以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果が導出表示されたとき、特定遊技状態に制御される。特定表示結果とは予め定められた表示結果であり、例えば、この実施の形態では、大当り図柄がある。特定遊技状態とは、遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変化可能な可変入賞手段を第1状態に変化させることであり、この実施の形態では、開状態と閉状態とに変化可能な特別可変入賞球装置20を開状態とする大当り遊技状態がある。例えば、特定表示結果として大当り図柄が導出表示されたとき、特定遊技状態として大当り遊技状態に制御される。各特定遊技状態において、閉状態とされている開閉版がソレノイド21によって開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる高ベース状態へ移行することがある。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り、第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、15R確変大当りまたは4R確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。また、音声合成用IC703は演出制御基板80から所定の要求を受け付けた場合に音声を生成しスピーカ27に出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置81等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図5は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
ステップS24の後、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置81を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31,33を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPA1−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、演出図柄の変動時間が短い時間(本例では、3.0秒)に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4の変動パターンが用意されている。
また、図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、4R確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、4R確変大当り)にすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「4R確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「15R確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で15R確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「15R確変大当り」に対して30個の判定値が割り当てられている(40分の30の割合で15R確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合よりも、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合の方が、「15R確変大当り」と決定される割合が高い。
この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」および「4R確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび4ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15R確変大当り」および「4R確変大当り」の2種類である場合を示しているが、2種類にかぎらず、例えば、3種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が2種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として1種類のみ設けられていてもよい。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。以下、確変状態と時短状態とに制御されている遊技状態を「高確率高ベース状態」、確変状態および時短状態のいずれにも制御されていない状態を「低確率低ベース状態」ということがある。
「4R確変大当り」とは、4ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」および「4R確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9および図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9および図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドのいずれかが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「4R確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。
コマンドA301(H)、A302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド、大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「4R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図9および図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図9および図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS1217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1215)。なお、ステップS1215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図13は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図13に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1217)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図13参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1221)。なお、ステップS1221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS222)。
図14および図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1215,S1221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS62に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当りまたは4R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミング、または50回の特別図柄の変動表示を終了するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、そのままステップS66に移行する。
ステップS62では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS63)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「4R確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS64)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1215,S1221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS65)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「4R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS66)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「4R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS67)。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS98に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。なお、確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当りまたは4R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングまたは50回の可変表示が終了するタイミングでリセットされる。確変フラグがセットされていれば(ステップS93のY)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS98に移行する。
確変フラグがセットされていなければ(ステップS93のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS94)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS94のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS95)。そして、ステップS98に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS94のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、変動時間短縮時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS96)。そして、ステップS98に移行する。
この実施の形態では、ステップS93〜S96の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、変動時間短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態である場合には、確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS98の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS99の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、確変状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、遊技状態が確変状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS93でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92,S83,S97,S95またはS96の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS98)。なお、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ステップS98の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS99)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS101)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS102)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS103)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS104)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS93〜S96,S98の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図17は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS105)。セットされていない場合には、ステップS109に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106,S107)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS65で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「4R確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106,S108)。なお、「4R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS65で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS105のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS109)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS110)。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグをリセットする(ステップS132)。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が4R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が15R確変大当りまたは4R確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU56は、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。なお、大入賞口開放前タイマは、大当り遊技中に大入賞口を開放するまでの時間を計測するためのタイマである。具体的には、大当り遊技の開始時には、ステップS134において、変動表示を停止してから第1ラウンドが開始されるまでに要する時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動表示を停止し大当り図柄を停止表示してから第1ラウンドが開始されるまでのファンファーレ演出を行う時間に相当)が大入賞口開放前タイマに設定される。また、第1ラウンド以降については、各ラウンド間のインターバル時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側でラウンド間のインターバル演出を行う時間に装置)が大入賞口開放前タイマに設定される。
また、CPU56は、開放回数カウンタに大当り種別に応じた開放回数をセットする(ステップS135)。例えば、15R確変大当りであれば15回を、4R確変大当りであれば4回をそれぞれ開放回数カウンタにセットする。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS141)、セットされていない場合、すなわち、通常状態である場合にはステップS150へ移行する。確変フラグがセットされている場合、すなわち、確変状態である場合、確変回数カウンタの値を1減算し(ステップS142)、確変回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(ステップS143)。0となっていない場合はステップS150へ移行する。0となった場合は確変フラグをリセットし(ステップS144)、ステップS150へ移行する。これにより、所定回数(50回)の変動をおこなうことを契機に確変状態から通常状態へ移行することとしている。ステップS150において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
図19は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、15R確変大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、4R確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS167)。そして、確変回数カウンタに「50」をセットし(ステップS168)、ステップS171に移行する。
そして、ステップS171において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図20は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS36)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否か(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否か(すなわち、特別図柄停止処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図21は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
ステップS706の後、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図22は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9および図10参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図23および図24は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果10指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618A)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS679)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS680)。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS682)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS683)。
また、受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS685)、演出制御用CPU101は、30秒後に演出表示装置9に客待ちデモ画面を表示するよう制御をおこなう(ステップS687)。具体的には、30秒を計測するタイマをセットし、該タイマがタイムアウトした際に客待ちデモ画面を演出表示装置9に表示する。なお、計測中に変動パターンコマンドなどを受信した場合には、該タイマをリセットし、計測を終了する。ステップS687の後、各保留記憶数保存領域に格納する保留記憶数をクリアする(ステップS688)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
図25は、図21に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、第1操作演出に関する第1操作受付処理をおこない(ステップS800A)、第2操作演出に関する第2操作受付処理をおこなう(ステップS800B)。
第1操作演出は、スーパーリーチAにおける変動終了直前に行われる演出であり、第1有効期間中に所定条件(プッシュボタン120への操作を10回検出すること)が成立した場合に第1特定演出を実行可能な演出である。なお、第1特定演出は、大当りとなる変動においてのみ実行され得る演出であり、大当りとなることを遊技者に報知する演出である。すなわち、はずれ変動において所定条件が成立した場合には第1特定演出は行われないようになっている。具体的に、第1特定演出は、キャラクタAを表示するカットイン演出である。第1操作演出においては、第1有効期間の残余時間を示す第1有効期間ゲージと、第1有効期間においてプッシュボタン120への操作を検出した回数にもとづいた第1回数ゲージと、プッシュボタン120への操作を促す第1操作促進画像とが演出表示装置9に表示される(図37参照)。
第1有効期間ゲージは、第1有効期間の残余時間が減少していないこと(第1有効期間の開始)を示す開始態様(白色に塗りつぶされている状態)から、第1有効期間の残余時間が「0」であること(第1有効期間の終了)を示す終了態様(黒色に塗りつぶされている状態)へと、第1有効期間の残余時間に応じて徐々に変化(白色の塗りつぶし領域が右側から減少)していくものである。
第1回数ゲージは、複数の領域に区分されており、プッシュボタン120への操作を検出する毎に1領域ずつ段階的に増加(貯留)されていくものである。具体的に、第1回数ゲージは、第1有効期間中に1回目の操作を検出した場合に貯留される第1領域、第1有効期間中に2回目の操作を検出した場合に貯留される第2領域・・・第1有効期間中に10回目の操作を検出した場合に貯留され得る第10領域に区分されているものである。ただし、第1特定演出を実行しない場合には第10領域までは貯留されないものである。すなわち、第1回数ゲージが第10領域まで貯留された場合には第1特定演出が実行され、大当りとなることが報知されることとなる。
第1操作促進画像の表示態様としては、表示範囲が小さい第1表示態様と、第1表示態様より表示範囲が大きい第2表示態様とが設けられている。具体的には、第1有効期間ゲージの塗りつぶし領域の取り得る範囲を2等分し、開始態様に近い第1範囲内を第1有効期間ゲージが指し示している場合には第1表示態様にて操作促進画像を表示し、終了態様に近い第2範囲内を第1有効期間ゲージが指し示している場合には第2表示態様にて操作促進画像を表示するものである。
なお、第1操作演出の演出パターン(以下、「第1操作演出パターン」ということがある)としては、第1有効期間ゲージの変化が一旦停止する予定であるパターンA1,A3と、停止しないパターンA2,A4とが設けられている。パターンA1,A3における第1有効期間は5秒間であり、パターンA2,A4における第1有効期間は3秒間である(図33(A)参照)。だたし、パターンA1,A3においては、第1有効期間が開始されてから2秒が経過するまでにプッシュボタン120への操作を検出しない場合には、第1有効期間を3秒間に変更するものである。
第2操作演出は、スーパーリーチBにおける変動終了直前に行われる演出であり、第2有効期間中に所定条件(プッシュボタン120への操作を10回検出すること)が成立した場合に第2特定演出を実行可能な演出である。なお、第2特定演出は、大当りとなる変動においてのみ実行され得る演出であり、大当りとなることを遊技者に報知する演出である。すなわち、はずれ変動において所定条件が成立した場合には第2特定演出は行われないようになっている。具体的に、第2特定演出は、キャラクタBを表示するカットイン演出である。第2操作演出においては、第2有効期間の残余時間を示す第2有効期間ゲージと、第2有効期間においてプッシュボタン120への操作を検出した回数にもとづいた第2回数ゲージと、プッシュボタン120への操作を促す第2操作促進画像とが演出表示装置9に表示される(図38参照)。
第2有効期間ゲージは、第2有効期間の残余時間が減少していないこと(第2有効期間の開始)を示す開始態様(白色に塗りつぶされている状態)から、第2有効期間の残余時間が「0」であること(第2有効期間の終了)を示す終了態様(第1終了態様(赤色に塗りつぶされている状態)および第2終了態様(黒色に塗りつぶされている状態)を含む)へと、第2有効期間の残余時間に応じて徐々に変化(白色の塗りつぶし領域または赤色の塗りつぶし領域が右側から減少)していくものである。
第2回数ゲージは、複数の領域に区分されており、プッシュボタン120への操作を検出する毎に1領域ずつ段階的に増加(貯留)されていくものである。具体的に、第2回数ゲージは、第2有効期間中に1回目の操作を検出した場合に貯留される第1領域、第2有効期間中に2回目の操作を検出した場合に貯留される第2領域・・・第2有効期間中に10回目の操作を検出した場合に貯留され得る第10領域に区分されているものである。ただし、第2特定演出を実行しない場合には第10領域までは貯留されないものである。すなわち、第2回数ゲージが第10領域まで貯留された場合には第2特定演出が実行され、大当りとなることが報知されることとなる。
第2操作促進画像の表示態様としては、単一の表示態様が設けられていることとするが、第1操作促進画像と同様に、表示範囲の異なる複数の表示態様が設けられていることとしてもよい。また、第2有効期間ゲージの指し示す範囲にもとづいて、複数の表示態様のうちいずれかの表示態様にて第2操作促進画像を表示することとしてもよい。
なお、第2操作演出の演出パターン(以下、「第2操作演出パターン」ということがある)としては、第2有効期間ゲージが開始態様から第1終了態様に変化することにより第2操作演出の終了を報知するパターンB2,B4と、開始態様から第1終了態様と共通する共通態様(赤色に塗りつぶされている状態)を経てから第2終了態様に変化することにより第2操作演出の終了を報知するパターンB1,B3(すなわち、一旦第1終了態様と共通する共通態様を表示した後に再度変化を行うことにより、第2有効期間を延長したかのように見せる第2操作演出パターン)とが設けられている。パターンB1,B3における第2有効期間は5秒間であり、パターンB2,B4における第2有効期間は3秒間である(図33(B)参照)。なお、開始態様から第1終了態様または共通態様へ変化する場合には、白色の塗りつぶし領域が右側から減少して赤色の塗りつぶし領域が露出していくものであり、共通態様から第2終了態様へ変化する場合には、赤色の塗りつぶし領域が右側から減少して黒色の塗りつぶし領域が露出していくものである。
以下、第1操作演出および第2操作演出を「操作演出」と総称することがある。
ステップS800Bの後、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)のいずれかに対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図26および図27は、第1操作受付処理を示すフローチャートである。第1操作受付処理において、演出制御用CPU101は、第1有効期間中であることを示す第1有効期間フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2601)、セットされていない場合にはそのまま第1操作受付処理を終了する。セットされている場合、すなわち、第1有効期間中である場合、第1有効期間タイマの値を1減算する(ステップS2602)。
その後、演出制御用CPU101は、第1有効期間ゲージの変化を停止する予定であることを示す停止予定フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2603)、セットされていない場合には、ステップS2610へ移行する。セットされている場合、演出制御用CPU101は、第1有効期間ゲージの変化を停止していることを示す停止中フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2604)、セットされていない場合には、第1有効期間タイマが3秒に対応する値であるか否か(すなわち、第1有効期間の残余時間が3秒であるか否か)を判定し(ステップS2605)、3秒に対応する値でない場合にはステップS2610へ移行する。
ステップS2605において、第1有効期間タイマが3秒に対応する値である場合、すなわち、第1有効期間の残余時間が3秒である場合、演出制御用CPU101は、第1操作演出においてプッシュボタン120への操作を検出した回数Pが「1」以上であるか否か(すなわち、第1有効期間中にプッシュボタン120への操作が1回以上行われたか否か)を判定する(ステップS2606)。回数Pが「1」以上である場合、すなわち、第1有効期間中にプッシュボタン120への操作が1回以上行われている場合、演出制御用CPU101は、停止中フラグをセットし(ステップS2607)、第1有効期間ゲージの変化が停止したことを報知するための停止報知表示を開始し(ステップS2608)、ステップS2611へ移行する。
ステップS2606において、回数Pが「1」以上でない場合、すなわち、第1有効期間中にプッシュボタン120への操作が1回も行われていない場合、演出制御用CPU101は、第1有効期間タイマに1秒に対応する値をセットし(ステップS2609A)、停止予定フラグをリセットし(ステップS2609B)、ステップS2610へ移行する。
ステップS2610においては、演出制御用CPU101は、第1有効期間ゲージの塗りつぶし領域を減少表示(変化)し(ステップS2610)、第1有効期間ゲージの表示態様に応じた第1操作促進画像を表示する(ステップS2611)。具体的に、ステップS2611においては、第1範囲内を第1有効期間ゲージが指し示している場合には第1表示態様にて操作促進画像を表示し、第2範囲内を第1有効期間ゲージが指し示している場合には第2表示態様にて操作促進画像を表示するものである。
また、ステップS2604において、停止中フラグがセットされている場合、演出制御用CPU101は、第1有効期間タイマが1秒に対応する値であるか否かを判定し(ステップS2612)、1秒に対応する値でない場合には、ステップS2611へ移行する。1秒に対応する値である場合には、停止中フラグおよび停止予定フラグをリセットし(ステップS2613,S2614)、停止報知表示を終了し(ステップS2615)、ステップS2610へ移行する。
このように、ステップS2610を行うことにより第1有効期間ゲージを変化させるものであるが、変化を一旦停止させるパターンにおいては、第1有効期間の残余時間が3秒であるときにプッシュボタン120への1回以上の操作を検出していた場合には、ステップS2610を実行しないことにより、第1有効期間ゲージの変化を行わないものである(ステップS2606のY〜S2608参照)。その場合、ステップS2612〜S2615を行うことにより、第1有効期間の残余時間が1秒になったときに、第1有効期間ゲージの変化を再開するものである。
また、第1操作演出パターンがパターンA1,A3あっても、第1有効期間の残余時間が3秒となるまでにプッシュボタン120への操作が1回もなされていない場合(ステップS2606のN)には、ステップS2609A,S2609Bを行う(第1有効期間の残余時間を3秒から1秒に短縮し、停止予定フラグをリセットする)ことにより、第1有効期間ゲージの変化の停止をすることなく、パターンA2,A4である場合と同じ挙動を示すようになっている。
ステップS2611の後、演出制御用CPU101は、第1有効期間タイマの値が「0」であるか否か、すなわち、第1有効期間が終了したか否かを判定し(ステップS2616)、「0」である場合、すなわち、第1有効期間が終了した場合にはステップS2623へ移行する。第1有効期間タイマの値が「0」でない場合、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120への操作を検出したか否かを判定し(ステップS2617)、検出していない場合にはそのまま第1操作受付処理を終了する。
