JP6558074B2 - 熱硬化性樹脂組成物および位相差フィルム - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物および位相差フィルム Download PDF

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本発明は、熱硬化性樹脂組成物および位相差フィルムに関し、さらに詳述すると、液晶表示装置(liquid crystal display;LCD)、具体的には負の誘電異方性を有する液晶(△ε<0)が充填されたVA液晶表示装置(Vertical Alignment LCD(VA−LCD);面内配向スイッチングLCD)の視野角特性を改善するために使用される、−Cプレート(ネガティブCプレート)を作製するのに有用な熱硬化性樹脂組成物および位相差フィルムに関する。
現在、液晶表示装置には、光学補償の目的で位相差フィルムが用いられており、例えば、VA方式の液晶表示装置では、視野角を拡大する目的で2軸位相差フィルムが使用されている。
しかし、これらのフィルムは、ロール間引張り延伸法、ロール間圧縮延伸法、テンター横一軸延伸法等の各種ポリマーフィルム延伸法や、二軸延伸により異方性を持たせる方法などによって作製されており、工程が煩瑣であるという問題がある。
この課題を解決する一手段として、光学的に負の一軸異方性を有し、光軸が薄膜面に対して垂直または略垂直であるポリイミド位相差薄膜を設けることによって、液晶表示装置の視野角を拡大する方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、このポリイミド位相差薄膜は、芳香族性の分子構造に起因する光吸収性が強く、透明性が十分とは言えず、位相差薄膜に使用した場合に液晶表示装置の白表示が黄色味を帯びるため、画像表示品質という点で問題があった。
一方、高い複屈折性と透明性を与えるために、脂環式構造を導入したポリイミドも知られている(特許文献2参照)。
しかし、このポリイミドは、N−メチルピロリドンのような溶媒にしか溶解せず、また高温焼成が必要なことから、フィルム上で加工できないという問題があった。
特開2001−290023号公報 国際公開第2008−010438号
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、配向膜を使用しなくとも塗布・焼成のみで形成可能であり、白濁(透明性)や、表面タック性が改良された熱硬化膜を与える熱硬化性樹脂組成物および−Cプレートの位相差フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、所定の液晶性側鎖、炭化水素含有基および熱架橋性基を有するポリマーを、架橋剤とともに用いることで、塗布により−Cプレートの機能を付与することが可能であるとともに、透明性の良好な表面タックのない硬化膜を与える熱硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1. (A)式(1)で示される液晶性側鎖、炭化水素含有基および熱架橋性基を有するポリマー、
(B)架橋剤、並びに
(C)溶剤を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
Figure 0006558074
(式中、Rは、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、nは、1〜10の整数を、oは、1または2の整数を表す。)
2. 前記熱架橋性基が、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ブロックイソシアネート基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、オキセタニル基およびアルコキシシリル基から選ばれる1種または2種以上である1の熱硬化性樹脂組成物、
3. 前記炭化水素含有基が、式(2)で表される1または2の熱硬化性樹脂組成物、
Figure 0006558074
(式中、Y1は、単結合、または−O−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−NH−CO−O−および−NH−CO−NH−から選ばれる結合基を表し、
2は、単結合、炭素数1〜15のアルキレン基または−CH2−CH(OH)−CH2−基を表すか、ベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を表し、前記環状基上の任意の水素原子が、Zで置換されていてもよく、
3は、単結合または炭素数1〜15のアルキレン基を表し、
4は、単結合、ベンゼン環、シクロヘキサン環もしくは複素環から選ばれる2価の環状基、または炭素数17〜30のステロイド骨格を有する2価の有機基を表し、前記環状基上の任意の水素原子が、Zで置換されていてもよく、
5は、ベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を表し、これらの環状基上の任意の水素原子が、Zで置換されていてもよく、
mは、0〜4の整数を表し、mが2以上の場合、Y5は互いに同一でも異なっていてもよく、
6は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ化アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基または炭素数1〜18のフッ化アルコキシ基を表し、
Zは、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のフッ化アルキル基、炭素数1〜3のフッ化アルコキシ基またはフッ素原子を表し、
前記アルキレン基、アルキル基、フッ化アルキル基、アルコキシ基およびフッ化アルコキシ基は、結合基同士が隣り合わない限り、その中に1〜3の前記結合基を有していてもよく、
前記Y2〜Y6において、アルキレン基、−CH2−CH(OH)−CH2−基、2価の環状基、ステロイド骨格を有する2価の有機基、アルキル基およびフッ化アルキル基は、それらに隣接する基と前記結合基を介して結合していてもよい。
ただし、Y2〜Y6が表す置換基の総炭素数は、6〜30である。)
4. 前記Y1、Y2およびY4が、単結合であり、前記Y3が、炭素数1〜15のアルキレン基であり、前記mが、0であり、前記Y6が、炭素数1〜18のアルキル基であり、前記Y3およびY6の総炭素数が、6〜20である3の熱硬化性樹脂組成物、
5. 前記nが、2〜8の整数を表し、前記oが、2であり、前記Rが、シアノ基である1〜4のいずれかの熱硬化性樹脂組成物、
6. 前記(B)成分が、メチロール基またはアルコキシメチル基を有する架橋剤である1〜5のいずれかの熱硬化性樹脂組成物、
7. (D)架橋触媒をさらに含有する1〜6のいずれかの熱硬化性樹脂組成物、
8. 前記(A)成分100質量部に対し、前記(B)成分1〜100質量部含有する1〜7のいずれかの熱硬化性樹脂組成物、
9. 前記(A)成分および(B)成分の合計100質量部に対し、前記(D)成分0.01〜20質量部含有する7または8の熱硬化性樹脂組成物、
10. 1〜9のいずれかの熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて形成される−Cプレート位相差フィルム、
11. 1〜9のいずれかの熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させた後、冷却後24時間以上放置する−Cプレート位相差フィルムの製造方法
を提供する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いることで、配向膜を使用せずに、基材上に塗布して焼成するだけで、−Cプレート位相差フィルムを作製できる。
また、得られた硬化膜は、表面タック性に優れ(タックがなく)、白濁が少なく透明性にも優れている。
本発明の硬化膜形成組成物は、液晶表示素子の液晶配向膜や、液晶表示素子内部や外部に設けられる光学異方性フィルムを形成するための配向材を形成する材料として非常に有用であり、特に、VA−LCDの光学補償フィルム向け材料として好適である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、(A)液晶性側鎖、炭化水素含有基および熱架橋性基を有するポリマー、(B)架橋剤、並びに(C)溶剤を含有する。
本発明で用いる(A)成分のポリマーは特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニル化合物、スチレン化合物、マレイミド化合物等の不飽和二重結合を有するモノマーを重合して得られる共重合体が好ましい。
特に、本発明の(A)成分のポリマーは、側鎖に、液晶性基、炭化水素含有基および熱架橋性基を含むアクリル共重合体が好ましく、アクリル共重合体を構成する高分子の主鎖の骨格や、その他の側鎖の種類などは特に限定されない。
(A)成分のポリマーの重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、良好な位相差の発現、熱硬化による耐熱性および良好なタック性の発現および溶剤溶解性発現によるハンドリング性等を考慮すると、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜150,000がより好ましく、3,000〜100,000がより一層好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量は、高速液体クロマトグラフィー分析による標準ポリスチレン換算で得られる平均分子量である。
液晶性側鎖としては、ネマチック液晶性側鎖で、得られる熱硬化膜が垂直配向しないものあれば特に限定されるものではなく、公知のものから適宜選択して用いることができるが、本発明においては、特に式(1)で示されるものが好ましい。
Figure 0006558074
式(1)において、Rは、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基を表すが、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、シアノ基がより好ましい。
炭素数1〜6のアルキル基は、鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、1−メチル−シクロプロピル、2−メチル−シクロプロピル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、1,2−ジメチル−n−プロピル、2,2−ジメチル−n−プロピル、1−エチル−n−プロピル、シクロペンチル、1−メチル−シクロブチル、2−メチル−シクロブチル、3−メチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロプロピル、2,3−ジメチル−シクロプロピル、1−エチル−シクロプロピル、2−エチル−シクロプロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、3−メチル−n−ペンチル、4−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1,2−ジメチル−n−ブチル、1,3−ジメチル−n−ブチル、2,2−ジメチル−n−ブチル、2,3−ジメチル−n−ブチル、3,3−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、2−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、1,2,2−トリメチル−n−プロピル、1−エチル−1−メチル−n−プロピル、1−エチル−2−メチル−n−プロピル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロペンチル、2−メチル−シクロペンチル、3−メチル−シクロペンチル、1−エチル−シクロブチル、2−エチル−シクロブチル、3−エチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロブチル、1,3−ジメチル−シクロブチル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2,3−ジメチル−シクロブチル、2,4−ジメチル−シクロブチル、3,3−ジメチル−シクロブチル、1−n−プロピル−シクロプロピル、2−n−プロピル−シクロプロピル、1−イソプロピル−シクロプロピル、2−イソプロピル−シクロプロピル、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル、2−エチル−3−メチル−シクロプロピル基等が挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシ基は、上記炭素数1〜6のアルキル基に酸素原子(−O−)が結合した基が挙げられ、その具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチル−n−ブトキシ、2−メチル−n−ブトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、1,2−ジメチル−n−プロポキシ、2,2−ジメチル−n−プロポキシ、1−エチル−n−プロポキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、3−メチル−n−ペンチルオキシ、4−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1,2−ジメチル−n−ブトキシ、1,3−ジメチル−n−ブトキシ、2,2−ジメチル−n−ブトキシ、2,3−ジメチル−n−ブトキシ、3,3−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、2−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、1,2,2−トリメチル−n−プロポキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ、1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ基等が挙げられる。
nは、1〜10の整数であるが、2〜8の整数が好ましく、4〜8の整数がより好ましい。
oは、1または2の整数を表すが、2が好ましい。
上記液晶性側鎖は、例えば、上記液晶性側鎖を有する(メタ)アクリル系モノマー、ビニル系モノマー、スチレン系モノマー、マレイミド系モノマー等を用いてポリマー中に導入することができるが、上述のとおり上記液晶性側鎖を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いてポリマー中に導入することが好ましい。
