JP6560571B2 - 有害生物防除剤組成物 - Google Patents

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本発明は、O−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートとアセフェートあるいはプロチオホスのいずれかの1成分とを含有する有害生物防除剤組成物に関する。
O−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートは一般名イミシアホスとして知られており、植物寄生性の線虫類や昆虫類の防除剤の有効成分として有用であることが公知である(特許文献1参照)。アセフェートとプロチオホスは植物寄生性の昆虫類の防除剤として有用であることがThe Pesticide Manual Fifteenth Edition(British Crop Production Council発行)に記載されている。なお、これらの化合物は公知の製造法によって合成、あるいは既製造業者から入手することができる。
近年、農薬が引き起こす環境汚染が問題化しており、環境負荷軽減のためより低薬量で高い効果を発揮する薬剤が求められている。混合剤にすることで相乗効果が得られ活性が向上すれば、施用回数の低減や1回の施用で複数の病害を同時防除でき、省力化につながることが期待できる。
他方、殺虫剤分野では、これまで有機リン系の殺虫剤、ピレスロイド系の殺虫剤、ベンゾイルウレア系の殺虫剤、ジアミド系の殺虫剤、有機スズ系の殺ダニ剤などが開発上市されてきたが、上市後まもなく抵抗性害虫やダニが出現し、効果の低下が問題になっている。したがって、市場からは新規作用機作を有する殺虫剤や抵抗性害虫の発達リスクを低下させる有害生物防除剤組成物が熱望されている。
特許文献2は、イミシアホスと他の有機リン系殺虫剤とを有効成分として含有することを特徴とする殺虫・殺線虫剤組成物を開示しており、他の有機リン系殺虫剤としてアセフェート及びプロチオホスを開示している。しかしながら、特許文献2では、イミシアホスとアセフェートあるいはイミシアホスとプロチオホスとを併用した有害生物防除剤組成物の具体的な防除効果は確認されていない。
特公平7−39430 特許第5185547号
本発明はO−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートの殺線虫・殺虫活性を増強することにより、種々有害生物に対して低薬量で防除効果を発揮する有害生物防除剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、O−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートと、防虫活性を有するアセフェートあるいはプロチオホスのいずれかの化合物とを混合することにより、O−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアート単独では十分な効果を得ることができない低薬量で、有害生物に対して高い活性を示すことを発見した。すなわち、本発明は下記〔1〕〜〔5〕に関するものである。
〔1〕O−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートと、アセフェート又はプロチオホスとを有効成分として含有することを特徴とする、有害生物防除剤組成物。
〔2〕O−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートとアセフェート又はプロチオホスとの質量比が9:1〜1:9である、前記〔1〕に記載の有害生物防除剤組成物。
〔3〕有害生物を防除するための、前記〔1〕又は〔2〕に記載の有害生物防除剤組成物の使用。
〔4〕有害生物及び/又はそれらの生息環境に前記〔1〕又は〔2〕に記載の有害生物防除剤組成物を処理することを特徴とする、有害生物を防除する方法。
〔5〕有用作物を生育させようとする場所、あるいは生育させている場所や生育している作物に前記〔1〕又は〔2〕に記載の有害生物防除剤組成物を処理することを特徴とする、有害生物を防除する方法。
本発明により、O−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートの殺線虫・殺虫活性を増強し、種々有害生物に対して低薬量で防除効果を発揮する有害生物防除剤組成物を提供することができる。
本発明に供試されるO−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートは、公知の化合物であり、以下の構造を有する。
Figure 0006560571
O−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートの調製方法もまた、例えば、特許文献1に開示の通り、公知である。
本発明の有害生物防除剤組成物は、O−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートを、0.0001〜40質量%、好ましくは0.0003〜20質量%含む。O−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートの含有量が上記範囲内であれば、有害生物に対して有効である。
一方、本発明に供試される防虫活性を有するアセフェートとプロチオホスは、The Pesticide Manual Fifteenth Edition(British Crop Production Council発行)に記載のある公知の化合物である。
アセフェートは、以下の構造を有する。
Figure 0006560571
プロチオホスは、以下の構造を有する。
Figure 0006560571
なお、アセフェート及びプロチオホスは公知の製造法によって合成、あるいは既製造業者から入手することができる。
本発明の有害生物防除剤組成物は、アセフェート又はプロチオホスを、0.0001〜40質量%、好ましくは0.0003〜20質量%含む。アセフェート又はプロチオホスの含有量が上記範囲内であれば、有害生物に対して有効である。
本発明の有害生物防除剤組成物の有効成分であるO−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートと、アセフェートあるいはプロチオホスとの質量比は、1:99〜99:1、好ましくは1:9〜9:1である。
本発明により提供される有害生物防除剤組成物は、農業・屋内・森林・人・家畜・衛生などの場面で害を及ぼす有害生物の予防や駆除、治療に使用され得る。以下に具体的な使用場面、対象有害生物、使用方法を示すが、本発明の内容はこれらに限定されるものではない。
本発明の有害生物防除剤組成物は、農作物、例えば食用作物(稲、大麦、小麦、ライ麦、オート麦等の麦類、馬鈴薯、甘藷、里芋、やまのいも等の芋類、大豆、小豆、そら豆、えんどう豆、いんげん豆、落花生等の豆類、とうもろこし、粟、そば等)、野菜(キャベツ、白菜、大根、蕪、ブロッコリー、カリフラワー、こまつな等のアブラナ科作物、かぼちゃ、きゅうり、すいか、まくわうり、メロン、ズッキーニ、ゆうがお、にがうり等のウリ科作物、なす、トマト、ピーマン、とうがらし、ししとうなどのナス科作物、おくら等のアオイ科作物、ほうれんそう、ふだんそう等のアカザ科作物、にんじん、みつば、パセリ、セルリー、うど等のセリ科作物、レタス、ごぼうなどのキク科作物、にんにく、たまねぎ、ねぎ、にら、らっきょう等のねぎ類、アスパラガス、しそ、れんこん等)、きのこ類(しいたけ、マッシュルーム等)、果樹・果実類(柑橘類、林檎、梨、桃、梅、桜桃、李、杏、葡萄、柿、枇杷、無花果、あけび、ブルーベリー、ラズベリー、パイナップル、マンゴー、キウイフルーツ、バナナ、いちご、オリーブ、胡桃、栗、アーモンド等)、香料等鑑賞用作物(ラベンダー、ローズマリー、タイム、セージ、胡椒、生姜等)、特用作物(たばこ、茶、甜菜、さとうきび、いぐさ、ごま、こんにゃく、ホップ、綿、麻、オリーブ、ゴム、コーヒー、なたね、ひまわり、桑等)、牧草・飼料用作物(チモシー、クローバー、アルファルファ等の豆科牧草、とうもろこし、ソルガム類、オーチャードグラス等のイネ科牧草等)、芝類(高麗芝、ベントグラス等)、林木(トドマツ類、エゾマツ類、松類、ヒバ、杉、桧等)や鑑賞用植物(きく、ばら、カーネーション、ゆり、トルコギキョウ、宿根かすみそう、スターチス、蘭等の草本・花卉類、いちょう、さくら類、あおき等の庭木等)に損害を与える節足動物類、軟体動物類、線虫類等の害生物を防除するために使用できる。以下に、具体的な害生物を示す。
節足動物門昆虫綱のチョウ目(Lepidoptera)としては、例えば、ヤガ科のオオタバコガ(Helicoverpa armigera)、ヘリオチス種(Heliothis spp.)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna) 、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)等、スガ科のコナガ(Plutella xylostella)等、ハマキガ科のリンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、チャハマキ(Homona magnanima)、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)等、ミノガ科のチャミノガ(Eumeta minuscula )等、アトヒゲコガ科のネギコガ(Acrolepiopsis sapporensis)等、キバガ科のワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)等、ツトガ科のニカメイガ(Chilo suppressalis)、サンカメイガ(Scirpophaga incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ハイマダラノメイガ(Hellulla undalis)、ワタヘリクロノメイガ(Diaphania indica)、シバツトガ(Parapediasia teterrella)等、アゲハチョウ科のキアゲハ(Papilio machaon)等、シロチョウ科のモンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)等、シジミチョウ科のウラナミシジミ(Lampides boeticus)等、シャクガ科のヨモギエダシャク(Ascotis selenaria)等、スズメガ科のエビガラスズメ(Agrius convolvuli)等、等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
コウチュウ目(Coleoptera)としては、例えば、コガネムシ科のドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、マメコガネ(Popillia japonica)、コアオハナムグリ(Oxycetonia jucunda)、サクラコガネ(Anomala geniculata)、アオドウガネ(Anomala albopilosa)等、コメツキムシ科のマルクビクシコメツキ(Melanotus fortnumi)、オキナワカンシャクシコメツキ(Melanotus okinawensis)等、テントウムシ科のニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)等、ハムシ科のウリハムシ(Aulacophora femoralis)、ルートワーム種(Diabrotica spp.)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata )、カメノコハムシ(Cassida nebulosa)、ダイコンハムシ(Phaedon brassicae)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、メキシカンビートル(Epilachna varivestis)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)等、ゾウムシ科のシバオサゾウムシ(Sphenophrus venatus vestitus)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
