JP6578282B2 - 放射線治療に関する放射線装置の粒子放射の飛程制御のための方法及び装置 - Google Patents

放射線治療に関する放射線装置の粒子放射の飛程制御のための方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、単一のガンマ線粒子を検出可能である少なくとも1つの検出器および少なくとも1つの分析器を有する、即発ガンマ線の測定を用いることによる、放射線治療のための放射線装置の粒子放射の飛程制御のための方法及び装置に関する。
まとめて粒子線放射と呼ばれる、陽子または重イオンの高エネルギービームは、組織に入ると、停止距離の終端部において、エネルギーのほとんどを解放する。経路の終端部において、典型的には最大値である、いわゆるブラッグピークを有する、カバーされた距離からの阻止能の依存性は、周囲の健康な組織に対する副作用を最小限にして、悪性の組織の選択的な破壊を可能にする。そのため、粒子線放射は、特に腫瘍の治療に適している。しかしながら、組織内の粒子線放射の位置、特にその終端点、いわゆる遠位エッジは、健康な組織の不要な破壊を防ぐために、慎重に監視される必要がある。不完全なビーム飛程を有する放射線処置を、経時的に修正し、または停止することができるように、治療中に既にリアルタイムでこの監視が行われなければならない。一般に、治療のそのような監視は、組織を通過する際に粒子ビームによって引き起こされる、即発ガンマ線の測定によって、最も良好に実現することができると考えられる。このガンマ線は、ほとんど妨げられずに体を通過し、患者の近くにある適切な検出器で検出可能である。即発ガンマ線の放出点は、粒子の飛跡に沿って分布し、組織内で粒子ビームによって付与される線量分布に強く相関する。そのため、本技術の現状によれば、即発ガンマ線の画像ガイド測定のみが、リアルタイムに治療の望ましい監視を可能にすると想定される。
そのような即発ガンマ線の画像ガイド測定を実現することができるように、2つの一般的な概念が、本技術の現状に続く。これらは、特にH. Paganetti編、CRC Press, Taylor & Francis Group, LLC, 2012の書籍「Proton Therapy Physics」の第512ページから514ページに示されているように、一方では受動コリメータを有するシステム及び空間的分解能を有する検出器、他方ではコンプトンカメラの原理で動作する、コリメータを有しないシステムである。
コンプトンカメラは、コンプトン画像化の原理を利用することによって働く。ここで、ガンマ線粒子は、散乱検出器内で電子と散乱する(コンプトン散乱)。反跳電子は、散乱検出器内で信号を発生させ、これからガンマ線粒子のエネルギー損失を決定することができる。散乱されたガンマ線粒子は、散乱検出器を離れる可能性があり、ある確率で、1つまたは複数のさらなる検出器内で信号を発生させ、この場合これは内部で完全に吸収され、または再び散乱する。相互作用の場所が分かれば、単一の検出器内のエネルギー損失から、最初の散乱の発生前の、入射ガンマ線粒子の方向に関する結論を得ることができる。散乱されたガンマ線が最初にさらなる検出器の1つと相互作用する場合、散乱ガンマ線粒子は完全に吸収されると、評価は特に単純かつ正確である。多数のガンマ線粒子の測定は、適切なアルゴリズムを用いて、ガンマ線の発生源分布の再構築を可能にする。従って、コンプトンカメラは、ほとんどの場合異なる平面に配置された、空間分解能及びエネルギー分解能を有する少なくとも2つの検出器を含む。コンプトン画像化の原理から、システムの空間的分解能及びすなわち治療監視の正確性が、使用される検出器の空間的分解能とともにエネルギー分解能の両方に依存することが分かる。空間及びエネルギーにおける十分な分解能は、非常に品質の高い検出器および関連する複雑な電子機器によってのみ得ることができる。そのため、コンプトンカメラは非常に複雑かつ高価であり、実現が困難である。
コリメータを用いるシステムは、コンプトンカメラと比較してはるかに単純な装置構成を有する。これらは、1つまたは複数のコリメータ及び、コリメータの背後でガンマ線を検出する、空間分解能を有する検出器平面からなる。コリメータの遮蔽及び即発ガンマ線の吸収を評価すると、少なくとも部分的に、放射線の発生点に関する情報が得られる。これは、エネルギーの正確な測定がここでは必要でないように、単に検出器平面内のガンマ線の空間分布から得られる。この測定は、一般的には検出器に対する要求が実質的に低く、この時これは幅広い種類の利用可能な材料から選択される可能性があり、これはまた電子機器についてもあてはまる。しかしながら、十分な遮蔽を得るために、MeVのエネルギー範囲のガンマ線を弱めなければならないため、非常に大きなコリメータが必要になり、非常に重くなる。コリメータの厚さが、コードされたコリメータまたはマスクの構築のための障害となり、これは、ガンマ線源分布の2次元または3次元画像を生成するための核医学にも使用されうる。
すでに知られているシステムは、一般的に、即発ガンマ線の画像ガイド測定を目的としている。従来技術によれば、どのような場合でも、空間的分解能を有する単一の即発ガンマ線粒子の検出を必要とするので、画像ガイド測定は、単純かつ区画分けされていない検出器では不可能である。そのため、各システムは、複数のより小さな単一の検出器、区画分けされた検出器、または空間的分解能を有する検出器のいずれかからなり、これらは検出器内の相互作用の場所の測定を可能にする。全てのシステムに共通なのは、検出器内の相互作用のタイミングの測定である。一方では、このタイミング情報は、検出器の同時応答(同時発生)を特定するために使用される。これは、コンプトンカメラには必須である。他方では、ガンマ線粒子の検出と、パルス化放射装置の外の粒子バンチの周期的参照信号との間の時間差の測定が、粒子バンチと経時的に相関する即発ガンマ線と、測定を妨げ、悪化させる相関するバックグラウンドとの間の明確な分離を可能にする。これによって、バックグラウンドに対するピークの比が改善され、結果として画質も改善する。使用される検出器の時間的分解能は、少なくとも1ナノ秒または数ナノ秒の範囲内でなければならない。このタイミングは、ガンマ線粒子が画像ガイド検出器システム内で検出された事象の分類のためにのみ使用される。これは、画像化及び各装置に好適である、事象の選択のための補助的な因子である。時間分布内のいわゆる即発ピークの構造及び位置は、さらなる分析はされない。
測定原理によれば、入射ガンマ線粒子の一部のみが、画像化プロセスに使用可能であることは既知のシステムに共通である。コリメータを使用するシステムは、最大で、不要なバックグラウンドを発生させるため、コリメータに衝突するガンマ線粒子を使用することはできない。コンプトンカメラは、散乱検出器内でコンプトン散乱するものを正確に発見し、その後吸収体内で吸収されるガンマ線粒子の使用を修正するのみである。これらの選択基準は、ガンマ線粒子の数に対して使用可能な検出器への衝突の数を低減し、これは、全体として、通常少なくとも1桁の強度で検出システムに衝突する。治療間の制約を考慮すると、数秒の測定時間は画像を生成するのに十分でなく、十分な正確性を有する飛程制御を可能にするという仮定で働くことができる。治療時に短時間放射線にさらされる間に、十分な統計を有するそのような画像を、放射線の一部のプロセスに能動的に影響を与えることができるように、十分高速に得ることができない。
単一のガンマ線粒子を検出するための検出器は、特に、既知のシンチレーション検出器、チェレンコフ検出器またはいわゆる抵抗板チャンバー(RPC)である。
シンチレーション検出器は、シンチレータ及び光検出器からなることが知られている。シンチレータは、無機材料からなる高速シンチレータまたはプラスチックもしくは有機液体シンチレータからなる高速有機シンチレータであってもよい。高速シンチレータは、確実に、シンチレーション検出器が十分に良好な時間的分解能を提供するようにする。
例えば、G. F. Knollによる、John Wiley & Sons, Inc.社の2010年に発行された書籍「Radiation Detection and Measurement」第4編の第733ページから735ページに記載のような既知のチェレンコフ検出器は、透明媒質に結合された光検出器からなるものであってよい。透明媒体は、好適には固体または液体であり、既知のシンチレーション無機結晶、ガラス、水、非シンチレーション有機材料または、短波長光子をより長波長の光子に変換する波長シフト性添加物を有する非シンチレーション有機材料であり、これらは、より高い効率を有する光検出器によって検出可能である。高速シンチレーション検出器としてチェレンコフ検出器でより良好な時間的分解能を得ることが可能である。
、G. F. Knollによる、John Wiley & Sons, Inc.社の2010年に発行された書籍「Radiation Detection and Measurement」第4編の第201ページから203ページに記載の抵抗平板チャンバー(RPC)は、適切な伝導率を有する、気体で満たされたギャップによって分離された少なくとも2つの平板からなり、これらは電極の間で、高電圧に接続される。そのような種類の検出器は、特に良好な時間的分解能を示す。
本願請求項1から14に記載された発明は、複雑さを実質的に単純化し、低減し、耐久性を向上し、治療、粒子治療の変更のための方法及び装置の監視に必要な測定時間を実質的に低減するという目的に基づく。
この問題は、独立請求項1及び9並びにさらに特定される請求項2から8及び10から14に記載された特徴によって解決される。
即発ガンマ線の測定によって放射線治療のための放射線装置における粒子放射線の飛程の制御をするための方法及び装置は、測定時間を大きく削減することとともに、特に、単純な、複雑さの低減及び耐久性の実現によって優れている。
このために、
−組織内の粒子ビームによって発生した即発ガンマ線の単一のガンマ線粒子が、少なくとも1つの好適な検出器によって検出される。
−事象として記述される、ガンマ線が検出されたときに検出器内で信号が発生し、検出器内にガンマ線が入射することによって発生した信号は、10ナノ秒以下、特に1ナノ秒以下の時間不確定性で検出器にガンマ線粒子が到達することと対応する。
−検出器の信号を分析する分析器は、各イベントまたは選択されたイベントについて検出時間を割り当てる。
−放射線装置または別個の粒子検出器は、参照信号を提供し、これは、10ナノ秒以下、特に1ナノ秒以下の時間不確定性で放射線装置の外の放射線装置からの単一粒子または粒子バンチの出現に対応する。
−時間は、各事象または分析器内で選択された事象のそれぞれについての参照信号から得られ、その時間で、さらに事象トリガー粒子または粒子バンチとして記述される、検出器によって検出されたガンマ線を作り出した粒子または粒子バンチは、放射線装置のビームの方向に対して垂直な参照平面を通過したものであり、参照平面は、好適には、放射線装置のビーム出口に対して垂直である。
−検出器内のガンマ線粒子の検出の時間と、事象トリガー粒子または粒子バンチによって参照平面を通過する時間との間の時間差は、分析器内で各事象または選択した事象について計算される。
−時間差の少なくとも1つの統計的分布は、好適には1000回を超える事象から、さらには10000回を超える事象から、分析器において得られ、これらはさらに時間分布と記述される。
−時間分布は分析され、粒子ビームの飛程についての情報がそれから得られ、装置で監視される治療の治療計画との一致性に関する報知を、主にその時間分布から得ることができる。
その目的のために、装置は、単一のガンマ線粒子を検出することができる少なくとも1つの検出器と、少なくとも1つの分析器と、を提供する。
−検出器は、さらに事象として記述されるガンマ線粒子の検出の際に、信号を発生する検出器であり、信号は、10ナノ秒以下、好適には1ナノ秒以下の時間不確定性で検出器におけるガンマ線粒子の到達に相関する。
−検出器は分析器に接続され、分析器は、検出器からの信号を分析し、各事象または選択された事象をその検出の時間に割り当てる。
−分析器はさらに放射線装置または粒子検出器に接続され、放射線装置または粒子検出器は参照信号を提供し、この参照信号は、10ナノ秒以下、特に1ナノ秒以下の時間不確定性で、放射線装置の外の放射線装置からの単一の粒子または粒子バンチの放出と相関する。
さらに、分析器は、
−さらに事象を設定する粒子または粒子バンチとして参照される、検出器で検出されるガンマ線粒子を生成した粒子または粒子バンチが、放射線装置のビームの方向に対して垂直な参照平面、好適には放射線装置のビーム出口に対して垂直な参照平面を通過した時間を、各事象または選択事象について参照信号から決定し、
−各事象または選択された事象について、検出器におけるガンマ線粒子の検出の時間と、事象を設定する粒子または粒子バンチによって参照平面を通過する時間との間の時間差を計算し、
−好適には1000回を超える事象または10000回を超える事象を含む、時間分布として参照される時間差の統計分布を少なくとも得て、時間分布を決定し、分析し、それによって粒子ビームの飛程についての情報を得る、分析器である。
その場合、この時間分布に主に基づいて、本装置で監視される治療の、照射計画との一致性に関する報知が、可能である。
粒子ビームで患者を治療する間、組織内で治療ビームによって生成される即発ガンマ線に割り当てることができないガンマ線も発生する。この隠れた放射線は、測定される効果に寄与しないが、治療の監視のために使用される時間分布をかく乱し、または偽りのものとする可能性がある。即発ガンマ線の特性は、高いエネルギー及び1MeVから8MeVの範囲の個別のエネルギーの好適な放出(放出直線)である。そのため、検出器によって測定されるすべての事象を使用するのではなく、即発ガンマ線に適した何らかの基準に従ってこれらの事象をフィルターすることが有利である。そのような選択(フィルタリング)は、例えば、強度に応じた検出器信号の追加的な分析によってなされてもよい。強度フィルターを用いると、検出器内で、2MeVから8MeVの間、または特に好適な3MeVから5MeVもしくは5MeVから7MeVの間のエネルギーを排除する、分析器内で事象をフィルターすることが可能になる。このとき、フィルター条件の適切な選択がなされると、時間分布は、選択された(フィルターされた)事象からのみ得られ、フィルターされていない事象の時間分布と比較してバックグラウンドの低減した即発ガンマ線の検出に関連する事象を主に含むこととなる。その他の基準は、信号形態の選択に基づくものであってもよい。これは、例えば、ガンマ線が、中性子放射も検出する液体有機シンチレータで検出される場合に利点である。いくつかの独立なフィルターを適用することによって、いくつかの時間分布が平行して生成され、別個に分析可能である。
原理的に、測定効果をひずませることなく、全ての事象の合計数から、任意にまたは規則的に時間分布を生成するために使用される事象を選択することが可能である。これは、例えば、検出器の計数率が、リアルタイムで分析器によって得られることができないほど高い場合に便利でありうる。そのような場合、それでも依然として、例えば、効率が低くそのため計数率が低いいくつかの別個の(より小さくより薄い)検出器と接続されうるいくつかの分析器を並列に使用することが可能である。
そのため、方法及び事象の実現は、腫瘍治療における粒子ビームの飛程制御のための新しい原理に基づく。これにより、その他の既知の概念のように、即発ガンマ線の特徴が使用される。可能な限り良好な解像度を有する相互作用の場所の測定に基づき、コンプトンカメラの場合には各装置の特定の検出器における即発ガンマ線の相互作用のエネルギーに基づく既知の概念とは対照的に、本発明による方法及び装置は、検出器内の各ガンマ線の相互作用の時間のみを主に評価する。具体的な利点は、本発明に従うそのような装置は、他の概念と比べて、電子的な努力が非常に低減するとともに、1つの単一の、単純な構成かつ安価な検出器ですでに実現可能であること、及び治療の監視の結果が、他の概念と比較して、実質的に測定時間を低減して提供可能であることである。ビームの方向に対して異なる角度の下で少なくとも2つの検出器を使用することで、これらの検出器の位置が、測定される時間分布に加えて考慮可能であるため、より洗練された評価も可能となる。
本方法及び装置は、治療に使用される高エネルギー粒子が、非常に素早く運動し、それでもなおターゲット体積に到達するまでに、原理的に測定可能なある限られた時間を必要とするという事実を利用する。計画通りに照射される物体内のより大きな飛程を有する粒子は、最大エネルギー損失(ブラッグピーク)の領域に到達するまでにより長い距離を移動する必要があり、そのため、遅れて到達し、そのため、計画に従う参照粒子よりも平均的に遅れて即発ガンマ線を引き起こす。反対に、即発ガンマ線は、より短い飛程の場合には、平均的により早く放出される。単純な推定は、例えば、150MeVの陽子が体への入射から完全に減速するまで約1から2n秒(ナノ秒)を必要とし、1cmの距離の差が約100p秒(ピコ秒)の範囲の時間差を引き起こすことを示している。そのような時間差は、一般に、従来の検出器で測定可能である。これらの検出器は、空間解像度を有する必要はなく、エネルギーの測定も必須ではない。好適な設定における単一の検出器であっても、時間測定に基づく治療ビームの飛程内のずれを検出するのに十分である。必須の条件は、そうでなければ任意に選択されうる、ビームの方向に対して垂直な、良好に画定された参照平面を通して治療粒子が通過することに関する正確なタイミング参照が存在することである。通常の放射線装置は、短いビームバンチを発生させ、加速周波数と正確に同期された高周波加速器であるため、この高周波はタイミング参照として使用されうる。そうでなくても、ビーム粒子が通過し、各ビームパケットまたは各単一のビーム粒子に相関したタイミング信号をもたらす特定の検出器からのタイミング参照を得ることが可能である。そのような検出器の例は、いわゆるビームホドスコープである。
本方法及び装置により、時間の統計分布及び、検出器内の即発ガンマ線粒子の検出と参照信号との間の差が決定され、これはガンマ線放射を引き起こした治療粒子または粒子バンチが参照平面を通過した時間を提供する。2つまたはそれ以上の検出器を用いる場合、これらの検出器の間の相対的な時間情報を決定し、さらに空間内のそれらの位置を考慮することも可能である。測定された分布は、以下のように時間分布として特定される。全ての事象または選択された事象のいずれかから決定することが可能である。本発明に従う方法及び装置では、計画された状況と比較した飛程内の移動は、主にこの時間分布から決定される。これは例えば、測定された時間分布から適切な積分パラメータを決定し、それらを参照の時間分布と比較することによって引き起こされうる。それとともに、数ミリメートル程度の飛程内の変化の感度が達成可能である。
積分パラメータの例は、
−分布の中心の位置、
−分布に適合した関数の最大値の位置、または
−例えば、分布の変動または分散によって表される分布幅、もしくは分布に適合した関数の最大値の半値幅によって表された分布幅、であってよい。
リアルタイムで測定と並列である、単一のスペクトルの積分パラメータの計算及びそれによる飛程の監視が、他の方法の画像の再構築についての複雑な計算の場合とは異なり、秒の一部で行われうる。測定原理が、偶然性、またはコリメータなどのような制限要件なく、「簡易測定」に基づくので、評価可能な治療粒子ごとの検出器事象の数は、検出器によってカバーされる立体角を考慮して、空間分布の測定に基づく即発ガンマ線の画像ガイド測定を伴う全ての既知の方法よりもはるかに高い。飛程監視のための十分な統計を有する時間分布は、数秒の範囲の治療条件下で、標準的な検出器で測定可能であり、または1秒でもあり得、飛程内のありうる欠陥が検出可能であり、治療(画分)の開始時に既に修正可能である。装置内で実現される測定方法は、臨床において容易に実現可能であり、臨床的プロセスに良好に統合可能である。
改善案によれば、分析器は、時間分布が検出器の信号に対する所定の基準に従って生成される事象を選択する。さらなる改善案によれば、基準は、検出器の信号の強度、増幅率及び/または形態である。
さらなる改善案によれば、分析器は、時間分布を分析し、それによって粒子ビームの飛程についての情報を得る分析器であって、装置によって監視されるべき治療の照射計画との一致性に関する報知がリアルタイムで与えられ、照射を継続、照射を中断、または放射線装置の設定を変更することによって照射を変更することが可能である。結果として、照射計画からの治療の可能性のあるずれに関する情報がより速く利用可能になり、リアルタイムで治療監視が可能になる。既に開始している治療の間、治療の開始後、好適には10秒以下、特に2秒以下で、中断されまたは修正されることが可能である。
さらなる改善案によれば、飛程の測定は、好適には時間分布から得られる。さらなる改善案によれば、粒子ビームの一致性または実際の飛程に関する報知が、時間分布の積分パラメータから得られる。例えば、さらなる改善案によれば、時間分布の少なくとも1つの統計学的モーメントは、粒子照射の一致性または飛程を画定する。これらは例えば、重心及び/または時間分布の変動であってよい。
時間分布に対して所定の、アプローチ可能なまたは適合可能な関数によって記述される、少なくとも1つのフィッティングパラメータは、粒子照射の一致性または飛程を決定する。これは、例えば、時間分布のピークの位置、幅及び/または非対称性とすることができ、これは、例えばガウス関数またはピアソン関数などの好適な関数が適している。
治療が始まる前に、患者の場所における参照ターゲットが粒子ビーム内に存在する場合、特に有利であり、この参照ターゲットは、参照として少なくとも1つの時間分布を調査するために使用され、患者の照射の間、参照と時間分布との間の時間分布の比較は、粒子照射の飛程に関する報知を提供することができる。
より具体的な設定において、放射線装置は、ターゲットから放出された即発ガンマ線を検出するための、少なくとも第2のガンマ線検出器を含み、第2の検出器は、第1の検出器に対して、第1及び第2の検出器がビームの方向に対して異なる角度から放出された即発ガンマ線を検出するように配置される。そのため、装置は、第1のガンマ線検出器について第1の時間分布を得ることができ、第2のガンマ線検出器について第2の時間分布を得ることができ、それによって、第1の時間分布から第1の時間幅ΔT1を決定し、第2の時間分布から第2の時間幅ΔT2から決定し、第1の時間と第2の時間との間の時間差に等しい時間間隔に光速cを乗じた、光子の移動距離として定義される光子移動シフトΔDPを決定する。
ΔDP=(ΔT2−ΔT1)*c
最後に、粒子ビームの飛程は、この光子移動シフトΔDPの、第1の検出器と第2の検出器との間の検出器位置の差との相関によって決定される。
侵入深さを決定するための1つの方法は、以下の方程式を解くことによって、ターゲット内の距離Rを計算する段階を含む。
ΔDP=SQRT(R*R+d1*d1−2*R*d1*cos(α))−
SQRT(R*R+d2*d2−2*R*d2*cos(β))−(d1−d2)
ここで、ΔDPは光子移動シフトであり、d1は第1の検出器から入射点までの距離であり、入射点は、エネルギーを有する粒子ビームがターゲットに侵入する点として定義され、d2は第2の検出器から入射点までの距離であり、αは、ビームの方向と、入射点から第1の検出器に向かって進む方向との間の角度であり、βは、ビームの方向と、入射点から第2の検出器に向かって進む方向との間の角度である。
好適には、第2のガンマ線検出器は、第1及び第2の検出器が、少なくとも20°異なるビーム方向に対する角度で放出された即発ガンマ線を検出するように、第1の検出器に対して配置される。従って、例えば、第1のガンマ線検出器は、ビーム方向に対して100°以上の角度で放出される即発ガンマ線の測定に関して配置することができ、第2のガンマ線検出器は、ビームの方向に対して80°以下で放出される即発ガンマ線の測定に関して配置することができる。
さらなる改善案によれば、単一のガンマ線粒子を検出することが可能な検出器は、少なくとも1つのシンチレータ及び少なくとも1つの光検出器を含むシンチレーション検出器、透明媒体に結合された少なくとも1つの光検出器を含むチェレンコフ検出器、または抵抗平板チャンバー(RPC)であれば有利である。上述の検出器により、測定の目的に十分な、時間的分解能が達成可能である。
上述の方法の各段階を実施することができるように、本願請求項に記載の発明はさらに、ターゲットから放出される即発ガンマ線を検出するように構成され、第1の検出器に対して、第1及び第2の検出器がビーム方向に対して異なる角度から放出された即発ガンマ線粒子を検出するように配置され、分析器は、両方の検出器の時間分布を得られるように、両方の検出器について時間差Δt1及びΔt2を計算し、第1の時間差Δt1から第1の時間幅ΔT1を決定し、第2の時間差Δt2から第2の時間幅ΔT2を決定し、さらに第1の時間幅と第2の時間幅との間の差に等しい時間間隔で光子が移動する距離として定義される光子移動シフトΔDPを決定するように構成されたアルゴリズムを含む分析器を含み、
ΔDP=(ΔT2−ΔT1)*c
である。
この場合、cは光速に等しく、光子移動シフトΔDPを第1の検出器と第2の検出器との間の検出器位置の差と相関させることによって、粒子ビーム侵入深さを決定する。
この装置は、好適には、以下の方程式を解くことによって、ターゲット内の距離Rを計算するように構成された計算手段を有する分析器を含む。
ΔDP=SQRT(R*R+d1*d1−2*R*d1*cos(α))−
SQRT(R*R+d2*d2−2*R*d2*cos(β))−(d1−d2)
この場合、ΔDPは、光子移動シフトであり、d1は第1の検出器から入射点までの距離であり、入射点は、エネルギーを有する粒子ビームがターゲットに侵入する点として定義され、d2は第2の検出器から入射点までの距離であり、αはビームの方向と、入射点から第1の検出器に向かって進む方向との間の角度であり、βは、ビームの方向と、入射点から第2の検出器に向かって進む方向との間の角度である。好適には、第2のガンマ線検出器は、第1及び第2のガンマ線検出器が、ビームの方向に対して少なくとも20°異なる角度で放出された即発ガンマ線を検出するように、第1のガンマ線検出器に対して配置される。最も好適な設定においては、第1のガンマ線検出器は、ビーム出口におけるビーム方向に対して100°以上の角度で放出される即発ガンマ線を測定するように配置され、第2のガンマ線検出器は、ビーム出口におけるビーム方向に対して80°以下の角度で放出される即発ガンマ線を測定するように配置される。
本発明の実施形態は、図面に一般的な形態で記述され、以下により厳密に記載される。
放射線治療で使用するための放射線装置の粒子放射の飛程の監視のための装置である。 粒子検出器を含む放射線装置を有する装置である。 治療中の装置である。 較正中の装置である。 いくつかの検出器を有する装置である。 ビーム源に関して2つの検出器を使用する装置の概略的な設定である。 例示的な即発ガンマ線放出及び検出プロファイルである。 キャビティがターゲット内に存在する場合における例示的な即発ガンマ線放出及び検出プロファイルである。 本発明に従う時間プロファイルの幅の差ΔT2−ΔT1である。 単一の検出器の設定と2つの検出器の設定との間の感度の差である。 様々な設定の構成についての、幅の差ΔT2−ΔT1である。
本発明に従う放射線治療において使用するための放射線装置の粒子放射線の飛程の監視のための方法及び装置が、これから説明される。
放射線治療のための放射線装置1の粒子放射線の飛程の監視のための装置は、主に放射線装置1と、単一のガンマ線粒子を検出することが可能な少なくとも1つの検出器2と、少なくとも1つの分析器7と、からなる。
図1は、一般的な設定における放射線治療で使用するための、放射線装置1の粒子放射線の飛程の監視のための装置を示す。
図1は、もっとも単純な設定の装置を概略的に示す。放射線装置1は、患者内5にパルス化された粒子ビーム3を送り込む。この他に、放射線装置1は、タイミング参照信号、バンチ信号BSを生じさせ、これは正確にビームバンチに相関する。粒子ビーム3は、患者5の内部で即発ガンマ線放射4を発生させる。この放射4の一部は、好適には、粒子ビーム3から見て後方に配置される検出器2に衝突する。この検出器2は、ガンマ線粒子4が検出されると検出器信号DSを発生させる。分析器7は、検出器信号DS及び相関するバンチ信号BSを分析し、検出器2内のガンマ線粒子4の衝突及び開始粒子または粒子バンチが粒子ビーム3に対して垂直な参照平面を通過した時間点に対応する、時間t2及びt1における点を得て、時間差t=t2−t1を計算し、全ての測定された時間差の時間分布6を生成する。患者5自身内とともに、参照平面から患者5までの粒子ビーム3の粒子の飛行経路が限定され、粒子経路に沿った放出場所から検出器2までのガンマ線粒子4の飛行時間が限定されているため、この分布は時間的に限定された大きさを有する。本明細書ではシンボル的にtcで表される時間平均6の平均(重心)、最頻時間差(最大値)または幅(散乱)などの、時間分布6の特徴的な積分パラメータは、十分な統計があれば、明確かつ非常に正確に決定可能である。これらの値tcは、上述の議論に従って、粒子ビーム3の飛程を特徴づける。飛程が変化すればこれらは変化し、そのため、飛程を決定し、または治療の治療計画との一致性を監視するために使用される。飛程からのこれらのパラメータtcの関数的依存性は、参照分布から決定可能であり、この参照分布は、監視された設定の前に測定され、または放射線計画の枠組みにおける各シミュレーションソフトウェアの支援を受けたものである。
図2は、一般的な設定における粒子検出器8が追加された放射線装置1を有する装置を示している。
図2は、粒子パケットに関するタイミング参照信号BSが放射線装置1から得られず、別個の粒子検出器8から得られる装置を示している。これは、粒子ビーム3内に、通常粒子ビーム3に対して垂直に配置され、放射線装置1の単一の粒子または粒子パケットの各通過において信号BSを発生させ、この信号BSは、粒子検出器8を通過する粒子と時間的に相関する。そして、時間分布6の生成は、図6の設定の場合に示されるような方法で行われる。
図3は、一般的な設定の治療の間の装置を示している。
図3は、患者内の粒子ビーム32の現実の飛程が、放射線(粒子ビーム31)の計画において予測された飛程よりも大きい場合の概略的な状況を示している。そのため、粒子ビーム32の各ビームパケットは、完全に停止するまでに、計画されたよりも長い時間を必要とする。即発ガンマ線粒子4の放出は、平均的に、比例的に遅くなる。さらに、これらのガンマ線粒子4が検出器2まで移動しなければならない平均距離が増加する。その結果、測定された時間差分布62は、量Δtだけ計画された状態に対してシフトし、分布の形状、特にその幅が、ある限界内で変化する。その形態の変化に対して、シフトが、例えば、両方の分布の重心の決定及び比較によって定量化可能である。そのため、計画に従う分布の各点tcPに対して、測定された分布の特徴点tcMのシフトは、飛程の実際の変化に関する測定である。
検出器2の時間分解能が十分良好な場合には、例えば時間分布6の二次統計的モーメントまたは統計的変動を特徴とする分布の幅から、飛程についての情報を得ることも可能である。これは、即発ガンマ線放射の放出が、主に粒子バンチが患者に入るときに開始し、粒子バンチが完全に停止したときに終了するという事実の結果である。粒子バンチ32は、減速プロセスに、粒子バンチ31よりも長い時間が必要であるため、各時間分布62は時間分布61よりも幅が広い。
図4は、一般的な設定の較正における装置を示している。
この較正は、信号BS及びDSから得られる時間t1及びt2が定量化が困難なオフセットの問題があるという事実に起因する問題を解決する。これらのオフセットは、使用される検出器2の特性、使用される分析器7までの信号ケーブルの長さ、患者5までのビームラインを含む加速器装置の実際の設定およびその他のパラメータに起因する。それでも、図3の表示に従う絶対参照値tcPと比較することが可能な絶対値tcMの決定は、いくつかの場合、例えば分布の重心または最大値の位置が臨界パラメータtとして使用される場合に、これらのオフセットについての知識または少なくともその差が必要である。
オフセットまたはその差の決定は、以下の場合に省略できる。
−患者5の照射及び参照ターゲット9の照射の両方が、照射計画において同一のビームパラメータでモデル化され、照射計画もまた、各時間分布6のモデリングを含む場合、
−「計画パラメータ」としての特徴的なパラメータtcR及びt並びにそれらの差Δt=tcR−tが、照射計画に従う(参照ターゲット9に関する)モデル化された時間分布63及び(患者5に関する)モデル化された時間分布62から決定され、
−患者5の放射線照射が始まる前に、患者5の放射線照射について計画される際に、時間分布63が同一のビームパラメータで参照ターゲット9で測定され、
−その後、患者5が照射され、時間分布62が照射の間測定され、
−特徴的なパラメータtcR及びt並びにその差Δt=tcR−tが、(参照ターゲット9の)測定された時間分布63及び(患者5の)測定された時間分布62から、「測定されたパラメータ」として決定され、
−各照射計画に対する照射の一致性及び照射の間の粒子ビーム3の飛程についての情報が、測定された差Δtと計画された差Δtの比較から得られる場合。
図5は、一般的な表示のいくつかの検出器を有する設定を示す。
単一の検出器の代わりにいくつかの検出器を使用することは、いくつかの理由で有利となりうる。
第1に、本方法の精度は、検出器2、21、22、23・・・の数を増加させることによって改善可能である。1つまたは複数の分析器7を使用することで、全体としてより多くの数の事象を有する、それぞれより多くの数の時間分布6の評価が可能になり、時間分布6に起因する結論の統計的不確定性が低減可能である。
第2に、複数の検出器の使用により、照射計画への治療の一致性についての結論の所定の統計的確実性に対応する、事象が所定の数に到達するまでの時間が低減可能である。このように、実行されている照射の継続、中止または修正についての判断までの時間が低減可能である。
第3に、複数の放射線装置1は、連続的ではなく、より大きな間隔で、非常に高い強度で同時にビームパケットを提供する。そのような放射線装置1の例は、シンクロサイクロトロンまたは、依然として開発中のレーザー駆動粒子加速器である。そのような場合、検出器2が、治療監視に必要な1秒間の事象の必要な平均数を検出するように、検出器2の寸法が決定されると、検出器2ごとの事象の数はその強度最大値において非常に高くなりうる。より小さくまたは薄い検出器2を使用する場合、検出器2ごとの負荷が低減可能である。治療監視に必要な、1秒ごとの事象(検出される即発ガンマ線粒子)の平均数は、多数の単一の検出器または検出器の区画の間に分布し、最大強度内の検出器2ごとの負荷は受容可能であり、測定はパルスパイルアップ及び同様の効果によって偽とならない。
最後に、2つまたはそれ以上の検出器の使用により、以下で説明されるようなデータのより洗練された評価が可能になる。
以下でさらに粒子ビームシステムとして特定される、粒子放射線の飛程の監視のための装置の発明と組み合わせた放射線装置が、概略的に図6に示されている。本発明に従う粒子ビームシステムは、エネルギーを有する粒子またはエネルギーを有する粒子のバンチを提供するための粒子ビーム源70を含んでいる。これらのエネルギーを有する粒子またはエネルギーを有する粒子のバンチは、エネルギーを有する粒子ビーム10を形成する。粒子ビーム源は例えば、サイクロトロン、シンクロトロン、シンクロサイクロトロン、線形加速器、またはエネルギー粒子ビームを提供するために粒子を加速する任意の種類の加速器を含むことができる。
粒子ビームは、荷電ハドロンビーム、例えば陽子ビームまたは炭素イオンビームであると理解される。ビームのエネルギーは、粒子の種類及びターゲット内に到達させるべき侵入深さに依存して変更可能である。例えば、陽子ビームの場合、エネルギーは50MeVから300MeVの間で変動可能である。
本発明に従う粒子ビームシステムおよび方法は、患者内の1つの粒子または粒子の1つのバンチの侵入深さを決定できるように、粒子治療のために使用可能である。粒子ビーム源は、粒子または粒子バンチを提供するための時間構造を有する。例えば、加速器がサイクロトロンである場合、粒子ビーム源はRF加速器構造の周波数によって定義される時間構造を有する。例えば100MHzのRF周波数で動作するサイクロトロンは、10nsごとに粒子のバンチを提供することとなる。
粒子ビームシステムはさらに、エネルギーを有する粒子またはエネルギーを有する粒子のバンチを提供するための時間構造を表すタイミング参照信号を提供するように構成されたタイミングコントローラを含む。タイミング参照は、粒子バンチを繰り返し提供することを表す加速器のRF構造から直接得られる信号とすることができる。
他の実施形態において、追加的なビームバンチャーが、粒子のバンチを提供するための時間構造を適合するために使用することができる。ビームバンチャーは、例えば、バンチの長さを最適化する。好適には、粒子のバンチの幅は200ps(ピコ秒)より小さく、より好適にはバンチの幅は100ps(ピコ秒)以下である。
代替的に、検出器が、ビーム粒子を遮断し、粒子が遮断されるごとにタイミング開始信号を発生させるために使用可能である。そのような検出器は、ホドスコープと呼ばれることがある。粒子と粒子を遮断し、開始信号を各粒子に関連付けることにより、粒子を提供するための時間構造を表すタイミング参照信号は、粒子ベースごとの粒子について得られる。
本発明に従う粒子ビームシステムはさらに、ターゲット20を指すビーム方向60に粒子または粒子バンチの方向を向ける、ビーム偏向手段80を含む。そのような偏向手段は、例えば、ビームを輸送するためのビームライン及び粒子または粒子バンチをターゲットに届けるための走査磁石を含むことができる。提供手段は、ビームを異なる回転角からターゲットまで向けることができるように、ターゲットの周りに回転可能なガントリーを含むことができる。
粒子ビームシステムはさらに、ターゲットからの即発ガンマ線を検出するように構成された第1のガンマ線検出器40と、ターゲットからの即発ガンマ線を検出するように構成された第2のガンマ線検出器50と、を含む。第1の検出器および第2の検出器は、ビームの方向60に対して異なる位置に配置される。第1及び第2の検出器は、第1及び第2の検出器が図6に示されるようにビーム方向に関して異なる角度で放出される即発ガンマ線を検出するように配向されるように配置される。
粒子ビームシステムはさらに、粒子または粒子バンチの提供から経過した時間の関数として測定された即発ガンマ線の数を示す時間プロファイルを得るために、タイミング参照信号に同期した即発ガンマ線の測定のためのデータ取得システム90を含む。第1及び第2の検出器は、第1の検出器から第1の時間プロファイルを取得し、第2の検出器から第2の時間プロファイルを取得するように、データ取得システムに結合される。
本発明に従う粒子ビームシステムは、第1の時間プロファイルから第1の時間幅ΔT1を決定し、第2の時間プロファイルから第2の時間幅ΔT2を決定するように構成されたアルゴリズムを含むデータ分析器100を含む。アルゴリズムはさらに、第1の時間幅と第2の時間幅との間の差に等しい時間間隔で、光子が移動した距離、すなわちΔDP=(ΔT2−ΔT1)*cとして定義される光子移動シフトΔDPを決定するように構成され、cは光速に等しい。データ分析器100のアルゴリズムはさらに、光子移動シフトΔDPを第1の検出器と第2の検出器との間の検出器位置の差と相関させることによって、ターゲット内の侵入深さを決定するように構成される。
相関において、第1の検出器と第2の検出器との間の検出器位置の差での光子移動シフトΔDPは、光子移動シフトが一方では即発ガンマ線がターゲットから第1及び第2の検出器まで移動しなければならない距離に依存し、他方では即発ガンマ線が放出された場所からターゲット内の最大深さに対応するターゲット内の距離Rに依存するものとして表すことができることが理解される。この距離Rは、例えば、GuethらのPhys. Med. Biol. 58 (2013)第4563項から4577項の図2(a)に示されるように、ターゲット内の粒子ビームの侵入深さに緊密に関連する。
組織ターゲット内の120MeVの陽子ビームのシミュレーションに対応する発明がさらに図7に示されている。この例では、第1の検出器はビーム方向に対して180°の角度で配置され、第2の検出器はビーム方向に対して0°の角度で配置された。第1の検出器は、ターゲットの前面(距離ゼロ)に置かれ、第2の検出器は、ターゲットの入口から100cmの距離に置かれた。上側のパネルAは、ターゲット内の深さDの関数として即発ガンマ線の相対数を示しており、深さはmmで表されている。それ以上即発ガンマ線が放出されない深さRが図に示されている。中間のパネルBは、ターゲットに入った後の時間の関数として、放出された即発ガンマ線の相対数を示している。この例において、中間パネルBから分かるように、即発ガンマ線は、約1ns(1ナノ秒)の時間内に放出されている。この時間は、ターゲット内で全てのエネルギーを失って停止するまでに、粒子ビームがターゲット内を移動する時間に対応する。
図7の下側のパネルCは、ターゲットに到達した粒子ビームの時間構造を表すタイミング参照信号に同期して即発ガンマ線を測定することによって、第1の検出器および第2の検出器で検出された時間プロファイルを示している。図から分かるように、2つの時間プロファイルΔT2及びΔT1の幅は異なる。この例において、下側のパネルC内の2つの時間プロファイルは、ターゲットから第2の検出器の大きな距離に起因して、経時的に明確に分離される。他の例において、第2の検出器もターゲットに非常に近接して配置することができ、この場合2つの時間プロファイルは重畳しうる。
光子移動シフトΔDPと、第1の検出器と第2の検出器との間の検出器の位置の差との間の相関は、図6に示される例示的な幾何配置から理解可能である。第1の検出器によって測定される第1の時間幅ΔT1は、ターゲットの入口において放出された、または即発ガンマ線が放出されたターゲット内の最大深さRで放出された場合に即発ガンマ線光子が移動しなければならない時間の差である。図6に示された距離d1、d2、d’1、d’2並びに2つの角度α及びβを含む以下の幾何配置において、時間幅は以下のように表すことができる。
ΔT1=d1/c−(Tbeam+d’1/c) (数式1)
ΔT2=d2/c−(Tbeam+d’2/c) (数式2)
Tbeamは、エネルギーをすべて失って停止するまでに、粒子ビームがターゲット内を移動する時間である。これは、ターゲット内の粒子ビームの侵入深さである。前述したように、粒子ビームの侵入深さは、即発ガンマ線の放出の最大深さ位置Rに非常に緊密に関連する。数式(1)及び(2)において、cは光速であり、d1は第1の検出器から入射点までの距離であり、d2は第2の検出器から入射点までの距離である。入射点は、粒子ビームがターゲットに入る点として定義される。図6にさらに示されるように、d’1が、即発ガンマ線が放出される最大深さRと第1の検出器との間の距離であり、一方、d’2は、最大深さRと第2の検出器との間の距離である。ΔT2とΔT1との間の差を取ることにより、以下の数式を得る。
ΔT2−ΔT1=(d2/c)−Tbeam−(d’2/c)−(d1/c)+Tbeam+(d’1/c)
または
ΔT2−ΔT1=(d2/c)−(d’2/c)−(d1/c)+(d’1/c)(数式3)
換言すれば、この時間差は、ターゲット内の粒子ビームの移動時間Tbeamとは無関係である。
前述のように、光子移動シフトΔDPは、以下のように定義可能である。
ΔDP=(ΔT2−ΔT1)*c
または
ΔDP=d2−d’2−d1+d’1 (数式4)
標準三角関数の法則に従い、以下のようになる。
ΔDP=SQRT(R*R+d1*d1−2*R*d1*cos(α))−
SQRT(R*R+d2*d2−2*R*d2*cos(β))−(d1−d2) (数式5)
前述のように、Rは即発ガンマ線が放出された場所からターゲット内の最大深さに対応するターゲット内の距離である。これは、本発明の装置及び方法で決定可能な、ターゲット内の不明の距離である。上述の数式(5)からRを発見するために、発明者は、Rを発見するための数値的方法を用いた。
好適には、本発明に従うデータ分析器100は、上で推定された数式(5)を解くことによって、ターゲット内のこの距離Rを計算するように構成された計算手段を含む。
幅ΔT1及び幅ΔT2は、様々な方法で決定することができる。例えば、時間プロファイルが曲線でフィット可能であり、プロファイルの開始点及び終了点が推定可能である。代替的に、幅は、平均ピーク値に対して所定の値を有する点であるとしてプロファイルの開始点及び終了点を定義し、例えば、5%レベルの点として開始点及び終了点を定義することによって定義することができる。
発明者は、ターゲット内の不均一性に関して本発明に従う粒子ビームシステムの堅牢性を調べた。例として、図8には、厚さ10mmの空隙が、ターゲットの深さ50mmに位置する不均一性の効果が示されている。上側のパネルAには、ターゲット内の侵入深さの関数として発生した即発ガンマ線の数が示されている。図に示されるように、空隙の位置では、即発ガンマ線は発生しない。これは、ターゲットに入った後の時間の関数として、放出された即発ガンマ線の相対的な数をプロットした中間のパネルBでも観察される。第2のパネルBの放出プロファイルは、図7の放出プロファイルと比較してより長い放出プロファイルを示している。第3のパネルCは、空隙が第1の時間プロファイル及び第2の時間プロファイルの形状における効果を有することを示している。
ターゲット内の不均一性の位置は、粒子ビームの深さを決定するための精度には何の影響も及ぼさないことを、発明者は発見した。これは調べられ、ΔT2−ΔT1が、100MeVから140MeVのエネルギーを有する、プラスチックターゲット(より具体的にはPMMA)内の陽子ビームについてプロットされた図9に示されている。3つの場合が評価され、同じ図9に結果がプロットされている。1)円形のプロットは、ターゲット内の1cmの深さに位置する5mmのキャビティが存在する状態に対応する。2)四角形のプロットは、ターゲット内の6cmの深さに位置する5mmのキャビティが存在する状態に対応する。3)三角形のプロットは、ターゲット内にキャビティが存在しない状態に対応する。これらの結果は、キャビティによる5mmのシフトが明確に観察されるだけでなく、キャビティの位置に関して違いが存在しないことを示しており、本発明に従う粒子の深さを決定する方法は、堅牢であることを示している。
本発明に従う粒子ビームシステム及び方法の堅牢性は、追加的なシミュレーションを実行することによってさらに調査された。例示的なシミュレーションについて、140MeVの陽子ビームがプラスチックターゲット(PMMA)に送り込まれた。ビームは40ps(ピコ秒)の持続時間のバンチを有するバンチビームとした。平均密度(1.19g/cm3の均一なターゲット(参照ターゲット)についての予測される粒子侵入深さは12.1cmである。飛程検証性の方法の堅牢性を調べるために、同じ5mm(ミリメートル)の粒子ビームの侵入深さのシフトを導入するように、4つの異なる修正がターゲットになされた。試験の目的は、本発明に従うシステムおよび方法が、飛程シフトを引き起こす性質に対して独立な侵入深さのそのようなシフトを測定することができることを示すことである。図10に示されるように侵入深さの5mmのシフトを導入するためにターゲットに対してなされたこれら4つの修正は、以下の通りである。A)×印で示された、参照ターゲットと比較して0.05g/cm3だけ密度が全体的に少ないターゲット、すなわち、参照ターゲットとして1.19g/cm3ではなく1.14g/cm3の平均ターゲット密度を有するターゲットに関するもの、B)ひし形で示された、ターゲット内の1cmの深さに位置する5mmのキャビティを有するターゲットに関するもの、C)四角形で示された、ターゲット内の6cmの深さに位置する5mmのキャビティを有するターゲットに関するもの、D)三角形で示された、ターゲット内の11cmの深さに位置する5mmのキャビティを有するターゲットに関するものである。4つのA、B、C、Dの場合において、陽子侵入の深さは、参照ターゲットと比較して5mmシフトすると予測される。この試験の目的は、侵入深さのそのような変動を検出するための感度を検証することであった。感度は、侵入の変化のmmごとに測定された時間信号の変動として定義される。
例示的な試験シミュレーションの結果は、図10に示されている。この例示的なシミュレーションについて、ビームの方向に対して、第1の検出器は180°に配置され、第2の検出器は0°に配置された。本発明によれば、ΔT2−ΔT1の値が、参照ターゲットについて、及び4つの修正したターゲット(上述のように、A、B、C、Dの場合)について得られたタイミングプロファイルについて決定された。本発明に従う検出方法の感度Sは、4つの修正されたターゲット(A、B、CまたはD)について測定された第1の計算(AT2−ΔT1)及び、参照ターゲットについて決定された(ΔT2−ΔT1)を減算し、次いで第2の段階において、この時間の差を、予測された5mmの侵入シフトで割ることによって得られる。mm(ミリメートル)あたりps(ピコ秒)で表されるこの感度Sは、図10の右側に、「2D ΔT2−ΔT1」の座標位置でプロットされている。この例から分かるように、本発明に従う方法を用いた感度は、約6.5ps/mmである。これは、1mmの侵入深さの変動を検出するために、6.5psの時間差を測定しなければならないことを意味する。重要なのは、4つの場合A、B、C、Dについて同じ感度が得られていること、すなわち、感度は侵入深さのシフトを引き起こした性質(例えば、全体的な密度変化、ターゲット内のキャビティなど)に対して独立であることである。
粒子侵入深さが、侵入深さのシフトを引き起こす性質に対して独立に検証されるという本発明のこの重要な利点を重視して、即発ガンマ線を測定するための検出器を1つだけ使用し、そのため即発ガンマ線時間プロファイルを1つだけ得るシステムおよび方法について追加的なシミュレーションが実行される。結果は図10に示され、「1D ΔT」とラベルされた座標位置において、単一の検出器の感度の結果が示されている。この場合、感度は、第1の段階において、修正されたターゲット(上述の、A、B、C、D)について測定された幅ΔTと、参照ターゲットについて決定された幅ΔTの減算と、の間の差を決定し、次いで、第2の段階で、この時間における差を予測された5mmの侵入シフトで割ることによって得られる。幅ΔTは、前述の、ΔT1及びΔT2について行われたのと同じように(数式(1)または(2))、定義され、決定される。図10に示されるように、4つの修正されたターゲットA、B、C、Dの場合のそれぞれについて、4つの異なる感度の値Sが得られる。換言すれば、即発ガンマ線を検出するために1つの検出器のみを使用した場合、侵入深さの決定は、ターゲット構造の正確な知識を必要とする。例えば、ターゲット内にキャビティが存在する場合、キャビティがターゲット内のどこに位置するかを知る必要がある。
1つの検出器を使用する場合に観察されるこの感度の変動及び関連する時間プロファイルの理由は、数式(1)または(2)から理解することができ、この数式は、ΔTがTbeam、すなわち粒子がターゲット内を移動しなければならない時間に依存することを示している。この粒子の移動時間は、ターゲットの構造に依存する。ターゲットに侵入すると粒子の速度が低下するので、移動時間は例えばキャビティがターゲットの遠位部または近位部に存在する場合に異なることとなる。本発明に従うシステム方法では、侵入深さは、Tbeamとは独立に時間差ΔT2−ΔT1から推定される。
代替的に、検出器を1つだけ使用する場合、幅ΔTを決定する代わりに、時間プロファイルの平均値「AT」を決定することもできる。次いで、同様に、参照ターゲットについて得られる平均値ATが、修正されたターゲット(前述のA、B、C、D)について得られた値と比較可能である。この手法の結果もまた、「1D AT」とラベルされた座標位置において図10に示されている。図示されるように、この手法でも、侵入深さの変動を検出するための感度は、ターゲットの構造に依存する。
第1及び第2の検出器で2つのタイミングプロファイルを測定するためのタイミング設定および技術は、例えば粒子ビーム物理で使用され、またはPET飛行時間測定で使用される標準的な飛行時間(TOF)測定において現在使用されている技術を選択することができる(例えば、Schaartら著、Phys. Med. Biol. 55 (2010) N179-N189を参照)。第1のガンマ線検出器および第2のガンマ線検出器は、例えば、シンチレーション結晶及び光増倍器読出しを含む検出器などの、当業者に知られたガンマ線検出器とすることができる。
本発明の粒子ビームシステムでは、時間プロファイルは好適には10n秒以下の時間分解能で測定される。このようにして、時間プロファイルにおいて十分な統計(例えば、数100から1000カウント)を有する場合、p秒(ピコ秒)の時間範囲の時間差が測定可能である。より好適には、時間プロファイルは、1n秒以下の時間解像度で測定される。
第1及び第2の検出器の相対的な幾何形状がさらに説明され、図11に示される。本発明によれば、第1及び第2の検出器は、ビーム方向に対して異なる角度に配置される。本発明の方法は、2つの検出器がビーム方向に対して異なる角度から放出される即発ガンマ線を測定する限りにおいて、2つの検出器のどんな位置にも適用可能である。図11において、時間差ΔT2−ΔT1が、A、B、C、D、Eで示された異なる検出器の設定について、ターゲット内のビームの貫入深さDの関数としてプロットされている。それぞれの検出器の設定は、ビーム方向と、ターゲットから第1及び第2の検出器それぞれへの方向との間の角度を画定する角度α及びβで定義される。各構成についての平均感度Sも、図11にプロットされている。6.67p秒/mmの最も高い感度が、2つの検出器が180°だけ隔てられたAの場合に得られ、1.53p秒/mmの最も低い感度が、2つの検出器が20°の角度で隔てられたEの場合に得られる。
好適には、本発明に係る粒子ビームシステムは、第1及び第2の検出器が少なくとも20°だけ異なる角度で放出された即発ガンマ線を検出するように、第1のガンマ線検出器40に対して配置された第2の検出器50を有する。即発ガンマ線の放出角度は、ビーム方向に対して定義される。
より好適には、第1のガンマ線検出器は、ビーム方向に対して100°以上の角度で放出された即発ガンマ線を検出するように構成され、第2のガンマ線検出器は、ビーム方向に対して80°以下の角度で放出された即発ガンマ線を検出するように構成される。
既に述べたように、本発明の第2の態様によれば、エネルギーを有する粒子ビームがターゲットに貫入する際に発生する即発ガンマ線を検出することによって、ターゲット内のエネルギーを有する粒子ビームの貫入深さを決定するための方法が提供される。既に述べたように、粒子ビームは粒子または粒子のバンチによって形成される。
図6に概略的に示されるように、ターゲットから放出された即発ガンマ線を検出するための第1のガンマ線検出器40及び第2のガンマ線検出器50が提供される。本発明に従う方法において、2つの即発ガンマ線検出器は、第1および第2の検出器が、ビーム方向に対して異なる角度で放出される即発ガンマ線を検出するように構成されるように、ターゲットに対して異なる位置に配置される。
さらに、エネルギーを有する粒子ビームの時間構造を表すタイミング参照信号が提供される。本発明の方法によれば、即発ガンマ線は、第1のタイミングプロファイルを得るように、タイミング参照信号と同期して、第1の検出器で測定される。同様に、第2の検出器において、即発ガンマ線が、第2のタイミングプロファイルを得るように、タイミング参照信号と同期して、第2の検出器で測定される。
本発明の方法によれば、第1の時間幅ΔT1は、第1のタイミングプロファイルから決定され、第2の時間幅ΔT2は第2のタイミングプロファイルから決定される。次の段階において、光子移動シフトΔDPが決定され、ここで、光子移動シフトは、第1及び第2の時間幅の間の差:ΔDP=(ΔT2−ΔT1)*cに等しい時間間隔における光子の移動した距離として定義され、ここで、cは光速に等しい。
最後に、本発明の方法によれば、貫入深さは、光子移動シフトΔDPを第1及び第2の検出器の間の検出器位置の差と相関させることによって決定される。
好適には、本発明の方法は、以下の方程式を解くことによって、ターゲット内の距離Rを計算するための計算段階を含む。
ΔDP=SQRT(R*R+d1*d1−2*R*d1*cos(α))−
SQRT(R*R+d2*d2−2*R*d2*cos(β))−(d1−d2)
ここで、ΔDPは、前述の光子移動シフトであり、d1は第1の検出器から入射点までの距離であり、入射点は、エネルギーを有する粒子ビームがターゲットに侵入する点として定義され、d2は第2の検出器から入射点までの距離であり、αはビーム方向と入射点から第1の検出器に向かう方向との間の角度であり、βは、ビーム方向と入射点から第2の検出器に向かう方向との間の角度である。
好適には、本発明に従う方法において、第2のガンマ線検出器50は、第1及び第2の検出器が、少なくとも20°だけ異なるビーム方向60に対する角度で放出された即発ガンマ線を検出するように、第1のガンマ線検出器40に対して配置される。
より好適には、本発明に従う方法において、第1のガンマ線検出器40は、ビーム方向に対して100°以上の角度で放出された即発ガンマ線を測定するように配置され、第2のガンマ線検出器はビーム方向に対して80°以下の角度で放出された即発ガンマ線を測定するように配置される。
1 放射線装置
2 検出器
3 粒子ビーム
4 即発ガンマ線放射
5 患者
6 時間分布
7 分析器
8 粒子検出器
9 参照ターゲット
10 粒子ビーム
20 ターゲット
21、22、23 検出器
31 粒子ビーム
32 粒子ビーム
40 第1のガンマ線検出器
50 第2のガンマ線検出器
60 ビーム方向
61 時間分布
62 時間分布
63 時間分布
80 ビーム偏向手段
100 データ分析器

Claims (14)

  1. 単一のガンマ線粒子(4)を検出することができる少なくとも1つの第1の検出器(2)及び少なくとも1つの分析器(7)を有する、放射線治療のための放射線装置(1)の粒子ビーム(3)の飛程の監視のための方法であって、
    以下で事象と表される、ガンマ線粒子(4)の検出の際に、信号が前記第1の検出器(2)内で生成され、前記信号が前記第1の検出器(2)内の前記ガンマ線粒子(4)の到達と時間的に相関し、
    前記第1の検出器(2)の前記信号を分析する前記分析器(7)が、全ての事象または選択された事象を検出時間に割り当て、
    前記放射線装置(1)または別個の粒子検出器(8)が、10n秒以下の時間不確定性を有する、前記放射線装置(1)から前記放射線装置(1)の外部への単一の粒子または粒子バンチの出現と相関する参照信号を提供し、
    以下で事象トリガー粒子または粒子バンチとして表される、前記第1の検出器(2)によって検出された前記ガンマ線粒子(4)を発生した粒子または粒子バンチが、前記放射線装置(1)のビームの方向に対して垂直な参照平面を通過した時間が、前記分析器(7)内の全事象または選択された事象について前記参照信号から得られ、
    前記第1の検出器(2)内の前記ガンマ線粒子(4)の検出の時間と、前記事象トリガー粒子または粒子バンチが前記参照平面を通過する時間との間の時間差が、前記分析器(7)内で、全事象または選択された事象について計算され、
    以下で時間分布(6)として表される前記時間差の少なくとも1つの統計的分布(6)が前記分析器(7)内で得られ、
    前記時間分布(6)が分析され、前記粒子ビーム(3)の飛程についての情報がそれから得られ、前記装置で監視される治療の、治療計画との一致性に関する報知を、主に前記時間分布(6)から得ることができることを特徴とする、方法。
  2. 前記分析器(7)が、事象を選択し、前記時間分布(6)が、前記第1の検出器(2)の前記信号に対する所定の基準に従って前記事象から生成され、前記所定の基準が、好適には、前記第1の検出器(2)の時間信号の、
    −強度、
    −増幅率、及び/または
    −形状
    の群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記分析器(7)が、前記時間分布(6)を分析し、それによって、前記粒子ビーム(3)の飛程についての情報を得て、前記放射線装置によって監視される前記治療の、前記治療計画に対する一致性に関する報知がリアルタイムに得られ、前記報知が、好適には前記時間分布(6)の積分パラメータから得られることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 少なくとも1つの時間分布(6)が、前記治療の開始前に、前記粒子ビーム(3)における患者(5)の代わりに、少なくとも1つの参照ターゲット(9)を用いて、参照として決定され、前記粒子ビーム(3)の飛程に関する報知が、前記参照からの時間分布(6)と、患者(5)の照射の間の時間分布(6)とを比較することによって割り当てることができることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記放射線装置が、患者または参照ターゲットから放出された即発ガンマ線を検出するための少なくとも1つの第2のガンマ線検出器を含み、前記第1及び第2の検出器が、前記ビーム方向に対して異なる角度から放出された即発ガンマ線を検出し、前記第1のガンマ線検出器に関する第1の時間分布(6)を得、前記第2のガンマ線に関する第2の時間分布(6)を得、前記第1の時間分布から第1の時間幅ΔT1を決定し、前記第2の時間分布から第2の時間幅ΔT2を決定し、前記第1の時間幅と前記第2の時間幅との間の差に等しい時間間隔に光速cを乗じた、ΔDP=(ΔT2−ΔT1)*cで表される光子の移動距離として定義される光子移動シフトΔDPを決定し、前記光子移動シフトΔDPを前記第1及び第2の検出器の間の検出器位置の差と相関させることによって前記粒子ビームの飛程を決定するように、前記第2の検出器が前記第1の検出器に対して配置されたことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 貫入深さを決定する前記段階が、下記方程式を解くことによって前記患者または前記参照ターゲット内の距離Rを計算する段階を含み、前記方程式が、
    ΔDP=SQRT(R*R+d1*d1−2*R*d1*cos(α))−
    SQRT(R*R+d2*d2−2*R*d2*cos(β))−(d1−d2)
    であり、
    ΔDPが、前記光子移動シフトであり、
    d1が、前記第1の検出器から入射点までの距離であり、前記入射点が、エネルギーを有する粒子ビームが前記患者または前記参照ターゲットに入る点として定義され、
    d2が、前記第2の検出器から前記入射点までの距離であり、
    αが、前記ビームの方向と、前記入射点から前記第1の検出器に向かう方向との間の角度であり、
    βが、前記ビームの方向と、前記入射点から前記第2の検出器に向かう方向との間の角度である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第1及び第2のガンマ線検出器が、少なくとも20°だけ異なる前記ビーム方向(6)に対する角度で放出された即発ガンマ線を検出するように、前記第2のガンマ線検出器が前記第1のガンマ線検出器に対して配置された、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記第1のガンマ線検出器が、前記ビーム方向に対して100°以上の角度で放出された即発ガンマ線を測定するように配置され、前記第2のガンマ線検出器が、前記ビーム方向に対して80°以下の角度で放出された即発ガンマ線を測定するように配置された、請求項5または6に記載の方法。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を用いて、放射線治療に関して、放射線装置(1)からの粒子ビーム(3)の飛程を監視するための、単一のガンマ線粒子を検出することができる少なくとも1つの第1の検出器(2)と、少なくとも1つの分析器(7)と、を有する装置であって、前記第1の検出器(2)が、以下で事象として表されるガンマ線粒子(4)の検出の際に、信号を発生する第1の検出器(2)であり、前記信号が、前記第1の検出器(2)におけるガンマ線粒子(4)の到達と相関し、前記第1の検出器(2)が、前記分析器(7)に接続され、前記分析器(7)が、前記第1の検出器(2)からの信号を分析して全事象または選択された事象を検出時間に割り当て、前記分析器(7)がさらに、前記放射線装置(1)または別個の粒子検出器(8)に接続され、前記放射線装置(1)または前記粒子検出器(8)が、前記放射線装置(1)から前記放射線装置(1)の外部に放出された単一の粒子または粒子バンチと相関する参照信号を提供し、
    前記分析器(7)が、
    −以下で事象設定粒子または粒子バンチとして表される、前記第1の検出器(2)において検出された前記ガンマ線粒子(4)を発生した粒子または粒子バンチが、前記放射線装置(1)から出る前記ビームに対して垂直である参照平面を通過した時間を、各事象または選択された事象について参照信号から決定し、
    −前記第1の検出器(2)内の前記ガンマ線粒子(4)の検出時間と、各事象または選択された事象に関して前記事象設定粒子または粒子バンチが前記参照平面を通過した時間との間の時間差Δt1を計算し、
    −以下で時間分布(6)として参照される時間差の少なくとも1つの統計的分布(6)を得、
    −前記時間分布(6)を決定し、分析し、それによって前記粒子ビーム(3)の飛程に関する情報を決定し、
    −前記装置によって監視される治療の、治療計画に対する一致性についての、主にこの時間分布(6)に基づく報知を可能にする分析器(7)である、装置。
  10. 単一のガンマ線粒子(4)を検出することができる前記第1の検出器(2)が、
    少なくとも1つのシンチレータ及び少なくとも1つの光検出器を含むシンチレーション検出器(2)、
    透明媒質に結合された少なくとも1つの光検出器を含むチェレンコフ検出器(2)、または
    抵抗板チャンバー(RPC)(2)であることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
  11. 前記装置がさらに第2のガンマ線検出器を含み、前記第2のガンマ線検出器が、ターゲットから放出された即発ガンマ線を検出するように構成され、前記第1及び第2の検出器が前記ビーム方向に対して異なる角度から放出された即発ガンマ線粒子を検出するように、前記第2の検出器が前記第1の検出器に対して配置され、前記分析器が、両検出器について時間分布を得るように両検出器について時間差Δt1及びΔt2を計算し、前記第1の時間差Δt1から第1の時間幅ΔT1を決定し、前記第2の時間差Δt2から第2の時間幅ΔT2を決定するように構成されたアルゴリズムを含む分析器をさらに含み、第1及び第2の時間幅の差に等しい時間間隔で光子が移動する距離:ΔDP=(ΔT2−ΔT1)*cとして定義される光子移動シフトΔDPをcが光速に等しいとしてさらに決定し、前記光子移動シフトΔDPを前記第1及び第2の検出器の間の検出器位置の差と相関させることによって粒子ビーム貫入深さを決定することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
  12. 前記分析器が、以下の方程式を解くことによってターゲット内の距離Rを計算するように構成された計算手段を含み、前記方程式が、
    ΔDP=SQRT(R*R+d1*d1−2*R*d1*cos(α))−
    SQRT(R*R+d2*d2−2*R*d2*cos(β))−(d1−d2)
    であり、
    ΔDPが、前記光子移動シフトであり、
    d1が、前記第1の検出器から入射点までの距離であり、前記入射点が、エネルギーを有する粒子ビームがターゲットに侵入する点として定義され、
    d2が、前記第2の検出器から前記入射点までの距離であり、
    αが、前記ビームの方向と、前記入射点から前記第1の検出器に向かう方向との間の角度であり、βが、前記ビームの方向と、前記入射点から前記第2の検出器に向かう方向との間の角度であることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
  13. 前記第1及び第2のガンマ線検出器が、少なくとも20°異なるビーム方向に対する角度で放出された即発ガンマ線を検出するように、前記第2のガンマ線検出器が、前記第1のガンマ線検出器に対して配置された、請求項11または12に記載の装置。
  14. 前記第1のガンマ線検出器が、前記ビーム方向に対して100°以上の角度で放出された即発ガンマ線を測定するように配置され、前記第2のガンマ線検出器が、前記ビーム方向に対して80°以下の角度で放出された即発ガンマ線を測定するように配置された、請求項11から13のいずれか一項に記載の装置。
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