成を説明する。
電源および発射制御装置101は電源および発射制御基板141を備えており、当該電源および発射制御基板141には、主制御装置91および払出制御装置100を含めた各種機器に動作電力を供給する機能を有する電源回路142が設けられている。そして、電源回路142には、電入時用電源部143と、電断時用電源部144とが設けられている。
電入時用電源部143は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されており、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置91や払出制御装置100等の各々に必要な動作電圧を生成すると共に、その生成した動作電圧を主制御装置91や払出制御装置100等に対して供給する。その概要としては、電入時用電源部143は、裏パックユニット15に設けられた接続基板を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種センサやモータ等を駆動するための+12V電圧、ロジック用の+5V電圧等を生成し、これら+12V電圧、+5V電圧を主制御装置91や払出制御装置100等に対して供給する。なお、上記接続基板にはパチンコ機10の電源をON・OFF操作するための電源スイッチが設けられている。
また、主制御装置91には、電入時用電源部143と主側MPU112との電力供給経路の途中位置に停電監視基板117が設けられている。停電監視基板117は、電入時用電源部143から供給される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判定し、主側MPU112に停電信号(電断信号)の出力設定を停電(電源遮断)の発生に対応したものとする。具体的には、電源遮断が発生していないと判定している状況ではLOWレベルの停電信号を送信し、電源遮断が発生していると判定している状況ではHIレベルの停電信号を送信する。
なお、これらLOWおよびHIの関係が逆であってもよい。
電断時用電源部144はコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(商用電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部143から供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(商用電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部144から放電されることによって主側RAM114に対して記憶保持用電力(バックアップ電力)が供給される。よって、このような状況であっても、電断時用電源部144から記憶保持用電力が供給されている間は主側RAM114に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
なお、電断時用電源部144の容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に主側RAM114に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
また、電断時用電源部144の構成はコンデンサに限定されるものではなく、バッテリや非充電式電池等であってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源部144への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、図示による説明は省略するが、電源および発射制御基板141には、上記電断時用電源部144とは異なる停電時処理用電源部が設けられている。電源および発射制御基板141では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主側MPU112は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
ここで、電源回路142から主側MPU112および払出側MPU122への動作電力の供給に係る構成について説明する。
電入時用電源部143からの電力は、主側MPU112のVCC端子および払出側MPU122のVCC端子に供給される。VCC端子に供給された電力により、商用電源からの電力供給が行われている状況において、各MPU112、122にて各種制御処理が実行されると共に、各RAM114、124にて情報の記憶保持が行われる。
一方、電断時用電源部144からの電力は、主側MPU112のVBB端子に供給されているが、払出側MPU122のVBB端子(図示略)に供給されていない。つまり、電断時用電源部144からの記憶保持用電力は、主側RAM114に供給されるが、払出側RAM124には供給されない。したがって、商用電源からの電力供給が遮断されている状況において、主側RAM114では情報の記憶保持が行われるが、払出側RAM124では情報の記憶保持が行われない。なお、払出側MPU122のVBB端子はアースされているまたはいずれの電気配線とも接続されていない。
上記のように電断時用電源部144からの記憶保持用電力が主側RAM114に供給されるが、払出側RAM124に供給されない構成とすることにより、電断時用電源部144の小容量化が図られる。これにより、パチンコ機10のイニシャルコストの削減が図られる。
電源および発射制御基板141には、電源回路142以外にも、遊技球の発射制御を担う発射制御回路145が設けられている。発射制御回路145には、条件成立の送信回路146と、発射許可の受信回路147と、発射用IC148と、が設けられている。
条件成立の送信回路146は、予め定められた遊技球の発射条件が成立している場合において主側MPU112に対して所定の信号形態の条件成立信号を送信する機能を有している。具体的には、発射制御回路145は、操作ハンドル31の環状のハンドル部が遊技者により触れられていることを検知するタッチセンサ31aと、ハンドル部を回転操作している状況であっても遊技球の発射を停止させるべく遊技者により手動操作される打ち止めスイッチ31bと、が電気的に接続されている。また、発射制御回路145は、払出制御基板121と電気的に接続されており、カードユニットが球貸用接続端子板131に対して電気的に接続されているか否かを示す信号を入力する。
条件成立の送信回路146は、タッチセンサ31aからハンドル部が遊技者により触れられていることを示す信号を受信すると共に、打ち止めスイッチ31bから遊技者により手動操作されていないことを示す信号を受信し、さらに払出側MPU122からカードユニットが接続されている旨の信号を受信している場合に、主側MPU112に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を送信する。なお、上記各信号のいずれかを受信していない場合には、主側MPU112に対してLOWレベルの条件成立信号(条件成立に対応していない信号)を送信する。また、このような構成に限定されることはなく、LOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。
発射許可の受信回路147は、条件成立の送信回路146から主側MPU112に対してHIレベルの条件成立信号が送信されていることを一の条件として主側MPU112から送信されるHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)を受信すると共に、当該発射許可信号を受信している場合にそれに対応した信号を発射用IC148に継続して供給する機能を有している。なお、主側MPU112は、条件成立の送信回路146からHIレベルの条件成立信号を受信していない場合にはLOWレベルの発射許可信号(発射許可に対応していない信号)を送信するが、発射許可信号のLOWレベル信号とHIレベル信号との関係が逆であってもよい。また、主側MPU112は、HIレベルの条件成立信号の受信を開始するたびにHIレベルの発射許可信号の送信を新たに開始すると共にHIレベルの条件成立信号の受信が終了した場合にはHIレベルの発射許可信号の送信を終了する。
発射用IC148は、発射許可の受信回路147からHIレベルの発射許可信号またはそれに対応した信号を受信している場合に、遊技球発射機構44の発射ソレノイド47および球送り装置46のそれぞれに対して定期的に駆動信号を出力する機能を有している。
この場合、発射用IC148は、パルス信号として各駆動信号を出力すると共に、その出力周期は0.6secとなっている。また、発射レール45に1個の遊技球が供給された後に当該遊技球が発射されるように、駆動信号の出力タイミングは球送り装置46の方が発射ソレノイド47よりも早く設定されている。
また、操作ハンドル31には、上記のように操作量を検知するための操作量検知手段としての可変抵抗器が設けられており、発射用IC148では、当該可変抵抗器から入力される電圧に基づいて発射ソレノイド47に供給する駆動信号の電圧を調整することによって発射強度を調整する。このため、操作ハンドル31の操作量が多いほど発射ソレノイド47による遊技球の発射強度が強くなる。なお、当該調整機能が発射用IC148に設けられていることは必須ではなく、発射用IC148と発射ソレノイド47との信号経路の途中に調整回路が設けられている構成としてもよい。
次に、音声ランプ制御装置92と表示制御装置93との電気的な接続における構成について図11を参照しつつ説明する。
音声ランプ制御装置92は、音声ランプ制御基板151を備え、当該音声ランプ制御基板151にはMPU152が搭載されており、MPU152にはROM153およびRAM154が内蔵されている。なお、以下では、音声ランプ制御装置92に設けられたMPU152、ROM153およびRAM154を音声側MPU152、音声側ROM153および音声側RAM154として説明する。
音声側ROM153は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。そして、この音声側ROM153は、音声側MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶しており、例えば、各種データテーブル記憶エリア153a、コマンド情報記憶エリア153b等を有している。
各種データテーブル記憶エリア153aは、発光データ、および音声データ等が記憶されているエリアである。コマンド情報記憶エリア153bは、音声側MPU152から出力される各種コマンドを生成する際に参照されるコマンド情報が記憶されているエリアである。
音声側RAM154は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であると共に、同一のデータ容量で比較した場合に音声側ROM153よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。そして、この音声側RAM154は、音声側ROM153内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。音声側RAM154は、例えば、コマンド格納エリア154a、保持データエリア154b、各種カウンタエリア154c等を有している。
コマンド格納エリア154aは、主側MPU112から受信したコマンドを格納するためのエリアである。保持データエリア154bは、遊技回中および開閉実行モード中の演出、並びに報知を実行するために一時的に利用されるデータであって、これら演出や報知が開始された後においても音声側MPU152にて独自に利用可能とするためのデータを記憶保持しておくためのエリアである。各種カウンタエリア154cは、遊技回数カウンタ等が格納されているエリアである。
そして、音声側MPU152では、主制御装置91から受信した各種コマンド(後述する変動用コマンド、種別コマンド、確定停止コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド、および保留コマンド等)に基づき、遊技回や開閉実行モード等において実行する演出の内容を決定する。そして、その決定した内容に対応した動作が行われるように、ランプ制御装置155を制御して電飾部33の発光制御を行うと共に、音声出力装置156を制御してスピーカ部34の音声制御を行う。
音声側MPU152の入力側には、第1枠ボタン26の操作を検知する第1枠ボタン検知センサ26aおよび第2枠ボタン27の操作を検知する第2枠ボタン検知センサ27aが電気的に接続されている。そして、音声側MPU152では第1、第2枠ボタン26、27の操作有無の監視を行い、当該第1、第2枠ボタン26、27が操作された場合にはその操作に対応した処理を実行する。
さらに、音声側MPU152では、主制御装置91から受信したコマンドに基づき、報知を行う必要があるか否かを特定し、ランプ制御装置155の発光制御および音声出力装置156の音声制御を行うことで報知を行う。
なお、主側MPU112から出力される各種コマンドについては具体的に後述するが、これら各種コマンドは主側ROM113のコマンド情報記憶エリア113jを参照して出力される。また、各種コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。そして、主側MPU112から音声側MPU152へのコマンドの送信は、基本的にはシリアルで行われるが、パラレルで行われる構成としてもよい。
また、音声側MPU152は、表示制御装置93と電気的に接続されており、主制御装置91から受信したコマンドに基づいて決定した演出の内容を含む各種コマンドを表示制御装置93に送信する。なお、音声側MPU152から出力される各種コマンドは、音声側ROM153のコマンド情報記憶エリア153bが参照される。また、本実施形態の表示制御装置93は、音声ランプ制御装置92を介することなく主制御装置91からコマンド受信を行う構成とはなっておらず、主制御装置91との関係では音声ランプ制御装置92よりも通信方向の下流側に存在していると言える。
表示制御装置93は、表示制御基板161を備え、当該表示制御基板161にはMPU162が搭載されており、MPU162にはプログラムROM163およびワークRAM164が内蔵されている。また、表示制御基板161には、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)165、キャラクタROM166およびビデオRAM167が内蔵されている。なお、以下では、表示制御装置93のMPU162を表示側MPU162として説明する。
プログラムROM163は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。そして、このプログラムROM163は、表示側MPU162により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶しており、例えば、VDP165へのコマンドを送信する際で参照されるコマンド情報記憶エリア163a、各演出(表示)に対応した画像を表示させるのに必要な処理が定められたデータテーブル記憶エリア163bを有している。
ワークRAM164は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であると共に、同一のデータ容量で比較した場合にプログラムROM163よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。そして、このワークRAM164は、プログラムROM163内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータやフラグ等を一時的に記憶する。ワークRAM164は、例えば、コマンド格納エリア164aを有している。
そして、表示側MPU162は、音声ランプ制御装置92から受信した各種コマンドを解析し、または受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP165の制御(具体的にはVDP165に対する内部コマンドの生成)を実施する。
VDP165は、図柄表示装置80に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP165はICチップ化されているために「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP165は、表示側MPU162、ビデオRAM167等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、画像データをキャラクタROM166から所定のタイミングで読み出してビデオRAM167に記憶させることで当該画像データに応じた画像を図柄表示装置80に表示させる。
キャラクタROM166は、図柄表示装置80に表示される図柄等のキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM166には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。また、キャラクタROM166には、上記データの一部として、図柄表示装置80の第1保留図柄表示エリアDs、第2保留図柄表示エリアDt、および実行保留図柄表示エリアDuに表示されるための画像データが格納された保留用画像データ記憶エリア166aが設定されている。
なお、キャラクタROM166を複数設け、各キャラクタROM166に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM163に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM166に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM167は、図柄表示装置80に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM167の内容を書き替えることに基づいて図柄表示装置80の表示内容が変更される。
また、ビデオRAM167は、保留図柄表示用エリア167aを有している。そして、保留図柄表示用エリア167aには、図柄表示装置80における第1保留図柄表示エリアDsの第1〜第4表示エリアDs1〜Ds4と1対1で対応するように、第1〜第4単位エリアRE1〜RE4が設定されている。また、保留図柄表示用エリア167aには、図柄表示装置80における第2保留図柄表示エリアDtの第1〜第4表示エリアDt1〜Dt4と1対1で対応するように、第1〜第4単位エリアRF1〜RF4が設定されている。さらに、保留図柄表示用エリア167aには、図柄表示装置80における実行保留図柄表示エリアDuと1対1で対応するように、実行単位エリアRGが設定されている。そして、各保留図柄表示エリアDs1〜Ds4、Dt1〜Dt4、Duには、保留図柄表示用エリア167aにおける各単位エリアRE1〜RE4、RF1〜RF4、RGに書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、各単位エリアRE1〜RE4、RF1〜RF4、RGにデータが設定されていない場合(ブランクを意味するデータが設定されている場合)には、当該単位エリアRE1〜RE4、RF1〜RF4、RGと対応する各表示エリアDs1〜Ds4、Dt1〜Dt4、Duでは、何ら画像が表示されない、または図柄表示装置80の表示画面80aにおける背景画像が表示される。
ここで、本パチンコ機10では、音声側MPU152と表示側MPU162との間でコマンドが双方向通信でやり取りされるように構成されている。具体的には、音声ランプ制御装置92と表示制御装置93とは第1信号線群170を用いて電気的に接続されており、当該第1信号線群170を利用して音声側MPU152から表示側MPU162に向けてコマンドが送信される。このコマンド送信はシリアル通信で行われ、第1信号線群170には、シリアルでのコマンドデータ送信用の信号線171と、コマンドデータに含まれる各単位データ(例えば1ビット分のデータ)を識別するためのクロック信号用の信号線172と、一のコマンドの送信開始、および送信終了のうちの少なくとも一方を認識させるためのラッチ信号用の信号線173とが少なくとも含まれている。なお、コマンドの送信開始を認識させるためのイネーブル信号用の信号線が別途設けられている構成としてもよい。
また、音声ランプ制御装置92と表示制御装置93とは第2信号線群180を用いて電気的に接続されており、当該第2信号線群180を利用して表示側MPU162から音声側MPU152に向けてコマンドが送信される。このコマンド送信はシリアル通信で行われるため、第2信号線群180には、シリアルでのコマンドデータ送信用の信号線181と、コマンドデータに含まれる各単位データ(例えば1ビット分のデータ)を識別するためのクロック信号用の信号線182と、一のコマンドの送信開始及び送信終了のうち少なくとも一方を認識させるためのラッチ信号用の信号線182とが少なくとも含まれている。なお、コマンドの送信開始を認識させるためのイネーブル信号用の信号線が別途設けられている構成としてもよい。
第1信号線群170および第2信号線群180は、一の接続ユニットとして設けられている。当該接続ユニットは、上記第1信号線群170および上記第2信号線群180の一端が集約されるコネクタと、他端が集約されるコネクタとを備えており、一方のコネクタが音声ランプ制御装置92のコネクタに対して着脱自在に装着され、他方のコネクタが表示制御装置93のコネクタに対して着脱自在に装着される。
なお、音声側MPU152と表示側MPU162との間の通信方式はシリアル通信に限定されることはなくパラレル通信であってもよい。また、第1信号線群170と第2信号線群180とが別々の接続ユニットとして設けられている構成としてもよい。
<主側MPU112にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU112にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図12を用いて説明する。図12は、当たり抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための図である。
主側MPU112は、遊技に際し、各種カウンタ情報を用いて、開閉実行モードに移行するか否かの抽選(以下では、単に当たり抽選ともいう)、メイン表示部71の表示の設定、図柄表示装置80の図柄表示の設定等を行う。具体的には、図12に示されるように、当たり抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、当たり抽選に当選した際に開閉実行モードの種別(当たり種別)を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置80が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINI1と、メイン表示部71および図柄表示装置80における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、電動役物66を電動役物開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放乱数カウンタC4と、電動役物開放乱数カウンタC4の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINI2とを用いている。各カウンタの一部は、後述するタイマ割込み処理(図17参照)の実行間隔である4msec間隔で更新され、残りのカウンタは後述するメイン処理(図16参照)の中で不定期に更新され、その更新値が主側RAM114の抽選カウンタ用バッファ114aに逐次格納される。そして、遊技球が第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58に入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている所定の数値が主側RAM114における特別図柄保留球格納エリア114bに逐次格納され、遊技球が普通図柄始動ゲート60を通過したタイミングで抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている所定の数値が主側RAM114における普通図柄保留球格納エリア114cに格納される。なお、上記各カウンタC1〜C3、CINI1、CS、CINI2、C4は、主側RAM114のその他各種カウンタエリア114mに設けられている。
ここで、特別図柄保留球格納エリア114bおよび普通図柄保留球格納エリア114cの構成について説明する。
特別図柄保留球格納エリア114bは、第1〜第4保留エリアRA1〜RA4および第1特別図柄保留数記憶エリアNAを有する第1特別図柄保留球格納エリアRAと、第1〜第4保留エリアRB1〜RB4および第2特別図柄保留数記憶エリアNBを有する第2特別図柄保留球格納エリアRBと、総保留数記憶エリアNXと、1つの実行エリアRCとを有している。図13は、第1特別図柄保留球格納エリアRAにおける第1保留エリアRA1の構成を示す図である。なお、第1特別図柄保留球格納エリアRAおける第2〜第4保留エリアRA2〜RA4、第2特別図柄保留球格納エリアRBにおける第1〜第4保留エリアRB1〜RB4、実行エリアRCの構成は、図13と同様である。
第1〜第4保留エリアRA1〜RA4、RB1〜RB4および実行エリアRCは、図13に示されるように、当たり乱数カウンタ格納エリア201、当たり種別カウンタ格納エリア202、リーチ乱数カウンタ格納エリア203、および入賞始動口格納エリア204を有している。そして、第1特別図柄保留球格納エリアRAにおける第1〜第4保留エリアRA1〜RA4には、第1始動口56への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値(抽選カウンタ用バッファ114aの各値)が当たり乱数カウンタ格納エリア201、当たり種別カウンタ格納エリア202、リーチ乱数カウンタ格納エリア203に格納されると共に、第1始動口56への入賞情報が入賞始動口格納エリア204に格納される。そして、第1始動口56に対して遊技球の入賞が連続して発生した場合には、第1保留エリアRA1→第2保留エリアRA2→第3保留エリアRA3→第4保留エリアRA4の順に各数値情報等が時系列的に格納されていく。このように、第1特別図柄保留球格納エリアRAに4個の保留エリアRA1〜RA4が設けられていることにより、第1始動口56への遊技球の入賞履歴が全体として最大4個まで記憶(保留記憶)される。
同様に、第2特別図柄保留球格納エリアRBにおける第1〜第4保留エリアRB1〜RB4には、通常第2始動口57または特別第2始動口58への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値(抽選カウンタ用バッファ114aの各値)が当たり乱数カウンタ格納エリア201、当たり種別カウンタ格納エリア202、リーチ乱数カウンタ格納エリア203に格納されると共に、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞情報が入賞始動口格納エリア204に格納される。なお、本実施形態では、入賞始動口格納エリア204には、第2始動口への入賞情報が格納されるが、通常第2始動口57と特別第2始動口58とを区別する情報は格納されない。そして、通常第2始動口57または特別第2始動口58に対して遊技球の入賞が連続して発生した場合には、第1保留エリアRB1→第2保留エリアRB2→第3保留エリアRB3→第4保留エリアRB4の順に各数値情報等が時系列的に格納されていく。このように、第2特別図柄保留球格納エリアRBに4個の保留エリアRB1〜RB4が設けられていることにより、第2始動口57、58への遊技球の入賞履歴が全体として最大4個まで記憶(保留記憶)される。
つまり、本パチンコ機10では、第1始動口56、および第2始動口57、58への遊技球の入賞履歴は、それぞれ最大4個まで記憶されるため、全体として最大8個まで保留記憶される。また、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施形態では、遊技球3個)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。本実施形態では、保留記憶可能な全体の数を8個としたものを説明するが、保留記憶可能な全体の数は8個に限定されることはなく任意であり、4個、6個または9個以上といったように他の複数であってもよい。また、第1始動口56と第2始動口57、58とで保留記憶可能な数が異なっていてもよい。
実行エリアRCは、メイン表示部71(第1結果表示部71aまたは第2結果表示部71b)の変動表示を開始する際に、第1保留エリアRA1または第1保留エリアRB1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアRCに記憶されている各種数値情報に基づいて当否判定等が行われる。
また、第1特別図柄保留球格納エリアRAに設けられた第1特別図柄保留数記憶エリアNAは、第1抽選遊技の保留数(第1始動口56への入賞を契機とする変動表示の保留数)を記憶するエリアである。同様に、第2特別図柄保留球格納エリアRBに設けられた第2特別図柄保留数記憶エリアNBは、第2抽選遊技の保留数(通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機とする変動表示の保留数)を記憶するエリアである。
総保留数記憶エリアNXは、第1特別図柄保留数記憶エリアNAと第2特別図柄保留数記憶エリアNBとの和の数(総保留数)を記憶するための記憶エリアである。
普通図柄保留球格納エリア114cは、普通図柄始動ゲート60への遊技球の入賞(通過)履歴にあわせて、電動役物開放乱数カウンタC4の値(抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている値)を時系列的に格納するための保留エリアである。
普通図柄保留球格納エリア114cは、図12に示されるように、第1〜第4保留エリアRD1〜RD4の4つの記憶エリア、実行エリアRD5および保留数記憶エリアNCにより構成されている。そして、第1〜第4保留エリアRD1〜RD4の4つの記憶エリアにより、普通図柄始動ゲート60への遊技球の入賞履歴が最大4個まで記憶(保留記憶)されるようになっている。
具体的には、普通図柄始動ゲート60への入賞が連続して発生した場合、第1保留エリアRD1→第2保留エリアRD2→第3保留エリアRD3→第4保留エリアRD4の順に電動役物開放乱数カウンタC4の値が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアが設けられていることにより、普通図柄始動ゲート60への遊技球の入賞履歴が最大4個まで記憶されるようになっている。
実行エリアRD5は、第1保留エリアRD1に格納された数値を移動させるためのエリアである。そして、電動役物66の開放抽選を行う際には、実行エリアRD5に記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定等が行われる。
なお、普通図柄保留球格納エリア114cにおいても、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
カウンタの説明に戻り、各種カウンタについて具体的に説明する。
当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。そして、特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合には、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、当該初期値から再びカウントが開始される。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58に入賞したタイミングで主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bに格納される。
当たり抽選に当選となる乱数の値は、主側ROM113における当否情報群記憶手段としての特別図柄当否テーブル記憶エリア113aに特別図柄当否テーブル(付与情報における当否情報群)として記憶されている。ここで、特別図柄当否テーブル記憶エリア113aの内容について図14を参照しつつ説明する。図14は、本実施形態における特別図柄当否テーブルを説明するための説明図であり、(a)は低確率モード用の特別図柄当否テーブルを示し、(b)は高確率モード用の特別図柄当否テーブルを示している。
図14に示されるように、特別図柄当否テーブルとしては、図14(a)の低確率モード用の特別図柄当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図14(b)の高確率モード用の特別図柄当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本実施形態では、当たり抽選における抽選モードとして、低確率モード(低確率対応状態)と高確率モード(高確率対応状態)とが設定されている。
本実施形態では、当たり抽選に際して低確率モード用の特別図柄当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図14(a)に示されるように、当たり抽選に当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は2個とされている。一方、当たり抽選に際して高確率モード用の特別図柄当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図14(b)に示されるように、当たり抽選に当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は21個とされている。また、本実施形態では、低確率モードである状況において、当たり抽選に当選となる当たり乱数カウンタC1の値群(7、307)は、高確率モードである状況において当たり抽選に当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数および値は任意である。
当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58に入賞したタイミングで主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bに格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、主側ROM113における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア113bに振分テーブル(付与情報における振分情報群)として記憶されている。図15は、振分テーブルを説明するための図であり、(a)は第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)、(b)は第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)である。なお、第1結果表示部用の振分テーブルは、第1始動口56への入賞に基づき取得された保留情報に対して振分抽選が行われる場合に参照されるテーブルである。また、第2結果表示部用の振分テーブルは、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞に基づき取得された保留情報に対して振分抽選が行われる場合に参照されるテーブルである。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図15(a)に示されるように、遊技結果の振分先として、「0〜29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が16R確変当たり結果に対応しており、「10〜23」が4R確変当たり結果に対応しており、「24〜29」が4R通常当たり結果に対応している。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図15(b)に示されるように、遊技結果の振分先として、「0〜29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜23」が16R確変当たり結果に対応しており、「24〜29」が16R通常当たり結果に対応している。
ここで、本実施形態における確変当たり結果とは、開閉実行モードの終了後に、当たり抽選のモードが高確率モードになると共にサポートモードが高頻度サポートモードになる当たり結果のことである。また、通常当たり結果とは、開閉実行モードの終了後に、当たり抽選のモードが低確率モードになる(維持される)と共にサポートモードが高頻度サポートモードとなる当たり結果のことである。但し、通常当たり結果における高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(本実施形態では、100回)に達した場合に終了し、低頻度サポートモードに移行する。
なお、具体的には後述するが、高頻度サポートモードとは電動役物66が開放し易いモードのことであり、低頻度サポートモードとは電動役物66が開放し難いモードのことである。
また、開閉実行モードにおける可変入賞装置59の制御では、予め定められた回数を上限とするラウンド遊技が実行される。なお、ラウンド遊技とは、予め定められた開放継続時間が経過すること、または予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口59aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。例えば、開放継続時間は30secに設定され、上限個数は10個に設定される。
本実施形態では、操作ハンドル31が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構44が駆動制御される。そうすると、各ラウンド遊技では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技における遊技球の入賞上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。したがって、各ラウンド遊技では、大入賞口59aに対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待される。
ここで、上記図15で説明した各種当たり結果について説明すると、「4R確変当たり結果および4R通常当たり結果」とは、大入賞口59aが4回開放される遊技結果であり、「16R確変当たり結果および16R通常当たり結果」とは、大入賞口59aが16回開放される遊技結果である。
