JP6586700B2 - 負荷検出装置、情報処理装置、負荷検出方法、および負荷検出プログラム - Google Patents

負荷検出装置、情報処理装置、負荷検出方法、および負荷検出プログラム Download PDF

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Description

本発明は、負荷検出装置、情報処理装置、負荷検出方法、および負荷検出プログラムに関する。
人体に装着され、人体の動作に基づく物理量(例えば、位置又は姿勢(角度))を検出する動作センサを備え、該物理量が基準量を超えたときに人体に障害が発生することを予測して報知する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[特許文献]特開2006−85262号公報
このような装置においては、使用者の腰部などに特定の負担を与えないようにする等のために、使用者が負担する荷物等の負荷荷重を算出することは難しかった。
本発明の第1の態様においては、使用者の姿勢を検出する検出部と、検出部が検出した姿勢と使用者の手にかかる荷重及び使用者の姿勢の関係とに基づき、使用者の手に許容される荷重を推定する推定部とを備える負荷検出装置が提供される。
本発明の第2の態様においては、取得した使用者の姿勢と使用者の手にかかる荷重及び使用者の姿勢の関係とに基づいて、使用者の手に許容される荷重を推定する推定部と、使用者の手にかかる荷重及び使用者の姿勢の関係を格納する格納部とを備える情報処理装置が提供される。
本発明の第3の態様においては、使用者の姿勢を検出する検出段階と、検出段階で検出した姿勢と使用者の手にかかる荷重及び使用者の姿勢の関係とに基づき、使用者の手に許容される荷重を推定する推定段階とを備える負荷検出方法が提供される。
本発明の第4の態様においては、使用者の姿勢を検出する検出ステップと、検出ステップで検出した姿勢と使用者の手にかかる荷重及び使用者の姿勢の関係とに基づき、使用者の手に許容される荷重を推定する推定ステップとを電子計算機に実行させる負荷検出プログラムが提供される。
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。これら特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
本実施形態における負荷検出装置100の模式図である。 本実施形態における負荷検出システム200のブロック図である。 本実施形態における検出部121の他の構成を示すブロック図である。 本実施形態における負荷検出システム202の他の構成を示すブロック図である。 本実施形態における負荷検出装置100の設定手順を示す流れ図である。 本実施形態における負荷検出装置100の表示画像301を示す図である。 本実施形態における使用者99の動作を示す模式図である。 本実施形態における腰部の物理モデル400を示す図である。 本実施形態における使用者99の他の動作を示す模式図である。 本実施形態における使用者99のリンクモデルを示す図である。 本実施形態におけるテーブル135の構成を示す模式図である。 本実施形態における負荷検出装置100による推定手順を示す流れ図である。 本実施形態における負荷検出装置100の表示画像302を示す図である。 本実施形態における負荷検出装置100による他の推定手順を示す流れ図である。 本実施形態における負荷検出装置100の表示画像303を示す図である。 本実施形態における負荷検出装置100の表示画像304を示す図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。下記の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、一実施例に係る負荷検出装置100の形態を示す模式図である。図1は、負荷検出装置100を装着した、負荷検出装置100の使用者99を、使用者99の背面側から見た様子を示す。なお、使用者99は、例えば、介護施設において介護作業をする介護士、工場において作業をする工員、工事現場において作業をする作業員等、腰等の上体(例えば、腰、腕、背中、腹、胸、頭などの腰から上の部分)の屈伸を伴う作業を行う者(作業者)である。
使用者99の上体に装着された負荷検出装置100は、着用部110、検出部120、処理部130、インターフェース部140(以下、「I/F部140」と記載する)、および使用者99の上体(例えば、腰)に巻き付けられて固定されるベルト部150を備える。検出部120、処理部130、およびI/F部140の全部または一部は、ベルト部150に対して接続することにより、使用者99に装着してもよい。
着用部110は、例えば、伸縮性を有する生地により形成されたボディスーツ状の衣服である。例えば、着用部110(又はベルト部150)には、次に説明する検出部120を構成する第1センサ122(例えば、第1センサ)および第2センサ124(例えば、第1センサとは別の第2センサ)が取り外し可能に取り付けられており、使用者99が着用部110(又はベルト部150)を着用することにより、使用者99の身体(例えば、上体)と検出部120とが一体的になる。
検出部120は、第1センサ122および第2センサ124を有する。第1センサ122は、使用者99の脊椎の上端付近に配される。また、第2センサ124は、使用者99の仙骨付近に配される。ここで、仙骨付近には、使用者99の表皮から伸ばした法線が仙骨に到達する、表皮上の位置が含まれる。
使用者99の仙骨は、使用者99の身体全体が移動しない限り変位が生じにくい位置にある。一方、使用者99の脊柱上部は、使用者99の上体の姿勢(例えば、傾き)が変化した場合に、大きく変位する。よって、検出部120又は処理部130は、第1センサ122の検出値(例えば、加速度)と第2センサ124の検出値(例えば、加速度)との差分を算出することにより、使用者99の上体の傾きを算出できる。
