JP6582084B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、口腔用組成物に関する。
一般的に、有効成分の滞留・吸収技術として乳化技術を活用する方法や浸透促進剤を活用する方法などがある。特に乳化技術は、化粧品や食品を始め多くの分野で活用されており、口腔分野では、油溶性成分の滞留や吸収の促進技術が報告されている。例えば、特許文献1には、ビタミンEやイソプロピルメチルフェノール等の油溶性有効成分を乳化させることで、口腔内滞留・吸収効果を向上させた乳化型液体口腔用組成物が開示されており、特許文献2にはグリチルレチン酸等の油溶性有効成分をオレイン酸PEG等のノニオン活性剤で可溶化させることにより、炎症抑制効果の向上を図っている。
国際公開2011/077847号 特開2012−144490号公報
一方、口腔用製剤の有効成分としてアラントインやトラネキサム酸等の水溶性有効成分が知られている。しかしながら、口腔内は常に唾液が供給され濡れた状態である点で皮膚とは異なり、また製剤適用後に水で漱ぐ場合が多く、濡れた歯肉表面や歯肉内部への水溶性成分の滞留や吸収が困難な環境にある。そのため、従来技術では、水溶性有効成分の歯肉表面や内部への滞留及び吸収向上効果を十分に得ることが出来なかった。
本発明の目的は、水溶性有効成分の口腔内組織、特に歯肉への滞留性及び吸収性が向上した口腔用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水溶性有効成分を口腔用組成物とする際に、分岐鎖構造を有する脂肪酸、直鎖又は分岐鎖構造を有する脂肪酸エステル、若しくはポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上を配合することで、口腔用組成物の臭いや味に悪影響を及ぼさずに、表面が濡れた環境においても有意な滞留及び吸収促進効果を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は、下記[1]〜[4]を提供する。
[1] 少なくとも1種の水溶性有効成分と、
炭素数8〜22の分岐鎖構造を有する脂肪酸、炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖構造を有する脂肪酸エステル、及び、下記式(1)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステル:
RO−(CR)R (1)
〔式(1)中、Rはヒドロキシル基を有していてもよい炭素数5〜25の分岐鎖状アルキル基又はアルケニル基を示す。nはグリセリンの平均重合度を示し、1〜20である。〕からなる群から選ばれる少なくとも1種と、を含有する、口腔用組成物。
[2] 水溶性有効成分が、アラントイン及びその誘導体、トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸塩、アスコルビン酸塩、及び塩酸ピリドキシンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]記載の口腔用組成物。
[3] 炭素数8〜22の分岐鎖構造を有する脂肪酸、炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖構造を有する脂肪酸エステル、及び、下記式(1)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステル:
RO−(CR)R (1)
〔式(1)中、Rはヒドロキシル基を有していてもよい炭素数5〜25の分岐鎖状アルキル基又はアルケニル基を示す。nはグリセリンの平均重合度を示し、1〜20である。〕からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、水溶性有効成分の口腔内組織滞留性及び吸収性向上剤。
[4] イソステアリン酸及びイソステアリン酸フィトステリルからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、水溶性有効成分の口腔内組織滞留性及び吸収性向上剤。
本発明によれば、水溶性有効成分を含有する口腔用組成物であって、当該水溶性有効成分の口腔内組織滞留性及び吸収性が向上した口腔用組成物を提供することができる。また、本発明によれば、水溶性有効成分の歯肉等の口腔内組織への滞留性及び吸収性向上剤も提供することができる。
本発明の口腔用組成物は、以下に記載されるような成分を含有する。
<水溶性有効成分>
水溶性有効成分としては、口腔内組成物の水溶性有効成分として可能な化合物又は当該化合物の塩若しくは水和物などであれば、特段限定されるものではないが、例えば、アラントイン及びその誘導体(例えば、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム)、トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム等のグリチルリチン酸塩、アスコルビン酸ナトリウム等のアスコルビン酸塩、塩酸ピリドキシンなどが挙げられる。しかしながら、水溶性有効成分と、直鎖状又は分岐鎖構造を有する脂肪酸及びそのエステルやポリグリセリン脂肪酸エステルとの間の相互作用の観点から、水溶性有効成分としては、構造中にアミノ基を有している化合物が好ましく、トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、アラントイン及びその誘導体が、より好ましい。
水溶性有効成分である化合物の塩は、薬理学的に許容される水溶性塩であればよく、特段限定されない。
水溶性有効成分は、一種類を単独で用いてもよいし、所望の作用に応じて複数を組み合わせて使用してもよい。
