JP6587249B2 - 繊維加工用接着剤組成物及び繊維製品 - Google Patents

繊維加工用接着剤組成物及び繊維製品 Download PDF

Info

Publication number
JP6587249B2
JP6587249B2 JP2015170302A JP2015170302A JP6587249B2 JP 6587249 B2 JP6587249 B2 JP 6587249B2 JP 2015170302 A JP2015170302 A JP 2015170302A JP 2015170302 A JP2015170302 A JP 2015170302A JP 6587249 B2 JP6587249 B2 JP 6587249B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive composition
weight
tufted carpet
acid
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015170302A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017048262A (ja
Inventor
まゆみ 大澤
まゆみ 大澤
サンサン 孔
サンサン 孔
孝雄 寺西
孝雄 寺西
森 文三
文三 森
久芳 宇都宮
久芳 宇都宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon A&L Inc
Suminoe Textile Co Ltd
Original Assignee
Nippon A&L Inc
Suminoe Textile Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon A&L Inc, Suminoe Textile Co Ltd filed Critical Nippon A&L Inc
Priority to JP2015170302A priority Critical patent/JP6587249B2/ja
Publication of JP2017048262A publication Critical patent/JP2017048262A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6587249B2 publication Critical patent/JP6587249B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

本発明は、繊維加工用接着剤組成物及び繊維製品に関する。詳しくは、繊維製品を製造する際に使用される接着剤組成物であり、該接着剤組成物を用いて得られた繊維製品は、洗濯時の寸法変化が小さく、洗濯脱水時の水切り性が良好である接着剤組成物及び繊維製品に関する。
一般に、敷物などの繊維製品、例えば、タフテッドカーペットではパイル糸の抜け防止やカーペットの寸法を安定させるために繊維加工用の水系接着剤組成物が用いられ、一次基布にパイル糸を固着している。また、敷物を部屋等に敷いた場合のずれ防止として敷物の裏面に繊維加工用の水系接着剤組成物を塗布することが行われている。さらに、敷物にクッション性を与えるためや、外観品位の向上のために二次基布を一次基布の裏面に接着する場合などがあり、繊維加工用の水系接着剤組成物が用いられている。このように繊維加工用の水系接着剤組成物が、従来から使用されている。
ところで、繊維製品は、使用しているうちに徐々に汚れるし、何かをこぼして汚してしまったりすることがあり、家庭内で洗濯して大切に長く使用したいというニーズもある。このことから繊維製品は汚れた場合には、洗濯機で洗濯でき、かつ洗濯処理後に再使用できる耐洗濯性を有していることが必要である。
しかしながら、水系の接着剤組成物を使用した繊維製品は、水で洗濯する際に、接着剤層が水分で膨潤するために、寸法が変化することにより乾燥後に製品に、反りや波打ち等が発生し外観を損ねることがある、また膨潤する水分が多いと乾燥が遅いなどの不具合がある。
耐洗濯性を上げる手段としては、例えば、特許文献1には、裏打ち材に離型剤を含有させる、もしくは裏打ち材の表面に離型剤を塗布することで、洗濯処理時の裏打ち層の摩擦を少なくすることにより、裏打ち層の損傷を抑えることが可能であることが開示されている。
また、例えば、特許文献2には、パイル部の合成繊維表面に第4級アンモニウムカチオン系抗菌剤(A)、含フッ素撥水・撥油剤(B)およびウレタン樹脂難燃加工剤(C)を付与することで、耐洗濯性を向上させることが提案されている。
しかしながら、上述の不具合を解決するには、未だ満足のいくものは得られていない。
特開昭57―172066号公報
特開平5−33270号公報
本発明の目的は、従来技術では解決が困難であった、水で洗濯した際に、水で膨潤して寸法が変化する、また乾燥が遅い等の問題を解決可能な、耐洗濯性に優れた繊維加工用の接着剤組成物及び繊維製品を提供することを目的とするものである。
本発明は、繊維加工用の接着剤組成物であって、該接着剤組成物が、カルボキシ変性樹脂エマルジョンと撥水剤とを含有する水系接着剤組成物であることを特徴とする接着剤組成物を使用するものである。
本発明の接着剤組成物は、該接着剤組成物を使用して繊維製品を加工した場合、洗濯した際の寸法変化が少なく、また脱水時の水切り性が良好なことから、早く乾燥することができ、かつ乾燥後に反りや波うち等の外観不良の発生が少ない繊維製品を得ることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の接着剤組成物に使用するカルボキシ変性樹脂エマルジョンは、エチレン系不飽和カルボン酸単量体及びそれと共重合可能な単量体との共重合体の水分散体であって、エチレン系不飽和カルボン酸単量体を0.3重量%以上、5重量%以下含むものである。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのモノ又はジカルボン酸単量体、またはこれらの無水物が挙げられる。これらの単量体は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの単量体は、共重合体を構成する全単量体に対し、0.3重量%以上、5重量%以下であり、好ましくは0.5重量%以上、3重量%未満である。エチレン系不飽和カルボン酸単量体が0.3重量%を下回ると、接着剤組成物の配合性及び加工繊維製品の抜糸強度が低下する傾向があり、5重量%を超えるとカルボキシ変性樹脂エマルジョンの粘度が高く取扱いに不具合が発生しやすい傾向、また耐水性が低下する傾向がある。
