図1は、本実施形態に係る人体モデル提供システム5及び人体測定システム20を含む健康管理システム1の一例となる全体的なシステム構成を示す概略図である。この健康管理システム1は、本発明に係る人体モデル提供システム5に含まれる人体モデル提供装置50を、ネットワークNWを介して人体測定システム20と接続したものとなっており、人体測定システム20から送られる被験者Hの身体的(骨格的)な測定結果を取得して、その取得した測定結果に応じた形態の人体モデル(図29等の画面で示される人体モデルを参照)を提供するものになっている。
特に、本発明では、図2に示すように、複数のブロックB1〜B24の組合せで人体を模した人体モデルである人体ブロックモデル300を提示すると共に、被験者の測定結果により、被験者の姿勢等に関して骨格的な異常があれば、異常有りに応じた箇所のブロックを、異常無しのブロックと相違させた人体ブロックモデル300(図3参照)を提示して、異常の有無及び異常箇所をユーザが一目で判断できるようにしたことが特徴になっている。
本実施形態の健康管理システム1の利用には、会員登録を必要としており、会員登録するには、ユーザの氏名、ニックネーム、パスワード、メールアドレス等を、健康管理システム1の利用を管理する事業体に提出する。事業体は、会員登録をしたユーザについて、ユーザを識別するユーザIDを発行する。会員登録したユーザの情報及びユーザの測定結果等は、人体モデル提供装置50が有する会員データベース60に蓄積される。
健康管理システム1の人体モデル提供システム5から提供される人体モデルは、ユーザ等が有する表示端末装置3で表示されるようになっており、表示端末装置3として、図1ではタブレットを示すが、スマートフォンのような携帯通信端末、又は通信機能を有するパソコン(ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン等)も、表示端末装置3に利用できる。本発明に係る人体モデル提供システム5は、表示端末装置3及び人体モデル提供装置50を含む構成になっており、また、図1では、1台の表示端末装置3を示すに留まるが、実際には、会員登録した各ユーザの数に応じた複数の表示端末装置3が使用されることになる。なお、表示端末装置3は、人体モデル提供装置50にとっては外部の装置になり、一方、人体モデル提供装置50は、表示端末装置3にとっては外部の装置になる。
また、被験者Hであるユーザを測定する人体測定システム20としては、三次元測定を行うもの、MRIやレントゲンを用いるもの、さらには、上述した特許文献5、6等に示す手法など、様々なものを適用できる。本実施形態では、三次元測定器を用いたものになっており、この三次元測定器は測定対象物の三次元データ(OBJデータ)の測定を行うために、計三本の柱状部21、22、23を有する。これら三本の柱状部21、22、23は、被験者Hの測定位置の周囲を、平面視で三角形を構成するように、三角形の各頂点となる位置にそれぞれ配置される。各柱状部21、22、23は複数のレーザ光出射部21a、22a、23a及び走査状況取得部21b、22b、23bを具備し、各レーザ光出射部21a、22a、23aからレーザ光を出射して測定対象物を走査すると共に、走査した状況を走査状況取得部21b、22b、23bで撮像する。
また、人体測定システム20は、測定処理装置30を有しており、この測定処理装置30は、各柱状部21、22、23と三次元測定用接続線24a、24b、24cで接続される。測定処理装置30から送られる測定開始指示が、三次元測定用接続線24a、24b、24cを介して、各柱状部21、22、23へ入力されると、各柱状部21、22、23の各レーザ光出射部21a、22a、23aからレーザ光を出射して測定を開始し、測定開始から約2秒でレーザ光の走査状況の測定(及び対象物の撮影)を完了し、測定した数値を含む測定結果(OBJデータ)及び撮像画像等が測定処理装置30へ送られる。
測定処理装置30では、送られてきた数値結果(OBJデータ、人体の各部の位置に関する情報)に基づき測定対象物に関する各種寸法値を算出する。測定処理装置30が、算出処理により得ることのできる各種寸法値としては、測定対象物の全体寸法、体表面積、体容積、任意部の長さ、任意部の周囲長等がある。被験者Hという人体を身体的に測定対象にするときは、人体の身長に加えて、人体の特定部位である各腕についての長さ(袖丈の長さ)、手首の周囲長及び腕の周囲長(最大周囲長)、体幹部の長さ(座高)、ウエストの周囲長、胸囲の周囲長、及び臀部の周囲長、各脚についての長さ(股下の長さ)、足首の周囲長、及び太ももの周囲長(最大周囲長)等と云った被験者Hの体格に係る項目を測定する(その他、左右の肩幅、襟ぐり等も測定)。なお、図1に示すように、被験者Hは測定時に足を開くので、足を開いた分、実際の身長より測定値が小さくなるので、身長については、測定処理装置30において所定の比率を乗じて、自動補正を行う。
上述した三本の柱状部21、22、23を三角形の各頂点に配置して三次元測定する方法は、三角測量の原理を用いた公知の三次元距離計測手法(三角測量の原理)により、レーザ光出射部21a、22a、23aから出射するレーザ光で測定対象物の表面を走査し、その走査状況を、走査状況取得部21b、22b、23bで撮像して、柱状部21、22、23を三角形の位置と、走査状況取得部21b、22b、23bで撮像した画像におけるレーザ光の走査位置のポイント等との関係に基づき、測定対象物の各表面のポイント(表面をメッシュにした交点)を三次元座標上(水平面の一方向に応じたX軸、水平面においてX軸と直交する方向に応じたY軸、X軸及びY軸に直交する垂直方向に応じたZ軸で構成される座標)に展開した位置を求めることになる。
人体測定システム20が人体(被験者H)を三次元測定する場合、人体の表面上の約3万のポイントについての位置を三次元座標値の数値で求めており、これら三次元測定される各ポイントは、それぞれを識別できるように番号が付されており(1番目のポイント〜約3万番目のポイントが存在する)、各番号と三次元座標値が対応づけたものが測定結果(OBJデータ)に含まれる。なお、三次元座標値に係る三次元座標系を構成するX、Y、Z軸について、本実施形態では図1に示すように、X軸方向を人体の幅方向に一致させており、Y軸方向を人体の身長方向に一致させており、Z軸方向を人体の厚み方向に一致させている。そのため、例えば人体を正面から見た場合、主にXY座標系で表現されることになり、人体を横方向から見た場合、主にYZ座標系で表現される。
図4は、人体測定システム20の中の測定処理装置30の主要構成を示したブロック図である。本実施形態の測定処理装置30としては、各柱状部21、22、23との接続機能、及びネットワークNWを介した通信機能等を具備したコンピュータを用いており、図4では、そのコンピュータを用いた場合の構成を示している。測定処理装置30は、全体的な制御及び各種処理を行うCPU30aに、各種デバイス等を内部接続線30hで接続したものになっており、各種デバイス等には、外部機器接続部30b、通信部30c、ROM30d、RAM30e、表示入出力インタフェース30f、及び記憶部30g等がある。なお、測定処理装置30は、測定の際に各種入力及び表示等を行うタッチパネル式の表示装置35を有する。
外部機器接続部30bは、各種規格(例えば、IEEE系などの規格)に準じた双方向で各種信号、情報等を送ることが可能な接続インタフェース(例えば、USB系のシリアルインタフェース)であり、本実施形態では、この外部機器接続部30bで各柱状部21、22、23と接続して、各柱状部21、22、23による測定結果を取得すると共に、各柱状部21、22、23への測定開始指示を送るようにしている。
通信部30cは、ネットワークNWとの接続通信デバイスに相当する所要の通信規格に応じたものであり(例えばLANモジュール)、通信線L及び所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワークNWと接続することで、人体モデル提供装置50との通信を可能にしている。
ROM30dは、CPU30aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶するものであり、RAM30eは、CPU30aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶するものである。表示入出力インタフェース30fは、接続線36で表示装置35が接続されるインタフェースであり、本実施形態の表示装置35は、タッチスクリーン機能を具備する表示スクリーン35aを有するので、表示スクリーン35aに表示させる各種画面に応じた各画面データを出力することに加えて、表示スクリーン35aでのタッチによる操作内容の入力を受け付けて、その受け付けた操作内容をCPU30aへ送る処理等も行う。
記憶部30gは、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等により構成される記憶デバイスであり、基本プログラムP1、三次元測定プログラムP2、及び測定管理プログラムP3といったプログラム、並びに画面データテーブルT1等を記憶する。各プログラムの説明を後にして、先ず、画面データテーブルT1について説明する。
画面データテーブルT1は、表示装置35で表示させるための各種画面データを複数格納したものである。画面データテーブルT1が格納する画面データとしては、ユーザID、パスワード等の初期入力画面、測定開始の指示を出すための開始指示画面、測定中の状態を示す測定中画面、及び測定終了を示す測定終了画面等に応じた画面データを格納したものになっている。測定処理装置30のCPU30aは、処理状況に応じた画面データを画面データテーブルT1から読み出して、表示入出力インタフェース30fから適宜出力させて、表示装置35に、所要の画面を表示させている。
次に、図4の記憶部30gに記憶される各プログラムについて説明していく。まず、基本プログラムP1は、測定処理装置30を一般的なコンピュータとして機能させるために、CPU30aが行う基本的な処理を規定したオペレーティングシステムに相当するものであり、この基本プログラムP1には、上述した外部機器接続部30bを通じた信号等の入出力機能、通信部30cを通じた通信機能、及び表示入出力インタフェース30fを通じた表示機能・操作受付機能等を含んでいるものとする。
また、三次元測定プログラムP2は、各柱状部21、22、23から送られてくる測定結果に含まれる数値(検知した複数の頂点のXYZ座標値)を用いて、上述した三角測量の原理を用いた公知の三次元距離計測手法により、被験者Hの測定項目(身長、各四肢の長さ等)に係る数値を算出する処理をCPU30aが行うことを規定したものになっている。
測定管理プログラムP3は、人体測定システム20における全般的な処理に関して、CPU30aが行う各種処理の内容を規定したものである。具体的には、表示装置35に各種画面を表示する処理、ユーザ操作に応じた対応処理、測定結果を人体モデル提供装置50へ送る処理等をCPU30aに行わせるプログラミング内容を測定管理プログラムP3は含んでいる。
なお、測定結果に係る情報を人体モデル提供装置50へ送信することで、測定処理装置30を含む人体測定システム20の被験者Hの測定に関する一連の処理は一旦完了し、これ以降については人体測定システム20では次回の測定を待つ状態になる。一方、人体測定システム20から測定結果を受信する人体モデル提供装置50は、測定結果の受信に伴い、測定を行った被験者Hに応じた人体モデルを提供するための処理を開始することになる。
図5は、人体モデル提供装置50の主要な内部構成を示すブロック図である。本実施形態の人体モデル提供装置50は、一般的なサーバコンピュータ(サーバ装置)で構築したものになっているが、分散処理等を行うことで複数のサーバ装置及びデータベース装置等を組み合わせて構築することも勿論可能である(例えば、人体モデルの提供に関する処理を主に行うサーバ装置、及び登録会員の会員データを格納するデータベースに関する処理を主に行うデータベースサーバ装置を組み合わせて、人体モデル提供装置50を構築することなどが想定できる)。
人体モデル提供装置50は、全体的な制御及び各種処理を行うMPU50aに、各種デバイス等を内部接続線50hで接続したものになっており、各種デバイス等には、通信モジュール50b、RAM50c、ROM50d、入力インタフェース50e、出力インタフェース50f、及び記憶部50g等がある。
通信モジュール50bは、ネットワークNWとの接続モジュールに相当する通信デバイスであり、所要の通信規格に応じたものである(例えばLANモジュール)。通信モジュール50bは、所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワークNWと接続されており、測定処理装置30及び表示端末装置3等との通信を可能にする。なお、本実施形態において、人体モデル提供装置50は、被験者Hの身体的な測定結果等(測定結果に係る各種情報)を、通信モジュール50bで取得することになる。
RAM50cは、MPU50aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶するものであり、ROM50dは、MPU50aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶するものである。入力インタフェース50eは、システム管理者等からの操作指示等を受け付けるキーボード50i、マウス等が接続されるものである。出力インタフェース50fは、ディスプレイ50j(表示出力装置)が接続されるものであり、MPU50aの処理に伴う内容をディスプレイ50jへ出力し、システム管理者等が現在の処理内容等を確認できるようにしている。
記憶部50gは、データベース、プログラム、及びテーブル等を記憶するものであり、具体的には、データベースとして会員データベース60及び人体モデルデータベース70等を記憶し、プログラムとしてはサーバプログラムP10、モデル提供プログラムP11を記憶し、テーブルとしては、モデル数値テーブル80及びポイントテーブル85等を記憶する。なお、モデル提供プログラムP11を記憶部10gにインストールするには、光ディスク等の記憶媒体にモデル提供プログラムP11を記憶しておき、その記憶媒体を通じて、記憶部50gにインストールすること等が考えられる。
図6は、記憶部50gに記憶される会員データベース60の中身の一例を示し、ユーザ欄として、ユーザIDごとに、会員の氏名、ニックネーム、メールアドレス、及び各日のデータ(人体測定システム20のそれぞれの測定結果を示す数値、測定結果に基づき得られた人体モデルを示すデータ等)が記憶される(なお、図6では示していないが、会員データベース60には、その他、性別、パスワード等も記憶される)。会員データベース60のユーザ欄は、新たなユーザの会員登録により増加し、会員ユーザが退会することで、そのユーザのユーザ欄が削除されることになり、また、各ユーザが測定を行うごとに、測定データ欄には測定日のデータが格納されるようになり、これらの要因により、会員データベース60の中身は随時、更新される。
記憶部50gに記憶されるサーバプログラムP10は、サーバコンピュータ用のオペレーティングシステムに応じた各種処理を規定したものであり、この規定内容に基づいた処理をMPU50aが行うことで、人体モデル提供装置50は、サーバコンピュータ(サーバ装置)としての各機能を果たす。
また、モデル提供プログラムP11は、本発明に関する主要な各処理を規定したものであり、会員認証に係る処理、測定結果及び骨格的な異常判定等に基づく人体モデルの生成処理、生成した人体モデルを配信する処理等を、MPU50aが各種手段として行うことを規定した内容になっている。モデル提供プログラムP11の詳細は後述し、先に、人体モデルデータベース70、モデル数値テーブル80、ポイントテーブル85等について説明する。
図7は、人体モデルデータベース70の中身の一部を示し、人体モデルデータベース70の中身は、骨格モデルテーブル71と、人体ブロックテーブル72に大別される。骨格モデルテーブル71は、統計的に身長に対する四肢の長さ寸法の比率(袖丈の比率、股下の比率)が標準である標準パターン、標準パターンに対して四肢の寸法(手足の寸法)を約95%短くした第1パターン、及び標準パターンに対して四肢の寸法(手足の寸法)を約105%長くした第2パターンという計三種類のパターンを含み、これらのパターンごとに、標準骨格モデル71a、第1骨格モデル71b、及び第2骨格モデル71cを有する。