なお、検出部120は、着用部110に取り付けられていなくてもよい。例えば、ベルト部150に支持部材(不図示)を介して物理的に接続され、使用者99の上体の計測対象部分、例えば、使用者99の脊椎の上端付近、使用者99の仙骨付近、図1に示す位置などに接触して配置されてもよい。
また、第1センサ122および第2センサ124として、加速度センサに替えて、あるいは加速度センサに加えて、ジャイロセンサを設けてもよい。更に、第1センサ122が取り付けられた位置と、第2センサ124が取り付けられた位置との間で使用者99の身体に沿って取り付けた曲げセンサを、第1センサ122および第2センサ124に替えて、あるいは第1センサ122および第2センサ124に加えて用いてもよい。このように、検出部121は、ジャイロセンサ及び/又は曲げセンサを備える構成であってもよい。
また更に、図3は、図2に示した検出部120に替えて使用できる検出部121の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、検出部121は、例えば加速度センサである第1センサ122および第2センサ124に加えて、筋硬さセンサ126を有する。筋硬さセンサ126は、ロードセル等を用いて形成でき、使用者99の体表に配置して筋肉の硬さを検出することにより、使用者99が負荷に抗して姿勢を維持するために発揮している筋力を検出する。よって、負荷検出装置100は、筋硬さセンサ126の出力に基づいて、第1センサ122および第2センサ124の出力を補正することにより、使用者99に掛かる負荷の算出精度を向上できる。
処理部130およびI/F部140は、ベルト部150に固定されることにより、使用者99の腰部付近に配される。処理部130は、検出部120の検出結果を処理して、使用者99にかかる負荷を反映した処理結果を示す情報を生成する。なお、処理部130は、ベルト部150の内部に設けた空間に配置され固定されてもよい。
I/F部140は、タッチパネル型ディスプレイ(後述の表示部144)を有し、負荷検出装置100を装着した使用者99からの入力を受け付けると共に、処理部130の処理結果を使用者99に向かって表示する。このように、I/F部140は、負荷検出装置100を装着した使用者99に対するユーザインターフェースを形成する。なお、図1では、I/F部140を使用者99の腰の後ろ側に示しているが、その用途に鑑みて、I/F部140は、使用者99の前側又は側方に配置してもよい。
図2は、負荷検出装置100を含む負荷検出システム200全体のブロック図である。この負荷検出システム200は、図1に示した負荷検出装置100と、有線又は無線の通信回線201を介して負荷検出装置100に接続された端末装置210およびサーバ220とを備える。
通信回線201は、LAN、インターネット、公衆交換電話網、専用回線等、様々な通信方式を使用でき、また、それらが混在する通信網であってもよい。このような通信回線201を介在させることにより、負荷検出装置100、端末装置210、およびサーバ220は、相互に情報を交換することができる。
処理部130は、算出部132、格納部134、および推定部136を有する。算出部132は、使用者99の動作(例、姿勢)を検出する前に、後述する入力部142等によって取得した使用者99に関する情報、例えば、使用者99が保持する予定の荷重、使用者99の身長、体重、年齢、性別等に基づいて、当該使用者99の姿勢と使用者99の腰にかかる負荷との関係を算出する。
格納部134は、算出部132が算出した使用者99の姿勢と使用者99の腰にかかる負荷との関係をテーブル、計算式、データベース等の形で記録して格納する。また、格納部134は、検出部120が使用者99の姿勢に関して検出した検出値をキーとして参照された場合に、使用者99について格納した負荷との関係に基づいて、使用者99に掛かる負荷を、後述する推定部136に取得させる。
推定部136は、格納部134に格納された使用者99の姿勢と使用者99の腰にかかる負荷との関係(例、データベースのテーブル、演算式、数理モデルなど)を参照して、使用者99の姿勢から、使用者99の手(例えば、手先)又は腕(例えば、肩から手首までの部分)に掛けることが可能な荷重を演算等(例、四則演算、比較演算、論理演算など)によってリアルタイム又は定期的に推定する。また、推定部136は、使用者99が持ち上げようとする荷重の大きさ(予定荷重)を後述する入力部142から入力された場合に、使用者99が当該荷重を持ち上げた場合に腰に掛かる負荷の値に基づいて、使用者99が持ち上げることができる荷重の範囲と、入力された荷重の大きさとの関係、例えば、使用者99に対する荷重の許容範囲に納まっている否か、あるいは、当該範囲の限界に近いか、等の関係を推定する。
推定部136の推定結果は、手(例えば、手先)又は腕にかけてもよい荷重を示す物理量として出力してもよい。また、推定部136は、検出または入力された、使用者99の腰に掛かる負荷の個々の許容範囲等の条件に対して、使用者99の許容範囲として推定結果を出力してもよい。例えば、推定部136は、推定した手先への負荷を、使用者99の腰に対して予め定めた許容範囲を超える負荷を与えるものであるか否かというデータ形式で出力してもよい。
I/F部140は、入力部142、表示部144、および報知部146を有する。入力部142は、使用者99が、負荷検出装置100に情報を入力する場合に入力装置として使用される。入力部142は、後述する表示部144を兼ねたタッチパネルであってもよいし、タッチ式スイッチまたはメカニカルスイッチ等を用いたキーボードまたはコントローラであってもよい。更に、音声入力装置、視線入力装置等を備えてもよい。
