以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る検出装置200の構成例を、駆動装置100と共に示す。駆動装置100は、外部から入力する入力信号に応じて、当該駆動装置100に設けられる光学部品の位置を制御する。駆動装置100は、例えば、直交する3方向(例えば、X、Y、およびZ方向)にレンズを移動させる光学モジュールである。駆動装置100は、アクチュエータ10と、制御部120とを備える。
アクチュエータ10は、磁力によって駆動対象物を移動させる。ここで、アクチュエータ10は、駆動対象物としてレンズを駆動して移動させてよい。アクチュエータ10は、可動部20と、駆動部30と、センサ部110と、を有する。この場合、アクチュエータ10は、一例として、可動部20を一方向(例えばX方向)に移動させる。アクチュエータ10が可動部20を異なる2方向(例えばXおよびY方向)に移動させる場合、アクチュエータ10は、駆動部32と、センサ部112と、を更に有してよい。また、アクチュエータ10が可動部20を異なる3方向(例えばX、Y、およびZ方向)に移動させる場合、アクチュエータ10は、駆動部34と、センサ部114と、を更に有してよい。図1は、異なる3方向に可動部20を移動させるアクチュエータ10の例を示す。
可動部20は、移動可能に保持される。図1は、可動部20がX、Y、Z方向の異なる3方向に移動可能に保持される例を示す。可動部20は、レンズ22と、磁石部24とを含む。可動部20は、移動する方向に応じた数の磁石部を有してよい。即ち、図1の例の可動部20は、磁石部26および磁石部28を更に有する。可動部20は、一例として、レンズ22の光軸がZ方向と略平行になるように、XY平面と略平行にレンズ22を搭載する。そして、可動部20がX、Y、Z方向に移動することにより、レンズ22の位置が移動する。
磁石部24、磁石部26、および磁石部28は、可動部20に固定され、磁場を発生させる。磁石部24、磁石部26、および磁石部28は、永久磁石でよい。
駆動部30、駆動部32、および駆動部34のそれぞれは、コイルを含み、当該コイルに通電することによって磁力を発生させる電磁石を有してよい。駆動部30、駆動部32、および駆動部34のそれぞれは、可動部20の対応する磁石部に対向するように設けられ、対応する磁石部を吸着または離間させるように磁力を発生させ、可動部20を移動させる。例えば、駆動部30は磁石部24に対応して設けられ、可動部20をX方向に移動させる。同様に、駆動部32は磁石部26に対応して可動部20をY方向に移動させ、駆動部34は磁石部28に対応して可動部20をZ方向に移動させる。駆動部30、駆動部32、および駆動部34のそれぞれは、複数の電磁石を有してよい。
駆動部34は、磁石部28を吸引するように磁力を発生させ、可動部20を−Z方向に移動させてよい。また、駆動部30および駆動部32は、磁石部24および磁石部26を離間するように磁力をそれぞれ発生させ、可動部20を+XY方向に移動させてよい。また、駆動部30、駆動部32、および駆動部34のそれぞれは、可動部20の位置を固定するように磁力を発生させてよい。
センサ部110、センサ部112、およびセンサ部114のそれぞれは、可動部20の対応する方向における位置を検出する。センサ部110、センサ部112、およびセンサ部114のそれぞれは、対応する磁石部が発生する磁場を検出する磁気検出装置でよい。例えば、センサ部110は、磁石部24の磁場を検出して可動部20のX方向の位置を検出し、センサ部112は、磁石部26の磁場を検出して可動部20のY方向の位置を検出し、センサ部114は、磁石部28の磁場を検出して可動部20のZ方向の位置を検出する。
センサ部110、センサ部112、およびセンサ部114のそれぞれは、ホール素子、GMR(Giant Magneto Resistive)素子、インダクタンスセンサ等を有してよい。センサ部110、センサ部112、およびセンサ部114のそれぞれは、可動部20の検出した位置の情報を、制御部120に供給する。
制御部120は、入力信号に応じてアクチュエータ10の駆動量を制御する。制御部120は、入力信号に応じてアクチュエータ10の駆動量を制御する。制御部120は、外部からの入力信号に応じた位置に、可動部20を位置させるようにアクチュエータ10を制御してよい。制御部120は、駆動部30、駆動部32、および駆動部34のそれぞれに接続され、可動部20の位置を制御する制御信号を供給してよい。
また、制御部120は、センサ部110、センサ部112、およびセンサ部114のそれぞれから受けとった可動部20の位置に基づき、可動部20を当該入力信号に応じた位置に移動させるようにフィードバック制御してよい。制御部120は、センサ部110、センサ部112、およびセンサ部114のそれぞれに接続され、可動部20の位置の情報を受けとってよい。また、制御部120は、駆動部30、駆動部32、および駆動部34のそれぞれに、フィードバック制御する制御信号をそれぞれ供給してよい。