なお、これらのモノマーは公知の方法により製造することができる。
また、炭化水素含有基としては、特に限定されるものではないが、炭素数が6〜20程度の炭化水素基を含む基が好ましく、具体的には式(2)で表される基が好適である。
Figure 0006558074
式(2)中、Y1は、単結合、または−O−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−NH−CO−O−および−NH−CO−NH−から選ばれる結合基を表し、Y2は、単結合、炭素数1〜15のアルキレン基または−CH2−CH(OH)−CH2−基を表すか、ベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を表し、環状基上の任意の水素原子がZで置換されていてもよく、Y3は、単結合または炭素数1〜15のアルキレン基を表し、Y4は、単結合、ベンゼン環、シクロヘキサン環もしくは複素環から選ばれる2価の環状基、または炭素数17〜30のステロイド骨格を有する2価の有機基を表し、環状基上の任意の水素原子がZで置換されていてもよく、Y5は、ベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を表し、これらの環状基上の任意の水素原子がZで置換されていてもよく、mは0〜4の整数を表し、mが2以上の場合、Y5は互いに同一でも異なっていてもよく、Y6は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ化アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基または炭素数1〜18のフッ化アルコキシ基を表し、Zは、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のフッ化アルキル基、炭素数1〜3のフッ化アルコキシ基またはフッ素原子を表し、アルキレン基、アルキル基、フッ化アルキル基、アルコキシ基およびフッ化アルコキシ基は、結合基同士が隣り合わない限り、その中に1〜3の上記結合基を有していてもよく、Y2〜Y6において、アルキレン基、−CH2−CH(OH)−CH2−基、2価の環状基、ステロイド骨格を有する2価の有機基、アルキル基およびフッ化アルキル基は、それらに隣接する基と上記結合基を介して結合していてもよい。ただし、Y2〜Y6が表す置換基の総炭素数は、6〜30である。
上記炭素数1〜15のアルキレン基は、上記炭素数1〜6のアルキル基および後述する炭素数1〜18のアルキル基のうち炭素数1〜15のアルキル基から水素原子を1つ除去した2価の基が挙げられ、その具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン基等が挙げられる。
複素環の具体例としては、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、シンノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、アクリジン環等が挙げられ、これらの中でも、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラゾリン環、カルバゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環が好ましい。
炭素数17〜30のステロイド骨格を有する2価の有機基の具体例としては、コレステリル、アンドロステリル、β−コレステリル、エピアンドロステリル、エリゴステリル、エストリル、11α−ヒドロキシメチルステリル、11α−プロゲステリル、ラノステリル、メラトラニル、メチルテストロステリル、ノレチステリル、プレグネノニル、β−シトステリル、スチグマステリル、テストステリル、および酢酸コレステロ−ルエステル等から選ばれる構造から水素原子を2個取り去った構造を有する2価の有機基であり、より具体的には、下記に示される2価の有機基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006558074
(式中、*は結合位置を表す。)
炭素数1〜18のアルキル基としては、上記炭素数1〜6で例示したアルキル基に加え、n−ヘプチル、1−メチル−n−ヘキシル、2−メチル−n−ヘキシル、3−メチル−n−ヘキシル、1,1−ジメチル−n−ペンチル、1,2−ジメチル−n−ペンチル、1,3−ジメチル−n−ペンチル、2,2−ジメチル−n−ペンチル、2,3−ジメチル−n−ペンチル、3,3−ジメチル−n−ペンチル、1−エチル−n−ペンチル、2−エチル−n−ペンチル、3−エチル−n−ペンチル、1−メチル−1−エチル−n−ブチル、1−メチル−2−エチル−n−ブチル、1−エチル−2−メチル−n−ブチル、2−メチル−2−エチル−n−ブチル、2−エチル−3−メチル−n−ブチル、n−オクチル、1−メチル−n−ヘプチル、2−メチル−n−ヘプチル、3−メチル−n−ヘプチル、1,1−ジメチル−n−ヘキシル、1,2−ジメチル−n−ヘキシル、1,3−ジメチル−n−ヘキシル、2,2−ジメチル−n−ヘキシル、2,3−ジメチル−n−ヘキシル、3,3−ジメチル−n−ヘキシル、1−エチル−n−ヘキシル、2−エチル−n−ヘキシル、3−エチル−n−ヘキシル、1−メチル−1−エチル−n−ペンチル、1−メチル−2−エチル−n−ペンチル、1−メチル−3−エチル−n−ペンチル、2−メチル−2−エチル−n−ペンチル、2−メチル−3−エチル−n−ペンチル、3−メチル−3−エチル−n−ペンチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル基等が挙げられる。
炭素数1〜18のフッ化アルキル基としては、上記炭素数1〜18のアルキル基における少なくとも1つの水素原子をフッ素原子で置換した基が挙げられ、その具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル、ノナフルオロブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、ウンデカフルオロペンチル、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル、トリデカフルオロヘキシル、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフロオロヘキシル、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシル、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル等が挙げられる。
炭素数1〜18のフッ化アルコキシ基の具体例としては、上記炭素数1〜18のフッ化アルキル基に酸素原子(−O−)が結合した基が挙げられ、その具体例としては、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ヘプタフルオロプロポキシ、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エトキシ、ノナフルオロブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、ウンデカフルオロペンチルオキシ、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルオキシ、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ、トリデカフルオロヘキシルオキシ、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフロオロヘキシルオキシ、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシルオキシ、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