なお、I/F部140は、負荷検出装置100から取り外すことができるように、あるいは、当初より負荷検出装置100から分離した端末器として提供してもよい。更に、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンビュータ等に、負荷検出装置100のI/F部140として動作するプログラムを実装して、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンビュータ等の情報処理装置をI/F部140として使用してもよい。
また、I/F部140は、図中に破線の矢印で示すように、負荷検出装置100と直接に通信してもよい。この場合、I/F部140と負荷検出装置100との通信は、負荷検出装置100と通信回線201との通信とは異なる通信プロトコルを用いてもよい。例えば、I/F部140と負荷検出装置100との間の通信プロトコルがブルートゥース(登録商標)であり、負荷検出装置100と通信回線201との通信プロトコルが無線LANであってもよい。
また、I/F部140は、図中に実線の矢印で示すように、通信回線201を介して負荷検出装置100と通信してもよい。この場合は、I/F部140と負荷検出装置100との通信も、負荷検出装置100と通信回線201との通信も、例えば、無線LAN等の共通の通信プロトコルを用いてもよい。
表示部144は、入力部142への入力項目と入力結果のフィードバックとを表示する他、推定部136による推定結果も表示する。更に、負荷検出装置100の電池残量、動作状態、通信回線201の回線状況等も併せて表示する。報知部146は、表示部144と共に、使用者99に対して入力を即し、入力を受け付けた旨をフィードバックし、更に、推定部136の推定結果として、警告、警報等を発生する。
報知部146は、表示部144の表示領域の一部に設けてもよいし、専用の発光部、発音部等を設けてもよい。なお、I/F部140および処理部130の一部または全部は、BlueTooth(登録商標)接続、有線接続等により負荷検出装置100と通信するタブレット、スマートフォン等で代用してもよい。その場合、負荷検出装置100の一部または全部は、タブレット、スマートフォン等のプロセッサで実行されるプログラムとして提供されてもよい。
負荷検出システム200において、端末装置210は、入力部242、表示部244、および報知部246を有する。端末装置210は、通信回線201を介して接続されている点を除くと、負荷検出装置100のI/F部140と同じ機能を有する。これにより、端末装置210は、使用者99が装着した負荷検出装置100を遠隔操作できる。また、負荷検出装置100の検出部120による検出結果や、推定部136による推定結果を遠隔地から監視できる。端末装置210は、例えば、負荷検出システム200の管理者88により操作される。
サーバ220は、通信回線201を介して、I/F部140を含む負荷検出装置100および端末装置210にそれぞれ接続される。サーバ220は、各種の情報を格納する格納装置としても、負荷の検出に係る様々な処理を実行する処理装置としても使用できる。
格納装置としてのサーバ220は、負荷検出装置100を使用する使用者99となり得る多くの個人に関する情報、すなわち、ユーザID、身長、体重、年齢、性別等を格納してもよい。これにより、負荷検出装置100の使用を開始する場合に、例えばユーザIDを負荷検出装置100に入力するだけで、身長、体重、年齢、性別等をサーバ220から一括して読み出し、負荷検出装置100の初期設定に関する使用者99の手間を省くことができる。
また、格納装置としてのサーバ220は、I/F部140および検出部120を通じて負荷検出装置100に入力された情報を、入出力ログとして記録してもよい。これにより、設定情報等をバックアップできると共に、負荷検出システム200に何らかの障害が発生した場合に、個々の負荷検出装置100の動作を再現して原因を究明したり、障害が発生する前の状態を復元できる。
更に、格納装置としてのサーバ220は、推定部136が後述するようにして推定した推定結果を継続的に記録してもよい。これにより、管理者は、使用者99の動作状態(例、作業状態)と使用者99の腰にかかった負荷をサーバ220に蓄積させて、作業体制および作業方法の解析および改善に推定結果を利用できる。また、管理者は、使用者99の勤務評定、経理処理等にも推定結果を利用できる。
また更に、格納装置としてのサーバ220は、検出部120の第1センサ122および第2センサ124等が検出した検出値そのものを記録してもよい。この場合、サーバ220は、第1センサ122および第2センサ124の出力値だけではなく、検出部120の第1センサ122および第2センサ124に対する入力信号、例えば、負荷検出装置100に撮像装置を付加して、撮像画像をそのまま記録してもよい。
これにより、検出部120から情報を取得した負荷検出装置100の処理部130の機能に不具合があった場合に原因が究明しやすくなる。また、推定部136における処理方法、例えば、腰負荷を推定するアルゴリズム等が更新された場合に、検出部120が検出した情報に基づいて改めて推定等の処理を実行できる。
サーバ220等の情報処理装置(例、荷重推定装置)には、負荷検出装置100の機能の一部、例えば、処理部130の算出部132、格納部134、推定部136の機能の一部または全部を割り当ててもよい。これにより、処理部130の少なくとも一部を負荷検出装置100から切り離して、個々の使用者99が身につける負荷検出装置100に実装するハードウェアおよびソフトウェアを簡素化してもよい。このような場合、例えば、情報処理装置は、取得した使用者99の姿勢と使用者99の手にかかる荷重及び使用者99の姿勢の関係とに基づいて、使用者99の手に許容される荷重を推定する推定部136と、使用者99の手にかかる荷重及び使用者99の姿勢の関係を格納する格納部134と、使用者99の手に許容される荷重を表示する表示部とを備える。