本発明では、被験者Hの測定結果に応じた人体モデルの一つのモデルパターンとして、骨格モデルを提供するにあたり、一から骨格モデルを生成するのではなく、ベースとなる骨格モデル(ポリゴンで作成された変形可能なボーンで構成されるもの)を人体モデルデータベース70に予め準備しておき、その準備した骨格モデルを被験者Hの測定結果に応じて適宜、変形等を行うことで、被験者の測定結果(体格及び体つき)に応じた骨格モデルを提供するようにしている。すなわち、骨格モデルは、形状的に変形可能なテクスチャで形成されており、骨格モデル全体を相似的に拡大又は縮小する変形が可能になっていると共に、骨格を構成する複数の骨部分(ボーン)のレベルでも長さ寸法の拡大又は縮小、骨格における関節を中心とした角度変化等の変形が可能になっており、それにより骨格の部分的な変形も可能になっている(詳細は後述)。
また、このような骨格モデルは、三次元表示可能に形成されており、上述した非特許文献1に係る3D人体解剖アプリで示されるモデルと同様に、回転させる操作(例えば、スワイプ操作)を行うことで、所望の角度から、骨格モデルを確認できると共に、骨格モデルの所要部分の拡大又は縮小も所要の操作(例えば、ピンチ装置)で可能になっている。なお、図7に示す各骨格モデル71a〜71cは男性用のものであり、図示しないが、女性用の標準骨格モデル、第1骨格モデル、及び第2骨格モデルも人体モデルデータベース70(骨格モデルテーブル71)の中に格納されている。また、骨格モデルは、体格に応じた数値を有するものとなっており、それらの数値は、後述のモデル数値テーブル80において示される。そして、被験者Hの測定結果により得られた骨格モデルは、測定結果と共に、被験者Hの骨格的な異常の有無の判定にも用いられる。
図8は、図7の人体モデルデータベース70に含まれる人体ブロックテーブル72を示す。人体ブロックテーブル72は、図2に示す人体ブロックモデル300を構成する複数のブロックB1〜24を構成するオブジェクト(ブロックB1〜24を表すオブジェクト)を格納したものになっており、これらの複数のブロックは、後述するように、人体の各部位(異常の有無に係る判定対象となる各部位)にそれぞれ対応したものになっている。人体ブロックテーブル72は、各ブロックを識別するブロック番号(B1〜24)ごとに、オブジェクトのマテリアル名、被験者Hの測定結果に基づく異常無し(正常時)の判定の場合に用いるオブジェクト、異常有り(異常時)の判定の場合に用いるオブジェクトを格納したものになっている。これらの異常無し用のブロックのオブジェクトと、異常有り用のブロックのオブジェクトは、両者を見分けられるように相違する形態にしている。
なお、図2に示すように、ブロックB1〜7、B13〜16、及びB19〜24は、XY座標系の正面方向からの視図において、いずれも略矩形のオブジェクトであり、骨盤付近のブロックB8〜10は、正面方向からの視図において、いずれも略三角形のオブジェクトであり、肩の部分に応じたブロックB11、12は、正面方向からの視図において、略四分円の形状のオブジェクトになっており、手の部分に応じたブロックB17、18は、正面方向からの視図において、略円形状のオブジェクトになっている。また、図24に示すように、全てのブロックB1〜24は、YZ座標系の横方向からの視図において、それぞれ場所に応じた所定の厚み(Z軸方向に平行な寸法)を有する略矩形のオブジェクトになっている。
ブロック番号B1は、人体の頭部に応じたブロックであり(マテリアル名はface)、正常時のオブジェクトはface.pngというファイル名であり、異常時のオブジェクトはface_bad.pngとファイル名である。頭部に応じたブロックB1は、図2に示すように、顔の表情を表す表示パーツを有したものになっており、異常無し(正常時)の頭部ブロック(face.png)は、図2に示す穏やかな表情の表示パーツ301aを有するテクスチャとなっており、異常時の頭部ブロック(face_bad.png)は、図3に示すように、図2に示す穏やかな表情と相違した苦しい表情の表示パーツ301bを有するテクスチャになっている。
また、ブロック番号B2は、人体の首上部に応じたブロックであり(マテリアル名はneck_up)、以下、ブロック番号B3は、人体の首下部に応じたブロックであり(マテリアル名はneck_down)、ブロック番号B4は、人体の胸左部に応じたブロックであり(マテリアル名はmune_L)、ブロック番号B5は、人体の胸右部に応じたブロックであり(マテリアル名はmune_R)、ブロック番号B6は、人体の腹上部に応じたブロックであり(マテリアル名はHara_Up)、ブロック番号B7は、人体の腹下部に応じたブロックであり(マテリアル名はHara_Down)、ブロック番号B8は、人体の仙骨に応じたブロックであり(マテリアル名はSenkotsu)、ブロック番号B9は、人体の左寛骨に応じたブロックであり(マテリアル名はUpLeg_L)、ブロック番号B10は、人体の右寛骨に応じたブロックである(マテリアル名はUpLeg_R)。
さらに、ブロック番号B11は、人体の左肩に応じたブロックであり(マテリアル名はKata_L)、ブロック番号B12は、人体の右肩に応じたブロックであり(マテリアル名はKata_R)、ブロック番号B13は、人体の左上腕に応じたブロックであり(マテリアル名はJowan_L)、ブロック番号B14は、人体の右上腕に応じたブロックであり(マテリアル名はJowan_R)、ブロック番号B15は、人体の左前腕に応じたブロックであり(マテリアル名はZenwan_L)、ブロック番号B16は、人体の右前腕に応じたブロックであり(マテリアル名はZenwan_R)、ブロック番号B17は、人体の左手に応じたブロックであり(マテリアル名はHand_L)、ブロック番号B18は、人体の右手に応じたブロックであり(マテリアル名はHand_R)、ブロック番号B19は、人体の左太腿に応じたブロックであり(マテリアル名はLeg1_L)、ブロック番号B20は、人体の右太腿に応じたブロックであり(マテリアル名はLeg1_R)、ブロック番号B21は、人体の左脛に応じたブロックであり(マテリアル名はLeg2_L)、ブロック番号B22は、人体の右脛に応じたブロックであり(マテリアル名はLeg2_R)、ブロック番号B23は、人体の左足に応じたブロックであり(マテリアル名はFoot_L)、ブロック番号B24は、人体の右足に応じたブロックである(マテリアル名はFoot_R)。
人体ブロックテーブル72では、B2〜B24の各ブロックについても、正常時用のテクスチャを有するブロックと、異常時用のテクスチャを有するブロックを格納したものになっており、これらB2〜B24の各ブロックでは、正常時用と異常時用のブロック表面テクスチャの色を相違させた形態になっている。すなわち、異常時用のブロックは表面を赤色(但し、図3等ではグレーで表現)にして、異常であることを一目で分かるようにしている(なお、正常時用のブロック表面は、白色系の色にしている)。
そして、人体ブロックテーブル72に格納される各ブロックB1〜B24は、三次元表示可能に形成されており、それに伴い、各ブロックB1〜B24で構成される人体ブロックモデル300(図2参照)も三次元表示可能になっており、上述した骨格モデルと同様に、回転させる操作を行うことで、所望の角度から人体ブロックモデル300を確認できると共に、人体ブロックモデル300の所要部分の拡大又は縮小も所要の操作で可能になっている。
また、図9は、図5の記憶部50gに記憶されるモデル数値テーブル80の中身の一例を示す。モデル数値テーブル80は、図7に示す人体モデルデータベース70に格納される各骨格モデル(男性用及び女性用のそれぞれのパターンの骨格モデル)の各部に応じた数値を格納するものであり、図9では、男性の標準パターン71aに応じた人体モデルの各部に応じた数値が格納される範囲を示している。なお、モデル数値テーブル80は、図9では示していないが、男性の第1骨格モデル71b、及び第2骨格モデル71cに応じた数値、並びに女性用の各骨格モデルに応じた数値も含んでいる。
モデル数値テーブル80が格納する各数値は、統計的に得られた数値に基づいたパターンごとの平均値であり、平均の身長の数値、股下の数値、及び腕長さの数値等より得られた股下割合(身長に対する足の左右平均長さが占める割合)、袖丈比率(身長に対する腕の左右平均長さが占める割合)等が格納されており、これらの数値は、被験者Hに応じたモデルのパターンを各標準パターン、第1パターン、及び第2パターンの中から特定する場合、及び特定したパターンの骨格モデルの拡大又は縮小する度合いを特定する場合などに用いられる。次に、上述した骨格モデルの全体的な変形、部分的な変形、及び変形した骨格モデルに基づく骨格的な姿勢検証等について説明していく。
図10は、上述した図7の人体モデルデータベース70の骨格モデルテーブル71に格納される骨格モデルの相似的な拡大又は縮小の変形の概要を示している。このような拡大又は縮小は、被験者Hの体格に係る測定結果(例えば、身長に準じた測定寸法)に基づき行う。例えば、標準の骨格モデル71aは、その体格を表す身長として170.58cmの寸法を有し(図9のモデル数値テーブル80参照)、一方、被験者Hの測定結果で、被験者の身長が約179.1cmであれば、被験者の測定結果に合わせて、標準の骨格モデル71a全体を1.05倍(179.1/170.58)で相似的に拡大変形することになる。また、骨格モデルが部分的に寸法の拡大又は縮小するような変形を行えるようにするため、骨格モデルには、変形の基点となる複数の点(変形基点となる対象点)が設けられている。
図11は、骨格モデル(標準の骨格モデル71a)における複数の対象点の代表例を概要的に示したものである(複数の対象点の中の一部を示す対象点P1〜P14を示す)。対象点P1は頭部頂点であり、以下、対象点P2は右肩、対象点P3は左肩、対象点P4は右肘、対象点P5は左肘、対象点P6は右手先端(中指の第3関節)、対象点P7は左手先端(中指の第3関節)、対象点P8は腰中心の背骨、対象点P9は右骨盤、対象点P10は左骨盤、対象点P11は右膝、対象点P12は左膝、対象点P13は右足先端、対象点P14は左足先端になっている。これら各対象点P1〜P14は、XYZ座標系における座標値をそれぞれ有したものになっている。なお、各対象点P1〜P14は、対象点の代表例であり、実際には、もう少し多くの点が存在する(図16、17のポイントテーブル85を参照)。
図12(a)(b)は、上述した骨格モデル(例えば、標準の骨格モデル71a)を部分的に変形する場合の例を示しており、このような、変形は、骨格モデルを三次元測定された被験者Hの骨格形状に合わせるために行う。骨格モデルの骨盤の左骨盤(ポリゴン形状の変形が可能な変形用ボーンに相当。)の変更基点となる対象点P20(図中、黒丸で示す)を、その対象点P20が対応する特定番号のポイントp1(図中、白丸で示す。後述する図16、17のポイントテーブル85から特定される対応点であり、三次元測定によるXYZ座標値を有する点)へ移動させて、その移動により、対象点P20の近傍の左骨盤のテクスチャ部分B1(図12(b)において破線で囲んだ箇所)が伸長し、それにより、骨格モデルを、三次元測定の結果にあわせて変形させている。
また、図13(a)〜(c)は、骨格モデル(例えば、標準の骨格モデル71a)において、変形基点となる対象点P30(左肘の変形基点P30)を含む骨部分H1(図13では左上腕の骨部分H1。変形用ボーンに相当)を、体の中心側への直近となる関節C1(図13では左の肩関節C1)を中心に角度を変化させてから、長さ寸法を伸長して部分的に変形する例を示している。
すなわち、図13(a)〜(c)に示すように、左肘の対象点P30(図中、黒丸で示す)は、移動先となる特定番号のポイントp2(図中、白丸で示す。図16、17のポイントテーブル85から特定される対応点)に対して、三次元的な方向のズレが大きいため、図13(a)に示す状態のままで、対象点P30のXYZ座標値が、特定番号のポイントp2のXYZ座標値に一致するように変形すると、上腕の骨部分H1が不自然に曲がった状態で伸長することになるので、このような不具合を防ぐため、図13(b)に示すように、先ず、対象点P30の体の中心側へ直近となる関節C1を中心に、上腕の骨部分H1の角度を回転するようにしている。
角度回転を行うには、まず、図13(a)に示すように、上腕の骨部分H1の骨端部の対象点P30と、直近の左の肩関節C1の中心とを結ぶ仮想線K1のベクトルを求める。次に、肩関節C1の中心から特定番号のポイントp2へ向かう仮想直線K10のベクトルの方向(肩関節C1の中心からポイントp2へ向かう方向に相当)を特定する。それから、仮想線K1が、仮想直線K10と重なって方向が同じ向きになるように、肩関節C1を中心に左上腕の骨部分H1を回転させて、骨部分H1の肩関節C1に対する角度を変更する。
図13(a)に示す角度変更を行うと、図13(b)(c)に示すように、肩関節C1から対象点P30を結ぶ仮想線S1の延長線上にポイントp2が位置することになり、三次元的な方向のズレが解消される。この後は、上述した図12の場合と同様に、角度を変更した状態の骨部分H1を、対象点P30が対応点のポイントp2へ一致するように、骨部分H1の長さを伸長するように変形する。なお、上述した説明では、部分的に長さを伸長する変形の場合で説明したが、長さを縮小する場合も同様であり、変形基点を対応点のポイントに一致するように移動する変形において、両者は同等の処理となる。
また、図14は、骨格モデルを用いて、骨格的な異常の有無を判定するための姿勢検証に用いる一例を示し(骨格の脚部分における一例)、図11で示した概要となる各対象点を、より詳細に示したものになる。骨格モデル71aは脚部分に、対象点として左右の大腿骨大転子に応じた点P100、101(Daitehshi_L、Daitehshi_R)、左右の膝頭に応じた点P102、103(Hizagashira_L、Hizagashira_R)、左右の脛骨下の足首に応じた点P104、105(Ashikubi_L、Ashikubi_R)という対象点を含む。これらの各点P100〜105(対象点)は、骨を動かす際の関節の中心点(支点)になるような点であり、このような点は、姿勢検証のため用いる骨格モデル(例えば、標準の骨格モデル71a)に予め埋め込まれている。
各点P100〜105が有するX、Y、Z座標値の一例を示すと、左の大腿骨大転子(Daitehshi_L)の点P100は、(X、Y、Z)=(140.5,827.8、−6.3)であり、右の大腿骨大転子(Daitehshi_R)の点P101は、(X、Y、Z)=(−140.5,827.8、−6.3)であり、左の膝頭(Hizagashira_L)の点P102は、(X、Y、Z)=(82.5,440.1、−5.8)であり、右の膝頭(Hizagashira_R)の点P103は、(X、Y、Z)=(−82.5,440.1、−5.8)であり、左の足首(Ashikubi_L)の点P104は、(X、Y、Z)=(71.6,80.8、76.3)であり、右の足首(Ashikubi_R)の点P105は、(X、Y、Z)=(−71.6,80.8、76.3)である。なお、上記の座標値の原点は、左右足の中間点である。
上述した各点P100〜105は、骨格モデル71aを、図10、12、13に示すように、全体的又は部分的に変形すると、それに追従して位置が変わり、位置が変わることで、上述した各点P100〜105のX、Y、Zの座標値も変わる。このように骨格モデル71aの変形に追従して変わった各点P100〜105のX、Y、Zの座標値が、三次元測定の対象となった被験者の人体における左右の大腿骨大転子、膝頭、脛骨下の足首に応じた各点の位置を表すことになる。そして、これらの各点の位置から、後述するように、足がO脚又はX脚であるか、左右の寛骨の前傾又は後傾等を検証でき、それに伴い、骨格的な異常の有無も判定できるようになる。また、骨格モデル(例えば、標準の骨格モデル71a)は姿勢検証のために、骨盤角度(腰仙角又は仙骨傾斜角)、腰椎前弯角度、胸椎後弯角度、及び頸椎前弯角度を構成する各角度線も含んでいる。
図15は、骨格モデル(例えば、標準の骨格モデル71a)に対する骨盤角度(腰仙角又は仙骨傾斜角)、腰椎前弯角度、胸椎後弯角度、及び頸椎前弯角度についての各角度を構成する各線L100〜L107を示している。骨盤角度(腰仙角又は仙骨角度)は線L100及び骨盤角度線L101に応じた角度であり、これらの線L100、101が交わる角度を意味する。線L100はZ軸に平行な線であり、骨盤角度線L101は、仙骨の上面(後述のhipsに係る骨格箇所に相当)に平行な線になっており、骨格モデル71aのXYZ座標系での骨盤角度線L101を表す数式(骨盤角度線L101の傾き等を示す数式)が予め定められている(他の角度線も同様)。骨格モデル71aが変形すると、骨盤角度線L101の傾きも変わり、その変わった傾きを骨格角度線L101の数式に反映することで、変形後の骨格モデル71aの骨盤角度線L101の数式も求められるようになる(他の角度線L102〜107も同様)。
