JP6666003B2 - 歩行指導方法及び歩行指導装置 - Google Patents

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本発明は、被検者の歩行を指導する方法及び装置に関する。
歩行状態(歩行には走行も含まれる)を解析する場合には、高速度カメラなどを用いて動画撮影を行い、撮影された動画を解析することによって行われることが多かった。
しかしながら、高速度カメラなどの装置が高価であること、また測定範囲が数m四方の限定された範囲でしか行えないこと、動画の解析における解析手法が複雑であることが課題として挙がっている。
一方、動画撮影をするのではなく、加速度センサなどのモーションセンサを用いて歩行状態を解析する方法も従来より提案されている。
例えば、特許文献1に開示されている歩行状態の解析方法によれば、複数のセンサを被検者の両足の股関節、膝関節及び足関節を挟むように取り付け、被検者が歩行した際に、取り付けたセンサからのデータに基づいて被験者の関節角度やその他の情報を求めている。
また、特許文献2に開示されている歩行評価装置によれば、被検者の足首付近の足部に加速度センサを装着し、加速度センサによって計測された足部の加速度データに基づいて加速度信号の周波数スペクトル分析を行い、足の引きずり、すり足等の評価が可能となっている。
特開2012−343号公報 特開2013−59489号公報
上述したような従来の方法では、下肢や足首等にセンサを装着して、歩行時における評価をしている。しかしながら、これらのデータを見ても、患者にたいしてどのように指導をすればよくなるのかは、経験を積んだ理学療法士が判断するほかないのが現状である。
したがって、実際のリハビリテーションの現場において、理学療法士は患者の歩行状態を目視で観測し、歩行状態を判断した結果に基づいて患者に指導を行っている。
しかしながら、歩行状態の評価は多くの経験を積んだ理学療法士の主観に頼らざるをえず、このため歩行状態を診断して被験者に指導を行うことは容易ではない。
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、歩行状態を容易に診断して確実な指導を行える歩行の指導方法及び装置を提供することにある。
本発明にかかる歩行診断方法によれば、予め歩行に関する指導内容が記憶されている記憶部と、モニタとを備えるコンピュータを用い、被検者の腰部及び胸背部の少なくとも2か所にモーションセンサを取り付けて、モーションセンサによって計測されたデータがコンピュータに入力され、前記コンピュータは、2か所のモーションセンサによって計測されたデータに基づいて、前記2か所の動作状況を算出し、算出された前記2か所の動作状況に基づいて、被験者の矢状面、前額面、水平面のそれぞれにおいて、前記2か所の動揺軌跡を重ね合わせて前記モニタに表示し、前額面又は水平面の腰部及び胸背部の動揺軌跡の左右対称性を、動揺軌跡の左右形状の類似度に基づいて自動的に判断し、前額面又は水平面の腰部及び胸背部の動揺軌跡の左右対称性が、予め設定された類似度以上で左右対称であると判断した場合には、矢状面の腰部の動揺軌跡の前後傾斜角が予め設定された閾値以上か否かを自動的に判断し、矢状面の腰部の動揺軌跡の前後傾斜角が予め設定された閾値以上の場合には、前記記憶部から指導不要である旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、矢状面の腰部の動揺軌跡の前後傾斜角が予め設定された閾値未満の場合には、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左右いずれかに傾斜しているかを自動的に判断し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左下がりの場合には、左上腕外旋及び腹横筋の使用を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりの場合には、右上腕外旋及び腹横筋の使用を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面又は水平面の腰部及び胸背部の動揺軌跡の左右対称性が、予め設定された類似度未満で左右非対称であると判断した場合には、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅と腰部の動揺軌跡の左右幅の比を自動的に算出し、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比が予め設定された閾値未満の場合には、右上腕外旋及び左上腕外旋を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅と腰部の動揺軌跡の左右幅の比が予め設定された閾値以上の場合には、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値を自動的に算出し、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値が予め設定された閾値未満の場合には、右上腕外旋及び左上腕外旋を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値が予め設定された閾値以上の場合には、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左右いずれかに傾斜しているかを自動的に判断し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左下がりの場合には、右上腕外旋及び左選択的運動を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりの場合には、左上腕外旋及び右選択的運動を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示することを特徴としている。
この方法によれば、理学療法士の主観に頼ることなく適切な歩行指導を容易に行うことができる。