制御部120は、制御パラメータを用いてアクチュエータ10の駆動量を制御してよい。制御部120は、一例として、PID制御(Propotional−Integral−Derivative Controller)を用いてアクチュエータ10を制御する。この場合、制御部120は、比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲイン等を、制御パラメータとして用いてよい。制御部120は、センサ部110からの可動部20の位置信号をA/D変換したデジタル信号と入力信号とに基づき、PID制御回路でアクチュエータ10の駆動量を算出し、算出した駆動量をD/A変換した駆動信号を駆動部30、駆動部32、および駆動部34のそれぞれに供給してよい。
以上のように、駆動装置100は、入力信号に応じて可動部20を移動させ、レンズ22の位置を制御する。例えば、駆動装置100は、入力信号に応じてレンズ22の光軸方向(例えばZ方向)の位置を制御して、オートフォーカス機能を実行する。また、駆動装置100は、入力信号に応じてレンズ22の3次元的な位置を制御して、手振れ補正機能を実行する。
この場合、駆動装置100は、アクチュエータ10の位置の検出信号、画像処理プロセッサ等からのレンズ位置の目標信号、ジャイロセンサ等からの角度および/または角速度信号等を、入力信号として用いていた。しかしながら、アクチュエータ10に、保持状態の変化、突発的な揺れ、振動等の力学的な外乱が加わった場合、このような制御が不安定となり、レンズ22で結像する画像に乱れが生じる場合があった。このような不安定動作を防止すべく、力学的な外乱を検知して制御するには、新たにセンサ等を駆動装置100内部に設置しなければならず、コストがかかり、また、センサ配置の空間的な制限等によっては実現が困難であった。
そこで、本実施形態に係る検出装置200は、他のセンサ等を用いずに、簡便にアクチュエータ10に加わる力学的な外乱を検出する。即ち、検出装置200は、アクチュエータ10および制御部120を備える駆動装置100に加わる力学的な外乱を検出する。検出装置200は、取得部210と、検出部220と、出力端子230と、を備える。
取得部210は、制御部120からアクチュエータ10への制御信号、およびアクチュエータ10から検出した駆動量に応じた検出信号の少なくとも一方に応じた信号に基づく対象信号を取得する。取得部210は、制御部120に接続され、当該制御部120から出力されるアクチュエータ10の制御信号を、対象信号として取得してよい。また、取得部210は、センサ部110に接続され、当該センサ部110が可動部20の位置を検出した検出信号を、対象信号として取得してよい。
図1は、取得部210が、制御部120から駆動部30へと出力するアクチュエータ10の制御信号と、センサ部110が可動部20の位置を検出した検出信号とを、対象信号として取得する例を示す。即ち、図1は、検出装置200が、アクチュエータ10のX方向の移動を制御する制御信号と、X方向の移動結果を検出する検出信号とを取得して、当該アクチュエータ10のX方向の力学的な外乱を検出する例を示す。
これに代えて、または、これに加えて、検出装置200は、制御部120から駆動部32へと出力する制御信号と、センサ部112の検出信号とを取得してアクチュエータ10のY方向の力学的な外乱を検出してよい。これに代えて、または、これに加えて、検出装置200は、制御部120から駆動部34へと出力する制御信号と、センサ部114の検出信号とを取得してアクチュエータ10のZ方向の力学的な外乱を検出してもよい。
取得部210は、取得した信号を対象信号として検出部220に供給してよく、これに代えて、取得した信号に演算を施した信号を対象信号としてもよい。図1は、取得部210が取得した信号に演算を施した信号を対象信号とする例を示す。取得部210は、推定部212と、生成部214と、を有する。
推定部212は、可動部20の位置を検出した検出信号に基づいて、制御信号の推定値を算出する。推定部212は、検出信号に演算を施して、制御部120が出力した制御信号の推定値を算出してよい。推定部212は、アクチュエータ10を線形デバイスとした場合の線形駆動デバイスモデルを用いてよい。推定部212は、例えば、アクチュエータ10のノミナルモデルの逆モデルを用いて、制御信号の推定値を算出する。この場合、推定部212は、当該モデルによるアクチュエータ10の伝達関数の逆数、または当該逆数にローパスフィルタ等を付加したノミナルモデルを用いて制御信号の推定値を算出してよい。また、推定部212は、使用する帯域の周波数特性を合わせたモデルを用いて、制御信号の推定値を算出してよい。推定部212は、算出した制御信号の推定値を生成部214に供給する。
