本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、知財システムの構成例を示す図である。図1に示すように、知財システムは、知的財産支援装置1と、ユーザ端末2とが、Network(以下、NWとする)を介して接続される。
知的財産支援装置1は、知的財産情報及びキャラクター情報を記憶する記憶部12と、記憶部に記憶されたキャラクター情報に基づいて、ユーザが操作可能なユーザ端末2にキャラクター3を出力する出力部13と、ユーザ端末2から送信された、ユーザが発明者または出願人として関係する知的財産に関する情報を受け付ける受付部14と、知的財産情報及び知的財産に関する情報に基づいて、知的財産の権利取得可能性を算出する算出部15と、算出部15により算出された権利取得可能性の情報に基づいて、キャラクター3の態様を出力制御する制御部11とを備える。
ユーザが発明者または出願人として関係する知的財産に関する情報に対し、知的財産の権利取得可能性を算出し、算出された権利取得可能性の情報に基づいて、キャラクター3の態様を出力制御することによって、知的財産支援装置1は、知的財産法の知識に乏しいユーザであっても、わかりやすく知的財産の登録の有無に関する情報を理解させることができる。
知的財産支援装置1は、制御部11と、記憶部12と、出力部13と、受付部14と、算出部15と、抽出部16とを含む。
知的財産支援装置1は、NWを介してユーザ端末2と接続し、該ユーザ端末2に対して知財システムのサービスを提供するための装置である。知的財産支援装置1は、例えば、いわゆるサーバ装置やコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)である。なお、本発明の第1の実施形態において、知的財産支援装置1は、これらに限定されない。
制御部11は、知的財産支援装置1の各部を制御する機能を有するプロセッサである。例えば、制御部11は、中央処理装置(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)などである。なお、本発明において、制御部11は、これらに限定されない。
制御部11は、算出部15により算出された知的財産に関するデータに基づいて、キャラクター3の態様を出力制御することができる。具体的には、制御部11は、算出部15により算出された権利取得可能性の情報に基づいて、キャラクター3の態様を出力制御することができる。算出部15により算出された知的財産に関するデータに基づいて、キャラクター3の態様を出力制御することにより、知的財産支援装置1は、キャラクター3を使用した知的財産に関する情報の表現が可能となり、知的財産法の知識に乏しいユーザであっても、わかりやすく知的財産に関する情報を理解させることができる。
また、制御部11は、具体的には、抽出部16による新たな類似情報に基づいて、キャラクター3の態様を選択することができる。新たな類似情報に基づいて、キャラクター3の態様を新たに選択可能とすることで、知的財産支援装置1は、知的財産に関する情報をユーザによりわかりやすく表現することができ、知的財産法の知識に乏しいユーザであっても、わかりやすく知的財産に関する情報を理解させることができる。
さらに、制御部11は、具体的には、キャラクター3を介して、算出部15による権利取得可能性の情報を示すことができる。キャラクター3を介して、算出部15による権利取得可能性の情報を示すことで、知的財産支援装置1は、権利取得可能性をユーザによりわかりやすく表現することができ、知的財産法の知識に乏しいユーザであっても、わかりやすく知的財産の登録の有無に関する情報を理解させることができる。
記憶部12は、知的財産支援装置1における各種情報を記憶する。また、記憶部12は、知的財産支援装置1が動作するうえで必要とする各種プログラムおよびデータを記憶する機能を有する。記憶部12は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの各種の記録媒体である。記憶部12は、後述するキャラクター情報3、上述した機械学習および学習データ、知的財産情報、発明者または出願人として関係する知的財産に関する情報等を記録することができる。
ここで、知的財産情報は、公開された技術情報、好ましくは知的財産に関するデータをいう。例えば、知的財産情報とは、公開されたWeb上の知的財産情報に関する情報(Web、新聞など)、特許、意匠、商標、実用新案、若しくは訴訟に関する情報、又は各国特許庁が有する情報である。より具体的には、例えば、知的財産情報とは、特許公開公報、該特許公開公報に記載される書誌事項、該特許公開公報に係る出願に対する拒絶理由通知書、該拒絶理由通知書の内容、該拒絶理由通知書において引用された文献の情報、該拒絶理由通知書に対する応答内容、該特許公開公報に係る出願における補正の回数、又は該補正の内容などである。ただし、必ずしも知的財産に関する情報である必要はなく、技術に関する情報、例えば、web上の情報や、論文、雑誌等の公開された情報であってもよい。
キャラクター情報とは、コンピュータ上での小説、漫画、映画、アニメ、コンピュータゲームなどのフィクションに登場する人物や動物など、あるいはそれら登場人物の性格や性質のことをデジタルデータとして表現したものをいう。例えば、図1に示すような、サムライのようなキャラクターであったり、裁判官、審査官のようなキャラクターであってもよい。例えば、キャラクター情報は、記憶部12に記録されているものである。キャラクター情報には、それぞれのキャラクターに対して、単数または複数の出力態様を複数、記憶部12に記録されている。具体的には、記憶部12には、キャラクター情報3に表されるサムライキャラクターの知的財産権の取得の有無に関する喜怒哀楽それぞれのポーズなどが記録されている。
出力部13は、知的財産支援装置1における各種情報をユーザ端末2に出力する。具体的には、出力部13は、ユーザが操作可能なユーザ端末2にキャラクター3を出力することができるものであって、キャラクターによって、知的財産権の取得の有無を表現する。また、具体的には例えば、出力部13は、ユーザ端末2に、ユーザ端末2から送信された知的財産に関する情報の権利取得可能性の情報を出力もすることができる。この知的財産に関する情報の権利取得可能性の情報としては、例えば、模擬拒絶理由通知書(拒絶理由通知所に似せた、模擬的な通知書)であったり、発明者または出願人として関係する知的財産に関する情報と、後述する抽出部16により抽出された類似情報との比較表等である。特許の場合、発明者または出願人として関係する知的財産に関する情報は、発明情報が記載されている発明メモや請求項情報である。類似情報は、例えば先行技術文献であって、比較表は、技術的な差異を示したいわゆるクレームチャートである。
受付部14は、ユーザ端末2から送信された、各種情報を受け付ける。具体的には、受付部14は、ユーザ端末2から送信された知的財産に関する情報を受け付けることができる。
知的財産に関する情報とは、ユーザ端末から送信される、ユーザが有する知的財産に関するデータである。例えば、ユーザが発明者、創作者、または出願人として関係する知的財産に関する情報などであって、商標登録出願、意匠登録出願、特許出願、実用新案登録出願などの原案である。具体的には、ユーザの発明に関する技術情報が記載された発明メモや、作成済み又は作成中の商標登録出願、意匠登録出願、特許出願、実用新案登録出願などの書類である。
ユーザが有する知的財産に関するデータは、例えば、明細書の態様を有した書類、又は、特許請求の範囲の態様を有した書類といった所定の形式の文字情報、技術の要点や概略図などの発明メモといった所定の形式を有さない文字情報、音声情報、画像情報であって、NWを介して送信可能なデータであればよい。
また、受付部14は、記憶部12において記憶しておいた知的財産に関する情報を記録するフォーマットを、出力部13によってユーザ端末2に出力し、ユーザが該フォーマットにユーザの有する知的財産に関する情報を記録することによって、該情報を受け付けてもよい。例えば、出力部13から出力されるフォーマットは、データをアップロード可能とする機能を有したアップロード画面であり、ユーザはそこにユーザの有する知的財産に関するデータをアップロードすればよいものであってもよい。例えば、出力部13から出力されるフォーマットは、課題を解決しようとする手段、発明の効果などの特許出願に際し必要な情報を記載項目として有するものであってもよい。
フォーマットを使用することにより、知的財産支援装置1は、ユーザからの知的財産支援装置1への情報の送信の際に、ユーザが有する知的財産に関する情報のうち、どういった情報をどのように送信したらよいのかをより明確にすることができ、ユーザが知的財産に関する情報を知的財産支援装置1に送信することをより容易にすることができる。また、フォーマットを使用することにより、知的財産支援装置1は、ユーザからの知的財産支援装置1への情報の送信の際に、ユーザが有する知的財産に関する情報のうち、どういった情報をどのように送信したらよいのかをより明確にすることができ、知的財産に関するデータの算出の際(例えば、権利取得可能性の算出の際)に必要な情報を、収集し易くすることが可能となり、知的財産に関するデータ(例えば、権利取得可能性)をより容易かつ正確に算出することができる。
また、受付部14は、後述のリエゾン画面1000におけるチャットルーム1003を用いて、ユーザ端末2から各種情報を受け付けてもよい。チャットルーム1003を用いることによって、知的財産支援装置1は、ユーザからヒアリングを行うことができ、ユーザが有する知的財産に関する情報のうち、知的財産に関するデータの算出の際(例えば、権利取得可能性の算出の際)に必要な情報を、収集し易くすることが可能となり、知的財産に関するデータ(例えば、権利取得可能性)をより容易かつ正確に算出することができる。
算出部15は、記憶部12において記憶された情報、及び、受付部14においてユーザ端末2から受け付けた情報に基づいて、知的財産に関するデータを算出する。例えば、算出部15は、記憶部12において記憶された知的財産情報、及び、受付部14においてユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報に基づいて、知的財産の権利取得可能性を算出することができる。知的財産の権利可能性の算出としては、例えば、「発明者、創作者、または出願人として関係する知的財産に関する情報」の構成要件を句読点ごとに分節をする。または、一定の文章の長さや、述語ごとに分節をしてもよい。算出部15は、構成要件を認定すると、後述する抽出部16により類似情報を取得し、構成要件と類似情報の近似の程度を算出する。構成要件のキーワードと同一または、そのキーワードよりも類似情報のキーワードが下位概念であれば一致度は高いと判断してもよい。算出部15は、記憶部12に、予め記録された、単語のコーパス辞書により、その辞書により下位概念または上位概念の有無を算出できる。
算出部15は、構成要件と類似情報の一致度ぐあいをスコア算出し、一致するか否かを閾値処理により判定し、構成要件の一致点および相違点を算出する。閾値は予め定められていてもよいし、機械学習により算出されたスコアをもちいてもよい。算出部15は、相違性が認められた場合、その相違点の高い(一致点の低い)構成要件に対して、後述する抽出部16を介して、新たな類似特許を取得する。例えば、図4に示すように、発明者、創作者、または出願人として関係する知的財産に関する情報が、「もたれ部と、腕置き部と、座部と回転可能な脚部からなる椅子」(以下、本願発明)であったとする。抽出部16は、類似情報として、「もたれ部と、腕置き部と、座部と、脚部からなる椅子」の公報(以下、引例1)を抽出したとする。このとき、算出部15は、本願発明と引例1を構成要件ごとに比較すると、もたれ部と、腕置き部とは一致するためにスコアは100点となる。一方で、本願発明の「座部と回転可能な脚部」は引例1には「脚部」しか記載がないため、一致する文字数の関係からスコアが高くならない。例えば、一致点が低いものとして30点とする。そこで、算出部15は、一致点が低いと判断をし、抽出部16に対して新たな類似情報を抽出するように指令をし、抽出部16は一致点の低い構成要件を埋めるための新たな類似情報を取得する。抽出部16が、新たな類似情報として、「もたれ部と、座部と、回転可能な脚部からなる椅子」の公報(以下、引例2)を抽出する。ここで、回転可能な脚部と一致するためにスコアは100点となる。ただし、仮に引例2の記載が、「もたれ部と、座部と、回転式固定台からなる椅子」だったとき、上述したコーパス辞書により、脚部の下位概念として、固定台が含まれる場合、100点または高スコアとなる。
権利取得可能性は、受付部14においてユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報について、該知的財産が権利を取得することが可能かどうかについての程度、又は、該知的財産が権利を取得するにあたっての評価のことである。該知的財産が権利を取得することが可能かどうかについての程度は、例えば、権利取得可能性〜〜%(例えば、80%)といった形式で表現することができる。該知的財産が権利を取得するにあたっての評価は、例えば、知的財産が発明である場合に、特許査定となるのか、拒絶査定となるのか、拒絶理由を有し得るのか、有し得るとすればどういった拒絶理由かを示すことによって表現することができる。
また、権利取得可能性は、模擬拒絶理由通知書であったり、発明者または出願人として関係する知的財産に関する情報と、後述する抽出部により抽出された類似情報との比較表であってもよい。特許の場合、発明者または出願人として関係する知的財産に関する情報は、発明メモやクレームであって、類似情報は引例であって、比較表はいわゆるクレームチャートなどが挙げられる。模擬拒絶理由通知書として、図5を挙げる。クレームチャートの例として、図6を上述した本願発明、引例1、引例2の関係を例として挙げる。算出部15は、スコアより、一致点の低いものは×、一致点の高いものは〇として算出してもよい。
また、算出部15は、具体的には、記憶部12に記憶された知的財産情報を用いて、権利取得可能性を算出するための機械学習に用いる学習データを予め生成し、該学習データ及び知的財産に関する情報から権利取得可能性の情報を算出することができる。記憶部12に記憶された知的財産情報を用いて、学習データを生成し、該学習データ及び知的財産に関する情報から権利取得可能性の情報を算出することによって、知的財産支援装置1は、知的財産情報(例えば、過去の特許情報)に基づいた、より正確かつ容易に権利取得可能性の情報を算出することができる。
また、算出部15は、具体的には、権利取得可能性を算出するよう、記憶部12に記憶された知的財産情報を用いて機械学習させたモデルを用いて、ユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報に対する権利取得可能性の情報を算出することができる。これにより、知的財産支援装置1は、知的財産情報(例えば、過去の特許情報)に基づいた権利取得可能性の情報の算出を、より素早く正確かつ容易に行うことができる。
機械学習において用いられる知的財産情報は、該知的財産情報について項目ごとに予め数値化された上で処理されており、ユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報も、同様に数値化した上で権利取得可能性の情報の算出が行われる。
予め数値化される知的財産情報に関する項目とは、例えば、知的財産に関する公開公報に紐づく各種情報であってもよい。知的財産に関する公開公報に紐づく各種情報は、例えば、公開公報の発行日、該公開広報に係る出願書類の提出日(すなわち出願日)、該公開広報に係る出願において受領した拒絶理由通知書の回数、該拒絶理由通知書における内容、該拒絶理由通知書に対する応答の内容、該公開広報に係る出願において行われた補正の回数、該補正の内容、独立請求項の文字数、請求項の数などであってもよい。
算出部15は、権利取得可能性の算出のため、過去に知的財産支援装置1を使用して権利取得可能性を算出した知的財産に関する情報の実際の結果をフィードバックとして受付部14より受け付け、機械学習に使用することができる。これにより、知的財産支援装置1は、より精度の高い権利取得可能性の情報の算出を行うことができる。
算出部15は、ユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報に対して算出を行った結果、権利取得可能性が否定的であった場合、記憶部12において記憶されている知的財産情報からキーワードを抽出し、ユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報において使用されるキーワードに代えて又は加えて該抽出したキーワードを使用した場合について権利取得可能性を算出してもよい。このとき、算出部15は、権利取得可能性が肯定的になるまで、キーワードの抽出を繰り返すことができる。該権利取得可能性が肯定的になった場合、このとき抽出したキーワードを出力部13よりユーザ端末2に出力することができる。キーワードの抽出は、記憶部12において記憶されている知的財産情報からランダムに抽出してもよく、ユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報により関連する情報から順に抽出するようにしてもよく、オズボーンのチェックリスト等を使用してキーワードの抽出の方法を予め定めておき、該方法に基づいて抽出してもよい。これにより、知的財産支援装置1は、ユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報に対する権利取得可能性の情報の算出だけでなく、該知的財産に関する情報に関してどうすれば権利取得可能となるかの情報もユーザに提示することが可能となり、知的財産法の知識に乏しいユーザであっても、わかりやすく知的財産に関する情報を理解及び取得させることができる。
キーワードとは、文章、語句、熟語、単語、記号、アルファベット、化学式、又は数字などである。
また、算出部15は、ユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報に対して算出を行った結果、権利取得可能性が否定的であった場合、記憶部12において記憶されている知的財産情報からキーワードを抽出することができ、このとき、ユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報において使用されるキーワードに代えて又は加えて該抽出したキーワードを使用した場合の権利取得可能性が、権利取得可能性が肯定的となる分布のうち端に位置するようなキーワードを抽出することとしてもよい。キーワードの抽出の際、ユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報において使用されるキーワードに代えて又は加えて該抽出したキーワードを使用した場合の権利取得可能性が、権利取得可能性が肯定的となる分布のうち、中央ではなく端に位置するようなキーワードを抽出することによって、知的財産支援装置1は、該抽出するキーワードによる該知的財産に関する情報についての限定に際し、より取得可能な権利範囲を広くすることが可能なキーワードを提示することができる。例えば、知的財産に関する情報が特許出願予定の発明の場合、知的財産支援装置1は、該発明に対し、権利取得可能性を肯定的にしつつ、該発明の限定がより広いものとなるようにすることが可能なキーワードを抽出することができる。
算出部15は、具体的には、学習データ及び権利取得可能性の情報に基づいて、知的財産に関する情報に付加すべき新たなキーワードを、知的財産情報から算出し、制御部11は、新たなキーワードを、キャラクター3を介して出力することができる。これにより、知的財産支援装置1は、知的財産に関する情報をユーザによりわかりやすく表現することができ、知的財産法の知識に乏しいユーザであっても、わかりやすく知的財産に関する情報として、新たなキーワードを含めた発明の提案をすることができる。
抽出部16は、記憶部12において記憶された情報又はNWを介して得られる各種データベース上の情報から、受付部14においてユーザ端末2から受け付けた情報に関する類似情報を抽出する。具体的には、抽出部16は、記憶部12において記憶された知的財産情報又はNWを介して接続した特許文献や論文などを提供する各種サービスから、受付部14においてユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報に関する類似情報を抽出することができる。より具体的には、抽出部16は、記憶部12において記憶された又はNWを介して得られた特許公開公報のうち、受付部14においてユーザ端末2から受け付けた発明に関する情報に類似する特許公開公報・特許公報・国際公報を抽出することができる。公報として、特許に関して述べたが、他の法律に関する場合、商標登録出願、意匠登録出願、特許出願、実用新案登録出願の公報も、類似情報に該当する。この公報は、各国の特許庁のデータベースに記録されたものを記憶部12にコピーしたものであってもよい。
類似情報は、記憶部12に記憶された知的財産情報から、前述した知的財産に関する情報に類似するデータである。具体的には、知的財産に関する情報が技術に関する書類ならば、その書類内容に近似する特許公報、実用新案の公報などを抽出し、デザインなら近似する意匠公報、近似する商標登録出願の公報であってもよい。
また、抽出部16によって抽出された類似情報に基づいて、算出部15は、知的財産に関するデータを算出してもよい。具体的には、算出部15は、抽出部16によって抽出された類似情報に基づいて、権利取得可能性を算出してもよい。より具体的には、算出部15は、抽出部16によって抽出された、ユーザ端末2から受け付けた発明に関する情報に類似する特許公開公報をデータとして用いることによって、該ユーザ端末2から受け付けた発明の権利取得可能性を算出してもよい。抽出部16によって抽出された類似情報に基づいて、算出部15において知的財産に関するデータを算出することにより、知的財産支援装置1は、より具体的かつより多くのデータを使用することが可能となり、該知的財産に関するデータの算出にあたり、より精度を高めることができる。
抽出部16は、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報において、1つ以上のキーワードを特定し、該キーワードに基づいて、記憶部12において記憶された情報又はNWを介して得られる各種データベース上の情報から、受付部14においてユーザ端末2から受け付けた情報に関する類似情報を抽出してもよい。このとき、特定されるキーワードに代えて、該キーワードの類語又は下位概念となる新たなキーワードに基づいて、記憶部12において記憶された情報又はNWを介して得られる各種データベース上の情報から、ユーザ端末2から受け付けた情報に関する類似情報を抽出してもよい。キーワードの類語又は下位概念となる新たなキーワードは、例えば、コーパスなどのデータベース若しくは辞書などを予め記憶部12において記憶しておくことによって、又は、NWを介して得られる各種データベース上の情報から取得することによって、選択されてもよい。
キーワードに基づいて類似情報を抽出することにより、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報及び類似情報をより容易に扱うことができ、並びに、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報と類似情報との関係をより明確にすることができる。キーワードに基づいて類似情報を抽出することにより、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報におけるキーワードが使用できることから、例えば、該キーワードの類語又は下位概念となる新たなキーワードでの類似情報の抽出も可能となり、より多角的な類似情報の抽出を行うことができる。この該キーワードの類語又は下位概念となる新たなキーワードでの類似情報の抽出は、例えば特許の新規性及び進歩性における審査において使用される観点であるところ、このような方法での類似情報の抽出は、特許庁における審査に近づけることが可能となり、より信頼度の高い知的財産に関するデータの算出(例えば、権利取得可能性の情報の算出)を可能とすることができる。また、キーワードに基づいて類似情報を抽出することにより、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報におけるキーワードが使用できることから、例えば、1つ以上の該キーワードのうち、どのキーワードが類似情報に含まれるかに基づく類似情報との類似度の算出を行うことが可能となり、より具体的かつ明確な知的財産に関するデータの算出(例えば、権利取得可能性の情報の算出)を可能とすることができる。
抽出部16は、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報において、1つ以上のキーワードを特定するとともに、該キーワードの類語又は下位概念となる1つ以上のキーワードを、該受け付けた知的財産に関する情報からさらに特定し、該さらに特定したキーワードに基づいてユーザ端末2から受け付けた情報に関する類似情報を抽出してもよい。具体的には、抽出部16は、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報が、例えば、明細書の態様を有した書類、又は、特許請求の範囲の態様を有した書類といった所定の形式の文字情報の場合、課題を解決するための手段における記載又は独立請求項における記載などの発明の要点となる記載におけるキーワードをすべて特定し、その他の明細書の記載又は従属請求項における記載などの特定したキーワードを説明する記載において、該複数のキーワードそれぞれの類語又は下位概念となるキーワードをさらに特定し、該さらに特定した複数のキーワードを用いて、ユーザ端末2から受け付けた情報に関する類似情報を抽出してもよい。これにより、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報におけるキーワードについて、該知的財産に関する情報からキーワードについてより特定することが可能となり、ユーザからの情報をより正確に取得することができる。
抽出部16は、具体的には、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報と、抽出部16によって抽出された類似情報を比較し、比較した結果に基づいて該類似情報のうちの新たな類似情報を抽出してもよい。これにより、より多角的な類似情報の抽出を行うことができる。
抽出部16は、具体的には、図4において例として示すように、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報において、1つ以上のキーワードを特定し、記憶部12において記憶された情報又はNWを介して得られる各種データベース上の情報から、該キーワードに基づいてユーザ端末2から受け付けた情報に関する類似情報を抽出し、該特定したキーワードが該類似情報に含まれるか比較し、該特定したキーワードのうち該類似情報に含まれない1つ以上のキーワードに基づいて、再度、記憶部12において記憶された情報又はNWを介して得られる各種データベース上の情報から新たな類似情報を抽出してもよい。このとき、特定されるキーワードに代えて、該キーワードの類語又は下位概念となるキーワードに基づいて、記憶部12において記憶された情報又はNWを介して得られる各種データベース上の情報から、ユーザ端末2から受け付けた情報に関する類似情報を抽出してもよい。キーワードの類語又は下位概念となるキーワードは、例えば、コーパスなどのデータベース若しくは辞書などを予め記憶部12において記憶しておくことによって、又は、NWを介して得られる各種データベース上の情報から取得することによって、選択されてもよい。
これにより、より多角的な類似情報の抽出を行うことができる。また、このような方法での類似情報の抽出は、例えば特許の進歩性における審査において使用される観点であるところ、特許庁における審査に近づけることが可能となり、より信頼度の高い知的財産に関するデータの算出(例えば、権利取得可能性の情報の算出)を可能とすることができる。
抽出部16は、例えば、特許の発明メモの構成をエッセンスとして区切る処理を行い、それぞれの構成に対して類似特許を探索する。具体的には、一つの文献として記載されている公報やWebなどの類似情報を抽出し、それぞれの構成に対して、その類似情報を抽出する。また、それぞれの構成ではなく、発明メモ全体に対して、近似する類似情報を週出してもよい。
また、算出部15は、以下のパターンのいずれかもしくは、両方の結果を用いて権利取得可能性の情報を算出してもよい。また、算出部15は、算出した結果に基づき、拒絶すべきか、拒絶されないかを下記パターンまたは、前述したスコアと閾値処理により判定できる。具体的には、上述したように、アイデアの権利取得したい部分の発明の類似特許を抽出する。発明を分解し、複数の構成要件として把握し、類似特許とそれぞれの構成要件との一致点のレベルをスコア化する。例えば、スコアはレーベンシュタイン距離などの距離計算手法などにより、文字や文字列などのスコア計算をおこなってもよい。また、スコアの低い(相違点)構成要件に対して、第二の類似特許を抽出部16介して、抽出する。ニューラルネットワーク、ブースティング処理などの機械学習を用いて、本願発明と引例1と引例2、および同一または類似技術分野における公報の特徴量を算出し、機械学習による射影計算後の距離算出により権利取得可能性の情報を算出することでスコア化してもよい。例えば、特徴量として、本願発明と引例1、引例2の国際特許分類が同一または近似にあるということ、クレームの長さ、被引例の数などの情報を用いてもよい。なお、算出部15は、機械学習以外の、構成要件毎または、構成要件全体のスコア算出手法の閾値計算により、権利取得可能性の情報を算出してもよい。算出部15は、前述した、模擬拒絶理由通知書または、クレームチャートの作成をする。
次に、第二のパターンとして、算出部15は、アイデアの権利取得したい本願発明の類似特許を抽出し、類似特許の過去の拒絶理由通知を抽出し、それの特許が最後権利になったか否かを分析する。算出部15は、この分析した結果情報により、模擬拒絶理由通知書または、クレームチャートの作成をしてもよい。算出部15は、この過去の拒絶理由通知の結果をそのまま用いてもよいし、上述した第一のパターン結果と合成した結果を、模擬拒絶理由通知書または、クレームチャートの作成をしてもよい。
次に、第二のパターンとして、算出部15は、アイデアの権利取得したい本願発明の類似特許を抽出し、類似特許の過去の拒絶理由通知を抽出し、それの特許が最後権利になったか否かを分析する。算出部15は、この分析した結果情報により、模擬拒絶理由通知書または、クレームチャートの作成をしてもよい。算出部15は、この過去の拒絶理由通知の結果をそのまま用いてもよいし、上述した第一のパターン結果と合成した結果を、模擬拒絶理由通知書または、クレームチャートの作成をしてもよい。
図2は、本発明の第1の実施形態における、知的財産支援装置1の動作例を示すフローチャートである。
図2に示すように、知的財産支援装置1は、ユーザ端末2とNetworkを介して接続されると、記憶部12に記憶された各種情報を、出力部13からユーザ端末2に出力する(S101)。具体的には、知的財産支援装置1は、記憶部12に記憶されたキャラクター3を、出力部13からユーザ端末2に出力することができる。
ユーザ端末2から各種情報が送信されると、該情報を受付部14が受け付ける(S102)。続いて、算出部15は、受付部14が受け付けた情報及び記憶部12において記憶された情報に基づいて、知的財産に関するデータを算出する(S103)。具体的には、算出部15は、受付部14が受け付けた知的財産に関する情報、及び、記憶部12において記憶されたた知的財産情報に基づいて、知的財産の権利取得可能性を算出することができる。
また、算出部15は、具体的には、記憶部12に記憶された知的財産情報を用いて、権利取得可能性を算出するための機械学習に用いる学習データを予め生成し、該学習データ及び知的財産に関する情報から権利取得可能性の情報を算出してもよい。
さらに、算出部15は、具体的には、学習データ及び権利取得可能性の情報に基づいて、知的財産に関する情報に付加すべき新たなキーワードを、知的財産情報から算出してもよい。
算出部15による算出の際、又は、算出部15による算出の前後において、抽出部16は、記憶部12において記憶された情報から、受付部14においてユーザ端末2から受け付けた情報に関する類似情報を抽出してもよい。具体的には、抽出部16は、算出部15による算出の際、又は、算出部15による算出の前後において、記憶部12において記憶された知的財産情報から、受付部14においてユーザ端末2から受け付けた知的財産に関する情報に関する類似情報を抽出してもよい。より具体的には、抽出部16は、記憶部12において記憶された特許公開公報のうち、受付部14においてユーザ端末2から受け付けた発明に関する情報に類似する特許公開公報を抽出してもよい。
また、抽出部16によって抽出された類似情報に基づいて、算出部15は、知的財産に関するデータを算出してもよい。具体的には、算出部15は、抽出部16によって抽出された類似情報に基づいて、権利取得可能性を算出してもよい。より具体的には、算出部15は、抽出部16によって抽出された、ユーザ端末2から受け付けた発明に関する情報に類似する特許公開公報に基づいて、該ユーザ端末2から受け付けた発明の権利取得可能性を算出してもよい。
抽出部16は、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報と、抽出部16によって抽出された類似情報を比較し、比較した結果に基づいて該類似情報のうちの新たな類似情報を抽出してもよい。
抽出部16はさらに、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報と、抽出部16によって抽出された類似情報を比較し、比較した結果に基づいて該類似情報のうちの新たな類似情報を抽出してもよい。
制御部11は、算出部15により算出された知的財産に関するデータ、又は、抽出部16によって抽出された類似情報に基づいて、ユーザ端末2に出力される情報を制御する(S104)。具体的には、制御部11は、算出部15により算出された権利取得可能性の情報に基づいて、キャラクター3の態様を出力制御することができる。例えば、制御部11は、上述した権利取得可能性の情報が拒絶すべきと算出部15が判定した場合、記憶部12に記録されたキャラクター情報のうち、哀のキャラクターを選択し、表示するように出力部13に出力指示をだす。また、制御部11は、上述した権利取得可能性の情報が拒絶すべきと算出部15が判定した場合、上記スコアや、射影による距離情報に基づいて、記憶部12に記録されたキャラクター情報のうち、哀のキャラクターを選択し、表示するように出力部13に出力指示をだしてもよい。
また、制御部11は、算出部15により算出されたキーワードを、キャラクター3を介して出力してもよい。算出部15が、記憶部12に記録された知的財産情報から抽出からキーワードを抽出する。具体的には、算出部15が、権利取得可能性の情報が拒絶すべきと判定した際、どのような新たなキーワードを付加すれば、権利取得可能性の情報が拒絶すべきではないと判定するかというロジックで、新たなキーワードを算出する。算出部15は、新たなキーワードを無数に列挙してもよいが、煩雑となるため、算出に際しては、同一または類似技術の公報のクレーム記載のキーワードを算出してもよいし、機械学習の射影における距離が拒絶にならないギリギリの距離移動を行う新たなキーワードのみを抽出してもよい。
また、制御部11は、抽出部16によって抽出された新たな類似情報に基づいて、キャラクター3の態様を選択してもよい。具体的には、新たな類似情報と構成要件のスコアの高低によってキャラクターのどの喜怒哀楽の出力態様にするかを選択する。
さらに、制御部11は、キャラクター3を介して、算出部15により算出された権利取得可能性の情報を示してもよい。また、制御部11は、出力部13を介して、上記選択された出力態様を出力するわけであるが、権利取得可能性の有無、クレームチャート、模擬拒絶理由通知を出力させてもよい。
制御部11は、算出部15により算出された知的財産に関するデータ、又は、抽出部16によって抽出された類似情報に基づいて、ユーザ端末2に実際の審査の結果の書類の態様で出力するよう制御してもよい。ここで、実際の審査の結果の通知書とは、例えば、拒絶理由通知書、特許査定通知書、拒絶査定通知書などである。これにより、実際の審査に近いかたちで、ユーザが算出部15により算出された知的財産に関するデータ、又は、抽出部16によって抽出された類似情報を知ることを可能とすることができる。
具体的には、制御部11は、算出部15によって算出される権利取得可能性に対応するよう、記憶部12において拒絶理由通知書、特許査定通知書、又は拒絶査定通知書を記憶しておき、受付部14が受け付けた知的財産に関する情報、及び、記憶部12において記憶された知的財産情報に基づいて、算出部15が知的財産の権利取得可能性を算出した際に、記憶しておいた拒絶理由通知書、特許査定通知書、又は拒絶査定通知書をユーザ端末2に出力するよう制御してもよい。このとき、拒絶理由通知書、特許査定通知書、又は拒絶査定通知書における詳細な記載(例えば、拒絶理由通知書における理由の記載)については空欄としてもよい。制御部11は、例えば、ユーザ端末2より受け付けた知的財産に関する情報が発明である場合に、算出部15によって算出される権利取得可能性の情報が29条2項違反であった場合、予め対応するよう記憶しておいた29条2項違反を示す拒絶理由通知書をユーザ端末2に出力するよう制御してもよい。これにより、より実際の審査に近いかたちで、ユーザが算出部15により算出された知的財産に関するデータを知ることができる。
また、制御部11は、例えば、図5において例として示すように、算出部15によって算出される権利取得可能性に対応するよう、記憶部12において拒絶理由通知書を記憶しておき、算出部15が知的財産の権利取得可能性を算出した際に、記憶しておいた拒絶理由通知書を記憶部12から選択しつつ、抽出部16によって抽出された類似情報及び/又はキーワードに基づいて、該拒絶理由通知書の記載内容を変更してユーザ端末2に出力するよう制御してもよい。制御部11は、例えば、ユーザ端末2より受け付けた知的財産に関する情報が発明である場合に、算出部15によって算出される権利取得可能性の情報が29条2項違反であり、類似情報が特開1234−567890であり、特定したキーワードのうち該類似情報に含まれるものが「AAA」であり、該特定した単語キーワードのうち該類似情報に含まれないキーワードが「BBB」であり、該「BBB」に基づいて抽出した新たな類似情報が特開9876−543210であった場合、予め対応するよう記憶しておいた、29条2項違反を示し、引用文献が2つ使用され、引用文献1に対して差異として特定される構成が1つの拒絶理由通知書を選択し、引用文献の記載及び拒絶理由通知書において使用される構成のワードを上記類似情報及び上記キーワードに変更したものをユーザ端末2に出力するよう制御してもよい。これにより、より実際の審査に近いかたちで、ユーザが算出部15により算出された知的財産に関するデータ、又は、抽出部16によって抽出された類似情報を知ることを可能とすることができ、より良い発明を考える機会を設けることができる。
制御部11は、例えば、抽出部16において抽出された類似情報が、記憶部12において記憶された拒絶理由通知書に係る引用文献と一部又は全部一致する場合、該拒絶理由通知書をそのままユーザ端末2に出力するよう制御してもよい。これにより、より簡易かつ早急にユーザ端末2に出力を行うことができる。
制御部11は、算出部15により算出された知的財産に関するデータ、又は、抽出部16によって抽出された類似情報に基づいて、ユーザ端末2にスコア表の態様で出力するよう制御してもよい。これにより、スコア表という理解が容易な方法での表現が可能となり、知的財産法の知識に乏しいユーザであっても、わかりやすく知的財産に関する情報を理解させることができる。
制御部11は、例えば、算出部15により算出された権利取得可能性の情報について、該権利取得可能性の算出にあたり使用される予め数値化される知的財産情報に関する項目に関して、スコア表の態様でユーザ端末2に出力するよう制御してもよい。これにより、権利取得可能性の算出のもととなる各項目について、スコア表という理解が容易な方法での表現が可能となり、知的財産法の知識に乏しいユーザであっても、わかりやすく知的財産に関する情報を理解させることができる。
制御部11は、例えば、図6において例として示すように、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報において特定された1つ以上のキーワードに対して抽出された類似情報に関して、スコア表の態様でユーザ端末2に出力するよう制御してもよい。具体的には、制御部11は、受付部14において受け付けた知的財産に関する情報において特定された1つ以上のキーワードごとに、抽出された類似情報の数、又は抽出された類似情報の率について、スコア表の態様でユーザ端末2に出力するよう制御してもよい。これにより、知的財産に関する情報に対する類似情報について、スコア表という理解が容易な方法での表現が可能となり、知的財産法の知識に乏しいユーザであっても、わかりやすく知的財産に関する情報を理解させることができる。
図3は、知的財産支援装置1が備えるIPリエゾンの機能を提供するためのリエゾン画面1000の構成例を示す模式図である。
IPリエゾンは、ユーザに所定の質問を行うことで、該ユーザから知的財産に関する情報を引き出すことが可能なサービスである。具体的には、IPリエゾンは、ユーザに所定の質問を行うことで、該ユーザから発明を引き出すことができる。IPリエゾンでは、例えば、「発明のポイントは何ですか?」や「発明の新しい部分はどこですか?」といった所定の質問を行い、ユーザから回答を得ることで、知的財産に関する情報が明確化される。なお、IPリエゾンにおいて、ユーザに対して行う質問はこれらの例に限られず、知的財産に関する情報を引き出すための質問であれば、どのような質問であってもよい。例えば、IPリエゾンでは、ユーザに種々の質問を行うことで、ユーザの発明を、権利化可能な状態まで明確化することができる。
図3に示すように、リエゾン画面1000は、各種アイコン及びチャットルーム1003を含む。各種アイコンは、例えば、グループアイコン1001、メンバーアイコン1002、チャットルーム1003、代理人アイコン1004、カレンダーアイコン1005、フォルダアイコン1006、翻訳アイコン1007、TV会議アイコン1008、IPリエゾンアイコン1009、手続きの流れアイコン1010などである。
図3に示すように、リエゾン画面1000は、知的財産に関する情報について種々の質問を行い、それに対してユーザが回答するチャットルーム1003を含む。図3に示すように、ユーザに対する質問は、Systemが自動的に行ってもよいし、知的財産支援装置1の管理者やスタッフなどが行ってもよい。ユーザは、チャットルーム1003に表示される質問の各々に対して回答する。ユーザからの回答は、記憶部12において自動的に記憶されてもよい。具体的には、記憶部12におけるフォルダ1006に自動的に記憶することができる。ユーザは、該フォルダ1006に記憶された情報を用いることができる。例えば、ユーザは、該フォルダ1006に記憶された情報を用いて、発明を確認することができる、又は、特許出願に関する所定の手続きを行うことができるなどである。
なお、図3に示すチャットルーム1003は、複数のユーザが参加可能であり、該複数のユーザが協働して質問に回答することで、知的財産に関する情報を明確化することもできる。また、図3に示すチャットルーム1003におけるユーザからの回答は、日時と共にフォルダ1006に記憶することができ、該フォルダ1006に記憶されたファイルは、いわゆるノートとしても利用可能である。
また、IPリエゾンの機能は、ユーザが回答した内容に基づいて、先行文献調査を実行するように構成されていてもよい。知的財産支援装置1は、Networkを介して、特許文献や論文などを提供する種々のサービスに接続し、発明者が回答した内容に基づいて、先行文献調査を実行する。サーバ装置1は、発見した先行文献を、チャットルーム1003に自動的にアップロードしてもよい。
また、IPリエゾンの機能は、ユーザの発明と発見した先行文献との関連性を、チャットルーム1003や他のページに、ツリー状のマップにより示してもよい。ユーザは、ツリー状のマップにより、ユーザの発明について、関連する文献などの関連性を把握することができ、ユーザの発明の特許性を検討することや、関連する文献等から該ユーザの発明をさらにブラッシュアップすることなどが可能となる。なお、IPリエゾン機能は、ユーザの発明との関連性に限られず、先行文献同士の関連性を表示してもよい。また、IPリエゾン機能は、ツリー状のマップ以外の方法により、関連性を表示してもよい。
また、IPリエゾンの機能は、ユーザの発明と、先行文献との類似性を、分布図としてマップに表示可能である。マップは、例えば、中心をユーザの発明として、類似度の高い先行文献ほど中心に近い位置にプロットされるものであってもよい。該マップにより、ユーザは、該ユーザの発明と、複数の先行文献との類似性を確認することができる。また、ユーザは、該ユーザの発明の先行文献として適切な既存特許や論文等を発見することもできる。また、ユーザは、該ユーザの発明に類似する先行文献を確認することで、該ユーザの発明の特許性を判断することもできる。例えば、ユーザは、マップにおいて、中心(ユーザの発明)に近い位置に、多数のプロットがある場合には、該ユーザの発明に近い先行文献が多数あることを確認でき、該ユーザの発明の特許性を高めるための追加のアイデアを考えることが可能となる。また、ユーザは、マップにおいて、中心に近い位置にあまりプロットがない場合には、該ユーザの発明に類似する先行文献があまりないことを確認でき、複数の出願を検討することや、出願に係る発明の範囲を広げることなどを検討可能である。
また、IPリエゾンの機能は、ユーザの発明が複数ある場合に、その複数のユーザの発明をクラスタとして、該クラスタに近い複数の先行文献群(先行文献のクラスタ)を可視化可能なマップを示してもよい。
また、IPリエゾンの機能は、チャットルーム1003に参加している発明者に関する情報から、該発明者と同様の研究開発を行っている研究者等を特定するように構成されていてもよい。知的財産支援装置1は、Networkを介して、複数の発明者に関する情報が提供されているサービスに接続し、チャットルーム1003に参加している発明者と同様の研究開発を行っている研究者等を特定する。知的財産支援装置1は、特定した研究者等に関する情報を、チャットルーム1003に自動的にアップロードしてもよい。
リエゾン画面1000は、複数のユーザや外国代理人を含むグループに対応するグループアイコン1001を含んでいてもよい。ユーザは、グループに属する複数のユーザや外国代理人と、チャットルーム1003においてテキスト情報や手続きに関する情報を送受信可能である。ユーザは、リエゾン画面1000に含まれるグループアイコン1001を選択することにより、チャットルーム1003を用いて種々の情報をやり取りするグループを決定することができる。リエゾン画面1000は、複数のグループに対応するグループアイコン1001を含んでいてもよい。リエゾン画面1000に表示できないグループアイコン1001は、ユーザがリエゾン画面1000においてグループアイコン1001が表示されている領域をスクロールすることにより、表示することができる。
ユーザが、リエゾン画面1000において、グループに対応するグループアイコン1001を選択すると、チャットルーム1003を表示する領域には、該選択したグループアイコン1001に対応するグループに属するユーザや外国代理人と所定の情報をやり取りするためのチャットルーム1003が表示される。そのため、ユーザは、表示されたチャットルーム1003を用いて、選択したグループアイコン1001に対応するグループに属する他のユーザや外国代理人と、所定の情報をやり取りすることが可能となる。
リエゾン画面1000は、ユーザに関連する他のユーザに対応するメンバーアイコン1002を含んでいてもよい。ユーザは、リエゾン画面1000の他のユーザに対応するメンバーアイコン1002を選択して、選択した他のユーザを、チャットルーム1003に参加させることができる。例えば、ユーザは、他のユーザであるユーザAに対応するメンバーアイコン1002を選択して、該ユーザAをチャットルーム1003に参加させることができる。チャットルーム1003に参加した他のユーザは、該チャットルーム1003において、テキスト情報や手続きに関する情報を登録(アップロード)することが可能になる。リエゾン画面1000は、複数の他のユーザの各々に対応するメンバーアイコン1002を含んでいてもよい。リエゾン画面1000に表示できないメンバーアイコン1002は、ユーザが該リエゾン画面1000においてメンバーアイコン1002が表示されている領域をスクロールすることにより、表示することができる。
ユーザがリエゾン画面1000において他のユーザに対応するメンバーアイコン1002を選択すると、チャットルーム1003を表示する領域には、該選択したメンバーアイコン1002に対応する他のユーザと所定の情報をやり取りするためのチャットルーム1003が表示される。そのため、ユーザは、表示されたチャットルーム1003を用いて、選択したメンバーアイコン1002に対応する他のユーザと、所定の情報をやり取りすることが可能となる。
リエゾン画面1000は、複数の外国代理人の各々に対応する代理人アイコン1004を含んでいてもよい。ユーザは、代理人アイコン1004を選択して、手続きを依頼する外国代理人を、チャットルーム1003に参加させることができ、該外国代理人と情報のやり取りを行うことが可能となる。また、リエゾン画面1000は、複数の外国代理人の各々に対応する代理人アイコン1004を含んでいてもよい。リエゾン画面1000に表示できない代理人アイコン1004は、ユーザが該リエゾン画面1000において代理人アイコン1004が表示されている領域をスクロールすることにより、表示することができる。
代理人アイコン1004には、代理人に関する情報が表示されてもよい。代理人アイコン1004は、例えば、代理人の名前や、該代理人が所属する特許事務所や法律事務所の名前が表示されてもよい。また、代理人アイコン1004には、代理人ごとに、該代理人に手続きを依頼した場合の費用や、手続きに要する時間などが表示されてもよい。ユーザは、費用や時間等を確認して、手続きを依頼する代理人を選択することが可能となる。
なお、ユーザが、複数の代理人の各々の詳細な情報を確認するために、該ユーザが代理人アイコン1004をクリックすると、該詳細な情報を確認するためのページに移動するように構成されていてもよい。詳細な情報には、代理人の所属する特許事務所や法律事務所の詳細な内容や、手続きに要する費用、代理人の経歴などが表示されていてもよい。ユーザは、複数の代理人の各々について、例えば、手続きに要する費用を確認することにより、いずれの代理人に手続きを依頼するか決定することができる。一方。代理人は、ユーザから選択を受けるように、例えば割引などを行った費用を提示することが可能となる。
リエゾン画面1000は、カレンダー機能に対応するカレンダーアイコン1005を含んでいてもよい。カレンダー機能は、例えば、低額または無料で提供されているカレンダー機能を用いることができる。カレンダー機能に対応するカレンダーアイコン1005が選択された場合、カレンダーを表示するカレンダー画面(不図示)に移動してもよく、リエゾン画面1000内においてカレンダーを表示してもよい。
リエゾン画面1000は、フォルダ機能に対応するフォルダアイコン1006を含んでいてもよい。フォルダ機能は、ユーザがチャットルーム1003にアップロードした手続きに関する情報を記憶する機能である。フォルダ機能に対応するフォルダアイコン1006が選択された場合、フォルダを表示するフォルダ画面(不図示)に移動してもよく、リエゾン画面1000内においてフォルダを表示してもよい。
リエゾン画面1000は、外国代理人とTV会議するための機能に対応するTV会議アイコン1008を含んでいてもよい。ユーザがTV会議を行いたい外国代理人に対応する代理人アイコン1004を特定し、TV会議に対応するTV会議アイコン1008を選択すると、特定した外国代理人とTV会議するためのTV会議画面(不図示)に移動してもよく、リエゾン画面1000内においてTV会議画面を表示してもよい。
ユーザは、外国代理人とTV会議することにより、手続きに関する内容や手続きに要する費用などについて該外国代理人から直接説明を付けることができる。
リエゾン画面1000は、翻訳の機能に対応する翻訳アイコン1007を含んでいてもよく、翻訳に対応する翻訳アイコン1007は、“Translation”として表示してもよい。
翻訳の機能は、ユーザや外国代理人によってアップロードされた所定の情報を、翻訳するための機能である。例えば、ユーザが日本語で記載されたファイルをチャットルーム1003にアップロードした場合、該ファイルを英語や中国語に翻訳する機能を提供する。また、外国代理人がアップロードした英語や中国語で記載されたファイルを、該ファイルを日本語に翻訳する機能を提供する。
翻訳の機能は、知的財産に特有の表現や内容を的確に翻訳可能であることが望ましい。翻訳の機能は、例えば、所定の表現や内容を予め定められたルール(規則)に基づいて翻訳するルール型の機械翻訳と、大量の翻訳文(例文や過去の翻訳結果など)に基づいて統計的に翻訳モデルを学習することにより翻訳を行う統計型の機械翻訳を組み合わせた、ハイブリッド型の機械翻訳であってもよい。ルール型の機械翻訳は、例えば、キーワードや文法の組み合わせにより翻訳を行うため、特有の表現等を含む知的財産の分野であっても、誤訳を低減した内容で翻訳可能である。また、統計型の機械翻訳は、機械学習した翻訳モデルにより翻訳を行うため、種々の技術分野に関しても、誤訳を低減した内容で翻訳可能である。そして、知的財産支援装置1における翻訳の機能は、これらのハイブリットにより翻訳を行うため、種々の技術分野や法律分野を含む知的財産に関する翻訳であっても、誤訳を低減した内容で翻訳可能である。
なお、翻訳の機能は、翻訳者が行ってもよいし、自動翻訳であってもよい。
ユーザは、チャットルーム1003にアップされたファイルを該チャットルーム1003上で特定して、翻訳アイコン1007を選択すると、特定したファイルが所定の言語に翻訳される。なお、翻訳アイコン1007を選択した場合、さらに翻訳する言語を選択するためのタブやアイコンが表示されてもよい。ユーザは、翻訳したい言語のタブやアイコンを選択することにより、特定したファイルを選択した言語に翻訳することができる。
なお、本発明の実施形態における知的財産支援装置1においては、ファイルの翻訳は、例えば、低額または無料で提供されている翻訳サービス等を用いることができる。
また、本発明の実施形態において、翻訳の機能は、ユーザや外国代理人がチャットルーム1003にファイルをアップロードした際に、該ファイルに対して自動的に実行されるものであってもよい。
リエゾン画面1000は、“IPリエゾン”に対応するアイコンをIPリエゾンアイコン1009として表示しておいてもよく、該IPリエゾンアイコン1009が選択されることによってチャットルーム1003が表示されるようにしてもよい。
リエゾン画面1000は、“手続きの流れ”に対応する手続きの流れアイコン1010を含んでいてもよい。