上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な単量体としては、共役ジエン系単量体、芳香族ビニル系単量体、エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシル基を含有するエチレン系不飽和単量体、シアン化ビニル系単量体、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等公知のものが挙げられ、これらを1種もしくは2種以上使用することができる。これらの単量体は、共重合体を構成する全単量体に対し、95重量%以上、99.7重量%以下であり、好ましくは97重量%以上、99.5重量%以下である。 中でも、エチレン系不飽和カルボン酸単量体と共役ジエン系単量体を含有するカルボキシ変性ジエン系共重合体が、得られる繊維製品の風合いと強度のバランスが優れる観点から、好ましい。
該樹脂エマルジョンが、カルボキシ変性ジエン系共重合体の場合には、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、共役ジエン系単量体及びこれらと共重合可能なその他の単量体から構成される単量体を共重合することによって得られる。
共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類などの単量体が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
共役ジエン系単量体は、共重合体を構成する全単量体に対し、20重量%以上、60重量%以下が好ましい。さらに好ましくは、30重量%以上、50重量%以下である。共役ジエン系単量体が20重量%より少ないと得られる繊維製品の風合いが硬くなる傾向にあり好ましくなく、60重量%より多いと得られる繊維製品の抜糸強度や剥離強度が低下する傾向がある。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体及び共役ジエン系単量体と共重合可能な単量体としては、前述したエチレン系不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な各単量体(共役ジエン系単量体を除く)を使用することができる。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体及び共役ジエン系単量体と共重合可能な単量体は、共重合体を構成する全単量体に対し、35重量%以上、79.7重量%以下が好ましい。さらに好ましくは、47重量%以上、69.5重量%以下である。
本発明の接着剤組成物に使用するカルボキシ変性樹脂エマルジョンは、各単量体を公知の方法によって共重合することによって得られる。中でも、乳化重合が好ましい。乳化重合における各種成分の添加方法については特に制限するものではなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法、パワーフィード法の何れでも採用することができる。また重合方法としても、バッチ重合、セミバッチ重合、シード重合などを用いることができる。
更に、乳化重合の際には、常用の乳化剤、連鎖移動剤、重合開始剤、炭化水素系溶剤、電解質、キレート剤、重合促進剤などを使用することができる。
乳化重合する際に使用する乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、脂肪族硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体などの非イオン性界面活性剤、ベタイン型などの両性界面活性剤を1種又は2種以上併用して使用することができ、接着剤組成物の性能を阻害しない範囲内で種類、量に制限は無い。
重合時に使用する連鎖移動剤としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、ターピノレンや、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、α−メチルスチレンダイマー、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
重合時に使用する重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、レドックス系重合開始剤、過酸化ベンゾイル等の油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。特に水溶性重合開始剤の使用が好ましい。
また、重合時に際して、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素系溶剤を使用しても良い。
本発明の接着剤組成物に使用するカルボキシ変性樹脂エマルジョンは、ナトリウム及びカリウムの総含有量が、樹脂エマルジョンの固形分に対して、5500ppm以下であることが好ましい。ナトリウム及びカリウムの含有量の総和が5500ppmを超えると、本発明の接着剤組成物を用いた繊維製品の洗濯時の寸法変化が大きくなる傾向及び脱水時の水切り性が劣る傾向にある。より好ましくは、3500ppm以下、最も好ましくは2500ppm以下である。
樹脂エマルジョン中に含まれるナトリウム及びカリウムは、エマルジョンを重合する際に使用する重合開始剤、乳化剤、電解質、pH調整剤などの重合助剤から持ち込まれる。重合助剤としては、特に制限なく上記した公知のものを組み合わせて使用できるが、最終的に得られる樹脂エマルジョン中のナトリウム及びカリウムの総含有量を5500ppm以下にするには、上記した重合助剤の種類と使用量を調整することで達成できる。具体的には、例えば重合開始剤として過硫酸ナトリウムを使用した場合は、乳化剤、電解質、pH調整剤の使用量を減らす、もしくはナトリウム及びカリウムを含まない種類を使用する、さらにはこれらの方法を組み合わせることによって、上述の範囲内へと調整することが可能である。
また、樹脂エマルジョン中のナトリウム及びカリウムの総含有量は、合成エマルジョンを硫酸と硝酸で加熱分解した後、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES:セイコー電子工業社製SPS4000型)によりアルカリ金属元素の定量を行い、求めたアルカリ金属元素量を、樹脂エマルジョンの固形分に対する濃度(ppm)として算出する。
本発明の接着剤組成物に使用する撥水剤としては、ワックス系撥水剤を使用する。ワックス系撥水剤としては、例えば、天然ワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックスなどが挙げられ、1種又は2種以上併用して使用することができる。