腰椎前弯角度は第1前弯線L102及び第2前弯線L103に応じた角度であり、これらの線L102、103が交わる角度を意味する。第1前弯線L102は計5個の腰椎の中で最も下方の第5腰椎の接合面(上面又は下面、後述のspineに係る骨格箇所に相当)に平行な線であり、第2前弯線L103は計5個の腰椎の中で最も上方の第1腰椎の接合面(上面又は下面、後述のspine2に係る下方の骨格箇所に相当)に平行な線である。
また、胸椎後弯角度は、第1後弯線L104及び第2後弯線L105に応じた角度であり、これらの線L104、105が交わる角度を意味する。第1後弯線L104は、計12個の胸椎の中で最も下方の第12胸椎の接合面(上面又は下面、後述のspine2に係る上方の骨格箇所に相当)に平行な線であり、第2後弯線L105は、計12個の胸椎の中で最も上方の第1胸椎の接合面(上面又は下面、後述のspine3に係る骨格箇所に相当)に平行な線である。
さらに、頸椎前弯角度は、第1頸椎前弯線L106及び第2頸椎前弯線L107に応じた角度であり、これらの線L106、107が交わる角度を意味する。第1頸椎前弯線L106は、計7個の頸椎の中で最も下方の第7頸椎の接合面(上面又は下面、後述のneck_1に係る骨格箇所に相当)に平行な線であり、第2頸椎前弯線L107は、計7個の頸椎の中で最も上方の第1頸椎の接合面(上面又は下面、後述のneck_3に係る骨格箇所に相当)に平行な線である。
なお、上記の説明では、標準型の骨格モデル71aで説明したが、四肢の寸法(手足の寸法)を標準型に比べて約95%短くした第1パターンの骨格モデル71b、及び四肢の寸法(手足の寸法)を標準型に比べて約105%長くした第2パターンの骨格モデル71cについても同様に、上記のような対象点P1〜P14等、各点P100〜105等、及び各角度線L101〜L107等が付帯し、所要の数式で求められるようになっている。
また、図16、17は、図5の記憶部50gに記憶されるポイントテーブル85を示す(テーブルの中身が長いので、図16及び17の二つの図に分けて示す)。ポイントテーブル85は、人体測定システム20による三次元測定で得られた人体表面の複数の点の中で、特定の人体箇所(骨格箇所)における骨格ポイント(骨格箇所における点)に対応する三次元測定で得られた人体表面の点を、骨格ポイントごとに示すものになっている。なお、三次元測定で得られた人体表面の点は、三次元座標系に基づいた三次元座標値をそれぞれ有する。このような三次元座標系は、測定対象となる被験者Hの人体の幅方向(X軸座標に応じた方向)、人体の高さ方向(Y軸座標に応じた方向)、及び人体の厚み方向(Z軸座標に応じた方向)で構成される(図1参照)。また、ポイントテーブル85に含まれる各骨格ポイントは、上述した骨格モデル71a〜71cが有する対象点P1〜P14等と対応するものになっている。
さらに、ポイントテーブル85は、骨格の状況を細かく検証できるようにするため、耳たぶ及び肩峰等の人体箇所も含ませており、さらに、備考欄を設けて、X、Y、Z座標値の特定(算出)の仕方等を記し、各骨格ポイントの特性に応じて座標値を求められるようにしている。また、ポイントテーブル85は各処理で骨格ポイントを区別できるようにするため、各骨格ポイントについての名称(ボーン名と称す)も規定している。
図18は、ボーン名に応じた各骨格ポイント(ボーンに相当)の位置関係を概念的に示したボーンモデル810を示す。このボーンモデル810に基づき、骨格ポイントについて、ボーン名と人体の骨格における位置関係を説明すると、ボーンモデル810は、頭部頂点(図11の対象点P1と対応)についてボーン名をheadにしており、首上部(上方首骨ポイントに相当)をneck_3、首中部をneck_2、首下部(首骨ポイントに相当)をneck_1にして首(頸椎)を構成する。首上部(neck_3)は、図15に示す頸椎前弯角度に応じた第2頸椎前弯線L107に係る骨格箇所に相当し、首下部(neck_1)は、頸椎前弯角度に応じた第1頸椎前弯線L106に係る骨格箇所に相当する。
また、ボーンモデル810は、右鎖骨をRightShoulder、左鎖骨をLeftShoulder、右肩(図11の対象点P2と対応)をRightArm、左肩(図11の対象点P3と対応)をLeftArm、右肘(図11の対象点P4と対応)をRightForeArm、左肘(図11の対象点P5と対応)をLeftForeArm、右手首をRightHand_1、左手首をLeftHand_1、右手先端(中指第三関節、図11の対象点P6と対応)をRightHand_2、左手先端首(中指第三関節、図11の対象点P7と対応)をLeftHand_2にして、鎖骨から肩及び腕を経て手の先端までを構成する。
さらに、ボーンモデル810は、左右肩甲骨の中心となる位置の背骨上部(第3背骨ポイントに相当)をspine2、胸骨下位置の背骨中部(第2背骨ポイントに相当)をspine1、背骨下部(第1背骨ポイントに相当)をspine、ウエストの中心位置をwaist(図11の対象点P8と対応)、骨盤中心(骨盤ポイントに相当)をhips、右股関節(図11の対象点P9の近くの点)をRightUpLeg、左股関節(図11の対象点P10の近くの点)をLeftUpLegとして、背骨及び骨盤等を構成する。なお、骨盤中心(hips)は、図15に示す腰仙角に応じた骨盤角度線L101に係る骨格箇所に相当し、全ての骨格ポイント(ボーンに相当)の親(中心、原点)の箇所になる。
また、背骨下部(spine、第1背骨ポイントに相当)は、図15に示す腰椎前弯角度に応じた第1前弯線L102に関連した骨格箇所(ウエストの中心箇所付近)に相当し、背骨中部(spine1、第2背骨ポイントに相当)は、図15に示す腰椎前弯角度に応じた第2前弯線L103及び胸椎後弯角度に応じた第1後弯線L104に関連した骨格箇所(胸骨下位置の箇所)に相当する。さらに、背骨上部(spine2、第3背骨ポイントに相当)は、図15に示す胸椎後弯角度に応じた第2後弯線L105に係る骨格箇所(肩甲骨の中心の箇所)に相当する。
そして、ボーンモデル810は、右膝(図11の対象点P11と対応)をRightLeg、左膝(図11の対象点P12と対応)をLeftLeg、右足首をRightFoot、左足首をLeftFoot、右脚先端(図11の対象点P13と対応)をRightTooBase_1、左脚先端(図11の対象点P14と対応)をLeftTooBase_1として、足部分を構成する。
上述したボーンモデル810の各骨格ポイントについて、図16、17のポイントテーブル85は、人体測定システム20で測定したことで得られる人体表面の点と対応することを、骨格ポイントごとに示している。図16、17のポイントテーブル85が含む各骨格ポイントとしては、皮膚の上からでも骨張った箇所(筋肉及び脂肪が基本的に覆わないで、皮膚が骨を覆うような箇所)が基本的に選ばれている。以下に、ポイントテーブル85に含まれる各骨格ポイントに対応する三次元測定点、及び各座標値の算出の仕方(特定の仕方)について、代表的な骨格ポイントを例にして具体的に説明する。
ポイントテーブル85は、骨格ポイントとして、首上部(neck_3、上方首骨ポイントに相当)及び首中部(neck_2)のX、Y、Z座標を、人体の左右側の点の各X、Y、Z座標の平均値(左右の点の中心となる点の座標値)にすることを備考欄で示している。すなわち、首中部(neck_2)より上方に位置する首上部(neck_3)には、三次元測定で得られた複数の点の中の人体左側の4692番目となる点、及び人体右側の2560番目の点が対応することが、ポイントテーブル85で示されることから、備考欄の記載された算出方法より、4692番目の点のX座標値及び2560番目の点のX座標値の平均値が首上部(neck_3)のX座標値として算出され、4692番目の点のY座標値及び2560番目の点のY座標値の平均値が首上部(neck_3)のY座標値として算出され、4692番目の点のZ座標値及び2560番目の点のZ座標値の平均値が首上部(neck_3)のZ座標値として算出される。
首中部(neck_2)についても、上述した首上部(neck_3)のX、Y、Z座標値の算出の仕方と同様であることがポイントテーブル85の備考欄で示されており、ポイントテーブル85で首中部(neck_2)に対応付けられる人体左側の19717番目となる点のX座標値及び人体右側の11300番目の点のX座標値の平均値が首中部(neck_2)のX座標値として算出され、人体左側の19717番目となる点のY座標値及び人体右側の11300番目の点のY座標値の平均値が首中部(neck_2)のY座標値として算出され、人体左側の19717番目となる点のZ座標値及び人体右側の11300番目の点のZ座標値の平均値が首中部(neck_2)のZ座標値として算出される。
一方、首上部(neck_3)及び首中部(neck_2)より下方に位置する首下部(neck_1、首骨ポイントに相当)は、人体を正面から見た場合、顎部分に覆われずに、三次元測定により前方から直接的にスキャンできることから、ポイントテーブル85の備考欄には、人体の前後側の点の各X、Y、Z座標の平均値(前後の点の中心となる点の座標値)になることが算出法として示されている。すなわちポイントテーブル85には、三次元測定で得られた複数の点の中の人体前側の3570番目の点、及び人体後側の924番目の点が首下部(neck_1)に対応することが示されるので、3570番目の点のX座標値及び924番目の点のX座標値の平均値が首下部(neck_1)のX座標値として算出され、3570番目の点のY座標値及び924番目の点のY座標値の平均値が首下部(neck_1)のY座標値として算出され、3570番目の点のZ座標値及び924番目の点のZ座標値の平均値が首下部(neck_1)のZ座標値として算出される。なお、このような算出の仕方で得られる首下部(neck_1)のZ座標値は、3570番目の点のZ座標値及び924番目の点のZ座標値の間を1対1の特定の比率で分ける点の座標値であると云うこともできる(他の骨格ポイントのZ座標値を算出する場合も同様)。
さらに、ポイントテーブル85は、右鎖骨(RightShoulder)及び左鎖骨(LeftShoulder)のX、Y、Z座標は、人体前側の点、上側の点の座標値から特定されることを備考欄で示している。すなわち、右鎖骨(RightShoulder)には、三次元測定で得られた複数の点の中の人体前側の2998番目の点、及び人体上側の776番目の点が対応することが、ポイントテーブル85で示されることから、備考欄の記載された座標値の特定の仕方より、2988番目の点のX、Y座標値が右鎖骨(RightShoulder)のX、Y座標値として特定され、人体前側の2998番目のZ座標値及び776番目のZ座標値の平均値が右鎖骨(RightShoulder)のZ座標値として特定される。このような特定の仕方は、左鎖骨(LeftShoulder)でも同様である。
そして、右肩(RightArm)及び左肩(LeftArm)については、基本的に上述した首下部(neck_1)と同様の座標値の求め方を、ポイントテーブル85は規定するが、男女間で肩幅は大きくなることを考慮して、被験者の性別ごとに対応する点を相違させている。すなわち、ポイントテーブル85は、右肩(RightArm)に対応する三次元測定で得られた人体表面の点として、男性の場合、人体前側の8017番目の点及び人体後側の3448番目の点を示し、女性の場合、人体前側の2055番目の点及び人体後側の14829番目の点を示し、左肩(LeftArm)に対応する三次元測定で得られた人体表面の点として、男性の場合、人体前側の16419番目の点及び人体後側の5575番目の点を示し、女性の場合、人体前側の4189番目の点及び人体後側の23237番目の点を示す。
また、ポイントテーブル85は、背骨上部(spine2)、背骨中部(spine1)、背骨下部(spine)、及び腰中心(waist)に対応する三次元測定で得られた人体表面の点として、上述した首下部(neck_1)の場合と同様に、人体の前後側の点を示し、また、備考欄において座標値の算出の仕方もX、Y座標値については上述した首下部(neck_1)の場合と同様にしているが、Z座標値については、人体の前後の点の間を特定の比率で分けた点の座標値を算出することを示す。なお、背骨上部(spine2)、背骨中部(spine1)、及び背骨下部(spine)は、それぞれ背骨ポイントに相当する。
背骨上部(spine2)に対応する三次元測定で得られた点として、ポイントテーブル85には、人体前側の3202番目の点、及び人体後側の8010番目の点が示されるので、3203番目の点のX座標値及び8010番目の点のX座標値の平均値(X座標において両方の点の間の中心となる点の座標値)が、背骨上部(spine2)のX座標値として算出され、3203番目の点のY座標値及び8010番目の点のY座標値の平均値(Y座標において両方の点の間の中心となる点の座標値)が、背骨上部(spine2)のY座標値として算出される。さらに、Z座標値についてポイントテーブル85は、備考欄にて、人体前側の3202番目の点、及び人体後側の8010番目の点の間を6:4の比率で分ける点を、背骨上部(spine2)のZ座標値として算出されることを示している。このようにZ座標値においては、平均値ではなく、6:4に比率で分ける点の座標値を用いるのは、実体の人体において、左右肩甲骨の中心となる辺りの背骨は、人体の厚み方向で、人体前側の表面と人体後側の表面の間を、前側表面から後側表面へ6:4の割合で分けた背中寄りの箇所に位置するからである。
また、背骨中部(spine1)に対応する三次元測定で得られた点として、ポイントテーブル85には、人体前側の26141番目の点、及び人体後側の26358番目の点が示されるので、26141番目の点のX座標値及び人体後側の26358番目の点のX座標値の平均値(X座標において両方の点の間の中心となる点の座標値)が、背骨中部(spine1)のX座標値として算出され、26141番目の点のY座標値及び人体後側の26358番目の点のY座標値の平均値(Y座標において両方の点の間の中心となる点の座標値)が、背骨上部(spine1)のY座標値として算出される。さらに、Z座標値についてポイントテーブル85は、備考欄にて、人体前側の26141番目の点、及び人体後側の26358番目の点の間を7:3の比率で分ける点を、背骨中部(spine1)のZ座標値として算出されることを示している。このようにZ座標値においては、7:3に比率で分ける点の座標値を用いるのは、実体の人体において、胸骨下位置の背骨は、人体前側の表面と人体後側の表面の間を、前側表面から後側表面へ7:3の割合で分けた箇所に存在するからである。
さらに、背骨下部(spine)に対応する三次元測定で得られた点として、ポイントテーブル85には、人体前側の26259番目の点、及び人体後側の11860番目の点が示されるので、26259番目の点のX座標値及び11860番目の点のX座標値の平均値(X座標において両方の点の間の中心となる点の座標値)が、背骨下部(spine)のX座標値として算出され、26259番目の点のY座標値及び11860番目の点のY座標値の平均値(Y座標において両方の点の間の中心となる点の座標値)が、背骨下部(spine)のY座標値として算出される。さらに、Z座標値についてポイントテーブル85は、備考欄にて、人体前側の26259番目の点、及び人体後側の11860番目の点の間を6:4の比率で分ける点を、背骨下部(spine)のZ座標値として算出されることを示している。このようにZ座標値においては、6:4に比率で分ける点の座標値を用いるのは、実体の人体において、ウエストの中心位置となる辺りの背骨は、人体の厚み方向で、人体前側の表面と人体後側の表面の間を、前側表面から後側表面へ6:4の割合で分けた背中寄りの箇所に位置するからである。
以上のように、背骨上部(spine2)、背骨中部(spine1)、背骨下部(spine)、及び腰中心(waist)については、実際の人体における背骨が、人体の厚み方向(Z座標方向)で人体内部の一様な箇所に位置しないことを考慮して、上述した比率で分けることから、実際の人体内における背骨の位置を骨格の特定の処理の際に反映できる。
