JP6562202B2 - 携帯可能情報処理装置 - Google Patents

携帯可能情報処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6562202B2
JP6562202B2 JP2015124593A JP2015124593A JP6562202B2 JP 6562202 B2 JP6562202 B2 JP 6562202B2 JP 2015124593 A JP2015124593 A JP 2015124593A JP 2015124593 A JP2015124593 A JP 2015124593A JP 6562202 B2 JP6562202 B2 JP 6562202B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
state
mode
lock
condition
information processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015124593A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017011474A (ja
Inventor
矢野 義博
義博 矢野
茂男 蜂木
茂男 蜂木
達朗 飯田
達朗 飯田
半田 富己男
富己男 半田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2015124593A priority Critical patent/JP6562202B2/ja
Publication of JP2017011474A publication Critical patent/JP2017011474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6562202B2 publication Critical patent/JP6562202B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Telephone Function (AREA)

Description

本発明は、携帯可能情報処理装置に関し、特に、他人による不正利用を防止するためのロック機能付きの携帯可能情報処理装置に関する。
近年におけるスマートフォンをはじめとする携帯電話機、タブレット型電子端末、携帯型パソコンなどの携帯可能情報処理装置の普及はめざましく、社会における情報処理端末として、今後も益々重要な役割を担ってゆくものと期待されている。その半面、紛失や盗難などによって重大な被害が発生することも懸念されている。たとえば、紛失した携帯電話機が第三者によって勝手に利用されると、通話料分の損害が発生することになる。また、最近は、これらの装置から情報漏洩が発生する危険性も指摘されており、特に、個人情報の漏洩が大きな社会問題化する今日では、万全な対策が求められるようになってきている。
このような問題に対処するため、多くの携帯可能情報処理装置にはロック機能が用意されており、紛失や盗難などの事故が起こったときには、このロック機能を利用して装置をロック状態とし、第三者による不正アクセスを防止する措置を採ることができるような工夫が施されている。たとえば、多くの携帯可能情報処理装置では、所定時間以上にわたって何ら入力操作が行われなかった場合には、自動的にロック状態へと移行し、以後、特定のパスワードを入力するなどのロック解除操作を行わないと、装置の通常使用ができないようにするロック機能が採用されている。
また、このようなロック機能を更に便利にするための工夫もいろいろ提案されている。たとえば、下記の特許文献1には、利用者が携帯電話機の紛失に気付いたときには、別な通信装置からの遠隔ロック操作によって紛失した装置をロック状態にする技術が開示されている。また、特許文献2には、折り畳み型携帯電話機において、筐体を開いた状態にした後、所定の設定時間が経過すると、自動的にロック状態に移行させる技術が開示されている。
一方、特許文献3には、GPSで自己の位置を認識し、予め設定しておいた所定の行動範囲外であれば自動的にロック状態に移行し、ここでロック解除操作が行われたら、現在位置を中心とする所定範囲を行動範囲として新たに追加する処理が開示されている。また、特許文献4には、GPSで自己の位置を認識し、安全エリア内であれば簡易操作によりロック解除を行えるようにして操作性を向上させつつ、安全エリア外であれば、使用者認証操作によりロック解除する方式を採ることにより、安全性も維持できる技術が開示されている。
特開平06−125305号公報 特開2004−343677号公報 特開2013−005162号公報 特開2008−227758号公報
上述したとおり、多くの携帯可能情報処理装置には、紛失や盗難などに備えたロック機能が用意されている。しかしながら、従来のロック機能には、十分な不正防止対策を講じることができなかったり、操作性が損なわれたりするという問題がある。
たとえば、前掲の特許文献1に開示されているように、遠隔ロック操作によって装置をロック状態にできる機能が備わっていたとしても、所有者本人が紛失したことに気付いて遠隔ロック操作を行うまでは、不正利用の対象とされてしまう。また、紛失した装置を拾得した悪意の第三者が、SIMカードなどの通信用媒体を抜き取ってしまったり、電波の届かない部屋に持ち込んだりすると、遠隔ロック操作を行うことができなくなってしまう。
一方、前掲の特許文献2,3に開示されているように、ある条件に基づいて装置を自動的にロック状態に移行する自動ロック機能を組み込んでおけば、遠隔ロック操作などを行わずに、装置をロック状態にすることができる。しかしながら、このような自動ロック機能を組み込んだ場合、ロック状態への移行条件が適切でないと、頻繁にロック解除操作が必要になり、操作性が損なわれる結果となる。
このようなロック解除操作の煩雑さを改善するための方法として、特許文献4には、安全エリア内であれば簡易操作によりロック解除が行えるようにする技術が開示されている。しかしながら、この技術では、予め安全エリアを設定する作業が必要になり、しかも、安全エリアの内か外かという単純なルールによってロック解除操作の内容が切り換えられるため、必ずしも良好な操作性が得られるわけではない。すなわち、利用者は、ひとたび安全エリア外に出てしまうと、簡易操作によるロック解除を行うことはできない。
そこで本発明は、良好な操作性を確保しつつ、紛失や盗難に遭遇した場合には、十分な不正防止機能を果たすことが可能な携帯可能情報処理装置を提供することを目的とし、また、そのような機能を果たすことが可能な携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法を提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、
オペレータの操作入力を受け付ける操作入力部と、
所定のプログラムを格納したプログラム格納部と、
上記操作入力に応じて、もしくは、実行中のプログラムの要求に応じて、プログラム格納部に格納されているプログラムを実行するプログラム実行部と、
プログラムの実行結果をオペレータに提示するディスプレイと、
を備える携帯可能情報処理装置において、
プログラム実行部が、
現時点の状態が、ロック状態であるのかアンロック状態であるのかを示すロックフラグを保持するロックフラグ保持部と、
アンロック状態からロック状態に移行するためのロック開始条件を設定するロック開始条件設定部と、
ロック状態からアンロック状態に移行するためのロック解除条件を設定するロック解除条件設定部と、
ロック開始条件およびロック解除条件を参照して、各条件が満たされたときにロックフラグ保持部に保持されているロックフラグを切り換えるロック状態切換部と、
現時点のモードが、第1のモードであるのか第2のモードであるのかを示すモードフラグを保持するモードフラグ保持部と、
所定の判定条件に基づいて、携帯可能情報処理装置が放置状態か否かを判定する放置状態判定部と、
放置状態判定部の判定結果に応じて、モードフラグ保持部に保持されているモードフラグを切り換えるモード切換部と、
を有するロック制御モジュールを備え、
プログラム実行部は、ロックフラグがアンロック状態であることを示しているときには、プログラム格納部に格納されている任意のプログラムを実行し、ロックフラグがロック状態であることを示しているときには、プログラム格納部に格納されているプログラムのうち、一部の例外プログラムのみを実行し、
ロック解除条件設定部には、第1のロック解除条件と第2のロック解除条件とが設定されており、
ロック状態切換部は、
ロックフラグがアンロック状態であることを示しているときには、ロック開始条件が満たされることを条件としてロックフラグをアンロック状態からロック状態に切り換えるロック開始処理を行い、
ロックフラグがロック状態であることを示しており、かつ、モードフラグが第1のモードを示しているときには、第1のロック解除条件が満たされることを条件としてロックフラグをロック状態からアンロック状態に切り換える第1のロック解除処理を行い、
ロックフラグがロック状態であることを示しており、かつ、モードフラグが第2のモードを示しているときには、第2のロック解除条件が満たされることを条件としてロックフラグをロック状態からアンロック状態に切り換える第2のロック解除処理を行うようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
モード切換部が、放置状態判定部によって放置状態との判定が行われたときに、モードフラグが第1のモードを示している場合には第2のモードに切り換え、モードフラグが第2のモードを示している場合にはそのまま第2のモードを維持させる処理を行うようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述した第1の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
ロック制御モジュールに、モード切換用加重条件を設定するモード切換用加重条件設定部を更に設け、
モード切換部が、放置状態判定部によって放置状態との判定が行われ、かつ、その時点においてモード切換用加重条件が満たされていたときに、モードフラグが第1のモードを示している場合には第2のモードに切り換え、モードフラグが第2のモードを示している場合にはそのまま第2のモードを維持させる処理を行うようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第3の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
ロック制御モジュールに、携帯可能情報処理装置自身の現在位置を認識する現在位置認識部と、操作入力部に与えられた操作入力に応じて、地図上の安全エリアを設定するエリア設定部と、を更に設け、
モード切換用加重条件設定部に、「現在位置が安全エリア外であること」をモード切換用加重条件として設定するようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述した第4の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
現在位置認識部として、GPSを利用した位置認識システム、または、交信中の無線LAN基地局もしくは携帯電話基地局の位置情報を利用した位置認識システムを用いるようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第4の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
プログラム格納部に、時間ごとの居場所を示すスケジュールを管理するスケジュール管理プログラムが格納されており、
現在位置認識部として、スケジュール管理プログラム用のデータを参照することにより、現在時刻における居場所と推定される位置を現在位置として認識する位置認識システムを用いるようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述した第4〜第6の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
ロック開始条件設定部に、「現在位置が安全エリア内から安全エリア外へ移動すること」なるロック開始条件を設定するようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述した第4〜第7の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
放置状態判定部が、現在位置が安全エリア内にあることが確認された場合には、第1のサンプリング周期で放置状態か否かの判定を行い、現在位置が安全エリア外にあることが確認された場合もしくは現在位置が確認できなかった場合には、第2のサンプリング周期で放置状態か否かの判定を行い、第1のサンプリング周期よりも第2のサンプリング周期の方が短くなるように設定したものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述した第4〜第7の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
放置状態判定部が、現在位置が安全エリア内にあることが確認された場合には、放置状態か否かの判定を行わないようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述した第1〜第9の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
モード切換部が、ロックフラグがロック状態からアンロック状態に切り換えられるロック解除処理が行われたときに、モードフラグが第1のモードを示している場合にはそのまま第1のモードを維持させ、モードフラグが第2のモードを示している場合には第1のモードに切り換える処理を行うようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述した第1〜第10の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
ロック解除条件設定部に、操作入力部からの特定の入力操作を要求するロック解除条件を設定するようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述した第11の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
第1のロック解除条件に比べて第2のロック解除条件の方が、より繁雑な入力操作を要求する条件となっているようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述した第12の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
ロック解除条件設定部に、第1のロック解除条件として、第1のパスワードの入力操作が行われることを要求する条件が設定され、第2のロック解除条件として、第2のパスワードの入力操作が行われることを要求する条件が設定されており、第2のパスワードの文字数が第1のパスワードの文字数よりも大きくなるようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述した第11の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
ロック解除条件設定部に、第1のロック解除条件として、利用者の生体認証を必要としない条件を設定し、第2のロック解除条件として、利用者の生体認証を必要とする条件を設定するようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、上述した第11の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
ロック解除条件設定部に、ロック解除のための入力操作の試行可能回数に制限を課するロック解除条件を設定し、
ロック状態切換部が、当該試行可能回数に達する入力操作がいずれも誤りであった場合には、以後の入力操作に対しては、その内容にかかわらず、ロック解除条件は満たされないとの判断を行うようにしたものである。
(16) 本発明の第16の態様は、上述した第15の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
第1のロック解除条件についての試行可能回数に比べて、第2のロック解除条件についての試行可能回数の方が小さくなるように設定したものである。
(17) 本発明の第17の態様は、上述した第15または第16の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
ロック状態切換部が、ロック解除のために試行可能回数分の入力操作が行われ、これらの入力操作がいずれも誤りであった場合に、不正行為から保護するための保護処理を実行するようにしたものである。
(18) 本発明の第18の態様は、上述した第11の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
ロック解除条件設定部に、特定の入力操作がダミー操作として設定されており、
ロック状態切換部が、モードフラグが第2のモードであることを示しており、かつ、ロック解除のために行われた入力操作が上記ダミー操作であった場合に、不正行為から保護するための保護処理を実行するようにしたものである。
(19) 本発明の第19の態様は、上述した第17または第18の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
ロック状態切換部が、保護処理として、特定のデータを消去する処理、特定のデータを暗号化する処理、もしくは、不正行為が行われていることを外部に通報する処理を実行するようにしたものである。
(20) 本発明の第20の態様は、上述した第1〜第19の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
ロック開始条件設定部に、「操作入力部からの入力操作が所定時間以上にわたって行われていないこと」なるロック開始条件、「操作入力部からロック状態への移行を指示する操作入力があったこと」なるロック開始条件、もしくは、「第1のモードから第2のモードへの移行が行われたこと」なるロック開始条件、または、これら各ロック開始条件の一部もしくは全部を組み合わせて構成されたロック開始条件を設定するようにしたものである。
(21) 本発明の第21の態様は、上述した第1〜第20の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
ロックフラグ保持部およびモードフラグ保持部を不揮発性メモリによって構成し、装置の電源をOFF状態にしても、ロックフラグおよびモードフラグの状態が維持されるようにしたものである。
(22) 本発明の第22の態様は、上述した第1〜第20の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
モードフラグ保持部を、携帯可能情報処理装置の本体内ではなく、当該本体から通信によってアクセス可能なサーバ内に設けるようにし、
モード切換部が、通信によってサーバにアクセスしてモードフラグを切り換える処理を行い、
ロック状態切換部が、通信によってサーバにアクセスしてモードフラグの状態を認識する処理を行い、サーバに対して通信を行うことができない場合には、モードフラグが第2のモードを示しているものとして取り扱うようにしたものである。
(23) 本発明の第23の態様は、上述した第1〜第22の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
放置状態判定部が、携帯可能情報処理装置が静止状態にあると認識できる期間が所定の放置判定時間以上継続した場合に放置状態との判定を行うようにしたものである。
(24) 本発明の第24の態様は、上述した第23の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
放置状態判定部が、
携帯可能情報処理装置に作用する加速度もしくは角速度、または携帯可能情報処理装置の姿勢を検出する検出センサと、
検出センサの出力を所定のサンプリング周期でモニタし、運動状態か静止状態かを認識する動静状態認識部と、
動静状態認識部が静止状態と認識した期間が所定の放置判定時間以上継続した場合に放置状態との判定を行う継続時間判定部と、
を有するようにしたものである。
(25) 本発明の第25の態様は、上述した第24の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
検出センサとして、加速度センサ、角速度センサ、もしくは姿勢センサを用い、
動静状態認識部が、検出センサの出力の時間的変動が所定の閾値以内に収まっている場合に静止状態との認識を行うようにしたものである。
(26) 本発明の第26の態様は、上述した第24の態様に係る携帯可能情報処理装置において、
検出センサとして、加速度センサ、角速度センサ、もしくは姿勢センサを用い、
動静状態認識部が、検出センサの出力の各サンプリング値の分散が所定の閾値以内に収まっている場合に静止状態との認識を行うようにしたものである。
