JP6567972B2 - 雌の性的欲望(リビドー)を強化するためのフェヌグリークエキスの使用 - Google Patents

雌の性的欲望(リビドー)を強化するためのフェヌグリークエキスの使用 Download PDF

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Description

先行出願の相互参照
2012年12月5日に出願した米国特許仮出願第61/733,668号明細書。
本発明は、雌の性的衝動および性的欲望(リビドー)を強化する方法に関する。詳細には、本発明は、フェヌグリーク(fenugreek)エキスを投与することによって雌の性的欲望(リビドー)を強化する方法である。
30カ国の男女27,500名において実施されたGlobal Study of Sexual Attitude and Behavioursは、性交に対する関心の欠如が18%の男性で報告され、性交からの快感の欠如が参加男性の11%で報告されたことを示している。(Baschら、1993年)。女性の性機能障害は優先度の低い問題であるが、それは、クオリティオブライフに多大な影響を及ぼし得る。女性においては、性的応答の周期は脳から始まり、脳において、記憶、イメージ、匂い、音楽または空想が、性的興奮を促すトリガーとして作用する。性的欲望(リビドー)減退、興奮の変化、オルガスム到達不能および性交疼痛が、女性における性機能障害の4つの広範なタイプである。性的欲望(リビドー)減退は、興奮の遅延もしくは変化、膣の潤滑および拡張の減少、オルガスムの遅延もしくは欠如、ならびに疼痛または性交疼痛をもたらし、それらが性体験に対する嫌悪につながり得る(非特許文献1参照)。
Arcos,B Female sexual function and response. J.Am.Osteopath.Assoc. 104:S16−20(2004) Bullivant SB,et al. Women’s sexual experience during the menstrual cycle:Identification of the sexual phase by noninvasive measurement of luteinizing hormone J.Sex.Res. 41(l):82−93(2004) Wilcox AJ, et al. On the frequency of intercourse around ovulation:Evidence for biological influences. Human Reproduction 19(7):1539−1543(2004) Pillsworth EG,et al Ovulatory shifts in female sexual desire. J.Sex.Res. 41(l):55−65 Gangestad SW,et al. Human oestrus. Proceedings of the Royal Society B:Biological Sciences 275(1638):91−100(2008) Haselton MG,et al. Conditional expression of women’s desires and men’s mate guarding across the ovulatory cycle. Horm.Behay. 49(4):509−518(2006) Gueguen The receptivity of women to courtship solicitation across the menstrual cycle: A field experiment. Biol.Psychol.80(3):321−324(2009) Jones BC,et al. Commitment to relationships and preferences for femininity and apparent health in faces are strongest on days of the menstrual cycle when progesterone level is high. Horm.Behay. 48(3):283−290(2005) Salonia A,et al. Menstrual cycle−related changes in circulating androgens in healthy women with self−reported normal sexual function. J.Sex.Med. 5(4):854−863(2008) Battaglia C,et al. Menstrual cycle−related morphometric and vascular modifications of the clitoris. J.Sex.Med. 5(12):2853−2861(2008) Turna B,et al. Women with low libido: correlation of decreased androgen levels with female sexual function index Int. J Impot.Res. 2005 17(2):148−53 Nyunt A, et al.Androgen status in healthy premenopausal women with loss of libido. J.Sex.Marital Ther. 31(1):73−80(2005) Davis AR, Castafto PM Oral contraceptives and libido in women. Ann.Rev.Sex.Res. 2004;15:297−320 Aradhana A,et al. Indian Journal of Experimental Biology 30(5):367−7(1992) Blumenthal M,et al. Herbal Medicine:Expanded Commission E Monographs. Integrative Medicine Communications pp.130−133(2000) Steels E,et al. Physiological Aspects of Male Libido Enhanced by Standardized Trigonella foenum−graecum Extract and Mineral Formulation. Phytotherapy Res. Published online in Wiley Online Library DOI:10.1002/ptr.3360(2011) Stein,J Pain Symptom Manage. 2004 January;27(1):14−23 Stein et al,Cancer Practice,6,143−152(1998) Cohen et al. J. Health and Social Behavior,Vol.24,No.4(Dec.1983),pp.385−396 Spanier,J. Marriage and the Family. Vol.38,No.1(Feb.1976),pp.15−28 Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing Company,1990
性的機能および能力に対する栄養療法にはかなりの関心が持たれてきた。これらの治療法の一部は、それらの伝統的な使用によって生じた時の試練に耐え、これらの一部は、有効性に関するそれらの証拠を調べるための科学的精査を受けている。しかし、これらの栄養サプリメントのほとんどは、厳密な臨床試験において検定されていない。これらのサプリメントを調査する多くの試験には、深刻な計画の欠陥、例えば、プラセボ群または有効な盲検化法の欠如があった。
要約すると、本発明は、雌の性的欲望(リビドー)を強化する方法であって、性的欲望(リビドー)の強化を必要とする雌に有効量のフェヌグリークエキスを投与することによる方法である。雌は、哺乳動物であることができる。雌はまた、ヒト女性であることができる。フェヌグリークエキスは、フェヌグリーク種子エキスであることができる。雌の性的欲望(リビドー)の強化は、雌の性的欲望(リビドー)の増加を表す行動特性の変更として測定できる。例えば、行動特性の変更は、性的空想の増加、興奮の増加、性衝動の増加、パートナー関係の強化および性行為に対する欲求のうちの1または複数であることができる。性的欲望(リビドー)の強化はさらに、または別の形態として雌の性的欲望(リビドー)の増加を示す生物学的応答の変更として測定できる。例えば、生物学的応答の変更は、オルガスムに達する能力の増加、性交疼痛の減少および膣の潤滑または拡張の増加のうちの1または複数であることができる。他の例において、生物学的応答は、性ステロイドまたはホルモンのレベルの変化である。例えば、総テストステロン、遊離テストステロン、性ホルモン結合グロブリン、総エストラジオール(estradiolまたはoestradiol)、遊離エストラジオール(E2)、アンドロステンジオン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、硫酸デヒドロエピアンドロステロン(DHEAS)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および黄体形成ホルモン(LH)のうちの1または複数のレベルの変化。雌の性的欲望(リビドー)の強化はまた、当技術分野で周知の種々の点数化法を用いて測定できる。例えば、雌の性的欲望(リビドー)の強化は、1もしくは複数のDISFドメインスコアの統計的に有意な増加、または1もしくは複数のFSFIドメインスコアもしくは総FSFIスコアの統計的に有意な増加によって証明できる。