カメムシ目(Hemiptera)の異翅類(Heteroptera)としては、例えば、カメムシ科のナガメ(Eurydema rugosum)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、チャバネアオカメムシ(Plautia stali)、クサギカメムシ(Halymorpha mista)等、ナガカメムシ科のコバネヒョウタンナガカメムシ(Togo hemipterus)等、ヘリカメムシ科のホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus)、ホソハリカメムシ(Cletus punctiger)等、ホソヘリカメムシ科のクモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)等、グンバイムシ科のツツジグンバイ(Stephanitis pyrioides)等、カスミカメムシ科のウスミドリカスミカメ(Apolygus spinolai)、アカヒゲホソミドリカスミカメ(Trigonotylus coelestialium)等、マメカメムシ科のマルカメムシ(Megacopta punctatissimum) 等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
カメムシ目(Hemiptera)の同翅類(Homoptera)としては、例えば、ヨコバイ科のフタテンヒメヨコバイ(Arboridia apicalis)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)等、ウンカ科のヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)等、アオバハゴロモ科のアオバハゴロモ(Geisha distinctissima)等、キジラミ科のナシキジラミ(Psylla pyrisuga)、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)等、コナジラミ科のミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)の各種バイオタイプ、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)等、フィロキセラ科のブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii)等、アブラムシ科のマメアブラムシ(Aphis craccivora)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、キククギケアブラムシ(Pleotrichophorus chrysanthemi)、キクヒメヒゲナガアブラムシ(Macrosiphoniella sanborni)、ソラマメヒゲナガアブラムシ(Megoura crassicauda)、イバラヒゲナガアブラムシ(Sitobion ibarae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ムギヒゲナガアブラムシ(Sitobion akebiae)等、ワタフキカイガラムシ科のイセリアカイガラムシ(Icerya purchasi)等、コナカイガラムシ科のクワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)等、カタカイガラムシ科のルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)等、マルカイガラムシ科のクワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagoa)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
アザミウマ目(Thysanoptera)としては、例えば、アザミウマ科のチャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci) 、ダイズウスイロアザミウマ(Thrips setosus)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)等、クダアザミウマ科のイネクダアザミウマ(Haplothrips aculeatus)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
ハチ目(Hymenoptera )としては、例えば、ハバチ科のカブラハバチ(Athalia rosae ruficornis)、チュウレンジハバチ(Arge pagana)等、ミフシハバチ科のリンゴハバチ(Arge mali)等、タマバチ科のクリタマバチ(Dryocsmus kuriphilus)等、ハキリバチ科のバラハキリバチ(Megachile nipponica nipponica)等、アリ科のクロヤマアリ(Formica japonica)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
ハエ目(Diptera )としては、例えば、タマバエ科のダイズサヤタマバエ(Asphondylia yushimai)等、ミバエ科のオウトウハマダラミバエ(Rhacochlaena japonica)、ウリミバエ(Bactrocera cucurbitae)等、ミギワバエ科のイネミギワバエ(Hydrellia griseola)等、ショウジョウバエ科のオウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)等、ハモグリバエ科のマメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、ナスハモグリバエ(Liriomyza bryoniae)等、ハナバエ科のタネバエ(Delia platura)、タマネギバエ(Delia antiqua)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
バッタ目(Orthoptera)としては、例えば、キリギリス科のクサキリ(Ruspolia lineosa)等、コオロギ科のアオマツムシ(Truljalia hibinonis)等、ケラ科のケラ(Gryllotalpa orientalis)等、バッタ科のコバネイナゴ(Oxya yezoensis)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
シロアリ目(Isoptera)としては、例えば、シロアリ科のタイワンシロアリ(Odontotermes formosanus)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
ハサミムシ目(Dermaptera)としては、例えば、オオハサミムシ科のオオハサミムシ(Labidura riparia)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
節足動物門側昆虫綱のトビムシ目(Collembola)としては、例えば、マルトビムシ科のキマルトビムシ(Sminthurus viridis)等、シロトビムシ科のマツモトシロトビムシ(Onychiurus matsumotoi)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
節足動物門甲殻綱の等脚目(Isopada)としては、例えば、ダンゴムシ科のオカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
節足動物門クモ綱のダニ目(Acari)としては、例えば、ホコリダニ科のチャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)、シクラメンホコリダニ(Phytonemus pallidus)等、ハシリダニ科のムギダニ(Penthaleus major)等、ヒメハダニ科のミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis)等、ハダニ科のミカンハダニ(Panonychus citri)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、オウトウハダニ(Tetranychus viennensis)、トトマツノハダニ(Oligonychus ununguis)、ミヤケハダニ(Eotetranychus kankitus)、クローバーハダニ(Bryobia praetiosa)等、フシダニ科のチューリップサビダニ(Aceria tulipae)、チャノサビダニ(Calacarus carinatus)等、コナダニ科のケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
軟体動物門腹足綱の原始紐舌目(Architaenioglossa)としては、例えば、タニシモドキ科のスクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata)等、有肺目(Plumonata)例えば、アフリカマイマイ科のアフリカマイマイ(Achatina fulica)、ナメクジ科のナメクジ(Meghimatium bilineatum)、ニワコウラナメクジ科のニワコウラナメクジ(Milax gagates)、コウラナメクジ科のチャコウラナメクジ(Lehmannina valentiana)、オナジマイマイ科のウスカワマイマイ(Acusta despecta sieboldiana)等が挙げられる。
線形動物門幻器綱のティレンクス目(Tylenchida)としては、例えば、アングイナ科のイモグサレセンチュウ(Ditylenchus destructor)等、ティレンコリンクス科のナミイシュクセンチュウ(Tylenchorhynchus claytoni)等、プラティレンクス科のキタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)等、ホプロライムス科のナミラセンチュウ(Helicotylenchus dihystera)等、ヘテロデラ科のジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)等、メロイドギネ科のサツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)等、クリコネマ科のワセンチュウ(Criconema jaejuense)等、アングイナ科のイチゴメセンチュウ(Nothotylenchus acris)等、アフェレンコイデス科のイチゴセンチュウ(Aphelecchoides fragarriae)等が挙げられる。
尾腺綱のドリライムス目としては、例えば、ロンギドルス科のオオハリセンチュウ(Xiphinema sp.)、トリコドルス科のユミハリセンチュウ(Trichodorus sp.)等が挙げられる。
本発明の有害生物防除剤組成物は、天然林、人工林ならびに都市緑地の樹木を加害するあるいは樹勢を弱らせる害生物を防除するためにも使用できる。以下に、具体的な害生物を示す。
節足動物門昆虫綱のチョウ目としては、例えば、ドクガ科のマイマイガ(Lymantria dispar)等、カレハガ科のオビカレハ(Malacosoma neustria testacea)、マツカレハ(Dendrolimus spectabilis)等、メイガ科のカラマツマダラメイガ(Crytoblabes loxiella)等、ヤガ科のカブラヤガ(Agrotis segetum)等、ハマキガ科のクリミガ(Cydia kurokoi)等、ヒトリガ科のアメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等、モグリチビガ科のシイモグリチビガ(Stigmella castanopsiella)等、イラガ科のヒロヘリアオイラガ(Parasa lepida)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
コウチュウ目としては、例えば、コガネムシ科のヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、ナガチャコガネ(Heptophylla picea)等、カミキリムシ科のマツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)等、ハムシ科のスギハムシ(Basilepta pallidula)等、ゾウムシ科のサビヒョウタンゾウムシ(Scepticus griseus)等、オサゾウムシ科のオオゾウムシ(Sipalinus gigas)等、キクイムシ科のマツノキクイムシ(Tomicus piniperda)等、ナガシンクイムシ科のコナナガシンクイムシ(Rhizopertha dominica)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
カメムシ目としては、例えば、アブラムシ科のトドマツオオアブラムシ(Cinara todocola)等、マルカイガラムシ科のスギマルカイガラムシ(Aspidiotus cryptomeriae)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
ハチ目としては、例えば、ハバチ科のカラマツアカハバチ(Pachynematus itoi)等、タマバチ科のクリタマバチ(Dryocosmus kuriohilus)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
ハエ目としては、例えば、ガガンボ科のキリウジガガンボ(Tipula aino)等、ハナバエ科のカラマツタネバエ(Strobilomyia laricicola)等、タマバエ科のスギタマバエ(Contarinia inouyei)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
節足動物門クモ綱のダニ目としては、例えば、スギノハダニ(Oligonichus hondoensis)等の成虫、幼虫及び卵が挙げられる。
線形動物門幻器綱ティレンクス目としては、例えば、パラシタフェレンクス科のマツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)等が挙げられる。
本発明の有害生物防除剤組成物は、農作物や天然林、人工林ならびに都市緑地の樹木や鑑賞用植物に損害を与える節足動物類、腹足類、線虫類、菌類などの有害生物を防除あるいは予防することに特に価値がある。このような場面では、本発明の有害生物防除剤組成物は、それらの商業上有用な製剤およびそれらの製剤によって調製された使用形態で、他の活性化合物、例えば殺菌剤、共力剤、植物調整剤または除草剤との混合剤として、存在することもできる。
本発明の有害生物防除剤組成物は、そのまま、あるいは一般に農薬として取りうる形態、例えば水和剤、顆粒水和剤、ドライフロアブル剤、水溶剤、乳剤、液剤、油剤、水性懸濁剤・水性乳濁剤・油性懸濁剤等のフロアブル剤、カプセル剤、粉剤、粒剤、細粒剤、ベイト、錠剤、噴霧剤、煙霧剤、エアゾール剤等の剤型で使用することができる。これらの剤型の調製には、農園芸用薬剤の技術分野において公知の調製方法を用いることができる。これらの製剤中には有効成分化合物が合計量で0.0002〜80質量%、好ましくは0.0005〜40質量%含有される。また、これらの剤型とするためには、適宜、農園芸用薬剤の技術分野において、従来から使用されている各種の農薬補助剤を使用することができる。このような農薬補助剤は、例えば、農園芸用薬剤の効果の向上、安定化、分散性の向上等の目的で使用することができる。農薬補助剤としては、例えば、坦体(希釈剤)や、展着剤、乳化剤、湿展剤、分散剤、崩壊剤等が挙げられる。
液体坦体としては、水や、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、ブタノール、グリコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ラウリン酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、メチルナフタレン、シクロヘキサン、動植物油、脂肪酸等を挙げることができる。また、固体坦体としては、クレーや、カオリン、タルク、珪藻土、シリカ、モンモリロナイト、ベントナイト、長石、石英等の鉱物質、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム等の無機塩類、ショ糖、乳糖等の糖類、アルミナ、鋸屑、ニトロセルロース、デンプン、アラビアゴム、尿素等を用いることができる。
乳化剤や、分散剤としては、通常の界面活性剤を使用することが出来、例えば、高級アルコール硫酸ナトリウムや、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の陰イオン系界面活性剤、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン系界面活性剤、ラウリルベタイン等の両イオン系界面活性剤等を用いることが出来る。
また、展着剤、湿展剤や、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の固着剤、リグニンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の崩壊剤等を用いることが出来る。
節足動物類、腹足類、線虫類などの有害生物を防除するには、有害生物防除剤組成物を、通常これらの有害生物による被害が発生している場所、ないしは被害が発生する可能性がある場所に対して、植物の茎葉部に散布する他に、土壌全層混和、作条施用、側条施用、床土混和、セル苗処理、植え穴処理、株元処理、トップドレス、イネの箱処理、水面施用等、土壌等に処理して根から吸収させて使用することもできる。
使用する場合、有害生物の種類や発生量および対象とする作物・樹木の種類や栽培形態・生育状態により異なるが、一般に1000m2当たり有効成分の合計量で0.1〜1000g、好ましくは1〜100gを施用する。これを処理するには、水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、水性懸濁剤・水性乳濁剤・油性懸濁剤等のフロアブル剤、カプセル剤等では水で希釈し、対象とする植物の種類や栽培形態・生育状態により異なるが、一般に1000m2当たり10〜1000リットルの施用量で作物等に散布すればよい。一方、粒剤、粉剤では、その製剤の状態で土壌表面あるいは作物等に処理すればよい。この場合は、一般に1000m2当たり5〜100キログラムの施用量で土壌や作物等に散布すればよい。また、粒剤はその製剤の状態で土壌表面に処理した後に土壌と混和したり、苗を植え付ける際に植穴に処理して軽く混和した後に定植したり、定植した植物の苗の周囲に散布することも効果的である。この場合は、一般に1株当たり0.5〜10グラムの施用量で処理すればよい。移植を行う栽培植物の播種、育苗期の処理としては育苗用苗床への、液状とした薬剤の潅注処理または粒剤の散布処理が好ましい。この場合は、一般に育苗箱当たり有効成分の合計量で0.1〜20グラムの施用量で処理すればよい。
対象とする有害生物が主として土壌中で植物を加害する場合や、薬剤を根部から吸収させて対象とする有害生物を防除する場合の施用方法としては、例えば、製剤を水に希釈しまたは希釈せずに植物体の株元または育苗用苗床等に施用する方法、粒剤を植物体の株元または育苗のための苗床等に散布する方法、播種前または移植前に粉剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤等を散布し土壌全体と混和する方法、播種前または植物体を植える前に植え穴、作条等に粉剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤等を散布する方法等が挙げられる。水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、水性懸濁剤・水性乳濁剤・油性懸濁剤等のフロアブル剤、カプセル剤等では水で希釈し、一般に1000m2当たり5〜500リットルの施用量で、処理する区域全体に均等となるように土壌表面に散布あるいは土壌中に灌注すればよい。粉剤、粒剤またはベイト等ではその製剤の状態で、処理する区域全体に均等となるように土壌表面に散布すればよい。散布あるいは灌注は、加害から保護したい種子または作物・樹木の周囲にしてもよい。また、散布中または散布後に耕耘し、有効成分を機械的に分散させることもできる。土壌への処理をする場合、害生物の種類や発生量および対象とする作物・樹木の種類や栽培形態・生育状態あるいは土壌種により異なるが、一般に1000m2当たり有効成分の合計量で0.1〜1000g、好ましくは1〜500gを施用する。
[製剤例]
以下に実施例を説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
製剤例1
珪石粒(伊豆珪石 東海工業)90部を、球形混合機(酒井理化社製)の混合槽に仕込み、混合槽を36rpmで回転しながら、イミシアホス原体(有効成分92.4%)5部とプロチオホス原体(有効成分91.0%)5部をそのままピペットで添加した。更に、回転を30分継続して、土壌処理用混合粒剤を得た。
製剤例2
珪砂粒子(飯豊珪砂 JFEミネラル)93部と合成珪酸(カープレックス#80 EVONIC)3部を、球形混合槽に仕込み、製剤例1の場合と同様に回転させながら、予め調整した10%ポリビニルアルコール溶液1部を滴下し、次いで、イミシアホス原体(有効成分92.4%)1.5部を滴下し、20分間混合した。更に、アセフェート原体(有効成分92.0%)1.5部を投入し、20分間混合して、土壌処理用混合粒剤を得た。
製剤例3
イミシアホス原体(有効成分92.4%)1部、アセフェート原体(有効成分92.0%)1部、粉末クレー(NK300クレー 昭和KDE)83部、ベントナイト(ベントナイト佐渡 関東ベントナイト鉱業)10部と、界面活性剤(サンエキスP−252 日本製紙)5部を均一に混合した後、水を加え混練し、0.8mmのスクリーンを装着した押し出し造粒機(ダルトン社製 マルチグラン)を用い、造粒し、乾燥することにより本発明の粒剤を得た。
製剤例4
製剤例3において、アセフェート原体1部に代えてプロチオホス原体(有効成分91.0%)1部を用いて同様に製剤した。
製剤例5
イミシアホス原体(有効成分92.4%)1.5部、アセフェート原体(有効成分92.0%)1.5部、穀類増量剤(脱脂糠)84部、結合剤(セロゲン7A 第一工業製薬)3部、糖蜜10部を均一に混合した後、水を加え混練し、3.0mmのスクリーンを装着した押し出し造粒機(ダルトン社製 マルチグラン)を用い、造粒し、乾燥することにより本発明のベイト剤を得た。
なお、本発明における製剤例1から製剤例5に示した農薬固形製剤は、界面活性剤、鉱物質微粉、鉱物質坦体、ホワイトカーボン、無機塩、高分子等の補助成分を含有していてもよい。本発明における農薬固形製剤の剤形としては、特に限定されるものではないが、粒剤(押し出し粒剤、吸着粒剤、コーティング粒剤)、粉剤、水和剤、顆粒水和剤、錠剤等があげられ、一般的な方法で製造することができる。
製剤例6
イミシアホス原体(有効成分92.4%)10部とプロチオホス原体(有効成分91.0%)10部、キシレン50部、N−メチル−2−ピロリドン20部及びソルポール3005X(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の混合物、東邦化学工業株式会社、商品名)10部を均一に混合溶解して、乳剤を得た。
製剤例7
イミシアホス原体(有効成分92.4%)20部とアセフェート原体(有効成分92.0%)20部、ニップシールNS−K(ホワイトカーボン、東ソー・シリカ株式会社、商品名)20部、カオリンクレー(カオリナイト、竹原化学工業株式会社、商品名)30部、サンエキスP−252(リグニンスルホン酸ナトリウム、日本製紙ケミカル株式会社、商品名)5部及びルノックスP―65L(アルキルアリルスルホン酸塩、東邦化学工業株式会社、商品名)5部をエアーミルにて均一に混合粉砕して、水和剤を得た。
製剤例8
イミシアホス原体(有効成分92.4%)20部とプロチオホス原体(有効成分91.0%)20部、ニップシールNS−K(ホワイトカーボン、東ソー・シリカ株式会社、商品名)50部、ルノックス1000C(ナフタレンスルホン酸塩縮合物、東邦化学工業株式会社、商品名)5部及びソルポール5276(非イオン性界面活性剤、東邦化学工業株式会社、商品名)5部をエアーミルにて均一に混合粉砕して、水和剤を得た。
製剤例9
予め混合しておいたプロピレングリコール5部、ソルポール7933(アニオン性界面活性剤、東邦化学工業株式会社、商品名)5部、水55部に、イミシアホス原体(有効成分92.4%)10部とアセフェート原体(有効成分92.0%)5部を分散させ、スラリー状混合物とし、次にこのスラリー状混合物を、ダイノミル(シンマルエンタープライゼス社)で湿式粉砕した後、予めキサンタンガム0.2部を水19.8部によく混合分散させたものを添加し、フロアブル剤を得た。
以下に有害生物防除の実施例を説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
なお、下記の実施例の表中において本発明の有害防除剤組成物のイミシアホスは化合物A、アセフェート又はプロチオホスは化合物Bとし、表中の「−」は該当する薬剤を供試しなかったことを表す。
試験例1:はくさいのコナガに対する殺虫効果試験
126穴のはくさいセル苗(播種後3週間育苗した苗)をビニールポット(直径11.5cm、高さ15cm)に移植した。薬剤(用いる有効成分の種類及び量を変更した以外は製剤例1と同様に調製した粒剤)を移植時に植穴に1g処理し、軽く土壌と混和した。移植3週間後にコナガの幼虫を葉に10頭接種し、温室内に保持し、放虫5日後に幼虫の生死及び苦悶を調査し、苦悶虫を死として殺虫率(%)を求めた。なお、試験は各区1苗を供試して実施した。
得られた殺虫率を用いて、下記コルビーの式(Calculating Synergistic And Antagonistic Responses Of Herbicide Combination, Weed 15,pp20−22, 1967)に基づき、相乗効果の有無を検定した。
E=A+B−A×B/100
ここで、Eは殺虫率の期待値、Aは化合物A単独処理の殺虫率、Bは化合物B単独処理の殺虫率を表す。