そして、上記のように、本実施形態では、当たり抽選に当選となった場合の遊技結果の振分態様は、第1始動口56への入賞を契機として当たり抽選に当選した場合と、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機として当たり抽選に当選した場合とで異なっている。具体的には、第1始動口56への入賞を契機として16R確変当たり当選となる確率は、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機として16R確変当たり当選となる確率より低くなっている。そして、16R確変当たり結果は、大入賞口59aが長時間態様で16回開放されるため、最も有利な当たり結果であるといえる。つまり、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機として当たり抽選に当選した場合の方が遊技者は多くの出球を得られる確率が高くなっている。また、第1始動口56への入賞を契機として当たり抽選に当選した場合と、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機として当たり抽選に当選した場合とでは、通常当たり結果となる確率は等しくされているが、通常当たり結果となった場合のラウンド数が異なっている。具体的には、第1始動口56への入賞を契機として当たり抽選に当選した場合には4R通常当たり結果となり、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機として当たり抽選に当選した場合には16R通常当たり結果となる。すなわち、通常当たり結果となった場合においても、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機として当たり抽選に当選となった場合の方が遊技者は多くの出玉を得られるようになっている。
また、「高確率モード」とは、当たり終了後に付加価値としてその後の当たり抽選に当選する確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、開閉実行モード(特典遊技)へ移行し易い遊技の状態のことである。「低確率モード」とは、高確率モードでない場合(確変中でない時)をいい、当たり抽選に当選する確率が通常の状態、即ち、確変の時より当たり抽選に当選する確率が低い状態をいう。
また、電動役物66におけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、電動役物66が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモード(高頻度ガイドモード)と低頻度サポートモード(低頻度ガイドモード)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放乱数カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電動役物開放状態当選となる確率が異なっており、高頻度サポートモードの方が低頻度サポートモードよりも電動役物開放状態当選となる確率が高くなっている。また、電動役物開放状態当選となった際には、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物放状態当選となった際に電動役物66が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電動役物開放状態となり、電動役物66の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。
このため、高頻度サポートモードでは、電動役物66が開放状態となることで通常第2始動口57に遊技球が入賞し易くなり、通常第2始動口57に遊技球が入賞することによって所定個数の遊技球の払い出しが実行されるため、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電動役物開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電動役物開放状態当選となる確率を等しくし、1回の開放回数や開放時間を適宜設定するようにしてもよく、適宜変更可能である。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58に入賞したタイミングで主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bに格納される。そして、主側ROM113のリーチ用テーブル記憶エリア113cに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定するのに用いられる。但し、開閉実行モードに移行する遊技回(当たり抽選に当選した遊技回)においては、主側MPU112では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、本実施形態では各遊技状態において同一とされているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置80における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(または可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置80を備え、可変入賞装置59の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置80における図柄(絵柄)の変動表示(または可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態のことである。
具体的には、リーチ表示とは、図柄表示装置80の表示画面80aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、当たりが発生する(開閉実行モードへ移行する)のに対応した当たり図柄の組み合わせが成立する可能性がある主図柄(リーチ図柄)の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置80の表示画面80a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のある主図柄(リーチ図柄)の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図6を参照して具体的に説明すると、本パチンコ機10では、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、有効ラインL1〜L5のいずれかに同一の数字、または有効ラインL2の上図柄列Z1に「3」の数字および下図柄列Z3に「1」の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2(最終停止図柄列)において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うと共に、その背景画面において所定のキャラクタ等を動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させるまたは非表示とした上で、表示画面80aの略全体において所定のキャラクタ等を動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部71(第1結果表示部71aまたは第2結果表示部71b)における変動表示時間(表示継続時間)と、図柄表示装置80における図柄の変動表示時間(表示継続時間)とを主側MPU112において決定するのに用いられる。変動種別カウンタCSは、定期的に更新され、メイン表示部71における変動表示の開始時および図柄表示装置80による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して値が取得される。そして、変動表示時間の決定に際しては、主側ROM113における変動表示情報郡記憶手段としての変動表示時間テーブル記憶エリア113dに予め記憶されている変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)が参照される。
電動役物開放乱数カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。そして、電動役物開放乱数カウンタC4が1周した場合には、その時点の乱数初期値カウンタCINI2の値が当該電動役物開放乱数カウンタC4の初期値として読み込まれ、当該初期値から再びカウントが開始される。なお、乱数初期値カウンタCINI2は、電動役物開放乱数カウンタC4と同様のループカウンタである(値=0〜250)。電動役物開放乱数カウンタC4は定期的に更新され、遊技球が普通図柄始動ゲート60を通過したタイミングで主側RAM114の普通図柄保留球格納エリア114cに格納される。
普通図柄の当たり当選となる乱数の値は、主側ROM113における当否情報群記憶手段としての普通図柄当否テーブル記憶エリア113fに普通図柄当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。特に限定されるものではないが、本実施形態では、普通図柄の当選となる乱数の値の数は、低確率モードでは24とされ、その範囲は「5〜28」とされている。また、高確率モードでは、200とされ、その範囲は「5〜204」となっている。すなわち、低確率モードでは、取得された電動役物開放乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にある場合に当選と判定され、高確率モードでは、取得された電動役物開放乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にある場合に当選と判定される。そして、メイン表示部71におけるその他表示部71dに所定の点灯状態が示されると共に、電動役物66が開放される。
<主制御基板111のMPU112にて実行される各種処理について>
次に、図16を参照して主制御装置91に電源が投入された後に主側MPU112により実行されるメイン処理について説明する。図16は、メイン処理を示すフローチャートであり、電源投入時のリセットにより起動される。
まず、電源投入ウェイト処理を実行する(S101)。当該電源投入ウェイト処理では、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置92、表示制御装置93、払出制御装置100等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つため、ウェイト処理(例えば、1sec)を実行し、次の処理に進行することなく待機する。そして、電源投入ウェイト処理の期間が経過した後、主側RAM114のアクセスを許可すると共に(S102)、主側MPU112の内部機能レジスタの設定を行う(S103)。
その後、電源および発射制御装置101に設けられたRAM消去スイッチ103が手動操作されているか否かを判定し(S104)、RAM消去スイッチ103が手動操作されていないと判定した場合(S104:NO)、主側RAM114の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(S105)。そして、主側RAM114の停電フラグに「1」がセットされていると判定した場合には(S105:YES)、チェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S106)、そのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータが正常であるか否かを判定する(S107)。
そして、チェックサムが正常であると判定した場合には(S107:YES)、電源投入設定処理を実行する(S109)。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM114の所定のエリアを初期値に設定すると共に、現状の遊技状態(電源断が正常なものである場合には電源断の前の状態)を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声ランプ制御装置92に送信する。また、払出側RAM124の初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出側MPU122に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
一方、RAM消去スイッチがオンされていると判定した場合(S104:YES)、停電フラグに「1」がセットされていないと判定した場合(S105:NO)、またはチェックサムが正常でないと判定した場合(S107:NO)には、主側RAM114の初期化として当該主側RAM114をクリアした後(S108)、上記ステップ109の電源投入設定処理を行う。
すなわち、本パチンコ機10では、例えば、遊技ホールの営業開始時等、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ103を押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチ103が押されていれば、上記S108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様に上記ステップ108の処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ103が押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、およびチェックサムが正常であることを条件に、ステップ108の処理を実行することなくステップ109を実行する。つまり、電源の遮断が正常であり、チェックサムが正常であれば、電源断の遊技状態に復帰させるためのコマンドを音声ランプ制御装置92に送信する。
その後、以下の残余処理に進む。つまり、主側MPU112は、後述するタイマ割込み処理(図17)を定期的に実行する構成であるが、あるタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、この不規則な時間を利用して以下の残余処理を繰り返し実行する。つまり、以下の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まず、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う(S110)。続いて、乱数初期値カウンタCINI1、CINI2の更新を行う乱数初期値更新処理を実行すると共に(S111)、変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する(S112)。これらの更新処理では、主側RAM114の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う(S113)。そして、ステップ113の処理を実行したら、ステップ110に戻り、タイマ割込み処理が終了した後、ステップ110〜ステップ113の処理を実行する。
ここで、上記のように残余処理では、割込み禁止の処理および割込み許可の処理に挟まれるようにして乱数初期値更新処理および変動用カウンタ更新処理が設定されているのみであるため、タイマ割込み処理が開始されるタイミングは常にステップ110の直前となる。そうすると、タイマ割込み処理が終了した後は常にステップ110から開始すればよいこととなり、タイマ割込み処理後の戻りアドレスが一義的なものとなる。よって、タイマ割込み処理の開始に際して現状の戻りアドレスを記憶する必要はなく、タイマ割込み処理の開始に際しての処理負荷が軽減される。
また、主側MPU112において所定のデータの演算を行っている途中でタイマ割込み処理が発生することもないため、タイマ割込み処理の開始に際して主側MPU112のレジスタにその時点で格納されているデータの主側RAM114への退避処理を実行する必要がなく、同様にタイマ割込み処理の終了に際して主側MPU112のレジスタへのデータの復帰処理を実行する必要がない。よって、タイマ割込み処理の開始に際しての処理負荷が軽減されると共に、タイマ割込み処理の終了に際しての処理負荷も軽減される。
また、乱数初期値カウンタCINI1、CINI2の更新途中や変動種別カウンタCSの更新途中でタイマ割込み処理が開始されることがないため、これらの更新途中であるにも関わらず、タイマ割込み処理にてこれらカウンタの数値情報が取得されたり、さらなる更新処理が実行されてしまうことを防止できる。
次に、図17を参照しつつ、主側MPU112が定期的(本実施の形態では4msec周期で)に実行するタイマ割込み処理について説明する。図17は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
まず、主側MPU112にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板111には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段として図示しないクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路と主側MPU112との間の信号経路の途中位置に存在するように図示しない分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングを主側MPU112にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路から主側MPU112に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。主側MPU112では、このパルス信号の立ち上がりまたは立ち下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも1つの条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、主側MPU112における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
ただし、上記分周回路からのパルス信号の出力は主側MPU112における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、主側MPU112の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。以上が主側MPU112にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成である。
主側MPU112は、まず、停電情報記憶処理を実行する(S201)。この停電情報記憶処理では、停電監視基板117から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には所定の停電時処理を実行する。
次に、抽選用乱数更新処理を実行する(S202)。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際にはそれぞれ「0」にクリアする。
その後、メイン処理(図16)における上記ステップ111と同様に乱数初期値更新処理を実行すると共に(S203)、メイン処理(図16)における上記ステップ112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する(S204)。次に、遊技停止判定処理を実行する(S205)。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
具体的には、遊技機本体12の前面側には、磁石検知センサ、電波検知センサ、振動検知センサ等の各種センサ(図9中のその他検知センサ115)が設けられている。そして、主側MPU112では、後述する不正検知処理(S212)により、磁石検知センサの検知結果に基づいて遊技盤43に対して磁石を近づける行為が行われていないか否かを判定し、電波検知センサの検知結果に基づいて不正な電波がパチンコ機10に向けて出力されていないか否かを判定し、振動検知センサの検知結果に基づいてパチンコ機10に対して不正な振動が加えられていないか否か等を判定する。これらの不正判定のいずれかにて肯定判定をした場合には、パチンコ機10への不正行為に該当する特定事象が発生しているとして、遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し(S206)、遊技の進行を停止している状態であると判定した場合には(S206:YES)、報知コマンドの出力用処理を実行する(S207)。報知コマンドの出力用処理では、いずれかの特定事象が発生している場合であってその特定事象の発生に対して未だ報知コマンドを出力していない状況において、報知コマンドを出力対象に設定する。
なお、当該報知コマンドには、その出力の契機となった特定事象の内容が含まれるため、音声ランプ制御装置92が報知コマンドを受信するとその特定事象の内容に対応した報知の実行設定を行う。また、遊技の進行が停止された状態、およびそれに対応した報知は、主側MPU112への動作電力の供給を停止したのみでは電源立ち上げ時に再度開始され、主側MPU112への動作電力の供給を停止した後に電源および発射制御装置101に設けられたRAM消去スイッチ103を手動操作しながら動作電力の供給を開始することにより、主側RAM114の初期化が実行されることに伴って実行されないようになる。
一方、遊技の進行を停止していない状態であると判定した場合には(S206:NO)、ポート出力処理を実行する(S208)。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力処理を実行する。例えば、大入賞口59aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部59dへの駆動信号の出力を開始し、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止する。また、電動役物66を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部66aへの駆動信号の出力を開始し、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止する。さらに、各処理で出力対象に設定されたコマンドを音声ランプ制御装置92や払出制御装置100に出力する。
次に、読み込み処理を実行する(S209)。読み込み処理では、停電信号および入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続いて、一般入賞口55、第1始動口56、通常第2始動口57、特別第2始動口58、可変入賞装置59、普通図柄始動ゲート60、および可変入賞装置始動ゲート61への入賞を検知する入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61aから受信している信号を読み込み、一般入賞口55、第1始動口56、通常第2始動口57、特別第2始動口58、可変入賞装置59、普通図柄始動ゲート60、および可変入賞装置始動ゲート61への入賞の有無を特定する入賞検知処理を実行する(S210)。
その後、主側RAM114に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報を更新するためのタイマ更新処理を実行する(S211)。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新および加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続いて、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する(S212)。この不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生しているか否かの不正判定を実行して肯定判定をした場合、次回のタイマ割込み処理におけるステップ205にて遊技停止用の設定を行う。これにより、ステップ206にて肯定判定をするようになる。なお、所定の事象とは、ステップ205にて説明したように、遊技盤43に対して磁石を近づける行為が行われていないか否か、不正な電波がパチンコ機10に向けて出力されていないか否か、パチンコ機10に対して不正な振動が加えられていないか否か等である。
次に、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する(S213)。発射制御処理では、操作ハンドル31に対して発射操作が継続されている状況では、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。そして、ステップ209の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61aの断線確認や、遊技機本体12、前扉枠14の開放確認等を行う入力状態監視処理を行う(S214)。この場合、当該入力状態監視処理では、各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61aの断線を確認した場合や、遊技機本体12の開放を確認した場合には上記ステップ207と同様に報知コマンドの出力用処理を実行する。当該報知コマンドの出力用処理では、入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、59c、60a、61aに断線が発生していることを示す報知コマンドや、遊技機本体12が開放状態であることを示す報知コマンドを送信する。
また、入力状態監視処理では、払出制御装置100から受信している信号に基づいて、下皿30が満タン状態となっているか否かといった判定や、払出装置99に異常が発生しているか否かといった判定を行い、これらの判定において肯定判定をした場合にはそれに対応した報知コマンドを出力対象に設定する。
次に、遊技回(変動表示回)の実行制御および開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行すると共に(S215)、電動役物66の開閉制御を行うための普図普電制御処理を実行する(S216)。これらステップ215における特図特電制御処理およびステップ216における普図普電制御処理については、具体的に後述する。
続いて、直前のステップ215およびステップ216の処理結果に基づいて、第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58への入賞に対する保留情報(第1、第2特別図柄保留数記憶エリアNA、NB)の増減個数、および普通図柄始動ゲート60への入賞に対する保留情報(保留数記憶エリアNC)の増減個数をメイン表示部71(その他表示部71d)に反映させるための表示制御処理(出力情報の設定)を行う(S217)。また、開閉実行モードへ移行する際には、後述するラウンド用の設定処理(図26)に基づいて、ラウンド表示部71cにその開閉実行モードにおける可変入賞装置59が開放される回数を反映させるための表示制御処理(出力情報の設定)を行う。さらに、開閉実行モードが終了する際には、ラウンド表示部71cの表示を消去(消灯)するための表示制御処理(出力情報の設定)を行う。
次に、遊技回および開閉実行モードのどちらも実行されていない状況において、図柄表示装置80の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行する(S218)。このデモ表示用処理については具体的に後述する。
そして、払出側MPU122から受信したコマンドおよび信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する(S219)。また、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する(S220)。
次に、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始および終了を制御するように、外部出力端子板104への信号出力の状態を切り換えるための外部情報設定処理を実行する(S221)。
ステップ221の外部処理情報設定処理を終了した後、またはステップ207の報知コマンドの出力用処理を終了した後は、割込み終了宣言の設定を実行する(S222)。主側MPU112では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップ222では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。次に、割込み許可の設定を行う(S223)。主側MPU112では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップ223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図17)におけるステップ215の特図特電制御処理について図18を参照しつつ説明する。図18は、特図特電制御処理を示すフローチャートである。
特図特電制御処理では、第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行すると共に、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行すると共に、開閉実行モード中および開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、まず、保留情報の取得処理を実行する(S301)。ここで、保留情報の取得処理について、図19を参照しつつ説明する。図19は、保留情報の取得処理を示すフローチャートである。
保留情報取得の処理は、第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58に遊技球が入賞したかを判別し、第1始動口56、通常第2始動口57、または特別第2始動口58に遊技球が入賞した場合には、保留上限個数(第1始動口56に最大4個、通常第2始動口57および特別第2始動口58に最大4個で全体で最大8個)まで、取得した各カウンタ値を特別図柄保留球格納エリア114bに格納する処理である。また、入賞に基づいて取得された各カウンタ値が特別図柄保留球格納エリア114bに格納されると、格納された各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理である。
まず、遊技球が第1始動口56に入賞(始動入賞)したか否かを入賞検知センサ55aの検知情報により判定する(S401)。そして、遊技球が第1始動口56に入賞した(始動入賞があった)と判定すると(S401:YES)、第1特別図柄保留数記憶エリアNAに格納された保留数Naの値を読み出し、取得した保留数Naが4個未満であるか否かを判定する(S402)。つまり、第1始動口56に対する保留数の上限値である4個未満であるか(即ち、保留数が上限値まで記憶されていないか)を判定する。
そして、取得した保留数Naが4個未満であると判定した場合には(S402:YES)、第1特別図柄保留数記憶エリアNAの保留数Naを1加算すると共に、総保留数記憶エリアNXの総保留数Nxを読み出し、当該総保留数Nxを1加算する(S403)。一方、取得した保留数Naが4であると判定した場合には(S402:NO)、そのまま本保留情報の取得処理を終了する。
ステップ403の処理を終了した後は、タイマ割込み処理(図17)におけるステップ202にて更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各数値情報(特別情報)、第1始動口56への入賞を契機とするものであることの情報を、第1特別図柄保留球格納エリアRAのうちステップ403にて1加算した保留数Naと対応する保留エリアに格納する(S404)。
その後、第1始動口56への入賞が発生したことを音声ランプ制御装置92および表示制御装置93に認識させると共に、保留報知を実行させるための処理である保留コマンドの設定処理を実行する(S405)。
一方、遊技球が第1始動口56へ入賞していないと判定した場合には(S401:NO)、遊技球が通常第2始動口57または特別第2始動口58に入賞(始動入賞)したか否かを入賞検知センサ57a、58aの検知情報により判定する(S406)。そして、遊技球が通常第2始動口57または特別第2始動口58に入賞した(始動入賞があった)と判定すると(S406:YES)、ステップ402〜ステップ405と同様の処理を行う(S407〜S410)。これに対し、遊技球が通常第2始動口57または特別第2始動口58へ入賞していないと判定した場合(S406:NO)、そのまま本保留情報の取得処理を終了する。
なお、ステップ407〜ステップ410の処理は、ステップ402〜ステップ405までの各処理に対して、通常第2始動口57または特別第2始動口58に入賞したことに対する処理が相違するのみであるため詳細な説明は省略するが、ステップ407では、第2特別図柄保留数記憶エリアNBに格納された保留数Nbの値を読み出して判定し、ステップ408では第2特別図柄保留数記憶エリアNBの保留数Nbを1加算すると共に総保留数記憶エリアNXの総保留数Nxを1加算し、ステップ409では各カウンタC1〜C3の数値情報(特別情報)、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機とするものであることの情報を、第2特別図柄保留球格納エリアRBのうちステップ408にて1加算した保留数Nbと対応する保留エリアに格納する。
以上が保留情報の取得処理である。特図特電制御処理(図18)の説明に戻り、ステップ301にて保留情報の取得処理を実行した後は、主側RAM114に設けられた特図特電カウンタエリア114dから特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する(S302)。また、主側ROM113の特図特電アドレステーブル記憶エリア113gから特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行し(S303)、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する(S304)。
上記のように、特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理、開閉実行モードに関する処理が含まれている。この場合、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(S307)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(S308)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(S309)と、が設定されている。また、開閉実行モードに関する処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(S310)と、大入賞口59aの開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(S311)と、大入賞口59aの閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(S312)と、開閉実行モードのエンディングおよび開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(S313)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU112にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
特図特電アドレステーブルについて図20を参照して説明すると、特図特電カウンタは「0」〜「6」の数値情報を設定可能となっており、特図特電アドレステーブルには特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「SA0」〜「SA6」)が設定されている。この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算または「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、特図特電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側MPU112にて把握することが可能となる。例えば、遊技回用の演出は、他の遊技回用の演出が実行されておらず、かつ開閉実行モードではない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判定しようとすると、遊技回用の演出に関する処理にて、遊技回用の演出を開始させる前に、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。また、遊技回用の演出の実行中には、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、確定表示中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。
また、開閉実行モードは、遊技回用の演出が終了し、かつ他の開閉実行モードが実行されていない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判定しようとすると、開閉実行モードに関する処理にて、開閉実行モードを開始させる前に、遊技回用の演出が終了したことを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じ、さらにオープニング中である場合には、オープニング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。また、オープニング以降では、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行うと共に、大入賞口59aが開放中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。
さらにまた、エンディング中である場合には、エンディング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。
これに対して、特図特電カウンタを利用すれば、様々なフラグを用意しておく必要はなく、さらには各処理の実行タイミングを確認する際の情報も集約される。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、特図特電カウンタおよび特図特電アドレステーブルを利用して、特図変動開始処理(S307)、特図変動中処理(S308)、特図確定中処理(S309)、特電開始処理(S310)、特電開放中処理(S311)、特電閉鎖中処理(S312)および特電終了処理(S313)を実行するための処理構成を説明する。