図4は、サーバ220に処理部130の機能を割り当てた負荷検出システム202の構成を示すブロック図である。図示のように、使用者99が装着する負荷検出装置100には検出部120と通信部138のみを設け、処理部130の機能はサーバ220に実装している。これにより、使用者99が見につける負荷検出装置100を簡素化できる。
また、使用者99が身に着ける負荷検出装置100と異なり、サーバ220には、消費電力、装置の寸法、重量等に対する制約が少ない。よって、サーバ220は、負荷検出装置100よりも高速で容量の大きな処理装置となり得る。これにより、推定等の処理をサーバ220で実行することにより、推定の精度の向上、処理時間の短縮等が可能になる。
なお、サーバ220は、単一のデバイスにより形成するとは限らない。例えば、格納装置としてのサーバ220と、処理装置としてのサーバ220とを個別に用意して、通信回線201を通じて接続してもよい。この場合、格納装置としてのサーバ220および処理装置としてのサーバ220は、それぞれの用途に適した異なる構成のハードウェアを用いてもよい。また、汎用の処理装置を用いて用途の異なるサーバ220を構成してもよい。
負荷検出装置100の報知部146は、負荷検出装置100から使用者99に対して、推定結果、警報、動作状態(例えば、動作情報、正常、異常など)、充電状態等を通知または警告する。また、表示部144は、負荷検出装置100の検出対象である使用者99の腰部負荷に関する情報を表示して、使用者99に伝える。報知部146は、音、光、または電気的な刺激等により、例えば、負荷検出装置100による物理量が、予め定めた閾値を超えたことを、使用者99に伝える。
更に、報知部146は、上記の推定結果、警報、動作状態等の情報を、通信回線201に接続された端末装置(例えば、管理者88が使用する端末)210にも送信してもよい。これにより、管理者88は、使用者99にかかっている腰部負荷を、使用者99から離れた場所でリアルタイム又は定期的に監視できる。
なお、負荷検出装置100は、何らかの理由で通信回線201との接続が切れた場合であっても、スタンドアローンで動作できるようにしてもよい。また、その場合に、通信回線201との接続が切れている旨を、報知部146を通じて使用者99に通知するようにしてもよい。
図5は、負荷検出装置100の処理部130において実行される処理の手順を示す流れ図である。図5に示す手順は、使用者99が負荷検出装置100を上体に装着して使用を開始する時の設定手順の一例である。
負荷検出装置100の使用を開始する場合、負荷検出装置100を身に着けた使用者99は、使用者99に関する個別の設定情報(例えば、使用者ID、身長などの入力フィールドに入力される情報など)を入力して、負荷検出装置100を初期設定するために初期値として設定情報を入力する(ステップS101)。図6は、上記ステップS101における表示部144の表示画像301を例示する図である。図示のように、表示画像301は、複数の入力フィールド311、テンキーパッド312、およびボタン313が表示されている。
入力フィールド311は、それぞれ数値で入力する、使用者99のユーザID、身長、体重、年齢、性別等の入力項目を示している。テンキーパッド312は、タッチパネルである表示部144の一部領域に表示されている。ボタン313は、入力フィールド311への入力が完了した場合に、ユーザがその旨を負荷検出装置100に入力する場合にタッチする。
ここで、使用者99による負荷検出装置100の使用が初めてではない場合、負荷検出装置100(例えば、処理部130)は、1行目の入力フィールド311に使用者IDが入力されたことを検出することにより、身長、体重、年齢、性別等の他の入力項目を使用者IDに基づきサーバ220から取得して自動入力して入力フィールド311に表示してもよい。また、体重の入力フィールド311に体重が入力された場合に、負荷検出装置100は、例えば、体重の60%に相当する値を、使用者99の上半身の重量として自動入力して入力フィールド311に表示してもよい。
上記のように、図5のステップS101において設定情報が入力されると、負荷検出装置100の処理部130は、入力された設定情報に基づいて、使用者99の姿勢と、使用者99の手(例、手先)にかかる荷重(例、使用者99の手に許容される荷重上限)と、使用者99の腰にかかる負荷(例、使用者99の腰にかけることができる負荷上限)との関係を示すテーブル(例えば、後述の図11)を該設定情報ごとに生成する(ステップS102)。ここで、処理部130が生成するテーブルに示される使用者99の姿勢と、使用者99の手先にかかる荷重と、使用者99の腰にかかる負荷との関係の一例について、次に説明する。
図7は、腰部に負荷が生じる使用者99の動作を模式的に示す図である。図中に示す1から3の番号順に使用者99が直立した状態(1)から、腰をかがめる動作(屈曲動作)(2)により手(例えば、手先)を床に近づけ(3)、次に、腰を伸ばしつつ(4)上体を起こし、最終的に直立した状態に戻るまで(5)の間に、使用者99自身の上体の質量が腰部に作用して生じる腰部負荷の値が変化する。
図8は、上記の動作をする使用者99の腰椎回りの物理モデル400を示す図である。腰椎440は、互いに回転可能に順次連結された椎骨441、442、443、444、445を有する。この物理モデル400では、腰椎440全体を剛体と見做してもよい。
腰椎440の下端は、仙骨450に対して回転可能に支持される。また、腰椎440の上端は、胸椎410の下端を、回転角度をφで回転可能に支持する。この物理モデル400では、腰椎440の前後で、腹筋群430が生じる筋力Fと、背筋群420が生じる筋力Fとが、図7に示した運動の各段階において静的に釣り合うと見做す。
