JP6553392B2 - 電気絶縁紙およびそれを用いた静止誘導電器 - Google Patents

電気絶縁紙およびそれを用いた静止誘導電器 Download PDF

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Description

本発明は、電気絶縁紙に関し、特に電気絶縁油に浸漬された状態で使用される電気絶縁紙およびそれを用いた静止誘導電器に関するものである。
静止誘導電器の一種に油入変圧器がある。油入変圧器は、タンク内の電気絶縁油中に鉄心と、該鉄心に装着された巻線とが浸漬されており、巻線導体の絶縁被覆などの絶縁物として電気絶縁紙(単に、絶縁紙とも言う)が用いられている。絶縁紙は、微細な空隙を有するマット状の材料であり、その空隙に電気絶縁油(単に、絶縁油とも言う)が含浸された状態で優れた絶縁特性を示すことが知られている。油入変圧器は、電気系統に接続される変圧器などとして広く利用されている。
絶縁油はその主成分によって分類されるが、主成分としては、例えば、鉱油、アルキルベンゼン、ポリブテン、アルキルナフタレン、シリコーン油、エステル油が用いられている。また、絶縁紙としては、クラフト紙、セルロース誘電体紙、薬品添加紙、合成繊維紙などが用いられているが、コストや特性を含む総合的な利便性からクラフト紙をベースとしたものが現在でも主流である。なお、本明細書において、絶縁紙はプレスボードを含むものとする。
電力系統に接続される変圧器は、信頼性と耐久性(長期信頼性)が非常に重要である。油入変圧器の劣化は、絶縁油および絶縁紙の経年劣化により生じ、絶縁油および絶縁紙の劣化には、主に酸素や水が関与している。
絶縁油が劣化した場合、脱気濾過処理や新油交換を行うことにより、絶縁油の性能を回復することができる。一方、絶縁紙が劣化した場合、絶縁紙の交換は現実的に極めて困難なため、絶縁紙の劣化で実質的に油入変圧器の寿命が決まるとされている。
油入変圧器などに広く用いられる絶縁紙(合成繊維紙以外)は、主成分がセルロースからなり、セルロースの平均重合度(セルロースにおけるグルコース環の平均的な繰り返し数)が絶縁紙の劣化の指標として用いられている。そのような絶縁紙の使用限界(寿命)は、日本電気工業会企画(JEM規格、1993年発行)によると、セルロースの平均重合度で450程度とされている。
ここで、絶縁紙の主成分であるセルロースの分解反応について簡単に説明する。セルロースは、下記の化学式1に示すようにグルコース環が鎖状に重合した高分子材料である。
Figure 0006553392
セルロース((C6H10O5)n)の分解反応は、酸化反応、加水分解反応、および熱分解反応の3種類に大別される。酸化反応は、酸素の存在下でセルロース中の水酸基(-OH)が酸化されてカルボニル基(-CO-)やカルボキシル基(-COOH)になり、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)などが生成する反応である。加水分解反応は、水の存在下でのセルロース中のエーテル結合(-O-)が切断されて二酸化炭素、一酸化炭素、グルコース分子(C6H10O6)などが生成する反応である。熱分解反応は、熱によってセルロース中の化学結合が切断される反応である。
熱分解反応は、酸化反応および加水分解反応と比べて高い温度が必要なことから、通常環境では、酸化反応および加水分解反応よりも起こりにくい。加水分解反応は、セルロースの主鎖を切断することから、セルロースの平均重合度を直接的に低下させる。また、酸化反応で生成したカルボキシル基は、加水分解反応に対して触媒作用を示すと言われている。これらのことから、絶縁紙の経年劣化は、セルロースの加水分解反応の影響が大きいと言われている。言い換えると、セルロースの加水分解反応を抑制する(例えば、紙の耐水性を高める)ことにより、絶縁紙の耐久性が高まると考えられる。
