JP6554686B2 - フェーズドアレーアンテナの設計方法、フェーズドアレーアンテナおよび電力伝送システム - Google Patents

フェーズドアレーアンテナの設計方法、フェーズドアレーアンテナおよび電力伝送システム Download PDF

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Description

本発明は、無線電力伝送に使用されるフェーズドアレーアンテナの設計方法、ならびに、その設計方法で設計されたフェーズドアレーアンテナおよび電力伝送システムに関する。
従来、電磁波を用いて遠距離間を電力伝送する無線電力伝送の技術が知られている。近年、静止衛星軌道において太陽光発電を行い、無線電力伝送を用いて地上でその電力を利用する宇宙太陽発電システムが注目を集めている。また、屋根に受電アンテナが設けられた電気自動車を送電アンテナの下に移動させ、無線電力伝送を用いて電気自動車に給電する無線給電システムが提案されている(非特許文献1)。さらに、再生可能エネルギーを離島間で双方向に送電する無線電力伝送システムが提案されている。一方、フェーズドアレーアンテナの振幅と位相を最適化する技術として、均一振幅アレーを仮定し、高い電力収集効率および不要放射抑制を目指した送電放射パターンの最適化が行われている(非特許文献2)。
N.Shinohara,Y.Kubo, H.Tonomura, "Wireless charging for electric vehicle with microwaves",Electric Drives Production Conference (EDPC), 2013年 橋本弘藏、新島壮平、江口将史、松本紘、「マイクロ波送電用均一励振フェーズドアレイビーム最適化」、信学技報、2005年6月
従来のフェーズドアレーアンテナの設計方法では、ビーム電磁界が最適化されるように、フェーズドアレーアンテナに入力する給電信号の振幅分布および位相分布を調整する。しかし、長距離の無線電力伝送に用いられる大型のフェーズドアレーアンテナの場合、アンテナ素子数が膨大となるため、より見通しが良いフェーズドアレーアンテナの設計方法が求められる。
本発明の目的は、見通しが良く効率的なフェーズドアレーアンテナの設計方法、ならびに、その設計方法で設計されたフェーズドアレーアンテナおよび電力伝送システムを提供することにある。
本発明のフェーズドアレーアンテナの設計方法は、複数の球面波を目的に応じて最適合成することにより設計電磁界の分布を得るステップと、設計電磁界の断面における振幅分布および位相分布を得るステップと、振幅分布および位相分布をフェーズドアレーアンテナに入力することにより、フェーズドアレーアンテナから出力される出力電磁界の分布を得るステップと、出力電磁界の分布が設計電磁界の分布に近づくようにフェーズドアレーアンテナの構成を調整するステップと、を備える。
この構成では、理論的に許容される理想的なビーム電磁界を先に決定する。そして、理想的なビーム電磁界がフェーズドアレーアンテナから出力されるようにフェーズドアレーアンテナを調整する。このため、フェーズドアレーアンテナを見通し良く設計することができる。言い換えると、ビーム電磁界の理論限界を明確にしたフェーズドアレーアンテナの効率的な設計が可能となる。また、物理的なアンテナを使用せずにビーム電磁界を最適化することができる。
設計電磁界の分布を得るステップで、球面波による平面波の展開係数に基づく合成係数を用いて、動径部分がjl(kr)のみで与えられる球ベッセル関数である球面波を合成することが好ましい。この構成では、平面波のように一方向に伝搬する対称性が良いビーム電磁界を得ることができる。また、合成係数を適宜調整することで、サイドローブが低下してメインローブにエネルギーが集中したビーム電磁界が得られる。すなわち、高いエネルギー閉じ込め性を有するビーム電磁界が得られる。これにより、伝送効率が高い電力伝送システムを得ることができる。また、外部へのエネルギー漏洩が抑制されるので、他の無線通信システムへの干渉や生態系への影響を軽減することができる。また、外部へのエネルギー漏洩が低いビーム電磁界を効率的に設計できるので、安全性が高い電力伝送システムを効率的に設計できる。また、エネルギー閉じ込め性が高いガウスビームと比べて、設計パラメータ数が多いので、柔軟性が高いビーム電磁界の設計が可能である。
球面波の合成において、次数m=1の球面波を次数l=1からl=lmaxまで合成してもよい。この構成では、中心で電力密度が高いビーム電磁界を得ることができる。
球面波の合成において、次数m≧2の球面波を次数l=mからl=lmaxまで合成してもよい。この構成では、中心で電力密度が低いビーム電磁界(中抜きビーム)を得ることができる。