また、全ボーンの親となる骨盤中心(hips、骨盤ポイントに相当)について、ポイントテーブル85は、上述した首下部(neck_1)の場合と同様に、対応する点として人体の前後の点(人体前側の6602番目の点及び人体後側の26148番目の点)を示すと共に、備考欄における座標値の算出の仕方も、上述した首下部(neck_1)の場合と同様に、人体の前後の点の各X、Y、Z座標値の平均の座標値にしている。
なお、ポイントテーブル85は、姿勢検証等を確実に行えるようにするため、骨格ポイント(変形基点)以外の箇所についても、三次元測定で得られた複数の点の中の対応する点を示している。具体例としてポイントテーブル85は、右耳たぶに対応する三次元測定点として15645番目の点を一つだけ示し、左耳たぶに対応する三次元測定点として24044番目の点を一つだけ示し、右肩峰に対応する三次元測定点として11232番目の点を一つだけ示し、左肩峰に対応する三次元測定点として19645番目の点を一つだけ示す。
また、ポイントテーブル85は、骨格ポイントである頭部頂点(head)に対応する三次元測定点として3225番目の点を一つだけ示す。また、このような対応点が一つだけの骨格ポイントとしては、右骨盤(RightDownScale2)及び左骨盤(LeftDownScale2)があり、ポイントテーブル85は、右骨盤(RightDownScale2)に対応する三次元測定点として14386番目の点を示し、左骨盤(LeftDownScale2)に対応する三次元測定点として22798番目の点を示す。
図19、20は、図5の記憶部50gに記憶される判定テーブル95の中身の概要を示す(テーブルの中身が長いので、図19及び20の二つの図に分けて示す)。判定テーブル95は骨格ポイントの三次元座標値及び骨格モデルの対象点(P1〜P14等)の三次元座標値等から、各骨格箇所の状況ついて異常の有無を判定する内容を規定したものになっている。
図19に示す判定テーブル95の中身は、人体を前の方向から見た場合の姿勢検証項目(検証箇所)について規定したものになっており、検証箇所としては「1:重心Y軸ラインと頭頂部との乖離」、「2:大腿骨大転子から膝頭までの両足間の差」、「3:膝頭から足首までの高さの両足間の差」、「4:左右肩峰の高さの差」、「5:左右骨盤の高さの差」、及び「6:膝関節の外反角度」という項目がある。
「1:重心Y軸ラインと頭頂部との乖離」とは、体全体の左右の傾斜度合を検出するものであり、XY座標系で構成される二次元平面において、ポイントテーブル85に含まれる頭部頂点(head)のX座標値と重心Y軸ラインのX座標値との差(cm)を算出するものとなっている。重心Y軸ラインとは、ポイントテーブル85が含む骨盤中心(hips)に係る骨格ポイントを通ってY座標の軸(Y軸)に平行な線である。また、客観的な検証を行うための閾値も、判定テーブル95は規定しており、被験者の身長(cm)に対する算出した差(cm)の割合(%)の数値に対し、1.7を閾値にしている。上記の差の割合がプラスマイナス1.7の範囲内であれば正常であり、1.7を超えるとき(プラス)は体全体が左に傾斜、上記の差の割合が−1.7を下回るとき(マイナス)は体全体が右に傾斜であると判定する旨を判定テーブル95は規定する。
「2:大腿骨大転子から膝頭までの両足間の差」とは、図14の骨格モデル71aで示した左の大腿骨大転子に応じた点P100(Daitehshi_L)と、左膝頭に応じた点P102(Hizagashira_L)を結ぶ線(左の大腿骨線と称す)の長さ(cm)と、右の大腿骨大転子に応じた点P101(Daitehshi_R)と、右膝頭に応じた点P103(Hizagashira_R)を結ぶ線(右の大腿骨線と称す)の長さ(cm)との差を意味する。
左の大腿骨線は、変形した後の骨格モデルに含まれる左の大腿骨大転子に応じた点P100(Daitehshi_L)のX、Y、Z座標値、及び左膝頭に応じた点P102(Hizagashira_L)のX、Y、Z座標値に基づき、両方の点P100、102を結ぶ線として特定され、それに伴い、左の大腿骨線の長さ(cm)も、両方の点P100、102のX、Y、Z座標値に基づいて三次元的に算出される。
右の大腿骨線は、上述した左の大腿骨線と同様に、右の大腿骨大転子に応じた点P101(Daitehshi_R)のX、Y、Z座標値、及び右膝頭に応じた点P103(Hizagashira_R)のX、Y、Z座標値に基づき、両方の点P101、103を結ぶ線として特定され、それに伴い、右の大腿骨線の長さ(cm)も、両方の点P101、103のX、Y、Z座標値に基づいて三次元的に算出される。
そして、算出した右の大腿骨線の長さから、算出した左の大腿骨線の長さを引いた両者の差(cm)を算出することになる。また、この算出した差に基づき客観的な検証を行うための閾値も、判定テーブル95は規定しており、上述した「1:重心Y軸ラインと頭頂部との乖離」の場合と同様、被験者の身長に対する算出した差の割合(%)の数値に対し、1.7を閾値にしている。上記の差の割合がプラスマイナス1.7の範囲内であれば正常であり、1.7を超えるとき(正のとき)は、右の寛骨(骨盤の右の壁を形成する骨)が前傾、又は左の寛骨(骨盤の右の壁を形成する骨)が後傾(若しくは、右の寛骨前傾及び左の寛骨後傾の両方)であると判定テーブル95は規定し、上記の差の割合が−1.7を下回るとき(負のとき)は、左の寛骨が前傾、又は右の寛骨が後傾(若しくは、左の寛骨前傾及び右の寛骨後傾の両方)であると判定する旨を判定テーブル95は規定する。なお、上記では、右の大腿骨背の長さから左の大腿骨線の長さを引いて、左の寛骨の前傾又は右の寛骨の後傾を判定するようにしているが、算出の仕方を逆にして、左の大腿骨背の長さから右の大腿骨線の長さを引いて、左の寛骨の後傾又は右の寛骨の前傾を判定するように判定テーブル95が規定することも勿論可能である(判定テーブル95において、左右の長さ、角度について判定する他の箇所についても同様に可能)。
「3:膝頭から足首までの高さの両足間の差」とは、図14の骨格モデル71aで示した左膝頭に応じた点P102(Hizagashira_L)と、左の脛骨下の足首に応じた点P104(Ashikubi_L)を結ぶ線(左の脛骨線と称す)の長さ(cm)と、右膝頭に応じた点P103(Hizagashira_R)と、右の脛骨下の足首に応じた点P105(Ashikubi_R)とを結ぶ線(右の脛骨線と称す)の長さ(cm)との差を意味する。
左の脛骨線は、上述した左の大腿骨線と同様に、変形後の骨格モデルに含まれる左膝頭に応じた点P102(Hizagashira_L)及び左の脛骨下の足首に応じた点P104(Ashikubi_L)のそれぞれのX、Y、Z座標値に基づき、両方の点P102、104を結ぶ線として特定されると共に、左の脛骨線の長さ(cm)も、両方の点P102、104のX、Y、Z座標値に基づいて三次元的に算出される。右の脛骨線も、変形後の骨格モデルに含まれる右膝頭に応じた点P103(Hizagashira_R)及び右の脛骨下の足首に応じた点P105(Ashikubi_R)のそれぞれのX、Y、Z座標値に基づき、両方の点P103、105を結ぶ線として特定されると共に、右の脛骨線の長さ(cm)も、両方の点P103、105のX、Y、Z座標値に基づいて三次元的に算出される。
そして、算出した右の脛骨線の長さから、算出した左の脛骨線の長さを引いた両者の差(cm)を算出することになる。また、この算出した差に基づき客観的な検証を行うための閾値も、判定テーブル95は規定しており、被験者の身長に対する算出した差の割合(%)の数値に対し、1.1を閾値にしている。
「4:左右肩峰の高さの差」とは、左右の肩の傾斜具合を検出するものであり、XY座標系で構成される二次元平面において、ポイントテーブル85に含まれる右肩峰のY座標値から左肩峰のY座標値を減算した算出値(cm)を意味する。この算出値について閾値に関し、判定テーブル95は、被験者の身長(cm)に対する算出値(cm)の割合(%)の数値に対し、1.1を閾値にしている。この閾値に対して、上記の算出値の割合がプラスマイナス1.1の範囲内であれば正常であり、1.1を超えるプラスのときは肩が左に傾斜、上記の算出値の割合が1.1を下回るマイナスのときは肩が右に傾斜であると判定する旨を判定テーブル95は規定する。
「5:左右骨盤の高さの差」とは、骨盤における左右の傾斜具合を検出するものであり、XY座標系で構成される二次元平面において、ポイントテーブル85に含まれる右骨盤(RightDownScale2)のY座標値から左骨盤(LeftDownScale2)のY座標値を減算した算出値(cm)を意味する。この算出値について閾値に関し、判定テーブル95は、上述した「4:左右肩峰の高さの差」の場合と同様に、被験者の身長(cm)に対する算出値(cm)の割合(%)に対し、1.1という数値を閾値に用いている。この閾値に対して、上記の算出値の割合がプラスマイナス1.1の範囲内であれば正常であり、1.1を超えるプラスのときは骨盤が左に傾斜、上記の算出値の割合が1.1を下回るマイナスのときは骨盤が右に傾斜であると判定する旨を判定テーブル95は規定する。
また、「6:膝関節の外反角度」とは、図21に示すように、上記の「2:大腿骨大転子から膝頭までの両足間の差」で特定した左の大腿骨線(又は、右の大腿骨線)と、上記の「3:膝頭から足首までの高さの両足間の差」で特定した左の脛骨線(又は、右の脛骨線)とが交わる角度を意味する。この角度は、XY座標系で構成される二次元平面において、二つの線の交差する箇所における体の外側の角度として特定(算出)される。なお、この角度は大腿脛骨角FTA(Femorotibial angle)と称されており、正常範囲は174〜178度とされている。判定テーブル95は、閾値として170度及び180度の二つの角度を規定しており、170度から180度の範囲内であれば正常であり、算出された角度が170度以下の場合はX脚(外反膝)、180度以上の場合はO脚(内反膝)と判定する旨を規定する。
そして、判定テーブル95は、「6:膝関節の外反角度」の「ブロック」という項目において、B19、21又はB20、22を示している。この「ブロック」という項目は、図2に示す人体ブロックモデル300を構成する複数のブロックB1〜B24の中で、ブロックB19、21又はB20、22が関連することを示している。すなわち「6:膝関節の外反角度」について、上述した判定の規定により、左側又は右側の脚についてX脚又はY脚という骨格的な異常が有りと判定された場合、左側の脚に関するブロックB19、21又は右側の脚に関するブロックB20、22については、図8に示す人体ブロックテーブル72に格納される中から、異常時のオブジェクトを用いることを、判定テーブル95は示している。
図20に示す判定テーブル95の中身は、人体を横の方向から見た場合、上から見下ろした場合、及び下から見上げた場合の姿勢検証項目(検証箇所)について規定したものになっている。横の方向から見た場合の検証箇所としては「1:重心Y軸ラインと耳の乖離」、「2:重心Y軸ラインと膝の乖離」、「3:骨盤の前後傾斜角度」、「4:胸椎箇所の背骨角度」、「5:腰椎箇所の背骨角度」、及び「6:首の湾曲角度」という項目がある。また、上から見下ろした場合の検証箇所としては「1:左右の鎖骨角度の差」、「2:首の左右回転角度」という項目があり、下から見上げた場合の検証箇所としては「1:腰に対する肩の角度」、「2:膝頭の前後差」という項目がある。
横の方向から見た場合の「1:重心Y軸ラインと耳の乖離」とは、人体の姿勢の前後の傾斜度合を検出するものであり、YZ座標系で構成される二次元平面において、ポイントテーブル85に含まれる耳たぶ(右の横方向からみた場合は右耳たぶ、左の横方向からみた場合は左耳たぶ)のZ座標値と重心Y軸ラインのZ座標値との差(cm)を算出するものとなっている。また、この算出した差に基づく検証のため、判定テーブル95は、被験者の身長(cm)に対する算出した差(cm)の割合(%)の数値に対し、2.3を閾値にしている。この閾値に対して、上記の差の割合がプラスマイナス2.3の範囲内であれば正常であり、2.3を上回ってプラスのときは姿勢が前傾、2.3を下回ってマイナスのときは姿勢が後傾であると判定する旨を判定テーブル95は規定する。
横の方向から見た場合の「2:重心Y軸ラインと膝の乖離」とは、上記の「1:重心Y軸ラインと耳の乖離」の場合と同様に、人体の姿勢の前後の傾斜度合を検出するものであり、変形後の骨格モデルが含む左膝頭に応じた点P102(Hizagashira_L)又は右膝頭に応じた点P103(Hizagashira_R)が有するZ座標値と重心Y軸ラインのZ座標値との差(cm)を算出するものとなっている(YZ座標系で構成される二次元平面における差を算出)。そして、この算出した差に基づく検証のため、判定テーブル95は、被験者の身長(cm)に対する算出した差(cm)の割合(%)の数値に対し、1.1を閾値にしている。この閾値に対して、上記の差の割合がプラスマイナス1.1の範囲内であれば正常であり、1.1を上回ってプラスのときは姿勢が前傾、1.1を下回ってマイナスのときは姿勢が後傾であると判定する旨を判定テーブル95は規定する。
横の方向から見た場合の「3:骨盤の前後傾斜角度」とは、骨盤の前後の傾斜度合を検出するものであり、YZ座標系で構成される二次元平面において、図15に示す骨格モデル71a(変形後の骨格モデル)の骨盤角度線L101(骨盤中心(hips)に係る腰仙角に応じた線)が、線L100と交わる角度を意味する。判定テーブル95は、骨盤基準角度として30度という角度を規定すると共に(30度という数値は一例)、姿勢検証用の閾値としてプラスマイナス10度を規定する。変形後の骨格モデルの骨盤角度線L101が、線L100と交わる角度を特定すると、その特定した角度を骨盤基準角度と比較し、比較の結果、特定した角度が骨盤基準角度に対しプラスマイナス10度の範囲内であれば正常、骨盤基準角度より正常上限の10度を上回る場合を骨盤前傾、正常下限の−10度を下回る場合を骨盤後傾でありと判定する旨を判定テーブル95は規定する。
そして、判定テーブル95は、「3:骨盤の前後傾斜角度」の「ブロック」という項目において、B8〜10を示している。すなわち「3:骨盤の前後傾斜角度」について、上述した判定の規定により、骨盤前傾又は骨盤後傾という骨格的な異常が有りと判定された場合、図2に示す人体ブロックモデル300を構成する複数のブロックB1〜B24の中のブロックB8〜10については、図8に示す人体ブロックテーブル72に格納される中から、異常時のオブジェクトを用いることを、判定テーブル95は示している。
横の方向から見た場合の「4:胸椎箇所の背骨角度」とは、基準角度からの誤差より、脊柱(胸椎)の後弯の度合を検出するものであり、YZ座標系で構成される二次元平面において、図15に示す骨格モデル71a(変形後の骨格モデル)の背骨中部(spine1)に係る第1後弯線L104及び第2後弯線L105が交わる角度を意味する。判定テーブル95は、胸椎後弯基準角度として40度という角度を規定すると共に(40度という数値は一例)、姿勢検証用の閾値として上限値10度及び下限値0度を規定する。変形後の骨格モデルの第1後弯線L104及び第2後弯線L105の交わる角度を特定すると、その特定した角度を胸椎後弯基準角度と比較し、比較の結果、特定した角度が、胸椎後弯基準角度からプラス10度の範囲であれば正常、胸椎後弯基準角度より正常上限の10度を上回る場合を猫背(胸椎前弯)、0度を下回る場合を平背であると判定する旨を判定テーブル95は規定する。
そして、判定テーブル95は、「4:胸椎箇所の背骨角度」の「ブロック」という項目において、B4〜6を示している。すなわち「4:胸椎箇所の背骨角度」について、上述した判定の規定により、猫背又は平背という骨格的な異常が有りと判定された場合、図2に示す人体ブロックモデル300を構成する複数のブロックB1〜B24の中のブロックB4〜6については、図8に示す人体ブロックテーブル72に格納される中から、異常時のオブジェクトを用いることを、判定テーブル95は示している。
横の方向から見た場合の「5:腰椎箇所の背骨角度」とは、基準角度からの誤差より、脊柱(腰椎)の前弯の度合を検出するものであり、YZ座標系で構成される二次元平面において、図15に示す骨格モデル71a(変形後の骨格モデル)の背骨下部(spine)に係る第1前弯線L102及び第2前弯線L103が交わる角度を意味する。判定テーブル95は、腰椎前弯基準角度として45度という角度を規定すると共に(45度という数値は一例)、姿勢検証用の閾値としてプラスマイナス10度を規定する。変形後の骨格モデルの第1前弯線L102及び第2前弯線L103の交わる角度を特定すると、その特定した角度を腰椎前弯基準角度と比較し、比較の結果、特定した角度が、腰椎前弯基準角度に対しプラスマイナス10度の範囲内であれば正常、腰椎前弯基準角度より正常上限の10度を上回る場合を腰椎平坦、正常下限の−10度を下回る場合を腹部突出であると判定する旨を判定テーブル95は規定する。