生成部214は、制御信号の推定値および制御信号に基づく対象信号を生成する。生成部214は、生成部は、制御信号の推定値および制御信号の差分に基づく対象信号を生成してよい。生成部214は、制御信号の推定値から制御部120が出力した制御信号を差し引いた差分信号を、対象信号として生成してよい。
検出部220は、対象信号に基づいて、駆動装置100に加わる力学的な外乱を検出する。検出部220は、取得部210に接続され、対象信号を受けとってよい。検出部220は、帯域フィルタ部222を有する。
帯域フィルタ部222は、対象信号にフィルタリング処理を施して当該力学的な外乱を検出する。帯域フィルタ部222は、対象信号における基準周波数範囲の周波数成分を通過させる帯域フィルタ部を有する。ここで、基準周波数範囲は、予め定められた周波数、設定周波数、設計周波数、ユーザ等からの入力周波数等によって定まる範囲でよい。帯域フィルタ部222は、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、およびバンドパスフィルタのうち少なくとも1つのフィルタを用いて、フィルタリング処理を実行してよい。
出力端子230は、検出部220が検出した検出結果を外部に出力する。出力端子230は、検出部220により検出した外乱に応じた加速度信号を出力してよい。出力端子230は、制御部120に接続され、検出部220が検出した検出結果を制御部120に供給してよい。
以上のように、本実施形態に係る検出装置200は、駆動装置100の制御信号と可動部20の位置を検出した検出信号とに基づき、駆動装置100に加わる力学的な外乱を検出して、制御部120に供給する。これにより、制御部120は、検出部220による外乱の検出結果に基づいて、制御信号を補正することができる。例えば、制御部120は、当該外乱を相殺するように可動部20を移動させ、当該外乱による画像の乱れを低減させることができる。また、制御部120は、当該外乱を低減させるように、制御パラメータを変更してもよい。即ち、このような駆動装置100および検出装置200は、外乱による画像の乱れを低減させるレンズ駆動システム1000を構成してよい。
以上の検出装置200は、駆動装置100とクローズドループ接続され、駆動装置100にセンサ等を追加すること無しに、駆動装置100に加わる力学的な外乱を検出する。このようなクローズドループ接続を、図2から図5を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る駆動装置100のフィードバック制御の構成例を示す。図2の駆動装置100において、図1に示された本実施形態に係る駆動装置100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
制御部120は、外部からレンズ22の位置の目標信号を入力信号として受け取り、当該入力信号に応じたアクチュエータ10の駆動量を制御する。そして、センサ部110は、制御部120の制御により移動した可動部20の位置を、駆動結果として制御部120に出力する。制御部120は、当該駆動結果およびレンズ22の位置の目標信号を入力信号として、アクチュエータ10の駆動量を更に制御する。即ち、図2は、制御部120が、検出信号に基づいてアクチュエータ10の駆動量をフィードバック制御する例を示す。
駆動装置100がクローズドループ接続されているので、当該ループにより、アクチュエータ10の制御信号は、C/(1+G・C)と示すことができ、センサ部110の出力信号はG・C/(1+G・C)と示すことができる。ここで、Cは制御部120の伝達関数、Gはアクチュエータの伝達関数を示す。そして、このような駆動装置100の制御は、当該駆動装置100に加わる力学的な外乱の影響を受ける場合がある。なお、センサ部110の伝達関数は、アクチュエータ10の伝達関数Gに含まれてよい。
図3は、本実施形態に係る駆動装置100に力学的な外乱が加わった場合の一例を示す。図3は、横軸が時間、縦軸が可動部20の位置(即ち、レンズ22の位置)を示す。即ち、図3は、駆動装置100がレンズ22の目標位置XTを入力信号として受け取り、アクチュエータ10の駆動量を制御した場合に、レンズ22が実際に移動した時間変化の一例を示す。
例えば、図3の曲線Aは、可動部20のZ軸が鉛直方向と略平行に配置され、重力が可動部20の−Z方向と略一致した場合に、制御部120が当該可動部20のZ方向の位置をフィードバック制御した結果の一例を示す。即ち、可動部20は、重力方向とは反対方向の目標位置XTに移動するので、図3の曲線Aは、力学的な外乱として重力が加わった場合の可動部20の位置制御結果を示す。