腰椎440に支持された胸椎410は、腰椎440の背面側で収縮した背筋群420が筋力Fを発生した場合に、回転モーメントlm6・Fが作用して、使用者99の背中側に傾く。また、胸椎410は、腰椎440の前面側で収縮した腹筋群430が筋力Fを発生した場合に、回転モーメントln6・Fが作用して使用者99の前面側に傾く。このような胸椎410の傾きにより、使用者99の上体が傾き、腰椎440には、負荷Fが作用する。ここで,背筋群420または腹筋群430の作用による胸椎410の回転角をφとする。
上記の物理モデル400に沿って、使用者99の腰椎に掛かる負荷を解析すると、腰椎440の回りには、下記の式1に示す釣り合いが成り立つ。
Figure 0006586700
上記式1において、Mは使用者99の上体の質量を表し、gは重力加速度を表す。使用者99の上体の質量は、例えば、使用者99の全質量(例、体重)の60%程度と推定することもできるし、予め使用者99の体重を測定してその体重又は体重をもとに算出した上体の質量を格納部134に格納しておき、算出部132に参照させてもよい。
また、仙骨450に対して腹筋群430が発揮する筋力Fの回転モーメントFn0と、背筋群420が発揮する筋力Fの回転モーメントFm0とが釣り合うので、下記の式2が成立する。
Figure 0006586700
図7に示したように、使用者99の手先に荷重が作用していない場合、使用者99の腰椎440に掛かる負荷Fは、筋力F、Fを用いて下記の式3のように表すことができる。
Figure 0006586700
処理部130の算出部132は、上記の式1、式2、および式3を用いて、例えば、手先に負荷を持っていない使用者99の上体の傾き(姿勢)に基づいて、使用者99の腰部にかかる負荷を算出できる。
図9は、使用者99が手(例えば、手先)に荷重77を持って腰部を屈伸する動作を模式的に示す図である。図示のように、当初は直立した状態において手(又は腕)で荷重77を保持する使用者99が(1)、腰を屈曲して荷重77を降ろし(2)、更に腰を大きく曲げて床近くまで荷重77を下げた後(3)、腰を伸ばして荷重77を持ち上げて(4)、最終的に直立する状態に戻る(5)までの動作を示す。このような一連の動作においては、使用者99自身の上体の質量と、使用者99が手に持つ荷重77との両方に起因する負荷が、使用者99の腰部に作用する。
使用者99が荷重77の持ち上げを含む動作をする場合、使用者99に対する荷重77の位置、すなわち、荷重77の重心位置と使用者99自身の重心位置との水平方向の距離に応じ使用者99および荷重77全体の重心は移動する。また、使用者99の腰部に負荷がかかる動作は、膝を屈伸して上体を昇降させる動作や、更に、膝と腰部とを両方屈伸させて使用者99全身を昇降させる動作もある。
Figure 0006586700
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再び図5を参照すると、負荷検出装置100における処理部130の算出部132は、例えば、角度θにより表された使用者99の姿勢と、使用者99の腰にかかる負荷(例、使用者99の腰に許容される負荷)との関係を示すテーブルを生成する(ステップS102)。テーブルは、例えば、使用者99の姿勢、年齢、性別等の設定情報と、その使用者99にかかる荷重および腰負荷を実験的に測定したデータを上記したリンクモデル(図10参照)および式7に代入した結果とに基づいて生成できる。すなわち、使用者99の姿勢と年齢や性別などの設定情報をもとに実験して設定された手に許容される荷重上限とを上記の式7に代入し、使用者99の腰にかかる負荷を算出する。処理部130の算出部132は、算出された使用者99の腰にかかる負荷を上記荷重上限に対応する使用者99の腰に許容される負荷(使用者99の腰に掛けることができる最大の腰負荷)とし、上記のテーブル(例、図11)を生成する。
図11は、ステップS102に算出部132が生成したテーブル135の一例を示す図である。図示のように、テーブル135においては、使用者99の腰にかかる負荷のうち使用者99の腰に許容される負荷(使用者99の腰に掛けることができる最大の腰負荷)、使用者99の手(例えば、手先)に掛け得る荷重の上限(使用者99の手に許容される荷重)、その荷重を保持する使用者99が姿勢を維持できる時間の関係が、使用者99の姿勢毎に格納されている。生成されたテーブル135は、格納部134に格納される(ステップS103)。
図11において、例えば、姿勢が90°のテーブルにおける一列目では、前屈90°で腰に掛けることができる最大の腰負荷が1500Nとした時の手に掛け得る荷重の上限(荷重上限、付加的な荷重の最大値)が5kgであることを示している。また、例えば、図11の姿勢が90°のテーブルの二列目、三列目においては、身体的情報別(例、設定情報の身長、体重、年齢、又は性別ごと、など)に上記腰負荷や荷重上限などが記載されている。
これにより、推定部136は、格納部134のテーブル135を参照することにより、上記の一連の計算を実行することなく、例えば、検出部120が検出した使用者99の姿勢に基づいて、使用者99の腰に掛かる負荷及び使用者99の手に許容される荷重(手に対する荷重上限)が簡単且つ迅速に推定できる状態になる。この後、負荷検出装置100は、使用者99に関する設定情報の入力が完了して、推定部136が動作できる状態になった旨を、使用者99に伝えるべく、設定完了の通知を、表示部144、報知部146等に表示させる(ステップS104)。
こうして、負荷検出装置100の設定が完了する。ここで、上記の手(例、手先)に対する荷重上限(限界荷重、限界手先荷重)は、手にかかる荷重(手に加わる荷重、手に負荷される荷重)のうち、手に許容できる荷重、手に対する荷重の許容値、手で保持することが可能な付加的な荷重(例、荷物の重さ)、手に掛かる荷重の許容範囲、又は使用者の安全又は効率の観点から手に負荷できる限界荷重などを含む。