(27) 本発明の第27の態様は、上述した第1〜第26の態様に係る携帯可能情報処理装置を、スマートフォン、タブレット型電子端末、もしくは携帯型パソコンにロック制御用プログラムを組み込むことにより構成し、当該ロック制御用プログラムを用いてロック制御モジュールを構成し、少なくともロック制御用プログラムおよびロック制御用プログラムが必要とするプログラムを例外プログラムとするようにしたものである。
(28) 本発明の第28の態様は、上述した第1〜第27の態様に係る携帯可能情報処理装置を、コンピュータにプログラムを組み込むことにより構成したものである。
(29) 本発明の第29の態様は、
オペレータの操作入力を受け付ける操作入力部と、
所定のプログラムを格納したプログラム格納部と、
上記操作入力に応じて、もしくは、実行中のプログラムの要求に応じて、プログラム格納部に格納されているプログラムを実行するプログラム実行部と、
プログラムの実行結果をオペレータに提示するディスプレイと、
を備える携帯可能情報処理装置において、上記所定のプログラムの実行を制御するための携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法において、
現時点の状態が、ロック状態であるのかアンロック状態であるのかを示すロックフラグを設定し、アンロック状態からロック状態に移行するためのロック開始条件と、ロック状態からアンロック状態に移行するための第1のロック解除条件および第2のロック解除条件と、を参照して、各条件が満たされたときにロックフラグを切り換えるロック状態切換ステップと、
所定の判定条件に基づいて、携帯可能情報処理装置が放置状態か否かを判定する放置状態判定ステップと、
現時点のモードが、第1のモードであるのか第2のモードであるのかを示すモードフラグを設定し、放置状態判定ステップの判定結果に応じて、モードフラグを切り換えるモード切換ステップと、
ロックフラグがアンロック状態であることを示しているときには、プログラム格納部に格納されている任意のプログラムを実行し、ロックフラグがロック状態であることを示しているときには、プログラム格納部に格納されているプログラムのうち、一部の例外プログラムのみを実行するプログラム実行ステップと、
を上記携帯可能情報処理装置によって実行するようにし、
ロック状態切換ステップにおいて、
ロックフラグがアンロック状態であることを示しているときには、ロック開始条件が満たされることを条件としてロックフラグをアンロック状態からロック状態に切り換えるロック開始処理を行い、
ロックフラグがロック状態であることを示しており、かつ、モードフラグが第1のモードを示しているときには、第1のロック解除条件が満たされることを条件としてロックフラグをロック状態からアンロック状態に切り換える第1のロック解除処理を行い、
ロックフラグがロック状態であることを示しており、かつ、モードフラグが第2のモードを示しているときには、第2のロック解除条件が満たされることを条件としてロックフラグをロック状態からアンロック状態に切り換える第2のロック解除処理を行うようにしたものである。
(30) 本発明の第30の態様は、上述した第29の態様に係る携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法において、
モード切換ステップにおいて、放置状態判定ステップにより放置状態との判定が行われたときに、モードフラグが第1のモードを示している場合には第2のモードに切り換え、モードフラグが第2のモードを示している場合にはそのまま第2のモードを維持させる処理を行うようにしたものである。
(31) 本発明の第31の態様は、上述した第29の態様に係る携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法において、
モード切換ステップにおいて、放置状態判定ステップの判定結果に加えて、更に、モード切換用加重条件を参照してモードフラグの切り換えを行うようにし、放置状態判定ステップにより放置状態との判定が行われ、かつ、その時点においてモード切換用加重条件が満たされていたときに、モードフラグが第1のモードを示している場合には第2のモードに切り換え、モードフラグが第2のモードを示している場合にはそのまま第2のモードを維持させる処理を行うようにしたものである。
(32) 本発明の第32の態様は、上述した第31の態様に係る携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法において、
モード切換用加重条件として、「携帯可能情報処理装置自身の現在位置が、予め設定された所定の安全エリア外であること」という条件を設定するようにしたものである。
(33) 本発明の第33の態様は、上述した第29〜第32の態様に係る携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法において、
ロック状態切換ステップにより、ロックフラグをロック状態からアンロック状態に切り換えるロック解除処理が行われたときに、モード切換ステップにより、モードフラグが第2のモードを示している場合には第1のモードに切り換える処理を行うようにしたものである。
(34) 本発明の第34の態様は、上述した第29〜第33の態様に係る携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法において、
ロック状態切換ステップにおいて、オペレータから携帯可能情報処理装置に対して特定の入力操作が行われた場合に、第1のロック解除条件もしくは第2のロック解除条件が満たされたものとしてロックフラグの切り換えを行うようにしたものである。
(35) 本発明の第35の態様は、上述した第29〜第34の態様に係る携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法において、
放置状態判定ステップにおいて、携帯可能情報処理装置が静止状態にあると認識できる期間が所定の放置判定時間以上継続した場合に放置状態との判定を行うようにしたものである。
(36) 本発明の第36の態様は、上述した第29〜第35の態様に係る携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法を、コンピュータに所定の制御用プログラムを組み込むことにより実行させるようにしたものである。
本発明に係る携帯可能情報処理装置およびプログラムの実行制御方法では、装置が放置状態であるか否かの判定が行われ、その判定結果に基づいて第1のモードか第2のモードかのいずれかのモードが設定される。しかも、ロック解除条件は、これらのモードのそれぞれに対応して別個に設定されている。放置状態との判定がなされた場合は、装置が置き忘れられた可能性があるが、そのような可能性がある場合には、通常とは異なるロック解除条件が適用されることになる。したがって、通常のロック解除条件としては、より簡易な条件を設定しつつ、放置状態との判定がなされた場合のロック解除条件としては、より安全性の高い条件を設定することができる。かくして、良好な操作性を確保しつつ、紛失や盗難に遭遇した場合には、十分な不正防止機能を果たすことが可能になる。
本発明の基本的な実施形態に係る携帯可能情報処理装置100の構成を示すブロック図である。 図1に示すプログラム実行部130によるプログラム実行処理の手順を示す流れ図である。 図1に示すロック状態切換部250によるロック状態切換処理の手順を示す流れ図である。 図1に示すモード切換部270によるモード切換処理の手順を示す流れ図である。 図1に示すロック開始条件設定部210に設定するためのロック開始条件CLのいくつかの例を示す表である。 図1に示すロック解除条件設定部220に設定するための第1のロック解除条件CU1および第2のロック解除条件CU2のいくつかの例を示す表である。 図1に示すロック状態切換部250によって実行される保護処理のいくつかの例を示す表である。 図1に示す携帯可能情報処理装置100に定義されたXYZローカル座標系と、当該装置100が配置されたNEUグローバル座標系との関係を示す斜視図である。 図1に示す放置状態判定部230の具体的な構成例を示すブロック図である。 図9に示す加速度センサ231から出力される加速度のX軸方向成分αxの時間変動を示すグラフである。 図9に示す加速度センサ231から出力される加速度のX軸方向成分αxのサンプリング値を示すグラフである。 図11に示す各サンプリング値の分散を示すグラフである。 図1に示す携帯可能情報処理装置100の具体的な利用例を示すイベントチャートである。 図1に示す携帯可能情報処理装置100の第1の変形例に係る携帯可能情報処理装置100Aの構成を示すブロック図である。 図1に示す携帯可能情報処理装置100の第2の変形例に係る携帯可能情報処理装置100Bの構成を示すブロック図である。 図15に示すエリア設定部281に対するエリア設定作業の作業画面の一例を示す平面図である。 図14,図15に示すモード切換部270A,270Bによるモード切換処理の手順を示す流れ図である。 図15に示す現在位置認識部282が利用する、スケジュール管理プログラムの動作画面の一例を示す平面図である。 図1に示す携帯可能情報処理装置100におけるモードフラグ保持部260Cを外部のサーバ300に設けた第3の変形例に係る携帯可能情報処理装置の構成を示す図である。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1. 基本的な実施形態に係る装置の構成 >>>
はじめに、本発明の基本的な実施形態に係る携帯可能情報処理装置100の構成を、図1のブロック図を参照しながら説明する。図の上段に示すとおり、この携帯可能情報処理装置100は、プログラム格納部110、ディスプレイ120、プログラム実行部130、操作入力部140を備えた装置であり、図の下段の一点鎖線で囲ったブロック内には、プログラム実行部130内の一構成要素であるロック制御モジュール200の詳細構成が示されている。
この携帯可能情報処理装置100は、実際には、スマートフォン、タブレット型電子端末、携帯型パソコンといった携帯可能なコンピュータに、所定のプログラムを組む込むことによって構成される。プログラム格納部110は、このコンピュータが実行する各種プログラムを格納する構成要素であり、図には、4つのプログラムP1,P2,P3,PLが組み込まれた状態が示されている。実際には、より多数のプログラムが組み込まれているのが一般的であるが、図では、便宜上、上記4つのプログラムが格納されている例が示されている。
ここで、プログラムP1,P2,P3は、OSプログラムおよびアプリケーションプログラム、ならびにこれらのプログラムから呼び出されて利用されるサブルーチンプログラムなどによって構成されている。一方、プログラムPLは、本発明の特徴となる機能を実現するために組み込まれたロック制御用プログラムであり、図において、プログラム実行部130内に描かれているロック制御モジュール200は、このロック制御用プログラムPLによって実現される機能である。別言すれば、本発明に係る携帯可能情報処理装置100は、スマートフォン、タブレット型電子端末、もしくは携帯型パソコンに、ロック制御用プログラムPLを組み込むことにより構成されることになる。
もちろん、実際のハードウエアとしては、プログラム格納部110は、この装置100に組み込まれた不揮発性メモリやハードディスク装置などの記憶装置によって実現され、プログラム実行部130は、この装置100に組み込まれたCPUやプログラムを展開するRAMなどによって構成されることになる。
操作入力部140は、オペレータの操作入力を受け付ける構成要素であり、プログラム実行部130は、この操作入力に応じて、プログラム格納部110に格納されている所定のプログラムを実行する役割を果たす。また、プログラム実行部130は、場合によっては、現在実行中のプログラムの要求に応じて、プログラム格納部110に格納されている別なプログラムを実行することもある(現在実行中のプログラムによって、別なプログラムが呼び出されたような場合)。
こうして実行されたプログラムの実行結果は、ディスプレイ120によってオペレータに提示される。この携帯可能情報処理装置100をスマートフォンやタブレット型電子端末によって構成した場合、操作入力部140は、ディスプレイ120の画面上に形成されたタッチパネルによって構成される。オペレータは、ディスプレイ120の表示画面を見ながら、操作入力部140として機能するタッチパネル上で必要な操作入力を行いながら、この携帯可能情報処理装置100を利用することになる。
上述したとおり、本発明の特徴となる機能は、ロック制御用プログラムPLによって実現されることになる。このロック制御用プログラムPLは、OSプログラムの一部として用意することもできるし、アプリケーションプログラムとして用意することもできるし、サブルーチンプログラムとして用意することもできる。ただ、この装置のロック機能に関わる処理を実行するためのプログラムであるため、実用上は、OSプログラムの機能と協働して動作するプログラムにしておく必要がある。
別言すれば、ロック制御用プログラムPLは、この携帯可能情報処理装置100をロック状態にしたり、ロック状態を解除したりする制御を行うためのプログラムであるので、一般的なアプリケーションプログラムのように、オペレータの意思に基づいて自由に終了させることが可能なプログラムであっては、その任を果たすことはできない。したがって、ロック制御用プログラムPLは、この装置100に電源を投入して起動する際には、OSプログラムとともに立ち上がって動作を開始するようにし、電源を切るまでOSプログラムとともに動作をし続ける必要がある。
要するに、このロック制御用プログラムPLは、OSプログラムの一部として用意するか、OSプログラムが利用するサブルーチンプログラムとして用意するか、OSプログラムが起動している間、ずっとバックグラウンドで動き続けるアプリケーションプログラム(いわゆる常駐ソフト)として用意すればよい。
なお、図では、便宜上、プログラム実行部130内には、このロック制御用プログラムPLの機能によって実現されるロック制御モジュール200のみしか描かれていないが、もちろん、プログラム実行部130内には、プログラムP1,P2,P3の機能によって実現される別なモジュールもそれぞれ存在することになる。ただ、これら別なモジュールは、本発明の説明に直接的には必要のないモジュールであるため、ここでは、図示や説明を省略する。
図1の下段に示すとおり、ロック制御モジュール200は、ロック開始条件設定部210、ロック解除条件設定部220、放置状態判定部230、ロックフラグ保持部240、ロック状態切換部250、モードフラグ保持部260、モード切換部270を備えている。
これらの各構成要素は、前述したとおり、ロック制御用プログラムPLの機能によって提供されるものであり、装置100のハードウエア資源を利用したソフトウエアの動作によって具現化されることになる。したがって、ロック開始条件設定部210、ロック解除条件設定部220、ロックフラグ保持部240、モードフラグ保持部260は、実際には、この装置100に内蔵されたメモリなどの記憶装置によって実現され、ロック状態切換部250およびモード切換部270の機能は、この装置100に内蔵されたCPUがロック制御用プログラムPLを実行することによって提供される。また、放置状態判定部230は、後述するように、この装置100に内蔵された物理的なセンサと、当該センサの出力を用いてロック制御用プログラムPL内の判定処理を実行するCPUとによって具現化されることになる。
ロック制御モジュール200の役割は、必要に応じて、この装置100をロック状態にしたり、ロック状態を解除したりするロック制御を行い、装置100にロック機能を付加することである。このようなロック機能自体は、従来から利用されている機能であり、現在利用されている多くの携帯可能情報処理装置にはロック機能が用意されている。ロック機能を備えた一般的な装置では、所定時間以上にわたって何ら入力操作が行われなかった場合には、自動的にロック状態へと移行する処理が行われる。
このロック状態では、ロック解除を行うためのプログラムなど、一部の例外プログラムの実行のみが許可され、その他の一般プログラムを実行することはできなくなる。すなわち、一般のプログラムを実行するためには、ロック解除操作が必要になる。そこで、たとえば、ロック解除操作として、特定のパスワードの入力を要求する操作を設定しておけば、パスワードを知らない第三者はロック解除操作を行うことができないため、装置の紛失や盗難の際に、第三者による不正アクセスを防止することができる。
本発明に係るロック制御モジュール200によって提供されるロック機能も、基本的には従来のロック機能と同様であり、装置100は、ロック状態になると、一部の例外プログラムを除いて、その他の一般プログラムの実行ができなくなる。本願では、ロック状態が解除された通常の状態を「アンロック状態」と呼ぶことにする。したがって、装置100は、ロック機能に関しては、「ロック状態」か「アンロック状態」かのいずれかの状態をとることになる。
図示するロックフラグ保持部240は、現時点の状態が、ロック状態であるのかアンロック状態であるのかを示すロックフラグを保持する構成要素である。ここでは、ロック状態を符号「L」、アンロック状態を符号「U」で示すことにする。このロックフラグは、ロック状態L/アンロック状態Uという2つの状態のいずれかを示すフラグであるので、実際には、1ビットのデータによって構成することができ、ロックフラグ保持部240は、1ビットのデータ(実用上は、1バイトのデータ)を保持するメモリによって構成することができる。
前述したとおり、プログラム実行部130は、操作入力部140から入力された操作入力に応じて、もしくは、現在実行中のプログラムの要求に応じて、プログラム格納部110に格納されているプログラムを実行する機能を果たす。このプログラム実行機能は、図示されていないプログラム実行管理モジュール(OSプログラム等に基づいて、プログラム実行部130内に構築されるモジュール)によって提供されるが、このとき、プログラム実行管理モジュールは、ロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグの状態を参照して、実行可能なプログラムの選別を行う。
すなわち、プログラム実行管理モジュールは、ロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグがアンロック状態Uであることを示しているときには、プログラム格納部110に格納されている任意のプログラムが実行され、ロックフラグがロック状態Lであることを示しているときには、プログラム格納部110に格納されているプログラムのうち、一部の例外プログラムのみが実行されるような管理を行う。
この場合、少なくともロック制御用プログラムPLおよび当該プログラムが必要とするプログラムが例外プログラムとして設定されるようにする。したがって、ロック制御用プログラムPLによって構築される図示のロック制御モジュール200は、ロックフラグがロック状態Lでも動作することになる。
実用上は、ロック制御用プログラムPLの他に、操作入力部140からの操作入力を受け付けるプログラム、ディスプレイ120に画像表示を行うプログラム、電源管理を行うプログラムなど(通常、OSプログラムが利用するサブルーチンプログラムとして提供されている場合が多い)を、一部の例外プログラムとして設定しておき、ロックフラグがロック状態Lでも動作するようにしておくのが好ましい。また、装置100が携帯電話機としての機能を備えている場合には、110番通報や119番通報などの緊急通報を行うための電話プログラムを一部の例外プログラムとして設定しておき、ロックフラグがロック状態Lでも緊急通報が可能なようにしておいてもよい。
ここに示す実施例の場合、プログラム実行部130は、ロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグがアンロック状態Uであることを示している場合には、OSプログラムの機能によって、ディスプレイ120のホーム画面上に、プログラム格納部110に格納されているアプリケーションプログラムの一覧を示すアイコン表示を行い、任意のアイコンのタップ操作により、当該アイコンに対応したアプリケーションプログラムを起動して実行する処理を行うが、ロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグがロック状態Lであることを示している場合には、ロック制御用プログラムPL(一部の例外プログラム)を実行して、ディスプレイ120のホーム画面上に、ロック解除画面(ロック状態切換部250の機能によって表示される画面)を表示し、ロック解除操作を待つ処理を行うことになる。
このように、ロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグは、プログラム実行部130の実行対象となるプログラムを一部の例外プログラムのみに制限するか否かを決定する重要なパラメータになる。ロック状態切換部250は、このロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグを切り換える処理を行う構成要素である。