一部の実施形態において、フェヌグリーク種子エキスは、1日当たり約300から約1000mgの量で投与する。一部の実施形態において、フェヌグリーク種子エキスは、1日当たり約600mgの量で投与する。例示的実施形態において、総1日量を、2つのほぼ等しい用量として投与する。フェヌグリーク種子エキスは、食事の約1時間前、例えば、朝食の約1時間前および夕食の約1時間前に投与することができる。例示的実施形態において、フェヌグリークエキスは、経口的に、例えば、カプセル剤の形態で投与する。
雌の性的欲望(リビドー)を強化するハーブ組成物を与えることによって、以前の取り組みが失敗したのに対して、本発明は成功している。本発明は、行動および/または生物学的因子によって測定される雌の性的欲望(リビドー)を強化する治療を行うことによって、これまで解決できないと考えられていた問題を解決する。本発明は、雌の性的欲望(リビドー)の安全で効果的な強化に対する長年感じられていた必要性を満たす。
さらなる目的および利点ならびに好ましい実施形態の構造および作用は、以下の説明および非限定的な例を検討することによって明らかになるであろう。
試験への対象参加の流れ図である。 ベースライン、1ヶ月目および2ヶ月目での実薬群に関するDISFドメインスコアを示すグラフである。 ベースライン、1ヶ月目および2ヶ月目でのプラセボ群に関するDISFドメインスコアを示すグラフである。 実薬治療群およびプラセボ群におけるベースラインおよび2ヶ月目でのFSFI興奮ドメインスコアおよび総FSFIスコアを示すグラフであり、図4aは、FSFI興奮ドメインスコアを示す。 実薬治療群およびプラセボ群におけるベースラインおよび2ヶ月目でのFSFI興奮ドメインスコアおよび総FSFIスコアを示すグラフであり、図4bは、総FSFIスコアを示す。 実薬治療群およびとプラセボ群に関するベースラインおよび1ヶ月目でのエストラジオールのレベルを示すグラフである。 実薬治療群およびプラセボ群におけるベースラインおよび2ヶ月目での平均遊離テストステロンおよび性ホルモン結合グロブリンレベルを示すグラフであり、図6aは、平均遊離テストステロンを示す。 実薬治療群およびプラセボ群におけるベースラインおよび2ヶ月目での平均遊離テストステロンおよび性ホルモン結合グロブリンレベルを示すグラフであり、図6bは、性ホルモン結合グロブリンレベルを示す。
本発明の実施形態について、以下で詳細に論じる。実施形態の記載において、分かりやすくするために特定の用語を用いる。しかし、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定することを意図するものではない。特定の例示的実施形態について論じるが、これは説明のためにのみ行うことを理解すべきである。当業者ならば、本発明の精神および範囲から離れることなく、他の構成要素および構成を使用できることを認識するであろう。本明細書中に引用した全ての参考文献は、それぞれがあたかも個別に組み込まれたかのように組み込む。
性的機能および社会的性的行動における女性の変化は、ホルモン活性の自然の周期的変化に起因して複雑であり得る。したがって、有効性を保証するためには、2周期の月経周期にわたって観察される効果を、各周期の最初(1日目)に一般に実施される査定と共に示すことがしばしば必要である。月経周期全体にわたる女性の性的欲望(リビドー)の微妙なシフトおよび社会的性的行動のいくぶん顕著でない変化が、以前に認められた(非特許文献2および3参照)。良好な交配ストラテジーを裏付ける行動の変化は、高い受精率、排卵およびより高いエストロゲン濃度の時期と一致する(非特許文献4など参照)。したがって、性的欲望(リビドー)の増加はまた、行動的に、例えば、性的関心および性的な出会いに関する1日の日記の内容の評価によって、査定することができる。
多くのプロジェクトが、周期的な社会的性的行動の変化の機能的役割を裏付けている(非特許文献5参照)。一部の研究は、このような行動を、エストロゲン/プロゲステロン比に関連付けることができることを示唆している。排卵日の前後で、正常周期の女性は通常、性的欲望(リビドー)、性的関心および配偶者になる可能性のある人に対する魅力の増加を経験する。女性は、卵胞期後期/高エストロゲン期においては、より魅力的であると感じると報告し、自身が男性に出会うかもしれない行事に出席することにより多くの関心があり、自身のパートナーによる配偶者ガードをより多く経験し(非特許文献6参照)、配偶者になる見込みのある人に電話番号を提供する可能性が高い(非特許文献7参照)。反対に、黄体期または高プロゲステロン期においては、女性は、自身の関係に対するより高いコミットメントを報告している。彼女らはまた、より女性化された男性の顔を好む傾向があり、これは、より長期の社会的支援への欲求へのシフトを表すと想定されている(非特許文献8参照)。
1つの研究において、女性の性的機能は、月経周期の排卵期において、遊離および総テストステロンの上昇と一致して増加することが示されている(非特許文献9参照)。しかし、Battagliaらは、周期全体にわたるアンドロゲンの有意な変動を報告しなかったが、副腎および末梢組織における付加的な合成および代謝が、特定のアンドロゲンを性的機能に正確に相関させることを困難にすると述べている。(非特許文献10参照)。
同様な研究において、Guillermoら(2010年)は、プロゲステロンを除いて、ホルモンと社会的性的な質問との関連を見出した。中間期では、より高いコルチゾールは、対照群に関しては「他人との親交を楽しむこと」と関連していたのに対し、より高いエストラジオールおよび硫酸デヒドロエアピンドロステロン(DHEAS)濃度は、経口避妊薬(OC)群で、タスクの魅力と正に関連付けられた。黄体期において、より高いエストラジオールおよびエストリオールは、対照群において性的関心の質問と関連していたのに対し、より高いプロゲステロンは、OC群でより大きい社会的魅力およびより良好な作業相互作用と関連していた。加えて、より高い黄体DHEASは、OC群に関してはより低い社会的および身体的魅力を意味した。
これらの所見は、低い女性の性的欲望(リビドー)および機能低下性障害(hypoactive sexual disorder)をホルモンレベルの変化と関連付ける他の研究によって裏付けられている。2005年に、Daviesらは、機能低下性障害を有する女性の、300μg/日のテストステロンでの長期治療(12ヶ月)が、性的な出会いをかなえる頻度の増加、欲求の増加およびストレスの減少と関連していることを実証している。
Turnaは、性的欲望(リビドー)の低い女性と対照との間で、総テストステロン、遊離テストステロンおよびDHEASレベルの、閉経前女性と閉経後女性の両方に関するフルスケールのFemale Sexual Function Index(FSFI)スコアにおいて有意差を観察した(非特許文献11参照)。加えて、総テストステロン、遊離テストステロンおよびDHEASレベルの減少は、フルスケールのFSFIスコアならびにFSFI−欲求、FSFI−興奮、FSFI−潤滑ならびにFSFI−オルガスムスコアとの間に正の相関が認められた。これは、性的欲望(リビドー)の低い女性が、年齢を適合させた正常対照群と比較して低いアンドロゲンレベルを有すること、および彼女らのアンドロゲンレベルの減少がFemale Sexual Function Indexドメインと正に相関することを示唆する。
これに対して、Nyuntらは、性的欲望(リビドー)の低下している29歳の閉経前女性(対象)29名および健常女性(対照)12名の研究に着手し、性的衝動と血清エストラジオール、総テストステロンおよびジヒドロテストステロン(DHT)、DHEASならびに性ステロイド結合性グロブリン(SHBG)レベルとの関係を追求した(非特許文献12参照)。対象は、低所得、軽症の病気、うつ病の既往歴を有する可能性、および彼女たちのパートナーの性的問題を報告する可能性が、対照よりも高かった。したがって、その他の点では健常な女性における性的欲望(リビドー)の消失もまた、関係の問題、うつ病、心理社会的因子およびパートナーの性機能障害と関係がある可能性があるが、アンドロゲン状態とは関係がないように思われる.
