JP6552865B2 - 制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、施設内の照明及び空調を制御する制御システムに関する。
オフィスや商業施設等の大規模施設では、施設を運用する際の照明や空調等に多くの電力が使用されるため、近年では、不要な電気機器の駆動を抑制し、省エネルギーに資する施設運用方法が着目されている。
省エネルギーを実現する代表的な仕組みとして、室内に存在する人を検知し、照明や空調を制御する人感センサによる制御システムが知られている。このような人感センサによる制御システムとして、特許文献1には、従来から広く知られている遠赤外線焦電型人感センサではなく、高精度人検知センサを用いた照明制御システムが開示されている。
従来の遠赤外線焦電型人感センサでは、人の動きを捉えることしかできなかったのに対して、特許文献1の照明制御システムでは、人の滞在/不在/進入/退去といった状態まで検知することができ、より高精度な照明制御を実現することができる。
特開2013−089548号公報
ところで、好ましい明るさや温度等は、個人によって異なるので、照明や空調の制御は、画一的ではなく個々人によって異なる制御を行うことが好ましい。この点、特許文献1の照明制御システムでは、人がいる場所を正確かつリアルタイムに検出できるものの、個人を特定することまではできず、個別の照明制御や空調制御を行うことはできない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、照明及び空調について個々人によって異なる制御を行うことができる制御システムを提供することを目的とする。
本発明の制御システムは、施設内の複数の区画からなる領域について、前記領域の各区画を照明する照明器具と、前記各区画を空調する空調機と、前記各区画における人を検知する人検知センサと、無線機器と、前記照明器具及び前記空調機を制御するとともに、前記無線機器との間で無線通信可能な制御ユニットと、前記制御ユニットに対して前記照明器具及び前記空調機に関する制御指令を通知する制御装置と、を備え、前記無線機器は、その所有者を識別する識別情報及び当該所有者が予め設定した照明及び空調についての設定である設定情報を記憶しており、当該識別情報及び当該設定情報を発信し、前記制御装置は、前記人検知センサによる検知情報と、前記制御ユニットが前記無線機器から取得した前記識別情報及び前記設定情報とに基づく制御指令を、前記制御ユニットに対して通知する。
本発明の制御システムは、前記制御装置は、前記無線機器が位置する区画において、前記設定情報に基づいて、前記照明器具及び前記空調機についての制御指令を生成する。
この制御システムによれば、制御装置により、無線機器から得られた識別情報と人検知センサからの検知情報とを結び付けて、位置情報の取得を行うため、区画内に滞在する人を確実に特定できる。
さらに、制御装置は、読み取った設定情報に基づいて、照明器具及び空調機を制御するので、照明及び空調について個々人によって異なる制御を行うことができる。
また、無線機器の識別情報と人検知センサの検知情報とを集約して用いるため、無線機器からの識別情報の発信間隔を短くしなくても、リアルタイム性を高めることができ、無線機器の電池寿命を長期化することができる。
また、制御ユニットを、無線機器との間で無線通信可能としたので、照明システムと無線通信インフラとを一本化して、設備機器や設置工事費を削減することができる。
本発明の制御システムは、前記領域に設けられて照度を検出する照度センサと、前記領域に設けられて温度を検出する温度センサと、を更に備え、前記制御装置は、前記照度センサで測定した照度に基づいて前記照明器具を制御する制御指令を生成するとともに、前記温度センサで測定した温度に基づいて前記空調機を制御する制御指令を生成する。
この制御システムによれば、照度センサで測定した照度に基づいて照明器具についての制御指令を生成するとともに、温度センサで測定した温度に基づいて空調機についての制御指令を生成した。例えば、照度センサを机上に配置すれば、机上面照度を正確に測定して、人が机で作業する際の明るさを高精度で制御できる。また、温度センサを机上に配置すれば、机上の温度を正確に測定して、人が机で作業する際の周囲温度を高精度で制御できる。このように、照度センサおよび温度センサを所望の場所に設けることで、この所望の場所の照度や温度を高精度で制御できる。
本発明によれば、照明及び空調について個々人毎に異なる制御を行うことができる。
制御システムのシステム構成を示す図(その1)である。 制御システムのシステム構成を示す図(その2)である。 制御ユニットの調光制御エリアと人検知センサとの関係を示す図である。 エリアコントローラの機能構成を示す図である。 制御システムによる各区画における個人を特定する処理のフローチャートである。 制御システムによるフロアマッピングを示す図である。 個人特定済区画における、制御システムによる照明・空調を制御する処理のフローチャートである。 個人未特定区画における、制御システムによる照明・空調を制御する処理のフローチャートである。 不在区画における、制御システムによる照明・空調を制御する処理のフローチャートである。
[制御システム100のシステム構成]
図1及び図2を参照して、本発明の制御システム100について説明する。なお、図2では、空調機6の図示を省略している。
制御システム100は、制御装置としての中央監視装置101と、フロア制御システム102とを含んで構成され、複数階層からなる施設の照明や空調等を制御する。
中央監視装置101は、複数領域からなる施設内の監視対象物に関する情報を管理する。例えば、本実施形態では、施設内の照明や空調を監視対象物とする。なお、中央監視装置101は、施設内の照明や空調に加えて、その他の各種電子機器や施設内の通信環境、また、消防・防犯設備等を監視対象物とし、管理してもよい。
この中央監視装置101は、収集した情報を人が認識しやすいように適宜処理したうえで蓄積し、異常時には警報発信や外部への通報等を行う。
フロア制御システム102は、施設内の複数の区画からなる一部領域において、照明や空調等を制御する。理解を容易にするため、本実施形態では、施設内の各階層を一部領域とし、一のフロア制御システム102は、一の階層の照明や空調等を制御する。
フロア制御システム102は、夫々に固有の機器ID(アドレス)が付された制御装置としてのエリアコントローラ1と、制御ユニット2a、2bと、照明器具3と、人検知センサ4と、無線機器としての無線タグ5と、空調機6と、通信I/F7と、照度センサ8と、温湿度センサ9と、を含んで構成される。
エリアコントローラ1は、フロア制御システム102毎に1つあるいは複数設けられ、フロア制御システム102の制御対象となる領域において、監視対象物に関する情報を管理する。また、エリアコントローラ1は、監視対象物に関する情報の一部を中央監視装置101に送信する。
制御ユニット2a、2b(以下、区別しない場合は「制御ユニット2」と呼ぶ)は、各照明器具3について、調光制御手段及び電源を制御する電源制御手段を有する。ここで、調光制御手段とは、照明器具3の明るさを調節するための機能構成であり、また、電源制御手段とは、照明器具3の電源オン/オフを切り替えるための機能構成である。
制御ユニット2aは、無線通信手段を有する制御ユニット2であり、制御ユニット2bは、無線通信手段を有さない制御ユニット2である。フロア制御システム102内の制御ユニット2のうち少なくとも一部の制御ユニット2は、無線通信手段を有する制御ユニット2aである。
なお、無線通信手段とは、無線通信可能な所定範囲に存在する無線機器(例えば、無線タグ5)との間で無線通信を行う機能を発揮するための機能構成である。具体的には、制御ユニット2aは、無線通信網におけるアクセスポイントとして機能する。
照明器具3は、フロア制御システム102の制御対象となる領域において、各区画を照明する。
人検知センサ4は、フロア制御システム102の制御対象となる領域において、各区画における人の滞在/不在/進入/退去を検知する。人検知センサ4の具体的な構成は、上記特許文献1に高精度人体検知センサとして記載されているため、詳細な説明を省略する。
この人検知センサ4では、人体とPC(パーソナルコンピュータ)・複写機・FAX等他の熱源との判別、及び人体と椅子や机等に残る人体の余熱との判別をすることができる。また、人検知センサ4では、静止人体の長時間にわたる検出及び完全静止人体の検出ができ、検知エリア内に滞在する人数が一人か複数かを把握できる。
人検知センサ4が検知した内容は、検知情報としてエリアコントローラ1に送信される。なお、検知情報の送信は、人検知センサ4からエリアコントローラ1に直接送信されるか、または、制御ユニット2を介してエリアコントローラ1に送信されることとしてもよい。図1に示す、「2Fのフロア制御システム102」は、検知情報をエリアコントローラ1に直接送信する場合のシステム構成例であり、「1Fのフロア制御システム102」は、検知情報を制御ユニット2を介してエリアコントローラ1に送信する場合のシステム構成例である。