実際の実験で得られた殺虫率(実験値)が、コルビー式で算出された殺虫率の期待値(E)よりも高い場合に本発明の有害生物防除剤組成物は有害生物の防除に関して相乗効果を有することとなる。結果を表1に示す。
表1
Figure 0006560571
表1の結果より、本発明の有害生物防除剤組成物を供試した効果試験において、そこから得られた防除率は上記コルビーの式で算出された期待値を上回っており、いずれも相乗効果を示した。
試験例2:はくさいのハスモンヨトウに対する殺虫効果試験
126穴のはくさいセル苗(播種後3週間育苗した苗)をビニールポット(直径11.5cm、高さ15cm)に移植した。薬剤(用いる有効成分の種類及び量を変更した以外は製造例1と同様に調製した粒剤)は移植時に植穴に1g処理し、軽く土壌と混和した。移植3週間後にハスモンヨトウの幼虫を葉に10頭接種し、温室内に保持し、放虫5日後に幼虫の生死及び苦悶を調査し、苦悶虫を死として殺虫率(%)を求めた。なお、試験は各区1苗を供試して実施した。
得られた殺虫率を用いて、試験例1に記載したコルビーの式に基づき、相乗効果の有無を検定した。結果を表2に示す。
表2
Figure 0006560571
表2の結果より、本発明の有害生物防除剤組成物を供試した効果試験において、そこから得られた防除率は上記コルビーの式で算出された期待値を上回っており、いずれも相乗効果を示した。
試験例3:はくさいのモモアカアブラムシに対する殺虫効果試験
126穴のはくさいセル苗(播種後3週間育苗した苗)をビニールポット(直径11.5cm、高さ15cm)に移植した。薬剤(用いる有効成分の種類及び量を変更した以外は製剤例1と同様に調製した粒剤)は移植時に植穴に1g処理し、軽く土壌と混和した。移植3週間後にモモアカアブラムシの成幼虫を葉に20頭接種し、温室内に保持し、放虫3日後に成幼虫の生死及び苦悶を調査し、苦悶虫を死として殺虫率(%)を求めた。なお、試験は各区1苗を供試して実施した。
得られた殺虫率を用いて、試験例1に記載したコルビーの式に基づき、相乗効果の有無を検定した。結果を表3に示す。
表3
Figure 0006560571
表3の結果より、本発明の有害生物防除剤組成物を供試した効果試験において、そこから得られた防除率は上記コルビーの式で算出された期待値を上回っており、いずれも相乗効果を示した。
試験例4:きゅうりのワタアブラムシに対する殺虫効果試験
126穴のきゅうりセル苗(播種後3週間育苗した苗)を直径8cmのスチロールポットに移植した。移植時、予め土壌に薬剤(用いる有効成分の種類及び量を変更した以外は製剤例1と同様に調製した粒剤)を0.8g混和処理し、ポットに充填しておいた。移植3週間後にワタアブラムシの成幼虫を葉に20頭接種し、温室内に保持し、放虫3日後に成幼虫の生死及び苦悶を調査し、苦悶虫を死として殺虫率(%)を求めた。なお、試験は各区1苗を供試して実施した。
得られた殺虫率を用いて、試験例1に記載したコルビーの式に基づき、相乗効果の有無を検定した。結果を表4に示す。
表4
Figure 0006560571
表4の結果より、本発明の有害生物防除剤組成物を供試した効果試験において、そこから得られた防除率は上記コルビーの式で算出された期待値を上回っており、いずれも相乗効果を示した。
試験例5:きゅうりのウリハムシに対する殺虫効果試験
126穴のきゅうりセル苗(播種後3週間育苗した苗)を直径8cmのスチロールポットに移植した。移植時、予め土壌に薬剤(用いる有効成分の種類及び量を変更した以外は製剤例1と同様に調製した粒剤)を0.8g混和処理し、ポットに充填しておいた。移植2週間後に土壌表面にウリハムシの幼虫を10頭接種し、温室内に保持し、放虫7日後に土壌中の幼虫の生死及び苦悶を調査し、苦悶虫を死として殺虫率(%)を求めた。なお、試験は各区1苗を供試して実施した。
得られた殺虫率を用いて、試験例1に記載したコルビーの式に基づき、相乗効果の有無を検定した。結果を表5に示す。
表5
Figure 0006560571
表5の結果より、本発明の有害生物防除剤組成物を供試した効果試験において、そこから得られた防除率は上記コルビーの式で算出された期待値を上回っており、いずれも相乗効果を示した。
試験例6:なすのアオドウガネに対する殺虫効果試験
126穴のなすセル苗(播種後4週間育苗した苗)を直径8cmのスチロールポットに移植した。移植時、予め土壌に薬剤(用いる有効成分の種類及び量を変更した以外は製剤例1と同様に調製した粒剤)を0.8g混和処理し、ポットに充填しておいた。移植2週間後に土壌表面にアオドウガネ幼虫を10頭接種し、温室内に保持し、放虫7日後に土壌中の幼虫の生死及び苦悶を調査し、苦悶虫を死として殺虫率(%)を求めた。なお、試験は各区1苗を供試して実施した。
得られた殺虫率を用いて、試験例1に記載したコルビーの式に基づき、相乗効果の有無を検定した。結果を表6に示す。
表6
Figure 0006560571
表6の結果より、本発明の有害生物防除剤組成物を供試した効果試験において、そこから得られた防除率は上記コルビーの式で算出された期待値を上回っており、いずれも相乗効果を示した。
試験例7:トウモロコシのオキナワカンシャクシコメツキに対する殺虫効果試験
120ml容量のPET製カップ(直径8cm、高4cm)に所定濃度に希釈した薬液(有効成分をアセトンで溶解した後、水で希釈し、あるいは水で溶解させ、表中の濃度になるように化合物Aと化合物Bとを混合した薬液)を入れた。とうもろこしの実を用意した薬液に約60秒間浸漬処理した。風乾後、川砂を深さ3cm程度敷いた20ml容量のPET製カップ(直径8cm、高4cm)に5粒ずつ埋めた。オキナワカンシャクシコメツキ幼虫を入れてふたをした後、25℃の恒温室内で保持した。処理10日後にカップを開け幼虫の生死及び苦悶を調査し、苦悶虫を死として殺虫率(%)を求めた。なお、試験は各区2カップを供試して実施した。
得られた殺虫率を用いて、試験例1に記載したコルビーの式に基づき、相乗効果の有無を検定した。結果を表7に示す。
表7
Figure 0006560571
表7の結果より、本発明の有害生物防除剤組成物を供試した効果試験において、そこから得られた防除率は上記コルビーの式で算出された期待値を上回っており、いずれも相乗効果を示した。
試験例8:トマトのサツマイモネコブセンチュウに対する試験1
線虫密度を200頭/土壌20gに調整した供試土壌(川砂と黒土を4:1で混合)200mlをスチロールカップ(直径9cm、高さ6.5cm)に入れ、所定濃度に調製した薬液(有効成分をアセトンで溶解した後、水で希釈し、あるいは水で溶解させ、表中の濃度になるように化合物Aと化合物Bとを混合した薬液)を50ml灌注した後、トマト種子13粒を播種し温室内で生育させた。播種後14日目に根こぶ程度を5段階(根こぶ無:0、根こぶ程度小:1、根こぶ程度中:2、根こぶ程度多:3、根こぶ程度甚:4)で評価し、次式に従って、根コブ指数及び防除価を算出した。なお、試験は各区1カップを供試して実施した。
根コブ指数=Σ(根コブ程度×当該株数)/(4×調査株数)
防除価(%)=[1−(処理区の根コブ指数/無処理区の根コブ指数)]×100
得られた防除価を用いて、試験例1に記載したコルビーの式に基づき、相乗効果の有無を検定した。結果を表8に示す。
表8
Figure 0006560571
表8の結果より、本発明の有害生物防除剤組成物を供試した効果試験において、そこから得られた防除率は上記コルビーの式で算出された期待値を上回っており、いずれも相乗効果を示した。
試験例9:トマトのサツマイモネコブセンチュウに対する試験2
線虫密度を200頭/土壌20gに調整した供試土壌(川砂と黒土を4:1で混合)200mlに薬剤(用いる有効成分の種類及び量を変更した以外は製剤例3と同様に調製した粒剤)を0.1g混和処理し、スチロールカップ(直径9cm、高さ6.5cm)に入れた後、トマト種子13粒を播種し温室内で生育させた。播種後14日目に根こぶ程度を5段階(根こぶ無:0、根こぶ程度小:1、根こぶ程度中:2、根こぶ程度多:3、根こぶ程度甚:4)で評価し、次式に従って、根コブ指数及び防除価を算出した。なお、試験は各区1カップを供試して実施した。
根コブ指数=Σ(根コブ程度×当該株数)/(4×調査株数)
防除価(%)=[1−(処理区の根コブ指数/無処理区の根コブ指数)]×100
得られた防除価を用いて、試験例1に記載したコルビーの式に基づき、相乗効果の有無を検定した。結果を表9に示す。
表9
Figure 0006560571
表9の結果より、本発明の有害生物防除剤組成物を供試した効果試験において、そこから得られた防除率は上記コルビーの式で算出された期待値を上回っており、いずれも相乗効果を示した。
試験例10:レタスのキタネグサレセンチュウに対する試験
線虫密度を200頭/土壌20gに調整した供試土壌(川砂と黒土を4:1で混合)200mlに薬剤(用いる有効成分の種類及び量を変更した以外は製剤例3と同様に調製した粒剤)を0.1g混和処理し、スチロールカップ(直径9cm、高さ6.5cm)に入れた後、レタス種子13粒を播種し温室内で生育させた。播種後21日目に被害程度を5段階(褐色小斑点はない:0、褐色小斑点程度小:1、褐色小斑点程度中:2、褐色小斑点程度多:3、褐色小斑点程度甚:4)で評価し、次式に従って、被害指数及び防除価を算出した。なお、試験は各区1カップを供試して実施した。
被害指数=Σ(被害程度×当該株数)/(4×調査株数)
防除価(%)=[1−(処理区の被害指数/無処理区の被害指数)]×100
得られた防除価を用いて、試験例1に記載したコルビーの式に基づき、相乗効果の有無を検定した。結果を表10に示す。
表10
Figure 0006560571
表10の結果より、本発明の有害生物防除剤組成物を供試した効果試験において、そこから得られた防除率は上記コルビーの式で算出された期待値を上回っており、いずれも相乗効果を示した。
試験例11:ダイズのダイズシストセンチュウに対する試験
線虫密度を200頭/土壌20gに調整した供試土壌(黒土)500mlに薬剤(用いる有効成分の種類及び量を変更した以外は製剤例3と同様に調製した粒剤)を0.2g混和処理し、スチロールカップ(直径8.3cm、高さ14.5cm)に入れた後、ダイズ苗を移植し温室内で生育させた。移植後6週間目に被害程度を5段階(シスト無:0、シスト寄生小:1、シスト寄生中:2、シスト寄生多:3、シスト寄生甚:4)で評価し、次式に従って、シスト指数及び防除価を算出した。なお、試験は各区5カップを供試して実施した。
シスト指数=Σ(被害程度×当該株数)/(4×調査株数)
防除価(%)=[1−(処理区のシスト指数/無処理区のシスト指数)]×100
得られた防除価を用いて、試験例1に記載したコルビーの式に基づき、相乗効果の有無を検定した。結果を表11に示す。
表11
Figure 0006560571
表11の結果より、本発明の有害生物防除剤組成物を供試した効果試験において、そこから得られた防除率は上記コルビーの式で算出された期待値を上回っており、いずれも相乗効果を示した。
試験例12:ネギのロビンネダニに対する試験
ネダニ密度を200頭/ポットに調整した供試土壌(黒土)1000mlをプラスチックポット(直径11.5cm、高さ10cm)に充填後、ネギを移植し所定濃度に調製した薬液(有効成分をアセトンで溶解した後、水で希釈し、あるいは水で溶解させ、表中の濃度になるように化合物Aと化合物Bとを混合した薬液)を30ml/ポット灌注した。薬剤処理したネギは温室内で生育させた。移植後21日目にツルグレン法にてネギ及び土壌からネダニを回収し、対無処理区比で防除価を算出した。
防除価(%)=[1−(処理区のネダニ数/無処理区のネダニ数)]×100
得られた防除価を用いて、試験例1に記載したコルビーの式に基づき、相乗効果の有無を検定した。結果を表12に示す。
表12
Figure 0006560571
表12の結果より、本発明の有害生物防除剤組成物を供試した効果試験において、そこから得られた防除率は上記コルビーの式で算出された期待値を上回っており、いずれも相乗効果を示した。
本発明の有害生物防除剤組成物は、農園芸用薬剤として好ましく用いることができる。

Claims (5)

  1. O−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートと、アセフェート又はプロチオホスとを有効成分として含有することを特徴とする、有害生物防除剤組成物。
  2. O−エチル=S−プロピル=(E)−[2−(シアノイミノ)−3−エチルイミダゾリジン−1−イル]ホスホノチオアートとアセフェート又はプロチオホスとの質量比が9:1〜1:9である、請求項1に記載の有害生物防除剤組成物。
  3. 有害生物を防除するための、請求項1又は2に記載の有害生物防除剤組成物の使用。
  4. 有害生物及び/又はそれらの生息環境に請求項1又は2に記載の有害生物防除剤組成物を処理することを特徴とする、有害生物を防除する方法。
  5. 有用作物を生育させようとする場所、あるいは生育させている場所や生育している作物に請求項1又は2に記載の有害生物防除剤組成物を処理することを特徴とする、有害生物を防除する方法。
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