すなわち、ロック状態切換部250は、ロックフラグがアンロック状態Uである場合は、所定のロック開始条件(以下、ロック状態Lに移行するためのConditionという意味で、符号「CL」で示す)が満たされたか否かを判断し、条件が満たされていた場合にはロックフラグをロック状態Lに切り換える処理を行い、ロックフラグがロック状態Lである場合は、所定のロック解除条件(以下、アンロック状態Uに移行するためのConditionという意味で、符号「CU」で示す)が満たされたか否かを判断し、条件が満たされていた場合にはロックフラグをアンロック状態Uに切り換える処理を行う。
図示のロック開始条件設定部210は、アンロック状態Uからロック状態Lに移行するためのロック開始条件CLを設定する構成要素であり、ロック解除条件設定部220は、ロック状態Lからアンロック状態Uに移行するためのロック解除条件CUを設定する構成要素である。後述するように、本発明の場合、ロック解除条件CUとして、第1のロック解除条件CU1と第2のロック解除条件CU2とが別個に設定される。ロック状態切換部250は、ロック開始条件設定部210に設定されたロック開始条件CLおよびロック解除条件設定部220に設定されたロック解除条件CU1,CU2を参照して、各条件が満たされたときにロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグを切り換える処理を行う。
本発明の重要な特徴は、ロック制御モジュール200に、更に、放置状態判定部230、モードフラグ保持部260、モード切換部270を設けた点にある。ここで、モードフラグ保持部260は、現時点のモードが、第1のモードM1であるのか第2のモードM2であるのかを示すモードフラグを保持する構成要素であり、放置状態判定部230は、所定の判定条件に基づいて、携帯可能情報処理装置100が放置状態か否かを判定する構成要素であり、モード切換部270は、この放置状態判定部230の判定結果に応じて、モードフラグ保持部260に保持されているモードフラグを切り換える構成要素である。
ここでは、まず、モードフラグの意義について説明しよう。本発明におけるモードフラグの役割は、携帯可能情報処理装置100が「置き忘れ状態」であるか否かを示すことにある。ここに示す実施例の場合、通常の状態(「非置き忘れ状態」、すなわち、「置き忘れ状態」ではない状態)を第1のモードM1とし、「置き忘れ状態」を第2のモードM2としている。前述したロックフラグが、ロック状態Lかアンロック状態Uかの別を示すフラグであるのに対して、モードフラグは、第1のモードM1か第2のモードM2かの別を示すフラグであり、両フラグは、その意味合いが異なっている。すなわち、ロックフラグが、装置100をロックすべきか否かという動作上の指示を示すフラグであるのに対して、モードフラグは、装置100が「置き忘れ状態」になっているか否かという事実(センサ等による検出結果)を示すフラグである。
ここで、「置き忘れ状態」とは、文字どおり、装置100が利用者の手元を離れて、どこかに置かれたままになっている状態を意味する。本発明のそもそもの着眼点は、装置100の紛失や盗難の主たる原因は、「所有者の置き忘れ」というミスに端を発するものである、という点にある。もちろん、ひったくりや強盗によって装置100を盗まれることもあり得るが、紛失や盗難の多くは、どこかに置き忘れた、という所有者の過失に起因するものと考えられる。
なお、本願では、「置き忘れ状態」なる文言とともに「放置状態」という文言が用いられている。上述したとおり、放置状態判定部230は、携帯可能情報処理装置100が「放置状態」か否かを判定する構成要素である。そこで、ここでは、「置き忘れ状態」と「放置状態」との相違を簡単に説明しておく。
まず、本願にいう「放置状態」とは、装置100が物理的に放置されている状態を言うので、たとえば、装置100をテーブルの上に載せたままにしておくと、放置状態判定部230によって「放置状態」との判定がなされることになる。ただ、その後、テーブルから装置100を取り上げて操作を行えば、「非放置状態」ということになる。このように、「放置状態」と「非放置状態」とは、装置100を置いたり、取り上げたりするたびに、交互に繰り返される状態ということになる。
これに対して、「置き忘れ状態」とは、過去に一度でも「放置状態」との判定がなされた後、通常の状態(「非置き忘れ状態」)への復帰処理が実行されていない場合を示すものである。すなわち、放置状態判定部230によって、一度「放置状態」と判定されると、通常の状態(「非置き忘れ状態」)から「置き忘れ状態」に移行し、その後、放置状態判定部230によって「非放置状態」との判定がなされた場合も、そのまま「置き忘れ状態」が維持されることになる。「置き忘れ状態」から通常の状態(「非置き忘れ状態」)に移行する復帰処理が行われるのは、後述するように、たとえば、「ロック解除操作が行われた場合」ということになる。
結局、図1に示す装置100の場合、放置状態判定部230が放置状態との判定を下すと、モード切換部270が、モードフラグを第1のモードM1(「非置き忘れ状態」を示すモード)から第2のモードM2(「置き忘れ状態」を示すモード)に切り換える処理を行う。ここで重要な点は、ロック状態切換部250が、モードフラグ保持部260に保持されているモードフラグの状態に応じて、異なるロック解除条件を参照する点である。前述したとおり、ロック解除条件設定部220には、第1のロック解除条件CU1と第2のロック解除条件CU2とが別個に設定されている。ロック状態切換部250は、モードフラグ保持部260に保持されているモードフラグが、第1のモードM1を示しているときには第1のロック解除条件CU1を参照し、第2のモードM2を示しているときには、第2のロック解除条件CU2を参照する。
このような構成を採ることにより、装置100が「置き忘れ状態」であるか否かによって、異なるロック解除条件を適用することが可能になる。すなわち、通常の状態(「非置き忘れ状態」)では、モードフラグは第1のモードM1を示しているため、第1のロック解除条件CU1に基づいてロック解除が行われるが、「置き忘れ状態」では、モードフラグは第2のモードM2を示しているため、第2のロック解除条件CU2に基づいてロック解除が行われることになる。
上述したように、「置き忘れ状態」(第2のモードM2)への移行は、放置状態判定部230による「放置状態」との判定に基づいてなされることになるが、「置き忘れ状態」に移行したからといって、必ずしも装置100が本当に置き忘れられた状態になっているとは限らない。たとえば、所有者が会議中に意図的に装置100をテーブルの上に放置しておいた場合、放置状態判定部230により「放置状態」との判定がなされ、「置き忘れ状態」に移行することになる。この場合、実際には、装置100は依然として所有者の管理下にあるので、本当に置き忘れられたわけではないが、装置100は「置き忘れ状態」に移行し、通常とは異なるロック解除条件(第2のロック解除条件CU2)が適用されることになる。
このように、本発明における「置き忘れ状態」(第2のモードM2)への移行は、必ずしも装置100が本当に置き忘れられた場合にのみ実行されるわけではないが、放置状態判定部230により「放置状態」との判定がなされた場合、装置100が置き忘れられた状態になっている可能性は否定できない。本発明に係る装置100では、常に安全サイドに立つという基本思想に基づき、会議中に意図的にテーブルの上に放置しておいた場合も、居酒屋の椅子の上に誤って置き忘れた場合も、区別せずに(現実的には、両者を区別することは困難である)、いずれの場合も「置き忘れ状態」(第2のモードM2)へ移行させるようにして、通常とは異なるロック解除条件が適用されるようにしている。
図1に示す携帯可能情報処理装置100では、通常のロック解除条件(第1のロック解除条件CU1)としては、より簡易な条件を設定しつつ、放置状態との判定がなされた場合のロック解除条件(第2のロック解除条件CU2)としては、より安全性の高い条件を設定することができる。このように、図1に示す装置100では、通常時(放置状態との判断がなされていない場合)には、第1のロック解除条件CU1に基づくロック解除操作により良好な操作性を確保しつつ、紛失や盗難に遭遇した可能性が疑われる場合(放置状態と判断された場合)には、第2のロック解除条件CU2に基づくロック解除操作により十分な不正防止機能を果たすことが可能になる。
なお、ここに示す実施形態の場合、ロックフラグ保持部240およびモードフラグ保持部260は、不揮発性メモリによって構成されている。したがって、装置100の電源をOFF状態にしても、ロックフラグおよびモードフラグの状態はそのまま維持されることになる。
そのため、ロック状態Lで電源をOFFした後、再び電源をONにしても、ロック状態Lはそのまま維持され、アンロック状態Uで電源をOFFした後、再び電源をONにしても、アンロック状態Uはそのまま維持される。同様に、第1のモードM1で電源をOFFした後、再び電源をONにしても、第1のモードM1はそのまま維持され、第2のモードM2で電源をOFFした後、再び電源をONにしても、第2のモードM2はそのまま維持される。
もちろん、セキュリティ強化のため、電源ON時には常にロック状態Lとなるような設定を行うことも可能である。この場合は、電源をOFF時のロックフラグの状態にかかわらず、電源ON時には、常にロック状態Lになる。同様に、セキュリティ強化のため、電源ON時には常に第2のモードM2となるような設定を行うことも可能である。この場合は、電源をOFF時のモードフラグの状態にかかわらず、電源ON時には、常に第2のモードM2になる。
<<< §2. 基本的な実施形態に係る装置の基本動作 >>>
続いて、図1に示す携帯可能情報処理装置100の基本動作を、図2〜図4に示す流れ図を参照しながら説明する。
図2は、図1に示すプログラム実行部130によるプログラム実行処理の手順を示す流れ図である。§1で述べたとおり、プログラム実行部130によるプログラム実行処理は、図示されていないプログラム実行管理モジュール(OSプログラム等に基づいて、プログラム実行部130内に構築されるモジュール)によって提供される。図2に示すプログラム実行処理の手順は、このプログラム実行管理モジュールによって実行される処理手順ということになる。
まず、オペレータが装置100に対して電源投入操作(あるいは、再起動操作)を行うと、ステップS11の起動処理が行われる。この起動処理は、装置100に組み込まれている起動プログラムおよびOSプログラムに依存した処理であるため、ここでは詳しい説明は省略する。なお、装置100を新規購入した直後などは、起動処理S11に続いて、パスワードの設定や利用者登録などの初期設定ルーチンが実行されることになるが、ここではこれらの説明についても省略する。
起動処理が完了すると、続いて、ステップS12において、ロックフラグの認識が行われる。すなわち、ロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグの状態を認識する処理が行われる。ここで、ロックフラグがアンロック状態Uであった場合には、ステップS13からステップS14へと進み、任意のプログラムが実行される。具体的には、ディスプレイ120のホーム画面上に、プログラム格納部110に格納されているアプリケーションプログラムの一覧を示すアイコン表示が行われ、オペレータが操作入力部140から、任意のアイコンをタップする操作入力を行うと、当該アイコンに対応したアプリケーションプログラムが実行されることになる。
一方、ロックフラグがロック状態Lであった場合には、ステップS13からステップS15へと進み、例外プログラムが実行される。具体的には、ロック制御用プログラムPLおよびこれに付随するサブルーチンプログラムなどを実行して、ディスプレイ120のホーム画面上に、ロック解除画面を表示し、ロック解除のための処理が実行される。
こうして、プログラム実行処理の手順は、ステップS16においてOSプログラムが終了されるまで(通常は、装置100の電源がOFFにされるまで)、ステップS12からの処理が繰り返し実行される。後述するように、ロックフラグの状態は、所定の移行条件が満たされるたびに遷移するので、ステップS13における分岐処理は、その時点のロックフラグの状態に応じて決定される。
なお、ステップS14の処理は、必ずしもオペレータの操作入力に基づいて行われるわけではなく、たとえば、現在実行中のプログラムから別なプログラムの実行要求があった場合には、要求対象となったプログラムの実行が行われることになる。また、ステップS15の処理は、必ずしもロック制御用プログラムPLおよびこれに付随するサブルーチンプログラムを実行する処理に限定されるわけではなく、たとえば、例外プログラムの1つとして、110番通報や119番通報などの緊急通報を行うための電話プログラムが設定されている場合は、ステップS15において当該電話プログラムを実行し、緊急通報を行うことも可能である。
このように、プログラム実行部130は、ロックフラグがアンロック状態Uであることを示しているときには、プログラム格納部110に格納されている任意のプログラムを実行し(ステップS14)、ロックフラグがロック状態Lであることを示しているときには、プログラム格納部110に格納されているプログラムのうち、一部の例外プログラムのみを実行する(ステップS15)ことになる。
一方、図3は、図1に示すロック状態切換部250によるロック状態切換処理の手順を示す流れ図である。ロック状態切換部250は、まず、ステップS21において、ロックフラグの認識を行う。すなわち、ロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグの状態が認識される。ここで、ロックフラグがアンロック状態Uであると認識された場合には、ステップS22からステップS23へと進み、ロック開始条件の判定が行われる。すなわち、ロック開始条件設定部210に設定されているロック開始条件CLが満たされているか否かの判定が行われる。
具体的には、ロック開始条件CLとして、たとえば、「操作入力部140からの入力操作が所定時間以上にわたって行われていないこと」との条件設定がなされていた場合、ロック状態切換部250は、ステップS23において、操作入力部140からの操作入力状態を調べて、当該ロック開始条件CLが満たされているか否かの判定を行う。そして、条件満足の場合は、ステップS24からステップS25へと進み、ロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグの状態をアンロック状態Uからロック状態Lに切り換えるロック開始処理を実行する。一方、条件不満足の場合は、ロックフラグの切り換えは行わない。条件満足/不満足のいずれの場合も、再び流れ図の最初に戻り、ステップS21からの処理を繰り返し実行することになる。
一方、ステップS21において、ロックフラグがロック状態Lであると認識された場合には、ステップS22からステップS26へと進み、今度は、モードフラグ保持部240に保持されているモードフラグの状態が認識される。ここで、モードフラグが第1のモードM1を示している場合は、ステップS27からステップS28へと進み、第1のロック解除条件CU1の判定が行われる。すなわち、ロック解除条件設定部220に設定されている第1のロック解除条件CU1が満たされているか否かの判定が行われる。
具体的には、第1のロック解除条件CU1として、たとえば、「パスワード『1234』が入力されること」との条件設定がなされていた場合、ロック状態切換部250は、ステップS28において、操作入力部140からパスワードとして「1234」なる文字列の入力が行われたか否かを調べ、当該ロック解除条件CU1が満たされているか否かの判定を行う。そして、条件満足の場合は、ステップS29からステップS30へと進み、ロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグの状態をロック状態Lからアンロック状態Uに切り換える第1のロック解除処理を実行する。一方、条件不満足の場合は、ロックフラグの切り換えは行わない。条件満足/不満足のいずれの場合も、再び流れ図の最初に戻り、ステップS21からの処理を繰り返し実行することになる。
また、ステップS26で、モードフラグの状態を認識した結果、第2のモードM2を示している場合は、ステップS27からステップS31へと進み、第2のロック解除条件CU2の判定が行われる。すなわち、ロック解除条件設定部220に設定されている第2のロック解除条件CU2が満たされているか否かの判定が行われる。
具体的には、第2のロック解除条件CU2として、たとえば、「パスワード『1234567890ABCDEF』が入力されること」との条件設定がなされていた場合、ロック状態切換部250は、ステップS31において、操作入力部140からパスワードとして「1234567890ABCDEF」なる文字列の入力が行われたか否かを調べ、当該ロック解除条件CU2が満たされているか否かの判定を行う。そして、条件満足の場合は、ステップS32からステップS33へと進み、ロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグの状態をロック状態Lからアンロック状態Uに切り換える第2のロック解除処理を実行する。一方、条件不満足の場合は、ロックフラグの切り換えは行わない。条件満足/不満足のいずれの場合も、再び流れ図の最初に戻り、ステップS21からの処理を繰り返し実行することになる。
このように、ロック状態切換部250によるロック状態切換処理は、ロックフラグ保持部240に保持されているロックフラグの状態をロック状態Lもしくはアンロック状態Uに切り換える処理である。すなわち、ロックフラグがアンロック状態Uであることを示しているときには、ロック状態切換部250は、ロック開始条件CLが満たされることを条件としてロックフラグをアンロック状態Uからロック状態Lに切り換えるロック開始処理が実行される。ロック開始条件設定部210に設定されているロック開始条件CLは、モードフラグの状態に依存しないため、ロック開始条件CLの判定を行う際に、モードフラグを参照する必要はない。
これに対して、ロック解除条件設定部220には、第1のロック解除条件CU1と第2のロック解除条件CU2とが設定されており、モードフラグの状態に依存して、いずれか一方の条件が選択的に適用される。したがって、ロックフラグがロック状態Lであることを示しているときには、ロック状態切換部250は、そのときのモードフラグの状態に応じて、第1のロック解除条件CU1か、第2のロック解除条件CU2かのいずれかを選択して条件判断を行うことになる。
すなわち、モードフラグが第1のモードM1を示しているときには、第1のロック解除条件CU1が満たされることを条件として(ステップS28)、ロックフラグをロック状態Lからアンロック状態Uに切り換える第1のロック解除処理(ステップS30)を行い、モードフラグが第2のモードM2を示しているときには、第2のロック解除条件CU2が満たされることを条件として(ステップS31)、ロックフラグをロック状態Lからアンロック状態Uに切り換える第2のロック解除処理(ステップS33)を行うことになる。
なお、実用上は、ロック状態切換部250に、現時点のモードが、第1のモードM1であるのか第2のモードM2であるのかをオペレータに通知するための何らかのメッセージを、ディスプレイ120の画面上に表示させる機能をもたせておくようにするのが好ましい。そうすれば、オペレータは、ロック解除処理を行う際に、上記メッセージに基づいて、必要な操作(各ロック解除条件を満足させるための操作)を行うことができる。
最後に、図4の流れ図を参照して、図1に示すモード切換部270によるモード切換処理の手順を説明する。モード切換部270は、まず、ステップS41において、モードフラグの認識を行う。すなわち、モードフラグ保持部260に保持されているモードフラグの状態が認識される。ここで、モードフラグが第1のモードM1を示していると認識された場合には、ステップS42からステップS43へと進み、放置状態判定部230により放置状態との判定がなされているか否かが確認される。
ここで、放置状態との判定がなされている場合には、モード切換部270は、ステップS44からステップS45へと進み、モードフラグ保持部260に保持されているモードフラグの状態を第1のモードM1を示す状態から第2のモードM2を示す状態に切り換えるモード切換処理を実行する。一方、放置状態判定部230により非放置状態との判定がなされている場合には、モードフラグの切り換えは行わない。いずれの場合も、再び流れ図の最初に戻り、ステップS41からの処理を繰り返し実行することになる。
一方、ステップS41において、モードフラグが第2のモードM2を示していると認識された場合には、ステップS42からステップS46へと進み、ロック解除処理が行われたか否かが確認される。そして、ロック状態切換部250によるロック解除処理(図3のステップS30もしくはS33の処理)が行われている場合には、モード切換部270は、ステップS47からステップS48へと進み、モードフラグ保持部260に保持されているモードフラグの状態を第2のモードM2を示す状態から第1のモードM1を示す状態に切り換えるモード切換処理(復帰処理)を実行する。一方、ロック解除処理が行われていない場合には、モードフラグの切り換えは行わない。いずれの場合も、再び流れ図の最初に戻り、ステップS41からの処理を繰り返し実行することになる。
結局、ここに示す基本的な実施形態の場合、モード切換部270は次のような動作を行うことになる。まず、放置状態判定部230によって放置状態との判定が行われたときには、モードフラグが第1のモードM1を示している場合には第2のモードM2に切り換えるモード切換処理を実行し、モードフラグが第2のモードM2を示している場合にはそのまま第2のモードM2を維持させる処理を行う。
ここで、放置状態判定部230の判定結果は、モードフラグを第1のモードM1から第2のモードM2に切り換える処理に利用されるが、逆に、モードフラグを第2のモードM2から第1のモードM1に切り換える処理(復帰処理)には利用されない。別言すれば、放置状態判定部230により「放置状態」との判定結果が得られたときには、モードフラグを第1のモードM1から第2のモードM2に切り換える処理が行われるが、その後、放置状態判定部230により「非放置状態」との判定結果が得られたとしても、当該判定結果に基づいて、モードフラグを第2のモードM2から第1のモードM1に戻す処理(復帰処理)が行われることはない。
これは、§1で述べたように、モードフラグが、「非置き忘れ状態」(第1のモードM1)と「置き忘れ状態」(第2のモードM2)とを示す役割を担っているためである。§5で詳述するように、放置状態判定部230は、装置100が静止状態にあると認識できる期間が所定の放置判定時間以上継続した場合に放置状態との判定を行う。したがって、装置100が置き忘れられた後、所定の放置判定時間が経過すると、モードフラグは第1のモードM1から第2のモードM2に切り換えられる(ステップS45)。
その後、第三者が装置100を拾い上げた場合、静止状態は維持されないことになるので、放置状態判定部230は、その時点で非放置状態との判定を行うことになるが、一旦、放置状態との判定がなされてモードフラグが第2のモードM2に切り換えられると(「置き忘れ状態」になると)、その後、非放置状態との判定がなされても、第2のモードM2(「置き忘れ状態」)がそのまま維持されることになる。したがって、ロック解除処理を行うためには、第2のロック解除条件CU2を満足する操作が必要になる。これにより、紛失や盗難に遭遇した場合の不正防止機能が正常に作用することになる。
ここに示す基本的な実施形態の場合、モードフラグを第2のモードM2から第1のモードM1に戻す復帰処理(「置き忘れ状態」から「非置き忘れ状態」に戻す処理)は、ロック状態切換部250によって、ロックフラグがロック状態Lからアンロック状態Uに切り換えられるロック解除処理が行われた場合に行われる。すなわち、モード切換部270は、ロック状態切換部250によるロック解除処理が行われたとき、モードフラグが第1のモードM1を示している場合にはそのまま第1のモードM1を維持させ、モードフラグが第2のモードM2を示している場合には第1のモードM1に切り換える処理を行う。
これは、ロック解除処理が適切に行われた場合、装置100は正規の所有者の手元にあると推定することができ、もはや「置き忘れ」の状態ではないと判断することができるためである。
なお、モードフラグを第2のモードM2から第1のモードM1に戻す復帰処理は、必ずしもロック解除処理が行われたときに行う必要はなく、たとえば、アンロック状態Uにおいて、オペレータにより「モードフラグを第2のモードM2から第1のモードM1に戻す指示を与える操作入力(復帰操作入力)」が行われたときに、上記復帰処理が実施されるようにしてもかまわない。すなわち、図4のステップS46の代わりに、上記復帰操作入力が行われたか否かの確認が行われ、ステップS47からステップS48への分岐は、上記復帰操作入力が行われた場合の処理ということになる。この場合、ロック解除処理を行っただけでは、モードフラグを第1のモードM1に戻す復帰処理は自動的には行われないので、オペレータは、第1のモードM1に戻したい場合には、意図的に復帰操作入力を行う必要がある。
<<< §3. 具体的な条件設定バリエーション >>>
図1に示す携帯可能情報処理装置100では、ロック開始条件設定部210にロック開始条件CLが設定され、ロック解除条件設定部220にロック解除条件CU1,CU2が設定される。そして、ロック状態切換部250が、これらの各条件が満足されたか否かを判断して、ロックフラグ保持部240内のロックフラグを切り換える処理を行うことは、既に述べたとおりである。そこで、ここでは、ロック開始条件CLおよびロック解除条件CU1,CU2の具体的なバリエーションをいくつか述べておく。
<3−1.ロック開始条件のバリエーション>
図5は、図1に示すロック開始条件設定部210に設定するためのロック開始条件CLのいくつかの例を示す表である。
まず、例1に記載した「操作入力部からの入力操作が所定時間以上にわたって行われていないこと」なるロック開始条件は、これまでの説明でも述べた代表的なロック開始条件CLの例である。この例1に示すロック開始条件CLが設定されていた場合、ロック状態切換部250は、操作入力部140の動作を監視し、予め設定された所定時間以上にわたってオペレータの操作入力がなければ、ロック開始条件CLを満足しているとの判定を行うことになる。たとえば、タッチパネルを操作入力部140として採用し、所定時間として5分間という時間設定がなされていた場合、オペレータのタッチ操作が5分間中断すると、ロック状態Lに移行することになる。現在利用されている一般的なスマートフォンやタブレット型電子端末では、この例1に示すようなロック開始条件CLが設定されていることが多い。
例2に記載した「操作入力部からロック状態への移行を指示する操作入力があったこと」なるロック開始条件は、ロック状態Lへの移行をオペレータの指示に委ねる場合に設定する条件である。この例2に示すロック開始条件CLが設定されていた場合、ロック状態切換部250は、操作入力部140から「ロック状態への移行を指示する操作入力」があった場合に、ロック開始条件CLを満足しているとの判定を行うことになる。実際には、たとえば、ホーム画面などにロック指示用のアイコン等を表示させる機能を付加しておき、当該アイコンに対するタップ操作を「ロック状態への移行を指示する操作入力」とする取扱いを行えばよい。オペレータは、ロックを掛けておきたいと判断した場合には、上記操作を行い、ロック状態Lへの移行を手動で行うことになる。
例3に記載した「第1のモードから第2のモードへの移行が行われたこと」なるロック開始条件は、ロックフラグの切り換えをモードフラグの切り換えに連動させる設定を行うための条件である。この例3に示すロック開始条件CLが設定されていた場合、ロック状態切換部250は、モードフラグ保持部260に保持されているモードフラグの状態を監視し、第1のモードM1から第2のモードM2への切り換えが行われたときに、ロック開始条件CLを満足しているとの判定を行うことになる。要するに、「置き忘れ状態」に移行すると、同時にロック状態Lに移行することになる。
例4に記載した「現在位置が安全エリア内から安全エリア外へ移動すること」なるロック開始条件は、後に§7−2で述べる「加重条件としてエリアを設定する変形例」において設定する条件であり、予め設定しておいた安全エリアから出てしまった場合に、自動的にロック状態Lに移行させるための条件である。これについては、§7−2で詳述する。
もちろん、図5に示す例1〜例4は、ロック開始条件CLとして設定可能な条件のいくつかの例であり、本発明を実行するにあたって、ロック開始条件CLは、これら例1〜例4に限定されるものではない。また、論理的な矛盾が生じない限り、例1〜例4に示す各ロック開始条件の一部もしくは全部を組み合わせ、複合的なロック開始条件を設定することも可能である。たとえば、「例1の条件」or「例2の条件」といった論理演算に基づくロック開始条件CLを設定することも可能である。
どのようなロック開始条件CLを設定するかは、装置100の設計者が予め定めておくようにしてもよいし、複数通りのロック開始条件CLを予め用意してこれらを利用者に提示し、利用者が好みの条件を適宜選択して設定できるようにしておいてもよい。
<3−2.ロック解除条件のバリエーション>
図6は、図1に示すロック解除条件設定部220に設定するためのロック解除条件CU1,CU2のいくつかの例を示す表である。例1〜例3は、それぞれ第1のロック解除条件CU1と第2のロック解除条件CU2との組み合わせを示すものであり、それぞれ対応するCU1−CU2が組み合わせとして設定されることになる。
ここに例示したロック解除条件は、いずれも操作入力部140からの特定の入力操作を要求する条件になっている。したがって、ロック状態切換部250は、操作入力部140に対して行われた入力操作が、ロック解除条件として設定されている入力操作に合致するか否かを調べることにより、当該ロック解除条件が満たされたか否かの判定を行うことになる。
なお、ロック解除条件として設定される「特定の入力操作」とは、文字、数字、記号などからなるパスワードを入力する操作に限定されるものではなく、たとえば、ディスプレイ画面上に表示された複数の画像を特定の順番でタップしてゆく操作や、画像上の所定経路を一筆書きでなぞってゆく操作でもかまわない。あるいは、後述するように、姿勢センサ(傾斜センサ)を備えた装置の場合は、装置を順番に所定方向に傾けてゆく操作でもかまわない。もちろん、オペレータが指や手を使って行う操作に限定されることもない。たとえば、例2において第2のロック解除条件CU2として設定されている生体認証は、指紋,虹彩などを確認するための画像の入力操作、声紋などを確認するための音声の入力操作を要求する条件になっている。
例1には、第1のロック解除条件CU1として「パスワード『1234』が入力されること。」なる条件設定が、第2のロック解除条件CU2として「パスワード『1234567890ABCDEF』が入力されること。」なる条件設定が、それぞれなされている。このように、パスワードの入力を要求するロック解除条件は、ロックを解除するために要求される最も代表的な条件である。このようなロック解除条件を採用する場合、装置100の所有者(オペレータ)は、予めパスワードの設定操作を行う必要がある。
上例の場合、装置100の所有者は、第1のロック解除条件CU1として「1234」なる4文字のパスワードを設定し、第2のロック解除条件CU2として「1234567890ABCDEF」なる16文字のパスワードを設定することになる。この例1に示す条件が設定されていた場合、ロック状態切換部250は、操作入力部140から、設定されたパスワードに対応する文字列入力があった場合に、ロック解除条件CU1,CU2を満足しているとの判定を行うことになる。すなわち、モードフラグが第1のモードM1を示していた場合には、第1のロック解除条件CU1として設定された「1234」なる文字列との一致判定を行い、モードフラグが第2のモードM2を示していた場合には、第2のロック解除条件CU2として設定された「1234567890ABCDEF」なる文字列との一致判定を行うことになる。
前述したとおり、第1のモードM1は通常の状態(「非置き忘れ状態」)、第2のモードM2は「置き忘れ状態」を示しているので、一般的には、第1のロック解除条件CU1に比べて第2のロック解除条件CU2の方が、より繁雑な入力操作を要求する条件となるような設定を行うのが好ましい。たとえば、上例のように、第1のロック解除条件CU1として、第1のパスワードの入力操作が行われることを要求する条件を設定し、第2のロック解除条件CU2として、第2のパスワードの入力操作が行われることを要求する条件を設定する場合、第2のパスワードの文字数が第1のパスワードの文字数よりも大きくなるような設定を行うのが好ましい。
そうすれば、モードフラグが第1のモードM1を示している通常の状態(「非置き忘れ状態」)、すなわち、第三者による不正行為が行われる可能性が低い状態では、文字数の少ないパスワードを入力する簡便な入力操作でロック解除を行うことができるので、良好な操作性を確保することができる。これに対して、モードフラグが第2のモードM2を示している状態(「置き忘れ状態」)、すなわち、第三者による不正行為が行われる可能性が高い状態では、文字数の多いパスワードを入力する複雑な入力操作によりロック解除を行う必要があるので、紛失や盗難に遭遇した場合には、十分な不正防止機能を果たすことが可能になり、安全性を高めることができる。
実際、上例の場合、通常の状態であれば、「1234」なる4桁の数字を入力する簡便な入力操作でロック解除を行うことができ、操作性は良好である。しかしながら、4桁の数字からなるパスワードは、セキュリティの観点からは決して安全とは言えず、いわゆる総当たり攻撃によって、「0000」〜「9999」の数字列を順番に入力してゆく不正行為によって安全性は破られてしまう。一方、「1234567890ABCDEF」なる16文字からなるパスワードは、はるかに安全であり、操作性は犠牲になるものの、安全性を確保することができる。
なお、実用上は、ロック状態切換部250に、モードフラグの状態を確認した上で、どちらのパスワードが要求されているかをオペレータに通知する機能をもたせておくようにするのが好ましい。たとえば、上例の場合、モードフラグが第1のモードM1を示している場合には、ディスプレイ120の画面上に「4桁のパスワードを入力してください」のようなメッセージを表示し、モードフラグが第2のモードM2を示している場合には、ディスプレイ120の画面上に「16桁のパスワードを入力してください」のようなメッセージを表示するようにすればよい。
例2は、第1のロック解除条件CU1として、利用者の生体認証を必要としない条件を設定し、第2のロック解除条件CU2として、利用者の生体認証を必要とする条件を設定した例である。具体的には、第1のロック解除条件CU1としては、例1の場合と同様に、「パスワード『1234』が入力されること。」なる条件設定がなされている。これに対して、第2のロック解除条件CU2としては、「生体認証に成功すること。」なる条件設定がなされている。図6には、生体認証の具体例として「指紋・声紋・虹彩・網膜・静脈・顔画像の認証等」が挙げられている。
もっとも、これらの生体認証を条件として設定するには、操作入力部140に、そのような生体認証を行うためのデバイスが組み込まれている必要がある。たとえば、指紋についての生体認証を行うには指紋読取デバイス、声紋についての生体認証を行うには録音デバイスなどが必要になる。これら具体的な生体認証の方法は公知の技術であるため、ここでは詳しい説明は省略する。
もちろん、生体認証を行うためには、予め正規の所有者が、自己の生体を用いて認証用のサンプルデータを登録しておく必要がある。当該登録サンプルデータは、第2のロック解除条件CU2を構成するデータの一部として、ロック解除条件設定部220に格納される。ロック状態切換部250は、当該登録サンプルデータと、操作入力部140が新たに取り込んだ生体認証用データとが一致していた場合に、第2のロック解除条件が満たされたとの判定を行うことになる。
この例2の場合、第1のロック解除条件CU1は、生体認証を必要としない条件であるため、第三者による不正な入力操作によって条件が満たされてしまう可能性があるが、第2のロック解除条件CU2は、生体認証を必要とする条件であるため、第三者による不正な入力操作によって条件が満たされてしまう可能性は非常に低く、より安全と言える。この例2では、モードフラグが第2のモードM2を示している状態(「置き忘れ状態」)、すなわち、第三者による不正行為が行われる可能性が高い状態では、生体認証が要求されるため、十分な不正防止機能を果たすことが可能になり、安全性を高めることができる。
例3は、ロック解除のための入力操作の試行可能回数に制限を課するロック解除条件を設定した例である。具体的には、第1のロック解除条件CU1および第2のロック解除条件CU2は、いずれも、例1の場合と同様に、「パスワード『XXX』が入力されること。」を条件とする点に変わりはないが、入力操作の試行可能回数に関して異なる制限値が設定がなされている。すなわち、第1のロック解除条件CU1では「正しいパスワード『XXX』が試行回数5回以内に入力されること。」が条件とされているのに対して、第2のロック解除条件CU2では「正しいパスワード『XXX』が試行回数2回以内に入力されること。」が条件とされている。
このように、ロック解除のための入力操作の試行可能回数に制限を課するロック解除条件CUが設定されている場合、試行可能回数を超える入力操作によってはじめて正しいパスワードが入力されたとしても、条件が満たされたことにはならない。したがって、ロック状態切換部250は、条件として設定されている試行可能回数に達する入力操作がいずれも誤りであった場合には、以後の入力操作に対しては、その内容にかかわらず、ロック解除条件は満たされないとの判断を行うことになる。
実用上は、試行可能回数に達する入力操作がいずれも誤りであった場合には、ロック状態切換部250によって、ディスプレイ120上に、たとえば「ロック解除操作に失敗しました。販売店で修理して下さい。」のようなメッセージが提示されるようにし、以後、ロック解除のための入力操作を一切受け付けなくするのが好ましい。このような状態に至った場合は、もはや装置100としては正常に機能しなくなっており、修理が必要な状態ということになる。
この例3で留意すべき点は、第1のロック解除条件CU1についての試行可能回数に比べて、第2のロック解除条件CU2についての試行可能回数の方が小さく設定されている点である。別言すれば、前者に比べて後者の方がより厳しい設定がなされていることになる。すなわち、図示の例の場合、第1のロック解除条件CU1では、5回までの試行猶予が与えられているのに対して、第2のロック解除条件CU2では、2回までの試行猶予しか与えられていない。
このような設定は、良好な操作性を確保しつつ、紛失や盗難に遭遇した場合には、十分な不正防止機能を果たす上で有効である。すなわち、第1のモードM1に対応する通常の状態(「非置き忘れ状態」)では、5回までの試行猶予が与えられているため、多少、乱暴にパスワードの入力を行っても、十分にやり直しのチャンスがあるため、良好な操作性が得られる。一方、第2のモードM2に対応する「置き忘れ状態」では、不正利用の可能性が高まっているので、試行猶予回数を2回に抑制することにより、慎重な入力操作が必要になるものの、安全性を高めることができる。
なお、例3では、パスワードはいずれも「XXX」と同じ文字列が設定されているが、もちろん、第1のロック解除条件CU1のパスワードと第2のロック解除条件CU2のパスワードとを変えるようにしてもかまわない。
もちろん、図6に示す例1〜例3は、ロック解除条件CU1,CU2として設定可能な条件のいくつかの例であり、本発明を実行するにあたって、ロック解除条件CU1,CU2は、これら例1〜例3に限定されるものではない。また、論理的な矛盾が生じない限り、例1〜例3に示す各ロック解除条件の一部もしくは全部を組み合わせ、複合的なロック解除条件を設定することも可能である。
また、どのようなロック解除条件CU1,CU2を設定するかは、装置100の設計者が予め定めておくようにしてもよいし、複数通りのロック解除条件CU1,CU2を予め用意してこれらを利用者に提示し、利用者が好みの条件を適宜選択して設定できるようにしておいてもよい。もちろん、パスワードを構成する固有の文字列や、生体認証を行うために予め登録すべきサンプルデータは、装置100の初期利用プロセスにおいて、利用者が設定することになる。
なお、ロック解除条件は、操作入力部140からの特定の入力操作を要求する条件に限定されるものではない。たとえば、「特定の外部信号が通信手段を介して与えられること」といったロック解除条件を設定することもできるし、「時刻が10:00になること」といったロック解除条件を設定することもできる。
<<< §4. 不正行為に対する保護処理 >>>
ここでは、これまで述べてきた基本的な実施形態に係る携帯可能情報処理装置100についての不正防止機能を更に強化するため、不正行為に対する保護処理を実行する機能を付加した実施形態を述べる。この保護処理は、携帯可能情報処理装置100に対して、第三者による不正行為が行われた場合を想定して付加される安全策である。したがって、保護処理は、第三者による不正行為が疑われる状況が発生したことを条件として実行される処理であり、ここで述べる実施形態の場合、ロック状態切換部250に保護処理の実行機能を付加している。
具体的には、ここで述べる実施形態の場合、ロック解除条件CU1,CU2として、たとえば図6の例3に示すように、ロック解除のための試行可能回数に制限を課する条件を設定しておく。そして、ロック状態切換部250には、ロック解除のために試行可能回数分の入力操作が行われ、これらの入力操作がいずれも誤りであった場合に、不正行為から保護するための保護処理を実行する機能をもたせている。したがって、図6の例3に示す条件設定では、モードフラグが第1のモードM1を示している場合には、誤ったパスワードが5回入力された場合に保護処理が実行され、モードフラグが第2のモードM2を示している場合には、誤ったパスワードが2回入力された場合に保護処理が実行されることになる。
一般に、ロック解除のための操作に何回も失敗するというケースでは、正規の所有者ではなく、第三者による不正行為によりロック解除操作が行われていることが疑われる。そこで、ここで述べる実施形態の場合、予めロック解除のための試行可能回数に制限を課しておき、当該試行可能回数分の入力操作がいずれも誤りであったときに、不正行為が行われていると判断して保護処理が実行されるようにしている。
ここで実行される保護処理は、不正行為による被害から携帯可能情報処理装置100を保護することができる処理であればどのような処理でもかまわない。図7は、ロック状態切換部250によって実行される保護処理のいくつかの例を示す表である。