図12は、上記のように設定が完了した負荷検出装置100における推定部136の動作手順の一例を示す流れ図である。設定が完了した負荷検出装置100を身に着けた使用者99が何らかの作業による動作を開始した場合(例、上記の第1センサ、第2センサによって姿勢の変化を検出した場合など)、推定部136は、検出部120が検出した使用者99の姿勢を取得する(ステップS201)。
また、推定部136は、取得した使用者99の姿勢に基づいて格納部134に格納されたテーブル135を参照して読み出しすることにより(ステップS202)、該姿勢に対応するテーブル135から得られる使用者99の腰の負荷(腰に掛けることができる負荷上限)に基づく手に許容される荷重(荷重上限)を推定結果として取得する(ステップS203)。
なお、ステップS203において、上記したテーブル135に示すように、所定の姿勢における使用者99の腰負荷が複数ある場合、推定部136は、上記の設定情報(例、身長、体重、年齢、性別などの身体的情報)に基づき所定の姿勢(検出された姿勢)に対する使用者99の腰の負荷(負荷上限)を該当のテーブル135から選択し、選択した腰の負荷を用いてテーブル135から該当する使用者99の手に許容される荷重(荷重上限)を推定結果として取得する。更に、推定部136は、推定結果を、表示部144および報知部146のいずれかに出力する(ステップS204)。
図13は、表示部144に表示される推定結果の一例を示す表示画像302である。図示のように、表示画像302には、検出部120が検出した使用者99の姿勢(例、前傾角度、ひねり角度など)に対して、使用者99が当該姿勢において保持していると想定される荷重(想定荷重、予定荷重)と、使用者99の腰の負荷が過大にならないことを条件として推定された手にかかる荷重の上限値(荷重上限)と、使用者99が検出された姿勢を維持できると推定される時間とが併せて表示されている。
ここで、上記した実施形態において、使用者99の姿勢が継続的に維持された場合は、表示される荷重の上限値と、維持可能な時間とは、時間の経過と共に減少していくようにしてもよい。更に、例えば、維持可能と推測された時間が過ぎた場合は、報知部146から、使用者99に対して警報または警告等の通知情報が発せられる。一方、検出部120が、使用者99の異なる姿勢を検出した場合は、推定部136がその異なる姿勢に対して改めて推定した新しい推定結果が表示部144に表示される。
このように、負荷検出装置100を装着して作業をすることにより、使用者99は、姿勢という自分自身では監視し難い要素を気にすることなく作業でき、また、手先で保持できる荷重という作業に直結した数値により、腰にかかる負荷を認識できる。よって、ユーザは、使用者99自身の安全が図れると共に、作業形態の改善を検討したりできる。また、負荷検出装置100は、検出が容易であり、構造が簡単で廉価に供給するこができるので、負荷検出装置100の上記の恩恵を広く享受できる。
以降、推定部136は、ステップS201から204の動作を繰り返し継続する。ここで、推定部136における推定の処理の少なくとも一部は、検出部120が検出した使用者99の姿勢と格納部134に格納されたテーブル135とを照合するという比較的に負荷の軽い処理なので、使用者99の動作(例、姿勢)に追従してリアルタイムに上記推定を継続できる。
なお、上記の実施形態では、格納部134にテーブル135を格納して推定部136が参照する構成とした。しかしながら、格納部134に格納する使用者99の姿勢と使用者にかかる負荷との関係の形式はテーブルに限られず、多次元のデータベース形式、数理モデル(例、演算式)、簡略化した数式(演算式)等であってもよい。
次に、算出部132が算出する、使用者99の手(例、手先)にかかる荷重(手先荷重)と腰への負荷との関係の他の実施形態(第2の実施形態)について説明する。先の実施形態では、使用者99の腰椎回りの物理モデルに基づいて上記の関係を算出した。しかしながら、算出部132は、例えば、多数のデータに基づいて、任意の身長、体重、前屈角に対して使用者99の手先に掛かる付加的な荷重77と腰負担値の関係を数理モデル化することもできる。
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なお、上記の式9において、sinθは、cosθまたはθそのものとしてもよい。また、影響する変数として、更に、付加的な荷重77と体の重心との距離などを導入することも考えられる。しかしながら、ここでは、上記3変数による計算を例示する。また、この例ではAを多項式としているが、多項式に限らなくても以下の手順は応用できる。
Figure 0006586700
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次に、上記した式9の次数ni,x、ni,y、ni,tを定める。すべての変数について同時に実行することは難しいので、1変数ずつ行う。例えば、式9においてyとθを固定し、Aをxだけの関数に単純化してすべてのni,xを定めるといった操作(処理)を繰り返す。
Figure 0006586700
Figure 0006586700
ここで、式10の場合と同様に、各iについて、身長xに対してAi,p[q][r]をグラフにプロットして次数ni,xの大まかな最大値を決め、それ以下の何種かの次数の多項式で回帰させて、目標とする精度と照らし合わせて最適な次数を定める。これにより、ni,xの候補が得られる。
Figure 0006586700
同様に、rとpを固定してすべてのni,yを、pとqを固定してすべてのni,tを定める。こうしてni,x、ni,y、ni,tが定まったとすると、式9の変数ai,jklを定めることができる。すなわち、iを固定して、上記で得られたAi,pqr(のうちiを固定したもの)全部(N×N×N個)を使い、モデルを式9として回帰させる。