DavisおよびCastanoは、性機能に対するOCの効果についての発表された論文30本の見直しを行い、結果が決定的なものではなく、性的欲望(リビドー)に対するOCの独立した因果的効果を確立するためにはよりよく設計された研究が必要であると結論づけた。(非特許文献13参照)。セロトニン特異的再取り込み阻害薬(SSRI)および他の抗うつ薬による治療は、性的欲望(リビドー)減退およびオルガスムの問題を引き起こす場合がある。抗精神病薬治療は、性的欲望(リビドー)、潤滑およびオルガスムの問題をしばしば引き起こす。スピロノラクトンは、性的欲望(リビドー)減退および潤滑障害を引き起こす場合がある。
女性の性的欲望(リビドー)問題の研究および治療は、複雑であり、因果関係の原因が複数あり得、多くの方法で明白となり得る。したがって、女性の性的欲望(リビドー)を強化する治療が引き続き必要とされている。成功的治療を特定することによって、女性の性的欲望(リビドー)に影響を及ぼすまたは影響される可能性があるホルモン的側面、肉体的側面(ストレスおよび疲労)ならびに行動および関係の側面をよりよく理解できる。本発明は、雌の性的欲望(リビドー)の強化に有用なハーブエキスに関する。
フェヌグリーク(コロハ(Trigonella foenum−graecum))は、いくつかの伝統的なインド料理に使用されるハーブである。その料理への使用に加えて、フェヌグリーク種子は、一部の人々によって、授乳中の女性の乳汁供給を増加させると考えられている。それは、優れた安全性プロフィールを有するよく研究されたハーブである。それは、承認された成分のAustralian Register of Therapeutic Goods(ARTG)リストに記載されている。フェヌグリークエキス、特にフェヌグリーク種子エキスは、ことによると100種を超える植物化学的構成要素を含む種々の活性化合物を含有する。重要な構成要素には、フロスタノールサポニンおよびステロイドサポニンがある。例えば、フェヌグリークは、プロトジオスシン、プソイドプロトジオスシン、グラシリン、プロトグラシリン、ジオスゲニン、ジオスシンならびに多くの他のサポニンおよびサポゲニンを含有する。ジオスゲニンは、多くの性ホルモンの合成に重要な前駆体であり、エストロゲン様作用を示すことが示されている(非特許文献14参照)。他のサポニンは、特異性に関してまだ確認されていない。フェヌグリークエキスはまた、コリン、トリメチルアミン(カエルの性ホルモン)、ビタミンA、B2、B6、B12、Dおよび精油を含み得る。(非特許文献15参照)。
フェヌグリークエキス中に存在するサポニンは、主にサポニングリコシドとして存在する。フェヌグリークエキスは、適正な比較分析を行うために、1または複数のサポニンにおいて標準化することができる。市販のフェヌグリーク種子エキスは、本発明に従って使用できるが、いずれも、雌の性的欲望(リビドー)の強化のためにはこれまで提案されていない。例示的な標準化フェヌグリーク種子エキスは、LIBIFEM(登録商標)の名称で市販されており、Gencor Pacific Inc.(Anaheim、CA)から入手可能である。
以前の研究は、フェヌグリーク種子エキスが、雄の性的欲望(リビドー)、筋成長およびエネルギーならびに肥満および糖尿病に対して陽性効果を有することを示している。このハーブの広範囲にわたる治療作用は、ホルモン制御、特にインシュリン様成長因子1(IGF−1)経路を介して媒介される可能性があることが理論上想定されている。(非特許文献16参照)。これまでは観察されていないが、女性の性的欲望(リビドー)もまた、フェヌグリーク、フェヌグリークエキスおよびフェヌグリーク種子エキスを投与することによって強化することができる。性的欲望(リビドー)の強化は、行動変化によってまたはホルモン系の調節によっても起こり得る。
一般に、本発明において有用なフェヌグリーク種子エキスは、フェヌグリーク種子の抽出に使用される公知の方法によって得ることができる。方法としては、水抽出、アルコール抽出、極性有機溶媒による抽出および無極性有機溶媒による抽出が挙げられる。溶媒の混合物も使用できる。例えば、フェヌグリークおよびフェヌグリーク種子は、水、アルコール、例えば、メタノールもしくはエタノール、またはそれらの組合せによって抽出できる。
女性における性的欲望(リビドー)の増加は、多くの方法で明白となり得る。性的欲望(リビドー)の増加を査定する最も一般的な方法は、行動変化または生物学的応答に基づく。本明細書中の他の箇所に記載したフェヌグリーク種子エキスの投与は、雌の性的機能全般に対して、および行動変化または生物学的応答によって測定される雌の性的機能の1または複数の個々のパラメーターに対して有益な効果を有する。
女性における性的欲望(リビドー)の増加と関連した行動変化としては、例えば、性的空想の増加、興奮の増加、性衝動の増加、パートナー関係の強化および性行為に対する欲求の増加のうちの1または複数を挙げることができる。他の行動変化としては、性的な出会いの頻度、現在の性機能の主観的な質、ストレスおよび疲労への影響、性的な苦悩、関係親密性ならびにエネルギーを含む全身健康状態パラメーターへの影響を挙げ得る。本発明の一実施形態によれば、有効量のフェヌグリーク種子エキスの投与は、雌の性的欲望(リビドー)の増加を示す少なくとも1つの行動変化を強化する。
行動変化のための別の一般的に使用され、広く受け入れられている査定ツールは、Derogatis Interview for Sexual Functioning (Female)(DISF女性)であり、これは、面接者によって、または本質的に同じ質問をする自己報告バージョン(DISF−SR)では自己査定として行うことができる。DISFは、性的応答周期の相を性機能の5つのドメイン:(1)性的認知/空想、(2)性的興奮、(3)性行動/体験、(4)オルガスムおよび(5)性的衝動/関係に対応付けるマルチドメイン形式で、現在の性機能の質を評価する。加えて、DISF総スコアを、コンピューターで計算する。これは、性機能の質を、5つの主なDISFドメインの全体にわたって集計する。DISF面接は、完了に15から20分を要し、男性および女性に対して性別の(distinct gender−keyed)バージョンがある。スコアを、DISF−SR QOL(クオリティオブライフ)スコアとして報告する。
疲労は、Multidimensional Fatigue Symptom Inventory(MFSI)を用いて査定できる(非特許文献17および18参照)。MFSIは、疲労に関する総スコアを提供する。これはまた、疲労の別個の側面として、全般的、情緒的、肉体的、精神的および活力の個別のドメインを含んでいた。
ストレスは、Perceived Stress Scale(PSS)で評価できる(非特許文献19参照)。PSSは、ストレスの知覚を測定するために最も広範に使用されている心理学的手段である。これは、自身の生活の状況がどの程度ストレスフルかを鑑定する評価基準である。項目は、回答者が、自身の生活をどの程度予測不可能、コントール不可能および過重負担であると気づいているかを入力するように設計されている。この尺度はまた、経験ストレスの現在のレベルについての多くの単刀直入な質問を含む。
関係の質は、Dyadic Adjustment Scale(DAS)を用いて評価できる(非特許文献20参照)。DASは、自身のパートナーとの関係の質の32項目評価基準である。Dimensional Relationship Quality(DRQ)評価基準を、参加者とそのパートナーとの関係の健全性を査定するのに用いた。これは、関係親密性の32項目評価基準である。このDRQ下位尺度は、信頼性が高く、確かな関係の親密性の評価基準であることが、複数の国にわたって示されている。親密性の下位尺度としては、関係における共感、率直さおよび信頼を査定する項目が挙げられる。項目は、高いスコアほど高い関係親密性を示すようにコード化されたLikert応答からなる。下位尺度スコアは、個々の項目を合計することによって得られる。