まず、ステップ304の開始アドレスを取得した後は、ゼロフラグへの設定処理を実行する(S305)。ゼロフラグへの設定処理では、主側RAM114に設けられた特図特電タイマカウンタエリア114eから特図特電タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタ)の数値情報を読み出し、読み出した数値情報に基づいてゼロフラグの値を設定する。具体的には、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」をセットし、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」でない場合には、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「0」をセットする。例えば、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」でなく、ゼロフラグが「1」である場合にはゼロフラグを「1」から「0」に変化させる。特図特電タイマカウンタは、時間の経過に応じた特図特電カウンタの更新タイミングを主側MPU112にて特定するために利用されるカウンタであり、上記タイマ割込み処理(図17)におけるステップ211のタイマ更新処理にて数値情報の減算が実行される。
続いて、上記ステップ304にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する(S306)。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合には特図変動開始処理(S307)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合には特図変動中処理(S308)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合には特図確定中処理(S309)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合には特電開始処理(S310)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合には特電開放中処理(S311)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合には特電閉鎖中処理(S312)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合には特電終了処理(S313)にジャンプする。そして、ステップ307〜ステップ313の処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。以下に、ステップ307〜ステップ313の各処理について個別に説明する。
まず、ステップ307の特図変動開始処理について、図21を参照しつつ説明する。図21は、特図変動開始処理を示すフローチャートである。特図変動開始処理では、保留情報が記憶されていることを条件に、各種判定処理を実行し、メイン表示部71および図柄表示装置80において変動表示が行われる遊技回を開始するための処理を実行する。
まず、総保留数記憶エリアNXから総保留数Nxの値を読み出し、取得した保留数Nxが1以上であるか否かを判定する(S501)。そして、総保留数Nxが0であると判定した場合には(S501:NO)、そのまま本特図変動開始処理を終了する。一方、総保留数Nxが1以上であると判定した場合には(S501:YES)、データ設定処理を実行する(S502)。ここで、データ設定処理について、図22を参照しつつ説明する。
図22は、データ設定処理を示すフローチャートである。
具体的には、このデータ設定処理では、まず、第2特別図柄保留数記憶エリアNBから保留数Nbの値を読み出し、取得した保留数Nbが1以上であるか否かを判定する(S601)。そして、保留数Nbが1以上であると判定した場合には(S601:YES)、保留数Nbを1減算すると共に総保留数Nxを1減算する(S602)。次に、第2特別図柄保留球格納エリアRBにおける第1保留エリアRB1に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリアRCにシフトする(S603)。その後、第2特別図柄保留球格納エリアRB内のデータ(すなわち、保留情報)をシフトする(S604)。具体的には、ステップ604の処理は、第1〜第4保留エリアRB1〜RB4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトする処理であり、第1保留エリアRB1のデータをクリアすると共に、第2保留エリアRB2→第1保留エリアRB1、第3保留エリアRB3→第2保留エリアRB2、第4保留エリアRB4→第3保留エリアRB3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
一方、保留数Nbが1以上でないと判定した場合(S601:NO)、つまり保留数Naのみが1以上である場合には、保留数Naを1減算すると共に総保留数Nxを1減算する(S605)。次に、第1特別図柄保留球格納エリアRAにおける第1保留エリアRA1に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリアRCにシフトする(S606)。その後、第1特別図柄保留球格納エリアRA内のデータ(すなわち、保留情報)をシフトする(S607)。具体的には、この処理は、第1〜第4保留エリアRA1〜RA4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトする処理であり、第1保留エリアRA1のデータをクリアすると共に、第2保留エリアRA2→第1保留エリアRA1、第3保留エリアRA3→第2保留エリアRA2、第4保留エリアRA4→第3保留エリアRA3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
ステップ604のシフト処理を実行した後、またはステップ607のシフト処理を実行した後は、第1〜第4保留エリアRA1〜RA4のデータのシフトが行われたこと、または第1〜第4保留エリアRB1〜RB4のデータのシフトが行われたことを音声ランプ制御装置92に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定する(S608)。なお、ステップ608で設定されたシフト時コマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に、タイマ割込み処理(図17)におけるポート出力処理(S208)によって送信される。
すなわち、本実施形態では、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機として当たり抽選に当選した場合の方が遊技者にとって有利となる確率が高いため(図15参照)、第2抽選遊技に関する保留情報がある場合には当該第2抽選遊技に関する保留情報を優先的に実行エリアRCにシフトする優先消化を実行するようにしている。
特図変動開始処理(図21)の説明に戻り、ステップ502のデータ設定処理を実行した後は、当たり抽選である当否判定処理(特別情報判定処理)を実行する(S503)。
当否判定処理では、まず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、主側RAM114に設けられた高確率モードフラグ格納エリア114fに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することにより、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。そして、高確率モードであると判定した場合には、主側ROM113の特別図柄当否テーブル記憶エリア113aに記憶されている高確率モード用の特別図柄当否テーブル(図14(b))を参照して、実行エリアRCに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に関する数値情報(当たり乱数カウンタ格納エリア201に格納されている数値情報)が高確率モード用の当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードであると判定した場合には、主側ROM113の特別図柄当否テーブル記憶エリア113aに記憶されている低確率モード用の特別図柄当否テーブル(図14(a))を参照して、実行エリアRCに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に関する数値情報(当たり乱数カウンタ格納エリア201に格納されている数値情報)が低確率モード用の当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。なお、高確率モードフラグは、確変当たり結果に起因する開閉実行モードの終了に際して格納され(図29、S1303)、その後に通常当たり結果に起因する開閉実行モードの終了に際して消去される(図29、S1304)。
次に、当否判定処理の結果が当たり当選結果であるか否かを判定する(S504)。当たり当選結果であると判定した場合には(S504:YES)、振分判定処理(特別情報判定処理)を実行する(S505)。振分判定処理では、実行エリアRCに格納された情報のうち、振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2に関する数値情報(当たり種別カウンタ格納エリア202に格納されている数値情報)と、入賞始動口の情報とを把握する。そして、主側ROM113の振分テーブル記憶エリア113bに記憶されている振分テーブルを参照して、上記把握した当たり種別カウンタC2に関する数値情報(当たり種別カウンタ格納エリア202に格納されている数値情報)がいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、第1始動口56への入賞を契機とするものである場合には、第1結果表示部用の振分テーブル(図15(a))を参照して16R確変当たり結果、4R確変当たり結果、および16R通常当たり結果のいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。また、通常第2始動口57または特別第2始動口58への入賞を契機とするものである場合には、第2結果表示部用の振分テーブル(図15(b))を参照して16R確変当たり結果、または16R通常当たり結果のいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。
その後、当たり結果用の停止結果設定処理を実行する(S506)。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部71に最終的に停止表示させる絵柄(点灯状態)の態様の情報を、主側ROM113の停止結果テーブル記憶エリア113eに記憶されている当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM114に記憶する。この当たり結果用の停止結果テーブルには、メイン表示部71に停止表示される絵柄の態様の情報が、当たり結果の種別毎に相違させて設定されている。
次に、振分判定結果に対応したフラグ格納処理を実行する(S507)。具体的には、主側RAM114の各種当たり結果フラグ格納エリア114kのうちステップ505で特定した当たり結果と対応する格納エリアにフラグを格納する。
一方、当たり当選結果ではないと判定した場合には(S504:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(S508)。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部71に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM113の停止結果テーブル記憶エリア113eに記憶されている外れ結果用の停止結果テーブから特定し、その特定した情報を主側RAM114に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
上記ステップ507およびステップ508のいずれかの処理を実行した後は、変動表示時間(表示継続期間)の把握処理(表示態様決定処理)を実行する(S509)。この処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得し、今回の遊技回において図柄表示装置80にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの当たり結果でもないが、実行エリアRCに格納されているリーチ乱数カウンタC3に関する数値情報(リーチ乱数カウンタ格納エリア203に格納されている数値情報)がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、主側ROM113の変動表示時間テーブル記憶エリア113dに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した変動表示時間情報を取得すると共に、リーチの種類(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)を決定する。
なお、本実施形態におけるノーマルリーチとは、変動表示時間が短いリーチであり、上段の図柄列Z1と下段の図柄列Z3にてリーチラインが形成された後、中断の図柄列Z2がそのまま停止する(いわゆる、ビタ止まり)変動のことである(図柄列については図6参照)。スーパーリーチとは、ノーマルリーチより変動表示時間が長いリーチのことであって遊技者に当該遊技回で当たり結果が発生する期待度が高いことを示唆するリーチであり、例えば、ノーマルリーチの後に続けて表示される。本実施形態では、今回の遊技回が当たり結果である場合には、当たり結果でない場合よりもスーパーリーチを選択する確率が高くされている。
一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、主側ROM113の変動表示時間テーブル記憶エリア113dに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した変動表示時間情報を取得する。
なお、リーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間と異なっている。また、本実施形態では、リーチ非発生時における変動表示時間は、総保留数Nxが多いほど短くなるように設定されている。さらに、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合と比較して、短い変動表示時間が選択されるように変動表示時間が設定されている。
但し、これに限定されることはなく、総保留数Nxやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種当たり結果の場合、外れリーチ時の場合およびリーチ非発生の外れ結果(完全外れ)の場合のそれぞれに対して個別に変動表示時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた変動表示時間の振分が行われることとなる。
次に、上記ステップ509にて取得した変動表示時間の情報を、特図特電タイマカウンタエリア114eの特図特電タイマカウンタにセットする(S510)。なお、上記のように、この特図特電タイマカウンタにセットされた数値情報の更新(減算)は、上記タイマ割込み処理(図17)のタイマ更新処理(S211)にて実行される。また、遊技回用の演出として、メイン表示部71における絵柄の変動表示と図柄表示装置80における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置80では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で確定時間(最終停止時間)に亘って確定表示(最終停止表示)される。
この場合に、ステップ509にて取得される変動表示時間は1遊技回分のトータル時間に対して確定時間を差し引いた時間となっている。この点、変動表示時間を確定の前時間(最終停止の前時間)と言い換えることもできる。
続いて、変動用コマンドおよび種別コマンドを出力対象に設定する(S511)。なお、変動用コマンドには、変動表示時間の情報が含まれている。ここで、本実施形態では、上記のように、リーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっており、ノーマルリーチで取得される変動表示時間は、スーパーリーチで取得される変動表示時間とも異なっている。このため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報、およびリーチの種類の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92では、変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報、およびリーチの種類の情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報、およびリーチの種類を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、16R確変当たり結果、4R確変当たり結果、16R通常当たり結果の情報が含まれる。なお、ステップ511にて出力対象として設定された変動用コマンドおよび種別コマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に、タイマ割込み処理(図17)におけるポート出力処理(S208)によって送信される。
次に、時短フラグ格納エリア114gに時短フラグが格納されているか否かを判定し(S512)、時短フラグが格納されていると判定した場合には(S512:YES)、主側RAM114に設けられた時短回数カウンタエリア114hに格納された時短回数カウンタを1減算する(S513)。なお、時短回数カウンタは、4R通常当たり結果、または16R通常当たり結果に起因する開閉実行モードにおけるエンディング時間が経過した後に規定回数(本実施形態では100)にセットされる(図29、S1305)。
時短回数カウンタを1減算した後、または時短フラグが格納されていないと判定した場合には(S512:NO)、メイン表示部71における絵柄の変動表示を開始し(S514)、特図特電カウンタを1加算する(S515)。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップ515の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ308の特図変動中処理について、図23を参照しつつ説明する。図23は、特図変動中処理を示すフローチャートである。なお、特図変動中処理は、特図変動開始処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「1」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、今回の遊技回用の演出における変動表示時間が経過したか否かを判定する(S701)。つまり、特図特電制御処理(図18)ではステップ305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「1」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の遊技回用の演出における変動表示時間が経過したことを意味する。
変動表示時間が経過していないと判定した場合には(S701:NO)、メイン表示部71は一定の発光パターンが一定の周期で繰り返されるため、メイン表示部71の更新タイミング(発光パターンの更新タイミング)であるか否かを判定する(S702)。そして、更新タイミングではないと判定した場合には(S702:NO)、そのまま本特図変動中処理を終了する。一方、更新タイミングであると判定した場合には(S702:YES)、更新内容の読み出し処理を実行する(S703)。この更新内容は、主側ROM113の更新用データテーブル記憶エリア113iから更新タイミングに対応した更新内容を読み出す。
次に、ステップ703にて読み出した更新内容をメイン表示部71の更新用にセットする更新処理を実行する(S704)。なお、メイン表示部71の表示内容を実際に更新させるための処理は、タイマ割込み処理(図17)における表示制御処理(S217)にて実行される。その後、本特図変動中処理を終了する。
一方、変動表示時間が経過したと判定した場合には(S701:YES)、確定停止コマンド(最終停止表示コマンド)を出力対象に設定する(S705)。確定停止コマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に対して今回の遊技回用の演出について確定表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
そして、停止結果の読み出し処理を実行する(S706)。当該読み出し処理では、今回の遊技回の開始に際して特図変動開始処理(図21)のステップ506またはステップ508にて主側RAM114に設定した停止表示させる絵柄の態様の情報を読み出す。その後、その読み出した絵柄の態様の情報をメイン表示部71の更新用にセットする更新処理を実行する(S707)。
続いて、主側ROM113に予め記憶されている確定時間(例えば0.5sec)の情報を読み出し、その確定時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする(S708)。次に、特図特電カウンタを1加算する(S709)。この場合、特図変動中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「1」であるため、ステップ709の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「2」となる。その後、本特図変動中処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ309の特図確定中処理について、図24を参照しつつ説明する。図24は、特図確定中処理を示すフローチャートである。なお、特図確定中処理は、特図変動中処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「2」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したか否かを判定する(S801)。つまり、特図特電制御処理(図18)ではステップ305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「2」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したことを意味する。確定時間が経過していないと判定した場合には(S801:NO)、そのまま本特図確定中処理を終了する。
確定時間が経過したと判定した場合には(S801:YES)、主側RAM114における各種当たり結果フラグ格納エリア114kに格納されたフラグを判定することにより、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が当たり結果(すなわち、開閉実行モードへの移行契機となる結果)であったか否かを判定する(S802)。なお、各種当たり結果フラグ格納エリア114kには、特図変動開始処理(図21)におけるステップ307のフラグ格納処理にて当たり結果に対応したフラグが格納されている。
当たり当選であると判定をした場合には(S802:YES)、オープニングコマンドを出力対象に設定する(S803)。オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。オープニングコマンドを受信したことによる音声側MPU152の処理内容については具体的には後述するが、音声側MPU152は、オープニングコマンドを受信すると、各種処理(図34、S1712、S1713)を実行すると共に表示側MPU162にオープニングコマンドを送信する(図34、S1714)。表示側MPU162が音声側MPU152からオープニングコマンドを受信したことによる処理内容についても具体的に後述するが、表示側MPU162は、音声側MPU152からオープニングコマンドを受信すると、オープニング用のデータテーブルの設定処理(図37、S2006)を実行する。これにより、図柄表示装置80には、図38に示されるように、「大当たり!!」という文字、図示しない対応する背景画像、可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球を発射させる(右打ちをする)ことを示唆するオープニング画像が表示される。なお、オープニングコマンドには開閉実行モードの契機となった当たり結果の種類(16R確変当たり結果、4R確変当たり結果、16R通常当たり結果、4R通常当たり結果)の情報も含まれる。
次に、特図特電カウンタを1加算する(S804)。この場合、特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「2」であるため、ステップ804の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「3」となる。その後、本特図確定中処理を終了する。
一方、当たり当選でないと判定した場合(S802:NO)、すなわち今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が外れ結果(すなわち、開閉実行モードへの移行契機とならない結果)であった場合には、時短回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S805)。そして、時短回数カウンタが0であると判定した場合には(S805:NO)、時短フラグ格納エリア114gに時短フラグが格納されていれば時短フラグを消去する(S806)。時短フラグを消去した後、または時短回数カウンタの値が1以上であると判定した場合には(S805:YES)、特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアする(S807)。その後、本特図確定中処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ310の特電開始処理について、図25を参照しつつ説明する。図25は、特電開始処理を示すフローチャートである。なお、特電開始処理は、特図確定中処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「3」となっている。
特電開始処理では、まず、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したか否かを検知センサ61aの検知情報により判定する(S901)。なお、特図特電カウンタの数値情報が「3」である状況で可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したか否かを判定する状況というのは、図柄表示装置80にオープニング画像(図38参照)が表示されている際に遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過したか否かを判定することである。
そして、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過していないと判定した場合には(S901:NO)、そのまま本特電開始処理を終了する。
一方、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したと判定した場合には(S901:YES)、主側RAM114のその他各種カウンタエリア114mに設けられたラウンドカウンタに各種当たり結果に対応したラウンド数を設定するラウンド用の設定処理を行う(S902)。なお、ラウンドカウンタは、1回の開閉実行モードの範囲内で実行するラウンド遊技の回数を主側MPU112にて特定するためのカウンタであり、ラウンド数規定モードの開閉実行モードにて1ラウンド消化するたびに「1」減算される。
すなわち、本実施形態では、特図変動開始処理(図21)のステップ504にて当たり当選結果であると判定し、特図確定中処理(図24)のステップ801にて確定時間が経過したと判定しても、即座(自動的)に開閉実行モード(ラウンド遊技)が開始される構成とはなっておらず、開閉実行モードが開始されるためには、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したと判定されることが必要となっている。このため、遊技者は、当たり当選結果となった場合、即座に遊技球を打ち出す必要がなく、遊技者自身のタイミングで開閉実行モードを開始することができる。なお、本特電開始処理は、上記のように、当たり当選結果である場合であって、確定時間が経過した後に実行される処理である。このため、確定時間が経過する前に可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したとしても開閉実行モードは開始されない。
また、上記のように、可変入賞装置始動ゲート61は、当該可変入賞装置始動ゲート61を通過した遊技球が必ず特別第2始動口58に入賞するように配設されている。このため、ステップ901にて可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したと判定するということは、必ず特別第2始動口58に遊技球が入賞することを意味している。つまり、本実施形態では、必ず特別第2始動口58に遊技球が入賞した状態で開閉実行モードが開始される。言い換えると、本実施形態では、特別第2始動口58に遊技球が入賞したことを契機とする第2抽選遊技が保留された状態で開閉実行モードが開始される。
ここでステップ902のラウンド用の設定処理について、図26を参照しつつ説明する。図26は、ラウンド用の設定処理を示すフローチャートである。
まず、主側RAM114のその他各種カウンタエリア114mに設けられた入賞カウンタに、ラウンド遊技の1つの終了条件である上限個数として「10」をセットする(S1001)。なお、入賞カウンタは、大入賞口59aへの遊技球の入賞が発生するたびに「1」減算されるカウンタである。
次に、主側RAM114における各種当たり結果フラグ格納エリア114kに格納されたフラグを判定することにより、特電開始処理への移行の契機となった遊技結果が16R確変当たり結果であるか否かを判定する(S1002)。そして、16R確変当たり結果でないと判定した場合には(S1002:NO)、16R通常当たり結果であるか否かを判定する(S1003)。
16R確変当たり結果であると判定した場合(S1002:YES)、および16R通常当たり結果であると判定した場合には(S1003:YES)、ラウンドカウンタに「16」をセットした後(S1004)、本ラウンド用の設定処理を終了する。一方、16R通常当たり結果でないと判定した場合には(S1003:NO)、各種当たり結果フラグ格納エリア114kに格納されているフラグは4R確変当たり結果、または4R通常当たり結果を示すものであるため、ラウンドカウンタに「4」をセットした後(S1005)、本ラウンド用の設定処理を終了する。
特電開始処理(図25)の説明に戻り、ステップ902のラウンド用の設定処理を終了した後には、今回の開閉実行モードの契機となった当たり結果に応じた大入賞口59aを開放させる最初の継続時間の情報を読み出す(S903)。なお、本実施形態では、最初の開放継続時間は、全て長時間態様とされている。そして、その読み出した開放継続時間を特図特電タイマカウンタにセットする(S904)。
次に、大入賞口59aを開放状態とするための開放設定処理を実行する(S905)。
この開放設定処理では、主側MPU112における大入賞口59aに係るレジスタに「1」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図17)におけるステップ208のポート出力処理にて、大入賞口59aを開放状態に切り換えるべく可変入賞駆動部59dへの駆動信号の出力が開始され、開閉実行モードが開始される。
続いて、開放コマンドを出力対象に設定した後(S906)、特図特電カウンタを1加算する(S907)。この場合、特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「3」であるため、ステップ907の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。その後、本特電開始処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ311の特電開放中処理について、図27を参照しつつ説明する。図27は、特電開放中処理を示すフローチャートである。なお、特電開放中処理は、特電開始処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「4」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したか否かを判定する(S1101)。つまり、特図特電制御処理(図18)ではステップ305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「4」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したことを意味する。
開放継続時間が経過していると判定した場合には(S1101:YES)、ラウンドカウンタを1減算する(S1102)。続いて、主側ROM113に予め記憶されている閉鎖時間(例えば1sec)の情報を読み出し、その閉鎖時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする閉鎖時間のセット処理を行う(S1103)。そして、大入賞口59aを閉鎖状態とするための閉鎖設定処理を実行する(S1104)。当該閉鎖設定処理では、主側MPU112における大入賞口59aに係るレジスタに「0」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図17)におけるステップ208のポート出力処理にて、大入賞口59aを閉鎖状態に切り換えるべく可変入賞駆動部59dへの駆動信号の出力が停止される。
その後、閉鎖コマンドを出力対象に設定した後(S1105)、特図特電カウンタを1加算する(S1106)。この場合、特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「4」であるため、ステップ1106の処理が実行された場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」となる。その後、本特電開放中処理を終了する。
一方、開放継続時間が経過していないと判定した場合には(S1101:NO)、入賞検知センサ59cからの検知情報に基づいて大入賞口59aへの入賞があるか否かを判定する(S1107)。そして、大入賞口59aへの入賞がないと判定した場合には(S1107:NO)、そのまま本特電開放中処理を終了する。これに対し、大入賞口59aへの入賞があると判定した場合には(S1107:YES)、入賞カウンタを1減算する(S1108)。その後、入賞カウンタが「0」であるか否かを判定し(S1109)、「0」であると判定した場合には(S1109:YES)、上記ステップ1102〜ステップ1106の処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。これに対し、入賞カウンタが「0」でない場合には(S1109:NO)、そのまま本特電開放中処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ312の特電閉鎖中処理について、図28を参照しつつ説明する。図28は、特電閉鎖中処理を示すフローチャートである。なお、特電閉鎖中処理は、特電開放中処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「5」となっている。
まず、ラウンドカウンタが「0」であるか否かを判定する(S1201)。ラウンドカウンタが「0」ではない場合には(S1201:NO)、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、閉鎖時間が経過したか否かを判定する(S1202)。つまり、特図特電制御処理(図18)ではステップ305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「5」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、閉鎖時間が経過したことを意味する。閉鎖時間が経過していないと判定した場合には(S1202:NO)、そのまま本特電閉鎖中処理を終了する。
一方、閉鎖時間が経過していると判定した場合には(S1202:YES)、入賞カウンタに「10」をセットする(S1203)。続いて、開放継続時間の読み出し処理を実行する(S1204)。具体的には、各種当たり結果フラグ格納エリア114kに格納されたフラグを判定することで今回の開閉実行モードへの移行契機となった結果を特定すると共に、ラウンドカウンタの値を読み出し、これらに基づいて大入賞口59aを開放させる継続時間の情報を読み出す。本パチンコ機10では、各当たり結果における全てのラウンドで長時間態様に対応した開放継続時間となるように設定されている。そして、その読み出した開放継続時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする(S1205)。
続いて、開放設定処理を実行する(S1206)。当該開放設定処理の処理内容は、特電開始処理(図25)におけるステップ905の開放設定処理と同様である。次に、開放コマンドを出力対象に設定した後(S1207)、特図特電カウンタを1減算する(S1208)。この場合、特電閉鎖中処理が実行された場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」であるため、ステップ1208の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。その後、本特電閉鎖中処理を終了する。
一方、ラウンドカウンタが「0」であると判定した場合には(S1201:YES)、エンディングコマンドを出力対象に設定する(S1209)。エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に対してエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。なお、エンディングコマンドには開閉実行モードの契機となった当たり結果の種類の情報も含まれる。