また、図3の曲線Bは、可動部20のZ軸が鉛直方向と略垂直に配置され、重力が可動部20のZ方向と略垂直となった場合に、制御部120が当該可動部20のZ方向の位置をフィードバック制御した結果の一例を示す。即ち、可動部20は、重力が加わらない方向の目標位置XTに移動するので、図3の曲線Bは、力学的な外乱として重力が加わらない場合の可動部20の位置制御結果を示す。
なお、図3の曲線Aおよび曲線Bの制御部120による制御は、略同一の制御パラメータによる制御結果の例である。即ち、曲線Aは重力に対向してアクチュエータ10を駆動させる一方、曲線Bは重力とは無関係の方向にアクチュエータ10を駆動させるので、略同一の制御パラメータを用いると、可動部20の位置変化はそれぞれ異なる軌道を描くことになる。このように、駆動装置100の配置に応じて、力学的な外乱の影響が変化するので、例えば、駆動装置100の保持状態によって、光学式手振れ補正、オートフォーカス機能等が正常動作せず、画像に乱れが生じることがある。
図4は、本実施形態に係る駆動装置100に加わる力学的な外乱の一例を示す。図4は、横軸が時間、縦軸が可動部20の位置(即ち、レンズ22の位置)を示す。図4は、駆動装置100に強い手振れ等の突発的な揺れ、振動、衝撃等が印加された場合の例を示す。図2で説明した制御部120の位置制御では、このような加速度の変化をフィードバックすることができず、このような駆動装置100は、外乱の大きさによって、光学式手振れ補正、オートフォーカス機能等が正常動作せず、画像に乱れが生じることがある。
そこで、本実施形態に係る検出装置200は、駆動装置100とクローズドループ接続され、駆動装置100に加わる力学的な外乱を検出して、制御部120に検出結果を供給する。図5は、本実施形態に係る検出装置200および駆動装置100がクローズドループ接続された場合の構成例を示す。図5の駆動装置100および検出装置200において、図1および図2に示された本実施形態に係る駆動装置100および検出装置200の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
駆動装置100は、図2と同様に、クローズドループ接続されているので、当該ループにより、アクチュエータ10の制御信号はC/(1+G・C)、センサ部110の出力信号はG・C/(1+G・C)となる。ここで、駆動装置100に加わる力学的な外乱をdとすると、センサ部110の出力信号は、G・{d+C/(1+G・C)}と表すことができる。
推定部212は、当該出力信号を用いて、アクチュエータ10の制御信号を推定する。推定部212は、一例として、アクチュエータ10の逆モデルによるアクチュエータ10の伝達関数の逆数1/Gn(ノミナルモデル)を、出力信号に乗じて、制御信号を推定する。即ち、推定部212の線型モデルが実際のアクチュエータ10の動作と近似できる場合、GnはGと近似することができ、推定部212は、d+C/(1+G・C)と略同一の値を推定結果として算出する。
したがって、生成部214は、推定部212の推定結果からアクチュエータ10の制御信号を差し引くことにより、駆動装置100に加わる力学的な外乱dと略同一の対象信号を生成できる。ここで、生成部214は、制御信号の推定値および/または当該制御信号に対して、フィルタリング処理を施して信号伝送の遅延を調整してから、差分信号を生成してもよい。この場合、生成部214は、ローパスフィルタ等を用いて、フィルタリング処理を実行してよい。
検出部220は、生成部214が生成した対象信号から、直流(DC)成分を除去した信号を、駆動装置100に加わった力学的な外乱として検出する。即ち、帯域フィルタ部222は、対象信号における下限周波数以上の成分を通過させるバンドパスフィルタを含んでよい。また、帯域フィルタ部222は、対象信号における下限周波数以上の成分を通過させるハイパスフィルタを含んでよい。
これにより、本実施形態に係る検出装置200は、駆動装置100に加わる力学的な外乱の振動成分を検出して、駆動装置100の制御部120に供給することができる。なお、図5は、制御部120がアクチュエータ10の駆動部30に駆動信号を供給し、当該駆動信号に応じた可動部20の位置検出信号をセンサ部110が出力して、可動部20のX方向の駆動制御を実行する例を示す。そして、図5は、検出装置200は、制御部120から駆動部30に供給する駆動信号と、センサ部110の出力信号とに基づき、可動部20のX方向に加わる力学的な外乱の振動成分BXを検出して、制御部120に供給する例を示す。検出装置200は、当該振動成分BXを、駆動装置100以外の外部に供給してよい。
同様に、制御部120は、アクチュエータ10の駆動部32に駆動信号を供給し、当該駆動信号に応じた可動部20の位置検出信号をセンサ部112が出力して、可動部20のY方向の駆動制御を実行してよい。この場合、検出装置200は、制御部120から駆動部32に供給する駆動信号と、センサ部112の出力信号とに基づき、可動部20のY方向に加わる力学的な外乱の振動成分BYを検出して、制御部120に供給してよい。また、制御部120が、可動部20のZ方向の駆動制御を実行する場合、検出装置200は、制御部120から駆動部34に供給する駆動信号と、センサ部114の出力信号とに基づき、可動部20のZ方向に加わる力学的な外乱の振動成分BZを検出して、制御部120に供給してよい。