本発明にかかる歩行指導装置によれば、予め歩行に関する指導内容が記憶されている記憶部と、モニタとを備え、被験者の腰部及び胸背部の少なくとも2か所に取り付けられたモーションセンサによって計測されたデータが入力され、該入力されたデータに基づいて歩行指導を実行する歩行指導装置であって、前記2か所の動作状況に基づいて、被験者の矢状面、前額面、水平面のそれぞれにおいて、前記2か所の動揺軌跡を作成する表示画面作成手段と、該表示画面作成手段によって作成された動揺軌跡に基づいて被験者の状態を判断する判断手段と、を具備し、該判断手段は、前額面又は水平面の腰部及び胸背部の動揺軌跡の左右対称性を、動揺軌跡の左右形状の類似度に基づいて自動的に判断し、前額面又は水平面の腰部及び胸背部の動揺軌跡の左右対称性が、予め設定された類似度以上で左右対称であると判断した場合には、矢状面の腰部の動揺軌跡の前後傾斜角が予め設定された閾値以上か否かを自動的に判断し、矢状面の腰部の動揺軌跡の前後傾斜角が予め設定された閾値以上の場合には、前記記憶部から指導不要である旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、矢状面の腰部の動揺軌跡の前後傾斜角が予め設定された閾値未満の場合には、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左右いずれかに傾斜しているかを自動的に判断し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左下がりの場合には、右上腕外旋及び腹横筋の使用を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりの場合には、左上腕外旋及び腹横筋の使用を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面又は水平面の腰部及び胸背部の動揺軌跡の左右対称性が、予め設定された類似度未満で左右非対称であると判断した場合には、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比を自動的に算出し、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比が予め設定された閾値未満の場合には、右上腕外旋及び左上腕外旋を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比が予め設定された閾値以上の場合には、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値を自動的に算出し、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値が予め設定された閾値未満の場合には、右上腕外旋及び左上腕外旋を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値が予め設定された閾値以上の場合には、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左右いずれかに傾斜しているかを自動的に判断し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左下がりの場合には、右上腕外旋及び左選択的運動を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりの場合には、左上腕外旋及び右選択的運動を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示することを特徴としている。
この構成を採用することによって、理学療法士の主観に頼ることなく適切な歩行指導を容易に行うことができる。
また、前記判断手段は、前額面における胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比を第1評価値として前記記憶部に記憶し、前額面における、腰部の局所的な曲率半径の最小値を第2評価値として前記記憶部に記憶し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線の傾斜角を第3評価値として前記記憶部に記憶し、前額面及び水平面における、腰部の動揺軌跡の左右対称性を第4評価値として前記記憶部に記憶し、前額面及び水平面における、胸背部の動揺軌跡の左右対称性を第5評価値として前記記憶部に記憶し、矢状面における胸背部の動揺軌跡の前後方向の傾斜角と腰部の動揺軌跡の前後方向の傾斜角との差を第6評価値として前記記憶部に記憶し、前記記憶部には、複数人の前記第1評価値〜第6評価値が記憶され、複数人の前記第1評価値〜第6評価値に対して、特定人の前記第1評価値〜第6評価値の相対評価値をレーダーチャートとして前記モニタに表示させるレーダーチャート作成手段を備えることを特徴としてもよい。
この構成によれば被験者の歩行の特徴を相対的にわかりやすく表示できるので、被験者に対する指導を円滑に行うことができる。
本発明にかかる歩行指導方法及び装置によれば、歩行状態を容易に診断して確実な指導を行える。
歩行指導方法における被験者を示す説明図である。 歩行状態検出装置の説明図である。 歩行状態検出装置のモニタに表示される画面の例を示す説明図である。 指導者が参照する動揺軌跡の例を示す説明図である。 指導の流れを示すフローチャートである。 図5の続きであって前額面の動揺軌跡に基づいて指導する場合のフローチャートである。 図5の続きであって水平面の動揺軌跡に基づいて指導する場合のフローチャートである。 第2の実施形態の歩行指導装置の説明図である。 第2の実施形態における判断動作を示すフローチャートである。 図9の続きである。 前額面及び水平面の動揺軌跡の左右対称性について示す説明図である。 矢状面の腰部の動揺軌跡の前後方向の傾きについて示す説明図である。 前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左右どちらに傾いているかを示す説明図である。 前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比について示す説明図である。 前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の大きさについて示す説明図である。 レーダーチャートの説明図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、本実施形態の歩行指導方法において、歩行状態を検出する対象の被験者を示す。図2は、本実施形態の歩行指導方法において用いられる動揺軌跡を作成・表示するための歩行状態検出装置の概略説明図である。
本実施形態では、歩行状態の検出対象となる被検者10の腰部12と胸背部14の2か所で動作状況を計測する。腰部12の具体的位置としては、被検者の下位腰椎から仙骨付近とするとよい。仙骨は、脊椎の下部に位置しており骨盤を構成する部位である。また、胸背部14としては、胸椎の後弯の頂点付近にするとよい。胸椎は、脊椎を構成する部位の1つであり肩甲骨付近に位置する。