多くの生物学的応答を測定して、女性の性的欲望(リビドー)の強化を評価することができる。生物学的応答としては、例えば、オルガスムに達する能力の増加、性交疼痛の減少および膣の潤滑または拡張の増加を挙げることができる。本発明の一実施形態によれば、有効量のフェヌグリーク種子エキスの投与は、女性の性的欲望(リビドー)の増加を示す少なくとも1つの生物学的応答に変化をもたらす。生物学的応答は、性ステロイドまたはホルモンのレベルの変化の測定によっても測定することができる。測定できる性ステロイドまたはホルモンレベルの例としては、例えば、総テストステロン、遊離テストステロン、性ホルモン結合グロブリン総エストラジオール、遊離エストラジオール(E2)、アンドロステンジオン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、硫酸デヒドロエピアンドロステロン(DHEAS)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および黄体形成ホルモン(LH)が挙げられる。本発明の一実施形態によれば、有効量のフェヌグリーク種子エキスの投与は、雌の性的欲望(リビドー)の増加を示す性ステロイドまたはホルモンのレベルの変化をもたらす
雌の性的欲望(リビドー)の強化は、性的欲望(リビドー)の強化を必要とする雌に有効量のフェヌグリーク種子エキスを投与することによって達成する。雌は通常、哺乳動物であり、ヒトであることができる。有効量は、例えば、約150mgから約500mgの2回の1日量(すなわち、1日当たり約300mgから約1000mg)であることができる。例示的実施形態において、投与する量は、約250mgから約400mgの2回の1日量(すなわち、1日当たり約500mgから約800mg)または約300mgの2回の1日量(すなわち、1日当たり約600mg)である。フェヌグリークエキスと関連する安全性プロフィールのため、より高い1日量、例えば、1日当たり約1500mg以下、1日当たり約2000mg以下、1日当たり約2500mg以下または1日当たり約3000mg以下が可能である。種々の単位剤形を投与することができ、総1日摂取量は、所望のまたは必要な総1日量を提供するように1日を通して分配される2つ、4つまたはそれ以上の用量に分割できることが分かるであろう。例示的実施形態において、フェヌグリーク種子エキスは、食事の約1時間前、例えば、朝食の約1時間前および夕食の約1時間前に投与する。
月経と関連したホルモン変化の帳尻を合わせるために、フェヌグリーク種子エキスは、少なくとも4週間または少なくとも8週間にわたって投与することができる。例示的実施形態において、投与は無期限に続ける。投与は、投与の継続が必要かどうか査定するために、一時的に休止することができる。例えば、投与は、約4週間または約8週間休止することができ、その後に性的欲望(リビドー)を再び査定する。性的欲望(リビドー)が依然として高く、投与前レベルまでは低下していない場合、投与は中止できる。性的欲望(リビドー)のさらなる減退が観察されないことを保証するために、検査を定期的に続けるべきである。性的欲望(リビドー)が投与前レベルまで低下する場合、投与を再開することができる。
例示的実施形態において、フェヌグリーク種子エキスは、経口投与する。経口投与は、フェヌグリーク種子エキスを、経口剤形、例えば、トローチ剤、錠剤、分包、懸濁剤、液剤、丸剤またはカプセル剤に組み込むことによって達成することができる。あるいは、フェヌグリーク種子エキスは、食品または飲料と混合することによって経口投与することもできる。固体経口剤形、例えば、錠剤およびカプセル剤は、実施形態の特定の例である。例示的実施形態において、フェヌグリーク種子エキスは、カプセル剤の形態で投与する。
製剤化または投与のために、フェヌグリーク種子エキスは、生物学的に許容される他の不活性成分または賦形剤、例えば、一般的に用いられる医薬賦形剤を含む組成物中に存在してもよい。不活性成分の例としては、マルトデキストリンおよびゼラチンが挙げられる。組成物は、フェヌグリーク種子エキスおよび許容される担体を含むように製剤化することができる。許容される担体は、生物学的にまたは他の点で不所望でない材料であり、すなわち、この材料は、不所望な生物学的作用を引き起こさず、またはそれを含有する組成物の他の成分のいずれとも有害な方法で相互作用することなく、投与することができる。フェヌグリークエキス成分のいかなる分解も最小限に抑えるように、および対象におけるいかなる有害な副作用も最小限に抑えるように担体を選択することは当然であり、当業者には周知である。許容される担体および組成物の他の成分の解説については、文献に記載されている(非特許文献21参照)。当業者ならば、特定の組成物が、選択される投与経路にある程度左右されることが分かるであろう。したがって、本発明の組成物の様々な好適な製剤がある。
フェヌグリークエキスを含む錠剤は、例えば、1または複数の追加成分を場合により含有するフェヌグリークエキスを圧縮または成形することによって製造できる。圧縮錠剤は、1または複数の結合剤、滑沢剤、流動促進剤、賦形剤、界面活性剤および分散剤と場合により混合された、さらさらした形態の、例えば、粉末または顆粒状調合剤としてのフェヌグリークエキスを、好適な装置中で圧縮することによって調製できる。成形錠剤は、フェヌグリークエキス、許容される担体、および混合物を湿らせるのに少なくとも十分な液体の混合物を、好適な装置中で成形することによって製造できる。
錠剤はコーティングしなくてもよいし、またはそれらは、当業者に知られている方法もしくは開発される方法を用いてコーティングしてもよい。コーティング錠は、対象の胃腸管中での崩壊を遅延させるために、例えば、腸溶コーティングを用いて製剤化し、それによってフェヌグリークエキスの持続放出および吸収をもたらすことができる。錠剤は、上品で風味のよい調合剤を提供するために、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤、保存剤またはこれらのいくつかの組合せをさらに含んでいてもよい。
フェヌグリークエキスを含む硬カプセル剤は、生理的に分解可能な組成物、例えば、ゼラチンを用いて製造できる。このような硬カプセル剤は、フェヌグリークエキスを含み、例えば、不活性固体希釈剤を含む追加成分をさらに含んでいてもよい。フェヌグリークエキスを含む軟ゼラチンカプセル剤は、生理的に分解可能な組成物、例えば、ゼラチンを用いて製造できる。このような軟カプセル剤は、水または油媒体と混合されていてもよいフェヌグリークエキスを含む。
本明細書中で例示し、論じた実施形態は、本発明を製造および使用するための、発明者が知っている最良の方法を、当業者に教示することのみを意図する。本明細書中のいずれも、本発明の範囲を限定すると考えるべきでない。示される実施例は全て、代表的で、非限定的なものである。当業者ならば教示を鑑みて分かるように、本発明の実施形態は、本発明から逸脱することなく、変更および変形が可能である。したがって、特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、具体的に記載した以外の方法で本発明を実施できることを理解すべきである。
[実施例1]
フェヌグリーク種子エキスの有効性についての無作為化二重盲検研究を、以下のようにして行った:
年齢25〜50才の女性対象約60〜80名を募集し、プラセボ比較群(n=40)または実薬介入群(n=40)に無作為に割り当てた。実薬介入群には、フェヌグリーク種子エキスを投与した。参加者には、研究の開始前に、血液検査を完了するために、病理検査収集フォーム(laboratory pathology collection form)を支給した。血液検査は、スクリーニング方法の一部ではなかったが、血液の結果は、参加者が製品の研究を開始する前に精査した。継続するためには、結果は正常な健常基準範囲でなければならない。