この表において例1として示されている保護処理は「特定のデータを消去する処理」であり、たとえば、OSプログラムの管理下で設定された所有者の個人データや、特定のアプリケーションプログラム(たとえば、他人の住所氏名などのアドレスを取り扱うプログラム)が利用するデータを、予め「特定のデータ」として設定しておくようにすれば、ロック状態切換部250が当該保護処理を実行することにより、設定されている「特定のデータ」に対する消去を行うことができる。
一方、例2として示されている保護処理は「特定のデータを暗号化する処理」である。例1の保護処理では、予め設定しておいた「特定のデータ」を消去する処理が行われるのに対して、例2の保護処理では、予め設定しておいた「特定のデータ」を暗号化する処理が行われることになる。情報漏洩の安全性という観点では、例1の消去処理の方が好ましいが、消去されてしまった「特定のデータ」は、バックアップがない限り失われてしまうことになる。例2の暗号化処理の場合、「特定のデータ」は消去されるわけでなく暗号化されるだけであるので、復号することさえできれば、データを復元することが可能である。したがって、情報の復元性という観点では、例2の暗号化処理の方が好ましい。
例3として示されている保護処理は「不正行為が行われていることを外部に通報する処理」である。具体的には、電話回線や無線LANなどを利用して、携帯可能情報処理装置100から外部のサーバへ通報を行うようにすればよい。この処理は、携帯可能情報処理装置100内の情報を直接的に保護する処理ではないが、外部への通報により、二次的な被害の発生を防止できる可能性がある。たとえば、携帯可能情報処理装置100内に、何らかのシステムにアクセスするパスワードなどが保存されていた場合、当該システムに対する不正行為が行われる前に、当該システムに対するパスワード変更などの措置を採ることが可能である。もちろん、携帯可能情報処理装置100内に、GPSなどの位置認識手段が備わっている場合は、現在位置を示すデータを外部に通報することも可能である。
以上、ロック解除のための試行可能回数に制限を課しておき、試行可能回数分の入力操作がいずれも誤りであったときに、不正行為が行われていると判断して保護処理を実行する例を述べたが、もちろん、不正行為の判断手法としては、別な方法を採用することも可能である。
たとえば、ロック解除条件設定部220に、特定の入力操作をダミー操作として設定しておき、ロック状態切換部250が、モードフラグが第2のモードM2であることを示しており、かつ、ロック解除のために行われた入力操作が当該ダミー操作であった場合に、不正行為から保護するための保護処理を実行するようにしてもよい。この手法は、いわば不正行為を行う者に対して罠を仕掛ける手法ということができる。
具体的には、たとえば、「所有者自身の電話番号を入力する操作」を予めダミー操作として設定しておいた場合を考えてみる。ここで、鞄の置き忘れにより、携帯可能情報処理装置100を含む所持品が第三者の手に渡ってしまったとしよう。この場合、所持品の中に、名刺など電話番号が記載された物品が含まれていると、不正行為を目論む第三者は、試しに、この電話番号をパスワードとして入力し、ロック解除を試みる可能性が高い。上例の場合、「電話番号の入力操作」というダミー操作は、正に、所有者が仕掛けておいた罠ということになり、罠にかかった第三者が電話番号を入力すると、図7に例示するような保護処理が実行されることになる。
上例の場合、保護処理を実行する条件として、「ダミー操作が行われること」と「モードフラグが第2のモードM2であること」との二重の条件を課しているが、これは、所有者自身が罠にかかってしまう危険性を排除するためである。すなわち、所有者自身は、無意識のうちに「電話番号の入力操作」を行ってしまう可能性があるので、モードフラグが第1のモードである場合(すなわち、「置き忘れ状態」ではないと判定されている場合)には、誤って「電話番号の入力操作」(ダミー操作)が行われても、保護処理が行われることがないようにしている。
前述したとおり、モードフラグが第2のモードM2である場合は、「置き忘れ状態」という特殊な状態であり、通常のロック解除操作(第1のロック解除条件CU1を満たす操作)とは異なるロック解除操作(第2のロック解除条件CU2を満たす操作)が要求される。したがって、モードフラグが第2のモードである場合は、所有者は、より慎重にロック解除操作を行うことが予想される。そこで、上例の場合、このような慎重なロック解除操作が要求されている状況においても、ダミー操作が行われた場合には、第三者による不正行為が行われている可能性が極めて高いと判断し、保護処理を実行するようにしている。
なお、ダミー操作が行われた場合、ディスプレイの画面上には、正しいパスワードの認証に成功したように見せかける偽の画面を表示させ、不正行為者を安心させるようにすることもできる。この場合、不正行為者が、たとえば、どこかに電話をかけるような行為を行えば、保護処理の一貫として、当該電話番号を不正行為者の発信先として通報することができ、不正行為者を特定する手掛かりを得ることができるようになる。
<<< §5. 放置状態判定部の具体的構成 >>>
ここでは、図1に示す携帯可能情報処理装置100における放置状態判定部230の具体的構成例を述べる。§1で述べたとおり、放置状態判定部230は、所定の判定条件に基づいて、携帯可能情報処理装置100が放置状態か否かを判定する構成要素であり、モード切換部270は、この放置状態判定部230の判定結果に応じて、モードフラグ保持部260に保持されているモードフラグを切り換える。
後述するように、放置状態判定部230には、携帯可能情報処理装置100が静止状態にあるか否かを認識するために用いる物理的なセンサが組み込まれており、携帯可能情報処理装置100が静止状態にあると認識できる期間が所定の放置判定時間以上継続した場合に放置状態との判定を行うことになる。
ここでは、まず、放置状態判定部230に組み込まれた物理的なセンサの基本動作を説明するために、図8を参照して座標系の説明を行うことにする。図8は、本発明に係る携帯可能情報処理装置100が配置されたNEUグローバル座標系と、当該入力装置100上に定義されたXYZローカル座標系との関係を示す斜視図である。両座標系は、いずれも3つの座標軸を有する三次元直交座標系であるが、前者が地理的な東西南北および上下の方向を示すことができるように、地球上に固定された座標系であるのに対して、後者は、携帯可能情報処理装置100に対して固定された座標系である。
すなわち、NEUグローバル座標系は、北方向を示すN軸、東方向を示すE軸、上方向を示すU軸という互いに直交する3軸と原点Oとをもった三次元直交座標系であり、地球上での利用を前提とする本発明に係る携帯可能情報処理装置100の動作を考える上では、位置や向きに変化が生じない普遍的な座標系として取り扱うことができる。ここで、N軸は「North(北)」の頭文字、E軸は「East(東)」の頭文字、U軸は「Up(上)」の頭文字をとったものである。図に示す鉛直方向D(下方向)は重力が作用する方向であり、U軸負方向に対応し、NE平面は水平面を構成する。また、図に破線で示す南方向はN軸負方向に対応し、図に破線で示す西方向はE軸負方向に対応する。
もちろん、N軸の代わりに南方向を示すS軸を用いたり、E軸の代わりに西方向を示すW軸を用いたり、U軸の代わりに下方向を示すD軸を用いたりすることも可能である。これらのバリエーションは、座標軸の正方向をどちら側に取るかの問題であり、どのような座標軸をとったとしても、グローバル座標系の本質には代わりはない。したがって、以下の説明では、上述したように、N軸,E軸,U軸を定義したNEUグローバル座標系を用いた例を述べることにする。
このNEUグローバル座標系で示される三次元座標空間は、地球上の実空間に対応するものであり、原点Oを実空間上の任意の位置に定めてやれば、この実空間上の任意の位置Pは、NEUグローバル座標系上の座標点P(n,e,u)として示すことができる。ここで、n,e,uは、それぞれN軸,E軸,U軸上の座標値である。
一方、XYZローカル座標系も、X軸、Y軸、Z軸という互いに直交する3軸と原点Pとをもった三次元直交座標系であるが、携帯可能情報処理装置100の装置筐体に固定されているため、過渡的な座標系ということになる。すなわち、利用者が、携帯可能情報処理装置100を移動させたり、回転させたりすると、XYZローカル座標系も、一緒に移動したり回転したりすることになる。図示の例の場合、スマートフォンを携帯可能情報処理装置100として用いた例であり、扁平な直方体状の装置筐体の中心点にXYZローカル座標系の原点Pが設定されている。また、X軸、Y軸、Z軸は、それぞれこの装置筐体の各辺に沿った方向に定義されている。
続いて、放置状態判定部230の具体的構成例を、図9に示すブロック図を参照しながら説明する。図示のとおり、この放置状態判定部230は、物理的なセンサとして、加速度センサ231、角速度センサ232、姿勢センサ233を有しており、更に、動静状態認識部234と継続時間判定部235とを有している。
加速度センサ231は、携帯可能情報処理装置100に作用する加速度αx,αy,αzを検出するセンサである。ここで、加速度αx,αy,αzは、図8に示すXYZローカル座標系における加速度のX軸方向,Y軸方向,Z軸方向の成分である。これら加速度αx,αy,αzの検出値は、携帯可能情報処理装置100に作用した各座標軸方向の力を示す値であり、携帯可能情報処理装置100が運動状態にあるのか、静止状態にあるのか、を判断するためのパラメータとして機能する。
一方、角速度センサ232は、携帯可能情報処理装置100に作用する角速度ωx,ωy,ωzを検出するセンサである。ここで、角速度ωx,ωy,ωzは、図8に示すXYZローカル座標系における角速度のX軸まわり,Y軸まわり,Z軸まわりの成分である。これら角速度ωx,ωy,ωzの検出値は、携帯可能情報処理装置100に作用した各座標軸まわりの回転運動を示す値であり、やはり携帯可能情報処理装置100が運動状態にあるのか、静止状態にあるのか、を判断するためのパラメータとして機能する。
そして、姿勢センサ233は、携帯可能情報処理装置100の姿勢を検出するセンサであり、具体的には、姿勢を示す天頂角θと方位角φとが検出される。ここで、天頂角θは、たとえば、水平面NEに対してX軸がなす角度として定義することができ、方位角φは、たとえば、水平面NEへのX軸の投影像とN軸とのなす角度として定義することができる(N軸の検出には、磁気センサを用いればよい。)。別言すれば、携帯可能情報処理装置100の姿勢は、NEUグローバル座標系におけるX軸の向きとして定義されることになり、姿勢センサ233は、このX軸の向きを検出する傾斜センサということになる。この姿勢を示す天頂角θと方位角φも、やはり携帯可能情報処理装置100が運動状態にあるのか、静止状態にあるのか、を判断するためのパラメータとして機能する。
上述した機能を果たす加速度センサ231、角速度センサ232、姿勢センサ233は、様々な原理に基づくものが市販されているため、ここではその仕組についての詳細な説明は省略する。現在市販されているスマートフォンやタブレット型電子端末には、このような物理的なセンサが内蔵されているものも少なくない。なお、図9には、3種類のセンサ231,232,233のすべてが組み込まれた例を示してあるが、もちろん、いずれか1つのセンサのみを用いて放置状態判定部230を構成してもかまわない。
動静状態認識部234は、これら各検出センサ231,232,233の出力を所定のサンプリング周期でモニタし、運動状態か静止状態かを認識する処理を行う構成要素であり、継続時間判定部235は、この動静状態認識部234が静止状態と認識した期間が所定の放置判定時間以上継続した場合に放置状態との判定を行う構成要素である。
ここでは、動静状態認識部234が、加速度センサ231の出力を所定のサンプリング周期でモニタし、運動状態か静止状態かを認識する場合の具体的な処理方法の一例を説明しよう。たとえば、動静状態認識部234が、20Hzで検出値のサンプリングを行うことにすれば、50msごとに、加速度αx,αy,αzの各検出値がデジタルデータとして取り込まれることになる。
通常、スマートフォンやタブレット型電子端末などは手に持って操作され、操作中は、空間上で微小な振動を生じることになる。一方、携帯型パソコンの場合は、テーブルの上などに置いた状態で操作されるのが一般的であるが、キーボードの操作などにより、使用中は、やはり空間上で微小な振動を生じることになる。
動静状態認識部234は、このように、利用者が装置100を利用している場合には、これを運動状態と認識するように設定されている。具体的には、動静状態認識部234は、センサの出力の時間的変動が所定の閾値以内に収まっている場合に静止状態との認識を行い、閾値を超えた場合には運動状態との認識を行う。上例の場合、20Hzでサンプリングが行われるため、50msごとに得られる各検出値について、時間に関する変動量が所定の閾値を超えているか否かの判定が行われることになる。
図10は、上述の方針に基づいて、動静状態認識部234によって行われる具体的な認識方法を示すグラフである。グラフの横軸は時間t、縦軸は加速度センサ231によって検出された加速度αxを示している。図示の例の場合、加速度センサ231の検出値αxには、重力加速度成分gxと振動加速度成分(振動によって生じる加速度成分)とが混在している。ここで、重力加速度成分gxはバイアス成分となり、装置100の姿勢に変化が生じない限り、常に一定の値(重力加速度gのX軸方向成分に対応する値)を維持する。加速度αxの値を20Hz程度のサンプリングレートで採取すると、通常、この例のように、重力加速度成分gxを中心とする振動波形グラフが得られる。
ここで、装置100がテーブルの上などに置かれて静止状態にあると、振動加速度成分は非常に小さくなるため、図10に示すような振動波形の振幅値は所定の閾値Δ以内に収まる。ところが、利用者が装置100を取り上げて、手にもったまま操作を行うと運動状態になり、振幅値が当該閾値Δを超える現象が認められる。そこで、予め適切な閾値Δを設定しておけば、検出値αxの振幅値が閾値Δを超えた場合には運動状態、それ以外の場合には静止状態と認識することができる。
図示の例の場合、時刻t0〜t1までの振幅値は閾値Δ以内に収まっているが、時刻t1〜t2の期間は振幅値が閾値Δを超え、時刻t2以降は振幅値が再び閾値Δ以内に収まっている。したがって、加速度のX軸方向成分αxの判定に関しては、時刻t0〜t1の期間は静止状態、時刻t1〜t2の期間は運動状態、時刻t2〜の期間は静止状態と認識することができる。
図10に示すとおり、加速度αxの振幅は、重力加速度成分gxの値を中心とする振動波形になるので、ここに示す実施例の場合、図に一点鎖線で示すように、上限値をgx+Δ/2、下限値をgx−Δ/2と定め、加速度αxの値が上限値を上まわるか、下限値を下まわる場合に、振幅値が閾値Δを超えたものとする判定方法を採用している。このような判定方法を採用すれば、加速度αxについて、個々のサンプリング値のみに基づいて判定を行うことが可能になる。
もちろん、重力加速度成分gxの値は、装置100の姿勢変化に伴って変化する。これは、図8に示すとおり、重力加速度gは常に鉛直方向D(下)に作用するため、たとえば、図示の状態を基準として、X軸を下方に向けるように姿勢を変化させれば、重力加速度成分gxは増加し、X軸を上方に向けるように姿勢を変化させれば、重力加速度成分gxは減少する。
ただ、通常、装置100の姿勢は、振動成分の周波数に比較すれば、時間軸上で緩やかな変化を行うことになるので、ある時刻tにおける検出値αxのサンプリング値が、閾値Δ以内に収まっているか否かを判定する際には、たとえば、予め所定の参照期間trを設定しておき、時刻t−trから時刻tに至るまでに得られたサンプリング値の平均値を重力加速度成分gxとして、時刻tにおける検出値αxのサンプリング値が、上限値をgx+Δ/2〜下限値をgx−Δ/2の間に収まっているか否かを判定すればよい。
以上、図10に示す加速度αxについて、静止状態/運動状態を認識する具体的な方法を説明したが、動静状態認識部234による実際の認識処理は、3つの軸方向成分αx,αy,αzをすべて用いて行うのが好ましい。たとえば、少なくとも1つの成分に関して振幅値が閾値Δを超えるものがあった場合には運動状態と認識し、3つの成分すべてに関して振幅値が閾値Δ内に収まっていた場合には静止状態と認識する方法を採ることができる。
なお、実際には、加速度センサ231は、様々な要因によってイレギュラーな検出値を出力することがある。このようなイレギュラーな検出値によって、本来は静止状態であるのに運動状態と認識されてしまうことは好ましくない。そこで、実用上は、たとえば、1つのサンプリング値のみが閾値Δを超えたとしても、直ちには運動状態とは認識せずに、後続するいくつかのサンプリング値を監視して、所定数以上のサンプリング値が同様に閾値Δを超えていた場合に運動状態と認識するようにするのが好ましい。
一方、図11は、個々のサンプリング値自身が所定の閾値Δ以内に収まっているか否かを判定するのではなく、各サンプリング値の分散が所定の閾値δ以内に収まっているか否かを判定する方法を示すグラフである。このグラフの横軸は時間t、縦軸は加速度αxであり、時刻t0〜t1の期間は装置100をテーブルの上に置いたままとし、時刻t1〜t2の期間は装置100を取り上げて操作し、時刻t2に再び装置100をテーブルの上に置いた場合の検出値αxの時間変化を示している。より具体的には、20Hzの周期で加速度αxをサンプリングし、個々のサンプリング値を黒点としてプロットしたグラフになっている。
図11を見ればわかるとおり、静止状態/運動状態の別は、プロットした個々の黒点の散らばり具合の差として、グラフ上に表現されることになる。したがって、この方法を採用した場合、動静状態認識部234は、各サンプリング値の分散が所定の閾値δ以内に収まっている場合には静止状態、分散が閾値δを超えた場合には運動状態、との認識を行うことになる。
具体的には、動静状態認識部234は、ある時刻tにおいて、静止状態/運動状態の判定を行う場合、所定の参照期間trを設定し、時刻t−trから時刻tまでの期間の加速度αxの合計n個のサンプリング値を取得し、このn個のサンプリング値の分散値sを、
=1/n・Σi=1〜n αx −αx
なる式で求め(αxは、n個のサンプリング値の平均値)、この分散値sが所定の閾値δ内に収まっていれば静止状態、閾値δを超えた場合には運動状態と認識することができる。
たとえば、任意の時刻tにおける判定を行う場合、直前の0.5秒を参照期間trに設定すれば、加速度αxについて、それぞれ20Hzの周期でサンプリングされた10個のサンプルについての分散値に基づいて、静止状態/運動状態の判定が行われることになる。図12は、こうして求められた加速度αxについての分散値sの時間的変化の一例を示すグラフであり、横軸は時間t、縦軸(対数尺度)は分散値sを示している。この例の場合、図示のような閾値δ(一点鎖線で示すレベル)を設定しておけば、分散値sが閾値δを超えた時刻t1〜t2の期間中は運動状態、時刻t1以前および時刻t2以後は静止状態との判定が行われることになる。
実際には、加速度は、各軸方向成分αx,αy,αzの検出値として得られるので、動静状態認識部234は、所定の参照期間trについて、検出値αxの分散値、検出値αyの分散値、検出値αzの分散値、の少なくとも1つが、所定の閾値δを超えた場合には運動状態、それ以外の場合には静止状態と判定するようにすればよい。もちろん、この分散値を用いた判定を行う場合も、イレギュラーな加速度検出値によって運動状態との判定がなされてしまう可能性があるので、実用上は、所定数以上の分散値が閾値δを超えた場合に、運動状態と判定するようにするのが好ましい。
以上、図9に示す動静状態認識部234が、加速度センサ231の出力である加速度αx,αy,αzのサンプリング値に基づいて、装置100が、静止状態であるか、運動状態であるかを認識する具体的な方法を述べた。実際には、図9に示す放置状態判定部230には、加速度センサ231に加えて、更に、角速度センサ232および姿勢センサ233が備わっている。したがって、動静状態認識部234は、角速度センサ232の出力である角速度ωx,ωy,ωzのサンプリング値や、姿勢センサ233の出力である天頂角θおよび方位角φのサンプリング値を用いて、装置100が、静止状態であるか、運動状態であるかを認識することもできる。具体的な方法は、加速度に基づく認識方法と同様であり、個々のサンプリング値の時間的変動や分散が所定の閾値以内に収まっているか否かを判定すればよい。
いずれにしても、図9に示す動静状態認識部234は、時間軸上の個々の時点が、運動状態か静止状態かを認識する処理を行うことになる。これに対して、継続時間判定部235は、動静状態認識部234から逐次(上例の場合、20Hzというサンプリング周期で)、運動状態か静止状態かの認識結果の報告を受け、動静状態認識部234が静止状態と認識した期間が所定の放置判定時間以上継続している場合に放置状態、そうでない場合に非放置状態との判定を行う。この継続時間判定部235による放置状態/非放置状態の判定結果は、放置状態判定部230としての判定結果として、モード切換部270に与えられることになる。
既に述べたとおり、本願にいう「放置状態」とは、装置100が物理的に放置されている状態を言い、放置状態判定部230からモード切換部270に対して「放置状態」であることが伝達されると、モード切換部270によって、モードフラグが第2のモードM2に切り換えられ、以後、装置100は「置き忘れ状態」として取り扱われる。その後、放置状態判定部230からモード切換部270に対して「非放置状態」であることが伝達されたとしても、モードフラグは第2のモードM2のまま維持されることは、前述したとおりである。
