JP6564682B2 - 対象物検出装置、対象物検出方法、及び、対象物検出プログラム - Google Patents

対象物検出装置、対象物検出方法、及び、対象物検出プログラム Download PDF

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Description

本発明は、車両に搭載され、自車両の周辺に存在する対象物を検出するための対象物検出装置、対象物検出方法、及び、対象物検出プログラムに関する。
近年、車両走行時における安全性を向上させるべく、自車両の周辺に存在する車両や人等の対象物をカメラなどにより撮影し、その撮影画像から対象物を検出して、運転者に知らせることが行われている。例えば、特許文献1には、ルームミラーやサイドミラーから死角となる位置を走行している並走車両が存在する場合に、運転者が並走車両の走行している車線への車線変更を試みても、車線変更を行わせないように警告する車線変更支援装置が記載されている。具体的には、例えば、自車両と並走するレーンを撮影した映像についてオプティカルフローを計算し、その計算に用いた2枚のフレーム間の移動量について投票したヒストグラムを作成する。この時、並走車両がいるときには、ヒストグラム中に鋭いピークが現れるので、精度よく並走車両の有無を検知することができるというものである。
特開2007−182201号公報
しかしながら、特許文献1に記載の手法は、自車両と並走車両との間に相対速度がある場合に検出可能なものであり、自車両と並走車両とが相対速度≒0のまま並走している場合には、ヒストグラム上にピークが現れず、検出することができないという問題があった。並走車両は、自車両と速度差なく並走している時には問題がないが、自車両の速度が減速等により変化した瞬間に検出対象に変化する。例えば、自車両が左折のために減速した場合、その瞬間に、並走車両は相対速度を持つことになる。そのため、自車両が減速した瞬間に、アルゴリズム上は並走車両についてオプティカルフローの計算をすることができるが、減速をしてから警告をしていたのでは対応が間に合わず、並走車両を巻きこんでしまう恐れがある。
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、自車両を追い越していく対象物や自車両と同程度の速度で走行する対象物を検出可能とし、安全性をより向上させることができる対象物検出装置、対象物検出方法、及び、対象物検出プログラムを提供することを目的とする。
本発明の対象物検出装置は、自車両周辺の対象物を検出するものであって、自車両周辺の画像を撮像する撮像手段と、撮像手段により時系列的に撮像された画像において、そのうちの任意の基準画像の基準点について、基準画像よりも後の検出画像における実際の実移動点を探す移動位置探査手段と、基準画像における基準点が、停止している対象物であるとした場合に、基準点の検出画像における理想的な理想移動点を算出する理想位置算出手段と、基準点から理想移動点への移動方向と、基準点から実移動点への移動方向との角度差を算出する角度差算出手段と、基準点から実移動点への移動速度を算出する移動速度算出手段と、角度差算出手段により求めた角度差と、移動速度算出手段により求めた移動速度とについて、度数分布を求める度数分布手段と、度数分布手段により求めた度数分布に基づき、自車両に対して並走するか又は追い越すように近づく対象物を検出する検出手段とを備えたものである。
本発明の対象物検出方法は、自車両周辺の対象物を検出するものであって、 自車両周辺の画像を撮像する撮像ステップと、撮像ステップにより時系列的に撮像された画像において、そのうちの任意の基準画像の基準点について、基準画像よりも後の検出画像における実際の実移動点を探す移動位置探査ステップと、基準画像における基準点が、停止している対象物であるとした場合に、基準点の検出画像における理想的な理想移動点を算出する理想位置算出ステップと、基準点から理想移動点への移動方向と、基準点から実移動点への移動方向との角度差を算出する角度差算出ステップと、基準点から実移動点への移動速度を算出する移動速度算出ステップと、角度算出ステップにより求めた角度差と、移動速度算出ステップにより求めた移動速度とについて、度数分布を求める度数分布ステップと、度数分布ステップにより求めた度数分布に基づき、自車両に対して並走するか又は追い越すように近づく対象物を検出する検出ステップとを含むものである。
本発明の対象物検出プログラムは、自車両周辺の対象物を検出するものであって、時系列的に撮像された画像のうちの任意の基準画像の基準点について、基準画像よりも後の検出画像における実際の実移動点を探す移動位置探査手段と、基準画像における基準点が、停止している対象物であるとした場合に、基準点の検出画像における理想的な理想移動点を算出する理想位置算出手段と、基準点から理想移動点への移動方向と、基準点から実移動点への移動方向との角度差を算出する角度差算出手段と、基準点から実移動点への移動速度を算出する移動速度算出手段と、角度差算出手段により求めた角度差と、移動速度算出手段により求めた移動速度とについて、度数分布を求める度数分布手段と、度数分布手段により求めた度数分布に基づき、自車両に対して並走するか又は追い越すように近づく対象物を検出する検出手段と、としてコンピュータを機能させるものである。
本発明によれば、基準点から理想移動点への移動方向と、基準点から実移動点への移動方向との角度差を算出すると共に、基準点から実移動点への移動速度を算出し、それらについて度数分布を求めるようにしたので、例えば、自車両と速度差なく並走する対象物がある場合には、角度差の絶対値が小さく、移動速度が小さい階級に大きな度数が現れ、自車両を追い越すように近づく対象物がある場合には、角度差の絶対値が大きい階級に大きな度数が現れる。よって、度数分布に基づいて、自車両に対して並走するか又は追い越すように近づく対象物を検出することができる。従って、死角に入り込んだまま、自車両とほぼ同速度で並走する対象物を見つけ出すことができ、安全性をより向上させることができる。また、相対速度を持ってから検出し、警告すると間に合わない可能性のある場所を並走する対象物を見つけることにより、アルゴリズムのロパスト性を向上させることができる。
本発明の一実施の形態に係る対象物検出装置の概略構成を表すブロック図である。 基準画像の基準点及び基準点の検出画像におけるオプティカルフローを説明する図である。 基準画像の基準点及び基準点の理想ベクトルを説明する図である。 角度差と移動速度とに関する3次元ヒストグラムを表す特性図である。 角度差と移動速度とに関する3次元ヒストグラムを表す他の特性図である。 図1に示した対象物検出装置により自車両周辺の対象物を検出するステップを表す流れ図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る対象物検出装置1の概略構成を表すものである。この対象物検出装置1は、自車両周辺の対象物を検出するものであり、例えば、自車両に対して並走又は追い越すように近づく対象物を検出して、自車両の右左折時や車線変更時にその対象物と衝突しないようにするためのものである。
対象物検出装置1は、例えば、自車両に搭載して用いられ、自車両周辺の画像を撮像する撮像手段10と、メモリ21及びCPU22などを有する処理部20と、警告を発する警告手段30とを備えている。撮像手段10は、例えば、CCDカメラ、CMOSカメラ、ITVカメラなどのカメラにより構成される。撮像手段10は、本実施の形態では、例えば、自車両のサイドミラーに視野を後方に向けて取り付けられている。なお、撮像手段10は、自車両の側方或いはルーフから後方を撮像できる位置であれば何れの位置に取り付けられていてもよい。撮像手段10は、例えば、A/D変換器11を介して処理部20と接続されており、撮像手段10により時系列に撮像された複数フレームの画像のデータは、時系列的に連続してA/D変換器11によりディジタル信号に変換され、処理部20に送られるようになっている。
処理部20のメモリ21には、例えば、対象物検出プログラム21Aが格納されている。CPU22は、例えば、メモリ21に格納された対象物検出プログラム21Aの指令を受け、移動位置探査手段22Aと、理想位置算出手段22Bと、角度差算出手段22Cと、移動速度算出手段22Dと、度数分布手段22Eと、検出手段22Fとして機能するようになっており、撮像手段10により撮像された画像のデータを受信すると、対象物検出プログラム21Aの指令に従って画像処理を行い、対象物を検出するように設定されている。
移動位置探査手段22Aは、例えば、撮像手段10により時系列的に撮像された画像において、そのうちの任意の基準画像における基準点が、基準画像よりも後の検出画像において、実際に移動した実移動点を探すものである。具体的には、例えば、基準画像の基準点が検出画像においてどこに移動したかを示すオプティカルフローを算出するものである。なお、検出画像は、基準画像の次フレームの画像とすることが好ましい。移動位置探査手段22Aは、撮像手段10により撮像された1つの画像を基準画像として、その基準点についてオプティカルフローを算出したのち、その次フレームの画像を次は基準画像として、その基準点についてオプティカルフローを算出するように、順次、基準画像を次フレームの画像に変えながら、基準点のオプティカルフローを算出することが好ましい。
理想位置算出手段22Bは、例えば、基準画像における基準点が、停止している対象物であるとした場合に、基準点の検出画像における理想的な理想移動点を算出するものである。具体的には、例えば、基準画像の基準点が消失点へ向かう理想的な理想ベクトルを算出するものである。この理想ベクトルは、消失点から算出することができ、消失点はオプティカルフローから推定するか、又は、画角、撮像手段10の位置、撮像手段10の動く速度等の初期情報から算出することができる。なお、図2及び図3に基準画像の例を示す。図2は、並走する対象物が存在する場合であり、基準点及び基準点の検出画像におけるオプティカルフローを示している。図3は、基準点及び基準点の理想ベクトルを示している。
角度差算出手段22Cは、例えば、基準点から理想位置算出手段22Bにより求めた理想移動点への移動方向と、基準点から移動位置探査手段22Aにより求めた実移動点への移動方向との角度差Δθを算出するものである。具体的には、例えば、理想位置算出手段22Bにより求めた理想ベクトルの角度と、移動位置探査手段22Aにより求めたオプティカルフローの角度との角度差Δθを算出するものである。例えば、図2に示したように、基準画像に対象物が存在する場合に、対象物が自車両と同一方向にほぼ同一の速度で並走している時には、オプティカルフローは理想ベクトルとほぼ同一方向に小さくでるか、又は、まったくでないので、理想ベクトルの角度とオプティカルフローの角度との角度差Δθはゼロ又はゼロに近くなる。対象物が自車両を追い越すように近づいて来る時には、オプティカルフローは理想ベクトルと反対方向にでるので、理想ベクトルの角度とオプティカルフローの角度との角度差Δθは絶対値で180度に近くなる。
移動速度算出手段22Dは、例えば、基準点から移動位置探査手段22Aにより求めた実移動点への移動速度k、すなわち基準点の自車両に対する相対速度を算出するものである。基準点の実移動点への移動速度kが大きいということは基準点の実移動点への移動量が大きいということであるので、基準点のオプティカルフローは長くなる。よって、基準点の実移動点への移動速度kは、例えば、速度の理想ベクトルを事前に算出しておき、その理想ベクトルと比較することにより求めるようにしてもよい。なお、例えば、図2に示したように、基準画像に対象物が存在する場合に、対象物が自車両と同一方向にほぼ同一の速度で並走している時には、基準点の実移動点への移動速度kは小さくなる。
度数分布手段22Eは、例えば、角度差算出手段22Cにより求めた角度差Δθと、移動速度算出手段22Dにより求めた移動速度kとについて、基準点の度数分布を求めるものである。具体的には、例えば、角度差算出手段22Cにより求めた角度差Δθと、移動速度算出手段22Dにより求めた移動速度kとについて、3次元のヒストグラムを作成することが好ましい。
図4及び図5は、作成したヒストグラムの一例を表すものである。図4は、自車両と同一方向にほぼ同一の速度で並走する対象物が存在する場合であり、図5は、自車両を追い越すように近づく対象物が存在する場合である。図4に示したように、自車両と同一方向にほぼ同一の速度で並走する対象物が存在する場合には、例えば、角度差Δθが絶対値で150度よりも小さく、移動速度kが路面の速度よりも小さい範囲に、所定以上の度数を有する階級が現れる。また、図5に示したように、自車両を追い越すように近づく対象物が存在する場合には、例えば、角度差Δθが絶対値で150度以上の範囲に、所定以上の度数を有する階級が現れる。なお、図4において、角度差Δθが0度付近、移動速度kが25km/hから50km/hに大きな度数が表れているのは路面であり、図5において、角度差Δθが0度付近、移動速度kが20km/hから40km/hに大きな度数が表れているのは路面である。
検出手段22Fは、例えば、度数分布手段22Eにより求めた度数分布に基づき、自車両に対して並走するか又は追い越すように近づく対象物を検出するものである。例えば、度数分布手段22Eにより求めた度数分布に所定以上の度数を有する階級がある場合に、その階級に応じ、自車両に対して並走するか又は追い越すように近づく対象物が存在することを検出することが好ましい。
具体的には、例えば、度数分布において、角度差Δθが絶対値で所定の角度差設定値よりも小さく、移動速度kが路面の速度よりも小さく、移動速度kと路面の速度との差が所定の速度差設定値以上の範囲に、所定以上の度数を有する階級がある場合に、自車両に対して並走する対象物が存在すると判断することが好ましい。また、例えば、度数分布において、角度差Δθが絶対値で所定の角度差設定値以上であり、移動速度kと路面の速度との差が所定の速度差設定値以上の範囲に、所定以上の度数を有する階級がある場合に、自車両に対して追い越すように近づく対象物が存在すると判断することが好ましい。
ここで、角度差設定値は、例えば、130度以上170度以下の範囲内で設定することが好ましい。対象物が自車両と同一方向にほぼ同一の速度で並走している時には、角度差Δθはゼロに近くなり、対象物が自車両を追い越すように近づいて来る時には、角度差Δθは絶対値で180度に近くなるので、上述した範囲内で角度差設定値を設定して判断するようにすれば、良好な判断をすることができるからである。また、速度差設定値は、例えば、5km/h以上20km/h以下の範囲内で設定することが好ましい。移動速度kと路面の速度との差が小さい場合には、自車両の速度が遅いので危険性が低いからである。なお、移動速度kが路面の速度よりも小さい場合に並走する対象物が存在するとしているが、移動速度が路面の速度の2/3よりも小さい場合とすればより好ましい。
検出手段22Fは、また、例えば、自車両に対して並走する又は追い越すように近づく対象物を検出した場合には、警告手段30に警告を発するように指示するようになっている。警告手段30は、例えば、検出手段22Fから指示が入力されると、「並走対象物がいます」又は「追い越し対象物がいます」などの表示をし、運転者に並走対象物又は追い越し対象物の存在を知らせるようになっていることが好ましい。
この対象物検出装置1は次のようにして用いられる。まず、事前準備として、対象物検出装置1を自車両に搭載し、撮像手段10により側方から後方が撮像されるように位置を調整する。例えば、図2及び図3に示したように、撮像手段10により撮像された画像において、上下方向の中央部付近に、空と路面との境界部分が位置するようにすることが好ましい。
次いで、次のようにして、自車両周辺の対象物、具体的には、自車両に対して並走する又は追い越すように近づく対象物を検出する。図6は、対象物検出装置1により自車両周辺の対象物を検出するステップを表すものである。まず、処理部20の理想位置算出手段22Bにより、事前にわかる情報、撮像手段10の位置や設定パラメータ等に基づき、基準画像における基準点が、停止している対象物であるとした場合に、基準点の検出画像における理想的な理想移動点を算出する。具体的には、例えば、図3に示したように、基準画像の基準点が消失点へ向かう理想的な理想ベクトルを算出する(ステップ101)。
次いで、撮像手段10により自車両周辺の画像を撮像し、その画像データをA/D変換器11によりディジタル信号に変換して、処理部20に送る(ステップS102)。続いて、処理部20の移動位置探査手段22Aにより、撮像手段10により時系列的に撮像された画像において、そのうちの任意の基準画像における基準点が、基準画像よりも後の検出画像(例えば、基準画像の次フレームの画像)において、実際に移動した実移動点を探す。具体的には、例えば、図2に示したように、基準画像の基準点が検出画像においてどこに移動したかを示すオプティカルフローを算出する(ステップS103)。
次に、処理部20の角度差算出手段22Cにより、基準点から理想位置算出手段22Bにより求めた理想移動点への移動方向と、基準点から移動位置探査手段22Aにより求めた実移動点への移動方向との角度差Δθを算出する。具体的には、例えば、理想位置算出手段22Bにより求めた理想ベクトルの角度と、移動位置探査手段22Aにより求めたオプティカルフローの角度との角度差Δθを算出する(ステップS104)。また、処理部20の移動速度算出手段22Dにより、基準点から移動位置探査手段22Aにより求めた実移動点への移動速度k、すなわち基準点の自車両に対する相対速度を算出する(ステップS105)。