そして、判定テーブル95は、「5:腰椎箇所の背骨角度」の「ブロック」という項目において、B6、7を示している。すなわち「5:腰椎箇所の背骨角度」について、上述した判定の規定により、腰椎平坦又は腹部突出(おなか突出)という骨格的な異常が有りと判定された場合、図2に示す人体ブロックモデル300を構成する複数のブロックB1〜B24の中のブロックB6、7については、図8に示す人体ブロックテーブル72に格納される中から、異常時のオブジェクトを用いることを、判定テーブル95は示している。
横の方向から見た場合の「6:首の湾曲角度」とは、基準角度からの誤差より、首の前後の湾曲度合を検出するものであり、YZ座標系で構成される二次元平面において、図15に示す骨格モデル71a(変形後の骨格モデル)の首下部(neck_1)に係る第1頸椎前弯線L106及び第2頸椎前弯線L107が交わる角度を意味する。判定テーブル95は、頸椎前弯基準角度として30度という角度を規定すると共に(30度という数値は一例であり、30〜35度の範囲で数値を規定することが好適)、姿勢検証用の閾値として上限値10度及び下限値−15度を規定する。変形後の骨格モデルの第1頸椎前弯線L106及び第2頸椎前弯線L107が交わる角度を特定すると、その特定した角度を頸椎前弯基準角度と比較し、比較の結果、特定した角度が頸椎前弯基準角度を中心にプラス10度及びマイナス15度の範囲内であれば正常、頸椎前弯基準角度より正常上限の10度を上回る場合をのけぞり(頸部後屈)、−15度を下回る場合をストレートネックであると判定する旨を判定テーブル95は規定する。
そして、判定テーブル95は、「6:首の湾曲角度」の「ブロック」という項目において、B2、3を示している。すなわち「6:首の湾曲角度」について、上述した判定の規定により、のけぞり又はストレートネックという骨格的な異常が有りと判定された場合、図2に示す人体ブロックモデル300を構成する複数のブロックB1〜B24の中のブロックB2、3については、図8に示す人体ブロックテーブル72に格納される中から、異常時のオブジェクトを用いることを、判定テーブル95は示している。
上から見下ろした場合の「1:左右の鎖骨角度の差」とは、左右の鎖骨角度の基準角度からの差を求めることにより、両肩のそれぞれの前後の捻れを検証するものであり、XZ座標系で構成される二次元平面において、ポイントテーブル85に含まれる左鎖骨(LeftShoulder)及び右鎖骨(RightShoulder)に係る角度を特定し、その特定した角度を基準鎖骨角度と比較する。判定テーブル95は、姿勢検証用の閾値として左右の鎖骨それぞれにプラスマイナス5度を規定する。特定した左右鎖骨に係る角度と基準鎖骨角度を比較して、左右鎖骨に係る角度の両方が基準鎖骨角度に対しプラスマイナス5度の範囲内であれば正常、基準鎖骨角度より−5度以下で小さい場合、肩が左ねじれ、左右鎖骨に係る角度の両方が基準鎖骨角度より5度以上大きい場合、肩が右ねじれであると判定する旨を判定テーブル95は規定する。
そして、判定テーブル95は、「1:左右の鎖骨角度の差」の「ブロック」という項目において、B11、12を示している。すなわち「1:左右の鎖骨角度の差」について、上述した判定の規定により、左ねじれ又は右ねじれという骨格的な異常が有りと判定された場合、図2に示す人体ブロックモデル300を構成する複数のブロックB1〜B24の中のブロックB11、12については、図8に示す人体ブロックテーブル72に格納される中から、異常時のオブジェクトを用いることを、判定テーブル95は示している。
上から見下ろした場合の「2:首の左右回転角度」とは、首の左右の捻れを検証するものであり、XZ座標系で構成される二次元平面において、ポイントテーブル85に含まれる首上部(neck_3)に係る角度を特定するものであり、特定の仕方としては、ポイントテーブル85に含まれる左右の耳たぶを結ぶ線と、X座標に係る軸に平行な線との交わる角度を特定し、その特定した角度を基準首角度と比較する。判定テーブル95は、姿勢検証用の閾値として10度を規定する。特定した首上部(neck_3)に係る角度が、基準首角度に対しプラスマイナス10度の範囲内であれば正常、基準首角度より10度以上大きい場合、首が右ねじれ、特定した首上部(neck_3)に係る角度が、基準首角度より10度以下で小さい場合、首が左ねじれであると判定する旨を判定テーブル95は規定する。
下から見上げた場合の「1:腰に対する肩の角度」とは、肩の腰のねじれを検証するものであり(腰に対する肩の角度を検出)、XZ座標系で構成される二次元平面において、ポイントテーブル85に含まれる左右肩峰を結ぶ線がX軸と交わる角度と、左右骨盤を結ぶ線がX軸と交わる角度との角度差を算出し、その算出した角度差を基準角度と比較する。判定テーブル95は、姿勢検証用の閾値として10度を規定する。算出した角度差が、基準角度に対してプラスマイナス10度の範囲内であれば正常、基準角度より10度以上大きい場合、腰が右ねじれ、基準首角度より10度以下で小さい場合、腰が左ねじれであると判定する旨を判定テーブル95は規定する。
下から見上げた場合の「2:膝頭の前後差」とは、膝の前後差を検証するものであり、XZ座標系で構成される二次元平面において、図14の骨格モデル71aで示した右膝頭に応じた点P103(Hizagashira_R)のZ座標値から、左膝頭に応じた点P102(Hizagashira_L)のZ座標値を減算する。この減算した値に基づき客観的な検証を行うための閾値を、判定テーブル95は規定しており、被験者の身長に対する減算した値の割合(%)の数値に対して1.1を閾値にしている。上記の差の割合がプラスマイナス1.1の範囲内であれば正常であり、1.1を超えるプラスのときは、右膝が前、マイナス1.1を下回るマイナスのときは、左膝が前であると判定する旨を判定テーブル95は規定する。
図22は、図5の記憶部50gに記憶される分析テーブル96の一部の内容を示す。分析テーブル96は、上述した図19、20に示す判定テーブル95が判定する主な「関連症状」ごとに、「症状の説明」、「健康への影響」、「原因・特徴」、「施術・トレーニング」、「参考画像」等の項目について内容を格納したものである。分析テーブル96の関連症状に含まれる各項目は、判定テーブル95に関連症状の各項目とリンクしており、それゆえ、判定テーブル95に基づき、関連症状の項目の異常有りが判定されると、その判定された関連症状の項目にリンクした分析テーブル96の内容(上述した症状の説明、健康への影響、原因・特徴、施術・トレーニング、参考画像等)が特定できるようになっている。
分析テーブル96が含む関連症状としては、「(1)全身前傾」、「(2)全身後傾」、「(3)おなか突出」、「(4)全身又は肩の左傾き」、「(5)全身又は肩の右傾き」、「(6)肩の右ねじれ」、「(7)肩の左ねじれ」、「(8)猫背(胸椎後弯)」、「(9)平背」、「(10)腰椎平坦」、「(11)骨盤前傾」、「(12)骨盤後傾」、「(13)骨盤左右傾斜」、「(14)ストレートネック」、「(15)のけぞり(頚部後屈)」、「(16)X脚」、「(17)O脚」、「(18)左右寛骨前傾・後傾」、「(19)首のねじれ」、「(20)膝の前後差」等がある。
分析テーブル96の「(1)全身前傾」又は「(2)全身後傾」は、判定テーブル95において、人体を横から見た場合の「1:重心Y軸ラインと耳の乖離」及び「2:重心Y軸ラインと膝の乖離」で判定される「全身の前傾」又は「全身の後傾」という関連症状の項目にリンクしている。分析テーブル96の「(3)おなか突出」は、判定テーブル95において、人体を横から見た場合の「5:腰椎箇所の背骨角度」で判定される「おなか突出」という関連症状の項目にリンクしている。分析テーブル96の「(4)全身又は肩の左傾き」又は「(5)全身又は肩の右傾き」は、判定テーブル95において、人体を前から見た場合の「1:重心Y軸ラインと頭頂部との乖離」で判定される「全身の左傾き」又は「全身の右傾き」、若しくは「4:左右肩峰の高さの差」で判定される「肩の左傾き」又は「肩の右傾き」という関連症状の項目にリンクしている。
また、分析テーブル96の「(6)肩の右ねじれ」又は「(7)肩の左ねじれ」は、判定テーブル95において、人体を上から見下ろした場合の「1:左右の鎖骨角度の差」で判定される「肩の右ねじれ」又は「肩の左ねじれ」という関連症状の項目にリンクしている。分析テーブル96の「(8)猫背(胸椎後弯)」又は「(9)平背」は、判定テーブル95において、人体を横から見た場合の「4:胸椎箇所の背骨角度」で判定される「猫背(胸椎後弯)」又は「平背」という関連症状の項目にリンクしている。分析テーブル96の「(10)腰椎平坦」は、判定テーブル95において、人体を横から見た場合の「5:腰椎箇所の背骨角度」で判定される「腰椎平坦」という関連症状の項目にリンクしている。
さらに、分析テーブル96の「(11)骨盤前傾」又は「(12)骨盤後傾」は、判定テーブル95において、人体を横から見た場合の「3:骨盤の前後傾斜角度」で判定される「骨盤前傾」又は「骨盤後傾」という関連症状の項目にリンクしている。分析テーブル96の「(13)骨盤左右傾斜」は、判定テーブル95において、人体を前から見た場合の「5:左右骨盤の高さの差」で判定される「骨盤の左傾き」又は「骨盤の右傾き」という関連症状の項目にリンクしている。分析テーブル96の「(14)ストレートネック」又は「(15)のけぞり(頚部後屈)」は、判定テーブル95において、人体を横から見た場合の「6:首の湾曲角度」で判定される「ストレートネック」又は「のけぞり(頚部後屈)」という関連症状の項目にリンクしている。
さらにまた、分析テーブル96の「(16)X脚」、「(17)O脚」は、判定テーブル95において、人体を前から見た場合の「6:膝関節の外反角度」で判定される「X脚」又は「O脚」という関連症状の項目にリンクしている。分析テーブル96の「(18)左右寛骨前傾・後傾」は、判定テーブル95において、人体を横から見た場合の「3:骨盤の前後傾斜角度」で判定される「骨盤前傾」又は「骨盤後傾」という関連症状の項目にリンクしている。分析テーブル96の「(19)首のねじれ」は、判定テーブル95において、人体を上から見下ろした場合の「2:首の左右回転角度」で判定される「首の右ねじれ」又は「首の左ねじれ」という関連症状の項目にリンクしている。そして、分析テーブル96の「(20)膝の前後差」は、判定テーブル95において、人体を下から見上げた場合の「2:膝頭の前後差」で判定される「右膝が前」又は「左膝が前」という関連症状の項目にリンクしている。
また、分析テーブル96の「関連症状」ごとに記される「症状の説明」、「健康への影響」、「原因・特徴」、「施術・トレーニング」という各項目に格納される内容の一例を、「(11)骨盤前傾」の場合で説明する。「(11)骨盤前傾」の関連症状の「症状の説明」という項目には「骨盤が前に傾いている状態。過度なものは「反り腰」とも呼ばれる。」という内容が格納されており、「健康への影響」という項目には「腰痛など体の痛み、お尻が出てしまう、代謝の悪化、前ももの張り(膝の痛み)、X脚」という内容が格納されている。また、「原因・特徴」という項目には「体の前後の筋力の不均等(体の前後の筋肉のバランスが悪くなることで骨盤の前傾や後傾が起こる)、悪い姿勢で座っている、立っている、歩いている、高いヒールをよく履く、うつ伏せで寝る習慣」という内容が格納されている。さらに、「施術・トレーニング」という項目には「テニスボールなどの筋膜リリースで腰痛ストレッチの準備運動、腰を支える骨盤周りの筋膜リリース、太もも周りの筋膜リリース」という内容が格納されている。
次に、記憶部50gに記憶されるモデル提供プログラムP11について説明していく。モデル提供プログラムP11の具体的なプログラミングの内容としては、会員認証に係る処理、測定結果に応じた人体モデル(骨格モデル、人体ブロックモデル等)を提供する処理等が含まれる。
会員認証に係る処理として、ユーザが三次元測定を行う際、測定処理装置30からユーザID及びパスワードを含む会員認証に係る問合せ情報を人体モデル提供装置50(MPU50a)が受信すると、受信した問合せ情報に含まれるユーザID及びパスワードが会員データベース60に含まれるか否かを判断する。そして、ユーザID及びパスワードが会員データベース60に含まれる場合、MPU50aは、登録の旨の回答を測定処理装置30へ返信する処理を行い、また、含まれていない場合は、非登録の旨(非会員である旨)の回答を測定処理装置30へ返信する処理を行う。
また、測定処理装置30から送られてきたユーザIDを含む測定結果(測定結果に係る情報)を受信すると、会員データベース60の測定データの欄に、その受信した中に含まれるユーザIDに対応づけて、測定結果を受信日時(又は測定日時)と共に格納する処理を行う。
図23は、モデル提供プログラムP11が規定する処理の中で、被験者Hの想定結果に応じた骨格モデルを提供するために、人体モデル提供装置50(MPU50a)が行う一連の処理を示す第1フローチャートである。この第1フローチャートに示すMPU50aによる処理は、測定処理装置30から送られた測定結果を、人体モデル提供装置50は取得したことに応じて開始されることになる。
最初のS1の段階で、測定処理装置30からの測定結果に基づき、図7の人体モデルデータベース70が示す標準パターン、手足が短めの第1パターン、手足が長めの第2パターンの中から、いずれのパターンを用いるかを特定する処理をMPU50aは行う。具体的には、測定処理装置30から送られる測定結果には、被験者Hの身長、左腕の長さ、右腕の長さ、左脚の長さ、及び右脚の長さといった被験者Hの体格を示す寸法数値が含まれているので、これらの寸法数値から、被験者Hの袖丈比率及び股下比率を算出し(四肢の寸法に係る比率を算出)、その算出した数値に対して、図9のモデル数値テーブル80に格納される同姓の袖丈比率及び股下比率の中で最も近いものをMPU50aは特定し、その特定した袖丈比率及び股下比率に応じたパターンを、被験者Hのパターンとして特定する。
次のS2の段階で、特定したパターンに応じた骨格モデル(骨格モデル71a〜71cのいずれか)を、図10に示すように、被験者Hの測定された身長の寸法(体格に係る測定結果)に応じて、相似的に拡大又は縮小する処理をMPU50aは行う。
例えば、男性の被験者Hの身長が177.4cmであり、S1の段階で男性の標準パターンが特定されたとき、標準パターンの身長は図9のモデル数値テーブル80を参照すれば170.58cmであることから、この場合は、177.4/170.58という演算を行って、約1.04という比率が得られる。それにより、MPU50aは、人体モデルデータベース70に格納される男性の標準パターン70aの骨格モデル71aを、図10に示すように、約1.04倍で相似的に拡大する。また、男性の被験者Hの身長が165.5cmであり、S1の段階で標準パターンが特定されたときは、165.5/170.58という演算を行って、約0.97という比率が得られる。それにより、MPU50aは、人体モデルデータベース70に格納される男性の標準パターンの骨格モデル71aを、図10に示すように、約0.97倍で相似的に縮小する。
そして、S3の段階で、相似的に拡大又は縮小した人体モデルの中の骨格モデル(例えば、標準の骨格モデル71a)を部分的に変形する処理をMPU50aは行う。この部分的な変形は、図16、17のポイントテーブル85に含まれる複数の対象点(例えば、標準の骨格モデル71の対象点)が対応する番号のポイント(対応点)のXYZ座標値を取得した測定結果に含まれる中から特定し、その特定した番号のポイントの測定XYZ座標値へ、骨格モデルの対象点のXYZ座標値が一致するように移動する処理を行って、骨格モデルにおける部分的な変形を行う。このような部分的な変形の処理の具体例は、上述した図12、13に基づき説明したとおりである。
最後に、第1フローチャートのS4の段階において、上述し処理を経て変形した骨格モデルを示すデータ(骨格データを示す画面に係る画面情報に相当)を、測定を行った被験者HのユーザIDに対応付けて、図6に示す会員データベース60の測定データの欄に、測定日の日付と共に格納する処理をMPU50aは行う。なお、このように会員データベース60の測定データの欄に格納されるデータ(情報)としては、上述した骨格モデルを示す画面情報の他に、測定処理装置30からの測定結果(測定に伴う各種数値、測定時に被験者を撮像した三次元的な撮像データ)を示す情報や、後述する姿勢検証に係る異常の有無に関する情報、人体ブロックモデルを示す画面に係る画面情報等がある。