ここで、制御ユニット2による照明器具3の制御領域(以下、「調光制御エリア」と呼ぶ)と、人検知センサ4の検知領域(以下、「人検知エリア」と呼ぶ)と、の関係を図3に示す。図3(A)は、照明器具3に対して制御ユニット2を1対1の関係で設置した場合であり、図3(B)は、照明器具3に対して制御ユニット2を4対1の関係で設置した場合である。
照明器具3及び人検知センサ4は、一つの装置であり、施設の一部領域(本実施形態では、各階)を分割した区画毎に設置される。照明器具3は、各区画を照明エリアとし、人検知センサ4は、この照明エリアと略同一の領域を人検知エリアとしている。制御ユニット2は、調光制御エリア毎に設けられて、夫々の調光制御エリア内の照明器具3の調光出力を制御する。
図1に戻り、無線タグ5は、無線通信手段を有する制御ユニット2aと無線通信可能な無線機器である。本実施形態では、無線タグ5は、施設を利用する利用者が所有するアクティブ型の無線タグである。
無線タグ5は、所有者を識別する識別情報及び所有者が設定した好みの照度および室温である設定情報を記憶している。この設定情報は、各所有者が自ら無線タグ5に設定する。
また、無線タグ5は、任意のタイミングで制御ユニット2aに対して発信する。本発明の制御システム100では、後述するように人検知センサ4の検知情報と個人の識別情報及び設定情報とを集約して施設内の人の管理を行うため、常時連続的に発信する必要はなく、断続的に発信すれば足りる。
空調機6は、通信I/F7を介して他の装置と通信可能に接続され、フロア制御システム102の制御対象となる領域において、各区画を空調する。なお、空調機6の制御は、エリアコントローラ1を介して行うこととしてもよく、また、エリアコントローラを介さないで行うこととしてもよい。
図1に示す、「1Fのフロア制御システム102」は、エリアコントローラ1を介して空調機6の制御を行う場合のシステム構成例であり、「2Fのフロア制御システム102」は、エリアコントローラ1を介さないで空調機6の制御を行う場合のシステム構成例である。
図2に示すように、エリアコントローラ1、制御ユニット2及び照明器具3は、電源線L1により電源供給される。そのため、制御ユニット2aの無線通信手段により実現される無線通信網は、電池寿命を考慮する必要がない。
また、制御ユニット2及び照明器具3は、調光制御線L2により接続され、この調光制御線L2を介して制御ユニット2による調光制御が行われる。
また、人検知センサ4、エリアコントローラ1及び制御ユニット2は、RS485等の所定のセンサ通信線L3により接続され、人検知センサ4が検知した検知情報がエリアコントローラ1及び制御ユニット2に通知される。
また、エリアコントローラ1は、イーサネット(登録商標)等の所定の通信回線L4を介して中央監視装置101に接続される。エリアコントローラ1は、通信回線L4を介して施設の一部領域内の監視対象物に関する情報の一部を中央監視装置101に送信する。
また、制御ユニット2a及び無線タグ5は、制御ユニット2aにより実現される無線通信網により無線接続される。無線タグ5に記憶される識別情報は、無線通信網を介して制御ユニット2aに送信される。なお、制御ユニット2aに送信された識別情報は、センサ通信線L3や図示せぬ通信回線を介して、エリアコントローラ1に送信される。
照度センサ8及び温湿度センサ9は、無線通信手段を有する制御ユニット2aと無線通信可能な電子機器である。本実施形態では、照度センサ8及び温湿度センサ9は、室内の机上、床面、および壁面などに配置されたアクティブ型である。
照度センサ8は、照度を測定して、この測定した照度を照度情報として所定のタイミングで制御ユニット2aに対して発信する。また、温湿度センサ9は、温湿度を測定して、この測定した温度を温度情報とし、測定した湿度を湿度情報として、任意のタイミングで制御ユニット2aに対して発信する。
本発明の制御システム100では、後述するように人検知センサ4の検知情報と個人の識別情報及び設定情報とを集約して施設内の人の管理を行うため、常時連続的に発信する必要はなく、断続的に発信すれば足りる。
[エリアコントローラ1の機能構成]
続いて、図4を参照して、エリアコントローラ1の機能構成について説明する。図4に示すように、エリアコントローラ1は、制御部11と、記憶部12と、少なくとも含むコンピュータである。
制御部11は、例えば、CPUにより構成され、記憶部12に記憶されている各種プログラムを実行することにより、情報集約部13、制御指令生成部14及び通知部15として機能する。
記憶部12は、例えば、ROM及びRAM等により構成される。記憶部12は、エリアコントローラ1を機能させるための各種プログラムを記憶する。また、記憶部12は、無線タグ5が発信する識別情報に対応付けて、無線タグ5の所有者に関する情報を記憶する。所有者に関する情報は、例えば、所有者の氏名、性別、年齢等を含む。また、所有者に関する情報として、残業申請、早朝勤務申請又は休日勤務申請等の勤務状況に関する個人情報を含むこととしてもよい。
また、記憶部12は、施設内の環境情報も併せて記憶することとしてもよい。環境情報としては、例えば、施設内の任意の範囲における日照時間、当該範囲における照度、及び施設内の電子機器(熱源)のレイアウト情報等が考えられる。これら情報は、施設の管理者により予め設定されていることとしてもよい。また、照度センサ8や温湿度センサ9の測定値を収集し記憶することとしてもよい。
情報集約部13は、エリアコントローラ1が管理する一部領域内に設置された複数の人検知センサ4及び複数の制御ユニット2aから、検知情報と無線タグ5の識別情報及び設定情報とを取得し、集約する。
具体的には、制御ユニット2aが無線タグ5からの信号を受信すると、情報集約部13は、無線タグ5から制御ユニット2aまでの距離、及び無線タグ5の制御ユニット2aに対する方向を算定し、無線タグ5の大まかな位置を求める。次に、人検知センサ4からの検知情報を用いて、この無線タグ5の位置のずれを修正して、無線タグ5の正確な位置を求める。これにより、人検知センサ4が検知した人の存在と無線タグ5の所有者とを結びつけることができる。
このように情報集約部13が、検知情報及び識別情報を集約することで、人の位置情報を詳細かつリアルタイムに取得することができる。即ち、人検知センサ4が検知した人に、無線タグ5の識別情報を紐づけることで、施設内の個々人の位置情報を取得して、各区画内に滞在する人を確実に特定できる。
このとき、人検知センサ4が人の存在を常時検知しておけば、個人への紐づけは適宜必要なタイミングで行えば足りるため、無線タグ5の発信間隔を断続的にしたとしても、詳細かつリアルタイムな位置情報を取得することができる。
制御指令生成部14は、情報集約部13が集約した検知情報、識別情報及び設定情報に基づいて、照明器具3及び空調機6に対する制御指令を生成する。具体的には、制御指令生成部14は、個人の位置情報及び設定情報と、照度センサ8で測定した照度情報と、温度センサ9で測定した温度情報とに基づいて、制御指令を生成する。
通知部15は、生成した制御指令を制御ユニット2及び空調機6に対して通知する。これにより、照明器具3及び空調機6が制御指令に基づいて制御されることになる。
[制御システム100の処理]
図5〜図8を参照して、制御システム100の処理手順について説明する。図5は、制御システム100の処理のうち、エリアコントローラ1が有線タイプの制御ユニット2bに対して制御指令を通知する場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6に示す、特定のオフィスのフロア20にこの処理を適用した結果であるフロアマッピングのように、一領域であるフロア20が複数の正方形状の区画21に区分されている。図6では、これら区画21のうち、人が不在である区画を不在区画21A、特定された個人つまり社員が滞在している区画を個人特定済区画21B、特定されてない個人つまり部外者が滞在している区画を個人未特定区画21C、人が滞在しているが個人を特定する処理の途中である区画を個人特定未処理区画21Dとする。
個人特定済区画21Bでは、特定された個人(社員)には、1から順に番号を付している。一方、個人未特定区画21Cでは、特定されてない個人(部外者)には、101から順に番号を付している。
初めに、エリアコントローラ1は、人検知センサ4からの検知情報を参照して、各区画において、人検知センサ4が人を検知したか否かを判定する(ステップS1)。この判定がYESのときは、エリアコントローラ1は、処理をステップS2に移し、この判定がNOのときは、エリアコントローラ1は、処理をステップS5に移す。
ステップS2では、エリアコントローラ1は、当該区画内で無線タグ5を検出したか否かを判定する。
この判定がYESのときは、エリアコントローラ1は、処理をステップS3に移し、この判定がNOのときは、エリアコントローラ1は、処理をステップS4に移す。
ステップS3では、区画内で人を検知し、かつ、無線タグ5を検出している。そこで、無線タグ5から識別情報を取得して、個人を特定するとともに、この区画を、図6に示すように個人特定済区画21Bとする。
ステップS4では、区画内で人を検知したものの、近傍の無線タイプの制御ユニット2aでは無線タグ5を検出できていない。そこで、この区画を、図6に示すように個人未特定区画21Cとする。
ステップS5では、区画内に人が不在であるので、この区画を、図6に示すように不在区画21Aとする。
次に、図7を参照して、個人特定済区画21Bにおける、制御システム100の照明・空調制御手順について説明する。
個人特定済区画21Bでは、区画内に人が滞在し、かつ、無線タグ5により個人を特定できている。
よって、ステップS11では、エリアコントローラ1は、無線タグ5から、特定した個人が好む照度及び温度である設定情報を取得する。
ステップS12では、エリアコントローラ1は、設定情報に基づいて制御指令を生成する。つまり、特定した個人が好む照度及び温度を設定値とする制御指令を生成し、制御ユニット2bに対して通知する。
ステップS13では、エリアコントローラ1は、この区画内あるいはこの区画の近傍に照度センサ8を検出したか否かを判定する。
この判定がYESのときは、エリアコントローラ1は、処理をステップS14に移し、この判定がNOのときは、エリアコントローラ1は、処理をステップS15に移す。
ステップS14では、エリアコントローラ1は、照度センサ8から取得した照度情報に基づいて、照明器具3をフィードバック制御する。即ち、照度センサ8で測定される照度が、ステップS11で設定した照度の設定値となるように、照明器具3を制御する。
ステップS15では、照度センサ8からの照度情報を利用できないので、エリアコントローラ1は、ステップS11で設定した設定値に相当する調光率となるように、照明器具3の出力レベルを単体で制御する。
ステップS16では、エリアコントローラ1は、この区画内あるいはこの区画の近傍に温湿度センサ9を検出したか否かを判定する。
この判定がYESのときは、エリアコントローラ1は、処理をステップS17に移し、この判定がNOのときは、エリアコントローラ1は、処理をステップS18に移す。
ステップS17では、エリアコントローラ1は、温湿度センサ9から取得した温度情報に基づいて、空調機6をフィードバック制御する。即ち、温湿度センサ9で測定される温度が、ステップS11で設定した設定値となるように、空調機6を制御する。
ステップS18では、温湿度センサ9からの温度情報を利用できないので、エリアコントローラ1は、ステップS11で設定した設定値となるように、空調機6を単体で制御する。
次に、図8を参照して、個人未特定区画21Cにおける、制御システム100の照明・空調制御手順について説明する。
個人未特定区画21Cでは、区画内に人が滞在しているものの、近傍の無線タイプの制御ユニット2aでは無線タグ5を検出できていない。
よって、ステップS21では、エリアコントローラ1は、所定の明るさで照明するように、予め設定した所定の照度及び温度を設定値とする制御指令を生成し、制御ユニット2bに対して通知する。
例えば、所定の温度とは、季節に応じて変更してもよい。例えば、夏季では、所定の温度を高めに設定して冷房を控えめにしたり、冬季では、所定の温度を低めに設定して暖房を控えめにしたりしてもよい。
ステップS22〜S27は、ステップS13〜S18と同様である。
次に、図9を参照して、不在区画21Aにおける、制御システム100の照明・空調制御手順について説明する。
不在区画21Aでは、人が滞在していないので、ステップS31では、予め設定した第2の所定の照度を設定値とし、制御ユニット2bに対して通知する。
ここで、ステップS31では、ステップS21で設定した明るさよりも暗く照明するように、第2の所定の照度は、ステップS21の所定の照度よりも低い値となっている。
ステップS32〜S34は、ステップS13〜S15と同様である。
ステップS35では、エリアコントローラ1は、空調機6の運転を停止する制御指令を生成し、制御ユニット2bに対して通知する。
ステップS36では、エリアコントローラ1は、空調機6を単体で制御し、空調機6の運転を停止する。
[制御システム100の効果]
以上説明した制御システム100によれば、エリアコントローラ1により、無線タグ5から得られた識別情報と人検知センサ4の検知情報を結び付けて、位置情報の取得を行うため、区画内に滞在する人を確実に特定できる。
また、エリアコントローラ1は、読み取った設定情報に基づいて、照明器具3及び空調機6を制御するので、個々人によって異なる制御を行うことができる。
また、施設を複数の領域に分割し、夫々の領域における照明/空調制御をエリアコントローラ1毎に行う。即ち、制御システム100では、人検知センサ4がある区画において人を検知すると、この検知情報はエリアコントローラ1を介して制御ユニット2に通知され、制御ユニット2により当該区画の照明器具3の調光制御又は電源制御が行われる。これにより、中央監視装置101にはエリアコントローラ1から一部の情報のみを送信するだけで足りるため、中央監視装置101に通信及び処理負荷が集中することを防止できる。また、エリアコントローラ1も施設を構成する領域毎に設けられるため、エリアコントローラ1に通信及び処理負荷が集中することもない。その結果、本発明の制御システム100によれば、システムコストを軽減することができる。
また、無線タグ5の識別情報と人検知センサ4の検知情報とを用いるため、無線タグ5の発信間隔を断続的にすることができ、無線タグ5の電池寿命を長期化することができる。
また、一部の制御ユニット2aを、無線タグ5との間で無線通信可能としたので、照明システムと無線通信インフラとを一本化し、設備機器や設置工事費を削減することができる。
照度センサ8で測定した照度に基づいて照明器具3についての制御指令を生成するとともに、温湿度センサ9で測定した温度に基づいて空調機6についての制御指令を生成した。よって、照度センサ8および温湿度センサ9を机上、床面、壁面などの所望の場所に設けることで、この場所の照度や温度を高精度で制御できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、デスクトップPC、ノートPC、タブレット端末を用いて、制御ユニット2aと無線通信することにより、エリアコントローラ1を操作できるようにしてもよい。
1・・・エリアコントローラ(制御装置)
11・・・制御部、12・・・記憶部、13・・・情報集約部、14・・・制御指令生成部、15・・・通知部
2(2a、2b)・・・制御ユニット、3・・・照明器具、4・・・人検知センサ、5・・・無線タグ(無線機器)
6・・・空調機、7・・・通信I/F、8・・・照度センサ、9・・・温湿度センサ
20・・・フロア(領域)
21・・・区画、21A・・・不在区画、21B・・・個人特定済区画、21C・・・個人未特定区画、21D・・・個人特定未処理区画
100・・・制御システム、101・・・中央監視装置(制御装置)、102・・・フロア制御システム
L1・・・電源線、L2・・・調光制御線、L3・・・センサ通信線、L4・・・通信回線

Claims (2)

  1. 施設内の領域を複数の区画に分割しておき、当該各区画を照明する照明器具と、
    前記各区画を空調する空調機と、
    前記各区画における人を検知する人検知センサと、
    無線機器と、
    前記複数の区画につき1つ設けられて、前記照明器具及び前記空調機を制御するとともに、前記無線機器との間で無線通信可能な制御ユニットと、
    前記制御ユニットに対して前記照明器具及び前記空調機に関する制御指令を通知する制御装置と、を備え、
    前記無線機器は、その所有者を識別する識別情報及び当該所有者が予め設定した照明及び空調についての設定である設定情報を記憶しており、当該識別情報及び当該設定情報を発信し、
    前記制御ユニットは、前記無線機器から前記識別情報及び前記設定情報を取得し、
    前記制御装置は、前記制御ユニットが前記無線機器から取得した前記識別情報に基づいて、前記制御ユニットに対する前記無線機器の方向及び距離を検出し、当該検出した無線機器の方向及び距離に加えて前記人検知センサによる検知情報に基づいて、前記無線機器が位置する区画を特定し、前記制御ユニットが前記無線機器から取得した前記設定情報に基づいて、当該特定した区画の前記照明器具及び前記空調機についての制御指令を、前記制御ユニットに対して通知する、
    制御システム。
  2. 前記領域に設けられて照度を検出する照度センサと、
    前記領域に設けられて温度を検出する温度センサと、を更に備え、
    前記制御装置は、前記照度センサで測定した照度に基づいて前記照明器具を制御する制御指令を生成するとともに、前記温度センサで測定した温度に基づいて前記空調機を制御する制御指令を生成する、
    請求項に記載の制御システム。
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