そののち、処理部20の度数分布手段22Eにより、角度差算出手段22Cにより求めた角度差Δθと、移動速度算出手段22Dにより求めた移動速度kとについて、基準点の度数分布を求める。具体的には、例えば、角度差算出手段22Cにより求めた角度差Δθと、移動速度算出手段22Dにより求めた移動速度kとについて、3次元のヒストグラムを作成する(ステップS106)。これにより、自車両と同一方向にほぼ同一の速度で並走する対象物が存在する場合には、例えば、図4に示したように、角度差Δθが絶対値で所定の角度差設定値よりも小さく、移動速度kが路面の速度よりも小さい範囲に、所定以上の度数を有する階級が現れる。また、自車両を追い越すように近づく対象物が存在する場合には、例えば、図5に示したように、角度差Δθが絶対値で所定の角度差設定値以上の範囲に、所定以上の度数を有する階級が現れる。
次いで、処理部20の検出手段22Fにより、度数分布手段22Eにより求めた度数分布に基づき、自車両に対して並走するか又は追い越すように近づく対象物を検出する(ステップS107)。具体的には、例えば、度数分布において、角度差Δθが絶対値で130度以上170度以下の所定の角度差設定値よりも小さく、移動速度kが路面の速度よりも小さく、移動速度kと路面の速度との差が5km/h以上20km/h以下の所定の速度差設定値以上の範囲に、所定以上の度数を有する階級がある場合には、自車両に対して並走する対象物が存在すると判断する。また、例えば、度数分布において、角度差Δθが絶対値で130度以上170度以下の所定の角度差設定値以上であり、移動速度kと路面の速度との差が5km/h以上20km/h以下の所定の速度差設定値以上の範囲に、所定以上の度数を有する階級がある場合には、自車両に対して追い越すように近づく対象物が存在すると判断する。
続いて、検出手段22Fにより自車両に対する並走する又は追い越すように近づく対象物があると判断すると(ステップS108;Y)、警告手段30に警告を発するように指示をする(ステップS109)。警告手段30は、検出手段22Fから指示が入力されると、例えば、警告を表示し、運転者に並走対象物又は追い越し対象物の存在を知らせる(ステップS110)。これにより、例えば、自車両の後方20m程度までの検出範囲に、自車両に対して並走する又は追い越すように近づく対象物が存在するか否かを知らせることができる。
このように本実施の形態によれば、基準点から理想移動点への移動方向と、基準点から実移動点への移動方向との角度差Δθを算出すると共に、基準点から実移動点への移動速度kを算出し、それらについて度数分布を求めるようにしたので、例えば、自車両と速度差なく並走する対象物がある場合には、角度差Δθの絶対値が小さく、移動速度kが小さい階級に大きな度数が現れ、自車両を追い越すように近づく対象物がある場合には、角度差Δθの絶対値が大きい階級に大きな度数が現れる。よって、度数分布に基づいて、自車両に対して並走するか又は追い越すように近づく対象物を検出することができる。従って、死角に入り込んだまま、自車両とほぼ同速度で並走する対象物を見つけ出すことができ、安全性をより向上させることができる。また、相対速度を持ってから検出し、警告すると間に合わない可能性のある場所を並走する対象物を見つけることにより、アルゴリズムのロパスト性を向上させることができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、各構成要素について具体的に説明したが、全ての構成要素を備えていなくてもよく、他の構成要素を備えていてもよい。
1…対象物検出装置、10…撮像手段、11…A/D変換器、20…処理部、21…メモリ、21A…対象物検出プログラム、22…CPU、22A…移動位置探査手段、22B…理想位置算出手段、22C…角度差算出手段、22D…移動速度算出手段、22E…度数分布手段、22F…検出手段、30…警告手段

Claims (6)

  1. 自車両周辺の対象物を検出する対象物検出装置であって、
    自車両周辺の画像を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により時系列的に撮像された画像において、そのうちの任意の基準画像の基準点について、前記基準画像よりも後の検出画像における実際の実移動点を探す移動位置探査手段と、