セルロースの耐水性および耐熱性を向上させる技術は種々提案されており、例えば、セルロースをアセトニトリルによりシアノエチル化する方法やアセチル化する方法等がある。しかしながら、セルロースの水酸基は、分子間で水素結合を形成していることから化学反応性が低く、前記方法には複雑な製造工程が必要になり、その分コストが高くなる弱点があった。
一方、セルロースの水酸基との化学反応を必要とせずに、セルロースの耐水性および耐熱性を向上させる方法として、耐水性および耐熱性の高い樹脂層でセルロースを被覆する手法がある。例えば、特許文献1(特開2003−082598)には、ポリイソシアネートを主体とする含浸液を含浸させた紙基材の少なくとも片面にポリオールからなる表面被膜を設けた高耐水紙が開示されている。特許文献1によると、含浸したポリイソシアネートとポリオールからなる表面被膜との間で(紙基材と表面被膜の層間に)ウレタン結合のような化学的強度に優れる結合を生じさせることで、耐水性および耐熱性が優れる高耐水紙が得られるとされている。
特許文献2(特開平7−310300)には、紙基材と、メチロール基を有する合成樹脂および燐酸ジシアンジアミドメチロール化物からなる難燃剤を1:0.4〜2.0の重量比率で混合した混合物とを含み、前記混合物が、前記基材中に、その絶乾重量に対し2〜12重量%の含有率で含有され、かつ不溶化されている積層板用原紙が開示されている。特許文献2によると、合成樹脂と難燃剤とを架橋反応させることによって、難燃剤含有混合物が原紙中にしっかりと固定され、難燃性と耐水性に優れた難燃性原紙が得られるとされている。
また、特許文献3(特開2007−130898)には、少なくとも一つの外層がガラス転移温度が200℃ 以上のポリアミドイミド樹脂層であることを特徴とする耐熱絶縁紙が開示されている。特許文献3によると、耐熱絶縁性、耐水性に優れた電気絶縁紙が得られるとされている。
また、特許文献4(特開2014−225389)には、紙状物の片面もしくは両面に熱膨張性の機能性樹脂微粒子を含む熱膨張性絶縁層を配置したことを特徴とする電気絶縁紙が開示されている。特許文献4によると、電気絶縁性、耐熱性に優れ、耐油性も有した電気絶縁紙が得られるとされている。
特開2003−082598号公報 特開平7−310300号公報 特開2007−130898号公報 特開2014−225389号公報
前述したように、油入変圧器の寿命は、絶縁紙の寿命に依存するところが大きいとされている。また、一般的に、変圧器運転時、絶縁油と比べて、巻線の導体に直接被覆されている絶縁紙の方が温度上昇は大きいと考えられることから、油入変圧器の運転温度(許容温度)は巻線導体を被覆している絶縁紙の耐熱性に依存するところが大きい。
近年、油入変圧器の更新需要が高まっており、更新に際し、高効率化、大容量化および/または小型化された油入変圧器が強く望まれている。そして、それらの要求を満たす一つの解決手段として、油入変圧器の運転温度の高温化による小型化が挙げられる。
一方、前述したセルロースの分解反応は化学反応の一種であることから、温度上昇に伴って反応速度が増大する。すなわち、油入変圧器への要求を満たすため、運転温度が上昇してもセルロースの分解反応を抑制することができる絶縁紙(言い換えると、耐熱性・耐久性の高い絶縁紙)が必要とされている。前述した通り、絶縁紙は、微細な空隙を有するマット状の材料であり、その空隙に電気絶縁紙が含浸された状態で優れた絶縁特性を示すことから、絶縁油をスムーズに浸透させる高い含浸性を兼ね備える必要がある。
なお、たとえ高機能な絶縁紙であっても、コストが大きく増大しては工業製品として不適当であり、低コストで簡易プロセスにより作製された絶縁紙を提供することは至上命題の一つである。
特許文献1に記載の高耐水紙は、紙基材の表面にポリオールからなる表面被膜を形成することで、表面からの吸水が大幅に低減され、紙基材自身の加水分解反応が抑制されることが期待される。しかしながら、特許文献1の高耐水紙は、その記載から電気絶縁紙として使用することが想定されていないと思われる。例えば、特許文献1の実施例では、紙基材として坪量400 g/m2のコートボールを使用し、樹脂被膜量が34 g/m2となっている。そのため、特許文献1の高耐水紙を油入変圧器の電気絶縁紙として使用した場合、樹脂被膜量の多さから紙基材内部への絶縁油の含浸性の確保が困難になると考えられる。