なお、動作計測位置として、腰部(下位腰椎から仙骨付近)と胸背部(胸椎の後弯の頂点付近)の2か所の他に、3か所目の動作計測位置として第7頸椎にモーションセンサを取り付けるようにしてもよい。
第7頸椎は、首を前に倒すともっとも飛び出す骨であって見つけやすいため、動作計測位置として好適である。
このように、歩行状態を検出する場合に、脚ではなく、腰部と胸背部の少なくとも2か所で動作状況を計測することによって、体幹の動作を容易に把握することができ、歩行状態を正確に把握可能である。
本実施形態の歩行状態検出装置30は、被検者の腰部12及び胸背部14のそれぞれに取り付けられたモーションセンサ18,20と、装置本体31と、モニタ32とを備えている。
本実施形態では、腰部12及び胸背部14のそれぞれに、モーションセンサの一例として3軸加速度センサ18,20を装着し、腰部12及び胸背部14の動作状況を計測している。
3軸加速度センサ18、20によって水平面内の左右方向をx軸方向とし、水平面内の歩行方向をy軸方向とし、鉛直方向をz軸方向とした場合における装着個所の各軸方向の加速度が計測できる。
なお、モーションセンサとしては、3軸加速度センサに限定するものではなく、3軸角速度センサや3軸磁気センサを採用することもできる。
2つの3軸加速度センサ18、20は、歩行状態検出装置30の装置本体31にデータ通信可能となるように設けられている。
3軸加速度センサ18、20にはそれぞれデータ送信部22、24が設けられており、検出された加速度データを無線通信で送信可能としている。また、装置本体31にはデータ受信部29が設けられており、各データ送信部22、24から送信されてきた加速度データを受信することができる。
無線通信機能としては、Bluetooth(登録商標)などを採用することができる。
なお、各3軸加速度センサ18、20のデータ通信は、無線通信に限定するものではない。例えば、データ通信ケーブル(図示せず)等によって各3軸加速度センサ18、20と装置本体31とを接続し、データの送受信を可能としてもよい。
次に、歩行状態検出装置30の装置本体31の具体的構成について説明する。
装置本体31としては、一般的なコンピュータを採用することができる。
コンピュータ(装置本体)31は、制御プログラムに基づいて動作する制御部42を具備している。制御部42は、図示しないCPU、ROMおよびRAM等から構成されている。制御部42は、内部バス43を介して、ハードディスクドライブ等の記憶装置44と接続されている。ただし、記憶装置44としては、ハードディスクドライブに限定するものではない。
なお、制御部42には、内部バス43を介して入力装置であるキーボード46およびマウス48等のポインティングデバイスが接続されている。
制御部42は、3軸加速度センサ18、20からの加速度データに基づいて2か所の運動状況を算出する算出手段34を実現する。
さらに、制御部42は、算出手段34で算出された2か所の動作状況を重ね合わせてモニタ32に表示させる表示画面作成手段36を実現する。
算出手段34には、2か所の3軸加速度センサ18、20からの加速度データが入力される。
算出手段34は、2か所で計測された加速度データをフィルタリング処理するハイパスフィルタ35を備えている。ハイパスフィルタ35によって、加速度データのうちの低周波成分を除去し、高周波成分のみを残している。
このようにフィルタリング処理する理由は以下の通りである。加速度データには、歩行などの運動によって生じる加速度の他に、センサの特性として微小な低周波ノイズ(オフセット)が含まれている。このため、算出手段34では、加速度データからハイパスフィルタ35によって低周波ノイズを除去し、周期的な歩行動作による振動成分のみを抽出している。
なお、算出手段34において低周波ノイズを除去するのはハイパスフィルタに限定するものではなく、角速度および/または磁気センサからの信号を併用したカルマンフィルタなど他のフィルタリング手段であってもよい。
また、算出手段34は、積分器37を備えており、フィルタリング処理によって抽出された振動成分を積分処理してもよい。
なお、以下の説明では、加速度データの振動成分(積分処理しないもの)を動揺加速度、加速度データの振動成分を1階積分処理したものを動揺速度、加速度データの振動成分を2階積分処理したものを動揺量とする。
本実施形態の表示画面作成手段36は、算出手段34によって算出された動揺加速度、動揺速度または動揺量に基づいて、水平面内における2か所の動揺軌跡を作成し、2か所の動揺軌跡を重ね合わせてモニタ32に表示させるように動作する。
表示画面作成手段36によって作成された動揺軌跡をモニタ32に表示させた表示例を図3に示す。
図3では、各モーションセンサ18、20により算出された仙骨付近と胸椎6番付近の変位による2つの動揺軌跡を、Y−Z平面(矢伏面)100、X−Y平面(前額面)102、X−Z平面(水平面)104の3つの平面上で表示している。
図3では、2つの各データに対する3つの動揺軌跡を左右両側に対比させるように配置しているが、1つのデータに対しての表示を行ってもよい。
表示画面作成手段36は、2か所のモーションセンサ18、20の動揺軌跡における同一時点どうしを接続する接続線82を表示させ、且つ接続線82を時間経過に伴って移動するように表示することもできる。
接続線82の表示は、操作者が画面右側のフェーズボタン89を押下することにより、表示画面作成手段36が行う。また、フェーズボタン89の下方には、再生ボタン92が設けられている。再生ボタン92が押下されると、表示画面作成手段36は、時間経過に合わせて接続線82を移動させながら再生表示させる。また、接続線82の再生表示は、倍速表示欄93内の数字を変更することにより、再生速度を変更できる。倍速表示欄93内の数字が1.0の場合、実時間での再生となり、数字が0.5の場合、実時間の半分の早さでの再生となる。
なお、Y−Z平面(矢伏面)100、X−Y平面(前額面)102、X−Z平面(水平面)104の各動揺軌跡の隣には、各動揺軌跡における動揺幅及び軌跡長が表示される表示欄105が、それぞれの動揺軌跡ごとに設けられている。
表示欄105において、Y−Z平面(矢伏面)100に対しては、表示画面作成手段36が前後幅(mm)と上下幅(mm)と軌跡長(mm)を算出して表示する。
表示欄105において、X−Y平面(前額面)102に対しては、表示画面作成手段36が左右幅(mm)と上下幅(mm)と軌跡長(mm)を算出して表示する。
表示欄105において、X−Z平面(水平面)104に対しては、表示画面作成手段36が左右幅(mm)と前後幅(mm)と軌跡長(mm)を算出して表示する。
また、各動揺軌跡の下部に示すように、左右の足裏図84a、84bが表示され、腰部にかかる衝撃値(m/s)を表示させる表示欄86a、86bが設けられている。算出手段34は、モーションセンサ18における接地時の上下方向の最大加速度値を左右それぞれ算出し、表示画面作成手段36は、表示欄86a、86bに算出した加速度値を衝撃値として表示する。
各足裏図84a、84bの隣には、足裏の任意の点を指示するための指示バー87a、87bが設けられており、操作者が、指示バー87a、87bを操作すると、算出手段34は、指示バー87a、87bにおける指示された位置に対応する接続線82を表示する。
なお、指示バー87a、87bの位置と歩行フェーズについては、モーションセンサ18におけるX−Y平面(前額面)の動揺軌跡の横8の字(無限大印)が左側最下部になるタイミングを指示バー87aのかかと部、右側最下部になるタイミングを指示バー87bのかかと部に割り当てることによって、把握することができる。
図3に示した解析結果は、保存ボタン95を押下することにより、記憶装置44内に記憶させることができる。解析結果は、例えばCSVファイル等で記憶させておくことができる。
また、図3の各動揺軌跡のスケールは、スケール表示欄97の数字を変更することによって変更可能である。
続いて、図4〜図7に基づいて、本実施形態の指導方法について説明する。
図4は、指導の際に用いられる矢状面、前額面、水平面における各動揺軌跡を示す表示画面の一例である。図5〜図7は、指導方法のフローである。
本実施形態における指導者としては、理学療法士であることを前提として説明するが、指導者としては理学療法士に限定するものではない。
図5に示すように、まず指導者は、矢状面の仙骨付近の動揺軌跡を観察する。このとき、仙骨付近の動揺軌跡の二重化が顕著であるかどうかを判断する(ステップS100)。
指導者が動揺軌跡の二重化が顕著ではないと判断した場合、その動揺軌跡の前後幅について狭いかどうかを観察する(ステップS102)。指導者が、矢状面の仙骨付近の動揺軌跡の前後幅が広いと判断した場合、指導不要(ステップS104)であるとして被験者には何も指導しない。
すなわち、この場合は矢状面の仙骨付近の動揺軌跡の左右バランスが良く、且つ前後の幅も広いので、体幹をしっかり使って歩行しており、特に指導すべきことはないと判断がされた場合である。
指導者がステップS102において、前後幅が狭いと判断した場合、指導者は被験者の静止立位を視診し、被験者の左右のいずれかが弱いかを判断する(ステップS106)。なお、ステップS106における視診では、指導者の経験に基づいた判断が必要となる。
ステップS106で、左側が弱いと判断した場合、指導者は、右上腕外旋及びへそを2mm凹ませるよう指導をする(ステップS108)。
ステップS106で、右側が弱いと判断した場合、指導者は、左上腕外旋及びへそを2mm凹ませるよう指導をする(ステップS110)。
ここで、指導内容について説明すると、上腕外旋とは、該当する側の上腕の手のひらを前に向けた状態で歩行することである。また、へそを2mm凹ませるというのは、へそを2mm凹ませた状態で歩行することである。へそを2mm凹ませるということは、腹横筋を使うように意識づけできるということになる。
すなわち、矢状面の仙骨付近の動揺軌跡において、左右バランスはよいが、前後幅が狭い場合であって、身体の左側が弱い場合には右上腕外旋によって右肩を開き、且つ腹横筋をうまく使えるようにできる。
また、矢状面の仙骨付近の動揺軌跡において、左右バランスはよいが、前後幅が狭い場合であって、身体の右側が弱い場合には左上腕外旋によって左肩を開き、且つ腹横筋をうまく使えるようにできる。
なお、ステップS100において、指導者は、二重化が顕著であると判断した場合、前額面の仙骨付近の動揺軌跡の左右幅の小ささ又は左右差の大きさ(すなわち左右対称性が低い)と、水平面の胸椎付近の動揺軌跡の前後幅の小ささ又は左右差の大きさ(すなわち左右対称性が低い)と、のいずれが顕著かを判断する(ステップS112)。
ステップS112において、前額面の仙骨付近の動揺軌跡の左右幅の小ささ又は左右差の大きさが顕著であると判断した場合には、図6のステップS200に移行する。
ステップS112において、水平面の胸椎付近の動揺軌跡の前後幅の小ささ又は左右差の大きさが顕著であると判断した場合には、図7のステップS300に移行する。
図6のステップS200では、まず指導者は、前額面の仙骨付近の動揺軌跡を観察する。このとき、仙骨付近の動揺軌跡の左右幅が小さいかどうかを判断する(ステップS200)。
指導者が動揺軌跡の左右幅が小さいと判断した場合、指導者は、右上腕外旋及び左上腕外旋を行うよう指導をする(ステップS202)。
すなわち、矢状面の仙骨付近の動揺軌跡において左右バランスが悪く、前額面の仙骨付近の動揺軌跡の左右幅が小さいということは、被験者は腰を動かさずに歩行していると考えられる。腰を動かすためには、肩を柔らかくすることが必要である。そこで、左右の上腕外旋を行うことにより、肩が開き、腰を動かすように誘導することができる。
ステップS200において、指導者は、左右幅は小さくないと判断した場合、前額面の仙骨付近の動揺軌跡が8の字になるかどうかを判断する(ステップS204)。
ステップS204において、前額面の仙骨付近の動揺軌跡が8の字になっていないと判断した場合に、指導者は右上腕外旋及び左上腕外旋を行うよう指導をする(ステップS206)。
すなわち、矢状面の仙骨付近の動揺軌跡において左右バランスが悪く、前額面の仙骨付近の動揺軌跡の左右幅は小さくなく、且つ8の字になっていないということは、左右バランスが完全に崩れていると考えられる。そこで、左右の上腕外旋を行うことにより、肩が開き、左右バランスよく歩行できるように指導できる。
ステップS204において、前額面の仙骨付近の動揺軌跡が8の字になっていると判断された場合、指導者は8の字の面積の左右どちらが大きいかを判断する(ステップS208)。
ステップS208で、左側が小さいと判断した場合、指導者は、右上腕外旋及び左選択的運動を行うよう指導をする(ステップS210)。
ステップS208で、右側が小さいと判断した場合、指導者は、左上腕外旋及び右選択的運動を行うよう指導をする(ステップS212)。
なお、左選択的運動とは、左足で片足立ちをし、右足を上げて右足と身体を右に向ける運動のことを指す。この左選択的運動により、歩行時の身体の使い方の左右差を軽減させることができる。
右選択的運動とは、右足で片足立ちをし、左足を上げて左足と身体を左に向ける運動のことを指す。この右選択的運動により、歩行時の身体の使い方の左右差を軽減させることができる。
次に、図7のステップS300に移行したところから説明する。
図7のステップS300では、まず指導者は、水平面の胸椎付近の動揺軌跡を観察する。このとき、胸椎付近の動揺軌跡の前後幅が小さいかどうかを判断する(ステップS300)。
指導者が動揺軌跡の前後幅が小さいと判断した場合、指導者は、右上腕外旋及び左上腕外旋を行うよう指導をする(ステップS302)。
ステップS300において、水平面の胸椎付近の動揺軌跡の前後幅が小さいと判断された場合、指導者は8の字の面積の左右どちらが大きいかを判断する(ステップS304)。
ステップS304で、左側が小さいと判断した場合、指導者は、左上腕外旋及び右選択的運動を行うよう指導をする(ステップS306)。
ステップS304で、右側が小さいと判断した場合、指導者は、右上腕外旋及び左選択的運動を行うよう指導をする(ステップS308)。
水平面の胸椎の動揺軌跡の前後幅が小さくなく、上記のステップS304のように動揺軌跡の左側が小さい場合は、被験者の身体の右側が弱いと判断できる。そこで、左上腕外旋及び右選択的運動を行うよう指導をすることで、動作の左右バランスを整えることができる。
また、水平面の胸椎の動揺軌跡の前後幅が小さくなく、上記のステップS304のように動揺軌跡の右側が小さい場合は、被験者の身体の左側が弱いと判断できる。そこで、右上腕外旋及び左選択的運動を行うよう指導をすることで、動作の左右バランスを整えることができる。
なお、指導者が指導のために見る被験者の動揺軌跡としては、平均波形によって判断するようにするとよい。ここでいう平均波形とは、所定の1人の被験者が所定距離(10m程度を想定)を1度歩行して頂いた際に計測された動揺軌跡の数周期分(3周期:6歩を想定)を平均化した波形のことをいう。
また、胸椎付近の動揺軌跡と仙骨付近の動揺軌跡は、互いに異なる色で表示するよう表示画面作成手段36が作成する。
異なる色としては、赤と青などを採用することで、相違が容易に把握しやすい。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する場合もある。図8に、第2の実施形態で用いられる歩行指導装置のブロック図を示す。
第1の実施形態では、歩行指導するのは指導者が行っていたので、歩行状態検出装置と称しているが、第2の実施形態では歩行指導を装置で自動的に行うようにしているので歩行指導装置と称する。
歩行指導装置30は、被験者の腰部12と胸背部14にそれぞれ取り付けられたモーションセンサ18、20と、装置本体31と、モニタ32とを備えている。モーションセンサ18、20は、本実施形態では3軸加速度センサであって、装置本体31に対してデータ通信可能である。データ通信の詳細については第1の実施形態で説明したものと同様である。
装置本体31としては、一般的なコンピュータを採用することができる。コンピュータ(装置本体)31は、制御プログラムに基づいて動作する制御部42を具備している。制御部42は、図示しないCPU、ROMおよびRAM等から構成されている。制御部42は、内部バス43を介して、ハードディスクドライブ等の記憶装置44と接続されている。ただし、記憶装置44としては、ハードディスクドライブに限定するものではない。
記憶装置44には、予め被験者への指導内容が記憶されており、また後述する各パラメータの閾値が記憶されている。
なお、制御部42には、内部バス43を介して入力装置であるキーボード46およびマウス48等のポインティングデバイスが接続されている。
制御部42は、3軸加速度センサ18、20からの加速度データに基づいて2か所の運動状況を算出する算出手段34を実現する。
さらに、制御部42は、算出手段34で算出された2か所の動作状況を重ね合わせてモニタ32に表示させる表示画面作成手段36を実現する。
算出手段34には、2か所の3軸加速度センサ18、20からの加速度データが入力される。
算出手段34は、2か所で計測された加速度データをフィルタリング処理するハイパスフィルタ35を備えている。ハイパスフィルタ35によって、加速度データのうちの低周波成分を除去し、高周波成分のみを残している。
このようにフィルタリング処理する理由は以下の通りである。加速度データには、歩行などの運動によって生じる加速度の他に、センサの特性として微小な低周波ノイズ(オフセット)が含まれている。このため、算出手段34では、加速度データからハイパスフィルタ35によって低周波ノイズを除去し、周期的な歩行動作による振動成分のみを抽出している。
なお、算出手段34において低周波ノイズを除去するのはハイパスフィルタに限定するものではなく、角速度および/または磁気センサからの信号を併用したカルマンフィルタなど他のフィルタリング手段であってもよい。
また、算出手段34は、積分器37を備えており、フィルタリング処理によって抽出された振動成分を積分処理してもよい。
なお、以下の説明では、加速度データの振動成分(積分処理しないもの)を動揺加速度、加速度データの振動成分を1階積分処理したものを動揺速度、加速度データの振動成分を2階積分処理したものを動揺量とする。
本実施形態の表示画面作成手段36は、算出手段34によって算出された動揺加速度、動揺速度または動揺量に基づいて、水平面内における2か所の動揺軌跡を作成し、2か所の動揺軌跡を重ね合わせてモニタ32に表示させるように動作する。
表示画面作成手段36は、2つの動揺軌跡を、Y−Z平面(矢伏面)、X−Y平面(前額面)、X−Z平面(水平面)の3つの平面上で表示する。
また、制御部42は、3つの平面上のそれぞれにおいて表示される2つの動揺軌跡に基づいて被験者の動作を判断する判断手段50を実現する。
判断手段50の判断動作のフローを、図9〜図10に示す。
なお、指導内容としての上腕外旋、へそ2mm、選択的運動の具体的内容については第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
判断手段50は、図11に示すように、前額面及び水平面における胸背部及び腰部の動揺軌跡の左右対称性を判断する(ステップS400)。前額面及び水平面の動揺軌跡は8の字が横を向いた形状になっているので、判断手段50は、8の字の2つの円に近い形状部分が左右対称かどうかを判断する。
ステップS400において、判断手段50は、動揺軌跡の左右対称性を判断するにあたり、左右の動揺軌跡の各軸成分についてそれぞれCOS類似度を算出することで、COS類似度が−1に近ければ非類似、COS類似度が+1に近ければ類似であるとして判断する。
判断手段50は、予めCOS類似度の閾値を設定しておき、閾値以上の場合は類似すなわち左右対称、閾値未満の場合は非類似すなわち左右非対称と判断する。
ステップS400において、左右対称であると判断された場合、判断手段50は図12に示すように、矢状面の腰部の前後方向の傾きを算出する(ステップS402)。矢状面における腰部の動揺軌跡は上下方向に長い楕円又は長円のような形状となるので、判断手段50は、この長軸方向に沿って延びる直線が上下方向に対してどの程度傾斜しているかを算出する。
判断手段50は、予め矢状面における腰部の動揺軌跡の近似楕円の長軸方向の上下方向に対する傾斜角の閾値を設定しておき、傾斜角が閾値以上の場合は特に問題なし、すなわち指導不要(ステップS404)であると判断する。この場合、判断手段50は、指導不要である旨の指導内容を記憶装置44から抽出してモニタ32に表示させる。
このように矢状面の腰部の前後傾斜角を見ることにより、歩行中の骨盤の前後傾斜の切り替えが円滑であるか否かが分かる。正常な歩行の場合、骨盤の前後傾斜の切り替えが円滑である方が好ましい。
ステップS402において、判断手段50が、矢状面における腰部の動揺軌跡の近似楕円の長軸の上下方向に対する傾斜角が閾値未満であると判断した場合、ステップS406に移行する。
ステップS406では、判断手段50は、図13に示すように、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりか、左下がりかを判断する。
前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりか、左下がりかを判断することで、身体の左右のいずれが弱いかが分かる。
判断手段50は、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりであると判断した場合、左上腕外旋及びへそを2mm凹ませる旨の指導内容を記憶装置44から抽出してモニタ32に表示させる(ステップS410)。
また、判断手段50は、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左下がりであると判断した場合、右上腕外旋及びへそを2mm凹ませる旨の指導内容を記憶装置44から抽出してモニタ32に表示させる(ステップS408)。
すなわち、骨盤の前後傾斜の切り替えが円滑でなく、身体の左右の一方が他方に比べて弱い場合において、身体の右側が弱い場合には左上腕外旋によって左肩を開き、且つ腹横筋をうまく使うことで良い歩行ができる。身体の左側が弱い場合には右上腕外旋によって左肩を開き、且つ腹横筋をうまく使うことで良い歩行ができる。
ステップS400において、左右非対称であると判断された場合、ステップS412に移行する。
ステップS412では、判断手段50は、図14に示すように、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅と、腰部の動揺軌跡の左右幅を比較し、両左右幅の比を算出する。良い歩行ができているときは、腰部の動揺軌跡の左右幅が大きくなるので前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比が大きいほど良い歩行ができていると判断できる。
判断手段50は、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比を算出し、予め設定された閾値未満であると判断した場合、右上腕外旋及び左上腕外旋を行う旨の指導内容を記憶装置44から抽出してモニタ32に表示させる(ステップS414)。
判断手段50は、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比を算出し、予め設定された閾値以上であると判断した場合、図10のステップS500に移行する。
ステップS500では、判断手段50は、図15に示すように、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径を算出し、算出した曲率半径の最小値が予め設定した閾値以上か閾値未満かを判断する。腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値が小さいほど滑らかな歩行ができていないということの指標になり、局所的な曲率半径の最小値が大きい方が良い歩行と言える。
判断手段50は、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値が予め設定された閾値未満であると判断した場合、右上腕外旋及び左上腕外旋を行う旨の指導内容を記憶装置44から抽出してモニタ32に表示させる(ステップS502)。
また、判断手段50は、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値が予め設定された閾値以上であると判断した場合、ステップS504へ移行する。
ステップS504では、判断手段50は、図13に示すように、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりか、左下がりかを判断する。
判断手段50は、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりであると判断した場合、左上腕外旋及び右選択的運動を行う旨の指導内容を記憶装置44から抽出してモニタ32に表示させる(ステップS508)。
また、判断手段50は、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左下がりであると判断した場合、右上腕外旋及び左選択的運動を行う旨の指導内容を記憶装置44から抽出してモニタ32に表示させる(ステップS506)。
図16に、レーダーチャートの例を示す。
歩行指導装置30の制御部42は、レーダーチャート作成手段52を備えている。レーダーチャート作成手段52は、前額面における胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比を第1評価値(図14参照)、前額面及び水平面における腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値を第2評価値(図15参照)、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線の傾斜角を第3評価値(図13参照)、前額面及び水平面における、腰部の動揺軌跡の左右対称性を第4評価値(図11参照)、前額面及び水平面における、胸背部の動揺軌跡の左右対称性を第5評価値(図11参照)、矢状面における腰部の動揺軌跡と胸背部の動揺軌跡の前後方向の傾斜角の差を第6評価値(図12参照)として、これら6つの評価値の相対評価値をレーダーチャートとして作成し、モニタ32に表示させる。
記憶装置44には、複数人の第1評価値〜第6評価値が記憶されている。
レーダーチャート作成手段52は、ある特定人の第1評価値〜第6評価値を算出した後、複数人の第1評価値〜第6評価値に対しての相対評価値を算出し、この相対評価値をレーダーチャートにプロットする。
また、レーザチャートには、表示されているレーダーチャートの波形に合わせて歩行の特徴とアドバイスが表示される。歩行の特徴とアドバイスは、予め記憶装置44に記憶させており、レーザチャート作成手段52が該当する歩行の特徴とアドバイスを記憶装置44から抽出してモニタ32に表示させる。また、アドバイスについては、図16に示すように、アドバイス内容の具体的な身体の動かし方の図を表示することにより、被験者はそのアドバイスの実行をしやすくなる。
なお、図16において第1評価値をモンロー指数、第2評価値を滑らか指数、第3評価値を傾き、第4評価値を左右バランスA、第5評価値を左右バランスB、第6評価値を骨盤前後傾として記載しているが、これは評価値の名称を一例として挙げただけである。
また、図16では、第1評価値〜第6評価値の数値をレーダーチャートとは別に表示している。このようにしても、相対的評価がわかりやすくなる。
なお、クラウドコンピューティングを採用し、複数人の第1評価値〜第6評価値を、ネットワーク上に配置されたクラウドサーバの記憶装置に記憶させるようにしてもよい。クラウドサーバには、全国又は各国の多数の歩行指導装置から第1評価値〜第6評価値が入力されて、記憶されるようにする。
クラウドサーバでは、入力された第1評価値〜第6評価値に対して、性別、年代別、国別など様々な項目別に検索、抽出可能にデータベース化されている。
このような構成を採用することで、相対的評価の正確性が増すため、被験者への診断を正確に実施できる。
上述してきた歩行指導方法については、近年話題になってきたロコモティブシンドロームの予防や対策にも資することが期待できる。
ロコモティブシンドロームとは、運動器症候群のことであり、人体を構成する骨、関節、軟骨、椎間板、筋肉といった運動器に障害がおこり、歩行などの機能が低下する状態をいう。
ロコモティブシンドロームを提唱している団体では、すでにロコモ度テストや、ロコモティブシンドロームにならないための運動や体操を提案している。
本発明における歩行指導方法も、ロコモティブシンドロームか否かのテストや、ロコモティブシンドロームにならないための歩行指導という形で応用することが可能である。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、歩行とは走行も含めるものである。
以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
10 被検者
12 腰部
14 胸背部
18,20 モーションセンサ(3軸加速度センサ)
22,24 データ送信部
29 データ受信部
30 歩行状態検出装置
31 装置本体(コンピュータ)
32 モニタ
34 算出手段
35 ハイパスフィルタ
36 表示画面作成手段
37 積分器
42 制御部
43 内部バス
44 記憶装置
46 キーボード
48 マウス
50 判断手段
52 レーダーチャート作成手段
56 モーションセンサ
82 接続線
84a,84b 足裏図
86a,86b 表示欄
87a ,87b 指示バー
89 フェーズボタン
92 再生ボタン
93 倍速表示欄
95 保存ボタン
97 スケール表示欄
100 Y−Z平面(矢伏面)
102 X−Y平面(前額面)
104 X−Z平面(水平面)
105 表示欄

Claims (3)

  1. 予め歩行に関する指導内容が記憶されている記憶部と、モニタとを備えるコンピュータを用い、被検者の腰部及び胸背部の少なくとも2か所にモーションセンサを取り付けて、モーションセンサによって計測されたデータがコンピュータに入力され、
    前記コンピュータは、
    2か所のモーションセンサによって計測されたデータに基づいて、前記2か所の動作状況を算出し、
    算出された前記2か所の動作状況に基づいて、被験者の矢状面、前額面、水平面のそれぞれにおいて、前記2か所の動揺軌跡を重ね合わせて前記モニタに表示し、
    前額面又は水平面の腰部及び胸背部の動揺軌跡の左右対称性を、動揺軌跡の左右形状の類似度に基づいて自動的に判断し、
    前額面又は水平面の腰部及び胸背部の動揺軌跡の左右対称性が、予め設定された類似度以上で左右対称であると判断した場合には、矢状面の腰部の動揺軌跡の前後傾斜角が予め設定された閾値以上か否かを自動的に判断し、
    矢状面の腰部の動揺軌跡の前後傾斜角が予め設定された閾値以上の場合には、前記記憶部から指導不要である旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、矢状面の腰部の動揺軌跡の前後傾斜角が予め設定された閾値未満の場合には、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左右いずれかに傾斜しているかを自動的に判断し、
    前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左下がりの場合には、左上腕外旋及び腹横筋の使用を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりの場合には、右上腕外旋及び腹横筋の使用を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、
    前額面又は水平面の腰部及び胸背部の動揺軌跡の左右対称性が、予め設定された類似度未満で左右非対称であると判断した場合には、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅と腰部の動揺軌跡の左右幅の比を自動的に算出し、
    前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比が予め設定された閾値未満の場合には、右上腕外旋及び左上腕外旋を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅と腰部の動揺軌跡の左右幅の比が予め設定された閾値以上の場合には、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値を自動的に算出し、
    前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値が予め設定された閾値未満の場合には、右上腕外旋及び左上腕外旋を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値が予め設定された閾値以上の場合には、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左右いずれかに傾斜しているかを自動的に判断し、
    前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左下がりの場合には、右上腕外旋及び左選択的運動を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりの場合には、左上腕外旋及び右選択的運動を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示することを特徴とする歩行指導方法。
  2. 予め歩行に関する指導内容が記憶されている記憶部と、モニタとを備え、被験者の腰部及び胸背部の少なくとも2か所に取り付けられたモーションセンサによって計測されたデータが入力され、該入力されたデータに基づいて歩行指導を実行する歩行指導装置であって、
    前記2か所の動作状況に基づいて、被験者の矢状面、前額面、水平面のそれぞれにおいて、前記2か所の動揺軌跡を作成する表示画面作成手段と、
    該表示画面作成手段によって作成された動揺軌跡に基づいて被験者の状態を判断する判断手段と、を具備し、
    該判断手段は、
    前額面又は水平面の腰部及び胸背部の動揺軌跡の左右対称性を、動揺軌跡の左右形状の類似度に基づいて自動的に判断し、
    前額面又は水平面の腰部及び胸背部の動揺軌跡の左右対称性が、予め設定された類似度以上で左右対称であると判断した場合には、矢状面の腰部の動揺軌跡の前後傾斜角が予め設定された閾値以上か否かを自動的に判断し、
    矢状面の腰部の動揺軌跡の前後傾斜角が予め設定された閾値以上の場合には、前記記憶部から指導不要である旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、矢状面の腰部の動揺軌跡の前後傾斜角が予め設定された閾値未満の場合には、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左右いずれかに傾斜しているかを自動的に判断し、
    前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左下がりの場合には、右上腕外旋及び腹横筋の使用を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりの場合には、左上腕外旋及び腹横筋の使用を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、
    前額面又は水平面の腰部及び胸背部の動揺軌跡の左右対称性が、予め設定された類似度未満で左右非対称であると判断した場合には、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比を自動的に算出し、
    前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比が予め設定された閾値未満の場合には、右上腕外旋及び左上腕外旋を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比が予め設定された閾値以上の場合には、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値を自動的に算出し、
    前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値が予め設定された閾値未満の場合には、右上腕外旋及び左上腕外旋を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の腰部の動揺軌跡の局所的な曲率半径の最小値が予め設定された閾値以上の場合には、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左右いずれかに傾斜しているかを自動的に判断し、
    前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が左下がりの場合には、右上腕外旋及び左選択的運動を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示し、前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線が右下がりの場合には、左上腕外旋及び右選択的運動を行う旨の指導内容を抽出して前記モニタに表示することを特徴とする歩行指導装置。
  3. 前記判断手段は、前額面における胸背部の動揺軌跡の左右幅に対する腰部の動揺軌跡の左右幅の比を第1評価値として前記記憶部に記憶し、
    前額面における、腰部の局所的な曲率半径の最小値を第2評価値として前記記憶部に記憶し、
    前額面の腰部の動揺軌跡の2つの下端部を結ぶ直線の傾斜角を第3評価値として前記記憶部に記憶し、
    前額面及び水平面における、腰部の動揺軌跡の左右対称性を第4評価値として前記記憶部に記憶し、
    前額面及び水平面における、胸背部の動揺軌跡の左右対称性を第5評価値として前記記憶部に記憶し、
    矢状面における胸背部の動揺軌跡の前後方向の傾斜角と腰部の動揺軌跡の前後方向の傾斜角との差を第6評価値として前記記憶部に記憶し、
    前記記憶部には、複数人の前記第1評価値〜第6評価値が記憶され、
    複数人の前記第1評価値〜第6評価値に対して、特定人の前記第1評価値〜第6評価値の相対評価値をレーダーチャートとして前記モニタに表示させるレーダーチャート作成手段を備えることを特徴とする請求項2記載の歩行指導装置。
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