プッシュボタン120への操作を検出した場合、演出制御用CPU101は、回数Pに「1」を加算し(ステップS2618)、回数Pに応じた第1回数ゲージの表示を行う(ステップS2619)。具体的には、回数Pに応じた領域まで第1回数ゲージを貯留表示する。このとき、回数Pが「10」である場合には、パターンA1,A2のいずれかであれば最大水位(第10領域)まで第1回数ゲージを貯留表示する一方、パターンA3,A4のいずれかであれば最大水位(第10領域)までは第1回数ゲージを貯留表示しない(すなわち、第9領域から変化させない)ものである。
なお、この実施の形態では、第1操作演出パターンがパターンA3,A4である場合には、最大水位(第10領域)の直前の第9領域までは第1回数ゲージが貯留され得ることとしたが、これに限るものではない。例えば、第1回数ゲージが貯留され得る段階の水位(例えば、第1領域〜第9領域のいずれか)を抽選により決定することとしてもよい。
また、この実施の形態では、パターンA3,A4のいずれかであり回数Pが「10」である場合を除いて、プッシュボタン120への操作を検出した場合に必ず第1回数ゲージの表示が変化(貯留)されることとしたが、これに限るものではない。例えば、プッシュボタン120への操作を検出する度に第1回数ゲージの表示が変化するか否かを抽選により決定し、抽選結果にもとづいて第1回数ゲージの表示を変化可能であることとしてもよい。
そして、回数Pが「10」である場合には(ステップS2620のY)、実行中の第1操作演出における演出パターンがパターンA1,A2のいずれかであるか否かを判定する(ステップS2621)。実行中の第1操作演出における演出パターンがパターンA1,A2のいずれかでない場合には、ステップS2623へ移行する。
ステップS2621において、実行中の第1操作演出における演出パターンがパターンA1,A2のいずれかである場合には、演出制御用CPU101は、第1特定演出を実行する(ステップS2622)。このように、この実施の形態では、第1有効期間中に10回のプッシュボタン120への操作を検出した場合には第1特定演出を実行可能な構成である。
その後、演出制御用CPU101は、第1有効期間フラグをリセットし(ステップS2623)、第1操作演出表示を終了し(ステップS2624)、所定のフラグをリセットする(ステップS2625)。具体的には、第1操作演出に関連するフラグである停止予定フラグおよび停止中フラグをリセットする。ステップS2625において停止予定フラグがセットされている場合とは、第1有効期間ゲージの変化の停止が終了するより前に所定条件(プッシュボタン120が10回操作されること)が成立した場合である。また、ステップS2625において停止中フラグがセットされている場合とは、第1有効期間ゲージの変化の停止が開始されてから終了するより前に所定条件(プッシュボタン120が10回操作されること)が成立した場合である。
このように、第1有効期間が終了するか、またはプッシュボタン120への操作を10回検出した場合に、第1操作演出を終了することとしている。
図28および図29は、第2操作受付処理を示すフローチャートである。第2操作受付処理において、演出制御用CPU101は、第2有効期間中であることを示す第2有効期間フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2801)、セットされていない場合にはそのまま第2操作受付処理を終了する。セットされている場合、すなわち、第2有効期間中である場合、第2有効期間タイマの値を1減算する(ステップS2802)。
その後、演出制御用CPU101は、第2有効期間ゲージを第2終了態様まで変化させる予定であり、既に共通態様を表示したこと(すなわち、第2有効期間が延長されたかのように見せた後であること)を示す延長済フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2803)、セットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第2有効期間ゲージの白色の塗りつぶし領域を減少表示する(ステップS2804)。そして、演出制御用CPU101は、第2有効期間ゲージを第2終了態様まで変化させる予定であり、未だ共通態様を表示していないこと(すなわち、第2有効期間が延長されたかのように見せる前であること)を示す延長予定フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2805)、延長予定フラグがセットされていない場合には、ステップS2809に移行する。延長予定フラグがセットされている場合、演出制御用CPU101は、第2有効期間タイマが3秒に対応する値であるか否かを判定し(ステップS2806)、3秒に対応する値でない場合には、ステップS2809へ移行する。3秒に対応する値である場合には、延長済フラグをリセットし(ステップS2807)、ステップS2809へ移行する。
また、ステップS2803において、延長済フラグがセットされている場合、演出制御用CPU101は、第2有効期間ゲージの赤色の塗りつぶし領域を減少表示し(ステップS2808)、ステップS2809へ移行する。
このように、ステップS2805〜S2808を行うことにより、延長予定フラグがセットされている場合には、第2有効期間の残余時間が3秒になるまでは第2有効期間ゲージにおける白色の塗りつぶし領域を減少表示するとともに、第2有効期間の残余時間が3秒になったときからは第2有効期間ゲージにおける赤色の塗りつぶし領域を減少表示するようになっている。
ステップS2809において、演出制御用CPU101は、第2有効期間タイマの値が「0」であるか否か、すなわち、第2有効期間が終了したか否かを判定し(ステップS2809)、「0」である場合、すなわち、第2有効期間が終了した場合にはステップS2816へ移行する。第2有効期間タイマの値が「0」でない場合、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120への操作を検出したか否かを判定し(ステップS2810)、検出していない場合にはそのまま第2操作受付処理を終了する。
プッシュボタン120への操作を検出した場合、演出制御用CPU101は、回数Qに「1」を加算し(ステップS2811)、回数Qに応じた第2回数ゲージの表示を行う(ステップS2812)。具体的には、回数Qに応じた領域まで第2回数ゲージを貯留表示する。このとき、回数Qが「10」である場合には、パターンB1,B2のいずれかであれば最大水位(第10領域)まで第2回数ゲージを貯留表示する一方、パターンB3,B4のいずれかであれば最大水位(第10領域)までは第2回数ゲージを貯留表示しない(すなわち、第9領域から変化させない)ものである。
なお、この実施の形態では、第2操作演出パターンがパターンB3,B4である場合には、最大水位(第10領域)の直前の第9領域までは第2回数ゲージが貯留され得ることとしたが、これに限るものではない。例えば、第2回数ゲージが貯留され得る段階の水位(例えば、第1領域〜第9領域のいずれか)を抽選により決定することとしてもよい。
また、この実施の形態では、パターンB3,B4のいずれかであり回数Qが「10」である場合を除いて、プッシュボタン120への操作を検出した場合に必ず第2回数ゲージの表示が変化(貯留)されることとしたが、これに限るものではない。例えば、プッシュボタン120への操作を検出する度に第2回数ゲージの表示が変化するか否かを抽選により決定し、抽選結果にもとづいて第2回数ゲージの表示を変化可能であることとしてもよい。
そして、回数Qが「10」である場合には(ステップS2813のY)、実行中の第2操作演出における演出パターンがパターンB1,B2のいずれかであるか否かを判定する(ステップS2814)。実行中の第2操作演出における演出パターンがパターンB1,B2のいずれかでない場合には、ステップS2816へ移行する。
ステップS2814において、実行中の第2操作演出における演出パターンがパターンB1,B2のいずれかである場合には、演出制御用CPU101は、第2特定演出を実行する(ステップS2815)。このように、この実施の形態では、第2有効期間中に10回のプッシュボタン120への操作を検出した場合には第2特定演出を実行可能な構成である。
その後、演出制御用CPU101は、第2有効期間フラグをリセットし(ステップS2816)、第2操作演出表示を終了し(ステップS2817)、所定のフラグをリセットする(ステップS2818)。具体的には、第2操作演出に関連するフラグである延長予定フラグおよび延長済フラグをリセットする。ステップS2818において延長予定フラグがセットされている場合とは、パターンB1,B3のいずれかの演出パターンにて第2操作演出を実行した場合である。また、ステップS2818において延長済フラグがセットされている場合とは、パターンB1,B3のいずれかの演出パターンにて第2操作演出を実行し、既に共通態様を表示した場合である。
このように、第2有効期間が終了するか、またはプッシュボタン120への操作を10回検出した場合に、第2操作演出を終了することとしている。
図30は、図25に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図31は、図25に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、擬似連を指定する変動パターンも用いる場合に、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図32は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図32に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「4R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、予告演出を設定するための予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。ここでは、例えば、開始する変動が大当りであるか否か、大当りである場合はいずれの大当り種別であるか、または読み出した変動パターンなどにもとづいて、所定の予告演出(例えば、大当りに対する信頼度に応じた段階まで発展するステップアップ予告、遊技者から操作部材への操作を受け付けることにより演出画面が切り替わるボタン演出など)の実行の有無について決定する。
そして、演出制御用CPU101は、スーパーリーチAを実行する変動パターンである場合には(ステップS3910のY)、第1操作演出パターンを決定するための第1操作演出パターン抽選処理を実行し(ステップS3911)、抽選結果を記憶する(ステップS3912)。ステップS3911においては、具体的に、図33(A)に示す第1操作演出パターン抽選テーブルを用いて第1操作演出パターン抽選処理を実行する。
図33(A)は、第1操作演出パターン抽選テーブルを示す説明図である。図33(A)に示す第1操作演出パターン抽選テーブルには、第1操作演出パターンに対して、可変表示結果(大当り、はずれ)毎の判定値が割り当てられているが、図33(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、第1操作演出パターン抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
なお、パターンA1は、5秒の第1有効期間中に所定条件(プッシュボタン120への10回の操作の検出)が成立した場合に第1特定演出を実行する第1操作演出パターンである。パターンA2は、3秒の第1有効期間中に所定条件が成立した場合に第1特定演出を実行する第1操作演出パターンである。パターンA3は、5秒の第1有効期間中に所定条件が成立した場合にも第1特定演出を実行しない第1操作演出パターンである。パターンA4は、3秒の第1有効期間中に所定条件が成立した場合にも第1特定演出を実行しない第1操作演出パターンである。なお、上述したように、パターンA1,A3は第1有効期間ゲージの変化が一旦停止する予定の第1操作演出パターンであり、パターンA2,A4は第1有効期間ゲージの変化が停止しない第1操作演出パターンである。
例えば、可変表示結果が大当りである場合には、40%の割合でパターンA1が、30%の割合でパターンA2が、20%の割合でパターンA3が、10%の割合でパターンA4が、第1操作演出パターンとして選択されるものである。
また、例えば、可変表示結果がはずれである場合には、30%の割合でパターンA3が、70%の割合でパターンA4が、第1操作演出パターンとして選択されるものである。
このように、第1特定演出を実行可能なパターンA1,A2は、大当りである場合にのみ選択され得る構成となっていることから、第1特定演出は大当りである場合にのみ実行され得るものとなっている。また、第1有効期間が5秒であるパターンA1,A3の方が、第1有効期間が3秒であるパターンA2,A4よりも、大当りである場合に選択されやすいよう構成されていることから、第1有効期間が5秒であるパターンA1,A3の方が、第1有効期間が3秒であるパターンA2,A4よりも、大当りに対する信頼度が高くなっている。なお、上述したように、パターンA1,A3は、第1有効期間ゲージの変化が一旦停止する予定の演出パターンである。従って、第1有効期間ゲージの変化が一旦停止した場合の方が、第1有効期間ゲージの変化が停止しない場合よりも、大当りに対する信頼度が高い構成となっている。
ステップS3912の後、またはステップS3910のNである場合、演出制御用CPU101は、スーパーリーチBを実行する変動パターンである場合には(ステップS3913のY)、第2操作演出パターンを決定するための第2操作演出パターン抽選処理を実行し(ステップS3914)、抽選結果を記憶する(ステップS3915)。ステップS3914においては、具体的に、図33(B)に示す第2操作演出パターン抽選テーブルを用いて第2操作演出パターン抽選処理を実行する。
図33(B)は、第2操作演出パターン抽選テーブルを示す説明図である。図33(B)に示す第2操作演出パターン抽選テーブルには、第2操作演出パターンに対して、可変表示結果(大当り、はずれ)毎の判定値が割り当てられているが、図33(B)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、第2操作演出パターン抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
なお、パターンB1は、6秒の第2有効期間中に所定条件(プッシュボタン120への10回の操作の検出)が成立した場合に第2特定演出を実行する第2操作演出パターンである。パターンB2は、3秒の第2有効期間中に所定条件が成立した場合に第2特定演出を実行する第2操作演出パターンである。パターンB3は、6秒の第2有効期間中に所定条件が成立した場合にも第2特定演出を実行しない第2操作演出パターンである。パターンB4は、3秒の第2有効期間中に所定条件が成立した場合にも第2特定演出を実行しない第2操作演出パターンである。なお、上述したように、パターンB1,B3は、第2有効期間ゲージが開始態様から第1終了態様と共通する共通態様を経てから第2終了態様に変化する第2操作演出パターンであり、パターンB2,B4は、第2有効期間ゲージが開始態様から第1終了態様に変化する第2操作演出パターンである。
例えば、可変表示結果が大当りである場合には、70%の割合でパターンB1が、15%の割合でパターンB2が、10%の割合でパターンB3が、5%の割合でパターンB4が、第2操作演出パターンとして選択されるものである。
また、例えば、可変表示結果がはずれである場合には、30%の割合でパターンB3が、70%の割合でパターンB4が、第2操作演出パターンとして選択されるものである。
このように、第2特定演出を実行可能なパターンB1,B2は、大当りである場合にのみ選択され得る構成となっていることから、第2特定演出は大当りである場合にのみ実行され得るものとなっている。また、第2有効期間が6秒であるパターンB1,B3の方が、第2有効期間が3秒であるパターンB2,B4よりも、大当りである場合に選択されやすいよう構成されていることから、第2有効期間が6秒であるパターンB1,B3の方が、第2有効期間が3秒であるパターンB2,B4よりも、大当りに対する信頼度が高くなっている。なお、上述したように、パターンB1,B3は、第2有効期間ゲージが共通態様に変化された後に第2終了態様まで変化する予定の演出パターンである。従って、第1終了態様と共通する共通態様に変化された後にも第2有効期間ゲージが変化する場合の方が、第1終了態様に変化されるとともに第2有効期間が終了する場合よりも、大当りに対する信頼度が高い構成となっている。
また、第2操作演出パターン抽選テーブルを用いて第2操作演出パターン抽選処理を実行することにより、第2有効期間が6秒である第2操作演出パターンが選択された場合の方が、第2有効期間が3秒である第2操作演出パターンが選択された場合よりも、特定演出を実行する割合が高くなっている。従って、第1終了態様と共通する共通態様に変化された後にも第2有効期間ゲージが変化する場合の方が、第1終了態様に変化されるとともに第2有効期間が終了する場合よりも、特定演出を実行する信頼度が高い構成となっている。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図34は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
図34に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8004などの処理で予告演出を実行することに決定された場合には、予告演出に対応したデータが設定されてプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
ステップS8005の後、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LEDおよび役物)を制御する(ステップS8006)。
ステップS8006の後、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図35は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、第1操作演出の実行を開始する第1操作演出実行タイミングであるか否かを判定し(ステップS3301)、第1操作演出実行タイミングでない場合にはステップS3308へ移行する。ステップS3301では、具体的に、スーパーリーチAを実行する変動パターンである場合に、変動パターン毎に予め定められた第1操作演出実行タイミングであるか否かを判定するものである。第1操作演出実行タイミングである場合、第1有効期間フラグをセットし(ステップS3302)、回数Pに「0」をセットし(ステップS3303)、ステップS3912において記憶された第1操作演出パターンに応じた値(パターンA1,A3なら5秒に対応する値、パターンA2,A4なら3秒に対応する値)を第1有効期間タイマにセットする(ステップS3304)。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS3912において記憶された第1操作演出パターンがパターンA1,A3のいずれかであれば停止予定フラグをセットし(ステップS3305のY,S3306)、第1操作演出表示を開始する(ステップS3307)。第1操作演出表示とは、具体的に、第1有効期間ゲージと、第1回数ゲージと、第1操作促進画像とを表示することである。
その後、演出制御用CPU101は、第2操作演出実行タイミングであるか否かを判定し(ステップS3308)、第2操作演出実行タイミングでない場合にはステップS8101へ移行する。ステップS3308では、具体的に、スーパーリーチBを実行する変動パターンである場合に、変動パターン毎に予め定められた第2操作演出実行タイミングであるか否かを判定するものである。第2操作演出実行タイミングである場合、第2有効期間フラグをセットし(ステップS3309)、回数Qに「0」をセットし(ステップS3310)、ステップS3915において記憶された第2操作演出パターンに応じた値(パターンB1,B3なら6秒に対応する値、パターンB2,B4なら3秒に対応する値)を第2有効期間タイマにセットする(ステップS3311)。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS3915において記憶された第2操作演出パターンがパターンB1,B3のいずれかであれば延長予定フラグをセットし(ステップS3312のY,S3313)、第2操作演出表示を開始する(ステップS3314)。第2操作演出表示とは、具体的に、第2有効期間ゲージと、第2回数ゲージと、第2操作促進画像とを表示することである。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8112)。
図36は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS861)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS867に移行する。この実施の形態では、後述するように、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS866で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS868で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS861で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS862の演出図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS867に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS862)。なお、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンドの受信に応じて演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、ステップS862を実行する直前の期間にて、停止表示する演出図柄を搖動表示するものである。
ステップS862で大当り図柄を表示する場合には(ステップS863のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS866)、ファンファーレフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する(ステップS867)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS867のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS868)とともに、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS869)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS870)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS871)。
また、ステップS863で大当り図柄を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS863のN)は、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS864)。例えば、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS865)。
次に、この実施の形態の操作演出における表示例について説明する。図37は、第1操作演出における表示例を示す説明図である。図37には、各第1操作演出パターンにおける、タイミング毎の演出表示装置9の表示例を示している。なお、図37に示す表示例は、第1有効期間中にプッシュボタン120への操作を検出した回数が10回未満である場合について示している。例えば、第1操作演出パターンがパターンA1,A3である場合、第1有効期間が開始されたときに第1回数ゲージ371、第1有効期間ゲージ372、および操作促進画像373が表示される。このとき、第1有効期間ゲージ372の指し示す範囲が第1範囲であることから、操作促進画像373は第1表示態様にて表示される。
次に、時間の経過とともに第1有効期間ゲージ372の塗りつぶし領域が減少表示されるとともに、第1有効期間ゲージ372の指し示す範囲にもとづいた表示態様にて操作促進画像373が表示される。具体的には、第1有効期間ゲージ372が第1範囲内を指し示していれば第1表示態様にて、第2範囲内を指し示していれば第2表示態様にて操作促進画像373が表示される(第1有効期間が開始されてから1.5秒が経過した時点で第1表示態様から第2表示態様に変化される)。また、プッシュボタン120への操作を検出する度に第1回数ゲージ371が回数Pに応じた表示に変化する。
また、この実施の形態において操作促進画像373は第1表示態様または第2表示態様へ変化するにあたって、第1有効期間ゲージ371の指し示す範囲に応じて変化したが、プッシュボタン120への操作の検出回数や検出時間に応じて、操作促進画像373の表示態様を変化させてもよい。例えば、プッシュボタン120への押下回数や、押下時間が特定の回数又は時間(例えば10回や5秒など)に達していることを条件に操作促進画像373を変化させるとともに、10回であれば中サイズ、20回であれば大サイズ、30回であれば特大サイズへ変化させる等の制御を行うなど、遊技者の動作が継続して行われているときに、継続された回数や期間に応じて操作促進画像373の表示態様を変化させてもよい。
このように、操作促進画像373の表示態様を動作の検出された期間に応じた表示態様へ変化させることによって、単調でない操作促進画像の表示を行えるため興趣の向上を図ることができる。
また、この場合に操作促進画像373の変化した表示態様に応じて大当りとなる割合が異なるようにしたり、表示態様の変化した後に行われる演出を、異なる割合で選択し実行してもよい。
そして、第1有効期間が開始されてから2秒が経過した時点(第1有効期間の残余時間が3秒である時点(ステップS2605のY))で、プッシュボタン120への操作を受け付けていれば(ステップS2606のY)、第1有効期間ゲージの変化を停止する期間(以下、「第1有効期間ゲージ変化停止期間」ということがある)となる。第1有効期間ゲージ変化停止期間は、第1有効期間が開始されてから2秒後の時点で開始され、第1有効期間が開始されてから4秒後の時点で終了するものである。なお、第1有効期間ゲージ変化停止期間中にプッシュボタン120への操作を検出した場合には、他の期間と同様に、第1回数ゲージ371が操作回数(回数P)に応じた表示に変化する。また、第1有効期間ゲージ変化停止期間中は、「連打プラス!」といった停止報知表示374が行われるものである。
そして、第1有効期間ゲージ変化停止期間が終了した後は、第1有効期間が終了するまで、時間の経過とともに第1有効期間ゲージ372の塗りつぶし領域が減少表示される。また、プッシュボタン120への操作を検出する度に第1回数ゲージ371が回数Pに応じた表示に変化する。
また、例えば、第1操作演出パターンがパターンA2,A4である場合、第1有効期間が開始されてから2秒が経過するまでは第1操作演出パターンがパターンA1,A3である場合と同様の挙動を示す。そして、第1有効期間が開始されてから2秒が経過した後も、第1有効期間が終了するまで、時間の経過とともに第1有効期間ゲージ372の塗りつぶし領域が減少表示される。また、プッシュボタン120への操作を検出する度に第1回数ゲージ371が回数Pに応じた表示に変化する。
このように、パターンA1,A3の第1操作演出が行われる場合には、第1有効期間が開始されてから2秒後に第1有効期間ゲージ372の変化が停止する。これにより、第1有効期間が延長されたかのように見せることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、第1有効期間ゲージ372の変化が停止されているときに、停止報知表示374が行われることにより、第1有効期間ゲージ372の変化の停止が不具合の発生によるものであると遊技者に誤解されることを防止することができる。
また、パターンA1,A3の第1操作演出が行われる場合には、第1有効期間が開始されてから2秒後に第1有効期間ゲージ372の変化が停止する一方、パターンA2,A4の第1操作演出が行われる場合には、第1有効期間ゲージ372の変化が停止しないものである。これにより、パターンA2,A4の第1操作演出が行われる場合であっても、第1有効期間ゲージ372の変化が停止することに対する期待感を遊技者に与えることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、第1有効期間ゲージ372の表示にもとづいて操作促進画像373の表示態様が変化することにより、興趣を向上させることができる。
図38は、第2操作演出における表示例を示す説明図である。図38には、第2操作演出を実行する場合における演出表示装置9の表示例を示している。なお、図38に示す表示例は、第2有効期間中にプッシュボタン120への操作を検出した回数が10回未満である場合について示している。例えば、第2有効期間が開始されたとき、第2操作演出パターンがいずれのパターンであっても、図38(A)に示すように、第2回数ゲージ381、第2有効期間ゲージ382、および操作促進画像383が表示される。
次に、図38(B)に示すように、第2操作演出パターンがいずれのパターンであっても、時間の経過とともに第2有効期間ゲージ382における白色の塗りつぶし領域が減少表示されて赤色の塗りつぶし領域が露出される。また、プッシュボタン120への操作を検出する度に第2回数ゲージ381が回数Qに応じた表示に変化する。
そして、第2操作演出パターンがパターンB2,B4のいずれかであれば、図38(C)に示すように、第2有効期間が開始されてから3秒が経過した時点で、第2有効期間ゲージ382が第1終了態様となり、第2有効期間が終了する。
また、第2操作演出パターンがパターンB1,B3のいずれかであれば、図38(B)の後、図38(D)に示すように、第2有効期間が開始されてから3秒が経過した時点で、第2有効期間ゲージ382が第1終了態様と共通する共通態様となる。さらに時間が経過すると、図38(E)に示すように、第2有効期間ゲージ382における赤色の塗りつぶし領域が減少表示されて黒色の塗りつぶし領域が露出される。そして、第2有効期間が開始されてから6秒後には、図38(F)に示すように、第2有効期間ゲージ382が第2終了態様となり、第2有効期間が終了する。
なお、この実施の形態では、図38(E),(F)に示すように、第2有効期間ゲージ382の全ての範囲が赤色の塗りつぶし領域となった後に、さらに黒色の塗りつぶし領域に変化していく場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第2有効期間ゲージ382の全ての範囲が赤色の塗りつぶし領域となった後の変化態様を複数種類(例えば、塗りつぶしの色やパターンが異なる)設けるようにし、いずれの変化態様により赤色の塗りつぶし領域がさらに変化するかによって期待度(大当り期待度や、リーチ期待度、確変期待度)がことなるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第2有効期間ゲージ382の全ての範囲が赤色の塗りつぶし領域となった後に、さらに第2有効期間ゲージ382が1回変化する(本例では、黒色の塗りつぶし領域に変化する)場合を示したが、そのような態様にかぎらず、第2有効期間ゲージ382が複数回変化するようにしてもよい。例えば、図38(F)に示すように第2有効期間ゲージ382が黒色の塗りつぶし領域に変化した後、さらに第2有効期間ゲージ382が他の色の塗りつぶし領域に変化するように構成してもよい。
このように、第2操作演出パターンとして、第2有効期間ゲージ382が開始態様から第1終了態様へ変化されて第2有効期間が終了するパターンB2,B4と、第2有効期間ゲージ382が開始態様から共通態様を経てから第2終了態様へ変化されて第2有効期間が終了するパターンB1,B3とが設けられていることとした。これにより、遊技者の期待感を持続させることができる。