水溶性有効成分の配合量は、所望の効果の大きさや副次的に生じうる作用に依存することから、一義的に定めることは難しいが、0.001質量%未満では十分な歯周疾患抑制効果が発現しない恐れがあり、0.5質量%を超えると味が悪くなる恐れがある。したがって、水溶性有効成分の配合量としては、0.001〜0.5質量%が好ましく、0.01〜0.4質量%がより好ましく、0.01〜0.3質量%が更により好ましい。
<炭素数8〜22の分岐鎖構造を有する脂肪酸>
炭素数8〜22の分岐鎖状構造を有する脂肪酸としては、特段限定されるものではないが、例えば、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。しかしながら、上記脂肪酸としては、皮膚親和性の観点から、炭素数12〜20の高級脂肪酸が好ましく、イソステアリン酸が更に好ましい。
上記脂肪酸の配合量としては、特段限定されるものではないが、0.01質量%未満であると水溶性有効成分の口腔内組織での十分な滞留性及び吸収効果が得られず、1質量%を超えると味、臭い、香味等へ悪影響を及ぼす恐れがある。したがって、0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.3%重量がより好ましく、0.05〜0.2質量%が更により好ましい。
<炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖構造を有する脂肪酸エステル>。
炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖構造を有する脂肪酸エステルとしては、特段限定されるものではないが、脂肪酸残基が、分岐鎖構造を有するものが好ましく、炭素数は12〜20のものが好ましい。特に好ましい脂肪酸エステルは、イソステアリン酸エステルである。また、エステルの種類としては、ステロール骨格を有するステロールエステルが好ましく、中でもフィトステロールエステル、コレステロールエステルが好ましく、フィトステロールエステルが最も好ましい。具体的な脂肪酸エステルとしては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のN−アシルアミノ酸ステロールエステルや、酪酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル等の脂肪酸ステロールエステルが挙げられ、イソステアリン酸フィトステリルがより好ましい。
上記脂肪酸エステルの配合量としては、特段限定されるものではないが、0.01質量%未満であると水溶性有効成分の十分な滞留及び吸収効果が得られず、1質量%を超えると味、臭い、香味等へ悪影響を及ぼす恐れがある。したがって、0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.3質量%がより好ましく、0.05〜0.2質量%が更により好ましい。
また、前記炭素数8〜22の分岐鎖構造を有する脂肪酸と前記炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖構造を有する脂肪酸エステルとを併用することが好ましく、特に、イソステアリン酸とイソステアリン酸フィトステリルとを併用することが好ましい。その際の各成分の配合比(炭素数8〜22の分岐鎖構造を有する脂肪酸:炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖構造を有する脂肪酸エステル)は、重量基準で1:5〜5:1が好ましい。
前記炭素数8〜22の分岐鎖構造を有する脂肪酸と前記炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖構造を有する脂肪酸エステルの合計量は、0.01〜2質量%が好ましく、0.02〜1質量%がより好ましく、0.02〜0.5質量%が特に好ましい。
<式(1)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステル>
式(1)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、以下の構造を有する。
RO−(CR)R (1)
式(1)中、Rはヒドロキシル基を有していてもよい炭素数5〜25の分岐鎖状アルキル基又はアルケニル基を示す。Rの炭素数としては、5〜20がより好ましく、10〜20が更により好ましい。
式(1)中、nは、グリセリンの平均重合度を示し、通常1〜20であり、1〜15が好ましく、1〜12がより好ましい。
上記式(1)で表される脂肪酸エステルの例としては、例えば、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、ポリリシノレイン酸ヘキサグリセリルなどが挙げられるが、口腔組織に対する親和性及び口腔使用性の観点から、ポリリシノレイン酸ヘキサグリセリルであることが好ましい。
上記式(1)で表される脂肪酸エステルの配合量としては、特段限定されるものではないが、0.01質量%未満であると水溶性有効成分の十分な滞留及び吸収効果が得られず、1質量%を超えると味、臭い、香味等へ悪影響を及ぼす恐れがあることから、0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.3%がより好ましく、0.05〜0.2%が更により好ましい。
上記炭素数8〜22の分岐鎖構造を有する脂肪酸、上記炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖構造を有する脂肪酸エステル、上記式(1)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステル
から選ばれる少なくとも一種は、水溶性有効成分の口腔内組織滞留性及び吸収性向上剤としても有用である。その際の各成分の配合量は、各成分について上記した配合量と同様である。
なお、本発明において、口腔用組成物中の各成分の含有量は、特に断らない限り、組成物を製造する際の各成分の仕込み量を基準とするものである。
本発明の口腔用組成物の剤形・形状は特に限定されず、例えば、液体(溶液、乳液、懸濁液等)、半固体(ゲル、クリーム、ペースト等)、固体(錠剤、粒子状剤、カプセル剤、フィルム剤、混練物、溶融固体、ロウ状固体、弾性固体等)等の任意の剤形に調製することができる。
また、前記調製された製剤は、例えば、歯磨剤(練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、粉歯磨等)、洗口剤、塗布剤、貼付剤、口中清涼剤、食品(例えば、チューインガム、錠菓、キャンディ、グミ、フィルム、トローチ等)等の各種製品として利用することができるが、口腔用途の範囲で、前記に限定されないが歯磨剤であることが好ましい。
本発明の口腔用組成物には、上記各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲において、口腔用組成物に使用し得る公知の添加成分(薬理学的に許容される担体)を配合することができる。斯かる添加成分としては、例えば、研磨剤、粘結剤、粘稠剤、界面活性剤、甘味剤、防腐剤、香料、薬用成分、着色剤、pH調整剤、溶剤、等が挙げられ、剤形に応じて適宜選択し得る。以下に添加成分の具体例を示すが、本発明の口腔用組成物に配合可能な成分はこれらに制限されるものではない。
研磨剤としては、例えば、無水ケイ酸、結晶性シリカ、非晶性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート等のシリカ系研磨剤、ゼオライト、リン酸水素カルシウム無水和物、リン酸水素カルシウム2水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、第3リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、第4リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。
研磨剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。研磨剤を配合する場合、その配合量は、歯磨剤においては組成物全体の2〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが更により好ましい。洗口剤においては、組成物全体の0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましい。
粘結剤としては、例えば、プルラン、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等の有機系粘結剤、増粘性無水ケイ酸、ベントナイト等の無機系粘結剤等が挙げられる。粘結剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。有機系粘結剤を用いる場合の配合量は、通常、組成物全量に対して0.1質量%〜3質量%である。無機系粘結剤を用いる場合の配合量は、1〜10質量%であることが好ましい。無機系粘結剤が増粘性無水ケイ酸である場合には、1〜7質量%であることが好ましく、2〜6質量%であることがより好ましい。
粘稠剤(湿潤剤)としては、例えば、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。粘稠剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。粘稠剤を用いる場合、その配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で定めることができ、通常、組成物全体に対して1〜60質量%である。
界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、グリセリン脂肪酸エステルの硫酸塩などが挙げられる。これらのうち、汎用性の点で、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩などが好ましく、発泡性・耐硬水性の点で、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキル鎖の炭素鎖長として炭素数が10〜16のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどがより好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアミド、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらのうち、汎用性の点で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキロールアミド、ソルビタン脂肪酸エステルなどが好適に用いられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、アルキル鎖の炭素鎖長が、炭素数で14〜30であることが好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、エチレンオキサイド平均付加モル数が3〜30であることが好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、エチレンオキサイド平均付加モル数(平均付加EO)が10〜100であることが好ましい。アルキロールアミドは、アルキル鎖の炭素鎖長が炭素数12〜14であることが好ましい。ソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が12〜18であることが好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が16〜18であることが好ましい。また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、エチレンオキサイド平均付加モル数が10〜40であることが好ましい。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン系界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタインが挙げられ、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましい。
界面活性剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。界面活性剤を用いる場合の配合量は、通常、組成物全体に対して0〜10質量%であり、0.01〜10質量%であることが好ましい。
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド、ソーマチン、パラチノース、マルチトール、キシリトール、アラビトール等が挙げられる。甘味剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。甘味剤を用いる場合、配合量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸塩、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。防腐剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。防腐剤を用いる場合、配合量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
香料としては、口腔用製剤に使用可能な通常の香料成分を、単独で、または複数組み合わせた香料組成物として、使用することができる。香料の含有量は、歯磨組成物全量に対して0.00001質量%〜3質量%であることが好ましい。
着色剤としては、例えば、ベニバナ赤色素、クチナシ黄色素、クチナシ青色素、シソ色素、紅麹色素、赤キャベツ色素、ニンジン色素、ハイビスカス色素、カカオ色素、スピルリナ青色素、クマリンド色素等の天然色素や、赤色3号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の法定色素、リボフラビン、銅クロロフィンナトリウム、二酸化チタン等が挙げられる。着色剤を配合する場合、その配合量は、組成物全体に対して0.00001〜3質量%であることが好ましい。
本発明の口腔用組成物のpH(20℃)は、通常5〜8であり、好ましくは5〜6.5であり、より好ましくは5.4〜6である。pH調整剤としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタミン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の酸やアルカリ、緩衝剤が挙げられる。pH調整剤を配合する場合、その配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
溶剤としては、例えば、水、及び、エタノール、プロパノールなどの炭素原子数3以下の低級アルコール等が挙げられる。溶剤は、液体系の口腔用組成物には通常配合される。溶剤として水を配合する場合、その配合量は、組成物全体に対して20〜95質量%であることが好ましい。溶剤として低級アルコールを配合する場合、その配合量は、組成物全体に対して1〜20質量%であることが好ましい。
剤形が固体である場合、さらに、賦形剤、結合剤、崩壊剤、コーティング剤、光沢剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
また、本発明の水溶性有効成分以外の任意の有効成分(他の有効成分)を、本発明の口腔用組成物に配合することもできる。前記他の有効成分としては、抗炎症剤、組織賦活剤、ビタミン、殺菌剤、収斂剤、フッ素等が挙げられる。
以下、本発明を、実施例を参照して更に詳細に説明するが、この実施例により本発明が限定されるものではない。
[製造法]
表1、2に示す組成(質量%)の歯磨組成物を以下の方法で調製し、容器(アルミラミネートチューブ)に充填し、下記方法で評価した。結果を表1、2に示す。
<調製方法>
(1)精製水中に水溶性成分及び粘度調整剤を常温で混合溶解させた(混合物X)。
(2)プロピレングリコール中に粘結剤を常温で分散させ(混合物Y)、撹拌中の混合物X中に、混合物Yを添加混合して、混合物Zを調製した。
(3)混合物Z中に、香料、アニオン性界面活性剤及び研磨剤を、ニーダーを用いて常温で混合し、減圧(5.3kPa)による脱泡を行い、歯磨剤組成物を得た。
[試験法]
(1)水溶性有効成分の滞留・吸収試験方法
<実験方法>
1.5cm四方にカットした7週齢雄性ヘアレスマウスの皮膚(日本エスエルシー(株);ラボスキン)を6ウェルプレートに置き、人工唾液を5mL加え、2時間静置した。透過面積(約0.8cm)が一定になるように、ガラス枠を当該皮膚の上に載せ、下記表に示す実施例又は比較例の口腔用組成物を人工唾液で3倍希釈した液を300μLずつ注入し、5分間静置した。その後、当該希釈液を捨て、5mLの水を加えて振とう機を用いて160rpmで1分間洗浄した。前記洗浄を繰り返し、計2回行った。
洗浄液を捨て皮膚をチューブに回収し、1mL EtOH(90%)を加えてボルテックスミキサーで5分間抽出操作を行った。抽出液を回収し、精製水で等倍希釈後、HPLCにてトラネキサム酸を定量した。
下記試験条件に従いHPLCを用いてトラネキサム酸及びアラントインを定量した。比較例1の組成物(ブランク製剤)のトラネキサム酸及びアラントインの滞留・吸収率を100%とした際の滞留及び吸収率を算出し、次の基準に従い、トラネキサム酸の滞留及び吸収効果を判定した。
(使用機器)
・ポンプ:日本分光(株) PU−980
・試料導入部:協和精密(株) KSP−100X
・検出器:日本分光(株) UV−970
・カラム恒温槽:(株)センシュー科学 SCC−2100
・溶離液流量:1mL/min
(試験条件)
トラネキサム酸を定量するためのHPLC条件は以下のとおりである。
・検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
・カラム:CAPCELL PAK C18 MG−II S−3
・カラム温度:40℃
・溶離液:0.2%リン酸緩衝溶液/5%メタノール水溶液混液
(下記の表中の判定基準)
◎◎:300%以上
◎:200%以上300%未満
○〜◎:150%以上200%未満
○:120%以上150%未満
△:110%以上120%未満
×:110%未満
アラントインを定量するためのHPLC条件は以下のとおりである。
・検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
・カラム:Inertsil NH2(4.6mmφ×250mm)
・カラム温度:35℃
・溶離液:アセトニトリル/リン酸塩緩衝溶液混液(4:1)
(リン酸塩緩衝溶液は、リン酸二水素アンモニウム5.75gを水750mLに溶かし、リン酸を加えpH2.5に調整した後、水を加え1000mLとして、製造した。)
・注入量:5μL
(下記の表中の判定基準)
◎◎:200%以上
◎:175%以上200%未満
○〜◎:150%以上175%未満
○:125%以上150%未満
△:100%以上125%未満
×:100%未満
(2)使用性評価方法
10名のモニタが、口腔用組成物を歯ブラシに乗せ、口腔内を洗浄した際の使用感(臭い・味)を下記評価基準により評価した。10人の評価点の平均を下記判定基準に分類した。
(臭い評価基準)
4点:口腔内で油臭さを感じない。
3点:口腔内で油臭さがやや不快に感じる。
2点:口腔内で油臭さが不快に感じる。
1点:口腔内で油臭さが非常に不快に感じる。
(下記の表中の臭い判定基準)
◎:平均点3.5点以上
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
(味評価基準)
4点:口腔内で異味を感じない。
3点:口腔内でやや異味を感じる。
2点:口腔内で異味を感じる。
1点:口腔内で非常に異味を感じる。
(下記の表中の味判定基準)
◎:平均点3.5点以上
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
Figure 0006582084
Figure 0006582084
Figure 0006582084
Figure 0006582084
[処方例1]歯磨剤
ピリドキシン塩酸塩 0.2
クエン酸 0.7
85%グリセリン 50
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ラウロイルサルコシンナトリウム 0.2
クエン酸ナトリウム 0.6
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
香料 1.2
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 1.2
イソステアリン酸 0.3
イソステアリン酸フィトステリル 0.3
無水ケイ酸(研磨性) 10
無水ケイ酸(増粘性) 5
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5
キサンタンガム 0.9
サッカリンナトリウム 0.2
プロピレングリコール 3.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
パラオキシ安息香酸ブチル 0.01
酸化チタン 0.1
フッ化ナトリウム 0.21
水 残
計 100.0質量%
[処方例2]歯磨剤
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
85%グリセリン 50
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ラウロイルサルコシンナトリウム 0.2
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
香料 1.2
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 1.2
イソステアリン酸 0.3
ポリリシノレイン酸ヘキサグリセリル 0.3
無水ケイ酸(研磨性) 10
無水ケイ酸(増粘性) 5
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5
キサンタンガム 0.9
サッカリンナトリウム 0.2
プロピレングリコール 3.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
パラオキシ安息香酸ブチル 0.01
酸化チタン 0.1
フッ化ナトリウム 0.21
水 残
計 100.0質量%

Claims (2)

  1. アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸塩、及び塩酸ピリドキシンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性有効成分、及び
    ポリリシノレイン酸ヘキサグリセリル、を含有する口腔用組成物。
  2. 練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、粉歯磨、又は洗口剤である、請求項1に記載の口腔用組成物。
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