本発明で使われる用語は、本発明における機能を考慮すると共に、可能な限り現在広く使われている一般的な用語を選択したが、これは、当該分野に従事する技術者の意図又は判例、新しい技術の出現などによって変更されてもよい。また、特定の場合には出願人が任意に選定した用語もあり、この場合は、該当する発明の説明部分においてその意味を詳しく記載するものとする。したがって、本発明で使われる用語は単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般に亘る内容に基づいて定義されるべきである。
以下の実施例は本発明の構成要素と特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮することができる。各構成要素又は特徴は他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施されてもよく、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例において説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は別の実施例に含まれてもよく、別の実施例の対応する構成又は特徴に取り替わってもよい。
図面に関する説明において、本発明の要旨を曖昧にさせるような手順又は段階などは記述を省略し、当業者のレベルで理解し得るような手順又は段階も記述を省略した。
明細書全体を通じて、ある部分がある構成要素を“含む(comprising又はincluding)”とされているとき、これは、特別な記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得るということを意味する。また、明細書に記載された“…部”、“…器”、“モジュール”などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの結合によって具現することができる。また、“ある(a又はan)”、“一つ(one)”、“その(the)”及び類似関連語は、本発明を記述する文脈において(特に、以下の請求項の文脈において)本明細書に別に指示されたり文脈によって明らかに反駁されない限り、単数及び複数の双方を含む意味で使うことができる。
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802.xxシステム、3GPPシステム、3GPP LTEシステム及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の実施例において説明していない自明な段階又は部分は、上記文書を参照して説明することができる。
また、本文書で開示している用語はいずれも、上記標準文書によって説明することができる。例えば、本明細書は、3GPP TS 36.211、3GPP TS 36.213、3GPP TS 36.321、3GPP TS 36.322、3GPP TS 36.323、3GPP TS 36.331、3GPP TS 23.401、3GPP TS 24.301、3GPP TS 23.228、3GPP TS 29.228、3GPP TS 23.218、3GPP TS 22.011、3GPP TS 36.413の標準文書の少なくとも一つによって裏付けることができる。
以下、本発明に係る好適な実施の形態を、添付の図面を参照して詳しく説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明しようとするもので、本発明が実施され得る唯一の実施の形態を表そうとするものではない。
また、本発明の実施例で使われる特定用語は本発明の理解を助けるために提供されたものであり、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で別の形態に変更されてもよい。
まず、本明細書で使われる用語は次のように定義される。
− IMS(IP Multimedia Subsystem又はIP Multimedia Core Network Subsystem):IP上で音声又は他のマルチメディアサービスを配達するための標準化を提供するための構造的(architectural)フレームワーク(framework)。
− UMTS(Universal Mobile Telecommunications System):3GPPによって開発された、GSM(Global System for Mobile Communication)ベースの3世代(Generation)移動通信技術。
− EPS(Evolved Packet System):IP(Internet Protocol)ベースのPS(packet switched)基幹(core)ネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)とLTE/UTRANなどのアクセスネットワークとで構成されたネットワークシステム。UMTSが進化した形態のネットワークである。
− NodeB:GERAN/UTRANの基地局。屋外に設置し、カバレッジはマクロセル(macro cell)規模である。
− eNodeB/eNB:E−UTRANの基地局。屋外に設置し、カバレッジはマクロセル(macro cell)規模である。
− UE(User Equipment):ユーザ機器。UEは、端末(terminal)、ME(Mobile Equipment)、MS(Mobile Station)などと呼ぶこともできる。また、UEは、ノートパソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、マルチメディア機器などのように携帯可能な機器であってもよく、PC(Personal Computer)、車両搭載装置のように携帯不可能な機器であってもよい。MTC関連内容においてUE又は端末という用語は、MTCデバイスを指すことができる。
− HNB(Home NodeB):UMTSネットワークの基地局であり、屋内に設置し、カバレッジはマイクロセル(micro cell)規模である。
− HeNB(Home eNodeB):EPSネットワークの基地局であり、屋内に設置し、カバレッジはマイクロセル規模である。
− MME(Mobility Management Entity):移動性管理(Mobility Management;MM)、セッション管理(Session Management;SM)機能を有するEPSネットワークのネットワークノード。
− PDN−GW(Packet Data Network−Gateway)/PGW/P−GW:UE IPアドレス割り当て、パケットスクリーニング(screening)及びフィルタリング、課金データ集合(charging data collection)機能などを有するEPSネットワークのネットワークノード。
− SGW(Serving Gateway)/S−GW:移動性アンカー(mobility anchor)、パケットルーティング(routing)、休止(idle)モードパケットバッファリング、MMEがUEをページングするようにトリガーする機能などを有するEPSネットワークのネットワークノード。
− PCRF(Policy and Charging Rule Function):サービスフロー別に差別化したQoS及び課金政策を動的(dynamic)に適用するための政策決定(Policy decision)を行うEPSネットワークのネットワークノード。
− OMA DM(Open Mobile Alliance Device Management):携帯電話、PDA、携帯用コンピュータなどのようなモバイルデバイスの管理のためにデザインされたプロトコルであり、デバイス設定(configuration)、ファームウェアアップグレード(firmware upgrade)、誤り報告(Error Report)などの機能を有する。
− OAM(Operation Administration and Maintenance):ネットワーク欠陥表示、性能情報、及びデータ診断機能を提供するネットワーク管理機能群。
− NAS(Non−Access Stratum):UEとMMEとの間の制御平面(control plane)の上位端(stratum)。LTE/UMTSプロトコルスタックにおいてUEと基幹(core)ネットワークとの間のシグナリング、トラフィックメッセージを交換するための機能的な層であり、UEの移動性を支援し、UEとPDN GWとの間のIP連結を確立(establish)及び維持するセッション管理手順及びIPアドレス管理などを支援する。
− EMM(EPS Mobility Management):NAS層のサブ層であり、UEがネットワークアタッチ(attach)されているか又はディタッチ(detach)されているかによって、EMMは、“EMM−Registered”状態又は“EMM−Deregistered”状態を有することができる。
− ECM(EMM Connection Management)連結(connection):UEとMMEとの間に確立(establish)された、NASメッセージの交換(exchange)のためのシグナリング連結(connection)。ECM連結は、UEとeNB間のRRC連結と上記eNBとMME間のS1シグナリング連結で構成された論理(logical)連結である。ECM連結が確立(establish)/終結(terminate)すると、上記RRC及びS1シグナリング連結も同様に確立/終結する。確立されたECM連結は、UEにとってはeNBと確立されたRRC連結を有することを意味し、MMEにとっては上記eNBと確立されたS1シグナリング連結を有することを意味する。NASシグナリング連結、すなわち、ECM連結が確立されているか否かによって、ECMは“ECM−Connected”状態又は“ECM−Idle”状態を有することができる。
− AS(Access−Stratum):UEと無線(或いは接続)ネットワークとの間のプロトコルスタックを含み、データ及びネットワーク制御信号の送信などを担当する。
− NAS設定(configuration)MO(Management Object):NAS機能(Functionality)に関連したパラメータ(parameters)をUEに設定する過程で使われるMO(Management object)。
− PDN(Packet Data Network):特定サービスを支援するサーバー(例えば、MMS(Multimedia Messaging Service)サーバー、WAP(Wireless Application Protocol)サーバーなど)が位置しているネットワーク。
− PDN連結:一つのIPアドレス(一つのIPv4アドレス及び/又は一つのIPv6プレフィックス)で表現される、UEとPDNとの間の論理的な連結。
− APN(Access Point Name):PDNを示したり区分する文字列。要求したサービスやネットワークに接続するためには特定P−GWを経るが、このP−GWを見つけ得るようにネットワーク内であらかじめ定義した名前(文字列)を意味する。(例えば、internet.mnc012.mcc345.gprs)
− RAN(Radio Access Network):3GPPネットワークにおいてNodeB、eNodeB、及びそれらを制御するRNC(Radio Network Controller)を含む単位。UE同士の間に存在し、基幹ネットワークへの連結を提供する。
− HLR(Home Location Register)/HSS(Home Subscriber Server):3GPPネットワークの加入者情報を有するデータベース。HSSは、設定記憶(configuration storage)、識別子管理(identity management)、ユーザ状態記憶などの機能を有することができる。
− PLMN(Public Land Mobile Network):個人に移動通信サービスを提供する目的で構成されたネットワーク。オペレータ別に区分して構成することができる。
− ANDSF(Access Network Discovery and Selection Function):一つのネットワークエンティティ(entity)であり、事業者単位でUEが使用可能な接続(access)を発見して選択するようにする政策(Policy)を提供。
− EPC経路(又は、インフラストラクチャデータ経路(infrastructure data path)):EPCを介したユーザ平面コミュニケーション経路
− E−RAB(E−UTRAN Radio Access Bearer):S1ベアラと該当のデータ無線ベアラとの連結(concatenation)をいう。E−RABが存在すると、該E−RABとNASのEPSベアラとの間に一対一マッピングがある。
− GTP(GPRS Tunneling Protocol):GSM、UMTS及びLTEネットワーク内で一般パケット無線サービス(general packet radio service;GPRS)を運ぶために用いられるIP−ベース通信プロトコルのグループ。3GPPアーキテクチャ内には、GTP及びプロキシモバイルIPv6ベースインタフェースが様々なインタフェースポイント上に特定(specify)されている。GTPは、いくつかのプロトコル(例えば、GTP−C、GTP−U及びGTP’)に分解(decompose)することができる。GTP−Cは、ゲートウェイGPRS支援ノード(GGSN)とサービングGPRS支援ノード(SGSN)との間のシグナリングのためにGPRS基幹(core)ネットワーク内で用いられる。GTP−Cは、上記SGSNがユーザのためにセッションを活性化(activate)(例えば、PDNコンテクスト活性化(activation))すること、同一セッションを非活性化(deactivate)すること、サービスパラメータの品質(quality)を調整(adjust)すること、又は他のSGSNから動作したばかりの加入者(subscriber)のためのセッションを更新すること、を許容する。GTP−Uは上記GPRS基幹ネットワーク内でそして無線接続ネットワークと基幹ネットワークとの間でユーザデータを運ぶために用いられる。図1は、EPC(Evolved Packet Core)を含むEPS(Evolved Packet System)の概略的な構造を示す図である。
EPCは、3GPP技術の性能を向上するためのSAE(System Architecture Evolution)の肝心な要素である。SAEは、種々のネットワーク間の移動性を支援するネットワーク構造を決定する研究課題に該当する。SAEは、例えば、IPベースで様々な無線接続技術を支援し、より向上したデータ送信キャパビリティを提供するなどの最適化したパケット−ベースシステムを提供することを目指す。
具体的に、EPCは、3GPP LTEシステムのためのIP移動通信システムの基幹ネットワーク(Core Network)であり、パケット−ベース実時間及び非実時間サービスを支援することができる。既存の移動通信システム(すなわち、2世代又は3世代移動通信システム)では、音声のためのCS(Circuit−Switched)及びデータのためのPS(Packet−Switched)の2つの区別されるサブ−ドメインによって基幹ネットワークの機能が具現された。しかし、3世代移動通信システムの進化である3GPP LTEシステムでは、CS及びPSのサブ−ドメインが一つのIPドメインに単一化された。すなわち、3GPP LTEシステムでは、IPキャパビリティ(capability)を有するUEとUEとの連結を、IPベースの基地局(例えば、eNodeB(evolved Node B))、EPC、アプリケーションドメイン(例えば、IMS(IP Multimedia Subsystem))によって構成することができる。すなわち、EPCは端−対−端(end−to−end)IPサービス具現に必須な構造である。
EPCは様々な構成要素を含むことができ、図1ではその一部に該当する、SGW(Serving Gateway)、PDN GW(Packet Data Network Gateway)、MME(Mobility Management Entity)、SGSN(Serving GPRS(General Packet Radio Service) Supporting Node)、ePDG(enhanced Packet Data Gateway)を示す。
SGW(又はS−GW)は無線接続ネットワーク(RAN)と基幹ネットワークとの間の境界点として動作し、eNBとPDN GWとの間のデータ経路を維持する機能を有する要素である。また、UEがeNBによってサービング(serving)される領域にわたって移動する場合、SGWはローカル移動性アンカーポイント(anchor point)の役割を担う。すなわち、E−UTRAN(3GPPリリース−8以降に定義されるEvolved−UMTS(Universal Mobile Telecommunications System) Terrestrial Radio Access Network)における移動性のために、SGWを介してパケットをルーティングすることができる。また、SGWは、他の3GPPネットワーク(3GPPリリース−8以前に定義されるRAN、例えば、UTRAN又はGERAN(GSM(Global System for Mobile Communication)/EDGE(Enhanced Data rates for Global Evolution)Radio Access Network)との移動性のためのアンカーポイントとして機能してもよい。
PDN GW(又はP−GW)は、パケットデータネットワークに向かうデータインタフェースの終了点(termination point)に該当する。PDN GWは、政策執行特徴(policy enforcement features)、パケットフィルタリング(packet filtering)、課金支援(charging support)などを支援することができる。また、3GPPネットワークと非−3GPPネットワーク(例えば、I−WLAN(Interworking Wireless Local Area Network)のような信頼できないネットワーク、CDMA(Code Division Multiple Access)ネットワークやWiMaxのような信頼できるネットワーク)との移動性管理のためのアンカーポイントの役目を担うことができる。
図1のネットワーク構造の例示では、SGWとPDN GWが別個のゲートウェイで構成されることを示しているが、2つのゲートウェイが単一ゲートウェイ構成オプション(Single Gateway Configuration Option)によって具現されてもよい。
MMEは、UEのネットワーク連結に対するアクセス、ネットワークリソースの割り当て、トラッキング(tracking)、ページング(paging)、ローミング(roaming)及びハンドオーバーなどを支援するためのシグナリング及び制御機能を有する要素である。MMEは、加入者及びセッション管理に関連した制御平面(control plane)機能を制御する。MMEは多数のeNBを管理し、他の2G/3Gネットワークに対するハンドオーバーのための従来のゲートウェイの選択のためのシグナリングを行う。また、MMEは、保安手順(Security Procedures)、端末−対−ネットワークセッションハンドリング(Terminal−to−network Session Handling)、休止端末位置決定管理(Idle Terminal Location Management)などの機能を有する。
SGSNは、別の3GPPネットワーク(例えば、GPRSネットワーク)に対するユーザの移動性管理及び認証(authentication)のような全てのパケットデータをハンドリングする。
ePDGは、信頼できない非−3GPPネットワーク(例えば、I−WLAN、WiFiホットスポット(hotspot)など)に対する保安ノードとしての役割を担う。
図1を参照して説明したように、IP能力(capability)を有するUEは、3GPPアクセスはもとより、非−3GPPアクセスベースでもEPC内の様々な要素を経由して、事業者(すなわち、運営者(operator))が提供するIPサービスネットワーク(例えば、IMS)にアクセスすることができる。
また、図1は、様々な参照ポイント(reference point)(例えば、S1−U、S1−MMEなど)を示している。3GPPシステムでは、E−UTRAN及びEPCにおける個別の機能エンティティ(functional entity)に存在する2個の機能を連結する概念的なリンクを参照ポイントと定義する。次の表1に、図1に示した参照ポイントを整理する。表1の例示の他に、ネットワーク構造によって様々な参照ポイントが存在してもよい。
図1に示す参照ポイントのうち、S2a及びS2bは非−3GPPインタフェースに該当する。S2aは、信頼できる非−3GPPアクセス及びPDN GW間の関連制御及び移動性支援を、ユーザ平面に提供する参照ポイントである。S2bは、ePDG及びPDN GW間の関連制御及び移動性支援を、ユーザ平面に提供する参照ポイントである。
図2は、一般的なE−UTRANとEPCのアーキテクチャを示す例示図である。
同図に示すように、eNBはRRC(Radio Resource Control)連結が活性化されている間に、ゲートウェイへのルーティング、ページングメッセージのスケジューリング及び送信、放送チャネル(BCH)のスケジューリング及び送信、アップリンク及びダウンリンクにおけるリソースをUEに動的割り当て、eNBの測定のための設定及び提供、無線ベアラ制御、無線許可制御(radio admission control)、そして連結移動性制御などのための機能を有することができる。EPC内ではページング発生、LTE_IDLE状態管理、ユーザ平面の暗号化、SAEベアラ制御、NASシグナリングの暗号化及び完全性保護機能を有することができる。
図3は、UEとeNBとの間の制御平面における無線インタフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の構造を示す例示図であり、図4は、UEとeNBとの間のユーザ平面における無線インタフェースプロトコルの構造を示す例示図である。
上記無線インタフェースプロトコルは3GPP無線接続ネットワーク規格に基づく。上記無線インタフェースプロトコルは、水平的に、物理層(Physical Layer)、データリンク層(Data Link Layer)及びネットワーク層(Network Layer)からなり、垂直的には、データ情報送信のためのユーザ平面(User Plane)と制御信号(Signaling)伝達のための制御平面(Control Plane)とに区分される。
それらのプロトコル層は、通信システムにおいて広く知られた開放型システム間相互接続(Open System Interconnection;OSI)基準モデルにおける下位3層に基づいてL1(第1層)、L2(第2層)、L3(第3層)に区分することができる。
以下では、図3に示した制御平面の無線プロトコルと、図4に示すユーザ平面における無線プロトコルの各層について説明する。
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて情報伝送サービス(Information Transfer Service)を提供する。上記物理層は上位にある媒体接続制御(Medium Access Control)層とは伝送チャネル(Transport Channel)を介して連結されており、上記伝送チャネルを介して媒体接続制御層と物理層との間のデータが伝達される。そして、異なる物理層の間、すなわち、送信側の物理層と受信側の物理層との間には物理チャネルを介してデータが伝達される。
物理チャネル(Physical Channel)は、時間軸上にある複数のサブフレームと周波数軸上にある複数の副搬送波(subcarrier)とで構成される。ここで、一つのサブフレーム(subframe)は時間軸上で複数のOFDMシンボル(symbol)と複数の副搬送波とで構成される。一つのサブフレームは複数のリソースブロック(Resource Block)で構成され、一つのリソースブロックは複数のOFDMシンボル(Symbol)と複数の副搬送波とで構成される。データが送信される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は、1個のサブフレームに該当する1msである。
上記送信側と受信側の物理層に存在する物理チャネルは、3GPP LTEによれば、データチャネルであるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、制御チャネルであるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator Channel)及びPUCCH(Physical Uplink Control Channel)などに区別される。
第2層には様々な層が存在する。まず、第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、様々な論理チャネル(Logical Channel)を様々な伝送チャネルにマップさせる役割を担い、且つ複数の論理チャネルを一つの伝送チャネルにマップさせる論理チャネル多重化(Multiplexing)の役割を担う。MAC層は上位層であるRLC層とは論理チャネル(Logical Channel)で連結されており、論理チャネルは、送信される情報の種類によって、概ね、制御平面(Control Plane)の情報を送信する制御チャネル(Control Channel)とユーザ平面(User Plane)の情報を送信するトラフィックチャネル(Traffic Channel)とに区別される。
第2層における無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層は、上位層から受信したデータを分割(Segmentation)及び連結(Concatenation)して、下位層が無線区間でデータを送信するのに適するようにデータサイズを調節する役割を担う。
第2層におけるパケットデータ収束(Packet Data Convergence Protocol;PDCP)層は、IPv4やIPv6のようなIPパケット送信時に、帯域幅の小さい無線区間で効率的に送信するために、相対的にサイズが大きいと共に不要な制御情報を含んでいるIPパケットヘッダーサイズを減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を有する。また、LTEシステムでは、PDCP層が保安(Security)機能も担うが、これは、第3者のデータ傍受を防止する暗号化(Ciphering)及び第3者のデータ操作を防止する完全性保護(Integrity protection)で構成される。
第3層の最上部に位置している無線リソース制御(Radio Resource Control;以下、RRCと略す。)層は、制御平面においてのみ定義され、無線ベアラ(Radio Bearer;RBと略す。)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解除(Release)に関連して論理チャネル、伝送チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。このとき、RBは、UEとE−UTRANとの間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスを意味する。
RBは概ね、(ユーザ)データ無線ベアラ(data radio bearer;DRB)とシグナリング無線ベアラ(signaling radio bearer;SRB)とに区別される。SRBは、RRC及びNASメッセージの送信のためにのみ用いられるRBと定義される。特に、現在、次の3つのSRBが定義されている:
− 共通制御チャネル(common control channel;CCCH)論理チャネルを使用するRRCメッセージのためのSRB0;
− 専用制御チャネル(dedicated control channel;DCCH)論理チャネルを使用する、SRB2の確立(establishment)に先立って(prior to)NASメッセージの他にも(ピギーバックされたNASメッセージを含み得る)RRCメッセージのためのSRB1;
− DCCH論理チャネルを使用する、NASメッセージの他にも、ログされた(logged)測定情報を含むRRCメッセージのためのSRB2;SRB2はSRB1より低い優先順位(lower−priority)を有し、常に保安(security)活性化(activation)の後にE−UTRANによって設定される。
一応保安が活性化すると、NAS或いは非−3GPPメッセージを含むものを含めて、SRB1及びSRB2上の全てのRRCメッセージは、PDCPによって完全性(integrity)保護され暗号化(cipher)される。NASは、NASメッセージに独立した完全性保護及び暗号化を適用する。
UEのRRC層と無線ネットワークのRRC層との間にRRC連結(RRC connection)が確立された(established)場合、UEはRRC連結モード(Connected Mode)にあり、そうでない場合、RRC休止モード(Idle Mode)にある。
以下、UEのRRC状態(RRC state)及びRRC連結方法について説明する。RRC状態とは、UEのRRCがE−UTRANのRRCと論理的連結(logical connection)となっているか否かを指し、連結されている場合はRRC_CONNECTED状態(state)、連結されていない場合はRRC_IDLE状態と呼ぶ。RRC_CONNECTED状態のUEはRRC連結が存在するので、E−UTRANは当該UEの存在をセル単位で把握でき、これによってUEを効果的に制御することができる。一方、RRC_IDLE状態のUEの場合、E−UTRANが当該UEの存在を把握できず、セルよりも大きい地域単位であるTA(Tracking Area)単位で基幹ネットワークが管理する。すなわち、RRC_IDLE状態のUEは、セルに比べて大きい地域単位で当該UEの存在有無だけが把握され、音声やデータのような通常の移動通信サービスを受けるためには、当該UEがRRC_CONNECTED状態に遷移する必要がある。各TAはTAI(Tracking area identity)によって区別される。UEは、セルで放送(broadcasting)される情報であるTAC(Tracking area code)を用いてTAIを構成することができる。
ユーザがUEの電源を最初につけたとき、まず、UEは適切なセルを探索して当該セルでRRC連結を結び、基幹ネットワークにUEの情報を登録する。その後、UEはRRC_IDLE状態にとどまる。RRC_IDLE状態にとどまっているUEは必要によってセルを(再)選択し、システム情報(System information)やページング情報を調べる。これをセルにキャンプオン(Camp on)するという。RRC_IDLE状態にとどまっていたUEはRRC連結を確立する必要がある時に初めてRRC連結手順(RRC connection procedure)によってE−UTRANのRRCとRRC連結を確立し、RRC_CONNECTED状態に遷移する。RRC_IDLE状態にとどまっているUEがRRC連結を確立する必要がある場合は様々であり、例えば、ユーザの通話試み、データ送信試み、或いはE−UTRANからページングメッセージを受信した場合にそれに対する応答メッセージ送信などを挙げることができる。
上記RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を有する。
次に、図3に示したNAS層について詳しく説明する。
NAS層に属するESM(Evolved Session Management)は、デフォルトベアラ(default bearer)管理、専用ベアラ(dedicated bearer)管理のような機能を果たし、UEがネットワークからPSサービスを利用するための制御を担当する。デフォルトベアラリソースは、特定PDN(Packet Data Network)に最初接続時に、ネットワークに接続される際にネットワークから割り当てられるという特徴を有する。このとき、ネットワークは、UEがデータサービスを用い得るようにUEにとって使用可能なIPアドレスを割り当て、またデフォルトベアラのQoSを割り当てる。LTEでは、大きく、データ送信/受信のための特定帯域幅を保障するGBR(Guaranteed bit rate)QoS特性を有するベアラと、帯域幅の保障無しでベストエフォートQoS(Best effort QoS)特性を有するNon−GBRベアラの2種類を支援する。デフォルトベアラの場合、Non−GBRベアラが割り当てられる。専用ベアラの場合には、GBR又はNon−GBRのQoS特性を有するベアラが割り当てられる。
ネットワークでUEに割り当てたベアラをEPS(evolved packet service)ベアラと呼び、EPSベアラを割り当てる際に、ネットワークは一つのIDを割り当てる。これをEPSベアラIDと呼ぶ。一つのEPSベアラはMBR(maximum bit rate)又は/及びGBR(guaranteed bit rate)のQoS特性を有する。
図5は、ユーザ平面及び制御平面のためのLTEプロトコルスタックを例示する図である。図5(a)は、ユーザ平面プロトコルスタックをUE−eNB−SGW−PGW−PDNにわたって例示しており、図5(b)は、制御平面プロトコルスタックをUE−eNB−MME−SGW−PGWにわたって例示している。プロトコルスタックのキー(key)層の機能(function)を簡略に説明すると次のとおりである。
図5(a)を参照すると、GTP−Uプロトコルは、S1−U/S5/X2インタフェース上でユーザIPパケットをフォワードするために用いられる。GTPトンネルがLTEハンドオーバー中にデータフォワーディングのために確立されると、終端マーカーパケット(End Marker Packet)が最後のパケットとして上記GTPトンネル上で伝達(transfer)される。
図5(b)を参照すると、S1APプロトコルはS1−MMEインタフェースに適用される。S1APプロトコルは、S1インタフェース管理、E−RAB管理、NASシグナリング伝達及びUEコンテクスト管理のような機能を支援する。S1APプロトコルは、E−RABをセットアップするために初期UEコンテクストをeNBに伝達し、その後、上記UEコンテクストの修正或いは解除を管理する。S11/S5インタフェースにはGTP−Cプロトコルが適用される。GTP−CプロトコルはGTPトンネルの生成、修正(modification)及び終了(termination)のための制御情報の交換(exchange)を支援する。GTP−CプロトコルはLTEハンドオーバーの場合にデータフォワーディングトンネルを生成する。
図3及び図4に例示されたプロトコルスタック及びインタフェースに関する説明は、図5における同一のプロトコルスタック及びインタフェースにもそのまま適用することができる。
図6は、3GPP LTEにおいて任意接続手順を示すフローチャートである。
任意接続手順は、UEが基地局とUL同期を取るか、又はUEにUL無線リソースを割り当てるために行われる。
UEはルートインデックス(root index)とPRACH(physical random access channel)設定インデックス(configuration index)をeNBから受信する。各セルごとにZC(Zadoff−Chu)シーケンスによって定義される64個の候補(candidate)任意接続(random access;RA)プリアンブルがあり、ルートインデックスは、UEが64個の候補任意接続プリアンブルを生成するための論理的インデックスである。
任意接続プリアンブルの送信は、各セルごとに特定の時間及び周波数リソースに限定される。PRACH設定インデックスは、任意接続プリアンブルの送信が可能な特定サブフレームとプリアンブルフォーマットを示す。
任意接続手順、特に、競合−ベース任意接続手順は、次の3段階を含む。次の段階1、2、3で送信されるメッセージはそれぞれ、msg1、msg2、msg4とも呼ばれる。
>1.UEは任意に選択された任意接続プリアンブルをeNBに送信する。UEは64個の候補任意接続プリアンブルから一つを選択する。そして、PRACH設定インデックスによって該当のサブフレームを選択する。UEは、選択された任意接続プリアンブルを選択されたサブフレームで送信する。
>2.上記任意接続プリアンブルを受信したeNBは、任意接続応答(random access response;RAR)をUEに送る。任意接続応答は2段階で検出される。まず、UEはRA−RNTI(random access−RNTI)でマスクされたPDCCHを検出する。UEは、検出されたPDCCHが示すPDSCH上でMAC(Medium Access Control)PDU(Protocol Data Unit)内の任意接続応答を受信する。RARは、UL同期化のためのタイミングオフセット情報を示すタイミングアドバンス(timing advance;TA)情報、ULリソース割り当て情報(ULグラント情報)、臨時UE識別子(例えば、temporary cell−RNTI;TC−RNTI)などを含む。
>3.UEは、RAR内のリソース割り当て情報(すなわち、スケジューリング情報)及びTA値によってUL送信を行うことができる。RARに対応するUL送信にはHARQが適用される。したがって、UEはUL送信を行った後、上記UL送信に対応する受信応答情報(例えば、PHICH)を受信することができる。
図7は、無線リソース制御(RRC)層における連結手順を示す図である。
図7に示すように、RRC連結が確立されたか否かによってRRC状態が表されている。RRC状態とは、UEのRRC層のエンティティ(entity)がeNBのRRC層のエンティティと論理的連結(logical connection)がされているか否かをいい、連結されている場合はRRC連結状態(connected state)といい、連結されていない状態をRRC休止状態(idle state)という。
上記連結状態(Connected state)のUEは、RRC連結(connection)が存在するので、E−UTRANは当該UEの存在をセル単位で把握でき、UEを効果的に制御することができる。一方、休止モード(idle state)のUEはeNBによって把握されず、セルよりも大きい地域単位であるトラッキング地域(Tracking Area)単位で基幹ネットワークが管理する。上記トラッキング地域(Tracking Area)はセルの集合単位である。すなわち、休止モード(idle state)UEは大きい地域単位で存在の有無のみが把握され、音声やデータのような通常の移動通信サービスを受けるためにはUEは連結状態(connected state)に遷移する必要がある。
ユーザがUEの電源を最初につけた時、上記UEはまず、適切なセルを探索した後、当該セルで休止モード(idle state)にとどまる。上記休止モード(idle state)にとどまっていたUEはRRC連結を確立する必要がある時に初めてRRC連結手順(RRC connection procedure)によってeNBのRRC層とRRC連結を確立し、RRC連結状態(connected state)に遷移する。
上記休止モード(Idle state)にとどまっているUEがRRC連結を確立する必要がある場合は様々であり、例えば、ユーザの通話試み、上りデータ送信、或いはEUTRANからページングメッセージを受信した場合にそれに対する応答メッセージ送信などを挙げることができる。
休止モード(idle state)のUEが上記eNBとRRC連結を確立するためには、上述したように、RRC連結手順(RRC connection procedure)を行う必要がある。RRC連結手順は、大きく、UEがeNBにRRC連結要求(RRC connection request)メッセージを送信する過程、eNBがUEにRRC連結セットアップ(RRC connection setup)メッセージを送信する過程、そしてUEがeNBにRRC連結セットアップ完了(RRC connection setup complete)メッセージを送信する過程を含む。このような過程について図7を参照してより詳しく説明すると、次のとおりである。
>1.休止モード(Idle state)のUEは通話試み、データ送信試み、又はeNBのページングに対する応答などの理由でRRC連結を確立しようとする場合、まず、上記UEはRRC連結要求(RRC connection request)メッセージをeNBに送信する。
>2.上記UEからRRC連結要求メッセージを受信すれば、上記eNBは無線リソースが十分である場合には上記UEのRRC連結要求を受諾し、応答メッセージであるRRC連結セットアップ(RRC connection setup)メッセージを上記UEに送信する。
>3.上記UEが上記RRC連結セットアップメッセージを受信すれば、上記eNBにRRC連結セットアップ完了(RRC connection setup complete)メッセージを送信する。
上記UEがRRC連結セットアップ完了メッセージの送信に成功して初めて上記UEはeNBとRRC連結を確立することとなり、RRC連結モードに遷移する。
新しいトラフィックが発生して、休止状態にあるUEがトラフィック送信/受信が可能な活性化状態に遷移するためにサービス要求手順を行う。UEがネットワークに登録はされているが、トラフィック非活性化によりS1連結が解除され、無線リソースが割り当てられていない状態で、すなわちUEがEMM登録状態(EMM−Registered)にあるが、ECM休止状態(ECM−Idle)にあるとき、UEの送信するトラフィックが発生したりネットワークからUEに送信するトラフィックが発生したりすれば、上記UEは上記ネットワークにサービスを要求し、そのサービス要求手順を成功裏に終えると、ECM連結状態(ECM−Connected)に遷移し、制御平面においてECM連結(RRC連結+S1シグナリング連結)を、ユーザ平面においてE−RAB(DRB及びS1ベアラ)を設定して、トラフィックを送信/受信する。ネットワークがECM休止状態(ECM−Idle)にあるUEにトラフィックを送信しようと場合、まず上記UEに送信するトラフィックがあることをページングメッセージで知らせ、上記UEがサービス要求をできるようにする。
ネットワークトリガーサービス要求手順(network triggered service request procedure)を簡略に説明すると、次のとおりである。MMEがECM−IDLE状態にあるUEに送信する下りリンクデータが発生したり又はシグナルが発生した/必要な場合、例えば、ECM−IDLEモードUEのためのMME/HSS−開始ディタッチ(MME/HSS−initiated detach)手順を行う必要があるか、或いはS−GWが制御シグナリング(例えば、生成ベアラ要求或いは更新ベアラ要求)を受信すると、上記MMEはネットワーク開始サービス要求を始める。上記S−GWがUEのために生成ベアラ要求或いは更新ベアラ要求(Create Bearer Request or Update Bearer Request)を受信するとき、ISRが活性化(activate)されていれば、そして上記S−GWが下りリンクS1−Uを有しておらず、上記SGSNが上記S−GWに、上記UEがPMM−IDLE状態或いはスタンバイ(STANDBY)状態に移動したと通知すれば、上記S−GWがシグナリングメッセージをバッファし、下りリンクデータ通知(Downlink Data Notification)を送って、上記MMEとSGSNが上記UEをページングするようにトリガーする。上記S−GWが、上記ユーザ平面が確立されることを待ちながら、第1下りリンクデータ通知が送られたベアラよりも高い優先順位(すなわち、ARP優先順位レベル)を有するベアラのための第2下りリンクデータ通知を送るようにトリガーされれば、上記S−GWは、上記高い優先順位を示す新しい下りリンクデータ通知メッセージを上記MMEに送る。上記S−GWが上記第1下りリンクデータ通知が送られたベアラと等しい又は高い優先順位のベアラのための追加下りリンクデータパケットを受信すれば、或いは上記S−GWが上記高い優先順位を示す上記第2下りリンクデータ通知メッセージを送ってこのUEのための追加下りリンクデータパケットを受信すれば、上記S−GWはそれらの下りリンクデータパケットをバッファし、新しい下りリンクデータ通知を送らない。上記S−GWはUEトリガーサービス要求手順に基づく現在RATタイプに対して通知を受けるはずである。上記S−GWは専用(dedicated)ベアラ活性化或いは専用ベアラ修正過程の実行を続けるはずである。すなわち、上記S−GWは当該バッファされたシグナリングを、UEが現在とどまっているMME或いはSGSNに送り、RATタイプが最後に報告されたRATタイプに比べて変わっていればP−GWに現在RATタイプを知らせるはずである。動的PCCが配置(deploy)されると、上記現在RATタイプ情報は上記P−GWからPCRFに輸送(convey)される。上記PCRF応答がEPSベアラ修正につながれば、上記P−GWはベアラ更新過程を開始する。上記S−GWが下りリンクデータ通知を送るとき、EPSベアラID及びARPの双方を含める。上記下りリンクデータ通知が上記S−GWへの下りリンクデータパケットの到着(arrival)によってトリガーされれば、上記S−GWは上記下りリンクデータパケットが受信されたベアラに関連した上記EPSベアラID及びARPを含める。上記下りリンクデータ通知が制御シグナリングの到着によってトリガーされると、上記S−GWは、上記EPSベアラID及びARPが上記制御シグナリングに存在すれば含める。上記ARPが上記制御シグナリングに存在しなければ、上記S−GWは保存されたEPSベアラコンテクスト内に上記ARPを含める。L−GWがECM−IDLE状態にあるUEのための下りリンクデータを受信する時にLIPA PDN連結が存在すれば、上記L−GWは最初の下りリンクユーザパケットをS−GWに送り、その他の下りリンクパケットはいずれもバッファする。上記S−GWは、上記MMEが上記UEをページングするようにトリガーする。ネットワークトリガーサービス要求手順に関する詳細な事項は、3GPP TS 23.401文書のセクション5.3.4.3を参考することができる。
図8は、UEトリガーサービス要求手順(UE triggered service request procedure)を例示する図である。
図8を参照すると、送信するトラフィックが発生したUEは、段階1)〜3)の任意接続手順によってRRC連結要求をeNBに送信する。eNBがUEのRRC連結要求を受諾する場合、UEにRRC連結セットアップメッセージを送信し、上記RRC連結セットアップメッセージを受信したUEはRRC連結セットアップ完了(complete)メッセージにサービス要求を含めてeNBに送信する。UEとMMEとの間にサービス要求観点で次のような説明が可能である。
>1.UEはeNBへのRRCメッセージ(例えば、図8のRA msg5)内にカプセル化(encapsulate)したNASメッセージサービス要求(NAS message Service Request)をMMEに向かって送る。
>2.上記eNBはNASメッセージをMMEにフォワード(forward)する。NASメッセージはS1−AP内にカプセル化する。
>3.上記MMEはS1−AP初期(initial)コンテクストセットアップ要求メッセージを上記eNBに送る。この段階は、全ての活性(active)EPSベアラのための無線及びS1ベアラを活性化する。上記eNBは保安(security)コンテクスト、MMEシグナリング連結ID、EPSベアラQoSなどをUEコンテクスト内に記憶する。
eNBは無線ベアラ確立手順を行う。無線ベアラ確立手順は、図8の段階6)〜9)を含む。
>4.上記eNBはS1−APメッセージ初期コンテクストセットアップ完了(S1−AP message Initial Context Setup Complete)をMMEに送る。
>5.上記MMEはPDN連結当たりに修正ベアラ要求(Modify Bearer Request)メッセージをS−GWに送る。
>6.上記S−GWは修正ベアラ要求メッセージに対する応答として修正ベアラ応答(Modify Bearer Response)を上記MMEに返す(return)。
サービス要求手順によって設定されたE−RABでトラフィックが送信/受信される。
以下、ネットワークがUEに無線リソースを動的に割り当てる上で用いられるバッファ状態報告(buffer status report;BSR)手順を説明する。
図9は、動的無線リソース割り当て手順を例示する図である。
LTEシステムにおいてeNBは無線リソースを効率的に使用するために、各UE別にいずれのデータをどれだけ送信したがっているか知る必要がある。下りリンク(downlink;DL)データは接続ゲートウェイからeNBに伝達される。これによって、eNBは各UEにどれだけのデータが下りリンクで伝達されるべきかが分かる。図9を参照すると、eNBは物理下りリンク制御チャネル(physical downlink control channel;PDCCH)でDLグラントをUEに提供し、UEは上記DLグラントによって割り当てられた下りリンクリソースで下りリンクデータを受信することができる。
下りリンクデータとは逆に、上りリンク(uplink;UL)データの場合、UEが自身が上りリンクで伝達しようとするデータに関する情報をeNBに直接知らせないと、eNBは各UEがどれだけの上りリンク無線リソースを必要とするかが分からない。したがって、eNBが上りリンク無線リソースをUEに適切に割り当て得るように、各UEはeNBに、該eNBが無線リソースをスケジューリングするために必要な情報を提供する。例えば、UEは、自身の送信すべきデータがある場合、それをeNBに知らせ、上記eNBは、上記UEが提供した情報に基づいて、上記UEにリソース割り当てメッセージ(resource allocation message)を送信する。図9を参照すると、UEが上りリンクでリソース要求をすれば、eNBはPDCCHでULグラントを上記UEに送信し、上記UEは上記ULグラントによって割り当てられた上りリンク無線リソースで上りリンクデータを送信する。
UEが自身の送信するデータがあることをeNBに知らせる場合、上記UEはeNBに、自身のバッファに蓄積されているデータの量を知らせる。これをバッファ状態報告(buffer status report;BSR)という。
BSRが生成された時、UEに割り当てられた上りリンク無線リソースがあれば、上記UEは直ちに上記上りリンク無線リソースでBSRを送信する。LTEシステムにおいてBSRはMAC制御要素(control element)の形態で生成され、MAC PDUに含まれてUEからeNBに送信される。すなわち、BSRの送信のためにも上りリンク無線リソースが必要である。したがって、UEがBSRの送信のための上りリンク無線リソース割り当て要求をeNBに送らなければならない場合があり得る。このようにUEがBSRをeNBに送る過程をBSR手順という。
上述したように、UEのバッファにデータが存在する場合、一定条件を満たすと、上記UEはeNBにバッファ状態情報を送信する必要がある。ところが、BSRは、実際にUEとeNBとが交換しようとするデータであるユーザデータと直接的な関係はない。すなわち、BSRは、eNBがより効果的にUEに無線リソースを割り当てるために必要な情報を上記eNBに伝達することであり、実際にユーザデータを伝達することではない。したがって、BSRは可能な限りサイズが小さい方が、上記BSRの送信に用いられる無線リソースの浪費を減らすのに役立つ。したがって、BSRはできるだけ簡単なものがよい。
一方、一つのUEには複数の論理チャネルが存在し、それぞれの論理チャネルの優先順位は異なる。例えば、eNBとUEがRRCメッセージを交換するために使用する、SRBを用いて送信すべき(制御)データ、すなわち、RRCメッセージ又はNASメッセージが存在すれば、UEはこのようなデータの存在をできるだけ速くeNBに知らせなければならず、またeNBは、上記SRBにデータがある場合、上記UEに最優先的に無線リソースを割り当てるはずである。一方、VoIPのための論理チャネルにデータがある場合、そして該当のセルに上記UE以外のUEが存在し、これらのUEが上記VoIPよりも高い優先順位を有するチャネルを設定しており、該優先順位の高いチャネルにデータが存在する場合、上記UEはeNBにBSRを速く送る必要がなく、また上記eNBも上記UEに直ちに無線リソースを割り当てないはずである。したがって、BSRはそれぞれのチャネルの違いを考慮して、できるだけ正確なものがよい。この場合、BSRは大きいほど、より詳細な情報を含み得るので、eNBのスケジューラにとっては性能向上につながる。
近年、機械タイプ通信(machine type communication;MTC)が重要な通信標準化課題の一つとして台頭している。MTCとは、人間の介入無しで或いは人間の介入を最小化したまま機械(machine)とeNBとの間で行われる情報交換を意味する。例えば、MTCは、メータ−検針、水位測定、監視カメラの活用、自動販売機の在庫報告などのような測定/感知/報告などのデータ通信などに用いることができ、所定の特性を共有する複数のUEに対する自動アプリケーション或いはファームウェアの更新過程などに用いることができる。MTCの場合、送信データ量が少なく、データ送信又は受信(以下、送信/受信)が時々発生する。このようなMTCの特性から、MTCのためのUE(以下、MTC UE)の場合、低いデータ伝送率に合わせてUEの製作単価を下げ、バッテリー消耗を減らすことが効率的である。また、このようなMTC UEは移動性が少なく、そのため、チャネル環境がほとんど変わらないという特性を有する。MTC UEが計量、検針、監視などに用いられる場合、MTC UEは通常のeNBのカバレッジが達し得ない位置、例えば、地下や倉庫、山間などに位置する可能性が高い。このようなMTC UEの用途を考慮すれば、MTC UEのための信号は既存UE(以下、レガシーUE)のための信号に比べて広いカバレッジを有することがよい。
今後、甚だしく多い機器がIoT(internet of things)で無線連結されると予想される。IoTとは、該当の物(object)がデータを収集及び交換することを可能にする、電子装置(electronics)、ソフトウェア、センサー、アクチュエータ及びネットワーク連結性を具備した物理的機器(device)、連結された(connected)機器、スマート機器、建物及び他のアイテムなどのインタネットワーキングを意味する。言い換えると、IoT知能的(intelligent)アプリケーション及びサービスのためのデータを交換するための連結性及び通信を可能にする、物理的な物、機械(machines)、人々及び他の機器のネットワークを意味する。IoTは物が現存する(existing)ネットワーク基盤施設(infrastructure)によって遠隔で感知(sense)及び制御されることを許容し、改善された効率性、正確性及び経済的利得を招く、物理及びデジタル世界間の直接統合(integration)のための機会を提供する。特に、本発明では3GPP技術を利用するIoTをセルラーIoT(CIoT)という。また、狭帯域(narrowband)(例えば、約200kHzの周波数帯域)を用いてIoT信号を送信/受信するCIoTをNB−IoTという。
CIoTは、相対的に長い周期、例えば、数十分〜数年単位で送信されるトラフィック(例えば、スモークアラーム検出、スマートメーター器(meter)からの電力失敗通知、タンパー(tamper)通知、スマートユーティリティ(ガス/水/電気)メータリング報告、ソフトウェアパッチ/アップデートなど)、そしてウルトラ−低複雑度、電力提案及び低データレートの‘IoT’機器を支援する。
従来、EMM休止(EMM−Idle)モードのUEがデータを送信するためにはネットワークとの連結を確立する必要がある。そのために、図9のサービス要求手順に成功しなければならないが、低複雑度/電力、低データレートのCIoTのために最適化された電力消費が必須であるCIoTに好ましくない。データをアプリケーションに送るために、EPS内CIoTのための2つの最適化、即ち、ユーザ平面CIoT EPS最適化及び制御平面CIoT EPS最適化が定義された。
ユーザ平面CIoT EPS最適化及び制御平面CIoT EPS最適化はそれぞれ、U−平面ソリューション及びC−平面ソリューションと呼ぶこともできる。
図10は、制御平面CIoT EPS最適化によるデータ送信手順を無線信号観点で簡略に例示する図である。
制御平面CIoT EPS最適化上で、上りリンク(uplink;UL)データは、eNB(CIoT RAN)からMMEに伝達(transfer)される。MMEからULデータはS−GWを介してP−GWに伝達され得る。これらのノードからULデータは最終的にアプリケーションサーバー(CIoTサービス)にフォワードされる。DLデータは同じ経路上で反対方向に送信される。制御平面CIoT EPS最適化ソリューションではセットアップされたデータ無線ベアラがなく、その代わりに、シグナリング無線ベアラ上でデータパケットが送られる。したがって、このソリューションは低頻度(infrequent)であると共に小さいデータパケットの送信に最も適する。
UEとMMEが制御平面CIoT EPS最適化を使用すれば、PDN連結確立において支援されるPDN連結のために選択されたデータタイプによって、UEとMMEはIP或いは非−IPデータをNASシグナリングで伝達することができる。
制御平面CIoT EPS最適化は、RRC及びSI−APプロトコルのNAS伝達能力(capability)と、MMEとS−GWとの間及びS−GWとP−GWとの間のGTP(Evolved General Packet Radio Service(GPRS) Tunneling Protocol)トンネルのデータ伝達を用いることによって行うことができる。
図11は、制御平面CIoT最適化によるUEとP−GWとの間のユーザ平面プロトコルスタックを例示する図である。
図11を参照すると、GTP−uは、バックボーンネットワークにおいてS−GWとP−GWとの間だけでなく、MMEとS−GWとの間にユーザデータをトンネリングするプロトコルである。GTPは、全ての終端(end)ユーザIPパケットをカプセル化(encapsulate)する。UDP/IPは、ユーザデータと制御シグナリングをルーティングするのに用いられるバックボーンネットワークプロトコルである。NASは、UEとMMEとの間のデータを運ぶのに用いられる非接続端層(layer)であり、ユーザ平面IPデータに対するヘッダー圧縮及び保安機能を含むことができる。
以下では、CIoTネットワーク又は技術は主にコアネットワーク側面で、IoT UEに最適化された通信サービスを提供するものであり、NB−IoT(NarrowBand Internet of Things)ネットワーク又は技術は、既存のLTE技術の無線インタフェースをIoTのために最適化したものを指す。
NB−IoTは、名前から分かるように、200Khz程度の狭帯域周波数でIoTサービスを提供する無線技術である。従来LTE技術が最小1.25Mhz周波数帯域を使用することに比べてNB−IoTは非常に少ない周波数を使用するので、UE側面ではプロセシング電力の最小化及び電力消耗の最小化を図ることができる。
CIoTは、従来のアタッチ過程或いはサービス要求手順(図8参照)が、数多くのメッセージ交換によってUEの電力浪費を招くことを解決するために、MMEがデータを処理したり(C−平面ソリューション)、或いはUEがRRC休止状態に類似する状態に置かれても、UE及びeNBがコンテクストを維持して次の連結に活用する方式(U−平面ソリューションによってUEの電力消耗を最小化する技術)である。
したがって、NB−IoT無線技術とCIoT技術は個別に適用可能である。すなわち、NB−IoT無線技術を用いなくても、従来のLTE無線網を通じてCIoT技術を適用することが可能である。これは、NB−IoT無線技術を利用できないUE、例えば、既にLTE無線技術のみが適用されて発売されたUEにも、CIoT技術を適用できるということを意味する。また、従来のLTE無線技術ベースのセルにおいて、スマートフォンのような従来のLTE UEを支援すると同時に、IoT UEを支援できるということを意味する。
現在まで論議されたCIoT動作によれば、UEとeNBはSRB1を用いて、RRC制御情報、NAS制御情報、ユーザデータなどを交換する。CIoTの導入前にはNASメッセージも制御メッセージであり、RRCメッセージも制御メッセージであるから、同じSRBで伝達されるように定義されたNAS/RRCメッセージ同士に優先順位が付けられる必要がなかった。また、従来は、UEがRRC連結セットアップ完了メッセージとして初期NASメッセージ(例えば、サービス要求メッセージ、トラッキング領域更新要求メッセージなど)を送ると、上記RRC連結セットアップ完了メッセージに対する応答を受信するまでは新しいNASメッセージが生成されない。しかし、CIoT技術を支援するUEの場合、UEが初期NASメッセージを送信した後にも、ユーザデータを送るためにNASメッセージが続けて生成されてもよい。C−平面ソリューションの場合、ユーザデータはNASメッセージ及びRRCメッセージに含まれて下位層に伝達される。ネットワークのスケジューリング決定によって、上記RRCメッセージがネットワークに直ちに伝達されず、下位層に保存されたままでネットワークからのリソース割り当てを長期間待機することがある。この場合、eNBとUEとの間でRRC又はNAS制御情報の速い交換が難しいことがある。例えば、SRB1だけがeNBとUEとの間に設定されており、UEのアプリケーションがパケット1、2、3、4、5を生成した場合、まず、NAS層でそれらのパケットからNASメッセージが生成され、その後、上記NASメッセージはRRC層でRRCメッセージに含まれて下位層に伝達される。ところが、その後にもネットワークが上記パケットに対する無線リソースを割り当てないと、上記パケットは上記UEに蓄積されたままとなる。このような状況でeNBが上記UEにRRC再設定(reconfiguration)メッセージを送信したとしよう。すると、上記UEは上記RRC再設定メッセージに対する応答メッセージ、すなわち、RRC再設定完了(complete)メッセージを生成して上記eNBに送信するはずである。上記RRC再設定完了メッセージはSRB1上で送信しなければならず、上記SRBを共に使用するパケット1、2、3、4、5の送信が終わってこそeNBに伝達することができる。つまり、重要な制御メッセージが以前に生成されたユーザデータによって直ちにeNBに伝達されない問題が発生し得る。
図12は、制御平面CIoT最適化によるユーザデータ伝達手順を例示する図である。特に、図12は、ユーザデータがSRB1によって送信される場合を例示する図である。
>0.データがアプリケーション(APP)で生成される。
>1.APPは、生成されたデータをNAS層に伝達する。
>2.NAS層は、上記生成されたデータをネットワークに伝達するために、サービス要求のような過程を始める。
>3.UEのRRC層はeNBとRRC連結を確立するために、RRC連結要求メッセージをSRB0を用いて送信する。
>4.eNBは、上記RRC連結要求に対する応答としてRRC連結セットアップメッセージをSRB0を用いて送信する。上記RRC連結セットアップメッセージにはSRB1をセットアップするための情報が含まれている。
>5.上記UEは受信されたRRC連結セットアップメッセージを処理し、上記RRC連結セットアップメッセージに対する応答としてRRC連結セットアップ完了メッセージを構成してSRB1を用いて送信する。この時、上記RRC連結セットアップ完了メッセージには上位層情報(例えば、サービス要求メッセージ、トラッキング領域更新要求メッセージ)を含めることができる。
>6.段階5でRRC連結セットアップ完了メッセージを受信したeNBは、上記RRC連結セットアップ完了メッセージに含まれているNASメッセージをS1APメッセージ(例えば、初期UEメッセージ)としてMMEに送信する。
>7.MMEは、段階6で受信した上記NASメッセージに基づいて、上記UEのユーザに対するコンテクストを構成して、上記eNBに上記NASメッセージに対する応答をS1APメッセージ(例えば、初期UEコンテクストセットアップメッセージ)に含めて送信する。この時、上記MMEは上記eNBに、上記ユーザに対する保安コンテクスト情報も共に伝達する。
>8.段階5〜段階7の途中に、UEのアプリケーションで更なるデータが生成されることがある。SRB0はRRC連結要求メッセージ及びRRC連結セットアップメッセージの送信にのみ用いることができるので、段階5〜段階7において生成されたデータはSRB1で送信される。したがって、段階5〜段階7で生成されたデータはSRB1によって下位層(例えば、RLC)のバッファに蓄積される。
>9.段階7で受信された保安コンテクスト情報に基づいて、eNBは上記UEとの無線リンクに保安、すなわち、暗号化(ciphering)及び完全性保護(integrity protection)を適用するために、保安モード命令(security mode command)メッセージを上記UEに送信する。
>10.上記UEは上記保安モード命令に対する応答として保安モード完了(security mode complete)メッセージを構成し、上記保安モード完了メッセージをSRB1で上記eNBに送信することを試みる。
図12で段階9の保安モード命令のようなメッセージは重要度が高く、段階10に成功してこそユーザ平面ベアラであるDRBなどを円滑に設定することができる。段階10の保安モード完了メッセージはSRB1で送信されるが、段階8でデータがSRB1のためのバッファに既に蓄積されている。このため、保安モード完了メッセージに先立ってSRB1のためのバッファに蓄えられていたデータが全てeNBに送信されるまでは、上記保安モード完了メッセージをeNBに送信することができない。これは、RRC層で用いられる制御メッセージの送信を遅延させ、RRC連結が切れる恐れを高める結果につながる。
一方、RRC/NASメッセージが同一SRBを用いることから発生する問題を解決するために、UEがNASメッセージをSRB1ではなくSRB2で送ろうと決定した場合、現在までの標準技術によれば、UEが上記NASメッセージの送信のために上記SRB2が生成されるまで待たなければならないという問題点があった。
したがって、本発明は、ユーザデータがNASメッセージ、RRCメッセージでSRBを通じて送信される場合にも、RRC制御情報及びNAS制御情報が優先的に伝達されるように保障する方法を提示しようとする。
一方、eNBの観点で、一つのセルで使用可能な無線リソースの量は限定されているため、それぞれのUEに最適の量の無線リソースを最適の時期に提供することが重要である。したがって、図9で説明したBSR手順が用いられ、BSR手順において各UEは自身のバッファ状態をできるだけ正確に伝達する必要がある。従来のBSR手順ではUEが論理チャネルグループ(logical channel group;LCG)別にバッファの量をeNBに知らせる。従来のeNBは、RRCメッセージが送信される論理チャネルとユーザデータが送信される論理チャネルを個別のLCGに割り当てた。したがって、従来のBSR手順によれば、eNBはRRCメッセージの量と、ユーザデータの量を分離して把握することができた。ところが、CIoT技術を適用する場合、例えば、RRCメッセージでユーザのデータを伝達する場合、eNBが各UEのバッファ状況を正確に把握できないという問題点が発生する。CIoT技術ではユーザデータがRRCメッセージで送信されることから、eNBはRRCメッセージの量が多いと誤って判断し、UEにRRCメッセージを送信させる目的で無線リソースを割り当てたが、実際にUEは上記無線リソースをユーザデータの送信のために使用する結果となり得るためである。1つのセルにCIoT技術を使用する1つのUEのみが存在すれば問題がないが、セルラーシステムの特性の上、1つのセルに複数のUEが存在するので、あるUEに無線リソースが誤って割り当てられたり誤って用いられたりすれば、他のUEにも無線リソースが正しく割り当てられないという問題点が発生する。これは、ユーザのサービス体感満足度の低下及び頻繁な連結切れ現象の原因となる。
このように従来には保安活性化の前には、RRCメッセージ、データを含むNASメッセージ、単純NASメッセージがいずれもSRB1で伝達されるが、BSRを行うMAC層がそれらのメッセージを区別し得る方法がなかった。
したがって、本発明は、CIoT技術を適用したUEがネットワークに自身のバッファ状況を正確に知らせ、同時にネットワークも各UEのバッファ状況を正確に把握するようにする技術を提案しようとする。
以下、本発明をCIoTを用いて説明するか、本発明の提案はNB−IoTにも同様に適用することができる。
<提案A>
本発明では、UEとeNBが複数個のSRBを生成し、それぞれのメッセージ又はデータの性格にしたがって、用いられるSRBを別々にして上記メッセージ又はデータを送信することを提案する。本発明によれば、ユーザデータがNASメッセージ及びRRCメッセージによってSRBで送信される場合にも、RRC制御情報及びNAS制御情報を優先的に伝達することができる。
CIoTのためにUEとネットワークはSRB1の他に新しいSRBを生成して用いる。SRB2はUEとeNBとの間に保安が設定されている場合に限って用いることができる。これに対し、上記新しいSRBは、eNBとUEとの間に保安設定がなくても利用可能な新しいシグナリング無線ベアラである。PDCPはNASメッセージを読むことができず、C−平面ソリューションでは保安活性化が不要なわけである。以下、説明の便宜のために、上記新しいSRBをSRB3と称する。しかし、既存SRB(例えば、SRB0、SRB1、SRB2)と区別されるものであれば、SRB3以外の名称が上記新しいSRBのために使われてもよいことは自明である。SRB3はUEとeNBとの間のシグナリング無線ベアラであり、したがって、RRCメッセージ及びNASメッセージを伝達するために用いることができ、保安コンテクストが設定されていない状態で用いることができる。RRC休止モードのUEは、SRB0でRRC連結要求メッセージを送信し、その後、SRB1を用いて送信されるRRC連結セットアップ完了メッセージを用いて、最初のNASメッセージ(例えば、サービス要求メッセージ、トラッキング領域更新メッセージ)及び選択的に最初のユーザデータを送信する。RRC連結確立(establishment)手順でSRB3が確立されれば、上記UEは上記SRB3を、ユーザデータを含むNASメッセージの送信に用いる。上記RRC連結確立手順でeNBがUEに送信するRRC連結セットアップメッセージがSRB3に関する設定情報を含むことができる。
本発明の提案AによるSRB3はユーザデータのみを有するNASメッセージにのみ適用されるように限定されてもよい。例えば、上記NASメッセージがユーザデータ以外の制御情報も含む場合、上記NASメッセージは上記SRB3ではなくSRB1を用いて送信される。上記NASメッセージを含んでいるRRCメッセージが上記NASメッセージの他に、RRCで生成された別の制御情報を含む場合、上記RRCメッセージは上記SRB3ではなくSRB1で送信される。その他の場合、すなわち、あるNASメッセージを含んでいるRRCメッセージにRRC制御情報も、NAS制御情報も含まれていない場合には、上記NASメッセージを含んでいる上記RRCメッセージがSRB3で送信される。
UEがCIoT技術を用いる場合、上記UEのRRCはSRB3を設定し、上記SRB3を、ユーザデータを含むNASメッセージの送信に用いる。最初にUEとeNBがRRC連結をセットアップする過程でRRC連結要求メッセージはSRB0、そして後に送信されるRRC連結セットアップ完了メッセージはSRB1で送信される。すなわち、CCCHで送信されるRRCメッセージはSRB0を用いる。そして、RRC連結を確立する過程でNASメッセージを含む最初のメッセージはSRB1を用いる。その後、ユーザメッセージを含むNASメッセージの送信にはSRB3が用いられる。
SRB2は、UEとeNBとの間に保安がある場合にNASメッセージの送信に用いることができる。この場合、SRB2で伝達されるNASメッセージはユーザのデータを含まない。
SRB3は、UEとeNBとの間に保安が用いられない場合にNASメッセージの送信に用いられる。言い換えると、SRB3はUEとeNBとの間に保安が活性化されるまでNASメッセージの送信に用いられる。
SRB3は、UEがCIoT技術を利用したがっており、eNBがそれを許可する場合に用いられ、RRC連結セットアップメッセージを用いて設定することができる。UEがCIoT目的でRRC連結をセットアップすることを知らせた場合、そしてeNBが上記UEに対してRRC連結をセットアップすることを決定する場合、上記eNBはNASメッセージの送信のためにSRB3に関する設定情報をUEに提供することができる。
或いは、SRB3は、UEがCIoT技術を利用することをeNBが許容する場合に自動的に用いられてもよい。すなわち、UEはあるセルがCIoT技術を支援すると示す場合、RRC連結が設定されると自動でSRB3を用いることができる。
UEはASにおいて保安設定がなされていない場合、そしてSRB3が設定された場合に、上記SRB3をNASメッセージの送信に利用する。言い換えると、SRB3は保安が活性化されるまでNASメッセージの送信に用いられる。SRB3は保安が設定されていない状態で用いられ、保安活性化後にはSRB1にも保安が適用されるので、保安活性化後にはSRB1(及び/又は、SRB2があればSRB2)がRRC/NASメッセージ送信に用いられるはずであろう。
図13は、本発明に係るCIoT動作を例示する図である。特に、図13は、本発明の提案Aに基づくCIoTの動作を例示する図である。
>0.データがアプリケーション(APP)で生成される。
>1.APPは、生成されたデータをNAS層に伝達する。
>2.NAS層は上記データをネットワークに伝達するために、サービス要求のような過程を始める。
>3.UEのRRC層はeNBとRRC連結を確立するために、RRC連結要求メッセージをSRB0を用いて送信する。
>4.eNBは上記UEからのRRC連結要求に対する応答としてRRC連結セットアップメッセージをSRB0を用いて送信する。上記RRC連結セットアップメッセージ内には、SRB1をセットアップするための設定情報が含まれている。上記RRC連結セットアップメッセージを受信したUEは、このメッセージを処理してSRB3を生成する。
>5.UEは、受信されたRRC連結セットアップメッセージを処理し、上記RRC連結セットアップメッセージに対する応答としてRRC連結セットアップ完了メッセージを構成してSRB1で送信する。上記RRC連結セットアップ完了メッセージには上位層の情報(例えば、サービス要求メッセージ、トラッキング領域更新要求メッセージ)を含めることができる。
>6.段階5でRRC連結セットアップ完了メッセージを受信したeNBは、上記RRC連結セットアップ完了メッセージに含まれたNASメッセージをMMEに送信する。
>7.上記MMEは、段階6で受信したNASメッセージに基づいて、該当のユーザに対するコンテクストを構成し、eNBに送信する。このとき、上記MMEは上記eNBに上記ユーザに関する保安コンテクスト情報を伝達する。
>8.段階5〜段階10の途中に、UEのアプリケーションで更なるデータが生成されることがある。段階5〜段階10の途中に生成された上記データを含んでいるNASメッセージは、保安が設定される前には、すなわち、保安モード命令/完了過程前には、SRB3を用いて送信することができる。
>9.UEのRRC層がNASから、ユーザデータが含まれたメッセージ、又はNASメッセージを送信してほしいとの要求を受けた場合、上記UEのRRC層は、保安コンテクストを適用する必要があるかを確認することができる。保安を適用する必要がなければ、上記ユーザデータが含まれたNASメッセージを、設定されているSRB3を用いて送信する。既に保安コンテクストが形成されていれば、さらにSRB2が設定されているか検査し、SRB2が設定されていれば、上記NASメッセージをSRB2で送信し、仮にSRB2がなければ、SRB1で上記NASメッセージを送信する。このとき、上記NASメッセージはUL情報伝達NBのようなメッセージに含まれる。
>10.段階7で受信された情報に基づいて、eNBは上記UEとの無線リンク上で保安、すなわち、暗号化と完全性保護を適用するために、保安モード命令メッセージを上記UEに送信する。
>11.上記UEは保安モード命令に対する応答として保安モード完了メッセージを構成し、SRB1を用いてeNBに上記保安モード完了メッセージの送信を試みる。この時、既存のNASメッセージのうち、例えば、データ1及びデータ2を含むメッセージは既にeNBに伝達されており、下位層のバッファにはデータ3に該当するデータブロックが記憶されているとしよう。この場合、上記NASメッセージはSRB3で下位層に伝達されており、保安モード完了はSRB1で下位層に伝達される。SRB1とSRB3は別個のチャネルであるので、MAC層は優先順位を検査して、データ3を含んでいるNAS/RRCメッセージよりも、SRB1を用いるメッセージ、すなわち、保安モード完了メッセージを優先的に送信するように決定することができる。
>12.SRB1を用いて保安モード完了メッセージを送信した後、上記下位層は、残っているユーザデータを含んでいるNASメッセージをSRB3を用いてeNBに伝達する。
図12の動作によれば、一つのSRBのみを使用する場合、すなわち、SRB1のみが生成された場合には、全てのメッセージ/データがSRB1を利用しなければならない。このため、SRB1のバッファに送信すべきメッセージ/データが残っている場合、後に生成されたデータ/メッセージはいくら優先順位が高くとも、前に生成されたメッセージ/データらが全て送信されるまで相手側に送信されず、無線データの品質管理、例えば、QoSなどの適用に問題が発生する。
一方、図12の動作で、NASメッセージ又はNASを用いたユーザデータの送信のために、SRB2を生成する場合、SRB2に保安が適用されるまでは上記ユーザデータをSRB2で送信することができない。この場合、例えば、UEのRRC連結セットアップ完了送信の後、保安モード命令過程が適用されるまでの期間において、上位層のデータを送信できないという問題点が発生する。
そこで、本発明は、重要なデータの送信が上位のユーザデータの送信のために遅延されたり、或いは重要なデータの送信がなくても、データを無線ノードに送信できないことから発生する、ユーザデータの送信遅延或いは無線チャネル使用効率低下を防ぐという効果がある。
本発明によれば、SRB1とSRB3は別個のLCGに属し、これに基づいてBSR報告が行われる。
ネットワークはSIB又はあらかじめ指定された値を用いて、SRB3の属したLCGの値を知らせることができる。これによって、SRB1とSRB3とが別個のLCGに属し、これに基づいてBSR報告を行うことができる。
MMEはeNBにUEのバッファ量に関する情報を要求することができる。すなわち、IoTに最適化された動作モードから一般動作モードに切り替えたり或いはその反対の動作のために、MMEはeNBに、UEが上りリンクで送るデータの量に関する情報を要求することができる。上記MMEはeNBに、CIoT技術を用いて動作するUEに対して、上記UEのバッファの量があるレベルに達すれば自身に報告するかに関する情報を伝達することができる。eNBは自身にUEが送信したBSRに基づいて、MMEが指示した基準値に到達すれば、BSR情報をMMEに伝達することができる。
一方、RRCエンティティは、プロトコル分離にしたがって、NASエンティティで提供するNASメッセージ内にいずれの情報が含まれているか分からない。したがって、本発明は、NASエンティティからRRCエンティティにNASメッセージを伝達する場合、上記NASメッセージに加えて、上記NASメッセージにユーザデータが含まれているか否かを知らせることをさらに提案する。NASエンティティがRRCエンティティにNASメッセージを伝達する場合、上記NASメッセージに加えて、上記NASメッセージにNASレイヤで生成された制御情報が含まれているか否かを知らせることができる。これに基づいて、RRCエンティティは、各NASメッセージがいずれのSRBで送信されるべきかを判断することができる。
一方、本発明の提案AによってUEとeNBとの間に複数個のSRBが設定され、上記複数個のSRBのいずれか一つのSRBがCIoT用途、例えば、ユーザデータを含むNASメッセージの送信/受信に用いられるように割り当てられた場合、後に生成されたRRC制御情報又はNAS制御情報を、以前に生成されたユーザデータよりも先に送信又は受信することもできる。この場合には、UEとeNBとの間にDRBを生成した後に、すなわち、ユーザデータの送信経路が、eNBとS−GWとの間に直接伝達されるものに変わった後にも、UEとMMEとの間にNASメッセージを用いたユーザデータ送信がなされることがある。MMEはDRB生成後にはそれ以上保安プロセシング又はヘッダー圧縮プロセシングができず、これは深刻な問題につながり得る。したがって、このような問題を防止するために、CIoTモードで動作するUEが非−CIoTモードへと動作を変更する場合には、上記UEはユーザデータを含むNASメッセージを削除することができる。ユーザデータを含むNASメッセージを送信するように設定されたSRBを除去したり、或いは上記SRBのための各層、例えば、PDCP、RLC、MACをリセットしたり再確立(re−establish)したりできる。
一方、UEの性能の限界から、例えば、プロセシングの限界又はUEのメモリ領域の限界から、複数個のSRBを設定できない場合、すなわち、SRB1だけでユーザデータを含んでいるNASメッセージ又はRRCメッセージを送信しなければならない場合、UEのRRC層は下位層にRRCメッセージを伝達する時、それぞれのRRCメッセージにユーザデータが含まれているか否か、RRC制御情報又はNAS制御情報が含まれているか否かの情報を伝達することができる。これに基づいて上記下位層はいずれのデータを優先的に送信するかを決定することができる。特に、MACエンティティの場合、eNBによって割り当てられた限定された無線リソースを用いて上りリンク送信を行うので、限定された無線リソースをいずれのデータの送信にまず割り当てるかを決定する必要がある。このような決定過程において、ユーザデータだけを含むメッセージよりは、RRC制御情報又はNAS制御情報を含むメッセージの送信を優先することによって、より安定した無線環境設定が可能である。例えば、RLCエンティティは自身のメモリに蓄積されている複数のデータブロックに対して、あるデータブロックの再送信が必要な場合に、又は複数のデータブロックのいずれを優先送信するかを決定すべき場合に、RRC制御情報又はNAS制御情報を含むメッセージ又はデータブロックの送信を、他のメッセージ又はデータブロックに優先して行うことができる。
上記ではUEがeNBにメッセージを送信する上りリンクの動作を挙げて本発明を説明したが、下りリンクの動作に対しても本発明を同様に具現することができる。例えば、MMEがユーザデータを含むNASメッセージを構成してeNBに伝達する場合と、ユーザデータを含まないNASメッセージを構成してeNBに伝達する場合とに区別することができる。MMEがNASメッセージを構成してeNBに送信する場合、上記MMEは上記NASメッセージに加えて、上記NASメッセージがユーザデータを含むか否か、上記NASメッセージがNAS制御情報を用いるか否かに関する情報も伝達することができる。この情報に基づいて、eNBは、あるUEに送信すべき複数のNASメッセージがある場合、上記NASメッセージのうち、NAS制御情報を含むNASメッセージを他のNASメッセージに優先して送信することができる。このようにネットワークノードが制御情報をUEに速やかに伝達することによって、新しいモードへの切替を迅速に行うことができる。
<提案B>
NAS用の新しいSRBを定義して使用する前述の提案Aとは違い、提案Bは、新しいSRBを導入しなくとも、正確なBSRを報告できる方法及び特定メッセージを優先的に伝達できる方法に関する。
具体的に、本発明の提案Bは、UEが上りリンクで送信すべきユーザデータが発生した場合、ネットワークに次のようにBSRを送ることを提案する。
CIoT機能が可能(enable)になった場合、UEは、送信するユーザデータ量をネットワークに報告する時、RRCメッセージを送るように設定されたSRBがマップされた論理チャネル又は論理チャネルグループ(logical channel group;LCG)とは異なる論理チャネル又はLCGのデータ量を、上記ユーザデータの量に関する情報として報告する。
例えば、SRB0、SRB1、SRB2がLCG0にマップされる場合、UEは、LCG1、LCG2又はLCG3に該当するデータ量に基づいてBSRを構成してネットワークに送信する。上記UEは上記BSRをネットワークに送る時、RRCメッセージがNAS層で生成されたメッセージだけを含み、RRC層で生成された制御情報を含まない場合、BSRにLCG0に関する情報、すなわちLCG0のデータ量に関する情報は含めない。UEがBSRのためにLCG1、LCG2、LCG3のいずれを用いるかをネットワークが指示し、上記UEはそれによって指示されたLCGの値をBSRに表示することもできる。すなわち、ネットワークが上記UEに設定情報を送信する過程において、上記BSRを構成する時にユーザデータの量をいずれのLCG値を用いて表現しなければならないかに関する情報を示すことができる。
さらに、IoT UEでは一般的に生成される周期的なデータと緊急状況で発生する緊急データが生成されることを考慮して、ネットワークは、一般的に生成される周期的なデータ、すなわち、普通の優先順位を持つデータを表現するために使用するLCG値と、緊急状況で生成される高い優先順位を持つデータを表現するために使用するLCG値をUEに知らせることができる。この場合、UEは、ユーザデータが生成されて、BSRをネットワークに送るべき場合、上記生成されたデータが普通の優先順位のデータであれば、上記ネットワークが示した普通データ用LCG値を用いてバッファの量に関する情報をネットワークに送信し、上記生成されたデータが高い優先順位のデータであれば、上記ネットワークが示した高いデータ用LCG値を用いてバッファの量に関する情報をネットワークに送信することができる。
言い換えると、本発明の提案Bによれば、UEは、ユーザデータが実際に送信される論理チャネル及び上記論理チャネルがマップされたLCGに関する情報を用いてネットワークにBSRを構成して送信するのではなく、上記ユーザデータに対して事前に指示されたり設定されたLCG値を用いてBSRを構成してネットワークに送信する。例えば、あるRRCメッセージが論理チャネル1で送信され、上記論理チャネル1がLCG0にマップされている場合に、そして上記RRCメッセージがNASメッセージを含み、NAS層で生成された上記NASメッセージにユーザデータが含まれている場合に、そして上記ユーザデータに対してLCG3を使用するように設定された場合に、UEはBSRをネットワークに送信する時、上記RRCメッセージ又はユーザデータの量に関する情報を、LCG0に対する情報として送るのではなく、LCG3に対する情報として送る。
さらに、NASメッセージが必ずしもユーザデータを含まないことを考慮して、NAS層がRRC層にNASメッセージを伝達する時、NAS層はRRC層に、上記NASメッセージがユーザデータを含んでいるか否かも知らせることができる。これに基づいて、RRC層は上記の動作を、NASメッセージがユーザデータを含んでいる時にのみ行う。例えば、あるRRCメッセージが論理チャネル1で送信され、上記論理チャネル1がLCG0にマップされている場合、そして上記RRCメッセージがNASメッセージを含んでおり、NAS層で生成された上記NASメッセージにユーザデータが含まれていない場合には、UEはBSRをネットワークに送信する時、データの量に関する情報をLCG0に対する情報であると表示して送信する。