特許文献2に記載の難燃性原紙も、高い難燃性や耐水性を有し、原紙の加水分解反応が抑制されることが期待される。しかしながら、特許文献2の難燃性原紙は、紙基材内部において合成樹脂の硬化を行わせ、架橋構造を形成させることで積層板用原紙として用いられるものであり、特許文献1と同様に、絶縁油の含浸性は大きく低下してしまうと考えられる。
特許文献3に記載の耐熱絶縁紙では、高い耐水性および耐熱性を有することが期待される。しかしながら、特許文献3の電気絶縁紙は、絶縁油に浸漬された状態で使用されることを想定した紙基材ではなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの絶縁フィルムへのポリアミドイミド樹脂層の被覆を想定しており、樹脂層の厚みは3〜100μm、好ましくは5〜50μmとしている。特許文献1と同様に、特許文献3の電気絶縁紙を油入変圧器の絶縁紙として使用した場合、紙基材内部への絶縁油の含浸性の確保が困難になると考えられる。
特許文献4に記載の電気絶縁紙では、高い電気絶縁性、耐熱性を有することが期待される。特許文献4の電気絶縁紙は、紙状物の表面に熱膨張性の機能性樹脂微粒子を含む熱膨張性絶縁層を配置したことで、加熱により厚さが増大し、電気絶縁が狭い空間の細部にまで到達させることを特徴としたものである。特許文献4によると、絶縁層の厚さが5μm以上であることが記載されており、特許文献1と同様に、紙基材内部への絶縁油の含浸性の確保が困難になると考えられる。
したがって、本発明の目的は、従来の電気絶縁紙が有する機械的特性、電気絶縁性能および絶縁油の含浸性と同等の特性を維持しつつ、セルロースの分解反応を抑制して従来よりも優れた耐熱性を有する電気絶縁紙を低コストで提供することにある。また、当該電気絶縁紙を用いた静止誘導電器を提供することにある。
本発明の他の一態様は、上記目的を達成するため、電気絶縁紙であって、セルロースを主成分とする紙基材と、前記基材の表面に形成された樹脂層(例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂)を有し、前記樹脂層の厚さが1μm以下であることを特徴とする電気絶縁紙を提供する。
また、本発明の他の一態様は、上記目的を達成するため、鉄心と導体巻線とがそれぞれ電気絶縁紙と電気絶縁油とで複合絶縁された構造を有する静止誘導電器であって、前記電気絶縁紙が、上記の本発明に係る電気絶縁紙であることを特徴とする静止誘導電器を提供する。
本発明によれば、従来の電気絶縁紙が有する機械的特性(例えば、引張強度)、電気絶縁特性および絶縁油の含浸性と同等の特性を維持しつつ、セルロースの分解反応を抑制して従来よりも優れた耐久性・耐熱性を有する電気絶縁紙を低コストで提供することができる。また、当該電気絶縁紙を用いることで、高効率化、大容量化および/または小型化に対応した油入静止誘導電器を提供することができる。
本発明に係る電気絶縁紙の断面模式図である。 本発明に係る電気絶縁紙を用いた油入変圧器の一例を示す縦断面模式図である。 本発明に係る油入変圧器に用いられる絶縁電線の一例を示す断面模式図である。
前述したように、本発明に係る電気絶縁紙は、電気絶縁紙であって、セルロースを主成分とする紙基材と、前記基材の表面に形成された樹脂層(例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂)を有し、前記樹脂層の厚さが1μm以下であることを特徴とする。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は、ここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。
(電気絶縁紙)
図1は、本発明に係る電気絶縁紙の断面模式図である。図1に示したように、本発明に係る電気絶縁紙10は、セルロース11を主成分とする紙基材12の表面に樹脂層13(例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂)を有する。
本発明の電気絶縁紙10は、上記のような構成とすることで、たとえ浸漬された電気絶縁油中に微量の水分が混入したとしても、樹脂層13によって水分がセルロース11に近づくことが阻害され、セルロース11の加水分解による紙基材12の劣化を抑制することができる。
本発明の電気絶縁紙10は、上記のような構成において、樹脂層13の厚さが1μm以下であること以外に特に制限はない。但し、裏面を含むセルロース11の表面全面に樹脂層13が被覆されていることが好ましい。被覆されていない表面を含むと、本発明の紙基材への吸水を抑制する特性が十分に発揮されない恐れがある。
本発明の電気絶縁紙10は、油分に対しては良好な親油性を示す。樹脂層13の厚さが薄いことで、微細な空隙を有するセルロース11の構造上特性を保持し、油分は、速やかに紙基材12のセルロース11間に浸透する。その結果、電気絶縁紙10は、電気絶縁油に浸漬した時に良好な絶縁油含浸性を示す。一方で、樹脂層13の厚さが1μmよりも厚くなると、セルロース11間の微細な空隙を樹脂層13が塞いでしまい、絶縁油含浸性が低下する。前述したように、電気絶縁紙の絶縁油含浸性は、油入変圧器における電気絶縁性・冷却性の観点から、重要な特性の一つである。
本発明における樹脂層13は、紙基材12のセルロース11よりも熱分解温度が高いことが好ましい。本発明では、変圧器運転温度での使用を想定しているため、セルロース11の熱分解反応は、酸化反応および加水分解反応よりも起こりにくい。しかし、セルロース11よりも熱分解が生じやすい樹脂層13で被覆した場合、樹脂層13の劣化が生じ、樹脂層13の劣化生成物により、セルロース11の劣化が促進される恐れがある。
本発明における樹脂層13は、電気絶縁油中に溶出・遊離しない耐油性が求められる。樹脂層13としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などを好ましく用いることができる。
本発明の電気絶縁紙10は、紙基材12への水分の侵入を防止する耐水性効果に加えて、電気絶縁油中に樹脂層13が溶出・遊離しない耐油性、および電気絶縁油を速やかに浸透させる絶縁油含浸性の作用効果を有するところに特徴がある(詳細は後述する)。
紙基材12は、アミン化合物を含んでいても良い。紙基材12の主成分であるセルロース11は、酸化劣化するとアルデヒドを生成し、アルデヒドが更に酸化劣化するとカルボン酸を生成する。そして、生成したカルボン酸は、セルロース11の加水分解を助長すると考えられる。上記のアミン化合物は、アルデヒド化合物と化学反応することが知られており、セルロース11の酸化劣化により生じたアルデヒド基と化学反応してアルデヒド基を消費することでカルボン酸の生成を抑制し、セルロース11の加水分解反応を抑制することができると考えられる。
紙基材12は、酸化防止剤を含んでいても良い。前述した通り、セルロースは酸化反応によっても劣化することから、酸化防止剤を添加することによって、セルロース11の劣化を更に抑制することができる。酸化防止剤としては、例えばDBPC(2,6-ジ−t-ブチル-p-クレゾール)のような、フェノール基を含む化合物を好ましく用いることができる。
また、紙基材12は、カルボン酸除去剤を含んでいても良い。カルボン酸除去剤としては、カルボジイミド基を含む化合物(例えば、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド)を好ましく用いることができる。カルボジイミド基を含む化合物は、セルロース11が酸化劣化することにより生成するカルボン酸と化学反応して該カルボン酸を消費することで、セルロース11の加水分解を抑制することができる。
(電気絶縁紙の製造方法)
紙基材12の表面に樹脂層13を設ける方法に特段の制限はなく、結果として樹脂層13が紙基材12の表面全体に被覆形成されれば良い。例えば、樹脂層13の形成は、紙基材12の表面に対して、従来のコーティング法(ディップ塗布、スプレー塗布、ロール塗布等)によって所定の樹脂を含む溶液を塗布し、加熱(樹脂層を硬化させる)することによって行うことができる。すなわち、優れた耐久性・耐熱性を有する電気絶縁紙を簡便な方法で(低コストで)得ることができる。
なお、プレスボードの製造にあたっては、あらかじめ樹脂層13を形成した紙基材12を積層・プレスして製造しても良いし、積層・プレスして製造したボードに対して樹脂層13を形成しても良い。
(静止誘導電器)
本実施形態では、静止誘導電器として油入変圧器を例にとって説明する。図2は、本発明に係る電気絶縁紙を用いた油入変圧器の一例を示す縦断面模式図である。図2に示したように、鉄芯21の下部に取り付けた下部支持金具22の上に絶縁支持台23aを置き、この絶縁支持台23a上にコイル間スペーサ24aと円板コイル25aを交互に積み重ねて低圧巻線26を形成している。低圧巻線26の最上部には静電シールド27aが置かれる。低圧巻線26の外側に直状スペーサ28を当て、その外側に電気絶縁紙を巻回して絶縁筒29を形成している。その外側に同様の直状スペーサ28と絶縁筒29を配置して主絶縁部210を形成している。
主絶縁部210の最も外側に位置する直状スペーサ28の外側に、絶縁電線を締めつけながら巻回して円板コイル25bを形成し、この円板コイル25bとコイル間スペーサ24bを交互に積み重ねて、高圧巻線211を構成している。高圧巻線211の最上部には静電シールド27bが設けられる。
このように形成した低圧巻線26および高圧巻線211の上部に絶縁支持台23bを乗せ、その上に押しボルト213を装着した上部支持金具212を乗せて鉄芯31に取り付ける。押しボルト213で絶縁支持台23bに荷重を加え、低圧巻線26および高圧巻線211を締めつけて巻線本体を構成している。
高圧巻線211の上端から高圧リード線214が引き出され、高圧ブッシング215に接続される。その際、上部支持金具212から、高圧リード線214が入るような穴をあけた支持腕木216を出し、この穴に高圧リード線214を納めて高圧リード線214の途中を支持している。また、高圧リード線214の周囲との絶縁距離が小さい部分についてはスペーサ217を介して電気絶縁紙を巻回してリード線バリヤ218を配置している。これらすべては電気絶縁油321(例えば、鉱油)を満たした変圧器本体容器220内に収納されて油入変圧器が構成されている。
図3は、本発明に係る油入変圧器に用いられる絶縁電線の一例を示す断面模式図である。絶縁電線30は、導体31と、導体31表面を被覆する絶縁被覆32とからなる。絶縁被覆32は、本発明の電気絶縁紙10からなる。
本発明の油入変圧器では、コイル間スペーサ24a、24b、直状スペーサ28および絶縁被覆32に、前述した本発明の電気絶縁紙10を使用する。耐久性・耐熱性の高い電気絶縁紙を用いることにより、油入変圧器の運転温度を高くすることが可能となる。それにより、高効率化、大容量化および/または小型化に対応した油入静止誘導電器を提供することができる。
次に、実施例および比較例を示しながら本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜12の電気絶縁紙の作製)
紙基材12としてクラフト紙を用意した。一部のクラフト紙には、アミン化合物であるジシアンジアミドを添加したものを用意した。樹脂層13としては、ポリアミドイミドワニス(日立化成株式会社製)又はエポキシワニス(ソマール株式会社製)を用意した。
樹脂層13を形成するため、ポリアミドイミドワニス又はエポキシワニスを溶媒(
N,N-ジメチルアセトアミド又はメチルエチルケトン)に溶かし、0.2、1、5質量%のポリアミドイミドワニス又はエポキシワニス溶液を用意した。次に、その溶液中にクラフト紙を5分間浸漬し、取り出した後に余剰のポリアミドイミドワニス又はエポキシワニスを拭き取り、溶剤を乾燥させて、クラフト紙の両面にポリアミドイミドワニス又はエポキシワニスを付着させた。次に、ポリアミドイミドワニス又はエポキシワニスを付着させたクラフト紙を恒温槽で加熱(180℃で1時間保持)し、ポリアミドイミドワニス又はエポキシワニスを硬化させ樹脂層13を形成させることで、本発明の電気絶縁紙10(実施例1〜12)を作製した。実施例1〜12の構成を後述の表1に示す。
(比較例1〜3の電気絶縁紙の作製)
処理無しのクラフト紙(樹脂層13を形成しなかったクラフト紙)を基準となる比較例1の電気絶縁紙とした。また、樹脂層13の形成量(被膜厚さに相当)の影響を調査するため、比較例2〜3の電気絶縁紙を作製した。まず樹脂層13を形成するため、エポキシワニスの濃度100質量%の溶液を用意した。該溶液中にクラフト紙を5分間浸漬後、乾燥させてクラフト紙の両面にエポキシワニスを付着させた。次に、エポキシワニスを付着させたクラフト紙を恒温槽で加熱(180℃で1時間保持)し、エポキシワニスを硬化させることで、樹脂層13の形成量が多い比較例2〜3の電気絶縁紙を作製した。比較例3においては、余剰のエポキシワニスの拭き取りを行わないことで、比較例2よりもさらに厚いエポキシ樹脂層を形成させた。
Figure 0006553392
[試験・評価]
(樹脂層の形成量調査)
上記で作製した電気絶縁紙(実施例1〜12および比較例1〜3)において、樹脂層13の形成量調査を2つの方法で行った。1つの方法は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR、パーキンエルマージャパン製、型式Spectrum 100)を用いて、減衰全反射法(ATR法)により4000〜600 cm-1の領域でスペクトル測定を行った。樹脂層が十分に形成された場合、樹脂層を構成するポリアミドイミド樹脂又はエポキシ樹脂に由来するスペクトル、添加されたアミン化合物に由来するスペクトル、クラフト紙を構成するセルロースに由来するスペクトルが観測されると予想した。確認されたスペクトルの結果を後述の表2に示す。
もう1つの方法は、電子天秤(ザルトリウス株式会社製、型式R200D)を用いて、樹脂層形成前の絶縁紙に対する質量増加量を測定した。測定試料の寸法は20 mm×20 mm×0.75mmとした。使用した電子天秤は、最小目盛りが0.01 mgであり、最小目盛りの1桁下(すなわち、0.001 mgの位)の四捨五入によって質量が表示される。結果を表2に併記する。
(絶縁油含浸性の評価)
電気絶縁紙への電気絶縁油の含浸性の指標として、電気絶縁油の浸透性を評価した。実施例1〜12および比較例1〜3の電気絶縁紙において、絶縁紙の一方の表面上に鉱油を5μL滴下し10分間静置した後に、該絶縁紙の裏面に対して、FT-IRのATR法によって4000〜600 cm-1の領域でスペクトル測定を行った。その際、滴下した鉱油に由来するスペクトルが観測できれば、鉱油が絶縁紙内部に含浸し裏面まで達したと見なすことができる。鉱油に由来するスペクトルが観測されたものを「合格」と判定し、観測されなかったものを「不合格」と判定した。結果を表2に併記する。
(引張強度の評価)
電気絶縁紙の機械的特性の指標として初期の引張強度を測定した。引張強度測定はJIS規格の番号C2300の規定に準拠して行った。引張強度は、比較例1電気絶縁紙(処理無しのクラフト紙)の引張強度を100として相対値で示した。結果を表2に併記する。
(絶縁破壊強度の評価)
電気絶縁紙の電気的特性の指標として初期の交流絶縁破壊強度を測定した。絶縁破壊強度測定はJIS規格の番号C2300の規定に準拠して行った。交流絶縁破壊強度は、比較例1の電気絶縁紙(処理無しのクラフト紙)の交流絶縁破壊強度を100として相対値で示した。結果を表2に併記する。
(耐熱温度指数の評価)
電気絶縁紙の耐久性・耐熱性の指標として耐熱温度指数を測定した。耐熱温度指数評価はJEC規格の番号6151に準じて以下の手順で行った。
絶縁紙の乾燥後、まず、電気絶縁油として、窒素ガスをバブリングして飽和させて、水分を20 ppm以下としたシリコーン油を用意した。次に、十分に乾燥させた電気絶縁紙を当該シリコーン油に浸漬し、圧力容器に入れて密閉した。圧力容器中で130〜170℃の範囲で加熱した後に、当該電気絶縁紙の引張強度を測定した。先に測定した比較例1の電気絶縁紙(処理無しのクラフト紙)の引張強度を初期値とし、引張強度が半減する温度と時間を求め、20,000時間後の温度指数を求めた。比較例1の耐熱温度指数を基準とした相対値で示した。結果を表2に併記する。
Figure 0006553392
表2に示したように、実施例1〜4では、セルロースに由来するピークが観測され、樹脂層を構成するポリアミドイミド樹脂又はエポキシ樹脂に由来するピークは観測されなかった。また、実施例7〜10では、アミン化合物に由来するピークとセルロースに由来するピークとが観測され、ポリアミドイミド樹脂又はエポキシ樹脂に由来するピークは観測されなかった。これらのことから、実施例1〜4又は実施例7〜10における樹脂層は、アミン化合物の添加の有無に関わらず、FT-IRのATR法による検出限界未満であったと考えられる。
実施例5〜6では、セルロースに由来するピークとともに、樹脂層を構成するポリアミドイミド樹脂又はエポキシ樹脂に由来するピークが観測された。実施例11〜12では、アミン化合物に由来するピークとセルロースに由来するピークとともに、樹脂層を構成するポリアミドイミド樹脂又はエポキシ樹脂に由来するピークが観測された。FT-IRのATR法において、一般的に、観測可能な深さは表面から1μm程度と言われている。これらのことから、実施例5〜6又は実施例10〜11における樹脂層は、アミン化合物の添加の有無に関わらず、FT-IRのATR法による検出限界以上の厚さで1μm未満の樹脂層が形成されたと考えられる。
また実施例1〜12では、質量増加量測定においても、樹脂層形成による質量増加を確認することができなかった。前述したように、質量測定で用いた電子天秤は、0.001 mgの位を四捨五入して0.01 mgを表示する天秤である。これらのことから、実施例1〜12における樹脂層は、質量増加量が0.004 mg以下であったと考えられる。なお、0.004 mgを絶縁紙に対する被膜量に換算すると、絶縁紙に対し0.02質量%以下と算出された。しかし、絶縁紙は吸湿状態により重量変化が大きいという特性上、重量の測定において、1質量%近くの誤差が生じると考えられる。そのため、実施例1〜12における樹脂層の重量は、1質量%未満であるといえる。
一方、比較例2では、エポキシ樹脂に由来するピークとセルロースに由来するピークとの全てが観測され、1.62 mgの質量増加が測定された。絶縁紙に対する被膜量に換算すると、絶縁紙に対し6質量%の樹脂層が形成されたと算出された。観測されたピークから、比較例2では、FT-IRのATR法による検出限界以上の厚さで1μm未満の水分障壁層が形成されたと考えられる。
また、比較例3では、エポキシ樹脂に由来するピークのみが観測され、6.42 mgの質量増加が測定された。絶縁紙に対する被膜量に換算すると、絶縁紙に対し20質量%の樹脂層が形成されたと算出された。FT-IRのATR法において、一般的に、観測可能な深さは表面から1μm程度と言われている。このことから、比較例3では、少なくとも1μm以上の厚さの樹脂層が形成されたと考えられる。
絶縁油含浸性の評価において、実施例1〜12および比較例1の電気絶縁紙は、FT-IRのATR法によって鉱油に由来するスペクトルが観測され、「合格」と判定された。また、実施例1〜12および比較例1のスペクトルに特段の差異が見られなかったことから、それらの含浸性に差異はないと考えられる。一方、比較例2〜3の電気絶縁紙では、鉱油に由来するスペクトルが観測されず、「不合格」と判定された。この結果から、少なくとも絶縁紙に対し6質量%の樹脂層を形成すると、電気絶縁油の含浸性が低下すると考えられる。また、このときの樹脂層の膜厚は1μm未満であるため、少なくとも1μm以上の厚みの樹脂層を形成すると、電気絶縁油の含浸性が低下すると考えられる。
引張強度の評価において、実施例1〜12の引張強度は、比較例1の引張強度に対して±2%の範囲内にあり、ほぼ同等であることが確認された。また、絶縁破壊強度の評価においても、実施例1〜12の絶縁破壊強度は、比較例1のそれに対して±2%の範囲内にあり、ほぼ同等であることが確認された。
耐熱温度指数の評価において、実施例1〜6の耐熱温度指数は、比較例1のそれと比べて10~12 K程度高くなっていた。これは、樹脂層の耐水作用により、セルロースの加水分解が抑制されて耐熱性が向上したと考えられる。また、樹脂層の膜厚は、処理した樹脂溶媒の濃度が異なり、観測されたFT-IRによるスペクトルが異なることからもわかるように、それぞれの条件で異なるが、耐熱温度指数との相関は見られなかった。このことから、樹脂層の膜厚が薄くても、耐熱性向上効果が得られるといえる。
これらに対し、実施例7〜12の耐熱温度指数は、比較例1のそれと比べて21〜23 K程度高くなっていた。これは、添加されたアミン化合物と樹脂層との相乗効果によるセルロースの加水分解抑制に起因するものと考えられる。
以上説明したように、本発明によれば、従来と同等の機械的特性、電気絶縁特性および絶縁油の含浸性を有し、かつ従来よりも優れた耐久性・耐熱性を有する電気絶縁紙を提供できることが確認された。また、当該電気絶縁紙を用いることで、高効率化、大容量化および/または小型化に対応した油入静止誘導電器を提供することができる。
上述した実施形態は、本発明の理解を助けるために具体的に説明したものであり、本発明は、説明した全ての構成を備えることに限定されるものではない。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、削除・他の構成に置換・他の構成の追加をすることが可能である。
10…電気絶縁紙、11…セルロース、12…紙基材、13…樹脂層、
21…鉄芯、22…下部支持金具、23a,23b…絶縁支持台、
24a,24b…コイル間スペーサ、25a,25b…円板コイル、26…低圧巻線、
27a,27b…静電シールド、28…直状スペーサ、29…絶縁筒、210…主絶縁部、
211…高圧巻線、212…上部支持金具、213…押しボルト、
214…高圧リード線、215…高圧ブッシング、216…支持腕木、217…スペーサ、
218…リード線バリヤ、220…変圧器本体容器、
30…絶縁電線、31…導体、32…絶縁被覆。

Claims (5)

  1. セルロースを主成分とする紙基材と、
    前記紙基材の表面に形成された樹脂層を備え、
    前記樹脂層は耐油性を有し、
    前記樹脂層の厚さが1μm以下であり、
    前記樹脂層は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする電気絶縁紙。
  2. 請求項1に記載の電気絶縁紙において、
    前記樹脂層は、電気絶縁油中に溶出しない樹脂で構成されることを特徴とする電気絶縁紙。
  3. 請求項1乃至2のいずれかに記載の電気絶縁紙において、
    前記樹脂層の総量は、前記紙基材に対し5質量%未満であることを特徴とする電気絶縁紙。
  4. 請求項1乃至2のいずれかに記載の電気絶縁紙において、
    前記樹脂層の総量は、前記紙基材に対し1質量%未満であることを特徴とする電気絶縁紙。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の電気絶縁紙と、鉄心と、導体巻線と、電気絶縁油を備え、
    前記電気絶縁紙は前記電気絶縁油に浸漬されていることを特徴とする静止誘導電器。
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