    前記基準画像における前記基準点が、停止している対象物であるとした場合に、前記基準点の前記検出画像における理想的な理想移動点を算出する理想位置算出手段と、
    前記基準点から前記理想移動点への移動方向と、前記基準点から前記実移動点への移動方向との角度差を算出する角度差算出手段と、
    前記基準点から前記実移動点への移動速度を算出する移動速度算出手段と、
    前記角度差算出手段により求めた角度差と、前記移動速度算出手段により求めた移動速度とについて、度数分布を求める度数分布手段と、
    前記度数分布手段により求めた度数分布に基づき、自車両に対して並走するか又は追い越すように近づく対象物を検出する検出手段と
    を備えたことを特徴とする対象物検出装置。
  2. 前記検出手段は、前記度数分布手段により求めた度数分布に所定以上の度数を有する階級がある場合に、その階級に応じ、自車両に対して並走するか又は追い越すように近づく対象物が存在することを検出することを特徴とする請求項1記載の対象物検出装置。
  3. 前記検出手段は、前記度数分布手段により求めた度数分布において、前記角度差が絶対値で所定の角度差設定値よりも小さく、前記移動速度が路面の速度よりも小さく、前記移動速度と路面の速度との差が所定の速度差設定値以上の範囲に、所定以上の度数を有する階級がある場合に、自車両に対して並走する対象物が存在することを検出することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の対象物検出装置。
  4. 前記検出手段は、前記度数分布手段により求めた度数分布において、前記角度差が絶対値で所定の角度差設定値以上であり、前記移動速度と路面の速度との差が所定の速度差設定値の範囲に、所定以上の度数を有する階級がある場合に、自車両に対して追い越すように近づく対象物が存在することを検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の対象物検出装置。
  5. 自車両周辺の対象物を検出する対象物検出方法であって、
    自車両周辺の画像を撮像する撮像ステップと、
    前記撮像ステップにより時系列的に撮像された画像において、そのうちの任意の基準画像の基準点について、前記基準画像よりも後の検出画像における実際の実移動点を探す移動位置探査ステップと、
    前記基準画像における前記基準点が、停止している対象物であるとした場合に、前記基準点の前記検出画像における理想的な理想移動点を算出する理想位置算出ステップと、
    前記基準点から前記理想移動点への移動方向と、前記基準点から前記実移動点への移動方向との角度差を算出する角度差算出ステップと、
    前記基準点から前記実移動点への移動速度を算出する移動速度算出ステップと、
    前記角度差算出ステップにより求めた角度差と、前記移動速度算出ステップにより求めた移動速度とについて、度数分布を求める度数分布ステップと、
    前記度数分布ステップにより求めた度数分布に基づき、自車両に対して並走するか又は追い越すように近づく対象物を検出する検出ステップと
    を含むことを特徴とする対象物検出方法。
  6. 自車両周辺の対象物を検出する対象物検出プログラムであって、
    時系列的に撮像された画像のうちの任意の基準画像の基準点について、前記基準画像よりも後の検出画像における実際の実移動点を探す移動位置探査手段と、
    前記基準画像における前記基準点が、停止している対象物であるとした場合に、前記基準点の前記検出画像における理想的な理想移動点を算出する理想位置算出手段と、
    前記基準点から前記理想移動点への移動方向と、前記基準点から前記実移動点への移動方向との角度差を算出する角度差算出手段と、
    前記基準点から前記実移動点への移動速度を算出する移動速度算出手段と、
    前記角度差算出手段により求めた角度差と、前記移動速度算出手段により求めた移動速度とについて、度数分布を求める度数分布手段と、
    前記度数分布手段により求めた度数分布に基づき、自車両に対して並走するか又は追い越すように近づく対象物を検出する検出手段と、
    としてコンピュータを機能させることを特徴とする対象物検出プログラム。
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