なお、上記Zにおける、炭素数1〜3のアルキル基としては、上記炭素数1〜6で例示した基のうち炭素数1〜3のものが挙げられ、炭素数1〜3のアルコキシ基としては、上記炭素数1〜6のアルコキシ基で例示した基のうち炭素数1〜3のものが挙げられ、炭素数1〜3のフッ化アルキル基としては、上記炭素数1〜18のフッ化アルキル基で例示した基のうち炭素数1〜3のものが挙げられ、炭素数1〜3のフッ化アルコキシ基としては、上記炭素数1〜18のフッ化アルコキシ基で例示した基のうち、炭素数1〜3のものが挙げられる。
これらの中でも、合成の容易さ等の点から、Y1は単結合が好ましく、Y2はベンゼン環またはシクロへキサン環が好ましく、Y3は炭素数1〜15のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜9のアルキレン基がより好ましく、Y4はベンゼン環、シクロへキサン環または炭素数17〜30のステロイド骨格を有する2価の有機基が好ましく、Y5はベンゼン環またはシクロへキサン環が好ましく、Y6は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のフッ化アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基または炭素数1〜10のフッ化アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜9のアルキル基または炭素数1〜9のアルコキシ基がより一層好ましい。
ただし、Y4がステロイド骨格を有する2価の有機基である場合は、Y6は水素原子が好ましい。
また、原料の入手性や合成の容易さ等の点から、mは0〜3が好ましく、0〜2がより好ましく、0または1がより一層好ましい。
なお、上記アルキレン基、アルキル基、フッ化アルキル基、アルコキシ基およびフッ化アルコキシ基は、結合基同士が隣り合わない限り、その中に1〜3の上述した結合基を有していてもよく、Y2〜Y6において、アルキレン基、−CH2−CH(OH)−CH2−基、2価の環状基、ステロイド骨格を有する2価の有機基、アルキル基およびフッ化アルキル基は、それらに隣接する基と上述した結合基を介して結合していてもよい。
また、Y2〜Y6がそれぞれ表す置換基の総炭素数は6〜30であるが、6〜20が好ましい。
特に、得られる液晶ポリマーの塗布性等を考慮すると、炭化水素含有基は、炭素数7〜18、特に8〜15のアルキル基を含む基が好ましい。
具体的な炭化水素含有基としては、例えば炭素数6〜20程度の炭化水素基が挙げられる。炭素数6〜20の炭化水素基としては、直鎖状、分岐状または環状の炭素数6〜20のアルキル基または芳香族基を含む炭素数6〜20の炭化水素基が挙げられる。
したがって上記式(2)において、上記Y1、Y2およびY4が、単結合であり、Y3が、単結合または炭素数1〜15のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜15のアルキレン基)であり、mが、0であり、Y6が、炭素数1〜18のアルキル基であり、Y3およびY6の総炭素数が6〜20のアルキル基(a−1)が好ましく、総炭素数が7〜18のアルキル基がより好ましく、総炭素数が8〜15のアルキル基がより一層好ましい。
このような炭化水素含有基(a−1)の具体例としては、上述した炭素数1〜18のアルキル基で例示した炭素数6〜18のアルキル基に加え、n−ノナデシル、n−エイコシニル基等が挙げられる。
また、上記炭化水素含有基(a−1)以外にも、例えば、上記Y1〜Y4が、単結合であり、mが、2または3であり、Y5が、ベンゼン環またはシクロヘキサン環であり、Y6が、炭素数1〜18のアルキル基である炭化水素含有基(a−2)も好適に用いることができる。
このような炭化水素含有基(a−2)の具体例としては、下記(a−2−1)〜(a−2−6)で示される基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006558074
(式中、Y6は上記と同じ。)
さらに、上記炭化水素含有基(a−1)および(a−2)に加え、例えば、上記Y1〜Y3が単結合であり、Y4が炭素数17〜30のステロイド骨格を有する2価の有機基であり、mが0であり、Y6が水素原子である炭化水素含有基(a−3)も好適に用いることができる。
このような炭化水素含有基(a−3)としては、例えば、下記(a−3−1)〜(a−3−8)で示される基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006558074
(式中、*は結合位置を表す。)
以上で説明した炭化水素含有基は、これを有する(メタ)アクリル系モノマー、ビニル系モノマー、スチレン系モノマー、マレイミド系モノマー等の不飽和二重結合を有するモノマーを用いてポリマー中に導入することができるが、この場合も、上記炭化水素含有基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いてポリマー中に導入することが好ましい。
具体的なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、アルキルビニルエーテル、2−アルキルスチレン、3−アルキルスチレン、4−アルキルスチレン、N−アルキルマレイミドで、当該アルキル基が炭素数6〜20のものが挙げられる。
これらのモノマーは、公知の方法により製造することができ、また市販品として入手可能なものもある。
なお、上記式(2)で表される炭化水素含有基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いてポリマー中に炭化水素含有基を導入する場合、その側鎖は下記式(2′)で示される。
Figure 0006558074
さらに、本発明で用いる(A)成分のポリマーが有する熱架橋性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ブロックイソシアネート基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、オキセタニル基、アルコキシシリル基が挙げられる。
これらの中でも、低温かつ短時間で熱硬化膜を形成するという点から、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシシリル基が好ましい。
これらの熱架橋性基も、これを有する(メタ)アクリル系モノマー、ビニル系モノマー、スチレン系モノマー、マレイミド系モノマー等の不飽和二重結合を有するモノマーを用いてポリマー中に導入することができるが、この場合も、(メタ)アクリル酸の熱架橋性基含有アルキルエステルを用いてポリマー中に導入することが好ましい。
熱架橋性基として上記ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシシリル基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、カプロラクトン2−(アクリロイルオキシ)エチルエステル、カプロラクトン2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレート、5−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン等のヒドロキシ基を有するモノマー;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノ−(2−(アクリロイルオキシ)エチル)フタレート、モノ−(2−(メタクリロイルオキシ)エチル)フタレート、N−(カルボキシフェニル)マレイミド、N−(カルボキシフェニル)アクリルアミド、N−(カルボキシフェニル)メタクリルアミド等のカルボキシル基を有するモノマー;ヒドロキシスチレン、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)マレイミド等のフェノール性ヒドロキシ基を有するモノマー;アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、アミノプロピルアクリレート、アミノプロピルメタクリレート等のアミノ基を有するモノマー;アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有するモノマー等が挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上述の液晶性側鎖を有するモノマー、炭化水素含有基を有するモノマー、および熱架橋性基を有するモノマーの他に、これらモノマーと共重合可能であり、液晶性側鎖、炭化水素含有基および熱架橋性基を有しないその他のモノマーを併用することができる。
その他のモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、アクリルアミド化合物、アクリロニトリル、マレイン酸無水物、スチレン化合物およびビニル化合物等が挙げられる。
以下、その他のモノマーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
アクリル酸エステル化合物の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、ナフチルアクリレート、アントリルアクリレート、アントリルメチルアクリレート、フェニルアクリレート、グリシジルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸エステル化合物の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、アントリルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、γ−ブチロラクトンメタクリレート等が挙げられる。
マレイミド化合物の具体例としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド等が挙げられる。
スチレン化合物の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。
ビニル化合物の具体例としては、メチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール、アリルグリシジルエーテル、3−エテニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,7−オクタジエンモノエポキサイド等が挙げられる。
本発明で用いる(A)成分のポリマーは、液晶性側鎖を有するモノマーから選ばれる少なくとも1種と、炭化水素含有基を有するモノマーから選ばれる少なくとも1種と、熱架橋性基を有するモノマーから選ばれる少なくとも1種と、所望によりその他モノマーとを共重合させて得ることができる。
この場合、各モノマーの使用量は、目的とする液晶ポリマーが得られる限り特に限定されるものではないが、良好な配向性および熱硬化性を発揮させつつ、ポリマーの塗布性を確保することなどを考慮すると、全モノマー中、液晶性側鎖を有するモノマー3〜90モル%、炭化水素含有基を有するモノマー3〜90モル%、熱架橋性基を有するモノマー3〜90モル%、0〜91モル%のその他のモノマー(ただし、これらモノマーの合計は100モル%である)であることが好ましい。
特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる位相差フィルムに十分なRthを発現させることを考慮すると、液晶性側鎖を有するモノマーを全モノマー中、20〜90モル%で用いることが好ましく、40〜90モル%で用いることがより好ましい。
重合方法は特に限定されるものではないが、例えば、上記各モノマーを、重合開始剤の存在下、溶媒中で、50〜110℃で反応させる方法が挙げられる。
反応溶媒は、使用する各モノマーおよび重合開始剤の溶解能を有するものであれば特に限定されるものではなく、その具体例としては、後述する(C)成分の溶剤で列挙するものを好適に使用できる。
上記反応により得られる(A)成分のポリマーは、通常、溶液の状態であるが、後述するように、そのまま(A)成分のポリマー(溶液)として使用することができる。
また、上記方法で得られたポリマー溶液を、撹拌したジエチルエーテルや水等に投入して再沈殿させ、生成した沈殿物をろ過・洗浄した後、常圧または減圧下で、常温または加熱乾燥し、粉体状のポリマーとしてもよい。この操作により、残存する重合開始剤や、未反応モノマーを除去することができ、その結果、純度の高いポリマー粉体を得ることができる。なお、一度の操作では精製が不十分である場合、得られた粉体を溶剤に再溶解させ、上記の操作を繰り返し行えばよい。
精製したポリマー粉末は、そのまま用いても、後述する(C)成分の溶剤に再溶解した溶液形態で用いてもよい。
また、本発明においては、(A)成分のポリマーは、複数種のポリマーの混合物であってもよい。
なお、上記各モノマーとして、全て(メタ)アクリル系モノマーを用いた場合、得られる(A)成分のポリマーの一例としては、例えば、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 0006558074
(式中、Y1〜Y6、R、m、n、oは上記と同じ。R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は、熱架橋性基を有するアルキル基を表し、R3は、炭素数1〜5のアルキル基を表し、z1〜z4は、モノマー単位のモル%を表し、z1〜z3は互いに独立して3〜90の数を、z4は0〜91の数を表し、z1+z2+z3+z4=100を満たす。)
本発明の熱硬化性樹脂組成物における(B)成分の架橋剤としては、(A)成分のポリマーが有する熱架橋性基と架橋を形成する基であれば特に限定されるものではないが、本発明においては、メチロール基またはアルコキシメチル基を有する架橋剤が好ましい。
これらの基を有する化合物としては、例えば、アルコキシメチル化グリコールウリル、アルコキシメチル化ベンゾグアナミンおよびアルコキシメチル化メラミン等のメチロール化合物などが挙げられる。
