JP6557167B2 - スポーツ用手保護具選択支援システム及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、野球やソフトボールのバッティング用手袋、野球やソフトボール用のグラブなど、スポーツ用手保護具の選択支援システム及びスポーツ用手保護具の選択支援方法に関する。特に、本発明は、スポーツ用手保護具を選択する際に、スポーツ用手保護具が選択者の手の形状に合っているか否かを客観的に判断可能にし、選択者の手の形状に合った適切なスポーツ用手保護具を選択可能にするスポーツ用手保護具選択支援システム及びスポーツ用手保護具の選択支援方法に関する。
従来、野球やソフトボール用のグラブを選択する際には、 選択者が実際に現物のグラブに手を入れて、自分の手に合っているかどうかを判断する「手入れ」が一般的に行われている。具体的には、手を入れたグラブが自分の手に対して大きすぎないか、小さすぎないかという確認や、局所的な指当たりが生じていないかといった確認を行っている。
しかしながら、野球やソフトボールに対する選択者の経験が少ない場合には、手入れによって自分の手の形状に合った適切なグラブであるか否かを判断することが難しい。また、選択者の経験が豊富であったとしても、全種類のグラブに手入れを行うことは現実には難しく、限りのある選択肢の中から選択せざるを得ないのが実情である。
このように、手入れによる選択では、真に選択者の手の形状に合った適切なグラブを選択できない場合がある。このため、手入れのような選択者の主観的判断に委ねるのではなく、選択者の手の形状に合っていることが客観的に判断された適切なグラブを選択可能にすることが望まれている。
上記の課題は、グラブのみならず、野球やソフトボールのバッティング用手袋など、スポーツ用手保護具を選択するに際して共通するものである。
選択者の手の形状を客観的に判断可能な手段として、例えば特許文献1に記載の装置など、種々の3次元形状測定装置が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、手の形状を客観的に判断可能であるものの、前述の課題を解決するものではない。すなわち、選択者の手の形状に合っていることが客観的に判断された適切なスポーツ用手保護具を選択可能にする手段は、特許文献1を含めて、従来提案されていない。
特許第4551626号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、スポーツ用手保護具を選択する際に、スポーツ用手保護具が選択者の手の形状に合っているか否かを客観的に判断可能にし、選択者の手の形状に合った適切なスポーツ用手保護具を選択可能にするスポーツ用手保護具選択支援システム及びスポーツ用手保護具の選択支援方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討した結果、適切なスポーツ用手保護具を選択するに際し、手の形状に関わる特徴量として、手囲が最も重要であることに着眼した。手囲とは、一般に、掌の屈曲線(生命線)の始点(親指側の端点)と、小指の付け根にある皺の端点(小指の外側の端点)及び手首の付け根にある皺の端点(小指側の端点)を結ぶ線分の手首(手首の付け根にある皺の端点)から3分の1の距離にある点とを通る、手の周りの長さを意味する。
そして、例えば、手囲の大小に応じた適切なスポーツ用手保護具の種類を手囲に関連付けて予め記憶しておく一方、3次元形状測定装置を用いて被験者の手の手囲を実際に演算し、予め記憶したスポーツ用手保護具の中から、演算した被験者の手の手囲(演算した手囲と同じ又は近い値の手囲)に関連付けられたスポーツ用手保護具の種類を選択すれば、スポーツ用手保護具が被験者の手の形状(手囲)に合っているか否かを客観的に判断可能であると共に、被験者の手の形状に合った適切なスポーツ用手保護具を選択できることに想到し、本発明を完成した。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、被験者の手の3次元形状を測定する3次元形状測定装置と、前記3次元形状測定装置で測定した手の3次元形状に基づき、少なくとも手囲を演算し、該演算した手囲に基づき、前記被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類を選択する演算装置とを備え、前記演算装置には、少なくとも手囲に関連付けられたスポーツ用手保護具の種類が予め記憶されており、前記演算装置は、前記3次元形状測定装置で測定した前記被験者の手の3次元形状に基づき、前記被験者の手囲測定箇所に沿った手の水平方向寸法及び厚み方向寸法を算出し、該各寸法を用いた近似式で表され、前記被験者の手囲測定箇所に沿った手の断面形状に近似する近似曲線の周囲長を手囲として演算する第1手順と、前記予め記憶されたスポーツ用手保護具の種類のうち、前記第1手順で演算した手囲に関連するスポーツ用手保護具の種類を前記被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類として選択する第2手順と、を実行することを特徴とするスポーツ用手保護具選択支援システムを提供する。
本発明に係るスポーツ用手保護具選択支援システムによれば、演算装置が第1手順を実行することにより、3次元形状測定装置で測定した被験者の手の3次元形状に基づき、被験者の手囲測定箇所に沿った手の断面形状に近似する近似曲線の周囲長が手囲として自動的に演算される。そして、演算装置が第2手順を実行することにより、演算装置に予め記憶されたスポーツ用手保護具の種類のうち、演算した手囲に関連するスポーツ用手保護具の種類が被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類として選択される。演算装置には少なくとも手囲に関連付けられたスポーツ用手保護具の種類が予め記憶されるが、この際、例えば、手囲に合った適切なスポーツ用手保護具の種類を手囲の値に応じて分類して記憶しておけばよい。
すなわち、本発明に係るスポーツ用手保護具選択支援システムによれば、実際に測定した被験者の手の3次元形状に基づき演算された手囲に応じて、該手囲に関連するスポーツ用手保護具の種類が被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類として選択される。このように、実際に測定した手囲に関連するスポーツ用手保護具の種類が選択されるので、選択されたスポーツ用手保護具の種類は、被験者の手の形状に合っていることが客観的に判断されたものであるといえる。すなわち、本発明に係るスポーツ用手保護具選択支援システムによれば、被験者の手の形状に合っていることが客観的に判断された適切なスポーツ用手保護具を選択可能である。
なお、本発明における「スポーツ用手保護具の種類」としては、製品の品番やサイズ等を例示できる。
また、本発明において、「手囲に関連付けられたスポーツ用手保護具の種類が予め記憶されて」いるとは、例えば、手囲と、手囲に応じた適切なスポーツ用手保護具の種類とが互いに関連付けられて予め記憶されることを意味する。手囲を予め記憶する場合、この予め記憶する手囲は、本発明に係るスポーツ用手保護具選択支援システムが備える3次元形状測定装置を用いて算出した手囲であってもよいし、巻尺等の他の手段を用いて測定した手囲であってもよい。ただし、本発明における「手囲に関連付けられたスポーツ用手保護具の種類が予め記憶されて」いるとは、手囲とスポーツ用手保護具の種類とが直接関連付けられて記憶されている場合に限らず、間接的に関連付けられて記憶されている場合も含む。すなわち、手囲自体は記憶されずに、手囲に関連するパラメータ(例えば、後述するスポーツ用手保護具の種類がグラブである場合のベルト部の内周長など)と、手囲又は手囲に関連するパラメータに応じた適切なスポーツ用手保護具の種類とが互いに関連付けられて予め記憶されている場合も含む。
好ましくは、前記3次元形状測定装置は、前記被験者の手の甲側から手の3次元形状を測定する3次元形状測定手段と、前記被験者の手の掌側から手の2次元画像を撮像する撮像手段とを具備し、前記演算装置は、前記第1手順において、前記撮像手段で撮像した2次元画像に画像処理を施すことで、前記2次元画像中の前記手囲測定箇所に対応する線分を抽出し、該抽出した線分の長さを前記水平方向寸法とする手順と、前記3次元形状測定手段で測定した3次元形状に基づき、前記線分に沿った手の厚みの代表値を抽出し、該抽出した手の厚みの代表値を前記厚み方向寸法とする手順とを実行する。