次に、主側ROM113に予め記憶されているエンディング時間(例えば6sec)の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする(S1210)。続いて、特図特電カウンタを1加算する(S1211)。この場合、特図閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」であるため、ステップ1211の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「6」となる。その後、本特電閉鎖中処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ313の特電終了処理について、図29を参照しつつ説明する。図29は、特電終了処理を示すフローチャートである。なお、特電終了処理は、特電閉鎖中処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「6」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、エンディング時間が経過したか否かを判定する(S1301)。つまり、特図特電制御処理(図18)ではステップ305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「6」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、エンディング時間が経過したことを意味する。エンディング時間が経過していないと判定した場合には(S1301:NO)、そのまま本特電終了処理を終了する。
一方、エンディング時間が経過していると判定した場合には(S1301:YES)、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類を主側RAM114の各種当たり結果フラグ格納エリア114kに格納されているフラグを参照し、確変当たり結果であるか否かを判定する(S1302)。そして、確変当たり結果である(16R確変当たり結果、または4R確変当たり結果)であると判定した場合には(S1302:YES)、主側RAM114の高確率モードフラグ格納エリア114fに高確率モードフラグが格納されていなければ高確率モードフラグを格納する(S1303)。一方、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果が確変当たり結果でない(16R通常当たり結果、または4R通常当たり結果である)と判定した場合には(S1302:NO)、高確率モードフラグが格納されている場合には当該高確率モードフラグを消去した後(S1304)、主側RAM114の時短フラグ格納エリア114gに時短フラグを格納する(時短フラグが既に格納されている場合にはそのまま維持する)と共に時短回数カウンタエリア114hにおける時短回数カウンタに「100」をセットする(S1305)。なお、ステップ1303またはステップ1305の処理では、当たり結果の種類に対応した情報を示すフラグも各種当たり結果フラグ格納エリア114kから消去する。
ステップ1303またはステップ1305の処理を実行した後は、特図特電カウンタを「0」クリアし(S1306)、本特電終了処理を終了する。
ここで、本実施形態では、上記のように、開閉実行モードは、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したことを契機として実行され(図25、S901:YES)、可変入賞装置始動ゲート61を通過した遊技球は必ず特別第2始動口58に入賞する。つまり、開閉実行モードが終了した後は、少なくとも1つの第2抽選遊技が保留された状態となっている。このため、特電終了処理(図29)が終了した後の最初の特図変動開始処理(図21)では、ステップ502のデータ設定処理(図22)におけるステップ601で肯定判定がされ、ステップ503の当否判定処理にて第2抽選遊技の当否判定が実行される。
以上説明したように、本実施形態では、特図特電カウンタ、特図特電アドレステーブルおよび特図特電タイマカウンタを利用して特図特電制御処理を実行するようにしている。
このため、遊技回用の演出および開閉実行モードから構成される一連の遊技の流れにおいていずれの状況であるのかを主側MPU112にて特定する場合には特図特電カウンタを参照すればよく、従来のように複数のフラグを各処理タイミングの都度確認する必要がない。よって、処理構成の簡素化が図られる。
また、ステップ307〜ステップ313の各処理では、当該処理に対応した状況が終了する場合に、特図特電カウンタの数値情報をその後に続く状況に対応したものに更新する処理が実行される。これにより、ある状況が終了して次の状況への遷移を行わせるための専用の処理を別途設ける必要がなく、処理構成の簡素化が図られる。
また、特図特電カウンタの初期値である「0」は、遊技回用の演出および開閉実行モードから構成される一連の遊技状況における最初の状況に対応している。これにより、主側RAM114の初期化後等において特図特電カウンタの数値情報の設定を特別に行わなくても、上記一連の遊技状況における最初の状況となるようにすることができる。
また、特図特電カウンタの更新に際しては、1減算、1加算および「0」クリアのいずれかを行えばよいため、更新に係る処理の簡素化も図られる。
また、上記一連の遊技状況のいずれの状況であっても発生し得る保留情報を取得するための処理は、ステップ307〜ステップ313の各処理とは別に設定されており、特図特電カウンタを参照して実行される各処理に含まれていない。これにより、特図特電カウンタの数値情報の設定を同時に発生する状況をもフォローするように行う必要はなく、当該数値情報を利用した処理構成の簡素化が図られる。
また、ステップ307〜ステップ313の各処理のうち、対応する状況の終了条件を判定するために期間の計測が行われる処理では、特図特電タイマカウンタという共通の期間計測手段を利用して期間の計測が行われる。これにより、主側RAM114の記憶容量の削減が図られる。また、当該特図特電タイマカウンタを利用する各処理に対応した状況は同時に発生することがないため、特図特電タイマカウンタを共通して利用したとしても当該タイマカウンタが複数の状況において同時に参照されることはなく、特図特電タイマカウンタを利用する上での処理構成が複雑化することもない。
また、特図特電タイマカウンタを更新する処理は、ステップ307〜ステップ313とは別の処理として設定されたタイマ割込み処理(図17)のステップ211におけるタイマ更新処理にて実行される。これにより、特図特電タイマカウンタを更新する処理がステップ307〜ステップ313の各処理に対して個別に設定されている構成に比べ、処理構成の簡素化が図られる。
また、特図特電タイマカウンタが「0」であるか否かの確認は、特図特電制御処理(図18)におけるステップ305にて集約して行われ、ステップ308、S309、S311〜ステップ313の各処理では、主側MPU112のゼロフラグを確認することで各時間の経過を判定する。これにより、ステップ308、S309、S311〜ステップ313の各処理にて、主側RAM114の特図特電タイマカウンタから数値情報を読み出してその数値情報が「0」であるか否かの判定を行う場合に比べて、処理構成の簡素化が図られる。
ここで、特図特電カウンタは、特図特電制御処理以外の処理においても、遊技回用の演出および開閉実行モードから構成される一連の遊技におけるいずれの状況であるかを確認するために参照される。例えば、タイマ割込み処理(図17)のステップ218にて実行されるデモ表示用処理においても特図特電カウンタが参照され、当該デモ表示用処理については後述する。
次に、タイマ割込み処理(図17)のステップ216にて実行される普図普電制御処理について図30を参照しつつ説明する。図30は、普図普電制御処理を示すフローチャートである。
普図普電制御処理では、普通図柄始動ゲート60への入賞が発生している場合に普通図柄の保留情報を取得するための処理を実行すると共に、普通図柄の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について電動役物66の開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普通図柄用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、電動役物66を開閉させる処理を実行する。
具体的には、まず、普通図柄の保留情報の取得処理を実行する(S1401)。当該取得処理では、普通図柄始動ゲート60を遊技球が通過したことを条件として、電動役物開放乱数カウンタC4の数値情報(すなわち、普通図柄の保留情報)を普通図柄保留球格納エリア114cに格納する処理を実行する。なお、当該普通図柄の保留情報の取得は保留の上限値(本実施形態では、4個)の範囲内で行われる。
次に、主側RAM114の普図普電カウンタエリア114iから普図普電カウンタの情報を読み出す処理を実行し(S1402)、主側ROM113の普図普電アドレステーブル記憶エリア113hから普図普電アドレステーブルの情報を読み出す処理を実行する(S1403)。そして、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する(S1404)。
ステップ1402〜ステップ1404の処理内容について説明すると、上記のように、普図普電制御処理には、普図用の演出に係る処理、電動役物66の開閉に係る処理が含まれている。この場合に、普図用の演出に係る処理として、普図変動開始処理と、普図変動中処理と、普図確定中処理と、が設定されている。また、電動役物66の開閉に係る処理として、普電開放中処理と、普電閉鎖中処理と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU112にて把握するためのカウンタであり、普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電アドレステーブルについて図31を参照して説明すると、普図普電カウンタは「0」〜「4」の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」〜「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算または「0」クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、特図特電制御の場合と同様に、普図普電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側MPU112にて把握することが可能となる。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、普図普電カウンタおよび普図普電アドレステーブルを利用して、普図変動開始処理、普図変動中処理、普図確定中処理、普電開放中処理および普電閉鎖中処理を実行するための処理構成を説明する。
ステップ1404の処理を実行した後は、普通図柄のゼロフラグの設定処理を実行する(S1405)。普通図柄のゼロフラグの設定処理では、普図普電タイマカウンタエリア114jから普図普電タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタTC2)の数値情報を読み出し、普図普電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、主側MPU112のレジスタに設けられた普通図柄のゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。
言い換えると、普図普電タイマカウンタの数値情報が「0」でない場合には、主側MPU112のレジスタに設けられた普通図柄のゼロフラグに「0」をセットする(「1」を消去する)処理を実行する。普図普電タイマカウンタは、時間の経過に応じた普図普電カウンタの更新タイミングを主側MPU112にて特定するために利用されるカウンタであり、上記タイマ割込み処理(図17)におけるステップ211のタイマ更新処理にて数値情報の減算が実行される。
次に、ステップ1404に取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する(S1406)。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合には普図変動開始処理(S1407)にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合には普図変動中処理(S1408)にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合には普図確定中処理(S1409)にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合には普電開放中処理(S1410)にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合には普電閉鎖中処理(S1411)にジャンプする。
普図変動開始処理では(S1407)、普通図柄の保留情報が記憶されていることを条件に、その普通図柄の保留情報を利用して電動役物66の開放判定を行うと共に、メイン表示部71におけるその他表示部71dにおいて絵柄の変動表示(点滅表示)を開始させる処理を実行する。なお、電動役物66の開放判定は、高頻度サポートモードの方が低頻度サポートモードよりも当選確率が高くなっている。また、高頻度サポートモードであるか否かは、時短フラグまたは高確率モードフラグが格納されているか否かに基づいて判定される。但し、具体的には下記第4実施形態で後述するが、高頻度サポートモード中であっても(高頻度サポートフラグが格納されていても)、特図変動開始処理(図21)のステップ504にて当たり当選であると判定された場合には、電動役物66の開放判定は、当該当たり当選に対応する対応する変動表示が確定表示された時点から当該当たり当選に起因する開閉実行モードが終了するまで低頻度サポートモードと同様の判定が実行される。また、普図変動開始処理では、その他表示部71dにて絵柄を変動表示させる変動表示時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、その他表示部71dにおける絵柄の変動表示を開始させた場合に普図普電カウンタを「0」から「1」に更新する。
普図変動中処理(S1408)では、その他表示部71dにおける表示を更新させるための処理を実行する。この場合に、変動表示時間の経過を確認したことを条件として、確定時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、普図普電カウンタを「1」から「2」に更新する。
普図確定中処理(S1409)では、今回の開放判定の結果を普通図柄の確定時間に亘ってその他表示部71dに表示させるための処理を実行すると共に、開放判定の結果が当選結果である場合には電動役物66を開放状態とするための処理、および今回の当選結果を契機として電動役物66を開放させる場合の開放回数の設定を行うための処理を実行する。この場合に、普通図柄の確定時間の経過を確認したこと、および開放判定の結果が当選結果であることを条件として、電動役物66における今回の開放継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、電動役物66を開放状態とし、さらに普図普電カウンタを「2」から「3」に更新する。一方、普通図柄の確定時間の経過を確認したものの開放判定の結果が当選結果ではない場合には、電動役物66を開放状態とするための設定は行わずに、普図普電カウンタを「0」クリアする処理を実行する。
普電開放中処理では(S1410)、電動役物66の開放状態を維持すると共に閉鎖タイミングとなった場合に電動役物66を閉鎖状態とするための処理を実行する。この場合に、電動役物66の開放継続時間の経過を確認したことを条件として、電動役物66における閉鎖継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、電動役物66を閉鎖状態とし、さらに普図普電カウンタを「3」から「4」に更新する。
普電閉鎖中処理では(S1411)、電動役物66の閉鎖状態を維持すると共に電動役物66を再度開放状態とする必要がある場合には当該電動役物66を開放状態とするための処理を実行する。この場合に、電動役物66の閉鎖継続時間の経過を確認したこと、および再度開放状態とする必要があることを確認したことを条件として、電動役物66における今回の開放継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、電動役物66を開放状態とし、さらに普図普電カウンタを「4」から「3」に更新する。一方、電動役物66の閉鎖継続時間の経過を確認したものの、電動役物66を再度開放させる必要がない場合には、電動役物66を開放状態とするための設定は行わずに、普図普電カウンタを「0」クリアする処理を実行する。
ステップ1407〜ステップ1411のいずれかの処理を実行した場合には、本普図普電制御処理を終了する。
以上のとおり、普図普電カウンタ、普図普電アドレステーブルおよび普図普電タイマカウンタを利用して普図普電制御処理を実行するようにしたことで、普図用の演出および電動役物66の開閉から構成される一連の遊技の流れにおいていずれの状況であるのかを主側MPU112にて特定する場合には普図普電カウンタを参照すればよく、従来のように複数のフラグを各処理タイミングの都度確認する必要がない。よって、処理構成の簡素化が図られる。
また、普図普電カウンタの更新に際しては、1減算、1加算および「0」クリアのいずれかを行えばよいため、更新に係る処理の簡素化も図られる。また、特図特電制御処理の場合におけるゼロフラグと同様に、普通図柄のゼロフラグを利用しているため、処理構成の簡素化が図られる。
次に、タイマ割込み処理(図17)のステップ218にて実行されるデモ表示用処理について図32を参照しつつ説明する。図32は、デモ用表示処理を示すフローチャートである。
まず、特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する(S1501)。特図特電カウンタが「0」である場合とは、遊技回用の演出が実行されておらず、さらに開閉実行モードでもない状況であることを意味する。
ここで、従来のように遊技回用の演出が実行されている状況であることをフラグの有無により確認すると共に、開閉実行モード中であることをフラグの有無により確認する構成においては、先ず一方のフラグの情報を主側RAM114から読み出してその情報の確認を行うと共に、次に他方のフラグの情報を主側RAM114から読み出してその情報の確認を行う必要がある。そうすると、主側RAM114へのアドレス指定を少なくとも2回行い、さらにそれに対してデータ転送された場合のレジスタへのデータの設定処理を少なくとも2回行う必要が生じる。これに対して、特図特電カウンタを利用することで、主側RAM114へのアドレス指定は1回で済み、さらにそれに対してデータ転送された場合のレジスタへのデータの設定処理も1回で済む。よって、処理の簡素化が図られる。
特図特電カウンタが「0」ではないと判定した場合には(S1501:NO)、そのまま本デモ表示用処理を終了し、特図特電カウンタが「0」であると判定した場合には(S1501:YES)、デモ表示状態であるか否かを判定する(S1502)。
デモ表示状態とは、図柄表示装置80にてデモ表示(すなわち待機中表示)を既に行っている状態であることをいい、主側RAM114のその他各種フラグ格納エリア114nにデモ表示フラグが格納されている状態のことである。また、デモ表示とは、前回の遊技回の停止結果を表示して確定時間が経過してから、または前回の開閉実行モードのエンディングが終了してから、予め定められたデモ表示待ち時間(例えば、0.1sec)が経過している場合に、図柄表示装置80の上側表示領域Dmに開始待ち演出の画像を表示させると共に、電飾部33やスピーカ部34にてそれに即した演出を行うことをいう。
なお、図柄表示装置80におけるデモ表示では、有効ライン上に表示されている図柄が所定の動作を行っている画像が表示されるが、これに限定されることはなく、例えば、図柄が所定の動作を行っている画像の表示の後にまたはそれに代えてメーカ名、機種名若しくは所定のキャラクタによる動画が表示される構成としてもよい。
デモ表示状態であると判定した場合には(S1502:YES)、そのまま本デモ表示用処理を終了し、デモ表示状態ではないと判定した場合には(S1502:NO)、デモ表示待ち状態であるか否かを判定する(S1503)。デモ表示待ち状態とは、デモ表示待ち時間の計測を既に開始している状態であることをいい、主側RAM114のその他各種フラグ格納エリア114nにデモ表示待ちフラグが格納されている状態のことである。
デモ表示待ち状態ではないと判定した場合には(S1503:N0)、主側ROM113に予め記憶されているデモ表示待ち時間の情報を読み出し、そのデモ表示待ち時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする(S1504)。続いて、主側RAM114のその他各種フラグ格納エリア114nにデモ表示待ちフラグを格納することによってデモ表示待ち状態に設定する(S1505)。その後、本デモ表示用処理を終了する。
一方、デモ表示待ち状態であると判定した場合には(S1503:YES)、特図特電タイマカウンタが「0」であるか否かを判定する(S1506)。特図特電タイマカウンタが「0」でないと判定した場合には(S1506:NO)、そのまま本デモ表示用処理を終了する。
特図特電タイマカウンタが「0」であると判定した場合には(S1506:YES)、主側RAM114のその他各種フラグ格納エリア114nにデモ表示フラグを格納することによってデモ表示状態に設定する(S1507)。なお、ステップ1507の処理では、デモ表示待ちフラグを消去してデモ表示待ち状態を解除する。また、デモ表示状態は、遊技回用の演出が新たに開始されると、デモ表示フラグが消去されることによって解除される。次に、デモ開始コマンドを出力対象に設定する(S1508)。その後、本デモ表示用処理を終了する。
<演出および報知の実行制御>
次に、音声側MPU152および表示側MPU162にて実行される各種出力装置を利用した演出および報知の実行制御について説明する。
まず、音声側MPU152にて実行されるタイマ割込み処理について図33を参照しつつ説明する。なお、このタイマ割込み処理は、例えば、4msecで繰り返し実行される。
タイマ割込み処理では、まず、主側コマンド格納処理を実行すると共に(S1601)、表示側コマンド格納処理を実行する(S1602)。ステップ1601の主側コマンド格納処理は、主側MPU112からコマンドを受信すると当該コマンドを音声側RAM154のコマンド格納エリア154aに格納するための処理であり、ステップ1602の表示側コマンド格納処理は、表示側MPU162からコマンドを受信すると当該コマンドを音声側RAM154のコマンド格納エリア154aに格納するための処理である。このコマンド格納エリア154aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。
次に、主側MPU112から受信したコマンドに対応した処理を行うための主側コマンド対応処理を実行すると共に(S1603)、表示側MPU162から受信したコマンドに対応した処理を行うための表示側コマンド対応処理を実行する(S1604)。ステップ1604の表示側コマンド対応処理では、具体的な説明は省略するが、表示側MPU152から、遊技回中の所定のタイミングにおいて各種コマンドが送信されるため(図36、S1907)、受信したコマンドに対応した処理を実行する。ステップ1603の主側コマンド対応処理については具体的に後述する。
続いて、枠ボタン対応処理を実行する(S1605)。この枠ボタン対応処理では、例えば、主側MPU112からデモ開始コマンドを受信している(遊技回または開閉実行モード中でない)ことを条件とし、第2枠ボタン27の所定のキーが遊技者によって操作された場合に、当該操作に対応した音量および光量を更新用にセットする。また、主側MPU112からデモ開始コマンドを受信している(遊技回および開閉実行モード中でない)こと、または、一単位の遊技回が処理されている場合には当該遊技回の変動表示が停止する所定期間前まで(例えば、リーチ表示がされる所定期間前まで)であって予告演出(例えば、会話演出やキャラクタ演出等の予告演出)が表示されていないことを条件とし、第1枠ボタン26が遊技者によって操作された場合、ステージ変更コマンドを表示側MPU162に送信する。これにより、表示側MPU162では、表示画面80aに表示される背景ステージを「海中ステージ」→「浜辺ステージ」→「街中ステージ」→「海中ステージ」の順に変更して表示する。さらに、一単位の遊技回が処理されている場合における予告演出が表示されている期間中に第1枠ボタン26が遊技者によって操作された場合には、予告応答演出コマンドを表示側MPU162に送信する。これにより、表示側MPU162では、表示画面80aに、予告演出に対応する応答演出を表示したり、新規なキャラクタ図柄や動画等を表示する。なお、第1枠ボタン26が操作されたか否かは、第1枠ボタン26の操作を監視する第1枠ボタン検知センサ26aからの信号によって判定される。同様に、第2枠ボタン27が操作されたか否かは、第2枠ボタン27の操作を監視する第2枠ボタン検知センサ27aからの信号によって判定される。
次に、電飾部33を含む各種発光部の発光制御を行うための発光制御処理を実行すると共に(S1606)、スピーカ部34の音声制御を行うための音声制御処理を実行する(S1607)。なお、発光制御処理および音声制御処理は、ステップ1605の枠ボタン対応処理、後述する主側コマンド対応処理(図35)、または表示側コマンド対応処理で更新用に情報がセットされている場合には当該情報に基づいて実行される。続いて、音声側RAM154に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する(S1608)。
次に、音声側MPU152のタイマ割込み処理におけるステップ1603の主側コマンド対応処理について図34および図35を参照しつつ説明する。図34および図35は、主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。
まず、主側MPU112から変動用コマンドおよび種別コマンドを受信しているか否かを判定し(S1701)、これらコマンドを受信していると判定した場合には(S1701:YES)、遊技結果の記憶処理を実行する(S1702)。具体的には、変動用コマンドから今回の遊技回の開始に際して主側MPU112にて決定された変動表示時間を特定すると共に、変動表示時間からリーチ発生の有無、およびリーチが発生する際にはノーマルリーチまたはスーパーリーチのいずれであるかを特定し、その特定した情報を音声側RAM154に設けられた保持データエリア154bに書き込む処理を実行する。また、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU112にて決定された当否抽選および振分抽選の結果がいずれであるかの情報、すなわち今回の遊技回の遊技結果が当たり結果であるか否か、当たり結果(当否抽選に当選)である場合にはどの当たり結果であるかの情報を特定し、その特定した情報を音声側RAM154に設けられた保持データエリア154bに書き込む処理を実行する。保持データエリア154bは、上記のように、遊技回中および開閉実行モード中の演出、並びに報知を実行するために一時的に利用されるデータであって、これら演出や報知が開始された後においても音声側MPU152にて独自に利用可能とするためのデータを記憶保持しておくためのエリアである。
次に、予告抽選処理を実行する(S1703)。予告抽選処理では、今回の遊技回において図柄表示装置80にて予告表示を行わせるか否かを抽選により決定する。この予告表示としては、既に説明したとおり、図柄表示装置80にて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、または一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様とするもの、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするもの、および図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。当該予告表示は、リーチ表示が行われる場合およびリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。また、予告抽選処理では、いずれかの当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易く、さらに出現率の低い予告表示が発生し易くなるように予告抽選を行う。
次に、停止図柄決定処理を実行する(S1704)。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が当たり結果であれば、1つの有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選等によってランダムに決定される。
続いて、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する(S1705)。この処理では、今回受信している変動用コマンドおよび種別コマンドの内容から遊技回の変動表示時間の情報を特定し、当該変動表示時間の情報、上記ステップ1702にて特定した遊技結果の情報、および上記ステップ1703における予告抽選処理の抽選結果の情報の組合せに対応した演出パターンを選択する。
次に、上記ステップ1704にて決定した停止図柄の種類および上記ステップ1705にて選択した演出パターンの種類を音声側RAM154の保持データエリア154bに書き込む処理を実行する(S1706)。なお、演出パターンには今回の遊技回の変動表示時間の情報が含まれているため、演出パターンの情報を保持データエリア154bに書き込むことにより、演出パターンの情報だけでなく変動表示時間の情報についても音声側MPU152は再度読み出すことが可能となる。また、音声側MPU152は、停止図柄の種類から今回の遊技回が当たり結果であるのか否かを再度把握可能となる。
続いて、上記ステップ1704の処理結果に対応した停止結果コマンドおよび上記ステップ1705の処理結果に対応したパターンコマンドを表示側MPU162に送信する(S1707)。このコマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後に説明する。
次に、遊技回数の更新処理を実行する(S1708)。この更新処理では、音声側RAM154の各種カウンタエリア154cに設けられた遊技回数カウンタにおいて計測している消化遊技回数が1加算されるように当該遊技回数カウンタを更新するための処理を実行する。消化遊技回数は、開閉実行モードの終了後において当該開閉実行モードに再度移行することなく消化された遊技回の回数のことである。音声側MPU152では、当該消化遊技回数の情報を演出の内容の決定に際して利用することが可能であり、例えば消化遊技回数が所定回数以上であれば予告抽選処理にて所定の予告表示が選択され易くなるような処理を実行する。
変動用コマンドおよび種別コマンドを受信していないと判定した場合(S1701:NO)、または遊技回数の更新処理を実行した後は、確定停止(最終停止表示)コマンドを受信しているか否かを判定する(S1709)。そして、確定停止コマンドを受信していると判定した場合には(S1709:YES)、図柄停止コマンドを表示側MPU162に送信する(S1710)。図柄停止コマンドは、今回の遊技回に対応した停止図柄を有効ラインL1〜L5上に待機させてその状態を確定停止時間に亘って維持させることを表示側MPU162に指示するためのコマンドである。
確定停止コマンドを受信していないと判定した場合(S1709:NO)、または図柄停止コマンドを送信する処理を実行した後は、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する(S1711)。オープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S1711:YES)、当たり回数の更新処理を実行する(S1712)。当該更新処理では、音声側RAM154の各種カウンタエリア154cに設けられた当たり回数カウンタにおいて計測している当たり回数が1加算されるように当該当たり回数カウンタを更新するための処理を実行する。なお、本パチンコ機10における当たり回数とは、高頻度サポートモードへ移行した後に低頻度サポートモードへの移行をしないで発生した当たり結果の回数(いわゆる連続当たり回数)である。音声側MPU152では、当該当たり回数の情報を演出の内容の決定に際して利用することが可能であり、例えば当たり回数が所定回数以上であれば開閉実行モード中において所定の実写画像といったそれに対応した演出が実行されるようにする。
次に、オープニング対応処理を実行する(S1713)。オープニング対応処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている開閉実行モードの移行契機となった当たり結果の種類を特定し、その当たり結果の種類に対応した開閉実行モード中の演出内容を決定するための処理を実行する。例えば、今回の開閉実行モードの移行契機となった当たり結果が16R確変当たり結果であり、さらにその直前の遊技回において図柄表示装置80にて同一の奇数図柄の組合せではなく、同一の偶数図柄の組合せを最終停止表示させている場合には、16R確変当たり結果であることを遊技者に認識させるための内容が含まれる演出を今回の開閉実行モード中の演出として決定する。すなわち、遊技回の演出では、遊技価値が低い当たり結果を確定表示したが、その後の当たり演出において当該当たりが遊技価値が高い当たりであることを示す当たり昇格演出を開閉実行モード中の演出として決定する。
ここで既に説明したとおり、音声側RAM154の保持データエリア154bには遊技回用の演出に関して、遊技結果の情報と、図柄表示装置80における遊技回の停止図柄の種類の情報とが記憶されており、遊技回の実行に続けて開閉実行モードとなる場合には保持データエリア154bに記憶されている上記遊技結果の情報と停止図柄の種類の情報とは開閉実行モードが終了する場合にクリアされる。したがって、オープニングコマンドに直前の遊技回における図柄表示装置80の表示内容の情報が含まれていなかったとしても、上記のように開閉実行モード中において昇格内容を含む演出を実行することが可能となる。
また、ステップ1713のオープニング対応処理では、ステップ1712にて更新した後の当たり回数を特定し、その特定した当たり回数に応じた演出を今回の開閉実行モード中の演出として設定する。
次に、上記ステップ1713の処理結果に対応したオープニングコマンドを表示側MPU162に送信する(S1714)。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後述する。
オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S1711:NO)、またはオープニングコマンドを送信する処理を実行した後は、開放コマンドを受信しているか否かを判定する(S1715)。開放コマンドを受信していると判定した場合には(S1715:YES)、可変入賞装置59の開放が新たに開始されたこと、すなわち1のラウンド遊技が新たに開始されたことを表示側MPU162に認識させるために当該表示側MPU162に開放コマンドを送信する(S1716)。当該開放コマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後述する。
開放コマンドを受信していないと判定した場合(S1715:NO)、または開放コマンドを送信する処理を実行した後は、閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する(S1717)。閉鎖コマンドを受信していると判定した場合には(S1717:YES)、可変入賞装置59が閉鎖されたこと、すなわち1のラウンド遊技が終了されたことを表示側MPU162に認識させるために当該表示側MPU162に閉鎖コマンドを送信する(S1718)。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後述する。
閉鎖コマンドを受信していないと判定した場合(S1717:NO)、または閉鎖コマンドを送信する処理を実行した後は、図35に示されるように、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する(S1801)。エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S1801:YES)、エンディング対応処理を実行する(S1802)。エンディング対応処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれている開閉実行モード後における当否抽選モードの内容を特定し、その当否抽選モードの種類に対応したエンディング演出の内容を決定するための処理を実行する。本実施形態では、開閉実行モード後には必ず高確率モードとなるため、当該高確率モードとなることを遊技者に認識させるための内容が含まれる演出を、今回のエンディング演出として決定する。
続いて、上記ステップ1802の処理結果に対応したエンディングコマンドを表示側MPU162に送信する(S1803)。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後述する。
エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S1801:NO)、またはエンディングコマンドを送信する処理を実行した後は、報知コマンドを受信しているか否かを判定する(S1804)。報知コマンドを受信していると判定した場合には(S1804:YES)、何らかの異常やパチンコ機10の状態変化といった報知を実行すべき事象がパチンコ機10において発生していることを意味するため、その報知を行うために、各種データテーブル記憶エリア153aから発光データの読み出し処理を実行すると共に(S1805)、音声データの読み出し処理を実行する(S1806)。これにより、タイマ割込み処理(図33)の発光制御処理(S1606)では当該発光データに応じた発光が行われるように電飾部33の発光制御を行い、タイマ割込み処理(図33)の音声制御処理(S1607)では当該音声データに応じた音の出力が行われるようにスピーカ部34の音声制御を行う。その後、今回受信した報知コマンドの内容に対応した報知コマンドを表示側MPU162に送信する(S1807)。表示側MPU162は、当該コマンドを受信した場合、その報知コマンドに対応した報知が行われるように図柄表示装置80を表示制御する。
報知コマンドを受信していないと判定した場合(S1804:NO)、または報知コマンドを送信する処理を実行した後は、解除コマンドを受信しているか否かを判定する(S1808)。なお、解除コマンドは、報知コマンドを送信する契機となった事象が解消された場合に主側MPU112から送信される。このため、解除コマンドを受信していると判定した場合には(S1808:YES)、パチンコ機10において発生していた異常等の報知対象の事象が解除されたことを意味するため、既に行っている報知を解除するために、解除設定処理を実行する(S1809)。その後、今回受信した解除コマンドの内容に対応した解除コマンドを表示側MPU162に送信する(S1810)。表示側MPU162は、当該コマンドを受信した場合、その解除コマンドに対応した報知の実行を終了するように図柄表示装置80を表示制御する。
解除コマンドを受信していないと判定した場合(S1808:NO)、または解除コマンドを送信した後は、その他対応処理を実行した後に(S1815)、本主側コマンド対応処理を終了する。その他対応処理では、例えば、保留コマンドを受信している場合には当該保留コマンドを表示側MPU162に送信し、シフト時コマンドを受信している場合には当該シフト時コマンドを表示側MPU162に送信する。これにより、図柄表示装置80における第1、第2保留図柄表示エリアDt、Dsおよび実行保留図柄表示エリアDuにおいて、主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bにおける保留情報が格納された保留エリアに対応する表示エリアに所定の保留図柄が表示される。また、デモ開始コマンドを受信しているか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合には、デモ開始コマンドを表示側MPU162に送信する。これにより、図柄表示装置80においてデモ表示が開始される。
次に、表示側MPU162にて実行されるV割込み処理について図36を参照しつつ説明する。図36は、表示側MPU162にて実行されるV割込み処理を示すフローチャートであり、このV割込み処理は、予め定められた周期、具体的には20msec周期で繰り返し起動される。
なお、表示制御装置93のVDP165は、図柄表示装置80に1フレーム分の画像信号を出力する場合、表示画面80aの正面視左上の隅角部分にあるドットから画像信号の出力を始め、当該ドットを一端に含む横ライン上に並ぶドットに対して順次画像信号を出力すると共に、各横ラインに対して上から順に左から右のドットへと画像信号を出力し、表示画面80aの正面視右下の隅角部分にあるドットに対して最後に画像信号を出力する。この場合、VDP165は当該最後のドットに対して画像信号を出力したタイミングで、表示側MPU162へV割込み信号を出力して1フレームの画像の更新が完了したことを表示側MPU162に認識させる。このV割込み信号の出力周期は20msecとなっている。この点、V割込み処理は、V割込み信号の受信に同期して起動されると見なすこともできる。
但し、V割込み信号を受信していなくても、前回のV割込み処理が起動されてから20msecが経過している場合には、新たにV割込み処理が起動される。また、上記のように、保留図柄表示用エリア167aの各単位エリアRE1〜RE4、RF1〜RF4、RGにデータが設定されていない(ブランクを意味するデータが設定されている)場合、保留図柄表示用エリア167aの各単位エリアRE1〜RE4、RF1〜RF4、RGに対応した表示画面80aの保留図柄表示エリアDs、Dt、Duでは、何ら画像が表示されない、または図柄表示装置80の表示画面80aにおける背景画像が表示される。
V割込み処理では、まず、ワークRAM164のコマンド格納エリア164aに格納されているコマンドの内容を解析する(S1901)。なお、コマンド格納エリア164aには、音声ランプ制御装置92からコマンドを受信した際に起動されるコマンド格納処理によってコマンドが順次格納される。このコマンド格納エリア164aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。
続いて、ステップ1901の解析結果に基づき、新規コマンドを受信しているか否かを判定し(S1902)、新規コマンドを受信していると判定した場合には(S1902:YES)、コマンド対応処理を実行する(S1903)。
ここで、V割込み処理におけるステップ1903のコマンド対応処理について図37を参照しつつ説明する。図37は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。
コマンド対応処理では、まず、停止結果コマンドおよびパターンコマンドを受信しているか否かを判定する(S2001)。停止結果コマンドおよびパターンコマンドを受信していると判定した場合には(S2001:YES)、停止結果コマンドおよびパターンコマンドの組合せに対応したパターン用データテーブルをプログラムROM163のデータテーブル記憶エリア163bから読み出してワークRAM164に書き込むパターン用のデータテーブル設定処理を実行した後に(S2002)、本コマンド対応処理を終了する。
パターン用データテーブルとは、今回の遊技回用の演出に対応した動画を図柄表示装置80の表示画面80aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。つまり、パターン用データテーブルには、今回の遊技回用の演出における開始タイミングから終了タイミングまでの各フレーム(フレームの更新周期は20msec)に対応した情報群が定められている。
また、パターン用データテーブルには、対象となる遊技回の変動表示時間に対応したフレーム数分のポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させて、タスクの内容の情報と、コマンド出力の有無の情報と、追加データの情報とが設定されている。
タスクの内容の情報は、今回の遊技回に対応した動画表示を行うために設定されている情報であり、当該タスクの内容の情報を一切反映させないような情報が追加データとして設定されない限り、各フレームにおいてタスクの内容の情報に応じた画像が表示される。
当該タスクの内容の情報には、対応する更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるためにVDP165に描画指示を行う上で必要なパラメータの情報等が設定されている。
コマンド出力の有無の情報は、表示側MPU162から音声側MPU152へのコマンドの出力の有無、およびそのコマンドの種類を示す情報である。このように、表示側MPU162から動画の内容に応じて所定のタイミングで音声側MPU152にコマンドが出力されるようにすることにより、電飾部33を含む各種発光部にて画像の内容に応じた光の演出が可能になると共に、スピーカ部34にて画像の内容に応じた音声出力の演出の実行が可能になる。
追加データの情報は、パターン用データテーブルの初期設定としてはブランクとして設定されており、報知コマンドを受信した場合や予告応答演出コマンドを受信した場合等に追加データへの書き込み処理が実行される。追加データへの書き込みが行われた場合には、当該追加データに書き込まれている情報がタスクの内容に元々設定されていた情報よりも優先される。
停止結果コマンドおよびパターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S2001:NO)、確定停止コマンドを受信しているか否かを判定する(S2003)。確定停止コマンドを受信していると判定した場合には(S2003:YES)、確定停止用の設定処理を実行した後に(S2004)、本コマンド対応処理を終了する。確定停止用の設定処理では、今回の遊技回に対応した停止図柄を、確定停止表示中の期間が経過するまで静止表示するためのデータテーブルをプログラムROM163のデータテーブル記憶エリア163bから読み出してワークRAM164に書き込む処理を実行する。
確定停止コマンドを受信していないと判定した場合には(S2003:NO)、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する(S2005)。オープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S2005:YES)、オープニングコマンドに対応したオープニング用のデータテーブルをプログラムROM163から読み出してワークRAM164に書き込む設定処理を実行した後に(S2006)、本コマンド対応処理を終了する。
オープニング用のデータテーブルとは、今回の開閉実行モード用の演出に対応した動画を図柄表示装置80の表示画面80aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。
オープニング用のデータテーブルのデータ構成は、パターン用データテーブルと基本的に同一である。
なお、オープニング用のデータテーブルでは、オープニング演出の開始時から、各ラウンド遊技中、およびラウンド遊技間のインターバル期間中の演出の内容が定められている。この場合、ラウンド遊技中のデータは対応するラウンド遊技が終了するまでループまたは最終の更新タイミングの画像が保持されるように設定されており、同様に、インターバル中のデータは対応するインターバルが終了するまでループまたは最終の更新タイミングの画像が保持されるように設定されている。そして、開放コマンドまたは閉鎖コマンドの受信に伴って、オープニング用のデータテーブルにおいて参照すべき情報の範囲が切り換えられる構成となっている。
また、本実施形態では、オープニングコマンドを受信すると、図38に示されるように、「大当たり!!」という文字、図示しない対応する背景画像、可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球を発射させる(右打ちをする)ことを示唆するオープニング画像が表示される。そして、オープニング画像が表示されている際に遊技者が遊技球を右打ちし、遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過すると、主側MPU112は、特電開始処理(図25)におけるステップ901で肯定判定をし、ステップ906で開放コマンドを出力対象に設定する。言い換えると、遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過するまでは、図柄表示装置80にはオープニング画像が表示され続ける。
オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S2005:NO)、開放コマンドおよび閉鎖コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する(S2007)。いずれかのコマンドを受信していると判定した場合には(S2007:YES)、開閉時の設定処理を実行した後に(S2008)、本コマンド対応処理を終了する。開閉時の設定処理では、受信したコマンドの内容に応じて、オープニング用のデータテーブルにおいて参照すべき情報の範囲を切り換える。
開放コマンドおよび閉鎖コマンドを受信していないと判定をした場合には(S2007:NO)、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する(S2009)。エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S2009:YES)、エンディングコマンドに対応したエンディング用のデータテーブルをプログラムROM163から読み出してワークRAM164に書き込む設定処理を実行した後に(S2010)、本コマンド対応処理を終了する。
エンディング用のデータテーブルとは、今回のエンディング用の演出に対応した動画を図柄表示装置80の表示画面80aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。エンディング用のデータテーブルのデータ構成は、パターン用データテーブルと基本的に同一である。
エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S2009:NO)、別対応処理(S2011)を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。
次に別対応処理について図39を参照しつつ説明する。図39は、別対応処理を示すフローチャートである。
別対応処理では、まず、報知コマンドを受信しているか否かを判定する(S2101)。報知コマンドを受信していると判定した場合には(S2101:YES)、報知用データの設定処理を実行した後に(S2102)、本別対応処理を終了する。報知用データの設定処理では、現状設定されているデータテーブルの追加データとして、今回の報知コマンドに含まれている報知の内容に対応した報知データをワークRAM164に書き込む。
これにより、次回の画像の更新に際して、当該報知データの内容が反映され、例えば報知対象事象の種類に対応した文字画像が遊技回用の演出画像や開閉実行モード用の演出画像に追加される。
報知コマンドを受信していないと判定した場合には(S2101:NO)、解除コマンドを受信しているか否かを判定する(S2103)。解除コマンドを受信していると判定した場合には(S2103:YES)、報知用データのクリア処理を実行した後に(S2104)、本別対応処理を終了する。報知用データのクリア処理では、現状、データテーブルの追加データに設定されている報知用データのうち、今回受信した解除コマンドにおいて報知の解除対象として設定されている報知対象事象の種類に対応した報知用データをクリアするための処理を実行する。これにより、次回の画像の更新に際して、当該解除対象となった種類の報知が解除される。
解除コマンドを受信していないと判定した場合には(S2103:NO)、その他対応処理を実行した後に(S2105)、本別対応処理を終了する。
その他対応処理では、例えば、保留コマンドを受信しているか否かを判定し、保留コマンドを受信していると判定した場合には、図柄表示装置80における保留情報の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる情報をワークRAM164に書き込む処理を実行する。なお、保留コマンドには、第1始動口56および第2始動口57、58のどちらの始動口への入賞に対する保留情報であるかの情報が含まれているため、表示画面80aには入賞した側の保留個数の表示が増加される。また、予告応答演出コマンドを受信していると判定した場合には、予告演出(会話演出やキャラクタ演出)に対応する応答演出データを書き込む。これにより、次回の画像更新タイミング以降において、予告演出に対する応答演出が開始される。
また、シフト時コマンドを受信しているか否かを判定し、シフト時コマンドを受信していると判定した場合には、シフト時の設定処理を行う。シフト時の設定処理では、保留図柄表示用エリア167aの各単位エリアRE1〜RE4、RF1〜RF4に設定されている保留図柄情報を下位エリア側、または実行単位エリアRGにシフトさせる情報をワークRAM164に書き込む。具体的には、シフト時コマンドには、いずれの保留図柄情報をシフトさせるかの情報が含まれているため、第1保留図柄表示用エリアREの保留図柄情報をシフトさせる場合には、第1単位エリアRE1→実行単位エリアRGに保留図柄情報をシフトさせる情報を書き込むと共に、第2単位エリアRE2→第1単位エリアRE1、第3単位エリアRE3→第2単位エリアRE2、第4単位エリアRE4→第3単位エリアRE3といった具体に各単位エリア内の保留図柄情報をシフトさせる情報を書き込む。同様に、第2保留図柄表示エリアRFをシフトさせる場合には、第1単位エリアRF1→実行単位エリアRGに保留図柄情報をシフトさせる情報を書き込むと共に、第2単位エリアRF2→第1単位エリアRF1、第3単位エリアRF3→第2単位エリアRF2、第4単位エリアRF4→第3単位エリアRF3といった具体に各単位エリア内の保留図柄情報をシフトさせる情報を書き込む。これにより、下側表示領域Dnの保留図柄が1つずつ番号の小さい保留図柄表示エリアにシフトされる。
さらに、デモ開始コマンドを受信しているか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合には、デモ表示を行うためのデータテーブルをプログラムROM163のデータテーブル記憶エリア163bから読み出してワークRAM164に書き込む処理を実行する。また、ステージ変更コマンドを受信しているか否かを判定し、ステージ変更コマンドを受信している場合には、図柄表示装置80の表示態様に対応したデータテーブルをプログラムROM163のデータテーブル記憶エリア163bから読み出してワークRAM164に書き込む処理を実行する。これにより、例えば、遊技回の変動表示がされていない場合には、背景ステージが別の背景ステージに変更されて表示される。
V割込み処理(図36)の説明に戻り、新規コマンドがないと判定した場合(S1902:NO)、またはステップ1903のコマンド対応処理を実行した場合には、ポインタ更新処理を実行する(S1904)。当該ポインタ更新処理では、データテーブルに設定されているポインタの情報を1フレーム分進めるように更新する。これにより、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために必要な処理を表示側MPU162において把握することが可能となる。
次に、タスク処理を実行する(S1905)。ここで、タスク処理について図40を参照しつつ説明する。図40は、表示側MPU162にて実行されるタスク処理を示すフローチャートである。
タスク処理では、まず、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したエリアに追加データが存在しているか否かを判定し(S2201)、追加データが存在していないと判定した場合には(S2201:NO)、今回のポインタのタスクデータをデータテーブルから読み出す(S2202)。そして、読み出したタスクデータに基づいて今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるためにVDP165に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行うパラメータ導出処理を実行した後(S2203)、本タスク処理を終了する。
一方、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したエリアに追加データが存在していると判定した場合には(S2201:YES)、その追加データがタスクデータの画像に対する付加データであるか否かを判定する(S2204)。付加データであると判定した場合には(S2204:YES)、今回のポインタのタスクデータおよび追加データをデータテーブルから読み出す(S2205)。そして、読み出したタスクデータおよび追加データに基づいて今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDP165に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行った後(S2206)、本タスク処理を終了する。なお、ステップ2205およびステップ2206の処理が実行される場合としては、報知の文字画像を付加する場合等が挙げられる。
追加データが付加データでないと判定した場合には(S2204:NO)、今回のポインタの追加データをデータテーブルから読み出す(S2207)。そして、読み出した追加データに基づいて今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDP165に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行うパラメータ導出処理を実行した後(S2208)、本タスク処理を終了する。なお、ステップ2207およびステップ2208の処理が実行される場合としては、予告演出に対する応答演出を表示する場合等が挙げられる。
V割込み処理(図36)の説明に戻り、ステップ1905のタスク処理を実行した後は、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したコマンド出力の有無のエリアにコマンドデータが存在しているか否かを判定することによってコマンド出力タイミングであるか否かを判定する(S1906)。コマンドデータが存在している場合にはコマンドの出力タイミングであると判定し(S1906:YES)、コマンド設定処理を実行する(S1907)。このコマンド設定処理では、コマンド出力タイミングであると判定したタイミング(ポインタの情報)に基づいてコマンドを送信する。具体的には、遊技回の演出を開始すべきことを示すコマンド、予告演出を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、変動を終了すべきことを示すコマンド、開閉実行モードの演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技間のインターバルの演出を開始すべきことを示すコマンド、エンディングの演出を開始すべきことを示すコマンド、およびデモ表示を開始すべきことを示すコマンド等をそれぞれのタイミングに応じて音声側MPU152に送信する。
この場合、予告演出を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、開閉実行モードの演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技間のインターバルの演出を開始すべきことを示すコマンド、およびエンディングの演出を開始すべきことを示すコマンドには、その演出の種類の内容が含まれている。
また、予告演出を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、および変動を終了すべきことを示すコマンドには、当該コマンドの出力タイミングから何フレーム後に対象となる演出を開始すべきであるかを示す情報が含まれている。これにより、各コマンドが対象となる演出の開始タイミングよりも前のタイミングでこれらのコマンドが送信さるとしても、音声側MPU152では、図柄表示装置80における対象となる演出の開始に同期させて、電飾部33を含む発光部およびスピーカ部34に対象となる演出を開始させることが可能となる。
つまり、本パチンコ機10では、主側MPU112を基準とした場合に音声側MPU152は表示側MPU162に対して通信の上流側に存在しているが、音声側MPU152では表示側MPU162から送信されるコマンドに基づいても演出の制御を実行する。このため、音声側MPU152で実行される発光演出および音声演出と、表示側MPU162で実行される表示演出との間にずれが発生し難くなり、各演出手段を利用した演出を好適に実行することができる。
V割込み処理(図36)の説明に戻り、コマンド出力タイミングでないと判定した場合(S1906:NO)、またはステップ1907のコマンド設定処理を実行した場合には、描画リスト出力処理を実行した後(S1908)、本V割込み処理を終了する。描画リスト出力処理では、今回の処理回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リストをVDP165に送信する。
この場合、当該描画リストでは、直前のタスク処理にて把握された画像が描画対象となり、さらに当該タスク処理にて更新したパラメータの情報が合わせて設定される。VDP165では、この描画リストに従ってビデオRAM167のフレーム領域に描画データを作成し、フレーム領域に作成された描画データに従って図柄表示装置80に信号出力を行う。これにより、図柄表示装置80において1フレーム分の画像が表示されることになる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、まず、可変入賞装置始動ゲート61を配設し、当たり抽選に当選した場合(図21、S504:YES)、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過することで開閉実行モードが開始されるようにしている(図25、S901:YES)。このため、遊技者は、当たり抽選に当選した場合、遊技者自身のタイミングで開閉実行モード(ラウンド遊技)を開始することができる。
ここで、本実施形態のように、高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモードを備え、第2抽選遊技が当たりとなった場合、第1抽選遊技が当たりとなった場合より遊技者にとって有利となる開閉実行モードが付与される確率が高くされている遊技機に発生し得る問題点(課題)について説明する。
すなわち、このような遊技機では、遊技者は、高頻度サポートモードでは、第2抽選遊技が実行されることを期待すると共に、第2抽選遊技が当たりとなって開閉実行モードが付与されることを期待する。言い換えると、遊技者は、高頻度サポートモードでは、第1抽選遊技が実行されること自体を望んでいない。このため、高頻度サポートモードにおいて、第1抽選遊技が当たりとなり、その結果が第2抽選遊技が当たりとなった場合よりも遊技者にとって不利なものであると(本実施形態では、例えば、4R通常当たり)、遊技者は、特典遊技が付与されるにも関わらず、遊技機に対して嫌悪感を抱いてしまう。
しかしながら、本実施形態では、特別第2始動口58は、可変入賞装置始動ゲート61を通過した遊技球が必ず入球するように配設されている。このため、開閉実行モードが終了した後、少なくとも1つの第2抽選遊技が保留されていることになる。したがって、開閉実行モードが終了した後の高頻度サポートモードにおける最初の遊技回では、必ず第2抽選遊技が実行される。そして、高頻度サポートモードでは、電動役物66が開放状態となり易くされているため、遊技者は、遊技球を右打ちすることによって連続して当該遊技球を通常第2始動口57に入賞させることができる。つまり、本実施形態では、高頻度サポートモードでは、第2抽選遊技のみが実行されるようにでき、遊技者が遊技機に対して嫌悪感を抱くことを抑制できる。また、開閉実行モードが終了した後の最初の抽選遊技として第2抽選遊技が実行されることを確定させることにより、遊技者は、開閉実行モードが終了した後の高頻度サポートモードにおけるその後の展開を期待しつつ当該開閉実行モード(ラウンド遊技)を堪能でき、遊技への関心をさらに向上できる。
また、高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモードを備え、第2抽選遊技が当たりとなった場合、第1抽選遊技が当たりとなった場合より遊技者にとって有利となる開閉実行モードが付与される確率が高くされている遊技機において、従来より、保留図柄によって当たり抽選に当選する期待度を先に報知する遊技機も提案されている。しかしながら、従来の遊技機では、低頻度サポートモードで当たり抽選に当選した場合(第2抽選遊技が保留されていない状態で当たり抽選に当選した場合)、開閉実行モードが終了した後の高頻度サポートモードにおける最初の遊技回で必ず第2抽選遊技が実行される構成とはなっていないため、期待度の高い保留図柄が表示されると、当該期待度の高い保留図柄で当たり抽選に当選することを考慮し、開閉実行モードが終了した後に第1抽選遊技が実行されることを恐れて打ち出しを止めてしまうという問題がある。
さらに、高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモードを備え、第2抽選遊技が当たりとなった場合、第1抽選遊技が当たりとなった場合より遊技者にとって有利となる開閉実行モードが付与される確率が高くされている遊技機において、従来より、低頻度サポートモードにおいて、図柄表示装置80に変動表示が表示されている際、第1始動口56に規定数の遊技球が入賞する(第1抽選遊技が規定数保留される)ことによって当該変動表示の当たり期待度を報知する遊技機も提案されている。しかしながら、このような従来の遊技機では、低頻度サポートモードで当たり抽選に当選した場合(第2抽選遊技が保留されていない状態で当たり抽選に当選した場合)、開閉実行モードが終了した後の高頻度サポートモードにおける最初の遊技回で必ず第2抽選遊技が実行される構成とはなっていないため、開閉実行モードが終了した後に第1抽選遊技が実行されることを恐れて打ち出しを止めてしまい、遊技者が遊技機に搭載された演出を十分に堪能できないという問題もある。
しかしながら、本実施形態のように、開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回で必ず第2抽選遊技が実行されるようにすることにより、遊技者は、開閉実行モード後の最初の遊技回で第1抽選遊技が実行されることを恐れることなく、遊技を継続できる。つまり、本実施形態によれば、遊技者は、遊技機に搭載された演出を十分に楽しみつつ遊技を継続できるため、早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる。言い換えると、本実施形態によれば、遊技機に種々の演出を搭載することができ、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、可変入賞装置59へ遊技球を入賞させる際、可変入賞装置59への遊技球の流下する経路である第2領域RTに可変入賞装置始動ゲート61(特別第2始動口58)を配設している。このため、可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球を発射する場合と、可変入賞装置59に入賞するように遊技球を発射する場合とにおいて、遊技球の発射の仕方を変更する必要がない。つまり、可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球を発射する行為は、可変入賞装置59に遊技球を入賞させる行為の一部であると遊技者に認識させることができる。このため、可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球を発射する行為を煩わしいと遊技者が認識してしまうことを抑制できる。さらに、特別第2始動口58を第2領域RTに配設しているため、可変入賞装置59に入賞するように遊技球を発射することにより、特別第2始動口58にも遊技球が入賞する可能性がある。このため、開閉実行モードが終了した後に複数の第2抽選遊技が保留されていることも期待され、遊技者が開閉実行モード終了後に遊技球を即座に発射しなければならないという義務感に急き立てられることを抑制でき、遊技者を開閉実行モードの余韻に浸らせることができる。
また、特別第2始動口58は、遊技者が右打ちをすることによって遊技球が入賞し得る構成としているが、特別第2始動口58には第1始動口56より遊技球が入賞し難くなるように、釘51や風車52等を配設している。つまり、通常時(低頻度サポートモード時)においては、遊技者が右打ちをすることによって特別第2始動口58に遊技球を入賞させることも可能であるが、第1始動口56に遊技球を入賞させるように遊技球を発射した方が当たり抽選を受けることができる機会が多くなり、遊技者にとっては有利となる。このため、特別第2始動口58を設けたことによって通常時に想定している遊技性が損なわれることを抑制できる。言い換えると、高頻度サポートモードの遊技価値が低下してしまうことを抑制できる。
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態の変形例について説明する。上記第1実施形態において、可変入賞装置始動ゲート61(検知センサ61a)は、当該可変入賞装置始動ゲート61を通過した遊技球が特別第2始動口58に入賞するように配設されるのではなく、特別第2始動口58に入賞した遊技球を検知するように配設されていてもよい。例えば、可変入賞装置始動ゲート61は、特別第2始動口58に入賞した遊技球が排出される通路に備えられていてもよい。つまり、第2領域RTから遊技球が排出される通路に備えられていてもよい。すなわち、開閉実行モードが終了した後に少なくとも1つの第2抽選遊技が保留されるのであれば、可変入賞装置始動ゲート61および特別第2始動口58に遊技球が入球(入賞)する順番は適宜変更可能である。さらに、可変入賞装置始動ゲート61は、特別第2始動口58と共用されていてもよい。つまり、検知センサ61aは、検知センサ58aと共用されていてもよい。このように、可変入賞装置始動ゲート61と特別第2始動口58とを共用することにより、部品点数の削減を図ることもできる。
また、上記第1実施形態において、図41に示されるように、第2始動口として、通常第2始動口57を備えず、特別第2始動口58のみを備えるようにしてもよい。この場合例えば、特別第2始動口58に電動役物66を備え、普通図柄始動ゲート60の下方に可変入賞装置始動ゲート61および特別第2始動口58を配設することにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、このような構成とする場合、高頻度サポートモードにおいては、電動役物66が開放状態となることにより、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過しなくても特別第2始動口58に遊技球が入賞し得るが、可変入賞装置始動ゲート61を通過した遊技球が必ず特別第2始動口58に入賞するようにすることにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、図41のような構成は、下記第2、第3実施形態においても適宜適用可能である。
さらに、上記第1実施形態において、可変入賞装置始動ゲート61および特別第2始動口58は、可変入賞装置59に入賞しなかった遊技球がさらに流下する経路に配設されていてもよい。つまり、上記第1実施形態においては、可変入賞装置始動ゲート61および特別第2始動口58は、可変入賞装置59の下方に配置されていてもよい。このような遊技機としても、可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球を発射する場合と、可変入賞装置59に入賞するように遊技球を発射する場合とにおいて、遊技球の発射の仕方を変更する必要がないため、可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球を発射する行為を煩わしいと遊技者が認識してしまうことを抑制できる。
また、遊技球が可変入賞装置59に入賞するまでの経路と異なる経路に配設されていてもよく、例えば、第1領域RSに配設されていてもよい。
さらに、オープニング画像の表示は適宜変更可能であり、オープニング画像として、例えば、可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球を発射させるべきことを示唆する動画等を表示するようにしてもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、可変入賞装置始動ゲート61への遊技球の誘導のされ方を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図42に示されるように、第2領域RTのうちの可変入賞装置始動ゲート61の上方に受動振分ユニット(振分手段)220が配置されている。すなわち、本実施形態のパチンコ機10の基本的な構成(制御)は上記第1実施形態と同様であるため、遊技者が遊技球を右打ちした際に遊技球が通過する位置に受動振分ユニット220が配置されている。
ここで、本実施形態の受動振分ユニット220の構成について図43を参照しつつ説明する。図43は、受動振分ユニット220近傍の拡大図である。
図43に示されるように、受動振分ユニット220は、遊技球が受動振分ユニット220に達した際、当該遊技球の排出先を案内領域R1または排出領域R2に振り分けるものであり、受動振分部材(振分部材)221および分岐用壁部222を有する受動振分装置223が複数備えられることで構成されている。なお、案内領域R1とは、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過(入球)し得る領域であり、排出領域R2とは、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過(入球)し難い領域である。本実施形態では、案内領域R1は、第2領域RTにおける受動振分ユニット220が配置される領域のうちの上方側(外レール54側)の領域とされ、排出領域R2は、第2領域RTにおける受動振分ユニット220が配置される領域のうちの下方側(図柄表示装置80側)の領域とされている。
受動振分部材221は、本実施形態では、一方向に延設された棒状の第1〜第3突出片224〜226を有し、これら第1〜第3突出片224〜226が軸部227を中心として等角度間隔となるように当該軸部227に備えられた正面視略Y字状とされている。そして、軸部227が遊技盤43に取り付けられることにより、軸部227を軸として回動可能とされている。また、受動振分部材221は、第1突出片224と第2突出片225との間の部分に遊技球を受け止め可能な第1収容部(第1受動部)228が構成されると共に、第1突出片224と第3突出片226との間の部分に遊技球を受け止め可能な第2収容部(第2受動部)229が構成されている。そして、受動振分部材221は、第1収容部228または第2収容部229で遊技球を受け止めると、遊技球の重さによって軸部227を軸として回動し、遊技球を案内領域R1または排出領域R2へと振り分ける(誘導する)。なお、受動振分部材221は、後述するように分岐用壁部222によって回動限界位置が規定される。
分岐用壁部222は、軸部227の直下に配置され、正面視上下方向に延設されている。さらに、詳述すると、分岐用壁部222は、第2突出片225と第3突出片226との間に配置され、受動振分部材221が回動した際、第2突出片225または第3突出片226と当接することで受動振分部材221のさらなる回動が抑制されるように配置されている。つまり、この分岐用壁部222は、受動振分部材221の回動限界位置を規定するストッパとしての機能を発揮するものである。本実施形態では、受動振分部材221は、回動した際、第2突出片225が分岐用壁部222に正面視右側(外レール54側)から当接するように配置され、第3突出片226が分岐用壁部222に正面視左側(図柄表示装置80側)から当接するように配置されている。つまり、受動振分部材221は、遊技球を第1収容部228で受け止めると時計回り(第2周方向)に回動して当該遊技球を案内領域R1へと誘導し、遊技球を第2収容部229で受け止めると反時計回り(第1周方向)に回動して当該遊技球を排出領域R2へと誘導するように配置されている。
また、本実施形態では、第1突出片224の軸部227と反対側の先端部に受動振分部材側磁石224aが備えられており、遊技盤43の後方には、第1突出片224の延設方向が正面視上下方向となった際、受動振分部材側磁石224aと対応する位置にベース側磁石230が設けられている。なお、本実施形態では、受動振分部材側磁石224aおよびベース側磁石230によって回動規制手段が構成されている。
受動振分部材側磁石224aおよびベース側磁石230は、それぞれ棒状とされており、受動振分部材側磁石224aにおけるベース側磁石230側の極性と、ベース側磁石230における受動振分部材側磁石224a側の極性とが互いに反発する極性(S極同士またはN極同士)となるように配置されている。
これにより、受動振分部材側磁石224aとベース側磁石230とが最も近接する(先端部同士が向かい合う)位置は、第1突出片224が軸部227の直上の位置している場合となるが、受動振分部材側磁石224aとベース側磁石230との極性が同じ(S極同士またはN極同士)となるように配置されているため、反発することで第1突出片224が軸部227の直上で停止することを抑制できる。すなわち、第1収容部228または第2収容部229が上方に向けて開口した状態(第1周方向または第2周方向に回動した状態)で維持できる。このため、遊技球が受動振分部材221に到達すると、遊技球は第1収容部228または第2収容部229に交互に受け止められ、案内領域R1または排出領域R2へと交互に排出される。