次に、モデル提供プログラムP11が規定する処理の中で、被験者Hの想定結果に基づき、被験者の骨格的な異常の有無の判定に係る処理(姿勢検証に係る処理)の内容を説明する。異常有無の判定の処理は、人体の各箇所に応じて、各骨格ポイント等の三次元座標値に基づき行う場合と、上述した骨格モデルに基づき行う場合の二通りが存在する。前者の処理については、上述したように、人体モデル提供装置50が測定処理装置30から送られてくる測定結果を受け取ると、図16、17に示すポイントテーブル85に従って、各骨格ポイント等の三次元座標値を特定(算出)する処理をMPU50aが行って、これらの特定した三次元座標値に基づき、異常有無の判定を行うことになる。
なお、測定処理装置30から送られてくる測定結果には、三次元測定による人体表面の複数の点(約3万の点)の三次元座標値に加えて、被験者の身長等の長さに関する数値データ、及び三次元測定の際に人体測定システム20の各柱状部21、22、23が有する走査状況取得部21b、22b、23bで撮像して得られた被験者の撮像画像(人体を前から見た撮像画像、人体を横方向から見た撮像画像、人体を上方向から見下ろした撮像画像、人体を下方向から見上げた撮像画像、人体を後方向から見た撮像画像等を含む各方向からの撮像画像)等が含まれる。
各骨格ポイント等の三次元座標値の特定(算出)が完了すると、図19、20の判定テーブル95に基づき、MPU50aが、関連症状の判定処理を行うことをモデル提供プログラムP11は規定する。このように特定した三次元座標値から関連症状の判定処理を行う人体箇所の例としては、人体を前の方向から見た場合の「1:重心Y軸ラインと頭頂部との乖離」、「4:左右肩峰の高さの差」、及び「5:左右骨盤の高さの差」等、人体を横の方向から見た場合の「1:重心Y軸ラインと耳の乖離」、並びに人体を下から見上げた場合の検証箇所としては「1:腰に対する肩の角度」等の項目がある。
上述した箇所以外について、MPU50aは、変形した骨格モデルに基づき、判定テーブル95を参照して関連症状を特定することになる。変形した骨格モデルから、MPU50aは例えば、図14に示す左右の大腿骨大転子に応じた点P100、101(Daitehshi_L、Daitehshi_R)、左右の膝頭に応じた点P102、103(Hizagashira_L、Hizagashira_R)、左右の脛骨下の足首に応じた点P104、105(Ashikubi_L、Ashikubi_R)という対象点の三次元座標値を特定する。これらの点P100〜105の三次元座標値の特定に伴って、判定テーブル95の中の人体を前の方向から見た場合の「2:大腿骨大転子から膝頭までの両足間の差」、「3:膝頭から足首までの高さの両足間の差」、及び「6:膝関節の外反角度」、人体を横の方向から見た場合の「2:重心Y軸ラインと膝の乖離」、並びに人体を下から見上げた場合の「2:膝頭の前後差」等の関連症状をMPU50aは特定する。
また、変形した骨格モデルに対する図15に示す各角度線L101〜L107及びZ軸に平行な線L100より、被験者の骨盤角度(腰仙角)、腰椎前弯角度、胸椎後弯角度、及び頸椎前弯角度を特定し、その特定した角度に基づき、判定テーブル95の「3:骨盤の前後傾斜角度」、「5:腰椎箇所の背骨角度」、「4:胸椎箇所の背骨角度」、及び「6:首の湾曲角度」といった検出箇所について関連症状の特定処理をMPU50aが行うことをモデル提供プログラムP11は規定する。
上述した二通りの関連症状の特定処理において、MPU50aは、各検出箇所に対し、判定テーブル95の規定に基づき長さ又は角度を特定(算出)することになる。長さを特定(算出)した場合は、その特定(算出)した長さについて被験者の身長に対する割合を算出し、算出した割合を判定テーブル95が規定する閾値(基準割合に対するパーセント数値、例えば、大腿骨線基準割合に対するパーセント数値)と比較し、比較の結果、算出した割合が、基準割合に対して判定テーブル95が規定する閾値(パーセント数値)の範囲内に収まっている場合、MPU50aは正常であると判定し、閾値上限を上回る場合、又は閾値下限を下回る場合、骨格的な異常有りと判定し、判定テーブル95が規定する関連症状の内容(異常有りに対する異常の内容)を特定する。
また、判定テーブル95の規定に基づき角度を特定(算出)した場合は、その特定(算出)した角度を、判定テーブル95が規定する基準角度と比較し、比較の結果、基準角度に対して判定テーブル95が規定する閾値の範囲内に収まっている場合、MPU50aは正常であると判定し、閾値上限を上回る場合又は閾値下限を下回る場合、骨格的な異常有りと判定し、判定テーブル95が規定する関連症状の内容(異常有りに対する異常の内容)を特定する。
さらに、MPU50aは、上述したように関連症状の内容(異常有りに対する異常の内容)を特定した検出箇所については、その関連症状にリンクする分析テーブル96の項目を特定する処理を行うことをモデル提供プログラムP11は規定する。そして、各検出箇所について算出(特定)した角度、座標距離(長さ寸法)、割合、各検出箇所について判定された異常の有無、異常の中身を示す関連症状、及び特定した分析テーブル96の関連症状の項目等を、図6に示す会員データベース60の測定データ欄の中に、三次元測定を行った被験者HのユーザIDに対応付けて、測定日時と共に格納する処理をMPU50aは行うことになる。このように測定データ欄への格納を行うことで、人体モデル提供装置50は、被験者の人体各部位のそれぞれの骨格的な異常の有無に係る判定結果を有することになる。また、上記処理の完了により、次に、特定した異常有無の箇所に基づき、図2等に示す人体ブロックモデル300の生成処理を行う。
人体ブロックモデルの生成に関して、本実施形態では、異常無しの場合をデフォルトにしており、このような異常なしの人体ブロックモデルを表示するためのデータ(人体ブロックモデルデータ)は、予め生成されてモデル提供プログラムP11に含まれている。それにより、被験者Hの測定結果に応じた人体ブロックモデルをスムーズに提供できるようにしている。
予め生成されている人体ブロックモデルを示すデータは、図8の人体ブロックテーブル72に格納される異常無しのブロックB1〜B24を、図2に示すように、XYZ座標による三次元座標空間の中で、それぞれに応じた人体箇所へ配置したものとなっている(原点は両足の間の中間箇所にしている)。また、人体ブロックモデルにおいて、各ブロックB1〜24がそれぞれ対向する箇所は、所定の間隔を開けて各ブロックB1〜24を配置し、それにより、各ブロックB1〜24を個々に独立させて、状況等を判別しやすくしている。なお、ブロック間の各間隔寸法としては、各ブロックを個別に判別しやすくする点と、後述するように、異常の生じているブロックは、異常の判定結果の傾き角度に従った方向へを傾けることに配慮して、例えば、首に関するブロックB2又はB3のXY座標軸における平面視で、Y軸方向に応じた高さ寸法の、約0.5〜1.5倍程度の範囲内の数値に設定することが好適である。
被験者Hの測定結果に応じた異常有り用の人定ブロックモデル300は、上述した予め生成されているデフォルト(異常無し)の人体ブロックモデルデータをベースにして生成されることになる。MPU50aは、上述した被験者Hの測定結果に基づき判定された骨格的な異常の有無等が、会員データベース60に格納されると、測定結果に応じた人定ブロックモデル300の生成処理を開始する。
まず、MPU50aは、会員データベース60に格納された異常有りの検出箇所が、図19、20に示す判定テーブル95の中で、「ブロック」という項目を有するか否かを判定することを、モデル提供プログラムP11は規定する。すなわち、本実施形態の人体ブロックモデル300では、図19、20の判定テーブル95の中で「ブロック」という項目を有する検出箇所について異常有無を表現する仕様になっている。
そして、会員データベース60に格納された測定データの中の異常有りとなった検出箇所が、「ブロック」の項目を有するとMPU50aが判定した場合、その異常有りの検出箇所に応じたブロックのオブジェクトを、図8の人体ブロックテーブル72に格納される異常有りの中から読み出して、その読み出し異常有り用のブロックを、デフォルトの人体ブロックモデル300の同じ箇所の異常無し用のブロックと置き換える処理をMPU50aが行う。そして、MPU50aは、読み出した異常有りに応じた検出箇所に対応する異常の角度(算出した角度)だけ、その角度に従った方向へ、配置した異常有り用のブロックを傾斜する処理を行う。さらに、MPU50aは、検出箇所の異常有りに伴い、異常有り用のブロックを用いた場合、異常有り用の表情パーツを含むブロックB1(頭部に応じたブロック)を、人体ブロックテーブル72から読み出して、デフォルトの人体ブロックモデル300の頭部ブロックと置き換える処理をMPU50aが行う。
図3は、上述したような処理で生成される異常有りの場合の人体ブロックモデル300の例を示す。この例は、図19に示す判定テーブル95の「6:膝関節の外反角度」という検出箇所において、左右の大腿骨線と、左右の脛骨線との交わる角度が170度以下である数値(例えば、168度)と、その「6:膝関節の外反角度」について、骨格的な異常有りの情報、及び、その異常の中身を示す関連症状(外反膝:X脚)という情報が、会員データベース60の中の測定データ欄に格納されている場合に応じたものとなる。
MPU50aは、会員データベース60の中の測定データ欄に格納された上述した各情報を読み出すと、図19の判定テーブル95の「6:膝関節の外反角度」について「ブロック」の項目に格納されているB19、21、20、22という情報より、人体ブロックテール72から、異常有り用のブロックB19〜22を読み出して、図2に示すデフォルトの人体ブロックモデル300に含まれる異常無し用のブロックB19〜22と置き換えて配置する処理を行う。また、MPU50aは、人体ブロックテーブル72から、異常有り用のブロックB1(頭部ブロック)を読み出して、デフォルトの人体ブロックモデル300に含まれる異常無し用のブロックB1と置き換えて配置する処理を行う。
それから、MPU50aは、異常有り用のブロックB19〜22を、異常を示す角度に基づき傾ける処理を行うことになるが、各ブロックB19〜22を傾けるときの中心(支点)は、XY座標軸による視図で、各ブロック19〜22の上辺の幅方向(X軸に平行な方向)の中間点にしている。具体的には、図2、3で示すように、ブロックB19の傾き支点319は、XY座標系において、上辺の中点になっており、以下、ブロック部B21の傾き支点321、ブロックB20の傾き支点320、ブロックB22の傾き支点322は、それぞれのブロックB21、20、22の上辺の中点になっている(図2、3において、黒丸で示す点が傾き支点を示す。図24〜27に示す黒丸の点も同様)。
そして、MPU50aは、これらの傾き支点319〜322を中心にして、ブロックB19〜22を、異常有りの判定の元になった角度(例えば、168度)に従って、左右の膝部分が体の中心の方向へ入るように傾けるにあたり、本実施形態では特定された角度(大腿骨線と脛骨線が交わる角度)を、本実施形態では半分にした角度で傾けるようにしている。外反膝(X脚)による異常有りの場合は、XY座標軸による人体ブロックモデルの視図で、顕著に表すことができる。
具体的には、図3に示すように、左大腿部に応じたブロックB19について、傾き支点319を通るブロックB19の中心線L19が、X軸に平行な線L300と交わる角度A1と、左脛部に応じたブロックB21について、傾き支点321を通るブロックB21の中心線L21が線L300と交わる角度A2とが、同じ角度になるように、ブロックB19、21を傾ける処理を行う(線L300は、中心線L19、L21の交点を通る)。この場合、異常有りと判定された角度が、例えば、168度であれば、角度A1、A2は共に、84度になる。
ただし、異常有りと判定された角度に基づき、傾ける角度を決めて、その角度で各ブロックを傾けても、人体ブロックモデルにおいては、ブロックの傾いた状態が、それほど目立たないので、実際にブロックを垂直方向(Y軸に平行な方向)から傾ける角度に、1より大きい所定の係数(1.1〜2.0程度の範囲内の係数。1.5前後の数が好適)を乗じて、その乗じた角度でブロックの傾きを行うことが好適である。そのため、上述した例において、異常有りの判定で特定された角度が168度であることから、その角度を半分にしたときは、角度A1、A2は84度になるとしたが、この場合、ブロックB19、21を垂直方向から傾ける角度は、90度から84度を引いた6度になるので、係数として1.5を用いるときは、この6度に1.5を乗じた9度で、各ブロックB19、21を垂直方向から傾ける処理をMPU50aは行うことになる。なお、傾ける角度を9度にした場合、図3に示す角度A1、A2は81度になる。
上述した例では、左大腿部に応じたブロックB19及び左脛部に応じたブロックB21について説明したが、右大腿部及び右脛部についても、X脚により骨格的な異常有りと判定された場合は、上述した例と同様に、右大腿部に応じたブロックB20及び右脛部に応じたブロックB22を、傾き支点320、322を中心にして、所定の角度で傾けることになる。
また、上述した例では、関連症状が外反膝(X脚)による異常有りの場合で説明したが、関連症状が内反膝(O脚)による異常有りの場合も基本的に同等となる。内反膝(O脚)による異常有りの場合、左右の大腿骨線と、左右の脛骨線との交わる角度が180度以上となるので、図3に示す角度A1、A2も90度以上となり、左右の膝部分が体の外方へ出るように、ブロックB19〜22を、傾き支点319〜322を中心に傾けることになる。例えば、大腿骨線と脛骨線の交わる角度が194度であった場合、図3に示す角度A1、A2は97度になるが、傾けに応じた垂直方向からの角度は、90度を引いた7度になる。そして、この7度に係数(例えば、1.5)を乗じた10.5度の角度で、各ブロックB19〜22をMPU50aは傾ける処理を行う。
上記の処理により、人体モデル提供装置50(MPU50a)は、被験者の異常有りの判定結果を有する部位に対応したブロックB19〜22を、異常無しの判定結果を有する部位に対応したブロックB2等と相違する形態にして、被験者の異常の有無を表した人体ブロックモデル300を示すデータを生成することになる。また、このような人体ブロックモデル300を示すデータは、表示端末装置3で人体ブロックデータ300を示す画面(被験者ブロックモデル画面)の元になることから、被験者ブロックモデル画面に係る画面情報に相当することになる。
一方、骨格的な異常有りの場合で、図20に示す判定テーブル95において、検出箇所が、人体を横の方向から見た場合の「3:骨盤の前後傾斜角度」、「4:胸椎箇所の背骨角度」、「5:腰椎箇所の背骨角度」、及び「6:首の湾曲角度」について、人体ブロックモデルにより異常有りを示すには、人体を横方向から見た状態のYZ座標軸で構成される視図が好適となる。
図24は、デフォルト(異常なし)の人体ブロックモデル300(図2参照)を、左横方のYZ座標軸で構成される視図で表した状態を示し、上述した「3:骨盤の前後傾斜角度」、「4:胸椎箇所の背骨角度」、「5:腰椎箇所の背骨角度」、及び「6:首の湾曲角度」という検出箇所についての異常有りの状況は、この視図で顕著に表れる(異常有りの状況を分かりやすく表現できる)。上述した各検出箇所に関係する人体ブロックモデル300のブロックは、図20の判定テーブル95のブロック欄の項目で記されているB2〜10である(横の方向から見た場合の検出箇所に関連するブロック)。なお、各ブロックB2〜10を傾ける際の傾き支点302〜310は、YZ座標軸で構成される視図において、各ブロックB2〜10の右角上の点(図24で黒丸で示す)にしている。
図25は、「3:骨盤の前後傾斜角度」、「4:胸椎箇所の背骨角度」、「5:腰椎箇所の背骨角度」、及び「6:首の湾曲角度」という検出箇所について、骨格的な異常有りと判定された場合の人体ブロックモデル300を示している。具体的に図25は、「3:骨盤の前後傾斜角度」については、関連症状が骨盤前傾であり、「4:胸椎箇所の背骨角度」については、関連症状が猫背であり、「5:腰椎箇所の背骨角度」については、関連症状が腰椎平坦であり、「6:首の湾曲角度」については、関連症状がストレートネックである場合を示している。そのため、図25に示す人体ブロックモデル300が生成される場合は、会員データベース60の中の測定データ欄に、これらの検出箇所について、上述した各関連症状により異常有りという情報が、異常有りの判定の元になった角度(算出された角度)と共に、格納されていることになる。