参加者を、主要エンドポイントとしてDISF−SR QOLスコアを用いて、全体的な性的応答ならびに性的応答の個々の成分:性的認知/空想、性的興奮、性行動/体験、オルガスムおよび性的衝動/関係を含む、従来使用されている、妥当性が検証されている質問表によって査定した。性的機能および全般的なクオリティオブライフの改善もまた、治療の前後に女性ホルモンのプロフィールを評価することによって査定した。
フェヌグリーク種子エキスまたはプラセボを、朝食の約1時間前およびまた夕食の約1時間前に、LIBIFEM(登録商標)フェヌグリーク種子エキス300mgを含有するカプセル剤によって経口投与した。
2つのその後のデータ収集点(4週目および8週目)において、参加者は、生活様式および健康状態/医学的状態(電話/外来予約による)のあらゆる変化について査定し、症例報告書(CRF)の記入を行った。7週目において(試験の完了前に)、試験後分析のために参加者を採血した。試験完了後1週間以内に、対面による試験終了時面接を、各試験対象に対して行って、さらなるデータを収集し、参加者の健康状態および幸福感(wellbeing)を査定した。
電話と電子メール通信の組合せによって、プロトコールのコンプライアンスについて参加者をモニターした。プロジェクトの状態および薬物有害反応に関する中間報告を、要求通りに、治験依頼者およびHuman Research Ethic Committeeに対して行った。
実薬介入群の参加者は、性的欲望(リビドー)の少なくとも1つの評価基準によって示されるように、プラセボ比較群と比較して強化された性的欲望(リビドー)を有することが分かった。
[実施例2]
無作為化プラセボ対照研究における、健常な月経期女性の性的機能、ホルモンおよび代謝に対するコロハ(フェヌグリーク)のエキスであるLibifemの影響
目的:本臨床試験の目標は、安定した関係にある健常な月経期女性の性的機能、ホルモンプロフィールおよび代謝に対する、Libifem(コロハ(フェヌグリーク)エキス)の効果を評価することであった。
計画:これは、短期フェーズIII単施設二重盲検無作為化プラセボ対照研究であった。試験は、オーストラリアのブリスベン在住の21から49才の、規則的な月経周期を有する健常な月経期女性80名に対して行った。本研究の詳細な概要を、図1に示す。
介入:参加者を、月経周期の卵胞期から始まる2周期の月経周期にわたる1日2回の実薬治療(Libifem300mg)またはプラセボ治療の経口用量に無作為化した。
転帰の評価基準:性機能を、ベースライン、4週および8週においてDISF−SRおよびFSFI自己記入質問票を用いて測定した。性ホルモンプロフィール(DHEA、プロゲステロン、アンドロステンジオン、テストステロン、エストラジオールならびにLH、FSHおよびSHGB)を、ベースラインおよび8週において測定した。以下の検査:血中グルコース、肝機能および腎機能ならびに総コレステロールレベルを含む代謝の特定のマーカーも、ベースラインおよび8週目において測定した。ストレス、疲労およびパートナーとの関係の質の影響をそれぞれ、PSS、MFSIおよびDimensional Relationship Quality(DRQ)評価基準を用いて測定した。DRQは、参加者とそのパートナーとの関係の健全性を査定するのに用いた。これは、関係親密性の32項目評価基準である。このDRQ下位尺度は、関係の親密性の、信頼性が高い、確かな評価基準であることが、複数の国にわたって示されている。親密性の下位尺度としては、関係における共感、率直さおよび信頼を査定する項目が挙げられる。項目は、高いスコアほど高い関係親密性を示すようにコード化されたLikert応答からなる。下位尺度スコアは、個々の項目を合計することによって得られる。
結果:DISF−SRとFSFI質問票の両方によって測定される性機能は、8週間後に実薬治療群の参加者において有意な増加を示した。4週目および8週目におけるサブ分析において、DISF−SRの5つのドメイン;性的認知、性的興奮、性体験、オルガスムおよび性的衝動/関係の有意な増加が認められた。同様に、8週目にFSFIのドメイン、すなわち、興奮に有意な変化が認められた。
全体として、性機能はプラセボ群では変化しなかった。プラセボ群は、治療の8週目における性的衝動/関係の有意な増加を除いて、DISF−SRドメインスコアに差を示さなかった。同様に、FSFIのドメインに有意な変化は認められなかった。8週間の治療後の性ホルモンレベルの分析は、実薬群では、プラセボ群と比較してエストラジオールレベルの有意な増加を示した。プラセボ群においてはホルモンに有意差が認められなかった。いずれの群においても治療後に他の代謝マーカーに差は認められなかった。
結論:結果は、Libifemは、その他の点では健常な女性において性的機能を改善するのに有効な治療薬であり、生化学的機構は、健常なエストラジオールレベルの復元または維持に関与する可能性がある。
材料および方法
試験計画
本研究は、実薬(n=40)またはプラセボ(n=40)治療のいずれかへの割り当て比を1:1とする、健常な月経期女性80名の単施設無作為化二重盲検並行群間比較臨床試験であった(図1)。
参加者:
組み入れ基準:参加者は、規則的な月経周期(28〜34日)を有する、21〜50才の健常な月経期女性であった。健常とは、ボディマスインデックス(BMI)が35未満、血圧が130/90未満および空腹時血中グルコースレベルが正常であること、ならびに診断された慢性疾患または慢性疾患に対して処方された医薬品がないことと定義する。参加者は全て、正常な性的機能を有するパートナーと、ゆるぎがなくかつコミュニケーションできると知覚される、安定した一対一の性的関係にあった。彼女らは、低い性的欲求が関係/パートナーの問題によって引き起こされるのではないが、自身は低い性衝動を有するが性的機能および性的欲望(リビドー)の増加に関心があると考えた。性機能障害は、Female Sexual Function Index(FSFI)を用いて査定した。FSFIは、臨床試験において、性機能のドメイン(例えば、性的欲求、興奮、オルガスム、満足感および疼痛)を査定するという特定の目的のために開発された。これは、女性における性的な体験、知識、態度または対人的関係機能の評価基準ではない。性機能障害を有さないことの臨床的カットオフ点は、スコア26超と定義された(Weigelら、2005年)。女性は全て、妊娠を予防するために、経口避妊薬を服用しているよう要求され、かつ/または他の形態の避妊(バリア法を含む)を用いていた。
除外基準:女性が過去3ヶ月のいずれかの時点でアンドロゲン療法を受けたことがある、妊娠しているまたは妊娠を試みている、研究前の少なくとも3ヶ月間に授乳中であるまたは乳汁を分泌している場合には、その女性を研究への参加から除外した。女性が大きな生活変化に関する慢性または急性の生活ストレスを経験したことがある、うつ病を経験しているおよび/またはこのような病気もしくは障害のための薬物治療を受けている、スタチンまたはステロイドホルモンレベルに影響を及ぼすことが知られている他の薬物の投与を受けている、過去6ヶ月以内に大きな病気、活動性胆嚢疾患があるまたは婦人科もしくは乳房手術を受けたことがある、研究参加前のいずれかの時点における乳房、子宮内膜もしくは他の婦人科癌または過去5年以内の他の癌の既往歴がある、糖尿病の薬物治療を受けている、研究参加前のいずれかの時点における脳血管疾患、血栓塞栓性障害、心臓発作もしくは狭心症または過去5年以内における血栓性静脈炎の既往歴がある場合にも、その女性を除外した。加えて、抗凝血および抗血小板効果がある薬物(例えば、アスピリン、ジクロフェナク(Voltaren、Clonac、Diclohexal、Dinac、Fenac)、メロキシカム(Mobic、Movalis)、ピロキシカム(Mobilis、Feldene)、イブプロフェン(Brufen、Rafen、Neurofen)およびナプロキセン(Proxen、Naprosyn、Inza、Crysanal、Naprogesic)をいずれの状態のためも毎日服用している女性も除外する。