Figure 0006586700
図14は、負荷検出装置100における推定部136の他の動作手順を示す流れ図である。使用者99の姿勢が変化し続けている場合、または、使用者99の上体が傾いた姿勢が維持されている場合は、使用者99が何らかの作業をしていると推測される。よって、図12を参照して説明した通り、推定部136は、使用者99の姿勢を継続的に監視する(ステップS301:NO)。
一方、使用者99が直立した姿勢を予め定めた時間を超えて継続したことを検出部120が検出した場合、推定部136は、使用者99が作業を中断していると推定して(ステップS301:YES)、図12に示した手順と異なる手順を開始する。この場合、推定部136は、表示部144に入力フィールド311を表示して(ステップS302)、使用者99による入力を待つ(ステップS303:NO)。
図15は、上記のステップS301に表示部144に表示される表示画像303を示す図である。図示の例では、使用者99に、次に始める作業において使用者99が手(例えば、手先)で持ち上げようとする荷重(予定荷重、想定荷重)の大きさを入力する入力フィールド311と、その荷重を持ち上げる場合に使用者99がとることが予想される使用者99の姿勢を選択するラジオボタン314が、表示部144に表示される。
負荷検出装置100を使用する使用者は、付加的な荷重77を持ち上げる作業に着手する前に、I/F部140の入力部142を介して、これから行う作業で持ち上げる荷重の大きさを、テンキーパッド312を用いて入力フィールド311に数値で入力する。また、使用者99は、上記作業をする場合にとることが予測される姿勢を、表示画像303上のラジオボタン314で選択することにより、負荷検出装置100に入力する。更に、使用者99は、設定と表示されたボタン313をタッチすることにより、入力した数値と選択した姿勢を、負荷検出装置100の推定部136に設定する。
再び図14を参照すると、上記のような表示部144の表示に対して、使用者99が作業予定の荷重(予定荷重、想定荷重)と姿勢とを入力した場合(ステップS303:YES)、推定部136は、格納部134のテーブル135を参照して、作業予定の荷重と使用者99の腰にかかる負荷(腰に掛けることができる負荷上限)に基づく手に許容される荷重(荷重上限)とを取得して推定し(ステップS304)、表示部144に荷重上限(荷重の許容範囲)に対する作業予定の荷重の大きさの関係を表示する(ステップS305)。
図16は、上記ステップS305において推定部136により表示部144に表示される表示画像304を例示する図である。図示のように、表示画像304には、使用者99の腰に対する負荷の許容範囲に基づく作業可能な荷重の範囲と、作業予定の荷重との関係が示される。これにより、使用者99は、作業前に、次の作業が過剰な負荷なしに実行できるか否かを判断できる。
図に示した例では、推定により表示された予定される荷重が、荷重の許容範囲の上限に近い場合は、荷重が許容範囲を超えた場合に準じて、腰にかかる負荷を警戒しつつ作業をすることが望ましいと判る。また、予定される荷重が許容範囲に納まっていても、維持できる時間が、想定される作業時間よりも短い場合は、結果的に腰への負荷が過大になると判断して、作業の方法、作業に当たる人員等を再検討することができる。
人が作業をする場合に腰に掛かる負担の大きさには、その人の身長、体重、年齢等の個体毎の条件の他、作業に係る荷重(付加的な荷重)の大きさ、荷重の保持時間、作業の反復回数等の作業状況毎の条件も関係する。このため、人の腰に掛かる負荷を測定または推定しようとすると、モーションセンサ等の大規模な測定設備を備えた実験室で、人手を使って測定しなければならず、更に、測定値の解析にも時間と手間がかかる。このため、作業に関連して腰に掛かる負荷を、作業の現場で測定または推定することは困難であった。
上記の負荷検出装置100は、使用者99が実際に作業をしている状態で発生する腰への測定または推定できる。また、負荷検出装置100の使用者99に、作業の対象である荷重またはこれからの作業の対象となる荷重が、それぞれの使用者99について許容される腰の負荷を逸脱するものであるか否かを、使用者99の姿勢に基づいて専門知識なしに理解できるように表示または通知する。よって、年齢、体重、作業状況が変化した場合であっても、使用者99は、腰に掛かる負荷について、客観的な根拠に基づいて対応できる。
これにより、作業中に生じる腰への過大な負荷を未然に避けることができる他、作業後に、腰に累積した負荷を客観的に把握できる。また、単位時間あたりの負荷の累積等を簡単に把握できるので、作業方法の改善、作業内容の分担等についても、客観的な根拠に基づいて検討して計画できる。更に、それまでに経験したことがない作業をする場合であっても、腰に掛かる負荷を推定して、作業が実行できるか否かを客観的に判断できる。
なお、上記のような負荷検出装置100または負荷検出システム200は、例えば、介護施設等で作業する介護士が使用してもよい。負荷検出装置100または負荷検出システム200を導入することにより、使用者99である介護士の腰にかかる負荷を作業中も継続的に監視して、過剰な負荷がかかる場合は警告を発して、過剰な負荷の発生を未然に防止できる。
また、介護士の腰にかかる負荷を記録して蓄積することにより、管理者88は、通常の作業以外の計測や検診を実施することなく、介護士のコンディションを管理して、人員の配転、作業の割り振り、人員計画の策定等を改善できる。さらに、継続的に記録された姿勢と腰への負荷との関係を参照することにより、介護士自身による作業方法、作業手順等の改善を図ることもできる。
負荷検出装置100または負荷検出システム200は、理学療法士、作業療法士等の医療従事者が、リハビリテーション、運動療法、作業療法等を安全に施療するためのツールとして使用してもよい。この場合は看者が使用者99となり、過大な負荷の発生を防止すると共に、施療の経過観察にも使用できる。更に、産業現場において安全管理を担当する安全衛生管理者等が、作業現場の使用者99の腰への負担を管理する場合にも使用してもよい。