即ち、制御部120が可動部20を3次元制御する場合、検出装置200は、例えば、取得部210、検出部220、および出力端子230の組み合わせを3組設けることにより、X、Y、Z方向に加わる力学的な外乱の振動成分をそれぞれ検出することができる。この場合、検出装置200は、駆動装置100に加わる力学的な外乱の振動ベクトルB(BX、BY、BZ)を検出して出力することができる。
図6は、本実施形態に係る検出装置200の動作フローの一例を示す。まず、駆動装置100は、レンズ22の位置の目標信号等の入力信号に応じて、アクチュエータ10を駆動する(S310)。制御部120は、図5に示すループ制御によってアクチュエータ10を駆動する。駆動装置100は、直交する3方向に対応して、図5に示すループ制御を3つ設け、アクチュエータ10の3方向の移動をそれぞれ駆動してよい。即ち、制御部120は、駆動部30、駆動部32、および駆動部34にそれぞれ対応する制御信号をそれぞれ供給して、可動部20の3次元的な位置を制御してよい。
次に、取得部210は、駆動装置100から対象信号を取得する(S320)。取得部210は、例えば、アクチュエータ10への制御信号およびアクチュエータ10から検出した駆動量を、取得する。制御部120が可動部20の3次元的な位置を制御する場合、取得部210は、制御部120が駆動部30、駆動部32、および駆動部34にそれぞれ供給する制御信号と、センサ部110、センサ部112、およびセンサ部114がそれぞれ出力する出力信号を、取得してよい。
ここで、センサ部110の出力信号を用いるループ制御において、推定部212は、センサ部110の出力信号から駆動部30に供給された制御信号を推定し、生成部214は、当該推定結果から駆動部30に供給された制御信号を差し引いて、対象信号を生成する。同様に、センサ部112の出力信号を用いるループ制御において、推定部212は、センサ部112の出力信号から駆動部32に供給された制御信号を推定し、生成部214は、当該推定結果から駆動部32に供給された制御信号を差し引いて、対象信号を生成する。また、センサ部114の出力信号を用いるループ制御において、推定部212は、センサ部114の出力信号から駆動部34に供給された制御信号を推定し、生成部214は、当該推定結果から駆動部34に供給された制御信号を差し引いて、対象信号を生成する。
次に、検出部220は、対象信号に基づき、駆動装置100に加わった力学的な外乱を検出する(S330)。検出部220は、入力する対象信号のそれぞれに対して、フィルタリング処理を実行して、直交する3方向にそれぞれ加わった外乱の振動成分BX、BY、およびBZを、それぞれ検出する。検出部220は、検出した外乱の振動ベクトルB(BX、BY、BZ)を制御部120に供給する。
次に、制御部120は、検出装置200の検出結果を受け取り、アクチュエータ10の制御信号を補正する(S340)。制御部120は、当該検出結果を用いて、フィードフォワード制御を実行して、外乱による変動を低減させてよい。また、制御部120は、外乱によって変動した可動部20の位置を戻すように、制御信号を補正してよい。これにより、突発的に生じた衝撃、強い手振れ等に起因する画像の揺れを低減させることができる。
例えば、検出部220は、駆動装置100の揺れを検出し、制御部120は、検出部220により検出された揺れによって生じるぶれを低減する方向にレンズ22を駆動する。これにより、検出装置200は、駆動装置100に外乱による揺れを低減させつつ、光学式手振れ補正機能を実行させることができる。なお、駆動装置100が光学式手振れ補正機能を実行する場合、検出装置200は、可動部20のX方向およびY方向に加わる力学的な外乱を検出して駆動装置100に供給してよい。
また、同様の制御により、検出装置200は、駆動装置100に外乱による揺れを低減させつつ、オートフォーカス機能を実行させることもできる。なお、駆動装置100がオートフォーカス機能を実行する場合、検出装置200は、可動部20のZ方向に加わる力学的な外乱を検出して駆動装置100に供給してよい。
以上の動作を継続する場合(S350:No)、駆動装置100および検出装置200は、S320からS340の動作を繰り返す。即ち、駆動装置100は、アクチュエータ10の制御を継続し、検出装置200は、対象信号の取得と外乱の検出を継続してよい。また、検出装置200は、ユーザ等の指示等に応じて、対象信号の取得と外乱の検出を終了してよい(S350:Yes)。以上のように、本実施形態に係る検出装置200は、駆動装置100からの対象信号に基づき、加速度センサ等を用いずに、当該駆動装置100に加わる力学的な外乱を検出することができ、また、当該駆動装置100に生じる画像の乱れを低減させることができる。