募集および登録:
参加者となり得る人は、ブリスベン(オーストラリア)において、データベースおよび公的メディアの支局から募集した。彼女らに、最初はオンラインスクリーニングによって、続いて電話スクリーニングによってスク−ニングを行い、その後に最初のベースライン面接を行い、その時点で各参加者は同意書に記入した。
試験手順およびコンプライアンス
ベースライン面接において、病歴、医学的査定およびクオリティオブライフ質問表(後述)に記入を行った。参加者は、自身の次の月経周期の7日目、8日目または9日目のいずれか(卵胞期の間)の朝に、空腹状態で赤血球数(RBC)、E/LFT(電解質/肝機能検査)およびホルモンプロフィールに関する血液検査を完了した。最初の血液検査を行ったら、参加者に、治験薬を取扱説明書と共に与えて、治療を開始した。1ヶ月目に、参加者は性的欲望(リビドー)質問表(DISF−SR)のみに記入した。2ヶ月目(7、8または9日目)に、参加者は血液検査を繰り返した。試験完了後1週間以内に、試験終了時面接を行い、再びクオリティオブライフ質問表の全てへの記入を行った。電話と電子メール通信の組合せならびに試験の完了時のボトルおよび未使用の製品の返却によって、プロトコールのコンプライアンスについて参加者をモニターした。
介入:
治験薬は、無標識のツーピース白色硬ゼラチンカプセル(サイズ0)中に、コロハ(フェヌグリーク)種子エキスであるLibifem 300mg(乾燥濃縮製剤33:1、乾燥ハーブ9.9gに相当)および流動剤マルトデキストリン30mgを含有していた。プラセボ製品は、これもまたサイズ2の無標の硬ゼラチンカプセル中に、マルトデキストリン330mgのみを含有する。Libifemおよびプラセボカプセル剤を、2ヶ月の研究の間、食物と共に1日当たりカプセル剤2個として、朝食前に1個および夕食前に1個投与した。
主要評価項目
性的機能の変化
性的機能を、ベースライン、1ヶ月目および2ヶ月目に、検証されている質問票Derogatis Interview for Sexual Functioning(DISF−SR)(Female)の総スコアおよびドメインスコアを用いて査定した。DISF−SR(女性)は、個人の現在の性機能の質を量に換算して提供するように設計された簡易半構造的面接である。DISFは、性的応答周期の相を対応付けるマルチドメイン形式で現在の性機能の質を表す(MastersおよびJohnson、1966年)。DISFの25個の面接項目を、性機能の5つのドメインに配置する:I.性的認知/空想、II.性的興奮、III.性行動/体験、IV.オルガスム、V.性的衝動/関係。
性的機能はまた、Female Sexual Function Index(FSFI)を用いてベースラインおよび2ヶ月目において査定した。FSFIは、欲求、興奮、潤滑、オルガスム、満足感および疼痛の6つの内容のドメインに分けられた19項目質問表である(Rosen、2000年;Meston、2003年)。これは、女性における性的な体験、知識、態度または対人的関係機能の評価基準ではない。性機能障害の識別点は、26未満のスコアと定義された(Weigelら、2005年)。
副次的評価項目:
1.性ホルモンレベルに対する影響
以下のホルモンを、ベースラインおよび2ヶ月目において測定した:総テストステロン、遊離テストステロン、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)、エストラジオール(E2)、アンドロステンジオン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、プロゲステロンおよびプロラクチン。月経周期の卵胞期において上昇後に、空腹状態の参加者から血液を採取した。血液採取は、ブリスベンのQML Pathology(QML)で行った。QMLは、適用ガイドラインに従って採取、輸送、分析および所見の報告に関与した。
体重、BMIおよび代謝パラメーターに対する影響
以下の代謝パラメーターを、ベースラインおよび2ヶ月目において測定した:全血球数(FBC)、(E/LFT)、血漿タンパク質アルブミンおよびグロブリン、コレステロール、トリグリセリドならびに血中グルコース。
3.関係ならびにストレス、疲労および関係の質との相関:
Perceived Stress Scale(PSS)を用いて、ベースラインおよび2ヶ月目におけるストレスを査定した。PSSは、ストレスの知覚を測定するために最も広範に使用されている心理学的手段である。これは、自身の生活の状況がどの程度ストレスフルかを鑑定する評価基準である。項目は、回答者が、自身の生活をどの程度予測不可能、コントール不可能および過重負担であると気づいているかを入力するように設計されている。この尺度はまた、経験ストレスの現在のレベルについての多くの単刀直入な質問を含む。Multi−dimensional Fatigue Symptom Inventory(MFSI)を用いて、ベースラインおよび2ヶ月目におけるストレスを査定した。MFSIは、疲労に関する総スコアを提供する。これには、疲労の別個の側面として、全般的、情緒的、肉体的、精神的および活力の個別のドメインも含まれていた。DRQは、参加者とそのパートナーとの関係の健全性を査定するのに用いた。これは、関係親密性の32項目評価基準である。このDRQ下位尺度は、関係の親密性の、信頼性が高い、確かな評価基準であることが、複数の国にわたって示されている。
4.安全性:
安全性および忍容性は、電解質/肝機能検査(E/LFT)、全血球数(FBC)、性ホルモンレベル、血中グルコースおよびコレステロールレベル、ならびに月経周期パターンおよびあらゆる有害事象についての参加者の報告によって決定した。
無作為化:
実薬治療またはプラセボへの参加者の無作為化は、治験責任医師とは独立して、Random Allocation Softwareを用いて行った。無作為化コードは、1〜80の番号の、等しい数(n=40)の2つのアームへの単純無作為化によって生じた連続番号であり、治験責任者に提供された製品は、80個の同一の連続番号付きボトルに入っていた。臨床スタッフと参加者の両方が製品の割り当てに対して盲検化された状態で、本研究への登録(ベースライン面接)時に臨床スタッフが番号付きボトルを参加者に割り当てた。
標本サイズおよび統計分析:
標本サイズ:DISF−SR(女性)の総ドメインスコアによって測定される平均性的機能の20%の増加に基づいて80%の統計的検出力(statistically power)を達成するためには、1群当たり最小数60名の参加者が必要である。主要エンドポイント、DISF−SR総スコア、個々のドメインスコアおよび他のQOLデータを、ウィルコクソン符号順位検定(Wilcoxin Signed rank test)を用いて有意性について分析した。病理結果およびFSFIデータを、T検定を用いて有意性について分析した。相関は、ピアソン相関係数を用いて分析した。
倫理委員会の承認および臨床試験の登録:
本研究は、ヘルシンキ宣言において述べられている原則に従って実施し、Queensland Clinical Trial Network Human Research Ethics Committee(QCTN)No:2011001によって承認された。臨床試験は、Australia/New Zealand Clinical Trial Registry(ANZCTR)No:12611001031954に登録された。
結果
1.参加者の人口動態:
研究群の人口動態を、下記の表1に要約する。実薬群とプラセボ群は、年齢に関してよく一致させ、実薬群34.9±7.6才、プラセボ群34.6±8.0才であった。同様に、両群の平均BMIも同様であり(実薬群24.8±5.0;プラセボ群24.7±6.0)、正常な健常体重範囲内と考えられた。生活様式に関しては、両群のほとんどの女性(実薬群90%;プラセボ群95%)が非喫煙者であった。両群の大多数(実薬65%、プラセボ80%)は、自身をつきあい程度の飲酒者と分類した。両群において、大多数の参加者は、定期的な運動への取り組みを報告した(82.5%)。3人までしか子どもを持たない(平均0.9人)女性を含むプラセボ群と比較して、実薬群は4人までの子どもを持つ(平均1.1人)女性を含んでいた。
本研究群において、71名の女性が、ベースラインで病理検査を完了した:実薬(n=38)およびプラセボ(n=34)。女性は全て、正常なRBC検査値(赤血球数(RCC)、ヘマトクリット、平均赤血球体積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン(MCH))、正常な空腹時コレステロールおよびトリグリセリドレベル、正常な空腹時血糖レベル、正常な肝機能および腎機能を有するという定義によって健常と考えられた。
性的健康状態:女性は全て、28〜34日の範囲の規則的な月経周期を有していた。女性は全て、1つの形態の避妊(経口避妊薬(OCP)((実薬(11/40);プラセボ(15/40))またはバリア法(実薬(29/40);プラセボ(25/40))を用いていた。月経痛スコアは、両群で同様であった。しかし、OCPを使用中の女性は、妊娠を予防するためにバリア法を使用している女性より少ない月経痛を感じた。月経周期ホルモン(LH、FSH、プロゲステロンおよびエストロゲン)は、全ての参加者に関して範囲内であり、健常な月経期女性の月経周期の卵胞期にあることを示していた。両群について、性ホルモンDHEA、アンドロステンジオン、テストステロン、エストラジオール、プロゲステロン、プロラクチンおよびSGBPのレベルの間に有意差はなく、健常基準範囲内であった。FSFIにおける性機能障害:ベースラインにおいて2群間に性機能の有意差は認められなかった。性機能は、DISF−SR質問表によって測定した。ベースラインにおける実薬群または偽薬(プラセボ)群の性機能スコア間に有意差は認められなかった(それぞれ、57.8および65.9)。
クオリティオブライフ:関係の質;参加者とそのパートナーとの関係の質を、DAS尺度を用いて査定した。女性は、この尺度において比較的高い得点を記録した(実薬104.4および偽薬(プラセボ)102.2)。これは、彼女らが、ゆるぎのない関係にあり、かつ少なくとも、性機能以外の関係の側面に満足していたことを示している。ストレスおよび疲労:ベースラインの結果は、ストレスに関して実薬群と偽薬(プラセボ)との間に有意な差が認められないことを示した。また、MFSIによって測定された疲労スコアは、実薬と偽薬(プラセボ)群の間で同等であった。
2.ベースラインの相関
性的欲望(リビドー)は年齢と負の相関関係にあったが、他の健康状態またはホルモンパラメーターとは相関しなかった。年齢は、体重/ボディマスインデックス(BMI)および子どもの人数と正に相関した。
3.女性の性機能におけるLibifemの効果
性的機能を、DISF−SRを用いて、治療前のベースライン、1ヶ月目(中間点)および2ヶ月目において測定した。(図2、3)。
総スコア:
ベースラインにおける実薬群(n=40)の総DISF−SRスコア中央値は、53.0(40.25、73.75)であった。1ヶ月後の総スコアは、73.0(47.0、92.0)であり、ベースラインより有意に増加しており、これは、2ヶ月目においても76.0(44.0、98.4)と依然として有意であった。ベースラインにおける偽薬(プラセボ)群(n=40)の総DISF−SRは、66.5(51.5、77.75)であり、これは1ヶ月目に67.0(53.5、81.34)まで、2ヶ月目に68.5(48.5、80.75)まで増加したが、この増加は統計的に有意でなかった。
ドメイン1−性的認知/空想
実薬群において、性的認知/空想のドメインスコアは、ベースラインの11.5(7.0、18.75)から1ヶ月目に15.0(10.25、20.75)まで著しく増加し、2ヶ月目には15.0(9.25、24.75)で依然として安定であった。偽薬(プラセボ)群は15(8.5、20.75)のベースライン値を記録したが、これは研究期間にわたって変化しないままであった(1ヶ月目の値15(10.0、23.75);2ヶ月目の値15(7.5、20.75)。
ドメイン2−性的興奮
実薬群において、ドメインスコアは、ベースラインの10.5(7.0、14.0)から1ヶ月目に14.5(9.25、19.0)まで著しく増加し、2ヶ月目には15.0(9.25、20.0)までわずかに増加した。偽薬(プラセボ)群は、13.0(9.2、16.75)のベースライン値を記録したが、これは1ヶ月目に13.5(9.0、17.38)までわずかに増加し、2ヶ月目には依然として一定であった(9.25、17.38)。
ドメイン3−性体験
実薬群において、ドメインスコアは、ベースラインの9.5(7.0、14.0)から1ヶ月目に14.0(10.25、19.0)まで著しく増加し、2ヶ月目には依然として14.0(8.25、19.00)であった。偽薬(プラセボ)群は12.5(8.2、15.0)のベースライン値を記録し、これは1ヶ月目に12.0(9.0、16.0)まで低下し、2ヶ月目には依然として12(7.25、16.75)であった。性行為の頻度は、DISF Q3.5「過去30日間の間にまたはこのインベントリーへの記入を行った最後の時から、あなたは性交、オーラルセックスなどをどのくらいの頻度で行いましたか?」を用いて査定した。実薬群の頻度は、1ヶ月当たり1〜2回から1週当たり平均1回まで増加した。偽薬(プラセボ)群における性行為の頻度は、2ヶ月目に1ヶ月当たり1〜2回で同じままであった。
ドメイン4−オルガスム
実薬群において、ドメインスコアはベースラインの11.5(7.0、14.75)から1ヶ月目に14.0(7.0、18.0)まで著しく増加し、2ヶ月目に13.0(7.0、19.0)までわずかに減少した。偽薬(プラセボ)群は、13.0(11.0、16.0)のベースライン値を記録し、これは1ヶ月目に14.0(11.25、18.0)まで増加し、次いで2ヶ月目に13.5(12.0、17.75)まで低下した。
ドメイン5性的衝動/関係
実薬群において、ドメインスコアはベースラインの12.0(8.25、14.5)から1ヶ月目に15.0(10.0、18.0)まで著しく増加し、2ヶ月目に13.5(10.0、17.75)まで減少した。偽薬(プラセボ)群は、11.0(9.25、14.75)のベースライン値を記録し、これは1ヶ月目に12.5(10.0、15.0)まで増加し、次いで2ヶ月目に12.0(10.0、16.0)にまで低下した。
FSFI
性的機能は、FSFIを用いて、治療前のベースラインおよび2ヶ月目において測定した。総スコアおよび興奮のドメインにおいて2ヶ月目に実薬治療群と偽薬(プラセボ)群との間に有意差が認められた。(図4a、bを参照)。
4.代謝および性ホルモンに対するLibifemの効果
2ヶ月間にわたる300mg 2回/日のLibifem投与の全身代謝に対する効果も測定した。平均体重は、試験期間にわたっていずれの群についても変化しなかった(実薬治療群(それぞれ69.5kgおよび69.4kg)、偽薬(プラセボ)群(ベースラインおよび8週において68.7kg))。実薬治療群または偽薬(プラセボ)群のいずれの赤血球パラメーター、肝機能検査およびトリグリセリドレベルも、治療前または治療後8週において変化が認められなかった。
ベースラインと2ヶ月目との間におけるホルモン変化の分析を、ベースラインおよび2ヶ月目の両方の病理検査を完了した参加者について行った(実薬n=32および偽薬(プラセボ)n=26)。ステロイド合成の連鎖を形成するホルモン、順に、コレステロール、DHEAおよびアンドロステンジオンは、ベースラインおよび2ヶ月目において同様であった。実薬治療群と偽薬(プラセボ)群の間で、2ヶ月目に有意な群間差が認められなかった。まとめると、ベースラインにおいて、偽薬(プラセボ)群の性ホルモン(LH、FSH、ES)は、実薬治療群と比較して高いレベルであった(依然として基準範囲内であったが、有意差はなかった)。ベースラインの結果と2ヶ月目の結果との間で、いずれの群においてもLHまたはFSHレベルに関して有意差は認められなかった。しかし、エストラジオールは、実薬群で202.9から327.2pmol/lまで増加し、2ヶ月目に、実薬治療群と偽薬(プラセボ)群との間に有意な群間差が認められた(p<0.05)。(図5を参照)。実薬治療群において遊離テストステロンのレベルは増加し、SHBGは減少し、偽薬(プラセボ)群においては逆の効果が観察された(図6)。
5.クオリティオブライフに対するLibifemの効果
ベースラインおよび2ヶ月目では、実薬治療群と偽薬(プラセボ)群との間において関係の質に差は認められなかった。両群とも、ベースラインにおいて高い得点を記録した。これは、性機能が低いにもかかわらず女性が安定しかつゆるぎない関係にあったことを立証している。しかし、両群において、2ヶ月目には関係の質にさらなる増加が観察された。
6.有害反応
2ヶ月にわたるLibifem使用の結果として大きな有害反応は報告されなかった。しかし、治療1ヶ月以内に片頭痛の増悪の報告があった(実薬群の2人の女性において)。また、実薬群の参加者2名における消化器不調、すなわち、消化不良/逆流の報告が2例あった。
結論
本研究から得ることができる意義は多い。これは、コロハ種子エキスが健常女性における性的機能の補助を含むホルモンバランスへの使用に安全かつ有効な植物薬であるというさらなる情報を、相次ぐ証拠に加えた。これは、その作用機序が女性におけるエストラジオールバランスの制御に起因するというさらなる証拠を提供する。要約すると、Libifemは、月経周期の持続期間を変えずに、OCPを使用している者を含む健常な月経期女性の性機能を補助するのに安全かつ有効な治療薬である。その効果をもたらす機序は、テストステロン/エストラジオール比の影響を含む可能性がある。
したがって、以下の特許請求の範囲は、で具体的に例示および説明したもの、概念的に均等であるもの、明らかに置換され得るもの、ならびにまた、本発明の必須の概念を本質的に組み込むものを含むものと理解すべきである。当業者ならば、今記載した好ましい実施形態の種々の適合形態および変更形態を、本発明の範囲から逸脱することなく構成できることが分かるであろう。例示した実施形態は、例証のみを目的として示したのであり、本発明を限定するものとみなすべきではない。したがって、添付した特許請求の範囲の範囲内において、本発明を、本明細書中に具体的に記載した以外の方法で実施できることを理解すべきである。

Claims (17)

  1. 雌の性的欲望(リビドー)を強化するための組成物であって、有効量のフェヌグリーク種子エキスを含み、フェヌグリーク種子エキスがフェヌグリーク種子の33:1の乾燥濃縮製剤である場合、前記組成物は、1日当たり約300から約1000mgの有効量のフェヌグリーク種子エキスが、前記雌に投与され、前記フェヌグリーク種子エキスは、フェヌグリーク種子の乾燥濃縮製剤であることを特徴とする組成物。
  2. 前記雌の性的欲望(リビドー)を強化する前記組成物は、雌の性的欲望(リビドー)の増加を示す行動特性を変更することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記雌の性的欲望(リビドー)の増加を示す前記行動特性は、性的空想の増加、興奮の増加、性衝動の増加、パートナー関係の強化および性行為に対する欲求の増加からなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
  4. 前記雌の性的欲望(リビドー)を強化する前記組成物は、雌の性的欲望(リビドー)の増加を示す生物学的応答を変更することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 前記雌の性的欲望(リビドー)の増加を示す前記生物学的応答は、オルガスムに達する能力の増加、性交疼痛の減少および膣の潤滑または拡張の増加からなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
  6. 前記雌の性的欲望(リビドー)の増加を示す前記生物学的応答は、性ステロイドまたはホルモンのレベルの変化であることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
  7. 前記性ステロイドまたはホルモンは、総テストステロン、遊離テストステロン、性ホルモン結合グロブリン、総エストラジオール、遊離エストラジオール(E2)、アンドロステンジオン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、硫酸デヒドロエピアンドロステロン(DHEAS)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および黄体形成ホルモン(LH)からなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
  8. 前記有効量は、2つの等しい用量で投与されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  9. 前記フェヌグリーク種子エキスの前記有効量は、1日当たり約600mgであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  10. 前記有効量は、2つの等しい用量で投与されることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
  11. 前記フェヌグリーク種子エキスは、食事の約1時間前に投与されることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
  12. 前記フェヌグリーク種子エキスの1つの用量は朝食の約1時間前に投与され、第2の用量は夕食の約1時間前に投与されることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
  13. 前記雌はヒトであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  14. 前記フェヌグリークは、経口剤形で投与されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  15. 前記雌の性的欲望(リビドー)の強化は、1または複数のDISFドメインスコアの統計的に有意な増加によって証明されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  16. 前記雌の性的欲望(リビドー)の強化は、1または複数のFSFIドメインスコアまたは総FSFIスコアの統計的に有意な増加によって証明されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  17. 前記フェヌグリーク種子エキスは、少なくとも4週間または少なくとも8週間にわたって、前記雌に投与されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
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