JP6574661B2 - コバルト錯体含有試料の評価方法、及び電解液の製造方法 - Google Patents

コバルト錯体含有試料の評価方法、及び電解液の製造方法 Download PDF

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本発明は、常磁性のコバルト錯体を含有する試料の評価方法、及び該コバルト錯体を含む電解液の製造方法に関する。
色素増感太陽電池の電解液を構成するレドックスとして、コバルト(Co)錯体の使用が提案されている(例えば、非特許文献1)。当該電解液の製造は、溶媒に常磁性のCo(II)錯体と、非常磁性のCo(III)錯体とを適切な割合で配合して溶解することにより行われる。高い光電変換効率を得るためにはレドックスによる電荷輸送の効率が高いことが求められる。このため、電解液中のCo(II)錯体とCo(III)錯体の割合は適切に調整される必要がある。
従来、電解液に含まれるCo(II)錯体とCo(III)錯体の割合を直接的に測定する方法は無かった。このため、電解液の調製時に粉状のCo(II)錯体とCo(III)錯体の試薬をそれぞれ秤量し、これらを配合する質量比に基づいて上記割合を算出していた。
しかしながら、電解液の調製に使用するCo錯体の試薬に検知し難い不純物が含まれていた場合、その不純物の質量が誤ってCo錯体の質量として秤量されてしまうため、上記割合が真の値から外れてしまう問題があった。また、電解液の調製時に試薬を秤量する操作において誤差が生じることにより、上記割合の計算値と真の値とが一致しない恐れもあった。このため、電解液の材料としてのCo錯体溶液、及び調製済みの電解液に含まれるCo(II)錯体とCo(III)錯体の割合を直接的に測定する方法が求められていた。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、常磁性のCo(II)錯体を含むコバルト錯体含有試料の評価方法、及びその評価方法を行う工程を有する電解液の製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、Co錯体含有試料を評価するために、H−NMRの利用を検討した。まず、非常磁性のCo(III)錯体であるCo(III)(bpy)3(PF6)2の溶液を測定して、テトラメチルシラン(TMS)を基準0ppmとするH−NMRスペクトルを得た(図2参照)。このスペクトルにおいて、Co(III)錯体に由来するピーク(信号)は、Coを含まない一般的な有機化合物を測定した場合と同様に、ケミカルシフトδ0〜10ppmに現れている。
ところが、常磁性のCo(II)錯体であるCo(II)(bpy)3(PF6)2の溶液を同様に測定したH−NMRスペクトルには、非常磁性のCo(III)錯体の場合にケミカルシフトδ0〜10ppmに観測されていたピークは現れなかった(不図示)。これは、常磁性遮蔽効果として知られる公知の現象である。
本発明者らは、常磁性のCo(II)錯体のH−NMRによる測定方法を鋭意検討したところ、観測範囲を−20ppm〜60ppmに広げて測定すると、従来の有機化合物では観測範囲外とされていた強磁場側、すなわち10ppm超〜60ppmに常磁性のCo(II)錯体に由来するピーク(信号)が観測される、という驚くべき事実を発見した。
上記のNMR測定方法によって常磁性のCo(II)錯体に由来する信号を観測できることは、従来の一般的なNMR測定の常識を覆すものである。従来の常識によれば、Co(II)錯体を含む測定試料のH−NMRスペクトルは、常磁性遮蔽効果によって乱れてしまい、目的の信号(ピーク)を観測することが不可能であると予想されたからである。
上記の驚くべき発見に基づいて完成した本発明は、以下の通りである。
[1] コバルト(II)錯体を含む試料をH−NMRで測定し、テトラメチルシランを基準の0ppmとして、ケミカルシフトδ−20ppm〜60ppmの範囲において、前記コバルト(II)錯体に由来する信号を観測する、コバルト錯体含有試料の評価方法。
[2] コバルト(II)錯体及びコバルト(III)錯体を含む試料をH−NMRで測定し、テトラメチルシランの0ppmを基準とするNMRスペクトルを得て、ケミカルシフトδ10ppm超〜60ppmの範囲において、前記コバルト(II)錯体に由来するピークAを帰属し、ケミカルシフトδ0ppm〜10ppmの範囲において、前記コバルト(III)錯体に由来するピークBを帰属し、前記ピークAと前記ピークBの積分強度の比に基づいて、前記試料中の前記コバルト(II)錯体と前記コバルト(III)錯体の含有割合を求める、上記[1]に記載のコバルト錯体含有試料の評価方法。
[3] ケミカルシフトδ14〜15ppm及びδ46〜47ppmの少なくとも一方において、前記ピークAを帰属する、上記[2]に記載のコバルト錯体含有試料の評価方法。
[4] ケミカルシフトδ7〜9ppmにおいて、前記ピークBを帰属する、上記[2]又は[3]に記載のコバルト錯体含有試料の評価方法。
[5] コバルト(II)錯体を含む試料をH−NMRで測定し、テトラメチルシランの0ppmを基準とするNMRスペクトルを得て、予め測定された前記コバルト(II)錯体の標準品のNMRスペクトルと比較して、ケミカルシフトδ10ppm超〜60ppmの範囲において、前記コバルト(II)錯体に由来するピークA’を帰属し、ケミカルシフトδ−20ppm〜60ppmの範囲において、前記ピークA’の他に、前記コバルト(II)錯体に由来するピークとして帰属不能なピークZの有無を調べることによって、前記コバルト(II)錯体以外の物質が前記試料中に含まれているか否かを判断する、上記[1]に記載のコバルト錯体含有試料の評価方法。
[6] 前記コバルト(II)錯体が含窒素環式基をコバルト配位子として有する、上記[1]〜[5]の何れか一項に記載のコバルト錯体含有試料の評価方法。
[7] 前記試料が電気化学デバイス用の電解液である、上記[1]〜[6]の何れか一項に記載のコバルト錯体含有試料の評価方法。
[8] 上記[1]〜[7]の何れか一項に記載のコバルト錯体含有試料の評価方法を行う工程を有する、電解液の製造方法。
本発明のコバルト錯体含有試料の評価方法によれば、H−NMR測定によって常磁性のCo(II)錯体に由来する信号を観測し、NMRスペクトル上に明確なピークとして確認することができる。
本発明のコバルト錯体含有試料の評価方法によれば、Co(II)錯体及びCo(III)錯体を含む試料中のCo(II)錯体とCo(III)錯体の含有割合を迅速に調べることができる。
本発明のコバルト錯体含有試料の評価方法によれば、常磁性のCo(II)錯体を含む試料中に他の物質が不純物として混入しているか否かを迅速に判断することができる。すなわち、Co(II)錯体試薬の純度を確認することができる。
本発明の電解液の製造方法によれば、製造過程で調製したCo錯体溶液や、電解液中のCo(II)錯体とCo(III)錯体の含有割合を評価することによって、電解液の品質管理を従来よりも高い信頼性で行うことができる。すなわち、従来よりも高い精度でCo(II)/(III)の含有割合を調整した電解液を製造することができる。
本発明の電解液の製造方法によって製造された電解液中のCo(II)錯体とCo(III)錯体の含有割合は、製造時に各Co錯体を秤量して配合した質量比から算出した含有割合ではなく、H−NMR測定によって直接的に確認された含有割合である。このため、本発明によって製造された電解液は従来よりも信頼性が高い。
測定試料1のH−NMRスペクトルである。 測定試料2のH−NMRスペクトルである。 測定試料3のH−NMRスペクトルである。 測定試料4のH−NMRスペクトルである。 測定試料5のH−NMRスペクトルである。 測定試料6のH−NMRスペクトルである。
<コバルト錯体含有試料の評価方法(1)>
本発明のCo錯体含有試料の評価方法の第一実施形態は、Co (II)錯体を含む試料をH−NMRで測定し、テトラメチルシランを基準の0ppmとして、ケミカルシフトδ−20ppm〜60ppmの範囲において、前記Co (II)錯体に由来する信号を観測する方法である。
Co(II)錯体を含む溶液を常法により調製し、当該溶液の一部又は全部を重溶媒に滴下して測定試料にすることができる。本実施形態で使用する重溶媒(重水素化溶媒)は、公知のH−NMR測定に使用される重溶媒と同じでよく、例えば、重水、重メタノール、重エタノール、重アセトニトリル等が挙げられる。
測定試料中に含まれるCo(II)錯体の濃度は、0.3mmol/L〜100mmol/Lが好ましく、3mmol/L〜10mmol/Lがより好ましい。
上記下限値以上であると、Co(II)錯体をより安定に溶解することができる。上記上限値以下であると、Co(II)錯体に由来するピーク(信号)をより明確に観測することができる。
本発明で使用するNMR装置のプロトン核の共鳴周波数は、特に限定されないが、300MHz以上が好ましい。
300MHz以上であることによってCo(II)錯体に由来するピーク(信号)をより明確に観測することができるという利点がある。
適量の測定試料を標準物質であるテトラメチルシラン(TMS)と共に試料管に入れて、常法によりH−NMR測定を行う。この際、従来の測定範囲であるケミカルシフトδ0ppm〜10ppmの範囲に留まらず、δ−20ppm〜60ppm、好ましくはδ−60ppm〜60ppm程度にまで観測範囲を広げて測定する。
上記観測範囲で測定することにより、通常はδ10ppm超〜60ppmの範囲に目的のCo(II)錯体に由来する信号を明確に観測することができる。また、NMRスペクトル上に明確なピークとして確認することができる。
シグナル/ノイズ比(S/N比)が20以上である信号を明確な信号として観測することが好ましい。
本発明において、測定対象とする常磁性を有する2価のCo錯体の種類は特に限定されず、公知のCo錯体を測定対象とすることができる。例えば、含窒素環式基をコバルト配位子として有するCo錯体が挙げられる。
前記含窒素環式基として、例えば、下記式(1)で表される含窒素環式化合物からなる基が挙げられる。
Figure 0006574661
[式中、X〜X10はそれぞれ独立して窒素原子又は「C−R」で表される基(ここで、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数10以下の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基又はアルケニル基、或いは炭素数12以下のアリール基を表す。)であり、X〜Xのうち少なくとも一つは窒素原子であり、X〜X10のうち少なくとも一つは窒素原子であり;X及びX10が前記「C−R」で表される基である場合、XとX10のRが互いに連結して、炭素数2〜5のアルキレン基又はアルケニレン基を形成していてもよい。]
前記一般式(1)中、窒素原子同士は二重結合(アゾ基)を形成しないことが好ましい。
前記一般式(1)中、X及びXがコバルトに配位する窒素原子であることが好ましい。
前記一般式(1)の「C−R」基のRが炭素数1〜10のアルキル基である場合、当該アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状の何れでもよく、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状であることがより好ましい。 具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が好適なRとして挙げられる。
前記一般式(1)の「C−R」基のRが炭素数2〜10のアルケニル基である場合、当該アルケニル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状の何れでもよく、炭素数2〜5の直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、炭素数2〜3の直鎖状又は分岐鎖状であることがより好ましい。具体的には、例えば、ビニル基 (CH2=CH-)、アリル基 (CH2=CHCH2-)等が好適なRとして挙げられる。
前記一般式(1)の「C−R」基のRがアリール基である場合、当該アリール基は単環式であってもよく、多環式であってもよい。具体的には、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等が好適なRとして挙げられる。
前記一般式(1)のX及びX10が前記「C−R」で表される基であり、XとX10のRが互いに連結して、アルキレン基又はアルケニレン基を形成している場合、その炭素数は2〜5が好ましく、2〜3がより好ましい。具体的には、例えば、エチレン基 (-CH2-CH2-)、ビニレン基 (-CH=CH-)等が好適な連結基として挙げられる。
より好適な含窒素環式化合物として、例えば、下記一般式(2)及び下記式(2a)〜(2c)で表される含窒素環式化合物が挙げられる。
Figure 0006574661
[式中、Y及びYは、それぞれ水素原子であるか、又は互いに連結して「−CH−CH−」若しくは「−CH=CH−」を形成しており;式中の何れかの炭素原子の水素原子が炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基で置換されていてもよい。]
上記「−CH−CH−」及び「−CH=CH−」の左端及び右端の炭素は、それぞれY及びYが結合する炭素原子に結合する。
Figure 0006574661
上記式(2a)〜(2c)で表される含窒素環式化合物の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基で置換されていてもよい。
具体的なCo錯体としては、コバルト配位子の構造中に6員環の含窒素環式化合物からなる基を含むことが好ましく、前記構造中にビピリジン又はフェナントロリンを含むことがより好ましい。この様なCo錯体として、例えば、トリス(ビピリジン)Co(II)錯体、トリス(フェナントロリン)Co(II)錯体が挙げられる。
より具体的なCo錯体としては、例えば、コバルト(II)トリス(2,2’-ビピリジン)、コバルト(II)トリス(4,4’-ジメチル-2,2-ビピリジン)、コバルト(II)トリス(4,4’-ジタート-ブチル-2,2-ビピリジン)、コバルト(II)トリス(1,10-フェナントロリン)等が挙げられる。
本発明の測定対象である常磁性のCo(II)錯体は、カウンターアニオンを有する錯塩であってもよい。カウンターアニオンの種類は特に限定されず、例えば、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸等が挙げられる。
測定対象である常磁性のCo(II)錯体の塩としては、例えば、Co(phen)3(PF6)2と略記されるTris(1,10-phenanthroline)cobalt bis(hexafluorophosphate)、Co(bpy-pz)2(PF6)2と略記されるBis(6-(1H-pyrazol-1-yl)-2,2'-bipyridine)cobalt bis(hexafluorophosphate)、
Co(bpy)3 (PF6)2と略記されるTris-(2,2’-bipyridine)cobalt(II) di(hexafluorophosphate)、
Co(bpy)3 (B(CN)4)2と略記されるTris-(2,2’-bipyridine)cobalt(II) di(tetracyanoborate)、Co(bpy)3(TFSI)2と略記される
Tris-(2,2’-bipyridine)cobalt(II) bis(trifluoromethanesulfonimide)、
Co(bpyPY4)(PF6)2と略記される
(6,6'-bis(1,1-di(pyridin-2-yl)ethyl)-2,2'-bipyridine)cobalt bis(hexafluorophosphate)
等が挙げられる。
本実施形態のH−NMR測定によって得たNMRスペクトルにおいて、上記の含窒素環式化合物からなる基をコバルト配位子として有するCo(II)錯体に由来するピークは、ケミカルシフトδ10ppm超〜60ppmの範囲に観測される。当該ピークは、ケミカルシフトδ14〜15ppm及びδ46〜47ppmの少なくとも一方に観測されることが多い。
測定試料には、測定対象のCo(II)錯体と標準物質であるTMS以外に、測定を阻害しないその他の物質が含まれていても構わない。ここで、測定を阻害するとは、Co(II)錯体に由来するピークを消失させる又は著しく乱して、そのピークの帰属(そのピークが如何なる化合物に由来するかを判定すること)を不可能にすることをいう。このような阻害物質として、Co(II)錯体以外の常磁性物質が挙げられる。また、測定試料に含まれていても構わない物質として、電気化学デバイスに使用される電解液に含まれる非常磁性の公知の有機物質が挙げられる。
以上では測定試料がCo(II)錯体を含む溶液である場合を説明したが、本発明にかかる評価方法は、Co(II)錯体を含む固体試料についても適用することができる。すなわち、本発明の評価方法において、測定試料は固体であってもよく、液体であってもよい。
測定試料がCo(II)錯体を含む固体試料である場合、当該固体試料を重溶媒に溶解し、溶液試料として測定することができる。
<コバルト錯体含有試料の評価方法(2)>
本発明のコバルト錯体含有試料の評価方法の第二実施形態は、Co (II)錯体を含む試料をH−NMRで測定し、TMSの0ppmを基準とするNMRスペクトルを得て、予め測定された前記Co (II)錯体の標準品のNMRスペクトルと比較して、ケミカルシフトδ10ppm超〜60ppmの範囲において、前記Co (II)錯体に由来するピークA’を帰属し、ケミカルシフトδ−20ppm〜60ppmの範囲において、前記ピークA’の他に、前記Co (II)錯体に由来するピークとして帰属不能なピークZの有無を調べることによって、前記Co (II)錯体以外の物質が前記試料中に含まれているか否かを判断する方法である。
本明細書及び特許請求の範囲において、「化合物に由来するピークを帰属する」とは、NMRスペクトル中の当該ピークで表される信号が、測定試料に含まれるどの化合物に由来するのかを特定することを意味する。当該信号が、当該化合物のどのプロトンから発信されたものであるかについては、特定してもよいし、特定しなくてもよい。
前記Co (II)錯体を含む試料をH−NMRで測定する方法は第一実施形態と同じ方法で行うことができる。
通常、前記ピークA’はケミカルシフトδ10ppm超〜60ppmで観測される。
前記ピークA’はケミカルシフトδ14〜15ppm及びδ46〜47ppmの少なくとも一方において観測されることが多い。
前記標準品のNMRスペクトルと前記試料のNMRスペクトルとが一致すれば、当該試料に含まれるCo (II)錯体の純度は、当該標準品と同等レベルであると判断できる。仮に、帰属不能なピークZが観測された場合には、当該ピークZの信号を発信する不純物が当該試料中に混入していると判断できる。
不純物が有機化合物である場合、ピークZはケミカルシフトδ0ppm〜10ppmに観測されることが多い。
標準品のスペクトルと測定試料のスペクトルとが一致していると判断する方法として、(1)観測されるピークのケミカルシフトが同じであること、
(2)各ピークの積分強度の相対比が同じであること、
(3)標準品のスペクトルには観測されない余分なピークが現れていないこと
を確認し、(1)〜(3)のうち少なくとも(1)及び(3)が満たされた場合に、両スペクトルは一致していると判断することができる。(2)も満たされると、より確実に両スペクトルが一致していると判断することができる。
一方、測定試料のスペクトルに余分なピークが観測された場合には、そのピーク面積(積分強度)に応じた量の不純物が混入していると判断することができる。
前記標準品のNMRスペクトルは、前述したNMR測定方法によって予め準備しておくことができる。前記標準品は、試薬メーカーから購入することができる。前記標準品の純度は、質量分析法、液体クロマトグラフ法等のNMR以外の公知の分析方法によって調べることができる。前記標準品の純度は、98〜100質量%が好ましく、99〜100質量%がより好ましく、99.5〜100質量%がさらに好ましい。
<コバルト錯体含有試料の評価方法(3)>
本発明のコバルト錯体含有試料の評価方法の第三実施形態は、Co (II)錯体及びCo (III)錯体を含む試料をH−NMRで測定し、TMSの0ppmを基準とするNMRスペクトルを得て、ケミカルシフトδ10ppm超〜60ppmの範囲において、前記Co (II)錯体に由来するピークAを帰属し、ケミカルシフトδ0ppm〜10ppmの範囲において、前記Co (III)錯体に由来するピークBを帰属し、前記ピークAと前記ピークBの積分強度(面積)の比に基づいて、前記試料中の前記Co (II)錯体と前記Co (III)錯体の含有割合を求める方法である。
前記Co (II)錯体及びCo (III)錯体を含む試料をH−NMRで測定する方法は第一実施形態と同じ方法で行うことができる。
通常、前記ピークAはケミカルシフトδ10ppm超〜60ppmで観測される。
前記ピークAはケミカルシフトδ14〜15ppm及びδ46〜47ppmの少なくとも一方において観測されることが多い。
前記ピークBはケミカルシフトδ7〜9ppmにおいて観測されることが多い。
各ピークの積分強度の比を求める方法は常法によって行われる。
前記Co (II)錯体及びCo (III)錯体を含む溶液の調製方法は常法により行われる。当該溶液の一部又は全部を重溶媒に滴下して測定試料にすることができる。
<電解液の評価>
本発明にかかるコバルト錯体含有試料の評価方法によって、電気化学用の電解液を評価することができる。この場合、前記評価方法における前記試料として、電気化学デバイス用の電解液を使用する。当該電解液が常磁性のCo(II)錯体を含む電解液であれば、当該電解液の用途は特に限定されない。例えば、色素増感太陽電池、二次電池、電気キャパシタ等の用途に使用される電解液を使用することができる。前記評価方法によって、当該電解液に含まれるCo(II)錯体とCo(III)錯体の含有割合を測定し、評価することができる。当該電解液は未使用品に限られず、使用済みの電解液であってもよい。例えば、電解液の使用前後の両方を測定及び評価することにより、上記含有割合の変化が使用前後で起こるか否かを調べることができる。
<電解液の製造方法>
本発明の電解液の製造方法は、上述した第一実施形態〜第三実施形態のコバルト錯体含有試料の評価方法の少なくとも一つを行う工程を有する。本発明に係る電解液の製造方法は、その他の工程を有していてもよい。電解液の製造方法の一例を以下に説明する。
Co(II)錯体の粉状試薬を秤量し、溶媒に溶解してCo(II)錯体溶液を得る工程と、Co(III)錯体の粉状試薬を秤量し、溶媒に溶解してCo(III)錯体溶液を得る工程と、目的の電解液を構成する溶媒に前記Co(II)錯体溶液及びCo(III)錯体溶液を適当な配合比でそれぞれ添加し、必要に応じてその他の電解液成分を添加し、混合することによって電解液を得る工程を経て、目的の電解液を製造することができる。
上記の一連の製造工程において、Co(II)錯体溶液、Co(III)錯体溶液、及び混合後の電解液のそれぞれに、上述した第一実施形態〜第三実施形態のコバルト錯体含有試料の評価方法の少なくとも一つを行うことができる。
例えば、Co(II)錯体に含まれるCo(II)錯体の純度を評価し、所望の基準を満たさない純度であった場合には、当該錯体をその後の電解液の調製に使用することを中止することができる。この結果、最終的に製造される電解液に不純物が混入することを防ぐことができる。
また、Co(II)錯体の純度とCo (III)錯体の純度とを予め評価した市販のCo (II)錯体と、市販のCo (III)錯体とを混合し、電解液を調整する際に、得られた電解液に含まれるCo (II)錯体とCo (III)錯体の含有割合を、所望の基準を満たす電解液とすることができる。この結果、最終的に製造される電解液の品質を高い信頼性で管理することができる。
次に、本発明を以下の実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
<Co錯体溶液の調製>
H−NMR測定用の重溶媒である重アセトニトリル1mlに、試薬メーカーから購入したCo(II)(bpy)3(PF6)2の粉状試薬の4mgを混合し、常磁性のCo錯体溶液(測定試料1)を調製した。
同様に、試薬メーカーから購入したCo(III)(bpy)3(PF6)3の粉状試薬の4mgを混合し、非常磁性のCo錯体溶液(測定試料2)を調製した。
なお、上記「bpy」は2,2’-ビピリジンを表し、上記「PF6」はヘキサフルオロリン酸を表す。
同様に、試薬メーカーから購入したCo(II)(bpy)3(PF6)2の粉状試薬とCo(III)(bpy)3(PF6)3の粉状試薬を、Co(II):Co (III)のモル比が、1:1となるように調整し、測定試料3を得た。
モル比をCo(II):Co (III)=1:2に変更した以外は、測定試料3の調製と同様の方法で、測定試料4を得た。
モル比をCo(II):Co (III)=2:1に変更した以外は、測定試料3の調製と同様の方法で、測定試料5を得た。
[実施例1]
プロトン核の共鳴周波数が400MHzのマグネットを備えたNMR測定装置(JEOL RESONANCE社製、型番:ECX400)を使用して、ケミカルシフトδ−20〜60.0ppmの範囲で、上記測定試料1を測定した。このH−NMRスペクトルを図1に示す。なお、ここで図示したスペクトルの範囲は約−4ppm〜50ppmである。
当該スペクトルにおいて、δ14〜15ppm(図中のP1)と、δ46〜47ppm(図中のP2)とに、それぞれ鋭いピークが観測された。
当該スペクトルに余分なピークが観測されなかったことから、測定試料1には不純物が含まれないことを確認できた。
実施例1の結果は、従来の一般的なNMR測定の常識を覆すものである。従来の常識によれば、常磁性体であるCo(II)錯体を含む測定試料1のH−NMRスペクトルは、常磁性遮蔽効果によって乱れてしまい、目的のピーク(信号)を観測することが不可能であると予想された。ところが、本発明者らが上記測定試料1を実際にH−NMR測定したところ、Co(II)錯体に由来するピークが従来の有機化合物では観測範囲外とされていた強磁場側に明確に観測される、という驚くべき結果となった。この結果から、測定試料1には、試薬合成時に混入する疑いがある不純物が含まれていない高純度品であることを確認することができた。なお、ここで詳細な結果は示さないが、不純物が含まれている場合には、当該不純物のプロトンに由来する信号がスペクトル中に余分なピークとして観測された。
[実施例2]
実施例1と同様の方法で、ケミカルシフトδ−20〜60.0ppmの範囲で、上記測定試料2を測定した。このH−NMRスペクトルを図2に示す。なお、ここで図示したスペクトルの範囲は約−20ppm〜60ppmである。
当該スペクトルにおいて、δ7〜9ppm(図中のP3)に、複数の鋭いピークが観測された。
当該スペクトルに余分なピークが観測されなかったことから、測定溶液2には不純物が含まれないことを確認できた。
[実施例3]
実施例1と同様の方法で、ケミカルシフトδ−20〜60.0ppmの範囲で、上記測定試料3を測定した。このH−NMRスペクトルを図3に示す。なお、ここで図示したスペクトルの範囲は約−4ppm〜50ppmである。
当該スペクトルにおいて、δ14〜15ppm(図中のP1’)と、δ46〜47ppm(図中のP2’)と、δ7〜9ppm(図中のP3’)とに、それぞれ鋭いピークが観測された。
ここで、実施例1及び実施例2の結果を参照すると、P1’及びP2’のピークは、常磁性のCo(II)錯体に由来するピークであり、P3’のピークは非常磁性のCo(III)錯体に由来するピークであると考えられた。
当該スペクトルに余分なピークが観測されなかったことから、測定試料3には不純物が含まれないことを確認できた。
各ピークの面積(積分強度)の比を求めたところ、(P1’+P2’):(P3’)=0.97:1.00であった。この面積比は、測定試料3中のCo(II)錯体とCo(III)錯体の含有割合に相当する。
この結果から、測定試料3中の各Co錯体の含有割合を決定する場合に、測定試料3のH−NMRスペクトルの積分強度比に基づいた含有割合は、各Co錯体を試薬瓶から秤量した際の配合比から算出される割合と、同等以上の高い精度で確認できることが分かった。
一般に、測定溶液の調製時には、試薬が濾紙に付着したり、吸湿したり、溶け残ったりする懸念がある。このため、細心の注意を払わない限り、秤量値に基づく含有割合は、測定溶液中の実際の含有割合からずれてしまう恐れがある。
一方、調製済みの測定溶液をH−NMR測定した結果に基づけば、調製時の秤量誤差や操作ミスに起因するずれを含むことなく、直接的に当該試薬の含有割合を求めることができる。
従来の一般的なNMR測定の常識によれば、常磁性体であるCo(II)錯体と非常磁性体であるCo(III)錯体とを混合した測定試料3のH−NMRスペクトルは、常磁性遮蔽効果によって乱れてしまい、各Co錯体に由来するピークを帰属することが不可能であると予想された。ところが、本発明者らが上記混合した測定試料3を実際にH−NMR測定したところ、各Co錯体に由来するピークが混合の前後で変化しない、という驚くべき結果となった。この結果から、測定試料3には、試薬合成時に混入する疑いがある不純物が含まれていない高純度品であることを確認することができた。さらに、Co(II)錯体とCo(III)錯体の含有割合を直接的に測定することができた。
[実施例4]
実施例2と同様の方法で、ケミカルシフトδ−20〜60.0ppmの範囲で、上記測定試料4を測定した。このH−NMRスペクトルを図4に示す。なお、ここで図示したスペクトルの範囲は約0ppm〜51ppmである。
当該スペクトルにおいて、δ14〜15ppm(図中のP4)と、δ46〜47ppm(図中のP5)と、δ7〜9ppm(図中のP6)とに、それぞれ鋭いピークが観測された。
ここで、実施例1〜3の結果を参照すると、P4及びP5のピークは、常磁性のCo(II)錯体に由来するピークであり、P6のピークは非常磁性のCo(III)錯体に由来するピークであると考えられた。
当該スペクトルに余分なピークが観測されなかったことから、測定試料4には不純物が含まれないことを確認できた。
さらに、各ピークの積分強度比は、(P4+P5):P6=1.12:2.00であった。この積分強度比は、測定試料4中のCo(II)錯体とCo(III)錯体の含有割合に相当する。測定試料4の調製時の各Co錯体の配合比は1:2であり、H−NMR測定によって直接的に求めた含有割合の方が高い精度であると考えられた。
[実施例5]
実施例2と同様の方法で、ケミカルシフトδ−20〜60.0ppmの範囲で、上記測定試料5を測定した。このH−NMRスペクトルを図5に示す。なお、ここで図示したスペクトルの範囲は約0ppm〜51ppmである。
当該スペクトルにおいて、δ14〜15ppm(図中のP7)と、δ46〜47ppm(図中のP8)と、δ7〜9ppm(図中のP9)とに、それぞれ鋭いピークが観測された。
ここで、実施例1〜4の結果を参照すると、P7及びP8のピークは、常磁性のCo(II)錯体に由来するピークであり、P9のピークは非常磁性のCo(III)錯体に由来するピークであると考えられた。
当該スペクトルに余分なピークが観測されなかったことから、測定溶液5には不純物が含まれないことを確認できた。
さらに、各ピークの積分強度比は、(P7+P8):P9=2.10:1.00であった。この積分強度比は、測定試料5中のCo(II)錯体とCo(III)錯体の含有割合に相当する。測定試料5の調製時の各Co錯体の配合比は2:1であり、H−NMR測定によって直接的に求めた含有割合の方が高い精度であると考えられた。
[実施例6]
市販のCo(II)(bpy)3(PF6)2の試料4mgを使用して、測定試料1と同様に、常磁性のCo錯体溶液(測定試料6)を調製した。
実施例1と同様の方法で、ケミカルシフトδ−20〜60.0ppmの範囲で、上記測定試料6を測定した。このH−NMRスペクトルを図6に示す。なお、ここで図示したスペクトルの範囲は約−20ppm〜60ppmである。
当該スペクトルにおいて、δ14〜15ppm(図中のP1”)と、δ46〜47ppm(図中のP2”)と、δ7〜9ppm(図中のPX)とに、それぞれ鋭いピークが観測された。
ここで、実施例1〜5の結果を参照すると、P1”及びP2”のピークは、常磁性のCo(II)錯体に由来するピークであり、PXのピークは不純物に由来するピークであると考えられた。さらに、PXのピークがP3と類似していることから、当該不純物は非常磁性のCo(III)錯体であると考えられた。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはない。
本発明は、色素増感太陽電池等の電気化学デバイスの分野で広く利用可能である。
P1,P2、P3,P1’,P2’,P3’,P4,P5,P6,P7,P8,P9…Co錯体に由来する信号に対応するピーク

Claims (7)

  1. コバルト(II)錯体を含む試料を H−NMRで測定し、テトラメチルシランを基準の0ppmとして、ケミカルシフトδ−20ppm〜60ppmの範囲において、前記コバルト(II)錯体に由来する信号を観測する、コバルト錯体含有試料の評価方法であって、
    コバルト(II)錯体及びコバルト(III)錯体を含む試料をH−NMRで測定し、テトラメチルシランの0ppmを基準とするNMRスペクトルを得て、
    ケミカルシフトδ10ppm超〜60ppmの範囲において、前記コバルト(II)錯体に由来するピークAを帰属し、
    ケミカルシフトδ0ppm〜10ppmの範囲において、前記コバルト(III)錯体に由来するピークBを帰属し、
    前記ピークAと前記ピークBの積分強度の比に基づいて、前記試料中の前記コバルト(II)錯体と前記コバルト(III)錯体の含有割合を求めるコバルト錯体含有試料の評価方法。
  2. ケミカルシフトδ14〜15ppm及びδ46〜47ppmの少なくとも一方において、前記ピークAを帰属する、請求項に記載のコバルト錯体含有試料の評価方法。
  3. ケミカルシフトδ7〜9ppmにおいて、前記ピークBを帰属する、請求項又はに記載のコバルト錯体含有試料の評価方法。
  4. コバルト(II)錯体を含む試料を H−NMRで測定し、テトラメチルシランを基準の0ppmとして、ケミカルシフトδ−20ppm〜60ppmの範囲において、前記コバルト(II)錯体に由来する信号を観測する、コバルト錯体含有試料の評価方法であって、
    コバルト(II)錯体を含む試料をH−NMRで測定し、
    テトラメチルシランの0ppmを基準とするNMRスペクトルを得て、
    予め測定された前記コバルト(II)錯体の標準品のNMRスペクトルと比較して、
    ケミカルシフトδ10ppm超〜60ppmの範囲において、前記コバルト(II)錯体に由来するピークA’を帰属し、
    ケミカルシフトδ−20ppm〜60ppmの範囲において、前記ピークA’の他に、前記コバルト(II)錯体に由来するピークとして帰属不能なピークZの有無を調べることによって、
    前記コバルト(II)錯体以外の物質が前記試料中に含まれているか否かを判断するコバルト錯体含有試料の評価方法。
  5. 前記コバルト(II)錯体が含窒素環式基をコバルト配位子として有する、請求項1〜の何れか一項に記載のコバルト錯体含有試料の評価方法。
  6. 前記試料が電気化学デバイス用の電解液である、請求項1〜の何れか一項に記載のコバルト錯体含有試料の評価方法。
  7. 請求項1〜の何れか一項に記載のコバルト錯体含有試料の評価方法を行う工程を有する、電解液の製造方法。
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