上記の好ましい構成によれば、撮像手段で撮像した2次元画像を用いて手囲測定箇所に沿った手の水平方向寸法が算出され、3次元形状測定手段で測定した3次元形状に基づき手囲測定箇所に沿った手の厚み方向寸法が算出され、各寸法を用いた近似式によって手囲が比較的簡便に演算されることになる。
なお、上記の好ましい構成における「撮像手段」としては、例えば、特許文献1に記載の装置にも適用しているようなフラッドベッドスキャナを用いることが可能である。
また、上記の好ましい構成における「3次元形状測定手段」としては、例えば、特許文献1に記載の装置にも適用している光切断法や両眼立体視などの三角測量を測定原理とする手段や、測定対象への光の送受信の時間差を利用する手段などを用いることが可能である。
さらに、上記の好ましい構成における「線分に沿った手の厚みの代表値」としては、例えば、線分に沿った手の厚み分布における最大値や平均値の他、線分に沿った特定箇所の厚み等を例示できる。
好ましくは、前記演算装置は、前記第1手順において、親指側に位置する円弧状の曲線である第1線と、小指側に位置する円弧状の曲線である第2線と、前記第1線の手の甲側の端点及び前記第2線の手の甲側の端点を結ぶ直線又は曲線である第3線と、前記第1線の手の掌側の端点及び前記第2線の手の掌側の端点を結ぶ直線又は曲線である第4線とによって構成される前記近似曲線の周囲長を演算する。
上記の好ましい構成によれば、親指側及び小指側の双方を円弧状の曲線で近似することにより、精度良く手囲を近似可能である。
本発明の適用対象であるスポーツ用手保護具が、野球やソフトボールのバッティング用手袋などのスポーツ用手袋である場合、被験者の手囲の大小に応じたサイズ(Lサイズ、Mサイズ、Sサイズなど)の手袋を選択することが好ましいと考えられる。
したがい、好ましくは、前記演算装置には、前記スポーツ用手保護具の種類として、サイズの異なるスポーツ用手袋の種類が、少なくとも手囲に関連付けて予め記憶されており、前記演算装置は、前記第2手順において、前記第1手順で演算した手囲に関連するスポーツ用手袋の種類を前記被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する。
上記の好ましい構成によれば、被験者の手の形状(手囲)に合っていることが客観的に判断された適切なスポーツ用手袋を選択可能である。
スポーツ用手保護具がスポーツ用手袋である場合において、被験者の指(特に中指)が長いときには、手囲の大小のみで手袋のサイズを選択したのでは、指先に当たりが生じる可能性がある。
このため、上記の好ましい構成において、更に好ましくは、前記演算装置は、前記第1手順において、前記3次元形状測定装置で測定した前記被験者の手の3次元形状に基づき、中指長を演算し、前記第2手順において、前記演算した中指長又は中指長/手囲が予め定めた所定値未満の場合には、前記演算した手囲に関連するスポーツ用手袋の種類を前記被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択し、前記演算した中指長又は中指長/手囲が前記予め定めた所定値以上の場合には、前記演算した手囲に関連するスポーツ用手袋の種類よりも1段階サイズの大きな種類を前記被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する。
上記の好ましい構成によれば、指先に当たりが生じるおそれを低減可能であり、より一層適切なスポーツ用手袋を選択可能である。
なお、上記の好ましい構成において、「中指長」とは、掌における中指の付け根にある皺から中指の先端までの直線距離を意味する。
本発明の適用対象であるスポーツ用手保護具が、野球用又はソフトボール用のグラブである場合、グラブのベルト部が被験者の手囲の大小に応じた内周長を有するグラブを選択することが好ましいと考えられる。
したがい、好ましくは、前記演算装置には、前記スポーツ用手保護具の種類として、野球用又はソフトボール用のグラブの種類が、少なくとも各種類のグラブのベルト部の内周長に関連付けて予め記憶されていると共に、手囲と適切なベルト部の内周長との第1関係が予め記憶されており、前記演算装置は、前記第2手順において、前記第1手順で演算した手囲と前記第1関係とに基づき、前記手囲に対して適切なベルト部の内周長を演算し、前記演算したベルト部の内周長に関連するグラブの種類を前記被験者に対して推奨するグラブの種類として選択する。
上記の好ましい構成によれば、被験者の手の形状(手囲)に合っていることが客観的に判断された適切なグラブを選択可能である。
なお、上記の好ましい構成において、「第1関係」としては、例えば、適切なベルト部の内周長が手囲に一定の値を加算したもので表される関係や、適切なベルト部の内周長が手囲の一次関数で表される関係等を例示できる。
好ましくは、前記演算装置は、前記第2手順において、前記第1手順で演算した手囲と前記第1関係とに基づき、前記手囲に対して適切なベルト部の内周長を演算し、前記演算したベルト部の内周長と前記予め記憶されたベルト部の内周長との差の絶対値が小さいものから順に、前記予め記憶されたグラブの種類に優先順位を示す第1ランクを付し、前記第2手順において、前記予め記憶されたグラブの種類のうち、前記第1ランクの値が最も小さいものから順に複数のグラブの種類を前記被験者に対して推奨するグラブの種類として優先順位を付けて選択する。
上記の好ましい構成によれば、被験者の手の手囲に合っている順に複数のグラブの種類が優先順位を付けて示されるため、被験者にとって、より適切なグラブの選択が可能になる。
なお、上記の好ましい構成において、「予め記憶されたベルト部の内周長」とは、必ずしもベルト部の内周長そのものが予め記憶されている場合に限らず、ベルト部の内周長を算出するためのパラメータ(それを用いてベルト部の内周長を算出可能なパラメータ)が予め記憶されている場合も含む。
本発明の適用対象であるスポーツ用手保護具が、野球用又はソフトボール用のグラブである場合、適切なグラブを選択するに際し、手の形状に関わる特徴量としては、前述の手囲の他に、指(特に中指)の断面積も重要であると考えられる。手囲の大小に応じてグラブの適切なベルト部の内周長が変わるし、中指の断面積の大小に応じてグラブの適切な中指部(中指を挿入する袋部分)の内断面積も変わるからである。なお、中指の断面積は、概ね中指幅によって決まると考えられる。また、中指以外、すなわち、親指、人差し指、薬指及び小指のそれぞれを挿入する親指部、人指し指部、薬指部及び小指部は、グラブの種類によってはその内断面積が大きく変わることがある(例えば、人差し指部が最初から潰れているグラブなど)のに対し、中指部の内断面積は、他の4つに比べグラブの種類に関わらず内断面積が変わることが少ない。このため、指の断面積の大小に応じた適切なグラブを選択する際の指標として、中指部の断面積を参照することが好ましい。
このため、好ましくは、前記演算装置には、前記スポーツ用手保護具の種類として、野球用又はソフトボール用のグラブの種類が、各種類のグラブのベルト部の内周長及びグラブの中指を挿入する中指部の内断面積に関連付けて予め記憶されていると共に、手囲と適切なベルト部の内周長との関係である第1関係と、中指幅と適切な中指部の内断面積との関係である第2関係とが予め記憶されており、前記演算装置は、前記第1手順において、前記3次元形状測定装置で測定した前記被験者の手の3次元形状に基づき、中指幅を演算し、前記第2手順において、前記第1手順で演算した手囲と前記第1関係とに基づき、前記手囲に対して適切なベルト部の内周長を演算し、前記演算したベルト部の内周長と前記予め記憶されたベルト部の内周長との差の絶対値が小さいものから順に、前記予め記憶されたグラブの種類に優先順位を示す第1ランクを付し、前記第2手順において、前記第1手順で演算した中指幅と前記第2関係とに基づき、前記中指幅に対して適切な中指部の内断面積を演算し、前記演算した中指部の内断面積と前記予め記憶された中指部の内断面積との差の絶対値が小さいものから順に、前記予め記憶されたグラブの種類に優先順位を示す第2ランクを付し、前記第2手順において、前記予め記憶されたグラブの種類のうち、前記第1ランク及び前記第2ランクの線形和で表わされる総合ランクの値が最も小さいものから順に複数のグラブの種類を前記被験者に対して推奨するグラブの種類として優先順位を付けて選択する。
上記の好ましい構成によれば、被験者に対して推奨するグラブの種類として、第1ランク及び第2ランクの線形和で表される総合ランクの値が最も小さいものから順に複数のグラブの種類が優先順位を付けて選択される。第1ランクは、演算したベルト部の内周長と予め記憶されたベルト部の内周長との差の絶対値が小さいものから順に(すなわち、被験者の手の手囲に合っている順に)付されたものであり、第2ランクは、演算した中指部の内断面積と予め記憶された中指部の内断面積との差の絶対値が小さいものから順に(すなわち、被験者の手の中指の断面積(中指幅)に合っている順に)付されたものであるため、第1ランク及び第2ランクの線形和で表される総合ランクの値が最も小さいものから被験者に対して推奨するグラブの種類が選択されれば、被験者の手の形状(手囲及び中指の断面積)に合っていることが客観的に判断された適切なグラブを選択可能である。
なお、上記の好ましい構成において、「中指幅」とは、中指の第2関節における親指側の側縁と小指側の側縁との間の距離を意味する。
また、上記の好ましい構成において、「第2関係」としては、例えば、適切な中指部の内断面積が中指幅に一定の値を加算した値の二乗で表される関係等を例示できる。
さらに、上記の好ましい構成において、「予め記憶された中指部の内断面積」とは、必ずしも中指部の内断面積そのものが予め記憶されている場合に限らず、中指部の内断面積を算出するためのパラメータ(それを用いて中指部の内断面積を算出可能なパラメータであり、中指部高さや中指部幅など)が予め記憶されている場合も含む。
前述の好ましい構成(第1ランクの値が最も小さいものから順に複数のグラブの種類を被験者に対して推奨するグラブの種類として優先順位を付けて選択する構成)において、被験者の手の形状に合うことのみで優先順位を付けるのではなく、被験者の所望するプレイスタイル(広い守備範囲を目指す、しっかり捕球する・掴むことを重視する等)を加味して優先順位を付ければ、被験者にとってより一層適切なグラブを選択可能であるといえる。
このため、好ましくは、前記演算装置には、前記グラブの種類が、プレイスタイルに対する各種類のグラブの適合性を示す評価指標と共に予め記憶されており、前記演算装置には、前記被験者の所望するプレイスタイルが入力され、前記演算装置は、前記第2手順において、前記第1ランクの値に応じて選択した複数のグラブの種類の優先順位を、前記入力されたプレイスタイルに対応する前記評価指標の値に基づき付け替える。
上記の好ましい構成によれば、被験者の手の形状(手囲)に合うことに加えて、被験者の所望するプレイスタイルに合うグラブの種類が優先順位を付けて選択されるため、被験者にとってより一層適切なグラブを選択可能である。
また、前述の好ましい構成(総合ランクの値が最も小さいものから順に複数のグラブの種類を被験者に対して推奨するグラブの種類として優先順位を付けて選択する構成)においても、被験者の手の形状に合うことのみで優先順位を付けるのではなく、被験者の所望するプレイスタイルを加味して優先順位を付ければ、被験者にとってより一層適切なグラブを選択可能であるといえる。
このため、好ましくは、前記演算装置には、前記グラブの種類が、プレイスタイルに対する各種類のグラブの適合性を示す評価指標と共に予め記憶されており、前記演算装置には、前記被験者の所望するプレイスタイルが入力され、前記演算装置は、前記第2手順において、前記総合ランクの値に応じて選択した複数のグラブの種類の優先順位を、前記入力されたプレイスタイルに対応する前記評価指標の値に基づき付け替える。
上記の好ましい構成によれば、被験者の手の形状(手囲及び中指の断面積)に合うことに加えて、被験者の所望するプレイスタイルに合うグラブの種類が優先順位を付けて選択されるため、被験者にとってより一層適切なグラブを選択可能である。
本発明の適用対象であるスポーツ用手保護具が、野球用又はソフトボール用のグラブである場合、適切なグラブを選択するに際し、手の形状に関わる特徴量としては、前述の手囲及び中指の断面積(中指幅)の他、薬指と小指との成す角度も重要であると考えられる。
一般に、グラブは、各指を挿入する指部の位置が指定されているが、中指を基準にして位置が指定されているものが多い。このため、中指の近くにある人差し指や薬指に比べて、また関節可動角度の自由度が比較的高い親指に比べて、小指は局所的な指当たりが生じることがある。特に、小指の付け根付近の薬指側の側面において、グラブの指部(指を挿入する袋部分)との指当たりが生じることが多い。
本発明者が調査した結果によれば、野球やソフトボールに熟練した人とそうでない人との間には、薬指と小指との成す角度に大きな差があることが分かった。これは、野球やソフトボールに必要な捕球動作が、親指の先端を他の4本の指の先端に触れさせる各指の対立運動であり、熟練した人の手は、この運動を促すための親指及び小指のCM関節並びに各指の外転運動が訓練されたものであると考えられる。そして、実際に、薬指と小指との成す角度が小さい人がグラブに手を入れた際に、小指の付け根付近に指当たりを感じるケースが多くみられることが分かった。このため、前述のように、適切なグラブを選択するに際し、手の形状に関わる特徴量として、薬指と小指との成す角度も重要である。
また、本発明者が調査した結果によれば、グラブに手を入れたときには、標準的な手の大きさの人の場合、人差し指〜薬指の第2関節が、グラブの指部(指を挿入する袋部分)の入口に位置する。被験者によって手の大きさは様々であるが、上記のグラブの指部の入口の位置は変わらないため、手の大きな被験者(手囲の大きな被験者)の場合、グラブ内における薬指と小指の付け根の位置が下がる(指部の入口から離れる)ため、薬指と小指との成す角度が小さくても指当たりが生じにくい。
以上のように、手囲が小さく、なお且つ、薬指と小指との成す角度が小さければ、小指の局所的な指当たりが問題となる。
このため、好ましくは、前記演算装置に予め記憶されているグラブの種類には、小指2本入れ用グラブの種類が含まれており、前記演算装置は、前記第1手順において、前記3次元形状測定装置で測定した前記被験者の手の3次元形状に基づき、薬指と小指との成す角度を演算し、前記第2手順において、前記演算した角度が予め定めた所定値未満であり、且つ、前記演算した手囲が予め定めた所定値以下である場合には、前記予め記憶されたグラブの種類のうち、小指2本入れ用グラブの種類の中から、前記被験者に対して推奨するグラブの種類を選択する。
上記の好ましい構成によれば、薬指と小指との成す角度が予め定めた所定値未満であり、なお且つ、手囲が予め定めた所定値以下である場合には、小指2本入れ用グラブの種類の中から被験者に対して推奨するグラブの種類が選択されることになる。このため、小指の指当たりが生じ易い被験者であっても、小指2本入れ用グラブが必ず選択されることで、指当たりを回避可能である。
なお、上記の好ましい構成において、「小指2本入れ用グラブ」とは、グラブの小指部(小指を挿入する袋部分)がその中に小指及び薬指の2本を入れることが可能なように設計された内断面積を有するグラブを意味する。「小指2本入れ用グラブ」には、グラブの人差し指部(人差し指を挿入する袋部分)が潰れており、小指及び薬指の2本を必ず小指部に入れなければならない小指2本入れ専用グラブと、人差し指部は潰れていないものの、小指部が広めに作られており、小指及び薬指の2本を小指部に入れることを推奨する小指2本入れ推奨グラブとが存在する。
なお、前記課題を解決するため、本発明は、被験者の手の3次元形状を測定する3次元形状測定装置と、前記3次元形状測定装置で測定した手の3次元形状に基づき、手囲及び薬指と小指との成す角度を演算し、該演算した手囲及び薬指と小指との成す角度に基づき、前記被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類を選択する演算装置とを備え、前記演算装置には、前記スポーツ用手保護具の種類として、小指2本入れ用グラブを含む野球用又はソフトボール用のグラブの種類が予め記憶されており、前記演算装置は、前記3次元形状測定装置で測定した前記被験者の手の3次元形状に基づき、前記被験者の手囲測定箇所に沿った手の水平方向寸法及び厚み方向寸法を算出し、該各寸法を用いた近似式で表され、前記被験者の手囲測定箇所に沿った手の断面形状に近似する近似曲線の周囲長を手囲として演算すると共に、薬指と小指との成す角度を演算する第1手順と、前記演算した角度が予め定めた所定値未満であり、且つ、前記演算した手囲が予め定めた所定値以下である場合には、前記予め記憶されたグラブの種類のうち、小指2本入れ用グラブの種類を前記被験者に対して推奨するグラブの種類として選択する第2手順と、を実行することを特徴とするスポーツ用手保護具選択支援システムとしても提供される。
また、前記課題を解決するため、本発明は、少なくとも手囲に関連付けてスポーツ用手保護具の種類を予め演算装置に記憶させる準備工程と、3次元形状測定装置が、被験者の手の3次元形状を測定する3次元形状測定工程と、前記演算装置が、前記3次元形状測定工程で測定した手の3次元形状に基づき、少なくとも手囲を演算し、該演算した手囲に基づき、前記被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類を選択する選択工程とを含み、前記選択工程は、前記演算装置が、前記3次元形状測定工程で測定した前記被験者の手の3次元形状に基づき、前記被験者の手囲測定箇所に沿った手の水平方向寸法及び厚み方向寸法を算出し、該各寸法を用いた近似式で表され、前記被験者の手囲測定箇所に沿った手の断面形状に近似する近似曲線の周囲長を手囲として演算する第1手順と、前記演算装置が、前記予め記憶されたスポーツ用手保護具の種類のうち、前記第1手順で演算した手囲に関連するスポーツ用手保護具の種類を前記被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類として選択する第2手順と、を実行することを特徴とするスポーツ用手保護具選択支援方法としても提供される。
本発明によれば、スポーツ用手保護具を選択する際に、スポーツ用手保護具が選択者の手の形状に合っているか否かを客観的に判断可能であり、選択者の手の形状に合った適切なスポーツ用手保護具を選択可能である。
本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る選択支援システムの概略構成を示す図である。 第1実施形態に係る選択支援システムの演算装置が実行する手順の概要を示すフロー図である。 図2に示す手囲演算の具体的手順の概要を示すフロー図である。 手囲測定箇所に対応する線分の抽出手順を説明する説明図である。 手囲測定箇所に沿った手の断面形状に近似する近似曲線の例を示す図である。 図2に示す中指長演算の手順を説明する説明図である。 図2に示すスポーツ用手袋の種類選択の具体的手順の概要を示すフロー図である。 第2実施形態に係る選択支援システムの演算装置が実行する手順の概要を示すフロー図である。 図8に示す中指幅・薬指小指角度演算の手順を説明する説明図である。 グラブのベルト部の内周長及び中指部の内断面積を説明する説明図である。 第2実施形態に係る選択支援システムの演算装置が具備するモニタに表示される選択結果の例を示す。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態に係るスポーツ用手保護具選択支援システム(以下、適宜「選択支援システム」と略称する)について、スポーツ用手保護具が野球やソフトボールのバッティング用手袋である場合(第1実施形態)と、スポーツ用手保護具が野球用又はソフトボール用のグラブである場合(第2実施形態)とを例に挙げて説明する。
最初に、第1実施形態及び第2実施形態に共通する選択支援システムの基本的な構成について説明する。
<基本的構成>
図1は、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る選択支援システムの概略構成を示す図である。図1(a)は概略構成を示す図であり、図1(b)は3次元形状測定手段で測定した3次元形状の例を示す図であり、図1(c)は撮像手段で撮像した2次元画像の例を示す図である。
図1に示すように、選択支援システム100は、被験者の手の3次元形状を測定する3次元形状測定装置1と、3次元形状測定装置1で測定した手の3次元形状に基づき、少なくとも手囲を演算し、演算した手囲に基づき、被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類を選択する演算装置2とを備えている。
第1実施形態及び第2実施形態の3次元形状測定装置1は、被験者の手の甲側から手の3次元形状を測定する3次元形状測定手段11と、被験者の手の掌側から手の2次元画像を撮像する撮像手段12とを具備する。
3次元形状測定手段11としては、例えば、光切断法や両眼立体視などの三角測量を測定原理とする手段や、測定対象への光の送受信の時間差を利用する手段などを用いることが可能である。第1実施形態及び第2実施形態の3次元形状測定手段11としては、照射光として赤外線を用いた三角測量を測定原理とするインテル社製「Realsense developer kit (VF0800)」を用いている。
撮像手段12としては、例えば、フラッドベッドスキャナを用いることが可能である。第1実施形態及び第2実施形態の撮像手段12としては、キャノン社製「Canoscan」を用いている。
第1実施形態及び第2実施形態の演算装置2は、パーソナルコンピュータにインストールされた後述の各手順を実行するプログラムによって構成されている。
演算装置2には、少なくとも手囲に関連付けられたスポーツ用手保護具の種類が予め記憶されている。また、演算装置2には、3次元形状測定装置1で測定した被験者の手の3次元形状(3次元形状測定手段11で測定した手の甲側の3次元形状及び撮像手段12で撮像した手の掌側の2次元画像)が取り込まれ、記憶される。演算装置2は、3次元形状測定装置1で測定した被験者の手の3次元形状に基づき、被験者の手囲測定箇所に沿った手の水平方向寸法W及び厚み方向寸法Tを算出し、該各寸法W、Tを用いた近似式で表され、被験者の手囲測定箇所に沿った手の断面形状に近似する近似曲線の周囲長を手囲として演算する第1手順と、予め記憶されたスポーツ用手保護具の種類のうち、第1手順で演算した手囲に関連するスポーツ用手保護具の種類を被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類として選択する第2手順と、を実行する。
演算装置2が実行する各手順の内容については、後述の第1実施形態及び第2実施形態において、より具体的に説明する。以下、第1実施形態及び第2実施形態について、順に説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態は、前述のように、スポーツ用手保護具が野球やソフトボールのバッティング用手袋である場合の実施形態である。第1実施形態に係る選択支援システム100の演算装置2には、スポーツ用手保護具の種類として、サイズの異なるスポーツ用手袋の種類が、少なくとも手囲に関連付けて予め記憶されている。
図2は、第1実施形態に係る選択支援システム100の演算装置2が実行する手順の概要を示すフロー図である。
図2に示すように、本実施形態の演算装置2は、手囲を演算する(図2のS1)と共に、3次元形状測定装置1で測定した被験者の手の3次元形状に基づき中指長を演算する(図2のS2)。
次いで、演算装置2は、演算した中指長/手囲が予め定めた所定値未満の場合(図2のS3でYesの場合)には、演算した手囲に関連するスポーツ用手袋の種類を被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する(図2のS4)。一方、演算した中指長/手囲が予め定めた所定値以上の場合(図2のS3でNoの場合)には、演算した手囲に関連するスポーツ用手袋の種類よりも1段階サイズの大きな種類を被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する(図2のS5)。ただし、本実施形態では、演算した手囲の値によっては、中指長/手囲の値に関わらず、演算した手囲に関連するスポーツ用手袋の種類を被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する場合がある(図2のS2及びS3を介さずにS1からS4に直接到達するフロー)。
最後に、演算装置2は、選択した結果を出力する(図2のS6)。推奨するスポーツ用手袋の種類としては、単に文字で記載したサイズや品番の他、スポーツ用手袋の写真等を出力してもよい。出力形式としては、演算装置2が具備するモニタに表示する他、演算装置2が具備するプリンターで紙面に印刷すること等を例示できる。
以下、図2を参照して説明した各手順について、図3〜図7を適宜参照しつつ、より具体的に説明する。
(手囲演算について)
まず、図2に示す手囲演算(図2のS1)について具体的に説明する。
図3は、図2に示す手囲演算の具体的手順の概要を示すフロー図である。
図3に示すように、演算装置2は、撮像手段12で撮像した2次元画像に画像処理を施すことで、2次元画像中の手囲測定箇所に対応する線分ABを抽出する(図3のS11)。以下、図4を参照しつつ、本実施形態での線分ABの抽出手順について、具体的に説明する。
図4は、手囲測定箇所に対応する線分ABの抽出手順を説明する説明図である。
図4に示すように、演算装置2は、撮像した2次元画像に2値化やエッジ検出フィルタ等の画像処理を施すことで、手の掌のエッジを検出する。そして、2次元画像に同様の画像処理を施すことで生命線の親指側の端点を検出できた場合には、掌のエッジを構成する点群の中から、検出した生命線の親指側の端点に最も近い点Aを特定する。生命線の親指側の端点を検出できなかった場合には、掌のエッジを構成する点群の位置関係等から生命線の親指側の端点の位置を予測し、この予測した端点に最も近い点Aを特定する。
また、演算装置2は、掌の付け根付近の所定範囲内にある掌のエッジを構成する点群の中から、親指側エッジを構成する点と小指側エッジを構成する点との距離が最短となる一対の点(小指側の点は点B2)を検出し、それらの中点B4を特定する。
また、演算装置2は、掌のエッジにグラハムスキャン等の画像処理を施すことで5つの凸包を検出し、各凸包の重心に最も近い点を5本の指の先端として特定する。そして、隣接する指の先端間に存在する掌のエッジを構成する点群の中から、隣接する指の先端同士を結ぶ線分から最も距離が遠い点を指の付け根(股)の点とする。図4に示す点B3は、上記のようにして特定された小指の付け根(薬指側の付け根)である。また、演算装置2は、小指のエッジを構成する点群に基づき、小指の方向ベクトルV1を特定し、点B3を通るベクトルV1に垂直な直線と、小指側エッジとの交点B1を特定する。
次いで、演算装置2は、点B2と点B4とを通る直線に対する点B1を通る垂線を考え、この垂線を2:1に内分する点を通る直線B2B4に平行な直線と、小指側エッジとの交点Bを特定する。
以上のようにして線分ABが抽出される。以上のようにして抽出した線分ABは、一般的に手囲を測定する箇所に対応する線分であるといえる。
なお、上記の手順は、演算装置2が撮像した2次元画像に基づき自動的に線分ABを抽出する手順の一例に過ぎず、他の手順で線分ABを抽出することも可能である。また、自動的に抽出した線分ABと、一般的に手囲を測定する箇所と考えられる線分との間に誤差が生じている場合には、抽出した線分ABを演算装置2が具備するモニタに掌のエッジと共に表示し、操作者が手動で点A、点Bの位置を調整可能にすることが好ましい。さらに、撮像手段2で手の2次元画像を撮像する際、手の点A、点Bの位置にマーカーを実際に取り付けて撮像し、演算装置2がこのマーカーを検出することで、点A、点Bを特定することも可能である。
以上のようにして、演算装置2は、2次元画像中の手囲測定箇所に対応する線分ABを抽出し(図3のS11)、抽出した線分ABの長さWを水平方向寸法とする(図3のS12)。また、演算装置2は、3次元形状測定手段11で測定した3次元形状に基づき、線分ABに沿った手の厚みの代表値(本実施形態では最大厚みT)を抽出し、抽出した手の厚みの代表値Tを厚み方向寸法とする(図3のS12)。具体的には、演算装置2は、3次元形状測定手段11で測定した3次元形状の水平座標(図1(b)に示すXY座標)の座標軸と、撮像手段12で撮像した2次元画像の水平座標(図1(c)に示すXY座標)の座標軸とを合致させ、3次元形状の2次元座標における線分ABに沿った鉛直座標(図1(b)に示すZ座標)を抽出し、その最大値を最大厚みTとする。
最後に、演算装置2は、各寸法W、Tを用いた近似式で表され、被験者の手囲測定箇所に沿った手の断面形状に近似する近似曲線の周囲長を手囲として演算する(図3のS13)。
図5は、手囲測定箇所に沿った手の断面形状に近似する近似曲線の例を示す図である。図5(a)〜(c)の何れの近似曲線も、親指側(図5の左側)に位置する円弧状の曲線である第1線L1と、小指側(図5の右側)に位置する円弧状の曲線である第2線L2と、第1線L1の手の甲側(図5の上側)の端点及び第2線L2の手の甲側の端点を結ぶ直線又は曲線である第3線L3と、第1線L1の手の掌側(図5の下側)の端点及び第2線L2の手の掌側の端点を結ぶ直線又は曲線である第4線L4とによって構成される。
図5(a)に示す近似曲線は、第1線L1が半径R1の四半円弧と半径R2の四半円弧とから構成され、第2線L2が半径R1の半円弧で構成されている。第3線L3及び第4線L4は共に直線である。R1=a・T、R2=(1−a)・T(aは、0<a<1の任意の係数)で表わされるため、第1線L1の手の厚み方向の寸法(R1+R2)はTである。また、第1線L1の親指側の端点と第2線L2の小指側の端点との距離はWである。この近似曲線の周囲長Laは、図5(a)中の式で表わされるため、巻尺等で実際に測定した手囲との誤差が小さくなるように係数aを予め決定しておけば、前述のようにして算出した各寸法W、Tを用いることで、周囲長Laを手囲として演算可能である。
図5(b)に示す近似曲線は、第1線L1が半径R3の半円弧で構成され、第2線L2が半径R4の半円弧で構成されている。R4=b・R3(bは、0<b<1の任意の係数)で表わされる。第3線L3及び第4線L4は共に直線である。R3=T/2であるため、第1線L1の手の厚み方向の寸法はTである。また、第1線L1の親指側の端点と第2線L2の小指側の端点との距離はWである。この近似曲線の周囲長Lbは、図5(b)中の式で表わされるため、巻尺等で実際に測定した手囲との誤差が小さくなるように係数bを予め決定しておけば、前述のようにして算出した各寸法W、Tを用いることで、周囲長Lbを手囲として演算可能である。
図5(c)に示す近似曲線は、第1線L1が半径R5の半円弧で構成され、第2線L2が半径R6の半円弧で構成されている。R6=c・R5(cは、0<c<1の任意の係数)で表わされる。第3線L3は中心角2αの円弧である。第4線L4は直線である。R5=T/2であるため、第1線L1の手の厚み方向の寸法はTである。また、第1線L1の親指側の端点と第2線L2の小指側の端点との距離はWである。この近似曲線の周囲長Lcは、図5(c)中の式で表わされるため、巻尺等で実際に測定した手囲との誤差が小さくなるように係数c、中心角2αを予め決定しておけば、前述のようにして算出した各寸法W、Tを用いることで、周囲長Lcを手囲として演算可能である。
図5を参照して説明した上記の近似曲線はあくまでも例示にすぎず、他の近似曲線を用いて手囲を演算することも可能である。ただし、本発明者の知見によれば、上記の近似曲線のように、親指側及び小指側の双方を円弧状の曲線である第1線L1、第2線L2で近似することにより、精度良く手囲を近似可能である点で好ましい。なお、「円弧状の曲線」には、図5に示した第1線L1および第2線L2のように円弧(円周の一部)からなる曲線だけでなく、例えば、楕円の円周の一部からなる曲線など、円弧の形状に近い形状の曲線も含まれる。
(中指長演算について)
次に、図2に示す中指長演算(図2のS2)について具体的に説明する。
図6は、図2に示す中指長演算の手順を説明する説明図である。
前述のように、演算装置2は、撮像手段12で撮像した2次元画像から掌のエッジを検出し、検出した掌のエッジにグラハムスキャン等の画像処理を施すことで5つの凸包を検出し、各凸包の重心に最も近い点を5本の指の先端として特定する。図6に示す点Cは、上記のようにして特定された中指の先端である。
また、前述のように、演算装置2は、隣接する指の先端間に存在する掌のエッジを構成する点群の中から、隣接する指の先端同士を結ぶ線分から最も距離が遠い点を指の付け根(股)の点とする。図6に示す点D1は、上記のようにして特定された中指の付け根(人差し指側の付け根)であり、点D2は、上記のようにして特定された中指の付け根(薬指側の付け根)である。
演算装置2は、点D1と点D2との中点Dを特定し、線分CDの長さを中指長とする。
(スポーツ用手袋の種類選択について)
最後に、図2に示すスポーツ用手袋の種類選択(図2のS3〜S5)について具体的に説明する。
図7は、図2に示すスポーツ用手袋の種類選択の具体的手順の概要を示すフロー図である。図7に示すl1〜l7は、l1<l2<l3<l4<l5<l6<l7を満足する所定の定数である。また、図7に示すC1〜C4は所定の定数である。
図7に示すように、l2≦手囲<l3の場合、この手囲に関連する(手囲の大小のみで判断すれば適切な)スポーツ用手袋の種類はSサイズである。したがい、演算装置2は、中指長/手囲<C1の場合には、この手囲に関連するSサイズを被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する。しかしながら、演算装置2は、中指長/手囲≧C1の場合には、Sサイズよりも1段階サイズの大きなMサイズを被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する。l3≦手囲<l4の場合も同様である(ただし、中指長/手囲の判定基準がC2である点で異なる)。
また、図7に示すように、l5≦手囲<l6の場合、この手囲に関連する(手囲の大小のみで判断すれば適切な)スポーツ用手袋の種類はMサイズである。したがい、演算装置2は、中指長/手囲<C3の場合には、この手囲に関連するMサイズを被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する。しかしながら、演算装置2は、中指長/手囲≧C3の場合には、Mサイズよりも1段階サイズの大きなLサイズを被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する。l6≦手囲<l7の場合も同様である(ただし、中指長/手囲の判定基準がC4である点で異なる)。
一方、図7に示すように、演算装置2は、l1≦手囲<l2の場合、中指長/手囲の値に関わらず、この手囲に関連する(手囲の大小のみで判断すれば適切な)スポーツ用手袋の種類であるSサイズを被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する。同様に、演算装置2は、l4≦手囲<l5の場合、中指長/手囲の値に関わらず、この手囲に関連する(手囲の大小のみで判断すれば適切な)スポーツ用手袋の種類であるMサイズを被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択し、l7≦手囲の場合、中指長/手囲の値に関わらず、この手囲に関連する(手囲の大小のみで判断すれば適切な)スポーツ用手袋の種類であるLサイズを被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する。
図7に示す例では、スポーツ用手袋の種類として、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズの3種類だけを図示しているが、JSサイズ、JMサイズ、JLサイズなど他のサイズを含んでもよい。
また、図7に示す例では、中指長/手囲の値に応じて、選択するスポーツ用手袋の種類を変更する場合(l2≦手囲<l3、l3≦手囲<l4、l5≦手囲<l6、l6≦手囲<l7の場合)が含まれており、指先に当たりが生じるおそれを低減可能である点で好ましい。しかしながら、全ての手囲について、中指長/手囲の値に関わらずに、手囲に関連するスポーツ用手袋の種類を選択する構成にすることも可能である。
さらに、図7に示す例では、選択するスポーツ用手袋の種類を変更するか否かの基準として中指長/手囲を用いているが、本発明はこれに限るものではなく、中指長のみを基準として用いることも可能である。すなわち、演算装置2は、演算した中指長が予め定めた所定値未満の場合には、演算した手囲に関連するスポーツ用手袋の種類を被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択し、演算した中指長が予め定めた所定値以上の場合には、演算した手囲に関連するスポーツ用手袋の種類よりも1段階サイズの大きな種類を被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する構成であってもよい。
以上に説明した第1実施形態に係る選択支援システム100によれば、被験者の手の形状(手囲)に合っていることが客観的に判断された適切なスポーツ用手袋を選択可能である。
<第2実施形態>
第2実施形態は、前述のように、スポーツ用手保護具が野球用又はソフトボール用のグラブである場合の実施形態である。第2実施形態に係る選択支援システム100の演算装置2には、スポーツ用手保護具の種類として、野球用又はソフトボール用のグラブの種類が、各種類のグラブのベルト部の内周長(図10(a)参照)及びグラブの中指を挿入する中指部の内断面積(図10(b)参照)に関連付けて予め記憶されていると共に、手囲と適切なベルト部の内周長との関係である第1関係と、中指幅と適切な中指部の内断面積との関係である第2関係とが予め記憶されている。また、本実施形態の演算装置2では、好ましい構成として、グラブの種類が、プレイスタイルに対する各種類のグラブの適合性を示す評価指標と共に予め記憶されている。本実施形態の演算装置2に予め記憶されているグラブの種類には、小指2本入れ用グラブの種類が含まれている。
図8は、第2実施形態に係る選択支援システム100の演算装置2が実行する手順の概要を示すフロー図である。
図8に示すように、本実施形態の演算装置2も、第1実施形態と同様に、手囲を演算する(図8のS7)。手囲演算の具体的な手順については、図3〜図5を参照して前述したものと同じであるため、ここではその詳細な説明は省略する。
また、本実施形態の演算装置2は、3次元形状測定装置1で測定した被験者の手の3次元形状(具体的には、撮像手段12で撮像した手の2次元画像)に基づき、中指幅を演算すると共に、薬指と小指との成す角度(以下、適宜「薬指小指角度」と略称する)を演算する(図2のS8)。
図9は、図8に示す中指幅・薬指小指角度演算の手順を説明する説明図である。
図9に示すように、演算装置2は、中指のエッジを構成する点群に基づき、中指の方向ベクトルV2を特定する。また、演算装置2は、撮像手段12によって撮像した2次元画像に2値化やエッジ検出フィルタ等の画像処理を施すことで中指の第2関節における皺を検出できた場合には、検出した皺の重心を点Eとする。中指の第2関節における皺を検出できなかった場合には、掌のエッジを構成する点群の位置関係等から点Eを特定する。そして、演算装置2は、点Eを通るベクトルV2に垂直な直線と中指のエッジとの交点F、Gを特定し、線分FGの長さを中指幅とする。
また、小指のエッジを構成する点群に基づき、小指の方向ベクトルV1を特定すると共に、薬指のエッジを構成する点群に基づき、薬指の方向ベクトルV3を特定し、両ベクトルV1、V3の成す角度を薬指小指角度とする。
次いで、図8に示すように、演算装置2は、演算した薬指小指角度が予め定めた所定値未満であり、且つ、演算した手囲が予め定めた所定値以下である場合(図8のS9でYesの場合)には、予め記憶されたグラブの種類のうち、小指2本入れ用グラブの種類の中から、被験者に対して推奨するグラブの種類を選択する(図8のS10)。すなわち、後述の総合ランクの値が最も小さいものから順に複数のグラブの種類を選択する(図8のS25)際に、記憶された全てのグラブの種類の中から総合ランクの値が小さいものを選択するのではなく、小指2本入れ用グラブの種類の中から総合ランクの値が小さいものを選択する。
一方、演算した薬指小指角度が予め定めた所定値以上であるか、或いは、演算した手囲が予め定めた所定値より大きい場合(図8のS9でNoの場合)には、記憶された全てのグラブの種類の中から総合ランクの値が小さいものを選択することになる。
次いで、演算装置2は、演算した手囲(図8のS7)と第1関係とに基づき、演算した手囲に対して適切なベルト部の内周長(図10(a)参照)を演算し(図8のS21)、演算したベルト部の内周長と予め記憶されたベルト部の内周長との差の絶対値が小さいものから順に、予め記憶されたグラブの種類に優先順位を示す第1ランクRPを付す(図8のS22)。すなわち、ベルト部の内周長の差の絶対値が最も小さいグラブの種類のRP=1であり、次にベルト部の内周長の差の絶対値が小さいグラブの種類のRP=2の如くである。
第1関係としては、「適切なベルト部の内周長=手囲+a1(a1:所定の定数)」で表される関係を例示できる。a1は、例えば、0〜80mmの範囲の任意の値である。その他、第1関係としては、「適切なベルト部の内周長=a2・手囲+a3(a2、a3:所定の定数)」で表される関係等を例示できる。
また、演算装置2は、演算した中指幅(図8のS8)と第2関係とに基づき、演算した中指幅に対して適切な中指部の内断面積(図10(b)参照)を演算し(図8のS23)、演算した中指部の内断面積と予め記憶された中指部の内断面積との差の絶対値が小さいものから順に、予め記憶されたグラブの種類に優先順位を示す第2ランクRFを付す(図8のS24)。すなわち、中指部の内断面積の差の絶対値が最も小さいグラブの種類のRF=1であり、次に中指部の内断面積の差の絶対値が小さいグラブの種類のRF=2の如くである。
第2関係としては、「適切な中指部の内断面積=(中指幅+a4)(a4:所定の定数)」で表される関係等を例示できる。a4は、例えば、1〜10mmの範囲の任意の値である。
次いで、演算装置2は、第1ランク及び第2ランクの線形和で表わされる総合ランクRGを算出する。すなわち、RG=a5・RP+a6・RF(a5、a6:所定の定数)で表わされる総合ランクを算出し、総合ランクRGの値が最も小さいものから順に複数(例えば、3つ)のグラブの種類を被験者に対して推奨するグラブの種類として優先順位を付けて選択する(図8のS25)。
次いで、演算装置2は、上記の選択結果を出力する(図8のS26)。推奨するグラブの種類としては、単に文字で品番の他、グラブの写真等を出力してもよい。出力形式としては、演算装置2が具備するモニタに表示する他、演算装置2が具備するプリンターで紙面に印刷すること等を例示できる。
図11は、演算装置2が具備するモニタに表示される選択結果の例を示す。図11に示す例では、グラブの品番及び写真が推奨の優先順位を付けて表示されている。また、図11に示す例では、モニタに表示される画面に、後述するプレイスタイル入力用のボタンが設けられている。
次いで、演算装置2には、図11に示す入力用のボタン等を介して、被験者の所望するプレイスタイルが入力されると(図8のS27)、総合ランクの値に応じて選択した複数のグラブの種類の優先順位を、入力されたプレイスタイルに対応する評価指標の値に基づき付け替える(図8のS28)。例えば、入力されたプレイスタイルに対応するグラブの種類の評価指標の値が大きければ大きいほど、そのプレイスタイルに対するそのグラブの種類の適合性が高いものとする。そして、例えば、総合ランクの値に応じて選択された複数のグラブの種類のうち最も優先順位の低いグラブの種類であっても、入力されたプレイスタイルに対応する評価指標が、選択された複数のグラブの種類の中で最も大きければ、最も高い優先順位に付け替えられることになる。
最後に、演算装置2は、上記の優先順位を付け替えた後の選択結果を出力する(図8のS29)。
以上に説明した第2実施形態に係る選択支援システム100によれば、被験者の手の形状(手囲及び中指の断面積)に合っていることが客観的に判断された適切なグラブを選択可能である。また、総合ランクRGの値が最も小さいものから順に複数のグラブの種類が優先順位を付けて選択されるので、被験者としては選択の自由度が広がる点で好ましい。また、被験者の手の形状(手囲及び中指の断面積)に合うことに加えて、被験者の所望するプレイスタイルに合うグラブの種類が優先順位を付けて選択されるため、被験者にとってより一層適切なグラブを選択可能である。さらに、薬指小指角度が予め定めた所定値未満であり、なお且つ、手囲が予め定めた所定値以下である場合には、小指2本入れ用グラブの種類の中から被験者に対して推奨するグラブの種類が選択されることになるため、小指の指当たりが生じ易い被験者であっても、小指2本入れ用グラブが必ず選択されることで、指当たりを回避可能である。
なお、以上に説明した第2実施形態に係る選択支援システム100では、総合ランクRGの値に基づきグラブの種類を選択しているが、本発明はこれに限るものではなく、第1ランクRPの値のみに基づきグラブの種類を選択することも可能である。また、プレイスタイルに応じた優先順位の付け替えも必ずしも行う必要はない。仮にプレイスタイルに応じた優先順位の付け替えを行わないのであれば、総合ランクRGの値に基づく場合又は第1ランクRPの値のみに基づく場合の何れであっても、必ずしも複数のグラブの種類を選択する必要はなく、最もランクの値の小さい単一のグラブの種類を選択することも可能である。
また、以上に説明した第2実施形態に係る選択支援システム100では、薬指小指角度が予め定めた所定値未満であり、なお且つ、手囲が予め定めた所定値以下である場合には、小指2本入れ用グラブの種類の中から被験者に対して推奨するグラブの種類が選択されるものの、最終的には、小指2本入れ用グラブの種類のうち、総合ランクRGの値が小さいものを選択することになる。しかしながら、本発明はこれに限るものではなく、第1ランクRPの値や総合ランクRGの値に関わらず(第1ランクRPや総合ランクRGを評価することなく)、薬指小指角度が予め定めた所定値未満であり、なお且つ、手囲が予め定めた所定値以下である場合には、小指2本入れ用グラブの種類を全て被験者に推奨するグラブの種類として選択することも可能である。
以上、第1実施形態及び第2実施形態について説明を分けて記載したが、第1実施形態に係る選択支援システム100と第2実施形態に係る選択支援システム100とは、前述のように基本的構成が共通する。このため、第1実施形態に係る選択支援システム100と第2実施形態に係る選択支援システム100とを別体に設けるのではなく、切り替え可能な構成にすることも可能である。すなわち、第1実施形態の手順を実行するプログラム及び第2実施形態の手順を実行するプログラムの双方を演算装置2にインストールしておき、対象とするスポーツ用手保護具がバッティング用手袋であるかグラブであるかに応じて、使用するプログラムを切り替えるように構成することも可能である。
なお、選択支援システム100に用いられる3次元形状測定装置1及び演算装置2を利用して、被験者に対して自身の手の手囲、手幅、指の長さ、指の幅といった手の特徴量の客観的な大きさを示すサービスを提供することも可能である。具体的には、まず、3次元形状測定装置1を利用して複数人の手の特徴量を測定し、その測定結果を演算装置2に母集団の情報として予め記憶しておく。次に、被験者の手の特徴量を3次元形状測定装置1で測定し、被験者の手の特徴量の母集団の中における相対的な位置を平均値、標準偏差など用いて演算装置2により演算する。最後に、演算結果を例えば「大きい」、「小さい」、「平均的」といった定性的な表現で出力し、被験者に示すことによって上記サービスを提供することが可能である。
1・・・3次元形状測定装置
2・・・演算装置
11・・・3次元形状測定手段
12・・・撮像手段
100・・・スポーツ用手保護具選択支援システム

Claims (13)

  1. 被験者の手の3次元形状を測定する3次元形状測定装置と、
    前記3次元形状測定装置で測定した手の3次元形状に基づき、少なくとも手囲を演算し、該演算した手囲に基づき、前記被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類を選択する演算装置とを備え、
    前記演算装置には、少なくとも手囲に関連付けられたスポーツ用手保護具の種類が予め記憶されており、
    前記演算装置は、
    前記3次元形状測定装置で測定した前記被験者の手の3次元形状に基づき、前記被験者の手囲測定箇所に沿った手の水平方向寸法及び厚み方向寸法を算出し、該各寸法を用いた近似式で表され、前記被験者の手囲測定箇所に沿った手の断面形状に近似する近似曲線の周囲長を手囲として演算する第1手順と、
    前記予め記憶されたスポーツ用手保護具の種類のうち、前記第1手順で演算した手囲に関連するスポーツ用手保護具の種類を前記被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類として選択する第2手順と、
    を実行することを特徴とするスポーツ用手保護具選択支援システム。
  2. 前記3次元形状測定装置は、前記被験者の手の甲側から手の3次元形状を測定する3次元形状測定手段と、前記被験者の手の掌側から手の2次元画像を撮像する撮像手段とを具備し、
    前記演算装置は、前記第1手順において、前記撮像手段で撮像した2次元画像に画像処理を施すことで、前記2次元画像中の前記手囲測定箇所に対応する線分を抽出し、該抽出した線分の長さを前記水平方向寸法とする手順と、前記3次元形状測定手段で測定した3次元形状に基づき、前記線分に沿った手の厚みの代表値を抽出し、該抽出した手の厚みの代表値を前記厚み方向寸法とする手順とを実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスポーツ用手保護具選択支援システム。
  3. 前記演算装置は、前記第1手順において、親指側に位置する円弧状の曲線である第1線と、小指側に位置する円弧状の曲線である第2線と、前記第1線の手の甲側の端点及び前記第2線の手の甲側の端点を結ぶ直線又は曲線である第3線と、前記第1線の手の掌側の端点及び前記第2線の手の掌側の端点を結ぶ直線又は曲線である第4線とによって構成される前記近似曲線の周囲長を演算する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスポーツ用手保護具選択支援システム。
  4. 前記演算装置には、前記スポーツ用手保護具の種類として、サイズの異なるスポーツ用手袋の種類が、少なくとも手囲に関連付けて予め記憶されており、
    前記演算装置は、前記第2手順において、前記第1手順で演算した手囲に関連するスポーツ用手袋の種類を前記被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスポーツ用手保護具選択支援システム。
  5. 前記演算装置は、
    前記第1手順において、前記3次元形状測定装置で測定した前記被験者の手の3次元形状に基づき、中指長を演算し、
    前記第2手順において、前記演算した中指長又は中指長/手囲が予め定めた所定値未満の場合には、前記演算した手囲に関連するスポーツ用手袋の種類を前記被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択し、前記演算した中指長又は中指長/手囲が前記予め定めた所定値以上の場合には、前記演算した手囲に関連するスポーツ用手袋の種類よりも1段階サイズの大きな種類を前記被験者に対して推奨するスポーツ用手袋の種類として選択する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のスポーツ用手保護具選択支援システム。
  6. 前記演算装置には、前記スポーツ用手保護具の種類として、野球用又はソフトボール用のグラブの種類が、少なくとも各種類のグラブのベルト部の内周長に関連付けて予め記憶されていると共に、手囲と適切なベルト部の内周長との第1関係が予め記憶されており、
    前記演算装置は、前記第2手順において、前記第1手順で演算した手囲と前記第1関係とに基づき、前記手囲に対して適切なベルト部の内周長を演算し、前記演算したベルト部の内周長に関連するグラブの種類を前記被験者に対して推奨するグラブの種類として選択する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスポーツ用手保護具選択支援システム。
  7. 前記演算装置は、
    前記第2手順において、前記第1手順で演算した手囲と前記第1関係とに基づき、前記手囲に対して適切なベルト部の内周長を演算し、前記演算したベルト部の内周長と前記予め記憶されたベルト部の内周長との差の絶対値が小さいものから順に、前記予め記憶されたグラブの種類に優先順位を示す第1ランクを付し、
    前記第2手順において、前記予め記憶されたグラブの種類のうち、前記第1ランクの値が最も小さいものから順に複数のグラブの種類を前記被験者に対して推奨するグラブの種類として優先順位を付けて選択する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のスポーツ用手保護具選択支援システム。
  8. 前記演算装置には、前記スポーツ用手保護具の種類として、野球用又はソフトボール用のグラブの種類が、各種類のグラブのベルト部の内周長及びグラブの中指を挿入する中指部の内断面積に関連付けて予め記憶されていると共に、手囲と適切なベルト部の内周長との関係である第1関係と、中指幅と適切な中指部の内断面積との関係である第2関係とが予め記憶されており、
    前記演算装置は、
    前記第1手順において、前記3次元形状測定装置で測定した前記被験者の手の3次元形状に基づき、中指幅を演算し、
    前記第2手順において、前記第1手順で演算した手囲と前記第1関係とに基づき、前記手囲に対して適切なベルト部の内周長を演算し、前記演算したベルト部の内周長と前記予め記憶されたベルト部の内周長との差の絶対値が小さいものから順に、前記予め記憶されたグラブの種類に優先順位を示す第1ランクを付し、
    前記第2手順において、前記第1手順で演算した中指幅と前記第2関係とに基づき、前記中指幅に対して適切な中指部の内断面積を演算し、前記演算した中指部の内断面積と前記予め記憶された中指部の内断面積との差の絶対値が小さいものから順に、前記予め記憶されたグラブの種類に優先順位を示す第2ランクを付し、
    前記第2手順において、前記予め記憶されたグラブの種類のうち、前記第1ランク及び前記第2ランクの線形和で表わされる総合ランクの値が最も小さいものから順に複数のグラブの種類を前記被験者に対して推奨するグラブの種類として優先順位を付けて選択する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスポーツ用手保護具選択支援システム。
  9. 前記演算装置には、前記グラブの種類が、プレイスタイルに対する各種類のグラブの適合性を示す評価指標と共に予め記憶されており、
    前記演算装置には、前記被験者の所望するプレイスタイルが入力され、
    前記演算装置は、前記第2手順において、前記第1ランクの値に応じて選択した複数のグラブの種類の優先順位を、前記入力されたプレイスタイルに対応する前記評価指標の値に基づき付け替える、
    ことを特徴とする請求項7に記載のスポーツ用手保護具選択支援システム。
  10. 前記演算装置には、前記グラブの種類が、プレイスタイルに対する各種類のグラブの適合性を示す評価指標と共に予め記憶されており、
    前記演算装置には、前記被験者の所望するプレイスタイルが入力され、
    前記演算装置は、前記第2手順において、前記総合ランクの値に応じて選択した複数のグラブの種類の優先順位を、前記入力されたプレイスタイルに対応する前記評価指標の値に基づき付け替える、
    ことを特徴とする請求項8に記載のスポーツ用手保護具選択支援システム。
  11. 前記演算装置に予め記憶されているグラブの種類には、小指2本入れ用グラブの種類が含まれており、
    前記演算装置は、
    前記第1手順において、前記3次元形状測定装置で測定した前記被験者の手の3次元形状に基づき、薬指と小指との成す角度を演算し、
    前記第2手順において、前記演算した角度が予め定めた所定値未満であり、且つ、前記演算した手囲が予め定めた所定値以下である場合には、前記予め記憶されたグラブの種類のうち、小指2本入れ用グラブの種類の中から、前記被験者に対して推奨するグラブの種類を選択する、
    ことを特徴とする請求項6から10の何れかに記載のスポーツ用手保護具選択支援システム。
  12. 被験者の手の3次元形状を測定する3次元形状測定装置と、
    前記3次元形状測定装置で測定した手の3次元形状に基づき、手囲及び薬指と小指との成す角度を演算し、該演算した手囲及び薬指と小指との成す角度に基づき、前記被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類を選択する演算装置とを備え、
    前記演算装置には、前記スポーツ用手保護具の種類として、小指2本入れ用グラブを含む野球用又はソフトボール用のグラブの種類が予め記憶されており、
    前記演算装置は、
    前記3次元形状測定装置で測定した前記被験者の手の3次元形状に基づき、前記被験者の手囲測定箇所に沿った手の水平方向寸法及び厚み方向寸法を算出し、該各寸法を用いた近似式で表され、前記被験者の手囲測定箇所に沿った手の断面形状に近似する近似曲線の周囲長を手囲として演算すると共に、薬指と小指との成す角度を演算する第1手順と、
    前記演算した角度が予め定めた所定値未満であり、且つ、前記演算した手囲が予め定めた所定値以下である場合には、前記予め記憶されたグラブの種類のうち、小指2本入れ用グラブの種類を前記被験者に対して推奨するグラブの種類として選択する第2手順と、
    を実行することを特徴とするスポーツ用手保護具選択支援システム。
  13. 少なくとも手囲に関連付けてスポーツ用手保護具の種類を予め演算装置に記憶させる準備工程と、
    3次元形状測定装置が、被験者の手の3次元形状を測定する3次元形状測定工程と、
    前記演算装置が、前記3次元形状測定工程で測定した手の3次元形状に基づき、少なくとも手囲を演算し、該演算した手囲に基づき、前記被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類を選択する選択工程とを含み、
    前記選択工程は、
    前記演算装置が、前記3次元形状測定工程で測定した前記被験者の手の3次元形状に基づき、前記被験者の手囲測定箇所に沿った手の水平方向寸法及び厚み方向寸法を算出し、該各寸法を用いた近似式で表され、前記被験者の手囲測定箇所に沿った手の断面形状に近似する近似曲線の周囲長を手囲として演算する第1手順と、
    前記演算装置が、前記予め記憶されたスポーツ用手保護具の種類のうち、前記第1手順で演算した手囲に関連するスポーツ用手保護具の種類を前記被験者に対して推奨するスポーツ用手保護具の種類として選択する第2手順と、
    を実行することを特徴とするスポーツ用手保護具選択支援方法。
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