別言すれば、放置状態判定部230によって、ひとたび「放置状態」との判定がなされると、装置100は、たとえば、ロック解除操作などによって第1のモードM1に復帰するまで、ずっと第2のモードM2(置き忘れ状態)になる。したがって、実用上、継続時間判定部235が「放置状態」との判定を行うために必要な放置判定時間としては、装置100が実際に放置状態となっていると推定するに十分な時間に設定するのが好ましい。
放置判定時間をあまり短く設定すると、利用者が装置100をテーブルの上に一時的に置いただけでも「放置状態」との判定がなされ、モードフラグが第2のモードM2に切り換えられてしまうことになる。この場合、ロック解除を行うには、たとえば、4文字ではなく16文字のパスワードが必要になり(図6の例1の場合)、操作性の低下を招くことになる。逆に、放置判定時間をあまり長く設定すると、利用者が装置100を居酒屋などに置き忘れ、第三者が拾い上げた場合でも、「放置状態」との判定がなされず、モードフラグが第1のモードM1のまま切り換えられなくなる。この場合、ロック解除を行うには、4文字のパスワードで済むため(図6の例1の場合)、十分な不正防止機能を果たさせることができなくなる。
もちろん、最適な放置判定時間は、個々の利用者の利用態様や利用環境に応じて異なるであろう。したがって、必要があれば、予め、利用者に適切な放置判定時間を設定させるようにしてもかまわない。たとえば、10分間、30分間、1時間、2時間、5時間などの選択肢を提示して、利用者に所望の時間を選択させて放置判定時間の設定を行わせるようにすれば、個々の利用者にとって最適な放置判定時間の設定が可能になる。
なお、ここでは、動静状態認識部234による運動状態/静止状態の認識に基づいて放置状態の判定を行う例を述べたが、放置状態判定部230による放置状態の判定方法は、必ずしも運動状態/静止状態の認識に基づく方法に限定されるものではない。たとえば、姿勢センサ233の天頂角θの値を利用して、θの値が0°近傍を示す状態(X軸が水平方向を向いている状態)が所定時間以上継続した場合に放置状態との判定を行うような方法を採ることも可能である。すなわち、スマートフォンのような扁平型の装置の場合、図8に示すようにX軸を定義すると、X軸が水平方向を向いている期間が長く続く場合は、テーブル面などの水平面上に放置されている可能性が高いので、これを利用して放置状態との判定を行うことが可能である。
<<< §6. 具体的な利用例 >>>
ここでは、図1に示す携帯可能情報処理装置100の具体的な利用例を、図13のイベントチャートを用いて説明する。このイベントチャートの縦方向は時間の流れを示しており、「持主の所在」欄には、当該装置100のユーザ(正規の所有者)の現時点の居場所が記載され、「持主の行動」欄には、当該装置100のユーザの現時点の行動が記載され、「装置の位置」欄には、当該装置100の現時点の位置が記載され、「ロックフラグ」欄には、当該装置100の現時点のロックフラグの状態(ロック状態L/アンロック状態U)が記載され、「モードフラグ」欄には、当該装置100の現時点のモードフラグの状態(第1のモードM1/第2のモードM2)が記載されている。
ここでは、便宜上、当該装置100がスマートフォンである場合についての説明を行うことにする。はじめに、図13(a) のイベントチャートを参照しながら、前半の利用例を説明する。
まず、ユーザは、本社の自席について、このスマートフォンを起動し、何らかのアプリケーションプログラムを利用したものとしよう。スマートフォンはユーザの手によって保持され、ロックフラグはアンロック状態U、モードフラグは第1のモードM1になっている。続いて、ユーザが、自席に着席したまま、このスマートフォンを電源ON状態のままポケットにしまったものとする。
ここで、ロック開始条件として、「操作入力部からの入力操作が所定時間ta以上にわたって行われていないこと」なる条件設定がなされていると、ポケットにしまってから時間ta(ロック開始判定時間)だけ経過すると、ロック開始条件が満たされ、ロックフラグはロック状態Lに切り換えられる。したがって、ユーザが、再び、このスマートフォンを取り出して利用する際には、ロック解除操作が必要になる。図において、「ロックフラグ」欄に記載されている黒い単独矢印は、ユーザによって、第1のロック解除条件を満たすロック解除操作が行われたことを示している。
ここでは、説明の便宜上、各ロック解除条件として、図6の例1の設定がなされていたものとしよう。この場合、第1のロック解除条件を満たすロック解除操作は、パスワード「1234」の入力操作ということになる。正しいパスワードが入力されると、ロック解除処理が行われ、ロックフラグはアンロック状態Uに切り換えられる。これにより、ユーザは、このスマートフォンを自由に利用することができる。
さて、続いて、このユーザが本社から支社へと向かうことになったものとしよう。すなわち、ユーザは、スマートフォンを電源ON状態のままポケットにしまい、本社から支社への移動経路につくことになる。この場合も、ポケットにしまってから時間taだけ経過すると、ロック開始条件が満たされ、ロックフラグはロック状態Lに切り換えられる。一方、ポケット内のスマートフォンは、移動中、振動状態にあるため、放置状態判定部230によって放置状態との判定が行われることは一度もなかったものとしよう。この場合、モードフラグは、第1のモードM1(通常の状態)を維持することになる。
続いて、支社の会議室に到着したユーザは、ポケットからスマートフォンを取り出して利用したものとする。もちろん、会議室に到着した時点では、既にロックフラグはロック状態Lに切り換えられているので、ユーザは、スマートフォンを利用する際に、パスワード「1234」を入力してロック解除操作を行う必要がある(黒い単独矢印参照)。このロック解除操作により、ロックフラグはアンロック状態Uに切り換えられ、ユーザは支社の会議室において、スマートフォンを自由に利用することが可能になる。
ここで、ユーザが、会議の途中で、スマートフォンをテーブルの上に放置したものとしよう。すると、テーブルの上に放置してから時間taだけ経過すると、ロック開始条件が満たされ、ロックフラグはロック状態Lに切り換えられる。しかも、テーブルの上に放置した状態では、動静状態認識部234によって静止状態との認識が行われ、当該静止状態が所定の放置判定時間tbだけ継続すると、継続時間判定部235により「放置状態」との判定が行われることになる。その結果、モードフラグは第2のモードM2に切り換えられてしまう。なお、図13では、ta<tbなる設定がなされている例を示すが、ta>tbなる設定がなされていた場合は、モードフラグが先に第2のモードM2に切り換えられ、そのあと、ロックフラグがロック状態Lに切り換えられることになる。
前述したとおり、第2のモードM2は、本来、「置き忘れ状態」を示すモードである。ところが、上例の場合、ユーザがスマートフォンをテーブルの上に置いた状態で会議に出席しているだけであり、実際に置き忘れているわけではない。すなわち、スマートフォンは、依然としてユーザの管理下にあり、ユーザは、通常であれば、会議終了時にテーブルの上のスマートフォンを取り上げ、ポケットにしまうなどして携行を続けるであろう。しかしながら、本発明に係る携帯可能情報処理装置100の場合、このような状況では、「置き忘れ状態」と判断して、モードフラグを第2のモードM2に切り換える処理を行うことになる。
続いて、図13(b) のイベントチャートを参照しながら、後半の利用例を説明する。この後半でも、前半からの会議が続いているものとしよう。ユーザは、支社の会議室におり、スマートフォンは、会議室のテーブルの上に載せられている。このとき、ロックフラグはロック状態Lとなり、モードフラグは第2のモードM2となっていることは、上述したとおりである。
ここで、ユーザが、会議の途中で、テーブルの上のスマートフォンを取り上げて利用しようとした場合を考える。そのためには、ロック解除操作を行う必要があるが、モードフラグは第2のモードM2となっているため、ロック解除を行うためには、第2のロック解除条件を満足させることができる「1234567890ABCDE」なる16文字のパスワードを入力する必要がある。実際には、ユーザが、ロック解除操作を行おうとした時点で、ディスプレイ画面上に「16桁のパスワードを入力してください」のようなメッセージが表示される。このメッセージを見たユーザは、現在、スマートフォンが「置き忘れ状態」になっていると認識することができる。
もちろん、「通常の状態」であれば、「1234」なる4桁のパスワードを入力する簡易操作でロック解除が可能であるのに対して、「置き忘れ状態」になってしまうと、上述したような16桁のパスワード入力が求められるため、操作性は低減してしまう。しかしながら、紛失や盗難に遭遇した場合にも、十分な不正防止機能が担保されるようにするため、本発明では、上例のような場合も「置き忘れ状態」と判断して、より安全サイドの処理が行われるようにしている。
図において、「ロックフラグ」欄に記載されている黒い二重矢印は、ユーザによって、第2のロック解除条件を満たすロック解除操作(上例の場合、16桁のパスワード入力)が行われたことを示している。これにより、ロックフラグはアンロック状態Uに切り換えられ、同時に、モードフラグは第1のモードM1に切り換えられる。すなわち、モードフラグは「置き忘れ状態」から「通常の状態」に復帰したことになる。
さて、午前中の会議が終了し、ユーザは、支社の会議室から昼食のためのレストランに向かうことになったものとしよう。ユーザは、スマートフォンを電源ON状態のままポケットにしまい、支社からレストランへの移動経路につくことになる。この場合も、ポケットにしまってから時間taだけ経過すると、ロック開始条件が満たされ、ロックフラグはロック状態Lに切り換えられる。一方、ポケット内のスマートフォンは、移動中、振動状態にあるため、放置状態判定部230によって放置状態との判定が行われることは一度もなかったものとしよう。この場合、モードフラグは、第1のモードM1(通常の状態)を維持することになる。
レストランに到着したユーザは、ポケットからスマートフォンを取り出し、これをそのままレストランのテーブルの上に放置したものとする。この時点で、ロックフラグはロック状態Lのままであり、モードフラグは、第1のモードM1のままである。しかしながら、テーブルの上に放置した状態では、動静状態認識部234によって静止状態との認識が行われ、当該静止状態が所定の放置判定時間tbだけ継続すると、継続時間判定部235により「放置状態」との判定が行われる。その結果、モードフラグは第2のモードM2(置き忘れ状態)に切り換えられる。
ここで、食事を終えたユーザが、レストランを出て、午後の仕事先に向かうことになったが、このとき、レストランのテーブルの上に、スマートフォンを置き忘れてしまったものとしよう。ユーザが置き忘れに気付かなければ、やがて、置き忘れたスマートフォンは、第三者の手によって拾われることになろう。もし、拾得した第三者が、悪意をもった者であった場合、このスマートフォンを不正利用しようと考えるかもしれない。
しかしながら、この時点では、スマートフォンはロック状態Lとなっており、しかも、モードフラグは第2のモードM2(置き忘れ状態)に切り換えられているため、十分な不正防止機能が働くことになる。すなわち、図において、「ロックフラグ」欄に白い二重矢印を記して示したとおり、悪意をもった第三者が不正行為を行うためには、ロック解除操作を行うことにより、ロックフラグをアンロック状態Uに切り換える必要がある(この場合、同時に、モードフラグは第1のモードM1に切り換えられる)。
ところが、モードフラグは第2のモードM2に切り換えられているため、ロック解除操作は、第2のロック解除条件を満たすもの(上例の場合、16桁のパスワード入力)でなければならない。すなわち、悪意をもった第三者は、「1234」という4桁の簡易パスワードの入力によってロックを解除することはできず、「1234567890ABCDE」という16桁のパスワードを入力しなければならない。このため、第三者による不正利用は極めて困難になる。もちろん、その後、スマートフォンが無事に発見され、本来のユーザの手元に戻った場合には、ユーザは、16桁のパスワードを入力することにより、利用を続行することができる。
なお、上例では、スマートフォンをレストランのテーブルの上に置き忘れたため、放置判定時間tbの計時は、スマートフォンをテーブルの上に置いた時点から開始することになるが、スマートフォンをタクシーの中など、振動が生じる環境に置き忘れると、動静状態認識部234による静止状態の認識が行われず、放置状態との判定が行われないことになる。このような場合は、たとえば、タクシーが車庫に戻るなどして、動静状態認識部234による静止状態の認識が行われるようになってから放置判定時間tbの計時が行われるので、モードフラグが第2のモードM2に切り換えられるタイミングは若干遅れることになる。
以上、スマートフォンの電源がずっとON状態になっている場合の例を述べたが、前述したように、ロックフラグおよびモードフラグは不揮発性メモリに格納されているため、途中で電源OFFにしたとしても、各フラグの状態はそのまま維持されることになるので、基本動作は、図13に示す例と同様である。なお、途中で電源OFFになった場合には、ロック開始判定時間taや放置判定時間tbの計時処理は中止し、電源ON状態になってから0から計時をやり直すようにしてもよいが、計時値を不揮発性メモリに格納するようにすれば、電源ON状態になってから、電源OFF時の値から継続して計時を再開することも可能である。
<<< §7. いくつかの変形例 >>>
最後に、これまで述べてきた実施形態を基本とした変形例をいくつか述べておく。
<7−1.加重条件を設定する変形例>
図1に示す基本的な実施形態に係る携帯可能情報処理装置100の場合、放置状態判定部230が放置状態である旨の判定を行うと、モード切換部270によって、モードフラグが第1のモードM1から第2のモードM2へと切り換えられることになる。別言すれば、第2のモードM2への切換条件は、「放置状態判定部230により放置状態との判定が行われること」という単一の条件ということになる。ここで述べる変形例は、第2のモードM2への切換条件として、更に別な加重条件を付加したものである。
図14は、このような加重条件を設定する変形例に係る携帯可能情報処理装置100Aの構成を示すブロック図である。この装置100Aは、図1に示す装置100におけるロック制御モジュール200に、更に、モード切換用加重条件CMを設定するモード切換用加重条件設定部280を付加したものである。図14に示すモード切換部270Aは、図1に示すモード切換部270と同様に、モードフラグ保持部260に保持されているモードフラグの状態を切り換える処理を行う構成要素であるが、切換条件が若干異なっている。
具体的には、モード切換部270Aは、放置状態判定部230によって放置状態との判定が行われ、かつ、その時点においてモード切換用加重条件CMが満たされていたときに、モードフラグが第1のモードM1を示している場合には第2のモードM2に切り換え、モードフラグが第2のモードM2を示している場合にはそのまま第2のモードM2を維持させる処理を行う。
別言すれば、モード切換部270Aは、第2のモードM2から第1のモードM1への切換処理に関しては、図1に示すモード切換部270と全く同じ処理を行うが、第1のモードM1から第2のモードM2への切換処理は、「放置状態判定部230によって放置状態との判定が行われること。」という条件と、「モード切換用加重条件CMが満たされること。」という加重条件と、の双方が満足された場合にのみ実行されることになる。
たとえば、装置100Aが会社から支給されるスマートフォンであり、休日は外部への持ち出しが禁止され、社内のロッカーに保管しておくことが義務づけられていたような場合、休日には、置き忘れによる紛失や盗難が発生する可能性は非常に低いであろう。このような場合、モード切換用加重条件CMとして、たとえば「土曜日もしくは日曜日ではないこと」という条件を設定しておけば、土曜日および日曜日には、モード切換部270Aによって第1のモードM1から第2のモードM2への切換処理が行われることはない。
あるいは、モード切換用加重条件CMとして「オペレータにより、第2のモードM2を有効にする設定が行われていること」といった条件を設定することも可能である。これは、本発明の特徴である「モード」という概念を導入した安全策を利用するか否かを利用者の自由意志に基づいて選択させる、という考え方に基づくものである。上記設定を行う場合には、たとえば、第2のモードM2の有効/無効を示すための「有効/無効フラグ」のようなものを設け、利用者が自由意志に基づいて、当該フラグの状態を切り換えられるようにしておけばよい。
利用者は、本発明に係る安全策を利用する場合は、当該フラグを有効状態にすればよい。この場合は、たとえば、「通常の状態」であれば4桁のパスワードが要求され、「置き忘れ状態」であれば16桁のパスワードが要求されることになる。一方、利用しない場合には、当該フラグを無効状態にすればよい。この場合は、常に4桁のパスワードが要求されることになる。
モード切換用加重条件CMとしては、装置Aの位置に関する条件を設定することもできる。この位置に関する加重条件を設定する変形例は、非常に実用性のある変形例であるため、次の§7−2で詳述する。
<7−2.加重条件としてエリアを設定する変形例>
図15は、図14に示す変形例に係る携帯可能情報処理装置100Aのバリエーションとして位置づけられる携帯可能情報処理装置100Bの構成を示すブロック図である。この装置100Bは、図14に示す装置100Aにおけるロック制御モジュール200Aに、更に、エリア設定部281および現在位置認識部282を付加したものである。図15に示すモード切換部270Bは、図14に示すモード切換部270Aと同様に、第1のモードM1から第2のモードM2への切換処理を行うための条件として、「放置状態判定部230によって放置状態との判定が行われること。」という条件だけでなく、「モード切換用加重条件CMが満たされること。」という加重条件を要求するものである。
この装置100Bの場合、モード切換用加重条件設定部280には、「現在位置が安全エリア外であること」というモード切換用加重条件CMが設定されている。このような加重条件についての判定を行うため、ロック制御モジュール200Bには、操作入力部140に与えられた操作入力に応じて、地図上に所定の安全エリアを設定するエリア設定部281と、装置100B自身の現在位置を認識する現在位置認識部282と、が設けられている。
エリア設定部281は、ディスプレイ120の画面上に、たとえば、図16に例示するような地図を表示させ、この地図上で、オペレータ(利用者)の操作に基づいて安全エリアの設定を行う機能を有している。図16は、このエリア設定作業の作業画面の一例を示す平面図である。この例では、オペレータは、地図上の任意の指定ポイントQと任意の指定半径rを入力することにより、当該指定ポイントQを中心として当該指定半径rを有する円内の領域を安全エリアとして設定することができる。
具体的には、図示の例の場合、利用者が勤務する本社内の1点Q1を第1の指定ポイントとして指定し、第1の指定半径r1を入力する操作を行うことにより、第1の安全エリアA1が設定されている。同様に、利用者の自宅内の1点Q2を第2の指定ポイントとして指定し、第2の指定半径r2を入力する操作を行うことにより、第2の安全エリアA2が設定されている。結局、エリア設定部281内には、2つの安全エリアA1,A2が円形のエリアとして設定されることになる。
もちろん、安全エリアの設定方法は、このような方法に限定されるものではなく、矩形のエリアを設定することも可能であるし、任意の輪郭形状を入力する操作を行うことにより任意形状をもったエリアを設定することも可能である。また、地図上の行政区画の範囲を示すデータを利用すれば、「新宿区」のような文字入力によって、当該行政区画の範囲内のエリアを自動的に設定することも可能である。
こうして、利用者は、予めエリア設定部281に対して、任意の安全エリアを設定しておくことができる。ここで設定された安全エリアは、「現在位置が安全エリア外であること」というモード切換用加重条件CMが満たされているか否かの判定に利用されることになる。換言すれば、「現在位置が安全エリア内」である場合には、加重条件CMは満たされないことになり、第1のモードM1から第2のモードM2への切換処理が行われることはない。
図16に示す例の場合、本社周辺(安全エリアA1)や自宅周辺(安全エリアA2)では、装置100Bが長時間放置状態になっていたとしても、「置き忘れ状態(第2のモードM2)」には移行しないことになる。一般に、利用者の勤務場所や自宅では、装置100Bが長時間にわたって放置されたとしても、紛失や盗難のおそれがある「置き忘れ状態」ではないと考えられ、図16に例示する設定は、操作性を向上させる上で非常に効果的である。たとえば、第1のロック解除条件として4桁のパスワードの入力を要求する条件、第2のロック解除条件として16桁のパスワードの入力を要求する条件、がそれぞれ設定されていた場合でも、本社周辺や自宅周辺では、常に4桁のパスワード入力によってロック解除が可能になる。
現在位置認識部282は、「現在位置が安全エリア外であること」という条件判定を行うために、装置100B自身の現在位置を認識するための構成要素であり、図8に示すNEUグローバル座標系上での点P(n,e,u)の位置を認識する構成要素ということになる。具体的には、GPSを利用した位置認識システム、または、交信中の無線LAN基地局もしくは携帯電話基地局の位置情報を利用した位置認識システムなどを利用することができる。