アルコキシメチル化グリコールウリルの具体例としては、例えば、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)グリコールウリル、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、1,1,3,3−テトラキス(ブトキシメチル)尿素、1,1,3,3−テトラキス(メトキシメチル)尿素、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリノン、1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジメトキシ−2−イミダゾリノン等が挙げられる。
これらは市販品としても入手可能であり、例えば、日本サイテックインダストリーズ(株)製グリコールウリル化合物(商品名:サイメル(登録商標)1170、パウダーリンク(登録商標)1174)、同メチル化尿素樹脂(商品名:UFR(登録商標)65)、同ブチル化尿素樹脂(商品名:UFR(登録商標)300、U−VAN10S60、U−VAN10R、U−VAN11HV)、DIC(株)製尿素/ホルムアルデヒド系樹脂(高縮合型、商品名:ベッカミン(登録商標)J−300S、同P−955、同N)等が挙げられる。
アルコキシメチル化ベンゾグアナミンの具体例としてはテトラメトキシメチルベンゾグアナミン等が挙げられる。
これらも市販品として入手可能であり、例えば、日本サイテックインダストリーズ(株)製(商品名:サイメル(登録商標)1123)、(株)三和ケミカル製(商品名:ニカラック(登録商標)BX−4000、同BX−37、同BL−60、同BX−55H)等が挙げられる。
アルコキシメチル化メラミンの具体例としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。
これらも市販品として入手可能であり、例えば、日本サイテックインダストリーズ(株)製メトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名:サイメル(登録商標)300、同301、同303、同350)、ブトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名:マイコート(登録商標)506、同508)、(株)三和ケミカル製メトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名:ニカラック(登録商標)MW−30、同MW−22、同MW−11、同MS−001、同MX−002、同MX−730、同MX−750、同MX−035)、ブトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名:ニカラック(登録商標)MX−45、同MX−410、同MX−302)等が挙げられる。
また、本発明で用いる架橋剤は、アミノ基の水素原子がメチロール基またはアルコキシメチル基で置換されたメラミン化合物、尿素化合物、グリコールウリル化合物およびベンゾグアナミン化合物を縮合させて得られる化合物であってもよい。
そのような化合物の具体例としては、米国特許第6323310号明細書に記載されているメラミン化合物およびベンゾグアナミン化合物から製造される高分子量の化合物が挙げられる。
また(B)成分の架橋剤として、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等のヒドロキシメチル基(すなわちメチロール基)またはアルコキシメチル基で置換されたアクリルアミド化合物またはメタクリルアミド化合物を使用して製造されるポリマー架橋剤も用いることができる。
そのようなポリマー架橋剤としては、例えば、ポリ(N−ブトキシメチルアクリルアミド)、N−ブトキシメチルアクリルアミドとスチレンとの共重合体、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミドとメチルメタクリレートとの共重合体、N−エトキシメチルメタクリルアミドとベンジルメタクリレートとの共重合体、N−ブトキシメチルアクリルアミドとベンジルメタクリレートと2−ヒドロキシプロピルメタクリレートとの共重合体等が挙げられる。
ポリマー架橋剤の重量平均分子量は特に限定されるものではないが、通常、1,000〜500,000程度であり、好ましくは2,000〜200,000、より好ましくは3,000〜150,000、より一層好ましくは3,000〜50,000である。
なお、ポリマー架橋剤は、合成後のポリマー溶液のまま用いてもよい。
上述した各種架橋剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における(B)成分の架橋剤の含有量は、得られる硬化膜の配向性や耐熱性、さらには表面タック性および透明性等を考慮すると、(A)成分のポリマー100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いられる(C)成分の溶剤としては、上述した(A)成分のポリマー、(B)成分の架橋剤、および後述する必要に応じて用いられるその他の成分を溶解できればよく、その種類および構造などは特に限定されるものでない。
溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ペンタノール等のアルコール類;ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等のグリコールエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ブタノン、3−メチル−2−ペンタノン、2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類;シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂フィルム上に硬化膜を形成する場合は、基材フィルムに悪影響を及ぼさない、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−ヘプタノン、イソブチルメチルケトン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を用いることが好ましい。
溶剤の使用量としては、(A)成分および(B)成分等の種類や溶剤の種類等によって変動するものであるため一概に規定することはできないが、(C)成分の溶剤以外の成分の濃度(固形分濃度)が、1〜90質量%程度となる量が好ましく、5〜70質量%程度となる量がより好ましく、10〜60質量%程度となる量がより一層好ましい。
なお、(A)成分や(B)成分としてポリマー溶液を用いる場合、それに含まれる溶剤と、(C)成分の溶剤との合計量が上記の固形分濃度となる量であることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分に加え、ポリマーの熱硬化反応を促進させることを目的として、(D)成分として架橋触媒を含んでいてもよい。
架橋触媒としては、酸や、加熱処理時の温度(例えば、80〜250℃程度)で熱分解して酸を発生する熱酸発生剤を用いることが好ましい。
酸の具体例としては、塩酸またはその塩;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、m−キシレン−2−スルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロ(2−エトキシエタン)スルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタン−1−スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基含有化合物、その水和物または塩等が挙げられる。