以上が受動振分装置223の構成である。そして、本実施形態では、図42および図43に示されるように、受動振分装置223は、第2領域RTにおいて正面視右下がりとなるように連続して5個備えられている。具体的には、各受動振分装置223は、遊技球の流下方向における上流側(前段)の受動振分装置223にて遊技球が案内領域R1側に振り分けられた際、当該遊技球が下流側(後段)の受動振分装置223における受動振分部材221の第1収容部228または第2収容部229のいずれかに受け止められるように配置されている。
そして、可変入賞装置始動ゲート61は、最下流側に配設された受動振分装置223にて案内領域R1側に振り分けられた遊技球のみが通過し得るように配設されている。
次に、本実施形態の受動振分ユニット220における遊技球の振分動作について、図44を参照しつつ説明する。なお、ここでは、理解を容易にするために、2個の受動振分装置223の振分動作について説明するが、5個の受動振分装置223の場合も同様の振分動作となる。
上記のように、受動振分部材221は、受動振分部材側磁石224aおよびベース側磁石230によって第1収容部228または第2収容部229が上方に開口した状態で維持される。図44(a)では、上流側の受動振分部材221および下流側の受動振分部材221は、それぞれ第1収容部228が上方に開口した状態のものを図示している。
そして、図44(b)に示されるように、遊技球が上流側の受動振分部材221の第1収容部228で受け止められると、当該受動振分部材221が軸部227を軸として回動し、遊技球を案内領域R1側へ誘導することで当該遊技球が下流側の受動振分部材221へと誘導される。なお、上流側の受動振分部材221は、遊技球を案内領域R1側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。
その後、図44(c)に示されるように、遊技球が下流側の受動振分部材221の第1収容部228で受け止められると、当該受動振分部材221が軸部227を軸として回動し、遊技球を案内領域R1側へ誘導することで当該遊技球が可変入賞装置始動ゲート61へと誘導される(振り分けられる)。これにより、遊技球は、可変入賞装置始動ゲート61を通過して特別第2始動口58(図示略)に入賞する。なお、下流側の受動振分部材221は、遊技球を案内領域R1側(可変入賞装置始動ゲート61)へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。
次に、図44(d)に示されるように、上流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されると、図44(a)にて受動振分部材221は第2収容部229が上方に開口した状態で停止しているため、遊技球は第2収容部229で受け止められ、受動振分部材221が回動することで排出領域R2側へ誘導される。つまり、遊技球は、下流側の受動振分部材221に誘導されることなく流下する。なお、上流側の受動振分部材221は、遊技球を排出領域R2側へ誘導した後は、第1収容部228が上方に開口した状態で停止する。
そして、図44(e)に示されるように、上流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されると、図44(d)にて受動振分部材221は第1収容部228が上方に開口した状態で停止しているため、図44(a)と同様に、遊技球を案内領域R1側へと誘導する。
なお、上流側の受動振分部材221は、遊技球を案内領域R1側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。
続いて、図44(f)に示されるように、下流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されると、図44(c)にて受動振分部材221は第2収容部229が上方に開口した状態で停止しているため、遊技球は第2収容部229に受け止められ、受動振分部材221が回動することで排出領域R2側へ誘導される。つまり、遊技球は、可変入賞装置始動ゲート61を通過することなく流下する。なお、下流側の受動振分部材221は、遊技球を排出領域R2側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。
そして、図44(g)に示されるように、上流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されると、図44(e)にて受動振分部材221は第2収容部229が上方に開口した状態で停止しているため、図44(d)と同様に、遊技球を排出領域R2側へと誘導する。
つまり、遊技球は、下流側の受動振分部材221に誘導されることなく流下する。なお、上流側の受動振分部材221は、遊技球を排出領域R2側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。つまり、図44(g)の振分動作が実行されると、図44(a)の状態に戻る。
以上説明したように、図44に示す2個の受動振分装置223を有する受動振分ユニット220では、4通り(2の2乗通り)の振分経路が構成され、4個の遊技球のうちの1個の遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過する。すなわち、図43に示す5個の受動振分装置223を有する場合には、32通り(2の5乗通り)の振分経路が構成され、32個の遊技球のうちの1個の遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、受動振分部材221を回動させることにより、受動振分部材221の回動方向が所定の組み合わせとなった際、遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過する。つまり、本実施形態では、32個の遊技球を発射すれば、1個の遊技球が必ず可変入賞装置始動ゲート61を通過する。したがって、長期に渡って可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過しないという事態が発生することを抑制でき、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過しないことで開閉実行モードが開始されないという事態が発生することを抑制できる。
また、本実施形態では、案内領域R1または排出領域R2に共通の受動振分部材221によって遊技球を振り分けることができる。このため、案内領域R1側へ遊技球を誘導する部材または排出領域R2側へ遊技球を誘導する部材を別々に設ける場合と比較して、部品点数の削減を図ることができる。
さらに、複数の受動振分部材221(受動振分装置223)を備え、上流側の受動振分部材221から案内領域R1側に遊技球が誘導された際に下流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されるようにしている。このため、配設する受動振分部材221の個数を適宜変更することにより、容易に遊技球の振分経路数を変更することができ(受動振分部材221の個数をnとすると、振分経路数は2のn乗通り)、遊技者が遊技球を右打ちした際、可変入賞装置始動ゲート61を通過する遊技球の確率を遊技機に合わせて容易に変更できる。
また、可変入賞装置始動ゲート61を通過した遊技球は必ず特別第2始動口58に入賞するため、受動振分部材221の個数によって可変入賞装置始動ゲート61を通過する遊技球の確率を容易に変更できるということは、受動振分部材221の個数によって特別第2始動口58へ入賞する遊技球の確率を容易に変更できることでもある。このため、遊技者が遊技球を左打ちした際に打ち出した遊技球の総数に対する第1始動口56へ入賞する遊技球の確率に基づき、遊技者が遊技球を右打ちした際に打ち出した総数に対する特別第2始動口58へ入賞する遊技球の確率を容易に変更できる。つまり、第1始動口56と特別第2始動口58との遊技球の入賞率を容易に調整できる。
また、受動振分ユニット220は、受動振分部材側磁石224aおよびベース側磁石230によって構成される回動規制手段を有しているため、第1収容部228および第2収容部229は、遊技球を受けて回動した後、次に遊技球を受ける前に回動することが抑制される。つまり、遊技球を受けずに回動することが抑制される。このため、案内領域R1または排出領域R2に連続して遊技球が誘導されてしまうという不具合を抑制できる。
(第2実施形態の変形例)
上記第2実施形態の変形例について説明する。例えば、上記第2実施形態において、受動振分装置223によって遊技球が案内領域R1または排出領域R2に振り分けられるのであれば受動振分装置223の配設の仕方は適宜変更可能である。例えば、複数の受動振分装置223を備える場合、複数の受動振分装置223を正面視左下がりとなるように配列するようにしてもよい。
また、上記第2実施形態において、振分部材を1つのみ備えると共に、当該振分部材で振り分けられた遊技球を検知する検知手段、および当該振分部材を駆動する振分部材駆動部を備え、振分部材にて振り分けられた遊技球数に応じて当該振分部材の振分方向が振分部材駆動部によって規定される構成としてもよい。例えば、排出領域R2に30個の遊技球が通過したことを検知した後に、案内領域R1に1個の遊技球R1が誘導されるようにしてもよい。これによれば、振分部材を1つのみ備えればよいため、遊技領域を広く利用することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、可変入賞装置始動ゲート61を2つ備えたものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、本実施形態の遊技盤43の構成について図45を参照しつつ説明する。図45は、本実施形態における遊技盤43の正面図である。図45に示されるように、遊技盤43には、可変入賞装置始動ゲート61に加えて、可変入賞装置始動ゲート68が配設されている。具体的には、可変入賞装置始動ゲート61は第2領域RTに配設され、可変入賞装置始動ゲート68は第1領域RSに配設されている。言い換えると、可変入賞装置始動ゲート61は、遊技者が遊技球を右打ちした際に遊技球が通過し得るように配設され、可変入賞装置始動ゲート68は、遊技者が遊技球を左打ちした際に遊技球が通過し得るように配設されている。
なお、可変入賞装置始動ゲート61と可変入賞装置始動ゲート68とは同じ構成のものであるが、区別を容易にするために、以下では、可変入賞装置始動ゲート61を第1可変入賞装置始動ゲート(第1特典遊技始動入球部)61とし、可変入賞装置始動ゲート68を第2可変入賞装置始動ゲート(第2特典遊技始動入球部)68として説明する。
また、遊技盤43には、第2可変入賞装置始動ゲート68に対応させた検知センサ68a(図46参照)が設けられている。そして、第2可変入賞装置始動ゲート68を遊技球が通過すると検知センサ68aによって遊技球が検知され、検知結果が主制御装置91に対して出力される。
さらに、遊技盤43には、釘51や風車52等が配設されているが、釘51や風車52等は、遊技者が第1可変入賞装置始動ゲート61に向けて発射した遊技球の総数に対する当該第1可変入賞装置始動ゲート61を通過する遊技球の確率より、遊技者が第2可変入賞装置始動ゲート68に向けて発射した遊技球の総数に対する当該第2可変入賞装置始動ゲート68を通過する遊技球の確率の方が高くなるように配設されている。特に限定されるものではないが、遊技者が第1可変入賞装置始動ゲート61に向けて発射した遊技球の総数に対する当該第1可変入賞装置始動ゲート61を通過する遊技球の確率は、1/30程度とされ、遊技者が第2可変入賞装置始動ゲート68に向けて発射した遊技球の総数に対する当該第2可変入賞装置始動ゲート68を通過する遊技球の確率は、1/5程度とされている。
なお、第2可変入賞装置始動ゲート68の近傍には、通常第2始動口57や特別第2始動口58に相当する始動口は配設されていない。つまり、第2可変入賞装置始動ゲート68を通過した遊技球は、そのまま第1領域RSを流下し、通常第2始動口57や特別第2始動口58に入賞し難くなっている。
以上が本実施形態における遊技盤43の構成である。次に、第2可変入賞装置始動ゲート68を配設したことによる上記第1実施形態との制御の相違点について説明する。
すなわち、本実施形態では、第1可変入賞装置始動ゲート61および第2可変入賞装置始動ゲート68が備えられているため、主側MPU112は、特電開始処理(図25)におけるステップ901では、検知センサ61aおよび検知センサ68aの検知情報に基づいて判定する。つまり、ステップ901では、第1可変入賞装置始動ゲート61または第2可変入賞装置始動ゲート68のいずれかを遊技球が通過した際に肯定判定がされる。但し、上記のように第2可変入賞装置始動ゲート68の近傍には、通常第2始動口57および特別第2始動口58に相当する始動口が配設されていないため、第2可変入賞装置始動ゲート68を通過することによって開閉実行モードが実行されたとしても、第2可変入賞装置始動ゲート68を通過する遊技球によって第2抽選遊技は保留され難くなっている。
また、音声側MPU153および表示側MPU162の基本的な処理内容については、上記第1実施形態と同様である。但し、表示側MPU162は、オープニングコマンドを受信すると(図37、S2005:YES)、図47に示されるように、図柄表示装置80に、「大当たり!!」という文字、図示しない対応する背景画像、第1可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球は発射させる(右打ちをする)示唆の画像と共に、第1可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球を発射した場合の利点の説明、第2可変入賞装置始動ゲート68を通過するように遊技球を発射させる(左打ちをする)示唆の画像、および第2可変入賞装置始動ゲート68を通過するように遊技球を発射した場合の利点の説明を含むオープニング画像を表示する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施形態では、第1可変入賞装置始動ゲート61と共に、第1可変入賞装置始動ゲート61より遊技球が通過し易い第2可変入賞装置始動ゲート68を備えている。このため、遊技者は、第2可変入賞装置始動ゲート68を通過するように遊技球を発射することにより、早期に開閉実行モードを実行できる。
例えば、高頻度サポートモード中では、電動役物66が開放状態となり易く、通常第2始動口57に遊技球が入賞し易いため、当たり抽選に当選した場合、既に第2抽選遊技が保留されている場合がある。このような場合は、開閉実行モード後には既に保留されている第2抽選遊技の当たり抽選が実行されることが確定しているため、遊技者は、第1可変入賞装置始動ゲート61よりも遊技球が通過し易い第2可変入賞装置始動ゲート68に遊技球を通過させることにより、開閉実行モードを早期に実行できる。但し、当たり抽選に当選した際、第1抽選遊技が保留されていると共に第2抽選遊技が保留されていない場合には、上記第1実施形態と同様に第1可変入賞装置始動ゲート61に遊技球を通過させることで開閉実行モードが実行されるようにすることにより、遊技者は、開閉実行モードが終了した後に第2抽選遊技が実行されるようにできる。
すなわち、本実施形態によれば、遊技者は、状況に応じ、第2抽選遊技を保留させて開閉実行モードを実行したい場合には第1可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球を発射すればよく、早期に開閉実行モードを実行したい場合には第2可変入賞装置始動ゲート68を通過するように遊技球を発射すればよい。つまり、遊技者は、遊技者自身で遊技性を選択できる。このため、遊技の幅を広げることができ、遊技者の遊技への関心を向上できると共に遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、第1可変入賞装置始動ゲート61を第2領域RTに配設し、第2可変入賞装置始動ゲート68を第1領域RSに配設している。このため、第1可変入賞装置始動ゲート61と第2可変入賞装置始動ゲート68とを同じ領域に配設する場合と比較して、遊技者が第1可変入賞装置始動ゲート61に向けて発射した遊技球が当該第1可変入賞装置始動ゲート61を通過する確率より、遊技者が第2可変入賞装置始動ゲート68に向けて発射した遊技球が当該第2可変入賞装置始動ゲート68を通過する確率の方が高くなるように、近傍の釘51や風車52等を容易に設定できる。
(第3実施形態の変形例)
第3実施形態の変形例について説明する。上記第3実施形態において、第1可変入賞装置始動ゲート61と第2可変入賞装置始動ゲート68とを異なる領域に配設せず、同じ領域に配設するようにしてもよい。例えば、第1可変入賞装置始動ゲート61および第2可変入賞装置始動ゲート68を共に第2領域RTに配設するようにしてもよい。このように第1可変入賞装置始動ゲート61および第2可変入賞装置始動ゲート68を配設する場合には、例えば、釘51や風車52等によって第2領域RTが遊技球の流下方向に沿って2つ以上の領域に区画され、遊技者が区画された1つの領域を狙って遊技球を発射することで第1可変入賞装置始動ゲート61を通過し得るようにすると共に、区画された別の領域を狙って遊技球を発射することで第2可変入賞装置始動ゲート68を通過し得るようにすればよい。但し、このような構成とする場合であっても、釘51や風車52等により、第2可変入賞装置始動ゲート68の方が第1可変入賞装置始動ゲート61よりも遊技球が通過し易くなるようにすることが好ましい。すなわち、上記第3実施形態は、遊技者が第1可変入賞装置始動ゲート61または第2可変入賞装置始動ゲート68を通過するように遊技球を打ち分けることができ(選択的に遊技球を流下させることができ)、かつ第2可変入賞装置始動ゲート68に向けて発射した遊技球が当該第2可変入賞装置始動ゲート68を通過する確率の方が第1可変入賞装置始動ゲート61に向けて発射した遊技球が当該第1可変入賞装置始動ゲート61を通過する確率より高くなるのであれば、第1可変入賞装置始動ゲート61および第2可変入賞装置始動ゲート68の設置個所は適宜変更可能である。
また、上記第3実施形態において、図柄表示装置80に表示するオープニング画像として、状況に応じ、遊技者にとって有利となり易い遊技球の発射の仕方を目立つように表示する、または遊技者にとって有利となり易い遊技者の発射の仕方のみを表示するようにしてもよい。例えば、当たり抽選に当選した際、既に4個の第2抽選遊技が保留されている場合には、第1可変入賞装置始動ゲート61を通過させて開閉実行モードを開始させても新たに第2抽選遊技は保留されないため、遊技球を左打ちする示唆の画像が目立つように表示したり、遊技球を左打ちする示唆の画像のみを表示するようにしてもよい。また、例えば、第2抽選遊技が保留されていない場合には、第1可変入賞装置始動ゲート61を通過させて開閉実行モードを実行する効果が十分に得られるため、遊技球を右打ちする示唆の画像が目立つように表示したり、遊技球を右打ちする示唆の画像のみを表示するようにしてもよい。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例(図41参照)に対して、可変入賞装置始動ゲート61の配設箇所を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、本実施形態の遊技盤43の構成について図48を参照しつつ説明する。本実施形態では、図48に示されるように、第2始動口として、特別第2始動口58のみが備えられており、通常第2始動口57は備えられていない。そして、特別第2始動口58には、電動役物(制御部材)66が備えられている。
なお、特別第2始動口58は、図柄表示装置80の正面視右側であって、普通図柄始動ゲート60の下方に配設されている。本実施形態では、遊技盤43に第2始動口が1つしか備えられていないため、以下では、上記特別第2始動口58を単に第2始動口58として説明する。
可変入賞装置始動ゲート61(検知センサ61a)は、遊技盤43の前面側には備えられておらず、図49に示されるように、第2始動口58に入賞した遊技球が排出される排出通路69に備えられている。
本実施形態の排出通路69は、第2始動口58と連通される部分と、可変入賞装置始動ゲート61が配設されている部分との間の部分が螺旋(蛇行)形状とされている。つまり、本実施形態の排出通路69は、第2始動口57と連通される部分と可変入賞装置始動ゲート61との間の部分が直線状とされている場合と比較して、第2始動口58に入賞した遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過するまでの期間が長くなるように構成されている。言い換えると、本実施形態の排出通路69は、第2始動口58に入賞した遊技球が所定期間経過後に可変入賞装置始動ゲート61を通過する構成とされている。
ここで、普図普電制御処理(図30、S216)における電動役物66の開放判定について説明する。普図普電制御処理(図30、S216)における普図変動開始処理(S1407)では、上記のように、普通図柄の保留情報を利用して電動役物66の開放判定を行い、高頻度サポートモードの方が低頻度サポートモードよりも当選確率が高くなっている。この場合、高頻度サポートモードであるか否かは、基本的には、時短フラグまたは高確率モードフラグが格納されているか否かによって判定され、時短フラグまたは高確率モードフラグが格納されていれば高頻度サポートモードであると判定される。但し、時短フラグまたは高確率モードフラグが格納されているとしても、特図変動開始処理(図21)のステップ504にて当たり当選であると判定されると、電動役物66の開放判定は、当該当たり当選に対応する変動表示が確定表示された時点から当該当たり当選に起因する開閉実行モードが終了するまで低頻度サポートモードと同様の判定となる。
以下に、図50を参照しつつ、特別図柄の表示態様(第1抽選遊技または第2抽選遊技に対応する変動表示)と、電動役物66の開放判定における抽選モード等との関係について説明する。なお、図50は、高頻度サポートモード中(時短フラグまたは高確率モードフラグが格納されている状態)において、第1抽選遊技または第2抽選遊技が当たり抽選に当選した場合のタイミングチャートである。
図50では、第1抽選遊技または第2抽選遊技に基づいた特別図柄の表示態様は、時点T1以前では変動中とされ、時点T1にて最終停止し、時点T1から時点T2まで確定時間に渡って確定表示(最終停止表示)される。この場合、電動役物66の開放判定における抽選モードは、時点T1以前(確定時間が開始される以前)は高頻度サポートモードでの抽選となり、時点T1以降(確定時間が開始された後)は低頻度サポートモードでの抽選となる。つまり、時点T1以降は、電動役物66の開放判定に当選し難くなり、第2始動口58に遊技球が入賞し難くなる。
そして、上記のように、主側MPU112では、第1抽選遊技または第2抽選遊技が当たり抽選に当選した場合、確定時間が経過した後、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したか否かの判定を実行する(図25、S901)。つまり、可変入賞装置始動ゲート61は、確定時間が経過した時点T2以降から遊技球の通過が有効となる。すなわち、主側MPU112では、電動役物66の開放判定に当選し難くなって第2始動口58に遊技球が入賞し難くなった後、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したか否かの判定を実行する。
そこで、本実施形態では、排出通路69は、上記のように螺旋形状とされているが、遊技者が遊技球を連続して右打ちしている状態において、時点T1以前である時点Tsと、時点T1との間に入賞した遊技球が時点T2以降に可変入賞装置始動ゲート61を通過するように構成されている。なお、時点Tsは、高頻度サポートモード中(普通図柄の当たり確率がアップしている状態)において、遊技者が遊技球を連続して右打ちした際、少なくとも1個の遊技球が第2始動口58に入賞するように、遊技球発射機構44から発射された遊技球が第2始動口58に入賞(到達)するまでの期間、電動役物66が開放状態となる当選率、および電動役物66の開放時間等に基づいて設定されている。但し、本実施形態における遊技者が遊技球を連続して右打ちしている状態とは、遊技球が図柄表示装置80の正面視右側を連続して通過するように遊技者が操作ハンドル31の操作量を維持している状態(0.6sec毎に遊技球が発射される状態)のこと、つまり遊技者が第2始動口58に連続して遊技球を入球させるように操作ハンドル31の操作量を維持している状態を意味しており、例えば、遊技者が連続して遊技球を右打ちしたとしても、1球毎に打ち出しを停止しているような状態は含まない。
このため、本実施形態では、遊技者が遊技球を連続して右打ちすることにより、時点Ts以降であって時点T1以前である時点T0で第2始動口58に遊技球が入賞すると、当該遊技球が時点T2以降(例えば、時点T3)に可変入賞装置始動ゲート61を通過する。つまり、主側MPU112にて遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過することが判定される時点T2以降に遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過する。
なお、第2始動口58に入賞する遊技球は、入賞する前の釘51等との衝突具合によって速度が変化し、入賞する際の速度が一定とはならない。このため、本実施形態では、遊技球が第2始動口58に入賞する際の想定される最も速い速度に基づき、時点Ts以降に第2始動口58に入賞した全ての遊技球が時点T2以降に可変入賞装置始動ゲート61を通過するように、排出通路69の形状が設定されている。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、第2始動口58に入賞した遊技球が排出される排出通路69に可変入賞装置始動ゲート61が備えられている。そして、排出通路69は、第2始動口58に入賞した遊技球が所定期間経過後に可変入賞装置始動ゲート61を通過するように構成されている。
このため、高頻度サポートモード中では、当たり抽選に当選して開閉実行モードに移行する場合、遊技者が何ら意識せずに遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過し、即座に開閉実行モードが開始されることがあるようにできる。これにより、遊技者に疾走感や爽快感を付与でき、遊技に対する関心をさらに向上できる。
また、排出通路69は、時点Ts以降に第2始動口58に入賞した遊技球が時点T2以降に可変入賞装置始動ゲート61を通過するように構成されている。なお、時点Tsは、遊技者が高頻度サポートモード中に連続して遊技球を右打ちすることにより、時点Tsから時点T1との間において、少なくとも1個の遊技球が第2始動口58に入賞するように設定された時点である。このため、遊技者が連続して遊技球を右打ちすることにより、当たり抽選に当選することで電動役物66が開放状態になり難くなったとしても、遊技者は、何ら意識せずに遊技球を可変入賞装置始動ゲート61に通過させて開閉実行モードを開始できる。したがって、さらに遊技者に疾走感や爽快感を付与できる。
(第4実施形態の変形例)
上記第4実施形態の変形例について説明する。例えば、上記第4実施形態では、当たり抽選に関する変動表示であって確定時間が経過した時点を時点T2としているが、時点T2は適宜変更可能である。例えば、確定時間が経過した後、図柄表示装置80に「大当たり!!」等の演出表示をし、その後に可変入賞装置始動ゲート61に遊技球が通過したか否かを判定するようにする場合には、確定時間および図柄表示装置80に「大当たり!!」等の表示をしている時間が経過した時点を時点T2とすればよい。つまり、上記第4実施形態は、排出通路69の構成により、時点Ts以降に第2始動口58に入賞した遊技球が、主側MPU112が可変入賞装置始動ゲート61に遊技球が通過したか否かを判定する時点T2以降に当該可変入賞装置始動ゲート61を通過するのであれば、時点Tsと時点T2との間の期間に、他の演出用の期間等が含まれていてもよい。
また、上記第4実施形態において、上記図5と同様の遊技盤43を用い、通常第2始動口57等を備え、電動役物66を通常第2始動口57に備えてもよい。この場合、通常第2始動口57と連通される排出通路を上記第4実施形態の排出通路69の構成とし、この排出通路69に可変入賞装置始動ゲート61を備えるようにしてもよい。つまり、2つの可変入賞装置始動ゲート61を備えるにようにしてもよい。なお、この構成は、下記第5実施形態においても同様に適用できる。
これによれば、2つの可変入賞装置始動ゲート61を備えているため、例えば、通常状態(低確率モード、低頻度サポートモードであり、遊技者が左打ちして第1始動口57に遊技球を入賞させようとしている状態)で第1抽選遊技が当たり抽選に当選した場合、遊技者は、遊技球を右打ちすることによっていずれかの可変入賞装置始動ゲート61を通過させればよいため、早期に開閉実行モードを開始できる可能性を高くできる。
また、上記第4実施形態では、排出通路69を螺旋形状とすることにより、第2始動口58に入賞した遊技球が可変入賞装置始動ゲート61に到達するまでの期間を長くする例を説明したが、排出通路69の構成は適宜変更可能である。例えば、排出通路69を直線状にし、排出通路69に粗化面を形成して遊技球の速度が遅くなるようにすることにより、第2始動口58に入賞した遊技球が可変入賞装置始動ゲート61に到達するまでの期間が長くなるようにしてもよい。
また、上記第4実施形態において、第2始動口58に入賞した遊技球が入賞した時点から所定期間経過後に可変入賞装置始動ゲート61を通過したと主側MPU112にて判定されるように、検知センサ61aから出力される検出信号を制御するようにしてもよい。
例えば、検知センサ61aは、可変入賞装置始動ゲート61を通過してから所定期間経過後に検出結果を出力するようにしてもよいし、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過したことを示す検出信号を所定期間に渡って出力し続けるようにしてもよい。これによれば、機械的な構成が必要なく、構成が複雑になることを抑制できる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、第4実施形態に対して、変動表示時間の設定の仕方を変更したものであり、その他に関しては第4実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、本実施形態の主側ROM113および主側RAM114の構成について図51を参照しつつ説明する。図51は、主に主制御装置の電気的構成を示す図である。
図51に示されるように、主側ROM113には、各種エリア113a〜113jに加えて、到達期間記憶エリア113kが設けられている。到達期間記憶エリア113kは、第2始動口58に入賞した遊技球が可変入賞装置始動ゲート61に到達するまで(検知センサ58aにて検知された遊技球が検知センサ61aにて検知されるまで)の到達期間が記憶されているエリアである。なお、上記のように、第2始動口58に入賞する遊技球は、入賞する前の釘51等との衝突具合によって速度が変化し、入賞する際の速度が一定とはならない。このため、本実施形態では、到達期間記憶エリア113kには、第2始動口58に入賞した遊技球が可変入賞装置始動ゲート61に到達するまでの想定し得る最も長い到達期間が記憶されている。
また、変動表示時間テーブル記憶エリア113dには、上記のように、リーチ発生用変動表示時間テーブルおよびリーチ非発生用変動表示時間テーブルに加えて、特殊リーチ発生用変動表示時間テーブルも記憶されている。なお、特殊リーチ発生用変動表示時間テーブルについては後述する。
主側RAM114には、各種カウンタエリア114a〜114nに加えて、到達期間タイマカウンタエリア114pが設けられている。到達期間タイマカウンタエリア114pは、上記到達期間記憶エリア113kに記憶されている到達期間がセットされる到達期間タイマカウンタが格納されるエリアである。
次に、主側MPU112が実行する保留情報の取得処理について図52を参照しつつ説明する。図52は、保留情報の取得処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図19で説明した保留情報の取得処理と同様の処理であり、第2始動口58に遊技球が入賞した場合に到達期間タイマカウンタに到達期間をセットする処理(S411)を追加した処理である。
具体的には、本保留情報の取得処理では、ステップ410の処理を実行した後、またはステップ407で第2特別図柄保留数記憶エリアNBに記憶された保留数Nbが4であると判定した後は(S407:NO)、主側ROM113の到達期間記憶エリア113kに記憶されている到達期間を読み出し、主側RAM114の到達期間タイマカウンタエリア114pに格納されている到達期間タイマカウンタに読み出した到達期間をセットした後(S411)、本保留情報の取得処理を終了する。なお、ステップ411でセットされた到達期間タイマカウンタの数値の更新(減算)は、タイマ割込み処理(図17)におけるステップ211のタイマ更新処理にて実行される。
続いて、主側MPU112が実行する特図変動開始処理(図21)におけるステップ509の変動表示時間の把握処理について図53を参照しつつ説明する。図53は、変動表示時間の把握処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記で説明した変動表示時間の把握処理と同様であるが、第2特別図柄保留数記憶エリアNBに記憶された保留数Nbを参照して変動表示時間を設定するようにした処理である。
具体的には、図53に示されるように、まず、当たり抽選に当選したか否かを判定する(S2301)。なお、この処理は、特電変動開始処理(図21)におけるステップ507にて、当たり当選であれば対応したフラグが各種当たり結果フラグ格納エリア114kに格納されるため、各種当たり結果フラグ格納エリア114kにフラグが格納されているか否かによって判定される。
当たり抽選に当選したと判定した場合(S2301:YES)、第2特別図柄保留球記憶エリアNBに格納された保留数Nbの値を読み出し、保留数Nbが1以上であるか否かを判定する(S2302)。つまり、当たり抽選に当選した場合、次に判定すべき第2抽選遊技が保留されているか否かを判定する。そして、保留数Nbが1以上でないと判定した場合(S2302:NO)、つまり第2抽選遊技が保留されていないと判定した場合、主側RAM114の到達期間タイマカウンタエリア114pに格納されている到達期間タイマカウンタの値を読み出し、到達期間タイマカウンタの値が0以上であるか否かを判定する(S2303)。すなわち、第2始動口58に入賞した後に可変入賞装置始動ゲート61を通過していない遊技球が存在するか否かを判定する。
そして、当たり抽選に当選していないと判定した場合(S2301:NO)、保留数Nbが1以上であると判定した場合(S2302:YES)、または到達期間タイマカウンタの値が0であると判定した場合には(S2303:YES)、通常把握処理を実行した後(S2304)、本変動表示時間の把握処理を終了する。通常把握処理では、上記変動表示時間の把握処理で説明したように、リーチが発生するか否かを判定し、判定結果に基づいて、リーチ非発生用変動表示時間テーブル、またはリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間を取得する。
一方、到達期間タイマカウンタが0でないと判定した場合には(S2303:NO)、特殊把握処理を実行した後(S2305)、本変動表示時間の把握処理を終了する。特殊把握処理では、ステップ2303にて取得した到達期間タイマカウンタの値より変動表示時間が長くなるように、特殊リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間を取得する。つまり、ステップ2303にて否定判定されるということは、当たり抽選に当選したものの、第2抽選遊技が保留されておらず、かつ第2始動口58に入賞した後に可変入賞装置始動ゲート61を通過していない遊技球が存在していることを意味している。このため、変動表示が終了した後に当該遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過して開閉実行モードが開始されることがないように、変動表示時間として、変動表示が終了する前に当該遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過する変動表示時間を取得する。
言い換えると、第2抽選遊技が保留されていない状態で開閉実行モードが開始されることがないように、変動表示時間を取得する。
なお、保留数Nbが0であり(S2302:NO)、到達期間タイマカウンタの値が0でない(S2303:NO)状況というのは、例えば、低頻度サポートモードにおいて、単発的に第2始動口58に遊技球が入賞した場合が挙げられる。また、例えば、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替わった際、高頻度サポートモード中に保留された第2抽選遊技が低頻度サポートモードに切り替わった後に実行され、高頻度サポートモード中に保留された最後の第2抽選遊技が実行される際、高頻度サポートモード中に最後に第2始動口58に入賞した遊技球が未だ可変入賞装置始動ゲート61に到達していない場合が挙げられる。
次に、主側MPU112が実行する特図確定中処理について図54を参照しつつ説明する。図54は、特図確定中処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図24で説明した特図確定中処理と同様の処理であり、当たり抽選に当選したと判定した場合に到達期間タイマカウンタの値に基づいた処理(S803、S808、S809)を追加した処理である。
具体的には、ステップ802で当たり抽選に当選したと判定した場合(S802:YES)、主側RAM114の到達期間タイマカウンタエリア114pに格納されている到達期間タイマカウンタの値を取得し、到達期間タイマカウンタの値が0であるか否かを判定する(S808)。つまり、遊技者が新たに遊技球を発射することなく可変入賞装置始動ゲート61を通過する遊技球が存在するか否かを判定する。そして、到達期間タイマカウンタの値が0であると判定した場合(S808:YES)、つまり現状では可変入賞装置始動ゲート61を通過する遊技球が存在しないと判定した場合には、オープニングコマンドを出力対象に設定する(S803)。
これにより、表示側MPU162は、ステップ803で出力対象に設定されたオープニングコマンドに基づくオープニングコマンドを音声側MPU152から受信すると、上記図38を参照して説明したように、大当たりという文字、対応する背景画像、遊技者に第1可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球を発射することを示唆するオープニング画像を表示する。