さらに、NAS層はNASメッセージをRRCに伝達する時、上記NASメッセージにNAS制御情報が含まれているか否かを知らせることができる。これに基づいて、RRC層は上記の動作を、NASメッセージにNAS制御情報が含まれていない時に行うことができる。例えば、あるRRCメッセージが論理チャネル1で送信され、上記論理チャネル1がLCG0にマップされている場合、そして上記RRCメッセージがNASメッセージを含んでおり、NAS層で生成された上記NASメッセージにNAS制御情報が含まれている場合、UEはBSRをネットワークに送信する時、データの量に関する情報をLCG0に対する情報であると表示して送信する。仮に上記NASメッセージにNAS制御情報が含まれていなく、ユーザ情報だけが含まれている場合、UEはBSRをネットワークに送信する時、データの量に関する情報をLCG0以外のLCG値を用いて送信する。
UEは、送信しようとするRRCメッセージにRRC制御情報もなく、NAS制御情報もなく、ユーザデータ情報が含まれている場合に、本発明の提案によって該当のSRBがマップされたLCG以外のLCG値を利用する。
仮にネットワークが、いずれのLCGを使用すべきかの情報を提供しなかった場合、UEは、設定されていないLCG値から任意の値を選択して送信する。例えば、RRCメッセージが論理チャネル1、LCG0に設定されており、LCG1/2/3にマップされたLCGがなければ、UEはLCG1/2/3から任意に1つを選択して用いる。
ネットワークはUEに、ユーザデータをいずれのLCGで表現すべきかに関する情報を次のように知らせ、UEはユーザデータに基づいてLCG値を設定してBSRを構成してネットワークに送信する。
ネットワークはSIBを用いて、UEにいずれのLCG値を使用すべきかを知らせることができる。及び/又は
一般優先順位のデータに用いられるLCG値と、高い優先順位のデータに用いられるLCG値を知らせることができる。
CIoT機能が可能になった場合、UEは自身の送信するユーザデータの量をネットワークに報告する時、上記ユーザデータの量に関する情報を、RRCメッセージを送るように設定されたSRBがマップされた論理チャネル又はLCGのデータ量では除外して報告する。
または、UEはRRC休止モードからRRC連結モードに移動するためにRRC連結要求メッセージを送信するが、上記RRC連結要求メッセージ内に、ユーザデータが生成されたか否かに関する情報を含めて送信することができる。さらに、上記UEはいかなる種類のユーザデータが生成されたかに関する情報を送信してもよい。さらに、上記UEはいかなる優先順位のユーザデータが生成されたかに関する情報を送信してもよい。例えば、上記UEは、緊急順位のデータが生成されたか、或いは一般順位の周期的に生成されるデータか生成されたかなどの情報をネットワークに提供してもよい。
RRC層は自身の取得した情報をMAC層に知らせることができる。例えば、生成されたRRCメッセージにNAS制御情報を含むか否か、RRC制御情報を含むか否か、ユーザデータを含むか否かなどの情報を含めることができる。これに基づいて、UEは上記本発明の提案のようにBSRを構成してネットワークに送信することができる。
IoT UEのデータ生成量がスマートフォンのような一般的なUEで生成されるデータの量に比べて小さい点に鑑みて、BSRを構成することもできる。具体的に、IoT UEはネットワークに、特殊な形態のBSRを構成して送信することができる。上記特殊な形態のBSRは、短いBSR、長いBSRなどとは異なる指示子で区別することができる。例えば、MAC PDUのヘッダーには特殊な形態のBSR、すなわち、IoT UEで生成された特殊な形態のBSRが含まれていることを示す情報を含めることができる。例えば、特定LCID値を用いて特殊な形態のBSRが含まれていることを示すことができる。特殊な形態のBSRは、CIoT機能又はNB−IoT機能を使用するように設定されたUE又は使用しているUEが使用することができる。上記特殊な形態のBSRは、NASメッセージでユーザデータを交換できるUEが使用することができる。上記特殊な形態のBSRは、次のような情報又はそれらの組合せを示し得る情報を含むことができる。
*送信するRRCメッセージが存在するか否か又はその量に関する情報。
*送信するNASメッセージが存在するか否か又はその量に関する情報。
*ユーザデータが存在するか否か又はその量に関する情報。
*ユーザデータを含むNASメッセージが存在するか否か又は上記NASメッセージの量に関する情報。
*ユーザデータを含むRRCメッセージが存在するか否か又は上記RRCメッセージの量に関する情報。
*RRCメッセージにRRC制御情報が存在するか否か及び上記RRC制御情報の量に関する情報。
*NASメッセージにNAS制御情報が存在するか否か及び上記NAS制御情報の量に関する情報。
*上記ユーザデータの優先順位に関する情報。
図14は、BSRのための特殊なフォーマットを例示する図である。UEは、それぞれのフィールドの意味にしたがって、値を埋めてネットワークに送信する。例えば、図14(a)に示す特殊フォーマットの場合、UEは、RRCメッセージ内のRRC及びNAS制御情報の量を計算して一番目のフィールドに含め、さらにユーザデータがある場合、上記ユーザデータに関連した優先順位に関する情報、例えば、高い順位か否かに関する情報を2番目のフィールドに含め、最後に、上記優先順位に該当するユーザデータの量に関する情報を三番目のフィールドに含めた、特殊BSRを構成してネットワークに伝達する。
UEがユーザデータを送信するために、RRC連結モードに進入する過程でNASメッセージがネットワークに伝達される。したがって、本発明でBSRを用いてネットワークに知らせようとした情報がNASメッセージでMMEに伝達されてもよい。その後、MMEはこのような情報をさらにeNBに伝達し、これに基づいて、eNBはいずれのUEに優先的に無線リソースを伝達するかなどを決定することもできる。
RRC層はユーザデータがRRCメッセージ又はNASメッセージに含まれているか否かを知っている。したがって、本発明でBSRを用いてネットワークに知らせようとした情報がRRCメッセージでeNBのRRC層に伝達されてもよい。その後、eNBのRRC層はこのような情報をさらにeNBのMAC層に伝達し、この情報に基づいてeNBのMAC層はいずれのUEに優先的に無線リソースを伝達するかなどを決定することもできる。
本発明においてIoT UEのデータは高い優先順位を持つデータと一般優先順位を持つデータとに分類できるとして記述された。しかし、IoT UEのデータに対する優先順位はさらに細分化されてもよい。或いは、各優先順位のデータがいかなる特性を有するかの情報がeNBに伝達されてもよい。例えば、ディレイはある程度許容されるか、又はパケット誤りはある程度許容されるかの情報がeNBに提供されてもよい。優先順位別データ特性に関する情報は、MMEがeNBに知らせてもよく、事業者設定によってeNBに伝達されてもよい。
本発明では優先順位の情報に関して記述したが、優先順位に代えて、標準化されたQoSクラス識別子(QoS class identifier;QCI)インデックスが利用されてもよい。例えば、ユーザは、生成されたユーザデータがいずれのQCIに該当するかの情報を、BSR又は他の方法によってネットワークに知らせ、ネットワークはこの情報を、上記UEに無線リソースを割り当てる時に考慮することができる。この過程でいかなるアプリケーション又はいかなるデータがいずれのQCIに該当するかの情報は、事前にネットワークがUEに与えることができる。または、IoTのために、QCIの代わりに別のQoS(quality of service)関連表が定義されてもよい。
ネットワークはUEに、本発明で提示したBSR関連動作、又は特殊な形態のBSRの送信が許容されたか否かに関する情報を送信することができる。UEは上記情報に基づいて許容された場合に限って、本発明の提案Bによる動作を行うことができる。
前述した本発明の提案A或いは提案Bによれば、ユーザデータがNASメッセージ、RRCメッセージによってSRBで送信される場合にも、RRC制御情報及びNAS制御情報が優先的に伝達されるように保障することができる。なお、本発明によれば、UEが自身のバッファ状況をネットワークに正確に知らせることができる。
図15は、本発明の提案に適用されるノード装置の構成を示す図である。
提案する実施例に係るUE装置100は、送受信装置110、プロセッサ120及びメモリ130を備えることができる。送受信装置110は、無線周波数(radio frequency;RF)ユニットと呼ぶこともできる。送受信装置110は、外部装置に各種の信号、データ及び情報を送信し、外部装置から各種の信号、データ及び情報を受信するように構成することができる。または、送受信装置110は送信部及び受信部に分離して具現されてもよい。UE装置100は外部装置と有線及び/又は無線で接続されてもよい。プロセッサ120は、UE装置100の動作全般を制御することができ、UE装置100が外部装置と送受信する情報などを演算処理する機能を有するように構成することができる。また、プロセッサ120は、本発明で提案するUE動作を行うように構成されてもよい。プロセッサ120は、本発明の提案によってデータ或いはメッセージを送信するように送受信装置110を制御することができる。メモリ130は、演算処理された情報などを所定時間記憶することができ、バッファ(図示せず)などの構成要素に取り替えてもよい。
図14を参照すると、提案する実施例に係るネットワークノード装置200は、送受信装置210、プロセッサ220及びメモリ230を備えることができる。送受信装置210は、無線周波数(radio frequency;RF)ユニットと呼ぶこともできる。送受信装置210は、外部装置に各種の信号、データ及び情報を送信し、外部装置から各種の信号、データ及び情報を受信するように構成することができる。ネットワークノード装置200は外部装置と有線及び/又は無線で接続されてもよい。送受信装置210は送信部及び受信部に分離して具現されてもよい。プロセッサ220は、ネットワークノード装置200の動作全般を制御でき、ネットワークノード装置200が外部装置と送受信する情報などを演算処理する機能を有するように構成することができる。また、プロセッサ220は、本発明で提案するネットワークノード動作を行うように構成されてもよい。プロセッサ220は、本発明の提案によってデータ或いはメッセージをUE或いは他のネットワークノードに送信するように送受信装置110を制御することができる。メモリ230は、演算処理された情報などを所定時間記憶することができ、バッファ(図示せず)などの構成要素に取り替えてもよい。
また、上記のようなUE装置100及びネットワーク装置200の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されたり又は2つ以上の実施例が同時に適用されるように具現することができ、重複する内容は、明確性のために説明を省く。
上述した本発明の実施例は様々な手段によって具現することができる。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア、又はそれらの結合などによって具現することができる。
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例による方法は、1つ又はそれ以上のASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、DSPD(Digital Signal Processing Device)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例による方法は、以上で説明した機能又は動作を実行する装置、手順又は関数などの形態として具現することができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動することができる。上記メモリユニットは、上記プロセッサの内部又は外部に設けられ、既に公知である様々な手段によって上記プロセッサとデータを交換することができる。
上述のように開示された本発明の好適な実施の形態に関する詳細な説明は、当業者が本発明を具現し実施できるように提供された。上記では本発明の好適な実施の形態を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者は、添付する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更させることができるということが理解されるだろう。したがって、本発明は、ここに示した実施の形態に制限しようとするものではなく、ここに開示した原理及び新規な特徴と一致する最広の範囲を与えようとするものである。