球面波の合成において、次数mが異なる球面波を合成してもよい。この構成では、合成係数を適宜調整することで、ビーム電磁界の断面の所望の位置に低電力密度領域を形成することができる。これにより、様々な断面分布を有するビーム電磁界を設計することができる。
合成係数は、球面波による平面波の展開係数に調整係数を乗じたものであり、次数lの球面波に対する調整係数は、次数lが高次になるほど小さくなってもよい。この構成では、高いエネルギー閉じ込め性を有するビーム電磁界が得られる。
断面の法線は設計電磁界の伝搬方向に対して斜め方向を向いてもよい。この構成では、フェーズドアレイアンテナの送電面に対して斜め方向に出力されるビーム電磁界を得ることができる。
本発明のフェーズドアレーアンテナは、本発明のフェーズドアレーアンテナの設計方法を用いて設計される。この構成では、見通し良く効率的にフェーズドアレーアンテナを設計することができる。
本発明の電力伝送システムは送電アンテナおよび受電アンテナを備える。送電アンテナから受電アンテナに向けてビーム電磁界が出力される。送電アンテナとして本発明のフェーズドアレーアンテナが使用される。この構成では、見通し良く効率的に電力伝送システムを設計することができる。
ビーム電磁界の分布はビームウェストを中心として対称な形状を有してもよい。この構成では、対称性が良い電力伝送システムを実現することができる。
ビーム電磁界の分布はビームウェストを有し、受電アンテナはビームウェストに配置されてもよい。この構成は、受電アンテナの受電面のサイズを小さくすることができる。
ビーム電磁界の断面において、中心の電力密度は周辺の電力密度より低くてもよい。この構成では、ビーム電磁界の中心領域にパイロット信号の発信器等を設置することができる。
ビーム電磁界の断面の分布は制御に応じて変化してもよい。この構成では、ビーム(ビーム電磁界)内に侵入物が入ってきた場合、ビームの電力密度分布を変化させることで、侵入物の周囲に低電力密度領域を形成することができる。このため、ビーム内に入ってきた侵入物へのビームの影響を軽減するとともに、継続的で安定した電力伝送が可能となる。
送電アンテナの送電面または受電アンテナの受電面の法線のうち少なくとも一方は、ビーム電磁界の伝搬方向に対して斜め方向を向いてもよい。この構成は、太陽光発電を行う静止衛星から地上への電力伝送、静止衛星軌道上のミラー衛星を介した電力伝送等に有用である。
本発明によれば、理論限界を明確にしたフェーズドアレーアンテナの効率的な設計が可能となる。
フェーズドアレーアンテナの設計方法の概要を示す模式図である。 フェーズドアレーアンテナの設計方法の概要を示すフローチャートである。 球面放射波および球面吸収波の合成を示す模式図である。 遮断領域の半径を導出するための模式図である。 球面波合成ビームを特徴づけるパラメータを示す模式図である。 次数l=1,…,10の球面放射波における瞬時電力密度分布のXZ断面を示す図である。 放射電磁界、吸収電磁界および球面波合成ビームの瞬時電力密度分布のXZ断面を示す図である。 球面波による平面波の展開係数を用いて、次数l=1からl=20までの球面放射波および球面吸収波を合成して得られた球面波合成ビームを示す図である。 調整変数σ=1から5までの球面波合成ビームの瞬時電力密度分布を示す図である。 調整変数σ=1,2,5の球面波合成ビームの放射パターンを示す図である。 球面波合成ビームとガウスビームとの比較を示す図である。 最大次数lmaxおよび調整変数σを変化させたときの球面波合成ビームの電力密度分布を示す図である。 フェーズドアレーアンテナ10のブロック図である。 フェーズドアレーアンテナおよび電力伝送システムの設計方法を示す模式図である。 フェーズドアレーアンテナおよび電力伝送システムの設計例を示す図である。 フェーズドアレーアンテナおよび電力伝送システムの設計例を示す図である。 次数m=1からm=4までの球面波合成ビームの電力密度分布を示す図である。 次数m=1からm=4までの球面波合成ビームにおける電力密度分布のXY断面を示す図である。 図19(A)は、次数m=3の球面波合成ビームにおける電力密度分布のXZ断面を示す図である。図19(B)は、次数m=3の球面波合成ビームの放射パターンを示す図である。 次数m=1からm=4までのTEモードの球面波合成ビームの電力密度分布を示す図である。 次数m=1からm=4までのTEモードの球面波合成ビームにおける電力密度分布のXY断面を示す図である。 電力伝送システム20の模式図である。 図23(A)は電力伝送システム30の模式図である。図23(B)は、電力伝送システム30の設計方法の要部を示す模式図である。 電力伝送システム40の模式図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点について説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
《第1の実施形態》
本発明の第1実施形態に係るフェーズドアレーアンテナの設計方法について説明する。図1は、フェーズドアレーアンテナの設計方法の概要を示す模式図である。図2は、フェーズドアレーアンテナの設計方法の概要を示すフローチャートである。まず、球面波による平面波の展開係数を用いて球面放射波および球面吸収波を合成することにより、理想的なビーム電磁界(設計電磁界)の分布を得る(S11)。次に、設計電磁界の断面の振幅分布および位相分布を抽出する(S12)。
次に、フェーズドアレーアンテナのシミュレーションモデルを用意する(S13)。次に、抽出した振幅分布および位相分布で、フェーズドアレーアンテナを構成する各アンテナ素子に給電することにより、フェーズドアレーアンテナから出力されるビーム電磁界(出力電磁界)の分布を得る(S14)。出力電磁界と設計電磁界との差異が許容範囲内にある場合(S15:Yes)、設計手順を終了する。出力電磁界と設計電磁界との差異が許容範囲内にない場合(S15:No)、フェーズドアレーアンテナを構成するアンテナ素子の種類、並べ方、配置間隔等を調整した後、ステップS14を行う。このようにして、フェーズドアレーアンテナを設計することができる。
次に、設計電磁界の球面波による合成方法について説明する。図3は、球面放射波および球面吸収波の合成を示す模式図である。球面波はマックスウェル方程式の球座標系における直交基底関数であり、その電界および磁界は球ベッセル関数および球面調和関数を用いて解析的に表現される。球面波は、次数l,mで表される無数のモードを持つ。球面波には、原点にある多重極から外向きに進行する球面放射波(図3(A)参照)、および、原点にある多重極に向かって内向きに進行する球面吸収波(図3(B)参照)の2種類が存在する。球面放射波の動径部分は第1種球ハンケル関数hl (1)(kr)であり、球面吸収波の動径部分は第2種球ハンケル関数hl (2)(kr)である。ここで、rは動径であり、kは波数である。原点近傍には、非伝搬の波(共振電磁界)が存在する遮断領域が形成されている。
球面波による平面波の展開係数を用いて、次数l=1からl=lmaxまでの球面放射波を合成すると、+Z方向に指向性を有する放射電磁界が得られる(図3(C)参照)。次数lのTEモード(磁気多重極輻射に対応するモード)およびTMモード(電気多重極輻射に対応するモード)の球面放射波に対する合成係数は、次数lのTEモードおよびTMモードの球面波に対する平面波の展開係数al=al (TE)=al (TM)である。球面波による平面波の展開係数を用いて、次数l=1からl=lmaxまでの球面吸収波を合成すると、−Z方向に指向性を有する吸収電磁界が得られる(図3(D)参照)。次数lのTEモードおよびTMモードの球面吸収波に対する合成係数は展開係数alである。さらに、同じ最大次数lmaxをもつ放射電磁界および吸収電磁界を同振幅で合成すると、多重極および共振電磁界が消滅し、Z方向へのエネルギー流のみが存在する球面波合成ビームが形成される(図3(E)参照)。球面波合成ビームの動径部分は球ベッセル関数jl(kr)になる。すなわち、球面波合成ビームの動径部分は、球ノイマン関数を含まない狭義の球ベッセル関数である。なお、平面波は、次数l=1,2,…、m=1の球面波を用いて展開される。第1の実施形態では、次数m=1の球面波のみが合成される。
次に、球面波および球面波合成ビームを特徴づけるパラメータについて説明する。図4は、遮断領域の半径を導出するための模式図である。次数m=1の球面波はXZ断面において2l個の節(電気壁および磁気壁)を有しているので(図6参照)、互いに隣り合う節の間の角度はπ/lとなる。また、電磁波は、遮断導波管で見られるように、電磁波の幅が概ね半波長以上になるときに伝搬し始める。このため、遮断領域の半径Rlは、球面波の波長をλとして、Rl=λl/(2π)と表される。このように、遮断領域の半径は球面波の次数lに比例する。
図5は、球面波合成ビームを特徴づけるパラメータを示す模式図である。合成される球面波の中で最大次数の球面波の遮断領域の半径が最も大きいので、球面波合成ビームのビームウェストの直径Dwは最大次数の球面波の遮断領域の大きさで規定される。このため、球面波合成ビームのビームウェストの直径DwはDw=2Rlmax=λlmax/πと表される。このように、球面波合成ビームのビームウェストの直径は、合成される球面波の最大次数に比例する。また、球面波合成ビームの半値角θ0は角度と角運動量との不確定性関係からθ0=π/lmaxと表される。また、ビーム開き角θは、ηを定数として、θ=ηθ0=ηπ/lmaxと表される。このように、球面波合成ビームのビーム開き角は、合成される球面波の最大次数に反比例する。
図6は、次数l=1,…,10の球面放射波における瞬時電力密度分布のXZ断面を示している。瞬時電力密度分布は瞬時ポインティングベクトルの絶対値で与えられている。図6に図示された数値は、原点から放射されている電力値を示している。単一モードの球面放射波は、原点から外向きに全方位的に放射しており、特定の方向に対して指向性を有しない。原点近傍には共振電磁界が存在している。遮断領域の直径は、球面波の次数lが高くなるほど大きくなる。
図7は、放射電磁界、吸収電磁界および球面波合成ビームの瞬時電力密度分布のXZ断面を示している。図7(A)は、球面波による平面波の展開係数を用いて、次数l=1からl=10までの球面放射波を合成して得られた放射電磁界を示している。図7(B)は、球面波による平面波の展開係数を用いて、次数l=1からl=10までの球面吸収波を合成して得られた吸収電磁界を示している。図7(C)は、同振幅の放射電磁界および吸収電磁界を合成して得られた球面波合成ビームを示している。図7では、1W/m2を0dBとしている。図示されたλは電磁波の波長である。原点から放射されている電力は100Wである。波長λおよび電力は図7(B)および図7(C)でも同様である。上記のように、球面放射波を合成することにより、+Z方向に指向性を有する放射が得られている。球面吸収波を合成することにより、−Z方向に指向性を有する吸収が得られている。球面放射波および球面吸収波を合成することにより、−Z方向から+Z方向に伝搬するエネルギービームが現れる。
図8は、球面波による平面波の展開係数を用いて、次数l=1からl=20までの球面放射波および球面吸収波を合成して得られた球面波合成ビームを示している。球面波合成ビームの周波数は5.8GHzである。最大次数が20である球面波合成ビームでは、最大次数が10である球面波合成ビーム(図7(C)参照)に比べて、ビームウェストの直径が大きくなるとともに、指向性が向上する。一方、図7および図8に示す球面波合成ビームには、比較的大きなサイドローブが現れる。
次に、図8に示すようなサイドローブを低下させてエネルギー閉じ込め性を高める方法について説明する。上記のように、球面波の合成に用いる合成係数として、球面波による平面波の展開係数を用いた場合、合成する球面波をある最大次数で打ち切ると、球面波合成ビームに比較的大きなサイドローブが存在する。このサイドローブは、最大次数より高次のモードのサイドローブを打ち消す役割を持つが、有限個の球面波を合成する場合、エネルギー漏洩の原因となる。そこで、球面波の合成係数として、例えば次の式を用いる。
ここで、bl (TE)は次数lのTEモードの球面波に対する合成係数である。bl (TM)は次数lのTMモードの球面波に対する合成係数である。ill(l+1)/(2l+1)は球面波による平面波の展開係数alである。σは実数値の調整変数である。球面波の合成係数は、球面波による平面波の展開係数に調整係数(次数lを独立変数とするガウス関数)を乗じたものである。このような調整係数を用いる場合、合成される球面波の振幅は、球面波の次数lが高くなるにつれて滑らかに小さくなる。なお、調整係数は、より一般的に、合成される球面波の中で高次モードの球面波の振幅を抑制するものでもよい。調整係数は、上記の例に限定されず、サイドローブを低下させるように、球面波による平面波の展開係数を調整するものであればよい。
図9は、調整変数σ=0から5までの球面波合成ビームの瞬時電力密度分布を示している。球面波合成ビームの最大次数は20である。球面波合成ビームの伝搬方向は+Z方向である。球面波合成ビームの周波数は5.8GHzである。調整変数が大きくなるにつれて、球面波合成ビーム内にエネルギーが強く閉じ込められている。一方、調整変数が大きくなるにつれて、ビームウェストの直径が小さくなるとともに、指向性が低下する。これは、調整変数の増加により実効的な球面波合成ビームの最大次数が小さくなるためである。
図10は、調整変数σ=0,2,5の球面波合成ビームの放射パターンを示している。図10では、各球面波合成ビームのピーク電力を基準とした相対電力密度を示している。球面波合成ビームの最大次数は100である。球面波合成ビームの伝搬方向は0度方向である。球面波合成ビームの周波数は5.8GHzである。上記のように、調整変数が大きくなるにつれて、サイドローブが低下してメインローブ内にエネルギーが集中する。一方、調整変数が大きくなるにつれて、メインローブのヌル点までの角度が大きくなり、指向性が低下する。
図11は、球面波合成ビームとガウスビームとの比較を示している。ガウスビームはエネルギー閉じ込め性の高いビームとして知られている。ガウスビームのビームウェストの直径はスポットサイズをw0として2w0で規定される。ガウスビームの設計パラメータはスポットサイズw0のみであり、ガウスビームの設計パラメータ数は1個である。ガウスビームの断面の電磁界分布はガウス分布に固定されている。ガウスビームには、ヌル点がなく、サイドローブがない。これに対して、球面波合成ビームのビームウェストの直径はλlmax/πで規定される。球面波合成ビームの設計パラメータは合成係数であり、球面波合成ビームの設計パラメータ数は合成される球面波の数(lmax個)である。球面波合成ビームの断面の電磁界分布は合成係数の組み合わせにより調整可能である。上記の調整係数を用いる場合、球面波合成ビームの指向性はその最大次数で決まり、そのサイドローブは調整変数で決まる。球面波合成ビームには、ヌル点があり、サイドローブが存在する。以上のように、球面波合成ビームは、合成係数の組み合わせによりガウスビームに比べて高い設計自由度を有する。言い換えると、球面波合成ビームでは、ガウスビームと比べて、設計パラメータ数が多いので、柔軟性が高い設計が可能である。
図12は、最大次数lmaxおよび調整変数σを変化させたときの球面波合成ビームの電力密度分布を示している。破線で示された直線間の角度はビーム開き角である。実線で示された直線間の角度は半値角である。破線で示された楕円は、最大次数の球面波の遮断領域を示している。なお、この遮断領域は、円形であるが、図の縦横の縮尺の影響により楕円として図示されている。最大次数lmax=60および調整変数σ=3の場合、比較的大きなサイドローブが存在している。次に、最大次数lmaxを60に固定したまま調整変数σを3から9に変化させると、サイドローブが低下する。しかし、実効的な最大次数が小さくなるので、球面波合成ビームが広がっている。次に、調整変数σを9に固定したまま最大次数lmaxを60から120に変化させると、最大次数が大きくなることにより、ビームウェストの直径が大きくなるとともに、指向性が向上する。このため、球面波合成ビームの利得が改善される。次に、調整変数σを9に固定したまま最大次数lmaxを120から180にさらに変化させると、実効的なビームウェストの直径とアンテナサイズとが一致する。このように、最大次数および調整変数を調整することにより、球面波合成ビームを最適化することができる。すなわち、最大次数および合成係数を調整することにより、球面波合成ビームを最適化して設計電磁界を得ることができる。なお、この例では、実効的なビームウェストの直径とアンテナサイズとが一致する球面波合成ビームを設計電磁界としたが、他の形状の球面波合成ビームを設計電磁界としてもよい。
図13はフェーズドアレーアンテナ10のブロック図である。フェーズドアレーアンテナ10は、本実施形態の設計方法で使用されるフェーズドアレーアンテナの一例である。本実施形態に係るフェーズドアレーアンテナは、フェーズドアレーアンテナ10に限定されず、公知の構成を有するものを含む。フェーズドアレーアンテナ10は、複数のアンテナ素子11、複数の可変増幅器12、複数の可変移相器13、分配器14および発振器15を備える。各アンテナ素子11は可変増幅器12および可変移相器13を介して分配器14の出力ポートに接続されている。分配器14の入力ポートは発振器15に接続されている。
発振器15は所定周波数の交流電力を出力する。分配器14は交流電力を各アンテナ素子11に分配する。可変移相器13には、フェーズドアレーアンテナ10の送電面上での設計電磁界の位相分布の情報が入力される。可変移相器13は、与えられた位相分布が生成されるように、分配された交流電力の位相を変化させる。可変増幅器12には、フェーズドアレーアンテナ10の送電面上での設計電磁界の振幅分布の情報が入力される。可変増幅器12は、与えられた振幅分布が生成されるように、分配された交流電力の振幅を変化させる。アンテナ素子11は、振幅および位相が制御された電磁波を放射する。
図14は、フェーズドアレーアンテナおよび電力伝送システムの設計方法を示す模式図である。ここでは、対称性が良い伝送系として、送受電アンテナの大きさが同じであり、ビームウェストが送受電アンテナ間の中心にあることを仮定している。送電アンテナとしてフェーズドアレーアンテナを用い、受電アンテナとしてレクテナを用いる。図14(A)に示すように、送受電アンテナの直径をDaとし、送電距離をLTとして、Da/LT=tanθによりビーム開き角θを得る。次に、図14(B)に示すように、ビーム開き角θ=ηπ/lmaxおよびビームウェストの直径Dw=λlmax/πを考慮して、球面波合成ビームを最適化して設計電磁界を得る。そして、送電アンテナが配置される設計電磁界の断面における設計電磁界の振幅分布および位相分布を得る。
次に、図14(C)に示すように、送電アンテナおよび受電アンテナのシミュレーションモデルを用意する。そして、設計電磁界から得られた振幅分布および位相分布を送電アンテナに入力することにより、送電アンテナが出力する出力電磁界を得る。次に、出力電磁界を設計電磁界に近づけるように、アンテナ素子の種類、並べ方、配置間隔等を調整して、送電アンテナを最適化する。また、送電アンテナと対となるように受電アンテナを最適化する。このようにして、フェーズドアレーアンテナおよび電力伝送システムを設計することができる。
図15および図16はフェーズドアレーアンテナおよび電力伝送システムの設計例を示している。図15(A)は設計電磁界の電力密度分布のXZ断面を示している。ビームの伝搬方向は+Z方向である。破線で示された直線間の角度はビーム開き角である。実線で示された直線間の角度は半値角である。図15(B)は、設計電磁界の放射パターンを示している。図15では、ビームのピーク電力を基準とした相対電力密度を示している。ビームの伝搬方向は0度方向である。設計パラメータは次のように設定される。
[設計パラメータ]
送受電アンテナの直径 Da=50m
送電距離 LT=10km
ビーム開き角 θ=0.57°
合成された球面波の最大次数 lmax=1508
ビームウェストの直径 Dw=24.81m
調整変数 σ=3
周波数 5.8GHz
ここで、図15(B)に示すように、第1サイドローブレベルを−40dBまで抑圧するために、調整変数σ=3としている。また、メインローブのヌル点間の角度をビーム開き角としている。
図16(A)は、フェーズドアレーアンテナ(送電アンテナ)から出力される出力電磁界の電力密度分布のXZ断面を示している。図16(B)はフェーズドアレーアンテナの入力振幅分布を示している。図16(C)はフェーズドアレーアンテナの入力位相分布を示している。図16(D)は受電面における出力電磁界の電力密度分布を示している。ここで、フェーズドアレーアンテナの計算には、各アンテナ素子の放射パターンの電界を線形に重ね合わせる手法(電界合成法)を用いている。各アンテナ素子の放射パターンには、電磁界シミュレータを用いて計算した円形パッチアンテナの電界の値を使用している。アンテナ素子は四角配置で並べられている。アンテナピッチは半波長(2.59cm)である。アンテナ素子数は1933×1933=3736489である。フェーズドアレーアンテナへの総入力電力は1000kWである。
図16(B)に示すように、入力振幅分布において、中心で振幅が最も大きく、外側に向かうほど振幅が小さくなっている。図16(C)に示すように、入力位相分布において、中心で位相が最も遅れており、外側に向かうほど位相が進んでいる。図16(D)に示すように、受電面の電力密度分布において、中心で電力密度が最も大きく、外側に向かうほど電力密度が小さくなっている。受電面に到達する電力は998kWとなり、ビーム収集効率は99.8%となっている。このように、第1の実施形態では、離散波源を用いた場合でも、高いエネルギー閉じ込め性を持つビーム電磁界を形成することができる。
なお、上記の設計例では、アンテナ素子を正方形状に並べているが、設計電磁界の断面の振幅分布および位相分布に合わせて、アンテナ素子を円形状に並べてもよい。これにより、設計電磁界を実現するために必要なアンテナ素子数を低減することができる。また、上記の設計例では、アンテナ素子を四角配置で並べているが、アンテナ素子を三角配置等の他の配置方法で並べてもよい。また、上記の設計例では、アンテナピッチを半波長に設定しているが、アンテナピッチを半波長と異なる長さに設定してもよい。
第1の実施形態では、理論的に許容される理想的なビーム電磁界を先に決定する。そして、理想的なビーム電磁界がフェーズドアレーアンテナから出力されるようにフェーズドアレーアンテナを調整する。このため、フェーズドアレーアンテナを見通し良く設計することができる。言い換えると、ビーム電磁界の理論限界を明確にしたフェーズドアレーアンテナの効率的な設計が可能となる。また、物理的なアンテナを使用せずにビーム電磁界を最適化することができる。
また、球面波の合成に用いる合成係数を適宜調整することで、サイドローブが低下してメインローブにエネルギーが集中したビーム電磁界が得られる。すなわち、高いエネルギー閉じ込め性を有するビーム電磁界が得られる。これにより、伝送効率が高い電力伝送システムを実現することができる。また、外部へのエネルギー漏洩が抑制されるので、他の無線通信システムへの干渉や生態系への影響を軽減することができる。また、外部へのエネルギー漏洩が低いビーム電磁界を効率的に設計できるので、安全性が高い電力伝送システムを効率的に設計できる。また、エネルギー閉じ込め性が高いガウスビームと比べて、設計パラメータ数が多いので、柔軟性が高いビーム電磁界の設計が可能である。
《第2の実施形態》
本発明の第2の実施形態に係るフェーズドアレーアンテナの設計方法について説明する。第2の実施形態では、次数mの高次モードの球面波を合成して球面波合成ビームを得る。図17は、次数m=1からm=4までの球面波合成ビームの電力密度分布を示している。図18は、次数m=1からm=4までの球面波合成ビームにおける電力密度分布のXY断面(ビームウェストでの断面)を示している。ここで、次数mの球面波合成ビームは、動径部分が球ベッセル関数である次数mの球面波を次数l=mからl=lmaxまで合成したものである。次数l,mのTEモードおよびTMモードの球面波に対する合成係数は展開係数alである。
次数m=1の球面波合成ビームでは、ビーム断面(Z方向に垂直な断面)において、中心で電力密度が高くなっている。次数m≧2の球面波合成ビームでは、ビーム断面において、中心の電力密度が周辺の電力密度より低い。すなわち、次数m≧2の球面波合成ビームは、中心に中空部分を有する中抜きビーム(ドーナツ状ビーム)になっている。球面波合成ビームの次数mが高くなるにつれて、中空部分の直径が大きくなるとともに、指向性が低下している。一方、球面波合成ビームの次数mが変化しても、球面波合成ビームの直径はほぼ変化していない。このため、球面波合成ビームの直径を変えずに中空部分のサイズを変化させるような球面波合成ビームの調整が可能である。
図19(A)は、次数m=3の球面波合成ビームにおける電力密度分布のXZ断面を示している。図19(B)は、次数m=3の球面波合成ビームの放射パターンを示している。ここで、最大次数lmax=50であり、調整変数σ=3である。他の条件は図17における条件と同様である。図19(A)および図19(B)からも、次数mの高次モードの球面波合成ビームの中心に中空部分が形成されることがわかる。このように、高次モードの次数mの球面波を合成することにより、中抜きビームを形成することができる。
また、設計電磁界として中抜きビームを使用することで、中抜きビームが伝搬する電力伝送システムを実現することができる。この電力伝送システムでは、ビーム電磁界の中心領域にパイロット信号の発信器等を設置することができる。
《第3の実施形態》
本発明の第3の実施形態に係るフェーズドアレーアンテナの設計方法について説明する。第3の実施形態では、次数mが異なる球面波を合成して球面波合成ビームを得る。図20は、次数m=1からm=4までのTEモードの球面波合成ビームの電力密度分布を示している。図21は、次数m=1からm=4までのTEモードの球面波合成ビームにおける電力密度分布のXY断面を示している。ここでは、TEモードの球面波のみを合成して球面波合成ビームを形成している。他の条件は図17における条件と同様である。
TEモードの球面波合成ビームはZ軸周りの回転方向に複数の節を有する。このため、次数mが異なるTEモードの球面波合成ビームをさらに合成することで、ビーム断面において、球面波合成ビームの中心だけでなく所望の位置に、低電力密度領域を形成することができる。これにより、様々なビーム断面の分布を有するビーム電磁界を設計することができる。
また、従来、ビーム内に侵入物が入ってきた場合、ビームを止めたり、散らしたりすることで、侵入物に対する輻射エネルギーを抑制する方法が提案されている。その方法によれば、電力伝送が中断したり、伝送効率が低下したりしてしまう。第3の実施形態の設計方法を使用すると、ビーム電磁界の断面の分布が制御に応じて変化する電力伝送システムを実現することができる。この電力伝送システムでは、ビーム内に侵入物が入ってきた場合、ビームの電力密度分布を変化させることで、侵入物の周囲に低電力密度領域を形成することができる。このため、ビーム内に入ってきた侵入物へのビームの影響を軽減するとともに、継続的で安定した電力伝送が可能となる。
《他の実施形態》
図22は電力伝送システム20の模式図である。送電アンテナ21は上記の設計方法で設計されたフェーズドアレーアンテナである。受電アンテナ22は、送電アンテナ21から出力されるビーム電磁界23のビームウェストに配置されている。受電アンテナ22の受電面のサイズは実効的なビームウェストのサイズで規定されている。電力伝送システム20では、ビーム収集効率を低下させずに、受電アンテナ22の受電面のサイズを小さくすることができる。
図23(A)は電力伝送システム30の模式図である。送電アンテナ31は上記の設計方法で設計されたフェーズドアレーアンテナである。電力伝送システム30では、送電アンテナ31から受電アンテナ32に向かう方向(ビーム電磁界33の伝搬方向)に対して、送電アンテナ31の送電面および受電アンテナ32の受電面の法線が斜め方向を向いている。送電面の法線とビーム電磁界33の伝搬方向とは角度ψ(0<ψ<90°)をなしている。受電面の法線と、ビーム電磁界33の伝搬方向に対して逆向きの方向とは角度ψをなしている。電力伝送システム30を設計する際には、図23(B)に示すように、設計電磁界の伝搬方向に対して法線が斜め方向を向く(角度ψをなす)断面において、設計電磁界の振幅分布および位相分布を抽出すればよい。電力伝送システム30は、例えば、太陽光発電を行う静止衛星から地上への電力伝送に有用である。
図24は電力伝送システム40の模式図である。電力伝送システム40は、送電アンテナ41、受電アンテナ42、マイクロ波ミラー44Aおよびマイクロ波ミラー44Bを備える。送電アンテナ41は上記の設計方法で設計されたフェーズドアレーアンテナである。送電アンテナ41は、その送電面が水平になるように設置されている。受電アンテナ42は、送電アンテナ41から水平方向に所定距離離れて、その受電面が水平になるように設置されている。送電アンテナ41および受電アンテナ42の上方には、マイクロ波ミラー44A,44Bが設置されている。送電アンテナ41から出力されたビーム電磁界23は、マイクロ波ミラー44Aで反射され、マイクロ波ミラー44Bに到達する。マイクロ波ミラー44Bに到達したビーム電磁界23は、マイクロ波ミラー44Bで反射され、受電アンテナの受電面に到達する。
電力伝送システム40では、送電面が水平になるように送電アンテナ41が設置され、受電面が水平になるように受電アンテナ42が設置される。このため、送電面および受電面が垂直になるように送電アンテナ41および受電アンテナ42を設置する場合に比べて、送電アンテナ41および受電アンテナ42のメンテナンスが容易になるとともに、重力によるアンテナ形状の歪みを補正する必要性が小さくなる。
なお、上記の実施形態では、フェーズドアレーアンテナを送電アンテナとして使用するが、別の実施形態では、フェーズドアレーアンテナを送受共用のアンテナとして使用してもよい。また、上記の実施形態の電力伝送システムでは、一方向に送電するが、別の実施形態の電力伝送システムでは、一対の送受共用のフェーズドアレーアンテナを用いて双方向に送電してもよい。
また、上記の実施形態では、球面波による平面波の展開係数を調整して合成係数を決定するが、別の実施形態では、所望の球面波合成ビームが形成されるように合成係数を適宜決定してもよい。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10…フェーズドアレーアンテナ
11…アンテナ素子
12…可変増幅器
13…可変移相器
14…分配器
15…発振器
20,30,40…電力伝送システム
21,31,41…送電アンテナ
22,32,42…受電アンテナ
23,33,43…ビーム電磁界
44A,44B…マイクロ波ミラー

Claims (14)

  1. 複数の球面波を目的に応じて最適合成することにより設計電磁界の分布を得るステップと、
    前記設計電磁界の断面における振幅分布および位相分布を得るステップと、
    前記振幅分布および前記位相分布をフェーズドアレーアンテナに入力することにより、前記フェーズドアレーアンテナから出力される出力電磁界の分布を得るステップと、
    前記出力電磁界の分布が前記設計電磁界の分布に近づくように前記フェーズドアレーアンテナの構成を調整するステップと、を備える、フェーズドアレーアンテナの設計方法。
  2. 前記設計電磁界の分布を得るステップで、球面波による平面波の展開係数に基づく合成係数を用いて、動径部分がjl(kr)のみで与えられる球ベッセル関数である球面波を合成する、請求項1に記載のフェーズドアレーアンテナの設計方法。
  3. 前記球面波の合成において、次数m=1の球面波を次数l=1からl=lmaxまで合成する、請求項2に記載のフェーズドアレーアンテナの設計方法。
  4. 前記球面波の合成において、次数m≧2の球面波を次数l=mからl=lmaxまで合成する、請求項2に記載のフェーズドアレーアンテナの設計方法。
  5. 前記球面波の合成において、次数mが異なる球面波を合成する、請求項2に記載のフェーズドアレーアンテナの設計方法。
  6. 前記合成係数は、球面波による平面波の展開係数に調整係数を乗じたものであり、
    次数lの球面波に対する前記調整係数は、次数lが高次になるほど小さくなる、請求項2から5のいずれかに記載のフェーズドアレーアンテナの設計方法。
  7. 前記断面の法線は前記設計電磁界の伝搬方向に対して斜め方向を向く、請求項1から6のいずれかに記載のフェーズドアレーアンテナの設計方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のフェーズドアレーアンテナの設計方法を用いて設計される、フェーズドアレーアンテナ。
  9. 送電アンテナおよび受電アンテナを備え、
    前記送電アンテナから前記受電アンテナに向けてビーム電磁界が出力され、
    前記送電アンテナとして請求項8に記載のフェーズドアレーアンテナが使用される、電力伝送システム。
  10. 前記ビーム電磁界の分布はビームウェストを中心として対称な形状を有する、請求項9に記載の電力伝送システム。
  11. 前記ビーム電磁界の分布はビームウェストを有し
    前記受電アンテナは前記ビームウェストに配置される、請求項9に記載の電力伝送システム。
  12. 前記ビーム電磁界の断面において、中心の電力密度は周辺の電力密度より低い、請求項9から11のいずれかに記載の電力伝送システム。
  13. 前記ビーム電磁界の断面の分布は制御に応じて変化する、請求項9から12のいずれかに記載の電力伝送システム。
  14. 前記送電アンテナの送電面または前記受電アンテナの受電面の法線のうち少なくとも一方は、前記ビーム電磁界の伝搬方向に対して斜め方向を向く、請求項9から13のいずれかに記載の電力伝送システム。
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