一方、到達期間タイマカウンタの値が0でないと判定した場合(S808:NO)、つまり遊技者が新たに遊技球を発射しなくても可変入賞装置始動ゲート61を通過する遊技球が存在すると判定した場合には、特殊オープニングコマンドを出力対象に設定する(S809)。
そして、表示側MPU162は、ステップ809で出力対象に設定された特殊オープニングコマンドに基づくオープニングコマンドを音声側MPU152から受信すると、図55に示されるように、大当たりという文字、および対応する背景画像のみの特殊オープニング画像を表示し、遊技者に第1可変入賞装置始動ゲート61を通過するように遊技球を発射することを示唆する画像は表示しない。すなわち、到達期間タイマカウンタが0でない場合には、所定期間経過後(到達期間タイマカウンタが0になる際)に遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過することを意味している。つまり、ステップ808で否定判定された場合には、遊技者が新たに遊技球を発射しなくても、所定期間経過後に可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過することを意味している。そして、可変入賞装置始動ゲート61を遊技球が通過すると、特電開始処理(図25)のステップ901にて肯定判定がされ、開閉実行モードが実行される。
例えば、高頻度サポートモード中においては、電動役物66が開放状態となることで連続して遊技球が第2始動口58に入賞し得るため、遊技者が連続して第2始動口58に遊技球が入賞するように遊技球を発射し続けている場合、連続して第2始動口58に遊技球が入賞することによって必然的に到達期間タイマカウンタが0でない場合が多くなる。このため、ステップ808で否定判定をした場合、図柄表示装置80には、大当たりという文字、および対応する背景画像の他に敢えて何も表示せず、第2始動口58に入賞した遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過することでそのまま開閉実行モードが実行されるようにすることにより、遊技者に疾走感や爽快感のある遊技性(演出)を付与できる。
また、上記のように、排出通路69は螺旋形状とされており、第2始動口58に遊技球が入賞してから所定期間経過後に当該遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過するようにしている。このため、図柄表示装置80に当たり期待度の高い演出(変動表示)が表示される等した場合に遊技者が遊技球の打ち出しを止めたとしても、当たり抽選に当選した場合には、最後に第2始動口58に遊技球が入賞してから所定期間経過後に当該可変入賞装置始動ゲート61を通過することで開閉実行モードが開始される可能性がある。このため、遊技者が打ち出しを止めたとしても図柄表示装置80に特殊オープニング画像が表示されることがあり、疾走感や爽快感のある演出を付与できる。
なお、上記のように、変動表示時間の把握処理(図53)では、第2特別図柄保留数記憶エリアNbの保留数Nbが0であると判定した場合(S2302:NO)、到達期間タイマカウンタが0でないと判定すると(S2303:NO)、変動表示時間が到達期間タイマカウンタの値より長くなるように特殊把握処理を実行する(S2305)。但し、特図変動開始処理(図21)を終了した後の特図確定中処理(図54)までの間に、新たに第2始動口58に遊技球が入賞する場合があり、この場合は、第2始動口58に遊技球が入賞することで第2特別図柄保留数記憶エリアNbの保留数Nbが1加算されると共に到達期間タイマカウンタに到達期間がセットされる(図52:S408、S411)。つまり、変動表示時間の把握処理(図53)では到達期間タイマカウンタの値が0であったが、特図確定中処理(図54)では到達期間タイマカウンタの値が0ではないということが発生し得る。このため、本実施形態のように、特図確定中処理においても再び到達期間タイマカウンタの値が0であるか否かを判定し、到達期間タイマカウンタの値に基づいたオープニングコマンドを出力対象に設定することにより(図54、S803、S809)、遊技状態に合った表示とすることができる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、当たり抽選に当選した場合、第2抽選遊技が保留されておらず、到達期間タイマカウンタの値が0でない場合には、変動表示時間を到達期間タイマカウンタの値より長くなるようにしている(図53、S2305)。このため、第2抽選遊技が保留されていない状態で開閉実行モードが実行されることを抑制できる。
(第5実施形態の変形例)
上記第5実施形態の変形例について説明する。上記第5実施形態において、第2始動口58に入賞した遊技球の速度を検知する速度検知センサを備え、第2始動口58に入賞した遊技球の速度に基づき、遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過するまでの到達期間を演算するようにしてもよい。これによれば、より精度の高い変動表示時間を設定できる。
また、上記第5実施形態において、変動表示時間の把握処理(図53)では、通常把握処理(S2304)を実行する際、当たり抽選に当選したと判定した場合(S2301:YES)、到達期間タイマカウンタの値を取得し、到達期間タイマカウンタの値が0でなければ到達期間タイマカウンタが0となる直前に変動表示が終了するように、変動表示時間を設定するようにしてもよい。これによれば、変動表示が終了した直後に遊技球が可変入賞装置始動ゲート61を通過して開閉実行モードが実行されるため、遊技者により疾走感や爽快感を印象付けることができる。
(他の実施形態)
上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。そして、以下の別形態の構成を上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。また、以下の別形態の構成は、適用対象として例示した実施の形態とは異なる実施の形態に対して適用してもよい。
(a)その他適用例について
(1)上記各実施形態において、特電終了処理(図29)のステップ1305にて時短回数カウンタに「100」をセットする例を説明したが、これに限定されることはなく、例えば、「50」であってもよいし、「120」であってもよい。
(2)上記各実施形態において、各遊技結果の内容は上記の構成に限定されず、例えば、大入賞口59aが長時間態様で1回または複数回開放され、その後大入賞口59aが短時間態様で1回または複数回開放されるいわゆるランクアップ(RU)当たりを備える構成としてもよい。また、当否抽選モードは低確率モードから高確率モードに移行するものの、サポートモードが低頻度サポートモードのままとなる当たり結果を備える構成としてもよい。例えば、4R確変当たりの場合には、サポートモードが低頻度サポートモードのままとなる構成としてもよい。
(3)上記各実施形態において、高頻度サポートモードを備えない遊技機としてもよい。このような遊技機としても、開閉実行モードが終了した最初の遊技回で第2抽選遊技が実行されるようにすることにより、第2抽選遊技が当たりとなった場合の方が有利な結果が発生し易いため、開閉実行モードの価値を高めることができる。
(4)上記各実施形態において、開閉実行モード後の遊技回数が終了規定回数(例えば、100回)に達した場合に低確率モードおよび低頻度サポートモードに移行する回数制限ありのモード(いわゆるST)を搭載した遊技機としてもよい。このような遊技機とした場合、遊技者の中にはST中の疾走感や爽快感を重要視する者も存在するため、特に第4、第5実施形態では、遊技者に疾走感や爽快感を付与することによって遊技者の遊技への関心をさらに向上できる。
(5)上記各実施形態において、可変入賞装置59内に、V入賞用領域(有利用領域)と、排出用領域(不利用領域)とを備え、ラウンド遊技中にV入賞用領域内を遊技球が通過することで開閉実行モードが終了した後に高確率モードに移行するようにしてもよい。
この場合、例えば、第1抽選遊技の結果が当選であった場合には所定確率(例えば、50%)でV入賞用領域に遊技球が入球し得るようにし、第2抽選遊技の結果が当選であった場合には、第1抽選遊技で当選した場合よりもV入賞用領域に遊技球が入球する確率が高く(例えば、100%)なるようにできる。これによれば、第1抽選遊技が当選した場合と第2抽選遊技が当選した場合とでは、開閉実行モード後の高確率モードに移行する確率も異なり、第2抽選遊技の結果が当選であった場合の方が遊技者には遥かに有利な結果となるため、上記各実施形態の効果を遊技者は十分に体感できる。
(6)上記各実施形態において、低確率モードにおける当たり数値情報が高確率モードにおける当たり数値情報に含まれる構成としたが、これに限定されることはなく、低確率モードにおける当たり数値情報が高確率モードにおける当たり数値情報に含まれない構成としてもよい。
(7)上記各実施形態において、可変入賞装置59等への遊技球の入賞に対する遊技球の付与の構成は遊技球を直接払い出す構成に限定されることはなく、仮想遊技媒体を記憶する機能を有する構成においては、当該仮想遊技媒体を付与する構成としてもよい。
(8)上記各実施形態において、第1、第2抽選遊技に関する保留図柄(保留予告)を図柄表示装置80の下側表示領域Dnに表示させる構成ではなく、図柄表示装置80とは別に設けられた表示装置の表示画面に保留図柄が表示されるようにしてもよいし、可動式に設けられた装飾部材を所定の予告態様とすることで保留予告が行われる構成としてもよいし、ランプ(所定の発光部)を点灯させることで保留予告が行われる構成としてもよいし、スピーカ部34からの音の出力によって保留予告が行われる構成としてもよく、上記各態様の全部または一部の組み合わせによって保留予告が行われる構成としてもよい。
(9)上記各実施形態において、音声ランプ制御装置92と表示制御装置93とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置92、93が1つの制御装置として設けられていてもよい。また、音声ランプ制御装置92または表示制御装置93の機能が主制御装置91に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置92および表示制御装置93の両方の機能が主制御装置91に集約された構成としてもよい。さらに、主制御装置91から出力されるコマンドに基づいて音声ランプ制御装置92が表示制御装置93を制御する構成ではなく、主制御装置91から出力されるコマンドに基づいて表示制御装置93が音声ランプ制御装置92を制御する構成としてもよい。
(10)上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。例えば、上記第2実施形態を上記第3〜第5実施形態に組み合わせ、受動振分ユニット220を備えるようにしてもよい。
(11)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
(b)上記各実施の形態から抽出される発明群について
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
(1)特徴A群
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止表示(停止結果)が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技状態への移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機において、表示装置で絵柄の変動表示が行われている最中に遊技球が始動口に入球した場合、当たり抽選に用いる情報が予め定められた所定数(例えば、4個)を上限として記憶(保留記憶)されるようになっているものもある。そして、当たり抽選に用いる情報が記憶された場合には、絵柄の変動表示が終了した後に、記憶された情報を用いて再び特典遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われ、次回の絵柄の変動表示が開始される。
さらに、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口に遊技球が入球したことを契機として特典遊技状態に移行した場合より、第2始動口に遊技球が入球したことを契機として特典遊技状態に移行した場合の方が遊技者に遊技球の払出数が多い等の有利な結果が発生し易いものも提案されている(例えば、特開2004−81853号公報参照)。
ところで、このような遊技機では、特典遊技状態に移行した場合の価値を高めることにより、遊技者の遊技への関心を向上させることが望まれている。特徴A群は、この課題を解決するものである。
特徴A1.予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、前記第1取得条件と異なる予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置91のMPU112におけるS404、S409の処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段が取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報をそれぞれ1より大きい整数値に定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(特別図柄保留球格納エリア114b)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行すると共に、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報に対して前記付与判定を順次実行する付与判定手段(主制御装置91のMPU112における特別情報判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の結果が、判定対象の前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記当否情報群に対応しているとする付与対応結果となると遊技者に特典遊技(例えば、長時間態様にて可変入賞装置59を開閉制御する開閉実行モード)を付与する特典付与手段(主制御装置91のMPU112における開閉実行モードを実行する機能)と、を備え、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に前記第1特別情報および前記第2特別情報が共に記憶されている場合には、前記第2特別情報の前記付与判定を前記第1特別情報の前記付与判定よりも先に実行し、
さらに、前記付与判定手段は、前記第2特別情報が前記付与対応結果である場合、前記第1特別情報が前記付与対応結果である場合より、遊技者にとって有利な前記特典遊技を選択し易い(主制御装置91のMPU112におけるS505の処理を実行する機能)遊技機において、
前記特典遊技は、前記特典付与手段にて予め定められた開始条件が成立したと判定されると開始され、
前記特典遊技が終了するまでに前記第2特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶された状態となることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、特典遊技が終了するまでに第2特別情報が取得情報記憶手段に記憶される。このため、特典遊技が終了した後の最初の付与判定として、第2特別情報が当否情報群に対応しているか否かの付与判定が実行される。したがって、特典遊技が終了した後の最初の付与判定では、付与対応結果となった(当たり抽選に当選した)場合に遊技者に有利な特典遊技が付与され易い第2特別情報が必ず付与判定され、特典遊技の価値を向上することで遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部とを備える構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
特徴A2.前記特典遊技が終了してからの予め定められた終了条件が成立するまでの前記付与判定を第1遊技モード(例えば、高頻度サポートモード)とし、前記第1遊技モードでない場合の前記付与判定を第2遊技モード(例えば、低頻度サポートモード)とすると、
前記第1遊技モードでは、前記第2取得条件が前記第1取得条件より成立し易くなっており、前記第2遊技モードでは、前記第1取得条件が前記第2取得条件より成立し易くなっていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第1取得条件および第2取得条件の成立のし易さが異なる第1遊技モードおよび第2遊技モードを有しており、遊技の幅を広げることができる。
ここで、このような第1遊技モードおよび第2遊技モードを備え、第2特別情報が付与対応結果となった場合に第1特別情報が付与対応結果となった場合より遊技者にとって有利となる特典遊技が付与される確率が高くされており、第1遊技モードでは、第2取得条件が第1取得条件より成立し易くなっている(第2特別情報が取得し易くなっている)遊技機に発生し得る問題点(課題)について説明する。
すなわち、このような遊技機では、遊技者は、第1遊技モードでは、第2特別情報が付与判定されることを期待すると共に、第2特別情報が付与対応結果となって特典遊技が付与されることを期待する。言い換えると、遊技者は、第1遊技モードでは、第1特別情報が付与判定されること自体を望んでいない。そして、第1遊技モードにおいて、第1特別情報が付与対応結果となった場合、第2特別情報が付与対応結果となった場合より不利となる特典遊技が付与されてしまうと、遊技者は、特典遊技が付与されるにも関わらず、遊技機に対して嫌悪感を抱いてしまう。
しかしながら、特徴A1の構成を備えることにより、特典遊技が終了した後の最初の付与判定では、必ず第2特別情報が付与判定される。そして、第1遊技モードでは、第2取得条件が成立し易くなるため、特典遊技が終了してからの2回目以降の付与判定は、遊技者が第2取得条件を連続して成立させることにより、第2特別情報のみが付与判定されるようにできる。このため、第1遊技モード中に第1特別情報が付与判定されることで遊技者が遊技機に対して嫌悪感を抱くことを抑制できる。また、特典遊技が終了した後の最初の付与判定として必ず第2特別情報が付与判定されるようにすることにより、遊技者は、特典遊技が終了した後の第1遊技モードにおけるその後の展開を期待しつつ特典遊技を堪能でき、遊技への関心をさらに向上できる。
なお、第2遊技モードでは、第1特別情報が第2特別情報より取得し易いことが前提となっているため、第1特別情報が付与判定されることに遊技者が嫌悪感を抱くことは想定されない。また、第2遊技モードでは、第1特別情報が第2特別情報より取得され易くなっているため、第2特別情報が過度に取得されてしまうことを抑制でき、第1遊技モードの価値が低下することを抑制できる。
特徴A3.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構44)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する前記遊技球が入球可能な第1始動入球部(第1始動口56)および第2始動入球部(通常第2始動口57、特別第2始動口58)と、
前記発射手段から発射された前記遊技球が入球可能な特典遊技始動入球部(可変入賞装置始動ゲート61)と、を有し、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に前記遊技球が入球した場合に前記第1取得条件が成立したと判定して前記第1特別情報を取得すると共に、前記第2始動入球部に前記遊技球が入球した場合に前記第2取得条件が成立したと判定して前記第2特別情報を取得し、
前記特典遊技始動入球部は、前記第2始動入球部に入球した前記遊技球が当該特典遊技始動入球部に入球するように備えられている、当該特典遊技始動入球部に入球した前記遊技球が前記第2始動入球部に入球するように備えられている、または前記第2始動入球部と共通とされており、
前記特典遊技は、前記予め定められた開始条件として、前記特典付与手段にて前記特典遊技始動入球部に前記遊技球が入球したと判定されると開始されることを特徴とする特徴A1またはA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第2始動入球部と特典遊技始動入球部との配置関係を調整することによって特徴A1の構成を容易に実現でき、構造が複雑化することを抑制できる。
特徴A4.前記遊技領域に配置され、前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記付与対応結果となった場合に前記遊技球の入球が可能になる可変入賞手段(可変入賞装置59)を有し、
前記特典遊技始動入球部は、前記発射手段から発射された前記遊技球が前記可変入賞手段に流下するまでの経路、前記可変入賞手段に入球しなかった前記遊技球が流下する経路、または前記経路中に設けられた前記遊技球を排出する通路に備えられていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射する場合と、第1特別情報、または第2特別情報が付与対応結果となった場合に可変入賞手段に入球するように遊技球を発射する場合とにおいて、遊技球の発射の仕方を変更する必要がない。つまり、遊技者に、特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射する行為を、可変入賞手段に入球するように遊技球を発射する行為の一部として認識させることができる。このため、遊技者が特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射する行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。
特徴A5.前記遊技領域には、前記遊技領域に向けて発射された前記遊技球の一部が前記特典遊技始動入球部に入球するように当該遊技球を振り分ける振分手段(受動振分ユニット220)が備えられていることを特徴とする特徴A3またはA4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、遊技領域に発射された遊技球は、振分手段によって振り分けられて一部が特典遊技始動入球部へ入球する。このため、遊技者に特典遊技始動入球部に遊技球が入球するまでの過程にも注目させることができる。
特徴A6.前記振分手段が備えられる領域(第2領域RT)は、前記特典遊技始動入球部へと通じる案内領域(R1)と、前記案内領域と異なる排出領域(R2)とを有し、
前記振分手段は、回動可能な状態で前記遊技領域に配設され、前記発射手段から発射された前記遊技球を第1周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第1周方向と反対側の第2周方向に所定角度まで回動することによって前記案内領域に当該遊技球を誘導すると共に、前記発射手段から発射された前記遊技球を前記第2周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第1周方向に所定角度まで回動することによって前記排出領域に当該遊技球を誘導する振分部材(221)を有することを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、案内領域、または排出領域に共通の振分部材によって遊技球を振り分けることができる。このため、案内領域側へ遊技球を誘導する部材、および排出領域側へ遊技球を誘導する部材を別々に設ける場合と比較して、部品点数の削減を図ることができる。
特徴A7.前記振分手段は、前記遊技球の流下方向に沿って複数の前記振分部材が配設されることで構成され、
複数の前記振分部材は、前記遊技球の流下方向における上流側の前記振分部材が前記遊技球を前記第1周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第2周方向に所定角度まで回動することで前記案内領域に当該遊技球を誘導することにより、下流側の前記振分部材が前記遊技球を前記第1周方向に回動した状態、または前記第2周方向に回動した状態で受けることができるように配設されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、上流側の振分部材から案内領域側に遊技球が誘導されることにより、下流側の振分部材に遊技球が誘導される。このため、配設する振分部材の個数を適宜変更することにより、容易に遊技球の振分経路数を変更することができ(振分部材の個数をnとすると、振分経路数は2のn乗通り)、特典遊技始動入球部へ誘導される遊技球の確率を遊技機に合わせて容易に変更できる。
特徴A8.前記振分部材は、前記第1周方向に所定角度回動した状態において前記遊技球を受ける第1受動部(第1収容部228)と、前記第2周方向に所定角度回動した状態において前記遊技球を受ける第2受動部(第2収容部229)と、を有し、
前記振分手段は、前記第1受動部が前記第2周方向に回動して前記第2受動部に前記遊技球が受け入れられる状態となった後、当該第2受動部に前記遊技球が受け入れられるまでに前記第2受動部が前記第1周方向へ回動することを妨げる、および前記第2受動部が前記第1周方向に回動して前記第1受動部に前記遊技球が受け入れられる状態となった後、当該第1受動部に前記遊技球が受け入れられるまでに前記第1受動部が前記第2周方向へ回動することを妨げる回動規制手段(ベース側磁石230、受動振分部材側磁石224a)を有することを特徴とする特徴A6またはA7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、回動規制手段を有しているため、第1受動部および第2受動部は、遊技球を受けて回動した後、次に遊技球を受ける前に回動することが抑制される。つまり、遊技球を受けずに回動することが抑制される。このため、案内領域または排出領域に連続して遊技球が誘導されてしまうという不具合を抑制できる。
特徴A9.前記付与判定手段の前記付与判定に対応させて絵柄が変動表示されると共に、前記絵柄が変動表示した後に当該絵柄が確定時間に渡って停止表示される表示手段(第1結果表示部71a、第2結果表示部71b、または図柄表示装置80)を有し、
前記特典付与手段は、前記付与判定手段にて前記第1特別情報または前記第2特別情報が前記付与対応結果であると判定されると、当該付与対応結果に対応する前記絵柄の前記確定時間が経過した後、前記開始条件が成立したか否かを判定することを特徴とする特徴A1ないしA8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9のように、付与判定に対応する絵柄を表示する表示手段を有する遊技機に本発明を適用することもできる。また、このような表示手段を有する遊技機では、一般的に特別情報が付与対応結果となると確定時間が経過した後に特典遊技が即座(自動的)に開始されるが、特徴A9では、特典付与手段にて確定時間が経過した後に開始条件が成立したと判定されると特典遊技が開始される。このため、遊技者は、自身のタイミングで特典遊技を開始することもできる。
(2)特徴B群
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止表示(停止結果)が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技状態への移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機において、表示装置で絵柄の変動表示が行われている最中に遊技球が始動口に入球した場合、当たり抽選に用いる情報が予め定められた所定数(例えば、4個)を上限として記憶(保留記憶)されるようになっているものもある。そして、当たり抽選に用いる情報が記憶された場合には、絵柄の変動表示が終了した後に、記憶された情報を用いて再び特典遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われ、次回の絵柄の変動表示が開始される。
さらに、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口に遊技球が入球したことを契機として特典遊技状態に移行した場合より、第2始動口に遊技球が入球したことを契機として特典遊技状態に移行した場合の方が遊技者に遊技球の払出数が多い等の有利な結果が発生し易いものも提案されている(例えば、特開2004−81853号公報参照)。
ところで、このような遊技機では、遊技の幅を広げることで遊技者の遊技への関心を向上させることが望まれている。特徴B群は、この課題を解決するものである。
特徴B1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構44)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する前記遊技球が入球可能な第1始動入球部(第1始動口56)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する前記遊技球が入球可能な第2始動入球部(通常第2始動口57、特別第2始動口58)と、
前記第1始動入球部に前記遊技球が入球したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、前記第2始動入球部に前記遊技球が入球したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置91のMPU112におけるS404、S409の処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段が取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報をそれぞれ1より大きい整数値に定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(特別図柄保留球格納エリア114b)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行すると共に、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報に対して前記付与判定を順次実行する付与判定手段(主制御装置91のMPU112における特別情報判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の結果が、判定対象の前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記当否情報群に対応しているとする付与対応結果となると遊技者に特典遊技(例えば、長時間態様にて可変入賞装置59を開閉制御する開閉実行モード)を付与する特典付与手段(主制御装置91のMPU112における開閉実行モードを実行する機能)と、を備え、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に前記第1特別情報および前記第2特別情報が共に記憶されている場合には、前記第2特別情報の前記付与判定を前記第1特別情報の前記付与判定よりも先に実行し、
さらに、前記付与判定手段は、前記第2特別情報が前記付与対応結果である場合、前記第1特別情報が前記付与対応結果である場合より、遊技者にとって有利な前記特典遊技を選択し易い(主制御装置91のMPU112におけるS505の処理を実行する機能)遊技機において、
前記発射手段から発射された前記遊技球が入球可能な第1特典遊技始動入球部(第1可変入賞装置始動ゲート61)および第2特典遊技始動入球部(第2可変入賞装置始動ゲート68)を有し、
前記特典遊技は、前記特典付与手段にて第1特典遊技始動入球部、または前記第2特典遊技始動入球部に前記遊技球が入球したと判定されると開始され、
前記第1特典遊技始動入球部および前記第2特典遊技始動入球部は、遊技者が前記第2特典遊技始動入球部に入球するように前記遊技球を発射した場合の方が、遊技者が前記第1特典遊技始動入球部に入球するように前記遊技球を発射した場合より、発射した前記遊技球の総数に対する入球率が高くなるように備えられ、
前記第1特典遊技始動入球部は、前記第2始動入球部に入球した前記遊技球が当該第1特典遊技始動入球部に入球するように備えられている、当該第1特典遊技始動入球部に入球した前記遊技球が前記第2始動入球部に入球するように備えられている、または前記第2始動入球部と共通とされていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1特典遊技始動入球部は、第2始動入球部に入球した遊技球が入球するように備えられている、第1特典遊技始動入球部に入球した遊技球が第2始動入球部に入球するように備えられている、または第2始動入球部と共通とされている。このため、第1特典遊技始動入球部に遊技球が入球することで特典遊技が開始された場合、特典遊技が終了した後には、少なくとも1つの第2特別情報が記憶された状態となり、特典遊技が終了した後の最初の付与判定は、第2特別情報が当否情報群に対応しているか否かの付与判定が実行される。したがって、特典遊技が終了した後の最初の付与判定では、付与対応結果となった(当たり抽選に当選した)場合に遊技者に有利な特典遊技が付与され易い第2特別情報が必ず付与判定され、特典遊技の価値を向上することで遊技者の遊技への関心を向上できる。
また、第2特典遊技始動入球部は、遊技者が第2特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射した場合の方が、遊技者が第1特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射した場合より、発射した遊技球の総数に対する入球率が高くなるように備えられている。つまり、第2特典遊技始動入球部は、第1特典遊技始動入球部より遊技球が入球し易くなるように備えられている。このため、遊技者は、第2特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射することにより、早期に特典遊技を開始できる。
すなわち、特徴B1によれば、遊技者は、特典遊技が終了した後に第2特別情報が記憶された状態としたい場合には、第1特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射すればよく、早期に特典遊技を実行したい場合には、第2特典遊技始動入球部に入球するように遊技球は発射すればよい。つまり、特徴B1によれば、遊技者自身によって遊技性を選択でき、遊技の幅を広げることで遊技者の遊技への関心を向上できる。なお、遊技者が早期に特典遊技を実行したい場合とは、例えば、既に規定数の第2特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合等が挙げられる。
特徴B2.前記特典遊技が終了してからの予め定められた終了条件が成立するまでの前記付与判定を第1遊技モード(例えば、高頻度サポートモード)とし、前記第1遊技モードでない場合の前記付与判定を第2遊技モード(例えば、低頻度サポートモード)とすると、
前記第1遊技モードでは、前記第2始動入球部に前記第1始動入球部より前記遊技球が入球し易くなっており、前記第2遊技モードでは、前記第1始動入球部に前記第2始動入球部より前記遊技球が入球し易くなっていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、第1始動入球部および第2始動入球部への入球のし易さが異なる第1遊技モードおよび第2遊技モードを有しており、遊技の幅を広げることができる。
ここで、このような第1遊技モードおよび第2遊技モードを備え、第2特別情報が付与対応結果となった場合に第1特別情報が付与対応結果となった場合より遊技者にとって有利となる特典遊技が付与される確率が高くされており、第1遊技モードでは、第2始動入球部に第1始動入球部より遊技球が入球し易くなっている(第2特別情報が取得し易くなっている)遊技機に発生し得る問題点(課題)について説明する。
すなわち、このような遊技機では、多数の遊技者は、第1遊技モードでは、第2特別情報が付与判定されることを期待すると共に、第2特別情報が付与対応結果となって特典遊技が付与されることを期待する。言い換えると、多数の遊技者は、第1遊技モードでは、第1特別情報が付与判定されること自体を望んでいない。そして、第1遊技モードにおいて、第1特別情報が付与対応結果となった場合、第2特別情報が付与対応結果となった場合より不利となる特典遊技が付与されてしまうと、多数の遊技者は、特典遊技が付与されるにも関わらず、遊技機に対して嫌悪感を抱いてしまう。
しかしながら、特徴B1の構成を備えることにより、遊技者は、第1特典遊技始動入球部に遊技球を入球させることで特典遊技が開始されるようにした場合、特典遊技が終了した後の最初の付与判定では、必ず第2特別情報が付与判定される。そして、第1遊技モードでは第2始動入球部に遊技球が入球し易くなっているため、特典遊技が終了してからの2回目以降の付与判定は、遊技者が第2始動入球部に連続して遊技球を入球させることにより、第2特別情報のみが付与判定されるようにできる。このため、第1遊技モード中に第1特別情報が付与判定されることで遊技者が遊技機に対して嫌悪感を抱くことを抑制できる。また、第1特典遊技始動入球部に遊技球を入球させることで特典遊技が付与されるようにした場合、遊技者は、特典遊技が終了した後の最初の付与判定として第2特別情報が付与判定されるという安心感を得ることができ、特典遊技が終了した後の第1遊技モードにおけるその後の展開を期待しつつ特典遊技を堪能でき、遊技への関心をさらに向上できる。
さらに、第1遊技モードでは、第2始動入球部に第1始動入球部より遊技球が入球し易くなっており、第2特別情報が付与対応結果となった際において、既に第2特別情報が記憶された状態となっていることも想定される。このような場合は、遊技者は、第2特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射することにより、特典遊技を早期に実行できる。
なお、第2遊技モードでは、第1始動入球部に第2始動入球部より遊技球が入球し易いことが前提条件となっているため、第1特別情報が付与判定されることに遊技者が嫌悪感を抱くことは想定されない。また、第2遊技モードでは、第1始動入球部に第2始動入球部より遊技球が入球し易くなっているため、第2始動入球部に遊技球が過度に入球することを抑制でき、第1遊技モードの価値が低下することを抑制できる。
特徴B3.前記遊技領域は、遊技者における前記発射手段の発射操作によって選択可能に前記遊技球を流下させることができる複数の異なる領域(第1領域RS、第2領域RT)を有し、
前記第1特典遊技始動入球部は、前記遊技領域の1つの領域、または前記1つの領域から前記遊技球が排出される通路に備えられ、前記第2特典遊技始動入球部は、前記第1特典遊技始動入球部が備えられる領域と異なる別の領域、または前記別の領域から前記遊技球が排出される通路に備えられていることを特徴とする特徴B1またはB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第1特典遊技始動入球部および第2特典遊技始動入球部を互いに異なる領域に備えるため、第2特典遊技始動入球部に第1特典遊技始動入球部より遊技球が入球し易くなるように、遊技領域に配設される釘等の配置構造を容易に設定できる。
特徴B4.前記遊技領域に配置され、前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記付与対応結果となった場合に前記遊技球の入球が可能になる可変入賞手段(可変入賞装置59)を有し、
前記第1特典遊技始動入球部は、前記発射手段から発射された前記遊技球が前記可変入賞手段に流下するまでの経路、前記可変入賞手段に入球しなかった前記遊技球が流下する経路、または前記経路中に設けられた前記遊技球を排出する通路に備えられていることを特徴とする特徴B1ないしB3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4によれば、遊技者は、第1特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射する場合と、第1特別情報、または第2特別情報が付与対応結果となった場合に可変入賞手段に入球するように遊技球を発射する場合とにおいて、遊技球の発射の仕方を変更する必要がない。つまり、遊技者に、第1特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射する行為を、可変入賞手段に入球するように遊技球を発射する行為の一部として認識させることができる。このため、遊技者が第1特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射する行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。
特徴B5.前記遊技領域には、前記遊技領域に向けて発射された前記遊技球の一部が前記第1特典遊技始動入球部に入球するように当該遊技球を振り分ける振分手段(受動振分ユニット220)が備えられていることを特徴とする特徴B1ないしB4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技領域に発射された遊技球は、振分手段によって振り分けられて一部が第1特典遊技始動入球部へ入球する。このため、遊技者に第1特典遊技始動入球部に遊技球が入球するまでの過程にも注目させることができる。
特徴B6.前記振分手段が備えられる領域(第2領域RT)は、前記第1特典遊技始動入球部へと通じる案内領域(R1)と、前記案内領域と異なる排出領域(R2)とを有し、
前記振分手段は、回動可能な状態で前記遊技領域に配設され、前記発射手段から発射された前記遊技球を第1周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第1周方向と反対側の第2周方向に所定角度まで回動することによって前記案内領域に当該遊技球を誘導すると共に、前記発射手段から発射された前記遊技球を前記第2周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第1周方向に所定角度まで回動することによって前記排出領域に当該遊技球を誘導する振分部材(221)を有することを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、案内領域、または排出領域に共通の振分部材によって遊技球を振り分けることができる。このため、案内領域側へ遊技球を誘導する部材、および排出領域側へ遊技球を誘導する部材を別々に設ける場合と比較して、部品点数の削減を図ることができる。
特徴B7.前記振分手段は、前記遊技球の流下方向に沿って複数の前記振分部材が配設されることで構成され、
複数の前記振分部材は、前記遊技球の流下方向における上流側の前記振分部材が前記遊技球を前記第1周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第2周方向に所定角度まで回動することで前記案内領域に当該遊技球を誘導することにより、下流側の前記振分部材が前記遊技球を前記第1周方向に回動した状態、または前記第2周方向に回動した状態で受けることができるように配設されていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、上流側の振分部材から案内領域側に遊技球が誘導されることにより、下流側の振分部材に遊技球が誘導される。このため、配設する振分部材の個数を適宜変更することにより、容易に遊技球の振分経路数を変更することができ(振分部材の個数をnとすると、振分経路数は2のn乗通り)、第1特典遊技始動入球部へ誘導される遊技球の確率を遊技機に合わせて容易に変更できる。
特徴B8.前記振分部材は、前記第1周方向に所定角度回動した状態において前記遊技球を受ける第1受動部(第1収容部228)と、前記第2周方向に所定角度回動した状態において前記遊技球を受ける第2受動部(第2収容部229)と、を有し、
前記振分手段は、前記第1受動部が前記第2周方向に回動して前記第2受動部に前記遊技球が受け入れられる状態となった後、当該第2受動部に前記遊技球が受け入れられるまでに前記第2受動部が前記第1周方向へ回動することを妨げる、および前記第2受動部が前記第1周方向に回動して前記第1受動部に前記遊技球が受け入れられる状態となった後、当該第1受動部に前記遊技球が受け入れられるまでに前記第1受動部が前記第2周方向へ回動することを妨げる回動規制手段(ベース側磁石230、受動振分部材側磁石224a)を有することを特徴とする特徴B6またはB7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、回動規制手段を有しているため、第1受動部および第2受動部は、遊技球を受けて回動した後、次に遊技球を受ける前に回動することが抑制される。つまり、遊技球を受けずに回動することが抑制される。このため、案内領域または排出領域に連続して遊技球が誘導されてしまうという不具合を抑制できる。
特徴B9.前記付与判定手段の前記付与判定に対応させて絵柄が変動表示されると共に、前記絵柄が変動表示した後に当該絵柄が確定時間に渡って停止表示される表示手段(第1結果表示部71a、第2結果表示部71b、または図柄表示装置80)を有し、
前記特典付与手段は、前記付与判定手段にて前記第1特別情報または前記第2特別情報が前記付与対応結果であると判定されると、当該付与対応結果に対応する前記絵柄の前記確定時間が経過した後、前記第1特典遊技始動入球部または前記第2特典遊技始動入球部に前記遊技球が入球したが否かを判定することを特徴とする特徴B1ないしB8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8のように、付与判定に対応させた表示手段を有する遊技機に本発明を適用することもできる。また、このような表示手段を有する遊技機では、一般的に特別情報が付与対応結果となると確定時間が経過した後に特典遊技が即座(自動的)に開始されるが、特徴B9では、特典付与手段にて確定時間が経過した後に第1特典遊技始動入球部または第2特典遊技始動入球部に遊技球が入球したと判定されると特典遊技が開始される。このため、遊技者は、自身のタイミングで特典遊技を開始することもできる。
(3)特徴C群
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止表示(停止結果)が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技状態への移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機において、表示装置で絵柄の変動表示が行われている最中に遊技球が始動口に入球した場合、当たり抽選に用いる情報が予め定められた所定数(例えば、4個)を上限として記憶(保留記憶)されるようになっているものもある。そして、当たり抽選に用いる情報が記憶された場合には、絵柄の変動表示が終了した後に、記憶された情報を用いて再び特典遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われ、次回の絵柄の変動表示が開始される。
さらに、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口に遊技球が入球したことを契機として特典遊技状態に移行した場合より、第2始動口に遊技球が入球したことを契機として特典遊技状態に移行した場合の方が遊技者に遊技球の払出数が多い等の有利な結果が発生し易いものも提案されている(例えば、特開2004−81853号公報参照)。
ところで、このような遊技機では、遊技者に疾走感や爽快感を付与することで遊技への関心を向上させることが望まれている。特徴C群は、この課題を解決するものである。
特徴C1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構44)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する前記遊技球が入球可能な第1始動入球部(第1始動口56)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する前記遊技球が入球可能な少なくとも1つの第2始動入球部(通常第2始動口57、特別第2始動口58)と、
前記第1始動入球部に前記遊技球が入球したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、前記第2始動入球部に前記遊技球が入球したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置91のMPU112におけるS404、S409の処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段が取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報をそれぞれ1より大きい整数値に定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(特別図柄保留球格納エリア114b)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行すると共に、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して前記付与判定を順次実行する付与判定手段(主制御装置91のMPU112における特別情報判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の結果が、判定対象の前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記当否情報群に対応しているとする付与対応結果となると遊技者に特典遊技(例えば、長時間態様にて可変入賞装置59を開閉制御する開閉実行モード)を付与する特典付与手段(主制御装置91のMPU112における開閉実行モードを実行する機能)と、を備え、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に前記第1特別情報および前記第2特別情報が共に記憶されている場合には、前記第2特別情報の前記付与判定を前記第1特別情報の前記付与判定よりも先に実行し、
さらに、前記付与判定手段は、前記第2特別情報が前記付与対応結果である場合、前記第1特別情報が前記付与対応結果である場合より、遊技者にとって有利な前記特典遊技を選択し易い(主制御装置91のMPU112におけるS505の処理を実行する機能)遊技機において、
前記発射手段から発射された前記遊技球が入球可能な特典遊技始動入球部(可変入賞装置始動ゲート61)を有し、
前記特典遊技は、前記特典付与手段にて前記特典遊技始動入球部に入球したと判定されると開始され、
前記特典遊技始動入球部は、前記特典付与手段にて、前記第2始動入球部に前記遊技球が入球してから当該遊技球が所定期間経過後に当該特典遊技始動入球部に入球したと判定されるものであることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、第1特別情報、または第2特別情報が付与対応結果となった場合、特典遊技始動入球部に遊技球が入球することで特典遊技が付与されるため、特典遊技が終了した後に第2特別情報が記憶された状態となる確率が高くなる。そして、第2特別情報が記憶されている場合には、特典遊技が終了した後の最初の付与判定として、付与対応結果となった(当たり抽選に当選した)場合に遊技者に有利な特典遊技が付与され易い第2特別情報が必ず付与判定される。このため、第2特別情報が記憶されている場合には、特典遊技の価値が向上するため、遊技者の遊技への関心を向上できる。
また、特典遊技始動入球部は、特典付与手段にて、第2始動入球部に遊技球が入球してから当該遊技球が所定期間経過後に当該特典遊技始動入球部に入球したと判定されるものとしている。したがって、特別情報が付与対応結果となった際、遊技者が何ら意識せず、第2特別情報が記憶された状態で遊技球が特典遊技始動入球部に入球する場合があり、このような場合は即座に特典遊技が開始される。これにより、遊技者に疾走感や爽快感を付与でき、遊技に対する関心をさらに向上できる。
特徴C2.前記特典遊技が終了してからの予め定められた終了条件が成立するまでの前記付与判定を第1遊技モード(例えば、高頻度サポートモード)とし、前記第1遊技モードでない場合の前記付与判定を第2遊技モード(例えば、低頻度サポートモード)とすると、
前記第1遊技モードでは、前記第2始動入球部に前記第1始動入球部より前記遊技球が入球し易くなっており、前記第2遊技モードでは、前記第1始動入球部に前記第2始動入球部より前記遊技球が入球し易くなっていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、第1始動入球部および第2始動入球部への入球のし易さが異なる第1遊技モードおよび第2遊技モードを有しており、遊技の幅を広げることができる。
ここで、このような第1遊技モードおよび第2遊技モードを備え、第2特別情報が付与対応結果となった場合に第1特別情報が付与対応結果となった場合より遊技者にとって有利となる特典遊技が付与される確率が高くされており、第1遊技モードでは、第2始動入球部に第1始動入球部より遊技球が入球し易くなっている(第2特別情報が取得し易くなっている)遊技機に発生し得る問題点(課題)について説明する。
すなわち、このような遊技機では、多数の遊技者は、第1遊技モードでは、第2特別情報が付与判定されることを期待すると共に、第2特別情報が付与対応結果となって特典遊技が付与されることを期待する。言い換えると、多数の遊技者は、第1遊技モードでは、第1特別情報が付与判定されること自体を望んでいない。そして、第1遊技モードにおいて、第1特別情報が付与対応結果となった場合、第2特別情報が付与対応結果となった場合より不利となる特典遊技が付与されてしまうと、多数の遊技者は、特典遊技が付与されるにも関わらず、遊技機に対して嫌悪感を抱いてしまう。
しかしながら、特徴C1の構成を備えることにより、特典遊技が終了した後に第2特別情報が記憶される確率が高くなり、特典遊技が終了した後に第2特別情報が記憶されている場合、特典遊技が終了した後の最初の付与判定では、必ず第2特別情報が付与判定される。そして、第1遊技モードでは第2始動入球部に遊技球が入球し易くなっているため、特典遊技が終了してからの2回目以降の付与判定は、遊技者が第2始動入球部に連続して遊技球を入球させることにより、第2特別情報のみが付与判定されるようにできる。このため、第1遊技モード中に第1特別情報が付与判定されることで遊技者が遊技機に対して嫌悪感を抱くことを抑制できる。また、遊技者は、特典遊技が終了した後の最初の付与判定として第2特別情報が付与判定されるという安心感を得ることにより、特典遊技が終了した後の第1遊技モードにおけるその後の展開を期待しつつ特典遊技を堪能でき、遊技への関心をさらに向上できる。
なお、第2遊技モードでは、第1始動入球部に第2始動入球部より遊技球が入球し易いことが前提条件となっているため、第1特別情報が付与判定されることに遊技者が嫌悪感を抱くことは想定されない。また、第2遊技モードでは、第1始動入球部に第2始動入球部より遊技球が入球し易くなっているため、第2始動入球部に遊技球が過度に入球することを抑制でき、第1遊技モードの価値が低下することを抑制できる。
特徴C3.前記第2始動入球部には、前記遊技球が当該第2始動入球部へ入球し易くなる開放状態と、前記開放状態より前記遊技球が当該第2始動入球部へ入球し難くなる閉鎖状態と、を切り替え可能に構成する制御部材(電動役物66)が備えられ、
前記制御部材は、前記第1遊技モードである場合には前記第2遊技モードである場合よりも前記開放状態になり易いと共に、前記第1遊技モードにおいて、前記付与判定手段にて前記第1特別情報または前記第2特別情報が前記付与対応結果であると判定され、さらに所定条件が成立すると前記開放状態となり難くなるものであり、
前記特典遊技始動入球部は、前記第1遊技モード中に遊技者が前記第2始動入球部に連続して前記遊技球を入球させるように前記発射手段の発射操作をしている場合、前記特典付与手段にて、前記制御部材が前記開放状態となり難くなる前に入球した前記遊技球の少なくとも1つが前記所定期間経過後に当該特典遊技始動入球部に入球したと判定されるものであることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第1遊技モード中に遊技者が第2始動入球部に連続して遊技球を入球させるように発射手段の発射操作をすると、第1特別情報または第2特別情報が付与対応結果となって制御部材が開放状態となり難くなったとしても、特典付与手段にて、制御部材が開放状態となり難くなった後に遊技球が特典遊技始動入球部に入球したと判定される。このため、第1遊技モードでは、遊技者が第2始動入球部に連続して遊技球を入球させるように発射手段の発射操作をしている場合、即座に特典遊技が開始される可能性が高くなり、遊技者に疾走感や爽快感を付与できる。
特徴C4.前記付与判定手段の前記付与判定に対応させて絵柄が変動表示されると共に、前記絵柄が変動表示した後に当該絵柄が確定時間に渡って停止表示される表示手段(第1結果表示部71a、第2結果表示部71bまたは図柄表示装置80)を有し、
前記制御部材は、前記第1遊技モードである際、前記所定条件として前記確定時間が開始されると前記開放状態となり難くなるものであり、
前記特典付与手段は、前記確定時間が経過した後に、前記特典遊技始動入球部に前記遊技球が入球したか否かを判定し、
前記特典遊技始動入球部は、前記第1遊技モード中に遊技者が前記第2始動入球部に連続して前記遊技球を入球させるように前記発射手段の発射操作をしている場合、前記特典付与手段にて、前記確定時間が開始される前に入球した前記遊技球の少なくとも1つが前記確定時間が経過した後に当該特典遊技始動入球部に入球したと判定されるものであることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
このように、本発明は、表示手段を備える遊技機に適用することもできる。また、表示手段を備える遊技機では、絵柄の変動表示が終了した後に確定時間に渡って絵柄が停止表示され、制御部材は、確定時間が開始されると開放状態となり難くなる遊技機もある。しかしながら、特徴C4では、特典付与手段は、確定時間が経過した後に、特典遊技始動入球部に遊技球が入球したか否かを判定し、特典遊技始動入球部は、第1遊技モード中に遊技者が第2始動入球部に連続して遊技球を入球させるように発射手段の発射操作をしている場合、特典付与手段にて、確定時間が開始される前に入球した遊技球の少なくとも1つが確定時間が経過した後に当該特典遊技始動入球部に入球したと判定されるものとしている。このため、遊技者は、第1遊技モード中に第2始動入球部に連続して遊技球を入球させるように発射手段の発射操作をすることにより、何ら意識せずに遊技球を確定時間が経過した後に特典遊技始動入球部に入球させたと特典付与手段に判定させることができる。
つまり、遊技者は、確定時間が経過した後に即座に特典遊技を開始させることができる。
したがって、遊技者に疾走感や爽快感を付与することができる。
特徴C5.前記付与判定手段の前記付与判定に基づき、前記変動表示の期間を設定する表示態様決定手段(主制御装置91のMPU112におけるS509の処理を実行する機能)と、を有し、
前記表示態様決定手段は、前記付与判定手段にて前記第1特別情報または前記第2特別情報が前記付与対応結果であると判定された際、前記第2特別情報が前記記憶手段に記憶されていないと判定した場合であって、前記第2始動入球部に入球した後であり、かつ前記特典遊技始動入球部に入球していない前記遊技球が存在すると判定した場合には、当該遊技球が前記特典遊技始動入球部に入球した後に前記変動表示が終了するように、前記変動表示の期間を設定することを特徴とする特徴C1ないしC4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C5によれば、第1特別情報または第2特別情報が付与対応結果となった際、第2特別情報が記憶されていない場合には、第2始動入球部に入球したものの特典遊技始動入球部に入球していない遊技球が存在すると判定すると、当該遊技球が特典遊技始動入球部に入球した後に変動表示が終了するようにしている。このため、第2特別情報が記憶されていない際、遊技球が特典遊技始動入球部に入球して特典遊技が付与されてしまうことを抑制できる。
特徴C6.前記特典遊技始動入球部は、前記第2始動入球部に入球した前記遊技球を排出する通路(69)に備えられ、前記第2始動入球部に入球した遊技球が前記所定期間経過後に入球するものであり、
前記通路は、螺旋形状とされていることを特徴とする特徴C1ないしC5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C6によれば、遊技球を排出する通路が直線とされている場合と比較して、簡素な構成で第2始動入球部に入球した遊技球が特典遊技始動入球部に入球したと判定されるまでの期間を長くできる。また、特徴C4のような構成を備える場合には、形状を変更することにより、確定時間(遊技機の機種)に合わせて第2始動入球部に入球した遊技球が特典遊技始動入球部に入球するまでの期間を容易に変更できる。
特徴C7.前記特典遊技始動入球部は、前記第2始動入球部に入球してから所定期間経過後に前記特典付与手段にて当該特典遊技始動入球部に入球したと判定される検出信号を出力する検出手段(検知センサ61a)が備えられていることを特徴とする特徴C1ないしC5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C7によれば、検出信号により、第2始動入球部に入球した遊技球が特典遊技始動入球部に入球したと特典付与手段にて判定されるまでの期間を長くしている。このため、機械的な構造が複雑化することを抑制しつつ、上記特徴C6と同様の効果を得ることができる。
特徴C8.前記遊技領域に配置され、前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記付与対応結果となった場合に前記遊技球の入球が可能になる可変入賞手段(可変入賞装置59)を有し、
前記第2始動入球部は、前記発射手段から発射された前記遊技球が前記可変入賞手段に流下するまでの経路に備えられている、または前記可変入賞手段に入球しなかった前記遊技球が流下する経路に備えられていることを特徴とする特徴C1ないしC8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C8によれば、特典遊技始動入球部(第2始動入球部)に入球するように遊技球を発射する場合と、第1特別情報、または第2特別情報が付与対応結果となった場合に可変入賞手段に遊技球が入球されるように遊技球を発射する場合とにおいて、遊技球の発射の仕方を変更する必要がない。つまり、遊技者に、特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射する行為を、可変入賞手段に入球するように遊技球を発射する行為の一部として認識させることができる。このため、遊技者が特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射する行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。
特徴C9.前記遊技領域には、前記遊技領域に向けて発射された前記遊技球の一部が前記第1特典遊技始動入球部に入球するように当該遊技球を振り分ける振分手段(受動振分ユニット220)が備えられていることを特徴とするC1ないし特徴C8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C9によれば、遊技領域に発射された遊技球は、振分手段によって振り分けられて一部が第1特典遊技始動入球部へ入球する。このため、遊技者に第1特典遊技始動入球部に遊技球が入球するまでの過程にも注目させることができる。
特徴C10.前記振分手段が備えられる領域(第2領域RT)は、前記第1特典遊技始動入球部へと通じる案内領域(R1)と、前記案内領域と異なる排出領域(R2)とを有し、
前記振分手段は、回動可能な状態で前記遊技領域に配設され、前記発射手段から発射された前記遊技球を第1周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第1周方向と反対側の第2周方向に所定角度まで回動することによって前記案内領域に当該遊技球を誘導すると共に、前記発射手段から発射された前記遊技球を前記第2周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第1周方向に所定角度まで回動することによって前記排出領域に当該遊技球を誘導する振分部材(221)を有することを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
特徴C10によれば、案内領域、または排出領域に共通の振分部材によって遊技球を振り分けることができる。このため、案内領域側へ遊技球を誘導する部材、および排出領域側へ遊技球を誘導する部材を別々に設ける場合と比較して、部品点数の削減を図ることができる。
特徴C11.前記振分手段は、前記遊技球の流下方向に沿って複数の前記振分部材が配設されることで構成され、
複数の前記振分部材は、前記遊技球の流下方向における上流側の前記振分部材が前記遊技球を前記第1周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第2周方向に所定角度まで回動することで前記案内領域に当該遊技球を誘導することにより、下流側の前記振分部材が前記遊技球を前記第1周方向に回動した状態、または前記第2周方向に回動した状態で受けることができるように配設されていることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
特徴C11によれば、上流側の振分部材から案内領域側に遊技球が誘導されることにより、下流側の振分部材に遊技球が誘導される。このため、配設する振分部材の個数を適宜変更することにより、容易に遊技球の振分経路数を変更することができ(振分部材の個数をnとすると、振分経路数は2のn乗通り)、第1特典遊技始動入球部へ誘導される遊技球の確率を遊技機に合わせて容易に変更できる。
特徴C12.前記振分部材は、前記第1周方向に所定角度回動した状態において前記遊技球を受ける第1受動部(第1収容部228)と、前記第2周方向に所定角度回動した状態において前記遊技球を受ける第2受動部(第2収容部229)と、を有し、
前記振分手段は、前記第1受動部が前記第2周方向に回動して前記第2受動部に前記遊技球が受け入れられる状態となった後、当該第2受動部に前記遊技球が受け入れられるまでに前記第2受動部が前記第1周方向へ回動することを妨げる、および前記第2受動部が前記第1周方向に回動して前記第1受動部に前記遊技球が受け入れられる状態となった後、当該第1受動部に前記遊技球が受け入れられるまでに前記第1受動部が前記第2周方向へ回動することを妨げる回動規制手段(ベース側磁石230、受動振分部材側磁石224a)を有することを特徴とする特徴C10またはC11に記載の遊技機。
特徴C12によれば、回動規制手段を有しているため、第1受動部および第2受動部は、遊技球を受けて回動した後、次に遊技球を受ける前に回動することが抑制される。つまり、遊技球を受けずに回動することが抑制される。このため、案内領域または排出領域に連続して遊技球が誘導されてしまうという不具合を抑制できる。
さらに、以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して、または所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
<その他>
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止表示(停止結果)が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技状態への移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機において、表示装置で絵柄の変動表示が行われている最中に遊技球が始動口に入球した場合、当たり抽選に用いる情報が予め定められた所定数(例えば、4個)を上限として記憶(保留記憶)されるようになっているものもある。そして、当たり抽選に用いる情報が記憶された場合には、絵柄の変動表示が終了した後に、記憶された情報を用いて再び特典遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われ、次回の絵柄の変動表示が開始される。
さらに、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口に遊技球が入球したことを契機として特典遊技状態に移行した場合より、第2始動口に遊技球が入球したことを契機として特典遊技状態に移行した場合の方が遊技者に遊技球の払出数が多い等の有利な結果が発生し易いものも提案されている(例えば、特許文献1:特開2004−81853号公報)。
ところで、このよう遊技機では、遊技の幅を広げることで遊技者の遊技への関心を向上させることが望まれている。
本技術的思想は上記点に鑑み、遊技者の遊技への関心を良好に高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
上記目的を達成するための技術的思想1の遊技機は、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部と、遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第2始動入球部と、第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段が取得した第1特別情報、および第2特別情報をそれぞれ1より大きい整数値に定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、当該取得情報記憶手段に記憶されている第1特別情報、および第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行すると共に、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して付与判定を順次実行する付与判定手段と、付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の第1特別情報、または第2特別情報が当否情報群に対応しているとする付与対応結果となると遊技者に特典遊技を付与する特典付与手段と、を備え、付与判定手段は、取得情報記憶手段に第1特別情報および第2特別情報が共に記憶されている場合には、第2特別情報の付与判定を第1特別情報の付与判定よりも先に実行し、さらに、付与判定手段は、第2特別情報が付与対応結果である場合、第1特別情報が付与対応結果である場合より、遊技者にとって有利な特典遊技を選択し易い遊技機において、発射手段から発射された遊技球が入球可能な第1特典遊技始動入球部および第2特典遊技始動入球部を有し、特典遊技は、特典付与手段にて第1特典遊技始動入球部、または第2特典遊技始動入球部に遊技球が入球したと判定されると開始され、第1特典遊技始動入球部および第2特典遊技始動入球部は、遊技者が第2特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射した場合の方が、遊技者が第1特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射した場合より、発射した遊技球の総数に対する入球率が高くなるように備えられ、第1特典遊技始動入球部は、第2始動入球部に入球した遊技球が当該第1特典遊技始動入球部に入球するように備えられている、当該第1特典遊技始動入球部に入球した遊技球が第2始動入球部に入球するように備えられている、または第2始動入球部と共通とされていることを特徴としている。
<効果>
これによれば、第1特典遊技始動入球部は、第2始動入球部に入球した遊技球が入球するように備えられている、第1特典遊技始動入球部に入球した遊技球が第2始動入球部に入球するように備えられている、または第2始動入球部と共通とされている。このため、第1特典遊技始動入球部に遊技球が入球することで特典遊技が開始された場合、特典遊技が終了した後には、少なくとも1つの第2特別情報が記憶された状態となり、特典遊技が終了した後の最初の付与判定は、第2特別情報が当否情報群に対応しているか否かの付与判定が実行される。したがって、特典遊技が終了した後の最初の付与判定では、付与対応結果となった(当たり抽選に当選した)場合に遊技者に有利な特典遊技が付与され易い第2特別情報が必ず付与判定され、特典遊技の価値を向上することで遊技者の遊技への関心を向上できる。
また、第2特典遊技始動入球部は、遊技者が第2特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射した場合の方が、遊技者が第1特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射した場合より、発射した遊技球の総数に対する入球率が高くなるように備えられている。つまり、第2特典遊技始動入球部は、第1特典遊技始動入球部より遊技球が入球し易くなるように備えられている。このため、遊技者は、第2特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射することにより、早期に特典遊技を開始できる。
すなわち、技術的思想1に記載の遊技機によれば、遊技者は、特典遊技が終了した後に第2特別情報が記憶された状態としたい場合には、第1特典遊技始動入球部に入球するように遊技球を発射すればよく、早期に特典遊技を実行したい場合には、第2特典遊技始動入球部に入球するように遊技球は発射すればよい。つまり、請求項1に記載の発明によれば、遊技者自身によって遊技性を選択でき、遊技の幅を広げることで遊技者の遊技への関心を向上できる。なお、遊技者が早期に特典遊技を実行したい場合とは、例えば、既に規定数の第2特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合等が挙げられる。
10…パチンコ機(遊技機)、26…第1枠ボタン、44…遊技球発射機構、56…第
1始動口、57…通常第2始動口、58…特別第2始動口、61…可変入賞装置始動ゲー
ト、68…可変入賞装置始動ゲート、80…図柄表示装置、91…主制御装置、92…音
声ランプ制御装置、93…表示制御装置、112…MPU(主側MPU)、113…RO
M(主側ROM)、114…RAM(主側RAM)、152…MPU(音声側MPU)、
153…ROM(音声側ROM)、154…RAM(音声側RAM)、162…MPU(
表示側MPU)、163…プログラムROM、164…ワークRAM、165…VDP、
第1領域…RS、第2領域RT。

Claims (1)

  1. 遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
    前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する前記遊技球が入球可能な第1始動入球部と、
    前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する前記遊技球が入球可能な第2始動入球部と、
    前記第1始動入球部に前記遊技球が入球したことに基づいて第1特別情報を取得可能であり、前記第2始動入球部に前記遊技球が入球したことに基づいて第2特別情報を取得することが可能な情報取得手段と、
    その情報取得手段が取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報を、規定数を上限として記憶可能な取得情報記憶手段と、
    その取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行可能な付与判定手段と、
    その付与判定手段による前記付与判定の結果が、判定対象の前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記当否情報群に対応しているとする付与対応結果である場合に遊技者に特典遊技を付与可能な特典付与手段と、を備え、
    前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に前記第1特別情報および前記第2特別情報が共に記憶されている場合には、前記第2特別情報の前記付与判定を前記第1特別情報の前記付与判定よりも優先して実行可能であり、
    前記第2特別情報が前記付与対応結果である場合のほうが、前記第1特別情報が前記付与対応結果である場合よりも、遊技者にとって有利な前記特典遊技が付与され易い遊技機において、
    前記発射手段から発射された遊技球が入球可能な第1特典遊技始動入球部および第2特典遊技始動入球部を有し、
    前記特典付与手段は、前記付与判定の結果が前記付与対応結果となった後に、第1特典遊技始動入球部、または前記第2特典遊技始動入球部に前記遊技球が入球することで前記特典遊技を付与可能であり、
    前記第1特典遊技始動入球部および前記第2特典遊技始動入球部は、遊技者が前記第2特典遊技始動入球部に入球するように前記遊技球を発射した場合の方が、遊技者が前記第1特典遊技始動入球部に入球するように前記遊技球を発射した場合より、発射した前記遊技球の総数に対する入球率が高くなるように備えられ、
    前記第1特典遊技始動入球部は、前記第2始動入球部の上部に直列して配置され、前記第1特典遊技始動入球部を入球した遊技球が、前記第2始動入球部に入球するように配置されており、
    前記遊技機は、前記取得情報記憶手段に前記規定数の前記第2特別情報が記憶されている状態で、前記付与対応結果となった場合に、前記第2特典遊技始動入球部へ遊技球を入球させることを示唆するための示唆演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機。
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