以上の本実施形態に係る検出装置200は、駆動装置100に加わる力学的な外乱を検出し、当該外乱の振動成分を駆動装置100にフィードバックすることを説明した。これに代えて、または、これに加えて、検出装置200は、検出した外乱に基づき、駆動装置100の姿勢(姿勢に応じた重力方向)を検出してもよい。このように、検出装置200が駆動装置100の姿勢を検出する例を、図7を用いて説明する。
図7は、本実施形態に係る検出装置200の第1の変形例を、駆動装置100と共に示す。図7の駆動装置100および検出装置200において、図1および図5に示された本実施形態に係る駆動装置100および検出装置200の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
第1の変形例の検出装置200は、駆動装置100の重力方向を検出し、外部の補正部300を用いて当該駆動装置100の姿勢の情報を算出して、当該駆動装置100に供給する。なお、この場合、駆動装置100、検出装置200、および補正部300が、レンズ駆動システム1000を構成してよい。
第1の変形例の帯域フィルタ部222は、対象信号における下限周波数以下の成分を通過させるローパスフィルタを含み、検出部220は、ローパスフィルタを通過した成分を、重力方向を示す信号として出力する。即ち、検出部220は、駆動装置100に加わる力学的な外乱の直流(DC)成分を、当該駆動装置100に加わる重力信号として検出する。
検出装置200は、検出した重力信号を、出力端子230を介して、補正部300に供給する。補正部300は、受けとった重力信号に基づき、駆動装置100の姿勢を算出する。補正部300は、算出した駆動装置100の姿勢の情報を、制御部120に供給する。これによって、補正部300は、アクチュエータ10を駆動する制御信号を駆動装置100の姿勢に応じて制御部120に補正させることができる。
例えば、駆動装置100が、駆動部34に制御信号を供給して可動部20をレンズ22の光軸方向(Z方向)に移動させてオートフォーカス機能を実行する場合、検出装置200は、駆動部34に供給される制御信号と、センサ部114の検出信号とを取得し、当該光軸方向に加わる重力信号を検出する。そして、補正部300は、重力信号の検出結果に基づき、可動部20の光軸方向に対する角度を算出する。例えば、補正部300は、重力信号が重力加速度と略等しい場合、可動部20は鉛直下向きに向いていると算出し、重力信号が略零の場合、可動部20は鉛直方向に対して略垂直方向を向いていると算出する。
また、検出装置200は、制御部120による可動部20の3次元制御する場合、例えば、取得部210、検出部220、および出力端子230の組み合わせを3組設けることで、X、Y、Z方向に加わる力学的な外乱の直流成分をそれぞれ検出して、補正部300に供給することができる。この場合、検出装置200は、駆動装置100に加わる重力信号ベクトルB(BX、BY、BZ)を検出して補正部300に供給できる。補正部300は、重力信号ベクトルBに応じて、駆動装置100の姿勢を算出することができ、制御部120に当該姿勢の情報を供給する。
なお、補正部300は、駆動装置100の姿勢が予め定められた方向の範囲に含まれるか否かを姿勢の情報として制御部120に供給してよい。例えば、補正部300は、可動部20の光軸方向が、鉛直上向き方向に対して、−45度以上、+45度以下の範囲内にあるか否かを算出する。また、補正部300は、可動部20の光軸方向が、鉛直上向き方向に対して、−45度以上、+45度以下の範囲内と算出した場合、可動部20の光軸方向を0度として制御部120に供給してもよい。また、3軸のBX、BY、BZの全てを用いずに、その中の1つまたは2つにより、重力方向を推定してもよい。
同様に、補正部300は、可動部20の光軸方向が、鉛直上向き方向に対して、+45度より大きく、+135度未満の範囲内にあるか否かを算出してよい。また、補正部300は、可動部20の光軸方向が、鉛直上向き方向に対して、+45度より大きく、+135度未満の範囲内と算出した場合、可動部20の光軸方向を90度として制御部120に供給してもよい。同様に、補正部300は、可動部20の光軸方向が、鉛直上向き方向に対して、+135度以上、−135度以下の範囲内にあるか否かを算出してよい。また、補正部300は、可動部20の光軸方向が、鉛直上向き方向に対して、+135度以上、−135度以下の範囲内と算出した場合、可動部20の光軸方向を180度として制御部120に供給してもよい。
このように、補正部300は、駆動装置100の方向を、予め定められた数の方向に分類して、制御部120に供給してよい。この場合、制御部120は、当該分類に応じた制御パラメータを選択して、アクチュエータ10を制御してよい。即ち、制御部120は、複数組の制御パラメータの中から使用すべき制御パラメータを選択して、アクチュエータ10の駆動を制御する。これにより、駆動装置100の姿勢が変化しても、駆動装置100は、駆動装置100の姿勢に応じた制御パラメータを適切に選択することができ、アクチュエータ10の駆動を正確に実行することができる。また、駆動装置100は、複数組の制御パラメータを関数に代入して当該制御パラメータを算出してもよい。
即ち、第1の変形例に係る検出装置200の検出部220は、駆動装置100に加わる重力方向を検出するので、制御部120は、検出部220により検出された重力方向に応じて、フォーカス合わせ等に用いる制御パラメータを変更することができる。したがって、駆動装置100は、当該駆動装置100の保持状態等によって定まる重力方向の影響を低減させつつ、オートフォーカス機能等を実行させることができる。なお、以上の第1の変形例に係る検出装置200は、外部の補正部300を用いて駆動装置100の方向を算出する例を説明した。これに代えて、検出装置200は、内部に補正部300を備えてもよい。
図8は、本実施形態に係る検出装置200の第2の変形例を、駆動装置100と共に示す。図8の駆動装置100および検出装置200において、図1および図7に示された本実施形態に係る駆動装置100および検出装置200の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。なお、本例は、バネタイプのアクチュエータに対して効果的であるが、その他のアクチュエータ形態に対しても使用可能である。
第2の変形例の検出装置200は、駆動装置100の重力方向を検出し、外部の補正部300を用いて当該駆動装置100の姿勢の情報を算出して、当該駆動装置100に供給する。この場合、検出装置200は、制御部120が出力する制御信号を対象信号として取得する。即ち、検出部220は、当該制御信号に基づいて、力学的な外乱を検出する。
制御部120が出力する制御信号は、センサ部110の検出信号をフィードバックした結果として出力される信号なので、厳密には、力学的な外乱の影響を含んだ信号となる。即ち、当該制御信号の直流成分は、重力信号に相当する信号と近似することができる。そこで、第2の変形例の検出装置200の取得部210は、当該制御信号を取得して検出部220に供給し、検出部220は、当該制御信号をフィルタリング処理して重力信号を算出し、補正部300に供給する。これによって、第2の変形例の検出装置200は、より簡便な構成で、駆動装置100の保持状態等によって定まる重力方向の影響を低減させることができる。
以上のように、本実施形態に係る検出装置200は、駆動装置100に加わる力学的な外乱を、加速度センサ無しに検出することができる。即ち、検出装置200は、駆動装置100の制御信号等に基づき、加速度センサと同等の動作を実行することができる。そこで、制御部120がアクチュエータ10の制御をしていない場合(即ち、レンズ22の位置の目標信号が入力されず、レンズ22の移動を制御する必要がない場合)であっても、制御信号を出力し、検出装置200は、当該制御信号等に基づき、駆動装置100に加わる力学的な外乱を検出してよい。
これによって、検出部220は、アクチュエータ10から検出した駆動量に応じた加速度信号を、出力端子230を介して外部に出力することができる。即ち、駆動装置100および検出装置200は、当該駆動装置100および検出装置200を備えるレンズ駆動システム1000の加速度センサとして機能することができる。
また、レンズ駆動システム1000の外部に加速度センサが設けられる場合、当該加速度センサの出力と、当該レンズ駆動システム1000を加速度センサとして機能させた場合の出力とを比較することで、当該レンズ駆動システム1000のパラメータを補正してよい。例えば、補正部300は、当該レンズ駆動システム1000の外部に設けられた加速度センサの出力信号と、当該レンズ駆動システム1000による加速度信号とを入力信号として入力する。そして、補正部300は、2つの入力信号の差分を零に近づけるように、制御部120の制御パラメータ、検出部220が外乱の検出に用いる検出パラメータ等を補正してよい。これによって、レンズ駆動システム1000は、外部の加速度センサを用いることで、システム内のパラメータをキャリブレーションすることができる。
図9は、本実施形態に係る検出装置200として機能するコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、および表示装置2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、およびDVDドライブ2060を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、フレキシブルディスク・ドライブ2050、および入出力チップ2070を有するレガシー入出力部と、を備える。
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000およびグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010およびRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、DVDドライブ2060を接続する。通信インターフェイス2030は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用するプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブ2060は、DVD−ROM2095からプログラムまたはデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、フレキシブルディスク・ドライブ2050、および入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、および/または、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ2050は、フレキシブルディスク2090からプログラムまたはデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、フレキシブルディスク・ドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続すると共に、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク2090、DVD−ROM2095、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ1900内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
プログラムは、コンピュータ1900にインストールされ、コンピュータ1900を取得部210、推定部212、生成部214、検出部220、帯域フィルタ部222、および出力端子230として機能させる。
プログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である取得部210、推定部212、生成部214、検出部220、帯域フィルタ部222、および出力端子230として機能する。そして、この具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算または加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の検出装置200が構築される。
一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、フレキシブルディスク2090、またはDVD−ROM2095等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置または通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030または記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、DVDドライブ2060(DVD−ROM2095)、フレキシブルディスク・ドライブ2050(フレキシブルディスク2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020および外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、および/または記憶装置に含まれるものとする。
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合(または不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。
また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
以上に示したプログラムまたはモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスク2090、DVD−ROM2095の他に、DVD、Blu−ray(登録商標)、またはCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ1900に提供してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。