また、プッシュボタン120への操作を検出するとともに第2回数ゲージ381の表示態様が変化することにより、興趣を向上させることができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技者の動作を検出可能な検出手段(本例では、プッシュボタン120への押下操作を検出可能なプッシュセンサ124。他の操作部材への操作を検出可能なもの(本例では、トリガボタン121への押下操作を検出可能なトリガセンサ125、スティックコントローラ122への傾倒操作を検出可能な傾倒方向センサユニット123)であってもよいし、または赤外線センサやモーションセンサのように非接触型のセンサであってもよい。)を備え、動作の有効期間(本例では、第1有効期間)を示唆する示唆表示(本例では、第1有効期間ゲージの表示)を行い、該示唆表示の表示態様を所定態様(本例では、終了態様)へ向けて変化させ(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS2610,S3307を実行する)、示唆表示の表示態様が所定態様に変化する前に、動作の検出にもとづく所定条件(本例では、プッシュボタン120に対する10回の操作を検出すること。動作の検出にもとづいて状態が変化するものであれば、メータ、数値、表示演出(敵キャラクタを倒す演出)、ランプの点灯が所定の状態となることであってもよい。)が成立したときに特定演出(本例では、第1特定演出)を実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS2622を実行する)。また、所定条件が成立していない場合、示唆表示の表示態様が所定態様に変化する前に、示唆表示の表示態様の変化を停止することが可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS2606のY〜S2608、またはステップS2612〜S2615を行うことにより、ステップS2610の実行を回避し、第1有効期間ゲージの変化を停止することが可能である)こととした。これにより、示唆表示の変化が停止することにより、示唆表示の見た目よりも実際の有効期間が長い場合があり、有効期間が延長されているかのようにみせることができ、興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、検出手段により連続して動作が検出されること(本例では、プッシュボタン120に対する10回の操作(連打)を検出すること。一定時間以上の継続した操作(いわゆる、長押し)を検出することとしてもよい。)を所定条件として、該所定条件が成立したときに特定演出を実行する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS2620において回数Pが「10」である場合にのみステップS2622を実行可能である)こととした。これにより、連続した動作の有効期間が延びたように見せることができ、興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出表示(本例では、第1回数ゲージの表示)を行い、検出手段により動作が検出されたことにもとづいて該演出表示の表示態様を段階的に変化させ(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS2619を実行する)、演出表示の表示態様が特定段階(本例では、第1有効期間中に1回目のプッシュボタン120への操作を検出した場合に貯留される第1領域まで貯留された段階。第2領域以降の所定の領域まで貯留された段階であってもよい。)まで変化された場合に、示唆表示の表示態様の変化を停止することが可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS2606のYである場合にのみ、ステップS2610を回避可能である)こととした。これにより、適切に示唆表示の変化を停止させることができる。また、遊技者が積極的に操作を行った場合に示唆表示の表示態様の変化が停止されることとなることから、積極的な操作を促すことができる。
また、この実施の形態では、示唆表示の表示態様の変化が停止されたことを報知する報知演出(本例では、「連打プラス」の表示)を実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS2608を実行する)こととした。これにより、示唆表示の変化の停止が不具合であると誤解されてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、実際の有効期間と示唆する有効期間とが一致する第1示唆表示(本例では、パターンA2,A4)と、実際の有効期間と示唆する有効期間とが一致しない第2示唆表示(本例では、パターンA1,A3)とを行うことが可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3911を行うことにより第1操作演出パターンを選択し、ステップS3304を行うことにより第1操作演出パターンに応じた第1有効期間を設定する)こととした。これにより、第1示唆表示であっても、示唆表示の表示態様の変化の停止に対する期待感を遊技者に与えることができる。
また、この実施の形態では、遊技者の動作を促す促進表示を行い(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS2611,S3307を実行する)、促進表示の実行中に遊技者の動作が継続して検出された場合、動作が継続して検出された期間に応じて促進表示の表示態様(本例では、第1表示態様、第2表示態様。3種類以上の表示態様に変化可能であることとしてもよい。)を変化させる(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS2611において第1有効期間ゲージの示す第1有効期間の残余時間に応じた第1操作促進表示を実行することにより、経過した第1有効期間に応じて第1操作促進表示の表示態様を変化させる)こととした。これにより、単調ではない演出を行うことにより、演出の単調化を防止し、興趣を向上させることができる。
なお、促進表示の表示態様は、遊技者の動作(例えば、プッシュボタン120への操作を検出した回数)や、信頼度(例えば、特定演出を実行することに対する信頼度や、大当りとなることに対する信頼度)に応じて変化可能であることとしてもよい。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技者の動作を検出可能な検出手段(本例では、プッシュボタン120への押下操作を検出可能なプッシュセンサ124。他の操作部材への操作を検出可能なもの(本例では、トリガボタン121への押下操作を検出可能なトリガセンサ125、スティックコントローラ122への傾倒操作を検出可能な傾倒方向センサユニット123)であってもよいし、または赤外線センサやモーションセンサのように非接触型のセンサであってもよい。)を備え、動作の有効期間(本例では、第2有効期間)を示唆する示唆表示(本例では、第2有効期間ゲージの表示)を行う(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS2804,S2808,S3314を実行する)。また、示唆表示を所定状態(本例では、第1終了態様)へ変化させることによって有効期間の終了を示唆する第1態様(本例では、パターンB2,B4)と、所定状態と共通する表示態様(本例では、共通態様)へ一旦変化させた後に、さらに特定状態(本例では、第2終了態様)へ変化させることによって有効期間の終了を示唆する第2態様(本例では、パターンB1,B3)とのいずれかの態様にて示唆表示を行うことが可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3914において第2操作演出パターンを選択した上で、ステップS2804,S2808を実行する)こととした。これにより、示唆表示を所定状態と共通する表示態様へ変化させた後に、さらに特定状態へ変化させるまで有効期間となるため、期待感を持続させることができる。
また、この実施の形態では、検出手段により連続して動作が検出される演出(本例では、第2操作演出)において、第2態様にて示唆表示を行う(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プッシュボタン120に対する連打を検出する第2操作演出(一定時間以上の継続した操作(いわゆる、長押し)を検出する演出であってもよい)をパターンB1,B3にて実行可能である)こととした。これにより、連続した動作の有効期間が延びたように見せることができ、興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、検出手段により動作が検出されることに応じて表示態様が変化する変化表示(本例では、第2回数ゲージの表示。数値が変化するものや、所定の表示が変化するもの(例えば、敵キャラクタにダメージを与えて倒すもの)であってもよい。)を行う(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS2812を実行する)こととした。これにより、興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、第1態様による示唆表示よりも第2態様による示唆表示の方が、遊技者にとって有利な状態に制御されることに対する信頼度が高い(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図33(B)に示す第2操作演出パターン抽選テーブルを用いて第2操作演出パターンを選択することにより、パターンB2,B4の第2操作演出が実行されるよりもパターンB1,B3の第2操作演出が実行される方が大当りに対する信頼度、および特定演出が実行されることに対する信頼度が高い)こととした。これにより、遊技者に期待感を与えることができる。
なお、この実施の形態では、「示唆表示」としてゲージ(第1有効期間ゲージ、第2有効期間ゲージ)を表示することとしたが、これに限るものではない。例えば、数字表示(例えば、残余時間を「残り3秒」、「残り1秒」などと表示)や、所定の画像(例えば、キャラクタやアイテム)の変化を「示唆表示」とするものであってもよい。
また、この実施の形態では、「特定演出」として第1特定演出を実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、敵キャラクタに味方キャラクタが勝利する演出や、所定の音声をスピーカ27から出力する演出や、所定の発光部材(枠LED28や、遊技盤6に設けられた盤LED)を発光させる演出や、第1回数ゲージが特定の変化(例えば、大きさが変化したり、発光したりする)をする演出を「特定演出」として実行するものであってもよいし、第1回数ゲージが最大水位まで貯留されること自体を「特定演出」として実行するもの(すなわち、第1回数ゲージの変化とは異なる演出を特定演出としては実行しないもの)であってもよい。
また、この実施の形態では、大当りである場合にのみ「特定演出」を実行可能であることとしたが、これに限るものではなく、はずれである場合にも「特定演出」を実行可能であることとしてもよい。
また、この実施の形態では、有効期間中に所定条件が成立しなかった場合(第1有効期間または第2有効期間中にプッシュボタン120に対する10回の操作を検出しなかった場合)、特定演出を実行しないこととしたが、有効期間中に所定条件が成立しなかった場合であっても、特定演出を実行可能であることとしてもよい。
また、この実施の形態では、第1操作演出において第1有効期間ゲージの変化の停止を1回のみ実行可能であることとしたが、これに限るものではなく、変化の停止を複数回実行可能であることとしてもよい。
また、この実施の形態では、第1操作演出における第1有効期間ゲージの停止期間の長さは一律であることとしたが、これに限るものではない。例えば、該停止期間の長さとして複数の時間が設けられており、いずれかの時間を選択するものであってもよい。その場合、いずれの時間が停止期間の長さとして選択されるかによって信頼度(例えば、第1特定演出が実行されることに対する信頼度、大当りとなることに対する信頼度)が異なるものであってもよい。
また、この実施の形態では、第2操作演出におけるパターンB1,B3では、第2有効期間ゲージが開始態様から共通態様まで変化するまでの期間(以下、「前半期間」ということがある)と、共通態様から第2終了態様まで変化するまでの期間(以下、「後半期間」ということがある)とが共に3秒であることとしたが、これに限るものではない。例えば、前半期間と後半期間とが異なるものとしてもよい。その場合、前半期間における第2有効期間ゲージの塗りつぶし領域の減少速度と、後半期間における第2有効期間ゲージの塗りつぶし領域の減少速度とが異なることとなり、興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、後半期間の長さは一律であることとしたが、これに限るものではない。例えば、後半期間の長さとして複数の時間が設けられており、いずれかの時間を選択するものであってもよい。その場合、いずれの時間が後半期間の長さとして選択されるかによって信頼度(例えば、第2特定演出が実行されることに対する信頼度、大当りとなることに対する信頼度)が異なるものであってもよい。
また、この実施の形態では、第1操作演出と第2操作演出とをそれぞれスーパーリーチAとスーパーリーチBとを伴う変動において実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、いずれの変動パターンであっても、第1操作演出および第2操作演出のうち少なくともいずれか一方を実行可能であることとしてもよい。
また、第1操作演出と第2操作演出とで信頼度(例えば、特定演出(第1特定演出、第2特定演出)が実行されることに対する信頼度、大当りとなることに対する信頼度)が異なることとしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特定演出と第2特定演出とはそれぞれ異なる演出であることとしたが、これに限るものではなく、第1特定演出と第2特定演出とが同一の態様を示す演出(例えば、所定の表示を行う演出、所定の演出用可動部材(いわゆる役物)を動作させる演出、所定の発光部材を発光させる演出、所定の音声を出力する演出)であってもよい。
また、大当りとなる可能性が高い(確実に大当りとなることを含む)ことを演出内容により報知する高信頼度演出(例えば、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する勝利演出)を特定演出(第1特定演出、第2特定演出)とし、特定演出の実行条件が成立しないまま操作演出を終了したとき(10回の操作を検出したが特定演出を実行しない操作演出パターンであった場合、または10回の操作を検出しないまま有効期間が終了した場合(第1有効期間が5秒の第1操作演出パターンであったにもかかわらず、開始から2秒が経過するまでに1回の操作も検出せずに、ステップS2609A,S2609Bが実行された場合を含む))に、大当りとなる可能性が低いことを高信頼度演出とは異なる演出内容により報知する低信頼度演出(例えば、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する敗北演出)を実行する遊技機においては、大当り変動であるにもかかわらず特定演出の実行条件が成立せずに低信頼度演出を実行した場合、低信頼度演出の実行後に救済演出(例えば、味方キャラクタが立ち上がり敵キャラクタを倒す演出)を実行する(例えば、勝利演出、敗北演出、および救済演出がプロセスデータによる演出であれば、第1操作演出終了時または第2操作演出終了時に、勝利演出を行うプロセステーブルから、敗北演出および救済演出を行うプロセステーブルを差し替える)ことにより、大当りとなることが報知されるものであってもよい。
また、第1有効期間が経過することを待機して実行される待機演出(例えば、可変表示結果を報知する演出)が設けられている場合は、第1有効期間の長さにもとづいて、該演出が実行されるタイミングが異なることとなる。例えば、パターンA1,A3における第1操作演出が行われた場合は、第1操作演出の実行開始から3秒後に第1有効期間が終了する一方、パターンA2,A4における第1操作演出が行われた場合は、第1操作演出の実行開始から5秒後に第1有効期間が終了するため、第1操作演出パターンによっては2秒の誤差が生じる。そこで、第1有効期間が3秒である第1操作演出(パターンA2,A4における第1操作演出)が行われた場合は、第1有効期間が5秒である第1操作演出(パターンA1,A3における第1操作演出)が行われた場合よりも、待機演出が終了してから演出図柄が停止表示されるまでの期間(具体的には、停止表示される演出図柄を搖動表示する期間)を2秒間長く設けることにより、変動時間の長さを調節することとしてもよい。なお、第1有効期間の長さ(第1有効期間ゲージの変化を停止するか否か)が変動パターンに対応付けられている場合には、第1有効期間が3秒である第1操作演出(第1有効期間ゲージの変化を停止しない第1操作演出)を実行する変動パターンの方が、第1有効期間が5秒である第1操作演出(第1有効期間ゲージの変化を停止する第1操作演出)を実行する変動パターンよりも、変動時間を2秒間短く設けることとすれば、上述した調節を行う必要がない。
第2操作演出においても同様に、第2有効期間が3秒である第2操作演出(パターンB2,B4における第2操作演出)が行われた場合は、第2有効期間が6秒である第2操作演出(パターンB1,B3における第2操作演出)が行われた場合よりも、待機演出が終了してから演出図柄が停止表示されるまでの期間(具体的には、停止表示される演出図柄を搖動表示する期間)を3秒間長く設けることにより、変動時間の長さを調節することとしてもよい。なお、第2有効期間の長さ(第2有効期間が延長したように見せるか否か)が変動パターンに対応付けられている場合には、第2有効期間が3秒である第2操作演出(第2有効期間が延長したように見せない第2操作演出)を実行する変動パターンの方が、第2有効期間が6秒である第2操作演出(第2有効期間が延長したように見せる第2操作演出)を実行する変動パターンよりも、変動時間を3秒間短く設けることとすれば、上述した調節を行う必要がない。
また、この実施の形態では、示唆表示の表示態様が所定態様に変化する前に、示唆表示の表示態様の変化を停止する演出(第1操作演出)と、示唆表示を所定状態へ変化させることによって有効期間の終了を示唆する第1態様と、所定状態と共通する表示態様へ一旦変化させた後に、さらに特定状態へ変化させることによって有効期間の終了を示唆する第2態様とのいずれかの態様にて示唆表示を行う演出(第2操作演出)とが、それぞれ異なる演出であることとしたが、同一の演出であってもよい。
例えば、動作の有効期間を示唆する示唆表示を行い、該示唆表示を所定状態または特定状態へ向けて変化させ、示唆表示の表示態様が所定態様に変化する前に、動作の検出にもとづく所定条件が成立したときに特定演出を実行可能であり、所定条件が成立していない場合、示唆表示が所定状態または特定状態に変化する前に、示唆表示の変化を停止することが可能であり、示唆表示を所定状態へ変化させることによって有効期間の終了を示唆する第1態様と、所定状態と共通する表示態様へ一旦変化させた後に、さらに特定状態へ変化させることによって有効期間の終了を示唆する第2態様とのいずれかの態様にて示唆表示を行うことが可能な演出を行うこととしてもよい。
具体的には、動作の第3有効期間を示唆する第3有効期間ゲージを表示し、第3有効期間ゲージを開始状態(白色に塗りつぶされている状態)から第1終了態様(赤色に塗りつぶされている状態)へ変化させることにより第3有効期間の終了を示唆する第1パターンと、開始状態から第1終了態様と共通の共通態様(赤色に塗りつぶされている状態)へ一旦変化させた後に、さらに第2終了状態(黒色に塗りつぶされている状態)へ変化させることにより第3有効期間の終了を示唆する第2パターンとが演出パターンとして設けられており、第1パターンおよび第2パターンのうち少なくともいずれか一方にて、第3有効期間ゲージの変化を一旦停止させることができるものであってもよい。第2パターンにて第3有効期間ゲージの変化を一旦停止するタイミングとしては、共通態様に変化する前であってもよいし、共通態様に変化した後であってもよいし、その両方であってもよい。
また、この実施の形態では、プッシュボタン120への操作を検出したことにもとづいて演出を行うこととしたが、これに限るものではない。例えば、遊技者の第1動作を促す第1促進報知と遊技者の第2動作を促す第2促進報知とを行い、第1促進報知および第2促進報知の前に、複数態様の促進前報知のうちの一の促進前報知を行う遊技機であって、第1動作と第2動作とを検出可能であり、検出結果にもとづいて所定演出を実行可能であり、促進前報知の態様と第1促進報知および第2促進報知の種類によって、所定演出として、遊技者にとって有利な内容の演出が報知される割合が異なることとしてもよい。具体的には、以下の変形例を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
この変形例では、プッシュボタン120への押下操作およびスティックコントローラ122への傾倒操作を検出可能である。
図39は、変形例における、ボタン等操作演出決定処理を示すフローチャートである。ボタン等操作演出決定処理は、演出図柄変動開始処理(図31)において、スーパーリーチを示す変動パターンである場合に演出制御用CPU101によって行われる処理である。図39に示すボタン等操作演出決定処理において、演出制御用CPU101は、操作促進報知としての操作促進表示の種類を決定する操作促進表示決定処理を実行する(ステップS293A)。この操作促進表示決定処理(ステップS293A)では、複数種類の操作促進表示(例えば、プッシュボタン120の操作促進表示およびスティックコントローラ122の操作促進表示)の中から一の操作促進表示が決定される。
なお、ステップS293Aにおいて決定された操作促進表示は、演出図柄変動中処理(図35)のステップS8105において実行されるものである。
詳しくは、図39に示す操作促進表示決定処理(ステップS293A)において、演出制御用CPU101は、操作促進表示決定用乱数SR0(図40参照)を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図41(A)に示す操作促進表示決定用テーブルとを用いて操作促進表示の種類を決定する。例えば、図41(A)に示すように、変動パターンがスーパーリーチハズレである場合については、「プッシュボタンの操作促進表示」が70%の確率で決定され、「スティックコントローラの操作促進表示」が30%の確率で決定されるようになっている。また、変動パターンがスーパーリーチ大当りとなる場合については、「プッシュボタンの操作促進表示」が40%の確率で決定され、「スティックコントローラの操作促進表示」が60%の確率で決定されるようになっている。
このように決定確率が設定されていることにより、スーパーリーチにおいて「スティックコントローラの操作促進表示」が実行された場合には、「プッシュボタンの操作促進表示」が実行されるよりも大当りとなる可能性が高く、スティックコントローラ122によるボタン演出について期待感を持って楽しむことができる。また、スーパーリーチにおいて「プッシュボタンの操作促進表示」が実行された場合にも大当りとなる可能性があり、プッシュボタン120によるボタン演出について期待感を持って楽しむことができる。
なお、「プッシュボタンの操作促進表示」および「スティックコントローラの操作促進表示」が、図41(A)に示す確率以外の確率で決定されるようにしてもよい。
操作促進表示としては、プッシュボタン120の操作を促す操作促進表示と、スティックコントローラ122の操作を促す操作促進表示とがある。プッシュボタン120の操作促進表示は、表示画面の中央位置に、プッシュボタン120の画像が表示される態様である。つまり、遊技者に対して、プッシュボタン120の操作を促すことが可能な態様の画像であればよい。スティックコントローラ122の操作促進表示は、表示画面の中央位置に、スティックコントローラ122の画像が表示される態様である。つまり、遊技者に対して、スティックコントローラ122の操作を促すことが可能な態様の画像であればよい。
また、操作促進表示には、操作部(プッシュボタン120又は突出位置のスティックコントローラ122)の操作有効期間を示す操作有効期間表示(例えば、横長棒状のインジケータ表示)が付加されている。インジケータ表示は、横幅全体が塗りつぶし表示されており、操作有効期間が最大期間残されていることを示している。インジケータ表示は、操作有効期間が短くなるに連れてその塗りつぶし領域が右側から順番に減じられ、塗りつぶし領域がなくなった時点で操作有効期間が終了したことを示す表示である。インジケータ表示により、遊技者は操作部(プッシュボタン120又は突出位置のスティックコントローラ122)の操作有効期間を把握することができ、操作有効期間内に操作部を操作することができる。なお、本変形例では、操作有効期間を量的表示するインジケータ表示を用いているが、操作有効期間を数的表示する7セグメント表示などを用いてもよく、各種の表示を用いることができる。また、操作促進表示が表示されたときに初めて操作有効期間表示が表示されるようにしてもよい。また、操作有効期間表示に替えて又はそれと共に操作有効期間の音声報知などを行うようにしてもよい。また、操作有効期間表示を備えなくてもよい。
次に、演出制御用CPU101は、図39に示すように、操作促進表示の前に表示される操作促進前表示(操作促進前報知)の態様を決定する操作促進前表示決定処理を実行する(ステップS293B)。この操作促進前表示決定処理では、複数態様の操作促進前表示(例えば、共通エフェクト、2ボタン・エフェクト、4ボタン・エフェクトおよび4Vコン・エフェクト)の中から一の操作促進前表示が決定される。なお、4Vコン・エフェクトは、スティックコントローラ画像が4つの登場するものである。
なお、ステップS293Bにおいて決定された操作促進前表示は、演出図柄変動中処理(図35)のステップS8105において実行されるものである。
詳しくは、操作促進前表示決定処理(ステップS293B)において、演出制御用CPU101は、操作促進前表示決定用乱数SR1(図40参照)を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図41(B)、(C)に示す操作促進前表示決定用テーブルとを用いて操作促進前表示の態様を決定する。
例えば、操作促進表示決定処理(ステップS293A)において操作促進表示の種類が例えばプッシュボタン120に決定された場合には、図41(B)に示すプッシュボタン120のときの操作促進前表示決定用テーブルを用いて操作促進前表示の態様を決定する。図41(B)に示すように、変動パターンがスーパーリーチハズレである場合については、「共通エフェクトの操作促進前表示」が60%の確率で決定され、「2ボタン・エフェクトの操作促進前表示」が30%の確率で決定され、「4ボタン・エフェクトの操作促進前表示」が10%の確率で決定されるようになっている。また、変動パターンがスーパーリーチ大当りとなる場合については、「共通エフェクトの操作促進前表示」が20%の確率で決定され、「2ボタン・エフェクトの操作促進前表示」が30%の確率で決定され、「4ボタン・エフェクトの操作促進前表示」が50%の確率で決定されるようになっている。なお、「共通エフェクトの操作促進前表示」、「2ボタン・エフェクトの操作促進前表示」および「4ボタン・エフェクトの操作促進前表示」が前記以外の確率で決定されるようにしてもよい。
また、操作促進表示決定処理(ステップS293A)において操作促進表示の種類が例えばスティックコントローラ122に決定された場合には、図41(C)に示すスティックコントローラ122のときの操作促進前表示決定用テーブルを用いて操作促進前表示の態様を決定する。図41(C)に示すように、変動パターンがスーパーリーチハズレである場合については、「共通エフェクトの操作促進前表示」が70%の確率で決定され、「4Vコン・エフェクトの操作促進前表示」が30%の確率で決定されるようになっている。また、変動パターンがスーパーリーチ大当りとなる場合については、「共通エフェクトの操作促進前表示」が40%の確率で決定され、「4Vコン・エフェクトの操作促進前表示」が60%の確率で決定されるようになっている。なお、「共通エフェクトの操作促進前表示」および「4Vコン・エフェクトの操作促進前表示」が前記以外の確率で決定されるようにしてもよい。
本変形例では、図40に示す操作促進表示決定用乱数SR0および操作促進前表示決定用乱数SR1は、それぞれ、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの数値データが抽出されるが、この発明はこれに限定されるものではなく、操作促進表示決定用乱数SR0および操作促進前表示決定用乱数SR1の範囲等は適宜に決定すればよい。また、これら操作促進表示決定用乱数SR0を生成するための操作促進表示決定用乱数カウンタや操作促進前表示決定用乱数SR1を生成するための操作促進前表示決定用乱数カウンタが演出制御基板80に設けられており、この操作促進表示決定用乱数カウンタおよび操作促進前表示決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
なお、操作促進前表示と操作促進表示の各開始タイミングとが、ボタン等演出のプロセステーブルに記述されている。
ここで、前述した各種の操作促進前表示について説明する。まず、「共通エフェクトの操作促進前表示」は、プッシュボタン120の操作促進表示およびスティックコントローラ122の操作促進表示の表示前に両者で共通に用いられる操作促進前表示であり、遊技者にとってみれば共通エフェクトだけではボタン等の種別が特定できない表示である。本変形例では、「共通エフェクトの操作促進前表示」は、演出表示装置9の表示画面の左右両側から、ボタン等の種別(プッシュボタン120またはスティックコントローラ122)が特定不可能な態様の共通画像(例えば、半透明、不確定または不鮮明なボタン等画像など)がそれぞれ登場し、両方の共通画像が中央に向かって移動し、表示画面の中央位置で両共通画像が重なり合うととともに光を放つという表示態様としている。なお、共通エフェクトの操作促進前表示は、この表示態様に限定されるものではなく、種々の表示態様のものを用いることができる。例えば、共通エフェクトの操作促進前表示として、演出表示装置9の表示画面の全部又は一部領域に光が集まって強い光を放つというような表示態様(例えば集光エフェクトと呼ばれる表示態様)などを用いてもよい。この集光エフェクトの直後に操作促進表示が表示される。
次に、「2ボタン・エフェクトの操作促進前表示」は、演出表示装置9の表示画面の左右両側から、プッシュボタン120であることが特定可能な態様のプッシュボタン画像がそれぞれ登場し、両方のプッシュボタン画像が中央に向かって移動し、表示画面の中央位置で両プッシュボタン画像が重なり合うととともに光を放つという表示態様としている。2ボタン・エフェクトの操作促進前表示では、遊技者がプッシュボタン120であることを特定できるため、この後にプッシュボタン120の操作促進表示が表示されることが予期でき、プッシュボタン120の操作に備えることが可能である。なお、2ボタン・エフェクトの操作促進前表示は、この表示態様に限定されるものではなく、種々の表示態様のものを用いることができる。
次に、「4ボタン・エフェクトの操作促進前表示」は、演出表示装置9の表示画面の四隅から、プッシュボタン120であることが特定可能な態様のプッシュボタン画像がそれぞれ登場し、4つのプッシュボタン画像が中央に向かって移動し、表示画面の中央位置で4つのプッシュボタン画像が重なり合うととともに光を放つという表示態様としている。4ボタン・エフェクトの操作促進前表示でも、遊技者がプッシュボタン120であることを特定できるため、この後にプッシュボタン120の操作促進表示が表示されることが予期でき、プッシュボタン120の操作に備えることが可能である。なお、4ボタン・エフェクトの操作促進前表示は、この表示態様に限定されるものではなく、種々の表示態様のものを用いることができる。
次に、「4Vコン・エフェクトの操作促進前表示」は、演出表示装置9の表示画面の四隅から、スティックコントローラ122であることが特定可能な態様のスティックコントローラ画像がそれぞれ登場し、4つのスティックコントローラ画像が中央に向かって移動し、表示画面の中央位置で4つのスティックコントローラ画像が重なり合うととともに光を放つという表示態様としている。4Vコン・エフェクトの操作促進前表示では、遊技者がスティックコントローラ122であることを特定できるため、この後にスティックコントローラ122の操作促進表示が表示されることが予期でき、スティックコントローラ122の操作に備えることが可能である。なお、4Vコン・エフェクトの操作促進前表示は、この表示態様に限定されるものではなく、種々の表示態様のものを用いることができる。
なお、本変形例では、操作促進前表示(共通エフェクト、2ボタン・エフェクト、4ボタン・エフェクトおよび4Vコン・エフェクトなど)に、インジケータ表示が付加されているが、付加しない態様であってもよい。
なお、インジケータ表示の態様は、操作部の種類(例えば、スティックコントローラ122またはプッシュボタン120)によって異なるようにしてもよい。例えば、スティックコントローラ122とプッシュボタン120とで、インジケータ表示の色、形状、大きさなどのうち少なくとも一つが違うようにしたり、スティックコントローラ122およびプッシュボタン120のうちの一方ではインジケータ表示を有するがその他方ではインジケータ表示を有さないようにしたりしてもよい。この場合には、インジケータ表示の態様についても面白みを持たせることができ、遊技の興趣性をさらに向上させることができる。
また、同じ操作促進表示であっても、状況など(例えば変動パターンの種類など)に応じてインジケータ表示を表示するときと表示しないときがあるようにしてもよい。また、操作促進表示の大きさが複数種類あり(例えば、プッシュボタン120であれば、大きく表示されたプッシュボタン120(大ボタン)または小さく表示されたプッシュボタン120(小ボタン)など)、大ボタンと小ボタンとでインジケータ表示の有無が異なる、或いはインジケータ表示の態様が異なるようにしてもよい。これらの場合には、操作促進表示の態様を増加させることができ、遊技の興趣性をさらに向上させることができる。
以上説明してきたように、ボタン等操作演出は、図42に示すように、プッシュボタン演出とスティックコントローラ演出との2つに大別され、操作促進前表示の態様を含めて区別すると、3種類のプッシュボタン演出と2種類のスティックコントローラ演出の合計5種類ある。3種類のプッシュボタン演出としては、共通エフェクト、2ボタン・エフェクトおよび4ボタン・エフェクトの操作促進前表示のうちの何れかが表示された後にプッシュボタン120の操作促進表示が表示されるといった3種類の演出がある。また、2種類のスティックコントローラ演出としては、共通エフェクトおよび4Vコン・エフェクトの操作促進前表示のうちの何れかが表示された後にスティックコントローラ122の操作促進表示が表示されるといった2種類の演出がある。
また、演出制御用CPU101は、ボタン等操作演出決定処理(ステップS293)の後にカットイン演出決定処理を行う。図42に示すカットイン演出決定用テーブルを用いて、大当り期待度の異なる複数種類のカットイン演出(例えば、カットイン演出A、カットイン演出Bおよびカットイン演出C)の中から一のカットイン演出を決定する。また、カットイン演出についての大当り期待度は、カットイン演出Aよりもカットイン演出Bの方が高く、カットイン演出Bよりもカットイン演出Cの方が高くなっている。
なお、カットイン演出決定処理において決定されたカットイン演出は、演出図柄変動中処理(図35)のステップS8105において実行されるものである。
例えば、カットイン演出決定処理では、演出制御用CPU101は、図42に示すように、操作促進表示決定処理(ステップS293A)において操作促進表示の種類が例えばプッシュボタン120に決定され、操作促進前表示決定処理(ステップS293B)において操作促進前表示の態様が「共通エフェクト」または「2ボタン・エフェクト」に決定された場合には、カットイン演出Aに決定する。また、操作促進表示の種類が例えばプッシュボタン120に決定され、操作促進前表示の態様が「4ボタン・エフェクト」に決定された場合には、カットイン演出Bに決定する。また、操作促進表示の種類が例えばスティックコントローラ122に決定され、操作促進前表示の態様が「共通エフェクト」に決定された場合にも、カットイン演出Bに決定する。また、操作促進表示の種類が例えばスティックコントローラ122に決定され、操作促進前表示の態様が「4Vコン・エフェクト」に決定された場合には、カットイン演出Cに決定する。このように、操作促進前表示の態様と操作促進表示の種類によって、所定演出として、遊技者にとって有利な内容の演出(例えば、カットイン演出Cなど)が報知される割合が異なっている。
なお、カットイン演出としては、例えば、一連の場面(例えばバトル場面)に、別の短い場面(例えば、キャラクタ画像が所定の表示態様で登場するなどの場面)が挿入される演出などが挙げられる。
本変形例では、カットイン演出Aは、スーパーリーチ演出内のボタン等の操作有効期間に、遊技者によるプッシュボタン120の操作があると、例えば通常背景画像NB上に特定キャラクタ画像SC(例えば「女の子」のキャラクタ画像)が出現(登場)する態様の場面が挿入される演出である。
カットイン演出Bは、スーパーリーチ演出内のボタン等の操作有効期間に、遊技者によるボタン操作(プッシュボタン120又はスティックコントローラ122の操作)があると、例えば通常背景NBとは異なる表示態様の特別背景画像SB上に特定キャラクタ画像SCが出現(登場)する態様の場面が挿入される演出である。
カットイン演出Cは、スーパーリーチ演出内のボタン等の操作有効期間に、遊技者によるスティックコントローラ122の操作があると、例えば特別背景画像SB上に特定キャラクタ画像SCと情報表示画像CI(例えば「熱」の文字情報表示画像)とが出現(登場)する態様の場面が挿入される演出である。なお、ボタン操作後のカットイン演出表示の実行開始タイミングが、ボタン等演出のプロセステーブルに記述されている。
ところで、本変形例のカットイン演出決定用テーブルは、変動パターンがスーパーリーチハズレである場合については、「共通エフェクト+プッシュボタン」の「カットイン演出A」が42%の確率で決定され、「2ボタン・エフェクト+プッシュボタン」の「カットイン演出A」が21%の確率で決定され、「4ボタン・エフェクト+プッシュボタン」の「カットイン演出B」が7%の確率で決定され、「共通エフェクト+スティックコントローラ」の「カットイン演出B」が21%の確率で決定され、「4Vコン・エフェクト+スティックコントローラ」の「カットイン演出C」が9%の確率で決定されるようになっている。また、変動パターンがスーパーリーチ大当りとなる場合については、「共通エフェクト+プッシュボタン」の「カットイン演出A」が8%の確率で決定され、「2ボタン・エフェクト+プッシュボタン」の「カットイン演出A」が12%の確率で決定され、「4ボタン・エフェクト+プッシュボタン」の「カットイン演出B」が20%の確率で決定され、「共通エフェクト+スティックコントローラ」の「カットイン演出B」が24%の確率で決定され、「4Vコン・エフェクト+スティックコントローラ」の「カットイン演出C」が36%の確率で決定されるようになっている。
また、共通エフェクトの操作促進前表示が表示されたとしても、その後に、スティックコントローラ122の操作促進表示が表示された場合(つまり、「共通エフェクト+スティックコントローラ」の場合)には、「共通エフェクト+プッシュボタン」に比べて大当り期待度が高いので、スティックコントローラ122の操作促進表示が表示されることを期待することができ、共通エフェクトの操作促進前表示についても意外性を持たせることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
このように決定確率が設定されていることにより、当該変動表示においてスーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチハズレとなる場合よりも「カットイン演出B」や「カットイン演出C」が実行され易くなっている。また、スーパーリーチハズレである場合については、「カットイン演出A」が実行され易くなっている。つまり、カットイン演出Bやカットイン演出Cの方がカットイン演出Aよりも大当りとなる可能性が高いようになっている。
なお、図42に示すカットイン演出決定用テーブルでは、スーパーリーチ大当りとスーパーリーチハズレとでカットイン演出の内容を同じとしているが、これに限定されない。
以上、本変形例のパチンコ遊技機1によれば、図42に示すように、操作促進前表示の態様(例えば、共通エフェクト、2ボタン・エフェクト、4ボタン・エフェクトまたは4Vコン・エフェクトの何れの操作促進前表示であるか)と操作促進表示の種類(例えば、プッシュボタン120またはスティックコントローラ122の何れの操作促進表示であるか)によって、所定演出として遊技者にとって有利な内容の演出(カットイン演出Cなど)が実行される割合が異なるため、操作促進前表示(促進前報知)の態様と操作促進表示(促進報知)の種類について遊技者を注目させることができる。これにより、遊技の興趣性を向上させることができる。
なお、本変形例では、「所定演出」としてカットイン演出を用いているが、これに限定されない。操作部(プッシュボタン120やスティックコントローラ122など)の操作に対応して実行される各種の演出(例えば、特定のキャラクタなどが登場する演出、背景画像の表示態様が変更される演出、別の表示態様のリーチ演出など)であってもよい。
また、操作促進前表示および操作促進表示は、スーパーリーチ演出中(特定演出中)に実行されるので、操作促進前表示の態様と操作促進表示の種類について遊技者を注目させることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。また、特定演出中としては、本変形例では、パチンコ遊技機1における可変表示中としてもよく、スーパーリーチ演出中に限らず、ノーマルリーチ演出中や非リーチ演出中であってもよい。また、特定演出としては、高速変動時ボタン演出、リーチ成立時ボタン演出、当否煽り演出、連打ボタン演出、長押しボタン演出などであってもよい。また、特定演出中としては、パチンコ遊技機1以外の遊技機(例えばスロットマシン)における単一ゲームの演出中や複数ゲーム間に亘って行われる連続演出中などであってもよい。
また、プッシュボタン120の操作促進表示(第1操作促進表示)およびスティックコントローラ122の操作促進表示(第2操作促進表示)の表示前(実行前)には、共通エフェクトの操作促進前表示(共通の操作促進前表示)が表示される。言い換えれば、共通の操作促進前表示が表示されると、この操作促進前表示の表示後に、プッシュボタン120の操作促進表示(第1操作促進表示)およびスティックコントローラ122の操作促進表示(第2操作促進表示)のどちらが表示されるかに遊技者を注目させることができ、操作部(プッシュボタン120またはスティックコントローラ122)の演出の面白みを向上させることができる。
また、プッシュボタン120の操作促進表示(第1促進報知)の前に実行可能な操作促進前表示(促進前報知)の態様数(例えば図42の共通エフェクト、2ボタン・エフェクトおよび4ボタン・エフェクトの3種類)と、スティックコントローラ122の操作促進表示(第2促進報知)の前に実行可能な操作促進前表示(促進前報知)の態様数(例えば図42の共通エフェクトおよび4Vコン・エフェクトの2種類)とが異なるので、遊技の興趣性を向上させることができる。なお、プッシュボタン120の操作促進表示の前の操作促進前表示の態様数を3種類とし、スティックコントローラ122の操作促進表示の前の操作促進前表示(促進前報知)の態様数を2種類としているが、これらの数に限定されない。また、両者の態様数を同数としてもよい。
また、プッシュボタン120の操作促進表示(第1促進報知)の前に実行可能な操作促進前表示(促進前報知)の態様数(例えば図42の共通エフェクト、2ボタン・エフェクトおよび4ボタン・エフェクトの3種類)よりも、スティックコントローラ122の操作促進表示(第2促進報知)の前に実行可能な操作促進前表示(促進前報知)の態様数(例えば図42の共通エフェクトおよび4Vコン・エフェクトの2種類)の方が少ないので、遊技の興趣性を向上させることができる。本変形例のように、プッシュボタン120の操作促進表示を実行したときよりもスティックコントローラ122の操作促進表示を実行したときの方が有利状態となる期待度(大当り期待度)が高い場合には、スティックコントローラ122の操作促進表示の前の操作促進前表示の態様数がプッシュボタン120の操作促進表示に比べて少なくすることで、スティックコントローラ122の操作促進表示の前の操作促進前表示の態様で必要以上に煽らないようにでき、スティックコントローラ122の操作促進表示(第2促進報知)にしたがって遊技者がスティックコントローラ122の操作(第2動作)をするときの期待感を維持できる。
また、2ボタン・エフェクトまたは4ボタン・エフェクトの操作促進前表示では、プッシュボタン画像が表示されることから、この後にプッシュボタン120の操作促進表示が表示されることが予期できる。また、4Vコン・エフェクトの操作促進前表示では、スティックコントローラ画像が表示されることから、この後にスティックコントローラ122の操作促進表示が表示されるであることが予期できる。このため、どちらの操作促進表示(促進報知)が実行されるが事前にわかるので、遊技者はプッシュボタン120の操作(第1動作)またはスティックコントローラ122の操作(第2動作)の準備が可能となる。
また、パチンコ遊技機1は、操作部として、プッシュボタン120(第1操作部)とスティックコントローラ122(第2操作部)とを備え、プッシュボタン120(第1操作部)の操作を促す操作促進表示(第1操作促進表示)と、スティックコントローラ122(第2操作部)の操作を促す操作促進表示(第2操作促進表示)とにより、遊技者が操作すべき操作部を明確にすることができ、操作部を的確に操作できる遊技機を提供することができる。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において適用することとしてもよい。
また、この実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、この発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。その場合、有効期間中に遊技者の動作にもとづく所定条件が成立した場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態への移行を伴う特別役(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、メダルなどの遊技用価値の付与を伴う小役、または遊技用価値を用いずにゲームを行うことが可能な再遊技の付与を伴う再遊技役に確定したことに対する期待度を報知する演出を実行することとしてもよい。また、所定の当選役が当選したときにこの当選役を入賞させることが可能になるストップスイッチの操作態様(押下順序や押下タイミング)を報知するAT(アシストタイム)への移行、またはリプレイの当選確率が異なるRT(リプレイタイム)への移行に対する期待度を報知する演出や、メダルの払い出し率の設定を示唆する演出を実行することとしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたがこの発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の実施形態に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、
操作手段(例えば、図1に記載のプッシュボタン120、あるいは、図43に記載のプッシュボタン931B等)を備える遊技機であって、
前記操作手段による操作を促進させる操作促進表示(例えば、図38の操作促進画像、もしくは、図59のボタン表示966等)と、量的表示(例えば、図38の第2有効期間ゲージ382、あるいは、図59の有効期間表示988等)を変化可能に表示することにより前記操作手段に対する操作を受け付け可能な有効期間を表示する有効期間表示と、を表示手段にて行う表示制御手段(手段1の構成における「表示制御手段」は、例えば、図2に記載の演出制御基板80、あるいは、図44に記載の演出制御用CPU9120等)と、
遊技者の操作を検出可能な検出手段(例えば、図3に記載のプッシュボタン120への押下操作を検出可能なプッシュセンサ124、あるいは、図44に記載のプッシュボタン931Bへの押下操作を検出可能なプッシュセンサ935B等)と、を備え、
前記表示制御手段は、
遊技者の操作が継続して検出されているときに前記操作促進表示の表示態様を変化させるとともに、遊技者の操作が継続して検出された期間に応じた表示態様へ前記操作促進表示を変化(例えば、図37の促進画像373の表示態様を異なるサイズへ変化させる、あるいは、図59のボタン表示966を異なるサイズへ変化させること等)させ、
前記操作促進表示として、第1操作促進表示と該第1操作促進表示を拡大または縮小させた第2操作促進表示を表示可能(例えば、図59に記載されるように、ボタン表示966を第1促進表示から第2促進表示を表示可能とすること等)であり、
前記第1操作促進表示を行うとともに前記有効期間表示として前記第1操作促進表示に対応した大きさの第1量的表示を変化可能に表示する第1パターンと、前記第2操作促進表示を行うとともに前記有効期間表示として前記第2操作促進表示に対応した大きさの第2量的表示を変化可能に表示する第2パターンと、を実行可能(例えば、図59に記載するように、第1促進表示に対応する大きさの有効期間表示と第2促進表示に対応する大きさの有効期間表示を行うこと等)であり、
前記第1量的表示および前記第2量的表示の変化態様を異ならせることにより、前記第1パターンと前記第2パターンとで同一の有効期間を表示する(例えば、図59に記載するように、例えば、有効期間表示としてのメータの大きさを大きくする一方でメータの減少量を大きくして一定の有効期間を表示すること等)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、操作が継続して検出された期間に応じて操作促進表示、並びに、操作促進表示に伴って表示される量的表示に遊技者を注目させ、遊技上の興趣を向上させることができる。その際、操作促進表示の変化に伴って量的表示の大きさを第1量的表示から第2量的表示に変化させた場合においても、有効期間の表示制御を的確に行うことが可能となる。また、遊技者の操作が継続して検出された期間に応じて、操作を受け付け可能な有効期間の量的表示について、その表示態様を変化させることができる。したがって、遊技者自身が、操作部に対する操作によって、量的表示の表示態様をカスタマイズできるため、遊技者の視認性、あるいは、遊技者の好みに応じた表示態様で量的表示を表示させることが可能となり、興趣を向上させることができる。
なお、操作促進表示について、第1操作促進表示を拡大または縮小により第2操作促進表示へ表示しながらも、有効期間表示については態様を変化させないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の混乱を防止することができる。
さらに、操作促進表示に応じた有効期間の表示制御を的確に行うことができる遊技機の形態の一例として、
操作手段(例えば、プッシュボタン931Bなど)を備える遊技機であって、
前記操作手段による操作を促進させる操作促進表示(例えばボタン表示966など)と、量的表示(例えばメータ表示など)を変化可能に表示することにより前記操作手段に対する操作を受け付け可能な有効期間を表示する有効期間表示(例えば有効期間表示988など)と、を表示手段にて行う表示制御手段(例えば操作演出を実行する演出制御用CPU9120など)を備え、
前記表示制御手段は、
前記操作促進表示として第1操作促進表示と該第1操作促進表示を拡大または縮小させた第2操作促進表示を表示可能であり(例えば第1促進表示から第2促進表示を表示可能であるなど)、
前記第1操作促進表示を行うとともに前記有効期間表示として前記第1操作促進表示に対応した大きさの第1量的表示を変化可能に表示する第1パターンと、前記第2操作促進表示を行うとともに前記有効期間表示として前記第2操作促進表示に対応した大きさの第2量的表示を変化可能に表示する第2パターンと、を実行可能であり(例えば第1促進表示に対応する大きさの有効期間表示と第2促進表示に対応する大きさの有効期間表示を行うなど)、
前記第1量的表示および前記第2量的表示の変化態様を異ならせることにより、前記第1パターンと前記第2パターンとで同一の有効期間を表示する(例えば有効期間表示としてのメータの大きさを大きくする一方でメータの減少量を大きくして一定の有効期間を表示するなど)、ことを特徴とする遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。図43は、この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)91は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)92と、遊技盤92を支持固定する遊技機用枠(台枠)93とから構成されている。遊技盤92には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤92の所定位置(図43に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置94Aと、第2特別図柄表示装置94Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置94Aと第2特別図柄表示装置94Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置94Aと第2特別図柄表示装置94Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置94Aや第2特別図柄表示装置94Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置94Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置94Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置94Aと第2特別図柄表示装置94Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置94Aと第2特別図柄表示装置94Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤92における遊技領域の中央付近には、画像表示装置95が設けられている。画像表示装置95は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置95の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置94Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置94Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置95の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置94Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置94Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置95における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置95の表示領域では、第1特別図柄表示装置94Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置94Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア95Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置95の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア95Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア95Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置96Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置96Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機91が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図43に示す例では、始動入賞記憶表示エリア95Hとともに、第1特別図柄表示装置94A及び第2特別図柄表示装置94Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器925Aと第2保留表示器925Bとが設けられている。第1保留表示器925Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器925Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置95の下方には、普通入賞球装置96Aと、普通可変入賞球装置96Bとが設けられている。普通入賞球装置96Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置96Bは、図44に示す普通電動役物用となるソレノイド981によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置96Bでは、普通電動役物用のソレノイド981がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置96Bでは、普通電動役物用のソレノイド981がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置96Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置96Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置96Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図44に示す第1始動口スイッチ922Aによって検出される。普通可変入賞球装置96Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図44に示す第2始動口スイッチ922Bによって検出される。第1始動口スイッチ922Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ922Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ922Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ922Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置96Aと普通可変入賞球装置96Bの下方には、特別可変入賞球装置97が設けられている。特別可変入賞球装置97は、図44に示す大入賞口扉用となるソレノイド982によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置97では、大入賞口扉用のソレノイド982がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置97では、大入賞口扉用のソレノイド982がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図44に示すカウントスイッチ923によって検出される。カウントスイッチ923によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置97において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置97において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置97において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤92の所定位置(図43に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器920が設けられている。一例として、普通図柄表示器920は、第1特別図柄表示装置94Aや第2特別図柄表示装置94Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器920の上方には、普図保留表示器925Cが設けられている。普図保留表示器925Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート941を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤92の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠93の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ98L、98Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ99が設けられている。パチンコ遊技機91の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置96A、普通可変入賞球装置96B、特別可変入賞球装置97等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠93の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠93の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠93の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機91の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ931Aが取り付けられている。スティックコントローラ931Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ931Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ931Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機91と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤92の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤92の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ931Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン931Bが設けられている。プッシュボタン931Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン931Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン931Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機91における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機91では、遊技領域に設けられた通過ゲート941を通過した遊技球が図44に示すゲートスイッチ921によって検出されたことといった、普通図柄表示器920にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器920による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置96Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置96Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図44に示す第1始動口スイッチ922Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置94Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置96Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図44に示す第2始動口スイッチ922Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置94Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置94Aや第2特別図柄表示装置94Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機91では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置94Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置94Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置97の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置97を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤92の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置97を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置97を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置97を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置97の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置97を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置97を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置97において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置97を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置95に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rでは、第1特別図柄表示装置94Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置94Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置95の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア95L、95Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア95Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置95の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置95における表示動作のみならず、スピーカ98L、98Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ99などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板911の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板911の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板912の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア95L、95Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア95Lと「右」の飾り図柄表示エリア95Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄や「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置95における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちのいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態における所定のラウンドの実行中、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御するか否か(特典としての確変が付与されるか否か)の特典付与演出となる大当り中昇格演出が実行される。詳しくは後述するが、大当り中昇格演出では、例えば、画像表示装置95の表示領域にてキャラクタ同士が戦うバトル演出が行われればよい。そして、メインキャラクタの勝利や敗北などにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる昇格の有無(特典としての確変が付与されるか否か)を遊技者が認識できるように報知すればよい。なお、大当り中昇格演出は、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中ではなく、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて行われてもよい。また、なお、大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態となる旨を報知する(特典が付与されることを報知する)大当り中昇格成功演出と、確変状態とならない旨を報知する(特典が付与されないことを報知する)大当り中昇格失敗演出とがある。そして、大当り中昇格成功演出が実行された場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御される。一方、大当り中昇格失敗演出が行われた場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御されず(非確変状態)、時短状態に制御される。確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。時短状態は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が、通常状態に比べて短縮される遊技状態である。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機91の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。このような時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了する。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器920による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置96Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置94Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる(遊技者にとって有利な遊技状態となる)。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機91における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施の形態における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態である。また、確変状態は、高確高ベース状態とも称される遊技状態である。すなわち、大当り中昇格成功演出が実行された場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御されることから、高確高ベース状態に制御されることとなる。一方、大当り中昇格失敗演出が行われた場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御されず(非確変状態)、時短状態に制御されることから、低確高ベース状態に制御されることとなる。
確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないものが含まれていてもよい。一例として、特図ゲームにおける可変表示結果が「確変大当り」となったことに基づく15ラウンド大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御される。その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば100回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしてもよい。また、通常状態であるときに特図ゲームにおける可変表示結果が「突確大当り」となったことに基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第2確変状態へと移行して、確変制御のみが行われ、時短制御や高開放制御は行われないようにしてもよい。その一方で、確変状態や時短状態であるときに特図ゲームにおける可変表示結果が「突確大当り」となったことに基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第1確変状態へと移行して、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるようにしてもよい。あるいは、「確変大当り」に基づく15ラウンド大当り状態の終了後には、再び特図表示結果が「大当り」となるまで第1確変状態に制御される一方、「突確大当り」に基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第1確変状態に移行して、特図表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときに、第2確変状態へと移行するようにしてもよい。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了と必ずしも連動するものでなくてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御されればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
パチンコ遊技機91には、例えば図44に示すような主基板911、演出制御基板912、音声制御基板913、ランプ制御基板914といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機91には、主基板911と演出制御基板912との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板915なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機91における遊技盤92などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板911は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機91における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板911は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板912などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板911は、第1特別図柄表示装置94Aと第2特別図柄表示装置94Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器920の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器920による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板911には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ9100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ9100に伝送するスイッチ回路9110、遊技制御用マイクロコンピュータ9100からのソレノイド駆動信号をソレノイド981、982に伝送するソレノイド回路9111などが搭載されている。
演出制御基板912は、主基板911とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板915を介して主基板911から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置95、スピーカ98L、98R、遊技効果ランプ99といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板912は、画像表示装置95における表示動作や、スピーカ98L、98Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ99などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板913は、演出制御基板912とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板912からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ98L、98Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板914は、演出制御基板912とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板912からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ99などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図44に示すように、主基板911には、ゲートスイッチ921、第1始動口スイッチ922A、第2始動口スイッチ922B、カウントスイッチ923からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ921、第1始動口スイッチ922A、第2始動口スイッチ922B、カウントスイッチ923は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板911には、第1特別図柄表示装置94A、第2特別図柄表示装置94B、普通図柄表示器920、第1保留表示器925A、第2保留表示器925B、普図保留表示器925Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板911から演出制御基板912に向けて伝送される制御信号は、中継基板915によって中継される。中継基板915を介して主基板911から演出制御基板912に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置95における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ98L、98Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ99や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板911に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ9100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)9101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)9102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)9103と、CPU9103とは独立して乱数値を示す数値データ更新を行う乱数回路9104と、I/O(Input/Output port)9105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ9100では、CPU9103がROM9101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機91における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU9103がROM9101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU9103がRAM9102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU9103がRAM9102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU9103がI/O9105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ9100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU9103がI/O9105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ9100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
乱数回路9104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU9103は、例えばRAM9102に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路9104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを定期的あるいは不定期に更新することで、各種の乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。CPU9103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路9104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路9104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ9100が備えるROM9101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM9101には、CPU9103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM9101には、CPU9103が主基板911から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図45は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合と「突確」である場合、さらには、可変表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。スーパーリーチ変動パターンには、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに関わらず、スーパーリーチA、スーパーリーチBといった態様のリーチ演出がある。なお、図示する例では、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合に対応した変動パターンにおいて「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出を行う例を示しているが、ノーマルリーチ変動パターンやスーパーリーチ変動パターンなど、その他の変動パターンにおいても「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が行われてもよい。
図44に示す遊技制御用マイクロコンピュータ9100が備えるRAM9102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機91に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。このようなRAM9102には、パチンコ遊技機91における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ9100が備えるI/O9105は、遊技制御用マイクロコンピュータ9100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ9100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図44に示すように、演出制御基板912には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU9120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM9121と、演出制御用CPU9120のワークエリアを提供するRAM9122と、画像表示装置95における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部9123と、演出制御用CPU9120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路9124と、I/O9125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板912では、演出制御用CPU9120がROM9121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU9120がROM9121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU9120がRAM9122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU9120がRAM9122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU9120がI/O9125を介して演出制御基板912の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU9120がI/O9125を介して演出制御基板912の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU9120、ROM9121、RAM9122は、演出制御基板912に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板912には、画像表示装置95に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板913に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板914に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板912には、スティックコントローラ931Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット935Aから伝送するための配線や、プッシュボタン931Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ935Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板912では、例えば乱数回路9124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図44に示す演出制御基板912に搭載されたROM9121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM9121には、演出制御用CPU9120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM9121には、演出制御用CPU9120が各種の演出装置(例えば画像表示装置95やスピーカ98L、98R、遊技効果ランプ99及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機91における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機91における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
演出制御用CPU9120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU9120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM9121から読み出してRAM9122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM9121における記憶アドレスを、RAM9122の所定領域に一時記憶させて、ROM9121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU9120から表示制御部9123や音声制御基板913などに対して出力される。演出制御用CPU9120からの指令を受けた表示制御部9123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU9120からの指令を受けた音声制御基板913では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。
演出制御基板912に搭載されたRAM9122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域が設けられている。
次に、この実施例におけるパチンコ遊技機91の動作(作用)を説明する。
主基板911では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ9100が起動し、CPU9103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU9103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM9102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ9100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU9103へ送出され、CPU9103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機91の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU9103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU9103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路9110を介してゲートスイッチ921、第1始動口スイッチ922A、第2始動口スイッチ922B、カウントスイッチ923といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS911)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機91の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS912)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機91の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS913)。
情報出力処理に続いて、主基板911の側で用いられる乱数値MR1〜MR3といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS914)。この後、CPU9103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS915)。特別図柄プロセス処理では、RAM9102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機91における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置94Aや第2特別図柄表示装置94Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置97における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS916)。CPU9103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器920における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置96Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU9103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板911から演出制御基板912などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS917)。一例として、コマンド制御処理では、RAM9102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O9105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板912に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図46は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU9103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS9101)。図47は、始動入賞判定処理として、図46のステップS9101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図47に示す始動入賞判定処理において、CPU9103は、まず、普通入賞球装置96Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ922Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ922Aがオンであるか否かを判定する(ステップS9201)。このとき、第1始動口スイッチ922Aがオンであれば(ステップS9201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS9202)。CPU9103は、例えばRAM9102に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS9202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS9202;No)、例えばRAM9102に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS9203)。
ステップS9201にて第1始動口スイッチ922Aがオフであるときや(ステップS9201;No)、ステップS9202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS9202;Yes)、普通可変入賞球装置96Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ922Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ922Bがオンであるか否かを判定する(ステップS9204)。このとき、第2始動口スイッチ922Bがオンであれば(ステップS9204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS9205)。CPU9103は、例えばRAM9102に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS9205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS9205;No)、例えばRAM9102に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS9206)。
ステップS9203、S9206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS9207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS9208)。例えば、RAM9102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS9208の処理を実行した後に、CPU9103は、乱数回路9104やRAM9102のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS9209)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。CPU9103は、ステップS9209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。なお、この実施の形態では、ステップS9209の処理にて乱数値MR1および乱数値MR2を抽出しているが、上述してように、乱数値MR2は大当り種別を決定するために用いられる乱数値であるため、乱数値MR1の判定結果が「大当り」である場合にのみ抽出されるようにしてもよい。なお、この場合、後述する図49のステップS9241にてYesと判定された後に乱数値MR2が抽出されればよい。
こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS9210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、図48(A)に示すような第1特図保留記憶部9151Aに乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、図48(B)に示すような第2特図保留記憶部9151Bに乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる。
図48(A)に示す第1特図保留記憶部9151Aは、普通入賞球装置96Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置94Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部9151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU9103により乱数回路9104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部9151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
図48(B)に示す第2特図保留記憶部9151Bは、普通可変入賞球装置96Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置94Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部9151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU9103により乱数回路9104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部9151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
図47に示すステップS9210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS9211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM9101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板912に対して、第1特別図柄表示装置94Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM9101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板912に対して、第2特別図柄表示装置94Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板911から演出制御基板912に対して伝送される。
その後、例えばROM9101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板912に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンド、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う(ステップS9212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板911から演出制御基板912に対して伝送される。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
ステップS9212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS9213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS9213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS9214)、ステップS9204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS9213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS9215)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ922Aと第2始動口スイッチ922Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図46のステップS9101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU9103は、RAM9102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS9110〜S9120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS9110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部9151Aや第2特図保留記憶部9151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置94Aや第2特別図柄表示装置94Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置94Aや第2特別図柄表示装置94Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS9111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS9110の特別図柄通常処理やステップS9111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS9112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置94Aや第2特別図柄表示装置94Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS9112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM9102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置94Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置94Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS9112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置94Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置94Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS9113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置94Aや第2特別図柄表示装置94Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM9102に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。また、ステップS9113の特別図柄停止処理には、時短状態の終了判定を行い、終了する場合には演出制御基板912の側にその旨を通知するコマンドを送信する設定を行う処理が含まれている(当該コマンド自体は上述したコマンド制御処理にて演出制御基板912などのサブ側の制御基板に対して伝送される)。
ステップS9114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS9115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ923によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド982に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。また、ステップS9115の大当り開放中処理には、カウントスイッチ923によって遊技球が検出されたことに応じてその旨を示す賞球コマンドを演出制御基板912の側へ送信する設定を行う処理が含まれている(当該コマンド自体は、上述したコマンド制御処理にて演出制御基板912などのサブ側の制御基板に対して伝送される)。
ステップS9116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS9117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置95やスピーカ98L、98R、遊技効果ランプ99などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変状態や時短状態の開始設定)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS9118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS9119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド982に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS9120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置95やスピーカ98L、98R、遊技効果ランプ99などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機91における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図49は、特別図柄通常処理として、図46のステップS9110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図49に示す特別図柄通常処理において、CPU9103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS9231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置94Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS9231の処理では、RAM9102に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS9231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS9231;No)、第2特図保留記憶部9151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS9232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS9232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部9151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS9233)。また、ステップS9233の処理では、RAM9102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS9234)。
ステップS9231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS9231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS9235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置94Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS9235の処理では、RAM9102にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS9235の処理は、ステップS9231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS9235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS9235;No)、第1特図保留記憶部9151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS9236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS9236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部9151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1、MR2示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS9237)。また、ステップS9237の処理では、RAM9102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS9238)。
ステップS9234、S9238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS9239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、図50(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル9130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、図50(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル9130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。
第1特図表示結果決定テーブル9130Aは、第1特別図柄表示装置94Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル9130Bは、第2特別図柄表示装置94Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル9130Aでは、パチンコ遊技機91における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル9130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル9130Aや第2特図表示結果決定テーブル9130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル9130Aと第2特図表示結果決定テーブル9130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機91において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル9130Aと第2特図表示結果決定テーブル9130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機91における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル9130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル9130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置94Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置94Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置96Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル9130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル9130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル9130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル9130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図49に示すステップS9239の処理に続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS9240)。
ステップS9239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS9240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル9130Aや第2特図表示結果決定テーブル9130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル9130Aや第2特図表示結果決定テーブル9130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS9240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS9241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS9241;Yes)、RAM9102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS9242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図51に示す大当り種別決定テーブル9131を選択してセットする(ステップS9243)。
大当り種別決定テーブル9131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル9131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置94Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置94Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル9131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置94Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置94Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置96Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図49に示すステップS9243にてセットされた大当り種別決定テーブル9131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS9244)。
ステップS9244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えばRAM9102に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS9245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS9241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS9241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS9246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS9246;Yes)、RAM9102に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS9247)。
ステップS9246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS9246;No)、ステップS9245、S9247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS9248)。一例として、ステップS9246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS9246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS9241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS9244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS9248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS9249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS9235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS9235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS9250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置95において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板911から演出制御基板912に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図52は、変動パターン設定処理として、図46のステップS9111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図52に示す変動パターン設定処理において、CPU9103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS9261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS9261;Yes)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図53(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル9132Aを選択してセットする(ステップS9262)。また、例えばRAM9102に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS9263)。
大当り変動パターン決定テーブル9132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン決定テーブル9132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、及び変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブル9132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、及び変動パターンPB4−2に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り変動パターン決定テーブル9132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、及び変動パターンPB4−2に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、及び変動パターンPB4−2に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り状態に制御される場合には、通常開放大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターンに決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機91における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機91における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、この実施の形態では、大当り種別が「非確変」の場合の方が、「確変」の場合よりも、多くの決定値がノーマルリーチの変動パターンを示す変動パターンPA4−1に割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当り種別が「非確変」となるよりも「確変」となる可能性が高くなるため、遊技者に期待を抱かせることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、図53(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル9132Aでは、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンPB4−1よりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンPB4−2の方が多くの決定値が割り当てられている。
図52に示すステップS9261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS9261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS9264)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS9264;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図53(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル9132Bを選択してセットする(ステップS9265)。
ステップS9264にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS9264;No)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図53(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブル9132Cを選択してセットする(ステップS9267)。例えばRAM9102に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを特定する(ステップS9268)。
ハズレ変動パターン決定テーブル9132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ハズレ変動パターン決定テーブル9132Cでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン決定テーブル9132Cとでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、ハズレ変動パターン決定テーブル9132Cでは、図53(A)の大当り変動パターン決定テーブル9132Aとは対象的に、スーパーリーチのリーチ演出を行う変動パターンに割り当てられている決定値よりも、多くの決定値が非リーチの変動パターンに割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当りとなる期待度が高くなっている。また、ハズレ変動パターン決定テーブル9132Cでは、図53(A)の大当り変動パターン決定テーブル9132Aとは対象的に、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンPB2−1よりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンPB2−2の方が少なくなるように、決定値が割り当てられている。したがって、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が、リーチ演出が実行された場合に大当りとなる期待度が高くなっている。したがって、実行されるリーチ演出の種類にも遊技者の注目を集めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
図52に示すステップS9263、S9265、S9268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS9269)。ここで、ステップS9269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置94Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置94Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン決定テーブル9132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS9263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU9103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターンのうちから、いずれかの変動パターンに決定できればよい。
小当りフラグがオンであるときには、小当り変動パターン決定テーブル9132Bを参照し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU9103は、特図表示結果を「小当り」にする決定結果に対応して予め用意された変動パターンに決定できればよい。
大当りフラグと小当りフラグがともにオフであるときには、ステップS9269の処理にて変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS9269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS9269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS9270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS9270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置94Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置94Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS9271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置94Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置94Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS9271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS9272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU9103は、主基板911から演出制御基板912に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM9101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、RAM9102に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU9103は、主基板911から演出制御基板912に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM9101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
ここで、第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置94Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置94Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置95における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定するコマンドである。遊技状態指定コマンドは、パチンコ遊技機91における現在の遊技状態を指定するコマンドである。
ステップS9272でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから所定のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板911から演出制御基板912に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS9273)、変動パターン設定処理を終了する。
図54は、図46のステップS9113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図54に示す特別図柄停止処理において、CPU9103は、まず、例えばRAM9102に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS9291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS9295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS9291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS9291;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS9292)。このときには、飾り図柄停止コマンドを演出制御基板912に対して送信するための設定を行う(ステップS9293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS9294)。例えば、ステップS9294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、RAM9102に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS9295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS9292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS9294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS9291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS9291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS9291;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS9296)。例えば、ステップS9296の処理では、ステップS9294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。ステップS9296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS9296;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS9296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS9296;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS9297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS9298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS9298;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS9299)。また、当り開始指定コマンドを主基板911から演出制御基板912に対して送信するための設定を行う(ステップS9300)。例えば、ステップS9300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM9101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS9300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS9301)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS9302)。例えば、ステップS9302の処理として、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、高ベース中において実行される特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS9303)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS9298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS9298;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS9304)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS9304;Yes)、小当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS9305)。続いて、特図表示結果が「小当り」となったことに対応した当り開始指定コマンドを主基板911から演出制御基板912に対して送信するための設定を行う(ステップS9306)。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS9307)。また、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS9308)。
ステップS9304にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS9304;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する(ステップS9309)。ステップS9308、S9309の処理のいずれかを実行した後には、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了させるか否かの判定を行い(ステップS9311)、終了させる場合には(ステップS9311;Yes)、時短制御や高開放制御などを終了させるとともに、時短状態の終了を示す時短終了コマンドを送信する設定を行ってから(ステップS9312)特別図柄停止処理を終了する。一方、終了させない場合には(ステップS9311;No)、そのまま特別図柄停止処理を終了する。例えば、ステップS9311の処理では、時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」など)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、特別図柄停止処理を終了すればよい。なお、遊技状態が確変状態であるときでも時短フラグがオンであれば時短制御を終了するか否かの判定を行い、終了するとの判定結果に基づき時短制御を終了するようにしてもよい。こうして時短制御を終了する一方で、確変制御については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させてもよい。これにより、遊技状態が潜伏確変中となることができる。なお、時短フラグがオンであるとともに確変フラグがオンとなっている確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続して時短制御が行われる。
また、ステップS9311の処理では、例えばRAM9102に設けられたランダムカウンタから、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM9101などに格納された確変制御終了判定テーブルを参照すること、あるいは、確変制御中における特図ゲームの実行回数が所定の確変終了判定値に達したことなどにより、確変制御を終了するか否かの判定を行うようにしてもよい。これに対して、ステップS9311の処理では、確変制御を終了するための処理を実行せず、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御を継続させるようにしてもよい。
次に、演出制御基板912における動作を説明する。
演出制御基板912では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU9120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU9120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM9122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板912に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板912の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板911から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板911からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU9120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU9120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O9125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板915を介して主基板911から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM9122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU9120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板911の遊技制御用マイクロコンピュータ9100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置95の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ98L、98Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ99及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板911から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM9122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図55は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図55に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU9120は、例えばRAM9122などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS9170〜S9177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS9170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板911からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置95における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS9171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置94Aや第2特別図柄表示装置94Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置95における飾り図柄の可変表示の実行設定や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。また、可変表示開始設定処理には、後述する操作演出設定処理を行う処理などが含まれている。
ステップS9172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU9120は、RAM9122に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。また、可変表示中演出処理では、示唆演出や切替示唆演出を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板911から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板911からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板912の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS9173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU9120は、主基板911から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。また、ステップS9173の特図当り待ち処理には、当り開始指定コマンドが「突確」を除く大当り遊技状態の開始を指定する場合に、上述した大当たり中昇格演出の実行設定を行う処理などが含まれている。
ステップS9174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU9120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置95の表示画面に表示させることや、音声制御基板913に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ98L、98Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板914に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ99や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板911からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS9175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU9120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置95の表示画面に表示させることや、音声制御基板913に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ98L、98Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板914に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ99や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS9176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU9120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置95の表示画面に表示させることや、音声制御基板913に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ98L、98Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板914に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ99や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、大当たり中昇格演出や報知演出を実行する制御が行われる。また、大当り中演出処理では、例えば主基板911からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS9177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU9120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置95の表示画面に表示させることや、音声制御基板913に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ98L、98Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板914に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ99や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図56は、可変表示開始設定処理として、図55のステップS9171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図56に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU9120は、まず、例えば主基板911から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS9551)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS9551;Yes)、例えば主基板911から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS9552)。
ステップS9552にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS9552;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS9553)。一例として、ステップS9553の処理では、まず、RAM9122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM9121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置95の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア95Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、RAM9122に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM9121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置95の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア95Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、RAM9122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM9121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置95の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア95Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS9552にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS9552;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS9554)。一例として、ステップS9554の処理では、まず、RAM9122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM9121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置95の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア95L、95Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、RAM9122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM9121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置95の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア95Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS9551にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS9551;No)、特図表示結果が「小当り」または「突確」であるか否かを判定する(ステップS9555)。「小当り」または「突確」であると判定されたときには(ステップS9555;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「小当り」や「突確」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS9557)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、RAM9122に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM9121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS9525にて「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS9555;Yes)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS9556)。一例として、ステップS9556の処理では、まず、RAM9122のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM9121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置95の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに関わらず、ステップS9556の処理では、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。
ステップS9553、S9554、S9556の処理のいずれかを実行した後には、操作演出を実行するか否かなどを決定する操作演出設定処理を実行する(ステップS9559)。この実施の形態における操作演出は、可変表示開始直後からリーチ状態となるまでの期間(リーチ状態とならない場合も含む)に行われる演出であり、遊技者にプッシュボタン931Bの操作を促す表示(操作促進表示)を行い、当該遊技者によるプッシュボタン931Bの操作に対応して大当り期待度を報知する演出である(図59参照)。具体的に、この実施の形態における操作演出では、操作促進表示としてプッシュボタン931Bの画像を表示するとともに、遊技者によるプッシュボタン931Bの操作(例えば連打操作)を受け付け可能とする有効期間(例えば8秒間)を示すメータを表示する(有効期間表示)。有効期間は、量的表示としてのメータを時間経過とともに減少させて表示することにより、遊技者が残りの有効期間を認識できるものとなっている(すなわち、有効期間表示は、量的表示としてのメータ表示を含むものとなっており、メータ量により有効期間の残量を示している)。また、この実施の形態における操作演出では、操作演出の開始直後に表示された操作促進表示および有効期間表示が時間経過とともに大きくなるように表示される。より具体的には、操作促進表示としてのプッシュボタン931Bの画像が時間経過とともに徐々に大きくなるように表示されるとともに、有効期間表示としてのメータの大きさも大きくなるように表示される(量的表示としてのメータが大きくなることにより、有効期間表示が大きくなる)。なお、有効期間は時間経過に伴い少なくなることから、当該操作演出では、有効期間表示としてのメータの大きさが大きくなる一方、メータの減少量は大きくなる。これにより一定の有効期間(8秒間)を示している。そして、有効期間の終了後に、遊技者によるプッシュボタン931Bの連打操作に応じて大当り期待度が報知されることで操作演出が終了する。なお、操作演出開始直後に表示される操作促進表示(開始直後なので小さい表示)を第1促進表示といい、当該第1促進表示に対応する大きさの有効期間表示(より具体的にはメータ表示)を第1量的表示というものとする。また、有効期間終了直前に表示される操作促進表示(終了直前なので大きい表示)を第2促進表示といい、当該第2促進表示に対応する大きさの有効期間表示(具体的にはメータ表示)を第2量的表示というものとする。なお、量的表示は、遊技者が有効期間を特定できる表示であればよく、第1操作促進表示に対応した第1態様の表示と、第2促進表示に対応した第2態様の表示を含む表示であればよい。例えば、量的表示は、上述したメータ量が減少していくメータ表示の他、メータの色が変化するもの、メモリの量が変化するもの、風船がしぼんでいったり、氷が溶けていったりするものなど、実行される演出内容に応じた表示であってよい。また例えば第1操作促進表示に対応する第1量的表示としてメータ量が減少していくパターンを実行した場合に、第2操作促進表示に対応する第2量的表示として氷が溶けていくパターンを実行するなど、操作促進表示の態様(操作演出のパターンであってもよい)に応じて、異なる概念の表示を適用するようにしてもよい。なお、メモリの量が変化するものについては、通常のサイズから、通常よりも大きなサイズ(大サイズ)に一気に拡大させ(例えば2倍)、通常のサイズが1メモリ減少するのに対し、大サイズが2メモリ減少するなどして第1量的表示および第2量的表示としてもよい。また、風船がしぼんでいったり、氷が溶けていったりするパターンであれば、通常のサイズから通常よりも大きなサイズに変化するときに、風船や氷の色を変化させてもよい。また、氷の形状を変化させてもよい。
ステップS9559の操作演出設定処理では、図57に示す操作演出実行決定テーブルを参照して、操作演出の実行有無と種類(パターン)を決定する。図57は、所定演出実行決定テーブルの構成例を示す図である。この実施の形態では、図示するように、操作演出を実行しないことを示す「実行無し」の他、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」といった種類の操作演出が設定されている。なお、図56のステップS9559の処理では、操作演出を実行すると決定された場合に、操作演出の実行期間(操作演出期間)と遊技者による操作を受け付け可能とする有効期間も合わせて設定される。
パターンA〜Cは、各々異なる態様の操作演出として定められている。パターンA〜Cは、いずれも図59に示すように、山道を登っていく画像が表示されるとともに、プッシュボタン931Bに対する操作を促す演出である。この実施の形態では、例えば、「パターンA」は図59に示すように、キャラクタが山道を登っていく過程で、当該キャラクタと、操作促進表示としてのボタン表示966と、操作促進表示に対応する大きさの有効期間表示988が(メータ表示)当該操作演出期間中継続して視認可能となるパターンの操作演出である。「パターンB」は、同様に山道を登っていく画像が表示されるが、キャラクタの目線から見える範囲の画像が表示される。具体的に、操作演出開始時には図59(A)に示すように山道全体が表示されるものの(キャラクタは表示されない)、図59に示す曲がり角Xの地点まではボタン表示966および有効期間表示988が視認できず、曲がり角Xを曲がった際にボタン表示966および有効期間表示988が視認可能となるパターンの操作演出である。すなわち、「パターンB」は、当該操作演出の開始時にはボタン表示966および有効期間表示988が視認可能となるが、途中の期間においてボタン表示966および有効期間表示988が視認不可能となった後に、再度ボタン表示966および有効期間表示988が視認可能となるパターンの操作演出である。なお、上述したように、ボタン表示966および有効期間表示988は時間経過とともに徐々に大きく表示されるため、一旦視認不可能となった後再度視認可能となるときには、当該操作演出の開始時よりも再度ボタン表示966および有効期間表示988が大きく表示されることとなる。「パターンC」も、「パターンB」同様に山道を登っていく画像が表示され、キャラクタの目線から見える範囲の画像が表示されるが、「パターンB」では曲がり角Xを曲がるまでの期間はボタン表示966および有効期間表示988が視認できないのに対し、「パターンC」では、有効期間表示988が別途表示される(具体的に画像表示装置95の遊技者にとって左上側など)とともに、時間経過とともに徐々に大きく表示されるパターンの操作演出である(曲がり角Xを曲がった後は元の位置にて有効期間表示988が表示されればよい)。すなわち、「パターンC」は、当該操作演出の開始時にボタン表示966および有効期間表示988が視認可能となった後、途中の期間においてボタン表示966が視認不可能となるとともに有効期間表示988が別途表示され、その後再度ボタン表示966および有効期間表示988が視認可能となるパターンの操作演出である。なお、操作演出の種類およびパターンはこれらに限らず、各々は任意であり、メッセージが表示されてもよく、またその態様などが異なるなどといったパターンであってもよい。また、操作演出の種類は1種類のみであってもよい。また、パターンA〜Cは、いずれも図59に示すように、山道を登っていく画像が表示される例を示したが、各々で異なる画像が表示されてもよい。
図57に示すように、この実施の形態における操作演出実行決定テーブルでは、操作演出が実行された場合の方が、実行されない場合よりもスーパーリーチや大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。また、操作演出が実行された場合に、パターンAよりもパターンBの方が、パターンBよりもパターンCの方が、大当りとなる可能性が(大当り信頼度が)高くなるように設定されている。そのため、操作演出が実行されるか否か、および実行される場合における操作演出の種類について、遊技者の注目を集めることができる。なお、このように、操作演出の実行有無と種類とを一度に決定する構成でなくともよく、操作演出の実行有無と種類とを別々に決定する構成としてもよい。また、特定の大当りの変動パターンが決定された場合には、特定のパターンの操作演出が必ず実行されるように構成することで、大当り確定となるパターンの操作演出があってもよい。例えば、この実施の形態における操作演出は、上述したように操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示が表示され、その後第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれが拡大表示されて操作演出が終了する例を示したが、例えば、操作演出開始直後に第2促進表示および第2量的表示が表示され、そのまま終了するパターンの操作演出があってもよく、この場合には大当り確定となってもよい。
また、この実施の形態における操作演出では、上述したように、遊技者によるプッシュボタン931Bの操作に対応して大当り期待度を報知する。具体的に、操作演出の開始とともに有効期間が開始され、当該有効期間中のプッシュボタン931Bの連打操作に対応して図59の画像表示装置95の右側部分の徐々に増加するとともに、有効期間の終了(すなわち操作演出の終了)に伴って当該期待度メータ999が確定することで、大当り期待度を報知する。なお、この実施の形態における操作演出では、有効期間の終了(すなわち操作演出の終了)直前までは、図59における期待度メータ999の「中」の部分までしか期待度メータ999が増加しないようになっており、有効期間が終了することで、「大」や「小」のいずれかにメータ量が増減して確定するか、「中」のままのメータ量として確定するようになっている。すなわち、有効期間終了時までいずれの期待度となるか、遊技者に期待感を持たせることができるようになっている。なお、上述したように、操作演出が実行された場合に、パターンAよりもパターンBの方が、パターンBよりもパターンCの方が、大当りとなる可能性が(大当り信頼度が)高くなるように設定されている。そのため、パターンAよりもパターンBの方が、パターンBよりもパターンCの方が、有効期間終了時に「大」の部分までメータ量が増加する割合が高くなっている(「小」に減少する割合はその逆となっている)。なお、この実施の形態では、プッシュボタン931Bの連打操作における1回の操作に応じた期待度メータ999の増加量は、パターンに関わらず共通であるが、例えば、大当り期待度が高いほど増加量が小さくなってもよいし、その逆であってもよい。これによれば、操作に応じた期待度メータ999の増加量に対する遊技者の注目を集めることができる。なお、期待度メータ999のメータ量が「大」、「中」、「小」のいずれかに確定するかを、図56のステップS9559の処理にて合わせて決定してもよいし、操作演出を実行すると決定した場合に、別途可変表示結果に応じて決定するようにしてもよい。
図56に戻り、ステップS9559の処理を実行した後、またはステップS9557の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS9560)。演出制御用CPU9120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、ROM9121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM9122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS9561)。
そして、画像表示装置95における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS9562)。このときには、例えばステップS9560にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部9123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置95の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア95L、95C、95Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS9563)、可変表示開始設定処理を終了する。
図58は、図57のステップS9172において実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図58に示す可変表示中演出処理を開始すると、演出制御用CPU9120は、まず、演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS9801)。演出制御用CPU9120は、例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば、1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS9801にて可変表示時間が経過していないと判定した場合(ステップS9801;No)、演出制御用CPU9120は、操作演出期間であるか否かを判定する(ステップS9804)。操作演出期間は、図56のステップS9559の処理にて操作演出を行うと決定された場合に、当該操作演出に応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。なお、操作演出期間の始期は、可変表示の実行開始直後(例えば数秒後)に定められている。
操作演出期間であると判定した場合(ステップS9804;Yes)、演出制御用CPU9120は、操作演出の演出制御を実行する(ステップS9805)。これにより、パターンA〜Cのいずれかの操作演出が実行される。なお、ステップS9805の処理では、上述したように、有効期間中の遊技者によるプッシュボタン931Bの連打操作に応じて期待度メータ999が徐々に増加するとともに、有効期間の終了(すなわち操作演出の終了)に伴って当該期待度メータ999のメータ量が確定することで、大当り期待度を報知する処理も行われる。また、ステップS9805の処理では、実行されるパターンにしたがって操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示が表示され、その後第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれが拡大表示されて操作演出が終了する処理が行われればよい(「パターンC」の場合には、上述したように有効期間表示988が別途表示される処理も行われればよい)。ステップS9805の処理を実行した後、またはステップS9804にて操作演出期間でないと判定した場合(ステップS9804;No)、演出制御用CPU9120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS9806)。リーチ演出期間は、例えば、変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出期間であると判定した場合(ステップS9806;Yes)、演出制御用CPU9120は、リーチ演出用の背景画像を表示するなど、リーチ演出を実行するための制御を行う(ステップS9807)。
ステップS9807の処理の実行後、またはステップS9806にてリーチ演出期間でないと判定した場合(ステップS9806;No)、演出制御用CPU9120は、変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行い(ステップS9808)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS9801にて可変表示時間が経過したと判定した場合(ステップS9801;Yes)、主基板911から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS9809)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS9809;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。
ステップS9809にて図柄確定コマンドの受信があった場合(ステップS9809;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、表示制御部9123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS9810)。続いて、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS9811)。次に、演出制御用CPU9120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である「3」に更新し(ステップS9812)、可変表示中演出処理を終了する。
図59は、パターンAの操作演出が実行された場合における演出動作例を示す図である。図59(A)は、操作演出が開始された直後の演出動作例を示しており、図示するように、操作促進表示としてのボタン表示966と有効期間表示として有効期間表示988が表示されている。なお、図59(A)に示すボタン表示966および有効期間表示988は、操作演出開始直後であるため、それぞれ第1促進表示、第1量的表示に対応する。また、操作演出開始直後であるため、画像表示装置95の右側の期待度メータ999のメータは増加していない。図59(B)は、操作演出が開始されてから(図59(A)の状態から)所定期間経過後(例えば3秒後)の状態を示しており、図示するように、表示されたキャラクタが曲がり角X地点まで進んだ状態を示している。図59(B)に示すように、図59(A)に示す状態から時間経過に伴い、ボタン表示966および有効期間表示988が拡大表示される。また、これにしたがって、有効期間の残量を示すメータの減少量が大きくなっている。また、図59(B)に示す例では、図59(A)に示す状態から当該図59(B)に示す状態までの間に行われた遊技者の連打操作に対応して、画像表示装置95の右側の期待度メータ999のメータが、図示する量増加した例を示している。その後、ボタン表示966および有効期間表示988がさらに拡大して第2促進表示および第2量的表示が表示され、有効期間が終了、すなわち操作演出が終了するとともに、期待度メータ999のメータ量が「大」、「中」、「小」のいずれかに確定する。パターンBおよびパターンCの操作演出が実行された場合、操作演出開始直後は、図59(A)に示す例と比較して、キャラクタが表示されない(キャラクタの目線で見える部分が表示される)以外は同様の表示が行われる。そして、図59(B)に示すように曲がり角X地点まで進んだ状態となるまでの期間、パターンBの操作演出では、ボタン表示966および有効期間表示988が視認できず、パターンCの操作演出では、ボタン表示966が視認できないものの、有効期間表示988が時間経過とともに拡大して別途表示される。そして、曲がり角X地点まで進んだ状態となると、パターンBおよびパターンCの両方において、ボタン表示966および有効期間表示988が拡大表示される(パターンCの場合には、元の位置にて有効期間表示988が拡大表示される)。
以上説明したように、この実施の形態におけるパチンコ遊技機91によれば、以下の効果を奏することができる。
演出制御用CPU9120は、操作演出開始直後に操作促進表示(開始直後なので小さい表示)として第1促進表示とを表示するとともに、当該第1促進表示に対応する大きさの有効期間表示(より具体的にはメータ表示)を第1量的表示として表示し、時間経過とともに操作促進表示および有効期間表示を徐々に大きくなるように表示する。さらに、有効期間表示としてのメータの減少量を時間経過とともに徐々に大きくすることで、一定の有効期間となるよう制御する。したがって、ボタン表示966のサイズに応じた有効期間表示988を表示するため、操作促進表示に応じた有効期間の表示制御を的確に行うことができる。
また、演出制御用CPU9120は、操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示を表示した後、時間経過とともに第2促進表示および第2量的表示のサイズまで拡大して表示する。したがって、操作促進表示および有効期間表示を強調させることができる。また、時間経過とともに第2促進表示および第2量的表示のサイズまで拡大して表示した後、拡大表示を終了するとともに、操作演出を終了するため、操作促進表示および有効期間表示を強調させることができる。
また、演出制御用CPU9120は、有効期間表示としてメータを表示するとともに、時間経過とともに、メータのサイズを拡大して表示する。また、それに伴い、一定の有効期間を表示するため、メータの減少量を大きくする。すなわち、メータのサイズが大きくなったことに合わせて減少速度を早くする。したがって、操作促進表示に応じた有効期間の表示制御を的確に行うことができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機91では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
上記実施の形態では、操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示が表示され、その後第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれが拡大表示されて操作演出が終了する例を示したが、操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示が表示された後、そのまま態様が変化せずに操作演出が終了するパターンや、操作演出開始直後に第2促進表示および第2量的表示が表示され、そのまま操作演出が終了するパターンがあってもよい。また、操作演出開始直後に第2促進表示および第2量的表示が表示され、その後第1促進表示および第1量的表示といった態様に、それぞれが縮小表示され操作演出が終了するパターンがあってもよい。すなわち、操作演出の開始に伴い、第1促進表示および第1量的表示と、第2促進表示および第2量的表示のいずれかが表示されればよく、その後表示サイズが変化する場合としない場合があってもよい。そして、パターンに応じて期待度が異なっていればよい(最終的に大きい表示であるほど期待度が高ければよい)。さらに、操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示が表示された後、第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれが拡大表示されて操作演出が終了するパターンであっても、例えば、第1促進表示および第1量的表示が表示された直後に拡大表示を開始するパターンの他、第1促進表示および第1量的表示が表示されてから所定時間経過後に拡大するパターンなど、拡大を開始するタイミングおよびスピードが異なるパターンがあってもよい。これによれば、第1促進表示および第1量的表示が表示のまま終了すると遊技者に見せかけつつ拡大表示するため、遊技者が単に有効期間中にボタン操作を行うことだけを考えるのではなく、有効期間中における促進表示などの変化態様にも注目させることができ、演出効果を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、操作演出において、山道を登っていく画像を表示することにより(キャラクタが近づいていくように見せることで)、操作促進表示としてのボタン表示966と有効期間表示988を(メータ表示)時間経過とともに徐々に大きく表示する例を示したが、これは一例である。例えば、ボタン表示966と有効期間表示988自体が、時間経過とともに遊技者側に近づいていく(画像表示装置95の遊技者にとって奥側から手前側に)ことで、時間経過とともに徐々に大きく表示するようにしてもよい。このような構成によっても、操作促進表示に応じた有効期間表示の表示制御を的確に行うことができる。この場合においても、操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示を表示し、その後第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれを拡大表示して操作演出を終了すればよい。なお、第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれを拡大表示した直後に操作演出が終了してもよいが、第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれを拡大表示された後、所定期間(例えば有効期間の残量がなくなるまでの期間)拡大表示が停止されてもよい。すなわち、第2促進表示および第2量的表示のサイズまで拡大された後は、残りの有効期間が終了するまでは拡大が停止されるよう、第2促進表示および第2量的表示のサイズとなっても有効期間の残量が存在するように拡大表示してもよい。なお、操作演出開始直後に第1促進表示および第1量的表示を表示し、その後第2促進表示および第2量的表示といった態様にそれぞれを拡大表示して操作演出が終了しなくとも、例えば、ボタン表示966と有効期間表示988自体が、時間経過とともに遊技者側に近づいていくような場合、上述の第2促進表示および第2量的表示のサイズを超えて拡大させてもよい。具体的に、画像表示装置95の大きさいっぱいになるまで拡大させて表示し、その後さらに拡大して表示していき、画像表示装置95からフェイドアウトしていくようにすることで操作演出が終了するようにしてもよい。また、例えば、促進表示の開始時には当該促進表示に小さな文字にて「チャンス」などの文字を表示しておき、促進表示を時間経過とともに拡大表示させることにより、「チャンス」などの文字が視認容易となるようにしてもよい。
上記実施の形態では、「パターンB」の操作演出において、当該操作演出の開始時にボタン表示966および有効期間表示988が視認可能となるが、途中の期間においてボタン表示966および有効期間表示988が視認不可能となり、その後再度ボタン表示966および有効期間表示988が視認可能となる例を示したが、例えば、視認不可能とならなくとも、ボタン表示966および有効期間表示988が一部視認可能となるようにしてもよい(有効期間表示988のみ一部視認可能としてもよい)。同様に、「パターンC」の操作演出において、有効期間表示988を別途表示するとともに、ボタン表示966の一部を視認可能としてもよい。また、「パターンB」については途中の期間においてボタン表示966および有効期間表示988を視認不可能とする一方で、「パターンC」について有効期間表示988を別途表示する変わりに一部視認可能としてもよい。これによれば、ボタン操作を行う期間であることを、すなわち、操作演出期間中であることを遊技者に認識させることができる。
また、上記実施の形態では、「パターンB」の操作演出では、キャラクタの目線から見える範囲の画像が表示されることから、図59に示す曲がり角Xの地点まではボタン表示966および有効期間表示988が視認できず、曲がり角Xを曲がった際にボタン表示966および有効期間表示988が視認可能となる例を示したが、これは一例である(パターンCも同様)。「パターンB」の操作演出では、当該操作演出の開始時にボタン表示966および有効期間表示988が視認可能となるが、途中の期間においてボタン表示966および有効期間表示988が視認不可能(視認困難状態)となり、その後再度ボタン表示966および有効期間表示988が視認可能となれば、その他の演出内容であってもよい。例えば、図60に示すように、遊技盤92における画像表示装置95の上部の中央に下方向(画像表示装置95の画面上、つまり遊技者から見て画像表示装置95の画面の手前)に移動可能に構成された星形の役物9200を設け(この役物9200は、画像表示装置95の上部の中央を初期位置とし、画像表示装置95の表示画面の一部に重なる演出位置に移動可能)、当該役物9200を初期位置から演出位置に移動させることで、操作演出の途中の期間においてボタン表示966および有効期間表示988が視認不可能としてもよい。そして、役物9200が初期位置に戻った後、すなわち視認困難な状態が解消された後に、画像表示装置95に、ボタン表示966および有効期間表示988が表示され、再度ボタン表示966および有効期間表示988が視認可能となればよい。これによれば、役物9200が演出位置から初期位置に戻った後、すなわち有効期間の視認困難状態が解消された後に、有効期間が終了するように構成されている。そのため、可動部材を動作可能とするとともに、遊技者が有効期間であることを見逃してしまうことを防止することができる。なお、図60(D)に示すように、役物9200が演出位置に移動しても、ボタン表示966および有効期間表示988が完全には覆い隠されないように構成されてもよい(一部視認可能としてもよい)。また、役物9200が演出位置に移動した場合、「パターンC」の操作演出のように有効期間表示988を別途表示してもよい。
また、上記実施の形態では、有効期間表示として、量的表示としてのメータを時間経過とともに減少させて表示する例を示したが、例えば、図61に示すように、当該有効期間表示における有効期間の残量を示す部分以外の部分に、残りの有効期間の秒数(秒数表示)を遊技者が認識できるように表示してもよい。また、操作演出では、操作促進表示および有効期間表示が時間経過とともに大きくなるように表示されるが、これに伴って、秒数表示も拡大して表示すればよい(図61(A)に示す状態から所定時間経過後に図61(B)に示す状態に拡大表示されればよい)。これによれば、有効期間が減少するにつれて残りの有効期間の表示がより大きく表示されるため、有効期間をより正確に把握することができる。
また、上記実施の形態では、有効期間中の遊技者によるプッシュボタン931Bの連打操作に応じて期待度メータ999が徐々に増加するとともに、有効期間の終了(すなわち操作演出の終了)に伴って当該期待度メータ999のメータ量が確定することで、大当り期待度を報知する例を示したが、プッシュボタン931Bに対する操作は、連打操作に限られず、長押し操作であってもよい。また、例えば1秒間長押しすることにより、当該1秒間連打操作が行われていることと同等の判定が行われるようにしてもよい(オート連打)。そして、例えば、8秒間の有効期間のうち、所定期間経過前(4秒経過前など)は、長押し操作により連打操作が行われていると判定するオート連打の判定を有効とし、所定期間経過後は、オート連打の判定を無効としてもよい(逆に、所定期間経過前にオート連打の判定を無効とし、所定期間経過後に有効としてもよい)。これによれば、オート連打により遊技者の操作を簡略にすることができるとともに、状況に応じてオート連打の判定が変更されるため、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、操作演出が、可変表示開始直後からリーチ状態となるまでの期間(リーチ状態とならない場合も含む)に行われる演出である例を示したが、例えば、リーチ中に行われる演出であってもよい。この場合、リーチ演出の妨げとならないよう、「パターンC」の操作演出において有効期間表示988を別途表示する際、リーチ状態を構成する「左」の飾り図柄を透過させメータとして表示を変更し、当該飾り図柄の上部から下部へメータが減少するようにしてもよい。なお、「左」の飾り図柄をメータ表示に変更するものに限られず、「右」の飾り図柄をメータ表示に変更してもよいし、それら両方であってもよい。この場合、同じ「パターンC」の操作演出であっても、「左」の飾り図柄よりも「右」の飾り図柄の方が、「右」の飾り図柄よりも「左」および「右」の両方の飾り図柄の方が、メータ表示に変更された場合に、期待度メータ999が「大」に確定される割合が高くなるようにしてもよい(すなわち、期待度が高いようにしてもよい)。これによれば、メータ表示に変更される飾り図柄がいずれであるかについて、遊技者の注目を集めることができる。また、操作演出は、大当たり中の演出として、当該大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される可能性を示唆する確変昇格演出として実行されてもよく、この場合、期待度メータ999は、確変状態に制御される可能性を示すものであればよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板912に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板912に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ9100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板912の側では、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ9100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板912の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記の実施の形態では、例えば、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する例を示した。しかし、第1特別図柄表示装置94Aや第2特別図柄表示装置94Bにおいて表示される可変表示結果や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、例えば、「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示またはスクロール表示することなども飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すことなども普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
なお、上記の実施の形態では、割合(決定割合等を含む。確率についても同じ)などは、0割を含むものであってもよい。つまり、割合や確率は0〜10割の間であればよい。例えば、一方の割合と他方の割合とを異ならせるとは、一方の割合を例えば3割として、他方の割合を7割とする他、一方の割合を例えば0割として、他方の割合を10割とすることも含む。また、一方の割合と他方の割合との合算が10割とならなくてもよい(一方と他方とのいずれにも含まれないものが存在して、所定割合を有してもよい)。また、一方の割合よりも他方の割合の方が高い割合とする場合には、一方の割合を0割とし、他方の割合を10割とすることを含む。例えば、上記において、有利状態のあとの特定期間における可変表示パターンの決定割合と、特定期間以外における可変表示パターンの決定割合とを異ならせるとは、一方で選ばれる可変表示パターンが他方では選ばれないようなことや一方で選ばれる可変表示パターンと他方で選ばれる可変表示パターンとが一部重複するか完全に重複しない場合も含む。これらは、割合を規定するテーブルの内容などによって規定されればよい。
その他にも、パチンコ遊技機91の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置95の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、この発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、または、特定の通過ゲートを通過した場合に大当り遊技状態に制御する遊技機にも適用することができる。さらには遊技用価値(メダルなど)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。
また、パチンコ遊技機91は、特別図柄の可変表示結果として、所定の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる確変制御を行うものに限られず、例えば、遊技領域に設けられたアタッカ内の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて確変制御が行われる、確変判定装置型のパチンコ遊技機でもよい。
この発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機91に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、この発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。