熱酸発生剤の具体例としては、ビス(トシルオキシ)エタン、ビス(トシルオキシ)プロパン、ビス(トシルオキシ)ブタン、p−ニトロベンジルトシレート、o−ニトロベンジルトシレート、1,2,3−フェニレントリス(メチルスルホネート)、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩、p−トルエンスルホン酸モルホニウム塩、p−トルエンスルホン酸エチルエステル、p−トルエンスルホン酸プロピルエステル、p−トルエンスルホン酸ブチルエステル、p−トルエンスルホン酸イソブチルエステル、p−トルエンスルホン酸メチルエステル、p−トルエンスルホン酸フェネチルエステル、シアノメチルp−トルエンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエチルp−トルエンスルホネート、2−ヒドロキシブチルp−トルエンスルホネート、N−エチル−p−トルエンスルホンアミド等や、下記式で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0006558074
Figure 0006558074
Figure 0006558074
Figure 0006558074
Figure 0006558074
Figure 0006558074
本発明の熱硬化性樹脂組成物中における(D)成分の含有量は、特に限定されるものではないが、得られる硬化膜の熱硬化性、表面タック性および透明性、並びに組成物の保存安定性などを考慮すると、(A)成分のポリマーおよび(B)成分の架橋剤の合計100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜15質量部がより好ましく、0.5〜10質量部がより一層好ましい。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、密着向上剤、シランカップリング剤、界面活性剤、レオロジー調整剤、顔料、染料、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤等を含有することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)成分のポリマー、(B)成分の架橋剤、(C)成分の溶剤、必要に応じて用いられる(D)成分の架橋触媒等を任意の順序で混合して調製することができる。
調製法の一例としては、(C)成分の溶剤に溶解した(A)成分の溶液に、(B)成分および必要に応じて用いられる(D)成分等を所定の割合で混合し、均一な溶液とする方法が挙げられる。
また、上述のとおり、重合反応等によって得られた(A)成分のポリマー溶液(すなわち、(A)成分と(C)成分を含む)をそのまま使用することもできるが、この場合、(A)成分のポリマー溶液に、上記と同様に(B)成分および必要に応じて用いられる(D)成分等を加えて均一な溶液としてもよい。この際、濃度調整等を目的としてさらに(C)成分の溶剤を添加してもよい。また、(A)成分のポリマー溶液に用いられる溶剤と、濃度調整用の溶剤とは同一のものでも、異なるものでもよい。
なお、調製された熱硬化性樹脂組成物は、孔径0.2μm程度のフィルタなどを用いて濾過した後に用いることが好ましい。
以上説明した本発明の熱硬化性樹脂組成物は、直接(配向膜を用いることなく)基板上に塗布した後、ホットプレートまたはオーブン等で加熱乾燥することにより、配向した硬化膜(単層塗布型−Cプレート)を形成することができる。
基板の具体例としては、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、金属(アルミニウム、モリブデン、クロム等)が被覆された基板、ガラス基板、石英基板、ITO基板や、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(COC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、アクリルフィルム、ポリエチレンフィルム等の樹脂フィルム基板などが挙げられる。
塗布法としては、特に限定されるものではなく、バーコート、回転塗布、流し塗布、ロール塗布、スリット塗布、スリットに続いた回転塗布、インクジェット塗布、印刷等の公知の各種塗布法を用いることができる。
加熱乾燥の条件は、架橋剤による架橋反応が進行する限り特に限定されるものではなく、例えば、60〜200℃、好ましくは70〜160℃、0.4〜60分間、好ましくは0.5〜10分間の範囲の中から適宜選択すればよい。
なお、加熱乾燥後、20〜30℃程度に冷却し、24時間程度放置することが好ましい。
得られる硬化膜の膜厚は、使用する基板の段差や光学的、電気的性質を考慮して適宜選択されるものであるが、通常、0.5〜100μmである。
このようにして得られた本発明の単層塗布型−Cプレートは、基板から剥離してフィルムとして用いても、基板上に形成された位相差層として用いてもよい。
このような単層塗布型−Cプレートは、表示装置や記録材料等の用途に好適な光学特性を有する材料であり、特に、液晶ディスプレイ用の偏光板や、位相差板等の光学補償フィルムとして好適に用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で用いた各測定装置は以下のとおりである。
[平均分子量測定]
装置:(株)島津製作所製 高速液体クロマトグラフ装置 Prominence
カラム:Shodex(登録商標) KF−803L+KF−804L
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(流量1mL/分)
検出器:RI
検量線:標準ポリスチレン
[膜厚測定]
装置:(株)ミツトヨ製マイクロメータ MEQ−30
[Rth,Δnの評価]
装置:Axometrics社製 Axoscan
Rth:液晶層の厚さ方向のリタデーション値
Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d[nm]
液晶層面内の最大屈折率を示す方向の屈折率:Nx
それと直交する方向の屈折率:Ny
厚さ方向の屈折率:Nz
液晶層の厚さ:d(nm)
Δn:厚さ方向屈折率NzからNxとNyの平均値を引いたもの
[略記号]
以下で用いる略記号の意味は、次のとおりである。
(A)成分:ポリマー原料および重合触媒
LAA:ラウリルアクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
C6CBM:4−シアノフェニル−4−(6−(メタクリロイルオキシ)ヘキシル)オキシ)ベンゼン
EHA:1−エチルヘキシルアクリレート
VBP:4−ビニルビフェニル
C6CBA:4−シアノフェニル−4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル)オキシ)ベンゼン
AIBN:α,α’−アゾビスイソブチロニトリル
(B)成分:架橋剤およびその原料
CYM303:ヘキサメトキシメチルメラミン(CYMEL303、日本サイテックインダストリーズ(株)製)
BMAA:N−ブトキシメチルアクリルアミド
PBMAA:ポリ(N−ブトキシメチルアクリルアミド)
(C)成分:溶剤
PM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
CH:シクロヘキサノン
(D)成分:架橋触媒
PTSA:p−トルエンスルホン酸・一水和物
[合成例1]ポリマーP1(A成分)の合成
国際公開第2014/054785号の合成例6記載の方法で合成したC6CBM7.0g、LAA(東京化成工業(株)製)2.0g、HEMA(東京化成工業(株)製)1.0g、重合触媒としてAIBN(和光純薬工業(株)製)0.17gをCH18.9gに溶解し、75℃で16時間反応させてアクリル共重合体溶液P1(固形分濃度35質量%)を得た。得られたアクリル共重合体の数平均分子量(以下、Mnと称す。)は16,500、重量平均分子量(以下、Mwと称す。)は35,800であった。
[合成例2]ポリマーP2(A成分)の合成
国際公開第2008/044536号の合成例2記載の方法で合成したC6CBA7.0g、LAA2.0g、HEMA1.0g、AIBN0.17gをCH18.9gに溶解し、75℃で16時間反応させてアクリル共重合体溶液P2(固形分濃度35質量%)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは19,100、Mwは40,300であった。
[合成例3]ポリマーP3(A成分)の合成
C6CBA7.0g、EHA2.0g、HEMA1.0g、AIBN0.17gをCH18.9gに溶解し、75℃で16時間反応させてアクリル共重合体溶液P3(固形分濃度35質量%)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは20,900、Mwは43,500であった。
[合成例4]ポリマーP4(比較例)の合成
VBP(東京化成工業(株)製)7.0g、LAA2.0g、HEMA1.0g、AIBN0.17gをCH18.9gに溶解し、75℃で16時間反応させてアクリル共重合体溶液P4(固形分濃度35質量%)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは14,300、Mwは30,900であった。
[合成例5]ポリマーP5(B成分)の合成
BMAA(東京化成工業(株)製)25.0g、AIBN1.04gをPM48.4gに溶解し、85℃で20時間反応させてアクリル共重合体溶液P6(固形分濃度35質量%)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは4,800、Mwは8,100であった。
[実施例1−1〜1−4,比較例1−1〜1−3]
表1に示す割合にて(A)〜(D)成分を混合し、実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−3の各熱硬化性樹脂組成物を調製した。なお、(A)成分におけるP1〜P4は、アクリル共重合体溶液の使用量(g)を表し、(B)成分のうちP5は、アクリル共重合体溶液の使用量(g)を表す。
Figure 0006558074
[実施例2−1〜2−4,比較例2−1〜2−3]
実施例1−1〜1−4および比較例1−1〜1−3で調製した各熱硬化性樹脂組成物を、25μm厚のCOPフィルム上にバーコーターを用いてウェット膜厚50μmにて塗布した。その後、それぞれについて温度110℃で120秒間、熱循環式オーブン中で加熱乾燥を行い、COPフィルム上に熱硬化膜を形成した後、23℃で24時間放置して積層フィルムを得た。
[膜厚の評価]
実施例2−1〜2−4,比較例2−1〜2−3で作製した積層フィルムの厚みを測定した。測定値からCOPフィルムの厚みを引いた値を熱硬化膜の膜厚とした。
[Rth、Δnの評価]
実施例2−1〜2−4および比較例2−1〜2−3で作製した積層フィルムの進相軸のRthを測定した。得られたRthを膜厚で割った値を熱硬化膜のΔnとした。
[塗膜の評価]
実施例2−1〜2−4および比較例2−1〜2−3で作製した積層フィルムを目視にて観察し白濁の有無を判定した。
[タックの評価]
実施例2−1〜2−4および比較例2−1〜2−3で作製した積層フィルムの熱硬化膜表面に指を接触させ、表面に接触跡が残るか否かを判定した。接触跡が残ったものをタックありとした。
上記各評価結果を表2に併せて示す。
Figure 0006558074
表2に示されるように、実施例1−1〜1−4の熱硬化性樹脂組成物より得た硬化膜(実施例2−1〜2−4)は、いずれも−0.010以下のΔnおよび95(nm)以上のRthを示し、透明でタックのない塗膜が得られていることがわかる。
一方、(B)成分を含まない比較例2−1および2−2の塗膜は白濁し、タックがあることが確認された。そのため、Rthの評価に至らなかった。
また、スペーサーを有しないポリマーを用いた比較例2−3では透明でタックのない塗膜が得られたものの、十分なRthが得られていないことがわかる。

Claims (8)

  1. (A)式(1)で示される液晶性側鎖、下記式(2′)で示される炭化水素含有基および熱架橋性基を有するポリマー、
    (B)メチロール基またはアルコキシメチル基を有する架橋剤、並びに
    (C)溶剤を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0006558074
    (式中、Rは、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、nは、1〜10の整数を、oは、1または2の整数を表す。)
    Figure 0006558074
    (式中、Y1は、単結合を表し、
    2は、単結合を表し、
    3は、単結合または炭素数1〜15のアルキレン基を表し、
    4は、単結合を表し、
    mは、0であり、
    6は、炭素数1〜18のアルキル基を表す。
    ただし、Y3およびY6は総炭素数6〜20の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基である。)
  2. 前記熱架橋性基が、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ブロックイソシアネート基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、オキセタニル基およびアルコキシシリル基から選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記nが、2〜8の整数を表し、前記oが、2であり、前記Rが、シアノ基である請求項1または2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. (D)架橋触媒をさらに含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(A)成分100質量部に対し、前記(B)成分1〜100質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(A)成分および(B)成分の合計100質量部に対し、前記(D)成分0.01〜20質量部含有する請求項4または5記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて形成される−Cプレート位相差フィルム。
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させた後、冷却後24時間以上放置する−Cプレート位相差フィルムの製造方法。
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