負荷検出装置100または負荷検出システム200は、データソリューションサービスの展開に使用してもよい。例えば、負荷検出システム200を使用して、作業現場における多数の使用者99の腰負荷の発生に関する情報を継続的に収集することにより、業務改善や事故防止に関する提案を策定できる。
すなわち、負荷検出装置100または負荷検出システム200は、単に腰に対する負荷が過大であるか否かを報知するにとどまらず、腰への負荷の許容範囲を手(例、手先)に掛かる荷重の大きさの範囲として表示する。また、作業をする場合の姿勢の変更等を入力することにより、作業方法の変更を即座に荷重の許容範囲として表示できる。
これにより、負荷検出装置100または負荷検出システム200は、安全の観点又は効率の観点などにおいて、専門知識のない使用者99が実作業の中で腰への過大な負荷を受けることを防止することを可能にする。更に、負荷検出装置100または負荷検出システム200は、腰への負荷を低減するための作業方法、作業の割り振り等を検討する場合の客観的な根拠を提供して、作業の改善を円滑する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。また、変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するとは限らない。
77 荷重、88 管理者、99 使用者、100 負荷検出装置、110 着用部、120、121 検出部、122 第1センサ、124 第2センサ、126 筋硬さセンサ、130 処理部、132 算出部、134 格納部、135 テーブル、136 推定部、138 通信部、140 I/F部、142、242 入力部、144、244 表示部、146、246 報知部、150 ベルト部、200、202 負荷検出システム、201 通信回線、210 端末装置、220 サーバ、301、302、303、304 表示画像、311 入力フィールド、312 テンキーパッド、313 ボタン、314 ラジオボタン、400 物理モデル、410 胸椎、420 背筋群、430 腹筋群、440 腰椎、441、442、443、444、445 椎骨、450 仙骨

Claims (13)

  1. 使用者の姿勢を検出する検出部と、
    前記使用者の体幹から荷重の重心までの、重力方向と交差する方向の距離と、前記荷重との関係を含む、前記使用者の手にかかる荷重と前記使用者の姿勢との関係を予め格納した格納部と、
    前記検出部が検出した前記姿勢と前記使用者の手にかかる荷重及び前記使用者の姿勢の関係とに基づき、前記使用者の手に許容される荷重を推定する推定部と
    を備える負荷検出装置。
  2. 前記検出部は、前記使用者の筋肉の硬さを検出するセンサを有する請求項1に記載の負荷検出装置。
  3. 前記推定部は、外部から入力された前記使用者の予定荷重の値を、推定した前記荷重の値と比較する請求項1または2に記載の負荷検出装置。
  4. 前記推定部は、推定した前記荷重の値に基づいて、前記使用者の手にかかる前記荷重の許容範囲を外部に出力する請求項1から3のいずれか一項に記載の負荷検出装置。
  5. 前記推定部は、前記使用者に関する情報に基づいて前記許容範囲を設定する請求項4に記載の負荷検出装置。
  6. 前記推定部は、推定した前記荷重の値が予め定めた許容範囲に納まるか否かを外部に出力する請求項1からのいずれか一項に記載の負荷検出装置。
  7. 前記格納部は、前記使用者の手にかかる荷重と前記使用者の姿勢との関係を示す数理モデルを格納する請求項1から6のいずれか一項に記載の負荷検出装置。
  8. 前記推定部は、外部から入力された前記距離に基づいて、前記荷重を推定する請求項1から7のいずれか一項に記載の負荷検出装置。
  9. 前記推定部は、前記関係として演算式を用いて前記手に許容される荷重を推定する、請求項1からのいずれか一項に記載の負荷検出装置。
  10. 前記使用者に装着されるベルト部を備え、
    前記検出部及び前記推定部は前記ベルト部に接続されている請求項1からのいずれか一項に記載の負荷検出装置。
  11. 取得した使用者の姿勢と前記使用者の手にかかる荷重及び前記使用者の姿勢の関係とに基づいて、前記使用者の手に許容される荷重を推定する推定部と、
    前記使用者の体幹から前記使用者の手にかかる荷重の重心までの、重力方向と交差する方向の距離と、前記荷重との関係を含む、前記使用者の手にかかる荷重及び前記使用者の姿勢の関係を格納する格納部と、
    を備える情報処理装置。
  12. 使用者の姿勢を検出する検出段階と、
    前記使用者の体幹から荷重の重心までの、重力方向と交差する方向の距離と、前記荷重との関係を含む、前記使用者の手にかかる荷重と前記使用者の姿勢との関係を予め格納した格納部を参照して、前記検出段階で検出した前記姿勢と前記使用者の手にかかる荷重及び前記使用者の姿勢の関係とに基づき、前記使用者の手に許容される荷重を推定する推定段階と
    を備える負荷検出方法。
  13. 使用者の姿勢を検出する検出ステップと、
    前記使用者の体幹から荷重の重心までの、重力方向と交差する方向の距離と、前記荷重との関係を含む、前記使用者の手にかかる荷重と前記使用者の姿勢との関係を予め格納した格納部を参照して、前記検出ステップで検出した前記姿勢と前記使用者の手にかかる荷重及び前記使用者の姿勢の関係とに基づき、前記使用者の手に許容される荷重を推定する推定ステップと
    を電子計算機に実行させる負荷検出プログラム。
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