よって、MPU50aは、会員データベース60の中の測定データ欄に、上述した異常有りに係る各情報が格納されると、人体ブロックテーブル72から、異常有りの部分に応じた異常用のブロックB2〜10を読み出して、図2に示すデフォルトの人体ブロックモデル300に含まれる異常無し用のブロックB2〜10と置き換えて配置する処理を行うと共に、異常有り用のブロックB1(頭部ブロック)も読み出して、異常無し用のブロックB1と置き換えて配置する処理を行う。
それから、MPU50aは、異常有りの判定に元となった角度から、垂直方向(Y軸に平行な方向)に対して傾斜させる角度を、異常有りの検出箇所について求めると共に、求めた角度に係数(例えば、1.5)を乗じて得た角度分だけ、各ブロックB2〜10を、傾き支点302〜310を中心に傾ける処理を行って、図25に示す人体ブロックモデル300を生成する。このように生成された人体ブロックモデル300は、YZ座標軸で構成される視図では、ブロックB8、9の傾き姿勢で骨盤前傾が一目で分かり、また、ブロックB4〜6の傾き姿勢で猫背であること等も一目で分かるようになっている。
図26も、「3:骨盤の前後傾斜角度」、「4:胸椎箇所の背骨角度」、「5:腰椎箇所の背骨角度」、及び「6:首の湾曲角度」という検出箇所について、骨格的な異常有りと判定された場合の人体ブロックモデル300を示すが、図25の場合と、異常有りの関連症状が異なるときの状況を示す。すなわち、図26では、「3:骨盤の前後傾斜角度」の関連症状が骨盤後傾になっており、「4:胸椎箇所の背骨角度」の関連症状が平背になっており、「5:腰椎箇所の背骨角度」の関連症状が、おなか突出になっており、「6:首の湾曲角度」の関連症状が、のけぞりになっている場合を示している。図26に示す人体ブロックモデル300が生成される場合は、会員データベース60の中の測定データ欄に、上記の各検出箇所について、上述した各関連症状により異常有りという情報が、異常有りの判定の元になった角度(算出された角度)と共に、格納される。
よって、図26に示す人体ブロックモデル300を生成する場合も、MPU50aは、上述した図25に示す人体ブロックモデル300の生成の場合と同様の処理を行う。このように生成された図26に示す人体ブロックモデル300は、YZ座標軸で構成される視図では、ブロックB8、9の傾き姿勢で骨盤後傾が一目で分かり、また、ブロックB2、B3の傾き姿勢で、首がのけぞりになっていること、ブロックB4〜6の傾き姿勢で平背であること等も一目で分かるようになっている。
さらに、骨格的な異常有りの場合で、図20に示す判定テーブル95において、検出箇所が、人体を上の方向から見た場合の「1:左右の鎖骨角度の差」について、人体ブロックモデルにて異常有りを示すには、人体を上から見下ろしたXZ座標軸で構成される視図が好適となる。
図27(a)は、デフォルト(異常なし)の人体ブロックモデル300(図2参照)を、上から見下ろしたXZ座標軸で構成される視図で表した状態を示し、上述した「1:左右の鎖骨角度の差」という検出箇所についての異常有りの状況は、この視図で顕著に表れる。左右の鎖骨角度の差という検出箇所に関係する人体ブロックモデル300のブロックは、図20の判定テーブル95のブロック欄の項目で記されているB11、12である(左右の肩に応じたブロックB11、12)。なお、ブロックB11、12を傾ける際の傾き支点311、312は、XZ座標軸で構成される視図において、ブロックB11、12の体の中心側となるZ軸方向(体の厚み方向)に平行な辺の中間点(図27(a)で、黒丸で示す)にしている。
図27(b)は、「1:左右の鎖骨角度の差」という検出箇所について、骨格的な異常有りと判定された場合の人体ブロックモデル300を示している。具体的に、図27(b)は、肩の部分(鎖骨を含む肩の部分)が左ねじれである場合を示し、このような図27(b)に示す人体ブロックモデル300が生成される場合、会員データベース60の中の測定データ欄に、「1:左右の鎖骨角度の差」という検出箇所について、左ねじれにより異常有りという情報が、異常有りの判定の元になった角度(算出された角度)と共に、格納されていることになる。
よって、MPU50aは、会員データベース60の中の測定データ欄に、上述した異常有りに係る各情報が格納されると、人体ブロックテーブル72から、異常有りの部分に応じた異常用のブロックB11、12を読み出して、デフォルトの人体ブロックモデル300(図2、図27(a)参照)に含まれる異常無し用のブロックB11、12と置き換えて配置する処理を行うと共に、異常有り用のブロックB1(頭部ブロック)も読み出して、異常無し用のブロックB1と置き換えて配置する処理を行う。
それから、MPU50aは、異常有りの判定に元となった角度から、厚み方向(Z軸に平行な方向)に対して傾斜させる角度を求めると共に、求めた角度に係数(例えば、1.5)を乗じて得た角度分だけ、各ブロックB11、12を、傾き支点311、312を中心に傾ける処理を行って、図27(b)に示す人体ブロックモデル300を生成する。このように生成された人体ブロックモデル300は、XZ座標軸で構成される視図において、ブロックB11、12の傾き姿勢で、左右の肩が左ねじれであることが一目で分かるようになっている。
また、図27(c)は、「1:左右の鎖骨角度の差」という検出箇所について、肩の部分(鎖骨を含む肩の部分)が右ねじれによる骨格的な異常有りが生じている場合を示し、このような図27(b)に示す人体ブロックモデル300が生成される場合、会員データベース60の中の測定データ欄に、「1:左右の鎖骨角度の差」という検出箇所について、右ねじれにより異常有りという情報が、異常有りの判定の元になった角度(算出された角度)と共に、格納されていることになる。このような図27(c)に示す人体ブロックモデル300の生成は、図27(b)に示す人体ブロックモデルの場合と同様であり、図27(c)のXZ座標軸による視図で、ブロックB11、12の傾き姿勢により、左右の肩が左ねじれであることが一目で分かるようになっている。
MPU50aは、骨格的な異常有りの判定結果に基づき、上述した図3、25〜27に示すような異常有り用のブロックを含む人体ブロックモデル300を生成すると、その生成した人体ブロックモデル300を示すデータ(画面情報)を会員データベース60の中の測定データ欄に、異常有りとなった被験者HのユーザIDと対応づけて格納する処理を行う。なお、このように格納された人体ブロックモデル300を示すデータは、人体ブロックモデルを示す被験者ブロックモデル画面に係る被験者ブロックモデル画面情報に相当する。また、上述した処理を行って、三次元測定を行ったユーザが骨格的な異常なしとMPU50aが判定した場合、そのユーザについては、デフォルトの人体ブロックモデル300を示すデータ(画面情報)を、会員データベース60の中の測定データ欄に、そのユーザのユーザIDに対応付けて格納する処理を行う。
また、三次元測定の終わった被験者Hが、表示端末装置3を用いて、人体モデル提供装置50に対してログイン操作を行って、ログインが完了すると、人体モデル提供装置50のMPU50aは、会員データベース60の中の測定データ欄から、ログインの完了したユーザのユーザIDに対応づけて格納されている最新日時の情報を読み出して、表示端末装置3へ送信する処理を行う。この送信処理で送信する情報としては、生成した骨格モデルを示す骨格モデル画面に係る骨格モデル画面情報、三次元測定時に被験者を撮像した三次元撮像画像を示す撮像モデル画面に係る撮像モデル画面情報、及び上述した被験者ブロックモデル画面情報に加えて、異常有りの判定の元になった各種数値(算出した角度、寸法等)、関連症状、及びその関連症状に応じた(リンクした)分析テーブル96から抽出された症状の詳細等(健康への影響、原因・特徴、施術・トレーニング、画像等)を表す情報等がある。
図28は、各種画面の表示を行う表示端末装置3の主要な内部構成を示す。表示端末装置3としては、上述したように、タブレット、スマートフォンのような携帯通信端末、通信機能を有するパソコン(ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン等)などを用いることができ、一種のコンピュータに相当する(図28はタブレットの場合の構成を示す)。ただし、表示端末装置3として、スマートフォンのような携帯通信端末、通信機能を有するパソコン(ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン等)を用いた場合でも、本発明に関する構成部分は基本的に、図28に示す構成に対応したものとなる。
表示端末装置3は、全体的な制御及び各種処理を行うCPU3b(プロセッサ3b)に、内部接続線3kを介して、通信モジュール3c(通信手段に相当)、RAM3d、ROM3e、入出力インタフェース3f、記憶部(記憶手段に相当)3g等の各種デバイス等を接続したものになっている。
通信モジュール3cは、ネットワークを介した無線通信処理を、CPU3bの制御に従って行うものであり、人体モデル提供装置50から送られてくる各種画面情報及び各種数値情報等の受信も行う。RAM3dは、CPU3bの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶すると共に、人体モデル提供装置50から送られてきて受信した各種画面情報及び各種数値情報等の記憶も行う。ROM3eは、CPU3bの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶すると共に、表示端末装置3を識別する識別情報(UID)等も格納している。なお、このUIDは、上述した通信モジュール3cで通信(送信する際、送信内容に含まれるようになっている(例えば、送信パケットのヘッダ等にUIDを含めて送信が行われる)。
入出力インタフェース3fは、タッチパネル機能を具備した長方形のパネルディスプレイを有する表示スクリーン3aと接続されており、CPU3bの制御処理により生成された各種画面(図29等に示す画面)を表示スクリーン3aに出力する処理を行い、それにより、出力した画面内容が表示スクリーン3aに表示されることになる。また、入出力インタフェース3fは、表示スクリーン3aの表面をユーザがタッチ、スワイプ等することで受け付けた各種操作内容をCPU3bへ送る処理も行う。なお、ユーザが表示スクリーン3aの表面をタッチすることで受け付ける操作内容は、表示している画面内容に応じて適宜、変化する。
記憶部3gは、OSプログラムP200、モデル表示アプリP201、及びその他の各種アプリ等のプログラムを記憶(インストール)すると共に、各種データも記憶する。OSプログラムP200は、オペレーティングシステムに相当する基本プログラムであり、表示端末装置3が一種のコンピュータとして機能するためのCPU3bの処理を規定している。OSプログラムP200が規定する基本的な処理の一つとしては、表示スクリーン3aにホーム画面を表示することが挙げられ、このホーム画面においては、記憶部3gにインストールされている各種アプリに応じたアイコン等を配置することも、OSプログラムP200の規定する処理によるものとなっている。
記憶部3gに記憶されるモデル表示アプリP201は、三次元測定を行ったユーザに関する各種モデル(撮像モデル、骨格モデル、人体ブロックモデル)等を示す画面を表示するためのアプリケーションプログラム(コンピュータプログラム)である。モデル表示アプリP201は、表示端末装置3が人体モデル提供装置50から送られてくる画面情報を取得すると、その取得した画面情報に基づき、各種モデルを示す画面等を表示するためのCPU3bの制御処理を規定しており、起動すると、最初にログインのためのユーザID及びパスワード(又はパスコード)の入力を受け付けるログイン画面を表示スクリーン3aに表示するように作り込まれている。
ユーザID及びパスワードの入力を受け付けた状態で、ログイン画面に含まれるログインボタンの選択操作を受け付けると、CPU3bは、入力を受け付けたユーザID及びパスワードを含むログイン要求を人体モデル提供装置50へ送信する処理を行うことになる。ログイン要求の送信に伴い、人体モデル提供装置50から各種モデルの画面情報及び各種数値情報等を含む情報を受信すると、受信した情報をRAM3d(又は記憶部3g)に記憶すると共に、受信した情報に含まれる撮像モデル画面情報(ユーザを三次元的に撮像したことにより得られる撮像モデルを示す画面に係る画面情報)に基づき、CPU3bは撮像モデル画面を生成し、生成した撮像モデル画面を表示スクリーン3aに表示出力する処理を行う。
図29(a)は、表示スクリーン3aに表示された撮像モデル画面110を示す。撮像モデル画面110は、撮像モデル画面110は、画面上部にメニューボタン部100を有すると共に、そのメニューボタン部100の下方に、撮像モデル101を含む構成になっている。撮像モデル画面110は、表示スクリーン3aに表示された直後では画面中央に正面方向から見た撮像モデル101(XY座標軸で構成される視図に相当)を配置した状態になっている。この撮像モデル101は、人体モデル提供装置50から送られてくる情報に含まれる撮像モデル画面情報に基づき、CPU3bにより三次元的に生成されたものである。
そのため、表示スクリーン3aに対してスワイブの操作を行うと、スワイプした方向に、撮像モデル101が回転して、撮像モデル101を正面方向、背面方向、左横方向、右横方向、上方向、下方向といった様々な方向から、撮像モデル101を表示することができる。また、表示スクリーン3aに対してピンチアウトの操作を行うと、撮像モデル101は拡大表示され、一方、ピンチインの操作を行うと、撮像モデル101が縮小表示される。さらに、表示スクリーン3aに対して二本指でスワイプの操作を行うと、スワイプした方向へ撮像モデル101を移動することができるようになっている。なお、これらの表示スクリーン3aに対する操作は、後述する骨格モデル画面、及び被験者ブロックモデル画面(人体ブロックモデルを示す画面に相当)についても同様である。
また、撮像モデル画面110が含むメニューボタン部100は、撮像モデルボタン100a、骨格モデルボタン100b、ブロックモデルボタン100c、及び測定データボタン100dを含む(メニューボタン部100の構成は、他の画面でも同様)。撮像モデルボタン100aは、図29(a)に示すような、撮像モデル画面110を表示させるための選択されるボタンであり、撮像モデル画面110が表示中の場合は、選択不可になると共に、選択中であることを示すために、ボタン周囲の輪郭が太線になる。骨格モデルボタン100bは、骨格モデル画面を表示させるために選択されるボタンであり、ブロックモデルボタン100cは、被験者ブロックモデル画面を表示させるために選択されるボタンであり、測定データボタン100dは、測定データ画面を表示させるためのボタンである。
図29(b)は、図29(a)の撮像モデル他面110等において、骨格モデルボタン100bの選択操作を表示端末装置3が受け付けた場合に、表示スクリーン3aに表示される骨格モデル画面120を示している。この骨格モデル画面120も、画面上部にメニューボタン部100を有し、そのメニューボタン部100の下方に、骨格モデル(例えば、標準の骨格モデル71a)を含む構成になっている。この骨格モデル71aは、人体モデル提供装置50から送られてくる情報に含まれる骨格モデル画面情報に基づき、CPU3bにより三次元的に生成されたものである。このような骨格モデル71aを表示することで、ユーザは、自身の骨格の状況を確認できるようになる。
図30(a)は、図29(a)の撮像モデル他面110又は図29(b)の骨格モデル画面120等において、ブロックモデルボタン100cの選択操作を表示端末装置3が受け付けた場合に、表示スクリーン3aに表示される被験者ブロックモデル画面130を示している。この被験者ブロックモデル画面130も、図29(a)(b)の撮像モデル画面110、骨格モデル画面120と同様、画面上部にメニューボタン部100を有し、そのメニューボタン部100の下方に、人体を模した人体ブロックモデル300を含む構成になっている。
図30(a)に示す被験者ブロックモデル画面130は、三次元測定を行ったユーザ(被験者H)に骨格的な異常が無しと判定された場合の人体ブロックモデル300を含むものとなっている。この場合、人体モデル提供装置50からは、異常無しの人体ブロックモデルを示す被験者ブロックモデル画面に係る画面情報が送られてくるので、この画面情報に基づいて、CPU3bは、図30(a)に示す被験者ブロックモデル画面130を生成して、表示スクリーン3aに表示する処理を行うことになる。このように生成された被験者ブロックモデル画面130に含まれる人体ブロックモデル300は、三次元的に生成されているので、上述したスワイプ、ピンチイン、ピンチアウト、二本指でのスワイプ等の操作が可能になっている。
図30(b)は、図30(a)に示す被験者ブロックモデル画面130を表示する表示スクリーン3aに対して、スワイプ操作を行って、人体ブロックモデル300の向きを、正面から斜めに向いた状態を示している。CPU3bは、このようなスワイプ操作を受け付けると、スワイプ操作に応じた向きに、人体ブロックモデル300を回転させる処理を行って、図30(b)に示す被験者ブロックモデル画面130を提示することになる。
また、図31(a)は、骨格的な異常有りの場合の被験者ブロックモデル画面130の例を示す。この被験者ブロックモデル画面130は、三次元測定を行ったユーザ(被験者H)に骨格的な異常が有りと判定された場合の人体ブロックモデル300を含むものとなっている。この場合、人体モデル提供装置50からは、異常有りの人体ブロックモデルを示す被験者ブロックモデル画面に係る画面情報(被験者ブロックモデル画面情報)が送られてくるので、この画面情報に基づいて、CPU3bは、図31(a)に示す被験者ブロックモデル画面130を生成して、表示スクリーン3aに表示する処理を行うことになる。
図31(a)は、図3に示すX脚の異常を示す人体ブロックモデル300に応じたものであり、両脚部分に応じたブロックB19〜22が、他のブロックと相違する色(図ではグレーで表現)のテクスチャになっていると共に、X脚となるように傾いた形態になっている。そのため、三次元測定を行ったユーザは、自身において、骨格的な異常の生じていない箇所(異常無しの箇所)と、骨格的な異常の生じている箇所(異常有りの箇所)を、図31(a)の人体ブロックモデル300を構成する各ブロックにより、一目で認識でき、特に、異常が有るときは、ブロックB1の表情(表情パーツ)により、異常が生じていること分かる。また、図31(a)では、ブロックB19〜22の傾斜具合により、骨格的な異常は、X脚であることも分かりやすくなっている。さらに、異常有りの人体ブロック画面130は、異常有りのテクスチャになっているブロックB19〜22の選択操作(タップ操作)が可能ように、CPU3bにより生成されている。
図31(b)は、図31(a)の被験者ブロックモデル画面130に含まれる人体ブロックモデル300において、異常有りのテクスチャになっているブロックB19〜22のいずれかの選択操作が行われた場合に表示される異常箇所拡大画面131を示す。すなわち、表示端末装置3が、表示ディスプレイ3において、ブロックB19〜22のいずれかの選択操作(タップ操作)を受け付けると、CPU3bは、タップされたブロックを中心に、人体ブロックモデル300を拡大して異常箇所拡大画面131を生成する。また、この生成される異常箇所拡大画面131の画面下方に、CPU3bは、テキスト部132を設けている。
CPU3bは、テキスト部132に、人体モデル提供装置50から送られてくる情報に含まれる異常有りに関する内容(具体的な異常有りの症状、異常有りの判定の元になった数値等)を記したテキスト132aを配置すると共に、アドバイスボタン132a(アドバイス切替操作部に相当)を選択可能に含ませている。このような異常箇所拡大画面131をユーザに提示できるようにすることで、異常内容の状況を詳しくユーザに伝えることが可能となる。
図32(a)は、骨格的な異常に係るアドバイス画面135を示し、図32(b)の異常箇所拡大画面131において、アドバイスボタン132aの選択操作が行われた場合に、表示スクリーン3aに表示されるものである。CPU3bは、アドバイスボタン132aの選択操作を受け付けると、人体モデル提供装置50から送られてきた情報に含まれる異常有りの症状に応じた症状の詳細等の情報(図22の分析テーブル96から抽出された情報)を、RAM3d等から読み出して配置することで、アドバイス画面135を生成する。そして、CPU3bは、表示スクリーン3aに表示していた異常箇所拡大画面131を、生成したアドバイス画面135に切り替えることで、ユーザにアドバイス画面135を表示する。このようなアドバイス画面135の表示により、ユーザは異常内容の詳細を確認でき、気をつけるべき点や、異常を改善するトレーニングの仕方等も把握できる。
また、図32(b)は、測定データ画面140を示し、この測定データ画面140は、上述した図29(a)〜図32(a)の各画面110等に含まれるメニューボタン部100の中の測定データボタン100dが選択された場合に表示スクリーン3aに表示されるものである。CPU3aは、測定データボタン100dの選択操作を受け付けると、人体モデル提供装置50から送られてきた情報に含まれる測定データを、RAM3d等から読み出して配置することで、測定データ画面140を生成し、表示スクリーン3aでの表示内容を、生成した測定データ画面140に切り替える。このような測定データ画面140の提示を通じて、ユーザは三次元測定による自身の各部の寸法等を確認できる。
なお、上述した図31(a)に示す被験者ブロックモデル画面130、及び図31(b)に示す異常箇所拡大画面131は、X脚という骨格的な異常有りの例であり、他の症状の異常が生じていた場合は、その異常に応じた人体ブロックモデル300を含む被験者ブロックモデル画面130、異常箇所拡大画面131が生成されて表示スクリーン3aに表示される。そのため、異常有りの箇所に応じて、図25、26、27(a)又は27(b)に示すような異常有りのブロックを含む人体ブロックモデル300を有する被験者ブロックモデル画面130も表示スクリーン3aに表示されることになる。
図33は、上述した図31(a)に示す被験者ブロックモデル画面130を表示端末装置3の表示スクリーン3aで表示する場合の処理を示す第2フローチャートである。この第2フローチャートは、人体モデル提供装置50による処理も含んだものになっており、人体モデル提供装置50の処理は、第1フローチャートの処理が終了した状態から続くものとする。以下、この第2フローチャートに従って、被験者ブロックモデル画面130の表示に至までの人体モデル提供装置50及び表示端末装置3の一連の各処理を整理して説明する。
先ず、人体モデル提供装置50(MPU50a)は、三次元測定を行った被験者Hに対し、図19、20に示す判定テーブルに基づき、生成した骨格モデルを利用するなど等して、人体各箇所の骨格的な異常の有無の判定処理を行う(S10)。そして、人体モデル提供装置50は、判定した各箇所の異常の有無に基づき人体ブロックモデル300(図3等参照)の生成を行う(S11)。なお、このS11の段階は、図19、20の判定テーブル95におけるブロックの項目に、ブロック名が記されている検出箇所に対して、異常有りと判定された場合に、異常有り用の人体ブロックモデル300が生成されることになり、その他の場合は、以降の処理では、図2にデフォルトの異常無し用の人体ブロックモデル300が用いられる。
それから、人体モデル提供装置50は、生成した人体ブロックモデル300を画面で表示するために、生成した人体ブロックモデル300に応じたデータを、被験者の異常の有無をブロックで表した人体ブロックモデル300を示す被験者ブロックモデル画面に係る画面情報として、会員データベース60の測定データ欄に、三次元測定を行った被験者H(ユーザ)のユーザIDに対応づけて格納する(S12)。なお、人体モデル提供装置50は、S10で判定処理を行った骨格的な異常の有無に係る判定結果、その判定結果にリンクした分析テーブル96から抽出した症状の詳細等の情報(図22参照)、三次元測定の数値結果、及び撮像モデルを示す画面情報等も、上記と同じ測定データ欄に格納する。これらの各種情報を測定データ欄に格納すると、人体モデル提供装置は、表示端末装置3からのログイン要求を受信したか否かを判断する(S13)。
一方、表示端末装置3は、ホーム画面において、モデル表示アプリP201のアイコンが選択されて、表示スクリーン3aにログイン画面(図示せず)が表示された状態から第2フローチャートは処理が開示されることになっており、このログイン画面において、ユーザのログイン操作(ユーザのメールアドレス及びパスワードの入力及びログインボタンの選択操作)を受け付けたか否かを判断する(S20)。
ログイン操作を受け付けていない場合(S20:NO)、表示端末装置3は、ログイン操作待ちの状態になる。また、ログイン操作を受け付けた場合(S20:YES)、表示端末装置3は、受け付けたユーザ情報(ユーザのメールアドレス及びパスワード)を含むログイン要求を人体モデル提供装置50へ送信する(S21)。
人体モデル提供装置50は、ログイン要求を受信していない場合(S13:NO)、ログイン要求の受信待ちの状態となり、ログイン要求を受信した場合(S13:YES)、受信したログイン要求に含まれるユーザ情報が、会員データベース60に含まれるか否かを判断する(S14)。ユーザ情報が会員データベース60に含まれない場合(S14:NO)、ログイン不可となる。ログイン不可の場合の処理については、図33の第2フローチャートでは記述を省略しているが、人体モデル提供装置50は、ログイン不可通知を表示端末装置3へ送り、表示端末装置3は、ログイン不可通知を受け取ると、ログイン不可の旨を示すログイン画面を表示して、再度のログイン操作をユーザが行える状態を提示することになる。
また、ユーザ情報が会員データベース60に含まれる場合(S14:YES)、人体モデル提供装置50は、ログイン状態になったユーザのユーザIDをRAM50cに記憶して、ユーザ情報を送ってきたユーザをログイン状態に設定する(S15)。そして人体モデル提供装置50は、会員データベース60の測定データ欄の中から、そのユーザIDに対応づけられた最新日時の情報を読み出して、表示端末装置3へ送信する処理を行う(S16)。
表示端末装置3は、S21の段階でログイン要求を送信してから、人体モデル提供装置50から送られてくる測定データ欄に格納されている最新日時の情報を受信したか否かを判断しており(S22)、人体モデル提供装置50からの情報を受信していない場合(S22:NO)、受信待ちの状態となる。また、人体モデル提供装置50からの情報を受信した場合(S22:YES)、表示端末装置3は、受信した情報に含まれる撮像モデル画面に係る画面情報に基づき、撮像モデル画面110(図29(a)参照)を生成して、表示スクリーン3aに表示する処理を行う(S23)。
それから、表示端末装置3は、撮像モデル画面110に含まれるメニューボタン部100の中のブロックモデルボタン100cの選択を受け付けたか否かを判断する(S24)。ブロックモデルボタン100cの選択を受け付けていない場合(S24:NO)、選択待ちの状態となる。また、ブロックモデルボタン100cの選択を受け付けた場合(S24:YES)、表示端末装置3は、受信した情報に含まれる被験者ブロックモデル画面に係る画面情報に基づき、被験者ブロックモデル画面130(図31(a)参照)を生成して、表示スクリーン3aに表示する処理を行う(S25)。上述したような処理を経ることで、表示端末装置3の表示スクリーン3aには、被験者の異常の有無及び異常箇所をブロックの相違するテクスチャで表した人体ブロックモデル300を含む被験者ブロックモデル画面130が表示されるようになる。
なお、本発明は上述した形態に限定されるものではなく、様々な変形例が想定される。まず、人体ブロックモデル300に用いるブロックB1等は、塊状の部材であれば、様々なテクスチャ(質感)のものを用いることができ、例えば、木製の積み木のような質感のものを用いることも可能である。また、異常有り用のブロックは赤色に限定されるものではなく、異常無し用のブロックと色が異なれば、様々な色を用いることができ、さらには、異常無し用のブロックと色を相違させる以外に、表面の模様や輪郭線の種類を相違させる形態にして、両者を区別できるようにしてもよい。さらにまた、異常有り用のブロックを傾ける際の中心は、図2、3、25〜27等に示す黒丸の点に限定されるものはなく、他の場所の点を傾ける際の支点にすることも可能であり、例えば、各ブロックB1〜24のそれぞれの重心を、傾ける際の支点にしてもよい。さらに、図2に示す人体を模した人体ブロックモデル300は一例であり、人体ブロックモデル300を構成する各ブロックB1〜24の数は、システムの仕様等に応じて適宜増減可能であり、また、各ブロックB1の周囲形状等も、適宜変更可能である。
また、仕様の簡易化を図る場合は、頭部に応じたブロックB1の表情は異常の有無にかかわらず、一定にすることが可能であり、さらには、表情に応じた表情パーツを省略してもよい。そして、仕様の簡易を一段と進める場合は、異常を示すブロックを傾けることを省略して、異常有り用のブロックは、異常無し用のブロックとテクスチャの相違だけで、両者を区別するようにしてもよい。
また、上述した説明では、人体ブロックモデル300において、異常有りを示す箇所は、図19、20の判定テーブル95の中で、ブロックという項目を設けた検出箇所(主に角度で異常有無を判定した箇所)にしていたが、他の箇所における異常有りについても、人体ブロックモデル300が含むブロックB1等で表現することも可能である。例えば、判定テーブル95の中で、距離(cm)による検出を行って、閾値のパーセントとの対比により異常の有無を判定する検出箇所についても人体ブロックモデル300で異常の有無を表現できる。
このような検出箇所としては、人体を前の方向から見た場合の「1:重心Y軸ラインと頭頂部との乖離」、「2:大腿骨大転子から膝頭までの両足間の差」、「3:膝頭から足首までの高さの両足間の差」、「4:左右肩峰の高さの差」、及び「5:左右骨盤の高さの差」が対象になると共に(図19参照)、人体を横の方向から見た場合の「1:重心Y軸ラインと耳の乖離」、「2:重心Y軸ラインと膝の乖離」等も対象になる。
図34(a)は、「4:左右肩峰の高さの差」について、左肩峰が右肩峰より高い位置となり、肩が左傾きになっている骨格的な異常有りを表した人体ブロックモデル300の例を示す。この例の人体ブロックモデル300では、左肩に応じたブロックB11を、傾けるのでは無く、Y軸方向において、上方へ移動させることで、右肩に応じたブロックB12より位置を高くして、左肩が右肩より上となって傾いた異常であることを示している。
また、図34(b)は、「5:左右骨盤の高さの差」について、左骨盤が右骨盤より高い位置となり、骨盤左傾きになっている骨格的な異常有りを表した人体ブロックモデル300の例を示す。この例の人体ブロックモデル300では、左骨盤に応じたブロックB9を、傾けるのでは無く、Y軸方向において、上方へ移動させることで、右骨盤に応じたブロックB10より位置を高くして、左骨盤が右骨盤より上となって傾いた異常であることを示している。
さらに、上述した例では、会員データベース60の測定データ欄の中に格納された最新日時の画面情報等により、各種画面を生成して表示端末装置3の表示スクリーン3aに表示するようにしていたが、測定データ欄に格納されている過去の日時の画面情報に基づく撮像モデル画面、骨格モデル画面、被験者ブロックモデル画面等を表示端末装置3で表示できるようにしてもよい。この場合、人体モデル提供装置50は、測定データ欄に情報が格納されている各日時も表示端末装置3へ送信しており、表示端末装置3では、情報の格納されている日時を選択できるメニュー画面を表示するようにして、選択された日時の情報を表示端末装置3から人体モデル提供装置50へ要求できるようにする。人体モデル提供装置50は、ログイン中のユーザより、選択された日時の情報要求を受信すると、ログイン中のユーザIDに対応づけられている測定データ欄から、要求された日時の情報を読み出して表示端末装置3へ送信し、表示端末装置3では、送られてきた各画面情報から、撮像モデル画面、骨格モデル画面、被験者ブロックモデル画面等を生成して表示する処理を行うことになる。
さらにまた、上述した例では、骨格的な異常の有無の判定は、被験者を三次元測定した結果から行っていたが、このような三次元測定の結果に限定されるものではなく、MRIによる結果、被験者の各部を人間がメジャー等の測定器具で測定すること、又は触診することによって、骨格的な異常の有無を判定し、その判定した結果に基づき、異常有りを示す人体ブロックモデル300を生成してもよい。なお、上述した各種変形例は適宜組み合わせることも可能である。