図17は、図14,図15に示すモード切換部270A,270Bによるモード切換処理の手順を示す流れ図である。図1に示すモード切換部270によるモード切換処理の手順については、既に、図4の流れ図を参照して説明した。図17に示す流れ図は、図4の流れ図におけるステップS43〜S45の部分を置き換える各ステップを示すものである。
すなわち、モード切換部270A,270Bによるモード切換処理では、図4のステップS42において、第1のモードM1への分岐が生じた場合、図17のステップS51へ移行して、まず、モード切換用加重条件CMの判定が行われる。ここで、条件満足との判定がなされると、ステップS52からステップS53へと移行し、放置状態の認識が行われる。すなわち、放置状態判定部230が放置状態を示しているか否かが判定される。ここで、放置状態を示していた場合には、ステップS54からステップS55へと移行し、第1のモードM1を第2のモードM2に切り換えるモード切換処理が実行される。いずれの場合も、この図17に示すステップが完了した後は、図4のステップS41へ戻ることになる。
なお、現在位置認識部282としては、必ずしも物理的な位置認識システムを用いる必要はなく、装置100Bの現在位置に関する情報を何らかの方法で取得可能なシステムであれば、どのようなものを利用してもかまわない。
たとえば、装置100Bとしてスマートフォンを利用した場合、プログラム格納部110には、利用者の時間ごとの居場所を示すスケジュールを管理するスケジュール管理プログラムが格納されていることが多い。このような場合、現在位置認識部282として、このスケジュール管理プログラム用のデータを参照することにより、現在時刻における居場所と推定される位置を現在位置として認識する位置認識システムを用いることも可能である。
図18は、現在位置認識部282による利用が可能なスケジュール管理プログラムの動作画面の一例を示す平面図である。この例では、個々の時間帯ごとに利用者の居場所の情報が示されている。この例では、個々の居場所の情報が文字情報として示されているが、この居場所を示す文字情報を地図上の位置に対応づける参照テーブルが用意されていれば、このスケジュール管理プログラム用のデータを参照することにより、居場所を示す文字情報を取得し、更に、上記参照テーブルを参照することにより、個々の時間帯ごとの利用者の位置を認識することができる。
なお、スケジュール管理プログラムのデータや上記参照テーブルのデータは、必ずしも装置100B内に用意されている必要はなく、外部のサーバに格納されていてもかまわない。必要に応じて、この外部のサーバに問い合わせを行えば、必要なデータを適宜入手することができる。
図18に例示するスケジュールによれば、この利用者は、10:00〜10:30の時間帯は本社にいると推定され、20:00以降の時間帯は自宅にいると推定される。したがって、現在位置認識部282は、図18のスケジュールデータに基づいて、10:00〜10:30の時間帯については、第1の安全エリアA1内との位置認識を行い、20:00以降の時間帯については、第2の安全エリアA2内との位置認識を行うことになる。
したがって、たとえば、エリア設定部281に、図16に例示するような安全エリアの設定がなされていた場合、モード切換部270Bは、10:00〜10:30の時間帯および20:00以降の時間帯については、「現在位置が安全エリア外であること」というモード切換用加重条件CMが満足されていないため、たとえ、放置状態判定部230が放置状態との判定を行ったとしても、モード切換処理を行うことはない。
もちろん、このようにスケジュール管理プログラム用のデータを参照した位置認識方法は、あくまでも利用者がスケジュールどおりの行動を行うことを前提とした方法であるため、GPS等を利用した物理的な位置認識方法に比べると正確さに欠けることは否めない。しかしながら、現在位置認識部282による現在位置の認識結果は、モード切換部270Bによるモード切換処理を行う上での判定材料として利用されるだけであるので、正確な認識結果でなくても重要な支障は生じない(せいぜい、ロック解除操作として、本来ではない操作が要求されるだけである)。したがって、上述したスケジュール管理プログラム用のデータを参照した位置認識方法は、本発明においては、十分に実用性のある位置認識方法である。
なお、図15に示す装置100Bのように、エリア設定部281および現在位置認識部282を備えた装置の場合、ロック開始条件設定部210に、「現在位置が安全エリア内から安全エリア外へ移動すること」なるロック開始条件CLを設定することが可能になる。上例の場合、装置100Bを所持した利用者が、本社周辺から安全エリアA1の外へ移動した場合や、自宅周辺から安全エリアA2の外へ移動した場合には、ロック状態切換部250の働きにより、装置100Bはロック状態Lに移行することになる。図5の例4に示した「現在位置が安全エリア内から安全エリア外へ移動すること」なる条件は、図15に示す装置100Bのように、エリア設定部281および現在位置認識部282を備えた装置を前提として設定されるロック開始条件CLである。
また、図15に示す装置100Bのように、安全エリアの設定を行う装置の場合、放置状態判定部230の処理負担を軽減する措置を採ることも可能である。たとえば、現在位置が安全エリア内にあることが確認された場合には、放置状態判定部230による放置状態か否かの判定を行わないようにしてもかまわない。上述したとおり、安全エリア内であれば、たとえ放置状態との判定が行われたとしても、モード切換部270によるモード切換処理が行われることはないので、装置が安全エリア内にある限り、放置状態か否かの判定結果がモード切換処理に影響を与えることはない。したがって、安全エリア内では、放置状態判定部230の機能を停止させてしまっても支障は生じない。
あるいは、放置状態判定部230の機能を停止させないまでも、安全エリア内では、省力モードで動作させるようにしてもよい。たとえば、放置状態判定部230が、現在位置が安全エリア内にあることが確認された場合には、第1のサンプリング周期で放置状態か否かの判定を行い、現在位置が安全エリア外にあることが確認された場合もしくは現在位置が確認できなかった場合には、第2のサンプリング周期で放置状態か否かの判定を行うようにし、第1のサンプリング周期よりも第2のサンプリング周期の方を短く設定する運用も可能である。
図10や図11のグラフに示すとおり、放置状態判定部230内の動静状態認識部234は、各センサの検出出力を所定のサンプリング周期でサンプリングして、デジタルデータとして取り込み、運動状態/静止状態の認識を行う。§5では、サンプリング周期を20Hzに設定する例を示した。このサンプリング周期をより短く設定すれば運動状態/静止状態の判定精度は向上し、逆に長く設定すれば判定精度は低下する。
前述のとおり、装置が安全エリア内にあれば、放置状態か否かの判定結果がモード切換処理に影響を与えることはないので、判定精度が低下しても支障は生じない。そこで、現在位置が安全エリア内にあることが確認された場合には、判定精度が低下しても省力モードでの動作を優先するため、より長い第1のサンプリング周期を設定し、現在位置が安全エリア外にあることが確認された場合もしくは現在位置が確認できなかった場合には、判定精度を向上させるため、より短い第2のサンプリング周期を設定する運用を行えば合理的である。
<7−3.モードフラグをサーバに保持する変形例>
これまで述べてきた基本的な実施形態に係る携帯可能情報処理装置100やその変形例は、いずれもその全構成要素を装置本体(装置筐体の内部)内に組み込んだ例であるが、必要に応じて、一部の構成要素を装置本体内ではなく、外部のサーバに設けることも可能である。
図19に示す変形例に係る携帯可能情報処理装置は、携帯可能情報処理装置本体100Cと、外部のサーバ300内に設けられたモードフラグ保持部260Cとによって構成されている。携帯可能情報処理装置本体100Cとサーバ300とは、ネットワーク400を介して相互に通信を行うことが可能である。
要するに、この変形例に係る携帯可能情報処理装置は、図1に示す基本的な実施形態に係る携帯可能情報処理装置100におけるモードフラグ保持部260を、装置の本体内ではなく、当該本体から通信によってアクセス可能なサーバ300内に、モードフラグ保持部260Cとして設けたものということができる。この場合、モード切換部270は、通信によってネットワーク400を介してサーバ300にアクセスして、モードフラグ保持部260Cに保持されているモードフラグを切り換える処理を行うことになる。
同様に、ロック状態切換部250は、通信によってネットワーク400を介してサーバ300にアクセスして、モードフラグ保持部260Cに保持されているモードフラグの状態を認識する処理を行うことになる。なお、何らかの事情により、サーバ300に対して通信を行うことができない場合には、より安全策を採るという観点から、ロック状態切換部250は、モードフラグが第2のモードM2を示しているものとして取り扱うようにすればよい。
100:携帯可能情報処理装置(基本的な実施形態)
100A:携帯可能情報処理装置(第1の変形例)
100B:携帯可能情報処理装置(第2の変形例)
100C:携帯可能情報処理装置本体(第3の変形例)
110:プログラム格納部
120:ディスプレイ
130,130A,130B:プログラム実行部
140:操作入力部
200,200A,200B:ロック制御モジュール
210:ロック開始条件設定部
220:ロック解除条件設定部
230:放置状態判定部
231:加速度センサ
232:角速度センサ
233:姿勢センサ
234:動静状態認識部
235:継続時間判定部
240:ロックフラグ保持部
250:ロック状態切換部
260,260C:モードフラグ保持部
270,270A,270B:モード切換部
280:モード切換用加重条件設定部
281:エリア設定部
282:現在位置認識部
300:サーバ
400:ネットワーク
A1,A2:安全エリア
CL:ロック開始条件
CM:モード切換用加重条件
CU1:第1のロック解除条件
CU2:第2のロック解除条件
D:NEUグローバル座標系の座標軸
E:NEUグローバル座標系の座標軸
gx:X軸方向に関する重力加速度成分
L:ロックフラグのロック状態
M1:モードフラグの第1のモード状態
M2:モードフラグの第2のモード状態
N:NEUグローバル座標系の座標軸
O:NEUグローバル座標系の原点
P1〜P3:プログラム
PL:ロック制御用プログラム
P(n,e,u):XYZローカル座標系の原点
Q1,Q2:指定ポイント
r1,r2:指定半径
S11〜S55:流れ図の各ステップ
t,t0,t1,t2:時間
ta:ロック開始判定時間
tb:放置判定時間
U:ロックフラグのアンロック状態/NEUグローバル座標系の座標軸
X:XYZローカル座標系の座標軸
Y:XYZローカル座標系の座標軸
Z:XYZローカル座標系の座標軸
αx:加速度のX軸方向成分
αy:加速度のY軸方向成分
αz:加速度のZ軸方向成分
δ:基準分散値
Δ:基準変動幅
θ:姿勢の天頂角成分
φ:姿勢の方位角成分
ωx:角速度のX軸方向成分
ωy:角速度のY軸方向成分
ωz:角速度のZ軸方向成分

Claims (29)

  1. オペレータの操作入力を受け付ける操作入力部と、
    所定のプログラムを格納したプログラム格納部と、
    前記操作入力に応じて、もしくは、実行中のプログラムの要求に応じて、前記プログラム格納部に格納されているプログラムを実行するプログラム実行部と、
    プログラムの実行結果をオペレータに提示するディスプレイと、
    を備える携帯可能情報処理装置において、
    前記プログラム実行部が、
    現時点の状態が、ロック状態であるのかアンロック状態であるのかを示すロックフラグを保持するロックフラグ保持部と、
    アンロック状態からロック状態に移行するためのロック開始条件を設定するロック開始条件設定部と、
    ロック状態からアンロック状態に移行するためのロック解除条件を設定するロック解除条件設定部と、
    前記ロック開始条件および前記ロック解除条件を参照して、各条件が満たされたときに前記ロックフラグ保持部に保持されているロックフラグを切り換えるロック状態切換部と、
    現時点のモードが、第1のモードであるのか第2のモードであるのかを示すモードフラグを保持するモードフラグ保持部と、
    所定の判定条件に基づいて、前記携帯可能情報処理装置が放置状態か否かを判定する放置状態判定部と、
    前記放置状態判定部の判定結果に応じて、前記モードフラグ保持部に保持されているモードフラグを切り換えるモード切換部と、
    前記携帯可能情報処理装置自身の現在位置を認識する現在位置認識部と、
    前記操作入力部に与えられた操作入力に応じて、地図上の安全エリアを設定するエリア設定部と、
    「前記現在位置が前記安全エリア外であること」をモード切換用加重条件として設定するモード切換用加重条件設定部と、
    を有するロック制御モジュールを備え、
    前記プログラム実行部は、前記ロックフラグがアンロック状態であることを示しているときには、前記プログラム格納部に格納されている任意のプログラムを実行し、前記ロックフラグがロック状態であることを示しているときには、前記プログラム格納部に格納されているプログラムのうち、一部の例外プログラムのみを実行し、
    前記ロック解除条件設定部には、第1のロック解除条件と第2のロック解除条件とが設定されており、
    前記ロック状態切換部は、
    前記ロックフラグがアンロック状態であることを示しているときには、前記ロック開始条件が満たされることを条件として前記ロックフラグをアンロック状態からロック状態に切り換えるロック開始処理を行い、
    前記ロックフラグがロック状態であることを示しており、かつ、前記モードフラグが第1のモードを示しているときには、前記第1のロック解除条件が満たされることを条件として前記ロックフラグをロック状態からアンロック状態に切り換える第1のロック解除処理を行い、
    前記ロックフラグがロック状態であることを示しており、かつ、前記モードフラグが第2のモードを示しているときには、前記第2のロック解除条件が満たされることを条件として前記ロックフラグをロック状態からアンロック状態に切り換える第2のロック解除処理を行い、
    前記モード切換部が、前記放置状態判定部によって放置状態との判定が行われ、かつ、その時点において前記モード切換用加重条件が満たされていたときに、モードフラグが第1のモードを示している場合には第2のモードに切り換え、モードフラグが第2のモードを示している場合にはそのまま第2のモードを維持させる処理を行い、
    前記放置状態判定部が、前記現在位置が前記安全エリア内にあることが確認された場合には、第1のサンプリング周期で放置状態か否かの判定を行い、前記現在位置が前記安全エリア外にあることが確認された場合もしくは前記現在位置が確認できなかった場合には、第2のサンプリング周期で放置状態か否かの判定を行い、前記第1のサンプリング周期よりも前記第2のサンプリング周期の方が短く設定されていることを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  2. 請求項1に記載の携帯可能情報処理装置において、
    現在位置認識部として、GPSを利用した位置認識システム、または、交信中の無線LAN基地局もしくは携帯電話基地局の位置情報を利用した位置認識システムを用いることを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  3. 請求項1に記載の携帯可能情報処理装置において、
    プログラム格納部に、時間ごとの居場所を示すスケジュールを管理するスケジュール管理プログラムが格納されており、
    現在位置認識部として、前記スケジュール管理プログラム用のデータを参照することにより、現在時刻における居場所と推定される位置を現在位置として認識する位置認識システムを用いることを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の携帯可能情報処理装置において、
    ロック開始条件設定部に、「現在位置が安全エリア内から安全エリア外へ移動すること」なるロック開始条件が設定されていることを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の携帯可能情報処理装置において、
    モード切換部が、ロックフラグがロック状態からアンロック状態に切り換えられるロック解除処理が行われたときに、モードフラグが第1のモードを示している場合にはそのまま第1のモードを維持させ、モードフラグが第2のモードを示している場合には第1のモードに切り換える処理を行うことを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の携帯可能情報処理装置において、
    ロック解除条件設定部が、操作入力部からの特定の入力操作を要求するロック解除条件を設定していることを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  7. 請求項6に記載の携帯可能情報処理装置において、
    第1のロック解除条件に比べて第2のロック解除条件の方が、より繁雑な入力操作を要求する条件となっていることを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  8. 請求項7に記載の携帯可能情報処理装置において、
    ロック解除条件設定部が、第1のロック解除条件として、第1のパスワードの入力操作が行われることを要求する条件を設定しており、第2のロック解除条件として、第2のパスワードの入力操作が行われることを要求する条件を設定しており、前記第2のパスワードの文字数が前記第1のパスワードの文字数よりも大きく設定されていることを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  9. 請求項6に記載の携帯可能情報処理装置において、
    ロック解除条件設定部に、第1のロック解除条件として、利用者の生体認証を必要としない条件が設定され、第2のロック解除条件として、利用者の生体認証を必要とする条件が設定されていることを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  10. 請求項6に記載の携帯可能情報処理装置において、
    ロック解除条件設定部に、ロック解除のための入力操作の試行可能回数に制限を課するロック解除条件が設定されており、
    ロック状態切換部が、前記試行可能回数に達する入力操作がいずれも誤りであった場合には、以後の入力操作に対しては、その内容にかかわらず、ロック解除条件は満たされないとの判断を行うことを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  11. 請求項10に記載の携帯可能情報処理装置において、
    第1のロック解除条件についての試行可能回数に比べて、第2のロック解除条件についての試行可能回数の方が小さく設定されていることを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  12. 請求項10または11に記載の携帯可能情報処理装置において、
    ロック状態切換部が、ロック解除のために試行可能回数分の入力操作が行われ、これらの入力操作がいずれも誤りであった場合に、不正行為から保護するための保護処理を実行することを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  13. 請求項6に記載の携帯可能情報処理装置において、
    ロック解除条件設定部に、特定の入力操作がダミー操作として設定されており、
    ロック状態切換部が、モードフラグが第2のモードであることを示しており、かつ、ロック解除のために行われた入力操作が前記ダミー操作であった場合に、不正行為から保護するための保護処理を実行することを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  14. 請求項12または13に記載の携帯可能情報処理装置において、
    ロック状態切換部が、保護処理として、特定のデータを消去する処理、特定のデータを暗号化する処理、もしくは、不正行為が行われていることを外部に通報する処理を実行することを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の携帯可能情報処理装置において、
    ロック開始条件設定部に、「操作入力部からの入力操作が所定時間以上にわたって行われていないこと」なるロック開始条件、「操作入力部からロック状態への移行を指示する操作入力があったこと」なるロック開始条件、もしくは、「第1のモードから第2のモードへの移行が行われたこと」なるロック開始条件、または、これら各ロック開始条件の一部もしくは全部を組み合わせて構成されたロック開始条件が設定されていることを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の携帯可能情報処理装置において、