本発明の接着剤組成物は、カルボキシ変性樹脂エマルジョンと撥水剤を含有するが、カルボキシ変性樹脂エマルジョン100重量部(固形分換算)に対して、撥水剤を0.1重量部(固形分換算)以上、15重量部(固形分換算)以下含むことが好ましい。撥水剤が0.1重量部(固形分換算)を下回ると、水切り性が低下する傾向にある。15重量部(固形分換算)を超えても、添加量に見合いする性能の向上幅が小さい。より好ましくは、0.3重量部以上、10重量部以下である。
本発明の接着剤組成物は、さらに充填剤を含むことができる。充填剤としては、特に限定されないが、炭酸カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、ゼオライト、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機充填剤、あるいはポリオレフィン系紛体などの有機充填剤を1種または2種以上使用することができる。充填剤の使用量は、樹脂エマルジョン100重量部(固形分換算)に対して、100重量部(固形分換算)未満が好ましい。100重量部(固形分換算)以上では、得られる繊維製品の洗濯耐久性及び耐水性が低下する傾向がある。より好ましくは、30重量部以上、80重量部以下、さらに好ましくは50重量部以上、70重量部以下である。
本発明の接着剤組成物には、その他の添加剤として低分子量のポリアクリル酸、アルキルナフタレンスルホン酸、トリポリリン酸及びこれらの塩などの分散剤、紫外線吸収剤、塩素系、臭素系、リン系などの難燃剤、イソチアゾリン系などの防腐剤、抗菌剤、消臭剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどのpH調整剤、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの増粘剤、スルホコハク酸系などの浸透剤、シリコン系、鉱物油系などの消泡剤、老化防止剤、着色顔料、香料など公知の添加剤を配合することも可能である。これらは種類、使用量ともに特に限定されず、接着剤組成物としての性能を阻害しない範囲で適宜適量使用することが出来る。
本発明の繊維製品は、本発明の接着剤組成物を用いて加工される。具体的には、本発明の接着剤組成物を、基布に固着又は塗布することによって繊維製品を得る。
本発明の接着剤組成物を、基布に固着又は塗布させる方法は、特に限定されないが、例えば、コーティングバスに接着剤組成物を供給し、コーティングロールで持ち上げて裏面に塗布しドクターブレード等で過剰な接着剤組成物を掻き落として加工するロールコート法、裏面を上にして接着剤組成物を直接塗布してドクターロール等で過剰な接着剤組成物を掻き取り加工するダイレクトコート法等が挙げられる。また、接着剤組成物を発泡させる場合は、固着又は塗布工程の作業のしやすさの観点から、1.2倍以上、5.0倍以下が好ましく、さらに1.5倍以上、4.0倍以下に発泡することが好ましい。
本発明の繊維製品の形態は特に限定されず、例えばタフテッド、織物、パイル織物、編物、パイル編物、立体編物、不織布を挙げることができる。
また、本発明の繊維製品を構成する繊維としては特に限定されず、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レ−ヨン繊維等の合成繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等も使用できる。
本発明の繊維製品として、例えばタフテッドカーペットでは一次基布にパイル糸が植設され、一次基布の裏面に本発明の接着剤組成物を塗布したのち、乾燥・キュアする。こうして一次基布にパイル糸を固着することができるとともにタフテッドカーペットの寸法を安定させることができ、しかも洗濯した際の寸法変化が少なく、また脱水時の水切り性に優れたカーペットが得られる。
さらに、敷物の裏面品位の向上やクッション性の付与などために二次基布を一次基布の裏面に接着する場合があり、この場合一次基布の裏面に本発明の接着剤組成物を塗布したのち、二次基布を積層させてから乾燥・キュアすることで二次基布を積層一体化することができる。
また、本発明の繊維製品として、例えば一次基布にプリント等の意匠を付与したのちに一次基布の裏面に本発明の接着剤組成物を塗布したのち、乾燥・キュアすることで寸法安定性を付与することができる。タフテッドカーペットの場合と同様に二次基布を積層一体化してもよい。
いずれの繊維製品も、洗濯時の寸法安定性に優れるとともに、脱水時の水切り性に優れることから早く乾燥することができ、しかも乾燥後に反りや波うち等の外観品位が低下する虞もない繊維製品を得ることができる。
なお、一次基布や二次基布として特に限定はされないが、織物、ニ−ドルパンチ不織布、スパンボント不織布等を挙げることができる。
本発明の繊維製品のうち敷物の用途の場合、二次基布の目付は50〜1000g/m、その厚さを0.5〜15mm、構成繊維の繊度を0.1〜30デシテックスの範囲に設定するのが好ましい。二次基布の目付が、50g/m未満では敷物としての機能や品位の劣ったものとなり、好ましくない。1000g/mを超えると徒にコスト増大となるだけで好ましくない。特に好ましくは、70〜200g/mである。
本発明の接着剤組成物を繊維製品に塗布したのち、乾燥・キュアするには温度100℃〜170℃で熱処理すればよく、温度105℃〜130℃がさらに好ましい。この温度範囲にすることで、繊維製品が変色劣化せず、乾燥効率が上げることを両立させることができる。
本発明の接着剤組成物の繊維製品への固着量又は塗布量は、30〜500g/m(固形分)が好ましく、50〜400g/m(固形分)がさらに好ましい。この固着量又は塗布量の範囲とすることで、洗濯の際に優れた寸法安定性を発揮し、脱水の際に優れた水切り性を発揮することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す部および%は特に断りのない限り重量基準によるものである。また実施例における諸物性の評価は次の方法に拠った。その評価結果は、表−1及び表−2に示した。
繊維製品の洗濯時の寸法変化の評価
1) 180cm×180cmタフテッドカーペットを準備し裏面に、
150cm×150cmの四片をマーカーで線を引く。洗濯前の縦方向、横方向の長さを測定する。
2)JIS L 0217 103法に準じて、10回洗濯機洗い(洗い→濯ぎ→脱水)後、縦方向、横方向の長さを測定する。
3)洗濯前後の寸法変化率を下記式(1)より算出する。
式(1):縦方向寸法変化率と横方向寸法変化率それぞれの平均値
縦方向寸法変化率(%)=100×(洗濯脱水後の縦方向長さ−洗濯前の縦方向長さ)/洗濯前の縦方向長さ
横方向寸法変化率(%)=100×(洗濯脱水後の横方向長さ−洗濯前の横方向長さ)/洗濯前の横方向長さ

寸法変化率の絶対値を下記の4段階で評価した。
(判定基準)
「1」・・寸法変化がほとんどない。(縦、横方向共に寸法変化率0.5%以下)
「2」・・寸法変化がややみられる程度である。(縦、横方向共に寸法変化率0.5%超0.75%以下)
「3」・・寸法変化が認められる。(縦、横方向共に寸法変化率0.75%超1.5%以下)
「4」・・著しい寸法変化が認められる。(縦、横方向ともに寸法変化率1.5%超)
繊維製品の洗濯時の水切り性の評価
1)タフテッドカーペットを1枚の重さを測定する。
2)JIS L 0217 103法に準じて、10回洗濯機洗い(洗い→濯ぎ→脱水)後のカーペット重さを測定する。
3)洗濯前後の重量変化率を下記式(2)より算出する。この場合重量変化率を残留水分率とする。
式(2):重量変化率(%)=(洗濯脱水後の重さ−洗濯前の重さ)/(洗濯前の重さ)×100
残留水分率の絶対値を下記の4段階で評価した。
(判定基準)
「1」・・水切り性に優れる。(残留水分率10%以下)
「2」・・水切り性が良い。(残留水分率10%超20%以下)
「3」・・水切り性が劣る。(残留水分率20%超30%以下)
「4」・・水切り性が著しく劣る。(残留水分率30%超)
カルボキシ変性樹脂エマルジョンa、bの作成
攪拌機付きの耐圧性の重合反応器に、表1に示す量の純水、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、他の単量体の10%の量及びその他の化合物を仕込み、十分撹拌し、65℃に昇温した。残りの単量体を9時間にわたって連続添加し、最終重合転化率が96%を超えた時点で重合を終了した。次いで、これらカルボキシ変性樹脂エマルジョンに、表1に示したpH調整剤を添加した後、減圧蒸留により未反応単量体及び他の低沸点化合物を除去して、カルボキシ変性樹脂エマルジョンa、bを得た。
カルボキシ変性樹脂エマルジョンcの作成
攪拌機付きの耐圧性の重合反応器に、純水160部、ブタジエン5部、スチレン4部、アクリロニトリル4部、フマル酸2部、シクロヘキセン8部、t−ドデシルメルカプタン0.05部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.3部、過硫酸カリウム1.2部を仕込み、十分撹拌し、65℃に昇温した。ブタジエン24.5部、アクリロニトリル15部、アクリル酸9部を205分かけて連続添加し、続いて、ブタジエン12.5部、スチレン21.5部、t−ドデシルメルカプタン0.15部を180分かけて連続添加し、さらにスチレン2.5部を20分かけて連続添加した。最終重合転化率が97%を超えた時点で重合を終了した。得られたカルボキシ変性樹脂エマルジョンに、表1に示したpH調整剤を添加した後、減圧蒸留により、未反応単量体及び他の低沸点化合物を除去して、カルボキシ変性樹脂エマルジョンcを得た。
接着剤組成物の作成
表−2に示した配合処方に従って、カルボキシ変性樹脂エマルジョン、撥水剤、充填剤、分散剤、消泡剤、老化防止剤を混合し、増粘剤及び水を適量用いて、固形分50±1%、粘度15000±1000mPa・sに調整し、本発明の実施例1〜5及び比較例1〜4の接着剤組成物を作成した。なお、接着剤組成物の粘度は、ブルックフィールド粘度計を用いて回転速度12rpmにて計測した。
繊維製品(タフテッドカーペット)の作成
まず、ポリプロピレンテープヤーン織布(18×13)基布(目付86g/m)に、パイル糸をタフティング機で植え込み、パイル長6.5mm、パイル目付500g/mの表皮層を作成し、次に、上記の実施例1〜5、比較例1〜4の接着剤組成物を用い、それぞれ起泡剤をいれ、機械発泡(発泡倍率2.5)した後、表皮層裏面にロールコーティングで400g/m塗布し、さらに二次基布として、ポリエステル繊維からなるスパンボンド不織布(6デシテックス、厚さ1.0mm、目付70g/m)を積層し、130℃で15分乾燥・キュアして実施例1〜5、比較例1〜4のカーペットをそれぞれ得た。
表−2に示すとおり、本願発明である実施例1〜5に示す接着剤組成物は、いずれも洗濯時の寸法変化が小さく、かつ脱水時の水切り性に優れていた。
表−2より、比較例1は、撥水剤を含有しない繊維加工用接着剤組成物であり、該接着剤組成物を用いた繊維製品の洗濯時の寸法変化が大きく、かつ脱水時の水切り性に劣っていた。比較例2は、カルボキシ変性樹脂エマルジョン中のエチレン系不飽和カルボン酸単量体量が上限を超えており、得られた繊維製品の洗濯時の寸法変化が大きく、かつ脱水時の水切り性に劣っていた。比較例3は、撥水剤としてフッ素樹脂系の撥水剤を用いたところ、接着剤組成物が大きく増粘して塗布できず、繊維製品を得ることができなかった。比較例4は、撥水剤としてシリコーン系の撥水剤を使用したところ、接着剤組成物が発泡せずに塗布量をコントロールできず、また得られた繊維製品の洗濯時の寸法変化が大きく、かつ脱水時の水切り性に劣っていた。
上記のとおり、本発明の接着剤組成物を用いた繊維製品は、洗濯時の寸法変化が小さく、また脱水時の水切り性が良好であることから、洗濯後乾燥する時間が短縮できるだけではなく、洗濯乾燥後のシワや波うちなど製品外観を損ねる不具合の発生が少ない。従って、本発明の接着剤組成物を用いた繊維製品は、洗濯可能な繊維製品として非常に好適である。

Claims (4)

  1. 共重合体を構成する全単量体に対して、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、またはこれらの無水物を、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用するエチレン系不飽和カルボン酸単量体を1.4重量%、共役ジエン系単量体を20〜60重量%、及びこれらと共重合可能な単量体を35〜79重量%含むカルボキシ変性樹脂エマルジョンとワックス系撥水剤とを含有する繊維加工用接着剤組成物を用いて加工されるタフテッドカーペットであって、
    パイル糸がポリエステル、ポリプロピレン、ポリエステルとポリプロピレンの混紡系、のいずれかであり、洗濯脱水時の残留水分率がタフテッドカーペットに対して20%以下、かつ、脱水時の寸法変化が1.5%以下である、タフテッドカーペット。
  2. 繊維加工用接着剤組成物が、カルボキシ変性樹脂エマルジョン100重量部(固形分換算)に対して、さらに充填剤を、0重量部(固形分換算)を超えて、100重量部(固形分換算)未満含有することを特徴とする請求項1に記載のタフテッドカーペット。
  3. 維加工用接着剤組成物を、1.2〜5.0倍に発泡して固着又は塗布したことを特徴とする、請求項1又は2に記載のタフテッドカーペット。
  4. 次基布が不織布を用いたタフテッドカーペットであって、繊維加工用接着剤組成物の塗布量が50〜400g/m(乾燥後)であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のタフテッドカーペット。
JP2015170302A 2015-08-31 2015-08-31 繊維加工用接着剤組成物及び繊維製品 Expired - Fee Related JP6587249B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015170302A JP6587249B2 (ja) 2015-08-31 2015-08-31 繊維加工用接着剤組成物及び繊維製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015170302A JP6587249B2 (ja) 2015-08-31 2015-08-31 繊維加工用接着剤組成物及び繊維製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017048262A JP2017048262A (ja) 2017-03-09
JP6587249B2 true JP6587249B2 (ja) 2019-10-09

Family

ID=58278701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015170302A Expired - Fee Related JP6587249B2 (ja) 2015-08-31 2015-08-31 繊維加工用接着剤組成物及び繊維製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6587249B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61282481A (ja) * 1985-06-03 1986-12-12 Hiraoka & Co Ltd 防水性繊維シ−ト材料の製造方法
JP2905499B2 (ja) * 1989-06-16 1999-06-14 旭化成工業株式会社 カーペット用高起泡水系接着剤組成物及びそれを塗工して成るカーペット
JPH0457805A (ja) * 1990-06-26 1992-02-25 Japan Synthetic Rubber Co Ltd バッキング剤用ラテックスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017048262A (ja) 2017-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2717403B2 (ja) 織物材料
US5314943A (en) Low viscosity high strength acid binder
US11041038B2 (en) Water repellent composition
CN104684937B (zh) 地毯涂层组合物
US20150125649A1 (en) Carpet coating compositions of vinyl acetate having improved wet and/or dry strength
JP5426700B2 (ja) 共重合体ラテックス及び該共重合体ラテックスを含有する組成物
CN112105706B (zh) 拨水拨油剂和纤维制品
JPWO2018163911A1 (ja) 撥油剤組成物
JP6587249B2 (ja) 繊維加工用接着剤組成物及び繊維製品
GB2030585A (en) Froth aid for latex adhesives
CN105658868B (zh) 地毯产品及用于制造地毯产品的方法
US20110028580A1 (en) Carpet backing compositions
JP5711415B1 (ja) 接着剤組成物
JP3160843B2 (ja) 共重合体ラテックスを含有してなる組成物
JP5378967B2 (ja) 繊維加工用組成物及び該組成物を用いる繊維加工製品の製造方法
RU2252285C2 (ru) Многослойное текстильное покрытие для пола
WO2014165388A1 (en) Carpet products and processes for making same using latex coating compositions
JP5351252B2 (ja) 起泡性水性組成物
JP2961207B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP4004636B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法及び該共重合体ラテックスを含有する紙被覆用組成物
JP2004150192A (ja) ジオグリッド用被覆組成物およびジオグリッド
JP2023073477A (ja) 組成物
JP5685669B1 (ja) 裏打ち用接着剤組成物
JP3486789B2 (ja) カーペットバッキング剤用共重合体ラテックス
JP2014196390A (ja) 接着剤組成物及び該組成物を用いた製品

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150831

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190613

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6587249

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees