以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
[第1の実施形態]
はじめに、本実施形態に係るデータ処理装置の一例である消費電力監視装置を備える監視システム140について説明する。図1は、消費電力監視装置を備える監視システムの全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、監視システム140は、消費電力監視装置100と、表示装置110と、電力制御装置120とを備える。消費電力監視装置100は表示装置110と通信可能に接続されている。また、消費電力監視装置100は、電力制御装置120と通信可能に接続されている。
消費電力監視装置100は、消費電力(例えば、1時間ごとの平均の消費電力(kW))と時刻とが対応付けられた"消費電力の時系列データ"を解析する。また、消費電力監視装置100は、解析結果に基づいて季節の変わり目等における状態変化の兆しを検出するとともに、検出した兆しが状態変化の発生によるものであったか否か(変化の属性)を判定する。
なお、「状態変化の兆し」を検出するとは、季節の変わり目等において状態変化が発生する場合に、状態変化が発生したことを示す「消費電力の変化」を検出することをいう。ここで、「消費電力の変化」とは、消費電力の日内変動において、それまでの日内変動の変動パターンから外れた消費電力が出現することをいう。
消費電力監視装置100には、時系列データ取得プログラム、判定用データ生成プログラム、消費電力判定プログラム、判定結果通知プログラムがインストールされている。消費電力監視装置100は、これら各種プログラムが実行されることで、時系列データ取得部101、判定用データ生成部102、消費電力判定部103、判定結果通知部104として機能する。
時系列データ取得部101は、電力制御装置120から、消費電力の時系列データを順次取得する。消費電力の時系列データは、所定周期(例えば、1時間周期)で電力制御装置120から順次出力されるため、時系列データ取得部101では、所定周期で取得した時系列データを、複数日分、時系列データ格納部111に格納する。
判定用データ生成部102は、時系列データ格納部111から消費電力の時系列データを読み出す。また、判定用データ生成部102は、現在時刻に対応付けられた消費電力のデータと、現在時刻と同一時刻に対応付けられた他の日(過去N日分)の消費電力のデータとを抽出することで、対象時刻データを生成し、対象時刻データ格納部112に格納する。
また、判定用データ生成部102は、生成した対象時刻データに基づいて、各日の対象時刻の所定時間前(例えば1時間前)の消費電力からの変動率を算出することで、第1の対象時刻変動率データを生成し、第1の対象時刻変動率データ格納部113に格納する。
また、判定用データ生成部102は、生成した対象時刻データに基づいて、各日の対象時刻の所定時間前(例えば2時間前)の消費電力からの変動率を算出することで、第2の対象時刻変動率データを生成し、第2の対象時刻変動率データ格納部114に格納する。
消費電力判定部103は、対象時刻データ、第1の対象時刻変動率データ、第2の対象時刻変動率データそれぞれについて、Smirnov−Grubbs検定を行い、統計的外れ値の有無を判定する。なお、統計的外れ値の有無の判定とは、各データのデータ分布に対して、統計的処理を行った場合に所定の範囲から外れるデータの有無を判定することをいう。これにより、消費電力判定部103では、現在時刻において消費電力の変化が発生したか否かを判定する。
また、消費電力判定部103は、消費電力の変化が発生したと判定した場合に、当該消費電力の変化が、状態変化の発生によるものなのか否かを判定する。あるいは、状態変化の発生によるものではなく、そのとき限りの一時的な異常発生によるものなのか否かを判定する。つまり、消費電力判定部103は、消費電力の変化が発生したと判定した場合に、変化の属性についても判定する。
判定結果通知部104は、消費電力判定部103における判定結果を時系列データとともに、表示装置110に通知する。また、判定結果通知部104は、電力制御装置120にも判定結果を通知する。
表示装置110は、電力制御装置120を管理する電力管理担当者が、電力制御装置120により制御されている消費電力を確認するための装置である。表示装置110は、消費電力監視装置100から通知された時系列データと判定結果とを表示する。これにより、電力管理担当者は、消費電力の変化が発生したことを認識することができる。また、消費電力の変化が、状態変化の発生によるものなのか、そのとき限りの一時的な異常発生によるものなのか、変化の属性を認識することができる。
電力制御装置120は、消費電力を制御する。また、制御中の消費電力を時刻と対応付けて、消費電力の時系列データとして、所定周期で消費電力監視装置100に送信する。更に、電力制御装置120は、消費電力監視装置100から通知された判定結果に基づいて、消費電力の日内変動の変動予測を行う。
次に、消費電力監視装置100のハードウェア構成について説明する。図2は、消費電力監視装置100のハードウェア構成を示す図である。図2に示すように、消費電力監視装置100は、CPU201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備える。また、消費電力監視装置100は、補助記憶部204、操作部205、接続部206、通信部207、ドライブ部208を備える。なお、消費電力監視装置100の各部は、バス209を介して相互に接続されている。
CPU201は、補助記憶部204に格納された各種プログラム(例えば、時系列データ取得プログラム、判定用データ生成プログラム、消費電力判定プログラム、判定結果通知プログラム等)を実行するコンピュータである。
ROM202は不揮発性メモリである。ROM202は、補助記憶部204に格納された各種プログラムをCPU201が実行するために必要なプログラム、データ等を格納する主記憶部として機能する。具体的には、BIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラム等を格納する主記憶部として機能する。
RAM203は揮発性メモリであり、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等を含む。RAM203は、補助記憶部204に格納された各種プログラムがCPU201によって実行される際に展開される、作業領域を提供する主記憶部として機能する。
補助記憶部204は、各種プログラムや、各種プログラムが実行されることで生成されるデータ等を格納するコンピュータ読み取り可能な媒体である。補助記憶部204の所定の領域は、例えば、時系列データ格納部111、対象時刻データ格納部112、第1の対象時刻変動率データ格納部113、第2の対象時刻変動率データ格納部114として機能する。
操作部205は、例えば、消費電力監視装置100に対する各種操作を受け付ける。接続部206は、表示装置110と接続され、表示装置110に対して消費電力の時系列データ及び判定結果を通知する。
通信部207は電力制御装置120と通信し、電力制御装置120との間で、消費電力の時系列データ及び判定結果の送受信を行う。
ドライブ部208は記録媒体210をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体210には、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体210には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
なお、本実施形態において、補助記憶部204に格納されている各種プログラムは、例えば、記録媒体210がドライブ部208にセットされ、該記録媒体210に記録された各種プログラムがドライブ部208により読み出されることで格納されるものとする。あるいは、通信部207を介してネットワークからダウンロードされることで格納されてもよい。
次に、電力制御装置120から送信され、時系列データ取得部101を介して時系列データ格納部111に格納される、消費電力の時系列データについて説明する。図3は消費電力を示す時系列データの一例を示す図である。
図3において、横軸は日付及び時刻を示しており、縦軸は消費電力を示している。なお、図3の例では、1時間ごとの平均の消費電力(kW)がプロットされている。
図3に示すように、消費電力は日単位で周期的に変動する。また、消費電力の日内変動は、日ごとに異なった変動パターンとなっており、それぞれの変動パターンを比較した場合に、差異が小さい変動パターンと大きい変動パターンとがある。例えば、図3の時点301、302等では、その前後で、消費電力の日内変動の変動パターンが大きく変化しており、差異が大きい。
次に、判定用データ生成部102により生成される判定用データ(対象時刻データ、第1の対象時刻変動率データ、第2の対象時刻変動率データ)について説明する。図4は、判定用データ生成部により生成される判定用データの一例を示す図である。
このうち、図4(a)は、判定用データ生成部102により生成された対象時刻データの一例を示す図であり、横軸は日付及び時刻を示し、縦軸は消費電力を示している。図4(a)の対象時刻データは、消費電力の時系列データのうち、現在時刻="午前8時"として19日分の時系列データを抽出することで生成されたものである。
具体的には、現在時刻が属する日の1日前の同一時刻"午前8時"における消費電力と、2日前の同一時刻"午前8時"における消費電力と、・・・、18日前の同一時刻"午前8時"における消費電力とを抽出することで生成されたものである。
なお、図4(a)では、現在時刻="午前8時"として説明したが、現在時刻="午前9時"になれば、"午前9時"における19日分の時系列データに基づいて、対象時刻データが生成される。
図4(b)は、判定用データ生成部102により生成された第1の対象時刻変動率データの一例を示す図であり、横軸は日付及び時刻を示し、縦軸は消費電力の変動率R1を示している。第1の対象時刻変動率データは、対象時刻データに基づいて生成される。例えば、現在時刻="午前8時"の消費電力をVa、現在時刻の1時間前(="午前7時")の消費電力をVbとすると、現在時刻における変動率R1は、下式のように算出される。
同様に、現在時刻が属する日の1日前の同一時刻"午前8時"の消費電力と、その1時間前の消費電力とに基づいて、現在時刻が属する日の1日前の同一時刻"午前8時"における変動率R1を算出する。以下、現在時刻が属する日の18日前の変動率R1まで算出することで、図4(b)の第1の対象時刻変動率データを得る。
図4(c)は、判定用データ生成部102により生成された第2の対象時刻変動率データの一例を示す図であり、横軸は日付及び時刻を示し、縦軸は消費電力の変動率R2を示している。第2の対象時刻変動率データは、対象時刻データに基づいて生成される。例えば、現在時刻="午前8時"の消費電力をVa'、現在時刻の2時間前(="午前6時")の消費電力をVb'とすると、現在時刻における変動率R2は、下式のように算出される。
同様に、現在時刻が属する日の1日前の同一時刻"午前8時"の消費電力と、その2時間前の消費電力とに基づいて、現在時刻が属する日の1日前の同一時刻"午前8時"における変動率R2を算出する。以下、現在時刻が属する日の18日前の変動率R2まで算出することで、図4(c)の第2の対象時刻変動率データを得る。
次に、判定用データ生成部102による判定用データ生成処理の流れについて説明する。図5は、判定用データ生成部による判定用データ生成処理のフローチャートである。
ステップS501において、判定用データ生成部102は、時系列データ格納部111に格納されている、消費電力の時系列データを読み出す。なお、時系列データ格納部111には、既に現在時刻における消費電力のデータを含む時系列データが格納されているものとする。
ステップS502において、判定用データ生成部102は、読み出した時系列データから、現在時刻における消費電力のデータと、現在時刻が属する日の1日前から18日前までの現在時刻と同一時刻における消費電力のデータとを抽出する。更に、抽出した消費電力のデータを、対象時刻データとして対象時刻データ格納部112に格納する。
ステップS503において、判定用データ生成部102は、現在時刻における変動率R1のデータ及び現在時刻が属する日の1日前から18日前までの現在時刻と同一時刻における変動率R1のデータを算出する。更に、算出した変動率R1のデータを、第1の対象時刻変動率データとして第1の対象時刻変動率データ格納部113に格納する。
ステップS504において、判定用データ生成部102は、現在時刻における変動率R2のデータ及び現在時刻が属する日の1日前から18日前までの現在時刻と同一時刻における変動率R2のデータを算出する。更に、算出した変動率R2のデータを、第2の対象時刻変動率データとして第2の対象時刻変動率データ格納部114に格納する。
ステップS505において、判定用データ生成部102は、ステップS501において時系列データを読み出してから、所定周期(例えば、1時間)が経過したか否かを判定する。ステップS505において、所定周期が経過していないと判定した場合には、所定周期が経過するまで待機する。
一方、ステップS505において、所定周期が経過したと判定した場合には、ステップS506に進み、判定用データ生成処理の終了指示が入力されていないか否かを判定し、入力していないと判定した場合には、ステップS501に戻る。
これにより、判定用データ生成処理の終了指示が入力されるまでは、所定周期ごとに、対象時刻データと、第1の対象時刻変動率データと、第2の対象時刻変動率データとが順次生成されていく。一方、判定用データ生成処理の終了指示が入力された場合には、判定用データ生成処理を終了する。
次に、判定用データ生成部102により所定周期ごとに生成される判定用データ(対象時刻データ、第1の対象時刻変動率データ、第2の対象時刻変動率データ)について説明する。図6は、判定用データ生成部により所定周期ごとに判定用データが生成される様子を示した図である。
図6に示すように、例えば、現在時刻="午前8時"であった場合、判定用データ生成部102では、対象時刻データ601と、第1の対象時刻変動率データ602と、第2の対象時刻変動率データ603とを生成する。
また、所定周期(例えば、1時間)が経過し、現在時刻="午前9時"になると、判定用データ生成部102では、対象時刻データ611と、第1の対象時刻変動率データ612と、第2の対象時刻変動率データ613とを生成する。
更に、所定周期が経過し、現在時刻="午前10時"になると、判定用データ生成部102では、対象時刻データ621と、第1の対象時刻変動率データ622と、第2の対象時刻変動率データ623とを生成する。
このように、判定用データ生成部102では、所定周期ごとに判定用データを生成していく。
次に、消費電力判定部103について説明する。図7は、消費電力判定部の詳細な機能構成の一例を示す図である。図7に示すように、消費電力判定部103は、データ検定部701、変化発生有無判定部702、外れ値回数算出部703、状態変化度算出部704、判定部705を有する。
データ検定部701は、所定周期ごとに、対象時刻データ格納部112に格納された対象時刻データのうち、現在時刻と同一時刻についての対象時刻データを読み出し、Smirnov−Grubbs検定を行う。また、所定周期ごとに、第1の対象時刻変動率データ格納部113に格納された第1の対象時刻変動率データのうち、現在時刻と同一時刻についての第1の対象時刻変動率データを読み出し、Smirnov−Grubbs検定を行う。更に、所定周期ごとに、第2の対象時刻変動率データ格納部114に格納された第2の対象時刻変動率データのうち、現在時刻と同一時刻についての第2の対象時刻変動率データを読み出し、Smirnov−Grubbs検定を行う。
変化発生有無判定部702は、データ検定部701において行われた、対象時刻データ、第1の対象時刻変動率データ、第2の対象時刻変動率データに対する検定の結果に基づいて、消費電力の変化が発生したか否かを判定する。具体的には、変化発生有無判定部702は、対象時刻データに対する検定の結果に基づいて、現在時刻における消費電力のデータが統計的外れ値に該当するか否かを判定し、統計的外れ値に該当すると判定した場合に、消費電力の変化が発生したと判定する。また、第1の対象時刻変動率データに対する検定の結果に基づいて、現在時刻における変動率R1のデータが統計的外れ値に該当するか否かを判定し、統計的外れ値に該当すると判定した場合に、消費電力の変化が発生したと判定する。更に、第2の対象時刻変動率データに対する検定の結果に基づいて、現在時刻における変動率R2のデータが統計的外れ値に該当するか否かを判定し、統計的外れ値に該当すると判定した場合に、消費電力の変化が発生したと判定する。
外れ値回数算出部703は、変化発生有無判定部702において検定が行われ消費電力の変化が発生したと判定された場合に、対象時刻データ、第1の対象時刻変動率データ、第2の対象時刻変動率データそれぞれについて、統計的外れ値の回数を算出する。
具体的には、外れ値回数算出部703は、現在時刻における消費電力のデータが、現在時刻が属する日の後日(所定日数M−1日分)において、統計的外れ値であると判定された回数を算出する。例えば、所定日数M=5の場合、現在時刻が属する日の4日後までの間に、現在時刻における消費電力のデータが統計的外れ値であると判定された回数(外れ値判定回数)を算出する。
同様に、外れ値回数算出部703は、現在時刻における変動率R1のデータが、現在時刻が属する日の後日(所定日数M−1日分)において、統計的外れ値であると判定された外れ値判定回数を算出する。更に、外れ値回数算出部703は、現在時刻における変動率R2のデータが、現在時刻が属する日の後日(所定日数M−1日分)において、統計的外れ値であると判定された外れ値判定回数を算出する。
状態変化度算出部704は、対象時刻データ、第1の対象時刻変動率データ、第2の対象時刻変動率データそれぞれについて、外れ値回数算出部703において統計的外れ値であると判定された外れ値判定回数に基づいて、現在時刻についての状態変化度を算出する。
状態変化度とは、統計的外れ値であるとの判定結果が、以降、どの程度継続するかという継続性の度合いを、統計的外れ値であると判定された回数に基づいて数値化したものである。ここで、消費電力の変化が発生したと判定された現在時刻をT'、統計的外れ値であると判定された外れ値判定回数をOL(T')とおく。この場合、K日(K≦M−1、例えばM=5)経過時の状態変化度(st_chg_measure(T';K))は、下式により算出される。
状態変化度算出部704では、対象時刻データ、第1の対象時刻変動率データ、第2の対象時刻変動率データそれぞれについて算出した、消費電力の変化が発生したと判定された現在時刻についての状態変化度を判定部705に通知する。
判定部705は、状態変化度算出部704により通知された状態変化度に基づいて、消費電力の変化が、状態変化の発生によるものなのか、そのとき限りの一時的な異常発生によるものなのかを判定する。つまり、判定部705は変化の属性を判定する。
ここで、状態変化度は0から1の範囲内で変化し、1に近いほど、状態変化の発生によるものであった可能性が高いと判定する。一方、状態変化度が0に近いほど、そのとき限りの一時的な異常発生によるものであった可能性が高いと判定する。
なお、消費電力判定部103により判定された判定結果は、判定結果通知部104により時系列データとともに表示装置110に送信される。ここで、判定結果には、消費電力の変化が発生したこと(現在時刻の消費電力のデータが統計的外れ値に該当すること)、及び、変化の属性が含まれる。また、判定結果には、消費電力の変化が発生したと判定された時刻についての状態変化度の値が含まれる。なお、判定結果は、電力制御装置120にも送信される。
次に、消費電力判定部103による変化発生有無判定処理の流れについて説明する。図8は、消費電力判定部による変化発生有無判定処理のフローチャートである。
ステップS801において、データ検定部701は、対象時刻データ格納部112に格納された対象時刻データのうち、現在時刻と同一時刻についての対象時刻データを読み出す。また、データ検定部701は、第1の対象時刻変動率データ格納部113に格納された第1の対象時刻変動率データのうち、現在時刻と同一時刻についての第1の対象時刻変動率データを読み出す。更に、データ検定部701は、第2の対象時刻変動率データ格納部114に格納された第2の対象時刻変動率データのうち、現在時刻と同一時刻についての第2の対象時刻変動率データを読み出す。
ステップS802において、データ検定部701は、ステップS801において読み出した対象時刻データに基づいて、Smirnov−Grubbs検定を行う。更に、変化発生有無判定部702は、検定結果に基づいて、現在時刻における消費電力のデータが統計的外れ値に該当するか否かを判定する。
ステップS803において、データ検定部701は、ステップS801において読み出した第1の対象時刻変動率データに基づいて、Smirnov−Grubbs検定を行う。更に、変化発生有無判定部702は、検定結果に基づいて、現在時刻における変動率R1が統計的外れ値に該当するか否かを判定する。
ステップS804において、データ検定部701は、ステップS801において読み出した第2の対象時刻変動率データに基づいて、Smirnov−Grubbs検定を行う。更に、変化発生有無判定部702は、検定結果に基づいて、現在時刻における変動率R2が統計的外れ値に該当するか否かを判定する。
ステップS805において、変化発生有無判定部702は、ステップS802からステップS804における判定の結果、統計的外れ値であると判定されたデータがあるか否かを判定する。ステップS805において、統計的外れ値であると判定されたデータがないと判定された場合には、ステップS807に進む。
一方、ステップS805において、統計的外れ値であると判定されたデータがあると判定された場合には、ステップS806に進む。ステップS806において、変化発生有無判定部702は、現在時刻において、消費電力の変化が発生したと判定する。
ステップS807において、データ検定部701は、ステップS801における判定用データの読み出し(対象時刻データ、第1の対象時刻変動率データ、第2の対象時刻変動率データの読み出し)から所定周期が経過したか否かを判定する。ステップS807において、所定周期が経過していないと判定した場合には、所定周期が経過するまで待機する。
一方、ステップS807において、所定周期が経過したと判定した場合には、ステップS808に進み、変化発生有無判定処理の終了指示が入力されたか否かを判定し、終了指示が入力されていないと判定された場合には、ステップS801に戻る。この場合、所定周期が経過した後の現在時刻において、ステップS801からステップS807までの処理を行う。
一方、ステップS808において、変化発生有無判定処理の終了指示が入力されたと判定した場合には、変化発生有無判定処理を終了する。
次に、消費電力判定部103による変化発生有無判定処理の具体例について説明する。図9は、変化発生有無判定処理の具体例を示す図である。このうち、図9(a)は、対象時刻データ格納部112に格納された対象時刻データのうち、現在時刻と同一時刻についての対象時刻データを示している。図9(a)において、点線枠901は、現在時刻における消費電力のデータ及び過去18日分の消費電力のデータに基づいて、Smirnov−Grubbs検定を行った結果、統計的外れ値でないと判定された範囲を示している。図9(a)に示すように、現在時刻における消費電力のデータは、点線枠901の外側に位置しているため、統計的外れ値であると判定される。
図9(b)は、第1の対象時刻変動率データ格納部113に格納された第1の対象時刻変動率データのうち、現在時刻と同一時刻についての第1の対象時刻変動率データを示している。図9(b)において、点線枠902は、現在時刻における変動率R1のデータ及び過去18日分の変動率R1のデータに基づいて、Smirnov−Grubbs検定を行った結果、統計的外れ値でないと判定された範囲を示している。図9(b)に示すように、現在時刻における変動率R1のデータは、点線枠902に含まれるため、統計的外れ値でないと判定される。
図9(c)は、第2の対象時刻変動率データ格納部114に格納された第2の対象時刻変動率データのうち、現在時刻と同一時刻についての第2の対象時刻変動率データを示している。図9(c)において、点線枠903は、現在時刻における変動率R2のデータ及び過去18日分の変動率R2のデータに基づいて、Smirnov−Grubbs検定を行った結果、統計的外れ値でないと判定された範囲を示している。図9(c)に示すように、現在時刻における変動率R2のデータは、点線枠903の外側に位置しているため、統計的外れ値であると判定される。
このように、図9の例では、対象時刻データ及び第2の対象時刻変動率データにおいて、現在時刻におけるデータが統計的外れ値であると判定された。この結果、変化発生有無判定部702では、現在時刻において消費電力の変化が発生したと判定する。
次に、消費電力判定部103による状態変化度算出処理の流れについて説明する。図10は、消費電力判定部による状態変化度算出処理のフローチャートである。なお、以降の説明において、"現在時刻"とは、変化発生有無判定部702において、消費電力の変化が発生したと判定された時刻(例えば"午前8時")を指すものとする。
ステップS1001において、状態変化度算出部704は、現在時刻において変化発生有無判定部702にて消費電力の変化が発生したと判定されたか否かを判定する。
消費電力の変化が発生したと判定されていなかった場合には、現在時刻についての状態変化度算出処理を終了する。一方、消費電力の変化が発生したと判定されていた場合には、ステップS1002に進む。
ステップS1002において、状態変化度算出部704は、経過日数Kに初期値である"1"を代入する。更に、ステップS1003において、状態変化度算出部704は、現在時刻からK日が経過したか否かを判定する。
ステップS1003において、K日が経過していないと判定された場合には、K日が経過したと判定されるまで待機する。一方、K日が経過したと判定された場合には、ステップS1004に進む。
ステップS1004において、状態変化度算出部704は、現在時刻が属する日の1日後からK日後までのそれぞれの対象時刻データに基づいて、現在時刻についての消費電力のデータが、統計的外れ値であると判定された外れ値判定回数を算出する。
ステップS1005において、状態変化度算出部704は、ステップS1004において算出された外れ値判定回数に基づいて、現在時刻についての状態変化度を算出する。これにより、現在時刻についてのK日経過時点での対象時刻データに基づく状態変化度が算出される。
ステップS1006において、状態変化度算出部704は、現在時刻が属する日の1日後からK日後までのそれぞれの第1の対象時刻変動率データに基づいて、現在時刻についての変動率R1のデータが、統計的外れ値であると判定された外れ値判定回数を算出する。
ステップS1007において、状態変化度算出部704は、ステップS1006において算出された外れ値判定回数に基づいて、現在時刻についての状態変化度を算出する。これにより、現在時刻についてのK日経過時点での第1の対象時刻変動率データに基づく状態変化度が算出される。
ステップS1008において、状態変化度算出部704は、現在時刻が属する日の1日後からK日後までのそれぞれの第2の対象時刻変動率データに基づいて、現在時刻についての変動率R2のデータが、統計的外れ値であると判定された外れ値判定回数を算出する。
ステップS1009において、状態変化度算出部704は、ステップS1008において算出された外れ値判定回数に基づいて、現在時刻についての状態変化度を算出する。これにより、現在時刻についてのK日経過時点での第2の対象時刻変動率データに基づく状態変化度が算出される。
ステップS1010において、状態変化度算出部704は、経過日数Kが所定の閾値(=M−1、例えばM=5)以下であるか否かを判定する。
ステップS1010において経過日数Kが所定の閾値以下であると判定された場合には、ステップS1011に進む。ステップS1011において、状態変化度算出部704は、経過日数Kをインクリメントした後、ステップS1003に戻る。これにより、経過日数Kが所定の閾値を超えるまで、現在時刻における消費電力、変動率R1、変動率R2について、ステップS1003からステップS1011までの処理が繰り返される。
一方、ステップS1010において、経過日数Kが所定の閾値を超えたと判定された場合には、状態変化度算出処理を終了する。
次に、消費電力判定部103による状態変化度算出処理の具体例について説明する。図11から図13は、状態変化度算出処理の具体例を示す図であり、図11〜図13は、いずれも現在時刻において、判定用データのいずれかで消費電力の変化が発生したと判定されたケースを示している。このうち、図11は、現在時刻が属する日の後日(1日後)の同一時刻において変化発生有無判定処理が行われた結果、現在時刻における"消費電力の変化が発生したとの判定"が解消したケースを示している。一方、図12は、現在時刻が属する日の後日(1日後)の同一時刻において変化発生有無判定処理が行われた結果、現在時刻における"消費電力の変化が発生したとの判定"が継続したケースを示している。更に、図13は、現在時刻が属する日の後日(1日後)の同一時刻において変化発生有無判定処理が行われた結果、現在時刻における"消費電力の変化が発生したとの判定"が継続したケースを示している。なお、図13のケースは、更に、1日後の同一時刻において"消費電力の変化が新たに発生したとの判定"がなされたケースを示している。以下、図11から順に説明する。
図11(a)は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において対象時刻データを読み出し、変化発生有無判定処理が行われた様子を示している。点線枠1101は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における消費電力のデータ及び過去N日分(N=18)の消費電力のデータに基づいて、Smirnov−Grubbs検定を行った結果、統計的外れ値でないと判定された範囲を示している。
図11(a)に示すように、現在時刻における消費電力のデータは、点線枠1101に含まれるため、1日後の同一時刻における変化発生有無判定処理では、統計的外れ値ではないと判定される。つまり、現在時刻における消費電力のデータは、現在時刻においては点線枠901の外側に位置していたため、統計的外れ値であると判定されたが、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻においては、統計的外れ値であるとの判定は解消されたことになる。
このため、現在時刻における消費電力のデータについての1日経過時点での外れ値判定回数は"1"となり、状態変化度算出部704では、当該外れ値判定回数を用いて、対象時刻データに基づく現在時刻についての1日経過時点での状態変化度を算出する。
図11(b)は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において第1の対象時刻変動率データを読み出し、変化発生有無判定処理が行われた様子を示している。点線枠1102は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における変動率R1のデータ及び過去N日分(N=18)の変動率R1のデータについて、Smirnov−Grubbs検定を行い、統計的外れ値でないと判定された範囲を示している。
図11(b)に示すように、現在時刻における変動率R1のデータは、点線枠1102に含まれるため、再び、統計的外れ値ではないと判定される。このため、第1の対象時刻変動率データに基づく現在時刻についての状態変化度は算出されない。
図11(c)は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において第2の対象時刻変動率データを読み出し、変化発生有無判定処理が行われた様子を示している。点線枠1103は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における変動率R2のデータ及び過去N日分(N=18)の変動率R2のデータについて、Smirnov−Grubbs検定を行い、統計的外れ値でないと判定された範囲を示している。
図11(c)に示すように、現在時刻における変動率R2のデータは、現在時刻においては点線枠903の外側に位置していたため、統計的外れ値であると判定された。しかし、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻においては、統計的外れ値であるとの判定は解消されることになる。
このため、現在時刻における変動率R2のデータについての1日経過時点での外れ値判定回数は"1"となる。状態変化度算出部704では、当該外れ値判定回数を用いて、第2の対象時刻変動率データに基づく現在時刻についての1日経過時点での状態変化度を算出する。
図12(a)は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において対象時刻データを読み出し、変化発生有無判定処理が行われた他の様子を示している。点線枠1201は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における消費電力のデータ及び過去N日分(N=18)の消費電力のデータに基づいて、Smirnov−Grubbs検定を行った結果、統計的外れ値でないと判定された範囲を示している。
図12(a)に示すように、現在時刻における消費電力のデータは、点線枠1201の外側に位置するため、統計的外れ値であると判定される。つまり、現在時刻における対象時刻データは、現在時刻において点線枠901の外側に位置していたため、統計的外れ値であると判定された。そして、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻においても依然として点線枠1201の外側に位置しているため、統計的外れ値であると判定され、統計的外れ値であるとの判定は継続されることになる。
このため、現在時刻における消費電力のデータについての1日経過時点での外れ値判定回数は"2"となり、状態変化度算出部704では、当該外れ値判定回数を用いて、対象時刻データに基づく現在時刻についての1日経過時点での状態変化度を算出する。
図12(b)は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において第1の対象時刻変動率データを読み出し、変化発生有無判定処理が行われた他の様子を示している。点線枠1202は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における変動率R1のデータ及び過去N日分(N=18)の変動率R1のデータについて、Smirnov−Grubbs検定を行い、統計的外れ値でないと判定された範囲を示している。
図12(b)に示すように、現在時刻における変動率R1のデータは、点線枠1202に含まれるため、再び、統計的外れ値ではないと判定される。このため、第1の対象時刻変動率データに基づく現在時刻についての状態変化度は算出されない。
図12(c)は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において第2の対象時刻変動率データを読み出し、変化発生有無判定処理が行われた他の様子を示している。点線枠1203は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における変動率R2のデータ及び過去N日分(N=18)の変動率R2のデータについて、Smirnov−Grubbs検定を行い、統計的外れ値でないと判定された範囲を示している。
図12(c)に示すように、現在時刻における変動率R2のデータは、点線枠1203の外側に位置するため、統計的外れ値であると判定される。つまり、現在時刻における変動率R2のデータは、現在時刻においては点線枠903の外側に位置していたため、統計的外れ値であると判定された。そして、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻においても依然として点線枠1203の外側に位置しているため、統計的外れ値であると判定され、統計的外れ値であるとの判定は継続されることになる。
このため、現在時刻における変動率R2のデータについての1日経過時点での外れ値判定回数は"2"となる。状態変化度算出部704では、当該外れ値判定回数を用いて、第2の対象時刻変動率データに基づく現在時刻についての1日経過時点での状態変化度を算出する。
図13(a)は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において対象時刻データを読み出し、変化発生有無判定処理が行われた他の様子を示している。点線枠1301は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における消費電力のデータ及び過去N日分(N=18)の消費電力のデータに基づいて、Smirnov−Grubbs検定を行った結果、統計的外れ値でないと判定された範囲を示している。
図13(a)に示すように、現在時刻における消費電力のデータは、点線枠1301の外側に位置するため、統計的外れ値であると判定される。なお、現在時刻における消費電力のデータは、現在時刻においても点線枠901の外側に位置していたため、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において、現在時刻についての外れ値判定回数は2回となる。このため、状態変化度算出部704では、当該外れ値判定回数を用いて、対象時刻データに基づく現在時刻についての1日経過時点での状態変化度を算出する。
また、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における消費電力のデータは、点線枠1301の外側に位置しているため、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における消費電力のデータは、統計的外れ値であると判定される。なお、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における消費電力のデータについての外れ値判定回数は1回となる。このため、状態変化度算出部704では、当該外れ値判定回数を用いて、対象データに基づく現在時刻が属する日の1日後の同一時刻についての状態変化度を算出する。
図13(b)は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において第1の対象時刻変動率データを読み出し、変化発生有無判定処理が行われた他の様子を示している。点線枠1302は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における変動率R1のデータ及び過去N日分(N=18)の変動率R1のデータに基づいて、Smirnov−Grubbs検定を行った結果、統計的外れ値でないと判定された範囲を示している。
図13(b)に示すように、現在時刻における変動率R1のデータは、点線枠1302に含まれるため、統計的外れ値でないと判定される。このため、第1の対象時刻変動率データに基づく現在時刻についての状態変化度は算出されない。
図13(c)は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において第2の対象時刻変動率データを読み出し、変化発生有無判定処理が行われた他の様子を示している。点線枠1303は、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における変動率R2のデータ及び過去N日分(N=18)の変動率R2のデータに基づいて、Smirnov−Grubbs検定を行った結果、統計的外れ値でないと判定された範囲を示している。
図13(c)に示すように、現在時刻における変動率R2のデータは、点線枠1303の外側に位置するため、統計的外れ値であると判定される。なお、現在時刻における変動率R2のデータは、現在時刻においても点線枠903の外側に位置していたため、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において、現在時刻についての外れ値判定回数は2回となる。このため、状態変化度算出部704では、当該外れ値判定回数を用いて、第2の対象時刻変動率データに基づく現在時刻についての1日経過時点での状態変化度を算出する。
また、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における変動率R2のデータは、点線枠1303の外側に位置しているため、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における変動率R2のデータは、統計的外れ値であると判定される。なお、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻において、現在時刻が属する日の1日後の同一時刻における変動率R2のデータについての外れ値判定回数は1回となる。このため、状態変化度算出部704では、当該外れ値判定回数を用いて、第2の対象時刻変動率データに基づく現在時刻が属する日の1日後の同一時刻についての状態変化度を算出する。
次に、消費電力判定部103による判定処理の流れについて説明する。図14、図15は、消費電力判定部による判定処理のフローチャートである。ステップS1401において、判定部705は、現在時刻において変化発生有無判定部702にて消費電力の変化が発生したと判定されたか否かを判定する。
消費電力の変化が発生したと判定されていなかった場合には、現在時刻についての判定処理を終了する。一方、消費電力の変化が発生したと判定されていた場合には、ステップS1402に進む。
ステップS1402において、経過日数Kに初期値である"1"を代入する。更に、ステップS1403において、判定部705は、現在時刻からK日が経過したか否かを判定する。
ステップS1403において、K日が経過していないと判定された場合には、K日が経過したと判定されるまで待機する。一方、K日が経過したと判定された場合には、ステップS1404に進む。
ステップS1404において、判定部705は、対象時刻データについて、現在時刻からK日経過した時点での、現在時刻についての状態変化度を状態変化度算出部704から取得する。
ステップS1405において、判定部705は、ステップS1404において取得した状態変化度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ステップS1405において所定の閾値以上でないと判定された場合には、ステップS1406に進む。
ステップS1406において、判定部705は、現在時刻における消費電力の変化は、そのとき限りの一時的な異常発生によるものであると判定する。
一方、ステップS1405において所定の閾値以上であると判定された場合には、ステップS1407に進む。
ステップS1407において、判定部705は、現在時刻における消費電力の変化は、状態変化の発生によるものであると判定する。
図15のステップS1501において、判定部705は、第1の対象時刻変動率データについて、現在時刻からK日経過した時点での、現在時刻についての状態変化度を状態変化度算出部704から取得する。
ステップS1502において、判定部705は、ステップS1501において取得した状態変化度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ステップS1502において所定の閾値以上でないと判定された場合には、ステップS1503に進む。
ステップS1503において、判定部705は、現在時刻における変動率R1の変化は、そのとき限りの一時的な異常発生によるものであると判定する。
一方、ステップS1502において所定の閾値以上であると判定された場合には、ステップS1504に進む。
ステップS1504において、判定部705は、現在時刻における変動率R1の変化は、状態変化の発生によるものであると判定する。
ステップS1505において、判定部705は、第2の対象時刻変動率データについて、現在時刻からK日経過した時点での、現在時刻についての状態変化度を状態変化度算出部704から取得する。
ステップS1506において、判定部705は、ステップS1505において取得した状態変化度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ステップS1506において所定の閾値以上でないと判定された場合には、ステップS1507に進む。
ステップS1507において、判定部705は、現在時刻における変動率R2の変化は、そのとき限りの一時的な異常発生によるものであると判定する。
一方、ステップS1506において所定の閾値以上であると判定された場合には、ステップS1508に進む。
ステップS1508において、判定部705は、現在時刻における変動率R2の変化は、状態変化の発生によるものであると判定する。
ステップS1509において、判定部705は、経過日数Kが所定の閾値(=M−1、例えばM=5)以下であるか否かを判定する。
ステップS1509において経過日数Kが所定の閾値以下であると判定された場合には、ステップS1510に進む。ステップS1510において、判定部705は、経過日数Kをインクリメントした後、ステップS1403に戻る。これにより、経過日数Kが所定の閾値を超えるまで、現在時刻における消費電力、変動率R1、変動率R2について、ステップS1403からステップS1508の処理が繰り返される。
一方、ステップS1509において、経過日数が所定の閾値を超えたと判定された場合には、判定処理を終了する。
次に、消費電力の変化が発生してからの経過日数Kに対する状態変化度の推移について説明する。図16は、消費電力の変化が発生してからの経過日数に対する状態変化度の推移を示す図である。
図16において、横軸は消費電力の変化が発生してからの経過日数を示しており、縦軸は状態変化度を示している。なお、ここでは、対象時刻データに基づいて算出された状態変化度の推移について説明する(第1の対象時刻変動率データ、第2の対象時刻変動率データについても同様であるため、ここでは説明は省略する)。
図16に示すように、消費電力の変化が発生した時刻で状態変化度算出部704により算出される状態変化度は0.5であり、その後、Smirnov−Grubbs検定が行われるごとに変化していく。
具体的には、消費電力の変化が発生した現在時刻に対して1日後の同一時刻において、Smirnov−Grubbs検定を行うことで、再び、統計的外れ値であると判定された場合には、状態変化度は0.5より小さくなる。更に、2日後の同一時刻において、Smirnov−Grubbs検定を行うことで、再び、統計的外れ値であると判定された場合には、状態変化度は更に小さくなる(図16の黒四角点参照)。
このように、消費電力の変化が発生した現在時刻における消費電力のデータが、統計的外れ値であると判定され続けると、状態変化度は0に近づいていく。この結果、消費電力の変化は、そのとき限りの一時的な異常発生によるものであったと判定することができる。
一方、消費電力の変化が発生した現在時刻に対して1日後の同一時刻において、Smirnov−Grubbs検定を行うことで、統計的外れ値でないと判定された場合には、状態変化度は0.5より大きくなる。更に、2日後の同一時刻において、Smirnov−Grubbs検定を行うことで、統計的外れ値でないと判定された場合には、状態変化度は更に大きくなる(図16の白四角点参照)。
このように、消費電力の変化が発生した現在時刻における消費電力のデータについて、その後、統計的外れ値であるとの判定が解消されると、状態変化度は1に近づいていく。この結果、現在時刻における消費電力の変化は、状態変化の発生によるものであったと判定することができる。
次に、判定結果通知部104により時系列データとともに通知され、表示装置110に表示される判定結果について説明する。図17は、判定結果通知部により通知された判定結果の一例を示す図である。
図17に示すように、表示装置110には、判定結果通知部104により通知された時系列データが表示される。具体的には、予め定められた日数分の消費電力の時系列データが表示される。
また、表示装置110には、判定結果通知部104により通知された判定結果が時系列データと対応付けて表示される。具体的には、時系列データの各時刻における状態変化度が、時系列データの各時刻に対応する位置に配された直線領域に、状態変化度の大きさに応じて動作する点(識別子)としてプロットされる。
図17において、時系列データに対応付けてプロットされた点は、状態変化度を示している。上述した通り、状態変化度は0から1.0の間の値となるため、各時刻における状態変化度は、図17の右端に示された目盛に則した位置にプロットされる。
図16を用いて説明した通り、状態変化度は、消費電力の変化が発生した時点では0.5となるが、その後、日数が経過するにつれて、0または1に近づいていく。したがって、図17に示すように、0から1の範囲内において状態変化度を示す点がプロットされることになる。
このように、表示装置110には、消費電力の時系列データに加え、状態変化度が表示される。このため、電力制御装置120の電力管理担当者は、最新の時系列データが表示された際に、状態変化度を表す点がプロットされたか否かを確認することで、消費電力の変化が発生したか否かを直ちに認識することができる。
また、状態変化度を表す点がプロットされた後、1に近づいていくのか0に近づいていくのかを監視することで、状態変化度を表す点がプロットされたのが、状態変化の発生によるものであったのか否かを判断することができる。
図17の拡大表示1701は、消費電力の変化が発生したと判定され、その後、日数が経過するにつれ、状態変化度が1.0になった例を示している。この場合、電力管理担当者は、状態変化度を表す点がプロットされた時点で、消費電力の変化が発生したことを認識する。その後、日数が経過することで、電力管理担当者は、当該消費電力の変化が、状態変化の発生によるものであったと認識することができる。
一方、図17の拡大表示1702は、消費電力の変化が発生したと判定され、その後、日数が経過するにつれ、状態変化度が0に近づいた例を示している。この場合、電力管理担当者は、状態変化度を表す点がプロットされた時点で、消費電力の変化が発生したことを認識する。その後、日数が経過することで、電力管理担当者は、当該消費電力の変化が、そのとき限りの一時的な異常発生によるものであったと認識することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、消費電力の時系列データに基づいて、現在時刻における消費電力のデータが、統計的外れ値であるか否かを判定し、統計的外れ値であると判定した場合に、消費電力の変化が発生したと判定する。
このように、消費電力の日内変動の変動パターン全体に基づいて判定するのではなく、現在時刻における消費電力のデータに基づいて判定することで、本実施形態に係る消費電力監視装置によれば、状態変化の兆しをより早く検出することが可能になる。
また、本実施形態に係る消費電力監視装置では、統計的外れ値であると判定された場合、その後、統計的外れ値であるとの判定がどの程度継続するのかを監視することで、統計的外れ値であるとの判定が、状態変化の発生によるものであったか否かを判定する。
これにより、本実施形態に係る消費電力監視装置によれば、消費電力の変化が、状態変化の発生によるものであったのか、そのとき限りの一時的な異常発生によるものであったのか、変化の属性を判定することが可能となる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、判定用データ生成部102が、判定用データとして、対象時刻データ、第1の対象時刻変動率データ、第2の対象時刻変動率データを生成した。しかしながら、消費電力の変化の発生有無の判定に用いる判定用データの組み合わせはこれに限定されない。例えば、このうちの1または2の判定用データを用いて消費電力の変化の発生有無を判定するようにしてもよい。あるいは、これら以外の判定用データを用いて消費電力の変化の発生有無を判定するようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態では、第1の対象時刻変動率データとして、1時間あたりの変動率を用いたが、第1の対象時刻変動率データは、1時間あたりの変動率に限定されない。同様に、上記第1の実施形態では、第2の対象時刻変動率データとして、2時間あたりの変動率を用いたが、第2の対象時刻変動率データは、2時間あたりの変動率に限定されない。
また、上記第1の実施形態では、判定用データ生成部102が対象時刻データ、第1の対象時刻変動率データ、第2の対象時刻変動率データを生成するにあたり、過去18日分のデータを用いた。しかしながら、判定用データの生成に用いる範囲はこれに限定されず、18日より長くても短くてもよい。
また、上記第1の実施形態では、状態変化度を算出する期間を、現在時刻から4日が経過するまでとしたが、状態変化度を算出する期間は、現在時刻から4日が経過するまでに限定されない。また、上記第1の実施形態では、状態変化度を判定する際の閾値について特に限定しなかったが、状態変化度を判定する際の閾値は、例えば、0.5に設定することができる。
また、上記第1の実施形態では、Smirnov−Grubbs検定を行うことで統計的外れ値であるか否かを判定した。しかしながら、統計的外れ値であるか否かの判定に用いる検定は、Smirnov−Grubbs検定に限定されず、他の検定方法であってもよい。
また、上記第1の実施形態では、消費電力監視装置100から表示装置110に送信された判定結果のうち、消費電力の変化が発生したことを、プロットにより表現することとした。また、状態変化度は、点がプロットされた位置により表現することとした。しかしながら、消費電力の変化が発生したことを示す情報の表示態様及び状態変化度の表示態様はこれに限定されない。また、判定結果のうち、変化の属性(状態変化の発生によるものか、そのとき限りの一時的な異常発生によるものなのか)についての表示態様は特に言及しなかったが、例えば、プロットする点の色または形を変更することで表現するようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態では、判定用データそれぞれにおいて、消費電力の変化が発生したと判定された場合のプロット方法について特に言及しなかったが、例えば、優先順位をつけてプロットするようにしてもよい。具体的には、判定用データのうち、対象時刻データと第2の対象時刻変動率データそれぞれにおいて、消費電力の変化が発生したと判定され、それぞれにおいて算出された状態変化度が異なっていたとする。この場合、例えば、対象時刻データにおいて算出された状態変化度を優先してプロットするようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態では、消費電力監視装置100を表示装置110及び電力制御装置120の近傍に配置するものとして説明した。しかしながら、消費電力監視装置100は、ネットワークを介して表示装置110及び電力制御装置120と接続し、表示装置110及び電力制御装置120に対して遠隔に配置してもよい。
なお、開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
現在時刻に対応付けられた消費電力のデータと、現在時刻と同一時刻に対応付けられた他の日の消費電力のデータとを含むデータ分布において、現在時刻に対応付けられた消費電力のデータが、所定の範囲から外れているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により所定の範囲から外れていると判定されたことを通知する通知部と
を有することを特徴とするデータ処理装置。
(付記2)
前記判定部は、更に、
現在時刻に対応付けられた消費電力の所定時間前からの変動率のデータと、現在時刻と同一時刻に対応付けられた他の日の消費電力の所定時間前からの変動率のデータとを含むデータ分布において、現在時刻に対応付けられた消費電力の所定時間前からの変動率のデータが、所定の範囲から外れているか否かを判定し、
前記通知部は、
前記消費電力のデータが所定の範囲から外れていると判定されたこと、または、前記変動率のデータが所定の範囲から外れていると判定されたことを通知することを特徴とする付記1に記載のデータ処理装置。
(付記3)
現在時刻に対応付けられた消費電力の所定時間前からの変動率のデータと、現在時刻と同一時刻に対応付けられた他の日の消費電力の所定時間前からの変動率のデータとを含むデータ分布において、現在時刻に対応付けられた消費電力の所定時間前からの変動率のデータが、所定の範囲から外れているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により所定の範囲から外れていると判定されたことを通知する通知部と
を有することを特徴とするデータ処理装置。
(付記4)
現在時刻に対応付けられた消費電力に応じたデータと、現在時刻と同一時刻に対応付けられた他の日の消費電力に応じたデータとを含むデータ分布において、現在時刻に対応付けられた消費電力に応じたデータが、前記所定の範囲から外れているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により所定の範囲から外れていると判定されたことを通知する通知部と
を有することを特徴とするデータ処理装置。
(付記5)
前記判定部は、
前記データ分布において、統計的外れ値に該当するデータであるか否かを判定することで、前記所定の範囲から外れているか否か判定することを特徴とする付記1に記載のデータ処理装置。
(付記6)
前記判定部は、
前記所定の範囲から外れていると判定された場合に、現在時刻が属する日の後日における同一時刻に対応付けられた消費電力のデータを含む前記データ分布に基づいて、現在時刻に対応付けられた消費電力のデータが、所定の範囲から外れていると判定した回数を算出し、
算出した回数に基づいて、前記所定の範囲から外れているとの判定結果が継続する度合いを示す状態変化度を算出することを特徴とする付記5に記載のデータ処理装置。
(付記7)
前記通知部は、
前記状態変化度を、前記消費電力のデータと時刻とが対応付けられた時系列データに対応付けて通知することを特徴とする付記5に記載のデータ処理装置。
(付記8)
前記通知部は、
前記時系列データの各時刻に対応する位置に配された直線領域において、前記状態変化度に応じて動作する識別子をプロットすることで、前記状態変化度を通知することを特徴とする付記7に記載のデータ処理装置。
(付記9)
コンピュータに、
現在時刻に対応付けられた消費電力のデータと、現在時刻と同一時刻に対応付けられた他の日の消費電力のデータとを含むデータ分布において、現在時刻に対応付けられた消費電力のデータが、所定の範囲から外れているか否かを判定し、
前記所定の範囲から外れていると判定されたことを通知する、
処理を実行させることを特徴とするデータ処理プログラム。
(付記10)
現在時刻に対応付けられた消費電力のデータと、現在時刻と同一時刻に対応付けられた他の日の消費電力のデータとを含むデータ分布において、現在時刻に対応付けられた消費電力のデータが、所定の範囲から外れているか否かを判定し、
前記所定の範囲から外れていると判定されたことを通知する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とするデータ処理方法。
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。