    ロックフラグ保持部およびモードフラグ保持部が不揮発性メモリによって構成されており、装置の電源をOFF状態にしても、ロックフラグおよびモードフラグの状態が維持されることを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  17. 請求項1〜15のいずれかに記載の携帯可能情報処理装置において、
    モードフラグ保持部が、携帯可能情報処理装置の本体内ではなく、当該本体から通信によってアクセス可能なサーバ内に設けられており、
    モード切換部は、通信によって前記サーバにアクセスしてモードフラグを切り換える処理を行い、
    ロック状態切換部は、通信によって前記サーバにアクセスしてモードフラグの状態を認識する処理を行い、前記サーバに対して通信を行うことができない場合には、モードフラグが第2のモードを示しているものとして取り扱うことを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の携帯可能情報処理装置において、
    放置状態判定部が、前記携帯可能情報処理装置が静止状態にあると認識できる期間が所定の放置判定時間以上継続した場合に放置状態との判定を行うことを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  19. 請求項18に記載の携帯可能情報処理装置において、
    放置状態判定部が、
    前記携帯可能情報処理装置に作用する加速度もしくは角速度、または前記携帯可能情報処理装置の姿勢を検出する検出センサと、
    前記検出センサの出力を所定のサンプリング周期でモニタし、運動状態か静止状態かを認識する動静状態認識部と、
    前記動静状態認識部が静止状態と認識した期間が所定の放置判定時間以上継続した場合に放置状態との判定を行う継続時間判定部と、
    を有することを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  20. 請求項19に記載の携帯可能情報処理装置において、
    検出センサとして、加速度センサ、角速度センサ、もしくは姿勢センサを有しており、
    動静状態認識部が、前記検出センサの出力の時間的変動が所定の閾値以内に収まっている場合に静止状態との認識を行うことを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  21. 請求項19に記載の携帯可能情報処理装置において、
    検出センサとして、加速度センサ、角速度センサ、もしくは姿勢センサを有しており、
    動静状態認識部が、前記検出センサの出力の各サンプリング値の分散が所定の閾値以内に収まっている場合に静止状態との認識を行うことを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  22. 請求項1〜21のいずれかに記載の携帯可能情報処理装置を、スマートフォン、タブレット型電子端末、もしくは携帯型パソコンにロック制御用プログラムを組み込むことにより構成し、当該ロック制御用プログラムを用いてロック制御モジュールを構成し、少なくとも前記ロック制御用プログラムおよび前記ロック制御用プログラムが必要とするプログラムを例外プログラムとすることを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  23. 請求項1〜22のいずれかに記載の携帯可能情報処理装置としてコンピュータを機能させるプログラム。
  24. オペレータの操作入力を受け付ける操作入力部と、
    所定のプログラムを格納したプログラム格納部と、
    前記操作入力に応じて、もしくは、実行中のプログラムの要求に応じて、前記プログラム格納部に格納されているプログラムを実行するプログラム実行部と、
    プログラムの実行結果をオペレータに提示するディスプレイと、
    を備える携帯可能情報処理装置において、
    前記プログラム実行部が、
    現時点の状態が、ロック状態であるのかアンロック状態であるのかを示すロックフラグを保持するロックフラグ保持部と、
    アンロック状態からロック状態に移行するためのロック開始条件を設定するロック開始条件設定部と、
    ロック状態からアンロック状態に移行するためのロック解除条件を設定するロック解除条件設定部と、
    前記ロック開始条件および前記ロック解除条件を参照して、各条件が満たされたときに前記ロックフラグ保持部に保持されているロックフラグを切り換えるロック状態切換部と、
    現時点のモードが、第1のモードであるのか第2のモードであるのかを示すモードフラグを保持するモードフラグ保持部と、
    所定の判定条件に基づいて、前記携帯可能情報処理装置が放置状態か否かを判定する放置状態判定部と、
    前記放置状態判定部の判定結果に応じて、前記モードフラグ保持部に保持されているモードフラグを切り換えるモード切換部と、
    を有するロック制御モジュールを備え、
    前記プログラム実行部は、前記ロックフラグがアンロック状態であることを示しているときには、前記プログラム格納部に格納されている任意のプログラムを実行し、前記ロックフラグがロック状態であることを示しているときには、前記プログラム格納部に格納されているプログラムのうち、一部の例外プログラムのみを実行し、
    前記ロック解除条件設定部には、第1のロック解除条件と第2のロック解除条件とが設定されており、
    前記ロック状態切換部は、
    前記ロックフラグがアンロック状態であることを示しているときには、前記ロック開始条件が満たされることを条件として前記ロックフラグをアンロック状態からロック状態に切り換えるロック開始処理を行い、
    前記ロックフラグがロック状態であることを示しており、かつ、前記モードフラグが第1のモードを示しているときには、前記第1のロック解除条件が満たされることを条件として前記ロックフラグをロック状態からアンロック状態に切り換える第1のロック解除処理を行い、
    前記ロックフラグがロック状態であることを示しており、かつ、前記モードフラグが第2のモードを示しているときには、前記第2のロック解除条件が満たされることを条件として前記ロックフラグをロック状態からアンロック状態に切り換える第2のロック解除処理を行い、
    前記モードフラグ保持部が、前記携帯可能情報処理装置の本体内ではなく、当該本体から通信によってアクセス可能なサーバ内に設けられており、
    前記モード切換部は、通信によって前記サーバにアクセスしてモードフラグを切り換える処理を行い、
    前記ロック状態切換部は、通信によって前記サーバにアクセスしてモードフラグの状態を認識する処理を行い、前記サーバに対して通信を行うことができない場合には、モードフラグが第2のモードを示しているものとして取り扱うことを特徴とする携帯可能情報処理装置。
  25. オペレータの操作入力を受け付ける操作入力部と、
    所定のプログラムを格納したプログラム格納部と、
    前記操作入力に応じて、もしくは、実行中のプログラムの要求に応じて、前記プログラム格納部に格納されているプログラムを実行するプログラム実行部と、
    プログラムの実行結果をオペレータに提示するディスプレイと、
    を備える携帯可能情報処理装置において、前記所定のプログラムの実行を制御するための制御方法であって、
    現時点の状態が、ロック状態であるのかアンロック状態であるのかを示すロックフラグを設定し、アンロック状態からロック状態に移行するためのロック開始条件と、ロック状態からアンロック状態に移行するための第1のロック解除条件および第2のロック解除条件と、を参照して、各条件が満たされたときに前記ロックフラグを切り換えるロック状態切換ステップと、
    所定の判定条件に基づいて、前記携帯可能情報処理装置が放置状態か否かを判定する放置状態判定ステップと、
    現時点のモードが、第1のモードであるのか第2のモードであるのかを示すモードフラグを設定し、前記放置状態判定ステップの判定結果に応じて、前記モードフラグを切り換えるモード切換ステップと、
    前記ロックフラグがアンロック状態であることを示しているときには、前記プログラム格納部に格納されている任意のプログラムを実行し、前記ロックフラグがロック状態であることを示しているときには、前記プログラム格納部に格納されているプログラムのうち、一部の例外プログラムのみを実行するプログラム実行ステップと、
    を有し、
    前記ロック状態切換ステップ、前記放置状態判定ステップ、前記モード切換ステップ、前記プログラム実行ステップは、いずれも前記携帯可能情報処理装置によって実行されるステップであり、
    前記ロック状態切換ステップにおいて、
    前記ロックフラグがアンロック状態であることを示しているときには、前記ロック開始条件が満たされることを条件として前記ロックフラグをアンロック状態からロック状態に切り換えるロック開始処理を行い、
    前記ロックフラグがロック状態であることを示しており、かつ、前記モードフラグが第1のモードを示しているときには、前記第1のロック解除条件が満たされることを条件として前記ロックフラグをロック状態からアンロック状態に切り換える第1のロック解除処理を行い、
    前記ロックフラグがロック状態であることを示しており、かつ、前記モードフラグが第2のモードを示しているときには、前記第2のロック解除条件が満たされることを条件として前記ロックフラグをロック状態からアンロック状態に切り換える第2のロック解除処理を行い、
    前記モード切換ステップにおいて、前記放置状態判定ステップの判定結果に加えて、更に、モード切換用加重条件を参照してモードフラグの切り換えを行うようにし、前記放置状態判定ステップにより放置状態との判定が行われ、かつ、その時点において前記モード切換用加重条件が満たされていたときに、モードフラグが第1のモードを示している場合には第2のモードに切り換え、モードフラグが第2のモードを示している場合にはそのまま第2のモードを維持させる処理を行い、
    前記モード切換用加重条件として、「携帯可能情報処理装置自身の現在位置が、予め設定された所定の安全エリア外であること」という条件を設定し、
    前記放置状態判定ステップにおいて、前記現在位置が前記安全エリア内にあることが確認された場合には、第1のサンプリング周期で放置状態か否かの判定を行い、前記現在位置が前記安全エリア外にあることが確認された場合もしくは前記現在位置が確認できなかった場合には、第2のサンプリング周期で放置状態か否かの判定を行い、前記第1のサンプリング周期よりも前記第2のサンプリング周期の方を短く設定することを特徴とする携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法。
  26. 請求項25に記載のプログラムの実行制御方法において、
    ロック状態切換ステップにより、ロックフラグをロック状態からアンロック状態に切り換えるロック解除処理が行われたときに、モード切換ステップにより、モードフラグが第2のモードを示している場合には第1のモードに切り換える処理を行うことを特徴とする携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法。
  27. 請求項25または26に記載のプログラムの実行制御方法において、
    ロック状態切換ステップにおいて、オペレータから携帯可能情報処理装置に対して特定の入力操作が行われた場合に、第1のロック解除条件もしくは第2のロック解除条件が満たされたものとしてロックフラグの切り換えを行うことを特徴とする携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法。
  28. 請求項25〜27のいずれかに記載のプログラムの実行制御方法において、
    放置状態判定ステップにおいて、携帯可能情報処理装置が静止状態にあると認識できる期間が所定の放置判定時間以上継続した場合に放置状態との判定を行うことを特徴とする携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法。
  29. 請求項25〜28のいずれかに記載の携帯可能情報処理装置におけるプログラムの実行制御方法をコンピュータに実行させる制御用プログラム。
JP2015124593A 2015-06-22 2015-06-22 携帯可能情報処理装置 Expired - Fee Related JP6562202B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015124593A JP6562202B2 (ja) 2015-06-22 2015-06-22 携帯可能情報処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015124593A JP6562202B2 (ja) 2015-06-22 2015-06-22 携帯可能情報処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017011474A JP2017011474A (ja) 2017-01-12
JP6562202B2 true JP6562202B2 (ja) 2019-08-21

Family

ID=57764067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015124593A Expired - Fee Related JP6562202B2 (ja) 2015-06-22 2015-06-22 携帯可能情報処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6562202B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6154876B2 (ja) 2015-10-29 2017-06-28 京セラ株式会社 電子機器及び制御方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006129329A (ja) * 2004-11-01 2006-05-18 Nec Corp 携帯電話システム及び携帯電話の不正使用防止方法
JP2006189999A (ja) * 2005-01-04 2006-07-20 Fujitsu Ltd セキュリティ管理方法、プログラム及び情報機器
JP5070835B2 (ja) * 2006-12-26 2012-11-14 日本電気株式会社 携帯端末の機能制限方法及び携帯端末
JP5212116B2 (ja) * 2007-02-07 2013-06-19 日本電気株式会社 通信システム及び通信方法
CN101675440B (zh) * 2007-02-28 2012-09-05 日本电气株式会社 包括锁定功能的信息处理装置、用于信息处理装置的锁定(解锁)方法
JP2008228107A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Nec Corp 携帯端末
JP5232211B2 (ja) * 2010-10-29 2013-07-10 株式会社東芝 データ保護機能を有する携帯端末、同携帯端末におけるデータ保護方法及びプログラム
JP2013131164A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Internatl Business Mach Corp <Ibm> ロック機能を有する情報処理装置およびロック機能を実行させるためのプログラム
US20140181741A1 (en) * 2012-12-24 2014-06-26 Microsoft Corporation Discreetly displaying contextually relevant information
JP2015041276A (ja) * 2013-08-22 2015-03-02 住友電工システムソリューション株式会社 端末装置の認証方法、端末装置、及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017011474A (ja) 2017-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10447839B2 (en) Device locator disable authentication
US7079652B1 (en) Login renewal based on device surroundings
US8726371B2 (en) Enhanced security for devices enabled for wireless communications
US10545660B2 (en) Multi touch combination for viewing sensitive information
US9378342B2 (en) Context analysis at an information handling system to manage authentication cycles
CN110651270B (zh) 一种数据访问方法及装置
US10216952B2 (en) Location based disk drive access
US8863243B1 (en) Location-based access control for portable electronic device
US20120309354A1 (en) Situation aware security system and method for mobile devices
US20040046638A1 (en) Terminal lock system comprising key device carried by user and terminal-associated device incorporated in terminal device
EP3236640A1 (en) Method and apparatus for detecting and dealing with a lost electronics device
US20130091564A1 (en) Systems and methods for mitigating the unauthorized use of a device
EP2159727B1 (en) Securing a device based on atypical user behavior
KR20150046766A (ko) 단말기의 잠금 해제 처리방법, 장치, 단말기 장치, 프로그램 및 기록매체
KR20060122966A (ko) 이동 장치 기능 제한 시스템 및 방법
WO2014005004A1 (en) Proximity aware security system for portable electronics with multi-factor user authentication and secure device identity verification
CN107533624B (zh) 检测和防止设备的非法使用
US10586029B2 (en) Information handling system multi-security system management
EP1763965B1 (en) Method of and apparatus for zone dependent content in a mobile device
CN107391977B (zh) 权限的控制、自动切换方法、装置及设备
JP6562202B2 (ja) 携帯可能情報処理装置
RU2488879C1 (ru) Система и способ для защиты доступа к данным, сохраненным на мобильном устройстве, с помощью пароля
US8539563B2 (en) Non-obtrusive security system for devices
Waghmare et al. Authentication System for Android Smartphones
US20130244613A1 (en) Mobile Device Security System and Method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190515

TRDD Decision of grant or rejection written
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190621

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190709

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6562202

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191030

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees