JP6587837B2 - ニッケル電池 - Google Patents
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Description
<ニッケル−水素電池>
正極: NiOOH+H2O+e−→Ni(OH)2+OH−
負極: MH+OH−→M+H2O+e−
<ニッケル−カドミウム電池>
正極: NiOOH+H2O+e−→Ni(OH)2+OH−
負極: Cd+2OH−→Cd(OH)2+2e−
オキシ水酸化ニッケル又は水酸化ニッケルを含む正極と、
水素吸蔵合金又はカドミウム若しくは水酸化カドミウムを含む負極と、
前記正極及び前記負極が浸漬又は接触されるアルカリ電解液と、
前記正極と前記負極の間に配置されて前記正極及び前記負極を互いに隔離する、水酸化物イオン伝導性を有するセラミックスセパレータと、
を備えた、ニッケル電池が提供される。
本発明は、ニッケル−水素電池又はニッケル−カドミウム電池であるニッケル電池に関するものであり、好ましくはニッケル二次電池である。したがって、本明細書では、便宜上、ニッケル−水素電池及びニッケル−カドミウム電池をニッケル電池と総称しているが、本明細書におけるニッケル亜鉛電池にはニッケル−亜鉛電池は含めないものとする。図1に本発明によるニッケル電池の一例が模式的に示される。図1に示されるように、本発明によるニッケル電池10は、正極12と、負極14と、アルカリ電解液16と、セパレータ18とを備えてなる。正極12は、オキシ水酸化ニッケル又は水酸化ニッケルを含んでなる。負極14は、水素吸蔵合金又はカドミウム若しくは水酸化カドミウムを含んでなる。すなわち、ニッケル電池10がニッケル−水素電池である場合には、負極14は水素吸蔵合金を含む一方、ニッケル電池10がニッケル−カドミウム電池である場合には、負極14はカドミウム若しくは水酸化カドミウムを含む。アルカリ電解液16には、正極12及び負極14が浸漬又は接触される。セパレータ18は、正極12と負極14の間に配置されて正極12及び負極14を互いに隔離する。そして、本発明のニッケル電池10においては、セパレータ18として、水酸化物イオン伝導性を有するセラミックスセパレータを採用する。すなわち、前述したとおり、ニッケル−水素電池及びニッケル−カドミウム電池の充放電反応には水酸化物イオンが関与するため、水酸化物イオン伝導性を有するセラミックスセパレータを採用することでニッケル−水素電池又はニッケル−カドミウム電池においてセパレータとしての基本的性能を確保することができる。その上、セパレータ18をセラミックスで構成することで、ニッケル−水素電池又はニッケル−カドミウム電池において、自己放電を大幅に低減することができる。すなわち、前述したように、ニッケル−水素電池及びニッケル−カドミウム電池では、従来使用されているセパレータ自身の分解生成物や、負極からの金属イオンの溶出に起因する、セパレータ絶縁性の低下が自己放電の主要因とされているが、本発明のニッケル電池10では、セラミックスセパレータ18を採用することで、セパレータ自身や界面活性剤からの分解生成物は一切発生しない。また、負極14から金属イオンが溶出しても、セラミックスセパレータ18の絶縁性が低下することも一切無い。しかも、負極14から溶出したイオンは、セラミックスセパレータ18によって正極12側への移動が阻止されるため、正極12に到達することは無い。こうして、セラミックスセパレータ18の採用により、自己放電を大幅に抑制することが可能となる。
前述のとおり、本発明のニッケル電池に好ましく用いられる多孔質基材付きセパレータは、水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質体からなるセパレータと、セパレータの少なくとも一方の面に設けられる多孔質基材とを備えたものである。無機固体電解質体は透水性を有しない程に緻密化された膜状又は層状の形態である。特に好ましい多孔質基材付きセパレータは、多孔質基材と、この多孔質基材上及び/又は多孔質基材中に形成されるセパレータ層とを備えてなり、セパレータ層が前述したような層状複水酸化物(LDH)を含んでなるものである。セパレータ層は透水性及び通気性を有しないのが好ましい。すなわち、多孔質材料は孔の存在により透水性及び通気性を有しうるが、セパレータ層は透水性及び通気性を有しない程にまでLDHで緻密化されているのが好ましい。セパレータ層は多孔質基材上に形成されるのが好ましい。例えば、図2に示されるように、多孔質基材20上にセパレータ層18がLDH緻密膜として形成されるのが好ましい。この場合、多孔質基材20の性質上、図2に示されるように多孔質基材20の表面及びその近傍の孔内にもLDHが形成されてよいのはいうまでもない。あるいは、図3に示されるように、多孔質基材20中(例えば多孔質基材20の表面及びその近傍の孔内)にLDHが緻密に形成され、それにより多孔質基材20の少なくとも一部がセパレータ層18’を構成するものであってもよい。この点、図3に示される態様は図2に示される態様のセパレータ層18における膜相当部分を除去した構成となっているが、これに限定されず、多孔質基材20の表面と平行にセパレータ層が存在していればよい。いずれにしても、セパレータ層は透水性及び通気性を有しない程にまでLDHで緻密化されているため、水酸化物イオン伝導性を有するが透水性及び通気性を有しない(すなわち基本的に水酸化物イオンのみを通す)という特有の機能を有することができる。
[色調補正]→[2階調化]の手順で白黒の2値画像を作成し、4)黒い部分が占めるピクセル数を画像の全ピクセル数で割った値を気孔率(%)とする。なお、この画像処理による気孔率の測定は多孔質基材表面の6μm×6μmの領域について行われるのが好ましく、より客観的な指標とするためには、任意に選択された3箇所の領域について得られた気孔率の平均値を採用するのがより好ましい。
→[色調補正]→[2階調化]の手順で白黒の2値画像を作成し、4)黒い部分が占めるピクセル数を画像の全ピクセル数で割った値を気孔率(%)とする。なお、この画像処理による気孔率の測定はセパレータ層表面の6μm×6μmの領域について行われるのが好ましく、より客観的な指標とするためには、任意に選択された3箇所の領域について得られた気孔率の平均値を採用するのがより好ましい。
(012)面のピークよりも小さく検出されることで確認可能なものである(但し、(012)面に起因するピークと同位置に回折ピークが観察される多孔質基材を用いた場合には、LDH板状粒子に起因する(012)面のピークを特定できないことから、この限りでない)。この特徴的なピーク特性は、セパレータ層を構成するLDH板状粒子がセパレータ層に対して略垂直方向(すなわち垂直方向又はそれに類する斜め方向、好ましくは垂直方向)に配向していることを示す。すなわち、(003)面のピークは無配向のLDH粉末をX線回折した場合に観察される最も強いピークとして知られているが、配向LDH含有セパレータ層にあっては、LDH板状粒子がセパレータ層に対して略垂直方向に配向していることで(003)面のピークが実質的に検出されないか又は(012)面のピークよりも小さく検出される。これは、(003)面が属するc軸方向(00l)面(lは3及び6である)がLDH板状粒子の層状構造と平行な面であるため、このLDH板状粒子がセパレータ層に対して略垂直方向に配向しているとLDH層状構造も略垂直方向を向くこととなる結果、セパレータ層表面をX線回折法により測定した場合に(00l)面(lは3及び6である)のピークが現れないか又は現れにくくなるからである。特に(003)面のピークは、それが存在する場合、(006)面のピークよりも強く出る傾向があるから、(006)面のピークよりも略垂直方向の配向の有無を評価しやすいといえる。したがって、配向LDH含有セパレータ層は、(003)面のピークが実質的に検出されないか又は(012)面のピークよりも小さく検出されるのが、垂直方向への高度な配向を示唆することから好ましいといえる。
多孔質基材は、前述したとおりであり、セラミックス材料、金属材料、及び高分子材料からなる群から選択される少なくとも1種で構成されるのが好ましい。多孔質基材は、セラミックス材料で構成されるのがより好ましい。この場合、セラミックス材料の好ましい例としては、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、スピネル、カルシア、コージライト、ゼオライト、ムライト、フェライト、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、及びそれらの任意の組合せが挙げられ、より好ましくは、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及びそれらの任意の組合せであり、特に好ましくはアルミナ及びジルコニアであり、最も好ましくはアルミナである。これらの多孔質セラミックスを用いるとLDH含有セパレータ層の緻密性を向上しやすい傾向がある。セラミックス材料製の多孔質基材を用いる場合、超音波洗浄、イオン交換水での洗浄等を多孔質基材に施すのが好ましい。
次に、多孔質基材を原料水溶液に所望の向きで(例えば水平又は垂直に)浸漬させる。多孔質基材を水平に保持する場合は、吊るす、浮かせる、容器の底に接するように多孔質基材を配置すればよく、例えば、容器の底から原料水溶液中に浮かせた状態で多孔質基材を固定としてもよい。多孔質基材を垂直に保持する場合は、容器の底に多孔質基材を垂直に設置できるような冶具を置けばよい。いずれにしても、多孔質基材にLDHを略垂直方向又はそれに近い方向(すなわちLDH板状粒子がそれらの板面が多孔質基材の表面(基材面)と略垂直に又は斜めに交差するような向きに)に成長させる構成ないし配置とするのが好ましい。原料水溶液は、マグネシウムイオン(Mg2+)及びアルミニウムイオン
(Al3+)を所定の合計濃度で含み、かつ、尿素を含んでなる。尿素が存在することで尿素の加水分解を利用してアンモニアが溶液中に発生することによりpH値が上昇し、共存する金属イオンが水酸化物を形成することによりLDHを得ることができる。また、加水分解に二酸化炭素の発生を伴うため、陰イオンが炭酸イオン型のLDHを得ることができる。原料水溶液に含まれるマグネシウムイオン及びアルミニウムイオンの合計濃度(Mg2++Al3+)は0.20〜0.40mol/Lが好ましく、より好ましくは0.22〜0.38mol/Lであり、さらに好ましくは0.24〜0.36mol/L、特に好ましくは0.26〜0.34mol/Lである。このような範囲内の濃度であると核生成と結晶成長をバランスよく進行させることができ、配向性のみならず緻密性にも優れたLDH含有セパレータ層を得ることが可能となる。すなわち、マグネシウムイオン及びアルミニウムイオンの合計濃度が低いと核生成に比べて結晶成長が支配的となり、粒子数が減少して粒子サイズが増大する一方、この合計濃度が高いと結晶成長に比べて核生成が支配的となり、粒子数が増大して粒子サイズが減少するものと考えられる。
そして、原料水溶液中で多孔質基材を水熱処理して、LDHを含んでなるセパレータ層を多孔質基材上及び/又は多孔質基材中に形成させる。この水熱処理は密閉容器中、60〜150℃で行われるのが好ましく、より好ましくは65〜120℃であり、さらに好ましくは65〜100℃であり、特に好ましくは70〜90℃である。水熱処理の上限温度は多孔質基材(例えば高分子基材)が熱で変形しない程度の温度を選択すればよい。水熱処理時の昇温速度は特に限定されず、例えば10〜200℃/hであってよいが、好ましくは100〜200℃/hである、より好ましくは100〜150℃/hである。水熱処理の時間はLDH含有セパレータ層の目的とする密度と厚さに応じて適宜決定すればよい。
(1)多孔質基材の作製
ベーマイト(サソール社製、DISPAL 18N4−80)、メチルセルロース、及びイオン交換水を、(ベーマイト):(メチルセルロース):(イオン交換水)の質量比が10:1:5となるように秤量した後、混練した。得られた混練物を、ハンドプレスを用いた押出成形に付し、5cm×8cmを十分に超える大きさで且つ厚さ0.5cmの板状に成形した。得られた成形体を80℃で12時間乾燥した後、1150℃で3時間焼成して、アルミナ製多孔質基材を得た。こうして得られた多孔質基材を5cm×8cmの大きさに切断加工した。
の手順で白黒の2値画像を作成し、4)黒い部分が占めるピクセル数を画像の全ピクセル数で割った値を気孔率(%)とすることにより行った。この気孔率の測定は多孔質基材表面の6μm×6μmの領域について行われた。なお、図5に多孔質基材表面のSEM画像を示す。
得られた多孔質基材をアセトン中で5分間超音波洗浄し、エタノール中で2分間超音波洗浄、その後、イオン交換水中で1分間超音波洗浄した。
原料として、硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO3)2・6H2O、関東化学株式会社製)、硝酸アルミニウム九水和物(Al(NO3)3・9H2O、関東化学株式会社製)、及び尿素((NH2)2CO、シグマアルドリッチ製)を用意した。カチオン比(Mg2+/Al3+)が2となり且つ全金属イオンモル濃度(Mg2++Al3+)が0.320mol/Lとなるように、硝酸マグネシウム六水和物と硝酸アルミニウム九水和物を秤量してビーカーに入れ、そこにイオン交換水を加えて全量を600mlとした。得られた溶液を攪拌した後、溶液中に尿素/NO3 −=4の割合で秤量した尿素を加え、更に攪拌して原料水溶液を得た。
テフロン(登録商標)製密閉容器(内容量800ml、外側がステンレス製ジャケット)に上記(3)で作製した原料水溶液と上記(2)で洗浄した多孔質基材を共に封入した。このとき、基材はテフロン(登録商標)製密閉容器の底から浮かせて固定し、基材両面に溶液が接するように水平に設置した。その後、水熱温度70℃で168時間(7日間)水熱処理を施すことにより基材表面に層状複水酸化物配向膜(セパレータ層)の形成を行った。所定時間の経過後、基材を密閉容器から取り出し、イオン交換水で洗浄し、70℃で10時間乾燥させて、層状複水酸化物(以下、LDHという)の緻密膜(以下、膜試料という)を基材上に得た。得られた膜試料の厚さは約1.5μmであった。こうして、層状複水酸化物含有複合材料試料(以下、複合材料試料という)を得た。なお、LDH膜は多孔質基材の両面に形成されていたが、セパレータとして形態を複合材料に付与するため、多孔質基材の片面のLDH膜を機械的に削り取った。
(5a)膜試料の同定
X線回折装置(リガク社製 RINT TTR III)にて、電圧:50kV、電流値:300mA、測定範囲:10〜70°の測定条件で、膜試料の結晶相を測定したところ、図6に示されるXRDプロファイルが得られた。得られたXRDプロファイルについて、JCPDSカードNO.35−0964に記載される層状複水酸化物(ハイドロタルサイト類化合物)の回折ピークを用いて同定した。その結果、膜試料は層状複水酸化物(LDH、ハイドロタルサイト類化合物)であることが確認された。なお、図6に示されるXRDプロファイルにおいては、膜試料が形成されている多孔質基材を構成するアルミナに起因するピーク(図中で○印が付されたピーク)も併せて観察されている。
膜試料の表面微構造を走査型電子顕微鏡(SEM、JSM−6610LV、JEOL社製)を用いて10〜20kVの加速電圧で観察した。得られた膜試料の表面微構造のSEM画像(二次電子像)を図7に示す。
膜試料について、画像処理を用いた手法により、膜の表面の気孔率を測定した。この気孔率の測定は、1)表面微構造を走査型電子顕微鏡(SEM、JSM−6610LV、JEOL社製)を用いて10〜20kVの加速電圧で観察して膜の表面の電子顕微鏡(SEM)画像(倍率10000倍以上)を取得し、2)Photoshop(Adobe社製)等の画像解析ソフトを用いてグレースケールのSEM画像を読み込み、3)[イメージ]→[色調補正]→[2階調化]の手順で白黒の2値画像を作成し、4)黒い部分が占めるピクセル数を画像の全ピクセル数で割った値を気孔率(%)とすることにより行った。この気孔率の測定は配向膜表面の6μm×6μmの領域について行われた。その結果、膜の表面の気孔率は19.0%であった。また、この膜表面の気孔率を用いて、膜表面から見たときの密度D(以下、表面膜密度という)をD=100%−(膜表面の気孔率)により算出したところ、81.0%であった。
膜試料が透水性を有しない程の緻密性を有することを確認すべく、緻密性判定試験を以下のとおり行った。まず、図9Aに示されるように、上記(1)において得られた複合材料試料220(1cm×1cm平方に切り出されたもの)の膜試料側に、中央に0.5cm×0.5cm平方の開口部222aを備えたシリコンゴム222を接着し、得られた積層物を2つのアクリル製容器224,226で挟んで接着した。シリコンゴム222側に配置されるアクリル製容器224は底が抜けており、それによりシリコンゴム222はその開口部222aが開放された状態でアクリル製容器224と接着される。一方、複合材料試料220の多孔質基材側に配置されるアクリル製容器226は底を有しており、その容器226内にはイオン交換水228が入っている。この時、イオン交換水にAl及び/又はMgを溶解させておいてもよい。すなわち、組み立て後に上下逆さにすることで、複合材料試料220の多孔質基材側にイオン交換水228が接するように各構成部材が配置されてなる。これらの構成部材等を組み立て後、総重量を測定した。これらの構成部材等を組み立て後、総重量を測定した。なお、容器226には閉栓された通気穴(図示せず)が形成されており、上下逆さにした後に開栓されることはいうまでもない。図9Bに示されるように組み立て体を上下逆さに配置して25℃で1週間保持した後、総重量を再度測定した。このとき、アクリル製容器224の内側側面に水滴が付着している場合には、その水滴を拭き取った。そして、試験前後の総重量の差を算出することにより緻密度を判定した。その結果、25℃で1週間保持した後においても、イオン交換水の重量に変化は見られなかった。このことから、膜試料(すなわち機能膜)は透水性を有しない程に高い緻密性を有することが確認された。
膜試料が通気性を有しない程の緻密性を有することを確認すべく、緻密性判定試験を以下のとおり行った。まず、図10A及び10Bに示されるように、蓋の無いアクリル容器230と、このアクリル容器230の蓋として機能しうる形状及びサイズのアルミナ治具232とを用意した。アクリル容器230にはその中にガスを供給するためのガス供給口230aが形成されている。また、アルミナ治具232には直径5mmの開口部232aが形成されており、この開口部232aの外周に沿って膜試料載置用の窪み232bが形成されてなる。アルミナ治具232の窪み232bにエポキシ接着剤234を塗布し、この窪み232bに複合材料試料236の膜試料236b側を載置してアルミナ治具232に気密かつ液密に接着させた。そして、複合材料試料236が接合されたアルミナ治具232を、アクリル容器230の開放部を完全に塞ぐようにシリコーン接着剤238を用いて気密かつ液密にアクリル容器230の上端に接着させて、測定用密閉容器240を得た。この測定用密閉容器240を水槽242に入れ、アクリル容器230のガス供給口230aを圧力計244及び流量計246に接続して、ヘリウムガスをアクリル容器230内に供給可能に構成した。水槽242に水243を入れて測定用密閉容器240を完全に水没させた。このとき、測定用密閉容器240の内部は気密性及び液密性が十分に確保されており、複合材料試料236の膜試料236b側が測定用密閉容器240の内部空間に露出する一方、複合材料試料236の多孔質基材236a側が水槽242内の水に接触している。この状態で、アクリル容器230内にガス供給口230aを介してヘリウムガスを測定用密閉容器240内に導入した。圧力計244及び流量計246を制御して膜試料236b内外の差圧が0.5atmとなる(すなわちヘリウムガスに接する側に加わる圧力が反対側に加わる水圧よりも0.5atm高くなる)ようにして、複合材料試料236から水中にヘリウムガスの泡が発生するか否かを観察した。その結果、ヘリウムガスに起因する泡の発生は観察されなかった。よって、膜試料236bは通気性を有しない程に高い緻密性を有することが確認された。
12 正極
12a 正極集電体
13 正極端子
14 負極
14a 負極集電体
15 負極端子
16 電解液
18 セパレータ
20 多孔質基材
22 密閉容器
24 正極室
24a 正極側余剰空間
26 負極室
26a 負極側余剰空間
Claims (12)
- ニッケル−水素電池又はニッケル−カドミウム電池であるニッケル電池であって、
オキシ水酸化ニッケル又は水酸化ニッケルを含む正極と、
水素吸蔵合金又はカドミウム若しくは水酸化カドミウムを含む負極と、
前記正極及び前記負極が浸漬又は接触されるアルカリ電解液と、
前記正極と前記負極の間に配置されて前記正極及び前記負極を互いに隔離する、水酸化物イオン伝導性を有するセラミックスセパレータと、
を備え、
前記セラミックスセパレータが透水性を有しない、ニッケル電池。 - ニッケル−水素電池又はニッケル−カドミウム電池であるニッケル電池であって、
オキシ水酸化ニッケル又は水酸化ニッケルを含む正極と、
水素吸蔵合金又はカドミウム若しくは水酸化カドミウムを含む負極と、
前記正極及び前記負極が浸漬又は接触されるアルカリ電解液と、
前記正極と前記負極の間に配置されて前記正極及び前記負極を互いに隔離する、水酸化物イオン伝導性を有するセラミックスセパレータと、
を備え、
前記セラミックスセパレータが無機固体電解質体からなる、ニッケル電池。 - 前記ニッケル電池がニッケル−水素電池であり、前記負極が水素吸蔵合金を含む、請求項1又は2に記載のニッケル電池。
- 前記ニッケル電池がニッケル−カドミウム電池であり、前記負極がカドミウム若しくは水酸化カドミウムを含む、請求項1又は2に記載のニッケル電池。
- 前記セラミックスセパレータが無機固体電解質体からなり、前記無機固体電解質体が90%以上の相対密度を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のニッケル電池。
- 前記セラミックスセパレータが無機固体電解質体からなり、前記無機固体電解質体が、一般式:
M2+ 1−xM3+ x(OH)2An− x/n・mH2O
(式中、M2+は2価の陽イオンであり、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオンであり、nは1以上の整数であり、xは0.1〜0.4であり、mは0以上である)の基本組成を有する層状複水酸化物からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のニッケル電池。 - 前記一般式において、M2+がMg2+を含み、M3+がAl3+を含み、An−がOH−及び/又はCO3 2−を含む、請求項6に記載のニッケル電池。
- 前記セラミックスセパレータが無機固体電解質体からなり、前記無機固体電解質体が、板状、膜状又は層状の形態を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のニッケル電池。
- 前記セラミックスセパレータの片面又は両面に多孔質基材をさらに備えた、請求項1〜8のいずれか一項に記載のニッケル電池。
- 前記セラミックスセパレータが無機固体電解質体からなり、前記無機固体電解質体が膜状又は層状の形態であり、該膜状又は層状の無機固体電解質体が前記多孔質基材上又はその中に形成されたものである、請求項9に記載のニッケル電池。
- 前記セラミックスセパレータが無機固体電解質体からなり、前記無機固体電解質体が水熱処理によって緻密化されたものである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のニッケル電池。
- 前記アルカリ電解液がアルカリ金属水酸化物の水溶液である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のニッケル電池。
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